JP2004522934A - 電磁両立性に対応する製品設計に関連する応用のためのシステム、方法、及び装置 - Google Patents
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Abstract
本発明の一実施例による電子デバイス及びシステムの電磁両立性に対応する設計のためのシステム、方法及び装置は電子デバイスからの放射の測定を行い、設計段階において電子システムの機能ブロック間の電磁相互作用を明らかにする。典型的な応用では、近距離場放射の特性は近距離及び/または遠距離場領域における放射強度を計算するために使用される。
Description
【0001】
この特許出願は、「場の走査のためのシステム、方法、及び装置(SYSTEM, METHOD, AND APPARATUS FOR FIELD SCANNING)」と題する、2000年8月3日出願の米国特許仮出願番号60/222,906、及び「整合性試験の方法(METHOD OF COMPLIANCE TESTING)」と題する、2001年7月10日出願の米国特許仮出願番号60/304,479の利益を請求する。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は電子デバイス及びシステムの設計及びテストに関する。
【0003】
背景情報
部品、プリント回路板、及び電子デバイス及びシステムの電磁放射を測定することはいくつかの理由から重要である。第一に、一つの回路によりもたらされる電磁障害(EMI)は同じデバイス及び他のデバイスの双方にとって好ましくない結果を与える。このように電磁両立性 (EMC) はその放射デバイスと近くの他のデバイスの双方の適切な動作にとって関心事である。第二に、そのデバイスが目的とする出力に変換されない電力が浪費される。そのような電力は赤外線(IR)または熱放射を含め、 電磁放射として放散され、これは無線通信デバイスといった携帯型製品では電池寿命に特に有害である。その上、規定の限界との整合性を確立、且つ維持するためにEMI放射を監視することが必要である。
【0004】
無線通信デバイスなどの携帯用製品では、小型化、軽量化及び低消費電力化、及び予測できない環境における動作に関する要求がある。これらの設計要求はさらなるシステム機能性、通信帯域幅、及びデータ処理能力といった高い動作性能要件に直接矛盾するものである。これらの矛盾する要求を満たす製品の製造は設計段階の初めに部品/デバイスの両立性に周到な注意を払わずには達成することができない。従って、電子デバイス及びシステムの電磁両立性に対応する設計を支援するためのツールを持つことが望ましい。
【0005】
概要
本発明の実施例による装置は複数のデータ信号を出力するためのセンサを含む。機構は三次元におけるセンサと信号源の間に制御可能な複数の位置関係を造り出す。各データ信号は対応する一つの位置関係において源から発するエネルギ場の前記センサへの一以上の影響を表す。処理装置(処理ユニット)は複数の位置関係と組合わされたデータ信号を受信し、エネルギ場の特性情報を出力する。このエネルギ場の特性情報はセンサへのエネルギー場の影響の三次元の性質の表現を含む。
【0006】
放射データを獲得する一つの方法では、信号はセンサから受信される。その信号は電磁場のセンサへの影響を表し、そしてその信号が閾値を越える周波数が選択される。信号を受信することはエネルギ場を放射するテスト中のデバイスに励起信号を入力すること及び/または励起信号の品質を変えることを含む。信号を受信することはまたセンサの伝達関数を信号に適用すること及び/または挿入損失及びケーブル損失といった信号経路における損失を補償することを含む。
【0007】
位置関係はセンサ及びテスト中のデバイスの間で形成される。例えば、そのセンサはテスト中のデバイスの表面と実質的に平行な平面内で動かすことができる。各位置関係について、センサへの場の影響を表すデータ信号が受信され、そして、選択された周波数で(磁場の方向または大きさといった)データ信号の品質が決定される。
【0008】
本発明の別の実施例による放射データを獲得する方法では、位置関係はセンサ及び場の源の間で形成される。データ信号はセンサから受信され、それぞれは対応する異なる位置関係でセンサへの場の影響を表す。データ信号を受信することはセンサの伝達関数を適用すること及び/またはセンサから受信された信号におけるケーブル損失を補償することを含む。場の特性を示すベクトルの大きさ及び方向に基づくデータ値は各データ信号から獲得される。そのような方法はまたセンサの伝達関数を獲得するために基準場の源を使ってセンサを較正することを含む。
【0009】
発明の別の実施例による放射データを獲得する方法では、位置関係はセンサ及び場の源の間で形成される。これらの関係を形成する際、 センサ及び場の源の一方または双方が他方に相対的に移動することができる。データ信号はセンサから受信され、各々が対応する位置関係でセンサに対する場の影響を表し、データ値は各データ信号から獲得される。
【0010】
データ値に基づいて、少なくとも三次元における場の表現が獲得される。そのような方法はまたその表現を示すことを含む。例えば、場の偽カラー表現が表示されるか、または源の画像が場の表現と連携して表示される。そのような方法はまた励起信号を入力することを含み、励起信号の周波数または振幅を変えることを含む。
【0011】
本発明の別の実施例による感受率データを獲得する方法では、場の源は電子デバイスに近接して配置される。例えば、その場の源はアンテナを含む。場の特性(例えば、周波数または強度)は変化し、そしてデータ信号は電子デバイス (例えば、デバイスの複数の端子(ピン))から受信される。データ信号が受信されている間、場の源及び電子デバイスの一方または双方は互いに移動する。データ信号は電子デバイスへの場の影響(例えば、それらは場によって誘起された電圧に基づく)を表し、場の特性の別の値に対応する。データ信号に基づく感受率プロファイルが記憶保存される。
【0012】
本発明の別の実施例による記憶媒体は電子デバイスによって放射された一以上の電磁場を表す値を含むアレイを保持する。一つの例では、各値は所定の平面における点の二次元の位置に対応し、その点における電磁場の強度及び方向に基づいている。別の例では、各値は対応する点における電磁場の特性を示すベクトルの大きさ及び方向に基づいている。
【0013】
本発明の別の実施例による装置は電磁場計算器と、電磁場計算器に接続された電磁障害計算器を含む。電磁場計算器は、(A)複数の部品の相対的な配置に関する情報、及び(B) 複数の放射プロファイル、即ち複数の部品間の一つに関する各放射プロファイルを受信し、誘起された電磁場に関する情報を出力する。電磁障害計算器は、(C)複数の感受率プロファイル、即ち複数の部品の中の一つに関する各感受率プロファイル、及び(D)電磁場に関する情報を受信し、誘起された電磁場によって発生する影響に関する情報を出力する。
【0014】
本発明の他の実施例による診断及び評価テストの方法はテスト中のデバイスについての近距離場の放射の特性を獲得すること、放射上限を受信すること、及びテスト中のデバイスの放射強度を計算することを含む。放射強度は放射上限において指定された距離及び/または周波数で計算される。本発明のさらなる実施例によるテストの方法は放射強度を放射上限の放射閾値と比較すること及び/または近距離場放射の特性の視覚表示を提供することを含む。
【0015】
詳細な説明
センサの正確な自動化された位置調整を介して、本発明の実施例による装置はDUTの近距離場の振舞に関するデータを集める。DUTは受動部品、集積回路、プリント回路板、相互接続器といった能動部品、または全体電子製品である。典型的な実施において、DUTは回転式テーブルに配置され、そのセンサは三つの自由度を持つロボット・アームまたは他の位置合わせ機構に取付けられ、そしてデータはDUTの近距離場放射の空間においてプロファイルを生成する自動化手段によって処理される。収集されたデータは(RF、及び赤外線領域を含む)電磁スペクトルの様々な領域における放射に関係があり、測定が固定センサまたは回転センサによって行われる。代りの実施例では、放射アンテナがDUTに近い多数の点に正確に配置され、そして放射に対するDUTの感受率はDUTの出力端末の全てまたは選択された部分集合を監視し、このように獲得されたデータを処理することが特徴である。
【0016】
ここに述べられた本発明の実施例によるシステム、方法、及び装置は次の一覧に出てくる一以上の応用で使用できる。その上、本発明の実施例による方法は他のシステムまたは装置と共に同様な結果を獲得するために使用できる。
【0017】
(1)電子部品及びデバイス、RFハードウェア、回路板、及びその他の電子製品から、電磁放射源の周波数、性質、及び/または場所、及び/または作動中の障害機構を特定すること。
【0018】
(2)動作周波数、クロック・エッジ、及び電子パッケージといったデバイス・パラメータの適切な選択によってチップ計画及び配置を可能にする指針を提供することにより低放射の応用特定集積回路(ASIC)の設計を容易にし、及び/または実行すること。
【0019】
(3)ASIC及び電子パーツ及び製品に関する近距離放射仕様を確立し、そして工場及び製造工程を適格化するため高近距離場放射を有する電子パーツを特定、且つ拒絶すること。
【0020】
(4)デバイスの特徴(例えばプロセス・サイズ、電力分布及び全体の配置)における変化による特定ASICからの放射レベルの変化を調べること。
【0021】
(5)設計着手での部品及びデバイスの放射形跡に関する情報を提供すること。
【0022】
(6)ASIC及び他の電子部品に関するパッケージの放射特性及び適合性を調査し、そのようなパッケージの選択及び設計の指針を確立し、そしてまた電子パッケージを適格化し、その放射性能に関して同じASICを含む別のパッケージと比較すること。
【0023】
(7)放射スペクトルへのプロセス・サイズの影響を調べ、内部移動時間及び放射スペクトル帯域幅との間の関係に関する情報を提供すること
(8)無線応用で使用される材料及び配列(配置)の近距離場遮蔽の有効性を評価すること。
【0024】
(9)ASICの別の設計の近距離場放射性能を比較すること
(10)システム及び製品レベルで放射測定を行うこと。この適用は個々の部品がFCC基準に従う場合には有益であるが、それらの組合せは障害問題のために適切に適合、及び/または実行することができない。
【0025】
(11)RF及びマイクロ波コネクタ、及びアンテナの性能を評価すること。
【0026】
(12)DC場測定、及び/または赤外線帯域及び/または電磁スペクトルの別の領域における測定を行うことによってプロファイルを生成し、空間の熱プロファイルを空間のRFプロファイルと相関させること。この適用は、例えば、電力増幅器のようなRFデバイス・パッケージへのRF加熱効果を研究したり、そしてランダムアクセス・メモリ及びフラッシュ・メモリのようなASICで使われるコア素子の温度を監視するために有用である。
【0027】
(13)連邦通信委員会(FCC)、及び/または無線個人通信製品についての他の規格または取締機関により要求されるSAR(特定吸収率)測定において使用する方向及び大きさのデータを提供すること。
【0028】
(14)例えば、RFフィルタの物理的欠陥、コネクタ、破損した電子パッケージ、回路板からのRF漏洩などを特定することにより故障解析を診断すること。
【0029】
(15)コンピュータ支援設計(CAD)ツールにより使用される放射及び感受率データベースを開発すること。
【0030】
(16)これらの部品への影響を評価するためデバイス、部品及びシステムの周辺に電磁場を生成することによって感受率の測定を行うこと。
【0031】
(17)それらの設計及び性能を評価するためマルチチップ・モジュール及び三次元電子パッケージの近距離場放射測定を行うこと。
【0032】
(18)雑音が任意または非同期過程であるところで、デバイスまたは製品を囲む空間における雑音現場を測定すること。
【0033】
(19)小さな時間窓の間でのみ観察できるEMI/EMC関連事象を調べるために単一トリガー測定を実行すること。
【0034】
(20)印加信号/源の振幅を変えながら単一周波数で、または源の周波数を変えながら回路板またはデバイスの放射測定を実行すること。この適用はDUT上で動作する、特に各々の場合について視覚できる伝達関数を生成する障害機構の振舞に関する価値ある情報を提供する。そのような情報は所定の設計が周波数及び/または振幅のある範囲にわたって、いかに実行されるかを点検するのに有用である。
【0035】
(21)各走査位置で磁場の方向及び大きさを獲得すること。この適用では走査位置における最大磁場強度及びそれが発生する角度は磁場センサを回転することによって記録される。センサの出力は磁場またはそれを引き起こす電流の特性を示す。各走査位置において出力から得られたベクトルは、例えば、偽カラー写像に従って符号化される。各デバイスに関する回転センサの放射データは本発明の実施例によるCADツールについて放射データベースを生成するためにまた使用される。この場合、データはシステム上のあらゆる点における近距離場及び/または遠距離場が計算される電流密度に数学的に変換される。
【0036】
ハードウェア
電子デバイスからの放射は以前は厳密な「ホット・スポット」の一般的な場所を見つけることに限定される技法である、手動使用により測定された。一つの工業応用において、探知プローブ・アレイはテスト表面の下方に格子状に配置される。テスト中のデバイス(DUT)はテスト表面に向かって置かれ、そのアレイが走査される。プローブ・アレイの一つの欠点は獲得されたあらゆる測定の分解能が個々のプローブのサイズ及びそれらの間の間隔に限定されることである。従って、プローブ・アレイの使用は回路板または製品レベルでの測定に限定され、それはあまりにも不正確でDUTを囲む空間における近距離場源の場所を特定することができない。
【0037】
プローブ・アレイの別の欠点はそれが二次元に限定される測定を提供することである。そのような測定は源からの距離に関して近距離場の発展または減衰に関する信頼できる情報の基盤を提供しない。一つの重要な結果は獲得された測定がどのような種類の近距離場が放射されつつあるかを決定するために使用することができないことである。
【0038】
プローブ・アレイの第三の欠点は獲得された測定がDUTによって実際に放射された場を正確に表さないことである。不正確の可能性はそのアレイが有用な分解能を得るために多数のセンサを持たなければならないことである。その結果、そのアレイはDUTを負荷することになり、アレイ要素はまた相互に直接またはDUTを介して相互作用する。その上、アレイ容器はある周波数で共振し、それによって測定を歪めることになる。
【0039】
プローブ・アレイの第四の欠点はそれがただループ素子センサと共に使用するに適していることである。従って、そのようなアレイは近距離電場を測定するために使用できない。
【0040】
現存機器に欠けている別の性質はモジュール方式で、そのため機能性及び信頼性の限られた範囲内でさえそのような機器が標準プローブとだけしか共に使用できない。その上、そのような現存機器及び方法はせいぜい相対的測定のみで、(例えば、電磁度量衡測定を支援するため)定量的な測定を獲得するために使用できない。同じく、そのような現存機器及び方法はE場またはH場の成分を分離するために使用できない。更に、そのような現存機器及び方法は場の方向を測定するために使用できない。
【0041】
直交電磁(TEM)セルはICの電磁放射を評価するために現在IC産業において使用されている。放射テストはDUTをTEMセルの中に置いて行われる。そのような評価の一方法は自動車技術者協会(ペンシルバニア州ウォレンデール)の規格J1752/3(「集積回路の電磁両立性測定手順:集積回路の放射測定手順、150kHzから1000MHz、TEMセル(Electromagnatic Measurement Procedure for Integrated Circuits: Integrated Circuit Radiated Emission Measurement Procedure, 150kHz to 1000MHz, TEM Cell)」、1995年3月刊)に記述されている。しかしながら、TEMセルは放射の有無及び放射レベルを指示することができるが、それらはデバイス中のそれらの源の場所やテスト中のデバイス及びシステムの不適当な機能の原因となる障害機構を特定できない。
【0042】
図1は本発明の実施例による位置決めデバイス100を示す。テスト中のデバイス(DUT)はプラットフォーム110に置かれる。図1に示されたように、プラットフォーム110は静止プラットフォームであるか、または、回転式テーブルのような可動プラットフォームである。典型的な実施では、プラットフォーム110は最小反射のために選択された重合体(ポリマー)面を含む。プラットフォーム110はまた電磁標的として働く小さな回路板を含む。例えば、そのような回路板はセンサの基準場所として検出される(例えば、位置決めデバイス100の最小ステップ・サイズより大きくない領域を有する)空間中の特定の場所にゼロ点を持つ受動アンテナ素子を含む。プラットフォーム110は他の位置合わせ素子(例えば、機械的標的、テストされるシステムに合う穴及び/またはペグなど)をまた含む。
【0043】
センサ120はDUT10の近くに配置される。典型的な実施において、センサ120はDUT10の上に配置されるが、大部分の目的にとって、これらの二つの種目(アイテム)の相対的な位置は本発明の実施に重要ではなく、したがって問題の放射を調べるためにセンサ120はDUT10に十分に近くすることだけが必要である。例えば、DUT10が完全に固定される限り、センサ120はDUT10の横または下に配置する。
【0044】
典型的な実施において、位置決めデバイス100はxyzテーブルである。このテーブルは三つのステージ;上下に動く上部ステージ160、図1に見られるように上のステージ160を運び左右に動く中間ステージ150、及び図1に見られるように中間ステージ150を運び紙面の内外の方向に動く下部ステージ140を含む。各ステージは、好ましくは放射のない、三台のステッパ・モータの一つに機械的に結合して動かされる。この実施の特別な適用において、各ステージはベルト及び滑車配列を介してステッパ・モータと連結され、各軸における最大の運動範囲は18インチあり、隣接位置の間の最小距離は1マイクロメータより小さく、2マイクロメータよりも良い位置調整分解能を提供する。
【0045】
ステッパ・モータの代わりに、またはそれに加えてデバイス100は一以上のラック・ピニオン素子、サーボモータ、または正確な空間移動及び/または回転が可能なあらゆる同様のデバイスを組込むことができる。その最も幅広い意味では、本発明のこの特定の実施例の実施は位置決めデバイス100が三次元における運動の適当な範囲内でセンサを正確に制御可能なことである。
【0046】
図1に示された本発明の実施例によるシステムでは、センサ120はアーム130によって位置決めデバイス100に連結され、それはセンサを垂直方向に保持する。上で言及したように、多くの場合、アーム130及びセンサ120の特定の方向はセンサ120がDUT10に適当に近接して配置される限り重要でない。いくつかの適用において、(例えば、走査がセンサ120の軸に直角な平面だけで行われる場合)アーム130の末端を支持することがまた望ましい。
【0047】
センサ120はすぐ近くの電場、磁場、または熱場に応答して信号を出力するいろいろなデバイスである。探知プローブまたは赤外線(IR)センサといった適当な市販のデバイスが図1に示されたような位置決めデバイス、またはここで述べられた本発明の実施例によるセンサと共に使用するに必要なように適応される。
【0048】
図1に示された位置決めデバイスに組込まれる一つの利点はモジュール方式である。そのような実施において、センサ120は容易に交換、または置換えができ、ユーザーは特定の応用のために特に設計された広範囲のセンサの中から選択することができる。信号処理動作はケーブル損失、及び/またはセンサ信号経路に適用された(増幅器またはフィルタといった)付加ユニットの特性に関して、( プローブ相互作用の補正、負荷の影響、周波数依存効果を含め)選択されたセンサの伝達関数を補償するために獲得された信号について実行される。その上、集められたデータは多種多様な異なるフォーマットで提示され、他の応用において使用のために出力及び/または蓄積される。
【0049】
方向成分を持つ測定を行うために、センサ120はその一つの軸の回りを回転する。例えば、センサ120はDUTの表面の平面に直角な軸の回りを回転する。図2A及び2Bはセンサ120の軸回転が制御可能なアーム130の実施例132の、各々、上視図および側視図である。この実施例において、モータ滑車146は(放射のない)ステッパ・モータ148のシャフトに取付けられる。モータ滑車146の回転はセンサ120のシャフト(またはセンサ120に固定されたシャフト)に取付けられた、センサ滑車142にベルト144経由で伝達される。調整機構152(例えば、一以上のスロット及び締め金具を含む)はベルト144が正確に位置決め及び伸張できるように少なくとも直線的に(例えば、アーム132に沿って)ステッパ・モータ148の位置を調整するために用意される。センサ120の回転方向の正確な制御はステッパ・モータ148の自動制御によって達成される。
【0050】
センサ120の方向を示すためにホームポジション・センサを含めることがまた回転機構(例えば、アーム132)にとって望ましい。典型的な実施において、ホームポジション・センサはセンサ120が特定の位置を通って回転するとき(例えばセンサ120上の光学指示マークを検出することにより)検出する。図3A及び3Bはセンサ120と共にその軸の回りを回転するその周囲の近くに穴164を持つディスク162を含む一つの適当な配置を示す。発光器(エミッタ)168及び及び検出器169を持つ光電スイッチ166は、穴が発光器168と検出器169の間を通過するときを除いてそのディスクがスイッチの光学路を遮断するように、回転軸に関して静止している位置に配置される。このように検出器169の出力信号は、どの方向が測定される場の方向の様子を示すプローブ部310により得られた測定と相関するか、センサ120の方向を指示する。
【0051】
代わりの実施例では、センサ120の制御回転はラック・ピニオン集合といった、ベルト駆動の滑車以外の機構を用いて達成される。同様の回転機構はアーム130の実施ではなくセンサ120そのものにまた統合される。センサ120の回転は他の適当な機構によって行うことができ、その機構は位置決めデバイス100上に取付けでき、位置決めデバイス100を回転でき、または代りに位置決めデバイス100の一部であってもよい。さらなる実施において、プラットフォーム110はセンサ120に対してDUTを移動、及び/または回転させる。アーム130は本発明の一実施例の有用な部品であるが、それはセンサ120が位置決めデバイス100に直接取付けられる、本発明の他の実施例の必要な部分ではない。
【0052】
図2A及び2B図はアーム130:位置記録ユニット154の実施例に組込まれる別の特徴を示す:このユニットはセンサ120とDUT10の最初の位置の間の正確な整列を規定するために使用される。そのような整列は装置によって作られた出力と、装置の他の出力または他の手段(例えば、DUTのディジタルまたは二値化写真)によって作られたDUTの画像と相関させるために使用される。システム・レベル測定のための典型的な実施において、位置記録ユニット154は(例えば、視覚基準のための)交差ビーム・パターンを提供可能な半導体レーザ・モジュールを含む。デバイスの別の実施において、位置合わせユニット154は整列精度を上げるために(例えば、CMOSまたはCCDセンサを持つ)小型ビデオカメラまたは他の画像デバイスを含む。
【0053】
センサ
図4は電磁場を測定するときに使用するセンサ120のブロック図を示す。ここに記述されたように、プローブ部310の特性は測定されている特定の応用及び/または場の型に応じて変化する。同様に、ケーブル230の特性も応用に応じて変化する。例えば、ケーブル230は半剛性及び/または遮蔽される。例えば、ケーブル230は(例えば、50オームのインピーダンスを持つ)小径同軸ケーブルである。別の実施において、ケーブル230はインピーダンスが捻れ角度によって変化するツイストペア線である。
【0054】
調整回路240は、そのような回路はセンサ120の他の実施では省かれるが、ケーブル230の信号経路に任意に挿入される。調整回路240は受動または能動フィルタ、バラン(平衡−非平衡変圧器)といった受動インピーダンス整合ネットワーク、または、例えば電界効果トランジスタ及び/または低雑音増幅器を使用する能動ネットワークを含む。プローブ部310と調整回路240の間のケーブル230は調整回路240とコネクタ250の間のケーブル230と同じ型である必要がないことに注目を要す。例えば、調整回路240の片側のケーブルは非平衡(例えば同軸ケーブル)で、一方、別の側のケーブルは平衡(例えばツイストペア線)である。
【0055】
図5は調整回路240の能動実施例242を含む本発明の実施例によるセンサの回路図を示す。バイアス・ティ190(センサの外にあってもよい)はDC電源195からセンサ信号線に電力を供給するために使用される。調整回路242の中で、その電力はACブロック180を介して増幅器170に加えられ、ブロックはセンサ信号がその電力接続によって増幅器に供給されることを防止する。必要ならば、デカプリング・キャパシタはDC電力信号がその出力端末を経て増幅器170に供給されるのを防ぐために使用される。典型的な実施において、増幅器170はIVA14シリーズの可変利得増幅器(カリフォルニア州パロアルトのアジレント・テクノロジー社)といったモノリシック・マイクロ波集積回路(MIMIC)である。さらなる実施において、増幅器170の利得または他のパラメータはバイアス・ティ190を介して供給されたDC電圧を変え、そして増幅器170の制御端子にその電圧の少なくとも一部を入力することにより制御される。平衡動作のために、プローブ部310はツイストペア線を介して増幅器170に接続される。
【0056】
機械的安定性のため、センサ120の素子は任意の基板220に取付けられ、それは検知される場に大きな影響を与えないで固定できるように選択される。例えば、基板220は調整回路が製作または取付けられるプリント回路板(PCB)でガラス−エポキシ樹脂または他の基板でもよい。
【0057】
プローブ部310において誘起された測定信号は処理ユニットに信号を送る外部ケーブルにコネクタ250で最終的に出力される。コネクタ250は大きな損失がなく(または少なくとも補償可能な損失で)所望の周波数範囲で電気信号を送るに適当な構造であればよい。典型的な応用において、コネクタ250は(米国国防総省軍用規格MIL−PRF−39012による)SMAコネクタまたはRF信号を送るのに適した別のコネクタ(例えば、BNC、N)である。図4に示された形のセンサは数キロヘルツから数ギガヘルツまでの周波数の時間変動する場を測定するために使用される。
【0058】
図6は電場の測定のために使用されるセンサ120のプレート・センサ実施122のブロック図を示す。このセンサのプローブ部310は一対の導電性プレート314及び312(図7B参照)からなり、各プレートは導電的に同軸ケーブル232のコンダクタ234及び236の一つに取付けられている(図7A参照)。特定の実施において、ケーブル232は小径の半剛性50Ω同軸ケーブルである。
【0059】
各々のプレート312及び314は金属で作られ、例えば、それらのプレートは二面のPCBの交互の側にエッチングしてもよい。典型的な実施において、プレート312及び314は同じサイズであり、両者とも円または矩形の形であり、そして2mm未満から30mm以下の直径である。図7Bに示されたように、プレート312はセンタ・コンダクタ234がそれに接触しないでプレート312を通過するように中心に穴を持つ。
【0060】
図7Aに示されたように、誘電定数Eをもつ誘電体316がプレートの間に充填されている。キャパシタンスC1はεA/dとして表され、Aはm2で表したプレートの面積、dはmで表したプレート間の距離である。50Ωの出力インピーダンスについて、プレートを横断する電圧V2と検出電位V1の比は
【数1】
として表され、ここでωは信号周波数(秒当たりラジアンで表す)、C2はセンサ120とDUT100の間のキャパシタンス(ファラドで表す)である(例えば、図8参照)。
【0061】
代わりに、スタブ・リード317を持つセンサ120の単極センサ実施例124またはプローブ先端に小径ボール318を持つセンサ120のボール・センサ実施例が電場の探知のために使用される。図9Aに示されたスタブ・センサは入射E場の垂直成分のみ(即ち、垂直成分だけがスタブ・リードに電流を誘起する) を検出するようになっている。一方、図9Bに示されたボール・センサは入射E場の三つの全成分を検出するようになっており、全ての三次元における場の線はボールの接線に沿っている。
【0062】
図9Bに示されたボール・センサは上で論じられたプレート・センサの拡張と考えられる。ボール・センサは同じような直径のプレートまたはスタブ・センサより大きい感度を提供するので、ボール・センサはDUTからさらに大きい距離で使用され、このため放射場とのセンサの干渉を最小にする。その他の材料、形、及び/または大きさのボールも使用することができるが、ボール318は直径が1から5ミリメータの真鍮の球である。ボール・センサはセンタ・コンダクタ及び絶縁体の部分を露出するために半剛性の同軸ケーブルの一部を取除き、ボールをセンタ・コンダクタに半田付け(または別の方法で導電的に取付け)することによって組立てられる。ボール・センサは、例えば、システム・レベル(例えば 携帯電話、ストレッチ・ボード、プリント回路板)での測定のために使用される。
【0063】
ボール・センサは遮蔽コンダクタ236とDUT10の間のキャパシタンスC3及びボール318とDUT10の間のキャパシタンスC4の直列結合である実効キャパシタンスCeffを与えることによって電場を標本化する(例えば、図10参照)。第一次近似内に、プローブを横切る(即ちボール318と遮蔽コンダクタ236の間の)電圧と検出された電位の大きさとの間の関係はC3及びC4を上の(1)式のC1及びC2に代入することにより表わされる。観測される場の乱れを最小限にするために、例えばケーブル230及びボール318の直径をそれぞれ減らすことによってC3及びC4を減らすことが望ましい。
【0064】
図11は磁場を測定するために使用されるセンサ120のループ・センサ実施例128を示す。このセンサは線または金属の、またはプリント回路板(PCB)にエッチングされたループ319からなる。ループ319は単巻きループ、または一回巻き以上のループである。典型的な実施において、ループ319は1mmからせいぜい10mm以下の直径を持つ。場の磁束密度B(ベクトル量)によりループ319の端子に誘起される電圧Vは、
【数2】
V=n×B×ω×A×cosα (2)
として表され、ここでnはループの巻数、ωはrad/sでの周波数、Aはm2で表したループ面積、そしてαはベクトルBとループ面の間の角度である。
【0065】
図12は盲路272、274及び276が多層PCBにエッチングされた多巻ループの巻回線262、264及び266を互いに、且つ端子跡282及び284と接続するためにいかに使用されるかを示す。図13はラインAAに沿った多巻線のエッチング・ループの断面を示し、ここではループの各巻線が層間絶縁体290によって分離されている。
【0066】
図14は磁場を測定するために使用されるセンサ120のループ・センサ実施例129を示す。この実施例において、(ツイストペア線234のような)平衡伝送線が平衡センサ・ループ319から信号を伝送するために使用される。上述したように、そのようなケーブルのインピーダンスは捻れ角度を選択、及び/または変化させることによって調整される。例えば、そのケーブルは調整回路240の入力、また別の伝送線または処理回路にループ319のインピーダンスに整合するように調整される。典型的な実施において、ループ319はツイストペア線234を作製するために使用された同じ線で形成される。
【0067】
典型的な実施において、ループ・センサ129は上述の能動調整回路242を含む。この実施において、増幅器170は差動増幅器を用いて実施される。ツイストペア線234と組合わせて、差動動作モードは共通モード干渉を相殺し、高度の雑音免除性を供与する。
【0068】
二次元または三次元領域上で放射場の正確な特性を獲得するために、センサ120のプローブ部は他の残りのセンサに対して(例えば、そのような動きが制御されなければ)動かないようにすることが望ましい。例えば、測定を始める前にセンサ本体の軸に対してプローブ部310を中心に置き、使用中にプローブ部310がこの場所から移動しないようにすることが望ましい。
【0069】
図14に示されたように、脆い延長線295がプローブ部を調整回路240及び/またはコネクタ250に接続するケーブル部分を取り囲む長い小径ガラス・チューブとして実施される。この延長線はセンサ本体に対するセンサ120のプローブ部310の変位を防ぎ、プローブ部310の(例えば、DUTまたはプラットフォーム110との)不測の衝突の場合センサ本体の破損を最小にする。脆い延長線295はセンサ本体に対するプローブ部310の整列(例えば、心出し)を容易にするために使用される。プローブ部310、ケーブル230、及び脆い延長線295を含む集合体(アセンブリ)は破損の場合には迅速、且つ容易な交換が前もって準備されている。脆い延長線295はまたここに記述されたセンサ120の他の実施と共に使用される。
【0070】
ループ319は方向検知素子であるから、ループ・センサ129はDUT10に関して特定の場所における磁場ベクトルの方向を測定するために使用される。例えば、センサ129は上述のアーム132または同様の機構により回転され、回転の間に数度または何度もセンサの出力が標本化される。典型的な実施において、コネクタ250はシステムの回転及び非回転要素の間でRF信号(及び多分DC電力)の適当な供給を支援する回転式SMAコネクタまたは同様のデバイスである。
【0071】
図5に関して上述されたように、バイアス・ティ190はセンサ信号線上でDC電力を能動センサに供給するために使用される。能動センサが上述のアーム132または同様の機構により回転される場合には、バイアス・ティ190が回転に関して静止した状態を維持するように、バイアス・ティ190はプローブ部310からコネクタ250の他の側に位置することが望ましい。
【0072】
熱場の検出に関して、赤外線(IR)領域の放射に感度のあるセンサ120の実施例が使用される。そのようなセンサのプローブ部310はフォトダイオードまたは他の感光半導体デバイスを含み、そのデバイスは放射線に対してこの領域での感度を上げ、及び/または別の波長の感度を下げるためにドープ処理される。そのようなセンサはまた不要な放射線が検知素子に達することを防ぐために光学フィルタを組込む。
【0073】
センサ120の代替実施例では、DUTの近くの放射線は電気的にケーブル230を介する代わりに(例えば、光ファイバ・ケーブルを通して)光学的に観測場所から遠隔の検知デバイスに導かれる。DUTの近傍からRFケーブルを取外すことによって、そのような実施例は測定される場において走査過程の影響を更に最小化することができる。例えば、熱場の測定のために、センサがDUTの近くに置かれるときと同様に、同じIRセンサが使用される。磁場及び電場の測定に関して、遠隔のセンサは光信号からRF場を変換できる市販のデバイスである。
【0074】
図1に示された位置決めデバイスと共に使用されるその他のタイプのセンサは二つの垂直のコイルを含むプローブ部310を持つセンサを含む。このタイプのセンサは静的な、またはほぼ静的な磁場の大きさと方向を決定するために使用される。別のタイプのセンサのプローブ部310は電界効果トランジスタの切片部分を含む。そのゲートはソース及びドレーン端子の一つに関してバイアスされると、その他の端子は電場または電荷を検知するために使用され、プローブでの増幅がまた行われる。
【0075】
上述のプローブ部310は一以上の微小電気機械システム(MEMS)を使ってサイズを小さくすることができる。例えば、MEMS素子を含むプローブ部310を持つセンサはミリメートル、サブ−ミリメートル、及びさらに赤外線領域に波長を持つ場を検出するために使用される。その他の型のセンサは一以上のホール効果センサ、磁気抵抗センサ、または超伝導量子干渉素子(SQUID)を持つプローブ部を含む。ここに記述されたプローブ部310のアレイを持つセンサもまた使用される。ここに記述されたように、本発明の実施例によるセンサ及び位置決めデバイスはマイクロボルト(或いは、マイクロアンペア)の 1/10にも過ぎない値の信号を検出するために使用され、そのような測定の上限周波数は選択された特定のセンサの特性によってのみ限定される。
【0076】
オペレーティング・システム
ここに述べられたセンサ及び位置決めデバイスを使用する際、センサの較正、センサの運動及び位置の制御、スペクトル・アナライザのような信号路における他の機器の制御、センサ及び/またはDUTから受信された一つの信号または複数の信号、データの獲得及び提示を含む一以上の機能を実行することが望ましい。例えば、DUTに対して特定の面積または体積を移動するセンサを制御し、特定の面積または体積に存在する電磁場に関係するセンサにより出力されたデータを同時に受信、処理、蓄積(記憶)、及び/または表示することが望ましい。典型的な実施において、ここに記述されたオペレーティング・システムは、本発明の実施例による(例えば、そのような機能を含む)いくつかの方法の実行を統合する。
【0077】
そのようなオペレーティング・システムは本質的に同じ動作を行うために、及び制御されるセンサ及び位置決めデバイスまたは信号路に存在する特定の処理、データ収集、及び/または信号生成装置のサイズまたは特定の特徴に拘わらず、本質的に同じインタフェースを使用して設計される。動作を走査するために、そのようなオペレーティング・システムのユーザー・インタフェースは大略三つの段階、即ち準備、走査、及び提示に分類される。準備段階において実行される機能は下記のことを含む。
