JP2004513928A - 一酸化窒素の吸入 - Google Patents

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Abstract

ガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体のみによる治療に対する下位または非応答を阻止するために及び/またはガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体のみによる治療の中止の場合の反跳応答を阻止するために、人間を含む哺乳動物の肺血管収縮または気道収縮を治療するための薬剤の製造のためのシクロオキシゲナーゼ抑制剤と組合わせた吸入可能なガス状一酸化窒素(NO)の使用であって、前記組合せは前記肺血管収縮又は気道収縮の弛緩を達成するために治療的に有効な量で用いられている。上述の組合せを用いる肺血管収縮または気道収縮の治療のための方法と医薬調剤。

Description

【0001】
発明の分野
本発明は哺乳動物、特に人間の肺血管収縮または気道収縮の治療のための薬剤の分野内にある。より詳細には、この発明は一酸化窒素の吸入に応答しにくい、または全く応答しない、または一酸化窒素吸入の中止における反跳応答の患者である個人の治療のためを意図している。
【0002】
発明の背景
一酸化窒素は肺血管を、特にそれらが以下に例示されるであろうように、種々の障害により収縮しているときに、弛緩する。一酸化窒素はまた気道平滑筋を弛緩し(Belvisi MG,Stretton CD,Barnes PJ.Eur.J.Pharmacol,1992;210;221−222)、外因性一酸化窒素の吸入は実験動物及び人間の種々の薬剤に応答する気道収縮を弱める(Dupuy PM,Shore SA,Drazen JM,Frostell C,Hill WA,Zapol WM.J.Clin.Invest.1992;90:421−428;Hoegman M,Frostell C,Arnberg H,Hedenstierna G.Eur.Respir.J.1993;6:177−180;Hoegman M,Frostell CG,Hedenstroem H,Hedenstierna G.Am.Rev.Respir.Dis.1993;148:1474−1478)。かくして、例えばEP 560928,US 5485827,5873359及びWO 92/10228は気管支収縮及び肺血管収縮を治療するための一酸化窒素の使用を開示する。しかし治療の効果は大きな個人間及び個人内変異性を示すことが見出された。更にNO吸入(INO)は肺高血圧症を持つ患者の有効な療法であるかもしれないが、患者の約1/3はINOに対して下位または非応答者である。それに加えて、肺高血圧症及び酸素付加の悪化がINOを中止する試み時に観察され、これは反跳応答と呼ばれる。一酸化窒素の吸入の中止による生命を威嚇する血流力学的不安定性及び死がまた報告されている。NO投与量の段階的低下はNO療法を延長するであろうが反跳応答をなお排除しないかもしれない。
【0003】
下位応答性及び反跳応答を招く機構は完全に理解されていない。仮説の一つは内因性NO生成が内因性合成のダウンレギュレーションを持つ負のフィードバック機構としてNO吸入により抑制されることができるということである。本発明のための基礎を形成する研究において動物モデルが開発され、それはエンドトキシン注入により少なくとも3時間の間のNO吸入の中止における反跳応答を作り出した。更に研究結果は、反跳が内因性NO生成のダウンレギュレーションにより起こされるのみならず、恐らくより重要であるが血管収縮薬エンドセリン1(ET−1)の増大した活性により起こされることを示した。別の観察はINOに対する応答と反跳度との間に逆相関関係があることであった。従って、INOの効果が低ければ反跳応答はより強かった。下位または非応答と反跳との間の同様な関連が新生児の呼吸困難症例でDavidsonと共同研究者により見出された(D.Davidson,MD;Pediatries.104(2):231−236.1999)。
【0004】
我々のモデルでは、エンドトキシン注入は肺動脈圧の二相の増加とPaOの減少を起こした。血管収縮薬トロンボキサンA2(TXA2)または他のシクロオキシゲナーゼ(COX)製品の増大した濃度に平行してエンドトキシン注入の開始後15−30分で肺高血圧症に最初のきびしい増加が表れた。肺高血圧症及び低酸素症の第二の安定期間が増大したET−1と平行してエンドトキシン注入の開始後2.5時間で表れた。
【0005】
INOがトロンボキサン類似物により誘発された肺血管収縮を逆転するのに失敗したことを幾つかの研究が報告している(Welte M等、Acta Physiol Scand 1995,July,154(3):395−405)。Ikeda S等(Ikeda S.,Shirai M.,Shimouchi A.,Min KY.,Ohsawa N.,Ninomiya I.,J.Physiology 1999 Feb;49(1):89−98)が静脈投与されたプロスタサイクリンと組合わせたINOがより強化された血管拡張薬効果を作ることができることを報告している。
【0006】
