JP2004513927A - 血管形成の阻害剤としての組換え型抗−gpiib/iiia−抗体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、血管閉塞を治療および/または予防する際に、血小板へのフィブリノーゲンの結合と内皮細胞へのビクトロネクチンの結合とを組み合わせて阻害するための、特別な、ファージディスプレーにより最適化された、GPIIb/IIIaに対する抗体の使用に関する。さらに、本発明は血管形成を阻害するため、または/および腫瘍の転移を阻害するため、または/および血管損傷後の内膜過形成を阻害するための抗体の使用に関する。
Description
【0001】
本発明は、血管閉塞を治療および/または予防する際に、血小板へのフィブリノーゲンの結合と内皮細胞へのビクトロネクチンの結合とを組み合わせて阻害するための、特別な、ファージディスプレーにより最適化された、GPIIb/IIIaに対する抗体の使用に関する。さらに本発明は、血管形成を阻害するため、または/および腫瘍の転移を阻害するため、または/および血管損傷後の内膜過形成を阻害するための抗体の使用に関する。
【0002】
糖タンパク質IIb/IIIa(GPIIb/IIIa、αIIbβ3またはCD41/CD61とも呼称される)が血小板の表面上に存在することは久しく公知である。レセプターはしばしばフィブリノーゲンレセプターとも呼称され、それというのも好ましいリガンドはフィブリノーゲンであるからである。しかしながらそれに加え、レセプターはRGD配列を有する他の多くのリガンド、例えばフィブロネクチン、ビトロネクチンおよびフォンヴィレブランド因子をも結合させる。
【0003】
同様に、GPIIb/IIIaが細胞性の止血の際に本質的な役割を担うことは久しく公知である。通常、血小板は血管内皮上に付着することも、重なりあって接着しあうこともなく存在する。しかしながら、血小板と、内皮が引き裂かれている損傷された血管とが接触する場合、結果として内皮下に存在するマトリックスタンパク質、例えばコラーゲン、フィブロネクチンまたはラミニンとの相互作用が生じ、この相互作用のために、血小板は特別な、インテグリンに類似した膜レセプターを有する。高い剪断力が生じる血管中ではこの相互作用は十分であるが、しかしながら血小板粘着および血栓形成のためには不十分である。これはとりわけ、その表面上の血小板が糖タンパク質IIb/IIIa(GPIIb/IIIa)を担持するために可能となり、この場合この糖タンパク質はフィブリノーゲンへの結合を媒介し、従ってフィブリノーゲンレセプターとも呼称される。細胞内の伝令物質により活性化された後、GPIIb/IIIaレセプターはフィブリノーゲン分子を認識し、かつ例えば血小板の架橋を媒介する(Loeffler & Petrides,Biochemie und Pathobiochemie,Springer,Berlin)。
【0004】
GPIIb/IIIaレセプターのための遺伝子中の生殖系列突然変異は、常染色体の劣性の、稀な出血疾患を招き、この出血疾患は、延長された出血時間、正常な血小板値および血小板凝集の完全な欠落によって特徴付けられており、これはグランツマン血小板無力症と呼称される(Loeffler & Petrides,Biochemie und Pathobiochemie,Springer,Berlin)。
【0005】
逆に、望ましくない血管閉塞を予防または治療する際に、GPIIb/IIIa−レセプターをブロックすることは可能である。そのためには小分子かまたは抗体も該当する。アブシキシマブ(Abciximab)(レオプロ(ReoPro))はヒト−ラットのキメラモノクロナール抗体Fabフラグメントであり、このFabフラグメントはマウスのモノクロナール抗体7E3に由来しており、かつ大きな結合力を伴って、GPIIb/IIIaの活性化された形および活性化されない形に結合する。この抗体は、経皮的に冠血管のインターベンションを受ける患者における、心臓での虚血性の合併症を予防するための補足的な治療として認容された。アブシキシマブ(レオプロ(ReoPro))のための他の適応は、不安定な扁桃炎、頚動脈上でのステント処置、虚血性の卒中発作および末梢血管疾患である(Cohenら、Pathol.Oncol.Res.6:第163頁−第174頁(2000))。
【0006】
