JP2004509924A - Mri画像増強組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2000年9月25日出願の米国仮特許出願第60/235,011号の優先権を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は磁気共鳴映像法(MRI)に関し、及び磁気共鳴映像法ツールとして医療診断に用いるのに好適な、置換された1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)錯体を含む組成物に関する。本発明はまた、医療診断に用いるのに好適な磁気共鳴画像を提供する方法に関する。
【0003】
(発明の背景)
磁気共鳴映像法(MRI)装置の有用性は、疾病状態及び他の内部異常の発見及び診断用の検診におけるMRIの使用へと導き出した。MRIの継続的使用及び開発は、診断上有用な方法でMRI画像を変える能力のある医薬剤の開発についての興味を喚起した。その分野の研究者に現在好まれている医薬剤(MRI医薬品)は、好適に錯体化した常磁性の金属陽イオンである。MRI画像化における医薬品の使用により、入手できる診断情報の価値を高める重要な機会を提供する。
【0004】
放射性医薬品はラジオアイソトープ画像化に、MRI医薬品に類似した方法で用いられるが、よく開発された分野である。そのため、この分野に存在する知識はMRI医薬品開発の出発点を提供する。MRI医薬品は幾つかの特徴を満たさなければならないが、放射性医薬品の場合には、これは必要ないか、又はほとんど重要でない。MRI医薬品は放射性医薬品より、より多量に用いられなければならない。その結果、それらはプロトンの緩和速度に検出可能な変化を生じるのみでなく、(a)実質的に毒性が少なく、そのためさらに多量の使用が可能でなければならない、(b)より水溶性であるため、生理的に受容できる溶液量の中に、より多量の服用量の投与が可能でなければならない、及び(c)放射性医薬品の対応物よりも生体内でさらに安定していなければならない。生体内安定性は、遊離常磁性金属及び患者の身体にある遊離配位子の放出を妨げるのに重要であり、同様にさらに多量に用いられるため、より重大である。同じ理由により、比較的短時間で全身クリアランスを示すMRI医薬品は特に望ましい。
【0005】
放射性医薬品は非常に少ない服用量で投与されるため、水溶解度、生体内安定性、及び全身クリアランスを最大化する一方で、これらの薬剤の毒性を最小化する必要はほとんどなかった。したがって、放射性医薬品調製の成分としての使用に開発された配位子で、MRI医薬品の調製の使用に好適であるものはほとんどないことは驚くには当たらない。注目に値する例外は、周知のジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)の配位子であり、これは両方の放射性陽イオンと共に錯体を形成するのに有用であることを証明しており、放射性陽イオンの有用な放射性医薬品を提供する薬理学的に好適な塩、及びガドリニウムのような常磁性陽イオンであって、その薬理学的に好適な塩がMRI医薬品として有用であることを証明している。
【0006】
MRIで用いられる造影剤は、常磁性、強磁性、強磁性、又は超常磁性を示す物質を包含することにより、その信号増強効果を供給する。これらの物質は、身体の領域内の画像化する原子核の固有な緩和計時機構に影響し、この体の領域の中に磁気共鳴信号強度の増加又は減少の発生を分配する。したがって、実質的に非毒性で、極めて水溶性、及び極めて生体内安定性の、及び特別な種類の組織には信号強度を選択的に増強することができるMRI造影剤が待望されている。
【0007】
(発明の概要)
本発明は前述の要求に応えており、その中で特定のビシクロマンガン錯体、例えば置換された1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)遷移金属錯体は、優先的MRI造影剤であり、及び増強された医学的診断情報を提供する磁気共鳴造影組成物に用いるのに好適であることが、意外にも発見された。MRI造影剤の親油性を高めることにより、異なる種類の体内組織を標的とする能力が、大きく増強されることが意外にも発見された。本発明の錯体は、動脈及び静脈の増強された画像化並びに腎臓組織の画像化を提供する。
【0008】
本発明の第1の態様は医薬組成物に関し、これは:
a)約0.01重量%〜約99.99重量%の、別の実施形態では1重量%〜約50重量%の、その際別の実施形態では約10重量%〜約75重量%の1,4,8,11−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)錯体の磁気共鳴造影剤;但し、上記磁気共鳴造影剤は:
i)
【化9】
ii)
【化10】
iii)
【化11】
iv)及びこれらの混合物の群から選択される;
〔式中、各Rは独立して:
i)C1〜C18ヒドロカルビル;
ii)−(CH2)nCO2−;
iii)CH3(CH2)nCO−;
iv)−(CH2)nR1;
v)−(CH2)nOPO3 −;
vi)−[(CH2)nOPO3R2(フェニル)2]−から成る群から選択され;
R1はヒドロキシル、2−ヒドロキシフェニル、2−ピリジル、2−フルフリル、及びこれらの混合物であり;R2はC1〜C12の直鎖、分枝、又は環状アルキレンであり;
R3 は:
i)水素;
ii)C1〜C18ヒドロカルビル;
iii)−OH;
iv)−(CH2)mCO2−;
v)−O(CH2)mCO2−;
vi)及びこれらの混合物から成る群から選択され;
指数m及びnは0〜約10の値を有し;Xは、電子的中性を与えるのに十分な量qの、製薬上適合性のある陰イオンである〕;及び
b)残部担体及び他の添加剤成分
を含む。
【0009】
本発明は更に、ヒトの組織内での増強された磁気共鳴画像のコントラストを提供する方法に関し、前記方法はヒトに1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)錯体の有効量を投与する工程を含み、好ましくは医薬組成物で、1以上の担体及び添加剤成分を更に含む。
【0010】
既述のそしてそれ以外の目的、特徴、及び利益については、以下の詳細な説明及び付属する請求項を読むことにより当業者には明白となる。本明細書におけるすべての百分率、比率、及び割合は、特に指定しない限り重量による。全ての温度は、特に指定しない限り摂氏(℃)である。 全ての引用文献を、関連部分において、参照として本明細書に組み入れる。
【0011】
(詳細な説明)
