JP2004505456A - 基板を化学機械研磨するための装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
ウェーハキャリア・アッセンブリを有する化学機械研磨システムを提供する。ウェーハキャリア・アッセンブリは、ウェーハキャリア支持枠(52)と、ウェーハキャリア支持枠に回転可能に取り付けられているウェーハキャリア・ヘッドハウジング(56)とを有し、ウェーハキャリア・ベースは、ウェーハキャリア・ベースをウェーハキャリア・ヘッドハウジングに作動的に接続しているフラダ・ベローズ(98)を有している。保持リング(96)も設けられており、保持リングとウェーハキャリア・ヘッドハウジングとの間の半径方向相対運動を拘束しつつ軸方向相対運動を許容する保持リングベアリング(142)と、保持リングを研磨部材に向けて押しつける保持リング・ベローズ(144)に接続されている。ブラダ・ベローズ、ウェーハキャリア・ベース、及びウェーハキャリア・ハウジングにより形成されるチャンバを加圧して、保持リングに掛かる摩擦荷重とは独立して、ウェーハキャリア・ベースとウェーハを、研磨部材に向けて押しつけることができるようになっている。
【選択図】図3
【選択図】図3
Description
【0001】
(発明の属する技術分野)
本発明は、薄肉ディスクを化学機械研磨するための新たな改良された装置及び方法に関し、より厳密には、化学機械研磨機の基板キャリア又はウェーハキャリアに関する。
【0002】
(関連出願)
本特許出願は、同時係属米国特許出願第09/628,471号(弁理士事件整理番号A−69174/MSS)及び同第09/628,962号(弁理士事件整理番号A−69228/MSS)と関連があり、上記2つの特許出願は本願との同時出願であって、その全体を本願に参考文献として援用する。
【0003】
(発明の背景)
デバイスの高密度化が進むにつれて、半導体の製造は益々複雑になってきている。このような高密度回路では、通常、金属の相互接続ラインの間隔を狭くし、酸化物のような絶縁材料を相互接続ラインの上及び相互接続ラインの間に何層も設ける必要がある。半導体ウェーハ又は基板の面平坦度は、層が積み重なるに従って悪化する。一般に、層の表面では下層に倣って微細な形状が形成されることになるので、層数が増えるほど表面の平坦度の悪化が顕著になる。
【0004】
この問題に対処するため、化学機械研磨(CMP)処理が採用されている。CMP処理では、ウェーハの表面から材料を除去して実質的に平坦な面とする。最近では、相互接続ラインの製造にもCMP処理が利用されている。例えば、銅のリード線又は相互接続ラインを堆積させる際は、酸化物層内に溝を形成したウェーハの表面全面に金属層を堆積させる。金属層は、スパッタリング法、気相蒸着法、又は適していれば他のどの様な従来技術を使って堆積させてもよい。ドープ又は非ドープ酸化シリコンのような酸化物層は、大抵は、化学蒸着法(CVD)で形成される。金属層は、ウェーハの表面全体を覆い溝の中に広がる。その後、酸化物の表面から金属層を除去することによって個々のリード線16が形成される。表面の金属を取り除いて溝内にリード線が残るようにする場合には、CMP処理が使用される。リード線は、酸化物層を介在させることにより互いに絶縁される。
【0005】
一般的に、CMP処理を実行する際には、化学機械研磨(CMP)機を使用する。半導体産業では各種のCMP機が使用されている。CMP機は、通常、上に研磨パッドが取り付けられた回転式研磨プラテンと、表面を平坦化及び/又は研磨しようとするウェーハを保持する小径の回転式ウェーハキャリアとを採用している。回転しているウェーハの表面を、回転している研磨パッドに当てて保持又は押しつける。ウェーハ研磨時には、研磨パッドの表面にスラリーを供給する。
【0006】
このような従来技術によるシステムの一例が、米国特許第5,964,653号に記載されている。653号特許に開示されているキャリア・ヘッドは、ベースと、そのベースに接続され第1、第2及び第3のチャンバを構成している可撓部材を備えている。チャンバ内の圧力は独立して制御することができ、ウェーハに対する可撓部材の対応部分の付勢力を独立して制御できるようになっている。653号特許のキャリア・ヘッドは、更に、駆動軸に取り付けることのできるフランジと、フランジをベースに旋回可能に接続するジンバルとを備えている。ジンバルは、ベースに接続されたインナーレースと、フランジに接続されたアウターレースを備えており、両レースの間には隙間が形成され、その隙間内には複数のベアリングが配置されている。
【0007】
既知のCMPシステムでは、ジンバルを使用してウェーハキャリアを研磨パッドに整列させているので、ウェーハに働く摩擦荷重を、研磨中のウェーハに対する圧力分布から切り離すことはできない。特に、ジンバルが作り出す多自由度によって、都合の悪いことに、通常はウェーハ表面と平行に働く摩擦荷重が、ウェーハの表面に対して垂直方向に働く垂直力に変換され、研磨パッドに対するウェーハの圧力に直接影響が及ぶことになる。この摩擦力がウェーハに働くとウェーハ上の圧力分布が影響を受け、それによりウェーハの表面から材料を除去する場合の均一性に悪影響が生じることになる。従って、改良されたCMP装置及び方法が必要とされている。
【0008】
(発明の概要)
従って、本発明の目的は、改良された化学機械研磨(CMP)装置及び方法を提供することにある。
【0009】
より具体的には、本発明の1つの態様では、ウェーハの研磨パッドに対する圧力分布が研磨工程中にウェーハに作用する摩擦荷重とは独立しているようにウェーハを保持することのできるウェーハキャリアを備えているCMP装置及び方法を提供している。
【0010】
本発明の別の態様では、ウェーハを研磨パッドに対して付勢するウェーハ押圧システムと、ウェーハ保持用の保持リングとを有するウェーハキャリアを備え、保持リングの研磨パッドに対する圧力は、ウェーハを付勢するウェーハ押圧システムとは独立して制御されるようになっている化学機械研磨装置を提供する。
【0011】
本発明の更に別の態様では、ウェーハキャリアは、ウェーハに対しその対応する局所又は局域をそれぞれ独立して押圧する複数のチャンバが形成された可撓膜を備えていて、チャンバに加えられる圧力の量を選択的に制御できるようになっているので、CMP処理時にウェーハの対応する局所における材料除去速度の程度を制御することができる。
【0012】
本発明の上記及びその他の目的は、ウェーハキャリア支持枠と、前記ウェーハキャリア支持枠に回転可能に取り付けられているウェーハキャリア・ヘッドハウジングとを有し、ベースはベースをウェーハキャリア・ハウジングに作動的に接続しているベローズを備えていて、化学機械研磨中に前記ウェーハキャリア・ベースから前記ウェーハキャリア・ヘッドハウジングに伝達される摩擦荷重とは独立して、回転トルクを前記ウェーハキャリア・ヘッドハウジングから前記ウェーハキャリア・ベースに伝えることができるようになっているウェーハキャリア・アッセンブリを採用している、化学機械研磨システムにより実現される。
【0013】
更に具体的には、ウェーハキャリア・アッセンブリは、ウェーハキャリア支持枠と、前記ウェーハキャリア支持枠に回転可能に取り付けられたウェーハキャリア・ヘッドハウジングを備えており、ベースはウェーハキャリア・ベースをウェーハキャリア・ヘッドハウジングに作動的に接続しているブラダ・ベローズを備えていて、回転トルクを前記ウェーハキャリア・ヘッドハウジングから前記ウェーハキャリア・ベースに伝えることができるようになっている。本発明では、更に、保持リングとウェーハキャリア・ヘッドハウジングとの間の半径方向相対運動を拘束しながら軸方向の相対運動を許容する保持リング・ベアリングに作動的に接続されている保持リングと、保持リングを研磨部材に押しつけるよう保持リング・ベアリングを作動的に接続している保持リング・ベローズが設けられている。ブラダ・ベローズ、ウェーハキャリア・ベース、及びウェーハキャリア・ヘッドハウジングにより形成されるチャンバには、圧力を掛けてウェーハキャリア・ベースに荷重を加え、保持リングに作用する摩擦荷重とは独立して、研磨部材に押しつけることができるようになっている。
【0014】
別の実施例では、ウェーハキャリアは、更に、ベースに接続され、中に複数のチャンバを構成している可撓部材を備えており、可撓部材の下面はウェーハ受け入れ面を提供し、複数の内側部分は前記複数のチャンバそれぞれに関係付けられウェーハ表面の対応する局部又は局域を構成しており、前記各チャンバ内の圧力は独立して制御できるようになっている。
【0015】
(好適な実施例の詳細な説明)
添付図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を構成するものであって、本発明の実施例を示し、記載内容と併せて本発明の原理を説明するものである。
【0016】
本発明は、改良された化学機械研磨(CMP)システムを提供する。より具体的には、本発明は、研磨パッドに対するウェーハの圧力分布が、研磨工程中にウェーハに作用する摩擦荷重とは独立しているように、ウェーハを保持することができるウェーハキャリアを備えているCMP装置及び方法を開発しており、非常に有用である。また、別の実施例では、CMP装置及び方法は、ウェーハを研磨パッドに対して付勢するウェーハ押圧システムを有するウェーハキャリアと、ウェーハ保持用の保持リングとを備え、研磨パッドに対する保持リングの圧力を、ウェーハを付勢するウェーハ押圧システムとは独立して別個に制御するようにしている。更に、本発明の別の実施例では、ウェーハキャリアは、中に複数のチャンバが形成された可撓膜を備えており、各チャンバを独立してウェーハに押しつけてウェーハ表面上に対応する局域又は局部を構成するようにしている。これらのチャンバは、チャンバに加えられる圧力の量を選択的に制御し、もって、CMP処理時にウェーハ表面上の対応する局域での材料除去速度の程度を制御するために、独立して加圧される。
【0017】
このように、本発明は、ウェーハ保持及び圧力印加のための所望の設計パラメータを具現化するウェーハキャリアを提供しており、非常に有用である。ウェーハ保持に必要な機能の1つは、研磨のための摩擦荷重を支えることである。本発明によれば、従来技術のようにジンバル構造を使用することなく、この荷重をスピンドルベアリングに伝えることができる。従来技術によるシステムでは、ウェーハキャリアをパッドと整列させるのに通常はジンバルを使用する。上記のように、ジンバルを使うと、ウェーハ上の摩擦荷重を、研磨中のウェーハに分布する圧力から切り離すことができないので、非均一性の問題が生じることになる。対照的に、本発明では、摩擦力をウェーハに分布する圧力から切り離し、保持リングとパッドを整合させるために機械の精度を用い、ウェーハを研磨パッド面に整列させる可撓膜を使用することによってウェーハ背面に追従できるようにしている。ウェーハ上の摩擦力から圧力分布を独立させることに加え、本発明では、保持リングもウェーハ押圧システムから独立させ、保持リングの圧力又は位置の制御を、必要に応じ、公称研磨圧力から独立して制御できるようにしている。この構成により、パッドが原因で起きるエッジ効果を制御することによって、CMP処理の均一性を改善することができる。
【0018】
これより、本発明の具体的な実施例について詳しく説明していくが、例を添付図面に示している。以下、本発明を特定の且つ好適な実施例に関連付けて説明するが、本発明をこれら実施例に限定しようとする意図はない旨理解頂きたい。むしろ、本発明は、代替例、変更及び等価物をその範囲に含めることを意図しており、それらは特許請求の範囲に述べる事項により定義される本発明の精神及び範囲に含まれるものである。
【0019】
これより図面を参照するが、異なる図面であっても同様な構成要素は同様な符号で示しており、先ず図1は、砥粒剤研磨パッド34を支えている複数の研磨ステーション32と、ローディング・クリーニングステーション36と、ウェーハキャリア・アッセンブリ38とを備えている、本発明による化学機械研磨装置30を示している。
【0020】
