JP2004503583A - 癌の治療のための、マトリックス・メタロプロテアーゼ阻害剤の使用 - Google Patents

癌の治療のための、マトリックス・メタロプロテアーゼ阻害剤の使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2004503583A
JP2004503583A JP2002511725A JP2002511725A JP2004503583A JP 2004503583 A JP2004503583 A JP 2004503583A JP 2002511725 A JP2002511725 A JP 2002511725A JP 2002511725 A JP2002511725 A JP 2002511725A JP 2004503583 A JP2004503583 A JP 2004503583A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
kinase
mmp
expression
active agent
protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002511725A
Other languages
English (en)
Inventor
ジーモン クリスチャン
ツェンナー ハンス ペーター
Original Assignee
ジーモン クリスチャン
ツェンナー ハンス ペーター
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ジーモン クリスチャン, ツェンナー ハンス ペーター filed Critical ジーモン クリスチャン
Publication of JP2004503583A publication Critical patent/JP2004503583A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/44Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof
    • A61K31/4427Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof containing further heterocyclic ring systems
    • A61K31/4439Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof containing further heterocyclic ring systems containing a five-membered ring with nitrogen as a ring hetero atom, e.g. omeprazole
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

本発明は、マトリックス・メタロプロテアーゼの発現に影響を及ぼす、好ましくはその発現を阻害することによる癌の治療における、活性作用物質、特に阻害剤の使用に関する。この活性作用物質の標的は特に、マトリックス・メタロプロテアーゼ9(MMP−9)シグナル伝達経路の上流制御因子に関することが可能である。本発明に従って、特にp38βおよびp38γの阻害剤を適用することが可能であり、マイトジェン活性化キナーゼキナーゼ6(MMK6)およびマイトジェン活性化キナーゼキナーゼ3(MKK3)の阻害剤も同様に適用することができる。

