JP2004520971A - インクジェットプリントカートリッジ、インクジェットプリンタ、方法および装置 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
(関連出願)
本出願は、Junji Yamamoto他により2000年1月5日に出願された、「Method And Apparatus For Horizontally Loading And Unloading An Ink-Jet Print Cartridge From A Carriage」という名称の、米国出願第09/477,649号、現米国特許第6,296,345号(2001年10月2日発行)の一部継続出願である。
【0002】
さらに、本出願は、それぞれ2000年1月5日に出願され、そのそれぞれが、本発明の開示を完全かつ実施可能なものにするために必要な程度の参照により援用される、以下の同時係属中の実用新案出願に関連する:Junji Yamamoto他による「Horizontally Loadable Carriage For An Ink-Jet Printer」という名称の第09/477,644号、Ram Santhanam他による「Vent For An Ink-Jet Print Cartridge」という名称の第09/477,645号、Ram Santhanam他による「Ink-Jet Print Cartridge Having A Low Profile」という名称の第09/477,646号、Matt Shepherd他による「New Method of Propelling An Inkjet Printer Carriage」という名称の第09/477,648号、Ram Santhanam他による「Techniques For Adapting A Small Form Factor Ink-Jet Cartridge For Use In A Carriage Sized For A Large Form Factor Cartridge」という名称の第09/477,843号、Keng Leong Ngによる「Low Height Inkjet Service Station」という名称の第09/477,860号、Ram Santhanam他による「Multiple Bit Matrix Configuration For Key-Latched Printheads」という名称の第09/477,940号、Richard A. Becker他による「Techniques For Providing Ink-Jet Cartridges With A Universal Body Structure」という名称の第09/478,148号、James M. Osmusによる「Printer With A Two Roller, Two Motor Paper Delivery System」という名称の第09/478,190号、Ram Santhanam他による「Ink Jet Print Cartridge」という名称の第29/116,564号。
【0003】
本発明は、包括的には、インクジェットプリントカートリッジ、インクジェットプリンタに関し、より詳細には、実質的に水平の相対並進運動のみを用いて、インクジェットプリントカートリッジをかかるプリンタに対して着脱することに関する。さらに、本発明は、プリンタとプリンタのキャリッジに保持されたインクジェットプリントカートリッジとの間に信号を電気的に接続するように機能する複数の導体および接点パッドを備えたフレキシブル回路を有するようなインクジェットプリンタに関する。キャリッジおよびフレキシブル回路は、プリンタのこれらの構成部品の製造上のばらつきなどの要因の結果として、フレキシブル回路が曲がる、すなわち変形することがないように、協働して選択的に制御された相対移動が可能である。フレキシブル回路とキャリッジとの間のこれらの選択された相対移動に適応する一方で、これらの構成部品は、接点パッド間の信頼性および再現性の高い電気接点、およびキャリッジ内に収容されるインクジェットプリントカートリッジの電気接点を保証しつつ、接点パッドのアレイの場所がキャリッジに対して決定され、確実となるように、協働して瞬間中心を規定している。
【背景技術】
【0004】
インクジェットプリントカートリッジの包括的な構造および動作は、Baker他による「Thermal Ink Jet Pen Body Construction Having Improved Ink Storage and Feed Capacity」という名称の米国特許第4,771,295号(1988年9月13日発行)に開示されている。
【0005】
プリンタ内でインクジェットプリントカートリッジを保持および位置合わせし、印刷ゾーンを介してこれらのプリントカートリッジを走査するキャリッジを有するインクジェットプリンタの一般的デザインおよび構造は既知である。当該技術分野において発行された特許の例としては、Ta他による「Printhead Cartridge and Carriage Assembly」という名称の米国特許第4,755,836号(1988年7月5日発行)、Rasmussen他による「Ink-jet Printer with Printhead Carriage Alignment Mechanism」という名称の米国特許第4,872,026号(1989年10月3日発行)、Pinkerpellによる「Printhead-Carriage Alignment and Electrical Interconnect Lock-in Mechanism」という名称の米国特許第4,907,018号(1990年3月6日発行)、Rhoadsによる「Spring Cartridge Clamp for Inkjet Printer Carriage」という名称の米国特許第5,392,063号(1995年2月21日発行)、およびHarmonによる「Near-linear Spring Connect Structure for Flexible Interconnect Circuits」という名称の米国特許第4,706,097号(1987年11月10日付け)が挙げられる。
【0006】
従来のインクジェットプリンタ、および従来のインクジェットプリントカートリッジは、カートリッジを垂直に相対移動させることによるか、またはカートリッジを実質的に垂直に、急峻な、傾斜した円弧運動(steep, inclined, arcuate motion)を伴って動かすことにより、これらのプリンタのキャリッジに対して着脱するように設計されていた。かかるインクジェットプリンタおよびカートリッジのデザインは、プリンタに対する垂直方向のアクセスが提供される限りは申し分のないものであるとわかっている。かかる垂直方向のアクセスは、概して、デスクトップデバイスとなるようにプリンタを構成することにより、また、プリンタ内への垂直下方向へのアクセスを可能とするように開くドアまたは蓋をプリンタに設けることにより提供されている。しかしながら、この従来のプリンタのデザインは、プリンタへの上方からの垂直方向のアクセスが制限されていないままでなければならず、従来型プリンタの上には永久に何も積み重ねることができないことを意味していた。
【0007】
さらに、以前のトップローディング式インクジェットプリンタのデザインは、プリンタの高さのさらなる増大を助長してきたため、新たなプリンタのデザインが生まれるごとに、従来型プリンタの外形高さ(profile height)は増大していた。
【0008】
一方、インクジェットプリンタのユーザは、娯楽製品の間で積み重ねることができるか、または居間で目立たないように使用することができる、家庭用のプリンタを欲していると考えられる。このようなユーザの要望によると、「フロントローディング式」である平頂および平底のインクジェットプリンタであって、フロントパネルにすべての制御部およびステータスインジケータがあり、従来のステレオアンプまたはビデオカセットレコーダ(VCR)とほぼ同じサイズを有するプリンタが必要である。換言すれば、ユーザは、全高が約4インチ以下(約10.2センチメートル以下)である家庭用のインクジェットプリンタを所望している。
【0009】
インクジェットプリンタに対するこのような要求は、設計上の多くの難題をもたらすことになる。第1に、上記で指摘したように、ほとんどすべてのインクジェットプリンタおよびインクジェットカートリッジは、プリンタの可動キャリッジ内にインクジェットカートリッジを収容および位置決めするためにインタフェース構造を用いており、これは、キャリッジから出入りするカートリッジの実質的に垂直の移動を必要とする。これらのインタフェース構造は、「基準構造」と呼ばれることがあり、現在では、従来のインクジェットプリンタおよびプリントカートリッジは、プリントカートリッジを垂直またはほぼ垂直に取り付けるように設計されている。
