JP2004521373A - フォトパターン化可能な吸収剤及び官能性化膜 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒドロシリル化化学を用いる吸収剤膜及び官能性化膜の調製方法、表面へのグラフト化方法及びフォトパターンニング方法に関する。さらに、本発明は、膜及び該膜を用いるデバイス、例えば化学センサ等にも関する。
【0002】
【発明の背景】
本明細書において「フォトパターン化可能な膜(photopatternable film)」とは、光を用いて、表面上の局所領域(localized domain)上にパターン化することができ、物質特性を変えることができる物質をいう。露光させることで、露光領域と非露光領域との間の物質の溶解度の差異を作り出すプロセスを開始する。選択された領域(domain)を露光させた後、溶剤を用いて、いずれかの非露光領域を取り除き、露光領域からなるパターン化された局所領域を残すか、あるいは、非露光領域を残しながら、溶剤の作用により露光領域が取り除かれるように物質を設計してもよい。溶剤の作用は、露光前に均一であった膜内のパターンを現像するために用いられる。
【0003】
「吸収剤膜」とは、化学種に暴露されると膜物質を通して拡散する化学種を吸収する物質から作られた膜をいう。
【0004】
「官能性化膜」とは、膜内の化学構造単位由来の相互作用特性を有する膜をいう。これらの相互作用特性は、特定の用途、例えば微量分析物質及び化学センサ等のデバイスなどの用途に適する膜を作る。
【0005】
「化学的選択性」とは、膜が、ある種の化学種を他の化学種よりも吸着することを意味し、より強く吸着される化学種に対する選択性をいう。化学的選択性は、特定の用途、例えば化学センサなどの微量分析用途に対する膜の安定性にとって重要である。
【0006】
前駆体分子は、モノマー、オリゴマー、ポリマー、又は組成物中に組み込まれている架橋剤であってもよい。
【0007】
化学的選択性吸収剤膜は、特定の相互作用特性を与える化学構造単位を組み込むことによって、ある種の化学種に対して他の化学種に対するよりも選択的であるように設計され得る。
【0008】
デバイス及び構造体上にパターン化することができる化学的相互作用吸収剤物質及び配合物が必要とされている。また、特定の用途における微量分析機能にとって必要な特定の化学的相互作用を有し、デバイス構造体上にパターン化することができる吸収剤物質を提供する方法も必要とされている。さらに、各々が異なる化学的相互作用特性を有するがデバイス構造体上の局所領域(domain)にパターン化され得る種々の上記物質及び配合物を創製できることが求められている。
【0009】
本発明の主目的は、露光されている架橋重合性膜に対してヒドロシリル化化学を用いることである。よって、架橋された領域は、未架橋領域とは異なる現像溶剤中での溶解度を有する。現像溶剤は、膜の非露光・未架橋領域を取り除き、膜の露光・架橋領域を残すために用いられる。ヒドロシリル化化学は、選択的であるから、この目的にとって有用である。この化学を用いて、他の化学物質に影響を与えずに、種々の物質を架橋することができる。
【0010】
本発明の別の目的は、露光されているモノマー及びオリゴマーを重合性膜に転化するためにヒドロシリル化化学を用いることにある。別の目的は、膜組成物中に与えられているモノマー及びオリゴマーから重合成膜を形成する際に、重合性膜を架橋することにある。
【0011】
本発明の別の目的は、架橋及び/又は重合すると同時に、吸収剤膜を表面上にグラフト化することにある。本発明の目的は、露光されるまで不活性であるヒドロシリル化触媒を用いることにある。ヒドロシリル化触媒は、光により活性化されると、膜内で、重合し、架橋し及び/又は膜をグラフト化するヒドロシリル化反応を開始する。本発明の更なる目的は、グラフト化が生じ得るように修飾された表面上でポリマー又はプレポリマーを用いること、及びグラフト化プロセスを開始させるために触媒を用いること、にある。
【0012】
本発明の更なる目的は、組成物に組み込まれて、充分な量のあるタイプの光に露光された場合に、ヒドロシリル化により反応して、ある化学種に対して暴露された場合にその化学種を選択的に吸着する吸収剤膜を創製する前駆体分子の組み合わせを開発すること、にある。組成物中で反応するために、前駆体分子は混和性であることが必要である。したがって、本発明の目的は、混和性であり反応して化学的選択性吸収剤膜を創製する前駆体分子の組み合わせを調製すること、にある。本発明の更なる目的は、官能性化モノマーを同じモノマーから派生したものであるオリゴマーと組み合わせることにある。モノマー及びオリゴマーの両者が同じ分子から派生したものであるというこのアプローチは、2種の前駆体分子が膜内で互いに混和性であることを保証する。よって、2個の炭素−炭素多重結合を有するモノマーは、オリゴマーを作るための同じモノマーと過剰のα、ω−ジヒドロオリゴジメチルシロキサンとの生成反応から派生したオリゴマーと組み合わされてもよい。ここで、得られたオリゴマーは、上記モノマーを含み、シリコンヒドライド結合末端を有する。
【0013】
以下の特許及び刊行物は、従来技術との関係で本発明を正確に捉える上で慎重に考慮されるべきである。米国特許U. S. Patent No. 5,145,886(特許September 8,1992, Joel D. Oxman、Larry D. Boardman);U.. S. Patent No. 6,015,869(特許January 18,2000, Jay W. Grate、Steven N. Kaganove);PCT Application No. WO 92/10529(出願人:the Minnesota Mining And Manufacturing Company, U. S. A.、公開日June 25,1992);PCT Application No. WO 92/10544(出願人:Minnesota Mining And Manufacturing Company;公開日June 25,1992);Fredrick D. Lewis and Gwen D. Salvi,”Platinum (II) Bis (6− diketonates) as Photoactivated Hydrosilation Catalysts, Inorganic Chemistry”, 1995,34,3182−3189;Bryan E. Fry and D. C. Neckers,”Rapid Photoactivated Hydrosilation Polymerization of Vinyldimethlysilane”, Macromolecules 1996, 29, 5306−5312;Bryan E. Fry, Andrew Guo, D. C. Neckers, ”Photoactivated Hydrosilation Curing of a Ceramic Precursor;Crosslinking and Pyrolysis of branched oligo [(methylsilylene) methylene], Journal of Organiometallic Chemistry 538 (1997), 151−161;Andrew Guo, Bryan E. Fry and Douglas C. Neckeres,”Highly Active Visible−Light Photocatalysts for Curing a Ceramic Precursor”, Chemistry Materials, 1998, 10,531−536.
