JP2004510056A - 金属基複合体、その製造方法、およびディスクブレーキ - Google Patents
金属基複合体、その製造方法、およびディスクブレーキ Download PDFInfo
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Abstract
セラミック酸化物予備成形体で補強された金属基複合体。
Description
【0001】
発明の分野
本発明は、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維を含むセラミック酸化物予備成形体で補強された金属基複合体に関する。
【0002】
発明の背景
セラミクスでの金属基の補強は、当該技術分野において既知のことである(例えばU.P. Pat. Nos. 4,705,093(Ogino)、4,852,630(Hamajima et al.)4,932,099(Corwin et al.)、5,199,481(Corwin et al.)、5,234,080(Pantale)および5,394,930(Kennerknecht)ならびにそれぞれ1987年5月28日および1988年9月14日に公示されたGreat Britain Pat. Doc. Nos.2,182,970AおよびBを参照のこと)。補強用に用いられるセラミック材料の例としては、粒子、(ウィスカを含む)不連続繊維および連続繊維ならびにセラミック予備成形体がある。
【0003】
一般的に、金属から製造された物品の機械的性質を向上させるために、セラミック材料が金属に混入され、それによって金属基複合体(MMC)が得られる。例えば、エンジン付き車両(例えば、自動車やトラック)用の従来のブレーキキャリパーは鋳鉄から製造されるのが一般的である。車両の全重量を軽減するため、そして特にブレーキキャリパーなどのばね下重量を軽減するために、より軽量の部品および/または材料の使用が望まれている。特定の用途に必要なセラミック酸化物材料の配置、およびセラミック酸化物材料量の最小化を含めたMMCの設計に有用な方法の1つは、有限要素解析である。
【0004】
鋳造アルミニウムで作られたブレーキキャリパは、鋳鉄で作られた同じ(すなわち同一サイズおよび形態の)キャリパに比べ約50質量パーセント軽くなる。鋳造アルミニウムおよび鋳鉄の機械的特性は、同じではない(例えば、鋳鉄のヤング率は約100〜170GPaであり、一方鋳造アルミニウムについては、70〜75GPaである;又鋳鉄の降伏強度は200〜500MPaである一方、鋳造アルミニウムのそれは150〜170MPaである)。従って、鋳造アルミニウムから作られたブレーキキャリパは、鋳鉄キャリパに比べて著しく低い曲げ剛性および降伏強度といったような機械的特性を有する。標準的には、かかるアルミニウム製ブレーキキャリパの機械的特性は、同じサイズおよび形状を有する鋳鉄製ブレーキキャリパに比べ、許容できないほど低いものである。鋳鉄製ブレーキキャリパと同じ形態および少なくとも同じ(またはより優れた)曲げ剛性および降伏強度といった機械的特性を有するアルミニウム金属基複合材料(例えばセラミック繊維で補強されたアルミニウム)で作られたブレーキキャリパが望まれる。
【0005】
一部のMMC物品のための1つの考慮事項は、成形後の機械加工(例えば穴またはネジ山の付加または所望の形態を得るためのそれ以外の材料の切取り)またはその他の加工(例えば複雑な形状を提供するための2つのMMC物品の溶接)に対するニーズにある。従来のMMCは標準的に機械加工または溶接を非実用的又さらに不可能にするほどのセラミック補強材料を含有している。従って、たとえあったとしてもわずかしか成形後の機械加工または加工を必要としない「ネットシェープ」物品を製造することが望ましい。「ネットシェープ」物品を製造するための技術は、当該技術分野において既知である(例えばU.S. Pat. Nos. 5,234,045(Cisko)および5,887,684(Doll et al.)を参照のこと)。さらに、または代替的には、実施できる範囲で、機械加工または溶接などのその他の加工と干渉する部域ではセラミック補強を削減したり或いは配置しないことも可能である。
【0006】
MMCの設計および製造に関して検討すべきもう1つの事項は、セラミック補強材料のコストである。3M Company(St.Paul,MN)より商品名「NEXTEL 610」で販売されるような連続した多結晶α−アルミナ繊維の機械的性質は、アルミニウムなどの低密度金属よりも優れている。さらに、多結晶α−アルミナ繊維などのセラミック酸化物材料のコストは、アルミニウムなどの金属よりも実質的に高い。したがって、セラミック酸化物材料の使用量は最小限にし、セラミック酸化物材料によって付与される性質を最大化するためにセラミック酸化物材料の配置を最適化することが望ましい。
【0007】
さらに、金属基複合材料物品を作るのに比較的容易に使用できるパッケージまたは多孔質セラミック予備成形体といった成形品の形でセラミック補強材料を提供することが望ましい。
【0008】
発明の要約
態様の1つでは、本発明は、金属基複合物品を製造するための、実質的に連続的なセラミック酸化物(すなわち、ガラス、結晶質セラミック、およびそれらの組み合わせ)繊維を含む多孔質セラミック酸化物(例えば、焼成または焼結された)予備成形体を提供する。別の態様では、本発明は、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維を含む少なくとも1つの多孔質セラミック酸化物予備成形体(本発明による多孔質セラミック酸化物予備成形体を含む)を含む金属基複合物品を提供する。
【0009】
標準的には、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維は少なくとも5cm(往々にして少なくとも10cm、15cm、20cm、25cmまたはそれ以上)の長さを有する。本発明のいくつかの実施形態においては、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維は、トウの形態である(すなわち、トウは、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維で構成される)。標準的には、トウを構成する実質的に連続的なセラミック酸化物繊維は少なくとも5cm(往々にして少なくとも10cm、15cm、20cm、25cm以上)の長さを有するが、それらの長さは5cm未満であってもよい。
【0010】
好ましくは、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の長さの少なくとも一部分に沿って延在する多孔質セラミック酸化物予備成形体は、セラミック酸化物繊維を所定の場所に固定する多孔質セラミック酸化物材料を含む。もう1つの態様においては、セラミック酸化物繊維、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を内含するかまたはさらには本質的にこれで構成されていてよく、ここで「長手方向に配列した」という語は、繊維の長さとの関係における繊維の全体として平行な配列を意味する。任意には、繊維は、多孔質セラミック酸化物材料内に封入されている。
【0011】
本発明の一態様において、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維は第1のヤング率を有し、セラミック予備成形体を含むセラミック酸化物材料は第2のヤング率を有し、この第1のヤング率は第2のヤング率よりも大きい。
【0012】
本発明による金属基複合物品を製造するための多孔質セラミック酸化物予備成形体の1つは、セラミック酸化物繊維を所定の位置に固定する多孔質セラミック酸化物材料を含み、この多孔質セラミック酸化物材料は、繊維の長さの少なくとも一部に沿って延在し、セラミック酸化物繊維は、本質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維から実質的になる。任意に、繊維は多孔質セラミック酸化物材料の内部に封入される。
【0013】
本発明による金属基複合物品を製造するための多孔質セラミック酸化物予備成形体の実施態様は、例えば、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を所定の位置に固定する、開放孔隙率(後述するように測定される)が好ましさが増加していく順に少なくとも20体積%(一般的に20体積%〜95体積%の範囲内、より一般的には25体積%〜95体積%の範囲内、好ましくは少なくとも50体積%、より好ましくは50体積%〜90体積%の範囲内、さらにより好ましくは少なくとも85体積%、最も好ましくは85体積%〜95体積%の範囲内)である多孔質セラミック酸化物材料を含み、この多孔質セラミック酸化物材料は、繊維の長さの少なくとも一部に沿って延在する。任意に、繊維は多孔質セラミック酸化物材料の内部に封入される。
【0014】
多孔質セラミック酸化物予備成形体の製法方法は、
キャビティ内に少なくとも1つの細長い繊維インサートを位置づけする工程であって、該繊維インサートが実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を含む工程;
細長い繊維インサートの予め定められた部分がスラリーでコーティングされるようにキャビティ内にスラリーを導入する工程であって、該スラリーが、液体媒質およびその中に分散した不連続セラミック酸化物繊維(ホイスカを含む)を含んでいる工程;
不連続繊維を圧密させ繊維インサートを固定するのに充分な量の液体媒質を除去して細長い繊維インサートおよび不連続繊維を含む物品を提供する工程であって、不連続繊維(ホイスカを含む)の圧密が繊維インサートの長さの少なくとも一部に沿って延在する工程;
圧密した物品を乾燥させて、細長い繊維インサートおよび不連続セラミック酸化物繊維を含むグリーンセラミック酸化物予備成形体を提供する工程であって、不連続繊維の少なくとも1回の圧密が繊維インサートを所定の場所に固定し、不連続繊維の該圧密が繊維インサートの長さの少なくとも一部に沿って延在する工程;および
実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を所定の場所に固定する多孔質セラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を提供するのに充分な少なくとも1つの温度までグリーンセラミック酸化物予備成形体を加熱する工程であって、該多孔質セラミック酸化物材料が繊維の長さの少なくとも一部に沿って延在する工程、
を含む。
【0015】
多孔質セラミック酸化物予備成形体の製法方法は、
キャビティ内に少なくとも1つの細長い繊維インサートを位置づけする工程であって、該繊維インサートが実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を含む工程;
細長い繊維インサートの予め定められた部分がスラリーでコーティングされるようにキャビティ内にスラリーを導入する工程であって、該スラリーが、液体媒質およびその中に分散した不連続セラミック酸化物繊維(ホイスカを含む)を含んでいる工程;
不連続繊維を圧密させ繊維インサートを固定するのに充分な量の液体媒質を除去して細長い繊維インサートおよび不連続繊維を含む物品を提供する工程であって、不連続繊維の圧密が繊維インサートの長さの少なくとも一部に沿って延在する工程;および
実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を所定の場所に固定する多孔質セラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を提供するのに充分な少なくとも1つの温度までグリーンセラミック酸化物予備成形体を加熱する工程であって、該多孔質セラミック酸化物材料が繊維の長さの少なくとも一部に沿って延在する工程、
を含む。
【0016】
実施態様の1つでは、本発明は、金属基材料を含む物品用の多孔質セラミック酸化物の製造方法を提供し、前記方法は、
少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる少なくとも2つのプライで少なくとも部分的に補強された金属基複合材料を含む物品を設計する工程であって、多孔質セラミック酸化物材料を含む少なくとも1つのセラミック酸化物予備成形体を含む前記金属基複合材料は、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は第1のヤング率を有し、前記セラミック酸化物材料は第2のヤング率を有し、前記第1のヤング率は前記第2のヤング率よりも大きい工程と、
得られた設計に基づいて、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からなる前記プライを所定の位置に固定する前記多孔質セラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を調製する工程であって、前記セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
を含む。
【0017】
別の実施態様では、本発明は、金属基材料を含む物品用の多孔質セラミック酸化物の製造方法を提供し、前記方法は、
実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からそれぞれなる少なくとも2つのプライで少なくとも部分的に補強された金属基複合材料を含む物品を設計する工程であって、多孔質セラミック酸化物材料を含む少なくとも1つのセラミック酸化物予備成形体を含む前記金属基複合材料は、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウのそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウからそれぞれなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は第1のヤング率を有し、前記セラミック酸化物材料は第2のヤング率を有し、前記第1のヤング率は前記第2のヤング率よりも大きい工程と、
得られた設計に基づいて、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からなるトウからなる前記プライを所定の位置に固定する前記多孔質セラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を調製する工程であって、前記セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
を含む。
【0018】
別の実施態様では、本発明は、金属基材料を含む物品用の多孔質セラミック酸化物の製造方法を提供し、前記方法は、
少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる少なくとも2つのプライで少なくとも部分的に補強された金属基複合材料を含む物品を設計する工程であって、多孔質セラミック酸化物材料を含む少なくとも1つのセラミック酸化物予備成形体を含む前記金属基複合材料は、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は第1のヤング率を有し、前記セラミック酸化物材料は第2のヤング率を有し、前記第1のヤング率は前記第2のヤング率よりも大きい工程と、
得られた設計に基づいて、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からなる前記プライを所定の位置に固定し開放孔隙率が少なくとも85体積%である前記多孔質セラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を調製する工程であって、前記セラミック酸化物材料は、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
を含む。
【0019】
別の実施態様では、本発明は、金属基材料を含む物品用の多孔質セラミック酸化物の製造方法を提供し、前記方法は、
実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる少なくとも2つのプライで少なくとも部分的に補強された金属基複合材料を含む物品を設計する工程であって、多孔質セラミック酸化物材料を含む少なくとも1つのセラミック酸化物予備成形体を含む前記金属基複合材料は、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウのそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウからそれぞれなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は第1のヤング率を有し、第1のセラミック酸化物材料は第2のヤング率を有し、前記第1のヤング率は前記第2のヤング率よりも大きい工程と、
得られた設計に基づいて、記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からなる前記トウからなる前記プライを所定の位置に固定し開放孔隙率が少なくとも85体積%である前記多孔質セラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を調製する工程であって、前記セラミック酸化物材料は、前記セラミック酸化物繊維の長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
を含む。
【0020】
別の実施態様では、本発明は、金属基材料を含む物品用の多孔質セラミック酸化物の製造方法を提供し、前記方法は、
少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる少なくとも2つのプライで少なくとも部分的に補強された金属基複合材料を含む設計する工程であって、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
得られた設計に基づいて、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるプライと、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を互いに接合させるバインダー材料と、を含む長い予備成形体を調製する工程であって、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
前記長い予備成形体の長さの少なくとも一部に沿って延在するグリーンセラミック酸化物材料を含むグリーンセラミック酸化物予備成形体を調製する工程と、
実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる前記プライを所定の位置に固定するセラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を得るために、前記グリーンセラミック酸化物予備成形体を加熱する工程であって、前記セラミック酸化物材料は、前記プライの前記長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
を含む。
【0021】
別の実施態様では、本発明は、金属基材料を含む物品用の多孔質セラミック酸化物の製造方法を提供し、前記方法は、
実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる少なくとも2つのプライで少なくとも部分的に補強された金属基複合材料を含む物品を設計する工程と、
得られた設計に基づいて、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウからなる前記2つのプライと、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウを互いにさせるバインダー材料と、を含む長い予備成形体を調製する工程であって、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウからそれぞれなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
前記長い予備成形体の長さの少なくとも一部に沿って延在するグリーンセラミック酸化物材料を含むグリーンセラミック酸化物予備成形体を調製する工程と、
前記実質的に連続的な長手方向に配列した実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からなる前記トウからなる前記プライを所定の位置に固定する多孔質セラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を得るために、前記グリーンセラミック酸化物予備成形体を加熱する工程であって、前記セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
