JP2004520727A - スペクトラム拡散多重アクセス符号の直交変換方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、任意の符号分割多重アクセス(CDMA)システム、スペクトル拡散システム、及びディジタル通信システムのいずれにも適用されうる直交符号群の形成方法及び直交符号群の変換方法を開示する。これにより、任意の長さの非ゼロの実数及び複素数のシーケンスが直交回転によって直交符号群となる。また、本発明の方法は、任意の実数及び複素数の直交する符号群を、直交回転変換を通じて最初の符号群と略同じ特性を有する複数の直交符号群へ変換する。変換の前の符号と後の符号は、互いに直交であり、符号分割多重アクセスシステム(CDMA)、スペクトル拡散システム、及びディジタル通信システムにおける種々の要件を満たす。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤレススペクトラム拡散技術及びディジタル移動通信技術に係り、特に、しかしこれらに限られるものではないが、スペクトラム拡散多重アクセスコーディングを形成する方法、及び、多重アクセス符号群の間の直交変換方法に関連する。
【0002】
【従来の技術】
情報社会とパーソナル通信の時代の到来により、符号分割多重アクセス(CDMA)技術への関心が高まっている。これは、CDMA技術が他の多重アクセス方法と比較して高いシステム容量を提供するからである。
【0003】
CDMAシステムでは、多重アクセス符号の選択は、例えば容量、干渉防止、アクセス速度、スイッチング等といった規準を含むシステム性能に対して直接影響を与える。各ユーザは、システム中で識別用に自分の特別なスペクトラム拡散多重アクセス符号を有する。概して、小さいエリア(又はセクタ)では、ユーザ間のスペクトラム拡散アクセス符号は、完全に直交であるか略完全に直交でなくてはならない。同時に、異なる小さいエリア間では、ユーザのスペクトラム拡散多重アクセス符号は、できるかぎり多様であるべきである。これは、小さいエリア(又はセクタ)及びユーザを識別するためだけでなく、隣接する小さいエリア(又はセクタ)とユーザの間の干渉を減少させるためでもある。なぜならば、通常は、ユーザ局(又は基地局)は、自分の小さいエリアの基地局(又はユーザ局)からの信号だけでなく、隣接するエリアの基地局(又はユーザ局)からの信号も受信するためである。従って、符号分割多重アクセス(CDMA)を用いる全てのシステムは、異なる小さいエリア(又はセクタ)のために使用されるスペクトラム拡散多重アクセスコードを出来るかぎり異なるようにする。その異なる度合いは、数学的には多重アクセス符号間の相関関数によって示され、相関関数の値が小さいほど、直交性は高く、差は大きい。
【0004】
現在のところ、異なる小さいエリアに対して使用されるスペクトラム拡散多重アクセス符号を区別するために最もよく使用される方法は、基本的な直交スペクトラム拡散多重アクセス符号をスクランブルするために長い疑似ランダム列の差分オフセットを使用するものである。例えば、以下の相互に完全に直交するスペクトラム拡散多重アクセス符号では、
【0005】
【数10】
である。
【0006】
ここで、+は、ディジタルの+1を表し、−はディジタルの−1を表し、各行は夫々が基本スペクトラム拡散多重アクセス符号を表す。各行は、夫々、− + + +と+ + + −でスクランブルされ(即ち対応する項目に掛け合わされ)、以下のスペクトラム拡散多重アクセス符号の2つのグループ、
【0007】
【数11】
と、
【0008】
【数12】
が生成される。
【0009】
明らかに、スペクトラム拡散多重アクセス符号の新しく生成された2つのグループの各符号グループでは、各スペクトラム拡散多重アクセスコードはなお完全に直交であるが、2つのグループ間ではより大きい相関があるだけでなく、区別できる。これは、小さいエリアについて使用される多重アクセス符号を割り当てるとき、又はセルラー式の小さいエリアのネットワークを構築するときの基本的な原理である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
