JP2004516886A - 自己拡開ステント用の拡開支援式送達システム - Google Patents

Abstract

自己拡開ステント用送達システムは、末端を有するカテーテルであって該末端の近傍に自己拡開ステントを保持すべく構成されたカテーテルを含む。上記送達システムはまた、上記カテーテル上に配備された膨張可能デバイスであって上記末端の近傍に位置された膨張可能デバイスも含む。典型的にはバルーンである上記膨張可能デバイスは、上記自己拡開ステントの径方向拡開を選択的に支援すべく構成される。上記カテーテルは、管状部材と、該管状部材の回りに同軸的に位置された外側部材とを含む。上記外側部材は、軸心方向において上記管状部材に対して摺動し得る。上記外側部材は、自己拡開ステントを径方向圧縮位置に保持すべく且つ該自己拡開ステントを径方向拡開位置へと解放すべく構成される。上記送達システムはまた、上記管状部材上に配備された保持スリーブであって、上記カテーテルの末端から離間されると共に自己拡開ステントを保持すべく構成された保持スリーブを更に含み得る。上記送達システムは好適には、上記管状部材の上記末端に取外し可能に取付られ得るべく構成された装填用漏斗状部材であって、上記自己拡開ステントの径方向圧縮と上記外側部材内における該自己拡開ステントの進行とを支援すべく構成された装填用漏斗状部材を含む。

Description

【０００１】
発明の背景
１．発明の分野
本発明は、患者の身体内にステントをデリバリ（ｄｅｌｉｖｅｒｙ）する、すなわち送達するためのシステムに関する。より詳細には本発明は、自己拡開ステント用の拡開支援式送達システムに関する。
【０００２】
２．関連技術の説明
ステントは公知の体内人工器官である。襲用の体内人工器官ステントとしては、径方向に拡開可能な管状構造が挙げられる。該管状構造は、送達のためのコンパクトな形態から植設（ｉｍｐｌａｎｔａｔｉｏｎ）のための拡開形態へと径方向に拡開し得る。上記ステントの径方向拡開により、修復もしくは橋絡されつつある導管壁部の組織への植設が行われる。上記導管としてはたとえば、体腔、血管、脈管、他の通路などが挙げられる。
【０００３】
襲用の体内人工器官ステントは、機械的に拡開するかまたは自己拡開的とされ得る。襲用の機械的拡開式ステントは最初に、径方向にコンパクトな形態を有する。該ステントは、カテーテルなどの送達システムに装填される。典型的に該ステントの管状構造内には、拡開可能なバルーンが位置される。修復もしくは橋絡されつつある導管の領域に対して該ステントを送達した後、上記バルーンが拡開されることで該ステントは導管壁部に植設される。上記ステントを拡開するために上記バルーンは、内腔もしくは他の一定の管状構造により流体源に接続されねばならない。
【０００４】
襲用の自己拡開ステントは最初に、径方向拡開形態を有する。該ステントは、送達システム上へと組立てられるときに径方向に圧縮される。典型的には、圧縮されたステントが修復もしくは橋絡されつつある導管の領域へと送達されるまで、該ステントは外側管状構造により保持される。次にステントはその圧縮状態から解放されると共に自己拡開することで、導管壁部上へと着床（ｉｍｐｌａｎｔ）する。該ステントを拡開する上で、拡開可能バルーンは必要でない。但し導管の狭窄を修復もしくは橋絡することが困難な場合、医師は展開配置されたステント（ｄｅｐｌｏｙｅｄ ｓｔｅｎｔ）の拡開を支援すべくバルーンを用いることもある。
【０００５】
概して、自己拡開ステントの拡開を支援すべくバルーンが用いられる場合、襲用のステント送達システムはステントが好首尾に展開配置された後で引き抜かれる。次に、別体の単用バルーン・カテーテル、または、拡開可能バルーンを有する第２の送達システムがステントの箇所へと送達される。いずれの場合にも医師は、上記ステント送達システムを引き抜いてバルーンを送達する該プロセスにより手間取ることになる。
【０００６】
