JP2004502708A - 改良された甲状腺ホルモン製剤 - Google Patents
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Abstract
賦形剤と活性成分の相互作用によって引き起こされる不安定性を避ける一方で、甲状腺ホルモンの固体投与量を製剤化する方法であって、製薬学的に許容可能なポリマー基体に対して、賦形剤を実質的に含まないドライパウダーとして、活性成分を沈着する工程を含む方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、甲状腺ホルモンの改良された固体投与量製剤に関する。活性な生理学的甲状腺ホルモンは、レボチロキシンナトリウム(チロキシンのレボアイソマーのナトリウム塩)及びトリヨードチロニンを含む。甲状腺ホルモンの置換は、一次甲状腺機能低下症の治療のための選択肢の治療であり、下垂体または視床下部の疾患による二次甲状腺機能低下症の治療のためにも有効である。
【0002】
【従来の技術】
固体の製薬投与量形態は従来、カプセル、錠剤、及び他の単位投与量形態を含み、各形態は、製薬学的または生物学的に活性な成分、及び少なくとも一つのさらなる「賦形剤」成分を含む。治療上不活性で非毒性のキャリアーであると企図される賦形剤は、例えば希釈液、バインダー、潤滑剤、崩壊剤、安定剤、バッファー、または防腐剤として機能しても良い。
【0003】
甲状腺ホルモン固体投与量形態は歴史的に、安定性の問題に苦しんでいる。例えば1994年から1998年まで、1億より多いレボチロキシンナトリウム錠剤が不安定性のためリコールされており、それは製品の有効期間の前の十分な有効性を保証することができないためである。1999年から2000年に亘る約1年間の間で、8億より多いレボチロキシン錠剤が、同様の理由でリコールされている。
【0004】
特にラクトース、スクロース、デキストロース、及びデンプン、並びに特定の色素を含む炭水化物賦形剤を含む場合、甲状腺ホルモンの不安定性は、固体投与量製剤に配置された場合、吸湿性であり、高湿度または光の条件の下で、及び高温の条件の下で迅速に分解することが知られている。甲状腺ホルモンはまた、アミノ及びヨード基のような特定の官能基を含み、それが薬剤−賦形剤相互作用に関与するかもしれない。
【0005】
甲状腺ホルモン固体投与量製剤の製造に直面する別の問題は、各種の賦形剤と甲状腺ホルモンを均一に混合し、製剤マトリックスにおいて活性成分の満足な「含量均一性」を達成する必要性である。従来のパウダー混合法は、特に甲状腺ホルモンの治療上の投与量が非常に小さいため、満足に均一な混合を達成するためには十分に洗練されていない。例えば、レボチロキシンナトリウムの典型的な一日の投与量は、錠剤投与量製剤当たり約25マイクログラムから約300マイクログラムの範囲である。錠剤マトリックスにおける不活性賦形剤に対する活性な甲状腺ホルモンの割合は、約1:450から約1:5400の範囲であるため、不均一な混合の問題は重要であるといえる。
【0006】
レボチロキシンのような強力な化合物の従来の固形経口投与量形態を製剤化するために、製薬業界でしばしば「微粉化パウダー」と称される小さい粒径が必要である。これは、賦形剤とパウダーのより均一な混合物を可能にする。しかしながら、粒子の全体としての表面領域は、各粒子の平均的な直径が減少する程著しく増大する。活性成分の表面領域が増大すると、粒子は各種の賦形剤とより接触を増すこととなり、それは非所望の薬剤−賦形剤相互作用を悪化する傾向にある。かくして、粒径を減少することによる甲状腺ホルモン固形投与量製剤の含量不均一性を改良するために、安定性はさらに損なわれるであろう。
【0007】
レボチロキシンナトリウム固体投与量形態の安定性を改良するために、各種のアプローチが示唆されている。例えば、米国特許第5,225,204号は、レボチロキシンナトリウムの安定化した複合体形成剤として、ポリビニルピロリドンまたはポロキサマーの使用を開示する。米国特許第5,635,209号は、ヨウ化カリウム、崩壊剤及び潤滑剤を含むレボチロキシンナトリウム製剤を開示する。米国特許第5,955,105号は、チロキシン薬剤、水溶性グルコースポリマー、及び部分的に可溶性または不溶性のセルロースポリマーを含む固体投与量形態を開示する。公開された国際特許出願WO 99/59551は、レボチロキシンナトリウム、ゼラチン及びフィラーを含み、有機溶媒残余物を含まない製剤を開示する。最後に、公開された国際特許出願WO 00/02586は、レボチロキシンナトリウム、ヨウ化カリウム、マイクロクリスタリンセルロース、及び結合剤を含み、抗酸化剤または他のアジュバントを含まない製剤を開示する。