JP2004520350A - 化学誘導体と抗テロメラーゼ剤としてのその用途 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ガン治療に関し、非常に特定の作用メカニズムを有する新規の抗ガン剤に関する。また、本発明は、新規の化合物およびヒトにおけるその治療上の使用に関する。
Description
【0001】
本発明は、ガン治療、および、非常に特異的な作用のメカニズムを有する新規の抗ガン剤に関する。また、本発明は、新規の化合物、同様に、ヒトにおけるその治療用途に関する。
【0002】
本発明は、デオキシリボ核酸(DNA)の特定構造と相互作用する新規の非ヌクレオチド系化合物の使用に関する。これらの新規の化合物は、アミノ芳香族基に結合した連結基(distribution agent)からなる。これらの新規の化合物はガンの治療に有用であり、特にテロメラーゼ阻害剤として作用する。これらは、特に、G四重構造(G−quadruplex structure)(グアニン四つ組み)においてDNAを安定化させるのに有用である。これらG四重の安定化を介したテロメラーゼ阻害の治療用途としては、細胞の有糸分裂の終結、および、例えばガン細胞のような迅速に分裂する細胞の死があり、ガン細胞の老化を誘発させる可能性もある。
【0003】
本発明の化合物は、治療的観点から、テロメラーゼをブロックする利点を有する。生物学的観点から、テロメラーゼは、細胞分裂の間に、テロメア配列を終結させるTTAGGG型の反復DNA配列をテロメアの末端に付加させる。この作用を通して、テロメラーゼは、細胞を不死化する。実際に、この酵素活性が無いと、細胞は、分裂ごとに100〜150塩基を失い、それにより細胞は迅速に老化する。迅速に分裂するガン細胞が出現する際、これら細胞は、細胞分裂の間に安定した長さで維持されたテロメアを有すると考えられていた。これらガン細胞において、テロメラーゼが高く活性化され、テロメア配列の反復モチーフがテロメアの末端に付加され、それゆえにガン細胞においてテロメア長さが保存されると考えられていた。過去数年にわたり、ガン細胞の85%以上がテロメラーゼの存在に関して陽性の試験を示したが、それに対して、体細胞はこの特徴を示さない。
【0004】
従って、テロメラーゼは、ガン細胞を治療するのに非常に切望される標的である。テロメラーゼのブロッキングをする第一の明白な方法は、ヌクレオチド構造の使用であった(Chen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93(7), 2635−2639)。従来技術で用いられてきた非ヌクレオチド系化合物の中でも、ジアミノアントラキノン(Sun et al., J. Med. Chem. 40(14), 2113−6)、または、ジエチルオキサジカルボシアニン(Wheelhouse R.T. et al., J. Am. Chem. Soc. 1998(120) 3261−2)が挙げられる。
【0005】
特許WO99/40087は、G四重構造と相互作用する化合物の使用を説明しており、当該化合物は、2個のヘテロ環を含む少なくとも7個の環を有するペリレン化合物およびカルボシアニンである。
【0006】
まったく驚くべきことに、化学的な観点から、単純な構造により、それほど複雑ではない構造と少なくとも同等の結果を得ることができるようである。意図された目的、すなわち、G四重構造に結合し、それによりテロメラーゼ阻害活性を示すことに合致する本発明の化合物は、以下の一般式:
窒素含有芳香環−NR3−連結基−NR′3−非芳香族系炭化水素鎖
に相当し、式中、
窒素含有芳香環は:
少なくとも、
基N(Ra)(Rb)(ここでRaおよびRbは、同一または異なって、水素またはC1〜C4アルキル基を示す)、または、
基ORa(Raは上記で定義した通りである)、
で場合により置換されたキノリン、
四級形態の窒素原子を有するキノリン、または、
ベンズアミジン、または、
ピリジン、
を示し、
R3およびR′3は、同一または異なって、互いに独立して、水素またはC1〜C4アルキル基を示し、
連結基は:
場合によって、1〜4個の炭素を有するアルキル基、チオ、オキシまたはアミノ基(それ自体、場合によって、1またはそれ以上の、1〜4個の炭素原子を含む短鎖アルキル鎖もしくはハロゲン原子で置換される)で置換されたトリアジン基、または、
カルボニル基、または、
基C(=NH)−NH−C(=NH)、または、
3〜7個の炭素原子を含むアルキルジイル基、または、
場合によってトリアジンと同じ基で置換されたジアジン基、
を示し、
または、その塩のいずれか一つである。
上記式の目的に関して、非芳香族系炭化水素鎖は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル(C1〜C4)もしくはアルケニル(C2〜4)鎖、または、シクロアルキル(C3〜C18)、シクロアルケニル(C3〜C18)もしくはヘテロシクロアルキル(C3〜C18)鎖の意味と理解される。上記ヘテロシクロアルキル基は、場合によって窒素原子を含む。
【0007】
もちろん、当然ながら、非芳香族系炭化水素鎖は、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシ、アリールオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノおよび/またはアリールアミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アミジノ、グアニジノ、アルキルカルボニルアミノもしくはアリールカルボニルアミノ、カルボキシル、アルキルオキシカルボニルもしくはアリールオキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよび/またはアリールアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルもしくはアリールカルボニル、シアノおよびトリフルオロメチル基から選択される、1またはそれ以上の原子または基で、場合によって置換できる。
【0008】
前記炭化水素鎖の場合によって置換されたアルキル鎖は、好ましくは1〜4個の炭素原子を含み、前記炭化水素鎖のいずれかの置換基のアリール基は、好ましくは5〜18個の炭素原子を含む。
【0009】
上述した全ての化合物のなかでも、連結基としてトリアジンまたはジアジン基を含む化合物の使用が好ましい。ジアジン基のなかでも、ピリミジンまたはキナゾリンの使用が好ましい。前記炭化水素鎖のなかでも、2〜3個の炭素原子を含むアルキル鎖、および、4〜7個の炭素原子を含むヘテロシクロアルキルまたはシクロアルキル鎖が好ましい。
【0010】
トリアジンのなかでも、以下の式(I)
【化3】
に相当する化合物が好ましく、
式中:
Aは、
式NR1R2で示されるアミノ基(R1およびR2は、同一または異なって、水素、または、1〜4個の炭素原子を含む直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を示す)、または、
基OR1またはSR1(R1は、上記と同じ意味を有する)、または、
1〜4個の炭素原子を含むアルキル基もしくはトリフルオロメチル基、または、
水素原子、または、
フッ素、塩素、臭素またはヨウ素から選択されるハロゲン原子、
を示し、
R3およびR′3は、同一または異なって、互いに独立して、水素またはC1〜C4アルキル基を示し、
Ar1は、窒素含有芳香環を示し、
該窒素含有芳香環は:
少なくとも、
基N(Ra)(Rb)(ここでRaおよびRbは、同一または異なって、水素またはC1〜C4アルキル基を示す)、または、
基ORa(Raは上記で定義した通りである)、
四級形態の窒素原子を有するキノリン、または、
ベンズアミジン、または、
場合によってC1〜C4アルキル基で置換されたアリールまたはヘテロアリール基と4位で結合した、または、それらと縮合したピリジン、
を示し、
alkは、
アミノ、アルキルアミノおよび/またはアリールアミノ、ジアルキルアミノもしくはジアリールアミノ基で置換された、直鎖状または分岐鎖状の2〜3個の炭素原子を含むアルキル単位、
アミノ、アルキルアミノおよび/またはアリールアミノ、ジアルキルアミノもしくはジアリールアミノ基で置換された、2〜3個の炭素原子を含むアルケニル単位、
4〜7個の炭素原子を含むヘテロ環式単位、または、その塩のいずれか一つ、を示す。
【0011】
当然ながら、キノリンモチーフが、意図する用途に関与しない全ての他の基で置換されてもよく、すなわちキノリン基の定義において、アクリジン、または、イソキノリン、または、キナゾリン、または、キノキサリン、または、フタラジン、または、ベンゾチアジン、または、ベンズオキサジン、または、フェノキサジン、または、フェノチアジン基が挙げられる。
【0012】
上記式(I)で示される化合物のなかでも、場合によってキノリニウム環がメチル基で置換された、4−アミノキノリル、4−アルキル−または4−ジアルキルアミノキノリル、4−アミノキノリニウムまたはキノリニウム基から選択される複素環を含む化合物が好ましい。
【0013】
基Aに関して、Aが、メチルチオ、アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノ基(これらの基において、そのアルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)を示すことが好ましい。
【0014】
非芳香族系炭化水素鎖に関して、これらは、好ましくは、2−(ジアルキルアミノ)エチル、3−(ジアルキルアミノ)プロピル、2−(N−アルキル−N−アリールアミノ)エチルまたは3−(N−アルキル−N−アリールアミノ)プロピル鎖を示し、ここで、該アルキル基が、好ましくは1〜4個の炭素原子、より好ましくはさらに1〜2個の炭素原子を含み、該アリール基が、好ましくは5〜18個の炭素原子、より好ましくはさらに6個の炭素原子を含む。
【0015】
本発明の他の目的は、新規の化学生成物としての、式(I)で示される化合物に関する。それゆえに、本発明は、以下の式(I)
【化4】
に相当する新規の生成物またはその塩のいずれか一つに関し、
式中:
Aは、
式NR1R2で示されるアミノ基(R1およびR2は、同一または異なって、1〜4個の炭素原子を含む直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を示す)、または、
基OR1またはSR1(R1は、水素を示すか、または、上記と同じ意味を有する)、または、
1〜4個の炭素原子を含むアルキル基もしくはトリフルオロメチル基、または、
水素原子、または、
フッ素、塩素、臭素またはヨウ素から選択されるハロゲン原子、
を示し、
R3およびR′3は、同一または異なって、互いに独立して、水素原子、または、C1〜C4アルキル基を示し、
Ar1は、窒素含有芳香環を示し、
該窒素含有芳香環は:
少なくとも、
基N(Ra)(Rb)(ここでRaおよびRbは、同一または異なって、水素またはC1〜C4アルキル基を示す)、または、
基ORa(Raは上記で定義した通りである)、
で場合によって置換されたキノリン、
四級形態の窒素原子を有するキノリン、または、
ベンズアミジン、または、
場合によってC1〜C4アルキル基で置換されたアリールまたはヘテロアリール基と4位で結合した、または、それらと縮合したピリジン、
を示し、
alkは、
アミノ、アルキルアミノおよび/またはアリールアミノ、ジアルキルアミノもしくはジアリールアミノ基で置換された、直鎖状または分岐鎖状の2〜3個の炭素原子を含むアルキル単位、
アミノ、アルキルアミノおよび/またはアリールアミノ、ジアルキルアミノもしくはジアリールアミノ基で置換された、2〜3個の炭素原子を含むアルケニル単位、
