JP2004518618A - 疾患の治療における改善特異性 - Google Patents

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Abstract

薬物に対してブロック基を該ブロック基中の窒素原子を介して共有結合することにより当該薬物を修飾する。修飾薬物中のブロック基は非標的細胞での薬物の代謝変換及びゼクエストレーションを阻止し、前記ブロック基は標的細胞において酵素的に除去される。本発明の化合物及び方法の特に意図する利点としては、潜在的に細胞毒性の代謝物への代謝変換の抑制、非標的細胞へのゼクエストレーションを抑えることによる薬物用量の減少及び薬物の選択性の改善が挙げられる。

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明の分野は疾患の治療における特異性の改善である。
【0002】
(発明の背景)
肝疾患、特にB型及びC型ウイルス性肝炎は依然として重大な脅威であり、各種治療方法が開発されている。使用する薬物に応じて、治療は直接的抗ウイルス治療、間接的抗ウイルス治療及び直接的・間接的抗ウイルス治療の組合せに分類され得る。
【0003】
直接的抗ウイルス治療はウイルス複製及び/またはウイルス構築を妨げる。例えば、ヌクレオシドアナログはウイルス逆転写を阻害することによりウイルス複製を抑えるために使用され得る。しかしながら、ヌクレオシドアナログはしばしば貧血及び/または好中球減少症を含めた副作用を伴う。また、数種のウイルス株ではヌクレオシドアナログに長期間接触すると薬物に対する耐性が生ずる。薬物耐性に関連する少なくとも幾つかの問題を解決するためにヌクレオシドアナログのカクテルを投与することができる。残念ながら、ヌクレオシドアナログのカクテルは通常薬物耐性の発生を遅らすだけにすぎない。更に、ヌクレオシドアナログは通常ウイルス複製と宿主生体の急速分裂細胞における複製間の選択性を示さず、よって宿主に対して重大な細胞毒性を呈する。
【0004】
また、プロテアーゼ阻害剤はウイルスタンパク質の適正な構築を妨げるために使用され得る。プロテアーゼ阻害剤はウイルスプロテアーゼに対して非常に特異的であり、よってウイルス複製と急速分裂細胞における複製間の選択性に乏しいことに関連する問題は通常避けられる。しかしながら、比較的低用量であっても、悪心、下痢、糖尿病や腎結石を含めた副作用が起こりやすい。更に、数種のプロテアーゼ阻害剤は水溶液中に余り溶解せず、そのため患者にデリバリーされ得る潜在量が減少する。加えて、数種のプロテアーゼ阻害剤では、長期間治療後にウイルス耐性が生ずることが判明している。
【0005】
間接的抗ウイルス治療はウイルス抗原を認識したり、ウイルス感染した細胞に対する細胞免疫を確立するのを助けると考えられている1型サイトカイン応答に対する免疫系のサイトカインバランスを変更するために免疫系を刺激するために使用され得る。例えば、IFN−αはC型慢性肝炎を治療するために使用され得る。しかしながら、IFN−α治療を受けた患者の多くが治療停止後再発し、一部の患者は治療中ウイルス破壊を受ける。更には、IFN−αは低用量では発熱、頭痛、嗜眠、食欲不振、不安やうつを生じやすく、高用量では骨髄抑圧や低血球数を生じやすい。
【0006】
直接的及び間接的抗ウイルス治療の一方及び両方はリバビリンとインターフェロン−αの同時投与により達成され得、多くの患者で炎症及び血清ALTレベルが有意に低下することが判明した。比較的優れた治療効果があるにもかかわらず、リバビリンにはいろいろな問題が残っている。例えば、特に高用量では、赤血球中でのリバビリンの細胞内リン酸化により溶血性貧血が引き起こされることが知られている。更に、リン酸化したリバビリンは赤血球中に蓄積されやすく、そのため有効用量を著しく減少させる。結果として、肝細胞中のリバビリンを好適用量とするためには比較的高用量を必要とする。
【0007】
肝疾患を標的治療するための各種組成物及び方法が当業界で公知であるが、そのすべて乃至殆どすべては少なからず欠点を有している。よって、疾患を標的治療するための改善された組成物及び方法がなお要望されている。
【0008】
(発明の要旨)
本発明は薬物の選択性を改善するための方法及び組成物に関する。包括的には、薬物はブロック基により共有的に修飾される。
【0009】
より具体的に、本発明の1態様では、ブロック基を該ブロック基中の窒素原子を介して薬物に結合させる。修飾薬物中のブロック基は非標的細胞での薬物の代謝変換及びゼクエストレーション(すなわち、蓄積)を低減し、このブロック基は標的細胞において酵素的に除去される。
【0010】
本発明の別の態様では、薬物の代謝変換が標的細胞に損傷を与えることが認められており、ブロック基中の窒素原子を介して薬物に結合したブロック基は代謝変換を防ぎ、このブロック基は標的細胞において薬物から開裂されることが認められている。従って、ブロック基で修飾した薬物を標的細胞及び非標的細胞を含む系に投与すると細胞毒性が低下すると考えられる。
【0011】
本発明の別の態様では、非標的細胞における薬物の代謝変換により薬物の有効濃度が低下することが認められており、ブロック基中の窒素原子を介して薬物に結合したブロック基は代謝変換を防ぎ、このブロック基は標的細胞において薬物から開裂されることが認められている。従って、薬物をブロック基で修飾すると用量を減少し得ると考えられる。また、前記薬物は標的細胞及び非標的細胞を含む系に投与されると考えられる。
【0012】
意図される薬物はカルボキサミド基を含み、特に意図される薬物は1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド及び2−β−D−リボフラノシル−4−チアゾールカルボキサミドであり、それぞれのL異性体形態も意図され得る。ブロック基は特定の化学種に限定されないが、ブロック基が窒素原子を含んでいることが好ましい。特に好ましいブロック基は=NHである。意図される標的細胞は特定の細胞種に限定されず、ウイルス感染されていてもいなくてもよく、過剰増殖性であってもよい。しかしながら、ウイルス感染しているかまたは過剰増殖性の肝細胞及びニューロンが特に好ましく、非標的細胞には赤血球が含まれる。
【0013】
本発明のいろいろな目的、要件、態様及び作用効果は添付図面と共に以下の本発明の好ましい実施態様の詳細説明から自明であろう。
【0014】
(図面の簡単な説明)
図1A及び1Bは、本発明に従った例示薬物の摂取及び保持の概略図である。
