JP2004503299A - ビオチン誘導体 - Google Patents

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Abstract

体外装置のコンディショニングのための方法、哺乳類体液から毒性物質を抽出しうる能力を有した試薬が用いられる、哺乳類症状または疾患の診断または治療に関連した、哺乳類体液から毒性物質の体外抽出のための方法、およびその試薬を含んでなる体外装置が記載されている。
【化1】

Description

【0001】
【発明の分野】
本発明は、体外装置のコンディショニングのための方法、哺乳類体液から毒性物質を抽出しうる能力を有した試薬が用いられる、哺乳類症状または疾患の診断または治療に関連した、哺乳類体液から毒性物質の体外抽出のための方法、およびその試薬を含んでなる体外装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
毒性物質は、疾患状態、細菌またはウイルス感染、またはある疾患の治療(例えば、癌療法)のための物質の投与から、偶発的にヒトの血中へ入ることがある。これら毒性物質の多くは腎臓、肝臓、肺臓および骨髄のような体組織へひどいダメージを与えて、致死的なことすらある。できるだけ早く血液からこのような物質を除去することが望ましい。体は望ましくない毒性物質を除去する自然防御メカニズムを有しているが、それらの方法は多くの例で無効となりうる。そのため、ある毒性物質は体外装置で血液から最もうまく除去される。このような装置の例は、毒性物質が腎機能の喪失のせいで血中に蓄積している場合の、腎臓透析機である。体外装置を用いうる他の医療例としては、(1)放射性物質の除去、(2)毒性レベルの金属の除去、(3)細菌またはウイルスから生成される毒素の除去、(4)毒性レベルの薬物の除去、および(5)全細胞(例えば、癌細胞、特定の造血細胞‐例えばB、TまたはNK細胞)の除去または細菌およびウイルスの除去がある。
【0003】
体外装置が毒素除去で機能するためには、血液から除去されるべき毒性物質と高い結合親和性を有する化学的存在物をそこに結合させていなければならない。体外装置でカラムマトリックスへ直接その化学的存在物を結合させるのではなく、むしろ優先的に別な結合分子対を介して結合させる。この結合様式は、毒素結合部分を血中でより多く利用させて、装置を様々な毒性物質へより一般的に適用させるために用いられる。高い表面積を供しながら、そこを通る血液の流れを制限しないカラムマトリックス物質が用いられる(Nilson R.et al.,EPC567514)。カラムマトリックスは、別な分子(例えば、ビオチン)へ高い親和性を有するタンパク質(アビジンまたはストレプトアビジン)をそこへ結合させている。カラムマトリックスへの付着が容易に行えるような、2分子のビオチンをもつ毒性物質へ高い親和性を有する部分の接合により、そのカラムは特定の医療向けにコンディショニングされる。この方式でカラムマトリックスへ高度の安定性をもたらすように、このコンディショニング試薬は1つではなく2つのビオチン分子を含んでいる。
【0004】
腫瘍特異性免疫複合体は腫瘍細胞と選択的に結合するが、血液循環中で初期高濃度の細胞毒性免疫複合体が患者の標的組織へ十分高濃度で達するために必要である。癌の至適療法には必要であるが、血液および他の非腫瘍組織中で高濃度の細胞毒性物質は、ほとんどの場合において、骨髄のような感受性の高い生命維持に必要な組織で組織損傷および/または病変の形成をもたらす。骨髄の救済はこれらの潜在的な致死的作用を妨げるために時々用いられるが、このような移植は極めて高価であり、患者に高リスクを負わせる。骨髄移植が有効な場合であっても、肝臓、腎臓、脾臓、肺臓などのような他の感受性臓器は回復不能なダメージをうけることがある。血中で毒性物質から組織および骨髄のダメージを防ぐために最も有効な方法は、血中でその毒性物質の量を劇的に減らすことである。もちろん、これは治療される組織(例えば、腫瘍)で毒性物質の治療レベルを保つように行われねばならない。
【0005】
放射線標識抗体が数十年間にわたり癌療法について研究されてきた。放射線標識抗体の投与は血中へ毒性物質を入れることになる。診断または治療を行うために十分量の免疫複合体を腫瘍が蓄積した後で、血液循環から放射線標識抗体を速やかに浄化するために、様々な方法が提案された。用いられた方法のうち一部では、免疫複合体の形成を介して、体自体の浄化メカニズムを高めている。放射線標識抗体の高い血液クリアランスは、それと結合する分子、例えば他のモノクローナル抗体(Klibanov et al.,J.Nucl.Med.,29,1951−1956,1988;Marshall et al.,Br.J.Cancer,69,502−507,1994;Sharkey et al.,Bioconjugate Chem.,8,595604,1997)、アビジン/ストレプトアビジン(Sinitsyn et al.,J.Nucl.Med.,30,66−69,1989;Marshall et al.,Br.J.Cancer,71,18−24,1995)または肝細胞でレセプターにより除去されるグリコシル含有化合物(Ashwell and Morell,Adv.Enzymol.,41,99−128,1974)を用いることで得られる。更に他の方法では体外法で循環免疫複合体を除去している(Schriber,G.J.& Kerr,D.E.,Current Medical Chemistry,1995,Vol.2,pp.616−629の総説論文参照)。
【0006】
毒性物質が体から速やかに除去されることから、血液循環から薬剤を浄化するために用いられる体外技術は特に魅力的である。免疫療法に関連したこれら方法の適用は既に記載されている(Henry CA,1991,Vol.18,pp.565;Hofheinze D.et al.,Proc.Am.Assoc.Cancer.Res.,1987,Vol.28,pp.391;Lear J.K.et al.,Radiology,1991,Vol.179,pp.509−512;Johnson T.K.et al.,Antibody Immunoconj.Radiopharm.,1991,Vol.4,pp.509;Dienhart D.G.et al.,Antibody Immunoconj.Radiopharm.,1991,Vol.7,pp.225;DeNardo G.L.et al.,J.Nucl.Med.,1993,Vol.34,pp.1020−1027;DeNardo S.J.et al.,J.Nucl.Med.,1992,Vol.33,pp.862−863;DeNardo G.L.,J.Nucl.Med.,1992,Vol.33,pp.863−864;US特許No5,474,772;オーストラリア特許638061,EPO;およびMaddockのEPO 90 914303.4)。
【0007】
