JP2004509657A - 使用に際して脚部湾曲が増大する吸収体物品 - Google Patents

Abstract

実質的に液体不透過性の外側カバー、液体透過性の身体側ライナー、外側カバーと身体側ライナーとの間に配置された吸収体、及び、物品の少なくとも中間部における物品の横方向に相対する側縁に配置された一対の脚部弾性体を含む、使い捨て吸収体物品が提供される。外側カバーは、本明細書に記載の材料の伸び及び変形引張試験によって、幅１インチ当たり（２．５４ｃｍ当たり）１００ｇｍｆの張力がかかった時に、少なくとも約１０パーセントのほぼ恒久的な変形を与える構成にすることができる。使用の際の外側カバーの恒久的な変形によって、ここに記載の製品変形試験を受けた時に、少なくとも約３パーセントのほぼ恒久的な脚部弾性体の変形値をもつ物品が得られる。

Description

【０００１】
（技術分野）
本発明は、使用中に向上された脚部湾曲度を与える独特な伸長性の外側カバーを備えた望ましくは使い捨ての吸収体物品である吸収体物品に関する。
【０００２】
（背景技術）
おむつ、トレーニングパンツ又は失禁用衣類のような吸収体物品は、着用者の周囲に緊密で快適に適合し、かつ健やかな肌状態を維持しながら身体排出物を収容することが望ましい。ある特定の状況では、こうした吸収体物品は、着用者又は介護者が該物品を容易に取り付け、汚れていない場合には容易に取り外すことができるように、着用者の腰の周りに引き上げたり、下ろしたりすることができることが望ましい。例えば、こうした吸収体物品は、幼児のトイレ・トレーニングの一助となる。
【０００３】
従来の多くの吸収体物品は、通常は、物品のウエスト部を着用者の周囲に取り付けるファスナと、様々な形状のウエスト弾性体、脚部弾性体、伸縮自在なライナー及び伸縮自在な外側カバーを使用している。ファスナと弾性部材は、着用者の体の輪郭の周りに適合し、かつそれを維持するのを助けるのに使用され、これにより向上された閉じ込め性が得られる。着用者が動き、体位が変わる際に、このフィット性を維持するのは特に困難である。例えば、おむつのような物品は、通常は、着用者が、胴部が伸ばされ、腹部は下がった腹位になっている間に装着される。着用者が腹位から座位に変わる際に、着用者の胴は圧迫され、腹は外向きに伸ばされ、これにより物品に力がかかる。物品のウエストバンドが十分な「屈従性」をもっていなければ、こうした力によりウエストバンドがずれて、望ましくない漏れが増加することになる。
動いている間の適合性を維持するための一つの試みにおいて、従来の幾つかの吸収体物品には、エラストマーのストレッチ・ボンドデッド・ラミネート材料のようなエラストマー材料からなる外側カバーが含まれる。こうした材料には、メルトブローされたエラストマー繊維の層が含まれており、該エラストマー繊維の層は、伸長されて、ポリプロピレンのスパンボンド不織材料からなる表面層の間に挟み込まれる。メルトブロー層は、通常は、熱結合、超音波結合及び／又は接着剤結合によって、表面層にパターン結合される。他の従来の吸収体物品は、外側カバーに折り畳まれたプリーツを含んでいる。このプリーツは、物品が液体を吸収する際に拡がるように配置される。
【０００４】
着用者の腰の周りに引き上げたり、引き下ろしたりすることができる吸収体物品において、該物品が所望のフィット性を与え、それを維持できることは特に重要である。例えば、従来のトレーニングパンツのような従来の吸収体物品の幾つかは、吸収体物品の前ウエスト部を後ウエスト部に接続する一体のサイドパネルを含んでいる。サイドパネルは、吸収体物品のウエスト開口部が伸びて、必要に応じて着用者の腰の周りに該吸収体物品を引き上げたり、引き下ろしたりすることができるように、伸長可能につくられている。こうしたサイドパネルはまた、トレーニングパンツが汚れた後に、該パンツを着用者から取り外すため破れるように設計されており、通常は再取り付けすることができない。
【０００５】
さらに、こうした吸収体物品内の湿度レベルを減らして、着用者の肌の健康を維持するのを助けるための一つの試みにおいて、こうした吸収体物品の外側カバーとして通気性のポリマー・フィルムが使用されてきた。通気性のフィルムは、通常は、所望のレベルの液体不透過性と空気透過性を与えるために、微孔をもつように構成される。他の吸収体物品は、物品の通気を助けるために、本来は水蒸気不透過性の外側カバーに、通気性パネルの形態の通気性区域か又は穿孔された区域を与えるように工夫される。
【０００６】
しかしながら、通気性を維持しながら所望のフィット性を与える吸収体物品を提供するためのこうした試みの多くは、完全に満足のいくものではない。例えば、弾性の外側カバー材料を含む幾つかの吸収体物品によって、過度の肌刺激が生じるので、こうした製品の張力を制御することは困難である。さらに、こうした弾性外側カバーは、通常は、所望の漏れ抵抗性を示さないので、すぐに膨張して排泄物の収容のための空隙容量を与えることはできない。さらに、トレーニングパンツのような吸収体物品は、着用者の腰の周りに引き上げたり、引き下ろしたりされるように十分に伸びることができながら、常に着用者にぴったりとした快適な適合性を与えることができるわけではない。こうしたトレーニングパンツは、着用者のウエストにゆるく適合して、望ましくない漏れを生じることになる場合が多い。その結果、こうした物品の多くは、より快適な適合性を着用者に与えるように調節可能な従来のおむつ型の物品より効果的に身体排出物を収容しない。
【０００７】
さらに、選択的に配置される通気性パネルを使用する物品は、製造が困難である。加えて、表面全体が高い通気性をもつ微孔性のすなわち穿孔されたフィルムを使用する物品は、該物品の一番多く放出を受ける区域の外面上で、液体の過度の漏れや、高いレベルの水分又は湿気を示すことがある。その結果、こうした微孔性の穿孔されたフィルムの通気性は、漏れの発生と外側カバー上の湿気を減らすために、比較的低いレベルに維持されてきた。したがって、こうした吸収体物品の多くは、高いレベルの通気性を維持して、着用者の肌の加湿を十分に低減させることができない。その結果、着用者の肌は、発疹、擦過傷及び炎症を生じやすいままである。
【０００８】
したがって、改善された吸収体物品を開発する試みにもかかわらず、依然として、着用者の肌を過度に刺激することなく、向上された適合性と、漏れの抵抗性と、通気性を与えることができる吸収体物品に対しての必要性がある。さらに、ある状況において、こうした吸収体物品は、従来のトレーニングパンツと従来のおむつの利点を備える必要がある。すなわち、依然として、効果的に排出物を収容するために着用者に適合する吸収体物品が、通気性をもち、着用者の腰部及び臀部の周りに引き上げたり、引き下ろしたりすることができる必要がある。
【０００９】
（発明の簡単な説明）
上述の難点及び問題に対して、向上された通気性、適合性、及び収容性を与える新しい吸収体物品の設計が見出されてきた。大まかに述べると、本発明は、前ウエスト部と、後ウエスト部と、ウエスト部の間に延び該ウエスト部を接続する中間部と、横方向に相対する一対の側縁と、縦方向に相対する一対のウエスト縁と、縦方向及び横方向とを定める使い捨て吸収体物品を提供するものである。この吸収体物品は、実質的に液体不透過性の外側カバーと、液体透過性の身体側ライナーと、外側カバーと身体側ライナーとの間に配置された吸収体とを含む。この吸収体物品はまた、ウエスト部の１つにある横方向に相対した側縁に配置される一対のファスナを含む。或る態様において、使い捨て吸収体物品は、従来のトレーニングパンツと同様に、着用者の腰の周りに引き上げたり、降ろしたりすることができるように、予め締結されたパンツのような形状に形成される。例えば、ファスナは、前ウエスト部の横方向に相対した側縁を、後ウエスト部の横方向に相対した側縁に再締結可能に取り付けて、物品を包装する前に予め締結されたパンツ状の吸収体物品を与えることができる。
特定の態様において、外側カバーは伸長可能であり、ここに記載する材料の伸び及び変形引張試験によって、幅１インチ当たり（２．５４ｃｍ当たり）１００ｇｍｆの張力がかかった時に、少なくとも約１０パーセント、望ましくは少なくとも約１５パーセント、特定的には少なくとも約１７パーセント、より望ましくは少なくとも約２０パーセント、さらに望ましくは少なくとも約２５パーセント、もっと望ましくは少なくとも約３０パーセントのほぼ恒久的な変形を与える構成にされる。
【００１０】
（発明の詳細についての説明）
本発明は、以下の本発明の詳細な説明と付属の図面を併せることで、より十分に理解され、さらなる利点が明らかとなるであろう。
本発明の種々の態様及び実施形態は、使い捨ておむつ又はトレーニングパンツなどの使い捨て吸収体物品に関して説明される。しかしながら、本発明が、女性用衛生用品、失禁用衣類などといったその他の吸収体物品とともに用いることも可能であることは明白である。使い捨て物品は、典型的には、限られた使用が意図されており、再使用のために洗濯されるか又はその他の手法で洗浄されることを意図されていない。例えば使い捨ておむつは、着用者により汚された状態になった後に廃棄される。
【００１１】
本発明による物品は、その種々の態様を組み込むことにより、向上された適合性と、漏れに対する向上された抵抗性を提供することができる。具体的には、物品の伸長性の外側カバーは、向上された性能を得るために、着用者の動き、着用者の身体の位置及び寸法に適合させることができる。また、本発明による物品は、向上された通気性、より優れた柔軟性、より優れた着用者の腰部と臀部の周りの被覆、及び、より布に近い性質を提供することができる。しかも幾つかの態様では、本発明は、着用者のトイレ・トレーニングを補助するために着用者の腰の周りに確実に引き上げたり、引き下ろすことができる、従来のトレーニングパンツに類似の予め締結されたパンツ状の吸収体物品を有益に提供することができる。
【００１２】
本開示で用いられる「含む」、「含んでいる」、及び「含む」を語根とするその他の派生語は、記載の特徴、要素、完全体、段階、又は構成材のいずれかの存在を指定する、幅広い解釈ができる用語とされることを意図されており、１つ又はそれ以上のその他の特徴、要素、完全体、段階、構成材、又はそれらのグループの存在又は追加を除外するものではない。従って、そうした用語は、「有する」、「有している」、「含有する」、「含有している」、及びこれらの単語の派生語のいずれとも同義となることを意図されている。
【００１３】
ここで用いる「伸長性材料」という用語は、ここに説明する材料の伸び及び変形引張試験によって、幅２．５４ｃｍ（１インチ）当たり１００ｇｍｆの張力がかかった時に、少なくとも約１０パーセント、望ましくは少なくとも約１５パーセント、詳細には少なくとも約１７パーセント、より望ましくは少なくとも約２０パーセント、更に望ましくは少なくとも約２５パーセント、もっと望ましくは少なくとも約３０パーセントの、ほぼ恒久的な変形を与えることのできる材料を意味する。材料の伸び及び変形引張試験は、通常は、１９９５年１２月付のＡＳＴＭ標準試験法Ｄ８８２（薄いプラスチック・シートの張力特性に関する引張方法）と同様に行われる。引張試験機のジョーの開始時の間隔は、試験サンプルの幅１インチ当たり約１グラム重量の張力で７６．２ｍｍ（３インチ）であり、この移動ジョーは１２７ｍｍ／分の一定速度で動く。移動ジョーは、試験サンプルの幅１インチ当たり１００グラム重量に等しい張力のところまで広がった所で止まり、この広がった所で２分間保持し、次いで１２７ｍｍ／分の速度で、試験サンプルの幅１インチ当たり約１グラム重量である開始時の張力まで戻る。
【００１４】
図１は、平坦に広げた非収縮状態（すなわち全ての弾性体によるギャザー及び収縮が除去された状態）の、本発明による使い捨ておむつ２０のような吸収体物品の代表的な平面図である。おむつ２０の内部構成をより明確に示すために、構造の一部が部分的に切り取られ、おむつの着用者に接触する面がこちらを向いている。図２は、図１の吸収体物品の線２−２に沿って見た断面図を表す。図１及び図２を参照すると、使い捨ておむつ２０は通常、前ウエスト部２２と、後ウエスト部２４と、前ウエスト部と後ウエスト部を相互に連結する中間部２６とを構成する。前ウエスト部２２と後ウエスト部２４は、使用中にそれぞれ着用者の腹部の前後をほぼ覆って延びるように構成される物品の部分を含む。物品の中間部２６は、着用者の脚の間の股部を通って延びるように構成される物品の部分を含む。したがって、中間部２６は、おむつ又はその他の使い捨て吸収体物品において、典型的に繰り返し液体放出が起こる区域である。
【００１５】
吸収体物品は、外側カバー３０と、該外側カバー３０と向かい合う状態に位置決めされた液体透過性の身体側ライナー３２と、外側カバー３０と身体側ライナー３２との間に配置された吸収パッドのような吸収体３４とを含む。図示された実施形態においては、外側カバー３０は、おむつ２０の長さ及び幅と一致した長さ及び幅を定める。吸収体３４は通常、外側カバー３０の長さより小さい長さと、外側カバーの幅より小さい幅を定める。これにより、外側カバー３０の縁のようなおむつ２０の縁は、吸収体３４の終端縁を越して延びることができる。例えば図示された実施形態においては、外側カバー３０は吸収体３４の終端縁を超えて外向きに延びて、おむつ２０の側縁と端縁を形成する。身体側ライナー３２は通常、外側カバー３０と同一の広がりをもつが、必要に応じて、外側カバー３０の面積より大きいか又は小さい面積を随意的に覆うことができる。使用中に、外側カバー３０は衣類に面し、身体側ライナー３２は着用者の身体に面することが意図されている。
【００１６】
向上されたフィット性を与え、おむつ２０からの身体排出物の漏れを減らすのを助けるために、おむつの側縁及び端縁は、単一の又は多数の弾性ストランドなどの適切な弾性部材を用いて伸縮自在にすることができる。例えば、図１及び図２に代表的に示されるように、おむつ２０は、漏れを減らし、向上された快適性と外観を提供するために、おむつ２０の側縁を作動的にギャザー寄せし、かつシャーリングして、着用者の脚の周りにぴったりとフィットする伸縮自在な脚部バンドを与えるように構成された脚部弾性体３６を含むことができる。同様に、おむつ２０の端縁を伸縮自在にし、伸縮自在なウエストバンドを提供するために、ウエスト弾性体３８を用いることができる。ウエスト弾性体は、端縁を作動的にギャザー寄せし、かつシャーリングして、着用者のウエスト周りに弾性的なぴったりとした快適なフィット性を与える形状にされる。図示された実施形態では、明瞭にするために、弾性部材が収縮していない伸長した状態で示されている。
【００１７】
脚部弾性体３６及びウエスト弾性体３８として使用するのに適した材料は、当業者には周知である。そのような材料の例には、重合体のエラストマー材料でできたシート又はストランド又はリボンがあり、これらは、外側カバー３０に弾性的な収縮力が付与されるように、伸長した状態で外側カバー３０に接着されるか、又はプリーツが形成された状態の外側カバー３０に取り付けられる。脚部弾性体はまた、ポリウレタン、合成ゴム及び天然ゴムのような材料を含むことができ、この材料は、随意的に熱収縮性又は熱により弾性を付与されるものとすることができる。
