JP2004515828A - 構造レイアウトのための方法および装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、一般的には、建設中における構造レイアウトおよびマーキングに関するものである。より詳細には、本発明は、建築図面、青写真、またはＣＡＤ（コンピュータ支援設計）からデータを直接取得する自動レイアウト・システムに関する。この自動レイアウト・システムは、建設中の建築物について、間柱、ドア、窓などの建築要素の正確な位置を示すための、完全なバナーを生成するもので、構造物の建築デザインを取得するための入力システム１２と、前記建築デザインを前記構造物の複数の構成要素位置に変換するための処理システム１４と、少なくとも１つの構成要素位置を前記処理システム１４から受け取るための、かつ各構成要素位置を出力するための出力システム１６とを具備する。
【選択図】図１
【選択図】図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的には、建設中における構造レイアウトおよびマーキングに関する。より詳細には、本発明は、建築デザイン（たとえば、図面、青写真、またはＣＡＤ（コンピュータ支援設計））からデータを直接取得し、構造物の構築要素を位置付けるためのテンプレートを生成する自動レイアウト・システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、建築工事は骨組みを含む。大抵の住宅建設に使用されるプラットフォーム骨組みでは、第１の床が、恰もプラットフォームの如きに基礎壁の上部に構築される。この床は、その上で大工が壁セクションを組み立て、次いで定位置に起こすことができる基部を提供する。壁セクションは、さらに壁セクションと仕切りを構築し、直立させる第２の床用プラットフォームを支持する。各床は別々に組まれ、屋根は、上部壁より上方に組まれる。
【０００３】
一般に大工は、建築青写真を読み取って、各壁について寸法を決定しなければならない。次いで大工は、可撓性の測定テープを使用して、壁の上部板または下部板など構造部材に沿って距離を手作業で測定する。マーキングは、間柱、ジャック・ポスト、クリップルなど様々な部材の場所を位置付けるために、構造部材に手作業で施される。さらに、ドアおよび窓の位置を手作業でマークしなければならない。
【０００４】
手作業のマーキング法は時間がかかり、多数回の測定を必要とする。測定はまた、他の人の補助を必要とする。測定やマーキングの誤りは、ドアまたは窓などの構成要素の誤配置を引き起こす。これらの間違いは、構造要素の再設置や再構築を必要とするコストのかかる工事遅延を引き起こすことがある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、建築デザイン（たとえば、図面、青写真、またはＣＡＤ（コンピュータ支援設計））からデータを直接取得する自動レイアウト・システムを提供することを課題とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この自動レイアウト・システムは、建設中の建築物について、間柱、ドア、窓など建築構成要素の正確な位置を示すために、以後「バナー」と称する全寸テンプレートを生成する。
【０００７】
本発明の一実施形態においては、構造物の建築デザインを取得するための入力システムと、建築デザインを静的構造物の複数の構成要素位置に変換するための処理システムと、少なくとも１つの構成要素位置を処理システムから受け取るための、かつ各構成要素位置を出力するための出力システムとを具備する装置を提供する。
【０００８】
本発明は、静的構造物の建築デザインを提供するステップと、建築デザインからデジタル化されたデータ・ファイルを生成するためのコンピュータ支援設計システムを提供するステップと、デジタル化されたデータ・ファイルを構造物の複数の構成要素位置に変換するための処理システムを提供するステップと、少なくとも１つの構成要素について少なくとも１つのバナー上に位置をマーキングするステップとを含む方法を提供する。
【０００９】
本発明の他の実施形態においては、１枚の材料と、着色され、少なくとも１つの構成要素について位置を示すための１枚の材料上の複数のマークと、１枚の材料上に印刷された構成要素識別番号と、１枚の材料上に印刷された寸法情報のリストとを具備する。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴は、本発明の詳細な説明と、説明のために選択し、添付の図面に示すその好ましい実施形態からよりよく理解できよう。
【００１１】
以下本発明のいくつかの好ましい実施形態について示し、詳しく述べるが、上記特許請求の範囲から逸脱することなく様々な変更および修正を加えることができることを理解されたい。本発明の範囲は、構成要素の数、その材料、その形状、その相対配置などによって制限される訳ではなく、これらは、好ましい実施形態の一例として開示されているに過ぎない。本発明の特徴および利点については添付の図面内に詳しく説明されており、図面全体を通して同じ参照番号は同じ要素を示している。図面は本発明を説明するものであるが、図面は原寸に比例して示されていない。
【００１２】
図１は、自動レイアウト・システム１０の装置概略図を示す。自動レイアウト・システム１０は、入力システム１２、処理システム１４、出力システム１６を含む。入力システム１２は、構造物３２（図７）の建築デザイン３０を取得する。
【００１３】
図２は、自動レイアウト・システム１０の流れ図の略図を示す。設計者は、構造物３２（図７）の建築デザイン３０を作成する。構造物３２は、たとえば、住宅建築物の壁、オフィス建築物、倉庫などとすることができる。建築デザイン３０は、コンピュータ支援設計（ＣＡＤ）３４を使用して生成することができる。ＣＡＤシステム３４は、建築デザイン３０をデジタル図面データ・ファイル３６に変換する。
【００１４】
デジタル図面データ・ファイル３６は、入力システム１２に送られる。デジタル図面データ・ファイル３６は、入力システム１２から処理システム１４に送られる。処理システム１４は、コンピュータ３８を含むことができる。コンピュータ３８は、コンピュータ３８から伝送された情報を表示するためにディスプレイ・システム２４（図２）を含むことができる。コンピュータ３８は、オペレータがコマンドをコンピュータ３８に送ることを可能にするために、任意の適切なデバイス、たとえばキーボード２６またはマウスを含むことができる。ディスプレイ・システム２４とキーボード２６は、ワークステーション２５０内に含むことができる。
【００１５】
建築デザイン３０には、構成要素４０情報が含まれる。構成要素４０情報には、構造部材４０Ａ、窓４０Ｂ、ドア４０Ｃ、電気要素４０Ｄ、配管要素４０Ｅ、および暖房、換気、空調要素４０Ｆなどが含まれる。構造部材４０Ａには、木製部材４０Ｇ、金属部材４０Ｈ、または構造物３２の他の建築材料が含まれる。
【００１６】
