JP2004500945A - 粒子捕獲システム - Google Patents
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Abstract
表面から粒子を掃除及び除去するための掃除シートが開示される。掃除シートは粒子を収集及び保持するための粒子保持層を包含する。粒子保持層はその層の少なくとも一部分に堆積されるエレクトレット蝋を包含する。
Description
【0001】
(背景技術)
テーブルのような掃除される表面から塵を除去するための塵ふき布は、一般に既知である。このような既知の塵ふき布は一般に、織布ファブリック又は不織布ファブリックから作成され、その塵を保持するために湿潤な油性物質が噴霧される又はそれで被覆されることが多い。しかしこのような既知の塵ふき布は使用後、表面に油性の薄膜を残す傾向がある。
【0002】
他の既知の塵ふき布は、絡み合う繊維間に塵を保持するための空間を有する、不織布が絡み合う繊維を包含する。絡み合う繊維は一般に網状組織の格子又はスクリム構造体により支持され、そのような布に追加的な強度を提供することができる。しかしそのような布は使用中に塵で飽和状態になることがある(すなわち塵の集積)及び/又は稠密な粒子、大きい粒子、若しくは他のくずを捕らえる際に、完全に有効ではないことがある。
【0003】
従って、塵及びくずを捕らえて保持することができる掃除シートを提供することは有利である。また、増加した塵収集能力を持つ掃除シートを提供することも有利である。油性スプレーを使用することなく、くずを誘引する掃除シートを提供することも、有利である。相対的に大きい、及び/又は、より稠密なくずの粒子を保持する掃除シートを提供することも、有利である。これらの、又は他の有利な特徴のいずれか一つ以上を包含する掃除シートを提供することは、更に有利である。
【0004】
(発明の開示)
本発明は、一般に(例えば家庭又は作業環境において)、表面の掃除に使用するためなどの掃除シートの分野に関係する。より詳細には、本発明は、塵、より大きい粒子、及び/又は他のくずを収集及び保持するための掃除シートに関係する。
【0005】
粒子捕獲システム又は掃除シートが提供される。掃除シートは、テーブル、床、家具などの物品のような表面から、粒子及び他のくずを掃除及び除去するために有用である。掃除シートは多くの層又はシートを包含し、くずの保持性及び/又は強度を増してもよい。シートは一般に、粒子を収集及び保持するためのエレクトレット物質を含有する粒子保持層(例:基部層)を包含する。エレクトレット物質は、粒子保持層の少なくとも一部の上に付着される、及び/又はその中に含浸される、エレクトレット蝋であってもよい。
【0006】
シートは、粒子保持層の少なくとも一部を覆う外側層(例:カバー層)を包含してもよい。カバー層は、くずがそこを通って押し込められる、及び/又は誘引される複数の孔を包含してもよい。これらの孔はカバー層の大部分を構成してもよく、一般に少なくとも約1.0mm2の(横)断面積を有する。好適なカバー層の例には、約1.0から約10.0mm2までの平均横断面積を有する複数の孔を有する物質が挙げられる。カバー層は一般に塵保持性の低い物質から形成される(例:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から形成される孔あきシート)。カバー層は、塵保持性の低い物質を包含し、そこを通過するよう形成される複数の孔を有する表面を含む。
【0007】
掃除シートを組み込んでいる掃除用具も提供される。この用具は掃除シートに連結することに適合している掃除頭部を包含してもよい。掃除シートは表面を掃除するための掃除用具一式の一部として包装されてもよい。この用具一式は、シートに連結することに適合している掃除頭部及び掃除頭部に連結することに適合しているハンドルを包含してもよい。
【0008】
表面を掃除する方法も提供される。この方法は、掃除される表面を掃除シートに接触させることを包含する。掃除される表面からのくずは、粒子保持層の中に引っ張られ、及び/又は押し込められ、掃除シートにより保持されてもよい。
【0009】
掃除シートの様々な実施例では、粒子保持層はカバー層、裏打ちシート若しくは層又はコア層であってもよい。粒子保持層は、均一な平面シート又は凸凹を包含する起伏のある表面であってもよい。エレクトレット化された蝋のようなエレクトレット物質は一般に、粒子保持層の少なくとも一部分の上に付着(堆積)する及び/又その中に含浸され、その粒子収集及び/又は保持能力を増す。
【0010】
くずを収集及び保持するための掃除用具を作成する方法も提供される。この方法は、織布繊維、不織布繊維及び/又は発泡体のような粒子保持物質を含む掃除シートを形成することを、含む。この方法は非エレクトレット蝋を粒子保持物質の少なくとも一部に適用(付着)することを包含する。電界がシートに印加され、少なくとも蝋において永久電荷を誘導する。これは一般に、粒子保持物質を実質的に軟化させることなく蝋を融解するのに充分な温度まで、シートを加熱することにより達成されることができる。蝋がまだ融解状態である時に、電界はシートに印加される。電界は、蝋が電気的に帯電されるのに充分な大きさと継続時間である。これは例えば、融解蝋を有するシートにコロナ放電を通過させることにより達成されることができる。帯電した蝋はその後冷却され、蝋を凝固し、それにより比較的永久に蝋は帯電される。
【0011】
本発明のシートは、蝋が粒子保持物質に適用(付与)されている時、融解蝋が電界に曝される方法によっても形成されることができる。例えば融解蝋は、融解状態のまま電界を通過する態様で、連続的又は不連続的な模様で粒子保持物質の層の一部分上に噴霧されることができる。蝋が物質と接触して(又はその後すぐ)、凝固するのに充分な低温で粒子保持物質を保持することは一般に有利である。
【0012】
掃除シートは一般に、相応の量の可撓性を保つために、全体として比較的に低い破壊強度を有する。用語「破壊強度」を本明細書で使用する時は、引っ張り荷重が掃除シートに作用される時に掃除シートが破れ始める荷重の値(すなわち引っ張り強さを測定する間の最初の最高値)を意味する。しかしシートの破壊強度は、使用中は、掃除シートの「開口」又は裂けを防ぐのに十分に高いことが必要である。掃除シートの破壊強度は一般に、少なくとも約500g/30cmであり、1500g/30cmから4000g/30cmまでの破壊強度を有する掃除シートは、本明細書で説明される掃除道具との使用に非常に好適である。
【0013】
掃除用具、取り付け構造体などと共に使用されることを意図される時、掃除シートは一般に、比較的低い全体的伸びを有し、掃除シートの「バンチング(集群)」又は「しわ」への抵抗を助勢する。本明細書で使用される用語「伸び」は、500g/30mmの引っ張り荷重が作用される時の掃除シートの伸び率(%)を意味する。例えば掃除シートが、固定的に取り付けられているモップ又は同様の掃除道具と共に使用されるように設計されている時、本発明の掃除シートは一般に、約25%以下、好ましくは約15%以下の伸びを有する。
【0014】
用語「表面」及び「掃除される表面」を本明細書で使用する時は、広い用語であり、限定的な用語としては意図されていない。用語、表面を本明細書で使用する時は、実質的に堅い又は剛性の表面(例:家具、テーブル、棚、床、天井、堅い備品、家庭用具などの物品)、並びに、相対的に柔軟な、又は半剛性の表面(例:ラグ、カーペット、柔らかい備品、リネン、衣類など)を包含する。
【0015】
用語「くず」を本明細書で使用する時は、広い用語であり、限定的な用語としては意図されていない。塵及び他の細かい粒状物質に加えて、用語くずは、従来の塵用ぼろきれで収集されないことがある、例えば、大きい寸法のごみ、食べこぼし、パンくず、土、砂、糸くず、並びに繊維及び毛髪の廃物片のような、約1mmより大きい平均直径を有する比較的に大きい寸法の粒状物質、並びに塵及び他の細かい粒状物質を包含する。
【0016】
本明細書中で、本文は、掃除シート、及び/又はシートの使用、若しくは形成方法の、様々な実施例を引用している。検討される様々な実施例は、単に例示的なものであり、本発明の範囲を限定することを意味するものではない。説明される様々な実施例は、様々な例示的な例を提供することが意図され、様々な実施例の説明は範囲が重なり合うことがあるので、必ずしも代替種の説明であると解釈されるべきではない。
【0017】
(詳細な説明)
粒状物質及び他のくず(例:塵、土、他の浮揚物質、糸くず、毛髪など)を収集、誘引、及び保持するための掃除シート(塵パッド10として示される)の一例が、図1に示される。パッド10は、粒状物質(図2にくず68として示される)を誘引し(例えば収集する)、保持するための静電気力で永久的に帯電されている「エレクトレット」基部又はコア粒子保持層30を包含する。くず68は、パッド10が掃除される表面(図1に作業面66として示される)に沿って移動する時、粒子保持層30の中に引っ張られ、及び/又は、押し込められる。コア30の孔(空洞34として示される)は、パッド10の空洞部32内でくず68を保持し、及び/又は、運び去る(例えば図2参照)。
【0018】
粒状物質は、エレクトレット物質において、粒状物質を「閉じ込める」及び保持するためにエレクトレット物質の全て又は一部を覆う、又は取り囲むことができる、カバーシートにより更に保持されてもよい。外側層又はカバー層20は、相対的に低いくず保持能力(すなわち有意にくずを誘引又は収集しない)を有する物質から作成されてもよく、一般にコアより低いくず保持性を有するので、カバー層20の外側表面には実質的にくず68がない。有意に塵を収集しない例示的な物質の例には、ポリテトラフルオロエチレンから形成される孔あきシートが挙げられる。一般にカバー層は約10g/m2以下、より好適には約1から5g/m2以下の粒状物質を保持するように形成される。
粒子保持層
本発明の掃除シートは粒子保持層を包含し、少なくともその一部は、(すなわち、永久に帯電された)エレクトレット物質を含有する。シートは、カバー層20に近接するパッド10内に配置される粒子保持表面32を包含するコア30を包含することができる。他の実施例では、掃除シートは単純に粒子保持層(例:不織布マイクロファイバー(微細繊維)のスクリム支持層及びエレクトレット蝋で被覆された少なくともその一部)からなってもよい。粒子保持表面32の空洞部34は有意な量のくず68を捕獲、収集及び保持する。例えば、くずは空洞部の壁に埋め込まれてもよい。好適な実施例によれば、粒子保持層は成形ファブリック、可撓性物質の連続するシート又は物質の多重シートであってもよい。図2に関し、空洞部34はコア30に不規則に分配されている孔から形成されることができる。空洞部34は円形形状を持つが、いずれの形状でもよく、又は、図2に示されるような円、ぎざぎざ、不規則などのような形状の組み合わせであってもよい。例えば空洞部は四角形、星形、楕円形又は不規則な形状であってもよい。空洞部は図3に描かれるように規則的な模様で配置されてもよく、不規則に配置されてもよい。
【0019】
空洞部の寸法及び深さは好ましくは、捕獲されたくずが、掃除される表面をひっかき又は損傷しない、充分な寸法の「ポケット」又は空洞を造るのに充分大きい必要がある。しかし空洞部は、好ましくは余り深くないので、くずが空洞部と接触するのは困難である。空洞部は、一般にある程度、保持されることを意図される粒子の寸法次第で、約1から10mmまで、より好適には2から5mmまでの範囲の平均幅を有する。空洞部は一般に約0.1から5mmまで、より好適には1から3mmまでの範囲の平均深さを有する。
【0020】
図3は、掃除シートの例示的な実施例である、パッド110の断面図を示す。パッド110は一観点においてパッド10と実質的に異なる、すなわちコア30の構造は変えられている。この改良以外で、図3に示されるパッド110の構造、性能及び機能は実質的にパッド10と同じであり、同じ要素を表すのに同じ参照番号が使用されている。パッド110のコア130は織られて孔を形成する(凹部134として示される)。凸部(外側に延伸している可撓性で半剛性の指状突起部136)はコア130からカバー層20に向かって延伸している。フィンガー136は一般に四角形であるが、他の実施例に従う他の形状(例:ジグザグ、曲線形、波形など)であってもよい。指状突起部136は列状の模様で配置され示されるが、他の好適な実施例により他の模様または外形(例:円形、不規則形など)であってもよく、フィンガー136はくず68を保持するための凹部134を画定する(例えば二つの突起部の間で)。凹部134の内側に保持される時、くず68はカバー層20により実質的にパッド110の内部から逃げるのを妨げられる。
【0021】
図4は掃除シートの他の例示的な実施例であるパッド210を示す。パッド210は、二つの観点においてパッド10とは実質的に異なる、すなわちコア30の構造が変えられ、コア30の素材が変えられている。これらの改良以外で、パッド210の構造、性能及び機能はパッド10と実質的に同じであり、同じ要素を表すのに同じ参照番号が使用されている。パッド210のコア230が(例えば正弦(シヌソイド)波として)形成され、くず68を保持するための孔(凹部234として示される)を形成する。上部カバー層20は底部カバー層20でコア230を「挟む」又は底部カバー層20に押しつける。突起部(凸部236として示される)はコア230から延伸して凹部234を形成する。凸部236は一般に先のとがっていない形状で、傾斜している又は勾配のある壁240を包含する。凸部236の勾配のある形状は、くず68を収集及び保持するために凹部234において追加的表面積を提供する。図4に示されるように凸部236は列状模様又は波模様で配置される。上部粒子保持面232の凸部236は互い違いの模様で配置され、面232の凸部236は、底部粒子保持面238の凹部234に対応する。他の好適な実施によれば、突起部(すなわち凸部)及び孔(すなわち凹部)は様々な他の模様で配置されてもよい(例えば、上部粒子保持面の突起部は底部粒子保持面の突起部に対応し、列状の様式又は波状の様式で配置される)。他の好適な実施例によれば(図4及び5に示されるように)、粒子保持層(すなわちコア)は少なくとも二面を包含し、孔(すなわち空洞部)は粒子保持層の各面上に配置される。
【0022】
図5は掃除シートの他の例示的な実施例であるパッド310を示す。パッド310は二つの観点においてパッド10と実質的に異なる、すなわちコア30の構造が変えられ、コア30の素材が変えられている。これらの改良以外で、パッド310の構造、性能及び機能は実質的にパッド10と同じであり、同じ要素を表すために同じ参照番号が使用されている。パッド310のコア330は不織布繊維の絡み合う網状組織から作成され示される。くずを捕獲するための孔は絡み合う繊維の間の空間により形成される(すなわち、くずはコアを形成する繊維間に保持される)。他の実施例によれば、コアは様々な構造で形成される物質の様々な組み合わせから作成されてもよい。
【0023】
用語「不織布」を本明細書で使用する時は、中間に入れられる個々の繊維又は糸の構造を有するウェブを包含するが、編んだファブリックにおけるように必ずしも規則的な又は識別し得る態様ではない。この用語は、個々のフィラメント及びストランド、ヤーン又は「タウ」、並びに、発泡体及びフィルムをも包含するもので、フィブリル化され、開口され又は他の方法で処理されて、ファブリックのような特性を与えるものである。不織布ファブリック又はウェブは、例えばメルトブローン、スパンボンド及びボンドカードのような多くの製造法で形成されてきた。不織布ファブリックの坪量は通常、1平方ヤード当たりの物質のオンス数(「osy」)又は1平方メートル当たりのグラム数(「gsm」)で表され、有用な繊維の直径は、通常、ミクロンで表される。坪量は、osyの値に33.91を掛けることにより、単純にosyからgsmに変換されることができる。他の好適な実施例によれば、繊維は織られてもよい。
【0024】
例示的な実施例によれば、ウェブ又は格子(図6にスクリム50として示される)は、不織布シートの繊維を支持してもよい。これは、掃除のために使用される充分な強度を保持しつつ、相対的に低い絡み合い係数(例:約800m以下)を有するシートの生産を可能にする。図5に示されるように、スクリムは繊維の中に一体的に埋め込まれて、単一の支持構造体を形成してもよい。図6ではスクリム50は、「網状組織」の形態で配置される、垂直部材54に取り付けられる水平部材52を有する網を備える。空間(穴56として示される)が垂直部材54と水平部材52の間に形成され、スクリム50にメッシュ又は格子状の構造を与える。様々な実施例によれば、スクリムの水平部材及び垂直部材は、織る、点溶着、締めつけ、結ぶなどのような様々な方法で共に接続されることができる。穴56の平均直径は一般に20から500mmまで、より好適には100から200mmまでの間の範囲である。繊維間の距離は一般に約2から30mmまでの間に、より好適には約4から20mmまでの間にある。あるいは不織布シートは、フィラメントの周囲でマイクロファイバー(微細繊維)を水流で絡み合わせることにより生じる機械的な力により単純に適所に保持される、シートに埋め込まれるフィラメントにより補強されてもよい。
