JP2004505547A - Rz−wdm信号のための同期装置および同期方法 - Google Patents
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Abstract
Description
発明の属する技術分野
本発明は、RZ(ゼロ復帰)変調されたWDM(波長分割多重)信号のための同期装置に関する。
【0002】
本発明は、同様に、可変遅延ラインおよび電子的フィードバックループを使用したRZ−WDM信号を同期する方法に関する。
【0003】
従来の技術
(高品質データ転送、高解像度テレビ、および、ビデオ会議などの)ブロードバンドサービスに対する需要は、今世紀の最初の10年間までに、テラビット/秒の容量で動作する通信ネットワークを必要とすることがある。容量に対するこの需要を満たすために、完全に光学的または「透過的な」ネットワークが提案されている。これらのネットワークは、高いデータ速度を達成するために、高速光時間分割多重(OTDM)または波長分割多重(WDM)のいずれかを採用している。透過的な光ネットワークは、発信元ノードと送信先ノードとの間の透過的なパスを維持するために、光スイッチングおよびルーティングに依存している。
【0004】
伝送システムにおいては、検出後回路の電子フィルタリングを使用する従来技術である電子クロック復帰回路が一般に使用されている。例えば、高Q電気フィルタは、受信されたデータ変調スペクトル内のクロック成分を抽出するために使用できる。
【0005】
透過的な光ネットワークアーキテクチャーにおいては、電子クロック回復技術が、よく知られている。非常に多くの独立波長チャネルは、WDM伝送方式を使用して伝送される。各チャネルは、隣接するチャネルから独立して変調される。チャネルは、互いに、同期してないか、または、送信機においてのみ同期している。伝送ライン中の再生機能は、再変調器を含む。チャネルが再生段階で同期していない場合、再生器の数は、各再生段におけるチャネル数と等しい。
【0006】
ゼロ復帰符号化において、符号化された信号の周波数スペクトルは、クロック周波数に強いピークを含む。したがって、クロック抽出は、クロック周波数におけるフィルタリング、および、結果の整流によって達成される。これは、電子的な形態への信号変換を含む。その後、クロック信号は、位相比較機能を使用することによって同期される。この解決策は、低いビット速度に制限されるか、でなければ、必要となる電子回路に対する費用を増加させる。
【0007】
再生および同期は、米国特許US6,028,898より知られる。信号再生器は、閾値調整回路、位相調整回路、および、再タイミング回路を含む。
【0008】
以上のほかには、伝送ラインの各再生段において、全てのRZ−WDM信号の完全なクロック復帰を必要としない。そのため、本発明は、各チャネルにおけるクロック復帰なしに、簡単な方法でWDMチャネルを同期させるためのものである。
【0009】
本発明は、
RZ−WDM光チャネル(2)を受信する入力部を備えた少なくとも1つの可変遅延ライン(1)と、
RZ−WDM出力光チャネル(10)を受信する遅延コントローラ(3)であって、RZ−WDM出力光チャネル(10)のパワーによって決まる制御信号を発生する少なくとも1つの前記遅延コントローラと、
光WDMチャネルが同期するように、少なくとも1つの遅延ライン(1)を制御するための制御回路(9)と、
を含む波長多重伝送システムにおける2つ以上の光RZ信号のための同期装置において実施される。
【0010】
本発明は、
WDM多重から2つのチャネルを分離するステップと、
2つのチャネルのパワーを解析するステップ、
可変遅延ラインに対して制御信号を発生するステップ、
遅延ラインを制御するステップ及び、
同期したチャネルが、サブセットの2つのチャネルの1つとなるように、結果として得られた同期した信号をチャネルの次のサブセットにフィードバックするステップ
によって、2つのチャネルを同期するステップと、
によって実施される、RZ−WDM光信号の同期方法をも含む。
【0011】
同期装置は、本発明の一実施形態の一例として、添付の図面を参照して、以下に説明される。
【0012】
図1は、特定の遅延DTに対する2つのWDMチャネルの、結果として得られるパワーの関数を示す。
【0013】