本発明は1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)錯体に関し、例えば4,11−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)ジアクア錯体であり、これはヒトの生体内使用に好適な磁気共鳴映像法(MRI)組織造影剤である。本発明のマンガン金属錯体は、金属の配位圏の4配位位置において、常磁性の遷移金属陽イオンマンガン(II)をキレート化する1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン配位子を含む。1つの実施形態では、残っている2つの配位位置が水により溶媒和されるか、又は1以上の他の非反応性配位子を含むことができ、別の実施形態では、残っている1つの配位位置が、ビシクロ環の窒素に更に結合される単位により占有され、そして第3の変形では、両方の利用可能な配位位置がビシクロ環の窒素に更に結合される単位により占有される。
【0012】
用語「ヒドロカルビル」は1〜18の炭素原子を有するいかなる炭化水素鎖に関する。鎖は直鎖、とりわけオクチル、及びデシル;又は分枝、とりわけ6−メチルオクチルであってもよい。鎖は非環式;アルキル、アルケニル、アルキニルなど、又は環式、例えばシクロヘキシル又はビシクロ[2.2.1]ヘプタニルであってもよい。用語、ヒドロカルビルはまた、前記鎖における炭素原子の総数が1〜18であるような単位の分枝鎖のいかなる種類をも包含する。ヒドロカルビル単位は芳香族又は非芳香族であってもよい。
【0013】
本発明の第1の態様は、好適な担体又は他の添加剤成分を含む組成物中のMRI造影剤に関する。
【0014】
本態様の第1の実施形態は次式を有する化合物に関し:
【化12】
式中、ジアクア種をその場で形成することができる、2つの遊離配位位置がある。
【0015】
本態様の第2の実施形態は次式を有する化合物に関し:
【化13】
式中、空いている配位位置の内の1つが、ビシクロ環の窒素に結合する配位子により占有されている。
【0016】
本態様の第3の実施形態は次式を有する化合物に関し:
【化14】
式中、空いている配位位置の両方が、ビシクロ環の窒素に結合する配位子により占有されている。
【0017】
各R単位は独立して:
i)C1〜C18ヒドロカルビル;
ii)−(CH2)nCO2−;
iii)CH3(CH2)nCO−;
iv)−(CH2)nR1;
v)−(CH2)nOPO3 −;
vi)−[(CH2)nOPO3R2(フェニル)2]−から成る群から選択される
式中、R1はヒドロキシル、2−ヒドロキシフェニル、2−ピリジル、2−フルフリル、及びこれらの混合物であり;R2はC1〜C12の直鎖、分枝、又は環状アルキレンであり;
R3はビシクロ環置換基であり;及び
i)水素;
ii)C1〜C18ヒドロカルビル;
iii)−OH;
iv)−(CH2)mCO2−;
v)−O(CH2)mCO2−;
vi)及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0018】
指数m及びnは各々独立して、0〜約10の値を有し;Xは、電子的中性を与えるのに十分な量qの、製薬上適合性のある陰イオンである。1つの実施形態では、nは1〜4である。本発明はまた、指数nが1又は2である実施形態にも関する。1つの実施形態では指数mは1に等しく、その際R3は−CH2CO2 −単位を含む。Xは、電子的中性を満たすのに十分な量qの、いかなる好適な陰イオンである。Xの非制限的例には塩素、臭素、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、六フッ化リン酸塩、四フッ化ホウ酸塩、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0019】
本発明の1つの実施形態は、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、及びこれらの混合物であるR単位に関する。
【0020】
肝臓組織を造影するのに用いられる場合、次式を有する化合物:
【化15】
又は
【化16】
は、照射されたプロトンスピンを緩和するのにGd(DTPA)より良好であることが今や意外にも見出された。
【0021】
本発明の別の態様は、1又は両方のR単位が、次式を有するα、α−ビフェニルリン酸塩単位である造影剤に関し:
【化17】
式中、R1は、C1〜C12の直鎖、分枝、又は環状アルキレンスペーサー単位であり、これはそれに結合する2つのフェニル基を有する。1つの実施形態ではRは次式を有するが:
【化18】
別の実施形態ではRは次式を有する:
【化19】
以下は、本発明の造影剤に用いるのに好適な配位子の非制限的な例である。
【0022】
【化20】
【化21】
以下は4,11−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン配位子を調製する手順の非制限的な例である。
【0023】
4,11−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンの調製
温度計、窒素注入口、及び磁性攪拌器付きの250ml三口丸底フラスコに、N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン(5.00g、31.3mモル)、及び無水エタノール(100ml)を添加する。溶液をアルゴン下で撹拌し氷浴を用いて15℃に冷却する。水性グリオキサール(4.78g、33mモル、水中で40%)を撹拌しながら滴下する。添加が完了したら、溶液を減圧で濃縮し、透明、無色の油を生成する。単離された油は次式を有し:
【化22】
及び、100%(6.0g)の収率で得られる。
【0024】
環状アミン1(6.0g)をアセトニトリル(100ml)中に懸濁する。炭酸カリウム(25g)及び1,3−プロパンジオールジトシレート(12.61g、32.8mモル)を添加する。溶液を室温で一晩激しく撹拌する。次に反応を70℃に温め、ガラス繊維濾紙及び真空濾過により熱いまま濾過する。結果の固体をアセトニトリル(100ml)で洗浄する。アセトニトリル濾液を減圧下で濃縮すると、次式を有する淡緑色の油を生成し:
【化23】
及び、100%(7.0g)の収率で得られる。
【0025】
テトラアミン2(7.0g)をアセトニトリル(150ml)に溶解する。硫酸メチル(2.5等量)を添加し、反応を65℃に温め、そして9日間撹拌する。溶媒を減圧下で除去すると、次式を有する茶色の油を生成し:
【化24】
及び、およそ85%の収率で得られる。
【0026】
蒸留水(25ml)及び炭酸カリウム(13.8g)を250ml丸底フラスコに添加する。無水エタノール(75ml)を添加し、得られた二相性溶液を撹拌し、そして油浴で60℃に加熱する。水素化ホウ素ナトリウム(1.60g、42.3mモル)及び3(10.0g、21.1mモル)を溶液に添加した。反応を60℃で75分間撹拌する。反応混合物を分液漏斗に入れ、エタノール層を収集する。次に溶媒を減圧下で除去し、得られた黄褐色固体/油を5NのKOH(5ml)に溶解し、そしてトルエン(2×50ml)で抽出する。トルエンを減圧下で除去し、次式を有する4,11−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン:
【化25】
を蒸留後、油として、95%(5.2g)の収率で生成する。
【0027】