化学機械研磨(CMP)装置30は、1枚又は複数枚の基板を処理するために設けられ、シリコンウェーハWの表面を研磨して余分且つ不要な材料を除去するのに特に適している。ウェーハ処理のスループット、即ち化学機械研磨スループットを最大化するためには、各種処理パラメータを正確に制御し監視せねばならない。例えば、プラテンへのスラリー流の分配、プラテンに対するウェーハの圧力分布、ウェーハと研磨パッドの相対速度、及び研磨パッドの状態などは、CMP装置のスループットを決める重要な要素である。
【0021】
CMP装置30は、機基底部40と、その上に取り付けられたテーブルトップ42を備えている。テーブルトップ42は、一連の研磨ステーション32とローディング・クリーニングステーション36を支えている。研磨ステーション32とローディング/クリーニングステーション36とは一例に並んで配置されている。ローディング/クリーニングステーション36は、ローディング装置(図示せず)から個々のウェーハを受け取り、ウェーハを洗浄し、ウェーハをウェーハキャリア・アッセンブリ38へロードし、ウェーハをウェーハキャリア・アッセンブリ38から受け取り、ウェーハを再洗浄し、最後にウェーハをローディング/クリーニングステーション36へ送るという数多くの機能を果たす。
【0022】
各研磨ステーション32には、回転式プラテン44と、その上に取り外し可能に取り付けられた砥粒研磨パッド34が設けられている。プラテン44は、その直径が研磨対象ウェーハの直径の凡そ1.5乃至3倍になるような寸法であるのが望ましい。プラテン44は、適当な手段(図示せず)により回転駆動される回転可能なアルミニウム又はステンレス鋼プレートである。プラテン駆動手段と、発生する汚染粒子の影響を受けやすい他の構成要素は、プラテン44の下、即ち研磨パッド34の下側に配置するのが望ましい。殆どの研磨処理の場合、プラテン44は毎分約50−500回転で回転するが、他の速度を適用してもよい。
【0023】
研磨パッド34は、撓み性のある大抵は多孔質の材料から形成され撓み性のある研磨面を備えているのが望ましい。研磨パッドは、感圧式接着層によりプラテン44に取り付けられている。研磨パッド34は、硬い上層と軟らかめの下層で構成されている。上層は、例えば充填材混合ポリウレタンである。下層は、例えばウレタンで濾したフェルト繊維を圧縮したもので構成されている。
【0024】
各パッド表面は、アーム48上にコンディショナ・ヘッド50を配置したパッド・コンディショナ46で研削されるが、アーム48は、パッド上のどの様な半径位置にでも動かせ、相対運動をさせながらパッドに荷重を加えることができるようになっている。パッド・コンディショナ46は、研磨面34の状態を維持して、スラリーがパッドとウェーハとの研磨界面に効果的に運ばれるようにする。パッド・コンディショナは、スラリーと磨耗粉を除去するために洗浄ステーションを備えていてもよい。
【0025】
二酸化シリコンのような砥粒入り輸送流体と、恐らくは水酸化カリウムのような化学反応性触媒とを含有するスラリーを、プラテン44の中心部にあるスラリー供給口、又はパッド上方のディスペンサチューブ(図示せず)によって、研磨パッド34の表面に供給する。或いは、ウェーハキャリアを通してスラリーをパッド面に送出してもよい。研磨時にウェーハ表面から材料を除去する速度を最大に維持するため、十分な量のスラリーが供給される。
【0026】
ウェーハキャリア支持枠52は機基底部の上方に位置している。ウェーハキャリア支持枠52は、テーブルトップ42に沿って、X軸方向の適した軌道54に沿って線形移動するように支持されている。ウェーハキャリア支持枠52は、ウェーハキャリア38をXZ面内で移動できるように支持している。ウェーハキャリア38は、ウェーハを受け取って保持し、各研磨ステーション32のプラテン44上の研磨パッド34に押圧してウェーハを研磨する。ウェーハキャリア支持枠52とウェーハキャリア38には、構成要素が作り出す粒子によるウェーハの汚染を最小限とするため、シールしたカバープレートとエンクリージャを設けるのが望ましい。
【0027】
実際の研磨時には、ウェーハキャリア38は研磨ステーション32のプラテン44の上又はその上方に位置している。支持枠52内に収納されているアクチュエータが、ウェーハキャリア38と、ウェーハキャリア38に取り付けられたウェーハを、ウェーハキャリア支持枠52に対して下降させ、研磨パッド34に当接させる。ウェーハキャリア38はウェーハを研磨パッド34に押しつける。
【0028】
図2、図3、及び図4に示すように、ウェーハキャリア38は、概括的には、ウェーハキャリア・ヘッド56と、ウェーハキャリア38をXZ面内で移動させるためのアクチュエータ(図示せず)を有する支持枠52と、駆動アッセンブリ58を含んでいる。駆動アッセンブリ58は、支持枠(図3及び図4には示していない)に固定的に取り付けられた取り付けブラケット60を備えている。取り付けブラケット60には、テーブルトップ42上方に概ね垂直方向に伸びる軸を有する貫通穴62が設けられている。駆動アッセンブリ58は、更に、適切なベアリングアッセンブリ66によって取り付けフランジ60に同軸回転可能に連結された円筒形のヘッドシャフト64を備えている。ヘッドシャフト64は、ウェーハキャリア・ヘッド本体68を固定的に支持している。電気モーター70は、ウェーハキャリア枠52に対してウェーハキャリア・ヘッド56を回転させる。直径の大きいキャリア・モーター70を使用して、貫通穴62に流体導管と電気導管を通すクリアランスを設けるのが望ましい。キャリア・モーター70は、取り付けフランジ60に取り付けられた電気モーターステータ72と、ヘッドシャフト64に取り付けられた電気モーターロータ72を有している。モーター70は、汚染粒子の発生を最小限にするために、ブラシレスDCモーターであるのが望ましい。モーターの構成要素は、ハウジングによって密閉し、又はカバーにより保護して、化学機械研磨装置/工程の作動中の不慮のスラリー飛散やその他の汚染から防護するのがよい。
【0029】
ウェーハを研磨パッド34の表面に押し当てるため、ウェーハキャリア38とウェーハキャリア・ヘッド56を、ウェーハが研磨パッド34に押圧されるまでZ方向に移動させる。ウェーハを研磨ステーション32とローディング・クリーニングステーション36の間で移送する際は、ウェーハキャリア38を上昇させてウェーハキャリア・ヘッド56とウェーハを持ち上げ、研磨パッドから離す。
【0030】
CMP装置では、平方インチ当たり約2乃至10ポンド(PSI)の力をウェーハに掛けるのが望ましいが、研磨している間に圧力は変化する。電気モーター70は、毎分約300−500回転でウェーハキャリア・ヘッド56を回転させるが、他の速度を適宜選択してもよい。先に指摘したように、プラテン44は毎分約300−500回転で回転する。ウェーハキャリア・ヘッドとプラテンの回転速度は実質的に等しいのが望ましいが、パッドの非均一性を平均化するために完全には同期させない方がよい。用途によって、他の速度を適用してもよい。
【0031】
図3と図4は、それぞれ流体系と電気系を示す異なる断面図である。図3と図4に示すように、管状導管76がヘッドシャフト64内を同心的に伸びている。管状導管76は、ヘッドシャフト64のほぼ全長に亘って伸びている。導管76には電気配線と流体経路用に複数の通路78、80が設けられている。電気回転カプリング即ち回転電気パススルー82と、流体回転カプリング即ち回転流体パススルー84は、導管76の上に作動的に取り付けられている。従って、電気回路と流体回路は、回転しないウェーハキャリア支持枠52から、それぞれの回転カプリング82、84、並びに回転可能なヘッドシャフト64を経由して、回転可能なウェーハキャリア・ヘッド56まで伸びている。具体的には、電気回路通路並びに複数の流体通路は、導管76内を通って延び、電源と、複数のポンプ及び/又は弁が、ウェーハキャリア・ヘッド56に作動的に接続できるようにしている。
【0032】
図4に示している実施例では、電気通路78は、電気モーターの電気カプリング用と、ウェーハキャリア・ヘッド56上に電気センサーを設ける場合にはそのセンサー用に設けてある。更に、6つの独立して制御される流体源を、以下に説明するウェーハキャリア・ヘッド56に形成された各流体加圧チャンバ及びブラダ・ベローズ並びに保持リング・ベローズに流体連通接続するため、6本の流体通路(図3ではその内の2本を61、63として図示)が設けられている。この構成により、ウェーハキャリア・ヘッド56は、変動圧力をウェーハの局部又は局域に作用させて研磨パッド34に押しつけることができるようになるが、これについては後に詳しく説明する。流体通路は、ウェーハをウェーハキャリア・ヘッド56の底部に真空チャックするよう、ウェーハキャリア・ヘッド56に空圧力を作用させるためにも使用される。
【0033】
図3及び図4に示すように、ヘッドシャフト64は、ヘッドシャフト64の底部から半径方向に伸びるヘッドシャフト・フランジ86を有している。ヘッドシャフト・フランジ86は、概ね円盤状であり、導管76内の電気通路と流体通路78、80に対応する通路88、90が設けられている。
【0034】
ウェーハキャリア・ヘッド56は、機械の摩擦荷重による影響を受けずに、ウェーハに対して圧力分布を提供できる点がとりわけ有用である。具体的には図5に示すが、これはウェーハキャリア56の上面図であり、断面A−A、B−B及びC−Cを、それぞれ対応する図6A、図6B及び図6Cに示す。図6A−6C及び図10に示すように、ウェーハキャリア・ヘッド56は、概括的には、キャリア・ヘッドハウジング68と、キャリア・ヘッドベース92と、キャリア・ヘッドベース92のバッキングプレートに取り付けられ中にチャンバが形成されている密閉ブラダ95を形成する可撓膜94(区画形成膜と呼ぶ場合もある)と、保持リング96とを備えている。本発明のウェーハキャリア38は、ブラダ・ベローズ98を利用して、キャリア・ヘッドベース92がウェーハと研磨パッド34との間の整列不良を吸収できるように、ブラダ95をキャリア・ヘッド本体68に接続している。
【0035】
ウェーハキャリア本体68は、ウェーハキャリア・トッププレート100によってヘッドシャフト・フランジ86に接続されている。キャリア・ヘッドベース92は、ブラダ・ベローズ98によってキャリア本体68に作動的に接続されている。ブラダ・ベローズ98は、キャリア・ベース92とキャリア・ヘッド本体68に作動的に接続されトルクを伝達し、ヘッドを、研磨パッド34の表面に実質的に垂直な回転軸周りに回転させる。ブラダ・ベローズ98には、加圧されるキャビティがあり、その圧力はバイアス圧と定義され、これにより可撓膜がウェーハに作用させる力の平衡が保たれる。このバイアス圧は、膜に作用する力を制御するために変化させることができる。ブラダ・ベローズ98は、トルクを伝達でき、Z方向のコンプライアンスを提供し、且つ約0−40psiaの範囲の加圧能力があれば、どの様な材料で形成してもよい。ブラダ・ベローズ98は、金属製であるのが望ましいが、シリコン又はエラストマのような撓み性のある材料で作ってもよい。
【0036】
ウェーハキャリア本体68とウェーハキャリア・トッププレート100には、共に、導管76の電気通路と流体通路78、80に対応して複数の貫通する通路が設けられている。好適な実施例では、トッププレート100には6本の流体系通路が形成され、その内2本はそれぞれブラダと保持リング・ベローズを加圧するための流体を供給し、残り4本は後に説明する可撓膜の選択された領域を加圧するための流体を供給する。ウェーハキャリア本体68の流体通路は、ブラダ・ベローズ98内を伸びる適切な加圧ライン(図示せず)により、ウェーハキャリア・ベース92の各流体通路に流体連通接続されている。流体系通路の一例を図6Aに示すが、流体通路101は、トッププレート100を通って延び、流体通路102はキャリア・ヘッド・ベース92を通って延びており、両者は可撓圧力ライン105を介して連結されている。図6Cでは、通路103及び104がトッププレート100とキャリア・ヘッドベース92を通って延び、可撓圧力ライン107で連結されている、別の流体系を示している。具体的な断面図で示してはいないが、この他にも多くの類似する流体系を使うことができる。
【0037】
