JP2004500275A - 電化モノレール通信システム - Google Patents
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Abstract
電化モノレール18のための改善された通信は、電化モノレールのバスバー30〜35に電気的に接続されている少なくとも1つの出力を有するオフボードプログラマブル論理制御器を含む。少なくとも1つの別のプログラマブル論理制御器が、電化モノレール上を走行する車両24に取付けられ、バスバーと電気接触する少なくとも1つの入力を含む。オフボードプログラマブル論理制御器は、その出力から、メッセージに対応する高電圧および低電圧を出力するようにプログラムされている。オンボードプログラマブル論理制御器は、該一連の高電圧および低電圧を検出し、少なくとも一時的にメモリに記憶させ、伝送メッセージに基づいて動作するようにプログラムされている。
Description
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本出願は、Electrified Monorail Control for Final Car Assembly Platform (Skillet)との題名の2000年2月7日出願の米国特許仮出願第号60/180550号に対して優先権を主張し、この文書全体は、引用することにより本明細書の一部を成すものとする。
【0002】
[発明の背景]
本発明は、一般に、電化モノレール(electrified monorails)に関し、より詳細には、電化モノレールに搭載されていない装置から、モノレール上を走行する車両へ情報を通信することに関する。「電化モノレール」との用語は、より広い意味で用いられ、2つ以上のレール上でキャリヤを支持するシステムを含むものとする。
【0003】
電化モノレールは、現在、製造工場および他のタイプの建物全体にわたり製品を輸送するために、製造環境内で広く用いられている。電化モノレールは、線路が上に掲げられて車両が線路の下で製品を搬送するオーバヘッド電化モノレールであるか、または、線路が床上に配置されてスキレット(skillet)が線路上を走行するような下から製品を支持するスキレット型モノレールであることもある。いずれの場合にも、搭載されていないソースから、電化モノレール上を走行する1つ以上の個別の車両へ情報を通信できることが望ましいことがしばしばである。このような情報は、車両の速度と、車両により搬送される製品の高さまたはあるいは位置とを指令する速度命令、高さ命令、あるいは位置命令を含むこともある。ゾーンブロッキング情報等のような他のタイプの情報も、望ましくは、車両に通信されることができる。
【0004】
過去において、このような情報を車両に通信するには、特別な通信システムを用いた。このような特別なシステムは、電化モノレールシステムの線路のうちの少なくとも1つに接続されているオフボード通信モジュールと、該少なくとも1つの通信線路と電気的に接触している個別の車両上に配置されている1つ以上の通信モジュールとを含む。これらの特別な通信システムは、特定の販売者が所有権を有する特殊な電子装置を用いるので、システムユーザは、このような通信システムを用いることを嫌がる。何故ならば販売者が、将来その製品のサポートを中止する恐れがあるからである。このような専用システムは、サービスおよびアップグレードのために特定の販売者にシステムユーザを拘束する傾向を有し、これは、しばしば、電化モノレール通信の需要を満たすために複数のソースを確保することを希望する会社にとって望ましくない。
【0005】
したがって、特定の販売者あるいは特殊な技術に購入者を拘束しない簡単な電化モノレール通信システムの必要性が存在する。
【0006】
[発明の概要]
したがって、本発明は、広く知られ用いられている標準の市販品構成要素を一般に用いる通信システムを提供し、これにより、潜在的顧客が、製品および保守の点で特定の販売者に依存しないようにする。本発明の1つの態様では、少なくとも1つの導電性バスバーと車両とを有する電化モノレールのための通信システムが提供される。通信システムは、少なくとも1つの導電性バスバーに電気的に接続され得る出力を有する第1のプログラマブル論理制御器を含む。該出力は、2つ以上の状態をとり得る。第1のプログラマブル論理制御器は、メッセージに対応する一連の異なる状態に第1のプログラマブル論理制御器の出力を順次に設定するようにプログラムされている。第2のプログラマブル論理制御器も設けられて、該少なくとも1つの導電性バスバーに電気的に接続され得る入力を含む。第2のプログラマブル論理制御器は、第1のプログラマブル論理制御器から出力された一連の異なる状態信号をメモリに記憶させるようにプログラムされている。
【0007】
本発明の別の1つの態様では、少なくとも1つのバスバーと、電化モノレール上を動くようにされた少なくとも1つのキャリヤと、第1および第2の論理制御器とを含む電化モノレールシステムが提供される。第1のプログラマブル論理制御器は、バスバーに電気的に接続されている出力を含む。該出力は、2つ以上の状態をとることができて、これにより、一連の異なる状態信号がバスバーに出力されるようになされる。該一連の異なる状態信号は1つのメッセージに対応する。第2のプログラマブル論理制御器も設けられ、バスバーに電気的に接続されている入力を含む。第2のプログラマブル論理制御器は、キャリヤ上に配置され、第1のプログラマブル論理制御器から出力された該一連の異なる状態信号をメモリに記憶させるようにプログラムされている。
