JP2004501240A - 感熱基材のための粉体組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、酸官能性アクリル樹脂、ポリエポキシ樹脂、および触媒を含む新規な熱硬化性粉体塗装組成物に関する。その粉体塗装組成物は、木材基材のような基材、特に感熱基材に適用され得るものであり、制御可能な光沢および/または強い硬度を有する仕上げを提供するのに短い時間、低温または高温で硬化され得る。本発明はまた、木材基材のような感熱基材を含む製品にも関し、基材の少なくとも1表面上で本発明の粉体塗装組成物が硬化される。
Description
【0001】
発明の分野
本発明は、新規な熱硬化性粉体塗装組成物に関する。具体的には、本発明は、新規な酸官能アクリル/ポリエポキシ粉体塗装組成物に関する。より具体的には、本発明は、低温硬化または高温での高速硬化により、高い硬度および/または制御可能な光沢を有する仕上げを基材上に作り出すための、木材基材のような感熱基材上の被覆のための新規な酸官能アクリル/ポリエポキシ粉体塗装組成物に関する。
【0002】
発明の背景
粉体塗装は、金属基材のような基材上に高品質仕上げを提供する汚染の少ない経費のかからない方法であり、それゆえ、様々の産業で液体仕上げを次々に置き換えて用いられていることが周知である。伝統的には、粉体塗装は、例えば、自動車産業および家電産業における金属物品を塗装するために用いられる。金属物品は、きわめて良好な電気伝導体であり、高温に加熱されうる。したがって、従来の粉体塗装組成物は、卓越した仕上げを形成するように、当該技術において公知の静電塗装技術のいずれかにより金属基材上に容易に適用される。塗装された金属基材は、通常、300°Fから450°Fまでの範囲の高温で硬化される。高温は、金属基材を顕著にゆがませないので、工作物の感熱性は、一般的には問題ではない。金属基材上に高性能の塗膜を提供するために、当該技術において、高温で硬化される粉体塗装組成物は十分に開発されてきた。
【0003】
より最近では、例えば、プラスチック、予め組み立てられた製品、および木材製品のような感熱基材として知られる非金属基材に粉体塗装を適用するための努力がなされてきた。木材製品の例には、家庭家具、オフィスの備品、および扉、羽目板、窓枠、棚用材料、回り縁のような建築部材が含まれる。一部のプラスチック製品は、適切な色で製造され得、塗装を必要としないですむけれども、他のプラスチック製品、および特に多くの木材製品は、装飾目的または保護目的または両方のために塗装されねばならない。非金属基材の塗装においても一部の成功は達成されたけれども、特に、金属基材と木材基材との間の異なる性質の差異のために木材基材上の塗装について問題が残っている。
【0004】
もちろん、木材基材は、より多い水分と揮発性化合物を含む。水分と揮発性化合物は、金属基材上の従来の粉体塗装に使用される高温では比較的長い硬化の間に気体として容易に放出される。このガス放出は、塗装材料の表面を破裂させ、塗膜表面中にピンホールおよび他の欠陥をもたらし、それにより塗膜の外観を損傷させる。それゆえ、比較的長時間の高温での通常の硬化は、木材基材上の塗装粉体のためには使用し得ない。現在、塗膜表面中のピンホールおよび欠陥を回避するための1つのアプローチは、例えば、粒状表面組織(grainy texture)を有する表面模様付き塗膜または下地基材の不均一性を覆うユズ肌外観を有する塗膜を提供することである。ガス放出をなくすためのもう1つのアプローチは、硬化温度を低下させ、および/または、硬化時間を短縮させる低温硬化塗装粉体系を開発することである。しかしながら、より低い硬化温度および/またはより短い硬化時間は、高性能を達成するのがより困難である。同様に、より低い硬化温度および/またはより短い硬化時間は、光沢を制御すること、特に、審美的に所望される弱い光沢を達成することがより困難になる。さらに、より低い硬化温度および/またはより短い硬化時間は、粉体塗膜を加工処理するのをより困難にする。というのは、従来の加工処理温度は、目標とする硬化温度と同じ範囲にあるからである。硬度、引っかき硬度、表面損傷抵抗、耐化学薬品性および耐衝撃性のような堅牢性と耐久性の試験により規定される高性能塗膜を達成することは、長時間高温で硬化される従来の塗装粉体に対する挑戦となり得るものである。また、この挑戦は、硬化温度が低くなるかまたは硬化時間が短くなるとより大きなものとなる。
【0005】
関連技術においては、金属および木材基材の一方または両方について用いられる様々の粉体塗装組成物が特許文献において記載されている。
【0006】
米国特許第6,022,927号は、金属および木材基材上に用いられるアクリル粉体塗装組成物を開示する。この組成物は、基本的には、酸官能性アクリル樹脂;酸官能性ポリエステルとポリエポキシ(例えば、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC))のアダクト;ならびに金属および木材基材の両方上にユズ模様表面を提供するために、やはりTGICである硬化剤を含む。カルボキシル官能性アクリル樹脂、硬化剤(TGIC)およびポリエステルを単純に混合することにより調製される塗装粉体は、所望の物理的特性を有する塗膜を提供しないことが具体的に教示されている。硬化剤(TGIC)とポリエステルが塗装粉体を形成する前にアダクトを形成する場合にのみ、所望の特性を有する被覆が製造され得る。硬化温度は、硬化触媒の添加の際に300°F以下まで低くされ得る。金属基材上で試験された60°光沢は75を超える。金属パネル上で試験された被覆表面の鉛筆硬度(Pencil Hardness)は、Fから2Hである。
【0007】
米国特許第5,907,020号は、触媒添加自己硬化性エポキシ樹脂の押し出し物と低温硬化剤の混合物に基づく熱硬化性粉体塗装系を開示する。エポキシ樹脂をまず触媒とともに押し出し、次いで、押し出し物を、塗装粉体を形成するために低温硬化剤とともに混合する。低温硬化剤は、金属および木材基材上に光沢の少ない塗膜を提供するために、イミダゾール触媒のエポキシアダクトであるか、または脂肪族ポリアミンのエポキシアダクトである。硬化温度は290°F以下であり得る。スチールパネル上で試験された60°光沢は、15から80までにわたる。
【0008】
米国特許第5,721,052号は、金属および木材の両方の基材上に粒状表面模様の仕上げを形成するための、ビスフェノールAタイプのエポキシ、イミダゾール触媒および表面模様付与剤に基づく熱硬化性粉体塗装組成物を開示する。硬化温度は約350°F以下であり得る。金属パネル上で試験された60°光沢は6未満である。金属パネル上で試験された鉛筆硬度はHから2Hである。
【0009】
しかしながら、開示された全ての粉体塗装組成物は、低速硬化もしくは高速硬化、制御可能な光沢、および高い硬度の有利な組み合わせを備えた塗膜を感熱基材、特に木材基材上に提供しない。
【0010】
それゆえ、感熱基材、特に木材基材上に従来の粉体塗装方法により塗装することができ、比較的長時間比較的低温でまたは比較的短時間比較的高温で硬化させて、基材を損傷することなく制御可能な光沢、および硬度のような極めて高い性能を有する仕上げを作り出すことができる新規な粉体塗装組成物に対するニーズが存在する。
【0011】
発明の概要
本発明は、本質的に、
a)(a)プラス(b)に対して約10重量%から約90重量%のカルボン酸官能性アクリル樹脂;
b)(a)プラス(b)に対して約10重量%から約90重量%のポリエポキシ樹脂;
c)約300°F以下の温度で組成物を約30分以下で硬化させるのに十分な量の触媒;および
d)任意に、柔軟化剤
の混合物からなる粒子形態の新規な粉体塗装組成物を提供する。
【0012】
別の側面において、本発明は、
a)(a)プラス(b)に対して約10重量%から約90重量%のカルボン酸官能性アクリル樹脂;
b)(a)プラス(b)に対して約10重量%から約90重量%のポリエポキシ樹脂;および
c)約300°F以下の温度で組成物を約30分以下で硬化させるのに十分な量の触媒
を含む新規な粉体塗装組成物であって、
該組成物は、少なくとも3Hの鉛筆硬度を有する仕上げを提供する組成物を提供する。
【0013】
さらに別の側面において、本発明は、
a)(a)プラス(b)に対して約10重量%から約90重量%のカルボン酸官能性アクリル樹脂;
b)(a)プラス(b)に対して約10重量%から約90重量%のポリエポキシ樹脂;
c)主にエポキシ単独重合触媒として機能する第1の触媒;および
d)主にエポキシ/カルボン酸反応触媒として機能する第2の触媒
を含む新規な粉体塗装組成物を提供する。
【0014】
さらにもう1つの側面において、本発明は、
A)約50重量%から約99重量%の、
a−1)少なくとも1種のポリエポキシ樹脂、および
a−2)少なくとも1種の触媒
を含む第1の成分、並びに
B)少なくとも1種のカルボン酸官能性アクリル樹脂を含む、約1重量%から約50重量%の、前記第1の成分(A)とドライブレンドされた第2の成分
を含む粉体塗装組成物を特徴とする。
【0015】
さらに別の側面において、本発明は、
a)約1重量%から約50重量%の少なくとも1種のカルボン酸官能性アクリル樹脂;
b)エポキシ樹脂全量に基づいて約2重量%から約15重量%が少なくとも1種の結晶性ポリエポキシ樹脂であるところの、約50重量%から約99重量%の2種類以上のポリエポキシ樹脂;および
c)前記組成物を硬化させるのに有効な量の触媒
を含む粉体塗装組成物を特徴とする。
【0016】
本発明の新規な粉体塗装組成物は、制御可能な光沢、およびきわめて高い硬度を含む高性能を有する仕上げを提供するように、様々な基材に、特に感熱基材、例えばプラスチックまたは木材基材に、例えば静電塗装法または流動床法により容易に適用される。
【0017】
本発明の塗膜は、基材、特に木材基材上に被覆フィルムを形成するのに約300°F以下の低い硬化温度で約30分以下で硬化され得るものであり、それにより、基材を損傷させることなく基材からのガス発生をなくす。本発明の硬化された被覆は、約2から約95の60°光沢およびF、好ましくは3Hを超える鉛筆硬度を生み出し得る。
【0018】
特に、本発明の粉体塗装組成物は、静電スプレーにより容易に塗装され、約280°F以下の温度で、約20分以下の時間で感熱基材、特に木材基材上で硬化され、約5から約60、好ましくは約10から約40の審美的に許容可能な低い60°光沢およびHを超え、好ましくは3Hを超える鉛筆硬度を有する仕上げを生成する。
【0019】
本発明の塗膜はまた、基材、特に木材基材上に塗装フィルムを形成するために、約300°F、好ましくは約325°Fを超える高速硬化温度で、約10分、好ましくは約5分以下の時間でも硬化され得るものであり、一方、制御可能な光沢および/または鉛筆硬度のような要求される物理的な性能特性も示す。
【0020】
さらに別の側面において、本発明は、約2から約95の制御可能な60°光沢および用途に応じて耐化学薬品性、硬度、その他に関する制御可能な性能を有する装飾的および/または保護的仕上げを作り出すために、本発明の前記新規な粉体塗装組成物のいずれかで基材の少なくとも1表面上に被覆され、約300°F以下の温度で約30分以下の時間でかまたは、約300°F、好ましくは約325°Fを超える温度で約10分以下の時間でのいずれかで硬化される感熱基材を含む製品を提供する。
【0021】
特に、本発明の製品は、本発明の前記新規な粉体塗装組成物のいずれかで基材の表面の少なくとも1つを被覆され、約300°F以下の温度で約30分以下の時間かまたは、約300°F、好ましくは約325°Fを超える温度で約10分以下の時間かのいずれかで硬化される木材基材を含み、約5から約60、好ましくは約10から約40の60°光沢およびFを超える、好ましくはHを超える、より好ましくは3H以上の鉛筆硬度を有する仕上げを作り出す。
【0022】
発明の詳細な説明
本発明の目的のために、「木材」という用語は、天然木材および合板、パーティクルボード、配向性ストランドボード、ハードボード、中密度ファイバーボードなどのような工作された木材を含むものとして定義される。パーティクルボードは標準的なものであるか、その導電性を高めるために処理され得る。導電性液体塗装組成物で予備被覆され、硬化された木材はまた、本発明の目的のための基材としても用いられ得る。約3から約10重量%の水分含量を有する木材が好ましい。
【0023】
本発明の目的のために、「低下した硬化温度または低い硬化温度」とは、伝統的な300°Fよりも高く約450°Fまでの高い硬化温度と比較して、所望の性能を達成するための約300°F以下である、部分温度(part temperature)としてもまた知られる基材表面温度をいう。
【0024】
本発明の目的のために、「高速硬化」とは、伝統的な硬化温度と同じくらい高くありうる、部分温度としてもまた知られる、基材表面温度のことを指す高速硬化温度で実施される硬化をいうが、硬化時間は、所望の性能を達成するための従来の粉体塗装系を硬化するのに必要とされる時間より短い。
【0025】
本発明の熱硬化性粉体塗装組成物には、カルボン酸官能性アクリル樹脂が含まれる。本発明において有用なカルボン酸官能性アクリル樹脂は、アクリル酸またはメタクリル酸;メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ドデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、1,4−ブタンジオールモノアクリレートおよびジメチルアミノエチルアクリレートのようなアクリル酸誘導体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、1,4−ブタンジオールモノメタクリレートおよびジメチルアミノエチルメタクリレートのようなメタクリル酸誘導体などのような当該技術において公知の典型的なアクリルモノマーから生成する。そのようなモノマーは、それぞれ別々に、または2以上の組み合わせで用いられ得る。スチレン、置換されたスチレン、またはビニルトルエンなどのような他のモノマーもまた含まれ得る。カルボン酸官能性アクリル樹脂の商業的に入手可能な例には、例えば、S.C.ジョンソンによる商標SCX(登録商標)アクリル樹脂の下にある樹脂が含まれる。
【0026】
本発明によれば、カルボン酸官能性アクリル樹脂は、本発明の粉体塗装組成物において別々に、または2以上の組み合わせで用いられ得る。一部の態様において、組成物は、本発明の粉体塗装組成物において用いられる樹脂の全重量に基づいて約10重量%から約90重量%、好ましくは、約10重量%から約60重量%、および最も好ましくは、約10重量%から約40重量%のカルボン酸官能性アクリル樹脂を含み得る。カルボン酸官能性アクリル樹脂が他の成分とドライブレンドされる一部の態様において、カルボン酸官能性アクリル樹脂の量は、好ましくは、本発明の粉体塗装組成物において用いられる樹脂の全重量に基づいて約1重量%から約50重量%、好ましくは約2重量%から約20重量%である。
【0027】
