JP2004512974A - 温度勾配を使用してフィルム中にパターンを形成させる方法および装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、温度勾配に露出されるフィルム中にパターン、特に高解像度パターン、を形成させる方法および装置に関する。特に、基材上の少なくとも1個のフィルムを温度勾配に露出することにより、平版印刷用の構造を形成させる方法であって、温度勾配が、フィルム中に物質移動を引き起こす力をフィルム中に発生させ、それによって平版印刷パターンを製造する方法を提供する。
Description
【0001】
本発明は、温度勾配に露出することによりフィルム、層および/または界面中にパターン、特に高解像度パターン、を形成させる方法および装置に関するものである。特に、基材上の少なくとも1個のフィルム、層および/または界面を温度勾配に露出することにより、平版印刷用の立体的な構造を形成させる方法であって、温度勾配が、フィルム中で物質移動を引き起こす力をフィルム中に発生させ、それによって平版印刷パターンを製造する方法を提供するものである。
【0002】
マイクロエレクトロニクス、バイオ技術およびマイクロシステム工業では、高解像度パターンを基材に形成させることが重要である。例えば、高解像度パターンは集積回路の製造に必要である。現在、写真平版印刷が基材上にパターンを形成させるのに使用されている。写真平版印刷では、フォトレジストを光学パターンに露出し、薬品を使用してフォトレジストの露光部分または非露光部分をエッチングし、基材上にパターンを形成させる。このため、パターンの解像度は、光学パターンの製造に使用される光の波長により制限される。1μ未満のパターンを形成させるには短い波長を使用しなければならないので、写真平版印刷は益々複雑で、経費のかかるものになる。
【0003】
特開平02−128890号公報には、ガラス板から構成された転写媒体上に金属マスクを固定し、このマスク上にブレードで、パターン形成材料としてガラスフリットを有する導電性銀ペーストをドットパターンの緻密な方向に塗布する、パターン形成方法が開示されている。続いて、金属マスクを転写媒体から剥離することにより、銀電極線用のドットパターンを転写媒体上に形成させる。こうして形成された転写パターンを乾燥させ、幾つかの温度−時間勾配により熱処理する。
【0004】
欧州特許公開第0487794号明細書には、光活性酸発生剤から構成された化学的に増幅されたレジストから平版印刷用レジストパターンを製造する方法であって、表面の、過剰照射にさらされる区域に隣接した酸発生剤により誘発される、光活性酸により触媒作用される反応を制御する工程を含む方法が開示されている。反応制御は、レジスト表面の区域に隣接して発生した過剰の酸を捕獲することにより、レジスト中に温度勾配を形成し、光活性反応を選択された区域に制限することにより、あるいはレジストにその厚さ方向で電荷を作用させ、発生した酸から陽電荷を移動させ、レジスト中に一様な電荷分布を確立することにより、行うことができる。露光したフィルムの部分を化学溶剤を使用して除去することにより、パターンを形成させる。
【0005】
ケミカルアブストラクト、第85巻、No.4、1976年7月26日、Columbus, Ohio, US, Abstract No. 27333 C, T. Shigeo et al.:「Thermographic Recording Sheet based on poly(carbon fluoride) and Zeolite」には、ポリ(フッ化炭素)およびゼオライトを基剤とする感熱記録シートが開示されている。感熱シートの画像記録層は、主成分として≧1無機フッ化C重合体および分子篩ゼオライトを含む。その様な感熱記録シートの製造方法は、液体アクリル樹脂およびフッ素化グラファイトをイソホロン−C6H6(1:1)混合物中に分散させること、約10重量%のNEt3を吸着したCaゼオライトXをこの分散液に加えること、および分散液を紙担体上に塗布し、白色感熱紙を形成させることを含んでなる。この様にして、感熱記録シート中に平面的なパターンを形成させることができる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、パターン、特に高解像度パターンを製造することができる、簡単で、効率的で、低コストパターン形成に適当な方法を提供することである。好ましくは、本方法は、光学的放射線を使用せずにパターン化し、それによって、その様なパターン形成に使用する光の波長による上記の制限を回避できる様にすべきである。さらに、その様な方法は、薬品を使用してフィルムの一部をエッチングする、または除去する必要がない様にすべきである。さらに、本発明の別の目的は、その様な方法を実行するための装置を提供することである。
この目的は、請求項1に規定する方法により、および請求項14に規定する装置により達成される。好ましい実施態様は従属請求項に記載する。
【0007】
本発明は、
(a)パターン化すべきフィルムを支持するための基材表面を有する基材を用意する工程、
(b)少なくとも1個の、熱伝導性材料を含むフィルムを基材表面上に付着させる工程、および
(c)該少なくとも1個のフィルムを少なくとも部分的に温度勾配に露出し、それによってフィルム中で物質移動を引き起こす力をフィルム中に発生させ、それによってフィルム中に立体的なパターンを形成させる工程
を含んでなる、パターン化されたフィルムの製造方法を提供するものである。
【0008】
用語「フィルム」は、あらゆる種類の自己支持型または支持されたフィルムおよび/または層並びに少なくとも2個のフィルムおよび/または層の間の界面を含むものとする。例えば、本方法は、2個の隣接するフィルムまたは層の接触表面により画成される界面をパターン化することにも応用できる。本発明の不可欠な特徴は、フィルムのパターン化が、フィルム内の物質移動により達成されることである。言い換えれば、パターン化される材料は、質量の大幅な損失を受けないので、好ましくは、このパターン化方法は質量保存製法である(使用している場合、溶剤は失われることがあるが)。さらに、本発明により、パターン化すべきフィルムの材料は、その化学的特性が変化する必要が無い。
【0009】
この様に、本発明は、質量保存製法ではない平版印刷技術とは根本的に異なっているものである。立体構造の形成に使用されている従来の写真平版印刷技術は、フィルムの、放射線により露光した(ポジ型レジスト)部分、または露光しなかった(ネガ型レジスト)部分の(化学的な)除去に依存している。
【0010】
本発明の方法には幾つかの優位性がある。例えば、光学的放射線を使用せずにパターンを形成させることができる。原則的に、パターンの横方向解像度は、作用させる温度勾配の制御および適切な特性を有するフィルムの選択により、任意に小さくすることができる。さらに、高解像度パターン、例えば平版印刷構造、は、本発明の方法により、薬品を使用してフィルムの一部をエッチングまたは除去する必要無しに、形成させることができる。
【0011】
好ましい実施態様では、基材表面、および基材表面に対向して配置した少なくとも1個の取付表面を、異なった温度に設定した少なくとも第一および第二の温度制御手段と熱的に接触させることにより、温度勾配を発生させることができる。基材表面と取付表面との間の間隔は、好ましくは10nm〜5000nm、より好ましくは50nm〜1000nm、さらに好ましくは150nm〜600nm、である。トッププレートとも呼ばれる取付表面をパターン化し、例えば複数の窪みおよび突起または他の構造的特徴を持たせることができる。この様に、取付表面の温度を第二温度制御手段により制御することができるので、取付表面に形成された構造的特徴により、基材表面と取付表面の間の距離が変化し、これによって基材表面と取付表面の間に横方向に変化する温度勾配を生じる。2個以上の取付表面またはトッププレートを設け、空間的に複雑な温度勾配を発生させることができる。基材表面および取付表面は平らな表面である必要はなく、所望のどの様な形状を有していてもよい。その上、取付表面は基材表面に対して平行である必要もない。
【0012】
大きなフィルム表面を構造化させるには、ローラー/打ち抜きプレートを使用することができる。これに関して、大面積を構造化するための典型的な技術には、伝統的な新聞印刷機やフィルムエンボス加工ラインにおける様なローラーの使用、版製作または壁紙印刷に使用するプレートに類似した打ち抜きプレート、およびキャストポリマーまたはガラスフィルム製造に使用する製法に類似した連続鋼製ベルト製法があるが、いずれの場合も、フィルム材料が通過し、その表面の少なくとも一部と接触する表面構造を含むか、または含まない。
【0013】
本発明のパターン化されたフィルムの製造方法は、例えば上記の特開平02−128890号明細書に記載されている様なエンボス加工技術とは根本的に異なっている。この従来のエンボス加工製法では、マスク中に形成されたドットの中にペーストを機械的に押し込み、所望のパターンを形成させる。これに反して、本発明の方法は、構造化すべきフィルムを横切って温度勾配を作用させることにより、フィルムの中に力を発生させる。これらの力がフィルム中で材料の移動を誘発し、それによってパターンを形成する。本発明の方法は、取付表面(パターン化されたマスクまたはトッププレート)のポジ型コピー(隆起した区域は鏡に映した様に隆起した区域になる)を製造するのであって、特開平02−128890号公報における様なネガ型コピー(隆起した区域が窪みに対応する)ではない。
【0014】
さらに、すべてのエンボス加工技術と対照的に、取付表面(トッププレート)が、パターン化するフィルム、層または界面と機械的に接触する必要はない。フィルムをエンボス加工技術によりパターン化する場合、フィルムの材料はエンボス加工工具により機械的に押し退けられる。これに反して、本発明は、フィルムを横切って加えられた温度勾配により発生した力により、フィルム中の材料を移動させることを提案する。フィルムが取付表面と接触する様に本発明の方法を選択する場合、この接触はフィルムの最上部表面と取付表面(マスク表面)との間にのみ行われ、マスクの除去が容易になる。
【0015】
本発明の方法は、特にパターン化すべき材料を先ず基材に付け、次いでパターン化するのであって、その逆ではない、という点で印刷技術とは異なっている。さらに、パターン化する材料との物理的な接触は必要とされない場合がある。事実、マスク/画像の分離に関わる問題を回避するには、物理的な接触が無いのが望ましいことが多い。
【0016】
少なくとも1個のフィルムが露出される温度勾配は、好ましくは106℃/m〜1010℃/m、より好ましくは107℃/m〜109℃/m、である。
【0017】
フィルムは液体または固体の状態で存在することができる。パターン化すべきフィルム、層または界面に接触する第二のフィルムを取り付けることができる。この場合、2個のフィルムの接触表面、すなわち2個の隣接するフィルムの界面、がパターン化され、好ましくは液体−液体界面に構造が発生する。パターン形成工程が完了した後、例えば化学溶剤により、第二のフィルムまたは層を除去し、第一のフィルムのパターン化された表面を露出することができる。液体−液体界面系におけるその様なパターン形成には、液体−ガス界面よりも多くのパターン形成の可能性がある。
【0018】