GPIIb/IIIaおよびα5β3の細胞型は、血管形成、血管新生および新生血管形成の際の過程とも関連付けられる。低酸素症、および炎症性の過程は血管形成のためのトリガとみなされ、この場合、低酸素症は例えば糖尿病、喘息およびアルツハイマー病の際に生じる。この場合、多くの場合において血管形成は望ましく、それというのもこの血管再生は例えば心筋梗塞の後、虚血を阻害し、かつ酸素と別の本質的な因子とによって心臓組織の予防を保証するからである。しかしながら、後形成された血管はしばしば完全に分化されてはいないため、血管の後形成は望ましくないということもあり得る。近年、増加された血管新生に付随して現れる疾患の一覧が開示された(Carmeliet & Jain,Nature 407(2000),第249頁−第257頁)。
【0007】
全ての場合において、腫瘍血管形成は望ましくない。既に1971年に、腫瘍の増殖および転移が血管形成に関連して進行することは公理であると見なされた (Folkman,J.Cancer Medicine(オランダ,J.F.ら編),第132頁−第152頁)。従って、血管新生を阻害することが、腫瘍の増殖および転移を阻害するためのストラテジーとして該当することは明らかであった。腫瘍血管は、通常の血管とはその不規則な構造、可変の直径、過度の分岐、血管の境界を成している内皮細胞と非連続的または欠落している基底膜との間の開口の点で異なっている(Carmeliet & Jain,Nature 407(2000),第249頁−第257頁)。少なくとも若干の腫瘍血管は内皮細胞と癌細胞とからのモザイク様の構造を有するが、腫瘍特有の血管を特別に認識することは困難なままである。確かに、ファージディスプレーライブラリーのインビボ選択によりペプチドは単離されることができ、このペプチドはとりわけマウス中の皮下腫瘍の血管を認識する (Arapら,Science 279(1998),第377頁−第380頁)。しかしながら、このようなペプチドを伴って、抗腫瘍剤がインビボで効果的に腫瘍の範囲内で濃縮され得るということは未だ証明されていない。従って、たいていの尽力は依然として腫瘍の治療のための血管形成阻害剤の開発に向けられる。臨床実験で試験された物質の最新の一覧は、Carmelietの元に存在する(Carmeliet & Jain,Nature 407(2000),第249頁−第257頁)。
【0008】
しかしながら、GPIIb/IIIaに対して向けられた分子は、腫瘍の増殖および転移を抑圧する際に血管形成を阻害するという性質のためだけに重要というわけではない。即ち、近年の研究により、GPIIb/IIIaレセプターの発現は血小板に制限されているわけではないということが明らかにされた。例えば、Trikhaらにより、RNA上でもタンパク質面上でも、ヒト黒色腫細胞系WM983B、WM983AおよびWM35はGPIIb/IIIaを発現することが示された(Trikhaら,Cancer Res.57:第2522頁−第2528頁(1997))。B16a転移黒色腫細胞に関して、同様の結果がTimarらによっても得られた。さらにこの著者らは、プロテインキナーゼCアクチベーターを用いて細胞を刺激することにより、細胞内のプールから細胞表面上へのGPIIb/IIIaの転座が促進されることを示すことができた。GPIIb/IIIaの発現は、細胞接着および殊に基底膜を通じた腫瘍細胞侵入に関与する。
【0009】
改善され、ファージディスプレーおよびパニング選択により最適化された、GPIIb/IIIaに対する抗体は、近年、本出願人により国際特許出願公表第98/55619号明細書に記載された。この特許明細書の開示には、超可変性の、相補性を決定している領域(CDR、相補性決定領域)およびフレームワーク領域(FR)に関する詳細な情報が記載されている。
【0010】
本発明の課題は、国際特許出願公表第98/55619号明細書に記載された抗体のための他の適応を模索することであった。
【0011】
