JP2004508008A

JP2004508008A - 温室用組立式パネル及びこれを用いた換気システム

Info

Publication number: JP2004508008A
Application number: JP2001564584A
Authority: JP
Inventors: ユン・インハク; キム・ジンヨン; ジョン・ヒー; キム・ヒョンファン; リ・シヨン
Original assignee: Korea Rural Development Administration
Current assignee: Korea Rural Development Administration
Priority date: 2000-02-22
Filing date: 2001-02-20
Publication date: 2004-03-18
Also published as: WO2001065920A1; KR20000024582A; AU2001236160A1; KR100369925B1

Abstract

【課題】窓戸の開放時にも温室が風に十分に耐えることができると共に、その開口率を大幅増大させて、室内温度が作物や飼育家畜などの生育条件に適当に維持されるように自然換気させることができる温室の換気システムを提供する。
【解決手段】本発明は、フレーム、クロスバー及び中間に空気層が形成された２重カバーで構成され、断熱性が増大し、組立性が向上して、設置及び維持補修が簡便な温室組立用の固定パネル及び屈伸パネル並びに温室の換気システムを提供する。本発明に係る温室の換気システムによれば、温室の天井及び側壁に折畳部材を中心に屈伸される分割体からなる屈伸パネルで構成された換気窓と、前記換気窓を開閉させる駆動手段とを備え、換気窓の開放時、屈伸パネルが折り曲げられた状態で、換気窓の開口部位を介して温室内部の高温の空気を排出し、開放された換気窓の側部を介して温室外部の低温空気が流入されるようにする。
【選択図】図９

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温室に関し、より詳細には、フレームとクロスバーとで構成される温室用組立式パネル及び折畳可能な屈伸パネルを用いた温室の換気システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、野菜や花卉または果樹などの作物を集約的に大量生産するために、大型のビニル温室やガラス温室を設置して運用している。ところが、このような野菜や花卉などの作物は、その生育特性上、適切な温度と採光を必要とするところ、温室の設置運用において、適切な採光を保障しながら、その室内温度を適正レベルに維持させるための換気が非常に重要である。例えば、外気が高温である時、室内の適正温度を維持するために遮光を行う場合、採光が悪くなり、作物の生育に悪影響を及ぼすことになり、反対に、充分な採光を確保しても、室内の適正温度を維持することが難しくなり、作物の生育に良くないことがある。従って、温室に窓戸を設け、必要に応じて温室を換気させることによって、作物の生育に必要な採光を確保すると共に、室内の温度維持を図る方法が用いられている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常、温室の窓戸は、そのほとんどが一端を軸として他端を回転開閉する典型的なヒンジ方式を採用しているところ、その構造的特性上（窓戸の開放時、風から温室を支えるために）、窓戸による開口率が全体表面積の１２〜２０％を超えることができないので、窓戸だけでは所望の室内温度を維持することが不可能である。すなわち、作物の生育条件に必要な適正温度は、裁培する作物の種類によってある程度の差異はあるが、略２５〜３０℃が好ましいが、夏季には、温室の密閉時、室内温度が約７０〜８０℃に至る。また、窓戸は、その面積が非常に狭いだけでなく、完全に開放しても、窓戸の構造上、内・外気の流入と流出が円滑になされないから、室内温度が約４０〜５０℃に至り、事実上作物の裁培が不可能になる。
【０００４】
これにより、従来には、高温期の際、散水器やファン、エアコンなどを用いて温室の室内温度を強制的に下降させているが、これは、莫大な費用が要求され、農家に大きい経済的負担として作用し、しかも大型温室では実効的でないという問題があった。
【０００５】
また、外気の温度が低い時、外部への熱損失を低減するために、ビニルなどを２重又は３重に設置して温室を構成しているから、温室の設置と維持補修が非常に煩雑であり、作物裁培に莫大な費用がかかる。しかも、外気の温度が高くなると、温室内の温度がさらに上昇するようになる。
【０００６】
なお、上記のような問題点は、工場や各種畜舎など大量の室内換気を必要とする他の構造物にも同様に現れる。
【０００７】
本発明は、前述したような従来の温室の問題点を鑑みなされたものであって、その目的は、窓戸の開放時にも、温室が風に十分に耐えることができると共に、その開口率を大幅増大させることによって、別の冷却手段を設けることなく、室内温度が作物や飼育家畜などの生育条件に適当に維持されるように、自然換気させることができる温室の換気システムを提供することにある。
