JP2004514453A - フレーバー強化チョコレートクラム - Google Patents
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Abstract
チョコレートクラムの調製法であって、15−70重量%の固形乳を、10−75重量%の糖および0.1−10重量%の乳または植物性蛋白加水分解物と混合、加熱することから成り、そのパーセンテージが混合物の重量換算である上記調製法。
Description
【0001】
本発明は、チョコレートクラムの調製法に関する。
【0002】
チョコレートクラムの製造には、安定したクラムパウダーを得るために、固形乳、糖、ココアリカーの蒸発、加熱、真空乾燥という数段階がある。得られるチョコレートクラムは、チョコレートの製造における中間製品として使用される。チョコレートクラムを使用したチョコレートの生産は、ココアバターとのクラムの混合と、それに次ぐ精製、コンチングおよび調温が関与する。チョコレートクラムは、一般に、完成ミルクチョコレート中の成分の大半(約70%)を占める。
【0003】
チョコレートクラムのフレーバーは、クラムパウダー調製中のメイラード反応中のフレーバー前駆体から発する。この反応は、菓子製品に望まれる味と色をチョコレートクラムに付与する。メイラード反応でラクトースが遊離アミノ酸/ペプチドと、また、乳蛋白結合リジン残基と反応する。ラクトースはミルクに由来するが、アミノ酸とペプチドはココアリカーとミルクに由来することが知られている。標準的クラム成分には、低レベルの遊離アミノ酸が存在する。反応混合物中のこの低量の遊離アミノ酸とクラム加工中のこれらの遊離アミノ酸の消費は、フレーバー強度の高いクラムパウダー生成中の制限因子となる。
【0004】
従って、チョコレート製造におけるフレーバー前駆体レベルを増加させる試みがなされている。しかし、これらの研究は、人工フレーバーをチョコレートに直接混入して行われている。例えば、米国特許2,887,388と米国特許2,835,592では、カゼイン、ラクトアルブミン、卵アルブミン、血清アルブミン、魚アルブミン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲンおよびケラチンなど、還元糖とコーン、小麦、麻、大豆、ライムギ、オートムギ、ピーナッツ、大麦、動物および魚の各蛋白の蛋白加水分解物を反応させることによって人工チョコレートフレーバーを生成する方法が開示されている。同様に、DDR205 815およびDD239 942は、還元糖とゼラチンや小麦グルテンなどの蛋白加水分解物を1−30%水分の存在下、115−160℃で反応させることによる人工チョコレートフレーバーの生成を記述している。米国特許2,835,590も、広範囲な加水分解ペプチドを使った人工チョコレートフレーバーの生成法に向けられている。
【0005】
ココアフレーバーを増強させる別の方法は、遊離アミノ酸プールを増加させることであった。米国特許5,676,993は、アミノ酸と還元糖の混合物をローストし、ココアニブ(粉砕したココアの実)(浸漬)とローストしないリカーをアミノ酸/糖混合物で処理することによってココアフレーバーを生じる方法を開示している。
【0006】
米国特許3,900,578と米国特許4,346,121は、液体乳を含有する第1原料フローと、糖原料、乾燥蛋白原料、アミノ酸、脂肪または乳化剤を含有する1種類以上のフローとを調製することによるクラム製品の製造法を開示している。この書類は、グルコースおよびガラクトースの存在が望みのメイラード反応に有利であることから、ラクトースが対応量のグルコースおよびガラクトースに移行するように、乳製品中に存在するラクトースを部分的または完全に加水分解できる、と開示している。この説明は、加水分解ラクトースの使用に限定されている。
【0007】
従って、本発明の目的は、クラム加工で使用する原料を操作すること、あるいは、チョコレートクラム加工中のアミノフレーバー前駆体の消費を高め、生じるクラムのフレーバー強度とプロファイルを変化させるために他の原料を使用することである。
【0008】
本発明のある態様に従って、約15−約70重量%の固形乳を約10−約75重量%の糖および約0.1−約10重量%の乳または植物蛋白加水分解物と混合、加熱することから成り、そのパーセンテージが混合物の重量換算であるチョコレートクラムの生産法を提示する。
【0009】
この方法は、チョコレートフレーバー反応中にメイラード反応に供する一群の遊離アミノ酸およびペプチドを生成するための乳または植物蛋白加水分解物の使用に関する。普通、クラム加工中には、大幅には減少されない大過剰のラクトースが存在するが、高加水分解度(DH)の乳または植物蛋白の添加によって、遊離アミノ酸/ペプチドの消費を高める場合、ラクトースの大幅な消費も認められる。遊離アミノ酸およびペプチドの消費増加が、生じるチョコレートクラム中のフレーバープロファイルを変化させる。
【0010】