構成要素４０情報は、入力システム１２を介して処理システム１４に伝送される。建築デザイン３０は、青写真など建築図面４２を含むことができる。建築図面４２は、走査システム２２を介して供給することができる。走査システム２２はデジタル図面データ・ファイル３６Ａを生成し、デジタル図面データ・ファイル３６Ａは、入力システム１２を介して処理システム１４に伝送される。
【００１７】
建築デザイン３０は、入力システム１２を介して処理システム１４に伝送されるＵＢＣ（Ｕｎｉｆｏｒｍ Ｂｕｉｌｄｉｎｇ Ｃｏｄｅ）４４データを含むことができる。ＵＢＣ４４データは、建築物が満たさなければならない地域的な建築法規を含む。これらの規格は、たとえば構造部材４０Ａの厚さ寸法および間隔等に関するものである。
【００１８】
処理システム１４は、構成要素４０情報、デジタル図面データ・ファイル３６、３６Ａ、およびＵＢＣ４４データを組み合わせる。処理システム１４は、構造物３２内の構成要素４０（たとえば、構造部材４０Ａ、窓４０Ｂ、ドア４０Ｃ、電気要素４０Ｄ、配管要素４０Ｅ、暖房、換気、空調要素４０Ｆなど）のそれぞれについて寸法位置を計算して生成する。各構成要素４０の寸法位置はデジタル化され、出力システム１６に自動転送される。
【００１９】
出力システム１６は、各構成要素４０のデジタル化された寸法位置をネットワーク２０に送ることができる。ネットワーク２０は、たとえば、インターネット接続、コンピュータ・ネットワークなどとすることができる。ネットワーク２０は、各構成要素４０についてデジタル化された寸法位置を遠隔コンピュータ・システム２８に伝送することができる。遠隔コンピュータ・システム２８を使用してバナー４８Ａを出力することができる。
【００２０】
さらに、出力システム１６は、各構成要素４０についてデジタル化された位置を任意の適切な記憶媒体（たとえば、ハード・ディスク、フレキシブル・ディスク、テープなど）上に記憶することができる。次いで、記憶媒体を移送して遠隔コンピュータ・システム２８内に挿入することができる。遠隔コンピュータ・システム２８を使用してバナー４８Ａを出力することができる。
【００２１】
出力システム１６は、各構成要素４０のデジタル化された寸法位置を印刷システム１８に送る。印刷システム１８は、バナー４８を印刷する。バナー４８は、複数のマーキング５０、複数の構成要素識別番号５２、着色されたマーキング５４、寸法データ５６（たとえば、英国式、メートル法など）などを含む全寸テンプレートである。バナー４８は、たとえば、ＴＹＶＥＫ（商標）（ＤｕＰｏｎｔ）、プラスチックなどの、適切な耐久性のある防水シート材料製とすることもできる。ＴＹＶＥＫ（商標）は、スパンボンデッド・オレフィン繊維を含む。
【００２２】
マーキング５０は、バナー４８上で、構造物３２における各構成要素４０の位置を示す。たとえば、マーキングを１６インチ間隔で均一に離間して間柱間隔を示すことができる。マーキング５０を着色されたマーキング５４とし、黒は構造部材４０Ａ、赤は電気要素４０Ｄ、青は配管要素４０Ｅ、緑は暖房、換気、および空調要素４０Ｆなど、構成要素タイプを示すことができる。
【００２３】
識別番号５２（たとえば、売主部品番号）を、窓４０Ｂまたはドア４０Ｃなど構成要素の位置に隣接してバナー４８上に印刷することができる。構造部材４０Ａの長さについての寸法データ５６をバナー４８上に印刷することができる。寸法データ５６は、任意の適切な規格（たとえば、英国式、メートル法など）で印刷することができる。
【００２４】
バナー４８を印刷システム１８によって印刷する前に、（たとえば、バナー４８のシート材料の製造者または他の製造者によって、あるいは印刷会社などによって）、１つまたは複数の異なるタイプのマーキング５０を、バナー４８を形成するシート材料上に予め印刷しておくことができる。たとえば、中心から１６インチに配置された、均一に離間された線などの印を、バナー４８を形成するシート材料上に予め印刷しておくことができる。
【００２５】
印刷システム１８は、構成要素のリスト５８を印刷することができる。構成要素のリスト５８は、構造物３２内の各バナー４８について構造物３２内の構成要素４０すべてのプリントアウトを含む。印刷システム１８は、構造物３２内のバナー４８位置の概略平面図６０を印刷することができる。
【００２６】
図３、４、５は、構造物３２Ａ（図７）の第１の基準構成要素６２Ａと第２の基準構成要素６３Ａに取り付けられたバナー４８を示す。図３は、第１の基準構成要素６２Ａと第２の基準構成要素６３Ａに取り付けられたバナー４８の平面図を示す。図４は、第１の基準構成要素６２Ａと第２の基準構成要素６３Ａに取り付けられたバナー４８の側面図を示す。図５は、第１の基準構成要素６２Ａと第２の基準構成要素６３Ａに取り付けられたバナー４８の端面図を示す。
【００２７】
図７に示すように、第１の基準構成要素６２Ａは、構造物３２Ａの下部板であり、第２の基準構成要素６３Ａは、構造物３２Ａの上部板である。第１の基準構成要素６２Ａおよび第２の基準構成要素６３Ａは、互いに隣接して配置され、バナー４８が第１の基準構成要素６２Ａおよび第２の基準構成要素６３Ａに取り付けられる（図３、４、５）。バナー上のマーキング５０は、構造部材４０Ａ、窓４０Ｂ、電気要素４０Ｄ、配管要素４０Ｅ、および暖房、換気、空調要素４０Ｆなど、構成要素４０の位置を示す。
【００２８】
図３に示すように、構造部材４０Ａのマーキング５０は、複数の間柱位置６４、複数のジャック位置６６、複数のクリップル位置６８の表示を含む。マーキング５０は、暖房、換気、空調要素４０Ｆのための位置７０の表示を含む。マーキング５０は、電気要素４０Ｄのための位置７２Ａおよび位置７２Ｂの表示を含む。マーキング５０は、配管要素４０Ｅのための位置７４の表示を含む。
【００２９】
図３は、バナー４８上に印刷される窓４０Ｂのための識別部品番号７６を示す。マーキング５０は、窓４０Ｂについて位置を識別するための線７８を含む。複数のジャック８０、複数のクリップル８２、シル８４、複数のヘッダ８６、ヘッダ・シルを含む構造部材４０Ａの長さおよび数量８８が、バナー４８上に印刷される。マーキング５０は、４フィート隔てて離間された点線９０Ａおよび９０Ｂを含み、４フィート幅の壁板（図示せず）のための位置を示す。マーキング５０は、ナイフなど鋭利な物体で切断される切断線９４を含む。
【００３０】
バナー４８の切断線９４に沿って切断すると、第１の基準構成要素６２Ａが第２の基準構成要素６３Ａから分離する（図６）。したがって、バナー４８は、第１のバナー部分９６Ａと第２のバナー部分９７Ａに分離される。第１のバナー部分９６Ａは第１の基準構成要素６２Ａに取り付けられたままであり、第２のバナー部分９７Ａは第２の基準構成要素６３Ａに取り付けられたままである。第１の基準構成要素６２Ａは、構造物３２の下部板を形成する。第２の基準構成要素６３Ａは、構造物３２の上部板を形成する。
【００３１】
マーキング５０は、第１のバナー部分９６Ａ上に印刷された方向矢印９２Ａ、および第２のバナー部分９７Ａ上に印刷された方向矢印９２Ｂを含む。方向矢印９２Ａおよび９２Ｂは、第１の基準構成要素６２Ａと第２の基準構成要素６３Ａが、構造物３２の下部９８と上部１００として定位置に配置されたとき、同じ方向を指す。
