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Abstract
Description
【発明の技術分野】
本発明は、核酸をベースとする分析において内部コントロール核酸配列を含む非生命粒子の使用に関する。本発明は、さらに、これらの非生育粒子を用いた核酸をベースとする分析の方法および上記方法を行うためのキットに関する。
【0002】
【発明の具体的説明】
核酸に依拠する分析(nucleic acid−based analysis)の使用は、最近数年の間に、特に診断・検査の分野に著しく広がっている。例えば、その分析は、微生物学的病原体および遺伝病の診断に使用され、および未知の感染病原菌の発見にも貢献し、ならびに診断ツールを改良してきた。このような核酸をベースとする分析(nucleic acid−based analysis)は、定性的または定量的であり得るし、また核酸に基づく増幅技術を包含してもよく、またはしなくともよい。核酸に基づく増幅アッセイ、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、ギャップ・フィリングLCR (Gap−LCR)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)および転写仲介増幅(TMA)は、より伝統的な微生物学的検査を凌いで、著しく高い感度ならびに特異性という利点を有している。しかしながら、このような当該アッセイおよび実際上、他の核酸をベースとする分析の主たる不利な点は、偽りの陽性結果(false positive results)および偽りの陰性結果(false negative results)が得られることであり、結果的にデータの間違った解釈および患者の不充分な、または間違った処置に行き着くであろう。最悪の事態では、偽りの陰性結果は、結果として、患者が特定の疾患に対して「危険がなくなった合図(all clear)」を与えられ、全く治療されない事態を招くことがある。明らかにこのような偽りの陰性結果の根絶または減少が望まれている。
【0003】
偽りの陽性結果は、異なるサンプル間の汚染、または前回に行った増幅産物によるサンプルの汚染(「持ち越し(carry−over)」汚染ともいう。)によって惹き起こされる。多くの研究および開発が、「持ち越し」汚染のリスクを減じる方法を見出すために手掛けられてきた。いくつかの商業的検査法は、「持ち越し」汚染を減らすための化学的手順を用いる品質保証基準を組み入れている。これにより、偽りの陽性結果を得るリスクは実質的に排除されている。
【0004】
偽りの陰性結果は、例えば核酸調製時の不純物として阻害的物質が存在することによって引き起こされ得る。血液、唾液、尿および糞便などの多くの生物的サンプル材料は、例えば増幅反応に使用される酵素を、その酵素活性の部分的または完全な消失を引き起こして妨害することがあるか、あるいは試験される核酸の消化または分解を引き起こすことがあるような阻害的物質を含む。偽りの陰性結果は、アッセイ操作の間違った実施に起因することもあり得る。
【0005】
偽りの陰性結果の数を最少化しようとするため、商業的に入手できるキットのみならず、「インハウス(in house)」アッセイ双方で用いられる現在の解決策は、内部コントロール(internal control: IC)核酸配列、またはそれに検出を容易にするために、例えばプローブが結合されたものを使用することを含む。このようなIC配列は、問題となっている特定のアッセイのために設計され、一般には、特別なプライマーが結合でき、しかもIC配列の増幅を開始できる領域か、あるいは例えばプローブまたはそれ以外の実体が検出を容易にするために結合できるような領域を含む核酸配列である。このようなIC配列は、いわゆる、「理想」(ideal)的、「擬似理想」(pseudo−ideal)的または「非理想」(non−ideal)的なIC配列と呼称できる。「理想」IC配列は、一般に、例えばプライマー用の結合領域、またはプローブ結合領域を含み、これらは、プライマーまたはプローブが、検出される標的核酸中で結合する等価領域と本質的に同一である。さらに、このような「理想」配列は一般にある同一の配列を有しており、このため、標的配列と同一の長さである。したがって、この場合、同一プライマーまたは増幅プローブは、IC配列および標的配列の両方を増幅するために使用することができ、その増幅効率はいずれの場合も同一となるべきである。あるいは、IC配列および標的配列中に存在する共通の配列に結合するプローブ(ラベル化されたプローブ)または他の実体の使用は、同様に定量的情報を提供するであろう。しかしながら、多くの応用に、「非理想」IC配列が使用されることが可能である(Cleland ら Vox Sanguinis, Vol. 76: 170−174,1999参照)。このような「非理想」IC配列は、一般には、結合領域、例えば、プライマーまたはプローブの結合領域(標的核酸を増幅するために使用されるプライマーまたはこのような標的核酸と結合するプローブとは結合しない)を含むものである。かかる非理想IC配列が関わるアッセイは、通常、標的配列を増幅できる一組のプライマー (または増幅プローブ)を、IC核酸を増幅できるもう一組のプライマー(または増幅プローブ)とともに使用することを含む。代替として、このような非理想ICは、結合領域、例えばIC核酸に対して独特であり、ならびに標的配列中に見出されないプローブまたは他の実体の結合領域を含むことが可能である。
【0006】
増幅を含む、核酸をベースとするアッセイの場合、標的配列の増幅がないIC配列の増幅は、ひいては、正しい陰性結果の証拠となるものであり、および両方の配列の増幅は、正しい陽性結果となるものである。増幅が含まれない核酸をベースとするアッセイでは、検出は、プローブを結合することによって生じる得ることがあり、この場合、標的配列に対する適当なプローブの結合がない状況で、IC配列へのプローブの結合は、正しい陰性結果の証拠となるものであり、ならびにIC核酸および標的配列の両方への各プローブの結合は、正しい陽性の結果となるものである。
【0007】
このようなIC配列は、種々の形状を有することが可能であり、例えば、それらは、プラスミドの形態のDNA分子(Rosenstraus ら, J. Clin. Microbiol. 1998. vol. 36: 191−197)、またはRNA分子(New England Deaconess 病院の W093/23573参照)であることが可能である。加えて、アッセイが微生物の検出を企図したものである場合、遺伝的改変生物が内部コントロールとして使用された(Kolk ら, J. Clin. Microbiology, 1994, vol. 32, 1354−1356)。
【0008】
核酸をベースとするアッセイに使用される任意のIC配列の重要な特徴は、後の分析または産生された核酸分子の検出において、標的配列から区別され得ることである。標的配列からIC配列を区別する方法は、しばしば、IC配列が標的配列に対して異なるサイズとなるようなその設計を含む。あるいは、IC配列は、標的核酸からICを識別する独特の「プローブ結合領域」を含むように設計されることも可能である。この方法ではIC配列(それらが使用されるアッセイに依存して、増幅されてもまたはされなくともよい)は、プローブが相互作用するようなオリゴヌクレオチドを用いて、標的配列から分離されまたは区別されることが可能である。このような方法は、先に論じたような「非理想」配列との共同で使用されることが可能である。しかしながら、当該ICは正確に標的配列と同一配列(すなわち、同一のプライマーまたはプローブ結合部位およびプライマー結合部位の間が同一配列)を有する「理想」IC核酸について、このような際立った特徴を「理想」IC核酸に導入することは、厳密な意味では、このような改変IC配列はもはや「理想」IC配列と見なすことができないことを意味する。換言すれば、「理想」ICの配列が改変されるときは、たとえ1個の塩基対によってのみであっても、このようなICは、おそらく間違いなく、もはや「理想」ICではない。標的核酸と同じようなプライマーまたはプローブにいまだに結合できても改変を含むことで、その結果、上記に概括したたような方法によって標的核酸から区別され得る該IC核酸配列は、本明細書では、「擬似理想」IC配列と言及される。
【0009】
有利なことに、核酸をベースとするアッセイに使用されるIC核酸は、カプセル化され得て、非生育(生きていないnon−viable)粒子中に含まれ得ることが、今ではわかっている。この方法で使用されうる非生育粒子(non−viable particle)の例として、リポソーム、タンパク質コートおよび遺伝子工学的に改変された非生育生命体である。
【0010】
この方法で非生育粒子内に含まれるかまたはカプセル化されたIC核酸、特に、リポソームまたはタンパク質コートに含まれたものの使用は、以前、内部コントロールとして使用されていた、生育性の遺伝子工学改変生命体の使用に勝る利点を有する。例えば、IC核酸を含有する該リポソームまたはタンパク質コートは、任意の核酸増幅/検出システムまたは他の非増幅ベースの核酸アッセイに対して、設計しならびに適合するのに低廉であり、さらに配列および粒子の特性に関して、リポソームまたはタンパク質を異種のものとすることはより面倒ではなく(このため、より安価となる)。加えて、おそらくもっとも重要なことには、リポソーム、タンパク質コートまたは非生育性の(生きていない)遺伝子工学改変生命体の形態にある非生育粒子は、生物学的に安全であり、政治的に論議を呼ぶこともなく、ならびに内因性もしくは外因性の有害な配列(例えば抗体抵抗性遺伝子)を何ら潜在的に含まない。
【0011】
このような非生育粒子内に含有されるかまたはカプセル化されたIC核酸の使用は、また、上記に論じた裸のDNA型およびRNA型のIC配列の使用に比べて利点を有している。これに関して、IC配列の背後にあるアイデアとは、標的配列が受ける、できるだけ多くの一連の処理工程に、IC配列ができるだけ精確に従うことであることを明確に理解することが重要である。
【0012】
増幅に基づく大抵のアッセイは、サンプルの分析試験室への輸送、サンプル調製に先立つ保管、サンプル調製(例えば遠心分離または沈降を含む)、核酸の遊離および精製、酵素増幅およびすべての増幅産物の検出からなる工程の全部またはいくつかを含むであろう。(同様に増幅に基づかないアッセイは、増幅工程を除き、これらの工程の全部またはいくつかを含むであろう)。内部コントロールを含める「インハウス」のアッセイおよび商業的アッセイでは、内部コントロール核酸は、核酸の遊離/精製工程または増幅段階直前でサンプルに添加される(例えば Rosenstrausら 1998, 上掲文献を参照。これにはRoche社の商業的PCRアッセイの背後にある技術を記載している)。このことは、ICの添加に先行する工程が、例えばサンプルの適切な輸送および保管、効率的なサンプル調製(例えば効率的な遠心分離または沈降)ならびにある場合には効率的な核酸の遊離を、確実なものとする品質保証を何ら持たないという結果を有する。これは重大な欠点である。
【0013】
しかしながら、本発明に基づき、非生育粒子にカプセル化されたIC核酸を用いることによって、そのIC核酸は、プロセスにおいて極めて早い時点で好適にサンプルに添加することが可能であり、具体的にはサンプルが患者から取り出された(すなわち採取の工程)後に、ならびに輸送および/または核酸を遊離させる次の処理が行われる前に、かかる粒子は尿、血液などに直接添加することさえ可能である。(もちろん、特別タイプの非生育粒子がサンプルに添加される段階は、例えば、定量分析におけるレファレンス標準として、サンプル中の細胞溶解物用の品質コントロールとして、検出工程での品質コントロールとしてなど、内部コントロール使用の意図に必然的に依存するであろう)。カプセル化されていないDNAまたはRNAの形態にある従来からのICは、必ずしもこのような早い時点では添加されていなかった。サンプルがICのDNA/RNAを分解させる酵素または他の不純物(例えばRNAアーゼまたはDNAアーゼ酵素)を含むであろうという重大なリスクがあるからである。片や、標的核酸は (集められたサンプルにおいて、細胞内に依然とどまっていることから) それらの要素には曝されないという理由で分解されない。このような場合に、IC配列は、品質コントロールとして機能し損なうだろう。他方、非生育粒子は、標的核酸が放出されるときだけ、IC核酸も放出されることとして、この早い段階でも(細胞膜のように)、IC核酸を保護するであろう。加えて、サンプル処理が、細胞まるごとの単離/精製のために、遠心分離工程または他の工程を含むことは珍しいことではなく、このことは、前もってサンプルに添加されていた任意の「裸」の核酸は、上澄みとともに廃棄されてしまうことを意味する。これは、カプセル化されていないICの使用のもう1つの欠点である。