キャリア・ヘッドベース92は、ブラダ・ベローズ98によってウェーハキャリア・ヘッド本体68に接続されており、とりわけ有用である。ブラダ・ベローズ98は、ウェーハキャリア・ベース92が研磨パッド34の表面と実質的に平行な状態を保てるよう、キャリア・ベース92がキャリア・ヘッド本体68に対して軸回転できるようにしている。具体的には、ブラダ・ベローズ98は、ウェーハキャリア・ベース92と、そこに取り付けられたウェーハとを研磨パッド34に対して回転させ、研磨パッド34との整列不良並びにテーパのようなウェーハの異常を吸収するように軸回転させることができるようになっている。ブラダ・ベローズ98は、更に、ヘッドシャフト64からキャリア・ヘッドベース92に、横方向の荷重とは独立して下向きの圧力を伝える。このように、ブラダ・ベローズ98は、ウェーハと研磨パッド34と間の摩擦により発生する剪断力のような側方荷重から隔離されている。従って、可撓膜がウェーハを研磨パッド34に押しつける圧力は、研磨処理中に発生する如何なる側方荷重からも独立している。更に、摩擦荷重はウェーハに対する圧力分布からも切り離されている。
【0038】
保持リング96の内側面122は、可撓膜94の底面と共に、ウェーハ受け入れ凹部を構成している。保持リング96は、ウェーハがウェーハ受け入れ凹部から飛び出るのを防ぎ、ウェーハからの横荷重をウェーハキャリア・ヘッド本体68に伝えるが、これについては後に詳しく論じる。
【0039】
可撓膜94は、キャリア・ベース92に接続され、その下側に延びている。可撓膜94の底面は、ウェーハ受け入れ面を形成している。可撓膜94は、ベース92に対してシールされると、第1中央チャンバ106と、第2、第3及び第4の環状チャンバ108、110、112を有する密閉ブラダを形成する。チャンバは4室として図示し説明しているが、チャンバの数は異なっていてもよく、本発明は4室に制限されるものではない。可撓膜94は、ほぼ円形のシートで、高強度シリコンゴムなどの可撓性弾性材料で作られている。膜94は、ショアAジュロメーター硬度が40−80の材料であるのが望ましい。膜の材料は、ステンレス鋼又は他のバッキングプレート材との接着性が良好で、酸や塩基に対する耐薬品性がなければならない。
【0040】
保持リング96と保持リング・ベローズ144を設けているのは、特に有用である。本発明のこの態様では、研磨時に発生する側方荷重を、保持リング96によって、ウェーハにではなく、ウェーハキャリア本体68か、望ましくはシャフト64(トッププレート100によりしっかり固定されている)に伝えることができる。
【0041】
保持リング96は、保持リングベアリング142の環状溝に填め込まれている環状保持リング取り付け部材140に取り付けられている。保持リング96は、ねじにより、又はリング96を全方向に拘束するのに適した手段であれば他の何れの手段によって保持してもよい。代表的実施例では、保持リングベアリングは屈曲部材142で構成されている。或いは、保持リングベアリングは、静圧ベアリング(図示せず)で構成してもよい。屈曲部材142は、保持リング・ベローズ144によりウェーハキャリア・ヘッド本体68と相互接続されている。保持リング・ベローズ144は、加圧され、保持リング96を研磨パッドに対して付勢する。保持リング・ベローズ144は、Z方向にコンプラインスを提供し加圧能力が約0−40psiaの範囲にあるものであれば、何れの適した材料で形成してもよい。保持リング・ベローズは、プラスチック又は金属で作られるが、ブラダ・ベローズとは違って、保持リング・ベローズはトルクを保持リングに伝えることはないので、プラスチックが好ましい。
【0042】
上に述べたように、保持リング96の内側面は、可撓膜94の底面と共に、ウェーハ97を入れるウェーハ受け入れ凹部を構成している。保持リング96は、ウェーハがウェーハ受け入れ凹部から飛び出すのを防ぎ、ウェーハからの横力をウェーハキャリア・ヘッド本体68に伝える。
【0043】
屈曲部材142は、薄い環状部分146によって、ウェーハキャリア・ヘッド本体68と更に相互接続されている。別の実施例では、屈曲部材142をベアリングに代え、相対運動ができるようにしている。薄い環状部分146により、保持リング96上の荷重に影響を及ぼすことなく、保持リング96を垂直方向に動かせるようになる。これにより、保持リング96の研磨パッド34に対する圧力とは独立して、そしてウェーハの研磨パッドに対する圧力とは独立して、保持リング96に働く側方荷重をウェーハキャリア本体68に伝えることができ、非常に有用である。保持リングによって研磨パッドに作用させる圧力を独立して精密に制御できるようにすることによって、本発明は、エッジ高速研磨のようなエッジ効果の制御も可能にする。屈曲部材142による荷重寄与は、薄い環状部分146に取り付けた歪みゲージ151で測定し、アクチュエータによるウェーハキャリアの垂直移動によって最小化することができる。
【0044】
上記のように、そして図8、図9A及び9Bに更に詳しく示すように、可撓膜94は、バッキングプレート又はキャリア・ベース92に係合され、複数のチャンバ106、108、110、112を含む密閉ブラダを形成する。例えば、図3に示す可撓膜は、4つの垂直に伸びる同心フランジ114、116、118、120を有しており、それらをキャリア・ベース92に接合すると、第1中央円形チャンバ106、第1チャンバ106を取囲む第2環状内側チャンバ108、第2チャンバ108を取囲む第3環状中間チャンバ110、第3チャンバ110を取囲む第4環状外側チャンバ112が形成される。チャンバを加圧すると、ウェーハを研磨パッド34に押し付ける下向きの圧力を制御することができる。
【0045】
膜は可撓性エラストマのような何れの適した材料で作ってもよい。膜は、ショアAジュロメーター硬度が40から80の範囲にあるのシリコンゴム材であるのが望ましい。膜材料は、ステンレス鋼との接着性が良好で、酸や塩基に対する耐薬品性がなければならない。
【0046】
第1環状フランジ114は、キャリア・ベース底面の第1環状陥没部又は溝に固定され、第1インサートリング124で定位置にロックされるが、このインサートリングは第1環状陥没部内に取り外し可能に入れることができる。同様に、第2、第3、及び第4のインサートリング126、128、130が、第2、第3、及び第4の環状フランジを、第2、第3、及び第4の環状陥没部又は溝にそれぞれロックする。
【0047】
ポンプ又は他の適する調整された流体圧力源(図示せず)が、適する第1流体回路により第1チャンバ106に作動的に接続されるが、この流体回路は、回転式流体カプリング、導管、ヘッドシャフト・フランジ86、ウェーハキャリア・ヘッド本体68を通り、ブラダ・ベローズ98を通って延びる適した流体ラインを通り、更にウェーハキャリア・ヘッドベース92を通って伸びている。同様に、第2、第3、及び第4のポンプ又は調整された流体圧力源が、第2、第3、及び第4のチャンバに作動的に接続されている。
【0048】
ポンプが、流体、望ましくは空気のような気体をチャンバ内に押し込むと、チャンバ内の圧力が上がり、可撓膜の前面が下向き又は外向きにウェーハに押し付けられる。それによって、ウェーハが研磨パッドに押し付けられる。各チャンバは独立して加圧されるので、ウェーハの選択された局部を他の部分よりも高速で研磨することができるようになる。
【0049】
具体的には、好適な実施例では、可撓膜94は、第1円状内側部分132、第2環状内側部分134、第3環状中間部分136、及び第4環状外側部分138が、それぞれ第1、第2、第3、及び第4チャンバの下方にある。このような構成では、各チャンバ内の圧力によって、各可撓膜部分がウェーハの対応する部分を研磨パッドに対して下向きに押しつける圧力を制御することができる。4つのチャンバを説明したが、チャンバは2室より多ければ何室であってもよく、本発明は図示の実施例に限定されるものではない。
【0050】
ウェーハの中央部分及び中間部分に加えられる圧力とは独立して、ウェーハのエッジ付近の狭いエッジ領域の圧力を正確に制御するため、一般的には、外側の環状膜部分136、138は、第1及び第2の膜部分132、134と比べて半径方向の幅が狭くなっている。ある例では、第1膜部分132、第2膜部分134、第3膜部分136、及び第4膜部分138は、半径方向の幅がそれぞれ約30mm、30mm、25mm、15mmとなっている。
【0051】
チャンバ内の圧力は、ウェーハ研磨の均一性を最大化するため、独立して制御される。各チャンバ内の平均圧力は、研磨中、非均質な研磨を補償するため他のチャンバとは独立して制御される。
【0052】
可撓膜94は、ウェーハの背面側に倣って変形する。例えば、ウェーハがゆがんだり反ったりしている場合、可撓膜は、実際にそのゆがんだり反ったりしたウェーハの輪郭に沿うことになる。更に、可撓膜は、ウェーハ表面の肉厚変化にも沿うように対応する。こうして、ウェーハに掛かる荷重は、ウェーハ背面側に面の異常があったとしても実質的に均一に保たれ、非常に有用である。
【0053】
作動時、ウェーハは、ウェーハ受け入れ凹部に、ウェーハの背面と可撓膜がつき合わ状態になるよう装填される。ウェーハは、可撓膜94の下側からの真空チャック力により保持される。例えば、可撓膜チャンバのうちの何れか1室又は望ましくは2室を真空引きしてウェーハを保持することができる。
【0054】
ウェーハの表面と研磨パッドは互いに押しつけられる。ウェーハとパッドの間の界面にはスラリーが供給される。ウェーハと研磨パッドは、通常、両方共回転させるが、これは必要条件ではない。ウェーハとパッドの内一方又は両方を直線状に移動させてもよい。パッドとウェーハは互いに対して押しつけられるので、ウェーハ表面の材料が取り去られる。本発明の装置で実施されるCMP処理の一例については、同時係属の米国特許出願第09/628,962号(弁理士事件整理番号A−69228/MSS)に詳しく記載されており、本願にその全体を参考文献として援用する。
【0055】
本発明は、別々の流体通路系を介して可撓膜の各チャンバ内の圧力を独立して変化させ、その対応する部分132、134、136及び138を、ウェーハ表面の対応する局部又は局域に押しつけることができ、非常に有用である。これにより、本発明の装置は、ウェーハ表面の各局部領域の材料除去量を制御し変えることができる。厳密には、ウェーハの表面には複数の領域が構成され、それら領域はウェーハに係合する膜に形成されたチャンバに対応している。領域は環状であるのが望ましいが、適した形状であればどの様なものでもよい。図7に、これら領域の一例を概略図示しているが、詳しくは同時係属出願第09/628,471号(弁理士事件整理番号A−69174/MSS)に記載されている。各チャンバ内の圧力を変えることにより、ウェーハの研磨速度を、各隣接するチャンバ及び部分に対応するウェーハの局域単位で制御することができる。
【0056】
具体的には、ウェーハに掛かる圧力は、図7の矢印P1−P4で示すように各室内の圧力により個別に制御される。その結果、ウェーハ表面の同心領域又は区域は、対応するチャンバ46内の圧力を制御することにより異なる速度で研磨することができる。図面では4つの領域を示しているが、2つ以上であれば領域の数は適宜定めてよい。更には、領域は異なる形状でもよく環状形に限定するものではないが、外側の領域については環状の形状が好ましい。好適な実施例では、膜は4つの領域を構成する4つのチャンバを保有し、4つの領域は1つの円形中心領域と3つの環状同心領域で構成されている。
【0057】
本発明のCMP装置は、ウェーハの研磨の進行状況について情報を提供する1つ又は複数の原位置センサーを備えているのが望ましい。研磨時の重要なパラメータは、ウェーハの表面から材料を除去する速度である。従って、センサーは、可撓膜のチャンバにより形成される領域の幅よりも約2倍ないし5倍細かい空間分解能で除去速度に関する情報を提供するのが望ましい。これには、センサーの有効スポットサイズ並びに有効サンプル間隔が含まれる。サンプル間隔は、センサーとウェーハの間の相対速度と、使用されるサンプル速度の関数である。最も適したセンサーの種類は、除去される材料の種類によって変わる。例えば、酸化物層を除去する場合には、当技術で知られている干渉計センサーを使用することができる。或いは、金属層を除去する場合には、ウェーハ表面の金属層の有無を測定するのに反射センサーを用いるのが好ましい。更に、金属が無くなったことを終点の信号として使用してもよい。本発明の装置で使用できるセンサーの一例が、同時係属米国特許出願第09/628,471号(弁理士事件整理番号A−69174/MSS)に詳しく記載されており、その全体を参考文献として本願に援用する。