Description

【0001】
本発明は、マトリックス・メタロプロテアーゼ発現の活性作用物質、特に阻害剤の使用に関する。さらに詳細には、本発明は、癌、特に癌の浸潤の治療に関連した、かかる薬剤の使用に関する。
【0002】
公知のように、細胞外マトリックスの分解は非常に複雑なプロセスであり、それは、多くの病理学的および生理学的プロセスの一部である。それによって、細胞外マトリックスのタンパク分解性の分解は、非腫瘍性組織再構築プロセスにおける役割と同様に、癌の浸潤においても非常に重要な役割を果たす。癌の浸潤性表現型は、数種類のプロテアーゼの活性および発現に非常に依存する。この腫瘍細胞媒介性の細胞外マトリックスのタンパク質分解におけるマトリックス・メタロプロテアーゼ酵素の役割は、十分に証明されている。これらのマトリックス・メタロプロテアーゼの1つは、MR92,000のIV型コラゲナーゼ(MMP−9)である。MMP−9は、大部分がIV型コラーゲンで構成され、かつ間質性区画から上皮を通常分離する構造である、基底膜を分解する(1、2)。多くの成長因子が、次にシグナル伝達経路を活性化する膜貫通チロシン受容体に結合させることによって、MMP−9および他のプロテアーゼの発現を誘導する(3、4)。しかしながら、いくらかの細胞系によって、かかる成長因子の非存在下でさえ、大量のプロテアーゼが生成され、根底にある一つのメカニズムとして、シグナル伝達カスケードの構成的活性が示唆されている(5)。実際に、シグナル伝達経路の構成的活性が、腎細胞癌、白血病ならびに多くの他の癌について記述されている。シグナル伝達経路のこれらの構成的活性に関して、H.オカ(Oka)等の出版物およびS.C.キム(Kim)の出版物を参照する(6、7)。
【0003】
ストレス−およびマイトジェン−活性化プロテインキナーゼ(SAPKおよびMAPK)が、シグナル伝達経路において中心的な役割を担うことは当業者には公知である。p38/RK、JNK/SAPK、およびp42/p44 MAPK/ERKを含む、3つの主要なサブファミリーが存在する。一般に、ERKは、マイトジェンおよび分化(differentiative)因子によって刺激され、JNKおよびp38は、紫外線、浸透ストレスなどの環境ストレスによって活性化されるが、炎症性サイトカインによってもまた活性化される。3つのサブファミリーすべてが、アポトーシスを制御し、ERKは負の制御因子であるが、JNKおよびp38は正の制御因子である(8)。今までに、SAPK3またはERK6およびp38δ(12)とも呼ばれ(12)、SAPK4とも呼ばれる、4種類のp38ヒト・アイソフォーム:p38α(9),p38β(10),p38γ(11)がクローン化されている。α−およびβ−アイソフォームは主に、炎症誘発性シグナルを核に仲介し、アポトーシスを制御するのに関与している(8)。p38γは、筋肉の発達および低酸素ストレスに対する応答において役割を果たすと意味づけられている(13、14)。p38αおよびp38βは、ヒト組織に広く分布しており、それらの発現は、脳および心臓で最も大量であることが見出された(10)。SAPK3は主に、骨格筋に存在する(15、16)。SAPK4の機能については、ほとんど知られていない。高レベルの発現が、唾液腺、下垂体および副腎組織において見出された(12)。p38アイソフォームの重要な上流制御因子には、プロテインキナーゼMKK6およびMKK3が含まれる。
【0004】
癌の浸潤および転移におけるマトリックス・メタロプロテアーゼの関与に関する、今までの知見および研究は、種々のマトリックス・メタロプロテアーゼ酵素ドメインの機能および阻害ドメインとのそれらの相互作用に焦点が当てられている。例えば、細胞外マトリックスの分解に関与するマトリックス・メタロプロテアーゼのタンパク質分解活性は、それらの内在性タンパク質阻害剤、メタロプロテアーゼの組織阻害剤(TIMP)によって正確に制御されなければならないことが知られている。メタロプロテアーゼのこれらの組織阻害剤は、腫瘍細胞によるマトリックスの分解において重要な役割も果たす。TIMPおよびMMPの活性は、数種類の癌腫において、例えば腎細胞腫において、胃癌においてもまた同様に分析された。これらの研究に関して、A. Kugler および G.I. Murray等の出版物を参照する(17、18)。メタロプロテアーゼのこれらの組織阻害剤は、分泌型メタロプロテアーゼの活性の制御において非常に重要な役割を担う分泌タンパク質のファミリーである。今までに、それらのうちの3種類が特徴づけられている(TIM1、TIMP2およびTIMP3)。それらは、プロメタロプロテアーゼの活性に影響を及ぼし、特に組織再構築および炎症プロセス中に、細胞外マトリックスのタンパク質分解を調節する働きをする。マトリックス・メタロプロテアーゼのこれらの組織阻害剤のキャラクタリゼーションは、D.T.デンハート(Denhardt)等の出版物に記載されている(19)。マリマスタット(marimastat)(BB−2516)と同様の合成マトリックス・メタロプロテアーゼ阻害剤、ミクロモル範囲でIC50値を有するブタンジアミド誘導体もまた存在する。C. サイモン(Simon)等(20)は、ホルボールミリステートアセテート(PMA)で処理した後の、ヒト扁平上皮癌細胞系(UM−SCC−1)における強化されたMMP−9分泌およびインビトロ(in vitro)浸潤性、皮膚発癌の研究で広く用いられている公知の発癌プロモーター((21)で概説されている)を、一般的なp38阻害剤SB 203580を使用することによって阻害することができることを実証した。
【0005】
現在、驚くべきことに、p38の構成的活性は、MKK6および/またはMKK3経路もまた同様に、癌細胞におけるMMP−9の高レベルな発現で非常に重要な役割を果たしていることが見出されている。これらの予想外の発見の結果として、癌、特に癌の浸潤を治療するための、MMP−9発現の下流制御因子に対して標的化される/作られる活性作用物質の使用が可能となる。
【0006】
このように、活性作用物質を癌の治療に利用できるようにすることの本発明の問題は、請求項1および2に記載の使用によって解決される。好ましい実施形態を従属請求項3から17に記載する。これらの請求項すべての内容は、これによって参照により本明細書中に組み込まれる。
【0007】
本発明に従って、癌の治療のために、真核細胞におけるマトリックス・メタロプロテアーゼの発現に影響を及ぼすため、特に発現を阻害するために、少なくとも1種類の活性作用物質を使用する。特にこれは、相当する薬剤または相当する医薬組成物を製造するための、かかる活性作用物質の使用もまた包含する。本発明に従って、その活性作用物質は任意に、その薬学的に許容される塩の形で、および任意に許容可能な担体と共に使用することができる。
【0008】
本発明に従って使用される活性作用物質は、癌、好ましくは癌の浸潤に関与する上述のマトリックス・メタロプロテアーゼに影響を及ぼす、特にマトリックス・メタロプロテアーゼを阻害することが好ましい活性作用物質である。本発明に従って、癌の浸潤に関与する好ましいマトリックス・メタロプロテアーゼは、マトリックス・メタロプロテアーゼ9である。
【0009】
本発明の好ましい一実施形態において、使用する活性作用物質は、マトリックス・メタロプロテアーゼのシグナル伝達経路の少なくとも1種類のメンバーに対して、特にMMP−9シグナル伝達経路の1種類のメンバーに対して標的化されることが好ましい。このMMP−9シグナル伝達経路の1種類の好ましいメンバーは、いわゆるp38タンパク質ファミリーである。本発明に従った使用において、これらのp38タンパク質のうちの1つは、p38βタンパク質であり、本発明の使用に従った、他の好ましいメンバーは、p38γ(SAPK3またはPRK6)タンパク質である。本発明による活性作用物質の他の好ましい標的は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼファミリーである。このマイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼファミリーの好ましい2種類のメンバーは、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ6(MKK6)およびマイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ3(MKK3)である。本発明に従った使用において、MMP−9シグナル伝達経路の1種類のメンバーを単独で、活性作用物質によって標的化することができるが、活性作用物質によって標的化されるMMP−9シグナル伝達経路の2種類または3種類以上の異なるメンバーのランダムな組み合わせもまた存在することができる。
【0010】
他の好ましい実施形態では、マトリックス・メタロプロテアーゼシグナル伝達経路の、好ましくはMMP−9シグナル伝達経路の活性化因子(activator)、制御因子および/または生物学的前駆物質を、活性作用物質によって標的化し、かつ/またはそれらに影響を及ぼすこともまた任意に可能である。これらの活性化物質、制御因子および/または生物学的前駆物質は例えば、プロテアーゼの酵素活性の制御に関与することが知られているキナーゼ、プロテアーゼの発現レベルを担うAP−1様の転写因子および他の転写因子、プロメタロプロテアーゼの活性化を担うプロテアーゼまたは組織阻害剤、または活性作用物質によって影響を受け得る、現在でさえ未知の化合物であってもよい。
【0011】
本発明に従って、公知の活性作用物質または新規な活性作用物質もまた使用することが可能である。本発明の好ましい一実施形態では、その活性作用物質は、マトリックス・メタロプロテアーゼシグナル伝達経路の少なくとも1種類のメンバー、好ましくはMMP−9シグナル伝達経路に対して特異的な阻害能力を有する化合物である。この活性作用物質は、低分子量(MW)、特にMW<1000を有する比較的小さな分子であることが好ましい。かかる活性作用物質は、イミダゾール誘導体であることがさらに好ましい。Calbiochem社(米国、カリフォルニア州サンディエゴ)からどちらも入手可能な、SB203580(MW377,4)もしくはSB 202190(MW331,3)のようなかかるイミダゾール誘導体は、キナーゼ発現の強力な阻害剤であることが知られている。本発明の他の好ましい実施形態において、その活性作用物質は、p38タンパク質の阻害剤である。これは、p38タンパク質の公知の阻害剤またはさらに新規な阻害剤であることも可能である。本発明の他の好ましい実施形態では、その活性作用物質は、マイトジェン活性化キナーゼキナーゼファミリーの阻害剤である。この阻害剤は、この記述で使用されている標準分子生物学技術で作成されるキナーゼの非感受性変異体(dead mutants)のような、マイトジェン活性化キナーゼキナーゼキナーゼファミリーのペプチド阻害剤、または新規な阻害剤化合物であることも可能である。数種類の阻害剤が知られており、Y. フカミ(Fukami)等,J.C.リー(Lee)等,およびD.ファブロ(Fabbro)等(22〜24)の出版物において、それらのいくつかを見つけ出すことができる。
【0012】
本発明による他の好ましい実施形態において、その活性作用物質は、マトリックス・メタロプロテアーゼシグナル伝達経路の活性化物質、制御因子および/または生物学的前駆物質の阻害剤であり、キナーゼ阻害剤、転写因子阻害剤、例えばAP−1阻害剤、組織阻害剤、プロテアーゼ阻害剤およびマトリックス・メタロプロテアーゼシグナル伝達経路の他の公知の阻害剤または新規な阻害剤であってもよい。
【0013】
本発明による他の好ましい実施形態において、その活性作用物質は、マトリックス・メタロプロテアーゼの発現を阻害する、好ましくはp38および/またはマイトジェン活性化キナーゼキナーゼ活性を阻害するペプチドまたはポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。このペプチドは、例えばp38キナーゼの欠損変異体、マイトジェン活性化キナーゼキナーゼの非感受性変異体および当業者に公知の他のペプチドであることが可能である。
【0014】
本発明は、すべての種類の癌、特にマトリックス・メタロプロテアーゼの過剰発現を有する癌、したがってこの癌の高浸潤性および高転移性を有する癌の治療に用いることができる。MMP−9の過剰発現は、頭、首、皮膚および胃の扁平上皮癌で報告され、胃の線維肉腫でもまた同様に報告された。増大したMMP−9レベルは、大腸癌、乳癌および肝細胞癌を有する患者の血清においても見出された。したがって、治療可能な疾患の中でも、上記の癌を特に参照する。一般に知られているように、転移性疾患(しかし、それ自体、浸潤癌の増殖である場合も多い)は、癌患者の生存を制限する。癌におけるシグナル伝達経路の構成的活性の理由は、現在まで未知である。それは、遺伝子増幅もしくはオートクリンループなどの成長因子受容体遺伝子の突然変異から、つまり同一組織におけるリガンドおよび受容体の発現から、生じる可能性がある。癌の浸潤はこれらの癌において厄介な問題であることから、上述の癌は、本発明による活性作用物質の有効な標的である。
【0015】
本発明に従って、活性作用物質の投与形態を選択することが可能である。この形態は、患者の年齢、性別または他の特性、癌の重症度および他のパラメーターに適応させることができる。従来の薬剤担体、希釈剤または従来の添加剤が存在することができる。
【0016】
投与量は、臨床状況および患者の状態の関数として自由に選択することができる。
【0017】
最終的に、本発明は、真核細胞におけるマトリックス・メタロプロテアーゼの発現に影響を及ぼす、特に発現を阻害する少なくとも1種類の活性作用物質を含有する、癌を治療するための医薬組成物または薬剤を含む。かかる組成物または薬剤の個々の特徴に関して、それに対応する上記の説明文を参照する。
【0018】
上述の特徴および本発明の更なる特徴は、サブクレームと共に好ましい実施形態の以下の説明から集めることができる。個々の特徴は、個々に、またはサブコンビネーションの形で実施することができる。
【0019】
材料および方法
ベクター:他に記述されているように(31〜33)、セリン207およびトレオニン211をグルタミン酸によって置換することにより、MKK−6の構成的に活性な変異体を産生し、セリン207およびトレオニン211をアラニンによって置換することにより、ドミナントネガティブなMKK−6表現型を産生し(34)、およびp38キナーゼの通常のTGY配列におけるフェニルアラニンによるアラニンおよびチロシンよってトレオニンを置換することによりキナーゼ欠損p38変異体を産生し、その結果得られたすべてのcDNAを、他に記述されているように(11、35、36)、哺乳類の発現ベクターpcDNA3にサブクローニングした。MMP−9プロモーターの5’欠失断片によって、または突然変異したプロモーター(−79 AG−1 mt)によって操作される(driven)CATレポーターが、他に記述されている(37)。TAM−67構築物(construct)は、3番目〜122番目のアミノ酸を欠いている突然変異体c−junタンパク質をコードする(38)。5AP−1 pBLCAT構築物は、最小チミジンキナーゼプロモーターのCATレポーターの前にあるAP−1の5つの反復からなる(39)。
【0020】
組織培養および材料。UM−SCC−1細胞(当業者には公知であり、ミシガン州ミシガン、アナーバーの大学、Dr.トーマス・ケアリー(Thomas Carey))から入手可能)、Hlac82(当業者には公知であり、ドイツ、チュービンゲンの大学、Dr.ハンス(Hans)ピーター(Peter)ゼナー(Zenner)から入手可能)およびNIH3T3細胞(ほぼすべての細胞生物学研究室によって保持されており、Dr.ハンス(Hans)ピーター(Peter)ゼナー(Zenner)からも入手可能である。上記参照)を、10%ウシ胎児血清(FBS、Gibco Life Technologies社、ドイツ、カールスルーエ)を補充したMcCoy5A培地中に保持した。酵素電気泳動法およびウェスタンブロット法の条件培地を回収するために、指示される場合には、同時に添加されるSB 203580(Calbiochem社、カリフォルニア州サンディエゴ)または担体(DMSO)と共にまたは無しに、80%融合UM−SCC−1、Hla82およびNIH3T3細胞をそれぞれ、無血清培地(McCoy5A培地、当業者には公知の成分であり、Gibco Life Technologies社(ドイツ、カールスルーエ)から入手可能)中で48時間インキュベートした。以下では、「無血清培地」は「SFM]とも省略される。0.2mg/ml MTT生体染色中で細胞をインキュベートし、DMSOに溶解したホルマザン結晶のアリコートを分光測定によって570nmにて読み取った後、その培地を回収し、増殖を決定した。細胞付着に12時間見込み(0日目)、その後4日まで(1日目から4日目)血清および無血清条件下の後に、同時に添加した様々な量のSB 203580を用いて、成長曲線を記述のように(25)作成した。
【0021】
酵素電気泳動法。0.1%(重量/容積)ゼラチンを含有するSDS−PAGEゲルを用いて、酵素電気泳動法を記述と同様に正確に行い(20、25)、MMP−9についてアッセイした。MMP依存性タンパク質分解を、暗い領域中の白い区域として検出した。
【0022】
ウェスタンブロット法。条件培地中のMMP−9を検出するために、等しい個数の細胞からの培地を還元剤の非存在下にて変性させ、タンパク質をSDS−PAGEによって分離し、次いでニトロセルロースフィルターに移した。そのフィルターを3%BSAでブロックし、マトリックス・メタロプロテアーゼに対するマウスのモノクローナル抗体(#IM37L Oncogene Research Products、Calbiochem社(マサチューセッツ州ケンブリッジ))と共にインキュベートした。続いて、そのブロットを、ホースラディッシュペルオキシダーゼ抱合型抗ウサギIgGと共にインキュベートし、ECL(化学発光増幅)、製造元(Amersham Life Science社、イリノイ州アーリントンハイツ)によって記述されている市販の免疫ブロット検出システムによって、免疫反応性バンドを可視化した。ホスホ−p38およびデホスホ−p38を等しく認識するモノクローナル抗体(sc−535−Gおよびsc−6023、カリフォルニア州サンタクルーズ、サンタクルーズ)を用いて、p38αおよびSAPK3タンパク質を検出した。簡潔には、PMSF(100mg/ml)およびオルトバナジン酸ナトリウム(1mM)を含有するRIPAバッファー中で細胞を抽出した。SDS−PAGEを用いて、変性条件下で抽出したタンパク質を分離した。フィルターを3%BSAでブロックし、続いて、一次抗体とともに一晩インキュベートした。免疫反応性バンドを可視化するために、ECLシステムを再度使用した。
【0023】