を含む。
【0022】
別の実施態様では、本発明は、金属基材料を含む物品用の多孔質セラミック酸化物の製造方法を提供し、前記方法は、
少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる少なくとも2つのプライで少なくとも部分的に補強された金属基複合材料を含む物品を設計する工程であって、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
得られた設計に基づいて、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる前記プライと、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を互いに接合させるバインダー材料と、を含む長い予備成形体を調製する工程であって、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
前記長い予備成形体の長さの少なくとも一部に沿って延在するグリーンセラミック酸化物材料を含むグリーンセラミック酸化物予備成形体を調製する工程と、
前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる前記プライを所定の位置に固定し開放孔隙率が少なくとも85体積%であるセラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を得るために、前記グリーンセラミック酸化物予備成形体を加熱する工程であって、前記セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
を含む。
【0023】
別の実施態様では、本発明は、金属基材料を含む物品用の多孔質セラミック酸化物の製造方法を提供し、前記方法は、
実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からそれぞれなる少なくとも2つのプライで少なくとも部分的に補強された金属基複合材料を含む物品を設計する工程であって、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウからそれぞれなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
得られた設計に基づいて、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウを含む前記少なくとも2つのプライと、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウを互いに接合させるバインダー材料と、を含む長い予備成形体を調製する工程であって、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
前記長い予備成形体の長さの少なくとも一部に沿って延在するグリーンセラミック酸化物材料を含むグリーンセラミック酸化物予備成形体を調製する工程と、
前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を所定の位置に固定し開放孔隙率が少なくとも85体積%である多孔質セラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を得るために、前記グリーンセラミック酸化物予備成形体を加熱する工程であって、前記セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
を含む。
【0024】
別の実施態様では、本発明は、多孔質セラミック酸化物と金属基材料とを含む金属基複合物品を提供し、セラミック酸化物予備成形体は、少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からそれぞれなる第1および第2のプライと、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在する多孔質セラミック酸化物材料と、を含み、前記第1および第2のプライ中の前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記金属基材料の少なくとも一部で溶浸される。
【0025】
別の実施態様では、本発明は、多孔質セラミック酸化物と金属基材料とを含む金属基複合物品を提供し、セラミック酸化物予備成形体は、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からなるトウからなる少なくとも2つのプライと、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる前記トウのそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在する多孔質セラミック酸化物材料と、を含み、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウからそれぞれなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記金属基材料の少なくとも一部で溶浸される。
【0026】
別の実施態様では、本発明は、多孔質セラミック酸化物と金属基材料とを含む金属基複合物品を提供し、セラミック酸化物予備成形体は、少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からそれぞれなる第1および第2のプライと、開放孔隙率が少なくとも85体積%であり実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在する多孔質セラミック酸化物材料と、を含み、前記第1および第2のプライ中の前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記金属基材料の少なくとも一部で溶浸される。
【0027】
別の実施態様では、本発明は、多孔質セラミック酸化物と金属基材料とを含む金属基複合物品を提供し、セラミック酸化物予備成形体は、セラミック酸化物繊維からなるトウからそれぞれなる第1および第2のプライと、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる前記トウのそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在する開放孔隙率が少なくとも85体積%の多孔質セラミック酸化物材料と、を含み、前記第1および第2のプライ中の前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記金属基材料の少なくとも一部で溶浸される。
【0028】
別の実施態様では、本発明は、多孔質セラミック酸化物と金属基材料とを含む金属基複合物品を提供し、セラミック酸化物予備成形体は、
多孔質セラミック酸化物を収容する開口部を有する第1の多孔質セラミック物品と、
前記開口部内にある第2のセラミック物品と、を含み、前記第2のセラミック物品は、多孔質セラミック酸化物材料と、少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からそれぞれなる第1および第2のプライと、を含み、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維を所定の位置に固定し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2のプライ中の前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記金属基材料の少なくとも一部で溶浸される。
【0029】
別の実施態様では、本発明は、多孔質セラミック酸化物と金属基材料とを含む金属基複合物品を提供し、セラミック酸化物予備成形体は、
多孔質セラミック酸化物を収容する開口部を有する第1の多孔質セラミック物品と、
前記開口部内にある第2のセラミック物品と、を含み、前記第2のセラミック物品は、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からなるトウからそれぞれなる少なくとも2つのプライを所定の位置に固定する多孔質セラミック酸化物材料を含み、前記多孔質セラミック酸化物材料は、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる前記トウのそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、実質的に連続からなるトウからなるトウからそれぞれなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記金属基材料の少なくとも一部で溶浸される。
【0030】
別の実施態様では、本発明は、多孔質セラミック酸化物と金属基とを含む金属基複合物品を提供し、セラミック酸化物予備成形体は、
多孔質セラミック酸化物を収容する開口部を有する第1の多孔質セラミック物品と、
前記開口部内にある第2のセラミック物品と、を含み、前記第2のセラミック物品は、開放孔隙率が少なくとも85体積%の多孔質セラミック酸化物材料と、少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からそれぞれなる第1および第2のプライと、を含み、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からなる前記プライを所定の位置に固定し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2のプライ中の前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記金属基材料の少なくとも一部で溶浸される。
【0031】
別の態様では、本発明は、多孔質セラミック酸化物と金属基とを含む金属基複合物品を提供し、セラミック酸化物予備成形体は、
多孔質セラミック酸化物を収容する開口部を有する第1の多孔質セラミック物品と、
前記開口部内にある第2のセラミック物品と、を含み、前記第2のセラミック物品は、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のトウからそれぞれなる少なくとも2つのプライを所定の位置に固定し開放孔隙率が少なくとも85体積%の多孔質セラミック酸化物材料を含み、前記多孔質セラミック酸化物材料は、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる前記トウのそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウからそれぞれなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記金属基材料の少なくとも一部で溶浸される。
【0032】
本発明の一態様の1つの利点は、それが、1つの金属(例えば鋳鉄)で作られた既存の物品を実質的に連続的なセラミック酸化物繊維を内含するセラミック酸化物材料で補強されたもう1つの金属(例:アルミニウム)から作られるべく設計し直し、かくして後者(すなわちその物品の金属基複合材料バージョン)が第1の金属で作られたもとの物品の使用に必要とされるものに少なくとも等しい或る種の望ましい物性(例えばヤング率、降伏強度、および延性)を有するようにすることができる、という点にある。任意には、物品を、もとの物品と同じ物理的寸法を有するように設計し直すことができる。
【0033】
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明は、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維を含む少なくとも1つのセラミック酸化物予備成形体を含む金属基複合物品を提供する。好ましくは、本発明による金属基複合物品は、所望の性質、低コスト、および製造の容易さのバランスが最適となるかまたは少なくとも許容できるように、個々の用途に応じて設計される。
【0034】
一般に、多孔質セラミック酸化物は、特定の用途に応じて、および/またはある性質および/または機能を得るために設計される。例えば、1種類の金属(例えば鋳鉄)から製造される既存の物品が選択され、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維を含むセラミック酸化物材料で補強された別の金属(例えば、アルミニウム)から製造して、後者(すなわち、物品の金属基複合体の形態)のある所望の性質(例えば、ヤング率、降伏強さ、および延性)が、最初の金属から製造された元の物品の使用に必要な性質と少なくとも同等となるように再設計される。任意に、元の物品と同じ物理的寸法を有するように物品が再設計される場合もある。
【0035】
所望の金属基複合材料物品形態、所望の特性、可能な金属およびその原料となることが望まれ得るセラミック酸化物材料ならびにこれらの材料の関連する特性が収集され、考えられる適切な構造を提供するために使用される。可能な構造を生成するための好ましい方法は、(中央処理ユニット(CPU)および入出力装置の使用を内含する)従来のコンピュータシステムを援用するFEAソフトウェアランの使用を含めた、有限要素分析(FEA)の使用である。適切なFEAソフトウェアは、「ANSYS」という商品名でAnsys, Inc., Canonsburg, PAにより市販されているものを含め、市販されている。FEAは、物品を数学的にモデリングし、連続的セラミック酸化物繊維そして場合によってはその他のセラミック酸化物材料の配置が所望の特性レベルを提供することになる領域を識別する上で助けとなる。非線形幾何については、より好ましい設計を得るために、FEAの複数の反復を実行することが標準的に必要である。
【0036】
図1を参照すると、セラミック酸化物予備成形体10は、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維12と、多孔質セラミック酸化物材料14とを有する。ある好ましい多孔質セラミック酸化物材料(多孔質の焼結セラミック酸化物材料を含む)はαアルミナを含む。
【0037】
本発明の連続的補強用繊維は、実質的に長手方向に配列しており、かくして一般に互いに平行となっている。これらの繊維は個別の繊維としてセラミック酸化物予備成形体内に取込まれ得るものの、より標準的には、束またはトウの形態で繊維の群として予備成形体の中に取込まれる。束またはトウ内の繊維は、互いに長手方向に配列した(すなわち一般に平行な)関係に維持される。多数の束またはトウが予備成形体の中で利用される場合、繊維の束またはトウは同じく互いに長手方向に配列した(すなわち一般に平行な)関係に維持される。標準的には、個々の繊維配列がその平均長手方向軸の±10°,より好ましくは±5°,最も好ましくは±3°以内に維持される本質的に長手方向に配列した形態に連続した補強用繊維の全てが維持されることが好ましい。織り、ニットなどの繊維構造の形をした連続補強用繊維は、標準的に長手方向に配列した繊維で実現されるさらに高い繊維パッキング密度を達成することができない。かくして、織り、ニットなどの繊維構造を利用する予備成形体に基づく金属浸透物品は、標準的に、長手方向に配列した連続補強用繊維を有する金属浸透物品に比べて低い強度特性を示し、従って、さほど好まれない。
【0038】
ある予備成形体構造物では、長手方向に配列したセラミック酸化物繊維が直線ではなく湾曲する(すなわち、平面状には延在しない)ことが望ましいまたは必要となる場合がある。したがって、例えば、長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、繊維長全体で平面状、繊維長全体で非平面状(すなわち湾曲)、あるいはある部分で平面状であり別の部分で非平面状(すなわち湾曲)となる場合があり、予備成形体の湾曲部分全体で連続的な補強繊維は実質的に交差しない曲線配置(すなわち長手方向に配列)である。好ましい実施態様では、予備成形体の湾曲部分全体で互いに実質的に等距離に繊維が維持される。例えば、図6C(図6Aおよび6Dの実質的に連続的なαアルミナ繊維インサート208の概略斜視図である)は、長手方向に配列したαアルミナ繊維67を示している。長手方向に配列したαアルミナ繊維67は、区画線BBとCCの間および区画線DDとEEの間では平面であり、区画線CCとDDの間では湾曲している。あるいは、長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、それらの長さ全体で非平面状であってもよい。例えば、図10を参照すると、セラミック酸化物予備成形体100は、長手方向に配列したセラミック酸化物繊維102と、多孔質セラミック酸化物材料104とを含み、長手方向に配列したセラミック酸化物繊維102はそれらの長さ全体で湾曲している。後者の種類の予備成形体から製造可能な金属基複合物品の例は、図11に示されるようなアルミニウム金属基複合体のリングである。リング110は、金属112とセラミック酸化物予備成形体100(図10参照)とからなる。このようなリングは、大きな遠心力がかかる高速回転装置などに有用である。
【0039】
別の態様では、ある予備成形体構造物は、長手方向に配列したセラミック酸化物繊維の2、3、4、またはそれを超える数のプライ(すなわち、プライは、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維の少なくとも1つの層(好ましくは、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウの少なくとも1つの層)である)を有することが望ましいかまたは必要となる場合がある。プライは、多様な方法の任意のものを使用して互いに対して配向させてもよい。互いのプライの関係の例は、図12および13に示される。図12を参照すると、セラミック酸化物予備成形体120は、多孔質セラミック酸化物材料124に固定された長手方向に配列したセラミック酸化物繊維の第1および第2のプライ121および122を含み、長手方向に配列したセラミック酸化物繊維の第1のプライ121は、長手方向に配列したセラミック酸化物繊維122の第2のプライに対して45°の角度にあり、特定の用途に依存するが、もう一方のプライに対するプライの位置の差は、0°超〜90°の間となりうる。ある用途では、もう一方のプライに対する好ましいプライの位置は、約30°〜約60°の範囲内、さらには例えば約40°〜約50°の範囲内となりうる。任意に、多孔質セラミック酸化物材料は2つ以上のプライの間に存在してもよい。
【0040】
セラミック酸化物繊維131が長手方向に配列したセラミック酸化物繊維132のまわりにらせん状に巻きつけられている図13に示されているような繊維の巻きつけを受けることによっても、繊維群が恩恵を受ける可能性がある。長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のプライが提供する特性の恩恵を受け得る金属基複合材料物品の例としては、使用中に2本の垂直軸のまわりの曲げ力を受ける物品がある。
【0041】
多孔質セラミック酸化物予備成形体の製造に使用される実質的に連続的な補強繊維は、好ましくは平均直径が少なくとも約5μmである。好ましくは、平均繊維直径は約250μm以下であり、より好ましくは約100μm以下である。繊維のトウの場合、平均繊維直径は好ましくは約50μm以下であり、より好ましくは約25μm以下である。
【0042】
好ましくは、繊維のヤング率は約70GPaを超え、より好ましくは少なくとも100GPa、少なくとも150GPaであり、少なくとも200GPa、少なくとも250GPa、少なくとも300GPa、あるいはさらには少なくとも350GPaである。
【0043】
本発明による金属基複合材料を製造するために有用となりうる実質的に連続的な繊維の例としては、αアルミナ繊維、例えばαアルミナ繊維、アルミノケイ酸塩繊維、およびアルミノホウケイ酸塩繊維が挙げられる。好ましくは、セラミック酸化物繊維の平均引張強さは少なくとも約1.4GPaであり、より好ましくは少なくとも約1.7GPaであり、さらにより好ましくは少なくとも約2.1GPaであり、最も好ましくは少なくとも約2.8GPaである。
【0044】
セラミック酸化物繊維は、単独のフィラメントとして、または互いに束ねたものとして(例えば、ヤーンまたはトウ)として市販されている。ヤーンまたはトウは、好ましくは1つのトウ当たり少なくとも750本の独立した繊維を含み、より好ましくは1つのトウ当たり少なくとも2550本の独立した繊維を含む。トウは繊維技術分野では公知であり、ロープ形態に集められた複数の(独立した)繊維(一般的には少なくとも100本の繊維、より一般的には少なくとも400本の繊維)を意味する。セラミック酸化物繊維のトウを含めたセラミック酸化物繊維は、種々の長さで使用可能である。繊維の断面形状は、円形または楕円形であってよい。