【0010】
さらに、インクジェットプリンタへのインクジェットカートリッジのフロントローディング、すなわち水平ローディングはこれまでは考慮されていなかったため、カートリッジのフロントローディング、すなわち水平ローディングをうまく実施する構造および方法は存在していない。しかも、フロントローディング式プリンタでは、カートリッジ取り付け中にプリンタ内を見ることができるユーザの視野が、必然的に極めて制限されることになる。ユーザが見ることができるプリンタキャリッジ部分および装着プロセスは、従来のトップローディング式プリンタの場合よりもかなり少ない。第3に、プリンタキャリッジへの物理的アクセスは、プリンタへのプリンタカートリッジのフロントローディングではさらに限られることになる。第4に、プリンタが複数のプリントカートリッジを用いる場合、カートリッジは、カートリッジの把持面の大部分がプリンタからのプリントカートリッジの着脱に利用不可能であるようなほど、プリンタ内に詰めて置かれなければならない。
【0011】
したがって、多くの異なる従来型インクジェットプリンタのカートリッジおよびキャリッジのデザインがあるが、フロントローディング式で積み重ね可能な、全高が低いインクジェットプリンタを実施するために許容可能なデザインは存在しないことが、上記から明らかである。このため、そのような水平ローディング可能なインクジェットプリンタは、多くの課題を提示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
関連する従来技術の欠点を鑑みて、本発明の目的は、これらの欠点の1つまたは複数を減らすかまたは排除することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
簡潔かつ一般的には、本発明によるインクジェットプリントカートリッジ、およびインクジェットプリンタの方法および装置は、ほぼ四角柱形のプリントカートリッジと、プリントカートリッジの対向する側壁に位置決めされた一対の細長い支持縁(supporting lips:支持リップ)と、キャリッジと、プリントカートリッジを収容するためにキャリッジに取り付けられたシュートと、上記プリントカートリッジを水平にガイドして、キャリッジと選択的かつ決定的に係合させるための、シュートの側壁における一対の離間したガイド構造とを備えている。
【0014】
動作時に、ユーザがインクジェットプリントカートリッジをシュートの入口に置いて、それをプリンタ内に水平に押しやると、プリンタおよびプリントカートリッジの協働的な構造の機能部(features:特徴部)の結果として、プリントカートリッジをキャリッジ内へ水平前方に並進させることと、プリントカートリッジの縁をキャリッジのガイドレールに係合させることと、カートリッジの選択されたピッチング運動を行うことによりプリントカートリッジをキャリッジの基準構造(datum structure)を飛び越えて摺動させることと、次に、プリントカートリッジをキャリッジにラッチすることとによって、キャリッジ内へのプリントカートリッジの水平ローディングがもたらされることになる。ユーザがプリントカートリッジをプリンタから離脱(unload)させたい場合、ユーザは、プリントカートリッジの露出した後部を下方に押し、そのようにすることにより、キャリッジの後端を下方に回転させて、プリントカートリッジをラッチ解除する。次に、ユーザは、プリントカートリッジの露出した把持面を握持し、カートリッジをキャリッジの外に水平に摺動させることができる。ユーザがプリントカートリッジをキャリッジの外側に引き出す際に、プリンタのキャリッジおよびプリントカートリッジの協働する構造的機能部は、カートリッジがキャリッジから転がり落ちることを防止し、キャリッジの基準を中心にプリントカートリッジを回転させてキャリッジおよびカートリッジの基準構造を係脱し(すなわち、カートリッジの選択されたピッチング運動により)、次に、プリントカートリッジを水平に並進させてキャリッジから出している。
【0015】
本発明の他の態様および利点は、本発明の選択された好ましい例示的実施形態の以下の詳細な説明から、一例として本発明の原理を例示する添付図面とともに読めば明らかになるであろう。添付図面の図中、同様の参照番号は同一の特徴、あるいは構造または機能が類似している特徴を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
例示のために図面で示すように、本発明は、薄型(low profile)で、水平方向に長いインクジェットプリントカートリッジと、フロントローディング式で積み重ね可能な、全高が低いインクジェットプリンタに具現されることに留意されたい。
【0017】
プリントカートリッジ
図1〜図7を参照すると、薄型で、水平方向に長いインクジェットプリントカートリッジ10が示されている。以下でさらに指摘するように、カートリッジ10の垂直方向および水平方向に対するカートリッジの基準方向は任意ではなく、プリントカートリッジ10の動作中に、インク滴が垂直下方向に出る微細寸法のプリントノズルのアレイ(さらに後述する)を備えたプリントヘッド(同様に後述する)をカートリッジが有するという事実により決定されている。これらの吐出されたインク滴(すなわちインクジェット)は、プリントヘッドからプリントヘッドの下に配置された印刷媒体(すなわち、紙)上へ垂直下方向に、短距離移動し、印刷媒体上で、これらの滴は印刷画像および文字を形成している。吐出されたインクの小滴は、実質的に正確に垂直下方向に移動しなければならないため、動作中は、垂直方向および水平方向に対するプリントカートリッジ10の向きが固定されている。
【0018】
本発明の薄型プリントカートリッジ10は、依然として比較的大きなインク容量を保持しながら、インクジェットプリンタ(さらに後述する)を従来型インクジェットプリンタより比較的短くできることがわかるであろう。さらに、プリントカートリッジ10およびインクジェットプリンタはそれぞれ、プリントカートリッジ10を水平に着脱するために互いに構成されている。プリントカートリッジのこの水平の着脱は、たとえば、他の家電機器などの他のアイテムがインクジェットプリンタの上に永久に積み重ねられることを可能にするものである。
【0019】
プリントカートリッジ10は、ほぼ四角柱形のプリントカートリッジ本体12を備えている。この本体は、前壁14、左側壁16(図5に見られる)、右側壁18(図2に見られる)、および後壁20(図3に見られる)を有している。プリントカートリッジ10の四角柱形を完成させるために、プリントカートリッジは、下壁22および上壁24も備えていることがわかる。プリントカートリッジ10の例示的な好ましい実施形態の壁14〜24はほぼ90度の角度で互いに交わっているが、本発明はそのようなものに限定されない。薄型の本体12は、プリントヘッド(さらに後述される)の必然的な向きにより決定される垂直方向および水平方向に対する向きを有する3本の直交軸を有しており、これには、前壁と後壁との間に延びる主軸、すなわち伸長(elongation)(深さ)軸である「X」軸が含まれている。図1を見ると、便宜的な参照のために座標系が提示されていることがわかる。「X」の正方向は、プリントカートリッジ10の前部を指している。座標系は、従来の右手直交座標系であるため、「Y」の正方向は上方を指し、「Z」の正方向は図から読者(viewer)の方を指している。
【0020】
プリントカートリッジ10は、矢印で指した番号26で全体的に示し、後壁20に隣接して配置された「手動係合」機能部を有している。これらの「手動係合」機能部26は、プリンタに対するプリントカートリッジ10の取り付けおよび取り外し中にユーザが指を用いて握持するために利用可能である。これらの手動係合機能部26は、側壁16,18のそれぞれに1つずつの一対の垂直に延びたリブ28と、複数のノッチ30とを備え、ノッチ30は、プリントカートリッジ10の各側の側壁16,18および上壁24の交線付近に形成された、一対の水平で外側に延びた縁すなわちリブ32のそれぞれに、プリントカートリッジ10の各側に沿って配置されている。ノッチ30は、後壁20付近に配置され、これらの機能部が指で便宜的に握持されるように、ある程度リブ28と垂直に位置合わせされている。
【0021】
図6を見ると、水平で外側に延びたリブ32は、側壁16,18を超えて外側に延びた各裏面34が設けられていることに留意されるであろう。プリントカートリッジ10はまた、前壁14上に配置された電気接続部分36を備えている。電気接続部分36は、複数の電気接点パッド38のアレイを含む。これらの接点パッド38は、プリントヘッド(同様に、さらに後述する)においてカートリッジ10のエネルギー消散(energy dissipation)要素に通電するための電気信号をプリンタから伝える機能を果たすものである。これらの接点パッド38は、例えばユーザが指紋で接点パッド38を汚すことをより良好に防ぐことが可能な程度に手動係合機能部26から離れて位置決めされていることが好ましい。したがって、カートリッジのこの態様を向上させるために、カートリッジ10の最長の寸法(すなわちその長さ)は、前壁と後壁との間に延びていることが留意されるであろう。
