JP2004514159A - フレキソグラフィー印刷版用の感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
感光性樹脂が(i)ポリウレタンプレポリマー、(ii)エチレン系不飽和単量体、(iii)光開始剤、および(iv)芳香族カルボン酸類、芳香族カルボン酸エステル類、ポリ不飽和カルボン酸類、ポリ不飽和カルボン酸エステル類およびそれらの混合物よりなる群から選択される粘着性減少用添加剤を含んでなる感光性樹脂、その使用方法、およびそれにより製造される無粘着性印刷版が開示される。
Description
【0001】
発明の分野
本発明は、表面粘着性がなく且つ紫外線照射による分解に対して耐性がある凸版印刷版を製造するために使用できる感光性樹脂組成物並びにそれから製造される印刷版に関する。
【0002】
発明の背景
フレキソグラフィー印刷用の光重合体印刷版は液体感光性樹脂組成物または感光性固体シート組成物のいずれかから製造することができる。液体感光性樹脂組成物は典型的には、エチレン系不飽和基、例えばアクリル酸またはメタクリル酸エステル、を分子の各端部に有するプレポリマー、1種もしくはそれ以上のエチレン系不飽和化合物(例えば単量体またはオリゴマー)、および光重合開始剤を含んでなる。液体感光性樹脂を活性放射線に対して最初は一方の側面から露出して印刷版の背景または下層を形成しそして次に写真ネガまたはマスクを通して像通りに露出し、そして次に未硬化樹脂を現像工程、後露出工程および乾燥工程により除去して凸版像を形成することにより、フレキソグラフィー印刷版が製造される。
【0003】
該光重合体印刷版の表面粘着性を減ずるための具体的な手段をとらない限り、該印刷版の印刷凸版の表面は極めて粘着性でありうる。印刷表面の過度の粘着性は版の表面上の乾燥したインキおよび紙繊維の急速な蓄積をもたらすことがあり、そして版の反転領域をふさぎ且つ印刷文字の端部に沈着するであろう。これらの発生の全てが汚れた印刷として知られているものを生じ、それは印刷機械の停止および印刷版のクリーニングを必要とする。さらに、版の過度の粘着性は印刷しようとする波形ボードまたは紙ウェブを実際に版の表面上に付着させ、印刷操作を中断する。
【0004】
該液体光重合体印刷版の表面粘着性を減ずるための数種の方法が当該技術で既知である。米国特許第4,716,094号は、粘着性減少用添加剤、例えば脂肪酸類、脂肪酸アミド類、脂肪アルコール類、およびチオエステル類を液体感光性樹脂中に導入して印刷版の表面粘着性をが減じうることを開示している。硬化した光重合体樹脂中の粘着性減少用添加剤の低い溶解度およびそれが版の表面に泳動しそして滑らかな表面を与える能力を利用することにより、表面粘着性が減じられる。しかしながら、これらの添加剤は印刷工程中に使用される印刷インキまたはクリーナー中に洗い流されたりまたは溶解することがあり、版の無粘着性質を減ずる。現像後の光重合体印刷版の後硬化以外には、これらの添加剤により追加の化学反応は必要ないかまたは誘導されない。
【0005】
米国特許第4,202,696号は、対象の表面に特定の有機カルボニル化合物、例えばベンゾフェノン、を含浸させ、そして次に組成物に200〜300nmの波長を有する活性放射線を照射することにより硬化した感光性樹脂の表面粘着性を減じうることを開示している。典型的には、有機カルボニル化合物の適当な揮発性溶媒、例えばイソプロパノールまたはエタノール、中溶液の中に表面を浸漬することによりそれに該カルボニル化合物を含浸させる。典型的な有機カルボニル化合物はベンゾフェノン、置換されたベンゾフェノン類、および置換されたアントラキノン類を包含する。残念なことに、そのような適当な溶媒はしばしば非常に可燃性であり、そして非常に有効な排気システムなしでは容易に使用することはできず、且つ全ての電気装置を耐爆発性にする変更を行わなければならない。
【0006】
米国特許第4,805,506号は、版を現像しそして乾燥した後に且つ版の表面を200〜300nmの範囲内の波長の放射線に露出する前に非プロトン性有機溶媒を版の表面に適用することによる凸版印刷版の無粘着化方法を開示している。
【0007】
ヨーロッパ特許出願EP674,229およびEP691,357は、少なくとも300nmの波長を有する放射線への露出時に感光性樹脂を硬化するために使用可能な第一の光開始剤系および200〜300nmの範囲内の波長を有する放射線への露出時に印刷版の表面を無粘着化するために使用可能であるアミン−改質ポリウレタンプレポリマーと一緒にカルボニル化合物、例えばベンゾフェノン、を含んでなる第二の光開始剤系の両方を含有する感光性樹脂の使用を記載している。この場合には該有機カルボニル化合物を液体感光性樹脂自体の中に導入することにより揮発性溶媒の使用を回避することができ、それを硬化した製品の表面内に含浸させる必要がない。
【0008】
該有機カルボニル化合物、例えばベンゾフェノン、が350nmおよびそれより高い波長におけるポリウレタン類の光分解を大きく促進させる三重感光剤であることも知られている。それ故、ベンゾフェノンの溶液中に浸漬されるかまたはベンゾフェノンを含有する樹脂から製造されそして次に殺菌灯からの放射線に当てられる印刷版は最初に製造される時点では粘着性が全くないかもしれないが、この重合体は急速な分解を受ける。実際に、日光、または400nmより低い波長においてその出力の小部分を発する蛍光もしくは金属ハライドタイプの光の下で貯蔵される場合には、そのような印刷版はそれらの機械的性質、例えば引っ張り強さ、伸び、および剥離または他の物理的損傷に対する耐性、において急速に劣化するであろう。
【0009】
本発明で使用される表面粘着性を減ずるまたは粘着性のない表面を得るという概念は、とりわけ硬化した光重合体印刷版の粘着量が減じられるかまたは回避される状態をさす。光重合体印刷版では、現像されるかまたは洗い流されて未硬化樹脂が除去され、水の下で後露出され、そして乾燥された版は最初に表面上では粘着性をほとんどまたは全く有していないと考えることができる。しかしながら、版の表面をインキ、インキクリーナーまたはアルコールと接触させた後には、表面はその結果として非常に粘着性の感じになることが見いだされていた。従って、本発明に従う無粘着性表面を製造するという概念は減じられたまたは排除された粘着性の永久的な状態を包含する。
【0010】
現在まで、ベンゾフェノンと感光性樹脂自体の硬化を妨害しない紫外線安定剤または吸収剤との存在下で生ずる光重合体印刷版の促進される分解を克服するための試みは可能でなかった。芳香族もしくはポリ不飽和カルボン酸またはエステルを含んでなる感光性樹脂を用いそして該印刷版を200〜300nmの範囲内の波長を有する放射線に当てることにより紫外線による分解に耐性がある永久的に無粘着性の凸版印刷版を製造できことることが今回驚くべきことに見いだされた。
【0011】
発明の要旨
本発明の目的は、永久的に粘着性がなく且つ約400nmより低い波長の低水準の光に対する長期露出で分解をうけない凸版印刷版を製造するための感光性樹脂組成物を提供することである。本発明の別の目的は、この永久的に粘着性のない印刷版を製造する方法を提供することである。
【0012】
本発明は、(i)ポリウレタンオリゴマー、(ii)少なくとも1個のエチレン系不飽和基を有する単量体、(iii)光重合開始剤、および(iv)粘着性減少用添加剤を含んでなる感光性樹脂組成物を提供する。そのような樹脂を用いて製造されたフレキソグラフィー印刷版は200nm〜300nmの波長の照射を用いる後露出により完全に且つ永久的に無粘着性になり得て、そして300nm以上の波長における低水準の活性放射線に対する長期露出時に耐分解性である。
【0013】
発明の開示
本発明は、
(A)重量により50%〜98%のポリウレタンプレポリマー、
(B)1.0%〜50%のエチレン系不飽和単量体、または該単量体の混合物、
(C)0.2%〜5%の光開始剤、および
(D)0.5%〜5.0%の粘着性減少用添加剤
を含んでなる凸版印刷版を製造するために使用できる光重可能な樹脂組成物を提供する。
【0014】
本発明において成分(A)として使用されるプレポリマーは、1個もしくはそれ以上の末端エチレン系不飽和基、例えばメタクリル酸またはアクリル酸エステル、を有するポリウレタンプレポリマーである。ウレタンプレポリマーは、ポリエーテルジオールまたはポリエーテルジオール類の配合物、少なくとも2個のイソシアナート基を有する分子、好ましくはジイソシアナート、並びにヒドロキシ−官能化(メタ)アクリル酸エステルとしても知られている少なくとも1個のヒドロキシル基および少なくとも1個の(メタ)アクリル酸エステル基を有する分子の反応により製造することができる。適するポリエーテルジオール類は、ペンシルバニア州のアルコ・ケミカル・オブ・ニュートーン・スクエア(Arco Chemical of Newtowne Square)から入手できるアックレーム(Acclaim)3201、アックレーム3205、アックレーム4220およびアックレーム2220を包含する。他のポリエーテルジオール類も適するであろう。
【0015】
本発明のポリウレタンプレポリマーを製造するために使用されるジイソシアナートは好ましくは芳香族ジイソシアナートであるが、脂肪族ジイソシアナートも全く同様に使用することができる。代表的な芳香族ジイソシアナート類はメチレンジフェニルジイソシアナート(別名ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアナート)、メタ−およびパラ−キシリレンジイソシアナート、トルエン−2,4−ジイソシアナート、トルエン−2,6−ジイソシアナートまたは後者の2種の異性体の混合物(別名2,4−および2,6−トルエンジイソシアナート)、ナフタレン−1,5−ジイソシアナート、フェニルベンジルエーテル4,4′−ジイソシアナートなどを包含する。
【0016】
