JP2004522496A - 移植可能な管内装置を展開するためのシステム及び対応方法 - Google Patents
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Abstract
身体内腔(30)内の必要場所に移植可能な拡張型管内装置(20)を最適に展開するためのシステム及び対応方法であって、外管(28)、この外管の内側に設けられそれと共軸(24)の少なくとも一つの内管(25)、この少なくとも一つの内管上に取り付けられた膨張可能なバルーン(26)、及び一対のソックス(27)を特徴とする。バルーンと一対のソックスは少なくとも一つの内管の末端に位置しており、更に各ソックスの末端が拡張型装置が収縮状態にあるとき拡張型装置の縁と重複し、そして、更に各ソックスの末端が拡張型装置が少なくとも部分的に拡張状態にあるとき対応する縁から軸方向に間隔を置かれることとなる。
【選択図】図4A
【選択図】図4A
Description
【0001】
発明分野及び背景
本発明は移植可能な医療装置の送出システムに関し、特に移植可能な拡張型管内装置を身体内腔内の必要場所に最適に展開するためのシステム及び対応方法に関する。
【0002】
人体の種々の血管の拡張のための特に狭窄した動脈を広げるためのバルーン血管形成カテーテルの使用は、それらの開通性を保持するための血管中へのステントの配置と同様、周知である。バルーンカテーテルに取り付けられた拡張型ステントを拡張するためのバルーンカテーテルの使用、並びにステント移動を防ぐために血管壁中にステントを埋め込むためのそれらの使用は同じく従来技術で周知である。
【0003】
バルーン拡張型ステントのための展開工程は所定位置へのステントの配置とその血管壁中への埋め込みを兼ねる。自己拡張型ステントを用いるとき、所定位置にステントを固定し、それを血管壁に埋め込むために、血管拡張、ステント送出、及び送出後拡張のために別個のカテーテルを使用することは典型的である。これは一つまたはそれ以上のカテーテル交換を必要とし、それが介入手順を実施するための時間と費用を増やす。
【0004】
バルーン血管形成及びステント送出を実施することのできる単一装置にバルーンカテーテルとステント送出カテーテルを一体化するための多くの解決策が従来技術で教示されている。例えば、US特許5019090号において、バルーン血管形成カテーテルに自己展開型ステントを取り付けるための方法が記載されている。カテーテルの遠位端に設けられたバルーンは狭窄帯域を開くために膨張され、次いで収縮される。カテーテルは次いでバルーン近くのカテーテルに取り付けられたステントを病巣内に配置するために遠位的に動かされる。拘束さやが引っ込められ、ステントが拡張させられる。カテーテルは次いでバルーンが部分的に拡張したステントの内側になるまで近位的に動かされ、バルーンはステントの拡張と錨止を完成するために再度膨張される。US特許5192297号は、ここではステントが遠位端に設けられ、まず部分的に拡張させられることを除き、同様なシステムを記載する。次いでカテーテルはステント内にバルーンを配置するように遠位的に進められ、そこでステントの配置を完成するためにそれは膨張される。US特許5634928号は内部バルーンカテーテルと内部カテーテルの上をスライドし、かつステントを含む外部カテーテルとからなる一体化共軸システムを教示する。バルーンはまず血管を拡張するために膨張され、次いで収縮される。ステントを含むカテーテルは次いでバルーンの上にステントを配置するように遠位的に進められ、そこでそれは解放される。外部カテーテルは次いで近位的に動かされ、バルーンはステントの展開を完成するように再度膨張される。
【0005】
これらの教示の三つの全てにおいて、バルーンとステントはカテーテル上で横方向に変位され、それらは手順の種々の段階を完成するために後向きにかつ前向きに動かされねばならない。この形式の方法は:手順を実施するために多量の熟練が普通必要である、各段階で装置の要素を正確に配置することの困難性、カテーテルが前後に動かされるときのステントの移動の可能性、及び手順の全段階を完成するのに必要な時間量、を含む多くの不利益を持つ。
【0006】
これらの不利益のいくつかを最少とするために、バルーンカテーテルの膨張部の上に直接取り付けられたステントを含む送出システムが開発された。この形式の装置で克服されねばならない主な技術的問題は挿入工程時にステントがバルーンを離れないように保持すること、かつバルーン上に収縮した状態でステントを保つこと、及びそれが展開される場所に位置するまでその偶発的解放を防ぐことである。この最後の問題は自己拡張型ステントに対してかつ装置が血管系の特に蛇行部を通して挿入されねばならない場合に、特に重大である。
【0007】
これらの問題を解決するための一つのアプローチはステントとバルーンを鞘で覆うことであった。この解決の例はUS 5593412に開示されている。鞘は、バルーンが膨らむ前に鞘の遠位端が曲がって拡張し、次いで鞘がステントとバルーンの上をスライドするように近位的方向に引っ張られることにより、引っ込められる。鞘の遠位端を自由にするに必要な力の量を減らす一つの方法は鞘を作っている材料を柔らかくする温液を導入することである。これは工程に時間と複雑さを付加する。鞘を除去するために引き戻すことはステントが希望の位置から変位する原因となりうる。
【0008】
US特許4950227号とUS特許5108416号は導入工程時のステント拘束問題を解決する別のアプローチを示す。これらの開示の両者において、套管またはキャップの形の保持装置がバルーンの一端または両端近くに設けられかつステントの一端または両端の上に置かれる。バルーンが膨らんだとき、ステントを拡張させ、套管の材料は伸びて、ステントの端部を自由とするように後向きにスライドさせられる。これらのシステムでは、装置の中心を希望の位置に正確に配置することが困難なことが多い。なぜなら端部は常に同時に開放されないからである。これは、収縮状態の長さが拡張状態の長さよりも長く、その程度が典型的には50%から500%まで変わる自己拡張型ステントに対して特に重大な問題である。
【0009】
従って、移植可能な拡張型管内装置を身体内腔内の必要な場所に最適に展開するためのシステムと対応方法に対する要求があり、かつそのシステムと対応方法を持つことは極めて有利であるであろう。
【0010】
発明の概要
本発明は移植可能な拡張型管内装置を身体内腔内の必要な位置に最適に展開するためのシステムと対応方法に関する。
【0011】
従って本発明の目的は従来技術の欠点を克服する移植可能な管内装置を身体内腔内に配置するのに使用するための送出システムを提供することである。この発明のなお別の目的は本発明の送出システムを組み立てる方法を提供することである。この発明の別の目的は管内装置、特に本発明の送出システムを用いる編組脳卒中予防装置、の経内腔移植のための方法を提供することである。本発明の他の目的は以下の説明を通して明らかである。
【0012】
第一態様において、本発明は拡張型管内装置を身体内腔内の必要な場所に展開するためのシステムを提供し、それはカテーテルに取り付けられる膨張可能なバルーン及びカテーテルの末端にそれぞれ設けられた一対のソックスを含み、このソックスが圧縮された状態にあるときそれらの末端が拡張型装置の縁に重複するように位置しているが、拡張型装置が少なくとも部分的に拡張した状態にあるときそれから軸方向に間隔を置かれる。
【0013】
本発明は種々の管内装置を送出するのに有用であり、特別の装置を使用することに限定されない。本発明のシステムにより送出するのに特に便利な装置は脳卒中予防装置である。脳卒中予防装置は例えばこれと同じ出願人のWO 00/53119に記載されたように、近位塞栓源由来の前方循環脳卒中を防ぐために特に設計された血管内頸動脈ステント状装置である移植可能な装置である。
【0014】
かかる移植可能な装置は、特に一方が総頸動脈(CCA)に至るかまたはそこに位置しており、そして他方が致命的でない動脈に至る動脈の分岐付近に配置するために設計されている。それはCCAの方へ流動する塞栓物質の流れを致命的でない動脈中に偏向させるがCCAの方へ流れる血液をろ過するのに適した偏向ろ過要素を含む。この装置は第一直径を持つ収縮状態と、この第一直径より大きな第二直径を持つ拡張状態を有する管状本体を特徴とする。
【0015】
末梢血管において、自己拡張型である装置を用いるのが通常好ましい。典型的な偏向ろ過装置は20mmから150mmまでの長さを持ち、それは拡張した状態で3mm−30mm(頸動脈内では6mm−10mm)の直径を持つ。好適な偏向ろ過装置は編組円筒状本体を含む。
【0016】
この発明が指向する形式の装置の周知の特性はそれが拡張された状態から収縮した状態に圧縮されるとき装置が伸びることであり、すなわち装置の長さがそれが拡張した状態にあるときより収縮した状態でより長いことである。例示の目的のために、自己拡張型編組装置が本発明の説明で参照されることが多いけれども、本発明の送出システムは長さが半径方向に拡張されるとき減少するという必要条件を満たすあらゆるステントまたはステント状装置(それが編組されたまたは網目のまたはどのような他の形式の装置であっても)と共に使用するために適しているということは当業者には明らかであるに違いない。