【0058】
更に、ウェーハ上の初期被膜厚と研磨時間とに関する情報を使うことにより、終点情報を使って除去速度の見積もりを計算することができ、この情報を使って次のウェーハの研磨特性を予測することができる。このように、情報は、次のウェーハを研磨する際の、加圧速度などのCMP処理パラメータを制御する手段を提供しているわけであり、これを「ラン・ツー・ラン」制御と称する。更に、反射センサーにより示される瞬時終点信号を使用して、リアルタイム制御でウェーハ上の各局部の除去速度を下げるようにしてもよい。
【0059】
区画形成膜のプロセス制御とフィードバック技術を提供するにあたり、幾つかの方法が使用できる。例えば、酸化物の除去又は研磨では、厚さ情報を使用して除去速度を計測し、領域それぞれで独立して除去速度に影響が及ぶように然るべく圧力を制御する。除去速度を基本的に解説するとプレストンの方程式を適用することになるが、この方程式では、材料除去速度(MRR)はMMR=kpPVという式で与えられ、ここに、kpは全処理パラメータにより影響を受ける定数であり、Pは印加圧力、Vは相対速度である。従って、圧力の変化は、除去速度に線形に影響を及ぼす。これら処理条件の更に詳しい解説は、同時係属米国特許出願第09/628,926号(弁理士事件整理番号A−69822)に記載されている。
【0060】
金属研磨時、利用可能な情報は特定の領域又は区域に関する局所的な終点を表す情報である。この情報を使用すれば、対応する区画に印加する圧力を下げることにより、その領域内のウェーハ面の過剰研磨を低減できる。更には、この情報を次のウェーハに使用して、各圧力領域に関する局所的終点をほぼ同時に迎えることができるように圧力分布を調整することもできる。
【0061】
制御概要の一例を図11に示す。図11は、本発明で使用できる制御システムの一例を示すブロック図である。制御システムは、主に、プロセス制御装置200、圧力分布制御装置202、センサー205、及びウェーハ・データベース204で構成されている。プロセス制御装置200は、プロセスパラメータ又は処理法を設定しているデータを受け取り、CMP機206にコマンドを送ってCMPのプロセスを制御する。更に、プロセス制御装置200並びにCMP機206には、可撓膜のチャンバ内の圧力を制御する圧力分布制御装置202が連結されている。
【0062】
圧力分布制御装置202は、2つの経路を介してデータを受け取る。先ず、圧力分布制御装置202は、ウェーハ上の各領域における反射率測定値を表すデータをセンサー205から直接受け取る。圧力分布制御装置202は、反射率測定値を受け取るよう構成されたハードウェアとソフトウェアを備えており、各領域内(該当する場合)で必要とされる適切な圧力調整を判定し、信号をCMP機に送って対象領域内の圧力を選択的に適宜調整する。センサーからの反射率データは、ウェーハ・データベース204にも送信され記憶される。
【0063】
別の実施例では、各領域毎に事前に決められた圧力プロファイル値及び/又は閾値がウェーハ・データベース204に記憶されている。次に、これらの値が、プロセス制御装置200又は圧力分布制御装置202に送信される。圧力分布制御装置は、これらの値をセンサー205からの実際のリアルタイムの反射率値と比較し、信号をCMP機206に送り、各領域の圧力を適宜調整する。ウェーハ208の研磨前肉厚及び/又はウェーハ210の研磨後肉厚のような付加的データをウェーハ・データベースに送って、適切な圧力調整の判定を支援することもできる。
【0064】
本発明の又別の実施例では、CMPのプロセスを監視及び制御するのに、モデルベースの検出法を使用している。具体的には、モデルベースの制御は、最も効果的且つ効率的な処理を目指してCMPのプロセスをより良好に個別設定するために、CMPプロセスパラメータのリアルタイム調整を行う。上記検出システムは、ウェーハの局部に実質的に均一な研磨を実現するため、領域内の圧力を選択的に制御することに主眼を置いている。これにより、ある区域に過剰研磨が発生し他の区域に研磨不足が生じるような事態は最小限に抑えられる。モデルベースの検出システムでは、ウェーハを実質的に均一に研磨できるようにすることに加えて、CMPのプロセス全体を向上させるために、ある特定の他のCMPプロセスパラメータをリアルタイムで制御する。
【0065】
このように、研磨前のウェーハからの情報は、プロセス制御にとっては非常に役に立つ。これを「フィード・フォワード」制御という。また、これまでに研磨したウェーハに関する情報も有用である。これを「ラン・ツー・ラン」制御という。研磨中のウェーハ表面の状態を原位置で測定することで「リアルタイム」制御を行うことができる。
【0066】
図12は、本発明の別の実施例による図5のウェーハキャリア・ヘッドの中心を通る断面図である。上記のように、膜は4つの同心チャンバ、符号251、252、253及び254で構成されている。これらチャンバを構成する壁は、それぞれ剛体サポート259、260、261、262に係合されている。これらのリングは、可撓部材263の下側に取り付けられている。可撓部材263は、バイアスプレート264の下側に取り付けられている。バイアスプレート264は、多数の同心チャンバ255、256、257及び258を保有し、それらチャンバが、剛体リング259、260、261及び262それぞれに作用する圧力をそれぞれに制御する。従って、バイアスプレート264を正しい垂直位置に動かして、アッセンブリを研磨に向けて位置決めすると、チャンバ251、252、253及び254内の圧力は、ウェーハ(図示省略)を研磨パッド(図示省略)に対して押しつけるために調整される。同時に、チャンバ255、256、257及び258内の圧力は、チャンバの側壁がウェーハに作用させる圧力を調整するために変えられる。チャンバ255、256、257及び258内の圧力は、隣り合う膜区画間で変化が最も滑らかに保たれるよう調整される。
【0067】
図13A及び図13Bは、本発明の別の実施例による図8の可撓部材の、それぞれA−A線及びB−B線に沿う断面図である。膜270は、チャンバ分割チューブとも呼ばれる可撓性のチューブ272のリングによって環状区画に分割されている。チューブの端部は互いにシール結合され、連続したリングを形成している。チューブ272の周辺に沿う幾つかの箇所には、小さなチャンバ・レストリクター又はチューブ274があり、分割チューブ272への流体の出入りを制限するフロー制限装置として機能している。これは、隣接する圧力区画同士の連通を許容する。各区画内の圧力はアクティブ制御システムによって維持されているので、小さなレストリクター又はチューブ274は、チャンバ分割チューブ272内の圧力が、隣接する2つの圧力チャンバの平均となるようにする。これにより、1つのチャンバから別のチャンバへの移行時の圧力が最適になることが保証される。チャンバ間レストリクター274では、圧力調整器から圧力チャンバへの通路よりも流れ抵抗が高くなっていることが重要である。チャンバ間レストリクター274により提供されるフロー制限は、どの制限装置でも等しいことも又重要である。
【0068】
以上、半導体ウェーハに化学機械研磨を施すための改良された装置と方法について説明してきた。本発明の具体的な実施例に関する上記記述は、説明と解説を目的として提示している。上記記述は、本発明を余すところなく網羅したり、開示した厳密な形態に限定しようとするものではなく、上記教示に照らして多くの修正及び変型が可能であることは明らかである。例えば、本発明の装置は、背面研削の用途にも利用できる。上記実施例は、本発明の原理及び実際の用途を最も分かり易く説明し、それにより当業者が想定される具体的な用途に合わせて各種変更を加えながら本発明及び各種実施例を最良に利用できるようにするために選定し記述したものである。本発明の範囲は、特許請求の範囲に述べる内容とその等価物により定義されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による化学機械研磨装置の斜視図である。
【図2】図1に示すウェーハキャリア・アッセンブリの拡大斜視図である。
【図3】図2に示すウェーハキャリア・アッセンブリの3−3線に沿う断面図であり、流体接続システムを示す。
【図4】図2に示すウェーハキャリア・アッセンブリの別の断面図であり、電気接続システムを示す。
【図5】本発明のウェーハキャリア・ヘッドの上面図である。
【図6A】図5に示すウェーハキャリア・ヘッドの、A−A線に沿う断面図である。
【図6B】図5に示すウェーハキャリア・ヘッドの、B−B線に沿う断面図である。
【図6C】図5に示すウェーハキャリア・ヘッドの、C−C線に沿う断面図である。
【図7】本発明による化学機械研磨工程の間に、ウェーハに対して図6A−図6Cのウェーハキャリア・ヘッドが作り出す圧力を示す略図である。
【図8】本発明の1つの実施例による可撓膜の上面図である。
【図9A】図8の可撓部材のA−A線に沿う断面図である。
【図9B】図8の可撓部材のB−B線に沿う断面図である。
【図10A】図6A−図6Cに示すウェーハキャリア・ヘッドの分解斜視図である。
【図10B】図6A−図6Cに示すウェーハキャリア・ヘッドの分解斜視図である。
【図11】本発明の1つの実施例による制御システムの概略ブロック図である。
【図12】本発明の別の実施例による図5に示すウェーハキャリア・ヘッドの中心を通る断面図である。
【図13A】本発明の別の実施例による図8の可撓部材のA−A線に沿う断面図である。
【図13B】本発明の別の実施例による図8の可撓部材のB−B線に沿う断面図である。
(発明の属する技術分野)
本発明は、薄肉ディスクを化学機械研磨するための新たな改良された装置及び方法に関し、より厳密には、化学機械研磨機の基板キャリア又はウェーハキャリアに関する。
【0002】
(関連出願)
本特許出願は、同時係属米国特許出願第09/628,471号(弁理士事件整理番号A−69174/MSS)及び同第09/628,962号(弁理士事件整理番号A−69228/MSS)と関連があり、上記2つの特許出願は本願との同時出願であって、その全体を本願に参考文献として援用する。
【0003】
(発明の背景)
デバイスの高密度化が進むにつれて、半導体の製造は益々複雑になってきている。このような高密度回路では、通常、金属の相互接続ラインの間隔を狭くし、酸化物のような絶縁材料を相互接続ラインの上及び相互接続ラインの間に何層も設ける必要がある。半導体ウェーハ又は基板の面平坦度は、層が積み重なるに従って悪化する。一般に、層の表面では下層に倣って微細な形状が形成されることになるので、層数が増えるほど表面の平坦度の悪化が顕著になる。
【0004】
この問題に対処するため、化学機械研磨(CMP)処理が採用されている。CMP処理では、ウェーハの表面から材料を除去して実質的に平坦な面とする。最近では、相互接続ラインの製造にもCMP処理が利用されている。例えば、銅のリード線又は相互接続ラインを堆積させる際は、酸化物層内に溝を形成したウェーハの表面全面に金属層を堆積させる。金属層は、スパッタリング法、気相蒸着法、又は適していれば他のどの様な従来技術を使って堆積させてもよい。ドープ又は非ドープ酸化シリコンのような酸化物層は、大抵は、化学蒸着法(CVD)で形成される。金属層は、ウェーハの表面全体を覆い溝の中に広がる。その後、酸化物の表面から金属層を除去することによって個々のリード線16が形成される。表面の金属を取り除いて溝内にリード線が残るようにする場合には、CMP処理が使用される。リード線は、酸化物層を介在させることにより互いに絶縁される。
【0005】
一般的に、CMP処理を実行する際には、化学機械研磨(CMP)機を使用する。半導体産業では各種のCMP機が使用されている。CMP機は、通常、上に研磨パッドが取り付けられた回転式研磨プラテンと、表面を平坦化及び/又は研磨しようとするウェーハを保持する小径の回転式ウェーハキャリアとを採用している。回転しているウェーハの表面を、回転している研磨パッドに当てて保持又は押しつける。ウェーハ研磨時には、研磨パッドの表面にスラリーを供給する。
