JP2004511799A - 電子回路,センサー構造およびセンサー信号の処理方法 - Google Patents

電子回路,センサー構造およびセンサー信号の処理方法 Download PDF

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Abstract

第1段階において、基本的にはセンサーの電流オフセット信号を含んでいる第1センサー信号を、電子回路の入力部に印加する。第1センサー信号は、第1信号経路に供給され、そこに蓄積される。第2段階において、電流オフセット信号と時間に応じた測定信号とを含んでいる第2センサー信号を、入力部に印加し、蓄積されている第1センサー信号を、基本的には時間に応じた測定された信号が入力部と連結されている第2信号経路によって供給されるように、第1信号経路によって入力部に供給する。

Description

本発明は、電子回路、センサー構造、および、センサー信号の処理方法に関するものである。
【0001】
上記のセンサー構造は、バイオセンサーチップとして[1]によって知られている。
【0002】
図2aおよび図2bは、[1]に記述されているようなバイオセンサーチップを示している。このセンサー200は、金から構成される2つの電極201・202を備えており、これらの電極は、絶縁材料から構成される絶縁層203に埋設されている。電極201・202には、電極201・202に印加された電位(elektronische Potential)を供給可能な電極端子204・205が接続されている。電極201・202は、プレーナ型電極として配置されている。各電極201,202上には、DNAプローブ分子206が固着されている(図2a参照)。固着は、いわゆる金‐硫黄‐結合によって行われる。電極201・202上には、調査するべき分析質(zu untersuchende Analyt)、例えば、電解液(Elektrolyt)207が塗布される。
【0003】
電解液207に、DNAプローブ分子206の配列に対して相補的な配列を有するDNA鎖208が含有されている場合、これらDNA鎖208は、DNAプローブ分子206とハイブリダイズする(図2b参照)。
【0004】
DNAプローブ分子206とDNA鎖208とのハイブリダイゼーションは、各DNAプローブ分子206の配列と、対応するDNA鎖208の配列とが、互いに相補的である場合のみに起こる。そうではない場合、ハイブリダイゼーションは起こらない。それゆえ、所定配列のDNAプローブ分子は、特定のDNA鎖、すなわち、それぞれ相補的な配列を有するDNA鎖のみと結合、つまりハイブリダイズできる。
【0005】
ハイブリダイゼーションが起こると、図2bから明らかなように、電極201・202間のインピーダンスの値が変化する。この変化したインピーダンスは、振幅が約50mVである交流電圧を電極端子204・205に印加し、そしてその結果として生じた電流を、接続されている測定器(図示せず)を用いて測定することにより決定される。
【0006】
ハイブリダイズすると、電極201・202間におけるインピーダンスのキャパシタンス成分が減少する。この原因は、DNAプローブ分子206と、DNAプローブ分子206とハイブリダイズするDNA鎖208とが、共に非導電性であり、それゆえ、各電極201・202が、明らかに、ある程度電気的に遮断されるからである。
【0007】
測定精度を改善するために、多数の電極の組(Elektrodenpaaren)201・202を使用し、これらを並列接続することが、[4]から知られている。これらは、互いにしっかりとかみ合うように配置されており、その結果、いわゆるインターデジタル電極(Interdigitalelektrode)300となる(図3参照)。電極の寸法および電極間の距離は、およそ検出されるべき分子程度の長さ、すなわち、DNA鎖208の長さまたはそれ以下、例えば、200nmおよびそれ以下の範囲となる。
【0008】
さらに、巨大分子生体高分子を検出するための酸化還元再生利用工程(Reduktion−/Oxidations−Recycling−Vorgang)に関する基本原理が、[2]および[3]から知られている。酸化還元再生利用工程(以下ではレドックス再生利用工程とも示す)について、図4aから図4cに基づいて以下に詳述する。
【0009】
図4aは、絶縁層としての基板403に形成されている第1電極401および第2電極402を備える、バイオセンサーチップ400を示す。
【0010】
固定層404として構成された固定領域は、金から構成された第1電極401上に形成される。固定領域は、第1電極401上においてDNAプローブ分子405を固着化させるために用いられる。
【0011】
第2電極上には、このような固定領域は備えられていない。
【0012】
固着されたDNAプローブ分子405の配列に対して相補的な配列を有するDNA鎖が、バイオセンサー400によって認識されると、センサー400は、調査される溶液406に含まれている可能性のあるDNA鎖が、DNAプローブ分子405の配列に対して相補的な配列を持つDNA鎖とハイブリダイズできるように、調査される溶液406(例えば電解液)と接触される。
【0013】
図4bには、認識されるDNA鎖407が、調査される溶液406中に含まれ、DNAプローブ分子405とハイブリダイズする様子が示されている。
【0014】
調査される溶液中のDNA鎖407は、以下に記述する分子を部分分子(Teilmolekuele)に分解できる酵素408を用いてマーキングされている。
【0015】
通常、調査される溶液406中には、測定されるDNA鎖407の数よりも、著しく多い数のDNAプローブ分子405が含まれている。
【0016】
酵素408を有する、調査される溶液406中に含まれる場合のあるDNA鎖を、固着されたDNAプローブ分子407とハイブリダイズした後、バイオセンサーチップ400を洗浄する。これにより、ハイブリダイズされていないDNA鎖を除去し、バイオセンサーチップ400から、調査される溶液406を取り除く。
【0017】
洗浄に用いる洗浄液、または、後の段階で特別に供給された他の溶液には、電子的に帯電していない物質を添加する。この物質は、ハイブリダイズされたDNA鎖407にある酵素によって、負の電荷(elektronischen Ladung)を有する第1部分分子410と正の電荷を有する第2部分分子とに分解できる分子を含有している。
【0018】
負の電荷を有する第1部分分子410は、図4cに矢印411によって示されているように、正の電荷を有するアノード(すなわち第1電極401)に引き寄せられる(図4c参照)。
【0019】
負の電荷を有する第1部分分子410は、アノードとして正の電位を有する第1電極401において酸化され、酸化された部分分子413として、負の電荷を有するカソード、すなわち第2電極402に引き寄せられ、再び還元される。還元された部分分子414は、もう一度第1電極401、すなわちアノードに移動する。
【0020】
このようにして、酵素408によって発生したそれぞれの荷電粒子数に比例した電子回路電流が発生する。
【0021】
この方法を用いる際に評価される電子パラメータは、図5のグラフ500に示されているように、時間tの関数として、電子電流(elektronischen Stroms)m=dI/dtの変化値である。
【0022】
図5に、時間502に応じた電流501の関数を示す。生じた曲線(Kurvenverlauf)503は、時間経過の影響を受けないオフセット電流Ioffset504を有している。
オフセット電流Ioffset504は、バイオセンサー400が理想型ではないために、寄生的な成分によって発生する。
【0023】
オフセット電流Ioffset504の基本的な原因は、DNAプローブ分子405を備える第1電極401の被覆が理想的ではない、すなわち、完全な密度で行われていないということである。
【0024】
第1電極401がDNAプローブ分子405によって十分に密集して被覆されている場合、固着したDNAプローブ分子405によって発生する、いわゆる2層キャパシタンスに基づき、第1電極401と電子導電性(elektronisch leitenden)の調査される溶液406との間には、ただ1つの単なるキャパシタンス電子接続(kapazitive elektronische Kopplung)が生じるはずである。
【0025】
しかし、被覆が不完全な場合は、特に抵抗成分をも有する寄生的な電流経路が、第1電極401と調査される溶液406との間にできてしまう。
【0026】
しかしながら、酸化還元手順を可能にするためには、DNAプローブ分子405を有する第1電極401の被覆は完全である必要はなく、これにより、電子を帯びた部分分子、すなわち負の電荷を有する第1部分分子が、第1電極401に全体的に(ueberhaupt)引き寄せられる。
【0027】
他方では、このようなバイオセンサーの感度をできるだけよくするためには、寄生的影響がわずかであることと相まって、DNAプローブ分子405を有する第1電極401の被覆はできるかぎり密集していなければならない。
【0028】
このようなバイオセンサー400によって決定された測定値の再現性を高めるため、2つの電極401・402は、常に、レドックス再生利用工程において酸化還元手順を行うための十分に大きな面積を備える必要がある。
【0029】
従来技術に基づいたバイオセンサーの場合、調査される溶液中のDNA鎖を検知する際の測定は、若干不確実なものとなる。
【0030】
巨大分子生体高分子を、以下では、例えば、蛋白質またはペプチドまたはそれぞれ所定配列のDNA鎖ともする。
【0031】
巨大分子生体高分子として蛋白質またはペプチドを検出するとき、第1分子および第2分子はリガンドである。リガンドは、例えば対応するリガンドが配置されたそれぞれの電極にて検出される蛋白質またはペプチドと結合可能な結合作用を有する作用物質である。
【0032】
リガンドとしては、酵素作用物または酵素拮抗作用物、薬剤、糖または抗体または蛋白質またはペプチドと特異的に結合する性能を有している何らかの分子がある。
