JP2004511981A - 非対称半二重通信システムを動作させる方法 - Google Patents
非対称半二重通信システムを動作させる方法 Download PDFInfo
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Abstract
非対称トラヒックの流れの条件下でシステムの容量を改善するように移動通信システムを動作させる。ダウンリンク方向とアップリンク方向のそれぞれで同量のトラヒックの流れが発生する場合、無線スペクトルの第1の周波数帯域のチャネルは、通信網基地局から移動端末へのダウンリンク方向で情報を送信するために用いられ、無線スペクトルの第2の周波数帯域のチャネルは、移動端末から通信網基地局へのアップリンク方向で情報を送信するために用いられる。移動端末が通信網基地局に送信するよりも多くの情報を通信網基地局から受信する結果として非対称トラヒックの流れが発生すると、無線スペクトルは、ダウンリンク方向のデータの流れ全体とアップリンク方向のデータの流れの比率に比例して、非対称なアップリンク・スペクトルとダウンリンク・スペクトルに分割される。
Description
【0001】
(発明の分野)
本発明は、データを送信するよりも速いデータ速度でデータを受信する移動端末のような無線装置(wireless radio devices)に関する。
【0002】
1996年7月23日に本発明者に交付された米国特許、第5,539,730号「TDMA/FDMA/CDMA複合無線アクセス方法(TDMA/FDMA/CDMA Hybrid Radio Access Methods)」は、音声電話の呼のごとく両方向のトラヒックの流れが1秒当たりビット数で同じ場合、各方向のデータ伝送において異なるチャネル間隔(channel spacing)とタイムスロット持続時間(time slot duration)を用いることができる非対称通信システムを説明している。そこでは、両方向のトラヒックの流れが等しいことは、タイムスロット持続時間とチャネル帯域幅またはデータ速度との積が両方向で同じであることを保証することによって達成される。ここで前記特許第5,539,730号に言及したことにより、この特許の開示内容を本願に明確に組み入れることにする。
【0003】
最近は、インターネット(R)の基幹網を経由するインターネット、e−メールおよびIP電話の利用が増加し、一方では加入者間、他方ではサーバー間の非対称な通信網データの流れ(asymmetrical net flow of data)を示している。一般にサーバは、ハンドヘルド型装置でありうる加入者端末に比較して、大容量の記憶装置と複数の同時入出力機能を備えた高価な大型コンピュータである。移動端末または移動電話機のさらなる発展としての携帯型無線加入者端末の導入により、移動加入者端末と主として固定サーバーとの間の接続に無線インターフェースが用いられ、この無線インターフェースの両方向で非対称な通信網トラヒックの流れ(net traffic flow)がつくり出される。サーバーが加入者端末に対して逆の非対称を呈し、全体としてはトラヒックの流れを対称にしているため、この非対称な通信網トラヒックの流れは固定通信網では明確ではない。この無線コネクションの非対称性は、移動サーバーの相対的な欠如に起因すると見ても良い。何故ならば通信網サーバーは、ハンドヘルド装置ほど携帯性を有しないからである。
【0004】
加入者端末と通信網サーバーとの間の無線インターフェースを経由する非対称な通信網トラヒックの流れが増加する傾向と共に、さもなければ用いられないアップリンクの容量を最大限に用いる必要性が存在する。
【0005】
(発明の要約)
本発明は、動いている加入者の移動端末がインターネットにアクセスできるようにするとともに、無線インターネット・サーバー通信網(wireless Internet server network)が複数の移動端末と通信できるようにすることによって、これらのニーズに応える。一般的に、全体では移動端末が返信として送信するよりも大量のデータを通信網サーバーまたは基地局から受信するが、そのような場合、無線スペクトル(wireless spectrum)のアップリンク・スペクトルとダウンリンク・スペクトルへの分割は、ダウンリンクのデータの流れに対するアップリンクの全データの流れの比率に比例して実行される。
【0006】
本発明の一実施例では、アップリンク・スペクトルとダウンリンク・スペクトルの割り当てられた量が、それぞれのアップリンク方向とダウンリンク方向のそれぞれにおける全データのトラヒックに正比例するように、(移動端末に関連する)ダウンリンク・スペクトルの量は通信網基地局(network station)から移動端末への方向の通信に割り当てられ、アップリンク・スペクトルの量が少ないときは、移動端末から通信網基地局への方向の通信に割り当てられる。
【0007】
本発明の他の例は、アップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルの間の適切な周波数間隔を維持する一方、既に割り当てられたスペクトルが、ダウンリンク帯域と帯域幅が等しくないアップリンク帯域とに分割されるようになっていない場合に用いられうる。このような間隔があけられていないと、受信中の移動端末と同一セル内にいて位置と周波数で隣接している送信中の移動端末は、許容不能な妨害を引き起こすことがある。したがって、この実施例において割り当てられた全スペクトルは、ダウンリンクに対しては繰り返しフレーム周期の第1の部分として用いられ、アップリンクに対してはフレーム周期の第2の部分として用いられ、フレーム周期の第1と第2の部分は、全アップリンク・トラヒックと全ダウンリン・トラヒックの比率の中にある。
【0008】
(発明の詳細な説明)
本発明によれば、移動通信システムで用いられる移動端末を動かすための容量が改善される。この改善は、全体としてダウンリンク・データの流れとアップリンク・データの流れの比率に正比例して、無線スペクトルをアップリンクとダウンリンクに分割することによって達成される。
【0009】
図1は、組み入れた上記特許第5,539,730号による既知の非対称TDMAフォーマットを示しており、この特許では、アップリンクとダウンリンクに等しいトラヒックの流れと等しい容量とが存在する。基地局または通信網基地局は、第1のダウンリンク周波数帯域を用い、タイムスロット1、タイムスロット2およびタイムスロット3で逐次送信する。第1の移動端末1は、オーバーラップしている移動端末1の受信タイムスロットで基地局によって送信されたタイムスロット1を受信してから移動端末1の送信タイムスロットでこの基地局に送信するが、この送信タイムスロットは、移動端末1の受信タイムスロットと同じ時間ではなく、移動端末における送受信2重化濾波器(transmit/receive duplexing filter)の必要性を回避している。移動端末1の送信タイムスロットは、対応する基地局の送信タイムスロット1より比例的に長時間の間、狭い帯域を占有し、2方向、つまりアップリンク方向とダウンリンク方向のトラヒックの流れの速度(rate)が等しい場合は、時間/帯域幅の積が両方向で同じである。
【0010】
基地局の送信タイムスロット2は、もう1つの移動端末2に送信するために用いられ、移動端末2はオーバーラップしている移動端末2の受信タイムスロットで受信してから移動端末2の送信タイムスロットでこの基地局に送信する。移動端末2,移動端末1さらには実に全移動端末が、同じ端末設計を、したがって同じ送受信タイミングを用いるためには、移動端末2の受信/送信タイミングは、移動端末1の受信/送信タイミングの遅延したものである。換言すると、移動端末2の受信/送信タイミングは、基地局の1つの送信タイムスロットの持続時間だけ進められる。移動端末2の受信/送信タイミングは移動端末1の受信/送信タイミングの持続時間よりも短いのであるから、移動端末2の送信タイムスロットが開始するときも移動端末1は送信中である。
【0011】
移動端末1と移動端末2の送信タイムスロットが時間的にオーバーラップするようにするために、これらの端末に各種周波数が割り当てられる。移動端末の送信タイムスロットの帯域幅が狭いため、比例的に多数の利用可能な周波数が存在する。連続して番号が付与された移動端末のアクセス受信チャネルとタイムスロットの割り当ては次の通りである。
【0012】
帯域幅4dfのダウンリンク・チャネル周波数f1ごとに、帯域幅dfのf2で始まる各ダウンリンク・チャネルの周波数が4つある。上に示したダウンリンク・チャネルf1上の持続時間がdtの16個のタイムスロットには、各アップリンク・チャネル周波数上の4個のタイムスロットとして分配された、持続時間が4dtの対応する16個のアップリンク・タイムスロットがある。この非対称TDMAシステムには、アップリンクおよびダウンリンク上の等しいトラヒックの流れと、アップリンクおよびダウンリンク上の等しい容量とがあり、送受信タイミング図はアップリンク/ダウンリンク・チャネルの対ごとに同じである。
【0013】
本明細書では、移動端末に関連して本発明を説明する。ここで用いられている「移動端末」という用語は、複数行のディスプレーを備えているか備えていない移動通信の無線電話機、移動通信の無線電話機とデータ処理、ファックスおよびデータ通信機能を組み合わせることができるパーソナル通移動信システム(Personal Communications System:PCS)の端末、無線電話機、呼び出し装置、インターネット/イントラネット・アクセス、ウェブ・ブラウザ、オーガナイザー、カレンダーおよび全地球測位システム(GPS)受信器またはそのいずれかを含むことができるPDA、さらには従来のラップトップおよびパームトップまたはそのいずれかの受信器、または無線電話送受信器を含む他の装置を含むことができる。また移動端末のことを、「どこにでもある計算装置(pervasive computing device)」と呼んでもよい。
【0014】