【００１８】
おむつを着用者に固定するために、フック・ループ式のファスナのような締結手段４０を用いることができる。或いは、ボタン、ピン、スナップ、接着テープ式ファスナ、粘着材、マッシュルーム・ループ式ファスナなどといったその他の締結手段を用いることもできる。図示された実施形態において、おむつ２０はさらに、ファスナ４０が取り付けられる一対の側部パネル４２を含む。通常は、側部パネル４２は、おむつ２０のウエスト部の一方の各側縁に取り付けられ、そこから横方向に外向きに延びる。側部パネル４２は、弾性にすることもできるし、或いはエラストマー性にすることもできる。
【００１９】
例えば、側部パネル４２は、ネック・ボンデッド・ラミネート（ＮＢＬ）材料や、ストレッチ・ボンデッド・ラミネート（ＳＢＬ）材料といったエラストマー材料とすることができる。こうした材料の製造方法は当業者には周知であり、Ｗｉｓｎｅｓｋｉ他に付与された１９８７年５月５日付の米国特許第４，６６３，２２０号、Ｍｏｒｍａｎに付与された１９９３年７月１３日付の米国特許第５，２２６，９９２号、及び、Ｔａｙｌｏｒ他による１９８７年４月８日付の欧州特許出願第ＥＰ０２１７０３２号に開示されており、これらの開示は引用によりここに組み込まれる。弾性を付与された側部パネルと選択的に構成されたファスナ・タブとを含む物品の例は、Ｒｏｅｓｓｌｅｒによる１９９５年６月２２日付のＰＣＴ特許出願第ＷＯ９５／１６４２５号、Ｒｏｅｓｓｌｅｒ他に付与された１９９５年３月２１日付の米国特許第５，３９９，２１９号、Ｆｒｉｅｓに付与された米国特許第５，５４０，７９６号、及び、Ｆｒｉｅｓに付与された米国特許第５，５９５，６１８号に開示されており、これらの開示は引用によりここに組み込まれる。
【００２０】
おむつ２０はまた、流体排出物が水たまりになるのを防ぎ、おむつ２０内での流体排出物の分散をさらに向上させるために、身体側ライナー３２と吸収体３４との間に配置されるサージ調整層４４を含むことができる。おむつ２０はさらに、吸収体３４から外側カバー３０を隔離して外側カバー３０の衣類対向面の湿気を減らすために、吸収体３４と外側カバー３０との間に配置される通気層（図示せず）を含むことができる。適切なサージ調整層４４の例は、Ｂｉｓｈｏｐに付与された米国特許第５，４８６，１６６号及びＥｌｌｉｓに付与された米国特許第５，４９０，８４６号に開示されており、それらの開示の全体が引用によりここに組み込まれる。
【００２１】
図１及び図２に代表的に示されるように、使い捨ておむつ２０は、身体排出物の横方向流出に対する障壁を与えるように形成された一対の閉じ込めフラップ４６を含むこともできる。閉じ込めフラップ４６は、吸収体３４の側縁に隣接したおむつ２０の横方向に相対する側縁に沿って配置可能である。閉じ込めフラップ４６の各々は、通常は、着用者の身体に対するシールを形成するために、おむつ２０の少なくとも中間部２６において直立した垂直な形を維持するように構成された、取り付けられていない縁を定める。閉じ込めフラップ４６は、吸収体３４の全長に沿って縦方向に延びていても良いし、吸収体３４の長さの一部分にのみ沿って延びていても良い。閉じ込めフラップ４６の長さが吸収体３４の長さより短い場合は、閉じ込めフラップ４６は、おむつ２０の中間部２６における側縁に沿って、どこにでも選択的に位置決めすることができる。本発明の特定の態様においては、閉じ込めフラップ４６は、身体排出物のより良好な収容のために吸収体３４の全長に沿って延びる。
こうした閉じ込めフラップ４６は当業者には広く周知である。例えば、閉じ込めフラップ４６に適した構成及び配置は、Ｋ．Ｅｎｌｏｅに付与された１９８７年１１月３日付の米国特許第４，７０４，９６号に開示されており、その開示は引用によりここに組み込まれる。
【００２２】
おむつ２０は適切な多様な形状をとることができる。例えばおむつは、全体として長方形、Ｔ字形、或いはほぼ砂時計形とすることができる。図示された実施形態では、おむつ２０は、ほぼＩ字形の形状をもつ。おむつ２０は更に、縦方向４８と、横方向５０と、縦方向中心線５４と、横方向中心線５２とを定める。本発明による吸収体物品に組み込むことができるその他の適切な構成材には、当業者に広く周知のウエスト・フラップなどが含まれる。
【００２３】
おむつへの使用に適したその他の構成材を含む、本発明に係る使用に適したおむつの形状の例は、Ｍｅｙｅｒ他に付与された１９８９年１月１７日付の米国特許第４，７９８，６０３号、Ｂｅｒｎａｒｄｉｎに付与された１９９３年１月５日付の米国特許第５，１７６，６６８号、Ｂｒｕｅｍｍｅｒ他に付与された１９９３年１月５日付の米国特許第５，１７６，６７２号、Ｐｒｏｘｍｉｒｅ他に付与された１９９３年３月９日付の米国特許第５，１９２，６０６号、及びＨａｎｓｏｎ他に付与された１９９６年４月２３日付の米国特許第５，５０９，９１５号に開示されており、それらの開示は引用によりここに組み込まれる。
【００２４】
おむつ２０の種々の構成材は、接着剤、超音波結合、熱結合、又はそれらの組み合わせといった種々の形式の適切な取り付け手段を使用して、一体的に組み立てられる。例えば、図示された実施形態では、身体側ライナー３２と外側カバー３０は、感圧式のホットメルト接着剤のような接着剤の線により、互いに及び吸収体３４に組み立てられる。同様に、弾性部材３６及び３８、締結部材４０、及びサージ層４４のようなその他のおむつ構成材は、上述の取り付け機構を用いて物品に組み立てられる。
【００２５】
本発明による物品は、独特な伸長性の外側カバー３０を含み、該外側カバー３０は、物品の外面の大部分にわたって延びるように作動的に取り付けられるか又は別の形で接合される伸長性の布地層を含む。伸長性の外側カバー３０が、物品の伸長しない部分か又は別の形で伸長を制限された部分に取り付けられていない区域では、該伸長性の外側カバー３０は、最小の力で自由に伸長するという利点をもち、大きな量の恒久的変形を呈する。所望の態様において、外側カバー３０は、縦方向４８、横方向５０、又は横方向と縦方向の両方の組み合わせに沿って伸長可能である。
【００２６】
具体的には、着用者の周りにおける物品の締結状態を改善し、着用者の特に後ウエスト部における腰部と臀部の被覆状態を改善し、ウエスト部の通気性の増大を提供するために、ウエスト部２２及び２４に配置された伸長性の外側カバー３０部分が横方向５０に伸長し、恒久的に変形できることが望ましい。例えば、ファスナ４０及び／又は側部パネル４２が、おむつ２０の後ウエスト部２４の側縁に沿って配置される場合には、収容及び美観を向上するために、後ウエスト部２４における外側カバー３０の少なくとも一部が、使用中に着用者の臀部の広い範囲を覆うように延びることが望ましい。臀部を覆う範囲の増大は、おむつ２０を着用者の周りに締結するため横方向の力が加えられた際の、後ウエスト部２４における外側カバー３０の恒久的な変形によるものである。
更に、向上された収容のために、吸収体３４の上に配置された伸長性の外側カバー３０の少なくとも一部が、使用中に伸びることができることも望ましい。例えば、吸収体３４が流体排出物を吸収して外向きに膨張するに伴い、伸長性の外側カバー３０は容易に伸びることができ、吸収体３４及び／又は物品のその他の構成材の膨張に対応して延びるようになり、より効果的に排出物を収容するための空隙容積を与えることができる。
【００２７】
伸長性の外側カバー３０の或る区域にエラストマー部材を取り付けることにより、伸長性の外側カバー３０を該区域において選択的に伸縮自在にすることができる。例えば、伸長性の外側カバー３０に脚部弾性体３６を取り付けることにより、伸長性の外側カバー３０を脚開口部の付近で伸縮自在にすることができる。更に、必要に応じて、伸長性の外側カバー３０の区域を実質的に伸長しない構成材に取り付けることによって、該カバーに実質的に伸長しない区域を形成することができる。例えば、後述するように、おむつ２０は、おむつ２０の前ウエスト部２２において伸長性の外側カバー３０に取り付けられる取付けパネルを含むことができる。取付けパネルが伸長しない材料でできている場合には、該取り付けパネルが、取り付けられた区域において外側カバー３０の伸長性を制限することになる。通常は、向上された性能を得るために、伸長性の外側カバー３０は使用中に伸張可能なままであることが望ましい。
【００２８】
本発明による伸長性の外側カバー３０は、張力がかかった時に選択された伸びを与え得ることが望ましい。伸長性の外側カバー３０はまた、張力がかけられ、次いで該張力が除去されてから選択された時間だけ緩められた時に、選択された変形を持続できることが望ましい。選択された時間の計測は、張力を除去した直後に始まる。持続的な変形は、ほぼ恒久的な変形であることが望ましい。選択された伸び及び持続された変形を、物品の少なくとも横方向５０に沿って生じさせることができる。随意的に、選択された伸び及び持続された変形を、物品の縦方向４８に沿って生じさせることもできるし、物品の横方向と縦方向の両方に沿って生じさせることもできる。
【００２９】
特定の態様において、伸長性の外側カバー３０は、ここに説明する材料の伸び及び変形引張試験によって、試験サンプルの幅１インチ当たり（２．５４ｃｍ当たり）１００ｇｍｆの張力がかかった時に、少なくとも約１０パーセント、望ましくは少なくとも約２０パーセント、より望ましくは少なくとも約３０パーセント、更に望ましくは少なくとも約４０パーセントの伸びを与えることができる。伸びが上述したものより少ないと、ここで論じる改善された締結、収容、増大された臀部の被覆及び通気性のために所望される膨張を与えることができない。他の態様においては、伸長性の外側カバー３０は、ここに説明する材料の伸び及び変形引張試験によって、試験サンプルの幅１インチ当たり（２．５４ｃｍ当たり）１００ｇｍｆの張力がかかった時に、約１０パーセントから約２００パーセントまで、望ましくは約３０パーセントから約１００パーセントまでの伸びを与えることができる。
【００３０】
幾つかの態様では、伸長性の外側カバー３０はまた、ここに説明する材料の伸び及び変形引張試験によって、試験サンプルの幅１インチ当たり（２．５４ｃｍ当たり）１００ｇｍｆの張力がかかった時に、少なくとも約１０パーセント、望ましくは少なくとも１５パーセント、特定的には少なくとも約１７パーセント、より望ましくは少なくとも約２０パーセント、更に望ましくは少なくとも約２５パーセント、もっと望ましくは少なくとも約３０パーセントのほぼ恒久的な変形を与えることができる。ほぼ恒久的な変形が上述したものより少ないと、ここで論じる向上された締結、収容、増大された臀部の被覆、及び通気性を与えることができない。更に他の態様においては、伸長性の外側カバー３０は、ここに説明する材料の伸び及び変形引張試験によって、試験サンプルの幅１インチ当たり（２．５４ｃｍ当たり）１００ｇｍｆの張力がかかった時に、約１０パーセントから約２００パーセント、望ましくは約１７パーセントから約１００パーセントまでのほぼ恒久的な変形を与えることができる。
【００３１】
特定の態様においては、向上された性能を得るために、伸長性の外側カバー３０は、上述のような伸びとほぼ恒久的な変形との組み合わせを与えることができる。
外側カバー３０の伸び、伸張、又は恒久的な変形の特性は、外側カバー３０が乾燥している時に求められることに注意されたい。さらに、伸び、伸張、又は恒久的な変形は、以下の式に従って算出することができる。
１００＊（Ｌ−Ｌ_０）／（Ｌ_０）
ここでＬ＝　ａ）伸び又は伸張に関する伸びた長さ、又は、ｂ）歪み又は変形に関する伸長を与えた後の長さ、のどちらかであり、Ｌ_０＝最初の長さである。
【００３２】
本発明の異なる態様における伸長性の外側カバー３０の伸張及び永久固定すなわち恒久的な変形は、物品が、使用中に着用者の腰の周りに引き上げたり、引き下ろしたりすることができる、従来のトレーニングパンツ又は予め締結されたおむつのようなパンツ状の形状に形成される時に、特に重要である。例えば、図５に代表的に示されるように、製造過程でファスナ４０を相対するウエスト部に取り外し可能に係合させることにより、おむつ２０は、包装する前に予め締結されたパンツ状の形状に形成することができる。こうした形状において、おむつ２０、具体的にはおむつ２０のウエスト部２２及び２４は、おむつ２０が着用者の腰上に引っ張り上げられるように、伸張可能でなければならない。ここに説明するような伸長性の外側カバーを使用することで、おむつ２０を予め締結された形状で機能させるのに必要な程度の伸長性を与えることができる。
【００３３】
例えば、物品が、予め締結されたパンツ状の形状に形成される実施形態において、伸長性の外側カバー３０は、ここに説明する材料の伸び及び変形引張試験によって、試験サンプルの幅１インチ当たり（２．５４ｃｍ当たり）１００ｇｍｆの張力がかかった時に、少なくとも約２０パーセント、より望ましくは少なくとも約３０パーセントの伸びと、少なくとも約１７パーセント、より望ましくは少なくとも約２０パーセントのほぼ恒久的な変形とを与えることが望ましい。
【００３４】
図５に示されるように、パンツ状のおむつ２０は、ファスナ４０がおむつ２０を予め締結された形状に維持するのを助けるために、それぞれのウエスト部の間に受動的な結合５６を含むことができる。こうした受動的な結合を含んでいる吸収体物品とその製造方法はさらに、１９９８年６月１９日にＥｌｓｂｅｒｇにより出願され、譲渡された発明の名称「受動的な側部の結合及び調節可能な締結システムをもつ使い捨て吸収体物品」の米国特許出願第０９／１００，５７４号と、１９９８年６月１９日にＭｃＮｉｃｈｏｌｓにより出願され、譲渡された発明の名称「予め締結された側部パネルを備えた吸収体物品の製造方法及び同方法により製造される吸収体物品」の米国特許出願第０９／１００，８２５号に開示されており、それらの開示は引用によりここに組み込まれる。
【００３５】
本発明の異なる態様における伸長性の外側カバー３０又は少なくともその一部は、物品の外に蒸気を透過させて、おむつ２０内部の湿度レベルを効果的に減少させることができるように、実質的に蒸気透過性すなわち通気性であることが望ましい。伸長性の外側カバー３０の蒸気透過性は、吸収体物品の通気性を高め、外側カバー３０の衣類対向面に水などの蒸気が過度に凝結して着用者の衣類が湿ってしまうことなく、使用中の着用者の肌の加湿を低減するように定められる。
【００３６】
望ましくは、伸長性の外側カバー３０は、少なくとも水蒸気に対しては浸透性となるように構成される。例えば、特定の実施形態において、伸長性の外側カバー３０は、ここに説明するモコン（Ｍｏｃｏｎ）水蒸気透過率試験に従って、非伸張状態で少なくとも約８００ｇ／ｓｑ．ｍ／２４ｈｒ、望ましくは少なくとも約１２００ｇ／ｓｑ．ｍ／２４ｈｒ、更に望ましくは少なくとも約２０００ｇ／ｓｑ．ｍ／２４ｈｒ、もっと望ましくは少なくとも約３０００ｇ／ｓｑ．ｍ／２４ｈｒの水蒸気透過率（ＷＶＴＲ）を示す。こうした実施形態では、伸長性の外側カバー３０は、約８００ｇ／ｓｑ．ｍ／２４ｈｒから約６０，０００ｇ／ｓｑ．ｍ／２４ｈｒまでの範囲のＷＶＴＲを示す。材料のもつＷＶＴＲが上述のものより低いと、おむつから十分な量の水蒸気を放散させることができず、肌の加湿の程度が増すという望ましくない結果をもたらすことになる。