本法は、さらに、固形ココアの添加から成ることができる。蛋白加水分解物対固形ココア対糖対固形乳比は、1:2:3:9であるのが好ましい。乳または植物蛋白加水分解物は、粉乳、カゼイン、ホエー、大豆、小麦、綿、ピーナッツ、米またはエンドウ蛋白から調製することができる。約2−約7重量%の乳または植物蛋白加水分解物を使用するのが好ましい。粉乳は、脱脂粉乳またはキャラメル化粉乳である。
【0011】
チーズ、ビターまたはスパイシーなどのあるオフフレーバー(不快臭)は、蛋白の加水分解で生成できる。しかし、オフフレーバーの大半は、蛋白混合物を精製しなかった場合、蛋白混合物それ自体から発生する。従って、香りの強くない出発材料で始めるか、使用前に蛋白を精製することが重要である。そのような香りの強くない出発材料には、大豆単離物質やカゼインがある。特に、カゼインと大豆加水分解物を様々な加水分解度(DH)で使用する場合、遊離アミノ酸消費量の50倍までの増加を達成できる。しかし、粉乳、ホエー、小麦、綿、ピーナッツ、米またはエンドウ蛋白加水分解物など、他の蛋白加水分解物も使用できる。キャラメル化の色調と強いフレーバーの強化を導入するには、蛋白加水分解物をキャラメル化粉乳と併用することができる。
【0012】
本発明の更なる態様によれば、本発明に従った方法によって得られ得るフレーバー特性が強化されたチョコレートクラムが提供される。チョコレートクラムは、1:1.5−1:3の固形乳対糖比、0−約25重量%、好ましくは約10−約15重量%の固形ココア混合物を含むのが好ましい。
【0013】
本発明の別の態様によれば、他のチョコレート成分と合わせてチョコレートクラムを加工してチョコレートを形成することから成り、チョコレートクラムを本発明による方法によって調製する、チョコレートの調製法が提供される。
【0014】
本発明の更に別の態様によれば、本発明による方法によって得られ得る、フレーバー特性が改良されたチョコレート製品が提供される。
【0015】
固形乳は、例えば、全粉乳、ホエー蛋白または低脂肪固形乳から成ることができる。低脂肪固形乳は、好ましくは5重量%未満の脂肪、さらに好ましくは2重量%未満の脂肪を含有し、最も好ましくは脱脂粉乳またはその成分または再配合固形物である。ミルク量は、混合物の総重量換算で約20−約70%、好ましくは約30−約65%である。
【0016】
使用する糖は、結晶性であることもできる乾燥粉末の形態、またはスラリーの形態である。使用する糖は、例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、ラクトース、マルトース、マルトースシロップ、モルトエキス、フルクトース、転化糖、固形コーンシロップ、ラムノース、フコース、または、ポリオール、例えばソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、ポリデキストロースなどの糖代替物若しくはそれらの混合物であることができる。使用する糖は、スクロース単独であるのが好ましいが、必要に応じて、1種類以上の他の糖を、糖の総重量換算で25重量%以下の量で、スクロースと合わせて使用できる。必要に応じて、糖の一部に、低カロリー甘味剤を使用できる。糖の量は、混合物の総重量換算で、約10−約75重量%、好ましくは約20−約60重量%であることができる。
【0017】
固形ココアの非存在下で本法を実施する場合、ホワイトクラムが得られる。固形ココアの存在下で本法を実施する場合、固形ココアは、ココアリカー、ココアパウダー、ココアバター、ココアバター同等品または代用品などの植物脂肪であるココアバター代替物の形態であることができる。本発明の方法で使用する固形ココアの量は、混合物の総重量換算で約3−約20重量%、好ましくは混合物の総重量換算で約5−約15重量%である。本発明の方法で使用する水の量は、混合物の総重量換算で1.5−8重量%であるのが好ましい。
【0018】
高加水分解度水解物を使用し、及び/又は反応時間を延長することによって、フレーバー前駆体の消費とその後のフレーバーの変化を増加させることができる。本発明は、上記のレシピおよびプロセスに限るものではないが、各種温度、各種水分量、各種脂肪量、各種pHおよび各種加工装置(例、剪断力、押出)などの他の条件下でのクラム加工における蛋白加水分解物の使用も含む。
【0019】
ここで、本発明を、下記の非限定的な例を参考にして、さらに詳細に説明する:
【0020】
調製例1:
蛋白加水分解物の調製:
【0021】
粉乳、カゼイン、ホエー、大豆、小麦、綿、ピーナッツ、米およびエンドウ蛋白からの蛋白加水分解物を、フレーバーザイム1000 L(Novo Nordisk(デンマーク)の真菌プロテアーゼ/ペプチダーゼ混合物。蛋白含量の重量換算で1%酵素を使って、50℃で加水分解を実施した)を用いる標準技術により調製した。
【0022】
第1群加水分解物を3、6、24時間の保温によって生成した結果、約24−56%の範囲で加水分解度(DH)の異なる加水分解物が得られた。一級アミノ基は、標準フルオレサミン誘導法を使って蛍光で定量した。加水分解度は、6N HCl加水分解後のサンプルの一級アミノ基と総アミノ基の比として定義した。遊離アミノ基は、PITC誘導法を使った標準HPLCで定量した。表1は、様々な異なる蛋白加水分解物について得られた結果を示す。
【0023】