本発明の粉体塗装組成物はまた、ポリエポキシ樹脂も含む。非結晶性ポリエポキシ樹脂および結晶性ポリエポキシ樹脂を含む広範なポリエポキシ樹脂が、本発明の粉体塗装組成物において用いられ得る。典型的には、ポリエポキシ樹脂は、飽和または不飽和、脂肪族、脂環式またはヘテロ環式化合物を含んで分子当り少なくとも2基のエポキシ基を有するべきであり、ハロゲン原子、アルキル基、エーテル基などのような置換基で置換され得る。適切なポリエポキシ樹脂には、芳香族および脂肪族ポリオールのグリシジルエーテル、環式脂肪族ポリエポキシド、エポキシ官能性アクリル樹脂、ヘテロ環ポリエポキシド、芳香族および脂肪族ポリカルボン酸のグリシジルエステル、グリシジルポリアミンおよびエーテルアミンおよびそれらの混合物が含まれる。例えば、ポリエポキシ樹脂は、ビスフェノールA(2,2’−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン)とエピクロロヒドリンに基づく固体エポキシ樹脂、すなわち、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのより高次の付加生成物であり得る。ポリエポキシ樹脂には、ビスフェノールF(4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン)、飽和ビスフェノールA(2,2’ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)とエピクロロヒドリンに基づく固体エポキシ樹脂および高次の付加生成物が含まれ得る。また、エピクロロヒドリンとノボラック樹脂の反応により作られるエポキシ樹脂も含まれる。ノボラック樹脂は、酸触媒の存在下でのホルムアルデヒドによるフェノール化合物の縮合体である。フェノール化合物は、フェノールそれ自体、またはクレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ナフトールなどのような化合物であり得る。エポキシ樹脂は、リゾリューション・パフォーマンス・プロダクツ(テキサス州ヒューストン)由来のEPON(登録商標)またはエピコート(登録商標)、バンティコ(ニューヨーク州ホーソーン)由来のアラルダイト(登録商標)およびダウ・ケミカル・カンパニー(ミシガン州ミッドランド)由来のDERのような商標の下で広範な商業的供給源から入手可能である。商業的に入手可能なエポキシ樹脂には、リゾリューション・パフォーマンス・プロダクツ由来のエピコート(登録商標)1001、エピコート(登録商標)1002、エピコート(登録商標)1004、エピコート(登録商標)1007、およびエピコート(登録商標)1009;KUKDOケミカルInd.株式会社由来のエポ−ソートYD−012;ダウ・ケミカル社由来のDER(登録商標)642およびDER(登録商標)672;バンティコ由来のアラルダイト(登録商標)7220、アラルダイト(登録商標)ECN1235、アラルダイト(登録商標)ECN1273、およびアラルダイト(登録商標)ECN1280が含まれる。他の有用なエポキシ樹脂には、ビスフェノールSエポキシ樹脂;水素化ビスフェノールAエポキシ樹脂が含まれる。芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテルの中では、ビスフェノールAに基づくポリエポキシ樹脂が好ましい。有用なヘテロ環ポリエポキシドには、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)として知られる1,3,5−トリス(2,3−グリシジル−プロピル)1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(2,3−グリシジル−2−メチルプロピル)1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、テレフタル酸のジグリシジルエステルおよびトリメリット酸のトリグリシジルエステルが含まれる。商業的に入手可能なヘテロ環ポリエポキシドには、バンティコ由来のアラルダイト(登録商標)PT−810および日産化学由来のMT−239が含まれる。およびグリシジルエステルには、バンティコ由来のPT−910が含まれる。他の有用な結晶性ポリエポキシドには、テトラメチルビスフェノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、2,5−ジ−t−ブチルベンゼン−1,4−ジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、ジグリシジルイソフタレートおよびエポキシプロポキシジメチルベンジルアクリルアミドが含まれる。商業的に入手可能な結晶性ポリエポキシ樹脂には、リゾリューション・パフォーマンス・プロダクツ由来のエポキシ・リサーチ・レジンRSS−1407、KUKDOケミカルInd.株式会社由来のEPO−THOTO YDC−1312が含まれる。適切なエポキシ官能性アクリル樹脂は、前述したように、エポキシ官能性アクリレートを単独で、または他のアクリルエステル、スチレンおよび置換されたスチレンを含む他のビニルモノマーと組み合わせで重合させることにより製造されうる。エポキシ官能性アクリレートモノマーの例には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ベータ−メチルグリシジルアクリレート、ベータ−メチルグリシジルメタクリレート、N−グリシジルアクリル酸アミドなどが含まれ、それらの中で、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートが好ましい。商業的に入手可能なエポキシ官能性アクリル樹脂の例には、ライヒホールドによるファインクラッド(登録商標)A−244−A、アンダーソン社によるアルマテックス(登録商標)PD7690およびエストロン・ケミカル・カンパニーによるGMA300(登録商標)が含まれる。
【0028】
ポリエポキシ樹脂は、本発明の粉体塗装組成物中で別々に、または2以上の組み合わせで用いられ得る。例えば、1つのビスフェノールAタイプのポリエポキシ樹脂は、単独でか、または他のビスフェノールAタイプのポリエポキシ樹脂と組み合わせでか、またはノボラックタイプのポリエポキシ樹脂と組み合わせで用いられ得る。同様に、ビスフェノールAタイプのポリエポキシ樹脂は、トリグリシジルイソシアヌレートおよび/またはエポキシ官能性アクリル樹脂と組み合わせで用いられ得る。また、非結晶性ポリエポキシ樹脂は、結晶性ポリエポキシ樹脂と組み合わせで用いられ得る。
【0029】
本発明の粉体塗装組成物は、本発明の粉体塗装組成物において用いられる樹脂の全重量に基づいて、約10重量%から約90重量%、好ましくは約40重量%から約90重量%、より好ましくは約60重量%から約90重量%のポリエポキシ樹脂を含み得る。ポリエポキシ樹脂が他の成分とドライブレンドされる態様において、ポリエポキシ樹脂の量は、好ましくは、約50重量%から約99重量%、より好ましくは約80重量%から約98重量%である。結晶性ポリエポキシ樹脂が非結晶性ポリエポキシ樹脂と組み合わせで用いられる態様において、結晶性ポリエポキシ樹脂は、ポリエポキシ樹脂の全重量に基づいて約2重量%から約15重量%の量で存在し得る。
【0030】
本発明の粉体塗装組成物は、粉体塗膜を、約300°F以下、好ましくは約280°F以下の低い硬化温度でか、または基材の中での温度上昇を最小化するのに可能な限り短い時間、高速硬化温度でかのいずれかで硬化させる触媒もまた含み得る。有用な触媒の例には、イミダゾール、イミダゾール/エポキシアダクト、第3級アミン、イミダゾリン、モノまたはジカルボン酸のイミダゾリン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ホスホニウム塩、例えばオクタン酸第一スズのようなスズ触媒およびそれらの混合物が含まれ得る。イミダゾールの例には、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、および2−フェニルイミダゾールのような置換されたイミダゾールおよび置換されていないイミダゾールが含まれ得る。イミダゾール/エポキシアダクトの例は、リゾリューション・パフォーマンス・プロダクツから商品名EPON P−101の下で、およびバンティコから商品名XU HT261の下で商業的に入手可能であり得る。テトラアルキルアンモニウム塩の例には、臭化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化ミリスチルトリメチルアンモニウム、ヨウ化ミリスチルトリメチルアンモニウム、塩化ミリスチルトリメチルアンモニウムなどが含まれ得る。ホスホニウム塩の例には、臭化エチルトリフェニルホスホニウム、ヨウ化エチルトリフェニルホスホニウムおよび塩化エチルトリフェニルホスホニウムなどが含まれ得る。第3級アミンの例には、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン、N,N’−ジメチルピペラジン、2,2,6,6,−テトラメチル−4−ジメチルアミノピペリジン、N,N−ジメチルオクタデシルアミン、N,N−ジメチルヘキサデシルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチレンジアミンおよびベンジルジメチルアミンが含まれ得る。イミダゾリンの例には、2−フェニルイミダゾリンのような置換されているイミダゾリンおよび置換されていないイミダゾリンが含まれる。モノまたはジカルボン酸のイミダゾリン塩は、イミダゾリン系化合物とモノまたはジカルボン酸から誘導される。適切なモノカルボン酸およびジカルボン酸は、それぞれ、分子当り1または2のカルボン酸根(−COOH)を有する。それらには、芳香族および脂肪族(飽和および不飽和)酸ならびにそれらの組み合わせ(すなわち、アラリファティック)が含まれる。典型的なモノカルボン酸またはジカルボン酸には、限定されないが、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、安息香酸、アゼライン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタール酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、酢酸、2−エチルヘキサン酸、およびマレイン酸が含まれる。好ましいモノおよびジカルボン酸は、アジピン酸、セバシン酸、およびドデカン二酸である。
【0031】
2−イミダゾリン化合物のようなイミダゾリン系化合物は、以下の一般的構造:
【化1】
【0032】
(式中、R1 は、水素、芳香族基、脂肪族基(飽和または不飽和)、環式脂肪族基またはアラリファティック基であり、好ましくは約1〜12炭素原子を有する。R1 の例には、フェニル、2−クロロフェニル、2−ヒドロキシフェニル、4−クロロフェニル、4−メチルフェニルなど、メチル、ウンデシルなどのようなアルキル、ベンジルなどのようなアラルキルまたは水素が含まれる。R2 は、水素またはメチルなどのような好ましくは約1から12炭素原子を有するアルキル基である。)により表され得る。
【0033】
典型的には、2−イミダゾリンには、2−フェニル−2−イミダゾリン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−2−イミダゾリン,2−(2−クロロフェニル)−2−イミダゾリン、2−(4−クロロフェニル)−2−イミダゾリン、2−(4−メチルフェニル)−2−イミダゾリン、2−n−ウンデシル−2−イミダゾリン、2−ベンジル−2−イミダゾリン、4,4−ジメチル−2−イミダゾリンおよび2−メチル−2−イミダゾリンが含まれる。モノまたはジカルボン酸のイミダゾリン塩およびその調製は、例えば、GB2,312,897において記載されており、該明細書は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
本発明の粉体塗装組成物は、組成物を硬化させるのに十分な量の少なくとも1種の触媒を含むように配合されうる。好ましくは、触媒は、約30分以下のような比較的長い時間約300°F以下の低硬化温度でか、または約10分以下の時間約300°F、好ましくは約325°Fを超える高速硬化でか、または約5分以下の時間約350°Fより高温でか、または約3分以下の時間約400°Fより高温でかのいずれかで組成物を硬化させるのに十分な量で存在する。好ましくは、触媒は、約0.1から約10.0pphr(100の樹脂あたりの部)、より好ましくは約0.5から約5pphr、および最も好ましくは、約1.0から約4.0pphrの量で存在する。
【0035】
本発明のもう1つの側面において、粉体塗装組成物は、主にエポキシ単独重合触媒として機能する第1の触媒および主にエポキシ/カルボン酸反応触媒として機能する第2の触媒を含み得る。有用な第1の触媒の例には、イミダゾール、イミダゾール/エポキシアダクト、第3級アミン、およびそれらの混合物が含まれ得る。有用な第2の触媒の例には、イミダゾリン、モノまたはジ−カルボン酸のイミダゾリン塩、第3級アミン、テトラアルキルアンモニウム塩、ホスホニウム塩、およびそれらの混合物が含まれ得る。
【0036】
いずれの理論によっても拘束されないけれども、イミダゾールは、エポキシ環を開環することによりエポキシ樹脂にアダクトするものと確信する。アダクトされたイミダゾールは、エポキシ環の開環をさらに促進する触媒として作用し、それによりエポキシド基の単重合を促進する。他方、イミダゾリン系触媒は、エポキシド基とカルボン酸根との間の付加反応を促進し得るものであり、それによりさらに、硬化温度を低くする。
【0037】
本発明の粉体塗装組成物は、触媒の量と比を調節することにより、所望の光沢と高性能、例えば大きな硬度を達成するように、被覆が、約300°F以下で、好ましくは約280°F以下でのような低い硬化温度でか、または可能な限り短い時間で約300°Fを超え、好ましくは約350°F以上であるような高速硬化かのいずれかで硬化され得るように配合され得る。
【0038】
任意に、本発明の粉体塗装組成物は、粉体塗装に一般的である他の添加剤を含み得る。限定されないが、それらの添加剤には、フィラー、スリップ剤、顔料、染料、UV安定化剤、抗酸化剤、流動化剤、流動制御剤、脱ガス剤、柔軟化剤、表面模様付与剤などおよびそれらの混合物が含まれる。例えば、モダフロー2000またはレジフローP−67のようなアクリル化合物、またはシリコン化合物のような流動制御剤は、塗装または粉体塗装技術において公知であり、一般的に、表面張力を向上させるために粉体塗装組成物に含まれ、それにより、ポリマーは最終固体塗膜のより滑らかな仕上げを提供するために溶融されるので、ポリマーの流動を容易にする。固体可塑化剤、コア/シェル材料、ゴム、ヒドロキシルまたは酸官能ポリエステル、スチレン/マレイン酸無水物および無水物重合樹脂のような柔軟剤が、仕上げに、より柔軟性を付与するために用いられる。有用な可塑化剤の例には、シュークロースベンゾエート、ペンタエリスリトールテトラベンゾエート、およびシクロヘキサンジメタノールジベンゾエートが含まれ得る。有用なゴムの例には、天然ゴムおよびスチレン−ブタジエンポリマーおよびアクリロニトリル−ブタジエンポリマーのようなほとんどの合成ゴムが含まれ得る。有用なポリエステルの例には、環式脂肪族ポリオールを含む脂肪族ポリオールと脂肪族および/または芳香族ポリカルボン酸および無水物との縮合反応により生成するものが含まれ得る。適切な脂肪族ポリオールの例には、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロペンなどが含まれ得る。適切なポリカルボン酸および無水物の例には、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、およびそのような酸の無水物が含まれ得る。必要であれば、柔軟剤が、組成物の50重量%まで、好ましくは、約2重量%から約30重量%まで存在し得る。顔料が、粉体塗膜に色を与えるために加えられ得る。顔料の例には、限定されないが、二酸化チタン、カーボンブラックおよび用途に応じていずれか有用な色の有機および無機の顔料が含まれる。縞模様、しわなどのような外観を作り出すための特別な効果の添加剤もまた加えられ得る。それらの追加の添加剤の量は、所望される最終的な塗膜の特定の特性に依存する。