【0014】
したがって、IC核酸をカプセル化した非生育粒子は、従来技術のIC配列よりも著しく向上した特性を示し、さらに所望されればアッセイ操作の各工程の品質コントロールをもできるであろうということは理解できる。
すなわち、1つの面からみると、本発明は、核酸にベースをおく分析における内部標準(internal control)として、内部コントロール核酸配列を含む非生育粒子の使用を提供する。
【0015】
もう1つの面からみると、本発明は、分析するサンプルを、内部コントロール(IC)核酸配列を含む非生育粒子と接触させる工程を含む核酸をベースとする分析の方法を提供する。
一般的にIC核酸配列は、好ましくは非生育粒子内にカプセル化されている。
IC核酸と非生育粒子との関係に関連して、本明細書で使用される「カプセル化された」または「カプセル化」は、全部または部分的にIC核酸分子が、その粒子の中心的な核内に、局在化され/捕捉されている状況を言う。したがって、そのIC核酸は、該粒子の中心の核またはプール内に、完全に局在していてもよく、すなわち該IC核酸分子の一部でも前記粒子の外表面に、または外表面上には存在しない。あるいはIC核酸の全部または一部が、粒子に包埋されているか、または捕捉されていてもよく、さもなければ粒子内部または内面に結合されていてもよい。粒子外表面に位置するすべての核酸は、サンプル中に含まれているかもしれない、例えばヌクレアーゼ酵素による分解、または阻害的な不純物による汚染のリスクを負うことがあるため、IC核酸(または少なくともそのIC核酸の重要な部分)は、上記のように粒子内にカプセル化されていることが望ましい。したがって、本明細書では、用語「カプセル化」または「カプセル化物」は、非生育粒子とIC核酸との間のすべての手段または相互作用を含み、これによって非生育粒子を囲む外部環境から、非生育粒子はIC核酸を保護する。
【0016】
本明細書で使用される「核酸をベースとする分析またはアッセイ」とは、核酸の定量的または定性的検出に基づく任意の分析技術またはアッセイ、あるいはそれらの一以上の工程を言う。その主要な要件は、その分析技術が内部コントロール配列(例えば、ELISAアッセイでは、内部コントロール配列の使用はありえない)の使用を認めるものでなければならないことである。核酸をベースとする好ましい分析技術は、問題とする核酸(すなわち標的核酸)の増幅を含んでいるものであり、例えばPCR、LCR、ギャップ(Gap)−LCR、NASBAおよびTMAである。このようなアッセイでは、また、IC核酸が標的核酸と一緒に増幅されることが好ましい。しかしながら、核酸をベースとするアッセイにおいて標的核酸は増幅されるが、IC核酸は増幅されないことが往々に生じる(例えば、もし充分な数のIC核酸配列が、非生育粒子内にカプセル化されており、その結果、検出に充分なIC核酸配列を得るために前記IC配列の増幅は必ずしも必要でないのであれば、および/または例えばそのIC核酸 が増幅できないPNA(ペプチド核酸)を含むものであれば)。しかしながら、このような場合、IC核酸は、増幅工程以外の工程のためにコントロールとして作用したこと、すなわち、標的配列と同じ方法の諸工程(例えば検出の諸工程)を通じ、取られた操作の全部の工程にコントロールとして作用したということが理解されるであろう。
【0017】
しかしながら、本明細書で論じられる核酸をベースとする分析またはアッセイは、標的核酸および/またはIC核酸の増幅を含まなくてもよいことに注目することは重要である。例えば、そのアッセイは、標的核酸へのあるプローブまたは何らかの他試薬の結合を含んでもよく、その後この実体の結合が検出され得る。これに関連して、Chironの分岐DNA(bDNA)技術が言及されるであろう(Urdeaら, 1991, Nucleic Acid Symposium Series, vol 24: 197−200)。
この技術は、一連のプローブの標的核酸へのハイブリダイゼーションを含んでいる。これらのプローブの各々は、結合されたシグナル部分を有し、しかも増幅されたシグナルを生じ得る分岐DNAを有する。このため、プローブは標的核酸を検出するために検出されることが可能である。また、このようなアッセイでは、IC核酸もまた増幅されず、標的核酸と同一の方法、具体的にはIC核酸へのある実体の結合および次いでその検出によってアッセイされることが好ましい。仮に、例えばプローブ類が使用されても、IC核酸は同一または異なるプローブを標的核酸に結合させるように設計されてもよい。いずれの方法でも、IC核酸は、内部標準(内部コントロール)として、依然使用することが可能である。
【0018】
本明細書で使用される「内部コントロール核酸配列」は、核酸をベースとする分析における内部コントロールとして機能しうる任意の核酸配列をいう。IC核酸は任意のタイプの核酸であり得る。例えば、それは、直鎖状または環状形で、一本鎖または二重鎖DNAであってもよく、具体的には環状プラスミド、または二本鎖または一本鎖のオリゴヌクレオチド、PCR産物の形態のものである。あるいは、それは、RNA(例えばセンスまたはアンチセンスRNA分子または二本鎖RNA分子)またはDNA/RNAハイブリットであってもよい。代わりにIC核酸は、PNAでも、またはPNAと他のタイプの核酸分子とのハイブリッド混合物であってもよい。いくつかのアッセイでは、異なる種類のIC核酸が使用されてもよく、例えば、PNA ICが、RNAまたはDNA ICに追加して使用されてもよい。
【0019】
さらに本明細書で論じられるように、実施される核酸をベースとしたアッセイのタイプに応じて、IC核酸は、プライマーもしくはプローブの結合部位または領域、あるいは捕捉プローブのハイブリダイゼーション部位またはプローブ検出配列などといった適当なアッセイ試薬と相互作用できる他の部位または領域を含む。あるいはIC核酸は、他の特有の情報を含むかまたは担うものであってもよく、例えば特別の長さまたは検出可能な構成を有するものであってもよい。
【0020】
上で概略を述べたように、IC核酸は、核酸をベースとするアッセイにおいて標的核酸と実質的に同一の様式および同一の割合で増幅されてもよい「擬似理想」IC核酸配列であることも可能である(または増幅を含まない、核酸ベースのアッセイについて、前記擬似理想IC核酸は標的核酸と実質的に同一の方法でアッセイまたは処理され、具体的には反応し、標的核酸と同様のプローブまたは実体に結合することもある。または同定の目的のみで、プローブ類をアッセイ後に使用してもよい)が、適当な技術によって前記標的核酸から区別することも可能である。このため、本発明のこの態様において、前記IC核酸は、標的核酸を増幅するのに使用されるような同一のプライマー、または標的核酸をアッセイするために使用される同一のプローブを用いて、増幅されるか、または例えばプローブされることも可能である。換言すれば、このようなIC核酸は、結合領域、具体的には、プライマーまたはプローブの結合領域、または例えば捕捉プローブのハイブリダイゼーション部位またはプローブ検出配列などといった、適当なアッセイ試薬と相互作用することが可能な他の部位または領域を含むか、あるいは他と区別可能な情報を担い、具体的には、特別な長さまたは検出可能な構成を有するものである。それらは標的核酸を増幅するために使用されるのと同一のプライマーまたは増幅プローブに結合することが可能であるか、あるいは標的核酸のアッセイに使用される同一のプローブまたは実体に結合することが可能であるか、あるいは、標的核酸と同じ評価可能な情報量を有する。このような結合領域、具体的にはプライマーまたはプローブ結合領域は、配列において、標的核酸中のプライマーまたはプローブの等価な結合領域に対して同一であることは可能であるものの、完全な同一性は必ずしも必要ではないことは理解されるであろう。同時に要求されることは、結合領域、例えばプライマーまたはプローブ結合領域が、標的核酸のプライマーまたはプローブ結合領域と実質的に同一か著しく似ており、その結果、標的核酸のプライマーまたはプローブ結合領域に結合するプライマーまたはプローブが、IC核酸のプライマーまたはプローブ結合領域との結合も可能であり、さらに例えば伸張反応においてプライマーとして機能可能であり、あるいはプローブまたは他の結合剤の場合においては、核酸をベースとするアッセイにおいて、後で検出され得る実体として機能することができる。このような結合領域、例えばプライマーまたはプローブ結合領域を有する「擬似理想」IC核酸は、しばしば本明細書で「近理想」IC核酸と言及される。
【0021】
本発明の別の態様では、IC核酸は、「非理想」IC核酸であることも可能である。このような「非理想」IC核酸は、結合領域、例えばプライマーまたはプローブ結合領域、または捕捉プローブのハイブリダイゼーション部位またはプローブ検出配列などといった、適当なアッセイ試薬と相互作用することが可能な他の部位または領域を一般的に含み、あるいは他と区別可能な情報を担い、具体的には、特別な長さまたは検出可能な構成を有するものである。それらは標的核酸においてプライマーまたはプローブの結合領域(または情報量)とは区別され/相違しており、標的核酸を増幅するか、さもなくば(例えばプローブ結合または情報量の評価により)アッセイするために使用されるプライマーまたはプローブ(または同じ情報量を持つことはない。)とは結合できない。かくして、非理想IC核酸を含むアッセイにおいて、プライマーもしくはプローブの異なる組または他の実体は、標的核酸を増幅するか、さもなくばアッセイするために使用されるプライマーまたはプローブの組に対して、IC核酸を増幅するか、さもなくば(例えばプローブもしくは他の実体の結合または情報量の認識もしくは評価により)アッセイするために使用される。
【0022】
したがって、「擬似理想」または「近理想」IC核酸が使用され、核酸をベースとするアッセイが増幅を含んでいる本発明の態様に、同一組のプライマー(またはLCRの場合では増幅プローブ)が、標的核酸およびIC核酸を両方とも増幅するために使用されてもよいことが理解され得る。 PCRをベースとする増幅アプローチでは、このプライマーの組は、標準2プライマーPCRシステム(コードする鎖(strand)と相互作用するように設計された一方のプライマーおよび標準方式で相補的鎖を有するもう一方のプライマー)を含むであろう。リガーゼ連鎖反応(LCR)をベースとする増幅システム(例えばLCR またはギャップ−LCRアッセイ)では、増幅は4つのオリゴヌクレオチド増幅プローブの使用を含んでおり、そのうち2つがそれらの間のニックを形成するコード鎖にハイブリダイズし、他の2つがそれらの間のニックを形成する相補的鎖にハイブリダイズする。これらの2つのニックは、DNAリガーゼによってシールされている。ギャップLCRでは、増幅プローブのペアが、それらが概ね隣接するようにハイブリダイズするその結果、DNAポリメラーゼは、いくつか(1−3)のヌクレオチドを、ギャップを充填するために組み込まねばならない。その後、リガーゼはニックをシールすることが可能となる。このことは、その相補的プローブにハイブリダイズされたプローブの平滑末端連結が起こり得ないために、ギャップLCRにより低いバックグラウンドを与える。したがって、「擬似理想」または「近理想」IC核酸が使用される場合、IC核酸および標的核酸は両方とも、同じ4つのLCR増幅プローブを用いて増幅されるであろう。
【0023】