工程(b)における少なくとも1個のフィルムの付着は、従来公知の技術、例えばスピンコーティング、スプレー、浸漬、等により行うことができる。フィルムは、基材表面上に付着させた後は液体であるのが好ましい。基材表面に付着した後にフィルムが液体ではない場合、フィルムは、本発明の方法の工程(c)で温度勾配に露出する前および/または露出の際に液化することができる。液化は、例えば加熱または溶剤処理により、または溶剤雰囲気中で行うことができる。本発明の方法の工程(c)の後、フィルムは、例えば冷却、化学反応、架橋工程、重合反応、またはゾル−ゲル法の使用により固化させることができる。
【0019】
パターン化すべきフィルムは、単層でもよいし、複数の層、すなわち2個以上の繰り返し、を包含することもできる。これらの層は性質が気体、流体または固体でよい。気体状材料は、常圧、高圧または低圧でよい。少なくとも1個のパターン化すべきフィルムに含まれる熱伝導性材料は、好ましくは有機重合体または有機オリゴマーである。使用する有機重合体または有機オリゴマーの分子量に制限は特に無い。例えば、分子量が約100g/モルである重合体を使用できる。本発明の製法で使用できる有機重合体の好ましい例としては、ポリスチレン、部分的または完全に塩素化または臭素化されたポリスチレン、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートを挙げることができる。
【0020】
フィルムが有機重合体を含む場合、本発明の方法の工程(c)の操作の際に、フィルムを、使用する有機重合体のガラス転移温度より高い温度に維持することが特に好ましい。
【0021】
基材は、単層または複数の層を含むことができる。基材表面は、固体または液体材料の表面でよい。好ましくは、基材表面は平らで、パターン化されていない表面である。しかし、本発明は平らではない基材にも適用できる。好ましくは、基材は半導体ウェハー、より好ましくはシリコンウェハーでよい。その様な半導体ウェハーは、貴金属層、例えば金の層、で被覆されていてもよい。好ましくは、フィルム厚さは10nm〜1000nm、より好ましくは50nm〜250nm、である。
【0022】
本発明の方法により得られるパターンは、温度勾配を空間的に制御することにより、さらに特性を持たせることができる。パターンは、基材表面と取付表面の一方の表面エネルギーを空間的に変化させることにより、さらに特性を持たせることができる。作用させる温度勾配により行われるパターン化工程を支援するために、追加(支援)効果を取り入れることができる。特に、電気的効果、例えば一定の、および/または時間と共に変化する電界および/またはあらゆる周波数の電磁波を使用してパターン化工程を促進することができる。さらに、パターン化工程を促進するために、他の機械的効果、例えば全体的または表面的な音響波、振動、機械的な力、圧力および/または蒸発効果を考えることもできる。これらの効果のすべてを、空間的幾何学的構造および場の反転を包含する一時的なファクターの変化と共に応用することができる。
【0023】
本発明の方法により、横方向の構造が10μm未満、特に1μm未満、さらには100nm未満、のパターン化されたフィルムを形成させることができる。パターンの解像度は、温度勾配の大きさ、フィルムの厚さ、フィルム材料の表面張力、フィルム材料と基材の音響速度の差、フィルム材料および隣接する媒体の熱熱伝率、およびフィルム材料と隣接媒体、例えば空気、の密度の差によって異なる。例えば、音響速度(約1μmの音響波長で)はポリスチレンが1250m/s、ポリメチルメタクリレートが2150m/s、基材として使用するシリコンが8400m/sであり、熱伝導性はポリスチレンが0.16W/mK、ポリメチルメタクリレートが0.20W/mK、空気が0.034W/mKであり、密度はポリスチレンが0.987g/m3、ポリメチルメタクリレートが1.116g/m3、基材として使用するシリコンが2.33g/m3であり、ポリスチレンの表面張力は0.03N/mである。
【0024】
必要に応じて、フィルム上のパターンは、従来公知のエッチング技術、例えば反応性イオンまたは化学的エッチング法、を使用して別の基材に転写することができる。あるいは、パターン化されたフィルム自体をその後の用途、例えば、デバイス、例えばダイオード、トランジスター、ディスプレーデバイス、または化学的、生物学的、医学的または機械的センサーまたはそれらの一部に使用することができる。
【0025】
好ましい実施態様では、基材表面および/または取付表面を、処理時間の少なくともある時間画分で、相互に移動させる。特に、基材表面および/または取付表面を、製法の成形(パターン化)、冷却および/またはロール後の段階で移動させることができる。好ましくは、フィルムを温度勾配に露出し、フィルムの材料(例えば重合体)を液化する時間画分中に基材表面および/または取付表面を相互に移動させる。これによって、例えば信号用途で真珠光効果の消滅に重要な場合がある、基材表面に対してある角度を持った構造を形成させることができる。
【0026】
本発明により、パターン化すべきフィルムを支持するための基材表面を有する基材、およびある温度勾配体積で温度勾配を発生させるための温度勾配発生装置を含んでなる、パターン化されたフィルムを製造する装置をさらに提供するが、温度勾配は、基材表面の垂直方向に沿って向けられた成分を有し、温度勾配体積は、少なくとも、基材表面の少なくとも一区域から基材表面の垂直方向に伸びる体積部分を含む。好ましい実施態様/特徴に関する説明の不必要な繰り返しを避けるために、本発明の方法に関連して前に説明した特徴は、無論、本発明の装置にも使用できる。基材は好ましくは平らで、パターン化されていない基材、例えば半導体ウェハーまたはガラス板、である。しかし、平らではない、構造化された基材も使用できる。
【0027】
好ましい実施態様では、温度勾配発生装置は、少なくとも第一および第二の温度制御手段を含んでなり、基材が操作上少なくとも部分的にそれらの温度制御手段間に配置され、温度勾配体積が少なくとも部分的にそれらの温度制御手段間に限定される様に、温度制御手段は互いに間隔を置いて配置されている。より好ましい実施態様では、少なくとも1個の取付表面が基材表面に対向して配置され、第一温度制御手段が基材に接続され、第二温度制御手段が取付表面に接続される。基材表面と取付表面の間隔は好ましくは10nm〜5000nm、より好ましくは50nm〜1000nm、さらに好ましくは150nm〜600nm、である。
【0028】
温度制御手段は、基材表面と、基材表面に対向する取付表面との間に106℃/m〜1010℃/m、より好ましくは107℃/m〜109℃/m、の範囲内の温度勾配を発生する様に制御することができる。取付表面の幾何学的な設計に制限は無い。好ましくは、基材表面に対向して配置される取付表面は、例えばプレート(トッププレート)の形態に設計することができる。しかし、取付表面は平らでなくてもよい。特に、取付表面は複数の突起および窪みを有するパターン化された表面でよい。
【0029】
温度勾配発生装置は、少なくとも部分的に均質な、および/または少なくとも部分的に不均質な温度勾配、特に基材表面全体に横方向で変化する温度勾配、を発生する様に設計することができる。
【0030】
本発明の別の実施態様では、基材表面および/または取付表面の少なくとも一方が構造的特徴でパターン化される、および/または空間的に変化する表面エネルギーおよび/または空間的に変化する熱伝導率を有する。
【0031】
パターン化すべきフィルムおよびそのフィルムに対向して配置される取付表面は例えば空隙によって分離する、すなわち基材表面と取付表面の間の空間は例えば空気で満たすことができる。あるいは、フィルムおよび取付表面はいずれかの気体状、液体または固体材料により分離することができる。例えば、2種類の固体材料で構成され、層の一方がパターン化すべきフィルムとして作用し、その上に重なった上側の層が隣接する媒体として作用する、二重層系を使用することができる。加熱により、両方の層が液体になり、冷却すると、両方の層が固体になる。その結果、ある材料の構造またはパターンが他方の材料の中に形成される。
【0032】
以下に説明するフォノン(phonon)反射を増加するために、厚さが例えば1nm〜100nmの薄い金層を、パターン化すべきフィルムとして作用する第一層の両表面(界面)に設け、2種類の固体材料で構成される二重層系の第一層中を伝播するフォノンが第一層/第二層の界面ではるかに良く反射される様にするのが適当である。金層は、基材表面上に、次いでフィルム表面上にその順序で付着させることができる。あるいは、最初に、二重層系のパターン化すべきフィルムとして作用する第一層を両方の金層間に挟み、次いでこの組立機構を基材表面上に付着させてから、二重層系の第二層を該組立機構の上側金層上に付着させることができる。さらに二重層系の第二層を該組立機構の上に付着させてから、該組立機構を基材表面上に付着させることができる。二重層系を使用するその様な製法は、半導体工業用途、光起電力用途、または光ダイオードの製造に重要である。該手順の後、2種類の固体材料の一方を、例えばエッチングまたは溶解により除去し、平版印刷マスクを得ることができる。
【0033】
分離距離、すなわち間隔、は温度勾配を作用させている間に変えることができる。さらに、パターン化されたフィルムの縦横比は、(パターン化された)取付表面(パターン化されたトッププレート)の縦横比よりもはるかに大きくてよい。縦横比を増加するには、フィルムが液化しており、温度勾配が作用している間に、取付表面と基材表面の間隔を増加するとよい。必要であれば、基材表面と取付表面を相対的に移動させている間に、温度勾配を変化させることができる。別の実施態様では、フィルムが液化しており、温度勾配が作用している間に、基材表面および取付表面を取付表面または基材表面に対して平行に移動させ、一つ以上の横方向で変形した、パターン化されたフィルムを得ることができる。
【0034】
上記の様に、温度勾配は基材表面および取付表面を、第一および第二の温度手段により2種類の異なった温度に設定することにより得られる。温度制御手段は、例えば温浴、加熱装置または冷却装置、あるいは他のこの分野で従来公知の温度装置でよい。基材表面および/または取付表面の少なくとも一方を放射線源から来る放射線に露出する、すなわち放射線源から来る放射線が基材表面および/または取付表面の少なくとも一方の背面を加熱することができる。放射線源は、例えばレーザー、赤外線ランプ、または他のいずれかの強力な放射線源でよい。放射線源は一定モードで操作する、すなわち熱的平衡、すなわち一定の温度勾配、に達する様に、パターン化工程の長い期間にわたって放射線源のスイッチを入れることができる。あるいは、温度勾配が短時間だけ設定され、例えば基材表面と取付表面の間の温度差が1000℃以上に達し、それによってパターン化すべきフィルムが直ちに不安定になる様に、放射線源をパルスモードで操作することができる。後者の方法は、高融点を有するフィルム材料、例えば金属や合金、を使用する場合に特に有利である。
【0035】
本発明の装置は、操作中に加熱または冷却することができる。
【0036】
上記の方法および装置は、一般的なナノスケール構造、例えば多層構造、および活性材料並びに「不活性」基材のパターン化における多くの用途に使用できる。パターン化すべき材料は不活性材料、例えば化学的に不活性な、例えばバイオチップデバイスにおける様な、薬品が流れる通路や容器を形成させる耐薬品性の材料、または例えば電気的に不活性な、すなわち微小電子回路における絶縁体、でもよいし、あるいは活性な材料、例えば化学的および/または磁気的および/または光学的および/または電気的に活性な、例えば有機光起電力セルの光吸収性電流発生構造の2成分として使用される「電子キャリヤー」および「ホールキャリヤー」でもよい。
【0037】
特に、本発明は下記の技術分野に効果的に使用できる。