p38α活性についてのゲル中(In−gel)キナーゼアッセイおよびSAPK3活性アッセイ。p38α活性のキナーゼアッセイを記述のように(20)行った。簡潔には、バッファーA[1%NP40(オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)、25mMトリス−HCl(pH7.4)、25mM NaCl、1mMバナジン酸ナトリウム、10mM NaF、10nMピロリン酸ナトリウム、10nMオカダ酸、0.5mM EGTA、および1mMフッ化フェニルメチルスルホニル]で細胞を抽出した。抽出したタンパク質を、ヒトおよびマウスp38αと免疫反応性の抗p38α抗体(sc−535−G、カリフォルニア州サンタクルーズ、サンタクルーズ)2μgと、免疫沈降のためのタンパク質Aアガロースビーズ(2mg)と共にインキュベートした。そのビーズをバッファーAで洗浄し、2×サンプルバッファー中に再懸濁し、ミエリン塩基性タンパク質を含有するポリアクリルアミドゲル中で、免疫複合体を電気泳動した。20%2−プロパノール、5mM 2−メルカプトエタノール、6MグアニジンHClおよび0.04%Tween40−5mM2−メルカプトエタノールを含有するバッファーでゲルを処理した。次いで、そのゲルを、2mMジチオスレイトール−0.1mM EGTA−5mM MgClを含有するバッファー中の10μM ATPおよび25μCiの[32P]ATPと共に25℃で1時間インキュベートし、5%トリクロロ酢酸および1%ピロリン酸ナトリウムを含有する溶液中で洗浄し、乾燥させ、オートラジオグラフィーを行った。SAPK3活性のために、バッファーA中で細胞を抽出し、抽出したタンパク質を、ヒトおよびマウスSAPK3と免疫反応性の抗SAPK3抗体(06−603、Upstate Biotechnology社、米国、ニューヨーク州レークプラシッド)2μgと、タンパク質Gアガロースビーズと共にインキュベートした。バッファーAおよびキナーゼバッファー(50mM HEPES、0.1mM EDTA、0.0001%Brij35、0.0001%β−メルカプトエタノール、150mM NaCL、01mg/mlウシ血清アルブミン)中でビーズを洗浄し、反応バッファー(キナーゼバッファー、0.3mM ATP、0.4M MgCl)40μl中で基質としての1μgATF2とのキナーゼ反応に30℃で30分間かけた。その反応を、2×還元サンプルバッファーを添加することによって終結させ、100℃に5分間加熱した。遠心分離によって、ビーズを除去した。抗ホスホ−ATF2抗体を用いて、上述のように上清を免疫ブロットにかけた。ECLシステムを用いて、免疫反応性ビーズを可視化した。
【0024】
in vitro浸潤アッセイ。1/3希釈Matrigel(登録商標)/SFM(Becton Dickinson社、マサチューセッツ州ベッドフォード)でコーティングされた、孔径8μmを有するフィルターを用いて、記述のように(20、25)浸潤アッセイを行った。同様な濃度でSB 203580もしくはDMSO、SB 203580の担体を含有するSFM中で、細胞をプレーティングした。マウスモノクローナルMMP−9抗体(#IM09L、Oncogene Research Products、マサチューセッツ州ケンブリッジ)(0.5、1および10μg/ml)を用いた実験で、SFM+SFMの抗体+ほぼ同量の免疫前血清中で、細胞をいずれもプレーティングした。チャンバー中での全活性のパーセンテージとして、フィルター下側でMTT活性に基づいて、浸潤の量を決定した。
【0025】
その後のCAT−ELISAによる一過性トランスフェクション。製造元により記述されているように、一過性トランスフェクションのためのLipofectamin(登録商標)(GIBCO、Life Technologies社、ドイツ、カールスルーエ)を用いて、一過性トランスフェクションを行った。記述のように(26)pCDNA3−MKK−6もしくは−MKK−3の構成的に活性な変異体(0.03〜3μg)、またはプロモーター構築物に対して1倍もしくは2倍モル過剰量を有するドミナントネガティブなp38α、β、SAPK3、SAPK4またはMKK6変異体(親切にも、Dr. J.ハン(Han)、Scripps Research Institute社、カリフォルニア州ラ・ホーヤによって提供された)と共に、転写開始部位もしくはプロモーターレスのCAT構築物(SV)(3μg)を含む、MMP9野生型プロモーター670bpを含有するCATレポーター構築物を、UM−SCC−1およびNIH3T3細胞にコンフルエンス(confluence)70%で同時にトランスフェクトした。トランスフェクトされるDNA量を、偽の対照ベクターを用いて各サンプルにおいて等化した。CATタンパク質発現を測定するCAT ELISAを、製造元(Roche Diagnostics社、ドイツ、マンハイム)に従って行った。
【0026】
実験1
10%ウシ胎児血清(FBS、Gibco Life Technologies社、ドイツ、カールスルーエ)を補充したMcCoy5A培地中で、UM−SCC−1細胞をプレーティングし、翌日に、SB 203580(10μM、Calbiochem社、カリフォルニア州サンディエゴ)または担体(ジメチルスルホキシドDMSO、0.01%)を含有する無血清培地を補充した。48時間後、条件培地を収集し、増殖速度を3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)でアッセイした。増殖の差に対して正規化された条件培地のアリコートを、モノクローナル抗MMP−9抗体を用いて免疫ブロットにかけた。続いて、ホースラディッシュペルオキシダーゼ抱合型抗ウサギIgGと共にインキュベートし、製造元(Amersham社、イリノイ州アーリントンハイツ)によって記述されているようにECLによって、免疫反応性バンドを可視化した。タンパク質発現の70%の減少が、濃度計による測定に従って示された。そのデータは、3通りの(triplicate)実験に特有のものである。
【0027】
実験1の結果を図1に示す。
【0028】
図1Aは、大量のMMP−9を構成的に産生し、かつin−vitroおよびin−vivo浸潤表現型を表す扁平上皮癌細胞系UM−SCC−1は、イミダゾール誘導体SB 203580での処理によって影響を受けることを示している。免疫ブロット分析によって証明されるように、SB 203580によって、濃度10μMで、MMP−9タンパク質の発現が約70%減少した。
【0029】
図1Bでは、Matrigel(登録商標)でプレコートされたフィルター上に、無血清培地中でUM−SCC−1細胞をプレーティングし、様々な量のSB 203580と共に60時間インキュベートして、in−vitro浸潤をアッセイした。担体(DMSO)の濃度を0.1%に維持した。浸潤は、Matrigel(登録商標)に浸潤する細胞のパーセンテージとして表され、異なる濃度の抗体で処理した際の浸潤は、平均パーセンテージ+/−S.E.で表され、各グループにおける3つのシャーレを表す。そのデータは、3通りの(triplicate)実験に特有のものである。図1Bは、濃度5μMおよび10μMをそれぞれ用いた場合、in−vitro浸潤が用量依存的に43+/−9%および69+/−8%減少することを示している。
【0030】
図1Cは、p38阻害剤5μMおよび10μMにUM−SCC−1細胞を5日間まで暴露した結果、in−vitro浸潤に対する阻害効果を担うべき化合物の抗分裂促進的効果を除いて、細胞成長は影響を受けないことを示している。p38アイソフォームは、SB 203580に対するそれらの感受性に関して異なる。報告されるIC50は、p38αで0.1μMであるが、p38γでは5〜10μMである。p38γおよびp38δは、イミダゾール誘導体によって阻害されない(27)。したがって、MMP−9発現およびUM−SCC−1細胞のin−vitro浸潤を低減するのに必要なSB 203580の濃度は、p38βのIC50と密接に合致する。この実験において、様々な量のSB 203580と共に、10%FBSを含有する培地中で細胞を5日間成長させた。生細胞数は、0.2mg/ml MTT−生体染色および指示された日にDMSOに溶解したホルマザン結晶を分光測定によって570nmにて連続して読み取ることによって決定した。そのデータポイントは、3通りの実験に特有のものである。
【0031】
このように、実験1およびそれに関連する図1から、p38SAPK阻害剤SB 203580が、細胞成長に全く影響を及ぼすことなく、MMP−9の高レベルな発現およびUM−SCC−1細胞のin−vitro浸潤を低減することが示されている。
【0032】
実験2
この実験では、Matrigel(登録商標)でプレコートしたフィルター上に、無血清培地中で異なる細胞系をプレーティングし、インキュベートした。浸潤は、平均パーセンテージ+/−S.E.で示され、各グループにおいて3つのシャーレを表す。そのデータは、3通りの実験に特有のものである。MMP−9がUM−SCC−1細胞のin−vitro浸潤に必要かどうかの問題に取り組むために、3種類の異なる細胞系(UM−SCC−1、NIH3T3、Hlac82)の最初の発現を、それらのin−vitro浸潤の挙動と相関付けた。図2Aは、細胞系の浸潤性に密接に対応する条件培地中のMMP−9の量を示す。UM−SCC−1細胞が最大量のプロテアーゼを産生し、最大量の浸潤表現型を示す一方、検出可能なMMP−9を全く分泌しないNIH3T3細胞は、Matrigel(登録商標)コートフィルター上での浸潤性が格段に低かった。興味深いことに、試験細胞系のMMP−2分泌と浸潤性との間には相関関係がなかった。これは、MMP−2の活性化に、NIH3T3細胞上で発現しない可能性のある、異なる膜タイプのマトリックス・メタロプロテアーゼ(MT−MMP)(21)の存在が必要なためである可能性がある。
【0033】
図2Bに従って、異なる細胞系を無血清培地に変更し、48時間培養した。条件培地を収集し、MTTを用いて細胞数を決定した。細胞数の違いに対して補正された条件培地のアリコートを、記述のように(20、25)、かつ当業者に公知のように、酵素電気泳動によってMMP−9活性についてアッセイした。そのデータは、3通りの実験に特有のものである。最も高い量のMMP−9を発現する細胞系のみが、酵素電気泳動で明瞭なバンドを示す。
【0034】
最後に、UM−SCC−1細胞のin−vitro浸潤表現型に対するMMP−9活性の必要性を実証するために、図2Cにおいて、Matrigel(登録商標)でプレコートしたフィルター上に、無血清培地中でUM−SCC−1細胞をプレーティングし、様々な量の抗MMP−9抗体(0.5、1、10μg/ml)または製造元により提供される等量の免疫前血清と共に60時間インキュベートした。浸潤は、Matrigel(登録商標)に浸潤する細胞のパーセンテージとして表される。MMP−9または製造元から提供される免疫前血清の活性型および潜在型を認識する、異なる濃度の抗体で処理した際の浸潤は、平均パーセンテージ+/−S.E.で示され、各グループにおいて3つのシャーレを表す。そのデータは、3通りの実験に特有のものである。図2Cは、増大濃度の抗体を用いたin−vitro浸潤が用量依存的に減少することを示している。
【0035】
このように、実験2およびそれに関連する図2から、細胞系のin−vitro浸潤には、UM−SCC−1細胞の条件培地中へのMMP−9分泌の必要性があることが示されている。したがって、SB 203580は、p38シグナル伝達経路を介してMMP−9の発現を低減することによって、UM−SCC−1細胞のin−vitro浸潤を阻害すると結論づけることができる。
【0036】
実験3
MMP−9発現は、プロモーターレベルでほとんど独占的に制御されるため、MMP−9発現の制御における、異なるp38アイソフォームの役割をさらに特徴づけるために、製造元によって記述されるようにLipofectamin(登録商標)(Gibco Life Technologies社、ドイツ、カールスルーエ)および野生型MMP−9プロモーターによって操作されるクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)レポーターまたはプロモーターレスのCAT構築物(SV)およびドミナントネガティブなp38α、p38β、p38γおよびp38δもしくは空ベクター(pCDNA3)を含む、指定量(2は、レポーター構築物に対して2倍モル過剰量のエフェクタープラスミドである)の発現ベクターを用いて、UM−SCC−1細胞を一過的にトランスフェクトした。トランスフェクトしたDNA量の違いを空ベクターで正規化した。タンパク質量の違いに対して正規化された細胞抽出物を、製造元(Roche Diagnostics社、ドイツ、マンハイム)に従ってCAT−ELISAを用いて、CAT発現に関してアッセイした。データは、対照の平均パーセント+/−S.Eとして表され、各グループにおける2つのシャーレを表し、3通りの異なる実験で行われた。当業者に公知の標準分子生物学技術によって、哺乳類発現ベクターpCDNA3にクローニングされたp38キナーゼおよび得られたすべてのcDNAの典型的なTGY配列において、トレオニンをアラニンによって、およびチロシンをフェニルアラニンによって置換することにより、キナーゼ欠損変異体を作成した。
【0037】
図3Aに従って、SB 203580感受性アイソフォーム変異体、p38βは、2倍モル過剰量でCATレポータにより操作されるMMP−9プロモーターの活性を62+/−20%阻害することが見出され、それと全く対照的に、p38α変異体は、MMP−9プロモーター活性を21+/−20%低減するのみであった。p38δ変異体は、MMP−9プロモーターを55+/−9%阻害した。p38γ変異体とのトランスフェクションは、MMP−9プロモーターを実質上静まらせた。つまり、プロモーター活性が99.9+/−0.5%阻害された。プロモーターレスのCAT構築物のトランスフェクションでは、著しいCAT発現は示されなかった。
【0038】
図3Aによって、p38αはそうではないが、p38βおよびp38δの他にp38γ、ドミナントネガティブ発現構築物が、MMP−9プロモーター活性を低下させることが示されている。この実験はさらに、MMP−9プロモーターの構成的活性に、p38αではなくp38βが関与していることを裏付けており、それらは、MMP−9プロモーターの構成的活性におけるp38δの役割および最も重要なことにはp38γの役割を裏付けている。
【0039】
図3B−Eにおいて、UM−SCC−1およびNIH3T3細胞を、10%FBSを含有する培地中に保持した。タンパク質抽出物(同等のタンパク質)およびゲル中キナーゼアッセイを上述のように作成し、ポリクローナル抗p38α−またはSAPK3−抗体を用いた免疫ブロット(B)および(D)に、あるいは基質としてMBPを用いたゲル中キナーゼアッセイ(C)に、あるいは基質として組換えATF2を用いた免疫キナーゼ(immunokinase)反応(E)にかけた。そのデータは、3通りの実験に特有のものである。これらの実験によって、キナーゼ欠損変異体によるp38αの阻害後に観察される、MMP−9プロモーター活性の少なめな減少も、キナーゼの発現および/または活性の欠失(missing)が原因でありうるということが排除された。このために、UM−SCC−1細胞およびNIH3T3細胞(ネガティブコントロール)を、p38αの活性および発現についてアッセイした。p38γの発現および活性もまた、ポリクローナルSAPK3抗体での免疫沈降によって、続いて同様な実験でのキナーゼ反応によって分析した。
【0040】
図3B〜Eから判断できるように、タンパク質、p38αおよびp38γ両方の存在が、両方の細胞系(図3BおよびC)において示された。しかしながら、p38アイソフォーム両方の酵素活性は、NIH3T3細胞で検出不可能であるのに対して、UM−SCC−1細胞では高いことが見出された。したがって、p38αおよびp38γは、UM−SCC−1細胞中に存在し、かつ構成的に活性である。
【0041】
実験4
ここでは、UM−SCC−1およびNIH3T3細胞を無血清培地に変更し、48時間培養した。条件培地を収集し、MTTを用いて細胞数を決定した。細胞数の違いに対して補正された条件培地のアリコートを、酵素電気泳動によってMMP−9活性についてアッセイした。そのデータは、3通りの実験に特有のものである。
【0042】
図4Aによって、NIH3T3はそうではないが、UM−SCC−1細胞は、マトリックス・メタロプロテアーゼ9(MMP−9)を発現することが示されている。
【0043】
MKK6タンパク質キナーゼは、p38アイソフォームを広く活性化するため(p38αおよびSAPK4/p38δアイソフォームのむしろ特異的活性化因子として働くMKK3と対照的に)(26、30)、MMP−9の制御におけるMKK6の役割を決定するために、図4Bにおいて、野生型MMP−9プロモーターによって操作されるCATレポーターまたはプロモーターレスのCAT構築物(SV)およびキナーゼの非感受性MKK6変異体をコードする指定量(2は、レポーター構築物に対して2倍モル過剰量のエフェクタープラスミドである)の発現ベクターを用いて、UM−SCC−1細胞を一過的にトランスフェクトした。キナーゼの非感受性表現型は、上記の出版物(26)に従ってセリン151およびトレオニン155をアラニンと置換することによって作成した。MMP−9活性の99+/−0.5%の大幅な減少が観察された。これらのデータによって、MKK6キナーゼ欠損変異体は、UM−SCC−1細胞においてMMP−9プロモーター活性を阻害し、かつMKK6は、p38アイソフォームを介してシグナル伝達するらしい、MMP−9の上流制御因子であることが実証されている。
【0044】
MMP−9プロモーターの制御におけるMKK6の役割をさらに特徴づけるために、MKK6キナーゼの構成的活性化の効果を調べた。図4Cにおいて、野生型MMP−9プロモーターによって操作されるCATレポーターまたはプロモーターレスのCAT構築物(SV)およびキナーゼの非感受性MKK6変異体をコードする指定量(2は、レポーター構築物に対して2倍モル過剰量のエフェクタープラスミドである)の発現ベクターまたは空ベクターを用いて、NIH3T3細胞を一過的にトランスフェクトした。トランスフェクトしたDNA量の違いを、空ベクターで正規化した。タンパク質量の違いに対して正規化された細胞抽出物を、CAT−ELISAを用いて、CAT発現に関してアッセイした。データは、対照の平均パーセント+/−S.Eとして表され、各グループにおける2つのシャーレを表し、3通りの異なる実験で行われた。MKK6の構成的活性化は、J.ハーン(Hahn)の出版物(26)に従って、セリン151およびトレオニン155をグルタミン酸で置換することによって達成された。内在性刺激物質によって、プロモーターの活性化が妨げられるのを避けるために、内在性MMP−9を発現しないNIH3T3細胞(図4A)を用いた。1倍モル過剰量でCATレポーターおよびMKK6変異体を同時にトランスフェクトした後、MMP−9プロモーターの5倍活性化が示された。同様に作成されたMKK3変異体を用いて、同じ実験を繰り返し行った。同様のモル過剰量で、観察されたプロモーターの誘導は、わずか2.8倍であった。
【0045】
図4Cから、MKK6によって、すべてのp38アイソフォーム(p38γを含む)がむしろ非特異的に活性化され、MKK3はさらに厳密に、p38αおよびp38δを標的化することが実証されている。これらの結果は、MMP−9の制御におけるp38γの役割を裏付けるものである。