【0033】
巨大分子生体高分子として、バイオセンサーを用いて検出されることが意図される所定配列のDNA鎖を用いると、バイオセンサーを用いて、所定配列のDNA鎖と、DNA鎖の配列に対して相補的な配列を有するDNAプローブ分子とを、分子として第1電極上においてハイブリダイズできる。
【0034】
この記述の文脈においては、プローブ分子を、リガンドともDNAプローブ分子ともする。
【0035】
値mは、測定電流を検出するために用いられる電極の電極面積に比例した値である。したがって、電極の幅が同じ場合、値mは、用いられる電極の長さに比例した値である。なお、例えば第1電極201と第2電極202の場合、その長さは、図2aおよび図2bに記している平面に対して垂直に延びている。
【0036】
複数の電極を並列接続する(例えば既知のインターデジタル電極配置)と、測定電流mの変化値は、それぞれ並列接続された電極数にも比例する。
【0037】
しかし、測定電流mの変化値の範囲は、様々な影響を受けて非常に大きく変動する。特に、調査される溶液が異なる場合はそうである。
【0038】
変動の大きい原因は、一方では、全てのDNA鎖を検出できるように、所定配列のDNA鎖が検出されるダイナミックレンジが必要とされるからである。
【0039】
しかし、他方では、異なるタイプの異なる巨大分子生体高分子を検出することで、発生した測定信号、すなわち特に測定電流およびその時間的変化値mに関する値の範囲を大きく異ならせることも可能である。このことは再び、後段の集積測定装置(Messekeltronik)、すなわち後段の集積測定回路を備える所定の電極配置のために必要な、全ダイナミックレンジの拡大を導くものである。
【0040】
電極間、すなわちアノードとカソードとの間において時間の変化を検出・処理する測定装置は、要求される値の範囲内において確実で正確に機能する必要がある。
【0041】
このような回路のダイナミックレンジを大きくするという要求の結果、必要なダイナミックレンジを備えるために、測定装置を高価で複雑に設計することになる。
【0042】
例えば[4]、[5]、[6]、[7]、[8]から知られているような他の方法でも、大きなダイナミックレンジを介して検出される電気測定信号を測定できる必要があるということが起こりうる。
【0043】
そこでも、測定装置、すなわち評価回路(Auswerteschaltung)に対して、力学の点で過度の要求が生じてしまう。特に回路設計では、用いられる部品の不完全性(すなわち、部品のパラメータの変動(Variation)であるノイズ)を、作用点(Arbeitspunkt)を選ぶことによって考慮する。すなわち、設計された回路におけるこれらの部品のために、測定結果の質に対する不完全性の影響を最小限とするように、作用点が選ばれる。大きなダイナミックレンジを介して回路を駆動することが意図される限り、全範囲に渡って最適な作用点を維持するには、ますます費用がかかり困難になっている。
【0044】
さらに、特に上述の要求では、オフセット電流Ioffsetが、全測定期間、すなわち、測定時間tmessにわたる測定電流mの時間的な変化よりも、非常に大きい、すなわち、
offset>>m・tmess   (1)
が当てはまる。
【0045】
従って、つまり、大きな信号(オフセット電流Ioffset)の範囲内の、時間に応じた非常に小さな変化(測定電流の時間的な変化)を、高精度で測定する必要がある。
【0046】
このため、使用される測定器具に対する要求が非常に高くなる。
【0047】
パラメータm=dI/dtの値の範囲は、上記のような、調査される様々な分析質のために、大きくなってもよい。
【0048】
その理由は、検出する種類のために必要なダイナミックレンジでもよいが、検出される異なる種類は、最初から、生じる測定信号に関する値の範囲が大きく異なるようになってもよい。このことは、同じく、必要な全ダイナミックレンジの拡大に相当する。
【0049】
従って、アノードとカソードとの間の回路電流の時間的な変化を記録し、さらに処理する電子回路は、相応する値の範囲内で確実に機能する必要がある。
【0050】
従って、この回路に必要とされるダイナミックレンジは非常に大きい。
【0051】
回路設計では、使用される部品の不完全性(ノイズ、パラメータバリエーション)を考慮し、回路部品における不完全性の影響の及ぶ範囲を最小限に抑えるような作用点を選択することが知られている。
【0052】
しかし、回路を、大きなダイナミックレンジにわたって作動させる必要のある場合、全レンジにわたり最良の作用点を維持することは、次第に困難、複雑となり、従って、高くつくことになる。
【0053】
さらに、文献[10]、[11]、[12]、[13]、[14]、[15]、[16]、[17]、[18]、[19]、[20]から、演算増幅器の入力部において電圧信号の電圧をオフセット補償するための電気回路が知られている。
【0054】
本発明の目的は、電流オフセット信号成分と、時間に応じた、すなわち、時間によって変化する測定信号成分とを含むセンサー信号から、測定信号成分を、より正確に検知することにある。
【0055】
この目的は、独立特許請求項に基づく特徴を有する、電子回路、センサー構造、および、センサー信号を処理する方法によって達成される。
【0056】
電流オフセット信号と時間に応じた測定信号とを含む第1センサー信号、または、基本的には電流オフセット信号を含んでいる第2センサー信号を処理するための電子回路は、入力部を備えており、この入力部に、第1センサー信号または第2センサー信号を入力できる。この入力部は、電流オフセット信号を処理するために、第1信号経路に連結されており、時間に応じた測定信号を処理するために、第2信号経路に連結されている。
【0057】
さらに、制御ユニットが備えられている。この制御ユニットは、電子回路の入力部に第2センサー信号が印加される場合には、基本的には第1信号経路のみを流通するように第2センサー信号を制御するために、電子回路に装備されている。
【0058】
このことは、制御ユニットによる制御によって、制御開始時にはまだ第2経路を流通している信号成分が、制御終了後には、基本的に完全に第1信号経路を流通することを、具体的に意味している。
【0059】
従って、言い換えれば、第1センサー信号は、適切な電子回路、つまり、制御ユニットを用いて記録され、このために備えられているオフセットチャンネル、すなわち、第1信号経路へ、全て強制的に流出される。
【0060】
第1センサー信号は、基本的には、センサー信号の電流オフセット成分、すなわち、例えば、オフセット電流のみにより構成されている。従って、制御ユニットによって、オフセット電流の場合の第1電流経路である第1信号経路に全てのオフセット電流が供給されることが保証される。
【0061】
第1センサー信号は、検出する分子がまだ全くセンサーに導入されていなくても、例えば、センサーがセンサー信号を搬送することによって生成される。従って、第1センサー信号は、例えば、検出する巨大分子生体高分子に被覆されていない状態のセンサーを具体的に表している。
【0062】
第1信号経路には、電圧値記憶要素が備えられている。第2センサー信号が入力部に入力される場合、この要素に、第2センサー信号を蓄積できる。従って、電圧値記憶要素は、基本的に、センサー信号の電流オフセット成分を蓄積するために役立つことが明らかである。
【0063】
第1センサー信号が入力部に入力されると、電圧値記憶要素に蓄積されている第2センサー信号は、入力部へと供給される。
【0064】
この場合、入力部に、電流オフセット信号および時間に応じた測定信号を有する第2センサー信号と第1センサー信号との双方、すなわち、実質的な電流オフセット信号が供給され、入力部(具体的には入力結線)に第2信号経路も連結されているので、キルヒホッフの結び目理論(Kirchhoff’schen Knotenregel)に基づけば、基本的に、時間に応じた測定信号だけが、結果的に第2信号経路を流れる。
【0065】
このような方法で、センサー信号の電流オフセット成分を非常に簡単に、しかも非常に正確に電流オフセット補償できる。
【0066】
従って、電気回路は、巨大分子生体高分子を検出する際に使用するのに特に適しており、その範囲内で、センサー信号の電流オフセット成分は、測定信号成分よりも数桁だけ大きくてもよい。
【0067】
それゆえ、この電気回路は、センサー構造、とりわけ、バイオセンサー構造、例えば、センサー信号発信機としてのセンサーと、評価回路としての電子回路との両方が集積されているバイオセンサーチップに使用するのに特に適している。
【0068】
電流オフセット信号と時間に応じた測定信号とを含んでいるセンサー信号の処理方法では、第1段階において、第1センサー信号を、電子回路の入力部に印加する。この際、第1センサー信号は、基本的には電流オフセット信号を含んでいる。第1センサー信号については、基本的に、入力部に連結されている第1信号経路に導入し、ここで、好ましくは信号メモリー要素に蓄積する。
【0069】
第2段階では、第2センサー信号を、入力部に印加する。この際、第2センサー信号は、電流オフセット信号および時間に応じた測定信号を含んでいる。第2段階では、入力部に、蓄積されている第1センサー信号を、第1信号経路を介して供給し、その結果、入力部に連結されている第2信号経路を介して、基本的には、時間に応じた測定信号が導入される。
【0070】
上述のように、上記した電子回路および方法の両方は、巨大分子生体高分子を検出する際に使用するために特に適している。
【0071】
また、上記のセンサー構造は、上記した酸化還元方法に使用するために特に適している。この場合、酸化還元プロセスは第2段階の間に実施され、検出された電流の流れは、第2センサー信号として電子回路に供給される。この電子回路では、測定信号成分、すなわち測定電流が、オフセット電流から分離される。
【0072】
なお、巨大分子生体高分子は、例えば、蛋白質またはペプチドまたはそれぞれ所定配列のDNA鎖を含むものである。
【0073】