4−カルボキシメチル−11−メチル−1,4,8,11−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン
テトラアミン2(64.6g)を無水アセトニトリル(500ml)に溶解する。臭化ベンジル(42.75g)を撹拌された溶液にアルゴン下で添加する。溶液を室温で3日間撹拌する。ヨウ化メチル(248g、1.75mモル)を添加し、溶液を更に3日間撹拌する。次に反応を、ワットマン#4紙及び真空濾過を用いて濾過する。固体をCH3CN(200ml)で洗浄する。次式を有する白色固体
【化26】
が86%(115.8g)の収率で得られた。
【0028】
ジクワット(Diquat)、3、115g、及び炭酸カリウム35gを1lの75%の水中エタノールに溶解する。この溶液を50℃に温め、そして水素化ホウ素ナトリウム(16.5g)を15分間にわたって添加する。1時間撹拌した後、反応を濃塩酸で6.0にpH調整し、次に蒸発乾固する。残留物を5N水酸化カリウム中に溶解し、トルエンの200ml毎で6回抽出する。トルエン抽出物を混合し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して蒸発乾固し、次に0.05mm真空下で一晩乾燥させる。これは結果として次式を有する油であり
【化27】
92%(65.3g)の収率である。
【0029】
ベンジル−メチル架橋サイクラム、4(15g)をエタノール(150ml)に溶解し、そして1.5g、20%の炭素上水酸化パラジウムを用いて、50psiで18時間、水素添加する。反応を濾過し、蒸発乾固して次式を有する油
【化28】
を100%(11g)の収率で得る。
【0030】
ヒドロメチル架橋サイクラム、5(5.00g)、及び炭酸カリウム(20g)をアセトニトリル(125ml)に溶解する。2−ヨード酢酸エチル(4.45g)を、アルゴン下で撹拌しながら5分間にわたって滴下する。室温で2時間撹拌した後、溶液を濾過し、蒸発乾固すると、次式6を有する黄橙色の固体
【化29】
を100%(9.3g)の収率で得る。
【0031】
ヨウ化水素酸塩、6(9.3g)を50mlアンバーライト(Amberlite)IRA−400樹脂(OH−)と共に100mlの水中で一晩撹拌する。樹脂を濾過し、濾液を蒸発乾固すると次式を有する白色固体
【化30】
が、100%(二水和物として7.05g)の収率で得られた。
【0032】
カルボキシメチルメチル架橋サイククラム(2.5g)をアセトニトリル(50ml)中でスラリーにし、そして室温の溶液にそれが沸騰するまで真空を適用することにより溶液を脱気し、次にアルゴンで通気した(6回繰り返した)。溶液を温めて還流し、透明、無色の溶液を形成した。無水の塩化マンガン(1.00g)を添加し、そして反応を1時間還流した。フラスコ上に固体が形成し始め、そして追加の40mlの脱気された無水アセトニトリルを添加した。反応を還流で一晩撹拌し、次に室温に冷却して固体を形成した。これらの固体を、熱い3:1のアセトニトリル/メタノールに再溶解し、0.2μの薄膜フィルタを用いて濾過した。透明な溶液を蒸発乾固すると、次式の淡黄色の固体
【化31】
が80%(2.57g)の収率で生成された。
【0033】
4,11−ビス(カルボキシメチル)−1,4,8,11−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)の調製
1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(1.5g)及び炭酸カリウム(7.5g)を無水アセトニトリル(125ml)に溶解した。2−ヨード酢酸エチル(3.12g)を、アルゴン下で10分間にわたって撹拌しながら滴下した。室温で3.5時間撹拌した後、溶液を濾過し、蒸発乾固すると、次式を有する黄橙色の固体
【化32】
を100%(3.2g)の収率で得た。
【0034】
ヨウ化水素酸塩(3.2g)を50mlアンバーライト(Amberlite)IRA−400樹脂(OH−)と共に100mlの水中で一晩撹拌した。樹脂を濾過し、濾液を蒸発乾固すると次式を有する白色固体
【化33】
が88%(水和物として2.1g)の収率で得られた。
【0035】
ビス(カルボキシメチル)架橋サイククラム(2.1g)を4:1アセトニトリル/メタノール(50ml)中でスラリーにし、そして室温の溶液にそれが沸騰するまで真空を適用することにより溶液を脱気し、そして次にアルゴンで通気した(6回繰り返した)。溶液を温めて還流し、透明、無色の溶液を形成した。無水塩化マンガン(0.660g)を反応に添加すると、直ちに白色沈殿が形成された。次に反応を1.5時間還流し、次いで室温に冷却した。固体を0.2μの薄膜フィルタを用いて溶液から濾過し、そして0.05mm真空下で一晩乾燥した。
【0036】
これは結果として次式を有する白色固体
【化34】
を80%(1.3g)の収率で得た。
【0037】
ジクロロ−4,11−ジエチル−1,4,8,11−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)の調製
テトラアミン2(5.55g)を無水アセトニトリル(50ml)に溶解し、臭化エチル(34.5g)と共に圧力フラスコに添加した。反応槽を80℃の油浴の中に設置し、24時間激しく撹拌した。次に油浴温度を130℃に上げ、反応を更に6時間撹拌した。反応を室温に冷却後、次式を有する茶色の固体
【化35】
を濾過し、69%(7.6g)の収率に乾燥した。
【0038】
次にこの物質(3.0g)を1Mの炭酸カリウム(30ml)に溶解し、そしてガラス製揺動オートクレーブスリーブに、20%の水酸化パラジウム/炭素(0.7g)と共に添加した。ガラススリーブを揺動オートクレーブの内部に設置し、そして高温高圧(65℃、1900psi水素)で4時間、揺らしながら水素添加した。次に反応を冷却し、通気し、そしてガラススリーブをオートクレーブから取り出した。反応をガラス繊維濾紙を通して濾過して、触媒を取り除き濾液を蒸発乾固した。乾燥したら、白色固体を還流エタノール(100ml)中に数分間懸濁し、そして濾過した。濾液を蒸発乾固し、油状の残留物を水性KOH(4ml、4M)に溶解し、トルエンで抽出した(3×25ml)。トルエン抽出物を混合して蒸発乾固し、次式を有する透明な油
【化36】
を81%(1.56g)の収率で得た。
【0039】
この物質(1.4g)を無水のアセトニトリル(50ml)に溶解した。乳白色の懸濁液を懸濁液が沸騰するまで真空下に置き、次に反応槽にアルゴンを勢いよく流した。この脱気は6回行われた。塩化マンガン(II)(0.590g)を添加し、反応を激しく撹拌しながら3時間還流した。その後直ちにワットマン(Whatman(登録商標))ガラス繊維濾紙を用いて真空濾過した。次に黒っぽい濾液を減圧下、45℃で蒸発させ、茶色の固体を得た。次にこの固体を、50mlのトルエン中に懸濁し、暗褐色の浮遊物を静かに流し捨てた。この洗浄を5回繰り返した。残った黄褐色の固体を0.05mmの真空下で一晩乾燥した。これは次式を有する黄褐色の固体