【0046】
実験5
この実験では、野生型MMP−9プロモーターの5’フランキング領域によって操作されるCATレポーター(3μg)および構成的活性化MKK−6タンパク質(MKK6(Glu))をコードする発現ベクター(0.4μg)を、670bp−CATレポーターに対するエフェクタープラスミドのモル比0.1〜1で、NIH3T3細胞に一過的にトランスフェクトした。DNA量の違いを、空ベクターで正規化した。タンパク質量の違いに対して正規化された細胞抽出物を、CAT−ELISAを用いて、CAT発現に関してアッセイした。対照(MMP−9 670bp−CAT構築物)に対する誘導の平均倍数(average fold)±SEを示し、データは3通りの異なる実験を表す。
【0047】
特異的p38シグナル伝達経路の活性化因子MKK−6による刺激に必要とされるプロモーター領域を決定するために、92kDaコラゲナーゼ野生型プロモーターの5’欠失断片によって操作されるCATレポーターを、NIH3T3細胞に同時にトランスフェクトした。MMP−9プロモーターの144bp断片を含む、試験されたすべての構築物が、MKK−6によって同様に活性化された(MMP−9の量に対するMKK−6構築物のモル比0.1で3.5倍)。それと対照的に、90bpまたは73bpの5’フランキング配列によって操作されるCATレポーター構築物を使用した場合、たとえ刺激が達成されたとしてもわずかであり、−144と転写開始部位と間の領域における特定の転写因子結合部位が、MKK−6依存性MMP−9プロモーター活性化に必要とされることが示唆されている(図5A)。配列のこの部分の研究によって、−79にAP−1(活性化転写因子1)結合部位が存在することが示された(37)。AP−1は、Fos(c−Fos、FosB、Fra1、Fra2)およびJun(c−Jun、JunD、JunB)ファミリーメンバーで構成されるタンパク質二量体である。結果として生じた複合体は、AP−1部位またはテトラデカノイルホルボール(TPA)応答エレメント(TRE)として公知の特異的DNA配列に結合する。この用語は、タンパク質発現およびリン酸化の増大のために、TPAが強力に、AP−1のDNA結合を刺激するという事実を意味する(40)。MMP−9プロモーターは、かかるTREエレメントを含有する。1つのAP−1部位は−79で見出され、もう1つは、主要な転写開始部位から離れた−540で見出された(37、41)。次いで、MKK−6によるMMP−9プロモーターの活性化におけるTRE−エレメントの役割を決定した。点突然変異をAP−1部位(−79)を導入することによって(TTTGTCA中にTGAGTCA)(37)、MKK−6による完全長の野生型MMP−9プロモーターの誘導能が完全に抑止された。MMP−9プロモーターの近位144bpの5’フランキング領域内に含まれる、MKK−6依存性トランス活性化に対する、MMP−9プロモーターのこの領域の必要性が、これによって示されている(図5B)。
【0048】
実験6
この実験では、構造的に活性化されたMKK−6変異タンパク質(MKK6(Glu))をコードする構築物(1μg)、最小チミジンキナーゼプロモーターからなるプロモーターによって操作されるCATレセプター、および5つのAP−1モチーフの反復(1μg)(5AP−1)、およびキナーゼ欠損p38タンパク質アイソフォーム変異体(p38α、p38β、p38γ、p38δ)をコードするベクター(2μg)を、NIH3T3細胞に一過的にトランスフェクとした。5AP−1構築物における最小チミジンキナーゼプロモーターの効果を対照するために、AP−1の反復を欠くプラスミドを同様の量で使用した(1μg、pBLCAT)。トランスフェクトしたDNA量の違いを、空ベクター(pcDNA3)で正規化した。CAT−ELISAを用いて、タンパク質量の違いに対して正規化された細胞抽出物をCAT発現についてアッセイした。データは、対照(5AP−1 CATレポーター)に対するCAT発現の誘導の倍加として表される。そのデータは、2通りの異なる実験を表す(図6A)。図6Bにおいて、構成的に活性化されたMKK−6変異タンパク質をコードする構築物(MKK6(Glu))(4μg)、670bp野生型MMP−9プロモーターによって操作されるCATレポーター(3μg)、およびトランス活性化ドメインを欠くc−junタンパク質をコードするベクター(TAM67)(2μg)を、NIH3T3細胞に一過的にトランスフェクトした。トランスフェクトしたDNA量の違いを、空ベクター(それぞれ、pcDNA3、CMV5)で正規化した。CAT−ELISAを用いて、タンパク質量の違いに対して正規化された細胞抽出物を、CAT発現についてアッセイした。データは、対照(MMP−9野生型プロモーターのCAT構築物)に対する、CAT発現の誘導の倍加として表される。その実験は、2通りの異なる実験を表す。
【0049】
MKK6依存性誘導に対する、MMP−9野生型プロモーターの近位領域におけるAP−1部位の存在および完全性の必要性によって、MKK−6がAP−1依存性転写の活性因子であることが示唆された。したがって、最小チミジンキナーゼプロモーターの前方の5回反復されるAP−1コンセンサス部位によって操作されるCATレポーターと共に、構成的に活性なMKK−6構築物を、NIH3T3細胞に同時にトランスフェクトした。MKK−6は、5AP−1のCATレポーター構築物を強く活性化することが見出された。プロモーターからAP−1の反復を除去することによって、またはp38アイソフォームドミナントネガティブ変異体のいずれかの同時トランスフェクションによって、この活性化を抑止した。その結果MKK−6は実際に、p38キナーゼ活性を必要とする経路を介して、AP−1依存性転写を活性化することができる(図6A)。
【0050】
その転写活性化ドメインを欠くc−jun(TAM67)の発現は、MKK−6依存性MMP−9プロモーターの活性化を抑止する。MKK−6依存性MMP−9プロモーターの転写活性化には、近位のTREエレメント(−79)および数種類のp38キナーゼアイソフォームによるAP−1依存性転写を活性化するMKK−6の能力が必要とされることが示された。したがって、MKK−6が、転写因子AP−1の活性化によってMMP−9野生型プロモーターの活性を誘導することは明らかである。これを実証するために、そのトランス活性化ドメインを欠いており、このためドミナントネガティブAP−1変異体として働くc−junタンパク質(42)を、活性化されたMKK−6変異体と共に、NIH3T3細胞に同時にトランスフェクトした。一過的に発現したタンパク質は、fosたんぱく質に結合し、かつMMP−9プロモーターにおいてTREエレメントに結合するためにインタクトなAP−1と競合する、トランス活性化が欠乏したAP−1複合体を産生する。この変異体タンパク質の発現によって、既知の対照(空ベクター)とは対照的に、完全長MMP−9プロモーターCATレポーターの量に対してモル比0.5〜1で、MKK−6依存性MMP−9プロモーター活性化がほぼ完全に阻害され、MKK−6依存性MMP−9プロモーターのトランス活性化に対する、AP−1複合体の推定的な必要性が示されている(図6B)。
【0051】
実験5および6の結果から、MKK−6は、MMP−9プロモーターの誘導に必要とされるAP−1依存性転写活性を誘導することが可能であり、MKK−6により仲介される活性化に、MMP−9プロモーターにおいて近位のAP−1部位が必要であることが示されている。
【0052】
実験すべての結果から、本発明に従って、癌、好ましくは癌転移の浸潤性が、MMP−9シグナル伝達経路の下流制御因子に影響を及ぼす、特にその制御因子を阻害する活性作用物質の投与によって、正に影響を受けるであろうことが明確に実証されている。
【0053】
文献
1. サイモン(Simon), C., M.J. ヒックス(Hicks), A.J. ネメチェック(Nemechek), R. メーサ(Meetha), B.W.オーマレイ( O’Malley), H. ゲッパート(Goepfert), C.M. フライツ(Flaitz), and D.ボイド(Boyd). 1999. PD 098059, an inhibitor of ERK1 activation, attenuates the in vivo invasiveness of head and neck squamous cell carcinoma(「PD 098059、ERK1活性化の阻害剤が、頭および首の扁平上皮癌のin vivo浸潤性を減弱する」).Br J Cancer 80: 1412−1419
2. イケベ(Ikebe), T., M. シノハラ(Shinohara), H.タケウチ( Takeuchi), M. ベップ(Beppu), S. クラハラ(Kurahara), S. ナカムラ(Nakamura), and K. シラスナ(Shirasuna). 1999. Gelatinolytic activity of matrix metalloproteinase in tumor tissues correlates with the invasiveness of oral cancer(「腫瘍組織におけるマトリックス・メタロプロテイナーゼのゼラチン分解が口腔癌の浸潤性と相関する」).Clin Exp Metastasis 17:(4) 315−323
3. デンハート(Denhardt), D.T. 1996. Signal−transducing protein phosphorylation cascades mediated by Ras/Rho proteins in the mammalian cell(「哺乳類細胞におけるRas/Rhoタンパク質によって仲介される、シグナル伝達タンパク質リン酸化カスケード」): the potential for multiplex signaling(「多重シグナル伝達の可能性」). Biochem J 318: 729−747
4. ハンター(Hunter), T. 1997. Oncoprotein networks(「腫瘍性タンパク質ネットワーク」). Cell 88:(3) 333−346
5. レンギエル(Lengyel), E., R.ガム(Gum), E.ステップ(Stepp), J. フアレス(Juarez), H.ワン(Wang), and D. ボイド(Boyd). 1996. Regulation of urokinase−type plasminogen activator expression by an ERK1−dependent signaling pathway in a squamous cell carcinoma cell line(「扁平上皮癌細胞系におけるERK1依存性シグナル伝達経路による、ウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベーター発現の制御」). J Cell Biochem. 61:(3) 430−443
6. オカ(Oka), H., Y.チャタニ(Chatani), R.ホシノ(Hoshino), O. オガワ(Ogawa), Y.カケヒ(Kakehi), T. テラチ(Terachi), Y.オカダ(Okada), M.カワイチ(Kawaichi), M.コウノ(Kohno), and O. ヨシダ(Yoshida).1995. Constitutive activation of mitogen−activated protein (MAP) kinases in human renal cell carcinoma(「ヒト腎細胞癌におけるマイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼの構成的活性化」). Cancer Res 55:(18) 4182−4187
7. キム(Kim), S.C., J.S.ハーン(Hahn), Y.H.ミン(Min), N.C.ヨー(Yoo), Y.W.コー(Ko), and W.J.リー(Lee). 1999. Constitutive activation of extracellular signal−regulated kinase in human acute leukemias(「ヒトの急性白血病における細胞外シグナル制御されたキナーゼの構成的活性化」): combined role of activation of MEK, hyperexpression of extracellular signal−regulated kinase, and downregulation of a phosphatase, PAC1(「MEKの活性化、細胞外シグナル制御されたキナーゼの過剰発現、およびホスファターゼ、PAC1の下流制御の組み合わせられた役割」). Blood 93:(11) 3893−3899
8. ガリントン(Garrington), T.P. and G.L. ジョンソン(Johnson). 1999. Organisation and regulation of mitogen−activated protein kinase signaling pathways(「マイトジェン活性化タンパク質キナーゼシグナル伝達経路」). Curr Opin Cell Biol 11:(2) 211−218
9. リー(Lee), J.C., J.T.レイドン(Laydon), P.C.マクドーネル(McDonnell), T.F.ギャラガー(Gallagher), S.クマー(Kumar), D.グリーン(Green), D.マクナルティー(McNulty), M.J.ブルメンタル(Blumenthal), J.R.ヘイズ(Heys), S.W.ランドバター(Landvatter), J.E.ストリックラー(Strickler), M.M. マクローリン(McLaughlin), I.R. シーメンス(Siemens), S.M.フィッシャー(Fisher), G.P.リヴィ(Livi), J.R.ホワイト(White), J.L.アダムス(Adams), and P.R.ヤング(Young). 1994. A protein kinase involved in the regulation of inflammatory cytokine biosynthesis(「炎症性サイトカイン生合成の制御に関与するタンパク質キナーゼ」). Nature 372: 739−746
10. ジアング(Jiang), Y., C.チェン(Chen), Z. Li, W.グオ(Guo), J.A.ゲグナー(Gegner), S.リン(Lin), and J.ハン(Han). 1996. Characterization of the structure and function of a new mitogen−activated protein kinase (p38β)(「新規なマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(p38β)の構造および機能のキャラクタリゼーション」). J Biol Chem 271:(30) 17920−17926
11. リ(Li), Z., Y.ジアング(Jiang), R.J. ウレヴィッチ(Ulevitch), and J.ハン(Han). 1996. The primary structure of p38γ: A new member of p38 group of MAP kinases(「MAPキナーゼのp38グループの新規なメンバー」). Biochem Biophys Res Commun 228:(2) 334−340
12. ワン(Wang), X.S., K.ジエナー(Diener), C.L.マンゼイ(Manthey), S. ワン(Wang), B. ローゼンズウェイグ(Rosenzweig), J.ブレイ(Bray), J. デラニー(Delaney), C.N.コール(Cole), P.チャン−ヒュイ(Chan−Hui), N.マントロ(Mantlo), H.S. リケンステイン(Lichenstein), M.ズコウスキー(Zukowski), and Z.ヤオ(Yao). 1997. Molecular cloning and characterization of a novel p38 mitogen−activated protein kinase(「新規なp38マイトジェン活性化プロテインキナーゼ」). J Biol Chem 272:(38) 23668−23674
13. レクナー(Lechner), C., M.A.ザハルカ(Zahalka), J.F.ギオット(Giot), N.P.モラー(Moller), and A.ウルリッチ(Ullrich). 1996. ERK6, a mitogen−activated protein kinase involved in C2C12 myoblast differentiation(「C2C12筋芽細胞の分化に関与するERK6、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ」). Proc Natl Acad Sci USA 93:(9) 4355−4359
14. コンラッド(Conrad), P.W., R.T.ラスト(Rust), J.ハン(han), E.E.ミルホーン(Millhorn), and D.ベイトナー−ジョンソン(Beitner−Johnson). 1999. Selective activation of p38a and p38g by hypoxia(「低酸素症によるp38αおよびp38γの選択的活性化」). J Biol Chem 274:(33) 23570−23576
15. マーテンス(Mertens), S., M. クラクストン(Craxton), and M.ゴーデルト(Goedert). 1996. SAP kinase−3, a new member of the family of mammalian stress−activated protein kinases(「哺乳類ストレス活性化プロテインキナーゼのファミリの新規なメンバー、SAP kinase−3」). FEBS Letters 383:(3) 273−276
16. ファング(Fang), F.M., S.W.レウング(Leung), C.C.フアング(Huang), Y.T. リュー(Liu), C.J.ワン(Wang), H.C.チェン(Chen), L.M.サン(Sun), and D.T.フアング(Huang). 1997. Combined−modality therapy for squamous carcinoma of the buccal mucosa: treatment results and prognostic factors(「頬側粘膜の扁平上皮癌に対する併用理学療法:治療結果および予後因子」). Head Neck 19(6) 506−512
17. カグラー(Kugler), A. 1999. Matrix metalloproteinases and their inhibitors(「マトリックスメタロプロテイナーゼおよびそれらの阻害剤」). Anticancer Res 19:(2C) 1589−1592
