JP2004512715A - 下り干渉識別用相反性適用システムおよび方法 - Google Patents
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Abstract
電気通信網(10)内のセル間の下り干渉源を識別するシステムおよび方法。最初に、オフェンディングセル(72)内で生じる呼イベント(80)が記録される。それと共に、電気通信網(10)のセル内で生じる妨害イベント(78)が記録される。記録された妨害イベント(82)を有する記録された呼イベント(80)が次に相関される。次に、下りで(134)妨害(78)を経験する少なくとも一つのセルが識別される。次に、呼イベントレコーディング(CER)(80)および無線妨害レコーディング(RDR)(82)相関を利用してセルをオフェンドする上り妨害源が決定される。最後に、他のセル内で妨害(78)を生じるセル内の下り干渉源を識別するために相反性が適用される。
Description
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は1999年10月22日に出願された(“関連出願”)アリ アール シャーおよびホッサン エッチマイミによる米国特許出願第09/426,139号“System and Method For Identification of Uplink/Downlink Interference Sources”と同一譲受人が譲り受けておりかつそれに関連しており、その全体が本開示の一部としてここに組み入れられている。
(技術分野)
本発明は一般的に、ワイヤレス電気通信網および応用に関し、特に、ワイヤレス電気通信網内のセル間の下り干渉源を識別する方法およびシステムに関する。特に、本発明は呼イベントおよび妨害イベント相関および相反法則を利用して網内の下り干渉源を捜し出すことに適用される。
【0002】
(発明の背景)
米国特許出願第09/426,139号で検討されているように、移動加入者による呼は無線妨害イベントを生じることがある干渉の影響を受けることがある。それにより、網の効率が制限される。このようにして、無線妨害イベントの源でありその影響を受ける網内のこれらのセルを識別することが重要である。
【0003】
干渉自体は無線網外であったり無線網内であったりし、下り(すなわち、基地局から移動局)または上りチャネルに生じることがある。特定のセルが妨害されたセル内の無線アクティビティを制限する干渉を作り出すことによりサービスエリア内のもう一つのセルをオフェンド(offend)することがある。無線妨害イベントは典型的にセルラー呼出し中に下り(すなわち、基地局から移動局)または上り(移動局から基地局)で生じる。
【0004】
セルが妨害されている時を決定するためのさまざまな方法およびシステムが現在存在している。典型的には、信号強度(SS)対通話品質測定値の比較を利用して送信チャネルのビットエラーレート(BER)を求めることができる。例えば、SSが高くBERが低ければ、“良好”すなわち合格通話品質となる。理想的には、SSは低くBERも低くして、僅かなエラーしかない低振幅信号から良好な通話品質が生じるようにされる。一方、SSが低くBERも低くければ、カバレッジが悪くサービスを網内の別の局にハンドオフするかあるいは中止しなければならないと想定される。
【0005】
SSが高くBERも高ければ、カバレッジは良好であり、高いエラーレートは高い干渉レベルのせいにすることができる。したがって、長時間(通常、秒で測定される)にわたって十分な信号強度が劣化した通話品質と相関される場合、その呼は“妨害されている”と見なすことができる。このような妨害源の識別および解析に失敗するとチャネル品質およびデバイスのシールが悪くなり、それは関連出願に記載されているように呼の処理に使用できないことを意味する。
【0006】
干渉の明らかな理由はサービスエリア内の一つ以上の“キラー”セルの存在である。未完成網は周囲の基地局よりも高くまで伸びる基地局により生じるキラーセルサイトを含んでいる。これらの基地局が比較的高いため、ある種の干渉はドライブテストにより容易に識別することができる。一方、完成網は全てが同じ高さの基地局を含んでいる。その結果、干渉源はドライブテスト観察により容易に識別されることはない。
【0007】
電気通信網において干渉を識別する一つの方法はモデルベース予測アルゴリズムを使用する下り干渉予測ツール、または予測方法を含んでいる。このようなツールは所与の網カバレッジエリア内のどこに干渉が存在するかを予測する。次に、予測結果は、特に初期網設計において、周波数およびセル計画に利用される。このような予測の有効性は、利用される伝播モデルの精度および地勢データの分解能を含む、いくつかの要因数によって決まる。このようなツールは下り干渉を生じるセルの識別において使用することができるが、予測に依存するためしばしば不正確である。すなわち、このような予測ツールはより経験的な測定方法により求められるカバレッジエリア内の“実生活”干渉源を必ずしも考慮しない。
【0008】
妨害されるセルおよびオフェンディングセル(offending cell)を識別するのに利用されるもう一つの方法は現場員によるドライブテストを含む。ドライブテストは特定のセルに対する全ての隣接/同一チャネル送信機をターンオフし、次に各送信機を個別にキーアップすることにより実施することができる。次に、ドライブテストチームはモータ車でそのエリアをドライブしてドライブエリア内の干渉を干渉し測定する。ドライブテスト方法の欠点は、それが本来労働集約的でありまた現場員による連続測定を必要とするため費用がかかることである。さらに、ドライブテスト方法は、ときどき有用ではあるが、移動局タイプのバリエーションを考慮していない。
【0009】
関連出願は網に関する利用可能な質的呼記録/妨害データを利用する干渉源の識別および解析方法を開示している。関連出願の技術は上り干渉源の識別に最も有用であり、それは一つ以上のオフェンディングセル内の呼アクティビティと上りチャネル内で測定される考慮中の妨害されたセル内の記録された妨害との間の相関を見つけることに頼っているためである。下りに関するある仮定を関連出願の相関技術から引出すことができるが、それらは下りの状況を正確には限定しない。
【0010】
要約すれば、網カバレッジエリア内の下り干渉を解析し識別する従来技術の方法は一般的に今日のモダンなワイヤレス網には適しない。したがって、下りチャネル上の干渉を解析する方法に対する必要性が存在する。
【0011】
(発明の概要)
本発明はワイヤレス電気通信網内のセル間の下り干渉源を識別する方法およびシステムを提供する。本発明により、ネットワークオペレータは干渉源を識別してこの情報をネットワークの設計や性能改善に使用することができる。
【0012】
一実施例には電気通信網内のセル間の下り干渉源を識別する方法が開示されている。この方法は妨害されたセルと複数のオフェンディングセル間の呼イベントレコーディング(CER)および無線妨害レコーディング(RDR)相関を利用してセルをオフェンドする上り妨害源を決定するステップを含んでいる。最初に、下りで妨害を経験する少なくとも一つのセルが識別される。電気通信網の妨害されたセル内で生じる妨害イベントだけでなく、オフェンディングセル内で生じる呼イベントが記録される。次に、記録された呼イベントは記録された妨害イベントと相関される。
【0013】
この方法は、さらに、セルの上りの妨害の信号強度統計を計算するステップを含んでいる。それには無線環境統計(RES)測定値を使用してオフェンダー(offender)に対する移動送信電力の統計を計算するステップが続く。上りのパス損失は下りのパス損失にほぼ等しいため、次に、妨害および移動送信電力のRES測定値を使用して上りのパス損失が計算される。
【0014】
この方法は相反性を適用して他のセル内に妨害を生じるセル内の下り干渉源を識別するステップも含んでいる。相反法則はオフェンディングセルの移動機が妨害されたセルに対して上りで干渉を引き起こす場合には、妨害されたセルも下りで干渉を引き起こすことを指令する。したがって、上りで妨害されるセルは下りでそれらのオフェンディングセルを妨害するものと見なす潜在的な候補である。以後、“オフェンダー”および“オフェンディングセル”は交換可能に使用することができる。また、“干渉されたセル”および“妨害されたセル”は互いに置換することができる。
【0015】
この方法は、さらに、基地局送信電力を使用してオフェンダーの下りで受信信号強度(RSS)を計算するステップを含んでいる。有意下り干渉が表示されるかどうかを決定するために、次に、RSSが予め定められた閾値と比較される。比較用閾値はネットワークエンジニアが選択することができる。
【0016】
本発明の技術的利点は最短時間量内で網内に既に含まれている妨害データを使用する下り干渉源の識別を含んでいる。
【0017】
他の技術的利点は性能を改善し容量を増すネットワークの設計においてネットワーク運用を支援する下り干渉源のより正確な識別および解析を含んでいる。本発明の方法およびシステムは予測ではなく記録された妨害イベントに基づく経験的測定値を利用する。このようにして、干渉解析は特定の移動機イベントではなく網内の全移動機の挙動およびアクティビティを考慮する。
【0018】
(好ましい実施例の詳細な説明)
その特徴および利点を含めて本発明をより完全に理解するために、添付図と共に本発明の下記の詳細な説明を参照する。特記なき限り、図面の対応する番号およびシンボルは詳細な説明における対応する部分に関連している。
以下に本発明のさまざまな実施例の作成および使用について詳細に検討するが、本発明は広範で多様な特定状況において実施することができる多くの応用可能な発明概念を提供することを理解すべきである。ここで検討される特定の実施例は本発明を作成および使用する特定の方法を単に例示するにすぎず、発明の範囲を限定するものではない。
【0019】
本発明をよく理解するために、図1を参照し、本発明の好ましい実施例を実現することができる電気通信網、一般的に10として示す、の線図が示されている。電気通信網10は交換システム(SS)22および基地局システム(BSS)40を含んでいる。これらの各システムが情報を処理し機能的電気通信網10の運用を実施するいくつかの機能的ユニットを含んでいる。機能的ユニット自体はさまざまな電気通信ハードウェアデバイスを利用して実現することができる。
【0020】
SS22はビジターロケーションレジスタ(VLR)30、ホームロケーションレジスタ(HLR)28、認証センター(AUC)24、装置アイデンティティレジスタ(EIR)26、移動交換局(MSC)27を含んでいる。BSS40は基地局コントローラ(BSC)46および基地トランシーバ局(BTS)44を含んでいる。運用および保守センター(OMC)48がSS22内に存在する装置およびBSC46に接続されている。図1の破線は情報伝送を表わし、実線は呼接続と情報伝送の両方を表わす。
【0021】
図1に示す電気通信網10は、一緒にサービスエリアに対する完全なカバレッジを提供する、近隣無線セルのネットワークとして実現することができる。サービスエリアは所与の電気通信供給者によりサービスされる地理的エリアであり、かつ供給者がそのサービスを提供する準備が完了しているエリアである。各セルは一組の無線チャネルで動作するBTS44を含んでいる。これらのチャネルは干渉を回避するために近隣セルにより利用されるチャネルとは異なっている。
【0022】