更に、ロイコトリエンまたはアラキドン酸により誘発された気管支収縮を抑制する特別の置換されたフェニルアルケン酸とエステルがそれ自体US 4536515とUS 4537906から既知である。
【0007】
最後に、Lippton H.L.等;“ネコの肺血管床内のイソプロテレノール、ブラジキニン及びニトログリセリンへの応答におけるシクロオキシゲナーゼ遮断の影響”;Prostaglandins;1984,Vol.28.No.2,pp.253−270、はPGIのようなシクロオキシゲナーゼ製品が肺血管床内のイソプロテレノール、ブラジキニン及びニトログリセリンへの応答において血管拡張薬を仲介しないことを開示する。
【0008】
上述に基づくと、肺血管収縮または気道収縮の効果的な治療のための組合わせ療法、すなわちそこでは上述のようにINOの副作用が排除されまたは少なくとも広範囲にわたって減少される、が本発明により達成されることができることは非常に驚くべきことである。
【0009】
発明の概要
従って本発明の一つの目的はガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体のみでの治療に対して下位または非応答者である個人の気道または肺血管を弛緩するために使用される適当な化合物を提供することである。
【0010】
この発明の別の目的は単独で使用されたときの一酸化窒素の減少した弛緩効果または生命を威嚇する効果でさえ阻止するために使用される、好ましくは一酸化窒素の吸入を中止するときの反跳応答を阻止または排除するために使用するための適当な化合物を提供することである。
【0011】
この発明の更なる目的は純粋な吸入可能な薬剤の使用を完成することである。
【0012】
この発明の他の目的は以下の説明を読んだ後に当業者には明らかになるであろう。
【0013】
以下の説明を研究した後で当業者により得られることのできるこの発明の上述の目的並びに他の目的は添付請求の範囲に規定された使用、方法及び医薬調剤により完成される。
【0014】
より詳細には、この発明の第一態様によれば、ガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体のみによる治療に対する下位または非応答を阻止するために及び/またはガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体のみによる治療の中止の場合の反跳応答を阻止するために、哺乳動物、特に人間の肺血管収縮または気道収縮を治療するための薬剤の製造のためのシクロオキシゲナーゼ(COX)抑制剤と組合わせた吸入可能な一酸化窒素(NO)の使用が提供され、前記組合せは前記阻止作用を完成するために治療的に有効な量で用いられる。
【0015】
かくして、本発明によれば外因性一酸化窒素の減少した弛緩効果、または一酸化窒素の吸入中止時の生命を威嚇する効果でさえ、少なくとも部分的に、シクロオキシゲナーゼ製品のため阻止されることが驚くべきことに見出された。
【0016】
より詳細には、シクロオキシゲナーゼ(COX)抑制剤が一酸化窒素と組合わせて使用されるとき、一酸化窒素の弛緩効果は増強され、または一酸化窒素の弛緩効果は延長され、または一酸化窒素単独の減少した効果は逆転され、または一酸化窒素吸入を中止するときに表われる反跳応答は弱められまたは排除されさえすることが見出された。
【0017】
発明の詳細な説明
本発明によるガス状一酸化窒素とCOX抑制剤の組合せは気道及び肺血管の全ての形式の収縮誘発を治療するための薬剤の製品のために使用されることができる。
【0018】
かかる収縮誘発は外傷性損傷、肺の脂肪塞栓症、アシドーシス、成人の呼吸困難症候群、急性高山病、心臓血管及び肺手術後急性肺高血圧症、新生児の存続性肺高血圧症、周産期吸引症候群、硝子膜疾患、急性肺血栓塞栓症、急性肺水腫、ヘパリン−プロタミン反応、低酸素及び気管支ぜん息(例えばぜん息発作重積状態)の結果であることができる。
【0019】
この発明の一代替例は従ってガス状一酸化窒素のみの吸入に対し下位または非応答であると示された哺乳動物の治療のための薬剤の製造により代表される。この代替例は吸入一酸化窒素により治療された種々の患者群内に一般的に下位または非応答者の大きな群があるので極めて臨床的に重要である。
【0020】
この発明の別の代替例はNO吸入の中止で表われる反跳応答を治療するための薬剤の製造にある。
【0021】
この発明の好適実施例は気管支ぜん息、特に気管支ぜん息またはぜん息発作重積状態の急性状態と組合わされた気管支収縮のような気管支収縮を治療するための薬剤の製造にある。
【0022】
この発明によれば、一酸化窒素は好ましくはガス状の吸入可能形で用いられる。ガス状一酸化窒素の吸入は、このガスは呼吸管に分散し輸送する粒子または液滴を持たないので、例えば非ガス状の一酸化窒素供与体と比べて療法に大きな利点を示す。ガスは長い自由拡散経路を持ち、粒子または液滴よりより容易に閉塞(狭窄気道のような)をバイパスし、そして栓塞気管支痙攣を起こすことなく組織中に直接溶解する。肺血管及び気道平滑筋緊張へのNOガスの有益効果は吸入に続いて直ちに観察され、もし望むなら長期作用剤の吸入により、NOを吸入に続く気管支痙攣並びに肺血管収縮に対する有用な第一防衛とする。
【0023】