【0078】
(1)所望の応用に適したセンサを選択する。そのような選択に関連するセンサの特性はそのセンサが検出するように設計されている場の型、感度、信号対雑音(比)、及び分解能または(例えば、一以上の参照源について決定された)スポット・サイズを含む。
【0079】
(2)信号路を配置する。例えば、低雑音増幅器(LNA)を信号路に含めることが望ましい。代りに、信号路における増幅器または前置増幅器(プリアンプ)の利得レベルを既に低減することが望ましい。フィルタといった一以上の信号処理ユニットを含ませるか、ケーブル損失及び増幅器雑音指数といった他の要素を補償するように信号路を配置することが望ましい。(例えば、ここに記述された較正手順から獲得された)センサの伝達関数を明らかにすることもまた望ましい。そのような場合、(例えば、センサの識別コードを検知するために機械キー及び/または光学及び/または電気機構を含む)認識機構がセンサの自動認識と(例えば伝達関数を含む特定のファイルを選択し、そのようなファイルが蓄えられるディレクトリ或いはフォルダを指示することにより)適切な伝達関数の当然の選択を許容するために含められる。
【0080】
(3)調査する周波数、周波数範囲、またはいくつかの個々の周波数または周波数範囲を選択する。
【0081】
(4)走査領域及び分解能のプログラムを作成する。走査される体積または面積を選択、且つそのプログラムを作成するために、ユーザーはx、y及びzの各軸に沿った範囲及び増分といったパラメータを入力する。例えば、図15は平面の各軸において増分値及び走査範囲によって定められた測定点の間のプローブ部310の走査経路を示す。典型的な実施例において、ユーザーは走査領域、走査すべき平面 (各平面はDUTの表面に平行である)の数、DUTからの第一の距離、及び隣接平面間の間隔を選択する(この種の三次元の測定は距離上で検知された場の減衰の特性を決定するのに有用である)。入力されたパラメータが各軸において整数回の測定をしなければ、増分値及び/または走査領域が調整される。その他の実施において、走査は選択された個々の点または特定の直線または曲線に沿って発生する。ユーザーはプローブ部310がDUTからの最小の距離内を(例えば、衝突を避けるために)通過させる走査パラメータを入力することを制限される。
【0082】
(5)集められたデータを蓄えるファイル・フォルダ及び/またはファイル名を選択する。ファイル・フォーマットもまた(例えば、別のソフトウェア・パッケージとの両立のために)選択される。
【0083】
(6)センサによって出力されたデータを処理、及び/または記録するために、スペクトル・アナライザ及び/またはオシロスコープといった外部機器を配置する。適切なパラメータは基準レベル及びユニット、分解能とビデオ帯域幅、掃引時間と範囲、ピーク偏位、及び平均化を含む。
【0084】
(7)走査段階の間で選択されたモードで動作させるためにDUTを配置し、及び/または走査段階の間でDUTに入力信号を供給、及び/または制御された方法でそのような信号を変化させるために一以上の外部源を配置する。
【0085】
(8)感受率の測定のための信号を供給するため一以上の外部源を配置する。そのような場合には、受動センサは信号を検知するのではなく発射するために使用され、または(例えば、適当な大きさのループ、単極、または双極子放射器を含む)アンテナ・ユニットがここに記述された位置決めデバイスと共に使用される。
【0086】
(9)放射データの収集または感受率データの収集といった、走査段階の間に行われる一以上の動作(もし有れば)を選択する。動作のゲート制御またはトリガー・モードもまた(例えば、パルスの場を検知するために)選択される。
【0087】
準備段階は探索走査を含む。典型的な実施において、例えば、ジョイスティックまたはコンピュータ・マウス制御がDUT10について手動的な位置決めセンサのために提供される(代りに、センサの所望の目的地の座標集合がキーボードから入力される)。この特徴は、ここで記述されたように、DUTの、またはピーク監視モードにおけるセンサの配置のための準備手動走査を行うために使用される。更に、ジョイスティック制御または同様の手動位置決め機構はセンサ120の最初の配置を入力するために使用され、そしてまた(例えば、DUT及び/または種々の検知された場が比較のため容易に整列できるように)この最初の配置をDUTの幾つかの特定できる特徴と整列させるために位置記録ユニットと共に使用される。
【0088】
スペクトルの内容及びピーク監視測定もまた(例えば、走査動作の準備または代わりに)行われる。例えば、スペクトル内容の測定は探索走査の間及び/または走査段階の間に調べられる周波数(例えば、放射レベルが過剰な周波数)を特定するために行われる。本発明の一実施例による方法では、スペクトル・アナライザ(または、他の適当な検出器)はDUTから放射された場がかなりの強度の成分を持つ周波数を決定するために使用される。ユーザーは走査される特定の周波数を選択し、またデータからの削除が提示される不所望の周囲(背景)のピークまたは他の特徴に印を付けることができる。後者の特徴は特に遮蔽された部屋がなかったり、利用できない場所で測定を行なうのに特に有用である。
【0089】
ピーク監視測定は選択された周波数範囲で全体の近距離場放射に関して一つのデバイスを別のデバイス(或いは、一つの処理を別の処理)と比較する方法の基礎を提供するために行われる。本発明の実施例によるそのような一方法では、センサはDUTの近くの場所に固定される。帯域幅s(sはMHzで測定される)が選択され、各信号の周波数及び振幅はセンサの出力が選択された周波数範囲を走査されながら記録される。この情報から、スペクトル内容の性能指数(figure of merit:SCFM)が
【数3】
として計算され、ここでNは所定の範囲における信号の数、Aiは各信号の振幅である。信号の存在は雑音床に関して、または代りに所定の閾値に関して規定される。スペクトル内容及びピーク監視測定の間、そのセンサはDUTに関して静止した状態を維持するか、または、それはDUTに対して移動及び/または回転する。
【0090】
任意の探索走査の間、ユーザーは(選択された周波数または周波数範囲で)検知されつつある放射レベルを観測しながらDUTに対してセンサを移動する。この情報により、ユーザーは増幅器が必要であるかどうかを決定する。ユーザーはまた検知された放射がDUTによるものか、もしくは外部源によるものかどうかを決定する。外部源が測定と干渉しつつある場合、DUTを遮蔽し、信号路に適当なフィルタを付加し、さらに選択的なセンサ(例えば小さなスポット・サイズを持つもの)を選び、及び/または測定データからそれを差し引いて干渉を補償することにより、ユーザーは走査動作を実行する前に予防施策をとる。必要であれば、信号レベルは利得要素をろ過または減少することによって低減される。
【0091】
方向センサが使用される場合、準備段階はまた検知された場の方向成分の最小の間隙を検証することを含む。ループ・センサについて、例えば、ループの平面が場に平行であるとき、最小の信号が獲得され、そしてループの平面が場に垂直であるとき最大の信号が獲得される。最小及び最大の間の差(例えば、dBで)が特定の限界を満たさなければ、ユーザーは必要に応じて付加利得を含ませ、または別のセンサを選択して信号路を構成する。
【0092】
選択される別の動作モードはTEMセルまたはマイクロストリップ線をもつセンサの較正である。TEMセル、または縁部(エッジ)及び接続(コネクタ)効果が無視される十分な長さのマイクロストリップ線により放射された基準場はそれらの場の値を正確にモデル化するのに有用である。センサの応答における既知の場の振舞について補正を行うことにより、較正曲線がセンサについて(例えば、センサ出力を一定入力レベルの周波数と関係づけて)獲得される。
放射測定は一以上の選択された周波数または周波数範囲で行われる。同様に、感受率測定も一以上の選択された周波数または周波数範囲で行われる。走査段階の間で実行のために選択される動作モードは固定または回転センサまたは回転DUT、電場または磁場の監視、RFまたは静的な場の監視の組合せを含む。
【0093】
時間領域測定モードでは、オシロスコープがDUTから放射される時間領域信号を表示するために使用される。そのようなモードは接触測定が研究中の場を歪めるかもしれない応用で有用であり、それはまたトリガー事象を監視するのに有用である。熱のアナログ監視モードにおいて、DUT上の 一点の温度は時間にわたって監視される。他の動作モードはDC場の写像(マッピング)を含む。
【0094】
走査段階において、一以上の選ばれた周波数における場の強さのデータが測定され、DUTが動作しながらセンサ位置の関数として記録される。その装置は選択された面積及び体積にわたって各センサ位置において選択された各周波数の振幅を記録する。ユーザーは集められたデータを監視する方法により表示の一種を選択し、そして走査過程を監視するための読出しはまた典型的な実施において行われる。必要であれば、走査の間のセンサの動きのパターンはDUTの配置及び/または方向を説明するように予めプログラムされる。そのような補償はDUTが走査段階の間に回転しつつある場合に特に有用である。
【0095】
走査の間の回転センサの出力の監視はアナログ・デジタル変換器(ADC)を用いて標本化されるスペクトル・アナライザの出力に関してゼロ長(同調受信器)モードの スペクトル・アナライザ(または別の適当な検出器)により行われる。典型的な実施において、センサのホーム・ポジション(例えば、ディスク162の穴164)の検出はADCにより標本化を始動(trigger)するために使用される。標本化データは各走査場所における場のベクトルの大きさ及び方向を決定するために(例えば、ホスト・コンピュータにより)処理される。例えば、センサの各固定x、y、z位置に関するループの二つの直交方向で行った測定(例えば、最大値及び最小値測定)はセンサ位置において発生した磁場強度を獲得するために明らかに組合わせられる。
【0096】
回転センサの出力はまた、例えば、回転式コネクタにより可能な問題を検出または指示するため誤作動監視を含む。このコネクタの磨耗または前置増幅器(プリアンプ)の故障はRF線に誤作動またはスパイク電圧を導入する。この監視による指示に従って、走査手順は問題の修正及びそれに続く手順の終了のために(多分、斯く収集されたデータを蓄積することを含め)停止される。さらなる実施では、走査手順不在の間の誤作動監視による指示は、例えば、ポケットベル及び/または電子メールによりユーザーに通知の伝達を始動する。
【0097】
提示段階では、走査段階の間に集められた(及び/または記憶装置から取出された)データは、例えば、RF場強度、IR強度、源のインピーダンス、及び/または予め選択された面積または体積に分布された電力の偽カラー画像;DUTの表面上の電流密度分布の曲線プロット;及び/またはDUTからの距離との場の強度の減衰のプロットとして表示される。いくつかのプロットを獲得及び比較することもまた可能であり、それらは近距離場放射の別の特性をを表す。一以上のそのようなプロットは現在のテスト(例えば、プレビュー段階の間に選択されたような)のパラメータと共に、情報収集の間に実時間で表示される。提示段階において使用される表示形態の別の例は下記のものを含む。
【0098】
(a)走査された面積または体積にわたって場の強さの変化を示す二次元または三次元画像。典型的な実施では、場の強さは偽カラー、例えば高い場の強さの場所を表すには赤色、及び低い場の強さの場所を表すにはスミレ色で示される。電(磁)場はメートル当たりボルト(アンペア)の線形単位及びメートル当たりdBマイクロボルト(マイクロアンペア)の対数単位で測定される。DUTの上の場の展開はDUTの上の異なる高さの平行な平面の二次元表現の統合集合によって描かれ;典型的な応用において、これらの平面は1〜3ミリメートル離れている。
【0099】
(b)デバイス上の特定の点について距離による減衰を示す、場の強さと距離の関係(例えば、線形、対数、または半対数形式の)のプロット。これらのプロットは近距離及び遠距離場領域の間で境界を決定、及び/または検出された近距離場の型を特定するために使用される。それらはまた回路板及び包装レベルの遮蔽を設計する際に使用される。
【0100】
(c)場の方向曲線のプロット。これらのプロットは場のセンサを回転させ、場の最大が発生する方向を記録することによって獲得される。例えば、そのセンサは180度または360度のいずれかに回転し、格子(グリッド)内の各走査点における場の方向は適当に方向付けられた線または矢印で表される。このように獲得された近距離場の情報はDUTにおける電流密度分布と関係がある。
【0101】
(d)MATLABのような他の解析プログラムによる使用に適当な未加工またはろ過されたデータ。
【0102】
(e)各点がその場所で検出された(即ち、所定の帯域幅内の)全RF電力を表す、RF電力密度プロット。
【0103】
(f)電場または磁場についてと同様な方法で獲得されたデータからの熱(例えば赤外線)の場の画像。そのようなプロットとRF電力密度プロットとの相関は、例えば、デバイス・パッケージへのRF加熱効果を調べるのに有用である。場の強さと場所の関係のプロット上で高い強度及び低い強度を持つ熱画像において熱点及び冷点を比較することによって、その加熱がRFエネルギーまたは他の源によって引き起こされたかどうかを決定することができる。
【0104】
測定されたデータが方向値を含む場合には、上述のプロットはまた極座標でも表示される。提示モードの間に獲得、且つ表示される別の情報は信号路の他の機器から(例えば、スペクトル・アナライザの画面から)の画像を含む。ここで述べられた画像及び情報の表示はまたカラー及び/または白黒の画像を印刷することを含む。
【0105】
適当な位置合わせ処置が走査の前に行われると仮定して、ここで記述されたように獲得されたプロットは検出された場とDUTの他の特徴との間の相関を明らかにするため相互に及び/またはDUTの他の画像(及び/またはDUTの概略の画像)と組合わせられる。例えば、DUTのディジタル画像におけるカーソルは、様々な表示内の対応する空間位置が容易に特定されるように、集められたデータの一以上の表示におけるカーソルに一つにまとめられる。そのような一配置において、例えば、強度のプロットにおけるホット・スポットへのカーソルの移動はDUTのビット・マップ画像内のカーソルをホット・スポットに対応する場所へ移動させることになる。代りに、収集された(曲線のような)データ・プロットの特徴はDUTのディジタル画像に覆い重ねられる。
【0106】
典型的な実施では、ここで記述された制御、処理、及び表示の機能を実行するための手順(ルーチン)はLabVIEWソフトウェア・パッケージ(テキサス州オースチンのナショナル・インスツルメント社)を使用して単一の統合インタフェースのもとで行われる。しかしながら、この特定の方法は開発の容易さのためだけで選択されたものであり、本発明の実施例による方法がその他の適当なソフトウェア・パッケージまたは適当な組合せのパッケージを用いて実行されるので、発明の限定と解釈してはならない。例えば、ここに述べられた機能の何れかまたは全てはC、C++、C#、Visual Basic、Java、または他の適当なコンピュータ言語を用いて実行される。
【0107】
本発明の一実施例により組立てられた走査システム
この節では、本発明の一実施例により組立てられた自動化、高精度位置決め及び走査システムを論じる。制御、信号記録、及び処理ソフトウェアと組合わせて、この走査システムは近距離場の正確な高分解能の写像(マッピング)を行う。この議論は本発明の特定の実施例に関係し、ここに提示されたように他の実施例のさらに多くの記述を限定するものではない。
【0108】
この近距離場放射走査システムは診断及び研究開発目的の両方に使用される。診断ツールとして、例えば、走査システムは以下のようなタスクに使用される。
【0109】
(1)チップ、回路板、及びシステム・レベルでの予期されない放射線源の特定。
【0110】
(2)部品およびシステムの機能性に影響を与える障害機構の特定。
【0111】
(3)例えば、デバイスの特徴サイズ、電力分布、及び全体の配置の変更による特定ASICからの放射レベルの変化の調査。
【0112】
(4)特定の遮蔽手法及び/または材料の電磁雑音抑制への有効性の調査。
【0113】
その基本的構成において、本発明のこの特定の実施例によるシステムはロボット・アームに取付けられた受動(EまたはH)センサ、三軸位置決めシステム、低雑音増幅器、信号検出器(例えば、スペクトル・アナライザ )、及び運動/機器制御及びデータ獲得タスクを実行するようにプログラムされたホスト・パーソナル・コンピュータを含む。そのモジュール式設計により、システム(図16に示された)は標準またはユーザー限定/設計のセンサ、及び手近で特定の応用に望ましい他の信号処理及び検出ハードウェアを装備する。この基本的構成のブロック図は図17で示される。
【0114】
そのシステムは次の方法で放射プロファイルを獲得するために使用される:一度、DUT上の走査領域/空間がユーザーによって定義されると、各走査位置及び関心の周波数または周波数域でセンサによって検知された電圧は増幅され、スペクトル・アナライザによって記録される。ホスト・コンピュータはそれからGPIBバス(テキサス州オースチンのナショナル・インスツルメント社;IEEE−488とも呼ばれる)によって信号レベルを読み、場の強度を記録する。各周波数に関する場の強度分布は各走査位置(或いは、ピクセル)について記録強度を描き、偽カラー画像として提示される。典型的な出力は式:
【数4】
であり、ここでxi、yi、及びziはi番目の標本の空間座標を表し、Iiはその標本における記録強度を表す。図18は固定センサによって獲得された強度プロットの例を示す。
【0115】
同じ構成がまたデバイスに関して周波数内容情報を取得するために使用される。この取得は固定位置(例えば、切片の直接上)での測定を含む。そのプログラムはさらなる解析のため所定の帯域幅内でデバイスによって放射された信号を記録する。
【0116】
場のさらに完全な画像は回転センサの使用によって獲得される。この応用のためのシステム構成は図19及び図20に示される。この構成において、各走査位置での最大の場の強度はそれが発生する角度と共に記録される。この情報は図20に示されたように、走査アームに取付けられた回転センサ・アセンブリを用いて獲得される。
【0117】
そのような構成について典型的な出力はそのような場をもたらす磁場または、電流を表す。各走査位置(或いは、ピクセル)は大きさがカラー・チャートに従って上と同様に符号化されるベクトルによって表される。図21はその特性インピーダンスで終端されたマイクロストリップ線について獲得された放射プロファイルの例を図示する。
【0118】
本発明のこの実施例による走査システムで実現される特徴は下記のものを含む。
【0119】
(a)機器か三つの自由度を有し、電磁場及び静止場で動作する。
【0120】
(b)モジュール設計は検出器、センサ、及び信号処理ハードウェアのユーザー選択を許容する。
【0121】
(c)1ミクロンの歩動が可能。
【0122】
(d)感度:磁場(H)、1μA/m;電場(E)、0.1mV/m(1000MHzで10mmの磁場センサについて)。
【0123】
(e)多重周波数が一走査で掃引する。
【0124】
(f)各周波数について最適化された適応スペクトル・アナライザ設定。関心の周波数はトリガー測定を含み、個々の設定を有する。
【0125】
(g)LNA(低雑音増幅器)及びケーブル損失に利用可能な入力をもつ対話式センサ伝達関数エディタ。
【0126】
(h)レーザ・ポインタによって定義され、またはDUTの大きさに基づく走査領域。
【0127】
(i)各次元について選択可能な走査歩動サイズ。
【0128】
(j)放射周波数の範囲を掃引し、検出された各ピークの場の強度を表示する。走査のために選択された周波数を保存する。
【0129】
(k)プレビューのためのセンサ一の手動制御。センサ位置はジョイスティックを使用し、画面・カーソルを移動し、またはキィー・ボードから座標を入力することにより設定される。
【0130】
(l)場の方向及び大きさを記録するためのH場センサ。
【0131】
(m)監視及び画像化のためのIRセンサ。
【0132】
(n)自動走査の間、場の強度の一以上の偽カラー画像が実時間で表示される。スケーリングは自動または手動で設定される。
【0133】
(o)走査が終了した後、提示/解析エンジンは一以上の下記のような別の情報をユーザーに提供するために呼出される。
【0134】
(1)DUTのディジタル画像(例えば、ビットマップ)は場の強度の偽カラー画像と共に示される。一つにまとめられたカーソルはDUTのホット・スポット及び特定の場所の間の対応の視覚化を促進するために使用される。
【0135】
(2)多重平面について、距離に関して場の強度の減衰を示すプロットが表示される。
【0136】
(3)各周波数について、獲得されたスペクトル波形が表示される。
【0137】
(4)方向センサについて、場の強さと角度の関係が各位置で表示される。
【0138】
本発明の特定の実施例によるセンサの開発及び使用
この節では、場の詳細な高分解能写像が可能ないくつかのE及びH場センサが論じられる。この議論は本発明の特定の実施例に関係し、ここに提示されたように他の実施例のさらに一般的な記述に限定されるものではない。
【0139】
近距離場の測定を得るために、場の磁気的及び電気的成分を正確に及び高分解能で測定できるセンサを使用することが望ましい。使用されるセンサの型(例えば、受動的もしくは能動的であるかどうかに拘らず)及びサイズは調査中の源の強度及び分布によって決定される。図22はは本発明の実施例により組立てられた能動センサの一例を示し、図23は本発明の実施例により組立てられたセンサの別の例を示す。
【0140】
場のセンサはTEMまたはクロフォード・セルにおける基準源に対して較正される。そのようなセルはデバイスの感受率及びセンサ較正測定のために一様な場を制定するために(例えば、連邦通信委員会によって交付された基準において)一般に使用される。TEMセル(図24に示された)の基本構造は側壁が加えられた改良ストリップ線として見ることができる。セル及び二つの先細部の大きさは50オームの特性インピーダンスが全体に亘って維持されるように選択される。基準の場は源電圧の印加を通してセルに設定される。
【0141】
関心の周波数範囲におけるセンサの自動較正のためにコンピュータ制御設備が開発された。公式または検索テーブルはそれからセンサの伝達関数として獲得され、適用される。我々の手順の精度を証明するために、いくつかの市販のプローブが認証された研究室に較正のために購入され、送られた。研究室の結果を我々が本発明の実施例による方法を使用して我々自身の実験室においてそれらの市販プローブによって獲得した較正結果と比較した(10mmのループ・プローブについて較正結果の比較のために図25を参照のこと)。
【0142】
ループ・センサ設計は時間で変わる磁場を測定するために用される。我々はTEMセルにおいて較正されれるいくつかの受動ループ・センサを開発した。そのような較正が比較的正確な伝達関数を提供すると同時に、問題は受動ループ・センサを含むセンサによって起こる。半剛性の同軸ケーブル部からなるループ・センサの非対称な性質により、例えば、センサはE場センサとしてある程度働きをする。この問題はループ(平衡線路)及び半剛性の同軸ケーブル(非平衡線路)の間で一列にインピーダンス整合成分を加えることによって低減される。しかしながら、この解は適合する変圧器(バラン)の制限帯域幅によりセンサの帯域幅に弊害がある。また、受動センサはループ(検知素子)と増幅器の間で隔離されていない。従って、ループ部を探知回路(それはある場合には長さが1フィートに達する)に接続する線部はセンサの一部となり、おそらく測定精度に影響し、結果を歪ませる。
【0143】
そのような理由とさらに正確な結果を獲得するために、能動ループ・センサを含むセンサが設計された。そのようなセンサは固定センサとして、または回転センサとして使用される。センサ上の回路のDC電力がセンサのRF出力線を通して供給されるように、そのセンサはそのRF出力線を通して電力を供給される。この供給は出力端でバイアス・ティ・デバイスを用いて行われ、ユーザーはDCを印加し、かつ回路中の主増幅器との分離を保つことができる。センサ上の前置増幅器では、DCは二個のインダクタを用いてアンプ(増幅器)のRF出力から分断されている。
【0144】
そのループはツイストペア伝送線を経由して増幅器と接続される。センサ・ループとツイストペア線の両方は本来的に平衡状態にある。センサによってピックアップされた信号はそれから別々にプリアンプ入力に供給される。ツイストペア線及び差動増幅器形態の組合せは優れた雑音免除性を与える。図26及び図27は本発明の一実施例により組立てられた能動センサの写真を示し、図28はそのようなセンサの回路の概要図を示す。
【0145】
プローブ出力電圧はファラデーの法則を適用して表される:
【数5】
V=BωAcosθ (5)
ここでVはループ端子における誘起電圧を表し、Bは磁束密度を表し、ωは場の周波数を表し、Aはループ面積を表し、そしてθはループ平面と印加された場が作る角度を表す。図29は短絡ツイストペア線の戻り損失(S11)のプロットを示す。
【0146】
高分解能測定を獲得するためには、ループ面積を低減することが望ましい。理想的には、空間のあらゆる点の場の特性を決定できることが望まれる。しかしながら、実際にはループ応答はループ面積と共に減少し、そして外部の高利得、低雑音増幅器の使用が必要になってくる。
【0147】
受動ループ・センサは半剛性の同軸ケーブルを用いて作製されるか、またはFR4材料上にエッチングされる。システム・レベルで使用のため(例えば、ストレッチ・ボードまたは携帯電話のテストのため)の有効な直径サイズは2〜10ミリメートルの範囲である。
【0148】
H場、方向及び強度のさらに完全な画像はベクトル場センサの使用によって獲得される。そのような測定は(例えば、走査アームに取付けられた小型ステッパ・モータ・アセンブリを使用して)能動センサを回転させて行うことができる。この段階で、各走査位置における最大の場の強度、及びそれが発生する角度が記録される。
【0149】
この構成について、センサへのDC電力及びセンサのRF出力は50オームの回転継目を通して同じ路を共有する。検知された信号は増幅され、包絡検出器をもつ同調受信器として使用されるスペクトル・アナライザに送られる。全てのさらなる処理がソフトウェアで行われるように、アナライザのアナログ出力はA/D変換器基板に接続される。回転及びデータ取得動作はA/D変換器の走査クロックにステッパ・モータの指標パルスを印加することによって同期される。
【0150】
基準センサ位置を定めるために、アームに取付けられた光遮断スイッチがセンサ滑車上に開けられた穴の位置をA/D変換器基板に送信する。この実施例の典型的なセンサ回転速度は秒当たり3回転である。図30及び図31はセンサ及び回転機構の要素を示し、図32はセンサとDUTの間の基準関係を定めるのに使用される位置決めレーザを示し、そして図33は光遮断スイッチ・アセンブリの一実施例の概要回路図を示す。図34は本発明の実施例による方法とTEMセルを使用して獲得された能動センサの較正結果の画面表示を示し、そして図35は回転センサを使用して獲得された結果の画面表示を示す。
【0151】
本発明の実施例による方法を用いて表示された出力はそのようなベクトルをもたらす磁場ベクトルまたは電流を描写する。例えば、大きさがカラー・チャートにより符号化されたベクトルは各走査位置(ピクセル)を表すために使用される。図36はその特性インピーダンスで終端されたマイクロストリップ線について獲得された放射プロファイルの表示の例を示す。
【0152】
その最も単純な形では、電場センサは単極アンテナとして接地平面上に突出する線の小片である。時間変化する電場Eでは、センサの出力で形成される電圧はV=L×Eであり、ここでLは単極の有効長で、即ち物理的長さの二分の一である。図37は本発明の実施例による方法を用いて獲得されたE場センサについての較正結果の画面表示を示す。
【0153】
ボール・センサの伝達関数の展開の次の議論はそのプローブが均質な媒体に置かれ、そして既知の分極及び電場強度の電磁場に露出されていると仮定する。この議論はまたそのプローブが電気的に小さい(即ち、そのサイズが測定される電磁場の波長よりかなり小さい)と仮定する。考察中の特定のプローブは2mmのボール・プローブであり、そしてそのプローブが接続される同軸ケーブルは整合終端されていると仮定する。
【0154】
これらの仮定のもとで、プローブ伝達関数は次のように定義される:
【数6】
H(θ)=同軸ケーブル中の誘起電圧の大きさ(mV)/入射電場の大きさ(V/m) (6)
ここで図38に例示されたように、θは同軸ケーブルの軸に関して入射電磁場の伝搬の方向の角度である。
【0155】
図38において、示された電場は平行分極の場合である。垂直分極の場合は電場がx成分のみ(即ち、入射平面に垂直である)を有する場合である。
【0156】
入射電磁場の基準面として定義されたyzに関して、電場ベクトルが入射平面に平行であるいわゆる平行分極の場合を図38が図示していることは注目される。あらゆる入射場が二つの部分、横磁場部分(磁場のx成分と電場のy、z成分のみを有する)及び横電場部分(電場のx成分と磁場のy、z成分のみを有する)に分解できることは電磁場理論では周知の事実である。横磁場部分は図38に図示された平行分極の場合に同等である。電場ベクトルは入射定義平面に垂直であるから、横電場部分は垂直に分極したとして参照される。プローブの受信特性の完全な特性について、伝達関数は場の両方の成分について定義されなければならない。
【0157】
伝達関数(6)はプローブがパラメータとして適当な分極(平行または垂直)及び入射場の伝搬の方向をもつ平面波によって表される入射電磁場によって励起される一連のシミュレーションによって導出される。波長がプローブの次元よりはるかに大きいという仮定のもとで、受信電圧が(ボールの体積に比例する)ボールの電気双極子モーメントにより主に制御されることは注目される。さらに特に、プローブ先端は容量的な負荷として機能する。プローブ上の誘起電流は電場の時間微分に比例する。このように、整合終端された同軸ケーブルを仮定すると、受信電圧はまた電場の時間微分に比例する。
【0158】
シミュレーションの結果を用いて、平行及び垂直の分極の場合について、次の式が伝達関数(6)について得られる:
【数7】
Hpar(θ)=0.0158+0.1556θ+1.0072sinθ (7)
【数8】
Hperp(θ)=0.1634+0.0162θ−0.0204sinθ (8)
ここで角度θはラジアンである。図39は式(7)及び(8)の画像表現である。これらの方程式は次の観測につながる。
【0159】
垂直分極。伝達関数は場の入射角度に無関係な全ての実用的な目的のためのものである。この事実は電場が同軸ケーブルの軸に常に横であるという事実と容易に関連する。このように、プローブと相互作用する電場の大きさは入射角度に無関係である。
【0160】
平行分極。伝達関数は電磁場の入射角度への強い依存性を示す。電場がプローブの軸と平行であるとき、伝達関数はその最大値に達する。
【0161】
本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システム
図40−69は本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの特徴を示す。この議論は本発明の特定の実施例に関係し、そしてここに提示された他の実施例のさらに一般的な記述を限定しない。
【0162】
図40はオペレーティング・システムの概観を示す。図43は開始メニューの構造を示す。選択されるモードは次のことを含む:
電磁場センサ、時間変化出力;
場のセンサ、DC出力(例えば、IRまたはホール効果センサ);
アナログ出力、単一点における測定;
センサ較正;
ピーク監視;
及び時間領域測定。
【0163】
新しいテストはプレビュー画面で選択され、または現存ファイルは提示場面の解析または、検査のために呼出される。
【0164】
図45は時間で変化する場の電磁場センサに関するのプレビュー画面の構造を示す。テスト情報設定/ファイル名割当画面では、次の機能が実行される:
センサの選択(即ち、固定または回転、能動または受動)、センサの伝達関数を割当る;
ファイル名を割当る;
増幅器、フィルタ、及び/またはケーブルの利得または損失を入力する;
テスト情報を入力する。
【0165】
DUTの配置/位置設定画面では、次の機能が実行される:
X、Y、Zの範囲;
X、Y、Zの増分;
DUT上の平面の数;
テスト・テーブルに関する場所。
【0166】
この設定は整列のためにレーザの交差ビームを使用及び/または機械視覚を使用することによって行われる。
【0167】
スペクトル・アナライザ設定メニュー画面では、次の機能が実行される:
スペクトル・アナライザ・モデルを選択する;
監視される周波数についてのスペクトル・アナライザの手動制御/設定;
分解能帯域幅、掃引時間、ビデオ帯域幅、範囲、ピーク偏位、平均化、単位、基準レベルといったパラメータを設定する;
周波数を選択する;
対応波形を保存する。
【0168】
信号源制御サブメニュー(即ち、DUTに与えられる信号源についての)のもとで、次の機能が実行される:
信号発生器設定メニュー:周波数及び/または振幅;
パルス発生器設定メニュー;
モデルを選択する;
テスト・パラメータを選択する。
【0169】
図47はプレビュー段階の処理の流れを示す。テスト情報タスクでは、次の機能が実行される:
センサの型を定義する;
センサ伝達関数を編集する;
LNA利得及びケーブル損失を入力する;
ビットマップ・ファイルを選択する;
設定を保存する。
【0170】
設定走査タスクでは、次の選択が行われる:
X/Y軸領域;
歩動サイズ;
平面及び位置の数。
【0171】
検出器構成タスクでは、次の機能が実行される:
DUTを監視する;
波形を獲得する;
帯域内の全てのピークを見つける;
RF設定を定義する。
【0172】
RF回転センサのプレビュー画面は固定センサのそれに類似している。主な差異はスペクトル・アナライザ設定メニューにある。スペクトルアナライザはゼロ範囲モード、即ち選択された走査周波数について同調受信器として動作する。スペクトル・アナライザ検出器の出力はA/D変換器によって読取られ、そしてセンサの回転角度による信号強度の変化が記録される。
【0173】
しかし、これらの変化に関して、回転プラットフォーム・モードでのDUTプレビュー画面は固定センサの場合と類似している。ユーザーによって定義された(例えば、曲線を記述する方程式がユーザーによって入力される)ようにそのセンサはDUTの周辺で曲線に追随する。DUTは回転式テーブルに置かれ、ユーザーによって定義された増分角度だけ回転する。センサ及び整列レーザは現在ロボット・アームに平行に取付けられている。
【0174】
図55はDC出力をもつ場のセンサを使うプレビュー画面の構造を示す。一点でのアナログ出力測定画面で、(IRセンサの例について)次の機能が実行される:
A/Dへの検出器出力を作る;
放射率を設定する;
監視されるDUT上のスポットを定義する;
検出器の高さを調整することによってスポット・サイズを定義する。
【0175】
DC出力をもつあらゆる場のセンサについての画面で、次の変更はあるが機能は固定センサのそれらと類似している:測定は一周波数だけで行われ、検出器出力はA/D変換器へ送られる。
【0176】
ピーク監視のためのプレビュー画面は次の変更はあるがRF固定センサの場合に類似している:
DUT上の単一固定センサ位置;
スペクトル・アナライザ設定パラメータはマーカのピーク偏位、分解能帯域幅、平均の数、及び基準レベルを含む;
選択は掃引当たりの周波数範囲、最初と最終の周波数、ケーブル損失、増幅器利得、及び、センサの型を含む。
【0177】
そのプログラムはそれからDUTについての放射周波数及び対応する振幅を記録する。
【0178】
図58はRF固定センサの走査画面の構造を示す。このモードはユーザーによって定義されたテスト条件(信号振幅、周波数、立上がり時間等)について各走査位置でデータの多重点の記録を含む。偽カラー画像画面としての監視実時間データでは、次の選択が行われる:
DUT上の各平面について、または
各放射周波数について、または
DUTに印加される信号源の各特定の設定(例えば、周波数、振幅、立上がり時間)について。
【0179】
読出し画面では、次の選択が行われる:
センサ位置;
場の強度;
周波数;
各周波数についてのセンサ較正要素;
DUT上のZ軸平面数;
センサ伝達関数;
X、Y、Z限界。
【0180】
RF回転センサの走査画面は次の変更があるがRF固定センサの場合に類似している:
実時間偽カラー画像は各ピクセルで記録された最大の場の強度を示す。
【0181】
極(座標)/線形(座標)のプロットは各走査位置について角度に対する強度を示す;
センサ回転位置制御は利用可能である。
【0182】
RF/DUTの回転運動についての走査画面は次の変更はあるがRF固定センサの場合に類似している:実時間画像は定義された走査空間の各断面についての場の強度を示す。
【0183】
図61はDC場のセンサについての走査画面の構造を示す。DC場のセンサ画面は次の変更はあるがRF固定センサの場合に類似している:各走査位置について静的な(DC)場の強度を示す実時間画像。
【0184】
図62はRF固定センサについての提示画面の構造を示す。読出し画面は次の選択を含む:
Z平面数;
X、Y、Z;
周波数;
Zの高さ。
【0185】
表示データ画面は次の特徴を含む:
各周波数について、偽カラーでの電場/磁場の強度プロファイル;
DUTのビットマップ;
DUT画像に関する放射プロファイルの検査のために一つにまとめられたカーソル。
【0186】
転送データから他の解析に実行される機能、または提示プログラム画面の例において、ソフトウェア・パッケージMatlabはLabviewプログラム内からMatlabVIと呼ばれる。一旦、Matlab GUIが働くと、放射プロファイルがここで論じられたオペレーティング・システムにより獲得された未加工のデータを用いて作成される。