各BST46は一群のBTS44を制御する。BST46は、“ハンドオーバ”および電力制御等の、既知の電気通信機能を制御する。いくつかのBSC(例えば、BSC46)がMSC27によりサービスされ、それは他の固定網だけでなく公衆電話交換網(PSTN)に対する呼を制御する。MSC27は総合デジタル通信網(ISDN)12、公衆地上移動電話網(PLMN)20、回線交換公衆データ網(CSPDN)16、および、パケット交換公衆データ網(PSPDN)14等のさまざまな構内網に対する呼も制御する。
【0023】
各ユニットは移動局(MS)42と、例えば、PSTN18等の固定網内の加入者との間の通話接続を運ぶことに積極的に関与している。MS42終端電話呼の完了には極端な困難が伴うため、電気通信網10内に配置されたいくつかのデータベースはMS42を追跡し続ける。これらのデータベースの中で最重要なのはHLR28である。図1に示す電気通信網10のようなワイヤレス電気通信網に加入すると、ユーザはHLR28内に登録される。HLR28は補足サービスおよび認証パラメータ等の加入者情報を含んでいる。
【0024】
MS42が現在存在するエリア(すなわち、MSCエリア)等のMS42の位置を記述するデータがHLR28内に含まれている。MSCエリアは電気通信網10の単一MSC27によりカバーされる部分を表わす。図1に示す電気通信網10等の電気通信網内の移動加入者へ呼をルーティングするために、網を通るパスが現在加入者が位置するMSC内のMSC27にリンクされる。したがって、MS42が電気通信網10内のセルからセルへ移動するとMS42の位置を記述するデータが積極的に変更される。MS42は位置情報をMSC27およびVLR30を介して関連するHLR28に送り、それはMS42が呼を受信できるようにする。AUC24がHLR28に接続されて、セキュリティの目的で使用される認証パラメータおよび秘匿キーをHLR28に与える。
【0025】
さらに、VLR30は現在MSCエリア内にある全移動局に関する情報を含むデータベースである。MS42が新しいMSCエリア内をローミングすると、その特定エリア内のMSC27に接続されたVLR30がMS42に関するデータをHLR28から要求する。同時に、HLR28にはMS42が常駐するMSCエリアの位置が与えられる。後でMS42から呼出しを行いたい場合には、VLR30は呼び出しの度にHLR28への問合せを強制されることなく呼設定に必要な全情報を自由に使用することができる。したがって、VLR30は分散HLR28として機能する。このようにして、VLR30はMSCエリア内のMS42の位置に関する精密な情報も含んでいる。
【0026】
PSTN18内の個別の加入者が加入者への呼出しを行いたい場合には、PSTN18内の交換機が“ゲートウェイ”機能として広く知られている機能を備えたMSC27に呼を接続する。電気通信産業では、“ゲートウェイ”機能を有するMSC27は一般的にゲートウェイMSC(GMSC)と呼ばれる。したがって、図1の電気通信網10内のMSC27はGMSCとして実現することができる。すなわち、GSM電気通信網内の大概のMSCはGMSCとして機能する。GMSCは探索されるMS42の位置を見つけなければならず、それはMS42がどこに登録されているかをHLR28に問い合わせて果たすことができる。次に、HLR28は現在のMSCエリアのアドレスで返答する。その後、GMSCは正しいMSC27に呼を再ルーティングすることができる。呼がそのMSC27に達すると、VLR30はMS42の精密な位置に関する付加情報を有する。次に、呼を交換して完了することができる。
【0027】
図1に示す電気通信網10はGSM型ネットワークとして実現することができる。当業者ならば、本発明はGSM網標準の状況において記述され例示されるが、本発明は北米および南米で利用されているAMPS/TDMAを含む他の標準およびネットワークに従って実現することもできることを理解できる。ここで検討されるGSM網標準は単に例示する目的で提示されたものにすぎず本発明の特徴を限定する者ではない。
【0028】
図2aおよび2bに、それぞれ、未完成網33および完成網35が例示されている。未完成網33は近隣セルの基地局と比べた時に高さが高い基地局44aにより生じることがある少なくとも一つの“キラー”セルサイトを典型的に含んでいる。例えば、基地局44aは90mの高さまで伸びることがあり、基地局44は40mの高さまで伸びる。前記したように、妨害されたセルおよびオフェンディングセルを識別するのに利用される一つの方法は現場員によるドライブテストを含んでいる。ドライブテストは特定の妨害されたセルに対する全ての隣接/同一チャネル送信機をターンオフし、次に各送信機を個別にキーアップして実施することができる。その間に、ドライブテストチームはエリア(例えば、未完成網33および完成網35)をモータ車でドライブしてドライブエリア内の干渉を観察し測定する。未完成網33内では、干渉源は明白である。すなわち、90mの高さの基地局44aはドライブテスト中に容易に観察され干渉源として識別することができる。この場合、基地局44aは、基地局44等の、周囲の基地局よりもその高さが高く網カバレッジエリア内で干渉を引き起こすため周波数再利用を許さない。その結果、網の容量が減少し性能が悪化する。
【0029】
容量減少に応答して、このような未完成網は全て同じ高さ(例えば、40m)の、基地局44等の、複数の基地局により網を作り出すことにより、完成網35等の、完成網に変換することができる。完成網35はより良い周波数再利用、したがって、容量増加を見込むことができる。しかしながら、完成網35内の干渉源はドライブテスト観察を使用して容易に識別することはできない。
【0030】
図3は電気通信網10内の下り隣接チャネル干渉を例示する、一般的に50に示す、ブロック図である。関連出願(米国特許出願第09/426,139号)に記述された方法およびシステムに従って、下り干渉源(すなわち、オフェンディングセル)は、図1に示し記述されているような、網10内の妨害されたセルと一緒に識別される。電気通信網10のオフェンディングセル内で生じる呼イベントおよび電気通信網10の妨害されたセル内で生じる妨害イベントが互いに関連して最初に記録される。次に、相関する呼イベントに基づいて解析がなされ、その後これらのイベントを妨害イベントと相関させる。時間相関により“オフェンディングセル”および“妨害されたセル”のリストが発生される。次に、この相関により隣接/同一チャネルセル内の知覚された干渉を可能な干渉源と関連づけることができる。その後明確な干渉源を決定するのに、予測ツールではなく、統計的方法が利用される。それにより、電気通信網10等の、電気通信網内の干渉を識別し解析するためのより正確な方法およびシステムが見込まれる。
【0031】
図3は2セル(C1,C2),4基地局(52,54,56および58)および移動局60および62からなる網50内の下り隣接チャネル干渉の存在を例示している。当業者ならば、図3の各移動局60,62は図1の移動局42に類似していることがお判りであろう。図3に示す例では、基地局52,58,および54は、それぞれ、周波数G1,G2,およびG3で送信している。したがって、移動局60により利用されるチャネル上のキャリアは移動局62への基地局56により利用されるチャネルにより使用される。したがって、基地局56はG1で送信しそのため基地局52のG1と同一チャネルである。この構成において、基地局56は基地局52とセルC1内の移動局60間の下りチャネルを妨害するある量の干渉(I)を引き起こす。本発明は下り干渉を解析して網運用がその源を識別しその影響を最小限に抑えられるようにする方法を提供する。
【0032】
干渉に寄与する無線基地局は“オフェンダー(offender)”と呼ばれ、それが常駐するセルは“オフェンディングセル”と呼ばれる。隣接チャネル干渉により影響を受ける移動局60はここで利用される専門語で“妨害された”と言われ “妨害されたセル”に属する。したがって、図3は基地局56が移動局60を妨害する下り干渉の例を示している。関連出願は大概オフェンディングセルの移動機が上りの無線基地局受信機を妨害する時の上り干渉の解析に適用される。
【0033】
しかしながら、干渉源は同一チャネル無線基地局に限定されない。隣接チャネル基地局内でもう一つの妨害源が見つかることがあり、それも内部妨害源と見なされる。ここに記述された本発明は電気通信網10等の電気通信網内の可能な全干渉源を識別するように機能する。当業者ならば、“妨害”および“干渉”という用語は交換可能に利用できることがお判りと思われ、このような用語はここでは交換可能に利用される。
【0034】
_秒よりも大きな期間だけ十分な信号強度(SS)が劣化した通話品質と調子を合わせて相関される場合には、呼に対して下りチャネルの“無線妨害”すなわち“妨害イベント”も検出される。時間長は利用されるハードウェアおよび測定方法によって決まる。通話品質はC/I(すなわち、キャリア対干渉比)またはBER(すなわち、Bit Error Rate)として測定可能である。
【0035】
関連出願に従って、干渉源は次のように解析することができる。最初に、呼イベントレコーディングを妨害イベントレコーディングと相関させることにより可能な妨害源を検出することができる。次に、伝播要件を利用して明確な妨害源を検証することができる。その後、全ての妨害イベントが呼イベントと相関されているかどうかを検証するテストを実施することができる。全ての妨害イベントが呼イベントとうまく相関されておれば、各妨害されたセルについて妨害分布が計算される。次に、カバレッジエリアの量を許容干渉レベルと平衡させることにより改善が勧告される。妨害分布に基づいてシステムに対する長期改善を勧告することもできる。しかしながら、妨害イベントの全てが呼イベントとうまくは相関されない場合には、外部干渉源が識別される。代替方法は妨害されたセルを識別し、次に全電気通信網10ではなく、これらの識別された妨害されたセルに集中することを含んでいる。
【0036】
図4は関連出願に従った可能な干渉源の検出技術を例示している。オフェンディングセル72内に存在する“セルイベントレコーディング”とも呼ばれる呼イベント(トラフィック)レコーディング(CER)80および電気通信網10の妨害されたセル76内に存在する無線妨害レコーディング(RDR)82は互いに関連して実行される。RDR82は電気通信網内の通話品質に影響を及ぼす無線妨害イベント78を監視するように設計された特徴である。網内の無線チャネル干渉の程度はRDR82により測定される。両方の隣接チャネルサイトからの網干渉および、大概の場合電気通信網外部の源から来る、外部無線干渉を測定することができる。記録されたデータは網オペレータが妨害イベント78の原因を探し出して修正するのに有用である。
【0037】
RDR82がデバイス84により経験された妨害78を測定する間に、CER80は可能なオフェンディングセル72に対する呼開始および停止時間を識別する。呼のタイムスタンプはCER80内で可能な隣接チャネル(すなわち同一チャネル)移動局42に対する試行(音声チャネル捕獲イベント)を開始する。次に、記録された呼イベント80が記録された妨害イベント82と相関される。次に、電気通信網10内の妨害されたセル76およびオフェンディングセル72の分布が時間の関数として計算されて、オフェンディングセル72内の呼イベント80と後続妨害イベント78の統計的相関が得られ妨害されたセル76となる。これは妨害されたセル76内の可能な妨害源イベント78を識別するように行われる。
【0038】