残念ながら、これらのアプローチのそれぞれは、明らかに別のまたはさらなる賦形剤のための面倒な探索から由来したものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に使用される賦形剤との会合による、または光、熱若しくは湿度にさらされることによる分解に耐える、甲状腺ホルモンの信頼できる安定化した固体投与量製剤を提供することが所望されるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の教示によれば、従来技術で示唆されたアプローチの欠点を解消する、増大した安定性を有する甲状腺ホルモンの固体製薬投与量を製剤化するための方法が提供される。
【0010】
甲状腺ホルモンの固体投与量を製剤化する方法は、賦形剤と活性成分の相互作用によって引き起こされる不安定性を避ける一方で、製薬学的に許容可能なポリマー基体に対して、賦形剤を実質的に含まないドライパウダーとして、活性成分を好ましくは静電的に沈着することを含む。本発明はまた、この方法によって調製された固体投与量形態を含む。
【0011】
従って、より小さい粒径の活性成分の使用と以前に関連していた負の結果を避ける一方で、潜在的に不安定化する賦形剤を含まず、増大した安定性を有する甲状腺ホルモンの固体投与量を製剤化するための方法を提供することが、本発明の目的である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、甲状腺ホルモンは、好ましくは静電的沈着法によって、基体上に、賦形剤を実質的に含まないドライパウダーとして、活性成分を沈着することによって、増大した安定性で製剤化できる。活性成分は、適切な固体投与量形態にさらに加工できる。
【0013】
静電的沈着法では、活性成分の荷電した粒子の流れの雲が、表面で反対の荷電のパターンが確立されている基体に対してさらされまたは基体に向けられる。この態様では、活性成分の測定された投与量が、さらなるキャリー、バインダー等の必要性なく基体に接着できる。かくして、好ましい実施態様では、賦形剤と混合された際に通常不安定である甲状腺ホルモンが、静電的沈着を含む本発明の方法を使用して最終投与量形態に取り込まれた際には安定である。
【0014】
静電的沈着の適切な手段は、例えば米国特許第5,714,007号、第5,846,595号、及び第6,074,688号に記載されており、それらの開示は参考としてここに完全に取り込まれる。活性成分は、「ウエット」沈着法を使用することによるように従来法で製薬学的基体に沈着できることも理解されるであろう。
【0015】
賦形剤の完全な除去(及びそれ故、非所望の交差反応の除去)のため、活性成分の増大した表面領域は、本発明の製剤において不利なものとはならない。従って、甲状腺ホルモンは、静電的沈着に従順であり、且つ満足な含量均一性を生ずるいずれの粒径でも利用できる。活性成分の粒径の適切な範囲は、1ミクロン(μ)未満から約60μまでである。好ましい実施態様では、粒径は平均して約15μ未満である。より好ましい実施態様では、粒径は平均して約10μ未満である。最も好ましい実施態様では、粒径は平均して約5μ未満である。
【0016】
好ましい沈着基体は、「製薬学的に許容可能な」ポリマーである;つまり、ヒトまたは動物の体内に安全に取り込まれるもの、例えば経口的に取り込まれ消化されるものである。理想的には、前記ポリマーは規定の承認を受けており、GRAS(”Generally Regarded As Safe”)の資格を有する。好ましくはフィルムの形態である前記基体ポリマーは、体内への取り込みに引き続き、例えば摂取に引き続きまたは摂取の際に、溶解するかまたは崩壊するかのいずれかであっても良く、あるいは前記ポリマーは、投与量形態が患者の体内に沈着物から製薬物質を送り出すまたは放出する限り、実質的に不活性で身体から通過しても良い。適切な物質は、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリサッカリドポリマー、アクリラートポリマー、メタクリラートポリマー、フタラートポリマー、ポリビニルアセタート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、オイドラギット(Eudragits)(つまりメタクリル酸を含むポリマー及びコポリマー)、デンプンベースのポリマー、ゼラチン等のポリマー及びコポリマーを含む。
【0017】
