JP2004501179A - 炭素コート粒子を用いた塞栓形成 - Google Patents
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Abstract
炭素表面を有し、かつ造影剤を含む粒子を含有する塞栓形成剤組成物を用いた塞栓形成方法を説明する。好ましい粒子は、放射線不透過性粒子基材及び熱分解炭素表面を含む。
Description
【0001】
背景
治療的血管閉塞(塞栓形成)は、in situにおける特定の病理学的症状の治療に使用される技術である。治療的塞栓形成は、循環器系、例えば様々な経過の血管:腫瘍、血管奇形及び出血性経過に粒状塞栓形成剤を配置するためにイメージ制御下、カニューレを用いて一般的に実施される。特に、血管閉塞は、痛み又は圧覚、失血の制限(塞栓形成後の外科的介入の間)、あるいは既発ネクローシスさえ抑制する。血管奇形の場合、塞栓形成は、正常な組織へと血流を正常化し、手術を助け、そして大出血の危険性を制限しうる。出血性経過において、血管閉塞は、動脈の開口部の瘢痕形成を促進する血流の減少を生み出す。米国特許番号第5,635,215号は、治療的塞栓形成のための細胞接着プロモーターによりコートした疎水性アクリル共重合体微粒子の使用を開示している。
【0002】
子宮動脈塞栓形成(UAE)は、類線維腫のサイズの減少及び出血、痛み、及び傷を含む関連症状の緩和のために子宮内膜症への血管の血液供給を閉塞する工程である。類線維腫は、平滑筋の良性腫瘍である。それらは、平滑筋腫又は筋腫とも呼ばれる。類線維腫は子宮のいろいろな場所に発生する。それらは、子宮でのそれらの位置;粘膜下、壁内、及び漿膜下、により名付けられる。いくつかの類線維腫は、基で大きくなり、そしてそれらは有茎性と呼ばれる。粘膜下又は壁内類線維腫により異常出血が引き起こされうる。壁内及び漿膜下類線維腫は、骨盤の痛み、背痛、及び全身の圧覚を引き起こしうる。多くの場合、類線維症は、薬物療法に対して応答せず、筋腫摘出術(外科的な類線維腫の除去)又は子宮摘出のいずれかを根本的な治療とする。
【0003】
近年、類線維腫の外科的治療に対する侵襲の少ない代替法の開発を目的とした多くの研究が存在する。前述の代替法の1つが、子宮内膜症塞栓形成である。
【0004】
PCT/GB98/02621は、造影剤を含む重合体粒子、例えばポリビニル・アルコールを含む生体適合性塞栓形成剤を開示している。前記造影剤を、前記重合体粒子の表面上又は孔隙内、あるいはそこから形成された微細な風船の中に配置しうる。続いて、前記重合体粒子は、少なくとも7日間又は好ましくは少なくとも14日間、特に好ましくはその重合体粒子が生分解されるまでの長期間、インビトロにおいて造影効果を維持する。
【0005】
PCT/US99/04398は、凝集性の固体集合体を形成する流動体塞栓組成物による婦人科医学の血管内塞栓形成法を開示している。水溶性放射線不透過性物質を使用したある適用において、前記組成物は、いかなる粒子も含まない。前記粒子サイズは100マイクロメートル未満、そしてより好ましくは10マイクロメートル未満である。
【0006】
米国特許番号第4,999,188号(Solodovnik et al. )は、その組成物が導入されたときに粒子の凝集を低下させる血管の塞栓形成組成物を開示している。前記の提案の組成物は、最初の内容物の総量に対して約0.005〜約8重量%の量で薬物又は放射線不透過性物質、あるいはそれらの混合物をさらに含みうる。前記塞栓形成物質の粒子は、水中で適度に膨らむ重合体物質の粒子、ガラス又は金属の粒子、あるいはそれらの混合物を含む。好適な重合体粒子は、アセチルセルロース、アセチルフタリルセルロース、ポリビニル酢酸、ビニルピロリドンとメチルメタクリレートの共重合体を含む。
【0007】
米国特許番号第5,202,352号(Okada et al.)は、血管形成阻害剤を含む血管内塞栓形成剤及び血管内塞栓形成物質を開示する。比較的低用量の投与による前記の剤は、血管形成阻害物質の抗腫瘍効果を促進する。低用量の血管形成阻害物質の添加は、血管内塞栓形成剤の抗腫瘍効果をも促進する。
【0008】
米国特許番号第5,236,410号(Granov et al. )は、着目の腫瘍に供給する血管の最初のカテーテル法を含む腫瘍治療法を開示する。次に、磁力的に強力な強磁性物質の油溶性抗腫瘍剤の油性溶液中への懸濁液を、蛍光透視鏡制御下でカテーテルを通して注入し、そして同時に、局所的磁場を、腫瘍を持つ領域に集中させる。1〜3日後、前記腫瘍を、超高周波電磁場から選ばれる出力領域の振動に晒し、そして、43.0〜43.5℃の温度まで超音波収縮波の領域を上記腫瘍内に到達させ、そして、この温度を5〜45分間維持する。大きなサイズの腫瘍の場合、そこへの前記懸濁液の投与後の腫瘍を持つ血管の血流が減少することが好ましい。
【0009】
米国特許番号第5,624,685号(Takahashi et al.)は、10ml/g以上の量の水を吸収することができる高重合体ゲルを含む血管病変塞栓形成物質を開示する。前記高重合体ゲルを、それ自体か、又はバインダー又は結合剤と結合若しくはカプセル中に閉じ込めた後のいずれかで、修復すべき病変を持つか又はその近辺の血管部位に供給する場合、前記ゲルは血流との接触により膨らみ、そして血管内に素速く拡がり、病変を持つ血管腔を閉鎖する。
【0010】
本発明の概要
本発明により、塞栓形成法を提供する。前記方法は、炭素表面、好ましくは、生体適合性担体に提供された炭素表面を含む、生体適合性粒子を含む組成物の使用を含む。前記粒子は、好ましくは放射線不透過性であり、そして好ましくは横断面図直径が約100ミクロン〜1000ミクロン(100μm〜1000μm)の範囲に渡る。前記組成物は、小口径針、カニューレ又はカテーテルにより体内にデリバリーされるように設計される。
【0011】
前記粒子の炭素表面は、例えば熱分解炭素(例えば等方性炭素又は低温等方性炭素)、ガラス状炭素、あるいは炭素のあらゆる有用な形態でありうる。前記炭素を、薄いコーティング又はフィルムとして粒子物質上にコートし、それにより高い生体適合性の炭素表面を持つ粒子を作製する。定めのない場合、熱分解炭素が好ましい。
【0012】
前記粒子の材料は、生体適合性である必要はなく、高温を含むかもしれないコーティング工程の条件に耐えることができる必要がある。特に好ましい態様において、粒子物質は、放射線不透過性であり、最も好ましくは恒久的に放射線不透過性である。放射線不透過性粒子物質のための代表的な材料は、金属及び酸化金属、例えば酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムを含みうる。炭素自体、例えばグラファイト、又は低温等方性炭素、あるいは炭素の他の形状、並びに他の材料、例えばセラミックは、前記粒子物質として使用されもする。
【0013】
好ましくは、前記流体担体は、所望の位置に粒子のデリバリーが可能なあらゆる生体適合性材料、例えば生体適合性懸濁液、溶液又は他の形状の流体又はゲルである。生体適合性担体として有用な材料の具体的な例は、単独若しくは組み合わせの生理食塩水、デキストラン、グリセロール、ポリエチレン・グリコール、及び他の多糖類、又は生体適合性重合体を含む。
【0014】
本明細書に記載した炭素コート粒子の使用は、他の粒子の使用を上回る利点を有する。炭素コート、例えば熱分解炭素を含む粒子は、非常に生体適合性である。前記粒子の好ましい態様は、例えば放射線不透過性粒子基材の力で、恒久的に放射線不透過性である。この放射線不透過性粒子の位置は生体内にその放射線不透過性粒子が保持されている限り、既知の方法により観察されうる。これは、数日又は数週の期間を経てそれらの放射線不透過性が生分解又は他の方法で失われる従来技術の造影剤(contrast−enhancing agents)を超える改良である。
【0015】
本発明の側面は、その血管を通る血流を減らすか又は止めるように血管を満たすか又はふさぐ、及び/又は血栓形成を促進するための血管への塞栓形成剤組成物のデリバリーを含む塞栓形成法、特に婦人科医学の塞栓形成法に関する。前記塞栓形成剤組成物は炭素表面を持つ粒子を含む。前記炭素は、好ましくは熱分解炭素である。前記粒子は、好ましくは造影剤を含み、そして最も好ましくは恒久的な放射線不透過性粒子基材により放射線不透過性である。
