JP2004501238A - ポリマークラムを形成するための装置および方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ポリマーセメントから溶媒を除去するためのコンタクタ装置および方法を提供する。結果として得られるポリマーは、溶媒が実質的に無く、そして改善された間隙率および一層一様な粒子サイズ分布を示す。一つの実施形態において、コンタクタ装置は、高圧セクション、収束セクション、高速セクション、発散セクション、および放出セクションを有する円筒状のケーシングを有している。前記ポリマーセメントは、溶媒除去を充分に且つ予想外に改善するために、前記高圧セクションに導入される。前記収束および発散セクションは、好ましくは、約4°から約75°の角度に対応する断面面積を有している。前記ポリマーセメントは、高圧スチームと混合される。収束の後に、前記ポリマーセメントは、スチームの高シアーに起因して、より一様な小滴を形成する。発散および放出セクションにおいて、前記ポリマーは、実質的に揮発分が除去されている。
Description
【0001】
(技術分野)
この発明は、ポリマーセメントから溶媒を除去するための装置および方法に関する。より詳細には、本発明は、ポリマーセメントから揮発分を除去するための有効な装置および方法に関する。
【0002】
(関連技術の背景)
モノマーの溶液重合の後、その溶媒からポリマーを単離することが必要となる。ポリマーおよびコーポリマーの共役のジエンのような、特定のポリマーのための単離の方法は、高シアーミキサーを用い、それによってポリマー溶液すなわち「セメント」が、円筒状チューブの混合ゾーン内において高圧スチームと混合される。前記スチームの温度は、溶媒の最高沸点より上で且つポリマーが、高シアー接触の条件下で明らかな分解の証拠を示すであろう温度より下である。混合ゾーンにおけるスチーム対溶液の比および滞留時間は、溶媒の少なくとも約90%を蒸発させるのに充分である。ポリマーは、それによって、例えばポリマークラムのように、溶液から分離される。シアーされた混合物は、それから、前記ポリマーがスチームから、そして任意の気化された溶媒から分離されるサイクロン分離ゾーン内へ進められる。このプロセスは、ここに引用により組み込まれた1974年4月16日に発行された、米国特許第3,804,145号に記述されている。
【0003】
米国特許第3,804,145号もまた、そこに搭載された調整可能なフローコンストリクターを備える中央ゾーンを有する高シアーコンタクタを教示している。前記セメントは、開口を通して、前記中央ゾーン内に前記コンストリクターによって形成される高シアー環状空間内に供給される。前記セメントは、溶媒が気化し始める前記環状空間内でスチームと接触される。スチーム、気化された溶媒およびポリマーの混合物は、それから音速に近いスピードで、前記コンタクタの開口端を出る。
【0004】
米国特許第3,202,647号は、高シアー部分を有するミキサーを用いる方法を教示している。特に、この文献は、炭化水素溶液からエラストマーを回収するためのプロセスを教示しており、そこではスチームおよびポリマーセメントが一緒に混合され且つスチームジェットシステムによって湯容器の底部内に注入される。前記特許内に記述されたスチームイジェクターは、概して、ペンバーシースチームイジェクターの構造のように収束−発散形状の形態をなしている。米国特許第3,202,647号によって教示されるシステム記述は、引用によってここに組み込まれている。
【0005】
前述の設計は、あるポリマーセメントを溶媒から分離するのに向いているが、前記設計は、高分子量ブロックコーポリマーのように、いくらかのポリマーからの溶媒の除去のためには少ししか有効でない。例えば、共役されたジエンの大きな水素添加されたブロックおよび2つのポリスチレン端部ブロックを有するエラストマーのブロックポリマーのクラムを形成するとき、従来技術の設計のコンタクタは、貧弱な粒子サイズ分布および貧弱な間隙率を引き起こすポリマークラムを結果として生ずる。理想的には、ポリマー粒子の粒子サイズ分布は、大部分の粒子が、処理を促進する範囲内となり、例えば、大きなまたは小さな粒子が少量であることを示すであろう。クラム間隙率は、クラムが、しばしば前記ポリマークラムとしばしば混合されるミネラルオイルのような液体をそこで吸収するであろうスピードを決定するので、重要である。間隙率は、同様の粒子サイズ分布条件下におけるクラムのかさ密度に間接的に関連付けられており、それによってかさ密度が高いほど、より中実でより低い間隙率の構造を示す。
【0006】
容認できないほど高い溶媒含有量に加えて、従来技術のコンタクタは、それらのスチームの使用において効率が低い。スチーム消費は、商用ポリマー仕上げ操作における主要な経費である。従来技術のコンタクタにおいて、充分な溶媒の除去を達成するために、約1.2:1.0から1.5:1.0のスチーム対セメント重量比が必要とされる。換言すれば、前記従来技術コンタクタにおいて扱われるポンド毎のポリマーセメントについて、1.2から1.5ポンドの高圧スチームが消費される。
【0007】
それゆえ、より有効な溶媒除去を結果として生ずるその溶媒からポリマーを分離するための方法および装置の必要性がある。
【0008】
(発明の概要)
本発明は、高圧スチームを使用して溶媒からポリマーを分離するための改善された方法および装置を提供する。本発明の一つの態様において、コンタクタは、高圧セクション、収束セクション、高速セクション、発散セクションおよび放出セクションを有する円筒状のケーシングを有している。前記ポリマーセメントは、それをスチームと混合し且つ小滴に形成し始める前記高圧セクションに導入される。前記収束および発散セクションは、好ましくは、約4°から約65°の有効角度に対応して断面面積の変化を提供すべく先細になっている。前記高速セクションは、一様な小滴サイズを形成し且つ混合物が時期尚早に急速蒸発しまたは揮発分除去することを防止する。前記混合物が前記高速セクションを通過するにつれて、前記混合物は、超音速に達し、前記発散セクションにおいて近真空状態を作り且つ前記ポリマーセメントから揮発分を除去させる。急速蒸発混合物は、発散セクションを通過して放出セクションへ流れ続けるので、急速蒸発溶媒は、実質的にポリマーから分離される。
