JP2004503603A - マイクロカプセルの形で細かい固形微粒子をカプセルに入れるための方法 - Google Patents

マイクロカプセルの形で細かい固形微粒子をカプセルに入れるための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、マイクロカプセルの形で細かい固形微粒子をカプセルに入れる方法に係わる。前記方法は、それが、その臨界圧より低い圧力を有する液体とじかに接触する少なくとも1つのコーティング剤から成り立つ液体中で前記微粒子の懸濁液を形成し、前記懸濁液を飽和することと、前記液体飽和懸濁液を、膨張手段を通して噴霧することと、減圧の結果生じるガス流の中でマイクロカプセルを収集することに存するステップを有するという点で特徴付けられる。

Description

【0001】
本発明は、マイクロカプセルの形で、特に蛋白などの細かい固形微粒子をカプセルに入れるための方法に係わる。本発明は、このような方法によって得られるマイクロカプセルにも係わる。
【0002】
多数の業界が、ある種の物質から作られる「コア」、つまり活性作用物質、及び別の物質のコーティングつまり「皮」を備える、いくつかが複雑な粒子の形を取る微粉状の形の固形物、つまりカプセルを利用していることが知られている。それらの直径が約100μmより小さいときにマイクロカプセルとも呼ばれるこの種のカプセルは、活性作用物質がその保存及び/または利用中に周囲の状況から保護されなければならないときに使用される。このようなマイクロカプセルは、例えばグラフィックスインクに、多数の美容製剤と皮膚科製剤に、及び特定の医薬品に使用されている。
【0003】
事実上、製薬業界だけではなく美容業界も、治療上または皮膚科で重大である、ある種の分子によって提供される働きを改善するために新規の生薬の形を必要としている。特に、それは、消化酵素によって吸収されるとすぐに破壊されるだろう、あるいは酸素、または空気の湿度、もしくは光が存在する場合には保存時に安定しないだろうある種の分子の効率的な保護を生じさせるための手段を求めている。マイクロカプセルはこのニーズによく応える。
【0004】
同様に、組織あるいは血液またはリンパなどの生体液内でゆっくりとした分解を達成することが興味深いこともある。その目的のため、適切なコーティング内で活性作用物質の粒子を分散させ、この活性作用物質が所望される点で適切に拡散できるようにすることが必要である。その場合、好ましくは、それらを、コーティング剤の中の活性作用物質の粒子と可能な限り同質である混合物によって構成される先行種と区別するためにミクロスフェアと呼ばれることもある、いわゆる基質構造とともに別の種類のマイクロカプセルが使用されるだろう。つまり、理想的には、活性作用物質は文字通りコーティング剤の中で溶解される。
【0005】
これらの構造は、多数の達成方法が説明され、確かに産業上利用されているほど重要である。しかしながら、コアが、賦形剤中の治療上重要な蛋白により形成される活性作用物質により構成されるこのようなミクロスフェアまたはマイクロカプセルを製造することが、これらの蛋白が非常に壊れやすいために特に困難であることが注意されるだろう。
【0006】
事実上、蛋白の変性は、それらが高すぎる温度になるとき、あるいはそれらが有機溶剤またはpHがそれらの安定性の域外にある水性溶剤のどちらか、あるいは二酸化炭素などの高圧になるある種の流体と接して配置されるときには不可逆的であることが知られている。事実上、従来の化学品または生物学商品とは異なり、蛋白は、その生物学上の活動が分子の周囲の状況によって容易に影響を及ぼされる可能性があるその三次元の立体配座と密接に関係している複雑且つ壊れやすい構成物であり、このことがその生物学上の活動の一般的に不可逆的な破壊を引き起こす効果を有することが知られている。このような易損性は、その製造が新しいバイオテクノロジーによって実施され始めているが、その治療上の実現がきわめて高度の技術を要することが判明している治療上高い重要性を持つ多数の蛋白で特に大きい。
【0007】