図2は、リバビリン合成の合成スキームの1例である。
図3は、修飾リバビリン合成の合成スキームの1例である。
【0015】
(詳細説明)
本明細書中、「薬理効果」は、細胞含有系に添加した分子により生起される該系中の細胞の代謝、複製、構造または寿命の変化を指す。例えば、酵素により触媒される同化、異化またはポリメラーゼ型反応の抑制は薬理効果と見做される。また、KinIキネシンによるチューブリンの脱重合も本発明の範囲で薬理効果と見做される。対照的に、系の細胞内で生ずる代謝物による酵素のアロステリック阻害は薬理効果とは見做されない。なぜならば、アロステリック阻害剤は系に添加されていなかったからである。
【0016】
本明細書中、「標的細胞」は、薬物が薬理効果を発揮すると考えられている細胞を指す。例えば、ウイルス感染肝細胞は薬物リバビリンの標的細胞と見做される。対照的に、「非標的細胞」は細胞含有系中の標的細胞以外のすべての細胞を包含する。
【0017】
或る薬物は特定細胞(すなわち、標的細胞)で薬理効果を発揮するように意図されているが、非標的細胞はかなりの速度で該薬物を代謝することがあり、しばしば望ましくない非特異的副作用が生ずることは通常公知である。本発明者らは、非標的細胞(の表面内もしくは表面上)での望ましくない代謝変換が薬物を標的細胞において選択的に除去されるブロック基で修飾することにより阻止され得、この結果薬物の薬理効果の選択性が向上すると同時に薬物の細胞毒性及び用量を減らせることを知見した。
【0018】
本発明の1態様では、一つのステップで薬物が標的細胞において所望の薬理効果を有するものとして特定される方法により薬物の薬理効果の選択性が改善させる。更なるステップにおいて、前記薬物をブロック基中の窒素原子を介して該薬物に共有結合されるブロック基を用いて修飾する。更に、前記ブロック基は非標的細胞中の薬物の蓄積を低減し、標的細胞において薬物から酵素的に除去される。本明細書中、薬理効果に関する薬物の「選択性」は、標的細胞では治療ゴールに向かって薬理効果を優先的に発揮し、非標的細胞では薬物の望ましくない副作用に向かって薬理効果を発揮する薬物の性質を指す。
【0019】
例えば、1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド(リバビリン、構造1)の薬理効果の選択性はリバビリンに=NH基を共有結合させてカルボキサミジン基を形成することにより向上する。リバビリンが肝炎ウイルス感染肝細胞において抗ウイルス特性を有することは公知である(Marcellin,P.及びBenhamou J.,「慢性ウイルス性肝炎の治療(Treatment of chromatic viral hepatitis)」,Baillieres Clin.Gastroenterol.,8(2),233−53(1994年6月)参照)。また、リバビリンが赤血球中で容易にかなりの速度で薬理学的活性形態のリバビリン−ホスフェートにリン酸化されることも公知であり(例えば、Homma,M.ら,「赤血球中での傾向を評価するための全血中のリバビリンの高速液体クロマトグラフィー測定(High−performance liquid chromatographic determination of Ribavirin in whole blood to assess disposition in erythrocytes)」,Antimicrob Agents Chemother.,43(11),2716−9(1999年11月)参照)、このようにリン酸化されると選択的薬理効果が薄くなる。驚くことに、本発明者らは、=NH基で修飾したリバビリン(1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミジン,構造2)は赤血球中で全くまたはほんの僅かしかリン酸化されないこと及び1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミジン中の=NH基が肝細胞において特異的且つ酵素的に除去されて1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドが形成されることを知見した。
【0020】
【化1】
Figure 2004518618
【0021】
修飾リバビリンの選択的蓄積の低下を図1A及び1Bに示す。図1Aには、赤血球(非標的細胞)100がリバビリン(R)と共に示されている。リバビリンが赤血球に入ると、薬理学的に活性なリバビリン−ホスフェート(R−P)にリン酸化され、R−Pは赤血球中に保持される。肝細胞(標的細胞)110もリバビリン(R)と共に示されている。リバビリンが肝細胞中に入ると、薬理学的に活性なリバビリン−ホスフェート(R−P)にリン酸化され、R−Pは肝細胞中に保持される。図1Bには、赤血球(非標的細胞)101が修飾リバビリン(R,1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミジン)と共に示されている。修飾リバビリンは赤血球に入ってもリン酸化されず、よって赤血球から抜け出る。肝細胞(標的細胞)111も修飾リバビリン(R)と共に示されている。修飾リバビリンが肝細胞中に入ると、酵素的にリバビリンに脱アミノ化され、その後薬理学的に活性なリバビリン−ホスフェート(R−P)にリン酸化され、R−Pは肝細胞中に保持される。
【0022】
本発明の別の態様では、リバビリン以外の他の多くの薬物も本明細書に記載の本発明の概念に適していると考えられる。通常、適当な薬物には標的細胞以外の細胞において代謝、活性化及び/または不活性化される薬物が含まれ、ヌクレオシド、ヌクレオチド、ヌクレオシドアナログ及びヌクレオチドアナログが特に考えられる。例えば、チアゾフリン(2−β−D−リボフラノシル−4−チアゾールカルボキサミド)はカルボキサミド基を有するヌクレオシドアナログであり、該カルボキサミド基は対応するカルボキサミジンを生ずるように=NH基で容易に修飾され得る。別の例として、代替薬物はヌクレオシドウラシル、すなわちヌクレオシドアナログ5’−フルオロウラシル(5’−FU)からなる。
【0023】
本発明の更に別の態様で、ブロック基は=NH基に必ずしも限らず、ブロック基が窒素原子を介して薬物に共有結合され得る限り各種の第1級及び第2級アミンも含まれ得る。本明細書中、「ブロック基」は、薬物に共有結合され得且つ薬物に結合したときに薬物の少なくとも1つの代謝変換をブロックする化学基を指す。本明細書中、薬物の「代謝変換」は、細胞または細胞系の代謝によりもたらされる薬物の細胞内及び/または細胞外化学変化を指し、酵素分解(例えば、酸化、加水分解的開裂)及び酵素修飾(例えば、グリコシル化、リン酸化)が特に挙げられる。
