JP2004502228A - 工業的プロセスのパラメータを予め計算するための汎用的な方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は工業的プロセスのパラメータを予め計算するための汎用的な方法に関する。本方法によれば、許容可能なプロセス入力量のベクトルが各量に対応付けられている定義範囲により、またプロセス出力量のベクトルが予め計算可能なプロセスパラメータにより決定されており、その際にデータバンクにプロセスに関する既知の情報が格納されており、これらの情報にプロセス入力量のための有効性範囲が割り当てられており、またその際に各入力されたプロセス入力ベクトルに対して、許容可能でありかつ有効な情報で占められている定義範囲から、このために有効な情報に従ってプロセス出力ベクトルが決定される。
Description
【0001】
本発明は工業的プロセスのパラメータを予め計算または推定するための汎用的な方法に関する。
【0002】
より大きく、より速く、より良く、といったこれらのキャッチフレーズはますます高性能化する工業的設備への開発の特徴となっている。従って消費財における広く普及している大量生産と対照的に、新たに建造すべき大形設備はしばしば先例がないので、このような設備の計画の際には、また最初の操業開始の際にも、ほとんど有効な経験値を引っぱり出すことができない。このことはなかんずく、このような大形設備が小形装置と対照的に、実験室での実験に不十分にしかモデル化することができず、それ故制限されたテストしかできないという結果となる。他方において、化学工業および冶金工業では、設備の操業開始の期間にはまだ知られていない改良された材料の新開発が絶えず行われる。それにもかかわらず、高い設備費用が十分に長い作動時間に配分され得るように、設備がなお未知の性質を有するこのような物質を処理するためにも適していなければならない。この用途に対して、それどころか将来開発すべき材料の特性、たとえば熱容量、粘性、凝固温度など、を予め推定する必要がある。20種類よりも多い種々の合金要素の混合により鋼を製造する際には、非常にさまざまな特性が生じ得るので、未来の鋼合金又はその他の混合材料の化学的及び物理的性質のこのような予測の際には、現在の時点で、これまで未知の製品への既知の材料特性の外挿の際、単一の経済的な評価手段として使用する「常識」は、もはや見通すことのできない関係のために過大な要求となる。このことは、なかんずくこのような予測のために必要な情報がたいてい多数の人々および工業オペレータにわたって散在しており、またそれらの広がりが広いので単一の人にまとめることは、たといその人がたとえば特許明細書を介して利用可能な情報の大きな部分にアクセスしたとしても、もはや全く不可能であことの結果として生ずる。
【0003】
公知の従来の技術のこれらの欠点から本発明が解決すべき課題は、工業的プロセスのパラメータを予測または推定するための方法であって、大量の情報へのアクセスの際に所望のパラメータをできるだけ高い精度で前もって決定し得る方法を提供することである。
【0004】
この課題は、本発明によれば、技術的な専門分野、たとえば冶金、に対して工業的プロセスおよび(または)製品の許容可能な入力量(以下ではプロセス入力量という)のベクトルが各々の量に対応付けられている定義範囲により、また工業的プロセスおよび(または)製品の許容可能な出力量(以下では:プロセス‐出力量)のベクトルが予測可能なプロセスおよび(または)製品パラメータにより決定されており、その際にデータバンクのなかに工業的プロセスおよび(または)製品に関する既知の情報が格納されており、またこれらの情報に有効性範囲が割り当てられており、またその際に各々の入力されたプロセス入力ベクトルに対して、許容可能でありかつ有効な情報で占められている定義範囲から、このために有効な情報に従ってまさにプロセス出力ベクトルが決定されることを特徴とする方法により解決される。
【0005】
非常に広範囲な問題の解決に近づくための第1のステップは、それぞれほとんど閉じられている専門知識を有する技術的専門領域への分割である。たとえば製鋼の際のプロセスはその他の化学的方法からほとんど切り離すことができる。なぜならば、このような設備の組み合わせはせいぜいのところ冶金をサポートするための補助装置に限られているからである。次いでその後のステップで、特に鋼種の組成、その現在の温度ならびに場合によっては製造方法の特定の方法ステップのような、直接に外部から制御可能な、考察すべきプロセスの入力量が、たとえば処理により生ずる製品、たとえば新しい鋼合金、の化学的、物理的および機械的な特性のような、それにより確かに影響されるが最初は知られていないプロセスの出力量、から区別される。関心の少ない状態量、たとえば密度、とのプロセス出力量の関係に関する他の情報が知られているならば、その実際の知識が利用者にとって確かに関心はないが、所望の出力量の決定のために欠くことのできない付加の状態量を決定することができる。こうして、考察すべきプロセスの基本構造がその入力量、出力量ならびに場合によっては状態量の形態で決定されていると、別のステップで、これらの量の間の内部関係に関する利用可能な知識が集められ、データバンクに記憶される。たとえば冶金において使用可能な合金要素ならびに場合によっては付加的な方法パラメータの多様性の結果として、利用可能な知識はほとんどすべての応用の場合に非常に欠陥のあるものとして分類しなければならず、その際に特に頻繁なプロセスパラメータの知識はより高い密度で、入力量のエキゾチックな、それ故稀な組み合わせはより低い密度である。従って技術的に広く応用される範囲の予測の精度は技術的に新たに開かれる範囲の予測の精度よりも明らかに高い。それにもかかわらず、当該の技術的な方法が自然科学的に完全に研究されておらず、閉じられた連立式によりモデル化可能でない限り、普通のプロセスの際にも出力量と入力量との間の関連は個々の具体的な方法パラメータに対してのみ知られていればよいであろう。たとえばその間に電気的駆動分野で達成されているこのような情報密度を、他の工業分野の専門家は夢想しかできない。ここに本発明は、欠陥があるが知られている情報の内挿から可能なかぎりすべての考えられる応用に対して、すなわち入力パラメータの組み合わせ、に対して出力量の推定を与えることによって、実際のパラメータからの予測すべきパラメータの偏差を、利用するデータの連続的な圧縮により零に近づけるために使用される。これはたとえば、新たに処理され、科学的にまだ完全に理解さていない専門分野において、利用される情報が測定値の形態で記憶され、その際に中間製品の照会の場合に次いで可能なかぎり良好な内挿が既知の値の間で行われるべきであり、情報の密度の増大と共にたとえば個々の測定点の代わりに回帰曲線が記憶され、この回帰曲線は完全な科学的理解なしに、予評価への良好な近似が可能であり、最後に関連性の科学的な究明に従いその際に見出された関数が記憶され、その結果本発明による方法の精度は時間の経過と共に漸近的に、技術的にまだ実現されていないプロセスのパラメータの誤りのない予測の理想に近づく。データバンクの補完により学習し、それにより絶えずその知識レベルを上昇させる本発明方法の能力は、予測され及び(又は)評価されるパラメータに加えて、さらにそのために必要な知識の密度又はそれから転じて可能な計算又は評価誤りの評価を利用者に供給することができる。この場合、各利用例に対し受け入れるべき「ワーストケース」とみなされると、例えば新たに建造すべき設備の大きさを定める際に利用者は常に安全側にあり、その結果この種の設備の時代遅れを阻止することができる。
【0006】
プロセス入力量として抽出物、特に原材料および(または)原製品、ならびに処理方法の動作点を決定する周辺条件に関する情報が使用されることは望ましいことが判明している。工業的プロセスではたいてい中間製品または最終製品への1つまたは複数の抽出物の処理が行われるので、直接的に制御可能な量としてなかんずく使用可能な原材料の既知の特性ならびに外部から制御可能な方法パラメータを使用することが勧められる。
【0007】
プロセス出力量がプロセスにより得られる製品に関する情報、たとえばそれらの化学的、物理的または機械的特性に関する情報ならびに場合によってはプロセス状態量に関する情報を含んでいることは本発明の範囲内にある。1つの設備を計画するためにはなかんずく中間製品および最終製品の化学的、物理的及び機械的特性が関心の対象であり、その際にそれらは温度または他の周辺条件に関係し得る。ここではなかんずく、外部の量との相互作用に関する特性、たとえば化学的な腐食性、通電性および熱伝導性などが重要であり得る一方で、プロセス期間中ほとんど現れることのない他の特性はそれにもかかわらず重要な出力量の決定のために重要であり得る。ここでは例えば密度などは内部特性と呼ばれる。
【0008】
プロセス入力ベクトルに対するn次元の定義空間およびプロセス出力ベクトルに対するm次元の値空間の際には、プロセスに関する情報が、完全な入力ベクトルと少なくとも1つの出力量のその際に測定された値とを有する少なくとも(n+1)次元の情報ベクトルとして記憶されていることが可能である。このような情報ベクトルは、それらが入力量の完全な知識の際に、入力量を相応に予め定めることにより既知の出力量が設定され得るように、少なくとも出力量をも付加的に定め得るときにのみ、本発明による方法の枠内で使用可能な情報内容を有する。他方において特殊な入力ベクトルの際にはすべての出力ベクトルも測定され、また本発明によるデータバンクに格納されていてよく、それによって最大でディメンジョン(n+m)が有効な情報ベクトルに対して生ずる。本発明による方法の枠内で別の情報ベクトルなしにさまざまな情報により処理され得る。それにより多くの出力量に関してより正確な計算が可能であり、また他の出力量ではそれに対して1つの粗い推定のみが可能である。情報ベクトルのディメンジョンはそれぞれ近接可能な、またデータバンクに記憶可能な知識にならう。この際に特定は設定かつ測定された値の入力により簡単に行われるので、ここにシステムの基本的な挙動に関する知識は必要でない。こうして出力量に関する各々の形式の知識が、付加的にその際に予め与えられる入力量が十分に知られているかぎり、本発明による方法の枠内で使用され得る。