血液クリアランスをより効率的にして、上記方法が言及している血漿よりもむしろ全血の処理を行うために、薬剤(例えば、腫瘍局在化向けの殺細胞剤または放射性核種保有の腫瘍特異性モノクローナル抗体)がビオチニル化されて、カラムマトリックスでアビジンベース吸着剤により浄化されてきた。いくつかの文献では、この技術がビオチニル化および放射性核種標識の腫瘍特異性抗体のクリアランスにとり効率的かつ実際的であることを示すデータを出している(Norrgren K.et al.,Antibody Immunoconj.Radiopharm.,1991,Vol.4,pp.54;Norrgren K.et al.,J.Nucl.Med.,1993,Vol.34,pp.448−454;Garkavij M.et al.,Acta Oncologica,1996,Vol.53,pp.309−312;Garkavij M.et al.,J.Nucl.Med.,1997,Vol.38,pp.895−901)。これらの技術もUS特許出願08/090,047;EPC567514および08/434,889で記載されている。
【0008】
健常組織へ毒性免疫複合体の望ましくない暴露をもたらす長期循環時間とは別に、不十分な腫瘍組織浸透と非特異的な臓器滞留および代謝が低い治療指数比につながっている。これらの問題のせいで、マルチステップ抗体ベース放射性核種デリバリーアプローチが詳しく研究されてきた。その基本概念は、最初に、病変部へ特異的に結合することとは別に、後で注入された放射性診断剤または治療剤への結合という特徴も有する、病変部特異性ターゲティング部分の注入である。これら2つの事象を分けることにより、遅い組織浸透性の非放射性/非細胞毒性抗体が腫瘍塊に蓄積する上で十分な時間をもたらし、その一方で放射性核種/細胞毒素を有する剤がそれより速い組織浸透性のために選択されうる。しかしながら、前提条件は、前者(および好ましくは後者も)が血液循環から速やかに浄化されることである。
【0009】
これらマルチステップアプローチのほとんどは、アビジン/ストレプトアビジンおよびビオチンの結合対を利用している。アビジンは鳥類および両生類の卵白および組織でみられる67kDa糖タンパク質である。それは4つの非共有結合サブユニットからなる。各サブユニットは1つのビオチン分子を結合させうる。アビジンはその36リジンアミノ酸残基のせいで高い等電点(pI>10)を有しており、そのため細胞膜へ非特異的に結合する。Streptomyces avidiniiで産生されるストレプトアビジン(SAv)はアビジンの類縁体である。それはビオチンへ高い親和性を有しているが、正味電荷(pI6.5)はもちろんアミノ酸分も異なり、グリコシル化されていない。糖基の欠如のせいで、SAvは60kDaのやや低い分子量を有しており、インビボ薬物動態および生体内分布はアビジンと著しく異なる。静脈注射の放射線標識アビジンは血液から速やかに浄化されて、肝臓に多く蓄積されるが、放射線標識SAvはかなり長い循環時間を示して、低い臓器蓄積性を有する(Pimm MW et al.,Nucl.Med.Comm.,1988,Vol.9,931−941;Schechter B et al.,Eur.J.Biochem.,1990,Vol.189,327−331;Rosebrough SF,Nucl.Med.Biol.,1993,Vol.20,663−668)。
【0010】
結合対の他方側、ビオチンはビタミンでB複合体の1つであり、アミノ酸および奇数鎖脂肪酸合成に必須である。ビオチンは特に細胞内でみられ、通常酵素へ結合しており、カルボキシル化反応に際して補因子として作用する。ビオチンは、食品中におよび代謝タンパク質回転に際して、リジン‐ビオチン付加物(ビオシチン)として多くの場合に存在する。リジンとビオチンとの結合は血漿酵素のビオチニダーゼで開裂される。
【0011】
肺臓の癌種を有する患者で画像化を改善するために、Kalofonosらは2ステップSAv‐MAb/111In DTPA‐ビオチンアプローチを用いた(Kalofonos HP et al.,J.Nucl.Med.,1990,Vol.31,1791−1796)。Van OsdolらおよびSungらは、2ステップ画像化の数学モデルと、SAv‐MAbおよび放射線標識ビオチンキレートを用いた治療プロトコールとを開発した。ターゲティングSAv‐MAb部分および放射線標識ビオチン造影剤双方のインビボパラメーターを考慮して、彼らは次のように予想した:
1)高分子量のSAv‐MAbは、腫瘍に局在するMAbの量および腫瘍における結合等質性を減少させる。
2)放射線標識ビオチンは腫瘍中へ速やかに拡散するが、末梢腫瘍結合SAv‐MAbへの高親和性のせいで、低用量すぎると小塊中へ深く浸透しない。
3)直接標識されたMAbと比較して、2ステップSAv‐MAb/放射線標識ビオチンプロトコールは、放射線注入後早くに画像化を行え、高い腫瘍/血液比を生じる。
4)その腫瘍/血液比は、24時間目で、直接標識MAbの使用の場合より2倍以上高い。
【0012】
彼らのシミュレーションでは、高率の放射能が循環SAv‐MAbへ結合して、放射線標識ビオチンが注入される前における浄化剤の添加は腫瘍/血液比を高めるであろう。
【0013】
ビオチニル化MAbおよび放射線標識SAvを用いる2ステップアプローチも、動物モデルおよび患者で利用されてきた(Paganelli G.et al.,Eur.J.Nucl.Med.,1992,Vol.19,322−329;Khawli LA et al.,Abs.Immunoconj.Radiopharm.,1993,Vol.6,13−27;Kassis AI.et al.,J.Nucl.Med.,1996,Vol.35,1358−1365)。この方法では、ターゲティングおよび造影剤は双方とも高分子量であって、血液からゆっくり浄化される。全操作を終えるには何日もかかり、代謝で放射能が臓器に蓄積して、体からゆっくり除去される。それにもかかわらず、これらの研究では、ビオチン/SAv結合がインビボで行われ、ポジティブな画像を生じ、直接標識MAbと比較して腫瘍活性を高めることを示した。
【0014】
ビオチニル化MAb、アビジン、次いで111In‐DTPA‐ビオチンからなる3ステップ操作も試みられた(Paganelli G.et al.,Canc.Res.,1991,Vol.51,5960−5966;Dosio F.et al.,J.Nucl.Biol.Med.,1993,Vol.37,228−232)。この操作では、腫瘍蓄積および血液クリアランスのために、注射の間隔として1〜3日を要した。全体として、これらすべての研究はインビボでSAv/ビオチン系を利用しうる免疫アプローチの実現可能性を示した。しかしながら、高分子量ターゲティング剤の循環レベルは、それらの長期循環および非特異的臓器蓄積のせいで、問題が多かった。
【0015】
別なプレターゲティングアプローチでは3成分で別々な3回の注入を用いる:(1)SAv‐MAb、(2)浄化剤、および(3)ラジオメタルキレーション部分DOTAを含有した放射線標識ビオチン誘導体が詳しく研究された(Axworthy DB et al.,J.Immunother.,1994,Vol.16,158)。腫瘍特異性MAbおよびSAvの共有結合複合体が注入されて、腫瘍部位に蓄積される。十分な腫瘍取込み(24〜48hr)の後で、肝臓で複合体から血液を浄化するためにビオチン浄化剤が投与される。最後に、放射線標識ビオチン‐DOTA誘導体が注入される。この関係で用いられる浄化剤は、典型的には、ガラクトース残基が接合されたビオチニル化タンパク質である。ガラクトースレセプターは肝細胞に存在し、暴露した末端ガラクトース残基を有する高分子と高い親和性および特異性を示す。肝臓取込みは、SAvと結合したガラクトース残基の量と相関している(Rosebrough SF,J.Nucl.Med.,1996,Vol.37,344−350)。