18. マレイー(Murray), G.I., M.E.ダンカン(Duncan), E.アーバックル(Arbuckle), W.T.メルヴィン(Melvin), and J.E. フォザーギル(Fothergill). 1998. Matrix metalloproteinases and their inhibitors in gastric cancer(「胃癌におけるマトリックスメタロプロテイナーゼおよびそれらの阻害剤」). Gut 43:(6) 791−797
19. デンハート(Denhardt), D.T., B.フェン(Feng), D.R.エドワード(Edwards), E.T. コクジィー(Cocuzzi), and U.M.マルヤンカー(Malyankar). 1993. Tissue inhibitor of metalloproteinases (TIMP, aka EPA):; structure, control of expression and biological functions(「メタロプロテイナーゼの組織阻害剤(TIMP、別名EPA):;構造、発現の制御および生物学的機能」). Pharmacol Ther 59:(3) 329−341
20. サイモン(Simon), C., H.ゴープフェルト(Goepfert), and D.ボイド(Boyd). 1998. Inhibition of the p38 mitogen−activated protein kinase by SB 203580 blocks PMA−induced Mr 92,000 type collagenase secretion and in vitro invasion(「SB 203580ブロックPMA誘導Mr92,000型コラゲナーゼによるp38マイトジェン活性化プロテインキナーゼの阻害剤およびin vitro浸潤」) Cancer Res 58: 1135−1139
21. プライス(Price), J.T., M.T. ボノヴィッチ(Bonovich), and E.C. コーン(Kohn). 1997. The biochemistry of cancer dissemination(「癌転移の生物化学」). Critical Reviews in Biochemistry and Molecular Biology 32:(3) 175−253
22. フカミ(Fukami), Y., A.A.トクマコヴ(Tokmakov), K.コナカ(Konaka), and K.サトウ(Sato). 1999. Peptide inhibitors of the mitogen−activated protein kinase pathway: a structure −mimetic peptide corresponding to the conserved inter−DFG−APE region in the kinase domain(「マイトジェン活性化プロテインキナーゼ経路のペプチド阻害剤:キナーゼドメインにおける保存DFG−APE間領域に対応する構造−擬似ペプチド」). Pharmacol Ther 82:(2−3) 399−407
23. リー(Lee), J.C., S. カシス(Kassis), S.クマー(Kumar), A. バドガー(Badger), and J.L.アダムス(Adams). (1999). p38 mitogen−activated protein kinase inhibitors−mechanisms and therapeutic potentials(「p38マイトジェン活性化プロテインキナーゼ阻害剤−メカニズムおよび治療可能性」). Pharmacol Ther 82:(2−3) 389−397
24. ファブロ(Fabbro), D., E. ブフダンガー(Buchdunger), J.ウッド(Wood), J.メスタン(Mestan), F.ホフマン(Hofman), S.フェラーリ(Ferrari), H.メット(Mett), T.オーレイリー(O’Reilly), and T.メイヤー(Meyer). (1999). Inhibitors of protein kinases: CGP 41251, a protein kinase inhibitor with potential as an anticancer agent(「プロテインキナーゼの阻害剤:CGP 41251、抗癌剤としての可能性を有するプロテインキナーゼ」). Pharmacol Ther 82:(2−3) 293−301
25. サイモン(Simon), C., J.フアレス(Juarez), G.L.ニコルソン(Nicolson), and D.ボイド(Boyd). 1996. 1996. Effect of PD 098059, a specific inhibitor of mitogen−activated protein kinase kinase, on urokinase expression and in vitro invasion(「ウロキナーゼ発現およびin vitro浸潤に対する、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼの特異的阻害剤、PD 098059の効果」). Cancer Res 56: 5369−5374
26. ハン(Han), J., J.D. リー(Lee), Y.ジアング(Jiang), Z. リ(Li), L.フェング(Feng), and R.J.ウレヴィッチ(Ulevitch). 1996. Characterization of the structure and function of a novel MAP kinase kinase (MKK6)(「新規なMAPキナーゼキナーゼ(MKK6)の構造および機能のキャラクタリゼーション」). J Biol Chem 271:[6) 2886−2891
27. クマー(Kumar), S., P.C. マクドーネル(McDonnell), R.J.ガム(Gum), A.T.ハンド(Hand), J.C.リー(Lee), and P.R.ヤング(Young). 1997. Novel homologues of CSBP/p38 MAP kinase: Activation, substrate specificity and sensitivity to inhibition by pyridinyl imidazoles(「CSBP/p38 MAPキナーゼの新規な相同体:ピリジニルイミダゾールによる阻害に対する活性化、基質特異性および感受性」). Biochem Biophys Res Commun 235:(3) 533−538
28. ガム(Gum), R., H. ワン(Wang), E. レンゲル(Lengyel), J. フアレス(Juarez), and D.ボイド(Boyd). 1997. Regulation of 92 kDa type 4 collagenase expression by the jun aminoterminal kinase− and the extracellular signal−regulated kinase−dependent signaling cascades(「junアミノ末端キナーゼおよび細胞外シグナル制御−キナーゼ依存性シグナル伝達カスケードによる92kDaの4型コラゲナーゼの制御」). Oncogene 14: 1481−1493
29. ガム(Gum), R., E.レンゲル(Lengyel), J.フアレス(Juarez), J.H.チェン(Chen), H.サトウ(Sato), M.セイキ(Seiki), and D.ボイド(Boyd). 1996. Stimulation of 92−kDa gelatinase B promoter activity by ras is mitogen−activated   protein kinase kinase−1−independent and requires multiple transcription factor binding sites including closely spaced PEA3/ets and AP−1 sequences(「rasによる92kDaゲラチナーゼBプロモーター活性の刺激は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ‐1非依存性であり、密接な間隔のPEA3/etsおよびAP−1配列を含む、複数の転写因子を必要とする」). J Biol Chem 271:(18) 10672−10680
30. クエンダ(Cuenda), A., P.コーヘン(Cohen), V. ビュー‐シェラー(Buee−Scherrer), and M. ゴーデルト(Goedert). 1996. Activation of stress−activated protein kinase−3 (SAPK3) by cytokines and cellular stresses is mediated via SAPKK3 (MKK6): comparison of the specificities of SAPK3 and SAPK2 (RK/p38)(「サイトカインおよび細胞ストレスによるストレス活性化プロテインキナーゼ‐3(SAPK3)の活性化は、SAPKK3 (MKK6)によって仲介される:SAPK3および SAPK2 (RK/p38)の特異性の比較」). EMBO J 16:(2) 295−30
31. ザング(Zhang), H., X.シー(Shi), M. ハンポン(Hampong), L. ブラニス(Blanis), and S. ペレチ(Pelech). 2001. Stress−induced inhibition of ERK1 and ERK2 by direct interaction with p38 MAP kinase(「p38 MAPキナーゼとの直接的相互作用による、ERK1およびERK2のストレス誘導阻害」). J. Biol. Chem. 276: 6905−6908
32. フーバー(Hoover), H.E., D.J. トゥーラウフ(Thuerauf), J.J: マーチンデイル(Martindale), and C.C. グレムボトスキー(Glembotski). 2001. alpha B−crystallin gene induction and phosphorylation by MKK6−activated p38. A potential role for alpha B−crystallin as a target of the p38 branch of the cardiac stress response(「MKK6‐活性化p38によるαB‐クリスタリン遺伝子誘導およびリン酸化。心臓ストレスのp38ブランチの標的としてのαB‐クリスタリンに対する潜在的役割」). J. Biol. Chem. 275: 23825−23833
33. レインゲウド(Raingeaud), J., A.J.ウィットマーシュ(Whitmarsh), T. バレット(Barrett), B. デリジャード(Derijard), and R.J. デイビス(Davis). 1996. MKK3− and MKK6−regulated gene expression is mediated by the p38 mitogen−activated protein kinase signal transduction pathway(「MKK3− およびMKK6−制御遺伝子発現は、p38マイトジェン活性化プロテインキナーゼシグナル伝達経路によって仲介される」). Mol. Cell. Biol. 16: 1247−1255
34. マツダ(Matsuda), S., T.モリグチ(Moriguchi), S.コヤス(Koyasu), and E.ニシダ(Nishida). 1998. T lymphocyte activation signals for interleukin−2 production involve activation of MKK6−p38 and MKK7−SAPK/JNK signaling pathways sensitive to cyclosporin A(「インターロイキン‐2を産生するTリンパ球活性化シグナルは、TサイクロスポリンAに対して感受性のMKK6−p38およびMKK7−SAPK/JNKシグナル伝達経路の活性化を伴う」). J. Biol. Chem. 273: 12378−12382
35. ワン(Wang), X., C.H. マクゴーワン(McGowan), M. ザオ(Zhao), L.ヘ(He), J.S. ドウネイ(Downey), C. フェアルンス(Fearns), Y. ワン(Wang), S. ファング(Huang), and J. ハン(Han). 2001. Involvement of the MKK6−p38gamma cascade in gamma−radiation−induced cell cycle arrest(「γ放射線‐誘導細胞周期停止におけるMKK6−p38γカスケードの関与」). Mol. Cell. Biol. 20: 4543−4552
36. ファング(Huang), S., L.ニュー(New), Z:パン(Pan), J.ハン(Han), and G.R. ネメロウ(Nemerow). 2001. Urokinase plasminogen activator/urokinase−specific surface receptor expression and matrix invasion by breast cancer cells requires constitutive p38alpha mitogen−activated protein kinase activity(「ウロキナーゼ・プラスミノゲン活性因子/ウロキナーゼ特異的な、乳癌細胞による表面受容体発現およびマトリックスの浸潤は、構成的p38αマイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性を必要とする」). J. Biol. Chem. 275: 12266−12272
37. サトウ(Sato), H., and M.セイキ(Seiki). 1993. Regulatory mechanism of 92 kDa type IV collagenase gene expression which is associated with invasiveness of tumor cells(「腫瘍細胞の浸潤性に関連する92kDaのIV型コラゲナーゼ遺伝子発現の制御メカニズム」). Oncogene 8: 395−405
38. ゼヒナー(Zechner), D., D.J.トゥーラウフ(Thuerauf), D.S. ハンフォルド(Hanford), P.M. マクドナッフ(McDonough), and C.C. グレムボトスキー(Glembotski). 1997. A role for the p38 mitogen−activated protein kinase pathway in myocardial cell growth, sarcometric organization, and cardiac−specific gene expression(「心筋細胞成長、サルコメアの組織化および心臓特異的な遺伝子発現におけるp38マイトジェン活性化プロテインキナーゼ経路の役割」). J. Cell. Biol. 139: 115−127
39. アンゲル(Angel), P., K.ハットリ(Hattori), T.スミール(Smeal), and M.カリン(Karin). 1988. The jun proto−oncogene is positively autoregulated by ist product, Jun/AP−1(「junプロトオンコジーンは、ist産物、Jun/AP−1によって正に自己調節される」). Cell 55: 875−885
40. フロスト(Frost), J., T. ゲッパート(Geppert), M. コッブ(Cobb), and J. フェラミスコ(Feramisco). 1994. A requirement for extracellular signal−regulated kinase (ERK) function in the activation of AP−1 by Ha−Ras, phorbol 12−myristate 13−acetate, and serum(「Ha−Ras、ホルボール12‐ミリステート13‐アセテート、および血清によるAP−1の活性化における細胞外シグナル‐制御キナーゼ(ERK)機能の必要性」). Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 3844−3848
41. サトウ(Sato), H., M. キタ(Kita), and M.セイキ(Seiki). 1993. v−Src activates the expression of 92−kDa type IV collagenase gene through the AP−1 site and the GT box homologous to retinoblastoma control elements(「v−Srcは、AP−1部位および網膜芽細胞腫調節エレメントに相同性のGTボックスを介して、92kDaのIV型コラゲナーゼ遺伝子の発現を活性化する」). A mechanism regulating gene expression independent of that by inflammatory cytokines(「炎症性サイトカインによる、それに非依存的な遺伝子発現を制御するメカニズム」). J. Biol. Chem. 268: 23460−23468
42. グラント(Grant), S., A.J.フリーマン(Freeman), M.J.ビルラー(Birrer), H.A. マーチン(Martin), A.J.ターナー(Turner), E. スザボ(Szabo), J. チェリアー(Chelliah), and W.D. ジャービス(Jarvis). 1996. Effect of 1−beta−D−arabinofuranosylctosine on apoptosis and differentiation in human monocytic leukaemia cells (U937) expressing a c−Jun dominant−negative mutant protein (TAM67)(「c−Junドミナントネガティブな変異体タンパク質(TAM67)を発現するヒト単球性白血病細胞(U937)におけるアポトーシスおよび分化に対する1−β−D−アラビノフラノシルシトシンの効果」). Cell Growth Differ. 7: 603−613