【化37】
を73%(1.48g)の収率で生成する結果になった。
【0040】
ジクロロ−4,11−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)の調製
新たに蒸留した4,11−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(25.00g)を無水アセトニトリル(900ml)に溶解し、そして室温の溶液にそれが沸騰するまで真空を適用することにより溶液を脱気し、そして次にアルゴンで通気した(6回繰り返した)。塩化マンガン(11.25g)をアルゴン下で添加した。濁った反応溶液を還流下で4時間撹拌すると、暗褐色になり、細かい粒子状物質が懸濁した。反応溶液をアルゴン下で0.2μフィルターで濾過した。この薄い黄褐色の濾液を減圧下で蒸発乾固した。得られた黄褐色の固体をトルエン(100ml)に懸濁し還流するため加熱した。トルエンを静かに流し捨て、この手順を別の100mlのトルエンを用いて繰り返した。トルエンの残部を減圧下で除去した。0.05mmで室温にて一晩乾燥した後、次式を有する淡青色の固体生成物
【化38】
を93.5%(31.75g)の収率で収集する。
【0041】
配合
本発明のMRI剤はいかなる形態、例えば使用前に好適な担体に溶解される固体、又は既製の溶液であり得る。溶液の形態の場合には、望ましい投与及び組織への導入方法により、広範囲の濃度が可能である。
【0042】
本発明のMRI剤が固体として提供される場合、1又は2の配位子を担体、通常は水と交換するであろう形態であってもよい。例えば、MRI造影剤4,11−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)ジアクアは、4,11−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)ジクロリドを、使用前に食塩水溶液に添加することにより、溶液の形態に形成してもよい。
【0043】
本発明の組成物は:
a)約0.01重量%〜約99.99重量%の、別の実施形態では1重量%〜約50重量%の、その際、別の実施形態では約10重量%〜約75重量%の、本明細書の上文に記載の1以上のMRI剤;
b)残部担体及び他の添加剤成分
を含む。
【0044】
1つの実施形態はMRI剤の水溶液に関し、前記溶液は:
a)約25重量%〜約75重量%の、本明細書の上文に記載の1以上のMRI造影剤;
b)残部の水
を含む。
【0045】
本発明の医薬組成物の残部を含む担体及び添加剤成分は、いかなる製薬上許容可能な成分であり得、例えば担体としての蒸留水である。造影剤が固体として提供される実施形態では、使用前に水により再生されるが、残部は不活性の充填剤を含んでもよい。又は好適な界面活性剤、酸化防止剤、又は他の安定剤を用いてもよい。
【0046】
使用方法
本発明は更に、造影により増強されたヒト及び動物の組織の区別を提供する方法に関し、その際本発明のMRI剤は組織に取り込まれる。本発明の方法は、本明細書に記載されたMRI剤の有効量である血清濃度を確立することに関する。
【0047】
組織にMRI造影剤を提供する方法であって、それによりヒト又は動物の組織の区別を可能にし、前記方法は:
A)ヒト又は動物に、組織間のコントラストを提供するMRI剤の有効量を提供する工程;及び
B)1時間を越える期間、MRI剤の前記有効量を維持する工程
を含む。
【0048】
有効な画像化のための血清濃度は受容体による摂取、標的とされる組織の種類、及びMRI剤の親油性により異なる。1つの実施形態において造影剤の血液濃度は本発明による1以上の造影剤、例えば4,11−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)ジアクア錯体が、1リットル当たり約0.001モル〜約2モルであり、別の実施形態では、1リットル当たり約0.03モル〜約1.0モルである。更に別の実施形態は1リットル当たり約0.01〜約0.5モルの前記錯体を含む。1つの実施形態は、1以上の担体及び添加剤成分を更に含む医薬組成物である。
【0049】
本発明のMRI造影剤の、対象となるもの、ヒト又はさもなくば、磁気共鳴映像法を行うべきものへの投与は、当業者に既知であり、文献に開示された従来の手順により達成される。薬剤の水溶液は最も都合良く用いられる。これらの溶液における剤の濃度及び投与量は広範囲にさまざまであってよく、各場合における最適条件は、マンガン原子の磁気モーメントの強さ、全体としてのキレートのコントラスト増強の強さ及び投与方法、望ましい又は必要なコントラスト増強の程度、及び年齢、体重、並びに投与が行われる対象となるものの状態により決定される。多くの場合、血清濃度が、血液量1リットル当たり約0.05モル〜約2.0モル、別の実施形態では約0.1モル〜約1.0モルにおいて最高の結果が得られる。同様に多くの場合において、最高の結果は、ヒトの全体重の1キログラム当たりの剤が(mM/kg)、約0.01mモルから、好ましくは約0.05mモルから約1mモルまで、好ましくは約0.05mモルまでに分布する投与により通常得られる。投与はいかなる非経口経路又は方法により達成されてもよいが、もっともとりわけ静脈内投与によるものである。投与の速度はまたさまざまであってもよく、一般に最高の結果は約0.1mM/分/kg〜約1.0mM/分/kgに分布する速度により得られる。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2000年9月25日出願の米国仮特許出願第60/235,011号の優先権を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は磁気共鳴映像法(MRI)に関し、及び磁気共鳴映像法ツールとして医療診断に用いるのに好適な、置換された1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)錯体を含む組成物に関する。本発明はまた、医療診断に用いるのに好適な磁気共鳴画像を提供する方法に関する。
【0003】
(発明の背景)
磁気共鳴映像法(MRI)装置の有用性は、疾病状態及び他の内部異常の発見及び診断用の検診におけるMRIの使用へと導き出した。MRIの継続的使用及び開発は、診断上有用な方法でMRI画像を変える能力のある医薬剤の開発についての興味を喚起した。その分野の研究者に現在好まれている医薬剤(MRI医薬品)は、好適に錯体化した常磁性の金属陽イオンである。MRI画像化における医薬品の使用により、入手できる診断情報の価値を高める重要な機会を提供する。
【0004】