この課題は、抗体を用いて、血小板へのフィブリノーゲンの結合と内皮細胞へのビクトロネクチンの結合とを組み合わせて阻害することが達成可能であり、従って、この抗体は殊に血管閉塞の治療および/または予防の際に好適であるという驚異的な観察によって解決された。内皮細胞へのビトロネクチンの結合の阻害は、内皮細胞上のビトロネクチンレセプターα5β3の発現と関連し得る。国際特許出願公表第98/55619号明細書に記載された抗体は、共通のサブユニットβ3のために、ビトロネクチンレセプターと内皮細胞上で交叉反応し、従ってビトロネクチンの結合の阻害を引き起こすものと考えられる。しかしながら、RGD配列を認識するか、またはそのリガンド結合がRGDにより阻害され得る他のインテグリンレセプターを通じて作用が媒介されるということもあり得る。内皮細胞上での、抗体とビトロネクチンレセプターα5β3との交叉反応に基づき、抗体を血管損傷後の内膜過形成の治療のために使用することもできる。国際特許出願公表第98/55619号明細書に記載された抗体のためのこの適応は、α5β3(=CD51/CD61)が血管損傷後の内膜過形成に関連するという観察からもたらされる。
【0012】
さらに驚異的にも、国際特許出願公表第98/55619号明細書に記載された抗体が有望な性質を有することが見出され、この性質により、血管形成を阻害するためにこの抗体を使用することは合理的であることが示唆される。従って抗体は腫瘍の治療および殊に腫瘍の転移の防止に適当であり、それというのもこの抗体は一次腫瘍の血管新生を阻害し、従って、周囲の組織に転移し、かつ増殖している細胞を血管中に放出するというこの一次腫瘍の特性を阻害するからである。それに加え、これにより、国際特許出願公表第98/55619号明細書に記載された抗体によるGPIIb/IIIaレセプターのブロッキングは、標的部位に接着し、組織中へ侵入するという、転移された腫瘍細胞の特性を阻害し得る。
【0013】
それに応じて、本発明の対象は、血管形成を阻害するための、または/および腫瘍の転移を阻害するための、または/および血管損傷後の内膜過形成を阻害するための、
(a)アミノ酸配列:
VLPFDPISMDV (I)
(b)アミノ酸配列:
ALGSWGGWDHYMDV (II)
(c)(a)または(b)からのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列
(d)GPIIb/IIIaへの等価の結合特性を有するアミノ酸配列
から選択されたCDR3−領域を含む、抗体の重鎖、官能性誘導体またはその断片の使用である。
【0014】
好ましくは、本発明による重鎖、官能性誘導体またはその断片は、
(a)アミノ酸配列:
GYSWR (III)
(b)アミノ酸配列:
SYAMH (IV)
(c)(a)または(b)からのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列
から選択されたCDR1−領域をさらに含む。
【0015】
さらに好ましくは、本発明による重鎖、官能性誘導体またはその断片は、
(a)アミノ酸配列:
DISYSGSTKYKPSLRS (V)
(b)アミノ酸配列:
VISYDGSNKYYADSVKG (VI)
(c)(a)または(b)からのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列
から選択されたCDR2−領域をさらに含む。
【0016】
それに応じて、本発明のもう1つの態様は、血管形成を阻害するための、または/および腫瘍の転移を阻害するための、または/および血管損傷後の内膜過形成を阻害するための、
抗体の軽鎖、官能性誘導体または
(a)アミノ酸配列:
ATWDDGLNGPV (VII)
(b)アミノ酸配列:
AAWDDSLNGWV (VIII)
(c)(a)または(b)からのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列および
(d)GPIIb/IIIaへの等価の結合特性を有するアミノ酸配列
から選択された断片の使用である。
【0017】
好ましくは、本発明による軽鎖、官能性誘導体またはその断片は、
(a)アミノ酸配列:
SGSSSNIRSNPVS (IX)
(b)アミノ酸配列:
SGSSSNIGSNTVN (X)
(c)(a)または(b)からのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列
から選択されたCDR1−領域をさらに含む。
【0018】
さらに好ましくは、本発明による軽鎖、官能性誘導体またはその断片は、
(a)アミノ酸配列:
GSHQRPS (XI)
(b)アミノ酸配列:
SNNQRPS (XIII)
(c)(a)または(b)からのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列
から選択されたCDR2−領域をさらに含む。
【0019】
