JP2004522398A - 持続的に励起される同期機の回転子位置を、センサを用いずに電気的に測定する方法と回路 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、インバータを経て給電され持続的に励起される同期機の回転子位置を、評価装置に供給される測定信号によって、センサを用いずに電気的に測定するための方法に関し、更に詳しくは評価装置が固定子フラックスパターンの印加時に電流空間ベクトルの角度依存性から電気的な回転子位置を計算し、この場合微分された電流空間ベクトルの絶対値が、得ようとする電気的な回転子位置角の2倍の値でほぼ正弦状に変化する、方法に関する。本発明は更に、この方法を実施するための回路に関する。
【背景技術】
【0002】
このような方法と回路は例えば特許文献1によって公知である。しかし、停止する同期機のための公知の方法は作動が非常に複雑でかつ不正確であるという欠点があることが判った。
【特許文献1】
欧州特許第0539401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明の課題は、特に機械の停止またはブレーキをかけたときに使用可能である、持続的に励起される同期機の回転子位置を、センサを用いないでかつ専ら電気的な量の評価によって検出するための方法と回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は方法においては、絶対値の変化がほとんど逆向きの磁化の際にその都度連続する2つの測定から求められ、印加されたステーフラックスと持続的に励起された回転子フラックスの重ね合わせにより、飽和によって、微分された電流空間ベクトルの絶対値の変化が、異なる高さの2つの最大値で発生し、この絶対値の変化から、得ようとする電気的な回転子位置角が直接的におよび360°にわたって一義的に導き出されることによって解決される。
【0005】
本発明による方法の他の特徴は、星状の固定子フラックスパターンが印加され、この固定子フラックスパターンが時間的に平均してほとんど同期機にトルクを発生しないことにある。この特徴によって、同期機に連結された装置、例えば同期機によって操作可能な電気機械式車両ブレーキが負荷されない。
【0006】
本発明による方法の有利な実施形では、微分された電流空間ベクトルの絶対値の変化の平均値が求められ、個々の測定において固定子フラックスパターンが反時計回りと時計回りに回転して通過させられる。それによって、インバータでの不正確または重ねる切換えと同期機のローパスろ波作用によって生じる絶対値変化のずれが補正される。
【0007】
本発明の他の特徴では、所定の周波数部分が固定子フラックスパターンの出力密度スペクトルで減少させられる。回転子の慣性が通電中同期機の振動を回避するときでさえも、トルクの時間的な平均値は零であり、固定子鉄心内の磁気ひずみは聞こえる騒音を発生する。どの位の騒音が外部から感じられるから、ケーシングの共振振動数に依存する。しかし、振動数に最適化されたフラックスパターンでの同期機の巧みな通電によって、共振振動数を励起することが回避される。
【0008】
本発明による方法の他の実施形では、回転子位置が測定された絶対値変化を、表のように記憶された絶対値変化と相互相関させることによって決定される。絶対値変化の最大値だけが評価のために使用されると、これは不正確である。というのは、多数の測定値の中の1つの測定値だけしか使用されないからである。1個つだけの測定値に外乱があると、結果が使用不可能になる。これに対して、設定された変化との相関はすべての測定値を処理し、これにより大幅に改善された精度と外乱耐性を達成する。その際、得ようとする回転角は相互相関変化の最大値のインデックスに一致する。
【0009】
きわめて簡単な評価は、本発明の他の特徴に従って、回転子位置が測定された絶対値変化の零位置と極値によって決定されることにより達成される。
【0010】
少なくとも2つのサンプリングされた相電流を絶対値変化と相変化に計算して変換することによって正確に評価することは、本発明の有利な実施形において、絶対値変化が相電流から、逆クラーケ変換およびパーク変換(ICPT)によって計算されることによって達成れる。この手段は特に、三相同期機に関連して60°の電気的ロータ位置角よりも小さな測定誤差にとって重要である。
【0011】
絶対値変化がプロセッサを使用せずに簡単に決定可能である簡単化された評価は、絶対値変化の推定値が、インバータの全電流から、適当なフラックスパターンによって決定されることによって達成可能である。その際、インバータは特別な底ベクトルをサンプリング時点に供給することによって、その給電流を絶対値成分の推定値に変換する。分解能は三相モータを使用する際60°の電気的なロータ位置角に制限される。