脂肪族および/または脂環式ジイソシアナート類をジイソシアナート成分として使用することができる。適する脂肪族ジイソシアナート類は、例えば、脂肪族基中の炭素数が2〜12のもの、例えば、ヘキサメチレンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナートなどを包含する。適する脂環式ジイソシアナート類は、例えば、1,4−ジイソシアナート−シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアナート(別名ビス−シクロヘキシルメタンジイソシアナート)、イソホロンジイソシアナートなどを包含する。
【0017】
イソシアナート末端ポリウレタンオリゴマー類を製造するためには、過剰当量のジイソシアナートをジオールと反応させることが好ましい。ジオール成分対ジイソシアナート成分のモル比は好ましくは約1.0:1.08〜1.0:1.5の間、そしてより好ましくは約1.0:1.12〜1.0:1.3の間である。ポリウレタンオリゴマー類の数平均分子量は好ましくは約6,000〜40,000の間、そしてより好ましくは約8,000〜30,000の間、そして最も好ましくは約12,000〜20,000の間である。
【0018】
好ましくは、ジオールおよびジイソシアナートの間の反応は、好ましくは約50〜約100ppmの有効濃度の触媒、好ましくはジラウリン酸ジブチル錫または他のそのようなアルキル錫触媒、の存在下で反応物を接触させることにより行われる。反応温度は約60℃であるべきであり、その温度では反応時間は約4時間であろう。
【0019】
ポリエーテルジオールを過剰のジイソシアナートと反応させてイソシアナート末端ポリウレタンオリゴマーを与えた後に、オリゴマーをヒドロキシアクリル酸エステルまたはヒドロキシメタクリル酸エステルと反応させてエチレン不飽和をオリゴマー中に導入しそしてウレタンプレポリマーを与える。適するヒドロキシアクリル酸エステル類またはヒドロキシメタクリル酸エステル類は、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、モノメタアクリル酸ポリプロピレングリコール、モノアクリル酸ポリプロピレングリコール、またはアクリル化されたカプロラクトンオリゴマー類を包含するが、それらの限定されない。これらの中で、波形ボードまたは不規則的表面を有する他のセルロース基質上での印刷用に必要な軟質光重合体を製造するためにはモノメタクリル酸ポリプロピレングリコールおよびアクリル化されたカプロラクトンオリゴマーが好ましい。
【0020】
本発明の感光性樹脂組成物の成分(B)として使用される1種もしくは複数の単量体は、反応性単量体または単に単量体としても知られている少なくとも1個のアクリル酸エステル基を有する単量体である。本発明の反応性単量体は1個もしくはそれ以上の光重合可能な官能基を有する市販の分子でありうる。好ましい反応性単量体は、エステル類を包含するモノ−もしくはポリ−アクリル酸またはメタクリル酸エステル化合物である。(メタ)アクリル酸エステルという表示はここではメタクリル酸エステル類およびアクリル酸エステル類の一方または両方を同時にさすために使用されるであろう。
【0021】
分子内に2個もしくはそれ以上のエチレン系不飽和基を有する化合物の使用が印刷版の硬度を増加させる。従って、そのような化合物の使用量を調節して所望する硬度を有する印刷版を得るようにすべきである。この理由のために、反応性単量体がモノ−(メタ)アクリル酸エステルおよびポリ(メタ)アクリル酸エステルの混合物であることが好ましい。
【0022】
例示反応性単量体はアクリル酸および/またはメタクリル酸と一価もしくは多価アルコール類とのエステル類であり、そして例えば(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸フェノエトキシ、モノ(メタ)アクリル酸エチレングリコールモノエチルエーテル、モノ(メタ)アクリル酸エチレングリコールジエチルエーテル、モノ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジ(メタ)アクリル酸ヘキサン−1,6−ジオール、トリ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリメチロールプロパン、ジ(メタ)アクリル酸ジ、トリ、およびテトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリトリトール、プロポキシル化モノ−、ジ−およびトリ−(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、エトキシル化トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、並びに(メタ)アクリル酸を有するオリゴマー状ポリブタジエン類、すなわち、活性化された光重合可能なオレフィン系二重結合を有するオリゴマー状ポリブタジエン類を包含するが限定されない。
【0023】
好ましい単量体はメタクリル酸ラウリル、モノメタクリル酸ポリプロピレングリコール、モノアクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリメタクリル酸トリメチロールプロパンおよびジメタクリル酸テトラエチレングリコールである。
【0024】
本発明の感光性樹脂調合物中の反応性単量体の割合は少なくとも一部は生ずる液体感光性樹脂の所望される粘度により指令される。ポリウレタンプレポリマーの特定の分子量に関しては、感光性樹脂中に導入される単量体の量が多くなればなるほど、生ずる樹脂の粘度は低くなる。感光性樹脂の粘度は使用温度において好ましくは10,000cps〜100,000cpsの間であり、そしてより好ましくは20,000cps〜50,000cpsの間である。最も好ましくは、それは約25,000cps〜約40,000cpsの間である。感光性樹脂に対して特定の粘度を与えるために特定分子量のポリウレタンプレポリマーに必要な不飽和反応性単量体の量は多くの実験を行わずに当業者により容易に決めることができる。
【0025】
典型的には、反応性単量体は光重合可能な混合物の約10〜約35重量%であり、そしてより好ましくは混合物の約15〜約30重量%である。
【0026】
本発明の感光性樹脂組成物の成分(C)として使用される1種もしくは複数の光開始剤は、凸版印刷版で従来から使用されている光開始剤のいずれかでありうる。代表的な光開始剤は、アクリルホスフィンオキシド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、すなわち、イルガキュア(Irgacure)R651(チバ−ガイギー(Ciba−Geigy))、ベンジル1−メチル1−エチルケタール、2−クロロチオキサントン、ジベンゾスベロン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エチル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4′−モルホリノデオキシベンゾインおよび2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドを包含する。
【0027】
光重合開始剤の量は、妥当な長さの時間の裏露出によるフレキソグラフィー印刷版に対する下層の形成および要求される解像度を有する凸版像の形成を可能にするであろういずれの有効濃度でもよい。この時間は形成しようとする像のタイプ並びに所望するフレキソグラフィー印刷版の厚さに関連する。光重合開始剤の有効量は選択される開始剤のタイプに依存する。
【0028】
0.1−10重量%の光開始剤の濃度範囲が示唆される。光開始剤の量が0.1%より少ない場合には、紫外線設定濃度が低下しそして光重合体版の物理的性質が極端に低下する。光開始剤の量が5重量%を越える場合には、いずれの性質に関しても有利な影響はみられずそして調合物の価格が商業的に望ましくなくなる。より高い濃度の光開始剤は生ずる印刷版に対して低水準の活性放射線の存在下でより大きい分解感度をもたらすことができる。
【0029】
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンに関しては、1種もしくは複数の光開始剤は光重合可能な混合物中で約0.1%〜約5%の、好ましくは約0.2%〜約1.5%の、そしてより好ましくは約0.25%〜約0.75%の量で使用される。
【0030】
本発明の感光性樹脂組成物の成分(D)として使用される粘着性減少用添加剤は、200nm〜300nm、好ましくは約245nm〜約265nm、より好ましくは約254nmの波長における活性放射線を吸収しそして300nmもしくはそれより高い、より好ましくは330nmもしくはそれより高い、波長における活性放射線を実質的に吸収しない芳香族カルボン酸、もしくは芳香族カルボン酸エステル、またはポリ不飽和カルボン酸もしくはポリ不飽和カルボンエステル類、またはそれらの混合物でありうる。適する粘着性減少用添加剤は、4−ヒドロキシ安息香酸、4−メトキシ安息香酸、4−アルコキシ安息香酸類、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−メトキシ安息香酸メチル、2−チオフェンカルボン酸、桂皮酸、2,4−ヘキサジエン酸、およびそれらの混合物を包含する。好ましい粘着性減少用添加剤は4−ヒドロキシ安息香酸および4−メトキシ安息香酸を包含する。粘着性減少用添加剤は約0.5〜約5重量%で存在する。より好ましくは、それは約0.75〜約3重量%で存在する。最も好ましくは、それは約1〜約2重量%で存在する。
【0031】
上記の成分A、B、CおよびDの他に、本発明の光重合可能な樹脂は他の追加添加剤、例えば熱酸化防止剤、紫外線吸収剤、障害アミン光安定剤、染料、顔料または可塑剤を包含してもよい。例示酸化防止剤は、例えば、立体障害モノフェノール類、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)、アルキル化チオールビスフェノール類およびアルキリデンビスフェノール類、例えば2,2−メチレンビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)または2,2−ビス(1−ヒドロキシ−4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)スルフィドを包含する。BHTが好ましい酸化防止剤である。
