JP2004500576A - 遺伝子発現の全身光学イメージングとその使用 - Google Patents

遺伝子発現の全身光学イメージングとその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、遺伝子発現の全身外部光学イメージングに関する。具体的には、遺伝子発現の全身外部光学イメージングの方法、ならびに、遺伝子のプロモーターに機能的に連結された蛍光団と外部光学イメージングを用いて、疾患もしくは障害を治療するための候補プロトコルまたは薬物を評価するための方法が提供される。また、標的プロモーターを調節する物質または遺伝子をスクリーニングする方法も提供される。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、遺伝子発現の全身外部光学イメージングに関する。具体的には、本明細書では、遺伝子発現の全身外部光学イメージングの方法、ならびに、遺伝子のプロモーターに機能的に連結された蛍光団と外部光学イメージングを用いて、疾患もしくは障害を治療するための候補プロトコルまたは薬物を評価するための方法が提供される。また、標的プロモーターを調節する物質または遺伝子をスクリーニングする方法も提供される。
【0002】
(背景技術)
全身イメージング技法を用いて、無傷の身体における「トレーサー分子」のモニタリングが行われてきた。例えば、Brennerらは、転移性悪性黒色腫を有する患者において、タリウム−201シンチグラフィーと比較した、ヨウ素−123−2−ヒドロキシ−3−ヨード−6−メトキシ−N−[(1−エチル−2−ピロリジニル)メチル]ベンザミド(IBZM)全身イメージングの診断上の有用性を研究した(Brennerら、Eur. J. Nucl. Med., 26(12):1567−71(1999))。Benardらは、全身PETイメージングにおいて、137Csを用いた減衰補正のための処理技法の臨床評価を実施した(Benardら、J. Nucl. Med., 40(8):1257−63(1999))。Jerusalemらは、ホジキン病および非ホジキンリンパ腫における治療後評価を目的として、18F−フルオロデオキシグルコースを用いた全身ポジトロン放射型断層撮影法の方が、従来のコンピューター連動断層撮影スキャンイメージング法より診断および予後有用性が高いことを明らかにした(Jerusalemら、Blood, 94(2):429−33(1999))。Eustaceらは、全身MRイメージングの実用面での課題、臨床への応用、ならびに将来性について述べている(Eustaceら、Magn. Reson. Imaging Clin. (N. Am.), 7(2):209−36(1999))。Engelsonらは、HIV感染患者における脂肪分布について研究し、全身磁気共鳴イメージング法により定量化された体幹の膨大(truncal enlargement)を報告した(Engelsonら、Am. J. Clin. Nutr., 69(6):1162−9(1999))。Valkらは、再発した大腸癌の管理に、[18F]フルオロデオキシグルコースを用いた全身ポジトロン放射型断層撮影法(PET)を使用した。Saundersらは、肺癌の病期分類において、18−フルオロデオキシグルコース全身ポジトロン放射型断層撮影法を評価した(Saundersら、Ann. Thorac. Surg., 67(3):790−7(1999))。
【0003】
米国特許第5,650,135号は、哺乳動物の被験者から、試験対象である物質の局在化を検出する非侵襲的方法を開示しており、この方法は、(a)前記物質と光発生成分とのコンジュゲート、または、光発生成分を発現する形質転換細胞を被験者に投与し、(b)前記コンジュゲートまたは形質転換細胞が被験者において局在化を達成することができる時間の経過後、被験者を光検出装置の検出フィールド内に固定し、(c)被験者を固定した状態に維持し、(d)このように維持している間、フォトン放射の画像が作成されるまで、光検出装置で、被験者において局在化された光発生成分からのフォトン放射を測定し、(e)前記哺乳動物の不透明組織からの前記画像を検出することを含んでなる。米国特許第5,650,135号はまた、時間経過による哺乳動物被験者における試験対象の物質のレベルを検出する非侵襲的方法も開示しており、この方法は、(a)前記物質と光発生成分とのコンジュゲート、または、該光発生成分を発現する形質転換細胞を被験者に投与し、(b)被験者を光検出装置の検出フィールド内に配置し、(c)被験者を該装置の検出フィールドに維持し、(d)このように維持している間、光検出装置で、光発生成分からのフォトン放射を測定し、(e)前記(b)から(d)までの段階を、選択した間隔をおいて繰り返すことを含んでなり、その際、この繰返しは、時間経過による被験者における前記物質のレベル変化を検出するのに有効なものである。
【0004】
近年、Yangらは、緑色蛍光タンパク質を発現する腫瘍および転移物の全身光学イメージングを実施した(Yangら、Proc. Natl. Acad. Sci.(USA), 97(3):1206−11(2000))。Yangらは、リアルタイムで、生きているマウスにおいて成長および転移する蛍光腫瘍を画像化した。全身光学イメージング装置は、外部にあり、非侵襲的である。これによって、無傷の動物内の悪性成長および拡散の連続的視覚モニタリングが可能になり、これは前例のないものであった。Yangらは、非常に高レベルのクラゲ(Aequorea victoria)緑色蛍光タンパク質(GFP)を安定して発現する新規のヒトおよびげっ歯類腫瘍を樹立し、このような腫瘍を適当な動物に移植した。B16F0−GFPマウス黒色腫細胞を、生後6週間のC57BL/6およびヌードマウスの尾静脈または門静脈に注射した。全身光学イメージングから、各々の器官における腫瘍成長のリアルタイムの定量測定に用いたB16F0−GFPの脳、肝および骨における転移性病変が認められた。AC3488−GFPヒト大腸癌をヌードマウスに、手術で正常位(同所)移植した。全身光学イメージングは、リアルタイムで、原発性大腸癌の成長、ならびに、肝および骨格におけるその転移性病変を示した。イメージングは、トランスイルミネーション化エピフルオレッセンス(epifluorescence)顕微鏡、あるいは、蛍光ライトボックスおよび熱電冷却カラーチャージ−結合デバイスカメラのいずれかを用いて行った。転移巣および微小転移巣をイメージングすることができる深さは、それらの大きさによって変わる。直径が60マイクロメートルの腫瘍は、0.5 mmの深さで検出可能であるが、直径が1,800マイクロメートルの腫瘍は、2.2 mmの深さで視覚化されると考えられる。簡単で、非侵襲的、かつ選択性の高い成長腫瘍のイメージングが、強力なGFP蛍光によって可能になったが、これにより、腫瘍成長および転移巣形成の詳細なイメージングが達成される。これは、化学療法薬候補による抑制など、癌成長のモジュレーターの試験を容易にするに違いない。
【0005】
遺伝子発現をモニタリングする方法は当業者には公知である(概要については、Ausubelら(編)、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc.)。しかし、無傷の多細胞生物、例えば、動物における遺伝子発現の簡単で、非侵襲的であり、選択性が高く、しかもリアルタイムの記録および分析を提供する遺伝子発現の全身外部光学イメージングは、現在利用することができない。本発明は、前記の、および当技術分野におけるその他の関連するニーズに取り組むものである。
【0006】
(発明の開示)
本発明は、遺伝子発現の全身外部光学イメージング、ならびに、疾患もしくは障害を治療するための候補プロトコルまたは薬物を評価するための方法を提供する。この方法では、遺伝子のプロモーターに機能的に連結された蛍光団と、外部光学イメージングとを用いる。また、標的プロモーターを調節する物質または遺伝子をスクリーニングする方法も提供される。
【0007】
特定の実施形態では、遺伝子の発現をモニタリングする方法であって、a)発現を分析しようとする遺伝子のプロモーターに機能的に連結された蛍光団をコードする核酸、または該核酸を含む細胞を多細胞生物に送達し、b)全身外部蛍光光学イメージングにより、前記生物の様々な位置で、前記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察し、これによって、前記遺伝子の発現をモニタリングすることを含んでなる方法を提供する。
【0008】
好ましい実施形態では、遺伝子のプロモーターに機能的に連結された蛍光団をコードする核酸は、生物に直接送達される。また好ましくは、遺伝子のプロモーターに機能的に連結された蛍光団をコードする核酸は、アデノウイルスまたはレンチウイルスに由来するウイルスベクターなどのウイルスベクターに保持される。
【0009】
別の好ましい実施形態では、遺伝子のプロモーターに機能的に連結された蛍光団をコードする核酸を含む細胞を生物に送達する。さらに好ましくは、所望の部位で、外科的正常位移植(SOI)による直接移植などの外科手術によって、前記細胞を生物に送達する。
【0010】
さらに別の好ましい実施形態では、遺伝子のプロモーターに機能的に連結された蛍光団は、ヒト化蛍光団である。同様に好ましくは、蛍光団は、緑色蛍光タンパク質(GFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)および赤色蛍光タンパク質(RFP)である。さらに好ましくは、GFPは、ヒト化hGFP−S65Tである。
【0011】
別の好ましい実施形態では、分析しようとする多細胞生物は植物またはトランスジェニック動物を含む動物である。さらに好ましくは、前記動物は哺乳動物である。また、本発明の方法により、ヒトを分析することもできる。
【0012】
別の好ましい実施形態では、分析しようとする遺伝子を組織特異的または器官特異的に発現させる。さらに好ましくは、前記遺伝子は、脳、肺、肝臓、脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃、腸、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、腺、内部血管などの内部動物器官において発現させる。
【0013】
別の好ましい実施形態では、2以上の遺伝子の発現を同時にモニタリングする。
【0014】
別の特定の実施形態では、疾患もしくは障害を治療するための候補プロトコルまたは薬物を評価する方法が提供され、この方法は、a)疾患もしくは障害に関連する遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する非ヒト哺乳動物被験者に前記プロトコルまたは薬物を投与した後、全身外部蛍光光学イメージングにより、該哺乳動物被験者の様々な位置で前記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察することによって、前記プロモーターの発現を測定し、b)前記遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する対照の非ヒト哺乳動物被験者において、全身外部蛍光光学イメージングにより、該哺乳動物被験者の様々な位置で前記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察することにより、前記プロモーターの発現を測定し、c)段階a)およびb)で測定した前記プロモーターの発現を比較することを含んでなり、その際、段階a)で測定した発現が段階b)で測定したものと異なれば、前記プロトコルまたは薬物が、疾患もしくは障害を治療するのに有効であると確認される。
【0015】
前記遺伝子の過剰発現が疾患もしくは障害に関連している場合、前記プロトコルまたは薬物が疾患もしくは障害を治療するのに有効であるときは、段階a)で測定した発現が段階b)で測定したものより低くなる。
【0016】
前記遺伝子の過小発現が疾患もしくは障害に関連している場合、前記プロトコルまたは薬物が前記感染症を治療するのに有効であるときは、段階a)で測定した発現が段階b)で測定したものより高くなる。