5〜7個の炭素原子を含むヘテロ環式単位、
を示す。
【0016】
好ましい式(I)で示される化合物は、Ar1が、以下の単位:キノリニウム核が場合によってメチル基で置換された4−アミノ−または4−メチルアミノ−または4−ジメチルアミノキノリルもしくはキノリニウムから選択される基を示す化合物である。
【0017】
好ましい一般式(I)で示される化合物は、Aが、アミノまたはジメチルアミノ、より好ましくはメチルチオ基を示す化合物である。
【0018】
好ましい一般式(I)で示される化合物は、非芳香族系炭化水素鎖が、2−(ジアルキルアミノ)エチル、3−(ジアルキルアミノ)プロピル、2−(N−アルキル−N−アリールアミノ)エチルまたは3−(N−アルキル−N−アリールアミノ)プロピル鎖を示し、ここで、該アルキル基が、1〜4個の炭素原子、特に1〜2個の炭素原子を含み、該アリール基が、5〜18個の炭素原子、特に6個の炭素原子を含む化合物である。
【0019】
非芳香族系炭化水素鎖が、2−(N−アルキル−N−アリールアミノ)エチル鎖、例えば2−(N−m−トリル−N−エチルアミノ)エチル鎖を示す一般式(I)で示される化合物が、最も特に好ましい。
【0020】
本発明の他の目的は、式(I)で示される化合物の、ヒトに使用する医薬製品としての使用に関する。
【0021】
式(I)
【化5】
で示される化合物の調製方法を以下に説明する。
【0022】
Ar1およびAlkが存在する場合、一般式(A)のトリアジンは、スキーム1に従って、一般式(B)で示される生成物から、ハロゲン原子、最も一般的には塩素原子を、アミンAr1、次に一般式(C)で示されるAlkで連続的に置換することによって得ることができる。
【化6】
【0023】
一般的に、当該方法は、1モルのジハロ−s−トリアジン、または、トリハロ−s−トリアジン、および、1モルのアミンAr1を用いて行われる。当該方法は、好ましくは、不活性溶媒(例えばアセトン)、これらは場合によって水溶液であり、または、アルコール(例えばエタノール)、これらは場合によって水性液であり、または、ハロゲン化溶媒(例えばジクロロメタン)、または、エーテル(例えばジエチルエーテルまたはジオキサン)、または、極性非プロトン溶媒(例えばDMF、DMSOまたはNMP)中で行われる。本発明を実施するより優れた方法によれば、当該方法は、20℃〜50℃の温度で行われる。次に、1モルのアミンAlkを、一般式(D)で示される生成物に加え、これを場合によって単離することができる。当該方法は、特に、50℃〜還流温度の範囲の温度で行われる。
有利には、J. Fluor. Chem., 1988, 39(1), 117−123で説明された条件下で上記方法を行うことができる。
【0024】
一般的方法2
第二の方法によれば、Arは上記で定義した通りであり、Rが基NR1R2、または、OR1もしくはSR1を示す一般式(A)で示される生成物を、スキーム2に従って、Rがハロゲン原子を示す一般式(A)で示される生成物から、ハロゲン原子、一般的に塩素原子を求核性置換することによって調製することもできる。
【0025】
【化7】
【0026】
当該方法は、一般的に、Rがハロゲン原子、好ましくは塩素原子を示す一般式(A)で示される生成物(1モル)を、アミンR1R2NH、または、アルコラートR1O−もしくはチオアルコラートR1S(1モル)で縮合することによって行われる。当該反応は、反応条件下で不活性媒体中で行われる。不活性溶媒のなかでも、アセトン(場合によって水性液である)、または、アルコール(例えばエタノール)(場合によって水性液である)、または、ハロゲン化溶媒(例えばジクロロメタン)、または、エーテル(例えばジエチルエーテル)、または、ジオキサン、または、極性非プロトン溶媒(例えばDMF、DMSOまたはNMP)が挙げられる。導入基(entering group)が、基R1R2NHを示す場合、20℃〜還流温度の範囲の温度で、特に、有機塩基(例えばトリエチルアミン)または有機塩基(例えば水酸化ナトリウムもしくはナトリウム、または、炭酸カリウム)の存在下で、方法を実行することが好ましい。また、アミノ化反応の際に塩基を用いずに、一般式(A)で示される生成物の塩酸塩を分離し、次に、その塩基を解離させることができる。導入基が基R1O−またはR1S−を示す場合、アルカリ金属またはアルカリ土類金属アルコラートまたはチオアルコラート(例えばナトリウムまたはカリウムまたはリチウムまたはアンモニウムまたはセシウムまたはバリウム塩)と共に、極性非プロトン溶媒(例えばDMFまたはDMSOまたはNMP)中で、50℃〜還流温度の範囲の温度で、方法を実行することが好ましい。
【0027】
一般的方法3
第三の調製方法によれば、Rが、水素原子、または、1〜4個の炭素原子を含む直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を示す化合物を、スキーム3に従って、一般式(E)で示されるビスグアニドを、酸誘導体、好ましくは一般式(F)で示される酸塩化物またはメチルエステルで縮合することによって調製することもできる。
【0028】
【化8】
【0029】
一般式(E)で示されるビスグアニドと、一般式(F)で示される酸誘導体との縮合は、一般的に、アルコール、例えばメタノールまたはエタノール中で行われる。当該方法は、好ましくは0℃〜還流温度の範囲の温度で行われる。
一般式(E)で示される対称的または非対称的ビスグアニドsは、文献で説明された条件下で、特に特許J.P.94−4993に従った方法を実行することにより得ることができる。
【0030】
一般的方法4
当然のことながら、一般式で示されるs−トリアジンは、スキーム1、2、3で説明された方法を適用することによって、液相または固相でのパラレルおよび/またはコンビナトリアルケミストリーにおいて、ライブラリー形態で得ることができ、作業が固相で行われる場合、試薬のいずれか一つを、関係する化学反応に従って選択された固体支持体に予め付着させ、前記化学反応の後に固体支持体から当該反応の生成物を開裂させる操作を行うことができる。
【0031】
また、本発明は、選択された投与様式に従って製薬上許容できる担体と組み合わされた、本発明に係る化合物を含む治療用組成物に関する。当該治療用組成物は、固体、液体またはリポソーム形態で提供することができる。
【0032】
固体組成物としては、粉末、ゼラチンカプセル、錠剤が挙げられる。経口形態において、胃の酸性液体から保護する固体形態を含ませることも可能である。固体形態に用いられるキャリアーは、特に、無機キャリアー、例えばリン酸塩、炭酸塩、または、有機キャリアー、例えばラクトース、セルロース、スターチもしくはポリマーからなる。液体形態は、溶液、懸濁液または分散液からなる。これらは、分散性担体として、水もしくは有機溶媒(エタノール、NMPなど)のいずれか、または、界面活性剤と溶媒との混合物、または、錯化剤と溶媒との混合物を含む。
本発明の化合物の投与量は、患者への投与経路および患者の状態に従って、実施者により調節し得る。
【0033】
本発明の化合物は、単独で、または、他の抗ガン剤と混合して投与することができる。可能な組み合わせのなかでも、以下のものが挙げられる。
・アルキル化剤、および、特にシクロホスファミド、メルファラン、イフォスファミド、クロラムブシル、ブスルファン、チオテパ、プレドニムスチン(prednimustine)、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ステプトゾトシン(steptozotocin)、デカルバジン(decarbazine)、テモゾロミド(temozolomide)、プロカルバジンおよびヘキサメチルメラミン、
・白金誘導体、例えば、特にシスプラチン、カルボプラチンまたはオキサリプラチン、
・抗生物質剤、例えば、特にブレオマイシン、マイトマイシン、ダクチノマイシン、
・抗微小管剤、例えば、特にビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソイド(パクリタキセルおよびドセタキセル)、
・アントラサイクリン、例えば、特にドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、ロソキサントロン(losoxantrone)、
・I型およびII型のトポイソメラーゼ、例えば、エトポシド、テニポシド、アムサクリン、イリノテカン、トポテカンおよびトムデックス(tomudex)、
・フルオロピリミジン、例えば、5−フルオロウラシル、UFT、フロクシウリジン、
・シチジン類似体、例えば、5−アザシチジン、シタラビン、ゲムシタビン、6−メルカプトムリン(6−mercaptomurine)、6−チオグアニン、
・アデノシン類似体、例えば、ペントスタチン、シタラビンまたはリン酸フルダラビン、
・メトトレキセートおよびフォリン酸、
・酵素および様々な化合物、例えば、L−アスパラギナーゼ、ヒドロキシ尿素、トランス−レチン酸、スラミン、デキシラゾキサン(dexrazoxane)、アミフォスチン(amifostine)、ヘルセプチン(herceptin)、同様に、エストロゲン様ホルモンおよびアンドロゲン様ホルモン。
【0034】
また、放射線治療と本発明の化合物とを組み合わせることもできる。これらの治療は、同時に、別々に、または連続的に行うことができる。当該治療は、実施者により、治療される患者に適合させ得る。
【0035】
G四重を安定化する活性は、フルオレセインとの複合体形成を用いた方法によって測定することができ、その実験方法を以下に説明する。
オリゴヌクレオチド
改変された、または、改変されていない全てのオリゴヌクレオチドは、Eurogentec SA, Seraing, Belgiumにより合成された。当該オリゴヌクレオチド、FAM+DABCYLは、カタログ参照OL−0371−0802に記載されている。当該オリゴヌクレオチドは、配列:GGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGを有し、これは、ヒトテロメアモチーフの3.5回の反復に相当する(Gリッチなストランド)。Eurogentecにより説明された化学的なアームで、フルオレセインは5′末端に付着し、DABCYLは3′末端に付着する。サンプル濃度は、220〜700nmの間の吸光スペクトルを記録し、製造者により提供されたモル吸光係数を用いて吸光分光分析により調べた。
【0036】
緩衝液
全ての実験は、0.1M塩化リチウム(または塩化ナトリウム)を含む10mMカコジル酸ナトリウム緩衝液(pH7.6)中で行われた。緩衝液中に蛍光のコンタミネーションが無いことを予め調べた。蛍光オリゴヌクレオチドを最終濃度が0.2μmになるように加える。
【0037】
蛍光の研究
全ての蛍光測定は、スペックスフルオロログ(Spex Fluorolog)DM1B装置で、1.8nmの励起の線幅と、4.5nmの放出の線幅とを用いて行われた。サンプルを、0.2×1cmのマイクロクォーツ(microquartz)のキュベット中に入れる。サンプルの温度を外部の水槽で制御する。オリゴヌクレオチドを単独で、20、30、40、50、60、70および80℃で分析した。470nmの励起波長を用いて放出スペクトルを記録する。放出波長として515nmまたは588nmのいずれかを用いて励起スペクトルを記録する。参照曲線により、器具の応答に対してスペクトルを回収する。室温で、フルオレセインの蛍光の高度な消光(80〜90%)が、G四重形態の20℃でのオリゴヌクレオチドの分子内フォールディングに一致して観察され、それにより、それぞれフルオレセインおよびDABCYLに結合したその5′および3′末端の並置が誘発される。この並置は、すでに説明されている「分子ビーコン」で用いられる蛍光消光現象を引き起こす。