・マイクロエレクトロニクス、マイクロオプトエレクトロニクス、マイクロ電気機械機構(MEMS)、およびマイクロオプト電気機械機構(MOEMS)。
・バイオチップ、特に基質、その他の材料、例えば栄養素ゲル、のパターン化。
・重合体光子デバイス(特に光起電力セル、重合体光ダイオード、バンド−ギャップ材料、オプトエレクトロニクス、エレクトロルミネッセンス材料)、特に屈折率差の大きい材料を形成し、重合体−重合体光起電力材料および光ダイオード用の垂直にパターン化された界面を形成する重合体光子デバイス。さらに、自己組織またはフィールド−アシストまたはプレートパターン−アシストされたパターン化による応力も考えられる。
・反射防止特徴/被覆、特に「段階的屈折率効果」および「光迷路」効果、およびアンダーカット構造を製造する能力。
・型から容易に剥離できる真珠光/干渉構造。高真珠光構造は、光線が複数の薄いプレートから反射した後、構造的に干渉することを必要とし、その際、これらのプレート、およびそれらの分離が高度に定期的であり、(可視光効果には)ナノスケール領域にあるが、その様なプレートの長さ(または深さ)は、少なくとも幾つかの視点からの複数の相互作用を可能にするためには、典型的には一等級以上大きくなければならない。その様な構造(「高度にブレーズされた格子」とも呼ばれる)は、従来の材料成形技術、例えばエンボス加工、によっては製造されていないが、これは、必要とされる構造の、パターンの水平スケールが非常に細かく、垂直深さが比較的大きいために、非常に高い表面積および(垂直)離型方向における非常に大きな成分から、型および格子の一方または両方に損傷を与えずに離型するのが極めて困難なためである。本発明により提案される技術は、その様な構造をその様なスケールで製造する可能性を提供し、(実際、あるにしても)表面のほんの小さな部分だけが型と接触するので、この難点を回避し、その様な構造を容易に製造することができる。
・偏光/偏光回転構造、特にジアゾを包含する様々な材料を使用する多層構造。
・例えば微小窪み(蓮)による濡れ防止表面/表面エネルギー/表面張力変化。
最近、化学的特徴、例えば疎水性材料の使用(表面の濡れ防止または水滴による浄化のために)、および空気を捕獲し、汚れの粒子を主要表面から引き離すことができるナノ構造、例えば表面上の特定サイズの窪み、山および隆起、の組合せが、濡れ防止およびいわゆる「自己浄化」表面の製造に重要であることが立証されている。この効果は、ボン大学のProfessor Barthlottと共同研究者により、自然界で蓮の花弁に認められている(Planta, 1997, vol 202 p1−8参照)。本発明の方法は、その様な表面のパターン化に理想的に適している。
・触媒作用を強化した表面。
・データ保存。
・信号の垂直伝達、例えば光ファイバー束効果。信号を伝達するための光ファイバー束の使用は良く知られている。コヒーレント束がその遠い末端で画像を表示できることも知られている。単純な信号または全画像のその様な伝達は、天然の高度にコヒーレントなアスベスト代替材料、例えばコヒーレントファイバー束からなるウレキサイト、の繊維に対して直角に切断したスラブに見られる。この効果は、Fiox Limitedによりガラス中で人工的にも示されている。本発明は、コヒーレントファイバー束であり、パターン化されるフィルムの面に対して垂直に光を伝達するファイバー束の製造方法を提供する。
【0038】
以下に、添付の図面に示す好ましい実施態様により本発明を説明する。
【0039】
本発明の他の特徴および優位性は下記の内容から明らかであろう。
【0040】
本発明のパターン化されたフィルムを製造するための装置の好ましい実施態様は図1aに示す通りである。フィルムは、プレート(トッププレート)形態にある取付表面に対向する基材上に形成される。この特別な実施態様では、フィルムは重合体フィルムであるが、フィルムはどの様な液体または固体材料でもよい。基材および取付表面を、操作の際に基材表面と、トッププレートの形態に設計された取付表面との間に温度勾配を造り出す第一および第二の熱制御手段と接触させる。フィルムと取付表面の間には、フィルム材料とは異なった熱伝導率、密度または音響速度を有する特定の媒体が存在する。例えば、この媒体は真空、空気、または他のすべての液体または固体材料でよい。以下により詳細に説明する様に、温度勾配によりフィルムがパターンを形成させる。好ましくは、フィルムは有機重合体または有機オリゴマーを含むことができる。例えば、フィルムは、基材上にスピンコーティングされたガラス質重合体(例えばポリスチレン)を含むことができる。好ましくは、フィルムは温度勾配にさらす前および/またはさらしている間に液化させる。例えば、フィルムがガラス質または半ガラス質重合体である場合、フィルムは室温で固体であり、加熱により液体になることができる。
【0041】
基材表面および取付表面に2種類の異なった温度を作用させると、基材表面と取付表面との間に形成された温度勾配がフィルムと、基材表面と取付表面の間の空間との間の界面に熱機械的圧力を誘発し、その熱機械的圧力が最終的にフィルムを不安定にし、競合する力を支配する。フィルムは、図2aに示される様に、十分に限定された波長の表面波動を起こす。時間と共に、これらの波の振幅が増加して行き、やがて図2bに示す様に、フィルムが取付表面(トッププレート)に接触し、それによって円柱直径および円柱間隔が十分に限定された円柱構造が形成される。例えば冷却によりフィルム材料を固化させることにより、構造は図2cに示す様に保存される。円柱直径および間隔は、それぞれ、温度差、フィルムの厚さ、フィルム材料と隣接媒体の熱伝導性、フィルム材料と隣接媒体の密度、およびフィルム材料と基材材料の音響速度の様なパラメータにより異なる。
【0042】
図2a〜2cで説明する実施態様は、横方向で均質な、外部から加えられた温度差に対応する。横方向で不均質な温度場では、熱機械的に誘発されるフィルムの不安定性が、横方向の温度勾配によりさらに変化する。この効果は、マスターパターンをフィルム中の横方向構造に複製するのに使用できる。このためには、基材表面、取付表面または両方が横方向パターンを備える、すなわち、取付表面の代わりに、または取付表面に加えて、基材表面もパターン化することができる。その様なパターンは、例えば電子線エッチングにより形成させることができる。その様な実施態様は図3aに示される通りであるが、そこでは取付表面を、構造的にパターン化されたトッププレートで置き換えている。この場合、外部から加えられた温度差がフィルム波動を引き起こし、最も強い温度勾配の方向に集中させる。その結果、フィルムは、図3bに示される様に、構造的にパターン化されたトッププレートに対応するパターンを形成させる。フィルムが固化すると、図3cに示される様に、フィルム中の構造が保持される。その上、パターン化フィルムの縦横比は、パターン化されたプレートの縦横比よりもはるかに大きい。縦横比を増加するには、フィルムが液化し、温度差を作用させている間に、取付表面と基材表面の間隔を増加すればよい。必要であれば、取付表面と基材表面の相対的な移動の際に、作用させる温度を変化させることができる。
【0043】
図4aに示される様な別の実施態様では、基材を、基材の表面エネルギーを横方向で変化させた基材で置き換える。表面エネルギーの横方向変化は、例えばマイクロ接触印刷により造り出すことができる。その後、フィルムを基材上に付着させる。他の実施態様と同様に、フィルムを液化させることができ、基材とトッププレートに温度差を作用させる。温度勾配により上記の様にフィルムが不安定になる。基材の表面エネルギーパターンと整列した表面波動が生じる。図4bに示される様に、こうして得られたフィルム中の構造が重合体の固化により保存される。あるいは、他の実施態様では、基材表面の代わりに、または基材表面に加えて、取付表面が表面エネルギーの横方向変化を有することもできる。さらに、基材表面および/または取付表面の熱伝導性を空間的に変化させることができる。その上、基材表面または取付表面または両方の表面エネルギー、および基材表面または取付表面または両方の構造的パターンの横方向変化を有することも可能である。
【0044】
本発明を制限するものでは決してないが、理論的に、フィルム不安定性の原因は、重合体−空気の界面で作用する力のバランス(図5a参照)を考えると理解できる。表面張力γが重合体−空気の表面積を最小化し、均質な重合体フィルムを安定化させる。温度勾配は、重合体フィルムと空隙に熱エネルギーJqのフラックスを引き起こす。流れJqに関連するのは、図5aに示す様な低温に向かう熱励起のフラックス、いわゆるフォノン(Jph)である。二つの層の音響インピーダンスが異なっているために、重合体フィルム中を伝播するフォノンのスペクトルの一部は、液体−空気界面でほとんど完全に反射される。フィルム表面におけるフォノンの反射は放射線圧力を生じる。この放射線圧力は、フィルム−空気およびフィルム−基材界面における複数の反射によりさらに増幅される。放射線圧力prには、表面張力に由来するLaplace圧力が対抗する。フィルム厚hにおける局所的な摂動(perturbation)により圧力勾配が生じ、その圧力勾配が液体の流れをフィルムの平面内で駆動する。固体表面に隣接する液体流は、Poiseuille型の式により与えられ、この式が、質量保存の式と共に、液体の一時的な応答を説明する微分方程式を確立する。液体フィルムに対する外部力の影響を調べるための一般的な方法は、一次安定性解析である。小さな正弦波形の摂動を平らなフィルムに与え、その応答を微分方程式を直線化した変形を使用して計算する。得られる分散関数が、特定の摂動波長の時間的な減衰または増幅を定量する。最も速い増幅された様式は下記の式により与えられる。
【数1】
式中、λmは、その様式の波長であり、形成されたパターンの解像度に対応し、prは温度勾配、重合体の熱伝導性、および重合体および基材の音響速度の関数である。hはフィルムの厚さである。図5bにおける線は4種類の異なったパラメータの組に対するλmと熱フラックスJqの関係を示す。これらの記号は実験の結果である。類似の等式が不安定性の形成に特徴的な時間τmを定量する。図5bに示される実験的なデータを以下にさらに説明する。
【0045】
λmは下記の式としてさらに表すことができる。
【数2】
式中、koおよびkpはそれぞれ空気および重合体の熱熱伝率であり、ΔTは基材表面および基材表面に対向する取付表面に加えられた温度の差であり、γは重合体空気表面張力であり、upは重合体中の音響速度であり、Qは、フォノン反射の詳細を説明する特性ファクターである。フィルム厚はhであり、基材表面と、基材表面に対向する取付表面との間隔はdである。
【0046】
一般的に、この等式は、温度差ΔTの存在無しには何の構造も形成されないことを示している。この等式は、原則的にd、hおよびΔTを任意に制御できるので、パターンの解像度は自由に小さくできることも示している。例えば、熱分離スペーサーを使用して間隔dを正確に調整することができる。典型的には、温度勾配は少なくとも部分的に106℃/m、より好ましくは107℃/mを超える。好ましくは、温度勾配は106℃/m〜1010℃/m、より好ましくは107℃/m〜109℃/m、である。
【0047】