【0039】
本発明の粉体塗装組成物は、粉体塗装技術において用いられる通常の技術により調製され得る。典型的には、粉体塗装組成物の成分は、組み合わせられ、互いに徹底的に混合され、次いで、単軸スクリューまたは二軸スクリュー押し出し機の中で溶融混合され、押し出しされる。押し出し物は、即座に冷却され、次いで、ブリンクマンミル、バンタムハンマーミル、アルパインミルまたはACMミルのようなミルの中で粉砕され、用途に応じて適切な粒子サイズの粉末を得るためにふるい分けされる。広範な粒子サイズが本発明の目的のために有用であるけれども、典型的には、平均粒子サイズは、約5から約250ミクロンである。好ましくは、本発明の粉体塗装組成物の平均粒子サイズは、約10ミクロンから約80ミクロンであり、より好ましくは、約20から40ミクロンである。
【0040】
本発明のさらにもう1つの側面において、粉体塗装組成物は、第1の成分(A)および第2の成分(B)のドライブレンドを含む。第1の成分(A)は、少なくとも1種のポリエポキシ樹脂と少なくとも1種の触媒を含む押し出し混合物である。第2の成分(B)は、少なくとも1種のカルボン酸官能性アクリル樹脂を含む。ポリエポキシ樹脂は、約50重量%から約99重量%、好ましくは、約80重量%から約98重量%の量で本発明の粉体塗装組成物中に存在し得る。カルボン酸官能性アクリル樹脂は、第1および第2の成分(A)および(B)の全重量に基づいて約1重量%から約50重量%、好ましくは約2重量%から約20重量%の量で存在し得る。
【0041】
任意に、第2の成分(B)はまた、1種類の触媒または2種類以上の触媒の組み合わせも含み得る。加えて、成分(A)および/または成分(B)はまた、粉末被覆に一般的である少なくとも1種の酸官能ポリエステルおよび/または他の添加剤も含み得る。それらの添加剤には、限定されないが、フィラー、スリップ剤、顔料、染料、UV安定剤、抗酸化剤、流動化剤、流動制御剤、脱ガス剤、柔軟剤、表面模様付与剤などおよびそれらの混合物が含まれる。
【0042】
さらにもう1つの側面において、本発明は、本発明のドライブレンド粉体塗装組成物を作るための方法を提供する。その方法は、第1の成分(A)を得るために成分(a−1)、(a−2)および他の任意の成分を溶融混合する工程、次いで、本発明のドライブレンド粉体塗装組成物を得るために、第1の成分(A)を第2の成分(B)とドライブレンドする工程を含む。第2の成分(B)は、押し出しされる必要のないカルボン酸官能性アクリル樹脂であり得るので、したがって、ドライブレンド粉体塗装組成物を得るために粉末形態の第1の成分(A)に直接加えられ得うる。代わりに、第2の成分(B)は、第1の成分(A)に加えられる前にカルボン酸官能性アクリル樹脂と他の任意成分を溶融混合することにより別に調製され得る。
【0043】
第1の成分(A)および第2の成分(B)の両方は、互いにドライブレンドする前に粉末、フレーク、チップ、プリルなどのようないずれの形態でも存在し得る。
【0044】
適切な粒子サイズのドライブレンド粉体塗装組成物を得るためにドライブレンドの前後に粉砕およびふるいわけが実施され得る。
【0045】
1つの態様において、第1の成分(A)は、成分(a−1)、(a−2)、もし存在すれば他の任意の成分を組み合わせ、それらを徹底的に混合することにより調製される。次いで混合物を、単軸または二軸スクリュー押し出し機のような押し出し機で押し出しする。押し出し物は、即座に冷却され、ブリンクマンミル、バンタムハンマーミル、アルパインミルまたはACMミルのようなミルの中で粉砕され、用途に応じて適切な粒子サイズの粉末を得るためにふるいわけされる。次いで、押し出しされる必要のないカルボン酸官能性アクリル樹脂である第2の成分(B)が、本発明のドライブレンド粉体塗装組成物を得るために成分(A)に別に加えられ、それと徹底的に混合される。
【0046】
別態様において、第2の成分(B)は、カルボン酸官能性アクリル樹脂と例えば、触媒、架橋剤、酸官能ポリエステルおよび/または存在するならば他の添加剤を含む他の任意成分とを溶融混合することにより調製される。押し出し物は粉砕され、約0.1ミクロンから約250ミクロン、好ましくは約1ミクロンから約100ミクロンおよびより好ましくは約5ミクロンから約60ミクロンの適切な粒子サイズの粉末を得るためにふるい分けられる。次いで、それぞれが粉末形態にある2成分は、本発明のドライブレンド粉体塗装組成物を得るために、互いにドライブレンドされる、すなわち、一方の成分、例えば、第2の成分(B)は、第1の成分(A)に別に加えられ、またはそれと混合され、またはその逆が行われる。
【0047】
さらに別の態様において、第1の成分(A)および第2の成分(B)は、いずれか他の任意成分とともにそれぞれの成分を別々に押し出しすることにより調製される。次いで、2つの成分の押し出し物は互いに混合され、粉砕され、適切な粒子サイズの粉体組成物を得るためにふるい分けされる。
【0048】
さらに別態様において、第2の成分(B)は、押し出しされる必要はないが、しかし、粉砕される必要はあるであろう。成分(B)は、第1の成分(A)の押し出し物に別に加えられ得るものであり、次いで、2つの成分は、ドライブレンド粉体組成物を得るために粉砕され、ふるい分けられる。
【0049】
広範な粒子サイズが本発明の目的のために有用であるけれども、典型的には、本発明の粉体塗装組成物の平均粒子サイズは、約5ミクロンから約250ミクロンである。好ましくは、平均粒子サイズは、約10ミクロンから約80ミクロンであり、より好ましくは、約20ミクロンから約55ミクロンである。
【0050】
本発明の粉体塗装組成物は、平滑で均一な被覆を得るために、静電スプレーのようないずれか通常の粉体塗装技術を用いて基材の表面の少なくとも1つに適用され得る。硬化は、組成物を硬化させるのに十分な時間、ある温度で塗装された基材を加熱することにより達成される。触媒の添加により、本発明の粉体塗装組成物の硬化温度は、短い時間で低温か高温かのいずれかに調節され得る。低い硬化温度またはより短い硬化時間のためのより高い温度の両方は、基材の熱暴露を制限し、それにより、基材の一体性ならびに最終仕上げの連続的統一性を低化または損傷させ得るであろう木材基材由来のガス発生をなくす。好ましくは、本発明の粉体塗装組成物の硬化温度は、約300°F以下、より好ましくは約280°F以下か、またはより短い時間のためのより高い温度かのいずれかである。硬化時間は、硬化温度、基材の性質および厚さに応じて変化する。好ましくは、低い硬化温度では、硬化時間は、30分未満、より好ましくは約20分未満であり得る。約325°Fまたは350°Fより高いようなより高い硬化温度では、硬化時間は、好ましくは約10分より短く、より好ましくは、約5分より短い。
【0051】
本発明の硬化された塗膜の厚さは、用途および性能要求に応じて変化し、しかし好ましくは、約1.5ミルから約8.0ミルの範囲にある。
【0052】
本発明の粉体塗装組成物は、例えば、鉄鋼またはアルミニウムのような金属;ガラス;セラミック;炭素繊維;および黒鉛のような様々の通常の基材に適用され得る。特に、本発明の粉体塗装組成物は、プラスチックまたは繊維強化プラスチック基材、および特に木材基材のような感熱基材に適用され得る。
【0053】
典型的には、硬化温度がより低く、および/または硬化時間がより短ければ、高性能を達成するのはより困難である。同様に、硬化温度がより低く、および/または硬化時間がより短いと、特に審美的に所望される少ない光沢を達成するために光沢を制御することはより困難である。さらに、硬化温度がより低く、および/または硬化時間がより短いと、従来の加工処理温度が、目標とする硬化温度と同じ範囲にあるとき粉体塗膜を加工処理することはより困難である。硬度、引っかき硬度、表面損傷抵抗、耐化学薬品性および耐衝撃性のような耐久性試験により規定される高性能塗膜を達成することは、高温で硬化される従来の塗装粉体についての挑戦事項であり得る。また、その挑戦は、硬化温度がより低くなり、硬化時間がより短くなるときより困難なものとなる。
【0054】
驚くべきことに、本発明の粉体塗装組成物は、短時間低温または高温で硬化されながらも、所望の高性能および他の特性を製品の塗装された表面に付与するように配合され得る。例えば、本発明の粉体塗装組成物は、用途に応じて、強いか弱いかいずれかの広範な60°光沢を仕上げ材料に付与するように配合され得る。驚くべきことに、組成物の成分をドライブレンドすることにより、光沢の調節がはるかに容易になる。審美的に所望される少ない光沢のために、本発明の粉体塗装組成物は、約5から約60、好ましくは約10から約40の制御可能な60°光沢を塗膜に付与するために、低い相容性の樹脂を選択することにより、またはドライブレンド技術を用いて組成物を調製することによるようにして配合され得る。
【0055】
さらに、本発明の粉体塗装組成物は、架橋密度もしくは硬化度を変化させることにより、または異なるガラス転移温度(Tg)を有する樹脂を選択することによるようにして、用途に応じて、違う硬度を仕上げ材料に提供するように配合され得る。例えば、鉛筆硬度により測定されるような大きな硬度が所望されるとき、本発明の粉体塗装組成物は、大きなTgを有する樹脂を用いて配合されるか、架橋密度もしくは硬化度を増加させるように配合され得る。代わりに、低い硬化温度で硬化時間を長くするかまたは硬化温度を高くすることは、硬化度を増加させうる。典型的には、本発明の組成物は、用途に応じて、約2H以上および好ましくは約3H以上の鉛筆硬度を塗膜に付与するように配合され得る。
【0056】
加えて、本発明の粉体塗装組成物は、基材、特に加工された木材基材上の塗膜に、審美的に許容し得る平滑な外観ならびに用途に応じてユズ肌のまたは表面模様のある外観を付与するように配合され得る。例えば、組成物に少量の結晶性ポリエポキシ樹脂を含ませることにより、得られる仕上げ製品の平滑さが向上し得る。加えて、加工処理時間帯は有意に広がる。
【0057】
さらに別の側面において、本発明は、制御可能な光沢、特に審美的に所望される少ない光沢および/またはきわめて高い硬度を有する装飾的および/または保護的仕上げを作り出すために、前述の新規な粉体塗装組成物のいずれかで基材の表面の少なくとも1つについて塗装され、低い硬化温度でかまたは短い時間でより高い硬化温度でかのいずれかで硬化される、感熱基材を含む製品を提供する。
【0058】
特に、本発明の製品には、約2から約95、好ましくは約5から約60、およびより好ましくは、約10から約40の60°光沢およびF以上、好ましくはH以上、およびより好ましくは3H以上の鉛筆硬度を有する装飾的および/または保護的仕上げを作り出すために、前述の新規な粉体塗装組成物のいずれかで基材の表面の少なくとも1つについて塗装され、約300°F以下の低い硬化温度でか、またはより短い時間で約325°Fより高いようなより高い硬化温度でかのいずれかで硬化される、感熱基材、特に木材基材が含まれる。
【0059】
本発明はさらに、以下の非限定的な例により例示される。しかしながら、本発明の範囲にとどまりながら、多くの変形および修正がなされ得ることが理解されるべきである。全ての成分は部として計測される。本明細書に記載される全ての部、比およびパーセンテージは、別段の言及のない限り重量による。
【0060】
発明の態様の詳細な説明
試験方法:
光沢
本発明の硬化された粉体塗膜の光沢は、ASTM D523の鏡面光沢のための標準試験方法にしたがって測定される。
【0061】
鉛筆硬度
本発明の硬化された粉体塗膜の鉛筆硬度は、ASTM D3363の鉛筆試験による皮膜硬度のための標準試験方法に従って測定される。
【0062】
MEK耐性
本発明の硬化された粉体塗膜のMEK耐性は、ASTM(試験方法)D4752−98の溶剤摩擦(Solvent Rub)によるMEK耐性を測定するための標準試験方法に従って測定される。
【0063】
例
例1
粉体塗装組成物を、5.0部のSCX843(酸官能アクリル樹脂、ウィスコンシン州S.C.ジョンソン)、48.5部のYD012(ポリエポキシ樹脂、韓国ソウルのKUKDOケミカルInd.株式会社)、3.7重量部のPT810(バンティコ、TGIC)、47.8部のGMA300(エポキシ官能性アクリル樹脂、コネチカット州、エストロン・ケミカル・カンパニー)、2.5部の2−フェニル−2−イミダゾリン/ドデカン二酸二塩、1.2部の2−フェニル−イミダゾール、および1.5部のレジフローP−67(アクリル樹脂、流れ添加剤)を予備混合することにより調製した。次いでその混合物を、500rpmで二軸スクリュー押し出し機で溶融混合し、押し出しし、冷却し、粉砕し、次いで、塗装粉体を得るために100メッシュふるいを通してふるい分けた。
【0064】
次いで、静電スプレー塗装方法を用いて、上記調製された塗装粉体を中密度ファイバーボード上に適用し、約275°Fで約10分間オーブン中で硬化させた。硬化された粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表1に示す。
【0065】
例2
10.0部のSCX843を用いたことを除いて、粉体塗装組成物を例1に従って調製した。硬化された粉末被覆の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表1に示す。
【0066】
例3
15.0部のSCX843を用いたことを除いて、粉体塗装組成物を例1に従って調製した。硬化された粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表1に示す。
【0067】
例4
20.0部のSCX843を用いたことを除いて、粉体塗装組成物を例1に従って調製した。硬化された粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表1に示す。
【0068】
例5
25.0部のSCX843を用いたことを除いて、粉体塗装組成物を例1に従って調製した。硬化された粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表1に示す。
【表1】
【0069】
例6〜10
それぞれの例において、5.0部、10.0部、15.0部および25.0部のSCX848を用いたことを除いて、粉体塗装組成物を例1に従って調製した。硬化された粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表2に示す。
【表2】
【0070】
例11
粉体塗装組成物を、14.4部のSCX848、85.6部のYD012、1.0部の2−メチル−イミダゾール、1.5部のレジフローP−67および25部のRCL−2(白色顔料)を予備混合することにより調製した。次いで、その混合物を500rpmで二軸スクリュー押し出し機で溶融混合し、押し出しし、冷却し、粉砕し、次いで、塗装粉体を得るために100メッシュふるいを通してふるい分けた。
【0071】
次いで、静電スプレー被覆方法を用いて、上記調製された塗装粉体を中密度ファイバーボード上に適用し、約280°Fで約15分間オーブン中で硬化させた。硬化された粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表3に示す。
【0072】
例12