【0038】
蛍光Tm:
0.1MのLiCl、10mMカコジラート緩衝液(pH7.6)中の、ストランド濃度が0.2μmであるオリゴヌクレオチドのストック溶液を予め調整し、90℃で短時間加熱し、ゆっくり20℃に冷却し、続いて蛍光キュベットに600μlのアリコートに分配する。次に、3μlの水(コントロールとして)または3μlの試験生成物(200μmのストック、最終濃度は1μm)を加え、混合する。次に、各測定の前に、サンプルを20℃で少なくとも1時間インキュベートする。より長いインキュベーション時間(24時間まで)を用いても、得られる結果に影響を与えない。
【0039】
各実験では、1つのサンプルのみ測定できる。まず半分(latter)を、最初の温度(20℃)でインキュベートし、80℃に38分以上加熱し、80℃で5分間放置し、次に62分以上20℃に冷却する。この時間の間、励起波長として470nmを用いて、2種の放出波長(515nmおよび588nm)で同時に蛍光を測定する。30秒ごとに測定する。同時に水槽の温度を記録し、これらの値から温度の作用として蛍光プロファイルを再構成する。次に、蛍光プロファイルを20℃〜80℃の範囲に標準化し、515nmでの放出強度が、高温および低温における強度の平均である温度を、Tmと称する。これらの条件下で、生成物を添加していない参照サンプルのTmは、塩化リチウム緩衝液中で44℃である。塩化ナトリウム緩衝液中では、この温度は、55℃を超過して増加する。G四重安定化化合物の添加は、Tmにおける増加を誘導する。この増加は、3°より大きい場合に、有意であると判断される。
【0040】
抗テロメラーゼ 生物学的活性は、以下の実験方法で測定される:
ヒトテロメラーゼ活性が高められた抽出物の調製
白血病系HL60を、ATCC(American Type Culture Collection, Rockville USA)から入手する。その細胞を、RPMI1640培地(2mMのL−グルタミン、200U/mlのペニシリン、200μg/mlのストレプトマイシン、50μg/mlのゲンタマイシンを含み、10%熱不活性化ウシ胎児血清を添加した)中の懸濁液で培養する。
105個の細胞のアリコートを3000×Gで遠心分離し、上清を捨てる。細胞ペレットを、0.5%CHAPS、10mMのTris−HCl(pH7.5)、1mMのMgCl2、1mMのEGTA、5mMのβ−メルカプトエタノール、0.1mMのPMSFおよび10%のグリセロールを含むリシス緩衝液(200μl)中で数回連続的にピペッティングすることによって再懸濁し、氷中に30分間保存する。溶解産物を、4℃で20分間、160000×Gで遠心分離し、160μlの上清を回収する。抽出物中のタンパク質をブラッドフォード法で分析する。抽出物を−80℃で保存する。
【0041】
テロメラーゼ活性の分析
テロメラーゼ活性が高められた細胞抽出物と、様々な濃度(10、1、0.1および0.01μg/ml)で加えられた化合物との存在下で、オリゴヌクレオチドTS(5′AATCGTTCGAGCAGAGTT3′)を伸長させる方法により、テロメラーゼ活性の阻害を測定する。伸長反応の後、オリゴヌクレオチドTSおよびCXext(5′GTGCCCTTACCCTTACCCTTACCCTAA3′)を用いて、伸長産物のPCR増幅を行う。
【0042】
以下の組成に基づき反応液を調整する。
Tris−HCl(pH8.3) 20mM
MgCl2 1.5mM
Tween20 0.005%(W/V)
EGTA 1mM
DATP 50μm
DGTP 50μm
DCTP 50μm
DTTP 50μm
オリゴヌクレオチドTS 2μg/ml
オリゴヌクレオチドCXext 2μg/ml
ウシ血清アルブミン 0.1mg/ml
TaqDNAポリメラーゼ 1U/ml
アルファ32P dCTP(3000Ci/mmol) 0.5μl
テロメラーゼ抽出物 容量10μl中に200ng
試験生成物または溶媒 容量5μl中
二重蒸留した水QS 50μl
【0043】
オリゴヌクレオチドをEurogentec(Belgium)から入手し、蒸留水中1mg/mlのストック濃度で、−20℃で保存する。
反応サンプルを0.2mlのPCRチューブ中に構築し、チューブを閉じる前に、1滴のパラフィン油を実験の各反応物の上に積層する。
次に、反応サンプルを、以下の温度条件で、Cetus4800型PCR装置でインキュベートする。
30℃で15分、
90℃で1分、
続いて、
94℃で30秒、
50℃で30秒、および、
72℃で1分30秒、
を30サイクル、
続いて、最終サイクルとして72℃で2分。
【0044】
各サンプルに関して、10μlのアリコートを油層の下でピペッティングし、5μlのローディング緩衝液と混合し、ここで当該緩衝液は、以下を含む。
TBE 3×
グリセロール 32%(W/V)
ブロモフェノールブルー 0.03%
キシレンシアノール 0.03%
【0045】
次に、Novex電気泳動システムを用い、12%アクリルアミドゲルで、1×TBE緩衝液中で1時間、200ボルトの電圧での電気泳動により、サンプルを分析する。
【0046】
次に、アクリルアミドゲルを、ワットマン3MMペーパーのシート上で80℃で1時間乾燥させる。
InstantImager装置(Pacard社製)を用いて反応生成物の分析および定量を行う。
試験された各化合物濃度に関して、結果は反応の阻害のパーセンテージとして表し、以下の式に従って、未処理の酵素コントロールと、酵素非含有サンプル(ブランク)とから計算する。
(化合物値−ブランク値/酵素コントロール値−ブランク値)×100
試験されたそれぞれの化合物濃度の作用として得られた阻害値の片対数グラフ表示を用いて、テロメラーゼ反応の50%阻害を引き起こす化合物濃度(IC50)を測定する。
テロメラーゼ反応の50%を阻害する量が特に5μm未満の場合、化合物は、抗テロメラーゼ剤として活性であるとみなされる。
【0047】
ヒト腫瘍系における細胞毒性の生物活性は、以下の実験方法により測定される :
ヒト細胞系KBおよびA549を、ATCC(American Type Culture Collection, Rockville USA)から入手する。培養フラスコ中、RPMI1640培地(2mMのL−グルタミン、200U/mlのペニシリン、200μg/mlのストレプトマイシンを含み、10%熱不活性化ウシ胎仔血清を添加した)の層で、A549細胞を培養する。培養フラスコ中、ダルベッコ培地(2mMのL−グルタミン、200U/mlのペニシリン、200μg/mlのストレプトマイシンを含み、10%熱不活性化ウシ胎仔血清を添加した)の層で、KB細胞を培養する。
指数増殖期の細胞をトリプシン処理し、1×PBSで洗浄し、A549は4×l04細胞/mlの量で、および、1.5×104細胞/ml(0.2ml/ウェル)の量で、96−ウェルマイクロプレート(コースター社製)に接種し、次に、様々な濃度(10、1、0.1および0.01μg/ml、それぞれの濃度を4連で)の研究される生成物の存在下で、96時間インキュベートする。インキュベーション終了前の16時間、最終的に0.02%のニュートラルレッドを各ウェルに加える。インキュベーションの終わりに、細胞を1×PBSで洗浄し、1%ラウリル硫酸ナトリウムで溶解する。細胞の染料の取り込みは、細胞成長を反映しているので、Dynatech MR5000読み取り装置を用いて、540nmの波長で、各サンプルに対して分光光度法により取り込みを評価する。
【0048】
試験された各化合物濃度に対して、未処理コントロールおよび細胞を含まない培養液(ブランク)から以下の式に従って計算した細胞成長阻害のパーセンテージとして結果を示す:
(化合物値−ブランク値/細胞コントロール値−ブランク値)×100
試験された各化合物濃度の作用として得られた阻害値の片対数グラフ表示を用いて、50%成長阻害を誘発する化合物濃度(IC50)を測定する。
試験された腫瘍細胞の成長が50%に阻害される濃度が、特に10μm未満である場合、化合物は、細胞毒性の薬剤として活性であるとみなされる。
以下の非限定的な実施例は、本発明を説明するために提供される。
【0049】
実施例1:N6−[6−アミノ−4−メチル−スルファニル−[1,3,5]トリアジン−2−イル]−2−メチル−キノリン−4,6−ジアミンの置換された誘導体のパラレル合成
【化9】
【0050】
N6−(6−クロロ−4−メチルスルファニル−[1 , 3 , 5]トリアジン−2−イル)−2−メチルキノリン−4 , 6−ジアミンの調製
1リットルの三つ口フラスコ中で、4.4g(25mmol)の2−メチルキノリン−4,6−ジアミン(J. Med. Chem. 1992, 35, 252に従って調製できる)と、2.8g(25mmol)の炭酸ナトリウムとを、5g(25mmol)の2,6−ジクロロ−6−メチルスルファニル−[1,3,5]トリアジン(J. Amer. Chem. Soc., 1945, 67, 662に従って調製できる)のテトラヒドロフラン(400ml)溶液に、連続的に添加する。その反応混合物を還流下で16時間加熱する。テトラヒドロフランを蒸発させた後、残留物を、400mlの水とジクロロメタンとの混合物(容量で50:50)中で取り出す。沈殿させた後、その有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で乾燥するまで濃縮する。それにより、薄黄色の固体状の7.5g(88%)のN6−(6−クロロ−4−メチルスルファニルトリアジン−2−イル)−2−メチルキノリン−4,6−ジアミンが得られ、その特徴を以下に示す:
融点=294℃
1H NMRスペクトル(300MHz,(CD3)2SO d6,δ in ppm):2.43(s:3H);2.52(s:3H);6.47(s:1H);6.61(組成に別れない複合体:2H);7.62(broad d,J=9Hz:1H);7.69(d,J=9Hz:1H);8.32(組成に別れない複合体:1H);10.80(組成に別れない複合体:1H)。
【0051】
N6−[6−(2−ジメチルアミノエチル−アミノ)−4−メチルスルファニル−[1 , 3 , 5]トリアジン−2−イル]−2−メチルキノリン−4 , 6−ジアミンのパラレル合成(実施例1−1)
50mg(0.15mmol)のN6−(6−アミノ−4−メチル−スルファニル−[1,3,5]トリアジン−2−イル)−2−メチルキノリン−4,6−ジアミンを、STEM RS2050型のZymarkコンデンサーを備えた加熱した磁気リアクター(それぞれ50mlのガラスチューブを備えた平行な25ウェルを含む)に導入する。5mlのジオキサン、16mg(0.15mmol)の炭酸ナトリウム、23mg(0.15mmol)のヨウ化ナトリウムおよび27mg(0.3mmol)の2−ジメチルアミノ−エチルアミンを、第一のチューブに連続的に添加する(実施例1−1)。反応液を、還流により、アルゴン下で24時間加熱する。冷却した後、チューブの内容物を減圧下で蒸発させ、5mlの水および5mlの酢酸エチル中で取り出し、ろ過する。その有機相を沈殿させることにより分離し、乾燥し、減圧下で濃縮する。次に、得られた粗生成物を、ウォーターズ社製のXterra3.5μm C18シリカカラム(直径3mm、長さ50mm)を用い、開始時間(t0=0分)は0.05%トリフルオロ酢酸を含む水、および、最終時間(tf=4分)は0.05%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルで構成される直線的な溶出勾配で溶出することにより、LC/MSで精製する。精製後、58mgのN6−[(6−(メチルキノリン−6−イルアミノ)−4−メチルチオトリアジン−2−イル)キナルジン−4,6−ジアミントリフルオロアセテートが得られ、その特徴を以下に示す:
