JP2004513424A - 電子棚札システムにおけるデータの送信のための方法及び装置 - Google Patents

電子棚札システムにおけるデータの送信のための方法及び装置 Download PDF

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Abstract

少なくとも2台の送信機、複数の受信札装置、及び前記送信器を介して送信されるメッセージを発行することのできる中央処理装置を備えたワイヤレス電子棚札システムでメッセージの同期送信を発生するための方法を提供する。第1ステップは、各送信機に対し、中央処理装置でのメッセージの発行と送信機からのメッセージの送信との間の信号遅延を決定することを含む。第2ステップは、前記決定された信号遅延に応答して、全ての送信機からの同期送信が達成されるように、個々の送信機からの送信を能動的に遅延させることを含む。本発明はさらに、ワイヤレス電子棚札システム及びそのようなシステムのための送信機に関する。
【選択図】図1

Description

【0001】
発明の背景
今日、大規模小売店舗には、価格指示項目の情報が中央システムコンピュータに格納されるようなシステムが導入されている。このコンピュータは、現金取り扱い場所に様々な物品に関する価格指示項目の情報を提供する。会計担当者は通常、各商品に付いている一意のバーコード、いわゆるEANコードを、光学読み取り装置によって読み取る。このコードによって、キャッシュレジスタは当該物品の現行価格情報を中央システムコンピュータから取得する。
【0002】
さらに、各物品の場所で棚縁表示が適用され、該表示は物品名及び通常は単位当たり費用価格、例えばキログラム当たりの価格も提示する。以前、各物品には通常、価格及びおそらく一時的割引価格を提示したステッカーも付いていた。そのような価格表示の費用を低減するために、特に大規模小売店舗では、各物品の個々の価格表示を省くように努力が払われており、その場合、価格表示は、各種の物品の収納場所の棚縁表示によってのみ達成される。
【0003】
費用最適化のさらなるステップは、中央システムコンピュータから制御され、それによって関係物品の中央システムコンピュータに格納された価格を提示する電子棚縁表示を含む。これにより、価格表示の項目の情報が、価格指示項目の情報を棚縁表示と全く同様に中央システムコンピュータから取得する現金取り扱い場所で顧客に請求される価格と一致することを確実にする。そのようなシステムを以下では電子棚札(ESL)システムと呼び、そのようなシステムの一種が、例えば1986年にエス・オルソン(S.Olsson)及びアール・アールム(R.Ahlm)に付与されたスウェーデン国特許第441447号(SE 441 447)に開示されている。
【0004】
そのようなシステムに共通するのは、柔軟な価格表示システムを得るために、情報の送信をワイヤレスで達成しなければならないことである。そのような送信は電波または光波によって適切に実行される。好ましい電波は、主に帯域幅の規制のため短波範囲内である。好ましい光波は、非可視光の範囲内、例えば先行技術でTV受像機等のような電子または電気装置を制御するためにリモートコントロール装置に使用される赤外(IR)光である。
【0005】
送信機から電子札(EL)へのデータのワイヤレス送信を使用する小売り環境における電子棚札(ESL)システムは一般的に、多数のトランシーバが接続されている基地局(BS)を備え、該基地局は前記送信機を介して送信されるメッセージを発行することができる。さらに、基地局は中央処理装置に接続され、かつそれによって制御され、特殊な環境では、基地局を中央処理装置に組み込むことさえできる。大規模システムはさらに、全て中央処理装置に接続される幾つかの基地局を含むことができる。トランシーバ(TRX)とは、電磁放射(電波、IR等)もしくは音波の複合送受信装置、または信号を分配する他の物理的手段を意味する。
【0006】
図1は、8台のトランシーバ20が基地局30に接続されている典型的な電子棚札システムの略図である。トランシーバ20は一般的に、ツイストペアケーブル、同軸ケーブル、または類似物などの信号分配線40によって基地局30に接続される。単一のトランシーバ20からの受信可能範囲50は実線で示されるが、最大限の受信可能範囲を得るために、トランシーバは信号の干渉による強め合い(constructive interference)を使用して、2台の隣接するトランシーバ20の受信可能範囲50間の中間領域60で必要な信号レベルを得るように配設される。図2aは、2台の間隔を置いて配置されたトランシーバ20からの信号の干渉による強め合いの原理を示す。必要な信号レベルはL1で示される。