【0017】
好ましくは、前記疾患もしくは障害は、癌、免疫系疾患もしくは障害、代謝疾患もしくは障害、筋肉および骨の疾患もしくは障害、神経系疾患もしくは障害、シグナル疾患もしくは障害、ならびに、輸送体疾患もしくは障害である。
【0018】
好ましくは、前記遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する非ヒト哺乳動物被験者は、該遺伝子のプロモーターに機能的に連結された蛍光団をコードする核酸、もしくは、この核酸を含む細胞を非ヒト哺乳動物被験者に送達することにより作製される。あるいは、スクリーニングで用いられるヒト以外の哺乳動物被験者はトランスジェニック動物である。
【0019】
前記スクリーニングに用いられる非ヒト哺乳動物被験者は、十分に確立された実験動物、例えば、マウス、ウサギ、またはヒト以外の霊長類であることが好ましい。
【0020】
好ましくは、前記スクリーニングに用いられる蛍光団は、緑色蛍光タンパク質(GFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)もしくは赤色蛍光タンパク質(RFP)である。
【0021】
2以上の候補プロトコルまたは候補薬物を同時にスクリーニングするのが好ましい。
【0022】
非ヒト哺乳動物被験者が、感染性生物のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する場合には、前記プロトコルまたは薬物が、感染性生物により引き起こされる感染症を治療するのに有効であるとき、段階a)で測定した発現は、段階b)で測定したものより低くなる。
【0023】
好ましくは、前記スクリーニングに用いられる非ヒト哺乳動物被験者は、感染症動物モデルである。
【0024】
スクリーニングの対象となる感染性生物は、酵母のような真菌、真正細菌または古細菌のような細菌、あるいは、クラスIウイルス、クラスIIウイルス、クラスIIIウイルス、クラスIVウイルス、クラスVウイルスまたはクラスVIウイルスなどのウイルスでよい。
【0025】
感染症が細菌によって引き起こされる場合には、スクリーニングしようとする候補薬物は、好ましくは、抗生物質である。
【0026】
さらに別の特定の実施形態では、非ヒト多細胞生物における遺伝子発現のモジュレーターをスクリーニングする方法が提供され、この方法は、a)遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する非ヒト多細胞生物に試験物質を投与した後、全身外部蛍光光学イメージングにより、該多細胞生物の様々な位置で前記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察することによって、前記プロモーターの発現を測定し、b)前記遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する対照の多細胞生物において、全身外部蛍光光学イメージングにより、様々な位置で前記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察することによって、前記プロモーターの発現を測定し、c)段階a)およびb)で測定した前記プロモーターの発現を比較することを含んでなり、その際、段階a)で測定した発現が段階b)で測定したものと異なっていれば、前記試験物質が前記遺伝子発現のモジュレーターであると確認される。好ましくは、前記プロモーターは、多細胞生物の内在性プロモーターである。
【0027】
別の特定の実施形態では、改変されたレベルで遺伝子を発現する多細胞生物のスクリーニング方法が提供され、この方法は、a)遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する非ヒト多細胞生物に、突然変異を誘発する物質または処置を施した後、全身外部蛍光光学イメージングにより、該多細胞生物の様々な位置で前記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察することによって、前記プロモーターの発現を測定し、b)前記遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する未処置の対照多細胞生物において、全身外部蛍光光学イメージングにより、様々な位置で前記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察することによって、前記プロモーターの発現を測定し、c)段階a)およびb)で測定した前記プロモーターの発現を比較することを含んでなり、その際、段階a)で測定した発現が段階b)で測定したものと異なっていれば、改変されたレベルで前記遺伝子を発現する多細胞生物であると確認される。好ましくは、突然変異を誘発する物質または処置は、前記多細胞生物の生殖系細胞に突然変異を引き起こし、これによって、所望の突然変異が、前記多細胞生物の子孫へと安定して伝えられるようにする。
【0028】
(発明の実施の形態)
A.定義
別途定義しない限り、本明細書で用いる技術および科学用語はすべて、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるものと同じ意味をもつとする。あらゆる特許、出願、公開明細書およびその他の出版物、ならびに、GenBankおよびその他のデータベースからの配列は、参照により本明細書にその全体を組み入れるものとする。
【0029】
本明細書で用いる「多細胞生物への核酸の送達」とは、該核酸を多細胞生物の身体に直接投与すること、あるいは、まず細胞に核酸を導入した後、この核酸を含む細胞を多細胞生物の身体に投与することの、いずれかを意味する。生物への送達後、前記核酸は、宿主生物のゲノムから独立に存在してもよいし、宿主生物のゲノムに組み込まれてもよい。核酸を宿主生物の生殖系細胞に組み込む場合には、このような核酸を宿主生物の子孫に伝達することができる。
【0030】
本明細書で用いる「全身外部蛍光光学イメージング」とは、宿主生物から所望の観察部位を露出および/または切除する何らかの処置、例えば、外科手術処置を施すことなく、宿主生物における様々な位置で、蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度をモニタリング、記録および/または分析するイメージング方法を意味する。全身外部蛍光光学イメージングを達成するためには、蛍光団により発せられる蛍光の強度が、蛍光部位が宿主生物体の内部部位であっても、宿主生物体から当該部位を露出または切除することなく、または当該動物を制御しない状態で、蛍光シグナルを外部から分析することができるように、十分に高くなくてはならない。
【0031】
侵襲的処置を必要とせず、かつ、シグナルの強度は直接観察には十分高いことから、動物を完全に可動の状態のままにし、拘束する必要はないと考えられる。完全に非侵襲的な観察プロトコルを提供できることは非常に重要である。例えば、切開、あるいは、物理的拘束、例えば、革ひもやピンなど、何らかの手段により動物を傷つければ、代謝の変化が、器官または組織における遺伝子の発現に影響を及ぼす恐れがある。
【0032】
全身外部蛍光光学イメージングは高速で、しかも自動化に容易に適用可能であることから、多数の遺伝子発現を同時にモニタリングするのに用いることができる。さらに、これは、プロトコルや、候補薬物などの物質、および標的遺伝子の発現を調節するシス作用レギュレーターを同定するためのハイスループットスクリーニング法に用いることができる。本明細書に記載される全身外部蛍光光学イメージングを用いて、単一の動物、もしくは、同時に複数の動物のいずれかにおいて、単一の標的遺伝子または複数の標的遺伝子のいずれかに対して、様々な候補プロトコル、物質、薬物およびシス作用レギュレーターをスクリーニングすることができる。
【0033】
本明細書で用いる「蛍光団」とは、それ自体が蛍光を発するのに、他の物質または補因子を必要としない自己蛍光性のタンパク質を意味する。このような蛍光団の例として、緑色蛍光タンパク質(GFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)および赤色蛍光タンパク質(RFP)、ならびに、それらの機能性断片、誘導体および類似体を挙げることができる。
【0034】
本明細書で用いる「プロモーター領域またはプロモーターエレメント」とは、それが機能的に連結された、DNAまたはRNAの転写を制御するDNAまたはRNAのセグメントを意味する。前記プロモーター領域には、RNAポリメラーゼの認識、結合および転写開始に十分な特定の配列が含まれる。前記プロモーター領域のこの部分が、プロモーターと呼ばれる。加えて、前記プロモーター領域には、RNAポリメラーゼの認識、結合および転写開始活性を調節する配列が含まれる。これらの配列は、シス作用であるか、あるいは、トランス作用因子に応答性のものでよい。プロモーターは、調節の種類に応じて、構成性か、または調節性のものでよい。
【0035】
本明細書で用いる「機能的に連結された」とは、プロモーター、エンハンサー、転写および翻訳停止部位のようなヌクレオチドの調節およびエフェクター配列、ならびに、その他のシグナル配列と、DNAの機能的関係を意味する。例えば、DNAとプロモーターとの機能的連結とは、DNAとプロモーターとの物理的かつ機能的関係を指し、該DNAを特異的に認識して、これに結合し、これを転写するRNAポリメラーゼにより、前記DNAの転写が前記プロモーターから開始されるような関係を指す。発現および/またはin vitro転写を最適化するためには、クローンの5’非翻訳部分を除去、付加または改変することにより、転写または翻訳レベルのいずれかで、発現を妨害もしくは抑制する恐れがある余剰の不適切な代替翻訳開始(すなわち、出発)コドンまたはその他の配列を排除する必要がある。あるいは、共通リボソーム結合部位(例えば、Kozak, J. Biol. Chem., 266:19867−19870(1991)参照)を、出発コドンのすぐ5’側に挿入することができ、これにより、発現が増強される。このような修飾の望ましさ(または必要性)は、経験に基づいて決定することができる。
【0036】
本明細書で用いる「ヒト化蛍光団」とは、その蛍光特性は実質的に維持しながら、その発現を増強するように、ヒトゲノムのコドン使用パターンに応じて修飾されたコドンを有する蛍光団を意味する。
【0037】
本明細書で用いる「多細胞生物」とは、このような多細胞生物の内部部位が、内部部位を露出することなしには、非蛍光光学イメージングにより外部から検出され得ないような、特定の細胞数、質量、および内部構造を備えた生物を意味する。内部部位の外部蛍光光学イメージングのためには、十分に高い強度の内部蛍光を必要とする。
【0038】
本明細書で用いる「植物」とは、胚を形成し、葉緑体を含み、セルロース細胞壁を有し、かつ移動できないことを特徴とする、植物界に属する様々な光合成性真核多細胞生物のいずれかを指す。
【0039】
本明細書で用いる「動物」とは、移動能力、光合成によらない代謝、刺激に対する顕著な応答、限られた成長および一定の身体構造を特徴とする動物界に属する多細胞生物を意味する。動物の非制限的例として、ニワトリなどの鳥類、魚などの脊椎動物、ならびに、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、雌ウシ、雄ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、サル、その他ヒト以外の霊長類を含む哺乳動物が挙げられる。
【0040】
本明細書で用いる「組織特異的または器官特異的に発現した」とは、遺伝子が、特定の組織または器官だけに、一時的もしくは構成的に発現するが、その他の組織または器官には発現しない遺伝子発現パターンを意味する。
【0041】
本明細書で用いる「組織」とは、類似する細胞、ならびに、それら周辺の細胞内物質の集まりを意味する。身体には、下記の4つの基本的な組織がある:1)上皮;2)血液、骨および軟骨を含む結合組織;3)筋肉組織;および4)神経組織。