次に、カゼインおよび大豆蛋白からの加水分解物を、30分、1時間、2時間の短時間加水分解を使って調製し、中等度(20−30%)の加水分解のサンプル群を生成した。表2は、大豆およびカゼイン蛋白加水分解物を使って得られた結果を示す。
【0024】
【0025】
【0026】
表1の強加水分解蛋白サンプル(24時間)は、総遊離アミノ基に比較して50%以下の遊離アミノ酸を含有した。かなりの量の遊離疎水性アミノ酸が遊離され、豊富なチョコレートアミノフレーバー前駆体源としてこれらの加水分解物を使用でき、例えば、24時間カゼイン加水分解物は、18%ロイシン(Leu)、6%イソロイシン(Ile)、8%フェニルアラニン(Phe)、8%バリン(Val)を含有する。
【0027】
参照ココア反応フレーバー(E2)は、0.8%ロイシン、1.45%フェニルアラニン、0.8%バリン、1.5%フルクトース、1.5%水(水20ml中NaOHの4滴)および90%プロピレングリコールを、還流下、125℃で60分間反応させて調製した。アミノ酸を1%凍結乾燥加水分解物で置換して蛋白加水分解物で調製した。1%スクロース中0.1%溶液についてテイスティングを実施した。蛋白加水分解物で生成した反応フレーバーをテイスティングし、参照E2と比較した。
【0028】
蛋白加水分解物は、ココアおよびチョコレートなどの主要な特性、並びに、表3のE2参照品の他の優れた特性に関して、疎水性アミノ酸(表3の参照品E2)と比較して同様の官能点数を示した。蛋白加水分解物は、疎水性アミノ酸単独よりも豊かで、複雑なフレーバープロファイルを生じた。他の特性は、綿、ピーナッツ、小麦、米加水分解物などの蛋白加水分解物を使って認めることができるだろう。最低レベルの他の特性は、カゼイン、ホエー、脱脂粉乳蛋白、大豆、およびエンドウ蛋白の各加水分解物に認められた。従って、フレーバー中性蛋白基質または精製蛋白材料を使用するのが好ましい。官能評価は、6名のパネルが実施し、ココア、ミルク、モルト、ビスケット、キャラメル、スイート、及びビターなどの特性について、1(低い)から10(高い)までの尺度を規定した。
【0029】
【0030】
調製例2:
チョコレートクラムの調製
【0031】
チョコレートクラムは、次の成分を使って調製した;脱脂粉乳130.8g、スクロース43.6g、ココアリカー25.5g。ココアリカーを50℃で融解した。糖と脱脂粉乳を添加し、保温混合物をウィンノース Z−ブレードミキサー中、100rpm、90℃で混合した。水(5%)を2分間滴下し、典型的なクラムフレーバーを形成するための成分の反応を90℃で15分間実施した。反応後、クラムパウダーを混合物から除去し、室温まで冷却した。熱重量原理で働くハロゲン水分分析機で水分を分析した。
【0032】
クラムパウダーの官能評価は、65℃まで加熱した水を添加し、30gのクラムパウダーと混合して実施した。ビーカー中のペースト混合物を覆って、環境温度で30分後、ペーストの味見を行った。同じ6名のパネルが、全サンプルを味見し、結果を表4に示す(参照クラム)。
【0033】
調製例3:
ホワイトチョコレートの調製
【0034】
ホワイトモデルチョコレートを調製し、クラムパウダーによって導入されたフレーバーの変化を評価した。ホワイトチョコレートは、以下の一般的処方および手順に従った標準チョコレート加工法によって調製した。得られたチョコレートのフレーバー最小値を得るために、脱臭ココアバターを使用した。レシピの一般的処方は、氷砂糖(46.4%)、ココアバター(34.6%)、脱脂粉乳(18.9%)および大豆レシチン(0.2%)から成った。
【0035】
チョコレート中に導入した時のクラムパウダーにより生じるフレーバーを評価するため、クラムパウダーを10%レベルで、90%のホワイトチョコレートベースに混入した。混合物を3ロール精製機で精製した(ロール温度25℃)。塊をエレクトロラックスミキサー中、50℃で1時間処理した。その塊を大理石の机の上で調温し、成形した。
【0036】
6名のパネルが、特性ココア、ミルク、モルト、ビスケット、キャラメル、スイートおよびビターについて、1(低い)から10(高い)までの尺度を使ってホワイトチョコレートサンプルを味見した。クラムを添加しないホワイトモデルチョコレートに、次の点数を付けた(カッコ内):ココア(0)、ミルク(5)、モルト(0)、ビスケット/ベークド(0)、キャラメル(0)、バーント(burnt)(0)、スイート(5)、ビター(0)、カートン(0)およびバター(3)。調製例2に従って調製したクラムの混入は、キャラメルおよびココアのノートが若干増加した(表5)。
【0037】
実施例1:カゼイン加水分解物を使ったチョコレートクラムの調製:
【0038】
調製例2の10%の脱脂粉乳の代わりに、28%−56.9%の様々な加水分解度のカゼイン加水分解物を使ってチョコレートクラムを調製した。表4参照。次に、得られたクラムの官能評価を実施した。
【0039】
【0040】
カゼイン加水分解物は、クラム中のモルトフレーバー特性を増加させた。この増加は、最高DH(56%)の加水分解物で最も顕著で、アロマ強度は、参照クラムの3.0から2つの繰返しクラムサンプルの5.8まで増加した。得られたカゼイン加水分解物の加水分解時間が短いほど、モルトフレーバー特性の増強が少なかった。従って、遊離アミノ酸プールの大幅な増加のみが、強いモルトフレーバー増強を生じる。モルトフレーバーの増加は、非加水分解カゼインで調製した対照サンプルでは得られなかった。