【0007】
しかし、より高い送信容量の要求及び他の要因のため、通信周波数が高くなるにつれて、中間領域60で干渉による弱めあい(destructive interference)またはパルス広がりに伴う問題がしばしば生じる。この現象を図2bに示す。ここで、結果として生じるパルスのL1を超える部分は、受信端ではパルスとして検出することができない。
【0008】
発明の開示
そのようなシステムにおける干渉による弱め合いの主な理由は、隣接する受信可能範囲を持つ送信機からの非同期送信である。非同期送信の1つの主な誘因は、異なる長さの分配線40における遅延である。
【0009】
本発明の目的は、先行技術の欠点を克服した、ワイヤレス電子棚札システムでメッセージの同期送信をもたらすための新しい方法を提供することである。これは、請求項1に規定する、ワイヤレス電子棚札システムでメッセージの同期送信を発生するための方法、及び請求項4に規定する、ワイヤレス電子棚札システムのための送信機によって達成される。
【0010】
そのような方法及び送信機による1つの利点は、データを高ビットレートで送信するときの干渉による弱め合いに伴う問題が回避されることである。
【0011】
別の利点は、該方法及び送信機が、ワイヤレス電子棚札システムの基地局と送信機との間の通信に安価な分配線の使用を可能にすることである。
【0012】
本発明の実施形態については従属請求項で規定する。
【0013】
発明の詳細な説明
再び図1を参照すると、基地局30と異なるトランシーバ20との間の物理的距離は広い範囲にわたって異なり、したがって、各トランシーバ20を基地局30と接続するために使用される分配線40の長さは広い範囲にわたって異なる。図1に示す通り、トランシーバ20は直接に線で基地局30に接続するか、あるいは1つまたはそれ以上の他のトランシーバ20と直列に接続することができる。
【0014】
例えば、分配線が従来のツイストペアケーブルによって表わされる場合、実際の遅延時間は、10mのケーブル長の差に対し50ns程度である。1MHzを超えるパルスレートで送信する場合、各パルスは500ns未満の持続時間を有する。したがって、2台の隣接するトランシーバ間に50m程度のケーブル長の差があると、結果的に中間領域60に250nsの遅延が生じ、それは多くの受信装置で許容されない。
【0015】
簡単に言えば、本発明は、システムの各トランシーバ20に能動信号遅延装置を追加することによって、この問題に1つの解決策を提供する。この能動信号遅延装置は、同期送信が達成されるように各トランシーバ20に適した値に設定される能動信号遅延パラメータに従って、トランシーバ20からの信号の送信を遅延させるために配設される。用語の能動遅延は、ここでは、意図的に加えられる遅延を指すときに使用するものであり、論理回路に常に存在する遅延とは区別される。
【0016】
適切な能動信号遅延パラメータを見出す1つの方法は、基地局30とそれに接続された各トランシーバ20との間の信号遅延を決定することである。その後、各トランシーバ20の能動信号遅延パラメータは、その特定のトランシーバ20の遅延と、システム内のいずれかのトランシーバ20の最大の決定された分配信号遅延との間の差に設定される。このため、全ての送信機は、たとえ分配線による信号遅延が異なっても、同期して送信する。これに代わる方法としては、予め定められた最大遅延値を使用して、各トランシーバ20の能動信号遅延パラメータを、その特定のトランシーバ20の遅延と最大遅延値との間の差に設定する。
【0017】
遅延の決定は、幾つかの方法で行なうことができる。1つの好ましい方法は、トランシーバ20が受信したパルスを自動的に基地局30に反射するようにそれらをミラーモードに設定すること、及び前記パルスの送信と受信の間の時間差を測定することを含む。
【0018】
より正確には、ワイヤレス電子棚札システムでメッセージの同期送信を発生する方法は次のステップを含む。
【0019】
・各送信機について、中央処理装置でのメッセージの発行と送信機からのメッセージの送信との間の信号遅延を決定する。
【0020】