しかし、別の実施例によれば、一酸化窒素は一酸化窒素供与体、すなわち一酸化窒素を放出することにより作用する化合物、の形で投与される。この発明の実施に有用な既知の一酸化窒素放出化合物は化合物から自発的に放出されまたはそうでなければ肺内で得られるような生理学的条件下に化合物から転換される−NO部分により特徴付けられる、S−ニトロソ−N−アセチルペニシラミン、S−ニトロソ−L−システイン及びニトロソグアニジンのようなニトロソまたはニトロシル化合物である。他の化合物はNOが遷移金属錯体の配位子であり、生理学的条件下に化合物から容易に放出されまたは転換される化合物、例えばニトロプルシド、NO−フェレドキシン、またはNO−ヘム錯体である。更なる適当な窒素含有化合物はNOラジカルを生成するために呼吸及び/または血管系への内因性酵素により代謝される化合物、例えばアルギニン、グリセロールトリニトレート、イソアミルニトリット、無機亜硝酸塩、アジド及びヒドロキシルアミンである。かかる形式の一酸化窒素放出化合物及びそれらの合成法は周知である。好ましくは一酸化窒素供与体は気道及び肺血管のみが影響を受けるような方法で一酸化窒素を放出する化合物である。
【0024】
この発明で用いられる一酸化窒素供与体は粉末(すなわち純粋な形でまたは生物学的に適合性の担体粉末との混合物としてのいずれかで、または一つまたはそれ以上の追加の治療化合物と一緒に提供された微細に分割された固体)としてまたは液体(すなわち生物学的に適合性の液体担体中に溶解されたまたは懸濁された、任意的に一つまたはそれ以上の追加の治療化合物と混合された)として投与されることができ、都合よくば霧状の形(好ましくは10μm以下の直径を持つ粒子または液滴を含む)で吸入されることができる。吸入に適した担体液体及び粉末は伝統的なぜん息吸入療法で普通に用いられ、従って周知である。最適投与量範囲は当業者に既知の通常の手順により決定されることができる。
【0025】
この発明で用いられるシクロオキシゲナーゼ抑制剤は哺乳動物、特に人間の用途に適していると認められ、都合よく投与されることのできるどのような化合物であることもできる。本発明に関して実施された実験は非選択的COX抑制剤による実験である。しかし、COX−2酵素の遮断はINOの効果を増加し延長するように見える。COX−1及びCOX−2酵素の遮断は両者とも反跳応答を鈍らせるかもしれない。非選択的COX遮断剤の使用は従って有用であろうが、有利な効果はなおより選択的なCOX遮断剤により達成されるかもしれない。
【0026】
しかし、本発明により作動すべきCOX抑制剤のいくつかの例は:ジクロフェナク;アセクロフェナク;ナブメトーン;メロキシカム;メクロフェナミック;ニメスライド;パラセタモール;ロフェコキシブ;セレコキシブ;DuP 697(5−ブロモ−2−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)−フェニル]チオフェン);GR 32191(((IR−α(Z),2β,3β,5α))−(+)−7−5(((1.1′−ビフェニル)−4−イル)−メトキシ)−3−ヒドロキシ−2−(1−ピペリジニル)−シクロペンチル)−4−ペプテノン酸);フロスライド(またはcGP 28238);NS 398(N−(2−(シクロヘキシルオキシ)−4−ニトロフェニル)−メタンスルホンアミド);L−745,337(N−[6−[(2,4ジフルオロフェニル)チオ]−2,3−ジヒドロ−1−オキソ−1H−インデン−5−イル]メタンスルホンアミド);DFU((5,5−ジメチル−3−(3−フルオロフェニル)−4−(4−メチルスルホニル)フェニル−2(5H)−フラノン);HN−56249((3−2,4−ジクロロチオフェノキシ)−4−メチルスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド);JTE−522((4−(4−シクロヘキシル−2−メチルオキサゾール−5−イル)−2−フルオロベンゼンスルホンアミド);アスピリン;インドメタシン;及びイブプロフェンである。
【0027】
これらの特定の化合物のうちアスピリン、インドメタシン及びイブプロフェンはCOX−1抑制に関しより選択的であるように見えるが、他の化合物(少なくともそれらの大部分)はCOX−1及びCOX−2抑制に関してより選択的または本質的にCOX−2抑制に関して同様に選択的であるように見える。またそれらの酸付加塩、例えば塩酸塩は有用であるかもしれない。
【0028】
この発明により用いられる成分は商業的に入手可能な吸入装置により投与されることができる。圧縮NOガスは商業供給者から、典型的には純Nガス中の200−2000ppmNOの混合物として得られることができる。前記NO−Nガス混合物は吸入ガス中に1−100000nmol/minの量で送出されることができ、または、一般的に前記混合物の1ppmから180ppmの濃度に空気、酸素または他の適当な担体ガスまたはガス混合物と混合されることができる。延長時間中の吸入のためには1−40ppmの範囲が一般的に用いられるが、即時の強力な効果が望ましいときには短時間に1−80ppmまたは1−180ppmが用いられることができる。最後に述べた場合の特に好ましい範囲にはそれぞれ20−80ppm(例えば40−80ppm)または40−180ppmである。NOの吸入に関する更なる詳細に関しては先行技術、例えばEP 560928B1が参照され、その開示はここに参照までに組み込まれる。