巨大分子生体高分子として蛋白質またはペプチドを検出するとき、分子はリガンドである。リガンドは、例えば対応するリガンドが配置されたそれぞれの電極にて検出される蛋白質またはペプチドと結合可能な結合作用を有する作用物質である。
【0074】
適切なリガンドとしては、酵素作用物または酵素拮抗作用物、薬剤、糖または抗体またはなんらかの分子がある。リガンドは、蛋白質またはペプチドと特異的に結合する性能を有している。
【0075】
巨大分子生体高分子として、バイオセンサーを用いて検出されることが意図される所定配列のDNA鎖を用いると、バイオセンサーによって、所定配列のDNA鎖と、DNA鎖の配列に対して相補的な配列を有するDNAプローブ分子とを、分子として、上記従来技術と関連して記載されたセンサーの第1電極上においてハイブリダイズできる。
【0076】
なお、ここでは、プローブ分子は、リガンドもDNAプローブ分子も含むものである。
【0077】
また、第1電極の固定領域は、プローブ分子を固着可能な材料によって被膜されていてもよい。
【0078】
さらに、ペプチドまたは蛋白質と結合できるリガンドを固定するために、第1電極の固定領域を形成してもよい。
【0079】
さらに、DNA分子と結合できるDNAプローブ分子を固定するために、第1電極の固定領域を形成してもよい。
【0080】
第1固定領域は、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミン基、アセトキシ基、イソシアネート基、スクシニミドエステル基、チオール基、金、銀、プラチナ、チタン、といった物質のうち少なくとも1つを含有してもよい。
【0081】
また、酵素として、例えば、a‐ガラクトシダーゼ、b‐ガラクトシダーゼ、b‐グルコシダーゼ、a‐マンノシダーゼ、アルカリ・ホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、オリゴ糖デヒドロゲナーゼ、グルコース・デヒドロゲナーゼ、ラッカーゼ、チロシナーゼ、または、同種の酵素を使用できる。
【0082】
なお、低分子酵素は、最高の変換効率を保証でき、したがって最高の感度を保証できるものである。
【0083】
それゆえ、他の溶液中に、この酵素によって、負電荷を有する第1分子および正電荷を有する第2分子に分解される分子を含有することもできる。
【0084】
また、酸化還元プロセスの範囲内において分解可能な分子として、特に例えば、p‐アミノフェニル‐ヘキソピラノシド、p‐アミノフェニル‐リン酸塩、p‐ニトロフェニル‐ヘキソピラノシド、p‐ニトロフェニル‐リン酸塩、または、a)ジアミン、b)カテコールアミン、c)Fe(CN)4− 、d)フェロセン、e)ジカルボン酸、f)フェロセンリシン、g)オスミウムビピリジル‐NH、または、PEG‐フェロセン2に適した誘導体を用いることができる。
【0085】
また、本発明の形態では、電子回路が出力部を備えており、この出力部において、出力信号を出力できる。この信号は、基本的には、第2センサー信号の測定信号に相当している。さらに、本発明の形態では、切り替え素子が備えられている。この切り替え素子によって、第1信号経路または第2信号経路を、相互に無関係に、出力部と連結、または、出力部から切断できる。
【0086】
このように、上記した方法の両段階を、非常に簡単に、電子回路にて実現、すなわち、実施できる。
【0087】
また、上記した電圧値記憶要素は、少なくとも1つのキャパシタを備えていてもよい。このことにより、第1センサー信号を、第1信号経路のメモリー要素に、非常に簡単な方法で確実にアナログ蓄積できる。
【0088】
あるいは、電圧値記憶要素を、デジタルメモリーとして形成してもよい。このデジタルメモリーには、アナログ/デジタル変換器によって生成される電流オフセット信号のデジタル値、すなわち、第1電流信号の大部分が蓄積される。この場合、第2段階では、蓄積されているデジタル値が、デジタル/アナログ変換器に供給される。そして、このデジタル/アナログ変換器において、第1センサー信号にほぼ一致する信号が生成され、入力部に電流オフセット補償のために供給される。
【0089】
また、上記した第1信号経路は、本発明の更なる形態に基づき、制御ユニットにより制御されている第1電流源を備えている。この第1電流源により、電流オフセット補償のためのオフセット電流が、第2段階において生じる。
【0090】
この制御ユニットは、第2信号経路を流通する信号が所定の閾値を超える場合に、制御されている第1電流源が、第2信号経路を流通する信号に相当する信号であって、入力部に供給できる電流を生成するように装備されている。
【0091】
このようにして、所定の適切なダイナミックレンジを確実に維持できる。なぜなら、閾値超過の際に第2信号経路に生じる信号は、電流オフセット信号として、第1信号経路の信号メモリー要素に蓄積され、このことにより、具体的にはダイナミックレンジの「リセット」を達成できるからである。このことから、測定チャンネル、すなわち、第2信号経路のための固定ダイナミックレンジが保証される。
【0092】
なお、調整ユニットは、電圧源を備えていてもよい。この場合、制御されている第1電流源を、電圧源により電圧制御されている電流源とできる。
【0093】
また、電圧源そのものを、電圧制御されている電圧源、好ましくは、差動電圧制御されている電圧源としてとして形成してもよい。
【0094】
また、本発明の他の形態では、制御されている第2電流源が、第2信号経路に備えられている。この第2電流源は、他の電圧源によって制御されていてもよい。
【0095】
また、上記した出力部と信号経路との間に、制御されている第3電流源を接続してもよい。この第3電流源は、出力信号を生成するものである。
【0096】
本発明の実施例を、図に示し、以下に詳しく説明する。
【0097】
図1は、実施例に基づく原理を示す原理図である。図2a・2bは、電解液中に検出されるDNA鎖の存在(図2a)またはその不在(図2b)を認識できる2つのプレーナ電極を示す略図である。図3は、従来技術に基づいたインターデジタル電極を示す図である。図4a〜cは、レドックス再生利用工程(Redox−Recycling−Vorgangs)における各状態を説明する、従来技術に基づいたバイオセンサーを示す略図である。図5は、レドックス再生利用工程における回路電流の関数的流れ(Funktionsverlauf)を示す。図6は、信号曲線が、2つの段階、つまり電流オフセット補正および独自の測定段階、を示すグラフである。図7は、異なる2つの測定状態のためのセンサー信号用の様々なダイナミックレンジを示す略図である。図8は、図7からセンサー信号用の均一に固定されたダイナミックレンジに達するための、「リセット方法」を示す略図である。図9は、本発明の実施例に基づいた電子回路を示す原理回路図である。図10は、本発明の第1実施例に基づいた電子回路を示す回路図である。図11は、本発明の第2実施例に基づいた電子回路を示す回路図である。図12は、本発明の第3実施例に基づいた電子回路を示す回路図である。図13は、本発明の第4実施例に基づいた電子回路を示す回路図である。図14は、集積回路に実現されているセンサーと電子回路とを備えたセンサー構造を示す略図である。
【0098】
図14は、センサー1401と電気回路1402とを備えたセンサー構造1400を示している。このセンサー1401と電気回路1402とは、センサー構造1400の共通の電気回路に集積されている。
【0099】
センサー1401は、図4a〜図4cに示した構造の構造をほぼ備えている。
【0100】
つまり、センサー1401は、基板1405上に絶縁層として形成された第1電極1403および第2電極1404を備えている。さらに、基板1405には、電気回路1402が埋設されている。
【0101】
金からなる第1電極1403上には、固定層1406として固定領域が形成されている。この固定領域は、第1電極1403上でDNAプローブ分子1407を固着させるために使用される。
【0102】
第2電極1404上には、このような固定領域は存在しない。
【0103】
図14は、測定段階のセンサー構造1400を示している。測定段階とは、つまり、センサー構造1400を用いて、固着されたDNAプローブ分子1407の配列に対して相補的である配列によってDNA鎖を検出する段階である。
【0104】
これに関して、センサー1401は、DNAプローブ分子1407の配列に対して相補的な配列を有する、調査される溶液1408中に含まれる場合のあるDNA鎖が、ハイブリダイズできるように、調査される溶液1408(例えば電解液)と接触している。
【0105】
図14の場合では、調査される溶液1408中には、検出されるDNA鎖1409が含まれており、すでにDNAプローブ分子1407に固着している。
【0106】
調査される溶液1408中のDNA鎖1409は、以下で示す分子を部分分子(Teilmolekuele)に分解できる酵素1410によってマーキングされている。
【0107】
酵素1410として、上述した酵素のうちの1つが用いられる。
【0108】
通常、調査される溶液1408中には、検出されるDNA鎖1409の数よりも、著しく多い数のDNAプローブ分子1407が含まれている。
【0109】
酵素1410を有する、調査される溶液中に含まれる場合のあるDNA鎖を、固着されたDNAプローブ分子1407とハイブリダイズした後、この実施例でバイオセンサーとして用いられているセンサー1401の洗浄を行う。これによって、ハイブリダイズされていないDNA鎖を除去し、調査される溶液1408によってセンサー1401を浄化する。
【0110】
洗浄に用いられるこの洗浄液(Spuelloesung)、または、他の段階において特別に供給された他の溶液に、分子1411を含む帯電されていない物質を添加する。この分子1411とは、ハイブリダイズされたDNA鎖1409に接する酵素1410によって、負電荷を有する第1部分分子1412と、正電荷を有する第2部分分子(図示せず)とに分解されるものである。
【0111】