【0009】
本発明の他の態様においては、コンタクタは、約4°から約65°の望ましい有効角度に対応する断面面積の変化を提供すべく種々の環状領域をその中に形成する複合的な直径を有するプラグを含んでいる。
【0010】
本発明のさらに他の態様においては、コンタクタ装置内でポリマーセメントから溶媒を分離するための方法であって、高圧スチームおよび前記ポリマーセメントを実質的に一定の断面面積を有する第1のセクション内に導入することと、前記第1のセクション内で、前記スチームとポリマーセメントを混合することとを有する。それから、前記混合物は、好ましくは約4°から約75°の収束の角度に対応する収束する断面面積を有する第2のセクションを通って流れる。前記混合物は、それから実質的に一定の断面面積を有する第3のセクションを通って流れ、それから、好ましくは約4°から約75°の発散角度に対応する発散する断面面積を有する第4のセクションに続く。前記溶媒は、前記第4のセクションにおいて、前記ポリマーから急速に気化され、前記混合物は、実質的に溶媒の無いポリマーを回収する前に、実質的に一定の断面面積を有する放出セクションを通って流れる。
【0011】
本発明は、残留溶媒および水レベルが低く下流プロセスの単純化を可能とする細かく分離されたポリマー粒子を生産する。低減された残留溶媒成分は、また粘性または粘着性およびポリマーが塊状になろうとする傾向をも低減する。記述された方法および装置は、従来技術によっては容易に処理され得なかった、高分子量ブロックコーポリマーの粉末状の形態での分離を可能とする。
【0012】
方法における本発明の上述された特徴、利点、および目的が得られ且つ詳細に理解されるように、上に簡単に要約された、本発明のより詳細な説明が、添付された図面に図解された実施形態を参照することにより、得られるであろう。
【0013】
しかしながら、前記添付された図面は、この発明の典型的な実施形態のみを図解するものであり、それゆえ、本発明が他の等価的に有効な実施形態の余地を残すために、その範囲を限定することは想定されていない。
【0014】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
図1は、本発明に従ったコンタクタ装置200の一つの実施形態を描いている。コンタクタ200は、高圧セクション202、収束セクション208、高速セクション214、発散セクション220、および放出セクション226を有する円筒状ケーシング201を含んでいる。高圧セクション202は、ポリマーセメントがコンタクタ200内に供給される個所であるセメントエントリーポート232を含んでいる。セメントエントリーポート232は、好ましくは、スロット設計を有しており、そして第1のセクション202に沿うどの場所にも配置され得る。好ましくは、セメントエントリーポートは、収束セクション208の始点から、少なくとも4インチ、好ましくは4インチから7インチ、に配置される。高圧セクション202におけるセメントエントリーポート232の配置は、非常に多種多様のコンタクタについて溶媒除去を有意的に且つ予想外に改善する。
【0015】
図1に示される実施形態において、高速セクション214は、好ましくは、少なくとも8:1の長さ対直径の比を有している。高速セクション214は、好ましくは、発散セクション220における音速を達成するために充分な流れ制限を提供する。高圧セクション202の断面面積対高速セクションの断面面積の比は、好ましくは少なくとも5:1である。放出セクション226の断面面積対高速セクション214の断面面積の比は、好ましくは、少なくとも10:1である。収束セクション208は、長さ210で且つ収束セクション208の長さ210に沿って、約4°から約75°、好ましくは約4°から約45°、の収束角に対応する漸減する断面面積を提供する漸減する内径212を有している。発散セクション220は、長さ222で且つセクション220の長さ222に沿って、約4°から約75°、好ましくは約4°から約63°の有効発散角に対応する漸増する断面面積を提供する内径224を有する。
【0016】
収束および発散は、図1に関連して説明されるようにコンタクタの内部寸法を変化させることによって、図2に関連して以下に説明されるようにコンタクタ内のプラグの外部寸法を変化させることによって、あるいは、それらの組み合わせによって、達成され得る。そのように、環状処理領域の収束または発散の角度は、ケーシング201の内径における変化およびいずれかのプラグの外径におけるいかなる変化をも説明する。収束または発散の角度は、円形断面と仮定した場合のコンタクタの長さに沿う断面面積の有効な半径をプロットすることによって示される。そのように、プラグを有する収束および発散セクションを有するパイプの断面図は、収束および発散の角度、例えば図1における角度A、を直接的に示している。
【0017】
動作においては、高圧スチームが、高圧セクション202の端部236に導入される。前記コンタクタにおけるスチームの温度は、約335°Fと約550°Fの間、好ましくは約365°Fと約550°Fの間、そしてより好ましくは、約400°と550°Fの間である。前記コンタクタにおける前記スチームの圧力は、100psigから450psig、好ましくは150psigから350psigである。ポリマーセメントは、セメントエントリーポート232を通してコンタクタ200に供給される。前記セメント濃度は、重量で、約5パーセントポリマーから約60パーセントポリマーまで変化してもよい。より望まれるのは、重量で、約5パーセントポリマーから約25パーセントポリマーまで変化するセメントとしてもよい。特に望まれるのは、重量で、約10パーセントポリマーから約20パーセントポリマーのセメント濃度である。前記セメントエントリーポートを横切る圧力低下は、好ましくは初期セメント滴サイズをコントロールするために、少なくとも10psiとすべく設計されている。