一方、「非理想」IC核酸が使用される本発明の別の態様では、PCRをベースとする増幅において、4つのプライマーが使用されるであろう。そのうち2つは、それらを増幅させるために標的核酸のコードする鎖およびコードしない鎖と相互作用するものであり、他の2つはIC核酸の2つの相補的鎖とそれらを増幅させるために相互作用しうるものである。また、非理想IC核酸はリガーゼ連鎖反応に基づく増幅をベースとするアッセイに使用され得る。ここで、4つの増幅プローブは標的核酸を増幅するために使用され、および2つの追加の増幅プローブは、IC核酸を増幅するために使用されうる。ついで、2つの産物はニック位置の一方の側で同一となり得て、他方の側上では相違している。仮に、ICが野生型標的と完全に相違しているのであれば、該反応は8つの増幅プローブ、標的核酸を増幅するための4つの増幅プローブならびにIC核酸を増幅するための4つの追加増幅プローブを必要とするであろう。さらに、LCRをベースとする増幅システム(および特にギャップ−LCR)での使用のための適切なIC核酸のデザインに関する情報はW097/04128に見出され、その教示は、参照により本明細書中に組み込まれる。
【0024】
以下にさらに論じるように本発明によれば、カプセル化されるか、捕捉されるか、または包埋されたIC核酸もまた、核酸をベースとする増幅反応NASBAおよびTMAに使用されてもよい。これらは、ともに2つのプライマーの使用に基づくアッセイであり、これにより、擬似理想IC核酸のみが使用される上記標準PCRシステムに関しては、2つのプライマーが要求され、他方、非理想IC核酸が使用されるアッセイでは4つのプライマーが要求される。
【0025】
一般に、定量的結果が要求される核酸ベースのアッセイでは、「非理想」よりもむしろ「擬似理想」または「近理想」IC核酸を使用することが必要とされる。他方、単に定性的結果が要求されるアッセイでは、「擬似理想」、「近理想」または「非理想」IC 核酸のいずれかが使用されればよい。
核酸をベースとするアッセイが増幅を含んでおり、しかもIC核酸が増幅されるように設計されている場合、IC核酸の増幅を誘導するためのプライマーまたは増幅プローブは、必要に応じてIC核酸とともに非生育粒子の内部にカプセル化されてもよい。このような態様においてIC核酸の増幅は、もちろん非生育粒子内で生じることはないが、ひとたび非生育粒子が溶解され、IC核酸およびプライマーが増幅を誘導するのに好適な環境に放出されると、直ちに生じるであろう。同様に、非増幅をベースとするアッセイにおいて、IC核酸のアッセイに使用されるプローブまたは他の実体は、IC核酸とともに非生育粒子の内部にカプセル化されてもよい。
【0026】
IC核酸のさらに重要な特徴は、それが任意の好適な方法によって標的核酸から区別されうることである。IC核酸がコントロールとして作用している核酸をベースとするアッセイに依存して、IC核酸は、前記の区別が生じる前に増幅されていてもまたはいなくてもよい。したがって、仮に核酸をベースとするアッセイが増幅を包含していても、検出は、任意の好適な技術(例えば特定のプローブを用いるか、または大きさに基づいて、以下を参照)によって直ちに行われてもよく、あるいはIC核酸および/または標的核酸のさらなる増幅が検出の前にあってもよい。同様に、増幅を含まない、核酸をベースとするアッセイにおいて、検出は直接的にまたは増幅工程の後に行われてもよい。
【0027】
標的核酸からIC核酸を区別する方法は、公知であって、技術として文書化され(例えば、Zimmermanらによる論文, Biotechniques, 1996年, 21巻: 268−279)、および上記に簡潔に論じられている。通常の方法は、サイズに基づいて標的およびICの核酸配列を区別することを含む。例えば、IC配列は、標的配列に対応しているが、分子中のどこか、例えばその配列を増幅するために使用されるプライマー結合領域間の中に位置した欠失または挿入の領域を含むように設計されてもよいだろう。これは、標的およびIC配列を同一プライマーの使用により増幅させる効果を有しているが、その一方でこの2種をそれらの異なるサイズに基づいて、例えばアガロースゲル電気泳動、アクリルアミドゲル電気泳動、クロマトグラフィー的サイズ分離などの様々な公知のクロマトグラフィー的方法のうち、任意の1つを用いて分離することが可能である。
【0028】
サイズに基づく区別は、また「非理想」IC核酸を含むアッセイに使用することも可能である。このような場合、IC核酸は単に、標的核酸に対して異なるサイズであり、したがって、その2種を適切な技術によって区別することを可能とするように設計されている。IC核酸から標的核酸を区別するために使用され得る代わりの技術は、公知であって技術的に文書化されており、選択的プローブ・ハイブリダイゼーションの使用、およびプライマーの使用が挙げられる。それらの1つ以上は、その中に組み入れられた異なるラベルを有しており、これによって結果的に、IC核酸および標的核酸(またはそれらの増幅産物)は、異なって標識される。
【0029】
したがって、本発明で使用されるIC核酸は、いかなるアッセイ用にも設計され得るものであり、一般的に分析されることなる特定の標的核酸、ならびに使用される核酸をベースとするアッセイの性格に基づいて設計されるであろう。IC核酸(増幅を含む核酸アッセイの場合に)は、増幅反応混合物におけるプライマー/LCR増幅プローブと、往々好ましくは、標的核酸中の対応する配列と同じプライマー/増幅プローブと相互作用することが可能である配列を含むように設計されてもよく、さらに、挿入または欠失の領域あるいは特定プローブと相互作用しうるマーカーといった、際立った特徴を含むように設計されていてもよい。あるいは、IC核酸は、例えばプローブ類、しばしば好ましくは標的核酸中の対応する配列に結合する同一のプローブ/実体に関連して、非増幅に基づくアッセイに使用される他の実体と反応可能な配列を含むように設計されてもよい。また、このようなIC核酸は、(上記のように)際立った特徴を含むようにさらにデザインされてもよい。「擬似理想」または「近理想」IC核酸の場合、同一の結合試薬、例えばプライマーまたはLCR増幅プローブ(増幅を含むアッセイの場合)または他のプローブまたは結合実体(増幅を含まないアッセイの場合)が、標的およびIC核酸の両方を増幅するのに、さもなければアッセイするのに使用可能であることを確実とするべく、分析されることとなる特定の標的核酸の配列に基づいてIC核酸を設計する必要があるにもかかわらず、このような「アッセイ特異的な」IC核酸は一般的には、「非理想」IC核酸が使用されるアッセイには要求されない。したがって、ひとたび設計されれば、適切なIC核酸特異的なプライマーまたはプローブのセットが適当な時点でアッセイに導入されるという条件、ならびにIC核酸が標的核酸から区別され得るという条件で、「非理想」IC核酸は、任意の数の異なる標的核酸のために、任意の数の核酸ベースアッセイに使用されることが可能となるであろう。したがって、このような「非理想」IC核酸は、より一般的な試薬である。
【0030】
いったん設計されたIC核酸の構築は、例えば標準的な遺伝子工学技術(上記Zimmermanらを参照)など、標準的または従来技術的な方法を用いて行なうことができる。そのような適切なデザインを有するIC核酸の多くの例が、技術的に周知であり文献化されている。本発明においては、それらIC核酸のいずれも使用することができる。上記Zimmermanらの文献にも、IC核酸の例がいくつか記載されている。野生型標的核酸より長鎖にデザインされた「擬似理想」IC核酸の例は、Ursiら(1992)、APMIS 100(7):635−9;Siebert and Larrick(1993),Biotechniques、14(2):244−9;Rosenstrausら(1998)、Journal of Clinical Microbiology、36(1):191−7;Bretagneら.(1993)、Journal of Infectious Diseases、168(6)、1585−8;Gillilandら(1990)、PNAS USA、87(7):2725−9;Wangら(1989)、PNAS USA、86(24):9717−21に記載されている。野生型標的核酸より短鎖にデザインされた“擬似理想”IC核酸の例は、Galea and Feinstein(1992)、PCR Methods and applications、2:66−69に記載されている。“非理想”IC核酸の例は、Cleland ら(1999)、Vox Sanguinis 76(3):170−4;上記Rosenstrausら(1998);WO93/02215およびWO97/04128に記載されている。IC核酸が標的核酸と同様の速度論、例えば増幅の速度論を示すには、IC核酸は標的核酸とほぼ同一の鎖長にデザインされることが理想的である。したがって、IC核酸の鎖長は通常、標的核酸の鎖長に依存する。IC核酸は、単独で1000塩基未満の核酸分子であることが好ましい。さらに好ましくは、当該IC核酸の鎖長は40塩基を超えて600塩基未満、例えば50〜500塩基長もしくは100〜500塩基の鎖長である。
【0031】
ここでいう「非生育粒子」(non−viable particle)とは、内部コントロール核酸のカプセルカ化、捕捉または包埋することが可能で、単独の増殖(つまり自己増殖)あるいは問題の粒子の増殖を誘発する生物学的システムでの培養によっても増殖を起こさない実体である。そのような粒子は、決して増殖することなく、例えばリポソーム、タンパク質粒子、あるいはカプセル化殻(encapsulating shell)のみからなり生物学的システムにおいて粒子の複製および増殖を可能にする遺伝物質を一切含まない合成粒子や他の粒子であってもよい。その例としては、ウィルスコートタンパク質やウィルスカプシドタンパク質からなる粒子がある。ここで挙げられるその他の非生育粒子として、ウィルス粒子および他の病原体などの元来増殖能力がある粒子を、複製不能および/または増殖不能に変性したものがある。そのような粒子の例として、遺伝的改変生物(GMO)をさらに変性して増殖および/または複製を不能にした、“失活した(dead)”あるいは非生育GMOが挙げられる。
【0032】
したがって、そのような粒子は、核酸のカプセル化、捕捉または包埋が可能な任意の物質から形成されてもよい。そのような物質として、例えば脂質または変性脂質(具体的にリポソームやリポソーム系粒子の一部として)、タンパク質(例えばウィルスのタンパク質コートまたは“カプシド”などのタンパク質外被の形態)または脂質とタンパク質との組合せ(例えばタンパク質が脂質小胞に埋包され、細胞における通常のタンパク質包埋脂質二重膜に似た構造となる場合)などが挙げられる。上記粒子は、合成ポリマーなどの合成物質からなっていてもよい。本発明によるIC核酸のカプセル化に使用する合成物質/ポリマーの例として、Wolfertら1999、Bioconjugate Chemistry、10:993−1004に記載されているような、カチオン性ポリマー/核酸複合体に核酸を捕捉したカチオン性ポリマー、ならびにWagnerら、1992、PNAS USA、89:7934−7938に記載されているようなポリリジン系複合体といったカチオン性ポリマーが挙げられる。
【0033】