【0016】
本開示の目的のために、以下の用語に以下の意味を与えるものとする。
【0017】
用語「生体適合性」は、患者の体内に使用した時、利用される量で、無毒であり、かつ、実質的に非免疫原性であり、そして、血中に実質的に不溶である材料に関する。好適な生体適合性材料は、セラミック、金属、例えばチタニウム、金、銀、ステンレス鋼、酸化金属、炭素、例えば熱分解炭素又は超低温等方性炭素等を含む。
【0018】
用語「造影剤」は、その材料を観察及び検出するための方法、例えばX線写真又はX線透視法によりヒト患者体内への注入の間観察することができる材料に関する。造影剤の例は、放射線不透過性物質である。放射線不透過性物質を含む造影剤は、水溶性又は不水溶性のいずれかである。水溶性放射線不透過性材料の例は、メトリザミド、イオパミドール、ヨータラム酸ナトリウム、ヨードマイド・ナトリウム、及びメグルミンを含む。不水溶性放射線不透過性材料の例は、金属、及び酸化金属、例えば金、チタニウム、銀、ステンレス鋼、それらの酸化物、酸化アルミニウム、又は酸化ジルコニウムを含む。
【0019】
詳細な説明
塞栓形成は、その血管を通る血流を減少又は停止させるように少なくともその血管を満たすか又はふさぐか、及び/又は血栓形成を促進するために血管内に物質を注入する工程である(前記の背景を参照のこと)。血管の塞栓形成は、血液供給の遮断による病変(例えば、臓器出血、胃腸出血、血管出血、及び動脈瘤に関連する出血)、あるいは、侵食性罹患組織(例えば、腫瘍、血管奇形、出血性の経過等)による出血の予防あるいは制御を含むさまざまな医学的理由に対して有用でありうる。塞栓形成は、術中又は手術直後の失血を防ぐために使用されもする。腫瘍のサイズを減少し、及び腫瘍の可視化を助け、そして外科的手順に関連する失血を防ぐために腫瘍の塞栓形成を術前に実施する。
【0020】
塞栓形成は、皮膚、頭部又は頸部腫瘍、子宮又は卵管の腫瘍、肝又は腎腫瘍、子宮内膜症、類線維腫等の治療に使用される。特に、塞栓形成は、骨盤、腎臓、肝臓、脊椎、及び脳の動静脈奇形のために使用されている。子宮動脈塞栓形成は、類線維腫の治療のために使用され;腎動脈塞栓形成は、腎血管筋脂肪腫及び腎細胞悪性腫瘍の治療のために使用され;頭蓋内塞栓形成は、脳及び頭蓋内動脈瘤、神経内分泌転移、頭蓋内硬膜動静脈フィステル、及び動脈管開存症の治療のために使用されている。特定の手順の他の例は、肝動脈及び肺動脈塞栓形成を含む。前述の手順の例は、例えば、Mourikis D., Chatziioannou A., Antoniou A., Kehagias D., Gikas D., Vlahous L.,“Selective Arterial Embolization in the Management of Symptomatic Renal Angiomyolipomas (AMLs),”European Journal of Radiology 32 (3) : 153−9, 1999 Dec. ; Kalman D. Varenhorst E.,“The Role of Atrerial Embolization in Renal Cell Carcinoma,”Scandinavian Journal of Urology & Nephrology, 33 (3) : 162−70, 1999 Jun. ; Lee W., Kim TS., Chung JW., Han JK., Kim SH., Park JH.,“Renal Angiomyolipoma : Embolotherapy with a Mixture of Alcohol and lodized Oil,”Journal of Vascular & Interventional Radiology, 9 (2) : 255−61, 1998 March−April ; Layelle I., Flandroy P., Trotteur G., Dondelinger RF.,“Arterial Embolization of Bone Metastases : is it Worthwhile ?”Journal Belge de Radiologie, 81 (5) : 223−5, 1998 Oct ; Berman, MF., Hartmann A., Mast H., Sciacca RR., Mohr JP., Pile−Spellman J., Young WL.,“Determinants of Resource Utilization in the Treatment of Brain Arteriovenous Malformations,”Ajnr : American Journal of Neuroradiology, 20 (10) : 2004−8, 1999 Nov−Dec. ; Shi HB., Suh DC., Lee HK., Lim SM., Kim DH., Choi CG., Lee CS., Rhim SC.,“Preoperative Transarterial Embolization of Spinal Tumor : Embolization Techniques and Results,”Ajnr : American Journal of Neuroradiology, 20 (10) : 2009−15, 1999 Nov−Dec. ; Nagino M., Kamiya J., Kanai M., Uesaka K., Sano T., Yamamoto H., Hayakawa N., Nimura Y.,“Right Trisegment Portal Vein Embolization for Biliary Tract Carcinoma : Technique and Clinical Utility,”Surgert, 127 (2) : 155−60, 2000 Feb. ; Mitsuzaki K., Yamashita Y., Utsunomiva D., Sumi S., Ogata I., Takahashi M., Kawakami S., Ueda S.,“Balloon−Occluded Retrograde Transvenous Embolization of a Pelvic Arteriovenous Malformation,”Cardiovascular & Interventional Radiology 22 (6) : 518−20, 1999 Nov−Dec中に記載されている。
【0021】
本記載の一部は、婦人科医学の塞栓形成に特別に関係する言葉を含むが、全種類の塞栓形成工程が、本発明の意図の中にあると考える。特に、医学又は塞栓形成分野の当業者は、本明細書中に記載の炭素コート粒子が、1以上の所望の血管の制限、閉塞、充填又は施栓を引き起こし、そしてその血管の血流減少又は停止を引き起こす、所望の血管の体内部位へのデリバリー・メカニズムの誘導により、並びに、その部位への多数の上記粒子のデリバリーによりさまざまな塞栓形成過程に使用されうる。いかなる特定の塞栓形成過程への前記過程の適用において、考慮され、制御され、又は調整されるかもしれない因子は、(例えば、放射線不透過性粒子基材の画像化、追跡、及び検出について明らかにするために)前記粒子の選ばれる組成、体の部位へとデリバリーされる粒子の量、デリバリーの方法、使用される器具、並びに所望の体の部位での上記器具の調剤目標をセットするために使用される方法及び経路を含むかもしれない。これらの因子の全ては、当業者により十分に理解され、多種類の塞栓形成過程のための記載の方法を適用するためにすぐに処置されうる。
【0022】
塞栓形成は、血管又は動脈に塞栓形成剤をデリバリーするために、血管造影技術を使用し、そして、誘導及びモニタリング、例えばX線透視法又はX線誘導を用いて実施される。血管拡張薬(例えば、アデノシン)が、前記手順を容易にするために事前に、同時に、それ以降に投与される。
【0023】
婦人科の塞栓形成は、子宮内膜症を含む産科又は婦人科の障害による急性及び慢性性器出血の制御に使用される塞栓形成に関する。子宮動脈塞栓形成(UAE)は、その類線維腫に血液を供給する子宮動脈の閉塞を含む類線維腫の治療方法である。血液供給の遮断は、類線維腫のサイズを減少させ、かつ、症状、例えば出血、痛み、及び傷を緩和する。
