JP2004505544A - 周波数が不安定な信号に対する高感度の追跡及び同期化を用いた周波数ホッピングスペクトル拡散システム - Google Patents
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Abstract
データを送信するための無線スペクトル拡散通信システムは、複数のエンドポイント送信機と少なくとも1つの受信機とを含む。エンドポイント送信機は、送信信号が周波数安定化の助けを受けずに送信される場合に、周波数ホッピングされるスペクトル拡散信号を介してデータを送信する。受信機は、周波数ホッピングスペクトル拡散信号に応答し、かつ相関器及び信号プロセッサを含む。相関器は、信号のプリアンブルの少なくとも第1の部分をサンプリングし、当該プリアンブル部分を既知のプリアンブルパターンと相関させて相関の確率を決定する。信号プロセッサは、相関の確率に応じて信号に高速フーリエ変換アルゴリズムを適用し、少なくともプリアンブルの第2の部分に基づいて信号の狭帯域周波数を追跡し、かつプリアンブルの後に続く信号内に符号化されているデータを復号化する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は周波数ホッピングスペクトル拡散無線システムに関し、特に、例えば無線による自動的なメータ読み取りシステムにおいて使用されているような多数の低コストのエンドポイント送信機からの、周波数が不安定な周波数ホッピングされるスペクトル拡散信号を追跡し、かつこれに同期化する受信機を利用するスペクトル拡散無線システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
無線による自動的なメータ読み取りシステムは公知である。典型的には、各需給計器(ユーティリティ・メータ)には、計器の読み取り指示値を収集しかつこれらの読み取り指示値を無線ネットワークを介して中央局へ周期的に送信する、バッテリで電力供給される符号化器が設けられている。符号化器がバッテリで電力供給される必要性と、無線送信を管理する規則とによって課される電力の制限は、事実上、中央局へ直接に無線送信することへの妨げとなっている。代わりに、例えば米国特許第5,056,107号の明細書に記述されているように、無線メータ読み取りシステムは、典型的には、複数のメータ符号化器にてなるグループからの送信信号を受信しかつこれらのメッセージをネットワークにおける次の高位の層へと転送する、重複する複数の中間の受信局にてなる階層化されたネットワークを利用している。これらのタイプの階層化された無線送信ネットワークは、大都市エリア用の需給計器読み取りシステムの一部として配備される必要がある何千個ものエンドポイント符号化送信機のうちで、より低い電力の、免許を必要としない無線送信機の使用を見込んでいる。
【0003】
1985年に、FCCは、無線ネットワーク製品の製造及び使用を刺激する試みとして、免許を必要としない装置を管理する無線スペクトル規則のパート15を改正した。この改正は、無線ネットワーク製品が、スペクトル拡散変調を用いて産業、科学及び医学(ISM)の帯域において動作することを認可した。使用されてもよいISM周波数は、902乃至928MHz、2.4乃至2.4835GHz、及び5.725乃至5.850GHzを含む。FCCは、当該製品が所定の必要条件を満たしていれば、ユーザが、FCCの免許を得ることなく、ユーティリティの計量システムのようなスペクトル拡散無線製品を動作させることを認めている。周波数スペクトルに係るこの規制緩和は、ユーザの組織が、既存の無線システムとの干渉を回避するように、費用及び時間のかかる周波数計画を実施して無線装置の導入を調整する必要性を取り除く。
【0004】
スペクトル拡散変調器は、より広い範囲に信号を拡散させるための2つの方法のうちの1つを使用している。その第1の方法は直接拡散スペクトル拡散、又はDSSSの方法であり、第2の方法は周波数ホッピングスペクトル拡散、又はFHSSである。DSSSは、送信局におけるデータ信号をより高いデータレートのビット列と合成し、当該ビット列は、多くの場合、チップコードと呼ばれる(処理利得としても知られている)。高い処理利得は、干渉に対する信号の耐性を増大させる。これに対して、FHSSは、干渉を防止するために、多数の画成された周波数チャンネルにわたってランダムにホップされるデータ信号の分散に依存する。
【0005】
FHSSは、データ信号を取り込み、これを、広帯域の周波数にわたる時間の関数として周波数から周波数へとホップする搬送波信号を用いて変調することにより動作する。FHSSを使用すれば、搬送波周波数は周期的に変化する。共に同じ周波数及び同じ時間で送信されていても狭帯域システムからの干渉信号はスペクトル拡散信号にしか影響しないので、周波数ホッピング技術は干渉を低減させる。従って、全体としての干渉は非常に低くなり、ビット誤りははほとんど存在しなくなるか、もしくは、まったく存在しなくなる。
【0006】
ホッピングコードは、FHSS送信機が送信する周波数及び及びその順序を決定する。信号を正しく受信するために、慣例では、FHSS受信機はその同じホッピングコードに設定されて、正しい時間及び適正な周波数で到来信号を受信する。しかしながら、この方法が効果的であるためには、FHSS送信機及びFHSS受信機は同じホッピングコードのパターンで互いに同期化される必要があり、かつ同じ周波数で追跡している必要がある。
【0007】
同期化は、例えば米国特許第5,386,435号の明細書に記述されているように、FHSSの送信機と受信機とを時間的に同期化することによって達成可能であるが、このことは、FHSSの送信機及び受信機の両方における極めて正確なクロックか、又はこれらのクロックを同期化するために使用される何らかの外部チャンネルかの何れかを必要とする。より従来的には、FHSSの送信機と受信機とを同期化させるために、各送信信号の開始部における符号化されたプリアンブルが使用される。米国特許第6,052,406号の明細書は、位相調整装置がサンプリングされたデータストリームを第1及び第2のサンプリングされたシーケンスに区分化した後で、相関器を利用して、到来するサンプリングされたデータストリームを既知の同期パターンに同期化させるFHSSシステムを記述している。米国特許第6,052,407号の明細書は、時間にわたる送信のスペクトルエネルギーのテーブルを生成し、このテーブルを使用してさらに到来する信号を相関させ、周波数ホッピングパターンとの同期を決定する、コードレス電話システムのためのFHSSシステムを記述している。米国特許第6,178,193号の明細書は、フェーディング期間に対する相関された電力計算値を使用して、より優れた同期化を達成するためにFHSS送信機の送信電力レベルを調整する装置を記述している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来では、FHSS送信の追跡は、送信される周波数の安定性に依存している。一般に、送信機の周波数は、経年変化又は温度や電圧の変化に起因して、時間的にふらつくか、又はドリフトする。任意の周波数ドリフトを制御しかつ調整するため、慣例としては、周波数安定化回路がFHSS送信機のレベルで組み込まれてきた。例えば米国特許第5,940,428号の明細書に記述されているように、送信機の出力周波数を制御するか又は安定化するために、位相ロックループ(PLL)のようなシンセサイザが使用されている。変調された各信号は、送信前にこの回路を通過する。残念ながらこのようなPLL回路は、望ましくない電力の消費をもたらし、FHSS送信機のコストを大幅に上げる。例えば、コストとバッテリ電力とが中心的関心事である無線メータ読み取りシステムでは、安定化回路によってもたらされるこういった望ましくない結果は、製造及びシステム設計にとって重大な障害となり得る。
【0009】
FHSS送信機のレベルにおけるシンセサイザ回路を除去することは可能である。従来の技術は、FHSS受信機の中間周波数(IF)の帯域幅を増大させて周波数のドリフトに対処することにより、送信機信号のこの周波数のふらつきを調整している。しかしながら、この解決方法では、FHSS受信機のIF帯域幅が増大するのに伴ってFHSS受信機の感度が下がる。FHSSシステム用の小電力の送信機では、背景雑音から弱いFHSS信号を見つけ出せるようにするためには高い受信機感度が必須である。
【0010】
米国特許第6,188,715号の明細書は、非常に短い状態メッセージを断続的に送信する、複数個のセンサの送信機のためのFHSSシステムについて記述している。FHSS受信機は、同期化及び信号捕捉を改善するために、高速フーリエ変換(FFT)を利用していくつかの異なる周波数において送信される搬送波電力を検出する。いったん、FFTが、広帯域FHSS信号から、関連する信号を含む周波数はどれであるかを決定すると、FHSS受信機は、FFTの出力と、周波数ホッピングコードを表す時間及び周波数レジスタの状態とに応答して、ディジタルでプログラミング可能な有限インパルス応答(FIR)フィルタを使用して1つ又は複数の狭帯域周波数受信機を同調させる。この装置は同期化を改善することができるが、別個の狭帯域周波数受信機を使用することから、十分な周波数追跡を行なうためにFHSS送信機は周波数安定化回路を利用することをやはり必要とする。
【0011】
従来のメータ読み取りシステムにおける周波数安定化回路の使用に関連付けられたこれらの望ましくない障害の結果として、周波数安定回路を利用しない送信機から受信されるFHSS信号を識別してロケーティングを行ってかつ追跡する能力のある、低コストで小電力の受信機に対する必要性が存在する。それに加えて、受信機は、高い受信機感度を保持すると同時に、これらの潜在的に不安定な信号に対処することができる必要がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
データを送信するための無線スペクトル拡散通信システムは、複数のエンドポイント送信機と少なくとも1つの受信機とを含む。エンドポイント送信機は、周波数ホッピングされるスペクトル拡散信号を介してデータを送信し、このとき、送信信号は周波数安定化の助けを受けることなく送信される。受信機は周波数ホッピングスペクトル拡散信号に応答し、かつ相関器及び信号プロセッサを含む。相関器は、信号のプリアンブルの少なくとも第1の部分をサンプリングし、上記プリアンブルの部分を既知のプリアンブルパターンと相関させて相関の確率を決定する。信号プロセッサは、相関の確率に応じて信号に高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを適用し、少なくともプリアンブルの第2の部分に基づいて信号の狭帯域周波数を追跡し、かつプリアンブルの後に続く信号内に符号化されているデータを復号化する。
【0013】
ある好適な実施形態では、FFTアルゴリズムはサンプリングされたデータに作用して、それぞれ信号内の異なる狭帯域周波数に対応する複数のビン(bin)を生成する。好適には、FFTアルゴリズムは、プリアンブルの第2の部分に関する期待されるチップ値に対して、各ビンにおける複数のチップ値の和を計算し、最高値を有するビンを、符号化されたデータ信号を含む狭帯域周波数として決定する。
【0014】
本発明に係る受信機の好適な一実施形態では、受信機は、信号を受信しかつ当該信号をベース信号と混合して、相関器及び信号プロセッサに信号として供給される中間周波数を発生する混合器を含む。相関器に供給される信号の強度が評価され、相関器に供給される信号の強度が、プリアンブルの後に続く信号内に符号化されているデータの復号化を実行するために十分に強いならば、信号プロセッサは、FFTアルゴリズムを使用することなく、プリアンブルの後に続く信号内に符号化されているデータを復号化する。
【0015】
好適には、ディジタル信号プロセッサに、第1の速度で動作するアナログ・ディジタル変換器からの第1のサンプリングされた入力と、第2の速度で動作するアナログ・ディジタル変換器からの第2のサンプリングされた入力とである2つのサンプリングされた入力が供給される。ここで、第2の速度は第1の速度より遅い。受信信号強度指示子(received signal strength indicator;RSSI)の検波器回路は、相関器の信号の強度が復号化を実行するのに十分な強度であれば符号化されたデータを復号化するために信号プロセッサによって使用される第2のディジタル・アナログ変換器への入力に動作可能に接続されている。好適には、信号が強い信号であるか否かの試験は、パケットを復号化しかつ優れたCRCを計算する能力である。1つの実施形態では、切り換え可能なフロントエンド増幅器は信号を動作可能に受信し、信号強度に基づいて信号を選択的に減衰させる。リニア検波器は、フロントエンド増幅器の出力と相関器の入力とに動作可能に接続され、拡大されたダイナミックレンジと帯域内干渉に対する低い感度とを提供する。
【0016】