干渉解析方法から集める多くのデータコンポーネントの一つはシール開始時間である。デバイス84のシールは妨害されたセル74内のBTS44に送信するオフェンディングセル72内の隣接チャネル移動局42により生じる。このようにして、たとえ遠く離れていても、信号はこの特定の妨害されたセル74に達することができるため、オフェンディングセル72内の移動局信号は妨害されたセル74内のBTS44と干渉している。したがって、この信号がある閾値よりも上であれば、デバイスへのその同一チャネル上に置かれる任意の呼が不成功でありデバイス84は特定の時間にシールする。
【0039】
隣接/同一チャネル干渉信号から引き起こされる干渉によりキャリア対干渉(C/I)比は受け入れられないレベルまで低減する。電気通信網内の装置の関数としてのC/I比は網に対して予め定められたある受け入れられるレベルよりも下となる。その結果、干渉による受け入れられない呼を有するよりもデバイス84をシールする方が良い解決法である。しかしながら、それにより網リソースの使用は最小となる。したがって、関連出願はそれに応じて計画するために網カバレッジエリア内のどこにこのような妨害源が配置されているかを網オペレータが決定できるようにする、例えば、隣接チャネル干渉から生じる無線妨害源を識別する方法およびシステムを提供する。
【0040】
図5は電気通信網内の上り/下り干渉を識別するプロセスをステップで例示するハイレベルプロセスフロー図である。図5のステップ90に示すように、電気通信網内の呼イベント(すなわち、セルトラフィックイベント)が識別される。ステップ92において、電気通信網内の妨害イベントも識別される。その後、ステップ94において、呼イベントレコーディングを時間の関数として実施される妨害イベントレコーディング(すなわち、識別された妨害イベント)と相関させることにより可能な妨害源が検出される。ステップ96において、伝播要件または伝播モデルを利用して明確な妨害源が検証される。検証ステップは自由空間パス損失要件を使用して実施される。さらに、知覚される妨害イベントを発生できるには遠すぎることを計算された信号減衰が示す全ての隣接チャネルセルがそれ以上の解析から除外される。その後、ステップ98において、全ての妨害イベントが呼イベントと相関されているかどうか確認される。
【0041】
全ての妨害イベントは相関されない場合には、ステップ100において、可能な外部干渉源(隣接チャネルすなわち同一チャネル)を識別する試みがなされる。当業者ならば、妨害イベントの全てはオフェンディングセルに関連づけられた移動局に寄与しないことがあることを理解できる。外部干渉源はこのような妨害イベントの原因であることもある。全ての妨害イベントは相関されない場合には、ステップ100に示すように、可能な外部干渉源を調べなければならない。
【0042】
その後、ステップ102において、相反性を使用して下りで内部干渉源が識別される。相反法則はオフェンディングセルの移動局が妨害されたセルに対して上りで干渉を引き起こす場合には、妨害されたセルは下りでオフェンディングセルの移動局を妨害することがあることを指示する。したがって、上りで妨害されるセルは下りでそれらのオフェンディングセルを妨害するものと見なす潜在的候補である。
【0043】
最後に、ステップ104において、妨害分布が作り出される。時間の関数として電気通信網10内の妨害されたセルおよびオフェンディングセルの分布が計算されてオフェンディングセル内の呼イベントおよび妨害されたセルとなる後続妨害の統計的相関を得る。このような計算および分布は妨害されたセル内の少なくとも一つのデバイスのシールの原因となった可能な妨害源を識別するのに使用される。しかしながら、ステップ98に示すように、全ての妨害イベントが相関されると、プロセスフローは102に向けられ、そこで干渉源が識別されて、ステップ100に記述された操作の実行が省かれる。ステップ102に示す機能の実行に続いて、ステップ104に記述された操作が生じる(すなわち、妨害分布が作り出される)。
【0044】
図6は呼イベントと無線妨害イベントの時間相関を例示するグラフ110である。図5のプロセスに関連する初期操作において、可能な妨害源が識別される。この探索プロセスは呼イベントレコーディングからの音声チャネル捕獲イベントを妨害イベントレコーディングの開始および停止時間と相関させる。この相関は妨害イベントおよび音声チャネル捕獲タイムスタンプを利用して遂行される。さらに、隣接チャネル情報がこの段階で考慮される。図6において、妨害イベントは十分な信号強度(SS)を有する高いBERにより記述される。BERおよびSS閾値は網要求条件に従って変動することができる。
【0045】
図7に、信号強度、ビットエラーレートおよび結果として生じる無線網環境間の相関を示す。いつセルが妨害されているかを確認するために、信号強度(SS)対通話品質測定値の比較を利用して送信チャネルのビットエラーレート(BER)を決定することができる。例えば、SSが高くBERが高いブロック112の状況下では、高いSSが送信される時は低いBERが測定されることが予期されるため無線環境は“良好”である。SSおよびBERが共に低いブロック114上ではより理想的な状況が生じる。ブロック116の状況下では、SSが低くBERが高ければカバレッジは悪く、例えば、サービスエリア内にもう一つの基地局が必要なことがあることを意味する。本発明は高いSSが与えられて高いBERとなるブロック118の状況を経験する無線環境に応用を有する。このシナリオでは、干渉は網に著しく影響を及ぼすものと仮定する。
【0046】
妨害源を検証するために、SSおよびBERが共に低く、伝播要件(すなわち、伝播モデル)が利用されるブロック114においてより理想的状況が生じる。知覚される妨害を発生できるにはセルが遠すぎることを計算された信号減衰が示す全ての隣接チャネルセルがそれ以上の解析から除外される。伝播モデルは、例えば、地理的位置、アンテナ方向、アンテナ高さおよび有効放射電力(ERP)を考慮する。
【0047】
したがって、相関マトリクスを利用して各妨害されたセルに対する潜在的オフェンダーである可能なセル識別することができる。表1参照。
【表1】
表1は図8に一般的に120として示したものと類似のセル構成における妨害されたセル76および可能なオフェンディングセル72のリストである。元々、作り出されるリストは妨害されたセル76等の妨害されたセルに関して行われる。次に、相関および検証プロセスにより我々はリストを逆にして妨害されたセル76ではなくオフェンディングセル72等のオフェンディングセルが並べられるもう一つのマトリクスを作り出すことができる。表1の各列の定義は表2に示されている。
【表2】
本発明は良好なSSのための高いBER(すなわち、1%よりも大きい)を有するセルを探索することにより干渉問題を有するセルを識別することを含んでいる。典型的には、5%よりも少ないサンプルが−100dBmよりも小さいSSを有する。高いBERを有するこれらのセルを識別する結果、このようなセルのリストが編集される。これらのセルは関連づけられたMSC42を介して識別される。次に、編集されたセルリスト内に含まれるセルを観察することによりこれらのセル内のどのデバイスが干渉問題も有するかが確認される。さらに、1%よりも大きいBERおよび−100dBmよりも大きいSSを有する全呼に対する開始および停止時間も識別される。
【0048】
多すぎる電気通信網イベント(例えば、開始および停止時間)が識別される場合には、より大きいデルタ値を利用して再相関を実施することができる。次に、停止および開始時間を含む妨害イベント、およびBER分布およびSS分布のリストの他に、各妨害されたセル76内の高いBERを有するデバイスのリストが提供される。その後、高いBERを有するデバイスに関連するチャネル番号が識別される。チャネル番号のリストも、このようなチャネル番号の分布を記述するデータと共に、決定されこのようなチャネル番号が配置されるセルを含んでいる。
【0049】
次に、妨害されたデバイスに対して前に識別された開始および停止時間だけ、隣接/同一チャネル妨害解析が実施される。前に識別されたチャネル番号が与えられると、進行中の呼が妨害イベントにより完全にオーバラップされる隣接チャネルが識別される。この計算の結果、妨害されたセル76およびオフェンディングセル72の表が作り出され、各妨害されたセルおよびオフェンディングセル対に対してどれだけ多くの相関が見つけ出されたかの確認を含んでいる。可能なオフェンディングセル72により引き起こされた妨害分布も作り出される。隣接チャネル妨害解析は隣接チャネルに対して繰返すことができ、妨害されたセル76およびオフェンディングセル72の表と同様な、隣接チャネルオフェンダーを有する表も作り出すことができる。
【0050】
これらの計算の結果、最高相関数を有する可能なオフェンディングセル72を識別することができる。さらに、オフェンダーの信号が恐らく妨害されたセル76と干渉するかどうかに関する確認も実施することができる。したがって、下りの可能なオフェンダーのリストを編集することができ、この情報は短期および長期勧告に利用することができる。
【0051】
図9に相反性の概念が例示されており一般的に130として示されている。下り134の内部干渉源もこれに基づいて相反性の概念を使用して識別される。すなわち、オフェンディングセルの72の移動局42が干渉、すなわち妨害されたセル76に対する上り132の妨害イベント、を引き起こす場合には、相反法則により、妨害されたセル76の基地局44は下り134のオフェンディングセル72の移動局42を妨害することがある。したがって、上り132で妨害される76セルは下り134でそれらのオフェンディングセル72を妨害するものとみなされる潜在的候補である。当業者ならば、上りのオフェンディングセル72は下りで移動局を介して妨害されたセルとなり、上りの妨害されたセル76は下りで移動局を介してオフェンディングセルとなることがお判りであろう。
【0052】
さらに、妨害イベント78の全てはオフェンディングセル72の移動局42に寄与しないことがある。外部源はこのような干渉の犯人であることもある。このようにして、全ての妨害源は相関されない場合には、外部干渉の可能性は考えられない。
【0053】
図10は本発明の好ましい実施例に従って、本発明の方法およびシステムを実現するプロセスステップを例示するハイレベル論理フロー図140である。当業者ならば、ここに例示され記述されているように、図10は所望の結果へ導くステップの首尾一貫したシーケンスを表わすことが理解できる。ステップは物理的量の物理的操作を要するものである。必ずしもそうではないが、通常はこれらの量は格納、転送、結合、比較、その他の操作を行うことができる電気または磁気信号の形をとる。
【0054】
これらの信号はビット、値、エレメント、シンボル、文字、項、番号、等として参照することが時により便利であることが当業者により証明されている。しかしながら、これらの項および類似項は全て適切な物理的量と関連づけられるものであり、これらの量に便利なラベルが貼られたにすぎないことを心に留めなければならない。
【0055】
さらに、実施される操作はしばしば“指示している”、“送り出している”または“運んでいる”等の用語に関連しており、それらは一般的に人間オペレータにより実施されるメンタル操作に関連づけられている。本発明の一部を形成する、ここに記載された操作の大概のケースにおいて人間オペレータのこのような能力はどれも必要または望ましいものではない。ここに示されているように、これらの操作は主としてマシン操作である。本発明の好ましい実施例の操作を実施する有用なマシンは汎用デジタルコンピュータまたは類似デバイス等のデータ処理システムを含んでいる。全てのケースにおいて、コンピュータ操作における操作方法と計算方法自体との間の相違を心に留めなければならない。