【0009】
他の利点は、1つの所与のプロセス入力ベクトルに対する出力量が、入力ベクトルに対して有効な定義範囲を有する情報‐ベクトルから内挿により計算されるときに生ずる。そのなかで1つの情報‐ベクトルがなおち使用可能であるべき有効な定義範囲の設定は本発明による方法に対して1つの大きい意義を有する。材料知識に対しては、特定の範囲限界において1つの材料またはプロセスの構造が基本的に変化する、という事実が特徴的であり、図1に添付された、例えば鋼に対して典型的な鉄セメンタイト線図において、液相線ABCDが確定されることが可能であり、この液体線はより高い温度において純粋の融体として存在する物質をその下の融体と結晶との混合形態から分離し、更にいわゆる固相線AECFも示され、この線の下には固化した状態の物質が存在する。これらの線において、その組成に特徴ある物質は温度変化の際その集合体状態を変え、従って例えば引っ張り強度、圧縮強度のような一連の物理的特性も急激に変化する。他方例えば状態図1の領域2にはαフェライトが支配し、そこでは立方体空間中心のα混晶中に鉄格子が存在し、炭素原子が十分鉄格子から排除され、一方部分的に限定された領域3には立方体平面中心の鉄格子を持ったδ混晶の形でオーステナイト相が存在する、等々である。それから例えば機械的又は磁気的特性を特徴付ける形式が特定の領域限界においてその有効性を失うことを知る。何故ならば、当該材料の構造が基本的に変化するからである。この理由から、各情報ベクトルのために有効範囲を定義することが重要であり、その範囲内においてこの情報ベクトルを利用して入力量と出力量との間の関係についての該当するメッセージを基本的に使用可能であり、そこから離れると、当該情報の利用は完全に誤った結果に導く可能性があるものである。その結果、所与の入力量に対する出力量の決定の際に先ず、どの情報が当該の組成、温度などに対してそもそも有効性を失っているか、またどの情報がこの際にもはや事実に合致しないか、を確認する必要がある。次いで有効と格付けされた情報により所与の入力量における出力量の挙動に対する1つの近似が求められ得る。
【0010】
さらに本発明によれば、内挿の際に所与のプロセス入力ベクトルに対する出力量が、入力ベクトルに対して有効な定義範囲を有する情報ベクトルから互いに相応する出力量の重み付けされた加算により計算される。有効と分類された情報の重畳は種々の内挿法に従って行われ得る。たとえばスプライン内挿が考えられるが、多数の応用の場合に既知の情報ベクトルのほぼ任意の分散に基づいて、回帰形式を作るためにより高度の内挿が行われてもよく、その回帰形式はすべての既知の情報ベクトルの終点を通る超平面に相応し、またそれによって得られる莫大な費用と比較して意義が少なく、その際にたとえば最小二乗誤差法などが応用され得る。
【0011】
出力量を決定するための重み付け係数を、出力量を計算するためのすべての重み付け係数の和が1に等しいように正規化することは有利である。このような正規化により、一定の出力量、すなわち入力量の1つまたは複数が影響を有さない量、が内挿により誤りなく再現されることが保証されている。
【0012】
本発明は、内挿の際にプロセス入力ベクトルに対するn次元の定義空間のなかの情報ベクトルの間隔が当該の情報ベクトルの出力量に対する重み付け係数の形成の際に使用されるように実施され得る。それにより各々の入力ベクトルに対して、特有の組み合わせが有効な情報ベクトルから形成することができ、この組み合わせは入力ベクトルの絶対的位置に関係するのではなく、n次元の定義空間上に投影された情報ベクトルに対するその相対的位置に関係する。従って個々の情報ベクトルの影響は個別に各入力ベクトルに適合化され得る。
【0013】
内挿の際に、重み付け係数が入力ベクトル のn次元の定義空間の情報ベクトルの入力ベクトルからの間隔の増大と共に小さくなるならば、良い結果が得られる。この対策は、n次元の定義空間へのそれらの投影が現在の入力ベクトルに最も近く位置する情報ベクトルが出力量の計算または推定に最も大きい影響を及ぼすことを保証する。
【0014】
本発明による方法の変形された実施例は、プロセスに関する情報が出力量に対して特有の入力ベクトルの関数として、また場合によっては内部情報ベクトルの関数として格納されていることを特徴とする。これらの情報表示は、情報圧縮度の増大の際に、多数の情報ベクトルではなくそれらから導き出された1つまたは複数の関数が格納れさるデータ量の圧縮に相当する処理を行う可能性を開く。それにより出力量の計算が加速されるという付加の利点が得られる。
【0015】
この実施形態の枠内で、関数は既知の情報ベクトルから回帰公式により形成されている。これは出力量に対する関数を発生するための最も簡単な方法であり、これは、情報ベクトル密度が特定の範囲において所定の値を上回ったことが例えば自動的試験に基づき確認されたとき、相応にプログラミングされたデータ処理設備によって数学法則に従って、完全に外部の援助なしに実施することができる。ここで、回帰係数の決定による線形又は多項式回帰が1つ、複数、又は総ての入力量に関係して行われ得る。総ての入力量が回帰式に流れ込むと、その評価の際に、出力量の所属の値が直ちに計算され、他の場合には、回帰式の評価の際に当該出力量に対する近似値が求められ、この値は続いて情報ベクトルを使用して内挿により補正することができ、この情報ベクトルは回帰式が有効な定義空間の部分空間に線形的に無関係である。しばしばたとえば物質の1つまたは複数の特性の温度関係がより多数の測定点により決定され、またこの多数の測定点の代わりに各1つの温度に関係する回帰式もその他の点では変更されていない物質の当該の特性に対して使用され得る。この回帰式から次いで当該の出力量が所与の温度の際に、検査すべき材料に可能なかぎり類似している物質に対して推定され得る。付加の合金要素の影響は次いで他の物質に対して求められた測定値によるこの値の内挿により考慮に入れられ得る。
【0016】
本発明による方法は、関数が、mまでの行および(n+z)(ここでzはプロセスに対して決定された状態ベクトルのディメンジョンである)までの列を有するマトリックス形態に配置されていることによって、別の最適化を受け得る。この数学的方式は、出力量が一義的に入力量及び観察しているプロセスの全状態量によって予め与えられる認識から出発する。更に本発明はこの場合実際上絶対的に非線形の関係の線形化の可能性を利用し、このことは例えばこのマトリックスの種々のパラメータに関係する係数によって実現され得る。この場合、このマトリックスの列数は、状態ベクトルが同時に出力ベクトルとして現れるかに応じて変化し、それにより列数は最大nに等しくおくことができ、又は状態量が暗黙に計算され、しかし出力ベクトルの成分は存在しないかに応じて、変化し、それによって列数は(n+z)の最大まで高められ得る。
【0017】
本発明は、出力ベクトルまたはその要素が入力量および状態量から形成されたベクトルによる関数マトリックスの乗算により計算されることによって、計算費用の低減を可能にする。これによりすべてのプロセス挙動の首尾一貫した直線化の際に非常に簡単な計算方法が行われ得る。その際に出力ベクトルは理想的な場合には単一のマトリックス乗算により求められ得る。しばしばこのような直線化は付加の状態変数の導入によっても達成され得る。
【0018】
本発明は、状態量の計算がそれらに関係するプロセスパラメータの計算の前に行われるように実施され得る。この際に状態微分式
dc(t)=A* c(t)+B* x(t) (I)
が出力式
y(t)=C* c(t)+D* x(t) (II)
を解く前に計算され得る。たいていの場合にはこの際に1つのプロセス状態から1つの他のプロセス状態への移行のダイナミックスには関心がないので、状態量の決定は他の仮定dc/dt=0、dx/dt=0により著しく簡単化され得る:
c=−A−1* B* x (III)
y=C* c+D* x (VI)
ここで
x=〔Z,H,A〕T
また
Z:=組成パラメータ
H:=構造を決定する履歴、たとえば変形パラメータ、温度処理
A:=作動点を決定する量、たとえば温度、変形パラメータ
【0019】
種々の状態量および(または)出力パラメータに対するプロセス情報が相異なって、すなわち一方では情報ベクトルとして、また他方では関数、特に回帰公式、として格納されていることによって、応用のし易さがさらに高められる。相異なる出力量に対する計算方法は入力量の同一のセットの際に互いに完全に異なり得る。たとえば出力量に対して完全な計算式がすべての入力量を考慮に入れて示されていてよく、他方において他の出力量はより小さい情報密度に基づいて個々の測定点によってのみ表されており、従ってここでは場合によって内挿を行う必要がある。
【0020】
状態量および(または)プロセスパラメータに対する計算規則が、関係付けられた表構造が生ずるように別の表を参照させる要素を含んでいてよい表に格納されているならば、分かりやすいデータ構造が得られる。この計算構造は互いに関係する量の決定の際に可能なかぎり計算時間の短縮を可能にする。
【0021】