【0016】
これらすべての概念において、ターゲティング分子の初期濃度と、一方で腫瘍中へ深く浸透するその能力、他方で放射性/細胞毒性剤の投与前における血液からの迅速で完全なクリアランスとの間には、不調和のあることがわかった。原則として、同条件は放射性/細胞毒性剤にも当てはまる。十分に高い初期血液濃度が、ターゲティング分子へ到達してそれを満たすために必須である。同時に、この毒性剤は、血液循環、および骨髄のような暴露感受性組織に存在してはならない。毒性剤が体からかなり速く浄化されるとしても、腎臓および尿路のような臓器は、腫瘍組織が受容する場合と等しいかまたはそれより高い蓄積毒性用量を通常受容してしまう。
【0017】
特にそのアプローチが固形腫瘍の治療に適するならば、これらおよび他の治療プロトコール条件を最適化する必要性が明らかにある。できるだけ多くのパラメーターが疾患のタイプおよび局在性に無関係で、個別患者の薬物動態パラメーターおよび代謝速度にできるだけ無関係である限りにおいて、このような概念はかなりの程度で一般的であることが重要である。
【0018】
【発明の要旨】
本発明の目的は、体液中の毒性または望ましくない化合物に関する前記問題を解決することである。この目的は、体外装置のコンディショニングのための本発明による方法、並びに、体液から毒性物質を抽出しうる能力を有した下記一般式の試薬が用いられる、哺乳類症状または疾患の診断または治療に関連した、哺乳類体液から毒性物質の体外抽出のための方法で達成される:
【化3】
Figure 2004503299
(上記式中ビオチン部分は天然ビオチンまたはその誘導体である;
上記式中a、bおよびcは同一または異なるリンカーであり、dは三官能性架橋部分である)上記の試薬は記載中または前記方法の好ましい態様でコンディショニング試薬と別に称され、試薬の毒素結合部分は、哺乳類症状または疾患の診断または治療に関連した、哺乳類体液から毒性物質の体外抽出のための、ビオチンまたはその誘導体である。他の目的および利点は、本発明の詳細な説明および添付されたサブクレームから明らかになるであろう。
【0019】
本発明の一面において、反応性ジビオチン化合物は、血中で自然にみられる、または血中へ人工的に導入された成分と選択的に結合するリガンドとカップリングされ、得られた複合体は医療向けにアビジンまたはストレプトアビジン含有カラムマトリックスをコンディショニングするために用いられる。本発明の別な面では、ジビオチン複合体でコンディショニングされたカラムを含有する体外装置が、ジビオチン複合体と結合する物質を患者血液から浄化するために、患者の全血をカラムへ導入して患者へ戻す装置へ接続される。このように、本発明の目的は、2つのビオチン部分を含む水溶性分子の使用による、ビオチン結合装置から毒性物質結合装置への1ステップ変換の手段を提供することにより、毒性剤の体外クリアランスの使用を促すことでもある。
試薬がトリビオチニル化される他の面も、下記例で記載されている。
【0020】
【好ましい態様の開示】
本発明は、体に有毒な様々な物質と結合しうるマトリックスへビオチン結合マトリックスを変換するためのコンディショニング方法にも関する。特殊なアビジンまたはSAvコートカラムは、ビオチンを付着させた毒性化合物(例えば、放射線標識抗体)向けの結合表面をもたらすことから、これらが本発明で用いられている(Nilsson R.et al.,EPC 567 514)。これらのカラムは、全血をそれらへ通して、妥当な時間で良いクリアランスを得る上で、適正な特徴を有している。本発明では、2ステッププロセスで他のタイプの分子と結合するようなそれらの変換により、アビジン/SAvカラムの使用をかなり拡大している。第一のステップでは、ビオチン結合(ストレプト)アビジンコートカラムから毒性物質と結合するカラムへのカラム変換が、図1で示されているように、過剰のジビオチン誘導体でそれをコンディショニングすることにより行われる。第二のステップでは、コンディショニング化カラムが血液から毒性物質を除くために体外装置で用いられる。コンディショニング化カラムへの毒性物質の結合は図2で示されている。その2ステップは、コンディショニング化カラムを保管することで、所要時まで分けてもよい。
【0021】
本発明の好ましい態様では、ヒト疾患の治療に用いられた毒性薬剤が、その標的対非標的濃度比を改善するために、血液から除去される。標的対非標的比の改善は良い治療指数をもたらす。薬剤の特定組織または臓器局在性は、その有効な適用上非常に重要なファクターである。望まれる効果が癌の治療のようにあるタイプの細胞を殺すことにある薬剤での治療上、特定組織局在性の欠如は特に重要である。特異性を高めるために、腫瘍特異性モノクローナル抗体が、様々な細胞毒性剤、例えば、限定されないが、プロドラッグプロトコールで用いられる放射性核種、細胞毒素および酵素のキャリア(免疫複合体)として用いられる(Meyer et al.,Bioconjugate Chem.,6,440−446,1995;Houba et al.,Bioconjugate Chem.,7,606−611,1996;Blakey et al.,Cancer Res.,56,3287−3292,1996)。
【0022】
ここで用いられている“試薬”(および“コンディショニング試薬”)という用語は、単一のビオチン結合分子との特異的相互作用向けの2つの機能と、毒性物質の結合向けの別な機能とを含んだ化合物を意味する。それは、体液から特定の毒性物質を抽出するために用いられるマトリックスへビオチン結合マトリックスを変換するために用いられるか、またはビオチン結合分子と結合するマトリックスへビオチン結合マトリックスを変換するために用いられる。
【0023】
ここで用いられている“エフェクター分子”という用語は、ターゲティング分子またはターゲティング分子と相互作用する分子(ターゲティング分子複合体)へリンクされて、ターゲティング分子/ターゲティング分子複合体の効果を高めるか、または望ましい薬理または診断効果に単独で寄与する、あらゆる部分を意味する。
【0024】
ここで用いられている“毒性物質”という用語は、試薬の使用により哺乳類体液から抽出されうる、場合によりエフェクター分子、化合物群、細胞などと接合した、あらゆる化合物を意味する。
【0025】
ここで用いられている“毒素結合部分”という用語は、毒性物質と特異的に相互作用することで哺乳類体液から毒性物質を抽出しうる、あらゆる部分を意味する。本発明の一部好ましい態様において、毒素結合部分はビオチンまたはその誘導体である。
【0026】
ここで用いられている“ビオチニル化分子”という用語は、免疫グロブリンよりも容易に哺乳類組織へ浸透する分子、例えばラジオメタルキレーション部分を含有した放射線標識ビオチン誘導体を意味する。
【0027】
ここで用いられている“ターゲティング生体分子”という用語は、哺乳類細胞上のある構造と選択的に結合する生体分子を意味する。
