JP2004516456A - 見えないエッジの検出システム及び方法 - Google Patents

見えないエッジの検出システム及び方法 Download PDF

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Abstract

見えないエッジの検出システムが開示される。本システムは、表面、及び、該表面の下方に位置する見えないエッジを有するワークピースを含む。放射線源は、ワークピースの表面に沿って移動し、放射線を発生する。放射線レシーバは、ワークピースの表面に沿って移動し、反射した放射線を受ける。放射線レシーバに結合するプロセッサは、前記反射した放射線のカウントレートを算出し、前記見えないエッジに対応したカウントレートの変化を算出し、該変化を前記ワークピース上の位置に関連付ける。見えないエッジの検出方法が開示される。第1ステップでは、表面、及び、該表面の下方に位置する見えないエッジを有するワークピースを設置する。第2ステップでは、放射線源を用いて前記ワークピースの表面に放射線を方向付ける。第3ステップでは、放射線レシーバを用いて、反射した放射線を捕捉する。第4ステップでは、プロセッサを用いて、前記反射した放射線のカウントレート、及び、前記見えないエッジに対応する前記カウントレートの変化を算出する。最後のステップでは、前記カウントレートの変化を前記ワークピースの表面上の位置に関連付ける。

Description

【0001】
[発明の技術分野]
本発明は、処理測定の分野に係り、より詳細には、見えないエッジ(隠れたエッジ)を検出するための方法及びシステムに関する。
【0002】
[発明の背景]
飛行機、建造物、及び他の構造の検査や組み立てのための正確な実時間の測定の重要性は、正確なエッジ位置特定システムの要求へとつながる。構造の組み立て若しくは検査時、しばしばカバーされ見えない部分のエッジの位置を知る必要がある。見えないエッジを検出する既知の方法は、効果、精度及び柔軟性の観点から満足できるものでない。
【0003】
エッジを検出するための一の従来方法は、すき間ゲージを使用する。すき間ゲージは、ゲージがエッジに接触する位置を特定することで、エッジの位置を測定する。すき間ゲージを用いた方法の問題点は、時間がかかることである。エッジを測定するため、すき間ゲージは、エッジまでゆっくり移動させられ、当該エッジを測定する。エッジの測定後、すき間ゲージは、当該エッジから離反され、次の測定すべきエッジまで移動させられる。すき間ゲージは、一の連続的な移動で測定を実行できない。更に、すき間ゲージは、エッジに接触しなければならないので、すき間ゲージは、見えないエッジを検出するのに使用できない。
【0004】
見えないエッジを検出するための一の従来方法は、X線撮像を用いる。エミッターは、対象の一の表面に設置され、検出器は、対象を通過する放射線を収集するために反対側の表面に設置される。収集された放射線は、表面から見えないエッジの像を形成する。この方法の一の問題点は、対象の反対側の表面へのアクセスが必要であり、これは可能でない場合があることである。また、対象の一の側にエミッターを、対象の反対側に検出器を設置することは、困難な場合がある。更に、見えないエッジの最終画像を形成することは、非常に長いプロセスとなりうる。見えないエッジを検出するためのその他の従来方法は、渦電流プローブを用いる。渦電流プローブは、見えないエッジを備えた対象を横断する際の電圧の変化を検出する。電圧は、プローブが薄い領域からより厚い領域に移動するにつれて上昇する。この方法の問題点は、正確でないことである。電圧信号は、例えば対象の含有成分、厚さ、電気的特性等のような、プローブの精度や正確性を損なう多くの要因による影響を受ける。更に、渦電流プローブは、導電性材料における見えないエッジを検出することしかできない。
【0005】
Swansonによる米国特許第5,666,394号には、対象の厚さを測定するために使用される後方散乱ゲージが開示される。対象の厚さを測定するために、後方散乱ゲージは、対象に向けて放射線を方向付け、反射した放射線を検出し、厚さと反射放射線とを関連付ける。この方法の問題点は、ゲージが補正曲線の生成を必要とすることである。後方散乱ゲージは、第1に、補正曲線の生成のために、既知の厚さの対象からの反射放射線を決定しなければならない。次いで、後方散乱ゲージは、補正曲線を用いて、厚さが知られていない対象の厚さを求める。
