JP2004522943A - 液体試料に関連するヘッドスペース内に存在する脂肪酸の検出による液体試料の感染検出方法 - Google Patents
液体試料に関連するヘッドスペース内に存在する脂肪酸の検出による液体試料の感染検出方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
(技術分野)
本発明は、気体検出器を用いた液体試料の感染の存在の検出に関し、より詳しくは尿路感染の検出に関するが、いかなる意味においてもこれに限定するものではない。
【0002】
(背景技術)
本出願人に係る国際特許出願WO95/33848から、微生物が発生する特徴気体または蒸気を検出する気体センサアレイを用いて微生物を検出することは知られている。このようなアレイの一例として、半導体有機ポリマー気体センサのアレイがある。本出願人に係る国際特許出願WO98/29563およびWO98/39470には、この技術についての他の見地および改善および関連技術の開発が開示されている。一般に、気体センサのアレイを用いるアプローチは、異なる気体状種(いわゆる「電子ノーズ」)に対して異なる(但しオーバーラップした)感度をもつ多数(20個または30個以上)の種々の気体センサを用いることである。気体は、アレイを横切る応答の特徴的「フィンガープリント」すなわちパターンから認識される。しかしながら、検出は、微生物相(ミクロフロラ)および微小動物相の混合固体群を有する錯体系および/または多くの揮発性種が存在する系では困難である。
【0003】
人の非感染尿中には、200種類以上の揮発性有機化合物が存在する。尿路感染をもつ患者からの尿は、特徴的なバクテリア代謝産物の存在により揮発性有効成分配合物の特徴的プロファイルを有する可能性があることは知られているが、この領域での従来の研究は、この方法の実用的適用に至っていない。
【0004】
ManjaおよびRao(J. Clin. Mcrobiol. 17巻(1983年)第264頁) は、適当なサプリメントで培養された尿試料に慣用の気−液クロマトグラフィー(gas−liquid chromatography:GLC)を実行し、大腸菌はラクトースからエタノールを生成することにより識別できることおよびクレブシエラ種はアドニトールからエタノールを生成することにより識別できることを証明した。Haywardおよび同僚(J. Clin. Mcrobiol. 6巻(1977年)第195頁;J. Clin. Mcrobiol. 6巻(1977年)第202頁;J. Chromatogr. 274巻(1983年)第27頁;J. Chromatogr. 307巻(1984年)第11頁)は、ヘッドスペース気−液クロマトグラフィー(headspace gas−liquid chromatography:HS−GLC)を使用して、人工培養および尿中の揮発性バクテリア代謝産物を識別した。プロテウス種は、L−メチオニンからジメチルジスルフィドおよびメチルメルカプタンを特徴的に作り、かつアセチルコリンからトリメチルアミンを作り、大腸菌および他の大腸菌群はラクトースまたはアラビノースからエタノールを作った。このシステムは、直接分析により、感染尿および非感染尿を区別するのに適度の成功を収めているが、アラビノースおよびアセチルコリンでの培養後は良い結果が得られる。Barrett等(J. Clin. Pathol. 31(9)巻(1978年)第859頁)は、気−液クロマトグラフィーを使用して、臨床的に感染した尿を分析した。酢酸は常時見出される唯一の化合物であり、1ml当り106個の微生物の検出を可能にした。しかしながら、尿路感染は、1ml当り105個以上の微生物の存在により診断され、従って著者は、この方法は細菌尿の検出には感度が不充分であると結論した。また、緑膿菌およびカンジダアルビカンスは全く検出されなかった。
【0005】
尿路感染の領域での上記いずれの研究も、実用的な検出方法に通じるものではない。この失敗は次の一つ以上の理由、すなわち、機器感度の欠如、錯体揮発性混合物の区別ができないこと、および感染を信頼性をもって表示する適当な「マーカ」揮発物を識別できないことによる。
【0006】
(発明の開示)
本発明は、上記問題および困難性を解消し、かつ尿路感染(urinary tract infection:UTI)の迅速で信頼性がありかつ実用的なスクリーニング技術を提供する。本発明の技術は自動化が容易でありかつ最小の技術的バックアップで未熟なオペレータによっても行なうことができる。本発明の技術は他の感染の検出についても首尾良く適用できることは明白であろう。
