JP2004510659A - 流体分配用栓体 - Google Patents
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Abstract
流体分配用栓体(10)であって、該栓体を通して流体の流れを制御する分配弁(40)と、必要に応じて容器に空気を通気する通気路(62)とを組み込んだもの。栓体(10)は、受入れ容器とはめ合わせることができる分配注ぎ口(20)を含む。分配注ぎ口(20)は、エラストマー系材料で作られた弾性により形状復元性のある弁(40)を伴った流体溝(22)を有している。該栓体内部に形成された通気路(62)は、流体が容器から分配されるにつれて容器内部に生じる真空度に応じて、グロメット(70)によって選択的に密封される。取り外し可能なオーバーキャップ(90)が、分配注ぎ口を密封するように覆い、流体の漏えいを捕捉する。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、ジュースのような流体を所定の容器に選択的に分配する流体分配用栓体、特に、受入れ容器とはめ合わせることができ、かつ、弾性により形状復元性があり、スプリングで一方に偏らせた分配弁および通気弁を組み合わせて含んだディスペンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
容器からの流体の流れを選択的に制御するために、様々な栓体が開発されてきている。最も一般的な栓体は、弁を組み込んだもので、弁を回転させるか、または、別のやり方では、手動で開閉させて、容器からの流体を分配する。この分配用栓体は、典型的には容器の底部近傍に位置しており、重力により、栓体を通して流体を押し出すようになっている。
【0003】
市販されている飲料用ディスペンサには、ハウジングと結合した機械的分配手段が組み込まれている。例としては、外部に分配システムを有する、ミルクやジュース用の市販のディスペンサが含まれる。この例では、ジュースやミルクは、大容積の容器に入れて運搬される。機械的分配システムは、栓体を経由して大容積の容器に取り付けられる。大容積の容器に用いる栓体は、運搬中に流体の漏えいを防止すると共に、内容物および分配用栓体の汚染を防止することができるようなものでなくてはならない。
【0004】
さらに、容器からの流体の流れを中断させないようにすることが重要である。このことは、流体が分配されるにつれて容器内部の真空度が高まるのを防止することによって達成されるが、それには、通気システムを利用することにより、空気が、分配した流体に取って代わることができる。従来技術の容器では、典型的には、容器の最上部に通気孔を組み込んで、容器内部が過度に真空になるのを防止している。これは、確かに機能する解決策ではあるが、容器に別々に二つの開口部を作らなくてはならないという点で、容器製造者にとって問題が提起される。同様に、容器の利用者にとっても問題を生じさせる、なぜなら、典型的には単純な通気孔である二番目の開口部を、容器を充満、貯蔵および運搬しているときに密封するのは困難だからである。
【0005】
本発明の目的は、ディスペンサと協働して、ジュースやミルクのような流体を需要に応じて容易に注入する栓体を提供することにより、こうした問題を処理することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、弾性により形状復元性のある、スプリングで一方に偏らせた分配弁および通気弁を栓体の領域内に組み込んだ分配用栓体を提供することにより、従来技術で知られたディスペンサの欠点を解消するものである。
【0007】
本発明に係る流体分配用栓体は、容器にねじで取り付けられるように適合された、ほぼ円筒状のハウジングを含んでいる。容器と流体連通している円筒状の分配注ぎ口は、ハウジングから延びている。ディスペンサ注ぎ口の内部には、流体の流れを制御する弁調節部材が配置してある。好ましい実施形態では、この弁調節部材が、弾性により形状復元性のあるエラストマー系の弁要素を具備し、その弁要素をディスペンサ注ぎ口の内部に着座させて、流体の流れを制御する。この一体型の弁要素が、たとえば、玉とスプリングの構成か、またはプランジャーとワッシャーのアッセンブリのような、通常多重の構成要素を具備する、より標準的な弁機構に取って代わる。そこで、本発明は、価格が安く、製造も簡単である。
【0008】