TDMAシステムについて本発明が説明されているが、明らかなように、本発明は他の移動通信システムに用いることができる。。図2は、本発明の一実施例に従って、アップリンクとダウンリンクで等しくないデータ速度を実現させるとともに、アップリンクとダウンリンクの間の全スペクトルを比例的に分割することを示している。異なる周波数が割り当てられた3つのチャネル、Fdown1、Fdown2およびFdown3は、通信網基地局すなわち基地局から移動端末への方向のダウンリンク送信に割り当てられ、各チャネルは8個のタイムスロットt1、t2......t8に分割される。この例では、ダウンリンクとアップリンクの間に3:1の非対称性が存在し、ただ1つのアップリンク・チャネル周波数Fupは、基地局から移動端末への方向のアップリンク送信に割り当てられる。アップリンク・フレームは、24個のタイムスロット、t11−t13,t21−t23、.....t81−t83に分割され、インデックスは、各アップリンク・タイムスロットが対応する8個のダウンリンク・タイムスロットと3個のダウンリンク・チャネルまたは周波数のどれかを示している。アップリンク・タイムスロットはダウンリンク・タイムスロットの持続時間の1/3なので、全チャネルに対して同じタイミングを維持するためには、第3のアップリンク・タイムスロットごとにそれぞれのダウンリンク・チャネル周波数の関連するダウンリンク・タイムスロットと対になり、アップリンク・タイムスロット間の第3のアップリンク・タイムスロットは、同様に他のダウンリンク・チャネル周波数のダウンリンク・タイムスロットと対になる。その上、ダウンリンク・タイムスロットのタイミングは、各種ダウンリンク周波数チャネル間で1個のアップリンク・タイムスロットだけ時間差がつけられ、ダウンリンク/アップリンク・タイムスロットのタイミングを同じ関係に維持する。すべての通信網/移動端末のリンクに同じダウンリンク/アップリンク・タイムスロットのタイミングを与えることの重要性は、パケットが受信されると、あらゆる処理遅延に十分な余裕をもって直ちに肯定応答されうるか否かのようなことにプロトコルを変更することを回避することである。アップリンク・タイムスロットとダウンリンク・タイムスロットの間に変わりやすい遅延が存在していた場合、プロトコルの変更を用いて所望しない処理遅延を見込んでおくために各種リンクが必要とされることがありうる。一方で本発明は、全リンクに対して同じタイミングを維持できるので、必ずしも正確な周波数と割り当てられたタイムスロットに基づいてパケット・プロトコルを適応させるとはかぎらない。
【0015】
図2は、非対称性が3:1ではなく、ダウンリンクとアップリンクの間に3:2という小さい非対称性が存在する場合のアップリンク周波数とタイムスロットの配置方法を示している。この場合、2つのアップリンク周波数、Fup1、Fup2はそれぞれ12個のタイムスロットに分割され、各タイムスロットの持続時間は、3:1の非対称性が存在する上の場合に対してアップリンク・Fupもタイムスロットの持続時間の2倍である。スロット、t11、t12....など、の表示付けは、非対称性が3:2の場合に対するアップリンクのスロットと周波数とダウンリンクのスロットと周波数と対にすることを示している。一般に、N1個のダウンリンク搬送波つまりチャネルとN2個のアップリンク搬送波つまりチャネルとが存在していると、M1・N1=M2・N2となるように、ダウンリンク搬送波ごとに持続時間がM1dtのM1個のダウンリンク・タイムスロットと、アップリンク周波数ごとに持続時間がM2dtのM2個のダウンリンク・タイムスロットとが存在する。
【0016】
図2で示されている本発明の実施例は、ダウンリンクに割り当てられた周波数帯域が、アップリンクに割り当てられた周波数帯域よりも多くのスペクトルを含んでいる場合に用いられうる。しかし、たとえばチャネルFdown3上のタイムスロットt4など、ダウンリンク・タイムスロットのどれかで受信中の移動端末が、たとえばFupのアップリンク・スロットt83の近くの移動端末からの同時送信によって妨害されないように、ダウンリンク周波数帯域とアップリンク周波数帯域の間にガードバンド(guard band)がなければならない。FupとFdown3が離れておらず隣接チャネルである場合、t4で受信中の移動端末と同じセル内でt83で送信中の移動端末は妨害を発生させる。
【0017】
本発明の他の実施例によれば、スペクトルが対称的に割り当て済みであって、非対称割り当てに対する上記要求条件を満たしていない場合、すべてのスペクトルは、フレームの時間周期の第1の部分の間、ダウンリンク送信のために交互に用いられ、フレームの時間周期の第2の部分の間、アップリンク送信のために交互に用いられる。図3は、この実施例の周波数/時間利用図(frequency/time utilization diagram)を示している。従来、対称セルラー・システムのアップリンク方向に用いられていると考えられていた周波数スペクトルは、第1の帯域(BAND 1)と対称なセルラー・システムのダウンリンク方向に用いられていると考えられている第2の帯域(BAND 2)とに分割される。しかし、今後は、これら2つの周波数帯域で得られる容量をアップリンクとダウンリンクのトラヒックの間で等しくなく分割することが望ましい。したがって、この実施例は、帯域1(BAND 1)と帯域2(BAND 2)のそれぞれが、フレーム周期(frame period)の第1の大きい部分の間はダウンリンク送信に用いられ、フレーム周期の第2の小さい部分の間はアップリンク送信に用いられることを考察している。図から判るように、ダウンリンク・フレーム周期はフレームの時間周期の2/3であり、11個のタイムスロットに分割される。アップリンク・フレーム周期はフレームの時間周期の残りの1/3であり、これも11個のタイムスロットに分割されるので、タイムスロットの持続時間は、ダウンリンク・タイムスロットの持続時間の半分である。
【0018】
図3の実施例の欠点は、アップリンク/ダウンリンクの相対的タイミングが全リンクに対して同じになるようにアップリンク・タイムスロットとダウンリンク・タイムスロットを対にできないことである。たとえば、ダウンリンク・タイムスロットtd1とアップリンク・タイムスロットtu1の間の間隔はフレーム周期の2/3であるが、ダウンリンク・タイムスロットtd11とアップリンク・タイムスロットtu11の間の間隔はフレーム周期の1/3である。したがって、ダウンリンク・タイムスロットtd1とアップリンク・タイムスロットtu1が割り当てられた移動端末には、td1で受信したデータを処理してtu1で応答をつくるためにフレームの2/3があり、ダウンリンク・タイムスロットtd11とアップリンク・タイムスロットtu11が割り当てられた移動端末には、受信し、処理して応答するためにフレーム周期の1/3があるのみである。通信網基地局も反対の意味でこれらの違いを経験しており、このような変わりやすい遅延を処理するためにパケット・プロトコルを用いることができるが、効率的にこれを実行できるパケット・プロトコルを設計することは困難である、図4に示すように、この問題は、アップリンク・タイムスロットとダウンリンク・タイムスロットあるいは送信周期をインターリーブすることによって克服される。
【0019】
図4は、各ユニットがアップリンク・タイムスロット時間とダウンリンク・タイムスロット時間を含む11個のユニット(units)にフレーム周期を分割することを示している。いかなる個々のアップリンク・タイムスロットも、対応または関連するダウンリンク・タイムスロットに直ちに追従する必要はない。というのも、そうするためには短時間で受信から送信に移動端末を適応させるときの実際上の難しさがありうるからである。このような困難には、シンセサイザのスイッチング時間、アンテナの切り替え時間および処理速度が有限なことに起因する遅延時間を含めることができる。したがって、本発明のこの実施例は、移動端末1に対応するアップリンク・タイムスロットtu1が、この移動端末のダウンリンク・タイムスロットtd1から5個の時間ユニット離れたダウンリンク・タイムスロットtd6を含む同じ時間ユニットに配置されることを企図する。アップリンク・タイムスロットとダウンリンク・タイムスロットをこの配列にすると、タイムスロットの対(td1,tu1),(td2,tu2)....(td11,tu11)に対応する全リンクの相対的タイミングは、受信と送信の間で約半分のフレーム周期の相対的タイミングと同じである。通信網基地局が移動端末から受信しようとする前に、ダウンリンク・タイムスロットでの基地局自体の送信のレーダー型エコー(radar−type echoes)が終わっていなければならないから、各ダウンリンク・タイムスロットとその直後のアップリンク・タイムスロットの間にガード時間が必要である。このようなレーダー型エコーのため、上で説明した図3の実施例には、同期しているけれども伝搬遅延のために遅れて受信された他の通信網基地局の送信から、通信網基地局が妨害を受けることがあるという欠点が追加される。基地局のアンテナは高所にありアンテナ利得もかなりあるから、基地局は長距離離れているにもかかわらず、他の基地局からの信号を受信することができる。したがって、移動端末の電力とアンテナ利得の間と、対応する基地局電力とアンテナ利得の間に大きな格差のある広範囲な屋外システムの場合、基地局の送信用チャネルの一部分と、本発明の図2の実施例のように基地局の各種受信用チャネルを予約しておくことが望ましい。しかし、同様な基地局の屋内システムと移動端末の電力とアンテナ利得に対しては、この問題点は存在しないかもしれない。したがって、屋外システムの場合、1つの移動端末の送信が同一セル内で受信中の他の移動端末の妨害を受けることを防止するとともに、1つの基地局の送信が他の基地局の受信を妨害することを防止するために異なる解決方法が要求される。また隣接セル間の妨害を防止することも必要である。後者のために、前の米国特許第5,555,257号、第5,594,941号、第5,619,503号、第5,631,604号、第5,812,947号および第5,848,060号の教示を利用することができるが、これらの特許のすべては本出願人に交付されているので、これらの特許の開示内容を本願に明確に組み入れることにする。これらの特許は、同時刻に同一周波数を用いるセル間に少なくとも最小距離が存在することを保証するための周波数再利用計画と時間再利用計画の双方を教示している。前記特許によって教示されている時間再利用は、上述の妨害の問題点を緩和するために利用可能である。
【0020】
図5は、3セクタ・セル(3−sector cells)に基づく3スロット時間再利用計画(3−slot time reuse plan)を示している。セクタ化は、アンテナサイトに要求される土地など(real estate)の大きさを1/3以上減らすため、セルラー・システムで用いられる共通的な手法である。セルの中心にあるアンテナからセルに放射する代わりに、隣接するセル相互の境界線にある共有アンテナによって隣接する3つのセルに放射され、このアンテナには3つのセルに対応する3個の120度指向性パターンがあり、よってこれらのセルはセクタと呼び変えられる。同一サイトの3つのセクタが3つの異なる周波数を用いるが、隣接サイトも同じ3つの周波数を用いる場合、このような周波数計画は1サイト・3セクタ計画(1−site,3−sector plan)と呼ばれる。
【0021】
図5の中で円で囲んで示されているように3つより多くの移動端末へのサービスが発生しうるオーバーラップ領域で、3つの異なる周波数に対応する3つの移動端末だけがサービスを受けることを保証するために、電力制御、コーディングおよび適応型チャネル割り当てを注意深く用いると、セクタ間およびサイト間の妨害を最少にすることができる。サイト間の妨害を最小にする他の手法は、本願に組み入れた上記特許と他の先行技術の中で説明されている。かかる手法には、各アンテナサイトから様々な半径のところに位置している移動端末のためにサブチャネルが用いられる再利用区分(reuse partitioning)とともに、インタースティシャル・セクタ(interstitial sectors)として知られているより多くのセクタの使用が含まれており、そこでは半径距離(radial distance)へのサブチャネル(sub−channels)への関連付けの順番が、規則的なパターン(reqular pattern)に従って隣接サイト間で変えられる。図5の中の、各種周波数チャネルではなく、フレーム周期の各種時間の区分(partition)、t1、t2およびt3は、再利用パターンを形成するために用いられてきた。