【００３７】
使用中に、伸長性の外側カバーの少なくとも一部は、該部分が向上した通気性レベルを呈するように、少なくとも部分的に伸長され、恒久的に変形される。例えば、図３及び図４に代表的に示されるように、おむつ２０が着用者の周りに締結されるか、又はおむつが着用者の臀部を覆うように引っ張り上げられて、ファスナ４０が横方向５０に伸張される時に、伸長性の外側カバー３０に加えられた力によって、外側カバー３０の少なくともファスナ４０間の部分が、伸張し、恒久的に変形することになる。ファスナ間の区域における外側カバー３０の恒久的な変形又は永久歪みによって、そうした区域における外側カバー３０の通気性レベルが上昇することになる。例えば、ファスナ４０及び／又は側部パネル４２が、おむつ２０の後ウエスト部２４の側縁に沿って配置される場合には、後ウエスト部２４における外側カバー３０の少なくとも一部が、使用中に上昇された通気性レベルを呈することが望ましい。通気性の増大は、着用者の周りにおむつ２０を締結するために横方向の力が加えられる際の外側カバー３０の恒久的な変形によるものである。したがって、使用に際して、本発明の異なる態様による物品は、使用中に増大された通気性レベルを呈する区域又はゾーンを提供することができる。
【００３８】
使用中に増大された通気性レベルを予測するのに適した方法は、伸長され、２５パーセント伸長で保持される前の、外側カバー３０のサンプルの通気性を計測することである。本発明による物品の伸長性の外側カバー３０のサンプルは、２５パーセント伸長されている時に、少なくとも約１０パーセント、より望ましくは少なくとも約２５パーセント、更に望ましくは少なくとも約５０パーセント、もっと望ましくは少なくとも約１００パーセントの通気性の増大を与えることが望ましい。通気性の増大が上述したものより少ないと、所望のレベルの向上された通気性を与えることができない。サンプルの通気性は、ここに説明するモコン水蒸気透過率を用いて求められる。モコン試験中に、サンプルが２５パーセント伸長状態に保持されることを保証するために、３Ｍ社から市販されている両面テープのような接着剤をモコン・サンプルホルダの片面に貼り付けて、該接着剤によりサンプルの収縮を防ぐことができる。
【００３９】
特定の実施形態において、伸長性の外側カバー３０は、非伸張状態で少なくとも約８００ｇ／ｓｑ．ｍ／２４ｈｒ、望ましくは少なくとも約１２００ｇ／ｓｑ．ｍ／２４ｈｒ、より望ましくは少なくとも約２０００ｇ／ｓｑ．ｍ／２４ｈｒ、更に望ましくは少なくとも約３０００ｇ／ｓｑ．ｍ／２４ｈｒの水蒸気透過率を示し、向上された性能を得るために該伸長性の外側カバーが横方向５０に２５パーセント伸長で保持される際に、上述したように通気性が増大する。
【００４０】
典型的には、おむつ２０を着用者のウエストの周囲に締結する際に外側カバー３０にかかる力は、おむつ２０の前ウエスト部２２及び後ウエスト部２４の少なくとも一方に局所化される。その結果、着用者の周囲に最初に締結する際に生じたファスナ４０の伸びは、前ウエスト部２２及び後ウエスト部２４の少なくとも一方における外側カバー３０の伸長及び恒久的な変形を引き起こす傾向がある。外側カバー３０のそうした恒久的な変形によって、おむつ２０の前ウエスト部２２及び後ウエスト部２４の少なくとも一方の通気性が増大することになる。
【００４１】
着用者の周囲におむつ２０を締結する際に、おむつ２０の中間部２６における外側カバー３０の通気性が実質的に増大することなく、ウエスト部２２及び２４の少なくとも一方における通気性の増大が生じることが望ましい。例えば、図３及び図４に示されるように、伸長性の外側カバー３０は、ファスナ４０間において、使用前に非伸長距離６０を呈し、使用に際して物品を着用者のウエストの周囲に締結した後に、伸長した距離６２を呈する。図４に見られるように、ファスナ４０の横方向５０の伸長によって、後ウエスト部２４におけるファスナ４０間の外側カバー３０が伸長するが、おむつ２０の横方向中心線５２沿いの外側カバー３０には、いかなる実質的な伸長も生じない。これにより、おむつ２０は使用中に、ウエスト部２２及び２４とおむつ２０の中間部２６との間に、縦方向に通気性勾配を与えることができる。こうした縦方向の通気性勾配は、流体放出の大部分を受け入れるように意図されたおむつ２０の一部分、すなわちおむつ２０の中間部２２が、おむつ２０のウエスト部２２及び２４より低いレベルの通気性を呈することから、外側カバーに過度の湿気及び／又は漏れを生じることなく、おむつ２０の内部の水蒸気すなわち湿度の減少を向上させることができる。
【００４２】
したがって、伸長性の外側カバー３０は、使用中に、おむつ２０の中間部２６における外側カバー３０の通気性レベルと比較して、おむつ２０のウエスト部２２又は２４に、より高レベルな通気性ゾーンを提供できることが望ましい。ウエスト部、特に後ウエスト部に位置する吸収体３４部分は、通常は、使用中に該吸収体のその他の部分より乾燥したままである。したがって、使用中に、少なくとも後ウエスト部における乾燥した吸収体は、肌付近の水蒸気がウエスト部の高通気性ゾーンを通って逃げるための通路を与え、これにより、直接的に肌の加湿が減少される。しかし、中間部２６における外側カバー３０部分がこのような高通気性レベルをもつと、該部分は使用中に最も飽和する可能性のある領域となるので、外側カバー３０上に望ましくない湿気と凝結が生じかねない。更に、中間部２６における外側カバーの高い通気性レベルは、吸収体の衣類側を部分的に乾燥させることができるが、通常は、吸収体が飽和した後に肌の加湿を顕著に減少させることはない。したがって、本発明のおむつの伸長性の外側カバー３０により提供されるウエスト部の高通気性ゾーンは、肌の加湿を減らし、肌の健康状態を向上させることができる。
【００４３】
本発明の異なる態様における伸長性の外側カバー３０はまた、おむつの側縁がおむつの中心部より高レベルの通気性をもつように、横方向の通気性勾配を与えることができる。例えば、外側カバー３０が吸収体３４のようなおむつ２０のその他の構成材に取り付けられる場合には、ファスナ４０の横方向５０の伸長によって、吸収体３４の横方向外側部分のような外側カバーの取り付けられていない部分が、取り付けられた部分より多く伸ばされる。これにより、吸収体３４に重ねられ、該吸収体に取り付けられた外側カバー３０の通気性を実質的に増大させることなく、取り付けられていない部分の通気性を増加させることができる。したがって、おむつ２０はまた、使用中におむつの中心と側縁との間に横方向の通気性勾配を与えることができる。こうした横方向の通気性勾配は、吸収体３４上の外側カバー３０部分がおむつ２０の側縁より低いレベルの通気性を呈することから、外側カバーに過度の湿気及び／又は漏れを生じさせることなく、おむつ２０の内部の水蒸気又は湿度を減少させることができる。
【００４４】
使用中のそうした横方向及び縦方向の通気性勾配を予測する適切な方法は、ここに説明する製品変形試験である。通常、縦方向の通気性勾配を求めるには、おむつのファスナ４０の間の縦方向中心線沿いに位置する外側カバー３０の通気性を計測し、おむつ２０のファスナ４０に横方向５０に２０００ｇｍｆの張力を４サイクル適用し、その伸長量のまま１分間保持し、次いで、周期的な張力を除去し、それから少なくとも２４時間弛緩させた後に、おむつ２０の中間部２６における外側カバー３０の通気性と比較する。
【００４５】
望ましくは、本発明による物品の伸長性の外側カバー３０は、製品変形試験を受けた際に、該物品の外側カバー３０のウエスト部２２又は２４の区域と中間部２６の区域との間に、少なくとも約１．２５、より望ましくは少なくとも約１．５０、更に望ましくは少なくとも約１．７５、もっと望ましくは少なくとも約２．００の縦方向の通気性勾配比を与える。例えば、本発明による物品の伸長性の外側カバー３０は、向上された性能を得るために、約１．２５から約３０．００までの範囲の縦方向の通気性勾配比を与えることができる。縦方向の通気性勾配比が上述したものより少ないと、所望のレベルの増大された通気性を与えることができず、すなわち使用中におむつの中間部において外側カバーに過剰な水分をもたらすことになる。
【００４６】
特定の実施形態においては、伸長性の外側カバー３０は、非伸張状態で少なくとも約８００ｇ／ｓｑ．ｍ／２４ｈｒ、望ましくは少なくとも約１２００ｇ／ｓｑ．ｍ／２４ｈｒ、より望ましくは少なくとも約２０００ｇ／ｓｑ．ｍ／２４ｈｒ、更に望ましくは少なくとも約３０００ｇ／ｓｑ．ｍ／２４ｈｒの水蒸気透過率と、向上された性能を得るために、製品変形試験を受けた際に、物品の外側カバー３０のウエスト部２２及び２４の区域と中間部２６の区域との間に上述のような縦方向の通気性勾配比とを示す。
【００４７】
通常は、横方向の通気性勾配を求めるには、おむつ２０のファスナ４０に横方向５０に２０００ｍｇｆの張力を４サイクル適用し、各々その伸長量のまま１分間保持し、次いで、周期的な張力を除去し、それから少なくとも２４時間弛緩させた後に、物品の縦方向中心線５４と、ファスナ４０の中心の間の横線との交差点を中心とする外側カバー３０の部分を切り取り、さらに、物品の横方向に相対する側縁に沿うファスナに隣接し、かつファスナ４０の中心の間の横線を中心とする外側カバー３０の部分も切り取る。
両方の部分が、ここに説明するモコン水蒸気透過試験を受け、その結果が記録される。次に、ファスナ４０付近から切り取られた外側カバー３０の部分の通気性を、ファスナ４０の間の物品の縦方向中心線５４沿いに切り取られた外側カバーの部分で割ることにより、外側カバー３０の横方向の通気性勾配比が求められる。
【００４８】
望ましくは、本発明による物品の伸長性の外側カバー３０は、製品変形試験を受けた際に、該物品の外側カバー３０のウエスト部２２及び２４の区域と中間部２６の区域との間に、少なくとも約１．２５、より望ましくは少なくとも約１．５０、更に望ましくは少なくとも約１．７５、もっと望ましくは少なくとも約２．００の横方向の通気性勾配比を与える。例えば、本発明による物品の伸長性の外側カバー３０は、向上された性能を得るために、約１．２５から約１０．００までの範囲の横方向の通気性勾配比を与えることができる。横方向の通気性勾配比が上述したものより少ないと、所望のレベルの増大された通気性を与えることができない、すなわち使用中のおむつの吸収体の上に位置する外側カバーに過剰な水分をもたらすことになる。
【００４９】
特定の実施形態では、伸長性の外側カバー３０は、非伸長状態で少なくとも約８００ｇ／ｓｑ．ｍ／２４ｈｒ、望ましくは少なくとも約１２００ｇ／ｓｑ．ｍ／２４ｈｒ、より望ましくは少なくとも約２０００ｇ／ｓｑ．ｍ／２４ｈｒ、更に望ましくは少なくとも約３０００ｇ／ｓｑ．ｍ／２４ｈｒの水蒸気透過率を示し、向上された性能を得るために製品変形試験を受けた際に上述のような横方向の通気性勾配比を与える。
【００５０】
本発明の種々の構成において、伸長性の外側カバー３０はまた、水性の液体に対して実質的に不透過性となるように構成される。例えば、外側カバー３０は、実質的に該外側カバーを通る漏れを生じさせることなく、選択された水の水頭圧に対応することが可能な構造を持つことができる。材料の液体浸透に対する抵抗性を計測するのに適した技術は、１９７８年の連邦標準試験方法標準規格ＦＴＭＳ１９１の方法５５１４か、又はその同等物である。外側カバー３０は伸長性であることから、この試験のために外側カバー材料を支持するのに厚さ約０．１ｍｍのナイロンネット材料層が必要とされる。ネット材料は、ほぼ４ｍｍの幅の開口をもつ六角形パターン又はハニカム状パターンに配置されたナイロン糸により形成される。ネット材料は、例えばウォルマート・ストアからＴ−２４６という商品名で購入することができる。ネット材料は液体透過性であり、得られる水頭圧値に顕著な影響は及ぼさない。伸長性の外側カバー３０は、液体物質及び半液体物質に対して十分に不透過性であり、尿や便のような排泄物の望ましくない漏れを実質的に防ぐ。例えば、伸長性の外側カバー３０は、実質的な漏れなしに少なくとも約４５センチメートル（ｃｍ）の水頭圧を支持できることが望ましい。或いは、伸長性の外側カバー３０は、向上された利益を与えるためには、少なくとも約５５ｃｍの水頭圧を支持することができ、随意的には少なくとも約６０ｃｍ又はそれ以上の水頭圧を支持することができる。
【００５１】
伸長性の外側カバー３０は、ここに説明する所望の特性を与えることが可能な種々の材料から構成される。例えば、伸長性の外側カバー３０は、ネック加工した布、クレープ加工された布、捲縮した繊維の布、伸長性の繊維の布、ボンデッド・カーデッド布、マイクロプリーツ加工された布、ポリマーフィルムなど、並びにこれらの組み合わせから構成される。この布は、織布であってもよいし、スパンボンド布のような不織布であってもよい。特定の実施形態において、伸長性の外側カバー３０は、２層又はそれ以上の層の伸長性のラミネートから構成することがきる。例えば、伸長性の外側カバー３０は、少なくとも１枚の伸長可能なフィルム材料にラミネートされた少なくとも１枚のネック加工可能な布から形成され、該ネック加工されたラミネートは少なくとも一方向に伸長可能である。伸長性の外側カバー３０は、別様に、少なくとも１枚の伸長可能なフィルム材料にラミネートされた少なくとも１枚のネック加工した布から形成されたラミネートとすることもできる。こうした構成では、ラミネートはネック加工される必要はない。本開示の目的において、「不織ウェブ」という用語は、織物の製織工程又は編成工程の助けを借りずに形成された繊維材料のウェブを意味する。「布」という用語は、織られた繊維のウェブ、編まれた繊維のウェブ及び不織繊維のウェブの全てを指すのに用いられる。
【００５２】
ここで使用される「ネック」又は「ネック延伸」という用語は、区別なく、布の長さを増すために延伸及び伸長させることにより、布の幅すなわち横方向の寸法が減少する状態で伸張されるように布が引っ張られることを意味する。制御された引っ張りは、低温、室温、又はより高い温度で行うことができ、全体的な寸法の増加は、布が破れるのに必要な伸長量まで伸ばされる方向における増加に限定される。ネッキング工程は、通常は、供給ロールからシートを繰り出し、該シートを、所定の線速度で駆動されるブレーキ・ニップ・ロール組立体に通すことを含む。ブレーキ・ニップ・ロールより高い線速度で作動する引取ロールすなわちニップが、布を引っ張って、布を伸長し及びネック加工するのに必要な張力を生じさせる。Ｍ．Ｔ．Ｍｏｒｍａｎに付与された１９９０年１０月２３日付の発明の名称「可逆的にネック加工された材料」の米国特許第４，９６５，１２２号には、材料をネッキングし、次いでネック加工された材料を加熱して、その後に冷却することを含む、可逆的にネック加工された不織材料を提供するプロセスが開示されており、その開示全体は、引用によりここに組み込まれる。
【００５３】