【0007】
疑義を避けるため、用語「単一気体(gas)」および「複数気体(gases)」とは、液体から発生する揮発性種および固体から発生する昇華種を含む、気相中に存在するあらゆる種を含むものと理解すべきである。
【0008】
本発明によれば、液体試料のpHを下げて、液体試料中に存在する脂肪酸を気相に追い出す段階と、脂肪酸、アンモニアおよび任意であるがアミン種の存在に感応する検出器を使用して、液体試料に関連するヘッドスペース内に気体として存在する脂肪酸、アンモニアおよび任意であるがアミン種を検出する段階と、検出した脂肪酸、アンモニアおよび任意であるがアミン種の存在と、感染の存在とを相関付ける段階とを有することを特徴とする液体試料の感染の存在を検出する方法が提供される。
【0009】
驚くべきことに、この比較的小さい「マーカ」種の組は、一定範囲の感染を表示することが見出されかつ上記長所を有する検出技術の提供を可能にした。また驚くべきことに、アンモニア(および/またはアミンマーカ種)は、源の酸性化にもかかわらず充分な感度で検出される。
【0010】
液体試料は体液であっても、体液から誘導されたものでもよい。感染は尿路感染でもよく、液体試料は尿試料でもよいし尿試料から誘導されたものでもよい。しかしながら、上記「マーカ」を使用して他の感染を検出することができる。
【0011】
プロテウスミラビリス、黄色ブドウ球菌、スタフィロコカス・サプロフィチカス(Staphylococcus saprophyticus)、大腸菌およびクレブシエラ肺炎球菌の任意の微生物による感染を検出できる。
【0012】
検出器は気体状酢酸に感応でき、脂肪酸、アンモニアおよび任意であるがアミン種の存在が、感染の存在と相関付けられる。酢酸は、最も重要な脂肪酸マーカであることが判明している(アンモニアはアミン種よりもはるかに重要なマーカである)。検出器は、半導体有機ポリマーで形成できる。
【0013】
検出器は気体センサのアレイで構成できる。慣用の電子ノーズとは異なり、物理的に異なる極く少数の気体センサを有するアレイを有利に使用できることが判明している。例えば、アレイは、脂肪酸に感応する5つ以下のセンサ形式、およびアンモニア(および/またはアミン)に感応する5つ以下のセンサ形式で構成できる。4つほどの少数の異なるセンサ形式でも充分であることが判明している。
【0014】
アレイは、気体感応層として半導体有機ポリマーを備えた気体センサで形成できる。
【0015】
検出器は、気体が吸着および脱着される気体感応層を備えた少なくとも1つの電気伝導度気体センサを有し、検体が、ヘッドスペースに気体センサを露出させて、ヘッドスペース内に存在する検体が気体感応層上に吸着できるようにし、気体感応層から検体の正味吸着が行なわれる吸着フェーズ中に、センサの電気伝導度測定を行なうことにより検出される。このアプローチは、感度および再現性に関して極めて優れていることが判明している。この主な理由は、水蒸気の効果が、脱着フェーズでは実質的に消滅すると考えられることによる。これはかなりの長所であり、脂肪酸、アンモニアおよびアミンの検出を大幅に向上させる。しかしながら、このアプローチはこれらの種の検出に限定されるものではなく、かつ本発明の方法に限定されるものでもないことに留意されたい。それどころか、脱着フェーズで電気伝導度測定(conductimetric measurements)を行なうアプローチは、気体感応層を有する電気伝導度気体センサを用いて検体を検出する一般的技術としても使用できる。一般に、ヘッドスペースからの気体のパルスがセンサ上を流れ、かつひとたびこの気体パルスがセンサ上を流れ過ぎると、脱着フェーズが開始される。
【0016】
電気伝導度気体センサ(単一または複数)は半導体有機ポリマーで形成できる。
【0017】
この方法には更に、キャリブレーション試料の主成分分析(PCA)を遂行して、基準PCAマップを作るのに使用される基準スコアおよび基準ローディングを得る段階と、検出器の出力を基準ローディングを用いて基準PCAマップ上に投影する段階とを設けることができる。
【0018】
このアプローチは、簡単な評価基準に基いて、試料が感染されているか否かを非常に便利かつ迅速に評価することを可能にする。また、このアプローチを使用して、システムを較正しかつ自己試験プロトコルを遂行することができる。
【0019】