IC核酸をカプセル化、捕捉または包埋する“非生育粒子”の重要な特徴としてさらに、上記粒子の構造が、分析対象である標的核酸を含有する細胞やウィルスなどの標的実体がいわゆる「分解される」のと同一の条件において、分解(溶解、崩壊、漏出など)されるということがある。標的核酸は細胞やウィルス内に含有されることが好ましく、そのような標的細胞やウィルスについては以下に述べるが、本発明の方法は、リポソームのような人工的に形成される粒子構造など、標的核酸が細胞またはウィルス以外の実体の中に含まれる場合のアッセイに用いることができる。標的“細胞”としては、多細胞生物または単細胞生物(例:酵母、原生動物および細菌)から得られる細胞が挙げられる。標的“ウィルス”は、バクテリオファージを含め、いずれのウィルスでもよい。ここでいう「分解(disruption)」とは、非生育粒子/細胞/ウィルスの内容物、つまり少なくともIC分子が(非生育粒子から)放出され、標的核酸が(標的細胞やウィルスなどの標的実体から)放出されるような破壊である(上記の細胞溶解など)。そのような破壊の条件には、一般には、例えば標的細胞またはウィルスを、往々界面活性剤を含む適当な細胞溶解試薬、および/または強酸、強塩基、またはフェノールもしくはグアニジンチオシアネートなどの有機化合物などの試薬に接触させることが含まれる。このような粒子は、アッセイまたはサンプルの条件(温度、塩濃度など)において、標的細胞またはウィルスと同等もしくは同等に近い安定性を有することが好ましい。カプセル化、捕捉または包埋用の非生育粒子が標的細胞を可能な限り“模倣”する能力が本発明の中心テーマであり、したがって標的核酸を含有している、例えばカプセル化した標的細胞やウィルスに非生育粒子がさらに酷似するようになり得る変性を行うことは有益である。そのような変性粒子も上記の定義に含まれる。
【0034】
かかる理由から、ある用途の粒子には、脂質またはタンパク質の全部または一部が変性されており(このため天然もしくは自然のタンパク質や脂質には該当しないことになる)、その結果、上昇した安定性という有益な物性を有するようになったリポソームまたはタンパク質粒子が特に好ましい。リポソームの安定性を向上するために用いられる公知の改変の例を以下に記載する。
【0035】
さらに追加するか代わりに、非生育粒子は、標的細胞膜に本来存在するタンパク質を含有するようにデザインされてもよい。そのようなタンパク質を含有することで粒子は標的細胞により類似することができ、かつリポソームの送達を狙いとするように使用することができる。
本発明で使用する非生育粒子の好ましい例として、リポソーム粒子、ウィルスコートタンパク質状の粒子、“失活”/非生育GMOおよび合成ポリマー粒子が挙げられる。より好ましい非生育粒子としては、リポソーム粒子、“失活”/非生育GMOおよび合成ポリマー粒子である。好ましい非生育粒子としては他に、上記のような変性タンパク質または脂質からなる粒子がある。リポソーム粒子が最も好ましい非生育粒子である。
【0036】
上記のように、特定のアッセイ用に使用される非生育粒子は、標的核酸を含有する標的細胞またはウィルスにできるだけ模倣することが好ましい。したがって、上記リポソーム、ウィルスタンパク質コート、“失活”GMOまたは合成ポリマー粒子などの、特定アッセイに適切なカプセル化(捕捉または包埋)媒体は、標的細胞またはウィルスの性質や特徴、さらには標的細胞またはウィルスが溶解される条件に応じて選ばれる。適切なカプセル化、捕捉または包埋の媒体とは、その媒体にカプセル化、捕捉または包埋されたIC核酸が、アッセイされる標的細胞またはウィルスおよび標的核酸が受けるのと同じ処理工程を受けることができるような媒体である。したがって、適切なカプセル化、捕捉または包埋の媒体は、同じ処理工程で(例えば遠心分離や沈降などによって)標的細胞とともにサンプルから分離することが可能であり、標的細胞またはウィルスが溶解される条件と同じ条件で溶解または分解される媒体である。
【0037】
分離は通常、遠心分離や沈降で行われることから、非生育粒子と標的細胞またはウィルスとを一緒に確実にサンプルから分離するためには、標的細胞またはウィルスと同程度の重量および/または密度を有する非生育粒子を選択することが有効である。
リポソームの密度/重量を調節する方法は、技術的に多くの例および文献が知られている。例えばリポソーム密度は、リポソームの中心部の核を塩化セシウム(または他の重い化合物)または濃厚塩溶液などのより高密度な溶液で満たすことにより上昇させることができる。また好ましくは、ブルーデキストラン(Bleu Dextran)またはデキストラン・サルフェート(Dextran sulphate)などの多糖類をリポソーム内に含浸させることにより、リポソームの密度を上昇させることができる。上記多糖類は、リポソームの中心部の核および/または脂質膜中に取り込まれる。活性GMOを複製不能および増殖不能に変性させることにより製造した“失活”GMOは、必然的に標的生細胞などの標的実体と同じ密度になるであろう。ウィルスタンパク質粒子もまた、標的生細胞と実質的に同じ密度である。そのような粒子の作成方法は、Pearら、(1993)、PNAS USA 90:8392−8396に記載されている。
【0038】
標的細胞またはウィルスから標的核酸を得るサンプル調製が、細胞を選択的に捕捉する工程、例えば細胞表面タンパク質(または他の分子)を結合させる免疫分離工程や他の親和性分離工程を含む場合は、その非生育粒子を標的細胞と同じ工程で分離するために、前記表面タンパク質や分子を非生育粒子の粒子内または粒子上に導入する必要がある。タンパク質や他のマーカーをリポソーム粒子の脂質膜内に導入するには、Rongenら、1997、J . of Immunol. Methods、204(2):105−33などの公知技術を用いることができる。したがって、細胞を選択的に捕捉する工程が含まれる場合は、適当なリポソーム粒子を捕捉用に用いることができる。失活GMOおよびタンパク質コートの表面には、自動的に特定のマーカーが捕捉される場合がある。これは特に、それらタンパク質コートや失活GMOが、例えば変性などにより問題の標的細胞に基づいて調製される場合に見られる。例えば、標的細胞が微生物のものである場合、適当なカプセル化、捕捉または包埋の媒体は、それに相当する微生物の“失活”細胞(自動的に同一のマーカータンパク質をその表面上に発現する)である。
【0039】
通常、非生育粒子は可能な限り単純な組成でなければならない。したがって、単純組成の非生育粒子が未変性のままで標的細胞と同程度の安定性を有し、標的細胞とともに同じ工程で分離され、標的細胞とともに同じ条件下で溶解される場合には、前記の粒子表面にタンパク質を含有させる処理といった前記変性はいずれも不必要であろう。例えば、微生物のクラミジアトラコマチス(Chlamydia trachomatis)のアッセイでは、サンプルから微生物の細胞を分離するために簡単な遠心分離の工程を用いることができる。かくして、変性(脂質膜内のタンパク質など)のされていない単純リポソーム(または単純非生育粒子)であって、サンプルを構成する液体よりも高い密度を有しており(そのためクラミジアとともに容器の底へ遠心分離され得る)、さらにクラミジアと同一条件下で溶解するリポソームが、IC核酸のカプセル化、捕捉または包埋に適している。
【0040】
ここでいう用語「リポソーム粒子」とは、公知のリポソームおよびリポソーム系の小胞すべてを意味する。したがって、最も広義には「リポソーム粒子」とは、あらゆる脂質に基づいた小胞性の構造体を意味する。上記のようにデザインおよび製造されたIC核酸は、技術的に周知で標準的な方法でリポソーム粒子内に導入することができる。この場合、核酸はリポソーム内部の水系プールまたは中心域中にカプセル化され、および/または静電的力などによりリポソームの内部表面に接着されるか、あるいは小胞を形成する脂質膜内、好ましくは膜の内表面に捕捉あるいは包埋される。本発明の方法ならびに用途において、核酸はリポソーム(または他のタイプの非生育粒子)内部にカプセル化されるか、および/またはリポソーム(または他のタイプの非生育粒子)の内表面壁に結合、捕捉または包埋されることが好ましい。これは、核酸は粒子の外表面上に存在すれば、どれもサンプル内に含まれる核酸分解酵素の働きにより分解されるか、阻害性の不純物により汚染される恐れがあるためである。
【0041】
核酸のカプセル化は任意の方法を用いて行うことができる。核酸のカプセル化については、3つの主要な方法が文献に記載され、(i)逆相蒸発法、(ii)脱水/再水和法および(iii)凍結融解法(F.Szoka Jr.らProc. Natl. Acad. Sci. USA 75(1978)4194−4198;D.W.Deamerら、J. Mol. Evol. 18(1982)、203−206;U. Pick、Arch. Biochem. Biophys.212(1981)、186−194; M.J.Hope、ら.Biochem. Biophys. Acta 812(1985)55−65;C. J. Chapmanら、Chem. Phys. Lipids 55(1990)73−83;およびMonnardら、Biochem. Biophys. Acta1329(1997)39−50)の3つの方法が用いられ、またそのいずれかの方法の使用が好ましい。実際、凍結融解法は、核酸のカプセル化には特別に効率的であることが立証されており(上記Monnardら)、この方法が好ましい。
【0042】
捕捉/カプセル化の効率は、カプセル化工程の間に用いられる条件やリポソーム自体の脂質組成によって変化する傾向がある。特定のIC核酸に適したカプセル化条件やリポソーム組成は、試行錯誤を繰り返すことで導き出されることは言うまでもない。本発明で使用するリポソーム組成の好ましい例を以下に記載する。
【0043】
捕捉効率は、概してリポソームの調製およびIC核酸のカプセル化が、リポソーム分散液の押出し(extrusion)を伴う方法で行われる場合に向上すると思われる。押出しの例としては、適当な孔径のフィルターを一種以上用いて分散液をフィルターから押し出す方法がある。したがって、押出しを用いて得られたリポソームは、高いカプセル化効率が要求される本発明において好ましい。押出し方法および適切な孔径の選択は、公知である技術、文献に基づく。
【0044】
リポソームにカプセル化、包埋または捕捉されることになるIC核酸のサイズは通常問題とはならず、小型の核酸断片(数十個程度の塩基対、例えば10〜100塩基対からなる断片、あるいは数百個程度の塩基対からなる断片)においても、より大型の分子(数千程度の塩基対からなる)においても、カプセル化効率はほぼ同じである。しかしながら、カプセル化、捕捉または包埋効率が不充分な場合は、条件を調節してそれらの効率を向上させることができる。
【0045】
また、他の方法を用いてリポソーム内への核酸の取り込みを促進することも可能である。例えば、水溶液にした核酸を加えて、リポソームを形成する脂質の乾燥混合物を水和することもよい。この場合、核酸はリポソームの形成の間に、リポソームの液体で満ちた核内に取り込まれる。この他には、脂質とDNAを混合してカチオン性の脂質−DNA複合体を自発的に形成し得るようにさせた方法を用いて、核酸をリポソーム内へ容易に捕捉することができる(Felgnerら、1987、PNAS USA、84:7413−7417およびHoflandら、1996、PNAS USA、93、7305−7309参照)
リポソームは顕微鏡的レベルの球状粒子であり、一つ以上の脂質二重層からなる膜内部に、該粒子がその中で懸濁している溶媒の一部がカプセル化されている。リポソームおよびその調製方法は、技術的に周知であり文献が存在する。したがって、IC核酸が内部に導入されるリポソーム粒子の物性は、文献などで技術的に公知な方法を用いて操作し、選択することができる。リポソームは通常リン(脂質)からなり、一種の脂質または物性の異なる脂質の混合物からなっていてもよい。変性脂質、例えばポリエチレングリコール変性脂質なども使用することができる。使用され得る変性脂質として、さらに不活性な親水性ポリマーで被覆されたリポソーム(いわゆる“ステルス(stealth)”リポソーム、Lasic、1995、CRC Press)およびS層タンパク質(S−layer protein)などの安定化タンパク質を含有するよう変性されたリポソーム(Maderら、1999、Bio− chemical et Biophysica Acta, 1418:106−116)がある。
【0046】
リポソームに取り込まれる各タイプの脂質の適量は、リポソームの用途に応じて決定される。リポソームを構成する各脂質は、全体的に正もしくは負に荷電していてもよく、また電気的に中性であってもよい。したがって、使用する脂質の特定の組合せや量によって、リポソーム粒子そのものが、全体的に正荷電(カチオン)、負荷電(アニオン)もしくは電気的中性となる。
【0047】