【0042】
本明細書で用いる「器官」とは、呼吸、分泌または消化のように、特定の機能を果たす身体のあらゆる部分を意味する。
【0043】
本明細書で用いる「疾患または障害」とは、例えば、感染や遺伝的欠損によって起こり、確認できる症候を特徴とする、器官の病理学的状態を意味する。
【0044】
本明細書で用いる新生物(新形成)とは、異常な新成長を指し、良性または悪性の腫瘍と同じ意味である。過形成とは異なり、新生物増殖は元の刺激がなくても継続する。
【0045】
本明細書で用いる「癌」とは、あらゆるタイプの悪性腫瘍により引き起こされる疾患を指す一般的用語である。
【0046】
本明細書で用いる「癌遺伝子」とは、動物細胞の正常遺伝子(癌原遺伝子)が突然変異および/または過剰発現した形態であり、これは、支配的に、正常な成長抑制から細胞を解放することができ、従って、単独もしくは他の変化と協働して、細胞を腫瘍細胞に変換する。癌遺伝子の例として、限定するものではないが、abl、erbA、erbB、ets、fes(fps)、fgr、fms、fos、hst、int1、int2、jun、hit、B−lym、mas、met、mil(raf)、mos、myb、myc、N−myc、neu(ErbB2)、ral(mil)、Ha−ras、Ki−ras、N−ras、rel、ros、sis、src、ski、trkおよびyesが挙げられる。
【0047】
本明細書で用いる「癌抑制遺伝子」(またはアンチオンコジーン、癌感受性遺伝子)とは、細胞周期に対して通常負の調節をおこなう産物をコードする遺伝子を意味する。この遺伝子を突然変異させるか、あるいは、不活性化してからでないと、細胞は急速な分裂へと進むことができない。癌抑制遺伝子の例として、限定するものではないが、p16、p21、p53、RB(網膜芽腫)、WT−1(ウィルムス腫瘍)、DDC(大腸癌において欠失)、NF−1(神経線維肉腫)およびAPC(大腸腺腫性ポリポーシス)が挙げられる。
【0048】
本明細書で用いる「免疫系疾患または障害」とは、免疫系の欠損により引き起こされる病理学的状態を意味する。免疫系は、複雑で、非常に発達した系であるが、その任務は単純で、侵入者を探し、死滅させることである。ヒトが先天的に重度に欠損した免疫系を有する場合には、ウイルス、細菌、真菌または寄生体による感染で死亡することになる。重症複合型免疫不全では、酵素が欠失しているため、有毒な老廃物が免疫系細胞内部に蓄積し、免疫系細胞を死滅させることにより、免疫系を破壊する。免疫系細胞の欠失は、ディ・ジョージ症候群(胸腺の発育不全により、T細胞産生が低下する)の原因でもある。他の免疫障害のほとんどは、過剰な免疫応答または「自己免疫攻撃」のいずれかによって引き起こされる。例えば、喘息、家族性地中海熱およびクローン病(炎症性腸疾患)はすべて、免疫系の過剰反応によって起こり、また、多腺性自己免疫症候群および幾種かの糖尿病は、「自己」細胞および分子を攻撃する免疫系によるものである。免疫系の役割の基本は、侵入者と自己の細胞を識別することであるが、この識別ができなくなると、「自己」細胞および分子に反応し、これによって自己免疫疾患を引き起こす。
【0049】
本明細書で用いる「代謝疾患もしくは障害」とは、代謝過程における誤りによって引き起こされる病理学的状態を意味する。代謝は、我々が食物として摂取する脂肪、炭水化物およびタンパク質から、ミネラルおよびビタミンが助ける酵素反応により、身体が必要とするエネルギーを得て、他の分子を合成する手段である。この系は、有意なレベルの誤りに対して許容性を有し、多くの場合、1つの酵素に突然変異が起こったからといって、個体が疾患に罹患するわけではない。多数の異なる酵素が競合して、同じ分子を修飾することができ、様々な代謝中間物について同じ最終結果を達成するのに2以上の方法があると考えられる。疾患は、重要な酵素が機能しない場合、あるいは、代謝経路の制御機構が影響を受けた場合にしか起こらない。
【0050】
本明細書で用いる「筋肉および骨の疾患または障害」とは、筋肉および結合組織の形成および機能に重要な遺伝子の欠損により引き起こされる病理学的状態を意味する。本明細書で用いる結合組織という用語は、骨、軟骨および腱を含む広義の用語である。例えば、フィブリリン(組織を強く、しかも柔軟にするのに重要な結合組織タンパク質)の欠損は、マルファン症候群の原因となり、軟骨に認められる硫酸輸送体の欠損は、捻曲性骨異形成症を引き起こす。筋肉細胞自体の欠損に起因する疾患として、デュシェーヌ筋ジストロフィー(DMD)と筋緊張性ジストロフィー(DM)の2つがある。DMは、ハンチントン病に似た、もう1つの「動的突然変異」疾患であり、筋肉タンパク質キナーゼ遺伝子でのヌクレオチド反復配列の拡大を伴なう。DMDは、細胞構造の維持に重要な細胞骨格タンパク質ジストロフィンの欠損を伴なう。
【0051】
本明細書で用いる「神経系疾患または障害」とは、中枢神経系、すなわち脳、および、末梢神経系などの神経系の欠損により起こる病理学的状態を指す。脳および神経系は、筋肉、感覚、言語、記憶、思考および感情の調整を担う電気信号の複雑なネットワークを形成する。神経系に直接影響を与えるいくつかの疾患は、遺伝的要素を有し、単一遺伝子の突然変異によるものもあれば、さらに複雑な様式の遺伝形質を有することが明らかになったものもある。神経変性障害の病原に関する我々の理解が深まるにつれ、共通のテーマが浮かび上がってきた。すなわち、アルツハイマー脳斑と、パーキンソン病に認められる封入体は、少なくとも1つの共通成分を含んでいるのに対し、ハンチントン病、ぜい弱X症候群(fragile X syndrome)および脊髄小脳萎縮はすべて、DNA反復配列の拡大がみられる「動的突然変異」疾患である。その他の特定の細胞内シグナル伝達事象と同様に、数種の神経変性疾患に関与する分子機構の1つとしてアポトーシスが明らかになった。ミエリンの生合成やコレステロール輸送の調節も、シャルコー・マリー・ツース病およびニーマン・ピック病にそれぞれに認められる。
【0052】
本明細書で用いる「シグナル疾患または障害」とは、シグナル伝達過程の欠陥により起こる病理学的状態を意味する。細胞内および細胞間のシグナル伝達とは、これらの細胞が重要な情報を伝達し、それに対して作用することができることを意味する。合成部位から放出されたホルモンは、レプチンの場合のように、その標的部位にメッセージを運ぶ。レプチンは、脂肪組織(脂肪細胞)から放出され、血液を介して、脳へと輸送される。ここで、レプチンは、十分に食べたというシグナルを送る。レプチンは、視床下部細胞表面上の受容体と結合して、次の細胞内シグナル伝達ネットワークを起動する。細胞内シグナル伝達の欠損は、癌、毛細管拡張性運動失調およびコケーン症候群など、いくつかの疾病の原因となる。細胞分裂の制御、DNA合成およびDNA修復はすべて複雑に絡み合っていることから、DNA修復機構の欠陥もまた、病原に関与している。多くの細胞シグナルの最終的結果(end−result)は、DNA結合タンパク質に作用することにより、遺伝子の発現(転写)を改変することである。いくつかの疾患は、これらタンパク質の欠損または突然変異によって起こるが、これにより、上記DNA結合タンパク質は、DNAと正常に結合できなくなる。シグナル伝達ネットワークは、正常な機能の極めて多くの態様に影響を与えるため、非常に多くの疾患が、シグナル伝達欠損に少なくとも部分的に起因するのは意外なことではない。
【0053】
本明細書で用いる「輸送体疾患または障害」とは、輸送体、チャンネルまたはポンプの欠損により起こる病理学的状態を意味する。細胞膜に常在する輸送体、チャンネルまたはポンプは、細胞中のイオンの適切な均衡を維持する上で重要であり、シグナルを神経から組織に伝達するのに不可欠である。イオンチャンネルおよび輸送体の欠損の影響は、それがどこに位置しているか、また、その輸送品が何かによって、様々である。例えば、心臓では、カリウムチャンネルの欠損により、電気インパルスの適切な伝達ができなくなり、その結果、QT延長症候群に見られる不整脈が起こる。肺では、上皮細胞に認められるナトリウムおよび塩化物輸送体の欠損により、嚢胞性線維症のうっ血が起こり、また、聴覚障害であるペンドレッド症候群の最も一般的な遺伝形態の1つは、硫酸塩輸送体の欠損と関連しているようである。
【0054】
本明細書で用いる「感染」とは、疾患を引き起こす能力がある生物による、多細胞生物の身体への侵入を意味する。
【0055】
本明細書で用いる「感染性生物」とは、多細胞生物の感染を引き起こすことができる生物を意味する。最も感染性の高い生物は、ウイルス、細菌および真菌などの微生物である。
【0056】
本明細書で用いる「細菌」とは、コンパートメント化されていない環状DNAと、約70Sのリボソームとを有する小さな原核生物(線状寸法が約1μm)を指す。細菌のタンパク質合成は、真核生物のものとは異なる。多くの抗細菌抗生物質は、感染した宿主には影響を与えずに、細菌のタンパク質合成を妨害するものである。
【0057】
本明細書で用いる「真正細菌」とは、古細菌以外の細菌の主な亜部門を指す。ほとんどのグラム陽性菌、ラン藻、マイコプラズマ、腸内細菌、シュードモナスおよびクロロプラストは真正細菌である。真正細菌の細胞質膜は、エステル結合脂質を含み、細胞壁(もしあれば)にはペプチドグリカンがある。また、真正細菌では、イントロンが発見されていない。
【0058】
本明細書で用いる「古細菌」とは、真正細菌以外の細菌の主な亜部門を指す。古細菌には、次に挙げる3つの主な目がある:高度好塩菌、メタン細菌、およびイオウ依存性高度好熱菌。古細菌は、リボソーム構造、イントロンの所有(場合によって)、ならびに、膜構成のようなその他の特徴が真正細菌とは異なる。
【0059】
本明細書で用いる「ウイルス」とは、DNAまたはRNAとタンパク質コートから構成される、生きているが細胞としての性質は有しない偏性細胞内寄生体を指す。ウイルスは、直径が約20〜約300 nmの範囲にある。クラスIウイルス(ボルチモア分類)は、そのゲノムとして二本鎖DNAを有し;クラスIIウイルスは、そのゲノムとして一本鎖DNAを有し;クラスIIIウイルスは、そのゲノムとして二本鎖RNAを有し;クラスIVウイルスは、そのゲノムとして陽性一本鎖RNAを有し、その際、ゲノム自体はmRNAとして働き;クラスVウイルスは、mRNA合成用の鋳型として用いられるそのゲノムとして、陰性一本鎖RNAを有し;クラスVIウイルスは、陽性一本鎖RNAゲノムを有するが、DNAと一緒に、複製だけではなく、mRNA合成にも介在する。ウイルスの大部分は、それらが植物、動物および原核生物に引き起こした疾患によって認識される。原核生物のウイルスは、バクテリオファージとして知られている。
【0060】
本明細書で用いる「真菌」とは、不規則な塊状に増殖し、根、茎、または葉をもたず、葉緑素その他の光合成能を有する色素をまったくもたない真核生物門を指す。各菌体(葉状体)は、単細胞性から糸状であり、枝分かれした体細胞構造(菌糸)をしており、これらの構造は、グルカンもしくはキチンまたはその両方を含む細胞壁で囲まれ、真核を有している。
【0061】
本明細書で用いる「抗生物質」とは、カビまたは細菌に由来する、あるいは、有機的に合成されたいずれかの物質であって、死滅もしくは阻害しようとする特定の微生物の宿主に実質的に害を与えることなく、該微生物の増殖を阻害する物質を意味する。
【0062】
本明細書で用いる「試験物質」とは、化学的に定義された化合物(例えば、有機分子、無機分子、有機/無機分子、タンパク質、ペプチド、核酸、オリゴヌクレオチド、脂質、多糖、サッカリド、もしくは糖タンパク質などのこれら分子のハイブリッド)または化合物の混合物(例えば、試験化合物、天然抽出物または培養物上清などのライブラリー)を指す。分析しようとするプロモーターに上記物質が及ぼす影響は、本明細書に開示および/または請求される方法によって測定される。
【0063】
開示を明瞭にするため、何ら制限を意図せずに、本発明の詳細な説明を以下のサブセクションに分けて行う。
【0064】
B.遺伝子発現の全身外部光学イメージング方法