【0018】
高圧202および収束セクション208内において、前記スチームと前記セメントが混合され、且つ密に接触される。前記コンタクタ装置を通過するセメント対スチーム比は、ポリマー粒子のサイズを決定する。高シアーミキサーを経由して下流処理設備に入るスチーム対セメントの比は、約0.3:1.0から約1.5:1.0まで変動してもよい。下限は、取得する分離粒子の問題によって決定される。最大比率は、溶媒蒸気とスチームを除去するための下流処理設備の経済的条件および能力によって決定される。実質的に0.3:1.0よりも低いスチーム対セメント比においては、ポリマーは、もはや分離粒子を形成せずに、大きな塊を形成する。前記コンタクタにおいてスチーム対セメント比が高ければ高いほど、粒子サイズが小さくなる。このサイズは、ポリマー/溶媒タイプ、セメント濃度、そしてスチーム温度に依存するが、断然、ポリマーサイズを変化させる最も影響のある方法が、スチーム対セメント比を変化させることによって達成され得る。受容可能な粒子サイズは、約0.3:1.0から約1.5対1.0、好ましくは約0.5:1.0と約1.5:1.0の間、そしてさらに好ましくは約0.5:1.0と約0.8:1.0の間のスチーム/セメント比において達成される。
【0019】
セメントとスチームが混合されるにつれて、溶媒小滴が高速スチームからのシアリング効果に起因して、形成し始める。混合物が、高速セクション214内に流れるとき、セメント小滴が壊れ、且つ小滴の相対的に一様な分布が確立される。材料は、それが高速セクション214を通り発散セクション220に入るときに、超音速に加速される。発散セクション220内の突然の容積の拡大に起因して、圧力差によって近真空が生成される。この急激な圧力低下は、結果として溶媒の速やかな揮発分の除去、そしてポリマークラムからの蒸発溶媒の充分な分離を生じる。
【0020】
図2は、本発明のコンタクタ300の代替の実施形態を示している。この実施形態においては、コンタクタ300は、円筒状ケーシング301、ケーシング301内に配置されるプラグ308、およびケーシング301の内壁304とプラグ308の外壁306の間に形成される環状部302を含んでいる。プラグ308は、図示されるように溶媒引き入れ口305に近いコンタクタ300の端壁303を通って延在し得るか、またはプラグは、1つまたはそれより多くのスペーサー(図示されていない)によって、適正位置に保持され得る。
【0021】
円筒状ケーシング301は、第1、第2、そして第3の部分310、312、314を有している。第1の部分310および第3の部分314は、一定の内径を有している。第2の部分312は、漸増する内径エリアを有している。プラグ308は、第1、第2、および第3の部分326、327、328を有している。第1および第3の部分326、328は、一定の外径を有している。第2の部分327は、漸増する外径を有している。
【0022】
環状部302は、図1について説明された通りの断面面積の望ましい比率を有する環状部302の対応する部分と共に、混合、収束、高シアー、発散および放出セクション350、355、360、365、370を有している。混合セクション350は、ケーシング301の第1の部分310の一定の内径とプラグ308の第1の部分326の一定の外径の間の環状スペースを有し、そして実質的に一定の断面面積を有している。実質的に一定とは、断面面積の収束または発散の有効な角度が0°から約4°であることを意味している。収束セクション355は、ケーシング301の第1の部分310の一定の内径とプラグ308の第2の部分327の漸増する外径の間の環状スペースを有し、約4°から約75°、好ましくは約4°から約45°の収束角度を有する収束断面面積を有する。高シアーセクション360は、ケーシング301の第1の部分310の一定の内径と、プラグ308の第3の部分328の一定の外径の間の環状スペースを有し、そして実質的に一定の断面面積を有している。発散セクション365は、ケーシング301の第2の部分312の漸増する内径とプラグ308の第3の部分328の一定の外径の間の環状スペースを有し、約4°から約75°、好ましくは約4°から約63°の発散角度を有する発散収束断面面積を有する。放出セクション370は、ケーシング301の第3の部分314の一定の内径とプラグ308の第3の部分328の一定の外径の間の環状スペースを有し、実質的に一定の断面面積を有する。
【0023】
ポリマーセメントは、引き入れ口ポート336を通してケーシング301の第1の部分301内に導入される。引き入れ口ポート336は、好ましくはポリマーセメントを、ケーシング301のまわりのスロット340を通るように向ける環状スペース338内に導入する。スロット340の幅は、少なくとも10psiの所望の圧力低下を提供すべく調整され得る。
【0024】
この代替的な実施形態の動作においては、高圧スチームは、ケーシング301内のスロット340に連通する引き入れ口ポート336を通してポリマーセメント材料が供給される間に、ケーシング301の第1の部分310を通って流れる。前記スチームとポリマーセメントは、スチームからのシアーリング効果に起因して溶媒小滴が形成し始める場所である混合セクション350において混合される。小滴は、さらに形成し且つ収束セクション355内で壊れる。混合物は、高シアーセクション360を通ってそれが流れるにつれて音速へ加速する。高速は、小滴を微小な粒子にシアーしまたは分離して、相対的に一様な分布を形成する。発散セクション365における容積の急激な拡大は、溶媒を速やかに蒸発させそれによってセメントを分離させる。
【0025】