【0032】
本発明の感光性樹脂からの印刷版の製造は、他の感光性樹脂と共に使用されている従来方法により行うことができる。すなわち、感光性樹脂は均一な厚さの層として基質裏打ちシートと写真ネガに面するカバーシートとの間に付与しそして層に裏側露出しそして活性放射線で像露出し、引き続き版を現像する。
【0033】
担体としても知られる基質裏打ちシートは、フレキソグラフィー印刷版を製造するために使用される感光性要素と共に従来から使用されているいずれの柔軟性材料であってもよい。適する基質材料の例は、重合体状フィルム、例えば付加重合体および線状縮合重合体におより製造されるもの、透明なフォームおよび織物を包含する。好ましい基質はポリエステルフィルムであり、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。基質は典型的には2〜10ミル(0.0051〜0.025cm)の厚さを有し、4〜7ミル(0.010〜0.018cm)の厚さが好ましい。
【0034】
適する活性放射線源の例は、日光および商業用紫外線蛍光管、中圧、高圧および低圧水銀灯、超活性蛍光管、脈動キセノン灯、金属ヨウ化物で処理された灯およびカーボンアーク灯である。好ましくは、本発明で使用される光重合体版を、低圧水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアーク灯、紫外線蛍光灯、化学灯、キセノン灯、またはジルコニウム灯により発生させる150−500nm、特に300−400nm、の波長を有する紫外線を用いて硬化させる。
【0035】
光重合体版の現像用に実際に使用される数種のタイプの装置がある。圧力下での洗浄溶液の版に対する噴霧により凸版を形成する。また、加圧空気によって未露出部分を吹き出すことにより凸版を形成する。さらに、平らな表面または胴に固定された版をブラシでこすることにより凸版を形成し、それにより未露出部分を溶液中に溶解させる。光重合体版を、上記光源に対する露出により硬化させた後に、露出されていない非像部分を除去する洗浄溶液としても知られている現像剤を用いて現像することが好ましい。この工程が光重合体版の上に凸版像を形成する。洗浄溶液により除去された露出されていない部分は乳化液または懸濁液の形態で洗浄浴内の溶液の中に残る。
【0036】
水性現像剤を使用することが好ましい。現像剤は最も望ましくは、場合によりアルカリ性化合物および界面活性剤を含有してもよいpH5.0−9.0を有する水(水道水)である。界面活性剤の添加は、光重合体が水中に容易に分散し且つ水中に分散したままであるために望ましい。好ましい界面活性剤はアルキル−ナフタレンスルホン酸ナトリウムおよびアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムである。界面活性剤の他の例は、カルボン酸エステル、硫酸エステル、スルホン酸エステル、または燐酸エステルを含有するアニオン性界面活性剤;非イオン性界面活性剤、例えばポリエチレングリコール誘導体、多価アルコール誘導体、およびソルビタン誘導体;第一級、第二級もしくは第三級アミン塩、または第四級アンモニウム塩を含有するカチオン性界面活性剤;並びにアミノ酸親水性基またはベタイン親水性基を含有する両性界面活性剤を包含する。好ましいアルカリ性化合物はヘキサメタ燐酸ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム、水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウムである。洗浄溶液は25℃−50℃、好ましくは30−40℃、で使用すべきである。界面活性剤の水中濃度は限定されないが、一般的には約0.5%〜約4%の範囲内である。版は現像剤水溶液を用いる噴霧乾燥により非常にしばしば現像されるが、上記のものを包含する他の技術も使用できる。場合により、発泡防止剤、例えばシリコーン発泡防止剤、を現像剤水溶液に加えることもできる。
【0037】
現像段階後に、版の背景および側面中の部分的に重合された感光性樹脂の硬化を、重合の酸素抑制を防止するための酸素吸収化合物、例えば硫酸水素ナトリウム、の下での活性放射線に対する露出により完了させる。版の表面を次に約200nm〜約300nmの波長の活性放射線に対する露出により永久的に無粘着性にする。活性放射線の好ましい波長は殺菌灯、例えばボルターク・テクノロジーズ(Voltarc Technologies)により製造されるボルターク(Voltarc)CRFX5058灯、により発生させる254nmにおけるものである。無粘着化は好ましくは約100°F〜約140°Fの温度において行われる。より好ましくは、無粘着化は約125°F〜約140°Fの温度において行われる。
【0038】
下記の実施例は本発明の感光性樹脂組成物および印刷版の製造をより良く開示しそして教示するために示される。これらの実施例は説明目的だけのためであり、そして以下の請求項に列挙された本発明の精神および範囲に実質的に影響を与えずに変更および変化を行えることを認識すべきである。
一般的工程
印刷版の表面粘着性を、試料版の表面上に押し付けられた鋼足を分離するのに必要な応力の値によりオメガ・エンジニアリング・インコーポレーテッド(Omega Engineering Inc.)から得られるオメガフォースメーターモデルDFG−2を用いて測定される。上記の表面粘着性を測定する方法の特徴は以下に記載される。印刷版を基準担体に対して版の凸版面が上向きになるように取り付ける。デジタルフォースゲージに取り付けられた半径0.25インチの鋼足を版の凸版面の平らな部分と接触させる。500gの負荷をオメガフォースメーターで測定しながら鋼足に適用しそして10秒間にわたり放置する。次に、足を0.5インチ/分の一定上昇速度で版が足から離れるまで上向きに持ち上げる。版からの足の分離直前の応力の価をオメガフォースメーターを用いて測定する。本発明に従い製造された印刷版は上記工程により測定された50gもしくはそれ以下の、好ましくは25gもしくはそれ以下の、粘着性値を有するであろう。
【0039】
下記の実施例の光重合可能な組成物の各々を下記の工程に従い光重合体印刷版に成形する。メリグラフ(Merigraph)Rタイプ3048露出装置を用いて、感光性樹脂組成物の0.250インチ厚さの層を接着剤でコーテイングされたポリエステル裏打ちシートとポリプロピレンフィルムのカバーシートとの間の層として形成し、それが説明部分に示されているように光樹脂を写真ネガから分離する。光重合体を2時間30分の裏側露出にかけ、引き続きネガを通して6時間にわたり像露出する。露出後に、カバーシートを除去しそして2重量%のメリグラフ洗浄洗剤W6410Lおよび2重量%のチオ硫酸ナトリウムを含有する水溶液を用いて35−40℃において10分間にわたり噴霧洗浄することにより未硬化樹脂を除去して凸版を得る。次にこの版を重硫酸ナトリウム水溶液の中に浸漬しそして8mW/cm2の最小強度を有する活性放射線による後露出にかけて版の凸版部分を完全に硬化させる。版を次に30〜45分間にわたり40℃において乾燥する。版を次に殺菌灯下で約10〜20分間にわたり光重合体印刷版の表面から約15cmのところに置かれた一列のボルタークGRFC5058殺菌灯下で乾燥露出段階にかける。各版の表面粘着性は上記の通りにして測定された。引っ張り強さおよび伸び測定のために、0.004インチのコーテイングされていないポリエステルシートとポリプロピレンフィルムとの間に0.040インチの厚さの感光性樹脂組成物の層を流し込むことにより、感光性樹脂組成物を硬化させた。光重合体を30秒間にわたる裏側露出にかけ、引き続き400秒間にわたる表側露出にかけた。ポリエステルおよびポリプロピレンフィルムを剥離しそして試料をASTM方法D−412に従う引っ張り試験用にダイ切断した。
【0040】
硬化した試料をクーパー・ライティング(Cooper Lighting)モデルM−59金属ハライドタイプ400ワット灯からの放射線に露出することにより、試料を紫外線分解耐性に関して試験した。紫外線強度をインターナショナル・ライティング・インコーポレーテッド(International Lighting Inc.)からのIL1400Aラジオメーターを用いて測定した。光を試料上のある距離に設置して100μW/cm2の測定紫外線強度を生じた。像形成した0.250インチ版または0.040インチ厚さの固体シートに120時間にわたり連続的に照射しそして次に像形成版における損傷耐性またはシートの引っ張り強さおよび伸びのいずれかを測定するために試験した。
実施例1
1349g(0.429モル)のアックレーム3205、90グラム(0.515モル)のTDIおよび0.10グラムのジラウリン酸ジブチル錫(DBTDL)触媒を窒素パージ、空気スタラーおよび熱電対を装備した2リットル樹脂ケトルの中に充填した。最初の発熱反応後に、反応混合物を60℃に2時間にわたり、ジ−n−ブチルアミンを用いる滴定により測定したイソシアナート濃度が0.50重量%に達するまで、保った。次に160.0グラム(0.421モル)のモノメタクリル酸ポリプロピレングリコール(分子量380g/モル)、1.6gのBHTおよび0.06gのDBTDLの混合物を次に反応混合物に加え、そして内容物を60℃にさらに2時間にわたり、滴定が残存イソシアナートを示さなくなるまで、保った。
【0041】