スクランブルを行う変換方法では、変換の後に符号群のうちの各多重アクセス符号が直交性を保ったとしても、以下の欠点がある。
(1)スクランブル変換後、符号群は基本符号群の非周期的な自己相関及び相互相関を維持しない。
(2)基本符号及びスクランブルによって発生する符号は、完全な直交性を失う。
(3)スクランブル変換のための基本直交符号群を有さねばならない。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、直交回転を用いてスペクトラム拡散符号を形成する方法を提供する。任意の長さの実数と複素数のシーケンスは、マルチパス(multi−pass)直交回転によって変換され、スペクトラム拡散多重アクセス符号の新しい直交する群を形成する。
【0012】
本発明は、更に、スペクトラム拡散符号の群の間の直交回転変換方法を提供する。変換後、形成された符号群は、周期的、非周期的、及びハイブリッドな自己相関特徴と、周期的、非周期的、及びハイブリッドな相互相関特徴とを含む変換の前の符号群に対して略一貫した相関特性を維持する。これにより、変換前の多重アクセス符号と変換後の多重アクセス符号とは相互に直交するものとなる。
【0013】
本発明の1つの面によれば、直交回転によってスペクトラム拡散符号を形成する方法であって、
長さNの非ゼロのシーケンス、但しN≧2、
【0014】
【数13】
を選択する段階と、
連続する要素α1,α2,...,αN−1間の基本回転角、但し、基本回転角の和は2πに等しい、を選択する段階と、
基本回転角の整数倍で上記非ゼロのシーケンスを夫々N−1回だけ回転させ、整数倍の値は回転された回数に対応し、元のシーケンスと合わせると以下のNのシーケンス、
【0015】
【数14】
が得られ、
Nのシーケンスは互いに直交し、スペクトラム拡散多重アクセス符号の直交群を構成する方法が提供される。
【0016】
本発明の他の面によれば、スペクトラム拡散多重アクセス符号群のための直交回転を用いた変換方法であって、
夫々のシーケンスが長さNであるM個のシーケンスを有する直交符号群、
【0017】
【数15】
を与える段階と、
連続する要素α1,α2,...,αN−1間の基本回転角、但し、基本回転角の和は2πに等しい、を選択する段階とを含み、
基本回転角の整数倍で上記非ゼロのシーケンスを夫々N−1回だけ回転させ、即ち、整数倍の値は回転された回数に対応し、元のシーケンスと合わせると以下のNの直交符号群、
【0018】
【数16】
が得られる方法が提供される。
【0019】
本発明の方法によれば、任意の長さのゼロでない実数と複素数のシーケンスは、適当な回転によって直交する符号群とされうる。また、本発明の方法によれば、実数と複素数を有する任意の直交する符号群は、変換によって直交する符号の多数の群とされうる。直交する符号の多数の群は、元々の符号群と略一貫した特徴を維持し、変換前の符号と変換後の符号は相互に直交する。この特徴は、符号分割多重アクセスシステムの種々の要件を満たしうる。
【0020】
符号分割多重アクセス(CDMA)を用いる任意のシステムは、異なる小さいエリア(又はセクタ)で用いられるべきスペクトラム拡散多重アクセス符号を出来る限り多様なものとする。本発明の方法は、ネットワーク設計、転送、容量の増加等のための有効な方法を提供する。それに加えて、多数回の変換回転を用いて、直交する符号群は、任意の長さのゼロでない実数と複素数のシーケンスから迅速に形成されうる。方法は簡単且つ効果的である。これは、従来の複雑な規則を用いる方法を、直交する符号を形成するために回転を用いることによって、簡単な方法に置き換える。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について詳述する。3つの要素(+ + +)の長さの2値シーケンスがあるものと想定し、シーケンスの直交回転変換を行い、即ち連続する要素の前後で等しく回転させる。回転する角度の和は、周期の整数倍、即ち、n×360°(2nπ),n=1,2,...