本発明は、コンタクタの幾何学的構造は、最低の残留溶媒のポリマー製品を生成すべく、高シアー率である滞留時間を許容するという発見に基づいている。発散セクションの長さばかりでなく高速セクションにおける高シアー環状スペースがシアー率および滞留時間を決定しそれによってポリマー製品における残留溶媒を低減する。発散セクションの長さが増大されるにつれて、シアーリング条件下における滞留時間も増大され、それによってセメントの揮発分除去のためのより多くの時間を許容させる。
【0026】
上に述べた高シアーコンタクタの最も有益な特徴の一つは、ポリマーの微小粒子サイズだけでなく、低残留溶媒および水成分、スチーム消費の最小化、にある。水レベルを下げれば下げるほど、より容易にポリマーが乾燥される。水が浮遊されて運ばれるセメントおよびセメントから溶媒を蒸発させるのに必要なスチームの圧縮によって水が生成される。低残留溶媒は、ポリマーが粘着性が低く、それによって乾燥操作法が可能であることを意味する。
【0027】
スチームは、いかなる揮発分除去プロセスにおいても多くの費用を呈する。従来技術のコンタクタにおいては、セメントに対するスチームの関係は、セメント1ポンド毎に約1.2から1.5ポンドのスチームであった。本発明の装置は、近真空にてポリマーセメントを揮発分除去し、それゆえスチーム消費はかなり少なくなる。例えば、本発明のコンタクタ内のスチーム使用は、セメント1ポンド毎に、従来技術に比較して50から60%の節約となる、0.6ポンドのオーダーである。
【0028】
かさ密度は、粒子サイズと間隙率に依存する。かさ密度は、サンプルポリマーの既知の重量の取得およびその体積の計測によって計測され得る。もしも粒子サイズ分布が同様であれば、かさ密度が小さければ小さいほど、ポリマーは、より多孔性となる。実際、種々のサンプルに対して行なわれるかさ密度検査は、本発明のコンタクタによって製造されるポリマークラムは、より一層低いかさ密度を有している。本発明のコンタクタによって作られるクラムのサンプルは、13.2lbs/ft3のかさ密度を有している。従来技術コンタクタによって結果としてクラムに作られるサンプルは、結果として18lbs/ft3のクラムかさ密度が生じる。それゆえ、図1および図2に示される本発明のコンタクタは、従来技術よりも良好な間隙率およびサイズの一様な分布を有するポリマークラムを一貫して生成している。
【0029】
粒子サイズのコントロールのための方法を伴うこのポリマー回収法は、分解することまたはクロスリンクすることなしに高温スチームに耐え得るいかなるポリマー/溶媒セメント系についても有用である。それは、ポリオレフィン/炭化水素セメント、ポリアルケニル芳香族ポリマー/不活性溶媒セメント、ポリ共役ジエンポリマー/炭化水素セメント、共役ジエンのコーポリマーおよびブロックポリマー並びに不活性溶媒におけるアルケニル芳香族炭化水素、そして不活性溶媒における上述のコーポリマーおよびブロックポリマーの水素添加された、および部分的に水素添加された誘導体に、特に良好である。望ましいセメントは、2または多数ブロックのアルファアルケニル芳香族炭化水素/共役ジエンポリマーおよび好ましくは、アルケン、アルカン、アレーン、サイクロアルケン、またはサイクロアルカンのように、相対的に低い沸点を有する炭化水素溶媒にて溶解された前記ブロックポリマーの選択的に、または全体的に水素添加された誘導体である。これらは、例えば、混合されたペンテン、混合されたペンタン、サイクロヘクサン、トルエン、およびそれらの混合物を含み、唯一の基準は、本発明の装置およびプロセスにおいて採用された溶媒が、所定の温度のスチームに接触することによって容易に蒸発されるように、最大の沸点を有することである。特に望ましいセメントは、ポリスチレン/ポリブタジエン、ポリスチレン/ポリイソプレン、ポリスチレン/ポリブタジエン/ポリスチレン、ポリスチレン/ポリイソプレン/ポリスチレンブロックコーポリマー、またはそれらの水素添加された、あるいは部分的に水素添加された誘導体である。
【0030】
上述は、本発明の望ましい実施形態に向けられており、本発明の他のそしてさらなる実施形態が、その基本的な範囲から逸脱することなく工夫され、そしてその範囲は、特許請求の範囲によって決定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明に従ったコンタクタ装置である。
【図2】
図2は、コンタクタ装置の代替的な実施形態である。
(技術分野)
この発明は、ポリマーセメントから溶媒を除去するための装置および方法に関する。より詳細には、本発明は、ポリマーセメントから揮発分を除去するための有効な装置および方法に関する。
【0002】
(関連技術の背景)
モノマーの溶液重合の後、その溶媒からポリマーを単離することが必要となる。ポリマーおよびコーポリマーの共役のジエンのような、特定のポリマーのための単離の方法は、高シアーミキサーを用い、それによってポリマー溶液すなわち「セメント」が、円筒状チューブの混合ゾーン内において高圧スチームと混合される。前記スチームの温度は、溶媒の最高沸点より上で且つポリマーが、高シアー接触の条件下で明らかな分解の証拠を示すであろう温度より下である。混合ゾーンにおけるスチーム対溶液の比および滞留時間は、溶媒の少なくとも約90%を蒸発させるのに充分である。ポリマーは、それによって、例えばポリマークラムのように、溶液から分離される。シアーされた混合物は、それから、前記ポリマーがスチームから、そして任意の気化された溶媒から分離されるサイクロン分離ゾーン内へ進められる。このプロセスは、ここに引用により組み込まれた1974年4月16日に発行された、米国特許第3,804,145号に記述されている。
【0003】
米国特許第3,804,145号もまた、そこに搭載された調整可能なフローコンストリクターを備える中央ゾーンを有する高シアーコンタクタを教示している。前記セメントは、開口を通して、前記中央ゾーン内に前記コンストリクターによって形成される高シアー環状空間内に供給される。前記セメントは、溶媒が気化し始める前記環状空間内でスチームと接触される。スチーム、気化された溶媒およびポリマーの混合物は、それから音速に近いスピードで、前記コンタクタの開口端を出る。