【0024】
UAEの少なくとも2の一般的な変法が知られている。血管内塞栓形成として一般的に知られる第1の方法は、動脈、例えば大腿動脈を通してカテーテルを導入又は挿入し、そして子宮動脈までそのカテーテルを誘導する。第2の様式の方法は、カテーテルを子宮頸部より挿入し、そして塞栓形成すべき血管に直に接触させるために子宮壁中又はそこを通して上記カテーテルを誘導する。前記第2の方法は、侵襲性が少なく、従って血管内法に比べてよりよく許容される。
【0025】
塞栓形成手順は、典型的には以下のステップを含む、前記手順の間、非常な眠気を催すように患者を鎮静させる。血管内の婦人科の塞栓形成のために、子宮動脈に、足の最上部のしわの部分にある大腿動脈から近づく。カテーテルのための接近手段を提供するために、動脈に穴をあけ、そして動脈に入れるために針を使用しうる。前記手順のこの部分のために局部麻酔を使用しうる。このカテーテルを大動脈の分枝を越え、そして前記の穴の反対の側面上の子宮動脈の中を、この動脈が子宮及び子宮内膜症に血液を供給する複数の血管に分枝している点まで進める。カテーテルを、カテーテルの前進を誘導するための既知の技術、例えば、X線画像化により動脈を通して導きうる。この手順を、子宮の右及び左動脈の両方で血液供給を遮断するように子宮の両側で実施しうる。ある医師は1ヶ所の穿刺部位から両方の子宮動脈を遮断し、一方、他の医師は、両足の最上部の大腿動脈に穴をあける、この場合、2番目の動脈カテーテルを反対の大腿動脈からもう一方の子宮動脈にセットする。前記塞栓形成剤組成物のデリバリー開始前に、子宮及び類線維腫への血液供給の道筋を提供するために動脈造影を実施する。
【0026】
子宮頸部法において、塞栓形成すべき血管に侵入できるカテーテル、例えば針が先端に付いたカテーテルを、子宮壁の可視化をもたらす装置、例えば子宮鏡を用いて子宮頸管を通して子宮内に挿入する。一般的に、子宮鏡手順のための通常の様式で患者を準備し、そして温めた生理食塩水を、子宮を膨らませ、そして子宮鏡を用いた子宮壁の可視化の助けとするために注入する。次に、カテーテルを、視野を通して挿入する。塞栓すべき血管を見つけ、そしてカテーテルを子宮壁内又は子宮壁を通し、並びに位置決め血管、例えば子宮内膜症の位置を決定する血管内にカテーテルを挿入し、そしてそのカテーテルの針状の先端を類線維腫塊に栄養を与えるか又はその中の血管内に置く。前記カテーテルの反復の留置を、子宮内膜症の血管の完全な塞栓形成のために必要とする。前述の方法は、国際公開番号第99/43366号に記載されている。
【0027】
前記塞栓形成剤組成物をデリバリーするカテーテルは、小経口医療用カテーテルである。利用される個々のカテーテルは重要ではなく、カテーテル部品が前記塞栓形成剤組成物への適合性(すなわち、そのカテーテル部品が前記塞栓形成剤組成物中で容易に分解せず、逆もまた同様であること)を備える。この点で、ポリエチレン・カテーテル部品が一般的に有用でありうる。前記塞栓形成剤組成物に適合する他の材料は、フッ素重合体(例えばTeflon(商標))、シリコン等を含む。
【0028】
一旦カテーテルが所定の位置につけば、粒子を含む塞栓形成剤組成物を、典型的にはX線又はX線透視法の誘導の助けを借りて、上記カテーテルを通してゆっくりと注入する。前記粒子は、類線維腫に至る血管に効率的に詰め込まれ、その血管を閉塞し、そして上記類線維症への血流を減少又は防げるサイズである。前記粒子は、それらが体内での可動性を維持しないのに十分なサイズである必要もある。前記粒子が小さすぎる場合、それらは体内の白血球(食細胞)により貪食され、そして遠くの臓器に運ばれるか、あるいは微少血管により運び去られ、そしてそれらが巨大構造体の一部に到達するまで移動しうる。本発明の方法のために、好ましい粒子は100〜1,000マイクロメートルの横断面直径を持ちうる。
【0029】
前記塞栓形成剤組成物を、直接重大な意味を持つ血管内に導入されうるか(例えば、子宮頸部手順による)、又はそれらは標的血管の上流に導入される(特に、血管内手順による)。例えば、類線維腫塞栓形成において、標的血管の上流に導入された場合、類線維腫は非常に血管が多いため、前記粒子はその類線維腫まで流れる。数分後、その動脈は徐々に遮断されていく。この塞栓形成は、血管内の血流がほぼ完全に遮断されるまで続く。
【0030】
塞栓形成手順の中で導入される塞栓形成剤組成物及び粒子の量は、塞栓形成、例えば標的血管を通る血流を減少又は停止を引き起こすのに十分な量でありうる。デリバリーされる塞栓形成剤組成物の量は、塞栓形成すべき血管の総量、濃度、及び微細粒子のサイズに依存して変化しうる。
【0031】
塞栓形成後、その手順の完了を確認するためにもう1度動脈造影を実施しうる。動脈の流れは、前記塞栓形成に近接した健康な体組織、例えば神経の正常部分へはまだある程度存在し、一方で病変又は標的組織への流れは遮断されているであろう。前記手順は、約1〜1 1/2時間を費やす。制限された血流の結果として、前記病変又は標的組織、例えば類線維腫又は腫瘍が縮少し始める。
【0032】
本発明により、前記塞栓形成剤組成物は、生体適合性担体中に粒子の注入可能な組み合わせ物を含む。
【0033】
前記粒子は炭素を含む表面を有する。前記炭素含有粒子表面は、炭素含有コーティング又は炭素含有フィルムの形態、例えば等方性炭素、熱分解炭素、又はガラス状炭素であり、好ましくは生体適合性の形態である。炭素のさまざまな形態は、1990年2月にMaterials Engineering により刊行されたAI Beavan による記事“Material Properties and Applications of Pyrolite(登録商標)Carbon”中に記載されている。炭素コート粒子の例は、米国特許番号第5,792,478号に記載されている。
【0034】
両方の熱分解の、例えばLTI炭素及びガラス状炭素の原子構造は、グラファイトに似ているが、原子の六方晶面間の配列は同じようには配列されていない。熱分解炭素は、ゆがんだ六方晶面、原子の欠落、及び一般的によりターボスタティック(turbostatic)な状況を持つより無秩序な原子構造を特徴とする。これは、層面間のより良好な結合をもたらす。
【0035】
好ましくは、前記粒子を、炭素表面を有する粒子基材、例えばそこにコードされた炭素の層を有する粒子基材として構築しうる。前記基材は、好ましくは炭素を含む生体適合性の層によりコートされているため、生体適合性である必要はないが、上記基材も生体適合性であることが好ましい。
【0036】
好ましくは、前記塞栓形成剤組成物は、X線撮影法又はX線透視法(fluoroscopy)を含む既知の方法により追跡及び観察しうる造影剤を含む。前記造影剤は所望の画像診断法(例えば、磁気共鳴、X線(例えば、CT)、超音波、磁気断層撮影、電気インピーダンス・イメージング、光イメージング(light imaging)(例えば、共焦点顕微鏡及び蛍光イメージング)、並びに核イメージング(例えば、シンチグラフィー、SPECT、及びPET))における造影を可能にするあらゆる材料でありえ、そして好ましくは、この粒子に実質的に固定化する、例えば炭素コーティングの一部として、又は粒子基材の一部として粒子内に含むことが可能である。造影剤は、塞栓形成及び同様の医療行為の分野で周知であり、さまざまな上述の造影剤のいずれかが本発明の方法に関する使用に好適である。
【0037】
本発明の好ましい態様は、本質的に放射線不透過性である造影剤、特に多くの金属又は酸化金属がそうであるように恒久的な放射線不透過性を示す放射線不透過性材料を含みうる。恒久的な放射線不透過性は、特定の期間、例えば数日間又は数週間、例えば7〜14日間を越えると生分解又は他の様式でそれらの効果(放射線不透過性)が失われる、塞栓形成又は同様の医療行為で使用される他の造影剤又は放射線不透過性材料と異なる(例えば、PCT/GB98/02621を参照のこと)。恒久的な放射線不透過性材料は、それらが体内に残っている間は観察又は追跡しうるが、これに対して他の非恒久的な造影剤又は放射線不透過材料は、それらが検出及び追跡される間という時間制限を有する。
【0038】