【0025】
繊維はスクリム50の各側面に重ねられ、繊維をスクリム50に取り付け、それにより単一片又は構造体としてパッド310を形成してもよい。低水圧の水の噴射が引き続き作用し、繊維を互いに、及びスクリム50と絡み合わせ(すなわち水流交絡)、不織布繊維の相対的にゆるい絡み合いを形成してもよい。繊維の水流交絡は、水の噴射による水を除去する(例えば乾燥する)間に、更に増加することがある(スクリムは乾燥中、幾らか「縮み」があり、「しわが寄った」又は起伏のある表面を有するファブリックを造ってもよい)。繊維は様々な他の従来方法(例:エアレイド(air laid)、接着剤、織り、など)によりウェブ(すなわちスクリム)に取り付けられてもよい。繊維は一般にウェブに絡まって単一体を形成し、掃除中のウェブからの繊維の「抜け落ち」を防ぐのを助勢する。ウェブは、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステルなどのような様々な好適な物質から形成されてもよい。例示的なウェブ(すなわちスクリム)は、米国特許第5,525,397号に説明され、その開示を参考として引用し本明細書に組み込む。
【0026】
コアにおける繊維の絡み合いの程度は「絡み合い係数」により測定されることができる。絡み合い係数は「CD初期係数」とも呼ばれる。用語「絡み合い係数」を本明細書で使用する時は、繊維集合体における繊維方向に垂直な方向(機械横断方向:cross machine direction)について測定される、応力ひずみ曲線の初期勾配を指す。用語「応力」を本明細書で使用する時は、引っ張り荷重値を、チャッキング幅(すなわち引っ張り強度測定中の検査ストリップの幅)及び、不織布繊維の集合体の坪量で割ることにより得られる値を意味する。用語「ひずみ」は、本明細書で使用する時は、掃除シート素材の伸びの測定量である。
【0027】
掃除シート形成の際に使用するのに好適な不織布繊維集合体は、約20から500mまで(いずれかの補強フィラメント又は網状組織が不織布繊維性ウェブから取り除かれた後測定される時)、より一般的には約250m以下の範囲の絡み合い係数を有する。絡み合い係数の小さい値は一般に、より小さい程度の繊維の絡み合いを表す。絡み合い係数は、繊維の種類及び量、繊維の重量、水の量及び圧力などを選択することにより部分的に制御されてもよい(繊維の絡み合いを論じている米国特許第5,525,397号、第4欄52行から第5欄26行まで参照)。
【0028】
コア(例:図5に示されるようなコア330)は、大きい自由度及び充分な強度を有する繊維を有する不織布集合体層を包含してもよく、それは掃除シート内に塵及びより大きい粒子を効果的に収集及び保持するために有利なことがある。一般に繊維の絡み合いによって形成される不織布ファブリックは、繊維の融合又は接着によってのみ形成される不織布ファブリックにおけるよりも、構成繊維のより高い自由度を有する。繊維の絡み合いにより形成される不織布ファブリックは、不織布ファブリックの繊維と塵の間の絡み合いにより、良好な塵収集性能を表すことができる。繊維の絡み合いの程度は塵の保持性に大きい影響を及ぼす。すなわち絡み合いが強すぎる場合、繊維が動く自由度は低くなり、塵の保持性は一般に低減する。対照的に、繊維の絡み合いが非常に弱い場合、不織布ファブリックの強度は顕著に低くなり、不織布ファブリックの加工性は、その強度不足故に問題になるかもしれない。また、非常に低い程度の絡み合いを有する不織布集合体からは、不織布ファブリックからの繊維の抜け落ちが発生する傾向が強い。
【0029】
本発明の掃除シートの生産において使用するのに好適な不織布集合体は、比較的に低い水圧で繊維性ウェブ(埋め込まれている支持フィラメント、若しくは網状組織シートを、有する、または有しない)を水流交絡させることにより形成されることができる。例えば毛羽立っているポリエステル不織布ウェブにおける繊維は、不織布繊維ウェブを約25〜50kg/cm3の圧力で高速射出される水で処理することにより、網状組織シートと充分絡み合わせられる。ウェブが実質的になめらかな、孔なし支持ドラム又はベルトの上を通過する時、水はウェブの上に配置される穴から射出されることができる。穴は一般に0.05と0.2mmの間にわたる直径を有し、2m以下の間隔で水供給パイプの下に列状に好適に配置されることができる。
【0030】
繊維集合体の絡み合い係数が約800mの最大値で設定される場合、繊維集合体のみで構成されるシートが充分な破壊強度及び伸びの値を達成することは困難なことがある。繊維をスクリム50に絡み合わせて単一体にすることにより、この層の伸びは低く保たれ、その加工性は増すことができる。掃除シートからの繊維の抜け落ちは、掃除シートの繊維集合体におけるそれとほぼ同じ絡み合い状態の繊維集合体のみから構成される従来の絡み合うシートと比較する時、顕著に妨げられることが多い。
【0031】
絡み合い係数が小さすぎる場合(例:約10から20mまで以下)、繊維は充分に絡み合わない。更に繊維とスクリムの間の絡み合いも同様に弱くなりがちである。その結果、繊維の抜け落ちは頻繁に発生する。絡み合い係数が大きすぎる場合(例:約700から800mまでより大きい)、強すぎる絡み合い故に繊維の充分な自由度は得られない。これにより繊維が塵、毛髪及び/又は他のくずと容易に絡み合うのが妨げられ、シートの掃除性能は充分でないことがある。
【0032】
掃除シートは一般に、比較的低い坪量を有するコア層として不織布繊維集合体を包含する。不織布繊維集合体の坪量は一般に、30から100g/m2までの範囲内、一般に約75g/m2以下である。不織布繊維集合体の坪量が約30g/m2未満である場合、掃除作業中、塵は不織布繊維集合体を容易に通過し過ぎ、その塵収集能力は制限されることがある。不織布繊維集合体の坪量が大きすぎる(例:実質的に約150g/m2より大きい)場合、不織布繊維集合体の中の繊維(あるとすれば)は一般に、所望の絡み合いの程度を達成するような絡み合いを互いに充分行わないことがある。更に不織布繊維集合体の加工性は悪化することがあり、掃除シートからの繊維の抜け落ちがより頻繁に発生することがある。不織布繊維集合体における繊維のデニール、不織布繊維集合体において使用される繊維の長さ、横断面形状及び強度は一般に、性能に関係する要素に加えて、加工性及び費用への見方で決定される。
【0033】
掃除シートは一般に外側ファブリック層(すなわち、シートの清掃面上の材料)として、相対的に低い坪量を有する外側不織布繊維層又は網/ウェブを包含する。特定の好適な実施例によれば、不織布層又は網は約20から150g/m2まで、好ましくは30から75g/m2までの範囲の坪量を有する。低い坪量は、掃除シートに「流線状の」又はコンパクトな外見及び感触を提供するのを助けることができる。掃除シートの坪量は約50から250g/m2までであってもよい(又は、掃除シートの意図される用途次第でそれより大きい若しくは小さい)。
【0034】
掃除シートは繊維又はマイクロファイバーから形成される不織布ファブリックを包含してもよい。用語「デニール」を本明細書で使用する時、長さ9000mの繊維のグラム重量と定義される。粒子保持層の繊維のデニールは、好適には約0.1〜6、より好適には約0.5〜3である。
a.粒子保持層の静電気特性
粒子保持層は、全体的に又は部分的に「エレクトレット化」されてもよい誘電物質を包含してもよい。エレクトレットは長期間(例:複数年)静電荷を保持する。エレクトレットは電界又は静電界の相対的に永続的な源であると考えられる。故に掃除シート(例:粒子保持層、カバー層、裏当て層など)において誘電物質をエレクトレット化することは、それにより掃除シート上に静電荷を引き起こすことがある。このような静電荷ができると、掃除シートは掃除の過程中、くずを誘引、収集、捕獲及び保持する能力を増すことがある(従来の非エレクトレット物質に接着する又はそれに囲まれるくずを有する、一般にくずに物理的に接触するだけの従来の非エレクトレット物質と比較されたい)。
【0035】
外部の電界の印加は、誘電物質を「エレクトレット化」することがある。誘電体における分子及び電荷は、ある方向又はモーメントに「極性を持つ」又は方向付けされる。結果として生じるエレクトレットは、永久静電界を生じる電気内部量分極を有すると考えられる。エレクトレットの相対する外面は反対の静電荷を表す。単に外部表面の分子及び電荷だけでなく、内部分子及び電荷が分極されるので、静電配向はエレクトレットの全質量中に広がる。故に、エレクトレットの破壊又は分割は多数のエレクトレットを生じさせる(例えば永久磁石の破壊同様に)。
【0036】
誘電物質をエレクトレット化することは、誘電開始物質及び調製方法次第で異質電荷、同質電荷又はそれら両方を包含することができる。本明細書で使用される「同質電荷」とは、近接する成形電極の極性と同じ極性の誘電体の電荷である。成形電極は電界を誘電体に印加し、誘電体を「エレクトレット」化する。同質電荷は、エステル類及び/又はアルコール類を包含する化合物においてしばしば発生すると考えられる。本明細書において使用される「異質電荷」は、成形電極の極性と反対の極性を持つ誘電体の電荷である。異質電荷は一般に安定ではない。成形電極による電界の印加後、異質電荷の電荷は極性の反転が発生するまで低減し、明らかな均衡に到達する。結果として得られるエレクトレットは、対応する成形電極と同じ極性を持つ表面電荷(例:同質電荷)を帯びる。
i.蝋のエレクトレット
蝋はエレクトレット化されてもよい。蝋は、エレクトレット又は非エレクトレットのいずれかの状態で掃除シートに適用(付着)されてもよい。蝋をエレクトレット化する一方法は次のとおりである。この一方法によれば、融解状態の好適な蝋(図10にパラフィン400として示される)がコンデンサ又は型(スズホイル404として示される覆いで覆われる平たい真鍮の鉢402として示される)に注入される。ヒーター(ガスバーナー406として示される)がパラフィン400の融解を促進してもよい。電界が印加される時、パラフィン400が完全な流体状態に融解する場合、特に好適な結果が得られることがある。代替実施例によれば、蝋を融解することなくエレクトレットは形成されることがある。このような実施例では、蝋は一般に加熱され、電界に曝される前に柔軟な状態を達成する。
【0037】
パラフィン400が(例えばほぼ室温まで)冷却され凝固すると、電界源410により電圧が印加される。電界源410は正の成形電極412、負の成形電極414及びコンデンサ402に電気接続されている接地416を持って示される。パラフィン400は、パラフィン400を電気的に「飽和する」のに充分に高い電位で電気的圧力を受けて凝固する。蝋には、約10V/cm程度の電界及び約15kV/cmより多い電界によりエレクトレット化されてもよいものがある。約500〜10000Vの高電位の直接電圧は蝋に電荷を永久に設定するのに充分なことがあり、他の好適な電圧は約1800Vであり、それは約11kV/cmの電界に対応する(好適な実施例では、交流又は直流電流は電界を作ることがある)。電界は部分的に、蝋が凝固するのに必要な時間によることがある。パラフィン400が完全に凝固した後、電界が取り除かれる時、好適な結果が得られることがあるが、尚も上昇した温度のままである。他の好適な実施例によれば、帯電は約1時間パラフィン400に適用される。
【0038】
電極412及び414は、約2〜5cmの範囲の直径を有するスズ、真鍮又は銅のディスクのような従来のいずれの電極であってもよい。電極412及び414は、またホイル404に包まれ、パラフィン400による汚れを抑制してもよく、ホイル404は凝固後のパラフィン400の除去を容易にする。電界を取り除いた後、ホイル404の下層は結果として生じるエレクトレットパラフィン400上に残されてもよい。ホイル404の上層は除去されて、エレクトレットを「ショート」させるように配置される、ゆるいホイル(示されない)により取り換えられてもよい。生じるエレクトレットパラフィン400の横断面図は図11に示される。蝋は、本開示を検討する当業者に既知の他の方法によりエレクトレット化されてもよい。
【0039】
パラフィンに電界が印加される時、分子又は分子の集団はそれらの軸と共に電界の方向を向き、パラフィンが凝固する時、分子はその方向を保持することが、いずれの特定の理論にも限定されることを意図することなく考えられる。分子のこのような配向はパラフィンに永久の電気極性を保持させる(すなわち分子を冷却すると、パラフィン内の双極分子は印加される電界により決定される方向に「凍る」)。
【0040】
生じるエレクトレット蝋は少なくとも約5x10−11C/cm2、好適には約1x10−10C/cm2から2x10−9C/cm2までの範囲の量で存在する、及びほぼ約30kV/cmから1.7nC/cm2もの極性化されている電荷を持ってもよい。生じるエレクトレット蝋の電荷が長期間の間に消散することは考えられない。例えば米国特許第2,284,039号は、エレクトレット蝋が少なくとも「数年」間エレクトレットのままであり得ることを予見している。エレクトレット蝋の形成に関する追加的情報としては、エレクトレット蝋の調製を論じている米国特許第2,986,524号を参照されたい。その開示を参考として引用し本明細書に組み込む。
ii.好適な蝋
本明細書に使用される「蝋」は、周囲の温度で可塑性の固体であり、適度に上昇した温度に曝される時、低粘度の液体になる物質である。好適な蝋はほぼ室温で固体状態であり、一般に約40から85℃までの範囲の融点を有し、製造中の掃除シートの融解、燃焼又は軟化を防ぐ。このように好適な蝋の例には、この範囲内に融点を有するポリオレフィン、ポリエステル及びフッ素重合体が挙げられる。特に、蝋が「エレクトレット」化された後に掃除シートに適用される場合、他の好適な蝋は約85℃を超える融点を持ってもよい(例:カルナウバ蝋)。蝋がエレクトレット化された後に融解する場合、エレクトレット蝋はその電荷を失うことがある(例えば電荷の分極はランダム化することがある)。好適な実施例によれば、冷却で比較的低い縮み係数を有する蝋を使用することは、有利であるかもしれない。掃除シートにおける強すぎる程度の剛性を防ぐために、比較的に多少低い、例えば約45から70℃の範囲内の融点を有する蝋を使用することは有利であることが多い。これは比較的に低い染み込み硬度値を有する蝋を選ぶことによって達成されてもよい(ASTM D1321により測定される時)。
【0041】
蝋は比較的に可塑性であるので、比較的に微弱な熱とともに圧力を受けると変形又は撓曲する傾向がある。パラフィンのような好適な蝋は比較的展性があり、掃除シートの外形に従うように適用されてもよい。カルナウバ蝋のようなより高い硬度を有する蝋も受け入れ可能である。硬すぎる蝋は掃除中に掃除シートから「外れる」又は除去されることがある。このような蝋をシートから除去すると、蝋はシートから掃除される表面へ不都合にも移動することがある。より高い硬度の蝋を使用すると、硬さを掃除シートに伝える傾向もあり得る。シートの硬さは、勿論、粒子保持層を形成するために使用される物質、この層の形状、使用される蝋の種類、層上の蝋の量及び配置などを包含する様々なパラメーターの関数である。好適な蝋は一般に、ASTM D 1321によって測定される時、25℃で少なくとも約0.2mm、より一般的に25℃で約0.5から3mmまでの染み込み硬度を有し、その開示を参考として引用し本明細書に組み込む。
【0042】
固体状態での蝋の色は好ましくは白又は透明で、容易に退色又は変色しない。好適な色なし蝋には、パラフィン、トリステアリン蝋のような硬化蝋及び他の硬化植物油が挙げられる。他の好適な蝋は、イエローオレンジ色を持つことがあるような蜜蝋及びカルナウバ蝋のような着色蝋を包含する。細菌及び/又は害虫による退色又は汚染を防ぐために、天然の蝋は好適な実施例により防腐剤で処理されてもよい。
【0043】