【0022】
図6は、一つの移動端末の送信が同一周波数帯域の同一セル内の他の移動端末の受信を妨害することを回避するために、アップリンク・トラヒックとダウンリン・トラヒックに対する非対称周波数割り当てと共に、隣接するセルまたはセクタ間の時間再利用計画を用いる方法を示している。前と同様、第1の帯域1と第2の帯域2のセルラー周波数割り当ては、アップリンクとダウンリンクのトラヒックが対称であると想定して作られていたと仮定する。最大量の非対称トラヒックを収容するためには、ダウンリン・トラヒックのために或る量のアップリンク・スペクトルが用いられる。しかし、アップリンク・スペクトルで受信する移動端末に対するアップリンク・スペクトルで送信中の付近の移動端末からの妨害を回避するため、図6に示すように、従来の周波数再利用計画ではなく、1つのサイトの3つのセクタ間で時間再利用計画が実施される。特に水平の時間的尺度に示されたフレーム周期は、3つの領域、すなわち、(1)フレーム周期の1/3を含み、セクタ3によってアップリンクで用いられ、セクタ1によってダウンリンクで用いられ、さらに3つのダウンリンク・タイムスロットTD1、TD2およびTD3を含む第1の領域、(2)フレーム周期の1/3を含み、セクタ1によってアップリンクで用いられ、セクタ2によってダウンリンクで用いられ、さらに3つのダウンリンク・タイムスロットを含む第2の領域、(3)フレーム周期の1/3を含み、セクタ2によってアップリンクで用いられ、セクタ3によってダウンリンクで用いられ、さらに3つのダウンリンク・タイムスロットを含む第3の領域、に分割される。簡単にするために、周波数スペクトルは、3つのダウンリンク周波数チャネル、Fdown1、Fdown2、Fdown3およびFupに分割されているように縦方向の尺度で示されている。ダウンリンク周波数チャネルFdown1は、従来はスペクトルのアップリンク部分である帯域1の中にある。
【0023】
周波数チャネルFdown1のダウンリンクでタイムスロットTD1を受信するセクタ1の中の移動端末は、アップリンク・チャネルFupのT11で示すアップリンク・タイムスロットで送信するが、ここでアップリンク・タイムスロットT11の複数のインデックスは、それぞれダウンリンク・タイムスロットと、関連するセクタの中の対応する移動端末のダウンリンク周波数とを表す。各セクタの中に3つのダウンリンク周波数チャネルと3つのダウンリンク・タイムスロットがある以上、各セクタの中に9個の同時リンクが存在し、各リンクは対応するアップリンクを必要とする。したがって、アップリンク・チャネルFupのフレーム周期は、各セクタに9個のタイムスロットがある27個のアップリンク・タイムスロットに分割されなければならない。しかし、セクタ1の9個のアップリンク・タイムスロットは、フレーム周期の1/3にシフトされてしまっており、この中でセクタ2の移動端末は受信中であり、セクタ2のアップリンク・タイムスロットはフレーム周期の1/3の中にあり、この中でセクタ3の移動端末は受信中であり、さらにセクタ1の移動端末が受信中の場合、セクタ3のアップリンク・タイムスロットはフレーム周期の1/3の中にある。このように、アップリンク・スペクトルで受信する移動端末は、アップリンク・スペクトルで送信する移動端末とは異なるセクタの中にあることになり、これは妨害を回避するためには十分な空間的分離(spatial separation)である。
【0024】
セクタ1のアップリンク・タイムスロットT11が、T11の対応するダウンリンク・スロットTD1の終わりから約6個のアップリンク・タイムスロットの持続時間だけ離れていることは、図6から判る。他方、チャネルFdown2のダウンリンク・スロットTD1に対応するセクタ1のアップリンク・タイムスロットT12は、T12の対応するダウンリンク・タイムスロットから7個のアップリンク・タイムスロットだけ離れており、セクタ1のタイムスロットT13は、T13の対応するダウンリンク・スロットから8個のタイムスロットだけ離れている。セクタ1のアップリンク・タイムスロットT21は、チャネルFdown1のT21の対応するダウンリンク・スロットTDZの終わりから8個のタイムスロットだけ離れており、残りのアップリンク・タイムスロットに対しても以下同様である。このように、アップリンク・タイムスロットと、そのタイムスロットに対応する前のダウンリンク・スロットの間の6個のアップリンク・タイムスロットと8個のアップリンク・タイムスロットの間の相対的タイミングに小さな変動が存在する。この変動は、図7Aと図7Bに示す周波数対時間ダイヤグラム(frequency−time diagrams)を用いて除去されうる。図7Aにおけるタイムスロットもタイミングは、ダウンリンク・チャネルFdown1、Fdown2、Fdown3の間でアップリンク・タイムスロットの幅づつ連続して時間差がつけられている(successively staggered)。ダウンリンク・タイムスロットTD3は、図6の中ではセクタ1のアップリンク時間領域であった部分にオーバーラップするから、これによって問題が発生する。何故ならば、帯域1のTD3で受信する移動端末は、同じ帯域1で送信中であるとともに、Fupのアップリンク・タイムスロットT11およびT12上の同じセクタで送信中の他の2つの移動端末とオーバーラップするからである。これを回避するため、図7Aのアップリンク・セクタ・タイミングは、図6のアップリンク・セクタ・タイミングと比べて1つ追加されたセクタにシフトされている。代替方法として、ダウンリンク・タイムスロットの時間差をつけること(time−staggering)は図7Bと同じで良く、このことはアップリンク・タイムスロットに対してFdown1のタイムスロットをシフトしない。とは言え、図6と同じアップリンク・セクタ・タイミングを用いると、セクタ1に対するFdown3のダウンリンク・タイムスロットTD3は、セクタ1の(Fupの)アップリンク・タイムスロットT11とT12とをオーバーラップしてしまうが、妨害は発生せず、3つのダウンリンク・タイムスロットのすべてと、セクタに割り当てられた9個のアップリンク・タイムスロットのすべてを用いるデータ速度が速い全2重リンク(high data rate duplex link)をもつ1つの移動端末に割り当てられることを防ぐのである。全セクタの最大容量を1つの移動端末に割り当てる融通性を維持するためには、図6と比べて、アップリンク・セクタのタイムスロットの割当てをシフトすることが望ましく、このようなシフトされたセクタ・タイミングが図7Bに示されている。その上、帯域1と帯域2をカバーする広帯域受信器を備えた移動端末の場合、移動端末が同じセクタで受信中の他の移動端末と同時に任意の周波数で或るセクタで送信することは望ましくないが、図6のセクタ・タイミングが維持されていれば、このことは同じセクタのアップリンク・タイムスロットT11、T12をオーバーラップする。この問題は、図7Bに示されている追加された1−セクタ・アップリンク・タイミング・シフト(one−sector uplink timing shift)で回避される。
【0025】
図7Aまたは図7Bの時間差がつけられたダウンリンク・タイムスロットタを用いると、(TD1/Fdown1,TD1/Fdown2,TD1/Fdown3のような)ダウンリンク・タイムスロットとそれに対応するアップリンク・タイムスロット(T11,T12,T13)は、ダウンリンク・タイムスロットの終わりと対応するアップリンク・タイムスロットの始めとの間の15個のアップリンク・タイムスロット(5個はダウンリンク・スロット)の相対的遅延によってすべて同一である。
【0026】
図7Bによって示されるシステムは本発明の一例の実施例であって、上に説明したとおり、M1・N1=M2・N2となるように、N2個のダウンリンク・タイムスロットとセクタ当たりM2個の周波数チャネルと組み合わされたN1個のダウンリンク・タイムスロットとセクタ当たりM1個の周波数チャネルが存在する場合として一般化することができる。また、たとえば、9個のダウンリンク・スロット(と、それらに対応するアップリンク・スロット)の4タイムスロットがセクタ1に属しており、2タイムスロットだけがセクタ2またはセクタ3に割り当てられていると名前をつけることによって、セクタ間の容量の区分方法(partitioning)を変更することも可能である。無妨害基準(non−interference criteria)を満足する限り、この方法は融通性に富んだ「ソフト容量(soft capacity)」、すなわち、負荷が過小なセクタまたはセルから、負荷が過大なセルで瞬間的に必要とされるセクタまたはセルに容量を移動させる能力を提供する。
【0027】
このように、本発明の教示によれば、従来はアップリンク用であったスペクトルの一部分をダウンリンクの使用に移すことによって、セルラー・システムは非対称トラヒックの流れに対して最適化される。対称トラヒック態様で送信中の移動端末からの妨害が、新しい非対称トラヒック態様で受信中の移動端末を妨害すること、またはその逆が許容されない限り、アップリンク帯域とダウンリンク帯域の一部分はこのように最適化され、他の部分を従来の対称トラヒックに残しておく。
【0028】
本発明の実施例を詳細に説明してきたが、特許請求の範囲で定義されているように、本発明の趣旨と範囲を逸脱することなく、当業者は各種改造や他の実施例を考え出することができる。たとえば、当業者ならば上記教示を用いて、本発明の原理を教示するために上で考察しかつ例示した3セクタ・1サイト計画以外の周波数や時間の再利用パターンをはじめとして、本発明の多くの変形を考え出すことができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】
従来技術による非対称TDMAフォーマットを示す図。
【図2】
本発明の一実施例に従って、アップリンクとダウンリンクの等しくないデータ速度と、周波数スペクトル全量の相応の分割を達成することを示す図。
【図3】
本発明の他の実施例として、周波数対時間利用図を示す図。
【図4】
アップリンクとダウンリンクの送信周期がインターリーブされる本発明の他の実施例を示す図。
【図5】
3セクタ・セルに基づく3スロット時間再利用を示す図。
【図6】
本発明のさらに別の実施例に従って、アップリンク/ダウンリンク送信における非対称周波数割り当てとともに時間再利用を示す図。
【図7A】
本発明の別の実施例に従って、時間再利用、アップリンク/ダウンリンク送信における非対称周波数割り当て、および時間差がつけられたアップリンク/ダウンリンク・チャネルのタイムスロットを示す図。
【図7B】
本発明のさらに別の実施例に従って、時間再利用、アップリンク/ダウンリンク送信における非対称周波数割り当て、および時間差がつけられたアップリンク/ダウンリンク・チャネルのタイムスロットを示す図。
