JP2004509949A - 化合物および癌またはウイルス性感染症治療におけるその使用方法 - Google Patents

化合物および癌またはウイルス性感染症治療におけるその使用方法 Download PDF

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Abstract

構造式(I、IIおよびIII)のベンゾイミダゾール誘導体、その塩およびそのプロドラッグ、ならびにこれらの化合物の投与による温血動物の癌またはウイルス性感染症の治療方法を開示する。式中、Rは、COまたはCONHRであり、各置換基は本明細書において定義したとおりである。このような化合物は、化学療法剤および/または増強剤と組み合わせて使用することができる。
【化1】
Figure 2004509949

【化2】
Figure 2004509949

【化3】

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、ベンゾイミダゾール誘導体、および温血動物、特にヒトおよび他の哺乳動物における癌またはウイルス性感染症の治療に対するベンゾイミダゾール誘導体の使用に関する。かかる使用方法では、上述の化合物を増強剤または化学療法剤と組み合わせて使用してもよい。
【0002】
(発明の背景)
癌は、動物およびヒトの死因の上位を占めている。癌の正確な原因は分かっていないが、喫煙、発癌物質への暴露などのある種の活動と、あるタイプの癌および腫瘍の発生との間に関連性があることが多数の研究者によって示されている。
【0003】
多くのタイプの化学療法剤が癌および腫瘍細胞に対して有効であることが示されているが、全てのタイプの癌および腫瘍がこれらの化学療法剤に反応を示すわけではない。残念なことに、これらの化学療法剤の多くは正常細胞も破壊してしまう。これらの化学療法剤が作用する正確な機構の全てが分かっているわけではない。
【0004】
癌治療分野の進歩にもかかわらず、今日の主要な治療法は、手術、放射線および化学療法である。化学療法的アプローチは、転移した癌または特に攻撃的な癌と闘うと言われる。このような細胞破壊薬または細胞増殖抑制薬は、増殖因子の大きな癌、すなわち癌細胞が急速に分裂している癌に対して最もよく作用する。現在までのところ、腫瘍学者が使用可能な治療法の大部分は、ホルモン、特にエストロゲン、プロゲステロンおよびテストステロン、さまざまな微生物によって生み出されるいくつかの抗生物質、アルキル化薬ならびに代謝拮抗薬から構成される。癌および腫瘍細胞に対しては特異性を有するが、正常細胞は冒さない、理想的な細胞傷害薬が極めて望ましいといえる。しかし残念なことに、そのような作用薬は見つかっておらず、その代用として、特に急速に分裂している細胞(腫瘍細胞と正常細胞の両方)をターゲットとする作用薬が使用されている。
【0005】
癌細胞に対するある固有の特異性によって癌細胞をターゲットとする物質の開発が突破口となることは明らかである。あるいは、癌細胞に対しては細胞傷害性の作用を示すが、正常細胞に対しては穏やかな作用を示すような物質も望ましいといえる。
【0006】
AIDS(後天性免疫不全症候群)の病因であるヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、レトロウイルスの亜科であるレンチウイルスの一種である。HIVは自体の遺伝情報を宿主のゲノム内に組み込む。最も重要なのは、HIVが免疫系の細胞に感染し、それらに浸潤することである。HIVは体の免疫系を破壊し、日和見感染および新生物に対して患者を感受性にする。HIV−1は、細胞表面分化抗原CD4を発現する免疫系細胞であるT4リンパ球に対して細胞傷害性である。CD4+ T細胞の他に、HIVの宿主の範囲には、血液単球、組織マクロファージ、皮膚のランゲルハンス細胞、リンパ節内の樹状細網細胞などを含む単核食細胞系統の細胞が含まれる。
【0007】
骨髄の前駆細胞は、単球として知られる未熟な循環性の形態として血液中に放出される。単球は、輸送媒体としての血液を徹底的に利用する。単球は、それらが使用される場所に到着すると、血液から離れ、マクロファージへの分化を完成させる。単球/マクロファージ系統の細胞は、体内でHIVが感染する主要なターゲット集団であり、これらの細胞は、体全体に感染を広めるためのウイルスの貯蔵庫となると考えられている。HIVは、中枢神経系の単球およびマクロファージに感染して重症の神経学的損傷を引き起こす能力を有する神経向性ウイルスでもある。それらは、CD4を持ったT細胞と相互に作用し合い、融合して、T細胞の除去を引き起こすことができ、したがってAIDSの発症に寄与する。
【0008】
HIV感染からAIDSへの進行は主に、CD4+ Tリンパ球およびマクロファージを含む、HIVが感染した細胞に対するHIVの効果によって決定される。細胞の活性化、分化および増殖は、HIVの感染および感染した細胞の中でのHIVの複製を調節する。HIVおよび他のレンチウイルスは、最後まで分化が進んだ非増殖性のマクロファージ、および増殖が停止したTリンパ球の中で増殖することができる。非増殖細胞の中で複製するといったHIVを含むレンチウイルスの能力は、レトロウイルスに固有の能力であると考えられている。
【0009】
当技術分野における上記の問題のため、本発明の発明者らは改良を追求した。本明細書ではこのような改良を提供する。
【0010】
カルベンダジム、すなわち2−メトキシカルボニルアミノベンゾイミダゾールは、癌治療薬としてすでに研究されている。1998年6月16日にJ.B.Camdenに発行された米国特許第5767138号を参照されたい。カルベンダジムは体内で、ベンゼン環の主に5位置のヒドロキシル化を通して代謝する。その代謝産物は、癌治療において、2−メトキシカルボニルアミノベンゾイミダゾールほどには活性ではない。さらにこの化合物の溶解性はあまり高くない。上記ベンゾイミダゾールの活性を保持し、かつより可溶性の誘導体が非常に好ましい。置換カルバミン酸ベンゾイミダゾール、特に本明細書で請求した置換カルバミン酸ベンゾイミダゾールは、より可溶性でありながら、細胞傷害性を維持していることが分かった。
【0011】
(発明の概要)
本発明の化合物は下式Aによって表される。
【0012】
【化6】
Figure 2004509949
【0013】
式中、
Rは、水素、−COORまたは−CONHRであり、
は、水素、−COORまたは−CONHRであり、
およびRはそれぞれ独立して、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、シクロアルキル、シクロアルカルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカルキル、置換または非置換のベンジル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ポリ(アルコキシ)アルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシポリ(アルコキシ)アルキル、ハロアルコキシアルキル、ハロポリ(アルコキシ)アルキル、またはアミノアルキルであり、
XおよびYはそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ブロモ、クロロ、フルオロ、ニトロまたはアミノであり、
nは、1、2または3である。
【0014】
ベンジル基は任意選択で、1つまたは複数のニトロ、カルボキシ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシまたはハロゲン化物置換基で置換することができる。
【0015】
式Aのベンゾイミダール誘導体の薬剤として許容可能な塩も本発明に含まれる。本発明には、式Aの化合物のプロドラッグも含まれる。
【0016】
本発明の現時点の好ましい一実施形態では、本発明のベンゾイミダール誘導体は式A−1またはA−2の誘導体であり、
【0017】
【化7】
Figure 2004509949
【0018】
より好ましくは、式A−1またはA−2の化合物であり、式中、XおよびYはそれぞれ水素である。
【0019】
本発明の現時点の好ましい他の実施形態では、ベンゾイミダール誘導体は式A−3の誘導体であり、
【0020】
【化8】
Figure 2004509949
【0021】
より好ましくは、式A−3の化合物であり、式中、Xは水素、Yは水素またはハロゲンであり、ハロゲンはクロロであることが好ましい。
【0022】
本発明の現時点の好ましい他の実施形態では、ベンゾイミダール誘導体は式A−4の誘導体であり、
【0023】
【化9】
Figure 2004509949
【0024】
より好ましくは、式A−4の化合物であり、式中、Xは水素、Yは水素またはハロゲンであり、ハロゲンはクロロであることが好ましい。
【0025】
本発明は、癌またはウイルス性感染症に冒された温血動物、特にヒトおよび他の哺乳動物を治療する方法を提供する。この方法は、癌またはウイルス性感染症に冒された動物に治療上有効な量の式Aのベンゾイミダール誘導体、あるいはその塩またはプロドラッグを投与することを含む。
【0026】
(発明の詳細な説明)
A.定義
用語「アルキル」は、1から12個の炭素原子から成る一価の完全飽和炭化水素ラジカルを示す。直鎖でも、または枝分れ鎖でもよい。1から10個の炭素原子を含むアルキル基が好ましく、2から8個の炭素原子を含むアルキル基が特に好ましい。
【0027】
用語「アルケニル」は、2から12個の炭素原子から成り、炭素と水素しか含まず、1つまたは複数の二重結合を有する一価の不飽和炭化水素ラジカルを示す。直鎖でも、または枝分れ鎖でもよい。2から10個の炭素原子を含むアルケニル基が好ましく、2から8個の炭素原子を含むアルケニル基が特に好ましい。
【0028】
用語「アルコキシ」は基−OR’を意味する。R’はアルキルである。1から10個の炭素原子を有するアルコキシ基が好ましく、2から8個の炭素原子を含むアルコキシ基がより好ましい。
【0029】
用語「アルコキシアルキル」は、アルキル基に共有結合したアルコキシ基を示す。アルコキシ基は1から12個の炭素原子、好ましくは1から6個の炭素原子を含む。アルコキシ基は、1つまたは複数のヒドロキシル基(「ヒドロキシアルコキシアルキル」)、あるいは1つまたは複数のハロゲン原子(「ハロアルコキシアルキル」)で置換することができる。ヒドロキシル基またはハロゲンは、アルコキシアルキル置換基の末端に位置することが好ましい。
【0030】