【0017】
従って、本発明によれば、身体内腔内の必要場所に拡張型管内装置を展開するためのシステムが提供され、それは:(a)外管;(b)外管の内側に設けられかつ外管と共軸である少なくとも一つの内管;(c)少なくとも一つの内管上に取り付けられた膨張可能なバルーン;及び(d)一対のソックスを含み、バルーンと一対のソックスが少なくとも一つの内管の末端に位置しており、更に各ソックスの末端が収縮状態にある拡張型装置の縁に重複し、そして更に拡張型装置が少なくとも部分的に拡張した状態にあるとき各ソックスの末端が対応する縁から軸方向に間隔を置かれることとなる。
【0018】
本発明システムの別の態様によれば、少なくとも一つの内管は中間管と内管に対応し、そこでは一つのソックスは中間管に取り付けられ、第二のソックスは内管に取り付けられ、更にバルーンが部分的に中間管上に位置し、部分的に内管上に位置し、それにより中間管と内管はスライド可能に変位可能であり、それによりソックスは互いに向けてスライドにより移動できる。
【0019】
この発明の好適実施例において、従来周知の形式の付属バルーンを持つ普通のカテーテルが用いられる。このカテーテルに一対のソックスが取り付けられる。これらのソックスの目的は管内装置をその収縮位置に拘束することである。本発明のソックスはまた可塑的にまたは弾性的に変形可能であることができるどのような適当な生体適合性材料からも作られることができる。本発明の好適実施例において、この材料は弾性高分子である。この文章における“生体適合性”は患者に耐えられない悪影響を起こすことなく、展開を実施するに必要な長さの時間の間体腔中に導入されることができる材料を意味する。
【0020】
装置はバルーンカテーテルの上をすべらされる。装置はそのとき半径方向に圧縮され、ソックスはそれをカテーテル上でその収縮した状態で保持するようにその端部を越えて引っ張られる。この装置は今や外管中にすべり込まされ、本発明の展開システムは身体内腔中に挿入されるための準備が整う。
【0021】
展開システムが希望の場所に案内されたら、外管が引っ込められ、バルーンの膨張が始められる。バルーンが膨張するとき、それは装置の内壁上に半径方向の力を働かせる。これは装置を半径方向に拡張させ、従って長さを縮める。この発明の好適実施例において、バルーンは、膨張が中央から起こり、その中間部が内腔の内壁と接触することとなり、その端部がソックスから解放される前に所定位置にしっかりと装置を錨止するように設計される。この工程が連続するとき、装置の端部は工程中に、弾性的または可塑的変形、または両者を受けることができるまたは受けることができない拘束ソックスから引き抜かれる。装置の端部がソックスから自由となったら、装置はその内部半径方向の力の影響下に自由に拡張される。この発明の好適実施例によれば、バルーンの膨張はバルーンが内腔の内壁に対して装置を押圧して装置の所定場所への錨止を増進するまで続く。
【0022】
第二態様において、本発明はこの発明のシステムを患者の血管系中へ挿入するための、それを希望の場所に案内するための、及びそれをそこに展開するための方法を特徴とし、それは:(a)患者の血管系を通して案内ワイヤーと案内カテーテルを挿入すること;(b)この発明のシステムを含む内管を案内ワイヤー上に置くこと;(c)画像化技術、例えば放射線画像化技術を用いて本発明のシステムを患者の血管系内の希望の場所に案内カテーテルを通して案内すること;(d)外管を引っ込めて、装置の端部の拘束ソックスからの引き抜きを起こすためにバルーンをゆっくりと膨張させて装置を拡大させること;(e)装置の壁を内腔の内壁としっかりと接触させるためにバルーンを完全に膨張させること;(f)バルーンを収縮させ、バルーンとソックスを外管で覆うこと;及び(g)バルーンとソックスを支える内管、外管、案内カテーテル、及び案内ワイヤーを患者の血管系から引き抜くこと;を含む。
【0023】
本発明の別の好適実施例において、ここでは“中間管”と名付けられる別の管が設けられ、それはバルーンカテーテル(“内管”)の上をスライドする。この実施例において、遠位ソックス及びバルーンの遠位端は内管に取り付けられ、近位ソックス及びバルーンの近位端は中間管に取り付けられる。この態様で、中間管を内管に関してスライドすることによりソックス間の距離が変えられる。ソックス間の距離が固定されるであろうように管を錠止し、または距離を変えることが望ましいとき相対移動を制御する機構がまた設けられる。
【0024】
本発明の別の態様によれば、中間管を含む本発明の好適実施例により操作するとき、本発明は更にこの発明のシステムを患者の血管系中に挿入するための、それを希望の場所に案内するための、かつそれをそこに展開するための方法を特徴とし、それは:(a)患者の血管系を通して案内ワイヤーと案内カテーテルを挿入すること;(b)この発明のシステムを含む内管を案内ワイヤー上に置くこと;(c)画像化技術を用いて本発明のシステムを患者の血管系中の希望の場所に案内カテーテルを通して案内すること;(d)外管を引っ込めて、ソックスが一緒により接近するように移動されるように中間管を内管に関して移動させ、かつ拘束ソックスからの装置の端部の引き抜きを起こすためにバルーンをゆっくりと膨張させて装置を拡張させること;(e)装置の壁を内腔の内壁としっかりと接触させるためにバルーンを完全に膨張させること;(f)バルーンを収縮させて、ソックスがそれらの初期の位置に戻るように中間管を内管に関して移動させ、バルーンとソックスを外管で覆うこと;及び(g)バルーンとソックスを支える内管、外管、案内カテーテル、及び案内ワイヤーを患者の血管系から引き抜くこと;を含む。
【0025】
この発明は身体内腔内のどのような適当な場所にも有利に利用できることは注目される。本発明は拡張型管内装置を身体内腔内の必要な場所に展開するために使用される現在既知の展開システムの欠点と制限を成功裡に克服する。本発明の上記の及び他の、特徴、特色及び利点はその好適実施例の以下の例示的及び非限定的詳細説明を通してより良く理解される。
【0026】
図面の簡略説明
この発明が添付図面に関して、例としてのみ、ここに述べられる。今や特に図面を詳細に参照するに、示された詳細は例としてであり、本発明の好適実施例の例示的検討の目的のためのみであり、最も有用であると信ぜられ、かつこの発明の本質と概念上の観点の容易に理解される説明を提供するために提示されることは強調される。このことについては、この発明の基本的理解のために必要であるものよりより詳細にこの発明の構造的詳細を示す試みはなされず、図面と共になされる説明はどのようにこの発明の幾つかの形が実際に実施されることができるかを当業者に明らかとする。図面において:
図1は拡張した状態の拡張型移植可能管内装置の正面図を示す概略図であり;
図2は本発明による、展開される装置が収縮状態にある送出システムの正面図を示す概略図であり;
図3Aは本発明による、所定場所の外管を持つ収縮状態の展開システムの断面図を示す概略図であり;
図3Bは本発明による、外管が引っ込められてバルーンの膨張が始まった直後の展開システムの断面図を示す概略図であり;
図3Cは本発明による、偏向装置の套管からの解放直前の展開システムの断面図を示す概略図であり;
図3Dは本発明による、拡張の中間状態の展開システムの断面図を示す概略図であり;
図3Eは本発明による、完全に拡張した状態の展開システムの断面図を示す概略図であり;
図3Fは本発明による、装置の展開及びバルーンの収縮後の展開システムの断面図を示す概略図であり;
図4Aは本発明による、収縮状態の中間管を含むこの発明の実施例の図を示す概略図であり;
図4Bは本発明による、外管が引っ込められバルーンの膨張が始まった直後の中間管を含むこの発明の実施例の図を示す概略図であり;そして
図5は本発明による、中間管を含む実施例のための送出システムの近位端の図を示す概略図である。
【0027】
好適実施例の説明
本発明は身体内腔内の必要場所に移植可能な拡張型管内装置を最適に展開するためのシステム及び対応方法に関する。
【0028】
この発明はその適用において以下の説明、図面、または例に記載された方法の操作または実行段階の順番または順序の詳細に、または展開システムの要素の構造、配置、及び構成の詳細に、限定されないことは理解されるべきである。例えば、本発明は身体内腔内のどのような適当な場所にも有利に利用されることができる。本発明は他の実施例を種々の方法で実行し、または成し遂げることができる。また、ここに採用された表現法及び用語は説明の目的のためであり、限定と考えるべきでないことは理解されるべきである。
【0029】
本発明による身体内腔内の必要場所に移植可能な拡張型管内装置を最適に展開するためのシステムと対応方法の要素、段階、操作、及び実行は以下の説明及び添付図面を参照すればより良く理解される。以下の説明及び添付図面を通して、同じ参照番号は同じ要素を示す。
【0030】
さて図面を参照すると、図1は拡張した状態の拡張型移植可能管内装置の正面図を示す概略図である。この管内装置は実質的に管状体20を具備し、それは従来既知のあらゆる技術により、例えばフィラメント21を編むことにより編組管状体を形成することにより形成されている。この装置の構造の正確な詳細は本発明の理解のためには重要でないので、それらは簡潔のためここには述べられない。本発明の展開システムの持つ使用のための更なる要件は図1の偏向装置がその収縮状態でその拡張状態のその長さより長い長さを持つことである。