特定の実施形態では、遺伝子の発現をモニタリングする方法が提供され、この方法は、a)発現を分析しようとする遺伝子のプロモーターに機能的に連結された蛍光団をコードする核酸、または該核酸を含む細胞を多細胞生物に送達し;b)全身外部蛍光光学イメージングにより、上記生物の様々な位置で、上記蛍光団により発生した蛍光の存在、不在または強度を観察し、これによって、上記遺伝子の発現をモニタリングすることを含んでなる。
【0065】
本発明の方法を用いて、予後、診断およびスクリーニング目的など、あらゆる適した目的のために、遺伝子発現をモニタリングすることができる。例えば、異常な遺伝子発現が、植物や動物などの多細胞生物における疾患もしくは障害と関連する場合には、本発明を用いて、異常な遺伝子発現をモニタリングすることにより、予後または診断を行うことができる。本発明のモニタリング方法は、現在利用可能な遺伝子発現モニタリング方法に対して、いくつかの点で利点がある。第1に、本発明のモニタリング方法は、あらゆる侵襲的処置を回避することができ、これは、特に、ヒトの臨床用途に有利である。第2に、本発明のモニタリング方法は、植物または動物における遺伝子発現のin vivoで、リアルタイムかつ連続的なモニタリングおよび分析を提供し、これは、現在利用可能なモニタリング方法では達成することができない。第3に、本発明のモニタリング方法は、高速であるため、自動化に適しており、このことは、多数の遺伝子発現を同時にモニタリングするのに重要である。多くの疾患または障害が、2以上の遺伝子の異常な遺伝子発現を伴なうことから、本発明のモニタリング方法は、これらの疾患もしくは障害の予後および診断に特に適している。予後または診断の他に、特定の遺伝子の発現が、組織または器官の健康もしくは機能性の優れた指標であるならば、本発明のモニタリング方法は、何らの侵襲的処置を必要とせずに、これら組織または器官の健康または機能性をモニタリングするのにも用いることができる。
【0066】
1.多細胞生物への核酸の送達方法
発現を分析しようとする遺伝子のプロモーターに機能的に連結された蛍光団をコードする核酸は、DNAまたはRNAでよい。このような核酸は、当業者には公知のあらゆる方法で、多細胞生物の身体に送達することができる。
【0067】
例えば、宿主多細胞生物が動物である場合には、DNAまたはRNA配列は、動物身体の組織の間隙空間に送達することができ、このような空間として、筋肉、皮膚、脳、肺、肝臓、脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃、腸、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、目、腺、および結合組織の間隙が挙げられる。組織の間隙空間は、細網線維または器官組織、血管または房の壁内の弾性線維、線維組織のコラーゲン線維の間に細胞間液体ムコ多糖マトリックスを含み、あるいは、結合組織被覆筋肉細胞内もしくは骨の小窩中に同じマトリックスを含む。同様に、これは、循環系の血漿またはリンパチャンネルのリンパ液が占める空間である。
【0068】
DNAまたはRNA配列は、これら細胞を含む組織への注入により、好適に送達することができる。これらは、分化した永存的な非分裂細胞に送達し、発現させるのが好ましいが、送達および発現は、例えば、血液または皮膚線維芽細胞の幹細胞のように、非分化細胞、もしくは完全には分化していない細胞でも達成することができる。
【0069】
特定の実施形態では、上記DNAまたはRNA配列を宿主動物の組織に直接送達する。好ましくは、上記DNAまたはRNA配列を筋肉、皮膚または粘膜に直接送達する。筋肉細胞は、ポリヌクレオチドを取り込み発現する能力が特に高いため、筋肉組織の間隙空間への送達が好ましい。
【0070】
上記DNAまたはRNA配列は、注入、遺伝子銃技法または脂質媒介送達技法により、宿主動物の組織に直接送達することができる。注入は、針またはその他の注入装置を用いて実施することができる。遺伝子銃技法は、米国特許第5,302,509号に開示されており、脂質媒介送達技法については、米国特許第5,703,055号に開示されている。
【0071】
さらに別の特定な実施形態では、上記DNAまたはRNA配列を宿主動物の細胞に送達し、次に、上記DNAまたはRNA配列を含むこの細胞を宿主動物の適当な組織に送達する。好ましくは、上記DNAまたはRNA配列を宿主動物の尾静脈または門脈に送達する。
【0072】
上記DNAまたはRNA配列は、多数の方法により宿主動物の細胞に送達することができ(概要については、KoprowskiおよびWeiner, DNA vaccination/genetic vaccination, 1998. Springer−verlag Berlin Heidelberg)、例えば、Ca(PO−DNAトランスフェクション(Sambrookら、Molecular Cloning、第2版、Plainview, N.Y. Cold Spring Harbor Press, 1989)、DEAEデキストラン−DNAトランスフェクション(Sambrookら、Molecular Cloning、第2版、Plainview, N.Y. Cold Spring Harbor Press, 1989)、エレクトロポレーション(例えば、Bio−Rad製のプロトコル)、「リポフェクチン(LIPOFECTIN)(登録商標)」試薬(例えば、BRL−Life Science製のプロトコル)を用いたトランスフェクション、遺伝子銃技法(米国特許第5,302,509号)、もしくはウイルス遺伝子送達系(Kaplittら、Viral Vectors, Academic Press, Inc., 1995)が挙げられる。
【0073】
金粒子を用いた遺伝子銃送達は、米国特許第5,302,509号に開示されている。特定の実施形態では、DNA送達にBio−Radヘリオス(helios)遺伝子銃装置を用いる(BIO−RAD Inc. ニューイングランド州)。ヘリオス遺伝子銃は、in vivoで高速かつ直接的遺伝子導入を可能にする、便利な手で持つタイプの装置である。この装置は、調節可能なヘリウムパルスを用いて、小さなプラスチックカートリッジの内側壁から、DNAコーティングした金の微小担体を標的細胞中へと直接吹き飛ばす。管状のプレップステーション(prepstation)と管状のカッターにより、簡単な方法で、一度に50個のカートリッジ「弾」を製造することができる。
【0074】
好ましい実施形態では、遺伝子のプロモーターに機能的に連結された蛍光団をコードする核酸を生物に直接送達する。さらに好ましくは、遺伝子のプロモーターに機能的に連結された蛍光団をコードする核酸は、アデノウイルスまたはレンチウイルスに由来するウイルスベクターのようなウイルスベクターを介して、生物、または生物に送達しようとする細胞に送達する。
【0075】
当業者には公知のあらゆるウイルスベクターを用いることができる。例えば、パルボウイルス(米国特許第5,252,479号および5,624,820号)、シミアンウイルス5(SV5)のようなパラミクソウイルス(米国特許第5,962,274号)、HIVのようなレトロウイルス(米国特許第5,753,499号および第5,888,767号)、ならびに、核多角体病ウイルス(米国特許第5,674,747号)を用いることができる。好ましくは、アデノウイルスに由来するベクターを用いることができる(米国特許第5,670,488号、第5,817,492号、第5,820,868号、第5,856,152号、第5,981,225号)。
【0076】
米国特許第5,670,488号は、1以上のE4オープンリーディングフレームが欠失しているが、in vitroでウイルス複製を促進するのに十分なE4配列は保持するアデノウイルスゲノムと、さらに、発現制御配列に機能的に連結され、かつ上記アデノウイルスゲノムに挿入された、目的とするDNA配列とを含んでなるアデノウイルスベクターを開示している。
【0077】
米国特許第5,817,492号は、リコンビナーゼ酵素用の基質として働く2つのDNA配列と、動物細胞で機能しうる複製起点と、プロモーターと、外来遺伝子と、ポリ(A)配列とを含んでなる組換えアデノウイルスベクターであって、該複製起点、プロモーター、外来遺伝子およびポリ(A)配列が、上記した2つのDNA配列の間に位置し、かつ、上記ベクターが、E1A遺伝子領域欠失を含む、上記組換えアデノウイルスベクターを開示している。
【0078】
米国特許第5,820,868号は、生きた組換えウシアデノウイルスベクター(BAV)であって、E3多重遺伝子コード領域の一部または全部が、外来遺伝子もしくはその断片をコードする異種ヌクレオチド配列で置換されている、上記ウシアデノウイルスベクターを開示している。同特許はまた、E3多重遺伝子コード領域の一部または全部が、外来遺伝子もしくはその断片をコードする異種ヌクレオチド配列で置換され、かつ、該異種ヌクレオチド配列が、上記外来遺伝子またはウシアデノウイルスゲノムのいずれかと通常結合していないプロモーターの制御下にあってもよい、ウシアデノウイルスベクターも開示している。
【0079】
米国特許第5,856,152号は、下記のものを含んでなるハイブリッドウイルスベクターを開示している:(a)複製およびビリオンのキャプシド形成に必要なアデノウイルス5’および3’cis−エレメントを含むアデノウイルス配列;(b)アデノ関連ウイルスの5’および3’ ITRを含むアデノ関連ウイルス配列であって、該アデノ関連ウイルス配列は、(a)のアデノウイルス配列と隣接しており;および(c)標的細胞における発現を指令する調節配列に機能的に連結された選択遺伝子であって、該遺伝子および調節配列は、(b)のアデノ関連ウイルス配列と隣接している。
【0080】
米国特許第5,981,225号は、5’から3’配向で、下記のエレメントから実質的にに構成される遺伝子送達ベクターを開示している:(i)第1アデノウイルス逆方向末端反復、(ii)アデノウイルスVAI遺伝子および/またはVAII遺伝子、(iii)アデノウイルスには外来の遺伝子であって、該遺伝子は、アデノウイルス標的細胞で機能するプロモーターに機能的に連結されており、および(iv)第2アデノウイルス逆方向末端反復。ここで、エレメント(ii)および(iii)の順序は、逆にすることができ、エレメント(i)およびエレメント(iv)の一方または両方が、さらに、アデノウイルスパッケージングシグナルを含み、しかも、上記ベクターは、該ベクターが、アデノウイルスゲノムのDNAまたはアデノウイルスゲノムのDNAを含むアデノウイルス粒子で、それぞれアデノウイルス宿主細胞に共トランスフェクションまたは共感染されない限り、そこで該ベクターを包膜した組換えアデノウイルス粒子をin vitroで生産することはできない。
【0081】
別の好ましい実施形態では、遺伝子のプロモーターに機能的に連結された蛍光団をコードする核酸を含む細胞を生物に送達する。さらに好ましくは、所望の部位での外科的正常位移植(SOI)による直接移植等の外科的処置によって、生物に細胞を送達する(例えば、Changら、Anticancer Res., 19(5B):4199(1999);およびAnら、Prostate, 34(3):169−74(1998)を参照)。
【0082】
蛍光リポーター遺伝子をコードするヌクレオチド配列にプロモーターを結合させた核酸分子を導入することにより、導入された核酸分子を内在性プロモーターの代わりに用いることができるのは理解されよう。従って、特定の条件下で、内在性遺伝子を過剰発現または過小発現すると、導入された構築物は、内在性プロモーターの挙動を擬態することになる。リポーターをコードするヌクレオチド配列をプロモーターだけに機能的に連結させる必要はなく、リポーターをコードするヌクレオチド配列を、通常、プロモーターの制御下でタンパク質をコードするヌクレオチド配列に導入する、あるいは、別のタンパク質に結合させることもできる。発現をモニタリングしようとする遺伝子の制御配列に、リポーターをコードするヌクレオチド配列を機能的に連結したあらゆる方法が、本発明の範囲内に含まれる。
【0083】