襲用のステント送達システムは一般的に、経皮的挿入処置においてまたは内視鏡もしくは腹腔鏡の操作チャネルを介して患者の内腔もしくは導管を通り且つそれに沿い送達システムの末端が索行され得る様に、最小限の横方向寸法を有する。また医師は、医療用案内ワイヤと組み合わせて送達システムを用いることが多い。経腔的処置において医師は典型的には患者の身体の外部における基端に配備された操縦機構を用い、患者の身体における狭幅な通路もしくは導管を介して案内ワイヤを導向する。医師はまた、螢光透視鏡（ｆｌｕｏｒｏｓｃｏｐｅ）もしくは他の公知のデバイスにより案内ワイヤの末端の動程（ｔｒａｖｅｌ）および位置を監視する。案内ワイヤの末端が所望位置に到達したなら、上記操縦機構は取り外されると共に、上記案内ワイヤに沿い導管内へと送達システムが導向される。身体における食道などの更に大寸の導管内にカテーテルもしくは同様のデバイスを導向する他の処置もまた公知である。
【０００７】
故に、襲用の自己拡開ステント用の送達システムを案内ワイヤおよび展開配置後に拡開可能なバルーンと組み合わせて用いるには、案内ワイヤの送達、ステントの送達および展開配置、ステント送達システムの引き抜き（ｒｅｍｏｖａｌ）、拡開可能バルーン・デバイスの送達および作動、ならびに、バルーン送達システムおよび案内ワイヤの引き抜き、という時間の掛かる処置が必要とされる。また、送達システムの挿入および引き抜きが反復されることから処置が長引くことで、患者に対する損傷およびリスクが増大し且つコストも増大する。
【０００８】
発明の要約
先行技術の不都合を克服すべく且つ本明細書中において具現され且つ広範囲に記述された如き本発明の目的に依れば、自己拡開ステント用の拡開支援式送達システムが提供される。上記送達システムは、末端（ｄｉｓｔａｌ ｅｎｄ）を有するカテーテルであって該末端の近傍に自己拡開ステントを保持すべく構成されたカテーテルを含む。上記送達システムはまた、上記カテーテル上に配備された膨張可能デバイスであって上記末端の近傍に位置された膨張可能デバイスも含む。該膨張可能デバイスは、上記自己拡開ステントの径方向拡開を選択的に支援すべく構成される。上記送達システムの好適実施例において、上記膨張可能デバイスはバルーンである。
【０００９】
本発明に依れば上記カテーテルは、管状部材と、該管状部材の回りに同軸的に位置された外側部材とを含む。該外側部材は上記管状部材に対し、軸心方向に摺動可能である。該外側部材は、自己拡開ステントを径方向圧縮位置に保持すると共に該自己拡開ステントを径方向拡開位置へと解放すべく構成される。上記送達システムはまた、上記管状部材上に配備された保持スリーブであって上記カテーテルの末端から離間された保持スリーブも含み得る。該保持スリーブは、上記自己拡開ステントを保持すべく構成され得る。
【００１０】
好適実施例において上記送達システムは、上記管状部材の末端（ｄｉｓｔａｌ ｅｎｄ）に取外し可能に取付られ得るべく構成された装填用漏斗状部材（ｌｏａｄｉｎｇ ｆｕｎｎｅｌ）も含む。該装填用漏斗状部材は、上記自己拡開ステントの径方向圧縮および上記外側部材内における該自己拡開ステントの進行を支援すべく構成され得る。
【００１１】
上記送達システムの別の好適実施例は、上記管状部材の回りに且つ上記外側部材の内側に同軸的に位置された離間用外被（ｓｐａｃｉｎｇ ｊａｃｋｅｔ）を含む。更に別の好適実施例において上記送達システムは、流体を受容すべく且つ上記管状内側部材と外側部材との間の領域に該流体を導向すべく構成された流体ポートを含む。
【００１２】
別の好適実施例において上記送達システムの上記管状内側部材は、自己拡開ステントの基端（ｐｒｏｘｉｍａｌ ｅｎｄ）に対応する位置を表す第１標識帯と、部分的に拡開された自己拡開ステントの再拘束限界に対応する位置を表す第２標識帯と、自己拡開ステントの末端（ｄｉｓｔａｌ ｅｎｄ）に対応する位置を表す第３標識帯とを含む。上記第３標識帯は上記管状内側部材の末端の最も近傍に位置され、且つ、上記第２標識帯は上記第１標識帯と上記第３標識帯との間に位置される。上記管状内側部材は、一方が案内ワイヤを受容し且つ他方が上記膨張可能デバイスに対する流体通路を提供する第１および第２内腔を画成しても良い。