”ヒトの抗体の鎖の官能性誘導体”という定義は、本発明に意味において、上記で定義されたような重鎖または/および軽鎖の少なくとも1つのCDR3−領域を含み、かつヒトの抗体のそれぞれの相補鎖(またはそのような鎖の誘導体)と一緒に抗体誘導体を形成し得るポリペプチドと解釈することができ、この場合この抗体誘導体は、誘導化されない抗体と等価の、抗原のための認識特異性を有する。有利に、この種の抗体誘導体は、それぞれの抗原のために少なくとも106l/モル、有利に少なくとも108l/モルの結合定数を有する。
【0020】
ヒトの抗体の鎖の官能性誘導体の製造は、例えば、組換えDNA技術によるそれぞれのポリペプチドをコードする遺伝子の断片の欠失、置換または/および挿入により行われることができる。
【0021】
抗体鎖または抗体の殊に好ましい官能性誘導体は、例えばH鎖およびL鎖の可変領域、および場合により不変領域から構成されていてよい単鎖抗体である。このような構成体の製造は、Hoogenboomら,Immunol.Rev.130(1992),第41頁−第68頁;Barbas III,Methods:Companion Methods Enzymol.2(1991),第119頁およびPlueckthun,Immunochemistry(1994),Marcel Dekker Inc.,第9章,第210頁−第235頁に記載されている。
【0022】
”等価の結合特性”という定義は、本発明の意味において、具体的に明らかにされた配列中と等しい結合親和性または/および等しい特異性、従ってエピトープの認識と解釈することができる。
【0023】
本発明のもう1つの対象は、血管形成を阻害するための、または/および腫瘍の転移を阻害するための、または/および血管損傷後の内膜過形成を阻害するための、上記抗体をコードする核酸のコピーを少なくとも1種有するベクターの使用である。タンパク質の代わりに核酸を用いて患者を治療することは、一連の利点を有する。タンパク質の貯蔵には比較的費用がかかるが、一方でDNAは問題なく長い期間に亘って貯蔵することも可能である。DNAを使用する際のもう1つの利点は、例えばグリコシル化を考慮した、抗体の適切な翻訳後プロセシングである。
【0024】
投与形に関わらず、上記抗体の本発明による使用は、Fabフラグメント レオプロ(ReoPro)の既に公知である使用と比較して本質的な利点を有する。この利点には、上記の抗体が完全にヒト由来のアミノ配列であり、従って、使用された抗体に対する望ましくない免疫反応の危険性が可能な限り低く維持されているという点が含まれる。
本発明は、血管閉塞を治療および/または予防する際に、血小板へのフィブリノーゲンの結合と内皮細胞へのビクトロネクチンの結合とを組み合わせて阻害するための、特別な、ファージディスプレーにより最適化された、GPIIb/IIIaに対する抗体の使用に関する。さらに本発明は、血管形成を阻害するため、または/および腫瘍の転移を阻害するため、または/および血管損傷後の内膜過形成を阻害するための抗体の使用に関する。
【0002】
糖タンパク質IIb/IIIa(GPIIb/IIIa、αIIbβ3またはCD41/CD61とも呼称される)が血小板の表面上に存在することは久しく公知である。レセプターはしばしばフィブリノーゲンレセプターとも呼称され、それというのも好ましいリガンドはフィブリノーゲンであるからである。しかしながらそれに加え、レセプターはRGD配列を有する他の多くのリガンド、例えばフィブロネクチン、ビトロネクチンおよびフォンヴィレブランド因子をも結合させる。
【0003】
同様に、GPIIb/IIIaが細胞性の止血の際に本質的な役割を担うことは久しく公知である。通常、血小板は血管内皮上に付着することも、重なりあって接着しあうこともなく存在する。しかしながら、血小板と、内皮が引き裂かれている損傷された血管とが接触する場合、結果として内皮下に存在するマトリックスタンパク質、例えばコラーゲン、フィブロネクチンまたはラミニンとの相互作用が生じ、この相互作用のために、血小板は特別な、インテグリンに類似した膜レセプターを有する。高い剪断力が生じる血管中ではこの相互作用は十分であるが、しかしながら血小板粘着および血栓形成のためには不十分である。これはとりわけ、その表面上の血小板が糖タンパク質IIb/IIIa(GPIIb/IIIa)を担持するために可能となり、この場合この糖タンパク質はフィブリノーゲンへの結合を媒介し、従ってフィブリノーゲンレセプターとも呼称される。細胞内の伝令物質により活性化された後、GPIIb/IIIaレセプターはフィブリノーゲン分子を認識し、かつ例えば血小板の架橋を媒介する(Loeffler & Petrides,Biochemie und Pathobiochemie,Springer,Berlin)。