1つまたは複数の状態量に関係して、そのために有効な、特に表または計算公式の形態の、計算情報間の選択が行われることにより、本発明による方法の機能を高めることができる。既に述べたように、決定された範囲限界において特に相変換温度、物質の挙動の構造的変化が生じ、それによって特定の計算式がそれらの有効性を失い、他の計算式により置換されなければならない。この場合にたとえば温度が状態量として理解されると、当該の物質に対して計算された変換温度に応じて種々の計算式、計算表などが切換えて使用され得る。
【0022】
計算されたパラメータが理想的な値から大きくずれるのを避けるために、本発明の他の構成が使用される。それによれば、種々の計算情報の有効性範囲間の限界において絶えず移行を行い、その際計算の結果は隣接の範囲で有効な計算情報に従い重み付けされる。この近似法は、特に、すべての既知の情報ベクトルから、特にその圧縮された範囲から非常に遠く離れているような入力量の場合に予想精度の改良に導くことができる。それ故本発明においては、形式又は情報がそのように大きな隔たりにおいて明らかに簡潔、明瞭性を失った計算範囲への所属が著しい偏差に導き、一方圧縮された情報の核が同様に遠く離れている他の範囲への所属が同様に極めて不正確な結果に導く可能性がある。このような計算結果の2つ又は複数の重畳によってこれらのものが相互に確認されるか、又は中間の値の内挿により相対化され、調節され得る。このような内挿のために、専ら範囲限界を用いることができ、それらの範囲限界においては物質の突然の変化を認めるンことはなく、例えば相変換が起きる温度限界期間の例えば組成の漸次の変化は、ある計算方法から他の計算方法への突然の移行によってもモデル化されなければならない。
【0023】
このような結果補正の枠内でさらに、種々の計算結果の重み付けが、当該の計算情報の核範囲のなかでは1に等しく、また周囲の移行範囲の外側では0に等しく、また移行範囲のなかでは0と1との間の値をとる従属性関数に従って行われる。この従属性関数は、当該核範囲に有効な公式に従い得られた結果が入力ベクトルの位置に関係する従属性関数と乗じられることにより、数値的内挿の重み係数と類似と理解することができる。種々の計算公式の核範囲が特に排除しあうことにより、各核範囲に対して有効な計算式に属する従属性関数のみが1に等しく、他のすべては0であり、その結果、残りの計算式は全結果に影響を持たない。これに対し移行範囲においては、複数の所属性関数は0に等しくなく、特に1にも等しくなく、その結果すべての当該計算式は全結果に流れ込む。この場合、移行範囲の各点において常にすべての従属性関数の和が1に等しいことが保証される限り、同時に、ここで2つ又は複数の有効な計算式が同じ結果を供給する理想的な場合に全結果もこの確認した値をとることに導く規格化が行われる。
【0024】
誤計算を回避するための対策は、計算された出力量が蓋然性検定を受けることにある。既知の計算式およびそれに対してそれぞれ有効な定義範囲の精密な入力の際には予測誤差の確率は非常に小さい。他方において、情報ベクトルの密度が小さくなると、一括した内挿により実際の値からかなり偏差した結果が計算される可能性があり、このことは極めて多層の関係のために直ちに認められることはない。それ故、本発明は後段に接続されている蓋然性検査回路による検査が行われ、そこでは計算された結果が利用者に提供され得るまで、一般に有効な知識及び(又は)経験値が立証されなければならない。蓋然性検定が計算結果から構成されない場合には、このことは場合によっては誤った結果と結び付いて示されるか、本発明方法の枠内において経験値からずれた結果をその原因までさかのぼり、例えば誤って入力された情報ベクトル等を指示することが試みられる。
【0025】
本発明はさらに、接続されているハードウェアモジュールおよび(または)ソフトウェアモジュールとのデータ交換が行われることを特徴とする。本発明による方法は、利用者がたとえば像スクリーンおよびキーボードの助けをかりての入力パラメータの特定によりデータバンクへの質問を定式化し、回答が計算結果の形態でプリンタ上にプリントされることによって、自立型のデータバンクとしても使用され得る。他方において、本発明による方法に従って動作するソフトウェアモジュールはシミュレーションプログラムの枠内でも、シミュレーション結果を最適化するために、特定のパラメータのためのデータ供給者として使用され、シミュレーションプログラムから与えられた場所へ入力される。さらに、オンライン調節の際に内部の測定不可能な量を状態量として定義することも可能である。同じものが単純な計算モデルによって決定され得ない限り、本発明によるエキスパートシステムは既知の入力量に基づき実際の状態パラメータの評価の際によく役に立つ。この場合、調節装置と本発明によるエキスパートシステムとの間の絶え間の内データ交換が行われ、この場合、エキスパートシステムは操作を介して予め与えられた、及び(又は)センサを介して得られた入力量及び状態量を受け取り、それから必要な情報を決定し、この情報を制御特性の最適化のために再び調節装置に伝達する。
【0026】
最後に、記憶されているデータおよび(または)伝達すべきデータが少なくとも部分的にコード化されていることも本発明の範囲内にある。本発明によるエキスパートシステムは莫大な知識を統合しているので、競争相手によりさまざまな目的で悪用され得よう。すべての専門領域を含む能力の結果として応用分野はほぼ制限されていない。他方において本方法の非臨界的な使用の際にはたとえば検証されていない結果から大きい損傷が増大し得よう。従って本発明によれば、エキスパートシステムはコントロールされた形態でのみデータを周辺装置と交換し、その際にコード化およびデコーディングが周辺装置のなかで初めて行われるように構成されている。確実性を高めるため、データ交換が、接続されている装置またはソフトウェアモジュールから決定された能動化コードが送られているときに初めて行われるように構成されていてもよい。
【0027】
本発明に基づく他の特徴、詳細、利点および作用は本発明の好ましい実施例の以下の説明および図面により明らかになる。
【0028】
鋼の際には特にしばしば準安定なセメンタイト状態に対する図1に示されている既知の鉄‐炭素状態図は、例として、複数の構成要素から成る材料系がとり得るさまざまな状態を説明するために用いられる。
【0029】
一方では非合金の鉄鋼に対しては既に固定の集合状態で温度に関係してさまざまな結晶状態、911°C以下でのαフェライト、1392°Cまでの温度でのオーステナイト、さらにまた1530°Cの融点までのδフェライトが存在している。
【0030】
さらに、炭素の重量比の増大と共に一方では融点が点Cにおける1147°Cに低下し、他方ではパーライト5を越えて混合相6、7を経てレデブリット8まで、また1つの別の混合相9を経て純粋なセメンタイト10までの全組織も変化する。パーライト5までの非合金の鋼の範囲内にはまだαフェライト結晶が存在し得るが、パーライト5とレデブリット8との間の範囲は、ここに温度に応じてオーステナイト結晶も存在し得ることを特徴とする。他方においてレデブリット8と純粋なセメンタイト10との間の過共析の範囲内には純粋な鉄結晶はもはや存在せず、専らプライマリセメンタイトおよびレデブリットから成る粒組織のみが存在する。これらの物質はそれらの化学的、物理的および材料科学的特性に関して顕著に異なっており、たとえば過共析の材料はテクノロジー的に意義が少ない。
【0031】
図1において横軸に沿ってとられている可変の組成Zはさまざまな合金物質の多次元の組成を代表するものとして理解されるべきであり、他方において縦軸に沿ってとられている温度Tは同じく材料の現在の状態(動作点)に影響を及ぼす、組成Zに無関係なパラメータを代表するものとして理解されるべきである。他のこのようなパラメータは、構造を決定する履歴H、特に焼入れ、焼戻しなどのような熱処理、さらに圧延過程、およびたとえば酸洗のような表面処理、さらにたとえば溶融物にかかる圧力などのような現在のパラメータであってよいであろう。ことごとく特定の化学的、物理的または材料科学的な量(出力量)の具体的な挙動に影響を及ぼす多数の組成パラメータ、前処理パラメータおよび現在のパラメータは入力量のベクトル〔Z、H、A〕としてまとめられ得る。
【0032】
このことはたとえば、主合金構成要素Feと一緒に当該の鋼の組成を定義する24の合金構成要素がまとめられている下記のベクトル(表2)により示され得る。この組成は図2による像スクリーン表示を手がかりにしてのこのような材料の挙動に関する相応の情報の入力の際にデータバンクに入力され得る。
【0033】
たとえば“St44”のような通し番号の設定、下記の窓12による表1からの材料グループ,特に鋼グループへの対応付けによる窓11、“呼称”、のなかでの材料の特定の後にこの鋼11に関する情報の入力が行われる。先ずこの目的で、一緒に入力ベクトルを形成する入力量が特定される。このことは一方では窓13、“組成”、を介して行われ、ここで合金成分Zが表2による成分ベクトルにより具体化される。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
他の入力量は窓14のなかで特定すべき製造履歴、構造を決定する履歴H、たとえば予熱温度、圧延開始温度、仕上がり帯温度、巻取り温度のような焼戻し過程および圧延過程に関する情報、ならびに場合によっては表面処理等に関する他の情報などである。
【0037】
このようにして温度Tを例外として入力ベクトルが決定されると、いま窓15のなかに所与の温度Tに対して得られた測定値、たとえば下記の表3による材料データ、が入力され得る。
【0038】
【表3】
【0039】
この際に、温度依存性を示す別の材料パラメータ、たとえば続いてグラフ16に可視化され得る微分、直線膨張係数、さらに比熱容量17、温度に関係する弾性係数18、熱伝導性19および同じく温度に関係する密度20も重要である。すべての入力された材料特性15の蓋然性検査のために、続いてこれらの情報16〜20の曲線状の表示が光学的な帰還結合のために使用される。