【0024】
通常、好適なブロック基は構造−N(R)(R)または=NR(ここで、R及びRは独立して水素、直鎖もしくは分枝鎖アルキル、アルケニル、アルキニル、アルアルキル、アルアルケニルまたはアルアルキニル、またはアリールであり、これらはすべて窒素、酸素、硫黄またはハロゲンを含めたヘテロ原子を含み得る)を有すると考えられる。しかしながら、ブロック基は薬物から酵素的に除去されることが特に好ましくは、特に考えられる酵素にはデアミナーゼ(例えば、アデノシンまたはシトシンデアミナーゼ)、肝デアミダーゼ(例えば、ニコチナミドデアミデーゼ)及び肝トランスアミナーゼ(グルタミン−ピルベートトランスアミナーゼ)を含めた肝特異的アミノヒドロラーゼが含まれる。
【0025】
考えられるブロック基は薬物分子のいろいろな位置に共有結合され得、考えられる薬物はカルボキサミド部分で修飾されることが通常好ましいが、カルボキサミド基以外の各種位置、例えばカルボニル基(例えば、カルボン酸及びケト−タイプカルボニル)も考えられる。例えば、ウラシルまたはそのアナログ5’−FUの環部分中の各カルボニル基がブロック基により修飾され得る。
【0026】
本明細書に記載の発明思想に限定されないが、ブロック基は薬物を不活性化し得るかまたは修飾薬物を非標的細胞に提示したときにその後の活性化を防止し得ると考えられる。例えば、薬物と標的分子との特異的相互作用に不可欠の位置(例えば、受容体または基質結合サイト)でブロック基が薬物に結合すると、ブロック基は薬物を不活性化し得る。また、ブロック基は代謝活性化を阻止し得る位置で薬物に結合し得る。
【0027】
薬物及び/またはブロック基の化学的種類に応じて、ブロック基は官能基または置換基と置換したり或いはブロック基は官能基または置換基に結合すると考えられる。例えば、薬物がリバビリンであり、ブロック基が=NH基である場合には、リバビリンのカルボキサミド基中の酸素原子が=NH基で置換される。また、薬物が求核基(例えば、−O)を含み、ブロック基が適当な離脱基を含む第2級アミンからなる場合には、第2級アミンは求核基に結合し得る。
【0028】
薬物の修飾ステップに関して、修飾は有機合成修飾、酵素修飾または修飾薬物を生成するための新規合成からなり得ると考えられる。例えば、薬物が活性化カルボニル官能基を含む場合にはカルボニル原子のアミド化は単一の求核交換反応で達成され得る。また、特に薬物がブロック基が結合する基以外の多数の反応基を有している場合には、修飾薬物の新規合成が経済的により魅力的であり得る。特に、適当な薬物及びブロック基を酵素基質として用いる反応で薬物にブロック基を導入することによっても該薬物を酵素的に修飾し得ると考えられる。可能ならば、前記修飾のための酵素を(例えば、同種または異種ソース由来であるかまたは当該酵素をコードする遺伝子を発現する組換えソース由来の)標的細胞から誘導することが好ましい。
【0029】
非標的細胞の種類に応じて、薬物及び/またはブロック基の化学的種類に応じて、非標的細胞中の薬物の蓄積は薬物特異的輸送体を介する摂取の抑制、(例えば、追加または新しい電荷、疎水性の変化または輸出体(exporter)による認識の変化に起因して)維持されるであろう形態への代謝変換の減少を含めた各種メカニズムの少なくとも1つにより防止され得ることを注目すべきである。また、(ブロック基中の分泌シグナルに起因する)非標的細胞からの輸出の増加のために薬物の蓄積が防止される。例えば、薬物がヌクレオシドアナログであり、非標的細胞が親油性部分のないヌクレオシドを選択的に移入するヌクレオシド輸送体の場合、薬物に対するブロック基として親油性部分を添加することにより薬物の蓄積が阻止され得る。別の例では、赤血球中での各種ヌクレオシドのリン酸化(及び付随する蓄積)はカルボキサミド基をカルボキサミジン基に変換(上掲)することにより防止され得ると考えられる。
【0030】
標的細胞におけるブロック基の酵素的除去に関して、標的細胞、ブロック基及び薬物の種類に応じて酵素的除去はいろいろと変わり得ると考えられる。酵素的除去にはヒドロラーゼ、トランスフェラーゼ、リアーゼ及びオキシドレダクターゼを含めた各種酵素が含まれ得、特に好ましいサブクラスはアデノシン及びシトシンデアミナーゼ、アルギナーゼ、トランスアミナーゼ及びアリールアミダーゼである。更に、ブロック基の酵素的除去のための考えられる酵素は専ら標的細胞において発現するが、本発明の別の実施態様で酵素が細胞含有系中のすべての細胞において偏在的に発現しないならば標的細胞以外の細胞において発現させてもよいことを注目すべきである。更に、考えられる酵素は正常及び/または病的条件下で各標的細胞において自然に発現する(すなわち、組換え体でない)ことに注目すべきである。例えば、グルタミン−ピルベートトランスフェラーゼは肝細胞において比較的高い選択率で構成的に発現し、よってブロック基を除去するための好適な酵素であり得ることは公知である。或いは、シトシンデアミナーゼは結腸癌細胞において比較的高量で発現するが、正常な結腸細胞では全くまたはほんの微量しか発現しないことも公知である。
【0031】
本発明の別の態様で、非標的細胞における薬物の代謝変換が非標的細胞に損傷を与えることを一つのステップで認識する方法により非標的細胞に対する薬物の細胞毒性を低下させる。本明細書中、「細胞毒性」は非標的細胞に対する望ましくない薬理作用を指し、前記の望ましくない薬理作用には特に複製、エネルギー−代謝の抑制が含まれ、細胞死も含まれる。更なるステップで、前記薬物はブロック基中の窒素原子を介して該薬物に共有結合されるブロック基により修飾され、前記ブロック基は、非標的細胞での薬物の代謝変換を低減し、標的細胞において薬物から酵素開裂される。更に別のステップで、ブロック基が共有結合している薬物を標的細胞及び非標的細胞を含む系に投与する。
【0032】