【0006】
これらのデバイス及び方法は先行するアプローチよりも大きな改善をもたらすが、品質保証の分野での挑戦は、引き続き、より効果的で、精度が高く、柔軟性のある技術に対する要求を高めている。それ故に、見えないエッジを検出する新規な方法及びシステムに対する要望が生ずる。
【0007】
[発明の概要]
本発明によれば、上述のシステムや方法に関連した欠点及び問題点を実質的に除去若しくは低減する、見えないエッジを検出するための方法及びシステムが提供される。
【0008】
本発明の一実施例によれば、見えないエッジを検出するためのシステムが開示される。本システムは、表面、及び、該表面の下方に位置する見えないエッジを有するワークピースを含む。放射線源は、ワークピースの表面に沿って移動し、放射線を発生する。放射線レシーバは、ワークピースの表面に沿って移動し、反射した放射線を受ける。放射線レシーバに結合するプロセッサは、前記反射した放射線のカウントレートを算出し、前記見えないエッジに対応したカウントレートの変化を算出し、該変化を前記ワークピース上の位置に関連付ける。より具体的には、プロセッサは、カウントレートの変化に関連した重心の位置を決定し、この重心の位置は、ワークピースの表面上の位置に一致する。
【0009】
本発明の一実施例によれば、見えないエッジを検出するための方法が開示される。第1ステップでは、表面、及び、該表面の下方に位置する見えないエッジを有するワークピースを設置する。第2ステップでは、放射線源を用いて前記ワークピースの表面に放射線を方向付ける。第3ステップでは、放射線レシーバを用いて、反射した放射線を捕捉する。第4ステップでは、プロセッサを用いて、前記反射した放射線のカウントレート、及び、前記見えないエッジに対応する前記カウントレートの変化を算出する。最後のステップでは、前記カウントレートの変化を前記ワークピースの表面上の位置に関連付ける。より具体的には、本方法は、カウントレートの変化に関連した重心の位置を決定し、この重心の位置は、ワークピースの表面上の位置に一致する。
【0010】
本発明の技術的な効果は、簡易で効果的に見えないエッジを検出することにある。本システムは、見えないエッジを備える対象に放射線を方向付け、反射した放射線を検出し、反射した放射線を見えないエッジの位置に関連付けることにより、見えないエッジを検出する。本システムは、コンパクトであり、対象の一の表面にのみアクセスすればよく、また、当該表面に接触することが必要とされない。測定される対象は、広範な材料を含んでよく、導電性を有する必要はない。更に、対象は、異なる部材を含んでよく、部材間にエアーギャップを有してよい。本発明のその他の技術的な効果は、見えないエッジの実時間の検出が可能であることにある。本システムは、見えないエッジを検出するために、見えないエッジに近傍を一回だけ走査すればよい。更に、本システムは、見えないエッジの位置を実時間で算出すべく補正曲線を生成するための初期測定を必要としない。結果的に、本発明によれば、多種多様な対象の見えないエッジの簡易で実時間での効果的な検出が可能となる。
【0011】
本発明のより完全な理解のため、及び、更なる特徴や効果に対して、添付図面と関連して次の説明への参照がなされる。
【0012】
[図面の詳細な説明]
図1は、本発明による見えないエッジ検出システムの一実施例である。システム100は、ワークピース102、放射線源104、放射線レシーバ106、及びプロセッサ108を含む。システム100は、放射線源104を用いて放射線を発生し、放射線レシーバ106を用いて反射した放射線を受け、プロセッサ108を用いて見えないエッジ110a−bの位置の変化を関連付けることによって、ワークピース102の見えないエッジ110a−bを検出する。
【0013】