好適な蝋は相対的に長い期間「エレクトレット」である必要がある。周囲の空気の水分、湿度及びイオン化のようなエレクトレットを中和させる変数はこのようなエレクトレット蝋に僅かに影響することがある。温度、湿度、及び高度における通常の大気の変化はエレクトレット蝋に有意に影響しない。このような中和変数は、比較的に短い期間(時間)内でそれらを「漏らす」又は消散させることにより最小化されることもあり、エレクトレットの有効な電荷を回復する。このような中和変数はまた、CaCl2のような乾燥物質で包装することにより、除去されるまでエレクトレットの表面を保護する薄い水の層又はホイル層(例:短絡回路)を仮定することにより、又は、本明細書を検討する当業者に、既知の他の方法により最小化されてもよい。
【0044】
好適な蝋は、成形電極により帯電した後、永久的電気モーメントを持つことができる。好適な蝋の範疇には、蜂によって分泌される蜜蝋のような虫白蝋及び動物性の蝋が含まれる。蜜蝋は64℃の融点、25℃で2.0mm及び43.3℃で7.6mmの(染み込み)硬度を有する。好適な蝋には、木蝋、樹脂及びロジン(松脂)も挙げられる。木蝋に制限はなく、キャンデリーラ、オウリカリ、和蝋、オウリカリ蝋、ダグラスファー樹皮蝋、米糠蝋、ジョホバ、トウゴマ蝋、ピメンタ蝋及びカルナウバ蝋が挙げられる。カルナウバ蝋は室温から約75℃まで固体状態で、83℃を超えると液体状態になる。
【0045】
好適な蝋には鉱物の蝋も包含される。鉱物の蝋に制限はなく、モンタン蝋、ピート蝋、地蝋、セレシン蝋及び石油蝋が挙げられる。石油蝋には半晶蝋、微晶蝋及びパラフィン蝋が包含される。微晶蝋は一般に、60〜93℃の範囲内の融点、98.9℃で10〜25mm2/秒の範囲の粘度及び1分子当たり30〜75炭素原子を有する。パラフィン蝋は主にアルカン類を包含し、一般に約45〜70℃の融解範囲、98.9℃で4.2〜7.4mm2/秒の粘度範囲及び1分子当たり20〜36炭素原子を有する。
【0046】
好適な蝋は合成蝋及びアスファルトも包含する。合成蝋に制限はなく、ポリエチレン蝋、フィッシャー・トロプシュ蝋、化学的に変性している炭化水素の蝋、置換されているアミドの蝋、合成蜜蝋及び合成鯨油のような合成蝋、酸化ポリエチレン蝋、硬化ジョホバ油及び、アルキルメチルシロキサン類のようなシリコン蝋(シリコン化合物)が挙げられる。
【0047】
他の好適な蝋にはポリエチレン蝋が挙げられる。ポリエチレン蝋は、蝋状の特性を持つ低分子量(約10,000未満)のポリエチレン類を包含し、一般に石油蝋と共に使用される。ポリエチレン蝋に制限はなく、オレフィンポリマー類、エチレンのホモポリマー類、セイリン(theyleen)のコポリマー、プロピレン、ブタジエン及び、蝋状の特性を有するアクリル酸が挙げられる。あるポリエチレン蝋は、(ASTM D 1321により)86℃の融点、25℃で0.7mm及び60℃で6.1mmの硬度を有するポリワックス500(R)ポリエチレン合成炭化水素蝋(ペトロライト社(Petrolite Corporation)(ミズーリ州、セントルイス)から商業的に入手可能)を包含する。代替実施例では「蝋」は、ポリウレタン、ポリエチレン及び/又は(過)フッ化炭化水素のようなポリマーであってもよい。このようなポリマー類は、実質的にそれらの融点を超えて温度を上げることなくエレクトレット化されてもよい。
【0048】
蝋は相対的に「純粋」であってもよく、又は他の蝋及び物質と組み合わせて使用されてもよい。例えば好適なエレクトレットは、(いくつかを列挙すれば)、等しい重量の樹脂及びカルナウバ、40%のロジン及び60%のカルナウバ、又は、45%のコロホニ−、45%のカルナウバ及び10%の蜜蝋、を有する蝋を使用して作成されてもよい。他の好適なエレクトレットは、カルナウバ蝋を一部、ロジンを一部及び蜜蝋を一部、用いて作成されてもよい。これらの割合は様々に変化させてもよい。
【0049】
代替実施例によれば蝋は、エチルセルロース(セルロースのヒドロキシル基がエトキシ群(OEt)により置換された白い顆粒状の固体)、メタクリル酸エステル樹脂類(すなわち熱、光又は過酸化ベンジルの作用により重合化しているメタクリル酸の固体エステル)及び/又はチタン化合物(例:二酸化チタン及びバリウムチタン)のような、少ない割合の他の構成要素を包含してもよい。チタン化合物を包含すると、冷却期間中カルナウバ蝋のような構成要素の粒子寸法を低減することができ、エレクトレットの表面の電荷を明白に増すことができる。
iii.繊維の、及び他のエレクトレット
繊維(例:織布及び不織布の)及び発泡体は直接(例えばエレクトレット蝋の適用なしで)「エレクトレット」化されてもよい。繊維エレクトレットは一表面を正に帯電させ、他の表面を負に帯電させて、シート又はフィルムの形状で(又は繊維として)作成されてもよい。繊維をエレクトレット化する際の追加的情報としては、バーナードグロス(Bernard Gross)の「汚染制御のためのエレクトレット装置」、最新技術レビュー(State of the Art Review)6巻、オプトソニック出版(Optosonic Press)1972年(エレクトレット物質の特性を検討している)、ニシウラ(Nishiura)らに付与された米国特許第5,057,710号(エレクトレット物質の作成方法を検討している)、アンド−(Ando)らに付与された米国特許第5,429,848号(直流の電界において流体により運ばれる繊維を捕らえることにより形成されるエレクトレットの管状不織布ファブリックを開示している)、米国特許第5,726,107号(異なる物質から作成される少なくとも二種類のエレクトレット繊維を包含する不織布エレクトレット繊維混合物を検討している)及び米国特許第4,486,365号(エレクトレットフィラメント、テキスタイル繊維及び同様の物品を作成するための方法及び装置を検討している)を参照し、各開示を参考として引用し本明細書に組み込む。
【0050】
好適な実施例によれば誘電物質は、強誘電効果によりエレクトレット化されてもよく、そこにおいて作用される圧力により強誘電物質はその二つの表面で反対の極性の電荷を表す。他の好適な実施例によれば、誘電物質は、室温で(例えば6000ルクスの光の照明)光(電荷の変わり)を適用することによりエレクトレット化されてもよい。更に他の実施例によれば、ある種の光電絶縁又は半導電物質は、照明及び強い電界が組み合わされた影響を受けてエレクトレット化されてもよい。更に他の好適な実施例によれば、誘電物質は、摩擦電気効果によりエレクトレット化されてもよい。
b.粒子保持層の素材
コアに使用される繊維は一般に熱可塑性物質から形成される。熱可塑性物質は静電荷を長期間保持すると考えられ、相対的に良好な絶縁特性を有し、ロールフィルム状に形成されてもよく、それが連続的な帯電技術を可能にする。繊維は半合成繊維(アセテート繊維のような)、再生繊維(キュプラ及びレーヨンのような)、天然繊維(木綿及び木綿の混合物のような)及び他の繊維又は天然繊維若しくは合成繊維の組み合わせを包含してもよい。繊維の外側はエレクトレット蝋で覆われてもよい。
【0051】
基部層(すなわちコア)は図2に示されるような多孔性のスポンジ又は発泡体から作成されてもよい。好適な発泡体はポリウレタン発泡体及びラテックス発泡体を包含する。このような発泡体は一般に、化学物質と反応して重合過程中に泡として閉じ込められる気体(例:二酸化炭素)を発生し、それによって発泡体を形成する発泡剤を使用して作成される。他の好適な発泡体にはフェノール樹脂発泡体が挙げられる。フェノール樹脂発泡体は一般に、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのような基本触媒の存在下でフェノールとホルムアルデヒドを反応させ、その後その溶液を中和し蒸留して水を取り除くことにより作成される。このような反応は、反応メトル(reactive methol)群を包含するレゾール(すなわちA段階樹脂)を作成すると考えられる。A段階樹脂は、酸性触媒の存在下及び発泡剤の存在下で更にそれを反応させることにより「硬化」させて、フェノール樹脂を形成することができる(硬化中、ホルムアルデヒド及び水には一般に遊離しているものがある)。A段階樹脂の反応メトル群は更に反応して、重合鎖長及び/又は架橋を拡大して3次元網状組織を形成することができる。
【0052】
基部層(すなわちコア)は、図4に示されるような例示的実施例により、ファブリック物質(例:連続シート)から作成されてもよい。ファブリックは、織る(すなわち織機で二以上の紡ぎ糸の組を直角に織り交ぜる)ことにより作成される伝統的なテキスタイルファブリックのように、又は編む(すなわちそれ自体又は他の上で一以上の紡ぎ糸を相互に輪にする)ことにより、織られてもよい。図4に示されるような好適な実施例によれば、ファブリックは不織布であってもよい。不織布ファブリックは繊維(又はフィラメント又は紡ぎ糸)の層又は網状組織を機械的に(水流交絡によるように)、化学的に又は熱的に結合することにより作成されてもよい。押しだし成形と同時に、繊維若しくはフィラメントを連結することにより、及び/又は比較的に薄いフィルムに穿孔することにより、不織布ファブリックは作成されてもよい。
【0053】
コアの素材はいずれの様々な既知の方法によってエレクトレット化されてもよい。例えば、コア素材はそれらを蝋のようなエレクトレット物質で覆うことによりエレクトレット化されることができる。コア素材は強い静電界で繊維を紡ぐことによりエレクトレット化されてもよい。コア素材は摩擦電気効果(すなわち繊維を他の媒体でこすることにより電荷を誘発する)を使用することによりエレクトレット化されてもよい。好適な実施例によれば、コア素材の少なくとも20%はエレクトレットであり(重量%)、数例ではコア素材の50〜100%程度がエレクトレットであってもよい。コア素材は好適には、約1.0x10−11から1.0x10−3クーロン/cm2まで、より好適には1.0x10−5から1.0x10−3クーロン/cm2までの範囲の電荷を有する。コア素材は、少なくとも約20g/m2の大きさを有するくずを保持する能力を有してもよい。掃除シートのコア又は他の物質の電荷は、部分的に、収集されることを意図される粒子の密度に影響を及ぼすことがある。コアは非エレクトレットの天然繊維又は合成繊維を包含してもよく、コアの破壊強度及び伸びを増す。このような非エレクトレット繊維に制限はなく、羊毛、木綿、セルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリテトラフッ素(PTE:polytetraflourine)、ナイロン、レーヨン、アクリルなど及びそれらの組み合わせを包含してもよい。
エレクトレット蝋の掃除シートへの適用
エレクトレット蝋は掃除シート、又はコア、カバー、裏当て層などのような掃除シートのいずれの要素にも適用されてもよい。蝋は、図5に示されるような、不織布粒子保持層330のようなファブリック構造体上への適用に特に好適である。蝋が「エレクトレット」化される前及び/又はされた後に、蝋は不織布セルロースペーパータオル、水流交絡しているポリエステル又はPLEDGE(R) GRAB−IT(商標)掃除機掃除布(エス.シー.ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド(ウィスコンシン州ラシーン)から商業的に入手可能)のような掃除シートに適用されてもよい。蝋は、図2から図4に示される種類の発泡体粒子保持層又はカバーシート(例えば図2に示されるカバーシート20)に適用されてもよい。他の実施例によれば、エレクトレット蝋は、掃除シートの裏当て層(例えば図4に示されるような裏当て層20)に適用されてもよい。他の代替実施例によれば、蝋は、(例えば図2から図5に示される種類の)中央粒子保持層に適用され、カバー層の孔を通じて、くずを誘引及び収集してもよい。
【0054】
図12に関し、掃除シート420はエレクトレット層424に取り付けられている織布(又は代替的に不織布)微細繊維(マイクロファイバー)層422を有して示される。エレクトレット層424は、エレクトレット蝋で(又は代替的に他の方法によりエレクトレット化されている繊維で)覆われる織布又は不織布ファブリック物質であってもよい。エレクトレット層424及びマイクロファイバー層422は両方共、乾燥表面を掃除するのに特に適している。マイクロファイバー層422は好適には、厚さ約1〜2mmであり、約0.1から約5までの範囲のデニールを有する繊維から構成される。1から3までのデニールを有する相対的に太いマイクロファイバーと、約0.9以下、一般に少なくとも約0.2(好ましくは約0.5から0.9まで)のデニールを有する細い繊維との混合物から形成されるマイクロファイバー層を使用することは有利であるかもしれない。
【0055】
蝋は様々な方法により、並びに様々な形状及び模様で掃除シートに適用されてもよい。融解蝋434は、不連続な箇所又は「島」として図13に示されるような掃除シート430の粒子保持層432に「滴下される」又は適用(付着)されてもよい。融解蝋434はまた、流体のスプレー(空気スプレーガンによるような)で粒子保持層432に小滴の不連続模様(図13に示されるような)として、又は均一のスプレー、シート又は層として適用されてもよい。好適な実施例によれば、蝋は溶剤と組み合わられて蝋の粘度を下げ、粒子保持層上にスプレーされてもよい。溶剤層はその後「急速に気化」又は蒸発し、粒子保持層上に融解蝋又は凝固蝋を残す。パラフィン蝋のための好適な溶剤には、トルエン、ベンゼン、他の炭化水素溶剤、クロロホルム、エーテル及びそれらの混合物が挙げられる。
【0056】
代替実施例によれば、融解蝋434は、「ビーズ」又は図14に示されるような波形の列436の状態で適用されてもよい。蝋はそれが適用される物質上の繊維の外側を覆ってもよく、更に全体的に又は部分的に物質432中に含浸、浸潤又は「浸漬」してもよい。蝋は繊維の交差部分の間で集まってもよく、及び/又は繊維を固着させてもよい。他の代替実施例によれば融解蝋434は、図15に示されるような粒子保持層130の凹部134に堆積されてもよい。他の代替実施例によれば融解蝋は、粒子保持層のいずれかの側面又は表面上の単一の連続層に付着されてもよい。好適な実施例によれば、(蝋が適用される粒子保持物質の乾燥重量に関して)約0.1〜10重量%、より好適には0.5〜5重量%、最も好適には約0.7〜2重量%の蝋が粒子保持層に適用されてもよい。蝋の重量は、蝋が覆ってもよい面積に部分的に関係する。好適な実施例によれば、蝋は少なくとも約10%(粒子保持層の表面積に関して)、より好適には少なくとも約30から50%までを覆う。粒子保持層の相当な割合(例:50%以上)を蝋で処理せずにおくことは有利なことがある。適用される蝋の量は、好ましくは、蝋が適用される物質(例えば粒子保持層)に少なくとも約20g/m2の粒子保持能力を持たせる必要がある。
外側又はカバー層
本発明の掃除シートは、粒子保持層の一部分又は全体を囲んで覆うカバーを包含してもよい。図2に関し、コア30はカバー層20により覆われ又は囲まれて示されるので、コア30は掃除される作業表面又は表面66と実質的には接触しない。カバー層20は実質的に連続的で一般に平面的である。図4に示されるような例示的な実施例によれば、コア30は「サンドイッチ状の」様式又はパックされる様式で上部カバー層322と底部又は裏当て層320の間に配置されてもよい。カバー層322は一般に、繊細な表面(例:木、ガラス、プラスチックなど)又は硬い表面を掃除するために滑らかで従順な(例えば可撓性のある)一般的な平面シートである。他の好適な実施例によれば、空間又は他の中間層がコアと単数又は複数のカバー層の間に配置されてもよい。
【0057】
裏当て層は、コア又はカバー層より硬く及び/又はより大きい坪量を有し、掃除シートに支持性及び構造性を提供してもよい。他の好適な実施例によれば、空間又は他の中間層は裏当て層と外側ファブリック層の間に配置されてもよい。裏当て層が所望の程度の可撓性を有し、全体としてシートに充分な支持性を提供することができるような、様々な素材が裏当て層としての使用に好適である。裏当て層としての使用に好適な素材の例には、使用中の裂け又は伸びに抵抗するのに充分な強度をシートに提供することができる、多種多様の軽量な(例えば約10〜75g/m2の坪量を有する)可撓性物質が包含される。裏当て層は一般に、相対的に薄く(例えば約0.05mmから約0.5mmまでの厚さを有する)、相対的に孔なしであることができる。好適な素材の例は、合成及び/又は天然ポリマーから形成される、スパンボンド(spunbond)及び熱接着不織布シートを包含する。掃除シートを生産するために利用され得る他の裏当て素材は、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン又はそれらの混合物から形成される相対的に孔のない可撓性層を包含する。特定の用途に必要な性能基準を満たすならば、裏当て層はまた水流交絡された不織布繊維から作成されることもできる。好適な裏当て層の特定の一例は、約20から50g/m2までの坪量を有するスパンボンドポリプロピレンシートである。