非標的細胞に対する薬物の細胞毒性を低下させる好ましい実施態様において、代謝変換は赤血球での薬物の対応薬物−ホスフェートへのリン酸化からなる。例えば、抗ウイルス剤のリバビリンが各種細胞においてリン酸化されると薬理学的に活性なリバビリン−5’−モノホスフェートが生ずることは当業界で公知である(例えば、Homma,Mら「赤血球での傾向を評価するための全血中のリバビリンの高速液体クロマトグラフィー測定(High−performance liquid chromatographic determination of Ribavirin in whole blood to assess disposition in erythrocytes)」),Antimicrob.Agents Chemother.,43(11),2716−9(1999年11月))。リバビリン−5’−モノホスフェートはイノシンモノホスフェートデヒドロゲナーゼ(IMPDH)の阻害に関与する化合物であるが、赤血球に対して顕著な細胞毒性作用を有する(De Franceschiら,「慢性C型肝炎ウイルス感染患者におけるリバビリン治療により生ずる溶血性貧血:膜酸化性損傷の役割(Hemolytic anemia induced by ribavirin therapy in patients with chronic hepatitis C virus infection: role of membrane oxidative damage)」,Hepatology,31(4),997−1004(2000年4月))。よって、赤血球でのリバビリン−5’−モノホスフェートの形成を阻止または抑制するとリバビリンの細胞毒性はかなり低減するであろうと認識される。
【0033】
しかしながら、非標的細胞での薬物のリン酸化以外の各種代謝変換、例えば酸化、還元、薬物内の共有結合の加水分解開裂、ペンダント薬物の付加または除去及び開環反応も考えられることに注目すべきである。例えば、非標的細胞が肝細胞である場合、代謝変換には肝臓で生じることが公知の各種酵素的解毒または可溶化反応(例えば、グリコシル化、シトクロムP450−媒介酸化等)が含まれると考えられる。別の例で、代謝変換にはホスファターゼまたはエステラーゼ活性が含まれる。
【0034】
代謝変換のタイプに応じて、変換は非標的細胞の1つのタイプに限定される場合もあるが、1つ以上の細胞タイプでも生じ得る。例えば、非標的細胞が比較的速い核酸合成速度を有しており、代謝変換がその核酸合成に関与する酵素により媒介される場合には、各種タイプの急速増殖細胞が代謝変換を示し得る。また、代謝変換は特定組の細胞または臓器に対する薬物の受容性により局所的に限定され得る。
【0035】
各種公知の検査方法を用いて薬物に共有結合したブロック基が非標的細胞での代謝変換を抑えることを認識及び/または証明し得ることを評価すべきである。例えば、非標的細胞をインビトロで培養する場合、非標的細胞を対応の放射標識薬物とインキュベートし得、その後放射標識薬物の代謝物をイムノアッセイ、薄層クロマトグラフィーまたはGC−MSを含めた各種アッセイにより同定し得ることが考えられる。或いは、非標的細胞が哺乳動物中にある場合、組織生検により投与した薬物の代謝物を単離、同定するために十分な試料が得られ得る。
【0036】
更に、非標的細胞に対する損傷のタイプは大きく変化し得、非標的細胞でのゆっくりとした細胞代謝から細胞死の範囲であり得ると考えられる。例えば、代謝変換により解糖経路中にある酵素の阻害剤が生ずる場合非標的細胞に対するエネルギーが少なくとも部分的にサルベージ経路を介して与えられ得る。また、薬物の酵素阻害剤への代謝変換が比較的ゆっくり進む場合には阻害剤により影響を受ける酵素発現の上向き制御により活性部位の数の減少はほぼ完全に補償され得る。一方、代謝変換がラジカル種を生ずる場合には脂質過酸化により重大な膜損傷及びその後の細胞死が生じ得る。
【0037】
薬物の代謝変換により生ずる損傷は直接または間接的に引き起こされ得ると考えられる。例えば、代謝変換により酵素をブロックする酵素阻害剤が生ずる場合には損傷は直接的であると見做される。代謝変換により中間体が生じ、この中間体がその後の細胞内または細胞外修飾により酵素阻害剤に変換する場合には損傷は間接的であると見做される。
【0038】
薬物の系への投与ステップに関して、適切な薬物が適切な医薬製剤として適正なプロトコルに従って投与される。従って、投与は経口的、非経口的(皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、胸骨内注射または注入を含む)、吸入スプレーによる、直腸、局所等により慣用の非毒性薬学的に許容され得る担体、助剤及び賦形剤を含有する剤形で実施され得る。例えば、適当な薬物は薬理学的に許容され得る塩として経口投与され得るかまたは(例えば、pH約7.2〜7.5に緩衝した)生理食塩液の形態で静注され得ることが考えられる。リン酸塩、炭酸水素塩またはクエン酸塩のような慣用の緩衝剤がこの目的で使用され得る。更に、当業者の技量内で患者における有利な効果を最大とすべく当該化合物の薬理動態を管理するために特定薬物の投与ルート及び投与レジメを変更することも考えられる。
【0039】
ある医薬投与形態では、薬物のプロドラッグ形態が考えられる。当業者は宿主臓器または患者内の標的部位への活性化合物のデリバリーを促進するために意図する薬物をプロドラッグ形態に容易に修飾する方法を知っている。当業者は、化合物の所期効果を最大限にすべく宿主臓器または患者内の標的部位に当該化合物をデリバリーする際にプロドラッグ形態が利用できるならばプロドラッグ形態の有利な薬理動態的パラメーターを利用している。
【0040】
更に、考えられる薬物は単独でまたは他の薬理学的に活性な化合物と組み合わせて投与され得、これらは別々に投与しても一緒に投与してもよく、別々に投与する場合その投与順序は同時でも逐次であってもよい。考えられる薬理学的に活性な化合物には、抗ウイルス剤(例えば、インターフェロン(例:インターフェロンα及びγ));抗真菌剤(例えば、トルナフタート、フンジゾン(商標)、ロトリミン(商標)、ミセレックス(商標)、ナイスタチン及びアムホテラシン);駆虫剤(例えば、ミンテゾル(商標)、ニクロシド(商標)、ベルモックス(商標)及びフラジール(商標));腸剤(例えば、イモジウム(商標)、ロモチル(商標)及びファーザイム(商標));抗腫瘍剤(例えば、インターフェロンα及びγ、アドリアマイシン(商標)、シトクサン(商標)、イムラン(商標)、メトトレキサート、ミトラシン(商標)、チアゾフリン(商標)及びタクソール(商標));皮膚剤(例えば、アクロベート(商標)、サイクロコート(商標)、デノレックス(商標)、フロロン(商標)、オクソラレン(商標)、コールタール及びサリチル酸);偏頭痛製剤(例えば、エルゴタミン化合物);上にリストした以外のステロイド及び免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、ジプロソン(商標)及びヒドロコルチゾン);フロロン(商標)、リデックス(商標)、トピコルト(商標)及びバリソン(商標);代謝剤(例えば、インスリン);及び上記したカテゴリーに当てはまらない他の薬物(例えば、サイトカイン(例:IL2、IL4、IL6、IL8、IL10及びIL12))が含まれる。