正確には、それ以外の場合ミクロスフェアと呼ばれる、コア−皮構造を備える、あるいは基質構造を備えるマイクロカプセル、詳細には特に蛋白を賦形剤中に含むことを可能とするマイクロカプセルを得るための方法を説明することが本発明の目的である。
【0008】
さらに、多数の科学出版物及び特許から、特に二酸化炭素などの超臨界流体を利用する方法を使用して、活性作用物質の、及び賦形剤のさまざまな形態の混合物により構成される(粒度分布が通常1μmと10μmの間に含まれ、ナノ微粒子の粒度分布は通常0.1μmと1μmの間に含まれる)複雑且つ非常に細かいミクロスフェアまたは微粒子を得ることが可能であることが知られている。超臨界流体中で霧状にされる製品の溶液を低圧で非常に高速に膨張することに存する、例えば、いわゆる「RESS」法、あるいは臨界超過状態にある流体の流れの中で、有機溶剤または水性溶剤中で霧状にされる生成物の溶液を噴霧することにあるSESSまたはSEDSのどちらか、もしくはPCAまたはASESと呼ばれている耐溶剤法が知られている。これらの方法により、低圧で(RESS法)、あるいは高圧で(SAS法)ガス流内で分散される非常に細かい粒子によって形成される粉末を得ることが可能になる。
【0009】
そのまさに原則のため、耐溶剤法は、少なくとも1つの有機溶剤または共存溶媒の使用を不可避に必要とする。この結果、ある数の障害、及び特に、溶剤の回収、ならびに取得されるマイクロカプセルの精製という多大な問題が生じる。この方法は重要な障害、つまり特に蛋白などの壊れやすい生体分子のカプセル化を達成するために、それらの大多数が有機溶剤と接触すると不可逆的に変性する限り、使用することができないという障害も提示する。
【0010】
特許FR第2 753 639号に説明される別の方法は、コーティングされる粒子が分散して保たれる有機溶剤中で初期に溶解しているコーティング剤のコアセルベーションを達成することにあり、前記コアセルベーションは、前記有機溶剤中の超臨界流体または液化ガスの溶解によって引き起こされる耐溶剤効果により誘発される。取得されるカプセルの回収は、超臨界流体または液化ガスの流れ、次にカプセル化が達成される受容体の減圧によって有機溶剤の完全な抽出後に達成される。したがって、この方法も、同様に、活性作用物質の粒子が分散されるだろう有機媒体の利用を必要とするという障害を呈する。
【0011】
欧州特許EP−A第0 744 99号は、流体で飽和した溶液が形成されるまで噴霧される物質中に圧縮性の流体を溶解してから、この溶液を、一方ではそれが細かい滴で噴霧され、他方では結果として生じるこの減圧の冷却が細かい固形微粒子の形を取る初期の物質の凝固を誘発するようにこの溶液を減圧することに存する、PGSS(「ガス飽和溶液からの粒子」)と呼ばれる概念に従って開発された方法を開示している。この方法は、同質の溶液の形で初期に混合される2つまたは3つ以上の化合物の同質の混合物により構成されるミクロスフェアの製造も説明する。このような方法は、それが、その安定剤と混合されるこれらの蛋白が液化賦形剤内の溶液中に置かれることを課す限り、蛋白などの製品のマイクロカプセル化には使用できないことが理解されるだろう。
【0012】
非常に同様に、特許出願WO第98/15348号は、重合体内で溶解するときにそれ(活性作用物質)を重合体の溶解温度より低い温度まで液化し、それ自体超臨界流体で飽和しているこの液相内で活性作用物質の粒子の懸濁液中への配置を可能にし、その懸濁液がそれから大気圧まで膨張し、活性作用物質の粒子の回りでの重合体の凝固のためにマイクロカプセルを形成する超臨界流体を使用することにより、重合体中でカプセルに入れられる活性作用物質の粒子により構成されるマイクロカプセルの製造に対する、前記概念の応用を説明している。
【0013】