放射性医薬品はラジオアイソトープ画像化に、MRI医薬品に類似した方法で用いられるが、よく開発された分野である。そのため、この分野に存在する知識はMRI医薬品開発の出発点を提供する。MRI医薬品は幾つかの特徴を満たさなければならないが、放射性医薬品の場合には、これは必要ないか、又はほとんど重要でない。MRI医薬品は放射性医薬品より、より多量に用いられなければならない。その結果、それらはプロトンの緩和速度に検出可能な変化を生じるのみでなく、(a)実質的に毒性が少なく、そのためさらに多量の使用が可能でなければならない、(b)より水溶性であるため、生理的に受容できる溶液量の中に、より多量の服用量の投与が可能でなければならない、及び(c)放射性医薬品の対応物よりも生体内でさらに安定していなければならない。生体内安定性は、遊離常磁性金属及び患者の身体にある遊離配位子の放出を妨げるのに重要であり、同様にさらに多量に用いられるため、より重大である。同じ理由により、比較的短時間で全身クリアランスを示すMRI医薬品は特に望ましい。
【0005】
放射性医薬品は非常に少ない服用量で投与されるため、水溶解度、生体内安定性、及び全身クリアランスを最大化する一方で、これらの薬剤の毒性を最小化する必要はほとんどなかった。したがって、放射性医薬品調製の成分としての使用に開発された配位子で、MRI医薬品の調製の使用に好適であるものはほとんどないことは驚くには当たらない。注目に値する例外は、周知のジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)の配位子であり、これは両方の放射性陽イオンと共に錯体を形成するのに有用であることを証明しており、放射性陽イオンの有用な放射性医薬品を提供する薬理学的に好適な塩、及びガドリニウムのような常磁性陽イオンであって、その薬理学的に好適な塩がMRI医薬品として有用であることを証明している。
【0006】
MRIで用いられる造影剤は、常磁性、強磁性、強磁性、又は超常磁性を示す物質を包含することにより、その信号増強効果を供給する。これらの物質は、身体の領域内の画像化する原子核の固有な緩和計時機構に影響し、この体の領域の中に磁気共鳴信号強度の増加又は減少の発生を分配する。したがって、実質的に非毒性で、極めて水溶性、及び極めて生体内安定性の、及び特別な種類の組織には信号強度を選択的に増強することができるMRI造影剤が待望されている。
【0007】
(発明の概要)
本発明は前述の要求に応えており、その中で特定のビシクロマンガン錯体、例えば置換された1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)遷移金属錯体は、優先的MRI造影剤であり、及び増強された医学的診断情報を提供する磁気共鳴造影組成物に用いるのに好適であることが、意外にも発見された。MRI造影剤の親油性を高めることにより、異なる種類の体内組織を標的とする能力が、大きく増強されることが意外にも発見された。本発明の錯体は、動脈及び静脈の増強された画像化並びに腎臓組織の画像化を提供する。
【0008】
本発明の第1の態様は医薬組成物に関し、これは:
a)約0.01重量%〜約99.99重量%の、別の実施形態では1重量%〜約50重量%の、その際別の実施形態では約10重量%〜約75重量%の1,4,8,11−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)錯体の磁気共鳴造影剤;但し、上記磁気共鳴造影剤は:
i)
【化9】
ii)
【化10】
iii)
【化11】
iv)及びこれらの混合物の群から選択される;
〔式中、各Rは独立して:
i)C1〜C18ヒドロカルビル;
ii)−(CH2)nCO2−;
iii)CH3(CH2)nCO−;
iv)−(CH2)nR1;
v)−(CH2)nOPO3 −;
vi)−[(CH2)nOPO3R2(フェニル)2]−から成る群から選択され;
R1はヒドロキシル、2−ヒドロキシフェニル、2−ピリジル、2−フルフリル、及びこれらの混合物であり;R2はC1〜C12の直鎖、分枝、又は環状アルキレンであり;
R3 は:
i)水素;
ii)C1〜C18ヒドロカルビル;
iii)−OH;
iv)−(CH2)mCO2−;
v)−O(CH2)mCO2−;
vi)及びこれらの混合物から成る群から選択され;
指数m及びnは0〜約10の値を有し;Xは、電子的中性を与えるのに十分な量qの、製薬上適合性のある陰イオンである〕;及び
b)残部担体及び他の添加剤成分
を含む。
【0009】
本発明は更に、ヒトの組織内での増強された磁気共鳴画像のコントラストを提供する方法に関し、前記方法はヒトに1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)錯体の有効量を投与する工程を含み、好ましくは医薬組成物で、1以上の担体及び添加剤成分を更に含む。
【0010】
既述のそしてそれ以外の目的、特徴、及び利益については、以下の詳細な説明及び付属する請求項を読むことにより当業者には明白となる。本明細書におけるすべての百分率、比率、及び割合は、特に指定しない限り重量による。全ての温度は、特に指定しない限り摂氏(℃)である。 全ての引用文献を、関連部分において、参照として本明細書に組み入れる。
【0011】
(詳細な説明)
本発明は1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)錯体に関し、例えば4,11−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)ジアクア錯体であり、これはヒトの生体内使用に好適な磁気共鳴映像法(MRI)組織造影剤である。本発明のマンガン金属錯体は、金属の配位圏の4配位位置において、常磁性の遷移金属陽イオンマンガン(II)をキレート化する1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン配位子を含む。1つの実施形態では、残っている2つの配位位置が水により溶媒和されるか、又は1以上の他の非反応性配位子を含むことができ、別の実施形態では、残っている1つの配位位置が、ビシクロ環の窒素に更に結合される単位により占有され、そして第3の変形では、両方の利用可能な配位位置がビシクロ環の窒素に更に結合される単位により占有される。
【0012】
用語「ヒドロカルビル」は1〜18の炭素原子を有するいかなる炭化水素鎖に関する。鎖は直鎖、とりわけオクチル、及びデシル;又は分枝、とりわけ6−メチルオクチルであってもよい。鎖は非環式;アルキル、アルケニル、アルキニルなど、又は環式、例えばシクロヘキシル又はビシクロ[2.2.1]ヘプタニルであってもよい。用語、ヒドロカルビルはまた、前記鎖における炭素原子の総数が1〜18であるような単位の分枝鎖のいかなる種類をも包含する。ヒドロカルビル単位は芳香族又は非芳香族であってもよい。
【0013】
本発明の第1の態様は、好適な担体又は他の添加剤成分を含む組成物中のMRI造影剤に関する。
【0014】
本態様の第1の実施形態は次式を有する化合物に関し:
【化12】
式中、ジアクア種をその場で形成することができる、2つの遊離配位位置がある。
【0015】
本態様の第2の実施形態は次式を有する化合物に関し:
【化13】
式中、空いている配位位置の内の1つが、ビシクロ環の窒素に結合する配位子により占有されている。
【0016】