本発明のFHSSシステムは、時間的にドリフトすることが許容され、チャンネル化されていない周波数ホッピングシステムを効果的に作り上げる、自走式局部発振器を有する複数のエンドポイント送信機の配備を可能にする。本発明は、エンドポイント送信機によって送信されるメッセージ間で周波数が変化可能であるだけでなく、単一のメッセージの送信の間であってもドリフトを許容し得る受信機のための頑健な設計を提供する。最終的には、全体的なシステムの性能を改善するとともに、システムの一部として配備される何千個又は何十万個ものエンドポイント送信機のコストの大幅な低減を可能にする頑健な受信機がもたらされる。
【0017】
【発明の実施の形態】
まず、図1を参照して、本発明に係る無線周波数ホッピングスペクトル拡散(FHSS)システム10の好適な実施形態の全体の概略図について説明する。当該FHSSシステム10は、多数のエンドポイント送信機12と、少なくとも1つの受信機を有する少なくとも1つの無線装置14、16とを含む。ある好適な実施形態では、エンドポイント送信機12は、需給計器に動作可能に接続された、バッテリで動作されるメータ読み取り符号化送信機である。この実施形態では、例えば、大都市エリアに導入されるFHSSシステム10の一部として何百から何十万までの任意の個数のエンドポイント送信機12が配備されるものと期待されている。代替として、エンドポイント送信機12は、符号化されたデータをFHSS信号20を用いて送信する小電力のセンサ、検出器又は他のデータ符号化器であることが可能である。好適には、エンドポイント送信機12は、到達範囲ゾーンの全体にわたる多数の固定された場所に配備される。代替として、エンドポイント送信機12は、ページャ又は携帯型トランスポンダのような、1つ又は複数の到達範囲ゾーン内で動作する移動体送信機であることも可能である。
【0018】
1つの実施形態では、無線装置は、ユーザが多数のエンドポイント送受信機12に関連付けられた1つのエリアを横断するとき、多数のエンドポイント送信機12から符号化されたデータをFHSS信号20の形式で受信し、かつそのデータを後のダウンロード又は再送信のために記憶する移動体無線装置14を備えている。好適には、移動体無線装置14は、メータ読み取りルートを辿って歩くオペレータによって携行されるハンドヘルド型の無線装置である。代替として、移動体無線装置14は、街路を走行してメータ読み取りデータを収集する乗物に設けられた1つ又は複数の無線装置を含むことが可能である。他の実施形態では、受信機は、重複する複数の到達範囲のゾーンにてなる階層的なネットワークに配置され、エンドポイント送信機12から符号化されたデータを受信してこのデータを再送信によって中央局18へ転送する、複数の固定された中間の無線装置16を備えている。複数の固定された中間の無線装置16及び中央局20にてなるネットワークに関するさらに詳細な説明は、上記で識別された “低速/大電力の周波数ホッピングを利用するスペクトル拡散計器読み取りシステム”と題された同時係属中の出願が参照され、その開示内容は参照によってここに含まれている。無線装置14、16は、半二重無線装置(送信又は受信を行うが、両方を同時には行わない。)として設計されることが可能であるが、このアーキテクチャにはいくつかの制限のあることがわかっている。好適には、無線装置14、16は全二重の設計(同時に送信して受信する。)として実装される。代替として、無線装置14、16は受信機のみを含む場合もある。
【0019】
1つの実施形態では、無線装置14、16は、データ22を中央局18へ無線で再送信することができる。代替として、無線装置14、16は、データが手動又は自動で中央局18へダウンロードされるまでそのデータを記憶することができ、もしくは、1つ又は複数のエンドポイント送信機12に関連付けられたメータで計量された値の関数を生成する目的で、これらの無線装置には、エンドポイント送信機12から受信されたデータを、個別に、より大きなブロックにまとめて、あるいは時間的に要約してのいずれかで、即時又は蓄積転送モードで送信するための電話回線、電力線、衛星、セルラー電話などのような他の通信チャンネル24が設けられていてもよい。
【0020】
エンドポイント送信機12は、符号化されたデータが送信機12により(予め画成されたタイミングパターンによってか、もしくは擬似ランダムによってかのいずれかで)自動的かつ周期的に送信されるバブルアップ(bubble−up)の種類に属してもよく、あるいは、送信機12は、例えば移動体無線装置14又は固定された無線装置16によって送信される起動音(wakeup tone)に応答するようにポーリングされ、又は呼び掛けられ、次いで上記ポーリング信号又は呼び掛け信号に応答して符号化されたデータを有するFHSS信号20を送信してもよいということは理解されるであろう。
【0021】
図2に示されたようなある好適な実施形態では、FHSS信号20は、好適には符号化されたデータのパケット30として送信され、上記符号化されたデータのパケット30は、FCCのパート15.249(500mW未満の送信機電力)又はパート15.247(5W未満の送信機電力)に準拠して動作する、免許を必要としない周波数ホッピングスペクトル拡散送信機により、910乃至920MHzの間の帯域で送信される周波数ホッピングスペクトル拡散信号として送信される。本発明の目的に関しては、これらの規則の何れかに従って動作する送信機12は小電力送信機であるとされる。好適には、符号化されたパケット30は、予め定義されたプロトコルに従って送られる。このようなプロトコルの1つは、例えば[FCC免許の引例]に記述されているような、本発明の譲受人であるアイトロン インコーポレイテッド(Itron, Inc.)によって製造されているメータ符号化送信機のためのERTプロトコルである。もう1つのこうしたプロトコルとしては、上記で識別された “低速/大電力の周波数ホッピングを利用するスペクトル拡散計器読み取りシステム”と題された同時係属中の出願において定義されているようなPETプロトコルがある。ある好適な実施形態では、符号化されたパケットのデータ30は、オンオフキーイング(OOK)変調される。他の振幅変調(AM)技術を使用することもできる。また、符号化されたデータを、周波数変調(FM)又は周波数シフトキー(fsk)変調のような他の変調技術を使用して変調することも可能であるが、当業において通常の技能を有する者には理解されるように、これらの技術を実装するためには追加の回路が必要とされる場合がある。
【0022】
例えばERTパケットを復号化する既存のアプローチとは異なって、本発明は、ERTパケットを復号化するために根本的に異なるアプローチを採用している。ERTモジュール12によって送信される標準的な消費量メッセージパケット30は、3つの主たる構成要素にて形成される。プリアンブル32はメッセージパケット30を開始し、常に同じ一連のビットである。プリアンブル32は、無線装置14、16を、到来するパケットと同期化させるために使用される。メッセージ30の本文34は、その特定のエンドポイント送信機12に関するその特定の時点における消費量、ID、改ざん及びタイプ情報を含む。メッセージ30のエンドコード36は、好適には、パケット30が正確に復号化されたことを検査するために使用される情報を含むCRC(巡回冗長検査)コードである。
【0023】
ある好適な実施形態では、エンドポイントモジュール12は、通常バブルアップの方式で動作するものであっても、プログラミングされた起動音で変調された適正な周波数の搬送波である起動音に応答する。この起動音は、エンドポイント送信機12に、同じメッセージ30の若干の個数(プログラミング可能)のコピーより成るバーストを発生させる。エンドポイント送信機12の応答は非同期的である。すなわち、メッセージパケット30は、有効な起動音から約3/4秒後にはいつでも送信されることが可能である。典型的なエンドポイント送信機12は有効な起動(ウェイクアップ)に8個のパケット30で応答し、これらは(周波数ホッピングテーブルに従って)わずかに異なる周波数で送信される。この実施形態では、エンドポイント送信機12は、広範囲の起動周波数(952−956MHz)及び起動音(28−62Hz)のフィールドを選択する能力を提供する。
【0024】
図3に示されたように、無線装置14には、好適には、所望の起動音を発生させることのできる送信機基板40が設けられている。受信機基板42は、FHSS信号を受信するために使用される。好適には、送信及び受信は共に、ダイプレクサ48を介し、共通のアンテナ44を通るように経路を定められる。電力及びユーザインタフェースのデータは、インタフェース46を介して無線装置14に供給される。送受信機14の主要な部分は、8051マイクロコントローラのようなマイクロコントローラ50と、好適にはディジタル信号プロセッサ(DSP)52である信号プロセッサ52と、PICコントローラ54と、受信機のRF回路セクション56と、送信機のRF回路セクション58と、ダイプレクサ48とを含む。8051コントローラ50は、無線装置14のためのトラフィック・コップ(トラフィック制御装置)として動作する。コントローラ50は、DSP52及びPICプロセッサ54との間で往復するデータ及びコマンドを管理し、状態及びデータをこれらのチップからインタフェース46へ送信して戻す。DSP52は好適にはテキサス・インスツルメンツ(Texas Instruments)製のDSPチップであり、後述されるように相関器、復号化器及びFFTエンジンのための数学的計算機(mathematical calculator)である。DSP52はまた、受信機の中心周波数を設定し、フロントエンド増幅器の減衰の入と切を切り換える。受信機のRFセクション56は、到来するERTパケットを復号化器へと取り込むために、高感度の増幅器、混合器及び様々なフィルタを実装する。送信機基板40内のPICコントローラ54は、送信周波数をプログラミングし、電力増幅器を動作可能にし(イネーブルにし)、かつRF搬送波を適正な起動音で変調する。送信機のRFセクション58は、発信するRF搬送波を発生する電圧制御発振器(VCO)と、大電力の起動信号を発生する電力増幅器セクション60とを含む。ダイプレクサ48は、送信機40及び受信機42の同時的な動作を可能にするように設計された一連のフィルタである。ほぼすべての全二重無線装置では、送信機周波数が受信機周波数と大幅に異なっていない限り、送信機が動作可能にされると受信機の感度が幾分か失われる。無線装置14は、分離のために非常に大型で非常に高価なダイプレクサを用いた受信機を除く従来型のFHSS受信機よりも、はるかに少ない受信機の感度低下(de−sense)を呈示する。
【0025】
譲受人であるアイトロン インコーポレイテッドの従来のFHSSメータ読み取りシステムでは、受信機は、ERTパケット30を捜すために検波器出力からのビットスライスされたデータをサンプリングするように設計された。これら従来のシステムは、いわば、パケット30がERTパケットのように見えかつERTパケットのような匂いがすれば、それはERTパケットに相違ないというアプローチを利用した。言い替えれば、受信機は、無線信号をサンプリングしてERTパケット30のプリアンブル32を捜し、受信機がプリアンブル32のビットの特定シーケンスを認識すれば受信機はプリアンブル32のビット(及び、時には本文34の最初の数ビット)のタイミングと同期化し、次いでそのタイムビートを使用してパケット30の残りのビットを復号化した。
【0026】
本発明に係る無線装置14、16の受信機42は、次のステップに進む。受信機42は、データのビットスライスを行わずに検波器の出力をサンプリングする。パケット30のプリアンブル32は常に同じであり、言い替えれば、受信機42はパケット30の開始部を見分けるためには何を捜せばよいかを認識している。このことは、受信機42が、相関として知られたやや特殊な計算を使用することを見込んでおり、この計算は好適には相関器によって実装される。本発明によれば、相関器は、到来するビットのストリームをメッセージ内に設計されている既知の値と比較するようにプログラミングされた回路又はプロセッサもしくはコントローラである。図3に示されたような実施形態では、相関器はDSP52において実装されている。相関器は、進行中の(好適には20個ほどのビットにわたる)一致が検出されるまで、低い相関値を呈示する。一致が検出される場合は、相関器の出力は非常に高くなる。従って、本発明を使用する場合は、パケット30が有効なERTパケットであるか否かに関する推測は行われず、相関器は、無線装置14、16がパケット30は(偽データのマッチングの統計的確率の範囲内で)有効なERTパケットであるということについて認識することを可能にする。こればかりではなく、受信機42はパケットのビットストリームの正確なタイミングを有し、これにより、無線装置14、16はパケット30の残りの部分を各ビットの中心において復号化することが可能になり、このことは、完全に復号化されるパケット数を増大させる。
【0027】
