JP2004518810A - 不活性陽極を用いる高純度アルミニウムの電解生成 - Google Patents

不活性陽極を用いる高純度アルミニウムの電解生成 Download PDF

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Abstract

不活性陽極からなる電解還元セルで商用純度アルミニウムを生成する方法が開示された。上記方法は、鉄、銅及びニッケルの不純物の受理可能レベルを有するアルミニウムを生成する。工程で使用される不活性陽極は、好ましくは、セラミック酸化物相部分及び金属相部分を含有しているサーメット物質からなる。

Description

【0001】
本発明はアルミニウムの電解生産に関係がある。より詳細には、本発明は、不活性陽極を含む電解還元セルを備えた商用純度のアルミニウムの生産に関係がある。
【0002】
アルミニウムを溶解するエネルギー及び資金の効率的運用は、不活性陽極、消費できない陽極及び次元的に安定している陽極の使用で著しく縮小することができる。不活性陽極を備えた従来の炭素陽極の置換は、高度に生産的なセル設計が利用されることを可能にするべきであり、それによって、資本費を縮小する。さらに、不活性陽極がCOかCF放射を生産しないので、著しい環境上の有利性が可能である。不活性陽極の構成の数多の実施例は、本出願の譲受人に割り当てられた米国特許出願番号4374050、4374761、4399008、4455211、4582585、4584172、4620905、5794112及び5865980にて提供されている。これらの特許は、参照としてここに組み入れられている。
【0003】
不活性陽極技術の商業化に対する重要な挑戦は陽極物質である。研究者は、ホール−ヘロウト(Hall−Heroult)工程の初期の数年から適切な不活性陽極物質を探索している。陽極物質は、多くの非常に困難な条件を満足しなければならない。例えば、物質は、氷晶石電解質中の任意の重要な程度まで反応しないか若しくは溶けてはならない。酸素で反応してはならないし、酸素を含んでいる大気の中で腐食してはならない。約1000℃の温度で温度的に安定でなければならない。比較的安く、良好な機械強度を有するべきである。溶解するセルの操作温度、つまり約900乃至1000℃で高い電気伝導率を持っているに違いなく、その結果、陽極の電圧降下は低い。
【0004】
前述で注意した基準に加えて、不活性陽極で生成されたアルミニウムは、任意のかなりの程度まで陽極物質の成分で汚染されてはならない。アルミニウム電解還元セルの不活性陽極の使用は過去に提案されたが、そのような不活性陽極の使用は商用実行に入れられていない。実施されない1つの理由は、不活性陽極を備えた商用等級純度のアルミニウムを生産することが長年に渡って不可能であった。例えば、鉄、銅及び/若しくはニッケルの不純度レベルは、既知の不活性陽極物質で生産されたアルミニウムにおいて承諾しがたいほど高く感じられた。
【0005】
本発明は先のものを考慮して開発されており、また先行技術の他の欠乏に取り組むことである。
【0006】
本発明の様相は不活性陽極を使用して、高純度アルミニウムを生産する過程を提供することである。方法は、電解質及び酸化アルミニウムを含む槽を通して不活性陽極と陰極の間で電流を通過する段階を含み、最大で0.15の質量パーセントの鉄、0.1の質量パーセントの銅及び0.03の質量パーセントのニッケルを含むアルミニウムを回収する。
【0007】
発明の追加の様相及び利点が、次の詳細な記載からの当業者には思い浮かぶだろう。
【0008】
図1は、本発明の実施態様と一致する不活発陽極を含む商用純度アルミニウムを合成するための電解槽を概略して例証している。セルは、保護るつぼ20の内部で内部るつぼ10を含んでいる。氷晶石槽30は内部るつぼ10に含まれている。また、陰極40は槽30の中に提供される。不活性陽極50は、槽30内に位置している。アルミナ供給チューブ60は、部分的に槽30上の内部るつぼ10へ伸びる。陰極40及び不活性陽極50は、陽極−陰極距離(ACD)として既知である距離70によって分かれている。実行中に合成された商用純度のアルミニウム80は、陰極40上及びるつぼ10の底に沈着した。
【0009】
ここで使用されている、“不活性陽極”は、アルミニウム生産工程中に満足な耐食性及び安定を所有する、実質上消費できない陽極を意味する。好ましい実施態様において、不活性陽極はサーメット物質からなる。
【0010】