15.6部のSCX848、31.8部のSCX822、52.6部のGT7220(ノボラックエポキシ樹脂、バンティコ)、1.25部の2−フェニル−イミダゾリン、1.5部のモダフロー2000および30部のRCL−2を予備混合したことを除いて、粉体塗装組成物を例11にしたがって調製した。塗装された中密度ファイバーボードを約275°Fで約10分間オーブン中で硬化させた。硬化された粉体塗膜の60°光沢およびMEK耐性を試験し、試験結果を表3に示す。
【0073】
例13
28.0部のSCX843、72.0部のGT7220、1.5部の2−フェニル−イミダゾリン、1.5部のモダフロー2000および30部のRCL−2を予備混合したことを除いて、粉体塗装組成物を例12に従って調製した。硬化された粉体塗膜の60°光沢およびMEK耐性を試験し、試験結果を表3に示す。
【0074】
例14
28.7重量部のSCX848、71.3重量部のYD012、2.0部の2−フェニル−イミダゾール、1.5部のモダフロー2000および1.0部のBP120(カーボンブラック顔料)を予備混合したことを除いて、粉体塗装組成物を例12にしたがって調製した。硬化された粉体塗膜の60°光沢およびMEK耐性を試験し、試験結果を表3に示す。
【0075】
例15
41.1部のSCX848、51.0部のYD012、7.7部のTGIC、2.5部の2−フェニル−2−イミダゾリン/ドデカン二酸二塩、1.5部のモダフロー2000、1.0部のランコ1780(ワックス)および1.0部のテーバー・タイガー5512(耐磨耗性添加剤)を予備混合したことを除いて、粉体塗装組成物を例12に従って調製した。硬化された粉体塗膜の60°光沢とMEK耐性を試験し、試験結果を表3に示す。
【表3】
【0076】
例16
19.0部のSCX848、39.3部のYD012、3.0部のPT−810、38.7部のGMA300、0.5部の2−フェニル−2−イミダゾリン/ドデカン二酸二塩、2.0部の2−フェニル−イミダゾール、1.5部のレジフローP−67および30部のRCL−2を予備混合することにより粉体塗装組成物を調製した。次いで、混合物を500rpmで二軸スクリュー押し出し機中で溶融混合し、押し出しし、冷却し、粉砕し、次いで、塗装粉体を得るために100メッシュふるいを通してふるい分けした。
【0077】
次いで、静電スプレー塗装方法を用いて、上記調製された塗装粉体を中密度ファイバーボード上に適用し、約15分間約280°Fでオーブン中で硬化させた。硬化した粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表4に示す。
【0078】
例17
1.0部の2−フェニル−2−イミダゾリン/ドデカン二酸二塩を用いたことを除いて、例16に従って粉体塗装組成物を調製した。硬化した粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表4に示す。
【0079】
例18
2.0部の2−フェニル−2−イミダゾリン/ドデカン二酸二塩を用いたことを除いて、例16に従って粉体塗装組成物を調製した。硬化した粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表4に示す。
【0080】
例19
1.0部の2−フェニル−イミダゾールを用いたことを除いて、例18に従って粉体塗装組成物を調製した。硬化した粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表4に示す。
【0081】
例20
PT−810を用いなかったことを除いて例19に従って粉体塗装組成物を調製した。硬化した粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表4に示す。
【0082】
例21
1.0部のPT−810を用いたことを除いて例19に従って粉体塗装組成物を調製した。硬化した粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表4に示す。
【表4】
【0083】
例22
28.7部のSCX848、71.3部のYD012、2.0部の2−フェニル−イミダゾール、1.0部のランコ1780、1.0部のテーバータイガー5512(ワックス)、1.0部のウルトラノックス626(抗酸化剤)および30部のRCL−2を予備混合することにより、粉体塗装組成物を調製した。ついで、混合物を500rpmで二軸スクリュー押し出し機で溶融混合し、押し出しし、冷却し、粉砕し、次いで、塗装粉体を得るために100メッシュふるいを通してふるい分けた。
【0084】
次いで、静電スプレー被覆方法を用いて上記調製された塗装粉体を中密度ファイバーボード上に適用し、約10分間約275°Fでオーブン内で硬化させた。硬化した粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表5に示す。
【0085】
例23
83.8部のSCX835、16.5部のエポソートYDCN−500−90P(o−クレゾールノボラックエポキシ樹脂)、2.2部の2−フェニル−イミダゾール、1.5部のモダレッツMFP A−25−P(流動制御添加剤、WCのモーガントンのシントロン社)、0.29部のカボシルCT111G(ヒュームドシリカ、イリノイ州タスコラのカボット社)、および30部のRCL−2を予備混合することにより粉体塗装組成物を調製した。次いで、混合物を500rpmで二軸スクリュー押し出し機中で溶融混合し、押し出しし、冷却し、粉砕し、次いで、塗装粉体を得るために100メッシュふるいを通してふるい分けた。
【0086】
次いで、静電スプレー被覆方法を用いて、上記調製された塗装粉体を中密度ファイバーボード上に適用し、約10分間約275°Fでオーブン中で硬化させた。硬化された粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表5に示す。
【表5】
【0087】
例24および25
46.3部のエポソートYD−012、28.7部のGMA300、10.0部のユニプレックス280(シュークロースベンゾエート)、1.5部のレジフローP−67、1.5部の2−フェニルイミダゾール、および30部のRCL−2を予備混合することにより粉体塗装組成物を調製した。次いで、混合物を500rpmで二軸スクリュー押し出し機中で溶融混合し、冷却し、粉砕し、成分(A)を得るために100メッシュふるいを通してふるい分けた。
【0088】
100部のSCX843、30部のRCL−2および30部のナイアッド325(ウォラストナイト)のプレミックスを500rpmで二軸スクリュー押し出し機中で溶融混合し、冷却し、粉砕し、成分(B)を得るために140メッシュふるいを通してふるい分けた。
【0089】
次いで、成分(A)および成分(B)を、2種類の粉体塗装組成物を得るために、それぞれ、100/10および100/15のw/w比でドライブレンドした。
【0090】
静電スプレー塗装方法を用いて、上記調製された塗装粉体を中密度ファイバーボード上に適用し、約3分間約350°Fの部分温度でオーブン中で硬化させた。硬化した粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表6に示す。
【0091】
例26
62.3部のエポソートYD−012、5.2部のエポソートYDC−1312、20.5部のGMA300、12.0部のSCX843、2.0部のダイハード PI、1.0部のレジンフローP−67、30部のRCL−2および0.266部の酸化アルミニウムCを予備混合することにより、粉体塗装組成物を調製した。次いで、混合物を500rpmで二軸スクリュー押し出し機中で溶融混合し、押し出しし、冷却し、粉砕し、次いで、塗装粉体を得るために140メッシュふるいを通してふるい分けた。
【0092】
次いで、静電スプレー塗装方法を用いて、上記調製された塗装粉体を中密度ファイバーボード上に適用し、約3分間約350°Fの部分温度でオーブン中で硬化させた。硬化された粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表6に示す。
【0093】
例27
エポキシ・リサーチ・レジンRSS−1407をエポソートYDC−1312の代わりに用いたことを除いて、例26に従って粉体塗膜を調製した。
【0094】
硬化された粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表6に示す。
【表6】
発明の分野
本発明は、新規な熱硬化性粉体塗装組成物に関する。具体的には、本発明は、新規な酸官能アクリル/ポリエポキシ粉体塗装組成物に関する。より具体的には、本発明は、低温硬化または高温での高速硬化により、高い硬度および/または制御可能な光沢を有する仕上げを基材上に作り出すための、木材基材のような感熱基材上の被覆のための新規な酸官能アクリル/ポリエポキシ粉体塗装組成物に関する。
【0002】
発明の背景
粉体塗装は、金属基材のような基材上に高品質仕上げを提供する汚染の少ない経費のかからない方法であり、それゆえ、様々の産業で液体仕上げを次々に置き換えて用いられていることが周知である。伝統的には、粉体塗装は、例えば、自動車産業および家電産業における金属物品を塗装するために用いられる。金属物品は、きわめて良好な電気伝導体であり、高温に加熱されうる。したがって、従来の粉体塗装組成物は、卓越した仕上げを形成するように、当該技術において公知の静電塗装技術のいずれかにより金属基材上に容易に適用される。塗装された金属基材は、通常、300°Fから450°Fまでの範囲の高温で硬化される。高温は、金属基材を顕著にゆがませないので、工作物の感熱性は、一般的には問題ではない。金属基材上に高性能の塗膜を提供するために、当該技術において、高温で硬化される粉体塗装組成物は十分に開発されてきた。
【0003】
より最近では、例えば、プラスチック、予め組み立てられた製品、および木材製品のような感熱基材として知られる非金属基材に粉体塗装を適用するための努力がなされてきた。木材製品の例には、家庭家具、オフィスの備品、および扉、羽目板、窓枠、棚用材料、回り縁のような建築部材が含まれる。一部のプラスチック製品は、適切な色で製造され得、塗装を必要としないですむけれども、他のプラスチック製品、および特に多くの木材製品は、装飾目的または保護目的または両方のために塗装されねばならない。非金属基材の塗装においても一部の成功は達成されたけれども、特に、金属基材と木材基材との間の異なる性質の差異のために木材基材上の塗装について問題が残っている。
【0004】
もちろん、木材基材は、より多い水分と揮発性化合物を含む。水分と揮発性化合物は、金属基材上の従来の粉体塗装に使用される高温では比較的長い硬化の間に気体として容易に放出される。このガス放出は、塗装材料の表面を破裂させ、塗膜表面中にピンホールおよび他の欠陥をもたらし、それにより塗膜の外観を損傷させる。それゆえ、比較的長時間の高温での通常の硬化は、木材基材上の塗装粉体のためには使用し得ない。現在、塗膜表面中のピンホールおよび欠陥を回避するための1つのアプローチは、例えば、粒状表面組織(grainy texture)を有する表面模様付き塗膜または下地基材の不均一性を覆うユズ肌外観を有する塗膜を提供することである。ガス放出をなくすためのもう1つのアプローチは、硬化温度を低下させ、および/または、硬化時間を短縮させる低温硬化塗装粉体系を開発することである。しかしながら、より低い硬化温度および/またはより短い硬化時間は、高性能を達成するのがより困難である。同様に、より低い硬化温度および/またはより短い硬化時間は、光沢を制御すること、特に、審美的に所望される弱い光沢を達成することがより困難になる。さらに、より低い硬化温度および/またはより短い硬化時間は、粉体塗膜を加工処理するのをより困難にする。というのは、従来の加工処理温度は、目標とする硬化温度と同じ範囲にあるからである。硬度、引っかき硬度、表面損傷抵抗、耐化学薬品性および耐衝撃性のような堅牢性と耐久性の試験により規定される高性能塗膜を達成することは、長時間高温で硬化される従来の塗装粉体に対する挑戦となり得るものである。また、この挑戦は、硬化温度が低くなるかまたは硬化時間が短くなるとより大きなものとなる。
【0005】
関連技術においては、金属および木材基材の一方または両方について用いられる様々の粉体塗装組成物が特許文献において記載されている。
【0006】
米国特許第6,022,927号は、金属および木材基材上に用いられるアクリル粉体塗装組成物を開示する。この組成物は、基本的には、酸官能性アクリル樹脂;酸官能性ポリエステルとポリエポキシ(例えば、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC))のアダクト;ならびに金属および木材基材の両方上にユズ模様表面を提供するために、やはりTGICである硬化剤を含む。カルボキシル官能性アクリル樹脂、硬化剤(TGIC)およびポリエステルを単純に混合することにより調製される塗装粉体は、所望の物理的特性を有する塗膜を提供しないことが具体的に教示されている。硬化剤(TGIC)とポリエステルが塗装粉体を形成する前にアダクトを形成する場合にのみ、所望の特性を有する被覆が製造され得る。硬化温度は、硬化触媒の添加の際に300°F以下まで低くされ得る。金属基材上で試験された60°光沢は75を超える。金属パネル上で試験された被覆表面の鉛筆硬度(Pencil Hardness)は、Fから2Hである。
【0007】
米国特許第5,907,020号は、触媒添加自己硬化性エポキシ樹脂の押し出し物と低温硬化剤の混合物に基づく熱硬化性粉体塗装系を開示する。エポキシ樹脂をまず触媒とともに押し出し、次いで、押し出し物を、塗装粉体を形成するために低温硬化剤とともに混合する。低温硬化剤は、金属および木材基材上に光沢の少ない塗膜を提供するために、イミダゾール触媒のエポキシアダクトであるか、または脂肪族ポリアミンのエポキシアダクトである。硬化温度は290°F以下であり得る。スチールパネル上で試験された60°光沢は、15から80までにわたる。
【0008】
米国特許第5,721,052号は、金属および木材の両方の基材上に粒状表面模様の仕上げを形成するための、ビスフェノールAタイプのエポキシ、イミダゾール触媒および表面模様付与剤に基づく熱硬化性粉体塗装組成物を開示する。硬化温度は約350°F以下であり得る。金属パネル上で試験された60°光沢は6未満である。金属パネル上で試験された鉛筆硬度はHから2Hである。
【0009】
しかしながら、開示された全ての粉体塗装組成物は、低速硬化もしくは高速硬化、制御可能な光沢、および高い硬度の有利な組み合わせを備えた塗膜を感熱基材、特に木材基材上に提供しない。
【0010】
それゆえ、感熱基材、特に木材基材上に従来の粉体塗装方法により塗装することができ、比較的長時間比較的低温でまたは比較的短時間比較的高温で硬化させて、基材を損傷することなく制御可能な光沢、および硬度のような極めて高い性能を有する仕上げを作り出すことができる新規な粉体塗装組成物に対するニーズが存在する。
【0011】
発明の概要
本発明は、本質的に、
a)(a)プラス(b)に対して約10重量%から約90重量%のカルボン酸官能性アクリル樹脂;
b)(a)プラス(b)に対して約10重量%から約90重量%のポリエポキシ樹脂;
c)約300°F以下の温度で組成物を約30分以下で硬化させるのに十分な量の触媒;および
d)任意に、柔軟化剤
の混合物からなる粒子形態の新規な粉体塗装組成物を提供する。
【0012】
別の側面において、本発明は、
a)(a)プラス(b)に対して約10重量%から約90重量%のカルボン酸官能性アクリル樹脂;
