JP2004520967A - エネルギーのバランスがとられたプリントヘッドの設計 - Google Patents
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Abstract
電力トレース(86a、86b、86c、86d、181)の寄生抵抗を補償するよう構成された効率的なFET駆動回路(85)を有する、幅の狭いインクジェットプリントヘッド(100A、100B)。このインクジェットプリントヘッドは、さらに、FET駆動回路の動作領域に重なるグランドバス(181)を含む。
【選択図】図9
【選択図】図9
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的にインクジェットプリントに関し、より詳細には、電力トレースの寄生抵抗を補償するように構成されたFET駆動回路を有する薄膜インクジェットプリントヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリントの技術は、比較的よく開発されている。コンピュータのプリンタ、グラフィックプロッタ、およびファクシミリ機等の市販製品は、プリントした媒体を生成するインクジェット技術で実施されている。インクジェット技術に対するヒューレット・パッカード社の貢献については、例えば、Hewlett-Packard Journal, Vol. 36, No. 5 (May 1985)、Vol. 39, No. 5 (October 1988)、 Vol. 43, No. 4 (August 1992)、Vol. 43, No. 6 (December 1992)、および、Vol. 45, No. 1 (February 1994)における様々な論文において説明されており、それらのすべては参照により本明細書に援用される。
【0003】
一般的に、インクジェット画像は、インクジェットプリントヘッドとして知られているインク滴発生装置が放出するインク滴をプリント媒体上に正確に配置することにしたがって、形成される。通常、インクジェットプリントヘッドは、プリント媒体表面の上方を横切る可動プリントキャリッジ上に支持され、マイクロコンピュータまたはその他コントローラのコマンドにしたがって適切な時点においてインク滴を噴出するよう制御される。この場合、インク滴を施すタイミングは、プリントしている画像の画素のパターンに対応するよう、意図される。
【0004】
通常のヒューレット・パッカード社のインクジェットプリントヘッドは、インクバリアー層に取り付けたオリフィス板に正確に形成した、ノズルのアレイを含む。インクバリアー層は、インク発射ヒータ抵抗器と抵抗器を作動させる装置とを実施する、薄膜下部構造に取り付けられている。インクバリアー層は、関連するインク発射抵抗器の上方に配置したインクチャンバを含むインクチャネルを画定し、オリフィス板のノズルは、関連するインクチャンバと位置合わせされている。インクチャンバと、薄膜下部構造およびオリフィス板のうちのインクチャンバに隣接する部分とによって、インク滴発生器領域が形成される。
【0005】
薄膜下部構造は、通常、シリコン等の基板から構成されている。この基板上に、薄膜インク発射抵抗器、抵抗器を作動させる装置、およびプリントヘッドへの外部電気接続のために設けるボンディングパッドへの相互接続を形成するさまざまな薄膜層が形成される。インクバリアー層は、通常、ドライフィルムとして薄膜下部構造に貼り合わされ、感光性で紫外線および熱の両方により硬化可能なように設計された、ポリマー材料である。スロット供給設計のインクジェットプリントヘッドにおいては、1つまたはそれよりも多いインク槽から、基板に形成された1つまたはそれよりも多いインク供給スロットを通じて、さまざまなインクチャンバにインクが供給される。
【0006】
オリフィス板、インクバリアー層、および薄膜下部構造の物理的配置の一例が、上で引用したFebruary 1994のHewlett-Packard Journalの44ページに説明されている。インクジェットプリントヘッドのさらなる例については、同一譲受人に譲渡されている米国特許第4,719,477号および米国特許第5,317,346号において述べられており、これらはともに参照により本明細書に援用される。
【0007】
薄膜インクジェットプリントヘッドで考慮すべき事柄として、例えば、用いるインク滴発生器および/またはインク供給スロットが多くなるにつれて、基板の大きさおよび/または基板の脆弱性が大きくなる、ということがある。したがって、コンパクトでかつ多数のインク滴発生器を有するインクジェットプリントヘッドが必要とされている。
【発明の開示】
【0008】
開示する本発明は、電力トレースの寄生抵抗の変動を補償するよう構成された、効率的な、ヒータ抵抗器に通電するFET駆動回路を備える、インクジェットプリントヘッドを提供することに関する。
【0009】
当業者であれば、以下の詳細な説明を図面とともに読めば、開示する本発明の利点および特徴を容易に理解されるであろう。
【0010】
本開示の詳細な説明
以下の詳細な説明およびいくつかの図面において、同じ要素は同じ参照番号で識別する。
【0011】
次に図1A〜図4A、および図1B〜図4Bを参照して、本発明を用いることができるインクジェットプリントヘッド100A、100Bの、正確な縮尺率で描かれていない概略的な平面図および斜視図を概略的に示す。インクジェットプリントヘッド100は、一般的に、(a)シリコン等の基板を含み、その上にさまざまな薄膜層が形成される、薄膜下部構造すなわちダイ11と、(b)薄膜下部構造11上に配置したインクバリアー層12と、(c)インクバリアー12の表面に薄層状に取り付けた、オリフィスすなわちノズル板13とを含む。
【0012】
薄膜下部構造11は、例えば従来の集積回路技術にしたがって形成された、集積回路ダイを含む。図5に概略的に示すように、薄膜下部構造11は一般的に、シリコン基板111a、FETゲートおよび絶縁層111b、抵抗器層111c、および第1の金属化層111dを含む。シリコン基板111aおよびFETゲートおよび絶縁層111bの頂部には、本明細書においてより詳細に説明する駆動FET回路等の能動デバイスが形成されている。FETゲートおよび絶縁層111bは、ゲート酸化物層、ポリシリコンゲート、および抵抗器層111cに隣接する絶縁層を含む。薄膜ヒータ抵抗器56は、抵抗器層111cおよび第1の金属化層111dのそれぞれのパターニングによって形成される。薄膜下部構造はさらに、例えば窒化ケイ素層と炭化ケイ素層とを含む複合パッシベーション層111eと、少なくともヒータ抵抗器56の上にあるタンタルの機械的パッシベーション層111fとを含む。タンタル層111fの上には、金の導電層111gがある。
【0013】
インクバリアー層12は、熱および圧力によって薄膜下部構造11に貼り合わされたドライフィルムで形成されており、感光して、ヒータ抵抗器56の上方に配置されたインクチャンバ19と、インクチャネル29とが形成されている。金の層内の、薄膜下部構造11の長手方向に離間した両端には、外部電気接続のために係合可能な金のボンディングパッド74が形成されており、ボンディングパッド74はインクバリアー層12に覆われていない。説明に役立つ例として、バリアー層の材料は、デラウェア州ウィルミントン市のE. I. duPont de Nemours and Companyから入手可能な「Parad」ブランドのフォトポリマーのドライフィルム等、アクリレートをベースにしたフォトポリマーのドライフィルムを含む。同様のドライフィルムとしては、「Riston」ブランドのドライフィルム等デュポンのその他の製品や、他の化学製品供給者が製造するドライフィルムがある。オリフィス板13は、例えば、ポリマー材料から構成され、例えばその参照により本明細書に援用される同一譲受人に譲渡されている米国特許第5,469,199号において開示されているようにレーザー・アブレーションでオリフィスを形成した、平らな基板を含む。オリフィス板はまた、ニッケル等のめっきされた金属を含んでもよい。
【0014】
図3Aおよび図3Bに示すように、インクバリアー層12内のインクチャンバ19は、より詳細には、それぞれのインク発射ヒータ抵抗器56の上方に配置されており、それぞれのインクチャンバ19は、バリアー層12に形成したチャンバ開口部の相互接続された縁すなわち壁によって画定される。インクチャネル29は、バリアー層12に形成したさらなる開口部によって画定され、それぞれのインク発射チャンバ19と一体的に接合している。インクチャネル29は、隣接するインク供給スロット71の供給縁に向かって開いており、そのようなインク供給スロットからインクを受け取る。
【0015】
オリフィス板13はオリフィスすなわちノズル21を含む。オリフィスすなわちノズル21は、それぞれのインクチャンバ19の上方に配置され、それぞれのインク発射抵抗器56、関連するインクチャンバ19、および関連するオリフィス21が位置合わせされてインク滴発生器40を形成するようになっている。ヒータ抵抗器はそれぞれ、公称の抵抗が少なくとも100オーム、例えば約120または130オームであり、図9に示すような分割した抵抗器を含んでもよい。ヒータ抵抗器56は、金属化領域59によって接続された2つの抵抗器領域56a、56bから成っている。この抵抗器構造によって、面積が同じ単一の抵抗器領域よりも大きな抵抗が提供される。
【0016】
開示するプリントヘッドを、バリアー層と、別個のオリフィス板とを有するものとして説明するが、プリントヘッドを、例えば多数の露光プロセスで露光された後に現像される単一のフォトポリマー層を用いて製造することができる、一体的なバリアー/オリフィス構造を有して実施してもよい、ということが理解されるべきである。
【0017】