ここで使用される用語“商用純度アルミニウム”は、電解還元工程による生産上の商用純度基準を満たすアルミニウムを意味する。商用純度アルミニウムは、最大0.2質量パーセントの鉄、0.1質量パーセントの銅及び0.034質量パーセントのニッケルからなる。好ましい実施態様において、商用純度アルミニウムは、最大0.15質量パーセントの鉄、0.034質量パーセントの銅及び0.03質量パーセントのニッケルからなる。より好ましくは、商用純度アルミニウムは、最大0.13質量パーセントの鉄、0.03質量パーセントの銅及び0.03質量パーセントのニッケルからなる。好ましくは、商用純度アルミニウムはさらに、他の型の不純物における次の質量パーセントの基準を満たす:最大で0.2ケイ素、0.03亜鉛、0.03コバルト。ケイ素の不純物レベルは、より好ましくは0.15若しくは0.10質量パーセントよりも低く保たれる。
【0011】
本発明の不活性陽極は、セラミック相部分及び金属相部分を有する。一般的には、セラミック相は、少なくとも50質量パーセントの陽極からなり、好ましくは約70乃至約90質量パーセントである。ここに述べられたすべての数値域若しくは限界において、記述された最小及び最大間のすべての分数若しくは少数を含む範囲か限界を備えたすべての数は、この記載によって指定され開示されると考えられることが注目される。
【0012】
セラミック相部分は、好ましくは、鉄及びニッケル酸化物、並びに酸化亜鉛及び/若しくは酸化コバルトのような、少なくとも一つの追加的な酸化物からなる。例えば、セラミック相は、式Ni1−x−yFe2−xOで:ここで好ましくは、Mは亜鉛及び/若しくはコバルト;xは0乃至0.5;yは0乃至0.6であるかもしれない。より好ましくは、xは0.05乃至0.2及びyは0.01乃至0.5である。表1は、サーメット不活発陽極のセラミック相として適切に使用される数多の3成分のFe−Ni−Zn−Oを列記している。
【0013】
【表1】
Figure 2004518810
図2は、サーメット不活発陽極のセラミック相として使用される、表1に列記された構成物を合成するために使用される、Fe、NiO及びZnO開始物質の量を例証する3つの相の図解である。本発明にしたがって、商用純度アルミニウムを生成するために、かかる不活性陽極は順番に使用される。
【0014】
一つの実施態様において、Fe、NiO及びZnOが不活性陽極を合成するための開始物質として使用される場合、一般的には、20乃至99.09モルパーセントのNiO、0.01乃至51モルパーセントのFe及び0乃至30モルパーセントのZnOの比率で共に混合される。好ましくは、かかる開始物質は、45乃至65モルパーセントのNiO、20乃至45モルパーセントのFe及び0.01乃至22モルパーセントのZnOの比率で共に混合される。
【0015】
表2は、セラミック相として適切な数多の3成分のFe/NiO/CoO物質を列記している。
【0016】
【表2】
Figure 2004518810
図3は、サーメット不活発陽極のセラミック相として使用される、表2に列記された構成物を合成するために使用される、Fe、NiO及びCoO開始物質の量を例証する3成分の相の図解である。本発明にしたがって、商用純度アルミニウムを生成するために、かかる不活性陽極は順番に使用される。
【0017】
本発明の好ましいアルミニウム生成方法にしたがって使用されるサーメット不活発陽極は、例えば、卑金属のような少なくとも一つの金属相及び少なくとも一つの貴金属を含む。しかしながら、別の電気伝導性金属は、銅若しくは銀のすべて若しくは部分的に置き換えるために任意で使用される。さらに、Co、Ni、Fe、Al、Sn、Nb、Ta、Cr、Mo、Wのような追加的な金属等は、卑金属と混合される。かかる卑金属は、個々に金属の混合された粉末若しくはかかる金属の酸化物として提供されるであろう。
【0018】
貴金属は、好ましくは、Ag、Pd、Pt、Au、Rh、Ru、Ir及びOsから選択される少なくとも一つの金属からなる。より好ましくは、貴金属は、Ag、Pd、Pt、Ag及び/若しくはRhからなる。さらにより好ましくは、貴金属は、Ag、Pd若しくは前述の組み合わせからなる。貴金属は、個々に金属の混合された粉末若しくはかかる金属の酸化物、つまり酸化銀、パラジウム酸化物等として提供されるかもしれない。
【0019】
好ましくは、不活性電極の金属相は、混合された卑金属と貴金属の少なくとも約60質量パーセントからなり、より好ましくは少なくとも約80質量パーセントからなる。卑金属/貴金属の存在は、不活性電極を通過する高レベルの電気伝導性を提供する。卑金属/貴金属相は、不活性電極内の連続する相か、若しくは酸化物の相によって分離される不連続な相の何れかを形成する。