【0012】
本発明の他の有利な実施形では、電流空間ベクトルの時間的な変化の代わりに、フラックスパターンのいろいろな時点での電流空間ベクトルの差あるいは電流時間面積の差が、絶対値の変化を決定するために使用される。電流空間ベクトルの差と電流時間面積の差は、電流空間ベクトルの時間的な変化の評価よりも、得ようとする電気的なロータ位置角の高い分解能を可能にする。
【0013】
高い分解能およびダイナミクスで固定子フラックスを印加することができるようにするために、本発明の他の実施形では、固定子電圧空間ベクトルのパターンがベクトル変調とパルス幅変調(ベクトル−PWM)によって複数の底ベクトルからなっている。ベクトル変調は、インバータによって表すことができる底ベクトルから、固定子フラックス方向を合成する。この場合、パルス幅変調は、底ベクトルを供給する時間を決定する。
【0014】
制御信号発生装置と、同期機に給電するためのインバータと、電流測定装置によって発生した測定信号を評価するための評価装置とを備えた、持続的に励起される同期機の回転子位置をセンサを用いないで電気的に測定するための本発明による回路は、センサ信号発生装置が固定子フラックスパターンを発生するためのパターンジェネレータと、評価装置のための制御信号を生じるサンプリング信号ジェネレータとを備えていることと、インバータが同期機のフラックスモデルと電流測定装置を備え、この電流測定装置がその際発生する通電パターンを決定することと、評価装置が通電パターンから、微分された電流空間ベクトルの絶対値変化を計算し、この絶対値変化から電気的な回転子位置角を360°にわたって一義的に導き出すことを特徴とする。
【0015】
本発明による回路の有利な実施形では、制御信号発生装置がクロックジェネレータを備え、このクロックジェネレータのクロック信号がカウンタに供給され、このカウンタのカウントがパターンジェネレータとサンプリング信号ジェネレータに供され、パターンジェネレータが固定子フラックスパターンを設定し、サンプリング信号ジェネレータが電流変化をサンプリングするための時点を設定し、この電流変化から、得ようとする電気的な回転子位置角が導き出される。一定の時間パルスは、ロータ位置に依存するインダクタンスを決定する前述の公知方法を簡単化することができる。その際、インダクタンスの逆数は単位時間あたりの電流変化に比例する。一定の単位時間が用いられると、方法において電流変化の評価が簡単になる。その際、固定子フラックスパターンは前述の方法と異なりオフラインで計算可能であり、変更しないでメモリから出力することができる。その前提は時間パルスが一定であり、同期機が停止することである。
【0016】
その際、フラックスモデルは好ましくは、モータフラックスオブザーバまたはフラックス測定装置によって、フラックスパターンから電圧パターンを発生し、この電圧パターンがベクトルパルス幅変調器に供給される。同期機はモデルにおいてはインダクタンスを示し、従って電圧パターン供給時に遅れてそのフラックスパターンを生ずる。遅延時間は可変のインダクタンスに基づいてロータ位置角に依存する。これは発生する通電パターンによる真のフラックス測定によって考慮されるかあるいは一定の遅れを有する低域フィルタによって簡単化されてモデル化される。
【0017】
本発明の他の特徴では、ベクトルパルス幅変調器が多相ブリッジのための制御信号を発生し、この多相ブリッジが通電パターンを同期機に印加し、多相ブリッジの相電流または多相ブリッジの供給電流または多相ブリッジの“高い”側または“低い”側に発生するブリッジ電流が測定される。その際、測定すべき電流変化が切換えスイッチによって選択される。相電流はいつでも評価可能であり一方、多相ブリッジの“高い”側または“低い”側の電流測定は、当該のブリッジ分岐部の通電のときにのみ重要な測定値を供給する。これに対して、供給側の電流測定装置は、1つの電流測定で充分であるがしかし、投影方向の正しい特別な制御信号ベクトルが供給されるときにのみ、使用可能な1つの推定値を提供する。
【0018】
他の実施形に従って、評価装置は変換器を備え、この変換器は切換えスイッチによって選択された電流変化と、設定された固定子フラックスパターンを、電流空間ベクトルの絶対値変化に変換する。この手段によって、電気的なロータ位置角を360°にわたって一義的に検出することができる。
【0019】
本発明の他の特徴によれば、評価装置が減算を行うサンプラーを備え、電流空間ベクトルの絶対値変化と、サンプリング信号ジェネレータから供給される時点がサンプラーに供給され、このサンプラー内で、微分された電流空間ベクトルの絶対値変化が求められる。差を測定することにより、ロータ位置に依存する飽和の非対称性が求められる。