【0040】
入力された情報は、入力量組成Z(25の合金構成成分)、変形パラメータH(たとえば4つの量:予熱温度、圧延開始温度、仕上がり帯温度、巻取り温度)および温度T(∈A)の各1つの値から形成されている情報ベクトルとして理解され(それによればいまの場合には30パラメータ)、他方において各々のこのような入力ベクトルに出力量16ないし20(5つの量)またはたとえば表3による別の量(12の量)および場合によっては付加の量、たとえば降伏応力、のまさに値が対応付けられる。それによればいまの例では各々の情報ベクトルは30の入力量およびたとえば18の出力量を有する。他方において入力量〔Z,H,A〕Tの各々のセットに完全なセットが存在していてはならず、それどころか情報ベクトルは、ただ1つの単一の出力量が特定されているときに、既に意義を有する。
【0041】
このようにしてすべての既知の情報がこのような情報ベクトルの形態で本発明によるデータバンクに入力されると、原理的に図4による方法21により入力量のセットおよび入力されたデータから所望の出力量の決定が開始される。そのために、予め定められた入力ベクトル〔Z,H,A〕Tにその入力量の定義空間への投影が入力ベクトル〔Z,H,A〕Tにより覆われる情報ベクトルが見出されないならば、ほとんど常に内挿が必要である。しかしこのようにしてほとんど常に必要な内挿のためには個々の情報ベクトルの有効性範囲に関する別の情報が必要であり、たとえば融点の超過の際の引張強度のような特定の出力量はその意義を失い、また既知の値の別の外挿の代わりに零にセットされなければならない。データバンクの評価が続いて全自動的に行われ得るように、このような有効性範囲の定義は同時に当該の情報ベクトルの入力により行われなければならない。
【0042】
この評価方法21は、図5に示されている実施例の際に現在入力された入力ベクトル〔Z,H,A〕Tが第1の方法ステップ22の枠内で当該の材料グループ12のなかに組み入れられる(これはたとえば合金構成要素Zの粗い評価により行われ得る)ことによって開始する。次いで評価のために使用されるデータ処理設備が当該の材料グループに対して有効なプロセス情報を見出す(方法ステップ23)。このプロセス情報は再び、さまざまな化学的な構造および(または)物理的な集合状態が存在する個々の範囲2〜10に分割されていてよい。このように具体的な入力ベクトルに対して有効なプロセス情報が見出される(23)と直ちに、先ず、内部の状態量Cが組成Zおよび温度T(∈A)から、また場合によっては別の変形パラメータHから求められ得る(24)。これらの内部の状態量は確かに利用者からは必要とされないが、別の計算ステップに対して材料の特徴的な関係に基づいて決定的である(ここではなかんずく集合状態が重要である;さらにたとえば密度が熱伝導性に対して重要である)。この評価24はたとえば入力された情報ベクトルの相応のパラメータの間の内挿により行われ得る。それらはこの際にたとえば現在の入力ベクトルに対する間隔に関係する重み付け係数により乗算され、次いで加算される。このようにして計算された状態量Cならびに入力量Z、H、Aから次いで後続の方法ステップ25で、好ましくは同じく内挿により、出力量Yの所望のベクトルが求められ得る。
【0043】
図3に示されているように、たとえば温度に関係する出力量に対して、任意の温度値Tに対して特定の出力量の正確な出力値Yを供給する回帰公式が形成され得る。このような場合には予め行うべき内挿のディメンジョン及び従って計算費用が低減され得る。このことが特定の組成範囲内で情報ベクトルの十分な密度により可能であれば、これらの回帰公式が複数または全部の入力量Z、H、Aにも拡張され得るので、理想的な場合には評価のための内挿はもはや必要でなく、簡単に回帰公式のなかに既知の入力量を入れることにより当該の出力量が計算され得る。回帰公式の代わりに科学的に実証された関係も既知の材料科学的な公式の形態で入力され得る。
【0044】
それによって冶金からの応用の際に本発明による方法の応用が下記のように行われる。
【0045】
最初のステップ26で、既知の材料パラメータZが入力され、それによってこの際使用される電子式データ処理装置が材料を識別し得る。この指定は
−化学的構成要素およびそれらの成分
−材料記号、たとえば“st37”
−または材料グループたとえば“一般.構造鋼および調質鋼”
の入力により行われ得る。
【0046】
この際に材料記号を介しての間接的な指定または材料グループ記号を介しての全く詳細でない指定が行われると、電子式データ処理装置によりたとえばこの記号を有する典型的なレプレゼンタティブの使用によりまたはこれらのグループから有効な組成Zが定められ得る。
【0047】
それに続くステップ27で、構造を決定する既知の履歴H、特に
−変形
−温度処理
に関する履歴H、および現在の作動点を決定するパラメータA、たとえば
−温度
−圧延加工の際の現在の変形度合
−現在の変形速度など
が入力される。それによって電子式データ処理装置に、計算すべき冶金プロセスのすべての周辺条件が知られている。
【0048】
いま電子式データ処理装置により解決すべき課題を定義するため、方法ステップ28で、どの現在のパラメータYを電子式データ処理装置が計算すべきかが決定される。もちろん入力方法ステップ26〜28は任意の他の順序でも実行され得る。
【0049】
このことが行われていれば、いまサブプログラム21が呼出されることによって計算が開始され得る。これは組成Z、構造を決定する履歴Hおよび作動点を決定するパラメータAの関数として、また場合によっては関心はないが出力パラメータYに影響する状態パラメータ、たとえば現在の密度、を手がかりにして、所望の出力量Yを求める。この際に、記憶されているデータセット、回帰式および(または)ニューロン回路網に遡及され得る。既知の情報と現在の周辺条件との間の不一致は内挿および(または)外挿により橋渡しされる。助けとして、既知の情報への関係を確立し、有効な結果に到達するため、個々の材料パラメータ、特に構成要素が類似の特性、特に作用、を有するパラメータまたは構成要素により置換され得る。
【0050】
このようにしてステップ21で計算さた出力パラメータYは次いでステップ29でデータ端末装置、たとえば画像スクリーンまたはプリンタを介して出力される。
【図面の簡単な説明】
【図1】許容可能な入力ベクトルの定義範囲の簡単化された例。
【図2】本発明による方法を支援するデータバンクのケアーの際のデータ構造の概要図。
【図3】パラメータに関係する量の入力および(または)変更のための、図2に相応する図。
【図4】本発明による計算方法のフローチャート。
【図5】応用の際に実行すべきステップを有するフローチャート。
【符号の説明】
11 呼称
12 鋼グループ
13 組成
14 変形パラメータ
15 特性
16 直線膨張係数
17 比熱容量
18 弾性係数
19 熱伝導性
20 密度
本発明は工業的プロセスのパラメータを予め計算または推定するための汎用的な方法に関する。
【0002】
より大きく、より速く、より良く、といったこれらのキャッチフレーズはますます高性能化する工業的設備への開発の特徴となっている。従って消費財における広く普及している大量生産と対照的に、新たに建造すべき大形設備はしばしば先例がないので、このような設備の計画の際には、また最初の操業開始の際にも、ほとんど有効な経験値を引っぱり出すことができない。このことはなかんずく、このような大形設備が小形装置と対照的に、実験室での実験に不十分にしかモデル化することができず、それ故制限されたテストしかできないという結果となる。他方において、化学工業および冶金工業では、設備の操業開始の期間にはまだ知られていない改良された材料の新開発が絶えず行われる。それにもかかわらず、高い設備費用が十分に長い作動時間に配分され得るように、設備がなお未知の性質を有するこのような物質を処理するためにも適していなければならない。この用途に対して、それどころか将来開発すべき材料の特性、たとえば熱容量、粘性、凝固温度など、を予め推定する必要がある。20種類よりも多い種々の合金要素の混合により鋼を製造する際には、非常にさまざまな特性が生じ得るので、未来の鋼合金又はその他の混合材料の化学的及び物理的性質のこのような予測の際には、現在の時点で、これまで未知の製品への既知の材料特性の外挿の際、単一の経済的な評価手段として使用する「常識」は、もはや見通すことのできない関係のために過大な要求となる。このことは、なかんずくこのような予測のために必要な情報がたいてい多数の人々および工業オペレータにわたって散在しており、またそれらの広がりが広いので単一の人にまとめることは、たといその人がたとえば特許明細書を介して利用可能な情報の大きな部分にアクセスしたとしても、もはや全く不可能であことの結果として生ずる。
【0003】
公知の従来の技術のこれらの欠点から本発明が解決すべき課題は、工業的プロセスのパラメータを予測または推定するための方法であって、大量の情報へのアクセスの際に所望のパラメータをできるだけ高い精度で前もって決定し得る方法を提供することである。
【0004】
この課題は、本発明によれば、技術的な専門分野、たとえば冶金、に対して工業的プロセスおよび(または)製品の許容可能な入力量(以下ではプロセス入力量という)のベクトルが各々の量に対応付けられている定義範囲により、また工業的プロセスおよび(または)製品の許容可能な出力量(以下では:プロセス‐出力量)のベクトルが予測可能なプロセスおよび(または)製品パラメータにより決定されており、その際にデータバンクのなかに工業的プロセスおよび(または)製品に関する既知の情報が格納されており、またこれらの情報に有効性範囲が割り当てられており、またその際に各々の入力されたプロセス入力ベクトルに対して、許容可能でありかつ有効な情報で占められている定義範囲から、このために有効な情報に従ってまさにプロセス出力ベクトルが決定されることを特徴とする方法により解決される。