・前記決定された信号遅延に応答して、全ての送信機からの同期送信が達成されるように、個々の送信機からの送信を能動的に遅延させる。
【0021】
上記から明らかな通り、送信を能動的に遅延させることは、トランシーバ20で能動信号遅延装置によって行なうことが好ましいが、各トランシーバ20の送信をすでに基地局30で遅延させるなど、他の実施形態でも同じ結果を出すことができる。全てのトランシーバ20が基地局30に直接接続されているシステムの場合、基地局30からの出力に同様の能動信号遅延装置を配設することができる。
【0022】
能動遅延装置はシフトレジスタまたは市販の遅延回路の形を取ることができる。図3は、シフトレジスタの形の能動遅延装置の例示的実施形態を示す。この実施形態では、BS30からの入力信号はシフトレジスタ70に接続され、その長さが遅延範囲を決定する。シフトレジスタは直列入力80、クロック入力90、及び多数の並列出力100を有する。各クロックパルス毎に、入力データはシフトレジスタ70で1段ずつシフトする。シフトレジスタ70の各段毎に、信号は予め定められた量の時間だけ遅延する。能動信号遅延パラメータはマルチプレクサ110で設定され、それはどの並列出力100から信号を読み出し、その後マルチプレクサ110からの出力として提供するかを定める。
【0023】
例:希望する信号遅延が200nsであり、シフトレジスタ70の各段の遅延が50nsである場合、シフトレジスタ70の第4段後に出力が読み出される。
【0024】
上記のシステムはトランシーバ(TRX)を用いることが記載されている。しかし、本発明の着想は、トランシーバの代わりに送信機(TX)を含む一方向通信システムでも適用することができる。
【0025】
基地局30とトランシーバ20との間の通信はさらに、ケーブルの形の分配線を介する通信に限定されない。前記通信は、例えば電波またはIR波によるワイヤレスとすることができる。
【0026】
基地局30とトランシーバ20との間で信頼できる通信を達成するために、誤り検出のための装置を提案する。基地局とトランシーバとの間(一般的に、2台の装置の間)の分配線は、場合によってはフロントエンドLAN(FEL)ケーブルとすることができる。これは信号送信用の平衡ペアを使用するケーブルである。平衡ペアは、常に正反対のレベルを持つ導線のペアA及びBである。A>Bは論理1と解釈され、A<Bは論理0と解釈される。装置間の送信用の1ペアA/B、及び受信用の1ペアA/Bがある。
【0027】
FELケーブルで誤りを検出するために、リモートドライバはアイドル状態でA>Bを強制する。受信端のローカル線路終端はA<Bを強制する。線路終端はドライバより弱い。したがって、ケーブルA及びBが接続されると、適切なケーブルであることを示すA>Bが受信端で測定される。ケーブルA及び/またはBが断線している場合、受信端でケーブルエラーを示すA<BまたはA=Bが測定される。
【0028】
送信端では、リモートの強い終端はA>Bを強制する。ローカルの弱い終端はA<Bを強制する。ローカルドライバのスイッチを切る。すると、ケーブルA及びBが接続されていると、適切なケーブルであることを示すA>Bが送信端で測定される。ケーブルA及び/またはBが断線している場合、ケーブルエラーを示すA<BまたはA=Bが送信端で測定される。
【0029】
ケーブル状態の測定は、装置の初期化時に、または定期的に行なうことができる。
【0030】
図4aは、本発明の誤り検出システムの送信端の一実施形態を示す。ここでレジスタR1はR2より小さく(例えばR1=1k、R2=10k)、したがってトランシーバ(TRX)のプルアップ/プルダウンは、基地局(BS)のプルアップ/プルダウンより弱い。線は電位VCCのときに、デジタル値1を持つとみなされ、線が接地電位の場合は、デジタル値0を持つとみなされる。
【0031】
トランシーバの「送信イネーブル」信号がオフの場合には、トランシーバの受信(RX)部は線1及び2で受信することができ、デジタル値A及びBを測定する。
【0032】
論理信号「結果」は下に記載する可能な値によって定義され、この信号はFELケーブルが適切に作動していることを調べるために使用することができる。
【0033】
・トランシーバを基地局に接続するFELケーブルが完全に機能している場合、A=1、B=0、すなわちA>Bとなり、この測定はOK(FELケーブルはOK)の結果を出す。
【0034】