【0041】
いくつかのクラムサンプルでココアおよびキャラメルノートが増強され、カゼイン加水分解物で生成されたサンプルのいくつかでは苦み(ビター)およびチーズノートの増加が検出された。
【0042】
実施例2:
大豆加水分解物を使ったチョコレートクラムの調製
【0043】
調製例2で使用した約10%の脱脂粉乳の代わりに大豆加水分解物を使って、チョコレートクラムを調製した。大豆加水分解物(30分、1時間及び2時間)は、フレーバープロファイルの軽微な変化のみを生じたが、24時間加水分解物から調製したクラムは、モルトフレーバーだけでなく、酸味、スパイシー、悪臭、チーズ臭等、他のフレーバーの増加を示した。
【0044】
次に、実施例1−2に従った乳または植物蛋白加水分解物を使って生成したチョコレートクラムの揮発物の分析を実施した。脱脂乳蛋白(SMP)のミルクまたは蛋白加水分解物による10%置換によって調製したクラムを、固相マイクロ抽出(SPME)揮発性物質分析に供した。ストレッカーアルデヒドの有意な増加が起こることが判明した。例えば、バリン、イソロイシン、ロイシンからのそれぞれ2−メチルプロパナール、2−メチルブタナール、3−メチルブタナールのレベルに10倍までの増加が認められた。
【0045】
大豆およびカゼイン/SMP加水分解物で調製したクラムについても、揮発性物質分析を実施した。特に、SMP加水分解物で調製したサンプルは、高レベルのイソバレリン酸を含有した。これが、このサンプルに認められた強い「汗臭い」フレーバーを説明できる。しかし、カゼイン加水分解物で調製したサンプルは、低レベルのイソ酪酸並びにイソバレリン酸を含有した。そのため、これらのクラムサンプル中の低レベルのこのようなフレーバーは、比較的低レベルのこれら化合物に関連すると考えられる。
【0046】
従って、カゼインおよび大豆加水分解物は、最低不快臭強度およびモルトフレーバーの最強増強を示した。クラム反応での蛋白加水分解物の使用は、アミンフレーバー前駆体の消費を強く増加させる。様々な加水分解度(DH)のカゼインおよび大豆加水分解物を使用し、クラム反応時間を増加させることによって(図1)、遊離アミノ酸消費量の50倍までの増加を達成できる。従って、反応時間の増加も、生じるクラムのフレーバープロファイルを変化させることができる。
【0047】
実施例3:
キャラメル化粉乳およびカゼイン加水分解物を使用したクラムの調製:
【0048】
キャラメル化粉乳(ミルヒカラメルプルバー FK30、Felix Koch Offenbach、ドイツ)を使って、調製例2に従ってクラムサンプルを調製したが、これは、キャラメルフレーバーを2から7に顕著に増加させた。カゼイン加水分解物およびキャラメル化粉乳を使って調製したクラムは、生じたクラムのモルトフレーバーの一層の増強をきたした。
【0049】
実施例4:
ホワイトチョコレートの調製
【0050】
調製例2および実施例1−3に従って調製したクラムサンプルを、官能評価のために10%レベルでホワイトモデルチョコレートに混入した。
【0051】
クラムを混入しないホワイトチョコレートを検査し、次の参照特性点数を付けた:スイート5、ミルク5、バター5、他の特性0。調製例2に従って調製した参照クラムを混入した結果、キャラメルとココアノートの若干の増加をきたした。カゼイン加水分解物で調製したクラムを用いたホワイトチョコレートは、モルトおよびキャラメル特性の顕著な増加を示した。キャラメル化粉乳で調製したクラムを用いたホワイトチョコレートは、キャラメルノートを2から7へ大幅に増加させた。カゼイン加水分解物とキャラメル化粉乳の両方で調製したクラムを用いたホワイトチョコレートは、モルトノートがさらに増加した。従って、蛋白加水分解物は、チョコレート製造に使用する場合、クラムパウダーを生産するために様々な原料と併用して使用でき、その結果広範囲の異なる特性を生じる。
【0052】
【0053】
分析および官能データは、合わせて、高DHの蛋白加水分解物を使用して、遊離アミノ酸およびペプチドのプールを顕著に増加させることができることを立証している。これは、メイラード反応による遊離アミノ酸とペプチド消費量の顕著な増加を生じ、その後、数種の揮発性化合物を増加させ、クラムパウダー中並びに最終チョコレート中のフレーバー特性を増強または改良する。
本発明は、チョコレートクラムの調製法に関する。
【0002】
チョコレートクラムの製造には、安定したクラムパウダーを得るために、固形乳、糖、ココアリカーの蒸発、加熱、真空乾燥という数段階がある。得られるチョコレートクラムは、チョコレートの製造における中間製品として使用される。チョコレートクラムを使用したチョコレートの生産は、ココアバターとのクラムの混合と、それに次ぐ精製、コンチングおよび調温が関与する。チョコレートクラムは、一般に、完成ミルクチョコレート中の成分の大半(約70%)を占める。
【0003】