【0031】
図2は本発明の送出システムを示す。普通のバルーンカテーテル25が案内ワイヤー24上に置かれる。案内ワイヤー及び案内カテーテル(図示せず)はそれ自身新規ではない。それらは医療装置の経内腔導入のために用いられる標準的要素であり、それらは当業者に周知であるので、更に説明されない。バルーンは図中26で示される。移植可能な装置20(図中破線)がそのときカテーテル上のバルーンの上に置かれている。一対のソックス27がカテーテルの上に置かれている。対の各ソックスはそれが偏向装置の一端を越えて置かれることができ、かつ装置がその収縮状態にあるとき装置をカテーテル上に保持するであろうように設けられる。最後に、カテーテルが外管28中にすべり込まされ、組み立てられた装置は身体内腔中への導入のための準備が整う。
【0032】
外管は幾つかの機能を持つ。第一に、案内カテーテルが存在していない状態で、それは身体内腔の壁を装置が移植サイトに挿入され、かつそれから引っ込められるときの装置による損傷から防ぐ役目をする。第二に、それは挿入工程時の装置を機械的損傷から防ぐ役目をする。最後にかつ最も重要であるが、外管は展開可能な装置の早期拡張を防ぐ安全装置である。装置の偶発的解放が、例えば手術チームの一員の一部の誤りの結果として、または装置が身体内腔の曲がった部分を通して導入されるとき装置の端部がその拘束ソックスから引っ張られることに起因する装置の変形の結果として、発生する。
【0033】
ソックスはあらゆる適当な生体適合性材料から作られることができる。この発明の好適実施例において、ソックスはナイロン、Pebax、Peek、またはPEのような弾性高分子から作られる。ソックスは溶接または適当な接着剤の使用によるような適切な技術によりカテーテル上の所定場所に保持される。図2の特に好適な実施例によれば、ソックスは長さl(図2)に相当する、カテーテルに取り付けられていないソックスの部分の深さが説明されたように装置の適正な機能のために適切であるように製造される。
【0034】
バルーンはその長さが収縮状態の偏向装置の長さよりわずかに短いように選ばれる。この態様でバルーンの長さを選ぶことはバルーンの端部が偏向装置の及びソックスの端部を越えるであろうこと、従って偏向装置の解放をじゃましないであろうことを保証する。この発明の好適実施例において、バルーンは膨張の工程が中央で始まり、対称的にその端部の両方に向けて進むように構成される。
【0035】
自己拡張型装置の直径は異なる適用に対して幾分変わるかもしれない。しかし、閉鎖状態の直径は約3mmまでであり、一方拡張したとき、直径は30mmまでの範囲内で変わることができる。装置はそれらの拡張状態で典型的に20mmから150mmの長さである。装置の及び従ってバルーンとカテーテルの適切な直径を選ぶために必要な考慮は当業者に周知であり、従ってここでは検討されないであろう。
【0036】
図3A−3Fは自己拡張型装置の解放及び展開の段階を示す。図面を簡略化するために、カテーテルの縦軸の面内の断面が図面に示されている。図3Aから図3Fにおいて、図の要素は次のように識別される:20は移植可能な装置であり;24は案内ワイヤーであり;25はバルーンカテーテルであり;26はバルーンであり;27はソックスであり;28は外管であり;そして30は内腔の壁である。
【0037】
図3Aは身体内腔を通して挿入時の圧縮形のシステムを示す。自己拡張型装置はバルーンカテーテルの上に置かれ、その半径寸法はそれが収縮したバルーンと接触するまで減少される。半径を減少することはカテーテルの軸に沿った装置に伸びをもたらす。典型的には装置の収縮状態の長さは拡張状態のその長さより50%から500%長い。装置はバルーン上に収縮され、バルーンカテーテルに取り付けられている二つの套管が装置のそれぞれの端部を越えて置かれており、外管が全装置の上にすべり込まされている。
【0038】
図3Bは装置がそれが解放されるであろう身体内腔内の場所に到達した後の状況を示す。図3Bに示すように、外管は後ろ向きに引っ張られ、バルーンの膨張が始まっている。
【0039】
図3Cはこの発明の好適実施例を示し、そこではバルーンは中央から外向きに膨張する。バルーンが中央から膨張すると、装置はそれが内腔の壁に達するまで拡張する。装置を解放するために、バルーンは従来技術で周知の技術を用いて膨張される。バルーンが膨張し始めると、それは装置に半径方向の力を及ぼす。装置の半径が増えると、その長さは減少しその端部をソックスから引っ張る。この段階中、偏向装置はバルーンと接触している。ソックスの長さは拡張型装置の既知の特性と内腔の直径を用いて決定されており、従って装置の端部は、装置の中央が内腔の壁にその弾性力並びにバルーンによりしっかりと錨止されるまで解放されない。
【0040】
図3Dは装置の展開の中間段階を示す。ここに示された好適実施例において、弾性力は解放された装置をそれが身体内腔の内壁と接触するまで迅速に拡張させる。同時に、バルーンは膨張し続けるが膨張の速度は装置のそれより遅い。この段階で装置はもはやバルーンと接触しておらず、それ自身の弾性力のみの影響下に内腔の壁とやさしく接触することとなる。
【0041】
図3Eは展開の最終段階を示す。ここではバルーンは完全に膨張して装置の壁を身体内腔の内壁に対して押圧する。バルーンにより及ぼされた圧力はもし内腔の局部的石灰化した領域が装置の小さな断面の拡張を妨げたなら装置を完全に拡張させるのに必要である。バルーンにより及ぼされた圧力はまた装置がしっかりと内腔の壁と接触することを確実とする。かかる接触は装置の網を通しての細胞の増殖を起こし、それを内腔に強く錨止しかくしてその偶発的変位を防ぐ。かかる錨止に導く生理学的工程は従来技術で周知であり、従って簡潔化のため、ここでは詳細に検討されないであろう。
【0042】
図3Fは送出システムの引き抜き開始の状況を示す。外管はソックスと内管上に収縮されたバルーンとを越えて押し戻されている。バルーンは普通の態様で膨張のために用いられた流体を引き抜くことにより収縮されている。付着したソックスとバルーンを持つ内管及び外管は次いで自己拡張型装置の後ろに残る案内カテーテルを通して引き抜かれる。
【0043】
今やこの発明のシステムの配置及び展開のための方法が説明されるであろう。この種の普通の手順におけるように、案内カテーテルを後に伴う案内ワイヤーがまず患者の血管系を通して導入される。次いで、図2に関して上述されたように、自己拡張型装置を取り付けられてこの発明のソックスにより収縮した形に保たれた自己拡張型装置を持ち、外管により覆われたバルーンカテーテルが案内ワイヤーの上に置かれ、装置が適正な位置に位置するまで案内カテーテルを通して挿入される。装置を適正に案内し位置させるために、放射線不透過性マーカーが必要であるかもしれない。これらのマーカーはカテーテル上にまたは装置上にまたは両者に供給されることができる。放射線不透過性マーカーを供給し使用する技術は当業者に周知であるので、それらは図面に示されずまたはここで検討されない。
【0044】
もし移植可能な装置が脳卒中の発生を防ぐために用いられる偏向装置であるなら、それは各症例の臨床的指標に依存して身体の幾つかの異なる場所に置かれることができる。典型的であるが限定的でないこの装置の場所は頸動脈の分岐結合部である。この場合、偏向装置は内頸動脈(ICA)への入口に対向する分岐帯域内に配置される。偏向装置の本体はそれぞれ総頸動脈(CCA)と外頸動脈(ECA)のそれぞれの内壁に対して錨止される。この配置で、CCA中に流れる血液中の塞栓物質は偏向部材と接触し、ICAに入るのを防止され、従ってECA中に偏向される。
【0045】
装置が希望の場所に設けられたら、外管が引っ込められ、バルーンの膨張が始まる。装置は拘束ソックスから解放され、拡張させられ、図3Bから3Eに関して上述されたように身体内腔の壁に対してしっかりと押圧される。展開の工程の開放段階時に、長さの変化が同時にかつ偏向装置の両端部で対称的に起こることは注目されるべきである。かくして装置の両端は同時にソックスから出て行き、装置が上述のように解放される前にバルーンが装置の中央を錨止し続けない状況でさえ、装置はバルーンカテーテル上を横に動くことなしに拡張する。この事実は装置の配置の正確度を大きく簡略化し、増大する。
【0046】
偏向装置の展開が完了した後、バルーンは収縮され、次いで他の同様な手順におけるように組み立て部品が患者から引き抜かれる前に外管がバルーンとソックスを越えて押し戻される。ソックスが製造されている材料はわずかに弾力性があるので、それらは装置の解放後もカテーテルの表面上に密接的に保持され、従って案内カテーテル及び外管が存在しない場合でさえ、カテーテルが引き抜かれるとき血管系の壁に損傷を起こさない。
【0047】