【0187】
減衰(場)プロット画面は次の選択を含む:
観測点を選択する;
DUT上の基準点を選択する;
EまたはH場の減衰率をプロットする;
1/r、1/r2、1/r3の勾配と比較する。
【0188】
RF/DUT回転運動画面の提示画面は次の変更はあるがRF固定センサの場合に類似している:EまたはHの放射プロファイルの三次元プロット、及び/または放射プロファイルの横方向及び縦方向の断面の表示。
【0189】
RF回転センサについての提示画面は次の変更があるがRF固定センサの場合に類似している:
放射プロファイルは各走査位置の最大の場の強度から生成される;
各走査位置についての方向及び振幅の読出し;
各走査位置における磁場(または電流)の方向及び大きさを示す曲線プロット;
場の大きさはカラー・チャートにより前と同様に符号化される;
各走査位置における場の強度の極形式プロット;
各走査位置においてZによる場の方向角度/大きさの変化;
もしあれば、Zによる場の方向角度の変化。
【0190】
図67はDC場センサについての提示画面の構造を示す。アナログ・データ取出し画面で、DUT上の特定の位置についてある時間期間に亘って記録されたアナログ・データは取出される。場の強度の偽カラー画像画面は固定EMセンサに関するものと類似しているが、しかしアナログ出力は選択された期間に亘って加算される。テスト情報画面は検出器パラメータ、背景温度、及び/または走査パラメータを含む。
【0191】
図68はピーク監視についての提示画面の構造を示す。テスト情報画面はスペクトル・アナライザのパラメータ、DUT情報、センサ情報、及び/または走査位置を含む。データ画面は各振幅を記載する棒図表及び対応するデータを含む。スペクトル内容の特性指数(SCFM)画面は測定の全体の帯域幅の選択または帯域幅内の選択された帯域を含む。
【0192】
時間領域測定画面はアナログ/ディジタル・オシロスコープである検出器による周波数領域測定及び記録されつつある各走査位置における信号の変化のそれらと類似している。
【0193】
TEMセル画面を使用するセンサ較正の目的は下記のことを含む:
TEMセルにおいて基準の場を生成する;
特定の周波数範囲について基準の場の存在においてセンサを較正する;
新センサの設計のため、センサの伝達関数として、または解析/研究目的のために使用される検索表を作成する。
【0194】
ユーザーは下記のことを選択する:
周波数範囲;
TEMセル内部の基準の場のレベル;
センサの型。
【0195】
この画面でのその他の機能はプロット較正データを含み、検索表を作成し、保存し、そして印刷する。
【0196】
近距離場の測定からの近距離及び遠距離場パターンの決定
遠距離場の影響から近距離場の影響を区別することはEMIの我々の議論において有用であろう。遠距離場、または放射場は1/r(rは源からの距離である)に従って減少する場の強度を有する。近距離場は非放射で、一以上の次の成分を含む:
静電場、1/r3で減少する場の強度を有する電荷蓄積によって誘起され時間的に変わらない場、
準静電場、1/r2で減少する場の強度を有する電流によって誘起され時間的に変わらない場、及び
RFまたはマイクロ波周波数において時間で変化する、定在波の場。
【0197】
さらに完全な記述では、双極子の場が仮定される(例えば、クリストス・クリストパウロス著「電磁両立性の原理及び手法(Principles and Techniques of Electromagnetic Compatibility )」(CRC出版(フロリダ州ボカ・レイトン、1995年))の38−42ページ参照)。近距離場領域において、1/r3で減衰する項は静電場及びここから容量性エネルギ蓄積を表す。1/r2で減衰する項は電流要素及びここから双極子の周辺での付随エネルギ蓄積による擬静電場を表す;この寄与は誘起近距離場として記述される。
【0198】
近距離場領域において、電場及び磁場成分が自由空間における場合のように媒体の内部インピーダンス(Zin)によって単純に関係がないことに注目することは重要である。近距離場インピーダンスZnear_fieldは大きさ及び方向の両方でZinとは異なる。双極子の場合について、これはE場成分が遠距離場について予測より大きいことを意味する。我々が双極子の代わりにループ・アンテナを考えるならば、その状況は逆転される:今やH成分が支配的である。
【0199】
源の近くで、従って、源の特徴は放射波のEM特性において反映される。一方、遠距離場において、源の特徴が確認される場の特性には何も存在しない。この結果は近距離場測定の重要性を増加する。
【0200】
反応領域と放射領域の間の境界は源から約λ/2πの距離に存在すると見なされ、ここでλは測定されている信号成分の波長である。例として、1000MHzの信号について、λは約30cmで、したがって近距離−遠距離場の境界は源から僅か約5cmのところに位置する。2000MHzの信号について、境界は源から単に2.5cmのところにあるであろう。これらの二つの領域のうちで、反応近距離場領域はここに記述された理由で主要な関心事である。
【0201】
規定基準は遠距離場放射についてある基準との整合を必要としながら、近距離場の影響は回路中で実際に障害の原因となる可能性がある。例えば、一つの部品、デバイス、または回路による近距離場放射は隣接の部品またはデバイスの動作を妨害し、または回路の遮蔽または製品包装と相互作用し、またはそれらが放射場となり、このように遠距離場放射の一因となる他の機構に直面するかもしれない。このように、各々が特定の放射限界に従う、二つの部品、デバイス、または回路を組合せたり、近距離場効果により生じる問題のため整合しない、及び動作しないデバイスを得ることは可能である。
【0202】
本発明の実施例による方法にでは、テスト中のデバイスまたはシステム(DUT)の近距離場放射プロファイルが収集され、そして(例えば、DUTからの特定の距離及び/またはDUTに関する方向における)放射強度は放射プロファイルに基づいて計算される。放射プロファイルは(例えば、DUTの表面と平行な)デバイスの上の平面上にある所定の領域に亘って所定のデバイスまたは機能ブロックの近距離場を測定することによって収集される。平面のサイズ(即ち、走査面積)はデバイスのサイズよりさらに小さくても、同じでも、もしくは大きくてもよい。例えば、走査面積はデバイスより各側面で約20ミリメートル大きい。使用されるセンサの感度に幾分依存して、この距離を越えて近距離場を測定することは不可能か、及び望ましくない。しかしながら、走査面積上の情報がそれでもなお下で論じられるように計画される回路基板(または、他の構造)上の至る所でデバイスからの放射による場の信頼できる計算を支援するのに十分であるかもしれないので、そのような距離を越えて場を測定することは必要ではないかもしれない。
【0203】
一度、近距離磁場が測定されると、対応する電流密度が計算される。電流密度から、回路板上の至る所(または、DUTを囲む空間の至る所)のベクトル磁気ポテンシャルが導出され、回路板上の至る所でH場とE場の両方の特徴が代わりに提供される。この結果はホイヘンス−フレネルの原理または表面の等価定理に基づいている(コンスタンチンA.バラニス:「高等工業電磁気学(Advanced Engineering ElectromagnetIC)」(ワイリー社、1989年刊)及びリチャードC.ジョンソン:「近距離場の測定からの遠距離場アンテナ問題の決定(Determination of Far Field Antenna Problem from Near−Field Measurements)」(IEEE会報第61巻・第12号、1989年12月発行)で一般に論じられている)。ホイヘンス−フレネルの原理は所定の波面で各点が小球面波を生起する二次の源と見なされ得ること、及び波面の外部のある点における場がこれらの基本的な小波の重ね合わせから得られるということを述べている。この原理を適用することによって、源の構造に関して電流及び電荷分布が正確に分かれば、源の完全な電磁場の配位が計算される。
【0204】
シェルクノフによって導入された、表面等価定理は、一次波面上の各点は二次波面の新しい源であると考えることができ、二次波面はこれらの二次球面波の包絡線として組立てられれると述べているホイヘンス−フレネルの原理のさらに厳密な公式化である。その定理は、損失がある領域の場は領域内の源に境界上の電場の接線成分、または境界上の磁場の接線成分、または境界の一部に亘る前者と境界の残りの上の後者を加えたものにより一意的に特定されると述べている一意性定理に基づいている。損失がない媒体における場は損失がある媒体において対応する場の極限(損失がゼロになるので)であると考えられる。このように、接線方向の電場または磁場は閉じた面上で十分に知られていれば、源のない領域における場が決定できる。
【0205】
この定理の一応用において、実際の源(例えば、デバイス)は等価な源と置換えられる。計算された源はその領域内で実際の源と同じ場をつくるために所定の領域内の実際の源と等価である。ここで記述された回転センサは接線方向の磁場を測定し、したがって接線方向のH成分の計算を裏付けるために使用される。
【0206】
近距離場測定に基づいて場を決定する第二の方法は次のようにに記述される:ある所定の回路部品の放射プロファイルはその部品の上の或る距離における表面上で測定される、磁場ベクトル成分によって記述される。一例において、磁場が測定される領域は集積基板上の回路部品の足跡を取り囲む矩形の領域である。場の成分は回路部品の機能的な属性によって決定されるある周波数域で測定される。
【0207】
各周波数について、放射の電磁気理論は放射プロファイルが測定される平面上の空間のある点における電場及び磁場を獲得するために利用することができる。この計算に適した一数学演算は放射プロファイル平面に対する接線方向の磁場成分の積の放射プロファイル平面上での積分である。典型的な実施では、空間の別の点(源点と呼ばれる)にあるいわゆる双極子電流源により空間の或る点(観測点と呼ばれる)で所定の周波数で生起される電磁場を記述するために使用されるグリーン関数を用いてその積分が実行される。双極子電流は放射プロファイル平面上の選択された点において測定された接線方向の磁場と場の測定格子(グリッド)(即ち、隣接する場の測定の間の各大きさでの距離により定義される)の分解能に対応する矩形領域との積として計算される。積分は数値的に行われ、放射プロファイルが測定される点に位置する個々の双極子の寄与による電磁場のベクトルの重ね合わせとして説明できる。
【0208】
一旦、その放射プロファイルが空間の限定された部分だけ(この例では、部品の上で、部品の足跡を取り囲むに十分な範囲の平面)に亘って獲得されると、この処理は部品の上の空間のある点における部品の放射の予測を可能にする。ここに記述されたように、例えば、集積基板上の部品からのこの電磁放射の可能性はシステムの平面計画を導くために使用され、それにより回路部品配置は回路部品による電磁障害が他の回路部品の機能不良を引き起こすかどうかに基づいて決定される。
【0209】
近距離場測定により場を決定する第三の方法はモード拡張の面から全電磁場を記述するものである。これらのモードの大きさ及び方向は近距離場における適当な表面上(例えば、平面波拡張の平面上)の電磁場の測定から導出される。モード拡張における各成分の大きさ及び方向の知識は放射場の完全な記述を可能にする。
【0210】
ファイル・フォーマット
蓄積及び/または転送のために測定データ(例えば、上述のセンサ及び位置決めデバイスを用いて収集された、放射プロファイルといったデータ)をフォーマットすることが望ましい。例えば、測定データは一以上の行列(マトリックス)または配列(アレイ)にフォーマットされ、ファイルとして蓄積される。そのようなファイルの見出し(ヘッダ)は、センサ120及びDUT10の間の(例えば、DUT10の表面に垂直な軸に沿った)最初の距離といった(例えば、ASCIIまたはテキスト・フォーマットの)情報;x、y、及び/またはz方向における各標本化の点を分ける距離;x、y、及び/またはz方向における走査面積または体積の大きさ:測定データに関係する周波数または周波数範囲;使用されるセンサの型及び/またはセンサの伝達関数:蓄積されるデータの型及び/または使用される特定のデータ・フォーマット;及び増幅器の利得及びスペクトル・アナライザの分解能帯域幅といったデータ処理経路における他のデバイスに関する情報を含む。ファイルはまた最初の測定の相対的な場所、走査領域の輪郭、及び/または格子線(グリッド・ライン)を示すDUT10のビットマップまたはその他の画像を含む。同様に、感受率測定の間に収集されたデータ(例えば、感受率プロファイル)は多分アナログ情報(例えば、源とテスト中のデバイスとの間の距離、テスト中のデバイスの特性と監視される端子(ピン)の特定、シミュレーション環境またはプロトコルの特徴に関する情報)を含むヘッダと共にフォーマットされ、蓄積される。
【0211】
典型的な実施において、いくつかの平面の各々(例えば、DUT10の表面に直角な軸に沿ったDUT10からの異なる距離に対応する各平面)で測定されたデータは二次元軸に対応する次元のマトリックスで、別々のマトリックスとして蓄積される。マトリックス入力は対応する場所で測定された検知場の強度を表す。代りに、データは別のマトリックス入力を獲得するために測定点の間で補間される。
【0212】
ファイルは異なるマトリックスまたはマトリックス集合に蓄積され各測定周波数に関する値と共に、一以上の測定周波数に対応するデータ値を含む。方向測定に対応するデータは二つのマトリックス:大きさまたは強度に関するものと(例えば、度で表された)方向に関するものに蓄積される。
【0213】
他の測定データを表す値はマトリックスまたはアレイ・フォーマットではなくベクトル・フォーマットで蓄積される。ピーク監視の間に獲得された測定データは、例えば、二つの対応するベクトル:測定周波数に関するものとその周波数において記録された強度に関するものに蓄積される。代りに、周波数情報は(例えば、周波数測定が一様に区分される場合には)初期値及び増分値としてファイル・ヘッダに蓄積される。二つの直交方向の成分の測定を行うセンサ(例えば、非回転ループ・センサのような磁場方向センサ)について、各点の場の大きさ及び/または方向が後で計算できるように、個別のベクトル集合が各方向成分について記録される。
【0214】
各マトリックス(またはベクトル)入力はおそらく小数点、及び/または先行及び/または後続のゼロを含む、(可変長及び/または固定長の)のASCII(テキスト)数字列として蓄積される。例えば、ASCIIファイルはマトリックスを分離する一以上の空行(各空行は、例えば、一以上のキャリッジ・リターン/改行キャラクタで指示される)と共に、二以上のマトリックスを含む。代りに、各マトリックス入力は二進整数または浮動小数点フォーマットで蓄積される。他の実施では、データ値のマトリックスは画像(例えば、ビットマップ)フォーマットで蓄積される。
【0215】
上述のように、DUTに入力される信号は(例えば、振幅、周波数、変調、等々が)変化しながら測定が行われる。そのような場合には、得られた測定データを蓄積するファイルは入力信号の変化の各レベルに関するマトリックスを含む。ファイル・ヘッダは様々なレベルの入力信号(例えば、dBで表される)を特定し、且つ各々の入力信号レベルをデータ値の対応するマトリックスに相関させる情報を含む。
【0216】
CADツール
自動化部品配置のためのツールは現代の電子システム及びデバイス(集積回路など)の設計及び製作において日常的なものになった。図70はそのようなツールのフローチャートを示し、それは論理的または概略的回路の記述を実際のプロトタイプの中の部品の配置のためのテンプレートに変換する。自動配置ツールの入力データは、例えば、SPICE(集積回路に重きを置いたシミュレーション・プログラム)ネットリストまたはハードウェア記述言語(または「HDL」)で具体化される論理的な流れまたは信号の流れを含む。そのツールはまた完成したプロトタイプのサイズ及び/または形状といったデータを受取ることができる。同様のツールがマルチチップ・モジュール(MCM)、回路板または部分組立品、または末端のユーザー及び消費者製品といった完全な組立品を設計するために使われるが、集積回路を設計するために使用されるとき、自動配置ツールはまた平面計画器(フロア・プラナ)と呼ばれる。
【0217】
そのテンプレートが配置(レイアウト)設計のある規則に従えば、その結果得られるプロトタイプの動作で予知されない厄介な問題の可能性は低減される。そのような一つの配置設計ルールは高度に接続された部品を互いに近接して配置することにより相互接続の長さ及び複雑さを最小にすることである。また、そのような規則は製作された回路における混信(クロストーク)、結合、及び装荷の影響を最小にするために配置テンプレートにおける長い平行な信号線路の使用に対して指示を行い、斯くして信号完全性をシステム全体に保証することを助ける。
【0218】
しかしながら、最終の配置テンプレートが所定の配置設計ルールに適合しても、得られたプロトタイプはしばしば予期したように機能することができない。そのような失敗の一つの理由は配置設計ルールがシステムの異なる素子間の実際の電磁相互作用の説明にならないことである。電磁障害及び電磁両立性は様々な回路素子の物理的配置及びこれらの素子と電力及び接地端子の間の相互接続に強く依存する。また、部品サイズが減小し、部品の実施密度及び動作周波数が増すにつれて、回路内の電磁放射の影響はさらに明白になる。その結果、高度集積部品の初回設計、特にマイクロ波での動作を意図したものは実質的に不可能になった。
【0219】
一部の設計が初期のプロトタイプに旨く使用されたとしても、そのような問題は発生する。例えば、一以上の設計で回路ブロックを使用することはますます一般的になっている。そのようなブロックは、例えば、初期の応用で最初から設計されたかもしれないし、または外部の業者から一つの知的財産(IP)(IPコアともいう)として購入されたかもしれない。配置設計ルールとの整合性を証明する配置ツールは、そのようなブロックが、例えば、異なる機能的ブロックの近くとか、異なるデューティ・サイクル、またはクロック・エッジで動作させるとか、または異なる工程で製作されるという、異なる環境で使用されるとき起こる問題を予測することができない。
【0220】
そのような問題の原因は完成したプロトタイプにおいて容易には発見されない。一つの理由はいくつかの放射物の中から厄介な放射源を特定することの困難さである。従って、修正処置は多少盲目的に行われ、一方、問題の正確な原因は何回かのプロトタイプの見直しでも分からないままに、時間や金銭を無駄にする。設計過程は高くつく試行錯誤サイクルの繰返しになるだけでなく、(遮蔽をするといった)いくつかの修正試行は重くなるとか、大きくなるとか、または実際の障害作用を悪化させることさえあり、有害であることさえ分かる。
【0221】
そのような理由で、設計段階で回路要素間の電磁障害を評定することにより回路配置に対する予防法を可能にすることが望まく、このようにして潜在的な問題を発見し、高くつく実現工程が始まる前にその解決法を迅速かつ容易に評価することができる。
【0222】
図71に示されたように、本発明の実施例による電子デバイス及び/またはシステムの自動配置の方法は回路内容及び部品配置情報を受取ることを含む(タスクP120)。タスクP120で受取られた回路内容は部品の型、大きさ、接続性といった情報を提供する。例えば、この内容はSPICEネットリストに具体化された論理の流れまたは信号の流れの機能記述、HDLファイル、または概要図を含む。このデータはディジタル回路、アナログ回路、または、ディジタルとアナログ部の両方を持つ回路を記述する。タスクP120で受取られた部品配置情報に関して、このデータは、例えば、自動配置ツールから獲得される。タスクP120で受取られた他のデータは電磁遮蔽要素の特性及び場所といった特徴についてのサイズ制約及び/または環境上の情報を含む。
【0223】
タスクP130では、タスクP120で受取られたデータによって定義された回路により誘起される電磁場が計算される。タスクP120で受取られたデータに加えて、この場の計算は回路部品に対応する放射プロファイルを参照して行われる。任意の精度で測定及び/または数学的にモデル化される、これらの放射プロファイルはライブラリまたはデータベースとして供給され、且つ(例えば、ここで述べられた位置決めデバイス及び一以上のセンサを用いて集められた)測定データに基づている。選択的に所望のブロックのみ駆動することにより切片またはモジュール内の個々のブロックに関する放射プロファイルのデータを集めることは可能である。典型的な応用では、放射プロファイルは特定の部品タイプの近距離場放射を定義し、二または三次元での相対的位置及び対応要素の格子として提示される。
【0224】
タスクP130によって出力されたデータは多数の異なる方式でフォーマットされる。例えば、タスクP130は各部品の一つの場の画像、または全体のアセンブリの合成場の単一画像、またはアセンブリの所定の小部分の一つの場の画像、または所定の周波数の集合の各一つに関する一つの合成場の画像を作成する。その上、このタスクで行われる場の計算は特定の周波数範囲または臨界(またはバンド内)周波数の集合に限定される。また、そのような解析は二次元に限定されず:放射プロファイルがそのような場を計算するのに十分なデータを含む限り、場の画像は三次元においても生成されることは注目すべきである。一つの典型的な実施では、DUTのある特定の距離における平面内のE及びH場に関する場の強度の画像は個別のマトリックスとして蓄積のため出力される。他の実施において、それらの画像は場の方向をも示している。(「画像(image)」という用語はここでは値のマトリックスまたはアレイを示すためにのみ使用され、様々な実施がそのような可能性を含むけれども、この用語の使用は画像が表示に適した形で表示されまたは提示されなければならないことを意味するものではないことに注意を要す)。
【0225】
タスクP140では、タスクP130からの誘起された場または複数の場の影響が計算される。回路成分に対応する感受率プロファイルがこの影響を決定するのに使用される。特定の部品の感受率プロファイルを決定するための本発明の実施例による方法は次のように記述される。アンテナはテスト中のデバイスまたはシステムに関して固定の場所(例えば、DUTの中心の上)に配置される。放射パターン及びスポット・サイズといったアンテナの特性はパッケージおよび切片のサイズといったDUTの特性に基づいて選択される。アンテナは入力信号に対応して(例えば、所定の周波数及び振幅で)放射を行うので、DUTの選択された端子に印加された場により誘起された電圧が監視、且つ記録される。誘起電圧はここに記述されたファイルに(例えば、監視される各端子の一入力をもつ、ベクトルとして)、ファイル・ヘッダに記録される測定環境及び/またはプロトコルの特性を示す情報とともに蓄積される。
【0226】
さらなる実施では、誘起電圧が監視及び記録されるにつれアンテナに入力された信号は(例えば、振幅及び/または周波数が)変化する。例えば、入力信号はいくつかの所定の臨界周波数の間で変化する。別の例では、入力信号の振幅は故障状態がDUTで発生するまで増大するかもしれない。代りにまたは入力信号の変化に加えて、アンテナ及び/またはDUTは放射アンテナがDUTの周辺において所定の経路、面積または体積を覆うように相互に相対運動し、一方、位置情報及び対応する誘起電圧が記録される。代りにまたは上記に加えて、アンテナとDUT間の相対方向は(例えば、アンテナを回転させることにより)変化し、一方、方向情報及び対応する誘起電圧が記録される。そのような場合には、信号、位置、及び/または方向設定に関する情報は(例えば、初期値及び増分(減分)値として)または一以上のベクトルまたはマトリックスとして、対応するベクトルまたはマトリックス内に蓄積される誘起電圧測定(例えば、監視されている各端子に関するもの)と共にファイル・ヘッダ内に蓄積される。
【0227】
DUTはそのような監視期間に特定の命令列(例えば、標準検証テスト)を実行するためにプログラムまたは制御され、そうでなければいくつかの繰返し機能を実行する。各測定のための動作を示すようDUTを促すことによって、例えば、DUT故障状態がさらに容易に検出及び/または確立される。
【0228】
代わりに、感受率プロファイルはシミュレーションによって少なくとも一部獲得される。本発明の実施例によるそのような一方法では、Specctra(ケーデンス設計システムズ社(カリフォルニア州サンホセ))といったシミュレーション・パッケージがテスト中のデバイスまたはシステム(DUT)の選択された表示のノード及び端末でシミュレートされた信号を入力するために使用される。シミュレートされた信号は、例えば、振幅及び/または周波数の特定の範囲に亘って(または臨界値に亘って)変化する。シミュレートされた信号レベルはDUTの重要な中心部または回路に対する影響とともに(例えば、故障が発生するまで、またはシミュレートされたDUTがいくつかの動作基準を満たせなくなるまで)記録される。
【0229】
感受率プロファイルを潜在的に干渉しているデバイスの放射プロファイルと相関させるために、選択されたノード及び端末の位置における放射場の強度は(例えば、タスク130おいて計算された場の画像から)決定される。これらの場の強度(メートル当たりのボルトまたアンペアで表される)は放射物、及びパッケージ、回路板、及び/または相互接続の配置からのノード及び端末の距離といった要素に基づいてノード及び端末における電圧に変換される。
【0230】
感受率プロファイルのライブラリまたはデータベースは異なる周波数、動作電圧、プロセス・サイズ、等々に対応する各プロファイルと共に、部品に関するいくつかのプロファイルを含む。タスクP140は、例えば、プロファイルの閾値を越える場所を検出することにより誘起された場の影響を決定する。さらなる実施では、タスクP140は様々な部品とそれらの放射場及び/または感受率の相対的方向を明らかにする。
【0231】
図72は図71の方法への一つの拡張を示す。この方法では、タスクP140において計算された誘起雑音値は完成したプロトタイプの動作を予測するためにSPICEシミュレーションにおける元の回路データと共に含まれる。そのような動作は「仮想プロトタイプ化」と見なされる。設計者が製造の時間や費用をかけないでプロトタイプの評価ができることに加えて、そのような方法はまた問題の場所に関する情報を提供することによって設計者を導く。
【0232】
図73に示された図71の方法への別の拡張では、タスクP140において計算された誘起雑音値は配置テンプレートにより組立てられたプロトタイプが設計仕様に合うかどうかを決定するために使用される。そのプロトタイプが仕様の中で機能しないことがタスクP160において決定されれば、そのテンプレートは拒絶される。
【0233】
図74に示された図73の方法への拡張では、タスクP140において計算された誘起雑音値は回路内容及び/または部品配置情報の修正を指示するのに使用される。例えば、特定の部品の動作が特に他の部品によって発生した場により影響されることをこれらの値が示すならば、部品配置は他の制約(例えば、回路板サイズ及び大きさの制限、接続性要求、等々)が許されれば二つの部品を分離するためにタスクP170において修正される。代りに、一部品によって発生した場がすぐ近くの部品の動作周波数に類似した周波数を含むことをその計算が示せば、回路内容は第二の部品の動作周波数に変更するためにタスクP170において修正される。
【0234】
図75は部品配置を計算するタスクP220を含む本発明のさらなる実施例による方法のフローチャートを示す。一つの実施では、タスクP220は部品の大きさ及び熱感度、包装及びその他の制約、及び(例えば、その他のデバイスまたは回路板との接続のような)接続性並びに配置要求といった物理的情報を(例えば、長い平行配線を避けて)上述の一般的配置ルールと組合わせることにより行われる。図76は回路シミュレーション・タスクP250を含む図75の方法への拡張を示す。
【0235】
図77は電磁整合性(EMC)評価タスクP180及び故障解析タスクP190を含む図75の方法への代わりの拡張を示す。タスクP180では、タスクP140で計算された影響は所定の基準(例えば、一以上の雑音閾値)と比較される。その基準を越えると、タスクP190で修正決定が行われる。一例では、最初の故障に関して、部品配置のための基準が修正され、その手順はタスクP220に戻り、そこで、第二の故障に関して、回路内容は遮蔽を含むように修正され、その手順はタスクP210に戻る。
【0236】
図78は本発明の実施例による装置のブロック図を示す。電磁場計算器710は回路内容及び部品配置情報信号S110と放射プロファイル信号S120を受取り、計算された電磁場に関する信号を電磁障害計算器720に出力する。計算器720は計算された場を信号S130で受信された感受率プロファイルと比較し、上で論じられた所定の基準に基づく結果を出力する。
【0237】
図79及び80はシステム−レベル応用におけるCADツールの動作を示す。この例では、五個の部品(例えば、集積回路)は接続性及び信号完全性に基づく予備配置のプリント回路板に配置される。これらの部品の一つは侵略者であると考えられ、所定の臨界周波数でその測定された近電磁場放射プロファイル作用領域はパッケージの右下隅にスポットによって示される。他の部品はこの場合には犠牲者であると考えられる。本発明の典型的な実施例による方法または装置の応用は回路板上の至る所で誘起される場の計算及び周囲の機能ブロックで誘起される雑音の続いての決定と共に、測定された放射プロファイルの数学的拡張を含む。それから誘起された雑音値は各部品の(例えば、感受率プロファイルで示される)露出限界と比較され、EMC妨害が特定される。この例では、EMC妨害が決定される部品は固体ブロックによって図80に示される。更なる実施では、新しい配置がEMC妨害を補正することが示唆される。
【0238】
本発明のさらなる実施例による方法では、タスクP130は集積回路設計のとき別の接続機構:受動デバイス及び/または能動デバイスにより生じる半導体基板における寄生変位及び/または伝導電流を介して発生する、半導体基板により誘起される障害または「基板結合」の考察を含む。そのような現象の考察は回路配置の最適化がそのような障害を抑制することを可能にし、改良された分離のために適切なガード・リングの設計を導くのに役立ち、そしてオーム損失及び/または基板容量(キャパシタンス)のそれらの動作特性に対する影響を考慮することによってチップ上受動デバイスの設計を可能にする。図100は本発明の別の実施例によるEMC対応の設計の方法のフローチャートを示す。
【0239】
本発明の実施例による電子デバイス及び/またはシステムの自動配置のための方法、システム、または装置は粒状度のレベルでデバイス及びシステムの設計に適用される。例えば、ここで使用された「部品(component)」という用語は一文脈では半導体基板上に作られた部品を、別な文脈では集積回路内の機能ブロック(例えば、共振ループまたはフェーズ・ロック・ループといったアナログ回路、またはXORゲートまたはマイクロプロセッサといったディジタル回路)を、別な文脈ではシリコン・チップまたは切片を、別な文脈では個別パッケージを、さらに別な文脈では回路モジュールを意味する。上に示されたように、ある修正は(例えば、集積回路の設計における基板結合を明らかにする)粒状度の異なるレベルに適している。
【0240】
診断及び製品評価のためのテスト
携帯無線電子デバイスの設計は主として二つの段階で行われる。最初の段階では、設計概念を確認するために「ストレッチ・ボード」が製作される。一旦その概念が確認されると、その回路は指定された形状要素に合わせるためにサイズが小さくされる。この点で、二つの問題が生じる。第一に、小さくされたデバイスは小型化にのみ現れる一以上の自己干渉機構により同じレベルで機能しない(または、極端な場合には全く機能しない)。不幸にして、特定の機構の本質、及び対応する適切な療法はあまり設計者には知られてなく、修正処置が高価な、盲目的試行錯誤手段でしばしば行われる。
【0241】
第二に 、小さくされたデバイスは好ましくない放射を発生する。例えば、携帯無線デバイスは回路基板の接地平面が双極子(ダイポール)の一方の脚として放射が行われる非平衡または埋込みアンテナを含む。さらに広い意味では、電子デバイスによって放射されたエネルギーは潜在的な安全上の問題をユーザーに提示し、及び/またはすぐ近くのデバイスの動作に影響を及ぼす。そのようなデバイスが販売で提供され、または作業環境において使用される前に、その供給者は少なくともその意図した使用において、規則によって定められたようにそのデバイスがユーザー(そして、あるいは他の人)に安全であることを実証する必要がある。供給者はまたそのデバイスが他のデバイスの動作を妨害しないことを実証する必要がある。例えば、業界及び/または政府の規則はそのデバイスがある放射限界に合っていることを供給者が立証することを要求している。
【0242】
電磁障害及び規定の整合性の問題に加えて、電子デバイスによる不要な放射はまた浪費電力を意味する。携帯電話または携帯式コンピュータといった電池駆動デバイスにとって、そのような放射を低減させることは電池寿命延長の利益をもたらす。
【0243】
いくつかの例では、作為的な放射物によって発生した放射が最終製品の動作に影響を及ぼさず、及び/または(即ち、デバイスからの特定の距離及び/または方向で測定された)特定のレベルを越えないことを確立するために計算モデル化が設計段階の間に使われる。しかしながら、多くの電子デバイスはそのようなモデル化をするにはあまりにも複雑で、実行不可能である。電磁エネルギーの一以上の作為的な放射物(アンテナのような)に加えて、例えば、電子デバイスはまた電磁エネルギーの作為的な放射物(例えば、非平衡アンテナに接続されたプリント回路板)を含む。そのような場合、実験室測定は整合性を確立するために行なわれなければならない。
【0244】
電磁整合性および予備整合性テスト手順は実行するのに多くの費用がかかる。例えば、そのような手順は一般的に専門の設備及び無響室(電波暗室)を必要とする。不幸にして、電子デバイスが要求される放射限界を満たすことができないとき、原因を特定することは大抵は難しい。その他の要求(例えば、サイズ、費用、及び/または重量に関する)を越えずにデバイスを整合させるためにとられる救済措置は遮蔽をしたり、一以上のプリント回路板を再設計したり、及び/またはアンテナの場所を変更することを含む。しかしながら、そのような処置は大抵は現在の場合における故障機構の実証を理解しないで、過去と類似の状況から得られた直観または経験にのみ基づいて取られる。そのような理解なしで処置がとられたとき、救済措置は放射問題を悪化させる。この理解の欠如は整合性テスト・サイクルの一連の高価な試行錯誤につながる。
【0245】
整合性及び予備整合性テストの費用を低減することは望ましい。整合性テストにおける故障の機構に関する情報を提供することもまた望ましい。電子デバイスにおける自己干渉の機構に関する情報を提供することはさらに望ましい。
【0246】
図81は本発明の実施例による診断の方法のフローチャートを示す。タスクP310はテスト中のデバイスのエネルギ場放射の特徴付けを行う。典型的な応用では、テスト中のデバイスは少なくとも一つの能動デバイス、即ちその動作が半導体接合の作用を含む個別部品を含む。能動デバイスの例は集積回路及びトランジスタを含む。
【0247】
一実施例では、近距離場放射特性はテスト中のデバイスの反応近距離場領域内(例えば、デバイス表面から約λ/2π小さく、ここでλは関心の周波数の波長である)の幾つかの標本点の各々における磁場ベクトルの表現(例えば、強度値及び方向)を含む。上述のように、疑似静的近似はこの領域の近距離場放射に応用され、ここに記述されたセンサ及び位置決めデバイスはそのような特徴を収集するために使用される。一つの例では、標本点はテスト中のデバイスの表面から特定の距離の平面にある。他の実施では、タスクP310は放射された磁場の異なる特徴及び/または異なる放射場の特徴を獲得できる。
【0248】
タスクP310は(例えば、磁気、光、相変化、または不揮発性媒体上の一以上の)データ・ファイルから、または(例えば、半導体ランダム・アクセス・メモリ上の)記憶アレイから放射特性を獲得する。代りに、タスクP310はここで記述された測定によって(例えば、DUTに関して確定された一以上の平面または体積に亘る)放射特性の収集を含む。典型的な実施では、放射特性は一以上の特定の周波数または周波数範囲(例えば、送信デバイスの搬送周波数範囲、または中間、混合、または局部発振器の周波数といった内部動作周波数)に関係する。テスト及び/または特定のテスト基準のもとでのデバイスの性質に応じて、タスクP310はテスト中のデバイスに入力されたテスト信号を印加、及び/または制御することを含む。例えば、タスクP310は印加信号の振幅、周波数、及び/または変調を変え、及び/またはその信号が印加されるテスト中のデバイスの端子を変更することを含む。
【0249】
タスクP330は一以上の所定の距離及び/または方向でテスト中のデバイスの放射強度を計算する。例えば、タスクP330は所定の指定体積内の至る所で(例えば、指定の分解能で)DUT放射強度を計算する。放射強度は電力密度(例えば、キログラム当たりのワットまたは平方センチメートル当たりのワット)、電場強度(例えば、メートル当たりのボルト)、または磁場強度(即ち、例えばメートル当たりのアンペアで表される電流密度)といった用語で示され、そして一以上のマトリックス、アレイ、画像、またはファイルとして表される。タスクP330は自由空間を横断する伝送を仮定し、及び/または誘電率及び透磁率といった固有のパラメータで規定される一以上の伝送媒体を含む伝送路に関して計算を行う。例えば、タスクP330は記憶装置から、ユーザー入力を経由して、または別の工程から伝送路の特性を受取る。伝送路または媒体の内容はまた場所、形状、及び組成といった特質により示される、遮蔽材料を含む。
【0250】