【0014】
【発明の概要】
本発明は、化学種に暴露された際に、その化学種を選択的に吸着する吸収剤膜を形成する方法を含む。この方法は、少なくとも2個のシリコンヒドライド基を含む第1の前駆体分子と、少なくとも2個の炭素−炭素多重結合を含む第2の前駆体分子と、光活性可能な触媒と、を含む組成物を基体上に置くことを含む。この組成物の少なくとも一部を、露光させた組成物にヒドロシリル化反応を起こさせるに充分な量で、あるタイプの光に露光させる。
【0015】
本発明の別の方法の側面は、組成物を所定パターンの光に露光させて、未露光領域を残すことを含む。次に、溶剤を用いて未露光組成物を基体から取り除き、露光パターンを残して、化学種に暴露させた際にその化学種を選択的に吸着する吸収剤重合体膜とする。
【0016】
本発明の別の方法の側面は、続いて適用される膜組成物によるヒドロシリル化反応に関係することができる基を有するように表面を修飾するカップリング剤で基体表面を予め処理することを含む。例えば、共有結合したシリコンヒドライド基あるいは共有結合した炭素−炭素多重結合を含むように、表面を修飾してもよい。トリエトキシラン及びトリエトキシビニルシランなどのカップリング剤が適切なカップリング剤であるが、当該分野においては他の多くのカップリング剤が知られている。例えば、トリアルコキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリクロロシラン、トリアルコキシビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリクロロビニルシラン、アルコキシジメチルシラン、クロロジメチルシラン、アルコキシジメチルビニルシラン及びクロロジメチルビニルシランの群から選択されるカップリング剤を非制限的に挙げることができる。少なくとも2個のシリコンヒドライド基を含む第1の前駆体分子と、少なくとも2個の炭素−炭素多重結合を含む第2の前駆体分子と、光活性化可能な触媒と、を含む組成物を、修飾された表面上に置いて、この組成物の少なくとも一部をヒドロシリル化反応を開始させるに充分な量で、あるタイプの光に露光させる。これらの反応は、膜物質と表面基との間に共有ケイ素−炭素結合を作ることによって、膜物質を表面にグラフトさせる。これらのグラフト化反応は、膜物質内で重合反応及び架橋反応と同時に起こる。これらは、化学種に暴露された際に、その化学種を選択的に吸着する表面上の化学的選択性吸収剤膜を結果的に生じさせる。
【0017】
本発明のさらに別の方法の側面は、フェニル置換ポリシロキサン(50%フェニル、1%ランダムビニル);1,3−ジフェニル−1,1,3,3−テトラキス(ジメチルシロキシ)ジシロキサン、シアノ置換ポリシロキサン(シアノプロピメチル−フェニルシロキサン)及び1%ランダムビニル、1,3−ジフェニル−1、1,3−3−テトラキス(ジメチルシロキシ)ジシロキサン、ヘキサメチルトリシロキサン末端を有するアリルを有するモノマーを含むビスフェノールA(基: 2,2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプラン)(3−アリル,4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン;1,3−ジフェニル−1,3,3−テトラキス(ジメチルシロキシ)ジシロキサンを含む組成物を用いることである。
【0018】
本発明の別の方法の側面は、フェニル置換ポリシロキサン(50%フェニル、1%ランダムビニル)の有効量、1,3−ジフェニル−1,1,3−3−テトラキス(ジメチルシロキシ)ジシロキサンの有効量及び光活性可能な触媒の有効量を含む組成物を用いることを含む。
【0019】
本発明の別の側面は、シアノ置換ポリシロキサン(シアノプロピメチル−フェニルシロキサン)及び1%ランダムビニルの有効量、1,3−ジフェニル−1,1,3,3−テトラキス(ジメチルシロキシ)ジシロキサンの有効量及び光活性化可能な触媒の有効量を含む組成物を用いることである。
【0020】
本発明の別の方法の側面は、2個のアリル基を有するモノマーを含むヘキサフルオロビスフェノールA、(2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの有効量、同じビスフェノールからヘキサメチルトリシロキサン、1,3−ジフェニル−1,1,3,3−テトラキス(ジメチルシロキシ)ジシロキサンとの反応中に調製されたシリコンヒドライド末端オリゴマーの有効量、及び光活性化可能な触媒の有効量を含む組成物の使用を含む。
【0021】
本発明はさらに、本方法により創製された吸収剤重合体膜及び本方法により創製された化学センサを含む。
【0022】
本発明の他の目的、利点及び特長は、以下の最良の実施形態、図面、特許請求の範囲及び図示されて説明されている特定の構造に具現化された理論により、明らかになるであろう。
【0023】
発明の詳細な記載
図面において、同じ構成要素には同じ参照符号を付した。
【0024】
発明の詳細な説明
吸収剤ポリマー及び官能性化ポリマーは、化学センサ、分離メンブラン、固相抽出技術およびクロマトグラフィーを含む多様な分野において重要な役割を果たす。吸収剤ポリマーは、多数のセンサアレイすなわち「電気鼻」システムにとって重要な役割を果たす。アレイ中でのセンサの応答性は、アレイ中に十分に多種多様なセンシング物質が存在する限り、ある化合物を他の化合物から区別するために用いることができるパターンを呈する。図7は、棒グラフ形式でのパターンとして現れる検体に対する変動可能な応答を呈するいくつかのセンサ(各々、異なるセンシングコーティングを有する)のコンセプトを示す。結合形成反応としてヒドロシリル化を用いることで、本発明者らは、センサ用途に対する多様な相互作用特性を有する吸収剤ポリマーを開発する汎用的で有効なアプローチを開発した。これらのポリマーの化学特性および物理特性のいずれも、予測可能で設計により調整可能である。
【0025】
多くのタイプのセンシングデバイスは、気相蒸気検出に対するセンサアレイにおいて用いることができ、用いられている。これらのアレイは、多重センサ上の多様な相互作用コーティングを含み、結果的に多重偏差(multivariate)データがパターン認識技術により分析される。アレイ検出器は、電気鼻と呼ばれることもある。なぜなら、鼻は、多重レセプターを用い、その信号は神経パターン認識プロセスにより処理されるるからである。気相センサアレイの最もよく知られた例のいくつかは、相互作用コーティングとしてポリマーを用いる。
【0026】
音波センサに基づくアレイは、センサトランスデューサーとして水晶マイクロバランス(QCM)、表面音波デバイス(SAW)または撓みラム波(flexural plate wave)(FPW)デバイスを用いる。デバイス表面上の各ポリマーコーティングにより吸収された蒸気の質量に比例する信号が発生する。観察された信号は、さらに、ポリマーモジュラス変動寄与率(polymer modulus change contribution)を含むものでもよい。
【0027】
吸収剤ポリマーによる蒸気吸収もまた、絶縁性ポリマーがカーボンブラック粒子を20%(典型量)装荷している化学抵抗器構造(chemiresistor configuration)を用いて変換されてもよい。蒸気収着は、絶縁性ポリマーを膨張させ、ポリマー/カーボンブラック複合体を通しての抵抗を増加させる。これらのタイプの化学抵抗器センサは、センサアレイの基礎として供されている。
【0028】
あるいは、吸収剤ポリマーは、ナイルレッド(Nile Red)などの蛍光染料に対するマトリックスとして作用することもできる。蒸気吸収は、組み込まれた染料分子からの蛍光信号を変動させる。アレイは、光ファイバーバンドルの端部上の種々のポリマー内の種々の染料で調製されている。
【0029】
ポリマーは、可逆収着によりセンサ表面上の蒸気分子を集めて濃縮することができること、薄い接着膜としてデバイス上に適用するに適切であること、及び化学的選択性が化学構造により決定されること、つまり合成により容易に変動可能であることなどの理由から、化学蒸気検出に対して有用な物質である。ポリマーは、迅速で、可逆性で、再現可能な応答性を有するセンサを得ることができる。加えて、多種多様なポリマーを組み合わせてセンサアレイ内で用いることができ、パターン認識分析に対する有用な化学情報を得るために要求されるアレイ全体にわたる変動可能な選択性を提供する。
【0030】
化学蒸気検出に対するポリマーの化学的相互作用特性は、線形溶媒エネルギー関係(LSER)を用いてシステム的に試験されている。これらの線形自由エネルギー関係は、分散相互作用、双極性及び誘導双極性を含む相互作用、及び水素結合相互作用などの基本的な相互作用において、ポリマーによる蒸気の収着をモデル化する。このアプローチによるモデルは、予想及び理解のために用いることができ、通常は後者が最も重要である。基本的な蒸気/ポリマー相互作用及びセンサアレイを設計するためのLSERの役割は、最初に1991年に詳細に報告された。その後の取り扱いは、化学センサ開発の多くの関連する側面に対する適用性を示した。有機蒸気の検出用のセンサアレイ設計は、非極性、極性化可能、双極性、水素結合塩基性、及び水素結合酸性であるというポリマーに対する要求を導く異なる相互作用を強調するポリマーのセットの選択を伴う。