(発明の分野)
本発明は、データを送信するよりも速いデータ速度でデータを受信する移動端末のような無線装置(wireless radio devices)に関する。
【0002】
1996年7月23日に本発明者に交付された米国特許、第5,539,730号「TDMA/FDMA/CDMA複合無線アクセス方法(TDMA/FDMA/CDMA Hybrid Radio Access Methods)」は、音声電話の呼のごとく両方向のトラヒックの流れが1秒当たりビット数で同じ場合、各方向のデータ伝送において異なるチャネル間隔(channel spacing)とタイムスロット持続時間(time slot duration)を用いることができる非対称通信システムを説明している。そこでは、両方向のトラヒックの流れが等しいことは、タイムスロット持続時間とチャネル帯域幅またはデータ速度との積が両方向で同じであることを保証することによって達成される。ここで前記特許第5,539,730号に言及したことにより、この特許の開示内容を本願に明確に組み入れることにする。
【0003】
最近は、インターネット(R)の基幹網を経由するインターネット、e−メールおよびIP電話の利用が増加し、一方では加入者間、他方ではサーバー間の非対称な通信網データの流れ(asymmetrical net flow of data)を示している。一般にサーバは、ハンドヘルド型装置でありうる加入者端末に比較して、大容量の記憶装置と複数の同時入出力機能を備えた高価な大型コンピュータである。移動端末または移動電話機のさらなる発展としての携帯型無線加入者端末の導入により、移動加入者端末と主として固定サーバーとの間の接続に無線インターフェースが用いられ、この無線インターフェースの両方向で非対称な通信網トラヒックの流れ(net traffic flow)がつくり出される。サーバーが加入者端末に対して逆の非対称を呈し、全体としてはトラヒックの流れを対称にしているため、この非対称な通信網トラヒックの流れは固定通信網では明確ではない。この無線コネクションの非対称性は、移動サーバーの相対的な欠如に起因すると見ても良い。何故ならば通信網サーバーは、ハンドヘルド装置ほど携帯性を有しないからである。
【0004】
加入者端末と通信網サーバーとの間の無線インターフェースを経由する非対称な通信網トラヒックの流れが増加する傾向と共に、さもなければ用いられないアップリンクの容量を最大限に用いる必要性が存在する。
【0005】
(発明の要約)
本発明は、動いている加入者の移動端末がインターネットにアクセスできるようにするとともに、無線インターネット・サーバー通信網(wireless Internet server network)が複数の移動端末と通信できるようにすることによって、これらのニーズに応える。一般的に、全体では移動端末が返信として送信するよりも大量のデータを通信網サーバーまたは基地局から受信するが、そのような場合、無線スペクトル(wireless spectrum)のアップリンク・スペクトルとダウンリンク・スペクトルへの分割は、ダウンリンクのデータの流れに対するアップリンクの全データの流れの比率に比例して実行される。
【0006】
本発明の一実施例では、アップリンク・スペクトルとダウンリンク・スペクトルの割り当てられた量が、それぞれのアップリンク方向とダウンリンク方向のそれぞれにおける全データのトラヒックに正比例するように、(移動端末に関連する)ダウンリンク・スペクトルの量は通信網基地局(network station)から移動端末への方向の通信に割り当てられ、アップリンク・スペクトルの量が少ないときは、移動端末から通信網基地局への方向の通信に割り当てられる。
【0007】
本発明の他の例は、アップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルの間の適切な周波数間隔を維持する一方、既に割り当てられたスペクトルが、ダウンリンク帯域と帯域幅が等しくないアップリンク帯域とに分割されるようになっていない場合に用いられうる。このような間隔があけられていないと、受信中の移動端末と同一セル内にいて位置と周波数で隣接している送信中の移動端末は、許容不能な妨害を引き起こすことがある。したがって、この実施例において割り当てられた全スペクトルは、ダウンリンクに対しては繰り返しフレーム周期の第1の部分として用いられ、アップリンクに対してはフレーム周期の第2の部分として用いられ、フレーム周期の第1と第2の部分は、全アップリンク・トラヒックと全ダウンリン・トラヒックの比率の中にある。
【0008】
(発明の詳細な説明)
本発明によれば、移動通信システムで用いられる移動端末を動かすための容量が改善される。この改善は、全体としてダウンリンク・データの流れとアップリンク・データの流れの比率に正比例して、無線スペクトルをアップリンクとダウンリンクに分割することによって達成される。
【0009】
図1は、組み入れた上記特許第5,539,730号による既知の非対称TDMAフォーマットを示しており、この特許では、アップリンクとダウンリンクに等しいトラヒックの流れと等しい容量とが存在する。基地局または通信網基地局は、第1のダウンリンク周波数帯域を用い、タイムスロット1、タイムスロット2およびタイムスロット3で逐次送信する。第1の移動端末1は、オーバーラップしている移動端末1の受信タイムスロットで基地局によって送信されたタイムスロット1を受信してから移動端末1の送信タイムスロットでこの基地局に送信するが、この送信タイムスロットは、移動端末1の受信タイムスロットと同じ時間ではなく、移動端末における送受信2重化濾波器(transmit/receive duplexing filter)の必要性を回避している。移動端末1の送信タイムスロットは、対応する基地局の送信タイムスロット1より比例的に長時間の間、狭い帯域を占有し、2方向、つまりアップリンク方向とダウンリンク方向のトラヒックの流れの速度(rate)が等しい場合は、時間/帯域幅の積が両方向で同じである。
【0010】
基地局の送信タイムスロット2は、もう1つの移動端末2に送信するために用いられ、移動端末2はオーバーラップしている移動端末2の受信タイムスロットで受信してから移動端末2の送信タイムスロットでこの基地局に送信する。移動端末2,移動端末1さらには実に全移動端末が、同じ端末設計を、したがって同じ送受信タイミングを用いるためには、移動端末2の受信/送信タイミングは、移動端末1の受信/送信タイミングの遅延したものである。換言すると、移動端末2の受信/送信タイミングは、基地局の1つの送信タイムスロットの持続時間だけ進められる。移動端末2の受信/送信タイミングは移動端末1の受信/送信タイミングの持続時間よりも短いのであるから、移動端末2の送信タイムスロットが開始するときも移動端末1は送信中である。
【0011】
移動端末1と移動端末2の送信タイムスロットが時間的にオーバーラップするようにするために、これらの端末に各種周波数が割り当てられる。移動端末の送信タイムスロットの帯域幅が狭いため、比例的に多数の利用可能な周波数が存在する。連続して番号が付与された移動端末のアクセス受信チャネルとタイムスロットの割り当ては次の通りである。
【0012】
帯域幅4dfのダウンリンク・チャネル周波数f1ごとに、帯域幅dfのf2で始まる各ダウンリンク・チャネルの周波数が4つある。上に示したダウンリンク・チャネルf1上の持続時間がdtの16個のタイムスロットには、各アップリンク・チャネル周波数上の4個のタイムスロットとして分配された、持続時間が4dtの対応する16個のアップリンク・タイムスロットがある。この非対称TDMAシステムには、アップリンクおよびダウンリンク上の等しいトラヒックの流れと、アップリンクおよびダウンリンク上の等しい容量とがあり、送受信タイミング図はアップリンク/ダウンリンク・チャネルの対ごとに同じである。
【0013】
本明細書では、移動端末に関連して本発明を説明する。ここで用いられている「移動端末」という用語は、複数行のディスプレーを備えているか備えていない移動通信の無線電話機、移動通信の無線電話機とデータ処理、ファックスおよびデータ通信機能を組み合わせることができるパーソナル通移動信システム(Personal Communications System:PCS)の端末、無線電話機、呼び出し装置、インターネット/イントラネット・アクセス、ウェブ・ブラウザ、オーガナイザー、カレンダーおよび全地球測位システム(GPS)受信器またはそのいずれかを含むことができるPDA、さらには従来のラップトップおよびパームトップまたはそのいずれかの受信器、または無線電話送受信器を含む他の装置を含むことができる。また移動端末のことを、「どこにでもある計算装置(pervasive computing device)」と呼んでもよい。
【0014】
TDMAシステムについて本発明が説明されているが、明らかなように、本発明は他の移動通信システムに用いることができる。。図2は、本発明の一実施例に従って、アップリンクとダウンリンクで等しくないデータ速度を実現させるとともに、アップリンクとダウンリンクの間の全スペクトルを比例的に分割することを示している。異なる周波数が割り当てられた3つのチャネル、Fdown1、Fdown2およびFdown3は、通信網基地局すなわち基地局から移動端末への方向のダウンリンク送信に割り当てられ、各チャネルは8個のタイムスロットt1、t2......t8に分割される。この例では、ダウンリンクとアップリンクの間に3:1の非対称性が存在し、ただ1つのアップリンク・チャネル周波数Fupは、基地局から移動端末への方向のアップリンク送信に割り当てられる。アップリンク・フレームは、24個のタイムスロット、t11−t13,t21−t23、.....t81−t83に分割され、インデックスは、各アップリンク・タイムスロットが対応する8個のダウンリンク・タイムスロットと3個のダウンリンク・チャネルまたは周波数のどれかを示している。アップリンク・タイムスロットはダウンリンク・タイムスロットの持続時間の1/3なので、全チャネルに対して同じタイミングを維持するためには、第3のアップリンク・タイムスロットごとにそれぞれのダウンリンク・チャネル周波数の関連するダウンリンク・タイムスロットと対になり、アップリンク・タイムスロット間の第3のアップリンク・タイムスロットは、同様に他のダウンリンク・チャネル周波数のダウンリンク・タイムスロットと対になる。その上、ダウンリンク・タイムスロットのタイミングは、各種ダウンリンク周波数チャネル間で1個のアップリンク・タイムスロットだけ時間差がつけられ、ダウンリンク/アップリンク・タイムスロットのタイミングを同じ関係に維持する。すべての通信網/移動端末のリンクに同じダウンリンク/アップリンク・タイムスロットのタイミングを与えることの重要性は、パケットが受信されると、あらゆる処理遅延に十分な余裕をもって直ちに肯定応答されうるか否かのようなことにプロトコルを変更することを回避することである。アップリンク・タイムスロットとダウンリンク・タイムスロットの間に変わりやすい遅延が存在していた場合、プロトコルの変更を用いて所望しない処理遅延を見込んでおくために各種リンクが必要とされることがありうる。一方で本発明は、全リンクに対して同じタイミングを維持できるので、必ずしも正確な周波数と割り当てられたタイムスロットに基づいてパケット・プロトコルを適応させるとはかぎらない。