【0006】
このような従来技術によるシステムの一例が、米国特許第5,964,653号に記載されている。653号特許に開示されているキャリア・ヘッドは、ベースと、そのベースに接続され第1、第2及び第3のチャンバを構成している可撓部材を備えている。チャンバ内の圧力は独立して制御することができ、ウェーハに対する可撓部材の対応部分の付勢力を独立して制御できるようになっている。653号特許のキャリア・ヘッドは、更に、駆動軸に取り付けることのできるフランジと、フランジをベースに旋回可能に接続するジンバルとを備えている。ジンバルは、ベースに接続されたインナーレースと、フランジに接続されたアウターレースを備えており、両レースの間には隙間が形成され、その隙間内には複数のベアリングが配置されている。
【0007】
既知のCMPシステムでは、ジンバルを使用してウェーハキャリアを研磨パッドに整列させているので、ウェーハに働く摩擦荷重を、研磨中のウェーハに対する圧力分布から切り離すことはできない。特に、ジンバルが作り出す多自由度によって、都合の悪いことに、通常はウェーハ表面と平行に働く摩擦荷重が、ウェーハの表面に対して垂直方向に働く垂直力に変換され、研磨パッドに対するウェーハの圧力に直接影響が及ぶことになる。この摩擦力がウェーハに働くとウェーハ上の圧力分布が影響を受け、それによりウェーハの表面から材料を除去する場合の均一性に悪影響が生じることになる。従って、改良されたCMP装置及び方法が必要とされている。
【0008】
(発明の概要)
従って、本発明の目的は、改良された化学機械研磨(CMP)装置及び方法を提供することにある。
【0009】
より具体的には、本発明の1つの態様では、ウェーハの研磨パッドに対する圧力分布が研磨工程中にウェーハに作用する摩擦荷重とは独立しているようにウェーハを保持することのできるウェーハキャリアを備えているCMP装置及び方法を提供している。
【0010】
本発明の別の態様では、ウェーハを研磨パッドに対して付勢するウェーハ押圧システムと、ウェーハ保持用の保持リングとを有するウェーハキャリアを備え、保持リングの研磨パッドに対する圧力は、ウェーハを付勢するウェーハ押圧システムとは独立して制御されるようになっている化学機械研磨装置を提供する。
【0011】
本発明の更に別の態様では、ウェーハキャリアは、ウェーハに対しその対応する局所又は局域をそれぞれ独立して押圧する複数のチャンバが形成された可撓膜を備えていて、チャンバに加えられる圧力の量を選択的に制御できるようになっているので、CMP処理時にウェーハの対応する局所における材料除去速度の程度を制御することができる。
【0012】
本発明の上記及びその他の目的は、ウェーハキャリア支持枠と、前記ウェーハキャリア支持枠に回転可能に取り付けられているウェーハキャリア・ヘッドハウジングとを有し、ベースはベースをウェーハキャリア・ハウジングに作動的に接続しているベローズを備えていて、化学機械研磨中に前記ウェーハキャリア・ベースから前記ウェーハキャリア・ヘッドハウジングに伝達される摩擦荷重とは独立して、回転トルクを前記ウェーハキャリア・ヘッドハウジングから前記ウェーハキャリア・ベースに伝えることができるようになっているウェーハキャリア・アッセンブリを採用している、化学機械研磨システムにより実現される。
【0013】
更に具体的には、ウェーハキャリア・アッセンブリは、ウェーハキャリア支持枠と、前記ウェーハキャリア支持枠に回転可能に取り付けられたウェーハキャリア・ヘッドハウジングを備えており、ベースはウェーハキャリア・ベースをウェーハキャリア・ヘッドハウジングに作動的に接続しているブラダ・ベローズを備えていて、回転トルクを前記ウェーハキャリア・ヘッドハウジングから前記ウェーハキャリア・ベースに伝えることができるようになっている。本発明では、更に、保持リングとウェーハキャリア・ヘッドハウジングとの間の半径方向相対運動を拘束しながら軸方向の相対運動を許容する保持リング・ベアリングに作動的に接続されている保持リングと、保持リングを研磨部材に押しつけるよう保持リング・ベアリングを作動的に接続している保持リング・ベローズが設けられている。ブラダ・ベローズ、ウェーハキャリア・ベース、及びウェーハキャリア・ヘッドハウジングにより形成されるチャンバには、圧力を掛けてウェーハキャリア・ベースに荷重を加え、保持リングに作用する摩擦荷重とは独立して、研磨部材に押しつけることができるようになっている。
【0014】
別の実施例では、ウェーハキャリアは、更に、ベースに接続され、中に複数のチャンバを構成している可撓部材を備えており、可撓部材の下面はウェーハ受け入れ面を提供し、複数の内側部分は前記複数のチャンバそれぞれに関係付けられウェーハ表面の対応する局部又は局域を構成しており、前記各チャンバ内の圧力は独立して制御できるようになっている。
【0015】
(好適な実施例の詳細な説明)
添付図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を構成するものであって、本発明の実施例を示し、記載内容と併せて本発明の原理を説明するものである。
【0016】
本発明は、改良された化学機械研磨(CMP)システムを提供する。より具体的には、本発明は、研磨パッドに対するウェーハの圧力分布が、研磨工程中にウェーハに作用する摩擦荷重とは独立しているように、ウェーハを保持することができるウェーハキャリアを備えているCMP装置及び方法を開発しており、非常に有用である。また、別の実施例では、CMP装置及び方法は、ウェーハを研磨パッドに対して付勢するウェーハ押圧システムを有するウェーハキャリアと、ウェーハ保持用の保持リングとを備え、研磨パッドに対する保持リングの圧力を、ウェーハを付勢するウェーハ押圧システムとは独立して別個に制御するようにしている。更に、本発明の別の実施例では、ウェーハキャリアは、中に複数のチャンバが形成された可撓膜を備えており、各チャンバを独立してウェーハに押しつけてウェーハ表面上に対応する局域又は局部を構成するようにしている。これらのチャンバは、チャンバに加えられる圧力の量を選択的に制御し、もって、CMP処理時にウェーハ表面上の対応する局域での材料除去速度の程度を制御するために、独立して加圧される。
【0017】
このように、本発明は、ウェーハ保持及び圧力印加のための所望の設計パラメータを具現化するウェーハキャリアを提供しており、非常に有用である。ウェーハ保持に必要な機能の1つは、研磨のための摩擦荷重を支えることである。本発明によれば、従来技術のようにジンバル構造を使用することなく、この荷重をスピンドルベアリングに伝えることができる。従来技術によるシステムでは、ウェーハキャリアをパッドと整列させるのに通常はジンバルを使用する。上記のように、ジンバルを使うと、ウェーハ上の摩擦荷重を、研磨中のウェーハに分布する圧力から切り離すことができないので、非均一性の問題が生じることになる。対照的に、本発明では、摩擦力をウェーハに分布する圧力から切り離し、保持リングとパッドを整合させるために機械の精度を用い、ウェーハを研磨パッド面に整列させる可撓膜を使用することによってウェーハ背面に追従できるようにしている。ウェーハ上の摩擦力から圧力分布を独立させることに加え、本発明では、保持リングもウェーハ押圧システムから独立させ、保持リングの圧力又は位置の制御を、必要に応じ、公称研磨圧力から独立して制御できるようにしている。この構成により、パッドが原因で起きるエッジ効果を制御することによって、CMP処理の均一性を改善することができる。
【0018】
これより、本発明の具体的な実施例について詳しく説明していくが、例を添付図面に示している。以下、本発明を特定の且つ好適な実施例に関連付けて説明するが、本発明をこれら実施例に限定しようとする意図はない旨理解頂きたい。むしろ、本発明は、代替例、変更及び等価物をその範囲に含めることを意図しており、それらは特許請求の範囲に述べる事項により定義される本発明の精神及び範囲に含まれるものである。
【0019】
これより図面を参照するが、異なる図面であっても同様な構成要素は同様な符号で示しており、先ず図1は、砥粒剤研磨パッド34を支えている複数の研磨ステーション32と、ローディング・クリーニングステーション36と、ウェーハキャリア・アッセンブリ38とを備えている、本発明による化学機械研磨装置30を示している。
【0020】
化学機械研磨(CMP)装置30は、1枚又は複数枚の基板を処理するために設けられ、シリコンウェーハWの表面を研磨して余分且つ不要な材料を除去するのに特に適している。ウェーハ処理のスループット、即ち化学機械研磨スループットを最大化するためには、各種処理パラメータを正確に制御し監視せねばならない。例えば、プラテンへのスラリー流の分配、プラテンに対するウェーハの圧力分布、ウェーハと研磨パッドの相対速度、及び研磨パッドの状態などは、CMP装置のスループットを決める重要な要素である。
【0021】
CMP装置30は、機基底部40と、その上に取り付けられたテーブルトップ42を備えている。テーブルトップ42は、一連の研磨ステーション32とローディング・クリーニングステーション36を支えている。研磨ステーション32とローディング/クリーニングステーション36とは一例に並んで配置されている。ローディング/クリーニングステーション36は、ローディング装置(図示せず)から個々のウェーハを受け取り、ウェーハを洗浄し、ウェーハをウェーハキャリア・アッセンブリ38へロードし、ウェーハをウェーハキャリア・アッセンブリ38から受け取り、ウェーハを再洗浄し、最後にウェーハをローディング/クリーニングステーション36へ送るという数多くの機能を果たす。
【0022】
各研磨ステーション32には、回転式プラテン44と、その上に取り外し可能に取り付けられた砥粒研磨パッド34が設けられている。プラテン44は、その直径が研磨対象ウェーハの直径の凡そ1.5乃至3倍になるような寸法であるのが望ましい。プラテン44は、適当な手段(図示せず)により回転駆動される回転可能なアルミニウム又はステンレス鋼プレートである。プラテン駆動手段と、発生する汚染粒子の影響を受けやすい他の構成要素は、プラテン44の下、即ち研磨パッド34の下側に配置するのが望ましい。殆どの研磨処理の場合、プラテン44は毎分約50−500回転で回転するが、他の速度を適用してもよい。
【0023】
研磨パッド34は、撓み性のある大抵は多孔質の材料から形成され撓み性のある研磨面を備えているのが望ましい。研磨パッドは、感圧式接着層によりプラテン44に取り付けられている。研磨パッド34は、硬い上層と軟らかめの下層で構成されている。上層は、例えば充填材混合ポリウレタンである。下層は、例えばウレタンで濾したフェルト繊維を圧縮したもので構成されている。
【0024】
各パッド表面は、アーム48上にコンディショナ・ヘッド50を配置したパッド・コンディショナ46で研削されるが、アーム48は、パッド上のどの様な半径位置にでも動かせ、相対運動をさせながらパッドに荷重を加えることができるようになっている。パッド・コンディショナ46は、研磨面34の状態を維持して、スラリーがパッドとウェーハとの研磨界面に効果的に運ばれるようにする。パッド・コンディショナは、スラリーと磨耗粉を除去するために洗浄ステーションを備えていてもよい。
【0025】
二酸化シリコンのような砥粒入り輸送流体と、恐らくは水酸化カリウムのような化学反応性触媒とを含有するスラリーを、プラテン44の中心部にあるスラリー供給口、又はパッド上方のディスペンサチューブ(図示せず)によって、研磨パッド34の表面に供給する。或いは、ウェーハキャリアを通してスラリーをパッド面に送出してもよい。研磨時にウェーハ表面から材料を除去する速度を最大に維持するため、十分な量のスラリーが供給される。
【0026】
ウェーハキャリア支持枠52は機基底部の上方に位置している。ウェーハキャリア支持枠52は、テーブルトップ42に沿って、X軸方向の適した軌道54に沿って線形移動するように支持されている。ウェーハキャリア支持枠52は、ウェーハキャリア38をXZ面内で移動できるように支持している。ウェーハキャリア38は、ウェーハを受け取って保持し、各研磨ステーション32のプラテン44上の研磨パッド34に押圧してウェーハを研磨する。ウェーハキャリア支持枠52とウェーハキャリア38には、構成要素が作り出す粒子によるウェーハの汚染を最小限とするため、シールしたカバープレートとエンクリージャを設けるのが望ましい。