【0004】
米国特許第3,202,647号は、高シアー部分を有するミキサーを用いる方法を教示している。特に、この文献は、炭化水素溶液からエラストマーを回収するためのプロセスを教示しており、そこではスチームおよびポリマーセメントが一緒に混合され且つスチームジェットシステムによって湯容器の底部内に注入される。前記特許内に記述されたスチームイジェクターは、概して、ペンバーシースチームイジェクターの構造のように収束−発散形状の形態をなしている。米国特許第3,202,647号によって教示されるシステム記述は、引用によってここに組み込まれている。
【0005】
前述の設計は、あるポリマーセメントを溶媒から分離するのに向いているが、前記設計は、高分子量ブロックコーポリマーのように、いくらかのポリマーからの溶媒の除去のためには少ししか有効でない。例えば、共役されたジエンの大きな水素添加されたブロックおよび2つのポリスチレン端部ブロックを有するエラストマーのブロックポリマーのクラムを形成するとき、従来技術の設計のコンタクタは、貧弱な粒子サイズ分布および貧弱な間隙率を引き起こすポリマークラムを結果として生ずる。理想的には、ポリマー粒子の粒子サイズ分布は、大部分の粒子が、処理を促進する範囲内となり、例えば、大きなまたは小さな粒子が少量であることを示すであろう。クラム間隙率は、クラムが、しばしば前記ポリマークラムとしばしば混合されるミネラルオイルのような液体をそこで吸収するであろうスピードを決定するので、重要である。間隙率は、同様の粒子サイズ分布条件下におけるクラムのかさ密度に間接的に関連付けられており、それによってかさ密度が高いほど、より中実でより低い間隙率の構造を示す。
【0006】
容認できないほど高い溶媒含有量に加えて、従来技術のコンタクタは、それらのスチームの使用において効率が低い。スチーム消費は、商用ポリマー仕上げ操作における主要な経費である。従来技術のコンタクタにおいて、充分な溶媒の除去を達成するために、約1.2:1.0から1.5:1.0のスチーム対セメント重量比が必要とされる。換言すれば、前記従来技術コンタクタにおいて扱われるポンド毎のポリマーセメントについて、1.2から1.5ポンドの高圧スチームが消費される。
【0007】
それゆえ、より有効な溶媒除去を結果として生ずるその溶媒からポリマーを分離するための方法および装置の必要性がある。
【0008】
(発明の概要)
本発明は、高圧スチームを使用して溶媒からポリマーを分離するための改善された方法および装置を提供する。本発明の一つの態様において、コンタクタは、高圧セクション、収束セクション、高速セクション、発散セクションおよび放出セクションを有する円筒状のケーシングを有している。前記ポリマーセメントは、それをスチームと混合し且つ小滴に形成し始める前記高圧セクションに導入される。前記収束および発散セクションは、好ましくは、約4°から約65°の有効角度に対応して断面面積の変化を提供すべく先細になっている。前記高速セクションは、一様な小滴サイズを形成し且つ混合物が時期尚早に急速蒸発しまたは揮発分除去することを防止する。前記混合物が前記高速セクションを通過するにつれて、前記混合物は、超音速に達し、前記発散セクションにおいて近真空状態を作り且つ前記ポリマーセメントから揮発分を除去させる。急速蒸発混合物は、発散セクションを通過して放出セクションへ流れ続けるので、急速蒸発溶媒は、実質的にポリマーから分離される。
【0009】
本発明の他の態様においては、コンタクタは、約4°から約65°の望ましい有効角度に対応する断面面積の変化を提供すべく種々の環状領域をその中に形成する複合的な直径を有するプラグを含んでいる。
【0010】
本発明のさらに他の態様においては、コンタクタ装置内でポリマーセメントから溶媒を分離するための方法であって、高圧スチームおよび前記ポリマーセメントを実質的に一定の断面面積を有する第1のセクション内に導入することと、前記第1のセクション内で、前記スチームとポリマーセメントを混合することとを有する。それから、前記混合物は、好ましくは約4°から約75°の収束の角度に対応する収束する断面面積を有する第2のセクションを通って流れる。前記混合物は、それから実質的に一定の断面面積を有する第3のセクションを通って流れ、それから、好ましくは約4°から約75°の発散角度に対応する発散する断面面積を有する第4のセクションに続く。前記溶媒は、前記第4のセクションにおいて、前記ポリマーから急速に気化され、前記混合物は、実質的に溶媒の無いポリマーを回収する前に、実質的に一定の断面面積を有する放出セクションを通って流れる。
【0011】
本発明は、残留溶媒および水レベルが低く下流プロセスの単純化を可能とする細かく分離されたポリマー粒子を生産する。低減された残留溶媒成分は、また粘性または粘着性およびポリマーが塊状になろうとする傾向をも低減する。記述された方法および装置は、従来技術によっては容易に処理され得なかった、高分子量ブロックコーポリマーの粉末状の形態での分離を可能とする。
【0012】
方法における本発明の上述された特徴、利点、および目的が得られ且つ詳細に理解されるように、上に簡単に要約された、本発明のより詳細な説明が、添付された図面に図解された実施形態を参照することにより、得られるであろう。
【0013】
しかしながら、前記添付された図面は、この発明の典型的な実施形態のみを図解するものであり、それゆえ、本発明が他の等価的に有効な実施形態の余地を残すために、その範囲を限定することは想定されていない。
【0014】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