本実施例では、ワークピース102は、表面114の外側の構造112、及び、外側の構造112によりカバーされエッジ110a−bを備えた内側の構造116を含む。エッジ110a−bは、例えば、ワークピース部材のエッジや、外側の構造によりカバーされた孔のエッジであってよい。エッジ110a−bは、また、露出し可視であってもよい。内側の構造116は、見えないエッジ110a−bが検出されるように外側の構造112と連通する必要はない。ワークピース102は、例えば金属、複合材料、プラスティック、若しくはこれらの材料の組み合わせ等の適切な材料を含んでよい。更に、ワークピース102は、異なる部材を含んでよく、部材間にエアーギャップを有してよい。後方散乱ゲージ120は、Swansonによる米国特許第5,666,394号に開示されるような後方散乱ゲージを含んでよい。本実施例では、後方散乱ゲージ120は、放射線を透過するハウジングフロア124を備えたハウジング122を含む。ハウジングフロア124は、例えばアルミニウムを含んでよい。ハウジングフロア124に結合された略円筒形の放射線シールド126は、放射線シールド126の中心軸がハウジング122の中心軸の近傍となるように設置される。放射線シールド126は、ハウジングフロア124の上面で実質的に終端する視準(コリメーション)チャンネル128を含む。放射線源104は、視準チャンネル128内に設置される。放射線源104は、アメリシウム、コバルトや、放射性物質を放出できる他の適切な材料であってよい。放射線源104は、例えばX線やガンマ線を含む放射線を放出する。
【0014】
本実施例では、放射線レシーバ106は、放射線検出器129、絞り光ガイド130、及び、光センサ132を含む。放射線検出器129は、ハウジングフロア124の外側に設けられる。絞り光ガイド130は、放射線検出器129に光学的に結合され、放射線検出器129から光センサ132へ光パルスを方向付ける。絞り光ガイド130は、ルサイトや他の光透過性材料を含んでよい。光センサ132は、絞り光ガイド130に光学的に結合され、放射線検出器129により生成された光パルスを電気信号に変換する。光センサ132は、例えば、光電子増倍管やフォトダイオードを含んでよい。光センサ132に結合する電子読出し装置134は、光センサ132からの電気信号を受信する。電子読出し装置134は、デジタルパルスを与える信号増幅度及び信号レベル識別をカウントレート測定回路に供給する。電子読出し装置134に結合するプロセッサ108は、電子読出し装置134からのデータを受信する。プロセッサ108は、データを処理し、ディスプレイ138に当該データを表示する。
【0015】
動作時、後方散乱ゲージ120は、検出されるべき見えないエッジ110a−bを備えたワークピース102に対して、ワークピース102の表面114の近傍にハウジングフロア124が位置するように、位置付けられる。ハウジングフロア124は、表面114に接触する必要はなく、ワークピース102の一の側へのアクセスのみが必要とされる。後方散乱ゲージ120は、ユーザにより手動で位置付けられてもよい。或いは、後方散乱ゲージ120は、ドリルに結合され、自動位置付け装置により位置付けられてもよい。エッジ110a−bを検出するために、エッジ110a−bの近傍領域を横切る単一の掃引のみが必要とされる。照射線源104は、放射線を発生する。シールド126の視準チャンネル128は、放射線を平行化し、平行化されたビーム140が、フロア124を通過するようにする。平行ビーム140の入射光線は、ワークピース102により吸収されたり、後方散乱光線142a−bとして略後方に散乱されたりする。後方散乱光線142a−bは、ハウジングフロア124を通過する際に、放射線検出器129により検出される。絞り光ガイド130は、放射線検出器129から光センサ132へと光パルスを方向付ける。光センサ132は、光パルスを電気信号に変換し、当該電気信号が電子読出し装置134に送信される。電子読出し装置134は、プロセッサ108に電気信号を送出する。プロセッサ108は、データを処理し、ディスプレイ138上にデータを表示し、また、データを記憶してよい。プロセッサ108は、電気信号から見えないエッジの位置を計算する。
【0016】