用語「ポリ(アルコキシ)アルキル」は、線状または枝分れ配置で共有結合した2から200個、好ましくは2から20個のアルコキシ基にアルキル基が1つ結合した基を意味する。線状ポリ(アルコキシ)アルキル部分は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−(CH−...−O−C2m+1で示される構造を有する。「m」は鎖に沿って同じ、または異なる整数である。枝分れ部分は、2つ以上の(−O−(CH−)基を有し、これに共通の第3の(−O−(CH−)基が結合している。「t」の値は、(CH基ごとに、0、1および2から独立して選択される。線状配置が好ましい。1つの置換基内で(−O−(CH−)基を繰り返す回数は200回までとすることができ、2から20回であることが好ましく、2から7回であることがより好ましく、2〜5回であることが最も好ましい。個々のアルコキシ基どうしは同じでも、または異なっていてもよく、個々のアルコキシ基は好ましくはそれぞれ1から6個の炭素原子を含み、より好ましくはそれぞれ1から3個の炭素原子を含む。現時点の好ましいポリ(アルコキシ)アルキルは、−(CH−(OCHCH−OCHまたは−(CH−(OCHCH−OCHCHである。上式で、y=1〜4、x=1〜100であり、好ましくはx=1〜10、より好ましくは2〜5である。個々のアルコキシ基を、1つまたは複数のヒドロキシル基(「ヒドロキシポリ(アルコキシ)アルキル」)、あるいは1つまたは複数のハロゲン原子(「ハロポリ(アルコキシ)アルキル」)で置換することができる。ヒドロキシル基またはハロゲンは、ポリ(アルコキシ)アルキル置換基の末端に位置することが好ましい。
【0031】
「ヘテロシクロ」は複素環基、すなわち環の1つまたは複数の原子が炭素以外の元素、例えばイオウ、窒素、酸素である、通常は5員または6員の閉環構造を意味する。複素環基は、任意選択で1つまたは複数のニトロ、カルボキシ、スルホン酸、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシまたはハロゲン化物置換基で置換された、ピリジン、ピロール、フラン、チオフェン、モルホリンおよびプリンとすることができる。ただしこれらに限定されるわけではない。
【0032】
用語「アミノ」は、第一級アミン(−NH)、第二級アミン(−NHR’)、および第三級アミン(−NR’R”)を示す。R’およびR”は、アルキル、アルケニル、ハロゲン、ヒドロキシなどの同じ、または異なる置換基である。
【0033】
「独立して」は、この用語の直前に記載された2つ以上の基が同一であり、または異なっていることを意味する。すなわち、この用語の後に続くリストから選択される一方の基が、他方の基の選択に影響しないことを意味する。
【0034】
「置換」は、単置換と多置換の両方を包含し、多置換には、同じ置換基による多置換、ならびに異なる置換基による多置換が含まれる。
【0035】
用語「任意選択の」または「任意選択で」は、続いて記述される事象または状況が起こっても、または起こらなくてもよく、その記述に、前記事象または状況が起こる事例、およびそれらが起こらない事例が含まれることを意味する。例えば、「任意選択で置換されたフェニル」は、フェニルが置換されていても、または置換されていなくてもよく、その記述に、置換されていないフェニルと置換されたフェニルの両方が含まれることを意味する。別の例として、「任意選択で」の後に「遊離塩基を酸付加塩に変換する」が続く場合、これは、このような変換が実施され、または実施されなくても、記述されたそのプロセスは本発明の範囲に含まれること、および本発明が、遊離塩基を酸付加塩に変換するプロセスと、遊離塩基を酸付加塩に変換しないプロセスの両方を含むことを意味する。
【0036】
本明細書で使用する「治療上有効な量」とは、癌細胞、ウイルスに感染した細胞、またはウイルス自体の制御、破壊といった医学上の特定の目的を、許容できない毒性症状を生じることなく達成ができる、本発明の化合物の濃度、量またはレベルを意味する。用語「安全かつ有効な量」とは、本発明の方法で使用したときに、合理的な利益/危険比(benefit/risk ratio)に相応して、有害な過度の副作用(例えば毒性、刺激またはアレルギー反応)を引き起こすことなく、所望の治療反応を得るのに十分な成分量を示す。具体的な「安全かつ有効な量」は、治療中の特定の条件、患者の身体的条件、治療中の哺乳動物の種類、治療期間、(ある場合には)並行して実施する治療法の性質、使用される具体的な製剤、化合物またはその塩の構造などの因子によって変化する。
【0037】
本明細書で使用する「薬剤付加塩」または「薬剤として許容可能な塩」とは、ベンゾイミダゾール誘導体化合物と有機または無機酸との塩である。好ましい酸付加塩は、塩化物、臭化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、ギ酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩、および当業者に周知の他の塩である。
【0038】
本明細書で使用する用語「プロドラッグ」は、生物学的に活性なその所望の形態に変換されるまでは最低限の治療活性しか持たないベンゾイミダゾール誘導体化合物の形態を示す。プロドラッグは、自体に共有結合した1つまたは複数の官能基または担体を有する化合物である。官能基または担体は、体内での代謝プロセスによって化合物から除去されて、それぞれの生物活性化合物を形成する。
【0039】
本明細書で使用する用語「代謝産物」は、動物またはヒトの体内での代謝または生体内変化、例えば酸化、還元または加水分解などによるより極性の分子への生体内変化、あるいは共役への生体内変化によって生み出される、ベンゾイミダゾール誘導体化合物またはその塩の分解物または最終産物を示す(生体内変化の議論についてはGoodman and Gilman、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」8th Ed.、Pergamon Press、Gilman et al. (eds.)、1990を参照されたい)。本明細書で使用するとおり、ベンゾイミダゾール誘導体化合物またはその塩の代謝産物は、体内では生物学的に活性な形態で存在することができる。本発明のベンゾイミダゾール誘導体の代謝産物の活性を求める検定は、本明細書の開示を考慮した技術分野、例えばウイルスに対する効能のin vitroまたはin vivo試験分野の熟練者にとって周知である。
【0040】
本明細書で使用する用語「それを必要としている被験対象」とは、癌またはウイルス性感染症にかかっている温血動物である。
【0041】
本明細書で使用する用語「癌」は、全てのタイプの癌、新生物、良性または悪性の腫瘍を示す。一実施形態では、本発明が、正常かつ健康な血球または骨髄を攻撃する癌を企図する。本明細書に記載の方法を使用して治療するのに好ましい癌には、癌腫、肉腫、リンパ腫、白血病が含まれる。「癌腫」は、良性または悪性の上皮性腫瘍を意味し、これには、乳癌、前立腺癌、非小細胞性肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫、卵巣癌、腎癌が含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。好ましい宿主はヒト宿主である。
【0042】
本明細書で使用する用語「ウイルス性感染症」は、DNAウイルスまたはRNAウイルス(レトロウイルス)による感染を意味する。二本鎖DNAウイルスの例は、疱疹ウイルスおよびインフルエンザウイルスである。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)はレトロウイルス、すなわち複製に逆転写を使用するウイルスの一基本型である。ただし、例えばB型肝炎ウイルスなどのある種のDNAウイルスは、逆転写機構を部分的に使用して複製する。用語「ウイルス」には、HIV、HTLVなどのレトロウイルス、インフルエンザウイルス、ライノウイルス、疱疹ウイルス、肝炎ウイルスなどが含まれる。
【0043】
本明細書で使用するとおり、式Aおよび式A−1ないしA−4のベンゾイミダゾール誘導体、あるいはその薬剤塩またはプロドラッグは、「本発明の化合物」である。このような化合物については後項Bで詳細に説明する。
【0044】
本明細書で使用する用語「化学療法剤」には、DNA相互作用剤、代謝拮抗薬、チューブリン相互作用剤、ホルモン剤、アスパラギナーゼ、ヒドロキシ尿素などが含まれる。これについては後項Dで詳細に説明する。
【0045】
本明細書で使用する用語「増強剤」とは、免疫系に影響を及ぼし、または本発明の化合物の効果を増強する物質である。これについては後項Eで詳細に説明する。
【0046】
特許法の長年の慣習に従い、請求項を含めこの出願で使用するときには、用語「a」または「an」は「1つまたは複数」を意味する。
【0047】
B.ベンゾイミダゾール誘導体
本発明のベンゾイミダゾール誘導体は、先に記載した式Aの誘導体である。本発明の一実施形態では、現時点の好ましい化合物が式A−1およびA−2の化合物である。他の実施形態では、現時点の好ましい化合物が式A−3およびA−4の化合物である。
【0048】
ベンゾイミダゾール化合物の薬剤として許容可能な塩は、本発明の化合物の範囲に含まれるとみなされる。それらは有機または無機酸との塩である。好ましい酸付加塩は、塩化物、臭化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、ギ酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩などである。このような塩は、塩基性または酸性部分を含む本発明の化合物またはその誘導体から、従来の化学的方法によって合成することができる。このような塩は一般に、遊離酸または遊離塩基の形態の本発明の化合物またはその誘導体を、化学量論的量の適当な塩基または酸と、水中または有機溶媒中で、あるいはこれら2つの混合液中で反応させることによって、調製することができる。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒質が好ましい。このほかの適当な塩は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、19th ed.、Mack Publishing Company、Easton、PA.、1995、p. 1457に出ている。
【0049】