【０００８】
本発明の他の目的は、内・外気の流入と流出が円滑に行われることができる温室の換気システムを提供することにある。
【０００９】
本発明のさらに他の目的は、優秀な断熱性能を有すると共に、温室の設置と維持補修を簡便に行うことができる温室用組立式パネルを提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明に係る温室用組立式パネルは、内周面に所定の間隔で複数の結合スリットを有し、外周面に固定スリットを有し、中央に空間部を有する四角枠形状のインナーフレーム（ｉｎｎｅｒ　ｆｒａｍｅ）と、該インナーフレームの空間部内に相互格子状に配列され、両端部が結合スリットに嵌合固定される複数のクロスバー（ｃｒｏｓｓ　ｂａｒ）と、インナーフレームの空間部を密閉させるカバーと、内周面に結合チャンネルを有し、カバーの縁部を取り囲むようにインナーフレームの外周面の固定スリットに結合されるアウターフレーム（ｏｕｔｅｒ　ｆｒａｍｅ）とを備えていることを特徴とする。
【００１１】
このような本発明に係る温室用組立式パネルの好ましい様態によれば、カバーが硬質または軟質の透明シートからなり、その縁部がウェッジバー（ｗｅｄｇｅｂａｒ）により固定スリットに嵌着固定される。
【００１２】
本発明に係る温室用組立式パネルの他の好ましい様態によれば、カバーがガラス板からなり、その縁部がインナーフレームとアウターフレームとの間に介在された後、接着剤により固定される。
【００１３】
本発明に係る温室用組立式パネルが適用される温室の換気システムは、胴体が少なくとも二つの分割体で構成され、折畳手段により屈伸可能に互いに連結され、一方の分割体の下端部が骨組にヒンジ組立される屈伸パネルと、屈伸パネルの他方の分割体の上端に装着されたガイドと、ガイドが結合されて移動するガイドレールとを備える換気窓と、この換気窓を屈伸させる駆動手段とを含むことを特徴とする。
【００１４】
本発明に係る温室の換気システムの好ましい様態によれば、駆動手段が、ピニオン（ｐｉｎｉｏｎ）を有する回転軸と、該ピニオンと歯合し、一端が屈伸パネルの折畳部の近くにヒンジ組立されるラック（ｒａｃｋ）と、回転軸に回転可能に結合され、ラックとピニオンとの歯合状態を維持させると同時に、ラックの移動を案内するガイドホルダー（ｇｕｉｄｅ　ｈｏｌｄｅｒ）と、回転軸を正・逆方向に駆動させるモーターとから構成される。
【００１５】
本発明に係る温室換気システムの他の好ましい様態によれば、換気窓が温室の天井及び側壁にそれぞれ設けられ、屈伸パネルの幅は、固定パネルの幅と同一であるか、大きく形成される。
【００１６】
これにより、本発明は、換気窓の開口率が大幅増大し、内・外気の流入と流出が非常に円滑に行われるので、高温期の際、別の冷却手段無しに自然換気だけで室内温度を作物の生育条件に適当なレベルに維持させることができる。また。温室を組立式で簡便に設置及び維持補修することができ、温室が優秀な断熱性能を有するので、温室の換気性と断熱性及び堅固性を向上することができると共に、作物裁培や家畜飼育などによる費用低減に大きい効果を発揮することができる。
【００１７】
本発明の具体的特徴と他の利点は、添付の図面を参照する以下の好ましい実施の形態の説明から一層明らかになるだろう。
【００１８】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の実施の形態に係る温室用組立式パネル１の固定パネル１０を説明する。
【００１９】
本発明の実施の形態に係る固定パネル１０は、図１乃至図４に示すように、中央に空間部２５を有する四角枠形状のインナーフレーム２０と、該インナーフレーム２０の空間部２５に格子状に配設される複数のクロスバー３０と、インナーフレーム２０の両側面にそれぞれ固定され、空間部２５を密閉させることによって空気層を形成させるカバー４０と、カバー４０の縁部を取り囲むように、インナーフレーム２０の外側面に結合されるアウターフレーム５０とで構成される。
【００２０】
インナーフレーム２０は、中空の四角形バー（ｂａｒ）からなる上下左右４つのバーを、相互ピース組立したり溶接することによって構成される。各々のバーは、長手方向に配設されたバッフル（ｂａｆｆｌｅ）２４により中空部２１が内側中空部２２と、外側中空部２３とに区画される。内側中空部２２の内面には、クロスバー３０の結合のための複数の結合スリット２６が一定の間隔をもって設けられる。外側中空部２３の外面には、カバー４０を固定するための固定スリット２７が長手方向に設けられる。結合スリット２６は、各バーの長手方向に設けられる連続した第１のスリット２６ａと、第１のスリット２６ａに沿って一定の間隔をもって配設され、第１のスリット２６ａに直交するように設けられる第２のスリット２６ｂとからなり、これは、クロスバー３０が、後述のように、十字状に設けられるからである。従って、結合スリット２６の形状は、クロスバー３０の形状によって適宜変更することができる。