フィルムの構造は自然に生じるのに対し、横方向構造の調整は、例えば表面エネルギーを空間的に変えて取付表面を横方向で変えることにより、例えばトッププレートに構造的な特徴を付けてパターン化し、取付表面の熱熱伝率を空間的に変えることにより、あるいは基材表面および/または取付表面の熱熱伝率を空間的に変えることにより、達成することができる。本発明の好ましい実施態様では、基材表面に対向して配置する取付表面を(トップ)プレートとして設計する。より好ましい実施態様では、トッププレートを構造的にパターン化したマスターで置き換えることができる(図3a〜3c参照)。熱機械的力は、間隔dが最小の場合に最も強いので、dの値が小さい程、不安定性が生じる時間ははるかに短い。その結果、フィルム中に生じる構造は取付表面(トッププレート)に向かって集中する。これによってマスターが複製される。
【0048】
一般的に、本発明は、熱機械的力を使用して熱熱伝率が異なった境界に作用させる。基材表面と、基材表面に対向して配置される取付表面との間の、十分に小さな、特に1μm未満の間隔を選択する場合、10℃〜100℃、特に20℃〜40℃、さらには約30℃、の小さな温度差が、フィルム中に大きな温度勾配を発生させるのに十分である。これによってフィルム表面に作用する強い圧力が得られる(約10kN/m2)。これらの力はフィルムの破壊を引き起こす。横方向に均質な温度に対して、フィルムの不安定性により、温度勾配およびフィルムおよび空間dを満たす特定の媒体、例えば空隙、の熱熱伝率の差の関数である特徴的な波長が生じる。これは、一次安定性解析により十分に説明することができる。基材表面または基材表面に対向して配置される取付表面を、パターン化されたマスターで置き換えた場合、その構造がフィルムによって複製される。下記の実験結果に記載する様に、横方向長さは500nmまで縮小することができる。有利なことに、本発明により、100nm未満の横方向長さおよび1を超える縦横比を達成できる。
【0049】
本発明を諸例により説明すると以下の通りである。
【0050】
均質場
ポリスチレン(PS)の厚さhの薄い重合体フィルムを溶液から、基材として使用する高度に研磨したシリコンウェハー上にスピンコーティングした。続いて、もう一つのシリコンウェハーを対向するトッププレートとして距離d(間隔d)で配置し、狭い空隙を残すことにより、基材表面に対向して取付表面を配置した。この組立機構を170℃に設定したホットプレート上に載せ、温度を127℃に維持した冷却した銅ブロックを組立機構の上に載せ、温度差ΔT=43℃を確立した。どちらの温度も、使用した重合体のガラス転移温度(Tg)よりも上であった。空隙を確保するために、トッププレートは小さな段差を有していた。くさび構造を使用し、dの値を150nm〜600nmにした。この温度差ΔTおよび組立機構の幾何学的構造により、重合体フィルム中の温度勾配が決定される。熱機械的駆動力は温度勾配に比例する。熱機械的駆動力は、dの値が減少し、重合体の厚さが増加するにつれて増加する。温度差が、基材とトッププレートとの間の小さな間隔(d<1μm)と組み合わされると、大きな温度勾配(約108℃/m)が生じる。数時間のアニール時間の後、Tg未満に急冷することにより、重合体を固定し、取付表面を機械的に取り外し、重合体フィルムの形態を光学および原子力顕微鏡(AFM)で調べた。
【0051】
実験の結果は、温度勾配に露出したポリスチレン(PS)フィルムの光学顕微鏡写真である図6a〜6cに示す通りである。図6aおよび6bで、厚さ100nmのPSフィルムを18時間アニールし、その間、基材および取付表面は、それぞれΔT=46℃に相当する170℃および124℃に維持した。図6aでは、間隔dは345nmであり、図6bでは間隔dは285nmであった。図6aおよび6bは、それぞれ不安定性の初期および後の段階に対応する。円柱構造に加えて、厚さ110nmのPSフィルムに対して間隔d=170nmおよび温度差ΔT=54℃で図6cに示す様な縞状の形態も観察される。
【0052】
3つの画像すべての形態は十分に限定された横方向長さ尺度を示している。波長λは、基材表面と取付表面の間隔dと逆に変化する温度勾配の関数である。横方向構造寸法並びに台地の高さは原子力顕微鏡で容易に測定することができ、熱フラックスJqの関数としてλを与える。図6における形態は、確率的な分布および無秩序を示す。図5bでは、4種類のポリスチレン試料で、それぞれ菱形、三角、円、および四角に対してh=96nmでΔT=11℃、h=80nmでΔT=43℃、h=100nmでΔT=46℃およびh=92nmでΔT=37℃でJqの関数としてλをプロットしている。線は等式(2)の予測に対応し、調整可能なパラメータは存在しない。四角で表される試料に関して、基材として使用したシリコンウェハーは、重合体フィルムを付着させる前に厚さ200nmの金皮膜で被覆してある。これによって、等式(2)におけるQファクターが増加し、そのために菱形、円および三角と比較してλの値が低くなっている。特定のフィルム厚hに対して、特徴的な横方向構造サイズは熱フラックスJqと逆の大きさになっている。
【0053】
不均質場
パターン化されたトッププレートの形態にあるパターン化された取付表面をポリスチレンフィルム(h=106nm)に対向して取り付けた。次いで、フィルムをΔT=37℃の温度差に露出し、続いて20時間アニールした。取り外した後にマスター上に重合体が確実に残らない様にするために、例えば自己集合したアルカン単層を付着させることにより、トッププレートを非極性にすることができる。図7a〜cは、シリコンマスターパターンを複製する、2mm(図7a)、4mm(図7b)、および10mm(図7c)の周期性を有する六角形の列を示す光学顕微鏡画像を示す。間隔dは、それぞれ図7aで160nm、図7bで214nm、図7cで220nm、図7dで155nmであった。図7aにおける挿入図は、図7aのより高い倍率の原子力顕微鏡画像を示すものである。図7dで、トッププレートは、厚さ65nmのポリスチレンフィルムで被覆した基材(T=171℃)より高い温度(T=189℃)に加熱した。網状パターンは幅500nmおよび高さ155nmの線からなる。挿入図はより高い倍率の原子力顕微鏡画像を示すものである。4つの画像すべてに関して、マスターパターンにより覆われた高品質の複製が面積100x100mm2全体に伸びている。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明のパターン化されたフィルムを製造するための装置の好ましい実施態様を図式的に示す図。
【図2a】
本発明の方法により発達する、十分に限定された円柱直径および円柱間間隔を有する円柱構造を図式的に示す図。
【図2b】
本発明の方法により発達する、十分に限定された円柱直径および円柱間間隔を有する円柱構造を図式的に示す図。
【図2c】
本発明の方法により発達する、十分に限定された円柱直径および円柱間間隔を有する円柱構造を図式的に示す図。
【図3a】
構造的にパターン化されたトッププレートを使用し、本発明の方法により発達する円柱構造を図式的に示す図。
【図3b】
構造的にパターン化されたトッププレートを使用し、本発明の方法により発達する円柱構造を図式的に示す図。
【図3c】
構造的にパターン化されたトッププレートを使用し、本発明の方法により発達する円柱構造を図式的に示す図。
【図4a】
表面エネルギーを横方向で変化させた基材を使用し、本発明の方法により発達する円柱構造を図式的に示す図。
【図4b】
表面エネルギーを横方向で変化させた基材を使用し、本発明の方法により発達する円柱構造を図式的に示す図。
【図5a】
本発明の方法の基礎にある理論的モデルを図式的に示す図であり、Jqが熱フラックスを表し、Jphがフォノンフラックスを表す。
【図5b】
理論的予想と比較した実験的に測定した不安定性波長λを示すグラフであり、菱形、三角および円は、それぞれh=96nmでΔT=11℃、h=80nmでΔT=43℃、およびh=100nmでΔT=46℃のポリスチレンフィルムに対応し、四角は、金(100nm)被覆したシリコン基材上にスピンコーティングした厚さ92nmのポリスチレンフィルム(ΔT=37℃)を表し、実線は理論的予想である。
【図6a】
例で実行した様に均質な場を作用させた時の、温度勾配に露出した後に得られたポリスチレン(PS)フィルムの光学顕微鏡写真を示す図。
【図6b】
例で実行した様に均質な場を作用させた時の、温度勾配に露出した後に得られたポリスチレン(PS)フィルムの光学顕微鏡写真を示す図。
【図6c】
例で実行した様に均質な場を作用させた時の、温度勾配に露出した後に得られたポリスチレン(PS)フィルムの光学顕微鏡写真を示す図。
【図7a】
例で実行した様に不均質な場を作用させた時の、温度勾配に露出した後に得られたポリスチレン(PS)フィルムの光学顕微鏡写真。
【図7b】
例で実行した様に不均質な場を作用させた時の、温度勾配に露出した後に得られたポリスチレン(PS)フィルムの光学顕微鏡写真。
【図7c】
例で実行した様に不均質な場を作用させた時の、温度勾配に露出した後に得られたポリスチレン(PS)フィルムの光学顕微鏡写真。
【図7d】
例で実行した様に不均質な場を作用させた時の、温度勾配に露出した後に得られたポリスチレン(PS)フィルムの光学顕微鏡写真。
本発明は、温度勾配に露出することによりフィルム、層および/または界面中にパターン、特に高解像度パターン、を形成させる方法および装置に関するものである。特に、基材上の少なくとも1個のフィルム、層および/または界面を温度勾配に露出することにより、平版印刷用の立体的な構造を形成させる方法であって、温度勾配が、フィルム中で物質移動を引き起こす力をフィルム中に発生させ、それによって平版印刷パターンを製造する方法を提供するものである。
【0002】
マイクロエレクトロニクス、バイオ技術およびマイクロシステム工業では、高解像度パターンを基材に形成させることが重要である。例えば、高解像度パターンは集積回路の製造に必要である。現在、写真平版印刷が基材上にパターンを形成させるのに使用されている。写真平版印刷では、フォトレジストを光学パターンに露出し、薬品を使用してフォトレジストの露光部分または非露光部分をエッチングし、基材上にパターンを形成させる。このため、パターンの解像度は、光学パターンの製造に使用される光の波長により制限される。1μ未満のパターンを形成させるには短い波長を使用しなければならないので、写真平版印刷は益々複雑で、経費のかかるものになる。
【0003】
特開平02−128890号公報には、ガラス板から構成された転写媒体上に金属マスクを固定し、このマスク上にブレードで、パターン形成材料としてガラスフリットを有する導電性銀ペーストをドットパターンの緻密な方向に塗布する、パターン形成方法が開示されている。続いて、金属マスクを転写媒体から剥離することにより、銀電極線用のドットパターンを転写媒体上に形成させる。こうして形成された転写パターンを乾燥させ、幾つかの温度−時間勾配により熱処理する。
【0004】
欧州特許公開第0487794号明細書には、光活性酸発生剤から構成された化学的に増幅されたレジストから平版印刷用レジストパターンを製造する方法であって、表面の、過剰照射にさらされる区域に隣接した酸発生剤により誘発される、光活性酸により触媒作用される反応を制御する工程を含む方法が開示されている。反応制御は、レジスト表面の区域に隣接して発生した過剰の酸を捕獲することにより、レジスト中に温度勾配を形成し、光活性反応を選択された区域に制限することにより、あるいはレジストにその厚さ方向で電荷を作用させ、発生した酸から陽電荷を移動させ、レジスト中に一様な電荷分布を確立することにより、行うことができる。露光したフィルムの部分を化学溶剤を使用して除去することにより、パターンを形成させる。
【0005】