基準PCAマップは、一方のPCA軸が脂肪酸の存在に相関付けられかつ他方のPCA軸がアンモニアおよび任意であるがアミン種の存在に相関付けられる2次元マップで形成できる。検出器からの強度データは、PCA軸に沿う位置が当該PCA軸に相関付けられる種のヘッドスペース内の濃度に関連付けられるようにして基準PCAマップ上に投影できる。このようにして、強度データはマーカ種の濃度に関係付けられ、マーカ種は感染生物の数に関係付けられる。より詳しくは、閾値濃度が交差しているか否かを観察でき、検出器出力と感染の存在との相関付けが可能になる。従来技術では、気体センサのアレイを有する電子ノーズからの強度データは、通常、PCAのような分析の前に規格化することにより除去されるため、濃度独立「フィンガープリント」が得られることに留意すべきである。
【0020】
(発明を実施するための最良の形態)
以下、添付図面を参照して本発明の方法を説明する。
【0021】
図1には、本発明の方法に使用する装置(その全体を参照番号10で示す)が概略的に示されている。この装置10は試料カルーセル12を有し、この試料カルーセル12内には多数の試料びんが取付けられかつ例えば30℃の一定温度に維持されている。簡単化のため、図1には、単一の試料びん14が示されている。試料びん14には液体試料16が収容されている。液体試料14の上方には気体状のヘッドスペース18が存在し、このヘッドスペース18内には、もっぱら、液体試料16から生じた揮発性種が収容されている。以下により詳細に説明する理由から、液体試料16は、その液体試料16中に存在する脂肪酸を気相中従ってヘッドスペース18内に追い出すため、カルーセル12内に導入される前に酸性化される。
【0022】
試料びん14には、針20で穿刺できる隔膜14aが設けられている。隔膜14aへの針20の穿刺は装置10により自動的に行なわれる。針20は同軸状に設計されており、針20の1つのルーメン(管孔)を通してキャリヤガス(例えば空気、窒素または貴ガス)を導入できる。ヘッドスペース18内の気体はキャリヤガスの流れ中に帯同され、針20の他のルーメンを通って試料びん14を出た後、気体センサアレイ22を横切って流れる。このようにして、ヘッドスペース18は気体検出器(この実施形態では気体センサアレイ)22によりサンプリングされる。当業者ならば、ヘッドスペースを気体検出器に連結するのに他の多くの方法があることは理解されよう。例えば、キャリヤガスは、液体試料16中に差込まれた導管を通して試料びん14内に導入し、これにより、液体試料16を通してキャリヤガスを泡立て、かつ液体試料16から分離された別の孔を通して取出すことができる。これは、いわゆる「通気攪拌(sparging)」技術と呼ばれている。また、フィルタおよび予濃縮器等の装置を使用することもできる。気体センサアレイ22は、脂肪酸、より詳しくは酢酸、アンモニア、および任意であるがアミン種を検出できるものが選択される。これらの種は、感染を表示できることが判明している「マーカ」種を構成する。
【0023】
気体センサアレイ22の出力は、コンピュータ手段または他のマイクロプロセッサをベースとする分析手段を有する制御手段24によりモニタリングおよび分析される。制御手段24はまた、カルーセル12の作動、キャリヤガスの流れ、洗浄およびキャリブレーション手順、および気体センサアレイ22が作動されかつ問合わされる方法を制御することもできる。しかしながら、制御手段24からのデータを分析するため、例えば遠隔のコンピュータに伝送できることも完全に可能である。いずれにせよ、検出した脂肪酸、アンモニアおよび任意であるアミン種の存在と、感染の存在とを相関付けることができる或る形態の分析手段が設けられる。このようにして、液体試料14は、感染のスクリーニングが行なわれる。
【0024】
本発明の方法は、尿路感染の尿試料のスクリーニングに使用される。人の尿は、多くの成分および微生物種を含んだ高度の錯体混合物である。国際特許出願WO95/33848から、微生物が当該微生物の特徴をもつ揮発性種を発生することが知られている。任意の尿試料に関連する高度の錯体のヘッドスペースについて、試料から生じる気体から、尿試料の感染の存在を如何にして識別できるかは、この国際特許出願から知られていない。
【0025】