粉末の形で塗料を製造する方法は、重合体、架橋剤、及び臨界超過状態にある二酸化炭素を含む塗料(顔料、充填剤)の通常の組成内で出現するおそらく他の成分を有する混合物が第1の機械的に攪拌された受容体中で作られる、米国−A−第5 399 597号からも既知であり、この混合物は、第1の受容体の圧力より明らかに低い圧力で維持される第2受容体中でのこの混合物の部分的なまたは全体的な膨張の後に、さまざまな初期の固形構成物質の完全な混合物により構成される固形粉末を得るために適切な温度と圧力にされている。したがって、これらの粒子は前記に定められたミクロスフェアの構造に近い構造を有している。この方法が超臨界圧力で二酸化炭素を利用し、第1受容体中での混合物の使用温度が、通常、融解の、または重合体のガラス質遷移の温度に近いことが注意されるだろう。このような方法が、特に蛋白などの壊れやすい粒子のカプセル化を達成するために使用できないことは容易に理解されるだろう。
【0014】
本発明は、その目的のために、好ましくは、カプセルに入れられた粒子の平均直径の2倍から3倍に等しい最小値と約200μmに等しい最大値の間に含まれる調節可能な平均直径を有する、コーティング剤内で分散される直径が一般的に20μmより小さく、多くの場合10μmより小さい活性作用物質の粒子により構成されるマイクロカプセルを詳説し、特に賦形剤の中に蛋白を含むことを可能にするための方法を提案しなければならない。
【0015】
したがって、本発明は、その目的のために、マイクロカプセルの形で細かい固形微粒子をカプセルに入れるための、それが、
−エンクロージャ内で、その臨界圧より低い圧力で流体とじかに接触する少なくとも1つのコーティング剤によって構成される液体中でこれらの粒子の懸濁液を形成し、前記懸濁液のこの流体との飽和を引き起こすことと、
−膨張手段によって、流体飽和懸濁液を噴霧することと、
−減圧の結果生じるガス流中でマイクロカプセルを収集することと、
に存するステップを備えることを特徴とする方法を有する。
【0016】
本発明は、特に、人間または獣医の製薬学での治療上の使用、あるいは化粧品または工場の保護のための調剤向けのマイクロカプセルを取得するために、大きさが20μmより小さく、大部分の場合10μmより小さい非常に細かい固形微粒子をカプセルに入れることを目的としている。
【0017】
本発明の変形実施形態では、第1ステップの間に水性溶剤または有機溶剤がコーティング剤に添加されてよい。実施形態のこのような形では、気体流体が溶剤を飛沫同伴し、その完全な排除は、超臨界圧力にされた流体によるマイクロカプセルの「取り出し」によって達成できる。
【0018】
本発明に従って、大気圧に近い圧力で保たれているコレクタ受容体中に置かれるスプレイノズルに入れられる、このエンクロージャに含まれている生成物質の連続的な抜き取りだけではなく、亜臨界圧力の流体の、及びエンクロージャの内側のコーティング剤中の活性作用物質の懸濁液の連続的な送りも保証されてよい。
【0019】
特に、脂質または脂質の混合物がコーティング剤として使用されてよい。
【0020】
さらに、粒子は約50℃から60℃の温度で、及び約5Mpaから6Mpaの圧力で懸濁液中に置かれてよく、収集中の圧力は大気圧に近くなるだろう。
【0021】
本発明は、その目的のために、本発明の方法に従って取得されるマイクロカプセルも有する。該微粒子は、栄養上、製薬上、美容上、農芸化学上、または獣医学上重要である活性作用物質により構成されてよい。これらの微粒子は、特に、安定剤と関連付けられる、あるいは関連付けられない蛋白によって構成されてよい。
【0022】
本発明は、それにより、単に重合体だけではなく、幅広い範囲のコーティング剤を使用することが可能になり、なおさらに驚くべきことには、流体がその臨界圧よりかなり低い圧力でコーティング剤中で分散される活性作用物質の大量の懸濁液中で溶解できるという点で興味深い。
【0023】
この結果、これらの亜臨界圧力条件においてさえ、重合体の、及び流体が大多数の脂質のように顕著に溶解できる他の化合物の融解温度は大幅に引き下げられ、このようにして本発明による方法は、大多数の活性作用物質の劣化温度より低い温度で実施できるようになる。本発明は賦形剤の中に蛋白をカプセル化することが所望されるときに特に有利である。
【0024】