・FELケーブルの線1が断線している場合、A=0、B=0、すなわちA=Bとなり、この結果はNOT OK(FELケーブルに障害あり)となる。
【0035】
・FELケーブルの線2が断線している場合、A=1、B=1、すなわちA=Bとなり、結果はNOT OK(FELケーブルに障害あり)となる。
【0036】
・FELケーブルの線が両方とも断線している場合、A=0、B=1、すなわちA<Bとなり、結果はNOT OK(FELケーブルに障害あり)となる。
【0037】
図4bは、本発明の誤り検出システムの受信端の一実施形態を示す。リモートドライバはローカル終端(R2抵抗)より強く、アイドル状態でローカルドライバはA>Bを強制する。
【0038】
・線1及び線2に障害がなければ、ローカル受信機はA>Bを示す。
【0039】
・線1が断線している場合、それはA=Bを示す。
【0040】
・線2が断線している場合、それはA=Bを示す。
【0041】
・線1及び2が両方とも断線している場合、それはA<Bを示す。
【0042】
本発明の誤り検出システムはさらに、ケーブル誤動作検出システムと要約することができ、前記ケーブルは基地局(BS)と周辺装置(TRX)との間の信号伝送用の導線の平衡ペア(A、B)を含み、該システムは、
・1本の線(A)を高レベルに、もう1本の線(B)を低レベルにし、A>Bとなるようにするための前記ケーブルの一端の第1ドライバユニットと、
・B>Aをセットすることができるが、第1ドライバユニットより弱いので、第1ドライバユニットが動作する場合は、常に第1ドライバユニットが第2ドライバユニットより優先するように構成された、前記ケーブルの他端の第2ドライバユニットと、
・周辺装置のA及びBの実際のレベルを測定するための手段と、
・AとBを比較する手段と、比較の結果を提示するための出力手段と
を備える。
【0043】
ケーブル誤動作検出システムはさらに、関係A>Bが保持されない場合に、誤動作メッセージを発行するための手段を備えることができる。
【0044】
システムの改善のため、トランシーバのハードウェアは改良されることがある。ハードウェアの変更時など、状況によっては、ハードウェアのバージョンに関係なく、同じソフトウェアを全てのソフトウェアにダウンロードすることが利益になるかもしれない。
【0045】
ダウンロードされたハードウェアを異なるバージョンのハードウェアで適切に動作させるために、生産工程中にハードウェア装置の不揮発性メモリにハードウェアバージョン識別子をプログラムする。ソフトウェアがダウンロードされるときに、それはハードウェアバージョン識別子を検査し、ハードウェアバージョンに適合するようにその動作を変更する。
【0046】
ハードウェアバージョンに従ってソフトウェア動作の変更を可能にするためのシステムは、
・内容が新しいソフトウェアによって読み取り可能であり、ハードウェアバージョン識別情報が格納された、不揮発性メモリユニットを前記ハードウェア内に備えると要約することができる。
【0047】
ハードウェアバージョンに従って、前記ハードウェアにインストールされた新しいソフトウェアによってソフトウェア動作の変更を可能にするための方法は、
・ハードウェアバージョン識別情報を当該ハードウェア内の不揮発性メモリに格納するステップと、
・新しいソフトウェアがインストールされるときに、前記新しいソフトウェアによって前記情報を読み取り、読み取られた情報に従って新しいソフトウェアの動作を変更するステップと
を備えると要約することができる。
【0048】
ハードウェア装置の生産工程中に、装置の動作を検証するために多数の生産試験が行なわれる。これらの様々な試験ステップが実行されたことを記録し、かつ任意選択的に様々な試験に関する詳細をも記録することが利益になることがあり得る。
【0049】
生産記録は各試験ステップの最後にハードウェア装置の不揮発性メモリに書き込まれるので、これは生産工程中に達成することができる。後でこのメモリを読み出して装置の試験履歴を得ることができる。この機能に必要なメモリ回路は標準型であり、図5に概略的に示す。この図において、
・第1生産試験[試験A]の結果はサブパートAに格納される。
【0050】
・第2生産試験[試験B]の結果はサブパートBに格納される。
【0051】
・第3生産試験[試験C]の結果はサブパートCに格納される。
【0052】
・第4生産試験[試験N]の結果はサブパートNに格納される。
【0053】