【0031】
しかし、要求される化学的相互作用特性だけでは、化学センサとして有用であるべきポリマーとしては十分ではない。センシングポリマーは、さらに、多数の所望の物理的特性を有していなければならない。通常望ましい迅速な化学センサ応答性は、ガラス−ゴム転移点がセンサの作動温度よりも低いポリマーによって促進される。ポリマー内外での蒸気拡散は、これらの条件下で迅速である。ガラス性ポリマーによるセンサの応答時間は、典型的には、ゴム性ポリマーよりも、遙かに緩慢である。物質を薄膜として化学センサに適用する方法は、ポリマー配合物又はプレポリマー配合物に要求を課すかもしれない。たとえば、有機溶剤中での可溶性が必要であるかもしれないし、コーティングプロセスの一部としてプレポリマーに対するある粘度が必要であるかもしれない。特定のセンシングプラットフォームは、これら自身の要求、たとえば光学センサに対する反射率要求などを課すかもしれない。したがって、センサ又はセンサアレイ用途用のポリマーの合成は、詳細に研究されている化学的相互作用ばかりでなく、膜用途及びセンサ性能に対する望ましい物理特性をも考慮しなければならない。
【0032】
最適なセンシングポリマーに対する多様な性能基準を与えることで、望ましい化学特性及び物理特性を組み合わせる個々のポリマーを得るに十分多種多様であり、さらに種々の用途及びアレイ用の物質の異なるセットを創製することができる単合成アプローチを有することが有用である。この態様において、各新規なセンシング物質には、新しい特異的な合成上の問題は存在しない。加えて、物理特性及び薄膜堆積方法に異なる要求を課すかもしれない種々のタイプのセンシングデバイス用のこれらのポリマーを調整し配合することができることが望ましい。
【0033】
これらの考慮により、本発明者らは、センサ及びセンサアレイ用のポリマーの設計及び合成に対して、ヒドロシリル化重合を用いることを研究した。その最も典型的な形態において、ヒドロシリル化反応は、Ptなどの貴金属触媒の存在下での、炭素−炭素二重結合を横断するシリコンヒドライド(Si−H)結合の添加による珪素−炭素(Si−C)結合の形成を含む。図8参照。第1のモノマーが2個の炭素−炭素二重結合を有し、第2のモノマーが2個のシリコンヒドライド基を有する場合には、交互にモノマーを有する線形ポリマーを形成することができる。これらの重合反応の3種類が図9に示されている。典型的には、2個のシリコンヒドライド基を有するモノマーは、α、ω−ジヒドロオルガノシロキサンであるが、ジフェニルシラン等のモノマーであってもよい。2個の炭素−炭素二重結合を有するモノマーは、オリゴシロキサン又は有機ジエンであってもよい。ポリマー骨格中にシロキシ結合及び炭素−炭素結合を組み合わせるポリマーは、カルボシロキサン(carbosiloxance)ポリマーと呼ばれる。2個の炭素−炭素結合を有するモノマーが有機化合物であり、第2のモノマーがα、ω−ジヒドロオルガノシロキサンである場合には、有機−無機のハイブリッドポリマーが得られる。
【0034】
ヒドロシリル化重合の原型例の大半において、シリコン上の置換基は、典型的には、メチル、エチル、又はフェニルであり、ヘキサクロロ白金酸が触媒として用いられた。イソプレンとα、ω−ジヒドロドデカメチルヘキサシロキサンとの反応は、ヒドロシリル化重合により調製された有機/無機物質の初期の例であった(図9参照)。重合に対してヒドロシリル化反応を用いることが35年も前に示されていたという事実にもかかわらず、最近では、1993年に「有機珪素ポリマーの調製におけるヒドロシリル化反応の直接使用は非常に長い間制限されてきている」とされた。さらに、1994年には、ヒドロシリル化重合を用いることに対する初期の研究は「低分子量オリゴマー生成物のみを得る」ことがわかり、「真の高分子量線形ポリマーの合成に対する汎用性のある反応は、未だ成功裡に開発されていない」ことが示された。「真の高分子量ポリマー」メチル置換ポリマーが、ヘキサクロロ白金酸よりもむしろPtジビニルテトラメチルジシロキサン触媒を用いるこの反応により得られることが示されている。
【0035】
問題を提起することができる。「なぜ、センシングポリマーを合成するか?」答えは、(1)センシング物質開発における研究に対する合理的な設計理論を提案するため(2)商業ポリマーにおいて入手できない選択性を有する物質を調製するため(3)センサ上の層として商業ポリマーの性能の欠点を解決するため(4)組成及び性質に対する厳密な制御を得るため(5)センサ上の薄膜としての性能に対して必要な物理特性と所望の化学的相互作用特性を組み合わせる物質を調製するため(6)表面に架橋及び/又はグラフト化可能なポリマー及びプレポリマーを調製するため(7)種々のセンシングプラットフォーム上のセンシング薄膜としての用途に対するポリマー及びプレポリマー配合物を調製し適用するため、である。
【0036】
以下、ヒドロシリル化化学を用いる化学センサ及びアレイに対するポリマー及びポリマー薄膜の開発に焦点を合わせる。
【0037】
ヒドロシリル化重合方法は、種々の有機構造及び官能基を重合構造に組み込むことができる。ヒドロシリル化反応は選択性であり、2,3の例を挙げるとエステル、ニトリル、アミン、アミド、ニトロ、ケトン、エーテル、フォスフェート、サルファイド、及びスルホンを含む多くの官能基を許容する。加えて、ポリマー中のオリゴシロキサンセグメントはしばしば低いガラス−ゴム転移点を導くことは周知である。したがって、この重合アプローチは、化学的センシングポリマーの合成に対する2種の主要な基準、種々の官能基を有する異なるポリマーを調製することができること、及びポリマーを低いガラス−ゴム転移点を有するように調製することができること、に合致する。官能基を選択して、上述の蒸気/ポリマー相互作用を得ることができる。オリゴジメチルシロキサン単位の長さは、ガラス転移点及び他の物理特性に影響を与えるように変えることができる。
【0038】
本アプローチはさらに、多くの他の望ましい特徴を有する。結合形成反応は、珪素−炭素結合を形成させ、最終物質に極性官能性を導入しない。ゆえに、結合形成反応自身は、全てのポリマーがたとえばアミド結合又はエステル結合によって形成された場合であるように、最終的に得られるポリマーの選択性を「偏らせ(bias)」ない。本方法は、末端基の官能性を制御可能とする。ポリマー又はオリゴマーは、一次的には、末端が、炭素−炭素二重結合又はシリコンヒドライド結合によって終わってもよく、これは、その後のポリマー膜の架橋にとって有用であり得る(後述参照)。あるいは、特定の分子または官能基によるエンドキャップに、鎖端部の反応性を用いてもよい。加えて、本方法は、モノマーの比率が1:1ではない場合に、ポリマーよりもむしろオリゴマーを慎重に製造することができる。ゆえに、この重合アプローチは、ポリマー又はプレポリマー配合物に対する分子量分布を調整する機会を提供する。
【0039】
図10は、本発明者らが本方法により調製した4種類の吸収及び官能性ポリマーを説明する。これら及び他のポリマーの調製に用いたモノマーの幾つかを図11に示す。図10中の各ポリマーは、異なる特性及び相互作用を強調するように設計されている。メチル置換カルボシロキサンポリマー(図中、CSMEと呼ぶ)は、脂肪族炭化水素を良好に吸収する非極性物質である。これは、先に調製した他のカルボシロキサンポリマー(図9参照)と同一又は類似であり、ポリ(ジメチルシロキサン)及びポリ(イソブチレン)と同様の吸収特性を有する。
【0040】
フェニル基は単純な脂肪族基よりも優れた極化性を提供するので、フェニル置換ポリマー(CSPH)を調製した。センサ上で、これらのポリマーは、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン及びキシレン(BTEX)などの芳香族炭化水素並びに塩素化された炭化水素類に対する選択性を呈する。これらの化合物の分類は、問題となる環境汚染物である。ガスクロマトグラフィー固定相OV−25などの低いガラス−ゴム転移点を有する他のフェニル置換ポリマーも入手可能であるが、センシング膜に対する組成、特性及び配合を制御するために、本発明者らは自身のカルボシロキサンポリマーを調製した。OV−25は、75%フェニル置換及び25%メチル置換を有するポリシロキサンである。同様に、CSPHを高い比率(67%)のフェニル基対メチル基を有するように設計した。しかし、市販のOV−25は、おそらく残りのSi−OH基に起因すると考えられるわずかな水素結合酸性を有するように見える。これは、所望の化学的選択性を損なう。本発明者らの経験によると、市販のポリマーは、公称のポリマー構造によっては示されない官能性又は汚染物質をしばしば含み、時々、これらは赤外線スペクトルにおいて見出すことができる。加えて、本発明者らは、湿潤条件下でOV−25被覆SAWデバイスの不規則な挙動を観察した。これらは、本発明者らのカルボシロキサンポリマーを代わりに用いたところ、実験的に解決された。