図4Aにはこの発明の別の実施例による送出システムが概略的に示されている。図4Aにおいて、送出システムは装置が移植されるサイトで見えるであろうように示されている。外管28はバルーン26と内管25上で収縮しかつ一対のソックス27により所定場所に保持された拡張型装置20を露出するように引っ込められている。内腔の壁は数字30により示され、案内ワイヤーは数字24であり、案内カテーテルは示されていない。この実施例では、この発明の先に述べた実施例に存在しない追加の要素があり、それは中間管31である。中間管は内管上及び外管の内側をスライドする。遠位のソックス及びバルーンの端部は内管上の所定場所に保持され、近位のソックス及びバルーンの端部は中間管に取り付けられている。
【0048】
図4Bは図4Aの装置の展開の第一段階を概略的に示す。この状況では、中間管はソックスが一緒により接近するように動かされるように内管に関して動かされる。それらの遠位及び近位端部が一緒に付勢されると、装置の及びバルーンの中央が内腔の壁に向けて押される。この位置から、バルーンは内腔の壁に対して装置の中央を錨止するためにこの発明の先に述べた実施例におけるよりずっと少なく膨張されねばならない。装置の中央が所定場所に錨止されたら、膨張は続き、工程は実質的に図3D−3Eに関して上述したように進行する。幾つかの状況では、バルーンの膨張と装置の拡張時に、中間管は装置の端部のソックスからの解放を可能とするために内管に関して動かされねばならないかもしれない。
【0049】
この発明のこの実施例は、特に拡張型装置が大きな直径の身体内腔内に移植されるべきである場合に、図2及び3Aから3Fに関して先に述べた送出システムを越える幾つかの利点を持つ。この態様で拡張の第一段階を作ることは装置がまず中央から移植され、それにより残りの工程中の装置の移動の機会を減らすことを保証するのを助ける。加えて、この発明の先に述べた実施例のバルーンを大きな直径に膨張すること及びまた内腔に挿入し、そこから引き抜くために小さな直径に圧縮することができるという二つの要求を満足させるために、それは必然的に薄い壁を持たねばならない。図4Aと4Bに示された実施例においては、より厚い壁のバルーンが採用できる。
【0050】
この発明のこの実施例のシステムの配置と展開の方法は、上述のようにバルーンの膨張の第一段階及び拡張型装置の展開後に、中間管と内管がシステムの引き抜きに先立ち互いに関して動かされねばならないことを除き、先に述べたそれと本質的に同じである。図5は図4Aに描かれた送出システムのための一つの可能な錠止装置を概略的に示す。図5は患者の身体の外側に設けられた送出システムの近位端を表す。図4Aにおけるように、内管、中間管、及び外管はそれぞれ数字25,31及び28により示されている。図5に示された要素の残りは標準的であり当業者には周知であり、従ってそれらもそれらを採用する方法もどちらも更にここには述べられないであろう。数字32は施錠機構34を持つ標準的なY−コネクターを示す。数字33はLuer Lockを示し、35は内管上のストッパーを示す。
【0051】
図5に示された形状を用いる移植可能な装置を展開するためには、装置が身体内の希望の位置に到達した後に、中間管が外管に施錠され、次いで内管がバルーンの膨張と装置の拡張の第一段階として中間管に関して近位的に引っ張られる。標準的要素の他の多くの配置(例えば、内管及び外管を一緒に施錠し、それらに関して中間管を動かす)が医療手順の要求に依存して可能であることは当業者には認められるであろう。
【0052】
この明細書中に述べられた全ての刊行物、特許及び特許出願は各々個別の刊行物、特許または特許出願が特別にかつ個別にここに参考までに組み込まれるように示されたものであるのと同じ範囲でここにそれらの全体を組み込まれる。加えて、この出願中のどの参照例の引用または識別はかかる参照例が本発明に対する従来技術として入手可能であることの承認として解釈されるべきではない。
【0053】
この発明がその特定の実施例及び例に関して述べられたが、多くの代替例、修正及び変更が当業者には明らかであるであろうことは明らかである。従って、この添付特許請求の範囲の精神及び広い範囲内に入る全てのかかる代替例、修正及び変更を包含することは意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】拡張した状態の拡張型移植可能管内装置の正面図を示す概略図である。
【図2】本発明による、展開される装置が収縮状態にある送出システムの正面図を示す概略図である。
【図3A】本発明による、所定場所の外管を持つ収縮状態の展開システムの断面図を示す概略図である。
【図3B】本発明による、外管が引っ込められてバルーンの膨張が始まった直後の展開システムの断面図を示す概略図である。
【図3C】本発明による、偏向装置の套管からの解放直前の展開システムの断面図を示す概略図である。
【図3D】本発明による、拡張の中間状態の展開システムの断面図を示す概略図である。
【図3E】本発明による、完全に拡張した状態の展開システムの断面図を示す概略図である。
【図3F】本発明による、装置の展開及びバルーンの収縮後の展開システムの断面図を示す概略図である。
【図4A】本発明による、収縮状態の中間管を含むこの発明の実施例の図を示す概略図である。
【図4B】本発明による、外管が引っ込められバルーンの膨張が始まった直後の中間管を含むこの発明の実施例の図を示す概略図である。
【図5】本発明による、中間管を含む実施例のための送出システムの近位端の図を示す概略図である。
発明分野及び背景
本発明は移植可能な医療装置の送出システムに関し、特に移植可能な拡張型管内装置を身体内腔内の必要場所に最適に展開するためのシステム及び対応方法に関する。
【0002】
人体の種々の血管の拡張のための特に狭窄した動脈を広げるためのバルーン血管形成カテーテルの使用は、それらの開通性を保持するための血管中へのステントの配置と同様、周知である。バルーンカテーテルに取り付けられた拡張型ステントを拡張するためのバルーンカテーテルの使用、並びにステント移動を防ぐために血管壁中にステントを埋め込むためのそれらの使用は同じく従来技術で周知である。
【0003】
バルーン拡張型ステントのための展開工程は所定位置へのステントの配置とその血管壁中への埋め込みを兼ねる。自己拡張型ステントを用いるとき、所定位置にステントを固定し、それを血管壁に埋め込むために、血管拡張、ステント送出、及び送出後拡張のために別個のカテーテルを使用することは典型的である。これは一つまたはそれ以上のカテーテル交換を必要とし、それが介入手順を実施するための時間と費用を増やす。
【0004】
バルーン血管形成及びステント送出を実施することのできる単一装置にバルーンカテーテルとステント送出カテーテルを一体化するための多くの解決策が従来技術で教示されている。例えば、US特許5019090号において、バルーン血管形成カテーテルに自己展開型ステントを取り付けるための方法が記載されている。カテーテルの遠位端に設けられたバルーンは狭窄帯域を開くために膨張され、次いで収縮される。カテーテルは次いでバルーン近くのカテーテルに取り付けられたステントを病巣内に配置するために遠位的に動かされる。拘束さやが引っ込められ、ステントが拡張させられる。カテーテルは次いでバルーンが部分的に拡張したステントの内側になるまで近位的に動かされ、バルーンはステントの拡張と錨止を完成するために再度膨張される。US特許5192297号は、ここではステントが遠位端に設けられ、まず部分的に拡張させられることを除き、同様なシステムを記載する。次いでカテーテルはステント内にバルーンを配置するように遠位的に進められ、そこでステントの配置を完成するためにそれは膨張される。US特許5634928号は内部バルーンカテーテルと内部カテーテルの上をスライドし、かつステントを含む外部カテーテルとからなる一体化共軸システムを教示する。バルーンはまず血管を拡張するために膨張され、次いで収縮される。ステントを含むカテーテルは次いでバルーンの上にステントを配置するように遠位的に進められ、そこでそれは解放される。外部カテーテルは次いで近位的に動かされ、バルーンはステントの展開を完成するように再度膨張される。
【0005】
これらの教示の三つの全てにおいて、バルーンとステントはカテーテル上で横方向に変位され、それらは手順の種々の段階を完成するために後向きにかつ前向きに動かされねばならない。この形式の方法は:手順を実施するために多量の熟練が普通必要である、各段階で装置の要素を正確に配置することの困難性、カテーテルが前後に動かされるときのステントの移動の可能性、及び手順の全段階を完成するのに必要な時間量、を含む多くの不利益を持つ。
【0006】
これらの不利益のいくつかを最少とするために、バルーンカテーテルの膨張部の上に直接取り付けられたステントを含む送出システムが開発された。この形式の装置で克服されねばならない主な技術的問題は挿入工程時にステントがバルーンを離れないように保持すること、かつバルーン上に収縮した状態でステントを保つこと、及びそれが展開される場所に位置するまでその偶発的解放を防ぐことである。この最後の問題は自己拡張型ステントに対してかつ装置が血管系の特に蛇行部を通して挿入されねばならない場合に、特に重大である。
【0007】