ケミカルアブストラクト、第85巻、No.4、1976年7月26日、Columbus, Ohio, US, Abstract No. 27333 C, T. Shigeo et al.:「Thermographic Recording Sheet based on poly(carbon fluoride) and Zeolite」には、ポリ(フッ化炭素)およびゼオライトを基剤とする感熱記録シートが開示されている。感熱シートの画像記録層は、主成分として≧1無機フッ化C重合体および分子篩ゼオライトを含む。その様な感熱記録シートの製造方法は、液体アクリル樹脂およびフッ素化グラファイトをイソホロン−C6H6(1:1)混合物中に分散させること、約10重量%のNEt3を吸着したCaゼオライトXをこの分散液に加えること、および分散液を紙担体上に塗布し、白色感熱紙を形成させることを含んでなる。この様にして、感熱記録シート中に平面的なパターンを形成させることができる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、パターン、特に高解像度パターンを製造することができる、簡単で、効率的で、低コストパターン形成に適当な方法を提供することである。好ましくは、本方法は、光学的放射線を使用せずにパターン化し、それによって、その様なパターン形成に使用する光の波長による上記の制限を回避できる様にすべきである。さらに、その様な方法は、薬品を使用してフィルムの一部をエッチングする、または除去する必要がない様にすべきである。さらに、本発明の別の目的は、その様な方法を実行するための装置を提供することである。
この目的は、請求項1に規定する方法により、および請求項14に規定する装置により達成される。好ましい実施態様は従属請求項に記載する。
【0007】
本発明は、
(a)パターン化すべきフィルムを支持するための基材表面を有する基材を用意する工程、
(b)少なくとも1個の、熱伝導性材料を含むフィルムを基材表面上に付着させる工程、および
(c)該少なくとも1個のフィルムを少なくとも部分的に温度勾配に露出し、それによってフィルム中で物質移動を引き起こす力をフィルム中に発生させ、それによってフィルム中に立体的なパターンを形成させる工程
を含んでなる、パターン化されたフィルムの製造方法を提供するものである。
【0008】
用語「フィルム」は、あらゆる種類の自己支持型または支持されたフィルムおよび/または層並びに少なくとも2個のフィルムおよび/または層の間の界面を含むものとする。例えば、本方法は、2個の隣接するフィルムまたは層の接触表面により画成される界面をパターン化することにも応用できる。本発明の不可欠な特徴は、フィルムのパターン化が、フィルム内の物質移動により達成されることである。言い換えれば、パターン化される材料は、質量の大幅な損失を受けないので、好ましくは、このパターン化方法は質量保存製法である(使用している場合、溶剤は失われることがあるが)。さらに、本発明により、パターン化すべきフィルムの材料は、その化学的特性が変化する必要が無い。
【0009】
この様に、本発明は、質量保存製法ではない平版印刷技術とは根本的に異なっているものである。立体構造の形成に使用されている従来の写真平版印刷技術は、フィルムの、放射線により露光した(ポジ型レジスト)部分、または露光しなかった(ネガ型レジスト)部分の(化学的な)除去に依存している。
【0010】
本発明の方法には幾つかの優位性がある。例えば、光学的放射線を使用せずにパターンを形成させることができる。原則的に、パターンの横方向解像度は、作用させる温度勾配の制御および適切な特性を有するフィルムの選択により、任意に小さくすることができる。さらに、高解像度パターン、例えば平版印刷構造、は、本発明の方法により、薬品を使用してフィルムの一部をエッチングまたは除去する必要無しに、形成させることができる。
【0011】
好ましい実施態様では、基材表面、および基材表面に対向して配置した少なくとも1個の取付表面を、異なった温度に設定した少なくとも第一および第二の温度制御手段と熱的に接触させることにより、温度勾配を発生させることができる。基材表面と取付表面との間の間隔は、好ましくは10nm〜5000nm、より好ましくは50nm〜1000nm、さらに好ましくは150nm〜600nm、である。トッププレートとも呼ばれる取付表面をパターン化し、例えば複数の窪みおよび突起または他の構造的特徴を持たせることができる。この様に、取付表面の温度を第二温度制御手段により制御することができるので、取付表面に形成された構造的特徴により、基材表面と取付表面の間の距離が変化し、これによって基材表面と取付表面の間に横方向に変化する温度勾配を生じる。2個以上の取付表面またはトッププレートを設け、空間的に複雑な温度勾配を発生させることができる。基材表面および取付表面は平らな表面である必要はなく、所望のどの様な形状を有していてもよい。その上、取付表面は基材表面に対して平行である必要もない。
【0012】
大きなフィルム表面を構造化させるには、ローラー/打ち抜きプレートを使用することができる。これに関して、大面積を構造化するための典型的な技術には、伝統的な新聞印刷機やフィルムエンボス加工ラインにおける様なローラーの使用、版製作または壁紙印刷に使用するプレートに類似した打ち抜きプレート、およびキャストポリマーまたはガラスフィルム製造に使用する製法に類似した連続鋼製ベルト製法があるが、いずれの場合も、フィルム材料が通過し、その表面の少なくとも一部と接触する表面構造を含むか、または含まない。
【0013】
本発明のパターン化されたフィルムの製造方法は、例えば上記の特開平02−128890号明細書に記載されている様なエンボス加工技術とは根本的に異なっている。この従来のエンボス加工製法では、マスク中に形成されたドットの中にペーストを機械的に押し込み、所望のパターンを形成させる。これに反して、本発明の方法は、構造化すべきフィルムを横切って温度勾配を作用させることにより、フィルムの中に力を発生させる。これらの力がフィルム中で材料の移動を誘発し、それによってパターンを形成する。本発明の方法は、取付表面(パターン化されたマスクまたはトッププレート)のポジ型コピー(隆起した区域は鏡に映した様に隆起した区域になる)を製造するのであって、特開平02−128890号公報における様なネガ型コピー(隆起した区域が窪みに対応する)ではない。
【0014】
さらに、すべてのエンボス加工技術と対照的に、取付表面(トッププレート)が、パターン化するフィルム、層または界面と機械的に接触する必要はない。フィルムをエンボス加工技術によりパターン化する場合、フィルムの材料はエンボス加工工具により機械的に押し退けられる。これに反して、本発明は、フィルムを横切って加えられた温度勾配により発生した力により、フィルム中の材料を移動させることを提案する。フィルムが取付表面と接触する様に本発明の方法を選択する場合、この接触はフィルムの最上部表面と取付表面(マスク表面)との間にのみ行われ、マスクの除去が容易になる。
【0015】
本発明の方法は、特にパターン化すべき材料を先ず基材に付け、次いでパターン化するのであって、その逆ではない、という点で印刷技術とは異なっている。さらに、パターン化する材料との物理的な接触は必要とされない場合がある。事実、マスク/画像の分離に関わる問題を回避するには、物理的な接触が無いのが望ましいことが多い。
【0016】
少なくとも1個のフィルムが露出される温度勾配は、好ましくは106℃/m〜1010℃/m、より好ましくは107℃/m〜109℃/m、である。
【0017】
フィルムは液体または固体の状態で存在することができる。パターン化すべきフィルム、層または界面に接触する第二のフィルムを取り付けることができる。この場合、2個のフィルムの接触表面、すなわち2個の隣接するフィルムの界面、がパターン化され、好ましくは液体−液体界面に構造が発生する。パターン形成工程が完了した後、例えば化学溶剤により、第二のフィルムまたは層を除去し、第一のフィルムのパターン化された表面を露出することができる。液体−液体界面系におけるその様なパターン形成には、液体−ガス界面よりも多くのパターン形成の可能性がある。
【0018】
工程(b)における少なくとも1個のフィルムの付着は、従来公知の技術、例えばスピンコーティング、スプレー、浸漬、等により行うことができる。フィルムは、基材表面上に付着させた後は液体であるのが好ましい。基材表面に付着した後にフィルムが液体ではない場合、フィルムは、本発明の方法の工程(c)で温度勾配に露出する前および/または露出の際に液化することができる。液化は、例えば加熱または溶剤処理により、または溶剤雰囲気中で行うことができる。本発明の方法の工程(c)の後、フィルムは、例えば冷却、化学反応、架橋工程、重合反応、またはゾル−ゲル法の使用により固化させることができる。
【0019】
パターン化すべきフィルムは、単層でもよいし、複数の層、すなわち2個以上の繰り返し、を包含することもできる。これらの層は性質が気体、流体または固体でよい。気体状材料は、常圧、高圧または低圧でよい。少なくとも1個のパターン化すべきフィルムに含まれる熱伝導性材料は、好ましくは有機重合体または有機オリゴマーである。使用する有機重合体または有機オリゴマーの分子量に制限は特に無い。例えば、分子量が約100g/モルである重合体を使用できる。本発明の製法で使用できる有機重合体の好ましい例としては、ポリスチレン、部分的または完全に塩素化または臭素化されたポリスチレン、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートを挙げることができる。
【0020】
フィルムが有機重合体を含む場合、本発明の方法の工程(c)の操作の際に、フィルムを、使用する有機重合体のガラス転移温度より高い温度に維持することが特に好ましい。
【0021】
基材は、単層または複数の層を含むことができる。基材表面は、固体または液体材料の表面でよい。好ましくは、基材表面は平らで、パターン化されていない表面である。しかし、本発明は平らではない基材にも適用できる。好ましくは、基材は半導体ウェハー、より好ましくはシリコンウェハーでよい。その様な半導体ウェハーは、貴金属層、例えば金の層、で被覆されていてもよい。好ましくは、フィルム厚さは10nm〜1000nm、より好ましくは50nm〜250nm、である。
【0022】
本発明の方法により得られるパターンは、温度勾配を空間的に制御することにより、さらに特性を持たせることができる。パターンは、基材表面と取付表面の一方の表面エネルギーを空間的に変化させることにより、さらに特性を持たせることができる。作用させる温度勾配により行われるパターン化工程を支援するために、追加(支援)効果を取り入れることができる。特に、電気的効果、例えば一定の、および/または時間と共に変化する電界および/またはあらゆる周波数の電磁波を使用してパターン化工程を促進することができる。さらに、パターン化工程を促進するために、他の機械的効果、例えば全体的または表面的な音響波、振動、機械的な力、圧力および/または蒸発効果を考えることもできる。これらの効果のすべてを、空間的幾何学的構造および場の反転を包含する一時的なファクターの変化と共に応用することができる。
【0023】
本発明の方法により、横方向の構造が10μm未満、特に1μm未満、さらには100nm未満、のパターン化されたフィルムを形成させることができる。パターンの解像度は、温度勾配の大きさ、フィルムの厚さ、フィルム材料の表面張力、フィルム材料と基材の音響速度の差、フィルム材料および隣接する媒体の熱熱伝率、およびフィルム材料と隣接媒体、例えば空気、の密度の差によって異なる。例えば、音響速度(約1μmの音響波長で)はポリスチレンが1250m/s、ポリメチルメタクリレートが2150m/s、基材として使用するシリコンが8400m/sであり、熱伝導性はポリスチレンが0.16W/mK、ポリメチルメタクリレートが0.20W/mK、空気が0.034W/mKであり、密度はポリスチレンが0.987g/m3、ポリメチルメタクリレートが1.116g/m3、基材として使用するシリコンが2.33g/m3であり、ポリスチレンの表面張力は0.03N/mである。