理論によって結びつけられることを望まないが、最も有用なポリマーは、甲状腺ホルモン分子中のアミノ基またはヨード基と実質的に反応性ではないものであると解される。特に好ましいポリマーは、ヒドロキシプロピルセルロース(「HPC」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)、エチルセルロース、及びそれらの組み合わせである。
【0018】
好ましい投与量形態、並びにさらなる有用な基体ポリマーは、公開された国際特許出願WO 99/63972に開示されており、その開示は参考としてここに完全に取り込まれる。例えば、カバーフィルムが、静電的に沈着した活性成分をカプセル化するために適用されても良く、生成した安定な「コア」は、従来の錠剤、カプセル、カプレット等に類似する投与量形態にさらに加工されても良く、または従来のものではないカシェ剤若しくはスタンプ様の体裁に加工されても良い。各コアは、治療上の量の甲状腺ホルモンを含む。適切な治療上の量は、一般的に前述の範囲内にある。
【0019】
【実施例】
以下の実施例は、各種のポリマーフィルムとレボチロキシンナトリウムの適合性を評価するために実施された4の研究それぞれの結果を提供する。これらの研究の目的は、静電的沈着のためのレボチロキシンナトリウムの安定性を最大化するための適切なポリマーフィルムを選択すること、及び選択されたポリマーフィルムを使用して投与量形態を開発することである。全ての3つの研究で、サンプルは、60%の相対湿度で25℃で、及び75%の相対湿度(「RH」)で40℃で、テフロン(登録商標)の裏地の付いたスクリューキャップで閉ざされた個々の琥珀バイアルで貯蔵された。
【0020】
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)が使用される以下の実施例のそれぞれでは、材料は以下のグレードで、Dow Chemical社, Midland, Michiganから市販で入手可能である:水中に2%でのHPMCのポリマー溶液「E5」は、20℃で約5cpsの溶液粘度を有する。水中で2%でのHPMCのポリマー溶液「E50」は、20℃で約50cpsの溶液粘度を有する。
【0021】
ヒドロキシプロピルセルロース(「HPC」)が使用される実施例のそれぞれでは、材料は以下のグレードで、Hercules Chemical社, Wilmington, Delawareから市販で入手可能である:HPC「EFP」は、80,000のポリマー分子量を有する。HPC「JFP」は、140,000のポリマー分子量を有する。
【0022】
実施例1
10%ポリエチレングリコール400を有する、ヒドロキシプロピルメチルセルロースE50及びヒドロキシプロピルセルロースJFP(50:50)で製剤化されたポリマーフィルム(基体1527−69−1)上に、約250μgのレボチロキシンナトリウムを沈着することによって、レボチロキシンサンプルを調製した。各サンプルを、Branson超音波シーラーを使用して密封した。サンプルを、25℃/60%RH及び40℃/75%RHで貯蔵した。コントロールとして、サンプルと同じ条件下で密封した琥珀バイアル中で、いずれの沈着基体をも有さないレボチロキシンナトリウム薬剤物質を貯蔵した。安定性を示す高速液体クロマトグラフィー法によって、分解物(degradants)の存在について2週目(2 weeks)及び4週目(4 weeks)でサンプルを分析した。その結果が表1に示されている。
【0023】
【表1】
(注意:RRTはピークの相対的リテンション時間を指し、つまりレボチロキシンピークのリテンション時間に対するそのリテンション時間の割合を指す。LT(Area%)は、サンプル中のレボチロキシンの測定の領域パーセントであり、レボチロキシン対別個のスタンダードのアッセイではない。)
【0024】
実施例2
6種のポリマーフィルムとレボチロキシンナトリウムの適合性を研究した。実施例1で評価したフィルム(1527−69−1)に加えて、5種のさらなるフィルムを評価した。これらは以下のものよりなる:
1.基体1527−79−1:HPMCE50:HPCJFP(50:50)
2.基体1577−7−1:エチルセルロース(「EC」)+5%HPMCE5+35%トリエチルシトラート(「TEC」)
3.基体1577−7−3:エチルセルロース+5%HPCEFP+35%トリエチルシトラート
4.基体1577−6−3:セルロースアセタートフタラート+5%HPMCE5+25%TEC+4%ポリソルバート80
5.基体1577−6−5:セルロースアセタートフタラート+5%HPCEFP+25%TEC+4%ポリソルバート80
【0025】