【００３２】
複数の間柱１０２は、適切な、選択された長さに切断され、間柱位置６４のマーキング５０（図７）部で第１の基準構成要素６２Ａと第２の基準構成要素６３Ａに位置付けられ、かつ取り付けられる。ジャック８０、クリップル８２、シル８４、ヘッダ８６、ヘッダ・シル８７は、バナー４８上の印刷されたリスト８８（図３）上に示される長さに切断される。
【００３３】
ジャック８０は、ジャック位置６６のマーキング５０によって示されるように、第１の基準構成要素６２Ａに位置付けられ、かつ取り付けられる。クリップル８２は、クリップル位置６８のマーキング５０によって示されるように、第１の基準構成要素６２Ａに位置付けられ、かつ取り付けられる。シル８４は、クリップル８２およびジャック８０に取り付けられる。ヘッダ・シル８７は、ジャック８０に取り付けられる。ヘッダ８６は、間柱１０２と第２の基準構成要素６３Ａに取り付けられる。ジャック８０、シル８４、ヘッダ・シル８７は、窓の開口１０４を形成する。
【００３４】
図７には、マーキング５０の位置７０部分に位置決めされた暖房、換気、および空調要素４０Ｆが示されている。暖房、換気、および空調要素４０Ｆは、どんな構成要素とすることもできる（たとえば、供給ダクト、戻りダクトなど）。電気要素４０Ｄは、マーキング５０の位置７２Ａおよび７２Ｂ部分に位置決めされる。電気要素４０Ｄは、如何なる電気構成要素とすることができる（たとえば、コンセント、導線、スイッチなど）。配管要素４０Ｅは、マーキング５０の位置７４部分に位置決めされる。配管要素４０Ｅは、如何なる配管要素とすることもできる（たとえば、冷却水管、温水管、配水管など）。
【００３５】
図８は、バナー４８Ｂの他の実施形態を示す。バナー４８Ｂは、間柱位置６４と複数のジャック位置６６のためのマーキング５０を含む。マーキング５０は、ドア４０Ｃの位置を識別するための線１０６を含む。複数のジャック８０Ｂ、複数のヘッダ８６Ｂ、ヘッダ・シル８７Ｂを含む構造部材４０Ｂの長さおよび数が、バナー４８Ｂ上に印刷される１０８。バナー４８Ｂは、第１の基準構成要素６２Ｂと第２の基準構成要素６３Ｂに取り付けられる。マーキング５０は、ナイフによって切断される切断線９４Ｂを含む。
【００３６】
バナー４８と同様に、バナー４８Ｂの切断線９４Ｂに沿って切断すると、第１の基準構成要素６２Ｂが第２の基準構成要素６３Ｂから分離する。バナー４８Ｂは、第１のバナー部分９６Ｂと第２のバナー部分９７Ｂに分離される。第１のバナー部分９６Ｂは第１の基準構成要素６２Ｂに取り付けられたままであり、第２のバナー部分９７Ｂは第２の基準構成要素６３Ｂに取り付けられたままである。図９に示すように、第１の基準構成要素６２Ｂは、構造物３２Ｂの下部板であり、第２の基準構成要素６３Ｂは、構造物３２Ｂの上部板である。
【００３７】
複数の間柱１０２は、均一な、選択された長さに切断され、マーキング５０の間柱位置６４において、第１の基準構成要素６２Ｂと第２の基準構成要素６３Ｂに位置付けられ、かつ取り付けられる。ジャック８０Ｂ、ヘッダ・シル８７Ｂ、ヘッダ８６Ｂは、バナー４８Ｂ上の印刷されたリスト１０８上に示される長さに切断される（図８）。ジャック８０Ｂは、ジャック位置６６のマーキング５０によって示されるように、第１の基準構成要素６２Ｂに位置付けられ、かつ取り付けられる。ヘッダ・シル８７Ｂは、ジャック８０Ｂに取り付けられる。ヘッダ８６Ｂは、間柱１０２と第２の基準構成要素６３Ｂに取り付けられる。
【００３８】
構造物３２Ｂが起こされた後で、第１の基準構成要素６２Ｂに対する切断１１６Ａ、１１６Ｂが行なわれる。そして、第１の基準構成要素６２Ｂの一部分１１０がドアの開口１１２から除去される。
【００３９】
図１０は、屋根トラス・アセンブリ１１６の側面図を示す。屋根トラス・アセンブリは、下弦材１１８、上弦材１２０Ａ、上弦材１２０Ｂ、複数のウェブ部材１２２Ａ〜１２２Ｄを含む。図１１は、屋根トラス・アセンブリ１１６の下弦材１１８に取り付けられるバナー４８Ｃを示す。バナー４８Ｃは下弦材１１８に取り付けられ、ウェブ部材１２２Ａおよび１２２Ｂを位置１２４Ａ部に、またはウェブ部材１２２Ｃおよび１２２Ｄを位置１２４Ｂ部に位置付けるために使用する。
【００４０】
図１２に示すように、バナー４８Ｄは、位置１２６、位置１２８、位置１３０のためのマーキング５０を含む。バナー４８Ｄの第１のコピーが上弦材１２０Ａに取り付けられ、バナー４８Ｄの第２のコピーが上弦材１２０Ｂに取り付けられる。
【００４１】
上弦材１２０Ａの場合においては、位置１２６は上弦材１２０Ｂを下弦材１１８に位置決めし、位置１２８は上弦材１２０Ａをウェブ部材１２２Ｄに位置決めし、位置１３０は上弦材１２０Ａをウェブ部材１２２Ｃに位置決めする。上弦材１２０Ｂの場合においては、位置１２６は上弦材１２０Ｂを下弦材１１８に位置決めし、位置１２８は上弦材１２０Ｂをウェブ部材１２２Ａに位置決めし、位置１３０は上弦材１２０Ｂをウェブ部材１２２Ｂに位置決めする。
【００４２】
図１３は、妻１３２の側面図を示す。妻１３２は、梁１３４、垂木１３６Ａおよび垂木１３６Ｂ、複数の束１３８Ａ〜１３８Ｋを含む。バナー４８Ｅを図１４に示す。バナー４８Ｅは、束１３８Ａ〜１３８Ｋのための位置に対応する位置１４２Ａ〜１４２Ｋのマーキング５０を含む。位置１４４Ａのマーキング５０および位置１４４Ｂのマーキング５０は、垂木１３６Ａおよび垂木１３６Ｂの場所に対応する。バナー４８Ｅは、梁１３４に取り付けられる。
【００４３】
バナー４８Ｆを図１５に示す。バナー４８Ｆは、位置１４６Ａ〜１４６Ｅおよび位置１４８のマーキング５０を含む。バナー４８Ｆの第１のコピーが垂木１３６Ａに取り付けられ、バナー４８Ｆの第２のコピーが垂木１３６Ｂに取り付けられる。垂木１３６Ａ上のバナー４８Ｆ上のマーキングは、束１３８Ｇ〜１３８Ｋおよび梁１３４を位置付ける。垂木１３６Ｂ上のバナー４８Ｆ上のマーキングは、束１３８Ａ〜１３８Ｅおよび梁１３４を位置付ける。
【００４４】
図１６は、垂木部材１５０の斜視図を示す。バナー４８Ｇは垂木部材１５０に取り付けられる。バナー４８Ｇは全寸テンプレートを実現し、それにより、垂木部材１５０がバナー４８Ｇの形状と共形となるように切断されている。バナー４８Ｇは、端部切断１５２、端部切断１５４、嘴形カット部１５６のためのマーキング５０を含む。嘴形カット部１５６は、垂木部材１５０が重ね板１５８を受け入れることを可能にする。
【００４５】
図１７は、隅木部材１６０の斜視図を示す。バナー４８Ｋは隅木部材１６０に取り付けられる。バナー４８Ｋは全寸テンプレートであり、それにより、隅木部材１６０がバナー４８Ｋの形状と共形となるように切断されている。バナー４８Ｋは、端部切断部１６２のための、また複数の位置１６４Ａ〜１６４Ｅのためのマーキング５０を含む。複数の位置１６４Ａ〜１６４Ｅは、複数の隅棟垂木１６６Ａ〜１６６Ｅをそれぞれ位置決めする。
【００４６】