【0020】
一般的には、不活性電極の金属相は、約50乃至99.99質量パーセントの卑金属及び約0.01乃至50質量パーセントの貴金属からなる。好ましくは、金属相は、約70乃至約99.95質量パーセントの卑金属及び約0.05乃至約30質量パーセントの貴金属からなる。より好ましくは、金属相は、約90乃至約99.9質量パーセントの卑金属及び約0.1乃至約10質量パーセントの貴金属からなる。
【0021】
不活性陽極の金属位相に含まれている卑金属及び貴金属の型及び量は実質上不活性電極の所望でない腐食、分解若しくは反応を防ぎ、並びに電解の金属還元工程の間に不活性電極が受ける高温に耐えられるために選択されている。例えば、アルミニウムの電解合成において、一般的に、合成セルは、800℃以上、通常は900乃至980℃の保持された溶解する温度で作動する。したがって、かかるセルで使用される不活性陽極は、好ましくは800℃より高い融点を有すべきで、より好ましくは900℃よりも高く、最適には約1000℃よりも高い融点を有するべきである。
【0022】
本発明の一つの実施態様において、金属相は、卑金属として銅及び貴金属として比較的少量の銀からなる。この実施態様において、銀の構成は、好ましくは約10質量パーセントよりも小さく、より好ましくは約0.2乃至9質量パーセントで、最適には約0.5乃至約8質量パーセントで、残りが銅である。このように比較的少量のAgを比較的多量のCuと組み合わせることによって、Cu−Ag合金相の融点は著しく増大する。例えば、銅の質量パーセントが95で、銀の質量パーセントが5からなる合金は、ほぼ1000℃の融点を有するが、一方で、銅の質量パーセントが90で、銀の質量パーセントが10からなる合金は、ほぼ780℃の融点を有する共晶を形成する。一般的に800℃よりも高い温度で溶解を操作する、電解アルミニウム還元セルでの不活性陽極の一部として使用される合金において融点の差は、特に著しい。
【0023】
本発明の別の実施態様において、金属相は、卑金属としての銅及び貴金属としての比較的少量のパラジウムからなる。この実施態様において、Pdの構成は、好ましくは20質量パーセントよりも小さく、より好ましくは約0.1乃至約10質量パーセントである。
【0024】
本発明のさらなる実施態様において、金属相は、卑金属としての銀及び貴金属としての比較的少量のパラジウムからなる。この実施態様において、Pdの構成は、好ましくは50質量パーセントよりも小さく、より好ましくは約0.05乃至約30質量パーセントで、最適には約0.1乃至約20質量パーセントである。代替として、銀は、陽極の金属相として単一で使用される。
【0025】
本発明の別の実施態様において、金属相はCu、Ag及びPdからなる。この実施態様において、Cu、Ag及びPdの量は、好ましくは、800℃よりも高い融点で、より好ましくは900℃より高く、最適には約1000℃よりも高い融点を有する合金を提供するために選択される。銀の構成内容は、好ましくは、金属相の約0.5乃至約30質量パーセントである一方で、Pdの構成内容は、好ましくは、約0.01乃至約10質量パーセントである。より好ましくは、Agの構成内容は、金属相の約1乃至約20質量パーセントで、Pdの構成内容は、好ましくは、約0.1乃至約10質量パーセントである。Pdに対するAgの質量比は、好ましくは約2:1乃至約100:1であり、より好ましくは約5:1乃至約20:1である。
【0026】
本発明の好ましい実施態様と一致して、金属相に含まれる卑金属及び貴金属の型及び量は、結果としての最終物質が、特異的な合金システムの共晶融点よりも高い融点を有する少なくとも一つの合金相を形成するように選択される。例えば、前述のような2つの成分のCu−Ag合金システムでの接続において、Agの添加量は、Cu−Ag合金の共晶融点を越える融点を実質的に上昇するために管理される。Pd等のような他の貴金属は、合金システムの共晶融点よりも高い融点を有する合金を合成するために、管理された量で2つの成分のCu−Ag合金システムに添加される。このようにして、電解金属合成セルにて不活性電極の一部として使用するために十分に高い融点を有する本発明と一致した2成分、3成分、4成分等の合金が合成されるであろう。
【0027】