【0015】
図2は、非対称性が3:1ではなく、ダウンリンクとアップリンクの間に3:2という小さい非対称性が存在する場合のアップリンク周波数とタイムスロットの配置方法を示している。この場合、2つのアップリンク周波数、Fup1、Fup2はそれぞれ12個のタイムスロットに分割され、各タイムスロットの持続時間は、3:1の非対称性が存在する上の場合に対してアップリンク・Fupもタイムスロットの持続時間の2倍である。スロット、t11、t12....など、の表示付けは、非対称性が3:2の場合に対するアップリンクのスロットと周波数とダウンリンクのスロットと周波数と対にすることを示している。一般に、N1個のダウンリンク搬送波つまりチャネルとN2個のアップリンク搬送波つまりチャネルとが存在していると、M1・N1=M2・N2となるように、ダウンリンク搬送波ごとに持続時間がM1dtのM1個のダウンリンク・タイムスロットと、アップリンク周波数ごとに持続時間がM2dtのM2個のダウンリンク・タイムスロットとが存在する。
【0016】
図2で示されている本発明の実施例は、ダウンリンクに割り当てられた周波数帯域が、アップリンクに割り当てられた周波数帯域よりも多くのスペクトルを含んでいる場合に用いられうる。しかし、たとえばチャネルFdown3上のタイムスロットt4など、ダウンリンク・タイムスロットのどれかで受信中の移動端末が、たとえばFupのアップリンク・スロットt83の近くの移動端末からの同時送信によって妨害されないように、ダウンリンク周波数帯域とアップリンク周波数帯域の間にガードバンド(guard band)がなければならない。FupとFdown3が離れておらず隣接チャネルである場合、t4で受信中の移動端末と同じセル内でt83で送信中の移動端末は妨害を発生させる。
【0017】
本発明の他の実施例によれば、スペクトルが対称的に割り当て済みであって、非対称割り当てに対する上記要求条件を満たしていない場合、すべてのスペクトルは、フレームの時間周期の第1の部分の間、ダウンリンク送信のために交互に用いられ、フレームの時間周期の第2の部分の間、アップリンク送信のために交互に用いられる。図3は、この実施例の周波数/時間利用図(frequency/time utilization diagram)を示している。従来、対称セルラー・システムのアップリンク方向に用いられていると考えられていた周波数スペクトルは、第1の帯域(BAND 1)と対称なセルラー・システムのダウンリンク方向に用いられていると考えられている第2の帯域(BAND 2)とに分割される。しかし、今後は、これら2つの周波数帯域で得られる容量をアップリンクとダウンリンクのトラヒックの間で等しくなく分割することが望ましい。したがって、この実施例は、帯域1(BAND 1)と帯域2(BAND 2)のそれぞれが、フレーム周期(frame period)の第1の大きい部分の間はダウンリンク送信に用いられ、フレーム周期の第2の小さい部分の間はアップリンク送信に用いられることを考察している。図から判るように、ダウンリンク・フレーム周期はフレームの時間周期の2/3であり、11個のタイムスロットに分割される。アップリンク・フレーム周期はフレームの時間周期の残りの1/3であり、これも11個のタイムスロットに分割されるので、タイムスロットの持続時間は、ダウンリンク・タイムスロットの持続時間の半分である。
【0018】
図3の実施例の欠点は、アップリンク/ダウンリンクの相対的タイミングが全リンクに対して同じになるようにアップリンク・タイムスロットとダウンリンク・タイムスロットを対にできないことである。たとえば、ダウンリンク・タイムスロットtd1とアップリンク・タイムスロットtu1の間の間隔はフレーム周期の2/3であるが、ダウンリンク・タイムスロットtd11とアップリンク・タイムスロットtu11の間の間隔はフレーム周期の1/3である。したがって、ダウンリンク・タイムスロットtd1とアップリンク・タイムスロットtu1が割り当てられた移動端末には、td1で受信したデータを処理してtu1で応答をつくるためにフレームの2/3があり、ダウンリンク・タイムスロットtd11とアップリンク・タイムスロットtu11が割り当てられた移動端末には、受信し、処理して応答するためにフレーム周期の1/3があるのみである。通信網基地局も反対の意味でこれらの違いを経験しており、このような変わりやすい遅延を処理するためにパケット・プロトコルを用いることができるが、効率的にこれを実行できるパケット・プロトコルを設計することは困難である、図4に示すように、この問題は、アップリンク・タイムスロットとダウンリンク・タイムスロットあるいは送信周期をインターリーブすることによって克服される。
【0019】
図4は、各ユニットがアップリンク・タイムスロット時間とダウンリンク・タイムスロット時間を含む11個のユニット(units)にフレーム周期を分割することを示している。いかなる個々のアップリンク・タイムスロットも、対応または関連するダウンリンク・タイムスロットに直ちに追従する必要はない。というのも、そうするためには短時間で受信から送信に移動端末を適応させるときの実際上の難しさがありうるからである。このような困難には、シンセサイザのスイッチング時間、アンテナの切り替え時間および処理速度が有限なことに起因する遅延時間を含めることができる。したがって、本発明のこの実施例は、移動端末1に対応するアップリンク・タイムスロットtu1が、この移動端末のダウンリンク・タイムスロットtd1から5個の時間ユニット離れたダウンリンク・タイムスロットtd6を含む同じ時間ユニットに配置されることを企図する。アップリンク・タイムスロットとダウンリンク・タイムスロットをこの配列にすると、タイムスロットの対(td1,tu1),(td2,tu2)....(td11,tu11)に対応する全リンクの相対的タイミングは、受信と送信の間で約半分のフレーム周期の相対的タイミングと同じである。通信網基地局が移動端末から受信しようとする前に、ダウンリンク・タイムスロットでの基地局自体の送信のレーダー型エコー(radar−type echoes)が終わっていなければならないから、各ダウンリンク・タイムスロットとその直後のアップリンク・タイムスロットの間にガード時間が必要である。このようなレーダー型エコーのため、上で説明した図3の実施例には、同期しているけれども伝搬遅延のために遅れて受信された他の通信網基地局の送信から、通信網基地局が妨害を受けることがあるという欠点が追加される。基地局のアンテナは高所にありアンテナ利得もかなりあるから、基地局は長距離離れているにもかかわらず、他の基地局からの信号を受信することができる。したがって、移動端末の電力とアンテナ利得の間と、対応する基地局電力とアンテナ利得の間に大きな格差のある広範囲な屋外システムの場合、基地局の送信用チャネルの一部分と、本発明の図2の実施例のように基地局の各種受信用チャネルを予約しておくことが望ましい。しかし、同様な基地局の屋内システムと移動端末の電力とアンテナ利得に対しては、この問題点は存在しないかもしれない。したがって、屋外システムの場合、1つの移動端末の送信が同一セル内で受信中の他の移動端末の妨害を受けることを防止するとともに、1つの基地局の送信が他の基地局の受信を妨害することを防止するために異なる解決方法が要求される。また隣接セル間の妨害を防止することも必要である。後者のために、前の米国特許第5,555,257号、第5,594,941号、第5,619,503号、第5,631,604号、第5,812,947号および第5,848,060号の教示を利用することができるが、これらの特許のすべては本出願人に交付されているので、これらの特許の開示内容を本願に明確に組み入れることにする。これらの特許は、同時刻に同一周波数を用いるセル間に少なくとも最小距離が存在することを保証するための周波数再利用計画と時間再利用計画の双方を教示している。前記特許によって教示されている時間再利用は、上述の妨害の問題点を緩和するために利用可能である。
【0020】
図5は、3セクタ・セル(3−sector cells)に基づく3スロット時間再利用計画(3−slot time reuse plan)を示している。セクタ化は、アンテナサイトに要求される土地など(real estate)の大きさを1/3以上減らすため、セルラー・システムで用いられる共通的な手法である。セルの中心にあるアンテナからセルに放射する代わりに、隣接するセル相互の境界線にある共有アンテナによって隣接する3つのセルに放射され、このアンテナには3つのセルに対応する3個の120度指向性パターンがあり、よってこれらのセルはセクタと呼び変えられる。同一サイトの3つのセクタが3つの異なる周波数を用いるが、隣接サイトも同じ3つの周波数を用いる場合、このような周波数計画は1サイト・3セクタ計画(1−site,3−sector plan)と呼ばれる。
【0021】
図5の中で円で囲んで示されているように3つより多くの移動端末へのサービスが発生しうるオーバーラップ領域で、3つの異なる周波数に対応する3つの移動端末だけがサービスを受けることを保証するために、電力制御、コーディングおよび適応型チャネル割り当てを注意深く用いると、セクタ間およびサイト間の妨害を最少にすることができる。サイト間の妨害を最小にする他の手法は、本願に組み入れた上記特許と他の先行技術の中で説明されている。かかる手法には、各アンテナサイトから様々な半径のところに位置している移動端末のためにサブチャネルが用いられる再利用区分(reuse partitioning)とともに、インタースティシャル・セクタ(interstitial sectors)として知られているより多くのセクタの使用が含まれており、そこでは半径距離(radial distance)へのサブチャネル(sub−channels)への関連付けの順番が、規則的なパターン(reqular pattern)に従って隣接サイト間で変えられる。図5の中の、各種周波数チャネルではなく、フレーム周期の各種時間の区分(partition)、t1、t2およびt3は、再利用パターンを形成するために用いられてきた。
【0022】