【0029】
一酸化窒素及びシクロオキシゲナーゼ抑制剤はどのような順序でも引き続いて投与されることができ、またはそれらは同時に投与されることができ、後者の場合には別個の源から二つの成分を同時にまたは一緒に、または前記一酸化窒素と前記シクロオキシゲナーゼ抑制剤の両者を含む組成物の形でのいずれかで投与されることができる。
【0030】
シクロオキシゲナーゼ抑制剤はNOと同じ態様で、すなわち吸入により投与されることができるが、また医薬品のための他の普通の投与ルートにより投与されることができる。かかるルートの内、舌下、経口、及び直腸投与、上皮面への塗布、及び皮下、筋肉、静脈または腹腔内でありうる注射が参照されることができる。しかし好ましくはシクロオキシゲナーゼ抑制剤は吸入により投与される。従ってそれは粉末(すなわち純粋な形でまたは生物学的に適合性の担体粉末との混合物としていずれかで、または一つまたはそれ以上の追加の治療化合物と一緒に提供された微細に分割された固体)としてまたは液体(すなわち生物学的に適合性の液体担体中に溶解されたまたは懸濁された、任意的に一つまたはそれ以上の追加の治療化合物と混合された)として投与されることができ、都合よくば霧状の形(好ましくは10μm以下の直径を持つ粒子または液滴を含む)で吸入されることができる。吸入に適した担体液体及び粉末は伝統的なぜん息吸入療法で普通に用いられ、従って周知である。
【0031】
シクロオキシゲナーゼ抑制剤は治療的に有効な量で用いられ、かかる量は当業者により特に用いられる化合物の形式及び投与ルートに依存して容易に確立される。当業者には明らかであるように、この点並びに説明及び請求の範囲で一般的な字句“治療”は予防処置並びに確立された状態の処置を包含する。更に“治療的に有効”は、この特別の場合では一般的にシクロオキシゲナーゼ抑制剤はそれがガス状一酸化窒素のみを用いるときに得られる負効果を逆転するやいなや治療的に有効であるけれども、例えば上に参照したEP 560928B1に規定されるように、この技術分野内の普通の意味で用いられる。この点の指針として、化合物ジクロフェナクは経口錠剤、座剤、筋肉注射または静脈注入により用いられるとき成人に対し50−150mg/日の合計量で用いられるとき一般に有効であることが追加されることができる。これはエアロゾルの形で用いられるとき0.15から3mg/kg体重のようなほぼ0.1から5mg/kg体重の投与量に相当すべきである。しかし、効果はあるときはより低い投与量で得られるかもしれず、あるときはより高い投与量さえ必要かもしれない。他の化合物に対してはこれはその適切な投与量の確立のための基礎として用いるられることができる。
【0032】
この発明の第二態様によれば、ガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体のみによる治療に対する下位または非応答を阻止するため及び/またはガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体のみによる治療の中止の場合の反跳応答を阻止するための、哺乳動物、特に人間の肺血管収縮または気道収縮の治療のための方法が提供される。前記方法はかかる治療を必要とする哺乳動物にシクロオキシゲナーゼ抑制剤と組み合わせてガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体の形で、一酸化窒素(NO)を吸入により投与することを含み、前記組み合わせは前記阻止作用を達成するために治療的に有効な量で用いられる。
【0033】
前記方法の特別のかつ好適な実施例として、この発明による使用と関連して述べられたそれらの特別のかつ好適な実施例が参照される。
【0034】
最後に、この発明の第三態様によれば、ガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体のみによる治療に対する下位または非応答を阻止するため及び/またはガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体のみによる治療の中止の場合の反跳応答を阻止するための、哺乳動物、特に人間の肺血管収縮または気道収縮の治療のための医薬調剤が提供され、それはシクロオキシゲナーゼ抑制剤と組み合わせたガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体の形の、一酸化窒素(NO)を含み、前記一酸化窒素と前記シクロオキシゲナーゼ抑制剤は前記阻止作用を達成するために治療的に有効な量で存在する。
【0035】
前記調剤の特別のかつ好適な実施例に関して、この発明による使用の前記特別のかつ好適な実施例がまた参照される。
【0036】
この発明が今や以下の非限定例により示されるであろう:

NOの吸入に関しての、より詳細には前記吸入の中止における反跳応答における、COX抑制剤、ジクロフェナクの効果を研究するために実験が実施された。
【0037】
材料及び方法
動物準備