マススペクトル(DAD−TIC)=454(MH+)
保持時間=2.69分(保持時間は、hypersil C18 5μmカラム(50mm、直径4.6mm)Purity Elite(トレードマーク)において得られ、溶媒A(H2O/TFA 0.05%)およびB(ACN/TFA 0.05%)の混合物を用いて、95%A/5%B(t=0分)〜10%A/90%Bの範囲の直線状の勾配で、t=3.5分、次の工程は2分で、溶出する)。
【0052】
Zymark STEM RS2050リアクターを用いて上記方法を行うことにより、実施例1−1〜1−26を得た。実施例1−1〜1−26の構造、用いられた様々な実施条件および特徴を以下の表に要約する。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
実施例2:N6−[6−アミノ−4−ジエチル−アミノ−[1,3,5]トリアジン−2−イル]−2−メチル−キノリン−4,6−ジアミンの置換された誘導体のパラレル合成
【化10】
【0057】
N6−(6−クロロ−4−ジエチルアミノ−[1 , 3 , 5]トリアジン−2−イル)−2−メチルキノリン−4 , 6−ジアミンの調製
1リットルの三つ口フラスコ中で、3.91g(22.5mmol)の2−メチルキノリン−4,6−ジアミン(J. Med. Chem. 1992, 35, 252に従って調製できる)と、2.4g(22.5mmol)の炭酸ナトリウムとを、5g(22.5mmol)の市販の2,6−ジクロロ−4−ジエチルアミノ−[1,3,5]トリアジンのテトラヒドロフラン(300ml)溶液に連続的に添加する。その反応混合物を還流下で20時間加熱する。テトラヒドロフランを蒸発させた後、残留物を、400mlの水とジクロロメタンとの混合物(容量で50:50)中で取り出す。沈殿させた後、その有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で乾燥するまで濃縮する。次に、黄色の固体状の7.4g(92%)のN6−(6−クロロ−4−ジエチルアミノトリアジン−2−イル)−2−メチルキノリン−4,6−ジアミンが得られ、その特徴を以下に示す:
融点=120℃
1H NMRスペクトル(300MHz,(CD3)2SO d6,δ in ppm):1.14(mt:6H);2.42(s:3H);3.50〜3.70(mt:4H);6.47(sおよび組成に別れない複合体:トータルで3H);7.54(broad d,J=9Hz:1H);7.67(dd,J=9および2Hz:1H);8.27(組成に別れない複合体:1H);10.09(組成に別れない複合体:1H)。
【0058】
N6−[(6−(3−ジメチルアミノプロピル−アミノ)−4−ジエチルアミノ−[1 , 3 , 5]トリアジン−3−イル)−2−メチルキノリン−4 , 6−ジアミンのパラレル合成(実施例2−1)
50mg(0.13mmol)のN6−(6−クロロ−4−ジエチル−アミノ−[1,3,5]トリアジン−2−イル)−2−メチルキノリン−4,6−ジアミンを、STEM RS2050型のZymarkコンデンサーを備えた加熱した磁気リアクター(それぞれ50mlのガラスチューブを備えた平行な25ウェルを含む)に導入する。5mlのDMF、19mg(0.14mmol)の炭酸カリウム、21mg(0.14mmol)のヨウ化ナトリウムおよび14mg(0.14mmol)の3−ジメチルアミノ−プロピルアミンを、第一のチューブに連続的に添加する(実施例2−1)。反応液を、アルゴン下で16時間、120℃で加熱する。冷却した後、チューブの内容物を減圧下で蒸発させ、5mlの水中で取り出し、ろ過し、ジエチルエーテルで洗浄する。次に、得られた粗生成物を、ウォーターズ社製のXterra 3.5μm C18シリカカラム(直径3mm、長さ50mm)を用い、開始時間(t0=0分)は0.05%トリフルオロ酢酸を含む水、および、最終時間(tf=4分)は0.05%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルで構成される直線的な溶出勾配で溶出することにより、LC/MSで精製する。精製後、12mgのN6−[(6−(3−ジメチル −アミノプロピルアミノ)−4−ジエチルアミノ−[1,3,5]トリアジン−2−イル)−2−メチルキノリン−4,6−ジアミンが得られ、その特徴を以下に示す:
マススペクトル(DAD−TIC)=423(MH+)
保持時間=0.79分(保持時間は、hypersil C18 5μmカラム(50mm、直径4.6mm)Purity Elite(トレードマーク)において得られ、溶媒A(H2O/TFA 0.05%)およびB(ACN/TFA 0.05%)の混合物を用いて、95%A/5%B(t=0分)〜10%A/90%Bの範囲の直線状の勾配で、t=3.5分、次の工程は2分で、溶出する)。
Zymark STEM RS2050リアクターを用いて上記方法を行うことにより、実施例2−1〜2−2を得た。実施例2−1〜2−2の構造、用いられた様々な実施条件および特徴を以下の表に要約する。
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
本発明は、ガン治療、および、非常に特異的な作用のメカニズムを有する新規の抗ガン剤に関する。また、本発明は、新規の化合物、同様に、ヒトにおけるその治療用途に関する。
【0002】
本発明は、デオキシリボ核酸(DNA)の特定構造と相互作用する新規の非ヌクレオチド系化合物の使用に関する。これらの新規の化合物は、アミノ芳香族基に結合した連結基(distribution agent)からなる。これらの新規の化合物はガンの治療に有用であり、特にテロメラーゼ阻害剤として作用する。これらは、特に、G四重構造(G−quadruplex structure)(グアニン四つ組み)においてDNAを安定化させるのに有用である。これらG四重の安定化を介したテロメラーゼ阻害の治療用途としては、細胞の有糸分裂の終結、および、例えばガン細胞のような迅速に分裂する細胞の死があり、ガン細胞の老化を誘発させる可能性もある。
【0003】
本発明の化合物は、治療的観点から、テロメラーゼをブロックする利点を有する。生物学的観点から、テロメラーゼは、細胞分裂の間に、テロメア配列を終結させるTTAGGG型の反復DNA配列をテロメアの末端に付加させる。この作用を通して、テロメラーゼは、細胞を不死化する。実際に、この酵素活性が無いと、細胞は、分裂ごとに100〜150塩基を失い、それにより細胞は迅速に老化する。迅速に分裂するガン細胞が出現する際、これら細胞は、細胞分裂の間に安定した長さで維持されたテロメアを有すると考えられていた。これらガン細胞において、テロメラーゼが高く活性化され、テロメア配列の反復モチーフがテロメアの末端に付加され、それゆえにガン細胞においてテロメア長さが保存されると考えられていた。過去数年にわたり、ガン細胞の85%以上がテロメラーゼの存在に関して陽性の試験を示したが、それに対して、体細胞はこの特徴を示さない。
【0004】
従って、テロメラーゼは、ガン細胞を治療するのに非常に切望される標的である。テロメラーゼのブロッキングをする第一の明白な方法は、ヌクレオチド構造の使用であった(Chen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93(7), 2635−2639)。従来技術で用いられてきた非ヌクレオチド系化合物の中でも、ジアミノアントラキノン(Sun et al., J. Med. Chem. 40(14), 2113−6)、または、ジエチルオキサジカルボシアニン(Wheelhouse R.T. et al., J. Am. Chem. Soc. 1998(120) 3261−2)が挙げられる。
【0005】
特許WO99/40087は、G四重構造と相互作用する化合物の使用を説明しており、当該化合物は、2個のヘテロ環を含む少なくとも7個の環を有するペリレン化合物およびカルボシアニンである。
【0006】
まったく驚くべきことに、化学的な観点から、単純な構造により、それほど複雑ではない構造と少なくとも同等の結果を得ることができるようである。意図された目的、すなわち、G四重構造に結合し、それによりテロメラーゼ阻害活性を示すことに合致する本発明の化合物は、以下の一般式:
窒素含有芳香環−NR3−連結基−NR′3−非芳香族系炭化水素鎖
に相当し、式中、
窒素含有芳香環は:
少なくとも、
基N(Ra)(Rb)(ここでRaおよびRbは、同一または異なって、水素またはC1〜C4アルキル基を示す)、または、
基ORa(Raは上記で定義した通りである)、
で場合により置換されたキノリン、
四級形態の窒素原子を有するキノリン、または、
ベンズアミジン、または、
ピリジン、
を示し、
R3およびR′3は、同一または異なって、互いに独立して、水素またはC1〜C4アルキル基を示し、
連結基は:
場合によって、1〜4個の炭素を有するアルキル基、チオ、オキシまたはアミノ基(それ自体、場合によって、1またはそれ以上の、1〜4個の炭素原子を含む短鎖アルキル鎖もしくはハロゲン原子で置換される)で置換されたトリアジン基、または、
カルボニル基、または、
基C(=NH)−NH−C(=NH)、または、
3〜7個の炭素原子を含むアルキルジイル基、または、
場合によってトリアジンと同じ基で置換されたジアジン基、
を示し、
または、その塩のいずれか一つである。
上記式の目的に関して、非芳香族系炭化水素鎖は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル(C1〜C4)もしくはアルケニル(C2〜4)鎖、または、シクロアルキル(C3〜C18)、シクロアルケニル(C3〜C18)もしくはヘテロシクロアルキル(C3〜C18)鎖の意味と理解される。上記ヘテロシクロアルキル基は、場合によって窒素原子を含む。
【0007】
もちろん、当然ながら、非芳香族系炭化水素鎖は、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシ、アリールオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノおよび/またはアリールアミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アミジノ、グアニジノ、アルキルカルボニルアミノもしくはアリールカルボニルアミノ、カルボキシル、アルキルオキシカルボニルもしくはアリールオキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよび/またはアリールアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルもしくはアリールカルボニル、シアノおよびトリフルオロメチル基から選択される、1またはそれ以上の原子または基で、場合によって置換できる。
【0008】
前記炭化水素鎖の場合によって置換されたアルキル鎖は、好ましくは1〜4個の炭素原子を含み、前記炭化水素鎖のいずれかの置換基のアリール基は、好ましくは5〜18個の炭素原子を含む。
【0009】
上述した全ての化合物のなかでも、連結基としてトリアジンまたはジアジン基を含む化合物の使用が好ましい。ジアジン基のなかでも、ピリミジンまたはキナゾリンの使用が好ましい。前記炭化水素鎖のなかでも、2〜3個の炭素原子を含むアルキル鎖、および、4〜7個の炭素原子を含むヘテロシクロアルキルまたはシクロアルキル鎖が好ましい。
【0010】
トリアジンのなかでも、以下の式(I)
【化3】
に相当する化合物が好ましく、
式中:
Aは、