を保つ。回転周期が1サイクルであるとき、符号の長さが3であるため、2つの連続する要素の間では角度は360°/3=120°(2π/3)でなくてはならず、従って、1サイクルの回転により、新しいシーケンス(+ ej2 π /3 e−j2 π /3)が生成される。回転周期が2サイクルであるとき、2つの連続する要素の間では、2×360°/3=240°(4π/3)であるか、逆回転120°(−2π/3)でなくてはならず、従って、2サイクルの回転では、新しいシーケンス(+ e−j2 π /3 ej2 π /3)が生成される。3サイクル、又は3サイクル以上の回転は、新しいシーケンスを生成しないため意味がない。従って、シーケンス(+ + +)の直交回転の後、以下の符号群、
基本シーケンス C0=[+ + +];
1サイクルの回転 C1=[+ ej2 π /3 e−j2 π /3];
2サイクルの回転 C2=[+ e−j2 π /3 ej2 π /3]、
が得られる。
【0022】
明らかに、直交回転によって形成される符号群は、どの2つのシーケンスも直交するため、直交符号群である。更に、群の直交性は、シーケンスの最初の位相とは完全に独立である。例えば、
【0023】
【数17】
は、上述の3つのシーケンスを、初期位相φ0、φ1、及びφ2で夫々表す。任意の初期位相φ0、φ1、及びφ2について、符号群はやはり直交符号群であることが明らかである。この特徴は、技術的手法上、有用である。
【0024】
以下、上述の各符号の非周期的な自己相関について表を用いて説明する。表1は、各符号の非周期的な自己相関関数を示す。
【0025】
【表1】
表1より、RC0(τ)、RC1(τ)及びRC2(τ)は、サイドローブ(side lobe)に幾らかの一定の位相シフトがあることを除き、略一貫していることがわかる。この特徴もまた、技術的手法上、有用である。
【0026】
以下、スペクトラム拡散符号の直交群又は副直交(by−orthogonal)群に対する直交回転の影響について説明する。また、例として3進符号群を考え、
C0=[+ + +]
C1=[+ − −]
C2=[− − +]
C3=[− + −]
は、3要素符号群であると想定する。表2は、非周期的な自己相関及び相互相関関数を示す表である。
【0027】
【表2】
直交回転変換の後、多重アクセス符号の基本群は、以下の、3つの多重アクセス符号の基本群を発生させる。
【0028】
【数18】
直交回転の前後に、各符号が完全に直交であること、即ち、
【0029】
【数19】
であることを確認することは容易である。これは、4つの直交する符号群、即ち、
【0030】
【数20】
があることを意味する。
【0031】
表3及び表4は、直交回転によって形成される符号群の非周期的な自己相関関数及び相互相関関数の表である。これらの表から、符号群の自己相関関数及び相互相関関数は、相関関数のサイドローブにおいて幾らかの固定の位相シフトを導入すること以外は、直交回転の前後で、略一貫していることがわかる。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
以下、本発明のより一般的な実施例について説明する。
【0034】
本発明の一般的な方法によれば、本発明の方法は、長さNの非ゼロのシーケンス
【0035】
【数21】
からの直交回転によって形成されることを特徴とする。シーケンスa0n(n=0,1,2,...,N−1)の各要素が等しい絶対値を有する実数であるか、等しい絶対値を有する複素数(即ち、|a0n|2は定数)であるとき、直交符号群は、等しい回転によって単純に形成されうる。方法は、以下の通りである。
【0036】
符号の長さに従って、基本回転角α=2π/Nを決めると、この基本回転角はN−1の新しい符号シーケンス、即ち、
【0037】
【数22】
を生成する。式中、φ1 ,φ2 ,...,φN−1は任意の最初の角度である。a0もまた任意の最初の値φ0を有し、即ち、
【0038】
【数23】
である。元のシーケンスと足し合わせると、全部でNのシーケンス、
【0039】
【数24】