前記造影剤は、粒子基材の一部として、炭素表面の一部として前記微細粒子中に、又は他の部分に組み込まれる。1つの意味において、造影剤は検出できない。例えば放射線不透過性でない材料を検出可能な材料にするために添加されうる。前記造影剤は既知の方法により微細粒子のいずれかの部分に提供される。本発明の好ましい様式により、恒久的な放射線不透過性材料、例えば金属又は酸化金属は、非放射線不透過性の炭素コーティングを付された粒子基材として働く、前記粒子基材自体は恒久的に放射性不透過性であり、かつ、体内への堆積の後恒久的に検出及び追跡される。
【0039】
放射線不透過性材料のいくつかの例は、常磁性物質(例えば、持続性フリーラジカル又はより好ましくは常磁性金属種の化合物、塩、及び複合体、例えば遷移金属又はランタニド・イオン);重原子(すなわち、37以上の原子番号)化合物、塩、又は複合体(例えば、ヨウ化化合物等);放射性核種含有化合物、塩、又は複合体(例えば、放射性金属同位元素の塩、化合物、又は複合体、あるいは放射能付加有機化合物;そして超常磁性粒子(例えば、酸化金属又は混合された酸化粒子、粒子状酸化金属)を含む。好ましい常磁性金属は、Gd(III )、Dy(III )、Fe(II)、Fe(III )、Mn(III )、及びHo(III )、並びに常磁性Ni、Co、及びEu種を含む。好ましい重金属は、Pb、Ba、Ag、Au、W、Cu、Bi、及びランタニド、例えばGdを含む。
【0040】
前記粒子に含まれる造影剤の量は、所望のとおり上記粒子の検出をもたらすのに十分である必要がある。好ましくは、塞栓形成剤組成物の粒子は約10〜約50重量%の造影剤を、より好ましくは約20〜40重量%の造影剤を、さらにより好ましくは約30重量%の造影剤を含む。場合により、特定の塞栓形成手順に使用される粒子の全てではなく、いくつかが造影剤を含む。好ましくは、恒久的な放射線不透過性粒子基材を含む粒子は、その粒子基材を構成するそれらの質量の50%超を有する。
【0041】
好ましくは、前記粒子は、粒子基材上に炭素を沈着させるさまざまなコーティング方法のいずれかを用いて準備される。前記粒子基材は、前記コーティング方法との適合性に関して選択されうる、これは、粒子基材上の炭素コーティングのために与えられる方法の中で使用される温度に耐えうる必要があることを意味しているコーティング方法の高温条件に耐えることができる比較的硬い金属又はセラミック材料は、通常粒子基材のための好ましい材料でありうる。医療用グレードに制限されることなく、ステンレス鋼、チタニウム、及びチタニウム合金、並びにステンレス鋼、チタニウム又はチタニウム合金の酸化誘導体を含む金属、酸化金属、及び合金が粒子基材として完全に許容される材料でもあり、そして酸化アルミニウム、及び酸化ジルコニウムは、特に好適である。そのさまざまな形態のいずれかの炭素自体、例えば熱分解炭素、非熱分解炭素、等方性炭素、グラファイト、又はガラス状炭素は、粒子基材材料として有用である。よって、前記粒子は、炭素粒子基材上に蒸着した炭素コーティングを含み、そして実質的に又は完全に炭素からできている。本発明の1の態様において、粒子基材と炭素コーティングの両方が熱分解炭素を含む。
【0042】
それらの組成に関わらず前記粒子基材は、本明細書中に記載のサイズ、質、及び性質の炭素コート粒子を製造するために、それらが炭素によりコートされる十分な直径、形状、及び均一性である必要がある。場合により、前記粒子基材は、所望のサイズ、形状、及び質のコート粒子を生み出すための粒子サイズ、形状、及び質の所望の組み合わせを提供するために、コーティングの前に選択及び処置、例えば圧搾、押出、ふるい分け、浄化、ろ過、又は他の形成をする。
【0043】
前記粒子の炭素表面は、炭素のあらゆる形態を含み、そして熱分解炭素、特に低温等方性(LTI)熱分解炭素が好ましい形態の1つである。熱分解炭素は、既知の方法により製造及び基材表面上にコートされる。一般的に炭化水素及びアロイング・ガスは、粒子基材上をコートする熱分解炭素の調製のために分解される。前記粒子基材は、炭化水素及びアロイング・ガスと一緒に基材表面上に熱分解炭素の蒸着が起こるのに十分な温度、例えば約1200〜1500°F(約648.9〜815.6℃)で流動床又は浮揚床内に含まれる。粒子基材の浮揚に不活性ガスを使用し、場合により不活性混合媒質を含む。この炭化水素熱分解は、粒子基材上に固形物質として蒸着した高炭素、低水素含有量の炭素材料をもたらす。
【0044】
あるいは、炭素コーティング(時々「超低温等方性炭素」と呼ばれる)が、他のコーティング方法、例えば真空気相蒸着法を用いて粒子基材に適用される。このコート方法は、さまざまな既知の方法、例えばCO2の分裂、真空中のグロー放電の結果としてもたらされる反応性分裂、固形グラファイト起源の昇華、又はグラファイト起源の陰極スパッタリングのいずれかから発生したイオン・ビームを用いて粒子基材上に炭素を効率的に製造し、そして蒸着する。金は、真空気相蒸着炭素のための特に好適な粒子基材であることが知られている。他の粒子基材は、制限することなく、ニッケル、銀、ステンレス鋼、又はチタニウムを含む。
【0045】
前記コート方法は、最終的に、好ましくはほぼ丸い、滑らかな炭素コート表面を有する粒子を製造するために薄いコーティング又はフィルムの形態で基質粒子に適用される。得られた滑らかな表面は、注射針、カニューレ又はカテーテルを通るこの粒子の通過を向上させる。前記炭素表面の高い強度、崩壊又は侵食への抵抗性、及び耐久性は、この粒子の効果的な長期間の機能を裏付ける。炭素、例えば熱分解及びガラス状炭素の確立した生体適合性は、特に塞栓形成用途に好適な記載の粒子を作り上げる。炭素コート粒子の好ましい態様において、前記粒子基材は炭素表面により完全に包まれている。これは、その粒子の表面に露出しているか、又は注入したとき、組織と接触すること基材を持つことがない滑らかなコート粒子をもたらす。前記粒子基材の表面をコートする好ましい炭素コーティングは、1インチ(25.4mm)の1000分の1の割合、平均で約1000分の1インチの半分(0.0005インチ(12.7μm))の範囲でありうる。
【0046】
炭素コーティングが前記粒子基材上に蒸着された後、上記粒子は浄化及びふるい分けを受けて、夾雑物を除去し、そして所望のサイズ範囲よりも小さいか又は大きいサイズの粒子を分離する。好ましくは、前記粒子は、横断面直径の平均で100ミクロン〜1,000ミクロン(100μm〜1000μm)のサイズの範囲であり、特に好ましくは、サイズの範囲は、400〜700ミクロン(400〜700μm)である。前記粒子を処理する、例えば最小粒子直径は U.S. No. 18 Screen Mesh(1000ミクロン(1000μm)の格子サイズの開口)を通るがU.S. No. 140 Screen Mesh(106ミクロン(106μm)の格子サイズの開口)を通らないというようにふるい分けの工程を用いて、選択したサイズ範囲に分離する。その最小面積は、ほぼ球状の粒子の粒子直径と一致する面積を持つ長円又は細長い粒子の横断面積であろう。
【0047】
記載のとおり、前記担体は、所望の部位に微細粒子をデリバリーすることが可能なあらゆる生体適合性の流体でありうる。担体として好適な材料の例は、生理食塩水、デキストラン、グリセロール、ポリエチレン・グリコール、トウモロコシ油又はベニバナ油、あるいは単独又は組み合わせた状態のいずれかの他の多糖類又は生体適合性有機重合体を含みうる。使用において、前記塞栓形成剤組成物は、体の部位にカテーテル、シリンジ針又はカニューレを通して流体の状態、例えばスラリー、流体の懸濁液又はエマルジョンとしてか、あるいはゲルとして典型的には注入される。血流中に置かれる場合、前記担体は、体中に分散するか又は吸収されるであろう。
背景
治療的血管閉塞(塞栓形成)は、in situにおける特定の病理学的症状の治療に使用される技術である。治療的塞栓形成は、循環器系、例えば様々な経過の血管:腫瘍、血管奇形及び出血性経過に粒状塞栓形成剤を配置するためにイメージ制御下、カニューレを用いて一般的に実施される。特に、血管閉塞は、痛み又は圧覚、失血の制限(塞栓形成後の外科的介入の間)、あるいは既発ネクローシスさえ抑制する。血管奇形の場合、塞栓形成は、正常な組織へと血流を正常化し、手術を助け、そして大出血の危険性を制限しうる。出血性経過において、血管閉塞は、動脈の開口部の瘢痕形成を促進する血流の減少を生み出す。米国特許番号第5,635,215号は、治療的塞栓形成のための細胞接着プロモーターによりコートした疎水性アクリル共重合体微粒子の使用を開示している。