【0041】
化学センサアレイに対する塩基性ポリマーを得るために、尿素基UR3を含むポリマーを調製した。尿素基は、非常に塩基性であり、双極性であることが知られている。ヒドロシリル化重合は順調に進行し、この物質は、SAWデバイスに適用される場合に優れた挙動を示す化学センサを得た。ポリビニルピロリドン及びポリエチレンイミンなどの他の塩基性ポリマーは塩基特性を有し、センシングコーティングとしてSAWデバイスに適用されている。しかし、ポリビニルピロリドンは、望ましい低いガラス−ゴム転移点を有しておらず、ポリ(エチレンイミン)は再現性が乏しいセンサとなる。繰り返すが、本発明の用途に対する市販物質の欠点が、本発明者らに、低いガラス−ゴム転移点を有する塩基性ポリマーを合成させる契機となったのである。
【0042】
ビスフェノール含有ポリマーBSP3は、本発明者らが最も興味を持つ有用な物質の一つである。このポリマーは、塩基性蒸気を吸収するために望ましい強い水素結合酸性特性を有するように合理的に設計された。工業的に用いられており、検出したいであろう非常に多くの塩基性有機溶剤が存在する。加えて、国家の安全上の関心事である神経ガスなどの蒸気は強い水素結合塩基である。最近の研究は、ニトロ芳香族爆発物の検出に対して、このクラスのポリマーもまた有用であることを示している。ゆえに、塩基性蒸気検出用の強い水素結合酸性ポリマーに対する要望は明白である。加えて、これらのポリマーは、センサアレイ内での化学的相違点を強調するために、センサアレイにおいて望ましい。
【0043】
水素結合酸性を導く化学構造を考慮することで、ポリマーに組み込まれるべき官能性とし、フッ素化されたアルコール及びフェノールの選択を導かれる。しかし、これらの官能性を有し且つ低いガラス−ゴム転移点を有するポリマーは、商業的に入手できない。したがって、多数の合成物質をセンシングフェーズとして調製し、精査した。これらのほとんどが水素結合酸性基としてヘキサフルオロイソプロパノール種を組み込む。
【0044】
数年前の研究は、数種のプロピル又はアリル置換ビスフェノール構造の水素結合酸性を逆相ガスクロマトグラフィー及びLSERを用いて比較するものであった。フッ素化されたビスフェノール−A構造は、フッ素化されていない類似体よりも実質的により水素結合酸性であり、フッ素化が塩基性化合物の収着性を100倍以上に改良したことを示した。これらの考察は、ポリマー鎖中にフッ素化されたビスフェノール構造を含むポリマーの合成に対する合理的な設計基準を与えた。図10に示すBSP3ポリマーは、繰り返し単位中に3個の珪素原子を有する。より長いオリゴシロキサン単位を有する変形種も合成されている。BSPポリマーと塩基性蒸気との相互反応は、図12に示されている。
【0045】
SAWセンサ上での実験は、これらのフェノール性ポリマーが塩基性蒸気及び神経ガス刺激剤(simulants)の検出に有用であり、このカテゴリーにおける先行する物質と同等以上の特性を有することを示している。図13は、ジメチルメチルフォスフェート、神経ガス刺激剤に対してテストした場合のBSP3、フロオロプロピル(FPOL)、及びポリジメチルシロキサン(PDMS)で被覆されたSAWセンサに対する較正曲線を示す。FPOLは、過去記述された神経ガスに対するセンシングコーティングであり、PDMSは、塩基性蒸気の収着に対して設計された官能性を欠く吸収剤ポリマーの一例である。20,000Hzを超える信号は、BSP3を用いて、わずか8mg/m3の濃度にて観察される。これは、1〜2ppmの濃度に相当し、10Hzの最小検出信号に対する検出限界が約1ppbであることを示唆する。
【0046】
一緒に、図10中のポリマーは、小さなセンサアレイにおいて望ましい化学的相違点をあたえることができる。さらに、この合成アプローチに適用され得るモノマーの多様性(このうちの幾つかは図11に示されている)に留意することは有意義である。カルボシロキサンポリマーを得るために、α、ω−ジヒドロオルガノシロキサンと組み合わせることができる多くの有機ジエンが存在する。図11の左側にあるモノマーは、基本的に、右側にあるモノマーと組み合わせることができる。これは組み合わせの化学そのものではないが、平行であるよりもむしろ個別のバッチにおいてポリマーを調製しており、制限された数の出発モノマーの種々の組み合わせにより、種々の物質を効果的に調製することができる、という原理を説明するものである。
【0047】
本発明者らは、フェロセンがSi−H基で終わるオリゴシロキサン鎖に付加された図11に示されているフェロセン誘導モノマーを調製した。本発明者らは、成功裡に、このモノマーを、やはり図11に示されているビスフェノールモノマーと組み合わせ、図14に示される繰り返し単位のポリマーを調製した。この結果得られる物質の溶液及び薄膜の両者でのサイクリックボルタンメトリーは、レドックス活性フェロセン基の存在を確認した。分析科学、特にセンサ開発における電気官能性ポリマーの有用性は、注目されている。特に、フェロセン含有モノマーを、図11の左側にある種々のモノマー又は他の有機ジエン類と組み合わせることにより、官能性化されたレドックス活性ポリマーの全系列を調製することができる。
【0048】
他のセンサ要求に合致させるために、これらの物質の特性を変えることも可能である。本発明者らは、シリカ光ファイバ上のクラッディングとして、水素結合酸性ポリマーをコーティングすることに関心を持った。このプラットフォームは、効率的に光をガイドするために、ポリマーの反射率がシリカの反射率よりも低い(約1.46)という要求を課した。加えて、自動化された光ファイバ延伸塔を用いて溶融物から新たに引き出されたファイバ上にコーティングすることができるプレポリマーとして、物質を配合しなければならなかった。次に、クラッドファイバーをファイバ延伸システムのドラム上に巻回させる前に、プレポリマーを管状炉内で硬化させた。1/4インチ又は3/8インチ管を通してクラッディングカップにプレポリマーを送るために、1000〜3000センチポイズの範囲の粘度が望ましかった。BSP3は、反射率が1.48であり、ゴム相であるので、この用途に直接用いることには不適である。
【0049】
本発明者らは、低分子量生成物を導く条件下で、α、ω−ジヒドロオルガノシロキサンをマクロマー(80個のジメチルシロキシ結合)として用いて、1500cStの範囲の粘度及び1.42の反射率を有する液体プレポリマーを調製した。このマクロマーの1当量と図11中のフッ素化されたビスフェノールの2当量とを反応させて、アリル末端ビスフェノール含有プレポリマーを得た。この物質を白金触媒及び3個のSi−H基を有する混和性架橋剤(フェニルトリス(ジメチルシロキシ)シラン)(図15参照)と組み合わせて、上述のようにファイバーに塗布した。このアプローチによるファイバークラッドの区域は、市販のポリジメチルシリコンクラッディング配合物を用いる本発明者らの研究室における市販のプラスチックファイバ又はシリカファイバと同等に効果的に光をガイドした。この実施例は、特定のセンシングプラットフォームとしての物理特性を調整しながら、所望の官能性を含むポリマー及びオリゴマーの合成に対するアプローチの汎用性を示す。
【0050】
ヒドロシリル化重合により調製されたカルボシロキサンポリマーは、架橋に用いられ得る基で本質的に終わる。設計により、これらは、本質的に総ての末端がシリコンヒドライドであってもよいし、あるいは総ての末端がビニル基又はアリル基であってもよい。図15に示すような白金触媒及び多官能性架橋剤の添加は、硬化時に架橋する配合物を得る。ヒドロシリル化は、ビニル基修飾ポリシロキサンを架橋するために慣用的に用いられる多数の反応の一つである。架橋は、上述のような光ファイバーなどのセンサフォーマットに対して要求されるが、他のセンサフォーマットに対しても望ましい。架橋した膜は、表面がディウェッティング(dewetting)しにくい機械的安定性を有するであろう。加えて、架橋した膜は、センサ安定性及び寿命を増強するであろう。Rapp及び共同作業者は、SAWデバイス上のポリシロキサン膜のUV開始フリーラジカル架橋を研究した。非架橋のポリシロキサンと比較して、架橋によりセンサは優れた安定性を有することが見出された。ヒドロシリル化化学は、空気中で簡便に実施することができる架橋のクリーンな反応を提供する。
【0051】
さらに、同じ反応化学により同時に、ポリマー膜は表面にグラフト化され得る。Si−H又はビニル基末端の表面を与えるために、表面をシランで修飾することは周知である。これらの表面基は、ポリマー鎖の幾つかを表面に共有結合させる架橋反応に関係する。このようなグラフト化が実際に起こる証拠は、非架橋膜、架橋膜、及び架橋−グラフト膜を取り除く取り組みにおいて溶剤が用いられる場合に明白である。本発明者らは、軽く架橋した膜は、適切な溶剤によって溶解又は修飾されていない表面から脱離するが、修飾された表面上の対応する架橋膜及びグラフト膜は付着したまま残ることを見出した。