本態様の第3の実施形態は次式を有する化合物に関し:
【化14】
式中、空いている配位位置の両方が、ビシクロ環の窒素に結合する配位子により占有されている。
【0017】
各R単位は独立して:
i)C1〜C18ヒドロカルビル;
ii)−(CH2)nCO2−;
iii)CH3(CH2)nCO−;
iv)−(CH2)nR1;
v)−(CH2)nOPO3 −;
vi)−[(CH2)nOPO3R2(フェニル)2]−から成る群から選択される
式中、R1はヒドロキシル、2−ヒドロキシフェニル、2−ピリジル、2−フルフリル、及びこれらの混合物であり;R2はC1〜C12の直鎖、分枝、又は環状アルキレンであり;
R3はビシクロ環置換基であり;及び
i)水素;
ii)C1〜C18ヒドロカルビル;
iii)−OH;
iv)−(CH2)mCO2−;
v)−O(CH2)mCO2−;
vi)及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0018】
指数m及びnは各々独立して、0〜約10の値を有し;Xは、電子的中性を与えるのに十分な量qの、製薬上適合性のある陰イオンである。1つの実施形態では、nは1〜4である。本発明はまた、指数nが1又は2である実施形態にも関する。1つの実施形態では指数mは1に等しく、その際R3は−CH2CO2 −単位を含む。Xは、電子的中性を満たすのに十分な量qの、いかなる好適な陰イオンである。Xの非制限的例には塩素、臭素、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、六フッ化リン酸塩、四フッ化ホウ酸塩、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0019】
本発明の1つの実施形態は、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、及びこれらの混合物であるR単位に関する。
【0020】
肝臓組織を造影するのに用いられる場合、次式を有する化合物:
【化15】
又は
【化16】
は、照射されたプロトンスピンを緩和するのにGd(DTPA)より良好であることが今や意外にも見出された。
【0021】
本発明の別の態様は、1又は両方のR単位が、次式を有するα、α−ビフェニルリン酸塩単位である造影剤に関し:
【化17】
式中、R1は、C1〜C12の直鎖、分枝、又は環状アルキレンスペーサー単位であり、これはそれに結合する2つのフェニル基を有する。1つの実施形態ではRは次式を有するが:
【化18】
別の実施形態ではRは次式を有する:
【化19】
以下は、本発明の造影剤に用いるのに好適な配位子の非制限的な例である。
【0022】
【化20】
【化21】
以下は4,11−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン配位子を調製する手順の非制限的な例である。
【0023】
4,11−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンの調製
温度計、窒素注入口、及び磁性攪拌器付きの250ml三口丸底フラスコに、N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン(5.00g、31.3mモル)、及び無水エタノール(100ml)を添加する。溶液をアルゴン下で撹拌し氷浴を用いて15℃に冷却する。水性グリオキサール(4.78g、33mモル、水中で40%)を撹拌しながら滴下する。添加が完了したら、溶液を減圧で濃縮し、透明、無色の油を生成する。単離された油は次式を有し:
【化22】
及び、100%(6.0g)の収率で得られる。
【0024】
環状アミン1(6.0g)をアセトニトリル(100ml)中に懸濁する。炭酸カリウム(25g)及び1,3−プロパンジオールジトシレート(12.61g、32.8mモル)を添加する。溶液を室温で一晩激しく撹拌する。次に反応を70℃に温め、ガラス繊維濾紙及び真空濾過により熱いまま濾過する。結果の固体をアセトニトリル(100ml)で洗浄する。アセトニトリル濾液を減圧下で濃縮すると、次式を有する淡緑色の油を生成し:
【化23】
及び、100%(7.0g)の収率で得られる。
【0025】
テトラアミン2(7.0g)をアセトニトリル(150ml)に溶解する。硫酸メチル(2.5等量)を添加し、反応を65℃に温め、そして9日間撹拌する。溶媒を減圧下で除去すると、次式を有する茶色の油を生成し:
【化24】
及び、およそ85%の収率で得られる。
【0026】
蒸留水(25ml)及び炭酸カリウム(13.8g)を250ml丸底フラスコに添加する。無水エタノール(75ml)を添加し、得られた二相性溶液を撹拌し、そして油浴で60℃に加熱する。水素化ホウ素ナトリウム(1.60g、42.3mモル)及び3(10.0g、21.1mモル)を溶液に添加した。反応を60℃で75分間撹拌する。反応混合物を分液漏斗に入れ、エタノール層を収集する。次に溶媒を減圧下で除去し、得られた黄褐色固体/油を5NのKOH(5ml)に溶解し、そしてトルエン(2×50ml)で抽出する。トルエンを減圧下で除去し、次式を有する4,11−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン:
【化25】
を蒸留後、油として、95%(5.2g)の収率で生成する。
【0027】
4−カルボキシメチル−11−メチル−1,4,8,11−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン
テトラアミン2(64.6g)を無水アセトニトリル(500ml)に溶解する。臭化ベンジル(42.75g)を撹拌された溶液にアルゴン下で添加する。溶液を室温で3日間撹拌する。ヨウ化メチル(248g、1.75mモル)を添加し、溶液を更に3日間撹拌する。次に反応を、ワットマン#4紙及び真空濾過を用いて濾過する。固体をCH3CN(200ml)で洗浄する。次式を有する白色固体
【化26】
が86%(115.8g)の収率で得られた。
【0028】
ジクワット(Diquat)、3、115g、及び炭酸カリウム35gを1lの75%の水中エタノールに溶解する。この溶液を50℃に温め、そして水素化ホウ素ナトリウム(16.5g)を15分間にわたって添加する。1時間撹拌した後、反応を濃塩酸で6.0にpH調整し、次に蒸発乾固する。残留物を5N水酸化カリウム中に溶解し、トルエンの200ml毎で6回抽出する。トルエン抽出物を混合し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して蒸発乾固し、次に0.05mm真空下で一晩乾燥させる。これは結果として次式を有する油であり
【化27】
92%(65.3g)の収率である。
【0029】
ベンジル−メチル架橋サイクラム、4(15g)をエタノール(150ml)に溶解し、そして1.5g、20%の炭素上水酸化パラジウムを用いて、50psiで18時間、水素添加する。反応を濾過し、蒸発乾固して次式を有する油
【化28】