本発明に係るディスペンサ注ぎ口は通気アッセンブリを収容しており、そのアッセンブリは、通気開口部と連通している通気路を含んでいる。その通気路内部には、通気グロメットが捕捉されており、流体が容器から分配されるにつれて生じる真空圧が蓄積されるのに応じて、通気グロメットが通気開口部を選択的に閉止する。この作用により、分配用栓体に有効に通気する。
【0009】
本発明に係るディスペンサは、取り外し可能なオーバーキャップを受けとめる手段を含んでいる。このオーバーキャップは、分配注ぎ口を覆い、どんな潜在的な流体の漏えいも捕捉し、保持する。オーバーキャップは、分配注ぎ口に加えて、通気開口部を覆うように延長されることもある。オーバーキャップは、注ぎ口と通気孔の回りに延びた環状の溝にはめ合うように適合されたリムビードを含んでいる。オーバーキャップは、撓ますだけで着脱ができる。
【0010】
本発明に係る分配注ぎ口には、Oリングシールが備えられており、受入れ容器と、しっかりしたはめ合わせを容易に行うことができる。その注ぎ口を受入れ容器に挿入すると、弾性により形状復元性のある、スプリングで一方に偏らせた弁が弁座から変位して、流体が注ぎ口を通過できるようになる。重力により、通気グロメットが通気開口部を閉止し、それによって確実に、流体が、通気孔ではなく注ぎ口を通るようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のその他の目的、特徴および利点は、添付図面と関連付けた以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【0012】
本発明は、添付図面を参照にしながら、その好ましい実施形態についての以下の詳細な説明を読めば、よりよく理解されるであろう。図面の中では、同類の参照記号は全図面を通じて同類の部品を指している。なおその中において、
図1は、本発明の好ましい実施形態の分配用栓体およびオーバーキャップの分解、透視、断面図である。
図2は、流体分配用栓体の他の実施形態の透視、断面図である。
図3は、通気開口部および通気グロメットの拡大断面図である。
図4は、他の通気開口部の構成の拡大断面図である。
図5は、図2に示した他の実施形態の断面図である。
図6は、図2に示した他の実施形態の断面図で、弾性により形状復元性のある逆止弁が開放位置にあるものである。
【0013】
図1は、流体分配用栓体10を示した本発明の好ましい実施形態を示している。栓体10は、たとえば、ミルクまたはジュースのような流体の大容積の容器100の一端に取り付けてあり、他端は分配システムに取り付けてある。栓体10は、大容積の容器100の運搬および貯蔵期間中の流体の漏えいを防止する。さらに、栓体10により、容器100からの流体の流れを中断することなく、容器100から流体を分配システムに選択的に分配することができる。
【0014】
図1を参照すれば分かるように、栓体10は、ハウジング12、弾性により形状復元性のある弁アッセンブリ40、およびオーバーキャップ90を具備している。ハウジング12は、大容積の容器100に確実に取り付けられるよう適合されている。ハウジング12は、上部取り付け部分14および下方延長の分配注ぎ口20を有している。好ましい実施形態においては、上部取り付け部分14には、大容積の容器100とねじではめ合うように適合するねじ16が切ってある。
【0015】
下方延長の分配注ぎ口20は、管状の構成をしており、その直径はハウジング12より小さい。分配注ぎ口20は、ポンプのような分配システム(図示せず)とはめ合わせるような構成になっている。分配注ぎ口20の底部は、分配システムにしっかりと取り付くように、複数の隆起30および溝32を有している。分配システムとの間により確実な、流体密封シールを施すために、Oリング34を溝32の内部に挿入してある。
【0016】
分配注ぎ口20から上方に延びて、上部取り付け部分14の内部に向かっている、複数の支柱21が存在する。これらの支柱21は、分配注ぎ口20の上部円周の回りに、環状の構成で、間隔をあけて並べられている。支柱21と分配注ぎ口20は、栓体10を貫通して延びる内部の流体溝22を形成している。好ましくは、支柱はハウジング12と一体に成形される。
【0017】
内部の流体溝22は、弾性により形状復元性のある逆止弁40を内蔵している。複数の保持タブ24が支柱21の最上端に位置しており、逆止弁40を流体溝22の内部に保持する役割を果たしている。流体溝22の内面上にある、環状で内側に突出している隆起により、弁座26が分配注ぎ口20の底部に形成されている。好ましくは、図5および図6に示すように、ガイドリブ128は、分配注ぎ口20の内面に沿って組み込まれる。これらのガイドリブ128は、逆止弁40を流体溝22の内部に確保し、かつ方向付けする役割を果たす。