【0058】
図5に示されるように、開口(穴22として示される)は、物質の連続的シートであってもよいカバー層322において一体成形されてもよい。穴は円形の形状(図7に示されるような)であってもよいが、他の形状(例:四角形、星形、楕円形、不規則形など)又は代替実施例による形状の組み合わせであってもよい。穴22の他の実施例である穴122は、図8の不規則な形状を有して示される。好適な実施例によれば、カバー層に穿孔することにより穴を形成してもよい。穴22は一般に、有意な寸法のくず(例:0.5〜100.0mmまで)に粒子保持層を通過させるのに充分な寸法である。穴を通過後、くずは粒子保持層の孔(すなわち空洞)に流入する。穴22の各々は、他のいかなる穴の直径よりも大きい主要な径D1及び、主要な径D1に垂直な最大横断軸である第二の径D2を有する(例えば図8参照)。好適な実施例によれば、穴の全ての平均主要径は、約1から10mmまでの範囲、より好適には約2から5mmまでの範囲であってもよい。
【0059】
穴22の各々は横断寸法を有してもよい。平均横断寸法は、穴のD1+D2の合計の半分に等しい(すなわち平均横断寸法=(D1+D2)/2)。穴の各々の平均断面積は一般に少なくとも約1mm2、より一般的には約1から約100mm2までの範囲、最も好適には約5から約25mm2までの範囲である。好適な実施例によれば、カバー層の外側表面の全表面積に対する全ての穴の断面積は一般に、約30%から95%まで、より好適には70%から90%までである。穴の数及び穴の平均断面積は、掃除される表面からコアを離してくずをコアの中に維持しながら、穴を通過するくずが最大量となるように選択される。
【0060】
カバー層は低いくず保持性(すなわちくずを有意に誘引又は収集しない)を持つ物質から作成されてもよく、一般にコアより低いくず保持性を有する。好適な実施例によれば、カバー層は熱可塑性物質から作成されてもよい。熱可塑性物質又は繊維に制限はなく、ポリエステル類、ポリアミド類及びポリオレフィン類、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイロン、レーヨン、アクリルなど及びそれらの組み合わせを包含してもよい。熱可塑性物質はメルトブローン(melt blown)工程により生産されてもよい。くずを有意に誘引しない他の物質は、相対的に高程度の絡み合い係数を有する、きっちり詰められている繊維を有する繊維性織布ファブリック及び不織布ファブリックを包含する。更に他のそのような物質は、穿孔ポリマー繊維又はシートのような非繊維性物質を包含する。好適な実施例によれば、カバー層はスパンボンド又は熱接着ポリプロピレンであることができる。他の好適な実施例によれば、カバー層は、天然物質(ゴム、ラテックスなどのような)、並びにポリオレフィン類(ポリプロピレン及びポリブチレンのような)、ポリエステル類(ポリエチレン、ポリウレタンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートのような)、ポリアミド類(ナイロン6及びナイロン66のような)、アクリロニトリル類、ビニルポリマー類、ビニリデンポリマー類(塩化ポリビニル及び塩化ポリビニリデンのような)、改質ポリマー類及びそれらの混ぜ物又は混合物のような合成物質及び相対的に高い塵保持能力を有する他の物質から作成されてもよい。
カバー層と粒子保持層の結合
メルトボンディング(融解接合)のようなファスナー(図3に縫い目126として示される)によりカバー層はコアに取り付けられてもよい。ファスナーは、カバー層をコアに接着するか、さもなければ固定するための一方法として機能することを意図される。好適な実施例によれば接着剤によりカバー層をコアに取り付けてもよい。接着剤は、掃除される表面に関して相対的に柔軟で擦傷性がない種類であることが必要である。接着剤はまた、くずにカバー層の開口部を通過させ、実質的にくずを保持しないことも必要である。接着剤は、固体層、連続模様(例:円又は曲がりくねった模様)、不連続模様(例:点の行列の連続するライン)又はチェッカー盤、十字、十文字などのような所望される他のいずれの模様としても適用されてもよい。接着物質は、カバー層、コア又は他のいずれの好適な中間面(あるならば)若しくは裏当て層に適用されてもよい。他の好適な実施例によれば、カバー層は全体で又は部分的にコアと結合されてもよい(例:超音波、赤外線、特定箇所における熱可塑性物質のメルトボンディング、スポット溶着など)。更に他の好適な実施例によれば、カバー層は、絡み合い(例:水流交絡)により又は他のファスナー(例:建築用接着剤、クリップ、エンボス加工など)によりコアに取り付けられてもよい。
掃除シートの寸法
カバー層及びコアの物理的寸法は一般に重要であるとは考えられない。カバー層20の外側外辺部は一般に、図(複数)に示されるようにコア30の外側外辺部より大きく、くず68はコア30に保持される前にカバー層20の穴22を通過するであろう。図2に示されるようなカバー層20は、コア30の厚さT2より一般に薄い厚さT1を有する。例に限定されないが、カバー層は約1mmまで、好ましくは0.05から0.5mmまでの平均厚さを有することができる。コアは約5mmまでの、好ましくは1から2mmまでの平均厚さを有することができる。図1に示されるような好適な実施例によれば、カバー層20はコア30のそれに類似する形状及び外形を有する。掃除シートは長さ約8インチ及び幅約12インチを有してもよい。
掃除道具及び使用方法
パッド10は単独で(例えば、ぼろとして)又は表面66を掃除するための他の道具及び用具との組み合わせで使用されてもよい。パッド10は一般に掃除される表面66のいずれの外形(例:滑らか、ぎざぎざ、凹凸のある、裂け目のあるなど)にも従うために可撓性である。従ってパッド10は、堅い剛性の表面を掃除するのに特に好適である。他の実施例によれば、パッド10は半剛性で平らな表面を掃除するのに特に好適であってもよい。パッド10はまた、カーペット、ラグ、室内装飾材料及び他の柔軟な物品のような相対的に柔軟な表面を掃除するために使用されてもよい。
【0061】
図1に関し、パッド10は例示的実施例による掃除用具(塵モップ60として示される)の掃除頭部62に取り付けられて示される。頭部62は、パッド10を取り付けるための締着具(ばねクリップ82として示される)を提供するキャリッジ(運び台)80を包含する。細長い剛性部材(分割しているハンドル64として示される)を取り付ける取り付け構造体84がキャリッジ80に取り付けられる。取り付け構造体84はソケット(ボールジョイント90として示される)に回転可能に取り付けられるy字形末端部88を有するヨーク(アーム86として示される)を包含する。アダプター(接続具92として示される)は、直線的にアーム86をハンドル64に取り付ける。好適な実施例によれば、掃除用具は掃除シートを固定することに適合している箒、ブラシ、つや出し器、ハンドルなどであってもよい。掃除シートは様々な締着具(例:摩擦クリップ、螺子、接着剤、保持フィンガーなど)のいずれかにより掃除用具に取り付けられてもよい。他の好適な実施例によれば、掃除シートは単一体として又は複数のシート(例:ストリップ又はモップの「ヘア」)として取り付けられてもよい。
【0062】
掃除用具の構成要素、つまり取り付け構造体、アダプター、ハンドル及び、エレクトレット化された蝋は個々に又は組み合わせで(例:道具一式又はパッケージとして)提供されてもよい。掃除用具の構成要素はコンパクト化及び迅速な取り換えのために直ちに、容易に及び迅速に現場(例:作業場、家庭、事務所など)で又は販売場所で組み立て及び分解されてもよい。掃除用具はまた、事前に組み立てて、及び/又は単一の状態で提供されてもよい。好適な実施例によれば、掃除シートはPLEDGE(R) GRAB−IT(商標)掃除機(エス.シー.ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド(ウィスコンシン州ラシーン)から商業的に入手可能)と共に使用するように形成される。
【0063】
表面66を掃除するために、パッド10はクリップ82によりモップ60の頭部62に固定されてもよい。パッド10は表面66と接触して表面66に沿って動かされる(例:水平方向に、垂直方向に、回転する動きで、線状の動きでなど)。表面66からのくず68は、カバー層20の穴22を通して提供される、又は誘引される。コア30のエレクトレット物質の静電荷は、カバー層20の穴22を通ってコア30の中までくず68を引っぱる、又は引き寄せてもよい(図2参照)。コア30の孔(空洞部34として示される)は、くず68をパッド10の空洞部32内に保持し、及び/又は運び去る。カバー層20の外側表面は実質的にくず68を誘引又は保持しないので、パッド10のカバー層20の外側表面には実質的にくず68がない。使用後、パッド10は使い捨てにする、又は掃除する(例えば、洗濯する、振る、くずを除去するなど)ために、モップ60から取り外されてもよい。他の好適な実施例によれば、掃除シートは表面を掃除するために単独で(例えば手で保持して)使用されてもよい。図1に示されるような代替実施例によれば、エレクトレット蝋は室温でパッド10に適用されてもよい。
【0064】
(産業上の利用可能性)
本発明の掃除シートは、商業的に入手可能な技術、装置及び物質を使用して製造されることができる。更に、その布はプラスチック、木、カーペット、ファブリック、ガラスなどのような様々な表面に使用されてもよい。掃除シートを使用する掃除道具及び表面を掃除する方法もまた、本明細書において提供される。掃除道具は完全な道具として又は掃除用具一式の形態で生産されてもよい。完全な道具は、手袋、塵払い及びローラーを包含する。表面を掃除するために使用されるように設計される、本発明による道具一式は一般に、掃除頭部及び、掃除頭部に連結されることができる掃除シートを包含する。更に道具一式は、掃除頭部に取り付け可能なヨーク及びヨークに取り付けるための細長いハンドルを包含することができる。完全に組み立てられた掃除道具として提供されても又は道具一式として提供されても、掃除道具は、掃除シートが取り外し可能に掃除頭部に取り付けられることを可能にする掃除頭部を包含してもよい。
試験方法
c.破壊強度(機械横断方向)
掃除シートの各々から幅30mmを有する試料をシートの繊維方向に垂直な方向に(すなわち機械横断方向に)切断してもよい。試料は引っ張り試験機でチャックからチャックまで100mmの距離をチャックで押さえ、繊維方向に垂直な方向に300mm/分の速度で延伸させてもよい。シートが破れ始める荷重の値(応力/ひずみ測定によって得られる連続する曲線の最初の最高値)を、破壊強度とすることができる。
d.500g/30mmの荷重での伸び
上記の機械横断方向での破壊強度の測定において、500gの荷重での試料の伸びが測定されてもよい。この試験の目的のために、「伸び」は、500gの引っ張り荷重がストリップに作用される時の、掃除シート素材の30mmストリップの長さ(%)における相対的な増加と定義される。
c.絡み合い係数
不織布繊維集合体からスクリムは除去されてもよい。スクリムが格子状の網状構造体を有する場合、これは一般に接続部で網状組織のシートを作り上げる繊維を切断し、ピンセットで不織布繊維集合体から網状組織のシートの破片を慎重に取り除くことにより達成される。幅15mmを有する試料はシートの繊維方向に垂直な方向に(機械横断方向に)切断されてもよい。試料は引っ張り試験機でチャックからチャックまで50mmの距離をチャックで押さえ、繊維方向に垂直な方向に(機械横断方向)30mm/分の速度で延ばされてもよい。試料の伸びに関する引っ張り荷重値F(グラム)が測定されてもよい。引っ張り荷重値Fを試料の幅(メートル)及び不織布繊維集合体Wの坪量(g/m2)で割ることにより得られる値が、応力S(メートル)される。応力ひずみ曲線は、伸び(%で表す「ひずみ」)に対する応力(「S」)をプロットすることにより得られる(すなわち応力S[m]=(F/0.015)/W)。
【0065】
繊維の絡み合いを通してのみ保持される不織布繊維集合体について、応力ひずみ(伸び)曲線の最初の段階で、直線関係が一般に得られる。直線の勾配は、絡み合い係数E(メートル)として計算される。例えば、図9に示される実例的な応力ひずみ曲線(ここで縦軸は応力を表し、横軸はひずみを表し、Oは原点を表す)では、直線の関係の限界はPで表され、Pでの応力はSPで表され、PでのひずみはγPで表される。このような場合、絡み合い係数は、E=SP/γPとして計算される。例えば、SP=60m及びγP=86%の時、Eは、E=60/0.86=70mとして計算される。線OPは厳密には必ずしも直線ではない。このような場合、直線は線OPを近似する。
【0066】
例示的な実施例を数例のみ説明したが、本発明は特定の一実施例に限定されない。実際、本発明を所定のコンテクストで実行するために当業者は、本発明の真の意図及び範囲から著しく逸脱することなく、本明細書に説明される実施例の変化形(例えば、様々な要素の寸法、構造、形状及び特性、パラメーターの値、取り付け配置又は物質の使用における変化)を考案してもよい。本発明の真意から逸脱することなく、本明細書の詳細に様々な修正が行われてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】例示的実施例による掃除用具の斜視図である。
【図2】例示的実施例による、図1の線2−2に沿って取られる掃除シートの横断面図である。
【図3】他の例示的実施例による掃除シートの断片的部分的分解断面図である。
【図4】他の例示的実施例による掃除シートの断片的部分的分解断面図である。
【図5】他の例示的実施例による掃除シートの断片的部分的分解断面図である。
【図6】好適な実施例によるスクリムの上部平面図である。
【図7】好適な実施例による掃除シートの断片的上部平面図である。
【図8】本発明の好適な実施例による掃除シートの穴の断片的上部平面図である。
【図9】垂直の軸は応力を表し、水平の軸はひずみを表し、Oは原点を表す、応力ひずみ曲線を示す。
【図10】蝋をエレクトレット化するための装置の断面図である。
【図11】図10に示される装置により形成されるエレクトレット蝋の断面図である。
【図12】エレクトレット層及びマイクロファイバー層を包含する掃除シートの断面図である。
【図13】不連続模様で分配されるエレクトレット蝋を含有する掃除シートの上部平面図である。
【図14】列の模様で分配されるエレクトレット蝋を含有する掃除シートの断面図である。
【図15】粒子保持層の凹部に付着されるエレクトレット蝋を示す、図3の掃除シートの断面図である。
(背景技術)
テーブルのような掃除される表面から塵を除去するための塵ふき布は、一般に既知である。このような既知の塵ふき布は一般に、織布ファブリック又は不織布ファブリックから作成され、その塵を保持するために湿潤な油性物質が噴霧される又はそれで被覆されることが多い。しかしこのような既知の塵ふき布は使用後、表面に油性の薄膜を残す傾向がある。
【0002】
他の既知の塵ふき布は、絡み合う繊維間に塵を保持するための空間を有する、不織布が絡み合う繊維を包含する。絡み合う繊維は一般に網状組織の格子又はスクリム構造体により支持され、そのような布に追加的な強度を提供することができる。しかしそのような布は使用中に塵で飽和状態になることがある(すなわち塵の集積)及び/又は稠密な粒子、大きい粒子、若しくは他のくずを捕らえる際に、完全に有効ではないことがある。
【0003】
従って、塵及びくずを捕らえて保持することができる掃除シートを提供することは有利である。また、増加した塵収集能力を持つ掃除シートを提供することも有利である。油性スプレーを使用することなく、くずを誘引する掃除シートを提供することも、有利である。相対的に大きい、及び/又は、より稠密なくずの粒子を保持する掃除シートを提供することも、有利である。これらの、又は他の有利な特徴のいずれか一つ以上を包含する掃除シートを提供することは、更に有利である。
【0004】
(発明の開示)
本発明は、一般に(例えば家庭又は作業環境において)、表面の掃除に使用するためなどの掃除シートの分野に関係する。より詳細には、本発明は、塵、より大きい粒子、及び/又は他のくずを収集及び保持するための掃除シートに関係する。
【0005】