【0024】
必要に応じて、フィルム上のパターンは、従来公知のエッチング技術、例えば反応性イオンまたは化学的エッチング法、を使用して別の基材に転写することができる。あるいは、パターン化されたフィルム自体をその後の用途、例えば、デバイス、例えばダイオード、トランジスター、ディスプレーデバイス、または化学的、生物学的、医学的または機械的センサーまたはそれらの一部に使用することができる。
【0025】
好ましい実施態様では、基材表面および/または取付表面を、処理時間の少なくともある時間画分で、相互に移動させる。特に、基材表面および/または取付表面を、製法の成形(パターン化)、冷却および/またはロール後の段階で移動させることができる。好ましくは、フィルムを温度勾配に露出し、フィルムの材料(例えば重合体)を液化する時間画分中に基材表面および/または取付表面を相互に移動させる。これによって、例えば信号用途で真珠光効果の消滅に重要な場合がある、基材表面に対してある角度を持った構造を形成させることができる。
【0026】
本発明により、パターン化すべきフィルムを支持するための基材表面を有する基材、およびある温度勾配体積で温度勾配を発生させるための温度勾配発生装置を含んでなる、パターン化されたフィルムを製造する装置をさらに提供するが、温度勾配は、基材表面の垂直方向に沿って向けられた成分を有し、温度勾配体積は、少なくとも、基材表面の少なくとも一区域から基材表面の垂直方向に伸びる体積部分を含む。好ましい実施態様/特徴に関する説明の不必要な繰り返しを避けるために、本発明の方法に関連して前に説明した特徴は、無論、本発明の装置にも使用できる。基材は好ましくは平らで、パターン化されていない基材、例えば半導体ウェハーまたはガラス板、である。しかし、平らではない、構造化された基材も使用できる。
【0027】
好ましい実施態様では、温度勾配発生装置は、少なくとも第一および第二の温度制御手段を含んでなり、基材が操作上少なくとも部分的にそれらの温度制御手段間に配置され、温度勾配体積が少なくとも部分的にそれらの温度制御手段間に限定される様に、温度制御手段は互いに間隔を置いて配置されている。より好ましい実施態様では、少なくとも1個の取付表面が基材表面に対向して配置され、第一温度制御手段が基材に接続され、第二温度制御手段が取付表面に接続される。基材表面と取付表面の間隔は好ましくは10nm〜5000nm、より好ましくは50nm〜1000nm、さらに好ましくは150nm〜600nm、である。
【0028】
温度制御手段は、基材表面と、基材表面に対向する取付表面との間に106℃/m〜1010℃/m、より好ましくは107℃/m〜109℃/m、の範囲内の温度勾配を発生する様に制御することができる。取付表面の幾何学的な設計に制限は無い。好ましくは、基材表面に対向して配置される取付表面は、例えばプレート(トッププレート)の形態に設計することができる。しかし、取付表面は平らでなくてもよい。特に、取付表面は複数の突起および窪みを有するパターン化された表面でよい。
【0029】
温度勾配発生装置は、少なくとも部分的に均質な、および/または少なくとも部分的に不均質な温度勾配、特に基材表面全体に横方向で変化する温度勾配、を発生する様に設計することができる。
【0030】
本発明の別の実施態様では、基材表面および/または取付表面の少なくとも一方が構造的特徴でパターン化される、および/または空間的に変化する表面エネルギーおよび/または空間的に変化する熱伝導率を有する。
【0031】
パターン化すべきフィルムおよびそのフィルムに対向して配置される取付表面は例えば空隙によって分離する、すなわち基材表面と取付表面の間の空間は例えば空気で満たすことができる。あるいは、フィルムおよび取付表面はいずれかの気体状、液体または固体材料により分離することができる。例えば、2種類の固体材料で構成され、層の一方がパターン化すべきフィルムとして作用し、その上に重なった上側の層が隣接する媒体として作用する、二重層系を使用することができる。加熱により、両方の層が液体になり、冷却すると、両方の層が固体になる。その結果、ある材料の構造またはパターンが他方の材料の中に形成される。
【0032】
以下に説明するフォノン(phonon)反射を増加するために、厚さが例えば1nm〜100nmの薄い金層を、パターン化すべきフィルムとして作用する第一層の両表面(界面)に設け、2種類の固体材料で構成される二重層系の第一層中を伝播するフォノンが第一層/第二層の界面ではるかに良く反射される様にするのが適当である。金層は、基材表面上に、次いでフィルム表面上にその順序で付着させることができる。あるいは、最初に、二重層系のパターン化すべきフィルムとして作用する第一層を両方の金層間に挟み、次いでこの組立機構を基材表面上に付着させてから、二重層系の第二層を該組立機構の上側金層上に付着させることができる。さらに二重層系の第二層を該組立機構の上に付着させてから、該組立機構を基材表面上に付着させることができる。二重層系を使用するその様な製法は、半導体工業用途、光起電力用途、または光ダイオードの製造に重要である。該手順の後、2種類の固体材料の一方を、例えばエッチングまたは溶解により除去し、平版印刷マスクを得ることができる。
【0033】
分離距離、すなわち間隔、は温度勾配を作用させている間に変えることができる。さらに、パターン化されたフィルムの縦横比は、(パターン化された)取付表面(パターン化されたトッププレート)の縦横比よりもはるかに大きくてよい。縦横比を増加するには、フィルムが液化しており、温度勾配が作用している間に、取付表面と基材表面の間隔を増加するとよい。必要であれば、基材表面と取付表面を相対的に移動させている間に、温度勾配を変化させることができる。別の実施態様では、フィルムが液化しており、温度勾配が作用している間に、基材表面および取付表面を取付表面または基材表面に対して平行に移動させ、一つ以上の横方向で変形した、パターン化されたフィルムを得ることができる。
【0034】
上記の様に、温度勾配は基材表面および取付表面を、第一および第二の温度手段により2種類の異なった温度に設定することにより得られる。温度制御手段は、例えば温浴、加熱装置または冷却装置、あるいは他のこの分野で従来公知の温度装置でよい。基材表面および/または取付表面の少なくとも一方を放射線源から来る放射線に露出する、すなわち放射線源から来る放射線が基材表面および/または取付表面の少なくとも一方の背面を加熱することができる。放射線源は、例えばレーザー、赤外線ランプ、または他のいずれかの強力な放射線源でよい。放射線源は一定モードで操作する、すなわち熱的平衡、すなわち一定の温度勾配、に達する様に、パターン化工程の長い期間にわたって放射線源のスイッチを入れることができる。あるいは、温度勾配が短時間だけ設定され、例えば基材表面と取付表面の間の温度差が1000℃以上に達し、それによってパターン化すべきフィルムが直ちに不安定になる様に、放射線源をパルスモードで操作することができる。後者の方法は、高融点を有するフィルム材料、例えば金属や合金、を使用する場合に特に有利である。
【0035】
本発明の装置は、操作中に加熱または冷却することができる。
【0036】
上記の方法および装置は、一般的なナノスケール構造、例えば多層構造、および活性材料並びに「不活性」基材のパターン化における多くの用途に使用できる。パターン化すべき材料は不活性材料、例えば化学的に不活性な、例えばバイオチップデバイスにおける様な、薬品が流れる通路や容器を形成させる耐薬品性の材料、または例えば電気的に不活性な、すなわち微小電子回路における絶縁体、でもよいし、あるいは活性な材料、例えば化学的および/または磁気的および/または光学的および/または電気的に活性な、例えば有機光起電力セルの光吸収性電流発生構造の2成分として使用される「電子キャリヤー」および「ホールキャリヤー」でもよい。
【0037】
特に、本発明は下記の技術分野に効果的に使用できる。
・マイクロエレクトロニクス、マイクロオプトエレクトロニクス、マイクロ電気機械機構(MEMS)、およびマイクロオプト電気機械機構(MOEMS)。
・バイオチップ、特に基質、その他の材料、例えば栄養素ゲル、のパターン化。
・重合体光子デバイス(特に光起電力セル、重合体光ダイオード、バンド−ギャップ材料、オプトエレクトロニクス、エレクトロルミネッセンス材料)、特に屈折率差の大きい材料を形成し、重合体−重合体光起電力材料および光ダイオード用の垂直にパターン化された界面を形成する重合体光子デバイス。さらに、自己組織またはフィールド−アシストまたはプレートパターン−アシストされたパターン化による応力も考えられる。
・反射防止特徴/被覆、特に「段階的屈折率効果」および「光迷路」効果、およびアンダーカット構造を製造する能力。
・型から容易に剥離できる真珠光/干渉構造。高真珠光構造は、光線が複数の薄いプレートから反射した後、構造的に干渉することを必要とし、その際、これらのプレート、およびそれらの分離が高度に定期的であり、(可視光効果には)ナノスケール領域にあるが、その様なプレートの長さ(または深さ)は、少なくとも幾つかの視点からの複数の相互作用を可能にするためには、典型的には一等級以上大きくなければならない。その様な構造(「高度にブレーズされた格子」とも呼ばれる)は、従来の材料成形技術、例えばエンボス加工、によっては製造されていないが、これは、必要とされる構造の、パターンの水平スケールが非常に細かく、垂直深さが比較的大きいために、非常に高い表面積および(垂直)離型方向における非常に大きな成分から、型および格子の一方または両方に損傷を与えずに離型するのが極めて困難なためである。本発明により提案される技術は、その様な構造をその様なスケールで製造する可能性を提供し、(実際、あるにしても)表面のほんの小さな部分だけが型と接触するので、この難点を回避し、その様な構造を容易に製造することができる。
・偏光/偏光回転構造、特にジアゾを包含する様々な材料を使用する多層構造。
・例えば微小窪み(蓮)による濡れ防止表面/表面エネルギー/表面張力変化。
最近、化学的特徴、例えば疎水性材料の使用(表面の濡れ防止または水滴による浄化のために)、および空気を捕獲し、汚れの粒子を主要表面から引き離すことができるナノ構造、例えば表面上の特定サイズの窪み、山および隆起、の組合せが、濡れ防止およびいわゆる「自己浄化」表面の製造に重要であることが立証されている。この効果は、ボン大学のProfessor Barthlottと共同研究者により、自然界で蓮の花弁に認められている(Planta, 1997, vol 202 p1−8参照)。本発明の方法は、その様な表面のパターン化に理想的に適している。
・触媒作用を強化した表面。
・データ保存。
・信号の垂直伝達、例えば光ファイバー束効果。信号を伝達するための光ファイバー束の使用は良く知られている。コヒーレント束がその遠い末端で画像を表示できることも知られている。単純な信号または全画像のその様な伝達は、天然の高度にコヒーレントなアスベスト代替材料、例えばコヒーレントファイバー束からなるウレキサイト、の繊維に対して直角に切断したスラブに見られる。この効果は、Fiox Limitedによりガラス中で人工的にも示されている。本発明は、コヒーレントファイバー束であり、パターン化されるフィルムの面に対して垂直に光を伝達するファイバー束の製造方法を提供する。
【0038】