核酸を最も効率的にカプセル化、包埋または捕捉するためには、全体として正電荷を有するリポソーム、言い換えればある割合の正荷電脂質からなる“カチオン”リポソームが好ましい。そのようなカチオン(正荷電)脂質の例としては、DOTAP(1、2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン)、DOGS(N、N−ジオクタデシルアミドグリシルスペルミン)、DDAB(ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド)、DOTMA(N−[1−(2、3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N、N、N−トリメチルアンモニウムクロリド)、DOSPA(2、3−ジオレイルオキシ−N−[2(スペルミン−カルボキサミド)エチル]−N、N−ジメチル−1−プロパンアミニウムトリフルオロアセテート)およびDMRIE(N−[1−(2、3−ジミリスチルオキシ)プロピル]−N、N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムブロミド)が挙げられる。本発明で好ましく使用するリポソームは、POPC(1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスフォコリン)またはDOPE(1、2−ジオレオイル−3−sn−ホスファチジルエタノールアミン)などから選ばれる一種類以上の中性脂質からなるリポソーム、あるいはDDAB、DOTAPまたはDOSPAなどから選ばれる一種類以上の正荷電脂質からなるリポソームであることが特に望ましい。カプセル化、包埋または捕捉に最適な脂質の割合は試行錯誤を繰り返すことで決定されるが、リポソーム組成の例としては、正荷電脂質を1〜50%、例えばDDAB(または他の正荷電脂質)を1〜10%またはDOTAP(または他の正荷電脂質)を20〜50%の割合で含有するリポソーム、あるいは正荷電脂質および中性脂質を約0.5:1〜約5:1の割合、例えばDOSPA(または他の正荷電脂質)および中性脂質(DOPEなど)を約3:1の割合、あるいはDOTAP(または他の正荷電脂質)および中性脂質(DOPEなど)を約1:1の割合で含有するリポソームが挙げられる。
【0048】
特に好ましいリポソームのタイプとしてはさらに、ある割合のリン脂質からなるものが挙げられ、該リン脂質はポリエチレングリコールのリン脂質誘導体である。例としては、PEG−PE(N−(ω−メトキシポリ−(オキシエチレン)オキシカルボニル−DSPE)(DSPEは、1、2−ジステアロイル−3−sn−ホスファチジルエタノールアミン)が挙げられる。このようなリポソームもカチオン系であることが好ましい。
【0049】
好ましいリポソームのタイプとして、さらに多糖類(ブルーデキストランまたはデキストラン・サルフェートなど)を取り込んでリポソーム密度を増加させたものがある。該多糖類はリポソームの中心核および/または脂質膜内に取り込ませることができる。
最も好ましいリポソームは、脂質POPCおよびDDABを、好ましくは97.5:2.5の割合で含有してなるか、あるいは脂質DOTAP、DOPEおよびPEG−PEを、好ましくは25:25:3のモル比で含有してなる。必要に応じて、これらのリポソームは、ブルーデキストランまたはデキストラン・サルフェートなどの多糖類を含有してもよい。
【0050】
さらに本発明に従って、文献などで技術的に公知な他の脂質をリポソーム分子の形成に用いることができる。電気的に中性なそうした脂質の例として、コレステロール、DPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン)、卵ホスファチジルコリンおよび大豆ホスファチジルコリンが挙げられる。負荷電脂質の例としては、PS(ホスファチジルセリン)、PI(ホスファチジルイノシトール)、ガングリオシドGM1、PG(ホスファチジルグリセロール)およびPA(ホスファチジン酸)が挙げられる。正荷電脂質の例としてさらに、HDA(ヘキサデシルアミン)が挙げられる。
【0051】
リポソームは、50〜150nmの小型小胞(多くの場合単層膜)から、数μmの大型小胞(多くの場合、多重層膜)まで様々な大きさに調製することができる。上記サイズの範囲は、リポソームの負荷効率(サイズ増加に伴い増加)とリポソームの安定性(最適なサイズ範囲80〜200nmを超えるサイズの増加に伴い低下)とを折衷させて適切に選択される。リポソームのサイズ選択は試行錯誤を繰り返すことにより決定されるが、好適なリポソームのサイズは80〜200nmの範囲であることが好ましい。
【0052】
本発明に従って使用される好ましいリポソームは、例えば血液、血清、糞便、尿などの生物媒体および液体中で安定である。リポソームの安定性は、例えばPEGなどの不活性な親水性ポリマー、あるいは熱的に安定なバクテリアから得られるタンパク質(例えばS層タンパク質、Maderら、Bioch. Biophys. Acta.1418(1999)106−116参照)でリポソームを被覆することにより増加させることができる。あるいは好熱性細菌から得られる脂質を用いることも考えられる(Chang Bioch. Biophys. Research Communications、vol.202、1994、673−679参照)。上述したように、リポソームの安定性は、標的細胞の安定性と類似するようにデザインされる。
【0053】
調製されたリポソームは、そのまますぐに本発明の方法および使用に供することができ、あるいは後の使用に備えて保存しておくことも可能である。リポソームを調製してすぐに使用する場合は、それらを水性懸濁液として用いることが好適である。リポソームを使用する前に長期間保存する場合は、文献などで技術的に公知の方法により調製物をフリーズドライまたは凍結乾燥して保存することが好ましい。そのような乾燥させた調製物は、適当な時に再び水和して使用することができる。
【0054】
IC核酸がウィルスのタンパク質コート内にカプセル化、包埋または捕捉される態様のために、文献などで技術的に公知の方法を用いて、特定のIC核酸をカプセル化することができる。通常、上記方法では、カプセル化する特定のIC核酸とともに、タンパク質コートを形成する様々なタンパク質を適当な割合で混合し、得られる混合物をウィルスタンパク質の集合を誘発する条件下に置いてウィルスコート粒子を形成させる。このようにして、IC核酸はウィルスコート粒子内に自動的に捕捉/カプセル化される。ウィルスカプシドは、例えばキレート化剤を用いてカプシドをいったん破壊し、カルシウムを加えて再集合させた後(例えばBradyら.1979、J.Virol.32:640−647、Paintsilら.1998、J.General Virol.79:1133−1141参照)、あるいはインビボでカプシドタンパク質を発現させた後(Sternberg 1990、PNAS USA、87:103−7;Hwangら1994、PNSA USA、91:9067−71;Tellinghuisenら1999、J.Virol、73:5309−19参照)に、インビトロで集合させることができる。
【0055】
IC核酸が“失活”または非生育GMO内にカプセル化される態様のためには、まずIC核酸を標準的な公知の方法を用いて適当なGMO内にクローン化し、その後、該GMOの細胞表面/細胞膜およびIC核酸には影響を与えずに無傷のままで残しつつGMOを不活性化または“死滅”させることにより、核酸を非生育GMOの細胞膜内に捕捉することができる。細胞膜およびIC核酸に影響を与えずに、GMOの遺伝子および細胞の機構装置を不活性化するために好適に用いられる薬剤は技術的に公知である。その例としては、抗生物質、抗菌剤および他の薬剤、例えばリボソーム機能を破壊しまたは変化させてタンパク質合成を標的にして破壊する薬剤が挙げられる。GMOの不活性化に用いられる抗生物質または抗菌剤の例としては、タンパク質の合成を阻害するテトラサイクリン、転写を阻害するリファマイシン、およびDNAジャイレース(gyrase)を阻害し複製を妨害するナリジクス酸が挙げられる(Davies and Smith 1978、Annual Review of Microbiology、32:469−518)。
【0056】
上記の通り、核酸を非生育粒子内に導入することは知られてはいるが、導入する核酸がIC核酸であるという開示は従来技術において全くされていない。したがって、IC核酸を含有する非生育粒子、例えばリポソーム粒子、合成粒子、ウィルスコートタンパク質粒子または“失活”GMOは、本発明のさらなる態様を構成する。本発明の方法および使用に供する上記のような非生育粒子もまた、本発明の態様を構成する。
【0057】
IC核酸を用いて行う核酸ベースのアッセイは、誤って陰性の結果が出てしまう恐れのある場合、例えば診断的アッセイにおいて、特に患者から直接得たサンプルについて検査する場合に特に適している。またさらに、本発明のリポソーム(あるいは他の非生育粒子)および内部コントロールは、単に核酸増幅をモニターする目的で、PCRまたはLCR検査などのあらゆる核酸定性検査に使用することができる。「擬似理想」、「近理想」あるいは「非理想」IC核酸は、核酸をベースとする定量検査に用いることができる。
【0058】
さらに、以下に詳細に説明するように、本発明の非生育粒子およびIC核酸は、サンプル供給源が何であれ、調製した核酸の定量化が求められるアッセイに使用することができる。定量化を行う場合は、「擬似理想」あるいは「近理想」IC核酸の使用が必要となり、それによってIC核酸および標的核酸が増幅され、さらに/または検出され、さもなければ同じプローブまたはプライマー(もしくは情報量など)によってアッセイされる。
【0059】
本発明の好ましい、核酸をベースとする分析方法は、
(i)分析されるサンプルを得る工程、
(ii)該サンプルを、適当な内部コントロール核酸を含む非生育粒子と接触させる工程、
(iii)サンプル内から分析される核酸を遊離させ、非生育粒子内から内部コントロール核酸を遊離させる工程、および
(iv)遊離した核酸を分析する工程、とからなる。
【0060】
工程(i)において、分析サンプルは、定性的または定量的な、核酸をベースとするアッセイが望まれる任意のサンプルであってよい。
したがって、上記サンプルは生体外のサンプル供給源(例えば培養細胞、バクテリアまたはウィルス粒子)あるいは生体内サンプル供給源(例えばヒト、植物または動物から得られるサンプル)から得ることができ、あるいは人工的に製造される標的実体を含有するサンプルのように合成により得ることもできる。また、食物病原菌の検出のために試験されるサンプルも使用することができる。サンプルを患者もしくは動物から得る場合、得るべき適切な生体サンプルは、分析する核酸の性質やサンプル供給源によって異なる。例示すれば血液、血清、血漿、唾液、糞便、尿、乳ならびに臓器、組織または細胞の抽出物もしくは分泌物(粘膜分泌物など)が挙げられる。そのようなサンプルは、かなり不純であり得るし、DNA増幅に関わる酵素を妨害もしくは阻害する(あるいは増幅を伴わない核酸アッセイに関わる他の酵素や成分を阻害するか損なう)酵素や化合物をあらゆる種類含んでいる場合や、あるいは存在するあらゆる核酸(例えば標的核酸またはIC核酸)を分解する酵素や化合物を多種含んでいることが多い。患者および動物から適切なサンプルを得るための方法は、技術的に公知で記載がある。
【0061】
サンプルへの非生育粒子の添加(すなわち工程(ii))は、任意の適切な方法で行うことができる。分析するサンプルは、溶液である場合が多く、溶液でない場合には体液および/または組織分離剤もしくは組織溶解剤を添加することにより溶液とすることができる。本発明に従って使用される非生育粒子の好適な調製物および物性は上記に定義した通りである。したがって、サンプルと接触させる際の非生育粒子は、該粒子の水性懸濁液であってもよく、あるいは乾燥状態であっても液状サンプルに添加することで再水和し再構成されてもよい。
【0062】