【0018】
流体溝22の内部に内蔵してある逆止弁40は、弾性により形状復元性のあるエラストマー系材料でできた延長ストッパまたはプラグを具備する。本発明によって要求されるわけではないが、弾性により形状復元性のある逆止弁40は、大径の最上部42および円形の底部44を有するものとして示してある。弾性により形状復元性のある逆止弁40は、円形の底部44が弁座26の内部に着座し、一方で最上部42が保持タブ24に固定されるような寸法になっている。弾性により形状復元性のある逆止弁40は、中空のストッパとして図解してあるが、その逆止弁が弁座の内部に適切に着座し、かつ開放位置に変形した後は当初の位置に戻りさえすれば、中実のプラグまたはその他の構成であってもよい。
【0019】
そしてまた、ハウジング12の内部には通気孔60が配置してあり、この通気孔により、空気が、分配した流体に取って代わることができ、それにより、栓体を通過する流体の流れが中断するのを防止する。通気孔60は、栓体10のハウジング12の内部であって、流体分配注ぎ口20に近接した位置に直接成形してある通気路62に向かって開口している。通気路62は、底部64の直径が最上部66より小さくなるような形状になっている。通気路62の最上部66と底部64の間の接合部は、段部68を形成している。通気路62の最上部には、通気孔保持タブ69が置かれている。
【0020】
通気路62の内部にはめ込まれる形状になっている通気グロメット70は、大径の頭部72を有している。通気グロメット70は、その頭部72が段部68に着座するように、通気路62の内部にある。こうすることで、通気路62を有効に密封することができる。通気グロメット70が通気孔保持タブ69に接触する完全開放位置と、通気グロメット70が段部68に接触して着座する閉止位置との間で、通気グロメット70は、通気路62の内部を移動することができる。
【0021】
通気グロメット70の重量は、通気路62の最上部を段部68において密封することにより、通気路62を閉止する役割を果たす。しかし、流体が容器100から分配されるにつれて、ハウジング12の内部で真空度が高まり、通気グロメット70を段部68から吊り上げるに十分な力が発生するまでになる。図3で示されるように、この通気グロメット70が着座状態から離れることにより、栓体10を通して空気が通気し、それにより、流体を容器100から滑らかに分配することができる。
【0022】
図1および図5に示すように、オーバーキャップ90は、栓体10に取り外し可能に取り付けることができる。オーバーキャップ90は、使用前に分配注ぎ口20を汚染物質から隔離する役割を果たす。加えて、オーバーキャップ90は分配注ぎ口20および通気孔60を共に取り囲むように上方に延びることができるため、通気路のいずれの方向から流体の漏えいがあっても、それをオーバーキャップ90の内部に捕捉し、保持することができる。
【0023】
図2に示すように、他の実施形態によると、通気孔および通気路は、ハウジング112を貫通して延びる一つまたはそれ以上の通気開口部160に置き換えられている。通気開口部160は、密封用ガスケット182を受けとめる環状の溝180に近接して、ハウジング112を貫通して現れる。好ましくは、この密封用ガスケットは、通気開口部160を覆う、内側に延びる環状フランジ184を有する。通気開口部160を密封するために、分離したガスケットを使用してもよいことは、当業者には明らかであろう。
【0024】
この実施形態においては、図4に最もよく表れているように、ガスケットと容器100の内部にある流体との重量が、通気開口部160を密封する。流体が容器100から分配されるにつれて、ハウジング112の内部で真空度が高まり、ガスケットフランジ184を吊り上げるに十分な力が発生するまでになって、通気開口部160が開き、それにより、栓体110を通って空気が通気する。
【0025】