【0045】
アルミナ繊維の製造方法は当技術分野で公知であり、米国特許第4,954,462号(Woodら)に開示される方法が挙げられる。好ましくは、アルミナ繊維は多結晶αアルミナ系繊維であり、理論的酸化物を基準にして、アルミナ繊維の全重量に対し、約99質量%を超えるAl2O3と約0.2〜0.5質量%のSiO2を含む。別の態様では、好ましい多結晶αアルミナ系繊維は、平均粒径が1μm未満(より好ましくは0.5μm未満)のαアルミナを含む。別の態様では、好ましい多結晶αアルミナ系繊維は、平均引張強さが少なくとも1.6GPa(好ましくは少なくとも2.1GPa、より好ましくは少なくとも2.8GPa)である。好ましいαアルミナ繊維は、3M Companyより商品名「Nextel 610」で市販されている。繊維の全重量に対して約89質量%のAl2O3、10質量%の量のZrO2、および約1質量%のY2O3を含む3M Companyより市販される別のαアルミナ繊維が、商品名「Nextel 650」で販売されている。
【0046】
好ましいアルミノケイ酸塩繊維は、U.S. Pat. No.4,047,965(Karst et al.)に記述されている。好ましくは、アルミノケイ酸塩繊維は、理論的酸化物ベースで、アルミノケイ酸塩繊維の合計質量に基づき、約67〜約85質量パーセントの範囲内のAl2O3および約33〜約15質量パーセントの範囲内のSiO2を含む。一部の好ましいアルミノケイ酸塩繊維は、理論的酸化物ベースで、アルミノケイ酸塩繊維の合計質量に基づき、約67〜約77質量パーセントの範囲内のAl2O3および約33〜約23質量パーセントの範囲内のSiO2を含む。1つの好ましいアルミノケイ酸塩繊維は、理論的酸化物ベースで、アルミノケイ酸塩繊維の合計質量に基づき、約85質量パーセントのAl2O3および約15質量パーセントのSiO2を含む。もう1つの好ましいアルミノケイ酸塩繊維は、理論的酸化物ベースで、アルミノケイ酸塩繊維の合計質量に基づき、約73質量パーセントのAl2O3および27質量パーセントのSiO2を含む。好ましいアルミノケイ酸塩繊維は、「NEXTEL720」および「NEXTEL550」という商品名で3M Companyから市販されている。
【0047】
好適なアルミノホウケイ酸塩繊維は、米国特許第3,795,524号(Sowman)に記載されている。好ましくは、アルミノホウケイ酸酸繊維は、理論的酸化物を基準にして、アルミノホウケイ酸塩繊維の全質量に対し、約35質量%〜約75質量%(より好ましくは,約55質量%〜約75質量%)のAl2O3、0質量%を超え(より好ましくは少なくとも約15質量%)そして約50質量%未満(より好ましくは約45%未満、最も好ましくは約44%未満)のSiO2、約5質量%を超える(より好ましくは,約25質量%未満、さらにより好ましくは約1質量%〜約5質量%、最も好ましくは約2質量%〜約20質量%の)B2O3を含む。好ましいアルミノホウケイ酸塩繊維は、3M Companyより商品名「Nextel 312」および「NEXTEL 440」で市販されている。
【0048】
市販の実質的に連続的なセラミック酸化物繊維は標準的に、潤滑性を提供し取扱い中の繊維ストランドを保護する目的で添加される有機サイズ剤を内含する。サイジングは、繊維の破損率を低減させ、静電気を削減し、例えば布への転換中の塵埃量を低減させる傾向を有すると考えられている。サイジングは、例えば溶解または焼却により除去できる。
【0049】
セラミック酸化物繊維上にコーティングを施すことも本発明の範囲内に入る。コーティングは、例えば、繊維の湿潤性を増強するため、繊維と溶融金属基材料の間の反応を削減または防止するために使用できる。かかるコーティングおよびかかるコーティングを施すための技術は、繊維および金属基複合材料の技術において周知である。
【0050】
多孔質セラミック酸化物予備成形体は、例えば、不連続的なセラミック酸化物繊維(ウィスカーを含む)のスラリーを連続繊維の周囲にキャスティングすることによって製造することができる。通常、連続繊維をキャビティ(例えば、型)に配置し、スラリーを型に加える。得られるセラミック酸化物材料中で適切な位置となるように、連続繊維はキャビティ内に配置される。所望の形状が得られるようにキャビティが形成されるが、機械加工などによってセラミック酸化物材料を再成形して、所望の形状のセラミック酸化物予備成形体を得ることも本発明の範囲内である。
【0051】
(ホイスカを含む)適切な不連続セラミック酸化物繊維は、(デルタアルミナといったような)遷移アルミナおよびαアルミナを含めたアルミナ、アルミノケイ酸塩繊維およびアルミノホウケイ酸塩繊維を内含し、かかる材料の製造方法および/または供給源は、当該技術分野において既知である。不連続繊維は、例えば、(以上で論述されている連続繊維を含めた)連続繊維を切断または細断することにより作ることができる。市販の不連続セラミック酸化物繊維の例としては、J&J Dyson, Widness, UK社製の「SAFFIL」, Thermal Ceramics Inc., Augusta GA社製の「KAOWOOL」およびUnifrax, Niagara Falls, NY社製の「FIBERFRAX」という商品名で販売されているものが含まれる。
【0052】
標準的には、不連続繊維は、約1マイクロメートル〜約20マイクロメートル,好ましくは約3マイクロメートルから約12マイクロメートルの範囲内の直径を有し、最高約2.5cmの長さ、好ましくは1.2cm未満の長さであるが、ホイスカは標準的に、約6マイクロメートル〜約12マイクロメートルの長さを有する。
【0053】
任意には、スラリーはさらに、アルミナ(αアルミナを内含する)粒子、アルミノケイ酸塩粒子およびアルミノホウケイ酸塩粒子といったセラミック酸化物粒子を含む可能性がある。標準的には、粒子の好ましい平均粒度は、約0.05マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲内にある。スラリーはさらに、コロイドシリカ、コロイドアルミナなどといった(例えばその他の位相を作るべく多孔質セラミック酸化物予備成形体の製造に用いられるその他の成分との反応により(例えばシリカはアルミナと反応してムライトを形成する)無欠性を増強させる上で一助となり得るセラミック酸化物結合材料を含む可能性がある。
【0054】
適切なスラリーは、当該技術分野において既知の技術を用いて形成できる。標準的にはスラリーは、水といったような液体媒質中に不連続繊維を分散させることによって形成される。連続繊維の取扱いおよび位置づけを助けるため、繊維インサート(例えばリボン)を使用できる。繊維インサートは、結合剤材料と共に保持された複数の連続繊維を含む。図2を参照すると、繊維インサート20は実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維22および繊維22(トウ23の形で示されているような)を繊維インサート20内に固定するのに役立つ不堅牢結合剤材料24を含んで成る。結合剤材料24は、繊維インサート20を成形するのに必要な範囲内でのみ繊維と接触し、必ずしも全ての繊維と接触していなくてもよい。例えば、内部繊維は、結合剤材料と接触していなくてよい。
【0055】
繊維インサートを製造するための結合剤材料を選択するにあたっては、該当する場合には、セラミック酸化物予備成形体の特性に対して結合剤材料が及ぼしうる不利な効果、ならびに、該当する場合には、セラミック酸化物予備成形体の使用に対し結合剤材料が及ぼしうる影響が考慮される(例えば、該当する場合には、セラミック酸化物予備成形体から作られた金属基複合材料物品の特性に対して結合剤材料が及ぼし得る不利な効果が考慮される)。
【0056】
結合剤材料は、連続繊維を合わせて一時的に結合するためならびに繊維を取扱い究極的にセラミック酸化物予備成形体内に配置するのを補助するために用いられる。結合剤材料は好ましくは、予備成形体製造プロセスのカ焼段の間に好ましくは比較的低温で完全燃焼して残渣または灰を全く残さない不堅牢材料であり得る。1つの好ましい不堅牢結合剤材料は、その融点より高い温度で加熱され繊維に適用されその後望まれる通りに繊維を保持するべく凝固し得るろう(例えばパラフィン)である。その他の好ましい不堅牢結合剤材料には、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)およびその組合せといったような水溶性重合体が含まれる。その他の適切な不堅牢結合剤材料としては、Cytec Industries, West Patterson, NJにより販売されているもの(以前3M Companyにより「SP381 SCOTCHPLY ADHESIVE」の商品名で販売されていたもの)のようなエポキシが挙げられる。
【0057】
上述のように、セラミック酸化物予備成形体は標準的には、一定の目的のために設計され、その結果、一定の特性を有し、一定の形態を有しかつ一定の材料で作られることが望まれる。標準的には、金型は、ほぼネットシェープを形成するべく注入成形すべき物品の所望の形状を提供するように選択され作られる。ネットシェープまたはほぼネットシェープの物品を成形することによって、例えば、注入成形された物品のその後の機械加工またはその他の後注入成形加工の必要性およびコストを最低限にするかまたは無くすることができる。キャビティは、結果として得られるセラミック酸化物材料のための所望の形状を得るように選択または製造される。標準的には、キャビティは、結果として得られるセラミック酸化物予備成形体内で連続繊維が適切に位置づけされるような形で、所望の場所に連続繊維を保持するように作られるかまたは適合される。適切なキャビティを作るための技術は、当業者にとって既知のものである。かかるキャビティは、木、プラスチック、黒鉛、および鋼(例えばステンレス鋼)といった剛性材料で作られていてよい。スラリーからの液体の除去を容易にするために、金型内に単数または複数のアパーチャを設けることができる。
【0058】
グリーンセラミック酸化物予備成形体は、例えば、連続繊維をキャビティに配置して、不連続セラミック酸化物繊維を含むスラリーをキャビティに入れ、そしてスラリーから液体を除去することによって製造可能である。通常、液体はキャビティの開口部から除去される。開口部からの液体の除去は真空を使用することによって促進可能である。好ましくは、この真空は1000mbar未満であり、より好ましくは850mbar未満である。別の方法として、または真空と併用して、圧力を加えることによってキャビティからの液体の除去を促進することができる。
【0059】
グリーン予備成形体は、キャビティ内で乾燥されるのでないかぎり、標準的にキャビティからの除去後、カ焼または焼結の前に乾燥させられる。好ましくは、予備成形体は、約70℃〜約100℃、より好ましくは約85℃〜約100℃の範囲内の少なくとも1つの温度まで、標準的に最も好ましくは約100℃で乾燥させられる。
【0060】
グリーン予備成形体は標準的に、焼結に先立ちカ焼される。液相の形成のために必要とされる温度よりも低い温度での固体状態反応により結合温度まで材料が加熱される焼結とは異なり、カ焼とは、融合無しに自由水そして好ましくはあらゆる結合した揮発性成分の少なくとも約90wt%を削除するための温度(単複)までの材料の加熱のことである。
【0061】
標準的なカ焼温度は、400℃〜約800℃、好ましくは約600℃〜約800℃の範囲内にある。標準的な焼結温度は900℃〜約1150℃、好ましくは約950℃〜約1100℃、より好ましくは約950℃〜約1100℃の範囲内にある。
【0062】
乾燥、カ焼および焼結時間は、例えば関与する材料ならびに予備成形体の(サイズを含めた)形態によって左右され得る。
【0063】
連続繊維の長さ方向に対する不連続繊維の方向は、セラミック酸化物予備成形体の製造に使用される製造工程によって調整することができる。例えば、(側面ではなく)キャビティ底部(または上部)から液体が優先的に除去されるように、スラリーの保持に使用されるキャビティ底部の開口部の位置決めを行うと、不連続繊維の最大寸法の方向は、キャビティ側面の長さ方向と平行に配置された連続繊維の長さ方向と直角になるよりも平行になる方が多くなりうる。例えば、図3を参照すると、バインダー材料33で互いに保持された複数の連続繊維32を含む繊維インサートまたはリボン31は、キャビティ34内に配置される。連続繊維32の長さ方向はキャビティ34の側面と平行であり、キャビティ34の底部36とは直交する。不連続繊維の最大寸法が、連続繊維32の長さ方向と平行となるよりも直交する方がより優先されるように、開口部38からスラリー37からの液体が除去される。
【0064】
好ましくは、液体の除去は、真空により補助される。例えば、繊維インサートの各端部でクリップにより所望の場所に保持されるように、金型内に繊維インサートを付着させることができる。1つの真空成形技術においては、真空下での水除去のため金型の1つの側面上にスクリーンが配置される。スクリーンの配置は、不連続繊維の所望の方向性によって決定される。例えば、不連続繊維を長手方向に配列した連続的な繊維の長さに対して優先的に直交させて配列させることが望ましい場合には、スクリーンを、繊維の長さ方向に直交させ、繊維の長さの片端に位置づけすることができる。スラリーは例えば、スラリー内に金型を沈め、その後金型からスラリーを除去またはポンプ送りすることにより付加できる。液体を引き出すため金型のスクリーン側に真空を適用することができる。液体が除去された時点で、不連続繊維は、優先的に連続繊維の長さとの関係において配列される。さらに多くの水を強制的に出すため繊維に対しその後圧力を加えることができ、これも又不連続繊維を高密度化する一助となりうる。
【0065】
同様にして、例えば(上面および底面ではなく)キャビティの側面から液体を優先的に除去するべくスラリーを保持するために使用されるキャビティの側面内にアパーチャまたは穴を位置づけることの結果として、不連続繊維の最大の寸法は、キャビティの側面の長さに対して平行に位置づけされた連続繊維の長さに対し、平行であるよりもむしろ優先的に直交することになる可能性がある。
【0066】
セラミック酸化物予備成形体は、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維の2つ以上の群(例えば、2つの群、3つの群など)からなる場合があり、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維の群は、間に存在する多孔質セラミック酸化物材料によって互いに間隔をあけて配置される。例えば、再び図1を参照すると、セラミック酸化物予備成形体10は、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維12の群12A、12B、および12Cと、多孔質セラミック酸化物材料14とを含む。
【0067】
本発明のセラミック酸化物予備成形体は、ロッド(断面が円形、長方形、または正方形のロッドを含む)、I形鋼、または管などのあらゆる多様な形態であってよい。セラミック酸化物予備成形体は、細長く、実質的に一定の断面積を有してもよい。
【0068】
一部の用途では、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維と多孔質セラミック酸化物材料とを含む多孔質セラミック酸化物予備成形体(図1に示されるセラミック酸化物予備成形体10など)は、インサートとして、または金属基複合物品を補強する予備成形体として使用することができる。セラミック酸化物予備成形体のある用途では、本発明による1つ以上のセラミック酸化物予備成形体を収容するための少なくとも1つの開口部を有する第2のセラミック酸化物予備成形体を製造することが望ましくなりうる。例えば、図4を参照すると、セラミック酸化物予備成形体40は、多孔質セラミック酸化物材料42からなり、本発明によるセラミック酸化物予備成形体を収容するための開口部44A、44B、44C、44D、および44Eを有する。図に示されるように、開口部44A、44B、44C、44D、および44Eは、多孔質セラミック酸化物予備成形体10(図1参照)をそれぞれが収容するように設計されている。第2のセラミック酸化物予備成形体は前述のように製造することができるし、当技術分野で公知の方法で製造することもできる。好ましい実施態様の1つでは、第1の多孔質材料のヤング率は第2の多孔質材料のヤング率よりも大きく、連続繊維のヤング率は第1の多孔質のヤング率よりも大きい。
【0069】
連続繊維のために中にアパーチャ(単複)を提供し、その後繊維をアパーチャ(単複)の中に挿入することを含め、連続繊維を固定するセラミック酸化物材料を成形することも同様に本発明の範囲内に入る。
【0070】
セラミック酸化物予備成形体の製造に関するさらなる詳細については、例えば、米国特許第5,394,930号(Kennerknecht)ならびに英国特許第2,182,970AおよびB号を参照することができ、それぞれ1987年5月28日と1988年9月14日に公開されている。その他の技術およびその他の好ましい条件は、本開示を検討すれば当業者には明らかとなるであろう。
【0071】
多孔質セラミック酸化物予備成形体から製造した本発明による金属基複合物品の例が、図6A、6B、6C、および6Dに示される。自動車両(例えば、自動車、スポーツタイプ車、バン、またはトラック)用のブレーキキャリパー60は、金属(例えば、アルミニウム)62と、本発明のセラミック酸化物予備成形体200とからなる。図6Dおよび6Eは、それぞれ線FFおよびGGに沿った図6Bの断面図である。図6Dおよび6Eにおいて、セラミック酸化物予備成形体200は、多孔質セラミック酸化物材料202および204と、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維68および67をそれぞれ含む実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のインサート206および208とを含む。
【0072】
多孔質セラミック酸化物材料の開放孔隙率は以下のように測定することができる。この試験はASTM C20−97(1998年8月公開)に基づいている。試験を行う試料5つを、空気ホースでほこりを除去することによって清浄にする。試料は、110℃(230°F)のオーブンで約18時間乾燥させて、秤量する。次に試料を脱イオン水中で3時間煮沸して、水中で室温(約25℃)まで冷却した後、水中で約18時間維持する。水中で浮遊させて試料を秤量する。水から試料を取り出し、過剰の水をペーパータオルで吸い取り、試料を飽和させた水の重量を求める。再び試料を110℃(230°F)のオーブンで約18時間乾燥させて、秤量する。孔隙体積である開放孔隙率は、水で飽和させた試料の重量から試料の乾燥重量を引いて、その結果を水の密度(すなわち1g/cm3)で割ることによって求められる。
【0073】
多孔質セラミック酸化物予備成形体が組み込まれたブレーキキャリパー、ならびにブレーキキャリパーを利用する自動車両(例えば、自動車、スポーツタイプ車、バン、またはトラック)用ブレーキシステムの別の代表的構成を図5に示す。自動車両用ディスクブレーキの例は、ローターと、前記ローターの両側にあり、それとともにブレーキがかみ合うように移動可能である内側および外側ブレーキパッドと、前記ローターに前記ブレーキパッドを押しつけるためのピストンと、前記ローターの一方の側にありシリンダーを有し前記ピストンを収容するボディ部材と前記ローターのもう一方の側にあり前記外側ブレーキパッドを支持するアーム部材と前記ローターの面を越えて前記ボディ部材および前記アーム部材の間に延在するブリッジとを有するブレーキキャリパーと、を含む。
【0074】
再び図5を参照すると、ディスクブレーキアセンブリ50は、本体部材52で形成されたブレーキキャリパハウジング51、アーム部材54および一方の端部では本体部材52でそして他方の端部ではアーム部材54に連結されたブリッジ56を含んで成る。本体部材52は、内側ブレーキパッド57がプレスされるピストン55を滑動可能な形で受入れる全体として円筒形のリセス53を中に有している。アーム部材54の内部面が、内側ブレーキパッド57に面する外側ブレーキパッド59を支持する。車両のホイール(図示せず)に連結されたブレーキローター47が、それぞれ内側ブレーキパッド57と外側ブレーキパッド59の間にある。連続するαアルミナ酸化物繊維12a′および多孔質セラミック酸化物材料14a′を含むセラミック酸化物予備成形体10a′がブリッジ56の中に位置設定されている。
【0075】
油圧式またはその他の形でのピストン55の起動により、内側ブレーキパッド57は、ローター47の片側に対して駆動されることになり、当該技術分野において周知の通り反力によって、キャリパハウジング51を浮動させ、かくして、外側ブレーキパッド59をローター47のもう1方の側面と係合させることになる。
【0076】