酵素1410によって分解可能な分子1411から形成され、負電荷を有する第1部分分子1312は、図14の矢印1413で示しているように、プラスに帯電したアノード、つまり第1電極1403に引きつけられる。
【0112】
マイナスに帯電した第1部分分子1412は、アノードとして正電位を有する第1電極1403に付着して酸化し、プラスに帯電した酸化した部分分子1414としてカソード(つまり第2電極1404)へ移動する。つまり、カソードによって引きつけられる。そして再び、第2電極1404において、部分分子1414は還元される。この還元された部分分子は、再び、第1電極1403に(つまりアノードに)移動する。
【0113】
このようにして、酵素1410によって形成された各荷電キャリア数に比例した回路電流が発生する。
【0114】
上述のように、この方法に用いられる電子パラメータは、図5のグラフ500に概略的に示したように、時間tの関数としての電流の変化m=dI/dtである。
【0115】
そして、発生した測定電流を、本来の測定段階に位置する第2センサー信号である、電子回路1402(以下で詳述する)の第2電極1404のセンサー信号1416として供給する。
【0116】
電気回路1402は、以下で詳述するように、オフセット電流を、本来の測定電流(つまり時間に応じた測定信号)から分離する。この測定電流とは、出力信号1417として電子回路1402の出力部1418から出力するものである。
【0117】
さらに具体的に説明するために、図1に、本発明の他の実施例に基づいた原理の原理略図100を示す。
【0118】
図1に、原理略図100における第1グラフ101を示す。また、このグラフ101では、レドックス再生利用工程の間の、センサー1401によって発生したセンサー信号1416の経過曲線(Verlauf)を示す。時間t103に対する電流I102の経過曲線は、第1グラフ101に示したように、特性(characteristischen)センサー信号の経過曲線104となっている。
【0119】
この第2センサー信号104を、第2電極1404から、センサーチャネル105を介して、図14では例えば電気線1419を介して、電気回路1402の入力部1420に入力する。
【0120】
具体的には、この原理とは、電流オフセットと測定信号とを含んだセンサー信号104を、センサーチャネル105を介して電子回路1402に入力し、電流オフセットと測定信号とに分配する、ということであり、さらに、電流オフセットをオフセット電流として、オフセットチャネル106を介して導き、測定信号を本来の測定電流として、測定チャネル107を介して導くことである。つまり、第2センサー信号104・1416の分配が、ノード108において行われるのである。
【0121】
第1部分は、時間に応じて変化しない信号、つまりオフセット電流109を示している。その経過曲線は、時間t112の関数である電流I111の経過曲線として、図1の第2グラフ110に示されている。また、時間に応じて変化しない信号とは、以下のような信号のことである。つまり、この信号は時間的に変化しないか、または、その信号値は所定の時点で検出され、検出された信号値は、所定時間、一定の信号値として用いられる。
【0122】
測定チャネル107を介して、第2部分である、第2センサー信号1416の時間に応じて変化しない部分を導く。つまり、測定チャネル107を介して導かれるこの測定電流は、時間的に変化する電流の経過曲線であり、図1の第3グラフ116において測定電流の経過曲線115として示されているように、レドックス再生利用工程において、時間t113に対して直線的に変化する電流I114である。
【0123】
したがって、具体的には、電流経路としてオフセット電流をそらす(Abfuehren)ために、第1信号経路を使用し、他方、第2信号経路において(つまり第2電流経路において)、残りの差動信号を導出し、測定電流としてさらに処理する。
【0124】
本発明の実施例では、図6の時間グラフ(Zeitdiagramm)600に示すように、全測定工程は2段階に分かれている。
【0125】
この時間グラフ600は、時間t607に対するセンサー電流ISensor601の経過曲線を示している。このセンサー電流は、オフセット電流IOffsetと測定電流IMessとの合計であり、オフセット電流IOffsetは時間に応じてほとんど変化せず、測定電流IMessは時間に応じて変化する。
【0126】
第1段階602では、オフセット電流IOffsetの電流オフセット補正が行われる。
【0127】
第1段階602は、第1時点t=0から、測定電流115の時間に応じた経過曲線を検出するための本来の測定段階604が始まる切り替え時点(Umschaltzeitpunkt)t603まで続く。
【0128】
この第1段階602では、センサー1401から電流が発生する。この電流のタイム・カーブ(zeitlicher Verlauf)は、その都度認識される巨大分子生体高分子(例えば認識されるDNA鎖)に関する評価可能な情報をまだ含んでいない。
【0129】
つまり、第1段階602では、レドックス再生利用工程はまだ始まっていないか、あるいは、レドックス再生利用工程の再起工程のみが行われる。
【0130】
以下で詳述する電子回路1402を用いて、センサー1401から発生する電流を、第1センサー信号として記録し、以下で詳述するように、第1センサー信号のほぼ完全な流出を、そのために備えられたオフセットチャネル106において、適切な調整部を用いて「強要する」。
【0131】
第1センサー信号は、ほぼ、電流オフセット成分のみからなる。この成分は、すなわち、センサー1401から発生するオフセット電流IOffsetである。
【0132】
第1段階602で行われた電流オフセットの補正後、図6で矢印605で示した、上述したレドックス再生利用方法を開始する。
【0133】
レドックス再生利用方法が始まると、流入段階606後に、時間t607まで直線的に上昇する電流が発生する。
【0134】
この時点まで、オフセットチャネル106の状態を「凍結する」。つまり、オフセット電流IOffsetの値を、以下でさらに詳述するように、電子回路1402に適切に蓄積する。
【0135】
巨大分子生体高分子の検出が行われる本来の測定段階である第2段階604において、電流オフセット補正(つまり第1段階602)の終了後にレドックス再生利用方法によって発生した付加的な各電流寄与(Strombeitrag)を、測定チャネル107に導き、そこで、通常著しく分裂的な電流オフセットなしに、つまり、オフセット電流IOffsetなしに、さらに処理できる。
【0136】
センサー1401と電子回路1402とをチップのセンサー構造1400に集積して使用する、本実施例で示したオンチップ溶液を用いた場合のさらなる利点は、センサー1401において、あらかじめ、発生した第2センサー信号から、関係のある(interessierende)信号(つまり測定電流115)を直接取り除くことができる、という点にある。
【0137】
したがって、この信号(つまり測定電流)の増幅を、電流オフセットが非常に大きいために生じる従来技術における制限とは無関係に、測定チャネル107において行える。
【0138】
本実施例では、オフセットチャネル106を用いて、測定チャネル107を所定値に繰り返しリセットすることで、オフセットチャネル106を再び新たに初期化できる。
【0139】
上述したように、図7に示した2つのセンサー信号701・702のダイナミックレンジにおける違いは、グラフ700に示したように、所望のセンサー信号を評価するとき、つまり、時間t704の関数であるセンサー電流703ISensorから測定電流を検出する際、問題になりうる。
【0140】
上述したように、検出されるDNA鎖のDNA配列が異なっている場合、しばしば著しく異なるダイナミックレンジが生じる(例えば、第1信号I702用には第1ダイナミックレンジ705が生じ、第2信号I2S用に第2ダイナミックレンジ706が生じる)。
【0141】
本発明の形態では、レドックス再生利用方法を行う間、所定の閾値(つまり所定の閾値電流I801)を超過する場合、図8のグラフ800に示したように、測定チャネル107において以下のことを強要する。つまり、時間t803の関数として測定チャネル107を介して流れる電流IMess802を、閾値I801を超過するゆえに、オフセットチャネル106に完全に流出し、その後、新たなオフセット電流IOffsetである電流オフセット補正用の新たなオフセット値として、蓄積することを強要するのである。
【0142】
本方法では、図8に示したリセットを保証している。したがって、のこぎり歯型をした各電流信号701・702のギザギザの経過曲線が、測定チャネル107において発生する。
【0143】
このようにして、閾値電流I801によって規定された固定ダイナミックレンジ804をあらかじめ設定できる。
【0144】
図9は、他の細部を備えた本発明の一実施例におけるセンサー構造900の原理回路図を示している。
【0145】
図9にセンサー901および電子回路902を示す。
【0146】
電子回路902は、本実施例では、調整部903と出力部904とに分かれている。
【0147】
センサー901は、その出力部905と電気線906とを介して、電子回路902の入力部907と電気的に連結されている。
【0148】
電気結合を介して、各センサー信号、つまりセンサー電流ISensorである上述した第1センサー信号または第2センサー信号を、電子回路902(特に第1ノード908)に入力する。
【0149】
第1ノード908は、電気接続によってセンサーチャネル909が構成されている電子回路902の入力部907、オフセットチャネル910、および、測定チャネル911に連結されている。
【0150】
図9に、センサー電流ISensor、オフセット電流IOffset、および、測定電流IMessの電流の流れを示す。
【0151】
さらに、出力信号として、出力電流IOutおよび出力電圧VOutを示す。
【0152】