b)(a)プラス(b)に対して約10重量%から約90重量%のポリエポキシ樹脂;および
c)約300°F以下の温度で組成物を約30分以下で硬化させるのに十分な量の触媒
を含む新規な粉体塗装組成物であって、
該組成物は、少なくとも3Hの鉛筆硬度を有する仕上げを提供する組成物を提供する。
【0013】
さらに別の側面において、本発明は、
a)(a)プラス(b)に対して約10重量%から約90重量%のカルボン酸官能性アクリル樹脂;
b)(a)プラス(b)に対して約10重量%から約90重量%のポリエポキシ樹脂;
c)主にエポキシ単独重合触媒として機能する第1の触媒;および
d)主にエポキシ/カルボン酸反応触媒として機能する第2の触媒
を含む新規な粉体塗装組成物を提供する。
【0014】
さらにもう1つの側面において、本発明は、
A)約50重量%から約99重量%の、
a−1)少なくとも1種のポリエポキシ樹脂、および
a−2)少なくとも1種の触媒
を含む第1の成分、並びに
B)少なくとも1種のカルボン酸官能性アクリル樹脂を含む、約1重量%から約50重量%の、前記第1の成分(A)とドライブレンドされた第2の成分
を含む粉体塗装組成物を特徴とする。
【0015】
さらに別の側面において、本発明は、
a)約1重量%から約50重量%の少なくとも1種のカルボン酸官能性アクリル樹脂;
b)エポキシ樹脂全量に基づいて約2重量%から約15重量%が少なくとも1種の結晶性ポリエポキシ樹脂であるところの、約50重量%から約99重量%の2種類以上のポリエポキシ樹脂;および
c)前記組成物を硬化させるのに有効な量の触媒
を含む粉体塗装組成物を特徴とする。
【0016】
本発明の新規な粉体塗装組成物は、制御可能な光沢、およびきわめて高い硬度を含む高性能を有する仕上げを提供するように、様々な基材に、特に感熱基材、例えばプラスチックまたは木材基材に、例えば静電塗装法または流動床法により容易に適用される。
【0017】
本発明の塗膜は、基材、特に木材基材上に被覆フィルムを形成するのに約300°F以下の低い硬化温度で約30分以下で硬化され得るものであり、それにより、基材を損傷させることなく基材からのガス発生をなくす。本発明の硬化された被覆は、約2から約95の60°光沢およびF、好ましくは3Hを超える鉛筆硬度を生み出し得る。
【0018】
特に、本発明の粉体塗装組成物は、静電スプレーにより容易に塗装され、約280°F以下の温度で、約20分以下の時間で感熱基材、特に木材基材上で硬化され、約5から約60、好ましくは約10から約40の審美的に許容可能な低い60°光沢およびHを超え、好ましくは3Hを超える鉛筆硬度を有する仕上げを生成する。
【0019】
本発明の塗膜はまた、基材、特に木材基材上に塗装フィルムを形成するために、約300°F、好ましくは約325°Fを超える高速硬化温度で、約10分、好ましくは約5分以下の時間でも硬化され得るものであり、一方、制御可能な光沢および/または鉛筆硬度のような要求される物理的な性能特性も示す。
【0020】
さらに別の側面において、本発明は、約2から約95の制御可能な60°光沢および用途に応じて耐化学薬品性、硬度、その他に関する制御可能な性能を有する装飾的および/または保護的仕上げを作り出すために、本発明の前記新規な粉体塗装組成物のいずれかで基材の少なくとも1表面上に被覆され、約300°F以下の温度で約30分以下の時間でかまたは、約300°F、好ましくは約325°Fを超える温度で約10分以下の時間でのいずれかで硬化される感熱基材を含む製品を提供する。
【0021】
特に、本発明の製品は、本発明の前記新規な粉体塗装組成物のいずれかで基材の表面の少なくとも1つを被覆され、約300°F以下の温度で約30分以下の時間かまたは、約300°F、好ましくは約325°Fを超える温度で約10分以下の時間かのいずれかで硬化される木材基材を含み、約5から約60、好ましくは約10から約40の60°光沢およびFを超える、好ましくはHを超える、より好ましくは3H以上の鉛筆硬度を有する仕上げを作り出す。
【0022】
発明の詳細な説明
本発明の目的のために、「木材」という用語は、天然木材および合板、パーティクルボード、配向性ストランドボード、ハードボード、中密度ファイバーボードなどのような工作された木材を含むものとして定義される。パーティクルボードは標準的なものであるか、その導電性を高めるために処理され得る。導電性液体塗装組成物で予備被覆され、硬化された木材はまた、本発明の目的のための基材としても用いられ得る。約3から約10重量%の水分含量を有する木材が好ましい。
【0023】
本発明の目的のために、「低下した硬化温度または低い硬化温度」とは、伝統的な300°Fよりも高く約450°Fまでの高い硬化温度と比較して、所望の性能を達成するための約300°F以下である、部分温度(part temperature)としてもまた知られる基材表面温度をいう。
【0024】
本発明の目的のために、「高速硬化」とは、伝統的な硬化温度と同じくらい高くありうる、部分温度としてもまた知られる、基材表面温度のことを指す高速硬化温度で実施される硬化をいうが、硬化時間は、所望の性能を達成するための従来の粉体塗装系を硬化するのに必要とされる時間より短い。
【0025】
本発明の熱硬化性粉体塗装組成物には、カルボン酸官能性アクリル樹脂が含まれる。本発明において有用なカルボン酸官能性アクリル樹脂は、アクリル酸またはメタクリル酸;メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ドデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、1,4−ブタンジオールモノアクリレートおよびジメチルアミノエチルアクリレートのようなアクリル酸誘導体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、1,4−ブタンジオールモノメタクリレートおよびジメチルアミノエチルメタクリレートのようなメタクリル酸誘導体などのような当該技術において公知の典型的なアクリルモノマーから生成する。そのようなモノマーは、それぞれ別々に、または2以上の組み合わせで用いられ得る。スチレン、置換されたスチレン、またはビニルトルエンなどのような他のモノマーもまた含まれ得る。カルボン酸官能性アクリル樹脂の商業的に入手可能な例には、例えば、S.C.ジョンソンによる商標SCX(登録商標)アクリル樹脂の下にある樹脂が含まれる。
【0026】
本発明によれば、カルボン酸官能性アクリル樹脂は、本発明の粉体塗装組成物において別々に、または2以上の組み合わせで用いられ得る。一部の態様において、組成物は、本発明の粉体塗装組成物において用いられる樹脂の全重量に基づいて約10重量%から約90重量%、好ましくは、約10重量%から約60重量%、および最も好ましくは、約10重量%から約40重量%のカルボン酸官能性アクリル樹脂を含み得る。カルボン酸官能性アクリル樹脂が他の成分とドライブレンドされる一部の態様において、カルボン酸官能性アクリル樹脂の量は、好ましくは、本発明の粉体塗装組成物において用いられる樹脂の全重量に基づいて約1重量%から約50重量%、好ましくは約2重量%から約20重量%である。
【0027】
本発明の粉体塗装組成物はまた、ポリエポキシ樹脂も含む。非結晶性ポリエポキシ樹脂および結晶性ポリエポキシ樹脂を含む広範なポリエポキシ樹脂が、本発明の粉体塗装組成物において用いられ得る。典型的には、ポリエポキシ樹脂は、飽和または不飽和、脂肪族、脂環式またはヘテロ環式化合物を含んで分子当り少なくとも2基のエポキシ基を有するべきであり、ハロゲン原子、アルキル基、エーテル基などのような置換基で置換され得る。適切なポリエポキシ樹脂には、芳香族および脂肪族ポリオールのグリシジルエーテル、環式脂肪族ポリエポキシド、エポキシ官能性アクリル樹脂、ヘテロ環ポリエポキシド、芳香族および脂肪族ポリカルボン酸のグリシジルエステル、グリシジルポリアミンおよびエーテルアミンおよびそれらの混合物が含まれる。例えば、ポリエポキシ樹脂は、ビスフェノールA(2,2’−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン)とエピクロロヒドリンに基づく固体エポキシ樹脂、すなわち、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのより高次の付加生成物であり得る。ポリエポキシ樹脂には、ビスフェノールF(4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン)、飽和ビスフェノールA(2,2’ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)とエピクロロヒドリンに基づく固体エポキシ樹脂および高次の付加生成物が含まれ得る。また、エピクロロヒドリンとノボラック樹脂の反応により作られるエポキシ樹脂も含まれる。ノボラック樹脂は、酸触媒の存在下でのホルムアルデヒドによるフェノール化合物の縮合体である。フェノール化合物は、フェノールそれ自体、またはクレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ナフトールなどのような化合物であり得る。エポキシ樹脂は、リゾリューション・パフォーマンス・プロダクツ(テキサス州ヒューストン)由来のEPON(登録商標)またはエピコート(登録商標)、バンティコ(ニューヨーク州ホーソーン)由来のアラルダイト(登録商標)およびダウ・ケミカル・カンパニー(ミシガン州ミッドランド)由来のDERのような商標の下で広範な商業的供給源から入手可能である。商業的に入手可能なエポキシ樹脂には、リゾリューション・パフォーマンス・プロダクツ由来のエピコート(登録商標)1001、エピコート(登録商標)1002、エピコート(登録商標)1004、エピコート(登録商標)1007、およびエピコート(登録商標)1009;KUKDOケミカルInd.株式会社由来のエポ−ソートYD−012;ダウ・ケミカル社由来のDER(登録商標)642およびDER(登録商標)672;バンティコ由来のアラルダイト(登録商標)7220、アラルダイト(登録商標)ECN1235、アラルダイト(登録商標)ECN1273、およびアラルダイト(登録商標)ECN1280が含まれる。他の有用なエポキシ樹脂には、ビスフェノールSエポキシ樹脂;水素化ビスフェノールAエポキシ樹脂が含まれる。芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテルの中では、ビスフェノールAに基づくポリエポキシ樹脂が好ましい。有用なヘテロ環ポリエポキシドには、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)として知られる1,3,5−トリス(2,3−グリシジル−プロピル)1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(2,3−グリシジル−2−メチルプロピル)1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、テレフタル酸のジグリシジルエステルおよびトリメリット酸のトリグリシジルエステルが含まれる。商業的に入手可能なヘテロ環ポリエポキシドには、バンティコ由来のアラルダイト(登録商標)PT−810および日産化学由来のMT−239が含まれる。およびグリシジルエステルには、バンティコ由来のPT−910が含まれる。他の有用な結晶性ポリエポキシドには、テトラメチルビスフェノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、2,5−ジ−t−ブチルベンゼン−1,4−ジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、ジグリシジルイソフタレートおよびエポキシプロポキシジメチルベンジルアクリルアミドが含まれる。商業的に入手可能な結晶性ポリエポキシ樹脂には、リゾリューション・パフォーマンス・プロダクツ由来のエポキシ・リサーチ・レジンRSS−1407、KUKDOケミカルInd.株式会社由来のEPO−THOTO YDC−1312が含まれる。適切なエポキシ官能性アクリル樹脂は、前述したように、エポキシ官能性アクリレートを単独で、または他のアクリルエステル、スチレンおよび置換されたスチレンを含む他のビニルモノマーと組み合わせで重合させることにより製造されうる。エポキシ官能性アクリレートモノマーの例には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ベータ−メチルグリシジルアクリレート、ベータ−メチルグリシジルメタクリレート、N−グリシジルアクリル酸アミドなどが含まれ、それらの中で、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートが好ましい。商業的に入手可能なエポキシ官能性アクリル樹脂の例には、ライヒホールドによるファインクラッド(登録商標)A−244−A、アンダーソン社によるアルマテックス(登録商標)PD7690およびエストロン・ケミカル・カンパニーによるGMA300(登録商標)が含まれる。
【0028】
ポリエポキシ樹脂は、本発明の粉体塗装組成物中で別々に、または2以上の組み合わせで用いられ得る。例えば、1つのビスフェノールAタイプのポリエポキシ樹脂は、単独でか、または他のビスフェノールAタイプのポリエポキシ樹脂と組み合わせでか、またはノボラックタイプのポリエポキシ樹脂と組み合わせで用いられ得る。同様に、ビスフェノールAタイプのポリエポキシ樹脂は、トリグリシジルイソシアヌレートおよび/またはエポキシ官能性アクリル樹脂と組み合わせで用いられ得る。また、非結晶性ポリエポキシ樹脂は、結晶性ポリエポキシ樹脂と組み合わせで用いられ得る。
【0029】
本発明の粉体塗装組成物は、本発明の粉体塗装組成物において用いられる樹脂の全重量に基づいて、約10重量%から約90重量%、好ましくは約40重量%から約90重量%、より好ましくは約60重量%から約90重量%のポリエポキシ樹脂を含み得る。ポリエポキシ樹脂が他の成分とドライブレンドされる態様において、ポリエポキシ樹脂の量は、好ましくは、約50重量%から約99重量%、より好ましくは約80重量%から約98重量%である。結晶性ポリエポキシ樹脂が非結晶性ポリエポキシ樹脂と組み合わせで用いられる態様において、結晶性ポリエポキシ樹脂は、ポリエポキシ樹脂の全重量に基づいて約2重量%から約15重量%の量で存在し得る。
【0030】