本発明に従ったセラミック酸化物予備成形体を内含する金属基複合材料ブレーキキャリパを使用するためのディスクブレーキの例としては、固定型、浮動型および滑動型がある。さらにブレーキキャリパおよびブレーキシステムに関する詳細は、例えばU.S. Pat. Nos. 4,705,093(Ogino)および5,234,080(Pantale)内に見い出すことができる。
【0077】
セラミック酸化物予備成形体から製造可能な他の金属基複合物品の例としては、自動車部品(例えば、自動車制御アームや自動車ピストンピン)、および銃の部品(鋼製施条ライナーの銃身支持部)が挙げられる。
【0078】
通常、セラミック酸化物予備成形体から製造された金属基複合物品は、連続セラミック繊維を含む領域で、その領域の全体積を基準にして、約30〜約45体積%(好ましくは約35〜約45体積%、より好ましくは約35〜約40体積%)の範囲の金属と、約70〜約55体積%(好ましくは約65〜約55体積%、より好ましくは約60〜約65体積%)の範囲の連続セラミック繊維とを含む。さらに、連続セラミック繊維を固定する多孔質セラミック酸化物材料を含む領域は、その領域の全体積を基準にして、通常約20〜約95体積%(好ましくは約60〜約90体積%、より好ましくは約80〜約85体積%)の範囲内の金属と、約80〜約5体積%(好ましくは約60〜約10体積%、より好ましくは約15〜約5体積%)の多孔質セラミック酸化物材料とを含む。
【0079】
連続繊維領域内の金属基複合材料の繊維および金属の体積含有量は、一般に、金属浸透中に連続繊維の著しい運動無く均質な複合材料を生成するのに望ましいものにより決定される。繊維含有量が過度に低い場合、金属浸透中にMI内の連続繊維の動きを防ぐかまたは最小限におさえることがさらにむずかしくなる。不連続繊維領域では、複合材料の繊維および金属の体積含有量は、一般に、強度および剛度の増大と延性および機械加工性の間の均衡により支配される。金属基複合材料を構成する金属は、好ましくは、基材料がセラミック酸化物材料特に連続繊維と化学的に著しく反応しない(すなわち金属耐火材料に対し比較的化学不活性を有する)ような形で選択され、かくして、繊維外部に保護コーティングをほどこす必要性を無くする。好ましい金属基材料としては、アルミニウム、亜鉛、錫およびそれらの合金(例えばアルミニウムおよび銅の合金)が含まれる。より好ましくは、基材料には、アルミニウムおよびその合金が内含される。アルミニウム基材料については、基は好ましくは少なくとも98質量パーセントのアルミニウム、より好ましくは少なくとも99質量パーセントのアルミニウム、さらに一層好ましくは99.9質量パーセント以上のアルミニウム、そして最も好ましくは99.95質量パーセント以上のアルミニウムを含む。好ましいアルミニウム合金は、少なくとも約98質量パーセントのAlおよび最高約2質量パーセントのCuを含む合金のようにアルミニウムおよび銅を内含する。より高い引張り強度の材料を作るためにはより純度の高い金属が好まれる傾向にあるが、より純度の低い形態の金属も同様に有用である。
【0080】
適切な金属が市販されている。例えば、アルミニウムは、Alcoa of Pittsburgh, PAから「SUPER PURE ALUNINUM;99.99% Al」という商品名で入手可能である。アルミニウム合金(例えば、Al−2重量パーセントのCu(0.03重量パーセントの不純物)は、Belmont Metals, New York, NYから得ることができる。その他の有用なアルミニウム合金は、一般に「295」、「319」、「354」、「355」、「356」、「357」、「380」、「295」、「713」および「6061」と呼ばれるものを内含する。亜鉛および錫は、例えばMetal Seruices, St. Paul, MN(「純亜鉛」;99.999%純度および「純錫」;99.95%純度)。錫合金の例には、92wt%のSn−8wt%のAlが含まれる(これは、例えば、550℃で溶融錫の浴にアルミニウムを添加し、混合物を使用前に12時間放置することによって作ることができる)。錫合金の例には、90.4wt%のZnと9.6wt%のAlが含まれる(これは、550℃で溶融亜鉛浴にアルミニウムを添加し、混合物を使用前に12時間放置することによって作ることができる)。
【0081】
金属基複合材料物品を作るための特定の繊維、金属基およびプロセス工程は、望ましい特性を有する金属基複合材料物品を提供するように選択される。例えば、繊維および金属基材料は、所望の物品を作るため互いにおよび物品製造プロセスと充分相容性あるように選択される。アルミニウムおよびアルミニウム合金基複合材料を作るためのいくつかの好ましい技術に関する付加的な詳細は、例えば、1995年6月21日付けのU.S. Serial Nos. 08/492,960および2000年7月14日付けの09/616,589,09/616,593および09/616,594を有する同時係属出願および1997年1月9日公示の公報No.WO97/00976を有するPCT出願の中で開示されている。
【0082】
セラミック酸化物予備成形体を使用する金属基複合体の製造は、当技術分野で公知の方法を使用して実施することができる。そのような製造方法としては、多孔質予備成形体への溶融金属の溶浸が挙げられる。通常、溶融金属と接触させる場合に、セラミック酸化物予備成形体を高温(例えば、750〜800℃)にすることが好ましい。このような方法は当技術分野で公知であり、金属を成形するキャビティまたは型に配置する前の予備成形体の加熱、セラミック酸化物予備成形体を入れた後でのキャビティまたは型の加熱を含む。
【0083】
セラミック酸化物予備成形体から金属基複合材料を作ることに関する付加的な詳細は、U.S. Pat. Nos 4,705,093(Ogino)および5,234,080(Pantale)、および5,394,093(Kennerknecht)内に見い出すことができる。
【0084】
さらに、セラミック酸化物予備成形体、およびセラミック酸化物予備成形体から製造される金属基複合物品の製造に関するさらなる詳細は、例えば、米国特許出願第60/236,091号および第60/236,092号(2000年9月28日提出)の仮出願、および本出願と同日に提出された米国特許出願第 号および第 号(代理人整理番号第55954US002号および第55955US002号)の出願を参照されたい。
【0085】
当業者にとっては、本発明の範囲および精神から逸脱することなくさまざまな修正および変更が明らかとなると思われ、本発明は本書に記した例示的に実施形態に過度に制限されるものではないということを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
多孔質セラミック酸化物予備成形体の斜視図である。
【図2】
多孔質セラミック酸化物予備成形体の製造に使用されるセラミック繊維リボンの斜視図である。
【図3】
セラミック酸化物予備成形体を製造するための装置の斜視図である。
【図4】
別のセラミック酸化物予備成形体の斜視図である。
【図5】
本発明によるブレーキキャリパーの斜視図である。
【図6】
本発明による別のブレーキキャリパーの斜視図である。
【図7】
本発明によるブレーキキャリパーの一部の破壊面の研磨断面のデジタルSEM顕微鏡写真である。
【図8】
本発明によるブレーキキャリパーの一部の破壊面のデジタルSEM顕微鏡写真である。
【図9】
本発明によるブレーキキャリパーの一部の破壊面のデジタルSEM顕微鏡写真である。
【図10】
多孔質セラミック酸化物予備成形体の斜視図である。
【図11】
図10に示される多孔質セラミック酸化物予備成形体から製造された金属基複合物品の斜視図である。
【図12】
長手方向に配列したαアルミナ繊維の複数のプライをし湯押した別の予備成形体の斜視図であり、プライの長手方向軸は互いに対して0°を超える角度にある。
【図13】
実質的に連続的なαアルミナ繊維のもう1つの群でらせん状に巻きつけられた実質的に連続的なαアルミナ繊維の群の斜視図である。
発明の分野
本発明は、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維を含むセラミック酸化物予備成形体で補強された金属基複合体に関する。
【0002】
発明の背景
セラミクスでの金属基の補強は、当該技術分野において既知のことである(例えばU.P. Pat. Nos. 4,705,093(Ogino)、4,852,630(Hamajima et al.)4,932,099(Corwin et al.)、5,199,481(Corwin et al.)、5,234,080(Pantale)および5,394,930(Kennerknecht)ならびにそれぞれ1987年5月28日および1988年9月14日に公示されたGreat Britain Pat. Doc. Nos.2,182,970AおよびBを参照のこと)。補強用に用いられるセラミック材料の例としては、粒子、(ウィスカを含む)不連続繊維および連続繊維ならびにセラミック予備成形体がある。
【0003】
一般的に、金属から製造された物品の機械的性質を向上させるために、セラミック材料が金属に混入され、それによって金属基複合体(MMC)が得られる。例えば、エンジン付き車両(例えば、自動車やトラック)用の従来のブレーキキャリパーは鋳鉄から製造されるのが一般的である。車両の全重量を軽減するため、そして特にブレーキキャリパーなどのばね下重量を軽減するために、より軽量の部品および/または材料の使用が望まれている。特定の用途に必要なセラミック酸化物材料の配置、およびセラミック酸化物材料量の最小化を含めたMMCの設計に有用な方法の1つは、有限要素解析である。
【0004】
鋳造アルミニウムで作られたブレーキキャリパは、鋳鉄で作られた同じ(すなわち同一サイズおよび形態の)キャリパに比べ約50質量パーセント軽くなる。鋳造アルミニウムおよび鋳鉄の機械的特性は、同じではない(例えば、鋳鉄のヤング率は約100〜170GPaであり、一方鋳造アルミニウムについては、70〜75GPaである;又鋳鉄の降伏強度は200〜500MPaである一方、鋳造アルミニウムのそれは150〜170MPaである)。従って、鋳造アルミニウムから作られたブレーキキャリパは、鋳鉄キャリパに比べて著しく低い曲げ剛性および降伏強度といったような機械的特性を有する。標準的には、かかるアルミニウム製ブレーキキャリパの機械的特性は、同じサイズおよび形状を有する鋳鉄製ブレーキキャリパに比べ、許容できないほど低いものである。鋳鉄製ブレーキキャリパと同じ形態および少なくとも同じ(またはより優れた)曲げ剛性および降伏強度といった機械的特性を有するアルミニウム金属基複合材料(例えばセラミック繊維で補強されたアルミニウム)で作られたブレーキキャリパが望まれる。
【0005】
一部のMMC物品のための1つの考慮事項は、成形後の機械加工(例えば穴またはネジ山の付加または所望の形態を得るためのそれ以外の材料の切取り)またはその他の加工(例えば複雑な形状を提供するための2つのMMC物品の溶接)に対するニーズにある。従来のMMCは標準的に機械加工または溶接を非実用的又さらに不可能にするほどのセラミック補強材料を含有している。従って、たとえあったとしてもわずかしか成形後の機械加工または加工を必要としない「ネットシェープ」物品を製造することが望ましい。「ネットシェープ」物品を製造するための技術は、当該技術分野において既知である(例えばU.S. Pat. Nos. 5,234,045(Cisko)および5,887,684(Doll et al.)を参照のこと)。さらに、または代替的には、実施できる範囲で、機械加工または溶接などのその他の加工と干渉する部域ではセラミック補強を削減したり或いは配置しないことも可能である。
【0006】
MMCの設計および製造に関して検討すべきもう1つの事項は、セラミック補強材料のコストである。3M Company(St.Paul,MN)より商品名「NEXTEL 610」で販売されるような連続した多結晶α−アルミナ繊維の機械的性質は、アルミニウムなどの低密度金属よりも優れている。さらに、多結晶α−アルミナ繊維などのセラミック酸化物材料のコストは、アルミニウムなどの金属よりも実質的に高い。したがって、セラミック酸化物材料の使用量は最小限にし、セラミック酸化物材料によって付与される性質を最大化するためにセラミック酸化物材料の配置を最適化することが望ましい。
【0007】
さらに、金属基複合材料物品を作るのに比較的容易に使用できるパッケージまたは多孔質セラミック予備成形体といった成形品の形でセラミック補強材料を提供することが望ましい。
【0008】
発明の要約
態様の1つでは、本発明は、金属基複合物品を製造するための、実質的に連続的なセラミック酸化物(すなわち、ガラス、結晶質セラミック、およびそれらの組み合わせ)繊維を含む多孔質セラミック酸化物(例えば、焼成または焼結された)予備成形体を提供する。別の態様では、本発明は、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維を含む少なくとも1つの多孔質セラミック酸化物予備成形体(本発明による多孔質セラミック酸化物予備成形体を含む)を含む金属基複合物品を提供する。
【0009】
標準的には、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維は少なくとも5cm(往々にして少なくとも10cm、15cm、20cm、25cmまたはそれ以上)の長さを有する。本発明のいくつかの実施形態においては、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維は、トウの形態である(すなわち、トウは、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維で構成される)。標準的には、トウを構成する実質的に連続的なセラミック酸化物繊維は少なくとも5cm(往々にして少なくとも10cm、15cm、20cm、25cm以上)の長さを有するが、それらの長さは5cm未満であってもよい。
【0010】
好ましくは、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の長さの少なくとも一部分に沿って延在する多孔質セラミック酸化物予備成形体は、セラミック酸化物繊維を所定の場所に固定する多孔質セラミック酸化物材料を含む。もう1つの態様においては、セラミック酸化物繊維、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を内含するかまたはさらには本質的にこれで構成されていてよく、ここで「長手方向に配列した」という語は、繊維の長さとの関係における繊維の全体として平行な配列を意味する。任意には、繊維は、多孔質セラミック酸化物材料内に封入されている。
【0011】
本発明の一態様において、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維は第1のヤング率を有し、セラミック予備成形体を含むセラミック酸化物材料は第2のヤング率を有し、この第1のヤング率は第2のヤング率よりも大きい。
【0012】
本発明による金属基複合物品を製造するための多孔質セラミック酸化物予備成形体の1つは、セラミック酸化物繊維を所定の位置に固定する多孔質セラミック酸化物材料を含み、この多孔質セラミック酸化物材料は、繊維の長さの少なくとも一部に沿って延在し、セラミック酸化物繊維は、本質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維から実質的になる。任意に、繊維は多孔質セラミック酸化物材料の内部に封入される。
【0013】
本発明による金属基複合物品を製造するための多孔質セラミック酸化物予備成形体の実施態様は、例えば、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を所定の位置に固定する、開放孔隙率(後述するように測定される)が好ましさが増加していく順に少なくとも20体積%(一般的に20体積%〜95体積%の範囲内、より一般的には25体積%〜95体積%の範囲内、好ましくは少なくとも50体積%、より好ましくは50体積%〜90体積%の範囲内、さらにより好ましくは少なくとも85体積%、最も好ましくは85体積%〜95体積%の範囲内)である多孔質セラミック酸化物材料を含み、この多孔質セラミック酸化物材料は、繊維の長さの少なくとも一部に沿って延在する。任意に、繊維は多孔質セラミック酸化物材料の内部に封入される。
【0014】
多孔質セラミック酸化物予備成形体の製法方法は、
キャビティ内に少なくとも1つの細長い繊維インサートを位置づけする工程であって、該繊維インサートが実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を含む工程;
細長い繊維インサートの予め定められた部分がスラリーでコーティングされるようにキャビティ内にスラリーを導入する工程であって、該スラリーが、液体媒質およびその中に分散した不連続セラミック酸化物繊維(ホイスカを含む)を含んでいる工程;
不連続繊維を圧密させ繊維インサートを固定するのに充分な量の液体媒質を除去して細長い繊維インサートおよび不連続繊維を含む物品を提供する工程であって、不連続繊維(ホイスカを含む)の圧密が繊維インサートの長さの少なくとも一部に沿って延在する工程;
圧密した物品を乾燥させて、細長い繊維インサートおよび不連続セラミック酸化物繊維を含むグリーンセラミック酸化物予備成形体を提供する工程であって、不連続繊維の少なくとも1回の圧密が繊維インサートを所定の場所に固定し、不連続繊維の該圧密が繊維インサートの長さの少なくとも一部に沿って延在する工程;および
実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を所定の場所に固定する多孔質セラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を提供するのに充分な少なくとも1つの温度までグリーンセラミック酸化物予備成形体を加熱する工程であって、該多孔質セラミック酸化物材料が繊維の長さの少なくとも一部に沿って延在する工程、
を含む。
【0015】
多孔質セラミック酸化物予備成形体の製法方法は、
キャビティ内に少なくとも1つの細長い繊維インサートを位置づけする工程であって、該繊維インサートが実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を含む工程;
細長い繊維インサートの予め定められた部分がスラリーでコーティングされるようにキャビティ内にスラリーを導入する工程であって、該スラリーが、液体媒質およびその中に分散した不連続セラミック酸化物繊維(ホイスカを含む)を含んでいる工程;
不連続繊維を圧密させ繊維インサートを固定するのに充分な量の液体媒質を除去して細長い繊維インサートおよび不連続繊維を含む物品を提供する工程であって、不連続繊維の圧密が繊維インサートの長さの少なくとも一部に沿って延在する工程;および
実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を所定の場所に固定する多孔質セラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を提供するのに充分な少なくとも1つの温度までグリーンセラミック酸化物予備成形体を加熱する工程であって、該多孔質セラミック酸化物材料が繊維の長さの少なくとも一部に沿って延在する工程、
を含む。
【0016】
実施態様の1つでは、本発明は、金属基材料を含む物品用の多孔質セラミック酸化物の製造方法を提供し、前記方法は、
少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる少なくとも2つのプライで少なくとも部分的に補強された金属基複合材料を含む物品を設計する工程であって、多孔質セラミック酸化物材料を含む少なくとも1つのセラミック酸化物予備成形体を含む前記金属基複合材料は、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は第1のヤング率を有し、前記セラミック酸化物材料は第2のヤング率を有し、前記第1のヤング率は前記第2のヤング率よりも大きい工程と、
得られた設計に基づいて、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からなる前記プライを所定の位置に固定する前記多孔質セラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を調製する工程であって、前記セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
を含む。
【0017】
別の実施態様では、本発明は、金属基材料を含む物品用の多孔質セラミック酸化物の製造方法を提供し、前記方法は、