The Animal Research Ethics Committee of Uppsala Universityがこの研究を承認した。スウェーデンのカントリー飼育の24−29kgの重さの26匹の豚が研究に用いられた。農場からの輸送前に豚は精神遮断薬、アザペロナム(STRESNIL,Janssen,Belgium)により、40mg筋肉内的に(im)鎮静された。麻酔がアトロピンim(0.04mg/kg)、チレタミン/ゾラゼパム(ZOLETIL,Virbac Laboratories)(6mg/kg)及びキシリズリイ(ROMPUN,Bayer AG,Germany)(2.2mg/kg)により誘導された。誘導後、カニューレが耳静脈内に挿入され、オピオイド(FENTANYL,Antigen Pharmaceuticals Ltd,Roscrea,Ireland)(5μg/kg)が注入された。筋肉弛緩がパンクロニウム(PAVULON,Organon Technika AB,Goeteborg,Sweden)(0.2μg/kg)により提供された。麻酔は催眠薬(クロメチアゾール、HEMINEVRIN,Astra,Soedertaelje,Sweden)(400mg/時)、パンクロニウム(2mg/時)及びフェンタニル(150μg/時)の連続注入により維持された。フェンタニル0.2−0.5mgi.v.の繰り返しの投与が必要に応じ与えられた。麻酔の深さは皮膚切開が心拍数または血圧に如何なる変化も起こさなかったので適切であると考えられた。予め暖められた(38℃)等浸透圧食塩水500ml/時が水分補給のために与えられた。動物は研究の残りの間仰臥位置(背面横臥)に置かれた。
【0038】
気管切開は麻酔の誘導後に実施され、カフ付き気管チューブ(内径6mm)が挿入された。容積制御されたベンチレーター(Siemens 900c)が機械的換気を提供した。ベンチレーター中に組み込まれた変換器が気道圧力及び分換気を記録した。呼吸回数は呼吸終期のCO(PetCO)を36と41mmHg(4.8−5.4KPa)の間に維持するように調整された呼吸容積により分当り20呼吸に維持された。吸入時間は25%であった;呼吸周期、の吸入終期休止5%が適用され、並びに5cmHOの呼吸終期圧(PEEP)が適用された。酸素の吸入フラクション(FIO)は0.5であった。
【0039】
カテーテル法及び血液測定
三重管腔バルーン先端を持つカテーテル(Swan Ganz no.7F)が血液試料抽出と圧力記録のために右外頚静脈を介して肺動脈に導入された。大きな内径のカテーテルが注入目的のためにその先端を上部大静脈内にして対側頸静脈中に挿入された。右頸動脈が血液試料抽出と動脈血圧の記録のためにカニューレ挿入された。
【0040】
動脈、中心静脈及び肺動脈カテーテルが適切な圧力変換器(Sorenson Transpac Transducers,Abbott Critical Care Systems,Ill,USA)に連結され、圧力がMarquette 7010モニター(Marquette Electronics Inc.,WI USA)上に記録された。平均動脈圧(MAP)、平均肺動脈圧(MPAP)、心拍数(HR)、中心静脈圧(CVP)、肺毛細ウェッジ圧(PCWP)及び心拍出量(Qt)が記録された。気道圧がベンチレーターから記録された。血管圧力が全呼吸周期に渡って平均され、中部胸郭がゼロ参照レベルとして用いられた。
【0041】
Qtは熱希釈により測定された:10mlの氷冷等浸透圧食塩水がボーラスとして注入され、Qtが計算された(心拍出量コンピュータMarquette 7010,Marquette Electronics Inc.,WI,USA)。各測定に少なくとも三つの注入が与えられ、平均値が計算された。注入は呼吸周期に渡って均一に分配された。各測定で呼息分容積が記録された。混合した静脈及び動脈血液試料が血液ガス分析(ABL3,Radiometer,Copenhagen,Denmark)、酸素飽和度及びヘモグロビン濃度(OSM3,Radiometer,Copenhagen,Denmark)のために集められた。5ml動脈血液が同時に集められ、血漿が生化学的分析(下記参照)のために分離された。
【0042】
肺損傷
急性肺損傷が3時間の間エンドトキシン25μg/kg/時の静脈内注入により誘発され、次いで残りの実験期間中10μg/kg/時に維持された。
【0043】
プロトコール
手術後30分で血行力学のベースライン測定がなされ、血液試料が採られ、血液が続いての生化学的分析のために集められた。急性肺損傷が3時間の間エンドトキシン(LPS,E Coli 011l:B4,Sigma Chemicals,St Louis,Mo,USA)25μg/kg/時の静脈内注入により作られた。応答がエンドトキシン注入開始後30,60,120及び150分で測定された。動物はそのときCOX抑制剤の潜在INO増進効果を分析するために三つのグループに分割された。これは豚を“シクロオキシゲナーゼ(COX)遮断グループ”“非遮断グループ”及び“対照グループ”に割り当てることにより達成された。
【0044】