図1は、本発明に従ったコンタクタ装置200の一つの実施形態を描いている。コンタクタ200は、高圧セクション202、収束セクション208、高速セクション214、発散セクション220、および放出セクション226を有する円筒状ケーシング201を含んでいる。高圧セクション202は、ポリマーセメントがコンタクタ200内に供給される個所であるセメントエントリーポート232を含んでいる。セメントエントリーポート232は、好ましくは、スロット設計を有しており、そして第1のセクション202に沿うどの場所にも配置され得る。好ましくは、セメントエントリーポートは、収束セクション208の始点から、少なくとも4インチ、好ましくは4インチから7インチ、に配置される。高圧セクション202におけるセメントエントリーポート232の配置は、非常に多種多様のコンタクタについて溶媒除去を有意的に且つ予想外に改善する。
【0015】
図1に示される実施形態において、高速セクション214は、好ましくは、少なくとも8:1の長さ対直径の比を有している。高速セクション214は、好ましくは、発散セクション220における音速を達成するために充分な流れ制限を提供する。高圧セクション202の断面面積対高速セクションの断面面積の比は、好ましくは少なくとも5:1である。放出セクション226の断面面積対高速セクション214の断面面積の比は、好ましくは、少なくとも10:1である。収束セクション208は、長さ210で且つ収束セクション208の長さ210に沿って、約4°から約75°、好ましくは約4°から約45°、の収束角に対応する漸減する断面面積を提供する漸減する内径212を有している。発散セクション220は、長さ222で且つセクション220の長さ222に沿って、約4°から約75°、好ましくは約4°から約63°の有効発散角に対応する漸増する断面面積を提供する内径224を有する。
【0016】
収束および発散は、図1に関連して説明されるようにコンタクタの内部寸法を変化させることによって、図2に関連して以下に説明されるようにコンタクタ内のプラグの外部寸法を変化させることによって、あるいは、それらの組み合わせによって、達成され得る。そのように、環状処理領域の収束または発散の角度は、ケーシング201の内径における変化およびいずれかのプラグの外径におけるいかなる変化をも説明する。収束または発散の角度は、円形断面と仮定した場合のコンタクタの長さに沿う断面面積の有効な半径をプロットすることによって示される。そのように、プラグを有する収束および発散セクションを有するパイプの断面図は、収束および発散の角度、例えば図1における角度A、を直接的に示している。
【0017】
動作においては、高圧スチームが、高圧セクション202の端部236に導入される。前記コンタクタにおけるスチームの温度は、約335°Fと約550°Fの間、好ましくは約365°Fと約550°Fの間、そしてより好ましくは、約400°と550°Fの間である。前記コンタクタにおける前記スチームの圧力は、100psigから450psig、好ましくは150psigから350psigである。ポリマーセメントは、セメントエントリーポート232を通してコンタクタ200に供給される。前記セメント濃度は、重量で、約5パーセントポリマーから約60パーセントポリマーまで変化してもよい。より望まれるのは、重量で、約5パーセントポリマーから約25パーセントポリマーまで変化するセメントとしてもよい。特に望まれるのは、重量で、約10パーセントポリマーから約20パーセントポリマーのセメント濃度である。前記セメントエントリーポートを横切る圧力低下は、好ましくは初期セメント滴サイズをコントロールするために、少なくとも10psiとすべく設計されている。
【0018】
高圧202および収束セクション208内において、前記スチームと前記セメントが混合され、且つ密に接触される。前記コンタクタ装置を通過するセメント対スチーム比は、ポリマー粒子のサイズを決定する。高シアーミキサーを経由して下流処理設備に入るスチーム対セメントの比は、約0.3:1.0から約1.5:1.0まで変動してもよい。下限は、取得する分離粒子の問題によって決定される。最大比率は、溶媒蒸気とスチームを除去するための下流処理設備の経済的条件および能力によって決定される。実質的に0.3:1.0よりも低いスチーム対セメント比においては、ポリマーは、もはや分離粒子を形成せずに、大きな塊を形成する。前記コンタクタにおいてスチーム対セメント比が高ければ高いほど、粒子サイズが小さくなる。このサイズは、ポリマー/溶媒タイプ、セメント濃度、そしてスチーム温度に依存するが、断然、ポリマーサイズを変化させる最も影響のある方法が、スチーム対セメント比を変化させることによって達成され得る。受容可能な粒子サイズは、約0.3:1.0から約1.5対1.0、好ましくは約0.5:1.0と約1.5:1.0の間、そしてさらに好ましくは約0.5:1.0と約0.8:1.0の間のスチーム/セメント比において達成される。
【0019】
セメントとスチームが混合されるにつれて、溶媒小滴が高速スチームからのシアリング効果に起因して、形成し始める。混合物が、高速セクション214内に流れるとき、セメント小滴が壊れ、且つ小滴の相対的に一様な分布が確立される。材料は、それが高速セクション214を通り発散セクション220に入るときに、超音速に加速される。発散セクション220内の突然の容積の拡大に起因して、圧力差によって近真空が生成される。この急激な圧力低下は、結果として溶媒の速やかな揮発分の除去、そしてポリマークラムからの蒸発溶媒の充分な分離を生じる。
【0020】
図2は、本発明のコンタクタ300の代替の実施形態を示している。この実施形態においては、コンタクタ300は、円筒状ケーシング301、ケーシング301内に配置されるプラグ308、およびケーシング301の内壁304とプラグ308の外壁306の間に形成される環状部302を含んでいる。プラグ308は、図示されるように溶媒引き入れ口305に近いコンタクタ300の端壁303を通って延在し得るか、またはプラグは、1つまたはそれより多くのスペーサー(図示されていない)によって、適正位置に保持され得る。