【0002】
子宮動脈塞栓形成(UAE)は、類線維腫のサイズの減少及び出血、痛み、及び傷を含む関連症状の緩和のために子宮内膜症への血管の血液供給を閉塞する工程である。類線維腫は、平滑筋の良性腫瘍である。それらは、平滑筋腫又は筋腫とも呼ばれる。類線維腫は子宮のいろいろな場所に発生する。それらは、子宮でのそれらの位置;粘膜下、壁内、及び漿膜下、により名付けられる。いくつかの類線維腫は、基で大きくなり、そしてそれらは有茎性と呼ばれる。粘膜下又は壁内類線維腫により異常出血が引き起こされうる。壁内及び漿膜下類線維腫は、骨盤の痛み、背痛、及び全身の圧覚を引き起こしうる。多くの場合、類線維症は、薬物療法に対して応答せず、筋腫摘出術(外科的な類線維腫の除去)又は子宮摘出のいずれかを根本的な治療とする。
【0003】
近年、類線維腫の外科的治療に対する侵襲の少ない代替法の開発を目的とした多くの研究が存在する。前述の代替法の1つが、子宮内膜症塞栓形成である。
【0004】
PCT/GB98/02621は、造影剤を含む重合体粒子、例えばポリビニル・アルコールを含む生体適合性塞栓形成剤を開示している。前記造影剤を、前記重合体粒子の表面上又は孔隙内、あるいはそこから形成された微細な風船の中に配置しうる。続いて、前記重合体粒子は、少なくとも7日間又は好ましくは少なくとも14日間、特に好ましくはその重合体粒子が生分解されるまでの長期間、インビトロにおいて造影効果を維持する。
【0005】
PCT/US99/04398は、凝集性の固体集合体を形成する流動体塞栓組成物による婦人科医学の血管内塞栓形成法を開示している。水溶性放射線不透過性物質を使用したある適用において、前記組成物は、いかなる粒子も含まない。前記粒子サイズは100マイクロメートル未満、そしてより好ましくは10マイクロメートル未満である。
【0006】
米国特許番号第4,999,188号(Solodovnik et al. )は、その組成物が導入されたときに粒子の凝集を低下させる血管の塞栓形成組成物を開示している。前記の提案の組成物は、最初の内容物の総量に対して約0.005〜約8重量%の量で薬物又は放射線不透過性物質、あるいはそれらの混合物をさらに含みうる。前記塞栓形成物質の粒子は、水中で適度に膨らむ重合体物質の粒子、ガラス又は金属の粒子、あるいはそれらの混合物を含む。好適な重合体粒子は、アセチルセルロース、アセチルフタリルセルロース、ポリビニル酢酸、ビニルピロリドンとメチルメタクリレートの共重合体を含む。
【0007】
米国特許番号第5,202,352号(Okada et al.)は、血管形成阻害剤を含む血管内塞栓形成剤及び血管内塞栓形成物質を開示する。比較的低用量の投与による前記の剤は、血管形成阻害物質の抗腫瘍効果を促進する。低用量の血管形成阻害物質の添加は、血管内塞栓形成剤の抗腫瘍効果をも促進する。
【0008】
米国特許番号第5,236,410号(Granov et al. )は、着目の腫瘍に供給する血管の最初のカテーテル法を含む腫瘍治療法を開示する。次に、磁力的に強力な強磁性物質の油溶性抗腫瘍剤の油性溶液中への懸濁液を、蛍光透視鏡制御下でカテーテルを通して注入し、そして同時に、局所的磁場を、腫瘍を持つ領域に集中させる。1〜3日後、前記腫瘍を、超高周波電磁場から選ばれる出力領域の振動に晒し、そして、43.0〜43.5℃の温度まで超音波収縮波の領域を上記腫瘍内に到達させ、そして、この温度を5〜45分間維持する。大きなサイズの腫瘍の場合、そこへの前記懸濁液の投与後の腫瘍を持つ血管の血流が減少することが好ましい。
【0009】
米国特許番号第5,624,685号(Takahashi et al.)は、10ml/g以上の量の水を吸収することができる高重合体ゲルを含む血管病変塞栓形成物質を開示する。前記高重合体ゲルを、それ自体か、又はバインダー又は結合剤と結合若しくはカプセル中に閉じ込めた後のいずれかで、修復すべき病変を持つか又はその近辺の血管部位に供給する場合、前記ゲルは血流との接触により膨らみ、そして血管内に素速く拡がり、病変を持つ血管腔を閉鎖する。
【0010】
本発明の概要
本発明により、塞栓形成法を提供する。前記方法は、炭素表面、好ましくは、生体適合性担体に提供された炭素表面を含む、生体適合性粒子を含む組成物の使用を含む。前記粒子は、好ましくは放射線不透過性であり、そして好ましくは横断面図直径が約100ミクロン〜1000ミクロン(100μm〜1000μm)の範囲に渡る。前記組成物は、小口径針、カニューレ又はカテーテルにより体内にデリバリーされるように設計される。
【0011】
前記粒子の炭素表面は、例えば熱分解炭素(例えば等方性炭素又は低温等方性炭素)、ガラス状炭素、あるいは炭素のあらゆる有用な形態でありうる。前記炭素を、薄いコーティング又はフィルムとして粒子物質上にコートし、それにより高い生体適合性の炭素表面を持つ粒子を作製する。定めのない場合、熱分解炭素が好ましい。
【0012】
前記粒子の材料は、生体適合性である必要はなく、高温を含むかもしれないコーティング工程の条件に耐えることができる必要がある。特に好ましい態様において、粒子物質は、放射線不透過性であり、最も好ましくは恒久的に放射線不透過性である。放射線不透過性粒子物質のための代表的な材料は、金属及び酸化金属、例えば酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムを含みうる。炭素自体、例えばグラファイト、又は低温等方性炭素、あるいは炭素の他の形状、並びに他の材料、例えばセラミックは、前記粒子物質として使用されもする。
【0013】
好ましくは、前記流体担体は、所望の位置に粒子のデリバリーが可能なあらゆる生体適合性材料、例えば生体適合性懸濁液、溶液又は他の形状の流体又はゲルである。生体適合性担体として有用な材料の具体的な例は、単独若しくは組み合わせの生理食塩水、デキストラン、グリセロール、ポリエチレン・グリコール、及び他の多糖類、又は生体適合性重合体を含む。
【0014】
本明細書に記載した炭素コート粒子の使用は、他の粒子の使用を上回る利点を有する。炭素コート、例えば熱分解炭素を含む粒子は、非常に生体適合性である。前記粒子の好ましい態様は、例えば放射線不透過性粒子基材の力で、恒久的に放射線不透過性である。この放射線不透過性粒子の位置は生体内にその放射線不透過性粒子が保持されている限り、既知の方法により観察されうる。これは、数日又は数週の期間を経てそれらの放射線不透過性が生分解又は他の方法で失われる従来技術の造影剤(contrast−enhancing agents)を超える改良である。
【0015】
本発明の側面は、その血管を通る血流を減らすか又は止めるように血管を満たすか又はふさぐ、及び/又は血栓形成を促進するための血管への塞栓形成剤組成物のデリバリーを含む塞栓形成法、特に婦人科医学の塞栓形成法に関する。前記塞栓形成剤組成物は炭素表面を持つ粒子を含む。前記炭素は、好ましくは熱分解炭素である。前記粒子は、好ましくは造影剤を含み、そして最も好ましくは恒久的な放射線不透過性粒子基材により放射線不透過性である。
【0016】
本開示の目的のために、以下の用語に以下の意味を与えるものとする。
【0017】
用語「生体適合性」は、患者の体内に使用した時、利用される量で、無毒であり、かつ、実質的に非免疫原性であり、そして、血中に実質的に不溶である材料に関する。好適な生体適合性材料は、セラミック、金属、例えばチタニウム、金、銀、ステンレス鋼、酸化金属、炭素、例えば熱分解炭素又は超低温等方性炭素等を含む。
【0018】
用語「造影剤」は、その材料を観察及び検出するための方法、例えばX線写真又はX線透視法によりヒト患者体内への注入の間観察することができる材料に関する。造影剤の例は、放射線不透過性物質である。放射線不透過性物質を含む造影剤は、水溶性又は不水溶性のいずれかである。水溶性放射線不透過性材料の例は、メトリザミド、イオパミドール、ヨータラム酸ナトリウム、ヨードマイド・ナトリウム、及びメグルミンを含む。不水溶性放射線不透過性材料の例は、金属、及び酸化金属、例えば金、チタニウム、銀、ステンレス鋼、それらの酸化物、酸化アルミニウム、又は酸化ジルコニウムを含む。
【0019】
詳細な説明