本発明の化合物の薬剤として許容可能な塩には、例えば非毒性の無機または有機酸から形成された、本発明の化合物またはその誘導体の従来の非毒性塩、あるいは第四級アンモニウム塩が含まれる。このような従来の非毒性塩には例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸から誘導された塩;および酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタン二スルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などの有機酸から調製された塩が含まれる。好ましい酸付加塩は、塩化物、臭化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、ギ酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩などである。現時点の好ましい塩は塩酸塩である。
【0050】
さらに、本発明に対して有用な化合物またはその塩の範囲には、そのプロドラッグが含まれる。本明細書で使用する用語「プロドラッグ」とは、担体に共有結合した薬物であって、哺乳動物の被験対象に投与したときにin vivoで薬物の放出が起こる薬物である。本発明の化合物のプロドラッグは、ルーチンの操作またはin vivoで修飾が切断されて所望の化合物が生ずるような方法で、化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製される。プロドラッグは、ヒドロキシ、アミンまたはスルフヒドリル基が任意の基に結合した化合物を含み、この基は、哺乳動物の被験対象に投与したときに切断されて、遊離のヒドロキシル、アミノまたはスルフヒドリル基をそれぞれ形成する。プロドラッグの例には、本発明の化合物中のアルコールまたはアミン官能基の酢酸塩、ギ酸塩または安息香酸塩誘導体;本発明の化合物中のアルコールまたはフェノール官能基のリン酸エステル、ジメチルグリシンエステル、アミノアルキルベンジルエステル、アミノアルキルエステルまたはカルボキシアルキルエステル;などが含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。
【0051】
合成反応パラメータ
用語「溶媒」、「不活性有機溶媒」および「不活性溶媒」は、その用語に関連して説明中の反応条件下で不動(passive)または非反応性(non−reactive)である溶媒を意味する(例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(「THF」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、クロロホルム、塩化メチレン(またはジクロロメタン)、ジエチルエーテル、メタノール、ピリジンなどが含まれる)。そうではないと明記しない限り、本発明の反応で使用される溶媒は不活性有機溶媒である。
【0052】
反応物の反応性に応じて反応温度は大幅に変更することができる。ただし、反応温度は、反応物が分解されるほど高くてはならず、または溶媒の凝縮または凍結の阻害が引き起こされるほど低くてはならない。そうではないと明記しない限り、本明細書に記載の反応は、大気圧で、ドライアイスの温度から約100℃までの温度範囲、より好ましくは約10℃から約50℃までの温度範囲、最も好ましくは「室」温または「周囲」温度(「RT」)、例えば約20℃で実施される。
【0053】
特に明記しない限り、反応時間および条件はおおよそである。
【0054】
本明細書の反応に要する時間は、使用する温度および出発物質の相対的な反応性に大きく依存する。したがって反応時間が大幅に変化する可能性があり、例えば約5分から約2日までの範囲にわたる。さまざまなタイプのクロマトグラフィ、特に薄層クロマトグラフィ(「TLC」)、ガスクロマトグラフィ(「GC))、分光法など、さまざまな周知の技法を使用し、反応の進行を、出発化合物の消失によって追跡することができる。
【0055】
所望ならば、本明細書に記載の化合物および中間体の分離および精製を、例えば、ろ過、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィ、薄層クロマトグラフィ、厚層クロマトグラフィ、遠心クロマトグラフィ、分取HPLC、これらの手順の組合せなどの適当な分離または精製手順によって実施することができる。適当な分離および単離手順の具体的な説明は、後に示す実施例を参照することによって得ることができる。しかし、他の同等の分離または単離手順ももちろん使用することができる。
【0056】
式Aの化合物の合成
本発明の化合物は、下式のベンゾイミダゾール核への修飾によって調製される。
【0057】
【化10】
Figure 2004509949
【0058】
一合成プロセスでは、市販の2−アミノベンゾイミダゾール(101)を、さまざまなクロロギ酸エステルまたはイソシアン酸エステルとピリジン中で反応させて、N3位置にそれぞれ、カルバミン酸エステル(105)または尿素(103)を形成することができる。このようにして、遊離の2−アミノ基を有する式A−1(105)またはA−2(103)のN3−置換ベンゾイミダゾール誘導体が合成される(反応スキーム1)。
【0059】
反応スキーム1:
【0060】
【化11】
Figure 2004509949
【0061】
N3−アシル類似体(103、105)をピリジン中で加熱することによって、アシル基を2−アミノ位置に移動させて、式A−3またはA−4のベンゾイミダゾール誘導体(それぞれ205および203)を得ることができる(反応スキーム2)。
【0062】
【化12】
Figure 2004509949
【0063】
反応スキーム2:
5(6)位置に塩素原子を有する式Aの化合物を合成したい場合には、4−クロロ−1,2−フェニレンジアミン301を臭化シアンと縮合させて(Zou, R. et al.、J. Med. Chem. 40: 811−818 (1997))、対応するクロロ2−アミノベンゾイミダゾール303を得る。次いで、ベンゾイミダゾール303をピリジン中でイソシアン酸エステルと加熱して、クロロ2−アミノ尿素類似体305を形成することができる(反応スキーム3)。
【0064】
反応スキーム3:
【0065】
【化13】
Figure 2004509949
【0066】
式A−3またはA−4の化合物を調製する他の方法では、溶媒としてトルエンを添加し、または添加せずに、アルミニウムイソプロポキシド触媒の存在下で、市販の殺真菌薬2−アミノベンゾイミダゾールカルバミン酸メチル(カルベンダジム401)を適当なアルコールまたはアミンで処理して、それぞれ新しいカルバミン酸エステル(403)および尿素(405)を得る(反応スキーム4)。
【0067】
反応スキーム4:
【0068】
【化14】
Figure 2004509949
【0069】
現時点での好ましい実施形態
本発明の一実施形態では、現時点での好ましいベンゾイミダゾール誘導体が、RおよびXが水素、Yが水素またはクロロであり、Yが5(6)位置にあるベンゾイミダゾール誘導体である。R、XおよびYが水素であり、Rが表1に記載した基から選択されたものである化合物がさらに好ましい。溶解度は、医薬品化学では使用される標準手段であるオクタノール−水分配係数LogPに基づく。LogP値が小さいほど水溶解度が大きいことを示す。提案された構造に対してこの値を、コンピュータ計算を使用して推定するさまざまな方法がある。下記のLogP溶解度値は、Ghose,Pritchett他の原子タイピング法(atom typing method)を使用して決定されたものである(J. Comput. Chem 9 (1): 80−90、1988)。カルベンダジムのLogPは1.302である。
【0070】
【表1】
Figure 2004509949
【0071】
本発明の他の実施形態では、現時点での好ましいベンゾイミダゾール誘導体が、Rが水素、Xが水素、Yが水素またはクロロであり、Yが5(6)−位置にあるベンゾイミダゾール誘導体である。RおよびXが水素、Yが5(6)位置の水素またはクロロであり、Rが表2に記載の基から選択されたものである化合物がさらに好ましい。
【0072】
【表2】
Figure 2004509949
【0073】
C.スクリーニング検定
本発明の化合物を使用した治療に対して感受性を有する癌を決定するスクリーニング検定は、例えば米国立癌研究所(National Cancer Institute)によって記述された、特定の癌を表現する細胞系統モデルを、このような化合物が存在する条件と存在しない条件で培養することを含む。細胞の生存率は、MTT検定(Promega社。米ウィスコンシン州Madison、53711)、またはSRB(スルホロダミンB)検定(Skehan, et al.、JNCI、82: 13、1107、1990)によって決定することができる。前記化合物に対する感受性は、本発明の化合物が存在する条件での生存率が、その化合物が存在しない条件での生存率よりも小さいときに存在するといえる。
【0074】
特定の癌を表現している例示的な細胞系統モデルには以下のものが含まれる。ただしそれらに限定されるわけではない。
【0075】
肺非小細胞癌:NCIH23、NCIH324、NCIH522、A549/ATCC、A549(ASC)、CALU1、EKYX、NCIH125M、NCIH226、NCIH520、SKMES1、NCIH322M、NCIH358M、NCIH460、NCIH292、HOP62、HOP18、HOP19、HOP92、LXFL529、SW1573、LXFS650L、ML1019、ML1076、ML1045またはUABLG22
【0076】
肺小細胞癌:NCIH69、NCIH146、NCIH82、NCIH524、DMS114、DMS273、HOP27、SHP77またはRHOS
【0077】
大腸癌:HT29、HCC2998、HCT116、LOVO、SW1116、SW620、COLO205、DLD1、WIDR、COLO320DM、HCT15、CXF280、KM12、KM20L2、COLO741、CXF264L、COLO746、UABC02、MLI059、CAC02、HT29/PAR、HT29/MDR1またはNB4
【0078】
乳癌:MCF7、MCF7/ADRRES、ZR751、ZR7530、MDAMB231/ATCC、HS578T、UISOBCA1、MCF7/ATCC、SKBR3、MDAMB435、MDAN、BT549、T47D、MDAMB231、MAXF401、BT474またはMDAMB468