実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からそれぞれなる少なくとも2つのプライで少なくとも部分的に補強された金属基複合材料を含む物品を設計する工程であって、多孔質セラミック酸化物材料を含む少なくとも1つのセラミック酸化物予備成形体を含む前記金属基複合材料は、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウのそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウからそれぞれなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は第1のヤング率を有し、前記セラミック酸化物材料は第2のヤング率を有し、前記第1のヤング率は前記第2のヤング率よりも大きい工程と、
得られた設計に基づいて、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からなるトウからなる前記プライを所定の位置に固定する前記多孔質セラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を調製する工程であって、前記セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
を含む。
【0018】
別の実施態様では、本発明は、金属基材料を含む物品用の多孔質セラミック酸化物の製造方法を提供し、前記方法は、
少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる少なくとも2つのプライで少なくとも部分的に補強された金属基複合材料を含む物品を設計する工程であって、多孔質セラミック酸化物材料を含む少なくとも1つのセラミック酸化物予備成形体を含む前記金属基複合材料は、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は第1のヤング率を有し、前記セラミック酸化物材料は第2のヤング率を有し、前記第1のヤング率は前記第2のヤング率よりも大きい工程と、
得られた設計に基づいて、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からなる前記プライを所定の位置に固定し開放孔隙率が少なくとも85体積%である前記多孔質セラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を調製する工程であって、前記セラミック酸化物材料は、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
を含む。
【0019】
別の実施態様では、本発明は、金属基材料を含む物品用の多孔質セラミック酸化物の製造方法を提供し、前記方法は、
実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる少なくとも2つのプライで少なくとも部分的に補強された金属基複合材料を含む物品を設計する工程であって、多孔質セラミック酸化物材料を含む少なくとも1つのセラミック酸化物予備成形体を含む前記金属基複合材料は、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウのそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウからそれぞれなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は第1のヤング率を有し、第1のセラミック酸化物材料は第2のヤング率を有し、前記第1のヤング率は前記第2のヤング率よりも大きい工程と、
得られた設計に基づいて、記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からなる前記トウからなる前記プライを所定の位置に固定し開放孔隙率が少なくとも85体積%である前記多孔質セラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を調製する工程であって、前記セラミック酸化物材料は、前記セラミック酸化物繊維の長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
を含む。
【0020】
別の実施態様では、本発明は、金属基材料を含む物品用の多孔質セラミック酸化物の製造方法を提供し、前記方法は、
少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる少なくとも2つのプライで少なくとも部分的に補強された金属基複合材料を含む設計する工程であって、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
得られた設計に基づいて、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるプライと、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を互いに接合させるバインダー材料と、を含む長い予備成形体を調製する工程であって、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
前記長い予備成形体の長さの少なくとも一部に沿って延在するグリーンセラミック酸化物材料を含むグリーンセラミック酸化物予備成形体を調製する工程と、
実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる前記プライを所定の位置に固定するセラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を得るために、前記グリーンセラミック酸化物予備成形体を加熱する工程であって、前記セラミック酸化物材料は、前記プライの前記長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
を含む。
【0021】
別の実施態様では、本発明は、金属基材料を含む物品用の多孔質セラミック酸化物の製造方法を提供し、前記方法は、
実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる少なくとも2つのプライで少なくとも部分的に補強された金属基複合材料を含む物品を設計する工程と、
得られた設計に基づいて、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウからなる前記2つのプライと、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウを互いにさせるバインダー材料と、を含む長い予備成形体を調製する工程であって、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウからそれぞれなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
前記長い予備成形体の長さの少なくとも一部に沿って延在するグリーンセラミック酸化物材料を含むグリーンセラミック酸化物予備成形体を調製する工程と、
前記実質的に連続的な長手方向に配列した実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からなる前記トウからなる前記プライを所定の位置に固定する多孔質セラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を得るために、前記グリーンセラミック酸化物予備成形体を加熱する工程であって、前記セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
を含む。
【0022】
別の実施態様では、本発明は、金属基材料を含む物品用の多孔質セラミック酸化物の製造方法を提供し、前記方法は、
少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる少なくとも2つのプライで少なくとも部分的に補強された金属基複合材料を含む物品を設計する工程であって、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
得られた設計に基づいて、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる前記プライと、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を互いに接合させるバインダー材料と、を含む長い予備成形体を調製する工程であって、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
前記長い予備成形体の長さの少なくとも一部に沿って延在するグリーンセラミック酸化物材料を含むグリーンセラミック酸化物予備成形体を調製する工程と、
前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる前記プライを所定の位置に固定し開放孔隙率が少なくとも85体積%であるセラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を得るために、前記グリーンセラミック酸化物予備成形体を加熱する工程であって、前記セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
を含む。
【0023】
別の実施態様では、本発明は、金属基材料を含む物品用の多孔質セラミック酸化物の製造方法を提供し、前記方法は、
実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からそれぞれなる少なくとも2つのプライで少なくとも部分的に補強された金属基複合材料を含む物品を設計する工程であって、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウからそれぞれなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
得られた設計に基づいて、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウを含む前記少なくとも2つのプライと、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウを互いに接合させるバインダー材料と、を含む長い予備成形体を調製する工程であって、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
前記長い予備成形体の長さの少なくとも一部に沿って延在するグリーンセラミック酸化物材料を含むグリーンセラミック酸化物予備成形体を調製する工程と、
前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を所定の位置に固定し開放孔隙率が少なくとも85体積%である多孔質セラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を得るために、前記グリーンセラミック酸化物予備成形体を加熱する工程であって、前記セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
を含む。
【0024】
別の実施態様では、本発明は、多孔質セラミック酸化物と金属基材料とを含む金属基複合物品を提供し、セラミック酸化物予備成形体は、少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からそれぞれなる第1および第2のプライと、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在する多孔質セラミック酸化物材料と、を含み、前記第1および第2のプライ中の前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記金属基材料の少なくとも一部で溶浸される。
【0025】
別の実施態様では、本発明は、多孔質セラミック酸化物と金属基材料とを含む金属基複合物品を提供し、セラミック酸化物予備成形体は、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からなるトウからなる少なくとも2つのプライと、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる前記トウのそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在する多孔質セラミック酸化物材料と、を含み、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウからそれぞれなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記金属基材料の少なくとも一部で溶浸される。
【0026】
別の実施態様では、本発明は、多孔質セラミック酸化物と金属基材料とを含む金属基複合物品を提供し、セラミック酸化物予備成形体は、少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からそれぞれなる第1および第2のプライと、開放孔隙率が少なくとも85体積%であり実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在する多孔質セラミック酸化物材料と、を含み、前記第1および第2のプライ中の前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記金属基材料の少なくとも一部で溶浸される。
【0027】
別の実施態様では、本発明は、多孔質セラミック酸化物と金属基材料とを含む金属基複合物品を提供し、セラミック酸化物予備成形体は、セラミック酸化物繊維からなるトウからそれぞれなる第1および第2のプライと、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる前記トウのそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在する開放孔隙率が少なくとも85体積%の多孔質セラミック酸化物材料と、を含み、前記第1および第2のプライ中の前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記金属基材料の少なくとも一部で溶浸される。
【0028】
別の実施態様では、本発明は、多孔質セラミック酸化物と金属基材料とを含む金属基複合物品を提供し、セラミック酸化物予備成形体は、
多孔質セラミック酸化物を収容する開口部を有する第1の多孔質セラミック物品と、
前記開口部内にある第2のセラミック物品と、を含み、前記第2のセラミック物品は、多孔質セラミック酸化物材料と、少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からそれぞれなる第1および第2のプライと、を含み、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維を所定の位置に固定し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2のプライ中の前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記金属基材料の少なくとも一部で溶浸される。
【0029】
別の実施態様では、本発明は、多孔質セラミック酸化物と金属基材料とを含む金属基複合物品を提供し、セラミック酸化物予備成形体は、
多孔質セラミック酸化物を収容する開口部を有する第1の多孔質セラミック物品と、
前記開口部内にある第2のセラミック物品と、を含み、前記第2のセラミック物品は、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からなるトウからそれぞれなる少なくとも2つのプライを所定の位置に固定する多孔質セラミック酸化物材料を含み、前記多孔質セラミック酸化物材料は、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる前記トウのそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、実質的に連続からなるトウからなるトウからそれぞれなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記金属基材料の少なくとも一部で溶浸される。
【0030】
別の実施態様では、本発明は、多孔質セラミック酸化物と金属基とを含む金属基複合物品を提供し、セラミック酸化物予備成形体は、
多孔質セラミック酸化物を収容する開口部を有する第1の多孔質セラミック物品と、
前記開口部内にある第2のセラミック物品と、を含み、前記第2のセラミック物品は、開放孔隙率が少なくとも85体積%の多孔質セラミック酸化物材料と、少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からそれぞれなる第1および第2のプライと、を含み、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からなる前記プライを所定の位置に固定し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2のプライ中の前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記金属基材料の少なくとも一部で溶浸される。
【0031】
別の態様では、本発明は、多孔質セラミック酸化物と金属基とを含む金属基複合物品を提供し、セラミック酸化物予備成形体は、
多孔質セラミック酸化物を収容する開口部を有する第1の多孔質セラミック物品と、
前記開口部内にある第2のセラミック物品と、を含み、前記第2のセラミック物品は、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のトウからそれぞれなる少なくとも2つのプライを所定の位置に固定し開放孔隙率が少なくとも85体積%の多孔質セラミック酸化物材料を含み、前記多孔質セラミック酸化物材料は、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる前記トウのそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウからそれぞれなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記金属基材料の少なくとも一部で溶浸される。
【0032】
本発明の一態様の1つの利点は、それが、1つの金属(例えば鋳鉄)で作られた既存の物品を実質的に連続的なセラミック酸化物繊維を内含するセラミック酸化物材料で補強されたもう1つの金属(例:アルミニウム)から作られるべく設計し直し、かくして後者(すなわちその物品の金属基複合材料バージョン)が第1の金属で作られたもとの物品の使用に必要とされるものに少なくとも等しい或る種の望ましい物性(例えばヤング率、降伏強度、および延性)を有するようにすることができる、という点にある。任意には、物品を、もとの物品と同じ物理的寸法を有するように設計し直すことができる。
【0033】
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明は、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維を含む少なくとも1つのセラミック酸化物予備成形体を含む金属基複合物品を提供する。好ましくは、本発明による金属基複合物品は、所望の性質、低コスト、および製造の容易さのバランスが最適となるかまたは少なくとも許容できるように、個々の用途に応じて設計される。
【0034】
一般に、多孔質セラミック酸化物は、特定の用途に応じて、および/またはある性質および/または機能を得るために設計される。例えば、1種類の金属(例えば鋳鉄)から製造される既存の物品が選択され、実質的に連続的なセラミック酸化物繊維を含むセラミック酸化物材料で補強された別の金属(例えば、アルミニウム)から製造して、後者(すなわち、物品の金属基複合体の形態)のある所望の性質(例えば、ヤング率、降伏強さ、および延性)が、最初の金属から製造された元の物品の使用に必要な性質と少なくとも同等となるように再設計される。任意に、元の物品と同じ物理的寸法を有するように物品が再設計される場合もある。
【0035】
所望の金属基複合材料物品形態、所望の特性、可能な金属およびその原料となることが望まれ得るセラミック酸化物材料ならびにこれらの材料の関連する特性が収集され、考えられる適切な構造を提供するために使用される。可能な構造を生成するための好ましい方法は、(中央処理ユニット(CPU)および入出力装置の使用を内含する)従来のコンピュータシステムを援用するFEAソフトウェアランの使用を含めた、有限要素分析(FEA)の使用である。適切なFEAソフトウェアは、「ANSYS」という商品名でAnsys, Inc., Canonsburg, PAにより市販されているものを含め、市販されている。FEAは、物品を数学的にモデリングし、連続的セラミック酸化物繊維そして場合によってはその他のセラミック酸化物材料の配置が所望の特性レベルを提供することになる領域を識別する上で助けとなる。非線形幾何については、より好ましい設計を得るために、FEAの複数の反復を実行することが標準的に必要である。