【0052】
本発明者らのポリマー合成、架橋及びグラフト化の全体的なスキームを図16に示す。ヒドロシリル化重合は、化学的選択性のための相互作用基(図中、四角形内部に「I」の文字が含まれている記号で示す)を組み込むポリマー又はオリゴマーを生じさせる。これらは、構造中に組み込まれているレドックス活性中心又はレポーター基(図中、Rで示す)を有するものでもよい。設計により、このアプローチは、架橋のための末端ビニル基(図示)又はシリコンヒドライド基を有する鎖を得る。多官能性架橋剤を有する配合物(ビニル置換又はSi−H置換)及び触媒は硬化可能な膜を呈する。修飾された表面(ビニル又はSi−H修飾)上での同じ手順により、架橋及びグラフト化膜を得ることができる。ゆえに、ヒドロシリル化は、ポリマー合成、ポリマー架橋及びポリマーグラフト化に用いられる。
【0053】
溶解性が架橋及びグラフト化により変動するという事実は、ヒドロシリル化がポリマー膜のフォトパターンニングにも用いられ得るということを示唆する。これは、単に、露光されるまで不活性である触媒を必要とするに過ぎない。白金(II)ビス(アセチルアセトネート)すなわちPt(acac)2などの白金(II)ビス(β−ジケトネート)は、これらの特性を呈する。これらの化合物は、溶液反応、溶液中でのビニルジメチルシランの重合、並びにプレセラミック(preceramic)ポリマー膜の硬化及びパターンニングのための光活性化ヒドロシリル化触媒として用いられている。
【0054】
本発明者らは、この化学が、吸収剤、官能性化シロキサン及びカルボシロキサンポリマーをパターンニングするために有用であることを知見した。例えば、図6は、メチルヒドロジメチルシロキサンコポリマーとビニル末端ポリジメチルシロキサンの反応において、光活性化可能触媒としてPt(acac)2を用いたポリジメチルシロキサン配合物をパターンニングした結果を示す。触媒を活性化するために露光されたこれらの成分のスピンキャスト膜の領域だけが、ヒドロシリル化架橋を受けた。露光後、未露光物質を溶解させて取り除き、パターンを現像した。本発明者らは、この方法により、厚さ50mn〜5ミクロンで膜をフォトパターン化した。図10中、5×5の正方形のアレイは、100ミクロン×100ミクロンの面積の個々の正方形を有する。この図には、対照として人の毛髪を含む。
【0055】
同様に、これらの方法により、種々の他の官能性化吸収剤物質もフォトパターンニング可能である。ビニル官能基化ポリマーと混和性である架橋剤を用いて硬化が行われなければならず、架橋されなかった物質を溶解除去することによりパターンを現像する前に、適切な暗反応時間を与えなければならない。同時に起こる表面へのグラフト化は、パターンを残すためにしばしば必要である。本発明者らは、この態様によって、フェニル置換及びシアノ置換シロキサン配合物をパターン化した。
【0056】
上述の反応は、主として光活性化ヒドロシリル化架橋に基づいているが、パターンニングプロセスの一部として光活性重合も可能である。例えば、本発明者らは、Pt(acac)2、図11に示すビスフェノールモノマー、及び同じモノマーと過剰のα、ω−ジヒドロジメチルシロキサンとの反応により調製して隔離したシリコンヒドライド末端オリゴマーを含むプレポリマー膜を調合した。プレポリマーには少量の架橋剤もまた、含まれる。ビニル修飾シリコン表面での光活性化重合及びパターン現像は、図5に示す線を与えた。
【0057】
あるいは、多官能性架橋剤で官能性化されたモノマー又はオリゴマーを調合することにより、高度に架橋した網目状ポリマーのパターンを得ることもできる。しかし、過剰の架橋は、ガラス−ゴム転移点を顕著に上昇させてしまう。低いガラス−ゴム転移点を維持しながら、パターン現像溶剤によるリンス後に基体上にポリマーパターンを保持するために十分な架橋を得ることは、ポリマー配合、架橋剤、暗反応時間、及び溶剤選択のデリケートなバランスを要求する。
【0058】
本発明者らは、図10に示されている官能基の総て並びにシアノ基を含む種々の官能基をフォトパターン化されたシロキサン又はカルボシロキサンポリマー膜に組み込むことができることを知見した。ゆえに、パターンニングアプローチは、センサ及びセンサアレイにおける使用に対する大きな可能性を有する。
【0059】
水晶マイクロバランス(QCM)及び表面音波(SAW)デバイス等の音波センサは、ポリマー被覆センサアレイの基礎となることが多い。撓みラム波(FPW)デバイスもまた、化学センシング用ポリマーで被覆することができる。この場合、デバイスの活性表面は、シリコンチップ内のエッチピットの底部にある。チップ上のアレイ(アレイオンチップ:array−on−a−chip)を導くシングルチップ上のこれらのデバイスのいくつかを作ることも可能である。次に、これらの個々のエッチピット内の活性デバイスに、異なるポリマーを適用することができる。
【0060】
パッケージ化されたFPWアレイオンチップの絵は、図17に示されている。2種の工業溶剤、トルエン及びメチルイソブチルケトンからの蒸気に対するセンサ応答は、図18に示されている。図10に示す3種のカルボシロキサンポリマー(BSP3、UR3及びCSPH)及び3種の他の市販ポリマー(ポリ(イソブチレン)、OV−275及びEypel−F)でアレイを被覆した。これらの2種類の棒グラフは、最初に図7により示唆されたように、異なる蒸気に対する識別可能なパターンの発生を示す。図18中のパターンは、本発明者らの合理的な設計アプローチに対する基本である化学的選択性原理を支持する。トルエンに対するこれらの種々のポリマーのうち最も感応性があるのは、極化可能なCSPHポリマーである。塩基性メチルイソブチルケトンに対して最も感応性があるポリマーは、BSP3である。
【0061】
ヒドロシリル化化学は、吸収剤ポリマー及び官能性化ポリマー及び薄膜の開発における非常に広範な汎用性を呈する。得られる物質及び配合物の化学特性及び物理特性を制御して、種々のポリマーのセットを調製することができる。この化学は、さらに、架橋、グラフト化、薄膜のパターンニングに利用することができる。これらのタイプの物質及び膜は、化学センサ、センサアレイ、メンブラン、固相抽出、クロマトグラフィー及びラボオンチップ(lab−on−a−chip)用途に対して有用であるか又は潜在的に有用である。
【0062】
図1を参照すれば、本発明の方法が基体を選択する工程10から始まる。基体は、多数の異なるデバイス又は表面から任意に選択できる。基体は、膜に対するキャリアとしてのみ作用しても、膜を支持することに加えてそれ自身が官能性デバイスであってもよい。選択に続き、基体をステーション12で洗浄する。洗浄の好ましい態様は、後述するプラズマクリーナーを用いるものである。ほとんどの場合、次の工程14は、源16からのカップリング剤でコーティングすることによって、基体の表面を修飾するものである。カップリング剤は、グラフト化剤とも呼ばれる。適切なポリマー18、架橋物質20及び触媒22を組み合わせて、ステーション26にて例えばスピンキャスト技術により、膜又はコーティングとしてカップリング剤に塗布される組成物24を形成する。基体を高速回転するターンテーブル上に置き、組成物24を基体の準備された表面上に塗布する。次に、基体上の膜又はコーティングを露光する。これは、光と接触する領域におけるヒドロシリル化反応のトリガーとなる。ステーション28での光源30からの露光に続き、露光された膜又はコーティングを現像する。特に、溶剤を作用させて、組成物コーティングの未露光部分を除去し、表面上に残る吸収剤物質の膜として露光部分を残す。幾つかの実施形態において、吸収剤膜は、基体にグラフト化する。本発明により形成された吸収剤膜は、特異な機能を有し、例えば化学センサとして機能することができる。
【0063】
以下の実施例において、見込みのある物質をシリコンウェハに塗布して、化学種に暴露された場合に、他の化学種よりもある化学種に対して選択性であるように設計された吸収剤膜をウェハ上に残すように処理した。
【0064】
最初に、PDC−3XGプラズマクリーナー(Harrick Scientific Corp.(Ossining, NY10562)製)を用いて、シリコンウェハをプラズマ洗浄した。次に、物質をウェハ表面に塗布して、表面コーティングを形成させた。このとき、物質を塗布する前に、カップリング剤でウェハ表面を予備処理することが必要であった。
【0065】
予備処理のために、基体(ウェハ)をコンデンサ及び窒素源を具備する250mL反応ケトル(テフロン(登録商標)ガスケット)内に置いた。ケトルに、HPLC−グレードのアセトン70mL中カップリング剤0.3gを添加した。実験したシランカップリング剤は、トリエトキシシラン及びトリエトキシビニルシランであった。溶液を約50℃で48時間撹拌した。基体(ウェハ)を冷却した溶液から除去し、クリーンなアセトンで洗浄し、窒素流中で乾燥させ、次いで、使用するまでの間、乾燥チャンバ内に保存した。