【００１３】
本発明の別の態様に依れば、本発明の上記送達システムの好適実施例と組み合わされた自己拡開ステントが提供される。
【００１４】
更に別の態様において本発明は、本発明の上記送達システムの好適実施例を配備する段階と、修復されるべき導管の領域に対して上記送達システムを送達する段階と、修復されるべき上記導管の壁部に上記自己拡開ステントを植設する段階と、上記膨張可能デバイスを膨張させて上記自己拡開ステントの拡開を支援する段階とを備えて成る、自己拡開ステントを植設する方法を提供する。
【００１５】
取入れられて本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の現在における好適実施例を例示すると共に、上述された概略的説明および以下に示される好適実施例の詳細な説明と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。
【００１６】
好適実施例の説明
以下、本発明の現在における好適な実施例について詳細に説明するが、その例は添付図面に示されており、各図においては同様の参照番号が同様の要素を示している。
【００１７】
本発明に依れば、自己拡開ステント用の送達システムが提供される。本明細書中において具現され且つ図１乃至図３に示された如く、本発明は自己拡開ステントを展開配置（ｄｅｐｌｏｙ）し得るカテーテル１０を包含する。該ステントはたとえば、患者の身体の損傷導管を修復もしくは橋絡できる。カテーテル１０は、内側部材２０および外側部材４０を含む。好適には上記内側および外側部材２０、４０は管状である。好適実施例において内側部材２０の一部は、ステンレス鋼で形成され得る。但し本発明はその最も広範囲な意味において、内側部材２０の形状、サイズ、組成もしくは形式により制限されない。
【００１８】
図１は、外側部材４０が取り外された上記送達システムを示している。図１において内側部材２０は、基端（ｐｒｏｘｉｍａｌ ｅｎｄ）２２および末端（ｄｉｓｔａｌ ｅｎｄ）２４を有する。末端２４から離間された処に、内側部材２０は保持スリーブ２６を含む。保持スリーブ２６は、好適には内側部材２０の回りに同軸的に取付けられると共に、該スリーブの回りに自己拡開ステント９０が載置され得る如きサイズおよび構成とされる。保持スリーブ２６は、外側部材４０と協働して自己拡開ステント９０の軸心方向移動を防止することで、送達および再拘束の間において該ステントの位置を保持し得る。
【００１９】
内側部材２０はまた、保持スリーブ２６と末端２４との間に位置された膨張可能デバイス２８も備える。好適には膨張可能デバイス２８は、内側部材２０の回りに同軸的に取付けられると共に、収縮されたときには、同軸的に取付けられた自己拡開ステントが該膨張可能デバイス２８上を通過し得るほど十分に小さな径方向要素（ｒａｄｉａｌ ｃｏｍｐｏｎｅｎｔ）を有する。膨張可能デバイス２８は好適には、業界公知の胆管用バルーン（ｂｉｌｉａｒｙ ｂａｌｌｏｏｎ）などのバルーンである。膨張可能デバイス２８はまた一定の形態においては保持スリーブ２６として機能することで、別体の保持スリーブ・デバイス２６に対する必要性を排除しても良い。
【００２０】
図１に示された如く内側部材２０は好適には、第１内腔管３２および第２内腔管３４を含む。第１内腔管３２は（不図示の）医療用案内ワイヤを受容すべく構成されると共に、第２内腔管３４は膨張可能デバイス２８に対する流体通路を提供する。上記各内腔管（ｌｕｍｅｎ ｔｕｂｅ）の構成は、上記第１内腔管が膨張可能デバイス２８に対する流体通路を提供し且つ上記第２内腔管が医療用案内ワイヤを受容する如く逆転され得る。
【００２１】
本発明の好適実施例において内側部材２０の末端２４は、先細り先端（ｔａｐｅｒｅｄ ｔｉｐ）３６を含む。先細り先端３６により、特に上記送達システムを医療用案内ワイヤと組み合わせて用いるときに送達および操作性が更に容易とされ得る。これに加えて先細り先端３６は、内側部材２０から径方向外側に延在する表面３８であって外側部材４０が着座し得る着座部を形成する表面３８を含む。