この構築物を導入するには多数の方法があることがわかるだろう。第1に、対照配列/目的とするプロモーターに機能的に連結されたリポーターコーディングヌクレオチド配列を含む核酸を直接注入(ただし、好ましくは、アデノウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターのようなウイルスベクターを用いて)により、多細胞生物に導入することができる。導入された構築物は、内在性ではないため、この構築物の発現は、内在性遺伝子の代役として本質的に機能する。すなわち、内在性遺伝子に及ぼされるものと同じ影響が、導入された構築物にも及ぼされることになる。従って、構築物の発現を観察することにより到達した結論は、このような発現に対する各種処理の影響も含めて、対応する内在性遺伝子にも当てはめて推定することができ、内在性遺伝子にも同様に有効である。
【0084】
第2に、リポーターをコードするヌクレオチド配列は、試験しようとするプロモーターにターゲッティングすることにより特定の組織の細胞に導入し、相同的組換えのような位置特異的技法を用いて、挿入することができる。この方法を用いる場合には、内在性プロモーターの発現、さらには、それらに対する各種処理の影響も直接観察することができる。
【0085】
第3に、第1方法で記載したような構築物を胚組織に与えることにより、リポーター構築物がそれ自体で内在性である、トランスジェニック生物を取得することができる(例えば、VEGFプロモーター活性のリポーターとして、GFPを用いるトランスジェニックマウスを記載したFukumura, D.ら、Cell(1998)94:715−725を参照。ただし、その内容は、参照として本明細書に組み込むものとする)。
【0086】
前記3つの方法に関する技術は当業者にはよく知られている。
【0087】
2.蛍光団
本発明の方法では、当業界で公知のあらゆる蛍光団を用いることができる。好ましい実施形態では、遺伝子のプロモーターに機能的に連結された蛍光団は、ヒト化蛍光団である。同様に好ましくは、蛍光団は、緑色蛍光タンパク質(GFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)および赤色蛍光タンパク質(RFP)である。さらに好ましくは、GFPは、ヒト化hGFP−S65Tである。
【0088】
GFPをコードする天然遺伝子は、生物発光クラゲAequorea victoriaからクローニングしたものである(Morinら、J Cell Physiol., 77:313−318(1972))。この遺伝子が利用できるようになったため、GFPを遺伝子発現のマーカーとして使用することが可能になった。GFP自体は、分子量が27 kDの283アミノ酸タンパク質である。これは、蛍光を発するのに、その天然源から別のタンパク質を一切必要とせず、しかも、その天然源でしか入手できない基質または補因子も必要としない(Prasherら、Gene, 111:229−233(1992);Yangら、Nature Biotechnol., 14:1252−1256(1996);およびCodyら、Biochemistry, 32:1212−1218(1993))。GFP遺伝子の突然変異体は、発現を増強し、かつ、励起および蛍光を修飾する上で有用であることがわかっている。本発明の方法では、GFP−S65T(65位置のセリンがトレオニンで置換されている)が特に有用であり、これは、490 nmで単一の励起ピークを有する(Heimら、Nature, 373:663−664(1995));および米国特許第5,625,048号)。その他の突然変異体もDelagradeら、Biotechnology, 13:151−154(1995);Cormackら、Gene, 173:33−38(1996);およびCramerら、Nature Biotechnol., 14:315−319(1996)により開示されている。それ以外にも、米国特許第5,625,048号に突然変異体が開示されている。適切な修飾により、GFPが発する光のスペクトルを変えることができる。従って、「GFP」という用語を本明細書では用いるが、この定義に含まれるタンパク質は必ずしも外観が緑色をしているわけではない。様々な形態のGFPは、緑以外の色を呈し、これらも「GFP」の定義に含まれ、本発明の方法および材料に有用である。加えて、本明細書の「GFP」の定義に含まれる緑色蛍光タンパク質は、例えば、ウミシイタケ、Renilla reriformisのようなその他の生物から単離されたものであることに留意されたい。本発明では、あらゆる好適かつ便利な形態のGFP遺伝子を用いることができる。一般にGFPを用いて細胞を標識する技法は、米国特許第5,491,084号(前掲)に開示されている。
【0089】
本発明の方法では、その他のGFP、BFPおよびRFPを使用してもよい。例えば、下記のGenBank受託番号の核酸によりコードされた緑色蛍光タンパク質を用いることができる:U47949(AGP1);U43284;AF007834(GFPuv);U89686(サッカロミセス・セレビシエ合成緑色蛍光タンパク質(cox3::GFPm−3)遺伝子);U89685(サッカロミセス・セレビシエ合成緑色蛍光タンパク質(cox3::GFPm)遺伝子);U87974(合成構築物修飾緑色蛍光タンパク質GFP5−ER(mgfp5−ER));U87973(合成構築物修飾緑色蛍光タンパク質GFP5(mgfp5));U87625(合成構築物修飾緑色蛍光タンパク質GFP−ER(mgfp4−ER));U87624(合成構築物修飾緑色蛍光タンパク質(mgfp4)mRNA);U73901(Aequorea victoria突然変異体3);U50963(合成);U70495(可溶性−修飾緑色蛍光タンパク質(smGFP);U57609(増強された緑色蛍光タンパク質遺伝子);U57608(増強された緑色蛍光タンパク質遺伝子);U57607(増強された緑色蛍光タンパク質遺伝子);U57606(増強された緑色蛍光タンパク質遺伝子);U55763(増強された緑色蛍光タンパク質(egfp));U55762(増強された緑色蛍光タンパク質(egfp));U55761(増強された緑色蛍光タンパク質(egfp));U54830(合成大腸菌Tn−3由来のトランスポソン緑色蛍光タンパク質(GF));U36202;U36201;U19282;U19279;U19277;U19276;U19281;U19280;U19278;L29345(Aequorea victoria);M62654(Aequorea victoria);M62653 (Aequorea victoria);AAB47853((U87625)合成構築物修飾緑色蛍光タンパク質(GFP−ER));AAB47852((U87624)合成構築物緑色蛍光タンパク質)。
【0090】
同様に、下記GenBank受託番号の核酸によりコードされた青色蛍光タンパク質を用いることもできる:U70497(可溶性−修飾青色蛍光タンパク質(smBFP);1BFP(緑色蛍光タンパク質の青色変異型);AAB16959(可溶性−修飾青色蛍光タンパク質)。
【0091】
また同様に、下記GenBank受託番号の核酸によりコードされた赤色蛍光タンパク質を用いてもよい:U70496(可溶性−修飾赤色偏移緑色蛍光タンパク質(smRSGFP);AAB16958(可溶性−修飾赤色偏移緑色蛍光タンパク質)。
【0092】
時間の経過と共に変色する蛍光団がTeiskikh, A.ら、Science (2000)290:1585−1588(その内容は参照により本明細書に組み入れる)により報告されている。これにより、時間に応じた発現の追跡が可能になる。
【0093】
3.多細胞生物
本発明の方法は、あらゆる適当な多細胞生物における遺伝子発現をモニタリングするのに用いることができる。好ましい実施形態では、分析しようとする多細胞生物は、植物または、トランスジェニック動物を含む動物である。さらに好ましくは、動物は、ヒトを含む哺乳動物である。本発明のモニタリング方法で分析することができる動物として、限定するものではないが、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、雌ウシ、雄ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、サルおよびその他のヒト以外の霊長類が挙げられる。
【0094】
4.組織または器官特異的遺伝子発現
本発明の方法は、組織または器官特異的に発現する遺伝子の発現のモニタリングに用いることができる。特定の遺伝子の発現パターンが、組織および器官の健康および/または機能性と関連している場合には、これらの組織および/または器官の健康および/または機能性のモニタリングに本発明の方法を用いることができる。好ましくは、モニタリングしようとする遺伝子を、結合組織、上皮組織、筋組織または神経組織で発現させる。また好ましくは、モニタリングしようとする遺伝子を以下に示す器官で発現させる:眼の副器官、らせん器官、聴覚器官(auditory organ)、チーヴィッツ器官、脳室周囲器官群、コルティ器官、危険臓器、エナメル器、終末器、女性の外生殖器、男性の外生殖器、遊走器官、ルフィーニ散形器官、生殖器、ゴルジ腱紡錘、味覚器、聴覚器、女性の内生殖器、男性の内生殖器、陰茎、ヤコブソン器官、神経血液器官、ゴルジ腱紡錘、嗅覚器、耳石器、遊走器官、ローゼンミュラー器官、感覚器、嗅覚器、らせん器、交連下器官、脳弓下器官、過剰器官、触覚器、標的器官、味覚器、触覚器、泌尿器、終板血管器官、前庭器、平衡聴覚器、痕跡器官、視覚器、視覚器、鋤鼻器、遊走器官、ウェーバー器官およびツッカーカンドル器官。さらに好ましくは、モニタリングしようとする遺伝子は、脳、肺、肝臓、脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃、腸、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、腺、内部血管などの動物の内蔵において発現させる。
【0095】
他の実施形態では、蛍光団、例えば、GFP、BFPまたはRFPは、組織特異性を示す下記の動物性転写制御領域に機能的に連結させることにより、動物におけるこれらの組織特異的遺伝子発現をモニタリングすることができる:膵臓腺房細胞において機能するエラスターゼI遺伝子制御領域(Swiftら、Cell 38:639−646(1984);Ornizら、Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 50:399−409(1986);MacDonald. Hepatology 7:425−515(1987));膵臓ベータ細胞において機能するインスリン遺伝子制御領域(Hanahanら、Nature 315:115−122(1985))、リンパ系細胞において機能するイムノグロブリン遺伝子制御領域(Grosschedlら、Cell 38:647−658(1984);Adamsら、Nature 318:533−538(1985);Alexanderら、Mol. Cell Biol. 7:1436−1444(1987))、精巣、乳房、リンパおよびマスト細胞において機能するマウス乳癌ウイルス制御領域(Lederら、Cell 45:485−495(1986))、肝臓において機能するアルブミン遺伝子制御領域(Pinckertら、Genes and Devel. 1:268−276(1987))、肝臓において機能するα−フェトプロテイン遺伝子制御領域(Krumlaufら、Mol. Cell. Biol. 5:1639−1648(1985);Hammerら、Science 235:53−58 1987)、肝臓において機能するα−1抗トリプシン遺伝子制御領域(Kelseyら、Genes and Devel. 1:161−171(1987))、骨髄性細胞において機能するβグロブリン遺伝子制御領域(Mogramら、Nature 315:338−340(1985);Kolliasら、Cell 46:86−94(1986))、脳の希突起こう細胞において機能するミエリン塩基性タンパク質遺伝子制御領域(Readheadら、Cell 48:703−712(1987))、骨格筋において機能するミオシンL鎖−2遺伝子制御領域(Sani,Nature 314:283−286(1985))、ならびに、視床下部の性腺刺激細胞において機能する性腺刺激ホルモン放出ホルモン遺伝子制御領域(Masonら、Science 234:1372−1378(1986))。