チョコレートクラムのフレーバーは、クラムパウダー調製中のメイラード反応中のフレーバー前駆体から発する。この反応は、菓子製品に望まれる味と色をチョコレートクラムに付与する。メイラード反応でラクトースが遊離アミノ酸/ペプチドと、また、乳蛋白結合リジン残基と反応する。ラクトースはミルクに由来するが、アミノ酸とペプチドはココアリカーとミルクに由来することが知られている。標準的クラム成分には、低レベルの遊離アミノ酸が存在する。反応混合物中のこの低量の遊離アミノ酸とクラム加工中のこれらの遊離アミノ酸の消費は、フレーバー強度の高いクラムパウダー生成中の制限因子となる。
【0004】
従って、チョコレート製造におけるフレーバー前駆体レベルを増加させる試みがなされている。しかし、これらの研究は、人工フレーバーをチョコレートに直接混入して行われている。例えば、米国特許2,887,388と米国特許2,835,592では、カゼイン、ラクトアルブミン、卵アルブミン、血清アルブミン、魚アルブミン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲンおよびケラチンなど、還元糖とコーン、小麦、麻、大豆、ライムギ、オートムギ、ピーナッツ、大麦、動物および魚の各蛋白の蛋白加水分解物を反応させることによって人工チョコレートフレーバーを生成する方法が開示されている。同様に、DDR205 815およびDD239 942は、還元糖とゼラチンや小麦グルテンなどの蛋白加水分解物を1−30%水分の存在下、115−160℃で反応させることによる人工チョコレートフレーバーの生成を記述している。米国特許2,835,590も、広範囲な加水分解ペプチドを使った人工チョコレートフレーバーの生成法に向けられている。
【0005】
ココアフレーバーを増強させる別の方法は、遊離アミノ酸プールを増加させることであった。米国特許5,676,993は、アミノ酸と還元糖の混合物をローストし、ココアニブ(粉砕したココアの実)(浸漬)とローストしないリカーをアミノ酸/糖混合物で処理することによってココアフレーバーを生じる方法を開示している。
【0006】
米国特許3,900,578と米国特許4,346,121は、液体乳を含有する第1原料フローと、糖原料、乾燥蛋白原料、アミノ酸、脂肪または乳化剤を含有する1種類以上のフローとを調製することによるクラム製品の製造法を開示している。この書類は、グルコースおよびガラクトースの存在が望みのメイラード反応に有利であることから、ラクトースが対応量のグルコースおよびガラクトースに移行するように、乳製品中に存在するラクトースを部分的または完全に加水分解できる、と開示している。この説明は、加水分解ラクトースの使用に限定されている。
【0007】
従って、本発明の目的は、クラム加工で使用する原料を操作すること、あるいは、チョコレートクラム加工中のアミノフレーバー前駆体の消費を高め、生じるクラムのフレーバー強度とプロファイルを変化させるために他の原料を使用することである。
【0008】
本発明のある態様に従って、約15−約70重量%の固形乳を約10−約75重量%の糖および約0.1−約10重量%の乳または植物蛋白加水分解物と混合、加熱することから成り、そのパーセンテージが混合物の重量換算であるチョコレートクラムの生産法を提示する。
【0009】
この方法は、チョコレートフレーバー反応中にメイラード反応に供する一群の遊離アミノ酸およびペプチドを生成するための乳または植物蛋白加水分解物の使用に関する。普通、クラム加工中には、大幅には減少されない大過剰のラクトースが存在するが、高加水分解度(DH)の乳または植物蛋白の添加によって、遊離アミノ酸/ペプチドの消費を高める場合、ラクトースの大幅な消費も認められる。遊離アミノ酸およびペプチドの消費増加が、生じるチョコレートクラム中のフレーバープロファイルを変化させる。
【0010】
本法は、さらに、固形ココアの添加から成ることができる。蛋白加水分解物対固形ココア対糖対固形乳比は、1:2:3:9であるのが好ましい。乳または植物蛋白加水分解物は、粉乳、カゼイン、ホエー、大豆、小麦、綿、ピーナッツ、米またはエンドウ蛋白から調製することができる。約2−約7重量%の乳または植物蛋白加水分解物を使用するのが好ましい。粉乳は、脱脂粉乳またはキャラメル化粉乳である。
【0011】
チーズ、ビターまたはスパイシーなどのあるオフフレーバー(不快臭)は、蛋白の加水分解で生成できる。しかし、オフフレーバーの大半は、蛋白混合物を精製しなかった場合、蛋白混合物それ自体から発生する。従って、香りの強くない出発材料で始めるか、使用前に蛋白を精製することが重要である。そのような香りの強くない出発材料には、大豆単離物質やカゼインがある。特に、カゼインと大豆加水分解物を様々な加水分解度(DH)で使用する場合、遊離アミノ酸消費量の50倍までの増加を達成できる。しかし、粉乳、ホエー、小麦、綿、ピーナッツ、米またはエンドウ蛋白加水分解物など、他の蛋白加水分解物も使用できる。キャラメル化の色調と強いフレーバーの強化を導入するには、蛋白加水分解物をキャラメル化粉乳と併用することができる。
【0012】