【0008】
本発明のさらに別の1つの態様では、電化モノレールシステム内のバスバーを介して情報を伝送するための方法が提供される。該方法は、少なくとも1つの出力を有する第1のプログラマブル論理制御器と、少なくとも1つの入力を有する第2の論理制御器とを設けることを含む。第1のプログラマブル論理制御器の出力と、第2のプログラマブル論理制御器の入力とは、バスバーに接続されている。第1のプログラマブル論理制御器は、情報に対応する一連の異なる状態信号をバスバーに出力するようにプログラムされている。第2のプログラマブル論理制御器は、バスバーに出力された一連の異なる状態信号を検出し、該一連の異なる状態信号を、第2のプログラマブル論理制御器内のメモリに少なくとも一時的に記憶させるようにプログラムされている。
【0009】
本発明は、電化モノレールのための簡単で信頼性の高い通信システムを提供する。該システムは、市販品のプログラマブル論理制御器からなるので、この通信システムの顧客は、通信システムを提供するいかなる特定の販売者にも拘束されない。さらに、通信システムは、広く用いられ良く知られているプログラマブル論理制御器に依存するので、大部分の顧客は、販売者の専門のサービス要員の助けなしに、通信システムを実施および保守できる。さらに、プログラマブル論理制御器を用いると、従来のシステムに比してより安価に通信の問題を解決できる。本発明のこれらおよびその他の利点は、添付図面を参照して次の説明を読むと、当業者には明らかになる。
【0010】
[好ましい実施形態の詳細な説明]
本発明は、以下、添付図面を参照して説明され、図中、同一の参照番号は類似の要素に対応する。本発明を適用できる電化モノレールシステム18の1つの例示的な例が、図1に示されている。電化モノレールシステム18は、例示的な例としてのみオーバヘッドモノレールシステムとして示され、本発明は、通信のための少なくとも1つのバス線路を含む任意のタイプのモノレールシステムで用いられ得る。その他の例は、線路が床に配置され、車両が線路上を走行するモノレールシステムを含む。このようなシステムのための1つのこのような用途は、車組立工場内で車を組立てるのに用いられるスキレットを支持することにある。別の1つの例示的な例として、本発明は、本出願にHans−Gerd Spoloelerらにより2000年10月16日出願の共同譲渡されたMonorail Telescopic Carrierとの題名の米国同時係属出願第09/688477号に開示されている電化モノレールに適用されるものであり、この文書の開示は、引用することにより本明細書の一部を成すものとする。
【0011】
図示の実施形態では、電化モノレールシステム18は、オーバヘッド線路22と、線路22に沿って動く少なくとも1つの車両24とを含むオーバヘッド電化モノレールシステムである。車両24は、電動機28により駆動される複数の車輪26により線路22上で支持されている。車両24は、製品25を搬送するプラットフォーム27の高さを調整する伸縮自在支持部材23を含むこともある。車両24は、工場内を動かさなければならない製品を工場で搬送する。線路22は、複数のバスバー(bass bar)30、31、32、33などを含む。バスバー30、31、32などは、互いに電気的に絶縁され、様々な機能を果たす導電体である。通常、バスバーのうちの少なくとも1つは、電動機28に給電して、線路22に沿って車両24を動かし、別の1つのバスバーは、1つの共通の電気的アースとして働く。本発明では、その他のバスバーのうちの少なくとも1つ、例えばバスバー35は、通信バスバーである。通信バスバー35は、オフボード装置と、線路22に沿って動く個別の車両24との間の通信のために用いられる電気信号を伝送する。
【0012】
本発明の1つの実施形態では、通信システム20は、図2のブロックダイヤグラムに示されている。通信システム20は、オフボードプログラマブル論理制御器(PLC)40と、少なくとも1つのオンボードPLC42とを含む。オフボードPLC40は、レールシステム上を進行している車両から離れたどこかに配置されていて、オンボードPLC42は、(図1に示されていない)任意の適切な個所で車両24上に配置されている。本システム内に存在する車両24のそれぞれに1つのオンボードPLC42が設けられている。図示の実施形態では、オフボードPLC40は、具体的にはAllen−Bradley PLC−5/80、であり、オンボードPLC42は、特にAllen−Bradley MicroLogix(登録商標)1500であり、両者とも、Milwaukee, Wisconsin所在のRockwell Automation Companyにより販売されている。他のPLCも、勿論、オンボードPLCおよびオフボードPLC双方として、本発明の範囲内で用いることができる。オフボードPLCは、通信バスバー35に電気的に接続されている少なくとも1つの出力44を含む。各オンボードPLC42は、通信バスバー35に電気的に接続されている少なくとも1つの入力46を含む。PLCを用いる利点は、PLCが、メーカの間で大幅には違わず、市販品の共通の入力装置およびロード装置で用いられ得る標準の入出力プロトコルを通常は有している点である。したがって、PLC40、42の1つのメーカの代りに別の1つのメーカを採用することは、本システム全体を取替えずに実行することができる。