従来のアイトロンの受信機では、到来するERTパケット30が弱い(受信機における雑音のベースレベルに近い)と、ERTパケットを雑音から区別することは不可能になった。本発明によって実装される相関器を使用すれば、受信機42は、実際に、雑音のベースレベルよりも下で有効なパケットの存在を検出することができる(これは通常、雑音中の探索(looking into the noise)と呼ばれる)。好適な本実施形態に係る相関器は、既存のアイトロンの受信機より、少なくとも12dBの感度の増大をもたらすことができる。後述されるように、信号が弱い場合に、パケット30を含む狭帯域周波数を決定するためにプリアンブルの最後の部分を解析するとき、DSP52によるFFTエンジンの使用はまた、付加的な9dBの感度の改善を提供することができる。
【0028】
ある好適な実施形態では、エンドポイント送信機12は、パケット30を910−920MHz間の帯域で送信する。大部分の既存のエンドポイント送信機12は、そのパケット30のいくつか又はすべてを913−918MHz間の帯域で送信する。従来の受信機の設計では、所望の受信機の感度を達成するためには、一度に調査することが可能な無線信号の範囲を約1.4MHzに制限する必要があった。本発明の受信機42で使用される高度なディジタル信号処理技術の場合、従来の無線装置と同じ感度が達成されるが、受信機42は、広帯域の周波数にわたる7MHzの窓(ウィンドウ)を調べることができる。従来の設計では、送信機12がパケット30を送信しているとき、エンドポイント送信機12が送信している位置に受信機の窓が存在していない可能性があった。従来の受信機は、パケット30を捜してERT送信帯域にわたって走査するが(実際には、従来の受信機は一度に10MHzの帯域全体よりも狭い帯域、典型的には約1.4MHzを走査した)、パケットがその時に走査されていなかった帯域の部分で送信された場合には、そのパケットを見逃す可能性も時々あった。本発明の受信機42では、少なくとも約六十六パーセント(66%)が、好適には有効な広帯域の全体が常にモニタリングされる。ERTパケット30が送信されていて、かつそのパケットに対するFHSS信号20が受信機42において十分に強いならば、受信機42はそのパケットを認識する。
【0029】
好適な実施形態の受信機42は、好適には、広帯域の有効部分の全体を一度に検査し、無線信号中にパケットが存在することを示す相関出力信号を捜す。この実施形態では、大部分のERT送信機12は913MHzと918MHzの間の周波数で送信するので、受信機44は7MHzの帯域を検査して相関を捜す。相関器は、ERTパケット30のプリアンブルがどんなものであるかを認識していて一致を捜すので、相関の優位点が実現される。プリアンブル32の後では、本文34及びエンドコード36におけるビットパターンが、ID、消費量、CRC又は他の可変なデータ情報のような符号化されたデータの内容に従ってランダムに変化するので、受信機42は、相関技術を使用してERTパケット30の残りの部分を検出するか又は復号化するための方法を持たない。本発明は、広帯域FHSS信号20の大部分に対してDSP52を相関器として動作させて、プリアンブル32の存在を検出する。プリアンブル32によってパケット30が検出されると、受信機42は信号プロセッサ52に高速フーリエ変換(FFT)を実行させる。FFTにより、パケット30が送信機12によって送信される狭帯域周波数が効果的に決定される。
【0030】
広帯域信号処理アルゴリズムを利用する既存の技術とは異なり、本発明は、この広帯域信号処理アルゴリズムを利用して、パケット30の残りの部分に含まれ、FFTから導出されるデータの復号化も行う。好適には、FFT復号化のためにデータサンプルが収集されるとき、広帯域信号もまた広帯域回路によってサンプリングされて復号化され、上記広帯域回路は、図4に示されたように、12ビットのアナログ・ディジタル変換器64に接続された受信信号強度指示子(RSSI)増幅器62の形式である。広帯域回路による広帯域モードでの優れた信号強度を理由としてデータが復号化可能であるならば、FFT復号化は中止される。このことは計算時間を節約し、受信機42が、他の送信信号を発見するために相関器46を起動することを可能にする。
【0031】
好適には、受信機42のDSP52は、高速フーリエ変換(FFT)として知られた技術又はこれに比較し得る他の高度なディジタル信号処理を使用して広帯域信号を処理する。DSPによってコーディングされかつ実行されるFFTエンジンは、基本的には、7MHzの帯域を32個の等しい約250kHzのチャンネルに分割する。FFTは、これらのチャンネルのうちの1つにおいてERT送信電力の存在を示す。FFTデータのストリームをただ観測しているだけでは、ランダム雑音の真ん中を通ってERTパケットがいつ到来するのかということについて知ることは非常に困難であろう。しかしながら、相関器は、ERTデータがパイプを通って到来するほぼ正確な時刻をFFTエンジンに通知できるという点を想起されたい。FFTエンジンは次に、32個のチャンネルのすべてを見ることが可能になり、変化するデータパターンからERTデータが存在する位置を決定する。好適には、これは、プリアンブル32における40ビットのうちの34ビットを相関させることによって実行される。最後の6ビットは、目標チャンネル・ビンを発見するために使用される。予想されるビットの状態は、これらがプリアンブル32の部分であることから既知であるので、FFTチャンネル・ビンは、プリアンブル32の予想されるビットパターンの最も強い表現を含むビンを捜して走査される。狭いチャンネルでは対処すべき雑音の量がかなり少なくなるので、FFTエンジンの感度は、従来のバージョンの受信機に比べて格段に高い。
【0032】
好適な実施形態に係る受信機42の追加の特徴は、FHSS信号20の周波数がドリフトする場合でもERTパケット30を追跡するその能力にある。これは、ERTパケット30の最も強い信号を有するチャンネルである目標チャンネルを復号化することによって達成される。FHSS信号20が周波数においてドリフトし、かつもはや目標チャンネルに存在していなければ、復号化はCRCのチェックに失敗する。受信機42は復号化処理の間にすべてのFFT情報を保存し、次の隣接チャンネルと共に平均化された目標チャンネルに対して復号化動作を再び実行する。これは各隣接チャンネルに対して実行され、受信機42には、目標チャンネルの周波数より高い周波数又は低い周波数の何れかでドリフトしているERTを追跡する能力が与えられる。従って、本発明の受信機42では、小電力の送信機符号化器12に対する既存のどのFHSS受信機よりも優れた感度をFFTがもたらす。
【0033】
FFTは弱い信号に対して最も良く機能し、かつFFTを実行するための計算には追加の時間を要するので、受信機42は2つの異なる動作のステージを有することが好適である。受信機42は、実際には、強いFHSS信号20の場合はRSSI(受信信号強度指示子)と呼ばれる信号をサンプリングし、より弱いFHSS信号20の場合はFFTモードに切り換える。この二重モードの機能は自動であり(受信機はオン・ザ・フライで電力を決定し、適宜調整する)、すべてのレベルのFHSS信号20の優れた受信を可能にする。
【0034】
次に図4を参照して、無線装置14の詳細な回路図について説明する。図4の受信機基板42の主要部分は、リニア検波器回路62と、IF周波数発生器72と、混合器74と、IF増幅器76及びフィルタ78と、アナログ・ディジタル(A/D)変換器64、66と、DSP52とである。アンテナ44から受信されるRF信号は、910−920MHzの範囲で受信される。IF周波数発生器72は、840−850MHzの範囲の周波数を発生させる。IF信号80を発生するために、IF周波数発生器72の信号は混合器74の低域側から注入される。混合器74の使用に続いて、IF増幅器76及びIFフィルタ78が利用されて70MHzのIF信号が発生される。次にこの信号は、高速A/D変換器64及び低速A/D変換器66を通過した後にDSP52へ供給される。高速A/D変換器64は、70MHzの信号をサンプリングする。これは信号をアンダーサンプリングしており、このことは、混合器のディジタル的な等価物である。アンダーサンプリングは、70MHzのIFをベースバンドに変換する。サンプルは次いでDSP52に供給され、DSP52は、後述するように64ポイントFFTを実行する。64ポイントFFTは、各々が256kHzの範囲である32個の固有の周波数ビンを生成する。
【0035】
本発明の好適な実施形態による図4の受信機基板42の構成要素は、好適には2つのリニア増幅器(LNA)と弾性表面波フィルタ(SAW)とで構成されて30dBの利得及び1.2dBのNFを生成する、RF増幅器70も含む。一方のLNAは、0.9dBのNF、−22dBmのP1dB、及び−10dBmのIP3を有する。他方のLNAは、1.6dBのNF、17dBの利得、+12dBmのP1dB、及び0dBmのIP3を有する。混合器74は、好適には、+9dBのCG、−7dBmのP1dB、及び−8dBmのIP3を有する。IF増幅器76は、好適には、9.5dBmのP1dB及び5.5dBのNFを有する。IFフィルタ78は、好適には、7MHzの帯域幅及び9dBのILを有する。高速A/D変換器64は、好適には16.384MSPSのレートで動作する12ビット変換器であり、一方、低速A/D変換器66は、好適には262.144KSPSのレートで動作する12ビット変換器である。
【0036】
本発明の相関器が、既知のデータパターンをサンプリングされたデータと比較するとき、好適なサンプリングレートはデータレートの8倍、この場合は262.144kHzである。このサンプリングは、IFのRSSI62に接続された低速の12ビットA/D変換器66によって実行される。相関が発生するとき、相関器の出力は1ビットの1/8の内で同期化される。これは、パケット30の残りの部分の復号化のためのタイミングをこの時点から開始する。好適には、パケット30の復号化は各ビットの中央の3/4を使用し、各ビットの最初の1/8と最後の1/8は不確実であるために廃棄される。この実施形態に特有の優位点のうちの1つは、本発明がナイキストの定理(すなわち、サンプリングは有効データ転送レートの2倍を超えるレートで発生しなければならない)によって指定されるサンプリングレートより低いレートで有効なデータサンプリングを達成できるようになることにある。ある意味で相関器は、復号化器が、広帯域信号のための同期電力検出器として動作することを実質的に可能にする。
【0037】
好適には、パケット30のプリアンブル32は、20ビットと、1個の同期ビットとから構成される。このデータはマンチェスター符号で符号化されるので、われわれは42個の相関可能な“チップ”(すなわち、遷移状態)を有することになる。最初の34個のチップは相関させるために使用され、最後の6個のチップはデータの復号化に最適なビンを決定するために使用される。相関と復号化との間には、プロセッサのセットアップを見込んだ2個のチップの遅延が存在する。最後の6個のチップは好適には、1010パターンであり、よって相関が検出されると、高速A/D変換器64は70MHzのIFをサンプリングすることができる。好適には、70MHzのIF信号は実際にはアンダーサンプリングされるが、周波数は変化する。
【0038】
この実施形態では、IF信号80のサンプリングレートは16.384MHzである。このデータは高速A/D変換器64によってDSP52に供給され、このことは、データレートの2倍のレート、又は65.536kHzでDSP52がFFT演算を実行できるようにする。64ポイントFFTが実行され、図5に概略的に示されたように32個の周波数ビン82が生成される。サンプルの12個のセットがFFTエンジンによって変換されると、最後の6個のチップのパターンに一致するエネルギーに関して各周波数ビン82が評価される。各ビン82について、1の値であることが予想されるすべてのサンプルの和が計算され(84で略示されている)、次にゼロの値であることが予想されるすべての値の和(86で略示されている)が和84から減算されて、各ビン82のエネルギー値88が生成される。ビン82がランダム雑音を含んでいれば、6つの雑音値の和から6つの雑音値を差し引くと小さい雑音値になることから、当該ビンの合計のエネルギー値88は非常に小さくなる。相関したばかりのプリアンブルとの一致を示すデータが正しいタイミングで存在するならば、1の和は存在する平均エネルギーの6倍になり、6倍の雑音が差し引かれる。実際には、1の値の和84は信号プラス雑音となり、ゼロの値の和86が雑音のみとして減算されると、信号値の和だけが残る。最終的に、エネルギー値88として最大の信号の和を有するビン82が当該信号を含むビンであると見なされる。最良のビンが分かると、そのビン82はフラグを付与され、残りのデータストリームの全体にわたってサンプリング及びFFT変換処理が継続される。
【0039】