さらに特許EP−A−第0 744 992号に説明された内容とは異なり、同質の溶液だけではなく、懸濁液中の粒子により構成される非同質の混合物を噴霧することが可能であり、これは、流体の圧力がその臨界圧より低いときにも可能である。その結果、本発明による方法は、さらに多岐に渡る活性作用物質とコーティング剤を利用する大多数の用途でさらに容易で、さらに安価に実施できる条件下で、マクロカプセルを取得できるようにする。
【0025】
これらの優位点は、特に、通常、安定剤が存在する場合に蛋白の溶液の凍結乾燥によって取得される、粉末の形を取る蛋白のカプセル化に関して興味深い。
【0026】
これらの安定剤と混合されるこれらの蛋白は、事実上、前述された特許EP−A−第0 744 992号に説明される方法により要求されるように、液化した賦形剤内の溶液中に置くことはできない。さらに、本発明による方法は、それにより重合体だけではなく、非常に大きな範囲の賦形剤が使用できるようになるという事実は別にして、前述された特許出願WO第98/15348号に説明される方法に従って利用される圧力より明らかに低い圧力で蛋白を流体と接触させて置き、このようにして特に使用される流体が二酸化炭素であるときに蛋白の変質のリスクを大幅に削減する。
【0027】
本発明の実施形態の多様な形式は、これ以降、添付図面に関して、限定されない例によって説明されるだろう。
【0028】
図1は、本発明による方法を実施するための装置を示す。この装置は、底辺2が円錐状であり、内側に垂直軸の回りでの回転のために攪拌器3が取り付けられているエンクロージャ1を有する。エンクロージャ1には、入り口5及びコレクタ受容体11の上部に配置されるスプレイノズル9と連絡している下部軸出口7が備えられる。このコレクタ受容体は、好ましくはサイクロン型となり、その目的のため、粒子を帯びた気体流が接線状に受け入れられるだろう上部環状区域を生じさせる円筒管12を有する。コレクタ受容体11は、生成されたミクロスフェアを抽出する、その底部に配置される抽出オリフィス13を有する。
【0029】
本発明による方法は、概して後述されるように実施される。
コーティング剤だけではなく活性作用物質の粒子は、エンクロージャ1の中に受け入れオリフィス5を介して受け入れられ、次に亜臨界圧力の流体が所望の温度と圧力でエンクロージャ1に入れられ、攪拌器3が流体で飽和したコーティング剤内で活性作用物質の粒子の懸濁液を生成するために起動される。平衡が達成されるほど十分な時間が経過した後、エンクロージャ1は、コーティング剤と活性作用物質が実質的に不溶性となる亜臨界圧力の流体により本質的に構成される軽い位相、及び流体で飽和したコーティング剤内の活性作用物質の粒子の懸濁液により構成される異質の重い位相を含む。
【0030】
この重い位相はオリフィス7を介して抽出され、それは、この重い位相を、低圧に戻る流体の脱ガスによってかなり冷却される細かい滴でそれを噴霧し、その結果滴がマイクロカプセルの形で凝固できるようにする急激な減圧にさらす大気圧近い圧力で維持されるコレクタ受容体11の中にスプレイノズル9を通して入れられる。このような実現は有利なことに周期的に実行されてよい。
【0031】
コーティング剤を活性作用物質の劣化温度より低い温度で液相中に置くことができる場合、本発明の実施形態の別の特に興味深い形では、過去に融解したコーティング剤中の活性作用物質の懸濁を保証することが可能である。このように生成された懸濁液及び亜臨界圧力の流体は連続してエンクロージャ1の中に入れられ、達成される重い相は、その中に存在する重い相の量を一定に維持しながらエンクロージャ1内でそれを連続的に処理するために抜き取られる。
【0032】
本発明の興味深い変形においては、少量の有機溶剤が、その融解温度より低い温度で、あるいは大気圧で、あるいはそれが亜臨界圧力の流体で飽和されているときに液相にコーティング剤を置くために使用される。
【0033】