【0027】
実際の研磨時には、ウェーハキャリア38は研磨ステーション32のプラテン44の上又はその上方に位置している。支持枠52内に収納されているアクチュエータが、ウェーハキャリア38と、ウェーハキャリア38に取り付けられたウェーハを、ウェーハキャリア支持枠52に対して下降させ、研磨パッド34に当接させる。ウェーハキャリア38はウェーハを研磨パッド34に押しつける。
【0028】
図2、図3、及び図4に示すように、ウェーハキャリア38は、概括的には、ウェーハキャリア・ヘッド56と、ウェーハキャリア38をXZ面内で移動させるためのアクチュエータ(図示せず)を有する支持枠52と、駆動アッセンブリ58を含んでいる。駆動アッセンブリ58は、支持枠(図3及び図4には示していない)に固定的に取り付けられた取り付けブラケット60を備えている。取り付けブラケット60には、テーブルトップ42上方に概ね垂直方向に伸びる軸を有する貫通穴62が設けられている。駆動アッセンブリ58は、更に、適切なベアリングアッセンブリ66によって取り付けフランジ60に同軸回転可能に連結された円筒形のヘッドシャフト64を備えている。ヘッドシャフト64は、ウェーハキャリア・ヘッド本体68を固定的に支持している。電気モーター70は、ウェーハキャリア枠52に対してウェーハキャリア・ヘッド56を回転させる。直径の大きいキャリア・モーター70を使用して、貫通穴62に流体導管と電気導管を通すクリアランスを設けるのが望ましい。キャリア・モーター70は、取り付けフランジ60に取り付けられた電気モーターステータ72と、ヘッドシャフト64に取り付けられた電気モーターロータ72を有している。モーター70は、汚染粒子の発生を最小限にするために、ブラシレスDCモーターであるのが望ましい。モーターの構成要素は、ハウジングによって密閉し、又はカバーにより保護して、化学機械研磨装置/工程の作動中の不慮のスラリー飛散やその他の汚染から防護するのがよい。
【0029】
ウェーハを研磨パッド34の表面に押し当てるため、ウェーハキャリア38とウェーハキャリア・ヘッド56を、ウェーハが研磨パッド34に押圧されるまでZ方向に移動させる。ウェーハを研磨ステーション32とローディング・クリーニングステーション36の間で移送する際は、ウェーハキャリア38を上昇させてウェーハキャリア・ヘッド56とウェーハを持ち上げ、研磨パッドから離す。
【0030】
CMP装置では、平方インチ当たり約2乃至10ポンド(PSI)の力をウェーハに掛けるのが望ましいが、研磨している間に圧力は変化する。電気モーター70は、毎分約300−500回転でウェーハキャリア・ヘッド56を回転させるが、他の速度を適宜選択してもよい。先に指摘したように、プラテン44は毎分約300−500回転で回転する。ウェーハキャリア・ヘッドとプラテンの回転速度は実質的に等しいのが望ましいが、パッドの非均一性を平均化するために完全には同期させない方がよい。用途によって、他の速度を適用してもよい。
【0031】
図3と図4は、それぞれ流体系と電気系を示す異なる断面図である。図3と図4に示すように、管状導管76がヘッドシャフト64内を同心的に伸びている。管状導管76は、ヘッドシャフト64のほぼ全長に亘って伸びている。導管76には電気配線と流体経路用に複数の通路78、80が設けられている。電気回転カプリング即ち回転電気パススルー82と、流体回転カプリング即ち回転流体パススルー84は、導管76の上に作動的に取り付けられている。従って、電気回路と流体回路は、回転しないウェーハキャリア支持枠52から、それぞれの回転カプリング82、84、並びに回転可能なヘッドシャフト64を経由して、回転可能なウェーハキャリア・ヘッド56まで伸びている。具体的には、電気回路通路並びに複数の流体通路は、導管76内を通って延び、電源と、複数のポンプ及び/又は弁が、ウェーハキャリア・ヘッド56に作動的に接続できるようにしている。
【0032】
図4に示している実施例では、電気通路78は、電気モーターの電気カプリング用と、ウェーハキャリア・ヘッド56上に電気センサーを設ける場合にはそのセンサー用に設けてある。更に、6つの独立して制御される流体源を、以下に説明するウェーハキャリア・ヘッド56に形成された各流体加圧チャンバ及びブラダ・ベローズ並びに保持リング・ベローズに流体連通接続するため、6本の流体通路(図3ではその内の2本を61、63として図示)が設けられている。この構成により、ウェーハキャリア・ヘッド56は、変動圧力をウェーハの局部又は局域に作用させて研磨パッド34に押しつけることができるようになるが、これについては後に詳しく説明する。流体通路は、ウェーハをウェーハキャリア・ヘッド56の底部に真空チャックするよう、ウェーハキャリア・ヘッド56に空圧力を作用させるためにも使用される。
【0033】
図3及び図4に示すように、ヘッドシャフト64は、ヘッドシャフト64の底部から半径方向に伸びるヘッドシャフト・フランジ86を有している。ヘッドシャフト・フランジ86は、概ね円盤状であり、導管76内の電気通路と流体通路78、80に対応する通路88、90が設けられている。
【0034】
ウェーハキャリア・ヘッド56は、機械の摩擦荷重による影響を受けずに、ウェーハに対して圧力分布を提供できる点がとりわけ有用である。具体的には図5に示すが、これはウェーハキャリア56の上面図であり、断面A−A、B−B及びC−Cを、それぞれ対応する図6A、図6B及び図6Cに示す。図6A−6C及び図10に示すように、ウェーハキャリア・ヘッド56は、概括的には、キャリア・ヘッドハウジング68と、キャリア・ヘッドベース92と、キャリア・ヘッドベース92のバッキングプレートに取り付けられ中にチャンバが形成されている密閉ブラダ95を形成する可撓膜94(区画形成膜と呼ぶ場合もある)と、保持リング96とを備えている。本発明のウェーハキャリア38は、ブラダ・ベローズ98を利用して、キャリア・ヘッドベース92がウェーハと研磨パッド34との間の整列不良を吸収できるように、ブラダ95をキャリア・ヘッド本体68に接続している。
【0035】
ウェーハキャリア本体68は、ウェーハキャリア・トッププレート100によってヘッドシャフト・フランジ86に接続されている。キャリア・ヘッドベース92は、ブラダ・ベローズ98によってキャリア本体68に作動的に接続されている。ブラダ・ベローズ98は、キャリア・ベース92とキャリア・ヘッド本体68に作動的に接続されトルクを伝達し、ヘッドを、研磨パッド34の表面に実質的に垂直な回転軸周りに回転させる。ブラダ・ベローズ98には、加圧されるキャビティがあり、その圧力はバイアス圧と定義され、これにより可撓膜がウェーハに作用させる力の平衡が保たれる。このバイアス圧は、膜に作用する力を制御するために変化させることができる。ブラダ・ベローズ98は、トルクを伝達でき、Z方向のコンプライアンスを提供し、且つ約0−40psiaの範囲の加圧能力があれば、どの様な材料で形成してもよい。ブラダ・ベローズ98は、金属製であるのが望ましいが、シリコン又はエラストマのような撓み性のある材料で作ってもよい。
【0036】
ウェーハキャリア本体68とウェーハキャリア・トッププレート100には、共に、導管76の電気通路と流体通路78、80に対応して複数の貫通する通路が設けられている。好適な実施例では、トッププレート100には6本の流体系通路が形成され、その内2本はそれぞれブラダと保持リング・ベローズを加圧するための流体を供給し、残り4本は後に説明する可撓膜の選択された領域を加圧するための流体を供給する。ウェーハキャリア本体68の流体通路は、ブラダ・ベローズ98内を伸びる適切な加圧ライン(図示せず)により、ウェーハキャリア・ベース92の各流体通路に流体連通接続されている。流体系通路の一例を図6Aに示すが、流体通路101は、トッププレート100を通って延び、流体通路102はキャリア・ヘッド・ベース92を通って延びており、両者は可撓圧力ライン105を介して連結されている。図6Cでは、通路103及び104がトッププレート100とキャリア・ヘッドベース92を通って延び、可撓圧力ライン107で連結されている、別の流体系を示している。具体的な断面図で示してはいないが、この他にも多くの類似する流体系を使うことができる。
【0037】
キャリア・ヘッドベース92は、ブラダ・ベローズ98によってウェーハキャリア・ヘッド本体68に接続されており、とりわけ有用である。ブラダ・ベローズ98は、ウェーハキャリア・ベース92が研磨パッド34の表面と実質的に平行な状態を保てるよう、キャリア・ベース92がキャリア・ヘッド本体68に対して軸回転できるようにしている。具体的には、ブラダ・ベローズ98は、ウェーハキャリア・ベース92と、そこに取り付けられたウェーハとを研磨パッド34に対して回転させ、研磨パッド34との整列不良並びにテーパのようなウェーハの異常を吸収するように軸回転させることができるようになっている。ブラダ・ベローズ98は、更に、ヘッドシャフト64からキャリア・ヘッドベース92に、横方向の荷重とは独立して下向きの圧力を伝える。このように、ブラダ・ベローズ98は、ウェーハと研磨パッド34と間の摩擦により発生する剪断力のような側方荷重から隔離されている。従って、可撓膜がウェーハを研磨パッド34に押しつける圧力は、研磨処理中に発生する如何なる側方荷重からも独立している。更に、摩擦荷重はウェーハに対する圧力分布からも切り離されている。
【0038】
保持リング96の内側面122は、可撓膜94の底面と共に、ウェーハ受け入れ凹部を構成している。保持リング96は、ウェーハがウェーハ受け入れ凹部から飛び出るのを防ぎ、ウェーハからの横荷重をウェーハキャリア・ヘッド本体68に伝えるが、これについては後に詳しく論じる。
【0039】
可撓膜94は、キャリア・ベース92に接続され、その下側に延びている。可撓膜94の底面は、ウェーハ受け入れ面を形成している。可撓膜94は、ベース92に対してシールされると、第1中央チャンバ106と、第2、第3及び第4の環状チャンバ108、110、112を有する密閉ブラダを形成する。チャンバは4室として図示し説明しているが、チャンバの数は異なっていてもよく、本発明は4室に制限されるものではない。可撓膜94は、ほぼ円形のシートで、高強度シリコンゴムなどの可撓性弾性材料で作られている。膜94は、ショアAジュロメーター硬度が40−80の材料であるのが望ましい。膜の材料は、ステンレス鋼又は他のバッキングプレート材との接着性が良好で、酸や塩基に対する耐薬品性がなければならない。
【0040】
保持リング96と保持リング・ベローズ144を設けているのは、特に有用である。本発明のこの態様では、研磨時に発生する側方荷重を、保持リング96によって、ウェーハにではなく、ウェーハキャリア本体68か、望ましくはシャフト64(トッププレート100によりしっかり固定されている)に伝えることができる。
【0041】
保持リング96は、保持リングベアリング142の環状溝に填め込まれている環状保持リング取り付け部材140に取り付けられている。保持リング96は、ねじにより、又はリング96を全方向に拘束するのに適した手段であれば他の何れの手段によって保持してもよい。代表的実施例では、保持リングベアリングは屈曲部材142で構成されている。或いは、保持リングベアリングは、静圧ベアリング(図示せず)で構成してもよい。屈曲部材142は、保持リング・ベローズ144によりウェーハキャリア・ヘッド本体68と相互接続されている。保持リング・ベローズ144は、加圧され、保持リング96を研磨パッドに対して付勢する。保持リング・ベローズ144は、Z方向にコンプラインスを提供し加圧能力が約0−40psiaの範囲にあるものであれば、何れの適した材料で形成してもよい。保持リング・ベローズは、プラスチック又は金属で作られるが、ブラダ・ベローズとは違って、保持リング・ベローズはトルクを保持リングに伝えることはないので、プラスチックが好ましい。
【0042】
上に述べたように、保持リング96の内側面は、可撓膜94の底面と共に、ウェーハ97を入れるウェーハ受け入れ凹部を構成している。保持リング96は、ウェーハがウェーハ受け入れ凹部から飛び出すのを防ぎ、ウェーハからの横力をウェーハキャリア・ヘッド本体68に伝える。