【0036】
図1を参照すると、セラミック酸化物予備成形体10は、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維12と、多孔質セラミック酸化物材料14とを有する。ある好ましい多孔質セラミック酸化物材料(多孔質の焼結セラミック酸化物材料を含む)はαアルミナを含む。
【0037】
本発明の連続的補強用繊維は、実質的に長手方向に配列しており、かくして一般に互いに平行となっている。これらの繊維は個別の繊維としてセラミック酸化物予備成形体内に取込まれ得るものの、より標準的には、束またはトウの形態で繊維の群として予備成形体の中に取込まれる。束またはトウ内の繊維は、互いに長手方向に配列した(すなわち一般に平行な)関係に維持される。多数の束またはトウが予備成形体の中で利用される場合、繊維の束またはトウは同じく互いに長手方向に配列した(すなわち一般に平行な)関係に維持される。標準的には、個々の繊維配列がその平均長手方向軸の±10°,より好ましくは±5°,最も好ましくは±3°以内に維持される本質的に長手方向に配列した形態に連続した補強用繊維の全てが維持されることが好ましい。織り、ニットなどの繊維構造の形をした連続補強用繊維は、標準的に長手方向に配列した繊維で実現されるさらに高い繊維パッキング密度を達成することができない。かくして、織り、ニットなどの繊維構造を利用する予備成形体に基づく金属浸透物品は、標準的に、長手方向に配列した連続補強用繊維を有する金属浸透物品に比べて低い強度特性を示し、従って、さほど好まれない。
【0038】
ある予備成形体構造物では、長手方向に配列したセラミック酸化物繊維が直線ではなく湾曲する(すなわち、平面状には延在しない)ことが望ましいまたは必要となる場合がある。したがって、例えば、長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、繊維長全体で平面状、繊維長全体で非平面状(すなわち湾曲)、あるいはある部分で平面状であり別の部分で非平面状(すなわち湾曲)となる場合があり、予備成形体の湾曲部分全体で連続的な補強繊維は実質的に交差しない曲線配置(すなわち長手方向に配列)である。好ましい実施態様では、予備成形体の湾曲部分全体で互いに実質的に等距離に繊維が維持される。例えば、図6C(図6Aおよび6Dの実質的に連続的なαアルミナ繊維インサート208の概略斜視図である)は、長手方向に配列したαアルミナ繊維67を示している。長手方向に配列したαアルミナ繊維67は、区画線BBとCCの間および区画線DDとEEの間では平面であり、区画線CCとDDの間では湾曲している。あるいは、長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、それらの長さ全体で非平面状であってもよい。例えば、図10を参照すると、セラミック酸化物予備成形体100は、長手方向に配列したセラミック酸化物繊維102と、多孔質セラミック酸化物材料104とを含み、長手方向に配列したセラミック酸化物繊維102はそれらの長さ全体で湾曲している。後者の種類の予備成形体から製造可能な金属基複合物品の例は、図11に示されるようなアルミニウム金属基複合体のリングである。リング110は、金属112とセラミック酸化物予備成形体100(図10参照)とからなる。このようなリングは、大きな遠心力がかかる高速回転装置などに有用である。
【0039】
別の態様では、ある予備成形体構造物は、長手方向に配列したセラミック酸化物繊維の2、3、4、またはそれを超える数のプライ(すなわち、プライは、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維の少なくとも1つの層(好ましくは、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウの少なくとも1つの層)である)を有することが望ましいかまたは必要となる場合がある。プライは、多様な方法の任意のものを使用して互いに対して配向させてもよい。互いのプライの関係の例は、図12および13に示される。図12を参照すると、セラミック酸化物予備成形体120は、多孔質セラミック酸化物材料124に固定された長手方向に配列したセラミック酸化物繊維の第1および第2のプライ121および122を含み、長手方向に配列したセラミック酸化物繊維の第1のプライ121は、長手方向に配列したセラミック酸化物繊維122の第2のプライに対して45°の角度にあり、特定の用途に依存するが、もう一方のプライに対するプライの位置の差は、0°超〜90°の間となりうる。ある用途では、もう一方のプライに対する好ましいプライの位置は、約30°〜約60°の範囲内、さらには例えば約40°〜約50°の範囲内となりうる。任意に、多孔質セラミック酸化物材料は2つ以上のプライの間に存在してもよい。
【0040】
セラミック酸化物繊維131が長手方向に配列したセラミック酸化物繊維132のまわりにらせん状に巻きつけられている図13に示されているような繊維の巻きつけを受けることによっても、繊維群が恩恵を受ける可能性がある。長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のプライが提供する特性の恩恵を受け得る金属基複合材料物品の例としては、使用中に2本の垂直軸のまわりの曲げ力を受ける物品がある。
【0041】
多孔質セラミック酸化物予備成形体の製造に使用される実質的に連続的な補強繊維は、好ましくは平均直径が少なくとも約5μmである。好ましくは、平均繊維直径は約250μm以下であり、より好ましくは約100μm以下である。繊維のトウの場合、平均繊維直径は好ましくは約50μm以下であり、より好ましくは約25μm以下である。
【0042】
好ましくは、繊維のヤング率は約70GPaを超え、より好ましくは少なくとも100GPa、少なくとも150GPaであり、少なくとも200GPa、少なくとも250GPa、少なくとも300GPa、あるいはさらには少なくとも350GPaである。
【0043】
本発明による金属基複合材料を製造するために有用となりうる実質的に連続的な繊維の例としては、αアルミナ繊維、例えばαアルミナ繊維、アルミノケイ酸塩繊維、およびアルミノホウケイ酸塩繊維が挙げられる。好ましくは、セラミック酸化物繊維の平均引張強さは少なくとも約1.4GPaであり、より好ましくは少なくとも約1.7GPaであり、さらにより好ましくは少なくとも約2.1GPaであり、最も好ましくは少なくとも約2.8GPaである。
【0044】
セラミック酸化物繊維は、単独のフィラメントとして、または互いに束ねたものとして(例えば、ヤーンまたはトウ)として市販されている。ヤーンまたはトウは、好ましくは1つのトウ当たり少なくとも750本の独立した繊維を含み、より好ましくは1つのトウ当たり少なくとも2550本の独立した繊維を含む。トウは繊維技術分野では公知であり、ロープ形態に集められた複数の(独立した)繊維(一般的には少なくとも100本の繊維、より一般的には少なくとも400本の繊維)を意味する。セラミック酸化物繊維のトウを含めたセラミック酸化物繊維は、種々の長さで使用可能である。繊維の断面形状は、円形または楕円形であってよい。
【0045】
アルミナ繊維の製造方法は当技術分野で公知であり、米国特許第4,954,462号(Woodら)に開示される方法が挙げられる。好ましくは、アルミナ繊維は多結晶αアルミナ系繊維であり、理論的酸化物を基準にして、アルミナ繊維の全重量に対し、約99質量%を超えるAl2O3と約0.2〜0.5質量%のSiO2を含む。別の態様では、好ましい多結晶αアルミナ系繊維は、平均粒径が1μm未満(より好ましくは0.5μm未満)のαアルミナを含む。別の態様では、好ましい多結晶αアルミナ系繊維は、平均引張強さが少なくとも1.6GPa(好ましくは少なくとも2.1GPa、より好ましくは少なくとも2.8GPa)である。好ましいαアルミナ繊維は、3M Companyより商品名「Nextel 610」で市販されている。繊維の全重量に対して約89質量%のAl2O3、10質量%の量のZrO2、および約1質量%のY2O3を含む3M Companyより市販される別のαアルミナ繊維が、商品名「Nextel 650」で販売されている。
【0046】
好ましいアルミノケイ酸塩繊維は、U.S. Pat. No.4,047,965(Karst et al.)に記述されている。好ましくは、アルミノケイ酸塩繊維は、理論的酸化物ベースで、アルミノケイ酸塩繊維の合計質量に基づき、約67〜約85質量パーセントの範囲内のAl2O3および約33〜約15質量パーセントの範囲内のSiO2を含む。一部の好ましいアルミノケイ酸塩繊維は、理論的酸化物ベースで、アルミノケイ酸塩繊維の合計質量に基づき、約67〜約77質量パーセントの範囲内のAl2O3および約33〜約23質量パーセントの範囲内のSiO2を含む。1つの好ましいアルミノケイ酸塩繊維は、理論的酸化物ベースで、アルミノケイ酸塩繊維の合計質量に基づき、約85質量パーセントのAl2O3および約15質量パーセントのSiO2を含む。もう1つの好ましいアルミノケイ酸塩繊維は、理論的酸化物ベースで、アルミノケイ酸塩繊維の合計質量に基づき、約73質量パーセントのAl2O3および27質量パーセントのSiO2を含む。好ましいアルミノケイ酸塩繊維は、「NEXTEL720」および「NEXTEL550」という商品名で3M Companyから市販されている。
【0047】
好適なアルミノホウケイ酸塩繊維は、米国特許第3,795,524号(Sowman)に記載されている。好ましくは、アルミノホウケイ酸酸繊維は、理論的酸化物を基準にして、アルミノホウケイ酸塩繊維の全質量に対し、約35質量%〜約75質量%(より好ましくは,約55質量%〜約75質量%)のAl2O3、0質量%を超え(より好ましくは少なくとも約15質量%)そして約50質量%未満(より好ましくは約45%未満、最も好ましくは約44%未満)のSiO2、約5質量%を超える(より好ましくは,約25質量%未満、さらにより好ましくは約1質量%〜約5質量%、最も好ましくは約2質量%〜約20質量%の)B2O3を含む。好ましいアルミノホウケイ酸塩繊維は、3M Companyより商品名「Nextel 312」および「NEXTEL 440」で市販されている。
【0048】
市販の実質的に連続的なセラミック酸化物繊維は標準的に、潤滑性を提供し取扱い中の繊維ストランドを保護する目的で添加される有機サイズ剤を内含する。サイジングは、繊維の破損率を低減させ、静電気を削減し、例えば布への転換中の塵埃量を低減させる傾向を有すると考えられている。サイジングは、例えば溶解または焼却により除去できる。
【0049】
セラミック酸化物繊維上にコーティングを施すことも本発明の範囲内に入る。コーティングは、例えば、繊維の湿潤性を増強するため、繊維と溶融金属基材料の間の反応を削減または防止するために使用できる。かかるコーティングおよびかかるコーティングを施すための技術は、繊維および金属基複合材料の技術において周知である。
【0050】
多孔質セラミック酸化物予備成形体は、例えば、不連続的なセラミック酸化物繊維(ウィスカーを含む)のスラリーを連続繊維の周囲にキャスティングすることによって製造することができる。通常、連続繊維をキャビティ(例えば、型)に配置し、スラリーを型に加える。得られるセラミック酸化物材料中で適切な位置となるように、連続繊維はキャビティ内に配置される。所望の形状が得られるようにキャビティが形成されるが、機械加工などによってセラミック酸化物材料を再成形して、所望の形状のセラミック酸化物予備成形体を得ることも本発明の範囲内である。
【0051】
(ホイスカを含む)適切な不連続セラミック酸化物繊維は、(デルタアルミナといったような)遷移アルミナおよびαアルミナを含めたアルミナ、アルミノケイ酸塩繊維およびアルミノホウケイ酸塩繊維を内含し、かかる材料の製造方法および/または供給源は、当該技術分野において既知である。不連続繊維は、例えば、(以上で論述されている連続繊維を含めた)連続繊維を切断または細断することにより作ることができる。市販の不連続セラミック酸化物繊維の例としては、J&J Dyson, Widness, UK社製の「SAFFIL」, Thermal Ceramics Inc., Augusta GA社製の「KAOWOOL」およびUnifrax, Niagara Falls, NY社製の「FIBERFRAX」という商品名で販売されているものが含まれる。
【0052】
標準的には、不連続繊維は、約1マイクロメートル〜約20マイクロメートル,好ましくは約3マイクロメートルから約12マイクロメートルの範囲内の直径を有し、最高約2.5cmの長さ、好ましくは1.2cm未満の長さであるが、ホイスカは標準的に、約6マイクロメートル〜約12マイクロメートルの長さを有する。
【0053】
任意には、スラリーはさらに、アルミナ(αアルミナを内含する)粒子、アルミノケイ酸塩粒子およびアルミノホウケイ酸塩粒子といったセラミック酸化物粒子を含む可能性がある。標準的には、粒子の好ましい平均粒度は、約0.05マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲内にある。スラリーはさらに、コロイドシリカ、コロイドアルミナなどといった(例えばその他の位相を作るべく多孔質セラミック酸化物予備成形体の製造に用いられるその他の成分との反応により(例えばシリカはアルミナと反応してムライトを形成する)無欠性を増強させる上で一助となり得るセラミック酸化物結合材料を含む可能性がある。
【0054】
適切なスラリーは、当該技術分野において既知の技術を用いて形成できる。標準的にはスラリーは、水といったような液体媒質中に不連続繊維を分散させることによって形成される。連続繊維の取扱いおよび位置づけを助けるため、繊維インサート(例えばリボン)を使用できる。繊維インサートは、結合剤材料と共に保持された複数の連続繊維を含む。図2を参照すると、繊維インサート20は実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維22および繊維22(トウ23の形で示されているような)を繊維インサート20内に固定するのに役立つ不堅牢結合剤材料24を含んで成る。結合剤材料24は、繊維インサート20を成形するのに必要な範囲内でのみ繊維と接触し、必ずしも全ての繊維と接触していなくてもよい。例えば、内部繊維は、結合剤材料と接触していなくてよい。
【0055】
繊維インサートを製造するための結合剤材料を選択するにあたっては、該当する場合には、セラミック酸化物予備成形体の特性に対して結合剤材料が及ぼしうる不利な効果、ならびに、該当する場合には、セラミック酸化物予備成形体の使用に対し結合剤材料が及ぼしうる影響が考慮される(例えば、該当する場合には、セラミック酸化物予備成形体から作られた金属基複合材料物品の特性に対して結合剤材料が及ぼし得る不利な効果が考慮される)。
【0056】
結合剤材料は、連続繊維を合わせて一時的に結合するためならびに繊維を取扱い究極的にセラミック酸化物予備成形体内に配置するのを補助するために用いられる。結合剤材料は好ましくは、予備成形体製造プロセスのカ焼段の間に好ましくは比較的低温で完全燃焼して残渣または灰を全く残さない不堅牢材料であり得る。1つの好ましい不堅牢結合剤材料は、その融点より高い温度で加熱され繊維に適用されその後望まれる通りに繊維を保持するべく凝固し得るろう(例えばパラフィン)である。その他の好ましい不堅牢結合剤材料には、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)およびその組合せといったような水溶性重合体が含まれる。その他の適切な不堅牢結合剤材料としては、Cytec Industries, West Patterson, NJにより販売されているもの(以前3M Companyにより「SP381 SCOTCHPLY ADHESIVE」の商品名で販売されていたもの)のようなエポキシが挙げられる。
【0057】
上述のように、セラミック酸化物予備成形体は標準的には、一定の目的のために設計され、その結果、一定の特性を有し、一定の形態を有しかつ一定の材料で作られることが望まれる。標準的には、金型は、ほぼネットシェープを形成するべく注入成形すべき物品の所望の形状を提供するように選択され作られる。ネットシェープまたはほぼネットシェープの物品を成形することによって、例えば、注入成形された物品のその後の機械加工またはその他の後注入成形加工の必要性およびコストを最低限にするかまたは無くすることができる。キャビティは、結果として得られるセラミック酸化物材料のための所望の形状を得るように選択または製造される。標準的には、キャビティは、結果として得られるセラミック酸化物予備成形体内で連続繊維が適切に位置づけされるような形で、所望の場所に連続繊維を保持するように作られるかまたは適合される。適切なキャビティを作るための技術は、当業者にとって既知のものである。かかるキャビティは、木、プラスチック、黒鉛、および鋼(例えばステンレス鋼)といった剛性材料で作られていてよい。スラリーからの液体の除去を容易にするために、金型内に単数または複数のアパーチャを設けることができる。
【0058】
グリーンセラミック酸化物予備成形体は、例えば、連続繊維をキャビティに配置して、不連続セラミック酸化物繊維を含むスラリーをキャビティに入れ、そしてスラリーから液体を除去することによって製造可能である。通常、液体はキャビティの開口部から除去される。開口部からの液体の除去は真空を使用することによって促進可能である。好ましくは、この真空は1000mbar未満であり、より好ましくは850mbar未満である。別の方法として、または真空と併用して、圧力を加えることによってキャビティからの液体の除去を促進することができる。
【0059】
グリーン予備成形体は、キャビティ内で乾燥されるのでないかぎり、標準的にキャビティからの除去後、カ焼または焼結の前に乾燥させられる。好ましくは、予備成形体は、約70℃〜約100℃、より好ましくは約85℃〜約100℃の範囲内の少なくとも1つの温度まで、標準的に最も好ましくは約100℃で乾燥させられる。
【0060】
グリーン予備成形体は標準的に、焼結に先立ちカ焼される。液相の形成のために必要とされる温度よりも低い温度での固体状態反応により結合温度まで材料が加熱される焼結とは異なり、カ焼とは、融合無しに自由水そして好ましくはあらゆる結合した揮発性成分の少なくとも約90wt%を削除するための温度(単複)までの材料の加熱のことである。
【0061】
標準的なカ焼温度は、400℃〜約800℃、好ましくは約600℃〜約800℃の範囲内にある。標準的な焼結温度は900℃〜約1150℃、好ましくは約950℃〜約1100℃、より好ましくは約950℃〜約1100℃の範囲内にある。
【0062】
乾燥、カ焼および焼結時間は、例えば関与する材料ならびに予備成形体の(サイズを含めた)形態によって左右され得る。
【0063】
連続繊維の長さ方向に対する不連続繊維の方向は、セラミック酸化物予備成形体の製造に使用される製造工程によって調整することができる。例えば、(側面ではなく)キャビティ底部(または上部)から液体が優先的に除去されるように、スラリーの保持に使用されるキャビティ底部の開口部の位置決めを行うと、不連続繊維の最大寸法の方向は、キャビティ側面の長さ方向と平行に配置された連続繊維の長さ方向と直角になるよりも平行になる方が多くなりうる。例えば、図3を参照すると、バインダー材料33で互いに保持された複数の連続繊維32を含む繊維インサートまたはリボン31は、キャビティ34内に配置される。連続繊維32の長さ方向はキャビティ34の側面と平行であり、キャビティ34の底部36とは直交する。不連続繊維の最大寸法が、連続繊維32の長さ方向と平行となるよりも直交する方がより優先されるように、開口部38からスラリー37からの液体が除去される。
【0064】
好ましくは、液体の除去は、真空により補助される。例えば、繊維インサートの各端部でクリップにより所望の場所に保持されるように、金型内に繊維インサートを付着させることができる。1つの真空成形技術においては、真空下での水除去のため金型の1つの側面上にスクリーンが配置される。スクリーンの配置は、不連続繊維の所望の方向性によって決定される。例えば、不連続繊維を長手方向に配列した連続的な繊維の長さに対して優先的に直交させて配列させることが望ましい場合には、スクリーンを、繊維の長さ方向に直交させ、繊維の長さの片端に位置づけすることができる。スラリーは例えば、スラリー内に金型を沈め、その後金型からスラリーを除去またはポンプ送りすることにより付加できる。液体を引き出すため金型のスクリーン側に真空を適用することができる。液体が除去された時点で、不連続繊維は、優先的に連続繊維の長さとの関係において配列される。さらに多くの水を強制的に出すため繊維に対しその後圧力を加えることができ、これも又不連続繊維を高密度化する一助となりうる。
【0065】