70.0グラムの生じたウレタンプレポリマーに14.5グラムのモノメタクリル酸ポリプロピレングリコール、7.2グラムのメタクリル酸ラウリル、0.9グラムのトリメタクリル酸トリメチロールプロパン、3.0グラムのジメタクリル酸テトラエチレングリコール、1.8グラムのメタクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、0.5グラムのイルガキュア651、0.1グラムのBHTおよび2.0グラムの4−ヒドロキシ安息香酸を加えた。生じた混合物を2時間にわたり撹拌して感光性樹脂組成物を得た。樹脂を光重合体印刷版または引っ張り性質測定用の0.040インチ厚さシートに製造した。硬化した試料の引っ張り強さおよび伸びはそれぞれ1331psiおよび330%であった。120時間にわたる紫外線エージング後に、引っ張り強さおよび伸びは1023psiおよび270%であった。殺菌灯への15分間にわたる露出の前後に測定された感光性樹脂から製造された光重合体印刷版の表面粘着性は表1に示されている。
【0042】
上記の光重合可能な樹脂を下記の工程に従い光重合体印刷版に成形した。メリグラフRタイプ3048露出装置を用いて、感光性樹脂組成物の0.250インチ厚さの層を接着剤がコーテイングされたポリエステル裏打ちシートとポリプロピレンフィルムのカバーシートとの間の層として製造し、それが光樹脂を写真ネガから分離した。光重合体を2時間の裏側露出にかけ、引き続き5時間30分のネガを通す像形成露出にかけた。露出後に、カバーシートを除去しそして未硬化樹脂を2重量%のメリグラフR洗浄洗剤W6410Lおよび2重量%の三燐酸ナトリウムを含有する水溶液を用いる35−40℃における10分間にわたる噴霧洗浄により除去して凸版を得た。次に版を重硫酸ナトリウム水溶液の中に浸漬しそして9mW/cm2の最小強度を有する活性放射線に後露出して版の凸版部分を完全に硬化させた。版を次に30分間にわたり50℃において乾燥した。版を次に殺菌灯下で15分間にわたり乾燥後露出にかけた。このようにして製造された印刷版を使用して33,000枚の波形ボードのシートを印刷した。インキ転写、被覆率および色濃度は優れており、そして版上に沈着し始めた紙屑または繊維は数枚の追加シートを製造した後に容易に離れた。全ての操作中に版をクリーニングするために印刷機械を停止する必要はなかった。
実施例2
1.0グラムの4−メトキシ安息香酸を4−ヒドロキシ安息香酸の代わりに使用したこと以外は、実施例1の工程に従い感光性樹脂を製造した。硬化した試料の引っ張り強さおよび伸びはそれぞれ1240psiおよび315%であった。120時間にわたる紫外線エージング後に、引っ張り強さおよび伸びは1075psiおよび285%であった。殺菌灯への15分間にわたる露出の前後に測定された感光性樹脂から製造された光重合体印刷版の表面粘着性は表1に示されている。
実施例3
1.7gの2−チオフェンカルボン酸を4−ヒドロキシ安息香酸の代わりに使用したこと以外は、実施例1の工程に従い感光性樹脂を製造した。硬化した試料の引っ張り強さおよび伸びはそれぞれ1100psiおよび340%であった。120時間にわたる紫外線エージング後に、引っ張り強さおよび伸びは800psiおよび280%であった。殺菌灯への20分間にわたる露出の前後に測定された感光性樹脂から製造された光重合体印刷版の表面粘着性は表1に示されている。
実施例4
1.5gの4−ヒドロキシ安息香酸メチルを4−ヒドロキシ安息香酸の代わりに使用したこと以外は、実施例1の工程に従い感光性樹脂を製造した。硬化した試料の引っ張り強さおよび伸びはそれぞれ1225psiおよび300%であった。120時間にわたる紫外線エージング後に、引っ張り強さおよび伸びは1160psiおよび280%であった。殺菌灯への15分間にわたる露出の前後に測定された感光性樹脂から製造された光重合体印刷版の表面粘着性は表1に示されている。
実施例5
0.7gの2,4−ヘキサジエン酸を4−ヒドロキシ安息香酸の代わりに使用したこと以外は、実施例1の工程に従い感光性樹脂を製造した。硬化した試料の引っ張り強さおよび伸びはそれぞれ900psiおよび315%であった。120時間にわたる紫外線エージング後に、引っ張り強さおよび伸びは700psiおよび275%であった。殺菌灯への20分間にわたる露出の前後に測定された感光性樹脂から製造された光重合体印刷版の表面粘着性は表1に示されている。
実施例6
70.0グラムの実施例1のポリウレタンプレポリマーを14.5グラムのモノメタクリル酸ポリプロピレングリコール、7.2グラムのメタクリル酸ラウリル、0.9グラムのトリメタクリル酸トリメチロールプロパン、3.0グラムのジメタクリル酸テトラエチレングリコール、0.5グラムのイルガキュア651、0.1グラムのBHTおよび2.0グラムの4−ヒドロキシ安息香酸と2時間にわたり配合することにより感光性樹脂を製造した。樹脂を光重合体印刷版または引っ張り性質測定用の0.040インチ厚さシートに製造した。硬化した試料の引っ張り強さおよび伸びはそれぞれ1331psiおよび330%であった。120時間にわたる紫外線エージング後に、引っ張り強さおよび伸びは1023psiおよび270%であった。殺菌灯への15分間にわたる露出の前後に測定された感光性樹脂から製造された光重合体印刷版の表面粘着性は表1に示されている。
【0043】
上記の感光性樹脂を用いて実施例1の工程を用いて印刷版を製造した。この印刷版を使用して15,000枚の波形ボードのシートを印刷した。この試験中に版をクリーニングするために印刷機械を停止しなくてよかった。試験の終了時に印刷版上の文字側に乾燥したインキまたは紙繊維蓄積はなかった。
実施例7
1.5グラムの4−ヒドロキシ安息香酸を使用したこと以外は、実施例1の工程に従い感光性樹脂を製造した。硬化した試料の引っ張り強さおよび伸びはそれぞれ1220psiおよび320%であった。120時間にわたる紫外線エージング後に、引っ張り強さおよび伸びは1060psiおよび275%であった。殺菌灯への20分間にわたる露出の前後に測定された感光性樹脂から製造された光重合体印刷版の表面粘着性は表1に示されている。
比較例1
70.0グラムの実施例1のポリウレタンプレポリマー、14.5グラムのモノメタクリル酸ポリプロピレングリコール、7.2グラムのメタクリル酸ラウリル、0.9グラムのトリメタクリル酸トリメチロールプロパン、3.0グラムのジメタクリル酸テトラエチレングリコール、1.8グラムのメタクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、0.5グラムのイルガキュア651、0.1グラムのBHTおよび0.7グラムのベンゾフェノンを2時間にわたり配合することにより感光性樹脂を製造した。硬化した試料の引っ張り強さおよび伸びはそれぞれ1080psiおよび300%であった。120時間にわたる紫外線エージング後に、引っ張り強さおよび伸びは測定不能であった。24時間程度の短いエージング時間後に、引っ張り強さおよび伸びは400psiおよび150%に低下した。殺菌灯への7.5分間にわたる露出の前後に測定された感光性樹脂から製造された光重合体印刷版の表面粘着性は表1に示されている。
比較例2
70.0グラムの実施例1のポリウレタンプレポリマー、14.5グラムのモノメタクリル酸ポリプロピレングリコール、7.2グラムのメタクリル酸ラウリル、0.9グラムのトリメタクリル酸トリメチロールプロパン、3.0グラムのジメタクリル酸テトラエチレングリコール、1.8グラムのメタクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、0.5グラムのイルガキュア651、0.1グラムのBHTおよび2.0グラムのミリスチン酸を2時間にわたり配合することにより感光性樹脂を製造した。硬化した試料の引っ張り強さおよび伸びはそれぞれ1200psiおよび330%であった。120時間にわたる紫外線エージング後に、引っ張り強さおよび伸びは980psiおよび290%であった。殺菌灯への15分間にわたる露出の前後に測定された感光性樹脂から製造された光重合体印刷版の表面粘着性は表1に示されている。
【0044】
印刷版をこの感光性樹脂を用いて実施例1の工程に従い製造しそして25,000枚の波形ボードのシートを印刷するために使用した。印刷版上に蓄積しそして離れなかった乾燥したインキまたは紙繊維を除去するために印刷機械を約3000〜4000枚のシート後毎に停止しなければならなかった。
【0045】
【表1】
発明の分野
本発明は、表面粘着性がなく且つ紫外線照射による分解に対して耐性がある凸版印刷版を製造するために使用できる感光性樹脂組成物並びにそれから製造される印刷版に関する。
【0002】
発明の背景
フレキソグラフィー印刷用の光重合体印刷版は液体感光性樹脂組成物または感光性固体シート組成物のいずれかから製造することができる。液体感光性樹脂組成物は典型的には、エチレン系不飽和基、例えばアクリル酸またはメタクリル酸エステル、を分子の各端部に有するプレポリマー、1種もしくはそれ以上のエチレン系不飽和化合物(例えば単量体またはオリゴマー)、および光重合開始剤を含んでなる。液体感光性樹脂を活性放射線に対して最初は一方の側面から露出して印刷版の背景または下層を形成しそして次に写真ネガまたはマスクを通して像通りに露出し、そして次に未硬化樹脂を現像工程、後露出工程および乾燥工程により除去して凸版像を形成することにより、フレキソグラフィー印刷版が製造される。
【0003】
該光重合体印刷版の表面粘着性を減ずるための具体的な手段をとらない限り、該印刷版の印刷凸版の表面は極めて粘着性でありうる。印刷表面の過度の粘着性は版の表面上の乾燥したインキおよび紙繊維の急速な蓄積をもたらすことがあり、そして版の反転領域をふさぎ且つ印刷文字の端部に沈着するであろう。これらの発生の全てが汚れた印刷として知られているものを生じ、それは印刷機械の停止および印刷版のクリーニングを必要とする。さらに、版の過度の粘着性は印刷しようとする波形ボードまたは紙ウェブを実際に版の表面上に付着させ、印刷操作を中断する。
【0004】
該液体光重合体印刷版の表面粘着性を減ずるための数種の方法が当該技術で既知である。米国特許第4,716,094号は、粘着性減少用添加剤、例えば脂肪酸類、脂肪酸アミド類、脂肪アルコール類、およびチオエステル類を液体感光性樹脂中に導入して印刷版の表面粘着性をが減じうることを開示している。硬化した光重合体樹脂中の粘着性減少用添加剤の低い溶解度およびそれが版の表面に泳動しそして滑らかな表面を与える能力を利用することにより、表面粘着性が減じられる。しかしながら、これらの添加剤は印刷工程中に使用される印刷インキまたはクリーナー中に洗い流されたりまたは溶解することがあり、版の無粘着性質を減ずる。現像後の光重合体印刷版の後硬化以外には、これらの添加剤により追加の化学反応は必要ないかまたは誘導されない。