電子回路902は、その調整部903において、差動電圧制御されている電圧源912と、第1電圧制御されている電流源913と、第2電圧制御されている電流源914と、第3電圧制御されている電流源915とを備えている。
【0153】
さらに、電圧値記憶装置916が備えられている。
【0154】
第1スイッチ917がオフセットチャネル(つまり第1電流経路910)に、第2スイッチ918が測定チャネル911(つまり第2電流経路)に設置されている。
【0155】
両方のスイッチ917・918は、互いに依存せずにONまたはOFF状態となれるように、制御ユニット919によって制御される。
【0156】
調整部903は、制御ユニット919によって制御されたスイッチ917・918のスイッチ位置に応じて、2つの操作モードで駆動される。これについては以下でさらに詳述する。
【0157】
また、差動電圧制御されている電圧源912は、その第1入力部937を介して、バイアス電圧Vbiasを印加する電圧源920に連結されており、それを介して測定電位に連結されている。
【0158】
差動電圧制御されている電圧源912の第2入力部936は、電子回路902の第1ノード908に連結されている。
【0159】
制御されている第1電流源913の第1端子921は、第1ノード908に連結されており、電圧制御されている第1電流源913の第2端子922は、電圧値記憶装置916とその第1端子923を介して連結されている。
【0160】
電圧値記憶装置916の第2端子924は、第1スイッチ917の第1端子925に連結されており、第1スイッチ917の第2端子926は、第2ノード927に連結されている。また、第2ノード927は、電圧制御されている第2電流源914の第1端子928とも連結されている。
【0161】
さらに、電圧制御されている第2電流源914の第2端子929は、第2スイッチ918の第1端子930と接続されている。この第2スイッチ918の第2端子931は、第1ノード908と接続されている。こうして、測定チャネル、つまり第2電流経路が形成される。
【0162】
さらに、差動電圧制御されている電圧源912の出力部932は、第2ノード927、および、電圧制御されている第3電流源915の第1端子933に連結されている。電圧制御されている第3電流源915の第2端子934は、電子回路902の出力部935に連結されている。
【0163】
第1操作モードでは、第1スイッチ917のスイッチ位置がON状態にあり、第2スイッチ918はOFF状態にある。
【0164】
この状態において、電子回路902は、第1段階602、つまり電流オフセット補正の段階で示した(beschriebene)オフセット電流IOffsetの補正に影響を与える。このオフセット電流IOffsetは、上述したように、主に第1センサー信号によって構成される。
【0165】
いいかえると、第2電極1404から出力されたセンサー電流ISensorを、第1段階において、オフセットチャネル106・910に完全に導くのである。
【0166】
この状態を、差動電圧制御されている電圧源912および電圧制御されている第1電流源913からなる調整回路によって実現する。
【0167】
電圧値記憶装置916によって、電圧制御されている第1電流源913に対応する入力電圧値を蓄積(つまりセーブ)する。
【0168】
図9では、電圧値記憶装置16はアナログ記憶装置として実施され、キャパシタ938によって示されている。
【0169】
これに関して、その電圧値と、したがってオフセット電流IOffsetとの保存を、デジタルでも行える。
【0170】
上記した各電圧値(spezifische Spannungswert)については、例えば、アナログ/デジタルコンバータを用いた相互変換、デジタルでの蓄積、デジタル/アナログコンバータを用いたアナログ電圧信号または対応する電流信号(オフセット電流IOffsetにほぼ相当する)への回復を行える。
【0171】
図9に示した電子回路902の第2操作モードでは、第1スイッチ917はOFF状態であり、第2スイッチ918はON状態である。
【0172】
この状態において、電子回路902は、オフセット電流IOffsetと測定電流IMessとの2つの電流への、センサー901に出力されたセンサー電流ISensorの分配に影響を与える。
【0173】
これに関して、オフセット電流IOffsetの値を、電圧値記憶装置916において電極変換時点t603(図6参照)で蓄積された電圧値によって決定する。
【0174】
測定チャネル107では、ノード調整に応じて、キルヒホッフの法則に従って、次の電流が流れる。
Mess=ISensor−IOffset               (1)
測定チャネル911は、差動電圧制御されている電圧源912と電圧制御されている第2電流源914とからなる調整回路の成分である。
【0175】
したがって、出力電圧VMessと測定電流IMessとの電圧値は、電圧制御されている第2電流源914の特性に関して互いに関連している。
【0176】
電圧制御されている第2電流源914と電圧制御されている第3電流源915との特性値(Charakteristika)が、互いにほぼ同一となると、同一の電圧で制御される2つの電流源914・915が使用される。したがって、電子回路902の出力部904では、出力電圧VOutの電圧値は、以下のように出力電流IOutに変換される。
Out=IMess                        (2)
したがって、出力電流IOutは、センサー901の有効信号、つまり時間に応じた測定電流IMessのみを主に含んでいる。この測定電流IMessは、レドックス再生利用工程の間における時間依存性を示し、したがって、DNA鎖とDNAプローブ分子1407とのハイブリダイズの結果をセンサー901上で表す。
【0177】
また、バイアス電圧源920は、特に、以下で詳述する関数を有している。
【0178】
上述の調整回路の1つが閉じられた直後では、第1ノード908において、または、このノードのキャパシタ(キャパシタCSen939によって表される)上で、バイアス電圧Vbiasの電圧値が決定される。従って、第2電極1404は、レドックス再生利用方法に必要な電位を含んでいる。
【0179】
スイッチ917・918のどちらもON状態にない場合、上述したいずれか一方の操作モードに変換する際に、問題が生じることがある。
【0180】
この場合、センサー1401の第2電極1404の電極電圧は、所望の電圧値から基本的にずれてしまう。
【0181】
このような問題を防止するために、スイッチ917・918の切り換え工程のための適切な時間調整(Timing)を行うか、または、回路にさらに手を加えることが有効である。これらについては、以下で詳述する電気回路902の実施例に示す。
【0182】
図10に、本発明の第1実施例に基づいた電子回路1000を示す。
【0183】
第1実施例に基づいたセンサー構造1000では、図9に原理的に示した電子回路902およびセンサー901と同じ機能を有する同じ構成部材には、同じ参照符号を付けている。
【0184】
電子回路1001は、差動電圧制御されている電圧源として演算増幅器1002を備えている。その反転入力部(negativer Eingang)1003は第1ノード908に、また、その非反転入力部(positiver Eingang)1004はバイアス電圧源920に連結されている。
【0185】
本実施例および他の実施例では、電子回路902の電圧制御されている電流源をPMOSトランジスタを用いて、電圧制御されている第1電流源913を第1トランジスタ1005を用いて、電圧制御されている第2電流源914を第2トランジスタ1006を用いて、および、電圧制御されている第3電流源915を第3トランジスタ1007を用いて、それぞれ実施している。
【0186】
なお、他の種類のトランジスタ、例えばCMOSトランジスタ、BiCMOSトランジスタ、バイポーラトランジスタなどを使用できることは言うまでもない。
【0187】
任意的に、()で示す直列に接続された他のPMOSトランジスタ1008・1009・1010を、各トランジスタ1005・1006・1007に加えてそれぞれ備えてもよい。他のトランジスタ1008・1009・1010は、カスケードとして用いられ、カスケード電圧源1011から印加されたカスケード電圧VKaskによってスイッチを切り換える。
【0188】
他のトランジスタ1008・1009・1010によって、トランジスタ1005・1006・1007の電流源特性は改良される。言い換えると、電圧制御されている電流源の出力抵抗が上昇する。
【0189】
図10、図11、図12、図13に示したようないずれの実施例においても、トランジスタ1005・1006・1007の各ドレイン端子は、互いに、および、電子回路1001・1101・1201・1301の出力部935に連結されている。
【0190】
さらに、第1実施例での電子回路1001、つまりセンサー構造1000の機能について、いくつかの計算(Rechnungen)に基づいて分析的に記載する。
【0191】
演算増幅器1002のオープンループ増幅をA1によって示す。
【0192】
演算増幅器1002をその境界領域において駆動しないことがフィードバックによって保証されている限り、以下の式が成り立つ。
Out=A1(V−V)                    (3)
Out=A1(V+bias−V)                (4)
=Vbias−VOut/A1                  (5)
A1→∞:⇒V=Vbias                    (6)
トランジスタおよび調整制御ユニット(Regelsteuereinheit)919および演算増幅器1002によって形成される調整部903の操作方法の影響を受けない場合、演算増幅器出力部1012のフィードバックを受けると、本実施例では、オープンループ増幅A1が十分高い限り、第1トランジスタ1005または第2トランジスタ1006を介して、それらの反転入力部1003へ、センサー1401・901の第2電極1404に、所望のバイアス電圧値Vbiasが生じる。