栓体10、110は、流体を容器100から分配システムに選択的に分配するように設計されている。一旦容器100が充満されると、栓体10、110は、容器100に確実に取り付けられる。運搬中および貯蔵期間中は、図5に示すように、オーバーキャップ90は栓体10に接して維持されており、栓体10、110は閉止位置にある。使用時には事前に、オーバーキャップ90を取り外し、分配注ぎ口20を分配システムに挿入する。分配注ぎ口20は、分配システムを密封するようにして、それとはめ合い、分配システムは、弾性により形状復元性のある逆止弁40を押して弁座26から離す手段(図示せず)を含む。こうすることにより、図6に示すように、栓体10、110を開放位置に置き、容器100の内部にある流体を、栓体10、110を通り、弾性により形状復元性のある逆止弁40の回りから流出させることができる。こうして容器100からの流体の分配は、分配システムにより制御される。一旦容器100が空になると、容器100と付属の栓体10、110は、分配システムから取り外される。こうすることにより、弾性により形状復元性のある逆止弁40が拡張して当初の形状に復帰し、それにより、弁座26に接触して着座するようになる。この動作により、栓体10を通る流体溝22が閉止され、残留の流体が栓体10、110を通って流出するのを防止するものであり、このとき、空となった容器100は充満した容器に交換されている。
【0026】
以上詳述した説明は、単に明確化のために行ったものであり、そこから不必要な限定内容を理解すべきではない、というのは、幾つかの修正を行っても、添付した特許請求の範囲の範囲と精神から逸脱するものではないことが当業者には明らかだからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に係る流体分配用栓体およびオーバーキャップの好ましい実施形態の分解、透視、断面図である。
【図2】
本発明に係る流体分配用栓体の他の実施形態の透視、断面図である。
【図3】
通気開口部および通気グロメットの拡大断面図である。
【図4】
他の通気開口部の構成の拡大断面図である。
【図5】
図2に示した他の実施形態の断面図である。
【図6】
図2に示した他の実施形態の断面図で、弾性により形状復元性のある逆止弁が開放位置にあるものである。
【発明が属する技術分野】
本発明は、ジュースのような流体を所定の容器に選択的に分配する流体分配用栓体、特に、受入れ容器とはめ合わせることができ、かつ、弾性により形状復元性があり、スプリングで一方に偏らせた分配弁および通気弁を組み合わせて含んだディスペンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
容器からの流体の流れを選択的に制御するために、様々な栓体が開発されてきている。最も一般的な栓体は、弁を組み込んだもので、弁を回転させるか、または、別のやり方では、手動で開閉させて、容器からの流体を分配する。この分配用栓体は、典型的には容器の底部近傍に位置しており、重力により、栓体を通して流体を押し出すようになっている。
【0003】
市販されている飲料用ディスペンサには、ハウジングと結合した機械的分配手段が組み込まれている。例としては、外部に分配システムを有する、ミルクやジュース用の市販のディスペンサが含まれる。この例では、ジュースやミルクは、大容積の容器に入れて運搬される。機械的分配システムは、栓体を経由して大容積の容器に取り付けられる。大容積の容器に用いる栓体は、運搬中に流体の漏えいを防止すると共に、内容物および分配用栓体の汚染を防止することができるようなものでなくてはならない。
【0004】
さらに、容器からの流体の流れを中断させないようにすることが重要である。このことは、流体が分配されるにつれて容器内部の真空度が高まるのを防止することによって達成されるが、それには、通気システムを利用することにより、空気が、分配した流体に取って代わることができる。従来技術の容器では、典型的には、容器の最上部に通気孔を組み込んで、容器内部が過度に真空になるのを防止している。これは、確かに機能する解決策ではあるが、容器に別々に二つの開口部を作らなくてはならないという点で、容器製造者にとって問題が提起される。同様に、容器の利用者にとっても問題を生じさせる、なぜなら、典型的には単純な通気孔である二番目の開口部を、容器を充満、貯蔵および運搬しているときに密封するのは困難だからである。
【0005】
本発明の目的は、ディスペンサと協働して、ジュースやミルクのような流体を需要に応じて容易に注入する栓体を提供することにより、こうした問題を処理することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、弾性により形状復元性のある、スプリングで一方に偏らせた分配弁および通気弁を栓体の領域内に組み込んだ分配用栓体を提供することにより、従来技術で知られたディスペンサの欠点を解消するものである。