インク滴発生器40は、列のアレイすなわち群61に配置されている。これらは、基準軸Lに沿って延びており、基準軸Lに対して横方向にすなわち横断方向に、互いに離間している。それぞれのインク滴発生器の群のヒータ抵抗器56は、基準軸Lに略整列しており、基準軸Lに沿った所定の中心同士の間隔すなわちノズルピッチPを有する。ノズルピッチPは、1/300インチ等、1/600インチ以上であってもよい。インク滴発生器の列のアレイ61はそれぞれ、例えば100個またはそれよりも多くのインク滴発生器(すなわち、少なくとも100個のインク滴発生器)を含む。
【0018】
説明に役立つ例として、薄膜下部構造11は長方形であってもよく、その対向する縁51、52は、長さLSの長手の縁であり、長手方向に離間した、対向する縁53、54は、薄膜下部構造11の長さLSよりも短い幅すなわち側面寸法WSのものである。薄膜下部構造11の長手方向の長さは、基準軸Lに平行であってもよい縁51、52に沿っている。使用中、基準軸Lは、一般的に媒体前進軸と呼ばれているものに整列され得る。便宜上、薄膜下部構造の、長手方向に離間した両端もまた、そのような両端における縁を指すのに用いる参照番号53、54で意味する。
【0019】
それぞれのインク滴発生器の列のアレイ61のインク滴発生器40を略同一直線上にあるものとして示すが、インク滴発生器のアレイのインク滴発生器40には、例えば発射遅延を補償するために、列の中央線からわずかに外れていてもよいものもある、ということが理解されるべきである。
【0020】
それぞれのインク滴発生器40がヒータ抵抗器56を含む限り、ヒータ抵抗器は、それに応じて、インク滴発生器の列のアレイに対応する列の群すなわちアレイになるように配置される。便宜上、ヒータ抵抗器のアレイすなわち群を、同じ参照番号61で表す。
【0021】
図1A、図2A、図3A、図4Aのプリントヘッド100Aの薄膜下部構造11は、より詳細には、基準軸Lに整列して、基準軸Lに対して横方向に互いに離間している3つのインク供給スロット71を含む。インク供給スロット71はそれぞれ、3つのインク滴発生器の群61に供給を行い、説明に役立つ例として、それぞれが供給を行う発生器の群の同じ側に配置されている。このようにして、インク供給スロット71はそれぞれ、単一の供給縁に沿ってインクを供給する。具体例として、インク供給スロットはそれぞれ、シアン、イエロー、およびマゼンタ等、他のインク供給スロットが供給するインクのカラーと異なるカラーのインクを供給する。
【0022】
図1B、図2B、図3B、図4Bのプリントヘッド100Bの薄膜下部構造11は、より詳細には、基準軸Lに整列し基準軸Lに対して横方向に互いに離間している、2つのインク供給スロット71を含む。インク供給スロット71はそれぞれ、インク滴発生器の4つの列61に供給を行う。4つの列61のインク滴発生器はそれぞれ、2つのインク供給スロット71の両側に配置されており、薄膜下部構造における関連するインク供給スロットが形成する縁に向かって、インクチャネルが開いている。このようにして、それぞれのインク供給スロットの対向縁が供給縁を形成し、2つのインク供給スロットはそれぞれ、デュアル・エッジ・インク供給スロットを構成する。具体的な実施態様として、図1B、図2B、図3B、図4Bのプリントヘッド100Bはモノクロのプリントヘッドであり、両方のインク供給スロット71がブラック等の同じカラーのインクを供給し、インク滴発生器の4つの列61がすべて同じカラーのインク滴を生成するようになっている。
【0023】
インク滴発生器の代表的な列のアレイ61について図6に概略的に示すように、インク滴発生器40の列のアレイ61にはそれぞれ、プリントヘッド100A、100Bの薄膜下部構造11内に形成した、列のFET駆動回路アレイ81が隣接し関連している。それぞれのFET駆動回路アレイ81は、複数のFET駆動回路85を含む。複数のFET駆動回路85は、それぞれがヒータ抵抗器リード線57aによってそれぞれのヒータ抵抗器56に接続された、ドレイン電極を有する。それぞれのFET駆動回路アレイ81および関連するインク滴発生器のアレイには、列のグランドバス181が関連しており、グランドバス181には、関連するFET駆動回路アレイ81のすべてのFET駆動回路85のソース電極が電気的に接続されている。それぞれのFET駆動回路の列のアレイ81および関連するグランドバス181は、関連するインク滴発生器の列のアレイ61に沿って長手方向に延び、少なくとも関連する列のアレイ61と長手方向に同一の広がりを有する。図1Aおよび図2Aに概略的に示すように、それぞれのグランドバス181は、プリントヘッド構造の一端の少なくとも1つのボンディングパッド74と、プリントヘッド構造の他端の少なくとも1つのボンディングパッド74とに、電気的に接続される。
【0024】
グランドバス181とヒータ抵抗器リード線57aとは、本明細書においてさらに説明するヒータ抵抗器リード線57bならびにFET駆動回路85のドレインおよびソース電極と同様に、薄膜下部構造11の金属化層111d(図5)内に形成されている。
【0025】
それぞれのFET駆動回路の列のアレイのFET駆動回路85は、デコーダ論理回路35の関連する列のアレイ31によって制御される。デコーダ論理回路35は、適切なボンディングパッド74(図6)に接続された隣接するアドレスバス33上のアドレス情報を復号する。本明細書においてさらに説明するように、アドレス情報は、インク発射エネルギーで通電するインク滴発生器を識別し、デコーダ論理回路35はこのアドレス情報を利用して、アドレスするすなわち選択するインク滴発生器のFET駆動回路をオンにする。
【0026】
図7に概略的に示すように、それぞれのヒータ抵抗器56の一方の端子は、基本選択トレースによって、インク発射基本選択信号PSを受け取るボンディングパッド74に接続されている。このようにして、それぞれのヒータ抵抗器56の他方の端子が、関連するFET駆動回路85のドレイン端子に接続されているので、関連するデコーダ論理回路35によって制御される関連するFET駆動回路がオンである場合に、インク発射エネルギーPSがヒータ抵抗器56に供給される。
【0027】
インク滴発生器の代表的な列のアレイ61について図8に概略的に示すように、インク滴発生器の列のアレイ61のインク滴発生器は、隣接するインク滴発生器でできた4つの基本群61a、61b、61c、61dにまとめることができ、ある特定の基本群のヒータ抵抗器56は、4つの基本選択トレース86a、86b、86c、86dのうちの同じ1つに電気的に接続され、特定の基本群のインク滴発生器が、同じインク発射基本選択信号PSに対し並列に切り替え可能に結合するようになっている。1列のアレイにおけるインク滴発生器の数Nが4の整数倍である具体例について、それぞれの基本群は、N/4個のインク滴発生器を含む。参考のために、基本群61a、61b、61c、61dは、横方向の縁53から横方向の縁54に向かって順番に配置されている。
【0028】
図8は、より詳細には、関連する滴発生器の列のアレイ61および関連するFET駆動回路85の列のアレイ81(図6)の、基本選択トレース86a、86b、86c、86dの概略平面図を示す。基本選択トレース86a、86b、86c、86dは、例えば、関連するFET駆動回路のアレイ81とグランドバス181との上方にあり絶縁的に分離されている金属化層111g(図5)内のトレースによって実施される。基本選択トレース86a、86b、86c、86dはそれぞれ、金属化層111d内に形成した抵抗器リード線57b(図8)と、基本選択トレースと抵抗器リード線57bとの間に延びる相互接続バイア58(図9)とによって、4つの基本群61a、61b、61c、61dに電気的に接続されている。
【0029】
第1の基本選択トレース86aは、第1の基本群61aに沿って長手方向に延びていて、それぞれ第1の基本群61aのヒータ抵抗器56に接続されているヒータ抵抗器リード線57b(図9)の一部の上にあり、バイア58(図9)によってそのようなヒータ抵抗器リード線57bに接続されている。第2の基本選択トレース86bは、第2の基本群61bに沿って延びている部分を含み、それぞれ第2の基本群61bのヒータ抵抗器56に接続されているヒータ抵抗器リード線57b(図9)の一部の上にあり、バイア58によってそのようなヒータ抵抗器リード線57bに接続されている。第2のトレース86bは、第1の基本選択トレース86aの、第1の基本群61aのヒータ抵抗器56とは反対の側に、第1の基本選択トレース86aに沿って延びる、さらなる部分を含む。第2の基本選択トレース86bは略L字型であり、第2の部分は第1の部分よりも幅が狭く、第2の基本選択トレース86bの幅広部分よりも狭い第1の基本選択トレース86aを迂回するようになっている。
【0030】
第1および第2の基本選択トレース86a、86bは、一般に、少なくとも第1および第2の基本群61a、61bと長手方向に同一の広がりを有し、それぞれ、第1および第2の基本選択トレース86a、86bに最も近い横方向の縁53に配置されたそれぞれのボンディングパッド74に適切に接続されている。
【0031】
第4の基本選択トレース86dは、第4の基本群61dに沿って長手方向に延びていて、第4の基本群61dのヒータ抵抗器56に接続されているヒータ抵抗器リード線57b(図9)の一部の上にあり、バイア58によってそのようなヒータ抵抗器リード線57bに接続されている。第3の基本選択トレース86cは、第3の基本群61cに沿って延びている部分を含み、第3の基本群61cのヒータ抵抗器56に接続されているヒータ抵抗器リード線57b(図9)の一部の上にあり、バイア58によってそのようなヒータ抵抗器リード線57bに接続されている。第3の基本選択トレース86cは、第4の基本選択トレース86dに沿って延びる、さらなる部分を含む。第3の基本選択トレース86cは略L字型であり、第2の部分は第1の部分よりも幅が狭く、第3の基本選択トレース86cの幅広部分よりも狭い第4の基本選択トレース86dを迂回するようになっている。