以下に、添付の図面に示す好ましい実施態様により本発明を説明する。
【0039】
本発明の他の特徴および優位性は下記の内容から明らかであろう。
【0040】
本発明のパターン化されたフィルムを製造するための装置の好ましい実施態様は図1aに示す通りである。フィルムは、プレート(トッププレート)形態にある取付表面に対向する基材上に形成される。この特別な実施態様では、フィルムは重合体フィルムであるが、フィルムはどの様な液体または固体材料でもよい。基材および取付表面を、操作の際に基材表面と、トッププレートの形態に設計された取付表面との間に温度勾配を造り出す第一および第二の熱制御手段と接触させる。フィルムと取付表面の間には、フィルム材料とは異なった熱伝導率、密度または音響速度を有する特定の媒体が存在する。例えば、この媒体は真空、空気、または他のすべての液体または固体材料でよい。以下により詳細に説明する様に、温度勾配によりフィルムがパターンを形成させる。好ましくは、フィルムは有機重合体または有機オリゴマーを含むことができる。例えば、フィルムは、基材上にスピンコーティングされたガラス質重合体(例えばポリスチレン)を含むことができる。好ましくは、フィルムは温度勾配にさらす前および/またはさらしている間に液化させる。例えば、フィルムがガラス質または半ガラス質重合体である場合、フィルムは室温で固体であり、加熱により液体になることができる。
【0041】
基材表面および取付表面に2種類の異なった温度を作用させると、基材表面と取付表面との間に形成された温度勾配がフィルムと、基材表面と取付表面の間の空間との間の界面に熱機械的圧力を誘発し、その熱機械的圧力が最終的にフィルムを不安定にし、競合する力を支配する。フィルムは、図2aに示される様に、十分に限定された波長の表面波動を起こす。時間と共に、これらの波の振幅が増加して行き、やがて図2bに示す様に、フィルムが取付表面(トッププレート)に接触し、それによって円柱直径および円柱間隔が十分に限定された円柱構造が形成される。例えば冷却によりフィルム材料を固化させることにより、構造は図2cに示す様に保存される。円柱直径および間隔は、それぞれ、温度差、フィルムの厚さ、フィルム材料と隣接媒体の熱伝導性、フィルム材料と隣接媒体の密度、およびフィルム材料と基材材料の音響速度の様なパラメータにより異なる。
【0042】
図2a〜2cで説明する実施態様は、横方向で均質な、外部から加えられた温度差に対応する。横方向で不均質な温度場では、熱機械的に誘発されるフィルムの不安定性が、横方向の温度勾配によりさらに変化する。この効果は、マスターパターンをフィルム中の横方向構造に複製するのに使用できる。このためには、基材表面、取付表面または両方が横方向パターンを備える、すなわち、取付表面の代わりに、または取付表面に加えて、基材表面もパターン化することができる。その様なパターンは、例えば電子線エッチングにより形成させることができる。その様な実施態様は図3aに示される通りであるが、そこでは取付表面を、構造的にパターン化されたトッププレートで置き換えている。この場合、外部から加えられた温度差がフィルム波動を引き起こし、最も強い温度勾配の方向に集中させる。その結果、フィルムは、図3bに示される様に、構造的にパターン化されたトッププレートに対応するパターンを形成させる。フィルムが固化すると、図3cに示される様に、フィルム中の構造が保持される。その上、パターン化フィルムの縦横比は、パターン化されたプレートの縦横比よりもはるかに大きい。縦横比を増加するには、フィルムが液化し、温度差を作用させている間に、取付表面と基材表面の間隔を増加すればよい。必要であれば、取付表面と基材表面の相対的な移動の際に、作用させる温度を変化させることができる。
【0043】
図4aに示される様な別の実施態様では、基材を、基材の表面エネルギーを横方向で変化させた基材で置き換える。表面エネルギーの横方向変化は、例えばマイクロ接触印刷により造り出すことができる。その後、フィルムを基材上に付着させる。他の実施態様と同様に、フィルムを液化させることができ、基材とトッププレートに温度差を作用させる。温度勾配により上記の様にフィルムが不安定になる。基材の表面エネルギーパターンと整列した表面波動が生じる。図4bに示される様に、こうして得られたフィルム中の構造が重合体の固化により保存される。あるいは、他の実施態様では、基材表面の代わりに、または基材表面に加えて、取付表面が表面エネルギーの横方向変化を有することもできる。さらに、基材表面および/または取付表面の熱伝導性を空間的に変化させることができる。その上、基材表面または取付表面または両方の表面エネルギー、および基材表面または取付表面または両方の構造的パターンの横方向変化を有することも可能である。
【0044】
本発明を制限するものでは決してないが、理論的に、フィルム不安定性の原因は、重合体−空気の界面で作用する力のバランス(図5a参照)を考えると理解できる。表面張力γが重合体−空気の表面積を最小化し、均質な重合体フィルムを安定化させる。温度勾配は、重合体フィルムと空隙に熱エネルギーJqのフラックスを引き起こす。流れJqに関連するのは、図5aに示す様な低温に向かう熱励起のフラックス、いわゆるフォノン(Jph)である。二つの層の音響インピーダンスが異なっているために、重合体フィルム中を伝播するフォノンのスペクトルの一部は、液体−空気界面でほとんど完全に反射される。フィルム表面におけるフォノンの反射は放射線圧力を生じる。この放射線圧力は、フィルム−空気およびフィルム−基材界面における複数の反射によりさらに増幅される。放射線圧力prには、表面張力に由来するLaplace圧力が対抗する。フィルム厚hにおける局所的な摂動(perturbation)により圧力勾配が生じ、その圧力勾配が液体の流れをフィルムの平面内で駆動する。固体表面に隣接する液体流は、Poiseuille型の式により与えられ、この式が、質量保存の式と共に、液体の一時的な応答を説明する微分方程式を確立する。液体フィルムに対する外部力の影響を調べるための一般的な方法は、一次安定性解析である。小さな正弦波形の摂動を平らなフィルムに与え、その応答を微分方程式を直線化した変形を使用して計算する。得られる分散関数が、特定の摂動波長の時間的な減衰または増幅を定量する。最も速い増幅された様式は下記の式により与えられる。
【数1】
式中、λmは、その様式の波長であり、形成されたパターンの解像度に対応し、prは温度勾配、重合体の熱伝導性、および重合体および基材の音響速度の関数である。hはフィルムの厚さである。図5bにおける線は4種類の異なったパラメータの組に対するλmと熱フラックスJqの関係を示す。これらの記号は実験の結果である。類似の等式が不安定性の形成に特徴的な時間τmを定量する。図5bに示される実験的なデータを以下にさらに説明する。
【0045】
λmは下記の式としてさらに表すことができる。
【数2】
式中、koおよびkpはそれぞれ空気および重合体の熱熱伝率であり、ΔTは基材表面および基材表面に対向する取付表面に加えられた温度の差であり、γは重合体空気表面張力であり、upは重合体中の音響速度であり、Qは、フォノン反射の詳細を説明する特性ファクターである。フィルム厚はhであり、基材表面と、基材表面に対向する取付表面との間隔はdである。
【0046】
一般的に、この等式は、温度差ΔTの存在無しには何の構造も形成されないことを示している。この等式は、原則的にd、hおよびΔTを任意に制御できるので、パターンの解像度は自由に小さくできることも示している。例えば、熱分離スペーサーを使用して間隔dを正確に調整することができる。典型的には、温度勾配は少なくとも部分的に106℃/m、より好ましくは107℃/mを超える。好ましくは、温度勾配は106℃/m〜1010℃/m、より好ましくは107℃/m〜109℃/m、である。
【0047】
フィルムの構造は自然に生じるのに対し、横方向構造の調整は、例えば表面エネルギーを空間的に変えて取付表面を横方向で変えることにより、例えばトッププレートに構造的な特徴を付けてパターン化し、取付表面の熱熱伝率を空間的に変えることにより、あるいは基材表面および/または取付表面の熱熱伝率を空間的に変えることにより、達成することができる。本発明の好ましい実施態様では、基材表面に対向して配置する取付表面を(トップ)プレートとして設計する。より好ましい実施態様では、トッププレートを構造的にパターン化したマスターで置き換えることができる(図3a〜3c参照)。熱機械的力は、間隔dが最小の場合に最も強いので、dの値が小さい程、不安定性が生じる時間ははるかに短い。その結果、フィルム中に生じる構造は取付表面(トッププレート)に向かって集中する。これによってマスターが複製される。
【0048】
一般的に、本発明は、熱機械的力を使用して熱熱伝率が異なった境界に作用させる。基材表面と、基材表面に対向して配置される取付表面との間の、十分に小さな、特に1μm未満の間隔を選択する場合、10℃〜100℃、特に20℃〜40℃、さらには約30℃、の小さな温度差が、フィルム中に大きな温度勾配を発生させるのに十分である。これによってフィルム表面に作用する強い圧力が得られる(約10kN/m2)。これらの力はフィルムの破壊を引き起こす。横方向に均質な温度に対して、フィルムの不安定性により、温度勾配およびフィルムおよび空間dを満たす特定の媒体、例えば空隙、の熱熱伝率の差の関数である特徴的な波長が生じる。これは、一次安定性解析により十分に説明することができる。基材表面または基材表面に対向して配置される取付表面を、パターン化されたマスターで置き換えた場合、その構造がフィルムによって複製される。下記の実験結果に記載する様に、横方向長さは500nmまで縮小することができる。有利なことに、本発明により、100nm未満の横方向長さおよび1を超える縦横比を達成できる。
【0049】
本発明を諸例により説明すると以下の通りである。
【0050】
均質場
ポリスチレン(PS)の厚さhの薄い重合体フィルムを溶液から、基材として使用する高度に研磨したシリコンウェハー上にスピンコーティングした。続いて、もう一つのシリコンウェハーを対向するトッププレートとして距離d(間隔d)で配置し、狭い空隙を残すことにより、基材表面に対向して取付表面を配置した。この組立機構を170℃に設定したホットプレート上に載せ、温度を127℃に維持した冷却した銅ブロックを組立機構の上に載せ、温度差ΔT=43℃を確立した。どちらの温度も、使用した重合体のガラス転移温度(Tg)よりも上であった。空隙を確保するために、トッププレートは小さな段差を有していた。くさび構造を使用し、dの値を150nm〜600nmにした。この温度差ΔTおよび組立機構の幾何学的構造により、重合体フィルム中の温度勾配が決定される。熱機械的駆動力は温度勾配に比例する。熱機械的駆動力は、dの値が減少し、重合体の厚さが増加するにつれて増加する。温度差が、基材とトッププレートとの間の小さな間隔(d<1μm)と組み合わされると、大きな温度勾配(約108℃/m)が生じる。数時間のアニール時間の後、Tg未満に急冷することにより、重合体を固定し、取付表面を機械的に取り外し、重合体フィルムの形態を光学および原子力顕微鏡(AFM)で調べた。
【0051】
実験の結果は、温度勾配に露出したポリスチレン(PS)フィルムの光学顕微鏡写真である図6a〜6cに示す通りである。図6aおよび6bで、厚さ100nmのPSフィルムを18時間アニールし、その間、基材および取付表面は、それぞれΔT=46℃に相当する170℃および124℃に維持した。図6aでは、間隔dは345nmであり、図6bでは間隔dは285nmであった。図6aおよび6bは、それぞれ不安定性の初期および後の段階に対応する。円柱構造に加えて、厚さ110nmのPSフィルムに対して間隔d=170nmおよび温度差ΔT=54℃で図6cに示す様な縞状の形態も観察される。