本発明の好ましい態様において、サンプルを得る工程(i)および非生育粒子を添加する工程(ii)の工程間の時間は最小限に抑えられる。したがって、上記粒子は実施上、可能な限り速やかに、理想的にはサンプルがインビトロで得られた直後、あるいは患者もしくは動物からサンプルが採取された直後にサンプルへと添加される。しかしながら本発明においては、サンプルから核酸が遊離される段階(工程(iii))よりも前に、同時にあるいは遊離が誘導されている間の適当な段階で非生育粒子がサンプルに添加されても、本発明の方法は機能することができることは銘記されるべきである。この段階以降に粒子が添加されると標的核酸が標的細胞から放出されるのと同時にIC核酸が該粒子から放出されず、したがってIC核酸を標的核酸と一緒に処理することができないため、そのような添加は避けるべきである。
【0063】
上記方法の工程(iii)では、サンプルから分析する核酸の放出が、かつ非生育粒子からIC核酸の放出が誘導されることを含む。好適には、サンプル内(例えばサンプルの細胞またはウィルス内)の核酸と該粒子内の核酸はともに、つまり同時に同一条件下で放出される。そのためには、適切な溶解緩衝液または他の分解剤、あるいはアッセイに用いる標的細胞(または他の標的実体)の細胞膜および非生育粒子の構造とがともに破壊される条件を選択しなくてはならない。もちろんこれは、非生育粒子がリポソームである場合は困難なことではない。というのは、サンプルから放出される核酸は通常細胞内に含まれており、リポソームは本質的には細胞膜と類似しているからである。したがって、サンプル中の標的細胞または他の標的実体の細胞膜を破壊/溶解し、細胞中に含まれる核酸を放出させる条件(例えば溶解緩衝液)においては、リポソーム粒子もまた破壊/溶解されるはずである。このことは、使用する非生育粒子が“失活”GMOの場合も同様である。“失活”GMOは、標的細胞がそれと同一あるいは類似の“活性”野生型生物細胞である場合のアッセイにおいて、好適な非生育粒子として用いることができ、この場合においても野生型細胞が溶解される条件において“失活”GMOも溶解されることとなるのは明らかである。
【0064】
適切な溶解媒体/緩衝液は当業者には公知で標準となっており、標的細胞またはウィルスならびにウィルス性タンパク質コートを含有する粒子の膜(およびリポソーム膜)を分解する、例えば界面活性剤またはプロテイナーゼあるいはグアニジンチオシアネート(guanidine thiocyanate)などのタンパク質変性剤をも含んでもよい。プロテアーゼ阻害剤、DNaseおよびRNase阻害剤、保存料、キレート化剤などのその他の標準的成分をも、所望または必要に応じて溶解緩衝液に添加することができる。
【0065】
工程(iii)で核酸の遊離を誘導する前に、細胞(またはその他の標的実体)および粒子をサンプル中のその他の物質から分離することは通常の慣行であろう。都合良くは、そのような分離を、例えば標的細胞またはウィルスおよびリポソーム(非生存粒子)のペレットへの遠心分離、および溶解媒体を添加する前に不必要な上澄み液を慎重に除去することによって行なうことができる。したがって、そのような分離工程は上記で述べた方法における任意の工程である。
【0066】
サンプルは一般に患者から得られるため、上記方法はサンプルを分析実験室へ輸送する工程およびサンプル調製よりも前にサンプルの保管工程を必要に応じて含んでもよい。そのような輸送および/または保管工程は、工程(i)、工程(ii)または工程(iii)の後にあってもよい。
一度核酸を遊離させたら、これらを分析することができる(工程iv)。一般に、前記分析工程は、上述したように核酸をベースとする適切な分析またはアッセイを実施することを含み、前記分析工程は増幅を含んでも含まなくてもよく、次いで数種の検査または検出工程を含むであろう。分析を、未精製細胞(および非生存粒子)溶解物について直接実施してもよく(通常は、分析するための核酸の増幅を実施した後である。以下参照)、標準的な方法によりさらに粗細胞(および非生存粒子)溶解物からさらに精製したDNAまたはRNAまたはPNA分子について実施してもよい。一般に、分析されている核酸がDNA分子ならば、そのとき粗細胞(および非生存粒子)溶解物の分析は何ら問題なく、精製したDNAと同じ再現性を得ることができる。さらに、粗細胞溶解物の使用はより少ない労力で済み、DNA精製の間に起こるかもしれない特定サンプルの潜在的な損失を回避する。分析される核酸がRNAである場合、一般には、粗溶解物からRNAを分離するための、さらなる精製工程が好ましい。
【0067】
通常、核酸の分析を支援するためには、何らかの工程で増幅工程を実施するのがよい。サンプル中に存在する標的核酸および/またはIC核酸の量が、簡単に検出できる濃度よりも低い濃度であることはありうるため、増幅を通常必要とするであろう。したがって、核酸をベースとするアッセイが増幅を含むならば、この増幅に続き、検査または検出をする前にさらに増幅工程を実施してもよい。あるいは、核酸をベースとするアッセイが増幅を含まないならば、そのとき、増幅工程を、核酸の検査または検出を実施する前に実施してもよい。あるいは、検査または検出をする前に増幅工程を必要としないかも知れない。
【0068】
当業者に公知であり文書化された技術、例えば、PCR、LCR、ギャップ(Gap) LCR、NASBAまたはTMAのいずれかによって増幅を実施することができる。起こすべきDNAベースの増幅反応のためには、RNA分子よりもむしろDNAが鋳型として存在すべきである。したがって、IC核酸および/または標的核酸がRNA分子であるならば、その場合これらは、その後通常の技術により増幅させることができるDNA分子へまず逆転写されるべきであることを銘記されたい。上記に議論したように、そのような増幅のために用いられるプライマーまたは増幅プローブはIC核酸または標的核酸のいずれかに対して特異的であってもよいし、あるいはそれらが(存在するならば)標的核酸だけでなくIC核酸も増幅するように設計されてもよい。
【0069】
分析工程が増幅を含むか否かにかかわらず、それが実施される場合、分析工程の検査および検出部分は、一般に標的核酸を超えるIC核酸の顕著な特徴に依存するであろう。例えば、IC核酸が標的に対して異なった大きさであるならば、その場合、分析はアガロースゲル上で核酸を分離し、例えば臭化エチジウム染色することによってサンプル中の核酸を可視化すること、あるいは例えば毛細管ゲル電気泳動によって核酸を分離し、サンプル中の核酸をある種の組み込まれた標識、例えば用いられた1つ以上のプライマーまたはプローブに組み込まれた蛍光標識により検出することによって都合よく実施できる。プライマーもしくはプローブの異なった組またはその他の実体が、標的核酸およびIC核酸を分析するために用いられる発明の態様において(すなわち、非理想IC核酸配列が用いられる態様において)、好ましくは異なった標識類、例えば異なった蛍光標識を、1つ以上のプライマーまたは各プライマーの増幅プローブまたは増幅プローブのセットに組み込んでもよい。そうするとIC核酸または(存在するならば)標的核酸から誘導される増幅産物を適切な装置および/またはソフトウェアを用いて識別することができる。代わりに、増幅反応を標識化されたヌクレオチド(例えば蛍光または放射能標識されたヌクレオチド)をある割合に用いて実施してもよい。その場合には、分離された標識核酸を当業者に公知の適切な検出手段によって可視化することができる。増幅を含まない核酸をベースとする分析方法において、IC核酸および/または標的核酸をアッセイするために用いてもよいプローブまたは実体もまた、適切な標識に検出および識別ができるその他の実体を伝達するように設計することができる。あるいは、そのような非増幅をベースとする方法において、その他の方法により、具体的には大きさまたはその他の情報量によってIC核酸から標的核酸を識別することを可能としてもよい。
【0070】
工程(iv)における核酸分析は、例えば標的核酸に該当するバンドが存在するか否かについての観察で定性的であるか、または存在する標的核酸の濃度を決定できる点での定量的であるかのいずれかでよい。定性的または定量的な方法のいずれであっても、アッセイの品質管理がIC配列の存在を観察することによって保証されることをまず確かめることが重要である。そのIC配列は、標的核酸と同じ工程の少なくともいくつかを経ている。例えば、増幅を含む核酸をベースとするアッセイ法において、標的配列の増幅がない場合におけるIC配列の増幅は正確なネガティブの結果の証拠であり、両配列の増幅は正確なポジティブの結果であるといえる。IC配列および標的配列のどちらの増幅もないのは、技術的失敗またはアッセイ条件についての何らかの問題、例えば阻害剤の存在を示すかもしれない。
【0071】
増幅を含む定性的な核酸ベースのアッセイにおいて、IC核酸の増幅がない場合の標的配列の増幅は、通常は懸念としてみなされず、そのようなサンプルは正確なポジティブの結果として記録されるであろう。しかしながら、「擬似理想」または「近理想」IC配列の使用を含む定量的アッセイにおいて、IC配列の増幅がない場合の標的配列の増幅は、IC配列の増幅が事実上競り敗れるほどに、標的配列がサンプル中におそらく高い含量で存在したことを示し得ることに注目すべきである。同じプライマーに対するIC核酸と標的核酸との拮抗は、実際に定量的アッセイの最良方法の1つ、すなわち、いわゆる「拮抗的PCR」の基盤を提供する。
【0072】
「擬似理想」または「近理想」IC配列を含む、上述の本発明の方法は、拮抗的PCRに充分適している。それは、IC核酸と標的核酸とを同一プライマーによって増幅してもよいからである。したがって、生じ得る増幅の量は、もとのサンプルに存在する核酸分子の濃度の関数になるであろう。IC核酸が標的核酸よりも高濃度で存在するならば、これは一層の増幅となるであろうし、その逆も同様である。標的核酸に対するIC核酸の比が等しいとき、すなわち1:1のとき、両方の分子種の増幅の量も等しくなると予想することができる。
【0073】
このことは、結果を定量化する便利な方法を提供する。例えば、既知量のIC核酸と未知量の標的核酸とを種々の希釈で含んでなる一連のサンプルを構成することができる。増幅産物を分析することにより、両方の種の増幅がほぼ等しい場合のIC核酸濃度が明らかとなる。原サンプルに存在する標的核酸の量は、種々の希釈度で存在する増幅産物の量を分析して標準曲線を描くことによって外挿することができる。定量的拮抗PCRは標準的な手法であり、例えば上記のZimmermanらによる検討で述べられている。相対的な定量化も、一定の未知量のIC核酸を含み、標的核酸の既知濃度を変化させた一連の希釈液を用いて実施できる。しかしながら、明らかにどのアッセイにおいても、もっともありそうなシナリオは、既知であるのは標的核酸よりもむしろIC核酸の濃度であるということである。結局、最初に述べた方法がより適切であることが多いであろう。
【0074】
他のどの適切な定量化方法も、核酸をベースとするアッセイの産物、例えば増幅産物を分析するために用いることができる。例えば、PCR産物の蓄積を2つの蛍光染色、野生タイプ用とIC標的用のものの遊離によって「同時に」測定する場合に、TaqManシステムを用いることができる(Heidら, 1996, 6: 986−94, Tremmelら, 1999, Tissue Antigens, 54: 508−16)。
【0075】
上述した方法および用途を多くの異なった技術分野、例えば分析および診断の分野で用いることができる。最も好ましくは、上記方法および用途を、核酸の定性または定量分析用あるいは診断用に用いることができる。
よりさらなる観点で、本発明は、上述および上で定義された適切なIC核酸を含有するまたは含む非生存粒子を含む本発明の方法または用途を実施するためのキットを提供する。
【0076】
必要に応じて、前記キットはさらに、核酸の増幅に対して好適である試薬から選択される1つ以上の試薬を含んでもよい。それらは例えば、当該IC核酸と両立できるように設計された適切なプライマーまたは増幅プローブ(LCRの場合)、および/または分析され、必要に応じて標識化してもよい標的核酸、ヌクレオチド(その一部を標識化してもよい)、DNAポリメラーゼ、プローブあるいは標的核酸、および/またはIC核酸にハイブリダイズでき、さらに検出可能な信号を直接的にまたは間接的に与えるその他の実体、例えば必要に応じて標識化された実体である。