【0021】
円筒状ケーシング301は、第1、第2、そして第3の部分310、312、314を有している。第1の部分310および第3の部分314は、一定の内径を有している。第2の部分312は、漸増する内径エリアを有している。プラグ308は、第1、第2、および第3の部分326、327、328を有している。第1および第3の部分326、328は、一定の外径を有している。第2の部分327は、漸増する外径を有している。
【0022】
環状部302は、図1について説明された通りの断面面積の望ましい比率を有する環状部302の対応する部分と共に、混合、収束、高シアー、発散および放出セクション350、355、360、365、370を有している。混合セクション350は、ケーシング301の第1の部分310の一定の内径とプラグ308の第1の部分326の一定の外径の間の環状スペースを有し、そして実質的に一定の断面面積を有している。実質的に一定とは、断面面積の収束または発散の有効な角度が0°から約4°であることを意味している。収束セクション355は、ケーシング301の第1の部分310の一定の内径とプラグ308の第2の部分327の漸増する外径の間の環状スペースを有し、約4°から約75°、好ましくは約4°から約45°の収束角度を有する収束断面面積を有する。高シアーセクション360は、ケーシング301の第1の部分310の一定の内径と、プラグ308の第3の部分328の一定の外径の間の環状スペースを有し、そして実質的に一定の断面面積を有している。発散セクション365は、ケーシング301の第2の部分312の漸増する内径とプラグ308の第3の部分328の一定の外径の間の環状スペースを有し、約4°から約75°、好ましくは約4°から約63°の発散角度を有する発散収束断面面積を有する。放出セクション370は、ケーシング301の第3の部分314の一定の内径とプラグ308の第3の部分328の一定の外径の間の環状スペースを有し、実質的に一定の断面面積を有する。
【0023】
ポリマーセメントは、引き入れ口ポート336を通してケーシング301の第1の部分301内に導入される。引き入れ口ポート336は、好ましくはポリマーセメントを、ケーシング301のまわりのスロット340を通るように向ける環状スペース338内に導入する。スロット340の幅は、少なくとも10psiの所望の圧力低下を提供すべく調整され得る。
【0024】
この代替的な実施形態の動作においては、高圧スチームは、ケーシング301内のスロット340に連通する引き入れ口ポート336を通してポリマーセメント材料が供給される間に、ケーシング301の第1の部分310を通って流れる。前記スチームとポリマーセメントは、スチームからのシアーリング効果に起因して溶媒小滴が形成し始める場所である混合セクション350において混合される。小滴は、さらに形成し且つ収束セクション355内で壊れる。混合物は、高シアーセクション360を通ってそれが流れるにつれて音速へ加速する。高速は、小滴を微小な粒子にシアーしまたは分離して、相対的に一様な分布を形成する。発散セクション365における容積の急激な拡大は、溶媒を速やかに蒸発させそれによってセメントを分離させる。
【0025】
本発明は、コンタクタの幾何学的構造は、最低の残留溶媒のポリマー製品を生成すべく、高シアー率である滞留時間を許容するという発見に基づいている。発散セクションの長さばかりでなく高速セクションにおける高シアー環状スペースがシアー率および滞留時間を決定しそれによってポリマー製品における残留溶媒を低減する。発散セクションの長さが増大されるにつれて、シアーリング条件下における滞留時間も増大され、それによってセメントの揮発分除去のためのより多くの時間を許容させる。
【0026】
上に述べた高シアーコンタクタの最も有益な特徴の一つは、ポリマーの微小粒子サイズだけでなく、低残留溶媒および水成分、スチーム消費の最小化、にある。水レベルを下げれば下げるほど、より容易にポリマーが乾燥される。水が浮遊されて運ばれるセメントおよびセメントから溶媒を蒸発させるのに必要なスチームの圧縮によって水が生成される。低残留溶媒は、ポリマーが粘着性が低く、それによって乾燥操作法が可能であることを意味する。
【0027】
スチームは、いかなる揮発分除去プロセスにおいても多くの費用を呈する。従来技術のコンタクタにおいては、セメントに対するスチームの関係は、セメント1ポンド毎に約1.2から1.5ポンドのスチームであった。本発明の装置は、近真空にてポリマーセメントを揮発分除去し、それゆえスチーム消費はかなり少なくなる。例えば、本発明のコンタクタ内のスチーム使用は、セメント1ポンド毎に、従来技術に比較して50から60%の節約となる、0.6ポンドのオーダーである。
【0028】
かさ密度は、粒子サイズと間隙率に依存する。かさ密度は、サンプルポリマーの既知の重量の取得およびその体積の計測によって計測され得る。もしも粒子サイズ分布が同様であれば、かさ密度が小さければ小さいほど、ポリマーは、より多孔性となる。実際、種々のサンプルに対して行なわれるかさ密度検査は、本発明のコンタクタによって製造されるポリマークラムは、より一層低いかさ密度を有している。本発明のコンタクタによって作られるクラムのサンプルは、13.2lbs/ft3のかさ密度を有している。従来技術コンタクタによって結果としてクラムに作られるサンプルは、結果として18lbs/ft3のクラムかさ密度が生じる。それゆえ、図1および図2に示される本発明のコンタクタは、従来技術よりも良好な間隙率およびサイズの一様な分布を有するポリマークラムを一貫して生成している。
【0029】