ハードウェア試験記録のこの方法は、
・生産中に前記ハードウェアの少なくとも1つの試験を実行するステップと、
・前記試験に関する情報を前記ハードウェアの不揮発性メモリに格納するステップと
を含むと要約することができる。
【0054】
そのような装置は、前記装置がその生産中に受けた様々な生産試験に関する情報を各々含む多数の区画を有する不揮発性メモリを備えると要約することができる。
【0055】
IR送信機は1つまたは幾つかのIRダイオードに基づく。IRダイオードは、1つまたは幾つかのチェーンに直列に接続することができる。ダイオードまたはダイオードのチェーンに電流が流れると、IR光が放出される。送信機で発生する1つの型の異常は、ダイオードまたはダイオードのチェーンが破損して、電流が流れることができないことである。そのような誤動作を検出することができるように、制御回路を各ダイオードまたはダイオードのチェーンに接続することができる。制御回路は、電流が流れるときに1つの論理出力を与え、電流が流れないときに別の論理出力を与える。IR送信機が動作状態のときに出力が読み出されると、該回路はダイオードまたはダイオードのチェーンが破損しているか否かを示す。
【0056】
この機能をダイオード3個のチェーンにいかに実現するかの一例を図6に示す。I_1が0のときに、センスの電位は0であり、電流I_1が0より大きい場合、センスの電位も0より大きい。センス信号の電位を測定することによって、電流が零より大きいかどうかを決定することができる。実際、予め定められた量の電流がこのダイオード/ダイオードチェーンに流れていることをセンスが決定するための電圧限界を設定することもできる。
【0057】
1個のIRダイオードまたは直列に連結された幾つかのIRダイオードを含む破損したIR LEDチェーンを検出するためのシステムは、各IR LEDチェーンに結合された電流検出回路であって、電流がチェーンに流れる場合は第1論理出力(1)を与え、電流が流れない場合は第2論理出力(0)を与える電流検出回路を備えると要約することができる。これに代わる実施形態では、電流が予め定められたレベルを超える場合にのみ、第1論理出力(1)が与えられる。
【0058】
IR送信機によっては、必要な光学出力を生成するために幾つかのIRダイオード及び高いダイオード電流を使用する。これらの電流は電磁場を発生し、他の機器を妨害しかつ放出基準に違反することのある電磁干渉(EMI)を引き起こす。したがって、この電磁干渉を低く維持することに利益がある。
【0059】
電磁干渉を低減するために、IRダイオードが取り付けられたプリント回路基板(PCB)は、放射を低減するトレースパターンで設計される。トレーシングは図7に従って(一例としてダイオード4個のチェーンで)行なわれ、全てのトレースが同一プリント回路基板層で行なわれる。これに代わって、幾つかのプリント回路基板層を使用する経路にすることができる。
【0060】
本発明の意図は、ダイオードチェーンから放出される電磁界が最小化されるようにプリント回路基板レイアウトが行なうことである。異なる方向の2つの電流が電磁界を最小化し、また2つの電流方向の変化位置(図中のダイオードの上またはダイオードの下)によっても、「2次元にツイストされた」ワイヤが得られ、それは電磁干渉(EMI)をさらに低減するであろう。
【0061】
導線によって発生する妨害電磁界を最小化するためのプリント回路基板上のそのような導線構造は、導線の少なくとも一部分が隣接する導線と反対方向に流れるように前記導線が配設され、それにより動作中に各々の前記導線によって発生する電磁界が実質的に相互に相殺されると要約することができる。導線部分はさらに、前記回路基板上の1つの層に、あるいは任意選択的に回路基板の異なる層に配設することができる。導線構造はさらに、チェーン内の赤外発光ダイオードを接続することができる。ダイオードは、ダイオードを通過する電流方向が各ペアで相互に逆になるように、ヘッドとヘッドを突き合わせた対型構成の配列に配設することができる。1つのダイオードから出て行く導線は、前記対の他方のダイオードの下を通過するように、回路基板上に配置することができる。
【0062】
IRダイオードは長時間の大電流に敏感である。動作時に、電流は大きくことがあるが、動作は、ダイオードを劣化させないようにパルス化される。動作はマイクロコントローラによって制御される。IR送信機の起動中に、マイクロコントローラ(及びオプションの他の集積回路)の始動時間があり、その時間中は出力が制御されない。出力は高インピーダンス状態になる。したがって、起動時に長時間の大電流が生じる危険性がある。