【0066】
次に、被覆した表面を紫外線のパターンに暴露させた。ほとんどの実施例において、被覆した基体(ウェハ)をHTG 3Aマスクアライナー内で紫外線光に暴露させた。印刷に近接する大きな領域用に設計したところ、HTGユニットは、高圧水銀ランプからの寿命を延ばし、300〜400mmの間での最終的なビーム強度は約10mW/cm2である。光は均一で、冷却されたウェハに衝突する前にフォトマスクを通ってパターン化されるビーム直径20cmの柱状である。フォトマスクは、鉄酸化物コーティングガラスプレート製で、鉄マスクの領域をエッチング除去することにより、紫外線に対する選択的透過性を付与したものである。これらの実験に対して、鉄マスク内の開口は、28マイクロ幅の線であった。
【0067】
Research Devicesマイクロパターン発生器を用いて、暴露させることもできる。Oriel 500ワット高圧水銀ランプを用い、ニコン顕微鏡を通して、光感応性物質に照光する。この光源は、300〜450nmの間の強い放射照度を有する。ビームを柱状化して、次いで、可変矩形アパーチャを通して焦点を決めることにより形作り、顕微鏡対物レンズを通して焦点を決めることにより採寸した。いずれの寸法においても、5〜500ミクロンの間の矩形スポットが可能である。サンプルにおける紫外線光パワーは、約4000mW/cm2である。精測ステージ(precision stage)をCAD製図に翻訳する際に(as the precision stage is translated around a CAD drawing)、高速度シャッタを開閉することにより、パターンを作る。アパーチャ形状もまた、種々の特徴をパターン化するために必要に応じて、変動する。次に、表面を溶剤で処理して、表面コーティングの未露光部分を除去し、所定の化学種に暴露された場合にその化学種を吸着する吸収剤物質の膜パターンをウェハ上に残す。
実施例1−メチル
以下の実施例は、ポリジメチルシロキサンからなる非極性吸収剤物質のフォトパターニングを説明する。2種のポリマーを触媒と混合した。一方のポリマー(DMS−V31)は、末端ビニル基を有するポリジメチルシロキサンからなる。他方のポリマー(HMS−301)は、鎖に沿って分布しているシリコンヒドライド基を有する。よって、この実施例において、ビニル基含有架橋剤及びSiH基含有架橋剤の両者が重合性である。より詳細には、この実施例は、下記の物質を用いた。
【0068】
【表1】
【0069】
シリコンウェハをプラズマ洗浄して、ウェハの表面に、下記の組成量で3000rpmでのスピンコーティングにより膜を塗布した。
【0070】
【表2】
【0071】
マスクアライナーシステムを用いて、ウェハ上の膜又はコーティングを露光させた。露光後すぐに、表面をキシレンで洗浄して、パターンを現像した。個々の線を、60秒間、120秒間、140秒間、180秒間及び300秒間、露光させた。溶剤は、未露光物質を溶剤で除去して、120秒、140秒、180秒及び300秒の露光に対応する線パターンを残した。60秒だけ露光した線は、キシレン溶剤洗浄でパターンを現像した後、残らなかった。膜又はコーティングを塗布する前に、シリコンウェハ上にカップリング剤(トリエトキシビニルシラン)を用いて、この実施例を繰り返した。カップリング剤を用いた場合には、何らの改良も見られなかった。
【0072】
この実施例により作られたパターンを示してしない。しかし、4本の線を示す以外は、図2及び図3に示したパターンと同様であった。
実施例2−フェニル
以下の実施例は、フェニル置換基を有するポリシロキサンのフォトパターニングを説明する。これらは、ポリジメチルシロキサンよりも、センシングポリマーの極性化を増加する。この実施例におけるポリマーは、50%フェニル置換であり、鎖に沿ってランダムに分布している1%ビニル置換基を含む。架橋剤は、単純な4官能基架橋剤であり、これは4個のシリコンヒドライド基を有することを意味する。ゆえに、この実施例は、単分子シリコンヒドライド含有架橋剤で、ポリマーと、ランダムに分布しているビニル基とを架橋する。より詳細には、この実施例は、以下の物質を用いた。
【0073】
【表3】
【0074】
シリコンウェハを上述のようにプラズマ洗浄した。次に、洗浄した表面をトリエトキシビニルシランで予備処理して、表面にポリマー(OV−17)をグラフト化させるための表面結合ビニル基を置いた。予備処理した表面に、以下の組成量を3000rpmでのスピンコーティングにより膜又はコーティングを塗布した。
【0075】
【表4】
【0076】
マスクアライナーシステムを用いて、ウェハ上の表面コーティングを紫外線に露光させた。個々の線を、40秒間、80秒間、100秒間、120秒間及び160秒間、露光させた。次いで、露光した膜を18時間、暗室に置いて、その後、ジクロロメタン:ヘキサン(1:1)洗浄溶液を用いてパターンを現像した。溶剤で未露光物質を除去して、露光時間に対応する線のパターンを残した。
【0077】
ウェハ予備処理を行わない場合、及びトリエトキシシランを用いてウェハ予備処理を行う場合の両者について、実施例2の手順を繰り返した。予備処理を行わなかった場合、線は保持されなかった。カップリング剤の何れかを用いた場合には、線が保持された。トリエトキシビニルシランを用いる場合には、パターンに対してより識別可能なエッジが存在するので、このカップリング剤が好ましい。
【0078】
実施例2により作られたパターンを図2及び図3に示す。
実施例3−シアノ
以下の実施例は、シアノ置換基を含むポリシロキサンのフォトパターンニングを示す。これらは、ポリジメチルシロキサンに対して、検出ポリマーの双極性及び偏倚性(basicity)を増加する。この実施例中のポリマーは、50%シアノプロピルメチル置換及び50%フェニルメチル置換であり、鎖に沿ってランダムに分布している1%ビニル置換基を含む。架橋剤は、単純な4官能基架橋剤であり、これは4個のシリコンヒドライド基を有することを意味する。ゆえに、この実施例は、単分子シリコンヒドライド含有架橋剤で、ビニル極性官能基とランダムに分布しているビニル基とを組み合わせる。より詳細には、以下の物質を用いた。
【0079】
【表5】
【0080】
上述の態様でシリコンウェハをプラズマ洗浄し、表面をトリエトキシビニルシランで予備処理して、表面にポリマーをグラフト化させるための表面結合ビニル基を残した。予備処理した表面に、以下の溶液組成物を用いて3000rpmでのスピンコーティングによりコーティングを塗布した。
【0081】
【表6】
【0082】
上述の手順を2回繰り返した。1回は予備処理なしであり、1回はカップリング剤としてトリエトキシシランを用いて、グラフト用の表面結合Si−H基を残した。両方のカップリング剤を用い、マスクアライナーシステムを用いてウェハを紫外線に露光させた。個々の線を露光させて、現像溶剤としてジクロロメタン:ヘキサン(1:1)を用いてパターンを現像する前に、18時間、暗室に置いた。両方の場合において、溶剤は、未露光物質を除去して、露光した線に対応する線パターンを残した。表面予備処理は、結果に顕著な効果を有していた。表面をトリエキシシラン又はトリエトキシビニルシランのいずれでも予備処理しなかった場合には、線が残らなかった。ゆえに、表面をグラフト化剤で予備処理しなかった場合には、ポリマーは表面にグラフト化されず、線が保持されない。トリエトキシシラン又はトリエトキシビニルシランのいずれかを用いた場合には、線が保持された。
【0083】
この実施例により作られたパターンは図4に示されている。全3本の線が保持されているが、幾つかのエッジ損失がみられた。
実施例4−BSP
以下の実施例は、ビスフェノール含有ポリカルボシリキサンポリマーのフォトパターン膜の調製を説明する。ビスフェノール基は、塩基性被検物との相互反応を増強するポリマー水素結合酸性を作る。光開始剤を用いて、重合化し、ポリマーの架橋及びグラフト化を行った。初期組成は、2個のアリル基を有するモノマー、シリコンヒドライド基末端を有するオリゴマー、分子架橋剤及び光活性化可能触媒からなるものであった。オリゴマーを合成した。より詳細には、この実施例は、以下の物質を用いた。
【0084】
【表7】
【0085】
シリコンウェハを上述の態様でプラズマ洗浄し、洗浄された表面をトリエトキシビニルシランで予備処理して、表面にポリマーをグラフト化するための表面結合ビニル基を残した。予備処理した表面に、以下の組成量で、3000rpmでのスピンコーティングにより、コーティングを塗布した。
【0086】
【表8】
【0087】
