JP2004512867A - ステント供給カテーテルのための本体ソックス - Google Patents

Abstract

ステント供給カテーテルを備えたステント供給システム。前記ステント供給カテーテルはステント装着領域を有し、該ステント装着領域は膨張可能な部分を有する。ステントは、ステント装着領域の周囲に配置され、該ステントは非拡張状態および拡張状態を有する。ステントはまた、第一端部および第二端部を有する少なくとも一つのステント保持スリーブを備え、該第一端部はステント供給カテーテルに取り付けられ、該少なくとも一つのステント保持スリーブは、拡張状態のステントの少なくとも一部の周囲に配置され、該ステント保持スリーブは、ステントが拡張すると取り付けられている第一端部に向かって後退するよう構成および配置されている。

Description

【０００１】
カテーテルに適切に固定または保持されていないステントは、滑って紛失し、または誤った箇所に展開したり、あるいはステントが部分的に展開されたりする。従来、ステントをカテーテルに適切に固定するために、ステントはカテーテルの所定領域にて捲縮されていた。
【０００２】
従来、捲縮は手作業または捲縮装置により行われ、度々ステントに望ましくない不均一な力を適用する結果となっていた。このようなステントは、廃棄または再捲縮する必要がある。複数回にわたって捲縮されたステントは、疲労の問題を有し、血栓症を引き起こし得る傷やその他の跡がつく可能性がある。捲縮が十分でないステントはその下に位置するバルーンに損傷を与え得る。
【０００３】
ステントおよびステント供給アセンブリは多くの医療処置および医療状況に利用され、従ってステントおよびステント供給アセンブリの構造および機能は周知である。ステントはほぼ円筒形の人工器官であり、概して直径を小さくした形態にてカテーテルを介して体内の脈管の内控へ導入され、その後脈管の直径の大きさに拡張される。ステントはこの拡張形態で、体内の脈管を開放した非閉塞状態に維持する一方で、脈管壁を支持および補強する。
【０００４】
本発明は、ステントを所定位置に捲縮する必要なくカテーテルに固定することができるステント保持ソックスまたはスリーブを提供することによって、これらの問題を回避する。該ソックスは、殆ど任意のタイプのステントに利用され得る。自己拡張型ステントおよび膨張拡張可能型ステントの双方がよく知られており、様々な設計および形態のものが広く入手可能である。自己拡張型ステントは、配置部位へ供給される間にその小径の形態を維持するために、収容シースまたはソックスの下に維持される必要がある。膨張拡張可能型ステントは、供給カテーテルの周囲に小径に捲縮され、その後配置部位へと操作され、ステントと供給カテーテルとの間に位置するバルーンの流体膨張によって脈管の直径の大きさに拡張される。本発明は、一般にバルーンカテーテルと伴に使用される場合は自己拡張型ステントに適用可能であるが、特に膨張拡張可能型ステントの供給および配置に関する。
【０００５】
膨張拡張可能型ステントを体内の脈管を通って前進させる際には、考慮するべき重大な点が多い。ステントは、基端または先端方向へ移動することなく、特にカテーテルから分離されることなく、カテーテル上においてその軸線方向位置を確実に維持しなければならない。ステントは、ステントの歪みを防止し、摩擦を防止し、および／または脈管壁の外傷を減少するために、特にその先端および基端が保護される必要がある。ステントを湾曲させたり追跡する間、ステントの拡がりを防止することもまた重要である。
【０００６】
上記に鑑みて、ステントをカテーテル上に保持するよう機能するが、ステントが供給される間はカテーテル上に任意に留まり、シース後退の間ステントの損傷やステントの望ましくない移動を防止するステントカバーを使用することが望ましい。供給される前にステント要素がカテーテルから外側へ突出して脈管壁と衝突しないように、ステントを十分包囲する可撓性のカバーを提供することが望ましい。ステント供給カテーテルの外形を、カバーのないステント供給カテーテルの外形よりも増加させないカバーを提供することもまた望ましい。
【０００７】
供給中にステントを被覆する制限部材を利用した膨張拡張可能型ステント供給および配置アセンブリが周知である。サビン（Ｓａｖｉｎ）らに付与された米国特許第４９５０２２７号は膨張拡張可能型ステント供給システムに関する。このステント供給システムでは、供給中にステントの先端または基端の縁部（または双方）をスリーブが被覆する。ステントが配置部位で膨張中、保護スリーブはステントの縁部から除去される。ソラー（Ｓｏｌａｒ）らに付与された米国特許第５４０３３４１号はステント供給および配置アセンブリに関し、このアセンブリは、圧縮ステントの両端の周囲に位置する保持シースを使用する。ソラーの保持シースは、ステントが放射方向に拡張されると圧力によって裂け、従ってステントのシースとの係合が開放されるよう適合される。ライアン（Ｒｙａｎ）らに付与された米国特許第５１０８４１６号にはステント導入システムが記述され、このステント導入システムは、ステントを配置部位に導入する間所定の位置に保持するように、バルーンを包囲する１〜２個の可撓性エンドキャップおよび環状ソケットを使用する。
【０００８】
ソックスまたはスリーブ、およびそれらに使用される材料を記述する他の特許には、１９９９年８月３１発行のブレーザー（Ｂｌａｅｓｅｒ）らによる米国特許第５９４４７２６号、１９９９年１０月１９日発行のダスバベク（Ｄｕｓｂａｂｅｋ）らによる米国特許第５９６８０６９号、および２０００年５月３０日発行のコーネリアス（Ｃｏｒｎｅｌｉｕｓ）らによる米国特許第６０６８６３４号がある。