ここで使用される「ネック加工可能な材料又は層」という用語は、不織材料、織られた材料、又は編まれた材料のようなネック加工できる材料のいずれをも意味する。ここで使用される「ネック加工された材料」という用語は、横方向の寸法（例えば幅）を減らしながら少なくとも一方向（例えば長さ方向）に引っ張られ、引っ張る力が解除された時に元の幅に引き戻される材料のいずれをも指す。ネック加工された材料は、通常は、単位面積当たり、ネック加工されていない材料より高い坪量をもつ。ネック加工された材料が元のネック加工されていない幅に引き戻されれば、該材料は、ネック加工されていない材料とほぼ同じ坪量を有するはずである。これは、加工する間に層が薄くなり、坪量が恒久的に減少する、材料層の延伸／配向とは異なる。
【００５４】
典型的には、そのようなネック加工された不織布材料は、約８０パーセントまでネック加工されることが可能である。例えば、本発明の種々の態様による伸長性の外側カバー３０は、向上された性能を得るために、約１０パーセントから約８０パーセントまで、望ましくは約２０パーセントから約６０パーセントまで、より望ましくは約３０パーセントから約５０パーセントまでの範囲でネック加工された材料によって与えられる。本開示の目的において、「ネック加工率」又は「ネックダウン率」という用語は、ネック加工可能な材料のネック加工前の寸法とネック加工された寸法との差を計測し、次にその差をネック加工可能な材料のネック加工前の寸法で割り、百分率で表すために１００をかけることにより算出された比率すなわち百分率を意味する。ネッキング率（ネック加工率）は、上述の米国特許第４，９６５，１２２号の記載に従って算出可能である。
【００５５】
特定の実施形態においては、伸長性の外側カバー３０は、液体不透過性及び蒸気透過性並びに所望のレベルの伸長性を与えるために、ネック加工されたラミネート材料から製造される。例えば、伸長性の外側カバー３０は、少なくとも１枚のフィルム材料にラミネートされた少なくとも１枚のネック加工可能な布のシート層から形成されるネック加工されたラミネートとすることができ、該ネック加工されたラミネートは、少なくとも１つの方向に伸長可能であり、認めうるほどには収縮しない。永久歪みを増加させ、費用を減らし、生産効率を上げるために、ネック加工可能な布とフィルム材料との両方は、非弾性材料であることが望ましい。
【００５６】
「非弾性」という用語の意味することは、シート層が、一般に非弾性と考えられるポリマーから製造されるということである。言い換えれば、そうした非弾性ポリマーを用いてシート層を形成すれば、弾性のないシート層が得られる。ここで用いる「弾性の」という用語は、付勢力が与えられると少なくとも約６０パーセント延伸可能すなわち伸長可能であり（すなわち、延伸され付勢された状態において、弛緩した付勢されていない長さの少なくとも約１６０パーセントの長さになり）、延伸し伸長する力を緩めると即座にその伸長の少なくとも５５パーセントの長さに戻る材料のいずれをも意味する。
【００５７】
少なくとも１枚の非弾性フィルム材料にラミネートされた少なくとも１枚の非弾性のネック加工可能な材料を含む、適切なネック加工されたラミネートは、１９９９年１２月６日に出願された発明の名称「横方向に伸長可能及び収縮可能な非弾性シート層のネック加工されたラミネート」の米国特許出願第０９／４５５，５１３号に記載されており、その開示全体が引用によりここに組み込まれる。
こうした構成では、非弾性フィルム層は、キャストフィルム装置か又はブローン・フィルム装置のいずれかから製造することができ、必要に応じて、共押し出しすることもできるし、エンボス加工することもできる。フィルム層は、適切な非弾性ポリマー組成物のいずれかから製造することができ、また多数の層を含むことができる。非弾性フィルム層は通気性にすることができる。例えば、非弾性フィルム層は、微小孔をもつ充填剤として例えば炭酸カルシウム、不透明剤として例えば二酸化チタン、及び粘着防止剤として珪藻土などを含むことができる。非弾性フィルム層に適したポリマーは、これらに限定する意味ではないが、ポリオレフィン又はポリオレフィン配合物、ナイロン、ポリエステル、及びエチレンビニルアルコールのような非弾性の押出し可能なポリマーを含む。より具体的には、有用なポリオレフィンには、ポリプロピレンとポリエチレンが含まれる。その他の有用なポリマーは、Ｓｈｅｔｈに付与されエクソン・ケミカル・パテンツ・インク社に譲渡された米国特許第４，７７７，０７３号に開示されている、ポリプロピレンと低密度ポリエチレン又は線状低密度ポリエチレンの共重合体などを含む。
【００５８】
フィルム層のための別のポリマーは、メタロセン工程により製造される「メタロセン」ポリマーのようなシングルサイト触媒のポリマーと呼ばれ、かつ限定された弾性特性を有するものを含む。ここで用いる「メタロセン触媒によるポリマー」という用語は、触媒として有機金属錯体の類であるメタロセンすなわち拘束された幾何学的構造をもつ触媒を使用して、少なくともエチレンを重合させて製造されるポリマー材料を含む。例えば、一般的なメタロセンは、フェロセンであり、２つのシクロペンタジエニル（Ｃｐ）配位子の間に金属をもつ錯体である。こうしたメタロセン・ポリマーは、テキサス州ベイタウンのエクソン・ケミカル・カンパニーから、ポリプロピレン・ベースのポリマーについてはＥＸＸＰＯＬ（登録商標）の商標名で、ポリエチレン・ベースのポリマーについてはＥＸＡＣＴ（登録商標）の商標名で入手可能であり、またミシガン州ミッドランドのダウ・ケミカル・カンパニーから、ＥＮＧＡＧＥ（登録商標）の名称で入手可能である。好ましくは、メタロセン・ポリマーは、エチレンと１−ブテンの共重合体、エチレンと１−ヘキセンの共重合体、エチレンと１−オクテンの共重合体、及びそれらの組み合わせの中から選択される。
【００５９】
そのような構成に適したネック加工可能な非弾性材料は、上述の米国特許第４，９６５，１２２号に記載されているような、不織ウェブ、織られた材料、及び編まれた材料を含む。不織布又はウェブは、例えばボンデッド・カーデッド・ウェブ加工、メルトブロー加工及びスパンボンド加工といった多数の工程から成形されてきた。ネック加工可能な非弾性材料は、弾性のないポリマー繊維及びフィラメントの中から選択された少なくとも１つの部材から成形されることが好ましい。そうしたポリマーは、例えばポリエチレン・テレフタレートといったポリエチレンと、例えばポリエチレン及びポリプロピレンといったポリオレフィンと、例えばナイロン６及びナイロン６６といったポリアミドとを含む。これらの繊維又はフィラメントは、単独使用されるか、或いはそのうち２つ又はそれ以上を混合して使用される。ネック加工可能な非弾性材料を形成するのに適した繊維は、天然繊維及び合成繊維、並びに、２成分繊維、多成分繊維、及び成形加工されたポリマー繊維を含む。本発明による繊維の製造のために多数のポリオレフィンが入手可能であり、例えば繊維を形成するポリプロピレンは、エクソン・ケミカル・カンパニー社のＥｓｃｏｒｅｎｅ（登録商標）ＰＤ３４４５ポリプロピレン、及びハイモント・ケミカル・カンパニー社のＰＦ−３０４を含む。ダウ・ケミカル社のＡＳＰＵＮ（登録商標）６８１１Ａ線状低密度ポリエチレンと、２５５３ＬＬＤＰＥ及び２５３５５及び１２３５０高密度ポリエチレンなどのようなポリエチレンも、適切なポリマーである。不織ウェブ層は、所定の結合表面積をもつ分散した結合パターンを与えるように結合することができる。ネック加工可能な材料上に存在する結合面積が多すぎると、ネック加工する前に材料が破れることになる。結合面積が十分にないと、ネック加工可能な材料が裂けてしまう。通常は、本発明において有用な結合面積の割合は、ネック加工可能な材料の面積の５パーセントあたりから４０パーセントあたりまでの範囲にわたる。
【００６０】
接着剤結合、点結合、熱点結合、及び超音波溶着を含む、当該技術分野では公知の従来の方法により、非弾性フィルム層をネック加工可能な材料に貼り付けて、ラミネートを形成することができる。次にラミネートは、ラミネートを延伸又はネック加工するために、典型的にはウェブの表面速度を変えるという従来のネッキング工程によりネック加工される。そうしたネッキングにより、フィルム及び／又はラミネートに線状のしわが形成され、その結果、ネック加工されたラミネートに横方向の伸長性及び収縮性が与えられ、より「布に近い」外観がもたらされる。詰まったフィルム層を延伸及び配向すると、フィルムに微小孔が形成されるが、通常は延伸してもフィルム層に縦方向の線状のしわが形成されないことは公知である。その代わりに、フィルム層は物理的により薄くなり、わずかに幅が狭くなる。ラミネートをネッキングすることにより、非弾性フィルム層に取り付けられたネック加工可能な非弾性材料がネッキング状態となり、非弾性フィルム層を一緒に動かし、これによりフィルムに縦方向の線状のしわが形成され、フィルム層が横方向に伸長できるようになる。
【００６１】
本発明の異なる態様による外側カバー３０を形成するのに使用可能な別のネック加工されたラミネート材料は、１９９９年１２月１４日付で出願された発明の名称「着用者の外形に恒久的に適合する通気性のラミネート」の米国特許出願第０９／４６０，４９０号に開示されており、その開示の全体が引用によりここに組み込まれる。
【００６２】
図１に代表的に示されるように、身体側ライナー３２は、着用者の肌に対して適合性のある、柔軟な感触の、刺激のない身体対向面をもつ。更に、身体側ライナー３２は、吸収体３４より親水性が低くてもよく、液体透過性となるのに十分に多孔質であり、液体がその厚みを容易に浸透して吸収体組成物に達することができるようになっている。適切な身体側ライナー層３２は、多孔質の発泡体、網状の発泡体、穿孔されたプラスチック・フィルム、天然繊維（例えば木材繊維又は綿繊維）、合成繊維（例えば、ポリエステル繊維又はポリプロピレン繊維）、或いは天然繊維と合成繊維の組み合わせといったウェブ材料の幅広い選択肢から製造することができる。身体側ライナー層３２は、通常は、着用者の肌を吸収体３４に保持された液体から隔離する一助とするために用いられる。
【００６３】
身体側ライナー３２には種々の織布及び不織布を使用することができる。身体側ライナーは、例えば、所望の繊維をメルトブローしたウェブ又はスパンボンドしたウェブで構成することもできるし、ボンデッド・カーデッド・ウェブであってもよい。異なる繊維デニールをもつ異なる材料の層も使用可能である。多様な布が、天然繊維、合成繊維、又はそれらの組み合わせから構成される。身体側ライナー３２は、実質的に疎水性の材料で構成することができ、疎水性材料は、所望のレベルの湿潤性と親水性を付与するために、随意的に界面活性剤で処理されるか又は他の手法で処理される。本発明の特定の実施形態において、身体側ライナー３２は、約２２ｇｓｍの坪量と約０．０６ｇｍ／ｃｃの密度を有するウェブに形成された、約２．８デニールから約３．２デニールの繊維からなる不織のスパンボンド・ポリプロピレン布である。この布は、約０．２８パーセントのＴｒｉｔｏｎ　Ｘ−１０２界面活性剤のような作動可能な量の界面活性剤で表面処理することができる。界面活性剤は、スプレー、プリント、ブラシ・コーティングなどといった従来の手法のいずれかを用いて塗布することができる。
【００６４】
特定の実施形態においては、身体側ライナー３２は、外側カバー３０と共に伸長して、上述の改善された締結状態、フィット性、及び収容性を与えるのに役立つように、伸長性であることが望ましい。身体側ライナー３２は、例えば、ネック加工された布、クレープ加工された布、マイクロプリーツ加工された布、穿孔されたポリマーフィルム等、並びにそれらの組み合わせといった多様な伸長性材料から構成することができる。この布は、織られた材料であってもよいし、弾性又は非弾性のスパンボンド布のような不織材料であってもよい。そうした伸長性の身体側ライナー３２に適した製造技術と、好適なネック加工された不織布材料の例は、１９９０年１０月２３日付のＭ．Ｔ．Ｍｏｒｍａｎによる発明の名称「反転可能にネック加工された材料」の米国特許第４，９６５，１２２号に記載されている。
【００６５】
費用を減らし、生産効率を上げるために、身体側ライナー３２はネック加工可能な非弾性材料から製造されることが望ましい。そうした構成に適したネック加工可能な非弾性材料は、不織ウェブ、織られた材料、及び編まれた材料を含む。こうしたウェブは、１層又はそれ以上の布の層を含むことができる。不織布又はウェブは、例えばボンデッド・カーデッド・ウェブ加工、メルトブロー加工及びスパンボンド加工といった多数の工程から成形されてきた。ネック加工可能な非弾性材料は、弾性のないポリマーの繊維及びフィラメントの中から選択された少なくとも１つの部材から成形されることが好ましい。そうしたポリマーは、例えばポリエチレン・テレフタレートといったポリエチレン、例えばポリエチレン及びポリプロピレンといったポリオレフィン、例えばナイロン６及びナイロン６６といったポリアミドを含む。これらの繊維又はフィラメントは、単独使用されるか、或いはそのうち２つ又はそれ以上を混合して使用される。ネック加工可能な材料を形成するのに適した繊維は、天然繊維及び合成繊維、並びに、２成分繊維、多成分繊維、及び成形加工されたポリマー繊維を含む。本発明による繊維の製造のために多数のポリオレフィンが入手可能であり、例えば繊維を形成するポリプロピレンは、エクソン・ケミカル・カンパニーのＥｓｃｏｒｅｎｅ（登録商標）ＰＤ３４４５ポリプロピレン、及びハイモント・ケミカル・カンパニーのＰＦ−３０４を含む。ダウ・ケミカル社のＡＳＰＵＮ（登録商標）６８１１Ａ線状低密度ポリエチレンと、２５５３ＬＬＤＰＥ及び２５３５５及び１２３５０高密度ポリエチレンといったポリエチレンも好適なポリマーである。不織ウェブ層は、所定の結合表面積をもつ分散された結合パターンを与えるように結合することができる。ネック加工可能な材料上の結合面積が多すぎると、ネック加工する前に材料が破れる。結合面積が十分にないと、ネック加工可能な材料は裂けてしまう。典型的には、本発明における有用な結合面積の割合は、ネック加工可能な材料の面積の５パーセント前後から４０パーセント前後の範囲にわたる。
【００６６】
身体側ライナー３２に特に適した伸長性材料は、例えば、約５ｇｓｍから約３０ｇｓｍまでの坪量を有するポリプロピレン繊維のネック加工されたスパンボンド・ウェブである。そうしたウェブは、約８０パーセントまでネック加工することができる。
ネック加工可能な材料は、材料を引っ張り又はネック加工するために典型的にはウェブの表面速度を変えるといった従来のネッキング工程によりネック加工されて、伸長性の身体側ライナー３２を形成する。そうしたネック加工をすると、材料が横方向に伸長及び収縮できるようになる。上述のように、そうしたネック加工された不織布材料は、通常は約８０パーセントまでネック加工されることが可能である。例えば、本発明の種々の態様による伸長性の身体側ライナー３２は、向上された性能を得るために、約１０パーセントから約８０パーセントまで、望ましくは約２０パーセントから約６０パーセントまで、より望ましくは約３０パーセントから約５０パーセントまでの範囲でネック加工される。