【0043】
屈曲部材142は、薄い環状部分146によって、ウェーハキャリア・ヘッド本体68と更に相互接続されている。別の実施例では、屈曲部材142をベアリングに代え、相対運動ができるようにしている。薄い環状部分146により、保持リング96上の荷重に影響を及ぼすことなく、保持リング96を垂直方向に動かせるようになる。これにより、保持リング96の研磨パッド34に対する圧力とは独立して、そしてウェーハの研磨パッドに対する圧力とは独立して、保持リング96に働く側方荷重をウェーハキャリア本体68に伝えることができ、非常に有用である。保持リングによって研磨パッドに作用させる圧力を独立して精密に制御できるようにすることによって、本発明は、エッジ高速研磨のようなエッジ効果の制御も可能にする。屈曲部材142による荷重寄与は、薄い環状部分146に取り付けた歪みゲージ151で測定し、アクチュエータによるウェーハキャリアの垂直移動によって最小化することができる。
【0044】
上記のように、そして図8、図9A及び9Bに更に詳しく示すように、可撓膜94は、バッキングプレート又はキャリア・ベース92に係合され、複数のチャンバ106、108、110、112を含む密閉ブラダを形成する。例えば、図3に示す可撓膜は、4つの垂直に伸びる同心フランジ114、116、118、120を有しており、それらをキャリア・ベース92に接合すると、第1中央円形チャンバ106、第1チャンバ106を取囲む第2環状内側チャンバ108、第2チャンバ108を取囲む第3環状中間チャンバ110、第3チャンバ110を取囲む第4環状外側チャンバ112が形成される。チャンバを加圧すると、ウェーハを研磨パッド34に押し付ける下向きの圧力を制御することができる。
【0045】
膜は可撓性エラストマのような何れの適した材料で作ってもよい。膜は、ショアAジュロメーター硬度が40から80の範囲にあるのシリコンゴム材であるのが望ましい。膜材料は、ステンレス鋼との接着性が良好で、酸や塩基に対する耐薬品性がなければならない。
【0046】
第1環状フランジ114は、キャリア・ベース底面の第1環状陥没部又は溝に固定され、第1インサートリング124で定位置にロックされるが、このインサートリングは第1環状陥没部内に取り外し可能に入れることができる。同様に、第2、第3、及び第4のインサートリング126、128、130が、第2、第3、及び第4の環状フランジを、第2、第3、及び第4の環状陥没部又は溝にそれぞれロックする。
【0047】
ポンプ又は他の適する調整された流体圧力源(図示せず)が、適する第1流体回路により第1チャンバ106に作動的に接続されるが、この流体回路は、回転式流体カプリング、導管、ヘッドシャフト・フランジ86、ウェーハキャリア・ヘッド本体68を通り、ブラダ・ベローズ98を通って延びる適した流体ラインを通り、更にウェーハキャリア・ヘッドベース92を通って伸びている。同様に、第2、第3、及び第4のポンプ又は調整された流体圧力源が、第2、第3、及び第4のチャンバに作動的に接続されている。
【0048】
ポンプが、流体、望ましくは空気のような気体をチャンバ内に押し込むと、チャンバ内の圧力が上がり、可撓膜の前面が下向き又は外向きにウェーハに押し付けられる。それによって、ウェーハが研磨パッドに押し付けられる。各チャンバは独立して加圧されるので、ウェーハの選択された局部を他の部分よりも高速で研磨することができるようになる。
【0049】
具体的には、好適な実施例では、可撓膜94は、第1円状内側部分132、第2環状内側部分134、第3環状中間部分136、及び第4環状外側部分138が、それぞれ第1、第2、第3、及び第4チャンバの下方にある。このような構成では、各チャンバ内の圧力によって、各可撓膜部分がウェーハの対応する部分を研磨パッドに対して下向きに押しつける圧力を制御することができる。4つのチャンバを説明したが、チャンバは2室より多ければ何室であってもよく、本発明は図示の実施例に限定されるものではない。
【0050】
ウェーハの中央部分及び中間部分に加えられる圧力とは独立して、ウェーハのエッジ付近の狭いエッジ領域の圧力を正確に制御するため、一般的には、外側の環状膜部分136、138は、第1及び第2の膜部分132、134と比べて半径方向の幅が狭くなっている。ある例では、第1膜部分132、第2膜部分134、第3膜部分136、及び第4膜部分138は、半径方向の幅がそれぞれ約30mm、30mm、25mm、15mmとなっている。
【0051】
チャンバ内の圧力は、ウェーハ研磨の均一性を最大化するため、独立して制御される。各チャンバ内の平均圧力は、研磨中、非均質な研磨を補償するため他のチャンバとは独立して制御される。
【0052】
可撓膜94は、ウェーハの背面側に倣って変形する。例えば、ウェーハがゆがんだり反ったりしている場合、可撓膜は、実際にそのゆがんだり反ったりしたウェーハの輪郭に沿うことになる。更に、可撓膜は、ウェーハ表面の肉厚変化にも沿うように対応する。こうして、ウェーハに掛かる荷重は、ウェーハ背面側に面の異常があったとしても実質的に均一に保たれ、非常に有用である。
【0053】
作動時、ウェーハは、ウェーハ受け入れ凹部に、ウェーハの背面と可撓膜がつき合わ状態になるよう装填される。ウェーハは、可撓膜94の下側からの真空チャック力により保持される。例えば、可撓膜チャンバのうちの何れか1室又は望ましくは2室を真空引きしてウェーハを保持することができる。
【0054】
ウェーハの表面と研磨パッドは互いに押しつけられる。ウェーハとパッドの間の界面にはスラリーが供給される。ウェーハと研磨パッドは、通常、両方共回転させるが、これは必要条件ではない。ウェーハとパッドの内一方又は両方を直線状に移動させてもよい。パッドとウェーハは互いに対して押しつけられるので、ウェーハ表面の材料が取り去られる。本発明の装置で実施されるCMP処理の一例については、同時係属の米国特許出願第09/628,962号(弁理士事件整理番号A−69228/MSS)に詳しく記載されており、本願にその全体を参考文献として援用する。
【0055】
本発明は、別々の流体通路系を介して可撓膜の各チャンバ内の圧力を独立して変化させ、その対応する部分132、134、136及び138を、ウェーハ表面の対応する局部又は局域に押しつけることができ、非常に有用である。これにより、本発明の装置は、ウェーハ表面の各局部領域の材料除去量を制御し変えることができる。厳密には、ウェーハの表面には複数の領域が構成され、それら領域はウェーハに係合する膜に形成されたチャンバに対応している。領域は環状であるのが望ましいが、適した形状であればどの様なものでもよい。図7に、これら領域の一例を概略図示しているが、詳しくは同時係属出願第09/628,471号(弁理士事件整理番号A−69174/MSS)に記載されている。各チャンバ内の圧力を変えることにより、ウェーハの研磨速度を、各隣接するチャンバ及び部分に対応するウェーハの局域単位で制御することができる。
【0056】
具体的には、ウェーハに掛かる圧力は、図7の矢印P1−P4で示すように各室内の圧力により個別に制御される。その結果、ウェーハ表面の同心領域又は区域は、対応するチャンバ46内の圧力を制御することにより異なる速度で研磨することができる。図面では4つの領域を示しているが、2つ以上であれば領域の数は適宜定めてよい。更には、領域は異なる形状でもよく環状形に限定するものではないが、外側の領域については環状の形状が好ましい。好適な実施例では、膜は4つの領域を構成する4つのチャンバを保有し、4つの領域は1つの円形中心領域と3つの環状同心領域で構成されている。
【0057】
本発明のCMP装置は、ウェーハの研磨の進行状況について情報を提供する1つ又は複数の原位置センサーを備えているのが望ましい。研磨時の重要なパラメータは、ウェーハの表面から材料を除去する速度である。従って、センサーは、可撓膜のチャンバにより形成される領域の幅よりも約2倍ないし5倍細かい空間分解能で除去速度に関する情報を提供するのが望ましい。これには、センサーの有効スポットサイズ並びに有効サンプル間隔が含まれる。サンプル間隔は、センサーとウェーハの間の相対速度と、使用されるサンプル速度の関数である。最も適したセンサーの種類は、除去される材料の種類によって変わる。例えば、酸化物層を除去する場合には、当技術で知られている干渉計センサーを使用することができる。或いは、金属層を除去する場合には、ウェーハ表面の金属層の有無を測定するのに反射センサーを用いるのが好ましい。更に、金属が無くなったことを終点の信号として使用してもよい。本発明の装置で使用できるセンサーの一例が、同時係属米国特許出願第09/628,471号(弁理士事件整理番号A−69174/MSS)に詳しく記載されており、その全体を参考文献として本願に援用する。
【0058】
更に、ウェーハ上の初期被膜厚と研磨時間とに関する情報を使うことにより、終点情報を使って除去速度の見積もりを計算することができ、この情報を使って次のウェーハの研磨特性を予測することができる。このように、情報は、次のウェーハを研磨する際の、加圧速度などのCMP処理パラメータを制御する手段を提供しているわけであり、これを「ラン・ツー・ラン」制御と称する。更に、反射センサーにより示される瞬時終点信号を使用して、リアルタイム制御でウェーハ上の各局部の除去速度を下げるようにしてもよい。
【0059】
区画形成膜のプロセス制御とフィードバック技術を提供するにあたり、幾つかの方法が使用できる。例えば、酸化物の除去又は研磨では、厚さ情報を使用して除去速度を計測し、領域それぞれで独立して除去速度に影響が及ぶように然るべく圧力を制御する。除去速度を基本的に解説するとプレストンの方程式を適用することになるが、この方程式では、材料除去速度(MRR)はMMR=kpPVという式で与えられ、ここに、kpは全処理パラメータにより影響を受ける定数であり、Pは印加圧力、Vは相対速度である。従って、圧力の変化は、除去速度に線形に影響を及ぼす。これら処理条件の更に詳しい解説は、同時係属米国特許出願第09/628,926号(弁理士事件整理番号A−69822)に記載されている。
【0060】
金属研磨時、利用可能な情報は特定の領域又は区域に関する局所的な終点を表す情報である。この情報を使用すれば、対応する区画に印加する圧力を下げることにより、その領域内のウェーハ面の過剰研磨を低減できる。更には、この情報を次のウェーハに使用して、各圧力領域に関する局所的終点をほぼ同時に迎えることができるように圧力分布を調整することもできる。
【0061】
制御概要の一例を図11に示す。図11は、本発明で使用できる制御システムの一例を示すブロック図である。制御システムは、主に、プロセス制御装置200、圧力分布制御装置202、センサー205、及びウェーハ・データベース204で構成されている。プロセス制御装置200は、プロセスパラメータ又は処理法を設定しているデータを受け取り、CMP機206にコマンドを送ってCMPのプロセスを制御する。更に、プロセス制御装置200並びにCMP機206には、可撓膜のチャンバ内の圧力を制御する圧力分布制御装置202が連結されている。
【0062】
圧力分布制御装置202は、2つの経路を介してデータを受け取る。先ず、圧力分布制御装置202は、ウェーハ上の各領域における反射率測定値を表すデータをセンサー205から直接受け取る。圧力分布制御装置202は、反射率測定値を受け取るよう構成されたハードウェアとソフトウェアを備えており、各領域内(該当する場合)で必要とされる適切な圧力調整を判定し、信号をCMP機に送って対象領域内の圧力を選択的に適宜調整する。センサーからの反射率データは、ウェーハ・データベース204にも送信され記憶される。
【0063】
別の実施例では、各領域毎に事前に決められた圧力プロファイル値及び/又は閾値がウェーハ・データベース204に記憶されている。次に、これらの値が、プロセス制御装置200又は圧力分布制御装置202に送信される。圧力分布制御装置は、これらの値をセンサー205からの実際のリアルタイムの反射率値と比較し、信号をCMP機206に送り、各領域の圧力を適宜調整する。ウェーハ208の研磨前肉厚及び/又はウェーハ210の研磨後肉厚のような付加的データをウェーハ・データベースに送って、適切な圧力調整の判定を支援することもできる。
【0064】