本出願のいずれかの箇所にて記述される全ての米国特許、特許出願および全ての他の刊行物は、その全体が参照として本願に採用される。
【０００９】
（発明の簡単な概要）
本発明は、ステントの拡張の際にステントから後退するよう構成および配置された、１個以上のステント保持スリーブまたはソックスを含む、ステント供給システムを提供することにより先行技術の改良物を提供する。本発明のスリーブは、ステントの全体または一部分のみを完全に包囲して非捲縮または捲縮ステントをカテーテル表面上に保持および固定することが可能である。本発明のスリーブはステントから容易に後退して、安全で効果的なステント開放を提供する。
【００１０】
本発明は、基端側または先端側のいずれか一方へ後退する単一のソックスまたはスリーブを利用するか、またはステントの一端を各々包囲し、互いに離れて軸線方向へ後退する２個のスリーブを利用し得る。ソックスまたはスリーブは、上述した包含する同時係属出願に開示されるように、突条を有するかまたはひだを有し得；孔または貫通孔を有するかまたは２個以上の材料から形成されて、ステントが拡張されるときにステントから後退する１個または２個のソックスを構成する。単一のスリーブまたは複数スリーブは、弾性ポリマー、非弾性ポリマーまたはそれらの組み合わせから構成され得る。
本発明の詳細な説明は、図面に記される特定の参照によって以下に記述する。
【００１１】
（発明の詳細な説明）
本発明は多くの異なる形態にて実施されるが、本発明の特定の好ましい実施態様が本願にて図面に図示され詳細な説明にて記述される。本開示は発明の原理の例証であり、本発明を記述される特定の実施態様に限定することを意図するものでない。
【００１２】
図１は、全体を符号１０で示す、ステント供給カテーテル１４上に装着されたステント１２を備えた供給システムの第一実施態様を示す。図１は、ステント供給前のステント供給システムを図示する。ステント供給カテーテル１４は、膨張可能な部分またはバルーン１８を有するカテーテルシャフト１６を備える。ステント保持スリーブ２０はカテーテルシャフト１６の基端部分２２に、バルーン１８に隣接して係合している。スリーブ２０は、非拡張状態ではステント１２の上部の先端側へ延びている。バルーン１８が拡張してステント１２が非拡張状態から拡張状態へと拡張すると、スリーブ２０はステント１２から基端側へと後退して、ステントが配置される。
【００１３】
一方図２は、カテーテルシャフト１６の先端部分２４に固定されたスリーブ２０を有するステント供給システム１０を示す。図２に示す実施態様では、スリーブ２０は、ステント１２が非拡張状態から拡張状態へと拡張すると、先端側へと後退する。
【００１４】
図３は、ステント供給システムが一対のスリーブ２０を使用する実施態様を示す。スリーブ２０の一方は基端部分２２に係合し、スリーブ２０の他方は先端部分２４に係合している。多くの従来の場合とは異なり、本願のスリーブは、ステント１２の最も終端のみを包囲するのではなく、図示するようにステント１２の全体または相当部分を被覆するに十分な長さを有し得る。代わりに、スリーブ２０は、互いに重なり合う形態を有してもよい。
【００１５】
図４に、図３に示すシステム１０の代替実施態様を示す。図４に示すように、スリーブ２０は、ひだまたは連続的な突条を有する形態を有してもよい。このような突条形態は、図１〜３に示すスリーブ２０に使用され得、上述した所望の特徴をスリーブに提供する。
【００１６】
図５に、他の代替実施態様を図示する。図５において、スリーブ２０には複数の孔２８が施されている。孔２８は、図１〜３に示すスリーブ２０に施され得、スリーブ２０にステントからの所望の後退能力を提供する。
【００１７】
図６にさらなる他の実施態様を示し、ここでスリーブは、第一材料３０および少なくとも一つの付加的な材料３２の組み合わせから構成されている。図示するように、材料３０，３２をスリーブ２０内に設けて、縞になった細長片形態を提供してもよい。このようなスリーブは、図１〜３に示す実施態様のいずれにおいても使用され得る。本発明は、上記および請求項に記述する実施態様に向けられる一方で、さらに上記および請求項に記述される特徴の異なる組み合わせを有する実施態様に向けられる。従って、本発明はまた、請求項に従属する特徴の可能な他の任意の組み合わせを有する他の実施態様にも向けられる。
【００１８】
上記の実施例および開示は、解説を目的とし包括的なものではない。これらの実施例および記述は、当業者に多くの変更および代替物を提示するであろう。これら代替物および変更の全ては、請求項の範囲内に含まれることを意図する。当業者は、本願に説明する特定の実施態様の他の等価物を認識し得るが、これら等価物もまた本願の請求項に包含されることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【図１】ステントの基端に取り付けられた１個のスリーブを示すステント供給システムの側面図。
【図２】ステントの先端に取り付けられた１個のスリーブを示すステント供給システムの側面図。
【図３】ステントの基端側および先端側に各々取り付けられた基端ソックスおよび先端ソックスの双方を示す、ステント供給システムの側面図。
【図４】連続する突条を有するソックスを有する図３の実施態様の側面図。
【図５】貫通孔を有するソックスの側面図。
【図６】縞になった細長片からなるソックスの側面図。