【0020】
供される測定データの低減は他の実施形に従って、評価装置が電流変化評価ユニットを備え、この電流変化評価ユニットが微分された電流空間ベクトルの絶対値変化から、得ようとする電気的な回転子位置角を決定することによって達成される。
【0021】
実施される方法のエラー防止は本発明による回路の他の実施形において、電流変化評価ユニットが妥当性信号を出力し、この妥当性信号によって、微分された電流空間ベクトルの絶対値変化の質が電気的な回転子位置角の計算のために充分であるかどうかが決定されることによって保証される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、添付の図を参照して、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0023】
図1に示した構成の回路は実質的に、入力信号または制御信号を発生するための制御信号発生装置101と、持続励起される同期機103のための相電流と後続配置の評価装置104のための測定信号とを提供するインバータ(変換器)102とからなっている。この評価装置の出力信号は得ようとする同期機103の電気的な回転子位置角を示す。制御信号発生装置101によって発生した制御信号はインバータ102と評価装置104に供される。
【0024】
特に図2から判るように、制御信号発生装置101はクロックジェネレータ1とカウンタ2とパターンジェネレータ3とサンプリング信号ジェネレータ4を備えている。クロックジェネレータ1によって発生したクロック信号aはカウンタ2に供給される。このカウンタの出力信号bはパターンジェネレータ3とサンプリング信号ジェネレータ4に伝送される。パターンジェネレータ3の出力信号cが、互いに連なった微分された固定子フラックス空間ベクトルからなる、同期機103のための固定子フラックスパターンを設定するのに対し、サンプリング信号ジェネレータ4は後続の評価装置104のための正または負のサンプリング時点tp,tnを示す信号を発生する。この評価装置は図5に詳細に示してある。パターンジェネレータ3によって設定された固定子フラックスパターンcは星状の構造をしており、フラックスの増大および減少のために同じ経路を設定する。この場合、零点を繰り返し通過するので、パターンによって囲まれた面積または同期機103に加えられるトルクは最小である。固定子フラックスパターンを時計回りにおよび反時計回りに通過してもよい。この場合、後続の評価装置104で平均値を求めることによって、発生する実行時間の遅れを相殺することができる。固定子フラックスパターンは同様に、同期機の磁気ひずみによる騒音発生に対してかなりの影響を与えるので、同期機と、連結されたケーシング部品の共鳴個所が励起されないように設計されると有利である。そのために、固定子フラックスパターンの出力密度スペクトルを共鳴周波数の近くで最小限に抑えなければならない。
【0025】
図3に示したインバータ102はフラックスモデル17を備えている。このフラックスモデルはモータフラックスオブザーバ(低域ろ波器)5と、切換えスイッチ7と、減算器6と、フラックス測定装置8とからなっている。変換器102は更に、ベクトルパルス幅変調器9と、多相ブリッジ11と、この多相ブリッジ11に付設された給電部10と、電流測定装置12,13,14と、切換えスイッチ15を備えている。モータフラックスオブザーバ5はパターンジェネレータ3の設定された固定子フラックスパターンcを受け取り、それから推定された固定子フラックスパターンdを発生する。これに対して、フラックス測定装置8は電流測定装置13の測定された相電流kから測定された固定子フラックスパターンfを導き出す。測定された固定子フラックスパターンfは推定された固定子フラックスパターンdと共に切換えスイッチ7に供給される。この切換えスイッチは両信号d,fの一方を減算器6に案内し、それによって固定子フラックスパターンの監視と測定の間で選択される。設定された固定子電圧パターンに一致する減算の結果はベクトルパルス幅変調器9に供給される。このベクトルパルス幅変調器では、多相ブリッジ11のために必要な制御信号hが発生させられる。その際、ベクトル変調は、固定子電圧パターンの瞬時の固定子電圧空間ベクトルの方向を、多相ブリッジ11によって表すことができる基底ベクトルによって置き換えるという役目を有する。その際、パルス幅変調は、設定された固定子電圧パターンを近似的に再現するために、この基底ベクトルをどの位の長さで供給しなければならないかを決定する。切換えスイッチ15は方法に応じて、異なる電流測定装置12〜14の測定された電流パターンeを選択する。
【0026】