【0005】
非常に広範囲な問題の解決に近づくための第1のステップは、それぞれほとんど閉じられている専門知識を有する技術的専門領域への分割である。たとえば製鋼の際のプロセスはその他の化学的方法からほとんど切り離すことができる。なぜならば、このような設備の組み合わせはせいぜいのところ冶金をサポートするための補助装置に限られているからである。次いでその後のステップで、特に鋼種の組成、その現在の温度ならびに場合によっては製造方法の特定の方法ステップのような、直接に外部から制御可能な、考察すべきプロセスの入力量が、たとえば処理により生ずる製品、たとえば新しい鋼合金、の化学的、物理的および機械的な特性のような、それにより確かに影響されるが最初は知られていないプロセスの出力量、から区別される。関心の少ない状態量、たとえば密度、とのプロセス出力量の関係に関する他の情報が知られているならば、その実際の知識が利用者にとって確かに関心はないが、所望の出力量の決定のために欠くことのできない付加の状態量を決定することができる。こうして、考察すべきプロセスの基本構造がその入力量、出力量ならびに場合によっては状態量の形態で決定されていると、別のステップで、これらの量の間の内部関係に関する利用可能な知識が集められ、データバンクに記憶される。たとえば冶金において使用可能な合金要素ならびに場合によっては付加的な方法パラメータの多様性の結果として、利用可能な知識はほとんどすべての応用の場合に非常に欠陥のあるものとして分類しなければならず、その際に特に頻繁なプロセスパラメータの知識はより高い密度で、入力量のエキゾチックな、それ故稀な組み合わせはより低い密度である。従って技術的に広く応用される範囲の予測の精度は技術的に新たに開かれる範囲の予測の精度よりも明らかに高い。それにもかかわらず、当該の技術的な方法が自然科学的に完全に研究されておらず、閉じられた連立式によりモデル化可能でない限り、普通のプロセスの際にも出力量と入力量との間の関連は個々の具体的な方法パラメータに対してのみ知られていればよいであろう。たとえばその間に電気的駆動分野で達成されているこのような情報密度を、他の工業分野の専門家は夢想しかできない。ここに本発明は、欠陥があるが知られている情報の内挿から可能なかぎりすべての考えられる応用に対して、すなわち入力パラメータの組み合わせ、に対して出力量の推定を与えることによって、実際のパラメータからの予測すべきパラメータの偏差を、利用するデータの連続的な圧縮により零に近づけるために使用される。これはたとえば、新たに処理され、科学的にまだ完全に理解さていない専門分野において、利用される情報が測定値の形態で記憶され、その際に中間製品の照会の場合に次いで可能なかぎり良好な内挿が既知の値の間で行われるべきであり、情報の密度の増大と共にたとえば個々の測定点の代わりに回帰曲線が記憶され、この回帰曲線は完全な科学的理解なしに、予評価への良好な近似が可能であり、最後に関連性の科学的な究明に従いその際に見出された関数が記憶され、その結果本発明による方法の精度は時間の経過と共に漸近的に、技術的にまだ実現されていないプロセスのパラメータの誤りのない予測の理想に近づく。データバンクの補完により学習し、それにより絶えずその知識レベルを上昇させる本発明方法の能力は、予測され及び(又は)評価されるパラメータに加えて、さらにそのために必要な知識の密度又はそれから転じて可能な計算又は評価誤りの評価を利用者に供給することができる。この場合、各利用例に対し受け入れるべき「ワーストケース」とみなされると、例えば新たに建造すべき設備の大きさを定める際に利用者は常に安全側にあり、その結果この種の設備の時代遅れを阻止することができる。
【0006】
プロセス入力量として抽出物、特に原材料および(または)原製品、ならびに処理方法の動作点を決定する周辺条件に関する情報が使用されることは望ましいことが判明している。工業的プロセスではたいてい中間製品または最終製品への1つまたは複数の抽出物の処理が行われるので、直接的に制御可能な量としてなかんずく使用可能な原材料の既知の特性ならびに外部から制御可能な方法パラメータを使用することが勧められる。
【0007】
プロセス出力量がプロセスにより得られる製品に関する情報、たとえばそれらの化学的、物理的または機械的特性に関する情報ならびに場合によってはプロセス状態量に関する情報を含んでいることは本発明の範囲内にある。1つの設備を計画するためにはなかんずく中間製品および最終製品の化学的、物理的及び機械的特性が関心の対象であり、その際にそれらは温度または他の周辺条件に関係し得る。ここではなかんずく、外部の量との相互作用に関する特性、たとえば化学的な腐食性、通電性および熱伝導性などが重要であり得る一方で、プロセス期間中ほとんど現れることのない他の特性はそれにもかかわらず重要な出力量の決定のために重要であり得る。ここでは例えば密度などは内部特性と呼ばれる。
【0008】
プロセス入力ベクトルに対するn次元の定義空間およびプロセス出力ベクトルに対するm次元の値空間の際には、プロセスに関する情報が、完全な入力ベクトルと少なくとも1つの出力量のその際に測定された値とを有する少なくとも(n+1)次元の情報ベクトルとして記憶されていることが可能である。このような情報ベクトルは、それらが入力量の完全な知識の際に、入力量を相応に予め定めることにより既知の出力量が設定され得るように、少なくとも出力量をも付加的に定め得るときにのみ、本発明による方法の枠内で使用可能な情報内容を有する。他方において特殊な入力ベクトルの際にはすべての出力ベクトルも測定され、また本発明によるデータバンクに格納されていてよく、それによって最大でディメンジョン(n+m)が有効な情報ベクトルに対して生ずる。本発明による方法の枠内で別の情報ベクトルなしにさまざまな情報により処理され得る。それにより多くの出力量に関してより正確な計算が可能であり、また他の出力量ではそれに対して1つの粗い推定のみが可能である。情報ベクトルのディメンジョンはそれぞれ近接可能な、またデータバンクに記憶可能な知識にならう。この際に特定は設定かつ測定された値の入力により簡単に行われるので、ここにシステムの基本的な挙動に関する知識は必要でない。こうして出力量に関する各々の形式の知識が、付加的にその際に予め与えられる入力量が十分に知られているかぎり、本発明による方法の枠内で使用され得る。
【0009】
他の利点は、1つの所与のプロセス入力ベクトルに対する出力量が、入力ベクトルに対して有効な定義範囲を有する情報‐ベクトルから内挿により計算されるときに生ずる。そのなかで1つの情報‐ベクトルがなおち使用可能であるべき有効な定義範囲の設定は本発明による方法に対して1つの大きい意義を有する。材料知識に対しては、特定の範囲限界において1つの材料またはプロセスの構造が基本的に変化する、という事実が特徴的であり、図1に添付された、例えば鋼に対して典型的な鉄セメンタイト線図において、液相線ABCDが確定されることが可能であり、この液体線はより高い温度において純粋の融体として存在する物質をその下の融体と結晶との混合形態から分離し、更にいわゆる固相線AECFも示され、この線の下には固化した状態の物質が存在する。これらの線において、その組成に特徴ある物質は温度変化の際その集合体状態を変え、従って例えば引っ張り強度、圧縮強度のような一連の物理的特性も急激に変化する。他方例えば状態図1の領域2にはαフェライトが支配し、そこでは立方体空間中心のα混晶中に鉄格子が存在し、炭素原子が十分鉄格子から排除され、一方部分的に限定された領域3には立方体平面中心の鉄格子を持ったδ混晶の形でオーステナイト相が存在する、等々である。それから例えば機械的又は磁気的特性を特徴付ける形式が特定の領域限界においてその有効性を失うことを知る。何故ならば、当該材料の構造が基本的に変化するからである。この理由から、各情報ベクトルのために有効範囲を定義することが重要であり、その範囲内においてこの情報ベクトルを利用して入力量と出力量との間の関係についての該当するメッセージを基本的に使用可能であり、そこから離れると、当該情報の利用は完全に誤った結果に導く可能性があるものである。その結果、所与の入力量に対する出力量の決定の際に先ず、どの情報が当該の組成、温度などに対してそもそも有効性を失っているか、またどの情報がこの際にもはや事実に合致しないか、を確認する必要がある。次いで有効と格付けされた情報により所与の入力量における出力量の挙動に対する1つの近似が求められ得る。
【0010】
さらに本発明によれば、内挿の際に所与のプロセス入力ベクトルに対する出力量が、入力ベクトルに対して有効な定義範囲を有する情報ベクトルから互いに相応する出力量の重み付けされた加算により計算される。有効と分類された情報の重畳は種々の内挿法に従って行われ得る。たとえばスプライン内挿が考えられるが、多数の応用の場合に既知の情報ベクトルのほぼ任意の分散に基づいて、回帰形式を作るためにより高度の内挿が行われてもよく、その回帰形式はすべての既知の情報ベクトルの終点を通る超平面に相応し、またそれによって得られる莫大な費用と比較して意義が少なく、その際にたとえば最小二乗誤差法などが応用され得る。
【0011】
出力量を決定するための重み付け係数を、出力量を計算するためのすべての重み付け係数の和が1に等しいように正規化することは有利である。このような正規化により、一定の出力量、すなわち入力量の1つまたは複数が影響を有さない量、が内挿により誤りなく再現されることが保証されている。
【0012】