この関数の依存関係を理解するために、RZ信号に変調された2つのWDMチャネルを考える。この光RZ−WDMチャネルを、aおよびbと名付ける。2つのチャネルは、テラビットで測定したDTの時間周期だけ時間が偏移している。この2つのチャネルに対する変調速度は、(1/テラビット)ビット/秒である。この変調方式により、2つのチャネルaおよびbの双方は、パワーPaおよびPbの電気スペクトルに、(1/テラビット)ヘルツの成分を有する。チャネルaおよびbが、光検出器内で同時に検出された場合、2つのコヒーレントでないチャネルの光学的な合計の電気スペクトルにおける(1/テラビット)ヘルツの周波数における成分のパワーが、以下の関数に従うことが示される。
【0014】
【数1】
また、Pa=Pbの場合、関係は、以下のようになる。
【数2】
【0015】
2つのチャネルの光学的な合計の(1/テラビット)ヘルツの周波数における電気成分のパワーPは、双方のチャネルのパルスが同期した時に最大になること、および、Pは、双方のチャネルのパルスが同期していない時に最小になることが分かる。
【0016】
図2は、2つの光チャネルaおよびbのための同期装置を模式的に示す。光RZ−WDMチャネル2は、可変遅延ライン1の第1のポートに接続される。可変遅延ライン1の出力は、同期されたRZ−WDMチャネル10のための伝送ラインに接続される。タップ14は、光パワーを分割し、遅延検出器3に接続される。遅延検出器3は、制御システム9に取り付けられ、この制御システム9は、可変遅延ライン1の第2の入力ポートに取り付けられる。遅延検出器3は、入力およびタップ14に接続される光検出器5を含む。光検出器5は、HFパワー計7に結合されるバンドパスフィルタ6にリンクされる。パワー計7は、決定回路8、および、制御システム9に接続される出力部に取り付けられる。
【0017】
入力RZ−WDMチャネル2は、同期していない。2つの波長チャネル間の偏移は、DTである。デジタル信号間、例えば、図にある信号「1」間の距離は、Tbitである。この信号は、可変遅延ラインに送られる。必要なものは、他のチャネルに比較して1つのチャネルの能動偏移を開始するための制御信号である。タップ14において、手順の開始時において遅延ラインから影響をうけていない光信号の一部が、遅延検出器に送るために取り込まれる。ここで、光検出器は、光信号を受信し、それを、電気的ブロードバンド信号に変化させる。続いて、この電気信号は、サイドバンドおよび雑音信号を除去するために、データクロック周波数周辺に中心を持つバンドパスフィルタによって、フィルタリングされる。フィルタリングされた信号は、HFパワー計によって解析される。
【0018】
RFクロックレベルに敏感な(RF検出ダイオードでもよい)このパワー計は、HF信号を、いわゆる決定要素8に適用できる直流電気レベルに変換する。決定要素は、演算増幅器回路に基づいた電気的従属を使用して実施することができ、受信した情報を、可変光遅延ライン制御システム9に適用できる信号に変換する。最大RFレベルからの偏差は、制御システムを駆動するP.I.D.(比例、積分、導関数)調整技術を使用して低下したエラー電圧として、決定回路において検出される。本実施形態の可変遅延ラインは、波長依存性である。
【0019】
他の一実施形態において、決定回路は、信号の最小値を探す。信号の構造は、同じく柔軟である。
【0020】
光遅延ラインは、光路を変化させるステップモータで電気的に制御される調整可能な空気ギャップでもよい。
【0021】
図3は、3チャネル以上についての本発明の一実施形態を示す。説明には、本発明の範囲を制限することなく、3つのチャネルを使用する。入力RZ−WDMチャネル2は、サーキュレータ12に接続される。サーキュレータ12の第1のポートは、第1のタップ14aに接続される。タップ14aは、同じく第1のファイバグレーティング11aを介して、第1の可変遅延ライン1aに結合される。遅延ライン1aの出力は、第2のタップ14bおよび第2のグレーティングフィルタ11bを介して、第2の遅延ライン1bに接続される。第2の遅延ラインは、第3のグレーティングフィルタ11cに結合される。各タップ14aおよび14bは、遅延検出器3a、3b、および、制御回路9a、9bを介して、遅延ライン1a、1bの入力ポートに取り付けられる。
【0022】
ファイバグレーティング11は、WDM方式の1つの波長を反射する。ファイバグレーティング11cは、λ3を反射する。そのため、可変遅延ライン1bにおいて、λ3およびλ2は比較され、同期される。したがって、2つのチャネルが同期されているため、可変遅延ライン1aは、λ1に対してλ2=λ3を遷移させる。結果として得られる同期した信号は、サーキュレータ12に送られ、サーキュレータ12の第2のポートを介して伝送される。