【0032】
第3および第4の基本選択トレース86c、86dは、概して少なくとも第3および第4の基本群61c、61dと長手方向に同一の広がりを有し、それぞれ、第3および第4の基本選択トレース86c、86dに最も近い横方向の縁54に配置されたそれぞれのボンディングパッド74に適切に接続されている。
【0033】
具体例として、インク滴発生器の列のアレイ61の基本選択トレース86a、86b、86c、86dは、そのインク滴発生器の列のアレイに関連するFET駆動回路およびグランドバスの上にあり、関連する列のアレイ61と長手方向に同一の広がりを有する領域において含まれている。このようにして、インク滴発生器の列のアレイ61の4つの基本群の4つの基本選択トレースが、そのアレイに沿って、プリントヘッド基板の両端に向かって延びる。より詳細には、プリントヘッド基板の長さの1/2に配置された第1の対の基本群61a、61bの第1の対の基本選択トレースは、そのような第1の対の基本群に沿って延びる領域において含まれており、プリントヘッド基板の長さの他方の1/2に配置された第2の対の基本群61c、61dの第2の対の基本選択トレースは、そのような第2の対の基本群に沿って延びる領域において含まれている。
【0034】
参照しやすくするために、ヒータ抵抗器56とそれに関連するFET駆動回路85とをボンディングパッド74に電気的に接続する、基本選択トレース86とそれに関連するグランドバスとを、総称して電力トレースと呼ぶ。これもまた参照しやすくするために、基本選択トレース86は、ハイ側または非接地の電力トレースと呼ぶことができる。
【0035】
一般的に、それぞれのFET駆動回路85の寄生抵抗(すなわち、オン抵抗)は、電力トレースが形成する寄生経路によって個別のFET駆動回路85に与えられる寄生抵抗の変動を補償して、ヒータ抵抗器に供給されるエネルギーの変動を少なくすよう、構成されている。特に、電力トレースは、経路上の位置とともに変動する寄生抵抗をFET回路に与える寄生経路を形成し、それぞれのFET駆動回路85の寄生抵抗は、それぞれのFET駆動回路85の寄生抵抗とFET駆動回路に与えられる電力トレースの寄生抵抗との組み合わせが、インク滴発生器同士の間でわずかしか変動しないように、選択される。したがって、ヒータ抵抗器56の抵抗が略同じである限り、それぞれのFET駆動回路85の寄生抵抗は、それぞれのFET駆動回路85に与えられる関連する電力トレースの寄生抵抗の変動を補償するよう構成されている。このようにして、電力トレースに接続されているボンディングパッドに略等しいエネルギーが供給される限り、異なるヒータ抵抗器56に略等しいエネルギーを供給することができる。
【0036】
より詳細には図9および10を参照して、それぞれのFET駆動回路85は、シリコン基板111a(図5)に形成したドレイン領域フィンガー89の上方に配置した、複数の電気的に相互接続されたドレイン電極フィンガー87と、ドレイン電極87と互いに入り込み、すなわち交互に配置され、シリコン基板111aに形成したソース領域フィンガー99の上方に配置した、複数の電気的に相互接続されたソース電極フィンガー97とを含む。それぞれの端において相互接続されたポリシリコンのゲートフィンガー91が、シリコン基板111a上に形成した薄いゲート酸化物層93上に配置されている。PSG(phosphosilicate glass)層95が、ドレイン電極87およびソース電極97をシリコン基板111aから分離している。複数の導電ドレイン接点88がドレイン電極87をドレイン領域89に電気的に接続し、複数の導電ソース接点98がソース電極97をソース領域99に電気的に接続する。
【0037】
それぞれのFET駆動回路が占める面積は好ましくは小さく、それぞれのFET駆動回路のオン抵抗は好ましくは小さく、例えば14オーム以下または16オーム以下である(すなわち、大きくても14または16オーム)。そのためには、効率的なFET駆動回路が必要である。例えば、オン抵抗Ronは、次式のようにFET駆動回路の面積Aに関連させることができる。
Ron<(250,000 オーム・マイクロメートル2)/A
ここで、面積Aはマイクロメートル2(μm2)で表している。これは例えば、厚さが800オングストローム以下(すなわち、大きくても800オングストローム)の、またはゲート長が4μmよりも小さい、ゲート酸化物層93で達成することができる。また、ヒータ抵抗器の抵抗が少なくとも100オームであれば、ヒータ抵抗器の抵抗がそれよりも小さい場合と比べて、FET回路をより小型にすることができる。ヒータ抵抗器の値がより大きければ、寄生とヒータ抵抗器との間のエネルギーの分配を考えると、より大きなFETターンオン抵抗が許容され得るからである。
【0038】
具体例として、ドレイン電極87、ドレイン領域89、ソース電極97、ソース領域99、およびポリシリコンのゲートフィンガー91は、基準軸Lを略直交してすなわち横断する方向に、そして、グランドバス181の長手方向の長さまで延びていてもよい。また、それぞれのFET回路85について、図6に示すように、ドレイン領域89およびソース領域99の基準軸Lに対する横断方向の長さは、ゲートフィンガーの基準軸Lに対する横断方向の長さと同じであり、これによって、基準軸Lに対する横断方向の動作領域の範囲が画定される。参照しやすくするために、ドレイン電極フィンガー87、ドレイン領域フィンガー89、ソース電極フィンガー97、ソース領域フィンガー99、およびポリシリコンのゲートフィンガー91は、このような素子がストリップ状すなわちフィンガー状の方法で長く幅が狭い限り、このような素子の長手方向の長さと呼ぶことができる。
【0039】
説明に役立つ例として、それぞれのFET回路85のオン抵抗は、ドレイン領域フィンガーの連続して非接触な部分の長手方向の範囲すなわち長さを制御することによって、個々に構成される。連続して非接触な部分には、電気的接点88がない。例えば、ドレイン領域フィンガーの連続して非接触な部分は、ヒータ抵抗器56から最も遠いドレイン領域89の端で始まってもよい。特定のFET回路85のオン抵抗は、ドレイン領域フィンガーの連続して非接触な部分の長さが長くなるにつれて大きくなり、この長さは、特定のFET回路のオン抵抗を決定するように選択される。
【0040】
他の例として、それぞれのFET回路85のオン抵抗は、FET回路の大きさを選択することによって構成してもよい。例えば、FET回路の基準軸Lに対する横断方向の長さを、オン抵抗を規定するように選択してもよい。
【0041】
特定のFET回路85についての電力トレースが、合理的にまっすぐな経路によって、プリントヘッド構造の長手方向に離れた端のうちの最も近いものの上のボンディングパッド74へと配線されている通常の実施態様において、プリントヘッドの最も近い端からの距離とともに寄生抵抗は大きくなり、FET駆動回路85のオン抵抗は、そのような最も近い端からの距離とともに小さくなり(FET回路をより効率的にする)、電力トレースの寄生抵抗の増大を相殺するようになっている。具体例として、ヒータ抵抗器56から最も遠いドレイン領域フィンガーの端で始まるそれぞれのFET駆動回路85のドレインフィンガーの連続して非接触な部分に関して、そのような部分の長さは、プリントヘッド構造の長手方向に離れた端のうちの最も近いものからの距離とともに短くなる。
【0042】
それぞれのグランドバス181は、FET回路85のドレイン電極87およびソース電極97と同じ薄膜金属化層で形成されており、ソースおよびドレイン領域89、99とポリシリコンのゲート91とから構成されているそれぞれのFET回路の動作領域は、有利なことに、関連するグランドバス181の下に延びている。これによって、グランドバスおよびFET回路アレイが占める領域をより狭くすることができ、それによって、より狭い、したがってより安価な薄膜下部構造を可能にすることができる。
【0043】
また、ドレイン領域フィンガーの連続して非接触な部分がヒータ抵抗器56から最も遠いドレイン領域フィンガーの端で始まる実施態様においては、それぞれのグランドバス181の、基準軸Lに対する横断方向の関連するヒータ抵抗器56に向かう長さは、ドレインフィンガーの連続して非接触な部分の長さが長くなるに従って長くすることができる。ドレイン電極は、そのようなドレインフィンガーの連続して非接触な部分にわたって延びる必要がないからである。言い換えれば、ドレイン領域の連続して非接触な部分の長さ次第で、グランドバスがFET駆動回路85の動作領域の上にある量を多くすることによって、グランドバス181の幅Wを広くすることができる。これは、グランドバス181およびその関連するFET駆動回路アレイ81が占める領域の幅を広くすることなく行われる。グランドバスとFET駆動回路85の動作領域との重なりの量を多くすることによって広くするからである。事実上、いかなる特定のFET回路85においても、ドレイン領域の非接触の部分と略等しい長さだけ、基準軸Lに対する横断方向にグランドバスが動作領域に重なることができる。
【0044】
ドレイン領域の連続して非接触な部分がヒータ抵抗器56から最も遠いドレイン領域フィンガーの端で始まり、プリントヘッド構造の最も近い端からの距離とともにそのようなドレイン領域の連続して非接触な部分の長さが短くなる、具体例については、ドレイン領域の連続して非接触な部分の長さの変化に伴ってグランドバス181の幅Wが調節されるすなわち変化するので、図6に示すように、グランドバスの幅W81は、プリントヘッド構造の最も近い端の近くで広くなるようになっている。ボンディングパッド74に近づくにつれて共有電流の量が多くなるので、このような形状にすることによって、有利なことにボンディングパッド74に近づくにつれてグランドバスの抵抗が小さくなる。
【0045】