タスクP330の計算は特定の周波数または周波数の集合または範囲に限定される。例えば、タスクP330はテスト中のデバイスの表面の上の平面における幾つかの点の各々における、及び反応近距離場領域(例えば、ここで記述されたように測定された接線方向磁場ベクトルの渦のような)内の電流密度の計算を含む。ホイヘンス−フレネル、モード拡張、グリーンの定理、及び/またはフーリエ変換といった、様々な変換が放射強度を計算するのに適用される。タスクP310及び/またはタスクP330はまた測定センサの伝達関数及び/または測定信号が受信される伝送回線の装填といった測定技巧を明らかにする。
【0251】
タスクP350はタスクP330によって計算された強度を受取り、高い放射強度の点または領域を特定する。例えば、タスクP150は計算された強度を一以上の所定の閾値と(例えば、図82のタスクP355と同様に)比較することを含む。タスクP350(P355)はEMI/EMC妨害の原因となる源及び機構の場所を示す結果を(例えば、ここで記述されたように一以上の偽カラーまたは他の画像またはプロットを用いて)出力する。
【0252】
図82は本発明の別の実施例による診断の方法のフローチャートを示す。タスクP360では、テスト中の製品の設計がタスクP155に示された結果に従って修正される。例えば、遮蔽(例えば、ホット・スポットの周辺、及び/またはデバイス自身周辺の接続素子間の)が加えられるか、または修正され、プリント回路板の配置が(例えば、影響を受けやすい素子から放射素子を分離するため)再設計され、及び/またはアンテナの場所が(例えば、接地面への結合、及びそれによる放射を減らすため)変更される。
【0253】
図83は本発明の別の実施例による評価方法のフローチャートを示す。タスクP320はテスト中のデバイスからの特定の距離及び/または特定の方向における放射強度を指定する放射限界を受取る。放射限界はまた各最大の放射強度が印加される特定の周波数または周波数範囲を指定する。各最大の放射強度は電力密度(例えば、キログラム当たりのワットまたは平方センチメートル当たりのワット)、電場強度(例えば、メートル当たりの ボルト)、または磁場強度(例えば、メートル当たりのアンペア)といった用語で表される。例えば、遠距離場放射の規定または業界標準限界はデバイスから約3メートル、及びデバイスの搬送周波数(または、そのある範囲内)で指定される。タスクP355は放射特性及び放射限界を受取り、そして(例えば、タスクP330について記述された、及び多分放射限界で指定された距離及び/または周波数での)放射強度を計算する。
【0254】
安全整合性テストの一領域はヒト組織によるRF放射のSAR(特定吸収率)の測定を含む。例えば、携帯電話のような送信デバイスはユーザーへのその影響を評価するためにテストされる。SARの規定の限界はデバイスから最高5センチメートルの距離、及びデバイスの搬送周波数(またはそのある範囲内)で一般に指定される。そのような応用では、タスクP135は誘電率及び透磁率といった固有のパラメータによって規定された媒体において(即ち、自由空間における放射強度を計算するのに加えて、またはそれに代わって)テスト中のデバイスの放射強度を計算する。例えば、そのような媒体の記述は人間の骨及び脳の、または他の人体部分の電磁特性を見積もるために選択される。
【0255】
タスクP340は計算された放射強度をタスクP320で受取られた放射限界と比較する。上述のタスクP350におけるように、タスクP340(P345)の結果はEMI/EMC妨害の原因となる源及び機構の場所を示す。
【0256】
図83に示された評価方法は予備整合性テストを行うために使用される。例えば、予備整合性テストはSAR及び遠距離場限界との整合性を照合するために一つの放射測定を使用し、実際の整合性テストが行われる前に評価及び可能な再設計に関する問題領域を特定する。図84は上述の修正タスクP360を含む方法のフローチャートを示し、ここでは(例えば、タスクP345によって示された結果により)デバイスの再設計が再テストの前に行われる。本発明のさらなる実施による方法では、(SAR及び遠距離場といった)放射限界がここに述べられた事実上のプロトタイプ適用における設計基準として組込まれる。
【0257】
別の適用では、タスクP120で受取られた放射限界は(例えば、ここで記述されたように収集され、及び/または蓄積された感受率プロファイルに示されたように)デバイスの別の部分から放射されたエネルギに対するデバイス自身の一部の感受率に関係する。
【0258】
携帯電話及び携帯式コンピュータのテストへの適用はここに記述されているけれども、 本発明の実施例による方法は能動デバイスを持つある電子デバイスのテストに適用される。能動デバイスはその動作が半導体接合の作用を含む個別部品である。能動デバイスの例は集積回路及びトランジスタを含む。
【0259】
図85は本発明のさらなる実施例による放射測定の方法のフローチャートを示す。タスクP306はここで記述された選択周波数範囲に亘ってテスト中のデバイス(例えば、集積回路)に関するスペクトル内容情報を獲得する。例えば、タスクP306は広帯域範囲にわたってスペクトル内容性能指数(SCFM)を獲得する。タスクP308はさらなる評価のために選択周波数範囲内のいくつかの周波数を選択する。例えば、タスクP308はスペクトル内容情報が所定の閾値を越える周波数を選択する。タスクP322は距離及び放射閾値を各々含む一以上の放射限界を受取る。代って、タスクP322は選択された周波数と一致するいくつかの放射限界を受取る。タスクP312は選択された周波数に関する近距離場放射プロファイルを獲得し、タスクP332は対応する放射強度を計算し、そしてタスクP342はここに全て記述されたように、放射強度を放射限界と比較する。タスクP306で獲得されたデバイスのスペクトル内容情報は他の応用:例えば、周波数計画及び/または平面計画といったシステム・レベルの応用において使用するために蓄積され、及び/または送られる。
【0260】
前述の実施例の公開はいかなる当業者でも本発明をなし、または使用することを可能にするために提供される。これらの実施例への様々な修正は可能で、ここに提示された一般原理は他の実施例にも適用される。例えば、その発明はハードウェア回路として、応用特定集積回路に作られた回路構成として、または機械可読コードとして不揮発性記憶装置に搭載されたファームウェア・プログラムまたはデータ記憶装置からまたはデータ記憶装置へ搭載されたソフトウェア・プログラムとして一部または全部が実施され、そのようなコードはマイクロプロセッサのような一連の論理素子または他のディジタル信号処理ユニットによって実行可能な命令である。このように、本発明は上で示された実施例に限定されるものではなく、あらゆる方式でここに開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えられるものである。
【0261】
応用範囲
この節では、本発明の特定の実施例によるシステム、方法、及び装置のいくつかの異なる応用で獲得された結果が論じられる。この議論は本発明の特定の実施例に関係し、ここに提示されたように他の実施例のさらに多くの内容を限定しない。
【0262】
ASIC特性:図86及び87は12及び60MHzにおけるVLSIチップの放射形跡(emission signature)を示す。測定はチップの上5mmに位置する磁場センサを用いて1mmづつ動かして行った。そのプロファイルはパッケージ上の、及びパッケージの周辺の場のレベル及び範囲を示す。三次元の断面図は5mm離れた6個の平面上の磁場測定から獲得された。
【0263】
ASICハードウェア検証:VLSIチップ及び回路板の近距離場測定は放射によるRF結合を示す。図88−90はVLSI切片及びパッケージの領域を示す。図88では、そのプロファイルはVLSI切片の上2mmの平面内で走査する130ミクロンのE場センサ用いることによって獲得された。
【0264】
部品特性及び診断:これらのテストに使用される帯域通過フィルタは25ミル厚のアルミナ基板上に作製した。放射テストに提供された二個のユニットのうち、一個は入力領域で基板上に割れ目をいれた。図91の下方は欠陥フィルタが割れ目によって起きた不適合(mismatch)による入力領域で放射することを示す。図91におけるX及びY軸の次元はmmである。
【0265】
製品及びシステム・レベルの測定:ACアダプタの一般的な基本スイッチング周波数は30から200KHzの間にある。これらの周波数における放射は共通モード源と差動モード源の両方から発生する。広く分布し、予測できない浮遊容量(stray capacitance)の不均衡はこれらの電流及び電圧を障害信号に変える。実際の応用では、いくつかの結合機構が同時に作動することになる。アダプタが遮蔽されていないか、または部分的に遮蔽されているとき他の対象へ近づけると浮遊容量の影響は問題を悪化させることになる。
【0266】
図92では、12V、2.5Aで、約65KHzのスイッチングで評価されたACアダプタのテストの結果が提示されている。磁場プロファイルは1cm離れて、6個の個別の平面に亘って走査することにより獲得される。
【0267】
製品及びシステム・レベルの測定:図94および95は約340MHzにおける携帯電話の放射形跡を示す。この形跡は電話の上及び下の3個の平面における磁場測定から組立てられた。電話はテスト中電池によって電力を供給した。そのような測定から無線製品の組立てで使用される遮蔽材料及び技術の有効性が洞察できる。この特定の場合における電話遮蔽設計はデバイス及び回路板レベルで伝導性高分子化合物を組込んだ。約60MHzにおける異なる携帯電話の磁場走査は図92及び93に示される。
【0268】
デバイス放射測定:図96はある工場(Fab1)で作られた見本によって放射された不所望の信号が、放射のさらに高い帯域幅により、別の工場(Fab2)で作られたと同じVLSIの周囲で設計された無線製品におけるシステム・レベル障害問題の原因となったことを示す。
【0269】
デバイス・スペクトル内容の性能指数:図97は0−1000MHzに亘って(それぞれ0.42、0.35、及び0.25ミクロンのプロセス・サイズを用いて作られた)三つのASIC A、B、及びCの放射スペクトルの比較を示す。
【0270】
RF ASIC回路板設計:トランジスタは電流スイッチである。従って、それらの正常な信号処理または増幅動作に加えて、それらは無作為、寄生、広帯域の放射作用を示す。一般的なトランジスタの放射効率はデバイスが小型のために非常に低いけれども、隣接の導電構造へ結合するため(適切に遮蔽されないと)一以上のトランジスタからの放射の可能性が存在し、斯くして隣接部品への二次放射及び/または障害の原因となる。
【0271】
図98及び99はスイッチング・トランジスタ の近距離場について行われたテストの結果を示す。形状要素製品定義(特に、10mm角の多チップ・モジュールについて)がトランジスタに利用可能な回路板面積の量を制限した場合において、回路板は二個のトランジスタを組込む電力増幅器の動作特性をテストするように設計した。示されたように、厳しい結合がトランジスタが取付けられた回路板の中心、特にコレクター線接合上に存在する。さらに、不適切に設計された回路板配置のために二つの入力チャネルの間に不十分な分離が示されている。偽カラー画像はネットワーク・アナライザ測定によって実証された増幅器利得及びクロス−チャネル利得を正確に視覚化している。
【0272】
図98は上部のトランジスタにのみに信号を加えた磁場放射プロファイルを示す。そのプロファイルは入力線と出力線を分離する接地片を介したトランジスタの間の電磁結合を示す。さらに高い分解能の画像(下)は二個のパワートランジスタ(周波数1900MHz)の間の結合機構を特定する。
【0273】
図99はテスト回路上の三つの個別の平面で測定された磁場放射プロファイルを示す。下の画像はX軸の中点(周波数1900MHz)における回路板上の三次元磁場放射プロファイルの断面図を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による位置決めデバイスのブロック図である。
【図2A】アーム132の上視図である。
【図2B】アーム132の側視図である。
【図3A】ホームポジション・センサの側視図である。
【図3B】ホームポジション・センサの上視図である。
【図4】本発明の実施例によるセンサの図である。
【図5】本発明の実施例による能動センサの図である。
【図6】本発明の実施例によるプレート・センサの図である。
【図7A】本発明の実施例によるプレート・センサのプローブ部の図である。
【図7B】プレート312及び314を示す。
【図8】本発明の実施例によるプレート・センサの動作における実効キャパシタンスの図である。
【図9A】本発明の実施例によるスタブ・センサの図である。
【図9B】本発明の実施例によるボール・センサの図である。
【図10】本発明の実施例によるボール・センサの動作における実効キャパシタンスの図である。
【図11】本発明の実施例によるループ・センサの図である。
【図12】多層プリント回路板上に製作された多巻ループ319の電気接続の実例である。
【図13】多層プリント回路板上に製作された多巻ループ319の断面の実例である。
【図14】本発明の実施例によるループ・センサの図である。
【図15】走査平面におけるプローブ部の路程を示す。
【図16】本発明の一実施例により組立てられた近距離場走査器の写真を示す。
【図17】本発明の一実施例により組立てられ、固定センサと共に使用される近距離場走査器のブロック図を示す。
【図18】VLSIチップの放射プロファイルを示す。
【図19】本発明の一実施例により組立てられ、回転センサと共に使用される近距離場走査器のブロック図を示す。
【図20】本発明の実施例により組立てられた回転センサ及び回転機構の写真を示す。
【図21】図20に示された回転センサを用いて収集された情報の提示を示す。
【図22】本発明の一実施例により組立てられた能動磁場センサの写真を示す。
【図23】本発明の実施例により組立てられたいくつかのループ・センサの写真を示す。
【図24】TEMセルの写真を示す。
【図25】10mmのループ・センサ上で行なわれた二つの較正テストの結果の比較を示す。
【図26】本発明の一実施例により組立てられた能動センサの写真を示す。
【図27】図26に示されたセンサの詳細写真を示す。
【図28】図26に示されたセンサの概要図を示す。
【図29】短絡ツイストペア線のS11のグラフを示す。
【図30】本発明の実施例により組立てられた回転センサ及び回転機構の写真を示す。
【図31】本発明の実施例により組立てられた回転センサ、及び機構を回転させるステッパ・モータの写真を示す。
【図32】本発明の一実施例により組立てられた回転機構上の位置決めレーザを指示する写真を示す。
【図33】本発明の一実施例により組立てられた回転機構のホームポジション・スイッチの概要図を示す。
【図34】本発明の一実施例により組立てられた能動センサ及びTEMセルを用いて獲得された較正結果の画面表示を示す。
【図35】本発明の一実施例により組立てられた回転センサを用いて獲得された結果の画面表示を示す。
【図36】本発明の一実施例により組立てられた回転センサを用いて収集された情報の提示を示す。
【図37】本発明の一実施例により組立てられたE場スタブ・センサを用いて獲得された較正結果の画面表示を示す。
【図38】本発明の一実施例により組立てられた2mmのボール・センサについて入射面の説明を示す。
【図39】平行及び垂直分極の場合について本発明の一実施例により組立てられた2mmボール・センサの伝達関数のプロットを示す。
【図40】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの概観図を示す。
【図41】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムにおけるプログラム及びエンジンの状態図を示す。
【図42】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの処理のフローチャートを示す。
【図43】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの開始メニューのブロック図を示す。
【図44】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの入力画面を示す。
【図45】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムのプレビュー画面のブロック図を示す。
【図46】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムのプレビュー画面を示す。
【図47】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムのプレビュー段階の処理の流れを示す。
【図48】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの始動選択画面を示す。
【図49】そこでセンサ伝達関数が選択され、入力され、または編集される、本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの画面を示す。
【図50】特定のテストに関するDUT走査領域及び増分が本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムのプレビュー画面でどのように定義されるかを表示するウィンドウを示す。
【図51】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムのZ軸パラメータ選択ダイアログを表示する画面を示す。
【図52】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの固定センサの走査動作のスペクトル・アナライザ設定を表示する画面を示す。
【図53】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの回転センサの走査動作のスペクトル・アナライザ設定を表示する画面を示す。
【図54】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムを用いる回転センサの走査動作の電気ブロック図を示す。
【図55】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムのプレビュー画面の構造を示す。
【図56】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムのIRセンサ設定画面を示す。
【図57】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムのピーク監視探索設定画面を示す。
【図58】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの走査画面の構造を示す。
【図59】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムを用いて行われる走査動作の実時間表示を含む画面を示す。
【図60】エネルギ場強度と回転との関係を示す、本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの画面表示を示す。
【図61】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの走査画面の構造を示す。
【図62】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの提示画面の構造を示す。
【図63】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの提示画面を示す。
【図64】エネルギ場の減衰を指示する、本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの画面表示を示す。
【図65】デバイスのビットマップ画像上でテスト中のデバイスに関してセンサの位置を指示する、本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの画面表示を示す。
【図66】監視信号のスペクトル・アナライザ波形を指示する、本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの画面表示を示す。
【図67】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの提示画面の構造を示す。
【図68】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの提示画面の構造を示す。
【図69】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムのセンサ較正画面表示を示す。
【図70】自動化配置ツールのフローチャートを示す。
【図71】本発明の実施例による方法のフローチャートを示す。
【図72】図71の方法の拡張に関するフローチャートを示す。
【図73】図71の方法の別の拡張に関するフローチャートを示す。
【図74】図73の方法の拡張に関するフローチャートを示す。
【図75】本発明のさらなる実施例による方法のフローチャートを示す。
【図76】図75の方法の拡張を示す。
【図77】図75の方法の代わりの拡張を示す。
【図78】本発明の実施例による装置のブロック図を示す。
【図79】所定の領域上で放射プロファイルを示すいくつかの部品を持つ回路板の表示図である。
【図80】図79の表示図を示し、放射プロファイルに対応する計算された誘起エネルギ場を示す。
【図81】本発明の実施例による診断の方法を示す。
【図82】本発明の実施例による診断の方法を示す。
【図83】本発明の実施例による評価方法を示す。
【図84】本発明の実施例による評価方法を示す。
【図85】本発明の実施例による放射測定の方法を示す。
【図86】約12MHzにおけるVSLIチップの放射プロファイルを示す。
【図87】約60MHzにおけるVSLIチップの放射プロファイルを示す。
【図88】約20MHzにおけるVSLI切片の電場形跡を示す。
【図89】約20MHzで放射の影響によるプリント板(左)及びVSLIチップ(右)の領域のE場走査の結果を示す。
【図90】約20MHzでVSLIチップ(上)及びプリント板(下)の磁場放射プロファイルの偽カラー及び等高線プロットを示す。
【図91】機能フィルタ(上)及び欠陥フィルタ(下)のE場放射プロファイルを示す。
【図92】その基本スイッチング周波数(約65kHz)におけるACアダプタの放射プロファイルを示す。
【図93】約340MHzにおける携帯電話の放射プロファイルを示す。
【図94】本発明の実施例により組立てられた磁場センサによって獲得された約60MHzにおける携帯電話の放射プロファイルを示す。
【図95】本発明の実施例により組立てられた磁場センサを用いて約60MHzにおいて製品上の四つの別々の平面で測定された図94に示された携帯電話の近距離場形跡を示す。
【図96】180−185MHzの間で測定された、二つの異なる工場によって作られたVLSIチップ標本のスペクトル内容の比較を示す。
【図97】それぞれ0.42、0.35及び0.25ミクロンのプロセス・サイズを用いて製造された三つのASIC A、B及び Cの放射スペクトルの比較を示す。
【図98】デュアル・トランジスタ・テスト板の放射プロファイルを示す。
【図99】図98に示されたデュアル・トランジスタ回路の別の放射プロファイルを示す。
【図100】は本発明の実施例によるEMI/EMC対応コンピュータ支援設計の方法のフローチャートを示す。
この特許出願は、「場の走査のためのシステム、方法、及び装置(SYSTEM, METHOD, AND APPARATUS FOR FIELD SCANNING)」と題する、2000年8月3日出願の米国特許仮出願番号60/222,906、及び「整合性試験の方法(METHOD OF COMPLIANCE TESTING)」と題する、2001年7月10日出願の米国特許仮出願番号60/304,479の利益を請求する。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は電子デバイス及びシステムの設計及びテストに関する。
【0003】
背景情報
部品、プリント回路板、及び電子デバイス及びシステムの電磁放射を測定することはいくつかの理由から重要である。第一に、一つの回路によりもたらされる電磁障害(EMI)は同じデバイス及び他のデバイスの双方にとって好ましくない結果を与える。このように電磁両立性 (EMC) はその放射デバイスと近くの他のデバイスの双方の適切な動作にとって関心事である。第二に、そのデバイスが目的とする出力に変換されない電力が浪費される。そのような電力は赤外線(IR)または熱放射を含め、 電磁放射として放散され、これは無線通信デバイスといった携帯型製品では電池寿命に特に有害である。その上、規定の限界との整合性を確立、且つ維持するためにEMI放射を監視することが必要である。
【0004】
無線通信デバイスなどの携帯用製品では、小型化、軽量化及び低消費電力化、及び予測できない環境における動作に関する要求がある。これらの設計要求はさらなるシステム機能性、通信帯域幅、及びデータ処理能力といった高い動作性能要件に直接矛盾するものである。これらの矛盾する要求を満たす製品の製造は設計段階の初めに部品/デバイスの両立性に周到な注意を払わずには達成することができない。従って、電子デバイス及びシステムの電磁両立性に対応する設計を支援するためのツールを持つことが望ましい。
【0005】
概要
本発明の実施例による装置は複数のデータ信号を出力するためのセンサを含む。機構は三次元におけるセンサと信号源の間に制御可能な複数の位置関係を造り出す。各データ信号は対応する一つの位置関係において源から発するエネルギ場の前記センサへの一以上の影響を表す。処理装置(処理ユニット)は複数の位置関係と組合わされたデータ信号を受信し、エネルギ場の特性情報を出力する。このエネルギ場の特性情報はセンサへのエネルギー場の影響の三次元の性質の表現を含む。
【0006】
放射データを獲得する一つの方法では、信号はセンサから受信される。その信号は電磁場のセンサへの影響を表し、そしてその信号が閾値を越える周波数が選択される。信号を受信することはエネルギ場を放射するテスト中のデバイスに励起信号を入力すること及び/または励起信号の品質を変えることを含む。信号を受信することはまたセンサの伝達関数を信号に適用すること及び/または挿入損失及びケーブル損失といった信号経路における損失を補償することを含む。
【0007】
位置関係はセンサ及びテスト中のデバイスの間で形成される。例えば、そのセンサはテスト中のデバイスの表面と実質的に平行な平面内で動かすことができる。各位置関係について、センサへの場の影響を表すデータ信号が受信され、そして、選択された周波数で(磁場の方向または大きさといった)データ信号の品質が決定される。
【0008】
本発明の別の実施例による放射データを獲得する方法では、位置関係はセンサ及び場の源の間で形成される。データ信号はセンサから受信され、それぞれは対応する異なる位置関係でセンサへの場の影響を表す。データ信号を受信することはセンサの伝達関数を適用すること及び/またはセンサから受信された信号におけるケーブル損失を補償することを含む。場の特性を示すベクトルの大きさ及び方向に基づくデータ値は各データ信号から獲得される。そのような方法はまたセンサの伝達関数を獲得するために基準場の源を使ってセンサを較正することを含む。
【0009】
発明の別の実施例による放射データを獲得する方法では、位置関係はセンサ及び場の源の間で形成される。これらの関係を形成する際、 センサ及び場の源の一方または双方が他方に相対的に移動することができる。データ信号はセンサから受信され、各々が対応する位置関係でセンサに対する場の影響を表し、データ値は各データ信号から獲得される。
【0010】
データ値に基づいて、少なくとも三次元における場の表現が獲得される。そのような方法はまたその表現を示すことを含む。例えば、場の偽カラー表現が表示されるか、または源の画像が場の表現と連携して表示される。そのような方法はまた励起信号を入力することを含み、励起信号の周波数または振幅を変えることを含む。
【0011】
本発明の別の実施例による感受率データを獲得する方法では、場の源は電子デバイスに近接して配置される。例えば、その場の源はアンテナを含む。場の特性(例えば、周波数または強度)は変化し、そしてデータ信号は電子デバイス (例えば、デバイスの複数の端子(ピン))から受信される。データ信号が受信されている間、場の源及び電子デバイスの一方または双方は互いに移動する。データ信号は電子デバイスへの場の影響(例えば、それらは場によって誘起された電圧に基づく)を表し、場の特性の別の値に対応する。データ信号に基づく感受率プロファイルが記憶保存される。
【0012】
本発明の別の実施例による記憶媒体は電子デバイスによって放射された一以上の電磁場を表す値を含むアレイを保持する。一つの例では、各値は所定の平面における点の二次元の位置に対応し、その点における電磁場の強度及び方向に基づいている。別の例では、各値は対応する点における電磁場の特性を示すベクトルの大きさ及び方向に基づいている。
【0013】
本発明の別の実施例による装置は電磁場計算器と、電磁場計算器に接続された電磁障害計算器を含む。電磁場計算器は、(A)複数の部品の相対的な配置に関する情報、及び(B) 複数の放射プロファイル、即ち複数の部品間の一つに関する各放射プロファイルを受信し、誘起された電磁場に関する情報を出力する。電磁障害計算器は、(C)複数の感受率プロファイル、即ち複数の部品の中の一つに関する各感受率プロファイル、及び(D)電磁場に関する情報を受信し、誘起された電磁場によって発生する影響に関する情報を出力する。
【0014】
本発明の他の実施例による診断及び評価テストの方法はテスト中のデバイスについての近距離場の放射の特性を獲得すること、放射上限を受信すること、及びテスト中のデバイスの放射強度を計算することを含む。放射強度は放射上限において指定された距離及び/または周波数で計算される。本発明のさらなる実施例によるテストの方法は放射強度を放射上限の放射閾値と比較すること及び/または近距離場放射の特性の視覚表示を提供することを含む。
【0015】
詳細な説明
センサの正確な自動化された位置調整を介して、本発明の実施例による装置はDUTの近距離場の振舞に関するデータを集める。DUTは受動部品、集積回路、プリント回路板、相互接続器といった能動部品、または全体電子製品である。典型的な実施において、DUTは回転式テーブルに配置され、そのセンサは三つの自由度を持つロボット・アームまたは他の位置合わせ機構に取付けられ、そしてデータはDUTの近距離場放射の空間においてプロファイルを生成する自動化手段によって処理される。収集されたデータは(RF、及び赤外線領域を含む)電磁スペクトルの様々な領域における放射に関係があり、測定が固定センサまたは回転センサによって行われる。代りの実施例では、放射アンテナがDUTに近い多数の点に正確に配置され、そして放射に対するDUTの感受率はDUTの出力端末の全てまたは選択された部分集合を監視し、このように獲得されたデータを処理することが特徴である。
【0016】
ここに述べられた本発明の実施例によるシステム、方法、及び装置は次の一覧に出てくる一以上の応用で使用できる。その上、本発明の実施例による方法は他のシステムまたは装置と共に同様な結果を獲得するために使用できる。
【0017】
(1)電子部品及びデバイス、RFハードウェア、回路板、及びその他の電子製品から、電磁放射源の周波数、性質、及び/または場所、及び/または作動中の障害機構を特定すること。
【0018】
(2)動作周波数、クロック・エッジ、及び電子パッケージといったデバイス・パラメータの適切な選択によってチップ計画及び配置を可能にする指針を提供することにより低放射の応用特定集積回路(ASIC)の設計を容易にし、及び/または実行すること。
【0019】
(3)ASIC及び電子パーツ及び製品に関する近距離放射仕様を確立し、そして工場及び製造工程を適格化するため高近距離場放射を有する電子パーツを特定、且つ拒絶すること。
【0020】
(4)デバイスの特徴(例えばプロセス・サイズ、電力分布及び全体の配置)における変化による特定ASICからの放射レベルの変化を調べること。
【0021】
(5)設計着手での部品及びデバイスの放射形跡に関する情報を提供すること。
【0022】
(6)ASIC及び他の電子部品に関するパッケージの放射特性及び適合性を調査し、そのようなパッケージの選択及び設計の指針を確立し、そしてまた電子パッケージを適格化し、その放射性能に関して同じASICを含む別のパッケージと比較すること。
【0023】
(7)放射スペクトルへのプロセス・サイズの影響を調べ、内部移動時間及び放射スペクトル帯域幅との間の関係に関する情報を提供すること
(8)無線応用で使用される材料及び配列(配置)の近距離場遮蔽の有効性を評価すること。
【0024】
(9)ASICの別の設計の近距離場放射性能を比較すること
(10)システム及び製品レベルで放射測定を行うこと。この適用は個々の部品がFCC基準に従う場合には有益であるが、それらの組合せは障害問題のために適切に適合、及び/または実行することができない。
【0025】
(11)RF及びマイクロ波コネクタ、及びアンテナの性能を評価すること。
【0026】
(12)DC場測定、及び/または赤外線帯域及び/または電磁スペクトルの別の領域における測定を行うことによってプロファイルを生成し、空間の熱プロファイルを空間のRFプロファイルと相関させること。この適用は、例えば、電力増幅器のようなRFデバイス・パッケージへのRF加熱効果を研究したり、そしてランダムアクセス・メモリ及びフラッシュ・メモリのようなASICで使われるコア素子の温度を監視するために有用である。
【0027】
(13)連邦通信委員会(FCC)、及び/または無線個人通信製品についての他の規格または取締機関により要求されるSAR(特定吸収率)測定において使用する方向及び大きさのデータを提供すること。
【0028】
(14)例えば、RFフィルタの物理的欠陥、コネクタ、破損した電子パッケージ、回路板からのRF漏洩などを特定することにより故障解析を診断すること。
【0029】
(15)コンピュータ支援設計(CAD)ツールにより使用される放射及び感受率データベースを開発すること。
【0030】
(16)これらの部品への影響を評価するためデバイス、部品及びシステムの周辺に電磁場を生成することによって感受率の測定を行うこと。
【0031】
(17)それらの設計及び性能を評価するためマルチチップ・モジュール及び三次元電子パッケージの近距離場放射測定を行うこと。
【0032】
(18)雑音が任意または非同期過程であるところで、デバイスまたは製品を囲む空間における雑音現場を測定すること。
【0033】
(19)小さな時間窓の間でのみ観察できるEMI/EMC関連事象を調べるために単一トリガー測定を実行すること。
【0034】
(20)印加信号/源の振幅を変えながら単一周波数で、または源の周波数を変えながら回路板またはデバイスの放射測定を実行すること。この適用はDUT上で動作する、特に各々の場合について視覚できる伝達関数を生成する障害機構の振舞に関する価値ある情報を提供する。そのような情報は所定の設計が周波数及び/または振幅のある範囲にわたって、いかに実行されるかを点検するのに有用である。
【0035】
(21)各走査位置で磁場の方向及び大きさを獲得すること。この適用では走査位置における最大磁場強度及びそれが発生する角度は磁場センサを回転することによって記録される。センサの出力は磁場またはそれを引き起こす電流の特性を示す。各走査位置において出力から得られたベクトルは、例えば、偽カラー写像に従って符号化される。各デバイスに関する回転センサの放射データは本発明の実施例によるCADツールについて放射データベースを生成するためにまた使用される。この場合、データはシステム上のあらゆる点における近距離場及び/または遠距離場が計算される電流密度に数学的に変換される。
【0036】
ハードウェア
電子デバイスからの放射は以前は厳密な「ホット・スポット」の一般的な場所を見つけることに限定される技法である、手動使用により測定された。一つの工業応用において、探知プローブ・アレイはテスト表面の下方に格子状に配置される。テスト中のデバイス(DUT)はテスト表面に向かって置かれ、そのアレイが走査される。プローブ・アレイの一つの欠点は獲得されたあらゆる測定の分解能が個々のプローブのサイズ及びそれらの間の間隔に限定されることである。従って、プローブ・アレイの使用は回路板または製品レベルでの測定に限定され、それはあまりにも不正確でDUTを囲む空間における近距離場源の場所を特定することができない。
【0037】
プローブ・アレイの別の欠点はそれが二次元に限定される測定を提供することである。そのような測定は源からの距離に関して近距離場の発展または減衰に関する信頼できる情報の基盤を提供しない。一つの重要な結果は獲得された測定がどのような種類の近距離場が放射されつつあるかを決定するために使用することができないことである。
【0038】
プローブ・アレイの第三の欠点は獲得された測定がDUTによって実際に放射された場を正確に表さないことである。不正確の可能性はそのアレイが有用な分解能を得るために多数のセンサを持たなければならないことである。その結果、そのアレイはDUTを負荷することになり、アレイ要素はまた相互に直接またはDUTを介して相互作用する。その上、アレイ容器はある周波数で共振し、それによって測定を歪めることになる。
【0039】
プローブ・アレイの第四の欠点はそれがただループ素子センサと共に使用するに適していることである。従って、そのようなアレイは近距離電場を測定するために使用できない。
【0040】
現存機器に欠けている別の性質はモジュール方式で、そのため機能性及び信頼性の限られた範囲内でさえそのような機器が標準プローブとだけしか共に使用できない。その上、そのような現存機器及び方法はせいぜい相対的測定のみで、(例えば、電磁度量衡測定を支援するため)定量的な測定を獲得するために使用できない。同じく、そのような現存機器及び方法はE場またはH場の成分を分離するために使用できない。更に、そのような現存機器及び方法は場の方向を測定するために使用できない。