【0022】
また、カートリッジ10は、上壁24に蓋40を備えており、これは例示された実施形態では上壁を画定している。上壁24を形成する蓋40は、側周縁部、前周縁部、および後周縁部に沿って、それぞれ側壁、前壁、および後壁と接合している。蓋40上には、前周縁部からいくらか後方へ離間しているラッチ機能部42が含まれている。ラッチ42は、さらに後述されるカートリッジ10のさらなる機能部とともに、プリンタキャリッジ内にプリントカートリッジ10を固定する機能を果たしている。図1、図2、および図5に示されるように、ラッチ42は、ラッチランプ44および垂直に延びるラッチ壁46により形成される三角形の断面を有している。ラッチランプ44は3つの機能、すなわち、プリントカートリッジ10をプリンタに取り付ける際にユーザが加えねばならない取り付けすなわちラッチ力(latching force:掛止力)を徐々に増大させる機能、カートリッジ10のプリンタキャリッジへの取り付け中にラッチばね(さらに後述する)の開きを緩める機能、および、プリントカートリッジがキャリッジ内に正確に着座するまでプリンタキャリッジからプリントカートリッジ10を押し出し続け、ラッチばねがラッチ壁46と係合した際にカートリッジがキャリッジ内の所定位置に「嵌まる(snaps)」と同時にプリントカートリッジに加わる外向きの力が突然なくなるようにする機能を有している。この最後の特徴は、プリントカートリッジの「ラッチ誤り(false latching)」を防止する。ラッチ壁46は、蓋40の水平な上面に垂直に位置決めされ、プリントカートリッジがプリンタのキャリッジに正確に着座するとラッチばねにより係合される表面である。
【0023】
ラッチ構造42は、ラッチ壁46の背後に位置決めされるラッチウェル48をさらに備えている。このラッチウェル48は、プリンタの寿命期間中に、プリントカートリッジの寸法のばらつきにもかかわらず、一定のラッチ力を維持するのに必要なようにラッチばねがこのウェル内に移動することを可能にするもので、蓋40にある逃げ領域(relieved area)である。また、ラッチ構造40は、ラッチランプ44の両側に1つずつ位置決めされ、プリンタにプリントカートリッジ10を合わせる機能を果たし得る二組のキー50も有している。
【0024】
次に、図1、図2、図3、図5、および特に図6を見ると、プリントカートリッジ10の本体12は、本体12に超音波溶接されたノーズピース52も備えていることがわかる。ノーズピース52は、プリントカートリッジ10の下壁22を画定するものである。プリントカートリッジがモノクロカートリッジであるかマルチカラーカートリッジであるかに応じて、ノーズピースは、本体12内に形成された1つの(すなわちブラックインクの)インクチャンバか、またはいくつかの(すなわち、複数の色、たとえば、シアン、マゼンタ、およびイエローの)インクチャンバのそれぞれの各直立管にそれぞれ接続された、単一のチャネルか、または3つ以上のチャネルを備えていてもよい。チャネルは、インクをチャンバから、プリントヘッド56上の垂直下方向に向けられた微細寸法の一組のプリントノズル54か、または複数の組のプリントノズル54のそれぞれに導いている(図6はプリントカートリッジ10の裏面を垂直上方向に見た図を提示していることを想起されたい)。
【0025】
ノーズピース52には、横方向に離間して配置された二対の「X」軸基準面58aおよび58bと、横方向に離間して配置された一対の「Y」軸基準面60とが位置決めされている。基準面58aおよび58bは、「X」軸に沿って反対方向に配置されていることが留意される。これらの基準面はすべて、プリンタキャリッジに対するカートリッジ10の係合すなわち係止面(holding surface)である。基準構造は、離間して配置された一組の「Z」軸基準面62も提供している。プリントカートリッジ10のさらなる基準面は、図1に矢印で指した参照番号14’により示されるように、プリントカートリッジ10の前壁14により提供され、この面は、プリントキャリッジ内のラッチ位置に「嵌まる」と、プリントカートリッジ10の移動の停止点として機能している。「X」、「Y」、および「Z」基準面は、以下で詳細に説明するように、プリンタのキャリッジにおいて対応する基準面と噛み合い、キャリッジにプリントカートリッジ10を位置合わせするものである。
【0026】
また、プリントカートリッジ本体には、従来の構造のフレキシブル回路(flex circuit)64も位置決めされている。フレキシブル回路64は、接続部分36および接点パッド38を保持および画定し、プリンタと、同様にフレキシブル回路64に保持されているプリントヘッド56との間に電気的相互接続を提供するものである。したがって、フレキシブル回路64は、前壁14に配置され、この前壁から下壁22までを覆って、プリントカートリッジ10の底部にプリントヘッド56を配置するようにしていることがわかる。
【0027】
上記に加えて、図1、図2、および図5において最もよくわかるように、蓋40はまた、ボタン状の上方に突出した構造66も保持している。プリントカートリッジ10の平面図では(図1および図7を見る)、このボタン構造66は楕円形を有する。後部立面図では(図3を見る)、このボタン構造66は外側に開いた円形を有している。側面図である図2および図5では、このボタン構造は円の弦の形状を有している。このボタン構造66の中央は、それを取り囲む蓋40の上面とほぼ同一平面上にあり、複数の溝68を含んでいる。これらの溝は、ユーザの指のための把持面としての役割を果たしている。このボタン構造66は、プリンタのキャリッジからカートリッジ10をラッチ解除するために、ユーザが押下すべき場所をユーザに本質的に指示するような独特の形状を有している。さらに説明されるように、ユーザによるかかる押下により生じるカートリッジ10の後部の短い下方運動(プリントカートリッジ10がプリンタのキャリッジから下方に離れてピッチするようにする)により、ラッチばねからプリントカートリッジ10がラッチ解除されるようになっている。
【0028】
プリンタ
次に図8を参照すると、フロントパネル74を備えたケース72を有するインクジェットプリンタ70が示されているが、例示の明確化のために、ケース72およびフロントパネル74の両方の一部が切断されており、またそのフロントローディングドア76が図1を見る者へ向けて前方および下方に移動して取り外されている。プリンタ70は、シャーシ(詳細には図示せず)に取り付けられたDC駆動モータ78を備えている。モータ78のシャフトには、エンドレスループベルト82を駆動するプーリー80(図9において最もよく見られる)が取り付けられている。このループベルトは、駆動モータ78の方向が反転すると往復(すなわち、そのスパンの一方に)移動するものである。図8を見ると、駆動ベルト82は、横方向に往復して、左右に走査するキャリッジ84に取り付けられている。キャリッジ84は、インクジェットプリントカートリッジ10を収容、係止、および保持する。キャリッジの水平方向の走査運動は、スライドロッド86によりガイドされるようになっている。キャリッジ84の後部には、図示はされないが、固定エンコーダストリップ88を読み取る従来のエンコーダが配置されている。固定エンコーダストリップ88に対するキャリッジ84に沿ったエンコーダの移動は、プリンタの電気回路がその走査経路に沿ってキャリッジ84の場所を決定することを可能にする電気信号を提供するものである。
【0029】
また、プリンタ70は、印刷媒体のシート(例えば紙であるが、本発明はそのようなものに限定されない)にプリンタキャリッジ84およびこのキャリッジ内のプリントカートリッジ10の下を通過させる給紙機構(図示せず)も備えている。プリンタ70が媒体シートを印刷した後、該媒体は出力トレー90に排出され、出力トレー90には、トレーをプリンタ70の前部から引き出すことを可能にするためのハンドル90’が設けられている。また、図8を見ると、キャリッジ84は、実質的に該キャリッジ84と位置合わせされた水平並進ラインのみに沿って、プリントカートリッジ10を着脱するために、アクセス可能であることがわかるであろう。水平に延びる並進ラインのみに沿ってプリンタ70からプリントカートリッジ10を着脱することに対するこの制約をさらに例示するために、垂直方向に離間して外側に延びる2つの仮想平面P1およびP2がこの例示に加えられている。下側の平面P1は、キャリッジ84の下限(lower extent)のレベルでプリンタ70から水平方向で外側に延びている。同様に、上側の平面P2は、キャリッジ84の上限(upper extent)のレベルでプリンタ70から水平方向で外側に延びている。プリントカートリッジをプリンタ70に装着するためには、ユーザはカートリッジを実質的に平面P1とP2との間に位置付け、フロントパネル74の垂直平面を介してキャリッジ84内に移動させなければならない。プリントカートリッジがキャリッジにそのように位置付けられると、ユーザがアクセス可能なのは実質的にプリントカートリッジの後面だけであり、ユーザは、プリントカートリッジ10の後壁20を指先で水平に(すなわち、キャリッジ内に前方で、かつプリンタの後部に向けて)押しやることになる。ユーザによるこの前方への押込みは、キャリッジ84内の適所にプリントカートリッジをラッチするのに効果的である。