粒子捕獲システム又は掃除シートが提供される。掃除シートは、テーブル、床、家具などの物品のような表面から、粒子及び他のくずを掃除及び除去するために有用である。掃除シートは多くの層又はシートを包含し、くずの保持性及び/又は強度を増してもよい。シートは一般に、粒子を収集及び保持するためのエレクトレット物質を含有する粒子保持層(例:基部層)を包含する。エレクトレット物質は、粒子保持層の少なくとも一部の上に付着される、及び/又はその中に含浸される、エレクトレット蝋であってもよい。
【0006】
シートは、粒子保持層の少なくとも一部を覆う外側層(例:カバー層)を包含してもよい。カバー層は、くずがそこを通って押し込められる、及び/又は誘引される複数の孔を包含してもよい。これらの孔はカバー層の大部分を構成してもよく、一般に少なくとも約1.0mm2の(横)断面積を有する。好適なカバー層の例には、約1.0から約10.0mm2までの平均横断面積を有する複数の孔を有する物質が挙げられる。カバー層は一般に塵保持性の低い物質から形成される(例:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から形成される孔あきシート)。カバー層は、塵保持性の低い物質を包含し、そこを通過するよう形成される複数の孔を有する表面を含む。
【0007】
掃除シートを組み込んでいる掃除用具も提供される。この用具は掃除シートに連結することに適合している掃除頭部を包含してもよい。掃除シートは表面を掃除するための掃除用具一式の一部として包装されてもよい。この用具一式は、シートに連結することに適合している掃除頭部及び掃除頭部に連結することに適合しているハンドルを包含してもよい。
【0008】
表面を掃除する方法も提供される。この方法は、掃除される表面を掃除シートに接触させることを包含する。掃除される表面からのくずは、粒子保持層の中に引っ張られ、及び/又は押し込められ、掃除シートにより保持されてもよい。
【0009】
掃除シートの様々な実施例では、粒子保持層はカバー層、裏打ちシート若しくは層又はコア層であってもよい。粒子保持層は、均一な平面シート又は凸凹を包含する起伏のある表面であってもよい。エレクトレット化された蝋のようなエレクトレット物質は一般に、粒子保持層の少なくとも一部分の上に付着(堆積)する及び/又その中に含浸され、その粒子収集及び/又は保持能力を増す。
【0010】
くずを収集及び保持するための掃除用具を作成する方法も提供される。この方法は、織布繊維、不織布繊維及び/又は発泡体のような粒子保持物質を含む掃除シートを形成することを、含む。この方法は非エレクトレット蝋を粒子保持物質の少なくとも一部に適用(付着)することを包含する。電界がシートに印加され、少なくとも蝋において永久電荷を誘導する。これは一般に、粒子保持物質を実質的に軟化させることなく蝋を融解するのに充分な温度まで、シートを加熱することにより達成されることができる。蝋がまだ融解状態である時に、電界はシートに印加される。電界は、蝋が電気的に帯電されるのに充分な大きさと継続時間である。これは例えば、融解蝋を有するシートにコロナ放電を通過させることにより達成されることができる。帯電した蝋はその後冷却され、蝋を凝固し、それにより比較的永久に蝋は帯電される。
【0011】
本発明のシートは、蝋が粒子保持物質に適用(付与)されている時、融解蝋が電界に曝される方法によっても形成されることができる。例えば融解蝋は、融解状態のまま電界を通過する態様で、連続的又は不連続的な模様で粒子保持物質の層の一部分上に噴霧されることができる。蝋が物質と接触して(又はその後すぐ)、凝固するのに充分な低温で粒子保持物質を保持することは一般に有利である。
【0012】
掃除シートは一般に、相応の量の可撓性を保つために、全体として比較的に低い破壊強度を有する。用語「破壊強度」を本明細書で使用する時は、引っ張り荷重が掃除シートに作用される時に掃除シートが破れ始める荷重の値(すなわち引っ張り強さを測定する間の最初の最高値)を意味する。しかしシートの破壊強度は、使用中は、掃除シートの「開口」又は裂けを防ぐのに十分に高いことが必要である。掃除シートの破壊強度は一般に、少なくとも約500g/30cmであり、1500g/30cmから4000g/30cmまでの破壊強度を有する掃除シートは、本明細書で説明される掃除道具との使用に非常に好適である。
【0013】
掃除用具、取り付け構造体などと共に使用されることを意図される時、掃除シートは一般に、比較的低い全体的伸びを有し、掃除シートの「バンチング(集群)」又は「しわ」への抵抗を助勢する。本明細書で使用される用語「伸び」は、500g/30mmの引っ張り荷重が作用される時の掃除シートの伸び率(%)を意味する。例えば掃除シートが、固定的に取り付けられているモップ又は同様の掃除道具と共に使用されるように設計されている時、本発明の掃除シートは一般に、約25%以下、好ましくは約15%以下の伸びを有する。
【0014】
用語「表面」及び「掃除される表面」を本明細書で使用する時は、広い用語であり、限定的な用語としては意図されていない。用語、表面を本明細書で使用する時は、実質的に堅い又は剛性の表面(例:家具、テーブル、棚、床、天井、堅い備品、家庭用具などの物品)、並びに、相対的に柔軟な、又は半剛性の表面(例:ラグ、カーペット、柔らかい備品、リネン、衣類など)を包含する。
【0015】
用語「くず」を本明細書で使用する時は、広い用語であり、限定的な用語としては意図されていない。塵及び他の細かい粒状物質に加えて、用語くずは、従来の塵用ぼろきれで収集されないことがある、例えば、大きい寸法のごみ、食べこぼし、パンくず、土、砂、糸くず、並びに繊維及び毛髪の廃物片のような、約1mmより大きい平均直径を有する比較的に大きい寸法の粒状物質、並びに塵及び他の細かい粒状物質を包含する。
【0016】
本明細書中で、本文は、掃除シート、及び/又はシートの使用、若しくは形成方法の、様々な実施例を引用している。検討される様々な実施例は、単に例示的なものであり、本発明の範囲を限定することを意味するものではない。説明される様々な実施例は、様々な例示的な例を提供することが意図され、様々な実施例の説明は範囲が重なり合うことがあるので、必ずしも代替種の説明であると解釈されるべきではない。
【0017】
(詳細な説明)
粒状物質及び他のくず(例:塵、土、他の浮揚物質、糸くず、毛髪など)を収集、誘引、及び保持するための掃除シート(塵パッド10として示される)の一例が、図1に示される。パッド10は、粒状物質(図2にくず68として示される)を誘引し(例えば収集する)、保持するための静電気力で永久的に帯電されている「エレクトレット」基部又はコア粒子保持層30を包含する。くず68は、パッド10が掃除される表面(図1に作業面66として示される)に沿って移動する時、粒子保持層30の中に引っ張られ、及び/又は、押し込められる。コア30の孔(空洞34として示される)は、パッド10の空洞部32内でくず68を保持し、及び/又は、運び去る(例えば図2参照)。
【0018】
粒状物質は、エレクトレット物質において、粒状物質を「閉じ込める」及び保持するためにエレクトレット物質の全て又は一部を覆う、又は取り囲むことができる、カバーシートにより更に保持されてもよい。外側層又はカバー層20は、相対的に低いくず保持能力(すなわち有意にくずを誘引又は収集しない)を有する物質から作成されてもよく、一般にコアより低いくず保持性を有するので、カバー層20の外側表面には実質的にくず68がない。有意に塵を収集しない例示的な物質の例には、ポリテトラフルオロエチレンから形成される孔あきシートが挙げられる。一般にカバー層は約10g/m2以下、より好適には約1から5g/m2以下の粒状物質を保持するように形成される。
粒子保持層
本発明の掃除シートは粒子保持層を包含し、少なくともその一部は、(すなわち、永久に帯電された)エレクトレット物質を含有する。シートは、カバー層20に近接するパッド10内に配置される粒子保持表面32を包含するコア30を包含することができる。他の実施例では、掃除シートは単純に粒子保持層(例:不織布マイクロファイバー(微細繊維)のスクリム支持層及びエレクトレット蝋で被覆された少なくともその一部)からなってもよい。粒子保持表面32の空洞部34は有意な量のくず68を捕獲、収集及び保持する。例えば、くずは空洞部の壁に埋め込まれてもよい。好適な実施例によれば、粒子保持層は成形ファブリック、可撓性物質の連続するシート又は物質の多重シートであってもよい。図2に関し、空洞部34はコア30に不規則に分配されている孔から形成されることができる。空洞部34は円形形状を持つが、いずれの形状でもよく、又は、図2に示されるような円、ぎざぎざ、不規則などのような形状の組み合わせであってもよい。例えば空洞部は四角形、星形、楕円形又は不規則な形状であってもよい。空洞部は図3に描かれるように規則的な模様で配置されてもよく、不規則に配置されてもよい。
【0019】
空洞部の寸法及び深さは好ましくは、捕獲されたくずが、掃除される表面をひっかき又は損傷しない、充分な寸法の「ポケット」又は空洞を造るのに充分大きい必要がある。しかし空洞部は、好ましくは余り深くないので、くずが空洞部と接触するのは困難である。空洞部は、一般にある程度、保持されることを意図される粒子の寸法次第で、約1から10mmまで、より好適には2から5mmまでの範囲の平均幅を有する。空洞部は一般に約0.1から5mmまで、より好適には1から3mmまでの範囲の平均深さを有する。
【0020】
図3は、掃除シートの例示的な実施例である、パッド110の断面図を示す。パッド110は一観点においてパッド10と実質的に異なる、すなわちコア30の構造は変えられている。この改良以外で、図3に示されるパッド110の構造、性能及び機能は実質的にパッド10と同じであり、同じ要素を表すのに同じ参照番号が使用されている。パッド110のコア130は織られて孔を形成する(凹部134として示される)。凸部(外側に延伸している可撓性で半剛性の指状突起部136)はコア130からカバー層20に向かって延伸している。フィンガー136は一般に四角形であるが、他の実施例に従う他の形状(例:ジグザグ、曲線形、波形など)であってもよい。指状突起部136は列状の模様で配置され示されるが、他の好適な実施例により他の模様または外形(例:円形、不規則形など)であってもよく、フィンガー136はくず68を保持するための凹部134を画定する(例えば二つの突起部の間で)。凹部134の内側に保持される時、くず68はカバー層20により実質的にパッド110の内部から逃げるのを妨げられる。
【0021】
図4は掃除シートの他の例示的な実施例であるパッド210を示す。パッド210は、二つの観点においてパッド10とは実質的に異なる、すなわちコア30の構造が変えられ、コア30の素材が変えられている。これらの改良以外で、パッド210の構造、性能及び機能はパッド10と実質的に同じであり、同じ要素を表すのに同じ参照番号が使用されている。パッド210のコア230が(例えば正弦(シヌソイド)波として)形成され、くず68を保持するための孔(凹部234として示される)を形成する。上部カバー層20は底部カバー層20でコア230を「挟む」又は底部カバー層20に押しつける。突起部(凸部236として示される)はコア230から延伸して凹部234を形成する。凸部236は一般に先のとがっていない形状で、傾斜している又は勾配のある壁240を包含する。凸部236の勾配のある形状は、くず68を収集及び保持するために凹部234において追加的表面積を提供する。図4に示されるように凸部236は列状模様又は波模様で配置される。上部粒子保持面232の凸部236は互い違いの模様で配置され、面232の凸部236は、底部粒子保持面238の凹部234に対応する。他の好適な実施によれば、突起部(すなわち凸部)及び孔(すなわち凹部)は様々な他の模様で配置されてもよい(例えば、上部粒子保持面の突起部は底部粒子保持面の突起部に対応し、列状の様式又は波状の様式で配置される)。他の好適な実施例によれば(図4及び5に示されるように)、粒子保持層(すなわちコア)は少なくとも二面を包含し、孔(すなわち空洞部)は粒子保持層の各面上に配置される。
【0022】
図5は掃除シートの他の例示的な実施例であるパッド310を示す。パッド310は二つの観点においてパッド10と実質的に異なる、すなわちコア30の構造が変えられ、コア30の素材が変えられている。これらの改良以外で、パッド310の構造、性能及び機能は実質的にパッド10と同じであり、同じ要素を表すために同じ参照番号が使用されている。パッド310のコア330は不織布繊維の絡み合う網状組織から作成され示される。くずを捕獲するための孔は絡み合う繊維の間の空間により形成される(すなわち、くずはコアを形成する繊維間に保持される)。他の実施例によれば、コアは様々な構造で形成される物質の様々な組み合わせから作成されてもよい。
【0023】
用語「不織布」を本明細書で使用する時は、中間に入れられる個々の繊維又は糸の構造を有するウェブを包含するが、編んだファブリックにおけるように必ずしも規則的な又は識別し得る態様ではない。この用語は、個々のフィラメント及びストランド、ヤーン又は「タウ」、並びに、発泡体及びフィルムをも包含するもので、フィブリル化され、開口され又は他の方法で処理されて、ファブリックのような特性を与えるものである。不織布ファブリック又はウェブは、例えばメルトブローン、スパンボンド及びボンドカードのような多くの製造法で形成されてきた。不織布ファブリックの坪量は通常、1平方ヤード当たりの物質のオンス数(「osy」)又は1平方メートル当たりのグラム数(「gsm」)で表され、有用な繊維の直径は、通常、ミクロンで表される。坪量は、osyの値に33.91を掛けることにより、単純にosyからgsmに変換されることができる。他の好適な実施例によれば、繊維は織られてもよい。
【0024】
例示的な実施例によれば、ウェブ又は格子(図6にスクリム50として示される)は、不織布シートの繊維を支持してもよい。これは、掃除のために使用される充分な強度を保持しつつ、相対的に低い絡み合い係数(例:約800m以下)を有するシートの生産を可能にする。図5に示されるように、スクリムは繊維の中に一体的に埋め込まれて、単一の支持構造体を形成してもよい。図6ではスクリム50は、「網状組織」の形態で配置される、垂直部材54に取り付けられる水平部材52を有する網を備える。空間(穴56として示される)が垂直部材54と水平部材52の間に形成され、スクリム50にメッシュ又は格子状の構造を与える。様々な実施例によれば、スクリムの水平部材及び垂直部材は、織る、点溶着、締めつけ、結ぶなどのような様々な方法で共に接続されることができる。穴56の平均直径は一般に20から500mmまで、より好適には100から200mmまでの間の範囲である。繊維間の距離は一般に約2から30mmまでの間に、より好適には約4から20mmまでの間にある。あるいは不織布シートは、フィラメントの周囲でマイクロファイバー(微細繊維)を水流で絡み合わせることにより生じる機械的な力により単純に適所に保持される、シートに埋め込まれるフィラメントにより補強されてもよい。
【0025】
繊維はスクリム50の各側面に重ねられ、繊維をスクリム50に取り付け、それにより単一片又は構造体としてパッド310を形成してもよい。低水圧の水の噴射が引き続き作用し、繊維を互いに、及びスクリム50と絡み合わせ(すなわち水流交絡)、不織布繊維の相対的にゆるい絡み合いを形成してもよい。繊維の水流交絡は、水の噴射による水を除去する(例えば乾燥する)間に、更に増加することがある(スクリムは乾燥中、幾らか「縮み」があり、「しわが寄った」又は起伏のある表面を有するファブリックを造ってもよい)。繊維は様々な他の従来方法(例:エアレイド(air laid)、接着剤、織り、など)によりウェブ(すなわちスクリム)に取り付けられてもよい。繊維は一般にウェブに絡まって単一体を形成し、掃除中のウェブからの繊維の「抜け落ち」を防ぐのを助勢する。ウェブは、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステルなどのような様々な好適な物質から形成されてもよい。例示的なウェブ(すなわちスクリム)は、米国特許第5,525,397号に説明され、その開示を参考として引用し本明細書に組み込む。
【0026】
コアにおける繊維の絡み合いの程度は「絡み合い係数」により測定されることができる。絡み合い係数は「CD初期係数」とも呼ばれる。用語「絡み合い係数」を本明細書で使用する時は、繊維集合体における繊維方向に垂直な方向(機械横断方向:cross machine direction)について測定される、応力ひずみ曲線の初期勾配を指す。用語「応力」を本明細書で使用する時は、引っ張り荷重値を、チャッキング幅(すなわち引っ張り強度測定中の検査ストリップの幅)及び、不織布繊維の集合体の坪量で割ることにより得られる値を意味する。用語「ひずみ」は、本明細書で使用する時は、掃除シート素材の伸びの測定量である。