図2Aは、本発明の一実施例による表面114での後方散乱光線のカウントレートの測定値を示す2次元グラフ200である。一般的に、厚い材料は、薄い材料に比して後方散乱光線をより多く発生する。x軸202は、表面114の測定値が取られた位置を表わす。位置は、表面114の原点からミリメートルで測定される。y軸204は、後方散乱ゲージ120により表面114で検出された後方散乱光線のカウントレートを表わす。カウントレートは、1秒当たりパルスで測定される。データポイント206a−cは、後方散乱ゲージ120が表面114のx方向で原点から100mm移動した際の、後方散乱光線142a−bのカウントレートを表わす。データポイント206aによると、0から15mmで取られた測定値の平均カウントレートは、略2600であり、ワークピース102が0〜15mmの間で略一定の厚さであることを指示する。データポイント206bによると、約25から65mmで取られた測定値の平均カウントレートは、約1800であり、ワークピース102が25〜65mmの間で略一定の厚さであることを指示すると共に、25〜65mmの間の厚さが0〜15mmの間の厚さよりも薄いことを指示する。カウントレートの変化は、厚さの変化があるか、若しくは、略20mmでエッジがあることを指示する。
【0017】
エッジの位置を正確に特定するため、データポイント206a−bの重心点208aが計算される。重心点208aのカウントレートは、高いカウントレートと低いカウントレートの平均を取ることで算出され、次いで、エッジの位置を示す重心点208aの位置が、データポイント206a−bから決定される。高いカウントレートは、例えば、データポイント206aのカウントレートの平均値(約2600)であってよい。低いカウントレートは、例えば、データポイント206bのカウントレートの平均値(約1800)であってよい。重心点208aのカウントレートは、2つのカウントレートの平均で、約2200となる。重心点208aの位置は、重心点208aのカウントレートを用いて、データポイント206a−bから補間されてよい。データポイント206a−bによると、2200のカウントレートのデータポイントは、約19mmに該当し、これが、エッジが表面114の下方の当該位置に存在することを指示する。
【0018】
同様に、重心点208aの位置は、その他の見えないエッジの位置を特定するために計算されてよい。重心208bのカウントレートは、データポイント206cの高いカウントレートとデータポイント206bの低いカウントレートの平均を取ることで計算されてよい。高いカウントレートは、データポイント206cの平均値であってよく、約2600となる。低いカウントレートは、データポイント206bの平均値であってよく、約1800となる。従って、重心208bのカウントレートは、約2200となる。重心208bの位置は、重心208bのカウントレート及びデータポイント206b−cから決定されてよい。データポイント206b−cによると、重心208bの位置は、約70mmに位置し、表面114の下方の当該位置に見えないエッジが存在することを指示する。
【0019】
図2Bは、本発明の一実施例による表面114での後方散乱光線のカウントレートの測定値を示す3次元グラフである。x軸214及びz軸216により定まるxz平面212は、表面114を表わす。y軸218は、xz平面212により表わされる領域の位置で測定されたカウントレートを表わす。グラフ210は、xz座標値(50,50)の位置を略中心とする見えない孔があることを指示する。
【0020】
図3Aは、本発明による見えないエッジを手動で検出するためのシステム100と協働するユーザインターフェース300の一実施例を示す。ユーザインターフェース300は、手持ち型の後方散乱ゲージ120と協働してよい。本実施例では、ユーザインターフェース300は、ワークピース102の表面114での後方散乱光線のカウントレートを示すウインドウ302を含む。一実施例では、ウインドウには、例えば図2Aで述べたようなグラフに類するグラフが表示されてよい。グラフは、見えないエッジの位置を特定するための重心点を示してよい。
【0021】
指示ウインドウ303は、手動で見えないエッジを検出するためのユーザインターフェース300の使用方法に関する手順を表示する。可動/非可動ボタン304により、ユーザが後方散乱ゲージ120を可動状態若しくは非可動状態にすることができる。ユーザは、セットローボタン306を用いて、測定されるべきワークピース102の薄い部分150に対するカウントレートを設定してよく、レートローウインドウ308に表示される。ユーザは、セットハイボタン310を用いて、測定されるべきワークピース102の厚い部分152に対するカウントレートを設定してよく、レートハイウインドウ312に表示される。粗い設定メータ314は、検出されるカウントレートの大まかな推定値を表示する。