【0005】
米国特許第4,202,696号は、対象の表面に特定の有機カルボニル化合物、例えばベンゾフェノン、を含浸させ、そして次に組成物に200〜300nmの波長を有する活性放射線を照射することにより硬化した感光性樹脂の表面粘着性を減じうることを開示している。典型的には、有機カルボニル化合物の適当な揮発性溶媒、例えばイソプロパノールまたはエタノール、中溶液の中に表面を浸漬することによりそれに該カルボニル化合物を含浸させる。典型的な有機カルボニル化合物はベンゾフェノン、置換されたベンゾフェノン類、および置換されたアントラキノン類を包含する。残念なことに、そのような適当な溶媒はしばしば非常に可燃性であり、そして非常に有効な排気システムなしでは容易に使用することはできず、且つ全ての電気装置を耐爆発性にする変更を行わなければならない。
【0006】
米国特許第4,805,506号は、版を現像しそして乾燥した後に且つ版の表面を200〜300nmの範囲内の波長の放射線に露出する前に非プロトン性有機溶媒を版の表面に適用することによる凸版印刷版の無粘着化方法を開示している。
【0007】
ヨーロッパ特許出願EP674,229およびEP691,357は、少なくとも300nmの波長を有する放射線への露出時に感光性樹脂を硬化するために使用可能な第一の光開始剤系および200〜300nmの範囲内の波長を有する放射線への露出時に印刷版の表面を無粘着化するために使用可能であるアミン−改質ポリウレタンプレポリマーと一緒にカルボニル化合物、例えばベンゾフェノン、を含んでなる第二の光開始剤系の両方を含有する感光性樹脂の使用を記載している。この場合には該有機カルボニル化合物を液体感光性樹脂自体の中に導入することにより揮発性溶媒の使用を回避することができ、それを硬化した製品の表面内に含浸させる必要がない。
【0008】
該有機カルボニル化合物、例えばベンゾフェノン、が350nmおよびそれより高い波長におけるポリウレタン類の光分解を大きく促進させる三重感光剤であることも知られている。それ故、ベンゾフェノンの溶液中に浸漬されるかまたはベンゾフェノンを含有する樹脂から製造されそして次に殺菌灯からの放射線に当てられる印刷版は最初に製造される時点では粘着性が全くないかもしれないが、この重合体は急速な分解を受ける。実際に、日光、または400nmより低い波長においてその出力の小部分を発する蛍光もしくは金属ハライドタイプの光の下で貯蔵される場合には、そのような印刷版はそれらの機械的性質、例えば引っ張り強さ、伸び、および剥離または他の物理的損傷に対する耐性、において急速に劣化するであろう。
【0009】
本発明で使用される表面粘着性を減ずるまたは粘着性のない表面を得るという概念は、とりわけ硬化した光重合体印刷版の粘着量が減じられるかまたは回避される状態をさす。光重合体印刷版では、現像されるかまたは洗い流されて未硬化樹脂が除去され、水の下で後露出され、そして乾燥された版は最初に表面上では粘着性をほとんどまたは全く有していないと考えることができる。しかしながら、版の表面をインキ、インキクリーナーまたはアルコールと接触させた後には、表面はその結果として非常に粘着性の感じになることが見いだされていた。従って、本発明に従う無粘着性表面を製造するという概念は減じられたまたは排除された粘着性の永久的な状態を包含する。
【0010】
現在まで、ベンゾフェノンと感光性樹脂自体の硬化を妨害しない紫外線安定剤または吸収剤との存在下で生ずる光重合体印刷版の促進される分解を克服するための試みは可能でなかった。芳香族もしくはポリ不飽和カルボン酸またはエステルを含んでなる感光性樹脂を用いそして該印刷版を200〜300nmの範囲内の波長を有する放射線に当てることにより紫外線による分解に耐性がある永久的に無粘着性の凸版印刷版を製造できことることが今回驚くべきことに見いだされた。
【0011】
発明の要旨
本発明の目的は、永久的に粘着性がなく且つ約400nmより低い波長の低水準の光に対する長期露出で分解をうけない凸版印刷版を製造するための感光性樹脂組成物を提供することである。本発明の別の目的は、この永久的に粘着性のない印刷版を製造する方法を提供することである。
【0012】
本発明は、(i)ポリウレタンオリゴマー、(ii)少なくとも1個のエチレン系不飽和基を有する単量体、(iii)光重合開始剤、および(iv)粘着性減少用添加剤を含んでなる感光性樹脂組成物を提供する。そのような樹脂を用いて製造されたフレキソグラフィー印刷版は200nm〜300nmの波長の照射を用いる後露出により完全に且つ永久的に無粘着性になり得て、そして300nm以上の波長における低水準の活性放射線に対する長期露出時に耐分解性である。
【0013】
発明の開示
本発明は、
(A)重量により50%〜98%のポリウレタンプレポリマー、
(B)1.0%〜50%のエチレン系不飽和単量体、または該単量体の混合物、
(C)0.2%〜5%の光開始剤、および
(D)0.5%〜5.0%の粘着性減少用添加剤
を含んでなる凸版印刷版を製造するために使用できる光重可能な樹脂組成物を提供する。
【0014】
本発明において成分(A)として使用されるプレポリマーは、1個もしくはそれ以上の末端エチレン系不飽和基、例えばメタクリル酸またはアクリル酸エステル、を有するポリウレタンプレポリマーである。ウレタンプレポリマーは、ポリエーテルジオールまたはポリエーテルジオール類の配合物、少なくとも2個のイソシアナート基を有する分子、好ましくはジイソシアナート、並びにヒドロキシ−官能化(メタ)アクリル酸エステルとしても知られている少なくとも1個のヒドロキシル基および少なくとも1個の(メタ)アクリル酸エステル基を有する分子の反応により製造することができる。適するポリエーテルジオール類は、ペンシルバニア州のアルコ・ケミカル・オブ・ニュートーン・スクエア(Arco Chemical of Newtowne Square)から入手できるアックレーム(Acclaim)3201、アックレーム3205、アックレーム4220およびアックレーム2220を包含する。他のポリエーテルジオール類も適するであろう。
【0015】
本発明のポリウレタンプレポリマーを製造するために使用されるジイソシアナートは好ましくは芳香族ジイソシアナートであるが、脂肪族ジイソシアナートも全く同様に使用することができる。代表的な芳香族ジイソシアナート類はメチレンジフェニルジイソシアナート(別名ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアナート)、メタ−およびパラ−キシリレンジイソシアナート、トルエン−2,4−ジイソシアナート、トルエン−2,6−ジイソシアナートまたは後者の2種の異性体の混合物(別名2,4−および2,6−トルエンジイソシアナート)、ナフタレン−1,5−ジイソシアナート、フェニルベンジルエーテル4,4′−ジイソシアナートなどを包含する。
【0016】
脂肪族および/または脂環式ジイソシアナート類をジイソシアナート成分として使用することができる。適する脂肪族ジイソシアナート類は、例えば、脂肪族基中の炭素数が2〜12のもの、例えば、ヘキサメチレンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナートなどを包含する。適する脂環式ジイソシアナート類は、例えば、1,4−ジイソシアナート−シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアナート(別名ビス−シクロヘキシルメタンジイソシアナート)、イソホロンジイソシアナートなどを包含する。
【0017】
イソシアナート末端ポリウレタンオリゴマー類を製造するためには、過剰当量のジイソシアナートをジオールと反応させることが好ましい。ジオール成分対ジイソシアナート成分のモル比は好ましくは約1.0:1.08〜1.0:1.5の間、そしてより好ましくは約1.0:1.12〜1.0:1.3の間である。ポリウレタンオリゴマー類の数平均分子量は好ましくは約6,000〜40,000の間、そしてより好ましくは約8,000〜30,000の間、そして最も好ましくは約12,000〜20,000の間である。
【0018】
好ましくは、ジオールおよびジイソシアナートの間の反応は、好ましくは約50〜約100ppmの有効濃度の触媒、好ましくはジラウリン酸ジブチル錫または他のそのようなアルキル錫触媒、の存在下で反応物を接触させることにより行われる。反応温度は約60℃であるべきであり、その温度では反応時間は約4時間であろう。
【0019】
ポリエーテルジオールを過剰のジイソシアナートと反応させてイソシアナート末端ポリウレタンオリゴマーを与えた後に、オリゴマーをヒドロキシアクリル酸エステルまたはヒドロキシメタクリル酸エステルと反応させてエチレン不飽和をオリゴマー中に導入しそしてウレタンプレポリマーを与える。適するヒドロキシアクリル酸エステル類またはヒドロキシメタクリル酸エステル類は、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、モノメタアクリル酸ポリプロピレングリコール、モノアクリル酸ポリプロピレングリコール、またはアクリル化されたカプロラクトンオリゴマー類を包含するが、それらの限定されない。これらの中で、波形ボードまたは不規則的表面を有する他のセルロース基質上での印刷用に必要な軟質光重合体を製造するためにはモノメタクリル酸ポリプロピレングリコールおよびアクリル化されたカプロラクトンオリゴマーが好ましい。
【0020】
本発明の感光性樹脂組成物の成分(B)として使用される1種もしくは複数の単量体は、反応性単量体または単に単量体としても知られている少なくとも1個のアクリル酸エステル基を有する単量体である。本発明の反応性単量体は1個もしくはそれ以上の光重合可能な官能基を有する市販の分子でありうる。好ましい反応性単量体は、エステル類を包含するモノ−もしくはポリ−アクリル酸またはメタクリル酸エステル化合物である。(メタ)アクリル酸エステルという表示はここではメタクリル酸エステル類およびアクリル酸エステル類の一方または両方を同時にさすために使用されるであろう。