【0041】
直交電磁(TEM)セルはICの電磁放射を評価するために現在IC産業において使用されている。放射テストはDUTをTEMセルの中に置いて行われる。そのような評価の一方法は自動車技術者協会(ペンシルバニア州ウォレンデール)の規格J1752/3(「集積回路の電磁両立性測定手順:集積回路の放射測定手順、150kHzから1000MHz、TEMセル(Electromagnatic Measurement Procedure for Integrated Circuits: Integrated Circuit Radiated Emission Measurement Procedure, 150kHz to 1000MHz, TEM Cell)」、1995年3月刊)に記述されている。しかしながら、TEMセルは放射の有無及び放射レベルを指示することができるが、それらはデバイス中のそれらの源の場所やテスト中のデバイス及びシステムの不適当な機能の原因となる障害機構を特定できない。
【0042】
図1は本発明の実施例による位置決めデバイス100を示す。テスト中のデバイス(DUT)はプラットフォーム110に置かれる。図1に示されたように、プラットフォーム110は静止プラットフォームであるか、または、回転式テーブルのような可動プラットフォームである。典型的な実施では、プラットフォーム110は最小反射のために選択された重合体(ポリマー)面を含む。プラットフォーム110はまた電磁標的として働く小さな回路板を含む。例えば、そのような回路板はセンサの基準場所として検出される(例えば、位置決めデバイス100の最小ステップ・サイズより大きくない領域を有する)空間中の特定の場所にゼロ点を持つ受動アンテナ素子を含む。プラットフォーム110は他の位置合わせ素子(例えば、機械的標的、テストされるシステムに合う穴及び/またはペグなど)をまた含む。
【0043】
センサ120はDUT10の近くに配置される。典型的な実施において、センサ120はDUT10の上に配置されるが、大部分の目的にとって、これらの二つの種目(アイテム)の相対的な位置は本発明の実施に重要ではなく、したがって問題の放射を調べるためにセンサ120はDUT10に十分に近くすることだけが必要である。例えば、DUT10が完全に固定される限り、センサ120はDUT10の横または下に配置する。
【0044】
典型的な実施において、位置決めデバイス100はxyzテーブルである。このテーブルは三つのステージ;上下に動く上部ステージ160、図1に見られるように上のステージ160を運び左右に動く中間ステージ150、及び図1に見られるように中間ステージ150を運び紙面の内外の方向に動く下部ステージ140を含む。各ステージは、好ましくは放射のない、三台のステッパ・モータの一つに機械的に結合して動かされる。この実施の特別な適用において、各ステージはベルト及び滑車配列を介してステッパ・モータと連結され、各軸における最大の運動範囲は18インチあり、隣接位置の間の最小距離は1マイクロメータより小さく、2マイクロメータよりも良い位置調整分解能を提供する。
【0045】
ステッパ・モータの代わりに、またはそれに加えてデバイス100は一以上のラック・ピニオン素子、サーボモータ、または正確な空間移動及び/または回転が可能なあらゆる同様のデバイスを組込むことができる。その最も幅広い意味では、本発明のこの特定の実施例の実施は位置決めデバイス100が三次元における運動の適当な範囲内でセンサを正確に制御可能なことである。
【0046】
図1に示された本発明の実施例によるシステムでは、センサ120はアーム130によって位置決めデバイス100に連結され、それはセンサを垂直方向に保持する。上で言及したように、多くの場合、アーム130及びセンサ120の特定の方向はセンサ120がDUT10に適当に近接して配置される限り重要でない。いくつかの適用において、(例えば、走査がセンサ120の軸に直角な平面だけで行われる場合)アーム130の末端を支持することがまた望ましい。
【0047】
センサ120はすぐ近くの電場、磁場、または熱場に応答して信号を出力するいろいろなデバイスである。探知プローブまたは赤外線(IR)センサといった適当な市販のデバイスが図1に示されたような位置決めデバイス、またはここで述べられた本発明の実施例によるセンサと共に使用するに必要なように適応される。
【0048】
図1に示された位置決めデバイスに組込まれる一つの利点はモジュール方式である。そのような実施において、センサ120は容易に交換、または置換えができ、ユーザーは特定の応用のために特に設計された広範囲のセンサの中から選択することができる。信号処理動作はケーブル損失、及び/またはセンサ信号経路に適用された(増幅器またはフィルタといった)付加ユニットの特性に関して、( プローブ相互作用の補正、負荷の影響、周波数依存効果を含め)選択されたセンサの伝達関数を補償するために獲得された信号について実行される。その上、集められたデータは多種多様な異なるフォーマットで提示され、他の応用において使用のために出力及び/または蓄積される。
【0049】
方向成分を持つ測定を行うために、センサ120はその一つの軸の回りを回転する。例えば、センサ120はDUTの表面の平面に直角な軸の回りを回転する。図2A及び2Bはセンサ120の軸回転が制御可能なアーム130の実施例132の、各々、上視図および側視図である。この実施例において、モータ滑車146は(放射のない)ステッパ・モータ148のシャフトに取付けられる。モータ滑車146の回転はセンサ120のシャフト(またはセンサ120に固定されたシャフト)に取付けられた、センサ滑車142にベルト144経由で伝達される。調整機構152(例えば、一以上のスロット及び締め金具を含む)はベルト144が正確に位置決め及び伸張できるように少なくとも直線的に(例えば、アーム132に沿って)ステッパ・モータ148の位置を調整するために用意される。センサ120の回転方向の正確な制御はステッパ・モータ148の自動制御によって達成される。
【0050】
センサ120の方向を示すためにホームポジション・センサを含めることがまた回転機構(例えば、アーム132)にとって望ましい。典型的な実施において、ホームポジション・センサはセンサ120が特定の位置を通って回転するとき(例えばセンサ120上の光学指示マークを検出することにより)検出する。図3A及び3Bはセンサ120と共にその軸の回りを回転するその周囲の近くに穴164を持つディスク162を含む一つの適当な配置を示す。発光器(エミッタ)168及び及び検出器169を持つ光電スイッチ166は、穴が発光器168と検出器169の間を通過するときを除いてそのディスクがスイッチの光学路を遮断するように、回転軸に関して静止している位置に配置される。このように検出器169の出力信号は、どの方向が測定される場の方向の様子を示すプローブ部310により得られた測定と相関するか、センサ120の方向を指示する。
【0051】
代わりの実施例では、センサ120の制御回転はラック・ピニオン集合といった、ベルト駆動の滑車以外の機構を用いて達成される。同様の回転機構はアーム130の実施ではなくセンサ120そのものにまた統合される。センサ120の回転は他の適当な機構によって行うことができ、その機構は位置決めデバイス100上に取付けでき、位置決めデバイス100を回転でき、または代りに位置決めデバイス100の一部であってもよい。さらなる実施において、プラットフォーム110はセンサ120に対してDUTを移動、及び/または回転させる。アーム130は本発明の一実施例の有用な部品であるが、それはセンサ120が位置決めデバイス100に直接取付けられる、本発明の他の実施例の必要な部分ではない。
【0052】
図2A及び2B図はアーム130:位置記録ユニット154の実施例に組込まれる別の特徴を示す:このユニットはセンサ120とDUT10の最初の位置の間の正確な整列を規定するために使用される。そのような整列は装置によって作られた出力と、装置の他の出力または他の手段(例えば、DUTのディジタルまたは二値化写真)によって作られたDUTの画像と相関させるために使用される。システム・レベル測定のための典型的な実施において、位置記録ユニット154は(例えば、視覚基準のための)交差ビーム・パターンを提供可能な半導体レーザ・モジュールを含む。デバイスの別の実施において、位置合わせユニット154は整列精度を上げるために(例えば、CMOSまたはCCDセンサを持つ)小型ビデオカメラまたは他の画像デバイスを含む。
【0053】
センサ
図4は電磁場を測定するときに使用するセンサ120のブロック図を示す。ここに記述されたように、プローブ部310の特性は測定されている特定の応用及び/または場の型に応じて変化する。同様に、ケーブル230の特性も応用に応じて変化する。例えば、ケーブル230は半剛性及び/または遮蔽される。例えば、ケーブル230は(例えば、50オームのインピーダンスを持つ)小径同軸ケーブルである。別の実施において、ケーブル230はインピーダンスが捻れ角度によって変化するツイストペア線である。
【0054】
調整回路240は、そのような回路はセンサ120の他の実施では省かれるが、ケーブル230の信号経路に任意に挿入される。調整回路240は受動または能動フィルタ、バラン(平衡−非平衡変圧器)といった受動インピーダンス整合ネットワーク、または、例えば電界効果トランジスタ及び/または低雑音増幅器を使用する能動ネットワークを含む。プローブ部310と調整回路240の間のケーブル230は調整回路240とコネクタ250の間のケーブル230と同じ型である必要がないことに注目を要す。例えば、調整回路240の片側のケーブルは非平衡(例えば同軸ケーブル)で、一方、別の側のケーブルは平衡(例えばツイストペア線)である。
【0055】
図5は調整回路240の能動実施例242を含む本発明の実施例によるセンサの回路図を示す。バイアス・ティ190(センサの外にあってもよい)はDC電源195からセンサ信号線に電力を供給するために使用される。調整回路242の中で、その電力はACブロック180を介して増幅器170に加えられ、ブロックはセンサ信号がその電力接続によって増幅器に供給されることを防止する。必要ならば、デカプリング・キャパシタはDC電力信号がその出力端末を経て増幅器170に供給されるのを防ぐために使用される。典型的な実施において、増幅器170はIVA14シリーズの可変利得増幅器(カリフォルニア州パロアルトのアジレント・テクノロジー社)といったモノリシック・マイクロ波集積回路(MIMIC)である。さらなる実施において、増幅器170の利得または他のパラメータはバイアス・ティ190を介して供給されたDC電圧を変え、そして増幅器170の制御端子にその電圧の少なくとも一部を入力することにより制御される。平衡動作のために、プローブ部310はツイストペア線を介して増幅器170に接続される。
【0056】
機械的安定性のため、センサ120の素子は任意の基板220に取付けられ、それは検知される場に大きな影響を与えないで固定できるように選択される。例えば、基板220は調整回路が製作または取付けられるプリント回路板(PCB)でガラス−エポキシ樹脂または他の基板でもよい。
【0057】
プローブ部310において誘起された測定信号は処理ユニットに信号を送る外部ケーブルにコネクタ250で最終的に出力される。コネクタ250は大きな損失がなく(または少なくとも補償可能な損失で)所望の周波数範囲で電気信号を送るに適当な構造であればよい。典型的な応用において、コネクタ250は(米国国防総省軍用規格MIL−PRF−39012による)SMAコネクタまたはRF信号を送るのに適した別のコネクタ(例えば、BNC、N)である。図4に示された形のセンサは数キロヘルツから数ギガヘルツまでの周波数の時間変動する場を測定するために使用される。
【0058】
図6は電場の測定のために使用されるセンサ120のプレート・センサ実施122のブロック図を示す。このセンサのプローブ部310は一対の導電性プレート314及び312(図7B参照)からなり、各プレートは導電的に同軸ケーブル232のコンダクタ234及び236の一つに取付けられている(図7A参照)。特定の実施において、ケーブル232は小径の半剛性50Ω同軸ケーブルである。
【0059】
各々のプレート312及び314は金属で作られ、例えば、それらのプレートは二面のPCBの交互の側にエッチングしてもよい。典型的な実施において、プレート312及び314は同じサイズであり、両者とも円または矩形の形であり、そして2mm未満から30mm以下の直径である。図7Bに示されたように、プレート312はセンタ・コンダクタ234がそれに接触しないでプレート312を通過するように中心に穴を持つ。
【0060】
図7Aに示されたように、誘電定数Eをもつ誘電体316がプレートの間に充填されている。キャパシタンスC1はεA/dとして表され、Aはm2で表したプレートの面積、dはmで表したプレート間の距離である。50Ωの出力インピーダンスについて、プレートを横断する電圧V2と検出電位V1の比は
【数1】
として表され、ここでωは信号周波数(秒当たりラジアンで表す)、C2はセンサ120とDUT100の間のキャパシタンス(ファラドで表す)である(例えば、図8参照)。
【0061】
代わりに、スタブ・リード317を持つセンサ120の単極センサ実施例124またはプローブ先端に小径ボール318を持つセンサ120のボール・センサ実施例が電場の探知のために使用される。図9Aに示されたスタブ・センサは入射E場の垂直成分のみ(即ち、垂直成分だけがスタブ・リードに電流を誘起する) を検出するようになっている。一方、図9Bに示されたボール・センサは入射E場の三つの全成分を検出するようになっており、全ての三次元における場の線はボールの接線に沿っている。
【0062】
図9Bに示されたボール・センサは上で論じられたプレート・センサの拡張と考えられる。ボール・センサは同じような直径のプレートまたはスタブ・センサより大きい感度を提供するので、ボール・センサはDUTからさらに大きい距離で使用され、このため放射場とのセンサの干渉を最小にする。その他の材料、形、及び/または大きさのボールも使用することができるが、ボール318は直径が1から5ミリメータの真鍮の球である。ボール・センサはセンタ・コンダクタ及び絶縁体の部分を露出するために半剛性の同軸ケーブルの一部を取除き、ボールをセンタ・コンダクタに半田付け(または別の方法で導電的に取付け)することによって組立てられる。ボール・センサは、例えば、システム・レベル(例えば 携帯電話、ストレッチ・ボード、プリント回路板)での測定のために使用される。
【0063】
ボール・センサは遮蔽コンダクタ236とDUT10の間のキャパシタンスC3及びボール318とDUT10の間のキャパシタンスC4の直列結合である実効キャパシタンスCeffを与えることによって電場を標本化する(例えば、図10参照)。第一次近似内に、プローブを横切る(即ちボール318と遮蔽コンダクタ236の間の)電圧と検出された電位の大きさとの間の関係はC3及びC4を上の(1)式のC1及びC2に代入することにより表わされる。観測される場の乱れを最小限にするために、例えばケーブル230及びボール318の直径をそれぞれ減らすことによってC3及びC4を減らすことが望ましい。
【0064】
図11は磁場を測定するために使用されるセンサ120のループ・センサ実施例128を示す。このセンサは線または金属の、またはプリント回路板(PCB)にエッチングされたループ319からなる。ループ319は単巻きループ、または一回巻き以上のループである。典型的な実施において、ループ319は1mmからせいぜい10mm以下の直径を持つ。場の磁束密度B(ベクトル量)によりループ319の端子に誘起される電圧Vは、
【数2】
V=n×B×ω×A×cosα (2)
として表され、ここでnはループの巻数、ωはrad/sでの周波数、Aはm2で表したループ面積、そしてαはベクトルBとループ面の間の角度である。
【0065】
図12は盲路272、274及び276が多層PCBにエッチングされた多巻ループの巻回線262、264及び266を互いに、且つ端子跡282及び284と接続するためにいかに使用されるかを示す。図13はラインAAに沿った多巻線のエッチング・ループの断面を示し、ここではループの各巻線が層間絶縁体290によって分離されている。
【0066】
図14は磁場を測定するために使用されるセンサ120のループ・センサ実施例129を示す。この実施例において、(ツイストペア線234のような)平衡伝送線が平衡センサ・ループ319から信号を伝送するために使用される。上述したように、そのようなケーブルのインピーダンスは捻れ角度を選択、及び/または変化させることによって調整される。例えば、そのケーブルは調整回路240の入力、また別の伝送線または処理回路にループ319のインピーダンスに整合するように調整される。典型的な実施において、ループ319はツイストペア線234を作製するために使用された同じ線で形成される。
【0067】
典型的な実施において、ループ・センサ129は上述の能動調整回路242を含む。この実施において、増幅器170は差動増幅器を用いて実施される。ツイストペア線234と組合わせて、差動動作モードは共通モード干渉を相殺し、高度の雑音免除性を供与する。
【0068】
二次元または三次元領域上で放射場の正確な特性を獲得するために、センサ120のプローブ部は他の残りのセンサに対して(例えば、そのような動きが制御されなければ)動かないようにすることが望ましい。例えば、測定を始める前にセンサ本体の軸に対してプローブ部310を中心に置き、使用中にプローブ部310がこの場所から移動しないようにすることが望ましい。
【0069】
図14に示されたように、脆い延長線295がプローブ部を調整回路240及び/またはコネクタ250に接続するケーブル部分を取り囲む長い小径ガラス・チューブとして実施される。この延長線はセンサ本体に対するセンサ120のプローブ部310の変位を防ぎ、プローブ部310の(例えば、DUTまたはプラットフォーム110との)不測の衝突の場合センサ本体の破損を最小にする。脆い延長線295はセンサ本体に対するプローブ部310の整列(例えば、心出し)を容易にするために使用される。プローブ部310、ケーブル230、及び脆い延長線295を含む集合体(アセンブリ)は破損の場合には迅速、且つ容易な交換が前もって準備されている。脆い延長線295はまたここに記述されたセンサ120の他の実施と共に使用される。
【0070】
ループ319は方向検知素子であるから、ループ・センサ129はDUT10に関して特定の場所における磁場ベクトルの方向を測定するために使用される。例えば、センサ129は上述のアーム132または同様の機構により回転され、回転の間に数度または何度もセンサの出力が標本化される。典型的な実施において、コネクタ250はシステムの回転及び非回転要素の間でRF信号(及び多分DC電力)の適当な供給を支援する回転式SMAコネクタまたは同様のデバイスである。
【0071】
図5に関して上述されたように、バイアス・ティ190はセンサ信号線上でDC電力を能動センサに供給するために使用される。能動センサが上述のアーム132または同様の機構により回転される場合には、バイアス・ティ190が回転に関して静止した状態を維持するように、バイアス・ティ190はプローブ部310からコネクタ250の他の側に位置することが望ましい。
【0072】
熱場の検出に関して、赤外線(IR)領域の放射に感度のあるセンサ120の実施例が使用される。そのようなセンサのプローブ部310はフォトダイオードまたは他の感光半導体デバイスを含み、そのデバイスは放射線に対してこの領域での感度を上げ、及び/または別の波長の感度を下げるためにドープ処理される。そのようなセンサはまた不要な放射線が検知素子に達することを防ぐために光学フィルタを組込む。
【0073】
センサ120の代替実施例では、DUTの近くの放射線は電気的にケーブル230を介する代わりに(例えば、光ファイバ・ケーブルを通して)光学的に観測場所から遠隔の検知デバイスに導かれる。DUTの近傍からRFケーブルを取外すことによって、そのような実施例は測定される場において走査過程の影響を更に最小化することができる。例えば、熱場の測定のために、センサがDUTの近くに置かれるときと同様に、同じIRセンサが使用される。磁場及び電場の測定に関して、遠隔のセンサは光信号からRF場を変換できる市販のデバイスである。
【0074】
図1に示された位置決めデバイスと共に使用されるその他のタイプのセンサは二つの垂直のコイルを含むプローブ部310を持つセンサを含む。このタイプのセンサは静的な、またはほぼ静的な磁場の大きさと方向を決定するために使用される。別のタイプのセンサのプローブ部310は電界効果トランジスタの切片部分を含む。そのゲートはソース及びドレーン端子の一つに関してバイアスされると、その他の端子は電場または電荷を検知するために使用され、プローブでの増幅がまた行われる。
【0075】
上述のプローブ部310は一以上の微小電気機械システム(MEMS)を使ってサイズを小さくすることができる。例えば、MEMS素子を含むプローブ部310を持つセンサはミリメートル、サブ−ミリメートル、及びさらに赤外線領域に波長を持つ場を検出するために使用される。その他の型のセンサは一以上のホール効果センサ、磁気抵抗センサ、または超伝導量子干渉素子(SQUID)を持つプローブ部を含む。ここに記述されたプローブ部310のアレイを持つセンサもまた使用される。ここに記述されたように、本発明の実施例によるセンサ及び位置決めデバイスはマイクロボルト(或いは、マイクロアンペア)の 1/10にも過ぎない値の信号を検出するために使用され、そのような測定の上限周波数は選択された特定のセンサの特性によってのみ限定される。
【0076】
オペレーティング・システム
ここに述べられたセンサ及び位置決めデバイスを使用する際、センサの較正、センサの運動及び位置の制御、スペクトル・アナライザのような信号路における他の機器の制御、センサ及び/またはDUTから受信された一つの信号または複数の信号、データの獲得及び提示を含む一以上の機能を実行することが望ましい。例えば、DUTに対して特定の面積または体積を移動するセンサを制御し、特定の面積または体積に存在する電磁場に関係するセンサにより出力されたデータを同時に受信、処理、蓄積(記憶)、及び/または表示することが望ましい。典型的な実施において、ここに記述されたオペレーティング・システムは、本発明の実施例による(例えば、そのような機能を含む)いくつかの方法の実行を統合する。
【0077】
そのようなオペレーティング・システムは本質的に同じ動作を行うために、及び制御されるセンサ及び位置決めデバイスまたは信号路に存在する特定の処理、データ収集、及び/または信号生成装置のサイズまたは特定の特徴に拘わらず、本質的に同じインタフェースを使用して設計される。動作を走査するために、そのようなオペレーティング・システムのユーザー・インタフェースは大略三つの段階、即ち準備、走査、及び提示に分類される。準備段階において実行される機能は下記のことを含む。
【0078】
(1)所望の応用に適したセンサを選択する。そのような選択に関連するセンサの特性はそのセンサが検出するように設計されている場の型、感度、信号対雑音(比)、及び分解能または(例えば、一以上の参照源について決定された)スポット・サイズを含む。
【0079】
(2)信号路を配置する。例えば、低雑音増幅器(LNA)を信号路に含めることが望ましい。代りに、信号路における増幅器または前置増幅器(プリアンプ)の利得レベルを既に低減することが望ましい。フィルタといった一以上の信号処理ユニットを含ませるか、ケーブル損失及び増幅器雑音指数といった他の要素を補償するように信号路を配置することが望ましい。(例えば、ここに記述された較正手順から獲得された)センサの伝達関数を明らかにすることもまた望ましい。そのような場合、(例えば、センサの識別コードを検知するために機械キー及び/または光学及び/または電気機構を含む)認識機構がセンサの自動認識と(例えば伝達関数を含む特定のファイルを選択し、そのようなファイルが蓄えられるディレクトリ或いはフォルダを指示することにより)適切な伝達関数の当然の選択を許容するために含められる。
【0080】
(3)調査する周波数、周波数範囲、またはいくつかの個々の周波数または周波数範囲を選択する。
【0081】
(4)走査領域及び分解能のプログラムを作成する。走査される体積または面積を選択、且つそのプログラムを作成するために、ユーザーはx、y及びzの各軸に沿った範囲及び増分といったパラメータを入力する。例えば、図15は平面の各軸において増分値及び走査範囲によって定められた測定点の間のプローブ部310の走査経路を示す。典型的な実施例において、ユーザーは走査領域、走査すべき平面 (各平面はDUTの表面に平行である)の数、DUTからの第一の距離、及び隣接平面間の間隔を選択する(この種の三次元の測定は距離上で検知された場の減衰の特性を決定するのに有用である)。入力されたパラメータが各軸において整数回の測定をしなければ、増分値及び/または走査領域が調整される。その他の実施において、走査は選択された個々の点または特定の直線または曲線に沿って発生する。ユーザーはプローブ部310がDUTからの最小の距離内を(例えば、衝突を避けるために)通過させる走査パラメータを入力することを制限される。
【0082】
(5)集められたデータを蓄えるファイル・フォルダ及び/またはファイル名を選択する。ファイル・フォーマットもまた(例えば、別のソフトウェア・パッケージとの両立のために)選択される。
【0083】
(6)センサによって出力されたデータを処理、及び/または記録するために、スペクトル・アナライザ及び/またはオシロスコープといった外部機器を配置する。適切なパラメータは基準レベル及びユニット、分解能とビデオ帯域幅、掃引時間と範囲、ピーク偏位、及び平均化を含む。
【0084】
(7)走査段階の間で選択されたモードで動作させるためにDUTを配置し、及び/または走査段階の間でDUTに入力信号を供給、及び/または制御された方法でそのような信号を変化させるために一以上の外部源を配置する。
【0085】
(8)感受率の測定のための信号を供給するため一以上の外部源を配置する。そのような場合には、受動センサは信号を検知するのではなく発射するために使用され、または(例えば、適当な大きさのループ、単極、または双極子放射器を含む)アンテナ・ユニットがここに記述された位置決めデバイスと共に使用される。
【0086】
(9)放射データの収集または感受率データの収集といった、走査段階の間に行われる一以上の動作(もし有れば)を選択する。動作のゲート制御またはトリガー・モードもまた(例えば、パルスの場を検知するために)選択される。
【0087】
準備段階は探索走査を含む。典型的な実施において、例えば、ジョイスティックまたはコンピュータ・マウス制御がDUT10について手動的な位置決めセンサのために提供される(代りに、センサの所望の目的地の座標集合がキーボードから入力される)。この特徴は、ここで記述されたように、DUTの、またはピーク監視モードにおけるセンサの配置のための準備手動走査を行うために使用される。更に、ジョイスティック制御または同様の手動位置決め機構はセンサ120の最初の配置を入力するために使用され、そしてまた(例えば、DUT及び/または種々の検知された場が比較のため容易に整列できるように)この最初の配置をDUTの幾つかの特定できる特徴と整列させるために位置記録ユニットと共に使用される。
【0088】
スペクトルの内容及びピーク監視測定もまた(例えば、走査動作の準備または代わりに)行われる。例えば、スペクトル内容の測定は探索走査の間及び/または走査段階の間に調べられる周波数(例えば、放射レベルが過剰な周波数)を特定するために行われる。本発明の一実施例による方法では、スペクトル・アナライザ(または、他の適当な検出器)はDUTから放射された場がかなりの強度の成分を持つ周波数を決定するために使用される。ユーザーは走査される特定の周波数を選択し、またデータからの削除が提示される不所望の周囲(背景)のピークまたは他の特徴に印を付けることができる。後者の特徴は特に遮蔽された部屋がなかったり、利用できない場所で測定を行なうのに特に有用である。
【0089】
ピーク監視測定は選択された周波数範囲で全体の近距離場放射に関して一つのデバイスを別のデバイス(或いは、一つの処理を別の処理)と比較する方法の基礎を提供するために行われる。本発明の実施例によるそのような一方法では、センサはDUTの近くの場所に固定される。帯域幅s(sはMHzで測定される)が選択され、各信号の周波数及び振幅はセンサの出力が選択された周波数範囲を走査されながら記録される。この情報から、スペクトル内容の性能指数(figure of merit:SCFM)が
【数3】
として計算され、ここでNは所定の範囲における信号の数、Aiは各信号の振幅である。信号の存在は雑音床に関して、または代りに所定の閾値に関して規定される。スペクトル内容及びピーク監視測定の間、そのセンサはDUTに関して静止した状態を維持するか、または、それはDUTに対して移動及び/または回転する。
【0090】
任意の探索走査の間、ユーザーは(選択された周波数または周波数範囲で)検知されつつある放射レベルを観測しながらDUTに対してセンサを移動する。この情報により、ユーザーは増幅器が必要であるかどうかを決定する。ユーザーはまた検知された放射がDUTによるものか、もしくは外部源によるものかどうかを決定する。外部源が測定と干渉しつつある場合、DUTを遮蔽し、信号路に適当なフィルタを付加し、さらに選択的なセンサ(例えば小さなスポット・サイズを持つもの)を選び、及び/または測定データからそれを差し引いて干渉を補償することにより、ユーザーは走査動作を実行する前に予防施策をとる。必要であれば、信号レベルは利得要素をろ過または減少することによって低減される。
【0091】
方向センサが使用される場合、準備段階はまた検知された場の方向成分の最小の間隙を検証することを含む。ループ・センサについて、例えば、ループの平面が場に平行であるとき、最小の信号が獲得され、そしてループの平面が場に垂直であるとき最大の信号が獲得される。最小及び最大の間の差(例えば、dBで)が特定の限界を満たさなければ、ユーザーは必要に応じて付加利得を含ませ、または別のセンサを選択して信号路を構成する。
【0092】
選択される別の動作モードはTEMセルまたはマイクロストリップ線をもつセンサの較正である。TEMセル、または縁部(エッジ)及び接続(コネクタ)効果が無視される十分な長さのマイクロストリップ線により放射された基準場はそれらの場の値を正確にモデル化するのに有用である。センサの応答における既知の場の振舞について補正を行うことにより、較正曲線がセンサについて(例えば、センサ出力を一定入力レベルの周波数と関係づけて)獲得される。
放射測定は一以上の選択された周波数または周波数範囲で行われる。同様に、感受率測定も一以上の選択された周波数または周波数範囲で行われる。走査段階の間で実行のために選択される動作モードは固定または回転センサまたは回転DUT、電場または磁場の監視、RFまたは静的な場の監視の組合せを含む。
【0093】
時間領域測定モードでは、オシロスコープがDUTから放射される時間領域信号を表示するために使用される。そのようなモードは接触測定が研究中の場を歪めるかもしれない応用で有用であり、それはまたトリガー事象を監視するのに有用である。熱のアナログ監視モードにおいて、DUT上の 一点の温度は時間にわたって監視される。他の動作モードはDC場の写像(マッピング)を含む。
【0094】
走査段階において、一以上の選ばれた周波数における場の強さのデータが測定され、DUTが動作しながらセンサ位置の関数として記録される。その装置は選択された面積及び体積にわたって各センサ位置において選択された各周波数の振幅を記録する。ユーザーは集められたデータを監視する方法により表示の一種を選択し、そして走査過程を監視するための読出しはまた典型的な実施において行われる。必要であれば、走査の間のセンサの動きのパターンはDUTの配置及び/または方向を説明するように予めプログラムされる。そのような補償はDUTが走査段階の間に回転しつつある場合に特に有用である。
【0095】
走査の間の回転センサの出力の監視はアナログ・デジタル変換器(ADC)を用いて標本化されるスペクトル・アナライザの出力に関してゼロ長(同調受信器)モードの スペクトル・アナライザ(または別の適当な検出器)により行われる。典型的な実施において、センサのホーム・ポジション(例えば、ディスク162の穴164)の検出はADCにより標本化を始動(trigger)するために使用される。標本化データは各走査場所における場のベクトルの大きさ及び方向を決定するために(例えば、ホスト・コンピュータにより)処理される。例えば、センサの各固定x、y、z位置に関するループの二つの直交方向で行った測定(例えば、最大値及び最小値測定)はセンサ位置において発生した磁場強度を獲得するために明らかに組合わせられる。
【0096】
回転センサの出力はまた、例えば、回転式コネクタにより可能な問題を検出または指示するため誤作動監視を含む。このコネクタの磨耗または前置増幅器(プリアンプ)の故障はRF線に誤作動またはスパイク電圧を導入する。この監視による指示に従って、走査手順は問題の修正及びそれに続く手順の終了のために(多分、斯く収集されたデータを蓄積することを含め)停止される。さらなる実施では、走査手順不在の間の誤作動監視による指示は、例えば、ポケットベル及び/または電子メールによりユーザーに通知の伝達を始動する。
【0097】
提示段階では、走査段階の間に集められた(及び/または記憶装置から取出された)データは、例えば、RF場強度、IR強度、源のインピーダンス、及び/または予め選択された面積または体積に分布された電力の偽カラー画像;DUTの表面上の電流密度分布の曲線プロット;及び/またはDUTからの距離との場の強度の減衰のプロットとして表示される。いくつかのプロットを獲得及び比較することもまた可能であり、それらは近距離場放射の別の特性をを表す。一以上のそのようなプロットは現在のテスト(例えば、プレビュー段階の間に選択されたような)のパラメータと共に、情報収集の間に実時間で表示される。提示段階において使用される表示形態の別の例は下記のものを含む。
【0098】
(a)走査された面積または体積にわたって場の強さの変化を示す二次元または三次元画像。典型的な実施では、場の強さは偽カラー、例えば高い場の強さの場所を表すには赤色、及び低い場の強さの場所を表すにはスミレ色で示される。電(磁)場はメートル当たりボルト(アンペア)の線形単位及びメートル当たりdBマイクロボルト(マイクロアンペア)の対数単位で測定される。DUTの上の場の展開はDUTの上の異なる高さの平行な平面の二次元表現の統合集合によって描かれ;典型的な応用において、これらの平面は1〜3ミリメートル離れている。
【0099】
(b)デバイス上の特定の点について距離による減衰を示す、場の強さと距離の関係(例えば、線形、対数、または半対数形式の)のプロット。これらのプロットは近距離及び遠距離場領域の間で境界を決定、及び/または検出された近距離場の型を特定するために使用される。それらはまた回路板及び包装レベルの遮蔽を設計する際に使用される。
【0100】
(c)場の方向曲線のプロット。これらのプロットは場のセンサを回転させ、場の最大が発生する方向を記録することによって獲得される。例えば、そのセンサは180度または360度のいずれかに回転し、格子(グリッド)内の各走査点における場の方向は適当に方向付けられた線または矢印で表される。このように獲得された近距離場の情報はDUTにおける電流密度分布と関係がある。
【0101】
(d)MATLABのような他の解析プログラムによる使用に適当な未加工またはろ過されたデータ。
【0102】
(e)各点がその場所で検出された(即ち、所定の帯域幅内の)全RF電力を表す、RF電力密度プロット。
【0103】
(f)電場または磁場についてと同様な方法で獲得されたデータからの熱(例えば赤外線)の場の画像。そのようなプロットとRF電力密度プロットとの相関は、例えば、デバイス・パッケージへのRF加熱効果を調べるのに有用である。場の強さと場所の関係のプロット上で高い強度及び低い強度を持つ熱画像において熱点及び冷点を比較することによって、その加熱がRFエネルギーまたは他の源によって引き起こされたかどうかを決定することができる。
【0104】
測定されたデータが方向値を含む場合には、上述のプロットはまた極座標でも表示される。提示モードの間に獲得、且つ表示される別の情報は信号路の他の機器から(例えば、スペクトル・アナライザの画面から)の画像を含む。ここで述べられた画像及び情報の表示はまたカラー及び/または白黒の画像を印刷することを含む。
【0105】
適当な位置合わせ処置が走査の前に行われると仮定して、ここで記述されたように獲得されたプロットは検出された場とDUTの他の特徴との間の相関を明らかにするため相互に及び/またはDUTの他の画像(及び/またはDUTの概略の画像)と組合わせられる。例えば、DUTのディジタル画像におけるカーソルは、様々な表示内の対応する空間位置が容易に特定されるように、集められたデータの一以上の表示におけるカーソルに一つにまとめられる。そのような一配置において、例えば、強度のプロットにおけるホット・スポットへのカーソルの移動はDUTのビット・マップ画像内のカーソルをホット・スポットに対応する場所へ移動させることになる。代りに、収集された(曲線のような)データ・プロットの特徴はDUTのディジタル画像に覆い重ねられる。
【0106】
典型的な実施では、ここで記述された制御、処理、及び表示の機能を実行するための手順(ルーチン)はLabVIEWソフトウェア・パッケージ(テキサス州オースチンのナショナル・インスツルメント社)を使用して単一の統合インタフェースのもとで行われる。しかしながら、この特定の方法は開発の容易さのためだけで選択されたものであり、本発明の実施例による方法がその他の適当なソフトウェア・パッケージまたは適当な組合せのパッケージを用いて実行されるので、発明の限定と解釈してはならない。例えば、ここに述べられた機能の何れかまたは全てはC、C++、C#、Visual Basic、Java、または他の適当なコンピュータ言語を用いて実行される。