がある。これらは、直交符号群を構成する。
【0040】
|a0n|2,(n=0,1,2,...,N−1)が定数と等しくないとき、即ち異なるnが異なる|a0n|2値を有するとき、この場合、等しい回転を行うのは不可能であり、回転角はシーケンス中の各要素に対して異なる。簡単化のため、各最初の位相値は一時的に省かれ、回転の後、N−1の新しいシーケンスが生成され、これらは、
【0041】
【数25】
である。
【0042】
式中、α1,α2,...,αN−1は基本回転角であり、値は以下の連立方程式、
【0043】
【数26】
の解である。
【0044】
連立方程式は、N−1個の未知数α1,α2,...,αN−1を有し、N−1個の等価でない式からなるため、解がある。各シーケンスの最初の位相φ0,φ1,φ2,...φN−1は、直交回転に対して影響を与えず、従ってこれらは式を解くときには必要でない。
【0045】
本発明によれば、直交符号群Bをとると、長さNの群の各シーケンスは、
【0046】
【数27】
となる。
【0047】
直交回転の後、Nの直交符号群が形成され、即ち、
【0048】
【数28】
となる。
【0049】
ここでは、上付き文字Tn、(n=0,1,2,...,N−1)は、n番目の直交回転の後の形成された符号群を表し、T0は元の符号群を表す。シーケンスbmn(m=0,1,...,M−1;n=0,1,...,N−1)の各要素が等しい絶対値を有する実数であるか、等しい絶対値を有するを有する複素数(即ち、|bmn|2は定数)であるとき、等しい回転、即ち、
【0050】
【数29】
を行う。
【0051】
|bmn|2が定数でないとき、基本回転角α1,α2,...,αN−1は以下の連立方程式、
【0052】
【数30】
の解である。
【0053】
方程式の解はmから独立であるため、任意のmをとって方程式を解く。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤレススペクトラム拡散技術及びディジタル移動通信技術に係り、特に、しかしこれらに限られるものではないが、スペクトラム拡散多重アクセスコーディングを形成する方法、及び、多重アクセス符号群の間の直交変換方法に関連する。
【0002】
【従来の技術】
情報社会とパーソナル通信の時代の到来により、符号分割多重アクセス(CDMA)技術への関心が高まっている。これは、CDMA技術が他の多重アクセス方法と比較して高いシステム容量を提供するからである。
【0003】
CDMAシステムでは、多重アクセス符号の選択は、例えば容量、干渉防止、アクセス速度、スイッチング等といった規準を含むシステム性能に対して直接影響を与える。各ユーザは、システム中で識別用に自分の特別なスペクトラム拡散多重アクセス符号を有する。概して、小さいエリア(又はセクタ)では、ユーザ間のスペクトラム拡散アクセス符号は、完全に直交であるか略完全に直交でなくてはならない。同時に、異なる小さいエリア間では、ユーザのスペクトラム拡散多重アクセス符号は、できるかぎり多様であるべきである。これは、小さいエリア(又はセクタ)及びユーザを識別するためだけでなく、隣接する小さいエリア(又はセクタ)とユーザの間の干渉を減少させるためでもある。なぜならば、通常は、ユーザ局(又は基地局)は、自分の小さいエリアの基地局(又はユーザ局)からの信号だけでなく、隣接するエリアの基地局(又はユーザ局)からの信号も受信するためである。従って、符号分割多重アクセス(CDMA)を用いる全てのシステムは、異なる小さいエリア(又はセクタ)のために使用されるスペクトラム拡散多重アクセスコードを出来るかぎり異なるようにする。その異なる度合いは、数学的には多重アクセス符号間の相関関数によって示され、相関関数の値が小さいほど、直交性は高く、差は大きい。
【0004】
現在のところ、異なる小さいエリアに対して使用されるスペクトラム拡散多重アクセス符号を区別するために最もよく使用される方法は、基本的な直交スペクトラム拡散多重アクセス符号をスクランブルするために長い疑似ランダム列の差分オフセットを使用するものである。例えば、以下の相互に完全に直交するスペクトラム拡散多重アクセス符号では、