グランドバスの抵抗はまた、グランドバス181の一部を、デコーダ論理回路35同士の間の長手方向に互いに離間した領域に横方向に延ばすことによっても、小さくすることができる。例えば、そのような一部は、デコーダ論理回路35が形成されている領域の幅だけ動作領域を超えて横方向に延びていてもよい。
【0046】
インク滴発生器の列のアレイに関連する下記の回路部は、図6および8において幅の値の後に続く参照番号によって示す、下記の幅を有するそれぞれの領域内に含まれていてもよい。
【0047】
【表1】
【0048】
このような幅は、基準軸Lに整列したプリントヘッド基板の長手方向の長さと直交してすなわち横方向に測定する。
【0049】
次に図11を参照して、上述のプリントヘッドを用いることができるインクジェットプリント装置20の例の概略斜視図を示す。図11のインクジェットプリント装置20はシャシ122を含む。シャシ122は、通常成形プラスチック材料でできたハウジングすなわちエンクロージャ124で取り囲まれている。シャシ122は、例えばシートメタルで形成されており、垂直パネル122aを含む。適応型プリント媒体取扱システム126によって、プリント媒体のシートがプリントゾーン125を通って個別に供給される。プリント媒体取扱システム126は、プリント前のプリント媒体を保管する供給トレイ128を含む。プリント媒体は、紙、厚紙、透明シート、マイラー等いかなるタイプの好適なプリント可能なシート材料であってもよいが、便宜上、図示の実施形態は、プリント媒体として紙を用いるものとして説明する。ステッパモータによって駆動される駆動ローラ129を含む、一連の従来のモータによって駆動されるローラを用いて、プリント媒体を供給トレイ128からプリントゾーン125内に動かしてもよい。プリント後、駆動ローラ129は、プリントされたシートを、1対の可倒式の出力乾燥ウイング部材130上に動かす。ウイング部材130は、プリントされたシートを受け取るよう倒される状態で示す。ウイング部材130は、新しくプリントされたシートを、出力トレイ132内でまだ乾きつつある既にプリントされたシートの上方で短時間保持し、その後曲線の矢印133で示すように回動的に両側に引っ込み、新しくプリントされたシートを出力トレイ132内に落とす。プリント媒体取扱システムは、摺動式長さ調節アーム134や封筒供給スロット135等、レター、リーガル、A4、封筒等を含むさまざまな大きさのプリント媒体に対応する、一連の調節機構を含んでもよい。
【0050】
図11のプリンタはさらに、プリンタコントローラ136を含む。プリンタコントローラ136は、マイクロプロセッサとして概略的に示し、シャシの垂直パネル122aの後ろ側に支持されたプリント回路基板139上に配置されている。プリンタコントローラ136は、パーソナルコンピュータ等のホスト装置(図示せず)から命令を受け取り、プリントゾーン125を通るプリント媒体の前進、プリントキャリッジ140の動き、およびインク滴発生器40への信号印加を含む、プリンタの動作の制御を行う。
【0051】
キャリッジ走査軸と平行な長手方向の軸を有するプリントキャリッジ摺動ロッド138がシャシ122に支持されて、プリントキャリッジ140を大規模に支持し、キャリッジ走査軸に沿って平行移動の動きすなわち走査を往復して行うようにする。プリントキャリッジ140は、第1および第2の着脱式インクジェットプリントヘッドカートリッジ150、152(それぞれ「ペン」、「プリントカートリッジ」、または「カートリッジ」と呼ぶことがある)を支持する。プリントカートリッジ150、152はそれぞれプリントヘッド154、156を含む。プリントヘッド154、156はそれぞれ、プリント媒体のうちのプリントゾーン125内にある部分の上に略下向きにインクを噴出する、略下向きのノズルを有する。プリントカートリッジ150、152は、より詳細には、クランプレバー、ラッチ部材、またはふた170、172を含むラッチ機構によって、プリントキャリッジ140内に固定されている。
【0052】
参考として、プリント媒体は、カートリッジ150、152のノズルの下方でノズルが横切るプリント媒体の部分のタンジェントに平行な媒体軸に沿って、プリントゾーン125を通って前進する。図11に示すように、媒体軸とキャリッジ軸とが同一平面上にある場合には、この2つは互いに垂直である。
【0053】
プリントキャリッジの裏面の回転防止機構が、例えば、シャシ122の垂直パネル122aと一体的に形成された、水平に配置した回動防止バー185とかみ合って、プリントキャリッジ140が摺動ロッド138を中心として前方に回動しないようにする。
【0054】
説明に役立つ例として、プリントカートリッジ150はモノクロのプリントカートリッジであり、プリントカートリッジ152は、3色のプリントカートリッジである。
【0055】
プリントキャリッジ140は、従来の方法で駆動することができるエンドレスベルト158によって、摺動ロッド138に沿って駆動される。直線状のエンコーダのストリップ159を利用して、例えば従来の技術にしたがって、キャリッジ走査軸に沿ったプリントキャリッジ140の位置を検知する。
【0056】
前述の事項は、本発明の具体的な実施形態の説明および例示であったが、当業者であれば、併記の特許請求項によって規定される本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本発明のさまざまな変形および変更を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1A】本発明を用いるインクジェットプリントヘッドのインク滴発生器および基本選択のレイアウトを示す、正確な縮尺率で描かれていない概略平面図である。
【図1B】本発明を用いるインクジェットプリントヘッドのインク滴発生器および基本選択のレイアウトを示す、正確な縮尺率で描かれていない概略平面図である。
【図2A】図1Aのインクジェットプリントヘッドのインク滴発生器およびグランドバスのレイアウトを示す、正確な縮尺率で描かれていない概略平面図である。
【図2B】図1Bのインクジェットプリントヘッドのインク滴発生器およびグランドバスのレイアウトを示す、正確な縮尺率で描かれていない概略平面図である。
【図3A】図1Aのインクジェットプリントヘッドの一部切欠き概略斜視図である。
【図3B】図1Bのインクジェットプリントヘッドの一部切欠き概略斜視図である。
【図4A】図1Aのインクジェットプリントヘッドを示す、正確な縮尺率で描かれていない概略部分平面図である。
【図4B】図1Bのインクジェットプリントヘッドを示す、正確な縮尺率で描かれていない概略部分平面図である。
【図5】図1Aおよび図1Bのプリントヘッドの薄膜下部構造の、一般化した各層の概略図である。
【図6】図1Aおよび図1Bのプリントヘッドの代表的なFET駆動回路アレイとグランドバスとのレイアウトを一般的に示す、部分平面図である。
【図7】図1Aおよび図1Bのプリントヘッドのヒータ抵抗器とFET駆動回路との電気的接続を示す、概略電気回路図である。
【図8】図1Aおよび図1Bのプリントヘッドの代表的な基本選択トレースの概略平面図である。
【図9】図1Aおよび図1Bのプリントヘッドの、FET駆動回路とグランドバスの例示的な実施態様の概略平面図である。
【図10】図9のFET駆動回路の立面断面図である。
【図11】本発明のプリントヘッドを用いることができるプリンタの、正確な縮尺率で描かれていない概略斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
11:プリントヘッド基板
40:滴発生器
56:ヒータ抵抗器
61:滴発生器の列のアレイ
61、61b、61c、61d:M個の基本選択トレース
74:ボンディングパッド
81:FET回路の列のアレイ
85:FET回路
86a、86b、86c、86d、181:電力トレース
87:ドレイン電極
88:ドレイン接点
89:ドレイン領域
91:ゲート
97:ソース電極
98:ソース接点
99:ソース領域
【0001】
本発明は、包括的にインクジェットプリントに関し、より詳細には、電力トレースの寄生抵抗を補償するように構成されたFET駆動回路を有する薄膜インクジェットプリントヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリントの技術は、比較的よく開発されている。コンピュータのプリンタ、グラフィックプロッタ、およびファクシミリ機等の市販製品は、プリントした媒体を生成するインクジェット技術で実施されている。インクジェット技術に対するヒューレット・パッカード社の貢献については、例えば、Hewlett-Packard Journal, Vol. 36, No. 5 (May 1985)、Vol. 39, No. 5 (October 1988)、 Vol. 43, No. 4 (August 1992)、Vol. 43, No. 6 (December 1992)、および、Vol. 45, No. 1 (February 1994)における様々な論文において説明されており、それらのすべては参照により本明細書に援用される。
【0003】
一般的に、インクジェット画像は、インクジェットプリントヘッドとして知られているインク滴発生装置が放出するインク滴をプリント媒体上に正確に配置することにしたがって、形成される。通常、インクジェットプリントヘッドは、プリント媒体表面の上方を横切る可動プリントキャリッジ上に支持され、マイクロコンピュータまたはその他コントローラのコマンドにしたがって適切な時点においてインク滴を噴出するよう制御される。この場合、インク滴を施すタイミングは、プリントしている画像の画素のパターンに対応するよう、意図される。
【0004】