図4に示した同期機103には多相ブリッジ11の相電流mが供給され、その際同期機は機械的な回転子位置thm、固定子歯数nおよび対の極の数pに依存して、固定子フラックスパターンと位置依存性回転子フラックスとからなる全フラックスパターンを発生する。この全フラックスパターンは同期機を交互に磁気飽和で駆動する。この場合、飽和時の必要な電流は飽和していない場合よりも大きい。飽和の発生が電気的な回転子位置角に依存するので、固定子フラックスパターンが知られている場合、必要電流から電気的な回転子位置角を一義的に決定することができる。
【0027】
図5に示した評価装置104は、変換器18と、差を求めるサンプラー19と、電流変化評価ユニット20とからなっている。変換器18は測定された電流パターンeと設定された固定子フラックスパターンcとから、変換によって電流空間ベクトルの絶対値の変化qを発生する。変換器18は、逆クラーケ(Clarcke)変換およびパーク(Park)変換(ICPT)によってあるいは近似的に多相ブリッジ11を用いて、測定された電流パターンeから、電流空間ベクトルの絶対値の変化qを計算する。絶対値の変化qはサンプラー19によって時点tp,tnで減算される。それによって、電流空間ベクトルの減算された絶対値変化rが生じる。減算された絶対値の変化rの代わりに、電流時間面積の差を使用することができる。この場合、先ず最初に、時間tp〜tnとtn〜tp+1内の所定の時間積分が電流空間ベクトルの絶対値変化によって求められる。この場合、同期機が停止していると、逆起電力の積分はない。なぜなら、この成分が規定に従って零であるからである。電流変化評価ユニット20は近似的に正弦状に変化する微分された値変化r内にある。この値変化は異なる高さの2つの最大値を有する。大きな最大値の位置は、得ようとする電気的な回転子位置角thelに直接比例する。電流変化評価ユニットは更に、妥当性信号plを出力する。この妥当性信号は計算された電気的な回転子位置角thelの質を判断する。最大値の位置は一方では、零点規正と極値を考慮するだけで発見可能であるかあるいは表の形式で記憶されたモデル値変化との相互相関によってすべてのサンプルを含めることにより得られる。零点規正と極値は周期的な間隔での妨害されない測定に追従する。これは妥当性計算で使用される。大きな不規則性が連続して発生すると、妥当性計算は妥当性信号plにエラーを生じる。その後、測定が繰り返される。周期的な間隔をおいて偏差を生じる原因は、測定中の外部から加えられる意図しない回転子回転である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による方法を実施することができる回路の簡略化した回路図である。
【図2】図1に概略的に示した制御信号発生装置の構造を示す図である。
【図3】図1に概略的に示した、電流測定装置を備えた変換器の構造を示す図である。
【図4】三相の同期機の概略図である。
【図5】図1に概略的に示した評価装置の構造を示す図である。
Claims (19)
- インバータを経て給電され持続的に励起される同期機のロータ位置を、評価装置に供給される測定信号によって、センサを用いずに電気的に測定するための方法であって、前記評価装置がステータフラックスパターンの印加時に電流空間ベクトルの角度依存性から電気的なロータ位置を計算し、この場合微分された電流空間ベクトルの絶対値が、得ようとする電気的なロータ位置角の2倍の値でほぼ正弦状に変化する、方法において、絶対値の変化がほとんど逆向きの磁化の際にその都度連続する2つの測定から求められ、印加されたステーフラックスと持続的に励起されたロータフラックスの重ね合わせにより、飽和によって、微分された電流空間ベクトルの絶対値の変化が、異なる高さの2つの最大値で発生し、この絶対値の変化から、得ようとする電気的なロータ位置角が直接的におよび360°にわたって一義的に導き出されることを特徴とする方法。
- 星状のステータフラックスパターンが印加され、このステータフラックスパターンが時間的に平均してほとんど同期機にトルクを発生しないことを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 微分された電流空間ベクトルの絶対値の変化の平均値が求められ、個々の測定においてステータフラックスパターンが反時計回りと時計回りに回転して通過させられることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
- 所定の周波数部分がステータフラックスパターンの出力密度スペクトルで減少させられることを特徴とする、請求項1〜3の少なくとも一つに記載の方法。
- ロータ位置が測定された絶対値変化を、表状に記憶された絶対値変化と相互相関させることによって決定されることを特徴とする、請求項1〜4の少なくとも一つに記載の方法。