図１８は、谷木部材１６８の斜視図を示す。バナー４８Ｈおよびバナー４８Ｊは谷木部材１６８に取り付けられる。バナー４８Ｈおよびバナー４８Ｊは、谷木部材１６８上に全寸テンプレートを実現し、谷木部材１６８は、バナー４８Ｈおよびバナー４８Ｊの形状と共形となるように切断されている。バナー４８Ｈは、複数の位置１７０Ａ〜１７０Ｃのための、および嘴形カット部１７２のためのマーキング５０を含む。
【００４７】
複数の位置１７０Ａ〜１７０Ｃは、谷垂木１７４Ａ〜１７４Ｃを位置決めする。嘴形カット部１７２は、重ね板１７６を受け入れる。バナー４８Ｊは、複数の位置１７８Ａ〜１７８Ｃのための、および嘴形カット部１７２のためのマーキング５０を含む。複数の位置１７８Ａ〜１７８Ｃは、複数の谷垂木１８０Ａ〜１８０Ｃを位置決めする。
【００４８】
図１９は、建築物など構造物３２Ｅの概略平面図２００を示す。印刷システム１８（図２）は、概略平面図２００を印刷する。概略平面図２００は、複数のバナー位置２０２Ａ〜２０２Ｅを含む。各バナー４８Ｌ〜４８Ｐは、各バナー４８Ｌ〜４８Ｐ上、および概略平面図２００上に印刷される一義的なバナー番号を含む。たとえば、位置２０２Ａ部のバナー４８Ｌに番号「１ｆｌｏｏｒ１」を与えた場合には、バナー４８Ｌ上に、また概略平面図２００上に「１ｆｌｏｏｒ１」が印刷される。
【００４９】
施工者は、概略平面図２００を使用して、各バナー４８Ｌ〜４８Ｐについて位置を決定する。各バナー４８Ｌ〜４８Ｐ上に方向矢印９２Ａ（図３）が印刷される。さらに、各バナー位置２０２Ａ〜２０２Ｅについて、方向矢印９２Ａが概略平面図２００上に印刷される。方向矢印９２Ａは、施工者が各バナー４８Ｌ〜４８Ｐを適切な向きで位置決めすることを可能にする。さらに、窓４０Ｂおよびドア４０Ｃなど構成要素４０のための位置が概略平面図２００上に印刷される。
【００５０】
上記本発明の説明は、例示と説明のために提供したものであって、すべてを網羅するもの、または開示した正確な形態に制限するものではなく、上記の教示に照らして多数の修正および形態変形が可能である。たとえば、自動レイアウト・システム１０を使用して、任意の適切な構造物（たとえば、住宅建築物、商業建築物、倉庫、ボートなど）のためのバナー４８を作成することができる。当業者に明らかなそのような修正および形態変形は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】
自動レイアウト・システムの装置概略図である。
【図２】
自動レイアウト・システムの流れ図の略図である。
【図３】
構造物の第１の基準構成要素と第２の基準構成要素に取り付けたバナーの平面図である。
【図４】
第１の基準構成要素と第２の基準構成要素に取り付けたバナーの側面図である。
【図５】
第１の基準構成要素と第２の基準構成要素に取り付けたバナーの端面図である。
【図６】
第１のバナー部分と第２のバナー部分とに分離されたバナーの平面図である。
【図７】
電気構成要素、配管構成要素、暖房または換気または空調構成要素、および窓の開口を含む構造物の組まれた壁の側面図である。
【図８】
ドアの開口を含むバナーの他の実施形態を示す図である。
【図９】
ドアの開口を含む構造物の組まれた壁の側面図である。
【図１０】
屋根トラスの側面図である。
【図１１】
屋根トラスの下弦材用の、バナーの他の実施形態を示す図である。
【図１２】
屋根トラスの上弦材用のバナーを示す図である。
【図１３】
妻の側面図である。
【図１４】
妻の板部材用のバナーの平面図である。
【図１５】
妻垂木用のバナーの平面図である。
【図１６】
構造物の垂木部材の斜視図である。
【図１７】
構造物の隅木部材の斜視図である。
【図１８】
構造物の谷木部材の斜視図である。
【図１９】
施工者が各バナーの位置を決定するための概略平面図である。
【符号の説明】
１２ 入力システム
１４ 処理システム（構成要素位置）
１６ 出力システム
１８ 印刷システム
２０ ネットワーク
２２ 走査システム
２４ ディスプレイ・システム
２６ キーボード
２８ 遠隔コンピュータ
３０ 建築デザイン
３４ コンピュータ支援設計システム（ＣＡＤ）
３６ （デジタル図面データ・ファイル）
３６Ａ デジタル図面データ・ファイル
４０Ａ 構造部材
４０Ｇ、Ｈ 木製または金属部材
４０Ｂ 窓
４０Ｃ ドア
４０Ｄ 電気要素
４０Ｅ 配管要素
４０Ｆ 暖房、換気、および空調要素
４２ 建築図面（青写真）
４４ ＵＢＣ（Ｕｎｉｆｏｒｍ Ｂｕｉｌｄｉｎｇ Ｃｏｄｅ）
４８Ａ バナー
４８ バナー
５０ マーキング
５２ 構成要素識別番号
５４ 着色されたマーキング
５６ 寸法データ、英国式、メートル法
５８ 構成要素のリスト
６０ 構造内のバナーの概略平面図
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的には、建設中における構造レイアウトおよびマーキングに関する。より詳細には、本発明は、建築デザイン（たとえば、図面、青写真、またはＣＡＤ（コンピュータ支援設計））からデータを直接取得し、構造物の構築要素を位置付けるためのテンプレートを生成する自動レイアウト・システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、建築工事は骨組みを含む。大抵の住宅建設に使用されるプラットフォーム骨組みでは、第１の床が、恰もプラットフォームの如きに基礎壁の上部に構築される。この床は、その上で大工が壁セクションを組み立て、次いで定位置に起こすことができる基部を提供する。壁セクションは、さらに壁セクションと仕切りを構築し、直立させる第２の床用プラットフォームを支持する。各床は別々に組まれ、屋根は、上部壁より上方に組まれる。
【０００３】
一般に大工は、建築青写真を読み取って、各壁について寸法を決定しなければならない。次いで大工は、可撓性の測定テープを使用して、壁の上部板または下部板など構造部材に沿って距離を手作業で測定する。マーキングは、間柱、ジャック・ポスト、クリップルなど様々な部材の場所を位置付けるために、構造部材に手作業で施される。さらに、ドアおよび窓の位置を手作業でマークしなければならない。
【０００４】
手作業のマーキング法は時間がかかり、多数回の測定を必要とする。測定はまた、他の人の補助を必要とする。測定やマーキングの誤りは、ドアまたは窓などの構成要素の誤配置を引き起こす。これらの間違いは、構造要素の再設置や再構築を必要とするコストのかかる工事遅延を引き起こすことがある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、建築デザイン（たとえば、図面、青写真、またはＣＡＤ（コンピュータ支援設計））からデータを直接取得する自動レイアウト・システムを提供することを課題とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この自動レイアウト・システムは、建設中の建築物について、間柱、ドア、窓など建築構成要素の正確な位置を示すために、以後「バナー」と称する全寸テンプレートを生成する。
【０００７】