尿路感染に関係して、例えば、プロテウスミラビリス(Proteus mirabilis)、黄色ブドウ球菌、スタフィロコカス・サプロフィチカス(staphylococcus saprophyticus)、大腸菌、クレブシエラ肺炎球菌および腸球菌のように多数の微生物がある。驚くべきことに、これらの原因物質尿路感染の存在を表示するものとして、完全に制限された気体状「マーカ」種の対が発見されている。脂肪酸を気相中に放出させるため、液体試料のpHが、一般的に2.0以下、しばしば約1.0に低下される。驚くべきことに、「マーカ」種として有効になるように、酸性状態下でも、アンモニア(および揮発性アミン種)を充分な量で放出することができる。実際に、アンモニア(および/または揮発性アミン)の検出は極めて重要である。なぜならば、このような種はプロテウスミラビリスにより感染を表示するからである。プロテウス種は酸性化されても活性を維持し、代謝産物としてアンモニアを発生する。アンモニアの存在は、添加される酸をある程度中和させ、かくしてアンモニアを作る試料のpHは、プロテウス種で感染されていない試料のpHよりも幾分高くなる。一般に、アンモニアは、約4以上のpHで気体検出器により観察される。このpHでは、アンモニア信号および酢酸信号の両方観察できる。検出を改善するため、さらには特定種の識別の補助をするためには、付加マーカ種を検出できるようにすることに留意すべきである。
【0026】
かくして、液体試料を作ることには、pHを所望レベルまで低下させるのに充分な量で酸(例えばHCl)を添加することが含まれる。任意であるが、溶解性揮発物特に有機種が溶液から気相に移行しないようにするため、Na2SO4のような塩を添加できる。液体試料は、しばしば約pH1でかつしばしば室温以上の温度で、高い酸性にすることができるので、物質の適正な選択が非常に重要である。サンプリング針のような構成部品に適した金属はニッケルである(ステンレス鋼のような慣用金属は非常に反応性が高い)。他には、PTFEを使用できる。相互汚染を防止するためには、試料間の逆流洗浄が有効である。
【0027】
好ましい実施形態では、気体検出器は気体センサアレイであり、特に好ましい実施形態では、気体センサは半導体有機ポリマー気体センサ(semiconducting organic polymer gas sensors)で構成される。しかしながら、原則として、上記マーカ種に感応する他の形態の気体検出器を使用することができる。要求される感度表示として、伝統的培養および集落係数法を用いて本出願人が行なった、98個の尿試料(該試料の50%はバクテリアが陽性であることが確認されている)のGC/MS分析は、コントロール試料が、平均で、3ppmの酢酸濃度に関連しており、6ppmは擬陽性の閾値であることを示していること、および陽性の範囲は6〜500ppmであり、平均値は約100ppmであることに留意されたい。本発明で使用するための候補である気体検出技術として、ガスクロマトグラフィー、質量分光測定およびIR分光学等の分光技術がある。他の形態の気体センサアレイとして、金属酸化物センサ、SAWセンサ、水晶振動子、米国特許第5571401号に概略的に開示されている形式の「複合」センサのアレイおよびこれらを混合したアレイを考えることができる。
【0028】
好ましい種類の(但し非制限的な)気体検出器の実施形態、すなわち半導体有機ポリマー気体センサのアレイについて以下に説明する。前述のように、このようなアレイを有する伝統的アプローチは、異なるポリマーおよび/または異なるドーパント剤対イオンを有する多数(一般に20個以上)の異なるセンサを用いて、個々の気体センサが一定範囲の異なる気体に対して広くかつオーバーラップした感度を呈するアレイを作ることである。これと同じ原理は、金属酸化物センサ等の他の気体センサアレイにも適用される。この形式の装置は、一般に「電子ノーズ」と呼ばれている。
【0029】
これとは正反対に、本発明による感染のスクリーニングは、一定数のセンサ形式、すなわち物理的に異なるポリマーと対イオンとの組合せをもつセンサを有するアレイを用いて有利に行なわれる。一例では、4つの形式の選択的導体ポリマーセンサ(selective conducting polymer sensors)が開発され、装置に組込まれた。これらのうちの2つは酸感応性を有し、1つはアンモニアに感応し、他はアンモニアおよびトリメチルアミンに感応する。これらの4つのセンサ形式は、12組の反復センサ(replicate sensors)を含む48個のセンサアレイに組込まれる。各センサの12個の反復を設けることにより、多数のセンサについての信号の平均化が可能になる。また、数対の反復センサは、任意の所与の反復組が不調の場合でも、アレイの機能を可能にする。
【0030】