本発明の粉体塗装組成物は、粉体塗膜を、約300°F以下、好ましくは約280°F以下の低い硬化温度でか、または基材の中での温度上昇を最小化するのに可能な限り短い時間、高速硬化温度でかのいずれかで硬化させる触媒もまた含み得る。有用な触媒の例には、イミダゾール、イミダゾール/エポキシアダクト、第3級アミン、イミダゾリン、モノまたはジカルボン酸のイミダゾリン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ホスホニウム塩、例えばオクタン酸第一スズのようなスズ触媒およびそれらの混合物が含まれ得る。イミダゾールの例には、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、および2−フェニルイミダゾールのような置換されたイミダゾールおよび置換されていないイミダゾールが含まれ得る。イミダゾール/エポキシアダクトの例は、リゾリューション・パフォーマンス・プロダクツから商品名EPON P−101の下で、およびバンティコから商品名XU HT261の下で商業的に入手可能であり得る。テトラアルキルアンモニウム塩の例には、臭化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化ミリスチルトリメチルアンモニウム、ヨウ化ミリスチルトリメチルアンモニウム、塩化ミリスチルトリメチルアンモニウムなどが含まれ得る。ホスホニウム塩の例には、臭化エチルトリフェニルホスホニウム、ヨウ化エチルトリフェニルホスホニウムおよび塩化エチルトリフェニルホスホニウムなどが含まれ得る。第3級アミンの例には、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン、N,N’−ジメチルピペラジン、2,2,6,6,−テトラメチル−4−ジメチルアミノピペリジン、N,N−ジメチルオクタデシルアミン、N,N−ジメチルヘキサデシルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチレンジアミンおよびベンジルジメチルアミンが含まれ得る。イミダゾリンの例には、2−フェニルイミダゾリンのような置換されているイミダゾリンおよび置換されていないイミダゾリンが含まれる。モノまたはジカルボン酸のイミダゾリン塩は、イミダゾリン系化合物とモノまたはジカルボン酸から誘導される。適切なモノカルボン酸およびジカルボン酸は、それぞれ、分子当り1または2のカルボン酸根(−COOH)を有する。それらには、芳香族および脂肪族(飽和および不飽和)酸ならびにそれらの組み合わせ(すなわち、アラリファティック)が含まれる。典型的なモノカルボン酸またはジカルボン酸には、限定されないが、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、安息香酸、アゼライン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタール酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、酢酸、2−エチルヘキサン酸、およびマレイン酸が含まれる。好ましいモノおよびジカルボン酸は、アジピン酸、セバシン酸、およびドデカン二酸である。
【0031】
2−イミダゾリン化合物のようなイミダゾリン系化合物は、以下の一般的構造:
【化1】
【0032】
(式中、R1 は、水素、芳香族基、脂肪族基(飽和または不飽和)、環式脂肪族基またはアラリファティック基であり、好ましくは約1〜12炭素原子を有する。R1 の例には、フェニル、2−クロロフェニル、2−ヒドロキシフェニル、4−クロロフェニル、4−メチルフェニルなど、メチル、ウンデシルなどのようなアルキル、ベンジルなどのようなアラルキルまたは水素が含まれる。R2 は、水素またはメチルなどのような好ましくは約1から12炭素原子を有するアルキル基である。)により表され得る。
【0033】
典型的には、2−イミダゾリンには、2−フェニル−2−イミダゾリン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−2−イミダゾリン,2−(2−クロロフェニル)−2−イミダゾリン、2−(4−クロロフェニル)−2−イミダゾリン、2−(4−メチルフェニル)−2−イミダゾリン、2−n−ウンデシル−2−イミダゾリン、2−ベンジル−2−イミダゾリン、4,4−ジメチル−2−イミダゾリンおよび2−メチル−2−イミダゾリンが含まれる。モノまたはジカルボン酸のイミダゾリン塩およびその調製は、例えば、GB2,312,897において記載されており、該明細書は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
本発明の粉体塗装組成物は、組成物を硬化させるのに十分な量の少なくとも1種の触媒を含むように配合されうる。好ましくは、触媒は、約30分以下のような比較的長い時間約300°F以下の低硬化温度でか、または約10分以下の時間約300°F、好ましくは約325°Fを超える高速硬化でか、または約5分以下の時間約350°Fより高温でか、または約3分以下の時間約400°Fより高温でかのいずれかで組成物を硬化させるのに十分な量で存在する。好ましくは、触媒は、約0.1から約10.0pphr(100の樹脂あたりの部)、より好ましくは約0.5から約5pphr、および最も好ましくは、約1.0から約4.0pphrの量で存在する。
【0035】
本発明のもう1つの側面において、粉体塗装組成物は、主にエポキシ単独重合触媒として機能する第1の触媒および主にエポキシ/カルボン酸反応触媒として機能する第2の触媒を含み得る。有用な第1の触媒の例には、イミダゾール、イミダゾール/エポキシアダクト、第3級アミン、およびそれらの混合物が含まれ得る。有用な第2の触媒の例には、イミダゾリン、モノまたはジ−カルボン酸のイミダゾリン塩、第3級アミン、テトラアルキルアンモニウム塩、ホスホニウム塩、およびそれらの混合物が含まれ得る。
【0036】
いずれの理論によっても拘束されないけれども、イミダゾールは、エポキシ環を開環することによりエポキシ樹脂にアダクトするものと確信する。アダクトされたイミダゾールは、エポキシ環の開環をさらに促進する触媒として作用し、それによりエポキシド基の単重合を促進する。他方、イミダゾリン系触媒は、エポキシド基とカルボン酸根との間の付加反応を促進し得るものであり、それによりさらに、硬化温度を低くする。
【0037】
本発明の粉体塗装組成物は、触媒の量と比を調節することにより、所望の光沢と高性能、例えば大きな硬度を達成するように、被覆が、約300°F以下で、好ましくは約280°F以下でのような低い硬化温度でか、または可能な限り短い時間で約300°Fを超え、好ましくは約350°F以上であるような高速硬化かのいずれかで硬化され得るように配合され得る。
【0038】
任意に、本発明の粉体塗装組成物は、粉体塗装に一般的である他の添加剤を含み得る。限定されないが、それらの添加剤には、フィラー、スリップ剤、顔料、染料、UV安定化剤、抗酸化剤、流動化剤、流動制御剤、脱ガス剤、柔軟化剤、表面模様付与剤などおよびそれらの混合物が含まれる。例えば、モダフロー2000またはレジフローP−67のようなアクリル化合物、またはシリコン化合物のような流動制御剤は、塗装または粉体塗装技術において公知であり、一般的に、表面張力を向上させるために粉体塗装組成物に含まれ、それにより、ポリマーは最終固体塗膜のより滑らかな仕上げを提供するために溶融されるので、ポリマーの流動を容易にする。固体可塑化剤、コア/シェル材料、ゴム、ヒドロキシルまたは酸官能ポリエステル、スチレン/マレイン酸無水物および無水物重合樹脂のような柔軟剤が、仕上げに、より柔軟性を付与するために用いられる。有用な可塑化剤の例には、シュークロースベンゾエート、ペンタエリスリトールテトラベンゾエート、およびシクロヘキサンジメタノールジベンゾエートが含まれ得る。有用なゴムの例には、天然ゴムおよびスチレン−ブタジエンポリマーおよびアクリロニトリル−ブタジエンポリマーのようなほとんどの合成ゴムが含まれ得る。有用なポリエステルの例には、環式脂肪族ポリオールを含む脂肪族ポリオールと脂肪族および/または芳香族ポリカルボン酸および無水物との縮合反応により生成するものが含まれ得る。適切な脂肪族ポリオールの例には、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロペンなどが含まれ得る。適切なポリカルボン酸および無水物の例には、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、およびそのような酸の無水物が含まれ得る。必要であれば、柔軟剤が、組成物の50重量%まで、好ましくは、約2重量%から約30重量%まで存在し得る。顔料が、粉体塗膜に色を与えるために加えられ得る。顔料の例には、限定されないが、二酸化チタン、カーボンブラックおよび用途に応じていずれか有用な色の有機および無機の顔料が含まれる。縞模様、しわなどのような外観を作り出すための特別な効果の添加剤もまた加えられ得る。それらの追加の添加剤の量は、所望される最終的な塗膜の特定の特性に依存する。
【0039】
本発明の粉体塗装組成物は、粉体塗装技術において用いられる通常の技術により調製され得る。典型的には、粉体塗装組成物の成分は、組み合わせられ、互いに徹底的に混合され、次いで、単軸スクリューまたは二軸スクリュー押し出し機の中で溶融混合され、押し出しされる。押し出し物は、即座に冷却され、次いで、ブリンクマンミル、バンタムハンマーミル、アルパインミルまたはACMミルのようなミルの中で粉砕され、用途に応じて適切な粒子サイズの粉末を得るためにふるい分けされる。広範な粒子サイズが本発明の目的のために有用であるけれども、典型的には、平均粒子サイズは、約5から約250ミクロンである。好ましくは、本発明の粉体塗装組成物の平均粒子サイズは、約10ミクロンから約80ミクロンであり、より好ましくは、約20から40ミクロンである。
【0040】
本発明のさらにもう1つの側面において、粉体塗装組成物は、第1の成分(A)および第2の成分(B)のドライブレンドを含む。第1の成分(A)は、少なくとも1種のポリエポキシ樹脂と少なくとも1種の触媒を含む押し出し混合物である。第2の成分(B)は、少なくとも1種のカルボン酸官能性アクリル樹脂を含む。ポリエポキシ樹脂は、約50重量%から約99重量%、好ましくは、約80重量%から約98重量%の量で本発明の粉体塗装組成物中に存在し得る。カルボン酸官能性アクリル樹脂は、第1および第2の成分(A)および(B)の全重量に基づいて約1重量%から約50重量%、好ましくは約2重量%から約20重量%の量で存在し得る。
【0041】
任意に、第2の成分(B)はまた、1種類の触媒または2種類以上の触媒の組み合わせも含み得る。加えて、成分(A)および/または成分(B)はまた、粉末被覆に一般的である少なくとも1種の酸官能ポリエステルおよび/または他の添加剤も含み得る。それらの添加剤には、限定されないが、フィラー、スリップ剤、顔料、染料、UV安定剤、抗酸化剤、流動化剤、流動制御剤、脱ガス剤、柔軟剤、表面模様付与剤などおよびそれらの混合物が含まれる。
【0042】
さらにもう1つの側面において、本発明は、本発明のドライブレンド粉体塗装組成物を作るための方法を提供する。その方法は、第1の成分(A)を得るために成分(a−1)、(a−2)および他の任意の成分を溶融混合する工程、次いで、本発明のドライブレンド粉体塗装組成物を得るために、第1の成分(A)を第2の成分(B)とドライブレンドする工程を含む。第2の成分(B)は、押し出しされる必要のないカルボン酸官能性アクリル樹脂であり得るので、したがって、ドライブレンド粉体塗装組成物を得るために粉末形態の第1の成分(A)に直接加えられ得うる。代わりに、第2の成分(B)は、第1の成分(A)に加えられる前にカルボン酸官能性アクリル樹脂と他の任意成分を溶融混合することにより別に調製され得る。
【0043】
第1の成分(A)および第2の成分(B)の両方は、互いにドライブレンドする前に粉末、フレーク、チップ、プリルなどのようないずれの形態でも存在し得る。
【0044】
適切な粒子サイズのドライブレンド粉体塗装組成物を得るためにドライブレンドの前後に粉砕およびふるいわけが実施され得る。
【0045】
1つの態様において、第1の成分(A)は、成分(a−1)、(a−2)、もし存在すれば他の任意の成分を組み合わせ、それらを徹底的に混合することにより調製される。次いで混合物を、単軸または二軸スクリュー押し出し機のような押し出し機で押し出しする。押し出し物は、即座に冷却され、ブリンクマンミル、バンタムハンマーミル、アルパインミルまたはACMミルのようなミルの中で粉砕され、用途に応じて適切な粒子サイズの粉末を得るためにふるいわけされる。次いで、押し出しされる必要のないカルボン酸官能性アクリル樹脂である第2の成分(B)が、本発明のドライブレンド粉体塗装組成物を得るために成分(A)に別に加えられ、それと徹底的に混合される。
【0046】
別態様において、第2の成分(B)は、カルボン酸官能性アクリル樹脂と例えば、触媒、架橋剤、酸官能ポリエステルおよび/または存在するならば他の添加剤を含む他の任意成分とを溶融混合することにより調製される。押し出し物は粉砕され、約0.1ミクロンから約250ミクロン、好ましくは約1ミクロンから約100ミクロンおよびより好ましくは約5ミクロンから約60ミクロンの適切な粒子サイズの粉末を得るためにふるい分けられる。次いで、それぞれが粉末形態にある2成分は、本発明のドライブレンド粉体塗装組成物を得るために、互いにドライブレンドされる、すなわち、一方の成分、例えば、第2の成分(B)は、第1の成分(A)に別に加えられ、またはそれと混合され、またはその逆が行われる。
【0047】
さらに別の態様において、第1の成分(A)および第2の成分(B)は、いずれか他の任意成分とともにそれぞれの成分を別々に押し出しすることにより調製される。次いで、2つの成分の押し出し物は互いに混合され、粉砕され、適切な粒子サイズの粉体組成物を得るためにふるい分けされる。
【0048】
さらに別態様において、第2の成分(B)は、押し出しされる必要はないが、しかし、粉砕される必要はあるであろう。成分(B)は、第1の成分(A)の押し出し物に別に加えられ得るものであり、次いで、2つの成分は、ドライブレンド粉体組成物を得るために粉砕され、ふるい分けられる。
【0049】
広範な粒子サイズが本発明の目的のために有用であるけれども、典型的には、本発明の粉体塗装組成物の平均粒子サイズは、約5ミクロンから約250ミクロンである。好ましくは、平均粒子サイズは、約10ミクロンから約80ミクロンであり、より好ましくは、約20ミクロンから約55ミクロンである。
【0050】
本発明の粉体塗装組成物は、平滑で均一な被覆を得るために、静電スプレーのようないずれか通常の粉体塗装技術を用いて基材の表面の少なくとも1つに適用され得る。硬化は、組成物を硬化させるのに十分な時間、ある温度で塗装された基材を加熱することにより達成される。触媒の添加により、本発明の粉体塗装組成物の硬化温度は、短い時間で低温か高温かのいずれかに調節され得る。低い硬化温度またはより短い硬化時間のためのより高い温度の両方は、基材の熱暴露を制限し、それにより、基材の一体性ならびに最終仕上げの連続的統一性を低化または損傷させ得るであろう木材基材由来のガス発生をなくす。好ましくは、本発明の粉体塗装組成物の硬化温度は、約300°F以下、より好ましくは約280°F以下か、またはより短い時間のためのより高い温度かのいずれかである。硬化時間は、硬化温度、基材の性質および厚さに応じて変化する。好ましくは、低い硬化温度では、硬化時間は、30分未満、より好ましくは約20分未満であり得る。約325°Fまたは350°Fより高いようなより高い硬化温度では、硬化時間は、好ましくは約10分より短く、より好ましくは、約5分より短い。
【0051】
本発明の硬化された塗膜の厚さは、用途および性能要求に応じて変化し、しかし好ましくは、約1.5ミルから約8.0ミルの範囲にある。
【0052】
本発明の粉体塗装組成物は、例えば、鉄鋼またはアルミニウムのような金属;ガラス;セラミック;炭素繊維;および黒鉛のような様々の通常の基材に適用され得る。特に、本発明の粉体塗装組成物は、プラスチックまたは繊維強化プラスチック基材、および特に木材基材のような感熱基材に適用され得る。
【0053】