【0056】
本発明は電気的または他の(例えば、機械的、化学的)物理的信号を処理して他の所望する物理的信号を発生する方法ステップに関連し、コンピュータまたはマイクロコンピュータを介して実現することができる。しかしながら、MS42等の移動局、またはセルラー電話加入者ユニットのコンピュータメモリ内にこれらの方法ステップを実現する命令を維持する必要がある。このような命令はBS44等のワイヤレス電話基地局、またはこのような基地局がそこから命令を受ける中央同報センターのコンピュータメモリ場所内に維持することができる。ここに記載された方法の実現は、セルラーベースであってもそうではなくても、特定のワイヤレス電話システムデザイナーの判断に残される。
【0057】
当業者ならば、ここに記載された方法はプログラムプロダクト(例えば、コンピュータメモリ内に常駐する制御プログラム)として実現できることが理解できる。プログラムプロダクトはCPU上で実行される時に図10の論理フロー図に示す操作を実施する命令を含んでいる。本発明は完全に機能的な電気通信網10の状況において記述されているが、当業者ならば本発明は多様な形式のプログラムプロダクトとして配信できることも理解できる。実際に配信を実施するのに利用される特定タイプの信号保持媒体に無関係に、本発明は同等に適用される。信号保持媒体の例はフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ、およびCD ROM等の記録可能型媒体、およびデジタルおよびアナログ通信リンク等の送信型媒体を含んでいる。
【0058】
本発明の好ましいインプリメンテーションはここに記載された方法をマイクロコンピュータのメモリ内に常駐するプログラムプロダクトとして実行するインプリメンテーションを含むことができる。あるいは、本発明の好ましい実施例はMSC(例えば、図1のMSC27)に配置されたマイクロコンピュータのメモリ内に常駐するプログラムプロダクトを含むことができる。MSC27はワイヤレス電気通信網内のシステム操作を制御し、したがって呼を管理し、課金情報を追跡し、移動局加入者を捜し出す。このようにして、プログラムプロダクトはここに記載された方法およびシステムを実行する命令セットを含んでいる。マイクロコンピュータにより要求されるまで、命令セットはコンピュータプログラムプロダクトとして別のコンピュータメモリ内に格納することができる。例えば、命令セットはマイクロコンピュータ(ディスクドライブ内で使用する光ディスクやフロッピー(登録商標)ディスク等の取外し可能メモリを含むことができる)に取り付けられたディスクドライブ内にコンピュータプログラムプロダクトとして格納することができる。
【0059】
また、ピュータプログラムプロダクトは別のコンピュータに格納して、所望により、内外網によりユーザのワークステーションに送信することができる。当業者ならば、命令セットの物理的格納はその上に格納される媒体を物理的に変化させて媒体がコンピュータ読取可能情報を運ぶようにすることを理解できる。変化は電気的、磁気的、化学的、その他の物理的変化とすることができる。本発明を命令、シンボル、文字、等で記述すると使いやすいが、読者はこれらおよび類似の用語は全て適切な物理的要素と関連づけるべきことを忘れてはならない。
【0060】
したがって、図10のステップ142に示すように、妨害されたセルと複数のオフェンディングセル間で、セルをオフェンドする上り妨害源が呼イベントレコーディング(CER)および無線妨害レコーディング(RDR)相関を利用して決定される。最初に、下りで妨害を経験する少なくとも一つのセルが識別される。次に、電気通信網のオフェンディングセル内で生じる呼イベントが記録され、続いて電気通信網の妨害されたセル内で生じる呼イベントが記録される。米国特許出願第09/426,139号に開示されているように、記録された呼イベントは次に記録された妨害イベントと相関される。
【0061】
上り妨害源が決定されていると、セルの上りの妨害の信号強度統計が計算される。次に、無線環境統計(RES)測定値を使用してオフェンダーに対する移動送信電力の統計が計算される。RES測定値はBER,SS,妨害、および上りおよび下りデータ分布を提供する。妨害および移動送信電力の統計を使用して、上りのパス損失(PL)が次式により計算され、
PLul=PMS(avg)−RSSul−dist(avg)
ここに、RSSul−dist(avg)は上りの妨害の平均受信信号強度であり、PMS(avg)はオフェンダーの平均移動出力電力である。このようにして、上りのパス損失(PLul)は下りのパス損失に等しい。
【0062】
次に、ステップ144において、基地局送信電力を使用してオフェンダーの下りのRSSが計算される。すなわち、オフェンダーの下りの計算された電力は相反性により次式で表わされ、
RSSdl−off(avg)=PRBS−PLdl
ここに、RSSdl−off(avg)は下りのオフェンダーの平均受信信号強度(RSS)であり、PRBSは無線基地局(RBS)電力でありPLdlは下りのパス損失である。
【0063】
次に、有意下り干渉が表示されるかどうかを確認するために、ステップ144の受信信号強度(RSSdl−off(avg))はステップ146において予め定められた閾値と比較される。一実施例では、比較の閾値はネットワークエンジニアが選択することができる。RSSdl−off(avg)が予め定められた閾値よりも大きくなければ、ステップ148において次のセルが考慮される。しかしながら、ステップ146においてRSSdl−off(avg)が予め定められた閾値よりも大きければ、妨害は有意であることが判る。したがって、上り妨害源が識別されステップ150において相反性に基づいて下り妨害源として定量化される。
【0064】
例えば、一実施例では、妨害されたセルの上りのRSS(avg)は−106dBmであると仮定する。また、移動局電力は24dBmである。すると、上りパス損失は平均で130dBとなる。下り電力は20dBmであると仮定する。この場合、オフェンダーの下りの平均受信信号は−110dBmとなり、それは妨害を構成しないことがある。一方、下り電力が30dBmであれば、下りのオフェンダーの平均RSSは−100dBmである。このようにして、妨害はこの場合有意であることが判る。
【0065】
当業者ならば、ここに記載された本発明は下り干渉源を識別するために相反性を適用する方法およびシステムを説明していることが理解できる。ここに記載された方法およびシステムは信号強度を計算して閾値と比較する無線環境統計(RES)測定値に基づいている。計算にはパス平衡も利用される。このようにして、RES測定値は予測ツールに優る利点を提供する。要約すれば、ここに記載された方法およびシステムを利用すればトラフィック/妨害“相関”方法の精度を定量化して下りの干渉源を識別することができ、より正確なネットワーク計画により電気通信網の性能が向上する。
【0066】
実施例について本発明を説明してきたが、本明細書には制約的意味合いはない。当業者ならば、明細書を読めば本発明の他の実施例だけでなく例示された実施例のさまざまな修正および組合せが自明であろう。したがって、添付特許請求の範囲はこのようないかなる修正や実施例も含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の好ましい実施例を実現することができる電気通信網を示す図である。
【図2a】
少なくとも一つの“キラー”セルサイトを有する未完成網を示す図である。
【図2b】
本発明の好ましい実施例を実現することができる完成網を示す図である。
【図3】
電気通信網内の下り隣接チャネル干渉を示す図である。
【図4】
関連出願に従った、呼イベントレコーディング(CER)および無線妨害レコーディング(RDR)相関を示す図である。
【図5】
関連出願の方法およびシステムを実現するためのプロセスステップを示すハイレベル論理フロー図である。
【図6】
呼イベントと無線妨害イベントの時間相関を示す図である。
【図7】
それぞれ、ハイおよびローで変動する信号強度(SS)とビットエラーレート(BER)を示す表である。
【図8】
明確な妨害源を検証するステップを示す図である。
【図9】
本発明に適用される相反性の概念を示す図である。
【図10】
好ましい実施例に従って、本発明の方法およびシステムを実現するためのステップを示すハイレベルフロー図である。
(関連出願の相互参照)
本出願は1999年10月22日に出願された(“関連出願”)アリ アール シャーおよびホッサン エッチマイミによる米国特許出願第09/426,139号“System and Method For Identification of Uplink/Downlink Interference Sources”と同一譲受人が譲り受けておりかつそれに関連しており、その全体が本開示の一部としてここに組み入れられている。
(技術分野)
本発明は一般的に、ワイヤレス電気通信網および応用に関し、特に、ワイヤレス電気通信網内のセル間の下り干渉源を識別する方法およびシステムに関する。特に、本発明は呼イベントおよび妨害イベント相関および相反法則を利用して網内の下り干渉源を捜し出すことに適用される。
【0002】
(発明の背景)
米国特許出願第09/426,139号で検討されているように、移動加入者による呼は無線妨害イベントを生じることがある干渉の影響を受けることがある。それにより、網の効率が制限される。このようにして、無線妨害イベントの源でありその影響を受ける網内のこれらのセルを識別することが重要である。
【0003】
干渉自体は無線網外であったり無線網内であったりし、下り(すなわち、基地局から移動局)または上りチャネルに生じることがある。特定のセルが妨害されたセル内の無線アクティビティを制限する干渉を作り出すことによりサービスエリア内のもう一つのセルをオフェンド(offend)することがある。無線妨害イベントは典型的にセルラー呼出し中に下り(すなわち、基地局から移動局)または上り(移動局から基地局)で生じる。
【0004】
セルが妨害されている時を決定するためのさまざまな方法およびシステムが現在存在している。典型的には、信号強度(SS)対通話品質測定値の比較を利用して送信チャネルのビットエラーレート(BER)を求めることができる。例えば、SSが高くBERが低ければ、“良好”すなわち合格通話品質となる。理想的には、SSは低くBERも低くして、僅かなエラーしかない低振幅信号から良好な通話品質が生じるようにされる。一方、SSが低くBERも低くければ、カバレッジが悪くサービスを網内の別の局にハンドオフするかあるいは中止しなければならないと想定される。
【0005】
SSが高くBERも高ければ、カバレッジは良好であり、高いエラーレートは高い干渉レベルのせいにすることができる。したがって、長時間(通常、秒で測定される)にわたって十分な信号強度が劣化した通話品質と相関される場合、その呼は“妨害されている”と見なすことができる。このような妨害源の識別および解析に失敗するとチャネル品質およびデバイスのシールが悪くなり、それは関連出願に記載されているように呼の処理に使用できないことを意味する。
【0006】
干渉の明らかな理由はサービスエリア内の一つ以上の“キラー”セルの存在である。未完成網は周囲の基地局よりも高くまで伸びる基地局により生じるキラーセルサイトを含んでいる。これらの基地局が比較的高いため、ある種の干渉はドライブテストにより容易に識別することができる。一方、完成網は全てが同じ高さの基地局を含んでいる。その結果、干渉源はドライブテスト観察により容易に識別されることはない。