通常のヒューレット・パッカード社のインクジェットプリントヘッドは、インクバリアー層に取り付けたオリフィス板に正確に形成した、ノズルのアレイを含む。インクバリアー層は、インク発射ヒータ抵抗器と抵抗器を作動させる装置とを実施する、薄膜下部構造に取り付けられている。インクバリアー層は、関連するインク発射抵抗器の上方に配置したインクチャンバを含むインクチャネルを画定し、オリフィス板のノズルは、関連するインクチャンバと位置合わせされている。インクチャンバと、薄膜下部構造およびオリフィス板のうちのインクチャンバに隣接する部分とによって、インク滴発生器領域が形成される。
【0005】
薄膜下部構造は、通常、シリコン等の基板から構成されている。この基板上に、薄膜インク発射抵抗器、抵抗器を作動させる装置、およびプリントヘッドへの外部電気接続のために設けるボンディングパッドへの相互接続を形成するさまざまな薄膜層が形成される。インクバリアー層は、通常、ドライフィルムとして薄膜下部構造に貼り合わされ、感光性で紫外線および熱の両方により硬化可能なように設計された、ポリマー材料である。スロット供給設計のインクジェットプリントヘッドにおいては、1つまたはそれよりも多いインク槽から、基板に形成された1つまたはそれよりも多いインク供給スロットを通じて、さまざまなインクチャンバにインクが供給される。
【0006】
オリフィス板、インクバリアー層、および薄膜下部構造の物理的配置の一例が、上で引用したFebruary 1994のHewlett-Packard Journalの44ページに説明されている。インクジェットプリントヘッドのさらなる例については、同一譲受人に譲渡されている米国特許第4,719,477号および米国特許第5,317,346号において述べられており、これらはともに参照により本明細書に援用される。
【0007】
薄膜インクジェットプリントヘッドで考慮すべき事柄として、例えば、用いるインク滴発生器および/またはインク供給スロットが多くなるにつれて、基板の大きさおよび/または基板の脆弱性が大きくなる、ということがある。したがって、コンパクトでかつ多数のインク滴発生器を有するインクジェットプリントヘッドが必要とされている。
【発明の開示】
【0008】
開示する本発明は、電力トレースの寄生抵抗の変動を補償するよう構成された、効率的な、ヒータ抵抗器に通電するFET駆動回路を備える、インクジェットプリントヘッドを提供することに関する。
【0009】
当業者であれば、以下の詳細な説明を図面とともに読めば、開示する本発明の利点および特徴を容易に理解されるであろう。
【0010】
本開示の詳細な説明
以下の詳細な説明およびいくつかの図面において、同じ要素は同じ参照番号で識別する。
【0011】
次に図1A〜図4A、および図1B〜図4Bを参照して、本発明を用いることができるインクジェットプリントヘッド100A、100Bの、正確な縮尺率で描かれていない概略的な平面図および斜視図を概略的に示す。インクジェットプリントヘッド100は、一般的に、(a)シリコン等の基板を含み、その上にさまざまな薄膜層が形成される、薄膜下部構造すなわちダイ11と、(b)薄膜下部構造11上に配置したインクバリアー層12と、(c)インクバリアー12の表面に薄層状に取り付けた、オリフィスすなわちノズル板13とを含む。
【0012】
薄膜下部構造11は、例えば従来の集積回路技術にしたがって形成された、集積回路ダイを含む。図5に概略的に示すように、薄膜下部構造11は一般的に、シリコン基板111a、FETゲートおよび絶縁層111b、抵抗器層111c、および第1の金属化層111dを含む。シリコン基板111aおよびFETゲートおよび絶縁層111bの頂部には、本明細書においてより詳細に説明する駆動FET回路等の能動デバイスが形成されている。FETゲートおよび絶縁層111bは、ゲート酸化物層、ポリシリコンゲート、および抵抗器層111cに隣接する絶縁層を含む。薄膜ヒータ抵抗器56は、抵抗器層111cおよび第1の金属化層111dのそれぞれのパターニングによって形成される。薄膜下部構造はさらに、例えば窒化ケイ素層と炭化ケイ素層とを含む複合パッシベーション層111eと、少なくともヒータ抵抗器56の上にあるタンタルの機械的パッシベーション層111fとを含む。タンタル層111fの上には、金の導電層111gがある。
【0013】
インクバリアー層12は、熱および圧力によって薄膜下部構造11に貼り合わされたドライフィルムで形成されており、感光して、ヒータ抵抗器56の上方に配置されたインクチャンバ19と、インクチャネル29とが形成されている。金の層内の、薄膜下部構造11の長手方向に離間した両端には、外部電気接続のために係合可能な金のボンディングパッド74が形成されており、ボンディングパッド74はインクバリアー層12に覆われていない。説明に役立つ例として、バリアー層の材料は、デラウェア州ウィルミントン市のE. I. duPont de Nemours and Companyから入手可能な「Parad」ブランドのフォトポリマーのドライフィルム等、アクリレートをベースにしたフォトポリマーのドライフィルムを含む。同様のドライフィルムとしては、「Riston」ブランドのドライフィルム等デュポンのその他の製品や、他の化学製品供給者が製造するドライフィルムがある。オリフィス板13は、例えば、ポリマー材料から構成され、例えばその参照により本明細書に援用される同一譲受人に譲渡されている米国特許第5,469,199号において開示されているようにレーザー・アブレーションでオリフィスを形成した、平らな基板を含む。オリフィス板はまた、ニッケル等のめっきされた金属を含んでもよい。
【0014】
図3Aおよび図3Bに示すように、インクバリアー層12内のインクチャンバ19は、より詳細には、それぞれのインク発射ヒータ抵抗器56の上方に配置されており、それぞれのインクチャンバ19は、バリアー層12に形成したチャンバ開口部の相互接続された縁すなわち壁によって画定される。インクチャネル29は、バリアー層12に形成したさらなる開口部によって画定され、それぞれのインク発射チャンバ19と一体的に接合している。インクチャネル29は、隣接するインク供給スロット71の供給縁に向かって開いており、そのようなインク供給スロットからインクを受け取る。
【0015】
オリフィス板13はオリフィスすなわちノズル21を含む。オリフィスすなわちノズル21は、それぞれのインクチャンバ19の上方に配置され、それぞれのインク発射抵抗器56、関連するインクチャンバ19、および関連するオリフィス21が位置合わせされてインク滴発生器40を形成するようになっている。ヒータ抵抗器はそれぞれ、公称の抵抗が少なくとも100オーム、例えば約120または130オームであり、図9に示すような分割した抵抗器を含んでもよい。ヒータ抵抗器56は、金属化領域59によって接続された2つの抵抗器領域56a、56bから成っている。この抵抗器構造によって、面積が同じ単一の抵抗器領域よりも大きな抵抗が提供される。
【0016】
開示するプリントヘッドを、バリアー層と、別個のオリフィス板とを有するものとして説明するが、プリントヘッドを、例えば多数の露光プロセスで露光された後に現像される単一のフォトポリマー層を用いて製造することができる、一体的なバリアー/オリフィス構造を有して実施してもよい、ということが理解されるべきである。
【0017】
インク滴発生器40は、列のアレイすなわち群61に配置されている。これらは、基準軸Lに沿って延びており、基準軸Lに対して横方向にすなわち横断方向に、互いに離間している。それぞれのインク滴発生器の群のヒータ抵抗器56は、基準軸Lに略整列しており、基準軸Lに沿った所定の中心同士の間隔すなわちノズルピッチPを有する。ノズルピッチPは、1/300インチ等、1/600インチ以上であってもよい。インク滴発生器の列のアレイ61はそれぞれ、例えば100個またはそれよりも多くのインク滴発生器(すなわち、少なくとも100個のインク滴発生器)を含む。
【0018】
説明に役立つ例として、薄膜下部構造11は長方形であってもよく、その対向する縁51、52は、長さLSの長手の縁であり、長手方向に離間した、対向する縁53、54は、薄膜下部構造11の長さLSよりも短い幅すなわち側面寸法WSのものである。薄膜下部構造11の長手方向の長さは、基準軸Lに平行であってもよい縁51、52に沿っている。使用中、基準軸Lは、一般的に媒体前進軸と呼ばれているものに整列され得る。便宜上、薄膜下部構造の、長手方向に離間した両端もまた、そのような両端における縁を指すのに用いる参照番号53、54で意味する。
【0019】
それぞれのインク滴発生器の列のアレイ61のインク滴発生器40を略同一直線上にあるものとして示すが、インク滴発生器のアレイのインク滴発生器40には、例えば発射遅延を補償するために、列の中央線からわずかに外れていてもよいものもある、ということが理解されるべきである。
【0020】
それぞれのインク滴発生器40がヒータ抵抗器56を含む限り、ヒータ抵抗器は、それに応じて、インク滴発生器の列のアレイに対応する列の群すなわちアレイになるように配置される。便宜上、ヒータ抵抗器のアレイすなわち群を、同じ参照番号61で表す。
【0021】
図1A、図2A、図3A、図4Aのプリントヘッド100Aの薄膜下部構造11は、より詳細には、基準軸Lに整列して、基準軸Lに対して横方向に互いに離間している3つのインク供給スロット71を含む。インク供給スロット71はそれぞれ、3つのインク滴発生器の群61に供給を行い、説明に役立つ例として、それぞれが供給を行う発生器の群の同じ側に配置されている。このようにして、インク供給スロット71はそれぞれ、単一の供給縁に沿ってインクを供給する。具体例として、インク供給スロットはそれぞれ、シアン、イエロー、およびマゼンタ等、他のインク供給スロットが供給するインクのカラーと異なるカラーのインクを供給する。
【0022】