式NR1R2で示されるアミノ基(R1およびR2は、同一または異なって、水素、または、1〜4個の炭素原子を含む直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を示す)、または、
基OR1またはSR1(R1は、上記と同じ意味を有する)、または、
1〜4個の炭素原子を含むアルキル基もしくはトリフルオロメチル基、または、
水素原子、または、
フッ素、塩素、臭素またはヨウ素から選択されるハロゲン原子、
を示し、
R3およびR′3は、同一または異なって、互いに独立して、水素またはC1〜C4アルキル基を示し、
Ar1は、窒素含有芳香環を示し、
該窒素含有芳香環は:
少なくとも、
基N(Ra)(Rb)(ここでRaおよびRbは、同一または異なって、水素またはC1〜C4アルキル基を示す)、または、
基ORa(Raは上記で定義した通りである)、
四級形態の窒素原子を有するキノリン、または、
ベンズアミジン、または、
場合によってC1〜C4アルキル基で置換されたアリールまたはヘテロアリール基と4位で結合した、または、それらと縮合したピリジン、
を示し、
alkは、
アミノ、アルキルアミノおよび/またはアリールアミノ、ジアルキルアミノもしくはジアリールアミノ基で置換された、直鎖状または分岐鎖状の2〜3個の炭素原子を含むアルキル単位、
アミノ、アルキルアミノおよび/またはアリールアミノ、ジアルキルアミノもしくはジアリールアミノ基で置換された、2〜3個の炭素原子を含むアルケニル単位、
4〜7個の炭素原子を含むヘテロ環式単位、または、その塩のいずれか一つ、を示す。
【0011】
当然ながら、キノリンモチーフが、意図する用途に関与しない全ての他の基で置換されてもよく、すなわちキノリン基の定義において、アクリジン、または、イソキノリン、または、キナゾリン、または、キノキサリン、または、フタラジン、または、ベンゾチアジン、または、ベンズオキサジン、または、フェノキサジン、または、フェノチアジン基が挙げられる。
【0012】
上記式(I)で示される化合物のなかでも、場合によってキノリニウム環がメチル基で置換された、4−アミノキノリル、4−アルキル−または4−ジアルキルアミノキノリル、4−アミノキノリニウムまたはキノリニウム基から選択される複素環を含む化合物が好ましい。
【0013】
基Aに関して、Aが、メチルチオ、アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノ基(これらの基において、そのアルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)を示すことが好ましい。
【0014】
非芳香族系炭化水素鎖に関して、これらは、好ましくは、2−(ジアルキルアミノ)エチル、3−(ジアルキルアミノ)プロピル、2−(N−アルキル−N−アリールアミノ)エチルまたは3−(N−アルキル−N−アリールアミノ)プロピル鎖を示し、ここで、該アルキル基が、好ましくは1〜4個の炭素原子、より好ましくはさらに1〜2個の炭素原子を含み、該アリール基が、好ましくは5〜18個の炭素原子、より好ましくはさらに6個の炭素原子を含む。
【0015】
本発明の他の目的は、新規の化学生成物としての、式(I)で示される化合物に関する。それゆえに、本発明は、以下の式(I)
【化4】
に相当する新規の生成物またはその塩のいずれか一つに関し、
式中:
Aは、
式NR1R2で示されるアミノ基(R1およびR2は、同一または異なって、1〜4個の炭素原子を含む直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を示す)、または、
基OR1またはSR1(R1は、水素を示すか、または、上記と同じ意味を有する)、または、
1〜4個の炭素原子を含むアルキル基もしくはトリフルオロメチル基、または、
水素原子、または、
フッ素、塩素、臭素またはヨウ素から選択されるハロゲン原子、
を示し、
R3およびR′3は、同一または異なって、互いに独立して、水素原子、または、C1〜C4アルキル基を示し、
Ar1は、窒素含有芳香環を示し、
該窒素含有芳香環は:
少なくとも、
基N(Ra)(Rb)(ここでRaおよびRbは、同一または異なって、水素またはC1〜C4アルキル基を示す)、または、
基ORa(Raは上記で定義した通りである)、
で場合によって置換されたキノリン、
四級形態の窒素原子を有するキノリン、または、
ベンズアミジン、または、
場合によってC1〜C4アルキル基で置換されたアリールまたはヘテロアリール基と4位で結合した、または、それらと縮合したピリジン、
を示し、
alkは、
アミノ、アルキルアミノおよび/またはアリールアミノ、ジアルキルアミノもしくはジアリールアミノ基で置換された、直鎖状または分岐鎖状の2〜3個の炭素原子を含むアルキル単位、
アミノ、アルキルアミノおよび/またはアリールアミノ、ジアルキルアミノもしくはジアリールアミノ基で置換された、2〜3個の炭素原子を含むアルケニル単位、
5〜7個の炭素原子を含むヘテロ環式単位、
を示す。
【0016】
好ましい式(I)で示される化合物は、Ar1が、以下の単位:キノリニウム核が場合によってメチル基で置換された4−アミノ−または4−メチルアミノ−または4−ジメチルアミノキノリルもしくはキノリニウムから選択される基を示す化合物である。
【0017】
好ましい一般式(I)で示される化合物は、Aが、アミノまたはジメチルアミノ、より好ましくはメチルチオ基を示す化合物である。
【0018】
好ましい一般式(I)で示される化合物は、非芳香族系炭化水素鎖が、2−(ジアルキルアミノ)エチル、3−(ジアルキルアミノ)プロピル、2−(N−アルキル−N−アリールアミノ)エチルまたは3−(N−アルキル−N−アリールアミノ)プロピル鎖を示し、ここで、該アルキル基が、1〜4個の炭素原子、特に1〜2個の炭素原子を含み、該アリール基が、5〜18個の炭素原子、特に6個の炭素原子を含む化合物である。
【0019】
非芳香族系炭化水素鎖が、2−(N−アルキル−N−アリールアミノ)エチル鎖、例えば2−(N−m−トリル−N−エチルアミノ)エチル鎖を示す一般式(I)で示される化合物が、最も特に好ましい。
【0020】
本発明の他の目的は、式(I)で示される化合物の、ヒトに使用する医薬製品としての使用に関する。
【0021】
式(I)
【化5】
で示される化合物の調製方法を以下に説明する。
【0022】
Ar1およびAlkが存在する場合、一般式(A)のトリアジンは、スキーム1に従って、一般式(B)で示される生成物から、ハロゲン原子、最も一般的には塩素原子を、アミンAr1、次に一般式(C)で示されるAlkで連続的に置換することによって得ることができる。
【化6】
【0023】
一般的に、当該方法は、1モルのジハロ−s−トリアジン、または、トリハロ−s−トリアジン、および、1モルのアミンAr1を用いて行われる。当該方法は、好ましくは、不活性溶媒(例えばアセトン)、これらは場合によって水溶液であり、または、アルコール(例えばエタノール)、これらは場合によって水性液であり、または、ハロゲン化溶媒(例えばジクロロメタン)、または、エーテル(例えばジエチルエーテルまたはジオキサン)、または、極性非プロトン溶媒(例えばDMF、DMSOまたはNMP)中で行われる。本発明を実施するより優れた方法によれば、当該方法は、20℃〜50℃の温度で行われる。次に、1モルのアミンAlkを、一般式(D)で示される生成物に加え、これを場合によって単離することができる。当該方法は、特に、50℃〜還流温度の範囲の温度で行われる。
有利には、J. Fluor. Chem., 1988, 39(1), 117−123で説明された条件下で上記方法を行うことができる。
【0024】
一般的方法2
第二の方法によれば、Arは上記で定義した通りであり、Rが基NR1R2、または、OR1もしくはSR1を示す一般式(A)で示される生成物を、スキーム2に従って、Rがハロゲン原子を示す一般式(A)で示される生成物から、ハロゲン原子、一般的に塩素原子を求核性置換することによって調製することもできる。
【0025】
【化7】
【0026】
当該方法は、一般的に、Rがハロゲン原子、好ましくは塩素原子を示す一般式(A)で示される生成物(1モル)を、アミンR1R2NH、または、アルコラートR1O−もしくはチオアルコラートR1S(1モル)で縮合することによって行われる。当該反応は、反応条件下で不活性媒体中で行われる。不活性溶媒のなかでも、アセトン(場合によって水性液である)、または、アルコール(例えばエタノール)(場合によって水性液である)、または、ハロゲン化溶媒(例えばジクロロメタン)、または、エーテル(例えばジエチルエーテル)、または、ジオキサン、または、極性非プロトン溶媒(例えばDMF、DMSOまたはNMP)が挙げられる。導入基(entering group)が、基R1R2NHを示す場合、20℃〜還流温度の範囲の温度で、特に、有機塩基(例えばトリエチルアミン)または有機塩基(例えば水酸化ナトリウムもしくはナトリウム、または、炭酸カリウム)の存在下で、方法を実行することが好ましい。また、アミノ化反応の際に塩基を用いずに、一般式(A)で示される生成物の塩酸塩を分離し、次に、その塩基を解離させることができる。導入基が基R1O−またはR1S−を示す場合、アルカリ金属またはアルカリ土類金属アルコラートまたはチオアルコラート(例えばナトリウムまたはカリウムまたはリチウムまたはアンモニウムまたはセシウムまたはバリウム塩)と共に、極性非プロトン溶媒(例えばDMFまたはDMSOまたはNMP)中で、50℃〜還流温度の範囲の温度で、方法を実行することが好ましい。
【0027】
一般的方法3
第三の調製方法によれば、Rが、水素原子、または、1〜4個の炭素原子を含む直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を示す化合物を、スキーム3に従って、一般式(E)で示されるビスグアニドを、酸誘導体、好ましくは一般式(F)で示される酸塩化物またはメチルエステルで縮合することによって調製することもできる。
【0028】
【化8】
【0029】
一般式(E)で示されるビスグアニドと、一般式(F)で示される酸誘導体との縮合は、一般的に、アルコール、例えばメタノールまたはエタノール中で行われる。当該方法は、好ましくは0℃〜還流温度の範囲の温度で行われる。
一般式(E)で示される対称的または非対称的ビスグアニドsは、文献で説明された条件下で、特に特許J.P.94−4993に従った方法を実行することにより得ることができる。
【0030】
一般的方法4
当然のことながら、一般式で示されるs−トリアジンは、スキーム1、2、3で説明された方法を適用することによって、液相または固相でのパラレルおよび/またはコンビナトリアルケミストリーにおいて、ライブラリー形態で得ることができ、作業が固相で行われる場合、試薬のいずれか一つを、関係する化学反応に従って選択された固体支持体に予め付着させ、前記化学反応の後に固体支持体から当該反応の生成物を開裂させる操作を行うことができる。
【0031】
また、本発明は、選択された投与様式に従って製薬上許容できる担体と組み合わされた、本発明に係る化合物を含む治療用組成物に関する。当該治療用組成物は、固体、液体またはリポソーム形態で提供することができる。
【0032】
固体組成物としては、粉末、ゼラチンカプセル、錠剤が挙げられる。経口形態において、胃の酸性液体から保護する固体形態を含ませることも可能である。固体形態に用いられるキャリアーは、特に、無機キャリアー、例えばリン酸塩、炭酸塩、または、有機キャリアー、例えばラクトース、セルロース、スターチもしくはポリマーからなる。液体形態は、溶液、懸濁液または分散液からなる。これらは、分散性担体として、水もしくは有機溶媒(エタノール、NMPなど)のいずれか、または、界面活性剤と溶媒との混合物、または、錯化剤と溶媒との混合物を含む。