【0004】
GPIIb/IIIaレセプターのための遺伝子中の生殖系列突然変異は、常染色体の劣性の、稀な出血疾患を招き、この出血疾患は、延長された出血時間、正常な血小板値および血小板凝集の完全な欠落によって特徴付けられており、これはグランツマン血小板無力症と呼称される(Loeffler & Petrides,Biochemie und Pathobiochemie,Springer,Berlin)。
【0005】
逆に、望ましくない血管閉塞を予防または治療する際に、GPIIb/IIIa−レセプターをブロックすることは可能である。そのためには小分子かまたは抗体も該当する。アブシキシマブ(Abciximab)(レオプロ(ReoPro))はヒト−ラットのキメラモノクロナール抗体Fabフラグメントであり、このFabフラグメントはマウスのモノクロナール抗体7E3に由来しており、かつ大きな結合力を伴って、GPIIb/IIIaの活性化された形および活性化されない形に結合する。この抗体は、経皮的に冠血管のインターベンションを受ける患者における、心臓での虚血性の合併症を予防するための補足的な治療として認容された。アブシキシマブ(レオプロ(ReoPro))のための他の適応は、不安定な扁桃炎、頚動脈上でのステント処置、虚血性の卒中発作および末梢血管疾患である(Cohenら、Pathol.Oncol.Res.6:第163頁−第174頁(2000))。
【0006】
GPIIb/IIIaおよびα5β3の細胞型は、血管形成、血管新生および新生血管形成の際の過程とも関連付けられる。低酸素症、および炎症性の過程は血管形成のためのトリガとみなされ、この場合、低酸素症は例えば糖尿病、喘息およびアルツハイマー病の際に生じる。この場合、多くの場合において血管形成は望ましく、それというのもこの血管再生は例えば心筋梗塞の後、虚血を阻害し、かつ酸素と別の本質的な因子とによって心臓組織の予防を保証するからである。しかしながら、後形成された血管はしばしば完全に分化されてはいないため、血管の後形成は望ましくないということもあり得る。近年、増加された血管新生に付随して現れる疾患の一覧が開示された(Carmeliet & Jain,Nature 407(2000),第249頁−第257頁)。
【0007】
全ての場合において、腫瘍血管形成は望ましくない。既に1971年に、腫瘍の増殖および転移が血管形成に関連して進行することは公理であると見なされた (Folkman,J.Cancer Medicine(オランダ,J.F.ら編),第132頁−第152頁)。従って、血管新生を阻害することが、腫瘍の増殖および転移を阻害するためのストラテジーとして該当することは明らかであった。腫瘍血管は、通常の血管とはその不規則な構造、可変の直径、過度の分岐、血管の境界を成している内皮細胞と非連続的または欠落している基底膜との間の開口の点で異なっている(Carmeliet & Jain,Nature 407(2000),第249頁−第257頁)。少なくとも若干の腫瘍血管は内皮細胞と癌細胞とからのモザイク様の構造を有するが、腫瘍特有の血管を特別に認識することは困難なままである。確かに、ファージディスプレーライブラリーのインビボ選択によりペプチドは単離されることができ、このペプチドはとりわけマウス中の皮下腫瘍の血管を認識する (Arapら,Science 279(1998),第377頁−第380頁)。しかしながら、このようなペプチドを伴って、抗腫瘍剤がインビボで効果的に腫瘍の範囲内で濃縮され得るということは未だ証明されていない。従って、たいていの尽力は依然として腫瘍の治療のための血管形成阻害剤の開発に向けられる。臨床実験で試験された物質の最新の一覧は、Carmelietの元に存在する(Carmeliet & Jain,Nature 407(2000),第249頁−第257頁)。
【0008】