【0107】
本発明の一実施例により組立てられた走査システム
この節では、本発明の一実施例により組立てられた自動化、高精度位置決め及び走査システムを論じる。制御、信号記録、及び処理ソフトウェアと組合わせて、この走査システムは近距離場の正確な高分解能の写像(マッピング)を行う。この議論は本発明の特定の実施例に関係し、ここに提示されたように他の実施例のさらに多くの記述を限定するものではない。
【0108】
この近距離場放射走査システムは診断及び研究開発目的の両方に使用される。診断ツールとして、例えば、走査システムは以下のようなタスクに使用される。
【0109】
(1)チップ、回路板、及びシステム・レベルでの予期されない放射線源の特定。
【0110】
(2)部品およびシステムの機能性に影響を与える障害機構の特定。
【0111】
(3)例えば、デバイスの特徴サイズ、電力分布、及び全体の配置の変更による特定ASICからの放射レベルの変化の調査。
【0112】
(4)特定の遮蔽手法及び/または材料の電磁雑音抑制への有効性の調査。
【0113】
その基本的構成において、本発明のこの特定の実施例によるシステムはロボット・アームに取付けられた受動(EまたはH)センサ、三軸位置決めシステム、低雑音増幅器、信号検出器(例えば、スペクトル・アナライザ )、及び運動/機器制御及びデータ獲得タスクを実行するようにプログラムされたホスト・パーソナル・コンピュータを含む。そのモジュール式設計により、システム(図16に示された)は標準またはユーザー限定/設計のセンサ、及び手近で特定の応用に望ましい他の信号処理及び検出ハードウェアを装備する。この基本的構成のブロック図は図17で示される。
【0114】
そのシステムは次の方法で放射プロファイルを獲得するために使用される:一度、DUT上の走査領域/空間がユーザーによって定義されると、各走査位置及び関心の周波数または周波数域でセンサによって検知された電圧は増幅され、スペクトル・アナライザによって記録される。ホスト・コンピュータはそれからGPIBバス(テキサス州オースチンのナショナル・インスツルメント社;IEEE−488とも呼ばれる)によって信号レベルを読み、場の強度を記録する。各周波数に関する場の強度分布は各走査位置(或いは、ピクセル)について記録強度を描き、偽カラー画像として提示される。典型的な出力は式:
【数4】
であり、ここでxi、yi、及びziはi番目の標本の空間座標を表し、Iiはその標本における記録強度を表す。図18は固定センサによって獲得された強度プロットの例を示す。
【0115】
同じ構成がまたデバイスに関して周波数内容情報を取得するために使用される。この取得は固定位置(例えば、切片の直接上)での測定を含む。そのプログラムはさらなる解析のため所定の帯域幅内でデバイスによって放射された信号を記録する。
【0116】
場のさらに完全な画像は回転センサの使用によって獲得される。この応用のためのシステム構成は図19及び図20に示される。この構成において、各走査位置での最大の場の強度はそれが発生する角度と共に記録される。この情報は図20に示されたように、走査アームに取付けられた回転センサ・アセンブリを用いて獲得される。
【0117】
そのような構成について典型的な出力はそのような場をもたらす磁場または、電流を表す。各走査位置(或いは、ピクセル)は大きさがカラー・チャートに従って上と同様に符号化されるベクトルによって表される。図21はその特性インピーダンスで終端されたマイクロストリップ線について獲得された放射プロファイルの例を図示する。
【0118】
本発明のこの実施例による走査システムで実現される特徴は下記のものを含む。
【0119】
(a)機器か三つの自由度を有し、電磁場及び静止場で動作する。
【0120】
(b)モジュール設計は検出器、センサ、及び信号処理ハードウェアのユーザー選択を許容する。
【0121】
(c)1ミクロンの歩動が可能。
【0122】
(d)感度:磁場(H)、1μA/m;電場(E)、0.1mV/m(1000MHzで10mmの磁場センサについて)。
【0123】
(e)多重周波数が一走査で掃引する。
【0124】
(f)各周波数について最適化された適応スペクトル・アナライザ設定。関心の周波数はトリガー測定を含み、個々の設定を有する。
【0125】
(g)LNA(低雑音増幅器)及びケーブル損失に利用可能な入力をもつ対話式センサ伝達関数エディタ。
【0126】
(h)レーザ・ポインタによって定義され、またはDUTの大きさに基づく走査領域。
【0127】
(i)各次元について選択可能な走査歩動サイズ。
【0128】
(j)放射周波数の範囲を掃引し、検出された各ピークの場の強度を表示する。走査のために選択された周波数を保存する。
【0129】
(k)プレビューのためのセンサ一の手動制御。センサ位置はジョイスティックを使用し、画面・カーソルを移動し、またはキィー・ボードから座標を入力することにより設定される。
【0130】
(l)場の方向及び大きさを記録するためのH場センサ。
【0131】
(m)監視及び画像化のためのIRセンサ。
【0132】
(n)自動走査の間、場の強度の一以上の偽カラー画像が実時間で表示される。スケーリングは自動または手動で設定される。
【0133】
(o)走査が終了した後、提示/解析エンジンは一以上の下記のような別の情報をユーザーに提供するために呼出される。
【0134】
(1)DUTのディジタル画像(例えば、ビットマップ)は場の強度の偽カラー画像と共に示される。一つにまとめられたカーソルはDUTのホット・スポット及び特定の場所の間の対応の視覚化を促進するために使用される。
【0135】
(2)多重平面について、距離に関して場の強度の減衰を示すプロットが表示される。
【0136】
(3)各周波数について、獲得されたスペクトル波形が表示される。
【0137】
(4)方向センサについて、場の強さと角度の関係が各位置で表示される。
【0138】
本発明の特定の実施例によるセンサの開発及び使用
この節では、場の詳細な高分解能写像が可能ないくつかのE及びH場センサが論じられる。この議論は本発明の特定の実施例に関係し、ここに提示されたように他の実施例のさらに一般的な記述に限定されるものではない。
【0139】
近距離場の測定を得るために、場の磁気的及び電気的成分を正確に及び高分解能で測定できるセンサを使用することが望ましい。使用されるセンサの型(例えば、受動的もしくは能動的であるかどうかに拘らず)及びサイズは調査中の源の強度及び分布によって決定される。図22はは本発明の実施例により組立てられた能動センサの一例を示し、図23は本発明の実施例により組立てられたセンサの別の例を示す。
【0140】
場のセンサはTEMまたはクロフォード・セルにおける基準源に対して較正される。そのようなセルはデバイスの感受率及びセンサ較正測定のために一様な場を制定するために(例えば、連邦通信委員会によって交付された基準において)一般に使用される。TEMセル(図24に示された)の基本構造は側壁が加えられた改良ストリップ線として見ることができる。セル及び二つの先細部の大きさは50オームの特性インピーダンスが全体に亘って維持されるように選択される。基準の場は源電圧の印加を通してセルに設定される。
【0141】
関心の周波数範囲におけるセンサの自動較正のためにコンピュータ制御設備が開発された。公式または検索テーブルはそれからセンサの伝達関数として獲得され、適用される。我々の手順の精度を証明するために、いくつかの市販のプローブが認証された研究室に較正のために購入され、送られた。研究室の結果を我々が本発明の実施例による方法を使用して我々自身の実験室においてそれらの市販プローブによって獲得した較正結果と比較した(10mmのループ・プローブについて較正結果の比較のために図25を参照のこと)。
【0142】
ループ・センサ設計は時間で変わる磁場を測定するために用される。我々はTEMセルにおいて較正されれるいくつかの受動ループ・センサを開発した。そのような較正が比較的正確な伝達関数を提供すると同時に、問題は受動ループ・センサを含むセンサによって起こる。半剛性の同軸ケーブル部からなるループ・センサの非対称な性質により、例えば、センサはE場センサとしてある程度働きをする。この問題はループ(平衡線路)及び半剛性の同軸ケーブル(非平衡線路)の間で一列にインピーダンス整合成分を加えることによって低減される。しかしながら、この解は適合する変圧器(バラン)の制限帯域幅によりセンサの帯域幅に弊害がある。また、受動センサはループ(検知素子)と増幅器の間で隔離されていない。従って、ループ部を探知回路(それはある場合には長さが1フィートに達する)に接続する線部はセンサの一部となり、おそらく測定精度に影響し、結果を歪ませる。
【0143】
そのような理由とさらに正確な結果を獲得するために、能動ループ・センサを含むセンサが設計された。そのようなセンサは固定センサとして、または回転センサとして使用される。センサ上の回路のDC電力がセンサのRF出力線を通して供給されるように、そのセンサはそのRF出力線を通して電力を供給される。この供給は出力端でバイアス・ティ・デバイスを用いて行われ、ユーザーはDCを印加し、かつ回路中の主増幅器との分離を保つことができる。センサ上の前置増幅器では、DCは二個のインダクタを用いてアンプ(増幅器)のRF出力から分断されている。
【0144】
そのループはツイストペア伝送線を経由して増幅器と接続される。センサ・ループとツイストペア線の両方は本来的に平衡状態にある。センサによってピックアップされた信号はそれから別々にプリアンプ入力に供給される。ツイストペア線及び差動増幅器形態の組合せは優れた雑音免除性を与える。図26及び図27は本発明の一実施例により組立てられた能動センサの写真を示し、図28はそのようなセンサの回路の概要図を示す。
【0145】
プローブ出力電圧はファラデーの法則を適用して表される:
【数5】
V=BωAcosθ (5)
ここでVはループ端子における誘起電圧を表し、Bは磁束密度を表し、ωは場の周波数を表し、Aはループ面積を表し、そしてθはループ平面と印加された場が作る角度を表す。図29は短絡ツイストペア線の戻り損失(S11)のプロットを示す。
【0146】
高分解能測定を獲得するためには、ループ面積を低減することが望ましい。理想的には、空間のあらゆる点の場の特性を決定できることが望まれる。しかしながら、実際にはループ応答はループ面積と共に減少し、そして外部の高利得、低雑音増幅器の使用が必要になってくる。
【0147】
受動ループ・センサは半剛性の同軸ケーブルを用いて作製されるか、またはFR4材料上にエッチングされる。システム・レベルで使用のため(例えば、ストレッチ・ボードまたは携帯電話のテストのため)の有効な直径サイズは2〜10ミリメートルの範囲である。
【0148】
H場、方向及び強度のさらに完全な画像はベクトル場センサの使用によって獲得される。そのような測定は(例えば、走査アームに取付けられた小型ステッパ・モータ・アセンブリを使用して)能動センサを回転させて行うことができる。この段階で、各走査位置における最大の場の強度、及びそれが発生する角度が記録される。
【0149】
この構成について、センサへのDC電力及びセンサのRF出力は50オームの回転継目を通して同じ路を共有する。検知された信号は増幅され、包絡検出器をもつ同調受信器として使用されるスペクトル・アナライザに送られる。全てのさらなる処理がソフトウェアで行われるように、アナライザのアナログ出力はA/D変換器基板に接続される。回転及びデータ取得動作はA/D変換器の走査クロックにステッパ・モータの指標パルスを印加することによって同期される。
【0150】
基準センサ位置を定めるために、アームに取付けられた光遮断スイッチがセンサ滑車上に開けられた穴の位置をA/D変換器基板に送信する。この実施例の典型的なセンサ回転速度は秒当たり3回転である。図30及び図31はセンサ及び回転機構の要素を示し、図32はセンサとDUTの間の基準関係を定めるのに使用される位置決めレーザを示し、そして図33は光遮断スイッチ・アセンブリの一実施例の概要回路図を示す。図34は本発明の実施例による方法とTEMセルを使用して獲得された能動センサの較正結果の画面表示を示し、そして図35は回転センサを使用して獲得された結果の画面表示を示す。
【0151】
本発明の実施例による方法を用いて表示された出力はそのようなベクトルをもたらす磁場ベクトルまたは電流を描写する。例えば、大きさがカラー・チャートにより符号化されたベクトルは各走査位置(ピクセル)を表すために使用される。図36はその特性インピーダンスで終端されたマイクロストリップ線について獲得された放射プロファイルの表示の例を示す。
【0152】
その最も単純な形では、電場センサは単極アンテナとして接地平面上に突出する線の小片である。時間変化する電場Eでは、センサの出力で形成される電圧はV=L×Eであり、ここでLは単極の有効長で、即ち物理的長さの二分の一である。図37は本発明の実施例による方法を用いて獲得されたE場センサについての較正結果の画面表示を示す。
【0153】
ボール・センサの伝達関数の展開の次の議論はそのプローブが均質な媒体に置かれ、そして既知の分極及び電場強度の電磁場に露出されていると仮定する。この議論はまたそのプローブが電気的に小さい(即ち、そのサイズが測定される電磁場の波長よりかなり小さい)と仮定する。考察中の特定のプローブは2mmのボール・プローブであり、そしてそのプローブが接続される同軸ケーブルは整合終端されていると仮定する。
【0154】
これらの仮定のもとで、プローブ伝達関数は次のように定義される:
【数6】
H(θ)=同軸ケーブル中の誘起電圧の大きさ(mV)/入射電場の大きさ(V/m) (6)
ここで図38に例示されたように、θは同軸ケーブルの軸に関して入射電磁場の伝搬の方向の角度である。
【0155】
図38において、示された電場は平行分極の場合である。垂直分極の場合は電場がx成分のみ(即ち、入射平面に垂直である)を有する場合である。
【0156】
入射電磁場の基準面として定義されたyzに関して、電場ベクトルが入射平面に平行であるいわゆる平行分極の場合を図38が図示していることは注目される。あらゆる入射場が二つの部分、横磁場部分(磁場のx成分と電場のy、z成分のみを有する)及び横電場部分(電場のx成分と磁場のy、z成分のみを有する)に分解できることは電磁場理論では周知の事実である。横磁場部分は図38に図示された平行分極の場合に同等である。電場ベクトルは入射定義平面に垂直であるから、横電場部分は垂直に分極したとして参照される。プローブの受信特性の完全な特性について、伝達関数は場の両方の成分について定義されなければならない。
【0157】
伝達関数(6)はプローブがパラメータとして適当な分極(平行または垂直)及び入射場の伝搬の方向をもつ平面波によって表される入射電磁場によって励起される一連のシミュレーションによって導出される。波長がプローブの次元よりはるかに大きいという仮定のもとで、受信電圧が(ボールの体積に比例する)ボールの電気双極子モーメントにより主に制御されることは注目される。さらに特に、プローブ先端は容量的な負荷として機能する。プローブ上の誘起電流は電場の時間微分に比例する。このように、整合終端された同軸ケーブルを仮定すると、受信電圧はまた電場の時間微分に比例する。
【0158】
シミュレーションの結果を用いて、平行及び垂直の分極の場合について、次の式が伝達関数(6)について得られる:
【数7】
Hpar(θ)=0.0158+0.1556θ+1.0072sinθ (7)
【数8】
Hperp(θ)=0.1634+0.0162θ−0.0204sinθ (8)
ここで角度θはラジアンである。図39は式(7)及び(8)の画像表現である。これらの方程式は次の観測につながる。
【0159】
垂直分極。伝達関数は場の入射角度に無関係な全ての実用的な目的のためのものである。この事実は電場が同軸ケーブルの軸に常に横であるという事実と容易に関連する。このように、プローブと相互作用する電場の大きさは入射角度に無関係である。
【0160】
平行分極。伝達関数は電磁場の入射角度への強い依存性を示す。電場がプローブの軸と平行であるとき、伝達関数はその最大値に達する。
【0161】
本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システム
図40−69は本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの特徴を示す。この議論は本発明の特定の実施例に関係し、そしてここに提示された他の実施例のさらに一般的な記述を限定しない。
【0162】
図40はオペレーティング・システムの概観を示す。図43は開始メニューの構造を示す。選択されるモードは次のことを含む:
電磁場センサ、時間変化出力;
場のセンサ、DC出力(例えば、IRまたはホール効果センサ);
アナログ出力、単一点における測定;
センサ較正;
ピーク監視;
及び時間領域測定。
【0163】
新しいテストはプレビュー画面で選択され、または現存ファイルは提示場面の解析または、検査のために呼出される。
【0164】
図45は時間で変化する場の電磁場センサに関するのプレビュー画面の構造を示す。テスト情報設定/ファイル名割当画面では、次の機能が実行される:
センサの選択(即ち、固定または回転、能動または受動)、センサの伝達関数を割当る;
ファイル名を割当る;
増幅器、フィルタ、及び/またはケーブルの利得または損失を入力する;
テスト情報を入力する。
【0165】
DUTの配置/位置設定画面では、次の機能が実行される:
X、Y、Zの範囲;
X、Y、Zの増分;
DUT上の平面の数;
テスト・テーブルに関する場所。
【0166】
この設定は整列のためにレーザの交差ビームを使用及び/または機械視覚を使用することによって行われる。
【0167】
スペクトル・アナライザ設定メニュー画面では、次の機能が実行される:
スペクトル・アナライザ・モデルを選択する;
監視される周波数についてのスペクトル・アナライザの手動制御/設定;
分解能帯域幅、掃引時間、ビデオ帯域幅、範囲、ピーク偏位、平均化、単位、基準レベルといったパラメータを設定する;
周波数を選択する;
対応波形を保存する。
【0168】
信号源制御サブメニュー(即ち、DUTに与えられる信号源についての)のもとで、次の機能が実行される:
信号発生器設定メニュー:周波数及び/または振幅;
パルス発生器設定メニュー;
モデルを選択する;
テスト・パラメータを選択する。
【0169】
図47はプレビュー段階の処理の流れを示す。テスト情報タスクでは、次の機能が実行される:
センサの型を定義する;
センサ伝達関数を編集する;
LNA利得及びケーブル損失を入力する;
ビットマップ・ファイルを選択する;
設定を保存する。
【0170】
設定走査タスクでは、次の選択が行われる:
X/Y軸領域;
歩動サイズ;
平面及び位置の数。
【0171】
検出器構成タスクでは、次の機能が実行される:
DUTを監視する;
波形を獲得する;
帯域内の全てのピークを見つける;
RF設定を定義する。
【0172】
RF回転センサのプレビュー画面は固定センサのそれに類似している。主な差異はスペクトル・アナライザ設定メニューにある。スペクトルアナライザはゼロ範囲モード、即ち選択された走査周波数について同調受信器として動作する。スペクトル・アナライザ検出器の出力はA/D変換器によって読取られ、そしてセンサの回転角度による信号強度の変化が記録される。
【0173】
しかし、これらの変化に関して、回転プラットフォーム・モードでのDUTプレビュー画面は固定センサの場合と類似している。ユーザーによって定義された(例えば、曲線を記述する方程式がユーザーによって入力される)ようにそのセンサはDUTの周辺で曲線に追随する。DUTは回転式テーブルに置かれ、ユーザーによって定義された増分角度だけ回転する。センサ及び整列レーザは現在ロボット・アームに平行に取付けられている。
【0174】
図55はDC出力をもつ場のセンサを使うプレビュー画面の構造を示す。一点でのアナログ出力測定画面で、(IRセンサの例について)次の機能が実行される:
A/Dへの検出器出力を作る;
放射率を設定する;
監視されるDUT上のスポットを定義する;
検出器の高さを調整することによってスポット・サイズを定義する。
【0175】
DC出力をもつあらゆる場のセンサについての画面で、次の変更はあるが機能は固定センサのそれらと類似している:測定は一周波数だけで行われ、検出器出力はA/D変換器へ送られる。
【0176】
ピーク監視のためのプレビュー画面は次の変更はあるがRF固定センサの場合に類似している:
DUT上の単一固定センサ位置;
スペクトル・アナライザ設定パラメータはマーカのピーク偏位、分解能帯域幅、平均の数、及び基準レベルを含む;
選択は掃引当たりの周波数範囲、最初と最終の周波数、ケーブル損失、増幅器利得、及び、センサの型を含む。
【0177】
そのプログラムはそれからDUTについての放射周波数及び対応する振幅を記録する。
【0178】
図58はRF固定センサの走査画面の構造を示す。このモードはユーザーによって定義されたテスト条件(信号振幅、周波数、立上がり時間等)について各走査位置でデータの多重点の記録を含む。偽カラー画像画面としての監視実時間データでは、次の選択が行われる:
DUT上の各平面について、または
各放射周波数について、または
DUTに印加される信号源の各特定の設定(例えば、周波数、振幅、立上がり時間)について。
【0179】
読出し画面では、次の選択が行われる:
センサ位置;
場の強度;
周波数;
各周波数についてのセンサ較正要素;
DUT上のZ軸平面数;
センサ伝達関数;
X、Y、Z限界。
【0180】
RF回転センサの走査画面は次の変更があるがRF固定センサの場合に類似している:
実時間偽カラー画像は各ピクセルで記録された最大の場の強度を示す。
【0181】
極(座標)/線形(座標)のプロットは各走査位置について角度に対する強度を示す;
センサ回転位置制御は利用可能である。
【0182】
RF/DUTの回転運動についての走査画面は次の変更はあるがRF固定センサの場合に類似している:実時間画像は定義された走査空間の各断面についての場の強度を示す。
【0183】
図61はDC場のセンサについての走査画面の構造を示す。DC場のセンサ画面は次の変更はあるがRF固定センサの場合に類似している:各走査位置について静的な(DC)場の強度を示す実時間画像。
【0184】
図62はRF固定センサについての提示画面の構造を示す。読出し画面は次の選択を含む:
Z平面数;
X、Y、Z;
周波数;
Zの高さ。
【0185】
表示データ画面は次の特徴を含む:
各周波数について、偽カラーでの電場/磁場の強度プロファイル;
DUTのビットマップ;
DUT画像に関する放射プロファイルの検査のために一つにまとめられたカーソル。
【0186】
転送データから他の解析に実行される機能、または提示プログラム画面の例において、ソフトウェア・パッケージMatlabはLabviewプログラム内からMatlabVIと呼ばれる。一旦、Matlab GUIが働くと、放射プロファイルがここで論じられたオペレーティング・システムにより獲得された未加工のデータを用いて作成される。
【0187】
減衰(場)プロット画面は次の選択を含む:
観測点を選択する;
DUT上の基準点を選択する;
EまたはH場の減衰率をプロットする;
1/r、1/r2、1/r3の勾配と比較する。
【0188】
RF/DUT回転運動画面の提示画面は次の変更はあるがRF固定センサの場合に類似している:EまたはHの放射プロファイルの三次元プロット、及び/または放射プロファイルの横方向及び縦方向の断面の表示。
【0189】
RF回転センサについての提示画面は次の変更があるがRF固定センサの場合に類似している:
放射プロファイルは各走査位置の最大の場の強度から生成される;
各走査位置についての方向及び振幅の読出し;
各走査位置における磁場(または電流)の方向及び大きさを示す曲線プロット;
場の大きさはカラー・チャートにより前と同様に符号化される;
各走査位置における場の強度の極形式プロット;
各走査位置においてZによる場の方向角度/大きさの変化;
もしあれば、Zによる場の方向角度の変化。
【0190】
図67はDC場センサについての提示画面の構造を示す。アナログ・データ取出し画面で、DUT上の特定の位置についてある時間期間に亘って記録されたアナログ・データは取出される。場の強度の偽カラー画像画面は固定EMセンサに関するものと類似しているが、しかしアナログ出力は選択された期間に亘って加算される。テスト情報画面は検出器パラメータ、背景温度、及び/または走査パラメータを含む。
【0191】
図68はピーク監視についての提示画面の構造を示す。テスト情報画面はスペクトル・アナライザのパラメータ、DUT情報、センサ情報、及び/または走査位置を含む。データ画面は各振幅を記載する棒図表及び対応するデータを含む。スペクトル内容の特性指数(SCFM)画面は測定の全体の帯域幅の選択または帯域幅内の選択された帯域を含む。
【0192】
時間領域測定画面はアナログ/ディジタル・オシロスコープである検出器による周波数領域測定及び記録されつつある各走査位置における信号の変化のそれらと類似している。
【0193】
TEMセル画面を使用するセンサ較正の目的は下記のことを含む:
TEMセルにおいて基準の場を生成する;
特定の周波数範囲について基準の場の存在においてセンサを較正する;
新センサの設計のため、センサの伝達関数として、または解析/研究目的のために使用される検索表を作成する。
【0194】
ユーザーは下記のことを選択する:
周波数範囲;
TEMセル内部の基準の場のレベル;
センサの型。
【0195】
この画面でのその他の機能はプロット較正データを含み、検索表を作成し、保存し、そして印刷する。
【0196】
近距離場の測定からの近距離及び遠距離場パターンの決定
遠距離場の影響から近距離場の影響を区別することはEMIの我々の議論において有用であろう。遠距離場、または放射場は1/r(rは源からの距離である)に従って減少する場の強度を有する。近距離場は非放射で、一以上の次の成分を含む:
静電場、1/r3で減少する場の強度を有する電荷蓄積によって誘起され時間的に変わらない場、
準静電場、1/r2で減少する場の強度を有する電流によって誘起され時間的に変わらない場、及び
RFまたはマイクロ波周波数において時間で変化する、定在波の場。
【0197】
さらに完全な記述では、双極子の場が仮定される(例えば、クリストス・クリストパウロス著「電磁両立性の原理及び手法(Principles and Techniques of Electromagnetic Compatibility )」(CRC出版(フロリダ州ボカ・レイトン、1995年))の38−42ページ参照)。近距離場領域において、1/r3で減衰する項は静電場及びここから容量性エネルギ蓄積を表す。1/r2で減衰する項は電流要素及びここから双極子の周辺での付随エネルギ蓄積による擬静電場を表す;この寄与は誘起近距離場として記述される。
【0198】
近距離場領域において、電場及び磁場成分が自由空間における場合のように媒体の内部インピーダンス(Zin)によって単純に関係がないことに注目することは重要である。近距離場インピーダンスZnear_fieldは大きさ及び方向の両方でZinとは異なる。双極子の場合について、これはE場成分が遠距離場について予測より大きいことを意味する。我々が双極子の代わりにループ・アンテナを考えるならば、その状況は逆転される:今やH成分が支配的である。
【0199】
源の近くで、従って、源の特徴は放射波のEM特性において反映される。一方、遠距離場において、源の特徴が確認される場の特性には何も存在しない。この結果は近距離場測定の重要性を増加する。
【0200】
反応領域と放射領域の間の境界は源から約λ/2πの距離に存在すると見なされ、ここでλは測定されている信号成分の波長である。例として、1000MHzの信号について、λは約30cmで、したがって近距離−遠距離場の境界は源から僅か約5cmのところに位置する。2000MHzの信号について、境界は源から単に2.5cmのところにあるであろう。これらの二つの領域のうちで、反応近距離場領域はここに記述された理由で主要な関心事である。
【0201】
規定基準は遠距離場放射についてある基準との整合を必要としながら、近距離場の影響は回路中で実際に障害の原因となる可能性がある。例えば、一つの部品、デバイス、または回路による近距離場放射は隣接の部品またはデバイスの動作を妨害し、または回路の遮蔽または製品包装と相互作用し、またはそれらが放射場となり、このように遠距離場放射の一因となる他の機構に直面するかもしれない。このように、各々が特定の放射限界に従う、二つの部品、デバイス、または回路を組合せたり、近距離場効果により生じる問題のため整合しない、及び動作しないデバイスを得ることは可能である。
【0202】
本発明の実施例による方法にでは、テスト中のデバイスまたはシステム(DUT)の近距離場放射プロファイルが収集され、そして(例えば、DUTからの特定の距離及び/またはDUTに関する方向における)放射強度は放射プロファイルに基づいて計算される。放射プロファイルは(例えば、DUTの表面と平行な)デバイスの上の平面上にある所定の領域に亘って所定のデバイスまたは機能ブロックの近距離場を測定することによって収集される。平面のサイズ(即ち、走査面積)はデバイスのサイズよりさらに小さくても、同じでも、もしくは大きくてもよい。例えば、走査面積はデバイスより各側面で約20ミリメートル大きい。使用されるセンサの感度に幾分依存して、この距離を越えて近距離場を測定することは不可能か、及び望ましくない。しかしながら、走査面積上の情報がそれでもなお下で論じられるように計画される回路基板(または、他の構造)上の至る所でデバイスからの放射による場の信頼できる計算を支援するのに十分であるかもしれないので、そのような距離を越えて場を測定することは必要ではないかもしれない。
【0203】
一度、近距離磁場が測定されると、対応する電流密度が計算される。電流密度から、回路板上の至る所(または、DUTを囲む空間の至る所)のベクトル磁気ポテンシャルが導出され、回路板上の至る所でH場とE場の両方の特徴が代わりに提供される。この結果はホイヘンス−フレネルの原理または表面の等価定理に基づいている(コンスタンチンA.バラニス:「高等工業電磁気学(Advanced Engineering ElectromagnetIC)」(ワイリー社、1989年刊)及びリチャードC.ジョンソン:「近距離場の測定からの遠距離場アンテナ問題の決定(Determination of Far Field Antenna Problem from Near−Field Measurements)」(IEEE会報第61巻・第12号、1989年12月発行)で一般に論じられている)。ホイヘンス−フレネルの原理は所定の波面で各点が小球面波を生起する二次の源と見なされ得ること、及び波面の外部のある点における場がこれらの基本的な小波の重ね合わせから得られるということを述べている。この原理を適用することによって、源の構造に関して電流及び電荷分布が正確に分かれば、源の完全な電磁場の配位が計算される。
【0204】
シェルクノフによって導入された、表面等価定理は、一次波面上の各点は二次波面の新しい源であると考えることができ、二次波面はこれらの二次球面波の包絡線として組立てられれると述べているホイヘンス−フレネルの原理のさらに厳密な公式化である。その定理は、損失がある領域の場は領域内の源に境界上の電場の接線成分、または境界上の磁場の接線成分、または境界の一部に亘る前者と境界の残りの上の後者を加えたものにより一意的に特定されると述べている一意性定理に基づいている。損失がない媒体における場は損失がある媒体において対応する場の極限(損失がゼロになるので)であると考えられる。このように、接線方向の電場または磁場は閉じた面上で十分に知られていれば、源のない領域における場が決定できる。
【0205】
この定理の一応用において、実際の源(例えば、デバイス)は等価な源と置換えられる。計算された源はその領域内で実際の源と同じ場をつくるために所定の領域内の実際の源と等価である。ここで記述された回転センサは接線方向の磁場を測定し、したがって接線方向のH成分の計算を裏付けるために使用される。
【0206】
近距離場測定に基づいて場を決定する第二の方法は次のようにに記述される:ある所定の回路部品の放射プロファイルはその部品の上の或る距離における表面上で測定される、磁場ベクトル成分によって記述される。一例において、磁場が測定される領域は集積基板上の回路部品の足跡を取り囲む矩形の領域である。場の成分は回路部品の機能的な属性によって決定されるある周波数域で測定される。
【0207】
各周波数について、放射の電磁気理論は放射プロファイルが測定される平面上の空間のある点における電場及び磁場を獲得するために利用することができる。この計算に適した一数学演算は放射プロファイル平面に対する接線方向の磁場成分の積の放射プロファイル平面上での積分である。典型的な実施では、空間の別の点(源点と呼ばれる)にあるいわゆる双極子電流源により空間の或る点(観測点と呼ばれる)で所定の周波数で生起される電磁場を記述するために使用されるグリーン関数を用いてその積分が実行される。双極子電流は放射プロファイル平面上の選択された点において測定された接線方向の磁場と場の測定格子(グリッド)(即ち、隣接する場の測定の間の各大きさでの距離により定義される)の分解能に対応する矩形領域との積として計算される。積分は数値的に行われ、放射プロファイルが測定される点に位置する個々の双極子の寄与による電磁場のベクトルの重ね合わせとして説明できる。
【0208】
一旦、その放射プロファイルが空間の限定された部分だけ(この例では、部品の上で、部品の足跡を取り囲むに十分な範囲の平面)に亘って獲得されると、この処理は部品の上の空間のある点における部品の放射の予測を可能にする。ここに記述されたように、例えば、集積基板上の部品からのこの電磁放射の可能性はシステムの平面計画を導くために使用され、それにより回路部品配置は回路部品による電磁障害が他の回路部品の機能不良を引き起こすかどうかに基づいて決定される。
【0209】
近距離場測定により場を決定する第三の方法はモード拡張の面から全電磁場を記述するものである。これらのモードの大きさ及び方向は近距離場における適当な表面上(例えば、平面波拡張の平面上)の電磁場の測定から導出される。モード拡張における各成分の大きさ及び方向の知識は放射場の完全な記述を可能にする。
【0210】
ファイル・フォーマット
蓄積及び/または転送のために測定データ(例えば、上述のセンサ及び位置決めデバイスを用いて収集された、放射プロファイルといったデータ)をフォーマットすることが望ましい。例えば、測定データは一以上の行列(マトリックス)または配列(アレイ)にフォーマットされ、ファイルとして蓄積される。そのようなファイルの見出し(ヘッダ)は、センサ120及びDUT10の間の(例えば、DUT10の表面に垂直な軸に沿った)最初の距離といった(例えば、ASCIIまたはテキスト・フォーマットの)情報;x、y、及び/またはz方向における各標本化の点を分ける距離;x、y、及び/またはz方向における走査面積または体積の大きさ:測定データに関係する周波数または周波数範囲;使用されるセンサの型及び/またはセンサの伝達関数:蓄積されるデータの型及び/または使用される特定のデータ・フォーマット;及び増幅器の利得及びスペクトル・アナライザの分解能帯域幅といったデータ処理経路における他のデバイスに関する情報を含む。ファイルはまた最初の測定の相対的な場所、走査領域の輪郭、及び/または格子線(グリッド・ライン)を示すDUT10のビットマップまたはその他の画像を含む。同様に、感受率測定の間に収集されたデータ(例えば、感受率プロファイル)は多分アナログ情報(例えば、源とテスト中のデバイスとの間の距離、テスト中のデバイスの特性と監視される端子(ピン)の特定、シミュレーション環境またはプロトコルの特徴に関する情報)を含むヘッダと共にフォーマットされ、蓄積される。
【0211】
典型的な実施において、いくつかの平面の各々(例えば、DUT10の表面に直角な軸に沿ったDUT10からの異なる距離に対応する各平面)で測定されたデータは二次元軸に対応する次元のマトリックスで、別々のマトリックスとして蓄積される。マトリックス入力は対応する場所で測定された検知場の強度を表す。代りに、データは別のマトリックス入力を獲得するために測定点の間で補間される。
【0212】
ファイルは異なるマトリックスまたはマトリックス集合に蓄積され各測定周波数に関する値と共に、一以上の測定周波数に対応するデータ値を含む。方向測定に対応するデータは二つのマトリックス:大きさまたは強度に関するものと(例えば、度で表された)方向に関するものに蓄積される。
【0213】
他の測定データを表す値はマトリックスまたはアレイ・フォーマットではなくベクトル・フォーマットで蓄積される。ピーク監視の間に獲得された測定データは、例えば、二つの対応するベクトル:測定周波数に関するものとその周波数において記録された強度に関するものに蓄積される。代りに、周波数情報は(例えば、周波数測定が一様に区分される場合には)初期値及び増分値としてファイル・ヘッダに蓄積される。二つの直交方向の成分の測定を行うセンサ(例えば、非回転ループ・センサのような磁場方向センサ)について、各点の場の大きさ及び/または方向が後で計算できるように、個別のベクトル集合が各方向成分について記録される。
【0214】
各マトリックス(またはベクトル)入力はおそらく小数点、及び/または先行及び/または後続のゼロを含む、(可変長及び/または固定長の)のASCII(テキスト)数字列として蓄積される。例えば、ASCIIファイルはマトリックスを分離する一以上の空行(各空行は、例えば、一以上のキャリッジ・リターン/改行キャラクタで指示される)と共に、二以上のマトリックスを含む。代りに、各マトリックス入力は二進整数または浮動小数点フォーマットで蓄積される。他の実施では、データ値のマトリックスは画像(例えば、ビットマップ)フォーマットで蓄積される。
【0215】
上述のように、DUTに入力される信号は(例えば、振幅、周波数、変調、等々が)変化しながら測定が行われる。そのような場合には、得られた測定データを蓄積するファイルは入力信号の変化の各レベルに関するマトリックスを含む。ファイル・ヘッダは様々なレベルの入力信号(例えば、dBで表される)を特定し、且つ各々の入力信号レベルをデータ値の対応するマトリックスに相関させる情報を含む。