【0030】
同様に、ユーザがプリントカートリッジ10をプリンタ70から取り外すことになる場合、プリンタ70のコンパクトなサイズおよび薄さを鑑みると、このカートリッジには非常に限られたアクセスしか可能ではない。したがって、ユーザは、プリントカートリッジをラッチ解除し、カートリッジの露出した後部を握持し、カートリッジがプリンタのフロントパネル74の平面から離れて移動するまで、平面P1とP2との間の水平並進移動により、カートリッジをプリンタの外側に引き出さなければならない。図9を参照すると、プリンタ70のシャーシおよび機構部分92の一部が分離されて示されている。この機構部分92は、モータ78、プーリー80、ベルト82、キャリッジ84、ガイドロッド86、およびエンコーダストリップ88を保持している。図10では、シャーシおよび機構部分92の部分94がさらに分離されて示されており、キャリッジ84の複数部分が例示の明確化のために取り除かれている。
【0031】
図10では、プリンタ70とプリントカートリッジ10との間で電気信号を搬送するために、プリンタ70が細長いフレキシブル回路96を備えていることがわかる。このフレキシブル回路96は、保形性で、細長い平面状であるが本質的にフレキシブルであり、それによって、図9および図10に示されるように、このフレキシブル回路の長さに平行に繰り返し折り曲げ、この曲げ平面(plane of flexing)をフレキシブル回路の平坦面の方向(direction of planarity)に垂直に配置することができるようになっている。フレキシブル回路96は終端98を有し、該終端98は、シャーシ部分92に設けられたコネクタ(矢印で指した番号100で示す)に差し込まれている。その他端において、フレキシブル回路96は終端部分102を画定し、終端部分102は、キャリッジ84内の決まった位置および向きに収容および係止されている。この終端部分102は隆起したコネクタパッド104のアレイを画定し、コネクタパッド104は、プリントカートリッジ10の前部にある接点パッド38のアレイに対応している。キャリッジ84上および終端部分102のすぐ後にあるわずかな凹部(図面では見えない)内には、コネクタパッド104と位置合わせされて、終端部分102を外側に向けて押圧するばねパッド(同様に図面では見えない)がある。このばねパッドは、エラストマ−材料から形成することができ、アレイ38の個々の接点パッドとアレイ104の個々のコネクタパッドのそれぞれとの間の良好な電気接触を保証する係合力を提供する機能を果たしている。
【0032】
キャリッジ84とフレキシブル回路96との間の製造上のばらつきに備えるため、ならびにアレイ38の個々の接点とアレイ104の個々の接点が一致するようにコネクタパッド104のアレイが常にキャリッジ84に対して位置付けられるよう保証するために、キャリッジ84は、外側に延びる3つの円筒状のピン部材106,108および110を保持している。図11を見ると、これら3つのピン部材は、直角三角形である三角形アレイ状であり、アレイ104の場所を包囲する、すなわち取り囲んでいる。これら3つのピン部材で、フレキシブル回路96の終端部分102は可動ではあるが非回転的に受け止められるようになっている。すなわち、終端部分102は、終端部分102の平坦な平面においてキャリッジ84に対して回転移動しないように抑止されているが、キャリッジ84に対するアレイ104の位置が決定され、確実となったままで、キャリッジ84と終端部分102との間の寸法のばらつき、ならびに伸縮差(すなわち、たとえば温度変化による)が調節されることになる。
【0033】
図11および図12を参照すると、フレキシブル回路84の終端部分102が3つの穴112,114および116を画定することがわかる。これら3つの穴は、3つのピン部材106〜110の三角形アレイに適合する三角形アレイ上に位置決めされる。特に、穴112は、ピン106を受け入れるようなサイズに丸み付けされ、適合されている。ピン106および穴112は、穴112〜116およびピン106〜110のアレイがなす直角三角形の90度の頂点に位置決めされている。さらに、穴114および116は、それぞれ細長く、すなわちスロット状であり、それぞれの伸長軸(矢印で指した番号114’および116’の破線で示す)が、ピンおよび穴の三角形アレイの90度の頂点にあるピン106および穴112と位置合わせされている。さらに、ピン108および110は、各スロット114および116に密接ではあるが摺動可能に受け止められている。したがって、ピン106および穴112は、協働して、キャリッジ84および終端部分102の「瞬間中心」を画定することになる。
【0034】
キャリッジ84および終端部分102は伸縮することができ(すなわち、たとえば様々な熱膨張率により)、これらの伸縮は、スロット114および116でのピン108および110の摺動に合わせて調節されるが、終端部分102は、キャリッジ84に対してその平面自体において回転可能ではない。さらに、終端部分102は、この終端部分の下のばねパッドがキャリッジ84に対するプリントカートリッジ10の挿入(および取り外し)により圧縮される(または解放される)と、ピン106〜110に沿って軸方向にわずかに摺動し得るようになっている。しかしながら、終端部分102およびキャリッジ84のこれらの相対移動が可能であるにもかかわらず、アレイ104は、ピン106において画定される瞬間中心に対して決まった位置を有し、キャリッジ84に対するアレイの位置は、プリントカートリッジ10が取り付けられると、アレイ38が、コネクタパッドのそれぞれと接点パッドのそれぞれとの個々の電気接続が確保されるほどに、アレイ104との十分に一致した接触をなすように維持されることが理解されるであろう。
【0035】
ピン106〜108が丸形である必要はないことは、当業者には理解されよう。特に、ピン106は様々な形状を有することができる。たとえば、ピン106は十字形とすることができ、回路96の十字形の穴にぴったりと嵌まってもよい。
【0036】
次に図13を参照すると、本発明の代替実施形態は、図10の部分94に等価であるプリンタのシャーシおよび機構の部分が分離した図により示されている。本発明のこの代替実施形態の特徴の多くは、直前に記載した実施形態と共通しているため、構造または機能の点で上述の特徴と同一であるかまたは類似する特徴は、上記で用いたものと同じ番号で、ただしそれにプライム(’)を付けて示している。図13では、キャリッジ84’の一部が終端部分102’に沿って見られる。同様に、この終端部分102’は、プリントカートリッジ10の前部の接点パッド38のアレイに対応する隆起したコネクタパッド104’のアレイを画定している。また、キャリッジ84’には、コネクタパッド104’と位置合わせされて、終端部分102’を外側に向けて押圧するばねパッド(同様に図面では見えない)がある。
【0037】
しかしながら、図13の実施形態では、瞬間中心118が画定されており、この瞬間中心は、アレイ104’の中心に実際に位置決めされている。この瞬間中心118はアレイの中心に位置決めされているため、キャリッジ84’と終端部分102’の製造上の寸法のばらつきおよび伸縮差のいずれも、キャリッジ84’に収容されるプリントカートリッジ10’のアレイ38’とのアレイ104’の一致には事実上影響を与えていない。次に図13をさらに詳細に見ると、アレイ104’内に瞬間中心118が画定されていること(すなわち、本実施形態では、瞬間中心118の場所にピン部材を置いていない)が示されている。また、キャリッジ84’は、外側に延びた3つの円形のピン部材106’、108’、および110’を保持している。これら3つのピン部材は、直角三角形である(しかし、そうである必要はない)三角形アレイ状である。また、図13を見ると、ピン106’〜110’のこのアレイは、アレイ104’の場所を包囲している(しかし、包囲する必要はない)。これら3つのピン部材で、フレキシブル回路96’の終端部分102’は可動ではあるが非回転的に受け止められている。