DSP52は、データに対する2倍のオーバーサンプリングですべてのサンプルを取得するのに十分な計算力(computational horsepower)を有することが好適であるが、しかしながら、好適なDSPは、ビット時間当たり1回のFFTのみを実行できる。この実施形態では、データはバッファリングされ、第2のセットのFFTが、処理後の演算で実行される。このため、新たなパケットを復号化するために復帰する無線装置14、16の能力にわずかな遅延が生じ、よって、サンプルは、RSSI回線に接続された低速A/D変換器からも取得される。これは、相関器のオーバーサンプリングレートの8倍のレートで動作する。値は、データを試して復号化するために使用される。信号が十分に強いならば、データはRSSIのみで復号化され得る。復号化に成功すれば、DSPはFFTデータをダンプし、相関器を再び起動して他のデータのパケットを捜す。RSSIが復号化に失敗すると、DSP52は第2のFFTのセットを実行し、最良のビンに対して復号化を試みる。これに失敗すると、DSP52は、その最良のビンと次に高値のビンとを平均化して他の復号化を実行する。これにも失敗すると、それは、その最良のビンと次に低値の1個のビンとの平均化を再び試みる。試行のうちの1つが成功するとすぐにデータはダンプされ、相関器は初めから起動する。すべての試行に失敗すると、パケットは不良データとしてマーキングされる。隣接するビンと最良のビンとを平均化することにより、無線装置は、1つのビンから他のビンへドリフトする信号を追跡することができる。
【0040】
上述した通り、IFステージのフィルタ78からのRSSI電圧はA/D変換器66によってサンプリングされ、DSP52へ入力される。好適には、サンプルはDSP52内部のサンプルのスタックとして配置され、最新のサンプルがスタックにシフトして入れられるとき最古のサンプルがシフトして出力される。好適には、当該スタックはサンプル34個分の長さであり、各サンプルは、相関されるプリアンブル42のビットのうちの1つを表す。スタックの長さは本発明の性能にとって決定的なものではないということを注意する。このサンプル数のサブセットを用いることで、良好な相関が実証されている。サンプル数(34)は、実際に、送信されるERTプリアンブル32の全体のうちのサブセットである。新たなサンプルが取得されて保存されると、スタック内の各サンプルは、既知でありかつ予想されるプリアンブルを表す値と比較される。ある好適な実施形態では、プリアンブル32のあるビットに係る既知の値が2進数の1であることが予想される場合はこれに値1が割り当てられ、これに対して既知の値が2進数のゼロであることが予想される場合は当該ビットに−1の値が割り当てられる。既知の値は、ポジション1からの未知の値にポジション1の既知の値を乗算することによって比較される。次いで、ポジション2の未知の値にポジション2の未知の値を乗算し、34個の未知の値のすべてがその対応する既知の値で乗算されるまで、同様に行う。次いで、すべての乗算結果の和が計算される。このことは、現在のサンプルのセットに対する相関値を与える。他のサンプルが適当な時点で取得され、プロセスの全体が再び最初から実行される。上記適当な時点は、ERTメッセージのデータレートによって決定される。先述した通り、ある好適な実装では、信号は8倍でオーバーサンプリングされるため、そのリストは既知のビットリストの8倍の長さになる。サンプリングレートも同じく、データレートよりも8倍だけ速い。これにより、本好適な実施形態は、データに対して、より正確に同期化することができる。
【0041】
相関演算は、好適には畳み込みのディジタル的な実装であって、ここでは、プリアンブル32の既知の関数が未知の関数と、すなわちデータサンプルと比較される。34個のデータチップに対して相関を計算することは、34ビットにわたってデータサンプルを平均化することにより、無線の感度を効果的に向上させる。実際に、これは、復号化され得るものよりも6乃至12dBだけ向上した感度によるプリアンブル32の検出を可能にする。相関器の出力はしきい値と比較される。しきい値は、最大で256個までの未処理の入力サンプルの平均値を求めることによって決定される。この平均は、好適には、入力信号強度の尺度であり、相関係数はプリアンブルの確率の尺度である。強い信号が存在すると、相関係数の値及び相関係数のしきい値は増大する。同様に、これらの値は共に、信号レベルが下がると低下する。検査されているものは、これらの2つの値の関係である。実際のしきい値は、好適には、経験的に導出され、信号平均の割合である。相関係数がこの値を超えると、本発明は、プリアンブル32が存在していると想定する。しきい値レベルを調整することによって、検出の確率は調整可能である。このレベルが低いほど、プリアンブルを発見する確率は増大し、誤った検出の確率も増大する。
【0042】
プリアンブルが検出されると、好適には、そのプリアンブル32中に、さらに読み取られる必要がある8個のチップが残っている。この時点で、高速A/D変換器64が起動される。A/D変換器66を始終動作させていることも可能ではあるが、好適には、電力を節減するためにA/D変換器66はオフにされる。高速A/D変換器66はIF信号70をサンプリングする。次にサンプルはDSP52に供給され、DSP52は64ポイントFFTを実行して、先述の通り各々が256kHzの範囲である32個の固有の周波数ビン82を生成する。好適には、各周波数ビン82は複素数で表され、これは、実数部と虚数部とを2乗してそれらを互いに加算することにより電力に変換される。この処理を開始するためには、少し時間がかかるため、好適には、到来するプリアンブルの次の2つのデータサンプルは廃棄される。これで、到来するプリアンブルにおけるビットであって、当該ビットの予想された状態が既知であるものは6個になる。DSPは何を捜すのかについて認識しているので、DSP52は、既知のパターンを求めて、次の6個のビットサンプルのための周波数ビン82を検査する。予想されるプリアンブルと時間的に一致した101010パターン(12個の既知のチップを表す)を含むビン82が存在すると、図5の説明に関連して述べられたように、そのビンに最良のビンとしてのラベルが付与される。本質的には、これが、初期“周波数調整”を達成する方法である。これは周波数を実際に調整するものではなく、送信が発生している周波数を決定するものである。最良のビンが決定されると、DSPはFFTアルゴリズムを使用して、そのチャンネル上のERTメッセージ30の本文34の復号化を試みる。ERTメッセージ30はCRCエラー検出バイト36を含むので、復号化がCRCチェックに合格すれば、成功裡の復号化であると決定することができる。
【0043】
復号化が実行されている間は、好適には、FFT処理からのすべてのデータは保存される。復号化しても良好なCRCチェックを発見できない場合、FHSS信号20の周波数がドリフトしていたためか、又はFHSS信号20が2つのビン82の間の境界の真上にあったために、受信機はERTメッセージ30の検出に失敗していた可能性がある。この場合は、隣接する次に高値のビンと平均化された最良のビンを表すデータについて、復号化のFFT処理が反復される。メッセージの周波数のドリフトがより大きい場合は、それは、そのエネルギーの幾分かを次の高値のビン82へ移動させるだろう。メッセージの周波数のドリフトがより少ない場合は、それは、そのエネルギーの幾分かを次の低値のビン82へ移動させるだろう。本好適な実施形態は隣接するビンを単に平均化することを利用しているが、この処理を達成するために他の組み合わせによる方式が利用可能であるということは明らかであろう。最良のビンに関連付けられた周波数に隣接するビンからのデータを使用することにより、本発明の本好適な実施形態は、ERTメッセージ30の周波数を追跡することができる。隣接する高値のビンとの平均化によってCRCが機能しなくなると、最良のビンと隣接する低値のビンとを平均化し、より低い周波数のメッセージを追跡して復号化が実行される。この復号化処理を通じて、無線に関して発振器は一切調整されない。追跡はFFT周波数ビンの出力の結果であり、信号は複数のビンにわたって追跡される。
【0044】
本発明に係る好適な実施形態の受信機42と従来のバージョンのFHSS受信機との間のもう1つの相違点は、既存(レガシー)の無線装置は、対数的な応答を有するERT信号検出器を常に使用してきたということにある。このことは、当該信号検出器が強弱両方のERT信号を十分に観測するということを意味し、このことは、当該信号検出器が広い“ダイナミックレンジ”を有しているものとしても知られている。対数的な検出器に伴う問題点は、これらが干渉信号の存在に影響されやすいことにあり、これは基本的に検出器を一方の側に固定して(ペグして)、検出器がERT信号を効果的に観測することを不可能にする。この問題点による影響は、受信機42に固有の、検出用の格段に広い窓によって複雑化される。この問題を克服するため、受信機42は、帯域内に他の干渉信号が存在していてもいなくても小さなERT信号を観測することのできる、リニア検波器62を使用している。リニア検波器に伴う課題は、一般に、これらが小さなダイナミックレンジを呈示するという点にある。本発明に係る好適な実施形態の受信機42は、弱い信号に対する感度が高く、かつ大きなERT信号を静かにするために減衰に切り換えるフロントエンド増幅器71を使用することにより、この点を補償している。このことは、本質的に、広いダイナミックレンジと帯域内の干渉に対する低い感度との一挙両得を達成する。
【0045】
FFTエンジンによる弱い信号の処理は記憶されたデータに対して反復されることが可能なディジタル信号処理であるので、本発明は、ディジタルサンプルストリームを複数のFFTエンジンに向けて多重化することにより、複数のメッセージパケット30を同時に処理する能力をもたらすということが理解されるであろう。このことは、DSPのサンプリングレート及び処理パワーに依存して、単一のDSPにおけるセグメント化されたスレッドとして実装されるか、もしくは多数のDSPによって実装されることが可能である。
【0046】
本発明は好適な実施形態に関連して説明されてきたが、本発明の態様に対する数多くの変更及び修正が行ない得るということ、及び本発明の範囲は添付の請求の範囲に従うように意図されているということは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る周波数ホッピングスペクトル拡散(FHSS)システムの全体の概略図である。
【図2】本発明に従って受信される符号化されたFHSSパケットの一実施形態を示す図である。
【図3】本発明に係る一実施形態のハンドヘルド型メータ読み取り無線装置の送受信機のブロック図である。
【図4】図4に示されたような送受信機の回路図である。
【図5】本発明に係るFFTアルゴリズムの動作の好適な実施形態を示す概略図である。
【符号の説明】
10…無線周波数ホッピングスペクトル拡散(FHSS)システム、
12…エンドポイント送信機、
14,16…無線装置、
18…中央局、
20…FHSS信号、
22…データ、
24…通信チャンネル、
32…プリアンブル、
34…本文、
36…エンドコード、
40…送信機基板、
42…受信機基板、
44…アンテナ、
46…インタフェース、
48…ダイプレクサ、
50…マイクロコントローラ、
52…信号プロセッサ、
54…PICコントローラ、
56…RF回路セクション、
60…電力増幅器セクション、
62…受信信号強度指示子(RSSI)増幅器、
64,66…アナログ・ディジタル(A/D)変換器、
70…RF増幅器、
72…IF周波数発生器、
74…混合器、
76…IF増幅器、
78…フィルタ、
80…IF信号、
82…周波数ビン、
84…1の値の和、
86…ゼロの値の和、
88…エネルギー値。
【発明の属する技術分野】
本発明は周波数ホッピングスペクトル拡散無線システムに関し、特に、例えば無線による自動的なメータ読み取りシステムにおいて使用されているような多数の低コストのエンドポイント送信機からの、周波数が不安定な周波数ホッピングされるスペクトル拡散信号を追跡し、かつこれに同期化する受信機を利用するスペクトル拡散無線システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
無線による自動的なメータ読み取りシステムは公知である。典型的には、各需給計器(ユーティリティ・メータ)には、計器の読み取り指示値を収集しかつこれらの読み取り指示値を無線ネットワークを介して中央局へ周期的に送信する、バッテリで電力供給される符号化器が設けられている。符号化器がバッテリで電力供給される必要性と、無線送信を管理する規則とによって課される電力の制限は、事実上、中央局へ直接に無線送信することへの妨げとなっている。代わりに、例えば米国特許第5,056,107号の明細書に記述されているように、無線メータ読み取りシステムは、典型的には、複数のメータ符号化器にてなるグループからの送信信号を受信しかつこれらのメッセージをネットワークにおける次の高位の層へと転送する、重複する複数の中間の受信局にてなる階層化されたネットワークを利用している。これらのタイプの階層化された無線送信ネットワークは、大都市エリア用の需給計器読み取りシステムの一部として配備される必要がある何千個ものエンドポイント符号化送信機のうちで、より低い電力の、免許を必要としない無線送信機の使用を見込んでいる。
【0003】