【0007】
本発明に係る流体分配用栓体は、容器にねじで取り付けられるように適合された、ほぼ円筒状のハウジングを含んでいる。容器と流体連通している円筒状の分配注ぎ口は、ハウジングから延びている。ディスペンサ注ぎ口の内部には、流体の流れを制御する弁調節部材が配置してある。好ましい実施形態では、この弁調節部材が、弾性により形状復元性のあるエラストマー系の弁要素を具備し、その弁要素をディスペンサ注ぎ口の内部に着座させて、流体の流れを制御する。この一体型の弁要素が、たとえば、玉とスプリングの構成か、またはプランジャーとワッシャーのアッセンブリのような、通常多重の構成要素を具備する、より標準的な弁機構に取って代わる。そこで、本発明は、価格が安く、製造も簡単である。
【0008】
本発明に係るディスペンサ注ぎ口は通気アッセンブリを収容しており、そのアッセンブリは、通気開口部と連通している通気路を含んでいる。その通気路内部には、通気グロメットが捕捉されており、流体が容器から分配されるにつれて生じる真空圧が蓄積されるのに応じて、通気グロメットが通気開口部を選択的に閉止する。この作用により、分配用栓体に有効に通気する。
【0009】
本発明に係るディスペンサは、取り外し可能なオーバーキャップを受けとめる手段を含んでいる。このオーバーキャップは、分配注ぎ口を覆い、どんな潜在的な流体の漏えいも捕捉し、保持する。オーバーキャップは、分配注ぎ口に加えて、通気開口部を覆うように延長されることもある。オーバーキャップは、注ぎ口と通気孔の回りに延びた環状の溝にはめ合うように適合されたリムビードを含んでいる。オーバーキャップは、撓ますだけで着脱ができる。
【0010】
本発明に係る分配注ぎ口には、Oリングシールが備えられており、受入れ容器と、しっかりしたはめ合わせを容易に行うことができる。その注ぎ口を受入れ容器に挿入すると、弾性により形状復元性のある、スプリングで一方に偏らせた弁が弁座から変位して、流体が注ぎ口を通過できるようになる。重力により、通気グロメットが通気開口部を閉止し、それによって確実に、流体が、通気孔ではなく注ぎ口を通るようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のその他の目的、特徴および利点は、添付図面と関連付けた以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【0012】
本発明は、添付図面を参照にしながら、その好ましい実施形態についての以下の詳細な説明を読めば、よりよく理解されるであろう。図面の中では、同類の参照記号は全図面を通じて同類の部品を指している。なおその中において、
図1は、本発明の好ましい実施形態の分配用栓体およびオーバーキャップの分解、透視、断面図である。
図2は、流体分配用栓体の他の実施形態の透視、断面図である。
図3は、通気開口部および通気グロメットの拡大断面図である。
図4は、他の通気開口部の構成の拡大断面図である。
図5は、図2に示した他の実施形態の断面図である。
図6は、図2に示した他の実施形態の断面図で、弾性により形状復元性のある逆止弁が開放位置にあるものである。
【0013】
図1は、流体分配用栓体10を示した本発明の好ましい実施形態を示している。栓体10は、たとえば、ミルクまたはジュースのような流体の大容積の容器100の一端に取り付けてあり、他端は分配システムに取り付けてある。栓体10は、大容積の容器100の運搬および貯蔵期間中の流体の漏えいを防止する。さらに、栓体10により、容器100からの流体の流れを中断することなく、容器100から流体を分配システムに選択的に分配することができる。
【0014】
図1を参照すれば分かるように、栓体10は、ハウジング12、弾性により形状復元性のある弁アッセンブリ40、およびオーバーキャップ90を具備している。ハウジング12は、大容積の容器100に確実に取り付けられるよう適合されている。ハウジング12は、上部取り付け部分14および下方延長の分配注ぎ口20を有している。好ましい実施形態においては、上部取り付け部分14には、大容積の容器100とねじではめ合うように適合するねじ16が切ってある。
【0015】