不活性陽極は、パウダー焼結(powder sintering)、固形化ゲル工程(sol−gel process)、スリップ鋳造(slip casting)及びスプレー形成(spray forming)のような技術によって形成されるであろう。好ましくは、不活性電極は、圧縮して焼結された酸化物及び金属からなる粉末においてパウダー技術によって形成される。不活性陽極は、前述した物質の単一的な構成からなるか、若しくは少なくとも一つのコーティングまたは前述の物質の層を有する基質からなるかもしれない。
【0028】
セラミック及び金属粉末の組み合わせに先だって、NiO、Fe及びCoOのようなセラミック粉末は、ミキサーで混合される。任意に、混合されたセラミック粉末は、1250℃で12時間かけてか焼される炉に移動される以前に、より小さい大きさに粉砕される。例えば、か焼は、図2及び3で例証されるような酸化物相からなる混合物を生成する。所望であれば、混合物はCrのような他の酸化物の粉末を含むかもしれない。
【0029】
酸化物の混合物は、ほぼ10ミクロンの平均粒子サイズに粉砕されるボールミル(ball mill)に送られる。スプレードライヤーでスラリーを合成するために、微細な酸化物の粒子は、ポリマー状の結合剤と水にて混合される。例えば、スラリーは、約60wt%固体と約40wt%水を含んでいる。スラリーのスプレードライは、V−ブレンダーに移動されて金属粉末と混合される、酸化物の乾燥した塊を生成する。金属粉末は、純粋な金属と、それら純粋な金属の合金から実質的になるか、若しくは卑金属及び/若しくは貴金属の酸化物からなるかもしれない。
【0030】
好ましい実施態様において、有機的なポリマー状結合剤の質量による約1乃至10パートが、金属酸化物及び金属粒子の質量によって100パートまで加えられる。数多の適切な結合剤は、ポリビニルアルコール、アクリルのポリマー、ポリグリコール、ポリビニル酢酸、ポリイソブチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、及び前述に列記の混合物及び共重合体を含んでいる。好ましくは、結合剤の質量による約3乃至6パートは、金属酸化物、銅及び銀の質量による100パートに添加される。
【0031】
酸化物及び金属粉末のV混合された混合物は、陽極状に、例えば、10000乃至40000psiでイソスタシーに圧縮される場所で圧縮されるために送られる。約20000psiの圧力は、多くの適用において、特に適切である。圧縮された形状は、アルゴン−酸素ガスの混合物が供給される管理された気圧炉で焼結される。1000乃至1400℃の焼結温度が適切である。一般的には、炉は1350乃至1385℃で2乃至4時間操作される。焼結工程は、陽極形状からの如何なるポリマー状結合剤も焼き尽くす。
【0032】
焼結された陽極は、電解金属合成セル内の適切な電気的に伝導性なサポートメンバーに、溶接、ろう接、機械的な固定、接合等のような手段によって接続される。
【0033】
焼結中に供給されるガスは、好ましくは約5乃至3000ppmの酸素を含み、より好ましくは約5乃至700ppmで、最も好ましいのは約10乃至350ppmの酸素を含む。酸素のより低い濃度は、所望よりも大きな金属相を有する生成物となり、また過度の酸素は金属酸化物を含有する多量の相(セラミック相)を有する生成物となる。ガスの大気の残りは、好ましくは、反応温度で金属に対して不活性なアルゴンのようなガスを含んでいる。
【0034】
制御された酸素含有量の大気での陽極構成の焼結は、典型的には受理可能なレベルに対する多孔度を低下させて、金属位相からの流出を回避する。大気は、17乃至350ppmの範囲内の管理された酸素含有量と共に、アルゴンが優勢的に占めるかもしれない。陽極は、チューブ炉で130℃で2時間焼結されるかもしれない。一般的に、かかる条件で焼結される陽極の構成は、70乃至150ppmの酸素を含有するアルゴンで構成物が焼結される場合、0.5%より低い多孔度を有する。対照的に、同一の陽極構成物が、アルゴン大気下で同じ時間及び同じ温度で焼結される場合、多孔度は実質的に高く、陽極は金属相から流出する様々な量を示すかもしれない。
【0035】
不活性陽極は、遷移領域及びニッケル端に一続きで連続的に接続されて、前述のようなサーメットを含んでいるかもしれない。ニッケル若しくはニッケルクロミウム合金棒は、ニッケル端に溶接されているかもしれない。例えば、遷移領域は、前述の酸化物と金属粉末の混合物の平衡を保ち、隣接するサーメット端から25wt%、次いで50、75及び100wt%Niで格付けされた構成の四層を含んでいるかもしれない。
【0036】