1985年に、FCCは、無線ネットワーク製品の製造及び使用を刺激する試みとして、免許を必要としない装置を管理する無線スペクトル規則のパート15を改正した。この改正は、無線ネットワーク製品が、スペクトル拡散変調を用いて産業、科学及び医学(ISM)の帯域において動作することを認可した。使用されてもよいISM周波数は、902乃至928MHz、2.4乃至2.4835GHz、及び5.725乃至5.850GHzを含む。FCCは、当該製品が所定の必要条件を満たしていれば、ユーザが、FCCの免許を得ることなく、ユーティリティの計量システムのようなスペクトル拡散無線製品を動作させることを認めている。周波数スペクトルに係るこの規制緩和は、ユーザの組織が、既存の無線システムとの干渉を回避するように、費用及び時間のかかる周波数計画を実施して無線装置の導入を調整する必要性を取り除く。
【0004】
スペクトル拡散変調器は、より広い範囲に信号を拡散させるための2つの方法のうちの1つを使用している。その第1の方法は直接拡散スペクトル拡散、又はDSSSの方法であり、第2の方法は周波数ホッピングスペクトル拡散、又はFHSSである。DSSSは、送信局におけるデータ信号をより高いデータレートのビット列と合成し、当該ビット列は、多くの場合、チップコードと呼ばれる(処理利得としても知られている)。高い処理利得は、干渉に対する信号の耐性を増大させる。これに対して、FHSSは、干渉を防止するために、多数の画成された周波数チャンネルにわたってランダムにホップされるデータ信号の分散に依存する。
【0005】
FHSSは、データ信号を取り込み、これを、広帯域の周波数にわたる時間の関数として周波数から周波数へとホップする搬送波信号を用いて変調することにより動作する。FHSSを使用すれば、搬送波周波数は周期的に変化する。共に同じ周波数及び同じ時間で送信されていても狭帯域システムからの干渉信号はスペクトル拡散信号にしか影響しないので、周波数ホッピング技術は干渉を低減させる。従って、全体としての干渉は非常に低くなり、ビット誤りははほとんど存在しなくなるか、もしくは、まったく存在しなくなる。
【0006】
ホッピングコードは、FHSS送信機が送信する周波数及び及びその順序を決定する。信号を正しく受信するために、慣例では、FHSS受信機はその同じホッピングコードに設定されて、正しい時間及び適正な周波数で到来信号を受信する。しかしながら、この方法が効果的であるためには、FHSS送信機及びFHSS受信機は同じホッピングコードのパターンで互いに同期化される必要があり、かつ同じ周波数で追跡している必要がある。
【0007】
同期化は、例えば米国特許第5,386,435号の明細書に記述されているように、FHSSの送信機と受信機とを時間的に同期化することによって達成可能であるが、このことは、FHSSの送信機及び受信機の両方における極めて正確なクロックか、又はこれらのクロックを同期化するために使用される何らかの外部チャンネルかの何れかを必要とする。より従来的には、FHSSの送信機と受信機とを同期化させるために、各送信信号の開始部における符号化されたプリアンブルが使用される。米国特許第6,052,406号の明細書は、位相調整装置がサンプリングされたデータストリームを第1及び第2のサンプリングされたシーケンスに区分化した後で、相関器を利用して、到来するサンプリングされたデータストリームを既知の同期パターンに同期化させるFHSSシステムを記述している。米国特許第6,052,407号の明細書は、時間にわたる送信のスペクトルエネルギーのテーブルを生成し、このテーブルを使用してさらに到来する信号を相関させ、周波数ホッピングパターンとの同期を決定する、コードレス電話システムのためのFHSSシステムを記述している。米国特許第6,178,193号の明細書は、フェーディング期間に対する相関された電力計算値を使用して、より優れた同期化を達成するためにFHSS送信機の送信電力レベルを調整する装置を記述している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来では、FHSS送信の追跡は、送信される周波数の安定性に依存している。一般に、送信機の周波数は、経年変化又は温度や電圧の変化に起因して、時間的にふらつくか、又はドリフトする。任意の周波数ドリフトを制御しかつ調整するため、慣例としては、周波数安定化回路がFHSS送信機のレベルで組み込まれてきた。例えば米国特許第5,940,428号の明細書に記述されているように、送信機の出力周波数を制御するか又は安定化するために、位相ロックループ(PLL)のようなシンセサイザが使用されている。変調された各信号は、送信前にこの回路を通過する。残念ながらこのようなPLL回路は、望ましくない電力の消費をもたらし、FHSS送信機のコストを大幅に上げる。例えば、コストとバッテリ電力とが中心的関心事である無線メータ読み取りシステムでは、安定化回路によってもたらされるこういった望ましくない結果は、製造及びシステム設計にとって重大な障害となり得る。
【0009】
FHSS送信機のレベルにおけるシンセサイザ回路を除去することは可能である。従来の技術は、FHSS受信機の中間周波数(IF)の帯域幅を増大させて周波数のドリフトに対処することにより、送信機信号のこの周波数のふらつきを調整している。しかしながら、この解決方法では、FHSS受信機のIF帯域幅が増大するのに伴ってFHSS受信機の感度が下がる。FHSSシステム用の小電力の送信機では、背景雑音から弱いFHSS信号を見つけ出せるようにするためには高い受信機感度が必須である。
【0010】
米国特許第6,188,715号の明細書は、非常に短い状態メッセージを断続的に送信する、複数個のセンサの送信機のためのFHSSシステムについて記述している。FHSS受信機は、同期化及び信号捕捉を改善するために、高速フーリエ変換(FFT)を利用していくつかの異なる周波数において送信される搬送波電力を検出する。いったん、FFTが、広帯域FHSS信号から、関連する信号を含む周波数はどれであるかを決定すると、FHSS受信機は、FFTの出力と、周波数ホッピングコードを表す時間及び周波数レジスタの状態とに応答して、ディジタルでプログラミング可能な有限インパルス応答(FIR)フィルタを使用して1つ又は複数の狭帯域周波数受信機を同調させる。この装置は同期化を改善することができるが、別個の狭帯域周波数受信機を使用することから、十分な周波数追跡を行なうためにFHSS送信機は周波数安定化回路を利用することをやはり必要とする。
【0011】
従来のメータ読み取りシステムにおける周波数安定化回路の使用に関連付けられたこれらの望ましくない障害の結果として、周波数安定回路を利用しない送信機から受信されるFHSS信号を識別してロケーティングを行ってかつ追跡する能力のある、低コストで小電力の受信機に対する必要性が存在する。それに加えて、受信機は、高い受信機感度を保持すると同時に、これらの潜在的に不安定な信号に対処することができる必要がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
データを送信するための無線スペクトル拡散通信システムは、複数のエンドポイント送信機と少なくとも1つの受信機とを含む。エンドポイント送信機は、周波数ホッピングされるスペクトル拡散信号を介してデータを送信し、このとき、送信信号は周波数安定化の助けを受けることなく送信される。受信機は周波数ホッピングスペクトル拡散信号に応答し、かつ相関器及び信号プロセッサを含む。相関器は、信号のプリアンブルの少なくとも第1の部分をサンプリングし、上記プリアンブルの部分を既知のプリアンブルパターンと相関させて相関の確率を決定する。信号プロセッサは、相関の確率に応じて信号に高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを適用し、少なくともプリアンブルの第2の部分に基づいて信号の狭帯域周波数を追跡し、かつプリアンブルの後に続く信号内に符号化されているデータを復号化する。
【0013】
ある好適な実施形態では、FFTアルゴリズムはサンプリングされたデータに作用して、それぞれ信号内の異なる狭帯域周波数に対応する複数のビン(bin)を生成する。好適には、FFTアルゴリズムは、プリアンブルの第2の部分に関する期待されるチップ値に対して、各ビンにおける複数のチップ値の和を計算し、最高値を有するビンを、符号化されたデータ信号を含む狭帯域周波数として決定する。
【0014】
本発明に係る受信機の好適な一実施形態では、受信機は、信号を受信しかつ当該信号をベース信号と混合して、相関器及び信号プロセッサに信号として供給される中間周波数を発生する混合器を含む。相関器に供給される信号の強度が評価され、相関器に供給される信号の強度が、プリアンブルの後に続く信号内に符号化されているデータの復号化を実行するために十分に強いならば、信号プロセッサは、FFTアルゴリズムを使用することなく、プリアンブルの後に続く信号内に符号化されているデータを復号化する。
【0015】
好適には、ディジタル信号プロセッサに、第1の速度で動作するアナログ・ディジタル変換器からの第1のサンプリングされた入力と、第2の速度で動作するアナログ・ディジタル変換器からの第2のサンプリングされた入力とである2つのサンプリングされた入力が供給される。ここで、第2の速度は第1の速度より遅い。受信信号強度指示子(received signal strength indicator;RSSI)の検波器回路は、相関器の信号の強度が復号化を実行するのに十分な強度であれば符号化されたデータを復号化するために信号プロセッサによって使用される第2のディジタル・アナログ変換器への入力に動作可能に接続されている。好適には、信号が強い信号であるか否かの試験は、パケットを復号化しかつ優れたCRCを計算する能力である。1つの実施形態では、切り換え可能なフロントエンド増幅器は信号を動作可能に受信し、信号強度に基づいて信号を選択的に減衰させる。リニア検波器は、フロントエンド増幅器の出力と相関器の入力とに動作可能に接続され、拡大されたダイナミックレンジと帯域内干渉に対する低い感度とを提供する。
【0016】
本発明のFHSSシステムは、時間的にドリフトすることが許容され、チャンネル化されていない周波数ホッピングシステムを効果的に作り上げる、自走式局部発振器を有する複数のエンドポイント送信機の配備を可能にする。本発明は、エンドポイント送信機によって送信されるメッセージ間で周波数が変化可能であるだけでなく、単一のメッセージの送信の間であってもドリフトを許容し得る受信機のための頑健な設計を提供する。最終的には、全体的なシステムの性能を改善するとともに、システムの一部として配備される何千個又は何十万個ものエンドポイント送信機のコストの大幅な低減を可能にする頑健な受信機がもたらされる。
【0017】
【発明の実施の形態】
まず、図1を参照して、本発明に係る無線周波数ホッピングスペクトル拡散(FHSS)システム10の好適な実施形態の全体の概略図について説明する。当該FHSSシステム10は、多数のエンドポイント送信機12と、少なくとも1つの受信機を有する少なくとも1つの無線装置14、16とを含む。ある好適な実施形態では、エンドポイント送信機12は、需給計器に動作可能に接続された、バッテリで動作されるメータ読み取り符号化送信機である。この実施形態では、例えば、大都市エリアに導入されるFHSSシステム10の一部として何百から何十万までの任意の個数のエンドポイント送信機12が配備されるものと期待されている。代替として、エンドポイント送信機12は、符号化されたデータをFHSS信号20を用いて送信する小電力のセンサ、検出器又は他のデータ符号化器であることが可能である。好適には、エンドポイント送信機12は、到達範囲ゾーンの全体にわたる多数の固定された場所に配備される。代替として、エンドポイント送信機12は、ページャ又は携帯型トランスポンダのような、1つ又は複数の到達範囲ゾーン内で動作する移動体送信機であることも可能である。
【0018】
1つの実施形態では、無線装置は、ユーザが多数のエンドポイント送受信機12に関連付けられた1つのエリアを横断するとき、多数のエンドポイント送信機12から符号化されたデータをFHSS信号20の形式で受信し、かつそのデータを後のダウンロード又は再送信のために記憶する移動体無線装置14を備えている。好適には、移動体無線装置14は、メータ読み取りルートを辿って歩くオペレータによって携行されるハンドヘルド型の無線装置である。代替として、移動体無線装置14は、街路を走行してメータ読み取りデータを収集する乗物に設けられた1つ又は複数の無線装置を含むことが可能である。他の実施形態では、受信機は、重複する複数の到達範囲のゾーンにてなる階層的なネットワークに配置され、エンドポイント送信機12から符号化されたデータを受信してこのデータを再送信によって中央局18へ転送する、複数の固定された中間の無線装置16を備えている。複数の固定された中間の無線装置16及び中央局20にてなるネットワークに関するさらに詳細な説明は、上記で識別された “低速/大電力の周波数ホッピングを利用するスペクトル拡散計器読み取りシステム”と題された同時係属中の出願が参照され、その開示内容は参照によってここに含まれている。無線装置14、16は、半二重無線装置(送信又は受信を行うが、両方を同時には行わない。)として設計されることが可能であるが、このアーキテクチャにはいくつかの制限のあることがわかっている。好適には、無線装置14、16は全二重の設計(同時に送信して受信する。)として実装される。代替として、無線装置14、16は受信機のみを含む場合もある。