【0028】
親和性吸着剤として、マトリックス(M)は様々な形状および化学組成をとりうる。それは例えば粒状ポリマーで満たされたカラムハウスを構成してもよく、そのポリマーは天然源または人工製である。その粒子は多孔質でも、またはそれらの表面はグラクト化されてもよく、後者は表面積を拡大するためである。粒子は球状でもまたは顆粒状でもよく、多糖、セラミック物質、ガラス、シリカ、プラスチックまたはこれらの組合せもしくは同様の物質をベースにしている。これらの組合せは、例えば、天然源または人工製の適切なポリマーでコートされた固形粒子である。人工膜も用いてよい。これらは、十分に不活性、生体適合性かつ無毒性であり、レセプターが直接または膜表面の化学修飾後に固定されうる、セルロース、ポリアミド、ポリスルホン、ポリプロピレンまたは他のタイプの物質から作製された平たんなシート膜でもよい。このタイプの膜に適したセルロース、ポリプロピレンまたは他の物質から作製された中空繊維のようなキャピラリー膜も用いてよい。好ましい態様は、アガロースをベースにして、体外使用に適した粒状物質である。
【0029】
ビオチン結合分子は様々な方法によりマトリックスへ固定させうる。選択されるカップリング方法は、ビオチン結合分子の種類および担体マトリックスの種類に依存する。タンパク質の場合には、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシルまたはチオール基のような官能基が利用しうる。アビジンのような糖タンパク質は、それらのグリコシル残基を介してマトリックスへカップリングさせてよい。固形担体は、タンパク質の側鎖または主鎖構造との特異的または非特異的反応で固形担体との結合を形成させることによりタンパク質を結合させうるように、活性化させてもよい。固形担体とビオチン結合分子との結合は非共有性でもよく、その際には静電気、水素結合または疎水力が利用される。イムノアッセイで使用の場合には、非共有結合が最も適切であろう。マトリックスとビオチン結合分子とのスペーサーも用いてよい。
【0030】
コンディショニング試薬は、毒性物質結合部分のみならず2つのビオチン部分も有した分子から構成されている。この構成のときは双方のビオチン部分をカラムで同一の(ストレプト)アビジン分子と結合させることができ、こうしてサブユニットを架橋して、通過する血液移動の諸状態に対してカラムを安定化させる上で役立つことから、2つのビオチン部分は本発明で重要である。ビオチンダイマーは隣接分子のビオチン結合ポケット(分子間結合)よりもむしろ隣接ビオチン結合ポケット(分子内結合)とかなり速く結合するため、ビオチン分子と隣接(ストレプト)アビジン部分との架橋は生じない(Wilbur et al.,Bioconjugate Chem.,8,819−832,1997)。ビオチンが結合して、サブユニットの架橋が追加の安定性をもたらしているとき、アビジンおよびストレプトアビジンはより安定である(Biomolecular Engineering,16,67−72,1999)。
【0031】
コンディショニング試薬は、図3で示されているように、2つのビオチン部分、毒素結合部分、三官能性架橋部分および3つのリンカー分子(a〜c)から構成されている。2つのビオチン部分は、アミド結合を介してビオチンカルボキシレートによりリンカー分子(a、b)へカップリングされた天然ビオチンまたはビオチン誘導体から構成されている。ビオチン部分は、十分に直線化された形で測定したときに、ビオチンカルボキシレート炭素原子間において最低で20Åおよび最大で60Åの距離をもたらすリンカー分子を介して、三官能性架橋試薬へカップリングされている。リンカー分子のa、bおよびc、略してリンカーは同一でもよく、または各リンカーは異なる種類でもよい。リンカー分子は直鎖または分岐鎖であり、鎖中にエーテル/チオエーテル結合、アミンのような水溶性官能基を含んでいるか、あるいはアミン、カルボキシレートまたはヒドロキシル官能基を含む鎖へ付加している。ビオチンアミド結合のα位におけるリンカー上の原子は非置換(例えば、CH)でも、あるいはメチル、ヒドロキシメチレンまたはカルボキシレート官能基を含んでもよい。大きな官能基になると、(ストレプト)アビジンカラムとの結合を弱める。後者の官能基はビオチニダーゼからの安定性をもたらすが、それらはビオチニダーゼによる開裂に利用しえないため、この安定性はカラムの(ストレプト)アビジンとの2ビオチン部分の結合にとり不要である。毒素結合部分が別なビオチン部分であるとき、ビオチニダーゼ安定性が望ましいこともある。三官能性架橋試薬は、リンカー分子との接合上、求核性であるか、または求核基と反応性である、3つの官能基を含有した脂肪族または芳香族化合物である。好ましい三官能性架橋試薬は、1,3,5‐置換を有する芳香族環である。最も好ましいものは、1,3,5‐ベンゼントリカルボン酸、3,5‐ジアミノ安息香酸、5‐アミノ‐1,3‐ジカルボキシベンゼン(アミノイソフタル酸)の誘導体である。毒素結合部分は、高親和性の毒性物質と結合する分子である。このような結合分子の例には、モノクローナル抗体(あるいはフラグメントまたは遺伝子工学相対物)、アプタマー、ペプチド、オリゴデオキシヌクレオシド(または結合フラグメント)、挿入試薬(例えば、色素、化学療法剤、天然物質)、および毒素または毒性物質へ付着されるエフェクター分子と特異的に結合する金属キレートがある。毒性物質の例には、金属イオン;化学療法剤;遊離放射性核種;他の化合物と結合された放射性核種;摂取毒素;細菌により産生される毒素;ウイルス感染により産生される毒素;疾患状態により産生される毒素;罹患細胞;免疫応答、血液型またはHLA不適合性および異種抗体との不適合性に関与する細胞などがある。
【0032】
好ましいビオチン残基はビオチンまたはそのビオチン誘導体である。ほとんどの例において、ビオチン部分は天然ビオチンであり、これはアミド結合でリンカーへカップリングされる。一部の例では、天然ビオチンほど強く結合しないビオチン誘導体、または天然ビオチンに優先して化学修飾または遺伝子変異アビジンまたはストレプトアビジンと結合するビオチン誘導体を有することが有利である。このようなビオチンの例は、ノルビオチン、ホモビオチン、オキシビオチン、イミノビオチン、デスチオビオチン、ジアミノビオチン、ビオチンスルホキシドおよびビオチンスルホンである。上記例の別な修飾例を含めて、ビオチンの他の修飾も含まれる。一方、本発明の試薬中における2つのビオチン部分は、上記のビオチン誘導体のいずれから構成されてもよい。
【0033】
本発明の好ましい態様において、毒素結合部分はビオチンまたはそのビオチン誘導体である。この試薬(トリビオチン試薬)によるアビジンまたはストレプトアビジンカラムのコンディショニングで、アビジンまたはストレプトアビジン(あるいは、化学修飾された、酵素切断で端部切除された、または遺伝子変異法で改変された、これらの試薬)と結合される毒性物質の除去を行える。3つのビオチンを含む好ましいコンディショニング試薬の例はスキーム1で示されている。このコンディショニング試薬にとり好ましい医療例は、治療放射性核種を結合させたアビジンまたはストレプトアビジンを患者の血液から除去することである。示された例(化合物1〜3)において、リンカー基の種類および長さを除き、コンディショニングは同一である。用いられた架橋試薬は1,3,5‐ベンゼントリカルボン酸であり、用いられたリンカーは水溶性のためにエーテル官能基を含有している。化合物3では、水溶性を高めてビオチニダーゼの作用を阻止する遊離カルボキシレートを供するアスパラギン酸も、リンカーは含有している。