【0063】
したがって、コントローラとIRドライバとの間に、弱い受動不活性化回路(例えばプルアップまたはプルダウン抵抗)を接続することを提案する。起動中に、不活性化回路は、IRドライバを確実にオフにする。コントローラが動作状態になると、出力は適切な値を取り、出力は不活性化回路より強いので、コントローラはIRドライバを制御することができる。
【0064】
起動中に動作状態になるまで有限の時間がかかる部品を含むシステム内の高電流感受性デバイス(IR LED)をディセーブルにするためのそのような構成は、前記デバイス(IR LED)がドライバユニットによって付勢され、前記システムの動作がマイクロコントローラによって制御され、前記構成がコントローラとドライバユニットとの間に結合された受動で弱い不活性化回路を備え、それによりフル出力時の前記コントローラの出力が前記弱い不活性化回路より強く、それによって不活性化回路より優先されると要約することができる。前記高電力感受性デバイスは赤外発光ダイオードデバイス(IR LED)とすることができる。
【0065】
起動中に動作状態になるまで有限の時間がかかる部品を含むシステム内の高電流感受性デバイス(IR LED)をディセーブルにするためのそのような方法において、前記デバイス(IR RED)はドライバユニットによって付勢され、前記システムの動作はマイクロコントローラによって制御され、該方法は、
・起動中に前記デバイス(IR LED)に電流が流れないように、弱い不活性化回路による制御を提供するステップと、
・全出力時には前記弱い不活性化回路による前記制御より優先する制御を前記コントローラから提供して、前記デバイスを動作状態にするステップと
を含むことによって要約される。
【0066】
不平衡ハードウェアのI/Qオフセットを検出するために、クワドラチャ検波器を提案する。クワドラチャ検波器は、周波数は既知であるが位相が不明の信号を検出するときに効果的である。
【0067】
検出すべき信号は2つの部分、0゜部分及び180゜部分に分割される。(180゜部分は0゜部分の逆である)。該検波器は同一周波数の4つのクロックを信号として生成するが、4つのクロックは全て90゜離れている。クロックはC0、C90、C180、及びC270と呼ばれる。検波器は2つの積分器を有する。第1積分器は、C0で標本化された0゜信号部とC180で標本化された180゜信号部の和を積分する。第2積分器は、C90で標本化された0゜信号部とC270で標本化された180゜信号部の和を積分する。この方法により、積分器の内容をI/Q図として見ることができる。ここでI積分器はIベクトルを表わす、Q積分器はQベクトルを表わす。ベクトルは常に直交する。I及びQベクトルの合成ベクトルが信号を表わす。合成の長さは信号強度であり、合成の角度は検波器クロックに対する信号の位相である。
【0068】
信号を検出する前に、積分器はリセットされる。各積分器出力はサンプルホールド回路の入力に接続される。信号の標本化中にサンプルホールド回路はサンプルモードに設定される。信号標本化が終わると、サンプルホールド回路はホールドモードに設定され、I及びQベクトルを読み出し、合成ベクトルを計算することができる。信号がシステムノイズ及び電流消費を低減することが期待されない場合、検波器クロックはスイッチをオフにすることができる。
【0069】
検波器回路の非線形性のため、I/O図の原点(origo)は中心に位置決めすることができない。上述の通り、複数の雑音標本を取ることにより、I/O図の実効中心をI/Oオフセットとして算出することができ、このオフセットを後で、非線形性を補償するために標本化された信号の合成ベクトルの計算に使用することができる。
【0070】
I及びQ値は複素数(数学)の虚部及び実部として表わすことができ、I及びQを示すために、図8aのように2つの直交する軸I及びQを描くことができる。図8aのI/Q図では、雑音が標本化され、I及びQ値の結果は図では原点(origin)を中心にしてその周りに配置されないが、ベクトルI/Oオフセットを全ての値から差し引くと、図8bに示す結果が達成され、受信信号もこのグラフに、今度は原点を中心にしてその周りに配置されて描かれる。
【0071】