このような形の実施形態は、特に蛋白の場合に、活性作用物質が温度に非常に敏感であるときに特に興味深い。製薬用途または美容用途では、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アセトンまたは酢酸エチルなどの、好ましくは非常に揮発性の、無毒性の、あるいはほとんど有毒ではない有機溶剤が優先的に使用されるだろう。他の用途では、メタノール、ケトンまたはエステル、あるいは軽い炭化水素、つまり3個と8個の間の炭素原子を有する炭化水素などの他のアルコールも使用されてよい。
【0034】
このようにして取得されるマイクロカプセルが、特に、重い相の減圧の結果生じる気相がこの溶剤の実質的にすべてを飛沫同伴し、これは、それがさらに大きな揮発性の性質を示すためになおさらそうなるという理由から、非常に低い含有量の残留溶剤を含んでいたことが検証された。
【0035】
ある種の特定の用途にとって、この有機溶剤含有量が非常に低いレベルまで削減されなければならない場合、残留溶剤は、マイクロカプセルに、超臨界圧力にされた流体の流れによる簡略な処理(いわゆる「取り出し」抽出)を受けさせるが、この流体の温度を問題の圧力のコーティング剤の融解温度以下に維持するように気を付けることにより特に難なく抽出できる。
【0036】
本発明による方法を限定せずに図解するために、これ以降実現の例が提示される。
【0037】
すべての場合に、図1に概略して図示されている、粒子をカプセルに入れ、マイクロカプセルを収集するための同じ装置が使用された。
【0038】
これ以降提示される例を実施するために使用された装置は半工業サイズである。それは、サービス圧力8MPaで、0℃から150℃の温度範囲で、亜臨界圧力の流体として二酸化炭素を使用した。加圧されているエンクロージャ1は4リットルという全容積を有し、毎分100回転と800回転の間で変化する速度で電動機によって動かされるアンカー型の攪拌器3を備えていた。このエンクロージャ1は、全体の温度を所望の値に保つことを可能にする熱交換流体を通す二重膜を備える、角度45°で、直径0.10mの円錐状の下部で終了する受容体により構成されていた。コレクタ受容体11は、直径0.20m、高さ1mの円筒サイクロンにより構成され、スプレイノズルは直径300μmのオリフィスを備え、受容体上部に設置され、接線方向の向きがサイクロンの外壁と直径0.16m、高さ0.40mの内側シリンダ12の間に含まれる環状の空間内で発生する気流で回転運動を誘発していた。
【0039】
実施例1
このように説明される装置内では、耐溶剤法により取得され、質量で平均直径が2.3μmであるL−アスコルビン酸の非常に細かい粒子が、従来食品業界で使用され、水添植物油により構成され、融解が58°と61℃の間で大気圧で発生するコードGV60としてSociete Industrielle des Oleagineuxによって市場に出されている脂質テクスチャ作用物質内でカプセルに入れられる。
【0040】
懸濁液は、1.800kgのGV60と0.200kgのL−アスコルビン酸を構成する2kgの混合物を、二重膜が水にそこを60℃で通過させ、攪拌器が毎分200回転で回転するエンクロージャ1内で15分間攪拌することにより62℃の大気圧で作られる。次に、圧力が6MPaで安定するまで二酸化炭素が60℃で入れられる。20分の攪拌の後、完全な平衡を生じさせるために、エンクロージャ1はノズル9と連絡した状態で置かれ、エンクロージャ1に存在する重い相がコレクタ受容体11の中に噴霧される。この相の間、圧力は流体をエンクロージャ内に入れることにより維持され、攪拌も同様に維持される。10分後、0.320kgの白い粉末が収集される、その特性の分析が以下の結果につながる。
−粒度分布は、平均直径が質量で12μmである場合に5μmと19μmの間に含まれた。
−UV(紫外)吸光検出(254nm)を用いるシリカ列C18上でのHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)により、ヘプタン中にコーティング剤を、水中にビタミンを溶解した後に獲得される粒子の平均組成は以下のとおりであった。9.5%質量のL−アスコルビン酸。
【0041】
実施例2