図1B、図2B、図3B、図4Bのプリントヘッド100Bの薄膜下部構造11は、より詳細には、基準軸Lに整列し基準軸Lに対して横方向に互いに離間している、2つのインク供給スロット71を含む。インク供給スロット71はそれぞれ、インク滴発生器の4つの列61に供給を行う。4つの列61のインク滴発生器はそれぞれ、2つのインク供給スロット71の両側に配置されており、薄膜下部構造における関連するインク供給スロットが形成する縁に向かって、インクチャネルが開いている。このようにして、それぞれのインク供給スロットの対向縁が供給縁を形成し、2つのインク供給スロットはそれぞれ、デュアル・エッジ・インク供給スロットを構成する。具体的な実施態様として、図1B、図2B、図3B、図4Bのプリントヘッド100Bはモノクロのプリントヘッドであり、両方のインク供給スロット71がブラック等の同じカラーのインクを供給し、インク滴発生器の4つの列61がすべて同じカラーのインク滴を生成するようになっている。
【0023】
インク滴発生器の代表的な列のアレイ61について図6に概略的に示すように、インク滴発生器40の列のアレイ61にはそれぞれ、プリントヘッド100A、100Bの薄膜下部構造11内に形成した、列のFET駆動回路アレイ81が隣接し関連している。それぞれのFET駆動回路アレイ81は、複数のFET駆動回路85を含む。複数のFET駆動回路85は、それぞれがヒータ抵抗器リード線57aによってそれぞれのヒータ抵抗器56に接続された、ドレイン電極を有する。それぞれのFET駆動回路アレイ81および関連するインク滴発生器のアレイには、列のグランドバス181が関連しており、グランドバス181には、関連するFET駆動回路アレイ81のすべてのFET駆動回路85のソース電極が電気的に接続されている。それぞれのFET駆動回路の列のアレイ81および関連するグランドバス181は、関連するインク滴発生器の列のアレイ61に沿って長手方向に延び、少なくとも関連する列のアレイ61と長手方向に同一の広がりを有する。図1Aおよび図2Aに概略的に示すように、それぞれのグランドバス181は、プリントヘッド構造の一端の少なくとも1つのボンディングパッド74と、プリントヘッド構造の他端の少なくとも1つのボンディングパッド74とに、電気的に接続される。
【0024】
グランドバス181とヒータ抵抗器リード線57aとは、本明細書においてさらに説明するヒータ抵抗器リード線57bならびにFET駆動回路85のドレインおよびソース電極と同様に、薄膜下部構造11の金属化層111d(図5)内に形成されている。
【0025】
それぞれのFET駆動回路の列のアレイのFET駆動回路85は、デコーダ論理回路35の関連する列のアレイ31によって制御される。デコーダ論理回路35は、適切なボンディングパッド74(図6)に接続された隣接するアドレスバス33上のアドレス情報を復号する。本明細書においてさらに説明するように、アドレス情報は、インク発射エネルギーで通電するインク滴発生器を識別し、デコーダ論理回路35はこのアドレス情報を利用して、アドレスするすなわち選択するインク滴発生器のFET駆動回路をオンにする。
【0026】
図7に概略的に示すように、それぞれのヒータ抵抗器56の一方の端子は、基本選択トレースによって、インク発射基本選択信号PSを受け取るボンディングパッド74に接続されている。このようにして、それぞれのヒータ抵抗器56の他方の端子が、関連するFET駆動回路85のドレイン端子に接続されているので、関連するデコーダ論理回路35によって制御される関連するFET駆動回路がオンである場合に、インク発射エネルギーPSがヒータ抵抗器56に供給される。
【0027】
インク滴発生器の代表的な列のアレイ61について図8に概略的に示すように、インク滴発生器の列のアレイ61のインク滴発生器は、隣接するインク滴発生器でできた4つの基本群61a、61b、61c、61dにまとめることができ、ある特定の基本群のヒータ抵抗器56は、4つの基本選択トレース86a、86b、86c、86dのうちの同じ1つに電気的に接続され、特定の基本群のインク滴発生器が、同じインク発射基本選択信号PSに対し並列に切り替え可能に結合するようになっている。1列のアレイにおけるインク滴発生器の数Nが4の整数倍である具体例について、それぞれの基本群は、N/4個のインク滴発生器を含む。参考のために、基本群61a、61b、61c、61dは、横方向の縁53から横方向の縁54に向かって順番に配置されている。
【0028】
図8は、より詳細には、関連する滴発生器の列のアレイ61および関連するFET駆動回路85の列のアレイ81(図6)の、基本選択トレース86a、86b、86c、86dの概略平面図を示す。基本選択トレース86a、86b、86c、86dは、例えば、関連するFET駆動回路のアレイ81とグランドバス181との上方にあり絶縁的に分離されている金属化層111g(図5)内のトレースによって実施される。基本選択トレース86a、86b、86c、86dはそれぞれ、金属化層111d内に形成した抵抗器リード線57b(図8)と、基本選択トレースと抵抗器リード線57bとの間に延びる相互接続バイア58(図9)とによって、4つの基本群61a、61b、61c、61dに電気的に接続されている。
【0029】
第1の基本選択トレース86aは、第1の基本群61aに沿って長手方向に延びていて、それぞれ第1の基本群61aのヒータ抵抗器56に接続されているヒータ抵抗器リード線57b(図9)の一部の上にあり、バイア58(図9)によってそのようなヒータ抵抗器リード線57bに接続されている。第2の基本選択トレース86bは、第2の基本群61bに沿って延びている部分を含み、それぞれ第2の基本群61bのヒータ抵抗器56に接続されているヒータ抵抗器リード線57b(図9)の一部の上にあり、バイア58によってそのようなヒータ抵抗器リード線57bに接続されている。第2のトレース86bは、第1の基本選択トレース86aの、第1の基本群61aのヒータ抵抗器56とは反対の側に、第1の基本選択トレース86aに沿って延びる、さらなる部分を含む。第2の基本選択トレース86bは略L字型であり、第2の部分は第1の部分よりも幅が狭く、第2の基本選択トレース86bの幅広部分よりも狭い第1の基本選択トレース86aを迂回するようになっている。
【0030】
第1および第2の基本選択トレース86a、86bは、一般に、少なくとも第1および第2の基本群61a、61bと長手方向に同一の広がりを有し、それぞれ、第1および第2の基本選択トレース86a、86bに最も近い横方向の縁53に配置されたそれぞれのボンディングパッド74に適切に接続されている。
【0031】
第4の基本選択トレース86dは、第4の基本群61dに沿って長手方向に延びていて、第4の基本群61dのヒータ抵抗器56に接続されているヒータ抵抗器リード線57b(図9)の一部の上にあり、バイア58によってそのようなヒータ抵抗器リード線57bに接続されている。第3の基本選択トレース86cは、第3の基本群61cに沿って延びている部分を含み、第3の基本群61cのヒータ抵抗器56に接続されているヒータ抵抗器リード線57b(図9)の一部の上にあり、バイア58によってそのようなヒータ抵抗器リード線57bに接続されている。第3の基本選択トレース86cは、第4の基本選択トレース86dに沿って延びる、さらなる部分を含む。第3の基本選択トレース86cは略L字型であり、第2の部分は第1の部分よりも幅が狭く、第3の基本選択トレース86cの幅広部分よりも狭い第4の基本選択トレース86dを迂回するようになっている。
【0032】
第3および第4の基本選択トレース86c、86dは、概して少なくとも第3および第4の基本群61c、61dと長手方向に同一の広がりを有し、それぞれ、第3および第4の基本選択トレース86c、86dに最も近い横方向の縁54に配置されたそれぞれのボンディングパッド74に適切に接続されている。
【0033】
具体例として、インク滴発生器の列のアレイ61の基本選択トレース86a、86b、86c、86dは、そのインク滴発生器の列のアレイに関連するFET駆動回路およびグランドバスの上にあり、関連する列のアレイ61と長手方向に同一の広がりを有する領域において含まれている。このようにして、インク滴発生器の列のアレイ61の4つの基本群の4つの基本選択トレースが、そのアレイに沿って、プリントヘッド基板の両端に向かって延びる。より詳細には、プリントヘッド基板の長さの1/2に配置された第1の対の基本群61a、61bの第1の対の基本選択トレースは、そのような第1の対の基本群に沿って延びる領域において含まれており、プリントヘッド基板の長さの他方の1/2に配置された第2の対の基本群61c、61dの第2の対の基本選択トレースは、そのような第2の対の基本群に沿って延びる領域において含まれている。
【0034】
参照しやすくするために、ヒータ抵抗器56とそれに関連するFET駆動回路85とをボンディングパッド74に電気的に接続する、基本選択トレース86とそれに関連するグランドバスとを、総称して電力トレースと呼ぶ。これもまた参照しやすくするために、基本選択トレース86は、ハイ側または非接地の電力トレースと呼ぶことができる。
【0035】
一般的に、それぞれのFET駆動回路85の寄生抵抗(すなわち、オン抵抗)は、電力トレースが形成する寄生経路によって個別のFET駆動回路85に与えられる寄生抵抗の変動を補償して、ヒータ抵抗器に供給されるエネルギーの変動を少なくすよう、構成されている。特に、電力トレースは、経路上の位置とともに変動する寄生抵抗をFET回路に与える寄生経路を形成し、それぞれのFET駆動回路85の寄生抵抗は、それぞれのFET駆動回路85の寄生抵抗とFET駆動回路に与えられる電力トレースの寄生抵抗との組み合わせが、インク滴発生器同士の間でわずかしか変動しないように、選択される。したがって、ヒータ抵抗器56の抵抗が略同じである限り、それぞれのFET駆動回路85の寄生抵抗は、それぞれのFET駆動回路85に与えられる関連する電力トレースの寄生抵抗の変動を補償するよう構成されている。このようにして、電力トレースに接続されているボンディングパッドに略等しいエネルギーが供給される限り、異なるヒータ抵抗器56に略等しいエネルギーを供給することができる。
【0036】