琥珀バイアル中で、2のポリマー基体の断片に約250μgのレボチロキシンナトリウムを沈着することによって、各サンプルを調製した。バイアルをテフロン(登録商標)の裏地の付いたスクリューキャップで密封した。サンプルを、25℃/60%RH及び40℃/75%RHで貯蔵した。コントロールとして、サンプルと同じ条件下で密封した琥珀バイアル中で、いずれの沈着基体をも有さないレボチロキシンナトリウム薬剤物質を貯蔵した。安定性を示す高速液体クロマトグラフィー法によって、分解物(degradants)の存在について2週目(2 weeks)及び4週目(4 weeks)でサンプルを分析した。その結果が表2に示されている。
【0026】
【表2】
【0027】
前記データから、25℃/60%RH及び40℃/75%RHの両方で貯蔵された場合、セルロースアセタートフタラートフィルムでは、活性成分の有意な損失が存在したことが観察できる。この材料を含むフィルムは、さらなる考慮から外された。残りの4種のフィルム(HPMC/HPC及びECの組み合わせのフィルム)は、さらなる開発に対する可能性を示した;各場合で、活性成分の損失は5%未満であった。かくして、第三の適合性の研究は、この研究の結果を確認するためにこれらのフィルムで実施された。
【0028】
実施例3
6種のポリマーフィルムとのレボチロキシンナトリウムの適合性を研究した。この研究では、実施例2で研究された4種のHPMC/HPC及びエチルセルロースフィルム(基体1527−79−1、1577−7−1、1577−7−3、及び1527−69−1)を含んだ。実施例1及び2のそれぞれで得られた幾分異なる結果のため、フィルム1527−69−1が含まれた。残りの3種のフィルムは、実施例2の結果を確認するために含まれた。さらに、個々のポリマー成分から調製された2種のさらなるフィルムが含まれた:HPCJFPからなるフィルム(基体1527−84−1)及びHPMCE50からなるフィルム(基体1501−56−3)である。この研究では、薬剤及びポリマーフィルムの量が増大し、一方で実施例1及び2の約1:14のフィルムに対する薬剤の割合は維持された。再言すると、25℃/60%RH及び40℃/75%RHで、テフロン(登録商標)の裏地の付いたスクリューキャップで閉ざされた琥珀バイアル中でサンプルを貯蔵した。いずれの沈着基体をも有さない閉ざされた琥珀バイアルで貯蔵された薬剤物質が、この研究のためのコントロールとして機能した。安定性を示す高速液体クロマトグラフィー法によって、分解物(degradants)の存在について2週目(2 weeks)及び6週目(6 weeks)でサンプルを分析した。この研究の結果が表3に示されている。
【0029】
【表3】
【0030】
これらの結果は、特定のポリマーが活性成分の非所望の損失と関連したことを示す。しかしながら、8種のポリマーフィルム製剤のうちの5種は、ストレス条件下で2%以下の活性成分の損失と関連した。かくして、甲状腺ホルモンと高い度合いの適合性を有するポリマー(つまり、活性成分のわずかな損失のみ引き起こすもの)が、製薬学的使用についての従来法であるポリマーの通常のスクリーニングから容易に同定できることが明らかである。
【0031】
実施例4
実施例3で4週間に亘り優れた能力を示した基体1527−79−1に関して、長期的安定性の研究を実施した。実施例3と同じ条件を使用するこのフォローアップ研究は、26週間で実施された。二つの異なる活性成分の粒径のロット(90206A及び90206Bと称される)を使用した。
【0032】
この研究の結果が表4に示され、これらは8、13及び26週間の後、活性成分の継続した安定性を示した。
【0033】
【表4】
【0034】
本発明は、その特定の好ましい実施態様を特に参考として記載されているが、本発明の変形及び改変は、添付された特許請求の範囲の精神及び範囲内で実施可能である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、甲状腺ホルモンの改良された固体投与量製剤に関する。活性な生理学的甲状腺ホルモンは、レボチロキシンナトリウム(チロキシンのレボアイソマーのナトリウム塩)及びトリヨードチロニンを含む。甲状腺ホルモンの置換は、一次甲状腺機能低下症の治療のための選択肢の治療であり、下垂体または視床下部の疾患による二次甲状腺機能低下症の治療のためにも有効である。
【0002】
【従来の技術】
固体の製薬投与量形態は従来、カプセル、錠剤、及び他の単位投与量形態を含み、各形態は、製薬学的または生物学的に活性な成分、及び少なくとも一つのさらなる「賦形剤」成分を含む。治療上不活性で非毒性のキャリアーであると企図される賦形剤は、例えば希釈液、バインダー、潤滑剤、崩壊剤、安定剤、バッファー、または防腐剤として機能しても良い。
【0003】