図6は、一つの移動端末の送信が同一周波数帯域の同一セル内の他の移動端末の受信を妨害することを回避するために、アップリンク・トラヒックとダウンリン・トラヒックに対する非対称周波数割り当てと共に、隣接するセルまたはセクタ間の時間再利用計画を用いる方法を示している。前と同様、第1の帯域1と第2の帯域2のセルラー周波数割り当ては、アップリンクとダウンリンクのトラヒックが対称であると想定して作られていたと仮定する。最大量の非対称トラヒックを収容するためには、ダウンリン・トラヒックのために或る量のアップリンク・スペクトルが用いられる。しかし、アップリンク・スペクトルで受信する移動端末に対するアップリンク・スペクトルで送信中の付近の移動端末からの妨害を回避するため、図6に示すように、従来の周波数再利用計画ではなく、1つのサイトの3つのセクタ間で時間再利用計画が実施される。特に水平の時間的尺度に示されたフレーム周期は、3つの領域、すなわち、(1)フレーム周期の1/3を含み、セクタ3によってアップリンクで用いられ、セクタ1によってダウンリンクで用いられ、さらに3つのダウンリンク・タイムスロットTD1、TD2およびTD3を含む第1の領域、(2)フレーム周期の1/3を含み、セクタ1によってアップリンクで用いられ、セクタ2によってダウンリンクで用いられ、さらに3つのダウンリンク・タイムスロットを含む第2の領域、(3)フレーム周期の1/3を含み、セクタ2によってアップリンクで用いられ、セクタ3によってダウンリンクで用いられ、さらに3つのダウンリンク・タイムスロットを含む第3の領域、に分割される。簡単にするために、周波数スペクトルは、3つのダウンリンク周波数チャネル、Fdown1、Fdown2、Fdown3およびFupに分割されているように縦方向の尺度で示されている。ダウンリンク周波数チャネルFdown1は、従来はスペクトルのアップリンク部分である帯域1の中にある。
【0023】
周波数チャネルFdown1のダウンリンクでタイムスロットTD1を受信するセクタ1の中の移動端末は、アップリンク・チャネルFupのT11で示すアップリンク・タイムスロットで送信するが、ここでアップリンク・タイムスロットT11の複数のインデックスは、それぞれダウンリンク・タイムスロットと、関連するセクタの中の対応する移動端末のダウンリンク周波数とを表す。各セクタの中に3つのダウンリンク周波数チャネルと3つのダウンリンク・タイムスロットがある以上、各セクタの中に9個の同時リンクが存在し、各リンクは対応するアップリンクを必要とする。したがって、アップリンク・チャネルFupのフレーム周期は、各セクタに9個のタイムスロットがある27個のアップリンク・タイムスロットに分割されなければならない。しかし、セクタ1の9個のアップリンク・タイムスロットは、フレーム周期の1/3にシフトされてしまっており、この中でセクタ2の移動端末は受信中であり、セクタ2のアップリンク・タイムスロットはフレーム周期の1/3の中にあり、この中でセクタ3の移動端末は受信中であり、さらにセクタ1の移動端末が受信中の場合、セクタ3のアップリンク・タイムスロットはフレーム周期の1/3の中にある。このように、アップリンク・スペクトルで受信する移動端末は、アップリンク・スペクトルで送信する移動端末とは異なるセクタの中にあることになり、これは妨害を回避するためには十分な空間的分離(spatial separation)である。
【0024】
セクタ1のアップリンク・タイムスロットT11が、T11の対応するダウンリンク・スロットTD1の終わりから約6個のアップリンク・タイムスロットの持続時間だけ離れていることは、図6から判る。他方、チャネルFdown2のダウンリンク・スロットTD1に対応するセクタ1のアップリンク・タイムスロットT12は、T12の対応するダウンリンク・タイムスロットから7個のアップリンク・タイムスロットだけ離れており、セクタ1のタイムスロットT13は、T13の対応するダウンリンク・スロットから8個のタイムスロットだけ離れている。セクタ1のアップリンク・タイムスロットT21は、チャネルFdown1のT21の対応するダウンリンク・スロットTDZの終わりから8個のタイムスロットだけ離れており、残りのアップリンク・タイムスロットに対しても以下同様である。このように、アップリンク・タイムスロットと、そのタイムスロットに対応する前のダウンリンク・スロットの間の6個のアップリンク・タイムスロットと8個のアップリンク・タイムスロットの間の相対的タイミングに小さな変動が存在する。この変動は、図7Aと図7Bに示す周波数対時間ダイヤグラム(frequency−time diagrams)を用いて除去されうる。図7Aにおけるタイムスロットもタイミングは、ダウンリンク・チャネルFdown1、Fdown2、Fdown3の間でアップリンク・タイムスロットの幅づつ連続して時間差がつけられている(successively staggered)。ダウンリンク・タイムスロットTD3は、図6の中ではセクタ1のアップリンク時間領域であった部分にオーバーラップするから、これによって問題が発生する。何故ならば、帯域1のTD3で受信する移動端末は、同じ帯域1で送信中であるとともに、Fupのアップリンク・タイムスロットT11およびT12上の同じセクタで送信中の他の2つの移動端末とオーバーラップするからである。これを回避するため、図7Aのアップリンク・セクタ・タイミングは、図6のアップリンク・セクタ・タイミングと比べて1つ追加されたセクタにシフトされている。代替方法として、ダウンリンク・タイムスロットの時間差をつけること(time−staggering)は図7Bと同じで良く、このことはアップリンク・タイムスロットに対してFdown1のタイムスロットをシフトしない。とは言え、図6と同じアップリンク・セクタ・タイミングを用いると、セクタ1に対するFdown3のダウンリンク・タイムスロットTD3は、セクタ1の(Fupの)アップリンク・タイムスロットT11とT12とをオーバーラップしてしまうが、妨害は発生せず、3つのダウンリンク・タイムスロットのすべてと、セクタに割り当てられた9個のアップリンク・タイムスロットのすべてを用いるデータ速度が速い全2重リンク(high data rate duplex link)をもつ1つの移動端末に割り当てられることを防ぐのである。全セクタの最大容量を1つの移動端末に割り当てる融通性を維持するためには、図6と比べて、アップリンク・セクタのタイムスロットの割当てをシフトすることが望ましく、このようなシフトされたセクタ・タイミングが図7Bに示されている。その上、帯域1と帯域2をカバーする広帯域受信器を備えた移動端末の場合、移動端末が同じセクタで受信中の他の移動端末と同時に任意の周波数で或るセクタで送信することは望ましくないが、図6のセクタ・タイミングが維持されていれば、このことは同じセクタのアップリンク・タイムスロットT11、T12をオーバーラップする。この問題は、図7Bに示されている追加された1−セクタ・アップリンク・タイミング・シフト(one−sector uplink timing shift)で回避される。
【0025】
図7Aまたは図7Bの時間差がつけられたダウンリンク・タイムスロットタを用いると、(TD1/Fdown1,TD1/Fdown2,TD1/Fdown3のような)ダウンリンク・タイムスロットとそれに対応するアップリンク・タイムスロット(T11,T12,T13)は、ダウンリンク・タイムスロットの終わりと対応するアップリンク・タイムスロットの始めとの間の15個のアップリンク・タイムスロット(5個はダウンリンク・スロット)の相対的遅延によってすべて同一である。
【0026】
図7Bによって示されるシステムは本発明の一例の実施例であって、上に説明したとおり、M1・N1=M2・N2となるように、N2個のダウンリンク・タイムスロットとセクタ当たりM2個の周波数チャネルと組み合わされたN1個のダウンリンク・タイムスロットとセクタ当たりM1個の周波数チャネルが存在する場合として一般化することができる。また、たとえば、9個のダウンリンク・スロット(と、それらに対応するアップリンク・スロット)の4タイムスロットがセクタ1に属しており、2タイムスロットだけがセクタ2またはセクタ3に割り当てられていると名前をつけることによって、セクタ間の容量の区分方法(partitioning)を変更することも可能である。無妨害基準(non−interference criteria)を満足する限り、この方法は融通性に富んだ「ソフト容量(soft capacity)」、すなわち、負荷が過小なセクタまたはセルから、負荷が過大なセルで瞬間的に必要とされるセクタまたはセルに容量を移動させる能力を提供する。
【0027】
このように、本発明の教示によれば、従来はアップリンク用であったスペクトルの一部分をダウンリンクの使用に移すことによって、セルラー・システムは非対称トラヒックの流れに対して最適化される。対称トラヒック態様で送信中の移動端末からの妨害が、新しい非対称トラヒック態様で受信中の移動端末を妨害すること、またはその逆が許容されない限り、アップリンク帯域とダウンリンク帯域の一部分はこのように最適化され、他の部分を従来の対称トラヒックに残しておく。
【0028】
本発明の実施例を詳細に説明してきたが、特許請求の範囲で定義されているように、本発明の趣旨と範囲を逸脱することなく、当業者は各種改造や他の実施例を考え出することができる。たとえば、当業者ならば上記教示を用いて、本発明の原理を教示するために上で考察しかつ例示した3セクタ・1サイト計画以外の周波数や時間の再利用パターンをはじめとして、本発明の多くの変形を考え出すことができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】
従来技術による非対称TDMAフォーマットを示す図。
【図2】
本発明の一実施例に従って、アップリンクとダウンリンクの等しくないデータ速度と、周波数スペクトル全量の相応の分割を達成することを示す図。
【図3】
本発明の他の実施例として、周波数対時間利用図を示す図。
【図4】
アップリンクとダウンリンクの送信周期がインターリーブされる本発明の他の実施例を示す図。
【図5】
3セクタ・セルに基づく3スロット時間再利用を示す図。
【図6】
本発明のさらに別の実施例に従って、アップリンク/ダウンリンク送信における非対称周波数割り当てとともに時間再利用を示す図。
【図7A】
本発明の別の実施例に従って、時間再利用、アップリンク/ダウンリンク送信における非対称周波数割り当て、および時間差がつけられたアップリンク/ダウンリンク・チャネルのタイムスロットを示す図。
【図7B】
本発明のさらに別の実施例に従って、時間再利用、アップリンク/ダウンリンク送信における非対称周波数割り当て、および時間差がつけられたアップリンク/ダウンリンク・チャネルのタイムスロットを示す図。
Claims (57)
- システムの容量を改善して非対称トラヒックの流れを処理するように移動通信システムを適応させる方法であって、
両方向における情報送信の比率が類似の場合、通信網基地局から移動端末への方向で情報を送信するための第1の周波数帯域のチャネルと、移動端末から通信網基地局への方向で情報を送信するために2の周波数帯域のチャネルを用い、
アップリンク方向およびダウンリンク方向のトラヒックの流れが全体として対称な場合は、通信網基地局から移動端末へのダウンリンク送信用無線スペクトルの第1の周波数帯域と、移動端末から通信網基地局へのアップリンク送信用無線スペクトルの第2の周波数帯域を用い、
前記二方向における情報送信の比率が類似でない場合、通信網基地局から移動端末への方向で情報を送信するために前記第2の周波数帯域の他のチャネルを用いる、
ことを含む前記方法。 - 移動システムの容量を改善して非対称トラヒックの流れを処理する方法であって、
通信網基地局から移動端末に情報を送信するための第1の数N1個のチャネルと、移動端末から通信網基地局に情報を送信するための第2の数N2個のチャネルを割り当て、前記第2の数のチャネルと前記第1の数のチャネルの比率は、前記各方向で送信される情報量の比率によって決定され、