【0019】
1つの実施形態では、無線装置14、16は、データ22を中央局18へ無線で再送信することができる。代替として、無線装置14、16は、データが手動又は自動で中央局18へダウンロードされるまでそのデータを記憶することができ、もしくは、1つ又は複数のエンドポイント送信機12に関連付けられたメータで計量された値の関数を生成する目的で、これらの無線装置には、エンドポイント送信機12から受信されたデータを、個別に、より大きなブロックにまとめて、あるいは時間的に要約してのいずれかで、即時又は蓄積転送モードで送信するための電話回線、電力線、衛星、セルラー電話などのような他の通信チャンネル24が設けられていてもよい。
【0020】
エンドポイント送信機12は、符号化されたデータが送信機12により(予め画成されたタイミングパターンによってか、もしくは擬似ランダムによってかのいずれかで)自動的かつ周期的に送信されるバブルアップ(bubble−up)の種類に属してもよく、あるいは、送信機12は、例えば移動体無線装置14又は固定された無線装置16によって送信される起動音(wakeup tone)に応答するようにポーリングされ、又は呼び掛けられ、次いで上記ポーリング信号又は呼び掛け信号に応答して符号化されたデータを有するFHSS信号20を送信してもよいということは理解されるであろう。
【0021】
図2に示されたようなある好適な実施形態では、FHSS信号20は、好適には符号化されたデータのパケット30として送信され、上記符号化されたデータのパケット30は、FCCのパート15.249(500mW未満の送信機電力)又はパート15.247(5W未満の送信機電力)に準拠して動作する、免許を必要としない周波数ホッピングスペクトル拡散送信機により、910乃至920MHzの間の帯域で送信される周波数ホッピングスペクトル拡散信号として送信される。本発明の目的に関しては、これらの規則の何れかに従って動作する送信機12は小電力送信機であるとされる。好適には、符号化されたパケット30は、予め定義されたプロトコルに従って送られる。このようなプロトコルの1つは、例えば[FCC免許の引例]に記述されているような、本発明の譲受人であるアイトロン インコーポレイテッド(Itron, Inc.)によって製造されているメータ符号化送信機のためのERTプロトコルである。もう1つのこうしたプロトコルとしては、上記で識別された “低速/大電力の周波数ホッピングを利用するスペクトル拡散計器読み取りシステム”と題された同時係属中の出願において定義されているようなPETプロトコルがある。ある好適な実施形態では、符号化されたパケットのデータ30は、オンオフキーイング(OOK)変調される。他の振幅変調(AM)技術を使用することもできる。また、符号化されたデータを、周波数変調(FM)又は周波数シフトキー(fsk)変調のような他の変調技術を使用して変調することも可能であるが、当業において通常の技能を有する者には理解されるように、これらの技術を実装するためには追加の回路が必要とされる場合がある。
【0022】
例えばERTパケットを復号化する既存のアプローチとは異なって、本発明は、ERTパケットを復号化するために根本的に異なるアプローチを採用している。ERTモジュール12によって送信される標準的な消費量メッセージパケット30は、3つの主たる構成要素にて形成される。プリアンブル32はメッセージパケット30を開始し、常に同じ一連のビットである。プリアンブル32は、無線装置14、16を、到来するパケットと同期化させるために使用される。メッセージ30の本文34は、その特定のエンドポイント送信機12に関するその特定の時点における消費量、ID、改ざん及びタイプ情報を含む。メッセージ30のエンドコード36は、好適には、パケット30が正確に復号化されたことを検査するために使用される情報を含むCRC(巡回冗長検査)コードである。
【0023】
ある好適な実施形態では、エンドポイントモジュール12は、通常バブルアップの方式で動作するものであっても、プログラミングされた起動音で変調された適正な周波数の搬送波である起動音に応答する。この起動音は、エンドポイント送信機12に、同じメッセージ30の若干の個数(プログラミング可能)のコピーより成るバーストを発生させる。エンドポイント送信機12の応答は非同期的である。すなわち、メッセージパケット30は、有効な起動音から約3/4秒後にはいつでも送信されることが可能である。典型的なエンドポイント送信機12は有効な起動(ウェイクアップ)に8個のパケット30で応答し、これらは(周波数ホッピングテーブルに従って)わずかに異なる周波数で送信される。この実施形態では、エンドポイント送信機12は、広範囲の起動周波数(952−956MHz)及び起動音(28−62Hz)のフィールドを選択する能力を提供する。
【0024】
図3に示されたように、無線装置14には、好適には、所望の起動音を発生させることのできる送信機基板40が設けられている。受信機基板42は、FHSS信号を受信するために使用される。好適には、送信及び受信は共に、ダイプレクサ48を介し、共通のアンテナ44を通るように経路を定められる。電力及びユーザインタフェースのデータは、インタフェース46を介して無線装置14に供給される。送受信機14の主要な部分は、8051マイクロコントローラのようなマイクロコントローラ50と、好適にはディジタル信号プロセッサ(DSP)52である信号プロセッサ52と、PICコントローラ54と、受信機のRF回路セクション56と、送信機のRF回路セクション58と、ダイプレクサ48とを含む。8051コントローラ50は、無線装置14のためのトラフィック・コップ(トラフィック制御装置)として動作する。コントローラ50は、DSP52及びPICプロセッサ54との間で往復するデータ及びコマンドを管理し、状態及びデータをこれらのチップからインタフェース46へ送信して戻す。DSP52は好適にはテキサス・インスツルメンツ(Texas Instruments)製のDSPチップであり、後述されるように相関器、復号化器及びFFTエンジンのための数学的計算機(mathematical calculator)である。DSP52はまた、受信機の中心周波数を設定し、フロントエンド増幅器の減衰の入と切を切り換える。受信機のRFセクション56は、到来するERTパケットを復号化器へと取り込むために、高感度の増幅器、混合器及び様々なフィルタを実装する。送信機基板40内のPICコントローラ54は、送信周波数をプログラミングし、電力増幅器を動作可能にし(イネーブルにし)、かつRF搬送波を適正な起動音で変調する。送信機のRFセクション58は、発信するRF搬送波を発生する電圧制御発振器(VCO)と、大電力の起動信号を発生する電力増幅器セクション60とを含む。ダイプレクサ48は、送信機40及び受信機42の同時的な動作を可能にするように設計された一連のフィルタである。ほぼすべての全二重無線装置では、送信機周波数が受信機周波数と大幅に異なっていない限り、送信機が動作可能にされると受信機の感度が幾分か失われる。無線装置14は、分離のために非常に大型で非常に高価なダイプレクサを用いた受信機を除く従来型のFHSS受信機よりも、はるかに少ない受信機の感度低下(de−sense)を呈示する。
【0025】
譲受人であるアイトロン インコーポレイテッドの従来のFHSSメータ読み取りシステムでは、受信機は、ERTパケット30を捜すために検波器出力からのビットスライスされたデータをサンプリングするように設計された。これら従来のシステムは、いわば、パケット30がERTパケットのように見えかつERTパケットのような匂いがすれば、それはERTパケットに相違ないというアプローチを利用した。言い替えれば、受信機は、無線信号をサンプリングしてERTパケット30のプリアンブル32を捜し、受信機がプリアンブル32のビットの特定シーケンスを認識すれば受信機はプリアンブル32のビット(及び、時には本文34の最初の数ビット)のタイミングと同期化し、次いでそのタイムビートを使用してパケット30の残りのビットを復号化した。
【0026】
本発明に係る無線装置14、16の受信機42は、次のステップに進む。受信機42は、データのビットスライスを行わずに検波器の出力をサンプリングする。パケット30のプリアンブル32は常に同じであり、言い替えれば、受信機42はパケット30の開始部を見分けるためには何を捜せばよいかを認識している。このことは、受信機42が、相関として知られたやや特殊な計算を使用することを見込んでおり、この計算は好適には相関器によって実装される。本発明によれば、相関器は、到来するビットのストリームをメッセージ内に設計されている既知の値と比較するようにプログラミングされた回路又はプロセッサもしくはコントローラである。図3に示されたような実施形態では、相関器はDSP52において実装されている。相関器は、進行中の(好適には20個ほどのビットにわたる)一致が検出されるまで、低い相関値を呈示する。一致が検出される場合は、相関器の出力は非常に高くなる。従って、本発明を使用する場合は、パケット30が有効なERTパケットであるか否かに関する推測は行われず、相関器は、無線装置14、16がパケット30は(偽データのマッチングの統計的確率の範囲内で)有効なERTパケットであるということについて認識することを可能にする。こればかりではなく、受信機42はパケットのビットストリームの正確なタイミングを有し、これにより、無線装置14、16はパケット30の残りの部分を各ビットの中心において復号化することが可能になり、このことは、完全に復号化されるパケット数を増大させる。
【0027】
従来のアイトロンの受信機では、到来するERTパケット30が弱い(受信機における雑音のベースレベルに近い)と、ERTパケットを雑音から区別することは不可能になった。本発明によって実装される相関器を使用すれば、受信機42は、実際に、雑音のベースレベルよりも下で有効なパケットの存在を検出することができる(これは通常、雑音中の探索(looking into the noise)と呼ばれる)。好適な本実施形態に係る相関器は、既存のアイトロンの受信機より、少なくとも12dBの感度の増大をもたらすことができる。後述されるように、信号が弱い場合に、パケット30を含む狭帯域周波数を決定するためにプリアンブルの最後の部分を解析するとき、DSP52によるFFTエンジンの使用はまた、付加的な9dBの感度の改善を提供することができる。
【0028】
ある好適な実施形態では、エンドポイント送信機12は、パケット30を910−920MHz間の帯域で送信する。大部分の既存のエンドポイント送信機12は、そのパケット30のいくつか又はすべてを913−918MHz間の帯域で送信する。従来の受信機の設計では、所望の受信機の感度を達成するためには、一度に調査することが可能な無線信号の範囲を約1.4MHzに制限する必要があった。本発明の受信機42で使用される高度なディジタル信号処理技術の場合、従来の無線装置と同じ感度が達成されるが、受信機42は、広帯域の周波数にわたる7MHzの窓(ウィンドウ)を調べることができる。従来の設計では、送信機12がパケット30を送信しているとき、エンドポイント送信機12が送信している位置に受信機の窓が存在していない可能性があった。従来の受信機は、パケット30を捜してERT送信帯域にわたって走査するが(実際には、従来の受信機は一度に10MHzの帯域全体よりも狭い帯域、典型的には約1.4MHzを走査した)、パケットがその時に走査されていなかった帯域の部分で送信された場合には、そのパケットを見逃す可能性も時々あった。本発明の受信機42では、少なくとも約六十六パーセント(66%)が、好適には有効な広帯域の全体が常にモニタリングされる。ERTパケット30が送信されていて、かつそのパケットに対するFHSS信号20が受信機42において十分に強いならば、受信機42はそのパケットを認識する。
【0029】
好適な実施形態の受信機42は、好適には、広帯域の有効部分の全体を一度に検査し、無線信号中にパケットが存在することを示す相関出力信号を捜す。この実施形態では、大部分のERT送信機12は913MHzと918MHzの間の周波数で送信するので、受信機44は7MHzの帯域を検査して相関を捜す。相関器は、ERTパケット30のプリアンブルがどんなものであるかを認識していて一致を捜すので、相関の優位点が実現される。プリアンブル32の後では、本文34及びエンドコード36におけるビットパターンが、ID、消費量、CRC又は他の可変なデータ情報のような符号化されたデータの内容に従ってランダムに変化するので、受信機42は、相関技術を使用してERTパケット30の残りの部分を検出するか又は復号化するための方法を持たない。本発明は、広帯域FHSS信号20の大部分に対してDSP52を相関器として動作させて、プリアンブル32の存在を検出する。プリアンブル32によってパケット30が検出されると、受信機42は信号プロセッサ52に高速フーリエ変換(FFT)を実行させる。FFTにより、パケット30が送信機12によって送信される狭帯域周波数が効果的に決定される。