細かい設定メータ316は、測定されるカウントレートのより厳密な推定値を表示する。ユーザは、初期的に、フルスケールセレクタ318を用いて、粗い設定メータ314及び細かい設定メータ316の最大カウントレートを設定してよい。一実施例では、レートローウインドウ308及びレートハイウインドウ312が設定された後、ユーザインターフェース300は、粗い設定メータ314及び細かい設定メータ316のスケールをリセットし、見えないエッジでのカウントレートが、インジケータ314a,346aで示すように、粗い設定メータ314及び細かい設定メータ316の中心に対応するようにする。メータ314,316がインジケータ314a,346aの位置にないとき、ゲージは、エッジ110a−b上に位置する。
【0022】
位置ウインドウ320a−bは、測定されている表面114の位置をミリメータ及びインチのそれぞれで示す。ユーザは、スケールセレクタ322を用いて測定されている位置の単位を切り換えてもよい。精度ウインドウ328は、測定値の精度を表示する。ユーザは、リフレッシュボタン330を用いてカウントタイムクロック324をリスタートしてよい。ユーザは、開始及び停止ボタン332a−bを用いて、測定処理を開始及び停止させてよい。ユーザは、終了ボタン334を用いて測定処理を終了させてよい。
【0023】
図3Bは、本発明による見えないエッジの検出のためのシステム100と協働するユーザインターフェース350の一実施例を示す。ユーザインターフェース350は、ワークピース102の表面114でのカウントレートを示すウインドウ352を含む。レート中心点ウインドウ353bは、エッジ位置でのカウントレート値を表示する。ユーザは、Y最大セレクタ354aを用いて最大のカウントレート値を設定してよく、また、Y最小セレクタ354bを用いて最小のカウントレート値を設定してよい。最大及び最小の表示されたカウントレート値は、カウントレートのグラフを示すウインドウ352の領域を最適化するために測定処理中に変更されてよい。ユーザインターフェース350は、マニュアルモード部360を含み、マニュアルモード部360は、マニュアルモードでの後方散乱ゲージ120の動作のための制御を示す。ユーザは、開始及び停止ボタン362を用いて測定処理を開始及び停止させてよい。積算時間セレクタ364は、ユーザによる各測定の持続時間の選択を可能とする。一般的に、より長い持続時間は、測定値の変動を低減する。ユーザは、マーカーセレクタ366を用いて標準偏差範囲を設定する。サンプルレートボタン368は、ユーザがリフレッシュ時間セレクタ364で指示された時間、若しくは当該時間の倍数の時間だけ継続する測定値を取ることを可能とする。カウントレートは、マーカーボックス366に表示される。
【0024】
ユーザインターフェース350は、また、自動モードでの後方散乱ゲージ120の動作のための制御部を含む自動モード部370を含む。ユーザは、マニュアルモード若しくは自動モードで測定を実行するため、自動走査セレクタ372を用いて選択を行ってよい。自動走査セレクタ372がオンにされた場合、開始ボタン362aが押された時に自動モードが開始される。その他の場合、マニュアルモードが開始される。速度セレクタ374は、後方散乱ゲージ120が表面114を走査する速度のユーザによる設定を可能とする。状態ウインドウ376は、測定の進行を表示する。状態ウインドウ376は、例えば、走査されたインチ数を表示してよい。警告灯378は、操作中に考えられるエラーが生じた事を知らせる。制御セレクタ380は、他のシステムが測定を開始した場合の外部制御にユーザが制御を設定し、ユーザが測定を開始した場合にはローカル制御にユーザが制御を設定することを可能とする。
【0025】
図4は、本発明による見えないエッジを検出する方法の一実施例を示すフローチャートである。本方法は、ワークピースに放射線を方向付け、反射した放射線を検出し、後方散乱した放射線の変化を決定し、見えないエッジの位置に変化を関連付けることにより、ワークピースの見えないエッジを検出する。本実施例では、本方法は、ステップ402で開始され、表面114及び見えないエッジ110a−bを備えたワークピース102が設置される。ワークピース102は、例えば金属、複合材料、プラスティック、若しくはこれらの材料の組み合わせ等の適切な材料を含んでよい。更に、ワークピース102は、異なる部材を含んでよく、部材間にエアーギャップを有してよい。ステップ404では、後方散乱ゲージ120が、表面114の近傍にハウジングフロア124が位置するように位置付けされる。ハウジングフロア124は、表面114に接触する必要はなく、例えば、表面114から約半インチまで離間してよい。