【0079】
卵巣癌:OVCAR3、OVCAR4、OVCAR5、OVCAR8、A2780、IGROV1、SKOV3、OVXF899、A1336またはES2
【0080】
白血病:P388、P3888/ADR、CCRFCEM、CCRFSB、K562、MOLT4、L1210、HL60(TB)、RPMI8226、SRまたはK562/ADR
【0081】
線維芽細胞:IMR90またはCCD19LU
【0082】
腎癌:UO31、SN12C、SN12S1、SN12K1、SN12L1、SN12A1、A498、A704、CAKI1、RXF393、RXF631、7860、SW156、TK164、769P、SS78、ACHN、TK10、RXF486L、UOK57またはUOK57LN
【0083】
黒色腫:LOX IMVI、MALME3M、RPMI7951、SKMEL2、SKMEL5、SKMEL28、SKMEL31、UCSD242L、UCSD354L、M14、M19MEL、UACC62、UACC257、MEXF514LまたはUABMEL3
【0084】
前立腺癌:PC3、PC3M、DU145、LNCAP、1013L、UMSCP1、WIS、JE、RER、MRM、DHM、AG、RB、RVP、FC、WAE、DB/SMC、JCA1、ND1、WMF、TSUPRI、JECA、GDP、T10、WBW、RVP1またはWLL
【0085】
CNS癌:SNB7、SNB19、SNB44、SNB56、SNB75、SNB78、U251、TE671、SF268、SF295、SF539、XF498、SW1088、SW1783、U87MG、SF767、SF763、A172またはSMSKCNY
【0086】
骨/筋肉:A204/ATCC、OHS、TE85、A673、CHA59、MHM25、RH18、RH30またはRD
【0087】
リンパ腫:AS283、HT、KD488、PA682、SUDHL7、RL、DB、SUDHL1、SUDHL4、SUDHL10、NUDUL1またはHUT102
【0088】
D.化学療法剤
化学療法剤は一般に、DNA相互作用剤、代謝拮抗薬、チューブリン相互作用剤、ホルモン剤、およびアスパラギナーゼ、ヒドロキシ尿素などの他の作用薬、ならびに表3に記載の作用薬にグループ分けされる。これらの化学療法剤のグループはそれぞれ、活性または化合物のタイプによってさらに分類することができる。本発明の化合物または本発明のその塩と組み合わせて使用する化学療法剤は、これらのグループから選択することができる。ただしそれらに限定されるわけではない。化学療法剤およびそれらの投与方法の詳細な議論については、参照によって本明細書に組み込まれるDorr, et al、Cancer Chemotherapy Handbook、2d edition、pages 15−34、Appleton & Lange (Connecticut、1994)を参照されたい。
【0089】
DNA相互作用剤には例えば、アルキル化薬、例えばシスプラチン、シクロホスファミド、アルトレタミン(altretamine);ブレオマイシンなどのDNA鎖切断薬;挿入トポイソメラーゼII阻害薬、例えばダクチノマイシンおよびドキソルビシン;エトポシド、テニポシドなどの非挿入トポイソメラーゼII阻害薬;およびDNA副溝結合剤プリカミジン(plicamydin)などが含まれる。
【0090】
アルキル化薬は、細胞のDNA、RNAまたはタンパク質分子と、あるいはより小さなアミノ酸、グルタチオンまたは同種の化学物質と共有結合性化学付加物を形成する。アルキル化薬は一般に、核酸、タンパク質、アミノ酸またはグルタチオン中のアミノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルフヒドリル基などの細胞成分中の求核原子と反応する。癌治療におけるこれらのアルキル化薬の機構および役割はよく分かっていない。
【0091】
一般的なアルキル化薬には、クロラムブシル、シクロホスファミド、イソファミド(isofamide)、メクロレタミン、メルファラン、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;チオテパなどのアジリジン;ブスルファンなどのメタンスルホン酸エステル;カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシンなどの、ニトロソ尿素;シスプラチン、カルボプラチンなどの白金錯体;マイトマイシン、プロカルバジン、ダカルバジン、アルトレタミン(altretamine)などの生還元性アルキル化薬などが含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。
【0092】
DNA鎖切断薬には例えばブレオマイシンが含まれる。
【0093】
DNAトポイソメラーゼII阻害薬には例えば、アムサクリン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、イダルビシン、ミトキサントロンなどの挿入剤;エトポシド、テニポシドなどの非挿入剤が含まれる。
【0094】
DNA副溝結合剤は例えばプリカマイシン(plicamycin)である。
【0095】
代謝拮抗薬は、2つの主要な機構のうちの1つによって核酸の生成を阻害する。ある種の薬物は、DNA合成の直接の前駆物質であるデオキシリボヌクレオシド三リン酸の生成を阻害し、したがってDNA複製を阻害する。ある種の代謝拮抗薬はプリンまたはピリミジンの類似体であり、同化ヌクレオチド経路に組み込まれる。これらの類似体は次いで、正常なプリンまたはピリミジンの代わってDNAまたはRNAに導入される。
【0096】
本明細書で有用な代謝拮抗薬には、メトトレキサート、トリメトレキサートなどの葉酸拮抗薬;フルオロウラシル、フルオロデオキシウリジン、CB3717、アザシチジン(azacitidine)、シタラビン、フロクスウリジンなどのピリミジン拮抗薬が含まれ、プリン拮抗薬には、メルカプトプリン、6−チオグアニン、フルダラビン(fludarabine)、ペントスタチンが含まれ、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害薬にはヒドロキシ尿素が含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。
【0097】
チューブリン相互作用薬は、重合して細胞の微小管を形成するタンパク質であるチューブリン上の特定の部位に結合することによって作用する。微小管は、きわめて重要な細胞構造単位である。相互作用薬がチューブリンと結合すると、細胞は微小管を形成することができない。チューブリン相互作用薬には例えば、ともにアルカロイドであるビンクリスチンおよびビンブラスチン、ならびにパクリタキセル(タキソール)が含まれる。
【0098】
ホルモン剤も、癌および腫瘍の治療で有用な薬剤である。ホルモン剤は、ホルモンに対して感受性の腫瘍に使用される作用薬であり、通常は天然の供給源に由来する。ホルモン剤には、卵胞ホルモン、抱合卵胞ホルモン、エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、クロルトリアニセン(chlortrianisen)、イデンストロール(idenestrol);カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、メドロキシプロゲステロンおよびメゲストロールなどのプロゲスチン;テストステロン、プロピオン酸テストステロンなどのアンドロゲン;フルオキシメステロンおよびメチルテストステロンなどが含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。
【0099】
副腎コルチコステロイドは、天然の副腎コルチソルまたはヒドロコルチゾンから得られる。これらが使用されるのは、それらが抗炎症性を有し、その一部が、有糸分裂を阻害し、DNA合成を停止させる能力を有するためである。これらの化合物には、プレドニゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロンおよびプレドニゾロンが含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。
【0100】
黄体形成ホルモン放出ホルモン剤または性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗薬は主に前立腺癌治療に使用される。これらには酢酸ロイプロリドおよび酢酸ゴセレリンが含まれる。これらは精巣中でのステロイドの生合成を阻害する。
【0101】
抗ホルモン抗原には例えば、タモキシフェンなどの抗エストロゲン薬、フルタミドなどの抗男性ホルモン薬;およびミトーテン、アミノグルテチミドなどの抗副腎薬が含まれる。
【0102】
作用薬にはこのほか以下のようなものがある。ヒドロキシ尿素は主に、酵素リボヌクレオチドレダクターゼの阻害を通して作用するようであり、アスパラギナーゼは、アスパラギンを非機能性のアスパラギン酸に変換し、したがって腫瘍内でのタンパク質合成を阻害する酵素である。
【0103】
タキソール(パクリタキセル)は好ましい化学療法剤である。
【0104】
現在入手可能な化学療法剤のリストを、そのクラスごとに、その作用薬が適用される疾病とともに表3に示す。
【0105】
【表3】
Figure 2004509949
【表4】
Figure 2004509949
【表5】
Figure 2004509949
【表6】
Figure 2004509949
【0106】
E.増強剤
本明細書で使用する用語「増強剤」は、ベンゾイミダゾール誘導体、あるいはその塩またはプロドラッグの効能を改善し、または高める物質、もしくは免疫調節薬として免疫系に作用する物質である。増強剤は、本発明の化合物と組み合わせて使用することができる。抗ウイルス薬は増強剤となることができる。そのような増強剤の例はトリプロリジンまたはそのシス異性体である。トリプロリジンは、米国特許第5114951号(1992年。この特許は参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されている。その他の増強剤は、プロコダゾール(procodazole)(1H−ベンゾイミダゾール−2−プロパン酸、β−(2−ベンゾイミダゾール)プロピオン酸、2−(2−カルボキシエチル)ベンゾイミダゾール、またはプロパゾール(propazol)とも呼ばれる)である。プロコダゾールは、ウイルス性および細菌性感染症に対して活性な非特異的免疫保護薬であり、本明細書に記載の化合物と組み合わせて使用することができる。本発明の化合物を伴ったプロコダゾールの使用は、単独で、または化学療法剤との組み合わせにおいて、癌、腫瘍、白血病またはウイルス性感染症の治療に対して有効である。