典型的には、硬化温度がより低く、および/または硬化時間がより短ければ、高性能を達成するのはより困難である。同様に、硬化温度がより低く、および/または硬化時間がより短いと、特に審美的に所望される少ない光沢を達成するために光沢を制御することはより困難である。さらに、硬化温度がより低く、および/または硬化時間がより短いと、従来の加工処理温度が、目標とする硬化温度と同じ範囲にあるとき粉体塗膜を加工処理することはより困難である。硬度、引っかき硬度、表面損傷抵抗、耐化学薬品性および耐衝撃性のような耐久性試験により規定される高性能塗膜を達成することは、高温で硬化される従来の塗装粉体についての挑戦事項であり得る。また、その挑戦は、硬化温度がより低くなり、硬化時間がより短くなるときより困難なものとなる。
【0054】
驚くべきことに、本発明の粉体塗装組成物は、短時間低温または高温で硬化されながらも、所望の高性能および他の特性を製品の塗装された表面に付与するように配合され得る。例えば、本発明の粉体塗装組成物は、用途に応じて、強いか弱いかいずれかの広範な60°光沢を仕上げ材料に付与するように配合され得る。驚くべきことに、組成物の成分をドライブレンドすることにより、光沢の調節がはるかに容易になる。審美的に所望される少ない光沢のために、本発明の粉体塗装組成物は、約5から約60、好ましくは約10から約40の制御可能な60°光沢を塗膜に付与するために、低い相容性の樹脂を選択することにより、またはドライブレンド技術を用いて組成物を調製することによるようにして配合され得る。
【0055】
さらに、本発明の粉体塗装組成物は、架橋密度もしくは硬化度を変化させることにより、または異なるガラス転移温度(Tg)を有する樹脂を選択することによるようにして、用途に応じて、違う硬度を仕上げ材料に提供するように配合され得る。例えば、鉛筆硬度により測定されるような大きな硬度が所望されるとき、本発明の粉体塗装組成物は、大きなTgを有する樹脂を用いて配合されるか、架橋密度もしくは硬化度を増加させるように配合され得る。代わりに、低い硬化温度で硬化時間を長くするかまたは硬化温度を高くすることは、硬化度を増加させうる。典型的には、本発明の組成物は、用途に応じて、約2H以上および好ましくは約3H以上の鉛筆硬度を塗膜に付与するように配合され得る。
【0056】
加えて、本発明の粉体塗装組成物は、基材、特に加工された木材基材上の塗膜に、審美的に許容し得る平滑な外観ならびに用途に応じてユズ肌のまたは表面模様のある外観を付与するように配合され得る。例えば、組成物に少量の結晶性ポリエポキシ樹脂を含ませることにより、得られる仕上げ製品の平滑さが向上し得る。加えて、加工処理時間帯は有意に広がる。
【0057】
さらに別の側面において、本発明は、制御可能な光沢、特に審美的に所望される少ない光沢および/またはきわめて高い硬度を有する装飾的および/または保護的仕上げを作り出すために、前述の新規な粉体塗装組成物のいずれかで基材の表面の少なくとも1つについて塗装され、低い硬化温度でかまたは短い時間でより高い硬化温度でかのいずれかで硬化される、感熱基材を含む製品を提供する。
【0058】
特に、本発明の製品には、約2から約95、好ましくは約5から約60、およびより好ましくは、約10から約40の60°光沢およびF以上、好ましくはH以上、およびより好ましくは3H以上の鉛筆硬度を有する装飾的および/または保護的仕上げを作り出すために、前述の新規な粉体塗装組成物のいずれかで基材の表面の少なくとも1つについて塗装され、約300°F以下の低い硬化温度でか、またはより短い時間で約325°Fより高いようなより高い硬化温度でかのいずれかで硬化される、感熱基材、特に木材基材が含まれる。
【0059】
本発明はさらに、以下の非限定的な例により例示される。しかしながら、本発明の範囲にとどまりながら、多くの変形および修正がなされ得ることが理解されるべきである。全ての成分は部として計測される。本明細書に記載される全ての部、比およびパーセンテージは、別段の言及のない限り重量による。
【0060】
発明の態様の詳細な説明
試験方法:
光沢
本発明の硬化された粉体塗膜の光沢は、ASTM D523の鏡面光沢のための標準試験方法にしたがって測定される。
【0061】
鉛筆硬度
本発明の硬化された粉体塗膜の鉛筆硬度は、ASTM D3363の鉛筆試験による皮膜硬度のための標準試験方法に従って測定される。
【0062】
MEK耐性
本発明の硬化された粉体塗膜のMEK耐性は、ASTM(試験方法)D4752−98の溶剤摩擦(Solvent Rub)によるMEK耐性を測定するための標準試験方法に従って測定される。
【0063】
例
例1
粉体塗装組成物を、5.0部のSCX843(酸官能アクリル樹脂、ウィスコンシン州S.C.ジョンソン)、48.5部のYD012(ポリエポキシ樹脂、韓国ソウルのKUKDOケミカルInd.株式会社)、3.7重量部のPT810(バンティコ、TGIC)、47.8部のGMA300(エポキシ官能性アクリル樹脂、コネチカット州、エストロン・ケミカル・カンパニー)、2.5部の2−フェニル−2−イミダゾリン/ドデカン二酸二塩、1.2部の2−フェニル−イミダゾール、および1.5部のレジフローP−67(アクリル樹脂、流れ添加剤)を予備混合することにより調製した。次いでその混合物を、500rpmで二軸スクリュー押し出し機で溶融混合し、押し出しし、冷却し、粉砕し、次いで、塗装粉体を得るために100メッシュふるいを通してふるい分けた。
【0064】
次いで、静電スプレー塗装方法を用いて、上記調製された塗装粉体を中密度ファイバーボード上に適用し、約275°Fで約10分間オーブン中で硬化させた。硬化された粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表1に示す。
【0065】
例2
10.0部のSCX843を用いたことを除いて、粉体塗装組成物を例1に従って調製した。硬化された粉末被覆の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表1に示す。
【0066】
例3
15.0部のSCX843を用いたことを除いて、粉体塗装組成物を例1に従って調製した。硬化された粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表1に示す。
【0067】
例4
20.0部のSCX843を用いたことを除いて、粉体塗装組成物を例1に従って調製した。硬化された粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表1に示す。
【0068】
例5
25.0部のSCX843を用いたことを除いて、粉体塗装組成物を例1に従って調製した。硬化された粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表1に示す。
【表1】
【0069】
例6〜10
それぞれの例において、5.0部、10.0部、15.0部および25.0部のSCX848を用いたことを除いて、粉体塗装組成物を例1に従って調製した。硬化された粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表2に示す。
【表2】
【0070】
例11
粉体塗装組成物を、14.4部のSCX848、85.6部のYD012、1.0部の2−メチル−イミダゾール、1.5部のレジフローP−67および25部のRCL−2(白色顔料)を予備混合することにより調製した。次いで、その混合物を500rpmで二軸スクリュー押し出し機で溶融混合し、押し出しし、冷却し、粉砕し、次いで、塗装粉体を得るために100メッシュふるいを通してふるい分けた。
【0071】
次いで、静電スプレー被覆方法を用いて、上記調製された塗装粉体を中密度ファイバーボード上に適用し、約280°Fで約15分間オーブン中で硬化させた。硬化された粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表3に示す。
【0072】
例12
15.6部のSCX848、31.8部のSCX822、52.6部のGT7220(ノボラックエポキシ樹脂、バンティコ)、1.25部の2−フェニル−イミダゾリン、1.5部のモダフロー2000および30部のRCL−2を予備混合したことを除いて、粉体塗装組成物を例11にしたがって調製した。塗装された中密度ファイバーボードを約275°Fで約10分間オーブン中で硬化させた。硬化された粉体塗膜の60°光沢およびMEK耐性を試験し、試験結果を表3に示す。
【0073】
例13
28.0部のSCX843、72.0部のGT7220、1.5部の2−フェニル−イミダゾリン、1.5部のモダフロー2000および30部のRCL−2を予備混合したことを除いて、粉体塗装組成物を例12に従って調製した。硬化された粉体塗膜の60°光沢およびMEK耐性を試験し、試験結果を表3に示す。
【0074】
例14
28.7重量部のSCX848、71.3重量部のYD012、2.0部の2−フェニル−イミダゾール、1.5部のモダフロー2000および1.0部のBP120(カーボンブラック顔料)を予備混合したことを除いて、粉体塗装組成物を例12にしたがって調製した。硬化された粉体塗膜の60°光沢およびMEK耐性を試験し、試験結果を表3に示す。
【0075】
例15
41.1部のSCX848、51.0部のYD012、7.7部のTGIC、2.5部の2−フェニル−2−イミダゾリン/ドデカン二酸二塩、1.5部のモダフロー2000、1.0部のランコ1780(ワックス)および1.0部のテーバー・タイガー5512(耐磨耗性添加剤)を予備混合したことを除いて、粉体塗装組成物を例12に従って調製した。硬化された粉体塗膜の60°光沢とMEK耐性を試験し、試験結果を表3に示す。
【表3】
【0076】
例16
19.0部のSCX848、39.3部のYD012、3.0部のPT−810、38.7部のGMA300、0.5部の2−フェニル−2−イミダゾリン/ドデカン二酸二塩、2.0部の2−フェニル−イミダゾール、1.5部のレジフローP−67および30部のRCL−2を予備混合することにより粉体塗装組成物を調製した。次いで、混合物を500rpmで二軸スクリュー押し出し機中で溶融混合し、押し出しし、冷却し、粉砕し、次いで、塗装粉体を得るために100メッシュふるいを通してふるい分けした。
【0077】
次いで、静電スプレー塗装方法を用いて、上記調製された塗装粉体を中密度ファイバーボード上に適用し、約15分間約280°Fでオーブン中で硬化させた。硬化した粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表4に示す。
【0078】
例17
1.0部の2−フェニル−2−イミダゾリン/ドデカン二酸二塩を用いたことを除いて、例16に従って粉体塗装組成物を調製した。硬化した粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表4に示す。
【0079】
例18
2.0部の2−フェニル−2−イミダゾリン/ドデカン二酸二塩を用いたことを除いて、例16に従って粉体塗装組成物を調製した。硬化した粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表4に示す。
【0080】
例19
1.0部の2−フェニル−イミダゾールを用いたことを除いて、例18に従って粉体塗装組成物を調製した。硬化した粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表4に示す。
【0081】
例20
PT−810を用いなかったことを除いて例19に従って粉体塗装組成物を調製した。硬化した粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表4に示す。
【0082】
例21
1.0部のPT−810を用いたことを除いて例19に従って粉体塗装組成物を調製した。硬化した粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表4に示す。
【表4】
【0083】
例22
28.7部のSCX848、71.3部のYD012、2.0部の2−フェニル−イミダゾール、1.0部のランコ1780、1.0部のテーバータイガー5512(ワックス)、1.0部のウルトラノックス626(抗酸化剤)および30部のRCL−2を予備混合することにより、粉体塗装組成物を調製した。ついで、混合物を500rpmで二軸スクリュー押し出し機で溶融混合し、押し出しし、冷却し、粉砕し、次いで、塗装粉体を得るために100メッシュふるいを通してふるい分けた。
【0084】
次いで、静電スプレー被覆方法を用いて上記調製された塗装粉体を中密度ファイバーボード上に適用し、約10分間約275°Fでオーブン内で硬化させた。硬化した粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表5に示す。
【0085】
例23
83.8部のSCX835、16.5部のエポソートYDCN−500−90P(o−クレゾールノボラックエポキシ樹脂)、2.2部の2−フェニル−イミダゾール、1.5部のモダレッツMFP A−25−P(流動制御添加剤、WCのモーガントンのシントロン社)、0.29部のカボシルCT111G(ヒュームドシリカ、イリノイ州タスコラのカボット社)、および30部のRCL−2を予備混合することにより粉体塗装組成物を調製した。次いで、混合物を500rpmで二軸スクリュー押し出し機中で溶融混合し、押し出しし、冷却し、粉砕し、次いで、塗装粉体を得るために100メッシュふるいを通してふるい分けた。
【0086】
次いで、静電スプレー被覆方法を用いて、上記調製された塗装粉体を中密度ファイバーボード上に適用し、約10分間約275°Fでオーブン中で硬化させた。硬化された粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表5に示す。
【表5】
【0087】
例24および25
46.3部のエポソートYD−012、28.7部のGMA300、10.0部のユニプレックス280(シュークロースベンゾエート)、1.5部のレジフローP−67、1.5部の2−フェニルイミダゾール、および30部のRCL−2を予備混合することにより粉体塗装組成物を調製した。次いで、混合物を500rpmで二軸スクリュー押し出し機中で溶融混合し、冷却し、粉砕し、成分(A)を得るために100メッシュふるいを通してふるい分けた。
【0088】
100部のSCX843、30部のRCL−2および30部のナイアッド325(ウォラストナイト)のプレミックスを500rpmで二軸スクリュー押し出し機中で溶融混合し、冷却し、粉砕し、成分(B)を得るために140メッシュふるいを通してふるい分けた。
【0089】
次いで、成分(A)および成分(B)を、2種類の粉体塗装組成物を得るために、それぞれ、100/10および100/15のw/w比でドライブレンドした。
【0090】
静電スプレー塗装方法を用いて、上記調製された塗装粉体を中密度ファイバーボード上に適用し、約3分間約350°Fの部分温度でオーブン中で硬化させた。硬化した粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表6に示す。
【0091】
例26
62.3部のエポソートYD−012、5.2部のエポソートYDC−1312、20.5部のGMA300、12.0部のSCX843、2.0部のダイハード PI、1.0部のレジンフローP−67、30部のRCL−2および0.266部の酸化アルミニウムCを予備混合することにより、粉体塗装組成物を調製した。次いで、混合物を500rpmで二軸スクリュー押し出し機中で溶融混合し、押し出しし、冷却し、粉砕し、次いで、塗装粉体を得るために140メッシュふるいを通してふるい分けた。
【0092】