【００６７】
身体側ライナー３２が伸長可能である実施形態において、身体側ライナーは、ここに説明する材料の伸び及び変形引張試験によって、試験サンプルの幅１インチ当たり（２．５４ｃｍ当たり）１００ｇｍｆの張力がかかった時に、少なくとも約１０パーセント、望ましくは少なくとも約２０パーセント、より望ましくは少なくとも約３０パーセントのほぼ恒久的な変形を与えることができる。ほぼ恒久的な変形が上述したものより少ないと、ここで論じる向上された締結、収容、及び通気性を与えることができない。更に別の態様では、身体側ライナー３２は、ここに説明する材料の伸び及び変形引張試験によって、試験サンプルの幅１インチ当たり（２．５４ｃｍ当たり）１００ｇｍｆの張力がかかった時に、約１０パーセントから約２００パーセントまで、望ましくは約２０パーセントから約１００パーセントまでのほぼ恒久的な変形を与えることができる。伸長性の身体側ライナー３２はまた、ここに説明する材料の伸び及び変形引張試験によって、試験サンプルの幅１インチ当たり（２．５４ｃｍ当たり）１００ｇｍｆの張力がかかった時に、向上された性能を得るためには、少なくとも約２０パーセント、望ましくは少なくとも約２５パーセント、より望ましくは少なくとも約３０パーセントの伸びを与えることができる。
【００６８】
向上されたフィット性と性能を得るには、外側カバー３０と身体側ライナー３２が両方とも上述のように伸長性であることが望ましい。外側カバー３０と身体側ライナー３２が両方とも伸長性であるような構成においては、ほぼ恒久的な変形を維持するために身体側ライナー３２が外側カバー３０の能力を制限しないので、おむつ２０は向上されたフィット性、漏れへの抵抗性、及び通気性を提供することができる。
【００６９】
身体側ライナー３２と外側カバー３０は、結合されるか又は別の作動可能な手法で互いに組み合わされる。ここで用いる「組み合わされる」という用語は、身体側ライナー３２を外側カバー３０に直接取り付けることによって身体側ライナー３２が外側カバー３０に直接に接合される構成と、身体側ライナー３２を介在する部材に取り付け、次いでこれらを外側カバー３０に取り付けることによって身体側ライナー３２が外側カバー３０に間接的に接合される構成とを包含している。身体側ライナー３２と外側カバー３０は、例えばおむつの周縁の少なくとも一部において、接着剤結合、超音波結合、熱結合、ピンニング、ステッチ加工、又は当該技術分野において公知のその他の取り付け機構のいずれか、並びにそれらの組み合わせといった取り付け機構（図示せず）により互いに結合される。
例えば、身体側ライナー３２を外側カバー３０に取り付けるには、接着剤の均一の連続的な層、接着剤のパターン化された層、接着剤の噴霧されたパターン又は分離した線の列、組み立て用接着剤のスワール又はスポットを用いることができる。上述の取り付け機構は、ここに説明される物品のその他の種々の構成部品を適切に相互結合し、組み立て、及び／又は取り付けるのに用いることもできることを容易に認識すべきである。
【００７０】
吸収体３４は、選択された親水性繊維と高吸収性粒子で構成された図示の吸収パッドのような、吸収した液体その他の排出物を保持及び保有するための吸収構造体を与える。吸収体３４も同様に伸長性又は弾性とすることができる。吸収体３４は、おむつ２０を形成するために、身体側ライナー３２と外側カバー３０との間に位置決めされ、挟み込まれる。吸収体３４は、全体的に圧縮可能であり、順応性があり、着用者の肌を刺激せず、身体排出物を吸収及び保持することが可能な構造をもつ。本発明の目的において、吸収体は、単一の一体化された材料部品から構成することもできるし、作動的に組み立てられた複数の個別の材料部品から構成することもできることが理解されるべきである。
【００７１】
吸収体３４の構成部品を形成するために、多様な種類の、湿潤性をもつ親水性の繊維材料を使用することができる。適切な繊維の例は、セルロース繊維のような本質的に湿潤性の材料からなる天然由来の有機繊維と、レーヨン繊維のようなセルロース又はセルロース誘導体からなる合成繊維と、ガラス繊維のような本質的に湿潤性の材料からなる無機繊維と、特定のポリエステル繊維又はポリアミド繊維のような本質的に湿潤性の熱可塑性ポリマーから製造される合成繊維と、しかるべき手段で親水性にされるポリプロピレン繊維のような非湿潤性の熱可塑性ポリマーからなる合成繊維とを含む。繊維は、例えば、シリカで処理するか、又は、適切な親水性部分を有する、繊維から容易に取り除くことのできない材料で処理するか、或いは、繊維の形成中又は形成後に非湿潤性かつ疎水性の繊維を親水性ポリマーで被覆することによって、親水性にすることができる。本発明の目的に関しては、上述の多様な種類の繊維の選択された配合物を用いることもできると考えられる。
【００７２】
ここで用いる「親水性」という用語は、繊維と接触した水性液体により湿潤される繊維又は繊維表面を表す。材料の湿潤度は、関与する液体と材料の接触角及び表面張力に基づいて説明することができる。特定の繊維材料又は繊維材料配合物の湿潤性を計測するのに適した装置及び技術は、Ｃａｈｎ　ＳＦＡ−２２２表面力分析器システムか、又は実質的にそれと同等のシステムにより提供される。そうしたシステムで計測した時に、９０度より小さい接触角を有する繊維は「湿潤性」と呼ばれ、９０度より大きい接触角を有する繊維は「非湿潤性」と呼ばれる。
【００７３】
吸収体３４は、高吸収性材料の粒子と混合されたセルロース質フラフのウェブのような親水性繊維のマトリックスを含むことができる。特定の配置において、吸収体３４は、ヒドロゲルを生成する超吸収体の粒子又は繊維と合成ポリマーのメルトブローされた繊維との混合物か、或いは、超吸収体粒子又は繊維を、天然繊維及び／又は合成ポリマー繊維の配合物を含む繊維のコフォーム材料と混合したものを含むことができる。
超吸収体粒子は、親水性繊維と実質的に均質に混合するか、又は不均一に混合することができる。例えば、超吸収体粒子の濃度は、吸収体の厚み（ｚ方向）の大部分にわたって、吸収体の身体側に向かって濃度が低くなり、かつ吸収体の衣類側に向かって濃度が相対的に高くなる、非階段状の勾配になるように構成することができる。別の分配及びそうした分配を達成する方法は、当業者には周知である。超吸収体粒子は、親水性繊維のマトリックス内に全体的に分散した層の形に配置することもできる。また、２つ又はそれ以上の異なる種類の超吸収体を、繊維マトリックス内の異なる位置か、又は該マトリックスに沿った異なる位置に選択的に配置することができる。
【００７４】
高吸収性材料は、超吸収体のような吸収性ゲル化材料を含むことができる。吸収性ゲル化材料は、天然高分子及び材料、合成ポリマー及び材料、並びに改質した天然高分子及び材料とすることができる。また吸収性ゲル化材料は、シリカゲルといった無機材料か、又は架橋ポリマーといった有機化合物であってもよい。「架橋」という用語は、普通は水溶性の材料を、効果的に、実質的に水に不溶性であるが膨潤性となるようにする手段のいずれをも指す。そうした手段は、例えば、物理的交絡、結晶ドメイン、共有結合、イオン結合型錯体及び会合、水素結合のような親水性会合、及び疎水性会合すなわちファンデルワールス力を含みうる。
【００７５】
合成吸収性ゲル化材料ポリマーの例は、アルカリ金属及びポリ（アクリル酸）とポリ（メタクリル酸）のアンモニア塩、ポリ（アクリルアミド）、ポリ（ビニルエーテル）、ビニルエーテルとアルファ−オレフィンの無水マレイン酸共重合体、ポリ（ビニルピロリドン）、ポリ（ビニルモルフォリノン）、ポリ（ビニルアルコール）、並びにこれらの混合物及び共重合体を含む。吸収体組成物に使用するのに適した更に別のポリマーは、アクリルニトリル・グラフト化でんぷんの加水分解物、アクリル酸グラフト化でんぷん、メチルセルロース、キトサン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのような天然高分子及び改質された天然高分子、及び、アルギン酸塩、キサンタンガム、イナゴマメガムなどのような天然ゴムを含む。天然吸収性ポリマーと全体的又は部分的な合成吸収性ポリマーとの混合物も、本発明において有用でありうる。典型的な合成吸収性ゲル化材料は、濡れるとヒドロゲルを形成するキセロゲルである。しかしながら、「ヒドロゲル」という用語は、材料の濡れた形態と濡れていない形態の両方を指すためにも広く使われてきた。
【００７６】
前述したように、吸収体３４に使用される高吸収性材料は通常、分散した粒子の形態をとる。粒子は、例えば螺旋形又は半螺旋形、立方体形、棒状、多面体形などのいかなる所望の形状であってもよい。針状、薄片状、及び繊維状の、最大寸法／最小寸法比が大きい形状も、ここで使用することが考慮される。吸収性ゲル化材料の粒子の集塊も、吸収体３４に使用することができる。使用に望ましいのは、平均して約２０ミクロンから約１ミリメートルまでの粒度をもつ粒子である。ここで用いる「粒度」という用語は、個々の粒子の最小寸法の加重平均を意味する。
親水性繊維及び高吸収性粒子は、約４００ｇｓｍから約９００ｇｓｍまでの範囲内にある組成物の平均坪量を形成するように構成される。本発明の幾つかの態様では、組成物の平均坪量は、約５００ｇｓｍから約８００ｇｓｍまでの範囲内にあり、別の構成では、所望の性能を得るために、約５５０ｇｓｍから約７５０ｇｓｍの範囲内にある。
【００７７】
随意的に、吸収体３４の繊維構造の一体性の維持を助けるために、実質的に親水性のティシュー・ラップシートを用いることができる。ティシュー・ラップシートは、典型的には、吸収体の周囲に、少なくとも２つのその主接面に重なるように設置され、クレープ加工した詰め物や、プリーツ加工された又はされていない高い湿潤強さをもつティシューのような吸収性セルロース材料で構成される。本発明の１つの態様では、ティシュー・ラップシートは、吸収体３４を構成する吸収性繊維の塊の上に液体を素早く拡散させるのに役立つ吸い上げ層を与えるように形成される。吸収性繊維の塊の一方の側のラップシート材料を、該吸収性繊維の塊のそれと反対側に位置するラップシート材料に結合して、吸収体３４を効率的に包み込むことができる。
【００７８】
図１及び図２を参照すると、脚部弾性部材３６の各々は、複数のエラストマー・ストランドを含む。随意的に、脚部弾性部材の各々は、少なくとも１つの支持層（図示せず）を含む複合体とすることができ、該支持層にエラストマー・ストランドを作動的に取り付けることができる。エラストマー・ストランドと支持層との間に所望の付着を与えるために、接着剤、熱結合、超音波結合など並びにそれらの組み合わせといった様々な機構を用いることが可能である。各々の脚部弾性部材は、例えば、一対の支持層の間に挟みこまれ、かつ保持された複数のエラストマー・ストランドのラミネートで構成されてもよい。支持層は、約１０ｇ／ｍ^２から約５０ｇ／ｍ^２までの範囲内の坪量を有する織布又は不織布で構成されることが望ましいが、随意的にポリマーフィルム材料で構成されてもよい。支持層は、例えば、ポリプロピレン・スパンボンド不織布で構成されてもよく、一対の支持層は、感圧接着剤のスワール・パターンといった適切な接着剤のパターンを用いて、接着的に結合されてもよい。
【００７９】
脚部弾性部材３６は、多くの形状のいずれをもつこともできる。例えば、個々の弾性部材３６の幅は、約０．２５ミリメートル（０．０１インチ）から約２５ミリメートル（１．０インチ）又はそれ以上まで変えることができる。弾性部材は、単一の弾性材料ストランドを含んでいてもよいし、幾つかの平行な又は平行でない弾性材料ストランドを含んでいてもよく、直線配置又は曲線配置形に付着させることができる。ストランドが平行でない場合には、２つ又はそれ以上のストランドを、弾性部材の内部で交差させるか又は別の形で相互接合することができる。弾性部材は、当該技術分野では公知の幾つかの手法のうちのいずれかにより、おむつ２０の外側カバー３０及び／又は身体側ライナー３２に取り付けられる。例えば、弾性部材は、超音波結合してもよいし、多様な結合パターンを用いて熱シール及び圧力シールしてもよく、接着剤の噴霧パターン又はスワール・パターンによりおむつに接着的に結合してもよい。
【００８０】
本発明の特定の実施形態において、脚部弾性部材３６は、複数の個々の弾性ストランドからなる弾性体のグループ化された組が取り付けられる支持シートを含むことができる。弾性ストランドは、交差してもよいし、相互に結合していてもよく、互いに完全に分かれていてもよい。支持シートは、例えば、厚さ０．００２インチの、エンボス加工されていないポリプロピレン材料でできたフィルムのようなポリマーフィルムで構成することができる。弾性ストランドは、例えば、デラウェア州ウィルミントン所在のデュポン社から入手可能なライクラ・エラストマーで構成することができる。各々の弾性ストランドは、典型的に約４７０デシテックス（ｄｔｘ）から約１５００デシテックスの範囲内にあり、また約９４０ｄｔｘから約１０５０ｄｔｘの範囲内とすることもできる。本発明の特定の実施形態においては、例えば、各々の伸縮自在な脚部バンドとして３つ又は４つのストランドを用いることが可能である。
【００８１】
また、脚部弾性体３６は、全体として直線形にすることもできるし、随意的に曲線形にすることもできる。例えば曲線状の弾性体は、おむつの縦方向中心線に向かって内向きに湾曲させることができる。特定の配置においては、弾性体の湾曲度は、おむつの横方向中心線に対して対称となるように形成又は位置決めされていなくてもよい。曲線状の弾性体は、内向きに湾曲し、かつ外向きに湾曲する、反り返り形式の湾曲度を有していてもよく、所望のフィット性及び外観を提供するために、弾性体の縦方向中心は、随意的に、おむつの前ウエストバンド又は後ウエストバンドのどちらかに向かって選択された距離だけオフセットされていてもよい。本発明の特定の実施形態においては、曲線状の弾性体の組の最も内側の点（頂点）は、おむつの前ウエストバンド又は後ウエストバンドに向かってオフセットされていてもよく、外向きに湾曲した反り返り部分は、おむつの背部に向けて位置決めすることができる。
【００８２】
上述したように、おむつ２０を着用者のウエストの周囲に締結する時に外側カバー３０に加えられる力は、典型的にはおむつ２０の前ウエスト部２２及び後ウエスト部２４の一方又は両方に局所化され、通常はおむつ２０の中間部２６に実質的に影響を及ぼさない。その結果、着用者に最初に締結する際のファスナ４０の伸長により、前ウエスト部２２及び後ウエスト部２４の一方又は両方において外側カバー３０を伸長させ、恒久的な変形を引き起こす傾向がある。ウエスト部の一方又は両方における外側カバー３０のそうした恒久的な変形により、該ウエスト部に対する脚部弾性体３６の間の横方向の距離が増加することになる。このウエスト部２２及び２４の少なくとも一方における脚部弾性体３６の間の横方向の距離の増加は、おむつ２０を着用者の周囲に締結する際に、おむつ２０の中間部２６における脚部弾性体３６の間の横方向の距離を実質的に増加させることなく生じることが望ましい。脚部弾性体３６の湾曲度のそうした増加は、公知の製造過程では実用的でなかった形状をもたらすことができる。湾曲度の増大はまた、脚部弾性体が着用者に更にぴったりと適応できるようにし、より良好な着用者の臀部領域を覆う被覆を提供することになる。そうした向上されたフィット性及び被覆によって漏れの発生率が減ることになる。また、伸長可能でないおむつ、特に、そうしたおむつの脚部弾性体は、使用中に着用者の身体をきつく締め付けて、望ましくないことに不快感を与えたり、肌刺激を起こすことになる。これに対し、本発明の異なる態様によるおむつの伸長性は、そうした締め付けを軽減させ、伸長してフィット性及び快適性を向上させる。