本発明の更なる態様によれば、本発明に従った方法によって得られ得るフレーバー特性が強化されたチョコレートクラムが提供される。チョコレートクラムは、1:1.5−1:3の固形乳対糖比、0−約25重量%、好ましくは約10−約15重量%の固形ココア混合物を含むのが好ましい。
【0013】
本発明の別の態様によれば、他のチョコレート成分と合わせてチョコレートクラムを加工してチョコレートを形成することから成り、チョコレートクラムを本発明による方法によって調製する、チョコレートの調製法が提供される。
【0014】
本発明の更に別の態様によれば、本発明による方法によって得られ得る、フレーバー特性が改良されたチョコレート製品が提供される。
【0015】
固形乳は、例えば、全粉乳、ホエー蛋白または低脂肪固形乳から成ることができる。低脂肪固形乳は、好ましくは5重量%未満の脂肪、さらに好ましくは2重量%未満の脂肪を含有し、最も好ましくは脱脂粉乳またはその成分または再配合固形物である。ミルク量は、混合物の総重量換算で約20−約70%、好ましくは約30−約65%である。
【0016】
使用する糖は、結晶性であることもできる乾燥粉末の形態、またはスラリーの形態である。使用する糖は、例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、ラクトース、マルトース、マルトースシロップ、モルトエキス、フルクトース、転化糖、固形コーンシロップ、ラムノース、フコース、または、ポリオール、例えばソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、ポリデキストロースなどの糖代替物若しくはそれらの混合物であることができる。使用する糖は、スクロース単独であるのが好ましいが、必要に応じて、1種類以上の他の糖を、糖の総重量換算で25重量%以下の量で、スクロースと合わせて使用できる。必要に応じて、糖の一部に、低カロリー甘味剤を使用できる。糖の量は、混合物の総重量換算で、約10−約75重量%、好ましくは約20−約60重量%であることができる。
【0017】
固形ココアの非存在下で本法を実施する場合、ホワイトクラムが得られる。固形ココアの存在下で本法を実施する場合、固形ココアは、ココアリカー、ココアパウダー、ココアバター、ココアバター同等品または代用品などの植物脂肪であるココアバター代替物の形態であることができる。本発明の方法で使用する固形ココアの量は、混合物の総重量換算で約3−約20重量%、好ましくは混合物の総重量換算で約5−約15重量%である。本発明の方法で使用する水の量は、混合物の総重量換算で1.5−8重量%であるのが好ましい。
【0018】
高加水分解度水解物を使用し、及び/又は反応時間を延長することによって、フレーバー前駆体の消費とその後のフレーバーの変化を増加させることができる。本発明は、上記のレシピおよびプロセスに限るものではないが、各種温度、各種水分量、各種脂肪量、各種pHおよび各種加工装置(例、剪断力、押出)などの他の条件下でのクラム加工における蛋白加水分解物の使用も含む。
【0019】
ここで、本発明を、下記の非限定的な例を参考にして、さらに詳細に説明する:
【0020】
調製例1:
蛋白加水分解物の調製:
【0021】
粉乳、カゼイン、ホエー、大豆、小麦、綿、ピーナッツ、米およびエンドウ蛋白からの蛋白加水分解物を、フレーバーザイム1000 L(Novo Nordisk(デンマーク)の真菌プロテアーゼ/ペプチダーゼ混合物。蛋白含量の重量換算で1%酵素を使って、50℃で加水分解を実施した)を用いる標準技術により調製した。
【0022】
第1群加水分解物を3、6、24時間の保温によって生成した結果、約24−56%の範囲で加水分解度(DH)の異なる加水分解物が得られた。一級アミノ基は、標準フルオレサミン誘導法を使って蛍光で定量した。加水分解度は、6N HCl加水分解後のサンプルの一級アミノ基と総アミノ基の比として定義した。遊離アミノ基は、PITC誘導法を使った標準HPLCで定量した。表1は、様々な異なる蛋白加水分解物について得られた結果を示す。
【0023】
次に、カゼインおよび大豆蛋白からの加水分解物を、30分、1時間、2時間の短時間加水分解を使って調製し、中等度(20−30%)の加水分解のサンプル群を生成した。表2は、大豆およびカゼイン蛋白加水分解物を使って得られた結果を示す。
【0024】
【0025】
【0026】
表1の強加水分解蛋白サンプル(24時間)は、総遊離アミノ基に比較して50%以下の遊離アミノ酸を含有した。かなりの量の遊離疎水性アミノ酸が遊離され、豊富なチョコレートアミノフレーバー前駆体源としてこれらの加水分解物を使用でき、例えば、24時間カゼイン加水分解物は、18%ロイシン(Leu)、6%イソロイシン(Ile)、8%フェニルアラニン(Phe)、8%バリン(Val)を含有する。
【0027】
参照ココア反応フレーバー(E2)は、0.8%ロイシン、1.45%フェニルアラニン、0.8%バリン、1.5%フルクトース、1.5%水(水20ml中NaOHの4滴)および90%プロピレングリコールを、還流下、125℃で60分間反応させて調製した。アミノ酸を1%凍結乾燥加水分解物で置換して蛋白加水分解物で調製した。1%スクロース中0.1%溶液についてテイスティングを実施した。蛋白加水分解物で生成した反応フレーバーをテイスティングし、参照E2と比較した。