塞栓形成は、その血管を通る血流を減少又は停止させるように少なくともその血管を満たすか又はふさぐか、及び/又は血栓形成を促進するために血管内に物質を注入する工程である(前記の背景を参照のこと)。血管の塞栓形成は、血液供給の遮断による病変(例えば、臓器出血、胃腸出血、血管出血、及び動脈瘤に関連する出血)、あるいは、侵食性罹患組織(例えば、腫瘍、血管奇形、出血性の経過等)による出血の予防あるいは制御を含むさまざまな医学的理由に対して有用でありうる。塞栓形成は、術中又は手術直後の失血を防ぐために使用されもする。腫瘍のサイズを減少し、及び腫瘍の可視化を助け、そして外科的手順に関連する失血を防ぐために腫瘍の塞栓形成を術前に実施する。
【0020】
塞栓形成は、皮膚、頭部又は頸部腫瘍、子宮又は卵管の腫瘍、肝又は腎腫瘍、子宮内膜症、類線維腫等の治療に使用される。特に、塞栓形成は、骨盤、腎臓、肝臓、脊椎、及び脳の動静脈奇形のために使用されている。子宮動脈塞栓形成は、類線維腫の治療のために使用され;腎動脈塞栓形成は、腎血管筋脂肪腫及び腎細胞悪性腫瘍の治療のために使用され;頭蓋内塞栓形成は、脳及び頭蓋内動脈瘤、神経内分泌転移、頭蓋内硬膜動静脈フィステル、及び動脈管開存症の治療のために使用されている。特定の手順の他の例は、肝動脈及び肺動脈塞栓形成を含む。前述の手順の例は、例えば、Mourikis D., Chatziioannou A., Antoniou A., Kehagias D., Gikas D., Vlahous L.,“Selective Arterial Embolization in the Management of Symptomatic Renal Angiomyolipomas (AMLs),”European Journal of Radiology 32 (3) : 153−9, 1999 Dec. ; Kalman D. Varenhorst E.,“The Role of Atrerial Embolization in Renal Cell Carcinoma,”Scandinavian Journal of Urology & Nephrology, 33 (3) : 162−70, 1999 Jun. ; Lee W., Kim TS., Chung JW., Han JK., Kim SH., Park JH.,“Renal Angiomyolipoma : Embolotherapy with a Mixture of Alcohol and lodized Oil,”Journal of Vascular & Interventional Radiology, 9 (2) : 255−61, 1998 March−April ; Layelle I., Flandroy P., Trotteur G., Dondelinger RF.,“Arterial Embolization of Bone Metastases : is it Worthwhile ?”Journal Belge de Radiologie, 81 (5) : 223−5, 1998 Oct ; Berman, MF., Hartmann A., Mast H., Sciacca RR., Mohr JP., Pile−Spellman J., Young WL.,“Determinants of Resource Utilization in the Treatment of Brain Arteriovenous Malformations,”Ajnr : American Journal of Neuroradiology, 20 (10) : 2004−8, 1999 Nov−Dec. ; Shi HB., Suh DC., Lee HK., Lim SM., Kim DH., Choi CG., Lee CS., Rhim SC.,“Preoperative Transarterial Embolization of Spinal Tumor : Embolization Techniques and Results,”Ajnr : American Journal of Neuroradiology, 20 (10) : 2009−15, 1999 Nov−Dec. ; Nagino M., Kamiya J., Kanai M., Uesaka K., Sano T., Yamamoto H., Hayakawa N., Nimura Y.,“Right Trisegment Portal Vein Embolization for Biliary Tract Carcinoma : Technique and Clinical Utility,”Surgert, 127 (2) : 155−60, 2000 Feb. ; Mitsuzaki K., Yamashita Y., Utsunomiva D., Sumi S., Ogata I., Takahashi M., Kawakami S., Ueda S.,“Balloon−Occluded Retrograde Transvenous Embolization of a Pelvic Arteriovenous Malformation,”Cardiovascular & Interventional Radiology 22 (6) : 518−20, 1999 Nov−Dec中に記載されている。
【0021】
本記載の一部は、婦人科医学の塞栓形成に特別に関係する言葉を含むが、全種類の塞栓形成工程が、本発明の意図の中にあると考える。特に、医学又は塞栓形成分野の当業者は、本明細書中に記載の炭素コート粒子が、1以上の所望の血管の制限、閉塞、充填又は施栓を引き起こし、そしてその血管の血流減少又は停止を引き起こす、所望の血管の体内部位へのデリバリー・メカニズムの誘導により、並びに、その部位への多数の上記粒子のデリバリーによりさまざまな塞栓形成過程に使用されうる。いかなる特定の塞栓形成過程への前記過程の適用において、考慮され、制御され、又は調整されるかもしれない因子は、(例えば、放射線不透過性粒子基材の画像化、追跡、及び検出について明らかにするために)前記粒子の選ばれる組成、体の部位へとデリバリーされる粒子の量、デリバリーの方法、使用される器具、並びに所望の体の部位での上記器具の調剤目標をセットするために使用される方法及び経路を含むかもしれない。これらの因子の全ては、当業者により十分に理解され、多種類の塞栓形成過程のための記載の方法を適用するためにすぐに処置されうる。
【0022】
塞栓形成は、血管又は動脈に塞栓形成剤をデリバリーするために、血管造影技術を使用し、そして、誘導及びモニタリング、例えばX線透視法又はX線誘導を用いて実施される。血管拡張薬(例えば、アデノシン)が、前記手順を容易にするために事前に、同時に、それ以降に投与される。
【0023】
婦人科の塞栓形成は、子宮内膜症を含む産科又は婦人科の障害による急性及び慢性性器出血の制御に使用される塞栓形成に関する。子宮動脈塞栓形成(UAE)は、その類線維腫に血液を供給する子宮動脈の閉塞を含む類線維腫の治療方法である。血液供給の遮断は、類線維腫のサイズを減少させ、かつ、症状、例えば出血、痛み、及び傷を緩和する。
【0024】
UAEの少なくとも2の一般的な変法が知られている。血管内塞栓形成として一般的に知られる第1の方法は、動脈、例えば大腿動脈を通してカテーテルを導入又は挿入し、そして子宮動脈までそのカテーテルを誘導する。第2の様式の方法は、カテーテルを子宮頸部より挿入し、そして塞栓形成すべき血管に直に接触させるために子宮壁中又はそこを通して上記カテーテルを誘導する。前記第2の方法は、侵襲性が少なく、従って血管内法に比べてよりよく許容される。
【0025】
塞栓形成手順は、典型的には以下のステップを含む、前記手順の間、非常な眠気を催すように患者を鎮静させる。血管内の婦人科の塞栓形成のために、子宮動脈に、足の最上部のしわの部分にある大腿動脈から近づく。カテーテルのための接近手段を提供するために、動脈に穴をあけ、そして動脈に入れるために針を使用しうる。前記手順のこの部分のために局部麻酔を使用しうる。このカテーテルを大動脈の分枝を越え、そして前記の穴の反対の側面上の子宮動脈の中を、この動脈が子宮及び子宮内膜症に血液を供給する複数の血管に分枝している点まで進める。カテーテルを、カテーテルの前進を誘導するための既知の技術、例えば、X線画像化により動脈を通して導きうる。この手順を、子宮の右及び左動脈の両方で血液供給を遮断するように子宮の両側で実施しうる。ある医師は1ヶ所の穿刺部位から両方の子宮動脈を遮断し、一方、他の医師は、両足の最上部の大腿動脈に穴をあける、この場合、2番目の動脈カテーテルを反対の大腿動脈からもう一方の子宮動脈にセットする。前記塞栓形成剤組成物のデリバリー開始前に、子宮及び類線維腫への血液供給の道筋を提供するために動脈造影を実施する。