【0034】
スキーム1:放射線標識ストレプトアビジン誘導体の結合向けに第三のビオチンも含有したビオチンダイマーの例
【化4】
Figure 2004503299
Figure 2004503299
Figure 2004503299
【0035】
本発明の方法に関与する他の毒性物質結合ジビオチンコンディショニング試薬は、求核基含有または求核基反応性ジビオチン化合物を毒性物質結合部分と接合させることで、容易に製造されうる。反応性ジビオチン化合物の合成について示した例は、スキーム2および3で掲載されている。テトラフルオロフェニルエステル活性化およびN‐tBoc保護アミノイソフタレート4が、これらの例で三官能性架橋試薬として用いられる。リンカー4,7,10‐トリオキサトリデカンジアミンへ接合されたビオチンと4との反応で、ジビオチン化合物5を得る。5のN‐tBoc保護基は、ニートのトリフルオロ酢酸で遊離アミン6へ容易に変換される。アニリノ化合物6は、活性化カルボキシレートエステルを含有しているか、または他の求核性二置換反応を受ける、毒性物質結合化合物と反応性である。6の遊離アミンも、求核剤と反応性である官能基へ容易に変換される(例えば、イソチオシアネート7;マレイミド8または他の試薬、例えばα‐ハロアセトアミド)。イソチオシアナト‐ジビオチン化合物7は、アミンを含有した毒性物質結合分子と反応性であり、マレイミド‐ジビオチン化合物8は、スルフヒドリル(アミンも)を含有した毒性物質結合分子と反応性である。追加の反応試薬も同様にして容易に製造しうる。酸化された糖およびアルコールと反応性の試薬は、ヒドロキシルアミン誘導体10である。スキーム2の例において、リンカーcは存在しないか、または毒性物質結合分子へまず結合される。多くの例では、血中で毒性物質との相互作用向けに毒性物質結合部分をより多く利用しうることが、リンク分子に望まれる。そのため、リンカーは毒性物質結合分子との反応前に分子中に組み込んでもよい。リンカー分子が組み込まれた例は、スキーム3で示されている(化合物11〜14)。
スキーム2:他の分子と接合されうるジビオチン試薬の合成
【化5】
Figure 2004503299
スキーム3:リンカー部分を含有して、他の分子と接合しうる官能基を有したジビオチン試薬の合成
【化6】
Figure 2004503299
【0036】

下記例は、この特許で開示された様々なタイプの化合物を得るための方法、および全血からの毒素除去用のカラムのコンディショニングにおける試薬としてのそれらの使用を示すために掲載されている。例は説明のためであって、限定のためではない。更に多くの例がここで示された例から考えうる。
【0037】
例1
毒素結合分子と接合されうるジビオチン化合物の製造
ステップ1:N‐ tert ‐Boc‐5‐アミノイソフタル酸の製造
【化7】
Figure 2004503299
ジ‐tert‐ブチルジカーボネート(1.27g、5.80mmol)を氷/水浴温度で5‐アミノイソフタル酸(1.0g、5.52mmol)、水酸化ナトリウム(0.49g、12.14mmol)、DMF(10ml)および水(10ml)の溶液へ加えた。反応混合液を周囲温度で16時間攪拌した。溶液を氷/水浴温度で0.5N HCl 53.0mlにより中和し、次いで白色沈殿物を濾過し、水洗し、真空下で乾燥させた。残渣をMeOH/HOから結晶化させ、白色固体物として純粋化合物を得た。収量0.94g(61%).mp>300℃.1H NMR(DMSO‐d6):δ1.50(s,9H),8.08(t,J=1.5Hz,1H),8.31(d,J=1.5Hz,2H),9.80(s,1H)。HRMS計算値:C1316NO(M+H)+:282.0977。実測値:282.0981。HPLC:tR=11.3min。
【0038】
ステップ2:N‐ tert ‐Boc‐5‐アミノイソフタレートジテトラフルオロフェニルエステルの製造
【化8】
Figure 2004503299
2,3,5,6‐テトラフルオロフェニルトリフルオロアセテート(0.47ml、2.71mmol)を室温でtert‐Boc‐5‐アミノイソフタル酸(0.35g、1.23mmol)、NEt(0.52ml、3.70mmol)、DMF(4.0ml)および水(10ml)の溶液へ滴下した。反応混合液を室温で30分間攪拌した後で水60mlを加え、白色沈殿物を濾過し、水洗し、真空下で乾燥させて、粗製生成物を得た。粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(40g)により10%EtOAc/ヘキサンで溶出させて精製し、無色固体物を得た。収量0.213g(30%).mp159.7‐161.8℃分解.1H NMR(CDCl):δ1.55(s,9H),6.83(s,1H),7.08(m,1H),8.54(d,J=1.5Hz,2H),8.67(t,J=1.5Hz,1H)。HRMS計算値:C2515NNaO(M+Na)+:600.0669。実測値:600.0674。HPLC:tR=16.1min。
【0039】
ステップ3:N‐(13‐アミノ‐4,7,10‐トリオキサトリデカニル)ビオチンアミドの製造
【化9】
Figure 2004503299
ビオチン(10g、40.9mmol)をアルゴン雰囲気下で温(70℃)DMF200mlに溶解した。溶液を周囲温度まで冷却させ、トリエチルアミン10ml(82mmol)を加え、次いで2,3,5,6‐テトラフルオロフェニルトリフルオロアセテート16g(61mmol)を加えた。反応液を室温で30分間攪拌し、溶媒を真空下で除去した。生成物をエーテル100mlで摩砕し、濾過した。単離生成物を真空下で乾燥させ、無色固体物、mp185‐187℃として、ビオチンTFPエステル14g(83%)を得た。1H NMR(DMSO‐d):1.4‐1.8(m,6H),2.5(m,1H),2.6‐2.9(m,3H),3.1(m,1H),4.2(m,1H),6.4(d,2H),7.9(m,1H);IR(KBr,cm−1)3250,2915,1790,1710,1520,1480,1090。分析計算値:C1616S:C48.98;H4.11;N7.14。実測値:C48.90;H4.14;N6.86。
【0040】