【0007】
電気通信網において干渉を識別する一つの方法はモデルベース予測アルゴリズムを使用する下り干渉予測ツール、または予測方法を含んでいる。このようなツールは所与の網カバレッジエリア内のどこに干渉が存在するかを予測する。次に、予測結果は、特に初期網設計において、周波数およびセル計画に利用される。このような予測の有効性は、利用される伝播モデルの精度および地勢データの分解能を含む、いくつかの要因数によって決まる。このようなツールは下り干渉を生じるセルの識別において使用することができるが、予測に依存するためしばしば不正確である。すなわち、このような予測ツールはより経験的な測定方法により求められるカバレッジエリア内の“実生活”干渉源を必ずしも考慮しない。
【0008】
妨害されるセルおよびオフェンディングセル(offending cell)を識別するのに利用されるもう一つの方法は現場員によるドライブテストを含む。ドライブテストは特定のセルに対する全ての隣接/同一チャネル送信機をターンオフし、次に各送信機を個別にキーアップすることにより実施することができる。次に、ドライブテストチームはモータ車でそのエリアをドライブしてドライブエリア内の干渉を干渉し測定する。ドライブテスト方法の欠点は、それが本来労働集約的でありまた現場員による連続測定を必要とするため費用がかかることである。さらに、ドライブテスト方法は、ときどき有用ではあるが、移動局タイプのバリエーションを考慮していない。
【0009】
関連出願は網に関する利用可能な質的呼記録/妨害データを利用する干渉源の識別および解析方法を開示している。関連出願の技術は上り干渉源の識別に最も有用であり、それは一つ以上のオフェンディングセル内の呼アクティビティと上りチャネル内で測定される考慮中の妨害されたセル内の記録された妨害との間の相関を見つけることに頼っているためである。下りに関するある仮定を関連出願の相関技術から引出すことができるが、それらは下りの状況を正確には限定しない。
【0010】
要約すれば、網カバレッジエリア内の下り干渉を解析し識別する従来技術の方法は一般的に今日のモダンなワイヤレス網には適しない。したがって、下りチャネル上の干渉を解析する方法に対する必要性が存在する。
【0011】
(発明の概要)
本発明はワイヤレス電気通信網内のセル間の下り干渉源を識別する方法およびシステムを提供する。本発明により、ネットワークオペレータは干渉源を識別してこの情報をネットワークの設計や性能改善に使用することができる。
【0012】
一実施例には電気通信網内のセル間の下り干渉源を識別する方法が開示されている。この方法は妨害されたセルと複数のオフェンディングセル間の呼イベントレコーディング(CER)および無線妨害レコーディング(RDR)相関を利用してセルをオフェンドする上り妨害源を決定するステップを含んでいる。最初に、下りで妨害を経験する少なくとも一つのセルが識別される。電気通信網の妨害されたセル内で生じる妨害イベントだけでなく、オフェンディングセル内で生じる呼イベントが記録される。次に、記録された呼イベントは記録された妨害イベントと相関される。
【0013】
この方法は、さらに、セルの上りの妨害の信号強度統計を計算するステップを含んでいる。それには無線環境統計(RES)測定値を使用してオフェンダー(offender)に対する移動送信電力の統計を計算するステップが続く。上りのパス損失は下りのパス損失にほぼ等しいため、次に、妨害および移動送信電力のRES測定値を使用して上りのパス損失が計算される。
【0014】
この方法は相反性を適用して他のセル内に妨害を生じるセル内の下り干渉源を識別するステップも含んでいる。相反法則はオフェンディングセルの移動機が妨害されたセルに対して上りで干渉を引き起こす場合には、妨害されたセルも下りで干渉を引き起こすことを指令する。したがって、上りで妨害されるセルは下りでそれらのオフェンディングセルを妨害するものと見なす潜在的な候補である。以後、“オフェンダー”および“オフェンディングセル”は交換可能に使用することができる。また、“干渉されたセル”および“妨害されたセル”は互いに置換することができる。
【0015】
この方法は、さらに、基地局送信電力を使用してオフェンダーの下りで受信信号強度(RSS)を計算するステップを含んでいる。有意下り干渉が表示されるかどうかを決定するために、次に、RSSが予め定められた閾値と比較される。比較用閾値はネットワークエンジニアが選択することができる。
【0016】
本発明の技術的利点は最短時間量内で網内に既に含まれている妨害データを使用する下り干渉源の識別を含んでいる。
【0017】
他の技術的利点は性能を改善し容量を増すネットワークの設計においてネットワーク運用を支援する下り干渉源のより正確な識別および解析を含んでいる。本発明の方法およびシステムは予測ではなく記録された妨害イベントに基づく経験的測定値を利用する。このようにして、干渉解析は特定の移動機イベントではなく網内の全移動機の挙動およびアクティビティを考慮する。
【0018】
(好ましい実施例の詳細な説明)
その特徴および利点を含めて本発明をより完全に理解するために、添付図と共に本発明の下記の詳細な説明を参照する。特記なき限り、図面の対応する番号およびシンボルは詳細な説明における対応する部分に関連している。
以下に本発明のさまざまな実施例の作成および使用について詳細に検討するが、本発明は広範で多様な特定状況において実施することができる多くの応用可能な発明概念を提供することを理解すべきである。ここで検討される特定の実施例は本発明を作成および使用する特定の方法を単に例示するにすぎず、発明の範囲を限定するものではない。
【0019】
本発明をよく理解するために、図1を参照し、本発明の好ましい実施例を実現することができる電気通信網、一般的に10として示す、の線図が示されている。電気通信網10は交換システム(SS)22および基地局システム(BSS)40を含んでいる。これらの各システムが情報を処理し機能的電気通信網10の運用を実施するいくつかの機能的ユニットを含んでいる。機能的ユニット自体はさまざまな電気通信ハードウェアデバイスを利用して実現することができる。
【0020】
SS22はビジターロケーションレジスタ(VLR)30、ホームロケーションレジスタ(HLR)28、認証センター(AUC)24、装置アイデンティティレジスタ(EIR)26、移動交換局(MSC)27を含んでいる。BSS40は基地局コントローラ(BSC)46および基地トランシーバ局(BTS)44を含んでいる。運用および保守センター(OMC)48がSS22内に存在する装置およびBSC46に接続されている。図1の破線は情報伝送を表わし、実線は呼接続と情報伝送の両方を表わす。
【0021】
図1に示す電気通信網10は、一緒にサービスエリアに対する完全なカバレッジを提供する、近隣無線セルのネットワークとして実現することができる。サービスエリアは所与の電気通信供給者によりサービスされる地理的エリアであり、かつ供給者がそのサービスを提供する準備が完了しているエリアである。各セルは一組の無線チャネルで動作するBTS44を含んでいる。これらのチャネルは干渉を回避するために近隣セルにより利用されるチャネルとは異なっている。
【0022】
各BST46は一群のBTS44を制御する。BST46は、“ハンドオーバ”および電力制御等の、既知の電気通信機能を制御する。いくつかのBSC(例えば、BSC46)がMSC27によりサービスされ、それは他の固定網だけでなく公衆電話交換網(PSTN)に対する呼を制御する。MSC27は総合デジタル通信網(ISDN)12、公衆地上移動電話網(PLMN)20、回線交換公衆データ網(CSPDN)16、および、パケット交換公衆データ網(PSPDN)14等のさまざまな構内網に対する呼も制御する。
【0023】
各ユニットは移動局(MS)42と、例えば、PSTN18等の固定網内の加入者との間の通話接続を運ぶことに積極的に関与している。MS42終端電話呼の完了には極端な困難が伴うため、電気通信網10内に配置されたいくつかのデータベースはMS42を追跡し続ける。これらのデータベースの中で最重要なのはHLR28である。図1に示す電気通信網10のようなワイヤレス電気通信網に加入すると、ユーザはHLR28内に登録される。HLR28は補足サービスおよび認証パラメータ等の加入者情報を含んでいる。
【0024】
MS42が現在存在するエリア(すなわち、MSCエリア)等のMS42の位置を記述するデータがHLR28内に含まれている。MSCエリアは電気通信網10の単一MSC27によりカバーされる部分を表わす。図1に示す電気通信網10等の電気通信網内の移動加入者へ呼をルーティングするために、網を通るパスが現在加入者が位置するMSC内のMSC27にリンクされる。したがって、MS42が電気通信網10内のセルからセルへ移動するとMS42の位置を記述するデータが積極的に変更される。MS42は位置情報をMSC27およびVLR30を介して関連するHLR28に送り、それはMS42が呼を受信できるようにする。AUC24がHLR28に接続されて、セキュリティの目的で使用される認証パラメータおよび秘匿キーをHLR28に与える。
【0025】
さらに、VLR30は現在MSCエリア内にある全移動局に関する情報を含むデータベースである。MS42が新しいMSCエリア内をローミングすると、その特定エリア内のMSC27に接続されたVLR30がMS42に関するデータをHLR28から要求する。同時に、HLR28にはMS42が常駐するMSCエリアの位置が与えられる。後でMS42から呼出しを行いたい場合には、VLR30は呼び出しの度にHLR28への問合せを強制されることなく呼設定に必要な全情報を自由に使用することができる。したがって、VLR30は分散HLR28として機能する。このようにして、VLR30はMSCエリア内のMS42の位置に関する精密な情報も含んでいる。
【0026】
PSTN18内の個別の加入者が加入者への呼出しを行いたい場合には、PSTN18内の交換機が“ゲートウェイ”機能として広く知られている機能を備えたMSC27に呼を接続する。電気通信産業では、“ゲートウェイ”機能を有するMSC27は一般的にゲートウェイMSC(GMSC)と呼ばれる。したがって、図1の電気通信網10内のMSC27はGMSCとして実現することができる。すなわち、GSM電気通信網内の大概のMSCはGMSCとして機能する。GMSCは探索されるMS42の位置を見つけなければならず、それはMS42がどこに登録されているかをHLR28に問い合わせて果たすことができる。次に、HLR28は現在のMSCエリアのアドレスで返答する。その後、GMSCは正しいMSC27に呼を再ルーティングすることができる。呼がそのMSC27に達すると、VLR30はMS42の精密な位置に関する付加情報を有する。次に、呼を交換して完了することができる。
【0027】
図1に示す電気通信網10はGSM型ネットワークとして実現することができる。当業者ならば、本発明はGSM網標準の状況において記述され例示されるが、本発明は北米および南米で利用されているAMPS/TDMAを含む他の標準およびネットワークに従って実現することもできることを理解できる。ここで検討されるGSM網標準は単に例示する目的で提示されたものにすぎず本発明の特徴を限定する者ではない。
【0028】