【0027】
掃除シート形成の際に使用するのに好適な不織布繊維集合体は、約20から500mまで(いずれかの補強フィラメント又は網状組織が不織布繊維性ウェブから取り除かれた後測定される時)、より一般的には約250m以下の範囲の絡み合い係数を有する。絡み合い係数の小さい値は一般に、より小さい程度の繊維の絡み合いを表す。絡み合い係数は、繊維の種類及び量、繊維の重量、水の量及び圧力などを選択することにより部分的に制御されてもよい(繊維の絡み合いを論じている米国特許第5,525,397号、第4欄52行から第5欄26行まで参照)。
【0028】
コア(例:図5に示されるようなコア330)は、大きい自由度及び充分な強度を有する繊維を有する不織布集合体層を包含してもよく、それは掃除シート内に塵及びより大きい粒子を効果的に収集及び保持するために有利なことがある。一般に繊維の絡み合いによって形成される不織布ファブリックは、繊維の融合又は接着によってのみ形成される不織布ファブリックにおけるよりも、構成繊維のより高い自由度を有する。繊維の絡み合いにより形成される不織布ファブリックは、不織布ファブリックの繊維と塵の間の絡み合いにより、良好な塵収集性能を表すことができる。繊維の絡み合いの程度は塵の保持性に大きい影響を及ぼす。すなわち絡み合いが強すぎる場合、繊維が動く自由度は低くなり、塵の保持性は一般に低減する。対照的に、繊維の絡み合いが非常に弱い場合、不織布ファブリックの強度は顕著に低くなり、不織布ファブリックの加工性は、その強度不足故に問題になるかもしれない。また、非常に低い程度の絡み合いを有する不織布集合体からは、不織布ファブリックからの繊維の抜け落ちが発生する傾向が強い。
【0029】
本発明の掃除シートの生産において使用するのに好適な不織布集合体は、比較的に低い水圧で繊維性ウェブ(埋め込まれている支持フィラメント、若しくは網状組織シートを、有する、または有しない)を水流交絡させることにより形成されることができる。例えば毛羽立っているポリエステル不織布ウェブにおける繊維は、不織布繊維ウェブを約25〜50kg/cm3の圧力で高速射出される水で処理することにより、網状組織シートと充分絡み合わせられる。ウェブが実質的になめらかな、孔なし支持ドラム又はベルトの上を通過する時、水はウェブの上に配置される穴から射出されることができる。穴は一般に0.05と0.2mmの間にわたる直径を有し、2m以下の間隔で水供給パイプの下に列状に好適に配置されることができる。
【0030】
繊維集合体の絡み合い係数が約800mの最大値で設定される場合、繊維集合体のみで構成されるシートが充分な破壊強度及び伸びの値を達成することは困難なことがある。繊維をスクリム50に絡み合わせて単一体にすることにより、この層の伸びは低く保たれ、その加工性は増すことができる。掃除シートからの繊維の抜け落ちは、掃除シートの繊維集合体におけるそれとほぼ同じ絡み合い状態の繊維集合体のみから構成される従来の絡み合うシートと比較する時、顕著に妨げられることが多い。
【0031】
絡み合い係数が小さすぎる場合(例:約10から20mまで以下)、繊維は充分に絡み合わない。更に繊維とスクリムの間の絡み合いも同様に弱くなりがちである。その結果、繊維の抜け落ちは頻繁に発生する。絡み合い係数が大きすぎる場合(例:約700から800mまでより大きい)、強すぎる絡み合い故に繊維の充分な自由度は得られない。これにより繊維が塵、毛髪及び/又は他のくずと容易に絡み合うのが妨げられ、シートの掃除性能は充分でないことがある。
【0032】
掃除シートは一般に、比較的低い坪量を有するコア層として不織布繊維集合体を包含する。不織布繊維集合体の坪量は一般に、30から100g/m2までの範囲内、一般に約75g/m2以下である。不織布繊維集合体の坪量が約30g/m2未満である場合、掃除作業中、塵は不織布繊維集合体を容易に通過し過ぎ、その塵収集能力は制限されることがある。不織布繊維集合体の坪量が大きすぎる(例:実質的に約150g/m2より大きい)場合、不織布繊維集合体の中の繊維(あるとすれば)は一般に、所望の絡み合いの程度を達成するような絡み合いを互いに充分行わないことがある。更に不織布繊維集合体の加工性は悪化することがあり、掃除シートからの繊維の抜け落ちがより頻繁に発生することがある。不織布繊維集合体における繊維のデニール、不織布繊維集合体において使用される繊維の長さ、横断面形状及び強度は一般に、性能に関係する要素に加えて、加工性及び費用への見方で決定される。
【0033】
掃除シートは一般に外側ファブリック層(すなわち、シートの清掃面上の材料)として、相対的に低い坪量を有する外側不織布繊維層又は網/ウェブを包含する。特定の好適な実施例によれば、不織布層又は網は約20から150g/m2まで、好ましくは30から75g/m2までの範囲の坪量を有する。低い坪量は、掃除シートに「流線状の」又はコンパクトな外見及び感触を提供するのを助けることができる。掃除シートの坪量は約50から250g/m2までであってもよい(又は、掃除シートの意図される用途次第でそれより大きい若しくは小さい)。
【0034】
掃除シートは繊維又はマイクロファイバーから形成される不織布ファブリックを包含してもよい。用語「デニール」を本明細書で使用する時、長さ9000mの繊維のグラム重量と定義される。粒子保持層の繊維のデニールは、好適には約0.1〜6、より好適には約0.5〜3である。
a.粒子保持層の静電気特性
粒子保持層は、全体的に又は部分的に「エレクトレット化」されてもよい誘電物質を包含してもよい。エレクトレットは長期間(例:複数年)静電荷を保持する。エレクトレットは電界又は静電界の相対的に永続的な源であると考えられる。故に掃除シート(例:粒子保持層、カバー層、裏当て層など)において誘電物質をエレクトレット化することは、それにより掃除シート上に静電荷を引き起こすことがある。このような静電荷ができると、掃除シートは掃除の過程中、くずを誘引、収集、捕獲及び保持する能力を増すことがある(従来の非エレクトレット物質に接着する又はそれに囲まれるくずを有する、一般にくずに物理的に接触するだけの従来の非エレクトレット物質と比較されたい)。
【0035】
外部の電界の印加は、誘電物質を「エレクトレット化」することがある。誘電体における分子及び電荷は、ある方向又はモーメントに「極性を持つ」又は方向付けされる。結果として生じるエレクトレットは、永久静電界を生じる電気内部量分極を有すると考えられる。エレクトレットの相対する外面は反対の静電荷を表す。単に外部表面の分子及び電荷だけでなく、内部分子及び電荷が分極されるので、静電配向はエレクトレットの全質量中に広がる。故に、エレクトレットの破壊又は分割は多数のエレクトレットを生じさせる(例えば永久磁石の破壊同様に)。
【0036】
誘電物質をエレクトレット化することは、誘電開始物質及び調製方法次第で異質電荷、同質電荷又はそれら両方を包含することができる。本明細書で使用される「同質電荷」とは、近接する成形電極の極性と同じ極性の誘電体の電荷である。成形電極は電界を誘電体に印加し、誘電体を「エレクトレット」化する。同質電荷は、エステル類及び/又はアルコール類を包含する化合物においてしばしば発生すると考えられる。本明細書において使用される「異質電荷」は、成形電極の極性と反対の極性を持つ誘電体の電荷である。異質電荷は一般に安定ではない。成形電極による電界の印加後、異質電荷の電荷は極性の反転が発生するまで低減し、明らかな均衡に到達する。結果として得られるエレクトレットは、対応する成形電極と同じ極性を持つ表面電荷(例:同質電荷)を帯びる。
i.蝋のエレクトレット
蝋はエレクトレット化されてもよい。蝋は、エレクトレット又は非エレクトレットのいずれかの状態で掃除シートに適用(付着)されてもよい。蝋をエレクトレット化する一方法は次のとおりである。この一方法によれば、融解状態の好適な蝋(図10にパラフィン400として示される)がコンデンサ又は型(スズホイル404として示される覆いで覆われる平たい真鍮の鉢402として示される)に注入される。ヒーター(ガスバーナー406として示される)がパラフィン400の融解を促進してもよい。電界が印加される時、パラフィン400が完全な流体状態に融解する場合、特に好適な結果が得られることがある。代替実施例によれば、蝋を融解することなくエレクトレットは形成されることがある。このような実施例では、蝋は一般に加熱され、電界に曝される前に柔軟な状態を達成する。
【0037】
パラフィン400が(例えばほぼ室温まで)冷却され凝固すると、電界源410により電圧が印加される。電界源410は正の成形電極412、負の成形電極414及びコンデンサ402に電気接続されている接地416を持って示される。パラフィン400は、パラフィン400を電気的に「飽和する」のに充分に高い電位で電気的圧力を受けて凝固する。蝋には、約10V/cm程度の電界及び約15kV/cmより多い電界によりエレクトレット化されてもよいものがある。約500〜10000Vの高電位の直接電圧は蝋に電荷を永久に設定するのに充分なことがあり、他の好適な電圧は約1800Vであり、それは約11kV/cmの電界に対応する(好適な実施例では、交流又は直流電流は電界を作ることがある)。電界は部分的に、蝋が凝固するのに必要な時間によることがある。パラフィン400が完全に凝固した後、電界が取り除かれる時、好適な結果が得られることがあるが、尚も上昇した温度のままである。他の好適な実施例によれば、帯電は約1時間パラフィン400に適用される。
【0038】
電極412及び414は、約2〜5cmの範囲の直径を有するスズ、真鍮又は銅のディスクのような従来のいずれの電極であってもよい。電極412及び414は、またホイル404に包まれ、パラフィン400による汚れを抑制してもよく、ホイル404は凝固後のパラフィン400の除去を容易にする。電界を取り除いた後、ホイル404の下層は結果として生じるエレクトレットパラフィン400上に残されてもよい。ホイル404の上層は除去されて、エレクトレットを「ショート」させるように配置される、ゆるいホイル(示されない)により取り換えられてもよい。生じるエレクトレットパラフィン400の横断面図は図11に示される。蝋は、本開示を検討する当業者に既知の他の方法によりエレクトレット化されてもよい。
【0039】
パラフィンに電界が印加される時、分子又は分子の集団はそれらの軸と共に電界の方向を向き、パラフィンが凝固する時、分子はその方向を保持することが、いずれの特定の理論にも限定されることを意図することなく考えられる。分子のこのような配向はパラフィンに永久の電気極性を保持させる(すなわち分子を冷却すると、パラフィン内の双極分子は印加される電界により決定される方向に「凍る」)。
【0040】
生じるエレクトレット蝋は少なくとも約5x10−11C/cm2、好適には約1x10−10C/cm2から2x10−9C/cm2までの範囲の量で存在する、及びほぼ約30kV/cmから1.7nC/cm2もの極性化されている電荷を持ってもよい。生じるエレクトレット蝋の電荷が長期間の間に消散することは考えられない。例えば米国特許第2,284,039号は、エレクトレット蝋が少なくとも「数年」間エレクトレットのままであり得ることを予見している。エレクトレット蝋の形成に関する追加的情報としては、エレクトレット蝋の調製を論じている米国特許第2,986,524号を参照されたい。その開示を参考として引用し本明細書に組み込む。
ii.好適な蝋
本明細書に使用される「蝋」は、周囲の温度で可塑性の固体であり、適度に上昇した温度に曝される時、低粘度の液体になる物質である。好適な蝋はほぼ室温で固体状態であり、一般に約40から85℃までの範囲の融点を有し、製造中の掃除シートの融解、燃焼又は軟化を防ぐ。このように好適な蝋の例には、この範囲内に融点を有するポリオレフィン、ポリエステル及びフッ素重合体が挙げられる。特に、蝋が「エレクトレット」化された後に掃除シートに適用される場合、他の好適な蝋は約85℃を超える融点を持ってもよい(例:カルナウバ蝋)。蝋がエレクトレット化された後に融解する場合、エレクトレット蝋はその電荷を失うことがある(例えば電荷の分極はランダム化することがある)。好適な実施例によれば、冷却で比較的低い縮み係数を有する蝋を使用することは、有利であるかもしれない。掃除シートにおける強すぎる程度の剛性を防ぐために、比較的に多少低い、例えば約45から70℃の範囲内の融点を有する蝋を使用することは有利であることが多い。これは比較的に低い染み込み硬度値を有する蝋を選ぶことによって達成されてもよい(ASTM D1321により測定される時)。
【0041】
蝋は比較的に可塑性であるので、比較的に微弱な熱とともに圧力を受けると変形又は撓曲する傾向がある。パラフィンのような好適な蝋は比較的展性があり、掃除シートの外形に従うように適用されてもよい。カルナウバ蝋のようなより高い硬度を有する蝋も受け入れ可能である。硬すぎる蝋は掃除中に掃除シートから「外れる」又は除去されることがある。このような蝋をシートから除去すると、蝋はシートから掃除される表面へ不都合にも移動することがある。より高い硬度の蝋を使用すると、硬さを掃除シートに伝える傾向もあり得る。シートの硬さは、勿論、粒子保持層を形成するために使用される物質、この層の形状、使用される蝋の種類、層上の蝋の量及び配置などを包含する様々なパラメーターの関数である。好適な蝋は一般に、ASTM D 1321によって測定される時、25℃で少なくとも約0.2mm、より一般的に25℃で約0.5から3mmまでの染み込み硬度を有し、その開示を参考として引用し本明細書に組み込む。
【0042】
固体状態での蝋の色は好ましくは白又は透明で、容易に退色又は変色しない。好適な色なし蝋には、パラフィン、トリステアリン蝋のような硬化蝋及び他の硬化植物油が挙げられる。他の好適な蝋は、イエローオレンジ色を持つことがあるような蜜蝋及びカルナウバ蝋のような着色蝋を包含する。細菌及び/又は害虫による退色又は汚染を防ぐために、天然の蝋は好適な実施例により防腐剤で処理されてもよい。
【0043】
好適な蝋は相対的に長い期間「エレクトレット」である必要がある。周囲の空気の水分、湿度及びイオン化のようなエレクトレットを中和させる変数はこのようなエレクトレット蝋に僅かに影響することがある。温度、湿度、及び高度における通常の大気の変化はエレクトレット蝋に有意に影響しない。このような中和変数は、比較的に短い期間(時間)内でそれらを「漏らす」又は消散させることにより最小化されることもあり、エレクトレットの有効な電荷を回復する。このような中和変数はまた、CaCl2のような乾燥物質で包装することにより、除去されるまでエレクトレットの表面を保護する薄い水の層又はホイル層(例:短絡回路)を仮定することにより、又は、本明細書を検討する当業者に、既知の他の方法により最小化されてもよい。
【0044】
好適な蝋は、成形電極により帯電した後、永久的電気モーメントを持つことができる。好適な蝋の範疇には、蜂によって分泌される蜜蝋のような虫白蝋及び動物性の蝋が含まれる。蜜蝋は64℃の融点、25℃で2.0mm及び43.3℃で7.6mmの(染み込み)硬度を有する。好適な蝋には、木蝋、樹脂及びロジン(松脂)も挙げられる。木蝋に制限はなく、キャンデリーラ、オウリカリ、和蝋、オウリカリ蝋、ダグラスファー樹皮蝋、米糠蝋、ジョホバ、トウゴマ蝋、ピメンタ蝋及びカルナウバ蝋が挙げられる。カルナウバ蝋は室温から約75℃まで固体状態で、83℃を超えると液体状態になる。
【0045】
好適な蝋には鉱物の蝋も包含される。鉱物の蝋に制限はなく、モンタン蝋、ピート蝋、地蝋、セレシン蝋及び石油蝋が挙げられる。石油蝋には半晶蝋、微晶蝋及びパラフィン蝋が包含される。微晶蝋は一般に、60〜93℃の範囲内の融点、98.9℃で10〜25mm2/秒の範囲の粘度及び1分子当たり30〜75炭素原子を有する。パラフィン蝋は主にアルカン類を包含し、一般に約45〜70℃の融解範囲、98.9℃で4.2〜7.4mm2/秒の粘度範囲及び1分子当たり20〜36炭素原子を有する。
【0046】
好適な蝋は合成蝋及びアスファルトも包含する。合成蝋に制限はなく、ポリエチレン蝋、フィッシャー・トロプシュ蝋、化学的に変性している炭化水素の蝋、置換されているアミドの蝋、合成蜜蝋及び合成鯨油のような合成蝋、酸化ポリエチレン蝋、硬化ジョホバ油及び、アルキルメチルシロキサン類のようなシリコン蝋(シリコン化合物)が挙げられる。
【0047】