【図面の簡単な説明】
【図1】MMP−9発現に対するSB203580の影響(図1A)。
【図2】UM−SCC−1細胞のin−vitro浸潤(図1B)および成長(図1C)。
【図3】異なる細胞系におけるin−vitro浸潤に対するMMP−9分泌の必要量(図2A)、および抗MMP−9抗体と共にインキュベートした後のin−vitro浸潤のパーセンテージ(図2C)。
【図4】異なる細胞系におけるMMP−9の発現(図2B)
【図5】ドミナントネガティブなp38アイソフォームタンパク質で処理した後のMMP−9プロモーター活性の影響(図3A)。
【図6】2種類の異なる細胞系におけるp38αおよびp38γの発現(図3B〜E)。
【図7】2種類の異なる細胞系におけるMMP−9の発現(図4A)。
【図8】キナーゼ欠損MKK6(図4B)および構成的に活性なMKK6およびMKK3(図4C)変異体で処理した後のMMP−9プロモーター活性の影響。
【図9】MKK−6によるMMP−9プロモーター活性の誘導(図5A)、およびMKK−6依存性プロモーター活性化に対する、AP−1モチーフにおける点突然変異の影響(図5B)。
【図10】CATレポーターに対する、構成的に活性化されたMKK−6の影響(図6A)、および異なるベクターで処理した後のMKK−6依存性MMP−9プロモーターの活性化(図6B)。