本発明は、内挿の際にプロセス入力ベクトルに対するn次元の定義空間のなかの情報ベクトルの間隔が当該の情報ベクトルの出力量に対する重み付け係数の形成の際に使用されるように実施され得る。それにより各々の入力ベクトルに対して、特有の組み合わせが有効な情報ベクトルから形成することができ、この組み合わせは入力ベクトルの絶対的位置に関係するのではなく、n次元の定義空間上に投影された情報ベクトルに対するその相対的位置に関係する。従って個々の情報ベクトルの影響は個別に各入力ベクトルに適合化され得る。
【0013】
内挿の際に、重み付け係数が入力ベクトル のn次元の定義空間の情報ベクトルの入力ベクトルからの間隔の増大と共に小さくなるならば、良い結果が得られる。この対策は、n次元の定義空間へのそれらの投影が現在の入力ベクトルに最も近く位置する情報ベクトルが出力量の計算または推定に最も大きい影響を及ぼすことを保証する。
【0014】
本発明による方法の変形された実施例は、プロセスに関する情報が出力量に対して特有の入力ベクトルの関数として、また場合によっては内部情報ベクトルの関数として格納されていることを特徴とする。これらの情報表示は、情報圧縮度の増大の際に、多数の情報ベクトルではなくそれらから導き出された1つまたは複数の関数が格納れさるデータ量の圧縮に相当する処理を行う可能性を開く。それにより出力量の計算が加速されるという付加の利点が得られる。
【0015】
この実施形態の枠内で、関数は既知の情報ベクトルから回帰公式により形成されている。これは出力量に対する関数を発生するための最も簡単な方法であり、これは、情報ベクトル密度が特定の範囲において所定の値を上回ったことが例えば自動的試験に基づき確認されたとき、相応にプログラミングされたデータ処理設備によって数学法則に従って、完全に外部の援助なしに実施することができる。ここで、回帰係数の決定による線形又は多項式回帰が1つ、複数、又は総ての入力量に関係して行われ得る。総ての入力量が回帰式に流れ込むと、その評価の際に、出力量の所属の値が直ちに計算され、他の場合には、回帰式の評価の際に当該出力量に対する近似値が求められ、この値は続いて情報ベクトルを使用して内挿により補正することができ、この情報ベクトルは回帰式が有効な定義空間の部分空間に線形的に無関係である。しばしばたとえば物質の1つまたは複数の特性の温度関係がより多数の測定点により決定され、またこの多数の測定点の代わりに各1つの温度に関係する回帰式もその他の点では変更されていない物質の当該の特性に対して使用され得る。この回帰式から次いで当該の出力量が所与の温度の際に、検査すべき材料に可能なかぎり類似している物質に対して推定され得る。付加の合金要素の影響は次いで他の物質に対して求められた測定値によるこの値の内挿により考慮に入れられ得る。
【0016】
本発明による方法は、関数が、mまでの行および(n+z)(ここでzはプロセスに対して決定された状態ベクトルのディメンジョンである)までの列を有するマトリックス形態に配置されていることによって、別の最適化を受け得る。この数学的方式は、出力量が一義的に入力量及び観察しているプロセスの全状態量によって予め与えられる認識から出発する。更に本発明はこの場合実際上絶対的に非線形の関係の線形化の可能性を利用し、このことは例えばこのマトリックスの種々のパラメータに関係する係数によって実現され得る。この場合、このマトリックスの列数は、状態ベクトルが同時に出力ベクトルとして現れるかに応じて変化し、それにより列数は最大nに等しくおくことができ、又は状態量が暗黙に計算され、しかし出力ベクトルの成分は存在しないかに応じて、変化し、それによって列数は(n+z)の最大まで高められ得る。
【0017】
本発明は、出力ベクトルまたはその要素が入力量および状態量から形成されたベクトルによる関数マトリックスの乗算により計算されることによって、計算費用の低減を可能にする。これによりすべてのプロセス挙動の首尾一貫した直線化の際に非常に簡単な計算方法が行われ得る。その際に出力ベクトルは理想的な場合には単一のマトリックス乗算により求められ得る。しばしばこのような直線化は付加の状態変数の導入によっても達成され得る。
【0018】
本発明は、状態量の計算がそれらに関係するプロセスパラメータの計算の前に行われるように実施され得る。この際に状態微分式
dc(t)=A* c(t)+B* x(t) (I)
が出力式
y(t)=C* c(t)+D* x(t) (II)
を解く前に計算され得る。たいていの場合にはこの際に1つのプロセス状態から1つの他のプロセス状態への移行のダイナミックスには関心がないので、状態量の決定は他の仮定dc/dt=0、dx/dt=0により著しく簡単化され得る:
c=−A−1* B* x (III)
y=C* c+D* x (VI)
ここで
x=〔Z,H,A〕T
また
Z:=組成パラメータ
H:=構造を決定する履歴、たとえば変形パラメータ、温度処理
A:=作動点を決定する量、たとえば温度、変形パラメータ
【0019】
種々の状態量および(または)出力パラメータに対するプロセス情報が相異なって、すなわち一方では情報ベクトルとして、また他方では関数、特に回帰公式、として格納されていることによって、応用のし易さがさらに高められる。相異なる出力量に対する計算方法は入力量の同一のセットの際に互いに完全に異なり得る。たとえば出力量に対して完全な計算式がすべての入力量を考慮に入れて示されていてよく、他方において他の出力量はより小さい情報密度に基づいて個々の測定点によってのみ表されており、従ってここでは場合によって内挿を行う必要がある。
【0020】
状態量および(または)プロセスパラメータに対する計算規則が、関係付けられた表構造が生ずるように別の表を参照させる要素を含んでいてよい表に格納されているならば、分かりやすいデータ構造が得られる。この計算構造は互いに関係する量の決定の際に可能なかぎり計算時間の短縮を可能にする。
【0021】
1つまたは複数の状態量に関係して、そのために有効な、特に表または計算公式の形態の、計算情報間の選択が行われることにより、本発明による方法の機能を高めることができる。既に述べたように、決定された範囲限界において特に相変換温度、物質の挙動の構造的変化が生じ、それによって特定の計算式がそれらの有効性を失い、他の計算式により置換されなければならない。この場合にたとえば温度が状態量として理解されると、当該の物質に対して計算された変換温度に応じて種々の計算式、計算表などが切換えて使用され得る。
【0022】
計算されたパラメータが理想的な値から大きくずれるのを避けるために、本発明の他の構成が使用される。それによれば、種々の計算情報の有効性範囲間の限界において絶えず移行を行い、その際計算の結果は隣接の範囲で有効な計算情報に従い重み付けされる。この近似法は、特に、すべての既知の情報ベクトルから、特にその圧縮された範囲から非常に遠く離れているような入力量の場合に予想精度の改良に導くことができる。それ故本発明においては、形式又は情報がそのように大きな隔たりにおいて明らかに簡潔、明瞭性を失った計算範囲への所属が著しい偏差に導き、一方圧縮された情報の核が同様に遠く離れている他の範囲への所属が同様に極めて不正確な結果に導く可能性がある。このような計算結果の2つ又は複数の重畳によってこれらのものが相互に確認されるか、又は中間の値の内挿により相対化され、調節され得る。このような内挿のために、専ら範囲限界を用いることができ、それらの範囲限界においては物質の突然の変化を認めるンことはなく、例えば相変換が起きる温度限界期間の例えば組成の漸次の変化は、ある計算方法から他の計算方法への突然の移行によってもモデル化されなければならない。
【0023】
このような結果補正の枠内でさらに、種々の計算結果の重み付けが、当該の計算情報の核範囲のなかでは1に等しく、また周囲の移行範囲の外側では0に等しく、また移行範囲のなかでは0と1との間の値をとる従属性関数に従って行われる。この従属性関数は、当該核範囲に有効な公式に従い得られた結果が入力ベクトルの位置に関係する従属性関数と乗じられることにより、数値的内挿の重み係数と類似と理解することができる。種々の計算公式の核範囲が特に排除しあうことにより、各核範囲に対して有効な計算式に属する従属性関数のみが1に等しく、他のすべては0であり、その結果、残りの計算式は全結果に影響を持たない。これに対し移行範囲においては、複数の所属性関数は0に等しくなく、特に1にも等しくなく、その結果すべての当該計算式は全結果に流れ込む。この場合、移行範囲の各点において常にすべての従属性関数の和が1に等しいことが保証される限り、同時に、ここで2つ又は複数の有効な計算式が同じ結果を供給する理想的な場合に全結果もこの確認した値をとることに導く規格化が行われる。
【0024】
誤計算を回避するための対策は、計算された出力量が蓋然性検定を受けることにある。既知の計算式およびそれに対してそれぞれ有効な定義範囲の精密な入力の際には予測誤差の確率は非常に小さい。他方において、情報ベクトルの密度が小さくなると、一括した内挿により実際の値からかなり偏差した結果が計算される可能性があり、このことは極めて多層の関係のために直ちに認められることはない。それ故、本発明は後段に接続されている蓋然性検査回路による検査が行われ、そこでは計算された結果が利用者に提供され得るまで、一般に有効な知識及び(又は)経験値が立証されなければならない。蓋然性検定が計算結果から構成されない場合には、このことは場合によっては誤った結果と結び付いて示されるか、本発明方法の枠内において経験値からずれた結果をその原因までさかのぼり、例えば誤って入力された情報ベクトル等を指示することが試みられる。
【0025】