M1・N1=M2・N2となるように、繰り返しフレーム周期を前記第1の数のチャネルの第1の数M1個のタイムスロットと、前記第2の数のチャネルの第2の数M2個のタイムスロットに分割し、
通信網基地局から移動端末に情報を送信するため、前記第1の数のチャネルの関連する1チャネルと前記チャネルの第1の数のタイムスロットの1タイムスロットを各移動端末に割り当て、移動端末から前記通信網基地局に情報を送信するため、前記第2の数のチャネルの対応する1チャネルと前記チャネルの前記第2の数のタイムスロットの1タイムスロットを各移動端末に割り当てる、
ことを含む前記方法。 - 請求項2に記載の方法において、前記第1の数のタイムスロットの各タイムスロットは、前記第2の数のタイムスロットの対応する1タイムスロットから一定時間だけ間隔があけられている前記方法。
- 請求項2に記載の方法において、前記第1の数のチャネルの各種チャネルの前記第1の数のタイムスロットは、所定の時間オフセットづつ相対的に時間差がつけられた(staggered)タイミングを有する前記方法。
- 請求項4に記載の方法において、前記第2の数のチャネルの各種チャネルの前記第2の数のタイムスロットは、所定の同じ時間オフセットづつ相対的に時間差がつけられたタイミングを有する前記方法。
- 移動システムの容量を改善して非対称トラヒックの流れを処理する方法であって、
全体としてトラヒックの流れが対称な場合は、通信網基地局から移動端末に送信するために第1の周波数帯域を用い、移動端末から通信網基地局に送信するために第2の周波数帯域を用い、
トラヒックの流れが非対称な場合は、通信網基地局から移動端末への方向の送信に用いられる時間の第1の部分と、移動端末から通信網基地局への方向の送信に用いられる時間の第2の部分とに、前記周波数帯域の各フレーム周期を分割する、
ことを含み、
前記時間の第1と第2の部分は、各方向の前記トラヒックの流れの比率の中にある前記方法。 - 請求項6に記載の方法であって、前記時間の第1の部分において前記第2の周波数帯域を用い、前記通信網基地局の少なくとも1つから前記移動端末の少なくとも1端末にトラヒックを送信することをさらに含む前記方法。
- 請求項6に記載の方法であって、前記時間の第1の部分をいくつかのタイムスロットに分割し、前記時間の第2の部分を同数のタイムスロットに分割して、前記時間の第1の部分の関連するタイムスロットと前記時間の第2の部分の対応するタイムスロットを各移動端末に割り当てることをさらに含む前記方法。
- 請求項8に記載の方法において、前記時間の第2の部分の前記タイムスロットは、連続した(contiguous)タイムスロットである前記方法。
- 請求項8に記載の方法において、前記時間の第1の部分の前記タイムスロットは、連続したタイムスロットである前記方法
- 請求項8に記載の方法において、前記時間の第2の部分の各タイムスロットは、前記時間の第1の部分の2個のタイムスロットの間にある前記方法。
- 移動システムを対称および非対称トラヒックの流れの間に適応させる方法であって、
トラヒックの流れが対称な場合は、通信網基地局から移動端末への送信のために第1の周波数帯域を用い、移動端末から通信網基地局への送信のために第2の周波数帯域を用い、
トラヒックの流れが非対称な場合は、前記第1と第2の周波数帯域を一緒にして、通信網基地局から移動端末に情報を送信する第1の数N1個の周波数チャネルと、移動端末から通信網基地局に情報を送信する第2の数N2個の周波数チャネルに分割する、
ことを含み、
前記第1と第2の数は、各方向で送信される情報量に比例した比率の中にある前記方法。 - 請求項12に記載の方法であって、M1・N1=M2・N2となるように、繰り返しフレーム周期を前記第1の数N1個のチャネルの第1の数M1個のタイムスロットと、前記第2の数N2個のチャネルの第2の数M2個のタイムスロットに分割することをさらに含む前記方法。
- 請求項13に記載の方法であって、通信網基地局から移動端末に情報を送信するため、前記第1の数のチャネルの関連する1チャネルと前記チャネルの第1の数のタイムスロットの1スロットを各移動端末に割り当て、移動端末から通信網基地局に情報を送信するため、前記第2の数のチャネルの対応する1チャネルと前記チャネルの前記第2の数のタイムスロットの1スロットを各移動端末に割り当てることをさらに含む前記方法。
- 請求項14に記載の方法において、前記第1の数のタイムスロットの各1スロットは、前記第2の数のタイムスロットの前記対応する1スロットから一定時間だけ間隔があけられている前記方法。
- 請求項15に記載の方法において、前記第1の数のチャネルの各種チャネルの前記第1の数のタイムスロットは、所定の時間オフセットづつ相対的に時間差がつけられたタイミングを有する前記方法。
- 請求項16に記載の方法において、前記第2の数のチャネルの各種チャネルの前記第2の数のタイムスロットは、所定の同じ時間オフセットづつ相対的に時間差がつけられたタイミングを有する前記方法。
- 請求項12に記載の方法であって、隣接する各種地理的範囲における送信に用いられる時間の各種部分に繰り返しフレーム周期を分割し、前記第1と第2の数のチャネルの個別部分を前記フレーム周期の前記時間の部分の関連する部分に割り当てて、隣接する地理的範囲間の妨害を回避することを含む前記方法。
- 請求項18に記載の方法において、移動端末から通信網基地局への方向の送信は、前記地理的範囲の異なる1つの範囲において通信網基地局から移動端末への方向の送信に用いられる前記時間の部分で、前記隣接地理的範囲のどれか1つの中で発生する前記方法。
- 請求項18に記載の方法において、移動端末から通信網基地局への方向の送信のために用いられる前記時間の複数の部分は、前記通信網基地局から移動端末への方向の送信のために用いられる前記時間の複数の部分に対して時間差がつけられている前記方法。
- 請求項18に記載の方法において、前記地理的範囲は、セクタ化された通信網基地局の指向性アンテナによってサービスを受けるアンギュラー・セクタ(angular sectors)である前記方法。
- 請求項21に記載の方法において、前記時間の各種部分は等しくないととともに、各セクタのトラヒックの負荷に比例している前記方法。
- 非対称トラヒックの流れが発生すると、システムの容量を増加するように移動通信システムを適応させる方法であって、
アップリンク方向とダウンリンク方向で送信される情報量が類似の場合は、通信網基地局から移動端末へのダウンリンク方向の送信情報に無線スペクトルの第1の周波数帯域のチャネルを用い、前記移動端末から前記通信網基地局へのアップリンク方向の送信情報に前記無線スペクトルの第2の周波数帯域のチャネルを用い、
前記アップリンク方向と前記ダウンリンク方向で送信される前記情報量が非対称である場合は、繰り返しフレームの時間周期の第1の部分の間は、前記通信網基地局から前記移動端末への情報のダウンリンク送信のためだけと、前記フレームの前記時間周期の第2の部分の間は、前記移動端末から前記通信網基地局への情報のアップリンク送信のためだけとに無線スペクトルを交互に用いる、
ことを含む前記方法。 - 請求項23に記載の方法において、フレームの時間周期の第1の部分から前記フレームの前記時間周期の第2の部分までの前記持続時間は、前記ダウンリンク方向と前記アップリンク方向でそれぞれ送信される情報量の比率に関連している前記方法。
- 請求項23に記載の方法であって、情報の前記ダウンリンク送信とアップリンク送信のために前記第1の周波数帯域と前記第2の周波数帯域のそれぞれを同時に用いることを含む前記方法。
- 請求項23に記載の方法であって、アップリンク送信とダウンリンク送信のために前記第1の周波数帯域を用いて、いくつかの前記移動端末にサービスを提供し、アップリンク送信とダウンリンク送信のために前記第2の周波数帯域を用いて前記残りの移動端末にサービスを提供することを含む前記方法。
- 請求項24に記載の方法であって、前記通信網基地局から前記移動端末の関連する移動端末への情報のダウンリンク送信のため、前記フレームの時間周期の前記第1の部分を持続時間が等しいM1個のダウンリンク・タイムスロットに分割することを含む方法において、M1とM2は等しく、前記アップリンク・タイムスロットの持続時間に対する前記ダウンリンク・タイムスロットの持続時間は、それぞれダウンリンク方向とアップリンク方向で送信されるトラヒック量の比率に関連する前記方法。
- 請求項27に記載の方法であって、前記ダウンリンク・タイムスロットのすべてを各フレームで一緒に発生させ、次に前記アップリンク・タイムスロットのすべてを各フレームで一緒に発生させることを含む前記方法。
- 請求項27に記載の方法であって、ダウンリンク・タイムスロットとアップリンク・タイムスロットが連続して発生し、ダウンリンク・タイムスロット持続時間とアップリンク・タイムスロットの持続時間の和に等しい一定持続時間の時間ユニットを形成するように、前記ダウンリンク・タイムスロットと前記アップリンク・タイムスロットを前記フレームで交互に発生させることを含む前記方法。
- 請求項29に記載の方法であって、所定の通信網基地局/移動端末リンクのためにアップリンク/ダウンリンク・タイムスロットの対を形成するとともに、各リンクのために同じアップリンク/ダウンリンク・タイムスロットの相対的タイミングを維持するように、前記第1の時間ユニットから一定数の時間ユニットだけ間隔があけれた第2の時間ユニットの前記アップリンク・タイムスロットと、第1の時間ユニットの前記ダウンリンク・タイムスロットを対にすることを含む前記方法。
- セルラー・システムによって用いられる無線スペクトルで非対称トラヒックの流れが発生すると、システムの容量を増加するように前記セルラー・システムを動作させる方法であって、前記非対称トラヒックの流れは、通信網基地局から移動端末へのダウンリンク方向で送信される情報量が、移動端末から通信網基地局へのアップリンク方向で送信されるよりも大きい場合に発生する方法において、
非対称トラヒックの流れが発生すると、ダウンリン・トラヒックによって用いられる前記無線スペクトルの、アップリンク・トラヒックによるよりも大きい部分を割り当てる、
ことを含む前記方法。 - 請求項31に記載の方法において、ダウンリン・トラヒックによって用いられる前記無線スペクトルの、アップリンク・トラヒックによるよりも大きい部分を割り当てることは、前記無線スペクトルを通信網基地局から移動端末への前記ダウンリンク方向で情報を送信する第1の数N1個の周波数チャネルと、移動端末から通信網基地局へのアップリンク方向で情報を送信する第2の数N2個の周波数チャネルとに区分する、ことを含み、前記第1と第2の数、N1個とN2個のチャネルの前記比率は、それぞれダウンリンク方向とアップリンク方向で送信される前記情報量の前記比率によって決定される前記方法。
- 請求項32に記載の方法であって、
M1・N1=MZ・N2となるように、前記第1と第2の数、N1とN2個のチャネルごとの繰り返しフレームを、前記第1の数N1個のチャネルの第1の数M1個のダウンリンク・タイムスロットと、前記第2の数N2個のチャネルの第2の数M2個のアップリンク・タイムスロットに分割し、