甲状腺ホルモン固体投与量形態は歴史的に、安定性の問題に苦しんでいる。例えば1994年から1998年まで、1億より多いレボチロキシンナトリウム錠剤が不安定性のためリコールされており、それは製品の有効期間の前の十分な有効性を保証することができないためである。1999年から2000年に亘る約1年間の間で、8億より多いレボチロキシン錠剤が、同様の理由でリコールされている。
【0004】
特にラクトース、スクロース、デキストロース、及びデンプン、並びに特定の色素を含む炭水化物賦形剤を含む場合、甲状腺ホルモンの不安定性は、固体投与量製剤に配置された場合、吸湿性であり、高湿度または光の条件の下で、及び高温の条件の下で迅速に分解することが知られている。甲状腺ホルモンはまた、アミノ及びヨード基のような特定の官能基を含み、それが薬剤−賦形剤相互作用に関与するかもしれない。
【0005】
甲状腺ホルモン固体投与量製剤の製造に直面する別の問題は、各種の賦形剤と甲状腺ホルモンを均一に混合し、製剤マトリックスにおいて活性成分の満足な「含量均一性」を達成する必要性である。従来のパウダー混合法は、特に甲状腺ホルモンの治療上の投与量が非常に小さいため、満足に均一な混合を達成するためには十分に洗練されていない。例えば、レボチロキシンナトリウムの典型的な一日の投与量は、錠剤投与量製剤当たり約25マイクログラムから約300マイクログラムの範囲である。錠剤マトリックスにおける不活性賦形剤に対する活性な甲状腺ホルモンの割合は、約1:450から約1:5400の範囲であるため、不均一な混合の問題は重要であるといえる。
【0006】
レボチロキシンのような強力な化合物の従来の固形経口投与量形態を製剤化するために、製薬業界でしばしば「微粉化パウダー」と称される小さい粒径が必要である。これは、賦形剤とパウダーのより均一な混合物を可能にする。しかしながら、粒子の全体としての表面領域は、各粒子の平均的な直径が減少する程著しく増大する。活性成分の表面領域が増大すると、粒子は各種の賦形剤とより接触を増すこととなり、それは非所望の薬剤−賦形剤相互作用を悪化する傾向にある。かくして、粒径を減少することによる甲状腺ホルモン固形投与量製剤の含量不均一性を改良するために、安定性はさらに損なわれるであろう。
【0007】
レボチロキシンナトリウム固体投与量形態の安定性を改良するために、各種のアプローチが示唆されている。例えば、米国特許第5,225,204号は、レボチロキシンナトリウムの安定化した複合体形成剤として、ポリビニルピロリドンまたはポロキサマーの使用を開示する。米国特許第5,635,209号は、ヨウ化カリウム、崩壊剤及び潤滑剤を含むレボチロキシンナトリウム製剤を開示する。米国特許第5,955,105号は、チロキシン薬剤、水溶性グルコースポリマー、及び部分的に可溶性または不溶性のセルロースポリマーを含む固体投与量形態を開示する。公開された国際特許出願WO 99/59551は、レボチロキシンナトリウム、ゼラチン及びフィラーを含み、有機溶媒残余物を含まない製剤を開示する。最後に、公開された国際特許出願WO 00/02586は、レボチロキシンナトリウム、ヨウ化カリウム、マイクロクリスタリンセルロース、及び結合剤を含み、抗酸化剤または他のアジュバントを含まない製剤を開示する。残念ながら、これらのアプローチのそれぞれは、明らかに別のまたはさらなる賦形剤のための面倒な探索から由来したものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に使用される賦形剤との会合による、または光、熱若しくは湿度にさらされることによる分解に耐える、甲状腺ホルモンの信頼できる安定化した固体投与量製剤を提供することが所望されるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の教示によれば、従来技術で示唆されたアプローチの欠点を解消する、増大した安定性を有する甲状腺ホルモンの固体製薬投与量を製剤化するための方法が提供される。
【0010】
甲状腺ホルモンの固体投与量を製剤化する方法は、賦形剤と活性成分の相互作用によって引き起こされる不安定性を避ける一方で、製薬学的に許容可能なポリマー基体に対して、賦形剤を実質的に含まないドライパウダーとして、活性成分を好ましくは静電的に沈着することを含む。本発明はまた、この方法によって調製された固体投与量形態を含む。
【0011】
従って、より小さい粒径の活性成分の使用と以前に関連していた負の結果を避ける一方で、潜在的に不安定化する賦形剤を含まず、増大した安定性を有する甲状腺ホルモンの固体投与量を製剤化するための方法を提供することが、本発明の目的である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、甲状腺ホルモンは、好ましくは静電的沈着法によって、基体上に、賦形剤を実質的に含まないドライパウダーとして、活性成分を沈着することによって、増大した安定性で製剤化できる。活性成分は、適切な固体投与量形態にさらに加工できる。