【0193】
以下に示す計算では、上述した2つの操作モードは異なっている。
【0194】
電流オフセット補正の第1操作モード(つまり、第1段階の間)では、第1スイッチ917はON状態にあり、第2スイッチ918はOFF状態にある。
【0195】
例えば[9]に記載されているように、飽和状態のための簡単なトランジスタモデルを用いて、第1トランジスタ1005を介したオフセット電流IOffsetを次の規定に従って示すことができる。
Offset=k1([Vdd−VOut]−|Vthp1|)      (7)
ここで、
ddは供給電圧を、Vthp1は第1トランジスタ1005の開始電圧を、K1は、技術特有の(technologiespezifische)、トランジスタの形状の影響を受ける第1トランジスタ1005用の定数を示している。
【0196】
上述の規定(7)を出力電圧VOutについて解くと、電圧値記憶装置916に蓄積された電圧値VSpeicherとオフセットチャネル910に供給された(abgefuehrten)電流IOffsetとの関連を、以下の規定に従って行う。
Speicher=Vdd−|Vthp1|−√(IOffset/k1)   (8)
第1スイッチ917がOFF状態にあり、第2スイッチ918がON状態にある第2操作モードに従って、上述と同じトランジスタモデルを用いて、第2トランジスタ1006での関連を以下に示す。
mess=ISen−IOffset=k2・(Vdd−VOut−|Vthp2|)
⇒VOut=Vdd−|Vthp2|−√{(ISen−IOffset)/k2}
(9)
このとき、Vthp2によって第2トランジスタ1006の開始電圧が示される。
202
さらに、電子回路1001の出力部904に関して以下に示す。
Out=k3(Vdd−VOut−|Vthp3|)
=k3(Vdd−Vdd+|Vthp2|+√[(ISen−IOffset)/k2]−|Vthp3|)                     (10)
このとき、Vthp3によって第3トランジスタの開始電圧が示される。
【0197】
このような前提条件に従って、以下のことが言える。
thp2=Vthp3                      (11)
したがって以下のようになる。
Out=k3/k2・(ISen−IOffset)          (12)
図5のセンサー電流ISensorが次の規定
Sensor=IOffset+m・t               (13)
に従って生じるので、
Out=k3/k2・m・t                  (14)
となる。
【0198】
出力電流IOutは、レドックス再生利用方法を分析するために特徴的なパラメータmを含み、このパラメータmは、調査される溶液中の検出されるDNA鎖に関する情報内容を含んでいる。
【0199】
前因子k3/k2は、回路デザイナー(Schaltungsdesigner)の第2トランジスタ1006と第3トランジスタ1007との形状によって適切に設定でき、したがって予め設定される。
【0200】
したがって、前因子k3/k2を、例えば増幅因子としても使用できる。
【0201】
図11に、本発明の第2実施例に基づいたセンサー構造1000を示す。
【0202】
第2実施例に基づいたセンサー構造1100では、図9・図10に示した電子回路902およびセンサー901と同じ機能を有する同じ構成部材には、同じ参照符号が付けられている。
【0203】
第2実施例の電子回路1101は、特に、他の演算増幅器(以下、第2演算増幅器1102と称する)が備えられていることによって、第1実施例の電子回路1001と異なっている。なお、他の演算増幅器の反転入力部1103は第1ノード908に、また、その非反転入力部1104はバイアス電圧源920に連結されている。
【0204】
さらに、第2演算増幅器1102のフィードバック枝路1105には、電気抵抗器1106が備えられている。
【0205】
第2演算増幅器の出力部1107は、第1演算増幅器1109の非反転入力部1108に連結されており、第2演算増幅器1102の非反転入力部1104は、第1演算増幅器1109の反転入力部1110に連結されている。
【0206】
第1演算増幅器1109の出力部111は、第2トランジスタ1006と第3トランジスタ1007とのゲート端子と再び連結されている。
【0207】
センサー1401・905の第2電極1404は、他の第2演算増幅器1102とフィードバック抵抗器1106とを用いて、スイッチ917・918の位置とは関係なく、必要な所望のバイアス電圧Vを印加する(beschaltet)ことができる。つまり、以下の規定が成り立つ。
1Out=A1(V1+−V1−)                (15)
1Out=A1(Vbias−V1−)               (16)
⇒V1−=Vbias−V1Out/A1               (17)
A1→∞⇒V=Vbias                   (18)
さらに、電子回路1101は、電流Iがフィードバック抵抗器1106によって0になると同時に、第1実施例の電子回路1001と同様に作動する。
【0208】
フィードバック抵抗器1106を介した電圧降下を算定するためには、第1演算増幅器1109の非反転入力部1110の電圧V3+について知っておく必要がある。
【0209】
両スイッチ917・918のいずれか一方がON状態であることによって、全制御ループ(Gesamtregelkreis)が第1演算増幅器1109にフィードバックを行い、出力、つまり出力電圧VOutが演算増幅器1102・1109の飽和領域に達すると同時に、次の規定が成り立つ。
Out=A3(V3+−V3−)                 (19)
Out=A3(V3+−Vbias)               (20)
⇒ V3+=Vbias+VOut/A3              (21)
A3→∞⇒V3+=Vbias                   (22)
したがって、スイッチ917・918のいずれか一方がON状態である場合、フィードバック抵抗器1106を介した電圧降下は0に等しく、それゆえ、第2実施例の電子回路1101を作動するために必要なように、電流Iもフィードバック抵抗器1106によって0に等しい。
【0210】
第1・第2実施例では、電流勾配上昇(Stromgradientenanstiegs)mの値(interessierende Groesse)は、出力電流IOutを検出するための規定によると直線的であり、しかし、出力電圧VOutを検出するための規定によると非直線的である。
【0211】
以下に記載する第3・第4実施例では、電流勾配上昇mは、両方の出力の大きさIOutおよびVOutにおいて直線状になっている。
【0212】
図12に示した電子回路1201の機能を算定する場合、オフセット補正と本来の測定段階との操作モードは、ここでも異なっている。
【0213】
図12に、本発明の第3実施例でのセンサー構造1200を示す。
【0214】
第3実施例のセンサー構造1200では、図9・図10・図11に示した電子回路902およびセンサー901の同じ機能を有する同じ構成部材には、同じ参照符号が付けられている。
【0215】
第3実施例での電子回路1201は、第3演算増幅器1202、第4演算増幅器1203および第5演算増幅器1204を備えている。
【0216】
第3演算増幅器の反転入力部1205は、第1ノード908に連結されており、非反転入力部1206はバイアス電圧源929および第5演算増幅器1204の反転入力部1207に連結されている。
【0217】
さらに、第3演算増幅器1202の出力部1208は、第1電気抵抗器1209を介して第1ノード908にフィードバックされ、さらに、第5演算増幅器1204の非反転入力部1210および第4演算増幅器1203の反転入力部1211に連結されている。
【0218】
さらに、第3演算増幅器1202の非反転入力部1206は、第2電気抵抗気1212を介して第4演算増幅器1203の非反転入力部1213に連結されている。
【0219】
第4演算増幅器1203の出力部1214は、第2トランジスタ1006のゲート端子に連結されており、第5演算増幅器の出力部1215は、スイッチ1217の第1端子1216に連結されている。スイッチ1217の第2端子1218は、第1トランジスタ1005のゲート端子1219に連結されており、キャパシタ938を介して、第1トランジスタ1005および電子回路1201の出力部935に連結されている。
【0220】
従って、第3実施例に基づく電子回路は、スイッチ1217のみを備えている。
【0221】
出力電圧VOutは、以下の規定に基づいて算定される:
Out=A1(V1+−V1−)                (23)
Out=A1(Vbias−VOut−IMessR1)           (24)
⇒VOut=A1/(1+A1)(Vbias−IMessR1)      (25)
スイッチ1217がON状態の場合、第1トランジスタ1005のゲート端子に印加されている電圧と同一である制御電圧VRegは:
Reg=A3(V3+−V3−)                (26)
Reg=A3(VOut−Vbias)              (27)
⇒VReg=A3(A1/(1+A1)(Vbias−IMessR1)−Vbias)(28)である。
【0222】
従って、電子回路1201の第1ノード908では、キルヒホッフの結び目論理に基づけば、
Sensor=IOffset+IMess   (29)である。
【0223】
第1トランジスタ1005を通るオフセット電流IOffsetは、上記の簡単なトランジスタモデルにより、飽和の場合、以下の規定に基づいて記載される。
【0224】
Offset=k1([Vdd−VReg]−|Vthp|)2    (30)
従って、3つの数式(28)、(29)、(30)は、3つの未知数、すなわち、測定電流IMess、オフセット電流IOffsetおよび制御電圧VRegのためにある。
【0225】