しかしながら、GPIIb/IIIaに対して向けられた分子は、腫瘍の増殖および転移を抑圧する際に血管形成を阻害するという性質のためだけに重要というわけではない。即ち、近年の研究により、GPIIb/IIIaレセプターの発現は血小板に制限されているわけではないということが明らかにされた。例えば、Trikhaらにより、RNA上でもタンパク質面上でも、ヒト黒色腫細胞系WM983B、WM983AおよびWM35はGPIIb/IIIaを発現することが示された(Trikhaら,Cancer Res.57:第2522頁−第2528頁(1997))。B16a転移黒色腫細胞に関して、同様の結果がTimarらによっても得られた。さらにこの著者らは、プロテインキナーゼCアクチベーターを用いて細胞を刺激することにより、細胞内のプールから細胞表面上へのGPIIb/IIIaの転座が促進されることを示すことができた。GPIIb/IIIaの発現は、細胞接着および殊に基底膜を通じた腫瘍細胞侵入に関与する。
【0009】
改善され、ファージディスプレーおよびパニング選択により最適化された、GPIIb/IIIaに対する抗体は、近年、本出願人により国際特許出願公表第98/55619号明細書に記載された。この特許明細書の開示には、超可変性の、相補性を決定している領域(CDR、相補性決定領域)およびフレームワーク領域(FR)に関する詳細な情報が記載されている。
【0010】
本発明の課題は、国際特許出願公表第98/55619号明細書に記載された抗体のための他の適応を模索することであった。
【0011】
この課題は、抗体を用いて、血小板へのフィブリノーゲンの結合と内皮細胞へのビクトロネクチンの結合とを組み合わせて阻害することが達成可能であり、従って、この抗体は殊に血管閉塞の治療および/または予防の際に好適であるという驚異的な観察によって解決された。内皮細胞へのビトロネクチンの結合の阻害は、内皮細胞上のビトロネクチンレセプターα5β3の発現と関連し得る。国際特許出願公表第98/55619号明細書に記載された抗体は、共通のサブユニットβ3のために、ビトロネクチンレセプターと内皮細胞上で交叉反応し、従ってビトロネクチンの結合の阻害を引き起こすものと考えられる。しかしながら、RGD配列を認識するか、またはそのリガンド結合がRGDにより阻害され得る他のインテグリンレセプターを通じて作用が媒介されるということもあり得る。内皮細胞上での、抗体とビトロネクチンレセプターα5β3との交叉反応に基づき、抗体を血管損傷後の内膜過形成の治療のために使用することもできる。国際特許出願公表第98/55619号明細書に記載された抗体のためのこの適応は、α5β3(=CD51/CD61)が血管損傷後の内膜過形成に関連するという観察からもたらされる。
【0012】
さらに驚異的にも、国際特許出願公表第98/55619号明細書に記載された抗体が有望な性質を有することが見出され、この性質により、血管形成を阻害するためにこの抗体を使用することは合理的であることが示唆される。従って抗体は腫瘍の治療および殊に腫瘍の転移の防止に適当であり、それというのもこの抗体は一次腫瘍の血管新生を阻害し、従って、周囲の組織に転移し、かつ増殖している細胞を血管中に放出するというこの一次腫瘍の特性を阻害するからである。それに加え、これにより、国際特許出願公表第98/55619号明細書に記載された抗体によるGPIIb/IIIaレセプターのブロッキングは、標的部位に接着し、組織中へ侵入するという、転移された腫瘍細胞の特性を阻害し得る。
【0013】
それに応じて、本発明の対象は、血管形成を阻害するための、または/および腫瘍の転移を阻害するための、または/および血管損傷後の内膜過形成を阻害するための、
(a)アミノ酸配列:
VLPFDPISMDV (I)
(b)アミノ酸配列:
ALGSWGGWDHYMDV (II)
(c)(a)または(b)からのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列
(d)GPIIb/IIIaへの等価の結合特性を有するアミノ酸配列
から選択されたCDR3−領域を含む、抗体の重鎖、官能性誘導体またはその断片の使用である。
【0014】
好ましくは、本発明による重鎖、官能性誘導体またはその断片は、
(a)アミノ酸配列:
GYSWR (III)
(b)アミノ酸配列:
SYAMH (IV)
(c)(a)または(b)からのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列
から選択されたCDR1−領域をさらに含む。
【0015】
さらに好ましくは、本発明による重鎖、官能性誘導体またはその断片は、
(a)アミノ酸配列:
DISYSGSTKYKPSLRS (V)
(b)アミノ酸配列:
VISYDGSNKYYADSVKG (VI)