実施例を2回繰り返した。1回は予備処理なしで、1回はトリエトキシシランを用いて予備処理した。各場合において、マスクアライナーシステムを用いて、コーティングを紫外線に露光させた。個々の線を2分間、1分30秒間、10分間(two and one half and ten minutes)暴露させた。次に、ウェハを暗室に18時間置いた。18時間の終点において、ジクロロメタン:ヘキサン(1:1)を現像溶液として用いて、コーティングを現像させた。この溶剤は、未露光物質を除去して、露光した物質から構成される線のパターンを残す。表面処理は、結果に顕著な効果を有していた。トリエトキシシランを用いた場合及びトリエトキシビニルシランを用いた場合の両者とも、線が保持された。トリエトキシシラン又はトリエトキシビニルシランのいずれも用いなかった場合には、線が保持されなかった。ゆえに、表面を処理しない場合には、ポリマーは表面にグラフト化せず、線が保持されない。この実施例により作られたパターンは図5に示されている。全3本の線は保持されていた。
実施例5−トリアドコーティングビスフェノール−モノマー及びシロキサン(DN96)
ヘキサメチルトリシロキサン基(トリアド)末端ビスフェノール−Aモノマーを以下の態様で調製した。2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(2.85g、0.0068モル)を、磁気的に撹拌した100mlトルエン中1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(14.3g、0.068モル)溶液に添加した。この溶液に、キシレン中Pt−1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン2滴を添加した。溶液を100℃まで18時間かけて加熱した。溶液を冷却して、活性炭で24時間撹拌し、真空シリンジ濾過技術を用いて濾過した。溶剤及び過剰のヘキサメチルジシロキサンを蒸留により除去した。150℃超過では、生成物のゲル化により、真空蒸留は不首尾であった。麦藁色(淡黄色)のオイル(トリアド)の収率は、推定Mw833の3単位を基準として、5.4g又は95%であった。主要生成物を識別するために、予備的HPLCを用いた。この主要フラクションに含まれていた組成は、以下の通りであった。
【0088】
【表9】
【0089】
実施例6
実施例1と同様の組成物をResearch Devicesマイクロパターン発生器を用いて、フォトパターン化し、図6に示す結果を得た。これは、大きさを示すために人の毛髪に隣接する多重線、矩形及び三角形のより複雑なパターンを説明する。
【0090】
説明してきた実施形態は、本発明の例示に過ぎず、何ら限定するものではない。本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、本発明の特定の構造、物質及び特性における多くの変更がなされてもよいことは理解されるであろう。したがって、本発明は、本明細書に記載した特定の実施形態によっては制限されず、特許請求の範囲によって規定されるものであり、その均等範囲を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明の幾つかの側面を特長づける工程のフローダイアグラムである。
【図2】
図2は、フェニル置換基を含むポリシロキサンのフォトパターンニングを示す写真である。
【図3】
図3は、フェニル置換基を含むポリシロキサンのフォトパターンニングを示す写真である。
【図4】
図4は、シアノ置換基を含むポリシロキサンのフォトパターンニングを示す写真である。
【図5】
図5は、ビスフェノール含有ポリカルボシロキサンポリマーのフォトパターン膜を示す写真である。
【図6】
図6は、ヒトの毛髪に隣接する現像イメージを示すフォトパターン膜の写真である。
【図7】
図7は、各々異なるセンシングコーティングを有し、棒グラフ形式におけるパターンとして現れる検体に対する変動可能な応答を生じさせる幾つかのセンサのコンセプトを示す。
【図8】
図8は、Ptなどの貴金属触媒の存在下にて、炭素−炭素二重結合を横切るシリコンヒドライド(Si−H)結合の追加によるケイ素−炭素(SidC)結合の形成を含むヒドロシリル化反応のダイアグラムである。
【図9】
図9は、3種の重合化反応を示す。
【図10】
図10は、ヒドロシリル化化学を用いて調製された4種の吸収剤及び官能性化ポリマーを示す。
【図11】
図11は、図10に示すポリマー及び他のポリマーの調製に用いられるモノマーの幾つかを示す。
【図12】
図12は、塩基性蒸気とのBSPポリマーの相互反応を示す。
【図13】
図13は、ジメチルメチルフォスフォネート、神経刺激剤に対してテストした場合の、BSP3、フルオロプロピル(FPOL)及びポリジメチルシロキサン(PDMS)で被覆されたSAWセンサに対する較正曲線を示す。
【図14】
図14は、図11に示すビスフェノールモノマーとフェロセン誘導モノマー
とを組み合わせることにより製造したポリマーを示す。
【図15】
図15は、白金触媒の存在下で、硬化時に架橋する配合物を作る多官能性架橋剤を示す。
【図16】
図16は、カルボシロキサンポリマーのポリマー合成、架橋及びグラフトに対する全体的なスキームの特性を示す。ポリマーは、炭素−炭素多重結合よりもむしろシリコンヒドライド結合にて終止してもよく、架橋剤及び表面はシリコンヒドライド結合よりもむしろ炭素−炭素多重結合を含むものでもよいことに留意されたい。
【図17】
図17は、チップ上のパッケージされたFRWアレイの写真である。
【図18】
図18は、2種の工業溶剤、トルエン及びメチルイソブチルケトンからの蒸気に対するセンサ応答のグラフである。
Claims (62)
- 化学的選択性吸収剤膜を形成する方法であって、
基体上に、少なくとも2個のシリコンヒドライド基を含む第1の前駆体分子と、少なくとも2個の炭素−炭素多重結合を含む第2の前駆体分子と、光活性化可能な触媒と、を含む組成物を置く工程と
該組成物にヒドロシリル化反応を引き起こさせるに十分な量で、あるタイプの光に、該組成物の少なくとも一部を露光させる工程と、
を備え、該組成物を化学的選択性吸収剤膜にする方法。 - 前記触媒は、白金(II)ビス(β−ジケトネート)から成る群より選択される請求項1に記載の方法。
- 前記第2の前駆体分子は、モノマー、オリゴマー、ポリマー及び架橋剤から成る群より選択される請求項1に記載の方法。
- 前記第2の前駆体分子は、ポリマー鎖にビニル基ペンダントを有するポリマーである請求項3に記載の方法。
- 前記ポリマーは、ポリマー鎖にビニル基ペンダントを有するポリシロキサンである請求項4に記載の方法。
- 前記ポリマーは、OV225、OV17、OV275及びビニル置換基を有するポリジメチルシロキサンの群から選択されるポリシロキサンである請求項5に記載の方法。
- 前記第2の前駆体分子は、各末端に炭素−炭素多重結合を有するポリマーである請求項3に記載の方法。
- 前記ポリマーは、各末端にビニル基を有するポリシロキサンである請求項7に記載の方法。
- 前記ポリマーは、各末端にビニル基を有するポリジメチルシロキサンである請求項7に記載の方法。
- 前記第2の前駆体分子は、各末端に炭素−炭素多重結合を有するポリ(カルボシロキサン)である請求項1に記載の方法。
- 前記カルボシロキサンポリマーは、各末端に炭素−炭素多重結合を有するように調製されたBSP3、UR3、CSPH及びCSMEの群より選択される請求項10に記載の方法。
- 前記第2の前駆体分子は、モノマーである請求項3に記載の方法。
- 前記第2の前駆体分子は、2個のビニルシロキシ基を有する分子、2個のビニルシラン基を有する分子、2個のビニルジメチルシロキシ基を有する分子、2個のビニルメチルフェニルシロキシ基を有する分子を含む群より選択される請求項12に記載の方法。
- 前記第2の前駆体分子は、2個のアリル基を有する有機分子である請求項12に記載の方法。
- 前記第2の前駆体分子は、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンである請求項14に記載の方法。
- 前記第2の前駆体分子は、2個以上の炭素−炭素多重結合を有する架橋剤である請求項3に記載の方法。
- 前記架橋剤は、2個以上のビニルシロキシ基を有する分子、2個以上のビニルシラン基を有する分子、2個以上のビニルジメチルシロキシ基を有する分子、2個以上のビニルメチルフェニルシロキシ基を有する分子を含む群より選択される請求項16に記載の方法。
- 前記第1の前駆体分子は、モノマー、オリゴマー、ポリマー、及び架橋剤からなる群より選択される請求項1に記載の方法。
- 前記第1の前駆体分子はポリマーである請求項18に記載の方法。
- 前記第1の前駆体分子は、ポリマー鎖に沿ってシリコンヒドライド基を有するポリマーである請求項19に記載の方法。
- 前記ポリマーは、ポリマー鎖に沿ってシリコンヒドライド基を有するポリシロキサンである請求項20に記載の方法。
- 前記ポリマーは、ポリ(ヒドロメチル)(ジメチル)シロキサンコポリマー及びポリ(ヒドロメチル)シロキサンの群より選択されるポリシロキサンである請求項21に記載の方法。
- 前記第1の前駆体分子は、各末端にシリコンヒドライド基を有するポリマーである請求項19に記載の方法。