揮発性試料に応答する各センサ形式の抵抗変化は時間の経過に従って記録され、かつアレイの各センサ形式について平均化される。実験の脱着フェーズ(desorption phase)に一致する経跡の一部を選択することにより、センサの応答に及ぼす水蒸気の効果をなくすことができることが観察されている。検体として酢酸を使用する場合には、先行ベースラインより下に、到達しない信号があることが観察されている(図2a参照)。この効果は再現可能であり、酢酸の濃度に関係しており、かつセンサに取り込まれる物質の種類に基くパラメータである。時間経過は主としてセンサ感応速度により定まるが、キャリヤガスの流れおよびヘッダの幾何学的形状によっても影響を受ける。
【0031】
図2aには、時間に対する、半導体有機ポリマーセンサの酢酸に関する多数の応答プロファイルが示されている。ベースライン応答は、符号「A」で示されている。符号「B」で示す時間中は、センサは、キャリヤガス中に帯同された酢酸を含むガスのパルスに露出される。これは、センサ上への酢酸(および水)の正味吸着がある「吸着フェーズ」であると考えることができる。ガスパルスの完了後には符号「C」で示す脱着フェーズすなわち回収フェーズがあり、この間に、センサからの検体の正味脱着が生じる。この回収フェーズ中は、応答がベースラインに対して陰性になっていることが理解されよう。検体として脂肪酸を使用したときは、期間Cに亘って平均化された信号は、ヘッドスペース内に存在する酸の濃度に関係する。符号「D」および「E」で示す応答は、それぞれ、(標準)洗浄および基準サイクルに関するものである。
【0032】
センサがアンモニアに期待される場合(図2b)、すなわち全く異なるベースライン、吸着フェーズおよび脱着フェーズが存在する場合にもほぼ同様な応答が得られることに留意すべきである。しかしながら、この場合の回収フェーズの応答は、ベースラインに対して正に維持されている。回収フェーズ中になされる測定も、水分からの干渉から実質的に影響を受けない。
【0033】
水分からの干渉は、検体(および水蒸気)が可逆的に吸着されるある種の気体感応層に問合せる気体検出技術の数についての主な制限である。半導体有機ポリマーは、このような気体感応層の一例である。水分による干渉信号を拒絶する上記技術は、尿路感染のスクリーニングの分野に適用できる技術であるだけでなく、検体自体の検出にも広く使用できる、広く有意義なものである。
【0034】
回収フェーズ中のベースラインからのセンサ応答の偏差(displacement)は、検体が依然としてポリマー表面上に結合している結果であると考えられる。結合した検体とポリマーの電子構造との間の相互作用の結果として、ポリマーは、ベースラインの測定が行なわれたときよりも多くドーピングされる(陰性の応答を生じさせる)か、少なくドーピングされる(陽性の応答を生じさせる)。水は回収フェーズ中に非常に迅速にポリマー表面から脱着するため、回収フェーズの大部分は実質的に水分が存在しないと考えられる。しかしながら、これらの機構は本質的に推測的なものであり、限定的なものと考えるべきではない。
【0035】
従来技術の半導体有機ポリマー気体センサは、アンモニアに対して一般に優れた感度を有するが、これまでは、このような気体センサを使用して低濃度の酢酸等の脂肪酸を検出することはできなかった。本発明は、新規な半導体有機ポリマーを使用する新規な気体センサを提供する。これらのポリマーでは、脂肪酸(例えば酢酸)およびアンモニアに対する高感度が得られる。
【0036】
新規な材料は、オキシダントとして塩化鉄を用いて化学的にめっきされたポリピロール(polypyrrole)の基層をもつ2層構造を有する。この基層上に別の上層ポリマーを電気化学的にめっきすることにより異なるセンサ形式が製造される。上記装置に組込まれる4形式のセンサは、電気化学めっき段階で下記のモノマーと電解質との組合せを使用する。
【0037】
1.3−ヘキサノイルピロール/テトラエチルアンモニウムp−トルエンスルホン酸
2.1−オクチルピロール/テトラブチルアンモニウムトリフラート
3.3−ドデシルピロール/テトラエチルアンモニウムテトラフルオロホウ酸塩
4.1−ドデシルピロール/テトラエチルアンモニウムテトラフルオロホウ酸塩
Ruhe等(Makromol, Chem. Rapid Commun.10巻(1989年)第103頁)の方法の後に、3−置換形モノマーを合成することができる。また、Santaniello等(Synthesis,1979年、第617頁)の方法の後に、1−置換形モノマーを合成することができる。
【0038】