【0013】
静電的沈着法では、活性成分の荷電した粒子の流れの雲が、表面で反対の荷電のパターンが確立されている基体に対してさらされまたは基体に向けられる。この態様では、活性成分の測定された投与量が、さらなるキャリー、バインダー等の必要性なく基体に接着できる。かくして、好ましい実施態様では、賦形剤と混合された際に通常不安定である甲状腺ホルモンが、静電的沈着を含む本発明の方法を使用して最終投与量形態に取り込まれた際には安定である。
【0014】
静電的沈着の適切な手段は、例えば米国特許第5,714,007号、第5,846,595号、及び第6,074,688号に記載されており、それらの開示は参考としてここに完全に取り込まれる。活性成分は、「ウエット」沈着法を使用することによるように従来法で製薬学的基体に沈着できることも理解されるであろう。
【0015】
賦形剤の完全な除去(及びそれ故、非所望の交差反応の除去)のため、活性成分の増大した表面領域は、本発明の製剤において不利なものとはならない。従って、甲状腺ホルモンは、静電的沈着に従順であり、且つ満足な含量均一性を生ずるいずれの粒径でも利用できる。活性成分の粒径の適切な範囲は、1ミクロン(μ)未満から約60μまでである。好ましい実施態様では、粒径は平均して約15μ未満である。より好ましい実施態様では、粒径は平均して約10μ未満である。最も好ましい実施態様では、粒径は平均して約5μ未満である。
【0016】
好ましい沈着基体は、「製薬学的に許容可能な」ポリマーである;つまり、ヒトまたは動物の体内に安全に取り込まれるもの、例えば経口的に取り込まれ消化されるものである。理想的には、前記ポリマーは規定の承認を受けており、GRAS(”Generally Regarded As Safe”)の資格を有する。好ましくはフィルムの形態である前記基体ポリマーは、体内への取り込みに引き続き、例えば摂取に引き続きまたは摂取の際に、溶解するかまたは崩壊するかのいずれかであっても良く、あるいは前記ポリマーは、投与量形態が患者の体内に沈着物から製薬物質を送り出すまたは放出する限り、実質的に不活性で身体から通過しても良い。適切な物質は、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリサッカリドポリマー、アクリラートポリマー、メタクリラートポリマー、フタラートポリマー、ポリビニルアセタート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、オイドラギット(Eudragits)(つまりメタクリル酸を含むポリマー及びコポリマー)、デンプンベースのポリマー、ゼラチン等のポリマー及びコポリマーを含む。
【0017】
理論によって結びつけられることを望まないが、最も有用なポリマーは、甲状腺ホルモン分子中のアミノ基またはヨード基と実質的に反応性ではないものであると解される。特に好ましいポリマーは、ヒドロキシプロピルセルロース(「HPC」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)、エチルセルロース、及びそれらの組み合わせである。
【0018】
好ましい投与量形態、並びにさらなる有用な基体ポリマーは、公開された国際特許出願WO 99/63972に開示されており、その開示は参考としてここに完全に取り込まれる。例えば、カバーフィルムが、静電的に沈着した活性成分をカプセル化するために適用されても良く、生成した安定な「コア」は、従来の錠剤、カプセル、カプレット等に類似する投与量形態にさらに加工されても良く、または従来のものではないカシェ剤若しくはスタンプ様の体裁に加工されても良い。各コアは、治療上の量の甲状腺ホルモンを含む。適切な治療上の量は、一般的に前述の範囲内にある。
【0019】
【実施例】
以下の実施例は、各種のポリマーフィルムとレボチロキシンナトリウムの適合性を評価するために実施された4の研究それぞれの結果を提供する。これらの研究の目的は、静電的沈着のためのレボチロキシンナトリウムの安定性を最大化するための適切なポリマーフィルムを選択すること、及び選択されたポリマーフィルムを使用して投与量形態を開発することである。全ての3つの研究で、サンプルは、60%の相対湿度で25℃で、及び75%の相対湿度(「RH」)で40℃で、テフロン(登録商標)の裏地の付いたスクリューキャップで閉ざされた個々の琥珀バイアルで貯蔵された。
【0020】