- ロータ位置が測定された絶対値変化の零位置と極値によって決定されることを特徴とする、請求項1〜4の少なくとも一つに記載の方法。
- 絶対値変化が相電流から、逆クラーケ変換およびパーク変換(ICPT)によって計算されることを特徴とする、請求項1〜6の少なくとも一つに記載の方法。
- 絶対値変化の推定値が、インバータの全電流から、適当なフラックスパターンによって決定されることを特徴とする、請求項1〜7の少なくとも一つに記載の方法。
- 電流空間ベクトルの時間的な変化の代わりに、フラックスパターンのいろいろな時点での電流空間ベクトルの差あるいは電流時間面積の差が、絶対値の変化を決定するために使用されることを特徴とする、請求項1〜8の少なくとも一つに記載の方法。
- ステータ電圧空間ベクトルのパターンがベクトル変調とパルス幅変調によって複数の底ベクトルからなっていることを特徴とする、請求項1〜9の少なくとも一つに記載の方法。
- 制御信号発生装置(101)と、同期機(103)に給電するためのインバータ(102)と、電流測定装置(12〜14)によって発生した測定信号を評価するための評価装置(104)とを備えた、持続的に励起される同期機(103)のロータ位置をセンサを用いないで電気的に測定するための回路において、センサ信号発生装置(101)がステータフラックスパターン(c)を発生するためのパターンジェネレータ(3)と、評価装置(104)のための制御信号を生じるサンプリング信号ジェネレータ(4)とを備えていることと、インバータ(102)が同期機(103)のフラックスモデル(17)と電流測定装置(12,13,14)を備え、この電流測定装置がその際発生する通電パターンを決定することと、評価装置(104)が通電パターンから、微分された電流空間ベクトルの絶対値変化(r)を計算し、この絶対値変化から電気的なロータ位置角(thel)を360°にわたって一義的に導き出すことを特徴とする回路。
- 制御信号発生装置(101)がクロックジェネレータ(1)を備え、このクロックジェネレータのクロック信号(a)がカウンタ(2)に供給され、このカウンタのカウント(b)がパターンジェネレータ(3)とサンプリング信号ジェネレータ(4)に供され、パターンジェネレータ(3)がステータフラックスパターン(c)を設定し、サンプリング信号ジェネレータ(4)が電流変化をサンプリングするための時点(tp,tn)を設定し、この電流変化から、得ようとする電気的なロータ位置角(thel)が導き出されることを特徴とする、請求項11記載の回路。
- フラックスモデル(17)が、モータフラックスオブザーバ(5)またはフラックス測定装置(8)によって、ステータフラックスパターン(c)から電圧パターン(g)を発生し、この電圧パターンがベクトルパルス幅変調器(9)に供給されることを特徴とする、請求項11または12記載の回路。
- ベクトルパルス幅変調器(9)が多相ブリッジ(11)のための制御信号(h)を発生し、この多相ブリッジが通電パターン(m)を同期機(103)に印加し、多相ブリッジ(11)の相電流(k)または多相ブリッジ(11)の供給電流(j)または多相ブリッジ(11)の“高い”側または“低い”側に発生するブリッジ電流(l)が測定されることを特徴とする、請求項13記載の回路。
- 測定すべき電流変化が切換えスイッチ(15)によって選択されることを特徴とする、請求項14記載の回路。
- 評価装置(104)が変換器(18)を備え、この変換器が切換えスイッチ(15)によって選択された測定通電パターン(e)を、設定されたステータフラックスパターン(c)によって、電流空間ベクトルの絶対値変化(q)に変換することを特徴とする、請求項11〜15のいずれか一つに記載の回路。
- 評価装置(104)が減算を行うサンプラー(19)を備え、電流空間ベクトルの絶対値変化(q)と、サンプリング信号ジェネレータ(4)から供給される時点(tp,tn)がサンプラーに供給され、このサンプラー内で、微分された電流空間ベクトルの絶対値変化(r)が求められることを特徴とする、請求項16記載の回路。
- 評価装置(104)が電流変化評価ユニット(20)を備え、この電流変化評価ユニットが微分された電流空間ベクトルの絶対値変化(r)から、得ようとする電気的なロータ位置角(thel)を決定することを特徴とする、請求項17記載の回路。
- 電流変化評価ユニット(20)が妥当性信号(pl)を出力し、この妥当性信号によって、微分された電流空間ベクトルの絶対値変化の質が電気的なロータ位置角の計算のために充分であるかどうかが決定されることを特徴とする、請求項18記載の回路。
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