【0030】
広帯域信号処理アルゴリズムを利用する既存の技術とは異なり、本発明は、この広帯域信号処理アルゴリズムを利用して、パケット30の残りの部分に含まれ、FFTから導出されるデータの復号化も行う。好適には、FFT復号化のためにデータサンプルが収集されるとき、広帯域信号もまた広帯域回路によってサンプリングされて復号化され、上記広帯域回路は、図4に示されたように、12ビットのアナログ・ディジタル変換器64に接続された受信信号強度指示子(RSSI)増幅器62の形式である。広帯域回路による広帯域モードでの優れた信号強度を理由としてデータが復号化可能であるならば、FFT復号化は中止される。このことは計算時間を節約し、受信機42が、他の送信信号を発見するために相関器46を起動することを可能にする。
【0031】
好適には、受信機42のDSP52は、高速フーリエ変換(FFT)として知られた技術又はこれに比較し得る他の高度なディジタル信号処理を使用して広帯域信号を処理する。DSPによってコーディングされかつ実行されるFFTエンジンは、基本的には、7MHzの帯域を32個の等しい約250kHzのチャンネルに分割する。FFTは、これらのチャンネルのうちの1つにおいてERT送信電力の存在を示す。FFTデータのストリームをただ観測しているだけでは、ランダム雑音の真ん中を通ってERTパケットがいつ到来するのかということについて知ることは非常に困難であろう。しかしながら、相関器は、ERTデータがパイプを通って到来するほぼ正確な時刻をFFTエンジンに通知できるという点を想起されたい。FFTエンジンは次に、32個のチャンネルのすべてを見ることが可能になり、変化するデータパターンからERTデータが存在する位置を決定する。好適には、これは、プリアンブル32における40ビットのうちの34ビットを相関させることによって実行される。最後の6ビットは、目標チャンネル・ビンを発見するために使用される。予想されるビットの状態は、これらがプリアンブル32の部分であることから既知であるので、FFTチャンネル・ビンは、プリアンブル32の予想されるビットパターンの最も強い表現を含むビンを捜して走査される。狭いチャンネルでは対処すべき雑音の量がかなり少なくなるので、FFTエンジンの感度は、従来のバージョンの受信機に比べて格段に高い。
【0032】
好適な実施形態に係る受信機42の追加の特徴は、FHSS信号20の周波数がドリフトする場合でもERTパケット30を追跡するその能力にある。これは、ERTパケット30の最も強い信号を有するチャンネルである目標チャンネルを復号化することによって達成される。FHSS信号20が周波数においてドリフトし、かつもはや目標チャンネルに存在していなければ、復号化はCRCのチェックに失敗する。受信機42は復号化処理の間にすべてのFFT情報を保存し、次の隣接チャンネルと共に平均化された目標チャンネルに対して復号化動作を再び実行する。これは各隣接チャンネルに対して実行され、受信機42には、目標チャンネルの周波数より高い周波数又は低い周波数の何れかでドリフトしているERTを追跡する能力が与えられる。従って、本発明の受信機42では、小電力の送信機符号化器12に対する既存のどのFHSS受信機よりも優れた感度をFFTがもたらす。
【0033】
FFTは弱い信号に対して最も良く機能し、かつFFTを実行するための計算には追加の時間を要するので、受信機42は2つの異なる動作のステージを有することが好適である。受信機42は、実際には、強いFHSS信号20の場合はRSSI(受信信号強度指示子)と呼ばれる信号をサンプリングし、より弱いFHSS信号20の場合はFFTモードに切り換える。この二重モードの機能は自動であり(受信機はオン・ザ・フライで電力を決定し、適宜調整する)、すべてのレベルのFHSS信号20の優れた受信を可能にする。
【0034】
次に図4を参照して、無線装置14の詳細な回路図について説明する。図4の受信機基板42の主要部分は、リニア検波器回路62と、IF周波数発生器72と、混合器74と、IF増幅器76及びフィルタ78と、アナログ・ディジタル(A/D)変換器64、66と、DSP52とである。アンテナ44から受信されるRF信号は、910−920MHzの範囲で受信される。IF周波数発生器72は、840−850MHzの範囲の周波数を発生させる。IF信号80を発生するために、IF周波数発生器72の信号は混合器74の低域側から注入される。混合器74の使用に続いて、IF増幅器76及びIFフィルタ78が利用されて70MHzのIF信号が発生される。次にこの信号は、高速A/D変換器64及び低速A/D変換器66を通過した後にDSP52へ供給される。高速A/D変換器64は、70MHzの信号をサンプリングする。これは信号をアンダーサンプリングしており、このことは、混合器のディジタル的な等価物である。アンダーサンプリングは、70MHzのIFをベースバンドに変換する。サンプルは次いでDSP52に供給され、DSP52は、後述するように64ポイントFFTを実行する。64ポイントFFTは、各々が256kHzの範囲である32個の固有の周波数ビンを生成する。
【0035】
本発明の好適な実施形態による図4の受信機基板42の構成要素は、好適には2つのリニア増幅器(LNA)と弾性表面波フィルタ(SAW)とで構成されて30dBの利得及び1.2dBのNFを生成する、RF増幅器70も含む。一方のLNAは、0.9dBのNF、−22dBmのP1dB、及び−10dBmのIP3を有する。他方のLNAは、1.6dBのNF、17dBの利得、+12dBmのP1dB、及び0dBmのIP3を有する。混合器74は、好適には、+9dBのCG、−7dBmのP1dB、及び−8dBmのIP3を有する。IF増幅器76は、好適には、9.5dBmのP1dB及び5.5dBのNFを有する。IFフィルタ78は、好適には、7MHzの帯域幅及び9dBのILを有する。高速A/D変換器64は、好適には16.384MSPSのレートで動作する12ビット変換器であり、一方、低速A/D変換器66は、好適には262.144KSPSのレートで動作する12ビット変換器である。
【0036】
本発明の相関器が、既知のデータパターンをサンプリングされたデータと比較するとき、好適なサンプリングレートはデータレートの8倍、この場合は262.144kHzである。このサンプリングは、IFのRSSI62に接続された低速の12ビットA/D変換器66によって実行される。相関が発生するとき、相関器の出力は1ビットの1/8の内で同期化される。これは、パケット30の残りの部分の復号化のためのタイミングをこの時点から開始する。好適には、パケット30の復号化は各ビットの中央の3/4を使用し、各ビットの最初の1/8と最後の1/8は不確実であるために廃棄される。この実施形態に特有の優位点のうちの1つは、本発明がナイキストの定理(すなわち、サンプリングは有効データ転送レートの2倍を超えるレートで発生しなければならない)によって指定されるサンプリングレートより低いレートで有効なデータサンプリングを達成できるようになることにある。ある意味で相関器は、復号化器が、広帯域信号のための同期電力検出器として動作することを実質的に可能にする。
【0037】
好適には、パケット30のプリアンブル32は、20ビットと、1個の同期ビットとから構成される。このデータはマンチェスター符号で符号化されるので、われわれは42個の相関可能な“チップ”(すなわち、遷移状態)を有することになる。最初の34個のチップは相関させるために使用され、最後の6個のチップはデータの復号化に最適なビンを決定するために使用される。相関と復号化との間には、プロセッサのセットアップを見込んだ2個のチップの遅延が存在する。最後の6個のチップは好適には、1010パターンであり、よって相関が検出されると、高速A/D変換器64は70MHzのIFをサンプリングすることができる。好適には、70MHzのIF信号は実際にはアンダーサンプリングされるが、周波数は変化する。
【0038】
この実施形態では、IF信号80のサンプリングレートは16.384MHzである。このデータは高速A/D変換器64によってDSP52に供給され、このことは、データレートの2倍のレート、又は65.536kHzでDSP52がFFT演算を実行できるようにする。64ポイントFFTが実行され、図5に概略的に示されたように32個の周波数ビン82が生成される。サンプルの12個のセットがFFTエンジンによって変換されると、最後の6個のチップのパターンに一致するエネルギーに関して各周波数ビン82が評価される。各ビン82について、1の値であることが予想されるすべてのサンプルの和が計算され(84で略示されている)、次にゼロの値であることが予想されるすべての値の和(86で略示されている)が和84から減算されて、各ビン82のエネルギー値88が生成される。ビン82がランダム雑音を含んでいれば、6つの雑音値の和から6つの雑音値を差し引くと小さい雑音値になることから、当該ビンの合計のエネルギー値88は非常に小さくなる。相関したばかりのプリアンブルとの一致を示すデータが正しいタイミングで存在するならば、1の和は存在する平均エネルギーの6倍になり、6倍の雑音が差し引かれる。実際には、1の値の和84は信号プラス雑音となり、ゼロの値の和86が雑音のみとして減算されると、信号値の和だけが残る。最終的に、エネルギー値88として最大の信号の和を有するビン82が当該信号を含むビンであると見なされる。最良のビンが分かると、そのビン82はフラグを付与され、残りのデータストリームの全体にわたってサンプリング及びFFT変換処理が継続される。
【0039】
DSP52は、データに対する2倍のオーバーサンプリングですべてのサンプルを取得するのに十分な計算力(computational horsepower)を有することが好適であるが、しかしながら、好適なDSPは、ビット時間当たり1回のFFTのみを実行できる。この実施形態では、データはバッファリングされ、第2のセットのFFTが、処理後の演算で実行される。このため、新たなパケットを復号化するために復帰する無線装置14、16の能力にわずかな遅延が生じ、よって、サンプルは、RSSI回線に接続された低速A/D変換器からも取得される。これは、相関器のオーバーサンプリングレートの8倍のレートで動作する。値は、データを試して復号化するために使用される。信号が十分に強いならば、データはRSSIのみで復号化され得る。復号化に成功すれば、DSPはFFTデータをダンプし、相関器を再び起動して他のデータのパケットを捜す。RSSIが復号化に失敗すると、DSP52は第2のFFTのセットを実行し、最良のビンに対して復号化を試みる。これに失敗すると、DSP52は、その最良のビンと次に高値のビンとを平均化して他の復号化を実行する。これにも失敗すると、それは、その最良のビンと次に低値の1個のビンとの平均化を再び試みる。試行のうちの1つが成功するとすぐにデータはダンプされ、相関器は初めから起動する。すべての試行に失敗すると、パケットは不良データとしてマーキングされる。隣接するビンと最良のビンとを平均化することにより、無線装置は、1つのビンから他のビンへドリフトする信号を追跡することができる。
【0040】
上述した通り、IFステージのフィルタ78からのRSSI電圧はA/D変換器66によってサンプリングされ、DSP52へ入力される。好適には、サンプルはDSP52内部のサンプルのスタックとして配置され、最新のサンプルがスタックにシフトして入れられるとき最古のサンプルがシフトして出力される。好適には、当該スタックはサンプル34個分の長さであり、各サンプルは、相関されるプリアンブル42のビットのうちの1つを表す。スタックの長さは本発明の性能にとって決定的なものではないということを注意する。このサンプル数のサブセットを用いることで、良好な相関が実証されている。サンプル数(34)は、実際に、送信されるERTプリアンブル32の全体のうちのサブセットである。新たなサンプルが取得されて保存されると、スタック内の各サンプルは、既知でありかつ予想されるプリアンブルを表す値と比較される。ある好適な実施形態では、プリアンブル32のあるビットに係る既知の値が2進数の1であることが予想される場合はこれに値1が割り当てられ、これに対して既知の値が2進数のゼロであることが予想される場合は当該ビットに−1の値が割り当てられる。既知の値は、ポジション1からの未知の値にポジション1の既知の値を乗算することによって比較される。次いで、ポジション2の未知の値にポジション2の未知の値を乗算し、34個の未知の値のすべてがその対応する既知の値で乗算されるまで、同様に行う。次いで、すべての乗算結果の和が計算される。このことは、現在のサンプルのセットに対する相関値を与える。他のサンプルが適当な時点で取得され、プロセスの全体が再び最初から実行される。上記適当な時点は、ERTメッセージのデータレートによって決定される。先述した通り、ある好適な実装では、信号は8倍でオーバーサンプリングされるため、そのリストは既知のビットリストの8倍の長さになる。サンプリングレートも同じく、データレートよりも8倍だけ速い。これにより、本好適な実施形態は、データに対して、より正確に同期化することができる。