クワドラチャ検波器の非線形性を補償するそのような方法は、したがって、
・I/Oベクトルとして表わされる複数の雑音標本を取り、前記I/O図の原点(origo)からのオフセットを表わす平均I/Oベクトルを計算するステップと、
・その後の標本化信号を補償するために前記平均オフセットI/Qベクトルを使用して、補正されたI/Q図を得るステップと
を含むことができる。
【0072】
シャーシの製品マーキングは、装置の型を識別する簡単な方法である。整備時に、1つまたは幾つかの装置が分解されることがある。再び組み立てるときに、装置識別子が付いた部品が間違った装置に取り付けられる危険性がある。説明:製品マーキングは、整備時に取り外されない装置の部品に配置される。したがって、装置識別子が付いた部品が間違った部品に取り付けられる危険性が無い。
【0073】
電子棚札(ESL)システムには、電子棚札からマスタコンピュータ(MC:電子棚札システムを制御する品目)へのワイヤレスデータを受信するための受信機がある。データは、電子棚札に送信されたデータまたは他のデータの肯定応答とすることができる。この環境では、データに干渉する雑音がある。雑音が受信機を妨害するのを防止するために、閾値を定義することができる。この閾値より低い強度の信号は全て無視され、この閾値より高い強度の信号は全て有効な信号と解釈される。
【0074】
これを達成するために、適切な閾値レベルを見出すために較正機構が使用される。閾値は校正結果及び閾値乗数に基づく。較正結果は、雑音を多数回標本化する受信機によって得られ(回数はデフォルトとして400個の標本に設定可能である)、次いで雑音標本で最強の部分(strongest fraction)の平均値を計算する。この平均値が較正結果である。較正結果は次いで、閾値乗数と呼ばれる調整可能な値を乗算される。閾値乗数を変化させることによって、信号対雑音比(SNR)を変化させることができる。信号対雑音比は有効な信号が検出されない確率及び雑音が信号として解釈される確率を与える。必要な信号対雑音比を得るための閾値乗数がひとたび設定されると、環境雑音が経時的に変化するという事実を処理するために、設定可能なタイムアウトに基づいて、較正が規則的に行なわれる。受信機がデータを受信することが期待されるときにタイムアウトが満了すると、再較正が行なわれる。以前の較正に比較して雑音が今変化した場合、選択された信号対雑音比は維持され、閾値が変化する。
【0075】
最大の部分は、統計的分布(実際の統計的分布ではなく、統計的分布の一例)を示す図9aのようなヒストグラムを使用することによって説明することができる。較正結果は最強の部分の平均値である。
【0076】
閾値は、どの値の信号が雑音とみなされ、どの値の信号が信号とみなされるかを定義する。閾値は、図9bに示す通り、較正結果に所望の信号対雑音比を乗算したものと定義される(信号対雑音比は本書では閾値乗数とも呼ばれる)。
【0077】
様々な環境雑音レベルにさらされるトランシーバシステムで受信信号を有効な信号として受け入れるための閾値を設定するそのような方法は、
・雑音データを選択された回数標本化するステップと、
・最大雑音信号を表わす標本化雑音データの部分の平均値を計算するステップと、
・前記平均値に所望の信号対雑音比を表わす選択可能かつ調整可能な閾値乗数を乗算して、所望の閾値を得るステップと、
・前記閾値をトランシーバシステムに格納するステップと
を含むことができる。
【0078】
さらに動作中に雑音レベルを監視することができ、前記雑音レベルが変化した場合には、所望の信号対雑音比を維持するために閾値を変更するように、閾値設定手順が繰り返される。該方法は、閾値設定手順を繰り返す前に、有効な信号が検出されない予め定められた最長時間だけ待つステップをさらに含むことができる。
【0079】
多くの理由から、各ハードウェア装置に一意の識別子を割り当てることは有利である。識別子は、追跡及びアドレス指定の目的にも使用することができる。
【0080】
これは、生産工程中に、不揮発性メモリに格納された一意の識別子を各装置に割り当てることによって達成することができる。この識別子は、装置に貼付されるタグに印刷することができる。動作中に、この識別子を装置の論理アドレス指定のために使用することができる。識別子はまた、別個の論理アドレスを装置に割り当てるためにも使用することができる。この論理アドレスは、設備における装置の環境の情報を保持することができる。すなわち、この論理アドレスは、装置の生産から長い時間の後に、作用環境でユーザインタフェースから変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は典型的な電子棚札システムの略図である。