重合条件およびポリピロールの基層をもつ2層ポリマーの製造についての更なる詳細は、本件出願人の従前の国際特許出願WO96/00383に開示されている。
データ処理
本発明の目的は、尿路感染のための迅速スクリーニングシステムを作成することにある。本発明のシステムは、尿のヘッドスペース内に存在する酢酸および/またはアンモニアの相対強度に基いた決定をすることができる。これは、以下に説明しかつ主成分分析に基いている新規なデータ処理技術により大幅に容易化される(PCA:例えば、J E Jackson, J Qual. Tech.13(1)巻(1981年)参照)。高度の直交センサ(highly orthogonal sensors)からの強度データの主成分分析が行なわれるならば、第一主成分軸PCA1上に投影される点の分布が酢酸に相関付けられること、および第二主成分軸PCA2上に投影される点がアンモニアに相関付けられることが確立されている。両座標軸に沿う分布はまた、ヘッドスペース内の検体の濃度、従って試料中に存在する微生物により作られるマーカ薬品の濃度にも関係している。かくして、これは、使用者が定めた臨床基準に基いて、試料が陽性または陰性のいずれであるかを決定する閾値を割当てる簡単な方法を与える。例えば、感染を構成するためには、10cfu’s/ml以上を考えることができる(「cfu」は、集落形成単位(colony forming unit)である)。広義の用語では、データ処理には、キャリブレーション試料を用いてPCA「基準マップ」を確立し、次に、包囲された試料から得たデータをこのPCA基準マップ上に投影してこれらのデータが感染を表示するものであるか否かを確立することが含まれる。
【0039】
遂行される種々のキャリブレーションおよび測定方法に関連して、データ処理を、以下により詳細に説明する。
キャリブレーション
キャリブレーションは2段階プロセスである。
【0040】
1.基準マップを創成し、結果を確認し、かつPCAローディング情報を記憶する実行キャリブレーション規格(ran calibration standards)
2.基準マップ上にデータを投影し、結果を確認し、かつ分級閾値を計算する実行キャリブレーション規格
一例では、アレイは、0.1MのHCl/20%Na2SO4中の酢酸(3、20および100ppmの濃度)および0.01MのNaOH中の水酸化アンモニウム(10ppm)を含む定義規格を用いて較正される。上記のように、1mlの試料体積が使用される。主な各実験的実行の前に、規格の部分集合が実行され、各試料サイクルは20秒間続けられる。
a. 基準マップ
キャリブレーションデータは、較正物質の実行に対する機器センサ応答を特徴付けて、その後に分析される全ての試料が投影される2次元マッピングスペースを定めるため、主成分分析(Principal Component Analysis:PCA)を使用して変形される。PCAは、元の較正物質データマトリックスを1組のスコアおよびローディングベクトルに分解する。ここで、スコアは、試料が互いにどのように関係しているかの情報を収容し、一方、ローディングは、変数が互いにどのように関係しているかを示すものである。このプロセスが図3に示されており、次のように表すことができる。すなわち、
X=t×pT
ここで、tは、元のデータマトリックスX中の主方向(major trends)を記述するセンサ変数を線形結合したベクトルである。pで表されるローディングは、スコア情報が投影される新しい軸の組を表す1組の正規直交固有ベクトルである。図3において、Tはマトリックスの転置を表す。この結果は、図4に示す「基準マップ」である。
【0041】
投影されたスコア(PC1およびPC2)は、分析結果と、キャリブレーション段階で計算された基準ローディングとを掛け合せることによって計算される。このプロセスが図5に示されている。
1.b. 識別チェック
以下の説明において、USBlkは前述の3ppm酢酸規格、US1は前述の20ppm酢酸規格、US2は前述の100ppm酢酸規格、およびUS3は前述の10ppm水酸化アンモニウム規格である。
【0042】
識別チェック1:各規格(US1、US3)の試料分布と、各規格の平均についての97.5%信頼間隔でのUSBlkとの間に全くオーバーラップが存在しないように確保するため、キャリブレーションデータにシステムチェックが行なわれる。図6は、PC1軸に沿うUS1試料についてのこのようなチェックを示している。
【0043】