実施例1で行われた試験がわずかに異なる条件で再現される。今回、エンクロージャ1内の温度は50℃だけで維持され、その結果、この温度は、6MPaの流体が存在しても液相を取得するには不十分である。したがって、それを入れる前に、0.360kgの純エタノールがコーティング剤に添加され、2.160kgのこの混合物がエンクロージャ1に入れられた。さらに、他のすべてのパラメータは実施例1で使用されたパラメータに等しく保たれ、0.338kgの粉末が取得され、その特性の分析が実施例1で説明された粉末に関して得られた結果に非常に近い結果につながった。
−粒度分布は、平均直径が質量で27μmである場合に12μmと38μmの間に含まれた。
−HPLC(高性能液体クロマトグラフィー)により取得された粒子の平均組成は以下のとおりであった。L−アスコルビン酸の質量で9.7%。
【0042】
さらに、この粉末を構成する粒子のエタノール含有量の気相クロマトグラフィーによる分析は、質量で0.4%の含有量につながる。
【0043】
水中に溶液中のL−アスコルビン酸を置くことに関連する測定が20℃で実施された。図2に示される曲線は、時間数で表される時間の関数として、粒子中に存在する酸の総量に対して水中で溶解した酸の質量%mでのパーセンテージを表している。酸が、水に接して置かれている間に塩析の直接の影響を受けずにコーティング剤内で効果的にカプセルに入れられたことが観察される。これに対して、酸の非常に規則正しい漸進的な塩析が36時間の間観察された。
【0044】
このようにして取得されたマイクロカプセルのある種の用途について、残ったエタノールのパーセンテージが非常に低いことが重要である場合がある。その場合、「取り出し」、つまり特に二酸化炭素で構成される超臨界圧力の流体の助けを借りた抽出処理が達成される。このようにして、実施例2によって取得されるL−アスコルビン酸の100gのマイクロカプセルにより構成されるサンプルは、圧力10MPa、温度33℃で臨界超過状態の質量5kgの純二酸化炭素が1時間の間浸出させられた0.5リットルのオートクレーブ内に配置された。気相クロマトグラフィーによる分析は、マイクロカプセル内に存在する残留エタノールの含有量が、処理後にもたらされた粒子の特徴付けがその構造の変化を示すことなく、質量で0.4%から質量で0.02%で合格したことを示した。
【0045】
実施例3
実施例2で行われた試験が、コーティング剤に添加される有機溶剤がアセトンであり、エタノールではない点を除き、実質的には同一条件で再現される。したがって、それを入れる前に、0.360kgの純アセトンが、コーティング剤に添加され、したがって2.160kgの混合物がエンクロージャ1に入れられた。さらに、他のすべてのパラメータは実施例2で使用されたパラメータに等しく維持され、0.332kgの粉末が取得され、その特性の分析は実施例1および2で説明された粉末について得られた結果に非常に近い結果につながった。
−粒度分布は、平均直径が質量で21μmの場合に11μmと29μmの間に含まれた。
−HPLCによって獲得された粒子の平均組成は以下のとおりであった。L−アスコルビン酸の質量で9.8%。
【0046】
この粉末を構成する粒子のアセトン含有量の気相クロマトグラフィーによる分析は、質量で0.12%の含有量、つまり1200ppmにつながった。
【0047】
実施例4
実施例2で行われた試験が、別のコーティング剤、つまり現在化粧品で賦形剤として使用されているDow CorningのAMS−C30型のシリコーンワックスを使用することにより同じ条件で再現される。エンクロージャ1内の温度は50℃で維持され、圧力は6MPaで維持される。それを入れる前に、0.600kgの純エタノールがコーティング剤に添加され、したがって2.400kgのこの混合物がエンクロージャ1の中に入れられた。さらに、他のすべてのパラメータは実施例2で使用されたパラメータと等しく維持され、0.319kgの粉末が取得され、その特性の分析は、実施例1に説明された粉末に関して得られた結果に非常に近い結果につながった。
−粒度分布は、平均直径が質量で32μmの場合に25μmと42μmの間に含まれた。