【図2】
図2aは2台の送信機からの信号の干渉による強め合いの原理を示すグラフである。
図2bは2台の送信機からの信号の干渉による弱め合いの原理を示すグラフである。
【図3】
図3はシフトレジスタの形の能動遅延装置の略図である。
【図4】
図4aは本発明の別の態様を示す略図である。
図4bは本発明の別の態様を示す略図である。
【図5】
図5は本発明の別の態様を示す略図である。
【図6】
図6は本発明の別の態様を示す略図である。
【図7】
図7は本発明の別の態様を示す略図である。
【図8】
図8aは本発明の別の態様を示す略図である。
図8bは本発明の別の態様を示す略図である。
【図9】
図9aは本発明の別の態様を示す略図である。
図9bは本発明の別の態様を示す略図である。

Claims (12)

  1. 少なくとも2台の送信機、複数の受信札装置、及び前記送信機を介して送信されるメッセージを発行することのできる中央処理装置を備えたワイヤレス電子棚札システムでメッセージの同期送信を発生するための方法であって、
    各送信機に対し、前記中央処理装置でのメッセージの発行と前記送信機からのメッセージの送信との間の信号遅延を決定するステップと、
    前記決定された信号遅延に応答して、全ての送信機からの同期送信が達成されるように、個々の送信機からの送信を能動的に遅延させるステップと
    を含む方法。
  2. 前記送信機からの前記送信の前記能動的遅延が、各送信機に関連付けられた能動信号遅延装置によって実行されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記信号遅延を決定するステップが、送信機が全ての受信パルスを中央処理装置に自動的に反射するように前記送信機をミラーモードに設定するステップと、同一パルスの送信と受信との間の時間差を測定するステップとを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 各送信機の前記能動的遅延が、その特定の送信機への遅延と予め定められた最大遅延値との間の差に設定されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 各送信機の前記能動的遅延が、その特定の送信機への遅延とシステム内のいずれかの送信機への最大の決定された信号遅延との間の差に設定されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 送信機からの送信を遅延させるように配設され、かつ能動信号遅延パラメータに対応して調整可能である能動信号遅延装置を備えることを特徴とするワイヤレス電子棚札システム用の送信機。
  7. 前記能動信号遅延装置がシフトレジスタを備えることを特徴とする、ワイヤレス電子棚札システム用の送信機請求項6に記載のワイヤレス電子棚札システム用の送信機。
  8. 少なくとも2台の送信機、複数の受信札装置、及び前記送信器を介して送信されるメッセージを発行することのできる中央処理装置を備えたワイヤレス電子棚札システムであって、前記送信機からの送信を遅延させるように配設され、かつ能動信号遅延パラメータに対応して調整可能である能動信号遅延装置を備えることを特徴とするワイヤレス電子棚札システム。
  9. 各能動信号遅延装置が送信機に配設され、かつ前記送信機からの送信を遅延させるように配設されることを特徴とする、請求項8に記載のワイヤレス電子棚札システム。
  10. 前記能動信号遅延が前記中央処理装置に配設され、かつそれらの関連送信機へのメッセージの発行を遅延させるように配設されることを特徴とする、請求項8に記載のワイヤレス電子棚札システム。
  11. 前記送信機がケーブルの形の分配線によって前記中央処理装置と通信することを特徴とする、請求項8から10のいずれか1項に記載のワイヤレス電子棚札システム。
  12. 前記送信機がワイヤレス接続によって前記中央処理装置と通信することを特徴とする、請求項8から10のいずれか1項に記載のワイヤレス電子棚札システム。
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