【００８３】
例えば図６及び図７に示されるように、伸長性の外側カバー３０は、使用前のファスナ４０間の非伸長距離６０と、使用の際に物品を着用者のウエスト周りに締結するためファスナ４０が伸長された後の伸長された距離６２とを定める。図示された実施形態に見られるように、ファスナ４０が横方向５０に伸長することにより、ファスナ４０の間の後ウエスト部２４において外側カバー３０が伸長され、及び恒久的に変形されるが、おむつ２０の横方向中心線５２に沿う外側カバー３０には、いかなる実質的な伸長及び恒久的な変形ももたらされない。したがって、おむつ２０の脚部弾性体３６は、使用に際してウエスト部２２及び２４の少なくとも一方に向かって外側カバー３０と共に恒久的に変形して、増大された湾曲度を提供することができる。例えば、図６及び図７に代表的に示されるように、脚部弾性体５６の最も内側の縁の間の横方向５０の距離は、ファスナ４０が伸長される前の第１寸法６４と、おむつ２０を着用者に締結する際にファスナ４０が伸長された後の第２寸法６６とを定め、第２寸法６６は第１寸法６４より大きい。
【００８４】
したがって、本発明の異なる態様によるおむつ２０は、使用の際に、おむつ２０のウエスト部２２及び２４における脚部弾性体の増大された湾曲度を与えることが望ましい。使用中に増大した脚部弾性体の湾曲度を予測するのに適した方法は、ここに説明する製品変形試験である。通常、非伸長状態での物品の横幅は、ファスナの中心線と物品の横方向中心線５２との間の距離の約４０パーセントの距離に位置する横線に沿って計測され、記録される。次に、おむつ２０のファスナ４０は、横方向５０に２０００ｇｍｆの張力を４サイクル適用され、各々その伸長量のまま１分間保持され、次いで、周期的な張力が除去された後に少なくとも２４時間弛緩される。次に、物品の同一位置における横幅が計測され、記録され、開始時の伸長されていない横幅と比較される。
【００８５】
製品変形試験を受けた際に、本発明による物品は、少なくとも約３パーセント、より望ましくは少なくとも約４パーセント、更に望ましくは少なくとも約６パーセント、もっと望ましくは少なくとも約１０パーセントの、恒久的な脚部弾性体の変形を与えることが望ましい。例えば、本発明による物品は、向上された性能を得るために、約３パーセントから約３０パーセントまでの恒久的な脚部弾性体の変形を与えることができる。脚部弾性体における恒久的な変形が上述したものより少ないと、使用の際に、所望のレベルの増大された脚部湾曲度と臀部被覆を与えることができない。
【００８６】
図１及び図２に代表的に示されるように、本発明による吸収体物品はまた、フックとループ式のファスナ４０のような一対のファスナを含むことができる。ファスナ４０は、前ウエスト部２２及び後ウエスト部２４の一方又は両方に配置することができる。例えば、代表的に示される実施形態においては、フック式ファスナ４０の各々は、後ウエスト部２４の横方向に相対する側縁に取り付けられた側部パネル４２から延びるように組み立てられ、取り付けられる。
【００８７】
本発明の種々の構成においては、ファスナ４０は、接着剤、粘着剤、又は相互に係合する機械的締結システムの相補的な要素など、並びにこれらの組み合わせを含むことができる。機械的ファスナ部材は、フック、バックル、スナップ、ボタンなどのような機械的なファスナにより与えられ、協働する相補的な機械的に相互連結される部材を含む。図示されるように、ファスナ４０は、例えば、フック・ループ式の締結システムのフック式ファスナとすることができる。そうした締結システムは、通常は「フック」すなわちフック状の雄部材と、該フック部材と係合し、及び取り外し可能に相互結合する、協働する「ループ」すなわちループ状の雌部材から構成される。
【００８８】
従来のフック・ループ式締結システムは、例えばベルクロ（ＶＥＬＣＲＯ）という商標名で入手可能である。特定の実施形態では、ファスナ４０は、ミネソタ州セントポール所在の３Ｍカンパニー社からＣＳ２００の名称で流通されているようなマイクロ・フック材料であってもよい。別の適切なマイクロ・フック材料は、ベルクロＣＦＭ−２９　１０５８という名称で流通しており、ニューハンプシャー州マンチェスター所在のＶＥＬＣＲＯ　Ｕ．Ｓ．Ａ．　Ｉｎｃ．社から入手可能である。
【００８９】
ループ要素は、改善された締結のために、おむつ２０の外側カバー３０に直接設けて、「どこでも締結される」形式の機械的締結を与えるようにしてもよい。或いは、おむつ２０は、それに対してファスナ４０が取り外し可能に係合するように形成された、１つ又はそれ以上の取付けパネル（図示せず）を含むことができる。例えば、図示のようにファスナ４０がおむつ２０の後ウエスト部２４に配置されたフック式ファスナである場合には、該おむつは、前ウエスト部２２の外側表面上に、相補的なループ要素のような対応する取付けパネルを含むことができる。取付けパネルは、織布、不織布、編布、ミシン目のあいた又は穿孔された層その他類するもの、並びにこれらの組み合わせにより提供される。取付けパネルに適した材料は、例えば、ノースカロライナ州グリーンズボロー所在のギルフォード・ミルズ・インクから＃３４２８５という名称で入手可能な形式の２バールの縦編み布、並びにその他の編布から構成することができる。
【００９０】
図１及び図２に示される代表的な形状において、物品は側部パネル４２を含むことも可能である。特定の配置では、代表的に示された後ウエスト部２４のようなおむつ２０の少なくとも１つのウエスト部の相対する横方向端において、各々の側部パネル４２は、横方向に延びて物品の側部末端を与える。また、各々の側部パネル４２は、横方向に延びるウエスト部の端縁から、それと関連し及び対応するおむつの脚開口部のおおよその位置まで、実質的にスパン方向に延びることが可能である。おむつ２０は、例えば、側部パネル４２の湾曲した縁が、これに対して隣接するおむつ２０の中間部２６の縦方向に延びる図示された一対の側縁の中央部と組み合わされることで与えられる、横方向に相対する一対の脚開口部を有する。
【００９１】
本発明の種々の形状において、側部パネル４２は、選択されたおむつ構成材と一体に成形することができる。例えば、側部パネル４２は、外側カバー３０を形成する材料層から一体に成形されていてもよいし、身体側ライナー３２を形成するのに用いられた材料から一体に成形されていてもよい。別の形状では、側部パネル４２は、外側カバー３０、身体側ライナー３２、外側カバーと身体側ライナーとの間、又はこのような組立体に関する種々の固定的な取り付けの組み合わせに結合され、及び組み立てられる、１つ又はそれ以上の個別に形成された部材により形成される。
【００９２】
本発明の特定の形状においては、側部パネル４２の各々は、個別に与えられた材料部品から形成され、該部品は、物品の選択された前ウエスト部及び／又は後ウエスト部に適切に組み立てられ、取り付けられる。例えば、各々の側部パネル４２は、おむつ２０の後ウエスト部に取り付けてもよく、物品の外側カバー３０構成材と身体側ライナー３２構成材の一方又は両方に作動的に取り付けることができる。各々の側部パネルの内側の取付けゾーン領域は、それに対応する物品のウエスト部の横方向端縁領域に重ね合わせる、及びラミネートすることが可能である。側部パネル４２は、横方向に延びて、接着剤結合、熱結合、超音波結合、クリップ、ステープル、縫い付けなどといった適切な結合手段を用いて取り付けられる。側部パネル４２は、対応する物品のウエスト部における外側カバー３０及び身体側ライナー３２の末端の側縁を越えて横方向に延びることが望ましい。
側部パネル４２は、ポリマーフィルム、織布、不織布など、並びにそれらの組み合わせのような実質的に非弾性の材料から構成することができる。本発明の特定の態様においては、側部パネル４２は、ストレッチ・ボンデッド・ラミネート（ＳＢＬ）、ネック・ボンデッド・ラミネート（ＮＢＬ）、エラストマー・フィルム、エラストマー発泡材などといった、少なくとも横方向５０に沿って弾性的に伸ばすことができる実質的なエラストマー材料から構成することができる。
【００９３】
本発明の異なる態様は、向上されたフィット性と漏れに対する向上された抵抗性を与える伸長性の外側カバーを備えた吸収体物品を有利に提供する。具体的には、伸長性の外側カバーは、向上された性能を得るために、着用者の動きと身体の寸法の変化に合わせることができる。また、物品の伸長性の外側カバーは、向上された通気性、より優れた柔軟性、及び、より布に近い特性を提供することができる。しかも本発明は、幾つかの態様では、着用者のトイレ・トレーニングを補助するために、着用者の腰部の周りに確実に引き上げたり、引き下ろすことの可能な、従来のトレーニングパンツに類似の予め締結されたパンツ状の吸収体物品を、有利に提供することができる。
【００９４】
更に、本発明の異なる実施形態は、従来の吸収体物品と比較して、使用中に、着用者の肌加湿レベルを実質的に減少させ、布の湿気を実質的に減少させることができる通気性勾配をもつ吸収体物品を有益な形で提供する。加湿レベルが実質的に減少することにより、より乾いた、より快適な肌状態が促進され、肌における微生物の繁殖が起こりにくくなる。これにより、本発明に従って製造された吸収体物品は、着用者の肌加湿を減少させ、皮膚炎及び発疹の発生率を減少させることになる。
【００９５】
（試験手順）
材料の伸び及び変形引張試験
選択された構成材又は材料の伸び量、収縮力、及び／又は恒久的な変形量を求めるのに適した技術は、以下の内容をもつ１９９５年１２月付のＡＳＴＭ標準試験法Ｄ８８２（薄いプラスチック・シートの張力特性のための引張方法）を用いることができる。
【００９６】
装置
１．ピーク荷重を得ることができる、適切なロードセルを装備した引張試験機。好適な張力試験システムは、ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パーク所在のＭＴＳシンテック社からモデル１／Ｇの商品名で入手可能な、シンテック・テストワークス^ＴＭバージョン３．１０ソフトウェアを装備した、シンテック引張試験機である。
２．０．５インチ×４インチのグリップ面を有する空気作動式グリップ。
３．温度２３±１℃、相対湿度５０±２パーセントの試験設備。
【００９７】
試験サンプルの幅は、試験中にかけられる張力の向きに対して垂直である。例えば、図示された形状においては、試験サンプルの「幅」は、物品の縦方向４８に沿う外側カバー３０の縦方向の寸法にほぼ対応する。引張試験機のジョーの開始時の間隔は、試験サンプルの幅１インチ当たり約１グラム重量の張力のとき３インチ（７６．２ｍｍ）であり、移動ジョーは１２７ｍｍ／分の一定の速度で動く。移動ジョーは、試験サンプルの幅１インチ当たり１００グラム重量に等しい張力になるまで伸長したところで止まり、その伸長状態を２分間保持し、次いで１２７ｍｍ／分の速度で、試験サンプルの幅１インチ当たり約１グラム重量である開始時の張力まで戻る。
【００９８】
伸び、伸張、又は恒久的な変形は、以下の式に従って算出可能である。
１００＊（Ｌ−Ｌ_０）／（Ｌ_０）
ここでＬ＝　ａ）伸び又は伸張に関する伸びた長さ、又は、ｂ）歪み又は変形に関する伸長後の長さのどちらかであり、Ｌ_０＝最初の長さである。
【００９９】
モコン水蒸気透過率試験
材料のＷＶＴＲ（水蒸気透過率）値を求めるのに適した技術は、ＩＮＤＡ（不織布業界連合）により標準化された試験手順番号ＩＳＴ−７０．４−９９の名称「ガードフィルム及び蒸気圧検出器を用いる不織布及びプラスチック・フィルムを通る水蒸気透過率の標準試験法」であり、引用によりここに組み込まれる。ＩＮＤＡ手順は、フィルムの水蒸気に対する性能であるＷＶＴＲと、均質な材料の場合は水蒸気の透過係数とを求めるために与えられる。
【０１００】
ＩＮＤＡ試験法は周知であり、ここでは詳細には説明しない。しかしながら、その試験手順は以下のように要約される。乾燥チャンバは、恒久的なガードフィルム及び試験するサンプル材料によって、温度及び湿度が分かっている湿潤チャンバから隔離される。ガードフィルムの目的は、限定された空隙を形成し、空隙が特徴付けられる間に該空隙の中の空気を沈静化すなわち静止させることである。乾燥チャンバ、ガードフィルム、及び湿潤チャンバは、試験フィルムがシールされる拡散セルを形成する。サンプルホルダは、ミネソタ州ミネアポリスにあるモコン／モダン・コントロールズ・インク社製のＰｅｒｍａｔｒａｎ−Ｗモデル１００Ｋとして知られるものである。第１試験は、ガードフィルムと１００パーセントの相対湿度を発生させる蒸発器組立体の間の空隙とのＷＶＴＲについて行われる。水蒸気が空隙及びガードフィルムを通って拡散し、次いで水蒸気濃度に比例する乾燥ガス流と混合される。処理のためにコンピュータに電気信号が送られる。コンピュータが空隙及びガードフィルムの透過率を計算し、その値をさらに使用するために保存する。
【０１０１】
ガードフィルム及び空隙の透過率は、ＣａｌＣとしてコンピュータに保存される。次にサンプル材料が試験セル内にシールされる。同様に、水蒸気が空隙を通ってガードフィルム及び試験材料へと拡散し、次いで試験材料に流れる乾燥ガス流と混合される。ここでもまた、この混合物は水蒸気センサに運ばれる。次にコンピュータが、空隙とガードフィルムと試験材料との組み合わせの透過率を計算する。この情報は、水分が試験材料を透過するときの透過率を次式に従って計算するのに使用される。
ＴＲ^−１ _試験材料＝ＴＲ^−１ _{試験材料 、ガードフィルム、 空隙}−ＴＲ^−１ _{ガードフィルム、 空隙}
計算：
ＷＶＴＲ：　ＷＶＴＲの計算は、次式を用いる。
ＷＶＴＲ＝Ｆρ_ｓａｔ（Ｔ）ＲＨ／Ａｐ_ｓａｔ（Ｔ）（１−ＲＨ））
ここで、
Ｆ＝ｃｃ／分で表される水の流れ、
ρ_ｓａｔ（Ｔ）＝温度Ｔにおける飽和空気中の水の密度、
ＲＨ＝セル内の指定位置における相対湿度、
Ａ＝セルの断面積、
ｐ_ｓａｔ（Ｔ）＝温度Ｔにおける水蒸気の飽和水蒸気圧
である。
【０１０２】
製品変形試験
本発明による物品が着用者に締結された時の変形と、その結果として得られる増加した通気性及び脚部弾性体の湾曲度を求めるのに適した技術は、以下の試験手順を用いることができる。一般に、物品及び特に物品の伸長性の外側カバー３０について、物品のファスナ４０に、横方向５０に２０００ｇｍｆの横方向の張力を４サイクル適用し、各サイクルにおいて、張力が２０００ｇｍｆに達したときの伸長量のまま１分間保持される前及び後の両方の一連の計測値が得られる。
【０１０３】
サンプル準備