−粒子の平均組成は以下のとおりであった。L−アスコルビン酸の質量で9.2%。
【0048】
この粉末を構成する粒子のエタノール含有量の気相クロマトグラフィーによる分析は、質量で0.5%の含有量につながる。
【0049】
実施例5
実施例1で行われた試験が、活性作用物質が、粒度分布が5μmを中心とするオボアルブミンとも呼ばれる卵から得られるアルブミンの細かい粒子により構成される点を除き実質的に同一条件で再現される。したがって、1.800kgのコーティング剤GV60と0.180kgのアルブミンがエンクロージャ1に入れられた。さらに、他のすべてのパラメータは、実施例1で使用されたパラメータに等しく維持され、特にエンクロージャ内で温度は60℃、圧力は6MPaに維持された。その特性の分析が実施例1で説明された粉末に関して得られた結果に非常に近い結果につながった0.310kgの粉末が取得された。
−粒度分布は、平均直径が質量で10μmの場合に4μmと22μmの間に含まれた。
−ヘプタン中に賦形剤を、等張液中に蛋白を溶解した後に、UV(紫外線)分光測光法(280nm)により獲得された粒子の平均組成は以下のとおりであった。アルブミンの質量で10.2%。
【0050】
等張液中に溶液中のアルブミンを置くことに関連する測定が、37℃で同様に実施され、UV(紫外線)分光測光法による水中での濃縮が後に行われた。時間の関数としてのアルブミンの塩析の曲線は、図2に提示されたものと同じ種類であり、アルブミンが、水性の相に接して置かれていた間に塩析の直接的な影響を受けずにコーティング剤の中で効果的にカプセルに入れられたことを示している。これに対して、アルブミンの非常に規則正しい漸進的な塩析が48時間の間観察された。
【0051】
実施例6
実施例5で行われた試験が、活性作用物質が、粒度分布が6μmを中心とするラクターゼと呼ばれる蛋白の細かい粒子により構成される点を除き実質的に同一条件で再現された。したがって、1.800kgのコーティング剤GV60と0.180kgのラクターゼがエンクロージャ1に入れられた。さらに、他のすべてのパラメータは実施例5のパラメータに等しく維持され、特に温度は60℃、圧力は6MPaで維持された。その特性の分析が、実施例1に説明された粉末に関して得られた結果に非常に近い結果につながった0.305kgの粉末が取得された。
−粒度分布は、平均直径が質量で18μmの場合に10μmと24μmの間に含まれた。
−ヘプタン中に賦形剤を、等張液中に蛋白を溶解した後に、UV(紫外線)分光測光法(280nm)によって取得された粒子の平均組成は以下のとおりであった。蛋白の質量で9.4%。
【0052】
蛋白の生物学上の活動に関連する測定は、通常、ラクターゼの酵素活動を測定するために使用されるプロトコルに従って実施された。利用された反応は、O−ニトロフェノールとD−ガラクトース中のO−ニトロフェニル−ガラクトピラノシド(ONPG)の加水分解であり、O−ニトロフェニルの生成の後に420nmでの分光測光法が行われる。開始ラクターゼの活動は1グラムあたり542000個(±15000)に等しく、カプセル化の後のラクターゼの活動は1グラムあたり454000個(±28000)であることが判明した。つまり、約16%の活動の損失があった。
【0053】
等張液中に溶液中の蛋白を置くことに関連する測定が37℃で同様に実施され、UV(紫外線)分光測光法による水中での濃縮が後に行われた。時間の関数としての蛋白の塩析の曲線は、図2に図示されるものと同じ種類であり、蛋白が、水性の相に接して置かれていた間に塩析の直接的な影響を受けずにコーティング剤の中で効果的にカプセルに入れられたことを示している。これに対して、蛋白の非常に規則正しい漸進的な塩析が8時間の間観察された。
【0054】
実施例7
実施例6で行われた試験が、同じ活性作用物質及び同じ賦形剤を用いた実質的に同一条件で再現され、エンクロージャ1内で温度は50℃、圧力は6MPaに維持される。ただし、実施例2に説明されたように、0.180kgのラクターゼだけではなく、1.800kgのコーティング剤GV60と0.420kgのエタノールも同時にエンクロージャ1に入れられた。0.320kgの粉末が取得され、その特性の分析は、実施例1で説明された粉末に関して得られた結果に非常に近い結果につながった。