図2aおよび2bに、それぞれ、未完成網33および完成網35が例示されている。未完成網33は近隣セルの基地局と比べた時に高さが高い基地局44aにより生じることがある少なくとも一つの“キラー”セルサイトを典型的に含んでいる。例えば、基地局44aは90mの高さまで伸びることがあり、基地局44は40mの高さまで伸びる。前記したように、妨害されたセルおよびオフェンディングセルを識別するのに利用される一つの方法は現場員によるドライブテストを含んでいる。ドライブテストは特定の妨害されたセルに対する全ての隣接/同一チャネル送信機をターンオフし、次に各送信機を個別にキーアップして実施することができる。その間に、ドライブテストチームはエリア(例えば、未完成網33および完成網35)をモータ車でドライブしてドライブエリア内の干渉を観察し測定する。未完成網33内では、干渉源は明白である。すなわち、90mの高さの基地局44aはドライブテスト中に容易に観察され干渉源として識別することができる。この場合、基地局44aは、基地局44等の、周囲の基地局よりもその高さが高く網カバレッジエリア内で干渉を引き起こすため周波数再利用を許さない。その結果、網の容量が減少し性能が悪化する。
【0029】
容量減少に応答して、このような未完成網は全て同じ高さ(例えば、40m)の、基地局44等の、複数の基地局により網を作り出すことにより、完成網35等の、完成網に変換することができる。完成網35はより良い周波数再利用、したがって、容量増加を見込むことができる。しかしながら、完成網35内の干渉源はドライブテスト観察を使用して容易に識別することはできない。
【0030】
図3は電気通信網10内の下り隣接チャネル干渉を例示する、一般的に50に示す、ブロック図である。関連出願(米国特許出願第09/426,139号)に記述された方法およびシステムに従って、下り干渉源(すなわち、オフェンディングセル)は、図1に示し記述されているような、網10内の妨害されたセルと一緒に識別される。電気通信網10のオフェンディングセル内で生じる呼イベントおよび電気通信網10の妨害されたセル内で生じる妨害イベントが互いに関連して最初に記録される。次に、相関する呼イベントに基づいて解析がなされ、その後これらのイベントを妨害イベントと相関させる。時間相関により“オフェンディングセル”および“妨害されたセル”のリストが発生される。次に、この相関により隣接/同一チャネルセル内の知覚された干渉を可能な干渉源と関連づけることができる。その後明確な干渉源を決定するのに、予測ツールではなく、統計的方法が利用される。それにより、電気通信網10等の、電気通信網内の干渉を識別し解析するためのより正確な方法およびシステムが見込まれる。
【0031】
図3は2セル(C1,C2),4基地局(52,54,56および58)および移動局60および62からなる網50内の下り隣接チャネル干渉の存在を例示している。当業者ならば、図3の各移動局60,62は図1の移動局42に類似していることがお判りであろう。図3に示す例では、基地局52,58,および54は、それぞれ、周波数G1,G2,およびG3で送信している。したがって、移動局60により利用されるチャネル上のキャリアは移動局62への基地局56により利用されるチャネルにより使用される。したがって、基地局56はG1で送信しそのため基地局52のG1と同一チャネルである。この構成において、基地局56は基地局52とセルC1内の移動局60間の下りチャネルを妨害するある量の干渉(I)を引き起こす。本発明は下り干渉を解析して網運用がその源を識別しその影響を最小限に抑えられるようにする方法を提供する。
【0032】
干渉に寄与する無線基地局は“オフェンダー(offender)”と呼ばれ、それが常駐するセルは“オフェンディングセル”と呼ばれる。隣接チャネル干渉により影響を受ける移動局60はここで利用される専門語で“妨害された”と言われ “妨害されたセル”に属する。したがって、図3は基地局56が移動局60を妨害する下り干渉の例を示している。関連出願は大概オフェンディングセルの移動機が上りの無線基地局受信機を妨害する時の上り干渉の解析に適用される。
【0033】
しかしながら、干渉源は同一チャネル無線基地局に限定されない。隣接チャネル基地局内でもう一つの妨害源が見つかることがあり、それも内部妨害源と見なされる。ここに記述された本発明は電気通信網10等の電気通信網内の可能な全干渉源を識別するように機能する。当業者ならば、“妨害”および“干渉”という用語は交換可能に利用できることがお判りと思われ、このような用語はここでは交換可能に利用される。
【0034】
_秒よりも大きな期間だけ十分な信号強度(SS)が劣化した通話品質と調子を合わせて相関される場合には、呼に対して下りチャネルの“無線妨害”すなわち“妨害イベント”も検出される。時間長は利用されるハードウェアおよび測定方法によって決まる。通話品質はC/I(すなわち、キャリア対干渉比)またはBER(すなわち、Bit Error Rate)として測定可能である。
【0035】
関連出願に従って、干渉源は次のように解析することができる。最初に、呼イベントレコーディングを妨害イベントレコーディングと相関させることにより可能な妨害源を検出することができる。次に、伝播要件を利用して明確な妨害源を検証することができる。その後、全ての妨害イベントが呼イベントと相関されているかどうかを検証するテストを実施することができる。全ての妨害イベントが呼イベントとうまく相関されておれば、各妨害されたセルについて妨害分布が計算される。次に、カバレッジエリアの量を許容干渉レベルと平衡させることにより改善が勧告される。妨害分布に基づいてシステムに対する長期改善を勧告することもできる。しかしながら、妨害イベントの全てが呼イベントとうまくは相関されない場合には、外部干渉源が識別される。代替方法は妨害されたセルを識別し、次に全電気通信網10ではなく、これらの識別された妨害されたセルに集中することを含んでいる。
【0036】
図4は関連出願に従った可能な干渉源の検出技術を例示している。オフェンディングセル72内に存在する“セルイベントレコーディング”とも呼ばれる呼イベント(トラフィック)レコーディング(CER)80および電気通信網10の妨害されたセル76内に存在する無線妨害レコーディング(RDR)82は互いに関連して実行される。RDR82は電気通信網内の通話品質に影響を及ぼす無線妨害イベント78を監視するように設計された特徴である。網内の無線チャネル干渉の程度はRDR82により測定される。両方の隣接チャネルサイトからの網干渉および、大概の場合電気通信網外部の源から来る、外部無線干渉を測定することができる。記録されたデータは網オペレータが妨害イベント78の原因を探し出して修正するのに有用である。
【0037】
RDR82がデバイス84により経験された妨害78を測定する間に、CER80は可能なオフェンディングセル72に対する呼開始および停止時間を識別する。呼のタイムスタンプはCER80内で可能な隣接チャネル(すなわち同一チャネル)移動局42に対する試行(音声チャネル捕獲イベント)を開始する。次に、記録された呼イベント80が記録された妨害イベント82と相関される。次に、電気通信網10内の妨害されたセル76およびオフェンディングセル72の分布が時間の関数として計算されて、オフェンディングセル72内の呼イベント80と後続妨害イベント78の統計的相関が得られ妨害されたセル76となる。これは妨害されたセル76内の可能な妨害源イベント78を識別するように行われる。
【0038】
干渉解析方法から集める多くのデータコンポーネントの一つはシール開始時間である。デバイス84のシールは妨害されたセル74内のBTS44に送信するオフェンディングセル72内の隣接チャネル移動局42により生じる。このようにして、たとえ遠く離れていても、信号はこの特定の妨害されたセル74に達することができるため、オフェンディングセル72内の移動局信号は妨害されたセル74内のBTS44と干渉している。したがって、この信号がある閾値よりも上であれば、デバイスへのその同一チャネル上に置かれる任意の呼が不成功でありデバイス84は特定の時間にシールする。
【0039】
隣接/同一チャネル干渉信号から引き起こされる干渉によりキャリア対干渉(C/I)比は受け入れられないレベルまで低減する。電気通信網内の装置の関数としてのC/I比は網に対して予め定められたある受け入れられるレベルよりも下となる。その結果、干渉による受け入れられない呼を有するよりもデバイス84をシールする方が良い解決法である。しかしながら、それにより網リソースの使用は最小となる。したがって、関連出願はそれに応じて計画するために網カバレッジエリア内のどこにこのような妨害源が配置されているかを網オペレータが決定できるようにする、例えば、隣接チャネル干渉から生じる無線妨害源を識別する方法およびシステムを提供する。
【0040】
図5は電気通信網内の上り/下り干渉を識別するプロセスをステップで例示するハイレベルプロセスフロー図である。図5のステップ90に示すように、電気通信網内の呼イベント(すなわち、セルトラフィックイベント)が識別される。ステップ92において、電気通信網内の妨害イベントも識別される。その後、ステップ94において、呼イベントレコーディングを時間の関数として実施される妨害イベントレコーディング(すなわち、識別された妨害イベント)と相関させることにより可能な妨害源が検出される。ステップ96において、伝播要件または伝播モデルを利用して明確な妨害源が検証される。検証ステップは自由空間パス損失要件を使用して実施される。さらに、知覚される妨害イベントを発生できるには遠すぎることを計算された信号減衰が示す全ての隣接チャネルセルがそれ以上の解析から除外される。その後、ステップ98において、全ての妨害イベントが呼イベントと相関されているかどうか確認される。
【0041】
全ての妨害イベントは相関されない場合には、ステップ100において、可能な外部干渉源(隣接チャネルすなわち同一チャネル)を識別する試みがなされる。当業者ならば、妨害イベントの全てはオフェンディングセルに関連づけられた移動局に寄与しないことがあることを理解できる。外部干渉源はこのような妨害イベントの原因であることもある。全ての妨害イベントは相関されない場合には、ステップ100に示すように、可能な外部干渉源を調べなければならない。
【0042】
その後、ステップ102において、相反性を使用して下りで内部干渉源が識別される。相反法則はオフェンディングセルの移動局が妨害されたセルに対して上りで干渉を引き起こす場合には、妨害されたセルは下りでオフェンディングセルの移動局を妨害することがあることを指示する。したがって、上りで妨害されるセルは下りでそれらのオフェンディングセルを妨害するものと見なす潜在的候補である。
【0043】
最後に、ステップ104において、妨害分布が作り出される。時間の関数として電気通信網10内の妨害されたセルおよびオフェンディングセルの分布が計算されてオフェンディングセル内の呼イベントおよび妨害されたセルとなる後続妨害の統計的相関を得る。このような計算および分布は妨害されたセル内の少なくとも一つのデバイスのシールの原因となった可能な妨害源を識別するのに使用される。しかしながら、ステップ98に示すように、全ての妨害イベントが相関されると、プロセスフローは102に向けられ、そこで干渉源が識別されて、ステップ100に記述された操作の実行が省かれる。ステップ102に示す機能の実行に続いて、ステップ104に記述された操作が生じる(すなわち、妨害分布が作り出される)。
【0044】