【0107】
他の増強剤には例えば、プロピオン酸、その塩またはそのエステル;ビタミンA、C、Eまたはβカロテンなどの抗酸化ビタミン;アバカビル(abacavir);AL−721(混合脂質);アンプレナビル(amprenavir);アンホテリシンBメチルエステル;アンプリゲン(Ampligen)(不適正RNA);抗AIDS抗体;抗ヒトインターフェロンα抗体;抗AIDS抗体、アスコルビン酸およびその誘導体;AS−101(重金属ベースの免疫刺激薬);アジドチミジン;βインターフェロン;ブロピリミン(Bropirimine);ブチル化ヒドロキシトルエン;シアメキソン(Ciamexon)、シメチジン;GM−CSFを含むコロニー刺激因子CL−246,738;Creme Pharmatex(塩化ベンザルコニウム);CS−82(ジドブジンの5−非置換誘導体);シクロスポリン;D−ペニシラミン(3−メルカプト−D−バリン);デラビルジン(delavirdine);硫酸デキストラン;ジニトロクロロベンゼン;エファビレンズ(efavirenz);エリトロポイエチン;ホスカネット(三ナトリウムホスホノホルマート);フシジン酸;ガンシクロビル;グルカン;グリシリジン、HPA−23(アンモニウム−21−ツングスト−9−アンチモナート);ヒト免疫ウイルス抗ウイルス薬;超免疫γグロブリン、IMREG−1、IMREG−2;インジナビル(indinavir);インターフェロンα;インターフェロンγ;インターロイキン−1またはインターロイキン2;イソプリノシン(isoprinosine);クレスチン;LC−9018;ラミブジン(lamivudine);レンチラート(lentilart);LF−1695;メチオニン−エンケファリン;ミノファーゲンC;ムラミルトリペプチド;ナルトレキソン;ネルフィナビル(nelfinavir);ネウトロピン(Neutropin);ネビラピン(nevirapine);ノンオキシノール;オルニジル(Ornidyl)(エフロルニチン(eflornithine));逆トランスクリプターゼの非ヌクレオシド阻害薬;ヌクレオシド類似体(ddA、ddC、ddI、ddT、ddG、AZTなど);イセチオン酸ペンタミジン;フェニトイン;ポリマンノアセタート;ペプチドT(オクタペプチド配列);プロテアーゼ阻害薬;リバビリン;リファブチン(Rifabutin)(アンサマイシン);リトナビル(ritonavir);RNA免疫調節薬;rsT4(組換え可溶性T4);サキナビル;ショサイコト(shosaikoto)およびニンジン;SK−818(ゲルマニウム由来の抗ウイルス薬);ジエチルチオカルバミン酸ナトリウム;スタブジン(stavudine);ステアリン酸誘導体;スラミンおよびその類似体;胸腺液性因子;TP−5;サイモシンフラクション5およびサイモシン1;チモスチムリン;TNF(腫瘍壊死因子)、ビタミンB製剤;トリメトレキサート;UA001;αインターフェロン;アシクロビルなどが含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。
【0108】
本発明の方法では、本発明の化合物、あるいはその塩またはプロドラッグを、増強剤および化学療法剤と組み合わせることができる。
【0109】
F.用量
本発明の方法では適当な用量を投与することができる。特定の応用に対して選択される化合物、あるいはその塩またはプロドラッグ、ならびに担体および量は、温血動物またはヒトの種、癌のタイプ、または治療中の特定のウイルス性感染症、ならびに試験研究で観察された有効阻害濃度に応じて、大幅に変更される。当然ながら投与される用量も、周知の因子、例えば、特定の化合物、塩またはその組合せの薬力学的特性、その投与モードおよび経路;被験対象の年齢、健康状態または体重;症状の性質および程度;薬物および患者の代謝特性、並行して実施している治療の種類;治療頻度;所望の効果などによって変わってくる。
【0110】
一般に、体重1キログラム(kg)あたり約1〜2ミリグラム(mg)という低い用量が適当だが、10mg/kgが好ましく、最高で約10,000mg/kgまで使用することができる。15mg/kgから約5000mg/kgの用量を使用することが好ましい。用量が、150mg/kgから約1000mg/kgであることが最も好ましい。癌またはウイルス性感染症の治療に有用な用量は、250mg/kg、500mg/kg、800mg/kg、1000mg/kg、1500mg/kg、2500mg/kg、3500mg/kg、4000mg/kg、5000mg/kgまたは6000mg/kgである。任意の用量範囲を使用することができる。一般に、本発明の化合物、その塩、そのプロドラッグまたはこれらの組合せは、毎日1回または数回、あるいは1週間に1日から4日の投与で日に1回、または数回に分けて投与することができる。少なくとも数週間にわたって週に2回投薬することが好ましく、しばしば投薬は継続され、ことによると一生涯継続される。しかし、本発明の化合物、あるいはその塩またはプロドラッグの血液中の所望かつ有効な血漿レベルを患者が維持できるかどうかに応じて、用量および投与計画は変更される。
【0111】
化合物、その塩、そのプロドラッグまたはこれらの組合せは、それらがより簡単に分散し、体によって可溶化されるように、微粉化または粉末化することができる。薬物を粉砕し粉末化するプロセスは当技術分野では周知である。例えば、ハンマミルまたは同種の摩砕装置を使用することができる。好ましい粒径は約100μm未満、好ましくは50μm未満である。
【0112】
静脈内投与では、最も好ましい用量を、定速注入で約1から約10mg/kg/分とすることができる。
【0113】
ヒトに対する用量は一般に、マウスで使用される量よりも少なく、一般に、マウスで有効な用量の約1/12である。したがって、マウスで500mg/kgが有効である場合には、ヒトでは42mg/kgの用量が使用されることになる。体重60kgのヒトでは用量は2520mgになる。
【0114】
本発明の化合物、ならびにその塩およびプロドラッグは一般に安全である。LD50は高く、マウスへの経口投与で約1500mg/kgであり、取扱い上の特別な要件もない。化合物は経口投与することができる。あまり可溶性ではないので、錠剤の形態で、または懸濁液として与えることが好ましい。あるいは、十分に小さなサイズに微粉化されているときには、注射剤として与えることができ、そのほうが好ましい。
【0115】
本発明の化合物、ならびにその塩およびプロドラッグは、本明細書の開示を考慮した技術分野の熟練者に周知の任意の方法によって調製することができる単位用量の形で投与することができる。単位用量は、1ミリグラムから1000ミリグラムの活性成分を含むことができる。用量単位が、約10mgから約500mgの活性成分を含むことが好ましい。活性成分は一般に、用量単位の総重量の約0.5から約95重量%存在する。
【0116】
静脈内使用では、好ましい用量を、定速注入で約1から約10mg/kg/分とすることができる。
【0117】
用量単位は、単一の化合物またはその混合物、ならびに他の化合物あるいは他の癌またはウイルス抑制化合物を含むことができる。用量単位は、賦形剤、増量剤、担体、リポソームなどを含むことができる。用量単位は、丸剤、錠剤、カプセル剤などの固体またはゲルの形態、あるいは経口、直腸、局所、静脈内注入、あるいは治療部位またはその周囲への非経口投与または注入に適した液体の形態とすることができる。ベンゾイミダール誘導体、あるいはその塩またはプロドラッグの範囲、もしくはベンゾイミダール誘導体、あるいはその塩またはプロドラッグと化学療法剤または増強剤との比は、治療中の癌またはウイルス性感染症のタイプ、および具体的な化学療法剤または増強剤によって決まる。
【0118】
G.製剤
本発明の製剤は、一般に薬剤として許容可能な担体と混合された、本発明の化合物、あるいはその塩またはプロドラッグと、任意選択で化学療法剤と、任意選択で増強剤とを含む。「薬剤担体」とは、本発明の化合物を動物またはヒトに送達するための、薬剤として許容可能な溶媒、懸濁剤、または賦形剤である。担体は液体または固体であり、これは、予定している投与方法に基づいて選択される。「薬剤として許容可能な」成分とは、合理的な利益/危険比に相応して、有害な過度の副作用(例えば毒性、刺激またはアレルギー反応)を引き起こさない、ヒトおよび/または動物に使用するのに適した成分である。
【0119】
本発明の実施で使用するのに適した経口製剤には、カプセル剤、ゲル剤、カシェ剤、錠剤、発泡または非発泡性散剤または錠剤、散剤、顆粒剤;水性または非水性液体に溶解または懸濁させた溶液または懸濁液;あるいは水中油型液状乳剤または油中水型乳剤が含まれる。本発明の化合物は、ボーラス、舐剤またはパスタとして提示することもできる。
【0120】
製剤は一般に、活性成分を、液体担体または細かく分割された固体担体、あるいはその両方と均一に混合し、次いで必要ならばこの生成物を成形することによって調製される。薬剤担体は、選択された投与経路および標準薬務に基づいて選択される。それぞれの担体は、製剤の他の成分と適合し、被験対象にとって有害でないという意味において「許容可能」でなければならない。この担体は固体または液体であることができ、担体のタイプは一般に、使用している投与のタイプに基づいて選択される。適当な固体担体の例には、ラクトース、スクロース、ゼラチン、寒天および混合散剤などが含まれる。適当な液体担体の例には、水、薬剤として許容可能な油脂、エステルを含むアルコールまたは他の有機溶媒、乳剤、シロップ剤またはエリキシル剤、懸濁液、溶液および/または懸濁液、非発泡顆粒剤から再形成された溶液および/または懸濁液、発泡顆粒剤から再形成された発泡製剤が含まれる。このような液体担体は例えば、適当な溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁剤、賦形剤、甘味剤、増粘剤および融解剤を含むことができる。好ましい担体は食用油、例えばコーン油またはカノラ油である。ポリエチレングリコール、すなわちPEGも好ましい担体である。
【0121】
経口投与用の製剤は、ラクトース、デンプン、スクロース、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体などの薬剤として許容可能な非毒性の不活性担体を含むことができる。