本発明の又別の実施例では、CMPのプロセスを監視及び制御するのに、モデルベースの検出法を使用している。具体的には、モデルベースの制御は、最も効果的且つ効率的な処理を目指してCMPのプロセスをより良好に個別設定するために、CMPプロセスパラメータのリアルタイム調整を行う。上記検出システムは、ウェーハの局部に実質的に均一な研磨を実現するため、領域内の圧力を選択的に制御することに主眼を置いている。これにより、ある区域に過剰研磨が発生し他の区域に研磨不足が生じるような事態は最小限に抑えられる。モデルベースの検出システムでは、ウェーハを実質的に均一に研磨できるようにすることに加えて、CMPのプロセス全体を向上させるために、ある特定の他のCMPプロセスパラメータをリアルタイムで制御する。
【0065】
このように、研磨前のウェーハからの情報は、プロセス制御にとっては非常に役に立つ。これを「フィード・フォワード」制御という。また、これまでに研磨したウェーハに関する情報も有用である。これを「ラン・ツー・ラン」制御という。研磨中のウェーハ表面の状態を原位置で測定することで「リアルタイム」制御を行うことができる。
【0066】
図12は、本発明の別の実施例による図5のウェーハキャリア・ヘッドの中心を通る断面図である。上記のように、膜は4つの同心チャンバ、符号251、252、253及び254で構成されている。これらチャンバを構成する壁は、それぞれ剛体サポート259、260、261、262に係合されている。これらのリングは、可撓部材263の下側に取り付けられている。可撓部材263は、バイアスプレート264の下側に取り付けられている。バイアスプレート264は、多数の同心チャンバ255、256、257及び258を保有し、それらチャンバが、剛体リング259、260、261及び262それぞれに作用する圧力をそれぞれに制御する。従って、バイアスプレート264を正しい垂直位置に動かして、アッセンブリを研磨に向けて位置決めすると、チャンバ251、252、253及び254内の圧力は、ウェーハ(図示省略)を研磨パッド(図示省略)に対して押しつけるために調整される。同時に、チャンバ255、256、257及び258内の圧力は、チャンバの側壁がウェーハに作用させる圧力を調整するために変えられる。チャンバ255、256、257及び258内の圧力は、隣り合う膜区画間で変化が最も滑らかに保たれるよう調整される。
【0067】
図13A及び図13Bは、本発明の別の実施例による図8の可撓部材の、それぞれA−A線及びB−B線に沿う断面図である。膜270は、チャンバ分割チューブとも呼ばれる可撓性のチューブ272のリングによって環状区画に分割されている。チューブの端部は互いにシール結合され、連続したリングを形成している。チューブ272の周辺に沿う幾つかの箇所には、小さなチャンバ・レストリクター又はチューブ274があり、分割チューブ272への流体の出入りを制限するフロー制限装置として機能している。これは、隣接する圧力区画同士の連通を許容する。各区画内の圧力はアクティブ制御システムによって維持されているので、小さなレストリクター又はチューブ274は、チャンバ分割チューブ272内の圧力が、隣接する2つの圧力チャンバの平均となるようにする。これにより、1つのチャンバから別のチャンバへの移行時の圧力が最適になることが保証される。チャンバ間レストリクター274では、圧力調整器から圧力チャンバへの通路よりも流れ抵抗が高くなっていることが重要である。チャンバ間レストリクター274により提供されるフロー制限は、どの制限装置でも等しいことも又重要である。
【0068】
以上、半導体ウェーハに化学機械研磨を施すための改良された装置と方法について説明してきた。本発明の具体的な実施例に関する上記記述は、説明と解説を目的として提示している。上記記述は、本発明を余すところなく網羅したり、開示した厳密な形態に限定しようとするものではなく、上記教示に照らして多くの修正及び変型が可能であることは明らかである。例えば、本発明の装置は、背面研削の用途にも利用できる。上記実施例は、本発明の原理及び実際の用途を最も分かり易く説明し、それにより当業者が想定される具体的な用途に合わせて各種変更を加えながら本発明及び各種実施例を最良に利用できるようにするために選定し記述したものである。本発明の範囲は、特許請求の範囲に述べる内容とその等価物により定義されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による化学機械研磨装置の斜視図である。
【図2】図1に示すウェーハキャリア・アッセンブリの拡大斜視図である。
【図3】図2に示すウェーハキャリア・アッセンブリの3−3線に沿う断面図であり、流体接続システムを示す。
【図4】図2に示すウェーハキャリア・アッセンブリの別の断面図であり、電気接続システムを示す。
【図5】本発明のウェーハキャリア・ヘッドの上面図である。
【図6A】図5に示すウェーハキャリア・ヘッドの、A−A線に沿う断面図である。
【図6B】図5に示すウェーハキャリア・ヘッドの、B−B線に沿う断面図である。
【図6C】図5に示すウェーハキャリア・ヘッドの、C−C線に沿う断面図である。
【図7】本発明による化学機械研磨工程の間に、ウェーハに対して図6A−図6Cのウェーハキャリア・ヘッドが作り出す圧力を示す略図である。
【図8】本発明の1つの実施例による可撓膜の上面図である。
【図9A】図8の可撓部材のA−A線に沿う断面図である。
【図9B】図8の可撓部材のB−B線に沿う断面図である。
【図10A】図6A−図6Cに示すウェーハキャリア・ヘッドの分解斜視図である。
【図10B】図6A−図6Cに示すウェーハキャリア・ヘッドの分解斜視図である。
【図11】本発明の1つの実施例による制御システムの概略ブロック図である。
【図12】本発明の別の実施例による図5に示すウェーハキャリア・ヘッドの中心を通る断面図である。
【図13A】本発明の別の実施例による図8の可撓部材のA−A線に沿う断面図である。
【図13B】本発明の別の実施例による図8の可撓部材のB−B線に沿う断面図である。
Claims (15)
- 化学機械研磨システムで使用するためのウェーハキャリア・アッセンブリにおいて、
ウェーハキャリア支持枠と、
前記ウェーハキャリア支持枠に回転可能に取り付けられたウェーハキャリア・ヘッドハウジングと、
ウェーハキャリア・ベースと、
保持リングと、を有し、前記保持リングは、前記保持リングと前記ウェーハキャリア・ヘッドハウジングとの間の半径方向相対運動を拘束しつつ軸方向相対運動を許容する保持リングベアリングに作動的に接続され、
さらに、ウェーハキャリア・アッセンブリは、前記保持リングを研磨部材に向けて押しつけるために前記保持リングベアリングと作動的に連接している保持リング・ベローズと、
回転トルクが前記ウェーハキャリア・ヘッドハウジングから前記ウェーハキャリア・ベースに伝えられるように、前記ウェーハキャリア・ベースを前記ウェーハキャリア・ヘッドハウジングに作動的に接続しているブラダ・ベローズと、を備え、
前記ブラダ・ベローズ、前記ウェーハキャリア・ベース、及び前記ウェーハキャリア・ヘッドハウジングにより形成されたチャンバを加圧して、前記保持リングに作用する摩擦荷重とは独立して、前記ウェーハキャリア・ベースを研磨部材に対して押し付けることを特徴とするウェーハキャリア・アッセンブリ。 - 前記保持リングベアリングは可撓部材であることを特徴とする請求項1に記載のウェーハキャリア・アッセンブリ。
- 前記保持リングベアリングは静圧ベアリングであることを特徴とする請求項1に記載のウェーハキャリア・アッセンブリ。
- 前記保持リング・ベローズは、約0乃至40psiaの範囲の圧力まで加圧されることを特徴とする請求項1に記載のウェーハキャリア・アッセンブリ。
- ベースに接続され複数のチャンバを構成している区画化された可撓部材であって、前記可撓部材の下面はウェーハ受け入れ面を形成し、前記複数のチャンバそれぞれに関係付けられている複数の内側部分は、各チャンバ内の圧力を独立して制御できるようになっている、区画化された可撓部材を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載のウェーハキャリア・アッセンブリ。
- 前記ウェーハキャリア支持枠に接続され、実質的に垂直な貫通穴を有する取り付けフランジと、
前記取り付けフランジに回転可能に接続され、前記貫通穴内に同軸に配置された円筒形ヘッドシャフトと、
前記取り付けフランジに取り付けられたステーターと前記円筒形ヘッドシャフトに取り付けられたローターとを有する電気モーターとを、更に備えていることを特徴とする請求項1に記載のウェーハキャリア・アッセンブリ。 - 前記可撓部材は、第1、第2、第3、第4のフランジを有しており、それぞれ第1、第2、第3、第4のチャンバを構成するために、各フランジは前記ベースの下面に固定されていることを特徴とする請求項5に記載のウェーハキャリア・アッセンブリ。
- 前記第1チャンバは円形で半径が約30mmであり、前記第2チャンバは環状で半径方向の幅が約30mmであり、前記第3チャンバは環状で半径方向の幅が約25mmであり、前記第4チャンバは環状で半径方向の幅が約15mmであることを特徴とする請求項7に記載のウェーハキャリア・アッセンブリ。
- 前記ブラダ・ベローズは約0乃至40psiaの範囲の圧力まで加圧されることを特徴とする請求項1に記載のウェーハキャリア・アッセンブリ。
- 化学機械研磨システムで使用するためのウェーハキャリア・アッセンブリにおいて、
ウェーハキャリア支持枠と、
前記ウェーハキャリア支持枠に回転可能に取り付けられたウェーハキャリア・ヘッドハウジングと、
ウェーハキャリア・ベースと、
保持リングと、を有し、前記保持リングは、前記保持リングと前記ウェーハキャリア・ヘッドハウジングとの間の半径方向相対運動を拘束しつつ軸方向相対運動を許容する保持リングベアリングに作動的に接続され、
さらに、前記ウェーハキャリア・アッセンブリは、前記保持リングを研磨部材に対して押しつけるために前記保持リングベアリングと作動的に連接している保持リング・ベローズと、
回転トルクが前記ウェーハキャリア・ヘッドハウジングから前記ウェーハキャリア・ベースに伝えられるように、前記ウェーハキャリア・ベースを前記ウェーハキャリア・ヘッドハウジングに作動的に接続しているブラダ・ベローズと、を備え、
前記ブラダ・ベローズ、前記ウェーハキャリア・ベース、及び前記ウェーハキャリア・ヘッドハウジングにより形成されたチャンバを加圧して、前記保持リングに作用する摩擦荷重とは独立して、前記ウェーハキャリア・ベースを研磨部材に向けて押し付けるようになっており、更に
ベースに接続され複数のチャンバを構成している区画化された可撓部材であって、前記可撓部材の下面はウェーハ受け入れ面を形成し、前記複数のチャンバそれぞれに関連した複数の内側部分は、各チャンバ内の圧力を独立して制御できるようになっている、区画化された可撓部材を備えていることを特徴とするウェーハキャリア・アッセンブリ。 - 前記ウェーハキャリア支持枠に接続され、実質的に垂直な貫通穴を有する取り付けフランジと、
前記取り付けフランジに回転可能に接続され、前記貫通穴内に同軸に配置された円筒形ヘッドシャフトと、
前記取り付けフランジに取り付けられたステーターと前記円筒形ヘッドシャフトに取り付けられたローターとを有する電気モーターとを、更に備えていることを特徴とする請求項10に記載のウェーハキャリア・アッセンブリ。 - 前記ヘッドシャフト内を同軸に延びる、前記ベローズと前記複数のチャンバを独立して加圧するための流体ライン連結用の複数の通路が設けられている管状導管を、更に備えていることを特徴とする請求項11に記載のウェーハキャリア・アッセンブリ。
- 前記保持リングベアリングは可撓性部材であることを特徴とする請求項10に記載のウェーハキャリア・アッセンブリ。
- 前記保持リングベアリングは静圧ベアリングであることを特徴とする請求項10に記載のウェーハキャリア・アッセンブリ・
- 前記保持リング・ベローズ及び前記ブラダ・ベローズは、約0乃至40psiaの範囲の圧力までそれぞれ独立して加圧されることを特徴とする請求項10に記載のウェーハキャリア・アッセンブリ。
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