本発明の一実施形態においては、構造物の建築デザインを取得するための入力システムと、建築デザインを静的構造物の複数の構成要素位置に変換するための処理システムと、少なくとも１つの構成要素位置を処理システムから受け取るための、かつ各構成要素位置を出力するための出力システムとを具備する装置を提供する。
【０００８】
本発明は、静的構造物の建築デザインを提供するステップと、建築デザインからデジタル化されたデータ・ファイルを生成するためのコンピュータ支援設計システムを提供するステップと、デジタル化されたデータ・ファイルを構造物の複数の構成要素位置に変換するための処理システムを提供するステップと、少なくとも１つの構成要素について少なくとも１つのバナー上に位置をマーキングするステップとを含む方法を提供する。
【０００９】
本発明の他の実施形態においては、１枚の材料と、着色され、少なくとも１つの構成要素について位置を示すための１枚の材料上の複数のマークと、１枚の材料上に印刷された構成要素識別番号と、１枚の材料上に印刷された寸法情報のリストとを具備する。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴は、本発明の詳細な説明と、説明のために選択し、添付の図面に示すその好ましい実施形態からよりよく理解できよう。
【００１１】
以下本発明のいくつかの好ましい実施形態について示し、詳しく述べるが、上記特許請求の範囲から逸脱することなく様々な変更および修正を加えることができることを理解されたい。本発明の範囲は、構成要素の数、その材料、その形状、その相対配置などによって制限される訳ではなく、これらは、好ましい実施形態の一例として開示されているに過ぎない。本発明の特徴および利点については添付の図面内に詳しく説明されており、図面全体を通して同じ参照番号は同じ要素を示している。図面は本発明を説明するものであるが、図面は原寸に比例して示されていない。
【００１２】
図１は、自動レイアウト・システム１０の装置概略図を示す。自動レイアウト・システム１０は、入力システム１２、処理システム１４、出力システム１６を含む。入力システム１２は、構造物３２（図７）の建築デザイン３０を取得する。
【００１３】
図２は、自動レイアウト・システム１０の流れ図の略図を示す。設計者は、構造物３２（図７）の建築デザイン３０を作成する。構造物３２は、たとえば、住宅建築物の壁、オフィス建築物、倉庫などとすることができる。建築デザイン３０は、コンピュータ支援設計（ＣＡＤ）３４を使用して生成することができる。ＣＡＤシステム３４は、建築デザイン３０をデジタル図面データ・ファイル３６に変換する。
【００１４】
デジタル図面データ・ファイル３６は、入力システム１２に送られる。デジタル図面データ・ファイル３６は、入力システム１２から処理システム１４に送られる。処理システム１４は、コンピュータ３８を含むことができる。コンピュータ３８は、コンピュータ３８から伝送された情報を表示するためにディスプレイ・システム２４（図２）を含むことができる。コンピュータ３８は、オペレータがコマンドをコンピュータ３８に送ることを可能にするために、任意の適切なデバイス、たとえばキーボード２６またはマウスを含むことができる。ディスプレイ・システム２４とキーボード２６は、ワークステーション２５０内に含むことができる。
【００１５】
建築デザイン３０には、構成要素４０情報が含まれる。構成要素４０情報には、構造部材４０Ａ、窓４０Ｂ、ドア４０Ｃ、電気要素４０Ｄ、配管要素４０Ｅ、および暖房、換気、空調要素４０Ｆなどが含まれる。構造部材４０Ａには、木製部材４０Ｇ、金属部材４０Ｈ、または構造物３２の他の建築材料が含まれる。
【００１６】
構成要素４０情報は、入力システム１２を介して処理システム１４に伝送される。建築デザイン３０は、青写真など建築図面４２を含むことができる。建築図面４２は、走査システム２２を介して供給することができる。走査システム２２はデジタル図面データ・ファイル３６Ａを生成し、デジタル図面データ・ファイル３６Ａは、入力システム１２を介して処理システム１４に伝送される。
【００１７】
建築デザイン３０は、入力システム１２を介して処理システム１４に伝送されるＵＢＣ（Ｕｎｉｆｏｒｍ Ｂｕｉｌｄｉｎｇ Ｃｏｄｅ）４４データを含むことができる。ＵＢＣ４４データは、建築物が満たさなければならない地域的な建築法規を含む。これらの規格は、たとえば構造部材４０Ａの厚さ寸法および間隔等に関するものである。
【００１８】
処理システム１４は、構成要素４０情報、デジタル図面データ・ファイル３６、３６Ａ、およびＵＢＣ４４データを組み合わせる。処理システム１４は、構造物３２内の構成要素４０（たとえば、構造部材４０Ａ、窓４０Ｂ、ドア４０Ｃ、電気要素４０Ｄ、配管要素４０Ｅ、暖房、換気、空調要素４０Ｆなど）のそれぞれについて寸法位置を計算して生成する。各構成要素４０の寸法位置はデジタル化され、出力システム１６に自動転送される。
【００１９】
出力システム１６は、各構成要素４０のデジタル化された寸法位置をネットワーク２０に送ることができる。ネットワーク２０は、たとえば、インターネット接続、コンピュータ・ネットワークなどとすることができる。ネットワーク２０は、各構成要素４０についてデジタル化された寸法位置を遠隔コンピュータ・システム２８に伝送することができる。遠隔コンピュータ・システム２８を使用してバナー４８Ａを出力することができる。
【００２０】
さらに、出力システム１６は、各構成要素４０についてデジタル化された位置を任意の適切な記憶媒体（たとえば、ハード・ディスク、フレキシブル・ディスク、テープなど）上に記憶することができる。次いで、記憶媒体を移送して遠隔コンピュータ・システム２８内に挿入することができる。遠隔コンピュータ・システム２８を使用してバナー４８Ａを出力することができる。
【００２１】
出力システム１６は、各構成要素４０のデジタル化された寸法位置を印刷システム１８に送る。印刷システム１８は、バナー４８を印刷する。バナー４８は、複数のマーキング５０、複数の構成要素識別番号５２、着色されたマーキング５４、寸法データ５６（たとえば、英国式、メートル法など）などを含む全寸テンプレートである。バナー４８は、たとえば、ＴＹＶＥＫ（商標）（ＤｕＰｏｎｔ）、プラスチックなどの、適切な耐久性のある防水シート材料製とすることもできる。ＴＹＶＥＫ（商標）は、スパンボンデッド・オレフィン繊維を含む。
【００２２】
マーキング５０は、バナー４８上で、構造物３２における各構成要素４０の位置を示す。たとえば、マーキングを１６インチ間隔で均一に離間して間柱間隔を示すことができる。マーキング５０を着色されたマーキング５４とし、黒は構造部材４０Ａ、赤は電気要素４０Ｄ、青は配管要素４０Ｅ、緑は暖房、換気、および空調要素４０Ｆなど、構成要素タイプを示すことができる。
【００２３】
識別番号５２（たとえば、売主部品番号）を、窓４０Ｂまたはドア４０Ｃなど構成要素の位置に隣接してバナー４８上に印刷することができる。構造部材４０Ａの長さについての寸法データ５６をバナー４８上に印刷することができる。寸法データ５６は、任意の適切な規格（たとえば、英国式、メートル法など）で印刷することができる。
【００２４】