【0038】
また、終端部分102’は、該終端部分102’の平坦な平面においてキャリッジ84’に対して回転移動しないように抑止されているが、キャリッジ84’に対するアレイ104’の位置が決定され、高精度に確実となったままで、キャリッジ84’と終端部分102’との間の寸法のばらつきおよび伸縮差が調節されることになる。図13を参照すると、フレキシブル回路84’の終端部分102’が同様に3つの穴112’、114’、および116’を画定していることがわかる。しかしながら、本実施形態では、これら3つの穴はそれぞれ、細長く、すなわちスロット状であり、瞬間中心118と位置合わせされて瞬間中心118を通過する伸長軸(同様に矢印で指した番号112’’、114’’、および116’’の破線で示す)を有する。また、ピン106’、108’および110’は、各スロット112’、114’、および116’に密接ではあるが摺動可能に受け止められている。したがって、3つのピンおよび3つのスロットは、協働して、キャリッジ84’および終端部分102’の「瞬間中心」を、アレイ104’の中心に位置決めされた点118に画定している。
【0039】
図13の実施形態は、3つのピンおよび3つのスロットの使用に限定されず、選択した場所に瞬間中心を画定するために、摺動可能に連係し軸向きの(axis-oriented)より多くの数の係合機能部を用いることができることが当業者には理解されるであろう。さらに、キャリッジ84’のピンおよび終端部分102’に画定されたスロットを用いる必要はない。たとえば、終端部分102’は、この終端部分からキャリッジ84’の位置合わせされたスロットすなわちキー溝に突出しているピンすなわちキーを画定し、その結果として、キャリッジと終端部分との間の相対運動に、アレイ104’内の、またはアレイ104’に対して選択的に位置付けられた瞬間中心が設けられていてもよい。
【0040】
キャリッジ84
図14では、「Z」軸はスライドロッド86の縦軸に平行している(図8および図9を想起されたい)。「X」軸は、プリントカートリッジ10の前部を指しており(図1で確立した座標基準を想起されたい)、プリンタ70の後部に向けられている。すなわち、プリントカートリッジ10は、プリントカートリッジの前部がプリンタの後部に向いて配置されるようにプリンタ70にまず前端から挿入され、プリントカートリッジの後部をプリンタのフロントパネル74において見ることができるようになっている。「Y」軸は、垂直上方向を指している。
【0041】
次に図14および図18を特に参照すると、キャリッジ84は、ガイドロッド86に沿って移動するキャリッジ構造を支持するキャリッジベース120を備えている。キャリッジベース120は、その両端に位置決めされてプリンタ70の後部に向けて突出した2つのC字形のアーチ支持体122を有している。これらのアーチ支持体122は、スライドロッド86に軸受け支持を提供し、スライドロッド86と摺動可能に係合するようになっている。
【0042】
図14、図16、および図17に見られるように、キャリッジ84はまた、図14に示されるように、インクジェットプリントカートリッジ10を収容し、係止し、位置合わせするシュート構造124を備えている。シュート124は、左側壁126、右側壁128、および後壁すなわち端壁130を有している。シュート124の後壁130には、コネクタパッドのアレイ104を備えたフレキシブル回路96の終端部分102が位置決めされている。図16および図17を参照すると、シュート124の各側壁126,128には、弧状のガイドレール132が位置決めされていることがわかる。ガイドレール132は、シュート124の内側に互いに向かって延び、「X」の正方向に延びるにつれて上方に(すなわち「Y」の正方向に)わずかに傾斜し、その弧状の形状により上方に隆起している。
【0043】
本発明のこの例示的な好ましい実施形態では、ガイドレール132は、カートリッジおよびプリンタのユーザにより与えられる実質的に水平の並進運動のみに応答して、プリントカートリッジ10をプリンタ70に対して取り付けおよび取り外しするためのガイド機能部である。しかしながら、本発明はそのようなものに限定されず、断続的なガイドレール、あるいは内側に延びたガイド突起のラインまたはアレイを、ガイドレール132の代用品として用いてもよいことが理解されるであろう。各ガイドレール132は、プリンタ70の後部に向けてキャリッジ84内に延びるにつれて、「Y」の正方向にほぼ水平に、湾曲して(上方に隆起)、弧状に、およびわずかに上方に傾斜していることがわかる。ガイドレール132は、図1〜図7を想起すると、プリントカートリッジ10の側壁16,18に位置決めされた縁32の底部(すなわち面34)と係合している。さらに、シュート124のガイドレール132は、以下でさらに説明するように、多くの機能を果たしている。
【0044】
次に図15および図16を参照すると、シュート124の右側壁128に片持ばね134が位置決めされていることがわかる。このばね134は、水平の主軸を有している。片持ばねは、図14に示されるように、プリントカートリッジ10を負の「Z」方向へ(すなわち、プリンタ70を前部から左向きに見た方向に)水平に、キャリッジ84の一次「Z」基準面136(図17および図18に見られる)に対してバイアス付加(biases)、すなわち付勢するものである。
【0045】
図14、図15、図16、および図17において、参照番号138は、図8を想起すると、インクジェットプリンタ70の後方を指す水平タブ140を有するラッチばねを示している。ラッチばね138は、プリンタ70の全高を低くするという目的を達成する助けとなるように、このように後方に向けられたタブ140を有している。図1を想起すると、ラッチばね138は、プリントカートリッジ10がキャリッジ84内に取り付けられると、このカートリッジのラッチ42と係合するようになっている。ラッチばね138は、薄板金属から製造され、シュート124の壁126,128の外部に溶接された、垂直および水平に延びたリブ機能部142に結合されている。
【0046】
図15、図16、図17、および図18に見られるように、シュート124の底部において、左側壁126の内部および右側壁128の内部に位置決めされ、このシュートの内側に延びているのは、それぞれ、キャリッジ84の一次「X」基準面144および一次「Y」基準面146である。図1〜図7に示されるプリントカートリッジ10の対応する基準面58a,60は、ラッチばね138によりシュートの一次「X」基準面144および一次「Y」基準面146に対して付勢されている。シュート124の後壁130の上限に隣接して(すなわち、フレキシブル回路96の終端部分102の上に)、付加的な「X」軸基準面148が画定されている。付加的な「X」軸基準148は、「Z」軸を中心にしたプリントカートリッジ10の既知の点までの回転すなわちピッチングを位置決めしている。
【0047】
プリントカートリッジ10およびキャリッジ84のインタフェース
シュート124の構造、特にガイドレール132の機能の考察を続けると、第1に、レール132は、プリントカートリッジがキャリッジ84に取り付けられることになる場合、ユーザのターゲットとしての役割を果たすことがわかる。ガイドレール132は、ユーザからは部分的にしか見えないキャリッジ84内の側壁126と側壁128との間に垂直にプリントカートリッジ10を受け入れて位置決めする助けとなる。第2に、プリントカートリッジがガイドレール上に静止して、プリントカートリッジがユーザにより水平前方に(すなわち、プリンタ70の後部に向けて)押されると、ガイドレール132は、プリントカートリッジ10を上方ピッチング運動で(すなわち、プリントカートリッジの前端において上方に)ガイドし、それによって、プリントカートリッジ基準構造58a,60が、「X」および「Y」キャリッジ基準構造の上を移動するように十分に上方に移動して、これらのキャリッジ基準面の上および背後に受け止められるようにしている。これにより、プリントカートリッジの前部の下側部分は、「X」および「Y」方向に位置決めされることになる。第3に、プリントカートリッジがユーザによりキャリッジからラッチ解除されている場合に、ガイドレールは、以下でさらに詳細に説明されるように、プリントカートリッジの回転すなわちピッチングを制限し、それによって、プリントカートリッジがプリンタから転がり落ちないようにしている。さらに、プリントカートリッジ10の薄型の態様は、四角柱形の本体12の主軸が、プリントカートリッジをキャリッジ84に対して取り付けおよび取り外しするために用いられる水平の並進運動に実質的に位置合わせされていることによりもたらされることが理解されるであろう。プリントカートリッジ10のこの薄型の態様により、プリンタ70の全高を(すなわち「Y」に沿って)低くすることが可能となる。
【0048】
水平方向のプリントカートリッジ装着