１．物品の後ウエスト部２４がライトボックスの上部に位置決めされ、サンプルの外側カバー３０が観察者側に面するように製品を垂直に吊り下げることにより、製品サンプルを従来の垂直なライトボックスにクランプ留めする。
２．上側クランプを、製品の端縁の横方向中心に位置決めする。
３．製品の前ウエスト部２２の端縁に、重さ１０００グラムの下側クランプを取り付け、自由に吊り下げる。
４．製品を吊り下げた状態で、物品の外側カバー３０に記録され、マークされた以下の計測点及び図８に図示されるような印を測定する。
５．製品の縦方向４８の全長を計測し、中心点をマークし、縦方向４８に対して直角に横方向中心線５２を引くことにより、製品の横方向中心線５２を計測及びマークする。
６．横方向中心線５２に沿って製品の横方向５０の全幅を計測し、中心点８４をマークし、横方向中心線５２に対して直角に縦方向中心線５４を引くことにより、製品の縦方向中心線５４を計測及びマークする。
７．ファスナ４０の内側の縦方向縁８０を計測し、該ファスナの内側の縦方向縁８０の中心をマークし、各々の中心の間に線を引いて、縦方向中心線５４に点８６で交差するファスナ４０の中心線８２を与える。
８．縦方向中心線５４に沿って点８４と点８６の間の距離を計測し、縦方向中心線５４に沿って点８４から、縦方向中心線５４沿いの点８４と点８６の間の距離の４０パーセントの距離に等しい距離の位置８８をマークする。
９．点８８を通り、縦方向中心線５４に直角な横線９０を引く。
１０．横線９０が製品の側縁と交差する点をそれぞれ点９２及び点９４としてマークし、点９２と点９４の間の距離を計測し、記録する。
【０１０４】
装置
１．ピーク荷重を得ることができる、適切なロードセルを装備した引張試験機。好適な引張試験システムは、ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パークにあるＭＴＳシンテック社から入手可能な、シンテック・テストワークス^ＴＭバージョン３．１０ソフトウェアを装備した、モデル１／Ｇの商品名のシンテック引張試験機である。
２．０．５インチ×４インチのグリップ面を有する空気作動式グリップ。
３．温度２３±１℃、相対湿度５０±２パーセントの試験設備。
【０１０５】
試験手順
１．試験に先立ち、試験する製品を少なくとも４時間、試験設備条件になじませる。
２．ロードセルを校正し、ソフトウェアを読み込む。
３．グリップをジョーが閉じた状態で引張試験機に配置する。
４．物品のファスナ４０の一方を、グリップ面の縁がファスナ材料の内側の縁８０に揃うように、上側ジョーに挟み込む。
５．クランプと製品の重量を差し引く。
６．下側ジョーを、反対側のファスナ４０の内側の縁８０に位置合わせし、閉じる。
７．上側ジョーの位置を調整することにより、製品にかかる開始時の引張荷重が５ｇｍｆになるように調整する。
８．上側ジョーを、１２７ｍｍ／分の一定速度で下側ジョーから離れるように作動させる。
９．製品にかかる引張荷重が２０００ｇｍｆになったところで上側ジョーの移動が止まる。
１０．上側ジョーを１２７ｍｍ／分の一定速度で開始時の位置に戻す前に、その伸長状態を１分間保持する。
１１．上側ジョーが開始時位置で１分間停止する。
１２．ステップ８からステップ１１を更に３回繰り返す。
１３．製品を試験機から取り外す。
【０１０６】
脚部弾性体の変形
試験機から取り外した後に、製品を少なくとも２４時間弛緩させる。次いで、上述したサンプル準備手順に従って製品をライトボックスに配置する。点９２と点９４の間の伸長後の距離が計測される。次に、以下の式、すなわち、
１００＊（Ｄ−Ｄ_０）／（Ｄ_０）
ただし、Ｄ＝伸長後の距離、Ｄ_０＝開始時の長さ、
に従って、点９２と点９４の間の開始時の距離を伸長後の距離から引き、次にそれを開始時の距離で割り、１００を掛けることによって、脚部弾性体の恒久的な変形の百分率値が求められる。
【０１０７】
通気性の増大
試験機から取り外した後に、製品を少なくとも２４時間弛緩させる。
縦方向の通気性勾配比を求めるために、点８６（すなわち物品の縦方向中心線５４とファスナ４０の中心間の横線８２との交差点）の辺りを中心とする外側カバー材料の一部が切り取られる。また、点８４（すなわち物品の中間部２６における縦方向中心線５４と横方向中心線５２との交差点）の辺りを中心とする外側カバー材料の一部も切り取られる。これら２つの部分に対して、ここに説明するモコン水蒸気透過率試験が行われ、その結果が記録される。次に、ファスナの間から取られた外側カバーの一部の通気性を、物品の中間部２６から取られた外側カバーの一部の通気性で割ることにより、外側カバー３０の縦方向の通気性勾配比が求められる。
【０１０８】
横方向の通気性勾配比を求めるために、点８６（すなわち物品の縦方向中心線５４とファスナ４０の中心間の横線８２との交差点）の辺りを中心とする外側カバー材料の一部が切り取られる。また、物品の横方向に相対する側縁に沿うファスナに最も近く、かつファスナ４０の中心間の横線８２の辺りを中心とした外側カバー材料の一部も切り取られる。これら２つの部分に対して、ここに説明するモコン水蒸気透過率試験が行われ、その結果が記録される。次に、ファスナの付近から取られた外側カバー３０の一部の通気性を、物品のファスナの間の縦方向中心線に沿った位置から取られた外側カバーの一部の通気性で割ることにより、外側カバー３０の横方向の通気性勾配比が求められる。
【０１０９】
（実施例）
以下の実施例は、本発明のより詳細な理解を与えるために提示される。これらの実施例は代表的なものであって、本発明の範囲を限定することは意図されていない。
実施例１
本発明の伸長性の外側カバーに適した、ネック加工されたラミネートが、非弾性フィルム層と非弾性不織布層から形成された。１．５ミルのブローン・フィルムの層は、アラバマ州シラコーガにあるイングリッシュ・チャイナ・クレイ・アメリカ・インク社により製造されたＳＵＰＥＲＣＯＡＴ炭酸カルシウム４８重量パーセント（２５体積パーセント）と、ダウ・ケミカル・カンパニー（「ダウ」）により製造されたＤＯＷＬＥＸ　ＮＧ３３４７Ａという商品名で入手可能な線状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）４７重量パーセント（６８体積パーセント）と、ダウ社により製造された６４０Ｉという商品名で入手可能な低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）５重量パーセント（７体積パーセント）と、ニューヨーク州タリータウンにあるチバ・スペシャルティーズ・カンパニーにより製造されたＢ９００という商品名で入手可能な酸化防止安定剤２０００ｐｐｍから構成されるものであった。上記のような組成からなるフィルム層は、事前に製造され、ロールに巻かれた。次いで、フィルム層が、フィルム繰り出し装置からマーシャル・アンド・ウィリアムズ・カンパニーにより製造されるもののような従来の縦方向延伸機に繰り出され、そこで部分的に縦方向に延伸されて、部分的に延伸された通気性フィルム層が形成された。
【０１１０】
同様にして、テキサス州ダラスにあるキンバリー・クラーク・コーポレーション社から入手可能なもののような、ワイヤ織り結合パターンを有する坪量０．４ｏｓｙの標準的なポリプロピレン・スパンボンドが繰り出され、ウィスコンシン州ウォーワトサにあるＡｔｏ−Ｆｉｎｄｌｅｙ社からＨ２５２５Ａの名称で入手可能な（塗布位置において）重量３ｇｓｍの接着剤が、メルトブロー装置のような空気補助噴霧装置を用いて不織ウェブ層の片面に塗布された。そうした装置は、例えば、Ｈｅｉｎｄｅｌ他に付与され、本出願人に譲渡された米国特許第４，９４９，６６８号、Ｍｉｌｌｅｒ他に付与され、ノードソン・コーポレーションに譲渡された米国特許第４，９８３，１０９号、及びＡｌｌｅｎ他に付与され、Ｊ＆Ｍラボラトリーズ・インク社に譲渡された米国特許第５，７２８，２１９号に概説されている。
【０１１１】
次に、平滑な弾力のある（ゴムコーティングされた）アンビルロールと、平滑な加熱されていないスチールロールからなるラミネート・ローラを用いて、圧力３０ｐｌｉ（５．４ｋｇ／直線ｃｍ）で、不織ウェブ層の接着剤側が部分的に延伸されたフィルム層にラミネートされた。次いで、ラミネート・ローラの速度より高い速度でラミネートを延伸ニップに通すことにより、該ラミネートが縦方向に延伸され、横方向にネック加工された。ネック加工の際の引っ張りにより、ラミネートに横方向の収縮（ネック）が生じた。ラミネートは３３パーセントまで（すなわち延伸前のラミネートの幅の約３分の２まで）ネック加工された。
【０１１２】
実施例１に記載した外側カバー材料のサンプルを試験し、キンバリー・クラーク・コーポレーションより市販されているハギーズ・ウルトラトリム・おむつ及びプロクター・アンド・ギャンブル・カンパニーより市販されているパンパース・ベビー・ドライ・おむつから取られた外側カバー材料のサンプルと比較した。おむつサンプルから取られた外側カバー材料は、縦方向４８（図１）のおむつの長さを計測し、おむつの後ウエスト部２４のウエスト縁からおむつの長さの２５パーセントに等しい距離だけオフセットした位置からサンプルを取ることで入手した。
【０１１３】
次に、外側カバー材料の６個のサンプルについて、上述の材料の伸び及び変形引張試験を行った。その試験の結果を以下の表１に示す。各々のサンプルについての引張試験機のジョーの間の開始時の距離は、開始時の力が幅１インチ当たり１ｇｍｆのとき７６．２ｍｍであった。
【０１１４】
【表１】
表１

【０１１５】
この結果は、実施例１の外側カバー材料が、従来のおむつから取られた外側カバー材料より大きな伸び及び変形を呈することを示している。実施例１の外側カバー材料の高い伸びと高い変形すなわち歪みとの組み合わせにより、締結及び着用中に外側カバー材料に幅方向の力が加わった時に「屈従する」おむつを提供することができる。したがって、そうした外側カバーは、フィット性を高め、漏れを減らすために、着用者が動く際に該着用者の体形の変化にすぐに適応及び適合可能である。更に、こうした外側カバーはまた、おむつの吸収体が繰り返し流体放出を受ける際に容易に膨張し、収容性を高めるために、拡がっておむつにより大きな空隙容積を与えることができる。
【０１１６】
実施例２
本発明による伸長性の外側カバーに適したネック加工されたラミネートが、各々が個別に非弾性不織ウェブ層にラミネートされた、２つの異なるフィルム層（材料Ａ及び材料Ｂ）から形成された。
材料Ａは、５２重量パーセントの炭酸カルシウムと、４８重量パーセントの組み合わせポリマーとから作成された、１．８ミルのブローン・フィルム層を含んでいた。組み合わせポリマーは、ダウ・ケミカル・カンパニー（「ダウ」）から入手可能な、シングルサイト触媒の超低密度ポリエチレンであり、かつオクテン・コモノマーである、１立方センチメートル当たり０．８７グラムの密度を有するＤＯＷ　ＥＧ−８２００を４１．７重量パーセント含んでいた。組み合わせポリマーはまた、ダウ社から入手可能な、１立方センチメートル当たり０．９１７グラムの密度を有するチーグラー・ナッタ触媒の線状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）であるＤＯＷＬＥＸ２５１７を５８．３重量パーセント含んでいた。
【０１１７】
材料Ｂは、５２重量パーセントの炭酸カルシウムと、４８重量パーセントの組み合わせポリマーとから作成された、１．８ミルのブローン・フィルム層を含んでいた。組み合わせポリマーは、ダウ社から入手可能なＤＯＷ　ＥＧ−８２００を２０．３重量パーセント、及びＤＯＷＬＥＸ２５１７を７９．７重量パーセント含んでいた。
【０１１８】
上記のような組成からなるフィルム層が予め製造され、ロールに巻かれた。次いで、フィルム層が、フィルム繰り出し装置からマーシャル・アンド・ウィリアムズ・カンパニーにより製造されるもののような従来の縦方向配向機に繰り出され、そこで元の長さの４倍まで縦方向に延伸されて、延伸された通気性フィルム層が形成された。坪量２１ｇｓｍの３３パーセントネック加工されたポリプロピレン・スパンボンド材料が繰り出され、ウィスコンシン州ウォーワトサにあるＡｔｏ−Ｆｉｎｄｌｅｙ社からＨ２５２５Ａの名称で入手可能な（塗布位置において）重量３ｇｓｍの接着剤が、メルトブロー装置のような空気補助噴霧装置を用いて不織ウェブ層の片面に塗布された。次に、平滑な弾力のある（ゴムコーティングされた）アンビルロールと、平滑な加熱されていないスチールロールからなるラミネート・ローラを用いて、圧力３０ｐｌｉ（５．４ｋｇ／直線ｃｍ）で、不織ウェブ層の接着側が延伸されたフィルム層の各々にラミネートされた。
【０１１９】
次に、材料Ａ及び材料Ｂについて、非伸長状態と、幅方向に２５パーセントの伸長量で保持されている状態との両方において、上述のモコン水蒸気透過率試験を行った。その試験の結果を以下の表２に示す。
【０１２０】
【表２】
表２

【０１２１】
この結果は、実施例２の外側カバー材料が、かなり低い伸びのときにも通気性の実質的な増加を呈することを示している。したがって、そうした材料を組み入れた物品は、使用の際に、向上された性能を与える増加した通気性を呈するはずである。
【０１２２】
実施例３−６
実施例１及び実施例２で説明した外側カバー材料を含んでいる本発明によるおむつの例を、脚部弾性体の変形を求めるために試験し、キンバリー・クラーク・コーポレーションより市販されているステップ４サイズのハギーズ・ウルトラトリム・おむつ及びプロクター・アンド・ギャンブル・カンパニーより市販されているエクストラ・ラージ・パンパース・ベビー・ドライ・おむつと比較した。
実施例１及び実施例２のおむつには、体重２２ポンドから３７ポンドまでの間の幼児用の「サイズ４」おむつが提供された。このおむつは、図１及び図２に示された構成及び形状をもつものであった。
【０１２３】
外側カバー３０は、実施例１及び実施例２で説明した伸長性材料を含んでいた。身体側ライナー３２は、４５パーセントまでネック延伸された坪量０．６ｏｓｙの標準的なポリプロピレン・スパンボンド材料を含んでいた。吸収体３４は、４０パーセントのセルロースの木材パルプ・フラフと、６０パーセントの超吸収体ポリマー（ストックハウゼン社のＦＡＶＯＲ　ＳＸＭ−８８０）との混合物からなる吸収コア上に重ねた、プリーツ加工されたセルロースのティシュー・ラップシートを含んでいた。吸収体３４と身体側ライナー３２との間に、サージ材料の層４４が配置された。サージ層は約３．５５ｏｓｙの坪量を有するものであった。サージ層は横方向に５１ｍｍ、縦方向に１７８ｍｍと計測された。吸収体３４と外側カバー３０との間に、０．８ｏｓｙの坪量を有するネック加工されたＳＭＳの別の層が配置された。ＳＭＳ層は横方向に５１ｍｍ、縦方向に３８８ｍｍと計測された。
【０１２４】
機械で製造されるおむつにおいて、外側カバー３０は、感圧式ホットメルト接着剤を約３ｇｓｍの塗布量で用いて、吸収体３４の衣類対向面上のネック加工されたＳＭＳ材料及びティシュー・ラップシートに、接着式に取り付けられた。接着剤は、接着面の全体にわたって接着剤のスワール形に堆積された。接着剤が結合を与えるのに充分まだ温かいうちに複合材をニップに通すことによって、層が結合される。