我々は、約5/8インチの直径及び約5インチの長さを有する前述の手順と一致する、数多の不活性陽極構成物を好んだ。それらの構成物は、図に概略して例証されているものと同様なホール−ヘロウト試験セルにて評価された。上記セルは、1.1のフッ化ナトリウムに対するフッ化アルミニウムの槽比及びアルミニウム濃度が約7乃至7.5wt%で維持して、960℃で100時間操作された。セルで生成された陽極の構成及びアルミニウムでの不純物の濃度は、表3に示される。表3で示される不純物値は、100時間のテスト期間後において、4つの異なる位置で取得される生成された金属の4つのテストサンプルの平均を表している。生成されたアルミニウムの臨時のサンプルは、列記された最終の不純物レベル以下で一貫していた。
【0037】
【表3】
Figure 2004518810
Figure 2004518810
Figure 2004518810
Figure 2004518810
表3の結果は、不活性陽極によるアルミニウム汚染の低いレベルを示している。加えて、不活性陽極の磨耗率は、試験された各サンプルにおいて著しく低い。パラメーターの処理及びセル操作の最適化は、本発明と一致して生成されたアルミニウムの純度をさらに改善する。
【0038】
不活性陽極は、約800乃至1000℃の範囲の温度で操作されるアルミニウム生成のための電解セルで特に有用である。特に好ましいセルは、約900乃至980℃の温度範囲にて操作し、好ましくは930乃至970℃で操作する。電流は、不活性陽極と陰極間を、電解質及び収集される金属の酸化物からなる融解塩槽を介して通過する。アルミニウム生成のための好ましいセルにおいて、電解質は、フッ化アルミニウム及びフッ化ナトリウムからなり、金属酸化物はアルミナである。フッ化アルミニウムに対するフッ化ナトリウムの質量比は、約0.7乃至1.25であり、好ましくは、約1.0乃至1.20である。電解質はまた、フッ化カルシウム、フッ化リチウム及び/若しくはフッ化マグネシウムを含むかもしれない。
【0039】
本発明は、好ましい実施態様において記載されたが、様々な変化、追加及び修正は、請求項で記述された本発明の範囲から逸脱しない限りなされるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明と一致する商用純度アルミニウムを生産するために使用される不活性陽極を備えた電解槽の部分的な概要の断面図である。
【図2】
本発明の実施態様と一致する商用純度アルミニウムを作るために使用されるかもしれない不活性陽極の中にある鉄、ニッケル及び酸化亜鉛の量を例証する3成分相の状態図である。
【図3】
本発明の実施態様と一致する商用純度アルミニウムを作るために使用されるかもしれない不活性陽極の中にある鉄、ニッケル及び酸化コバルトの量を例証する3成分相の状態図である。

Claims (25)

  1. 商用純度アルミニウムを生成する方法であって、
    不活性陽極と陰極間を電解質と酸化アルミニウムからなる槽を介する電流の通過と;及び
    最大0.2質量パーセントの鉄、0.1質量パーセントの銅及び0.034質量パーセントのニッケルからなるアルミニウムの回収、
    からなることを特徴とする方法。
  2. 前記不活性陽極が、鉄若しくは鉄の構成物からなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記不活性陽極が、銅若しくは銅の構成物からなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記不活性陽極が、ニッケル若しくはニッケルの構成物からなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記不活性陽極が、Fe、Cu及びNi若しくは前記に列記のFe、Cu及びNiの構成物からなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記不活性陽極が、Fe、NiO及びZnOから合成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記不活性陽極がまた、Cu、Ag、Pd、Pt、Au、Rh、Ru、Ir及びOsから選択される少なくとも一つの金属からなることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記少なくとも一つの金属が、Cu、Ag、Pd及びPtから選択されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記少なくとも一つの金属が、Cu並びにAg及びPdの少なくとも一つからなることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  10. 