【0096】
5.腫瘍または癌関連遺伝子発現
本発明の方法は、腫瘍もしくは癌に特異的に発現する遺伝子の発現をモニタリングするのに用いることができる。好ましくは、分析しようとする遺伝子は、発癌遺伝子もしくは腫瘍抑制遺伝子のような腫瘍もしくは癌関連遺伝子である。例えば、以下の表1に挙げる発癌遺伝子の発現を本発明の方法でモニタリングすることができる。
【0097】
【表1】
Figure 2004500576
【0098】
同様に、下記の腫瘍抑制遺伝子の発現を本発明の方法でモニタリングすることができる:p16、p21、p27、p53、RB、WT−1、DCC、NF−1およびAPC。
【0099】
発癌遺伝子の異常に高い発現および腫瘍抑制遺伝子の異常に低い発現は、腫瘍形成の優れた指標となることが多いため、本発明の方法は、癌の予後判定または診断、癌腫瘍形成の発達のモニタリング、および癌治療の有効性評価に用いることができる。
【0100】
C.疾患または障害を治療するための候補プロトコルまたは薬物を評価する方法
本発明の方法は、特定の制御配列に関して、遺伝子発現を評価することから、本発明の方法を用いて、様々な化合物、処置(照射など)、または遺伝環境のその他の摂動(perturbations)の影響を評価し、それらが発現に及ぼす影響を調べることができる。従って、例えば、遺伝子毒物を確認することができる。
【0101】
特定の実施形態では、本発明は、疾患もしくは障害を治療するための候補プロトコルまたは薬物を評価する方法を提供し、この方法は、a)疾患もしくは障害に関連する遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する非ヒト哺乳動物被験者に上記プロトコルまたは薬物を施した後、全身外部蛍光光学イメージングにより、該哺乳動物被験者の様々な位置で上記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察することによって、上記プロモーターの発現を測定し;b)上記遺伝子のプロモーターの指令下で上記蛍光団を発現する対照の非ヒト哺乳動物被験者において、全身外部蛍光光学イメージングにより、該哺乳動物被験者の様々な位置で上記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察することによって、上記プロモーターの発現を測定し;c)段階a)およびb)で測定した上記プロモーターの発現を比較することを含み、その際、段階a)で測定した発現が、段階b)で測定したものと異なれば、上記プロトコルまたは薬物が、疾患もしくは障害を治療するのに有効であると確認される。
【0102】
好ましい実施形態では、遺伝子の過剰発現が、疾患もしくは障害に関連しており、従って、段階a)で測定した発現が、段階b)で測定したものより低ければ、該プロトコルまたは薬物は、その疾患もしくは障害を治療するのに有効であると確認される。
【0103】
別の好ましい実施形態では、遺伝子の過小発現が、疾患もしくは障害に関連しており、従って、段階a)で測定した発現が、段階b)で測定したものより高ければ、該プロトコルまたは薬物は、その感染症を治療するのに有効であると確認される。
【0104】
さらに別の好ましい実施形態では、疾患もしくは障害に関連する遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する非ヒト哺乳動物被験者は、該プロモーターに機能的に連結された蛍光団をコードする核酸、あるいは、該核酸を含む細胞を、非ヒト哺乳動物被験者に送達することにより作製される(セクションB(前掲)を参照)。
【0105】
本発明のスクリーニング方法では、あらゆる非ヒト哺乳動物被験者を用いることができる。好ましくは、スクリーニングに用いられる非ヒト哺乳動物被験者は、十分に確立されている実験動物、例えば、マウス、ウサギまたはヒト以外の霊長類である。同様に好ましくは、スクリーニングに用いられる非ヒト哺乳動物被験者は、感染症の動物モデルである。加えて好ましくは、スクリーニングに用いられる非ヒト哺乳動物被験者は、トランスジェニック動物である。
【0106】
本発明のスクリーニング方法では、セクションBに記載したものなど、当業者には公知のあらゆる蛍光団を用いることができる。好ましい実施形態では、スクリーニングに用いられる蛍光団は、緑色蛍光タンパク質(GFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)もしくは赤色蛍光タンパク質(RFP)である。
【0107】
本発明の方法を用いて、あらゆる既知の疾患もしくは障害を治療するための候補プロトコルまたは薬物をスクリーニングすることができる。好ましい実施形態では、スクリーニングしようとする疾患もしくは障害は、癌、免疫系疾患もしくは障害、代謝疾患もしくは障害、筋肉および骨の疾患もしくは障害、神経系疾患もしくは障害、シグナル疾患もしくは障害、ならびに、輸送体疾患もしくは障害である。
【0108】
さらに別の実施形態では、非ヒト哺乳動物被験者は、感染症生物のプロモーターの指令下で蛍光団を発現し、段階a)で測定した発現が、段階b)で測定したものより低ければ、該プロトコルまたは薬物は、感染症生物が引き起こした感染症を治療するのに有効であると確認される。
【0109】
スクリーニングに用いられる非ヒト哺乳動物被験者は、感染症の動物モデルとしうる。
【0110】
スクリーニングの対象となる感染性生物は、酵母のような真菌、真正細菌または古細菌のような細菌、あるいは、クラスIウイルス、クラスIIウイルス、クラスIIIウイルス、クラスIVウイルス、クラスVウイルスまたはVIウイルスなどのウイルスとしうる。
【0111】
感染症を治療するための薬物候補を見出すために、本発明のスクリーニング方法を用いて、任意の物質をスクリーニングすることができる。好ましい実施形態では、コンビナトリアルライブラリーをスクリーニングアッセイに用いる。コンビナトリアルライブラリーの合成方法およびこのようなコンビナトリアルライブラリーの特徴は、当業者には公知である(概要については、Combinatorial Libraries:Synthesis, Screening and Application Potential(Cortese編)Walter de Gruyter, Inc., 1995;TietzeおよびLieb, Curr. Opin. Chem. Biol., 2(3):363−71(1998);Lam, Anticancer Drug Des., 12(3):145−67(1997);BlaneyおよびMartin, Curr. Opin. Chem. Biol., 1(1):54−9(1997);ならびに、SchultzおよびSchultz, Biotechnol. Prog., 12(6):729−43(1996)を参照)。
【0112】
感染症が細菌によるものである場合には、適切な薬物候補を見出すために、本発明のスクリーニング方法を用いて、公知の抗生物質をスクリーニングすることができる。好ましくは、スクリーニングしようとする抗生物質は、アミノグリコシド類(例えば、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、シソマイシン、トブラマイシン、アミカシン)、アンサマイシン類(例えば、リファマイシン)、抗真菌性ポリエン類(例えば、ニスタチン、ピマリシン、アンホテリシンB、ペシロシン)、ベンゾフラン誘導体(例えば、グリセオフルビン)、β−ラクタム抗生物質ペニシリン類(例えば、ペニシリンGおよびその誘導体、経口ペニシリン、ペニシリナーゼ固定化ペニシリン広域スペクトルペニシリン、プロテウス属およびシュードモナス属に対して活性のペニシリン)、セファロスポリン類(例えば、セファロチン、セファロリジン、セファレキシン、セファゾリン、セフォタキシム)、クロラムフェニコール群(例えば、クロラムフェニコール、チアムフェニコール、アジダムフェニコール)、イミダゾールフルコナゾール、イトラコナゾール、リノサミド類(例えば、リノマイシン、クリンダマイシン)、マクロリド(例えば、アジトロマイシン、エリトロマイシン、オレアンドマイシン、スピラマイシン、クラリトロマイシン)、ペプチド類、ペプトリド類、ポリペプチド類(例えば、ポリミキシンBおよびE、バシトラシン、チロトリシン、カプレオマイシン、バンコマイシン)、キノロン類(例えば、ナリジクス酸、オフロキサシン、シプロフロキサシン、ノルフィオキシン)、テトラサイクリン類(例えば、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ミノサイクリン、ドキシサイクリン)、ならびにその他の抗生物質(例えば、ホスホマイシン、フシジン酸)である。
【0113】
D.遺伝子発現モジュレーターおよびレギュレーターのスクリーニング方法
前記スクリーニング方法を用いて、遺伝子発現のモジュレーター、すなわち、多細胞生物における標的遺伝子の発現をモジュレートするトランス作用物質、またはレギュレーター、すなわち、標的遺伝子の発現を調節する多細胞生物のシス作用遺伝子を同定することができる。疾患もしくは障害の治療プロトコルまたは薬物を確認する以外に、本明細書に記載するスクリーニング方法は、工業、農業、環境保護、ならびに、その他の多方面の分野に広範な用途がある。例えば、トランスジェニックウシのようなトランスジェニック動物は商業的に用いられている。望ましくは、導入遺伝子の発現を高める好適な物質をみいだし、このような物質を動物の飼料に添加することができる。同様に、標的導入遺伝子の発現を増強するトランスジェニックウシ内の遺伝子をみいだし、これを改変することが望ましい。
【0114】
いったん標的遺伝子の発現レベルを改変することが望ましいと決定したら、蛍光団を、標的遺伝子のプロモーターまたはその他の転写制御領域に機能的に連結して、多細胞生物において発現させることができる。次に、蛍光団を発現する多細胞生物を試験物質で処置することにより、蛍光団発現をモジュレートする物質を確認することができる。あるいは、蛍光団を発現する多細胞生物自体に突然変異を誘発させることにより、蛍光団発現を改変する該生物内の遺伝子を同定することができる。これらのスクリーニングの原理は、細菌や酵母のような単細胞生物における遺伝子発現のシスまたはトランス作用レギュレーターを同定するために、長い間用いられてきた。しかし、迅速かつ簡単なスクリーニング方法がなかったために、このようなスクリーニングは、植物や動物などの多細胞生物には実施不可能であった。本明細書に開示する遺伝子発現の全身外部光学イメージングは、このようなスクリーニングまたは突然変異体出現(mutant−haunt)を多細胞生物において実施可能にするものである。
【0115】
特定の実施形態では、本発明は、多細胞生物における遺伝子発現のモジュレーターのスクリーニング方法を提供し、この方法は、a)遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する非ヒト多細胞生物に試験物質を投与した後、全身外部蛍光光学イメージングにより、該多細胞生物の様々な位置で上記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察することによって、上記プロモーターの発現を測定し;b)上記遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する対照の多細胞生物において、全身外部蛍光光学イメージングにより、様々な位置で上記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察することによって、上記プロモーターの発現を測定し;c)段階a)およびb)で測定した上記プロモーターの発現を比較することを含み、その際、段階a)で測定した発現が、段階b)で測定したものと異なれば、上記試験物質が、上記遺伝子発現のモジュレーターであると確認される。好ましくは、上記プロモーターは、多細胞生物の内在性プロモーターである。
【0116】