粒子サイズのコントロールのための方法を伴うこのポリマー回収法は、分解することまたはクロスリンクすることなしに高温スチームに耐え得るいかなるポリマー/溶媒セメント系についても有用である。それは、ポリオレフィン/炭化水素セメント、ポリアルケニル芳香族ポリマー/不活性溶媒セメント、ポリ共役ジエンポリマー/炭化水素セメント、共役ジエンのコーポリマーおよびブロックポリマー並びに不活性溶媒におけるアルケニル芳香族炭化水素、そして不活性溶媒における上述のコーポリマーおよびブロックポリマーの水素添加された、および部分的に水素添加された誘導体に、特に良好である。望ましいセメントは、2または多数ブロックのアルファアルケニル芳香族炭化水素/共役ジエンポリマーおよび好ましくは、アルケン、アルカン、アレーン、サイクロアルケン、またはサイクロアルカンのように、相対的に低い沸点を有する炭化水素溶媒にて溶解された前記ブロックポリマーの選択的に、または全体的に水素添加された誘導体である。これらは、例えば、混合されたペンテン、混合されたペンタン、サイクロヘクサン、トルエン、およびそれらの混合物を含み、唯一の基準は、本発明の装置およびプロセスにおいて採用された溶媒が、所定の温度のスチームに接触することによって容易に蒸発されるように、最大の沸点を有することである。特に望ましいセメントは、ポリスチレン/ポリブタジエン、ポリスチレン/ポリイソプレン、ポリスチレン/ポリブタジエン/ポリスチレン、ポリスチレン/ポリイソプレン/ポリスチレンブロックコーポリマー、またはそれらの水素添加された、あるいは部分的に水素添加された誘導体である。
【0030】
上述は、本発明の望ましい実施形態に向けられており、本発明の他のそしてさらなる実施形態が、その基本的な範囲から逸脱することなく工夫され、そしてその範囲は、特許請求の範囲によって決定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明に従ったコンタクタ装置である。
【図2】
図2は、コンタクタ装置の代替的な実施形態である。
Claims (20)
- ポリマーセメントから溶媒を分離するためのコンタクタ装置であって、
前記ポリマーセメントのための引き入れ口を有する第1のセクションと、
収束する断面面積を有する第2のセクションと、
前記第1のセクションに比較して、より小さな断面面積を有する第3のセクションと、
発散する断面面積を有する第4のセクションと、
前記第3のセクションに比較して、より大きな断面面積を有する放出セクションとを具備する、装置。 - 前記第2のセクションは、約4°から約75°の収束角度を有し、且つ前記第4のセクションは、約4°から約75°の発散角度を有する、請求項1に記載の装置。
- 前記第2のセクションは、約4°と約45°の間の収束角度を有し、且つ前記第4のセクションは、約4°と約63°の間の発散角度を有する、請求項2に記載の装置。
- 前記第1のセクション対前記第3のセクションの範囲の断面面積の比は、少なくとも5:1であり、且つ前記放出セクション対前記第3のセクションの断面面積の比は、少なくとも10:1である、請求項1に記載の装置。
- 前記第3のセクションは、少なくとも8:1の長さ対直径の比を有している、請求項4に記載の装置。
- 前記第2のセクションは、漸減する内径を有し、且つ前記第4のセクションは、漸増する内径を有している、請求項1に記載の装置。
- 前記第2のセクションは、漸増する外径を有するプラグを収容しており、且つ前記第4のセクションは漸増する内径を有している、請求項1に記載の装置。
- 前記ポリマーセメントのための前記引き入れ口は、スロットである、請求項1に記載の装置。
- コンタクタ装置内でポリマーセメントから溶媒を分離するための方法であって、
高圧スチームおよび前記ポリマーセメントを第1のセクション内に導入することと、
前記第1のセクション内で、前記スチームとポリマーセメントを混合することと、
収束する断面面積を有する第2のセクションを通して、前記混合物を流通させることと、
前記溶媒を有する小滴を形成させることと、
少なくとも8:1の長さ対直径の比を有する第3のセクションを通して前記混合物を流通させることと、
発散する断面面積を有する第4のセクションを通して、前記混合物を流通させることと、
前記ポリマーから前記溶媒を急速に気化させることと、
放出セクションを通して、前記ポリマーおよび前記溶媒を流通させることと、
前記溶媒から、改善された粒子サイズ分布および間隙率を有するポリマー粒子を分離させることとを有する方法。 - 前記第2のセクションは、約4°から約75°の収束角度を有し、且つ前記第4のセクションは、約4°から約75°の発散有効角度を有する、請求項9に記載の方法。
- 前記第2のセクションは、約4°と約45°の間の収束角度を有し、且つ前記第4のセクションは、約4°と約63°の間の発散角度を有する、請求項10に記載の方法。
- 前記第1のセクション対前記第3のセクションの範囲の断面面積の比は、少なくとも5:1であり、且つ前記放出セクション対前記第3のセクションの断面面積の比は、少なくとも10:1である、請求項10に記載の方法。
- 前記ポリマーセメントは、スロットを通して前記第1のセクション内に導入される、請求項12に記載の方法。
- 前記第2のセクションは、漸減する内径を有し、且つ前記第4のセクションは、漸増する内径を有する、請求項9に記載の方法。
- 前記第2のセクションは、漸増する外径を有するプラグを収容しており、且つ前記第4のセクションは漸増する内径を有している、請求項9に記載の方法。
- 前記溶媒は、前記第4のセクションにおいて、揮発分除去を開始する、請求項9に記載の方法。
- 前記ポリマーは、ポリマーまたはコーポリマーの共役のジエンである、請求項9に記載の方法。
- 前記ポリマー粒子は、重量で約90%と約98.5%の間のポリマーを有する、請求項9に記載の方法。
- 前記高圧スチームは、約100psigから約350psigである、請求項9に記載の方法。
- 高圧スチームは、0.4:1から約1:1までの重量比にて、ポリマーセメントと混合される、請求項9に記載の方法。
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