【００２１】
一方、固定スリット２７は、例えば、カバー４０がビニルシート４１のように軟質材からなる場合、カバー４０の縁部をウェッジバー４３により嵌着固定するためのもので、その内縁には、ウェッジバー４３の密着面に弾性的に接触する弾性片２８が突設される。
【００２２】
クロスバー３０は、固定パネル１０の形態を安定的に維持させると同時に、カバー４０を支持するためのものであり、要求される機能を発揮できれば、いかなる形態でも良いが、略十字状断面を有するものが好ましい。このようなクロスバー３０は、複数個を用意し、互いに直交するように結合することによって、インナーフレーム２０の空間部２５内で格子状をなすようになる。従って、隣接する二つのリブ３１、３２が他の二つのリブ３３、３４より、その厚さ分長く形成され、相対的に長く形成されたいずれか一つのリブ３１と、それに隣接する二つのリブ３２、３４には、直交する他のクロスバー３０との結合のために、複数の組立スリット３５、３６、３７が一定の間隔をもって設けられる。これは、クロスバー３０が十字状に形成されるから、組立時、各クロスバー３０の上・下端を互いに一致させるためである。これにより、インナーフレーム２０の結合スリット２６の第１のスリット２６ａは、クロスバー３０のリブ３１〜３４の厚さの少なくとも２倍に該当する幅を有する。
【００２３】
ここで、クロスバー３０のリブ３１のみを相対的に長く形成しても良いが、インナーフレーム２０の結合スリット２６に嵌合する長さを増やして、より安定した組立状態を具現するために、インナーフレーム２０の結合スリット２６に嵌合するリブ３２をも長く形成することができる。
【００２４】
カバー４０は、いろいろなものが用いられるが、温室の場合、適切な採光が必要なので、ビニルシート４１などの軟質の透明シートやガラス板４２のような透明体からなる。例えば、ビニルシート４１からなる場合、その縁部がウェッジバー４３によってインナーフレーム２０の固定スリット２７に嵌着固定されることによって、インナーフレーム２０の空間部２５に空気層を形成するようになる。従って、製作の便宜のために、ビニルシート４１がインナーフレーム２０を挿入できるように、２重のシートを連結した状態で構成することが好ましい。
【００２５】
アウターフレーム５０は、インナーフレーム２０と同様に、上下左右４つのバーを四角枠形状で相互ピース組立することによって構成される。また、各バーは、内側に開口した略コ字状の断面を有する。これにより、アウターフレーム５０の内周には、インナーフレーム２０を挿入する連続した結合チャンネル５１が形成される。結合チャンネル５１の入口、すなわちアウターフレーム５０の内側端部には、インナーフレーム２０の内端に弾性的に係止する係止鍔５２が相互対向するように設けられている。そして、アウターフレーム５０の外側面の両縁部、すなわち温室の施工時、多数のパネル１が連続的に配設される方向の両縁部には、雨水などが温室の内部に流入されることを防止するための雨水流入防止鍔５３が設けられている。
【００２６】
このようなインナーフレーム２０と、アウターフレーム５０及びクロスバー３０は、アルミニウムなどの軽金属や高強度の合成樹脂材からなることが好ましい。
【００２７】
次に、上述のような構成を有する本発明に係る温室用組立式パネルの製作方法を説明する。
【００２８】
まず、多数のクロスバー３０を、各々の組立スリット３５〜３７と結合して格子状で組立し、各クロスバー３０の両端部がインナーフレーム２０の対応する結合スリット２６に嵌合するように、その上下左右のバーを結合した後、各バーの隣接する端部を相互組立し固定する。次に、クロスバー３０が組立されたインナーフレーム２０に筒状のビニルシート４１を被覆し、その両側で固定スリット２７にウェッジバー４３を嵌合する。すると、ビニルシート４１がウェッジバー４３によりぴんと引っ張られながら、インナーフレーム２０に固定される。この際、インナーフレーム２０の弾性片２８がウェッジバー４３により弾性変形し、ビニルシート４１を非常に堅固に固定する。次いで、ビニルシート４１の上・下端部をインナーフレーム２０に対して折り曲げた後、その固定スリット２７に上下側ウェッジバー４３を各々嵌着すれば、ビニルシート４１の上・下端部がウェッジバー４３に沿ってインナーフレーム２０の固定スリット２７内に吸い込まれて固定されることにより、インナーフレーム２０の空間部２５に空気層を形成させるようになる。この状態で、インナーフレーム２０の外面にアウターフレーム５０の上下左右のバーを各々結合する。すると、アウターフレーム５０の各バーの内端に設けられた係止鍔５２が、インナーフレーム２０の内端に弾性的に係止し、位置固定される。次いで、各バーの隣接する端部を相互固定することによって製作する。
【００２９】