同様にして、例えば(上面および底面ではなく)キャビティの側面から液体を優先的に除去するべくスラリーを保持するために使用されるキャビティの側面内にアパーチャまたは穴を位置づけることの結果として、不連続繊維の最大の寸法は、キャビティの側面の長さに対して平行に位置づけされた連続繊維の長さに対し、平行であるよりもむしろ優先的に直交することになる可能性がある。
【0066】
セラミック酸化物予備成形体は、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維の2つ以上の群(例えば、2つの群、3つの群など)からなる場合があり、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維の群は、間に存在する多孔質セラミック酸化物材料によって互いに間隔をあけて配置される。例えば、再び図1を参照すると、セラミック酸化物予備成形体10は、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維12の群12A、12B、および12Cと、多孔質セラミック酸化物材料14とを含む。
【0067】
本発明のセラミック酸化物予備成形体は、ロッド(断面が円形、長方形、または正方形のロッドを含む)、I形鋼、または管などのあらゆる多様な形態であってよい。セラミック酸化物予備成形体は、細長く、実質的に一定の断面積を有してもよい。
【0068】
一部の用途では、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維と多孔質セラミック酸化物材料とを含む多孔質セラミック酸化物予備成形体(図1に示されるセラミック酸化物予備成形体10など)は、インサートとして、または金属基複合物品を補強する予備成形体として使用することができる。セラミック酸化物予備成形体のある用途では、本発明による1つ以上のセラミック酸化物予備成形体を収容するための少なくとも1つの開口部を有する第2のセラミック酸化物予備成形体を製造することが望ましくなりうる。例えば、図4を参照すると、セラミック酸化物予備成形体40は、多孔質セラミック酸化物材料42からなり、本発明によるセラミック酸化物予備成形体を収容するための開口部44A、44B、44C、44D、および44Eを有する。図に示されるように、開口部44A、44B、44C、44D、および44Eは、多孔質セラミック酸化物予備成形体10(図1参照)をそれぞれが収容するように設計されている。第2のセラミック酸化物予備成形体は前述のように製造することができるし、当技術分野で公知の方法で製造することもできる。好ましい実施態様の1つでは、第1の多孔質材料のヤング率は第2の多孔質材料のヤング率よりも大きく、連続繊維のヤング率は第1の多孔質のヤング率よりも大きい。
【0069】
連続繊維のために中にアパーチャ(単複)を提供し、その後繊維をアパーチャ(単複)の中に挿入することを含め、連続繊維を固定するセラミック酸化物材料を成形することも同様に本発明の範囲内に入る。
【0070】
セラミック酸化物予備成形体の製造に関するさらなる詳細については、例えば、米国特許第5,394,930号(Kennerknecht)ならびに英国特許第2,182,970AおよびB号を参照することができ、それぞれ1987年5月28日と1988年9月14日に公開されている。その他の技術およびその他の好ましい条件は、本開示を検討すれば当業者には明らかとなるであろう。
【0071】
多孔質セラミック酸化物予備成形体から製造した本発明による金属基複合物品の例が、図6A、6B、6C、および6Dに示される。自動車両(例えば、自動車、スポーツタイプ車、バン、またはトラック)用のブレーキキャリパー60は、金属(例えば、アルミニウム)62と、本発明のセラミック酸化物予備成形体200とからなる。図6Dおよび6Eは、それぞれ線FFおよびGGに沿った図6Bの断面図である。図6Dおよび6Eにおいて、セラミック酸化物予備成形体200は、多孔質セラミック酸化物材料202および204と、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維68および67をそれぞれ含む実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のインサート206および208とを含む。
【0072】
多孔質セラミック酸化物材料の開放孔隙率は以下のように測定することができる。この試験はASTM C20−97(1998年8月公開)に基づいている。試験を行う試料5つを、空気ホースでほこりを除去することによって清浄にする。試料は、110℃(230°F)のオーブンで約18時間乾燥させて、秤量する。次に試料を脱イオン水中で3時間煮沸して、水中で室温(約25℃)まで冷却した後、水中で約18時間維持する。水中で浮遊させて試料を秤量する。水から試料を取り出し、過剰の水をペーパータオルで吸い取り、試料を飽和させた水の重量を求める。再び試料を110℃(230°F)のオーブンで約18時間乾燥させて、秤量する。孔隙体積である開放孔隙率は、水で飽和させた試料の重量から試料の乾燥重量を引いて、その結果を水の密度(すなわち1g/cm3)で割ることによって求められる。
【0073】
多孔質セラミック酸化物予備成形体が組み込まれたブレーキキャリパー、ならびにブレーキキャリパーを利用する自動車両(例えば、自動車、スポーツタイプ車、バン、またはトラック)用ブレーキシステムの別の代表的構成を図5に示す。自動車両用ディスクブレーキの例は、ローターと、前記ローターの両側にあり、それとともにブレーキがかみ合うように移動可能である内側および外側ブレーキパッドと、前記ローターに前記ブレーキパッドを押しつけるためのピストンと、前記ローターの一方の側にありシリンダーを有し前記ピストンを収容するボディ部材と前記ローターのもう一方の側にあり前記外側ブレーキパッドを支持するアーム部材と前記ローターの面を越えて前記ボディ部材および前記アーム部材の間に延在するブリッジとを有するブレーキキャリパーと、を含む。
【0074】
再び図5を参照すると、ディスクブレーキアセンブリ50は、本体部材52で形成されたブレーキキャリパハウジング51、アーム部材54および一方の端部では本体部材52でそして他方の端部ではアーム部材54に連結されたブリッジ56を含んで成る。本体部材52は、内側ブレーキパッド57がプレスされるピストン55を滑動可能な形で受入れる全体として円筒形のリセス53を中に有している。アーム部材54の内部面が、内側ブレーキパッド57に面する外側ブレーキパッド59を支持する。車両のホイール(図示せず)に連結されたブレーキローター47が、それぞれ内側ブレーキパッド57と外側ブレーキパッド59の間にある。連続するαアルミナ酸化物繊維12a′および多孔質セラミック酸化物材料14a′を含むセラミック酸化物予備成形体10a′がブリッジ56の中に位置設定されている。
【0075】
油圧式またはその他の形でのピストン55の起動により、内側ブレーキパッド57は、ローター47の片側に対して駆動されることになり、当該技術分野において周知の通り反力によって、キャリパハウジング51を浮動させ、かくして、外側ブレーキパッド59をローター47のもう1方の側面と係合させることになる。
【0076】
本発明に従ったセラミック酸化物予備成形体を内含する金属基複合材料ブレーキキャリパを使用するためのディスクブレーキの例としては、固定型、浮動型および滑動型がある。さらにブレーキキャリパおよびブレーキシステムに関する詳細は、例えばU.S. Pat. Nos. 4,705,093(Ogino)および5,234,080(Pantale)内に見い出すことができる。
【0077】
セラミック酸化物予備成形体から製造可能な他の金属基複合物品の例としては、自動車部品(例えば、自動車制御アームや自動車ピストンピン)、および銃の部品(鋼製施条ライナーの銃身支持部)が挙げられる。
【0078】
通常、セラミック酸化物予備成形体から製造された金属基複合物品は、連続セラミック繊維を含む領域で、その領域の全体積を基準にして、約30〜約45体積%(好ましくは約35〜約45体積%、より好ましくは約35〜約40体積%)の範囲の金属と、約70〜約55体積%(好ましくは約65〜約55体積%、より好ましくは約60〜約65体積%)の範囲の連続セラミック繊維とを含む。さらに、連続セラミック繊維を固定する多孔質セラミック酸化物材料を含む領域は、その領域の全体積を基準にして、通常約20〜約95体積%(好ましくは約60〜約90体積%、より好ましくは約80〜約85体積%)の範囲内の金属と、約80〜約5体積%(好ましくは約60〜約10体積%、より好ましくは約15〜約5体積%)の多孔質セラミック酸化物材料とを含む。
【0079】
連続繊維領域内の金属基複合材料の繊維および金属の体積含有量は、一般に、金属浸透中に連続繊維の著しい運動無く均質な複合材料を生成するのに望ましいものにより決定される。繊維含有量が過度に低い場合、金属浸透中にMI内の連続繊維の動きを防ぐかまたは最小限におさえることがさらにむずかしくなる。不連続繊維領域では、複合材料の繊維および金属の体積含有量は、一般に、強度および剛度の増大と延性および機械加工性の間の均衡により支配される。金属基複合材料を構成する金属は、好ましくは、基材料がセラミック酸化物材料特に連続繊維と化学的に著しく反応しない(すなわち金属耐火材料に対し比較的化学不活性を有する)ような形で選択され、かくして、繊維外部に保護コーティングをほどこす必要性を無くする。好ましい金属基材料としては、アルミニウム、亜鉛、錫およびそれらの合金(例えばアルミニウムおよび銅の合金)が含まれる。より好ましくは、基材料には、アルミニウムおよびその合金が内含される。アルミニウム基材料については、基は好ましくは少なくとも98質量パーセントのアルミニウム、より好ましくは少なくとも99質量パーセントのアルミニウム、さらに一層好ましくは99.9質量パーセント以上のアルミニウム、そして最も好ましくは99.95質量パーセント以上のアルミニウムを含む。好ましいアルミニウム合金は、少なくとも約98質量パーセントのAlおよび最高約2質量パーセントのCuを含む合金のようにアルミニウムおよび銅を内含する。より高い引張り強度の材料を作るためにはより純度の高い金属が好まれる傾向にあるが、より純度の低い形態の金属も同様に有用である。
【0080】
適切な金属が市販されている。例えば、アルミニウムは、Alcoa of Pittsburgh, PAから「SUPER PURE ALUNINUM;99.99% Al」という商品名で入手可能である。アルミニウム合金(例えば、Al−2重量パーセントのCu(0.03重量パーセントの不純物)は、Belmont Metals, New York, NYから得ることができる。その他の有用なアルミニウム合金は、一般に「295」、「319」、「354」、「355」、「356」、「357」、「380」、「295」、「713」および「6061」と呼ばれるものを内含する。亜鉛および錫は、例えばMetal Seruices, St. Paul, MN(「純亜鉛」;99.999%純度および「純錫」;99.95%純度)。錫合金の例には、92wt%のSn−8wt%のAlが含まれる(これは、例えば、550℃で溶融錫の浴にアルミニウムを添加し、混合物を使用前に12時間放置することによって作ることができる)。錫合金の例には、90.4wt%のZnと9.6wt%のAlが含まれる(これは、550℃で溶融亜鉛浴にアルミニウムを添加し、混合物を使用前に12時間放置することによって作ることができる)。
【0081】
金属基複合材料物品を作るための特定の繊維、金属基およびプロセス工程は、望ましい特性を有する金属基複合材料物品を提供するように選択される。例えば、繊維および金属基材料は、所望の物品を作るため互いにおよび物品製造プロセスと充分相容性あるように選択される。アルミニウムおよびアルミニウム合金基複合材料を作るためのいくつかの好ましい技術に関する付加的な詳細は、例えば、1995年6月21日付けのU.S. Serial Nos. 08/492,960および2000年7月14日付けの09/616,589,09/616,593および09/616,594を有する同時係属出願および1997年1月9日公示の公報No.WO97/00976を有するPCT出願の中で開示されている。
【0082】
セラミック酸化物予備成形体を使用する金属基複合体の製造は、当技術分野で公知の方法を使用して実施することができる。そのような製造方法としては、多孔質予備成形体への溶融金属の溶浸が挙げられる。通常、溶融金属と接触させる場合に、セラミック酸化物予備成形体を高温(例えば、750〜800℃)にすることが好ましい。このような方法は当技術分野で公知であり、金属を成形するキャビティまたは型に配置する前の予備成形体の加熱、セラミック酸化物予備成形体を入れた後でのキャビティまたは型の加熱を含む。
【0083】
セラミック酸化物予備成形体から金属基複合材料を作ることに関する付加的な詳細は、U.S. Pat. Nos 4,705,093(Ogino)および5,234,080(Pantale)、および5,394,093(Kennerknecht)内に見い出すことができる。
【0084】
さらに、セラミック酸化物予備成形体、およびセラミック酸化物予備成形体から製造される金属基複合物品の製造に関するさらなる詳細は、例えば、米国特許出願第60/236,091号および第60/236,092号(2000年9月28日提出)の仮出願、および本出願と同日に提出された米国特許出願第 号および第 号(代理人整理番号第55954US002号および第55955US002号)の出願を参照されたい。
【0085】
当業者にとっては、本発明の範囲および精神から逸脱することなくさまざまな修正および変更が明らかとなると思われ、本発明は本書に記した例示的に実施形態に過度に制限されるものではないということを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
多孔質セラミック酸化物予備成形体の斜視図である。
【図2】
多孔質セラミック酸化物予備成形体の製造に使用されるセラミック繊維リボンの斜視図である。
【図3】
セラミック酸化物予備成形体を製造するための装置の斜視図である。
【図4】
別のセラミック酸化物予備成形体の斜視図である。
【図5】
本発明によるブレーキキャリパーの斜視図である。
【図6】
本発明による別のブレーキキャリパーの斜視図である。
【図7】
本発明によるブレーキキャリパーの一部の破壊面の研磨断面のデジタルSEM顕微鏡写真である。
【図8】
本発明によるブレーキキャリパーの一部の破壊面のデジタルSEM顕微鏡写真である。
【図9】
本発明によるブレーキキャリパーの一部の破壊面のデジタルSEM顕微鏡写真である。
【図10】
多孔質セラミック酸化物予備成形体の斜視図である。
【図11】
図10に示される多孔質セラミック酸化物予備成形体から製造された金属基複合物品の斜視図である。
【図12】
長手方向に配列したαアルミナ繊維の複数のプライをし湯押した別の予備成形体の斜視図であり、プライの長手方向軸は互いに対して0°を超える角度にある。
【図13】
実質的に連続的なαアルミナ繊維のもう1つの群でらせん状に巻きつけられた実質的に連続的なαアルミナ繊維の群の斜視図である。
Claims (110)
- 少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる少なくとも2つのプライで少なくとも部分的に補強された金属基複合材料を含む物品を設計する工程であって、セラミック酸化物材料を含む少なくとも1つのセラミック酸化物予備成形体を含む前記金属基複合材料は、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は第1のヤング率を有し、前記セラミック酸化物材料は第2のヤング率を有し、前記第1のヤング率は前記第2のヤング率よりも大きい工程と、
得られた設計に基づいて、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からなる前記プライを所定の位置に固定する多孔質セラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を調製する工程であって、前記セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
を含む、金属基材料を含む物品用の多孔質セラミック酸化物予備成形体の製造方法。 - 前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維が少なくとも10cmの長さを有する請求項1に記載の方法。
- 前記セラミック酸化物材料の一部が第1のプライと第2のプライとの間に存在する請求項1に記載の方法。
- 前記第1および第2の2つのプライ中の前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維は、本質的に長手方向に配列した1つのプライ中に存在する請求項1に記載の方法。
- 前記第1および第2の方向が互いに対して30°〜60°の範囲内で配向する請求項1に記載の方法。
- 前記第1および第2の方向が互いに対して40°〜50°の範囲内で配向する請求項1に記載の方法。
- 少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第3のプライをさらに含み、前記第3のプライの前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、第3の方向に延在する長さを有し、前記第3の方向は、前記第1または第2方向の少なくとも一方に対して0°超〜90°の範囲内で配向する請求項1に記載の方法。
- 前記第2のセラミック物品の前記多孔質セラミック酸化物材料がαアルミナからなる請求項1に記載の方法。
- 前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の少なくとも一部がトウの形態である請求項1に記載の方法。
- 前記セラミック酸化物材料が少なくとも85体積%の開放孔隙率を有する請求項9に記載の方法。
- 前記第1および第2の方向が互いに対して30°〜60°の範囲内で配向する請求項9に記載の方法。
- 前記セラミック酸化物材料が少なくとも85体積%の開放孔隙率を有する請求項11に記載の方法。
- 前記金属基がアルミニウムまたはその合金の一方である請求項1に記載の方法。
- 実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウからなる第3のプライをさらに含み、前記第3のプライの前記トウは第3の方向に延在する長さを有し、前記第3の方向は、前記第1または第2方向の少なくとも一方に対して0°超〜90°の範囲内で配向する請求項9に記載の方法。
- 前記セラミック酸化物材料が少なくとも85体積%の開放孔隙率を有する請求項14に記載の方法。
- 前記多孔質セラミック酸化物材料がαアルミナからなる請求項9に記載の方法。
- 前記セラミック酸化物材料が少なくとも85体積%の開放孔隙率を有する請求項16に記載の方法。
- 前記金属基がアルミニウムまたはその合金の一方である請求項9に記載の方法。
- 前記セラミック酸化物材料が少なくとも85体積%の開放孔隙率を有する請求項18に記載の方法。
- 前記セラミック酸化物材料が少なくとも85体積%の開放孔隙率を有する請求項1に記載の方法。
- 少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる少なくとも2つのプライで少なくとも部分的に補強された金属基複合材料を含む物品を設計する工程であって、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第1および第2のプライは、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
得られた設計に基づいて、実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる前記プライと、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維を互いに接合させるバインダー材料と、を含む長い予備成形体を調製する工程であって、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
前記長い予備成形体の長さの少なくとも一部に沿って延在するグリーンセラミック酸化物材料を含むグリーンセラミック酸化物予備成形体を調製する工程と、
実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる前記プライを所定の位置に固定するセラミック酸化物材料を含む多孔質セラミック酸化物予備成形体を得るために、前記グリーンセラミック酸化物予備成形体を加熱する工程であって、前記セラミック酸化物材料は、前記プライの前記長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向する工程と、