前記移動端末の各1端末に、前記第1の数N1個のチャネルの関連する1チャネルと、前記通信網基地局の1つから前記移動端末に情報を送信する前記チャネルの前記ダウンリンク・タイムスロットの1スロットを割り当て、さらに前記移動端末の各1端末に、前記第2の数N2個のチャネルの対応する1チャネルと、前記移動端末から前記1つの通信網基地局に情報を送信する前記チャネルの前記アップリンク・タイムスロットの1タイムスロットとを割り当てる、
ことを含む前記方法。 - 請求項33に記載の方法において、前記第1の数M1個のダウンリンク・タイムスロットの各タイムスロットは、前記第2の数M2個のアップリンク・タイムスロットの対応する1個のタイムスロットから、一定時間だけ間隔があけられている前記方法。
- 請求項33に記載の方法において、前記第1の数N1個のチャネルのそれぞれの前記ダウンリンク・タイムスロットは、前記第1の数の前記他のチャネルのそれぞれの前記ダウンリンク・タイムスロットを基準として、所定の時間オフセットづつ相対的に時間差がつけられた(staggered)タイミングを有する前記方法。
- 請求項35に記載の方法において、前記複数の第2の数N2個のチャネルのそれぞれの前記アップリンク・タイムスロットは、同じ所定の時間オフセットづつ相対的に時間差がつけられている前記方法。
- セルラー・システムによる送信に用いられる無線スペクトルで非対称トラヒックの流れが発生すると、前記システムの容量を増加するように前記セルラー・システムを動作させる方法であって、
アップリンク方向およびダウンリンク方向のトラヒックの流れが全体として対称な場合は、通信網基地局から移動端末へのダウンリンク送信に無線スペクトルの第1の周波数帯域を用い、移動端末から通信網基地局へのアップリンク送信に無線スペクトルの第2の周波数帯域を用い、
移動端末から通信網基地局へのアップリンク方向よりも大量の情報が通信網基地局から移動端末へのダウンリンク方向で送信される結果として非対称トラヒックの流れが発生すると、通信網基地局から移動端末へのダウンリンク送信に前記無線スペクトルの第2の周波数帯域の一部分を割り当てる、
ことを含む前記方法。 - 移動端末から通信網基地局へのアップリンク方向よりも大量の情報が通信網基地局から移動端末へのダウンリンク方向で送信される結果として、セルラー・システムによって用いられる無線スペクトルで非対称トラヒックの流れが発生すると、システムの容量を増加するようにセルラー・システムを動作させる方法であって、
アップリンク方向およびダウンリンク方向のトラヒックの流れが全体として対称な場合は、通信網基地局から移動端末へのダウンリンク送信用無線スペクトルの第1の周波数帯域と、移動端末から通信網基地局へのアップリンク送信用無線スペクトルの第2の周波数帯域とを用い、
. 非対称トラヒックの流れが発生すると、前記無線スペクトルを、それぞれダウンリンク送信とアップリンク送信用に用いられ、ダウンリンク方向とアップリンク方向でそれぞれ送信される情報量に比例した比率の中にある前記第1と第2の部分に分割する、
ことを含む前記方法。 - 請求項38に記載の方法において、それぞれのダウンリンク送信とアップリンク送信のために前記無線スペクトルを第1と第2の部分に分割することは、
前記周波数帯域の1帯域において、それぞれのダウンリンクとアップリンクで送信される情報の比率に持続時間が対応する時間の第1と第2の部分に繰り返しフレーム周期を分割し、
通信網基地局から移動端末へのダウンリンク送信用前記第1の周波数帯域における前記時間の第1の部分と、移動端末から通信網基地局へのアップリンク送信用時間の第2の部分を用いる、
ことを含む前記方法。 - 請求項39に記載の方法であって、
M1=M2となるように、前記時間の第1の部分をM1個のダウンリンク・タイムスロットに分割し、前記時間の第2の部分をM2個のダウンリンク・タイムスロットに分割し、
通信網基地局と移動端末の間の情報の送信に用いるため、前記時間の第1の部分の前記ダウンリンク・タイムスロットの関連する1タイムスロットと、前記時間の第2の部分の前記アップリンク・タイムスロットの対応する1タイムスロットとを各移動端末に割り当てる、
ことをさらに含む前記方法。 - 請求項40に記載の方法において、前記時間の前記第1の部分の前記ダウンリンク・タイムスロットは、連続している(contiguous)前記方法。
- 請求項40に記載の方法において、前記時間の前記第2の部分の前記アップリンク・タイムスロットは、連続している前記方法。
- 請求項40に記載の方法において、前記各アップリンク・タイムスロットは、前記ダウンリンク・タイムスロットと前記アップリンク・タイムスロットが前記フレームで交互に発生するように、前記ダウンリンク・タイムスロットの2個のスロットの間にある前記方法。
- 対称および非対称トラヒックの流れの間に移動システムを適応させる方法であって、
アップリンク方向およびダウンリンク方向のトラヒックの流れが全体として対称な場合は、通信網基地局から移動端末へのダウンリンク送信に無線スペクトルの第1の周波数帯域を用い、移動端末から通信網基地局へのアップリンク送信に無線スペクトルの第2の周波数帯域を用い、
移動端末から通信網基地局へのアップリンク方向よりも大量の情報が通信網基地局から移動端末へのダウンリンク方向で送信される結果として非対称トラヒックの流れが発生すると、通信網基地局から移動端末へのダウンリンク送信に第2の周波数帯域の少なくとも一部分を割り当てる、
ことを含む前記方法。 - 請求項44に記載の方法において、通信網基地局から移動端末へのダウンリンク送信に第2の周波数帯域の少なくとも一部分を割り当てることは、前記第1と第2の周波数帯域を一緒にして、通信網基地局から移動端末へのダウンリンク送信用第1の数N1個の周波数チャネルと、移動端末から通信網基地局へのアップリンク送信用第2の数N2個の周波数チャネルに分割することを含み、前記第1と第2の数N1とN2は、それぞれダウンリンク方向とアップリンク方向で送信される情報量の比率の中にある前記方法。
- 請求項45に記載の方法であって、M1・N1=M2・N2となるように、前記第1の数N1個と第2の数N2個の周波数チャネルの各周波数チャネルごとに、繰り返しフレーム周期を前記第1の数N1個のダウンリンク・チャネル用の第1の数M1個のダウンリンク・タイムスロットと、前記第2の数N2個のダウンリンク・チャネル用の第2の数M2個のダウンリンク・タイムスロットに分割することをさらに含む前記方法。
- 請求項46に記載の方法であって、前記移動端末と通信網端末との間の情報のダウンリンク送信とアップリンク送信に対して、通信網基地局と交信することになっている各移動端末に、関連するダウンリンク周波数チャネルおよびそのチャネルのダウンリンク・タイムスロットと、関連するアップリンク周波数チャネルおよびそのチャネルのアップリンク・タイムスロットとを割り当てることをさらに含む前記方法。
- 請求項47に記載の方法において、前記各ダウンリンク・タイムスロットは、前記アップリンク・タイムスロットの対応する1個のタイムスロットから一定時間だけ間隔があけられている前記方法。
- 請求項48に記載の方法において、前記各ダウンリンク・チャネルの前記ダウンリンク・タイムスロットは、他のダウンリンク・チャネルの前記ダウンリンク・タイムスロットを基準として、所定の時間オフセットづつ相対的に時間差がつけられたタイミングを有する前記方法。
- 請求項49に記載の方法において、前記各アップリンク・チャネルの前記アップリンク・タイムスロットは、同じ所定の時間オフセットの中で相対的に時間差がつけられたタイミング(staggered timing)を有する前記方法。
- システムの容量を改善して非対称トラヒックの流れを処理するように適応する移動通信システムであって、
第1の周波数帯域のチャネルを用いて、ダウンリンク方向で情報を送信する通信網基地局と、
アップリンク方向とダウンリンク方向の情報送信の比率が類似の場合、第2の周波数帯域のチャネルを用いて、移動端末から通信網基地局へのアップリンク方向で情報を送信する複数の移動端末と、
を含む移動通信システムにおいて、
前記二方向の情報送信の比率が類似でない場合、前記通信網基地局は、前記第2の周波数帯域内の他のチャネルを用いて、移動端末へのダウンリンク方向で情報を送信する前記移動通信システム。 - 請求項51に記載の移動通信システムにおいて、前記二方向の情報送信の比率が類似でない場合、前記第1と第2の周波数帯域は、前記ダウンリンク方向で情報を送信する第1の数N1個の周波数帯域と、前記アップリンク方向で情報を送信する第2の数N2個の周波数帯域に分割され、前記第1と第2の数N1とN2は、各方向で送信される情報量の比率の中にある前記移動通信システム。
- 請求項52に記載の移動通信システムにおいて、繰り返しフレーム周期は、M1・N1=M2・N2となるように、前記第1の数N1個のチャネル用第1の数M1個のタイムスロットと、前記第2の数N2個のチャネル用第2の数M2個のタイムスロットとに分割される前記移動通信システム。
- システムの容量を改善して非対称トラヒックの流れを処理するように適応する移動通信システムであって、
ダウンリンク方向で情報を送信する通信網基地局と、
アップリンク方向で情報を送信する複数の移動端末と、
を含む移動通信システムにおいて、
第1の数N1個のチャネルは前記ダウンリンク方向で情報を送信するために割り当てられ、第2の数N2個のチャネルは前記アップリンク方向で情報を送信するために割り当てられ、前記第2の数のチャネルと前記第1の数のチャネルの比率は、各方向で送信される情報量の比率によって決定され、繰り返しフレーム周期は、M1・N1=M2・N2となるように、前記第1の数のチャネル用第1の数M1個のタイムスロットと前記第2の数のチャネル用第2の数M2個のタイムスロットに分割され、各移動端末は、前記第1の数のチャネルの関連する1チャネルと、ダウンリンク方向で情報を送信する前記チャネルの前記第1のタイムスロットの1タイムスロットとが割り当てられ、さらに各移動端末は、前記第2の数のチャネルの対応する1チャネルと前記アップリンク方向で情報を送信する前記チャネルの前記第2の数のタイムスロットの1タイムスロットとが割り当てられる前記移動通信システム。 - 請求項54に記載の移動通信システムにおいて、前記第1のタイムスロットの各タイムスロットは、前記第2の数のタイムスロットの対応する1個のタイムスロットから一定時間だけ間隔があけられている前記移動通信システム。
- 請求項54に記載の移動通信システムにおいて、前記第1の数のチャネルの各種チャネルの前記第1の数のタイムスロットは、所定の時間オフセットづつ相対的に時間差がつけられたタイミングを有する前記移動通信システム。
- 請求項56に記載の移動通信システムにおいて、前記第2の数のチャネルの各種チャネルの前記第2の数のタイムスロットは、所定の時間オフセットづつ相対的に時間差がつけられたタイミングを有する前記移動通信システム。
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