これらの問題を解決するための一つのアプローチはステントとバルーンを鞘で覆うことであった。この解決の例はUS 5593412に開示されている。鞘は、バルーンが膨らむ前に鞘の遠位端が曲がって拡張し、次いで鞘がステントとバルーンの上をスライドするように近位的方向に引っ張られることにより、引っ込められる。鞘の遠位端を自由にするに必要な力の量を減らす一つの方法は鞘を作っている材料を柔らかくする温液を導入することである。これは工程に時間と複雑さを付加する。鞘を除去するために引き戻すことはステントが希望の位置から変位する原因となりうる。
【0008】
US特許4950227号とUS特許5108416号は導入工程時のステント拘束問題を解決する別のアプローチを示す。これらの開示の両者において、套管またはキャップの形の保持装置がバルーンの一端または両端近くに設けられかつステントの一端または両端の上に置かれる。バルーンが膨らんだとき、ステントを拡張させ、套管の材料は伸びて、ステントの端部を自由とするように後向きにスライドさせられる。これらのシステムでは、装置の中心を希望の位置に正確に配置することが困難なことが多い。なぜなら端部は常に同時に開放されないからである。これは、収縮状態の長さが拡張状態の長さよりも長く、その程度が典型的には50%から500%まで変わる自己拡張型ステントに対して特に重大な問題である。
【0009】
従って、移植可能な拡張型管内装置を身体内腔内の必要な場所に最適に展開するためのシステムと対応方法に対する要求があり、かつそのシステムと対応方法を持つことは極めて有利であるであろう。
【0010】
発明の概要
本発明は移植可能な拡張型管内装置を身体内腔内の必要な位置に最適に展開するためのシステムと対応方法に関する。
【0011】
従って本発明の目的は従来技術の欠点を克服する移植可能な管内装置を身体内腔内に配置するのに使用するための送出システムを提供することである。この発明のなお別の目的は本発明の送出システムを組み立てる方法を提供することである。この発明の別の目的は管内装置、特に本発明の送出システムを用いる編組脳卒中予防装置、の経内腔移植のための方法を提供することである。本発明の他の目的は以下の説明を通して明らかである。
【0012】
第一態様において、本発明は拡張型管内装置を身体内腔内の必要な場所に展開するためのシステムを提供し、それはカテーテルに取り付けられる膨張可能なバルーン及びカテーテルの末端にそれぞれ設けられた一対のソックスを含み、このソックスが圧縮された状態にあるときそれらの末端が拡張型装置の縁に重複するように位置しているが、拡張型装置が少なくとも部分的に拡張した状態にあるときそれから軸方向に間隔を置かれる。
【0013】
本発明は種々の管内装置を送出するのに有用であり、特別の装置を使用することに限定されない。本発明のシステムにより送出するのに特に便利な装置は脳卒中予防装置である。脳卒中予防装置は例えばこれと同じ出願人のWO 00/53119に記載されたように、近位塞栓源由来の前方循環脳卒中を防ぐために特に設計された血管内頸動脈ステント状装置である移植可能な装置である。
【0014】
かかる移植可能な装置は、特に一方が総頸動脈(CCA)に至るかまたはそこに位置しており、そして他方が致命的でない動脈に至る動脈の分岐付近に配置するために設計されている。それはCCAの方へ流動する塞栓物質の流れを致命的でない動脈中に偏向させるがCCAの方へ流れる血液をろ過するのに適した偏向ろ過要素を含む。この装置は第一直径を持つ収縮状態と、この第一直径より大きな第二直径を持つ拡張状態を有する管状本体を特徴とする。
【0015】
末梢血管において、自己拡張型である装置を用いるのが通常好ましい。典型的な偏向ろ過装置は20mmから150mmまでの長さを持ち、それは拡張した状態で3mm−30mm(頸動脈内では6mm−10mm)の直径を持つ。好適な偏向ろ過装置は編組円筒状本体を含む。
【0016】
この発明が指向する形式の装置の周知の特性はそれが拡張された状態から収縮した状態に圧縮されるとき装置が伸びることであり、すなわち装置の長さがそれが拡張した状態にあるときより収縮した状態でより長いことである。例示の目的のために、自己拡張型編組装置が本発明の説明で参照されることが多いけれども、本発明の送出システムは長さが半径方向に拡張されるとき減少するという必要条件を満たすあらゆるステントまたはステント状装置(それが編組されたまたは網目のまたはどのような他の形式の装置であっても)と共に使用するために適しているということは当業者には明らかであるに違いない。
【0017】
従って、本発明によれば、身体内腔内の必要場所に拡張型管内装置を展開するためのシステムが提供され、それは:(a)外管;(b)外管の内側に設けられかつ外管と共軸である少なくとも一つの内管;(c)少なくとも一つの内管上に取り付けられた膨張可能なバルーン;及び(d)一対のソックスを含み、バルーンと一対のソックスが少なくとも一つの内管の末端に位置しており、更に各ソックスの末端が収縮状態にある拡張型装置の縁に重複し、そして更に拡張型装置が少なくとも部分的に拡張した状態にあるとき各ソックスの末端が対応する縁から軸方向に間隔を置かれることとなる。
【0018】
本発明システムの別の態様によれば、少なくとも一つの内管は中間管と内管に対応し、そこでは一つのソックスは中間管に取り付けられ、第二のソックスは内管に取り付けられ、更にバルーンが部分的に中間管上に位置し、部分的に内管上に位置し、それにより中間管と内管はスライド可能に変位可能であり、それによりソックスは互いに向けてスライドにより移動できる。
【0019】
この発明の好適実施例において、従来周知の形式の付属バルーンを持つ普通のカテーテルが用いられる。このカテーテルに一対のソックスが取り付けられる。これらのソックスの目的は管内装置をその収縮位置に拘束することである。本発明のソックスはまた可塑的にまたは弾性的に変形可能であることができるどのような適当な生体適合性材料からも作られることができる。本発明の好適実施例において、この材料は弾性高分子である。この文章における“生体適合性”は患者に耐えられない悪影響を起こすことなく、展開を実施するに必要な長さの時間の間体腔中に導入されることができる材料を意味する。
【0020】
装置はバルーンカテーテルの上をすべらされる。装置はそのとき半径方向に圧縮され、ソックスはそれをカテーテル上でその収縮した状態で保持するようにその端部を越えて引っ張られる。この装置は今や外管中にすべり込まされ、本発明の展開システムは身体内腔中に挿入されるための準備が整う。
【0021】
展開システムが希望の場所に案内されたら、外管が引っ込められ、バルーンの膨張が始められる。バルーンが膨張するとき、それは装置の内壁上に半径方向の力を働かせる。これは装置を半径方向に拡張させ、従って長さを縮める。この発明の好適実施例において、バルーンは、膨張が中央から起こり、その中間部が内腔の内壁と接触することとなり、その端部がソックスから解放される前に所定位置にしっかりと装置を錨止するように設計される。この工程が連続するとき、装置の端部は工程中に、弾性的または可塑的変形、または両者を受けることができるまたは受けることができない拘束ソックスから引き抜かれる。装置の端部がソックスから自由となったら、装置はその内部半径方向の力の影響下に自由に拡張される。この発明の好適実施例によれば、バルーンの膨張はバルーンが内腔の内壁に対して装置を押圧して装置の所定場所への錨止を増進するまで続く。
【0022】
第二態様において、本発明はこの発明のシステムを患者の血管系中へ挿入するための、それを希望の場所に案内するための、及びそれをそこに展開するための方法を特徴とし、それは:(a)患者の血管系を通して案内ワイヤーと案内カテーテルを挿入すること;(b)この発明のシステムを含む内管を案内ワイヤー上に置くこと;(c)画像化技術、例えば放射線画像化技術を用いて本発明のシステムを患者の血管系内の希望の場所に案内カテーテルを通して案内すること;(d)外管を引っ込めて、装置の端部の拘束ソックスからの引き抜きを起こすためにバルーンをゆっくりと膨張させて装置を拡大させること;(e)装置の壁を内腔の内壁としっかりと接触させるためにバルーンを完全に膨張させること;(f)バルーンを収縮させ、バルーンとソックスを外管で覆うこと;及び(g)バルーンとソックスを支える内管、外管、案内カテーテル、及び案内ワイヤーを患者の血管系から引き抜くこと;を含む。
【0023】
本発明の別の好適実施例において、ここでは“中間管”と名付けられる別の管が設けられ、それはバルーンカテーテル(“内管”)の上をスライドする。この実施例において、遠位ソックス及びバルーンの遠位端は内管に取り付けられ、近位ソックス及びバルーンの近位端は中間管に取り付けられる。この態様で、中間管を内管に関してスライドすることによりソックス間の距離が変えられる。ソックス間の距離が固定されるであろうように管を錠止し、または距離を変えることが望ましいとき相対移動を制御する機構がまた設けられる。
【0024】