【0122】
カプセル剤または錠剤は容易に製剤することができ、嚥下または咀嚼しやすく製造することができる。錠剤は、適当な担体、結合剤、潤滑剤、賦形剤、崩壊剤、着色剤、矯味矯臭剤、流動誘発剤または融解剤を含むことができる。錠剤は、任意選択で1種または数種の追加の成分と一緒に圧縮または成形することによって製造することができる。圧縮錠剤は、自由に流動する形態の活性成分(例えば散剤、顆粒剤)を圧縮することによって調製することができる。活性成分には任意選択で、結合剤(例えばゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性賦形剤、保存薬、崩壊剤(例えばグリコール酸デンプンナトリウム、橋かけカルボキシメチルセルロース)、界面活性剤または分散剤を混合することができる。適当な結合剤には、デンプン、ゼラチン;グルコース、β−ラクトース、トウモロコシ甘味料などの天然の糖類;アカシア、トラガカント、アルギン酸ナトリウムなどの天然および合成ゴム;カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが含まれる。これらの剤形で使用される潤滑剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には例えば、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが含まれる。成形錠剤は、不活性液体賦形剤で湿らせた粉末状の活性成分の混合物を適当な機械の中で成形することによって製造することができる。
【0123】
錠剤は、任意選択でコーティングし、または刻み目をつけることができ、活性成分が徐放されるように製剤することができる。任意選択で錠剤はさらに、胃以外の消化管の部分で放出されるように腸溶性コーティングを備えることができる。
【0124】
本発明の経口剤形を製剤するのに使用することができる、薬剤として許容可能な例示的な担体および賦形剤は、1975年9月2日にRobertに発行された米国特許第3903297号に記載されている。この特許は参照によって本明細書に組み込まれる。本発明において有用な剤形を製造するための技法および組成は、7 Moderm Pharmaceutics、9および10章 (Banker & Rhodes、Editors、1979)、Lieberman et al.、Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets (1981)、Ansel、Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms 2nd Edition (1976)に記載されている。
【0125】
適当な担体の中に活性成分が溶解または懸濁した口中局所投与に適した製剤には、通常はスクロースとアカシアまたはトラガカントである風味の付いた担体の中に活性成分を含むことができるロゼンジ;ゼラチン、グリセリンまたはスクロースおよびアカシア;および適当な液体担体の中で活性成分を含むうがい薬が含まれる。
【0126】
本発明の方法に基づく投与のための局所塗布剤には、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション剤、散剤、液剤、パスタ、ゲル剤、スプレー、エーロゾル剤、油剤が含まれる。あるいは、製剤は、活性成分、および任意選択で1種または数種の担体または賦形剤をしみ込ませた包帯などの経皮パッチまたは包帯剤を含むことができる。経皮送達系の形態で投与するため、用量の投与は当然ながら断続投与ではなしに、薬剤投与計画全体を通じて連続投与とする。
【0127】
局所製剤は、皮膚または他の作用領域への活性成分の吸収または浸透を増強する化合物を含むことが望ましい。このような皮膚浸透増強剤の例にはジメチルスルホキシドおよび関連類似体が含まれる。
【0128】
本発明で被験対象を治療するのに使用する乳剤の油相は、本明細書の開示を考慮した技術分野の熟練者に周知の成分から構成することができる。乳剤は、1種または数種の乳化剤を含むことができる。例えば、油相は、脂肪または油とともに、少なくとも1種の乳化剤を含むことができ、あるいは、安定剤として作用する親油性乳化剤とともに親水性乳化剤が含まれることができる。乳化剤は、安定剤とともにまたは安定剤なしで乳化ろうを形成し、乳化ろうは油および/または脂肪とともに、クリーム製剤の油性分散相を構成する乳化軟膏基剤を形成する。
【0129】
製剤で使用するのに適した乳化剤および乳剤安定剤には、Tween60、Span80、セトステリルアルコール(cetosteryl alcohol)、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリルおよびラウリル硫酸ナトリウム、パラフィン、直鎖または枝分れ鎖一塩基または二塩基アルキルエステル、鉱油が含まれる。製剤に対して適当な油または脂肪の選択は、所望の審美特性の達成、必要な特性、および活性成分との適合性に基づく。
【0130】
本発明の化合物はさらに、例えば、活性成分の他に適当な担体を含む膣座薬、タンポン、クリーム、ゲル剤、パスタ、泡またはスプレー製剤として膣に投与することができる。このような担体は、本明細書の開示を考慮した技術分野で周知である。
【0131】
直腸投与用の製剤は、例えばカカオ脂またはサリチル酸塩を含む適当な基剤を含む坐剤として提示することができる。
【0132】
鼻投与に適した製剤は、液体、例えば鼻スプレー、点鼻薬の形態で投与し、あるいは活性成分の水性または油性溶液を含むネブライザーによるエーロゾル投与によって投与することができる。担体が固体である鼻投与用の製剤には、例えば約100ミクロン未満、好ましくは約50ミクロン未満の粒径を有する粗粉末が含まれる。この粗粉末は、鼻吸入によって、すなわち鼻の近くに保持した容器から鼻の穴を通して粉末を素早く吸い込むことによって投与される。
【0133】
非経口投与に適した製剤には、受容者の血液と等張の水性および非水性製剤;ならびに水性および非水性無菌懸濁液が含まれる。この無菌懸濁液は、血液成分または1種または数種の器官に化合物を向けるように設計された懸濁系を含むことができる。これらの製剤は、単位用量または数回分の用量が入る密封容器、例えばアンプルまたはバイアルに入れて提示することができる。即時調合注入溶液および懸濁液は、以前に記載した種類の無菌散剤、顆粒剤および錠剤から調製することができる。非経口および静脈内投与用剤形はさらに、それらを選択された注入また送達系のタイプと適合させるために、ミネラルおよび他の物質を含むことができる。
【0134】
一般に、水、適当な油、食塩水、水性デキストロース(グルコース)または関連糖溶液、およびプロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコールは、非経口液剤に適した担体である。非経口投与用の液剤は、活性成分の水溶性塩、適当な安定化剤、および必要ならば緩衝物質を含むことが好ましい。単独でまたは組み合わせて使用される、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸などの抗酸化剤は適当な安定化剤である。クエン酸、その塩、またはEDTAナトリウムも使用される。さらに非経口液剤は、塩化ベンザルコニウム、メチルまたはプロピルパラベン、クロロブタノールなどの保存剤を含むことができる。適当な薬剤担体が、前掲のRemingtonの著作に記載されている。
【0135】
本発明はさらに、本明細書に記載の発明の化合物を獣医学製剤の形態で投与することを企図する。これらは例えば、本明細書の開示を考慮した技術分野の従来の方法によって調製されることができる。
【0136】
本発明の化合物を投与するのに有用な製剤方法を以下に例示する。
【0137】
カプセル剤:標準ツーピース硬質ゼラチンカプセルに、粉末活性成分100ミリグラム、ラクトース150ミリグラム、セルロース50ミリグラム、ステアリン酸マグネシウム6ミリグラムを充てんすることによって、多数の単位カプセル剤を調製する。
【0138】
ソフトゼラチンカプセル:大豆油、綿実油、オリーブ油などの消化される油と活性成分の混合物を調製し、これを容積式ポンプによってゼラチンの中へ注入して、活性成分100ミリグラムを含むソフトゼラチンカプセルを形成する。このカプセル剤を洗浄し乾燥させる。
【0139】
錠剤:用量単位が、活性成分100ミリグラム、コロイド状二酸化ケイ素0.2ミリグラム、ステアリン酸マグネシウム5ミリグラム、微晶質セルロース275ミリグラム、デンプン11ミリグラムおよびラクトース98.8ミリグラムとなるように、従来の手順によって多数の錠剤を調製する。美味性または遅延吸収を高めるために適当なコーティングを適用することができる。
【0140】
注入可能薬(injectable):10体積%のプロピレングリコールおよび水の中で1.5重量%の活性成分を撹拌することによって、注入による投与に適した非経口組成物を調製する。この溶液を、塩化ナトリウムを用いて等張とし、滅菌する。
【0141】
懸濁液:懸濁液5mlあたりに、細かく分割された活性成分100mg、カルボキシメチルセルロースナトリウム200mg、安息香酸ナトリウム5mg、米国薬局方ソルビトール溶液1.0g、およびバニリン0.025mlが含まれるように、経口投与用の水性懸濁液を調製する。
【0142】
本発明の化合物は、小単ラメラ小胞、大単ラメラ小胞、多重ラメラ小胞などのリポソーム送達系の形態で投与することができる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン、ホスファチジルコリンなど、さまざまなリン脂質から形成することができる。
【0143】
本発明の化合物を、目標設定可能な(targetable)な薬物担体として可溶性ポリマーと結合させることができる。このようなポリマーには、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシルプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシド−ポリリジンを含めることができる。さらに、本発明の化合物を、薬物の徐放を達成するのに有用である分類の生分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸のコポリマー、ポリε−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアシラート、およびヒドロゲルの橋かけまたは両親媒性ブロックコポリマーに結合することができる。