【0041】
考えられる薬物及び薬理学的に活性な化合物の用量に関して、治療上有効量は治療対象の症状、その重篤度、用いる治療レジメ、使用する化合物の薬理動態及び治療対象の患者(動物またはヒト)によって異なると考えられる。例えば0.5〜0.1mg/kgまたはそれ未満の用量や0.5〜10mg/kgまたはそれ以上の用量を含めた各種用量が適当であると考えられる。標的細胞及び非標的細胞を含む系は哺乳動物(最も好ましくは、ヒト)が通常好ましいが、他の多くの系も適当であり、特にインビトロ細胞及び組織培養物が挙げられる。
【0042】
非標的細胞に対する薬物の細胞毒性を低下させる方法における薬物、ブロック基、薬物の修飾ステップ、標的細胞及び非標的細胞に関しても上記説明が当てはまる。
【0043】
本発明の更に別の態様において、非標的細胞における薬物の代謝変換により非標的細胞及び標的細胞を含む系中の薬物の濃度を低下させる薬物を提供する方法により系中の薬物の用量を減らす。別のステップにおいて、前記薬物をブロック基中の窒素原子を介して該薬物に共有結合されるブロック基で修飾する。前記ブロック基により、非標的細胞での薬物の代謝変換が低減する。後続のステップで、前記ブロック基を共有結合した薬物を前記系に投与する。前記ブロック基は標的細胞において薬物から酵素的に除去される。
【0044】
系における薬物の用量を減らす好ましい実施態様において、薬物はリバビリンであり、標的細胞はウイルス感染した肝細胞であり、非標的細胞は赤血球である。上掲したように、リバビリンがリバビリン−ホスフェートに代謝的に変換されること及びリバビリン−ホスフェートは赤血球中に保持され、これによりリバビリンの濃度がかなり低下することは当業界で公知である。リバビリンはカルボキサミド炭素に=NHブロック基を共有結合させ、カルボキサミド中のカルボニル酸素を置換することにより修飾される。後記するように、=NH基で修飾したリバビリンの代謝変換は赤血球中で有意に抑えられることも判明している。更に、修飾リバビリンをヒトに対して50〜300mgの1回経口投与量で投与することが好ましいと考えられる。
【0045】
リバビリンはヒトに対して約600〜1200mgの少なくとも1回用量で抗ウイルス剤として経口投与されることが公知である。系(例えば、ヒト)におけるリバビリンの初期濃度は約1〜数百μMであるが、リバビリンが赤血球中でリン酸化されるためにリバビリン濃度は系において24時間以内に赤血球中でのゼクエストレーションにより初期濃度の約85〜50%に低下する。本発明者らは、リバビリンを1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミジンへの修飾によりリバビリンのリン酸化(後記)の量が有意に低下することを知見した。従って、リバビリンの初期濃度のすべてまたは殆どすべてが標的細胞における所望の薬理効果に利用されることが考えられる。結果として、リバビリンの用量を約5重量%、好ましくは約10重量%、より好ましくは25重量%、最も好ましくは50重量%減らすためにリバビリンのブロック基での修飾が使用され得ると考えられる。
【0046】
しかしながら、600〜1200mg以外の各種用量、例えば200〜600mg、20〜200mgまたはそれ未満の用量も考えられることに注目すべきである。例えば、リバビリンを免疫調節剤として使用する場合には約100〜300mgの少量で十分であり得る。比較的高濃度の薬物が所望される場合には600〜1800mgまたはそれ以上の用量が意図される。特定の代謝変換に応じて、用量の減少は非常に大きく変更し得ることに注目すべきである。例えば、代謝変換がかなり迅速であり、複数の非標的細胞で起こる場合には、25〜80重量%またはそれ以上の用量の減量が考えられる。一方、代謝変換が比較的ゆっくりの場合には、25〜5重量%またはそれ未満の用量の減量が考えられる。
【0047】
薬物の用量を減少させる方法における薬物、ブロック基、代謝変換、薬物の修飾ステップ、系、薬物の投与ステップ、標的細胞及び非標的細胞に関しても上記説明が当てはまる。
【0048】
(実施例)
(a) リバビリンの合成例を図2に示す。この合成は以下に概説する手順に従う。
【0049】
1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸メチル(3)及び
1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−1,2,4−トリアゾール−5−カルボン酸メチル(4)
500ml容量のRBフラスコに、1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸メチル(1)(25.4g,200ミリモル)、1,2,3,5−テトラ−O−アセチル−β−D−リボフラノース(2)(63.66g,200ミリモル)及びビス(p−ニトロフェニル)ホスフェート(1g)の混合物を入れた。フラスコを撹拌しながら水流アスピレーター真空下165〜175℃の予備加熱した油浴に25分間置いた。置換した酢酸をアスピレーターとRBフラスコの間に設けた氷冷トラップに回収した。フラスコを油浴から外し、放冷した。フラスコの温度がほぼ60〜70℃に達したら、EtOAc(300ml)及び飽和NaHCO(150ml)を導入し、EtOAcで抽出した。水性層を再びEtOAc(200ml)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を飽和NaHCO(300ml)、水(200ml)及びブライン(150ml)で洗浄した。有機抽出物を無水NaSOを用いて乾燥し、濾過し、濾液を蒸発乾固した。残渣をEtOH(100ml)に溶解し、MeOH(60ml)で希釈し、0℃で12時間冷却すると無色結晶が生じた。この固体を濾過し、最少量の冷EtOH(20ml)で洗浄し、固体NaOHを用いて高真空下で乾燥すると、60g(78%)が得られた。濾液を蒸発乾固し、CHCl→EtOAC(9:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。濾液から2つの生成物、すなわち急移動成分約8.5g(11%)及び遅移動成分約5g(6.5%)が単離された。遅移動成分は結晶化生成物に相当した。急移動成分は4であると判明し、泡成物として得られた。3の総収量は65g(84%)であった。