本発明の化合物の投与量は、患者への投与経路および患者の状態に従って、実施者により調節し得る。
【0033】
本発明の化合物は、単独で、または、他の抗ガン剤と混合して投与することができる。可能な組み合わせのなかでも、以下のものが挙げられる。
・アルキル化剤、および、特にシクロホスファミド、メルファラン、イフォスファミド、クロラムブシル、ブスルファン、チオテパ、プレドニムスチン(prednimustine)、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ステプトゾトシン(steptozotocin)、デカルバジン(decarbazine)、テモゾロミド(temozolomide)、プロカルバジンおよびヘキサメチルメラミン、
・白金誘導体、例えば、特にシスプラチン、カルボプラチンまたはオキサリプラチン、
・抗生物質剤、例えば、特にブレオマイシン、マイトマイシン、ダクチノマイシン、
・抗微小管剤、例えば、特にビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソイド(パクリタキセルおよびドセタキセル)、
・アントラサイクリン、例えば、特にドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、ロソキサントロン(losoxantrone)、
・I型およびII型のトポイソメラーゼ、例えば、エトポシド、テニポシド、アムサクリン、イリノテカン、トポテカンおよびトムデックス(tomudex)、
・フルオロピリミジン、例えば、5−フルオロウラシル、UFT、フロクシウリジン、
・シチジン類似体、例えば、5−アザシチジン、シタラビン、ゲムシタビン、6−メルカプトムリン(6−mercaptomurine)、6−チオグアニン、
・アデノシン類似体、例えば、ペントスタチン、シタラビンまたはリン酸フルダラビン、
・メトトレキセートおよびフォリン酸、
・酵素および様々な化合物、例えば、L−アスパラギナーゼ、ヒドロキシ尿素、トランス−レチン酸、スラミン、デキシラゾキサン(dexrazoxane)、アミフォスチン(amifostine)、ヘルセプチン(herceptin)、同様に、エストロゲン様ホルモンおよびアンドロゲン様ホルモン。
【0034】
また、放射線治療と本発明の化合物とを組み合わせることもできる。これらの治療は、同時に、別々に、または連続的に行うことができる。当該治療は、実施者により、治療される患者に適合させ得る。
【0035】
G四重を安定化する活性は、フルオレセインとの複合体形成を用いた方法によって測定することができ、その実験方法を以下に説明する。
オリゴヌクレオチド
改変された、または、改変されていない全てのオリゴヌクレオチドは、Eurogentec SA, Seraing, Belgiumにより合成された。当該オリゴヌクレオチド、FAM+DABCYLは、カタログ参照OL−0371−0802に記載されている。当該オリゴヌクレオチドは、配列:GGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGを有し、これは、ヒトテロメアモチーフの3.5回の反復に相当する(Gリッチなストランド)。Eurogentecにより説明された化学的なアームで、フルオレセインは5′末端に付着し、DABCYLは3′末端に付着する。サンプル濃度は、220〜700nmの間の吸光スペクトルを記録し、製造者により提供されたモル吸光係数を用いて吸光分光分析により調べた。
【0036】
緩衝液
全ての実験は、0.1M塩化リチウム(または塩化ナトリウム)を含む10mMカコジル酸ナトリウム緩衝液(pH7.6)中で行われた。緩衝液中に蛍光のコンタミネーションが無いことを予め調べた。蛍光オリゴヌクレオチドを最終濃度が0.2μmになるように加える。
【0037】
蛍光の研究
全ての蛍光測定は、スペックスフルオロログ(Spex Fluorolog)DM1B装置で、1.8nmの励起の線幅と、4.5nmの放出の線幅とを用いて行われた。サンプルを、0.2×1cmのマイクロクォーツ(microquartz)のキュベット中に入れる。サンプルの温度を外部の水槽で制御する。オリゴヌクレオチドを単独で、20、30、40、50、60、70および80℃で分析した。470nmの励起波長を用いて放出スペクトルを記録する。放出波長として515nmまたは588nmのいずれかを用いて励起スペクトルを記録する。参照曲線により、器具の応答に対してスペクトルを回収する。室温で、フルオレセインの蛍光の高度な消光(80〜90%)が、G四重形態の20℃でのオリゴヌクレオチドの分子内フォールディングに一致して観察され、それにより、それぞれフルオレセインおよびDABCYLに結合したその5′および3′末端の並置が誘発される。この並置は、すでに説明されている「分子ビーコン」で用いられる蛍光消光現象を引き起こす。
【0038】
蛍光Tm:
0.1MのLiCl、10mMカコジラート緩衝液(pH7.6)中の、ストランド濃度が0.2μmであるオリゴヌクレオチドのストック溶液を予め調整し、90℃で短時間加熱し、ゆっくり20℃に冷却し、続いて蛍光キュベットに600μlのアリコートに分配する。次に、3μlの水(コントロールとして)または3μlの試験生成物(200μmのストック、最終濃度は1μm)を加え、混合する。次に、各測定の前に、サンプルを20℃で少なくとも1時間インキュベートする。より長いインキュベーション時間(24時間まで)を用いても、得られる結果に影響を与えない。
【0039】
各実験では、1つのサンプルのみ測定できる。まず半分(latter)を、最初の温度(20℃)でインキュベートし、80℃に38分以上加熱し、80℃で5分間放置し、次に62分以上20℃に冷却する。この時間の間、励起波長として470nmを用いて、2種の放出波長(515nmおよび588nm)で同時に蛍光を測定する。30秒ごとに測定する。同時に水槽の温度を記録し、これらの値から温度の作用として蛍光プロファイルを再構成する。次に、蛍光プロファイルを20℃〜80℃の範囲に標準化し、515nmでの放出強度が、高温および低温における強度の平均である温度を、Tmと称する。これらの条件下で、生成物を添加していない参照サンプルのTmは、塩化リチウム緩衝液中で44℃である。塩化ナトリウム緩衝液中では、この温度は、55℃を超過して増加する。G四重安定化化合物の添加は、Tmにおける増加を誘導する。この増加は、3°より大きい場合に、有意であると判断される。
【0040】
抗テロメラーゼ 生物学的活性は、以下の実験方法で測定される:
ヒトテロメラーゼ活性が高められた抽出物の調製
白血病系HL60を、ATCC(American Type Culture Collection, Rockville USA)から入手する。その細胞を、RPMI1640培地(2mMのL−グルタミン、200U/mlのペニシリン、200μg/mlのストレプトマイシン、50μg/mlのゲンタマイシンを含み、10%熱不活性化ウシ胎児血清を添加した)中の懸濁液で培養する。
105個の細胞のアリコートを3000×Gで遠心分離し、上清を捨てる。細胞ペレットを、0.5%CHAPS、10mMのTris−HCl(pH7.5)、1mMのMgCl2、1mMのEGTA、5mMのβ−メルカプトエタノール、0.1mMのPMSFおよび10%のグリセロールを含むリシス緩衝液(200μl)中で数回連続的にピペッティングすることによって再懸濁し、氷中に30分間保存する。溶解産物を、4℃で20分間、160000×Gで遠心分離し、160μlの上清を回収する。抽出物中のタンパク質をブラッドフォード法で分析する。抽出物を−80℃で保存する。
【0041】
テロメラーゼ活性の分析
テロメラーゼ活性が高められた細胞抽出物と、様々な濃度(10、1、0.1および0.01μg/ml)で加えられた化合物との存在下で、オリゴヌクレオチドTS(5′AATCGTTCGAGCAGAGTT3′)を伸長させる方法により、テロメラーゼ活性の阻害を測定する。伸長反応の後、オリゴヌクレオチドTSおよびCXext(5′GTGCCCTTACCCTTACCCTTACCCTAA3′)を用いて、伸長産物のPCR増幅を行う。
【0042】
以下の組成に基づき反応液を調整する。
Tris−HCl(pH8.3) 20mM
MgCl2 1.5mM
Tween20 0.005%(W/V)
EGTA 1mM
DATP 50μm
DGTP 50μm
DCTP 50μm
DTTP 50μm
オリゴヌクレオチドTS 2μg/ml
オリゴヌクレオチドCXext 2μg/ml
ウシ血清アルブミン 0.1mg/ml
TaqDNAポリメラーゼ 1U/ml
アルファ32P dCTP(3000Ci/mmol) 0.5μl
テロメラーゼ抽出物 容量10μl中に200ng
試験生成物または溶媒 容量5μl中
二重蒸留した水QS 50μl
【0043】
オリゴヌクレオチドをEurogentec(Belgium)から入手し、蒸留水中1mg/mlのストック濃度で、−20℃で保存する。
反応サンプルを0.2mlのPCRチューブ中に構築し、チューブを閉じる前に、1滴のパラフィン油を実験の各反応物の上に積層する。
次に、反応サンプルを、以下の温度条件で、Cetus4800型PCR装置でインキュベートする。
30℃で15分、
90℃で1分、
続いて、
94℃で30秒、
50℃で30秒、および、
72℃で1分30秒、
を30サイクル、
続いて、最終サイクルとして72℃で2分。
【0044】
各サンプルに関して、10μlのアリコートを油層の下でピペッティングし、5μlのローディング緩衝液と混合し、ここで当該緩衝液は、以下を含む。
TBE 3×
グリセロール 32%(W/V)
ブロモフェノールブルー 0.03%
キシレンシアノール 0.03%
【0045】
次に、Novex電気泳動システムを用い、12%アクリルアミドゲルで、1×TBE緩衝液中で1時間、200ボルトの電圧での電気泳動により、サンプルを分析する。
【0046】
次に、アクリルアミドゲルを、ワットマン3MMペーパーのシート上で80℃で1時間乾燥させる。
InstantImager装置(Pacard社製)を用いて反応生成物の分析および定量を行う。
試験された各化合物濃度に関して、結果は反応の阻害のパーセンテージとして表し、以下の式に従って、未処理の酵素コントロールと、酵素非含有サンプル(ブランク)とから計算する。
(化合物値−ブランク値/酵素コントロール値−ブランク値)×100
試験されたそれぞれの化合物濃度の作用として得られた阻害値の片対数グラフ表示を用いて、テロメラーゼ反応の50%阻害を引き起こす化合物濃度(IC50)を測定する。
テロメラーゼ反応の50%を阻害する量が特に5μm未満の場合、化合物は、抗テロメラーゼ剤として活性であるとみなされる。
【0047】
ヒト腫瘍系における細胞毒性の生物活性は、以下の実験方法により測定される :
ヒト細胞系KBおよびA549を、ATCC(American Type Culture Collection, Rockville USA)から入手する。培養フラスコ中、RPMI1640培地(2mMのL−グルタミン、200U/mlのペニシリン、200μg/mlのストレプトマイシンを含み、10%熱不活性化ウシ胎仔血清を添加した)の層で、A549細胞を培養する。培養フラスコ中、ダルベッコ培地(2mMのL−グルタミン、200U/mlのペニシリン、200μg/mlのストレプトマイシンを含み、10%熱不活性化ウシ胎仔血清を添加した)の層で、KB細胞を培養する。