−粒度分布は、平均直径が質量で51μmの場合に28μmと62μmの間に含まれた。
−ヘプタン中に賦形剤を、等張液中に蛋白を溶解した後に、UV(紫外線)分光測光法によって取得された粒子の平均組成は以下のとおりであった。蛋白の質量で9.5%。
【0055】
蛋白の生物学上の活動に関連する測定が、実施例6に説明されたプロトコルに従って実施された。開始ラクターゼの活動は1グラムあたり590000個(±12000)に等しく、カプセルに入れられた後のラクターゼの活動は1グラムあたり588000個に等しいことが判明した。つまり、活動の損失はごくわずかであった。
【0056】
さらに、この粉末を構成する粒子のエタノール含有量の気相クロマトグラフィーによる分析は、質量で0.5%の含有量につながった。
【0057】
実施例6および7で得られた結果の比較が、超臨界圧力の二酸化炭素が使用されるときに従来の技術で述べられている内容とは異なり、亜臨界圧力での方法の実現が一方では蛋白のかなりの変性を引き起こさず、他方ではエタノールが蛋白の変性に寄与しないことを示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による方法の実現の原理を表す概略図である。
【図2】マクロカプセルが水中に置かれるときにコーティング剤に含まれる活性作用物質の塩析の反応速度論を示す曲線である。それは、時間の関数として、粒子内に存在するその量に対して水に溶解した活性作用物質のパーセンテージを表す。

Claims (11)

  1. マイクロカプセルの形で細かい固形微粒子をカプセルに入れるための方法であって、それが、
    −エンクロージャ(1)内で、その臨界圧より低い圧力の流体とじかに接する少なくとも1つのコーティング剤によって構成される液体中でこれらの微粒子の懸濁液を形成し、前記懸濁液のこの流体との飽和を引き起こすことと、
    −流体で飽和した懸濁液を、膨張手段を通して噴霧することと、
    −減圧の結果生じるガス流内でマイクロカプセルを収集することと、
    に存するステップを有することを特徴とする方法。
  2. 第1ステップの間に、水性溶剤または有機溶剤がコーティング剤に添加されることを特徴とする請求項1のカプセルに入れる方法。
  3. 溶剤がガス状流体により飛沫同伴されることを特徴とする請求項2の方法。
  4. マイクロカプセルの「取り出し」が超臨界圧力にされる流体により達成されることを特徴とする請求項2または3に記載の1つの方法。
  5. 亜臨界圧力の流体が二酸化炭素により構成されることを特徴とする前記請求項の1つの方法。
  6. 大気圧に近い圧力で維持されるコレクタ受容体(11)内に配置されるスプレイノズル(9)の中に入れられる、このエンクロージャ内に含まれる生成物の連続的な抜き取りだけではなく、亜臨界圧力の流体の、及びエンクロージャ(1)の内側のコーティング剤中の活性作用物質の懸濁液の連続的な供給も保証されることを特徴とする前記請求項の1つの方法。
  7. 脂質または脂質の混合物がコーティング剤として使用されることを特徴とする前記請求項のどれか1つの方法。
  8. 粒子を懸濁液中に置くことが、約50℃から60℃の温度で、及び約5MPaから6MPaの圧力で達成され、収集中の圧力が大気圧に近いことを特徴とする前記請求項の1つの方法。
  9. 粒子が、栄養上、製薬上、美容上、農芸化学上、または獣医学上重要である活性作用物質により構成されることを特徴とする請求項1から8の1つの方法の目的に従って取得されるマイクロカプセル。
  10. 粒子が蛋白により構成されることを特徴とする請求項9により得られるマイクロカプセル。
  11. 蛋白が安定剤と関連付けられることを特徴とする請求項10のマイクロカプセル。
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