図6は呼イベントと無線妨害イベントの時間相関を例示するグラフ110である。図5のプロセスに関連する初期操作において、可能な妨害源が識別される。この探索プロセスは呼イベントレコーディングからの音声チャネル捕獲イベントを妨害イベントレコーディングの開始および停止時間と相関させる。この相関は妨害イベントおよび音声チャネル捕獲タイムスタンプを利用して遂行される。さらに、隣接チャネル情報がこの段階で考慮される。図6において、妨害イベントは十分な信号強度(SS)を有する高いBERにより記述される。BERおよびSS閾値は網要求条件に従って変動することができる。
【0045】
図7に、信号強度、ビットエラーレートおよび結果として生じる無線網環境間の相関を示す。いつセルが妨害されているかを確認するために、信号強度(SS)対通話品質測定値の比較を利用して送信チャネルのビットエラーレート(BER)を決定することができる。例えば、SSが高くBERが高いブロック112の状況下では、高いSSが送信される時は低いBERが測定されることが予期されるため無線環境は“良好”である。SSおよびBERが共に低いブロック114上ではより理想的な状況が生じる。ブロック116の状況下では、SSが低くBERが高ければカバレッジは悪く、例えば、サービスエリア内にもう一つの基地局が必要なことがあることを意味する。本発明は高いSSが与えられて高いBERとなるブロック118の状況を経験する無線環境に応用を有する。このシナリオでは、干渉は網に著しく影響を及ぼすものと仮定する。
【0046】
妨害源を検証するために、SSおよびBERが共に低く、伝播要件(すなわち、伝播モデル)が利用されるブロック114においてより理想的状況が生じる。知覚される妨害を発生できるにはセルが遠すぎることを計算された信号減衰が示す全ての隣接チャネルセルがそれ以上の解析から除外される。伝播モデルは、例えば、地理的位置、アンテナ方向、アンテナ高さおよび有効放射電力(ERP)を考慮する。
【0047】
したがって、相関マトリクスを利用して各妨害されたセルに対する潜在的オフェンダーである可能なセル識別することができる。表1参照。
【表1】
表1は図8に一般的に120として示したものと類似のセル構成における妨害されたセル76および可能なオフェンディングセル72のリストである。元々、作り出されるリストは妨害されたセル76等の妨害されたセルに関して行われる。次に、相関および検証プロセスにより我々はリストを逆にして妨害されたセル76ではなくオフェンディングセル72等のオフェンディングセルが並べられるもう一つのマトリクスを作り出すことができる。表1の各列の定義は表2に示されている。
【表2】
本発明は良好なSSのための高いBER(すなわち、1%よりも大きい)を有するセルを探索することにより干渉問題を有するセルを識別することを含んでいる。典型的には、5%よりも少ないサンプルが−100dBmよりも小さいSSを有する。高いBERを有するこれらのセルを識別する結果、このようなセルのリストが編集される。これらのセルは関連づけられたMSC42を介して識別される。次に、編集されたセルリスト内に含まれるセルを観察することによりこれらのセル内のどのデバイスが干渉問題も有するかが確認される。さらに、1%よりも大きいBERおよび−100dBmよりも大きいSSを有する全呼に対する開始および停止時間も識別される。
【0048】
多すぎる電気通信網イベント(例えば、開始および停止時間)が識別される場合には、より大きいデルタ値を利用して再相関を実施することができる。次に、停止および開始時間を含む妨害イベント、およびBER分布およびSS分布のリストの他に、各妨害されたセル76内の高いBERを有するデバイスのリストが提供される。その後、高いBERを有するデバイスに関連するチャネル番号が識別される。チャネル番号のリストも、このようなチャネル番号の分布を記述するデータと共に、決定されこのようなチャネル番号が配置されるセルを含んでいる。
【0049】
次に、妨害されたデバイスに対して前に識別された開始および停止時間だけ、隣接/同一チャネル妨害解析が実施される。前に識別されたチャネル番号が与えられると、進行中の呼が妨害イベントにより完全にオーバラップされる隣接チャネルが識別される。この計算の結果、妨害されたセル76およびオフェンディングセル72の表が作り出され、各妨害されたセルおよびオフェンディングセル対に対してどれだけ多くの相関が見つけ出されたかの確認を含んでいる。可能なオフェンディングセル72により引き起こされた妨害分布も作り出される。隣接チャネル妨害解析は隣接チャネルに対して繰返すことができ、妨害されたセル76およびオフェンディングセル72の表と同様な、隣接チャネルオフェンダーを有する表も作り出すことができる。
【0050】
これらの計算の結果、最高相関数を有する可能なオフェンディングセル72を識別することができる。さらに、オフェンダーの信号が恐らく妨害されたセル76と干渉するかどうかに関する確認も実施することができる。したがって、下りの可能なオフェンダーのリストを編集することができ、この情報は短期および長期勧告に利用することができる。
【0051】
図9に相反性の概念が例示されており一般的に130として示されている。下り134の内部干渉源もこれに基づいて相反性の概念を使用して識別される。すなわち、オフェンディングセルの72の移動局42が干渉、すなわち妨害されたセル76に対する上り132の妨害イベント、を引き起こす場合には、相反法則により、妨害されたセル76の基地局44は下り134のオフェンディングセル72の移動局42を妨害することがある。したがって、上り132で妨害される76セルは下り134でそれらのオフェンディングセル72を妨害するものとみなされる潜在的候補である。当業者ならば、上りのオフェンディングセル72は下りで移動局を介して妨害されたセルとなり、上りの妨害されたセル76は下りで移動局を介してオフェンディングセルとなることがお判りであろう。
【0052】
さらに、妨害イベント78の全てはオフェンディングセル72の移動局42に寄与しないことがある。外部源はこのような干渉の犯人であることもある。このようにして、全ての妨害源は相関されない場合には、外部干渉の可能性は考えられない。
【0053】
図10は本発明の好ましい実施例に従って、本発明の方法およびシステムを実現するプロセスステップを例示するハイレベル論理フロー図140である。当業者ならば、ここに例示され記述されているように、図10は所望の結果へ導くステップの首尾一貫したシーケンスを表わすことが理解できる。ステップは物理的量の物理的操作を要するものである。必ずしもそうではないが、通常はこれらの量は格納、転送、結合、比較、その他の操作を行うことができる電気または磁気信号の形をとる。
【0054】
これらの信号はビット、値、エレメント、シンボル、文字、項、番号、等として参照することが時により便利であることが当業者により証明されている。しかしながら、これらの項および類似項は全て適切な物理的量と関連づけられるものであり、これらの量に便利なラベルが貼られたにすぎないことを心に留めなければならない。
【0055】
さらに、実施される操作はしばしば“指示している”、“送り出している”または“運んでいる”等の用語に関連しており、それらは一般的に人間オペレータにより実施されるメンタル操作に関連づけられている。本発明の一部を形成する、ここに記載された操作の大概のケースにおいて人間オペレータのこのような能力はどれも必要または望ましいものではない。ここに示されているように、これらの操作は主としてマシン操作である。本発明の好ましい実施例の操作を実施する有用なマシンは汎用デジタルコンピュータまたは類似デバイス等のデータ処理システムを含んでいる。全てのケースにおいて、コンピュータ操作における操作方法と計算方法自体との間の相違を心に留めなければならない。
【0056】
本発明は電気的または他の(例えば、機械的、化学的)物理的信号を処理して他の所望する物理的信号を発生する方法ステップに関連し、コンピュータまたはマイクロコンピュータを介して実現することができる。しかしながら、MS42等の移動局、またはセルラー電話加入者ユニットのコンピュータメモリ内にこれらの方法ステップを実現する命令を維持する必要がある。このような命令はBS44等のワイヤレス電話基地局、またはこのような基地局がそこから命令を受ける中央同報センターのコンピュータメモリ場所内に維持することができる。ここに記載された方法の実現は、セルラーベースであってもそうではなくても、特定のワイヤレス電話システムデザイナーの判断に残される。
【0057】
当業者ならば、ここに記載された方法はプログラムプロダクト(例えば、コンピュータメモリ内に常駐する制御プログラム)として実現できることが理解できる。プログラムプロダクトはCPU上で実行される時に図10の論理フロー図に示す操作を実施する命令を含んでいる。本発明は完全に機能的な電気通信網10の状況において記述されているが、当業者ならば本発明は多様な形式のプログラムプロダクトとして配信できることも理解できる。実際に配信を実施するのに利用される特定タイプの信号保持媒体に無関係に、本発明は同等に適用される。信号保持媒体の例はフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ、およびCD ROM等の記録可能型媒体、およびデジタルおよびアナログ通信リンク等の送信型媒体を含んでいる。
【0058】
本発明の好ましいインプリメンテーションはここに記載された方法をマイクロコンピュータのメモリ内に常駐するプログラムプロダクトとして実行するインプリメンテーションを含むことができる。あるいは、本発明の好ましい実施例はMSC(例えば、図1のMSC27)に配置されたマイクロコンピュータのメモリ内に常駐するプログラムプロダクトを含むことができる。MSC27はワイヤレス電気通信網内のシステム操作を制御し、したがって呼を管理し、課金情報を追跡し、移動局加入者を捜し出す。このようにして、プログラムプロダクトはここに記載された方法およびシステムを実行する命令セットを含んでいる。マイクロコンピュータにより要求されるまで、命令セットはコンピュータプログラムプロダクトとして別のコンピュータメモリ内に格納することができる。例えば、命令セットはマイクロコンピュータ(ディスクドライブ内で使用する光ディスクやフロッピー(登録商標)ディスク等の取外し可能メモリを含むことができる)に取り付けられたディスクドライブ内にコンピュータプログラムプロダクトとして格納することができる。
【0059】
また、ピュータプログラムプロダクトは別のコンピュータに格納して、所望により、内外網によりユーザのワークステーションに送信することができる。当業者ならば、命令セットの物理的格納はその上に格納される媒体を物理的に変化させて媒体がコンピュータ読取可能情報を運ぶようにすることを理解できる。変化は電気的、磁気的、化学的、その他の物理的変化とすることができる。本発明を命令、シンボル、文字、等で記述すると使いやすいが、読者はこれらおよび類似の用語は全て適切な物理的要素と関連づけるべきことを忘れてはならない。
【0060】
したがって、図10のステップ142に示すように、妨害されたセルと複数のオフェンディングセル間で、セルをオフェンドする上り妨害源が呼イベントレコーディング(CER)および無線妨害レコーディング(RDR)相関を利用して決定される。最初に、下りで妨害を経験する少なくとも一つのセルが識別される。次に、電気通信網のオフェンディングセル内で生じる呼イベントが記録され、続いて電気通信網の妨害されたセル内で生じる呼イベントが記録される。米国特許出願第09/426,139号に開示されているように、記録された呼イベントは次に記録された妨害イベントと相関される。
【0061】