他の好適な蝋にはポリエチレン蝋が挙げられる。ポリエチレン蝋は、蝋状の特性を持つ低分子量(約10,000未満)のポリエチレン類を包含し、一般に石油蝋と共に使用される。ポリエチレン蝋に制限はなく、オレフィンポリマー類、エチレンのホモポリマー類、セイリン(theyleen)のコポリマー、プロピレン、ブタジエン及び、蝋状の特性を有するアクリル酸が挙げられる。あるポリエチレン蝋は、(ASTM D 1321により)86℃の融点、25℃で0.7mm及び60℃で6.1mmの硬度を有するポリワックス500(R)ポリエチレン合成炭化水素蝋(ペトロライト社(Petrolite Corporation)(ミズーリ州、セントルイス)から商業的に入手可能)を包含する。代替実施例では「蝋」は、ポリウレタン、ポリエチレン及び/又は(過)フッ化炭化水素のようなポリマーであってもよい。このようなポリマー類は、実質的にそれらの融点を超えて温度を上げることなくエレクトレット化されてもよい。
【0048】
蝋は相対的に「純粋」であってもよく、又は他の蝋及び物質と組み合わせて使用されてもよい。例えば好適なエレクトレットは、(いくつかを列挙すれば)、等しい重量の樹脂及びカルナウバ、40%のロジン及び60%のカルナウバ、又は、45%のコロホニ−、45%のカルナウバ及び10%の蜜蝋、を有する蝋を使用して作成されてもよい。他の好適なエレクトレットは、カルナウバ蝋を一部、ロジンを一部及び蜜蝋を一部、用いて作成されてもよい。これらの割合は様々に変化させてもよい。
【0049】
代替実施例によれば蝋は、エチルセルロース(セルロースのヒドロキシル基がエトキシ群(OEt)により置換された白い顆粒状の固体)、メタクリル酸エステル樹脂類(すなわち熱、光又は過酸化ベンジルの作用により重合化しているメタクリル酸の固体エステル)及び/又はチタン化合物(例:二酸化チタン及びバリウムチタン)のような、少ない割合の他の構成要素を包含してもよい。チタン化合物を包含すると、冷却期間中カルナウバ蝋のような構成要素の粒子寸法を低減することができ、エレクトレットの表面の電荷を明白に増すことができる。
iii.繊維の、及び他のエレクトレット
繊維(例:織布及び不織布の)及び発泡体は直接(例えばエレクトレット蝋の適用なしで)「エレクトレット」化されてもよい。繊維エレクトレットは一表面を正に帯電させ、他の表面を負に帯電させて、シート又はフィルムの形状で(又は繊維として)作成されてもよい。繊維をエレクトレット化する際の追加的情報としては、バーナードグロス(Bernard Gross)の「汚染制御のためのエレクトレット装置」、最新技術レビュー(State of the Art Review)6巻、オプトソニック出版(Optosonic Press)1972年(エレクトレット物質の特性を検討している)、ニシウラ(Nishiura)らに付与された米国特許第5,057,710号(エレクトレット物質の作成方法を検討している)、アンド−(Ando)らに付与された米国特許第5,429,848号(直流の電界において流体により運ばれる繊維を捕らえることにより形成されるエレクトレットの管状不織布ファブリックを開示している)、米国特許第5,726,107号(異なる物質から作成される少なくとも二種類のエレクトレット繊維を包含する不織布エレクトレット繊維混合物を検討している)及び米国特許第4,486,365号(エレクトレットフィラメント、テキスタイル繊維及び同様の物品を作成するための方法及び装置を検討している)を参照し、各開示を参考として引用し本明細書に組み込む。
【0050】
好適な実施例によれば誘電物質は、強誘電効果によりエレクトレット化されてもよく、そこにおいて作用される圧力により強誘電物質はその二つの表面で反対の極性の電荷を表す。他の好適な実施例によれば、誘電物質は、室温で(例えば6000ルクスの光の照明)光(電荷の変わり)を適用することによりエレクトレット化されてもよい。更に他の実施例によれば、ある種の光電絶縁又は半導電物質は、照明及び強い電界が組み合わされた影響を受けてエレクトレット化されてもよい。更に他の好適な実施例によれば、誘電物質は、摩擦電気効果によりエレクトレット化されてもよい。
b.粒子保持層の素材
コアに使用される繊維は一般に熱可塑性物質から形成される。熱可塑性物質は静電荷を長期間保持すると考えられ、相対的に良好な絶縁特性を有し、ロールフィルム状に形成されてもよく、それが連続的な帯電技術を可能にする。繊維は半合成繊維(アセテート繊維のような)、再生繊維(キュプラ及びレーヨンのような)、天然繊維(木綿及び木綿の混合物のような)及び他の繊維又は天然繊維若しくは合成繊維の組み合わせを包含してもよい。繊維の外側はエレクトレット蝋で覆われてもよい。
【0051】
基部層(すなわちコア)は図2に示されるような多孔性のスポンジ又は発泡体から作成されてもよい。好適な発泡体はポリウレタン発泡体及びラテックス発泡体を包含する。このような発泡体は一般に、化学物質と反応して重合過程中に泡として閉じ込められる気体(例:二酸化炭素)を発生し、それによって発泡体を形成する発泡剤を使用して作成される。他の好適な発泡体にはフェノール樹脂発泡体が挙げられる。フェノール樹脂発泡体は一般に、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのような基本触媒の存在下でフェノールとホルムアルデヒドを反応させ、その後その溶液を中和し蒸留して水を取り除くことにより作成される。このような反応は、反応メトル(reactive methol)群を包含するレゾール(すなわちA段階樹脂)を作成すると考えられる。A段階樹脂は、酸性触媒の存在下及び発泡剤の存在下で更にそれを反応させることにより「硬化」させて、フェノール樹脂を形成することができる(硬化中、ホルムアルデヒド及び水には一般に遊離しているものがある)。A段階樹脂の反応メトル群は更に反応して、重合鎖長及び/又は架橋を拡大して3次元網状組織を形成することができる。
【0052】
基部層(すなわちコア)は、図4に示されるような例示的実施例により、ファブリック物質(例:連続シート)から作成されてもよい。ファブリックは、織る(すなわち織機で二以上の紡ぎ糸の組を直角に織り交ぜる)ことにより作成される伝統的なテキスタイルファブリックのように、又は編む(すなわちそれ自体又は他の上で一以上の紡ぎ糸を相互に輪にする)ことにより、織られてもよい。図4に示されるような好適な実施例によれば、ファブリックは不織布であってもよい。不織布ファブリックは繊維(又はフィラメント又は紡ぎ糸)の層又は網状組織を機械的に(水流交絡によるように)、化学的に又は熱的に結合することにより作成されてもよい。押しだし成形と同時に、繊維若しくはフィラメントを連結することにより、及び/又は比較的に薄いフィルムに穿孔することにより、不織布ファブリックは作成されてもよい。
【0053】
コアの素材はいずれの様々な既知の方法によってエレクトレット化されてもよい。例えば、コア素材はそれらを蝋のようなエレクトレット物質で覆うことによりエレクトレット化されることができる。コア素材は強い静電界で繊維を紡ぐことによりエレクトレット化されてもよい。コア素材は摩擦電気効果(すなわち繊維を他の媒体でこすることにより電荷を誘発する)を使用することによりエレクトレット化されてもよい。好適な実施例によれば、コア素材の少なくとも20%はエレクトレットであり(重量%)、数例ではコア素材の50〜100%程度がエレクトレットであってもよい。コア素材は好適には、約1.0x10−11から1.0x10−3クーロン/cm2まで、より好適には1.0x10−5から1.0x10−3クーロン/cm2までの範囲の電荷を有する。コア素材は、少なくとも約20g/m2の大きさを有するくずを保持する能力を有してもよい。掃除シートのコア又は他の物質の電荷は、部分的に、収集されることを意図される粒子の密度に影響を及ぼすことがある。コアは非エレクトレットの天然繊維又は合成繊維を包含してもよく、コアの破壊強度及び伸びを増す。このような非エレクトレット繊維に制限はなく、羊毛、木綿、セルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリテトラフッ素(PTE:polytetraflourine)、ナイロン、レーヨン、アクリルなど及びそれらの組み合わせを包含してもよい。
エレクトレット蝋の掃除シートへの適用
エレクトレット蝋は掃除シート、又はコア、カバー、裏当て層などのような掃除シートのいずれの要素にも適用されてもよい。蝋は、図5に示されるような、不織布粒子保持層330のようなファブリック構造体上への適用に特に好適である。蝋が「エレクトレット」化される前及び/又はされた後に、蝋は不織布セルロースペーパータオル、水流交絡しているポリエステル又はPLEDGE(R) GRAB−IT(商標)掃除機掃除布(エス.シー.ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド(ウィスコンシン州ラシーン)から商業的に入手可能)のような掃除シートに適用されてもよい。蝋は、図2から図4に示される種類の発泡体粒子保持層又はカバーシート(例えば図2に示されるカバーシート20)に適用されてもよい。他の実施例によれば、エレクトレット蝋は、掃除シートの裏当て層(例えば図4に示されるような裏当て層20)に適用されてもよい。他の代替実施例によれば、蝋は、(例えば図2から図5に示される種類の)中央粒子保持層に適用され、カバー層の孔を通じて、くずを誘引及び収集してもよい。
【0054】
図12に関し、掃除シート420はエレクトレット層424に取り付けられている織布(又は代替的に不織布)微細繊維(マイクロファイバー)層422を有して示される。エレクトレット層424は、エレクトレット蝋で(又は代替的に他の方法によりエレクトレット化されている繊維で)覆われる織布又は不織布ファブリック物質であってもよい。エレクトレット層424及びマイクロファイバー層422は両方共、乾燥表面を掃除するのに特に適している。マイクロファイバー層422は好適には、厚さ約1〜2mmであり、約0.1から約5までの範囲のデニールを有する繊維から構成される。1から3までのデニールを有する相対的に太いマイクロファイバーと、約0.9以下、一般に少なくとも約0.2(好ましくは約0.5から0.9まで)のデニールを有する細い繊維との混合物から形成されるマイクロファイバー層を使用することは有利であるかもしれない。
【0055】
蝋は様々な方法により、並びに様々な形状及び模様で掃除シートに適用されてもよい。融解蝋434は、不連続な箇所又は「島」として図13に示されるような掃除シート430の粒子保持層432に「滴下される」又は適用(付着)されてもよい。融解蝋434はまた、流体のスプレー(空気スプレーガンによるような)で粒子保持層432に小滴の不連続模様(図13に示されるような)として、又は均一のスプレー、シート又は層として適用されてもよい。好適な実施例によれば、蝋は溶剤と組み合わられて蝋の粘度を下げ、粒子保持層上にスプレーされてもよい。溶剤層はその後「急速に気化」又は蒸発し、粒子保持層上に融解蝋又は凝固蝋を残す。パラフィン蝋のための好適な溶剤には、トルエン、ベンゼン、他の炭化水素溶剤、クロロホルム、エーテル及びそれらの混合物が挙げられる。
【0056】
代替実施例によれば、融解蝋434は、「ビーズ」又は図14に示されるような波形の列436の状態で適用されてもよい。蝋はそれが適用される物質上の繊維の外側を覆ってもよく、更に全体的に又は部分的に物質432中に含浸、浸潤又は「浸漬」してもよい。蝋は繊維の交差部分の間で集まってもよく、及び/又は繊維を固着させてもよい。他の代替実施例によれば融解蝋434は、図15に示されるような粒子保持層130の凹部134に堆積されてもよい。他の代替実施例によれば融解蝋は、粒子保持層のいずれかの側面又は表面上の単一の連続層に付着されてもよい。好適な実施例によれば、(蝋が適用される粒子保持物質の乾燥重量に関して)約0.1〜10重量%、より好適には0.5〜5重量%、最も好適には約0.7〜2重量%の蝋が粒子保持層に適用されてもよい。蝋の重量は、蝋が覆ってもよい面積に部分的に関係する。好適な実施例によれば、蝋は少なくとも約10%(粒子保持層の表面積に関して)、より好適には少なくとも約30から50%までを覆う。粒子保持層の相当な割合(例:50%以上)を蝋で処理せずにおくことは有利なことがある。適用される蝋の量は、好ましくは、蝋が適用される物質(例えば粒子保持層)に少なくとも約20g/m2の粒子保持能力を持たせる必要がある。
外側又はカバー層
本発明の掃除シートは、粒子保持層の一部分又は全体を囲んで覆うカバーを包含してもよい。図2に関し、コア30はカバー層20により覆われ又は囲まれて示されるので、コア30は掃除される作業表面又は表面66と実質的には接触しない。カバー層20は実質的に連続的で一般に平面的である。図4に示されるような例示的な実施例によれば、コア30は「サンドイッチ状の」様式又はパックされる様式で上部カバー層322と底部又は裏当て層320の間に配置されてもよい。カバー層322は一般に、繊細な表面(例:木、ガラス、プラスチックなど)又は硬い表面を掃除するために滑らかで従順な(例えば可撓性のある)一般的な平面シートである。他の好適な実施例によれば、空間又は他の中間層がコアと単数又は複数のカバー層の間に配置されてもよい。
【0057】
裏当て層は、コア又はカバー層より硬く及び/又はより大きい坪量を有し、掃除シートに支持性及び構造性を提供してもよい。他の好適な実施例によれば、空間又は他の中間層は裏当て層と外側ファブリック層の間に配置されてもよい。裏当て層が所望の程度の可撓性を有し、全体としてシートに充分な支持性を提供することができるような、様々な素材が裏当て層としての使用に好適である。裏当て層としての使用に好適な素材の例には、使用中の裂け又は伸びに抵抗するのに充分な強度をシートに提供することができる、多種多様の軽量な(例えば約10〜75g/m2の坪量を有する)可撓性物質が包含される。裏当て層は一般に、相対的に薄く(例えば約0.05mmから約0.5mmまでの厚さを有する)、相対的に孔なしであることができる。好適な素材の例は、合成及び/又は天然ポリマーから形成される、スパンボンド(spunbond)及び熱接着不織布シートを包含する。掃除シートを生産するために利用され得る他の裏当て素材は、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン又はそれらの混合物から形成される相対的に孔のない可撓性層を包含する。特定の用途に必要な性能基準を満たすならば、裏当て層はまた水流交絡された不織布繊維から作成されることもできる。好適な裏当て層の特定の一例は、約20から50g/m2までの坪量を有するスパンボンドポリプロピレンシートである。
【0058】
図5に示されるように、開口(穴22として示される)は、物質の連続的シートであってもよいカバー層322において一体成形されてもよい。穴は円形の形状(図7に示されるような)であってもよいが、他の形状(例:四角形、星形、楕円形、不規則形など)又は代替実施例による形状の組み合わせであってもよい。穴22の他の実施例である穴122は、図8の不規則な形状を有して示される。好適な実施例によれば、カバー層に穿孔することにより穴を形成してもよい。穴22は一般に、有意な寸法のくず(例:0.5〜100.0mmまで)に粒子保持層を通過させるのに充分な寸法である。穴を通過後、くずは粒子保持層の孔(すなわち空洞)に流入する。穴22の各々は、他のいかなる穴の直径よりも大きい主要な径D1及び、主要な径D1に垂直な最大横断軸である第二の径D2を有する(例えば図8参照)。好適な実施例によれば、穴の全ての平均主要径は、約1から10mmまでの範囲、より好適には約2から5mmまでの範囲であってもよい。
【0059】
穴22の各々は横断寸法を有してもよい。平均横断寸法は、穴のD1+D2の合計の半分に等しい(すなわち平均横断寸法=(D1+D2)/2)。穴の各々の平均断面積は一般に少なくとも約1mm2、より一般的には約1から約100mm2までの範囲、最も好適には約5から約25mm2までの範囲である。好適な実施例によれば、カバー層の外側表面の全表面積に対する全ての穴の断面積は一般に、約30%から95%まで、より好適には70%から90%までである。穴の数及び穴の平均断面積は、掃除される表面からコアを離してくずをコアの中に維持しながら、穴を通過するくずが最大量となるように選択される。
【0060】