(c)(a)または(b)からのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列
から選択されたCDR2−領域をさらに含む。
【0016】
それに応じて、本発明のもう1つの態様は、血管形成を阻害するための、または/および腫瘍の転移を阻害するための、または/および血管損傷後の内膜過形成を阻害するための、
抗体の軽鎖、官能性誘導体または
(a)アミノ酸配列:
ATWDDGLNGPV (VII)
(b)アミノ酸配列:
AAWDDSLNGWV (VIII)
(c)(a)または(b)からのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列および
(d)GPIIb/IIIaへの等価の結合特性を有するアミノ酸配列
から選択された断片の使用である。
【0017】
好ましくは、本発明による軽鎖、官能性誘導体またはその断片は、
(a)アミノ酸配列:
SGSSSNIRSNPVS (IX)
(b)アミノ酸配列:
SGSSSNIGSNTVN (X)
(c)(a)または(b)からのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列
から選択されたCDR1−領域をさらに含む。
【0018】
さらに好ましくは、本発明による軽鎖、官能性誘導体またはその断片は、
(a)アミノ酸配列:
GSHQRPS (XI)
(b)アミノ酸配列:
SNNQRPS (XIII)
(c)(a)または(b)からのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列
から選択されたCDR2−領域をさらに含む。
【0019】
”ヒトの抗体の鎖の官能性誘導体”という定義は、本発明に意味において、上記で定義されたような重鎖または/および軽鎖の少なくとも1つのCDR3−領域を含み、かつヒトの抗体のそれぞれの相補鎖(またはそのような鎖の誘導体)と一緒に抗体誘導体を形成し得るポリペプチドと解釈することができ、この場合この抗体誘導体は、誘導化されない抗体と等価の、抗原のための認識特異性を有する。有利に、この種の抗体誘導体は、それぞれの抗原のために少なくとも106l/モル、有利に少なくとも108l/モルの結合定数を有する。
【0020】
ヒトの抗体の鎖の官能性誘導体の製造は、例えば、組換えDNA技術によるそれぞれのポリペプチドをコードする遺伝子の断片の欠失、置換または/および挿入により行われることができる。
【0021】
抗体鎖または抗体の殊に好ましい官能性誘導体は、例えばH鎖およびL鎖の可変領域、および場合により不変領域から構成されていてよい単鎖抗体である。このような構成体の製造は、Hoogenboomら,Immunol.Rev.130(1992),第41頁−第68頁;Barbas III,Methods:Companion Methods Enzymol.2(1991),第119頁およびPlueckthun,Immunochemistry(1994),Marcel Dekker Inc.,第9章,第210頁−第235頁に記載されている。
【0022】
”等価の結合特性”という定義は、本発明の意味において、具体的に明らかにされた配列中と等しい結合親和性または/および等しい特異性、従ってエピトープの認識と解釈することができる。
【0023】
本発明のもう1つの対象は、血管形成を阻害するための、または/および腫瘍の転移を阻害するための、または/および血管損傷後の内膜過形成を阻害するための、上記抗体をコードする核酸のコピーを少なくとも1種有するベクターの使用である。タンパク質の代わりに核酸を用いて患者を治療することは、一連の利点を有する。タンパク質の貯蔵には比較的費用がかかるが、一方でDNAは問題なく長い期間に亘って貯蔵することも可能である。DNAを使用する際のもう1つの利点は、例えばグリコシル化を考慮した、抗体の適切な翻訳後プロセシングである。
【0024】
投与形に関わらず、上記抗体の本発明による使用は、Fabフラグメント レオプロ(ReoPro)の既に公知である使用と比較して本質的な利点を有する。この利点には、上記の抗体が完全にヒト由来のアミノ配列であり、従って、使用された抗体に対する望ましくない免疫反応の危険性が可能な限り低く維持されているという点が含まれる。
Claims (12)
- (1)血小板へのフィブリノーゲンの結合と内皮細胞へのビクトロネクチンの結合とを組み合わせて阻害するための