数式系を解くこと、および増幅係数A1,A3→∞のための限界値を形成することによって、特に、オフセット電流IOffsetがセンサー電流ISensorに等しく、測定電流IMessがゼロであるという結果が導かれる。
【0226】
従って、電子回路1201は、スイッチ1217がON状態の場合、センサー電流ISensorを、オフセットチャネル910に完全に流出するように作動する。
【0227】
スイッチ1217がOFF状態になると、調整は中断される。
【0228】
第1トランジスタ1005の浮動ゲート1219は、この場合、固有のオフセット電流IOffsetに相当する電圧値を蓄積する。
【0229】
この場合、キャパシタC938は、最適な支持キャパシタとして機能する。
【0230】
第2操作モード、すなわち、実際の測定段階では、4つの未知数、すなわち、出力電流IOut、出力電圧VOut、ならびに変数Vg2およびV2+のために、以下に示すような、同じく4つの数式(31)、(32)、(33)、(34)が設定される。
【0231】
Out=A1/(1+A1)(Vbias−IMessR1)    (31)
g2=A2(V2+−VOut)               (32)
Out=k2(Vg2−V2+−Vthn)2           (33)
2+=Vbias+IOutR2                (34)
数式系を完全に解くこと、および、増幅係数A1,A2→∞のための限界値を形成することで、以下の結果が導出される。
【0232】
Out=−R1/R2 IMess=−R1/R2tm     (35)
Out=Vbias−IMessR1=Vbias−R1tm       (36)
2つの出力値、すなわち出力電流IOutと出力電圧VOutとを算出するための規定(35)および(36)では、この場合、パラメータmが、一次形式のみで現れる。
【0233】
電気抵抗R1,R2の比率によって、出力電流IOutにおける電流勾配上昇(Stromgradientenanstieg)mに対し、望ましい増幅率が設定される。
【0234】
図13に、本発明の第4実施例に係るセンサー構造1300を示す。
【0235】
図9、図10、図11、図12に示す電子回路902およびセンサー901と同じ機能を有する同じ構成部材には、センサー構造1200では、第3実施例に基づき同じ参照番号が付けられている。
【0236】
本発明の第4実施例の電子回路1301は、第3実施例に基づく電子回路1201の変化形である。
【0237】
本発明の第4実施例の電子回路1301では、本発明の第3実施例に基づく電子回路1201と比べると、第5演算増幅器1204が省かれている。
【0238】
第3演算増幅器1202の出力部1208は、やはり電子回路1201に備えられているスイッチ1217の第1端子と直接連結されており、さらに、他のスイッチ1303の第1端子1302に連結されている。また、他のスイッチ1303の第2端子1304は、電気抵抗1209に連結されており、これを介して第1ノード908とも連結されている。
【0239】
しかし、スイッチ1217,1303のどちらもON状態でない場合、この第4実施例に基づき、第2電極1404にある電位は、所定の望ましいバイアス電圧値Vbiasから流出する。その結果、この場合、切り替え工程のための適切な時間調整を維持しなければならない。
【0240】
本書類では以下の刊行物を引用した:
[1]R. Hintsche他『Si技術によって製造された電極を用いるマイクロバイオセンサー, 最先端のバイオセンサー学, 基本原理(MicrobioSensors Using Electrodes Made in Si−Technology, Frontiers in BioSensorics, Fundamental Aspects)』F. W. Scheller 他編集, Dirk Hauser出版, バーゼル, 267‐283ページ, 1997年
[2]M. Paeschke他「シリコンを用いて製造された微小電極アレイを使用したボルタンメトリックな多重通信路測定(Voltammetric Multichannel Measurements using Silicon Fabricated Microelectrode Arrays)」『Electroanalysis』, 7巻1号,1−8ページ、1996年
[3]R. Hintsche他『Si技術によって製造されたマイクロバイオセンサー、最先端のバイオセンサー学、基本原理(MicrobioSensors using electrodes made in Si−technology, Frontiers in BioSensorics, Fundamental Aspects)』F.W. Scheller 他編集, Birkhauser出版, バーゼル,スイス,1997年
[4]P. van Gerwen「生化学センサー用のナノ規模のインターデジタル電極アレイ(Nanoscaled Interdigitated Electrode Arrays for Biochemical Sensors)」『IEEE』,ソリッドステートセンサーと作動装置に関する国際会議, シカゴ,907‐910ページ, 1997年6月16日‐19日
[5]PCT特許 WO 93/22678
[6]ドイツ公開特許 DE 19610115 A1
[7]C. Krause他「疎水化された金から構成された電極に関する界面活性剤吸着の容量性の検出(Capacitive Detection of Surfactant Adsorption on Hydrophobized Gold Electrodes)」『Langmuir』,12巻25号、6059‐6064ページ,1996年
[8]V. Mirsky他「金から構成される電極に関する蛋白質固着の容量性のモニタリング、および、一酸化アルキルチオール被膜における抗原抗体反応(Capacitive Monitoring of Protein Immobilization and Antigen−Antibody Reactions on Monomolecular Alkylthiol Films on Gold Electrodes)」『BioSensors & Bioelectronics』12巻9‐10号,977‐989ページ、1997年
[9]K.Hoffman「VLSI設計」(KK.Hoffmann, VLSI−Entwurf, Oldenbourg Verlag Muenchen Wien, ISBN 3−486−23870−1, 308ページ、1996年)
[10]DE19609621C1
[11]US5726597
[12]US4992755
[13]US4987379
[14]US4810973
[15]US4495470
[16]US4462002
[17]US4322687
[18]US4306196
[19]「プログラマブルセンサーインターフェース」(Elektor, 11/98, Applikator, MLX90308, Programmierbares Sensor−Interface, 72−75ページ、1998年)
[20]P.D. Wilson他「万能センサーインターフェースチップ(USIC):仕様と応用概略」(P.D.Wilson et al, Universal Sensor interface chip (USIC): specification and applications Outline, Sensor Review, 16巻、1番、18−21頁、ISSN0260−2288, 1996年)
【図面の簡単な説明】
【図1】
実施例に基づく原理を示す原理図である。
【図2A】
電解液中に検出されるDNA鎖の存在を認識できる2つのプレーナ電極を示す略図である。
【図2B】
電解液中に検出されるDNA鎖の不在を認識できる2つのプレーナ電極を示す略図である。
【図3】
従来技術に基づいたインターデジタル電極を示す図である。
【図4A】
レドックス再生利用工程における各状態を説明する、従来技術に基づいたバイオセンサーを示す略図である。
【図4B】
レドックス再生利用工程における各状態を説明する、従来技術に基づいたバイオセンサーを示す略図である。
【図4C】
レドックス再生利用工程における各状態を説明する、従来技術に基づいたバイオセンサーを示す略図である。
【図5】
レドックス再生利用工程における回路電流の関数的流れ(Funktionsverlauf)を示す図である。
【図6】
信号曲線が、2つの段階、つまり電流オフセット補正および独自の測定段階、を示すグラフである。
【図7】
異なる2つの測定状態のためのセンサー信号用の様々なダイナミックレンジを示す略図である。
【図8】
図7からセンサー信号用の均一に固定されたダイナミックレンジに達するための、「リセット方法」を示す略図である。
【図9】
本発明の実施例に基づいた電子回路を示す原理回路図である。
【図10】
本発明の第1実施例に基づいた電子回路を示す回路図である。
【図11】
本発明の第2実施例に基づいた電子回路を示す回路図である。
【図12】
本発明の第3実施例に基づいた電子回路を示す回路図である。
【図13】
本発明の第4実施例に基づいた電子回路を示す回路図である。
【図14】
集積回路に実現されているセンサーと電子回路とを備えたセンサー構造を示す略図である。
【符号の説明】
100     原理略図
101     第1グラフ
102     電流
103     時間
104     センサー信号の経過曲線
105     センサーチャネル
106     オフセットチャネル
107     測定チャネル
108     ノード
109     電流オフセット信号
110     第2グラフ
111     電流
112     時間
113     時間
114     電流
115     測定電流の経過曲線
116     第3グラフ
200     センサー
201     電極
202     電極
203     絶縁体
204     電極端子
205     電極端子
206     DNAプローブ分子