を100%(11g)の収率で得る。
【0030】
ヒドロメチル架橋サイクラム、5(5.00g)、及び炭酸カリウム(20g)をアセトニトリル(125ml)に溶解する。2−ヨード酢酸エチル(4.45g)を、アルゴン下で撹拌しながら5分間にわたって滴下する。室温で2時間撹拌した後、溶液を濾過し、蒸発乾固すると、次式6を有する黄橙色の固体
【化29】
を100%(9.3g)の収率で得る。
【0031】
ヨウ化水素酸塩、6(9.3g)を50mlアンバーライト(Amberlite)IRA−400樹脂(OH−)と共に100mlの水中で一晩撹拌する。樹脂を濾過し、濾液を蒸発乾固すると次式を有する白色固体
【化30】
が、100%(二水和物として7.05g)の収率で得られた。
【0032】
カルボキシメチルメチル架橋サイククラム(2.5g)をアセトニトリル(50ml)中でスラリーにし、そして室温の溶液にそれが沸騰するまで真空を適用することにより溶液を脱気し、次にアルゴンで通気した(6回繰り返した)。溶液を温めて還流し、透明、無色の溶液を形成した。無水の塩化マンガン(1.00g)を添加し、そして反応を1時間還流した。フラスコ上に固体が形成し始め、そして追加の40mlの脱気された無水アセトニトリルを添加した。反応を還流で一晩撹拌し、次に室温に冷却して固体を形成した。これらの固体を、熱い3:1のアセトニトリル/メタノールに再溶解し、0.2μの薄膜フィルタを用いて濾過した。透明な溶液を蒸発乾固すると、次式の淡黄色の固体
【化31】
が80%(2.57g)の収率で生成された。
【0033】
4,11−ビス(カルボキシメチル)−1,4,8,11−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)の調製
1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(1.5g)及び炭酸カリウム(7.5g)を無水アセトニトリル(125ml)に溶解した。2−ヨード酢酸エチル(3.12g)を、アルゴン下で10分間にわたって撹拌しながら滴下した。室温で3.5時間撹拌した後、溶液を濾過し、蒸発乾固すると、次式を有する黄橙色の固体
【化32】
を100%(3.2g)の収率で得た。
【0034】
ヨウ化水素酸塩(3.2g)を50mlアンバーライト(Amberlite)IRA−400樹脂(OH−)と共に100mlの水中で一晩撹拌した。樹脂を濾過し、濾液を蒸発乾固すると次式を有する白色固体
【化33】
が88%(水和物として2.1g)の収率で得られた。
【0035】
ビス(カルボキシメチル)架橋サイククラム(2.1g)を4:1アセトニトリル/メタノール(50ml)中でスラリーにし、そして室温の溶液にそれが沸騰するまで真空を適用することにより溶液を脱気し、そして次にアルゴンで通気した(6回繰り返した)。溶液を温めて還流し、透明、無色の溶液を形成した。無水塩化マンガン(0.660g)を反応に添加すると、直ちに白色沈殿が形成された。次に反応を1.5時間還流し、次いで室温に冷却した。固体を0.2μの薄膜フィルタを用いて溶液から濾過し、そして0.05mm真空下で一晩乾燥した。
【0036】
これは結果として次式を有する白色固体
【化34】
を80%(1.3g)の収率で得た。
【0037】
ジクロロ−4,11−ジエチル−1,4,8,11−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)の調製
テトラアミン2(5.55g)を無水アセトニトリル(50ml)に溶解し、臭化エチル(34.5g)と共に圧力フラスコに添加した。反応槽を80℃の油浴の中に設置し、24時間激しく撹拌した。次に油浴温度を130℃に上げ、反応を更に6時間撹拌した。反応を室温に冷却後、次式を有する茶色の固体
【化35】
を濾過し、69%(7.6g)の収率に乾燥した。
【0038】
次にこの物質(3.0g)を1Mの炭酸カリウム(30ml)に溶解し、そしてガラス製揺動オートクレーブスリーブに、20%の水酸化パラジウム/炭素(0.7g)と共に添加した。ガラススリーブを揺動オートクレーブの内部に設置し、そして高温高圧(65℃、1900psi水素)で4時間、揺らしながら水素添加した。次に反応を冷却し、通気し、そしてガラススリーブをオートクレーブから取り出した。反応をガラス繊維濾紙を通して濾過して、触媒を取り除き濾液を蒸発乾固した。乾燥したら、白色固体を還流エタノール(100ml)中に数分間懸濁し、そして濾過した。濾液を蒸発乾固し、油状の残留物を水性KOH(4ml、4M)に溶解し、トルエンで抽出した(3×25ml)。トルエン抽出物を混合して蒸発乾固し、次式を有する透明な油
【化36】
を81%(1.56g)の収率で得た。
【0039】
この物質(1.4g)を無水のアセトニトリル(50ml)に溶解した。乳白色の懸濁液を懸濁液が沸騰するまで真空下に置き、次に反応槽にアルゴンを勢いよく流した。この脱気は6回行われた。塩化マンガン(II)(0.590g)を添加し、反応を激しく撹拌しながら3時間還流した。その後直ちにワットマン(Whatman(登録商標))ガラス繊維濾紙を用いて真空濾過した。次に黒っぽい濾液を減圧下、45℃で蒸発させ、茶色の固体を得た。次にこの固体を、50mlのトルエン中に懸濁し、暗褐色の浮遊物を静かに流し捨てた。この洗浄を5回繰り返した。残った黄褐色の固体を0.05mmの真空下で一晩乾燥した。これは次式を有する黄褐色の固体
【化37】
を73%(1.48g)の収率で生成する結果になった。
【0040】
ジクロロ−4,11−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)の調製
新たに蒸留した4,11−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(25.00g)を無水アセトニトリル(900ml)に溶解し、そして室温の溶液にそれが沸騰するまで真空を適用することにより溶液を脱気し、そして次にアルゴンで通気した(6回繰り返した)。塩化マンガン(11.25g)をアルゴン下で添加した。濁った反応溶液を還流下で4時間撹拌すると、暗褐色になり、細かい粒子状物質が懸濁した。反応溶液をアルゴン下で0.2μフィルターで濾過した。この薄い黄褐色の濾液を減圧下で蒸発乾固した。得られた黄褐色の固体をトルエン(100ml)に懸濁し還流するため加熱した。トルエンを静かに流し捨て、この手順を別の100mlのトルエンを用いて繰り返した。トルエンの残部を減圧下で除去した。0.05mmで室温にて一晩乾燥した後、次式を有する淡青色の固体生成物
【化38】
を93.5%(31.75g)の収率で収集する。
【0041】
配合
本発明のMRI剤はいかなる形態、例えば使用前に好適な担体に溶解される固体、又は既製の溶液であり得る。溶液の形態の場合には、望ましい投与及び組織への導入方法により、広範囲の濃度が可能である。
【0042】