【0077】
【実施例】
本発明を,それらにより限定的に解すべきでない以下の実施例で、以下の図を参照しつつより詳細に説明する。
【0078】
【実施例1】
リポソームに捕捉された IC 核酸の検出
IC 核酸の産生
ファージM13ゲノムの216bpセグメントをIC配列として選択し、公表されたプライマー(Berg and Olaisen 1994, Biotechniques, 17: 896−901)を使用して増幅した。
LacL: 5’−GGCGAAAGGGGGATGTGC−3’
LacH: 5’−(FAM)−CGGCTCGTATGTTGTGTGGAAT−3’
IC核酸のPCR産生において、1ngのM13mp18 DNA(ファルマシア(Pharmacia)社)を鋳型DNAとして用い、次いでLacL/LacHプライマーについて公表されたものと同じ条件を用いて30サイクルのPCRを実施した。得られたPCR産物をゲルろ過によって精製した(セファクリル(Sephacryl) S300, ファルマシア(Pharmacia)社)。LacHプライマーのFAM蛍光修飾のために、PCR産物はキャピラリーゲル電気泳動およびGenescanソフトウェアによる分析によってABI Prizm 310ジェネティックアナライザーで検出できる。
【0079】
後続のPCRを用いた終点滴定により、精製されたIC溶液中のDNAの量が示された。
リポソームの調製と IC 核酸のカプセル化
脂質POPCおよびDDABを97.5:2.5の比で含むリポソームをMonnardらにより記載された凍結/解凍(freezing/thawing)処理(BBA, 1329: 39−50,1997)によって調製する。脂質をクロロホルムに溶解し、次いで溶媒をエバポレーションによって除去し、一晩、高度減圧下で乾燥する。乾燥された脂質を緩衝液(50 mM Tris, pH 8.0)に分散し、超音波処理槽中で10分間超音波処理する。その後、カプセル化されるIC核酸10μgを加え、脂質の最終濃度を120mMに調節する。分散液を凍結/解凍により10回処理する。液体窒素中で凍結した後、試料を15分間室温で解凍する。押出しの前にリポソーム分散液を50mMのTris(pH 8.0)を用いて40mMの脂質濃度まで希釈し、その後、2枚重ねの孔直径400nmのポリカーボネートフィルター中を10回押し通す(押出しのために、Avestin Inc.のLiposofastを用いる)。押し出されたリポソームを「スピンカラム」(Bio−Gel A−15 m, 予め適当な緩衝液, pH 8.0で平衡化されている)上に入れ、165×gで2分間遠心分離する。通常、各50マイクロリットルの溶出液22〜24個をそれぞれ集める。画分2〜7個は通常濁っているが、他は明瞭に視認できる濁りを示さず、それらは多くのリポソームを含まないことを示す。
リポソーム/ DNA 複合体の溶解
捕捉されたICを有するリポソームの懸濁液からのDNAの分離を、製造者により記載された操作に従い、Qiagen DNAミニキットを使用して実施した。要するに、界面活性剤の存在下でリポソームを溶解した後、核酸をシリカゲル膜に結合し、洗浄し、最終的にTE緩衝液に溶離した。
分離した IC DNA の分析
リポソームから分離されたIC DNAを、LacL/LacHプライマーを含んだPCR反応で分析した。得られたPCR産物を、アガロースゲル電気泳動次いで紫外光下での可視化を伴うEtBr染色後に分析した。
【0080】
【実施例2】
Chlamydia trachomatis の検出用アッセイにおける品質保証のための IC の使用
以下のPCRプライマーを、Chlamydia trachomatis検出用アッセイに使用した。このようなプライマーは、公表されたプライマー(Loeffelholzら、1992, J. Clinical Microbiology, 30, 2847−51)と比較して5’末端でわずかに修飾されていた。
CP24 5’−GGGATTCCTGTAACAACAAGTCAGG−3’
CP27 5’−(ROX)−CCTCTTCCCCAGAACAATAAGAACAC−3’
これらのプライマーはC.trachomatis潜在プラスミド(cryptic plasmid)の207bpを含む増幅産物を明確にする。
【0081】
ICの産生およびそのリポソームへの捕捉を上記実施例1に記載されたように実施した。
捕捉された IC でスパイクされた C.trachomatis を含むインビボ試料からの DNA の分離
培養されたC.trachomatis L2 株の細胞懸濁液を上記のように調製されたリポソーム/IC DNA複合体でスパイク(spike)した。ChlamydiaおよびIC DNAを細胞/リポソームから、製造者によって記載された操作に従い、Qiagen DNAミニキットを用いることによって調製した。
DNA 溶液の PCR 分析
精製されたChlamydiaおよびIC DNAを、上記プライマーセット両方を含む複合(mutiplex)PCRで分析した。35サイクルのPCRを、酵素の製造者により記載されたようにAmplitaq Gold(Roche社)を使用して実施した。ChlamydiaおよびIC のPCR産物の異なる蛍光標識化のために、それらをキャピラリーゲル電気泳動およびGenescanソフトウェアによる分析後にABI Prizm 310ジェネティックアナライザーで識別できた。
【0082】
【実施例3】
ポリエチレングリコールで被覆されたカチオン性リポソームの調製および IC 核酸のカプセル化
IC核酸をカプセル化したリポソームを実施例1で述べたように調製する。しかし、この場合、リポソームはカチオン性脂質DOTAP[1,2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン]、中性脂質DOPE[1,2−ジオレオイル−3−sn−ホスファチジルエタノールアミン]およびPEG−PE[N−(ω−メトキシポリ(オキシエチレン)オキシカルボニル)−DSPE]を、25:25:3のモル比で含み、押出しを50nm孔のフィルターを通して実施した[DSPE = 1,2−ジステアロイル−3−sn−ホスファチジルエタノールアミン]。
【0083】
【実施例4】
リポソームに捕捉された IC 核酸の検出
IC 核酸の産生
ファージM13ゲノムの216bpセグメントをIC配列として選択し、公表されたプライマー(Berg and Olaisen 1994, Biotechniques, 17: 896−901)を使用して増幅した。
LacL: 5’−GGCGAAAGGGGGATGTGC−3’
LacH: 5’−(FAM)−CGGCTCGTATGTTGTGTGGAAT−3’
IC核酸のPCR産生において、1ngのM13mp18 DNA(ファルマシア(Pharmacia)社)を鋳型DNAとして用い、次いでLacL/LacHプライマーについて公表されたものと同じ条件を用いて30サイクルのPCRを実施した。得られたPCR産物をゲルろ過によって精製した(セファクリル(Sephacryl) S300, ファルマシア(Pharmacia))。後続のPCRを用いた終点滴定により、精製されたIC溶液中のDNA量が示された。
【0084】
LacHプライマーのFAM蛍光修飾のために、Lac PCR産物を、キャピラリーゲル電気泳動およびGenescanソフトウェアによる分析によってABI Prizm 310ジェネティックアナライザーで検出できる。
リポソームの調製と IC 核酸のカプセル化
脂質をPOPC(1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)およびDDAB(臭化ジドデシルジメチルアンモニウム)を97.5:2.5の比で含むリポソームをMonnardらにより記載された凍結/解凍処理(BBA, 1329: 39− 50,1997)によって調製した。脂質をクロロホルムに溶解し、次いで溶媒をエバポレーションによって除去し、一晩、高度真空下で乾燥した。乾燥された脂質を緩衝液(50 mM Tris, pH 8.0)に分散し、超音波処理槽中で10分間超音波処理した。その後、カプセル化するIC核酸を加え、核酸および脂質の最終濃度をそれぞれ2.3pMおよび120mMに調節した。分散液を凍結/解凍により10回処理した。液体窒素中で凍結した後、試料を15分間室温で解凍した。押出しの前にリポソーム分散液を50mMのTris(pH 8.0)を用いて40mMの脂質濃度になるまで希釈した。その後、「押出し」は、リポソーム分散液を2枚重ねの孔径400nmのポリカーボネートフィルター中を10回押し通して実施した(押出しのために、Avestin Inc.のLiposofastを用いた)。押出し後、閉じ込められなかった核酸は、DNnaseIとExonucleaseIIIとの結合処理によって、上記のMonnardらによって記載されたように消化した。
リポソーム/ DNA 複合体の溶解
閉じ込められたICを有するリポソームの懸濁液からのDNAの分離を、製造者により記載された処理に従い、QIAamp DNAミニキット(Qiagen GmbH)を使用して実施した。要するに、界面活性剤の存在下でリポソームを溶解した後、核酸をシリカゲル膜に結合して、洗浄し、最終的にTE緩衝液に溶離した。
分離した DNA の分析
リポソームから分離されたIC DNAを、LacL/LacHプライマーを含むPCRで増幅した。得られたPCR産物は、アガロースゲル電気泳動および紫外光下の可視化を伴う臭化エチジウム染色後に分析した(図1)。
【0085】
図1はPOPC/DDABリポソームにカプセル化された核酸由来のPCR産物を有するアガロースゲルを示す。見かけ上、2枚のポリカーボネートフィルターを通した「押出し」は核酸の粒子内への捕捉効率を増大させる。さらに、コントロール実験の結果は、IC核酸がリポソームの核部にあり、ヌクレアーゼ消化から保護されたことを示す。
レーンM、分子サイズ基準(123−bp(塩基対)ラダー(ladder)、Life Technologies社);レーン1、「押出し」がなく調製されたICを有するリポソーム;レーン2、「押出し」により調製されたICを有するリポソーム;レーン3、操作汚染コントロール−DNAなく調製されたリポソーム;レーン4、ヌクレアーゼコントロール−DNase IおよびExonuclease IIIで処理されたIC核酸溶液;レーン5、操作陽性コントロール−IC核酸溶液;レーン6、非鋳型PCRコントロール。
【0086】
【実施例5】
Chlamydia trachomatis の検出用アッセイにおける品質保証のためのリポソーム/ IC 複合体の使用
以下のPCRプライマーを、Chlamydia trachomatis検出用アッセイに使用した。かかるプライマーは、公表されたプライマー(Loeffelholzら 1992, J. Clinical Microbiol., 30, 2847−51)と比較して蛍光色素でわずかに修飾されていた。CP24 5’−(FAM)−GGGATTCC−(T−ROX)−GTAACAACAAGTCAGG−3’
CP27 5’−CCTCTTCCCCAGAACAATAAGAACAC−3’
(FAMおよびROXは異なった蛍光団で、それぞれ緑色および赤色である。)
これらのプライマーはC.trachomatis潜在性プラスミドの207bpを含む増幅産物を明確にする。 ICの産生およびそのリポソームへの封じ込めを上記実施例4に述べられたように実施した。
捕捉された IC でスパイクされた C.trachomatis を含む生体内試料からの DNA の分離
培養されたC.trachomatis L2 株の細胞懸濁液を上述のように調製されたリポソーム/IC DNA複合体でスパイクした。ChlamydiaおよびIC DNAを細胞/リポソームから、製造者により記載された処理に従い、QIAamp DNAミニキット(Qiagen GmbH)を用いることによって調製した。
DNA 溶液の PCR 分析