別の特定の実施形態では、本発明は、改変されたレベルで遺伝子を発現する多細胞生物のスクリーニング方法を提供し、この方法は、a)遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する非ヒト多細胞生物に突然変異を誘発する物質または処置を施した後、全身外部蛍光光学イメージングにより、該多細胞生物の様々な位置で上記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察することによって、上記プロモーターの発現を測定し;b)上記遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する非処置の対照多細胞生物において、全身外部蛍光光学イメージングにより、様々な位置で上記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察することによって、上記プロモーターの発現を測定し;c)段階a)およびb)で測定した上記プロモーターの発現を比較することを含み、その際、段階a)で測定した発現が、段階b)で測定したものとは異なれば、改変されたレベルで上記遺伝子を発現する多細胞生物であると確認される。好ましくは、突然変異を誘発する物質または処置は、上記多細胞生物の生殖系細胞に突然変異を引き起こし、これによって、所望の突然変異が、上記多細胞生物の子孫へと安定して伝達できるようにする。
【0117】
加えて、「ビッグブルー(Big Blue)」トランスジェニックマウスに関して当技術分野で既述されている各種プロトコルを本発明の系で用いてもよい。
【0118】
以下の実施例は、例示を目的として記載するにすぎず、本発明の範囲を制限しようとするものではない。
【0119】
実施例1
アデノウイルスを用いた、様々な組織における遺伝子発現の視覚化
雌ヌード/ヌード、ヌード/+、またはC57BL/6マウスから得た生後6週間の雄4匹を用いた。動物実験はすべて、証明書番号A3873−1で、国内動物保護および使用の健康指針協会(National Institute of Health Guide for the Care and Use of Animals)に概説されている原則および手順に従って実施した。マウスには、オートクレーブで処理した実験げっ歯類用餌を与えた(Techklad LM−485、Western Research Products、カリフォルニア州オレンジ)。
【0120】
使用したベクターは、アデノウイルス(vAd)ベクターAdCMV5GFPAE1/AE3[vAd−緑色蛍光タンパク質(GFP)](Quantum、カナダ、モントリオール)であり、これは、増強されたGFPおよびアンピシリン耐性遺伝子を発現する。
【0121】
このベクターを様々な組織に導入することにより、これら組織におけるCMVプロモーターの発現を視覚化した。前述したように、このベクターの適当な改変により、いずれかの所望のプロモーターの制御下にあるリポーターの発現を視覚化することができる。
【0122】
肝臓:上腹部正中切開後に門脈を露出させた後、マウス1匹当たり、全量100μl(8×1010 pfu/ml)のvAd−GFPを1ml 39G1ラテックスフリー注射器(Becton Dickinson、ニュージャージー州フランクリンレイクス)を用いて、門脈に注射した。門脈の穿刺孔を滅菌綿で約10秒押さえ、出血を止めた。腹壁の切開部は、1層の7−0手術用縫合糸で縫合した。手術中、動物はケタミン麻酔下に維持した。前述した手術の全手順は、7X倍率顕微鏡(Leica MZ6、ドイツ、Nussloch)を用いて実施した。動物をHEPAろ過中の柵内に維持した。
【0123】
:上頭皮正中切開により、頭蓋の頭頂骨を露出させた。1−ml 27G1/2ラテックスフリー注射器(Becton Dickinson)を用いて、マウス1匹当たり、8×1010プラーク形成単位(pfu)/ml vAd−GFPを含む20マイクロリットルの溶液を脳に注射した。頭蓋の穿刺孔を骨ろうで塞いだ。頭皮の切開部は、1層の7−0手術用縫合糸で縫合した。手術中、動物はイソフルオラン麻酔下に維持した。
【0124】
膵臓:上腹部正中切開により膵臓を露出させた。1−ml 30G1/2ラテックスフリー注射器(Becton Dickinson)を用いて、マウス1匹当たり、8×1010 pfu/ml vAd−GFPを含む100マイクロリットルの溶液を膵臓に注射した。穿刺孔を滅菌綿で約10秒押さえ、止血した。切開部は、1層の7−0手術用縫合糸で縫合した。手術中、動物はカーセル麻酔下に維持した。前述した手術の全手順は、x7倍率立体顕微鏡を用いて実施した。
【0125】
前立腺:下腹部正中切開により膀胱および前立腺を露出させた。1−ml 30G1/2ラテックスフリー注射器(Becton Dickinson)を用いて、マウス1匹当たり、8×1010 pfu/ml vAd−GFPを含む30マイクロリットルの溶液を前立腺に注射した。前立腺の穿刺孔を滅菌綿で約10秒押さえ、止血した。腹壁の切開部は、1層の6−0手術用縫合糸で縫合した。手術中、動物はイソフルオラン麻酔下に維持した。前述した手術の全手順は、x7倍率立体顕微鏡を用いて実施した。
【0126】
骨髄:骨髄注射のために、イソフルオランの吸入により動物を麻酔した。1cmの切開により後脚の皮膚を開き、頚骨を露出させた。ラテックスフリー注射器(Becton Dickinson)付きの27ゲージ注射針を骨髄腔に挿入した。マウス1匹当たり、全量20μlの(8×1010 pfu/ml)vAd−GFPを骨髄腔に注射した。骨の穿刺孔を骨ろうで塞ぎ、切開部は1層の6−0手術用縫合糸で縫合した。
【0127】
視覚化:高倍率で視覚化するために、50−W水銀ランプを備えたライカ(Leica)蛍光立体顕微鏡(LZ12型)を用いた。D425/60帯域フィルターおよび470 DCXR光二色性鏡を用いて、GFPの選択性励起を起こした。放出された蛍光を広域フィルターGG475(Chroma Technology、バーモント州ブラットルボロ)で、Hamamatsu C5810−3−チップ冷却色電荷結合(color charge−coupled)装置カメラ(Hamamatsu Photonics Systems、ニュージーランド州ブリッジウォーター)に収集した。画像を処理してコントラストおよび明るさを調節した後、IMAGE PRO PLUS 3.1ソフトウエア(Media Cybernetics、メリーランド州シルバースプリングス)を用いて分析した。1,024×724画素の画像を、IBM PCに直接、あるいは、ビデオ出力を介して高解像度Sony VCR SLV−R−1000型(Sony、東京)に連続的に捕獲した。
【0128】
青色光光ファイバー(Lightools Research、カリフォルニア州エンシニタス)により照明し、前述と同様、熱電冷却した色電荷結合装置カメラを用いて画像化したライトボックスにおいて、動物全体を視覚化する低倍率の画像化を実施した。
【0129】
定量化:GFP蛍光の強度を測定することにより、時間経過および画像化領域による励起照度の変動の原因を求めた。基底線としてマウス皮膚の内在性赤色蛍光を用いて、これらのファクターを補正することにより、GFPにより起こった内在性緑色蛍光に対する増加を補正する。これは、GFPラジアンスには赤色の発光が比較的ないため、実施することができる。従って、皮膚画像中の赤色および緑色チャンネル構成に基づき、赤に対する緑色蛍光を計算した。赤色チャンネルに対する緑色チャンネルの比(γ)を、GFPを含むおよび含まない皮膚の画像中の各画素について決定した。GFPを含まない画像全体のマウス皮膚についてのγの値はかなり一定であり、0.7〜1.0の間を変動した。動物内部からのGFP蛍光の寄与により、赤に対して緑色成分が増加したが、このことは、γ値の上昇に表れた。GFP蛍光の総量は、γ値が1より大きい画素の数と、各画素のγ値を掛けることにより、概算した。こうして得られた積は、GFPを含まない皮膚のγの最大値より大きい積分GFP蛍光[I’GFP]におおむね一致する。GFPを含まないγ値>1.0のマウス皮膚の画像中の画素数は、0.02%より少なく、GFP発現と共に増加する。[I’GFP]の値は、脳および肝臓についてそれぞれ図1Aおよび1Bに、ウイルス注射後の時間の関数として示す。
【0130】
生きた無傷の動物、または死亡および解剖直後に検分した同様の器官を高倍率で撮影した後、各器官の画像を比較した。画像は、各種器官における遺伝子発現の分布を示している。すべてのケースで、外部で得られた画像は、露出した器官の画像と類似している。
【0131】
生きた動物をライトボックスで検分した場合、遺伝子の発現をモニタリングすることも可能であり、従って、生きた動物、ならびに、その動物に起こる発現をリアルタイムで観察することができる。例えば、72時間後に得られたヌードマウス肝臓におけるGFPの発現のライトボックス測定から、この結果が得られる。同様の結果が、遺伝子送達から24時間後のヌードマウス脳でも認められる。皮膚下0.8 mmの深さで、マウス肝臓中のGFP蛍光の強度は、露出した器官の約25%であったことから、この方法はかなり感度が高い。GFP発現器官の平均蛍光が、周辺皮膚の平均蛍光に対して少なくとも20%高ければ、遺伝子発現は外部測定が可能であり、最大レベルのGFP発現では、肝臓での強度が背面および腹部の皮膚蛍光の100倍を超えた。
【0132】
実施例2
レンチウイルスベクターを用いた遺伝子の視覚化
レンチウイルスベクターは、ニューロン、網膜、肝臓、筋肉および造血幹細胞など、広範な非分裂細胞にin vitroで形質導入することが明らかにされている(例えば、Naldini, L.ら、Science(1996)272:263−267;Kafri T.ら;Nat. Genet(1997)17:314−317;Takahashi, M.ら、J. Virol(1999)73:7812−7816;Miyoshi, H.ら、Science(1999)283:682−686)。肝細胞は、細胞周期に進行しない限り、レンチウイルス導入には無反応であることが報告されている(Park, Fら、Nat. Genet(2000)24:49−52)が、以下に、発現の視覚化を目的とする肝臓へのレンチウイルス遺伝子送達は実施可能であることを証明する。
【0133】
HIV1に基づくレンチウイルスベクター(GFP−LVと称する)を用いた。このベクターは、U−3領域における自己不活性化突然変異と、転写後エレメントと、内部CMVプロモーターとを含む。これはまた、cppt、HIV−polに由来する中央ポリプリン路、ならびに、ウッドチャック肝炎ウイルス転写後エレメント(WPRE)も含む。このベクターの概要を図2Aに示す。
【0134】
1×10IUでベクターGHP−LVをヌードマウス(Hsd:asymic nude−nu)の門脈に注射した。注射から6日後、図2Bに示すように、in vivo蛍光光学イメージングを用いて、肝臓での緑色蛍光が試験可能であった。21日後に、このベクターを注射したマウスの肝臓の両葉とも、均質な緑色蛍光を呈示した。
【0135】
1×10IUでGHP−LVを腹腔内にも注射したが、この方法によっても、高レベルの肝臓および脾臓の形質導入が達成された。
【0136】
ウエスタンブロットにより、0.5〜2.5×10IUの範囲でGFP発現の用量依存性が証明された。注射から3週間後の肝臓でのベクター組込みがPCRにより証明された。
【0137】
毎日IP注射により5’ブロモ−2’デオキシウリジン(BrdU)15 mg/kgを投与して、分裂細胞を標識することにより、形質導入された細胞が、迅速に分裂しないことを確認した。十二指腸の細胞が高い標識を示したのに対し、対照またはレンチウイルス処理肝のいずれにおいても約3%の肝細胞しかBrdU陽性ではなかった。
【0138】
実施例3
別の用途
実施例1および2に例示した手法以外に、本発明の方法を用いて、Niwa, M.ら、Cell(1999)99:691−702(その内容は、参照として本明細書に組み込む)により記載されているように、フォールディングされていないタンパク質の応答(UPR)により調節される制御配列の発現をモニタリングすることもできる。これ以外にも、好適な試験標識として、Yamaguchi, S.ら、Nature(2001)409:684(その内容は、参照として本明細書に組み込む)による利便性に劣る技法で試験された概日リズム制御遺伝子がある。