【0005】
【数10】
である。
【0006】
ここで、+は、ディジタルの+1を表し、−はディジタルの−1を表し、各行は夫々が基本スペクトラム拡散多重アクセス符号を表す。各行は、夫々、− + + +と+ + + −でスクランブルされ(即ち対応する項目に掛け合わされ)、以下のスペクトラム拡散多重アクセス符号の2つのグループ、
【0007】
【数11】
と、
【0008】
【数12】
が生成される。
【0009】
明らかに、スペクトラム拡散多重アクセス符号の新しく生成された2つのグループの各符号グループでは、各スペクトラム拡散多重アクセスコードはなお完全に直交であるが、2つのグループ間ではより大きい相関があるだけでなく、区別できる。これは、小さいエリアについて使用される多重アクセス符号を割り当てるとき、又はセルラー式の小さいエリアのネットワークを構築するときの基本的な原理である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
スクランブルを行う変換方法では、変換の後に符号群のうちの各多重アクセス符号が直交性を保ったとしても、以下の欠点がある。
(1)スクランブル変換後、符号群は基本符号群の非周期的な自己相関及び相互相関を維持しない。
(2)基本符号及びスクランブルによって発生する符号は、完全な直交性を失う。
(3)スクランブル変換のための基本直交符号群を有さねばならない。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、直交回転を用いてスペクトラム拡散符号を形成する方法を提供する。任意の長さの実数と複素数のシーケンスは、マルチパス(multi−pass)直交回転によって変換され、スペクトラム拡散多重アクセス符号の新しい直交する群を形成する。
【0012】
本発明は、更に、スペクトラム拡散符号の群の間の直交回転変換方法を提供する。変換後、形成された符号群は、周期的、非周期的、及びハイブリッドな自己相関特徴と、周期的、非周期的、及びハイブリッドな相互相関特徴とを含む変換の前の符号群に対して略一貫した相関特性を維持する。これにより、変換前の多重アクセス符号と変換後の多重アクセス符号とは相互に直交するものとなる。
【0013】
本発明の1つの面によれば、直交回転によってスペクトラム拡散符号を形成する方法であって、
長さNの非ゼロのシーケンス、但しN≧2、
【0014】
【数13】
を選択する段階と、
連続する要素α1,α2,...,αN−1間の基本回転角、但し、基本回転角の和は2πに等しい、を選択する段階と、
基本回転角の整数倍で上記非ゼロのシーケンスを夫々N−1回だけ回転させ、整数倍の値は回転された回数に対応し、元のシーケンスと合わせると以下のNのシーケンス、
【0015】
【数14】
が得られ、
Nのシーケンスは互いに直交し、スペクトラム拡散多重アクセス符号の直交群を構成する方法が提供される。
【0016】
本発明の他の面によれば、スペクトラム拡散多重アクセス符号群のための直交回転を用いた変換方法であって、
夫々のシーケンスが長さNであるM個のシーケンスを有する直交符号群、
【0017】
【数15】
を与える段階と、
連続する要素α1,α2,...,αN−1間の基本回転角、但し、基本回転角の和は2πに等しい、を選択する段階とを含み、
基本回転角の整数倍で上記非ゼロのシーケンスを夫々N−1回だけ回転させ、即ち、整数倍の値は回転された回数に対応し、元のシーケンスと合わせると以下のNの直交符号群、
【0018】
【数16】
が得られる方法が提供される。
【0019】
本発明の方法によれば、任意の長さのゼロでない実数と複素数のシーケンスは、適当な回転によって直交する符号群とされうる。また、本発明の方法によれば、実数と複素数を有する任意の直交する符号群は、変換によって直交する符号の多数の群とされうる。直交する符号の多数の群は、元々の符号群と略一貫した特徴を維持し、変換前の符号と変換後の符号は相互に直交する。この特徴は、符号分割多重アクセスシステムの種々の要件を満たしうる。
【0020】