また、図５には、前述したビニルシート４１の代わりに、ガラス板４２をカバー４０として採用した状態を示した。この場合、クロスバー３０が組立されたインナーフレーム２０の内・外側面にそれぞれガラス板４２を載置し、二つのガラス板４２の縁部を取り囲むように、アウターフレーム５０の上下左右のバーを結合して相互固定した後、アウターフレーム５０の内端と二つのガラス板４２とをシリコンでコーキング（ｃａｕｌｋｉｎｇ）して各々固定することによって製作する。従って、ガラス板４２をカバー４０として採用した場合、ウェッジバー４３は不要となる。
【００３０】
一方、図６ａ乃至図８には、本発明に係る温室用組立式パネルの屈伸パネル６０が示されているが、これは、インナーフレーム、クロスバーカバー及びアウターフレームなどの基本的な構成が前述した固定パネル１０と同様であるので、対応する部分には、同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【００３１】
図示したように、屈伸パネル６０は、パネル胴体は互いに分離されて、上部パネル６１と下部パネル６２の２分割体からなり、上部及び下部パネル６１、６２が蝶番６３などの折畳手段により互いに屈伸可能に連結されることによって構成される。上部及び下部パネル６１、６２の外側面の両側、すなわち温室の施工時、その配設方向の両側には、隣接する固定パネル１０の縁部を覆い被せるカバーフランジ（ｃｏｖｅｒ　ｆｌａｎｇｅ）６５、６６が各々設けられる。このようなカバーフランジ６４は、隣接する固定パネル１０と屈伸パネル６０との間の隙間を介して雨水などが温室の内部に流入されることを防止するためのものであり、少なくとも固定パネル１０の雨水流入防止鍔５３を十分に被覆できるように形成されている。
【００３２】
そして、各カバーフランジ６５、６６の先端部の下面には、雨水流入をより確実に防止するために、図８に示したように、隣接する固定パネル１０の外側面に密着して両者間に気密を維持させることができるゴム材などのパッキング６７が備えられることが好ましい。
【００３３】
また、このような屈伸パネル６０は、互いに分離して構成された上部及び下部パネル６１、６２が蝶番６３により一体的に連結されているので、これら間の隙間をも確実に塞ぐ必要がある。このため、図７に示すように、上部パネル６１の外側面の下端部には、下部パネル６２の外側面の上端部を覆い被せる第２のカバーフランジ６８が設けられ、下部パネル６２の外側面の上端部には、第２のカバーフランジ６８の内側に位置する第２の雨水流入防止鍔６９が設けられている。
【００３４】
このような本発明に係る温室用組立式パネル１０、６０は、内・外部のカバー４０間に空気層を有するので、単純にビニルを多重に取り囲んだ従来の温室と比べて、断熱性能が顕著に向上し、前述したような組立構造により設置及び維持補修が非常に簡便になる。
【００３５】
一方、図９乃至図１１は、本発明に係る組立式パネルを用いて施工した温室の換気システムであって、本発明に係る温室の換気システムは、温室の骨組１１０上に、一つ以上の屈伸パネル６０を交互に配設することによって構成される。このような構成は、温室１００の天井のみに適用したり、必要に応じて天井と側壁の両方に採用される。各固定パネル１０は、例えばＣ型鋼１３０により骨組１１０に一定の間隔で締結固定され、屈伸パネル６０は、各固定パネル１０の間に、後述する可動支持手段７０により骨組１１０に対し屈伸可能に設置される。
【００３６】
この際、図１１に実線で示すように、平常時には、屈伸パネル６０のカバーフランジ６５が隣接する固定パネル１０の外側面の縁部を覆い被せるが、各カバーフランジ６５には、固定パネル１０に密着するパッキング６７が具備され、パッキング６７の内側で且つ固定パネル１０の外側面には、雨水流入防止鍔５３が設けられているので、密閉時、各パネル１０、６０間の隙間への雨水の流入を防止することができる。一点鎖線は、屈伸パネル６０が開放された状態を示すものである。
【００３７】
これにより、本発明に係る温室１００は、少なくとも５０％に近い程の開口率を有し、所定の規格内で固定パネル１０と屈伸パネル６０の幅を相対的に加減することによって、温室１００の開口率を最大８５％程度まで増大させることができる。すなわち、本発明に係る温室の換気システムは、固定パネル１０と屈伸パネル６０が交互に配設され、例えば図１２ａに示すように、固定パネル１０の幅Ｌと屈伸パネル６０の幅Ｌ１を同一に構成する場合には、略５０％の開口率を有し、図１２ｂに示すように、屈伸パネル６０の幅Ｌ１′を固定パネル１０の幅Ｌ′の２倍で構成したり、図１２ｃに示すように、屈伸パネル６０の幅Ｌ１″を固定パネル１０の幅Ｌ″の４倍で構成する場合には、温室１００の開口率がだんだん増加するようになる。
【００３８】
この際、屈伸パネル６０の増加幅は、固定パネル１０の減少幅に対応して増加するが、屈伸パネル６０の幅Ｌ１、Ｌ１′、Ｌ″は、約２ｍ内に設定することが好ましい。これは、屈伸パネル６０の幅Ｌ１、Ｌ１′、Ｌ″が２ｍを超える場合、屈伸パネル６０の開放時、温室１００が強風に耐える強度が顕著に減少するから、温室１００の構造的安定を達成するためである。従って、温室１００の開口率を増やすためには、屈伸パネル６０の幅Ｌ１、Ｌ１′、Ｌ″を前述した範囲内で適切に設定すると共に、その数量を増やすことがより好ましい。