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)が使用される以下の実施例のそれぞれでは、材料は以下のグレードで、Dow Chemical社, Midland, Michiganから市販で入手可能である:水中に2%でのHPMCのポリマー溶液「E5」は、20℃で約5cpsの溶液粘度を有する。水中で2%でのHPMCのポリマー溶液「E50」は、20℃で約50cpsの溶液粘度を有する。
【0021】
ヒドロキシプロピルセルロース(「HPC」)が使用される実施例のそれぞれでは、材料は以下のグレードで、Hercules Chemical社, Wilmington, Delawareから市販で入手可能である:HPC「EFP」は、80,000のポリマー分子量を有する。HPC「JFP」は、140,000のポリマー分子量を有する。
【0022】
実施例1
10%ポリエチレングリコール400を有する、ヒドロキシプロピルメチルセルロースE50及びヒドロキシプロピルセルロースJFP(50:50)で製剤化されたポリマーフィルム(基体1527−69−1)上に、約250μgのレボチロキシンナトリウムを沈着することによって、レボチロキシンサンプルを調製した。各サンプルを、Branson超音波シーラーを使用して密封した。サンプルを、25℃/60%RH及び40℃/75%RHで貯蔵した。コントロールとして、サンプルと同じ条件下で密封した琥珀バイアル中で、いずれの沈着基体をも有さないレボチロキシンナトリウム薬剤物質を貯蔵した。安定性を示す高速液体クロマトグラフィー法によって、分解物(degradants)の存在について2週目(2 weeks)及び4週目(4 weeks)でサンプルを分析した。その結果が表1に示されている。
【0023】
【表1】
(注意:RRTはピークの相対的リテンション時間を指し、つまりレボチロキシンピークのリテンション時間に対するそのリテンション時間の割合を指す。LT(Area%)は、サンプル中のレボチロキシンの測定の領域パーセントであり、レボチロキシン対別個のスタンダードのアッセイではない。)
【0024】
実施例2
6種のポリマーフィルムとレボチロキシンナトリウムの適合性を研究した。実施例1で評価したフィルム(1527−69−1)に加えて、5種のさらなるフィルムを評価した。これらは以下のものよりなる:
1.基体1527−79−1:HPMCE50:HPCJFP(50:50)
2.基体1577−7−1:エチルセルロース(「EC」)+5%HPMCE5+35%トリエチルシトラート(「TEC」)
3.基体1577−7−3:エチルセルロース+5%HPCEFP+35%トリエチルシトラート
4.基体1577−6−3:セルロースアセタートフタラート+5%HPMCE5+25%TEC+4%ポリソルバート80
5.基体1577−6−5:セルロースアセタートフタラート+5%HPCEFP+25%TEC+4%ポリソルバート80
【0025】
琥珀バイアル中で、2のポリマー基体の断片に約250μgのレボチロキシンナトリウムを沈着することによって、各サンプルを調製した。バイアルをテフロン(登録商標)の裏地の付いたスクリューキャップで密封した。サンプルを、25℃/60%RH及び40℃/75%RHで貯蔵した。コントロールとして、サンプルと同じ条件下で密封した琥珀バイアル中で、いずれの沈着基体をも有さないレボチロキシンナトリウム薬剤物質を貯蔵した。安定性を示す高速液体クロマトグラフィー法によって、分解物(degradants)の存在について2週目(2 weeks)及び4週目(4 weeks)でサンプルを分析した。その結果が表2に示されている。
【0026】
【表2】
【0027】
前記データから、25℃/60%RH及び40℃/75%RHの両方で貯蔵された場合、セルロースアセタートフタラートフィルムでは、活性成分の有意な損失が存在したことが観察できる。この材料を含むフィルムは、さらなる考慮から外された。残りの4種のフィルム(HPMC/HPC及びECの組み合わせのフィルム)は、さらなる開発に対する可能性を示した;各場合で、活性成分の損失は5%未満であった。かくして、第三の適合性の研究は、この研究の結果を確認するためにこれらのフィルムで実施された。
【0028】
実施例3