【0028】
蛋白加水分解物は、ココアおよびチョコレートなどの主要な特性、並びに、表3のE2参照品の他の優れた特性に関して、疎水性アミノ酸(表3の参照品E2)と比較して同様の官能点数を示した。蛋白加水分解物は、疎水性アミノ酸単独よりも豊かで、複雑なフレーバープロファイルを生じた。他の特性は、綿、ピーナッツ、小麦、米加水分解物などの蛋白加水分解物を使って認めることができるだろう。最低レベルの他の特性は、カゼイン、ホエー、脱脂粉乳蛋白、大豆、およびエンドウ蛋白の各加水分解物に認められた。従って、フレーバー中性蛋白基質または精製蛋白材料を使用するのが好ましい。官能評価は、6名のパネルが実施し、ココア、ミルク、モルト、ビスケット、キャラメル、スイート、及びビターなどの特性について、1(低い)から10(高い)までの尺度を規定した。
【0029】
【0030】
調製例2:
チョコレートクラムの調製
【0031】
チョコレートクラムは、次の成分を使って調製した;脱脂粉乳130.8g、スクロース43.6g、ココアリカー25.5g。ココアリカーを50℃で融解した。糖と脱脂粉乳を添加し、保温混合物をウィンノース Z−ブレードミキサー中、100rpm、90℃で混合した。水(5%)を2分間滴下し、典型的なクラムフレーバーを形成するための成分の反応を90℃で15分間実施した。反応後、クラムパウダーを混合物から除去し、室温まで冷却した。熱重量原理で働くハロゲン水分分析機で水分を分析した。
【0032】
クラムパウダーの官能評価は、65℃まで加熱した水を添加し、30gのクラムパウダーと混合して実施した。ビーカー中のペースト混合物を覆って、環境温度で30分後、ペーストの味見を行った。同じ6名のパネルが、全サンプルを味見し、結果を表4に示す(参照クラム)。
【0033】
調製例3:
ホワイトチョコレートの調製
【0034】
ホワイトモデルチョコレートを調製し、クラムパウダーによって導入されたフレーバーの変化を評価した。ホワイトチョコレートは、以下の一般的処方および手順に従った標準チョコレート加工法によって調製した。得られたチョコレートのフレーバー最小値を得るために、脱臭ココアバターを使用した。レシピの一般的処方は、氷砂糖(46.4%)、ココアバター(34.6%)、脱脂粉乳(18.9%)および大豆レシチン(0.2%)から成った。
【0035】
チョコレート中に導入した時のクラムパウダーにより生じるフレーバーを評価するため、クラムパウダーを10%レベルで、90%のホワイトチョコレートベースに混入した。混合物を3ロール精製機で精製した(ロール温度25℃)。塊をエレクトロラックスミキサー中、50℃で1時間処理した。その塊を大理石の机の上で調温し、成形した。
【0036】
6名のパネルが、特性ココア、ミルク、モルト、ビスケット、キャラメル、スイートおよびビターについて、1(低い)から10(高い)までの尺度を使ってホワイトチョコレートサンプルを味見した。クラムを添加しないホワイトモデルチョコレートに、次の点数を付けた(カッコ内):ココア(0)、ミルク(5)、モルト(0)、ビスケット/ベークド(0)、キャラメル(0)、バーント(burnt)(0)、スイート(5)、ビター(0)、カートン(0)およびバター(3)。調製例2に従って調製したクラムの混入は、キャラメルおよびココアのノートが若干増加した(表5)。
【0037】
実施例1:カゼイン加水分解物を使ったチョコレートクラムの調製:
【0038】
調製例2の10%の脱脂粉乳の代わりに、28%−56.9%の様々な加水分解度のカゼイン加水分解物を使ってチョコレートクラムを調製した。表4参照。次に、得られたクラムの官能評価を実施した。
【0039】
【0040】
カゼイン加水分解物は、クラム中のモルトフレーバー特性を増加させた。この増加は、最高DH(56%)の加水分解物で最も顕著で、アロマ強度は、参照クラムの3.0から2つの繰返しクラムサンプルの5.8まで増加した。得られたカゼイン加水分解物の加水分解時間が短いほど、モルトフレーバー特性の増強が少なかった。従って、遊離アミノ酸プールの大幅な増加のみが、強いモルトフレーバー増強を生じる。モルトフレーバーの増加は、非加水分解カゼインで調製した対照サンプルでは得られなかった。
【0041】
いくつかのクラムサンプルでココアおよびキャラメルノートが増強され、カゼイン加水分解物で生成されたサンプルのいくつかでは苦み(ビター)およびチーズノートの増加が検出された。
【0042】
実施例2:
大豆加水分解物を使ったチョコレートクラムの調製
【0043】
調製例2で使用した約10%の脱脂粉乳の代わりに大豆加水分解物を使って、チョコレートクラムを調製した。大豆加水分解物(30分、1時間及び2時間)は、フレーバープロファイルの軽微な変化のみを生じたが、24時間加水分解物から調製したクラムは、モルトフレーバーだけでなく、酸味、スパイシー、悪臭、チーズ臭等、他のフレーバーの増加を示した。
【0044】