指数増殖期の細胞をトリプシン処理し、1×PBSで洗浄し、A549は4×l04細胞/mlの量で、および、1.5×104細胞/ml(0.2ml/ウェル)の量で、96−ウェルマイクロプレート(コースター社製)に接種し、次に、様々な濃度(10、1、0.1および0.01μg/ml、それぞれの濃度を4連で)の研究される生成物の存在下で、96時間インキュベートする。インキュベーション終了前の16時間、最終的に0.02%のニュートラルレッドを各ウェルに加える。インキュベーションの終わりに、細胞を1×PBSで洗浄し、1%ラウリル硫酸ナトリウムで溶解する。細胞の染料の取り込みは、細胞成長を反映しているので、Dynatech MR5000読み取り装置を用いて、540nmの波長で、各サンプルに対して分光光度法により取り込みを評価する。
【0048】
試験された各化合物濃度に対して、未処理コントロールおよび細胞を含まない培養液(ブランク)から以下の式に従って計算した細胞成長阻害のパーセンテージとして結果を示す:
(化合物値−ブランク値/細胞コントロール値−ブランク値)×100
試験された各化合物濃度の作用として得られた阻害値の片対数グラフ表示を用いて、50%成長阻害を誘発する化合物濃度(IC50)を測定する。
試験された腫瘍細胞の成長が50%に阻害される濃度が、特に10μm未満である場合、化合物は、細胞毒性の薬剤として活性であるとみなされる。
以下の非限定的な実施例は、本発明を説明するために提供される。
【0049】
実施例1:N6−[6−アミノ−4−メチル−スルファニル−[1,3,5]トリアジン−2−イル]−2−メチル−キノリン−4,6−ジアミンの置換された誘導体のパラレル合成
【化9】
【0050】
N6−(6−クロロ−4−メチルスルファニル−[1 , 3 , 5]トリアジン−2−イル)−2−メチルキノリン−4 , 6−ジアミンの調製
1リットルの三つ口フラスコ中で、4.4g(25mmol)の2−メチルキノリン−4,6−ジアミン(J. Med. Chem. 1992, 35, 252に従って調製できる)と、2.8g(25mmol)の炭酸ナトリウムとを、5g(25mmol)の2,6−ジクロロ−6−メチルスルファニル−[1,3,5]トリアジン(J. Amer. Chem. Soc., 1945, 67, 662に従って調製できる)のテトラヒドロフラン(400ml)溶液に、連続的に添加する。その反応混合物を還流下で16時間加熱する。テトラヒドロフランを蒸発させた後、残留物を、400mlの水とジクロロメタンとの混合物(容量で50:50)中で取り出す。沈殿させた後、その有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で乾燥するまで濃縮する。それにより、薄黄色の固体状の7.5g(88%)のN6−(6−クロロ−4−メチルスルファニルトリアジン−2−イル)−2−メチルキノリン−4,6−ジアミンが得られ、その特徴を以下に示す:
融点=294℃
1H NMRスペクトル(300MHz,(CD3)2SO d6,δ in ppm):2.43(s:3H);2.52(s:3H);6.47(s:1H);6.61(組成に別れない複合体:2H);7.62(broad d,J=9Hz:1H);7.69(d,J=9Hz:1H);8.32(組成に別れない複合体:1H);10.80(組成に別れない複合体:1H)。
【0051】
N6−[6−(2−ジメチルアミノエチル−アミノ)−4−メチルスルファニル−[1 , 3 , 5]トリアジン−2−イル]−2−メチルキノリン−4 , 6−ジアミンのパラレル合成(実施例1−1)
50mg(0.15mmol)のN6−(6−アミノ−4−メチル−スルファニル−[1,3,5]トリアジン−2−イル)−2−メチルキノリン−4,6−ジアミンを、STEM RS2050型のZymarkコンデンサーを備えた加熱した磁気リアクター(それぞれ50mlのガラスチューブを備えた平行な25ウェルを含む)に導入する。5mlのジオキサン、16mg(0.15mmol)の炭酸ナトリウム、23mg(0.15mmol)のヨウ化ナトリウムおよび27mg(0.3mmol)の2−ジメチルアミノ−エチルアミンを、第一のチューブに連続的に添加する(実施例1−1)。反応液を、還流により、アルゴン下で24時間加熱する。冷却した後、チューブの内容物を減圧下で蒸発させ、5mlの水および5mlの酢酸エチル中で取り出し、ろ過する。その有機相を沈殿させることにより分離し、乾燥し、減圧下で濃縮する。次に、得られた粗生成物を、ウォーターズ社製のXterra3.5μm C18シリカカラム(直径3mm、長さ50mm)を用い、開始時間(t0=0分)は0.05%トリフルオロ酢酸を含む水、および、最終時間(tf=4分)は0.05%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルで構成される直線的な溶出勾配で溶出することにより、LC/MSで精製する。精製後、58mgのN6−[(6−(メチルキノリン−6−イルアミノ)−4−メチルチオトリアジン−2−イル)キナルジン−4,6−ジアミントリフルオロアセテートが得られ、その特徴を以下に示す:
マススペクトル(DAD−TIC)=454(MH+)
保持時間=2.69分(保持時間は、hypersil C18 5μmカラム(50mm、直径4.6mm)Purity Elite(トレードマーク)において得られ、溶媒A(H2O/TFA 0.05%)およびB(ACN/TFA 0.05%)の混合物を用いて、95%A/5%B(t=0分)〜10%A/90%Bの範囲の直線状の勾配で、t=3.5分、次の工程は2分で、溶出する)。
【0052】
Zymark STEM RS2050リアクターを用いて上記方法を行うことにより、実施例1−1〜1−26を得た。実施例1−1〜1−26の構造、用いられた様々な実施条件および特徴を以下の表に要約する。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
実施例2:N6−[6−アミノ−4−ジエチル−アミノ−[1,3,5]トリアジン−2−イル]−2−メチル−キノリン−4,6−ジアミンの置換された誘導体のパラレル合成
【化10】
【0057】
N6−(6−クロロ−4−ジエチルアミノ−[1 , 3 , 5]トリアジン−2−イル)−2−メチルキノリン−4 , 6−ジアミンの調製
1リットルの三つ口フラスコ中で、3.91g(22.5mmol)の2−メチルキノリン−4,6−ジアミン(J. Med. Chem. 1992, 35, 252に従って調製できる)と、2.4g(22.5mmol)の炭酸ナトリウムとを、5g(22.5mmol)の市販の2,6−ジクロロ−4−ジエチルアミノ−[1,3,5]トリアジンのテトラヒドロフラン(300ml)溶液に連続的に添加する。その反応混合物を還流下で20時間加熱する。テトラヒドロフランを蒸発させた後、残留物を、400mlの水とジクロロメタンとの混合物(容量で50:50)中で取り出す。沈殿させた後、その有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で乾燥するまで濃縮する。次に、黄色の固体状の7.4g(92%)のN6−(6−クロロ−4−ジエチルアミノトリアジン−2−イル)−2−メチルキノリン−4,6−ジアミンが得られ、その特徴を以下に示す:
融点=120℃
1H NMRスペクトル(300MHz,(CD3)2SO d6,δ in ppm):1.14(mt:6H);2.42(s:3H);3.50〜3.70(mt:4H);6.47(sおよび組成に別れない複合体:トータルで3H);7.54(broad d,J=9Hz:1H);7.67(dd,J=9および2Hz:1H);8.27(組成に別れない複合体:1H);10.09(組成に別れない複合体:1H)。
【0058】
N6−[(6−(3−ジメチルアミノプロピル−アミノ)−4−ジエチルアミノ−[1 , 3 , 5]トリアジン−3−イル)−2−メチルキノリン−4 , 6−ジアミンのパラレル合成(実施例2−1)
50mg(0.13mmol)のN6−(6−クロロ−4−ジエチル−アミノ−[1,3,5]トリアジン−2−イル)−2−メチルキノリン−4,6−ジアミンを、STEM RS2050型のZymarkコンデンサーを備えた加熱した磁気リアクター(それぞれ50mlのガラスチューブを備えた平行な25ウェルを含む)に導入する。5mlのDMF、19mg(0.14mmol)の炭酸カリウム、21mg(0.14mmol)のヨウ化ナトリウムおよび14mg(0.14mmol)の3−ジメチルアミノ−プロピルアミンを、第一のチューブに連続的に添加する(実施例2−1)。反応液を、アルゴン下で16時間、120℃で加熱する。冷却した後、チューブの内容物を減圧下で蒸発させ、5mlの水中で取り出し、ろ過し、ジエチルエーテルで洗浄する。次に、得られた粗生成物を、ウォーターズ社製のXterra 3.5μm C18シリカカラム(直径3mm、長さ50mm)を用い、開始時間(t0=0分)は0.05%トリフルオロ酢酸を含む水、および、最終時間(tf=4分)は0.05%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルで構成される直線的な溶出勾配で溶出することにより、LC/MSで精製する。精製後、12mgのN6−[(6−(3−ジメチル −アミノプロピルアミノ)−4−ジエチルアミノ−[1,3,5]トリアジン−2−イル)−2−メチルキノリン−4,6−ジアミンが得られ、その特徴を以下に示す:
マススペクトル(DAD−TIC)=423(MH+)
保持時間=0.79分(保持時間は、hypersil C18 5μmカラム(50mm、直径4.6mm)Purity Elite(トレードマーク)において得られ、溶媒A(H2O/TFA 0.05%)およびB(ACN/TFA 0.05%)の混合物を用いて、95%A/5%B(t=0分)〜10%A/90%Bの範囲の直線状の勾配で、t=3.5分、次の工程は2分で、溶出する)。
Zymark STEM RS2050リアクターを用いて上記方法を行うことにより、実施例2−1〜2−2を得た。実施例2−1〜2−2の構造、用いられた様々な実施条件および特徴を以下の表に要約する。
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
Claims (31)
- 次の一般式:
窒素含有芳香環−NR3−連結基−NR′3−非芳香族系炭化水素鎖
[式中、
窒素含有芳香環は:
少なくとも、
基N(Ra)(Rb)(ここでRaおよびRbは、同一または異なって、水素またはC1〜C4アルキル基を示す)、もしくは、基ORa(Raは上記で定義した通りである)で場合によって置換されたキノリン、
四級形態の窒素原子を有するキノリン、
ベンズアミジン、または、
ピリジン、
を示し、
R3およびR′3は、同一または異なって、互いに独立して、水素またはC1〜C4アルキル基を示し、
連結基は:
場合によって、1〜4個の炭素を有するアルキル基、チオ、オキシまたはアミノ基(それ自体、場合によって、1またはそれ以上の、1〜4個の炭素原子を含む短鎖アルキル鎖もしくはハロゲン原子で置換される)で置換されたトリアジン基、
カルボニル基、
基C(=NH)−NH−C(=NH)、
3〜7個の炭素原子を含むアルキルジイル基、または、
場合によってトリアジンと同じ基で置換されたジアジン基を示す]
に相当することを特徴とする、テロメアのG四重構造に結合する化合物またはその塩。 - 連結基が、トリアジンまたはジアジン基から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
- ジアジン基が、ピリミジンまたはキナゾリンであることを特徴とする、請求項2に記載の化合物。