1.COX遮断グループにおいて、30ppmのINOの吸入が開始される前に3時間の間エンドトキシン注入が続けられた。食塩水中の非選択的COX抑制剤ジクロフェナク(Sigma D6899)(300mg/kg)がivボーラスとしてNO吸入前30分に与えられた。30分後のINOの中止前に、血行力学的測定及びガス交換がなされ、血液が生化学的分析のために試料抽出された。測定はまた反跳反応の形跡をチェックするために5,10,15,30分間のNOが中止されたときになされた。NO吸入が次いで別の半時間の間与えられ(すなわちエンドトキシン注入の開始後4時間)再び中止された。結果は前と同じ時点で研究された。これはINOに対する応答が残っているかまたは変化したかどうか、及びどの反跳応答が第一の場合より強かったか、または第一の場合の後に表れたかどうかを見るためになされた。
【0045】
2.非遮断グループにおいて、COX抑制剤は与えられなかった。プロトコールはその他はCOX遮断グループで用いられたそれと同じであった。5匹の豚の肺組織試料が研究中の四つの場合(NO吸入の前、中及び後)に胸骨切開を介して取られた。
【0046】
3.対象グループはエンドトキシンの同じ注入が与えられたが、INOまたはCOX抑制剤で挑戦されなかった。対象豚はベースラインと二つのINO挑戦の始め及び終わりと一致する時点で、及び実験の終わり、エンドトキシン導入の開始後5時間、で研究された。
【0047】
エンドトキシン注入の開始後の研究時間は従って300分(5時間)であり、エンドトキシン前の麻酔、準備及びベースライン測定を含む合計研究時間はほぼ7時間であった。
【0048】
NO導入及び呼吸空気中のNOの記録
中1000ppmのNOがO/Nの混合物と混合され、ベンチレーターの低流入口に連結された。吸入ガスはNOを吸収するためにソーダ石灰を含むキャニスターを通過した。吸入NO及びNOの濃度はベンチレーションチューブの吸入突出部内で化学発光(9841 NOx,Lear Siegler Measurement Controls Corporation,Englewood CO,USA)により測定された。吸入NOは30ppmに設定され、吸入NOは常に0.5ppm以下であった。
【0049】
ウエスタンブロット分析によるCOX−1及びCOX−2発現
肺組織片が4℃でPBSによりすすぎ洗いされた。肺組織の全蛋白質が蛋白分解を抑制する0.5mMのフェニルメチル−スルホニルフルオライドを含む氷冷0.05M Tris緩衝液(pH7.4)の5容積中に均質化(Ultra−Turrax,Jenke and Kunkel,IKA Labortechnik,Staufen,Germany)により抽出された。上澄みが集められ、分析まで−80℃で貯蔵された。上澄み中の全蛋白質の濃度がLowryの方法により決定された。次いで蛋白質はドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分別され、電気泳動的にニトロセルロース膜に移行・転写された。ブロットは4℃で一晩TBS中の5%BSAによりブロックされ、次いで4℃で一晩1%BSAを含むTBS中で抗−COX−1(1:2500,Cayman Chemical,MI,USA,Ca 160108)、COX−2(1:1500,Cayman Chemical,MI,USA,Ca 160108)によりインキュベートされた。TBSにより5回洗浄した後、ブロットはET−1検出のためセイヨウワサビペルオキシダーゼ−複合ヤギ抗うさぎ免疫グロブリンG(Ig G)(1:2500希釈、Vector Laboratories,Burlingame,USA)により1時間インキュベートされた。ブロットはTBS中で5回洗浄され、抗原−抗体複合体は強化化学発光試薬(Amersham,Arlington Heights,IL,USA)を用いて写真フィルム上で検出された。全ての実験は三回実施され、各実験からのバンドが統計的分析のためにNational Institutes of Health(NIH)Image 1.6Cのプログラムを用いて分析された。
【0050】
血漿TXB2
血液がEDTA(10mM、最終濃度)を含む予備冷却されたチューブ中に集められ、遠心分離(10分40C)された。TXB2濃度の測定は商業的に入手可能な酵素免疫検定法(Thromboxane B2 EIA Kit Cayman Chemical,MI,USA,Ca 519031)を用いて実施された。血清は各試験管から集められ、TXB2測定が実施されるまで−70℃で貯蔵された。全ての試料が有機溶媒を含まないことを確保するために、血清はその検定穴への添加前に精製された。TXB2の精製はCayman Chemical Introductionのようにまず10000cpmのトリチウム標識TXB2(3H−TXB2)を各試料に加え、次いで2mlエタノールを加え、続いて4℃で5分間濁動し、そして1500gで10分間遠心分離して沈殿した蛋白質を除去することにより実施された。上澄みが集められ、超純水と混合された。試料はC−18逆相カートリッジを通過させられた。溶離液の10%がシンチレーション計数のために除去された。
【0051】
酵素免疫検定法が50μl精製試料を50μlトレーサー及び50μl抗血清とマイクロプレート上で混合することにより二度実施された。18時間のインキュベーション後、200μlEllmans試薬が添加され酵素反応が開始され、個々のバイアルの吸収が測光マイクロプレートリーダー(Thermo Max,Molecular Devices)を用いて405nmで30分後に測定された。試料中のTXB2の濃度は7.5から1000pg/mlの範囲の8個の既知TXB2の吸収への非線形回帰により得られた標準曲線から評価された。検定内及び検定間の変動率は<10%であった。更なる詳細はTXB2酵素免疫検定キット519031Cayman Chemicalマニュアルを参照。