次に、実施例1−2に従った乳または植物蛋白加水分解物を使って生成したチョコレートクラムの揮発物の分析を実施した。脱脂乳蛋白(SMP)のミルクまたは蛋白加水分解物による10%置換によって調製したクラムを、固相マイクロ抽出(SPME)揮発性物質分析に供した。ストレッカーアルデヒドの有意な増加が起こることが判明した。例えば、バリン、イソロイシン、ロイシンからのそれぞれ2−メチルプロパナール、2−メチルブタナール、3−メチルブタナールのレベルに10倍までの増加が認められた。
【0045】
大豆およびカゼイン/SMP加水分解物で調製したクラムについても、揮発性物質分析を実施した。特に、SMP加水分解物で調製したサンプルは、高レベルのイソバレリン酸を含有した。これが、このサンプルに認められた強い「汗臭い」フレーバーを説明できる。しかし、カゼイン加水分解物で調製したサンプルは、低レベルのイソ酪酸並びにイソバレリン酸を含有した。そのため、これらのクラムサンプル中の低レベルのこのようなフレーバーは、比較的低レベルのこれら化合物に関連すると考えられる。
【0046】
従って、カゼインおよび大豆加水分解物は、最低不快臭強度およびモルトフレーバーの最強増強を示した。クラム反応での蛋白加水分解物の使用は、アミンフレーバー前駆体の消費を強く増加させる。様々な加水分解度(DH)のカゼインおよび大豆加水分解物を使用し、クラム反応時間を増加させることによって(図1)、遊離アミノ酸消費量の50倍までの増加を達成できる。従って、反応時間の増加も、生じるクラムのフレーバープロファイルを変化させることができる。
【0047】
実施例3:
キャラメル化粉乳およびカゼイン加水分解物を使用したクラムの調製:
【0048】
キャラメル化粉乳(ミルヒカラメルプルバー FK30、Felix Koch Offenbach、ドイツ)を使って、調製例2に従ってクラムサンプルを調製したが、これは、キャラメルフレーバーを2から7に顕著に増加させた。カゼイン加水分解物およびキャラメル化粉乳を使って調製したクラムは、生じたクラムのモルトフレーバーの一層の増強をきたした。
【0049】
実施例4:
ホワイトチョコレートの調製
【0050】
調製例2および実施例1−3に従って調製したクラムサンプルを、官能評価のために10%レベルでホワイトモデルチョコレートに混入した。
【0051】
クラムを混入しないホワイトチョコレートを検査し、次の参照特性点数を付けた:スイート5、ミルク5、バター5、他の特性0。調製例2に従って調製した参照クラムを混入した結果、キャラメルとココアノートの若干の増加をきたした。カゼイン加水分解物で調製したクラムを用いたホワイトチョコレートは、モルトおよびキャラメル特性の顕著な増加を示した。キャラメル化粉乳で調製したクラムを用いたホワイトチョコレートは、キャラメルノートを2から7へ大幅に増加させた。カゼイン加水分解物とキャラメル化粉乳の両方で調製したクラムを用いたホワイトチョコレートは、モルトノートがさらに増加した。従って、蛋白加水分解物は、チョコレート製造に使用する場合、クラムパウダーを生産するために様々な原料と併用して使用でき、その結果広範囲の異なる特性を生じる。
【0052】
【0053】
分析および官能データは、合わせて、高DHの蛋白加水分解物を使用して、遊離アミノ酸およびペプチドのプールを顕著に増加させることができることを立証している。これは、メイラード反応による遊離アミノ酸とペプチド消費量の顕著な増加を生じ、その後、数種の揮発性化合物を増加させ、クラムパウダー中並びに最終チョコレート中のフレーバー特性を増強または改良する。
Claims (12)
- チョコレートクラムの調製法で、15−70重量%の固形乳を10−75重量%の糖および0.1−10重量%の乳または植物性蛋白加水分解物と混合、加熱することから成り、そのパーセンテージが混合物の重量換算である上記調製法。
- さらに、固形ココアを含む請求の範囲第1項記載のチョコレートクラムの調製法。
- 蛋白加水分解物対固形ココア対糖対固形乳の重量比が1:2:3:9である請求の範囲第2項記載のチョコレートクラムの調製法。
- 乳または植物性蛋白加水分解物を粉乳、カゼイン、ホエー、大豆、小麦、綿、ピーナッツ、米またはエンドウ蛋白から調製する請求の範囲第1−3項記載のチョコレートクラムの調製法。
- 粉乳が脱脂粉乳またはキャラメル化粉乳である請求の範囲第4項記載の方法。
- 大豆またはカゼイン蛋白加水分解物を使用する前述の請求項のいずれかに記載の方法。
- キャラメル化粉乳とカゼイン加水分解物を使った請求の範囲第1−3項記載のチョコレートクラムの調製法。
- 前述の請求項のいずれかに記載の方法によって得られ得る強化フレーバーの特徴を有するチョコレートクラム。
- 固形乳対糖1:1.5−1:3、固形ココア混合物0−25重量%を含む請求の範囲第8項記載のチョコレートクラム。
- チョコレートクラムを請求の範囲第1−8項記載の方法によって調製することを特徴とする、チョコレートクラムを他のチョコレート材料と合わせて加工してチョコレートを生成することから成るチョコレートの調製法。
- チョコレートがホワイトチョコレートである請求の範囲第10項記載のチョコレートの調製法。
- 請求の範囲第10項および11項記載の方法によって得られ得るフレーバーの特徴を改良したチョコレート製品。
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