- 非芳香族系炭化水素鎖が、場合によってNR′3基の窒素原子を含む、直鎖状または分岐鎖状のアルキル(C1〜C4)もしくはアルケニル(C2〜4)鎖、または、シクロアルキル(C3〜C18)、シクロアルケニル(C3〜C18)もしくはヘテロシクロアルキル(C3〜C18)鎖から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
- 非芳香族系炭化水素鎖が、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシ、アリールオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノおよび/またはアリールアミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アミジノ、グアニジノ、アルキルカルボニルアミノもしくはアリールカルボニルアミノ、カルボキシル、アルキルオキシカルボニルもしくはアリールオキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよび/またはアリールアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルもしくはアリールカルボニル、シアノおよびトリフルオロメチル基から選択される、1またはそれ以上の原子または基で場合によって置換されることを特徴とする、請求項4に記載の化合物。
- 炭化水素鎖の場合によって置換されたアルキル鎖が、1〜4個の炭素原子を含み、該炭化水素鎖のいずれかの置換基のアリール基が、5〜18個の炭素原子を含むことを特徴とする、請求項5に記載の化合物。
- 炭化水素鎖のなかでも、2〜3個の炭素原子を含むアルキル鎖、5〜7個の炭素原子を含むヘテロシクロアルキルまたはシクロアルキル鎖が好ましいことを特徴とする、請求項4に記載の化合物。
- 下記の式(I)
Aは、
式NR1R2で示されるアミノ基(R1およびR2は、同一または異なって、水素、または、1〜4個の炭素原子を含む直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を示す)、
基OR1またはSR1(R1は上記と同じ意味を有する)、
1〜4個の炭素原子を含むアルキル基もしくはトリフルオロメチル基、
水素原子、または、
フッ素、塩素、臭素またはヨウ素から選択されるハロゲン原子、
を示し、
R3およびR′3は、同一または異なって、互いに独立して、水素またはC1〜C4アルキル基を示し、
Ar1は、窒素含有芳香環を示し、
該窒素含有芳香環は、
少なくとも、基N(Ra)(Rb)(ここでRaおよびRbは、同一または異なって、水素もしくはC1〜C4アルキル基を示す)、もしくは、基ORa(Raは上記で定義した通りである)で場合によって置換されたキノリン、
四級形態の窒素原子を有するキノリン、
ベンズアミジン、または、
場合によってC1〜C4アルキル基で置換されたアリールまたはヘテロアリール基と4位で結合した、または、それらと縮合したピリジン、
を示し、
alkは、非芳香族系の、場合によって置換された炭化水素鎖を示し、該炭化水素鎖は、場合によってNR′3基の窒素原子を含む、直鎖状または分岐鎖状のアルキル(C1〜C4)もしくはアルケニル(C2〜4)鎖、または、シクロアルキル(C3〜C18)、シクロアルケニル(C3〜C18)もしくはヘテロシクロアルキル(C3〜C18)鎖から選択される]
に相当することを特徴とする、請求項1に記載の化合物またはその塩。 - 非芳香族系炭化水素鎖が、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシ、アリールオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノおよび/またはアリールアミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アミジノ、グアニジノ、アルキルカルボニルアミノもしくはアリールカルボニルアミノ、カルボキシル、アルキルオキシカルボニルもしくはアリールオキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよび/またはアリールアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルもしくはアリールカルボニル、シアノおよびトリフルオロメチル基から選択される、1またはそれ以上の原子または基で場合によって置換されることを特徴とする、請求項8に記載の化合物。
- Ar1が、以下の基:キノリニウム核が場合によってメチル基で置換された、4−アミノ−または4−メチルアミノ−または4−ジメチルアミノ−キノリルもしくはキノリニウムから選択される基を示すことを特徴とする、請求項8に記載の化合物。
- 基Aが、チオメチル、アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノ基(これらの基において、そのアルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)を示すことを特徴とする、請求項8に記載の化合物。
- Aが、メチルチオ基を示すことを特徴とする、請求項8に記載の化合物。
- alkが、アミノ、アルキルアミノおよび/またはアリールアミノ、ジアルキルアミノもしくはジアリールアミノ基で置換された直鎖状または分岐鎖状の2〜3個の炭素原子を含むアルキル単位、アミノ、アルキルアミノおよび/またはアリールアミノ、ジアルキルアミノもしくはジアリールアミノ基で置換された2〜3個の炭素原子を含むアルケニル単位、または、4〜7個の炭素原子を含むヘテロ環式もしくはシクロアルキル単位を示すことを特徴とする、請求項8に記載の化合物。
- alkが、2−(ジアルキルアミノ)エチル、3−(ジアルキルアミノ)プロピル、2−(N−アルキル−N−アリールアミノ)エチルまたは3−(N−アルキル−N−アリールアミノ)プロピル鎖を示し、ここで該アルキル基は1〜4個の炭素原子を含み、そして該アリール基は5〜18個の炭素原子を含むことを特徴とする、請求項8に記載の化合物。
- alkが、2−(N−m−トリル−N−エチルアミノ)エチル鎖を示すことを特徴とする、請求項8に記載の化合物。
- テロメラーゼ阻害剤として用いるための、請求項1に記載の化合物。
- 抗ガン的な使用のための、請求項1〜16のいずれかに記載の化合物。
- 下記の式(I)
Aは、
式NR1R2で示されるアミノ基(R1およびR2は、同一または異なって、1〜4個の炭素原子を含む直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を示す)、
基OR1またはSR1(R1は、水素を示すか、または、上記と同じ意味を有する)、
1〜4個の炭素原子を含むアルキル基もしくはトリフルオロメチル基、
水素原子、または、
フッ素、塩素、臭素またはヨウ素から選択されるハロゲン原子、
を示し、
R3およびR′3は、同一または異なって、互いに独立して、水素原子、または、C1〜C4アルキル基を示し、
Ar1は、
少なくとも、基N(Ra)(Rb)(RaおよびRbは、同一または異なって、水素もしくはC1〜C4アルキル基を示す)、もしくは、基ORa(Raは上記で定義した通りである)で場合によって置換されたキノリン、
四級形態の窒素原子を有するキノリン、
ベンズアミジン、または、
場合によってC1〜C4アルキル基で置換されたアリールまたはヘテロアリール基と4位で結合した、または、それらと縮合したピリジン、
を示し、
alkは、非芳香族系の、場合によって置換された炭化水素鎖を示し、該炭化水素鎖は、場合によってNR′3基の窒素原子を含む、直鎖状または分岐鎖状のアルキル(C1〜C4)もしくはアルケニル(C2〜4)鎖、または、シクロアルキル(C3〜C18)、シクロアルケニル(C3〜C18)もしくはヘテロシクロアルキル(C3〜C18)鎖から選択される]
に相当する新規の化合物またはその塩。 - 非芳香族系炭化水素鎖が、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシ、アリールオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノおよび/またはアリールアミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アミジノ、グアニジノ、アルキルカルボニルアミノもしくはアリールカルボニルアミノ、カルボキシル、アルキルオキシカルボニルもしくはアリールオキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよび/またはアリールアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルもしくはアリールカルボニル、シアノおよびトリフルオロメチル基から選択される1またはそれ以上の原子または基で場合によって置換されることを特徴とする、請求項18に記載の化合物。
- Ar1が、以下の基:キノリニウム核が場合によってメチル基で置換された、4−アミノ−または4−メチルアミノ−または4−ジメチルアミノ−キノリルもしくはキノリニウムから選択される基を示すことを特徴とする、請求項18に記載の化合物。
- 基Aが、チオメチル、アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノ基(これらの基において、そのアルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)を示すことを特徴とする、請求項18に記載の化合物。
- R1およびR2が水素を示すことを特徴とする、請求項18に記載の化合物。
- Aが、メチルチオ基を示すことを特徴とする、請求項21に記載の化合物。
- alkが、アミノ、アルキルアミノおよび/またはアリールアミノ、ジアルキルアミノもしくはジアリールアミノ基で置換される直鎖状または分岐鎖状の2〜3個の炭素原子を含むアルキル単位、アミノ、アルキルアミノおよび/またはアリールアミノ、ジアルキルアミノもしくはジアリールアミノ基で置換される2〜3個の炭素原子を含むアルケニル単位、または、4〜7個の炭素原子を含むヘテロ環式単位を示すことを特徴とする、請求項18に記載の化合物。
- alkが、2−(ジアルキルアミノ)エチル、3−(ジアルキルアミノ)プロピル、2−(N−アルキル−N−アリールアミノ)エチルまたは3−(N−アルキル−N−アリールアミノ)プロピル鎖を示し、ここで該アルキル基は1〜4個の炭素原子を含み、該アリール基は5〜18個の炭素原子を含むことを特徴とする、請求項18に記載の化合物。
- alkが、2−(N−m−トリル−N−エチルアミノ)エチル鎖を示すことを特徴とする、請求項24に記載の化合物。
- ヒトに使用する医薬製品としての、請求項18に記載の化合物の使用。
- 請求項1に記載の化合物と、他の抗ガン化合物とからなる、治療学的な組み合わせ。
- 抗ガン化合物が、アルキル化剤、白金誘導体、抗生物質剤、抗微小管剤、アントラサイクリン、I型およびII型のトポイソメラーゼ、フルオロピリミジン、シチジン類似体、アデノシン類似体、様々な酵素および化合物、例えばL−アスパラギナーゼ、ヒドロキシ尿素、トランス−レチノイン酸、スラミン、イリノテカン、トポテカン、デキシラゾキサン、アミフォスチン、ヘルセプチン、ならびに、エストロゲン様ホルモンおよびアンドロゲン様ホルモンから選択されることを特徴とする、請求項28に記載の組み合わせ。
- 請求項1に記載の化合物と、放射線とからなる、治療学的な組み合わせ。
- 化合物または治療のそれぞれが、同時に、別々に、または連続的に投与されることを特徴とする、請求項29または30に記載の組み合わせ。
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