手作りのおむつにおいて、外側カバー３０は、感圧式ホットメルト接着剤を約５ｇｓｍの塗布量で用いて、吸収体３４の衣類対向面上のＳＭＳ材料及びティシュー・ラップシートに接着式に取り付けられた。後ウエスト部において、接着剤は、ＳＭＳ材料の周囲を額縁状パターンに囲む連続した帯形に堆積された。
【０１２５】
おむつはまた、一対の脚部弾性体３６を有するものであった。各々の脚部弾性部材３６は、ライクラ・ＸＡ・スパンデックス・エラストマーからなる６２０ｄｔｘ（デシテックス）のエラストマー・ストランド９８を３本含んでいた。エラストマー・ストランドは、２５０パーセントの伸びまで伸ばされ、ＦＩＮＤＬＥＹ　Ｈ２５２５Ａ接着剤によって、２層の０．４ｏｓｙのポリプロピレン・スパンボンド層の対面する層の間に接着式にラミネートされた。脚部弾性部材は、止まるまで延伸され、外側カバー３０の側縁に接着式にラミネートされた。これにより、横方向に相対する一対の脚部弾性部材３６が、おむつの各々の脚開口部にギャザー寄せされた要素を形成した。
【０１２６】
次に、全てのおむつの６個のサンプルについて、上述の製品変形試験を行った。その試験の結果を以下の表３に示す。
【０１２７】
【表３】
表３

【０１２８】
この結果は、実施例３から実施例６のおむつが、従来のおむつより大きな脚部弾性体の変形を呈することを示している。実施例２のおむつの高い伸長と高い変形すなわち歪みとの組み合わせにより、締結及び着用中におむつに幅方向に力が加わった時に「屈従する」おむつを提供することができる。したがって、そうしたおむつは、フィット性を高め、漏れを減らすために、着用者が動く際に該着用者の体形の変化にすぐに適応及び適合可能である。さらに、こうしたおむつの脚部弾性体は、使用の際に恒久的な横方向の伸びと増大された湾曲度を呈して、困難な製造工程を必要とせずに、より良好な被覆を提供することができる。更に、そうしたおむつの外側カバーはまた、おむつの吸収体が繰り返し流体放出を受ける際に容易に膨張し、収容性を高めるために、拡がっておむつにより大きな空隙容積を与えることができる。
【０１２９】
本発明による実施例３のおむつが、上述の製品変形試験を受けた際に、試験した市販のおむつに比べてこのような高い伸長及び変形を呈する理由の一つは、本発明のおむつが伸長性の身体側ライナー材料を含んでいるからである。そうした違いを説明するために、実施例３のおむつと、パンパース・ベビー・ドライ・おむつから身体側ライナーを取り外し、上述の製品変形試験を行った。その試験の結果を以下の表４に示す。各々のサンプルにおける引張試験機のジョーの間の距離は、幅１インチ当たり１ｇｍｆの開始時の力において、７６．２ｃｍであった。
【０１３０】
【表４】
表４

【０１３１】
この結果は、実施例３のおむつから取った身体側ライナーが、試験した従来のおむつから取り外された身体側ライナーより相当大きな伸長及び変形を呈することを示している。そうした伸長性の身体側ライナーを用いることで、伸長性の外側カバーがより自由に伸長し恒久的に変形することが可能になる。上述したように、実施例３のおむつの身体側ライナー及び外側カバーの両方における、高い伸長と高い変形すなわち歪みとの組み合わせは、向上された性能を得るために、締結及び着用中におむつに幅方向に力が加わった時に「屈従する」おむつを提供することができる。
【０１３２】
実施例７から実施例１０
縦方向の通気性勾配比を求めるために、上記の実施例３から実施例６に従って作成された本発明によるおむつの例を試験し、キンバリー・クラーク・コーポレーションより市販されているステップ４サイズのハギーズ・ウルトラトリム・おむつと比較した。実施例３から実施例６に特定されている、プロクター・アンド・ギャンブル・カンパニーより市販されているパンパース・ベビー・ドライ・おむつは、中間部すなわち股部における外側カバーが通気性でない（すなわち中間部におけるＷＶＴＲ値が０を呈した）ため、含まれなかった。縦方向の通気性勾配比を求めるために、全てのおむつの６個のサンプルについて、上述の製品変形試験を行った。その試験の結果を以下の表５に示す。
【０１３３】
【表５】
表５

【０１３４】
この結果は、実施例７、実施例９、及び実施例１０のおむつが、従来のおむつより大きな縦方向の通気性勾配比及び変形を呈することを示している。これらの実施例のおむつの高い伸長及び高い変形すなわち歪みの組み合わせにより、使用中の通気性が向上されたおむつを提供することができ、これにより肌加湿が減少し、肌状態が改善されることになる。
実施例８については、外側カバー複合材が、試験の際に材料のフィルム層を十分に伸長させてフィルムに永久歪みを起こさせ、フィルムの通気性を向上させるのに十分な量まで伸長されなかったために、このような材料が向上された縦方向の通気性勾配比を呈しなかったと考えられる。
【０１３５】
本発明は、かなりの詳細にわたって説明されてきたが、本発明の精神から逸脱することなく多様な変更及び修正が可能であることは直ちに明らかとなろう。そうした変更及び修正の全てが、特許請求の範囲の請求項により定義される本発明の範囲内にあるものと意図されている。
【図面の簡単な説明】
【図１】
部分的に切り取られた本発明の物品の例の内面を代表して示す平面図である。
【図２】
図１の線２−２に沿って見た拡大された横断面図である。
【図３】
弛緩された非伸長状態の図１の物品の内面を表す部分的な平面図である。
【図４】
この物品のファスナに横方向に張力がかかって、該物品のウエスト部における外側カバーが恒久的に伸びた後の、弛緩された状態の図１の物品の内面を表す部分的な平面図である。
【図５】
予め締結されたパンツ状の形状の本発明の物品の例を表す斜視図である。
【図６】
弛緩された非伸長状態の図１の物品の内面を表す部分的な平面図である。
【図７】
この物品のファスナに横方向に張力がかかって、該物品のウエスト部における外側カバーと脚部弾性体が恒久的に伸びた後の、弛緩された状態の図１の物品の内面を代表して示す部分的な平面図である。
【図８】
本明細書に記載の製品変形試験のために準備された状態の図１の物品を表す図である。

Claims (28)

1. 前ウエスト部と、後ウエスト部と、前記ウエスト部の間に延び該ウエスト部を接続する中間部と、横方向に相対する一対の側縁と、縦方向に相対する一対のウエスト縁と、縦方向及び横方向とを定める使い捨て吸収体物品であって、
   ａ）実質的に液体不透過性の伸長性の外側カバーと、
   ｂ）液体透過性の身体側ライナーと、
   ｃ）前記伸長性の外側カバーと前記身体側ライナーとの間に配置された吸収体と、
   ｄ）前記物品の少なくとも中間部における横方向に相対した側縁に配置された一対の脚部弾性体と、
   を備え、前記物品が、本明細書に記載の製品変形試験を受けた時に、少なくとも約３パーセントのほぼ恒久的な脚部弾性体の変形値を与える構成にされることを特徴とする使い捨て吸収体物品。
2. 前記伸長性の外側カバーがさらに、本明細書に記載の材料の伸び及び変形引張試験によって、幅１インチ当たり（２．５４ｃｍ当たり）１００ｇｍｆの張力がかかった時に、少なくとも約１０パーセントのほぼ恒久的な変形を与える構成にされることを特徴とする請求項１に記載の使い捨て吸収体物品。
3. 前記伸長性の外側カバーがさらに、本明細書に記載の材料の伸び及び変形引張試験によって、幅１インチ当たり（２．５４ｃｍ当たり）１００ｇｍｆの張力がかかった時に、少なくとも約１５パーセントのほぼ恒久的な変形を与える構成にされることを特徴とする請求項１に記載の使い捨て吸収体物品。
4. 前記伸長性の外側カバーがさらに、本明細書に記載の材料の伸び及び変形引張試験によって、幅１インチ当たり（２．５４ｃｍ当たり）１００ｇｍｆの張力がかかった時に、少なくとも約１７パーセントのほぼ恒久的な変形を与える構成にされることを特徴とする請求項１に記載の使い捨て吸収体物品。
5. 前記伸長性の外側カバーがさらに、本明細書に記載の材料の伸び及び変形引張試験によって、幅１インチ当たり（２．５４ｃｍ当たり）１００ｇｍｆの張力がかかった時に、少なくとも約１０パーセントの伸びを与える構成にされることを特徴とする請求項１に記載の使い捨て吸収体物品。
6. 前記伸長性の外側カバーがさらに、本明細書に記載の材料の伸び及び変形引張試験によって、幅１インチ当たり（２．５４ｃｍ当たり）１００ｇｍｆの張力がかかった時に、少なくとも約２０パーセントの伸びを与える構成にされることを特徴とする請求項１に記載の使い捨て吸収体物品。
7. 前記物品の前記脚部弾性体の変形値が少なくとも約４パーセントであることを特徴とする請求項１に記載の使い捨て吸収体物品。
8. 前記物品の前記脚部弾性体の変形値が少なくとも約６パーセントであることを特徴とする請求項１に記載の使い捨て吸収体物品。
9. 前記伸長性の外側カバーが、本明細書に記載のモコン（Ｍｏｃｏｎ）水蒸気透過率試験を受けた時に、２４時間当たり少なくとも約８００ｇ／ｍ^２の水蒸気透過率を呈することを特徴とする請求項１に記載の使い捨て吸収体物品。
10. 前記伸長性の外側カバーが、本明細書に記載のモコン（Ｍｏｃｏｎ）水蒸気透過率試験を受けた時に、２４時間当たり少なくとも約１２００ｇ／ｍ^２の水蒸気透過率を呈することを特徴とする請求項１に記載の使い捨て吸収体物品。
11. 前記伸長性の外側カバーが、少なくとも１つのネック加工可能な非弾性材料層と少なくとも１つの非弾性フィルム層とを含むネック加工されたラミネートからなることを特徴とする請求項１に記載の使い捨て吸収体物品。
12. 前ウエスト部と、後ウエスト部と、前記ウエスト部の間に延び該ウエスト部を接続する中間部と、横方向に相対する一対の側縁と、縦方向に相対する一対のウエスト縁と、縦方向及び横方向とを定める使い捨て吸収体物品であって、
    ａ）本明細書に記載のモコン水蒸気透過率試験を受けた時に、２４時間当たり少なくとも約８００ｇ／ｍ^２の水蒸気透過率を呈し、本明細書に記載の材料の伸び及び変形引張試験によって幅１インチ当たり（２．５４ｃｍ当たり）１００ｇｍｆの張力がかかった時に、少なくとも約１０パーセントのほぼ恒久的な変形を与える構成にされる、実質的に液体不透過性の外側カバーと、
    ｂ）液体透過性の身体側ライナーと、
    ｃ）前記伸長性の外側カバーと前記身体側ライナーとの間に配置された吸収体と、
    ｄ）前記吸収体物品のウエスト部の一方における横方向に相対した側縁に配置された一対のファスナと、
    ｅ）前記物品の少なくとも中間部における横方向に相対した側縁に配置された一対の脚部弾性体と、
    を備え、前記物品が、本明細書に記載の製品変形試験を受けた時に、少なくとも約３パーセントのほぼ恒久的な脚部弾性体の変形値を与える構成にされることを特徴とする使い捨て吸収体物品。
13. 前記伸長性の外側カバーの前記ほぼ恒久的な変形が、少なくとも約１５パーセントであることを特徴とする請求項１２に記載の使い捨て吸収体物品。
14. 前記伸長性の外側カバーの前記ほぼ恒久的な変形が、少なくとも約１７パーセントであることを特徴とする請求項１２に記載の使い捨て吸収体物品。
15. 前記伸長性の外側カバーが、本明細書に記載の材料の伸び及び変形引張試験によって、幅１インチ当たり（２．５４ｃｍ当たり）１００ｇｍｆの張力がかかった時に、少なくとも約２０パーセントの伸びを与える構成にされることを特徴とする請求項１２に記載の使い捨て吸収体物品。
16. 前記物品の前記脚部弾性体の変形値が少なくとも約４パーセントであることを特徴とする請求項１２に記載の使い捨て吸収体物品。
17. 前記物品の前記脚部弾性体の変形値が少なくとも約６パーセントであることを特徴とする請求項１２に記載の使い捨て吸収体物品。
18. 前記伸長性の外側カバーの前記水蒸気透過率が、２４時間当たり少なくとも約１２００ｇ／ｍ^２であることを特徴とする請求項１２に記載の使い捨て吸収体物品。
19. 前記伸長性の外側カバーが、少なくとも１つのネック加工可能な非弾性材料層と少なくとも１つの非弾性フィルム層とを含むネック加工されたラミネートからなることを特徴とする請求項１２に記載の使い捨て吸収体物品。
20. 前ウエスト部と、後ウエスト部と、前記ウエスト部の間に延び該ウエスト部を接続する中間部と、横方向に相対する一対の側縁と、縦方向に相対した一対のウエスト縁と、縦方向及び横方向とを定めるパンツ状の使い捨て吸収体物品であって、
    ａ）本明細書に記載の材料の伸び及び変形引張試験によって、幅１インチ当たり（２．５４ｃｍ当たり）１００ｇｍｆの張力がかかった時に、少なくとも約２０パーセントの伸びと、少なくとも約１０パーセントのほぼ恒久的な変形を与える構成にされた、実質的に液体不透過性の伸長性の外側カバーと、
    ｂ）液体透過性の身体側ライナーと、
    ｃ）前記伸長性の外側カバーと前記身体側ライナーとの間に配置された吸収体と、
    ｄ）包装する前に予め締結されたパンツ状の吸収体物品を与えるために、前記前ウエスト部の横方向に相対する側縁を、前記後ウエスト部の横方向に相対する側縁に再締結可能に取り付ける一対のファスナと、
    ｅ）前記物品の少なくとも中間部における横方向に相対した側縁に配置された一対の脚部弾性体と、
    を備え、前記パンツ状の吸収体物品が、本明細書に記載の製品変形試験を受けた時に、少なくとも約３パーセントのほぼ恒久的な脚部弾性体の変形値を与える構成にされることを特徴とする使い捨て吸収体物品。
21. 前記伸長性の外側カバーの前記ほぼ恒久的な変形が、少なくとも約１５パーセントであることを特徴とする請求項２０に記載の予め締結されたパンツ状の使い捨て吸収体物品。
22. 前記伸長性の外側カバーの前記ほぼ恒久的な変形が、少なくとも約１７パーセントであることを特徴とする請求項２０に記載の予め締結されたパンツ状の使い捨て吸収体物品。
23. 前記伸長性の外側カバーの前記伸びが、少なくとも約３０パーセントであることを特徴とする請求項２０に記載の予め締結されたパンツ状の使い捨て吸収体物品。
24. 前記物品の前記脚部弾性体の変形値が少なくとも約４パーセントであることを特徴とする請求項２０に記載の予め締結されたパンツ状の使い捨て吸収体物品。
25. 前記物品の前記脚部弾性体の変形値が少なくとも約６パーセントであることを特徴とする請求項２０に記載の予め締結されたパンツ状の使い捨て吸収体物品。
26. 前記伸長性の外側カバーが、本明細書に記載のモコン水蒸気透過率試験を受けた時に、２４時間当たり少なくとも約８００ｇ／ｍ^２の水蒸気透過率を呈することを特徴とする請求項２０に記載の予め締結されたパンツ状の使い捨て吸収体物品。
27. 前記伸長性の外側カバーの前記水蒸気透過率が、２４時間当たり少なくとも約１２００ｇ／ｍ^２であることを特徴とする請求項２６に記載の予め締結されたパンツ状の使い捨て吸収体物品。
28. 前記伸長性の外側カバーが、少なくとも１つのネック加工可能な非弾性材料層と少なくとも１つの非弾性フィルム層とを含むネック加工されたラミネートからなることを特徴とする請求項２０に記載の予め締結されたパンツ状の使い捨て吸収体物品。