Claims (10)

1. ステント装着領域を有するステント供給カテーテルと、該ステント装着領域は膨張可能な部分を有することと、
   前記ステント装着領域の周囲に配置され、かつ非拡張状態および拡張状態を有するステントと、
   第一端部および第二端部を有する少なくとも一つのステント保持スリーブとを備え、
   前記第一端部は前記ステント供給カテーテルに取り付けられ、前記少なくとも一つのステント保持スリーブは、前記非拡張状態のステントの少なくとも一部の周囲に配置され、該ステント保持スリーブは、ステントが拡張すると、取り付けられた第一端部に向かって後退するように構成かつ配置されているステント供給システム。
2. 請求項１に記載のステント供給システムであって、前記少なくとも一つのステント保持スリーブは突条を有するシステム。
3. 請求項１に記載のステント供給システムであって、前記少なくとも一つのステント保持スリーブはひだを有するシステム。
4. 請求項１に記載のステント供給システムであって、前記少なくとも一つのステント保持スリーブは複数の開口を有するシステム。
5. 請求項１に記載のステント供給システムであって、前記少なくとも一つのステント保持スリーブは、少なくとも二つの材料からなるシステム。
6. 請求項５に記載のステント供給システムであって、前記少なくとも一つのステント保持スリーブは、前記少なくとも二つの材料が交互になった細長片からなるシステム。
7. 請求項１に記載のステント供給システムであって、前記第一端部はステントの基端側に取り付けられているシステム。
8. 請求項１に記載のステント供給システムであって、前記第一端部はステントの先端側に取り付けられているシステム。
9. 請求項１に記載のステント供給システムであって、前記少なくとも一つのステント保持スリーブは基端ステント保持スリーブおよび先端ステント保持スリーブからなり、該基端保持スリーブおよび先端ステント保持スリーブは各々第一端部および第二端部を有し、該基端ステント保持スリーブの第一端部は、ステントの基端側にてステント供給カテーテルに取り付けられ、該先端ステント保持スリーブの第一端部は、ステントの先端側にてステント供給カテーテルに取り付けられているシステム。
10. 請求項９に記載のステント供給システムであって、前記基端ステント保持スリーブおよび先端ステント保持スリーブは重なり合うシステム。

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