バナー４８を印刷システム１８によって印刷する前に、（たとえば、バナー４８のシート材料の製造者または他の製造者によって、あるいは印刷会社などによって）、１つまたは複数の異なるタイプのマーキング５０を、バナー４８を形成するシート材料上に予め印刷しておくことができる。たとえば、中心から１６インチに配置された、均一に離間された線などの印を、バナー４８を形成するシート材料上に予め印刷しておくことができる。
【００２５】
印刷システム１８は、構成要素のリスト５８を印刷することができる。構成要素のリスト５８は、構造物３２内の各バナー４８について構造物３２内の構成要素４０すべてのプリントアウトを含む。印刷システム１８は、構造物３２内のバナー４８位置の概略平面図６０を印刷することができる。
【００２６】
図３、４、５は、構造物３２Ａ（図７）の第１の基準構成要素６２Ａと第２の基準構成要素６３Ａに取り付けられたバナー４８を示す。図３は、第１の基準構成要素６２Ａと第２の基準構成要素６３Ａに取り付けられたバナー４８の平面図を示す。図４は、第１の基準構成要素６２Ａと第２の基準構成要素６３Ａに取り付けられたバナー４８の側面図を示す。図５は、第１の基準構成要素６２Ａと第２の基準構成要素６３Ａに取り付けられたバナー４８の端面図を示す。
【００２７】
図７に示すように、第１の基準構成要素６２Ａは、構造物３２Ａの下部板であり、第２の基準構成要素６３Ａは、構造物３２Ａの上部板である。第１の基準構成要素６２Ａおよび第２の基準構成要素６３Ａは、互いに隣接して配置され、バナー４８が第１の基準構成要素６２Ａおよび第２の基準構成要素６３Ａに取り付けられる（図３、４、５）。バナー上のマーキング５０は、構造部材４０Ａ、窓４０Ｂ、電気要素４０Ｄ、配管要素４０Ｅ、および暖房、換気、空調要素４０Ｆなど、構成要素４０の位置を示す。
【００２８】
図３に示すように、構造部材４０Ａのマーキング５０は、複数の間柱位置６４、複数のジャック位置６６、複数のクリップル位置６８の表示を含む。マーキング５０は、暖房、換気、空調要素４０Ｆのための位置７０の表示を含む。マーキング５０は、電気要素４０Ｄのための位置７２Ａおよび位置７２Ｂの表示を含む。マーキング５０は、配管要素４０Ｅのための位置７４の表示を含む。
【００２９】
図３は、バナー４８上に印刷される窓４０Ｂのための識別部品番号７６を示す。マーキング５０は、窓４０Ｂについて位置を識別するための線７８を含む。複数のジャック８０、複数のクリップル８２、シル８４、複数のヘッダ８６、ヘッダ・シルを含む構造部材４０Ａの長さおよび数量８８が、バナー４８上に印刷される。マーキング５０は、４フィート隔てて離間された点線９０Ａおよび９０Ｂを含み、４フィート幅の壁板（図示せず）のための位置を示す。マーキング５０は、ナイフなど鋭利な物体で切断される切断線９４を含む。
【００３０】
バナー４８の切断線９４に沿って切断すると、第１の基準構成要素６２Ａが第２の基準構成要素６３Ａから分離する（図６）。したがって、バナー４８は、第１のバナー部分９６Ａと第２のバナー部分９７Ａに分離される。第１のバナー部分９６Ａは第１の基準構成要素６２Ａに取り付けられたままであり、第２のバナー部分９７Ａは第２の基準構成要素６３Ａに取り付けられたままである。第１の基準構成要素６２Ａは、構造物３２の下部板を形成する。第２の基準構成要素６３Ａは、構造物３２の上部板を形成する。
【００３１】
マーキング５０は、第１のバナー部分９６Ａ上に印刷された方向矢印９２Ａ、および第２のバナー部分９７Ａ上に印刷された方向矢印９２Ｂを含む。方向矢印９２Ａおよび９２Ｂは、第１の基準構成要素６２Ａと第２の基準構成要素６３Ａが、構造物３２の下部９８と上部１００として定位置に配置されたとき、同じ方向を指す。
【００３２】
複数の間柱１０２は、適切な、選択された長さに切断され、間柱位置６４のマーキング５０（図７）部で第１の基準構成要素６２Ａと第２の基準構成要素６３Ａに位置付けられ、かつ取り付けられる。ジャック８０、クリップル８２、シル８４、ヘッダ８６、ヘッダ・シル８７は、バナー４８上の印刷されたリスト８８（図３）上に示される長さに切断される。
【００３３】
ジャック８０は、ジャック位置６６のマーキング５０によって示されるように、第１の基準構成要素６２Ａに位置付けられ、かつ取り付けられる。クリップル８２は、クリップル位置６８のマーキング５０によって示されるように、第１の基準構成要素６２Ａに位置付けられ、かつ取り付けられる。シル８４は、クリップル８２およびジャック８０に取り付けられる。ヘッダ・シル８７は、ジャック８０に取り付けられる。ヘッダ８６は、間柱１０２と第２の基準構成要素６３Ａに取り付けられる。ジャック８０、シル８４、ヘッダ・シル８７は、窓の開口１０４を形成する。
【００３４】
図７には、マーキング５０の位置７０部分に位置決めされた暖房、換気、および空調要素４０Ｆが示されている。暖房、換気、および空調要素４０Ｆは、どんな構成要素とすることもできる（たとえば、供給ダクト、戻りダクトなど）。電気要素４０Ｄは、マーキング５０の位置７２Ａおよび７２Ｂ部分に位置決めされる。電気要素４０Ｄは、如何なる電気構成要素とすることができる（たとえば、コンセント、導線、スイッチなど）。配管要素４０Ｅは、マーキング５０の位置７４部分に位置決めされる。配管要素４０Ｅは、如何なる配管要素とすることもできる（たとえば、冷却水管、温水管、配水管など）。
【００３５】
図８は、バナー４８Ｂの他の実施形態を示す。バナー４８Ｂは、間柱位置６４と複数のジャック位置６６のためのマーキング５０を含む。マーキング５０は、ドア４０Ｃの位置を識別するための線１０６を含む。複数のジャック８０Ｂ、複数のヘッダ８６Ｂ、ヘッダ・シル８７Ｂを含む構造部材４０Ｂの長さおよび数が、バナー４８Ｂ上に印刷される１０８。バナー４８Ｂは、第１の基準構成要素６２Ｂと第２の基準構成要素６３Ｂに取り付けられる。マーキング５０は、ナイフによって切断される切断線９４Ｂを含む。
【００３６】
バナー４８と同様に、バナー４８Ｂの切断線９４Ｂに沿って切断すると、第１の基準構成要素６２Ｂが第２の基準構成要素６３Ｂから分離する。バナー４８Ｂは、第１のバナー部分９６Ｂと第２のバナー部分９７Ｂに分離される。第１のバナー部分９６Ｂは第１の基準構成要素６２Ｂに取り付けられたままであり、第２のバナー部分９７Ｂは第２の基準構成要素６３Ｂに取り付けられたままである。図９に示すように、第１の基準構成要素６２Ｂは、構造物３２Ｂの下部板であり、第２の基準構成要素６３Ｂは、構造物３２Ｂの上部板である。
【００３７】
複数の間柱１０２は、均一な、選択された長さに切断され、マーキング５０の間柱位置６４において、第１の基準構成要素６２Ｂと第２の基準構成要素６３Ｂに位置付けられ、かつ取り付けられる。ジャック８０Ｂ、ヘッダ・シル８７Ｂ、ヘッダ８６Ｂは、バナー４８Ｂ上の印刷されたリスト１０８上に示される長さに切断される（図８）。ジャック８０Ｂは、ジャック位置６６のマーキング５０によって示されるように、第１の基準構成要素６２Ｂに位置付けられ、かつ取り付けられる。ヘッダ・シル８７Ｂは、ジャック８０Ｂに取り付けられる。ヘッダ８６Ｂは、間柱１０２と第２の基準構成要素６３Ｂに取り付けられる。