図6において、Δ1は、US1の個体群分布と、97.5%信頼レベルでのPC1軸に沿うUSBlk試料応答との分離度合いである。規格間の個体群分布が分離されていることを証明するには下記条件を満たさなくてはならない。すなわち、
|平均US1PC1−平均USBlkPC1|>2×(SD US1PC1+SD USBlkPC1)
|平均US3PC2−平均USBlkPC2|>2×(SD US3PC2+SD USBlkPC2)
これは、Δ1>0に一致する。
【0044】
識別チェック2:各分離集団間にオーバーラップが存在しないことが満たされたならば、第二チェックを行なって、規格間の識別レベルが最小許容識別閾値(DT)より高くなることを確保する。すなわち、
|平均US1PC1−平均USBlkPC1|>DT
|平均US3PC2−平均USBlkPC2|>DT
このチェックが図7に示されている。
1.c. 分級閾値
分級閾値は下記のように定義される。すなわち、
CT1=(平均US1PC1−平均USBlkPC1)/2 (PC1軸に沿う)
CT2=(平均US3PC2−平均USBlkPC2)/2 (PC2軸に沿う)
分級閾値CT1(PC1軸に沿う)が、図8に示されている。
2. 分級マップ
キャリブレーションプロセスにより得られた情報は、「分級マップ」を作るのに使用され、図9には分級マップが示されている。次に、分級マップは、センサチェックおよび臨床試料の級別に使用できる。次に、陰影を付した領域内にある試料が陰性の試料として分級され、一方、陰影を付した領域外に投影された試料が陽性の試料として分級される。
【0045】
これらのデータ処理段階の要約が図10に示されており、図10において、Δi(i=1、2)は各試料個体群間の分離であり、CTは各主成分軸に沿う分級閾値である。陰影領域100は、陰性のUT1分級を表すPCAマップの領域である。
【0046】
当業者ならば、上記実施形態の変更形態は明白であろう。例えば、試料は、マハラノビスの距離測定を用いて分離および分級することができる。原則的には、基準マップおよび分級マップは、2つ以上の主成分を用いて作られる。このようなアプローチは、上記尿路感染の検出技術の分野では特に大きな利益とはならないが、上記データ処理原理は他の適用領域の気体センサの分析に適用でき、このアプローチは、気体センサの分野を超えて、多分、他の種類のセンサの組合せからのデータ分析または多様のデータ分析自体にも適用できる。
例
殺菌貯留された人の尿(pooled human urine:PHU)、PHU中の一般的な尿の培養病原体、および340個の非選定の臨床尿標本(clinical urine specimens:CUS)を、上記装置および慣用の半定量プレート培養法を用いて分析しかつこの結果を比較した。
【0047】
尿試料は次のようにして分析した。1mlの尿を、0.4mlの1MのHClおよび200mgの硫酸ナトリウムを含有する22mlの試料びんに搬送した。22mlの試料びんに、PTFEライニングしたシリコーン隔壁の蓋をした。試料びんを図1に示したようなカルーセル内に置き、試料のヘッドスペースが常時形成されるように30℃に均衡させた。次に、ヘッドスペースの分析を行なうため、装置により、試料びんの隔壁に針を自動的に挿入した。同軸状の針の内側ルーメンを通して、尿の表面の上方に50%の相対湿度をもつ窒素ガスが導入された。試料のヘッドスペースが、針の外側ルーメンを通してサンプリングされかつ約60ml/分の流量でセンサ上に流された。センサは、4分間「洗浄」のために、湿り窒素ガスがセンサ上に通される前に回収することができた。回収期間中(一般的にはサンプリング後220〜240秒間)、各センサの抵抗が測定され、初期抵抗(基本抵抗R)からの変化(ΔR)が計算された。次に針が取外され、カルーセルを移動して次の試料を所定位置におき、このプロセスが反復される。各PHU標本が4回分析され、この結果は、4回の試験結果の平均として記録される。
結果 105cfu/ml以上の大腸菌、クレブシエラ肺炎球菌、プロテウスミラビリス、黄色ブドウ球菌、スタフィロコカス・サプロフィチカスまたは腸球菌を含むPHUが、無菌コントロールから容易に区別され、本発明の方法の有効性が証明された。76/340CUS(22%)は、慣用の培養では陽性であった。53%の陽性は、大腸菌、11%の腸球菌、8%のクレブシエラ種、5%緑膿菌、3%のB群の乳酸菌(Streptococci)、1%のプロテウス種、1%のカンジダ種および18%の混合微生物を含んでいた。分級の感度、特異性、NPV値およびPPV値は、それぞれ、85.5%、89.0%、95.5%および69.1%であった。11個の擬陰性および29個の擬陽性が存在した。本発明のシステムが擬陰性よりも擬陽性を多く報告する傾向はスクリーニングシステムでは望ましいことである。なぜならば、慣用方法では全ての陽性標本が更に検査されるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