【0052】
統計的分析
平均値の平均偏差及び標準偏差が全研究条件下の全変数に対し計算された。繰り返しの測定に対しての変動分析(ANOVA)を用いて比較がなされ;補正が多重比較に対しなされた。差はp<0.05のレベルで有意差であると考えられた。
【0053】
結果
エンドトキシン誘発肺損傷
ベースライン血行力学及び動脈酸素投与は先の実験の健康豚で測定されたそれらと同様であった(Freden F,等、Br J Anaesth,77(3):413−8,1996)。三つのグループ間に差はなかった。
【0054】
エンドトキシン注入は全グループで注入の150分後に2倍以上にMPAPを増やした。PaOはベースライン値の半分に、顕著に減らされた。加えて、心拍数は増加し、心拍出量は減少した。非COXグループでのエンドトキシン注入の開始後3及び4時間でなされた測定間、及び対照グループでの3,4及び5時間後になされた測定間に顕著な差はなかった。
【0055】
NO吸入及び中止
非遮断グループにおいて、エンドトキシン注入の3時間後、30ppm NOの吸入はMPAPの28%減少及びPaOの54%増加をもたらした。30分後にNO吸入が中止されたとき、MPAPはNO吸入前より23%(9mmHg)高い水準に急速に増加した(5分以内に);従って反跳応答が発現された。PaOは前NO吸入値に急速に減少したが明確な反跳現象を示さなかった。
【0056】
エンドトキシン注入の4時間後にNO吸入が繰り返されたとき、MPAPの降下及びPaOの増加はより弱く、もはや1時間早い試験時よりPaOに対して有意差はなかった。NO吸入の中止後5分で、MPAPは前NO水準以上に再び顕著に増加し(+26%)、PaOは前NO水準以下に降下した。従って明らかな反跳低酸素血症が見られた。
【0057】
NO吸入におけるPaOの改善とNO中止における反跳応答の大きさとの間に逆相関関係があった。従って吸入NOに対する応答が弱い程、NOが中止されたときのPaOの降下がより大きい。MPAPに対してはかかる関係は見られなかった。
【0058】
COX遮断グループにおいて、ジクロフェナクによる予備処理はMPAPを下げた。INOは顕著にMPAPを減少し、PaOを増やした。しかし、INOの中止により、MPAPまたはPaOのいずれにおいても反跳は見られなかった。PAP減少の大きさはINOとジクロフェナクの組み合わせによりより大きくなかった。しかしそれは非遮断グループと比べて吸入NOの作用時間を延長した。更に、INOは、非遮断グループにおけるNOに対する弱められた応答と反対に、1時間前の第一試験時と同じNO吸入の第二試験におけるMPAPとPaOの改善を作り出した。INOが中止されたとき再び反跳応答は記録されなかった。呼吸抵抗はエンドトキシン注入時に増えた。INO単独ではその上昇を防がずまたは弱めなかった。しかし、COX遮断グループでは抵抗の増加は顕著に低く(p<0.01)、INO期間中上昇は全くなかった。
【0059】
対照グループにおいて、MPAPとPaOは研究グループのINO挑戦に対応して2時間に渡り安定したままであった。従って、INOと対照グループ間の比較はなおより明らかにMPAPとPaOにおける二つのINO挑戦、INOの中止における反跳応答及びCOX抑制剤の効果による改善を示した。
【0060】
NOの吸入または中止はINO試験の3時間または5時間のいずれもCOX−1発現に影響しないことはなかった。COX−2発現は非遮断グループにおけるエンドトキシン注入の3時間後に著しく増え、更に5時間では通常のベースライン水準の殆ど10倍に増えた(p<0.01)。30分のINOは吸入試験の3時間中または5時間中のいずれも発現に効果を持たないことはなかった。また、COX−2発現はINO期間後増えたまま残った。
【0061】
血漿TBX−2濃度
三つのグループ間にベースラインで顕著な差はなかった。血漿TXA2はエンドトキシン注入の開始後半時間で劇的に増え(6000−80000pg/ml)、グループ間に差がなくそれから3時間でベースラインの2倍に増加した。非遮断グループにおいては、血漿TXB2水準はNO吸入時に変化しなかったがINO中止後5分で増加し、INO後15分で最大となった(p<0.05)。第二INO試験が30分後に開始されたときそれは上昇したまま残り(20000−40000pg/ml)、INOが2回目に中止されたとき更に増加した。COX遮断グループにおいては、血漿TXA2は第一INO挑戦及び中止により増えなかった。第二INO試験時に血漿TXB2の減退があり、INO中止後に増加はなかった。

Claims (15)

  1. ガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体のみによる治療に対する下位または非応答を阻止するために及び/またはガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体のみによる治療の中止の場合の反跳応答を阻止するために、哺乳動物、特に人間の肺血管収縮または気道収縮を治療するための薬剤の製造のためのシクロオキシゲナーゼ抑制剤と組合わせた、ガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体の形の、吸入可能な一酸化窒素(NO)の使用であって、前記組合せが前記阻止を達成するために治療的に有効な量で用いられることを特徴とする使用。