【００３８】
構造物３２Ｂが起こされた後で、第１の基準構成要素６２Ｂに対する切断１１６Ａ、１１６Ｂが行なわれる。そして、第１の基準構成要素６２Ｂの一部分１１０がドアの開口１１２から除去される。
【００３９】
図１０は、屋根トラス・アセンブリ１１６の側面図を示す。屋根トラス・アセンブリは、下弦材１１８、上弦材１２０Ａ、上弦材１２０Ｂ、複数のウェブ部材１２２Ａ〜１２２Ｄを含む。図１１は、屋根トラス・アセンブリ１１６の下弦材１１８に取り付けられるバナー４８Ｃを示す。バナー４８Ｃは下弦材１１８に取り付けられ、ウェブ部材１２２Ａおよび１２２Ｂを位置１２４Ａ部に、またはウェブ部材１２２Ｃおよび１２２Ｄを位置１２４Ｂ部に位置付けるために使用する。
【００４０】
図１２に示すように、バナー４８Ｄは、位置１２６、位置１２８、位置１３０のためのマーキング５０を含む。バナー４８Ｄの第１のコピーが上弦材１２０Ａに取り付けられ、バナー４８Ｄの第２のコピーが上弦材１２０Ｂに取り付けられる。
【００４１】
上弦材１２０Ａの場合においては、位置１２６は上弦材１２０Ｂを下弦材１１８に位置決めし、位置１２８は上弦材１２０Ａをウェブ部材１２２Ｄに位置決めし、位置１３０は上弦材１２０Ａをウェブ部材１２２Ｃに位置決めする。上弦材１２０Ｂの場合においては、位置１２６は上弦材１２０Ｂを下弦材１１８に位置決めし、位置１２８は上弦材１２０Ｂをウェブ部材１２２Ａに位置決めし、位置１３０は上弦材１２０Ｂをウェブ部材１２２Ｂに位置決めする。
【００４２】
図１３は、妻１３２の側面図を示す。妻１３２は、梁１３４、垂木１３６Ａおよび垂木１３６Ｂ、複数の束１３８Ａ〜１３８Ｋを含む。バナー４８Ｅを図１４に示す。バナー４８Ｅは、束１３８Ａ〜１３８Ｋのための位置に対応する位置１４２Ａ〜１４２Ｋのマーキング５０を含む。位置１４４Ａのマーキング５０および位置１４４Ｂのマーキング５０は、垂木１３６Ａおよび垂木１３６Ｂの場所に対応する。バナー４８Ｅは、梁１３４に取り付けられる。
【００４３】
バナー４８Ｆを図１５に示す。バナー４８Ｆは、位置１４６Ａ〜１４６Ｅおよび位置１４８のマーキング５０を含む。バナー４８Ｆの第１のコピーが垂木１３６Ａに取り付けられ、バナー４８Ｆの第２のコピーが垂木１３６Ｂに取り付けられる。垂木１３６Ａ上のバナー４８Ｆ上のマーキングは、束１３８Ｇ〜１３８Ｋおよび梁１３４を位置付ける。垂木１３６Ｂ上のバナー４８Ｆ上のマーキングは、束１３８Ａ〜１３８Ｅおよび梁１３４を位置付ける。
【００４４】
図１６は、垂木部材１５０の斜視図を示す。バナー４８Ｇは垂木部材１５０に取り付けられる。バナー４８Ｇは全寸テンプレートを実現し、それにより、垂木部材１５０がバナー４８Ｇの形状と共形となるように切断されている。バナー４８Ｇは、端部切断１５２、端部切断１５４、嘴形カット部１５６のためのマーキング５０を含む。嘴形カット部１５６は、垂木部材１５０が重ね板１５８を受け入れることを可能にする。
【００４５】
図１７は、隅木部材１６０の斜視図を示す。バナー４８Ｋは隅木部材１６０に取り付けられる。バナー４８Ｋは全寸テンプレートであり、それにより、隅木部材１６０がバナー４８Ｋの形状と共形となるように切断されている。バナー４８Ｋは、端部切断部１６２のための、また複数の位置１６４Ａ〜１６４Ｅのためのマーキング５０を含む。複数の位置１６４Ａ〜１６４Ｅは、複数の隅棟垂木１６６Ａ〜１６６Ｅをそれぞれ位置決めする。
【００４６】
図１８は、谷木部材１６８の斜視図を示す。バナー４８Ｈおよびバナー４８Ｊは谷木部材１６８に取り付けられる。バナー４８Ｈおよびバナー４８Ｊは、谷木部材１６８上に全寸テンプレートを実現し、谷木部材１６８は、バナー４８Ｈおよびバナー４８Ｊの形状と共形となるように切断されている。バナー４８Ｈは、複数の位置１７０Ａ〜１７０Ｃのための、および嘴形カット部１７２のためのマーキング５０を含む。
【００４７】
複数の位置１７０Ａ〜１７０Ｃは、谷垂木１７４Ａ〜１７４Ｃを位置決めする。嘴形カット部１７２は、重ね板１７６を受け入れる。バナー４８Ｊは、複数の位置１７８Ａ〜１７８Ｃのための、および嘴形カット部１７２のためのマーキング５０を含む。複数の位置１７８Ａ〜１７８Ｃは、複数の谷垂木１８０Ａ〜１８０Ｃを位置決めする。
【００４８】
図１９は、建築物など構造物３２Ｅの概略平面図２００を示す。印刷システム１８（図２）は、概略平面図２００を印刷する。概略平面図２００は、複数のバナー位置２０２Ａ〜２０２Ｅを含む。各バナー４８Ｌ〜４８Ｐは、各バナー４８Ｌ〜４８Ｐ上、および概略平面図２００上に印刷される一義的なバナー番号を含む。たとえば、位置２０２Ａ部のバナー４８Ｌに番号「１ｆｌｏｏｒ１」を与えた場合には、バナー４８Ｌ上に、また概略平面図２００上に「１ｆｌｏｏｒ１」が印刷される。
【００４９】
施工者は、概略平面図２００を使用して、各バナー４８Ｌ〜４８Ｐについて位置を決定する。各バナー４８Ｌ〜４８Ｐ上に方向矢印９２Ａ（図３）が印刷される。さらに、各バナー位置２０２Ａ〜２０２Ｅについて、方向矢印９２Ａが概略平面図２００上に印刷される。方向矢印９２Ａは、施工者が各バナー４８Ｌ〜４８Ｐを適切な向きで位置決めすることを可能にする。さらに、窓４０Ｂおよびドア４０Ｃなど構成要素４０のための位置が概略平面図２００上に印刷される。
【００５０】
上記本発明の説明は、例示と説明のために提供したものであって、すべてを網羅するもの、または開示した正確な形態に制限するものではなく、上記の教示に照らして多数の修正および形態変形が可能である。たとえば、自動レイアウト・システム１０を使用して、任意の適切な構造物（たとえば、住宅建築物、商業建築物、倉庫、ボートなど）のためのバナー４８を作成することができる。当業者に明らかなそのような修正および形態変形は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】
自動レイアウト・システムの装置概略図である。
【図２】
自動レイアウト・システムの流れ図の略図である。
【図３】
構造物の第１の基準構成要素と第２の基準構成要素に取り付けたバナーの平面図である。
【図４】
第１の基準構成要素と第２の基準構成要素に取り付けたバナーの側面図である。
【図５】
第１の基準構成要素と第２の基準構成要素に取り付けたバナーの端面図である。
【図６】
第１のバナー部分と第２のバナー部分とに分離されたバナーの平面図である。
【図７】
電気構成要素、配管構成要素、暖房または換気または空調構成要素、および窓の開口を含む構造物の組まれた壁の側面図である。
【図８】
ドアの開口を含むバナーの他の実施形態を示す図である。
【図９】
ドアの開口を含む構造物の組まれた壁の側面図である。
【図１０】
屋根トラスの側面図である。
【図１１】
屋根トラスの下弦材用の、バナーの他の実施形態を示す図である。
【図１２】
屋根トラスの上弦材用のバナーを示す図である。
【図１３】
妻の側面図である。
【図１４】
妻の板部材用のバナーの平面図である。
【図１５】
妻垂木用のバナーの平面図である。
【図１６】