【0139】
当業者には、変更は明らかであるため、本発明は、本明細書の特許請求の範囲によってのみ制限されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1Aおよび1Bは、それぞれ、脳および肝臓におけるアデノウイルス投与したGFPの発現の時間経過を示した図である。局所送達から6時間以内に、蛍光は初めて脳で認められ、肝蛍光の方は、尾静脈への注射から約7時間後に検出可能となった。
【図2】
図2Aおよび2Bは、レンチウイルスベクターの投与に関する図である。図2Aは、レンチウイルスベクターGFP−LVの概略図である。図2Bは、制御観察方法の概略図であり、全身測定にはライトボックスを使用した。

Claims (40)

  1. 遺伝子の発現をモニタリングする方法であって、
    a)発現を分析しようとする遺伝子のプロモーターに機能的に連結された蛍光団をコードする核酸を多細胞生物に送達するか、または該核酸を含む細胞を送達し、
    b)全身外部蛍光光学イメージングにより、該生物の様々な位置で、蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察し、それによって、該遺伝子の発現をモニタリングする、
    ことを含んでなる上記方法。
  2. 前記遺伝子のプロモーターに機能的に連結された蛍光団をコードする核酸を生物に送達する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記核酸がウイルスベクター中に含まれる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ウイルスベクターがアデノウイルスに由来する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記核酸を含む細胞を生物に送達する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記細胞を外科手術により生物に送達する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記細胞を、所望部位での外科的正常位移植(SOI)による直接移植により生物に送達する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記蛍光団がヒト化蛍光団である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記蛍光団が緑色蛍光タンパク質(GFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)および赤色蛍光タンパク質(RFP)である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記GFPがヒト化hGFP−S65Tである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記多細胞生物が植物または動物である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記動物が哺乳動物である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記哺乳動物がマウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、雌ウシ、雄ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、サル、およびヒト以外の霊長類からなる群より選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記動物がトランスジェニック動物である、請求項11に記載の方法。
  15. 前記遺伝子を組織特異的または器官特異的に発現させる、請求項1に記載の方法。
  16. 前記組織が結合、上皮、筋肉および神経組織からなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記器官が脳、肺、肝臓、脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃、腸、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、腺、および内部血管からなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
  18. 前記遺伝子が腫瘍または癌関連遺伝子である、請求項1に記載の方法。
  19. 前記腫瘍または癌関連遺伝子が癌遺伝子または腫瘍抑制遺伝子である、請求項18に記載の方法。
  20. 疾患もしくは障害を治療するための候補プロトコルまたは薬物を評価する方法であって、
    a)疾患もしくは障害に関連する遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する非ヒト哺乳動物被験者に前記プロトコルまたは薬物を施した後、全身外部蛍光光学イメージングにより、該哺乳動物被験者の様々な位置で前記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察することによって、前記遺伝子の発現を測定し、
    b)前記遺伝子のプロモーターの指令下で前記蛍光団を発現する対照の非ヒト哺乳動物被験者において、全身外部蛍光光学イメージングにより、該哺乳動物被験者の様々な位置で前記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察することによって、前記遺伝子の発現を測定し、
    c)段階a)およびb)で測定した前記プロモーターの発現を比較する、
    ことを含んでなり、その際、段階a)で測定した発現が、段階b)で測定したものと異なれば、前記プロトコルまたは薬物が疾患もしくは障害を治療するのに有効であると確認される、上記方法。
  21. 前記遺伝子の過剰発現が疾患もしくは障害に関連しており、前記プロトコルまたは薬物が疾患もしくは障害を治療するのに有効であるときは、段階a)で測定した発現が段階b)で測定したものより低くなる、請求項20に記載の方法。
  22. 前記遺伝子の過小発現が疾患もしくは障害に関連しており、前記プロトコルまたは薬物が感染症を治療するのに有効であるときは、段階a)で測定した発現が段階b)で測定したものより高くなる、請求項20に記載の方法。
  23. 前記疾患もしくは障害が癌、免疫系疾患もしくは障害、代謝疾患もしくは障害、筋肉および骨の疾患もしくは障害、神経系疾患もしくは障害、シグナル疾患もしくは障害、ならびに、輸送体疾患もしくは障害からなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
  24. 前記プロモーターが感染性生物に由来する、請求項20に記載の方法。
  25. 前記遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する非ヒト哺乳動物被験者が、該遺伝子のプロモーターに機能的に連結された蛍光団をコードする核酸、もしくは、この核酸を含む細胞を、非ヒト哺乳動物被験者に送達することにより作製される、請求項20に記載の方法。
  26. 前記非ヒト哺乳動物被験者がマウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、雌ウシ、雄ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、サル、ならびに、ヒト以外の霊長類からなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
  27. 非ヒト哺乳動物被験者が感染症動物モデルである、請求項24に記載の方法。
  28. 前記非ヒト哺乳動物被験者がトランスジェニック動物である、請求項20に記載の方法。
  29. 前記蛍光団が緑色蛍光タンパク質(GFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)および赤色蛍光タンパク質(RFP)からなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
  30. 前記感染性生物が真菌、細菌およびウイルスからなる群より選択される、請求項24に記載の方法。
  31. 前記真菌が酵母である、請求項30に記載の方法。
  32. 前記細菌が真正細菌または古細菌である、請求項30に記載の方法。
  33. 前記ウイルスがクラスIウイルス、クラスIIウイルス、クラスIIIウイルス、クラスIVウイルス、クラスVウイルスおよびクラスVIウイルスからなる群より選択される、請求項30に記載の方法。
  34. スクリーニングしようとする前記候補薬物が抗生物質である、請求項24に記載の方法。
  35. 2以上の遺伝子の発現を同時にモニタリングする、請求項1に記載の方法。
  36. 2以上の候補プロトコルまたは候補薬物を同時にスクリーニングする、請求項20に記載の方法。
  37. 多細胞生物における遺伝子発現のモジュレーターをスクリーニングする方法であって、
    a)遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する非ヒト多細胞生物に試験物質を投与した後、全身外部蛍光光学イメージングにより、該多細胞生物の様々な位置で前記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察することによって、前記プロモーターの発現を測定し、
    b)前記遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する対照の多細胞生物において、全身外部蛍光光学イメージングにより、様々な位置で前記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察することによって、前記プロモーターの発現を測定し、
    c)段階a)およびb)で測定した前記プロモーターの発現を比較する、
    ことを含んでなり、その際、前記試験物質が前記遺伝子発現をモジュレートしていれば、段階a)で測定した発現が段階b)で測定したものと異なっている、上記方法。
  38. 前記プロモーターが多細胞生物の内在性プロモーターである、請求項37に記載の方法。
  39. 改変されたレベルで遺伝子を発現する多細胞生物をスクリーニングする方法であって、
    a)遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する非ヒト多細胞生物に突然変異を誘発する物質または処置を施した後、全身外部蛍光光学イメージングにより、該多細胞生物の様々な位置で前記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察することによって、前記プロモーターの発現を測定し、
    b)前記遺伝子のプロモーターの指令下で蛍光団を発現する未処置の対照多細胞生物において、全身外部蛍光光学イメージングにより、様々な位置で前記蛍光団により発せられる蛍光の存在、不在または強度を観察することによって、前記プロモーターの発現を測定し、
    c)段階a)およびb)で測定した前記プロモーターの発現を比較する、
    ことを含んでなり、その際、多細胞生物が改変されたレベルで前記遺伝子を発現していれば、段階a)で測定した発現が段階b)で測定したものと異なっている、上記方法。
  40. 前記突然変異を誘発する物質または処置が、前記多細胞生物の生殖系細胞に突然変異を引き起こし、これによって、該突然変異が前記多細胞生物の子孫へと安定して伝えられる、請求項39に記載の方法。
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