次に、図19、図20、図21、図22、および図23を参照するが、まず図19を考察すると、プリントカートリッジ10をキャリッジ84内に装着するために、ユーザは概して、プリントカートリッジ10をキャリッジ84と垂直横方向に位置合わせすることがわかる。ユーザは、係合面26を用いて、5本の指でカートリッジを持ってこれを行うことができる。プリントカートリッジ10をそのように係合させる際に、プリントカートリッジ本体12とのユーザの指の接触は電気接点パッド38から隔てられていることが留意されるであろう。したがって、接点パッドがユーザの指紋により汚れるおそれはない。指紋は油性であるだけではなく、一般に酸性であり、時間が経つと指紋からの酸が接点パッド38を腐食させ、最適な電気接点にならなくなってしまう可能性があることは、当業者には理解されるであろう。しかしながら、プリントカートリッジ10はこの欠点を被らない。これは、カートリッジ10とのユーザの指の接触が、カートリッジ本体12の長寸法(major dimension)により接点パッド38から隔てられているからである。
【0049】
次に、ユーザは、プリントカートリッジを水平方向に(すなわち、実質的に平面P1と平面P2との間を)並進させるが、これは、矢印で指した番号150で示されるように、キャリッジ84に向けて前方に、参照のために(図8を想起されたい)図19に追加されている。プリントカートリッジ10のこの前方運動の間、キャリッジ84の可視性がプリンタ70のハウジング72により制限されているため、ガイドレール132はユーザのターゲットとしての役割を果たしている。また、図20を見ると、上記で指摘したように、プリントカートリッジ10は、その側壁16,18に外側に延びる縁32を有し、これら縁の裏面34はガイドレール132上に摺動可能に係合している。プリントカートリッジ10の各側の縁32は、シュート124の構造のガイドレール132上に置かれ、その後、ガイドレールはカートリッジを垂直方向に支持している。図20の矢印で指した番号150で示されるように、ユーザは、プリントカートリッジ10を前方に、水平並進させ続けることになる。プリントカートリッジ10の後部は、係合機能部26を用いて握持されたままであってもよい。
【0050】
次に図21を参照すると、各ガイドレール132はほぼ水平であるが、これらのガイドレールはまた、シュート124の構造の後壁130に向けて延びるにつれて、弧状に、上方に隆起して、かつ「Y」の正方向にわずかに上方に傾斜しているため、プリントカートリッジ10の上方ピッチング回転を生じることが留意されるであろう。プリントカートリッジ10のこの上方ピッチングは、図21において運動の矢印152で示され、プリントカートリッジ10が、キャリッジ84の内側への水平並進(図21に矢印で指す番号150で示す)に応答して、「Y」の正方向に垂直上方向に(同様に、矢印で指す番号154で示す)並進されることも留意されるであろう。プリントカートリッジ10がガイドレール132に沿ってさらに前方に摺動すると、片持ばね134がプリントカートリッジを左側に(すなわち、シュート124の中へと)付勢し、それによって、「Z」軸基準面がこの「Z」方向にプリントカートリッジの位置を制御することになる。
【0051】
さらに、図21の運動の矢印150,152および154で示される3つの運動(水平方向の水平前方並進、上方ピッチング、および垂直上方並進)の組み合わせにより、図22を見ると、プリントカートリッジ10の基準面58aおよび60は、上方に持ち上げられ、キャリッジ84のシュート124において対応する基準面144および146の上および背後にそれぞれ来ることになる。図22を見ると、プリントカートリッジ10の基準面58bは、シュート124の後壁130に対して係合し、プリントカートリッジの前下部のさらなる前方運動を制限するようになっている。さらに、基準面58aが面144の背後に収容されるようにするため、プリントカートリッジ10の続いての下方並進運動(すなわち、負の「Y」方向)が、図22において矢印156で示されている。図22を見ると、ラッチばね138とのラッチ42の係合により、運動156が確実に起こり、それによって、「X」軸基準58aおよび144が互いに適切に係合することが留意されるであろう。
【0052】
図21および図22を見ると、これら2つの図の位置間のプリントカートリッジ10における水平の並進運動により、プリントカートリッジ10がプリンタ70のケース72内にさらに前進移動することも留意されるであろう。プリンタ70が単一のキャリッジ84(すなわち、図示のように)を有するか、2つ以上のキャリッジを並べて有するかにかかわらず、図示されるプリントカートリッジ10のキャリッジ84内への前方移動の間に、ユーザが機能部26を握持するよりも、指先で単にプリントカートリッジ10を後壁20に向けて水平に押すほうがおそらくより楽である地点に達することになる。したがって、図22では、プリントカートリッジ10に対してユーザにより加えられる前方の押込力が、矢印で指す番号158で示されている。破線158’が示すように、ユーザからのこの前方の押込力は、接点パッド38のアレイから離れた面に加えられるが、接点パッド38のアレイを介して延びるラインに沿って通過している。図22で見られるように、プリントカートリッジ10の基準面58bは、キャリッジ84の後壁130に対して係合し、プリントカートリッジの後壁20が上方にピッチするのを準備している。
【0053】
さらに、ユーザがライン158に沿って力を加え続けると、プリントカートリッジ10の基準面およびキャリッジ84の基準面のすべてが互いに係合し、プリントカートリッジ10の後壁20が上方にピッチし、ラッチばね138の水平タブ140の端部がウェル48の中に、ラッチ構造42の壁46に当接して着座するまで、図22に示されるプリントカートリッジ10の前方への水平の並進運動が続くことになる。キャリッジ84のシュート124へのプリントカートリッジ10のこの「ラッチ」は、図23に示されている。ユーザは、プリントカートリッジがキャリッジ84と「嵌まって」ラッチ係合するまで、力158をさらに加えることによってプリントカートリッジ10のキャリッジ84内へのこのラッチを達成することが留意されるであろう。さらに、力158は、接点パッド38のアレイを通過し、それによって、コネクタパッド104とのこれらの接点パッド38の良好な電気係合が確保されることになる。プリントカートリッジ10のキャリッジ84内へのラッチには、図22で矢印の番号160により示されるピッチング運動を伴っている。これは、上記で確立した注記に従った下方のピッチング運動である。しかしながら、プリントカートリッジの後部は実際には上方にピッチされることが理解される。
【0054】
プリントカートリッジ10のさらなるピッチングは、付加的な基準面148と係合する前壁14により防止される。さらに、終端部分102の背後にあるエラストマ−のばねパッドは、ユーザが力158を停止すると、「X」軸基準面58aおよび144を係合するように付勢し続ける助けとなる。プリントカートリッジ10の取り付け中には、このばねパッドおよびラッチばね138が、シュート124の外側にプリントカートリッジ10を押し続けることを理解するべきである。しかしながら、ラッチばね138がウェル48に係合すると、ラッチばねからの外向きの力は止まることになる。したがって、プリントカートリッジ10に対するラッチばねの力は二元的であり、プリントカートリッジのラッチ誤りを防止するとみなされる。
【0055】
水平方向のプリントカートリッジの離脱
次に図23を参照すると、ユーザがプリントカートリッジ10をキャリッジ84からラッチ解除して取り外したいと思う場合、このユーザはまず、プリントカートリッジの後壁20に隣接した上壁すなわち蓋に下向きの力(矢印で指す番号162で示す)を加えることがわかる。便宜的には、ボタン構造66がプリントカートリッジ10の後部に隣接して位置付けられ、人間工学的にユーザに提示されており、それによって、力162を指先で都合よく加えることができる。すなわち、図14に示されるように、プリントカートリッジ10の後部はキャリッジ84から延出し、この下向きの力162は、蓋40上のボタン状の機能部66に加えられるようになっている。下向きの力162は、ラッチばね138がラッチ構造42から係脱できるようにし、その結果、図24を見ると、運動の矢印164で示されるように、プリントカートリッジ10の後部において下方ピッチング運動が生じることになる。プリントカートリッジ10の(すなわち、後壁20における)下方の並進運動は、矢印166で示されている。プリントカートリッジ10の基準面58,60がキャリッジ84の基準面144,146の周りを旋回すると、縁32はガイドレール132と再び接触するようになる。これらのガイドレール132は、縁32と係合することにより、矢印164で示されるピッチング運動を制限し、それによって、プリントカートリッジがプリンタから飛び出たり落ちたりしなくなる。