ビオチンTFPエステル(5g、12.8mmol)を無水DMF200ml含有の乾燥フラスコへ加えた。4,7,10‐トリオキサ‐1,13‐トリデカンジアミン8 28g(128mmol)含有の別な乾燥フラスコで、トリエチルアミン4mlを加えた。双方のフラスコを氷水浴で0〜5℃に冷却した。ビオチンのTFPエステルを1時間かけてトリオキサトリデカンジアミン溶液へ滴下した。反応液を室温で30分間攪拌し、溶媒を真空下で除去した。得られた油状物をエーテル500mlで摩砕し、30分間攪拌した。固体物を濾過し、次いでメタノール:酢酸エチル(4:1)に溶解させ、シリカカラム(2.5cm×35cm)に担持させた。カラムを同溶媒混合液で溶出させた。生成物含有フラクションを集め、溶媒を真空下で除去した。単離生成物を真空下で乾燥し、無色固体物、mp104‐106℃として、4.5g(79%)の9を得た。1H NMR(MeOH):1.46(m,2H),1.6‐1.8(m,9H),2.2(t,2H),2.7(d,1H),2.75‐2.9(m,3H),3.2‐3.3(m,5H),3.5‐3.6(m,14H),4.3(m,1H),4.5(m,1H);IR(KBr,cm−1)3280,2910,2850,1690,1640,1110,940。分析計算値:C2038S・HO:C51.70;H8.68;N12.06。実測値:C51.95;H7.98;N11.65。
【0041】
ステップ4:1‐N‐ tert ‐Boc‐3,5‐ビス〔13′‐(ビオチンアミジル)‐4′,7′,10′‐トリオキサトリデカンアミジル〕アミノイソフタレート
【化10】
Figure 2004503299
無水DMF中ビオチン‐トリオキサジアミン4(100mg、0.22mmol)をrt(室温)で無水DMF中3(65mg、0.11mmol)およびトリエチルアミン(47μL、0.33mmol)の溶液へ滴下した。反応混合液をrtで2時間攪拌し、次いで溶液を真空下で蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルカラム(40g)により20%MeOH/EtOAcで溶出させて精製し、73mg(58%)の無色固体物、mp209‐211℃分解、を得た。1H NMR(CDOD,200MHz):δ1.43(t,3H),1.54(s,9H),1.69(m,6H),1.88(m,3H),2.19(m,4H),2.69(d,4H),2.92(m,2H),4.30(m,2H),4.48(m,2H),7.83(m,1H),8.00(m,2H);質量計算値C538814(M+H)+:1139。実測値:1139。質量計算値C538714Na(M+Na)+:1161。実測値:1161。HPLC11.8min。
【0042】
ステップ5:1‐イソチオシアナト‐3,5‐ビス〔13′‐(ビオチンアミジル)‐4′,7′,10′‐トリオキサトリデカンアミジル〕アミノイソフタレート
【化11】
Figure 2004503299
22 120mg(0.11mmol)をニートTFA(1ml)に溶解し、rtで10分間攪拌した。次いで、過剰TFAを真空下で除去した。残渣をメタノール2mlに溶解し、トリエチルアミン0.2mlで処理した。揮発性物質を真空下で除去し、次いで水(3ml)、クロロホルム(3ml)およびチオホスゲン(42μL、0.55mmol)を各々加えた。混合液をrtで1時間攪拌した。次いで、過剰のチオホスゲンおよびクロロホルムをアルゴン流下ヒュームフード中で蒸発させた。残留する水相を真空下で蒸発乾固させ、薄黄色粘着性固体物として77mg(68%)の23を得た。1H NMR(DMSO‐d,200MHz):δ1.24‐1.35(m,6H),1.43‐1.67(m,14H),1.77(t,J=6.6Hz,6H),2.05(t,J=7.1Hz,6H),2.58(d,J=12.5Hz,2H),2.82(dd,J=4.8,12.5Hz,2H),3.07(m,8H),3.28‐3.57(m,18H),4.13(dd,J=4.6,7.7Hz,2H),4.31(dd,J=4.6,7.7Hz,2H),7.80(t,J=5.0Hz,2H),7.98(s,2H),8.34(s,1H),8.77(t,J=5.1Hz,2H)。質量計算値C497812Na(M+Na)+:1103。実測値:1103。HPLC11.8min。
【0043】
例2
ジビオチン化合物と毒素結合分子との接合
DMSO4μL中ジビオチンイソチオシアネート化合物108mg(15当量)をモノクローナル抗体53‐6A2(1mg)の6.7mg/ml溶液150μLへ加えた。混合液を軽く攪拌し、次いで室温で一夜反応させた。Centricon 30で6000rpmの超遠心濾過、次いで0.9%塩水の4×1ml洗浄により、ジビオチン複合化抗体を過剰のジビオチン試薬から精製した。
【0044】
例3
ジビオチン‐毒素結合複合体によるアビジンカラムのコンディショニング
掲載したこの例は、別なビオチン部分も含有したジビオチン化合物の例である。2つのビオチン部分はアビジンまたはストレプトアビジンと結合して、アビジンまたはストレプトアビジンと接合されるか、またはそれを含有した融合タンパク質である、毒性化合物との結合に利用しうる第三のビオチン部分を残留させる。そのため、この例において、ジビオチン化合物はビオチントリマーであるが、同方法は他の高親和性結合リガンドを含有したジビオチン化合物でカラムをコンディショニングするために用いてもよい。
【0045】
ビオチン結合カラムをアビジン結合カラムへ変換するためのそのコンディショニング
Mitra Avidin−Agarose2mlをカラムハウジングへ充填し、1ml/min(1.6cm/min)の流速で>10mlのPBSで洗浄した。PBS中ビオチントリマーの1mg/ml溶液5mlを20分間にわたり1ml/minでアビジンカラムへ再循環させた。再循環の最後に、サンプル(0.5ml)を再循環溶液から抜き取り、Mitra Medical Technology ABにより開発されたELISA技術で分析した。ビオチン‐アビジン‐アガロースカラムを1ml/minで20分間にわたりリン酸緩衝液で洗浄した。再循環液中のビオチントリマーの濃度を調べたところ、吸着されたビオチントリマーの量は再循環の最後で約1.9mg、即ち0.95mg/mlゲルと判断された。ビオチントリマーの濃度を調べるための標準曲線は図4で示されている。
【0046】
ビオチントリマーをMitra Avidin−Agarose2mlへ吸着させた。利用されたアビジンアガロースのバッチはビオチン約74g/mlの静止結合能を有していた。1つのビオチントリマーが利用可能結合部位当たりで結合されるならば、これは514gビオチントリマー/mlに相当するであろう。ビオチントリマー約0.95mgがアビジンアガロースml当たりで結合すると、吸着剤がビオチントリマーで飽和した想定しうる。
【0047】
コンディショニングされたカラムにおけるアビジン吸着性の評価
ビオチントリマーでコンディショニングされたアビジンアガロースカラム(即ち、図4、化合物#2)をリン酸緩衝液で準備した。次いで、PBS中アビジン1mg/mlのアビジン溶液20mlを1.0ml/min(1.6cm/min)でビオチン‐アビジン‐アガロースカラムに再循環させた。3倍容量のアビジン溶液(3×20ml)を通して、再循環の開始前、次いで2分および5分間隔で、一部をリザーバーから抜き取った。Mitra Medical Technology ABにより開発されたELISA技術を用いて、その一部の中におけるアビジンの量を分析した。再循環リザーバー中におけるアビジンの濃度は図5で示されている。点線は、飽和効果が生じなかった場合の理論的予想を表わしている。約16mg(80%)のアビジンが結合した約40分(2倍容量)後に、カラムは飽和する。アビジン約10mgがカラムヘ結合したときに生じる、実験曲線が理論曲線から逸脱し始める約20分(1.0倍容量)後に、飽和の徴候がみられた。