上り妨害源が決定されていると、セルの上りの妨害の信号強度統計が計算される。次に、無線環境統計(RES)測定値を使用してオフェンダーに対する移動送信電力の統計が計算される。RES測定値はBER,SS,妨害、および上りおよび下りデータ分布を提供する。妨害および移動送信電力の統計を使用して、上りのパス損失(PL)が次式により計算され、
PLul=PMS(avg)−RSSul−dist(avg)
ここに、RSSul−dist(avg)は上りの妨害の平均受信信号強度であり、PMS(avg)はオフェンダーの平均移動出力電力である。このようにして、上りのパス損失(PLul)は下りのパス損失に等しい。
【0062】
次に、ステップ144において、基地局送信電力を使用してオフェンダーの下りのRSSが計算される。すなわち、オフェンダーの下りの計算された電力は相反性により次式で表わされ、
RSSdl−off(avg)=PRBS−PLdl
ここに、RSSdl−off(avg)は下りのオフェンダーの平均受信信号強度(RSS)であり、PRBSは無線基地局(RBS)電力でありPLdlは下りのパス損失である。
【0063】
次に、有意下り干渉が表示されるかどうかを確認するために、ステップ144の受信信号強度(RSSdl−off(avg))はステップ146において予め定められた閾値と比較される。一実施例では、比較の閾値はネットワークエンジニアが選択することができる。RSSdl−off(avg)が予め定められた閾値よりも大きくなければ、ステップ148において次のセルが考慮される。しかしながら、ステップ146においてRSSdl−off(avg)が予め定められた閾値よりも大きければ、妨害は有意であることが判る。したがって、上り妨害源が識別されステップ150において相反性に基づいて下り妨害源として定量化される。
【0064】
例えば、一実施例では、妨害されたセルの上りのRSS(avg)は−106dBmであると仮定する。また、移動局電力は24dBmである。すると、上りパス損失は平均で130dBとなる。下り電力は20dBmであると仮定する。この場合、オフェンダーの下りの平均受信信号は−110dBmとなり、それは妨害を構成しないことがある。一方、下り電力が30dBmであれば、下りのオフェンダーの平均RSSは−100dBmである。このようにして、妨害はこの場合有意であることが判る。
【0065】
当業者ならば、ここに記載された本発明は下り干渉源を識別するために相反性を適用する方法およびシステムを説明していることが理解できる。ここに記載された方法およびシステムは信号強度を計算して閾値と比較する無線環境統計(RES)測定値に基づいている。計算にはパス平衡も利用される。このようにして、RES測定値は予測ツールに優る利点を提供する。要約すれば、ここに記載された方法およびシステムを利用すればトラフィック/妨害“相関”方法の精度を定量化して下りの干渉源を識別することができ、より正確なネットワーク計画により電気通信網の性能が向上する。
【0066】
実施例について本発明を説明してきたが、本明細書には制約的意味合いはない。当業者ならば、明細書を読めば本発明の他の実施例だけでなく例示された実施例のさまざまな修正および組合せが自明であろう。したがって、添付特許請求の範囲はこのようないかなる修正や実施例も含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の好ましい実施例を実現することができる電気通信網を示す図である。
【図2a】
少なくとも一つの“キラー”セルサイトを有する未完成網を示す図である。
【図2b】
本発明の好ましい実施例を実現することができる完成網を示す図である。
【図3】
電気通信網内の下り隣接チャネル干渉を示す図である。
【図4】
関連出願に従った、呼イベントレコーディング(CER)および無線妨害レコーディング(RDR)相関を示す図である。
【図5】
関連出願の方法およびシステムを実現するためのプロセスステップを示すハイレベル論理フロー図である。
【図6】
呼イベントと無線妨害イベントの時間相関を示す図である。
【図7】
それぞれ、ハイおよびローで変動する信号強度(SS)とビットエラーレート(BER)を示す表である。
【図8】
明確な妨害源を検証するステップを示す図である。
【図9】
本発明に適用される相反性の概念を示す図である。
【図10】
好ましい実施例に従って、本発明の方法およびシステムを実現するためのステップを示すハイレベルフロー図である。
Claims (32)
- 電気通信網内のセル間の下り干渉源を識別する方法であって、
妨害されたセルと複数のオフェンディングセル間で、呼イベントレコーディング(CER)および無線妨害レコーディング(RDR)相関を利用してセルをオフェンドする上り妨害源を決定するステップと、
相反性を適用して他のセル内で妨害を生じる前記セル内の下り干渉源を識別するステップと、
を含む方法。 - 請求項1記載の方法であって、前記決定ステップには下りで妨害を経験する少なくとも一つのセルを識別するステップが先行する方法。
- 請求項2記載の方法であって、前記識別ステップは、さらに、電気通信網のオフェンディングセル内で生じる呼イベントを記録するステップを含む方法。
- 請求項2記載の方法であって、前記識別ステップは、さらに、電気通信網の妨害されたセル内で生じる妨害イベントを記録するステップを含む方法。
- 請求項4記載の方法であって、前記記録ステップには記録された呼イベントを記録された妨害イベントと相関させるステップが続く方法。
- 請求項1記載の方法であって、前記決定ステップにはセルの上りでの妨害の信号強度統計を計算するステップが続く方法。
- 請求項6記載の方法であって、前記計算ステップには無線環境統計(RES)測定値を使用してオフェンダーに対する移動送信電力の統計を計算するステップが続く方法。
- 請求項7記載の方法であって、前記計算ステップには妨害および移動送信電力の統計を使用して上りのパス損失を計算するステップが続く方法。
- 請求項1記載の方法であって、前記適用するステップは、さらに、基地局送信電力を使用してオフェンダーの下りの受信信号強度(RSS)を計算するステップを含む方法。
- 請求項9記載の方法であって、前記計算ステップには有意下り干渉が表示されるかどうかを確認するために受信信号強度(RSS)を予め定められた閾値と比較するステップが続く方法。
- 電気通信網内のセル間の下り干渉源を識別するシステムであって、
妨害されたセルと複数のオフェンディングセル間で、呼イベントレコーディング(CER)および無線妨害レコーディング(RDR)相関を利用してセルをオフェンドする上り妨害源を決定する手段と、
相反性を適用して他のセル内で妨害を生じる前記セル内の下り干渉源を識別する手段と、
を含むシステム。 - 請求項11記載のシステムであって、さらに、下りで妨害を経験する少なくとも一つのセルを識別する手段を含むシステム。
- 請求項12記載のシステムであって、前記識別手段は、さらに、電気通信網のオフェンディングセル内で生じる呼イベントを記録する手段を含むシステム。
- 請求項12記載のシステムであって、前記識別手段は、さらに、電気通信網の妨害されたセル内で生じる妨害イベントを記録する手段を含むシステム。
- 請求項14記載のシステムであって、前記記録手段は、さらに、記録された呼イベントを記録された妨害イベントと相関させる手段を含むシステム。
- 請求項11記載のシステムであって、前記決定手段は、さらに、セルの上りでの妨害の信号強度統計を計算する手段を含むシステム。
- 請求項16記載のシステムであって、前記計算手段は、さらに、無線環境統計(RES)測定値を使用してオフェンダーに対する移動送信電力の統計を計算する手段を含むシステム。
- 請求項17記載のシステムであって、前記計算手段は、さらに、妨害および移動送信電力の統計を使用して上りのパス損失を計算する手段を含むシステム。
- 請求項18記載のシステムであって、上りの前記パス損失は下りのパス損失に等しいシステム。
- 請求項11記載のシステムであって、前記適用する手段は、さらに、基地局送信電力を使用してオフェンダーの下りの受信信号強度を計算する手段を含むシステム。
- 請求項20記載のシステムであって、前記計算手段は、さらに、有意下り干渉が表示されるかどうかを確認するために受信信号強度を予め定められた閾値と比較する手段を含むシステム。
- 請求項21記載のシステムであって、比較のための前記閾値はネットワークエンジニアにより選択されるシステム。
- 電気通信網内のセル間の下り干渉源を識別するためのプログラムプロダクトであって、
妨害されたセルと複数のオフェンディングセル間で、呼イベントレコーディング(CER)および無線妨害レコーディング(RDR)相関を利用してセルをオフェンドする上り妨害源を決定するためのコンピュータ内に常駐する命令手段と、
相反性を適用して他のセル内で妨害を生じるセル内の下り干渉源を識別するためのコンピュータ内に常駐する命令手段と、
を含むプログラムプロダクト。 - 請求項23記載のプログラムプロダクトであって、前記プログラムプロダクトは、さらに、下りで妨害を経験する少なくとも一つのセルを識別するためのコンピュータ内に常駐する命令手段を含むプログラムプロダクト。
- 請求項24記載のプログラムプロダクトであって、前記識別するためのコンピュータ内に常駐する命令手段は、さらに、電気通信網のオフェンディングセル内で生じる呼イベントを記録するためのコンピュータ内に常駐する命令手段を含むプログラムプロダクト。
- 請求項24記載のプログラムプロダクトであって、前記識別するためのコンピュータ内に常駐する命令手段は、さらに、電気通信網のセル内で生じる妨害イベントを記録するためのコンピュータ内に常駐する命令手段を含むプログラムプロダクト。
- 請求項26記載のプログラムプロダクトであって、前記記録するためのコンピュータ内に常駐する命令手段は、さらに、記録されたセルイベントを記録された妨害イベントと相関させるためのコンピュータ内に常駐する命令手段を含むプログラムプロダクト。
- 請求項23記載のプログラムプロダクトであって、前記決定するためのコンピュータ内に常駐する命令手段は、さらに、セルの上りでの妨害の信号強度統計を計算するためのコンピュータ内に常駐する命令手段を含むプログラムプロダクト。
- 請求項28記載のプログラムプロダクトであって、前記計算するためのコンピュータ内に常駐する命令手段は、さらに、無線環境統計(RES)測定値を使用してオフェンダーに対する移動送信電力の統計を計算するためのコンピュータ内に常駐する命令手段を含むプログラムプロダクト。
- 請求項29記載のプログラムプロダクトであって、前記計算するためのコンピュータ内に常駐する命令手段は、さらに、妨害および移動送信電力の統計を使用して上りのパス損失を計算するためのコンピュータ内に常駐する命令手段を含むプログラムプロダクト。
- 請求項23記載のプログラムプロダクトであって、前記適用するためのコンピュータ内に常駐する命令手段は、さらに、基地局送信電力を使用してオフェンダーの下りの受信信号強度(RSS)を計算するためのコンピュータ内に常駐する命令手段を含むプログラムプロダクト。
- 請求項31記載のプログラムプロダクトであって、前記計算するためのコンピュータ内に常駐する命令手段は、さらに、有意下り干渉が表示されるかどうかを確認するために受信信号強度を予め定められた閾値と比較するためのコンピュータ内に常駐する命令手段を含むプログラムプロダクト。
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