より詳細には図9および10を参照して、それぞれのFET駆動回路85は、シリコン基板111a(図5)に形成したドレイン領域フィンガー89の上方に配置した、複数の電気的に相互接続されたドレイン電極フィンガー87と、ドレイン電極87と互いに入り込み、すなわち交互に配置され、シリコン基板111aに形成したソース領域フィンガー99の上方に配置した、複数の電気的に相互接続されたソース電極フィンガー97とを含む。それぞれの端において相互接続されたポリシリコンのゲートフィンガー91が、シリコン基板111a上に形成した薄いゲート酸化物層93上に配置されている。PSG(phosphosilicate glass)層95が、ドレイン電極87およびソース電極97をシリコン基板111aから分離している。複数の導電ドレイン接点88がドレイン電極87をドレイン領域89に電気的に接続し、複数の導電ソース接点98がソース電極97をソース領域99に電気的に接続する。
【0037】
それぞれのFET駆動回路が占める面積は好ましくは小さく、それぞれのFET駆動回路のオン抵抗は好ましくは小さく、例えば14オーム以下または16オーム以下である(すなわち、大きくても14または16オーム)。そのためには、効率的なFET駆動回路が必要である。例えば、オン抵抗Ronは、次式のようにFET駆動回路の面積Aに関連させることができる。
Ron<(250,000 オーム・マイクロメートル2)/A
ここで、面積Aはマイクロメートル2(μm2)で表している。これは例えば、厚さが800オングストローム以下(すなわち、大きくても800オングストローム)の、またはゲート長が4μmよりも小さい、ゲート酸化物層93で達成することができる。また、ヒータ抵抗器の抵抗が少なくとも100オームであれば、ヒータ抵抗器の抵抗がそれよりも小さい場合と比べて、FET回路をより小型にすることができる。ヒータ抵抗器の値がより大きければ、寄生とヒータ抵抗器との間のエネルギーの分配を考えると、より大きなFETターンオン抵抗が許容され得るからである。
【0038】
具体例として、ドレイン電極87、ドレイン領域89、ソース電極97、ソース領域99、およびポリシリコンのゲートフィンガー91は、基準軸Lを略直交してすなわち横断する方向に、そして、グランドバス181の長手方向の長さまで延びていてもよい。また、それぞれのFET回路85について、図6に示すように、ドレイン領域89およびソース領域99の基準軸Lに対する横断方向の長さは、ゲートフィンガーの基準軸Lに対する横断方向の長さと同じであり、これによって、基準軸Lに対する横断方向の動作領域の範囲が画定される。参照しやすくするために、ドレイン電極フィンガー87、ドレイン領域フィンガー89、ソース電極フィンガー97、ソース領域フィンガー99、およびポリシリコンのゲートフィンガー91は、このような素子がストリップ状すなわちフィンガー状の方法で長く幅が狭い限り、このような素子の長手方向の長さと呼ぶことができる。
【0039】
説明に役立つ例として、それぞれのFET回路85のオン抵抗は、ドレイン領域フィンガーの連続して非接触な部分の長手方向の範囲すなわち長さを制御することによって、個々に構成される。連続して非接触な部分には、電気的接点88がない。例えば、ドレイン領域フィンガーの連続して非接触な部分は、ヒータ抵抗器56から最も遠いドレイン領域89の端で始まってもよい。特定のFET回路85のオン抵抗は、ドレイン領域フィンガーの連続して非接触な部分の長さが長くなるにつれて大きくなり、この長さは、特定のFET回路のオン抵抗を決定するように選択される。
【0040】
他の例として、それぞれのFET回路85のオン抵抗は、FET回路の大きさを選択することによって構成してもよい。例えば、FET回路の基準軸Lに対する横断方向の長さを、オン抵抗を規定するように選択してもよい。
【0041】
特定のFET回路85についての電力トレースが、合理的にまっすぐな経路によって、プリントヘッド構造の長手方向に離れた端のうちの最も近いものの上のボンディングパッド74へと配線されている通常の実施態様において、プリントヘッドの最も近い端からの距離とともに寄生抵抗は大きくなり、FET駆動回路85のオン抵抗は、そのような最も近い端からの距離とともに小さくなり(FET回路をより効率的にする)、電力トレースの寄生抵抗の増大を相殺するようになっている。具体例として、ヒータ抵抗器56から最も遠いドレイン領域フィンガーの端で始まるそれぞれのFET駆動回路85のドレインフィンガーの連続して非接触な部分に関して、そのような部分の長さは、プリントヘッド構造の長手方向に離れた端のうちの最も近いものからの距離とともに短くなる。
【0042】
それぞれのグランドバス181は、FET回路85のドレイン電極87およびソース電極97と同じ薄膜金属化層で形成されており、ソースおよびドレイン領域89、99とポリシリコンのゲート91とから構成されているそれぞれのFET回路の動作領域は、有利なことに、関連するグランドバス181の下に延びている。これによって、グランドバスおよびFET回路アレイが占める領域をより狭くすることができ、それによって、より狭い、したがってより安価な薄膜下部構造を可能にすることができる。
【0043】
また、ドレイン領域フィンガーの連続して非接触な部分がヒータ抵抗器56から最も遠いドレイン領域フィンガーの端で始まる実施態様においては、それぞれのグランドバス181の、基準軸Lに対する横断方向の関連するヒータ抵抗器56に向かう長さは、ドレインフィンガーの連続して非接触な部分の長さが長くなるに従って長くすることができる。ドレイン電極は、そのようなドレインフィンガーの連続して非接触な部分にわたって延びる必要がないからである。言い換えれば、ドレイン領域の連続して非接触な部分の長さ次第で、グランドバスがFET駆動回路85の動作領域の上にある量を多くすることによって、グランドバス181の幅Wを広くすることができる。これは、グランドバス181およびその関連するFET駆動回路アレイ81が占める領域の幅を広くすることなく行われる。グランドバスとFET駆動回路85の動作領域との重なりの量を多くすることによって広くするからである。事実上、いかなる特定のFET回路85においても、ドレイン領域の非接触の部分と略等しい長さだけ、基準軸Lに対する横断方向にグランドバスが動作領域に重なることができる。
【0044】
ドレイン領域の連続して非接触な部分がヒータ抵抗器56から最も遠いドレイン領域フィンガーの端で始まり、プリントヘッド構造の最も近い端からの距離とともにそのようなドレイン領域の連続して非接触な部分の長さが短くなる、具体例については、ドレイン領域の連続して非接触な部分の長さの変化に伴ってグランドバス181の幅Wが調節されるすなわち変化するので、図6に示すように、グランドバスの幅W81は、プリントヘッド構造の最も近い端の近くで広くなるようになっている。ボンディングパッド74に近づくにつれて共有電流の量が多くなるので、このような形状にすることによって、有利なことにボンディングパッド74に近づくにつれてグランドバスの抵抗が小さくなる。
【0045】
グランドバスの抵抗はまた、グランドバス181の一部を、デコーダ論理回路35同士の間の長手方向に互いに離間した領域に横方向に延ばすことによっても、小さくすることができる。例えば、そのような一部は、デコーダ論理回路35が形成されている領域の幅だけ動作領域を超えて横方向に延びていてもよい。
【0046】
インク滴発生器の列のアレイに関連する下記の回路部は、図6および8において幅の値の後に続く参照番号によって示す、下記の幅を有するそれぞれの領域内に含まれていてもよい。
【0047】
【表1】
【0048】
このような幅は、基準軸Lに整列したプリントヘッド基板の長手方向の長さと直交してすなわち横方向に測定する。
【0049】
次に図11を参照して、上述のプリントヘッドを用いることができるインクジェットプリント装置20の例の概略斜視図を示す。図11のインクジェットプリント装置20はシャシ122を含む。シャシ122は、通常成形プラスチック材料でできたハウジングすなわちエンクロージャ124で取り囲まれている。シャシ122は、例えばシートメタルで形成されており、垂直パネル122aを含む。適応型プリント媒体取扱システム126によって、プリント媒体のシートがプリントゾーン125を通って個別に供給される。プリント媒体取扱システム126は、プリント前のプリント媒体を保管する供給トレイ128を含む。プリント媒体は、紙、厚紙、透明シート、マイラー等いかなるタイプの好適なプリント可能なシート材料であってもよいが、便宜上、図示の実施形態は、プリント媒体として紙を用いるものとして説明する。ステッパモータによって駆動される駆動ローラ129を含む、一連の従来のモータによって駆動されるローラを用いて、プリント媒体を供給トレイ128からプリントゾーン125内に動かしてもよい。プリント後、駆動ローラ129は、プリントされたシートを、1対の可倒式の出力乾燥ウイング部材130上に動かす。ウイング部材130は、プリントされたシートを受け取るよう倒される状態で示す。ウイング部材130は、新しくプリントされたシートを、出力トレイ132内でまだ乾きつつある既にプリントされたシートの上方で短時間保持し、その後曲線の矢印133で示すように回動的に両側に引っ込み、新しくプリントされたシートを出力トレイ132内に落とす。プリント媒体取扱システムは、摺動式長さ調節アーム134や封筒供給スロット135等、レター、リーガル、A4、封筒等を含むさまざまな大きさのプリント媒体に対応する、一連の調節機構を含んでもよい。
【0050】
図11のプリンタはさらに、プリンタコントローラ136を含む。プリンタコントローラ136は、マイクロプロセッサとして概略的に示し、シャシの垂直パネル122aの後ろ側に支持されたプリント回路基板139上に配置されている。プリンタコントローラ136は、パーソナルコンピュータ等のホスト装置(図示せず)から命令を受け取り、プリントゾーン125を通るプリント媒体の前進、プリントキャリッジ140の動き、およびインク滴発生器40への信号印加を含む、プリンタの動作の制御を行う。