【００２２】
図２は、外側部材４０が内側部材２０の回りに同軸的に位置された上記送達システムを示している。上記外側部材は上記内側部材の回りに摺動可能に取付けられることで、それらの間における相対的な軸心方向移動が許容される。図２に示された如くカテーテル１０は、上記外側部材の末端４４に着脱自在に取付けられた装填用漏斗状部材（ｌｏａｄｉｎｇ ｆｕｎｎｅｌ）４２も含み得る。装填用漏斗状部材４２は、上記自己拡開ステントが上記送達システムに装填されるときに該ステントの径方向圧縮を支援するサイズおよび形状とされる。
【００２３】
図３は、自己拡開ステント９０と組み合わされた上記送達システムを示す。ステント９０は、管状メッシュ形態に編組された生体吸収可能なポリ−ｌ−ラクチド（ｐｏｌｙ−ｌ−ｌａｃｔｉｄｅ）から作成され得る。但し本発明はその最も広範囲な意味において、自己拡開ステント９０の形状、サイズ、組成もしくは形式により制限されない。
【００２４】
自己拡開ステント９０は、カテーテル１０の末端にて送達システムに作用的に装填され、膨張可能デバイス２８および保持スリーブ２６上を通過し得る。図３に示された如く自己拡開ステント９０は外側部材４０により径方向圧縮された位置に保持されると共に、膨張可能デバイス２８は自己拡開ステント９０とカテーテル１０の末端との間において該カテーテル１０上に配備される。代替的に膨張可能デバイス２８は図４に示された如く、自己拡開ステント９０の末端部分の下側に位置され得る。外側部材４０は、該外側部材４０が着座部３８から離間する方向において内側部材２０に対して摺動するにつれて自己拡開ステント９０を径方向拡開位置へと解放する。
【００２５】
好適実施例において上記送達システムは、内側部材２０の回りに且つ外側部材４０の内側に同軸的に位置された離間用外被（ｓｐａｃｉｎｇ ｊａｃｋｅｔ）５２を含む。離間用外被５２は、特に蛇行する解剖学的構造を介した送達の間に上記外側部材内で上記内側部材が屈曲し、巻き付きもしくは捩（ねじ）れるのを緩和し得る。
【００２６】
上記送達システムの別の好適実施例に依れば、内側部材２０は第１、第２および第３標識帯（ｍａｒｋｅｒ ｂａｎｄ）６２、６４、６６を含む。図１に示された如く、第３標識帯６６は内側部材２０の末端２４に最も接近して位置されると共に、第２標識帯６４は第１標識帯６２と第３標識帯６６との間に位置される。
【００２７】
好適実施例において自己拡開ステントは第１標識帯６２から第３標識帯６６へと延在するが、その場合に第１標識帯６２は自己拡開ステント９０の基端の位置を示し且つ第３標識帯６６は自己拡開ステント９０の末端の位置を示す。第２標識帯６４は、部分的に拡開された自己拡開ステントの再拘束限界（ｒｅ−ｃｏｎｓｔｒａｉｎ ｌｉｍｉｔ）を表す。
【００２８】
上記再拘束限界とは、ステントを好首尾に再拘束、再位置決めおよび再拡開する機能を医師もしくは他の操作者に依然として提供し乍ら該ステントが部分的に拡開され得る最終点を意味する。すなわち、上記送達システムに対して自己拡開ステントが装填されたなら、医師は外側部材４０を内側部材２０の末端２４から離間する軸心方向に移動することで、自己拡開ステントを拡開させることができる。外側部材４０が第２標識帯６４に到達しない限りにおいて、医師は外側部材４０を内側部材２０の末端２４に向かう軸心方向に移動することで自己拡開ステントを再拘束し得る。但し、外側部材４０の末端が第２標識帯６４を通過したなら、上記送達システムに関するステントの展開配置もしくは滑りの可能性が増大される。
【００２９】
図３に示された如き代替実施例において、ステント９０は内側部材２０の先細り先端３６の着座部３８まで延在しなくても良い。この場合、ステント９０の末端の位置を示すステント標識帯６８はステント９０自体に配備され得る。
【００３０】
標識帯６２、６４、６６、６８は好適には、上記送達システムの送達および上記ステントの展開配置の間における撮像（ｉｍａｇｉｎｇ）を促進する材料で形成される。たとえば標識帯６２、６４、６６、６８は、放射線不透過性の標識帯などとされ得る。