【0216】
CADツール
自動化部品配置のためのツールは現代の電子システム及びデバイス(集積回路など)の設計及び製作において日常的なものになった。図70はそのようなツールのフローチャートを示し、それは論理的または概略的回路の記述を実際のプロトタイプの中の部品の配置のためのテンプレートに変換する。自動配置ツールの入力データは、例えば、SPICE(集積回路に重きを置いたシミュレーション・プログラム)ネットリストまたはハードウェア記述言語(または「HDL」)で具体化される論理的な流れまたは信号の流れを含む。そのツールはまた完成したプロトタイプのサイズ及び/または形状といったデータを受取ることができる。同様のツールがマルチチップ・モジュール(MCM)、回路板または部分組立品、または末端のユーザー及び消費者製品といった完全な組立品を設計するために使われるが、集積回路を設計するために使用されるとき、自動配置ツールはまた平面計画器(フロア・プラナ)と呼ばれる。
【0217】
そのテンプレートが配置(レイアウト)設計のある規則に従えば、その結果得られるプロトタイプの動作で予知されない厄介な問題の可能性は低減される。そのような一つの配置設計ルールは高度に接続された部品を互いに近接して配置することにより相互接続の長さ及び複雑さを最小にすることである。また、そのような規則は製作された回路における混信(クロストーク)、結合、及び装荷の影響を最小にするために配置テンプレートにおける長い平行な信号線路の使用に対して指示を行い、斯くして信号完全性をシステム全体に保証することを助ける。
【0218】
しかしながら、最終の配置テンプレートが所定の配置設計ルールに適合しても、得られたプロトタイプはしばしば予期したように機能することができない。そのような失敗の一つの理由は配置設計ルールがシステムの異なる素子間の実際の電磁相互作用の説明にならないことである。電磁障害及び電磁両立性は様々な回路素子の物理的配置及びこれらの素子と電力及び接地端子の間の相互接続に強く依存する。また、部品サイズが減小し、部品の実施密度及び動作周波数が増すにつれて、回路内の電磁放射の影響はさらに明白になる。その結果、高度集積部品の初回設計、特にマイクロ波での動作を意図したものは実質的に不可能になった。
【0219】
一部の設計が初期のプロトタイプに旨く使用されたとしても、そのような問題は発生する。例えば、一以上の設計で回路ブロックを使用することはますます一般的になっている。そのようなブロックは、例えば、初期の応用で最初から設計されたかもしれないし、または外部の業者から一つの知的財産(IP)(IPコアともいう)として購入されたかもしれない。配置設計ルールとの整合性を証明する配置ツールは、そのようなブロックが、例えば、異なる機能的ブロックの近くとか、異なるデューティ・サイクル、またはクロック・エッジで動作させるとか、または異なる工程で製作されるという、異なる環境で使用されるとき起こる問題を予測することができない。
【0220】
そのような問題の原因は完成したプロトタイプにおいて容易には発見されない。一つの理由はいくつかの放射物の中から厄介な放射源を特定することの困難さである。従って、修正処置は多少盲目的に行われ、一方、問題の正確な原因は何回かのプロトタイプの見直しでも分からないままに、時間や金銭を無駄にする。設計過程は高くつく試行錯誤サイクルの繰返しになるだけでなく、(遮蔽をするといった)いくつかの修正試行は重くなるとか、大きくなるとか、または実際の障害作用を悪化させることさえあり、有害であることさえ分かる。
【0221】
そのような理由で、設計段階で回路要素間の電磁障害を評定することにより回路配置に対する予防法を可能にすることが望まく、このようにして潜在的な問題を発見し、高くつく実現工程が始まる前にその解決法を迅速かつ容易に評価することができる。
【0222】
図71に示されたように、本発明の実施例による電子デバイス及び/またはシステムの自動配置の方法は回路内容及び部品配置情報を受取ることを含む(タスクP120)。タスクP120で受取られた回路内容は部品の型、大きさ、接続性といった情報を提供する。例えば、この内容はSPICEネットリストに具体化された論理の流れまたは信号の流れの機能記述、HDLファイル、または概要図を含む。このデータはディジタル回路、アナログ回路、または、ディジタルとアナログ部の両方を持つ回路を記述する。タスクP120で受取られた部品配置情報に関して、このデータは、例えば、自動配置ツールから獲得される。タスクP120で受取られた他のデータは電磁遮蔽要素の特性及び場所といった特徴についてのサイズ制約及び/または環境上の情報を含む。
【0223】
タスクP130では、タスクP120で受取られたデータによって定義された回路により誘起される電磁場が計算される。タスクP120で受取られたデータに加えて、この場の計算は回路部品に対応する放射プロファイルを参照して行われる。任意の精度で測定及び/または数学的にモデル化される、これらの放射プロファイルはライブラリまたはデータベースとして供給され、且つ(例えば、ここで述べられた位置決めデバイス及び一以上のセンサを用いて集められた)測定データに基づている。選択的に所望のブロックのみ駆動することにより切片またはモジュール内の個々のブロックに関する放射プロファイルのデータを集めることは可能である。典型的な応用では、放射プロファイルは特定の部品タイプの近距離場放射を定義し、二または三次元での相対的位置及び対応要素の格子として提示される。
【0224】
タスクP130によって出力されたデータは多数の異なる方式でフォーマットされる。例えば、タスクP130は各部品の一つの場の画像、または全体のアセンブリの合成場の単一画像、またはアセンブリの所定の小部分の一つの場の画像、または所定の周波数の集合の各一つに関する一つの合成場の画像を作成する。その上、このタスクで行われる場の計算は特定の周波数範囲または臨界(またはバンド内)周波数の集合に限定される。また、そのような解析は二次元に限定されず:放射プロファイルがそのような場を計算するのに十分なデータを含む限り、場の画像は三次元においても生成されることは注目すべきである。一つの典型的な実施では、DUTのある特定の距離における平面内のE及びH場に関する場の強度の画像は個別のマトリックスとして蓄積のため出力される。他の実施において、それらの画像は場の方向をも示している。(「画像(image)」という用語はここでは値のマトリックスまたはアレイを示すためにのみ使用され、様々な実施がそのような可能性を含むけれども、この用語の使用は画像が表示に適した形で表示されまたは提示されなければならないことを意味するものではないことに注意を要す)。
【0225】
タスクP140では、タスクP130からの誘起された場または複数の場の影響が計算される。回路成分に対応する感受率プロファイルがこの影響を決定するのに使用される。特定の部品の感受率プロファイルを決定するための本発明の実施例による方法は次のように記述される。アンテナはテスト中のデバイスまたはシステムに関して固定の場所(例えば、DUTの中心の上)に配置される。放射パターン及びスポット・サイズといったアンテナの特性はパッケージおよび切片のサイズといったDUTの特性に基づいて選択される。アンテナは入力信号に対応して(例えば、所定の周波数及び振幅で)放射を行うので、DUTの選択された端子に印加された場により誘起された電圧が監視、且つ記録される。誘起電圧はここに記述されたファイルに(例えば、監視される各端子の一入力をもつ、ベクトルとして)、ファイル・ヘッダに記録される測定環境及び/またはプロトコルの特性を示す情報とともに蓄積される。
【0226】
さらなる実施では、誘起電圧が監視及び記録されるにつれアンテナに入力された信号は(例えば、振幅及び/または周波数が)変化する。例えば、入力信号はいくつかの所定の臨界周波数の間で変化する。別の例では、入力信号の振幅は故障状態がDUTで発生するまで増大するかもしれない。代りにまたは入力信号の変化に加えて、アンテナ及び/またはDUTは放射アンテナがDUTの周辺において所定の経路、面積または体積を覆うように相互に相対運動し、一方、位置情報及び対応する誘起電圧が記録される。代りにまたは上記に加えて、アンテナとDUT間の相対方向は(例えば、アンテナを回転させることにより)変化し、一方、方向情報及び対応する誘起電圧が記録される。そのような場合には、信号、位置、及び/または方向設定に関する情報は(例えば、初期値及び増分(減分)値として)または一以上のベクトルまたはマトリックスとして、対応するベクトルまたはマトリックス内に蓄積される誘起電圧測定(例えば、監視されている各端子に関するもの)と共にファイル・ヘッダ内に蓄積される。
【0227】
DUTはそのような監視期間に特定の命令列(例えば、標準検証テスト)を実行するためにプログラムまたは制御され、そうでなければいくつかの繰返し機能を実行する。各測定のための動作を示すようDUTを促すことによって、例えば、DUT故障状態がさらに容易に検出及び/または確立される。
【0228】
代わりに、感受率プロファイルはシミュレーションによって少なくとも一部獲得される。本発明の実施例によるそのような一方法では、Specctra(ケーデンス設計システムズ社(カリフォルニア州サンホセ))といったシミュレーション・パッケージがテスト中のデバイスまたはシステム(DUT)の選択された表示のノード及び端末でシミュレートされた信号を入力するために使用される。シミュレートされた信号は、例えば、振幅及び/または周波数の特定の範囲に亘って(または臨界値に亘って)変化する。シミュレートされた信号レベルはDUTの重要な中心部または回路に対する影響とともに(例えば、故障が発生するまで、またはシミュレートされたDUTがいくつかの動作基準を満たせなくなるまで)記録される。
【0229】
感受率プロファイルを潜在的に干渉しているデバイスの放射プロファイルと相関させるために、選択されたノード及び端末の位置における放射場の強度は(例えば、タスク130おいて計算された場の画像から)決定される。これらの場の強度(メートル当たりのボルトまたアンペアで表される)は放射物、及びパッケージ、回路板、及び/または相互接続の配置からのノード及び端末の距離といった要素に基づいてノード及び端末における電圧に変換される。
【0230】
感受率プロファイルのライブラリまたはデータベースは異なる周波数、動作電圧、プロセス・サイズ、等々に対応する各プロファイルと共に、部品に関するいくつかのプロファイルを含む。タスクP140は、例えば、プロファイルの閾値を越える場所を検出することにより誘起された場の影響を決定する。さらなる実施では、タスクP140は様々な部品とそれらの放射場及び/または感受率の相対的方向を明らかにする。
【0231】
図72は図71の方法への一つの拡張を示す。この方法では、タスクP140において計算された誘起雑音値は完成したプロトタイプの動作を予測するためにSPICEシミュレーションにおける元の回路データと共に含まれる。そのような動作は「仮想プロトタイプ化」と見なされる。設計者が製造の時間や費用をかけないでプロトタイプの評価ができることに加えて、そのような方法はまた問題の場所に関する情報を提供することによって設計者を導く。
【0232】
図73に示された図71の方法への別の拡張では、タスクP140において計算された誘起雑音値は配置テンプレートにより組立てられたプロトタイプが設計仕様に合うかどうかを決定するために使用される。そのプロトタイプが仕様の中で機能しないことがタスクP160において決定されれば、そのテンプレートは拒絶される。
【0233】
図74に示された図73の方法への拡張では、タスクP140において計算された誘起雑音値は回路内容及び/または部品配置情報の修正を指示するのに使用される。例えば、特定の部品の動作が特に他の部品によって発生した場により影響されることをこれらの値が示すならば、部品配置は他の制約(例えば、回路板サイズ及び大きさの制限、接続性要求、等々)が許されれば二つの部品を分離するためにタスクP170において修正される。代りに、一部品によって発生した場がすぐ近くの部品の動作周波数に類似した周波数を含むことをその計算が示せば、回路内容は第二の部品の動作周波数に変更するためにタスクP170において修正される。
【0234】
図75は部品配置を計算するタスクP220を含む本発明のさらなる実施例による方法のフローチャートを示す。一つの実施では、タスクP220は部品の大きさ及び熱感度、包装及びその他の制約、及び(例えば、その他のデバイスまたは回路板との接続のような)接続性並びに配置要求といった物理的情報を(例えば、長い平行配線を避けて)上述の一般的配置ルールと組合わせることにより行われる。図76は回路シミュレーション・タスクP250を含む図75の方法への拡張を示す。
【0235】
図77は電磁整合性(EMC)評価タスクP180及び故障解析タスクP190を含む図75の方法への代わりの拡張を示す。タスクP180では、タスクP140で計算された影響は所定の基準(例えば、一以上の雑音閾値)と比較される。その基準を越えると、タスクP190で修正決定が行われる。一例では、最初の故障に関して、部品配置のための基準が修正され、その手順はタスクP220に戻り、そこで、第二の故障に関して、回路内容は遮蔽を含むように修正され、その手順はタスクP210に戻る。
【0236】
図78は本発明の実施例による装置のブロック図を示す。電磁場計算器710は回路内容及び部品配置情報信号S110と放射プロファイル信号S120を受取り、計算された電磁場に関する信号を電磁障害計算器720に出力する。計算器720は計算された場を信号S130で受信された感受率プロファイルと比較し、上で論じられた所定の基準に基づく結果を出力する。
【0237】
図79及び80はシステム−レベル応用におけるCADツールの動作を示す。この例では、五個の部品(例えば、集積回路)は接続性及び信号完全性に基づく予備配置のプリント回路板に配置される。これらの部品の一つは侵略者であると考えられ、所定の臨界周波数でその測定された近電磁場放射プロファイル作用領域はパッケージの右下隅にスポットによって示される。他の部品はこの場合には犠牲者であると考えられる。本発明の典型的な実施例による方法または装置の応用は回路板上の至る所で誘起される場の計算及び周囲の機能ブロックで誘起される雑音の続いての決定と共に、測定された放射プロファイルの数学的拡張を含む。それから誘起された雑音値は各部品の(例えば、感受率プロファイルで示される)露出限界と比較され、EMC妨害が特定される。この例では、EMC妨害が決定される部品は固体ブロックによって図80に示される。更なる実施では、新しい配置がEMC妨害を補正することが示唆される。
【0238】
本発明のさらなる実施例による方法では、タスクP130は集積回路設計のとき別の接続機構:受動デバイス及び/または能動デバイスにより生じる半導体基板における寄生変位及び/または伝導電流を介して発生する、半導体基板により誘起される障害または「基板結合」の考察を含む。そのような現象の考察は回路配置の最適化がそのような障害を抑制することを可能にし、改良された分離のために適切なガード・リングの設計を導くのに役立ち、そしてオーム損失及び/または基板容量(キャパシタンス)のそれらの動作特性に対する影響を考慮することによってチップ上受動デバイスの設計を可能にする。図100は本発明の別の実施例によるEMC対応の設計の方法のフローチャートを示す。
【0239】
本発明の実施例による電子デバイス及び/またはシステムの自動配置のための方法、システム、または装置は粒状度のレベルでデバイス及びシステムの設計に適用される。例えば、ここで使用された「部品(component)」という用語は一文脈では半導体基板上に作られた部品を、別な文脈では集積回路内の機能ブロック(例えば、共振ループまたはフェーズ・ロック・ループといったアナログ回路、またはXORゲートまたはマイクロプロセッサといったディジタル回路)を、別な文脈ではシリコン・チップまたは切片を、別な文脈では個別パッケージを、さらに別な文脈では回路モジュールを意味する。上に示されたように、ある修正は(例えば、集積回路の設計における基板結合を明らかにする)粒状度の異なるレベルに適している。
【0240】
診断及び製品評価のためのテスト
携帯無線電子デバイスの設計は主として二つの段階で行われる。最初の段階では、設計概念を確認するために「ストレッチ・ボード」が製作される。一旦その概念が確認されると、その回路は指定された形状要素に合わせるためにサイズが小さくされる。この点で、二つの問題が生じる。第一に、小さくされたデバイスは小型化にのみ現れる一以上の自己干渉機構により同じレベルで機能しない(または、極端な場合には全く機能しない)。不幸にして、特定の機構の本質、及び対応する適切な療法はあまり設計者には知られてなく、修正処置が高価な、盲目的試行錯誤手段でしばしば行われる。
【0241】
第二に 、小さくされたデバイスは好ましくない放射を発生する。例えば、携帯無線デバイスは回路基板の接地平面が双極子(ダイポール)の一方の脚として放射が行われる非平衡または埋込みアンテナを含む。さらに広い意味では、電子デバイスによって放射されたエネルギーは潜在的な安全上の問題をユーザーに提示し、及び/またはすぐ近くのデバイスの動作に影響を及ぼす。そのようなデバイスが販売で提供され、または作業環境において使用される前に、その供給者は少なくともその意図した使用において、規則によって定められたようにそのデバイスがユーザー(そして、あるいは他の人)に安全であることを実証する必要がある。供給者はまたそのデバイスが他のデバイスの動作を妨害しないことを実証する必要がある。例えば、業界及び/または政府の規則はそのデバイスがある放射限界に合っていることを供給者が立証することを要求している。
【0242】
電磁障害及び規定の整合性の問題に加えて、電子デバイスによる不要な放射はまた浪費電力を意味する。携帯電話または携帯式コンピュータといった電池駆動デバイスにとって、そのような放射を低減させることは電池寿命延長の利益をもたらす。
【0243】
いくつかの例では、作為的な放射物によって発生した放射が最終製品の動作に影響を及ぼさず、及び/または(即ち、デバイスからの特定の距離及び/または方向で測定された)特定のレベルを越えないことを確立するために計算モデル化が設計段階の間に使われる。しかしながら、多くの電子デバイスはそのようなモデル化をするにはあまりにも複雑で、実行不可能である。電磁エネルギーの一以上の作為的な放射物(アンテナのような)に加えて、例えば、電子デバイスはまた電磁エネルギーの作為的な放射物(例えば、非平衡アンテナに接続されたプリント回路板)を含む。そのような場合、実験室測定は整合性を確立するために行なわれなければならない。
【0244】
電磁整合性および予備整合性テスト手順は実行するのに多くの費用がかかる。例えば、そのような手順は一般的に専門の設備及び無響室(電波暗室)を必要とする。不幸にして、電子デバイスが要求される放射限界を満たすことができないとき、原因を特定することは大抵は難しい。その他の要求(例えば、サイズ、費用、及び/または重量に関する)を越えずにデバイスを整合させるためにとられる救済措置は遮蔽をしたり、一以上のプリント回路板を再設計したり、及び/またはアンテナの場所を変更することを含む。しかしながら、そのような処置は大抵は現在の場合における故障機構の実証を理解しないで、過去と類似の状況から得られた直観または経験にのみ基づいて取られる。そのような理解なしで処置がとられたとき、救済措置は放射問題を悪化させる。この理解の欠如は整合性テスト・サイクルの一連の高価な試行錯誤につながる。
【0245】
整合性及び予備整合性テストの費用を低減することは望ましい。整合性テストにおける故障の機構に関する情報を提供することもまた望ましい。電子デバイスにおける自己干渉の機構に関する情報を提供することはさらに望ましい。
【0246】
図81は本発明の実施例による診断の方法のフローチャートを示す。タスクP310はテスト中のデバイスのエネルギ場放射の特徴付けを行う。典型的な応用では、テスト中のデバイスは少なくとも一つの能動デバイス、即ちその動作が半導体接合の作用を含む個別部品を含む。能動デバイスの例は集積回路及びトランジスタを含む。
【0247】
一実施例では、近距離場放射特性はテスト中のデバイスの反応近距離場領域内(例えば、デバイス表面から約λ/2π小さく、ここでλは関心の周波数の波長である)の幾つかの標本点の各々における磁場ベクトルの表現(例えば、強度値及び方向)を含む。上述のように、疑似静的近似はこの領域の近距離場放射に応用され、ここに記述されたセンサ及び位置決めデバイスはそのような特徴を収集するために使用される。一つの例では、標本点はテスト中のデバイスの表面から特定の距離の平面にある。他の実施では、タスクP310は放射された磁場の異なる特徴及び/または異なる放射場の特徴を獲得できる。
【0248】
タスクP310は(例えば、磁気、光、相変化、または不揮発性媒体上の一以上の)データ・ファイルから、または(例えば、半導体ランダム・アクセス・メモリ上の)記憶アレイから放射特性を獲得する。代りに、タスクP310はここで記述された測定によって(例えば、DUTに関して確定された一以上の平面または体積に亘る)放射特性の収集を含む。典型的な実施では、放射特性は一以上の特定の周波数または周波数範囲(例えば、送信デバイスの搬送周波数範囲、または中間、混合、または局部発振器の周波数といった内部動作周波数)に関係する。テスト及び/または特定のテスト基準のもとでのデバイスの性質に応じて、タスクP310はテスト中のデバイスに入力されたテスト信号を印加、及び/または制御することを含む。例えば、タスクP310は印加信号の振幅、周波数、及び/または変調を変え、及び/またはその信号が印加されるテスト中のデバイスの端子を変更することを含む。
【0249】
タスクP330は一以上の所定の距離及び/または方向でテスト中のデバイスの放射強度を計算する。例えば、タスクP330は所定の指定体積内の至る所で(例えば、指定の分解能で)DUT放射強度を計算する。放射強度は電力密度(例えば、キログラム当たりのワットまたは平方センチメートル当たりのワット)、電場強度(例えば、メートル当たりのボルト)、または磁場強度(即ち、例えばメートル当たりのアンペアで表される電流密度)といった用語で示され、そして一以上のマトリックス、アレイ、画像、またはファイルとして表される。タスクP330は自由空間を横断する伝送を仮定し、及び/または誘電率及び透磁率といった固有のパラメータで規定される一以上の伝送媒体を含む伝送路に関して計算を行う。例えば、タスクP330は記憶装置から、ユーザー入力を経由して、または別の工程から伝送路の特性を受取る。伝送路または媒体の内容はまた場所、形状、及び組成といった特質により示される、遮蔽材料を含む。
【0250】
タスクP330の計算は特定の周波数または周波数の集合または範囲に限定される。例えば、タスクP330はテスト中のデバイスの表面の上の平面における幾つかの点の各々における、及び反応近距離場領域(例えば、ここで記述されたように測定された接線方向磁場ベクトルの渦のような)内の電流密度の計算を含む。ホイヘンス−フレネル、モード拡張、グリーンの定理、及び/またはフーリエ変換といった、様々な変換が放射強度を計算するのに適用される。タスクP310及び/またはタスクP330はまた測定センサの伝達関数及び/または測定信号が受信される伝送回線の装填といった測定技巧を明らかにする。
【0251】
タスクP350はタスクP330によって計算された強度を受取り、高い放射強度の点または領域を特定する。例えば、タスクP150は計算された強度を一以上の所定の閾値と(例えば、図82のタスクP355と同様に)比較することを含む。タスクP350(P355)はEMI/EMC妨害の原因となる源及び機構の場所を示す結果を(例えば、ここで記述されたように一以上の偽カラーまたは他の画像またはプロットを用いて)出力する。
【0252】
図82は本発明の別の実施例による診断の方法のフローチャートを示す。タスクP360では、テスト中の製品の設計がタスクP155に示された結果に従って修正される。例えば、遮蔽(例えば、ホット・スポットの周辺、及び/またはデバイス自身周辺の接続素子間の)が加えられるか、または修正され、プリント回路板の配置が(例えば、影響を受けやすい素子から放射素子を分離するため)再設計され、及び/またはアンテナの場所が(例えば、接地面への結合、及びそれによる放射を減らすため)変更される。
【0253】
図83は本発明の別の実施例による評価方法のフローチャートを示す。タスクP320はテスト中のデバイスからの特定の距離及び/または特定の方向における放射強度を指定する放射限界を受取る。放射限界はまた各最大の放射強度が印加される特定の周波数または周波数範囲を指定する。各最大の放射強度は電力密度(例えば、キログラム当たりのワットまたは平方センチメートル当たりのワット)、電場強度(例えば、メートル当たりの ボルト)、または磁場強度(例えば、メートル当たりのアンペア)といった用語で表される。例えば、遠距離場放射の規定または業界標準限界はデバイスから約3メートル、及びデバイスの搬送周波数(または、そのある範囲内)で指定される。タスクP355は放射特性及び放射限界を受取り、そして(例えば、タスクP330について記述された、及び多分放射限界で指定された距離及び/または周波数での)放射強度を計算する。
【0254】
安全整合性テストの一領域はヒト組織によるRF放射のSAR(特定吸収率)の測定を含む。例えば、携帯電話のような送信デバイスはユーザーへのその影響を評価するためにテストされる。SARの規定の限界はデバイスから最高5センチメートルの距離、及びデバイスの搬送周波数(またはそのある範囲内)で一般に指定される。そのような応用では、タスクP135は誘電率及び透磁率といった固有のパラメータによって規定された媒体において(即ち、自由空間における放射強度を計算するのに加えて、またはそれに代わって)テスト中のデバイスの放射強度を計算する。例えば、そのような媒体の記述は人間の骨及び脳の、または他の人体部分の電磁特性を見積もるために選択される。
【0255】
タスクP340は計算された放射強度をタスクP320で受取られた放射限界と比較する。上述のタスクP350におけるように、タスクP340(P345)の結果はEMI/EMC妨害の原因となる源及び機構の場所を示す。
【0256】
図83に示された評価方法は予備整合性テストを行うために使用される。例えば、予備整合性テストはSAR及び遠距離場限界との整合性を照合するために一つの放射測定を使用し、実際の整合性テストが行われる前に評価及び可能な再設計に関する問題領域を特定する。図84は上述の修正タスクP360を含む方法のフローチャートを示し、ここでは(例えば、タスクP345によって示された結果により)デバイスの再設計が再テストの前に行われる。本発明のさらなる実施による方法では、(SAR及び遠距離場といった)放射限界がここに述べられた事実上のプロトタイプ適用における設計基準として組込まれる。
【0257】
別の適用では、タスクP120で受取られた放射限界は(例えば、ここで記述されたように収集され、及び/または蓄積された感受率プロファイルに示されたように)デバイスの別の部分から放射されたエネルギに対するデバイス自身の一部の感受率に関係する。
【0258】
携帯電話及び携帯式コンピュータのテストへの適用はここに記述されているけれども、 本発明の実施例による方法は能動デバイスを持つある電子デバイスのテストに適用される。能動デバイスはその動作が半導体接合の作用を含む個別部品である。能動デバイスの例は集積回路及びトランジスタを含む。
【0259】
図85は本発明のさらなる実施例による放射測定の方法のフローチャートを示す。タスクP306はここで記述された選択周波数範囲に亘ってテスト中のデバイス(例えば、集積回路)に関するスペクトル内容情報を獲得する。例えば、タスクP306は広帯域範囲にわたってスペクトル内容性能指数(SCFM)を獲得する。タスクP308はさらなる評価のために選択周波数範囲内のいくつかの周波数を選択する。例えば、タスクP308はスペクトル内容情報が所定の閾値を越える周波数を選択する。タスクP322は距離及び放射閾値を各々含む一以上の放射限界を受取る。代って、タスクP322は選択された周波数と一致するいくつかの放射限界を受取る。タスクP312は選択された周波数に関する近距離場放射プロファイルを獲得し、タスクP332は対応する放射強度を計算し、そしてタスクP342はここに全て記述されたように、放射強度を放射限界と比較する。タスクP306で獲得されたデバイスのスペクトル内容情報は他の応用:例えば、周波数計画及び/または平面計画といったシステム・レベルの応用において使用するために蓄積され、及び/または送られる。
【0260】
前述の実施例の公開はいかなる当業者でも本発明をなし、または使用することを可能にするために提供される。これらの実施例への様々な修正は可能で、ここに提示された一般原理は他の実施例にも適用される。例えば、その発明はハードウェア回路として、応用特定集積回路に作られた回路構成として、または機械可読コードとして不揮発性記憶装置に搭載されたファームウェア・プログラムまたはデータ記憶装置からまたはデータ記憶装置へ搭載されたソフトウェア・プログラムとして一部または全部が実施され、そのようなコードはマイクロプロセッサのような一連の論理素子または他のディジタル信号処理ユニットによって実行可能な命令である。このように、本発明は上で示された実施例に限定されるものではなく、あらゆる方式でここに開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えられるものである。
【0261】
応用範囲
この節では、本発明の特定の実施例によるシステム、方法、及び装置のいくつかの異なる応用で獲得された結果が論じられる。この議論は本発明の特定の実施例に関係し、ここに提示されたように他の実施例のさらに多くの内容を限定しない。
【0262】
ASIC特性:図86及び87は12及び60MHzにおけるVLSIチップの放射形跡(emission signature)を示す。測定はチップの上5mmに位置する磁場センサを用いて1mmづつ動かして行った。そのプロファイルはパッケージ上の、及びパッケージの周辺の場のレベル及び範囲を示す。三次元の断面図は5mm離れた6個の平面上の磁場測定から獲得された。
【0263】
ASICハードウェア検証:VLSIチップ及び回路板の近距離場測定は放射によるRF結合を示す。図88−90はVLSI切片及びパッケージの領域を示す。図88では、そのプロファイルはVLSI切片の上2mmの平面内で走査する130ミクロンのE場センサ用いることによって獲得された。
【0264】
部品特性及び診断:これらのテストに使用される帯域通過フィルタは25ミル厚のアルミナ基板上に作製した。放射テストに提供された二個のユニットのうち、一個は入力領域で基板上に割れ目をいれた。図91の下方は欠陥フィルタが割れ目によって起きた不適合(mismatch)による入力領域で放射することを示す。図91におけるX及びY軸の次元はmmである。
【0265】
製品及びシステム・レベルの測定:ACアダプタの一般的な基本スイッチング周波数は30から200KHzの間にある。これらの周波数における放射は共通モード源と差動モード源の両方から発生する。広く分布し、予測できない浮遊容量(stray capacitance)の不均衡はこれらの電流及び電圧を障害信号に変える。実際の応用では、いくつかの結合機構が同時に作動することになる。アダプタが遮蔽されていないか、または部分的に遮蔽されているとき他の対象へ近づけると浮遊容量の影響は問題を悪化させることになる。
【0266】
図92では、12V、2.5Aで、約65KHzのスイッチングで評価されたACアダプタのテストの結果が提示されている。磁場プロファイルは1cm離れて、6個の個別の平面に亘って走査することにより獲得される。
【0267】
製品及びシステム・レベルの測定:図94および95は約340MHzにおける携帯電話の放射形跡を示す。この形跡は電話の上及び下の3個の平面における磁場測定から組立てられた。電話はテスト中電池によって電力を供給した。そのような測定から無線製品の組立てで使用される遮蔽材料及び技術の有効性が洞察できる。この特定の場合における電話遮蔽設計はデバイス及び回路板レベルで伝導性高分子化合物を組込んだ。約60MHzにおける異なる携帯電話の磁場走査は図92及び93に示される。
【0268】
デバイス放射測定:図96はある工場(Fab1)で作られた見本によって放射された不所望の信号が、放射のさらに高い帯域幅により、別の工場(Fab2)で作られたと同じVLSIの周囲で設計された無線製品におけるシステム・レベル障害問題の原因となったことを示す。
【0269】
デバイス・スペクトル内容の性能指数:図97は0−1000MHzに亘って(それぞれ0.42、0.35、及び0.25ミクロンのプロセス・サイズを用いて作られた)三つのASIC A、B、及びCの放射スペクトルの比較を示す。
【0270】
RF ASIC回路板設計:トランジスタは電流スイッチである。従って、それらの正常な信号処理または増幅動作に加えて、それらは無作為、寄生、広帯域の放射作用を示す。一般的なトランジスタの放射効率はデバイスが小型のために非常に低いけれども、隣接の導電構造へ結合するため(適切に遮蔽されないと)一以上のトランジスタからの放射の可能性が存在し、斯くして隣接部品への二次放射及び/または障害の原因となる。
【0271】
図98及び99はスイッチング・トランジスタ の近距離場について行われたテストの結果を示す。形状要素製品定義(特に、10mm角の多チップ・モジュールについて)がトランジスタに利用可能な回路板面積の量を制限した場合において、回路板は二個のトランジスタを組込む電力増幅器の動作特性をテストするように設計した。示されたように、厳しい結合がトランジスタが取付けられた回路板の中心、特にコレクター線接合上に存在する。さらに、不適切に設計された回路板配置のために二つの入力チャネルの間に不十分な分離が示されている。偽カラー画像はネットワーク・アナライザ測定によって実証された増幅器利得及びクロス−チャネル利得を正確に視覚化している。
【0272】
図98は上部のトランジスタにのみに信号を加えた磁場放射プロファイルを示す。そのプロファイルは入力線と出力線を分離する接地片を介したトランジスタの間の電磁結合を示す。さらに高い分解能の画像(下)は二個のパワートランジスタ(周波数1900MHz)の間の結合機構を特定する。
【0273】
図99はテスト回路上の三つの個別の平面で測定された磁場放射プロファイルを示す。下の画像はX軸の中点(周波数1900MHz)における回路板上の三次元磁場放射プロファイルの断面図を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による位置決めデバイスのブロック図である。
【図2A】アーム132の上視図である。
【図2B】アーム132の側視図である。
【図3A】ホームポジション・センサの側視図である。
【図3B】ホームポジション・センサの上視図である。
【図4】本発明の実施例によるセンサの図である。
【図5】本発明の実施例による能動センサの図である。
【図6】本発明の実施例によるプレート・センサの図である。
【図7A】本発明の実施例によるプレート・センサのプローブ部の図である。
【図7B】プレート312及び314を示す。
【図8】本発明の実施例によるプレート・センサの動作における実効キャパシタンスの図である。
【図9A】本発明の実施例によるスタブ・センサの図である。
【図9B】本発明の実施例によるボール・センサの図である。
【図10】本発明の実施例によるボール・センサの動作における実効キャパシタンスの図である。
【図11】本発明の実施例によるループ・センサの図である。
【図12】多層プリント回路板上に製作された多巻ループ319の電気接続の実例である。
【図13】多層プリント回路板上に製作された多巻ループ319の断面の実例である。
【図14】本発明の実施例によるループ・センサの図である。
【図15】走査平面におけるプローブ部の路程を示す。
【図16】本発明の一実施例により組立てられた近距離場走査器の写真を示す。
【図17】本発明の一実施例により組立てられ、固定センサと共に使用される近距離場走査器のブロック図を示す。
【図18】VLSIチップの放射プロファイルを示す。
【図19】本発明の一実施例により組立てられ、回転センサと共に使用される近距離場走査器のブロック図を示す。
【図20】本発明の実施例により組立てられた回転センサ及び回転機構の写真を示す。
【図21】図20に示された回転センサを用いて収集された情報の提示を示す。
【図22】本発明の一実施例により組立てられた能動磁場センサの写真を示す。
【図23】本発明の実施例により組立てられたいくつかのループ・センサの写真を示す。
【図24】TEMセルの写真を示す。
【図25】10mmのループ・センサ上で行なわれた二つの較正テストの結果の比較を示す。
【図26】本発明の一実施例により組立てられた能動センサの写真を示す。
【図27】図26に示されたセンサの詳細写真を示す。
【図28】図26に示されたセンサの概要図を示す。
【図29】短絡ツイストペア線のS11のグラフを示す。
【図30】本発明の実施例により組立てられた回転センサ及び回転機構の写真を示す。
【図31】本発明の実施例により組立てられた回転センサ、及び機構を回転させるステッパ・モータの写真を示す。
【図32】本発明の一実施例により組立てられた回転機構上の位置決めレーザを指示する写真を示す。
【図33】本発明の一実施例により組立てられた回転機構のホームポジション・スイッチの概要図を示す。
【図34】本発明の一実施例により組立てられた能動センサ及びTEMセルを用いて獲得された較正結果の画面表示を示す。
【図35】本発明の一実施例により組立てられた回転センサを用いて獲得された結果の画面表示を示す。
【図36】本発明の一実施例により組立てられた回転センサを用いて収集された情報の提示を示す。
【図37】本発明の一実施例により組立てられたE場スタブ・センサを用いて獲得された較正結果の画面表示を示す。
【図38】本発明の一実施例により組立てられた2mmのボール・センサについて入射面の説明を示す。