【0026】
子宮頸部法において、塞栓形成すべき血管に侵入できるカテーテル、例えば針が先端に付いたカテーテルを、子宮壁の可視化をもたらす装置、例えば子宮鏡を用いて子宮頸管を通して子宮内に挿入する。一般的に、子宮鏡手順のための通常の様式で患者を準備し、そして温めた生理食塩水を、子宮を膨らませ、そして子宮鏡を用いた子宮壁の可視化の助けとするために注入する。次に、カテーテルを、視野を通して挿入する。塞栓すべき血管を見つけ、そしてカテーテルを子宮壁内又は子宮壁を通し、並びに位置決め血管、例えば子宮内膜症の位置を決定する血管内にカテーテルを挿入し、そしてそのカテーテルの針状の先端を類線維腫塊に栄養を与えるか又はその中の血管内に置く。前記カテーテルの反復の留置を、子宮内膜症の血管の完全な塞栓形成のために必要とする。前述の方法は、国際公開番号第99/43366号に記載されている。
【0027】
前記塞栓形成剤組成物をデリバリーするカテーテルは、小経口医療用カテーテルである。利用される個々のカテーテルは重要ではなく、カテーテル部品が前記塞栓形成剤組成物への適合性(すなわち、そのカテーテル部品が前記塞栓形成剤組成物中で容易に分解せず、逆もまた同様であること)を備える。この点で、ポリエチレン・カテーテル部品が一般的に有用でありうる。前記塞栓形成剤組成物に適合する他の材料は、フッ素重合体(例えばTeflon(商標))、シリコン等を含む。
【0028】
一旦カテーテルが所定の位置につけば、粒子を含む塞栓形成剤組成物を、典型的にはX線又はX線透視法の誘導の助けを借りて、上記カテーテルを通してゆっくりと注入する。前記粒子は、類線維腫に至る血管に効率的に詰め込まれ、その血管を閉塞し、そして上記類線維症への血流を減少又は防げるサイズである。前記粒子は、それらが体内での可動性を維持しないのに十分なサイズである必要もある。前記粒子が小さすぎる場合、それらは体内の白血球(食細胞)により貪食され、そして遠くの臓器に運ばれるか、あるいは微少血管により運び去られ、そしてそれらが巨大構造体の一部に到達するまで移動しうる。本発明の方法のために、好ましい粒子は100〜1,000マイクロメートルの横断面直径を持ちうる。
【0029】
前記塞栓形成剤組成物を、直接重大な意味を持つ血管内に導入されうるか(例えば、子宮頸部手順による)、又はそれらは標的血管の上流に導入される(特に、血管内手順による)。例えば、類線維腫塞栓形成において、標的血管の上流に導入された場合、類線維腫は非常に血管が多いため、前記粒子はその類線維腫まで流れる。数分後、その動脈は徐々に遮断されていく。この塞栓形成は、血管内の血流がほぼ完全に遮断されるまで続く。
【0030】
塞栓形成手順の中で導入される塞栓形成剤組成物及び粒子の量は、塞栓形成、例えば標的血管を通る血流を減少又は停止を引き起こすのに十分な量でありうる。デリバリーされる塞栓形成剤組成物の量は、塞栓形成すべき血管の総量、濃度、及び微細粒子のサイズに依存して変化しうる。
【0031】
塞栓形成後、その手順の完了を確認するためにもう1度動脈造影を実施しうる。動脈の流れは、前記塞栓形成に近接した健康な体組織、例えば神経の正常部分へはまだある程度存在し、一方で病変又は標的組織への流れは遮断されているであろう。前記手順は、約1〜1 1/2時間を費やす。制限された血流の結果として、前記病変又は標的組織、例えば類線維腫又は腫瘍が縮少し始める。
【0032】
本発明により、前記塞栓形成剤組成物は、生体適合性担体中に粒子の注入可能な組み合わせ物を含む。
【0033】
前記粒子は炭素を含む表面を有する。前記炭素含有粒子表面は、炭素含有コーティング又は炭素含有フィルムの形態、例えば等方性炭素、熱分解炭素、又はガラス状炭素であり、好ましくは生体適合性の形態である。炭素のさまざまな形態は、1990年2月にMaterials Engineering により刊行されたAI Beavan による記事“Material Properties and Applications of Pyrolite(登録商標)Carbon”中に記載されている。炭素コート粒子の例は、米国特許番号第5,792,478号に記載されている。
【0034】
両方の熱分解の、例えばLTI炭素及びガラス状炭素の原子構造は、グラファイトに似ているが、原子の六方晶面間の配列は同じようには配列されていない。熱分解炭素は、ゆがんだ六方晶面、原子の欠落、及び一般的によりターボスタティック(turbostatic)な状況を持つより無秩序な原子構造を特徴とする。これは、層面間のより良好な結合をもたらす。
【0035】
好ましくは、前記粒子を、炭素表面を有する粒子基材、例えばそこにコードされた炭素の層を有する粒子基材として構築しうる。前記基材は、好ましくは炭素を含む生体適合性の層によりコートされているため、生体適合性である必要はないが、上記基材も生体適合性であることが好ましい。
【0036】
好ましくは、前記塞栓形成剤組成物は、X線撮影法又はX線透視法(fluoroscopy)を含む既知の方法により追跡及び観察しうる造影剤を含む。前記造影剤は所望の画像診断法(例えば、磁気共鳴、X線(例えば、CT)、超音波、磁気断層撮影、電気インピーダンス・イメージング、光イメージング(light imaging)(例えば、共焦点顕微鏡及び蛍光イメージング)、並びに核イメージング(例えば、シンチグラフィー、SPECT、及びPET))における造影を可能にするあらゆる材料でありえ、そして好ましくは、この粒子に実質的に固定化する、例えば炭素コーティングの一部として、又は粒子基材の一部として粒子内に含むことが可能である。造影剤は、塞栓形成及び同様の医療行為の分野で周知であり、さまざまな上述の造影剤のいずれかが本発明の方法に関する使用に好適である。
【0037】
本発明の好ましい態様は、本質的に放射線不透過性である造影剤、特に多くの金属又は酸化金属がそうであるように恒久的な放射線不透過性を示す放射線不透過性材料を含みうる。恒久的な放射線不透過性は、特定の期間、例えば数日間又は数週間、例えば7〜14日間を越えると生分解又は他の様式でそれらの効果(放射線不透過性)が失われる、塞栓形成又は同様の医療行為で使用される他の造影剤又は放射線不透過性材料と異なる(例えば、PCT/GB98/02621を参照のこと)。恒久的な放射線不透過性材料は、それらが体内に残っている間は観察又は追跡しうるが、これに対して他の非恒久的な造影剤又は放射線不透過材料は、それらが検出及び追跡される間という時間制限を有する。
【0038】
前記造影剤は、粒子基材の一部として、炭素表面の一部として前記微細粒子中に、又は他の部分に組み込まれる。1つの意味において、造影剤は検出できない。例えば放射線不透過性でない材料を検出可能な材料にするために添加されうる。前記造影剤は既知の方法により微細粒子のいずれかの部分に提供される。本発明の好ましい様式により、恒久的な放射線不透過性材料、例えば金属又は酸化金属は、非放射線不透過性の炭素コーティングを付された粒子基材として働く、前記粒子基材自体は恒久的に放射性不透過性であり、かつ、体内への堆積の後恒久的に検出及び追跡される。
【0039】
放射線不透過性材料のいくつかの例は、常磁性物質(例えば、持続性フリーラジカル又はより好ましくは常磁性金属種の化合物、塩、及び複合体、例えば遷移金属又はランタニド・イオン);重原子(すなわち、37以上の原子番号)化合物、塩、又は複合体(例えば、ヨウ化化合物等);放射性核種含有化合物、塩、又は複合体(例えば、放射性金属同位元素の塩、化合物、又は複合体、あるいは放射能付加有機化合物;そして超常磁性粒子(例えば、酸化金属又は混合された酸化粒子、粒子状酸化金属)を含む。好ましい常磁性金属は、Gd(III )、Dy(III )、Fe(II)、Fe(III )、Mn(III )、及びHo(III )、並びに常磁性Ni、Co、及びEu種を含む。好ましい重金属は、Pb、Ba、Ag、Au、W、Cu、Bi、及びランタニド、例えばGdを含む。
【0040】