【００３１】
更なる好適実施例において上記送達システムは、流体ポート７２を含む。流体ポート７２は、注入器（ｓｙｒｉｎｇｅ）または業界公知の他の任意のデバイスに接続される止め栓（ｓｔｏｐｃｏｃｋ）を有する管路とされ得る。流体は、内側部材２０と外側部材４０との間の領域を洗流すべく使用され得る。
【００３２】
別の態様に依れば、本発明は自己拡開ステント用の拡開支援式植設方法を包含する。本発明の方法は、上述の実施例に係る同軸的な内側および外側部材を有するカテーテルを利用する。該カテーテルに対しては、殺菌技術を用いて自己拡開ステントが装填される。ステントを装填するために、上記外側部材の末端には装填用漏斗状部材が取外し可能に取付けられる。而して上記外側部材の末端は、カテーテルの軸心方向において上記内側部材の末端から離間すべく摺動可能に後退される。医師は、内側部材をたとえば末端もしくは基端にて保持すると共に、軸心方向において内側部材の末端から離間すべく外側部材を該内側部材に対して摺動可能に移動することで、内側部材と装填用漏斗状部材を備えた外側部材との間の相対移動を生じさせる。
【００３３】
上記外側部材が後退されるにつれ、上記内側部材の回りに取付けられた保持スリーブが露出される。医師もしくは他のユーザは、内側部材の末端の尖端を越えて保持スリーブ上へとステントを通過させる。その様にするためにユーザはステントを径方向に穏やかに圧縮すると共に、ステントの基端が基端側もしくは尾端側（ｔｒａｉｌｉｎｇ）の標識帯に到達するまで該ステントを装填用漏斗状部材内に嵌装する。上記ステントを径方向圧縮形態で固定的に保持する一方、上記装填用漏斗状部材は内側部材の末端に向けて戻るべく進められる。再び、内側部材をたとえば末端もしくは基端にて保持すると共に、軸心方向において内側部材の末端に向けて外側部材を該内側部材に対して摺動可能に移動することで、内側部材と装填用漏斗状部材を備えた外側部材との間の相対移動が行われる。上記外側部材は、上記ステントが上記内側部材と該外側部材との間に且つ上記保持スリーブと該外側部材との間に完全に拘束されるまで前進される。
【００３４】
ユーザは修復もしくは橋絡されるべき導管の領域まで、医療用案内ワイヤに沿いまたは内視鏡もしくは腹腔鏡を通して、上記送達システムを送達する。適切な箇所まで送達されたなら、ステントは解放されて自己拡開が許容されることから、ステント自体が導管壁部に植設される。解放は、上記内側部材の末端から離間する方向に上記外側部材を摺動することで行われる。上記で論じられた如く上記ステントは、内側部材の末端から離間する方向において外側部材が上記再拘束限界もしくは第２標識帯を越えて移動されなければ、所望に応じて好首尾に再拘束、再位置決め且つ再拡開され得る。
【００３５】
上記ステントが植設された後で医師もしくは他のユーザは、該ステントが十分に拡開されていないと判断することもある。この判断は、たとえばステント上の放射線不透過性標識を用いるなどの公知の撮像技術により行われ得る。上記実施例の送達システムによれば、上記カテーテル上に配備された膨張可能デバイスを用いることで不完全もしくは不適切な拡開を選択的に支援する機能がユーザに対して提供される。而して送達システムの引き抜きおよび拡開バルーンの送達を必要とする代わりに本発明の送達システムは、上記膨張可能デバイスが上記自己拡開ステントと適切に整列される様に、既に展開配置された送達システムを再位置決めする段階を含む。上記膨張可能デバイスはステントの末端の近傍にもしくは該末端を越えて位置されることから、上記送達システムの再位置決め段階は患者の解剖学的構造内への一切の侵襲を伴わない。
【００３６】
典型的には上記膨張可能デバイスは、ステントの植設点から上記送達システムを僅かに後退させることで適切に位置決めされる。上記膨張可能デバイスを拡開するには、システム形態に依存して上記第１もしくは第２内腔管により空気もしくは塩水源などの流体源から流体が供給される。上記膨張可能デバイスは、ステントの完全かつ適切な拡開を支援する。上記膨張可能デバイスは次に、患者の解剖学的構造から送達システムが引抜かれる前に収縮される。