Claims (17)

  1. 癌治療のための薬剤または医薬組成物を製造するための、真核細胞におけるマトリックス・メタロプロテアーゼの発現に影響を及ぼす、特にその発現を阻害する、活性作用物質の使用。
  2. 真核細胞が、マトリックス・メタロプロテアーゼの発現に影響を及ぼす、特にその発現を阻害する活性作用物質によって処理されることを特徴とする、癌の治療方法。
  3. 前記マトリックス・メタロプロテアーゼが、マトリックス・メタロプロテアーゼ−9(MMP−9)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の使用または方法。
  4. 前記活性作用物質が、マトリックス・メタロプロテアーゼシグナル伝達経路の少なくとも1種類のメンバーに対して標的化されることを特徴とする、請求項1から3の一項に記載の使用または方法。
  5. 前記メンバーが、p38タンパク質ファミリーのメンバーであることを特徴とする、請求項4に記載の使用または方法。
  6. 前記p38タンパク質が、p38βタンパク質であることを特徴とする、請求項5に記載の使用または方法。
  7. 前記p38タンパク質が、p38γ(SAPK3またはERK6)タンパク質であることを特徴とする、請求項5に記載の使用または方法。
  8. 前記メンバーが、マイトジェン活性化キナーゼキナーゼファミリーのメンバーであることを特徴とする、請求項4に記載の使用または方法。
  9. 前記マイトジェン活性化キナーゼキナーゼが、マイトジェン活性化キナーゼキナーゼ6(MKK6)またはマイトジェン活性化キナーゼキナーゼ3(MKK3)であることを特徴とする、請求項8に記載の使用または方法。
  10. 前記活性作用物質が、マトリックス・メタロプロテアーゼシグナル伝達経路の活性化因子、制御因子および/または生物学的な前駆物質に対して標的化されることを特徴とする、請求項1から9の一項に記載の使用または方法。
  11. 前記活性作用物質が、小分子化合物、好ましくは分子量(MW)<1000を有する小分子化合物であることを特徴とする、請求項1から10の一項に記載の使用または方法。
  12. 前記小分子化合物が、イミダゾール誘導体であって、前記イミダゾール誘導体が、好ましくはSB 203580またはSB 202190である、請求項11に記載の使用または方法。
  13. 前記活性作用物質が、マトリックス・メタロプロテアーゼの発現に影響を及ぼす、好ましくはその発現を阻害するペプチド、好ましくは、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドであることを特徴とする、請求項1から12の一項に記載の使用または方法。
  14. 前記癌が、浸潤性表現型の癌であることを特徴とする、請求項1から13の一項に記載の使用または方法。
  15. 前記癌が;
    a)扁平上皮癌、好ましくは、頭、首、皮膚若しくは胃の扁平上皮癌、または
    b)大腸癌、乳癌若しくは肝細胞癌、または
    c)胃の線維肉腫であることを特徴とする、請求項1から14の一項に記載の使用または方法。
  16. 少なくとも1種類の適合量の活性作用物質を含有する医薬組成物であって、前記活性作用物質が、真核細胞におけるマトリックス・メタロプロテアーゼの発現に影響を及ぼし、好ましくはその発現を阻害し、かつ任意に薬学的に許容される担体をさらに含む医薬組成物。
  17. 請求項4から13の一項に定義される活性作用物質によってさらに特徴づけられる、請求項16に記載の医薬組成物。
JP2002511725A 2000-07-17 2001-07-17 癌の治療のための、マトリックス・メタロプロテアーゼ阻害剤の使用 Pending JP2004503583A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP00114909A EP1174129A1 (en) 2000-07-17 2000-07-17 Use of a matrix-metalloprotease inhibitor for the treatment of cancer
PCT/EP2001/008234 WO2002005792A2 (en) 2000-07-17 2001-07-17 Use of matrix metalloprotease inhibitors for the treatment of cancer