本発明のMRI剤が固体として提供される場合、1又は2の配位子を担体、通常は水と交換するであろう形態であってもよい。例えば、MRI造影剤4,11−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)ジアクアは、4,11−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)ジクロリドを、使用前に食塩水溶液に添加することにより、溶液の形態に形成してもよい。
【0043】
本発明の組成物は:
a)約0.01重量%〜約99.99重量%の、別の実施形態では1重量%〜約50重量%の、その際、別の実施形態では約10重量%〜約75重量%の、本明細書の上文に記載の1以上のMRI剤;
b)残部担体及び他の添加剤成分
を含む。
【0044】
1つの実施形態はMRI剤の水溶液に関し、前記溶液は:
a)約25重量%〜約75重量%の、本明細書の上文に記載の1以上のMRI造影剤;
b)残部の水
を含む。
【0045】
本発明の医薬組成物の残部を含む担体及び添加剤成分は、いかなる製薬上許容可能な成分であり得、例えば担体としての蒸留水である。造影剤が固体として提供される実施形態では、使用前に水により再生されるが、残部は不活性の充填剤を含んでもよい。又は好適な界面活性剤、酸化防止剤、又は他の安定剤を用いてもよい。
【0046】
使用方法
本発明は更に、造影により増強されたヒト及び動物の組織の区別を提供する方法に関し、その際本発明のMRI剤は組織に取り込まれる。本発明の方法は、本明細書に記載されたMRI剤の有効量である血清濃度を確立することに関する。
【0047】
組織にMRI造影剤を提供する方法であって、それによりヒト又は動物の組織の区別を可能にし、前記方法は:
A)ヒト又は動物に、組織間のコントラストを提供するMRI剤の有効量を提供する工程;及び
B)1時間を越える期間、MRI剤の前記有効量を維持する工程
を含む。
【0048】
有効な画像化のための血清濃度は受容体による摂取、標的とされる組織の種類、及びMRI剤の親油性により異なる。1つの実施形態において造影剤の血液濃度は本発明による1以上の造影剤、例えば4,11−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)ジアクア錯体が、1リットル当たり約0.001モル〜約2モルであり、別の実施形態では、1リットル当たり約0.03モル〜約1.0モルである。更に別の実施形態は1リットル当たり約0.01〜約0.5モルの前記錯体を含む。1つの実施形態は、1以上の担体及び添加剤成分を更に含む医薬組成物である。
【0049】
本発明のMRI造影剤の、対象となるもの、ヒト又はさもなくば、磁気共鳴映像法を行うべきものへの投与は、当業者に既知であり、文献に開示された従来の手順により達成される。薬剤の水溶液は最も都合良く用いられる。これらの溶液における剤の濃度及び投与量は広範囲にさまざまであってよく、各場合における最適条件は、マンガン原子の磁気モーメントの強さ、全体としてのキレートのコントラスト増強の強さ及び投与方法、望ましい又は必要なコントラスト増強の程度、及び年齢、体重、並びに投与が行われる対象となるものの状態により決定される。多くの場合、血清濃度が、血液量1リットル当たり約0.05モル〜約2.0モル、別の実施形態では約0.1モル〜約1.0モルにおいて最高の結果が得られる。同様に多くの場合において、最高の結果は、ヒトの全体重の1キログラム当たりの剤が(mM/kg)、約0.01mモルから、好ましくは約0.05mモルから約1mモルまで、好ましくは約0.05mモルまでに分布する投与により通常得られる。投与はいかなる非経口経路又は方法により達成されてもよいが、もっともとりわけ静脈内投与によるものである。投与の速度はまたさまざまであってもよく、一般に最高の結果は約0.1mM/分/kg〜約1.0mM/分/kgに分布する速度により得られる。
Claims (10)
- 医薬組成物であって:
a)約0.01重量%〜約99.99重量%の1,4,8,11−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)錯体の磁気共鳴造影剤;但し、上記磁気共鳴造影剤は:
i)
〔式中、各Rは独立して:
i)C1〜C18ヒドロカルビル;
ii)−(CH2)nCO2−;
iii)CH3(CH2)nCO−;
iv)−(CH2)nR1;
v)−(CH2)nOPO3 −;
vi)−[(CH2)nOPO3R2(フェニル)2]−から成る群から選択され;
R1はヒドロキシル、2−ヒドロキシフェニル、2−ピリジル、2−フルフリル、及びこれらの混合物であり;R2はC1〜C12の直鎖、分枝、又は環状アルキレンであり;
R3は:
i)水素;
ii)C1〜C18ヒドロカルビル;
iii)−OH;
iv)−(CH2)mCO2−;
v)−O(CH2)mCO2−;
vi)及びこれらの混合物から成る群から選択され;
指数m及びnは0〜約10の値を有し;Xは、電子的中性を与えるのに十分な量qの、製薬上適合性のある陰イオンである〕;及び
b)残部担体及び他の添加剤成分;
を含む、上記医薬組成物。 - 約1%〜約50%の前記造影剤を含む、請求項1に記載の組成物。
- 約10重量%〜約75重量%の前記造影剤を含む、請求項1に記載の組成物。
- 前記担体が不活性固体である、請求項1に記載の組成物。
- Rがメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
- 少なくとも1つのR単位が−(CH2)nCO2−を含み、nが1〜4である、請求項1に記載の組成物。
- 各R単位が−(CH2)nCO2−を含み、nが1〜4である、請求項1に記載の組成物。
- ヒト又は動物の組織において、増強された磁気共鳴画像のコントラストを提供する方法であって、上記方法はヒトに組成物の有効量を投与する工程を含み、その組成物は:
a)約0.01重量%〜約99.99重量%の1,4,8,11−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)錯体の磁気共鳴造影剤;但し、上記磁気共鳴造影剤は:
i)
〔式中、各Rは独立して:
i)C1〜C18ヒドロカルビル;
ii)−(CH2)nCO2−;
iii)CH3(CH2)nCO−;
iv)−(CH2)nR1;
v)−(CH2)nOPO3 −;
vi)−[(CH2)nOPO3R2(フェニル)2]−から成る群から選択され;
R1はヒドロキシル、2−ヒドロキシフェニル、2−ピリジル、2−フルフリル、及びこれらの混合物であり;R2はC1〜C12の直鎖、分枝、又は環状アルキレンであり;
R3は:
i)水素;
ii)C1〜C18ヒドロカルビル;
iii)−OH;
iv)−(CH2)mCO2−;
v)−O(CH2)mCO2−;
vi)及びこれらの混合物から成る群から選択され;
指数m及びnは0〜約10の値を有し;Xは、電子的中性を与えるのに十分な量qの、製薬上適合性のある陰イオンである〕;及び
b)残部担体及び他の添加剤成分;
を含む、上記方法。
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