【0021】
分子内に2個もしくはそれ以上のエチレン系不飽和基を有する化合物の使用が印刷版の硬度を増加させる。従って、そのような化合物の使用量を調節して所望する硬度を有する印刷版を得るようにすべきである。この理由のために、反応性単量体がモノ−(メタ)アクリル酸エステルおよびポリ(メタ)アクリル酸エステルの混合物であることが好ましい。
【0022】
例示反応性単量体はアクリル酸および/またはメタクリル酸と一価もしくは多価アルコール類とのエステル類であり、そして例えば(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸フェノエトキシ、モノ(メタ)アクリル酸エチレングリコールモノエチルエーテル、モノ(メタ)アクリル酸エチレングリコールジエチルエーテル、モノ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジ(メタ)アクリル酸ヘキサン−1,6−ジオール、トリ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリメチロールプロパン、ジ(メタ)アクリル酸ジ、トリ、およびテトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリトリトール、プロポキシル化モノ−、ジ−およびトリ−(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、エトキシル化トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、並びに(メタ)アクリル酸を有するオリゴマー状ポリブタジエン類、すなわち、活性化された光重合可能なオレフィン系二重結合を有するオリゴマー状ポリブタジエン類を包含するが限定されない。
【0023】
好ましい単量体はメタクリル酸ラウリル、モノメタクリル酸ポリプロピレングリコール、モノアクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリメタクリル酸トリメチロールプロパンおよびジメタクリル酸テトラエチレングリコールである。
【0024】
本発明の感光性樹脂調合物中の反応性単量体の割合は少なくとも一部は生ずる液体感光性樹脂の所望される粘度により指令される。ポリウレタンプレポリマーの特定の分子量に関しては、感光性樹脂中に導入される単量体の量が多くなればなるほど、生ずる樹脂の粘度は低くなる。感光性樹脂の粘度は使用温度において好ましくは10,000cps〜100,000cpsの間であり、そしてより好ましくは20,000cps〜50,000cpsの間である。最も好ましくは、それは約25,000cps〜約40,000cpsの間である。感光性樹脂に対して特定の粘度を与えるために特定分子量のポリウレタンプレポリマーに必要な不飽和反応性単量体の量は多くの実験を行わずに当業者により容易に決めることができる。
【0025】
典型的には、反応性単量体は光重合可能な混合物の約10〜約35重量%であり、そしてより好ましくは混合物の約15〜約30重量%である。
【0026】
本発明の感光性樹脂組成物の成分(C)として使用される1種もしくは複数の光開始剤は、凸版印刷版で従来から使用されている光開始剤のいずれかでありうる。代表的な光開始剤は、アクリルホスフィンオキシド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、すなわち、イルガキュア(Irgacure)R651(チバ−ガイギー(Ciba−Geigy))、ベンジル1−メチル1−エチルケタール、2−クロロチオキサントン、ジベンゾスベロン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エチル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4′−モルホリノデオキシベンゾインおよび2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドを包含する。
【0027】
光重合開始剤の量は、妥当な長さの時間の裏露出によるフレキソグラフィー印刷版に対する下層の形成および要求される解像度を有する凸版像の形成を可能にするであろういずれの有効濃度でもよい。この時間は形成しようとする像のタイプ並びに所望するフレキソグラフィー印刷版の厚さに関連する。光重合開始剤の有効量は選択される開始剤のタイプに依存する。
【0028】
0.1−10重量%の光開始剤の濃度範囲が示唆される。光開始剤の量が0.1%より少ない場合には、紫外線設定濃度が低下しそして光重合体版の物理的性質が極端に低下する。光開始剤の量が5重量%を越える場合には、いずれの性質に関しても有利な影響はみられずそして調合物の価格が商業的に望ましくなくなる。より高い濃度の光開始剤は生ずる印刷版に対して低水準の活性放射線の存在下でより大きい分解感度をもたらすことができる。
【0029】
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンに関しては、1種もしくは複数の光開始剤は光重合可能な混合物中で約0.1%〜約5%の、好ましくは約0.2%〜約1.5%の、そしてより好ましくは約0.25%〜約0.75%の量で使用される。
【0030】
本発明の感光性樹脂組成物の成分(D)として使用される粘着性減少用添加剤は、200nm〜300nm、好ましくは約245nm〜約265nm、より好ましくは約254nmの波長における活性放射線を吸収しそして300nmもしくはそれより高い、より好ましくは330nmもしくはそれより高い、波長における活性放射線を実質的に吸収しない芳香族カルボン酸、もしくは芳香族カルボン酸エステル、またはポリ不飽和カルボン酸もしくはポリ不飽和カルボンエステル類、またはそれらの混合物でありうる。適する粘着性減少用添加剤は、4−ヒドロキシ安息香酸、4−メトキシ安息香酸、4−アルコキシ安息香酸類、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−メトキシ安息香酸メチル、2−チオフェンカルボン酸、桂皮酸、2,4−ヘキサジエン酸、およびそれらの混合物を包含する。好ましい粘着性減少用添加剤は4−ヒドロキシ安息香酸および4−メトキシ安息香酸を包含する。粘着性減少用添加剤は約0.5〜約5重量%で存在する。より好ましくは、それは約0.75〜約3重量%で存在する。最も好ましくは、それは約1〜約2重量%で存在する。
【0031】
上記の成分A、B、CおよびDの他に、本発明の光重合可能な樹脂は他の追加添加剤、例えば熱酸化防止剤、紫外線吸収剤、障害アミン光安定剤、染料、顔料または可塑剤を包含してもよい。例示酸化防止剤は、例えば、立体障害モノフェノール類、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)、アルキル化チオールビスフェノール類およびアルキリデンビスフェノール類、例えば2,2−メチレンビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)または2,2−ビス(1−ヒドロキシ−4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)スルフィドを包含する。BHTが好ましい酸化防止剤である。
【0032】
本発明の感光性樹脂からの印刷版の製造は、他の感光性樹脂と共に使用されている従来方法により行うことができる。すなわち、感光性樹脂は均一な厚さの層として基質裏打ちシートと写真ネガに面するカバーシートとの間に付与しそして層に裏側露出しそして活性放射線で像露出し、引き続き版を現像する。
【0033】
担体としても知られる基質裏打ちシートは、フレキソグラフィー印刷版を製造するために使用される感光性要素と共に従来から使用されているいずれの柔軟性材料であってもよい。適する基質材料の例は、重合体状フィルム、例えば付加重合体および線状縮合重合体におより製造されるもの、透明なフォームおよび織物を包含する。好ましい基質はポリエステルフィルムであり、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。基質は典型的には2〜10ミル(0.0051〜0.025cm)の厚さを有し、4〜7ミル(0.010〜0.018cm)の厚さが好ましい。
【0034】
適する活性放射線源の例は、日光および商業用紫外線蛍光管、中圧、高圧および低圧水銀灯、超活性蛍光管、脈動キセノン灯、金属ヨウ化物で処理された灯およびカーボンアーク灯である。好ましくは、本発明で使用される光重合体版を、低圧水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアーク灯、紫外線蛍光灯、化学灯、キセノン灯、またはジルコニウム灯により発生させる150−500nm、特に300−400nm、の波長を有する紫外線を用いて硬化させる。
【0035】
光重合体版の現像用に実際に使用される数種のタイプの装置がある。圧力下での洗浄溶液の版に対する噴霧により凸版を形成する。また、加圧空気によって未露出部分を吹き出すことにより凸版を形成する。さらに、平らな表面または胴に固定された版をブラシでこすることにより凸版を形成し、それにより未露出部分を溶液中に溶解させる。光重合体版を、上記光源に対する露出により硬化させた後に、露出されていない非像部分を除去する洗浄溶液としても知られている現像剤を用いて現像することが好ましい。この工程が光重合体版の上に凸版像を形成する。洗浄溶液により除去された露出されていない部分は乳化液または懸濁液の形態で洗浄浴内の溶液の中に残る。
【0036】