(2)血管形成を阻害するための、または/および
(3)腫瘍の転移を阻害するための、または/および
(4)血管損傷後の内膜過形成を阻害するための、
(a)アミノ酸配列:
VLPFDPISMDV (I)
(b)アミノ酸配列:
ALGSWGGWDHYMDV (II)
(c)(a)または(b)からのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列
(d)GPIIb/IIIaへの等価の結合特性を有するアミノ酸配列
から選択されたCDR3−領域を含む、抗体の重鎖、官能性誘導体またはその断片の使用。 - 重鎖、官能性誘導体またはその断片が
(a)アミノ酸配列:
GYSWR (III)
(b)アミノ酸配列:
SYAMH (IV)
(c)(a)または(b)からのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列
から選択されたCDR1−領域をさらに含む、請求項1記載の使用。 - 重鎖、官能性誘導体またはその断片が
(a)アミノ酸配列:
DISYSGSTKYKPSLRS (V)
(b)アミノ酸配列:
VISYDGSNKYYADSVKG (VI)
(c)(a)または(b)からのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列
から選択されたCDR2−領域をさらに含む、請求項1または2記載の使用。 - (1)血小板へのフィブリノーゲンの結合と内皮細胞へのビクトロネクチンの結合とを組み合わせて阻害するための
(2)血管形成を阻害するための、または/および
(3)腫瘍の転移を阻害するための、または/および
(4)血管損傷後の内膜過形成を阻害するための、
(a)アミノ酸配列:
ATWDDGLNGPV (VII)
(b)アミノ酸配列:
AAWDDSLNGWV (VIII)
(c)(a)または(b)からのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列および
(d)GPIIb/IIIaへの等価の結合特性を有するアミノ酸配列
から選択されたCDR3−領域を含む、抗体の軽鎖、官能性誘導体またはその断片の使用。 - 軽鎖、官能性誘導体またはその断片が
(a)アミノ酸配列:
SGSSSNIRSNPVS (IX)
(b)アミノ酸配列:
SGSSSNIGSNTVN (X)
(c)(a)または(b)からのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列
から選択されたCDR1−領域をさらに含む、請求項4記載の使用。 - 軽鎖、官能性誘導体またはその断片が
(a)アミノ酸配列:
GSHQRPS (XI)
(b)アミノ酸配列:
SNNQRPS (XIII)
(c)(a)または(b)からのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列
から選択されたCDR2−領域をさらに含む、請求項4または5記載の使用。 - (1)血小板へのフィブリノーゲンの結合と内皮細胞へのビクトロネクチンの結合とを組み合わせて阻害するための
(2)血管形成を阻害するための、または/および
(3)腫瘍の転移を阻害するための、または/および
(4)血管損傷後の内膜過形成を阻害するための、
(a)請求項1から3までのいずれか1項に記載されたような、重鎖、官能性誘導体またはその断片
(b)請求項4から6までのいずれか1項に記載されたような、軽鎖、官能性誘導体またはその断片
を含む、抗体、官能性誘導体またはその断片の使用。 - 血管閉塞を治療または/および予防する際の、請求項1から7までのいずれか1項記載の使用。
- 腫瘍治療のための、請求項1から7までのいずれか1項記載の使用。
- (1)血小板へのフィブリノーゲンの結合と内皮細胞へのビクトロネクチンの結合とを組み合わせて阻害するための
(2)血管形成を阻害するための、または/および
(3)腫瘍の転移を阻害するための、または/および
(4)血管損傷後の内膜過形成を阻害するための、
請求項1から9までのいずれか1項に記載されたようなタンパク質をコードする核酸の使用。 - 血管閉塞を治療または/および予防する際の、請求項10記載の使用。
- 腫瘍治療のための、請求項10記載の使用。
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