カバー層は低いくず保持性(すなわちくずを有意に誘引又は収集しない)を持つ物質から作成されてもよく、一般にコアより低いくず保持性を有する。好適な実施例によれば、カバー層は熱可塑性物質から作成されてもよい。熱可塑性物質又は繊維に制限はなく、ポリエステル類、ポリアミド類及びポリオレフィン類、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイロン、レーヨン、アクリルなど及びそれらの組み合わせを包含してもよい。熱可塑性物質はメルトブローン(melt blown)工程により生産されてもよい。くずを有意に誘引しない他の物質は、相対的に高程度の絡み合い係数を有する、きっちり詰められている繊維を有する繊維性織布ファブリック及び不織布ファブリックを包含する。更に他のそのような物質は、穿孔ポリマー繊維又はシートのような非繊維性物質を包含する。好適な実施例によれば、カバー層はスパンボンド又は熱接着ポリプロピレンであることができる。他の好適な実施例によれば、カバー層は、天然物質(ゴム、ラテックスなどのような)、並びにポリオレフィン類(ポリプロピレン及びポリブチレンのような)、ポリエステル類(ポリエチレン、ポリウレタンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートのような)、ポリアミド類(ナイロン6及びナイロン66のような)、アクリロニトリル類、ビニルポリマー類、ビニリデンポリマー類(塩化ポリビニル及び塩化ポリビニリデンのような)、改質ポリマー類及びそれらの混ぜ物又は混合物のような合成物質及び相対的に高い塵保持能力を有する他の物質から作成されてもよい。
カバー層と粒子保持層の結合
メルトボンディング(融解接合)のようなファスナー(図3に縫い目126として示される)によりカバー層はコアに取り付けられてもよい。ファスナーは、カバー層をコアに接着するか、さもなければ固定するための一方法として機能することを意図される。好適な実施例によれば接着剤によりカバー層をコアに取り付けてもよい。接着剤は、掃除される表面に関して相対的に柔軟で擦傷性がない種類であることが必要である。接着剤はまた、くずにカバー層の開口部を通過させ、実質的にくずを保持しないことも必要である。接着剤は、固体層、連続模様(例:円又は曲がりくねった模様)、不連続模様(例:点の行列の連続するライン)又はチェッカー盤、十字、十文字などのような所望される他のいずれの模様としても適用されてもよい。接着物質は、カバー層、コア又は他のいずれの好適な中間面(あるならば)若しくは裏当て層に適用されてもよい。他の好適な実施例によれば、カバー層は全体で又は部分的にコアと結合されてもよい(例:超音波、赤外線、特定箇所における熱可塑性物質のメルトボンディング、スポット溶着など)。更に他の好適な実施例によれば、カバー層は、絡み合い(例:水流交絡)により又は他のファスナー(例:建築用接着剤、クリップ、エンボス加工など)によりコアに取り付けられてもよい。
掃除シートの寸法
カバー層及びコアの物理的寸法は一般に重要であるとは考えられない。カバー層20の外側外辺部は一般に、図(複数)に示されるようにコア30の外側外辺部より大きく、くず68はコア30に保持される前にカバー層20の穴22を通過するであろう。図2に示されるようなカバー層20は、コア30の厚さT2より一般に薄い厚さT1を有する。例に限定されないが、カバー層は約1mmまで、好ましくは0.05から0.5mmまでの平均厚さを有することができる。コアは約5mmまでの、好ましくは1から2mmまでの平均厚さを有することができる。図1に示されるような好適な実施例によれば、カバー層20はコア30のそれに類似する形状及び外形を有する。掃除シートは長さ約8インチ及び幅約12インチを有してもよい。
掃除道具及び使用方法
パッド10は単独で(例えば、ぼろとして)又は表面66を掃除するための他の道具及び用具との組み合わせで使用されてもよい。パッド10は一般に掃除される表面66のいずれの外形(例:滑らか、ぎざぎざ、凹凸のある、裂け目のあるなど)にも従うために可撓性である。従ってパッド10は、堅い剛性の表面を掃除するのに特に好適である。他の実施例によれば、パッド10は半剛性で平らな表面を掃除するのに特に好適であってもよい。パッド10はまた、カーペット、ラグ、室内装飾材料及び他の柔軟な物品のような相対的に柔軟な表面を掃除するために使用されてもよい。
【0061】
図1に関し、パッド10は例示的実施例による掃除用具(塵モップ60として示される)の掃除頭部62に取り付けられて示される。頭部62は、パッド10を取り付けるための締着具(ばねクリップ82として示される)を提供するキャリッジ(運び台)80を包含する。細長い剛性部材(分割しているハンドル64として示される)を取り付ける取り付け構造体84がキャリッジ80に取り付けられる。取り付け構造体84はソケット(ボールジョイント90として示される)に回転可能に取り付けられるy字形末端部88を有するヨーク(アーム86として示される)を包含する。アダプター(接続具92として示される)は、直線的にアーム86をハンドル64に取り付ける。好適な実施例によれば、掃除用具は掃除シートを固定することに適合している箒、ブラシ、つや出し器、ハンドルなどであってもよい。掃除シートは様々な締着具(例:摩擦クリップ、螺子、接着剤、保持フィンガーなど)のいずれかにより掃除用具に取り付けられてもよい。他の好適な実施例によれば、掃除シートは単一体として又は複数のシート(例:ストリップ又はモップの「ヘア」)として取り付けられてもよい。
【0062】
掃除用具の構成要素、つまり取り付け構造体、アダプター、ハンドル及び、エレクトレット化された蝋は個々に又は組み合わせで(例:道具一式又はパッケージとして)提供されてもよい。掃除用具の構成要素はコンパクト化及び迅速な取り換えのために直ちに、容易に及び迅速に現場(例:作業場、家庭、事務所など)で又は販売場所で組み立て及び分解されてもよい。掃除用具はまた、事前に組み立てて、及び/又は単一の状態で提供されてもよい。好適な実施例によれば、掃除シートはPLEDGE(R) GRAB−IT(商標)掃除機(エス.シー.ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド(ウィスコンシン州ラシーン)から商業的に入手可能)と共に使用するように形成される。
【0063】
表面66を掃除するために、パッド10はクリップ82によりモップ60の頭部62に固定されてもよい。パッド10は表面66と接触して表面66に沿って動かされる(例:水平方向に、垂直方向に、回転する動きで、線状の動きでなど)。表面66からのくず68は、カバー層20の穴22を通して提供される、又は誘引される。コア30のエレクトレット物質の静電荷は、カバー層20の穴22を通ってコア30の中までくず68を引っぱる、又は引き寄せてもよい(図2参照)。コア30の孔(空洞部34として示される)は、くず68をパッド10の空洞部32内に保持し、及び/又は運び去る。カバー層20の外側表面は実質的にくず68を誘引又は保持しないので、パッド10のカバー層20の外側表面には実質的にくず68がない。使用後、パッド10は使い捨てにする、又は掃除する(例えば、洗濯する、振る、くずを除去するなど)ために、モップ60から取り外されてもよい。他の好適な実施例によれば、掃除シートは表面を掃除するために単独で(例えば手で保持して)使用されてもよい。図1に示されるような代替実施例によれば、エレクトレット蝋は室温でパッド10に適用されてもよい。
【0064】
(産業上の利用可能性)
本発明の掃除シートは、商業的に入手可能な技術、装置及び物質を使用して製造されることができる。更に、その布はプラスチック、木、カーペット、ファブリック、ガラスなどのような様々な表面に使用されてもよい。掃除シートを使用する掃除道具及び表面を掃除する方法もまた、本明細書において提供される。掃除道具は完全な道具として又は掃除用具一式の形態で生産されてもよい。完全な道具は、手袋、塵払い及びローラーを包含する。表面を掃除するために使用されるように設計される、本発明による道具一式は一般に、掃除頭部及び、掃除頭部に連結されることができる掃除シートを包含する。更に道具一式は、掃除頭部に取り付け可能なヨーク及びヨークに取り付けるための細長いハンドルを包含することができる。完全に組み立てられた掃除道具として提供されても又は道具一式として提供されても、掃除道具は、掃除シートが取り外し可能に掃除頭部に取り付けられることを可能にする掃除頭部を包含してもよい。
試験方法
c.破壊強度(機械横断方向)
掃除シートの各々から幅30mmを有する試料をシートの繊維方向に垂直な方向に(すなわち機械横断方向に)切断してもよい。試料は引っ張り試験機でチャックからチャックまで100mmの距離をチャックで押さえ、繊維方向に垂直な方向に300mm/分の速度で延伸させてもよい。シートが破れ始める荷重の値(応力/ひずみ測定によって得られる連続する曲線の最初の最高値)を、破壊強度とすることができる。
d.500g/30mmの荷重での伸び
上記の機械横断方向での破壊強度の測定において、500gの荷重での試料の伸びが測定されてもよい。この試験の目的のために、「伸び」は、500gの引っ張り荷重がストリップに作用される時の、掃除シート素材の30mmストリップの長さ(%)における相対的な増加と定義される。
c.絡み合い係数
不織布繊維集合体からスクリムは除去されてもよい。スクリムが格子状の網状構造体を有する場合、これは一般に接続部で網状組織のシートを作り上げる繊維を切断し、ピンセットで不織布繊維集合体から網状組織のシートの破片を慎重に取り除くことにより達成される。幅15mmを有する試料はシートの繊維方向に垂直な方向に(機械横断方向に)切断されてもよい。試料は引っ張り試験機でチャックからチャックまで50mmの距離をチャックで押さえ、繊維方向に垂直な方向に(機械横断方向)30mm/分の速度で延ばされてもよい。試料の伸びに関する引っ張り荷重値F(グラム)が測定されてもよい。引っ張り荷重値Fを試料の幅(メートル)及び不織布繊維集合体Wの坪量(g/m2)で割ることにより得られる値が、応力S(メートル)される。応力ひずみ曲線は、伸び(%で表す「ひずみ」)に対する応力(「S」)をプロットすることにより得られる(すなわち応力S[m]=(F/0.015)/W)。
【0065】
繊維の絡み合いを通してのみ保持される不織布繊維集合体について、応力ひずみ(伸び)曲線の最初の段階で、直線関係が一般に得られる。直線の勾配は、絡み合い係数E(メートル)として計算される。例えば、図9に示される実例的な応力ひずみ曲線(ここで縦軸は応力を表し、横軸はひずみを表し、Oは原点を表す)では、直線の関係の限界はPで表され、Pでの応力はSPで表され、PでのひずみはγPで表される。このような場合、絡み合い係数は、E=SP/γPとして計算される。例えば、SP=60m及びγP=86%の時、Eは、E=60/0.86=70mとして計算される。線OPは厳密には必ずしも直線ではない。このような場合、直線は線OPを近似する。
【0066】
例示的な実施例を数例のみ説明したが、本発明は特定の一実施例に限定されない。実際、本発明を所定のコンテクストで実行するために当業者は、本発明の真の意図及び範囲から著しく逸脱することなく、本明細書に説明される実施例の変化形(例えば、様々な要素の寸法、構造、形状及び特性、パラメーターの値、取り付け配置又は物質の使用における変化)を考案してもよい。本発明の真意から逸脱することなく、本明細書の詳細に様々な修正が行われてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】例示的実施例による掃除用具の斜視図である。
【図2】例示的実施例による、図1の線2−2に沿って取られる掃除シートの横断面図である。
【図3】他の例示的実施例による掃除シートの断片的部分的分解断面図である。
【図4】他の例示的実施例による掃除シートの断片的部分的分解断面図である。
【図5】他の例示的実施例による掃除シートの断片的部分的分解断面図である。
【図6】好適な実施例によるスクリムの上部平面図である。
【図7】好適な実施例による掃除シートの断片的上部平面図である。
【図8】本発明の好適な実施例による掃除シートの穴の断片的上部平面図である。
【図9】垂直の軸は応力を表し、水平の軸はひずみを表し、Oは原点を表す、応力ひずみ曲線を示す。
【図10】蝋をエレクトレット化するための装置の断面図である。
【図11】図10に示される装置により形成されるエレクトレット蝋の断面図である。
【図12】エレクトレット層及びマイクロファイバー層を包含する掃除シートの断面図である。
【図13】不連続模様で分配されるエレクトレット蝋を含有する掃除シートの上部平面図である。
【図14】列の模様で分配されるエレクトレット蝋を含有する掃除シートの断面図である。
【図15】粒子保持層の凹部に付着されるエレクトレット蝋を示す、図3の掃除シートの断面図である。
Claims (28)
- 粒子を表面から掃除及び除去するための掃除シートであって、粒子を収集及び保持するための粒子保持層を備え、そこにおいて該粒子保持層はエレクトレット蝋を含有する、掃除シート。
- 該エレクトレット蝋は少なくとも40℃の融点を有する、請求項1の掃除シート。
- 該粒子保持層は少なくとも0.1重量%のエレクトレット蝋を含有する、請求項1の掃除シート。
- 該粒子保持層は10重量%以下のエレクトレット蝋を含有する、請求項3の掃除シート。
- 該エレクトレット蝋は該シートの外側表面の少なくとも一部に存在する、請求項1の掃除シート。
- 該エレクトレット蝋は外側表面の少なくとも10%に存在する、請求項5の掃除シート。
- 該粒子保持層の少なくとも一部は該エレクトレット蝋を含浸する、請求項1の掃除シート。
- 該粒子保持層は少なくとも1.0x10−11C/cm2の電荷を有する、請求項1の掃除シート。
- 該粒子保持層は織布ファブリック、不織布ファブリック、発泡体及びそれらの組み合わせからなる群から選択される塵保持物質を含む、請求項1の掃除シート。
- 該粒子保持層は非エレクトレット物質を有する、請求項1の掃除用具。
- 該粒子保持層は繊維を包含し、該蝋は該繊維の少なくとも幾つかの外側の上に付着される、請求項1の掃除シート。
- 該粒子保持層は微細繊維層である、請求項1の掃除シート。
- 該粒子保持層は少なくとも約20g/m2の粒子保持能力を有する、請求項1の掃除シート。
- 少なくとも約500g/30mmの破壊強度を有する、請求項1の掃除シート。
- 500g/30.0mmの荷重で約25%以下の伸びを有する、請求項1の掃除シート。
- 約50から250g/m2までの坪量を有する、請求項1の掃除シート。
- 取り付け構造体に連結される、請求項1の掃除シート。
- 該蝋は25℃で少なくとも0.2の染込み硬度を有する、請求項1の掃除シート。
- 織布ファイバー、不織布ファイバー又は発泡体の少なくとも一つを備える粒子保持物質からシートを形成すること、非エレクトレット蝋を該粒子保持物質の少なくとも一部に適用すること、電界を粒子保持物質のシートに印加させて該蝋をエレクトレット化することを含む、掃除シートを作成する方法。
- 該蝋を軟化させるのに充分な温度まで粒子保持物質の該シートを加熱すること、該蝋が軟化している状態である時、該電界を粒子保持物質のシートに印加すること、及び粒子保持物質の該シートを充分冷却して該蝋を凝固させること、を更に含む、請求項19の方法。
- 該蝋を融解するのに充分な温度まで粒子保持物質の該シートを加熱すること、該蝋が軟化している状態である時、該電界を粒子保持物質の該シートに印加すること、及び粒子保持物質の該シートを充分冷却して該蝋を凝固させることを更に含む、請求項19の方法。
- 該粒子保持物質を軟化させることなく、該蝋を融解するのに充分な温度まで粒子保持物質の該シートを加熱することを含む、請求項21の方法。
- 該非エレクトレット蝋を不連続模様で該シートに適用することを含む、請求項19の方法。
- 該非エレクトレット蝋を連続模様で該シートに適用することを含む、請求項19の方法。
- 非エレクトレット蝋の適用は、該蝋と溶媒を含む混合物をシート上に噴霧することを含む、請求項19の方法。
- 織布ファイバー、不織布ファイバー又は発泡体の少なくとも一つを含む粒子保持物質からシートを形成すること、融解蝋が電界を通過するようにして、該融解蝋を粒子保持物質の該シートの少なくとも一部に噴霧すること、及び該融解蝋を冷却し、凝固エレクトレット蝋を形成することを含む、掃除シートの作成方法。
- くずを収集及び保持するための掃除用具であって、掃除頭部と、該頭部に連結することに適合している掃除シートを具備し、掃除シートは該粒子を収集及び保持するための粒子保持層を含み、そこにおいて該粒子保持層はエレクトレット蝋を含有する、掃除用具。
- 表面を掃除するための並びにくずを収集及び保持するための道具一式であって、掃除頭部と、該頭部に連結することに適合している掃除シートを備え、該掃除シートは該粒子を収集及び保持するための粒子保持層を含み、そこにおいて該粒子保持層はエレクトレット蝋を含む、道具一式。
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