前記少なくとも一つの金属が、Agからなることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  11. 前記Agが、AgOから提供されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記不活性陽極が、式Ni1−x−yFe2−xの少なくとも一つのセラミック相からなり、該式においてMは亜鉛及び若しくはコバルト;xは0乃至0.5及びyは0乃至0.6であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. 前記Mが、亜鉛であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記xは0.05乃至0.2及びyは0.01乃至0.5であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記Mが、コバルトであることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  16. 前記xは0.05乃至0.2及びyは0.01乃至0.5であることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 前記不活性陽極が、約40.48質量パーセントのFe、約43.32質量パーセントのNiO、約0.2質量パーセントのZnO、約15質量パーセントのCu及び約1質量パーセントのPdからなる構成物から合成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  18. 前記不活性陽極が、約57質量パーセントのFe、約27.8質量パーセントのNiO、約0.2質量パーセントのZnO、約15質量パーセントのCu及び約1質量パーセントのPdからなる構成物から合成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  19. 前記不活性陽極が、約56.9質量パーセントのFe、約27.9質量パーセントのNiO、約0.2質量パーセントのZnO、約14質量パーセントのCu、約0.95質量パーセントのAg及び約0.05質量パーセントのPdからなる構成物から合成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  20. 前記不活性陽極が、約55.95質量パーセントのFe、約27.35質量パーセントのNiO、約1.7質量パーセントのZnO、約14質量パーセントのCu、約0.9質量パーセントのAg及び約0.1質量パーセントのPdからなる構成物から合成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  21. 前記不活性陽極が、約55.23質量パーセントのFe、約27.21質量パーセントのNiO、約1.68質量パーセントのZnO、約14.02質量パーセントのCu及び約1.86質量パーセントのAgOからなる構成物から合成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  22. 前記回収されたアルミニウムが、最大、0.15質量パーセントのFe、0.034質量パーセントのCu及び0.03質量パーセントのNiからなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  23. 前記回収されたアルミニウムが、最大、0.13質量パーセントのFe、0.03質量パーセントのCu及び0.03質量パーセントのNiからなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  24. 前記回収されたアルミニウムがさらに、最大、0.2質量パーセントのSi、0.03質量パーセントのZu及び0.03質量パーセントのCoからなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  25. 前記回収されたアルミニウムが、前記Cu、Ni及びCoの合計の最大0.1質量パーセントからなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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