6種のポリマーフィルムとのレボチロキシンナトリウムの適合性を研究した。この研究では、実施例2で研究された4種のHPMC/HPC及びエチルセルロースフィルム(基体1527−79−1、1577−7−1、1577−7−3、及び1527−69−1)を含んだ。実施例1及び2のそれぞれで得られた幾分異なる結果のため、フィルム1527−69−1が含まれた。残りの3種のフィルムは、実施例2の結果を確認するために含まれた。さらに、個々のポリマー成分から調製された2種のさらなるフィルムが含まれた:HPCJFPからなるフィルム(基体1527−84−1)及びHPMCE50からなるフィルム(基体1501−56−3)である。この研究では、薬剤及びポリマーフィルムの量が増大し、一方で実施例1及び2の約1:14のフィルムに対する薬剤の割合は維持された。再言すると、25℃/60%RH及び40℃/75%RHで、テフロン(登録商標)の裏地の付いたスクリューキャップで閉ざされた琥珀バイアル中でサンプルを貯蔵した。いずれの沈着基体をも有さない閉ざされた琥珀バイアルで貯蔵された薬剤物質が、この研究のためのコントロールとして機能した。安定性を示す高速液体クロマトグラフィー法によって、分解物(degradants)の存在について2週目(2 weeks)及び6週目(6 weeks)でサンプルを分析した。この研究の結果が表3に示されている。
【0029】
【表3】
【0030】
これらの結果は、特定のポリマーが活性成分の非所望の損失と関連したことを示す。しかしながら、8種のポリマーフィルム製剤のうちの5種は、ストレス条件下で2%以下の活性成分の損失と関連した。かくして、甲状腺ホルモンと高い度合いの適合性を有するポリマー(つまり、活性成分のわずかな損失のみ引き起こすもの)が、製薬学的使用についての従来法であるポリマーの通常のスクリーニングから容易に同定できることが明らかである。
【0031】
実施例4
実施例3で4週間に亘り優れた能力を示した基体1527−79−1に関して、長期的安定性の研究を実施した。実施例3と同じ条件を使用するこのフォローアップ研究は、26週間で実施された。二つの異なる活性成分の粒径のロット(90206A及び90206Bと称される)を使用した。
【0032】
この研究の結果が表4に示され、これらは8、13及び26週間の後、活性成分の継続した安定性を示した。
【0033】
【表4】
【0034】
本発明は、その特定の好ましい実施態様を特に参考として記載されているが、本発明の変形及び改変は、添付された特許請求の範囲の精神及び範囲内で実施可能である。
Claims (13)
- 賦形剤と活性成分の相互作用によって引き起こされる不安定性を避ける一方で、甲状腺ホルモンの固体投与量を製剤化する方法であって、製薬学的に許容可能なポリマー基体に対して、賦形剤を実質的に含まないドライパウダーとして、活性成分を沈着する工程を含む方法。
- 前記沈着が静電的に実施される、請求項1記載の方法。
- 前記甲状腺ホルモンがレボチロキシンナトリウムまたはトリヨードチロニンである、請求項1記載の方法。
- 前記ポリマーが規定の承認を受けており、GRASの資格を有する、請求項1記載の方法。
- 前記ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリサッカリドポリマー、アクリラートポリマー、メタクリラートポリマー、フタラートポリマー、ポリビニルアセタート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、オイドラギット、デンプンベースのポリマー、ゼラチン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項4記載の方法。
- 前記ポリマーが、甲状腺ホルモン分子中のアミノ基またはヨード基と実質的に反応性ではない、請求項4記載の方法。
- 前記ポリマーが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項6記載の方法。
- 賦形剤を実質的に含まないドライパウダーとして、製薬学的に許容可能なポリマー基体に静電的に沈着された、治療上の量の甲状腺ホルモンを含む、改良された固体の製薬学的投与量製剤であって、平均のパウダー粒径が約15μ未満である製剤。
- 前記甲状腺ホルモンがレボチロキシンナトリウムまたはトリヨードチロニンである、請求項8記載の製剤。
- 前記平均のパウダー粒径が約10μ未満である、請求項8記載の製剤。
- 前記平均のパウダー粒径が約5μ未満である、請求項8記載の製剤。
- 前記ポリマーが、甲状腺ホルモン分子中のアミノ基またはヨード基と実質的に反応性ではない、請求項8記載の製剤。
- (a)静電的に沈着した活性成分をカプセル化するためにカバーフィルムが適用され、安定なコアを形成する工程;及び
(b)前記安定なコアを、錠剤、カプセル、カプレット、カシェ剤、またはスタンプ様の体裁に類似する投与量形態にさらに加工する工程;
をさらに含む、請求項2記載の方法。
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