- 前記ポリマーは、各末端にシリコンヒドライド基を有するポリシロキサンである請求項23に記載の方法。
- 前記ポリマーは、各末端にシリコンヒドライド基を有するポリジメチルシロキサンである請求項24に記載の方法。
- 前記ポリマーは、各末端にシリコンヒドライド基を有するポリ(カルボシロキサン)である請求項19に記載の方法。
- 前記ポリマーは、各末端にシリコンヒドライド基を有するように調製されたBSP3、UR3、CSPH、及びCSMEの群から選択される請求項26に記載の方法。
- 前記第1の前駆体分子は、オリゴマーである請求項18に記載の方法。
- 前記第1の前駆体分子は、各末端にシリコンヒドライド基を有するオリゴマーである請求項28に記載の方法。
- 前記第1の前駆体分子は、2個のSi−H結合を有するモノマーである請求項18に記載の方法。
- 前記モノマーは、ジフェニルシランである請求項30に記載の方法。
- 前記第1の前駆体分子は、2個以上のSi−H結合を有する架橋剤である請求項18に記載の方法。
- 前記第1の前駆体分子は、1,3−ジフェニル−1,1,3,3−テトラキス(ジメチルシロキシ)ジシロキサン、フェニル−トリス(ジメチルシロキシ)シラン及びメチル−トリス(ジメチルシロキシ)シランの群より選択される請求項32に記載の方法。
- 前記ヒドロシリル化反応は、重合を引き起こす請求項1に記載の方法。
- 前記ヒドロシリル化反応は、架橋を引き起こす請求項1に記載の方法。
- 前記ヒドロシリル化反応は、重合及び架橋を引き起こす請求項1に記載の方法。
- 前記組成物は、有効量のヒドロメチルジメチルシロキサン(25%ヒドロメチル基)、ビニル末端ポリジメチルシロキサン及び白金(II)ビス(アセチルアセトネート)を含む請求項1に記載の方法。
- ある化学種に暴露された場合に、その化学種を選択的に吸着する請求項1に記載の方法により調製された吸収剤膜。
- 請求項1に記載の方法により調製された化学センサ。
- 化学的選択性吸収剤膜を形成する方法であって、
基体を準備する工程と、
該基体を洗浄する工程と、
該基体の表面をカップリング剤と反応させ、ヒドロシリル化反応に関係することができる表面反応基を付加する工程と、
少なくとも2個のシリコンヒドライド基を有する第1の前駆体分子と、少なくとも2個の炭素−炭素多重結合を有する第2の前駆体分子と、光活性化可能な触媒と、を含む組成物を基板上に置く工程と、
該組成物にヒドロシリル化反応を引き起こさせるに十分なタイプ及び量の光に、該組成物の少なくとも一部を露光させる工程と、
を含み、該組成物を化学的選択性吸収剤膜にする方法。 - 前記カップリング剤は、前記表面にシリコンヒドライド又は炭素−炭素多重結合を付加する基から選択される請求項40に記載の方法。
- 前記カップリンス剤は、トリアルコキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリクロロシラン、トリアルコキシビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリクロロビニルシラン、アルコキシジメチルシラン、クロロジメチルシラン、アルコキシジメチルビニルシラン及びクロロジメチルビニルシランの群より選択される請求項41に記載の方法。
- 前記ヒドロシリル化反応は、重合及び前記表面に対するグラフト化を引き起こす請求項40に記載の方法。
- 前記ヒドロシリル化反応は、重合、架橋及びグラフト化を引き起こす請求項40に記載の方法。
- ある化学種に暴露された場合に、その化学種を選択的に吸着する請求項40に記載の方法により調製された吸収剤膜。
- 請求項40に記載の方法により調製された化学センサ。
- 化学的選択性吸収剤膜を形成する方法であって、
基板上に、少なくとも2個のシリコンヒドライド基を含む第1の前駆体分子と、少なくとも2個の炭素−炭素多重結合を含む第2の前駆体分子と、光活性化可能な触媒と、を含む組成物を置く工程と、
該組成物にヒドロシリル化反応を引き起こさせるに十分なタイプ及び量の光の所定パターンに該組成物を露光させる工程と、
未露光領域を残す工程と、
露光領域にヒドロシリル化反応を引き起こさせる十分な時間を与える工程と、
溶剤を用いて、該基板から該未露光領域を除去し、該基板上に露光組成物を残す工程と、
を含み、該組成物を化学的選択性吸収剤膜にする方法。 - 前記触媒は、白金(II)ビス(β−ジケトネート)からなる群より選択される請求項47に記載の方法。
- 前記第2の前駆体分子は、モノマー、オリゴマー、ポリマー及び架橋剤から成る群より選択される請求項47に記載の方法。
- ある化学種に暴露された場合に、その化学種を選択的に吸着する請求項47に記載の方法により調製された吸収剤膜。
- 請求項50に記載の方法により調製された化学センサ。
- 化学的選択性吸収剤膜を形成する方法であって、
基体を準備する工程と、
該基体を洗浄する工程と、
該基体の表面にカップリング剤を反応させて、ヒドロシリル化反応に関係することができる表面反応基を付加する工程と、
該基体上に、少なくとも2個のシリコンヒドライド基を含む第1の前駆体分子と、少なくとも2個の炭素−炭素多重結合を含む第2の前駆体分子と、光活性化可能な触媒と、を含む組成物を置く工程と、
該組成物にヒドロシリル化反応を引き起こさせるに十分なタイプ及び量の光の所定パターンに、該組成物を露光させる工程と、
未露光領域を残す工程と、
露光領域にヒドロシリル化反応を引き起こすに十分な時間を与える工程と、
溶剤を用いて、該基体から該未露光領域を除去し、該基体上に露光組成物を残す工程と、
を含み、該組成物を化学的選択性吸収剤膜にする方法。 - 前記カップリング剤は、前記表面にシリコンヒドライド又は炭素−炭素多重結合を付加する基から選択される請求項52に記載の方法。
- 前記カップリング剤は、トリアルコキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリクロロシラン、トリアルコキシビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリクロロビニルシラン、アルコキシジメチルシラン及びアルコキシジメチルビニルシランの群より選択される請求項53に記載の方法。
- 前記触媒は、白金(II)ビス(β−ジケトネート)からなる群より選択される請求項52に記載の方法。
- 前記第2の前駆体分子は、モノマー、オリゴマー、ポリマー及び架橋剤からなる銀より選択される請求項52に記載の方法。
- 前記第2の前駆体分子は、2個のアリル基を有する有機分子である請求項56に記載の方法。
- 前記第2の前駆体分子は、2個以上の炭素−炭素多重結合を有する架橋剤である請求項56に記載の方法。
- 前記架橋剤は、2個以上のビニルシロキシ基を有する分子、2個以上のビニルシラン基を有する分子、2個以上のビニルジメチルシロキシ基を有する分子、2個以上のビニルメチルフェニルシロキシ基を有する分子を含む群より選択される請求項58に記載の方法。
- ある化学種に暴露された場合に、その化学種を選択的に吸着する請求項52に記載の方法により調製された吸収剤膜。
- 請求項52に記載の方法により調製された化学センサ。
- 単一基体上に化学的選択性吸収剤膜の個別領域(domain)数個を形成する方法であって、
基体を準備する工程と、
該基体を洗浄する工程と、
該基体の表面にカップリング剤を反応させて、ヒドロシリル化反応に関係することができる表面反応基を付加する工程と、
該基体上に、少なくとも2個のシリコンヒドライド基を含む第1の前駆体分子と、少なくとも2個の炭素−炭素多重結合を含む第2の前駆体分子と、光活性化可能な触媒と、を含む第1の組成物を置く工程と、
該組成物にヒドロシリル化反応を引き起こさせるに十分な量で、あるタイプの光の所定パターンに、該組成物を露光させる工程と、
未露光領域を残す工程と、
露光領域にヒドロシリル化反応を引き起こさせるに十分な時間を与える工程と、
溶剤を用いて未露光組成物を該基体から除去し、該基体上に露光組成物を残す工程と、
該基体上に、少なくとも2個のシリコンヒドライド基を含む第1の前駆体分子と、少なくとも2個の炭素−炭素多重結合を含む第2の前駆体分子と、光活性化可能な触媒と、を含む第2の組成物を置く工程と、
該第1の組成物とは異なる該基板上の異なる位置にて、該第2の組成物中にヒドロシリル化反応を引き起こさせるに十分なタイプ及び量の光の所定パターンに、該組成物を露光させる工程と、
未露光領域を残す工程と、
露光領域内にヒドロシリル化反応を引き起こさせるに十分な時間を与える工程と、
溶剤を用いて、未露光組成物を基体から除去し、露光組成物を基体上に残す工程と、
追加の異なる位置にて、追加の新しい組成物でプロセスを繰り返す工程と、
を含み、こうして該基体が異なる化学的選択性吸収剤膜の個別領域(domain)を含む方法。
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