を含む、金属基材料を含む物品用の多孔質セラミック酸化物予備成形体の製造方法。 - 前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維が少なくとも10cmの長さを有する請求項21に記載の方法。
- 前記多孔質セラミック酸化物材料の一部が第1のプライと第2のプライとの間に存在する請求項21に記載の方法。
- 前記第1および第2の2つのプライ中の前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維は、本質的に長手方向に配列したプライ中に存在する請求項21に記載の方法。
- 前記第1および第2の方向が互いに対して30°〜60°の範囲内で配向する請求項21に記載の方法。
- 前記第1および第2の方向が互いに対して40°〜50°の範囲内で配向する請求項21に記載の方法。
- 少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第3のプライをさらに含み、前記第3のプライの前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、第3の方向に延在する長さを有し、前記第3の方向は、前記第1または第2方向の少なくとも一方に対して0°超〜90°の範囲内で配向する請求項21に記載の方法。
- 前記多孔質セラミック酸化物材料がαアルミナからなる請求項21に記載の方法。
- 前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の少なくとも一部がトウの形態である請求項22に記載の方法。
- 前記セラミック酸化物材料が少なくとも85体積%の開放孔隙率を有する請求項29に記載の方法。
- 実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウからなる第3のプライをさらに含み、前記第3のプライの前記トウは、第3の方向に延在する長さを有し、前記第3の方向は、前記第1または第2方向の少なくとも一方に対して0°超〜90°の範囲内で配向する請求項29に記載の方法。
- 前記多孔質セラミック酸化物材料がαアルミナからなる請求項29に記載の方法。
- 前記金属基がアルミニウムまたはその合金の少なくとも一方である請求項32に記載の方法。
- 前記金属基がアルミニウムまたはその合金の少なくとも一方である請求項29に記載の方法。
- 前記第1および第2の方向が互いに対して30°〜60°の範囲内で配向する請求項29に記載の方法。
- 前記セラミック酸化物材料が少なくとも85体積%の開放孔隙率を有する請求項35に記載の方法。
- 実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなるトウからなる第3のプライをさらに含み、前記第3のプライの前記トウは、第3の方向に延在する長さを有し、前記第3の方向は、前記第1または第2方向の少なくとも一方に対して0°超〜90°の範囲内で配向する請求項29に記載の方法。
- 前記セラミック酸化物材料が少なくとも85体積%の開放孔隙率を有する請求項37に記載の方法。
- 前記多孔質セラミック酸化物材料がαアルミナからなる請求項29に記載の方法。
- 前記セラミック酸化物材料が少なくとも85体積%の開放孔隙率を有する請求項39に記載の方法。
- 前記金属基がアルミニウムまたはその合金の少なくとも一方である請求項29に記載の方法。
- 前記セラミック酸化物材料が少なくとも85体積%の開放孔隙率を有する請求項41に記載の方法。
- 前記セラミック酸化物材料が少なくとも85体積%の開放孔隙率を有する請求項21に記載の方法。
- セラミック酸化物予備成形体は、少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的なセラミック酸化物繊維からそれぞれなる第1および第2のプライと、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在する多孔質セラミック酸化物材料と、を含み、前記第1および第2のプライ中の前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記金属基材料の少なくとも一部で溶浸される、多孔質セラミック酸化物と金属基材料とを含む金属基複合物品。
- 前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維が少なくとも10cmの長さを有する請求項44に記載の金属基複合物品。
- 前記多孔質セラミック酸化物材料の一部が前記第1のプライと第2のプライとの間に存在する請求項44に記載の金属基複合物品。
- 前記第1および第2の2つのプライ中の前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維は、本質的に長手方向に配列したプライ中に存在する請求項44に記載の金属基複合物品。
- 前記第1および第2の方向が互いに対して30°〜60°の範囲内で配向する請求項44に記載の金属基複合物品。
- 前記第1および第2の方向が互いに対して40°〜50°の範囲内で配向する請求項44に記載の金属基複合物品。
- 少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第3のプライをさらに含み、前記第3のプライの前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、第3の方向に延在する長さを有し、前記第3の方向は、前記第1または第2方向の少なくとも一方に対して0°超〜90°の範囲内で配向する請求項44に記載の金属基複合物品。
- 前記多孔質セラミック酸化物材料がαアルミナからなる請求項44に記載の金属基複合物品。
- 前記金属基材料がアルミニウムまたはその合金である請求項44に記載の金属基複合物品。
- 実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の群の間の前記多孔質セラミック酸化物材料によって間隔があけられた前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の少なくとも2つの群を含む請求項44に記載の金属基複合物品。
- 実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の群の間の前記多孔質セラミック酸化物材料によって間隔があけられた前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の少なくとも2つの群を含み、前記群の少なくとも2つが長方形の断面を有する請求項44に記載の金属基複合物品。
- 前記セラミック酸化物予備成形体は細長く、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の長さに対して垂直方向に長方形の断面を有する請求項44に記載の金属基複合物品。
- 前記セラミック酸化物予備成形体は細長く、実質的に一定の断面積を有する請求項44に記載の金属基複合物品。
- 前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維が、前記多孔質セラミック酸化物材料の内部に封入される請求項44に記載の金属基複合物品。
- 前記金属基材料がアルミニウムまたはその合金である請求項44に記載の金属基複合物品。
- 前記物品がブレーキキャリパーである請求項44に記載の金属基複合物品。
- ローターと、前記ローターの両側にあり、それとともにブレーキがかみ合うように移動可能である内側および外側ブレーキパッドと、前記ローターに前記ブレーキパッドを押しつけるためのピストンと、前記ローターの一方の側にありシリンダーを有し前記ピストンを収容するボディ部材と前記ローターのもう一方の側にあり前記外側ブレーキパッドを支持するアーム部材と前記ローターの面を越えて前記ボディ部材および前記アーム部材の間に延在するブリッジとを有する請求項59に記載のブレーキキャリパーと、を含む自動車両用ディスクブレーキ。
- 前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の少なくとも一部がトウの形態である請求項44に記載の金属基複合物品。
- 前記第1および第2の方向が互いに対して30°〜60°の範囲内で配向する請求項61に記載の金属基複合物品。
- 少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第3のプライをさらに含み、前記第3のプライの前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、第3の方向に延在する長さを有し、前記第3の方向は、前記第1または第2方向の少なくとも一方に対して0°超〜90°の範囲内で配向する請求項61に記載の金属基複合物品。
- 前記多孔質セラミック酸化物材料がαアルミナからなる請求項61に記載の金属基複合物品。
- 前記金属基材料がアルミニウムまたはその合金である請求項61に記載の金属基複合物品。
- 前記物品がブレーキキャリパーである請求項61に記載の金属基複合物品。
- ローターと、前記ローターの両側にあり、それとともにブレーキがかみ合うように移動可能である内側および外側ブレーキパッドと、前記ローターに前記ブレーキパッドを押しつけるためのピストンと、前記ローターの一方の側にありシリンダーを有し前記ピストンを収容するボディ部材と前記ローターのもう一方の側にあり前記外側ブレーキパッドを支持するアーム部材と前記ローターの面を越えて前記ボディ部材および前記アーム部材の間に延在するブリッジとを有する請求項66に記載のブレーキキャリパーと、を含む自動車両用ディスクブレーキ。
- 前記多孔質セラミック酸化物材料が少なくとも85体積%の開放孔隙率を有する請求項44に記載の金属基複合物品。
- 前記第1および第2の方向が互いに対して30°〜60°の範囲内で配向する請求項68に記載の金属基複合物品。
- 少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第3のプライをさらに含み、前記第3のプライの前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、第3の方向に延在する長さを有し、前記第3の方向は、前記第1または第2方向の少なくとも一方に対して0°超〜90°の範囲内で配向する請求項68に記載の金属基複合物品。
- 前記多孔質セラミック酸化物材料がαアルミナからなる請求項68に記載の金属基複合物品。
- 前記金属基材料がアルミニウムまたはその合金である請求項68に記載の金属基複合物品。
- 前記物品がブレーキキャリパーである請求項68に記載の金属基複合物品。
- ローターと、前記ローターの両側にあり、それとともにブレーキがかみ合うように移動可能である内側および外側ブレーキパッドと、前記ローターに前記ブレーキパッドを押しつけるためのピストンと、前記ローターの一方の側にありシリンダーを有し前記ピストンを収容するボディ部材と前記ローターのもう一方の側にあり前記外側ブレーキパッドを支持するアーム部材と前記ローターの面を越えて前記ボディ部材および前記アーム部材の間に延在するブリッジとを有する請求項73に記載のブレーキキャリパーと、を含む自動車両用ディスクブレーキ。
- 前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の少なくとも一部がトウの形態である請求項68に記載の金属基複合物品。
- 前記第1および第2の方向が互いに対して30°〜60°の範囲内で配向する請求項75に記載の金属基複合物品。
- 少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第3のプライをさらに含み、前記第3のプライの前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、第3の方向に延在する長さを有し、前記第3の方向は、前記第1または第2方向の少なくとも一方に対して0°超〜90°の範囲内で配向する請求項75に記載の金属基複合物品。
- 前記多孔質セラミック酸化物材料がαアルミナからなる請求項75に記載の金属基複合物品。
- 前記金属基材料がアルミニウムまたはその合金である請求項75に記載の金属基複合物品。
- 前記物品がブレーキキャリパーである請求項75に記載の金属基複合物品。
- ローターと、前記ローターの両側にあり、それとともにブレーキがかみ合うように移動可能である内側および外側ブレーキパッドと、前記ローターに前記ブレーキパッドを押しつけるためのピストンと、前記ローターの一方の側にありシリンダーを有し前記ピストンを収容するボディ部材と前記ローターのもう一方の側にあり前記外側ブレーキパッドを支持するアーム部材と前記ローターの面を越えて前記ボディ部材および前記アーム部材の間に延在するブリッジとを有する請求項80に記載のブレーキキャリパーと、を含む自動車両用ディスクブレーキ。
- セラミック酸化物予備成形体が、
多孔質セラミック酸化物を収容する開口部を有する第1の多孔質セラミック物品と、
前記開口部内にある第2のセラミック物品と、を含み、前記第2のセラミック物品は、多孔質セラミック酸化物材料と、少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からそれぞれなる第1および第2のプライと、を含み、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維を所定の位置に固定し、前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維のそれぞれの長さの少なくとも一部に沿って延在し、前記第1および第2のプライ中の前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、それぞれ第1および第2の方向に延在する長さを有し、前記第1および第2の方向は互いに対して0°超〜90°の範囲内で配向し、
前記多孔質セラミック酸化物材料は、前記金属基材料の少なくとも一部で溶浸される、多孔質セラミック酸化物と金属基材料とを含む金属基複合物品。 - 前記多孔質セラミック酸化物材料の一部が前記第1のプライと第2のプライとの間に存在する請求項82に記載の金属基複合物品。
- 前記第1および第2の2つのプライ中の前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維は、本質的に長手方向に配列したプライ中に存在する請求項82に記載の金属基複合物品。
- 前記第1および第2の方向が互いに対して30°〜60°の範囲内で配向する請求項82に記載の金属基複合物品。
- 前記第1および第2の方向が互いに対して40°〜50°の範囲内で配向する請求項82に記載の金属基複合物品。
- 少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第3のプライをさらに含み、前記第3のプライの前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、第3の方向に延在する長さを有し、前記第3の方向は、前記第1または第2方向の少なくとも一方に対して0°超〜90°の範囲内で配向する請求項82に記載の金属基複合物品。
- 前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維が少なくとも10cmの長さを有する請求項82に記載の金属基複合物品。
- 前記多孔質セラミック酸化物材料の一部が前記第1のプライと第2のプライとの間に存在する請求項82に記載の金属基複合物品。
- 前記第2のセラミック物品の前記多孔質セラミック酸化物材料がαアルミナからなる請求項82に記載の金属基複合物品。
- 前記物品がブレーキキャリパーである請求項82に記載の金属基複合物品。
- ローターと、前記ローターの両側にあり、それとともにブレーキがかみ合うように移動可能である内側および外側ブレーキパッドと、前記ローターに前記ブレーキパッドを押しつけるためのピストンと、前記ローターの一方の側にありシリンダーを有し前記ピストンを収容するボディ部材と前記ローターのもう一方の側にあり前記外側ブレーキパッドを支持するアーム部材と前記ローターの面を越えて前記ボディ部材および前記アーム部材の間に延在するブリッジとを有する請求項91に記載のブレーキキャリパーと、を含む自動車両用ディスクブレーキ。
- 前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の少なくとも一部がトウの形態である請求項82に記載の金属基複合物品。
- 前記多孔質セラミック酸化物材料が少なくとも85体積%の開放孔隙率を有する請求項82に記載の金属基複合物品。
- 前記実質的に連続的なセラミック酸化物繊維の少なくとも一部がトウの形態である請求項94に記載の金属基複合物品。
- 前記第1および第2の方向が互いに対して30°〜60°の範囲内で配向する請求項93に記載の金属基複合物品。
- 少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第3のプライをさらに含み、前記第3のプライの前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、第3の方向に延在する長さを有し、前記第3の方向は、前記第1または第2方向の少なくとも一方に対して0°超〜90°の範囲内で配向する請求項93に記載の金属基複合物品。
- 前記第2のセラミック物品の前記多孔質セラミック酸化物材料がαアルミナからなる請求項93に記載の金属基複合物品。
- 前記物品がブレーキキャリパーである請求項93に記載の金属基複合物品。
- ローターと、前記ローターの両側にあり、それとともにブレーキがかみ合うように移動可能である内側および外側ブレーキパッドと、前記ローターに前記ブレーキパッドを押しつけるためのピストンと、前記ローターの一方の側にありシリンダーを有し前記ピストンを収容するボディ部材と前記ローターのもう一方の側にあり前記外側ブレーキパッドを支持するアーム部材と前記ローターの面を越えて前記ボディ部材および前記アーム部材の間に延在するブリッジとを有する請求項99に記載のブレーキキャリパーと、を含む自動車両用ディスクブレーキ。
- 前記第1および第2の方向が互いに対して30°〜60°の範囲内で配向する請求項94に記載の金属基複合物品。
- 少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第3のプライをさらに含み、前記第3のプライの前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、第3の方向に延在する長さを有し、前記第3の方向は、前記第1または第2方向の少なくとも一方に対して0°超〜90°の範囲内で配向する請求項94に記載の金属基複合物品。
- 前記第2のセラミック物品の前記多孔質セラミック酸化物材料がαアルミナからなる請求項94に記載の金属基複合物品。
- 前記物品がブレーキキャリパーである請求項94に記載の金属基複合物品。
- ローターと、前記ローターの両側にあり、それとともにブレーキがかみ合うように移動可能である内側および外側ブレーキパッドと、前記ローターに前記ブレーキパッドを押しつけるためのピストンと、前記ローターの一方の側にありシリンダーを有し前記ピストンを収容するボディ部材と前記ローターのもう一方の側にあり前記外側ブレーキパッドを支持するアーム部材と前記ローターの面を越えて前記ボディ部材および前記アーム部材の間に延在するブリッジとを有する請求項104に記載のブレーキキャリパーと、を含む自動車両用ディスクブレーキ。
- 前記第1および第2の方向が互いに対して30°〜60°の範囲内で配向する請求項95に記載の金属基複合物品。
- 少なくとも5cmの長さを有する実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維からなる第3のプライをさらに含み、前記第3のプライの前記実質的に連続的な長手方向に配列したセラミック酸化物繊維は、第3の方向に延在する長さを有し、前記第3の方向は、前記第1または第2方向の少なくとも一方に対して0°超〜90°の範囲内で配向する請求項95に記載の金属基複合物品。
- 前記第2のセラミック物品の前記多孔質セラミック酸化物材料がαアルミナからなる請求項95に記載の金属基複合物品。
- 前記物品がブレーキキャリパーである請求項95に記載の金属基複合物品。
- ローターと、前記ローターの両側にあり、それとともにブレーキがかみ合うように移動可能である内側および外側ブレーキパッドと、前記ローターに前記ブレーキパッドを押しつけるためのピストンと、ブ前記ローターの一方の側にありシリンダーを有し前記ピストンを収容するボディ部材と前記ローターのもう一方の側にあり前記外側ブレーキパッドを支持するアーム部材と前記ローターの面を越えて前記ボディ部材および前記アーム部材の間に延在するブリッジとを有する請求項109に記載のブレーキキャリパーと、を含む自動車両用ディスクブレーキ。
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