【0144】
H.治療方法
治療方法は、治療中の特定の癌またはウイルス性感染症の治療に有効な適当な任意の方法とすることができる。治療は、治療上有効な量の本発明の化合物を、先に説明した形態で、治療を必要としている被験対象に投与することを含む。
【0145】
本発明の化合物は、活性の薬剤と、体内のその薬剤の作用部位との間の接触を生み出す任意の手段によって、投与することができる。適当な手段には例えば、経口、直腸、鼻、局所(経皮、エーロゾル、頬側、舌下を含む)、膣、非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内を含む)、嚢内、癌またはウイルス性感染部位またはその周囲への注入などが含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。本発明の化合物は、薬剤とともに使用可能な従来の任意の手段によって、個別的な治療薬として、または治療法の組合せの中で投与することができる。本発明の化合物は、先に定義した少なくとも1種の本発明の化合物、および1種または数種の薬剤として許容可能な担体を含む薬剤製剤として投与することが好ましい。本発明の化合物は、錠剤またはカプセル剤の形態で、凝集粉として、液体の状態で、またはリポソームとして共投与することができる。
【0146】
好ましい経路は、受容者の容態および年齢、治療中のウイルスまたは癌、疾患の性質、あるいは疾患の重症度によって変化する。経口投与または非経口治療が、それを必要としている被験対象に化合物を投与する好ましい方法であると考えられる。
【0147】
上記のそれぞれの方法では、投与をin vivoまたはex vivoで実施することができる。in vivo治療は哺乳動物の病気の治療に有用であり、哺乳動物がヒトであることが好ましく、ex vivo治療は、血液、血漿、骨髄などの体液をパージして体内へ戻すのに有用である。米国の血液供給は現在、HIVに対する抗体が検査されている。しかし、この検査はいまだ不完全であり、陰性の検査を生ずる試料が依然としてHIVウイルスを含んでいる可能性がある。血液および血液製剤を本発明の化合物で処理することによって、安全性の幅を広げ、検出されずに残ったかもしれないレトロウイルスを殺すことができる。体組織は、動物の体内または体外の組織とすることができ、あるいは例えば動物の表皮とすることができる。
【0148】
I.併用療法
本発明の化合物をさらに化学療法剤および/または増強剤と組み合わせて、併用療法を提供することができる。併用療法は、本発明の化合物と、本発明の他の化合物または本発明に含まれない他の化合物との化学的に適合した任意の組合せを含むものである。ただし、その組合せが本発明の化合物の活性を排除してはならない。例えば、1種または数種の化合物を増強剤または化学療法剤と組み合わせることができる。レトロウイルスの感染の場合、本発明は、AZT、非ヌクレオシド逆トランスクリプターゼ阻害薬、TC−3、プロテアーゼ阻害剤などのヌクレオシド類似体との併用療法を企図する。肝炎の場合には、併用療法として、アシクロビル、ファムシクロビル(famciclovir)またはバラシクロビル(valacyclovir)、リバビリン、インターフェロン、またはリバビリンとインターフェロンの組合せ、あるいはβグロブリンが企図される。疱疹の場合、組換えαインターフェロンを併用療法として使用することができる。活性の薬剤を、例えば、錠剤、カプセル剤、リポソームの形態で、または凝集粉末として、あるいは液体の形態で共投与することができる。使用する化学療法剤または増強剤の量は、ベンゾイミダール誘導体の量よりも少なくすることができる。これらは、用量単位の中に、ベンゾイミダール誘導体との有効な組合せを提供する量で存在する。化学療法剤または増強剤の用量は、約0.5mg/kg体重から約400mg/kg体重とすることができる。
【0149】
併用療法は、始めに1つの薬剤で治療してから、2つめの薬剤を使用する逐次治療とすることができ、または両方の薬剤で同時に治療することもできる。逐次治療では、最初の治療の完了から第2の治療を開始する前までの時間を合理的にすることができる。両方の薬剤を同時に使用する治療では1日量を同じにし、または別々にすることができる。例えば、1日目に一方の薬剤で治療し、2日目にはもう一方の薬剤で治療する。正確な投与計画は、治療中の疾患、疾患の重症度、および治療に対する反応によって左右される。
【0150】
化学療法剤および増強剤の使用に加えて、ベンゾイミダール誘導体、あるいはその塩またはプロドラッグは、殺真菌薬または除草剤と組み合わせることができる。好ましい除草剤および殺真菌薬には、カルベンダジム、フルオコナゾール(fluoconazole)、ベノミル、グリホサート、およびプロピコダゾール(propicodazole)などが含まれる。
【0151】
J.薬剤キット
本発明はさらに、例えば癌またはウイルス性感染症の治療に有用な薬剤キットを含む。キットは、治療上有効な量の本発明の化合物を含む薬剤組成物が収められた1つまたは複数の容器を含む。所望ならばこのようなキットはさらに、例えば1種または数種の薬剤として許容可能な担体が入った容器、追加の容器などの、1つまたは複数の従来の薬剤キット構成要素を含むことができる。これらは当業者には明白であろう。キットはさらに、投与すべき成分の量、投与の指針、および/または成分を混合するための指針が示された、印刷された説明書などの説明書を、例えば挿入冊子または貼付ラベルとして含むことができる。
【0152】
K.研究
以下の研究は、ある種の癌およびウイルス性感染症に対する本発明のベンゾイミダール誘導体の効果を試験するために実施されたものである。
【0153】
結腸および黒色腫腫瘍細胞試験:
以下の細胞培養試験は、結腸および黒色腫の腫瘍細胞に対する本発明のベンゾイミダール誘導体化合物の毒性を試験するために実施したものである。MTT(3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)の還元を調べることによって細胞の生存率を試験した。MTT検定は、細胞の生存率のよく知られた測定方法である。
【0154】
結腸腫瘍細胞(HT29)および黒色腫細胞(B16マウス黒色腫)を、96ウェルのマイクロタイタープレートのそれぞれのウェルに接種し(1000〜2000細胞)、増殖させた。24時間後、それぞれのベンゾイミダール誘導体を、濃度を徐々に高めたさまざまな濃度でプレートに加え、この薬物の存在下で細胞を3〜6日間培養した。次いでMTT試薬をウェルに加え、37℃で4時間培養した。その後、ホルマザン代謝産物を酸性イソプロパノールを用いて可溶化し、吸光度を読み取った。実験対照として、細胞を加えなかった空のウェル(ホルマザン吸光度のゼロ点)、および薬物を添加しなかった対照ウェル(ホルマザン吸光度の最高レベル)を含めた。それぞれの薬物濃度を2連で試験し、得られた平均吸光度を、マイクロタイタープレートリーダにインターフェースしたパーソナルコンピュータ上のEZ−ED50コンピュータプログラムを使用して、薬物濃度に対してプロットした。このプログラムが、得られた曲線を下の4パラメータ式に当てはめた。
【0155】
【数1】
Figure 2004509949
【0156】
式中、AmaxおよびAminはそれぞれ、最高薬物濃度が存在しない条件および存在する条件での吸光度、Xは薬物濃度、Yは、濃度Xでの吸光度、nは曲線の傾き、IC50は、増殖阻害が50%となる薬物の濃度である。次いで、EZ−ED50によってこの式からIC50値を導き出す。B16およびHT29癌細胞系統の増殖阻害のIC50値を下表4に示す(特に明記しない限りY=H)。
【0157】
【表7】
Figure 2004509949
【0158】
微小管阻害検定:
Luduena, R.F. and M. C. Roachの手順(Pharmacol. Ther、49: 133−152 (1991))に従って、微小管の形成を阻害する本発明のベンゾイミダール誘導体の能力を評価した。アセンブリ/ディスアセンブリサイクルの後に、ホスホセルロースクロマトグラフィおよびゲルろ過を実施することによって、ウシの脳からチューブリンを精製した(Fellous, A. et at.、Eur. J. Biochem. 78(1): 167−174 (1977))。この検定は、微小管への重合を促進する条件下でチューブリンタンパク質試料を調製し(Prasad, V. et at.、J. Protein Chem. 11 (5): 509−515 (1992))、次いでベンゾイミダール誘導体2μMを加え、重合の時間経過を追跡することによって実施した。微小管の重合は、キュベット内で反応を実施し、350nmのUV吸光度をモニタして、重合の時間経過を直接視覚化することによって追跡した。30分後、重合は完了し、その反応の最終吸光度をとったときに重合阻害パーセントを、薬物を加えずに並行して実施した対照重合反応の最終吸光度に対するパーセンテージとして計算した。これらのデータを下表5に示す。
【0159】
【表8】
Figure 2004509949
【0160】
DNA結合検定:
DNA結合検定は、上記のMTT細胞増殖阻害検定と非常によく似た方法で実施した。この検定は、試験化合物が、DNA上のメチルグリーン(シグマ)を置換することができること、およびその結果、遊離したメチルグリーン分子が水和して無色の誘導体になること、に基づく(Burres, N.S. et al.、J. Nat. Prod. 55(11): 1582−1587 (1992); Kim and Norden, FEBS Lett. 315(1): 61−64 (1993))。MTT検定と同様に、それぞれの薬物濃度は2連で検定し、データを平均してから解析した。この検定の実験対照として、完全に脱色された背景吸光度用として、遊離メチルグリーン溶液を含み、DNAを含まないウェル、および可能な最も高いメチルグリーン吸光度用として、メチルグリーン−DNA複合体(シグマ)を含み、薬物を含まないウェルを含めた。緩衝液中のメチルグリーン−DNAをそれぞれのウェルに加えて、約0.7のA655を得た。系列希釈した緩衝液中の薬物を加え、プレートを混合し、室温で24時間放置して、遊離メチルグリーンの置換および水和を生じさせた。自動マイクロプレートリーダで655nmの吸光度を加えた薬物濃度の関数として測定した。このデータを、コンピュータプログラムEZ−ED50によって集計し、IC50値(50%のメチルグリーンがDNAから置換濃度)を導き出した。