【図39】平行及び垂直分極の場合について本発明の一実施例により組立てられた2mmボール・センサの伝達関数のプロットを示す。
【図40】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの概観図を示す。
【図41】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムにおけるプログラム及びエンジンの状態図を示す。
【図42】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの処理のフローチャートを示す。
【図43】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの開始メニューのブロック図を示す。
【図44】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの入力画面を示す。
【図45】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムのプレビュー画面のブロック図を示す。
【図46】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムのプレビュー画面を示す。
【図47】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムのプレビュー段階の処理の流れを示す。
【図48】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの始動選択画面を示す。
【図49】そこでセンサ伝達関数が選択され、入力され、または編集される、本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの画面を示す。
【図50】特定のテストに関するDUT走査領域及び増分が本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムのプレビュー画面でどのように定義されるかを表示するウィンドウを示す。
【図51】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムのZ軸パラメータ選択ダイアログを表示する画面を示す。
【図52】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの固定センサの走査動作のスペクトル・アナライザ設定を表示する画面を示す。
【図53】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの回転センサの走査動作のスペクトル・アナライザ設定を表示する画面を示す。
【図54】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムを用いる回転センサの走査動作の電気ブロック図を示す。
【図55】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムのプレビュー画面の構造を示す。
【図56】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムのIRセンサ設定画面を示す。
【図57】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムのピーク監視探索設定画面を示す。
【図58】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの走査画面の構造を示す。
【図59】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムを用いて行われる走査動作の実時間表示を含む画面を示す。
【図60】エネルギ場強度と回転との関係を示す、本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの画面表示を示す。
【図61】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの走査画面の構造を示す。
【図62】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの提示画面の構造を示す。
【図63】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの提示画面を示す。
【図64】エネルギ場の減衰を指示する、本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの画面表示を示す。
【図65】デバイスのビットマップ画像上でテスト中のデバイスに関してセンサの位置を指示する、本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの画面表示を示す。
【図66】監視信号のスペクトル・アナライザ波形を指示する、本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの画面表示を示す。
【図67】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの提示画面の構造を示す。
【図68】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムの提示画面の構造を示す。
【図69】本発明の特定の実施例によるオペレーティング・システムのセンサ較正画面表示を示す。
【図70】自動化配置ツールのフローチャートを示す。
【図71】本発明の実施例による方法のフローチャートを示す。
【図72】図71の方法の拡張に関するフローチャートを示す。
【図73】図71の方法の別の拡張に関するフローチャートを示す。
【図74】図73の方法の拡張に関するフローチャートを示す。
【図75】本発明のさらなる実施例による方法のフローチャートを示す。
【図76】図75の方法の拡張を示す。
【図77】図75の方法の代わりの拡張を示す。
【図78】本発明の実施例による装置のブロック図を示す。
【図79】所定の領域上で放射プロファイルを示すいくつかの部品を持つ回路板の表示図である。
【図80】図79の表示図を示し、放射プロファイルに対応する計算された誘起エネルギ場を示す。
【図81】本発明の実施例による診断の方法を示す。
【図82】本発明の実施例による診断の方法を示す。
【図83】本発明の実施例による評価方法を示す。
【図84】本発明の実施例による評価方法を示す。
【図85】本発明の実施例による放射測定の方法を示す。
【図86】約12MHzにおけるVSLIチップの放射プロファイルを示す。
【図87】約60MHzにおけるVSLIチップの放射プロファイルを示す。
【図88】約20MHzにおけるVSLI切片の電場形跡を示す。
【図89】約20MHzで放射の影響によるプリント板(左)及びVSLIチップ(右)の領域のE場走査の結果を示す。
【図90】約20MHzでVSLIチップ(上)及びプリント板(下)の磁場放射プロファイルの偽カラー及び等高線プロットを示す。
【図91】機能フィルタ(上)及び欠陥フィルタ(下)のE場放射プロファイルを示す。
【図92】その基本スイッチング周波数(約65kHz)におけるACアダプタの放射プロファイルを示す。
【図93】約340MHzにおける携帯電話の放射プロファイルを示す。
【図94】本発明の実施例により組立てられた磁場センサによって獲得された約60MHzにおける携帯電話の放射プロファイルを示す。
【図95】本発明の実施例により組立てられた磁場センサを用いて約60MHzにおいて製品上の四つの別々の平面で測定された図94に示された携帯電話の近距離場形跡を示す。
【図96】180−185MHzの間で測定された、二つの異なる工場によって作られたVLSIチップ標本のスペクトル内容の比較を示す。
【図97】それぞれ0.42、0.35及び0.25ミクロンのプロセス・サイズを用いて製造された三つのASIC A、B及び Cの放射スペクトルの比較を示す。
【図98】デュアル・トランジスタ・テスト板の放射プロファイルを示す。
【図99】図98に示されたデュアル・トランジスタ回路の別の放射プロファイルを示す。
【図100】は本発明の実施例によるEMI/EMC対応コンピュータ支援設計の方法のフローチャートを示す。
Claims (168)
- プローブ部を有し、複数の測定信号を出力するために構成且つ配置され、前記複数の測定信号の各々が、前記プローブ部と源との間の三次元における複数の位置関係の対応する一つにおいて前記プローブ部に源から発するエネルギー場の影響を表すセンサと、
前記複数の位置関係を制御可能に形成するために構成且つ配置された位置決めデバイスと、
複数の位置関係に関する測定信号及び位置情報に基づいてデータを受信するために構成且つ配置され、場の特徴を出力する処理ユニットとを備え、
場の特徴が前記プローブ部に対するエネルギー場の影響の三次元の性質の表現を含む測定デバイス。 - エネルギー場は電場である請求項1による測定デバイス。
- エネルギー場は磁場である請求項1による測定デバイス。
- エネルギー場は熱場である請求項1による測定デバイス。
- 三次元の一つは三次元の他の二つによって定義された平面における方向である請求項1による装置。
- 前記センサは源の表面に垂直な軸の周りを回転する請求項5による測定デバイス。
- 前記センサは能動デバイスを含む請求項1による測定デバイス。
- 脆い要素がプローブ部とセンサの本体との間に張られている請求項1による測定デバイス。
- 前記プローブ部は二個のプレートを含み、前記複数のデータ信号がプレート間のキャパシタンスから得られる請求項1による測定デバイス。
- 前記プローブ部はボールを含み、ボールの直径が電気的に小さい請求項1による測定デバイス。
- 前記センサは少なくとも適合(マッチング)ネットワーク、増幅器及びフィルタの一つを含む請求項1による測定デバイス。
- 前記センサの源に対する方向を指示するために構成且つ配置された位置合わせユニットをさらに含む請求項1による測定デバイス。
- 前記位置合わせユニットはレーザ放射デバイスを含む請求項12による測定デバイス。
- 処理ユニットはプローブ部と処理ユニット間の信号路の所定の特性を補償するために構成且つ配置される請求項1による測定デバイス。
- センサ及び場の源の間に三次元における複数の位置関係を制御可能に形成し、前記センサは前記複数の位置関係の各々に対応する複数の測定信号を出力し、前記複数の信号は複数の位置関係の対応する一つにおいてセンサに対する場の影響を表し、
前記センサへの場の影響の三次元の性質の表現を獲得するために前記複数の位置関係に関する位置情報と組合わせて前記センサからの測定信号を処理することを含む方法。 - 前記センサは磁場センサである請求項15による方法。
- 前記センサは電場センサである請求項15による方法。
- 前記センサは熱場センサである請求項15による方法。
- 前記センサは作動している電子センサである請求項15による方法。
- 三次元の一つは三次元の他の二つによって定義された平面における方向である請求項15による方法。
- スペクトル・アナライザがデータ信号を処理するために使用される請求項15による方法。
- データ信号を処理することはデータ信号が前記センサにより送信される経路の所定の特徴の補償を含む請求項15による方法。
- 放射データを獲得する方法であって、
第一の測定信号がテスト中のデバイスによって放射された電磁場のセンサへの影響を表す第一の測定信号をセンサから受取り、
第一の測定信号の大きさが所定の閾値を越える周波数を選択し、
センサとテスト中のデバイスの間の複数の位置関係を制御可能に形成し、
複数の位置関係の各々について、テスト中のデバイスによって放射された電磁場のセンサへの影響を表す第二の測定信号をセンサから受取り、
第二の測定信号の各々について、選択された周波数で第二の測定信号の特性を決定することを含む方法。 - 第一の測定信号を受信することはセンサの伝達関数をその信号に適用することを含む、請求項23による放射データを獲得する方法。
- 第二の測定信号を受信することは、センサの伝達関数をその信号に適用することを含む、請求項23による放射データを獲得する方法。
- 第一の測定信号を受信することは所定の周波数範囲を横断してスペクトルアナライザの走査窓を動かすことを含む、請求項23による放射データを獲得する方法。
- 周波数を選択することは走査窓において第一の測定信号の大きさを決定し、且つ一連の周波数を横断して走査窓を動かすことを含む、請求項23による放射データを獲得する方法。
- 第二の測定信号の特性を決定することは電磁場の空間の方向を決定することを含む、請求項23による放射データを獲得する方法。
- 電磁場は磁場を含み、及び第二の測定信号の特性を決定することは磁場の方向を決定することを含む、請求項23による放射データを獲得する方法。
- 第二の測定信号の特性を決定することは電磁場の大きさを決定することを含む、請求項23による放射データを獲得する方法。
- 第一及び第二の測定信号の少なくとも一つはテスト中のデバイスに励起信号を入力することを含む、請求項23による放射データを獲得する方法。
- 第一及び第二の測定信号の少なくとも一つを受取ることは励起信号の特性を変えることを含む、請求項31による放射データを獲得する方法。
- 第一及び第二の測定信号の少なくとも一つを受取ることは励起信号の周波数を変えることを含む、請求項32による放射データを獲得する方法。
- 放射データを獲得する方法であって、
センサと場の源の間の複数の位置関係を制御可能に形成し、
各測定信号が位置関係の別の一つに対応し、且つ対応する位置関係においてセンサに対する場の影響を表す、複数の測定信号をセンサから受取り、
各々の位置関係について、データ値が場の特性を示すベクトルの大きさ及び方向に基づいている、データ値を対応するデータ信号から獲得することを含む方法。 - データ値が所定の周波数に基づく請求項34による放射データを獲得する方法。
- 複数の位置関係を制御可能に形成することは源に関してセンサを回転させることを含む、請求項34による放射データを獲得する方法。
- 複数の位置関係を制御可能に形成することは源の表面に実質的に平行な平面における対応する複数の位置にセンサを動かすことを含む、請求項34による放射データを獲得する方法。
- 複数の測定信号を受取ることはセンサから受取られる信号にセンサの伝達関数を適用することを含む、請求項34による放射データを獲得する方法。
- センサの伝達関数が周波数の関数である、請求項38による放射データを獲得する方法。
- センサの伝達関数を獲得するために基準場源を用いてセンサを較正することをさらに含む、請求項38による放射データを獲得する方法。
- 複数の測定信号を受取ることはセンサから受取られる信号におけるケーブル損失を補償することを含む、請求項34による放射データを獲得する方法。
- データ値を獲得することは対応するデータ信号を検出器に入力することを含む、請求項34による放射データを獲得する方法。
- 検出器が同調受信器を含む、請求項42による放射データを獲得する方法。
- 放射データを獲得する方法であって、
センサと場の源の間の複数の位置関係を制御可能に形成し、
各測定信号が位置関係の別の一つに対応し、且つ対応する位置関係においてセンサに対する場の影響を表す複数の測定信号をセンサから受取り、
各々の位置関係について、データ値を対応するデータ信号から獲得し、
データ値による少なくとも三次元における場の表現を出力することを含む方法。 - 各データ値は所定の平面におけるセンサの位置と関連し、
各データ値は対応する位置で場の特性を示すベクトルの大きさ及び方向を含む、
請求項44による放射データを獲得する方法。 - 場の表現を出力することは場の表現を表示することを含む、請求項44による放射データを獲得する方法。
- 場の表現を表示することは場の偽カラー表現を表示することを含む、請求項46による放射データを獲得する方法。
- 場の表現を表示することは場の表現と並行して源及び源の概略の少なくとも一つの画像を表示することを含む、請求項46による放射データを獲得する方法。
- 場の表現を表示することは源の画像中の点及び場の表現の中の点の間の対応を表示することを含む、請求項48による放射データを獲得する方法。
- 場が少なくとも一部励起信号に基づいており、励起信号を源に入力することをさらに含む、請求項45による放射データを獲得する方法。
- 励起信号を源に入力することは励起信号の周波数及び振幅の少なくとも一つを制御することを含む、請求項50による放射データを獲得する方法。
- 感受率データを獲得する方法であって、
電子デバイスへの近くに場の源を位置決めし、
場の特性を変え、
各データ信号が場の特性の異なる値に対応し、電子デバイスに対する場の影響を表す複数のデータ信号を電子デバイスから受取り、
電子デバイスの感受率プロファイルを蓄積し、感受率プロファイルが複数のデータ信号に基づいていることを含む方法。 - 場の源はアンテナを含み、対応するデータ値を獲得することはアンテナの伝達関数を適用することを含む、請求項52による感受率データを獲得する方法。
- 場の源を位置決めすることは複数のデータ信号の前記受取りの間に所定の経路中で源を制御して動かすことを含む、請求項52による感受率データを獲得する方法。
- 場の特性を変えることは場の強度を変えることを含む、請求項52による感受率データを獲得する方法。
- 場の特性を変えることは場の周波数を変えることを含む、請求項52による感受率データを獲得する方法。
- 複数のデータ信号を受取ることは電子デバイスの複数の端子(ピン)から信号を受取ること含む、請求項52による感受率データを獲得する方法。
- 各データ信号は場によって誘起された電圧による、請求項52による感受率データを獲得する方法。
- 集積回路によって放射された電場及び磁場の特性を示す値を含むフォーマットされたデータを含むデータ記憶媒体。
- コンピュータ・システムにおいて、電子デバイスによって放射された電磁場を表す値を含むアレイを保持するコンピュータ可読記憶媒体。
- 値が電子デバイスによって放射された電場及び磁場の少なくとも一つの測定に基づいている請求項60の媒体。
- 各値は所定の平面内の点の二次元位置に対応し、その点における電磁場の強度及び方向に基づいている請求項60の媒体。
- 各値は所定の平面内の点の二次元位置に対応し、その点における電磁場の特性を示すベクトルの大きさ及び方向に基づいている請求項60の媒体。
- ベクトルは電子デバイスの表面との接線である請求項63の媒体。
- 値はデバイスの近距離場放射を表す請求項60の媒体。
- 電磁両立性対応設計のための装置であって、
(A)複数の回路部品の相対的な配置に関する配置情報及び(B)各放射プロファイルが複数の回路部品に対応する、少なくとも一つの放射プロファイルを受取るために構成且つ配置された電磁場計算器と、
電磁場計算器に接続され、各感受率プロファイルが複数の回路部品の中の一つに対応する、少なくとも一つの感受率プロファイルを受取るために構成且つ配置された電磁干渉計算器とを含み、
電磁場計算器はさらに誘起された電磁場に関する情報を出力するために構成且つ配置され、
電磁干渉計算器はさらに誘起された電磁場に関する情報を受取り、且つ電磁場によってもたらされた影響に関する情報を出力するために構成且つ配置されている装置。 - 電磁場計算器はさらに回路内容を受取るために構成且つ配置され、回路内容は(E)各回路部品特性が複数の回路部品の一つに対応する、少なくとも一つの各回路部品特性、及び(F)接続性情報が少なくとも一つの電気経路に関係し、各電気経路が複数の回路部品の少なくとも二つを接続する接続情報を含む、請求項66による電磁両立性対応設計のための装置。
- 回路内容は回路図表現を含む、請求項67による電磁両立性対応設計のための装置。
- 回路内容は複数のハードウェア記述言語の記述を含む、請求項67による電磁両立性対応設計のための装置。
- 回路内容はネットリストを含む、請求項67による電磁両立性対応設計のための装置。
- 電磁場計算器はさらに電磁遮蔽要素の特性及び場所の少なくとも一つの情報を受取るために構成且つ配置される、請求項66による電磁両立性対応設計のための装置。
- 前記少なくとも一つの放射プロファイルの各々は複数の近電磁場測定の結果を含む、請求項66による電磁両立性対応設計のための装置。
- 少なくとも一つの放射プロファイルについて、前記複数の近電磁場測定の各々は少なくとも二つの空間次元を有する格子内の場所に関連する、請求項72による電磁両立性対応設計のための装置。
- 少なくとも一つの放射プロファイルについて、前記複数の近電磁場測定の各々は大きさ及び方向を含む、請求項72による電磁両立性対応設計のための装置。
- 配置情報は前記複数の回路部品の相対的な空間位置及び方向に関する情報を含む、請求項66による電磁両立性対応設計のための装置。
- 配置情報は前記複数の回路部品の相対的な空間次元に関する情報を含む、請求項75による電磁両立性対応設計のための装置。
- 前記少なくとも一つの放射プロファイルの各々は複数の近電磁場測定の結果を含み、
少なくとも一つの放射プロファイルについて、前記複数の近電磁場測定は境界と少なくとも二つの空間次元を有する格子における場所と関連し、
誘起された電磁場に関する情報は誘起された電磁場の複数の振幅を含み、
複数の振幅は複数の空間位置の一つに対応し、
複数の空間位置の少なくとも一つは前記格子の外に在る、
請求項66による電磁両立性対応設計のための装置。 - 各感受率は所定の特性及び位置の源により形成された電磁場に対応する回路部品の応答を表す、請求項66による電磁両立性対応設計のための装置。
- 電磁両立性対応設計のための方法であって、
(A)複数の回路部品の相対的な配置に関する配置情報及び(B)各放射プロファイルが複数の回路部品の一つに対応する、少なくとも一つの放射プロファイルによる誘起電磁場を計算し、
各放射プロファイルが複数の回路部品の一つに対応する、少なくとも一つの放射プロファイルによる誘起電磁場の影響を計算することを含む方法。 - 誘起電磁場を計算することは(E)各回路部品特性が複数の回路部品の一つに対応する、少なくとも一つの回路部品特性、及び少なくとも一つの電気経路に関係し、前記電気経路が複数の回路部品の少なくとも二つを接続する接続性情報による、請求項79による電磁両立性対応設計のための方法。
- 配置情報、回路内容、及び誘起電磁場の影響の計算に基づきシミュレートされた回路動作を計算することをさらに含む、請求項80による電磁両立性対応設計のための方法。
- シミュレートされた回路動作の前記計算の結果を少なくとも一つの所定の基準と比較することをさらに含む、請求項81による電磁両立性対応設計のための方法。
- 前記比較の結果に基づき回路内容及び配置情報の少なくとも一つを修正することをさらに含む、請求項82による電磁両立性対応設計のための方法。
- 回路内容は回路図表現を含む、請求項80による電磁両立性対応設計のための方法。
- 回路内容は複数のハードウェア記述言語の記述を含む、請求項80による電磁両立性対応設計のための方法。
- 回路内容はネットリストを含む、請求項80による電磁両立性対応設計のための方法。
- 誘起電磁場を計算することは電磁遮蔽要素の特性及び場所の少なくとも一つに関係する情報に基づいている、請求項79による電磁両立性対応設計のための方法。
- 前記少なくとも一つの放射プロファイルの各々は複数の近電磁場測定の結果を含む、請求項79による電磁両立性対応設計のための方法。
- 少なくとも一つの放射プロファイルについて、前記複数の近電磁場測定の各々は少なくとも二つの空間次元をもつ格子における場所と関連する、請求項88による電磁両立性対応設計のための方法。
- 前記複数の近電磁場測定の各々は大きさ及び方向を含む、請求項88による電磁両立性対応設計のための方法。
- 配置情報は前記複数の回路部品の中の相対的な位置及び方向に関する情報を含む、請求項79による電磁両立性対応設計のための方法。
- 配置情報は複数の回路部品の相対的な空間次元に関する情報を含む、請求項91による電磁両立性対応設計のための方法。
- 前記少なくとも一つの放射プロファイルの各々は複数の近電磁場測定の結果を含み、
少なくとも一つの放射プロファイルについて、前記複数の近電磁場測定の各々は境界及び少なくとも二つの空間次元をもつ格子における場所と関連し、
誘起電磁場に関する情報は誘起電磁場の複数の大きさを含み、
複数の大きさは複数の空間位置の一つに対応し、
前記複数の空間位置の少なくとも一つは前記格子の外側に在る、
請求項79による電磁両立性対応設計のための方法。 - 各感受率プロファイルは所定の特性及び場所の源により形成された電磁場に対応する回路部品の応答を表す、請求項79による電磁両立性対応設計のための方法。
- 電磁場両立性対応設計のための方法であって、
(A)各回路部品特性が複数の回路部品の少なくとも一つに対応する、少なくとも一つの各回路部品特性、及び(B)各電気経路が複数の回路部品の少なくとも二つを接続する、少なくとも一つの電気経路に関係する接続情報を含む回路内容を受取り、
回路内容に基づき、複数の回路部品の相対的な配置に関する配置情報を計算し、
配置情報及び少なくとも一つの放射プロファイルに基づき、誘起電磁場を計算し、
少なくとも一つの感受率プロファイルに基づき、誘起電磁場の影響を計算し、
各放射プロファイルは複数の回路部品の少なくとも一つに対応し、
各感受率プロファイルは複数の回路部品の少なくとも一つに対応することを含む方法。 - 配置情報、回路内容、及び誘起電磁場の影響の計算に基づきシミュレートされた回路動作を計算することをさらに含む、請求項95による電磁両立性対応設計のための方法。
- シミュレートされた回路動作の前記計算の結果を少なくとも一つの所定の基準と比較することをさらに含む、請求項96による電磁両立性対応設計のための方法。
- 前記比較の結果に基づき回路内容及び配置情報の少なくとも一つをを修正することをさらに含む、請求項97による電磁両立性対応設計のための方法。
- データ記憶媒体が機械可読コードを有し、機械可読コードは論理素子アレイによって実行可能な命令を含み、電磁両立性対応設計のための方法を定義する前記命令は、
(A)複数の回路部品の相対的な配置に関する配置情報及び(B)各放射プロファイルが複数の回路部品の一つに対応する、少なくとも一つの放射プロファイルに基づき誘起電磁場を計算すること、
各感受率プロファイルが複数の回路部品の一つに対応する、少なくとも一つの感受率プロファイル基づきの影響を計算すること
を含むデータ記憶媒体。 - 誘起電磁場を計算することは(E)各回路部品特性が複数の回路部品の一つに対応する、少なくとも一つの各回路部品特性、及び(F)接続性情報が少なくとも一つの電気経路に関係し、各電気経路は複数の回路部品の少なくとも二つを接続する接続性情報を含む回路内容に基づいている、請求項99によるデータ記憶媒体。
- 配置情報、回路内容、及び誘起電磁場の影響の計算に基づきシミュレートされた回路動作を計算することをさらに含む、請求項100によるデータ記憶媒体。
- シミュレートされた回路動作の前記計算の結果を少なくとも一つの所定の基準と比較することをさらに含む、請求項101によるデータ記憶媒体。
- 前記比較の結果に基づき回路内容及び配置情報の少なくとも一つをを修正することをさらに含む、請求項102によるデータ記憶媒体。
- 回路内容は回路図表現を含む、請求項100によるデータ記憶媒体。
- 回路内容は複数のハードウェア記述言語の記述を含む、請求項100によるデータ記憶媒体。
- 回路内容はネットリストを含む、請求項100によるデータ記憶媒体。
- 誘起電磁場を計算することは電磁遮蔽要素の特性及び場所の少なくとも一つに関する情報に基づいている、請求項99によるデータ記憶媒体。
- 前記少なくとも一つの放射プロファイルの各々は複数の近電磁場測定の結果を含む、請求項99によるデータ記憶媒体。
- 少なくとも一つの放射プロファイルについて、前記複数の近電磁場測定の各々は少なくとも二つの空間次元をもつ格子における場所と関連する、請求項108によるデータ記憶媒体。
- 少なくとも一つの放射プロファイルについて、前記複数の近電磁場測定の各々は大きさ及び方向を含む、請求項108によるデータ記憶媒体。
- 配置情報は前記複数の回路部品の中に相対的な位置及び方向に関する情報を含む、請求項99によるデータ記憶媒体。
- 配置情報は複数の回路部品の相対的な空間次元に関する情報を含む、請求項111によるデータ記憶媒体。
- 前記少なくとも一つの放射プロファイルの各々は複数の近電磁場測定の結果を含み、
少なくとも一つの放射プロファイルについて、前記複数の近電磁場測定の各々は境界及び少なくとも二つの空間次元をもつ格子における場所と関連し、
誘起電磁場に関する情報は誘起電磁場の複数の大きさを含み、
複数の大きさは複数の空間位置の一つに対応し、
前記複数の空間位置の少なくとも一つは前記格子の外側に在る、
請求項99によるデータ記憶媒体。 - 各感受率プロファイルは所定の特性及び場所の源により形成された電磁場に対応する回路部品の応答を表す、請求項99によるデータ記憶媒体。
- データ記憶媒体が機械可読コードを有し、機械可読コードは論理素子アレイにより実行可能な命令を含み、電磁両立性対応設計のための方法を定義し、前記方法は、
(A)各回路部品特性が複数の回路部品の少なくとも一つに対応する、少なくとも一つの各回路部品特性、及び(B)各電気経路が複数の回路部品の少なくとも二つを接続する、少なくとも一つの電気経路に関係する接続性情報を含む回路内容を受取ること、
回路内容に基づき、複数の回路部品の相対的な配置に関する配置情報を計算すること、
配置情報及び少なくとも一つの放射プロファイルに基づき、誘起電磁場を計算すること、
少なくとも一つの感受率プロファイルに基づき、誘起電磁場の影響を計算することを含み、
各放射プロファイルは複数の回路部品の少なくとも一つに対応し、
各感受率プロファイルは複数の回路部品の少なくとも一つに対応するデータ記憶媒体。 - 配置情報、回路内容、及び誘起電磁場の影響の計算に基づきシミュレートされた回路動作を計算することをさらに含む、請求項115によるデータ記憶媒体。
- シミュレートされた回路動作の前記計算の結果を少なくとも一つの所定の基準と比較することをさらに含む、請求項116によるデータ記憶媒体。
- 前記比較の結果に基づき回路内容及び配置情報の少なくとも一つを修正することをさらに含む、請求項117によるデータ記憶媒体。
- 診断テストの方法であって、
テスト中のデバイスについて近距離場放射の特性を獲得し、
放射強度及び対応する距離を含む放射限界を受取り、
対応する距離でテスト中のデバイスの放射強度を計算することを含む方法。 - テスト中のデバイスは電子デバイスである、請求項119による診断テストの方法。
- テスト中のデバイスは高周波発生デバイスである、請求項119による診断テストの方法。
- テスト中のデバイスは少なくとも一つの集積回路を含む、請求項119による診断テストの方法。
- 近距離場放射の特徴の少なくとも一部分の視覚表示を提示することをさらに含む、請求項119による診断テストの方法。
- 計算された放射強度を放射限界の放射強度による値と比較することをさらに含む、請求項119による診断テストの方法。
- 前記比較の結果を示すことをさらに含む、請求項124による診断テストの方法。
- 近距離場放射の特性は複数の場所に各々における磁場のベクトルの特性を含み、
複数の場所はテスト中のデバイスの上の平面内に在る、請求項119による診断テストの方法。 - 複数の場所の各々における磁場のベクトルの特性はベクトルの強度及びベクトルの方向を含む、請求項126による診断テストの方法。
- 評価テストの方法であって、
各近距離場放射の特性が対応する周波数に関係する、テスト中のデバイスの近距離場放射の複数の特性を獲得し、
放射強度及び対応する距離を含む少なくとも一つの放射限界を受取り、
対応する各々の周波数について、対応する距離でテスト中のデバイスの放射強度を計算することを含む方法。 - テスト中のデバイスの放射レベルの尺度を一連の周波数に亘って獲得し、
放射レベルの尺度が所定の閾値を越える、一連の周波数内で、複数の周波数を決定することをさらに含む、請求項128による評価テストの方法。 - 診断のテストの方法であって、
テスト中の近距離場放射の特性を獲得し、
その特性に基づいて、テスト中のデバイスから所定の距離でテスト中のデバイスの放射場を計算し、
高放射強度の領域を特定することを含む方法。 - 前記方法はさらにテスト中のデバイスの設計を修正することを含む、請求項130による診断テストの方法。
- 前記方法はさらに放射場を放射限界と比較することを含む、請求項130による診断テストの方法。
- 近距離場放射の特性は複数の場所の各々で磁場ベクトルの特性を含み、
複数の場所はテスト中のデバイスの上の平面内に在る、請求項130による診断テストの方法。 - 複数の場所の各々で磁場ベクトルの特性はベクトルの強度及びベクトルの方向を含む、請求項130による診断テストの方法。
- 近距離場放射の特徴の少なくとも一部分の視覚表示を提示することをさらに含む、請求項130による診断テストの方法。
- 放射測定のための方法であって、
周波数範囲に亘ってテスト中のデバイスについてスペクトル内容情報を獲得し、
周波数範囲の中で周波数を選択し、
選択された周波数でテスト中のデバイスの近距離場放射の特性を獲得し、
放射強度を含む放射限界を受取り、
テスト中のデバイスの放射強度を計算し、
計算された放射強度を放射限界の放射強度と比較することを含む方法。 - 前記方法はさらにテスト中のデバイスの設計を修正することを含む、請求項136による放射測定の方法。
- 近距離場放射の特性は複数の場所の各々で磁場ベクトルの特性を含み、
複数の場所はテスト中のデバイスの上の平面内に在る、請求項136による放射測定の方法。 - 複数の場所の各々で磁場ベクトルの特性はベクトルの強度及びベクトルの方向を含む、請求項138による放射測定の方法。
- 近距離場放射の特徴の少なくとも一部分の視覚表示を提示することをさらに含む、請求項136による放射測定の方法。
- プローブ部は能動デバイスを含む請求項1による測定デバイス。
- 脆い要素はガラス管を含む請求項8による測定デバイス。
- 脆い要素はプローブ部とセンサ本体との間の信号路の一部分を取り囲む請求項8による測定デバイス。
- 位置合わせユニットは画像デバイスを含む請求項12による測定デバイス。
- 位置決めデバイス及び処理ユニットの少なくとも一つはセンサの特性を決定するために構成且つ配置された認識機構を含む、請求項1による測定デバイス。
- プローブ部と処理ユニットの間の信号路は平衡伝送線を含む、請求項1による測定デバイス。
- 信号路はツイストペア線を含む請求項146による測定デバイス。
- ツイストペア線の捻れ角度はツイストペア線の一端から別の端へ変化する、請求項147による測定デバイス。
- センサは調整回路を含む請求項1による測定デバイス。
- 調整回路は差動増幅器を含む、請求項149による測定デバイス。
- プローブ部はエッチングされたループを含む、請求項1による測定デバイス。
- プローブ部はエッチングされたプレートを含む、請求項1による測定デバイス。
- プローブ部はエッチングされた少なくとも一つの微小電気機械要素を含む、請求項1による測定デバイス。
- プローブ部と処理ユニットの間の電気経路は回転式コネクタを含む、請求項1による測定デバイス。
- プローブ部と処理ユニットの間の電気経路はDC信号を受信するために構成且つ配置されたバイアス・ティを含む、請求項1による測定デバイス。
- ベクトル場を測定する方法であって、
センサと場の源の間に三次元で複数の位置関係を制御可能に形成し、
各位置関係で、源に関してセンサを回転し、且つ各々の測定信号が位置関係において前記センサに対する場の影響を表す複数の測定信号を受取り、
各位置関係について、源から発するベクトル場の表現を獲得するために対応する測定信号を処理することを含む方法。 - ベクトル場の表現はベクトル場の大きさ及び方向を含む、請求項156によるベクトル場を測定する方法。
- 対応する測定信号を処理することは測定信号によるデータを同調受信器に入力することを含む、請求項156によるベクトル場を測定する方法。
- 同調受信器はスペクトル・アナライザを含む、請求項158によるベクトル場を測定する方法。
- センサを回転させることはセンサのホーム・ポジションを検出することを含む、請求項156によるベクトル場を測定する方法。
- 対応する測定信号を処理することはアナログ・ディジタル変換器を用いて対応する測定信号を標本化することを含み、アナログ・ディジタル変換器の標本化動作はホーム・ポジションの前記検出と同期される、請求項160によるベクトル場を測定する方法。
- プローブ部と調整回路の間のツイストペア線の捻れ角度はプローブ部及び調整回路の少なくとも一つのインピーダンスに整合するために選択される、請求項149による測定バイス。
- 測定信号を受信することは所定の周波数範囲に亘ってスペクトル・アナライザの範囲を増加することを含む、請求項23による放射データを獲得する方法。
- 周波数を選択することはウィンドウ(窓)における測定信号の大きさを決定し、一連の周波数に亘ってウィンドウを動かすことを含む、請求項23による放射データを獲得する方法。
- 複数の測定信号を受取ることはセンサから受取られた信号における挿入損失を補償することを含む、請求項34による放射データを獲得する方法。
- 放射データを獲得する方法であって、
センサと場の源の間の複数の位置関係を制御可能に形成し、
各測定信号が位置関係の異なる一つに対応し、対応する位置関係でセンサに対する場の影響を表す複数の測定信号をセンサから受取り、
位置関係の各々について、データ値が場の特性を示すベクトルの大きさ及びに方向基づいている、対応する信号からデータ値を獲得し、
コンピュータ可読記憶媒体にデータ値を蓄積することを含む方法。 - 検出器はスペクトル・アナライザ及びオシロスコープのうち一つを含む、請求項42による放射データを獲得する方法。
- 電子デバイスから複数のデータ信号を受取ることは電子デバイスの所定の動作を検証することを含む、請求項52による感受率データを獲得する方法。
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