【００３９】
また、このような本発明に係る温室の換気システムは、換気窓の開口が屈伸パネル６０の上部パネル６１により２部分に区画され、上方は、前面露出し、下方は、屈伸パネル６０により側面露出する。このため、開口率が高く、内・外気の流入・流出が非常に円滑で且つ速やかになされる。すなわち、図９に示すように、高温の内気は、上方の前面露出部を介して速やかに外部に排出されると同時に、低温の外気が下方の側面露出部を介して温室１００の内部に速やかに流入される。このような気流の流れが温室１００のほとんど全部分で同時に行われ、換気率が極大化される。従って、高温期の際、別の冷却手段無しに純粋の自然換気だけで温室１００の内部温度を作物の生育に適合した温度に維持させることができると共に、適切な採光を確保することができる。
【００４０】
一方、図１３乃至図１５には、本発明に係る温室換気システムにおいて、屈伸パネル６０を用いた換気窓を可動可能に支持するための可動支持手段７０の一例を示す。これは、屈伸パネル６０の下端部を回転自在に支持するヒンジ手段と、屈伸パネル６０の屈伸作用を案内するガイド手段を含む換気窓と、屈伸パネル６０を必要に応じて適切に屈伸させて換気窓を開閉する駆動手段とから構成される。
【００４１】
ヒンジ手段は、屈伸パネル６０の下部パネル６２下端部の両側にヒンジピン７１が各々設けられ、これらに対向するように構造物１００の骨組１１０にヒンジブロック７２が各々設けられて構成される。このようなヒンジピン７１は、屈伸パネル６０が固定パネル１０と同一平面上に位置するように、その下部パネル６２の内側面に設けられることが好ましい。
【００４２】
ガイド手段は、屈伸パネル６０の両側に、屈伸パネル６０から離隔して並設される二つのガイドレール７３と、屈伸パネル６０の上部パネル６１の上端部の両側に各々設置され、対応するガイドレール７３に移動可能に結合される二つのガイド７７とから構成される。ガイドレール７３は、構造物１００の骨組１１０に各々設けられ、互いに並設されて両者間にレールスリット７６を形成する二つのレールパイプ７５と、これらの両端部を骨組１１０に固定支持する二つの固定ブロック７４とから構成される。そして、二つのレールパイプ７５のいずれか一方には、屈伸パネル６０が伸ばされたとき、ガイド７７が安着する安着鍔７５ａが曲げ形成されることが好ましい。これは、窓戸の閉鎖時、屈伸パネル６０が確実で且つ安定に閉じるようにするためである。ガイド７７は、内側に突出した連結片７９と、上部パネル６１の内側面に固定されるブラケット７８と、一端がブラケット７８の連結片７９の端部に回転自在に結合支持され、他端がガイドレール７３のレールスリット７６を貫通するガイドピン８０とからなる。このようなガイド７７の連結片７９は、屈伸パネル６０の円滑な屈伸作用のために、図示したように、その内側上方に適切に傾くように形成することが好ましい。なお、図示してはいないが、ガイド手段は、ガイドレールがチャンネルを有するように構成され、ガイドピンには、ガイドレールのチャンネルに結合されるローラをさらに備えるように構成することもできる。
【００４３】
駆動手段は、ピニオン８２を有する回転軸８１と、ピニオン８２と歯合し、一端が屈伸パネル６０の折畳部の近くにヒンジ組立されるラック８４と、回転軸８１に回転自在に結合され、ラック８４とピニオン８２の歯合状態を維持させると共に、ラック８４の移動を案内するガイドホルダー８６と、回転軸８１を正・逆方向に駆動させるモーター８８とから構成される。回転軸８１は、屈伸パネル６０の幅方向に配置され、ベアリングブロック８３により骨組１１０や隣接する二つの固定パネル１０に支持され、その一端がモーター８８に一体的に連結される。ラック８４は、屈伸パネル６０の折畳部の近く、例えばその下部パネル６２の内側面の上端部中間に設けられるヒンジブラケット８５に一端が回転自在に連結される。ガイドホルダー８６は、様々な形態で構成されることができ、例えば、図示したように略Ｕ字状に構成され、その両端部がピニオン８２の両側を取り囲むように、回転軸８１に回転自在に結合支持され、その一方には、ラック８４の他側面に転動（ｒｏｌｌｉｎｇ　ｃｏｎｔａｃｔ）するガイドローラ８７を有する。ここで、ピニオン８２をガイドホルダー８６に回転自在に一体的に装着し、このピニオン８２をキー（ｋｅｙ）（図示せず）などで回転軸８１に結合固定させることもできる。
【００４４】
なお、このような駆動手段は、図示してはいないが、場合によって油圧や空圧シリンダなどのアクチュエータで構成することができることは言うまでもない。
【００４５】
次に、このように構成された可動支持手段７０により温室１００の換気窓を開閉させる動作を、図１６ａ及び１６ｂを参照して説明する。
【００４６】