次いで、静電スプレー塗装方法を用いて、上記調製された塗装粉体を中密度ファイバーボード上に適用し、約3分間約350°Fの部分温度でオーブン中で硬化させた。硬化された粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表6に示す。
【0093】
例27
エポキシ・リサーチ・レジンRSS−1407をエポソートYDC−1312の代わりに用いたことを除いて、例26に従って粉体塗膜を調製した。
【0094】
硬化された粉体塗膜の60°光沢、鉛筆硬度およびMEK耐性を試験し、試験結果を表6に示す。
【表6】
Claims (60)
- a)(a)プラス(b)に対して、約10重量%から約90重量%までのカルボン酸官能性アクリル樹脂;
b)(a)プラス(b)に対して、約10重量%から約90重量%までのポリエポキシ樹脂;
c)主にエポキシ単独重合触媒として機能する第1の触媒;および
d)主にエポキシ/カルボン酸反応触媒として機能する第2の触媒
を含む粉体塗装組成物。 - 前記ポリエポキシ樹脂が、芳香族および脂肪族ポリオールのグリシジルエーテル、環式脂肪族ポリエポキシド、エポキシ官能性アクリル樹脂、ヘテロ環ポリエポキシド、芳香族および脂肪族ポリカルボン酸のグリシジルエステル、グリシジルポリアミンおよびエーテルアミンおよびそれらの混合物からなる群より選択される請求項1記載の粉体塗装組成物。
- 前記ポリエポキシ樹脂が、芳香族ポリオールのグリシジルエーテル、エポキシ官能性アクリル樹脂、ヘテロ環ポリエポキシド、芳香族および脂肪族ポリカルボン酸のグリシジルエステル、およびそれらの混合物からなる群より選択される請求項2記載の粉体塗装組成物。
- 前記ポリエポキシ樹脂が、芳香族ポリオールのグリシジルエーテル、エポキシ官能性アクリル樹脂、ヘテロ環ポリエポキシド、およびそれらの混合物からなる群より選択される請求項3記載の粉体塗装組成物。
- 前記ポリエポキシ樹脂が、芳香族ポリオールのグリシジルエーテル、エポキシ官能性アクリル樹脂、芳香族および脂肪族ポリカルボン酸のグリシジルエステルおよびそれらの混合物からなる群より選択される請求項3記載の粉体塗装組成物。
- 前記へテロ環ポリエポキシドがトリグリシジルイソシアヌレートである請求項4記載の粉体塗装組成物。
- 前記ポリエポキシ樹脂が、グリシジルメタクリレートに基づくエポキシ官能性アクリル樹脂である請求項4記載の粉体塗装組成物。
- 前記芳香族および脂肪族ポリカルボン酸のグリシジルエステルが、ジまたはトリカルボン酸のグリシジルエステルである請求項5記載の粉体塗装組成物。
- 前記第1の触媒がイミダゾール、イミダゾール/エポキシアダクト、第3級アミンおよびそれらの混合物からなる群より選択される請求項1ないし8のいずれか1項記載の粉体塗装組成物。
- 前記第1の触媒が2−フェニル−イミダゾール、2−メチル−イミダゾールおよびそれらの混合物から選択される請求項9記載の粉体塗装組成物。
- 前記第2の触媒が第3級アミン、置換および無置換のイミダゾリン、モノまたはジカルボン酸のイミダゾリン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ホスホニウム塩、およびそれらの混合物からなる群より選択される請求項1ないし10のいずれか1項記載の粉体塗装組成物。
- 前記第2の触媒が2−フェニルイミダゾリンである請求項11記載の粉体塗装組成物。
- 前記モノまたはジカルボン酸が、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、安息香酸、アゼライン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタール酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、酢酸、2−エチルヘキサン酸、マレイン酸およびそれらの混合物からなる群より選択される請求項11または12記載の粉体塗装組成物。
- 前記モノまたはジカルボン酸がアジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸およびそれらの混合物から選択される請求項13記載の粉体塗装組成物。
- 前記第2の触媒が、2−フェニル−2−イミダゾリンとドデカン二酸の塩である請求項1ないし14のいずれか1項記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が、約2から95までの60°光沢を有する塗膜を提供する請求項1ないし15のいずれか1項記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が、約5から60までの60°光沢を有する塗膜を提供する請求項16記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が、約10から40までの60°光沢を有する塗膜を提供する請求項17記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が、Fから9Hまでの鉛筆硬度を有する塗膜を提供する請求項1ないし18のいずれか1項記載の粉体塗装組成物。
- a)(a)プラス(b)に対して、約10重量%から約90重量%までのカルボン酸官能性アクリル樹脂;
b)(a)プラス(b)に対して、約10重量%から約90重量%のポリエポキシ樹脂;および
c)約300°F以下の温度で組成物を約30分以下で硬化させるのに十分な量の触媒、
を含み、少なくとも3Hの鉛筆硬度を有する仕上げを提供する粉体塗装組成物。 - 前記触媒が、イミダゾール、イミダゾール/エポキシアダクト、第3級アミン、イミダゾリン、モノまたはジカルボン酸のイミダゾリン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ホスホニウム塩およびそれらの混合物からなる群より選択される請求項20記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が、約2から95までの60°光沢を有する塗膜を提供する請求項20または21記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が、約5から60までの60°光沢を有する塗膜を提供する請求項22記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が、約10から40までの60°光沢を有する塗膜を提供する請求項23記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が、4Hを超える鉛筆硬度を有する塗膜を提供する請求項20ないし24のいずれか1項記載の粉体塗装組成物。
- 本質的に、
a)(a)プラス(b)に対して約10重量%から約90重量%までのカルボン酸官能性アクリル樹脂;
b)(a)プラス(b)に対して約10重量%から約90重量%までのポリエポキシ樹脂;
c)約300°F以下の温度で組成物を約30分以下で硬化させるのに十分な量の触媒;および
d)任意に、柔軟化剤
の混合物からなる粒子形態の粉体塗装組成物。 - (a)プラス(b)に対して、前記カルボン酸官能性アクリル樹脂が約10重量%から約60重量%の量で存在し、ポリエポキシ樹脂が約40重量%から約90重量%の量で存在する請求項26記載の粉体塗装組成物。
- 前記柔軟化剤がポリエステル、スチレンマレイン酸無水物、およびポリ無水物樹脂からなる群より選択される請求項26または27記載の粉体塗装組成物。
- 前記触媒が、イミダゾール、イミダゾール/エポキシアダクト、第3級アミン、イミダゾリン、モノまたはジカルボン酸のイミダゾリン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ホスホニウム塩、およびそれらの混合物からなる群より選択される請求項26ないし28のいずれか1項記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が、約2から95までの60°光沢を有する被覆を提供する請求項26ないし29のいずれか1項記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が、約5から60までの60°光沢を有する被覆を提供する請求項30記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が、約10から40までの60°光沢を有する被覆を提供する請求項31記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が、約Fから9Hまでの鉛筆硬度を有する塗膜を提供する請求項26ないし32のいずれか1項記載の粉体塗装組成物。
- 請求項1ないし19のいずれか1項記載の粉体塗装組成物で感熱基材の表面の少なくとも1つ上を塗装し、仕上げを作り出すように該基材上で硬化される、前記感熱基材を含む製品。
- 前記感熱基材が木材基材またはプラスチック基材である請求項34記載の製品。
- 前記木材基材が、パーティクルボード、配向性ストランド板、プライウッドおよび中密度ファイバーボードからなる群より選択される請求項34記載の製品。
- 請求項20ないし25のいずれか1項記載の粉体塗装組成物で感熱基材の表面の少なくとも1つ上を塗装し、仕上げを作り出すために該基材上で硬化される、前記感熱基材を含む製品。
- 前記感熱基材が木材基材またはプラスチック基材である請求項37記載の製品。
- 請求項26ないし33のいずれか1項記載の粉体塗装組成物で感熱基材の表面の少なくとも1つ上を塗装し、仕上げを作り出すために該基材上で硬化される、前記感熱基材を含む製品。
- 前記感熱基材が木材基材またはプラスチック基材である請求項39記載の製品。
- A)約50重量%から約99重量%までの、
a−1)少なくとも1種のポリエポキシ樹脂;および
a−2)少なくとも1種の触媒
を含む、第1の成分、および
B)約1重量%から約50重量%までの、少なくとも1種のカルボン酸官能性アクリル樹脂を含む、前記第1の成分(A)とドライブレンドされた、第2の成分
を含む、粉体塗装組成物。 - 前記ポリエポキシ樹脂が、非結晶性ポリエポキシ樹脂、結晶性ポリエポキシ樹脂、およびそれらの混合物からなる群より選択される請求項41記載の粉体塗装組成物。
- 前記ポリエポキシ樹脂が、少なくとも1種の非結晶性ポリエポキシ樹脂および少なくとも1種の結晶性ポリエポキシ樹脂の混合物である請求項42記載の粉体塗装組成物。
- 前記非結晶性ポリエポキシ樹脂が、芳香族ポリオールのグリシジルエーテル、エポキシ官能性アクリル樹脂、およびそれらの混合物からなる群より選択される請求項42または43記載の粉体塗装組成物。
- 前記結晶性ポリエポキシ樹脂が、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)、テレフタル酸のジグリシジルエステル、トリメリット酸のトリグリシジルエステル、テトラメチルビスフェノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、2,5−ジ−t−ブチルベンゼン−1,4−ジグリシジルエーテル、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、ジグリシジルイソフタレート、エポキシプロポキシジメチルベンジルアクリルアミドおよびそれらの混合物からなる群より選択される請求項42ないし44のいずれか1項記載の粉体塗装組成物。
- 前記触媒が、イミダゾール、イミダゾール/エポキシアダクト、およびそれらの混合物からなる群より選択される請求項41ないし45のいずれか1項記載の粉体塗装組成物。
- 前記第2の成分が少なくとも1種の触媒をさらに含む請求項41ないし46のいずれか1項記載の粉体塗装組成物。
- 前記第1の成分または第2の成分のいずれかが、酸官能性ポリエステル、フィラー、スリップ剤、顔料、染料、UV安定化剤、抗酸化剤、流動化剤、流動制御剤、脱ガス剤、柔軟剤、表面模様付与剤およびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種の成分をさらに含む請求項41ないし47のいずれか1項記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が約2から約95までの60°光沢を有する被覆を提供する請求項41ないし48のいずれか1項記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が約5から約60までの60°光沢を有する被覆を提供する請求項49記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が約Fを超える鉛筆硬度を有する塗膜を提供する請求項41ないし50のいずれか1項記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が約3Hを超える鉛筆硬度を有する塗膜を提供する請求項51記載の粉体塗装組成物。
- a)約1重量%から約50重量%までの少なくとも1種のカルボン酸官能性アクリル樹脂;
b)全エポキシ樹脂に基づいて約2重量%から約15重量%が少なくとも1種の結晶性ポリエポキシ樹脂であるところの、約50重量%から約99重量%までのポリエポキシ樹脂;および
c)組成物を硬化させるのに有効な量の触媒
を含む粉体塗装組成物。 - 前記触媒が、イミダゾール、イミダゾール/エポキシアダクト、第3級アミン、イミダゾリン、モノまたはジカルボン酸のイミダゾリン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ホスホニウム塩、およびそれらの混合物からなる群より選択される請求項53記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が、約2から約95までの60°光沢を有する塗膜を提供する請求項53または54記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が、約5から約60までの60°光沢を有する塗膜を提供する請求項53または54記載の粉体塗装組成物。
- 前記組成物が、約3Hより大きい鉛筆硬度を有する塗膜を提供する請求項53ないし56のいずれか1項記載の粉体塗装組成物。
- 前記結晶性ポリエポキシ樹脂が、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)、テレフタル酸のジグリシジルエステル、トリメリット酸のトリグリシジルエステル、テトラメチルビスフェノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、2,5−ジ−t−ブチルベンゼン−1,4−ジグリシジルエーテル、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、ジグリシジルイソフタレート、エポキシプロポキシジメチルベンジルアクリルアミド、およびそれらの混合物からなる群より選択される請求項53ないし57のいずれか1項記載の粉体塗装組成物。
- 感熱基材を含み、請求項41ないし52のいずれか1項記載の粉体塗装組成物が前記基材の少なくとも1表面上に塗装され、硬化された製品。
- 感熱基材を含み、請求項53ないし58のいずれか1項記載の粉体塗装組成物が前記基材の少なくとも1表面上に塗装され、硬化された製品。
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