下方延長の分配注ぎ口20は、管状の構成をしており、その直径はハウジング12より小さい。分配注ぎ口20は、ポンプのような分配システム(図示せず)とはめ合わせるような構成になっている。分配注ぎ口20の底部は、分配システムにしっかりと取り付くように、複数の隆起30および溝32を有している。分配システムとの間により確実な、流体密封シールを施すために、Oリング34を溝32の内部に挿入してある。
【0016】
分配注ぎ口20から上方に延びて、上部取り付け部分14の内部に向かっている、複数の支柱21が存在する。これらの支柱21は、分配注ぎ口20の上部円周の回りに、環状の構成で、間隔をあけて並べられている。支柱21と分配注ぎ口20は、栓体10を貫通して延びる内部の流体溝22を形成している。好ましくは、支柱はハウジング12と一体に成形される。
【0017】
内部の流体溝22は、弾性により形状復元性のある逆止弁40を内蔵している。複数の保持タブ24が支柱21の最上端に位置しており、逆止弁40を流体溝22の内部に保持する役割を果たしている。流体溝22の内面上にある、環状で内側に突出している隆起により、弁座26が分配注ぎ口20の底部に形成されている。好ましくは、図5および図6に示すように、ガイドリブ128は、分配注ぎ口20の内面に沿って組み込まれる。これらのガイドリブ128は、逆止弁40を流体溝22の内部に確保し、かつ方向付けする役割を果たす。
【0018】
流体溝22の内部に内蔵してある逆止弁40は、弾性により形状復元性のあるエラストマー系材料でできた延長ストッパまたはプラグを具備する。本発明によって要求されるわけではないが、弾性により形状復元性のある逆止弁40は、大径の最上部42および円形の底部44を有するものとして示してある。弾性により形状復元性のある逆止弁40は、円形の底部44が弁座26の内部に着座し、一方で最上部42が保持タブ24に固定されるような寸法になっている。弾性により形状復元性のある逆止弁40は、中空のストッパとして図解してあるが、その逆止弁が弁座の内部に適切に着座し、かつ開放位置に変形した後は当初の位置に戻りさえすれば、中実のプラグまたはその他の構成であってもよい。
【0019】
そしてまた、ハウジング12の内部には通気孔60が配置してあり、この通気孔により、空気が、分配した流体に取って代わることができ、それにより、栓体を通過する流体の流れが中断するのを防止する。通気孔60は、栓体10のハウジング12の内部であって、流体分配注ぎ口20に近接した位置に直接成形してある通気路62に向かって開口している。通気路62は、底部64の直径が最上部66より小さくなるような形状になっている。通気路62の最上部66と底部64の間の接合部は、段部68を形成している。通気路62の最上部には、通気孔保持タブ69が置かれている。
【0020】
通気路62の内部にはめ込まれる形状になっている通気グロメット70は、大径の頭部72を有している。通気グロメット70は、その頭部72が段部68に着座するように、通気路62の内部にある。こうすることで、通気路62を有効に密封することができる。通気グロメット70が通気孔保持タブ69に接触する完全開放位置と、通気グロメット70が段部68に接触して着座する閉止位置との間で、通気グロメット70は、通気路62の内部を移動することができる。
【0021】
通気グロメット70の重量は、通気路62の最上部を段部68において密封することにより、通気路62を閉止する役割を果たす。しかし、流体が容器100から分配されるにつれて、ハウジング12の内部で真空度が高まり、通気グロメット70を段部68から吊り上げるに十分な力が発生するまでになる。図3で示されるように、この通気グロメット70が着座状態から離れることにより、栓体10を通して空気が通気し、それにより、流体を容器100から滑らかに分配することができる。
【0022】
図1および図5に示すように、オーバーキャップ90は、栓体10に取り外し可能に取り付けることができる。オーバーキャップ90は、使用前に分配注ぎ口20を汚染物質から隔離する役割を果たす。加えて、オーバーキャップ90は分配注ぎ口20および通気孔60を共に取り囲むように上方に延びることができるため、通気路のいずれの方向から流体の漏えいがあっても、それをオーバーキャップ90の内部に捕捉し、保持することができる。
【0023】
図2に示すように、他の実施形態によると、通気孔および通気路は、ハウジング112を貫通して延びる一つまたはそれ以上の通気開口部160に置き換えられている。通気開口部160は、密封用ガスケット182を受けとめる環状の溝180に近接して、ハウジング112を貫通して現れる。好ましくは、この密封用ガスケットは、通気開口部160を覆う、内側に延びる環状フランジ184を有する。通気開口部160を密封するために、分離したガスケットを使用してもよいことは、当業者には明らかであろう。