【0026】
ステップ406では、後方散乱ゲージ120は、一の連続動作で表面114を走査する。ステップ406と同時に実行されてよいステップ408では、放射線源104が放射線を発生する。視準チャンネル128は、放射線を平行化し、結果として、ハウジングフロア124を通過する平行ビーム140が生まれる。平行ビーム140の入射光線は、ワークピース102により吸収されたり、後方散乱光線142a−bとして略後方に散乱されたりする。ステップ410では、後方散乱光線142a−bが、放射線レシーバ106により捕捉される。放射線検出器129は、光線142a−bが放射線検出器129に当たる際に光パルスを生成する。絞り光ガイド130は、放射線検出器129から光センサ132へと光パルスを方向付ける。光センサ132は、光パルスを電気パルスに変換し、電気パルスを電子読出し装置134に送出し、電子読出し装置134が、プロセッサ108に電気パルスを送信する。
【0027】
ステップ412では、放射線のカウントレートが測定される。図2Aに示すような2次元グラフ200は、実時間で表面114でのカウントレートを表わすデータポイントを表示する。プロセッサ108は、データポイントの望ましくない変動を最小化するために測定値をフィルター処理してよい。プロセッサ108は、例えば、3つの連続した時間t1,t2,t3で取られた測定値の平均をとり、データポイントを与え、次いで、3つの連続した時間t2,t3,t4で取られた測定値の平均をとり、データポイントを与え、以下同様、といった処理を行ってよい。
【0028】
ステップ414では、重心208aのカウントレートが実時間で計算される。重心208aのカウントレートは、データポイント206aの高いカウントレートと、データポイント206bの低いカウントレートとの平均を取ることで算出される。高いカウントレートは、約2600であり、低いカウントレートは、約1800である。従って、重心点208aのカウントレートは、約2200となる。ステップ416では、重心208aは、表面114の位置に関連付けられる。重心208aの位置は、重心208aのカウントレートを用いてデータポイント206a−bから決定されてよい。データポイント206a−bによると、重心208aの位置は、原点から約19mm離れた位置であり、表面114の原点から約19mm離れた表面114の下方に見えないエッジが存在することが明らかになる。ステップ418では、エッジの位置が表示される。位置は、例えば、ユーザインターフェース350のウインドウ353a上に表示されてよい。位置は、シリアルポートや他の結合デバイスを介したドリル加工動作用のコントローラのような他のコントローラに送信されてよく、そして、本方法が終了する。
【0029】
本発明の実施例及びその効果が詳細に説明されてきたが、当業者であれば、請求項に定義された本発明の精神や観点を逸脱することなく、種々の改変、付加、省略をなしうるだろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明による、見えないエッジ検出システムの一実施例を示す図である。
【図2A】
本発明の一実施例による、ワークピースの表面での後方散乱光線のカウントレートの測定値を示す2次元グラフである。
【図2B】
本発明の一実施例による、ワークピースの表面での後方散乱光線のカウントレートの測定値を示す3次元グラフである。
【図3A】
本発明による、手動で見えないエッジを検出するための図1のシステムと協働するユーザインターフェースの一実施例を示す図である。
【図3B】
本発明による、見えないエッジを検出するための図1のシステムと協働するユーザインターフェースの一実施例を示す図である。
【図4】
本発明による、見えないエッジ検出方法の一実施例を示すフローチャートである。

Claims (20)

  1. 見えないエッジを検出するためのシステムであって、
    表面、及び、該表面の下方に位置する見えないエッジを有するワークピースと、