【0056】
プリントカートリッジがラッチ解除されると、その後端はさらに露出され、係合機能部26は、ユーザがプリントカートリッジを握持してキャリッジ84の外側に水平に並進させるために再びアクセス可能となる。図25を見ると、プリントカートリッジ10をキャリッジ84から取り外すための水平の並進運動(矢印168で示す)は、実質的に水平平面P1と平面P2との間で行われている。
【0057】
本発明の特定の実施形態を記載および例示したが、本発明は、記載および例示した部品の特定の形態または構成に限定されるべきではない。したがって、本発明は、当業者が想起することになるであろういくつかの修正および変更に向けられていることを理解するべきである。上述のように、たとえば、ガイドレール132は「X」方向に続いている必要はない。その代わりに、ガイドレール132は断続的であってよく、または、ガイド構造は、内側に延びた支持突起部のラインまたはアレイにより提供されてもよい。これらの支持突起部は、蓋32の面34においてプリントカートリッジ10と係合して支持し、キャリッジ84からの取り付けおよび取り外しを行うためにプリントカートリッジに必要なピッチング運動および並進運動を提供し、またそれらの運動を可能にするであろう。さらに、プリントカートリッジ10は、必ずしも四角柱形の本体である必要はない。本発明によるプリントカートリッジの他の形態および構造も可能であり、それらのそれぞれが、添付の特許請求項に包含されることが意図されるものである。さらに、本発明の特定の好ましい例示的な実施形態の参照は、本発明に対する限定を意味するものではなく、かかる限定が推測されるべきではない。本発明は、添付の特許請求項の精神および範囲によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明を具現したインクジェットプリントカートリッジの斜視図である。
【図2】図1のプリントカートリッジの右側正面図である。
【図3】図1のプリントカートリッジの後部正面図である。
【図4】図1のプリントカートリッジの前部正面図である。
【図5】図1のプリントカートリッジの左側正面図である。
【図6】図1のプリントカートリッジの底面図である。
【図7】図1のプリントカートリッジの上面図である。
【図8】本発明の原理を具現したインクジェットプリンタの、部分的に取り除いた断面の斜視図である。
【図9】図8に見られるプリンタの機構の一部の斜視図である。
【図10】図9に見られる機構のキャリッジ部分の斜視図である。
【図11】図10に見られるキャリッジのベース部分の、例示の明確化のために部品を取り外した斜視図である。
【図12】図11に見られるキャリッジのベース部分の正面図である。
【図13】図12に類似しているが、本発明の代替実施形態を示す正面図である。
【図14】共に動作位置にある図10のキャリッジと図1のインクジェットプリントカートリッジの、例示の明確化のために部分的に切断した斜視図である。
【図15】図14に見られるキャリッジの15−15線に沿った断面であるが、例示の明確化のためにプリントカートリッジを取り外し、図面におけるこの例示によりよく合わせるためにキャリッジの一部を破断した側面図である。
【図16】図14のキャリッジの、この場合も例示の明確化のためにプリントカートリッジを取り外して示した前部斜視図である。
【図17】図14のキャリッジの、この場合も例示の明確化のためにプリントカートリッジを取り外して示した前部斜視図である。
【図18】この場合もプリントカートリッジが取り外された、図10および図14の後部斜視図である。
【図19】図面の図におけるこの例示によりよく合わせるためにキャリッジの一部を破断した、図14の15−15線に沿って部分的に切断した断面の正面図であり、図1のインクジェットプリントカートリッジを、図10および図14のキャリッジの動作位置に水平に装着およびラッチするプロセスの、一連のステップを示す図である。
【図20】図面の図におけるこの例示によりよく合わせるためにキャリッジの一部を破断した、図14の15−15線に沿って部分的に切断した断面の正面図であり、図1のインクジェットプリントカートリッジを、図10および図14のキャリッジの動作位置に水平に装着およびラッチするプロセスの、一連のステップを示す図である。
【図21】図面の図におけるこの例示によりよく合わせるためにキャリッジの一部を破断した、図14の15−15線に沿って部分的に切断した断面の正面図であり、図1のインクジェットプリントカートリッジを、図10および図14のキャリッジの動作位置に水平に装着およびラッチするプロセスの、一連のステップを示す図である。
【図22】図面の図におけるこの例示によりよく合わせるためにキャリッジの一部を破断した、図14の15−15線に沿って部分的に切断した断面の正面図であり、図1のインクジェットプリントカートリッジを、図10および図14のキャリッジの動作位置に水平に装着およびラッチするプロセスの、一連のステップを示す図である。
【図23】図面の図におけるこの例示によりよく合わせるためにキャリッジの一部を破断した、図14の15−15線に沿って部分的に切断した断面の正面図であり、図1のインクジェットプリントカートリッジを、図10および図14のキャリッジの動作位置に水平に装着およびラッチするプロセスの、一連のステップを示す図である。
【図24】図面におけるこの例示によりよく合わせるためにキャリッジの一部を破断した、図14の15−15線に沿って部分的に切断した正面図であり、インクジェットプリントカートリッジをキャリッジからラッチ解除および水平に離脱するプロセスの、一連のステップを示す図である。
【図25】図面におけるこの例示によりよく合わせるためにキャリッジの一部を破断した、図14の15−15線に沿って部分的に切断した正面図であり、インクジェットプリントカートリッジをキャリッジからラッチ解除および水平に離脱するプロセスの、一連のステップを示す図である。
Claims (18)
- 実質的に水平の並進運動のみを用いて、プリンタのキャリッジ内に装着するように特に構成されたインクジェットプリントカートリッジであって、
一対の水平方向に長い側壁、前壁、後壁、上壁、および下壁を有するほぼ四角柱形のプリントカートリッジ本体であって、前記一対の水平方向に長い側壁は、前記プリントカートリッジの長寸法である水平方向の長さ寸法を有しているプリントカートリッジ本体と、
前記プリントカートリッジ本体は、前記一対の側壁のそれぞれに1つずつ位置決めされた、一対の外側に水平に延びた細長い支持縁を有しており、
前記下壁に配置されたプリントヘッドであって、実質的に平面状で水平に延び、かつ実質的に垂直下方向に開いた複数の垂直に延びる微細寸法のプリントオリフィスをさらに画定するプリントヘッドと、
前記プリントカートリッジは、前記下壁および前記前壁の交線に隣接して配置された基準構造を有し、該基準構造は、
前記プリントカートリッジを垂直方向に支持し、
前記長さ寸法に平行な水平の長さ方向に沿って前記プリントカートリッジを位置決めすると共に、
前記長さ寸法に垂直な横水平方向に前記プリントカートリッジを位置決めするためにそれぞれ基準面を有しており、
前記前壁との前記上壁の交線に隣接して前記上壁に配置されたラッチ構造と
を備えているプリントカートリッジ。 - 前記プリントカートリッジ本体は、前記前壁に配置された電気接点パッドのアレイをさらに保持し、前記後壁は、手動の押込力を受ける手動係合面を提供し、前記前壁および前記後壁は、前記長さ寸法に実質的に平行に延び、かつ前記電気接点パッドのアレイを通過するラインに沿って、前記手動の押込力が作用するように互いに対して配置されている、請求項1に記載のインクジェットプリントカートリッジ。
- 前記プリントカートリッジ本体は、前記前壁に配置された電気接点パッドのアレイをさらに保持し、前記後壁は、手動の押込力を受ける手動係合面を提供し、前記前壁および前記後壁は、前記プリントカートリッジの長寸法である前記プリントカートリッジ本体の前記長さ寸法により互いに分離されている、請求項1に記載のインクジェットプリントカートリッジ。
- 前記ラッチ構造は、垂直方向に、かつ前記横水平方向に延びるラッチ壁を備え、該ラッチ壁は、前記前壁に向かって垂直に保持力を作用させるために配置されている、請求項1に記載のプリントカートリッジ。
- 前記ラッチ構造は、前記横水平方向で、かつ前記水平の長さ方向に延びるランプ面をさらに含み、該ランプ面は、前記前壁から離れて垂直上方向および水平方向に傾斜する、請求項4に記載のプリントカートリッジ。
- 前記ラッチ構造は、前記ラッチ壁の下に垂直に配置されたラッチウェルをさらに備え、該ラッチウェルは、前記上壁の残りの部分より低い高さに配置される底面を有している、請求項4に記載のプリントカートリッジ。
- プリントカートリッジをキャリッジ内に水平に装着する方法であって、