【0050】
融点:108〜110℃
【0051】
【化2】
Figure 2004518618
元素分析(C1519):C,H,N。
【0052】
【化3】
Figure 2004518618
元素分析(C1519):C,H,N。
【0053】
1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド(5)
1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸メチル(3)(62g,161ミリモル)を鋼製ボンベに入れ、(飽和するまで0℃の乾燥メタノール中に乾燥アンモニアガスを通すことにより製造した)製造したばかりのメタノール性アンモニア(350ml)で処理した。鋼製ボンベを閉じ、室温で18時間撹拌した。鋼製ボンベを0℃に冷却し、開き、内容物を蒸発乾固した。残渣を乾燥EtOH(100ml)で処理し、蒸発乾固した。得られた残渣をアセトンと共に摩砕して固体を得、これを濾過し、アセトンで洗浄した。固体を室温で一晩乾燥し、熱EtOH(60ml)と水(10ml)の混合物に溶解した。ホットプレート上で撹拌しながら加熱することによりEtOH溶液の容量を150mlまで減らした。熱EtOH溶液を冷却すると無色結晶が生じ、これを濾過し、アセトンで洗浄し、真空下で乾燥した。濾液を更に濃縮すると、更に生成物が生じた。総収量は35g(89%)であった。
【0054】
融点:177〜179℃
[α]20 :−35.3(c,10,HO)
【0055】
【化4】
Figure 2004518618
元素分析(C12):C,H,N。
【0056】
(b) =NH基で修飾したリバビリンの合成例を図3に示す。この合成は以下に概説する手順に従う。
【0057】
3−シアノ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−1,2,4−トリアゾール(7)
500ml容量のRBフラスコに、3−シアノ−1,2,4−トリアゾール(6)(18.8g,200ミリモル)、1,2,3,5−テトラ−O−アセチル−β−D−リボフラノース(63.66g,200ミリモル)及びビス(p−ニトロフェニル)ホスフェート(1g)の混合物を入れた。フラスコを撹拌しながら水流アスピレーター真空下165〜175℃の予備加熱した油浴に25分間置いた。置換した酢酸をアスピレーターとRBフラスコの間に設けた氷冷トラップに回収した。フラスコを油浴から外し、放冷した。フラスコの温度がほぼ60〜70℃に達したら、EtOAc(300ml)及び飽和NaHCO(150ml)を導入し、EtOAcで抽出した。水性層を再びEtOAc(200ml)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を飽和NaHCO(300ml)、水(200ml)及びブライン(150ml)で洗浄した。有機抽出物を無水NaSOを用いて乾燥し、濾過し、濾液を蒸発乾固した。残渣をエーテル(100ml)に溶解し、0℃で12時間冷却すると無色結晶が生じた。この固体を濾過し、最少量の冷EtOH(20ml)で洗浄し、固体NaOHを用いて高真空下で乾燥した。収量は60g(78%)であった。
【0058】
融点:96〜97℃
【0059】
【化5】
Figure 2004518618
元素分析(C1416)(352.30)
Figure 2004518618
【0060】
1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミジン塩酸塩(8)
7(14.08g,40.0ミリモル)、NHCl(2.14g,40.0ミリモル)及び無水アンモニア(150ml)の混合物を鋼製ボンベにおいて85℃で18時間加熱した。鋼製ボンベを冷却し、開き、内容物を蒸発乾固した。残渣をMeCN−EtOHから結晶化して、10.6g(95%)の8を得た。
【0061】
融点:177〜179℃
【0062】
【化6】
Figure 2004518618
元素分析(C14ClN)(279.68)
Figure 2004518618
【0063】
リバビリンを出発物質とする別のルートを以下に示す。
【0064】
2’,3’,5’−トリ−O−アセチル−1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド(9)
無水酢酸(200ml)及びピリジン(50ml)中に1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド(リバビリン)(28.4g,116.4ミリモル)を含む懸濁液を室温で一晩撹拌した。生じた透明な溶液を真空下で濃縮して、透明な泡状物(43.1g,定量的)が生じた。この泡状物はTLCで調べたところ均質であり、精製せずに直接次ステップのために使用した。少量をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、分析サンプルを得た。
【0065】
【化7】
Figure 2004518618
元素分析(C1018):C,H,N。
【0066】
3−シアノ−2’,3’,5’−トリ−O−アセチル−1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール(10)
クロロホルム(150ml)中に9(43.1g,116.4ミリモル)を含む溶液にトリエチルアミン(244ml)を添加し、混合物を氷塩浴において0℃に冷却した。オキシ塩化リン(30.7ml,330ミリモル)を撹拌しながら滴下し、溶液を放置して室温まで加温した。混合物を室温で1時間撹拌後、TLC(ヘキサン/アセトン,3:1)は出発物質が完全に消失したことを示した。褐色の反応混合物を真空下で濃縮乾固し、残渣をクロロホルム(50ml)に溶解させた。この有機溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3×200ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、真空下で濃縮した。残渣をヘキサン中20%アセトンを溶離液とするシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにかけて、33.14g(リボフラビンから81%)の純粋な10を非晶質固体として得た。この固体はすべての点で真性サンプルと同一であった。