前記粒子に含まれる造影剤の量は、所望のとおり上記粒子の検出をもたらすのに十分である必要がある。好ましくは、塞栓形成剤組成物の粒子は約10〜約50重量%の造影剤を、より好ましくは約20〜40重量%の造影剤を、さらにより好ましくは約30重量%の造影剤を含む。場合により、特定の塞栓形成手順に使用される粒子の全てではなく、いくつかが造影剤を含む。好ましくは、恒久的な放射線不透過性粒子基材を含む粒子は、その粒子基材を構成するそれらの質量の50%超を有する。
【0041】
好ましくは、前記粒子は、粒子基材上に炭素を沈着させるさまざまなコーティング方法のいずれかを用いて準備される。前記粒子基材は、前記コーティング方法との適合性に関して選択されうる、これは、粒子基材上の炭素コーティングのために与えられる方法の中で使用される温度に耐えうる必要があることを意味しているコーティング方法の高温条件に耐えることができる比較的硬い金属又はセラミック材料は、通常粒子基材のための好ましい材料でありうる。医療用グレードに制限されることなく、ステンレス鋼、チタニウム、及びチタニウム合金、並びにステンレス鋼、チタニウム又はチタニウム合金の酸化誘導体を含む金属、酸化金属、及び合金が粒子基材として完全に許容される材料でもあり、そして酸化アルミニウム、及び酸化ジルコニウムは、特に好適である。そのさまざまな形態のいずれかの炭素自体、例えば熱分解炭素、非熱分解炭素、等方性炭素、グラファイト、又はガラス状炭素は、粒子基材材料として有用である。よって、前記粒子は、炭素粒子基材上に蒸着した炭素コーティングを含み、そして実質的に又は完全に炭素からできている。本発明の1の態様において、粒子基材と炭素コーティングの両方が熱分解炭素を含む。
【0042】
それらの組成に関わらず前記粒子基材は、本明細書中に記載のサイズ、質、及び性質の炭素コート粒子を製造するために、それらが炭素によりコートされる十分な直径、形状、及び均一性である必要がある。場合により、前記粒子基材は、所望のサイズ、形状、及び質のコート粒子を生み出すための粒子サイズ、形状、及び質の所望の組み合わせを提供するために、コーティングの前に選択及び処置、例えば圧搾、押出、ふるい分け、浄化、ろ過、又は他の形成をする。
【0043】
前記粒子の炭素表面は、炭素のあらゆる形態を含み、そして熱分解炭素、特に低温等方性(LTI)熱分解炭素が好ましい形態の1つである。熱分解炭素は、既知の方法により製造及び基材表面上にコートされる。一般的に炭化水素及びアロイング・ガスは、粒子基材上をコートする熱分解炭素の調製のために分解される。前記粒子基材は、炭化水素及びアロイング・ガスと一緒に基材表面上に熱分解炭素の蒸着が起こるのに十分な温度、例えば約1200〜1500°F(約648.9〜815.6℃)で流動床又は浮揚床内に含まれる。粒子基材の浮揚に不活性ガスを使用し、場合により不活性混合媒質を含む。この炭化水素熱分解は、粒子基材上に固形物質として蒸着した高炭素、低水素含有量の炭素材料をもたらす。
【0044】
あるいは、炭素コーティング(時々「超低温等方性炭素」と呼ばれる)が、他のコーティング方法、例えば真空気相蒸着法を用いて粒子基材に適用される。このコート方法は、さまざまな既知の方法、例えばCO2の分裂、真空中のグロー放電の結果としてもたらされる反応性分裂、固形グラファイト起源の昇華、又はグラファイト起源の陰極スパッタリングのいずれかから発生したイオン・ビームを用いて粒子基材上に炭素を効率的に製造し、そして蒸着する。金は、真空気相蒸着炭素のための特に好適な粒子基材であることが知られている。他の粒子基材は、制限することなく、ニッケル、銀、ステンレス鋼、又はチタニウムを含む。
【0045】
前記コート方法は、最終的に、好ましくはほぼ丸い、滑らかな炭素コート表面を有する粒子を製造するために薄いコーティング又はフィルムの形態で基質粒子に適用される。得られた滑らかな表面は、注射針、カニューレ又はカテーテルを通るこの粒子の通過を向上させる。前記炭素表面の高い強度、崩壊又は侵食への抵抗性、及び耐久性は、この粒子の効果的な長期間の機能を裏付ける。炭素、例えば熱分解及びガラス状炭素の確立した生体適合性は、特に塞栓形成用途に好適な記載の粒子を作り上げる。炭素コート粒子の好ましい態様において、前記粒子基材は炭素表面により完全に包まれている。これは、その粒子の表面に露出しているか、又は注入したとき、組織と接触すること基材を持つことがない滑らかなコート粒子をもたらす。前記粒子基材の表面をコートする好ましい炭素コーティングは、1インチ(25.4mm)の1000分の1の割合、平均で約1000分の1インチの半分(0.0005インチ(12.7μm))の範囲でありうる。
【0046】
炭素コーティングが前記粒子基材上に蒸着された後、上記粒子は浄化及びふるい分けを受けて、夾雑物を除去し、そして所望のサイズ範囲よりも小さいか又は大きいサイズの粒子を分離する。好ましくは、前記粒子は、横断面直径の平均で100ミクロン〜1,000ミクロン(100μm〜1000μm)のサイズの範囲であり、特に好ましくは、サイズの範囲は、400〜700ミクロン(400〜700μm)である。前記粒子を処理する、例えば最小粒子直径は U.S. No. 18 Screen Mesh(1000ミクロン(1000μm)の格子サイズの開口)を通るがU.S. No. 140 Screen Mesh(106ミクロン(106μm)の格子サイズの開口)を通らないというようにふるい分けの工程を用いて、選択したサイズ範囲に分離する。その最小面積は、ほぼ球状の粒子の粒子直径と一致する面積を持つ長円又は細長い粒子の横断面積であろう。
【0047】
記載のとおり、前記担体は、所望の部位に微細粒子をデリバリーすることが可能なあらゆる生体適合性の流体でありうる。担体として好適な材料の例は、生理食塩水、デキストラン、グリセロール、ポリエチレン・グリコール、トウモロコシ油又はベニバナ油、あるいは単独又は組み合わせた状態のいずれかの他の多糖類又は生体適合性有機重合体を含みうる。使用において、前記塞栓形成剤組成物は、体の部位にカテーテル、シリンジ針又はカニューレを通して流体の状態、例えばスラリー、流体の懸濁液又はエマルジョンとしてか、あるいはゲルとして典型的には注入される。血流中に置かれる場合、前記担体は、体中に分散するか又は吸収されるであろう。
Claims (12)
- 血管を通る血流を減少又は止めるように上記血管を満たすため又はふさぐため及び/又は血栓形成を促進するために塞栓形成剤組成物をデリバリーすることを含む塞栓形成方法であって、上記塞栓形成剤組成物が炭素表面を含む粒子を含む上記方法。
- 前記炭素表面が、熱分解炭素を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記炭素表面が、低温等方性熱分解炭素を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記粒子の平均横断面直径が、100〜1,000マイクロメートルである、請求項1に記載の方法。
- 前記粒子が、炭素コート基材粒子を含み、かつ、上記基材粒子が、金属、酸化金属、セラミック、炭素又はそれらの組み合わせ物を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記粒子が、放射線不透過性基材粒子を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記基材粒子が、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、又はそれらの混合物を含む、請求項5に記載の方法。
- 前記塞栓形成剤組成物が、生体適合性担体をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記方法が、前記塞栓形成剤組成物を子宮動脈に注入することを含む、請求項1に記載の方法。
- 大腿動脈を通してカテーテルを導入することを含む、請求項9に記載の方法。
- 子宮頸部よりカテーテルを導入し、さらに上記カテーテルを子宮壁を貫いて、そして類線維腫塊に栄養供給する血管か又は類線維腫塊中の血管内に挿入する、請求項9に記載の方法。
- デリバリー後に所定の部位において配置を確認するために前記粒子を検出するステップを含む、請求項1に記載の方法。
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