207     電解液
208     DNA鎖
300     インターデジタル電極
400     バイオセンサー
401     第1電極
402     第2電極
403     絶縁層
404     第1電極の固定領域
405     DNAプローブ分子
406     電解液
407     DNA鎖
408     酵素
409     分裂可能な分子
410     負電荷の第1部分分子
411     矢印
412     他の解決法
413     酸化された第1部分分子
414     還元された第1部分分子
500     グラフ
501     電気電流(Elektrischer Strom)
502     時間
503     曲線 電流―時間
504     オフセット電流
600     時間グラフ
601     センサー電流
602     第1段階
603     切り替え時点
604     第2段階
605     酸化還元再生の開始
606     流入段階
607     時間
700     第2時間グラフ
701     第1電流信号
702     第2電流信号
703     センサー電流
704     時間
705     第1ダイナミックレンジ
706     第2ダイナミックレンジ
800     測定信号グラフ
801     閾値電流
802     測定電流
803     時間
804     固定ダイナミックレンジ
900     センサー構造
901     センサー
902     電子回路
903     電子回路の電子入力調整部
904     電子回路の出力部
905     センサーの出力部
906     電気線
907     電子回路の入力部
908     第1ノード
909     センサーチャネル
910     オフセットチャネル
911     測定チャネル
912     差動電圧制御されている電圧源
913     電圧制御されている第1電流源
914     電圧制御されている第2電流源
915     電圧制御されている第3電流源
916     電圧値記憶装置
917     第1スイッチ
918     第2スイッチ
919     制御ユニット
920     バイアス電圧源
921     電圧制御されている第1電流源の第1端子
922     電圧制御されている第1電流源の第2端子
923     電圧値記憶装置の第1端子
924     電圧値記憶装置の第2端子
925     第1スイッチの第1端子
926     第1スイッチの第2端子
927     第2ノード
928     電圧制御されている第2電流源の第1端子
929     電圧制御されている第2電流源の第2端子
930     第2スイッチの第1端子
931     第2スイッチの第2端子
932     差動電圧制御されている電圧源の出力部
933     電圧制御されている第3電流源の第1端子
934     電圧制御されている第3電流源の第2端子
935     出力部
936     差動電圧制御されている電圧源の第1入力部
937     差動電圧制御されている電圧源の第2入力部
938     キャパシタ
939     キャパシタ
1000     センサー構造
1001     電子回路
1002     第1演算増幅器
1003     第1演算増幅器の負の入力部
1004     第1演算増幅器の正の入力部
1005     第1トランジスタ
1006     第2トランジスタ
1007     第3トランジスタ
1008     他のトランジスタ
1009     他のトランジスタ
1010     他のトランジスタ
1011     カスケード電圧源
1012     第1演算増幅器の出力部
1100     センサー構造
1101     電子回路
1102     第2演算増幅器
1103     第2演算増幅器の負の入力部
1104     第2演算増幅器の正の入力部
1105     フィードバック線
1106     フィードバック抵抗器
1107     第2演算増幅器の出力部
1108     第1演算増幅器の正の入力部
1109     第1演算増幅器
1110     第1演算増幅器の負の入力部
1111     第1演算増幅器の出力部
1200     センサー構造
1201     電子回路
1202     第3演算増幅器
1203     第4演算増幅器
1204     第5演算増幅器
1205     第3演算増幅器の負の入力部
1206     第3演算増幅器の正の入力部
1207     第5演算増幅器の負の入力部
1208     第3演算増幅器の出力部
1209     フィードバック抵抗器
1210     第5演算増幅器の正の入力部
1211     第4演算増幅器の負の入力部
1212     第2電気抵抗
1213     第4演算増幅器の正の入力部
1214     第4演算増幅器の出力部
1215     第5演算増幅器の出力部
1216     第1端子スイッチ
1217     スイッチ
1218     第2端子スイッチ
1219     第1トランジスタのゲート端子
1300     センサー構造
1301     電子回路
1302     他のスイッチの第1端子
1303     他のスイッチ
1304     他のスイッチの第2端子
1400     センサー構造
1401     センサー
1402     電子回路
1403     第1電極
1404     第2電極
1405     基板
1406     固定層
1407     DNAプローブ分子
1408     調査される溶液
1409     DNA鎖
1410     酵素
1411     分裂する分子
1412     負電荷を有する部分分子
1413     矢印
1414     正電荷を有する部分分子
1415     負電荷を有する部分分子
1416     センサー電流
1417     出力電流
1418     出力部

Claims (16)

  1. 電流オフセット信号と時間に応じた測定信号とを含んでいる第1センサー信号、または、基本的には電流オフセット信号を含んでいる第2センサー信号を処理するための電子回路において、
    上記第1センサー信号または第2センサー信号が印加される入力部と、
    電流オフセット信号を導出するための、入力部に連結されている第1信号経路と、
    時間に応じた測定信号を導出するための、入力部に連結されている第2信号経路と、
    入力部に第2センサー信号が印加される場合には、基本的には第1信号経路のみを流通するように第2センサー信号を制御するように設定されている制御ユニットとを備え、
    第2センサー信号が入力部に印加される場合、この第2センサー信号を蓄積できる電圧値記憶要素が、第1信号経路に備えられており、
    第1センサー信号が入力部に印加される場合、電圧値記憶要素に蓄積されている第2センサー信号が、入力部へと供給される電子回路。
  2. 出力信号を出力できる出力部と、
    上記第1信号経路または第2信号経路を、相互に無関係に、出力部と連結、または、出力部から切断できる切り替え素子とを備える、請求項1に記載の電子回路。
  3. 上記電圧値記憶要素は、少なくとも1つのキャパシタを備えている、請求項1または2に記載の電子回路。
  4. 上記第1信号経路に、上記制御ユニットによって制御されている第1電流源が備えられている、請求項1〜3のいずれかに記載の電子回路。
  5. 上記制御ユニットは、第2信号経路を流通する信号が所定の閾値を超える場合に、制御されている第1電流源が、第2信号経路を流通する信号に相当する電流であって、入力部に供給できる電流を生成するように設定されている、請求項4に記載の電子回路。
  6. 上記制御ユニットが電圧源を備えている、請求項1〜5のいずれかに記載の電子回路。
  7. 上記電圧源が、電圧制御されている電圧源として形成されている、請求項6に記載の電子回路。
  8. 上記電圧源が、差電圧制御されている電圧源として形成されている、請求項7に記載の電子回路。
  9. 上記第2信号経路に、制御されている第2電流源が備えられている、請求項1〜8のいずれかに記載の電子回路。
  10. 上記出力部と上記信号経路との間に接続されて出力信号を生成する、制御されている第3電流源が備えられている、請求項1〜9のいずれかに記載の電子回路。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の電子回路を備えるセンサー構造。
  12. 上記センサー構造は、上記電子回路とともに集積回路として形成されている、請求項11に記載のセンサー構造。
  13. 巨大分子生体高分子を検出するように設定されている、請求項11または12に記載のセンサー構造。
  14. 電流オフセット信号と、時間に応じた測定信号とを含むセンサー信号の処理方法において、
    第1段階において、基本的には、電流オフセット信号を含んでいる第1センサー信号を電子回路の入力部に印加し、
    第1センサー信号を、基本的に、入力部に連結されている第1信号経路に供給して蓄積し、
    第2段階において、電流オフセット信号および時間に応じた測定信号を含んでいる第2センサー信号を上記入力部に印加し、
    第2段階において、蓄積されている第1センサー信号を第1信号経路を介して入力部に供給し、その結果、入力部に連結されている第2信号経路に、基本的に、時間に応じた測定信号を流す、センサー信号の処理方法。
  15. 巨大分子生体高分子を検出するために使用される請求項14に記載の方法。
  16. 上記第2段階において、巨大分子生体高分子を検出するための再生利用方法の間に、センサーによって第2センサー信号を検知する、請求項15に記載の方法。
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