【0023】
この実施形態では、RZ−WDMチャネルは、チャネルNで同期が開始される。チャネルNおよび(N−1)が同期された後、同期されたチャネルNおよびN−1とチャネルN−2が同期され、最後にチャネル1が、既に同期したチャネル(2...N)と同期される。
【0024】
他の好ましい一実施形態を図4に示す。この実施形態において、サーキュレータ12は、グレーティングフィルタ11aを介して、可変遅延ライン1aに接続される。タップ14aは、サーキュレータの第2のポートを、可変遅延ライン1aに接続する。このリンクは、λ1およびλ2に対する光フィルタ13a、遅延検出器3a、および、制御回路9aを含む。
【0025】
可変遅延ライン1bを備えた同期装置の次の段は、同様に、タップを介して、サーキュレータ12の第2の出力ラインに接続される。この段は、波長λ2およびλ3に対する光フィルタを含む。そのため、同期装置の各段は、2つの隣接するチャネルを同期する。
【0026】
他の一実施形態において、光フィルタのための他のフィルタ構造が使用される。フィルタは、λ1および追加の1つの波長を、WDMからフィルタリングする。このフィルタ設計は、各チャネルのチャネル1に対する同期を可能にする。
【0027】
同期装置は、伝送ラインの再生段にある強度/位相変調器で使用される。この目的のために、高品質バンドパスフィルタが、効率的なクロック復帰システムを得るため、および、変調器を正確に駆動するために、Q>1000で使用される。他のチャネルは、例えば、Q=100の安価な低品質フィルタを使用して、同期することができる。
【0028】
システム全体は、光入力パワーの変化に対して、および、分散効果に対して大きな許容差を備えたフィードバック制御ループである。同期装置がチャネル間の遅延を自動的に調整するために、ファイバのわずかな温度変化またはファイバの屈折率の変化は、チャネルの信号の群速度の結果として、平坦化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】時間に対するチャネルパワーを示す図である。
【図2】同期装置の基本的構造を示す図である。
【図3】同期装置の第1の実施形態を示す図である。
【図4】同期装置の第2の実施形態を示す図である。
Claims (7)
- RZ−WDM光チャネル(2)を受信する入力部を備えた少なくとも1つの可変遅延ライン(1)と、
RZ−WDM出力光チャネル(10)を受信する少なくとも1つの遅延コントローラ(3)と、
RZ−WDM出力光チャネル(10)のHFパワーによって決まる制御信号を発生する遅延コントローラと、
光WDMチャネルが同期するように、少なくとも1つの遅延ライン(1)を制御するための制御回路(9)
を含む、波長多重伝送システムにおける2つ以上の光RZ信号のための同期装置。 - 2つのRZ−WDM光チャネル(1)のサブセットのための可変波長依存遅延ライン(1)を含み、チャネルがファイバグレーティング反射器(11)によって分離される請求項1に記載の同期装置。
- 2つのRZ−WDM光チャネル(1)のサブセットのための可変波長依存遅延ライン(1)を含み、チャネルがファイバグレーティング反射器(11)および光フィルタによって分離される請求項1に記載の同期装置。
- WDM多重から2つのチャネルを分離するステップと、
2つのチャネルのHFパワーを解析するステップ、
可変遅延ラインに対して制御信号を発生するステップ、
遅延ラインを制御するステップ及び、
同期したチャネルが、サブセットの2つのチャネルの1つとなるように、結果として得られた同期した信号をチャネルの次のサブセットにフィードバックするステップ
によって2つのチャネルを同期させるステップと
によって実施されるRZ−WDM光信号の同期方法。 - 光フィルタによりWDM多重から2つのチャネルを分離するステップと、
2つのチャネルのHFパワーを解析するステップ、
可変遅延ラインに対して、制御信号を発生するステップ、
遅延ラインを制御するステップ及び、
結果として得られた同期した信号を、チャネルの次のサブセットにフィードバックするステップ
によって2つのチャネルを同期させるステップと
によって実施される、RZ−WDM光信号の同期方法。 - すべてのチャネルがチャネル1に同期する請求項4に記載のRZ−WDM光信号の同期方法。
- 隣接するチャネルが同期する請求項4に記載のRZ−WDM光信号の同期方法。
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