約40分間の再循環後に、約16mgのアビジン、即ち8mg/mlビオチン‐アビジン‐アガロースが結合された。これは、アガロースへカップリングされたアビジンとビオチントリマーへ吸着されたアビジンとの1:1モル比に相当する。初期飽和効果は約1倍の再循環容量後にみられた。2倍容量の処理後、これ以上のアビジンが結合されなくなった。
アビジン‐アガロースがビオチントリマーで飽和されて、これがモノマービオチンに利用しうるすべての部位と結合しており、再循環遊離アビジンがビオチン‐アビジン‐アガロース充填カラムと効率的に結合していることを、実験は示した。アビジン約8mgが吸着剤ml当たりで結合したが、これは結合アビジンとアガロース粒子へ固定されたアビジンとの1:1モル比に相当する。
【0048】
例4
血液から毒素を除去するための、コンディショニングされたカラムの使用
特異的毒素結合部分保有のカラムコンディショニング試薬を含有した溶液を通すことで特異的装置へ使用前に変換されたアビジン/ストレプトアビジンコート装置へ血液を通すことにより、血液循環から特定毒素の除去を促すこと。こうすれば、様々な毒素の除去向けのテクノロジープラットフォームとして、アビジン/ストレプトアビジンコート装置を用いうるであろう。特別な場合には、異なる特異的毒素結合部分保有のカラムコンディショニング試薬の混合物を通すことにより容易に行える同様の処理操作で、2種以上の毒素を除去することが望める。このような多機能装置の適切な用途として、臓器または細胞移植前における抗HLA抗体、抗血液型抗体または抗異種抗体の血液クリアランスがある。例えば抗HLA抗体の特定サブタイプに対して異なる特異的毒素結合部分を保有するカラムコンディショニング試薬の適切な混合物を用いることにより、毒素除去装置は治療に先立ち患者ニーズに合わせて特別に調製しうる。
【0049】
特定サブタイプに対して異なる特異的毒素結合部分を保有する適切なコンディショニング試薬を含有した注入バッグを、体外処置で用いられるモニタリングユニット(再プログラム化透析機)へ接続することにより、コンディショニングは病院で行え、アビジン/ストレプトアビジン装置のコンディショニングはモニタリングユニットにより手動でまたは自動的に行える。装置へ入れるカラムコンディショニング試薬溶液の流速は、このような場合において、最終コンディショニング装置で異なる特異的毒素結合部分の割合を決めることになる。
【0050】
一方、異なる特異的毒素結合部分を保有したカラムコンディショニング試薬の混合物を含有する注入バッグまたは最終装置は、特異的毒素結合部分のある混合物で前製造してもよい。
【0051】
例5
2ステップ操作でイムノターゲティングを改善するための、コンディショニングカラムの適用
第一のステップで、ビオチン結合装置へ血液を通すことにより、ビオチニル化ターゲティング分子から血液循環を効率的に浄化する手段を用意し、第二のステップで、本発明による試薬、例えばビオチンダイマーまたはトリマーを含有した溶液をビオチン結合装置へ通すことにより作製されたアビジン/ストレプトアビジン結合装置へ血液を通すことにより、後で投与されたアビジン/ストレプトアビジンの毒性誘導体から血液を浄化することによる2ステップ操作で、イムノターゲティングを改善すること。
【0052】
一方、このプロセスの順序は次のように逆転させてもよい。
第一のステップで、ビオチンダイマーまたはトリマーを含有した溶液をビオチン結合装置へ通すことにより作製されたアビジン/ストレプトアビジン結合装置へ血液を通すことにより、SA/アビジン複合化ターゲティング分子から血液循環を効率的に浄化する手段を用意し、第二のステップで、血液をビオチン結合装置へ通すことにより、本発明による方法に関与する試薬、例えばビオチンおよび放射性核種/細胞毒性部分を含有した分子から血液を浄化することによる2ステップ操作で、イムノターゲティングを改善すること。
【0053】
更に別の代替法は、第一のステップで、ガンマ‐カメラ、PET‐スキャン、MRIまたは他のインビボ診断技術により検出されうる剤で標識されたビオチニル化ターゲティング分子の腫瘍取込みをモニターする手段を用意し、適切な時間後に、血液をビオチン結合装置へ通すことにより非標的結合ターゲティング分子から血液を浄化し、適切なときに、本発明による試薬、例えばビオチンダイマーまたはトリマーを含有した溶液をビオチン結合装置へ通すことにより作製されたアビジン/ストレプトアビジン結合装置へ血液を通すことにより、後で血液循環から浄化される、殺細胞放射性核種/細胞毒性剤を保有したアビジン/SAを投与することによる2ステップ操作で、イムノターゲティングを改善することである。
【0054】
例6
3ステップ操作でイムノターゲティングを改善するための、コンディショニングカラムの適用
第一のステップで、ビオチン結合装置へ血液を通すことにより、ビオチニル化ターゲティング分子から血液循環を効率的に浄化する手段を用意し、第二のステップで、本発明による試薬、例えばビオチンダイマーまたはトリマーを含有した溶液をビオチン結合装置へ通すことにより作製されたアビジン/ストレプトアビジン結合装置へ血液を通すことにより、投与されたアビジン/SAから血液を浄化し、第三のステップで、ビオチン結合装置へ血液を通すことにより、ビオチンおよび放射性核種/細胞毒性部分を含有した分子から血液を浄化することによる3ステップ操作で、イムノターゲティングを改善すること。
【図面の簡単な説明】
【図1】
誘導化ジビオチン化合物による(ストレプト)アビジンマトリックスのコンディショニングについて示している。
【図2】
コンディショニングされたカラムとの毒性物質の結合について示している。
【図3】
カラムコンディショニング試薬の一般構造について示している。
【図4】
ビオチントリマーELISAの標準曲線について示している。
【図5】
ビオチントリマー/アビジンカラムによるアビジンの典型的減少曲線について示している。

Claims (20)

  1. 哺乳類症状または疾患の診断または治療に関連した、哺乳類体液から毒性物質の抽出のための体外装置のコンディショニング方法であって、
    下記一般式を有する試薬を含有した溶液:
    Figure 2004503299
    (上記式中ビオチン部分は天然ビオチンまたはその誘導体である;
    上記式中a、bおよびcは同一または異なるリンカーであり、dは三官能性架橋部分である)が、ビオチン結合能力を有する装置へ通され、その際に該試薬が装置へ結合されて、それにより上記装置がビオチン結合から毒性物質結合装置へ変換される、体外装置のコンディショニング方法。
  2. 求核性であるか、または求核基と反応性である、3つの官能基を含有した、三官能性架橋部分が、脂肪族または芳香族化合物、好ましくは1,3,5‐置換を有する芳香族化合物、最も好ましくは1,3,5‐ベンゼントリカルボン酸、3,5‐ジアミノ安息香酸または5‐アミノ‐1,3‐ジカルボキシベンゼンの誘導体である、請求項1に記載の方法。