【0051】
キャリッジ走査軸と平行な長手方向の軸を有するプリントキャリッジ摺動ロッド138がシャシ122に支持されて、プリントキャリッジ140を大規模に支持し、キャリッジ走査軸に沿って平行移動の動きすなわち走査を往復して行うようにする。プリントキャリッジ140は、第1および第2の着脱式インクジェットプリントヘッドカートリッジ150、152(それぞれ「ペン」、「プリントカートリッジ」、または「カートリッジ」と呼ぶことがある)を支持する。プリントカートリッジ150、152はそれぞれプリントヘッド154、156を含む。プリントヘッド154、156はそれぞれ、プリント媒体のうちのプリントゾーン125内にある部分の上に略下向きにインクを噴出する、略下向きのノズルを有する。プリントカートリッジ150、152は、より詳細には、クランプレバー、ラッチ部材、またはふた170、172を含むラッチ機構によって、プリントキャリッジ140内に固定されている。
【0052】
参考として、プリント媒体は、カートリッジ150、152のノズルの下方でノズルが横切るプリント媒体の部分のタンジェントに平行な媒体軸に沿って、プリントゾーン125を通って前進する。図11に示すように、媒体軸とキャリッジ軸とが同一平面上にある場合には、この2つは互いに垂直である。
【0053】
プリントキャリッジの裏面の回転防止機構が、例えば、シャシ122の垂直パネル122aと一体的に形成された、水平に配置した回動防止バー185とかみ合って、プリントキャリッジ140が摺動ロッド138を中心として前方に回動しないようにする。
【0054】
説明に役立つ例として、プリントカートリッジ150はモノクロのプリントカートリッジであり、プリントカートリッジ152は、3色のプリントカートリッジである。
【0055】
プリントキャリッジ140は、従来の方法で駆動することができるエンドレスベルト158によって、摺動ロッド138に沿って駆動される。直線状のエンコーダのストリップ159を利用して、例えば従来の技術にしたがって、キャリッジ走査軸に沿ったプリントキャリッジ140の位置を検知する。
【0056】
前述の事項は、本発明の具体的な実施形態の説明および例示であったが、当業者であれば、併記の特許請求項によって規定される本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本発明のさまざまな変形および変更を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1A】本発明を用いるインクジェットプリントヘッドのインク滴発生器および基本選択のレイアウトを示す、正確な縮尺率で描かれていない概略平面図である。
【図1B】本発明を用いるインクジェットプリントヘッドのインク滴発生器および基本選択のレイアウトを示す、正確な縮尺率で描かれていない概略平面図である。
【図2A】図1Aのインクジェットプリントヘッドのインク滴発生器およびグランドバスのレイアウトを示す、正確な縮尺率で描かれていない概略平面図である。
【図2B】図1Bのインクジェットプリントヘッドのインク滴発生器およびグランドバスのレイアウトを示す、正確な縮尺率で描かれていない概略平面図である。
【図3A】図1Aのインクジェットプリントヘッドの一部切欠き概略斜視図である。
【図3B】図1Bのインクジェットプリントヘッドの一部切欠き概略斜視図である。
【図4A】図1Aのインクジェットプリントヘッドを示す、正確な縮尺率で描かれていない概略部分平面図である。
【図4B】図1Bのインクジェットプリントヘッドを示す、正確な縮尺率で描かれていない概略部分平面図である。
【図5】図1Aおよび図1Bのプリントヘッドの薄膜下部構造の、一般化した各層の概略図である。
【図6】図1Aおよび図1Bのプリントヘッドの代表的なFET駆動回路アレイとグランドバスとのレイアウトを一般的に示す、部分平面図である。
【図7】図1Aおよび図1Bのプリントヘッドのヒータ抵抗器とFET駆動回路との電気的接続を示す、概略電気回路図である。
【図8】図1Aおよび図1Bのプリントヘッドの代表的な基本選択トレースの概略平面図である。
【図9】図1Aおよび図1Bのプリントヘッドの、FET駆動回路とグランドバスの例示的な実施態様の概略平面図である。
【図10】図9のFET駆動回路の立面断面図である。
【図11】本発明のプリントヘッドを用いることができるプリンタの、正確な縮尺率で描かれていない概略斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
11:プリントヘッド基板
40:滴発生器
56:ヒータ抵抗器
61:滴発生器の列のアレイ
61、61b、61c、61d:M個の基本選択トレース
74:ボンディングパッド
81:FET回路の列のアレイ
85:FET回路
86a、86b、86c、86d、181:電力トレース
87:ドレイン電極
88:ドレイン接点
89:ドレイン領域
91:ゲート
97:ソース電極
98:ソース接点
99:ソース領域
Claims (21)
- 複数の薄膜層を含むプリントヘッド基板(11)と、
前記プリントヘッド基板内に形成され、長手方向の軸Lに沿って延びる、滴発生器(40)の列のアレイ(61)であって、各滴発生器は、抵抗が少なくとも100オームであるヒータ抵抗器(56)を有している、滴発生器の列のアレイと、
前記プリントヘッド基板内に形成され、それぞれ前記滴発生器に接続されている、FET回路(85)の列のアレイ(81)であって、前記FET回路は、ドレイン領域(89)、ソース領域(99)、およびゲート酸化物層(93)の上に配置されたゲート(91)を有する動作領域を含み、各FET回路のオン抵抗は、(250,000オーム・マイクロメートル2)/A(ここで、AはそのようなFET回路のマイクロメートル2で表した面積である)よりも小さい、FET回路の列のアレイと、
前記滴発生器および前記FET駆動回路に接続された、電力トレース(86a、86b、86c、86d、181)と、
を備え、
前記FET駆動回路は、前記電力トレースが与える寄生抵抗の変動を補償するよう構成されている、
インクジェットプリントヘッド。 - 前記ゲート酸化物層の厚さは、大きくても800オングストロームである、請求項1に記載のプリントヘッド。
- 前記FET回路はそれぞれ、ゲート長が4マイクロメートルよりも短い、請求項1に記載のプリントヘッド。
- 前記FET回路はそれぞれ、オン抵抗が大きくても16オームである、請求項1に記載のプリントヘッド。
- 前記FET回路はそれぞれ、オン抵抗が大きくても14オームである、請求項1に記載のプリントヘッド。
- 前記FET回路の列のアレイは、前記長手方向の軸Lと直交する幅を有するFET領域内に含まれ、前記幅は大きくても350マイクロメートルである、請求項1に記載のプリントヘッド。
- 前記FET回路の列のアレイは、前記長手方向の軸Lと直交する幅を有するFET領域内に含まれ、前記幅は大きくても250マイクロメートルである、請求項1に記載のプリントヘッド。
- 前記電力トレースは、前記FET駆動回路の列のアレイに重なるグランドバス(181)を含む、請求項1に記載のプリントヘッド。
- 前記グランドバスは、前記長手方向の基準軸Lに沿って変化する、該長手方向の基準軸Lに対して横断方向の幅を有する、請求項8に記載のプリントヘッド。
- 前記滴発生器の列のアレイはそれぞれ、M個の基本群(61a、61b、61c、61d)にまとめられており、前記電力トレースは、それぞれ前記M個の基本群に接続されたM個の基本選択トレース(86a、86b、86c、86d)を含む、請求項1に記載のプリントヘッド。
- 前記プリントヘッド基板は、長手方向に離間した端を含み、Mは偶数であり、前記M個の基本選択トレースのうちのM/2個は、前記端のうちの1つにおいてボンディングパッド(74)に電気的に接続され、前記M個の基本選択トレースのうちの別のM/2個は、前記端のうちの別のものにおいてボンディングパッド(74)に電気的に接続されている、請求項10に記載のプリントヘッド。
- Mは4である、請求項11に記載のプリントヘッド。
- 前記M個の基本選択トレースは、関連するFET駆動回路の列のアレイの上にある、請求項10に記載のプリントヘッド。
- 前記滴発生器同士は、前記長手方向の基準軸Lに沿って少なくとも1/600インチだけ離間している、請求項1に記載のプリントヘッド。
- 前記滴発生器同士は、前記長手方向の基準軸Lに沿って1/300インチだけ離間している、請求項14に記載のプリントヘッド。
- 前記ヒータ抵抗器の抵抗は少なくとも120オームである、請求項1に記載のプリントヘッド。
- 前記ヒータ抵抗器の抵抗は少なくとも130オームである、請求項1に記載のプリントヘッド。
- 前記FET回路のオン抵抗はそれぞれ、前記電力トレースが与える寄生抵抗の変動を補償するよう選択される、請求項1に記載のプリントヘッド。
- 前記FET回路のそれぞれの大きさは、前記オン抵抗を設定するよう選択されている、請求項18に記載のプリントヘッド。
- 前記FET回路はそれぞれ、
ドレイン電極(87)と、
前記ドレイン電極をドレイン領域に電気的に接続するドレイン接点(88)と、
ソース電極(97)と、
前記ソース電極をソース領域に電気的に接続するソース接点(98)と、
を含み、
前記ドレイン領域は、前記FET回路のそれぞれのオン抵抗を、前記電力トレースが与える寄生抵抗の変動を補償するように設定するよう構成されている、
請求項18に記載のプリントヘッド。 - 前記ドレイン領域は、前記オン抵抗を設定するよう選択された長さを有する連続して非接触な部分を含む、細長いドレイン領域を含む、請求項20に記載のプリントヘッド。
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