  2. 前記肺血管収縮または気道収縮が外傷性損傷、肺の脂肪塞栓症、アシドーシス、成人の呼吸困難症候群、急性高山病、心臓血管及び肺手術後急性肺高血圧症、新生児の存続性肺高血圧症、周産期吸引症候群、硝子膜疾患、急性肺血栓塞栓症、急性肺水腫、ヘパリン−プロタミン反応、低酸素及び気管支ぜん息からなる群から選ばれた臨床的状態と関連していることを特徴とする請求項1に記載の使用。
  3. 前記気道収縮が気管支ぜん息と関連していることを特徴とする請求項2に記載の使用。
  4. 前記気道収縮が気管支ぜん息またはぜん息発作重積状態の急性状態と関連していることを特徴とする請求項3に記載の使用。
  5. 前記薬剤が吸入可能な薬剤であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の使用。
  6. 前記製造が前記一酸化窒素と前記シクロオキシゲナーゼ抑制剤のあらゆる順序での引き続いての投与のための薬剤に関することを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の使用。
  7. 前記薬剤が前記一酸化窒素と前記シクロオキシゲナーゼ抑制剤の同時投与のための両者を含む組成物の形であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の使用。
  8. 前記シクロオキシゲナーゼ抑制剤がジクロフェナク;アセクロフェナク;ナブメトーン;メロキシカム;メクロフェナミック;ニメスライド;パラセタモール;ロフェコキシブ;セレコキシブ;DuP 697;GR 32191;フロスライド;NS 398;L−745,337;DFU;HN−56249;JTE−552;アスピリン;インドメタシン;及びイブプロフェン;またはそれらの酸付加塩からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の使用。
  9. NOが前記薬剤中に1−100nmol/minの量で存在することを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の使用。
  10. 吸入されるNOの濃度が1−180ppm、好ましくは1−80ppm、特に1−40ppmの範囲内にあり、前記NOが担体ガスまたはガス混合物中に存在することを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の使用。
  11. 前記一酸化窒素供与体がS−ニトロソ−N−アセチルペニシラミン、S−ニトロソシステイン、ニトロソプルシド、ニトロソグアニジン、グリセロールトリニトレート、イソアミルニトリット、無機亜硝酸塩、アジド及びヒドロキシルアミンから選ばれる請求項1から10のいずれか一つに記載の使用。
  12. ガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体のみによる治療に対する下位または非応答を阻止するために及び/またはガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体のみによる治療の中止の場合の反跳応答を阻止するために、哺乳動物、特に人間の肺血管収縮または気道収縮を治療する方法であって、それがシクロオキシゲナーゼ抑制剤と組合わせた、ガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体の形の、一酸化窒素(NO)を、吸入により、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含み、前記組合せが前記阻止を達成するために治療的に有効な量で用いられることを特徴とする方法。
  13. 請求項2−11のいずれか一つに規定された使用法で用いられることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. ガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体のみによる治療に対する下位または非応答を阻止するために及び/またはガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体のみによる治療の中止の場合の反跳応答を阻止するために、哺乳動物、特に人間の肺血管収縮または気道収縮を治療するための医薬調剤であって、それがシクロオキシゲナーゼ抑制剤と組合わせた、ガス状一酸化窒素または一酸化窒素供与体の形の、一酸化窒素(NO)を含み、前記一酸化窒素と前記シクロオキシゲナーゼ抑制剤が前記阻止を達成するために治療的に有効な量で存在していることを特徴とする医薬調剤。
  15. 請求項2−11のいずれか一つに規定された使用のためを特徴とする、請求項14に記載の医薬調剤。
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