水性現像剤を使用することが好ましい。現像剤は最も望ましくは、場合によりアルカリ性化合物および界面活性剤を含有してもよいpH5.0−9.0を有する水(水道水)である。界面活性剤の添加は、光重合体が水中に容易に分散し且つ水中に分散したままであるために望ましい。好ましい界面活性剤はアルキル−ナフタレンスルホン酸ナトリウムおよびアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムである。界面活性剤の他の例は、カルボン酸エステル、硫酸エステル、スルホン酸エステル、または燐酸エステルを含有するアニオン性界面活性剤;非イオン性界面活性剤、例えばポリエチレングリコール誘導体、多価アルコール誘導体、およびソルビタン誘導体;第一級、第二級もしくは第三級アミン塩、または第四級アンモニウム塩を含有するカチオン性界面活性剤;並びにアミノ酸親水性基またはベタイン親水性基を含有する両性界面活性剤を包含する。好ましいアルカリ性化合物はヘキサメタ燐酸ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム、水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウムである。洗浄溶液は25℃−50℃、好ましくは30−40℃、で使用すべきである。界面活性剤の水中濃度は限定されないが、一般的には約0.5%〜約4%の範囲内である。版は現像剤水溶液を用いる噴霧乾燥により非常にしばしば現像されるが、上記のものを包含する他の技術も使用できる。場合により、発泡防止剤、例えばシリコーン発泡防止剤、を現像剤水溶液に加えることもできる。
【0037】
現像段階後に、版の背景および側面中の部分的に重合された感光性樹脂の硬化を、重合の酸素抑制を防止するための酸素吸収化合物、例えば硫酸水素ナトリウム、の下での活性放射線に対する露出により完了させる。版の表面を次に約200nm〜約300nmの波長の活性放射線に対する露出により永久的に無粘着性にする。活性放射線の好ましい波長は殺菌灯、例えばボルターク・テクノロジーズ(Voltarc Technologies)により製造されるボルターク(Voltarc)CRFX5058灯、により発生させる254nmにおけるものである。無粘着化は好ましくは約100°F〜約140°Fの温度において行われる。より好ましくは、無粘着化は約125°F〜約140°Fの温度において行われる。
【0038】
下記の実施例は本発明の感光性樹脂組成物および印刷版の製造をより良く開示しそして教示するために示される。これらの実施例は説明目的だけのためであり、そして以下の請求項に列挙された本発明の精神および範囲に実質的に影響を与えずに変更および変化を行えることを認識すべきである。
一般的工程
印刷版の表面粘着性を、試料版の表面上に押し付けられた鋼足を分離するのに必要な応力の値によりオメガ・エンジニアリング・インコーポレーテッド(Omega Engineering Inc.)から得られるオメガフォースメーターモデルDFG−2を用いて測定される。上記の表面粘着性を測定する方法の特徴は以下に記載される。印刷版を基準担体に対して版の凸版面が上向きになるように取り付ける。デジタルフォースゲージに取り付けられた半径0.25インチの鋼足を版の凸版面の平らな部分と接触させる。500gの負荷をオメガフォースメーターで測定しながら鋼足に適用しそして10秒間にわたり放置する。次に、足を0.5インチ/分の一定上昇速度で版が足から離れるまで上向きに持ち上げる。版からの足の分離直前の応力の価をオメガフォースメーターを用いて測定する。本発明に従い製造された印刷版は上記工程により測定された50gもしくはそれ以下の、好ましくは25gもしくはそれ以下の、粘着性値を有するであろう。
【0039】
下記の実施例の光重合可能な組成物の各々を下記の工程に従い光重合体印刷版に成形する。メリグラフ(Merigraph)Rタイプ3048露出装置を用いて、感光性樹脂組成物の0.250インチ厚さの層を接着剤でコーテイングされたポリエステル裏打ちシートとポリプロピレンフィルムのカバーシートとの間の層として形成し、それが説明部分に示されているように光樹脂を写真ネガから分離する。光重合体を2時間30分の裏側露出にかけ、引き続きネガを通して6時間にわたり像露出する。露出後に、カバーシートを除去しそして2重量%のメリグラフ洗浄洗剤W6410Lおよび2重量%のチオ硫酸ナトリウムを含有する水溶液を用いて35−40℃において10分間にわたり噴霧洗浄することにより未硬化樹脂を除去して凸版を得る。次にこの版を重硫酸ナトリウム水溶液の中に浸漬しそして8mW/cm2の最小強度を有する活性放射線による後露出にかけて版の凸版部分を完全に硬化させる。版を次に30〜45分間にわたり40℃において乾燥する。版を次に殺菌灯下で約10〜20分間にわたり光重合体印刷版の表面から約15cmのところに置かれた一列のボルタークGRFC5058殺菌灯下で乾燥露出段階にかける。各版の表面粘着性は上記の通りにして測定された。引っ張り強さおよび伸び測定のために、0.004インチのコーテイングされていないポリエステルシートとポリプロピレンフィルムとの間に0.040インチの厚さの感光性樹脂組成物の層を流し込むことにより、感光性樹脂組成物を硬化させた。光重合体を30秒間にわたる裏側露出にかけ、引き続き400秒間にわたる表側露出にかけた。ポリエステルおよびポリプロピレンフィルムを剥離しそして試料をASTM方法D−412に従う引っ張り試験用にダイ切断した。
【0040】
硬化した試料をクーパー・ライティング(Cooper Lighting)モデルM−59金属ハライドタイプ400ワット灯からの放射線に露出することにより、試料を紫外線分解耐性に関して試験した。紫外線強度をインターナショナル・ライティング・インコーポレーテッド(International Lighting Inc.)からのIL1400Aラジオメーターを用いて測定した。光を試料上のある距離に設置して100μW/cm2の測定紫外線強度を生じた。像形成した0.250インチ版または0.040インチ厚さの固体シートに120時間にわたり連続的に照射しそして次に像形成版における損傷耐性またはシートの引っ張り強さおよび伸びのいずれかを測定するために試験した。
実施例1
1349g(0.429モル)のアックレーム3205、90グラム(0.515モル)のTDIおよび0.10グラムのジラウリン酸ジブチル錫(DBTDL)触媒を窒素パージ、空気スタラーおよび熱電対を装備した2リットル樹脂ケトルの中に充填した。最初の発熱反応後に、反応混合物を60℃に2時間にわたり、ジ−n−ブチルアミンを用いる滴定により測定したイソシアナート濃度が0.50重量%に達するまで、保った。次に160.0グラム(0.421モル)のモノメタクリル酸ポリプロピレングリコール(分子量380g/モル)、1.6gのBHTおよび0.06gのDBTDLの混合物を次に反応混合物に加え、そして内容物を60℃にさらに2時間にわたり、滴定が残存イソシアナートを示さなくなるまで、保った。
【0041】
70.0グラムの生じたウレタンプレポリマーに14.5グラムのモノメタクリル酸ポリプロピレングリコール、7.2グラムのメタクリル酸ラウリル、0.9グラムのトリメタクリル酸トリメチロールプロパン、3.0グラムのジメタクリル酸テトラエチレングリコール、1.8グラムのメタクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、0.5グラムのイルガキュア651、0.1グラムのBHTおよび2.0グラムの4−ヒドロキシ安息香酸を加えた。生じた混合物を2時間にわたり撹拌して感光性樹脂組成物を得た。樹脂を光重合体印刷版または引っ張り性質測定用の0.040インチ厚さシートに製造した。硬化した試料の引っ張り強さおよび伸びはそれぞれ1331psiおよび330%であった。120時間にわたる紫外線エージング後に、引っ張り強さおよび伸びは1023psiおよび270%であった。殺菌灯への15分間にわたる露出の前後に測定された感光性樹脂から製造された光重合体印刷版の表面粘着性は表1に示されている。
【0042】
上記の光重合可能な樹脂を下記の工程に従い光重合体印刷版に成形した。メリグラフRタイプ3048露出装置を用いて、感光性樹脂組成物の0.250インチ厚さの層を接着剤がコーテイングされたポリエステル裏打ちシートとポリプロピレンフィルムのカバーシートとの間の層として製造し、それが光樹脂を写真ネガから分離した。光重合体を2時間の裏側露出にかけ、引き続き5時間30分のネガを通す像形成露出にかけた。露出後に、カバーシートを除去しそして未硬化樹脂を2重量%のメリグラフR洗浄洗剤W6410Lおよび2重量%の三燐酸ナトリウムを含有する水溶液を用いる35−40℃における10分間にわたる噴霧洗浄により除去して凸版を得た。次に版を重硫酸ナトリウム水溶液の中に浸漬しそして9mW/cm2の最小強度を有する活性放射線に後露出して版の凸版部分を完全に硬化させた。版を次に30分間にわたり50℃において乾燥した。版を次に殺菌灯下で15分間にわたり乾燥後露出にかけた。このようにして製造された印刷版を使用して33,000枚の波形ボードのシートを印刷した。インキ転写、被覆率および色濃度は優れており、そして版上に沈着し始めた紙屑または繊維は数枚の追加シートを製造した後に容易に離れた。全ての操作中に版をクリーニングするために印刷機械を停止する必要はなかった。
実施例2
1.0グラムの4−メトキシ安息香酸を4−ヒドロキシ安息香酸の代わりに使用したこと以外は、実施例1の工程に従い感光性樹脂を製造した。硬化した試料の引っ張り強さおよび伸びはそれぞれ1240psiおよび315%であった。120時間にわたる紫外線エージング後に、引っ張り強さおよび伸びは1075psiおよび285%であった。殺菌灯への15分間にわたる露出の前後に測定された感光性樹脂から製造された光重合体印刷版の表面粘着性は表1に示されている。
実施例3
1.7gの2−チオフェンカルボン酸を4−ヒドロキシ安息香酸の代わりに使用したこと以外は、実施例1の工程に従い感光性樹脂を製造した。硬化した試料の引っ張り強さおよび伸びはそれぞれ1100psiおよび340%であった。120時間にわたる紫外線エージング後に、引っ張り強さおよび伸びは800psiおよび280%であった。殺菌灯への20分間にわたる露出の前後に測定された感光性樹脂から製造された光重合体印刷版の表面粘着性は表1に示されている。