  3. 毒素結合部分が、エフェクター分子結合または非結合の毒性物質と高親和性で結合する分子であり、フラグメントまたは遺伝子工学相対物を含めたモノクローナル抗体;アプタマー;ペプチド;結合フラグメントを含めたオリゴデオキシヌクレオシド;色素、化学療法剤、天然物質を含めた挿入試薬;およびエフェクター分子結合または非結合の毒素物質と特異的に結合するかまたは毒性物質へ結合したエフェクター分子と特異的に結合する金属キレートからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  4. リンカーa、bおよびcのうち1以上が直鎖状または分岐状であり、ビオチン部分またはその誘導体とスペーサーとのビオチンアミド結合の酵素開裂に対する安定性を改善するために、アミン、カルボキシレートまたはヒドロキシル官能基、好ましくはα‐カルボキシレートまたはN‐メチル基を含む水溶性官能基または側基を含有している、請求項1に記載の方法。
  5. ビオチン誘導体が、ノルビオチン、ホモビオチン、オキシビオチン、イミノビオチン、デスチオビオチン、ジアミノビオチン、ビオチンスルホキシド、ビオチンスルホン、またはアビジン、ストレプトアビジンおよびその誘導体と結合する能力を有した他のビオチン分子からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  6. リンカーaおよびbが、十分に直線化された形で測定したとき、三官能性架橋部分と各ビオチン部分カルボキシレート炭素原子とに、最低で20Åおよび最大で60Åの距離をもたらす、請求項4に記載の方法。
  7. 毒素結合部分が、金属イオン、化学療法剤、遊離放射性核種、他の化合物へ結合された放射性核種、摂取毒素、細菌により産生される毒素、好ましくはエンドトキシンまたはエンテロトキシン、ウイルス感染により産生される毒素、疾患状態により産生される毒素、罹患細胞、免疫応答に関与する細胞、抗血液型抗体、抗HLA抗体、抗異種抗体、または疾患、障害もしくは治療処置との不適合の結果として望ましくないレベルで体液中に存在するいずれか他の望ましくない内在成分、好ましくはTNFおよびサイトカイン、あるいは疾患、障害または医学的不適合に関与するまたは関与しうるいずれかの外来成分、好ましくはビオチン結合分子からなる群より選択される毒性物質と、高い親和性で結合しうる能力を有している、請求項3に記載の方法。
  8. ビオチン結合分子が、アビジン、ストレプトアビジン、あるいはアビジンまたはストレプトアビジンと本質的に同一のビオチン結合機能を有したその誘導体もしくはフラグメントからなる群より選択され、場合によりエフェクター分子へ結合されている、請求項7に記載の方法。
  9. エフェクター分子が、放射性核種、細胞毒性剤、放射性核種結合向けキレート化剤、化学療法剤、天然毒素またはその誘導体、または合成毒素である、請求項3に記載の方法。
  10. 毒素結合部分がビオチンであり、スペーサーa、bおよびcが4,7,10‐トリオキサ‐1,13‐トリデカンジアミンであり、三官能性架橋部分が5‐アミノ‐1,3‐ジカルボキシベンゼンである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. それが
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    である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  12. 哺乳類症状または疾患の診断または治療に関連した、哺乳類体液から毒性物質の体外抽出のための方法であって、
    標的組織または細胞へ集中させるために哺乳類の血液循環へ加えられて、ある時間にわたりそこで留められたが、上記の標的組織または細胞へ集中しなかった、場合によりエフェクター分子を含む毒性物質が、直接的にまたは他の既に投与された分子を介して、請求項1〜11のいずれか一項に記載された試薬を含有する体外装置へ哺乳類血液または血漿を通すことにより、血液循環から完全にまたは部分的に浄化される方法。
  13. 試薬の毒素結合部分がビオチンまたはその誘導体であって、
    a)哺乳類の血液循環へ加えられたが、標的組織または細胞へ集中しなかったビオチニル化ターゲティング生体分子が、体外ビオチン結合装置への通過により血液循環から浄化され、および
    b)ステップa)後に血液循環へ投与されたが、標的組織または細胞へ集中しなかった、各々がエフェクター分子へ接合されているビオチン結合分子が、ビオチン結合分子およびそこへ接合されたエフェクター分子の特異的吸着向けに上記試薬を含有した体外装置への通過により、血液循環から浄化される、
    請求項12に記載の方法。
  14. a)ビオチニル化ターゲティング生体分子が各々エフェクター分子と接合されて、それがガンマ‐カメラ、PET‐スキャン、MRIまたは他のインビボ診断技術によるエフェクター分子の検出により腫瘍取込みをモニターするために血液循環へ投与されており、ステップb)のエフェクター分子が殺細胞放射性核種または細胞毒性剤である、請求項13に記載の方法。
  15. ステップb)においてビオチン結合分子がエフェクター分子へ接合されておらず、更にステップc)においてエフェクター分子とビオチンまたは試薬との複合体が哺乳類の血液循環へ加えられ、場合により、標的組織または細胞へ集中しなかった上記複合体から、体外ビオチン結合装置への通過により、血液が浄化される、請求項13に記載の方法。
  16. 試薬の毒素結合部分がビオチンまたはその誘導体であって、
    a)哺乳類の血液循環へ加えられたが、標的組織または細胞へ集中しなかった、ターゲティング分子へ付着されたビオチン結合分子が、ビオチン結合分子の特異的吸着向けに上記試薬を含有した体外装置への通過により、血液循環から浄化され、および場合により
    b)ステップa)後に血液循環へ投与されたが、標的組織または細胞へ集中しなかった、各々がエフェクター分子へ接合されている、ビオチンまたは試薬結合のビオチニル化分子が、体外ビオチン結合装置への通過により血液循環から浄化される、
    請求項12に記載の方法。
  17. ビオチニル化ターゲティング生体分子が、天然ビオチンまたはその誘導体を含有したターゲティング分子であり、
    ビオチン結合分子が、アジビン、ストレプトアビジンまたはその誘導体を含有した分子であり、
    ビオチニル化分子が、ラジオメタルキレーション部分を含有した放射線標識ビオチン誘導体であり、および
    エフェクター分子が放射性核種または細胞毒性剤である、
    請求項13〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 異なる特異的毒素結合部分を有する試薬または数種の試薬を含有した体外装置を用いる、好ましくは臓器または細胞移植前における、多種抗HLA抗体、多種抗血液型抗体または多種抗異種抗体の同時血液クリアランスのための、請求項12に記載の方法。
  19. 請求項1〜11のいずれか一項に記載された試薬へ結合されたビオチン結合分子を用いる、哺乳類症状または疾患の診断または治療に関連した、哺乳類体液から毒性物質の抽出のための体外装置。
  20. 装置がカラムであり、ビオチン結合分子がアビジンまたはストレプトアビジンであり、試薬がトリビオチニル化試薬である、請求項19に記載の体外装置。
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