    前記ワークピースの表面に沿って移動可能であり、放射線を発生する放射線源と、
    前記ワークピースの表面に沿って移動可能であり、反射した放射線を受ける放射線レシーバと、
    前記放射線レシーバに結合し、前記反射した放射線のカウントレートを算出可能であり、前記見えないエッジに対応したカウントレートの変化を算出し、該変化を前記ワークピースの表面上の位置に関連付けるプロセッサとを含む、システム。
  2. 前記放射線レシーバは、前記反射した放射線を検出可能であると共に前記反射した放射線に関連した光パルスを出力可能である放射線検出器を含む、請求項1記載のシステム。
  3. 前記放射線は、X線を含む、請求項2記載のシステム。
  4. 前記放射線レシーバは、前記光パルスを受信可能であると共に該光パルスを電気信号に変換可能なセンサを含む、請求項2記載のシステム。
  5. 前記放射線源が発生する放射線の平行化が可能な視準チャンネルを更に含む、請求項1記載のシステム。
  6. 前記放射線検出器及び前記視準チャンネルは、中心軸をそれぞれ有し、各中心軸が互いに近傍にある、請求項5記載のシステム。
  7. 前記プロセッサは、前記カウントレートの変化に関連した重心の位置を決定可能であり、該重心の位置は、前記ワークピースの表面上の位置に対応する、請求項1記載のシステム。
  8. 前記カウントレートの変化は、第1のカウントレートと第2のカウントレートに関連付けられ、前記プロセッサは、前記第1及び第2のカウントレートから前記重心のカウントレートを算出可能であると共に、前記重心のカウントレートから前記重心の位置を決定可能である、請求項7記載のシステム。
  9. 前記プロセッサに結合し、前記ワークピースの表面上の位置を表示可能なディスプレイを更に含む、請求項1記載のシステム。
  10. 前記ディスプレイ上に表示され、前記プロセッサの動作に対するユーザコマンドを受信可能であるユーザインターフェースを更に含む、請求項9記載のシステム。
  11. 見えないエッジを検出するための方法であって、
    表面、及び、該表面の下方に位置する見えないエッジを有するワークピースを設置するステップと、
    放射線源を用いて前記ワークピースの表面に放射線を方向付けるステップと、
    放射線レシーバを用いて、反射した放射線を捕捉するステップと、
    プロセッサを用いて、前記反射した放射線のカウントレート、及び、前記見えないエッジに対応する前記カウントレートの変化を算出するステップと、
    前記カウントレートの変化を前記ワークピースの表面上の位置に関連付けるステップとを含む、方法。
  12. 放射線検出器を用いて、前記反射した放射線を検出し、前記反射した放射線に関連した光パルスを出力するステップを更に含む、請求項11記載の方法。
  13. 前記放射線は、X線を含む、請求項12記載の方法。
  14. センサを用いて、前記放射線検出器から前記光パルスを受信し、前記光パルスを電気信号に変換するステップを更に含む、請求項12記載の方法。
  15. 視準チャンネルを用いて、前記放射線源が発生する放射線を平行化するステップを更に含む、請求項11記載の方法。
  16. 前記放射線検出器及び前記視準チャンネルは、中心軸をそれぞれ有し、各中心軸が互いに近傍にある、請求項15記載の方法。
  17. 前記カウントレートの変化に関連した重心の位置を決定するステップを更に含み、該重心の位置は、前記ワークピースの表面上の位置に対応する、請求項11記載の方法。
  18. 前記カウントレートの変化を、第1のカウントレートと第2のカウントレートに関連付け、前記第1及び第2のカウントレートから前記重心のカウントレートを算出し、前記重心のカウントレートから前記重心の位置を決定するステップを更に含む、請求項17記載の方法。
  19. プロセッサに結合したディスプレイを用いて、前記ワークピースの表面上の位置を表示するステップを更に含む、請求項11記載の方法。
  20. 前記プロセッサの動作に対するユーザコマンドを受信可能なユーザインターフェースを前記ディスプレイ上に表示するステップを更に含む、請求項19記載の方法。
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