【００３７】
本発明の実施例に依れば上記送達システムは、上記自己拡開ステントの全長に亙り延在する膨張可能デバイスであって粘着性材料により被覆された膨張可能デバイスを含み得る。もし上記材料が展開配置および再拘束の手順の間において上記ステントを保持するに十分な粘着性を有するなら、上記保持スリーブは省略され得る。
【００３８】
医師もしくは他のユーザが、上記膨張可能デバイスを全てのステント植設に対して用いる必要はないことも理解すべきである。但し本発明の送達システムに依れば、上記膨張可能デバイスは医師による選択的使用のために利用可能である。故に本発明の送達システムに依れば、付加的なバルーン送達デバイスおよび上記処置における付加的段階に対する必要性が排除される。結果として上記送達システムは、植設処置の時間を短縮する。更に本発明の送達システムに依れば確実に、特定の自己拡開ステントに対応する適切なサイズの膨張可能デバイスが利用可能とされることから、導管を過剰拡張する可能性が減少される。
【００３９】
本発明はその特定実施例に関して記述されたが、当業者であれば多くの代替例、改変例および変更例が明らかなことは明白である。故に本明細書中に示された本発明の好適実施例は、限定的では無く例示的なことが企図される。また、本発明の精神および有効範囲から逸脱せずに種々の変更が為され得る。
【図面の簡単な説明】
【図１】
図１は、部分的に組立てられた本発明に係る送達システムの好適実施例の平面図である。
【図２】
図２は、組立てられた本発明に係る送達システムの好適実施例の平面図である。
【図３】
図３は、図２に示された送達システムの部分的断面図である。
【図４】
図４は、図２に示された送達システムの代替的な部分的断面図である。

Claims (28)

1. 末端を有すると共に、該末端の近傍に自己拡開ステントを保持すべく構成されたカテーテルと、
   上記カテーテル上に配備され且つ上記末端の近傍に位置された膨張可能デバイスと、
   を備える、自己拡開ステント用の送達システム。
2. 前記カテーテルは、管状部材と、該管状部材の回りに同軸的に位置された外側部材であって軸心方向において該管状部材に対して摺動可能な外側部材とを含む、請求項１記載の送達システム。
3. 前記外側部材は自己拡開ステントを径方向圧縮位置に保持すべく且つ上記自己拡開ステントを径方向拡開位置へと解放すべく構成される、請求項２記載の送達システム。
4. 前記膨張可能デバイスは前記自己拡開ステントの径方向拡開を選択的に支援すべく構成されたバルーンである、請求項３記載の送達システム。
5. 前記管状部材の前記末端に取外し可能に取付られ得るべく構成された装填用漏斗状部材を更に備える、請求項３記載の送達システム。
6. 前記装填用漏斗状部材は前記自己拡開ステントの径方向圧縮と前記外側部材内における該自己拡開ステントの進行とを支援すべく構成される、請求項５記載の送達システム。
7. 前記管状部材の回りに且つ前記外側部材の内側に同軸的に位置された離間用外被を更に備える、請求項２記載の送達システム。
8. 流体を受容すべく且つ前記管状部材と外側部材との間の領域に該流体を導向すべく構成された流体ポートを更に備える、請求項２記載の送達システム。
9. 前記管状部材の前記末端は先細り先端を含む、請求項２記載の送達システム。
10. 前記先細り先端は、前記管状部材から径方向外側に延在する表面であって前記外側部材を受容する着座部を形成する表面を含む、請求項９記載の送達システム。
11. 前記管状部材は、自己拡開ステントの基端に対応する位置を表す第１標識帯と、部分的に拡開された自己拡開ステントの再拘束限界に対応する位置を表す第２標識帯と、自己拡開ステントの末端に対応する位置を表す第３標識帯とを含み、
    上記第３標識帯は上記管状部材の末端の最も近傍に位置され、上記第２標識帯は上記第１標識帯と上記第３標識帯との間に位置される、請求項２記載の送達システム。