まず、図１５は、屈伸パネル６０が伸びて（ｓｔｒｅｔｃｈｅｄ）換気窓が閉じた状態であって、温室１００が完全密閉された状態である。この際、屈伸パネル６０の上端部、すなわち上部パネル６１の上端部は、図１０を参照すれば、棟１２０などの内部に進入することはもちろん、屈伸パネル６０の上部パネル６１に設けられたガイドピン８０が、ガイドレール７３のレールパイプ７５に設けられた安着鍔７５ａに進入して確実に密閉されることによって、雨水が温室１００の内部に流入しなくなる。
【００４７】
この状態で、温室１００を換気させようとする場合には、操作装置（図示せず）を作動させて、モーター８８を正方向に駆動させる。すると、図１６ａに示すように、回転軸８１に装着されたピニオン８２が、時計方向である矢印Ｆ方向に回転し、ピニオン８２と噛合したラック８４は、矢印Ｇ方向である構造物の外側方向に移動する。これにより、下部パネル６２の上端に固定されたラック８４の一端部が、下部パネル６２の上部側を外側に押圧して、屈伸パネル６０の上部パネル６１と下部パネル６２が蝶番６３を中心に曲げられる。すなわち、図面から分かるように、屈伸パネル６０のうち下部パネル６２は、下端部が骨組１１０などにヒンジピン７１で拘束されていて、下部パネル６２と蝶番６３で連結した上部パネル６１の上端部は、ガイド７７によりガイドレール７３に沿って下向きに移動するため、上部パネル６１と下部パネル６２は蝶番６３を中心に折り曲げられる。
【００４８】
この際、下部パネル６２は、ヒンジピン７１を中心に反時計方向であるＨ方向に回転し、ラック８４は、回転軸８１に回転自在に結合されピニオン８２が同軸結合されたガイドホルダー８６によりピニオン８２との歯合状態が離脱することなく移動する。ガイドホルダー８６のガイドローラ８７は、ピニオン８２と歯合しないラック８４の背面をガイドするようになる。
【００４９】
図１６ｂは、ガイド７７がガイドレール７３の下端部に到達して換気窓が開放された状態を示す。開放された換気窓の開口を介して、前述したように内・外気の流入と流出が非常に円滑に行われ、温室１００の室内を換気させるようになる。
【００５０】
このような温室１００の換気作用を、図９及び図１０を参照してさらに説明する。換気窓が開放されると、温室１００の内部で上部層を占有していた高温の空気は、天井で屈伸パネル６０が折り曲げられて外部に直接露出する前面露出部を介して点線の矢印のように速やかに排出されると共に、換気窓の側部に形成された側面露出部を介して、温室の内部から高温の空気が排出されて形成される空き空間に、外部の冷たい空気が実線の矢印のように、温室１００の内部に速やかに流入される。従って、排出される高温の空気と流入される冷たい空気とが自然に空気の流れ経路を形成することによって、内外部空気の換気が円滑に行われる。
【００５１】
また、温室１００の側壁に換気窓が設置された状態でも、天井の場合と同様に換気窓の開放により同じ効果を実現して、円滑な換気が行われる。
【００５２】
温室１００を密閉させようとする場合には、操作装置によりモーター８８を逆方向に駆動させれば、前述した開放動作の逆順に進行され、最終的には、図１５に示すように、屈伸パネル６０が伸びることになり、換気窓の開口部分を全部閉鎖させることによって、温室１００を密閉させる。
【００５３】
なお、このような屈伸パネル６０の動作は、各屈伸パネル６０毎に専用のモーター８８を具備して独立的に実行することもでき、図１７に示すように、一つの回転軸８１′が複数の屈伸パネル６０を担当するように長く構成して、ベアリングブロック８３により支持させると共に、各屈伸パネル６０に対応するように、ピニオン８２を一定の間隔で装着し、一つのモーター８８で複数の屈伸パネル６０を屈伸させ、同時に多数の換気窓を開閉させることができる。この際、温室１００が小型の場合には、同一面上に位置する屈伸パネル６０すべてを一つのモーター８８により駆動させることができる。これに対して、大型の場合には、屈伸パネル６０をいくつかの群でまとめて分離駆動させることが好ましい。
【００５４】
以上、本発明を温室に関連して説明したが、これは、単純な例示に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば牛舎、畜舎、鶏舎及び豚舍などの各種畜舎や工場及び物品保管倉庫など、室内換気が必要な同種の構造物に適用されることができることは言うまでもない。
【００５５】
以上説明したように、本発明によれば、温室が、換気窓の開放時にも、強風に十分に耐えることができ、換気窓の開口率が大幅増大すると共に、換気窓を介して内・外気の流入と流出が非常に円滑で且つ速やかに行われるので、従来のような別の冷却手段無しに自然換気だけで室内温度を作物の生育条件に適当なレベルに維持させることができる。
【００５６】
また、温室を組立式でユニット化することにより、製作が簡便で、運搬設置が容易であり、しかも一部が破損しても該当パネルのみを簡単に交替することができるので、維持補修が極めて簡便になる。さらに、温室を構成する単位パネルがその内・外部カバー間に空気層を具備していて、優秀な断熱性能を有するので、温室の適正な室内温度維持に非常に有利である。
【００５７】