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004503583A true JP2004503583A (ja) 2004-02-05

Family

ID=8169222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002511725A Pending JP2004503583A (ja) 2000-07-17 2001-07-17 癌の治療のための、マトリックス・メタロプロテアーゼ阻害剤の使用

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20040067883A1 (ja)
EP (2) EP1174129A1 (ja)
JP (1) JP2004503583A (ja)
CN (1) CN1458841A (ja)
AU (1) AU2001287632A1 (ja)
CA (1) CA2418146A1 (ja)
RU (1) RU2003104511A (ja)
WO (1) WO2002005792A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012519670A (ja) * 2009-03-06 2012-08-30 ユニベルシテ パリ デカルト 癌を治療するための方法

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0224013D0 (en) * 2002-10-15 2002-11-27 Oxford Glycosciences Uk Ltd A protein involved in therapy
EP1627043A4 (en) * 2002-10-23 2006-10-11 Exelixis Inc MAPK7 AS A BRANCHING METHOD AND MODIFYING METHOD
WO2006085828A1 (en) * 2005-02-11 2006-08-17 Agency For Science, Technology And Research Methods for the detection of hepatocellular carcinoma
WO2014100779A1 (en) 2012-12-21 2014-06-26 Advanced Cell Technology, Inc. Methods ofr production of platelets from pluripotent stem cells and compositions thereof
US20170038382A1 (en) * 2014-01-24 2017-02-09 Ntercept, Llc Methods and compositions for immune dis-inhibition
AU2015327928A1 (en) 2014-10-03 2017-05-04 Nanotics, Llc Compositions and methods for inhibiting the biological activity of soluble biomolecules
EA201890391A1 (ru) 2015-07-29 2018-08-31 НАНОТИКС, ЭлЭлСи Модульные композиции для утилизации растворимых биомолекул и связанные с этим способы
EP3565604A4 (en) 2017-01-04 2020-09-09 Nanotics, LLC ELIMINATING PARTICLE ASSEMBLY PROCESSES
EP3502279A1 (en) * 2017-12-20 2019-06-26 Koninklijke Philips N.V. Assessment of mapk-ap 1 cellular signaling pathway activity using mathematical modelling of target gene expression
CN109528720B (zh) * 2019-01-08 2021-03-30 浙江大学 Sb203580在制备抗肿瘤药物中的应用及抗肿瘤药物

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2877509B2 (ja) * 1989-05-19 1999-03-31 アムジエン・インコーポレーテツド メタロプロテイナーゼ阻害剤
US5892112A (en) * 1990-11-21 1999-04-06 Glycomed Incorporated Process for preparing synthetic matrix metalloprotease inhibitors
CA2267656A1 (en) * 1996-10-09 1998-04-16 Medical Research Council Map kinases: polypeptides, polynucleotides and uses thereof
EP1023313A1 (en) * 1997-05-28 2000-08-02 Daniel A. Mercola Inhibition of stress activated protein kinase (sapk) pathway and sensitization of cells to cancer therapies
ID24957A (id) * 1998-02-04 2000-08-31 Novartis Ag Turunan sulfonilamino yang menginhibisi metaloproteinase penurun matriks
FI980604A0 (fi) * 1998-03-18 1998-03-18 Univ Helsinki Licensing Nya matrismetalloproteinasinhibitorer och -regulatorer
US6277061B1 (en) * 1998-03-31 2001-08-21 The Research Foundation Of State University Of New York Method of inhibiting membrane-type matrix metalloproteinase
GB9809869D0 (en) * 1998-05-09 1998-07-08 Medical Res Council Inhibition of protein kinases
JP4748338B2 (ja) * 1998-09-11 2011-08-17 味の素株式会社 ベンゼン誘導体及びその医薬用途
GB9902696D0 (en) * 1999-02-09 1999-03-31 Medical Res Council Screening methods
EP1229925A2 (en) * 1999-11-19 2002-08-14 Axxima Pharmaceuticals Aktiengesellschaft Inhibitors of helicobacter pylori induced gastrointestinal diseases

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012519670A (ja) * 2009-03-06 2012-08-30 ユニベルシテ パリ デカルト 癌を治療するための方法

Also Published As

Publication number Publication date
RU2003104511A (ru) 2004-08-20
WO2002005792A2 (en) 2002-01-24
AU2001287632A1 (en) 2002-01-30
US20040067883A1 (en) 2004-04-08
WO2002005792A9 (en) 2002-09-19
EP1301182A2 (en) 2003-04-16
WO2002005792A3 (en) 2002-05-30
CA2418146A1 (en) 2002-01-24
EP1174129A1 (en) 2002-01-23
CN1458841A (zh) 2003-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Simon et al. The p38 SAPK pathway regulates the expression of the MMP-9 collagenase via AP-1-dependent promoter activation
Debnath et al. Autophagy and autophagy-related pathways in cancer
Silva et al. The antiapoptotic effect of heme oxygenase-1 in endothelial cells involves the degradation of p38α MAPK isoform
Endo et al. Insight into the role of Wnt5a-induced signaling in normal and cancer cells
Krygowska et al. PI3K: a crucial piece in the RAS signaling puzzle
Lennartsson et al. Stem cell factor receptor/c-Kit: from basic science to clinical implications
Matsumoto et al. p38 MAP kinase negatively regulates endothelial cell survival, proliferation, and differentiation in FGF-2–stimulated angiogenesis
Funasaka et al. Regulation of phosphoglucose isomerase/autocrine motility factor expression by hypoxia
Mangala et al. Tissue transglutaminase (TG2) in cancer biology
US20010036955A1 (en) Method of inhibiting angiogenesis
JP2014532647A (ja) 消化管間質腫瘍を治療する方法
JP2023052878A (ja) チロシンキナーゼ阻害剤を用いる組成物および方法
JP2004503583A (ja) 癌の治療のための、マトリックス・メタロプロテアーゼ阻害剤の使用
Meng et al. High level of AKT activity is associated with resistance to MEK inhibitor AZD6244 (ARRY-142886)
Chopra et al. Lysyl oxidase like‐2 (LOXL2): an emerging oncology target
JP5701183B2 (ja) Tgfbi遺伝子変異角膜異常症の予防又は治療用薬剤学的組成物及びそのスクリーニング方法
Lakka et al. Regulation of MMP-9 (type IV collagenase) production and invasiveness in gliomas by the extracellular signal-regulated kinase and jun amino-terminal kinase signaling cascades
Jenkins et al. The BRAFV600E inhibitor, PLX4032, increases type I collagen synthesis in melanoma cells
EP3658157B1 (en) Treatment of heart disease by inhibition of the action of muscle a-kinase anchoring protein (makap)
Facchiano et al. Transglutaminase activity is involved in polyamine-induced programmed cell death
Edgar et al. BH4-mediated enhancement of endothelial nitric oxide synthase activity reduces hyperoxia-induced endothelial damage and preserves vascular integrity in the neonate
US20160228451A1 (en) ROCK in Combination with MAPK Pathway
CZ200240A3 (cs) Léčivo s obsahem agonisty nebo antagonisty tkáňového faktoru pro regulaci buněčné migrace
TW200946113A (en) PAI-1 expression and activity inhibitors for the treatment of ocular disorders
US8389476B2 (en) Parstatin peptides and uses thereof