本発明はさらに、接続されているハードウェアモジュールおよび(または)ソフトウェアモジュールとのデータ交換が行われることを特徴とする。本発明による方法は、利用者がたとえば像スクリーンおよびキーボードの助けをかりての入力パラメータの特定によりデータバンクへの質問を定式化し、回答が計算結果の形態でプリンタ上にプリントされることによって、自立型のデータバンクとしても使用され得る。他方において、本発明による方法に従って動作するソフトウェアモジュールはシミュレーションプログラムの枠内でも、シミュレーション結果を最適化するために、特定のパラメータのためのデータ供給者として使用され、シミュレーションプログラムから与えられた場所へ入力される。さらに、オンライン調節の際に内部の測定不可能な量を状態量として定義することも可能である。同じものが単純な計算モデルによって決定され得ない限り、本発明によるエキスパートシステムは既知の入力量に基づき実際の状態パラメータの評価の際によく役に立つ。この場合、調節装置と本発明によるエキスパートシステムとの間の絶え間の内データ交換が行われ、この場合、エキスパートシステムは操作を介して予め与えられた、及び(又は)センサを介して得られた入力量及び状態量を受け取り、それから必要な情報を決定し、この情報を制御特性の最適化のために再び調節装置に伝達する。
【0026】
最後に、記憶されているデータおよび(または)伝達すべきデータが少なくとも部分的にコード化されていることも本発明の範囲内にある。本発明によるエキスパートシステムは莫大な知識を統合しているので、競争相手によりさまざまな目的で悪用され得よう。すべての専門領域を含む能力の結果として応用分野はほぼ制限されていない。他方において本方法の非臨界的な使用の際にはたとえば検証されていない結果から大きい損傷が増大し得よう。従って本発明によれば、エキスパートシステムはコントロールされた形態でのみデータを周辺装置と交換し、その際にコード化およびデコーディングが周辺装置のなかで初めて行われるように構成されている。確実性を高めるため、データ交換が、接続されている装置またはソフトウェアモジュールから決定された能動化コードが送られているときに初めて行われるように構成されていてもよい。
【0027】
本発明に基づく他の特徴、詳細、利点および作用は本発明の好ましい実施例の以下の説明および図面により明らかになる。
【0028】
鋼の際には特にしばしば準安定なセメンタイト状態に対する図1に示されている既知の鉄‐炭素状態図は、例として、複数の構成要素から成る材料系がとり得るさまざまな状態を説明するために用いられる。
【0029】
一方では非合金の鉄鋼に対しては既に固定の集合状態で温度に関係してさまざまな結晶状態、911°C以下でのαフェライト、1392°Cまでの温度でのオーステナイト、さらにまた1530°Cの融点までのδフェライトが存在している。
【0030】
さらに、炭素の重量比の増大と共に一方では融点が点Cにおける1147°Cに低下し、他方ではパーライト5を越えて混合相6、7を経てレデブリット8まで、また1つの別の混合相9を経て純粋なセメンタイト10までの全組織も変化する。パーライト5までの非合金の鋼の範囲内にはまだαフェライト結晶が存在し得るが、パーライト5とレデブリット8との間の範囲は、ここに温度に応じてオーステナイト結晶も存在し得ることを特徴とする。他方においてレデブリット8と純粋なセメンタイト10との間の過共析の範囲内には純粋な鉄結晶はもはや存在せず、専らプライマリセメンタイトおよびレデブリットから成る粒組織のみが存在する。これらの物質はそれらの化学的、物理的および材料科学的特性に関して顕著に異なっており、たとえば過共析の材料はテクノロジー的に意義が少ない。
【0031】
図1において横軸に沿ってとられている可変の組成Zはさまざまな合金物質の多次元の組成を代表するものとして理解されるべきであり、他方において縦軸に沿ってとられている温度Tは同じく材料の現在の状態(動作点)に影響を及ぼす、組成Zに無関係なパラメータを代表するものとして理解されるべきである。他のこのようなパラメータは、構造を決定する履歴H、特に焼入れ、焼戻しなどのような熱処理、さらに圧延過程、およびたとえば酸洗のような表面処理、さらにたとえば溶融物にかかる圧力などのような現在のパラメータであってよいであろう。ことごとく特定の化学的、物理的または材料科学的な量(出力量)の具体的な挙動に影響を及ぼす多数の組成パラメータ、前処理パラメータおよび現在のパラメータは入力量のベクトル〔Z、H、A〕としてまとめられ得る。
【0032】
このことはたとえば、主合金構成要素Feと一緒に当該の鋼の組成を定義する24の合金構成要素がまとめられている下記のベクトル(表2)により示され得る。この組成は図2による像スクリーン表示を手がかりにしてのこのような材料の挙動に関する相応の情報の入力の際にデータバンクに入力され得る。
【0033】
たとえば“St44”のような通し番号の設定、下記の窓12による表1からの材料グループ,特に鋼グループへの対応付けによる窓11、“呼称”、のなかでの材料の特定の後にこの鋼11に関する情報の入力が行われる。先ずこの目的で、一緒に入力ベクトルを形成する入力量が特定される。このことは一方では窓13、“組成”、を介して行われ、ここで合金成分Zが表2による成分ベクトルにより具体化される。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
他の入力量は窓14のなかで特定すべき製造履歴、構造を決定する履歴H、たとえば予熱温度、圧延開始温度、仕上がり帯温度、巻取り温度のような焼戻し過程および圧延過程に関する情報、ならびに場合によっては表面処理等に関する他の情報などである。
【0037】
このようにして温度Tを例外として入力ベクトルが決定されると、いま窓15のなかに所与の温度Tに対して得られた測定値、たとえば下記の表3による材料データ、が入力され得る。
【0038】
【表3】
【0039】
この際に、温度依存性を示す別の材料パラメータ、たとえば続いてグラフ16に可視化され得る微分、直線膨張係数、さらに比熱容量17、温度に関係する弾性係数18、熱伝導性19および同じく温度に関係する密度20も重要である。すべての入力された材料特性15の蓋然性検査のために、続いてこれらの情報16〜20の曲線状の表示が光学的な帰還結合のために使用される。
【0040】
入力された情報は、入力量組成Z(25の合金構成成分)、変形パラメータH(たとえば4つの量:予熱温度、圧延開始温度、仕上がり帯温度、巻取り温度)および温度T(∈A)の各1つの値から形成されている情報ベクトルとして理解され(それによればいまの場合には30パラメータ)、他方において各々のこのような入力ベクトルに出力量16ないし20(5つの量)またはたとえば表3による別の量(12の量)および場合によっては付加の量、たとえば降伏応力、のまさに値が対応付けられる。それによればいまの例では各々の情報ベクトルは30の入力量およびたとえば18の出力量を有する。他方において入力量〔Z,H,A〕Tの各々のセットに完全なセットが存在していてはならず、それどころか情報ベクトルは、ただ1つの単一の出力量が特定されているときに、既に意義を有する。
【0041】
このようにしてすべての既知の情報がこのような情報ベクトルの形態で本発明によるデータバンクに入力されると、原理的に図4による方法21により入力量のセットおよび入力されたデータから所望の出力量の決定が開始される。そのために、予め定められた入力ベクトル〔Z,H,A〕Tにその入力量の定義空間への投影が入力ベクトル〔Z,H,A〕Tにより覆われる情報ベクトルが見出されないならば、ほとんど常に内挿が必要である。しかしこのようにしてほとんど常に必要な内挿のためには個々の情報ベクトルの有効性範囲に関する別の情報が必要であり、たとえば融点の超過の際の引張強度のような特定の出力量はその意義を失い、また既知の値の別の外挿の代わりに零にセットされなければならない。データバンクの評価が続いて全自動的に行われ得るように、このような有効性範囲の定義は同時に当該の情報ベクトルの入力により行われなければならない。
【0042】
この評価方法21は、図5に示されている実施例の際に現在入力された入力ベクトル〔Z,H,A〕Tが第1の方法ステップ22の枠内で当該の材料グループ12のなかに組み入れられる(これはたとえば合金構成要素Zの粗い評価により行われ得る)ことによって開始する。次いで評価のために使用されるデータ処理設備が当該の材料グループに対して有効なプロセス情報を見出す(方法ステップ23)。このプロセス情報は再び、さまざまな化学的な構造および(または)物理的な集合状態が存在する個々の範囲2〜10に分割されていてよい。このように具体的な入力ベクトルに対して有効なプロセス情報が見出される(23)と直ちに、先ず、内部の状態量Cが組成Zおよび温度T(∈A)から、また場合によっては別の変形パラメータHから求められ得る(24)。これらの内部の状態量は確かに利用者からは必要とされないが、別の計算ステップに対して材料の特徴的な関係に基づいて決定的である(ここではなかんずく集合状態が重要である;さらにたとえば密度が熱伝導性に対して重要である)。この評価24はたとえば入力された情報ベクトルの相応のパラメータの間の内挿により行われ得る。それらはこの際にたとえば現在の入力ベクトルに対する間隔に関係する重み付け係数により乗算され、次いで加算される。このようにして計算された状態量Cならびに入力量Z、H、Aから次いで後続の方法ステップ25で、好ましくは同じく内挿により、出力量Yの所望のベクトルが求められ得る。
【0043】
図3に示されているように、たとえば温度に関係する出力量に対して、任意の温度値Tに対して特定の出力量の正確な出力値Yを供給する回帰公式が形成され得る。このような場合には予め行うべき内挿のディメンジョン及び従って計算費用が低減され得る。このことが特定の組成範囲内で情報ベクトルの十分な密度により可能であれば、これらの回帰公式が複数または全部の入力量Z、H、Aにも拡張され得るので、理想的な場合には評価のための内挿はもはや必要でなく、簡単に回帰公式のなかに既知の入力量を入れることにより当該の出力量が計算され得る。回帰公式の代わりに科学的に実証された関係も既知の材料科学的な公式の形態で入力され得る。