【0161】
表4または表5に記載したベンゾイミダール誘導体は、この検定でDNAとの相互作用を一切示さなかった。
【0162】
(実施例)
実施例1:Cpd.No.1−4の合成
2−アミノベンゾイミダゾール0.200グラム(1.5mmol)を乾燥ピリジン4mlに溶解し、イソシアン酸ベンジル1当量(1.5mmol、200mg)をアルゴン雰囲気下で加えた。この混合物を、23℃のアルゴン雰囲気下で16時間撹拌し、次いで、追加のイソシアン酸ベンジル1当量を加えた。23℃のアルゴン雰囲気下でさらに4時間撹拌した後、混合物を水20mlの中に注ぎ込んで生成物を沈殿させた。生成物をろ過によって集め、水洗し、減圧下で16時間乾燥して、白色粉末0.234g(0.879mmol、収率58.6%)を得た。
【0163】
実施例2:Cpd.No.1−5の合成
2−アミノベンゾイミダゾール0.200グラム(1.5mmol)を乾燥ピリジン4mlに溶解し、クロロ蟻酸ベンジル1当量(1.5mmol、256mg)をアルゴン雰囲気下で加えた。この混合物を、23℃のアルゴン雰囲気下で16時間撹拌し、次いで、追加のクロロ蟻酸ベンジル1当量を加えた。23℃のアルゴン雰囲気下でさらに4時間撹拌した後、混合物を水20mlの中に注ぎ込んで生成物を沈殿させた。生成物をろ過によって集め、水洗し、減圧下で16時間乾燥して、白色粉末0.168g(0.629mmol、収率41.9%)を得た。
【0164】
実施例3:Cpd.No.2−11の合成
実施例1のCpd.No.1−4 0.112グラム(0.421mmol)を乾燥ピリジン1mlに溶解し、加熱しながら80℃で5時間攪拌した。この混合物に水6mlを撹拌しながら加え、固体沈殿物をろ過によって集め、水洗し、減圧下で16時間乾燥し、オフホワイトの粉末生成物0.074g(0.277mmol、収率65.8%)を得た。
【0165】
実施例4:Cpd.No.2−9の合成
実施例2のCpd.No.1−5 0.040グラム(0.150mmol)をトルエン4mlに溶解し、加熱しながら110℃で24時間攪拌した。この混合物を氷水浴中で冷却し、沈殿した固体をろ過によって集め、白色粉末生成物0.024g(0.090mmol、収率60%)を得た。
【0166】
実施例5:Cpd.No.2−7の合成
メチル2−アミノベンゾイミダゾールカルバメート0.025グラム(0.131mmol)を、トルエン2mlおよびジエチレングリコール0.696g(6.55mmol)と混合した。アルミニウムイソプロポキシド3mgを加え、この混合物を110℃まで加熱し、この温度を15時間維持した。アルゴン気流下で加熱しながらトルエンを蒸発させ、次いで加熱を止め、残留物を沸騰水4mlで処理した。得られた混合物を23℃まで冷却し、次いで4℃で18時間保管した。形成された沈殿物をろ過によって集め、減圧下で乾燥して、オフホワイトのフレーク状生成物0.029g(0.109mmol、収率83.2%)を得た。
【0167】
実施例6:Cpd.No.2−5の合成
メチル2−アミノベンゾイミダゾールカルバメート0.025グラム(0.131mmol)を、トルエン2mlおよび2−(2−クロロエトキシ)エタノール0.817g(6.55mmol)と混合した。アルミニウムイソプロポキシド3mgを加え、この混合物を110℃まで加熱し、この温度を15時間維持した。アルゴン気流下で加熱しながらトルエンを蒸発させ、次いで加熱を止め、残留物を沸騰水4mlで処理した。得られた混合物を23℃まで冷却し、次いで4℃で18時間保管した。形成された沈殿物をろ過によって集め、減圧下で乾燥して、オフホワイトの粉末生成物0.026g(0.09mmol、収率68.7%)を得た。
【0168】
実施例7:Cpd.No.2−4の合成
メチル2−アミノベンゾイミダゾールカルバメート0.025グラム(0.131mmol)を、トルエン2mlおよび2−(2−アミノエトキシ)エタノール0.689g(6.55mmol)と混合した。アルミニウムイソプロポキシド3mgを加え、この混合物を110℃まで加熱し、この温度を15時間維持した。アルゴン気流下で加熱しながらトルエンを蒸発させ、次いで加熱を止め、残留物を沸騰水4mlで処理した。得られた混合物を23℃まで冷却し、次いで4℃で18時間保管した。形成された沈殿物をろ過によって集め、減圧下で乾燥して、無色の板状結晶生成物0.009g(0.034mmol、収率25.9%)を得た。

Claims (13)

  1. 下式の化合物であって、
    Figure 2004509949
    式中、
    Rは、−COORまたは−CONHRであり、
    は、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、シクロアルキル、シクロアルカルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカルキル、置換または非置換のベンジル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ポリ(アルコキシ)アルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシポリ(アルコキシ)アルキル、ハロアルコキシアルキル、ハロポリ(アルコキシ)アルキル、またはアミノアルキルであり、
    XおよびYは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロゲン、ニトロまたはアミノである
    ことを特徴とする化合物。
  2. 下式A−3の化合物であって、
    Figure 2004509949
    式中、
    Xが、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ブロモ、クロロ、フルオロ、ニトロまたはアミノであり、Yが、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ブロモ、クロロ、フルオロ、ニトロまたはアミノであるときに、
    は、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、シクロアルキル、シクロアルカルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカルキル、置換または非置換のベンジル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ポリ(アルコキシ)アルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシポリ(アルコキシ)アルキル、ハロアルコキシアルキル、ハロポリ(アルコキシ)アルキル、またはアミノアルキルであり、あるいは
    XおよびYがそれぞれ水素であるときに、
    は、ハロアルケニル、シクロアルキル、シクロアルカルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカルキル、非置換のベンジル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシポリ(アルコキシ)アルキル、ハロアルコキシアルキル、ハロポリ(アルコキシ)アルキル、またはアミノアルキルであり、
    nは、1、2または3である
    ことを特徴とする化合物。
  3. 下式A−4の化合物であって、
    Figure 2004509949
    式中、
    は、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、シクロアルキル、シクロアルカルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカルキル、置換または非置換のベンジル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ポリ(アルコキシ)アルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシポリ(アルコキシ)アルキル、ハロアルコキシアルキル、ハロポリ(アルコキシ)アルキル、またはアミノアルキルであり、
    XおよびYは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロゲン、ニトロまたはアミノであり、
    nは、1、2または3である
    ことを特徴とする化合物。
  4. 請求項1、2または3に記載の化合物であって、薬剤として許容可能な塩の形態であることを特徴とする化合物。
  5. 請求項1、2、3または4に記載の化合物であって、プロドラッグの形態であることを特徴とする化合物。
  6. 請求項1、2、3、4または5に記載の化合物であって、リポソーム送達系の形態であることを特徴とする化合物。
  7. 下式A−1を有する請求項1に記載の化合物であって、
    Figure 2004509949
    式中、
    は、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、および置換または非置換のベンジルから成る群から選択されることを特徴とする化合物。
  8. 下式A−2を有する請求項1に記載の化合物であって、
    Figure 2004509949
    式中、
    は、アルキル、ハロアルキル、および置換または非置換のベンジルから成る群から選択されることを特徴とする化合物。
  9. 治療上有効な量の請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の化合物と、薬剤として許容可能な担体とを含むことを特徴とする薬剤組成物。
  10. 請求項9に記載の薬剤組成物であって、前記化合物は微粉化されており、および前記組成物は注入による投与に適していることを特徴とする薬剤組成物。
  11. 請求項9に記載の薬剤組成物であって、前記化合物は可溶性ポリマーまたは生分解性ポリマーに結合されていることを特徴とする薬剤組成物。
  12. 治療上有効な量の請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の化合物と、癌またはウイルス性感染症を治療する際に使用する説明書とを含むことを特徴とする薬剤キット。
  13. 前記癌は、癌腫、白血病または黒色腫であることを特徴とする請求項12に記載のキット。
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