従って、本発明は、温室の換気性、断熱性及び堅固性を大きく向上させることができることはもちろん、作物裁培による費用節減に大きい効果がある。また、一般の組立式パネルを用いて畜舎や工場などの構造物を構成する場合にも、非常に優れた換気性を発揮できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】
本発明に係る温室用組立式パネルの一実施の形態を示すもので、ビニルなどの軟質材を採用した例の斜視図である。
【図２】
図１のＡ−Ａ線に沿う断面図である。
【図３】
図２の要部拡大図である。
【図４】
図３の分解斜視図である。
【図５】
図３に対応するもので、ガラスなどの硬質材を採用した例を示す要部断面図である。
【図６ａ】
本発明に係る温室用組立式パネルの他の実施の形態を示す正面図である。
【図６ｂ】
本発明に係る温室用組立式パネルの他の実施の形態を示す側面図である。
【図７】
図６ａのＢ−Ｂ線に沿う断面図である。
【図８】
図６ａのＣ−Ｃ線に沿う断面図である。
【図９】
本発明に係る組立式パネルを用いて施工した温室換気システムの概略斜視図である。
【図１０】
図９の概略断面図である。
【図１１】
図９のＤ−Ｄ線から見た屈伸パネルの動作状態を示す図である。
【図１２ａ】
固定パネルと屈伸パネルの設置関係を模式的に示す正面図である。
【図１２ｂ】
固定パネルと屈伸パネルの設置関係を模式的に示す正面図である。
【図１２ｃ】
固定パネルと屈伸パネルの設置関係を模式的に示す正面図である。
【図１３】
図９の屈伸パネルを示す分解斜視図である。
【図１４】
図１３の結合状態を示す背面図である。
【図１５】
図１４のＥ−Ｅ線に沿う断面図である。
【図１６ａ】
図１３の換気システムの作動状態を示す断面図である。
【図１６ｂ】
図１３の換気システムの作動状態を示す断面図である。
【図１７】
図１３の換気システムが適用された温室を概略的に示す背面図である。
【符号の説明】
１０　　　固定パネル
２０　　　インナーフレーム
２５　　　空間部
２６　　　結合スリット
２７　　　固定スリット
２８　　　弾性片
３０　　　クロスバー
３１　　　リブ
３２　　　リブ
３３　　　リブ
３４　　　リブ
３５　　　組立スリット
３６　　　組立スリット
３７　　　組立スリット
４０　　　カバー
４１　　　透明ビニル
４２　　　ガラス板
４３　　　ウェッジバー
５０　　　アウターフレーム
５１　　　結合チャンネル
５３　　　雨水流入防止鍔
６０　　　屈伸パネル
６１　　　分割体
６２　　　分割体
６３　　　折畳手段
６５　　　カバーフランジ
６６　　　カバーフランジ
６７　　　パッキング
６８　　　第２のカバーフランジ
７３　　　ガイドレール
７５　　　レールパイプ
７５ａ　　安着鍔
７６　　　レールスリット
７７　　　ガイド
７９　　　ブラケット
８０　　　案内ピン
８１　　　回転軸
８２　　　ピニオン
８４　　　ラック
８６　　　ガイドホルダー
８８　　　モーター
１００　　温室

Claims

内周面に所定の間隔で設けられた複数の結合スリット２６と、外周面に長手方向に設けられた固定スリット２７と、中央の空間部２５を有する四角枠形状のインナーフレーム２０と、
前記インナーフレーム２０の空間部２５内に相互格子状に配列され、両端部が前記結合スリット２６に嵌合固定される複数のクロスバー３０と、
前記インナーフレーム２０の両側面にそれぞれ固定され、前記空間部２５を密閉させるカバー４０と、
内周面に結合チャンネル５１を有し、前記カバー４０の縁部を取り囲むように前記インナーフレーム２０の外面に結合されるアウターフレーム５０と
を備えることを特徴とする温室用組立式パネル。
前記カバー４０が軟質の透明シートからなり、その縁部がウェッジバー４３により前記固定スリット２７に嵌合固定されることを特徴とする請求項１に記載の温室用組立式パネル。
前記カバー４０は、２重のビニルシートが連結されて形成され、前記インナーフレーム２０が挿入された状態で、気密性を有するように結合されることを特徴とする請求項２に記載の温室用組立式パネル。
前記固定スリット２７の縁部に、前記ウェッジバー４３に弾性的に接触する弾性片２８が設けられることを特徴とする請求項２又は３に記載の温室用組立式パネル。
前記カバー４０がガラス板４２からなり、その縁部が前記インナーフレーム２０とアウターフレーム５０との間に介在され、接着剤により固定されることを特徴とする請求項１に記載の温室用組立式パネル。
前記クロスバーが十字状断面を有するように設けられ、少なくとも一つのリブ３１、３２が他のリブ３３、３４より、その厚さ分長く形成され、相対的に長いリブ３１とそれに隣接する二つのリブ３２、３４に組立スリット３５、３６、３７が一定の間隔で形成されることを特徴とする請求項１に記載の温室用組立式パネル。
前記アウターフレーム５０の外側面の両側に、雨水流入防止鍔５３が設けられることを特徴とする請求項１に記載の温室用組立式パネル。
内周面に所定の間隔で設けられた複数の結合スリット２６と、外周面に長手方向に設けられた固定スリット２７と、中央の空間部２５を有する四角枠形状のインナーフレーム２０と、