【0067】
融点:101〜103℃
IR(臭化カリウム):ν 2250(CN),1750(C=O),cm−1
【0068】
【化8】
Figure 2004518618
【0069】
1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミジン塩酸塩(8)
メタノール(100ml)中に10(40g,11.4ミリモル)を含む懸濁液に1M メタノール性ナトリウムメトキシド溶液(12ml)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。溶液をメタノール洗浄Dowex H+樹脂を用いてpH4に酸性化し、樹脂を濾過し、濾液を真空下で濃縮乾固した。残渣を最少量のメタノール(15ml)に溶解し、耐圧ビンに移した。塩化アンモニウム(0.61g,11.4ミリモル)及び0℃で乾燥アンモニアガスを飽和したメタノール溶液(75ml)を添加し、ビンを密封し、溶液を室温で一晩撹拌した。溶液を真空下で濃縮乾固し、生じた残渣をアセトニトリル/エタノールから結晶化して、2.95g(93%)の8を結晶性固体として得た。この固体はすべての点で真性サンプルと同一であった。
【0070】
更に別の代替ルートで、1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミジン塩酸塩8は、(微生物の非増殖条件下で)酵素源として微生物培養物、微生物の無傷細胞または細胞抽出物を用いる酵素反応により製造され得る。3−シアノ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−1,2,4−トリアゾール7は、微生物を主成分とする酵素源の存在下で3−シアノ−1,2,4−トリアゾールまたはその塩とリボース供与体を接触させることにより製造され得る。その後、化合物7を液体アンモニア溶液で処理することによりこの7は8に変換される。または、1,2,4−トリアゾール−3−カルボアミジン塩酸塩を酵素の存在下でリボース供与体と反応させて直接8を製造してよい。
【0071】
(c) 肝における修飾リバビリンのリバビリンへの脱アミノ化
マウスに対して300mg/kg/日のH−リバビリン及びH−(=NH)リバビリンを8日間繰り返し経口投与した後、リバビリンの肝中の中間、最小放射能濃度Cminは修飾リバビリンに比して有意に低かった。リバビリンで処理したマウスの場合、リバビリンは肝放射能の約90%を占め、リボフラノシルトリアゾールカルボン酸(RTCA)は約10%を占めたことに特に注目すべきである。対照的に、修飾リバビリンで処理したマウスの場合には、修飾リバビリンは肝放射能の約30%を占め、リバビリンは約70%を占めた(表1も参照)。
【0072】
【表1】
Figure 2004518618
【0073】
(d) 赤血球(RBC)中のリバビリン及び(=NH)修飾リバビリンの異なる放射能分布
リバビリンがRBC中でリン酸化されることは判明しており、リン酸化リバビリンがヒトに高用量のリバビリンを長期間投与したときに見られる溶血性貧血の原因物質であることも示唆されている。注目すべきことは、インビトロの研究で立証されているように(データ示さず)修飾(=NH)修飾リバビリンはRBCに直接輸送されず、よって下表2に示すように修飾リバビリンは肝においてリバビリンに脱アミノ化し、その後対応のホスフェートにリン酸化した後にのみRBC中に蓄積すると考えられる。
【0074】
マウスに対して300mg/kg/日のH−リバビリン及びH−(=NH)リバビリンを8日間繰り返し経口投与した後、修飾リバビリンのRBC中の中間、最小放射能濃度Cminはリバビリンに比して有意に低かった。表1及び2に示す異なるデータから判断して、修飾リバビリンの治療指数(すなわち、肝リバビリン濃度対RBCリバビリン濃度の比)はリバビリンの約3倍であった。
【0075】
門脈にカニューレを挿入したシノモルグスサルに対して30mg/kgのH−リバビリン及び(=NH)修飾H−リバビリンを1回経口投与後、RBC中の放射能濃度は24時間後にピークに達し、その後一定のままであった。H−リバビリン及び(=NH)修飾H−リバビリンのピーク放射能濃度の半減期T1/2はそれぞれ約1998時間、577時間であった。30mg/kgを複数回投与後の定常放射能濃度は(=NH)修飾H−リバビリンに比してリバビリンで有意に高いと予測された(表2)。
【0076】
【表2】
Figure 2004518618
表2のデータは毒性の所見とも一致している。60mg/kgのリバビリンを投与後30mg/kg/日を10日間投与したアカゲザルは溶血性貧血を発症し、RBC中の濃度は有意に低下した。対照的に、同一用量の修飾リバビリンを投与したサルはRBC中の有意な変化を呈さなかった。
【0077】
門脈にカニューレを挿入したマウスにリバビリンまたは修飾リバビリンを経口投与後の門脈血漿と全身血漿の違いに基づいて、修飾リバビリンを経口投与後の肝放射能濃度はリバビリンの経口投与後に比して約50%高いと推定された。従って、リバビリンの肝濃度を同一とするために必要な修飾リバビリンの用量はリバビリン用量の約66%にで足りるであろう。リバビリンに比して修飾リバビリンの低いRBC放射能(〜12%)及び高い肝濃度(〜50%)に基づいて、修飾リバビリンの治療比はリバビリンの治療比の約12倍と推定される。従って、溶血性貧血を実質的に発症することなくリバビリンとほぼ同一の薬効を得るために投与される修飾リバビリンの用量はリバビリンの約65%であり得ること、またリバビリンと同一用量の修飾リバビリンを投与したときには溶血性貧血を実質的に発症することなくリバビリンより高い薬効が得られ得ると考えられる。更に、リバビリンと同一の治療効果を得るために投与される修飾リバビリンの用量はリバビリンのたった約5〜50%、好ましくは20〜50%、より好ましくは10〜15%、最も好ましくは5〜6%であり得ると考えられる。
【0078】
(e) (=NH)修飾リバビリンのリバビリンへのインビトロ脱アミノ化