実施例4
1.5gの4−ヒドロキシ安息香酸メチルを4−ヒドロキシ安息香酸の代わりに使用したこと以外は、実施例1の工程に従い感光性樹脂を製造した。硬化した試料の引っ張り強さおよび伸びはそれぞれ1225psiおよび300%であった。120時間にわたる紫外線エージング後に、引っ張り強さおよび伸びは1160psiおよび280%であった。殺菌灯への15分間にわたる露出の前後に測定された感光性樹脂から製造された光重合体印刷版の表面粘着性は表1に示されている。
実施例5
0.7gの2,4−ヘキサジエン酸を4−ヒドロキシ安息香酸の代わりに使用したこと以外は、実施例1の工程に従い感光性樹脂を製造した。硬化した試料の引っ張り強さおよび伸びはそれぞれ900psiおよび315%であった。120時間にわたる紫外線エージング後に、引っ張り強さおよび伸びは700psiおよび275%であった。殺菌灯への20分間にわたる露出の前後に測定された感光性樹脂から製造された光重合体印刷版の表面粘着性は表1に示されている。
実施例6
70.0グラムの実施例1のポリウレタンプレポリマーを14.5グラムのモノメタクリル酸ポリプロピレングリコール、7.2グラムのメタクリル酸ラウリル、0.9グラムのトリメタクリル酸トリメチロールプロパン、3.0グラムのジメタクリル酸テトラエチレングリコール、0.5グラムのイルガキュア651、0.1グラムのBHTおよび2.0グラムの4−ヒドロキシ安息香酸と2時間にわたり配合することにより感光性樹脂を製造した。樹脂を光重合体印刷版または引っ張り性質測定用の0.040インチ厚さシートに製造した。硬化した試料の引っ張り強さおよび伸びはそれぞれ1331psiおよび330%であった。120時間にわたる紫外線エージング後に、引っ張り強さおよび伸びは1023psiおよび270%であった。殺菌灯への15分間にわたる露出の前後に測定された感光性樹脂から製造された光重合体印刷版の表面粘着性は表1に示されている。
【0043】
上記の感光性樹脂を用いて実施例1の工程を用いて印刷版を製造した。この印刷版を使用して15,000枚の波形ボードのシートを印刷した。この試験中に版をクリーニングするために印刷機械を停止しなくてよかった。試験の終了時に印刷版上の文字側に乾燥したインキまたは紙繊維蓄積はなかった。
実施例7
1.5グラムの4−ヒドロキシ安息香酸を使用したこと以外は、実施例1の工程に従い感光性樹脂を製造した。硬化した試料の引っ張り強さおよび伸びはそれぞれ1220psiおよび320%であった。120時間にわたる紫外線エージング後に、引っ張り強さおよび伸びは1060psiおよび275%であった。殺菌灯への20分間にわたる露出の前後に測定された感光性樹脂から製造された光重合体印刷版の表面粘着性は表1に示されている。
比較例1
70.0グラムの実施例1のポリウレタンプレポリマー、14.5グラムのモノメタクリル酸ポリプロピレングリコール、7.2グラムのメタクリル酸ラウリル、0.9グラムのトリメタクリル酸トリメチロールプロパン、3.0グラムのジメタクリル酸テトラエチレングリコール、1.8グラムのメタクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、0.5グラムのイルガキュア651、0.1グラムのBHTおよび0.7グラムのベンゾフェノンを2時間にわたり配合することにより感光性樹脂を製造した。硬化した試料の引っ張り強さおよび伸びはそれぞれ1080psiおよび300%であった。120時間にわたる紫外線エージング後に、引っ張り強さおよび伸びは測定不能であった。24時間程度の短いエージング時間後に、引っ張り強さおよび伸びは400psiおよび150%に低下した。殺菌灯への7.5分間にわたる露出の前後に測定された感光性樹脂から製造された光重合体印刷版の表面粘着性は表1に示されている。
比較例2
70.0グラムの実施例1のポリウレタンプレポリマー、14.5グラムのモノメタクリル酸ポリプロピレングリコール、7.2グラムのメタクリル酸ラウリル、0.9グラムのトリメタクリル酸トリメチロールプロパン、3.0グラムのジメタクリル酸テトラエチレングリコール、1.8グラムのメタクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、0.5グラムのイルガキュア651、0.1グラムのBHTおよび2.0グラムのミリスチン酸を2時間にわたり配合することにより感光性樹脂を製造した。硬化した試料の引っ張り強さおよび伸びはそれぞれ1200psiおよび330%であった。120時間にわたる紫外線エージング後に、引っ張り強さおよび伸びは980psiおよび290%であった。殺菌灯への15分間にわたる露出の前後に測定された感光性樹脂から製造された光重合体印刷版の表面粘着性は表1に示されている。
【0044】
印刷版をこの感光性樹脂を用いて実施例1の工程に従い製造しそして25,000枚の波形ボードのシートを印刷するために使用した。印刷版上に蓄積しそして離れなかった乾燥したインキまたは紙繊維を除去するために印刷機械を約3000〜4000枚のシート後毎に停止しなければならなかった。
【0045】
【表1】
Claims (15)
- A.ポリウレタンプレポリマー、
B.エチレン系不飽和単量体、
C.光開始剤、並びに
D.芳香族カルボン酸類、芳香族カルボン酸エステル類、ポリ不飽和カルボン酸類、ポリ不飽和カルボン酸エステル類およびそれらの混合物よりなる群から選択される粘着性減少用添加剤
を含んでなる光重合体組成物。 - 粘着性減少用添加剤が4−ヒドロキシ安息香酸、4−メトキシ安息香酸、4−アルコキシ安息香酸類、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−メトキシ安息香酸メチル、2−チオフェンカルボン酸、桂皮酸、2,4−ヘキサジエン酸、およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
- 粘着性減少用添加剤が4−ヒドロキシ安息香酸、4−メトキシ安息香酸およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
- 粘着性減少用添加剤が光重合体組成物中に約0.75重量%〜約3重量%の濃度で存在する請求項1に記載の組成物。
- 粘着性減少用添加剤が200nm〜330nmの波長の活性放射線を吸収するが330nmより上の波長の活性放射線を実質的に吸収しない請求項1に記載の組成物。
- a)ポリウレタンプレポリマー、
b)エチレン系不飽和単量体、
c)光開始剤、並びに
d)芳香族カルボン酸類、芳香族カルボン酸エステル類、ポリ不飽和カルボン酸類、ポリ不飽和カルボン酸エステル類およびそれらの混合物よりなる群から選択される粘着性減少用添加剤
を含んでなる光重合体組成物の光反応生成物を含んでなる印刷版。 - 粘着性減少用添加剤が4−ヒドロキシ安息香酸、4−メトキシ安息香酸、4−アルコキシ安息香酸類、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−メトキシ安息香酸メチル、2−チオフェンカルボン酸、桂皮酸、2,4−ヘキサジエン酸、およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項6に記載の印刷版。
- 粘着性減少用添加剤が4−ヒドロキシ安息香酸、4−メトキシ安息香酸およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項6に記載の印刷版。
- 粘着性減少用添加剤が光重合体組成物中に約0.75重量%〜約3重量%の濃度で存在する請求項6に記載の印刷版。
- 粘着性減少用添加剤が200nm〜330nmの波長の活性放射線を吸収するが330nmより上の波長の活性放射線を実質的に吸収しない請求項6に記載の印刷版。
- a)i)ポリウレタンプレポリマー、
ii)エチレン系不飽和単量体、
iii)光開始剤、並びに
iv)芳香族カルボン酸類、芳香族カルボン酸エステル類、ポリ不飽和カルボン酸類、ポリ不飽和カルボン酸エステル類およびそれらの混合物よりなる群から選択される粘着性減少用添加剤
を含んでなる光重合体組成物を像通りの方式で活性放射線に当て、
b)それにより、重合された光重合体組成物および重合されない光重合体組成物を作成し、重合されない光重合体組成物を現像して流し、そして
c)重合された光重合体組成物を200nm〜300nmの波長の活性放射線に当てる
ことを含んでなる、印刷版の製作方法。 - 粘着性減少用添加剤が4−ヒドロキシ安息香酸、4−メトキシ安息香酸、4−アルコキシ安息香酸類、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−メトキシ安息香酸メチル、2−チオフェンカルボン酸、桂皮酸、2,4−ヘキサジエン酸、およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項11に記載の方法。
- 粘着性減少用添加剤が4−ヒドロキシ安息香酸、4−メトキシ安息香酸およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項11に記載の方法。
- 粘着性減少用添加剤が光重合体組成物中に約0.75重量%〜約3重量%の濃度で存在する請求項11に記載の方法。
- 粘着性減少用添加剤が200nm〜330nmの波長の活性放射線を吸収するが330nmより上の波長の活性放射線を実質的に吸収しない請求項11に記載の方法。
b.エチレン系不飽和単量体、
c.光開始剤、並びに
d.4−メトキシ安息香酸、4−アルコキシ安息香酸類、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−メトキシ安息香酸メチル、2−チオフェンカルボン酸、2,4−ヘキサジエン酸およびそれらの混合物よりなる群から選択される粘着性減少用添加剤
ここで粘着性減少用添加剤が光重合体組成物全体にわたり実質的に均一に分布されている。
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