【0052】
3つの画像すべての形態は十分に限定された横方向長さ尺度を示している。波長λは、基材表面と取付表面の間隔dと逆に変化する温度勾配の関数である。横方向構造寸法並びに台地の高さは原子力顕微鏡で容易に測定することができ、熱フラックスJqの関数としてλを与える。図6における形態は、確率的な分布および無秩序を示す。図5bでは、4種類のポリスチレン試料で、それぞれ菱形、三角、円、および四角に対してh=96nmでΔT=11℃、h=80nmでΔT=43℃、h=100nmでΔT=46℃およびh=92nmでΔT=37℃でJqの関数としてλをプロットしている。線は等式(2)の予測に対応し、調整可能なパラメータは存在しない。四角で表される試料に関して、基材として使用したシリコンウェハーは、重合体フィルムを付着させる前に厚さ200nmの金皮膜で被覆してある。これによって、等式(2)におけるQファクターが増加し、そのために菱形、円および三角と比較してλの値が低くなっている。特定のフィルム厚hに対して、特徴的な横方向構造サイズは熱フラックスJqと逆の大きさになっている。
【0053】
不均質場
パターン化されたトッププレートの形態にあるパターン化された取付表面をポリスチレンフィルム(h=106nm)に対向して取り付けた。次いで、フィルムをΔT=37℃の温度差に露出し、続いて20時間アニールした。取り外した後にマスター上に重合体が確実に残らない様にするために、例えば自己集合したアルカン単層を付着させることにより、トッププレートを非極性にすることができる。図7a〜cは、シリコンマスターパターンを複製する、2mm(図7a)、4mm(図7b)、および10mm(図7c)の周期性を有する六角形の列を示す光学顕微鏡画像を示す。間隔dは、それぞれ図7aで160nm、図7bで214nm、図7cで220nm、図7dで155nmであった。図7aにおける挿入図は、図7aのより高い倍率の原子力顕微鏡画像を示すものである。図7dで、トッププレートは、厚さ65nmのポリスチレンフィルムで被覆した基材(T=171℃)より高い温度(T=189℃)に加熱した。網状パターンは幅500nmおよび高さ155nmの線からなる。挿入図はより高い倍率の原子力顕微鏡画像を示すものである。4つの画像すべてに関して、マスターパターンにより覆われた高品質の複製が面積100x100mm2全体に伸びている。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明のパターン化されたフィルムを製造するための装置の好ましい実施態様を図式的に示す図。
【図2a】
本発明の方法により発達する、十分に限定された円柱直径および円柱間間隔を有する円柱構造を図式的に示す図。
【図2b】
本発明の方法により発達する、十分に限定された円柱直径および円柱間間隔を有する円柱構造を図式的に示す図。
【図2c】
本発明の方法により発達する、十分に限定された円柱直径および円柱間間隔を有する円柱構造を図式的に示す図。
【図3a】
構造的にパターン化されたトッププレートを使用し、本発明の方法により発達する円柱構造を図式的に示す図。
【図3b】
構造的にパターン化されたトッププレートを使用し、本発明の方法により発達する円柱構造を図式的に示す図。
【図3c】
構造的にパターン化されたトッププレートを使用し、本発明の方法により発達する円柱構造を図式的に示す図。
【図4a】
表面エネルギーを横方向で変化させた基材を使用し、本発明の方法により発達する円柱構造を図式的に示す図。
【図4b】
表面エネルギーを横方向で変化させた基材を使用し、本発明の方法により発達する円柱構造を図式的に示す図。
【図5a】
本発明の方法の基礎にある理論的モデルを図式的に示す図であり、Jqが熱フラックスを表し、Jphがフォノンフラックスを表す。
【図5b】
理論的予想と比較した実験的に測定した不安定性波長λを示すグラフであり、菱形、三角および円は、それぞれh=96nmでΔT=11℃、h=80nmでΔT=43℃、およびh=100nmでΔT=46℃のポリスチレンフィルムに対応し、四角は、金(100nm)被覆したシリコン基材上にスピンコーティングした厚さ92nmのポリスチレンフィルム(ΔT=37℃)を表し、実線は理論的予想である。
【図6a】
例で実行した様に均質な場を作用させた時の、温度勾配に露出した後に得られたポリスチレン(PS)フィルムの光学顕微鏡写真を示す図。
【図6b】
例で実行した様に均質な場を作用させた時の、温度勾配に露出した後に得られたポリスチレン(PS)フィルムの光学顕微鏡写真を示す図。
【図6c】
例で実行した様に均質な場を作用させた時の、温度勾配に露出した後に得られたポリスチレン(PS)フィルムの光学顕微鏡写真を示す図。
【図7a】
例で実行した様に不均質な場を作用させた時の、温度勾配に露出した後に得られたポリスチレン(PS)フィルムの光学顕微鏡写真。
【図7b】
例で実行した様に不均質な場を作用させた時の、温度勾配に露出した後に得られたポリスチレン(PS)フィルムの光学顕微鏡写真。
【図7c】
例で実行した様に不均質な場を作用させた時の、温度勾配に露出した後に得られたポリスチレン(PS)フィルムの光学顕微鏡写真。
【図7d】
例で実行した様に不均質な場を作用させた時の、温度勾配に露出した後に得られたポリスチレン(PS)フィルムの光学顕微鏡写真。
Claims (19)
- (a)パターン化すべきフィルムを支持するための基材表面を有する基材を用意する工程、
(b)少なくとも1個の、熱伝導性材料を含むフィルムをフィルム支持表面上に付着させる工程、および
(c)前記少なくとも1個のフィルムを少なくとも部分的に106℃/m〜1010℃/mの温度勾配に露出し、それによってフィルム中で物質移動を引き起こす力をフィルム中に発生させ、それによってフィルム中に立体的なパターンを形成させる工程
を含んでなる、パターン化されたフィルムの製造方法。 - 基材表面、および基材表面に対向して配置した少なくとも1個の取付表面を、異なった温度に設定した少なくとも第一および第二の温度制御手段と熱的に接触させることにより、温度勾配を発生させる、請求項1に記載の方法。
- 基材表面と取付表面との間の間隔が10nm〜5000nm、より好ましくは50nm〜1000nm、である、請求項1または2に記載の方法。
- 工程(c)で温度勾配に露出する前および/または露出する際にフィルムを液化する工程をさらに含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 工程(c)の後にフィルムを固化させる工程をさらに含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- フィルム厚さが10nm〜1000nm、より好ましくは50nm〜250nm、である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- フィルムが有機重合体または有機オリゴマーを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- パターン化すべきフィルムが単層であるか、または複数の層を包含する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 温度勾配が空間的に制御される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 基材表面および取付表面の一方の表面エネルギーが空間的に制御される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 基材表面および/または取付表面を、フィルムが温度勾配に露出される時間の少なくともある画分にわたって相互に移動させる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- パターン化工程を支援するために、フィルムに対する電気的効果、磁気的効果、電磁的効果、機械的効果および/または蒸発効果を使用する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
- パターン化されたフィルムを製造する装置であって、前記装置が、パターン化すべきフィルムを支持するための基材表面、基材表面に対向して配置された少なくとも1個の取付表面、およびある温度勾配体積で温度勾配を発生させるための温度勾配発生装置を含んでなり、温度勾配が、基材表面の垂直方向に沿って向けられた成分を有し、
−温度勾配体積が、少なくとも、基材表面の少なくとも一区域から基材表面の垂直方向に伸びる体積部分を含み、
−温度勾配発生装置が、少なくとも第一および第二の温度制御手段を含んでなり、第一温度制御手段が基材に接続され、第二温度制御手段が取付表面に接続され、基材が操作上少なくとも部分的に前記温度制御手段間に配置され、温度勾配体積が少なくとも部分的に前記温度制御手段間に限定される様に、温度制御手段が互いに間隔を置いて配置されており、
−基材表面と取付表面の間隔が10nm〜5000nmであり、
−第一および第二の温度制御手段が、基材表面と、基材表面に対向して配置された取付表面との間に106℃/m〜1010℃/mの温度勾配を発生する様に設計されている、パターン化されたフィルムを製造する装置。 - 基材表面と取付表面の間隔が50nm〜1000nmである、請求項13に記載の装置。
- 温度勾配発生装置が、少なくとも部分的に均質な、および/または少なくとも部分的に不均質な温度勾配を発生する様に設計されている、請求項13または14に記載の装置。
- 基材表面および取付表面の少なくとも一方が構造的特徴でパターン化される、および/または空間的に変化する表面エネルギーおよび/または空間的に変化する熱伝導率を有する、請求項13〜15のいずれか一項に記載の装置。
- 基材が半導体ウェハー、特にシリコンウェハー、である、請求項13〜16のいずれか一項に記載の装置。
- パターン化工程を支援するために、フィルムに対して電気的効果、磁気的効果、電磁的効果、機械的効果および/または蒸発効果を作用させる手段が備えられている、請求項13〜17のいずれか一項に記載の装置。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法によりパターン化されたフィルムを製造するための装置の使用であって、前記装置が、パターン化すべきフィルムを支持するための基材表面、基材表面に対向して配置された少なくとも1個の取付表面、およびある温度勾配体積で温度勾配を発生させるための温度勾配発生装置を含んでなり、温度勾配が、基材表面の垂直方向に沿って向けられた成分を有し、
−温度勾配体積が、少なくとも、基材表面の少なくとも一区域から基材表面の垂直方向に伸びる体積部分を含み、
−温度勾配発生装置が、少なくとも第一および第二の温度制御手段を含んでなり、第一温度制御手段が基材に接続され、第二温度制御手段が取付表面に接続され、基材が操作上少なくとも部分的に前記温度制御手段間に配置され、温度勾配体積が少なくとも部分的に前記温度制御手段間に限定される様に、温度制御手段が互いに間隔を置いて配置されており、
−基材表面と取付表面の間隔が10nm〜5000nmであり、
−第一および第二の温度制御手段が、基材表面と、基材表面に対向して配置された取付表面との間に106℃/m〜1010℃/mの範囲内の温度勾配を発生する様に設計されている、使用。
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