液体試料中の感染の存在を識別するのに適した装置を示す概略図である。
【図2a】
時間に関する一ポリマー形の酢酸に対する応答を示すグラフである。
【図2b】
時間に関する他のポリマー形のアンモニアに対する応答を示すグラフである。
【図3】
PCA形質転換を示す図面である。
【図4】
PCA基準マップを示す図面である。
【図5】
投影されたPCAスコアの計算方法を示す図面である。
【図6】
PC1軸に沿う第一識別チェックを示すグラフである。
【図7】
PC1軸に沿う第二識別チェックを示すグラフである。
【図8】
PC1軸に沿う分級閾値を示すグラフである。
【図9】
分級マップ上に投影されたデータからの液体試料の分級を示す図面である。
【図10】
PCAマッピングを用いた試料分級を示す図面である。
Claims (13)
- 液体試料のpHを下げて、液体試料中に存在する脂肪酸を気相に追い出す段階と、
脂肪酸、アンモニアおよび任意であるがアミン種の存在に感応する検出器を使用して、液体試料に関連するヘッドスペース内に気体として存在する脂肪酸、アンモニアおよび任意であるがアミン種を検出する段階と、
検出した脂肪酸、アンモニアおよび任意であるがアミン種の存在と、感染の存在とを相関付ける段階とを有することを特徴とする液体試料の感染の存在を検出する方法。 - 前記液体試料は体液であるか、体液から誘導されたものであることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記感染は尿路感染であり、液体試料は尿試料であるか、尿試料から誘導されたものであることを特徴とする請求項2記載の方法。
- プロテウスミラビリス、黄色ブドウ球菌、スタフィロコカス・サプロフィチカス、大腸菌およびクレブシエラ肺炎球菌等の任意の微生物による感染を検出できることを特徴とする請求項3記載の方法。
- 前記検出器は気体センサのアレイからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
- 前記アレイは、気体感応層として半導体有機ポリマーを備えた気体センサを有することを特徴とする請求項5記載の方法。
- 前記検出器は気体状酢酸に感応し、脂肪酸、アンモニアおよび任意であるがアミン種の存在が、感染の存在と相関付けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
- 前記検出器は半導体有機ポリマーを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
- 前記検出器は、気体が吸着および脱着される気体感応層を備えた少なくとも1つの電気伝導度気体センサを有し、検体が、ヘッドスペースに気体センサを露出させて、ヘッドスペース内に存在する検体が気体感応層上に吸着できるようにし、気体感応層から検体の正味吸着が行なわれる吸着フェーズ中に、センサの電気伝導度測定を行なうことにより検出されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
- 前記電気伝導度気体センサ(単一または複数)は半導体有機ポリマーからなることを特徴とする請求項9記載の方法。
- キャリブレーション試料の主成分分析(PCA)を遂行して、基準PCAマップを作るのに使用される基準スコアおよび基準ローディングを得る段階を有し、
検出器の出力が基準ローディングを用いて基準PCAマップ上に投影されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。 - 前記基準PCAマップは、一方のPCA軸が脂肪酸の存在に相関付けられかつ他方のPCA軸がアンモニアおよび任意であるがアミン種の存在に相関付けられる2次元マップからなることを特徴とする請求項11記載の方法。
- 前記検出器からの強度データは、PCA軸に沿う位置が当該PCA軸に相関付けられる種のヘッドスペース内の濃度に関連付けられるようにして基準PCAマップ上に投影されることを特徴とする請求項12記載の方法。
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