前記プリントカートリッジを前記キャリッジに対して水平に延びる一対の仮想平面間に垂直に維持しながら、前記プリントカートリッジを水平前方にキャリッジ内に並進させるステップであって、前記一対の仮想平面の上側の平面は、前記キャリッジの上限で水平に延び、前記一対の仮想平面の下側の平面は、前記キャリッジの下限で水平に延びる、並進させるステップ
を含む方法。 - 前記プリントカートリッジおよび前記キャリッジの両方に、互いに位置合わせするための、相互に係合可能な対応する基準構造を設けるステップと、
対向して外側に延びる一対の縁を前記プリントカートリッジに設けるステップと、
前記一対の縁を前記キャリッジの水平に延びるガイドレールに係合させるステップと、
前記プリントカートリッジの水平の向きからの前記プリントカートリッジの前端の上方ピッチング運動を行う、前記ガイドレールを利用するステップと、
前記プリントカートリッジの前端において、前記カートリッジの前端および前記基準構造を、前記キャリッジの対応する基準構造の上、上方、および背後に移動させる、前記上方ピッチング運動を利用するステップと、
前記プリントカートリッジを前記キャリッジにラッチするステップと
をさらに含む請求項7に記載の方法。 - 前記プリントカートリッジを前記キャリッジにラッチする前記ステップは、前記プリントカートリッジの後端の上方ピッチングを行って、該プリントカートリッジのピッチング運動を行うステップであり、前記プリントカートリッジの後端の前記上方ピッチング運動は、該プリントカートリッジを水平の向きに戻すものである、ピッチング運動を行うステップを含む、請求項8に記載の方法。
- 前記プリントカートリッジを前記キャリッジにラッチする前記ステップは、前記プリントカートリッジにラッチ構造を設けるステップと、前記キャリッジにより保持されるラッチばねを前記プリントカートリッジの前記ラッチ構造に係合させるステップとを含む、請求項8に記載の方法。
- プリントカートリッジをキャリッジから離脱させる方法であって、
前記プリントカートリッジの後端において該プリントカートリッジを下方に押圧するステップであって、それによって、該プリントカートリッジの下側前端に隣接して配置された前記キャリッジの基準構造を中心に、前記プリントカートリッジの後端の下方ピッチングを行う、押圧するステップと、
前記プリントカートリッジの上側前端に隣接して配置された前記キャリッジのラッチばねから前記プリントカートリッジをラッチ解除するステップと、
ラッチ解除された前記プリントカートリッジを前記キャリッジから水平に並進させるステップと
を含む方法。 - 前記プリントカートリッジの後部上側部分に下向きの手動力を加えることにより、前記プリントカートリッジの下方への前記押圧を行うステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
- それぞれがキャリッジの上限および下限に配置され、一対の垂直に離間した仮想平面間に配置された、実質的に水平の並進運動のみを用いてキャリッジに挿入可能なプリントカートリッジであって、
一対の側壁、前壁、後壁、上壁、および下壁を有する水平方向に長いプリントカートリッジ本体であって、前記下壁は、水平平面に配置された平面状のプリントヘッドを保持し、かつ垂直下方向に向けられた複数の微細寸法のプリントオリフィスを有し、前記一対の側壁は、前記前壁と前記後壁との間に延びた水平方向の長さ寸法を有し、該水平方向の長さ寸法は、前記プリントカートリッジ本体の長軸寸法であるプリントカートリッジ本体
を備えているプリントカートリッジ。 - 前記カートリッジ本体は、前記前壁にアレイ状に配置された複数の電気接点を備え、前記後壁は、前記プリントカートリッジ本体との手動押込係合のための面を提供し、前記後壁は、前記前壁に対して配置され、前記後壁に加えられる手動押込力が、水平に延びて前記電気接点のアレイを通過する作用ラインに沿って加えられている、請求項13に記載のプリントカートリッジ。
- 実質的に水平の並進運動のみを用いて、プリンタのキャリッジに対して着脱するように特に構成された、水平方向に長いインクジェットプリントカートリッジであって、
一対の水平方向に長い側壁、前壁、後壁、上壁、および下壁を有するほぼ四角柱形のプリントカートリッジ本体であって、前記一対の水平方向に長い側壁は、前記プリントカートリッジの長寸法である水平方向の長さ寸法を有している、プリントカートリッジ本体と、
前記一対の側壁はそれぞれ、前記上壁と交わって、水平に延びた一対の周縁部を画定し、前記プリントカートリッジ本体は、前記一対の周縁部において前記一対の側壁のそれぞれに位置決めされた、一対の対向する外側に水平に延びた細長い支持縁を有し、該支持縁はそれぞれ、前記プリントカートリッジ本体に沿って長さ寸法と平行に水平に延びている、下方に配置された支持面を提供しており、
前記下壁に配置されたプリントヘッドであって、実質的に平面状で水平に延び、実質的に垂直下方向に開いている複数の垂直に延びた微細寸法のプリントオリフィスをさらに画定するプリントヘッドと、
前記プリントカートリッジ本体は、前記前壁のアレイにおいて複数の電気接点を保持しており、
前記下壁と前記前壁との間の交線に隣接して配置された基準構造であって、
前記プリントカートリッジを垂直方向に支持し、
前記水平方向の長さ寸法で平行に水平の長さ方向に沿って前記プリントカートリッジを位置決めすると共に、
前記長さ寸法に垂直な横水平方向に前記プリントカートリッジを位置決めするため
にそれぞれ基準面を有する基準構造と、
前記前壁との前記上壁の交線に隣接して前記上壁に配置されたラッチ構造と
を備え、
前記後壁は、該後壁に加えられる水平に向けられた手動押込力が、前記長さ寸法と平行に延び、前記電気接点パッドのアレイを通過する作用ラインに沿って通過するように前記前壁に対して配置される、プリントカートリッジ。 - 前記ラッチ構造は、前記横水平方向および前記水平の長さ方向に延び、前記前壁から離れて垂直上方向および水平方向に傾斜するランプ面をさらに備えている、請求項15に記載のプリントカートリッジ。
- 前記ラッチ構造は、前記ラッチ壁より下に垂直に配置され、前記上壁の残りの部分より低い高さに配置される底面を有するラッチウェルをさらに備えている、請求項16に記載のプリントカートリッジ。
- プリントカートリッジをプリンタキャリッジに対して水平に着脱する方法であって、
前記プリントカートリッジを前記キャリッジに対して水平に延びる一対の仮想平面間に垂直に維持しながら、前記プリントカートリッジを水平前方に前記キャリッジ内に並進させるステップであって、前記一対の仮想平面の上側の平面は、前記キャリッジの上限で水平に延び、前記一対の仮想平面の下側の平面は、前記キャリッジの下限で水平に延びる、並進させるステップと、
前記プリントカートリッジおよび前記キャリッジの両方に、互いに位置合わせするため、相互に係合可能な対応する基準構造を設けるステップと、
対向して外側に延びる一対の縁を前記プリントカートリッジに設けるステップと、
前記一対の縁を前記キャリッジの水平に延びるガイドレールに係合させるステップと、
前記ガイドレールを利用するステップであって、それによって、前記プリントカートリッジの水平の向きから前記プリントカートリッジの前端の上方ピッチング運動を行う、利用するステップと、
前記プリントカートリッジの前端において、前記プリントカートリッジの前端および該プリントカートリッジの前記基準構造を、前記キャリッジの対応する基準構造の上、上方、および背後に移動させる、上方ピッチング運動を利用するステップと、
前記プリントカートリッジにラッチ構造を設けるステップと、
前記キャリッジにより保持されるラッチばねを前記プリントカートリッジの前記ラッチ構造に係合させるステップと、
前記プリントカートリッジの後端の上方ピッチングを行って前記プリントカートリッジのピッチング運動を行うことにより前記キャリッジに前記プリントカートリッジをラッチするステップであり、前記プリントカートリッジの後端の前記上方ピッチング運動は、前記プリントカートリッジを水平の向きに戻すものである、ラッチするステップと、
最初に前記プリントカートリッジの後端を下方に押圧することにより、該プリントカートリッジを前記キャリッジからラッチ解除するステップと、
前記プリントカートリッジの前記後端の前記下方ピッチングを利用するステップであって、それによって、前記キャリッジの前記対応する基準構造を中心に前記プリントカートリッジを下方にピッチし、前記プリントカートリッジのラッチ構造の前記ラッチばねからのラッチ解除を行う、下方ピッチングを利用するステップと、
ラッチ解除された前記プリントカートリッジを、実質的に前記一対の水平の仮想平面間にある前記キャリッジから水平に並進させて出すステップと
を含む方法。
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