【0024】
この実施形態においては、図4に最もよく表れているように、ガスケットと容器100の内部にある流体との重量が、通気開口部160を密封する。流体が容器100から分配されるにつれて、ハウジング112の内部で真空度が高まり、ガスケットフランジ184を吊り上げるに十分な力が発生するまでになって、通気開口部160が開き、それにより、栓体110を通って空気が通気する。
【0025】
栓体10、110は、流体を容器100から分配システムに選択的に分配するように設計されている。一旦容器100が充満されると、栓体10、110は、容器100に確実に取り付けられる。運搬中および貯蔵期間中は、図5に示すように、オーバーキャップ90は栓体10に接して維持されており、栓体10、110は閉止位置にある。使用時には事前に、オーバーキャップ90を取り外し、分配注ぎ口20を分配システムに挿入する。分配注ぎ口20は、分配システムを密封するようにして、それとはめ合い、分配システムは、弾性により形状復元性のある逆止弁40を押して弁座26から離す手段(図示せず)を含む。こうすることにより、図6に示すように、栓体10、110を開放位置に置き、容器100の内部にある流体を、栓体10、110を通り、弾性により形状復元性のある逆止弁40の回りから流出させることができる。こうして容器100からの流体の分配は、分配システムにより制御される。一旦容器100が空になると、容器100と付属の栓体10、110は、分配システムから取り外される。こうすることにより、弾性により形状復元性のある逆止弁40が拡張して当初の形状に復帰し、それにより、弁座26に接触して着座するようになる。この動作により、栓体10を通る流体溝22が閉止され、残留の流体が栓体10、110を通って流出するのを防止するものであり、このとき、空となった容器100は充満した容器に交換されている。
【0026】
以上詳述した説明は、単に明確化のために行ったものであり、そこから不必要な限定内容を理解すべきではない、というのは、幾つかの修正を行っても、添付した特許請求の範囲の範囲と精神から逸脱するものではないことが当業者には明らかだからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に係る流体分配用栓体およびオーバーキャップの好ましい実施形態の分解、透視、断面図である。
【図2】
本発明に係る流体分配用栓体の他の実施形態の透視、断面図である。
【図3】
通気開口部および通気グロメットの拡大断面図である。
【図4】
他の通気開口部の構成の拡大断面図である。
【図5】
図2に示した他の実施形態の断面図である。
【図6】
図2に示した他の実施形態の断面図で、弾性により形状復元性のある逆止弁が開放位置にあるものである。
Claims (16)
- 流体を容器から受入れシステムに選択的に分配する分配用栓体であって、該分配用栓体が、
該容器にねじで取り付ける内部ねじ面、および外部表面を有するハウジングと;
該ハウジングから下方に延びており、かつ上端および分配端を有する分配注ぎ口と;
該分配注ぎ口の該上端と一体に成形され、かつ該上端から上方向に延びている複数の支柱と;
該支柱から延びている一連のタブと;
該注ぎ口を通して流体を選択的に分配する弁アッセンブリであって、該注ぎ口の内部に収容されている弁アッセンブリと;
該注ぎ口から変位した位置において、該ハウジング内部に収容されている通気開口部、とを具備している分配用栓体。 - 分配注ぎ口の分配端が、環状であって内側に延びて円形アパーチュアを形成しているフランジを有している分配用栓体であって、そして、該分配注ぎ口の内部に収容されている弁アッセンブリが、最上端および密封端を有する、弾性により形状復元性のあるエラストマー系のストッパを具備しており、該密封端が、該分配注ぎ口の円形アパーチュアの内部に、密封するようにして着座するような寸法になっている、請求項1に記載の分配用栓体。
- エラストマー系のストッパが、タブと円形アパーチュアの間に保持されている、請求項2に記載の分配用栓体。
- 通気開口部が、ハウジング内部において、栓体内部に通気路を形成する開口部と、該通気開口部を選択的に閉止するための、通気路内部に固定されたグロメットとを具備している、請求項3に記載の分配用栓体。