本発明の別の態様によれば、中間管を含む本発明の好適実施例により操作するとき、本発明は更にこの発明のシステムを患者の血管系中に挿入するための、それを希望の場所に案内するための、かつそれをそこに展開するための方法を特徴とし、それは:(a)患者の血管系を通して案内ワイヤーと案内カテーテルを挿入すること;(b)この発明のシステムを含む内管を案内ワイヤー上に置くこと;(c)画像化技術を用いて本発明のシステムを患者の血管系中の希望の場所に案内カテーテルを通して案内すること;(d)外管を引っ込めて、ソックスが一緒により接近するように移動されるように中間管を内管に関して移動させ、かつ拘束ソックスからの装置の端部の引き抜きを起こすためにバルーンをゆっくりと膨張させて装置を拡張させること;(e)装置の壁を内腔の内壁としっかりと接触させるためにバルーンを完全に膨張させること;(f)バルーンを収縮させて、ソックスがそれらの初期の位置に戻るように中間管を内管に関して移動させ、バルーンとソックスを外管で覆うこと;及び(g)バルーンとソックスを支える内管、外管、案内カテーテル、及び案内ワイヤーを患者の血管系から引き抜くこと;を含む。
【0025】
この発明は身体内腔内のどのような適当な場所にも有利に利用できることは注目される。本発明は拡張型管内装置を身体内腔内の必要な場所に展開するために使用される現在既知の展開システムの欠点と制限を成功裡に克服する。本発明の上記の及び他の、特徴、特色及び利点はその好適実施例の以下の例示的及び非限定的詳細説明を通してより良く理解される。
【0026】
図面の簡略説明
この発明が添付図面に関して、例としてのみ、ここに述べられる。今や特に図面を詳細に参照するに、示された詳細は例としてであり、本発明の好適実施例の例示的検討の目的のためのみであり、最も有用であると信ぜられ、かつこの発明の本質と概念上の観点の容易に理解される説明を提供するために提示されることは強調される。このことについては、この発明の基本的理解のために必要であるものよりより詳細にこの発明の構造的詳細を示す試みはなされず、図面と共になされる説明はどのようにこの発明の幾つかの形が実際に実施されることができるかを当業者に明らかとする。図面において:
図1は拡張した状態の拡張型移植可能管内装置の正面図を示す概略図であり;
図2は本発明による、展開される装置が収縮状態にある送出システムの正面図を示す概略図であり;
図3Aは本発明による、所定場所の外管を持つ収縮状態の展開システムの断面図を示す概略図であり;
図3Bは本発明による、外管が引っ込められてバルーンの膨張が始まった直後の展開システムの断面図を示す概略図であり;
図3Cは本発明による、偏向装置の套管からの解放直前の展開システムの断面図を示す概略図であり;
図3Dは本発明による、拡張の中間状態の展開システムの断面図を示す概略図であり;
図3Eは本発明による、完全に拡張した状態の展開システムの断面図を示す概略図であり;
図3Fは本発明による、装置の展開及びバルーンの収縮後の展開システムの断面図を示す概略図であり;
図4Aは本発明による、収縮状態の中間管を含むこの発明の実施例の図を示す概略図であり;
図4Bは本発明による、外管が引っ込められバルーンの膨張が始まった直後の中間管を含むこの発明の実施例の図を示す概略図であり;そして
図5は本発明による、中間管を含む実施例のための送出システムの近位端の図を示す概略図である。
【0027】
好適実施例の説明
本発明は身体内腔内の必要場所に移植可能な拡張型管内装置を最適に展開するためのシステム及び対応方法に関する。
【0028】
この発明はその適用において以下の説明、図面、または例に記載された方法の操作または実行段階の順番または順序の詳細に、または展開システムの要素の構造、配置、及び構成の詳細に、限定されないことは理解されるべきである。例えば、本発明は身体内腔内のどのような適当な場所にも有利に利用されることができる。本発明は他の実施例を種々の方法で実行し、または成し遂げることができる。また、ここに採用された表現法及び用語は説明の目的のためであり、限定と考えるべきでないことは理解されるべきである。
【0029】
本発明による身体内腔内の必要場所に移植可能な拡張型管内装置を最適に展開するためのシステムと対応方法の要素、段階、操作、及び実行は以下の説明及び添付図面を参照すればより良く理解される。以下の説明及び添付図面を通して、同じ参照番号は同じ要素を示す。
【0030】
さて図面を参照すると、図1は拡張した状態の拡張型移植可能管内装置の正面図を示す概略図である。この管内装置は実質的に管状体20を具備し、それは従来既知のあらゆる技術により、例えばフィラメント21を編むことにより編組管状体を形成することにより形成されている。この装置の構造の正確な詳細は本発明の理解のためには重要でないので、それらは簡潔のためここには述べられない。本発明の展開システムの持つ使用のための更なる要件は図1の偏向装置がその収縮状態でその拡張状態のその長さより長い長さを持つことである。
【0031】
図2は本発明の送出システムを示す。普通のバルーンカテーテル25が案内ワイヤー24上に置かれる。案内ワイヤー及び案内カテーテル(図示せず)はそれ自身新規ではない。それらは医療装置の経内腔導入のために用いられる標準的要素であり、それらは当業者に周知であるので、更に説明されない。バルーンは図中26で示される。移植可能な装置20(図中破線)がそのときカテーテル上のバルーンの上に置かれている。一対のソックス27がカテーテルの上に置かれている。対の各ソックスはそれが偏向装置の一端を越えて置かれることができ、かつ装置がその収縮状態にあるとき装置をカテーテル上に保持するであろうように設けられる。最後に、カテーテルが外管28中にすべり込まされ、組み立てられた装置は身体内腔中への導入のための準備が整う。
【0032】
外管は幾つかの機能を持つ。第一に、案内カテーテルが存在していない状態で、それは身体内腔の壁を装置が移植サイトに挿入され、かつそれから引っ込められるときの装置による損傷から防ぐ役目をする。第二に、それは挿入工程時の装置を機械的損傷から防ぐ役目をする。最後にかつ最も重要であるが、外管は展開可能な装置の早期拡張を防ぐ安全装置である。装置の偶発的解放が、例えば手術チームの一員の一部の誤りの結果として、または装置が身体内腔の曲がった部分を通して導入されるとき装置の端部がその拘束ソックスから引っ張られることに起因する装置の変形の結果として、発生する。
【0033】
ソックスはあらゆる適当な生体適合性材料から作られることができる。この発明の好適実施例において、ソックスはナイロン、Pebax、Peek、またはPEのような弾性高分子から作られる。ソックスは溶接または適当な接着剤の使用によるような適切な技術によりカテーテル上の所定場所に保持される。図2の特に好適な実施例によれば、ソックスは長さl(図2)に相当する、カテーテルに取り付けられていないソックスの部分の深さが説明されたように装置の適正な機能のために適切であるように製造される。
【0034】
バルーンはその長さが収縮状態の偏向装置の長さよりわずかに短いように選ばれる。この態様でバルーンの長さを選ぶことはバルーンの端部が偏向装置の及びソックスの端部を越えるであろうこと、従って偏向装置の解放をじゃましないであろうことを保証する。この発明の好適実施例において、バルーンは膨張の工程が中央で始まり、対称的にその端部の両方に向けて進むように構成される。
【0035】
自己拡張型装置の直径は異なる適用に対して幾分変わるかもしれない。しかし、閉鎖状態の直径は約3mmまでであり、一方拡張したとき、直径は30mmまでの範囲内で変わることができる。装置はそれらの拡張状態で典型的に20mmから150mmの長さである。装置の及び従ってバルーンとカテーテルの適切な直径を選ぶために必要な考慮は当業者に周知であり、従ってここでは検討されないであろう。
【0036】
図3A−3Fは自己拡張型装置の解放及び展開の段階を示す。図面を簡略化するために、カテーテルの縦軸の面内の断面が図面に示されている。図3Aから図3Fにおいて、図の要素は次のように識別される:20は移植可能な装置であり;24は案内ワイヤーであり;25はバルーンカテーテルであり;26はバルーンであり;27はソックスであり;28は外管であり;そして30は内腔の壁である。
【0037】
図3Aは身体内腔を通して挿入時の圧縮形のシステムを示す。自己拡張型装置はバルーンカテーテルの上に置かれ、その半径寸法はそれが収縮したバルーンと接触するまで減少される。半径を減少することはカテーテルの軸に沿った装置に伸びをもたらす。典型的には装置の収縮状態の長さは拡張状態のその長さより50%から500%長い。装置はバルーン上に収縮され、バルーンカテーテルに取り付けられている二つの套管が装置のそれぞれの端部を越えて置かれており、外管が全装置の上にすべり込まされている。
【0038】
図3Bは装置がそれが解放されるであろう身体内腔内の場所に到達した後の状況を示す。図3Bに示すように、外管は後ろ向きに引っ張られ、バルーンの膨張が始まっている。
【0039】
図3Cはこの発明の好適実施例を示し、そこではバルーンは中央から外向きに膨張する。バルーンが中央から膨張すると、装置はそれが内腔の壁に達するまで拡張する。装置を解放するために、バルーンは従来技術で周知の技術を用いて膨張される。バルーンが膨張し始めると、それは装置に半径方向の力を及ぼす。装置の半径が増えると、その長さは減少しその端部をソックスから引っ張る。この段階中、偏向装置はバルーンと接触している。ソックスの長さは拡張型装置の既知の特性と内腔の直径を用いて決定されており、従って装置の端部は、装置の中央が内腔の壁にその弾性力並びにバルーンによりしっかりと錨止されるまで解放されない。
【0040】