【0041】
相関演算は、好適には畳み込みのディジタル的な実装であって、ここでは、プリアンブル32の既知の関数が未知の関数と、すなわちデータサンプルと比較される。34個のデータチップに対して相関を計算することは、34ビットにわたってデータサンプルを平均化することにより、無線の感度を効果的に向上させる。実際に、これは、復号化され得るものよりも6乃至12dBだけ向上した感度によるプリアンブル32の検出を可能にする。相関器の出力はしきい値と比較される。しきい値は、最大で256個までの未処理の入力サンプルの平均値を求めることによって決定される。この平均は、好適には、入力信号強度の尺度であり、相関係数はプリアンブルの確率の尺度である。強い信号が存在すると、相関係数の値及び相関係数のしきい値は増大する。同様に、これらの値は共に、信号レベルが下がると低下する。検査されているものは、これらの2つの値の関係である。実際のしきい値は、好適には、経験的に導出され、信号平均の割合である。相関係数がこの値を超えると、本発明は、プリアンブル32が存在していると想定する。しきい値レベルを調整することによって、検出の確率は調整可能である。このレベルが低いほど、プリアンブルを発見する確率は増大し、誤った検出の確率も増大する。
【0042】
プリアンブルが検出されると、好適には、そのプリアンブル32中に、さらに読み取られる必要がある8個のチップが残っている。この時点で、高速A/D変換器64が起動される。A/D変換器66を始終動作させていることも可能ではあるが、好適には、電力を節減するためにA/D変換器66はオフにされる。高速A/D変換器66はIF信号70をサンプリングする。次にサンプルはDSP52に供給され、DSP52は64ポイントFFTを実行して、先述の通り各々が256kHzの範囲である32個の固有の周波数ビン82を生成する。好適には、各周波数ビン82は複素数で表され、これは、実数部と虚数部とを2乗してそれらを互いに加算することにより電力に変換される。この処理を開始するためには、少し時間がかかるため、好適には、到来するプリアンブルの次の2つのデータサンプルは廃棄される。これで、到来するプリアンブルにおけるビットであって、当該ビットの予想された状態が既知であるものは6個になる。DSPは何を捜すのかについて認識しているので、DSP52は、既知のパターンを求めて、次の6個のビットサンプルのための周波数ビン82を検査する。予想されるプリアンブルと時間的に一致した101010パターン(12個の既知のチップを表す)を含むビン82が存在すると、図5の説明に関連して述べられたように、そのビンに最良のビンとしてのラベルが付与される。本質的には、これが、初期“周波数調整”を達成する方法である。これは周波数を実際に調整するものではなく、送信が発生している周波数を決定するものである。最良のビンが決定されると、DSPはFFTアルゴリズムを使用して、そのチャンネル上のERTメッセージ30の本文34の復号化を試みる。ERTメッセージ30はCRCエラー検出バイト36を含むので、復号化がCRCチェックに合格すれば、成功裡の復号化であると決定することができる。
【0043】
復号化が実行されている間は、好適には、FFT処理からのすべてのデータは保存される。復号化しても良好なCRCチェックを発見できない場合、FHSS信号20の周波数がドリフトしていたためか、又はFHSS信号20が2つのビン82の間の境界の真上にあったために、受信機はERTメッセージ30の検出に失敗していた可能性がある。この場合は、隣接する次に高値のビンと平均化された最良のビンを表すデータについて、復号化のFFT処理が反復される。メッセージの周波数のドリフトがより大きい場合は、それは、そのエネルギーの幾分かを次の高値のビン82へ移動させるだろう。メッセージの周波数のドリフトがより少ない場合は、それは、そのエネルギーの幾分かを次の低値のビン82へ移動させるだろう。本好適な実施形態は隣接するビンを単に平均化することを利用しているが、この処理を達成するために他の組み合わせによる方式が利用可能であるということは明らかであろう。最良のビンに関連付けられた周波数に隣接するビンからのデータを使用することにより、本発明の本好適な実施形態は、ERTメッセージ30の周波数を追跡することができる。隣接する高値のビンとの平均化によってCRCが機能しなくなると、最良のビンと隣接する低値のビンとを平均化し、より低い周波数のメッセージを追跡して復号化が実行される。この復号化処理を通じて、無線に関して発振器は一切調整されない。追跡はFFT周波数ビンの出力の結果であり、信号は複数のビンにわたって追跡される。
【0044】
本発明に係る好適な実施形態の受信機42と従来のバージョンのFHSS受信機との間のもう1つの相違点は、既存(レガシー)の無線装置は、対数的な応答を有するERT信号検出器を常に使用してきたということにある。このことは、当該信号検出器が強弱両方のERT信号を十分に観測するということを意味し、このことは、当該信号検出器が広い“ダイナミックレンジ”を有しているものとしても知られている。対数的な検出器に伴う問題点は、これらが干渉信号の存在に影響されやすいことにあり、これは基本的に検出器を一方の側に固定して(ペグして)、検出器がERT信号を効果的に観測することを不可能にする。この問題点による影響は、受信機42に固有の、検出用の格段に広い窓によって複雑化される。この問題を克服するため、受信機42は、帯域内に他の干渉信号が存在していてもいなくても小さなERT信号を観測することのできる、リニア検波器62を使用している。リニア検波器に伴う課題は、一般に、これらが小さなダイナミックレンジを呈示するという点にある。本発明に係る好適な実施形態の受信機42は、弱い信号に対する感度が高く、かつ大きなERT信号を静かにするために減衰に切り換えるフロントエンド増幅器71を使用することにより、この点を補償している。このことは、本質的に、広いダイナミックレンジと帯域内の干渉に対する低い感度との一挙両得を達成する。
【0045】
FFTエンジンによる弱い信号の処理は記憶されたデータに対して反復されることが可能なディジタル信号処理であるので、本発明は、ディジタルサンプルストリームを複数のFFTエンジンに向けて多重化することにより、複数のメッセージパケット30を同時に処理する能力をもたらすということが理解されるであろう。このことは、DSPのサンプリングレート及び処理パワーに依存して、単一のDSPにおけるセグメント化されたスレッドとして実装されるか、もしくは多数のDSPによって実装されることが可能である。
【0046】
本発明は好適な実施形態に関連して説明されてきたが、本発明の態様に対する数多くの変更及び修正が行ない得るということ、及び本発明の範囲は添付の請求の範囲に従うように意図されているということは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る周波数ホッピングスペクトル拡散(FHSS)システムの全体の概略図である。
【図2】本発明に従って受信される符号化されたFHSSパケットの一実施形態を示す図である。
【図3】本発明に係る一実施形態のハンドヘルド型メータ読み取り無線装置の送受信機のブロック図である。
【図4】図4に示されたような送受信機の回路図である。
【図5】本発明に係るFFTアルゴリズムの動作の好適な実施形態を示す概略図である。
【符号の説明】
10…無線周波数ホッピングスペクトル拡散(FHSS)システム、
12…エンドポイント送信機、
14,16…無線装置、
18…中央局、
20…FHSS信号、
22…データ、
24…通信チャンネル、
32…プリアンブル、
34…本文、
36…エンドコード、
40…送信機基板、
42…受信機基板、
44…アンテナ、
46…インタフェース、
48…ダイプレクサ、
50…マイクロコントローラ、
52…信号プロセッサ、
54…PICコントローラ、
56…RF回路セクション、
60…電力増幅器セクション、
62…受信信号強度指示子(RSSI)増幅器、
64,66…アナログ・ディジタル(A/D)変換器、
70…RF増幅器、
72…IF周波数発生器、
74…混合器、
76…IF増幅器、
78…フィルタ、
80…IF信号、
82…周波数ビン、
84…1の値の和、
86…ゼロの値の和、
88…エネルギー値。
Claims (20)
- データを送信するための無線スペクトル拡散通信システムであって、
周波数ホッピングされるスペクトル拡散信号を介してデータを送信する複数のエンドポイント送信機を備え、送信信号は周波数安定化の助けを受けずに送信され、
上記システムは、上記周波数ホッピングスペクトル拡散信号に応答する少なくとも1つの受信機を備え、
各受信機は、
上記信号のプリアンブルの少なくとも第1の部分をサンプリングし、かつ上記プリアンブルの上記部分を既知のプリアンブルパターンと相関させて相関の確率を決定する相関器と、
上記相関の確率に応答して上記信号にアルゴリズムを適用し、上記プリアンブルの少なくとも第2の部分に基づいて上記信号の狭帯域周波数を追跡し、かつ上記プリアンブルの後に続く上記信号内に符号化されたデータを復号化する信号プロセッサとを備えたシステム。 - 上記信号プロセッサはディジタル信号プロセッサ(DSP)である請求項1記載のシステム。
- 上記信号の上記狭帯域周波数を識別し、かつ上記信号内の上記データを復号化するために使用される上記アルゴリズムは高速フーリエ変換(FFT)である請求項1記載のシステム。
- 上記FFTアルゴリズムはサンプリングされたデータに作用して複数のビンを生成し、各ビンは上記信号内の異なる狭帯域周波数に対応する請求項3記載のシステム。
- 上記FFTアルゴリズムは、予想されるチップ値に対する、各ビン中の複数のチップ値の和を計算し、最高値を有するビンを上記符号化されたデータ信号を含む狭帯域周波数として決定する請求項4記載のシステム。
- 上記相関器に供給される上記信号の強度は評価され、上記相関器に供給される上記信号の上記強度が、上記プリアンブルの後に続く上記信号内に符号化された上記データの復号化を実行するために十分に強いならば、上記信号プロセッサは上記FFTアルゴリズムを使用することなく上記プリアンブルの後に続く上記信号内に符号化された上記データを復号化する請求項3記載のシステム。
- 上記相関器は、受信信号強度指示子(RSSI)に接続された12ビットのアナログ・ディジタル変換器を使用してデータをサンプリングする請求項1記載のシステム。
- 上記信号を受信しかつ上記信号をベース信号と混合して、上記相関器及び上記信号プロセッサへの信号として供給される中間周波数を発生する混合器をさらに備えた請求項7記載のシステム。
- 上記相関器は上記信号の広帯域周波数の少なくとも66パーセント(66%)にわたってサンプリングする請求項1記載のシステム。
- 上記相関器は上記ディジタル信号プロセッサを使用して実装される請求項1記載のシステム。
- 上記ディジタル信号プロセッサには2つのサンプリングされた入力が供給され、アナログ・ディジタル変換器からの第1のサンプリングされた入力は第1の速度で動作し、アナログ・ディジタル変換器からの第2のサンプリングされた入力は第2の速度で動作し、上記第2の速度は上記第1の速度より遅い請求項10記載のシステム。
- 上記第2のアナログ・ディジタル変換器への入力に動作可能に接続された受信信号強度指示子(RSSI)検波回路をさらに備えた請求項11記載のシステム。
- 上記受信機はさらに、
上記信号を動作可能に受信し、かつ信号強度に基づいて上記信号を選択的に減衰させる切り換え可能なフロントエンド増幅器と、
上記フロントエンド増幅器の出力と上記相関器の入力とに動作可能に接続されたリニア検波器とを備えた請求項1記載のシステム。 - 上記信号は、上記符号化されたデータの上記復号化の間に、上記符号化されたデータのデータレートの2倍よりも低いレートでサンプリングされる請求項1記載のシステム。
- 上記信号は上記符号化されたデータの上記復号化の間に不等な間隔でサンプリングされる請求項1記載のシステム。
- 上記信号は、上記符号化されたデータの上記復号化の間に、ビット期間の2つのエッジ部においてサンプリングされず、上記ビット期間の中間部においてサンプリングされる請求項1記載のシステム。
- 上記中間部は上記ビット期間の75パーセント(75%)以下を表す請求項16記載のシステム。
- 上記相関器は、上記信号中の上記符号化されたデータに対してビット同期化とフレーム同期化との両方を確立するように動作する請求項1記載のシステム。
- 上記信号プロセッサは上記相関の確率がしきい値を上回る場合にのみ上記アルゴリズムを開始する請求項1記載のシステム。
- 上記しきい値は、予め決められた個数の未処理の入力ビットの平均に基づいて確立される請求項19記載のシステム。
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