仔ウシ腸から単離したアデノシンデアミナーゼ(ADA)はBoehringer Mannheimから購入した。アッセイはダルベッコPBS緩衝液(8mM NaHPO,1.5mM KHPO,2.7mM KCl,138mM NaCl;pH7.2)において室温(23℃)で実施した。(=NH)修飾リバビリン及びリバビリン(0.2mM)のUVスペクトルを獲得し、240nmでの吸収差を利用して(=NH)修飾リバビリンのリバビリンへの加水分解的脱アミノ化を追跡した。酵素の非存在下では、緩衝液(pH7.2)において(=NH)修飾リバビリンの自然加水分解は1.5時間の間認められなかった(データ示さず)。このことから、化合物が非常に安定であることが分かる。UVアッセイ方法の限界を考慮すると、ビラミジンの自然加水分解速度は2.5×10−5/分未満であろう。別の実験から、緩衝液に亜鉛イオンを添加しても自然加水分解速度は上昇しないことが分かった(データ示さず)。
【0079】
【化9】
Figure 2004518618
【0080】
0.2μM ADAの存在下では、(=NH)修飾リバビリンの脱アミノ化は促進した。酵素のターンオーバー数は一般的なアッセイ条件下で約2.5/分と推定された。酵素反応生成物の四重極質量スペクトル分析は、0.2mMの(=NH)修飾リバビリンを0.5μM ADAと一晩インキュベート後(=NH)修飾リバビリンの75%以上がリバビリンに変換されたことを示した。
【0081】
疾患の治療における改善特異性の特定実施態様及び適用を説明してきたが、当業者には自明のようにすでに記載されている以外の多くの改変が本明細書に記載の発明思想を逸脱することなく実施し得る。従って、本発明の主題は請求の範囲を除いて限定されない。更に、請求の範囲及び明細書を解釈するときすべての用語は本明細書の記載に一致する最も広義に解釈すべきである。特に、「含む(comprises and comprising)」は要素、成分またはステップについては非限定的に解釈すべきであり、記載されている要素、成分またはステップはここに記載されていない他の要素、成分またはステップと共に存在、利用または組合せられ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1A】
本発明に従った例示薬物の摂取及び保持の概略図である。
【図1B】
本発明に従った例示薬物の摂取及び保持の概略図である。
【図2】
リバビリン合成の合成スキームの1例である。
【図3】
修飾リバビリン合成の合成スキームの1例である。

Claims (19)

  1. 標的細胞に対し所望の薬理効果を有する薬物を特定すること、
    前記薬物をブロック基により修飾すること、
    を含み、
    前記ブロック基は前記ブロック基中の窒素原子を介して前記薬物に共有結合していて、
    前記ブロック基は非標的細胞中の前記薬物の蓄積を低減し、前記ブロック基は前記標的細胞において前記薬物から酵素的に除去される、
    薬物の薬理効果に関して選択性を改善する方法。
  2. 前記薬物がヌクレオチド、ヌクレオシド、ヌクレオチドアナログ及びヌクレオシドアナログからなる群から選択される請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 前記薬物が1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドまたは2−β−D−リボフラノシル−4−チアゾールカルボキサミドである請求の範囲第2項に記載の方法。
  4. 前記ブロック基が第1級アミン及び第2級アミンの少なくとも1つからなる請求の範囲第1項に記載の方法。
  5. 前記ブロック基が=NHである請求の範囲第1項に記載の方法。
  6. 前記標的細胞が肝細胞である請求の範囲第1項に記載の方法。
  7. 前記標的細胞がウイルス感染している請求の範囲第1項に記載の方法。
  8. 前記標的細胞が過剰増殖性細胞である請求の範囲第1項に記載の方法。
  9. 前記非標的細胞中の前記薬物の蓄積が前記非標的細胞における前記薬物のリン酸化からなる請求の範囲第1項に記載の方法。
  10. 前記非標的細胞が赤血球である請求の範囲第1項に記載の方法。
  11. 前記ブロック基の前記薬物からの前記酵素的除去がアミノヒドロラーゼにより触媒される請求の範囲第1項に記載の方法。
  12. 非標的細胞における薬物の代謝変換が前記非標的細胞に損傷を与えることを認識すること、
    前記薬物をブロック基により修飾すること、および
    前記薬物を標的細胞と非標的細胞を含む系に投与すること、
    を含み、
    前記ブロック基は前記ブロック基中の窒素原子を介して前記薬物に共有結合していて、
    前記ブロック基は、前記薬物の非標的細胞における代謝変換を低減し、および前記標的細胞において酵素的に開裂され、
    前記ブロック基は前記薬物に共有結合している、
    非標的細胞に対する薬物の細胞毒性を低下させる方法。
  13. 前記薬物が1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドであり、前記代謝変換が前記薬物のリン酸化を含む請求の範囲第12項に記載の方法。
  14. 前記非標的細胞が赤血球である請求の範囲第12項に記載の方法。
  15. 前記ブロック基が=NHである請求の範囲第12項に記載の方法。
  16. 前記損傷がイノシン−5’−モノホスフェートデヒドロゲナーゼの阻害を含む請求の範囲第12項に記載の方法。
  17. 薬物が非標的細胞において代謝変換されると非標的細胞と標的細胞を含む系における前記薬物の濃度が減少する薬物を用意すること、
    前記薬物をブロック基により修飾すること、および
    前記薬物を前記系に投与すること、
    を含み、
    前記ブロック基は前記ブロック基中の窒素原子を介して前記薬物に共有結合していて、
    前記ブロック基は、前記薬物の前記非標的細胞における代謝変換を低減し、
    前記ブロック基は前記薬物に共有結合していて、前記ブロック基は前記標的細胞において前記薬物から酵素的に除去される、
    標的細胞と非標的細胞を含む系における薬物の用量を低下させる方法。
  18. 前記系が哺乳動物を含む請求の範囲第17項に記載の方法。
  19. 前記薬物が1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドであり、ブロック基が=NHである請求の範囲第17項に記載の方法。
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