構造物の垂木部材の斜視図である。
【図１７】
構造物の隅木部材の斜視図である。
【図１８】
構造物の谷木部材の斜視図である。
【図１９】
施工者が各バナーの位置を決定するための概略平面図である。
【符号の説明】
１２ 入力システム
１４ 処理システム（構成要素位置）
１６ 出力システム
１８ 印刷システム
２０ ネットワーク
２２ 走査システム
２４ ディスプレイ・システム
２６ キーボード
２８ 遠隔コンピュータ
３０ 建築デザイン
３４ コンピュータ支援設計システム（ＣＡＤ）
３６ （デジタル図面データ・ファイル）
３６Ａ デジタル図面データ・ファイル
４０Ａ 構造部材
４０Ｇ、Ｈ 木製または金属部材
４０Ｂ 窓
４０Ｃ ドア
４０Ｄ 電気要素
４０Ｅ 配管要素
４０Ｆ 暖房、換気、および空調要素
４２ 建築図面（青写真）
４４ ＵＢＣ（Ｕｎｉｆｏｒｍ Ｂｕｉｌｄｉｎｇ Ｃｏｄｅ）
４８Ａ バナー
４８ バナー
５０ マーキング
５２ 構成要素識別番号
５４ 着色されたマーキング
５６ 寸法データ、英国式、メートル法
５８ 構成要素のリスト
６０ 構造内のバナーの概略平面図
Claims (37)
- 構造物の建築デザインを取得するための入力システムと、
前記建築デザインを前記構造物の複数の構成要素位置に変換するための処理システムと、
少なくとも１つの構成要素位置を前記処理システムから受け取るための、かつ各構成要素位置を出力するための出力システムとを具備する構造レイアウトのための装置。 - 前記処理システムがコンピュータである請求項１に記載の構造レイアウトのための装置。
- 前記コンピュータがディスプレイ・システムをさらに含む請求項２に記載の構造レイアウトのための装置。
- 前記コンピュータが、コマンドを前記処理システムに入力するためのキーボードをさらに含む請求項２に記載の構造レイアウトのための装置。
- 建築図面を受け取り、前記図面をデジタル・データに変換し、前記デジタル・データを前記処理システムに送るための走査システムをさらに含む請求項１に記載の構造レイアウトのための装置。
- 前記構成要素が前記構造物の構造部材である請求項１に記載の構造レイアウトのための装置。
- 前記構造部材が木材または金属を含む請求項６に記載の構造レイアウトのための装置。
- 前記構成要素が窓である請求項１に記載の構造レイアウトのための装置。
- 前記構成要素がドアである請求項１に記載の構造レイアウトのための装置。
- 前記構成要素が電気要素である請求項１に記載の構造レイアウトのための装置。
- 前記構成要素が配管要素である請求項１に記載の構造レイアウトのための装置。
- 前記構成要素が、暖房、換気、または空調要素である請求項１に記載の構造レイアウトのための装置。
- 前記出力システムが、少なくとも１つの構成要素位置をバナー上に印刷するための印刷システムをさらに含む請求項１に記載の構造レイアウトのための装置。
- 前記バナーがスパンボンデッド・オレフィンである請求項１３に記載の構造レイアウトのための装置。
- 前記印刷システムが、寸法情報を前記バナー上に印刷する請求項１３に記載の構造レイアウトのための装置。
- 前記寸法情報が、英国式またはメートル法である請求項１５に記載の構造レイアウトのための装置。
- 前記印刷システムが、前記構成要素のための識別部品番号を印刷する請求項１３に記載の構造レイアウトのための装置。
- 前記印刷システムが、前記構成要素のための識別用の色を印刷する請求項１３に記載の構造レイアウトのための装置。
- 前記印刷システムが、前記構造物の各構成要素のリストを印刷する請求項１３に記載の構造レイアウトのための装置。
- 前記印刷システムが、前記構造物の前記バナー位置の概略図を印刷する請求項１３に記載の構造レイアウトのための装置。
- 前記バナーを前記構造物の基準構成要素上に取り付けるための固定手段をさらに含む請求項１３に記載の構造レイアウトのための装置。
- 構成要素位置データを遠隔コンピュータに転送するためのネットワーク接続をさらに含む請求項１に記載の構造レイアウトのための装置。
- 静的構造物の建築デザインを提供するステップと、
前記建築デザインからデジタル化されたデータ・ファイルを生成するためのコンピュータ支援設計システムを提供するステップと、
前記デジタル化されたデータ・ファイルを前記構造物の複数の構成要素位置に変換するための処理システムを提供するステップと、
少なくとも１つの構成要素について少なくとも１つのバナー上に前記位置をマーキングするステップとを含む構造レイアウトのための方法。 - 前記少なくとも１つのバナーを前記構造物の少なくとも１つの基準構成要素上に取り付けるステップをさらに含む請求項２３に記載の構造レイアウトのための方法。
- 前記少なくとも１つの構成要素を、前記少なくとも１つのバナー上のマークされた位置上に位置決めし、前記少なくとも１つの構成要素を、前記構造物の前記少なくとも１つの基準構成要素に取り付けるステップをさらに含む請求項２４に記載の構造レイアウトのための方法。
- ＵＢＣ（Ｕｎｉｆｏｒｍ Ｂｕｉｌｄｉｎｇ Ｃｏｄｅ）を満たす複数の構成要素位置に前記デジタル化されたデータ・ファイルを変換するために、前記ＵＢＣを前記処理システムに入力するステップをさらに含む請求項２３に記載の構造レイアウトのための方法。
- 少なくとも１つの暖房、換気、または空調構成要素位置を前記処理システムに入力するステップをさらに含む請求項２３に記載の構造レイアウトのための方法。
- 少なくとも１つの配管構成要素位置を前記処理システムに入力するステップをさらに含む請求項２３に記載の構造レイアウトのための方法。
- 少なくとも１つの電気構成要素位置を前記処理システムに入力するステップをさらに含む請求項２３に記載の構造レイアウトのための方法。
- 建築図面を受け取り、前記図面をデジタル・データに変換し、前記デジタル・データを前記処理システムに転送するための走査システムを提供するステップをさらに含む請求項２３に記載の構造レイアウトのための方法。
- 前記構造物の各構成要素のリストを提供するステップをさらに含む請求項２３に記載の構造レイアウトのための方法。
- 前記構造物の前記バナー位置の概略図を提供するステップをさらに含む請求項２３に記載の構造レイアウトのための方法。
- 構成要素位置情報をネットワークに転送するステップをさらに含む請求項２３に記載の構造レイアウトのための方法。
- 構成要素位置情報を前記ネットワークから遠隔コンピュータに転送するステップをさらに含む請求項３３に記載の構造レイアウトのための方法。
- １枚の材料と、
着色され、少なくとも１つの構成要素について位置を示すための前記１枚の材料上の複数のマークと、
前記１枚の材料上に印刷された構成要素識別番号と、
前記１枚の材料上に印刷された寸法情報のリストとを具備するバナー。 - 前記マークが前記バナーに沿って均一に離間されている請求項３５に記載のバナー。
- 前記１枚の材料がスパンボンデッド・オレフィンである請求項３５に記載のバナー。
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