前記インナーフレームの空間部２５内に相互格子状に配列され、両端部が前記結合スリット２６に嵌合固定される複数のクロスバー３０と、
前記インナーフレーム２０の両側面にそれぞれ固定され、前記空間部２５を密閉させるカバー４０と、
内周面に結合チャンネル５１を有し、前記カバー４０の縁部を取り囲むように前記インナーフレーム２０の外面に結合されるアウターフレーム５０とを備える少なくとも二つの分割体６１、６２と；
前記分割体を屈伸可能に結合する折畳手段６３と
を含むことを特徴とする温室用組立式パネル。
前記各分割体６１、６２の両側に、隣接する他のパネルの外側面の縁部を覆い被せるカバーフランジ６５、６６がそれぞれ形成され、前記分割体の連結部位で、一方の分割体６１は、他方の分割体６２の上端部を覆い被せる第２のカバーフランジ６８をさらに備えることを特徴とする請求項８に記載の温室用組立式パネル。
前記各カバーフランジ６５、６６の内側面に、ゴム材等からなる気密用のパッキング６７が設けられることを特徴とする請求項９に記載の温室用組立式パネル。
少なくとも二つの分割体６１、６２で構成され、折畳手段６３により屈伸可能に互いに連結され、前記一方の分割体６２がヒンジにより回動可能に設けられた屈伸パネル６０と、
前記屈伸パネルの他側の分割体６１の端部において少なくとも一側に設けられた一つ以上のガイド７７と、
前記ガイド７７が結合され、屈伸パネル６０の屈伸動作を案内するガイドレール７３とを備えた一つ以上の換気窓と；、
前記換気窓の屈伸パネル６０の分割体６１、６２の一つを移動させ、分割体６１、６２のもう一つを連動回動させ、分割体６１、６２が折畳手段６３を中心に折畳されるようにして、換気窓を開閉させる駆動手段と
を含むことを特徴とする温室の換気システム。
前記駆動手段が、ピニオン８２を有する回転軸８１と、前記ピニオン８２と歯合するラック８４と、前記回転軸８１に回転自在に結合され、前記ラック８４とピニオン８２との歯合状態を維持させると共に、ラック８４の移動を案内するガイドホルダー８６と、前記回転軸８１を正・逆方向に駆動させるモーター８８とから構成されることを特徴とする請求項１１に記載の温室の換気システム。
前記回転軸８１が前記各屈伸パネル６０の配列方向に沿って延設し、前記回転軸８１に複数の屈伸パネル６０毎にピニオン８２とラック８４を一定の間隔で具備し、多数の屈伸パネル６０を一つのモーター８８により同時に屈伸させることを特徴とする請求項１２に記載の温室の換気システム。
前記ガイドレール７３が、間隔をもって並設されて両者間にレールスリット７６を形成する二つのレールパイプ７５で構成され、いずれか一つのレールパイプの終端部に、前記ガイドが安着する安着鍔７５ａが設けられたことを特徴とする請求項１１に記載の温室の換気システム。
前記ガイド７７が前記一方の分割体６１の上端部両側にそれぞれ固定されるブラケット７９と、一端部が前記各ブラケット７９に回転自在に結合され、他端部が前記ガイドレールのレールスリット７６に挟持される案内ピン８０とから構成されることを特徴とする請求項１１又は１４に記載の温室の換気システム。
前記屈伸パネル６０の各分割体６１、６２が、内周面に所定の間隔で複数の結合スリット２６を有し、外周面に固定スリット２７を有し、中央に空間部２５を有する四角枠形状のインナーフレーム２０と、前記インナーフレーム２０の空間部２５内に相互格子状に配列され、両端部が前記結合スリット２６に嵌合固定される複数のクロスバー３０と、前記インナーフレーム２０の両側面にそれぞれ固定され、前記空間部２５を密閉させるカバー４０と、内周面に結合チャンネル５１を有し、前記カバー４０の縁部を取り囲むように前記インナーフレーム２０の外面に結合されるアウターフレーム５０とから構成されることを特徴とする請求項１１に記載の温室の換気システム。
前記カバー４０が軟質の透明ビニル４１またはガラス板４２であることを特徴とする請求項１６に記載の温室の換気システム。
温室１００の側壁に前記屈伸パネル６０が固定パネル１０と交互に設置されることを特徴とする請求項１１に記載の温室の換気システム。
前記固定パネル１０と屈伸パネル６０の幅が同一に構成されることを特徴とする請求項１１に記載の温室の換気システム。
前記屈伸パネル６０の幅を固定パネル１０の幅よりも大きく構成することを特徴とする請求項１８に記載の温室の換気システム。
前記各分割体６１、６２の両側に、隣接する固定パネル１０の外側面の縁部を覆い被せるカバーフランジ６５、６６がそれぞれ設けられ、前記各分割体６１、６２の連結部位で、一方の分割体６１は、他方の分割体６２の上端部を覆い被せる第２のカバーフランジ６８をさらに備えることを特徴とする請求項１８、１９又は２０のいずれかに記載の温室の換気システム。
前記各カバーフランジ６５、６６の内側面に、ゴム材等からなる気密用パッキング６７が設けられ、前記アウターフレーム５０の外側面の両側に雨水流入防止鍔５３が設けられることを特徴とする請求項２１に記載の温室の換気システム。
前記駆動手段が油圧または空圧アクチュエータであることを特徴とする請求項１１に記載の温室の換気システム。