- 通気路が、上部および小径の下部を有しており、それらの交差部分が段部を形成する分配用栓体であって、そして、グロメットが大径の頭部および小径の後部を有し、該グロメットの頭部が該通気路の段部に着座するようになっている、請求項4に記載の分配用栓体。
- さらに、分配注ぎ口の分配端に、取り外し可能に備え付けてあるキャップを具備する、請求項1に記載の分配用栓体。
- 流体を容器から受入れシステムに選択的に分配する分配用栓体であって、該分配用栓体が、
該容器にねじで取り付ける内部ねじ面、および外部表面を有するハウジングであって、中心の垂直軸の回りにほぼ円筒型をなしているハウジングと;
該ハウジングから下方に延びており、かつ分配端および受入れ端を有する分配注ぎ口と;
該分配注ぎ口の上端と一体に成形され、かつ該上端から上方向に延びている複数の支柱であって、そこから内側に延びている保持タブを有している支柱と;
該注ぎ口の分配端にあって、内側に延びているフランジによって形成されている円形アパーチュアと;
該保持タブと該円形アパーチュアの間にある該分配注ぎ口の内部に収容されている弁アッセンブリであって、最上端および密封端を有する、弾性により形状復元性のあるエラストマー系のストッパを具備しており、該密封端が、該分配注ぎ口の円形アパーチュアの内部に密封するようにして着座するような寸法になっている弁アッセンブリと;そして
該注ぎ口から変位した位置において、該ハウジング内部にある通気開口部、とを具備している分配用栓体。 - 通気開口部が、ハウジング内部において、栓体内部に通気路を形成する開口部と、該通気開口部を選択的に閉止するための、通気路内部に固定されたグロメットとを具備している、請求項7に記載の分配用栓体。
- 通気路が、上部および小径の下部を有しており、それらの交差部分が段部を形成する分配用栓体であって、そして、グロメットが大径の頭部および小径の後部を有し、該グロメットの頭部が該通気路の段部に着座するようになっている、請求項8に記載の分配用栓体。
- さらに、分配注ぎ口の分配端に、取り外し可能に備え付けてあるキャップを具備する、請求項9に記載の分配用栓体。
- 分配注ぎ口がハウジング内部で一体に成形されている分配用栓体であって、そして、通気孔がハウジング内部で、分配注ぎ口から変位して離れた位置に形成されている、請求項7に記載の分配用栓体。
- さらに、分配注ぎ口の周囲の外側にあるハウジングのベース周辺に、環状の構成をした複数の通気開口部を具備する、請求項1に記載の分配用栓体。
- さらに、ハウジング内部に着座した環状のガスケットを具備し、該ガスケットが複数の通気開口部を密封するように覆っている、請求項12に記載の分配用栓体。
- 環状のガスケットが、主要部分および内側に突出したフラップ部を有しており、該フラップ部が通気開口部を覆っている、請求項13に記載の分配用栓体。
- 流体を容器から受入れシステムに選択的に分配する分配用栓体であって、該分配用栓体が、
該容器にねじで取り付ける内部ねじ面、およびベース面を有するハウジングであって、中心の垂直軸の回りにほぼ円筒型をなしているハウジングと;
該ハウジングのベースから下方に延びている分配注ぎ口であって、分配端および受入れ端を有している注ぎ口と;
該分配注ぎ口の上端と一体に成形され、かつ該上端から上方向に延びている複数の支柱であって、そこから内側に延びている保持タブを有している支柱と;
該注ぎ口の分配端にあって、内側に延びているフランジによって形成されている円形アパーチュアと;
該保持タブと該円形アパーチュアの間にある該分配注ぎ口の内部に収容されている弁アッセンブリであって、最上端および密封端を有する、弾性により形状復元性のあるエラストマー系のストッパを具備しており、該密封端が、該分配注ぎ口の円形アパーチュアの内部に密封するようにして着座するような寸法になっている弁アッセンブリと;
該ハウジング内部にあって、該注ぎ口の周囲の外側に環状の構成をして配列されている複数の通気開口部と;そして
該ハウジングのベース面に着座した環状のガスケットであって、通気開口部を密封するように覆うガスケット、とを具備している分配用栓体。 - 環状のガスケットが、主要部分および内側に突出したフラップ部を有しており、そして、該フラップ部が通気開口部を覆っており、一方該主要部分がハウジングのベース面にある環状の溝の内部に置かれている、請求項15に記載の分配用栓体。
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