精製されたChlamydiaおよびIC DNAを、上記プライマーセット両方を含む複合(multiplex)PCRで分析した。25サイクルのPCRを、酵素の製造者により記載されたようにAmplitaq Gold(Roche社)を使用して実施した。ChlamydiaおよびLac PCR産物の異なる蛍光標識化のために、それらをキャピラリーゲル電気泳動およびGenescanソフトウェアによる分析後にABI Prizm 310ジェネティックアナライザーで識別できる(図2)。
【0087】
【実施例6】
ポリエチレングリコールで被覆されたカチオン性リポソームの調製および IC 核酸のカプセル化
IC核酸をカプセル化したリポソームを実施例4で述べたように調製した。しかし、この場合、リポソームはカチオン性脂質DOTAP[1,2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン]、中性脂質DOPE[1,2−ジオレオイル−3−sn−ホスファチジルエタノールアミン]およびPEG−PE[N−(ω−メトキシポリ(オキシエチレン)オキシカルボニル)−DSPE]を、Meyerらにより記載されたように、25:25:3のモル比で含有した[DSPE = 1,2−ジステアロイル−3−sn−ホスファチジルエタノールアミン]。遊離させたIC核酸由来のPCR産物をアガロースゲル電気泳動後に分析した(図3)。
【0088】
図3は、ポリエチレングリコールで被覆されたDOTAP/DOPEリポソームにカプセル化された核酸由来のPCR産物を有するアガロースゲルを示す。実施例4で述べたPOPC/DDABリポソームを用いる場合に限っては、「押出し」は核酸の粒子内への捕捉効率を増大させるように思われる。しかしながら、実施例4の結果を本実施例と比較すると、2つのリポソーム系の性能に違いは観察されなかった。
レーンM、分子サイズ基準(123−bpラダー、Life Technologies社);レーン1、「押出し」がなく調製されたICを有するリポソーム;レーン2、「押出し」により調製されたICを有するリポソーム;レーン3、操作汚染コントロール−DNAなく調製されたリポソーム;レーン4、ヌクレアーゼコントロール−DNase IおよびExonuclease IIIで処理されたIC核酸溶液;レーン5、操作陽性コントロール−IC核酸溶液;レーン6、非鋳型PCRコントロール
【0089】
【実施例7】
遠心分離により沈降する高密度のリポソーム/ IC DNA /ブルーデキストラン複合体の生成および Chlamydia trachomatis PCR アッセイにおけるそれらの使用
IC核酸として用いられるLac PCR産物を実施例4で述べたように作成した。リポソーム/IC複合体の調製を、以下の修飾とともに実施例4で記載したように実施した。ブルーデキストラン(ファルマシア(Pharmacia)社)をPOPC/DDABリポソーム分散液に、超音波処理の後にICとともに添加した。多糖類および核酸の濃度をそれぞれ75nMおよび23pMに調整した。続いて凍結/解凍、押出し、およびヌクレアーゼ処理を実施例4に記載したように実施した。
リポソーム/ IC DNA /ブルーデキストラン複合体でスパイクされた C.trachomatis を含む尿サンプルからの DNA の分離
健康な提供者から集められた尿サンプルを、リポソーム/IC DNA/ブルーデキストラン複合体でスパイクすると同様、培養C.trachomatis L12株の細胞懸濁液でもスパイクした。サンプルからの粗DNA溶解物の生成を、市販され利用できるCOBAS AMPLICORTM CT/NGアッセイキット(Roche Molecular Systems Inc. Diagnostics, Brachburg, NJ, USA)で提供された試薬を用いて製造者により記載された手順に従って実施した。要するに、500マイクロリットルの尿検体を500マイクロリットルのCT/NG尿洗浄溶液により希釈し、37℃でインキュベートし、次いで12,500×gで5分間遠心分離した。細胞/リポソームのペレットを250マイクロリットルのCT/NG LYS溶液に再懸濁し、次いで15分間室温でインキュベートした。250マイクロリットルのCT/NG DIL溶液を加え、混合し、12,500×gで10分間遠心分離した後、粗DNA溶解物をPCR用に準備した。
DNA 溶液の PCR 分析
未精製DNA溶解物のアリコート(aliquot)を、実施例4で挙げられた2組のプライマーペアを含む複合PCR反応混合物に加えた。上述したように実施した30サイクルのPCRの後、PCR産物をキャピラリーゲル電気泳動およびGenescanソフトウェア分析にかけた(図4)。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、POPC/DDABリポソームにカプセル化された核酸由来のPCR産物を有するアガロースゲルを示す。レーンM、分子サイズ基準(123−bp(塩基対)ラダー(ladder)、Life Technologies社);レーン1、「押出し」がなく調製されたICを有するリポソーム;レーン2、「押出し」により調製されたICを有するリポソーム;レーン3、操作汚染コントロール−DNAがなく調製されたリポソーム;レーン4、ヌクレアーゼ・コントロール−DNase IおよびExonuclease IIIで処理されたIC核酸溶液;レーン5、操作陽性コントロール−IC核酸溶液;レーン6、非鋳型PCRコントロール。
【図2】
図2は、C.trachomatis PCR産物(207bp)ならびに培養C.trachomatis由来の核酸からの、および/またはPOPC/DDABリポソーム/IC DNA複合体からのIC PCR産物(216bp)のキャピラリーゲル電気泳動後の電気泳動図を示す。PCR産物の大きさは、内部サイズ基準(GenScan− 500 TAMRA, Applied Biosystems社)から内挿する。
A. IC核酸を含むPOPC/DDABリポソームでスパイクされたC.trachomatisの細胞培養物。
B. C.trachomatisのないIC核酸を含むPOPC/DDABリポソーム。
C. スパイクのないC.trachomatisの細胞培養物。
D. 非鋳型PCRコントロール。
【図3】
図3は、ポリエチレングリコールで被覆されたDOTAP/DOPEリポソームにカプセル化された核酸由来のPCR産物を有するアガロースゲルを示す。レーンM、分子サイズ基準(123−bpラダー、Life Technologies社);レーン1、「押出し」がなく調製されたICを有するリポソーム;レーン2、「押出し」により調製されたICを有するリポソーム;レーン3、操作汚染コントロール−DNAなく調製されたリポソーム;レーン4、ヌクレアーゼ・コントロール−DNase IおよびExonuclease IIIで処理されたIC核酸溶液;レーン5、操作陽性コントロール−IC核酸溶液;レーン6、非鋳型PCRコントロール。
【図4】
図4は、C.trachomatis PCR産物(207bp)ならびに培養C.trachomatisおよび/またはPOPC/DDABリポソーム/IC DNA/ブルーデキストラン複合体でスパイクされた尿検体由来の核酸からのIC PCR産物(216bp)のキャピラリーゲル電気泳動後の電気泳動図を示す。PCR産物の大きさは、内部サイズ基準(GenScan− 500 TAMRA, Applied Biosystems社)から内挿する。
A. 培養されたC.trachomatisおよびPOPC/DDABリポソーム/IC DNA/ブルーデキストラン複合体でスパイクされた尿検体から調製された核酸。
B. 培養されたC.trachomatisでスパイクされた尿検体から調製された核酸。
C. POPC/DDABリポソーム/IC DNA/ブルーデキストラン複合体でスパイクされた尿検体から調製された核酸。
D. ネガティブ コントロール。スパイクされていない尿検体。
Claims (19)
- 核酸をベースとするサンプルの分析において、内部標準として内部コントロール(IC)核酸配列を含む、非生育粒子の使用。
- 上記IC核酸は、上記非生育粒子内部にカプセル化されていることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
- 上記IC核酸配列は、擬似理想もしくは非理想のIC核酸配列であることを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
- 上記IC核酸配列は、50〜500個塩基の長さであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
- 上記の核酸をベースとする分析は、標的核酸の増幅を含む技術であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
- 上記の核酸をベースとする分析は、PCR、LCR、ギャップ(gap)−LCR、NASBAまたはTMAであることを特徴とする、請求項5に記載の使用。
- 上記分析は定量分析であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の使用。
- 上記非生育粒子は、リポソーム粒子、ウィルスタンパク質コートの形態にある粒子、遺伝子工学的に改変された非生育生物、または合成ポリマーで作成された粒子であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の使用。
- 上記リポソーム粒子はカチオン性リポソームであることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
- 上記リポソーム粒子は、POPC(1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)およびDOPE(1,2−ジオレオイル−3−sn−ホスファチジルエタノールアミン)の1以上の中性脂質、ならびにDDAB(臭化ジメチルジオクタデシルアンモニウム)、DOTAP(1,2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン)またはDOSPA(2,3−ジオレオイルオキシ−N−[2(スペルミン−カルボキサミド)エチル]−N,N−ジメチル−1−プロパンアミニウムトリフルオロアセテート)の1以上の正荷電脂質を含むことを特徴とする、請求項8または9に記載の使用。
- 上記リポソーム粒子が、ポリエチレングリコールのホスホリピッド誘導体、例えばPEG−PE(N−(ω−メトキシポリ−(オキシエチレン)オキシカルボニル)−DSPEであるホスホリピッドの部分を含むことを特徴とする、請求項8〜10のいずれかに記載の使用。
- 上記標的核酸が細胞内に含まれていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の使用。
- 分析されるサンプルを、内部コントロール(IC)核酸配列を含む非生育粒子と接触させる工程を含むことを特徴とする、核酸をベースとする分析の方法。
- 以下の工程を含む、請求項13の方法:
(i)分析されるサンプルを得ること;
(ii)該サンプルを、適当な内部コントロール核酸を含む非生育粒子と接触させること;
(iii)サンプル内から、分析される核酸を遊離させ、非生育粒子内から内部コントロール核酸を遊離させることを含むこと;
(iv)遊離した核酸を分析すること。 - 該IC核酸配列、核酸をベースとする分析および該非生育粒子が請求項2〜10のいずれかにおいて定義されていることを特徴とする、請求項13または14の方法。
- IC核酸を含む非生育粒子。
- 上記粒子または上記IC核酸が、先行する請求項のいずれかに定義されたものであることを特徴とする、請求項16に記載の非生育粒子。
- 先行する請求項のいずれかに記載の方法および使用を実施するためのキットであり、適当なIC核酸を含有する非生育粒子を含むことを特徴とするキット。
- 上記の非生育粒子およびIC核酸が先行する請求項のいずれかにおいて定義されたものであることを特徴とする、請求項18に記載のキット。
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