図3Dは装置の展開の中間段階を示す。ここに示された好適実施例において、弾性力は解放された装置をそれが身体内腔の内壁と接触するまで迅速に拡張させる。同時に、バルーンは膨張し続けるが膨張の速度は装置のそれより遅い。この段階で装置はもはやバルーンと接触しておらず、それ自身の弾性力のみの影響下に内腔の壁とやさしく接触することとなる。
【0041】
図3Eは展開の最終段階を示す。ここではバルーンは完全に膨張して装置の壁を身体内腔の内壁に対して押圧する。バルーンにより及ぼされた圧力はもし内腔の局部的石灰化した領域が装置の小さな断面の拡張を妨げたなら装置を完全に拡張させるのに必要である。バルーンにより及ぼされた圧力はまた装置がしっかりと内腔の壁と接触することを確実とする。かかる接触は装置の網を通しての細胞の増殖を起こし、それを内腔に強く錨止しかくしてその偶発的変位を防ぐ。かかる錨止に導く生理学的工程は従来技術で周知であり、従って簡潔化のため、ここでは詳細に検討されないであろう。
【0042】
図3Fは送出システムの引き抜き開始の状況を示す。外管はソックスと内管上に収縮されたバルーンとを越えて押し戻されている。バルーンは普通の態様で膨張のために用いられた流体を引き抜くことにより収縮されている。付着したソックスとバルーンを持つ内管及び外管は次いで自己拡張型装置の後ろに残る案内カテーテルを通して引き抜かれる。
【0043】
今やこの発明のシステムの配置及び展開のための方法が説明されるであろう。この種の普通の手順におけるように、案内カテーテルを後に伴う案内ワイヤーがまず患者の血管系を通して導入される。次いで、図2に関して上述されたように、自己拡張型装置を取り付けられてこの発明のソックスにより収縮した形に保たれた自己拡張型装置を持ち、外管により覆われたバルーンカテーテルが案内ワイヤーの上に置かれ、装置が適正な位置に位置するまで案内カテーテルを通して挿入される。装置を適正に案内し位置させるために、放射線不透過性マーカーが必要であるかもしれない。これらのマーカーはカテーテル上にまたは装置上にまたは両者に供給されることができる。放射線不透過性マーカーを供給し使用する技術は当業者に周知であるので、それらは図面に示されずまたはここで検討されない。
【0044】
もし移植可能な装置が脳卒中の発生を防ぐために用いられる偏向装置であるなら、それは各症例の臨床的指標に依存して身体の幾つかの異なる場所に置かれることができる。典型的であるが限定的でないこの装置の場所は頸動脈の分岐結合部である。この場合、偏向装置は内頸動脈(ICA)への入口に対向する分岐帯域内に配置される。偏向装置の本体はそれぞれ総頸動脈(CCA)と外頸動脈(ECA)のそれぞれの内壁に対して錨止される。この配置で、CCA中に流れる血液中の塞栓物質は偏向部材と接触し、ICAに入るのを防止され、従ってECA中に偏向される。
【0045】
装置が希望の場所に設けられたら、外管が引っ込められ、バルーンの膨張が始まる。装置は拘束ソックスから解放され、拡張させられ、図3Bから3Eに関して上述されたように身体内腔の壁に対してしっかりと押圧される。展開の工程の開放段階時に、長さの変化が同時にかつ偏向装置の両端部で対称的に起こることは注目されるべきである。かくして装置の両端は同時にソックスから出て行き、装置が上述のように解放される前にバルーンが装置の中央を錨止し続けない状況でさえ、装置はバルーンカテーテル上を横に動くことなしに拡張する。この事実は装置の配置の正確度を大きく簡略化し、増大する。
【0046】
偏向装置の展開が完了した後、バルーンは収縮され、次いで他の同様な手順におけるように組み立て部品が患者から引き抜かれる前に外管がバルーンとソックスを越えて押し戻される。ソックスが製造されている材料はわずかに弾力性があるので、それらは装置の解放後もカテーテルの表面上に密接的に保持され、従って案内カテーテル及び外管が存在しない場合でさえ、カテーテルが引き抜かれるとき血管系の壁に損傷を起こさない。
【0047】
図4Aにはこの発明の別の実施例による送出システムが概略的に示されている。図4Aにおいて、送出システムは装置が移植されるサイトで見えるであろうように示されている。外管28はバルーン26と内管25上で収縮しかつ一対のソックス27により所定場所に保持された拡張型装置20を露出するように引っ込められている。内腔の壁は数字30により示され、案内ワイヤーは数字24であり、案内カテーテルは示されていない。この実施例では、この発明の先に述べた実施例に存在しない追加の要素があり、それは中間管31である。中間管は内管上及び外管の内側をスライドする。遠位のソックス及びバルーンの端部は内管上の所定場所に保持され、近位のソックス及びバルーンの端部は中間管に取り付けられている。
【0048】
図4Bは図4Aの装置の展開の第一段階を概略的に示す。この状況では、中間管はソックスが一緒により接近するように動かされるように内管に関して動かされる。それらの遠位及び近位端部が一緒に付勢されると、装置の及びバルーンの中央が内腔の壁に向けて押される。この位置から、バルーンは内腔の壁に対して装置の中央を錨止するためにこの発明の先に述べた実施例におけるよりずっと少なく膨張されねばならない。装置の中央が所定場所に錨止されたら、膨張は続き、工程は実質的に図3D−3Eに関して上述したように進行する。幾つかの状況では、バルーンの膨張と装置の拡張時に、中間管は装置の端部のソックスからの解放を可能とするために内管に関して動かされねばならないかもしれない。
【0049】
この発明のこの実施例は、特に拡張型装置が大きな直径の身体内腔内に移植されるべきである場合に、図2及び3Aから3Fに関して先に述べた送出システムを越える幾つかの利点を持つ。この態様で拡張の第一段階を作ることは装置がまず中央から移植され、それにより残りの工程中の装置の移動の機会を減らすことを保証するのを助ける。加えて、この発明の先に述べた実施例のバルーンを大きな直径に膨張すること及びまた内腔に挿入し、そこから引き抜くために小さな直径に圧縮することができるという二つの要求を満足させるために、それは必然的に薄い壁を持たねばならない。図4Aと4Bに示された実施例においては、より厚い壁のバルーンが採用できる。
【0050】
この発明のこの実施例のシステムの配置と展開の方法は、上述のようにバルーンの膨張の第一段階及び拡張型装置の展開後に、中間管と内管がシステムの引き抜きに先立ち互いに関して動かされねばならないことを除き、先に述べたそれと本質的に同じである。図5は図4Aに描かれた送出システムのための一つの可能な錠止装置を概略的に示す。図5は患者の身体の外側に設けられた送出システムの近位端を表す。図4Aにおけるように、内管、中間管、及び外管はそれぞれ数字25,31及び28により示されている。図5に示された要素の残りは標準的であり当業者には周知であり、従ってそれらもそれらを採用する方法もどちらも更にここには述べられないであろう。数字32は施錠機構34を持つ標準的なY−コネクターを示す。数字33はLuer Lockを示し、35は内管上のストッパーを示す。
【0051】
図5に示された形状を用いる移植可能な装置を展開するためには、装置が身体内の希望の位置に到達した後に、中間管が外管に施錠され、次いで内管がバルーンの膨張と装置の拡張の第一段階として中間管に関して近位的に引っ張られる。標準的要素の他の多くの配置(例えば、内管及び外管を一緒に施錠し、それらに関して中間管を動かす)が医療手順の要求に依存して可能であることは当業者には認められるであろう。
【0052】
この明細書中に述べられた全ての刊行物、特許及び特許出願は各々個別の刊行物、特許または特許出願が特別にかつ個別にここに参考までに組み込まれるように示されたものであるのと同じ範囲でここにそれらの全体を組み込まれる。加えて、この出願中のどの参照例の引用または識別はかかる参照例が本発明に対する従来技術として入手可能であることの承認として解釈されるべきではない。
【0053】
この発明がその特定の実施例及び例に関して述べられたが、多くの代替例、修正及び変更が当業者には明らかであるであろうことは明らかである。従って、この添付特許請求の範囲の精神及び広い範囲内に入る全てのかかる代替例、修正及び変更を包含することは意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】拡張した状態の拡張型移植可能管内装置の正面図を示す概略図である。
【図2】本発明による、展開される装置が収縮状態にある送出システムの正面図を示す概略図である。
【図3A】本発明による、所定場所の外管を持つ収縮状態の展開システムの断面図を示す概略図である。
【図3B】本発明による、外管が引っ込められてバルーンの膨張が始まった直後の展開システムの断面図を示す概略図である。
【図3C】本発明による、偏向装置の套管からの解放直前の展開システムの断面図を示す概略図である。
【図3D】本発明による、拡張の中間状態の展開システムの断面図を示す概略図である。
【図3E】本発明による、完全に拡張した状態の展開システムの断面図を示す概略図である。
【図3F】本発明による、装置の展開及びバルーンの収縮後の展開システムの断面図を示す概略図である。
【図4A】本発明による、収縮状態の中間管を含むこの発明の実施例の図を示す概略図である。
【図4B】本発明による、外管が引っ込められバルーンの膨張が始まった直後の中間管を含むこの発明の実施例の図を示す概略図である。