符号分割多重アクセス(CDMA)を用いる任意のシステムは、異なる小さいエリア(又はセクタ)で用いられるべきスペクトラム拡散多重アクセス符号を出来る限り多様なものとする。本発明の方法は、ネットワーク設計、転送、容量の増加等のための有効な方法を提供する。それに加えて、多数回の変換回転を用いて、直交する符号群は、任意の長さのゼロでない実数と複素数のシーケンスから迅速に形成されうる。方法は簡単且つ効果的である。これは、従来の複雑な規則を用いる方法を、直交する符号を形成するために回転を用いることによって、簡単な方法に置き換える。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について詳述する。3つの要素(+ + +)の長さの2値シーケンスがあるものと想定し、シーケンスの直交回転変換を行い、即ち連続する要素の前後で等しく回転させる。回転する角度の和は、周期の整数倍、即ち、n×360°(2nπ),n=1,2,...を保つ。回転周期が1サイクルであるとき、符号の長さが3であるため、2つの連続する要素の間では角度は360°/3=120°(2π/3)でなくてはならず、従って、1サイクルの回転により、新しいシーケンス(+ ej2 π /3 e−j2 π /3)が生成される。回転周期が2サイクルであるとき、2つの連続する要素の間では、2×360°/3=240°(4π/3)であるか、逆回転120°(−2π/3)でなくてはならず、従って、2サイクルの回転では、新しいシーケンス(+ e−j2 π /3 ej2 π /3)が生成される。3サイクル、又は3サイクル以上の回転は、新しいシーケンスを生成しないため意味がない。従って、シーケンス(+ + +)の直交回転の後、以下の符号群、
基本シーケンス C0=[+ + +];
1サイクルの回転 C1=[+ ej2 π /3 e−j2 π /3];
2サイクルの回転 C2=[+ e−j2 π /3 ej2 π /3]、
が得られる。
【0022】
明らかに、直交回転によって形成される符号群は、どの2つのシーケンスも直交するため、直交符号群である。更に、群の直交性は、シーケンスの最初の位相とは完全に独立である。例えば、
【0023】
【数17】
は、上述の3つのシーケンスを、初期位相φ0、φ1、及びφ2で夫々表す。任意の初期位相φ0、φ1、及びφ2について、符号群はやはり直交符号群であることが明らかである。この特徴は、技術的手法上、有用である。
【0024】
以下、上述の各符号の非周期的な自己相関について表を用いて説明する。表1は、各符号の非周期的な自己相関関数を示す。
【0025】
【表1】
表1より、RC0(τ)、RC1(τ)及びRC2(τ)は、サイドローブ(side lobe)に幾らかの一定の位相シフトがあることを除き、略一貫していることがわかる。この特徴もまた、技術的手法上、有用である。
【0026】
以下、スペクトラム拡散符号の直交群又は副直交(by−orthogonal)群に対する直交回転の影響について説明する。また、例として3進符号群を考え、
C0=[+ + +]
C1=[+ − −]
C2=[− − +]
C3=[− + −]
は、3要素符号群であると想定する。表2は、非周期的な自己相関及び相互相関関数を示す表である。
【0027】
【表2】
直交回転変換の後、多重アクセス符号の基本群は、以下の、3つの多重アクセス符号の基本群を発生させる。
【0028】
【数18】
直交回転の前後に、各符号が完全に直交であること、即ち、
【0029】
【数19】
であることを確認することは容易である。これは、4つの直交する符号群、即ち、
【0030】
【数20】
があることを意味する。
【0031】
表3及び表4は、直交回転によって形成される符号群の非周期的な自己相関関数及び相互相関関数の表である。これらの表から、符号群の自己相関関数及び相互相関関数は、相関関数のサイドローブにおいて幾らかの固定の位相シフトを導入すること以外は、直交回転の前後で、略一貫していることがわかる。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