【0044】
それによって冶金からの応用の際に本発明による方法の応用が下記のように行われる。
【0045】
最初のステップ26で、既知の材料パラメータZが入力され、それによってこの際使用される電子式データ処理装置が材料を識別し得る。この指定は
−化学的構成要素およびそれらの成分
−材料記号、たとえば“st37”
−または材料グループたとえば“一般.構造鋼および調質鋼”
の入力により行われ得る。
【0046】
この際に材料記号を介しての間接的な指定または材料グループ記号を介しての全く詳細でない指定が行われると、電子式データ処理装置によりたとえばこの記号を有する典型的なレプレゼンタティブの使用によりまたはこれらのグループから有効な組成Zが定められ得る。
【0047】
それに続くステップ27で、構造を決定する既知の履歴H、特に
−変形
−温度処理
に関する履歴H、および現在の作動点を決定するパラメータA、たとえば
−温度
−圧延加工の際の現在の変形度合
−現在の変形速度など
が入力される。それによって電子式データ処理装置に、計算すべき冶金プロセスのすべての周辺条件が知られている。
【0048】
いま電子式データ処理装置により解決すべき課題を定義するため、方法ステップ28で、どの現在のパラメータYを電子式データ処理装置が計算すべきかが決定される。もちろん入力方法ステップ26〜28は任意の他の順序でも実行され得る。
【0049】
このことが行われていれば、いまサブプログラム21が呼出されることによって計算が開始され得る。これは組成Z、構造を決定する履歴Hおよび作動点を決定するパラメータAの関数として、また場合によっては関心はないが出力パラメータYに影響する状態パラメータ、たとえば現在の密度、を手がかりにして、所望の出力量Yを求める。この際に、記憶されているデータセット、回帰式および(または)ニューロン回路網に遡及され得る。既知の情報と現在の周辺条件との間の不一致は内挿および(または)外挿により橋渡しされる。助けとして、既知の情報への関係を確立し、有効な結果に到達するため、個々の材料パラメータ、特に構成要素が類似の特性、特に作用、を有するパラメータまたは構成要素により置換され得る。
【0050】
このようにしてステップ21で計算さた出力パラメータYは次いでステップ29でデータ端末装置、たとえば画像スクリーンまたはプリンタを介して出力される。
【図面の簡単な説明】
【図1】許容可能な入力ベクトルの定義範囲の簡単化された例。
【図2】本発明による方法を支援するデータバンクのケアーの際のデータ構造の概要図。
【図3】パラメータに関係する量の入力および(または)変更のための、図2に相応する図。
【図4】本発明による計算方法のフローチャート。
【図5】応用の際に実行すべきステップを有するフローチャート。
【符号の説明】
11 呼称
12 鋼グループ
13 組成
14 変形パラメータ
15 特性
16 直線膨張係数
17 比熱容量
18 弾性係数
19 熱伝導性
20 密度
Claims (22)
- 工業的プロセスおよび(または)製品のパラメータを予め計算するための汎用的な方法において、技術的な専門分野、たとえば冶金、に対して工業的プロセスおよび(または)製品の許容可能な入力量(以下ではプロセス入力量)のベクトル〔Z、H、A〕Tが各々の量に対応付けられている定義範囲により、また工業的プロセスおよび(または)製品の出力量(以下ではプロセス出力量)のベクトルYTが予め計算可能なプロセスパラメータおよび(または)製品パラメータにより決定されており、その際にデータバンクに工業的プロセスおよび(または)製品に関する既知の情報が格納されており、これらの情報にプロセス入力量に対する有効性範囲が割り当てられており、またその際に各入力されたプロセス入力ベクトル〔Z、H、A〕Tに対して、許容可能でありかつ有効な情報で占められている定義範囲から、このために有効な情報に従ってプロセス出力ベクトルYTが決定(24、25)されることを特徴とする工業的プロセスおよび(または)製品のパラメータを予め計算するための汎用的な方法。
- プロセス入力量として抽出物、特に原材料および(または)原製品、ならびに処理方法の動作点を決定する周辺条件(A)に関する情報(Z、H)が使用されることを特徴とする請求項1記載の方法。
- プロセス出力量YTがプロセスにより得られる製品に関する情報(Y)、たとえばそれらの化学的、物理的または機械的特性(16〜20)、を含んでいることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
- プロセス入力ベクトル〔Z、H、A〕Tに対するn次元の定義空間およびプロセス出力ベクトルYTに対するm次元の値空間を有する請求項1ないし3のいずれか1つに記載の方法であって、プロセスに関する情報が、完全な入力ベクトル〔Z、H、A〕Tと少なくとも1つの出力量(Y)のその際に測定された値とを有する少なくとも(n+1)次元の情報ベクトルとして記憶されていることを特徴とする方法。
- 所与のプロセス入力ベクトル〔Z、H、A〕Tに対する出力量(Y)が、入力ベクトル〔Z、H、A〕Tに対して有効な定義範囲を有する情報ベクトルから内挿により計算されることを特徴とする請求項4記載の方法。
- 内挿の際に所与のプロセス入力ベクトル〔Z、H、A〕Tに対する出力量が、入力ベクトル〔Z、H、A〕Tに対して有効な定義範囲を有する情報ベクトルから互いに相応する出力量(Y)の重み付けされた加算により計算されることを特徴とする請求項5記載の方法。
- 出力量(Y)を決定するための重み付け係数が、出力量(Y)を計算するためのすべての重み付け係数の和が1に等しいように正規化されていることを特徴とする請求項6記載の方法。
- 内挿の際にプロセス入力ベクトル〔Z、H、A〕Tに対するn次元の定義空間のなかの情報ベクトルの間隔が当該の情報ベクトルの出力量(Y)に対する重み付け係数の形成の際に使用されることを特徴とする請求項6または7記載の方法。
- 重み付け係数が入力ベクトル〔Z、H、A〕Tのn次元の定義空間のなかの情報ベクトルの間隔の増大と共に小さくなることを特徴とする請求項8記載の方法。
- プロセスに関する情報が出力量に対して特有の入力ベクトル〔Z、H、A〕Tの関数(Y)として格納されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の方法。
- 関数(Y)が既知の情報ベクトルから回帰公式により形成されることを特徴とする請求項10記載の方法。
- 個々の入力量(Z、H、A)も出力量(Y)も、または後者に影響する内部の(実際上測定可能でない、または困難を伴ってしか測定可能でない)量が状態ベクトル〔C〕にまとめられ得る請求項10または11による方法であって、関数(Y)が、mまでの行および(n+z)(ここでzはプロセスに対して決定された状態ベクトル〔C〕のディメンジョンである)までの列を有するマトリックス形態に配置されていることを特徴とする方法。
- 出力ベクトル〔Y〕またはその要素(Y)が入力量および状態量から形成されたベクトル〔Z、H、A、C〕Tによる関数マトリックスの乗算により計算されることを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1つに記載の方法。
- 種々の状態量および(または)出力パラメータ(Y)に対するプロセス情報が相異なって、すなわち一方では情報ベクトルとして、また他方では関数、特に回帰公式、として格納されていることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1つに記載の方法。
- 状態量の計算がそれに関係するプロセスパラメータ(Y)の計算の前に行われることを特徴とする請求項10ないし14のいずれか1つに記載の方法。
- 状態量および(または)プロセスパラメータ(Y)に対する計算規則が、関係付けられた表構造が生ずるように別の表を参照させる要素を含み得る表に格納されていることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1つに記載の方法。
- 1つまたは複数の状態量に関係して、そのために有効な、特に表または計算公式の形態の、計算情報の選択が行われることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記載の方法。
- 相異なる計算情報の有効性範囲の間の境界において連続的な移行が行われ、その際に計算の結果(Y)が隣の範囲で有効な計算情報に従って重み付けをされることを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1つに記載の方法。
- 種々の計算結果(Y)の重み付けが、当該の計算情報の核範囲では1に等しく、周囲の移行範囲の外側では0に等しく、移行範囲では0と1との間の値をとる従属性関数に従って行われることを特徴とする請求項18記載の方法。
- 計算された出力量(Y)が蓋然性検定を受けることを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1つに記載の方法。
- 接続されているハードウェアモジュールおよび(または)ソフトウェアモジュールとのデータ交換が行われることを特徴とする請求項1ないし20のいずれか1つに記載の方法。
- 記憶されているデータまたはその部分および(または)伝達すべきデータまたはその部分がコード化されていることを特徴とする請求項1ないし21のいずれか1つに記載の方法。
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