【図5】本発明による、中間管を含む実施例のための送出システムの近位端の図を示す概略図である。
Claims (31)
- 身体内腔内の必要場所に拡張型管内装置を展開するためのシステムであって、それが:
(a)外管;
(b)前記外管の内側に設けられかつそれと共軸の少なくとも一つの内管;
(c)前記少なくとも一つの内管上に取り付けられた膨張可能なバルーン;及び
(d)一対のソックス;
を含み、
前記バルーンと前記一対のソックスが前記少なくとも一つの内管の末端に位置しており、更に各前記ソックスの末端が拡張型装置が収縮状態にあるとき拡張型装置の縁と重複し、そして、更に拡張型装置が少なくとも部分的に拡張した状態にあるとき各前記ソックスの前記末端が対応する前記縁から軸方向に間隔を置かれることとなることを特徴とするシステム。 - 拡張型管内装置が自己拡張型であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 拡張型管内装置が脳卒中を予防するための移植可能な装置であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 脳卒中を予防するための前記移植可能な装置が、第一直径を持つ前記収縮状態と、前記第一直径より大きい第二直径を持つ前記拡張状態とを持つ編組管状本体を具備することを特徴とする請求項3に記載のシステム。
- 脳卒中を予防するための前記移植可能な装置が、自己拡張型でありかつ第一直径を持つ前記収縮状態と、前記第一直径より大きい第二直径を持つ前記拡張状態とを持つ編組管状本体を具備することを特徴とする請求項3に記載のシステム。
- 前記バルーンの長さが前記収縮状態の拡張型管内装置の長さより短いことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 前記バルーンの長さが前記収縮状態の前記移植可能な装置の長さより短いことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
- 各前記ソックスが前記内管に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 各前記ソックスが適当な接着剤を用いて前記内管に取り付けられていることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
- 各前記ソックスが溶接工程を用いて前記内管に取り付けられていることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
- 前記ソックスが弾性高分子から作られていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 脳卒中を予防するための前記移植可能な装置が前記収縮状態で3mmまでの直径を持つことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
- 脳卒中を予防するための前記移植可能な装置が前記拡張状態で30mmまでの直径を持つことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
- 脳卒中を予防するための前記移植可能な装置が前記拡張状態で約20mmから約150mmの範囲内の長さを持つことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
- 前記少なくとも一つの内管が中間管と内管に対応し、更に一つの前記ソックスが前記中間管に取り付けられかつ第二の前記ソックスが前記内管に取り付けられており、更に前記バルーンが部分的に前記中間管上に置かれかつ部分的に前記内管上に置かれており、更に前記中間管と前記内管がスライド可能に変位可能であり、それにより前記ソックスがスライドにより一方から他方に向けて移動することができることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 拡張型管内装置が自己拡張型であることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 拡張型管内装置が脳卒中を予防するための移植可能な装置であることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 脳卒中を予防するための前記移植可能な装置が、第一直径を持つ前記収縮状態と、前記第一直径より大きい第二直径を持つ前記拡張状態とを持つ編組管状本体を具備することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
- 脳卒中を予防するための前記移植可能な装置が、自己拡張型でありかつ第一直径を持つ前記収縮状態と、前記第一直径より大きい第二直径を持つ前記拡張状態とを持つ編組管状本体を具備することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
- 前記バルーンの長さが前記収縮状態の拡張型管内装置の長さより短いことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 前記バルーンの長さが前記収縮状態の前記移植可能な装置の長さより短いことを特徴とする請求項17に記載のシステム。
- 各前記ソックスが適当な接着剤を用いて前記管に取り付けられていることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 各前記ソックスが溶接工程を用いて前記管に取り付けられていることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 前記ソックスが弾性高分子から作られていることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 脳卒中を予防するための前記移植可能な装置が前記収縮状態で3mmまでの直径を持つことを特徴とする請求項17に記載のシステム。
- 脳卒中を予防するための前記移植可能な装置が前記拡張状態で30mmまでの直径を持つことを特徴とする請求項17に記載のシステム。
- 脳卒中を予防するための前記移植可能な装置が前記拡張状態で約20mmから約150mmの範囲内の長さを持つことを特徴とする請求項17に記載のシステム。
- 身体内腔内の必要場所に、請求項1のシステム上に取り付けられた拡張型管内装置を展開するための方法において、それが次の段階:
(a)案内ワイヤー及び案内カテーテルを患者の血管系を通して挿入する;
(b)前記案内ワイヤー上にシステムを包含する前記内管を置く;
(c)少なくとも一つの画像化技術を用いてシステムを前記案内カテーテルにより前記患者の前記血管系内の必要場所に案内する;
(d)前記外管を引っ込めて装置の前記縁が前記ソックスから引き抜かれるのを実現するために前記バルーンをゆっくりと膨張させて装置が前記拡張状態になるようにする;
(e)装置の壁をしっかりと身体内腔の内壁と接触させるために前記バルーンを完全に膨張させる;
(f)前記バルーンを収縮させて前記バルーンと前記ソックスを前記外管で覆う;そして
(g)前記バルーンと前記ソックスを支える前記内管、前記外管、前記案内カテーテル、及び前記案内ワイヤーを前記患者の前記血管系から引き抜く;
を含むことを特徴とする方法。 - 前記バルーンが前記バルーンの中央から膨張し、それにより管内装置の中央を管内装置の前記端部が前記ソックスからスライドして外れる前に身体内腔の前記壁と接触させることを特徴とする請求項28に記載の方法。
- 身体内腔内の必要場所に、請求項15のシステム上に取り付けられた拡張型管内装置を展開するための方法において、それが次の段階:
(a)案内ワイヤー及び案内カテーテルを患者の血管系を通して挿入する;
(b)前記案内ワイヤー上にシステムを包含する前記内管を置く;
(c)少なくとも一つの画像化技術を用いてシステムを前記案内カテーテルにより前記患者の前記血管系内の必要場所に案内する;
(d)前記外管を引っ込め、前記中間管を前記内管に対して動かし、それにより前記ソックスが一緒に接近するように動かされ、そして装置の前記縁が前記ソックスから引き抜かれるのを実現するために前記バルーンをゆっくりと膨張させて装置が前記拡張状態になるようにする;
(e)装置の壁をしっかりと身体内腔の内壁と接触させるために前記バルーンを完全に膨張させる;
(f)前記バルーンを収縮させ、前記中間管を前記内管に対して動かし、それにより前記ソックスが前記ソックスの元の位置に戻され、そして前記バルーンと前記ソックスを前記外管で覆う;そして
(g)前記バルーンと前記ソックスを支える前記内管と前記中間管、前記外管、前記案内カテーテル、及び前記案内ワイヤーを前記患者の前記血管系から引き抜く;
を含むことを特徴とする方法。 - 前記バルーンが前記バルーンの中央から膨張し、それにより管内装置の中央を管内装置の前記端部が前記ソックスからスライドして外れる前に身体内腔の前記壁と接触させることを特徴とする請求項30に記載の方法。
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