以下、本発明のより一般的な実施例について説明する。
【0034】
本発明の一般的な方法によれば、本発明の方法は、長さNの非ゼロのシーケンス
【0035】
【数21】
からの直交回転によって形成されることを特徴とする。シーケンスa0n(n=0,1,2,...,N−1)の各要素が等しい絶対値を有する実数であるか、等しい絶対値を有する複素数(即ち、|a0n|2は定数)であるとき、直交符号群は、等しい回転によって単純に形成されうる。方法は、以下の通りである。
【0036】
符号の長さに従って、基本回転角α=2π/Nを決めると、この基本回転角はN−1の新しい符号シーケンス、即ち、
【0037】
【数22】
を生成する。式中、φ1 ,φ2 ,...,φN−1は任意の最初の角度である。a0もまた任意の最初の値φ0を有し、即ち、
【0038】
【数23】
である。元のシーケンスと足し合わせると、全部でNのシーケンス、
【0039】
【数24】
がある。これらは、直交符号群を構成する。
【0040】
|a0n|2,(n=0,1,2,...,N−1)が定数と等しくないとき、即ち異なるnが異なる|a0n|2値を有するとき、この場合、等しい回転を行うのは不可能であり、回転角はシーケンス中の各要素に対して異なる。簡単化のため、各最初の位相値は一時的に省かれ、回転の後、N−1の新しいシーケンスが生成され、これらは、
【0041】
【数25】
である。
【0042】
式中、α1,α2,...,αN−1は基本回転角であり、値は以下の連立方程式、
【0043】
【数26】
の解である。
【0044】
連立方程式は、N−1個の未知数α1,α2,...,αN−1を有し、N−1個の等価でない式からなるため、解がある。各シーケンスの最初の位相φ0,φ1,φ2,...φN−1は、直交回転に対して影響を与えず、従ってこれらは式を解くときには必要でない。
【0045】
本発明によれば、直交符号群Bをとると、長さNの群の各シーケンスは、
【0046】
【数27】
となる。
【0047】
直交回転の後、Nの直交符号群が形成され、即ち、
【0048】
【数28】
となる。
【0049】
ここでは、上付き文字Tn、(n=0,1,2,...,N−1)は、n番目の直交回転の後の形成された符号群を表し、T0は元の符号群を表す。シーケンスbmn(m=0,1,...,M−1;n=0,1,...,N−1)の各要素が等しい絶対値を有する実数であるか、等しい絶対値を有するを有する複素数(即ち、|bmn|2は定数)であるとき、等しい回転、即ち、
【0050】
【数29】
を行う。
【0051】
|bmn|2が定数でないとき、基本回転角α1,α2,...,αN−1は以下の連立方程式、
【0052】
【数30】
の解である。
【0053】
方程式の解はmから独立であるため、任意のmをとって方程式を解く。
Claims (11)
- 回転によって形成される新しいシーケンスの、周期的な、非周期的な、及びハイブリッドな自己相関を含む自己相関関数を元のシーケンスと比較すると、これらの間の相違は相関関数のサイドローブに幾らかの一定の位相シフトが導入されたことのみである、請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の方法。
- 上記元の符号群の特性と、回転によって形成される新しい符号群の特性とは、各シーケンスの最初の位相とは独立であることを特徴とする請求項6乃至8のうちいずれか一項記載の方法。
- 回転によって形成される新しい直交符号群中のシーケンスの周期的な、非周期的な、及びハイブリッドな自己相関を含む自己相関関数及び相互相関関数を元の直交符号群と比較し、これらの間の相違は、相関関数のサイドローブに幾らかの一定の位相シフトが導入されたことのみであることを特徴とする、請求項6乃至8のうちいずれか一項記載の方法。
- 様々な方法で直交回転された後、各シーケンスは互いに完全に直交であることを特徴とする、請求項6乃至8のうちいずれか一項記載の方法。
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