12. 前記管状部材は、一方が案内ワイヤを受容すべく構成され且つ他方が前記膨張可能デバイスに対する流体通路を提供する第１内腔および第２内腔を画成する、請求項２記載の送達システム。
13. 前記管状部材の末端は、自己拡開ステントの先端部および尾端部に対応する位置の近傍に放射線不透過性標識帯を含む、請求項２記載の送達システム。
14. 前記管状部材上に配備された保持スリーブであって、自己拡開ステントを保持すべく構成されると共に前記カテーテルの末端から離間された保持スリーブを更に備える、請求項２記載の送達システム。
15. 前記膨張可能デバイスはバルーンである、請求項１記載の送達システム。
16. 自己拡開ステントと、
    末端を有すると共に、該末端の近傍に上記自己拡開ステントを保持すべく構成されたカテーテルと、
    上記カテーテル上に配備され且つ上記自己拡開ステントと上記末端との間に位置された膨張可能デバイスと、
    を備える、自己拡開ステントおよび自己拡開ステント用送達システムの組み合わせ。
17. 自己拡開ステントと、末端を有すると共に該末端の近傍に上記自己拡開ステントを保持すべく構成されたカテーテルと、上記カテーテル上に配備されると共に上記自己拡開ステントと上記末端との間に位置されまたは上記自己拡開ステントの末端部分の下側に位置された膨張可能デバイスと、を含む送達システムを配備する段階と、
    修復されるべき導管の領域に対して上記送達システムを送達する段階と、
    修復されるべき上記導管の壁部に上記自己拡開ステントを植設する段階と、
    上記膨張可能デバイスを膨張させて上記自己拡開ステントの拡開を支援する段階と、
    を備える、自己拡開ステントを植設する方法。
18. 前記送達システムを送達する前記段階は、
    医療用案内ワイヤを位置決めする段階と、
    修復されるべき導管の領域へ上記送達システムを上記案内ワイヤにより案内する段階とを含む、請求項１７記載の方法。
19. 前記送達システムを送達する前記段階は、
    内視鏡を位置決めする段階と、
    修復されるべき導管の領域へ上記送達システムを上記内視鏡により案内する段階とを含む、請求項１７記載の方法。
20. 送達システムを配備する前記段階は、
    前記カテーテルに対し、管状部材と、該管状部材の回りに同軸的に位置された外側部材であって軸心方向において該管状部材に対して摺動可能な外側部材とを配備する段階を含む、請求項１７記載の方法。
21. 前記自己拡開ステントを植設する前記段階は、
    前記管状部材と外側部材との間の相対的な軸心方向移動を行うことで上記ステントを解放して該ステントが自己拡開するのを可能にする段階を含む、請求項２０記載の方法。
22. 送達システムを配備する前記段階は、
    前記カテーテルの末端から離間された保持スリーブであって上記送達システムの送達の間に前記自己拡開ステントを保持すべく構成された保持スリーブを前記管状部材上に配備する段階を含む、請求項２０記載の方法。
23. 前記膨張可能デバイスを膨張する前記段階は、既に送達された送達システムを、該膨張可能デバイスが前記自己拡開ステントと適切に整列される如く再位置決めする段階を含む、請求項１７記載の方法。
24. 既に送達された送達システムを再位置決めする前記段階は、前記ステントの植設点から上記送達システムを僅かに後退させる段階を含む、請求項２３記載の方法。
25. 前記膨張可能デバイスを膨張する前記段階は該膨張可能デバイスに対して流体を供給する段階を含む、請求項１７記載の方法。
26. 流体を供給する段階は空気を供給する段階を含む、請求項２５記載の方法。
27. 流体を供給する段階は前記カテーテルを貫通延在する内腔管により流体を供給する段階を含む、請求項２５記載の方法。
28. 前記膨張可能デバイスを収縮する段階と、
    前記送達システムを患者の解剖学的構造から引抜く段階と、
    を更に備える、請求項１７記載の方法。