【0013】
概略的に述べると、オフボードPLC40は、出力44を順次に入れたりきったりすることにより、オンボードPLC42と通信して、1つのメッセージに対応する高電圧および低電圧を出力44から出力する。PLC40が出力44をオンにすると、240ボルト交流信号が、出力44から出力される。この交流信号は、論理的ハイ信号に対応する。PLC40が出力44をオフにすると、ほぼ0ボルトの信号が、出力44から出力される。この信号は、論理的ロー信号に対応する。出力44は、通信バスバー35に電気的に接続されているので、PLC40により出力された一連のハイ信号およびロー信号は、通信バスバー35の導電全長に沿って伝送される。この一連のハイ信号およびロー信号は、オンボードPLC42の入力46にも伝送される、何故ならばこの入力と通信バスバー35との間には電気接触が存在するからである。オンボードPLC42は、この一連の高電圧および低電圧を検出し、伝送されたメッセージの内容に基づいていかなる適切なアクションもとるようにプログラムされている。メッセージの内容は何でもよいが、メッセージは、車両24上の様々な設定を制御するための命令を含むこともある。1つの例示的な例として、車両24が、自動車製造工場で用いられ、それぞれ1つの自動車構成要素例えば自動車トランスミッションを搬送する場合、トランスミッションが組立てラインに沿って搬送される際にトランスミッションの高さおよび回転を調整するように車両24に命令することが望ましいこともある。線路ラインに沿っての異なる作業ステーションは、トランスミッションが、当該作業ステーションで行われる特定の作業を容易にするために異なる高さおよび向きの角度に位置決めされることを必要とすることもある。電化モノレールの個別の車両が、異なるモデルの部品例えば異なるカーモデルのための異なるタイプのトランスミッションなどを搬送することもあり、搬送される特定のモデルに基づいて搬送部品の高さおよび向きを制御することが望ましいこともある。これらのタイプの調整を行うことは、オフボードPLC40からオンボードPLC42へ適切な命令を送ることにより容易に行い得る。
【0014】
工場レイアウトの1つの簡単な例が、図2に示されている。工場レイアウトは、楕円形にレイアウトされている電化モノレールシステム18を含む。電化モノレールシステムは、ステーション10、20、30、40、50、60、70、および80の間で部品を搬送するように設計されている。この例では、オフボードPLC40は、8つの出力を含み、該出力はそれぞれ、通信バスバー35の互いに電気的に絶縁されている区間に電気的に接続されている。通信バスバー35の互いに電気的に絶縁されている区間35a、b、cなどにより、オフボードPLC40は、通信バスバー35の各電気的に絶縁されている区間35a、b、cなどに異なるメッセージを通信し得る。図示の実施形態では、通信バスバー35の各区間35a、bなどは、それぞれ固有の作業ステーションに対応する。このようにして、PLC40が作業ステーション#20に配置されている車両にメッセージを送る場合、通信バスバー区間35hに電気的に接続されている、PLC40の出力O:007が、所望のメッセージの内容にしたがってオンおよびオフにされる。通信バスバー区間35hは、作業ステーション#20に略対応する長さにわってしか延びていないので、作業ステーション#20に位置する車両のみが、このメッセージを受取る。メッセージは、別の1つの作業ステーションに位置する車両に伝送される場合、この特定の作業ステーションに位置する通信区間に電気的に接続されている、PLC40の別の1つの出力が、オンにされる。このようにして、固有のメッセージが、各個別の作業ステーションに位置する車両に伝送され得る。これは、特に、通信システム18が、工場内の車両の位置を自動的に決定できない車両で用いられる場合、有用である。固有のメッセージをモノレールシステムの特定の区間へ送ることにより、車両は、車両が自身の位置を知らないかもしれないにもかかわらず、その特定の作業ステーションのために必要な調整を行うように命令され得る。
【0015】
各個別の車両24が工場内での自身の位置を決定できるような対策が、例えば各作業ステーションに、車両24が検出する磁石を1つの固有の配置で設けることにより講じられると、通信バスバー35を、互いに電気的に絶縁されている区間に分割することは必要でない。このような場合、伝送されたメッセージはすべて、情報を伝送すべき作業ステーションを識別する位置アドレスをメッセージ内に単に入れることにより、1つの共通の通信バスバーを介して放送され得る。その位置アドレスに現時点で位置する1つまたは複数の車両のみが、伝送されたメッセージに基づいて動作する。代替的に、固有の車両アドレスが、伝送メッセージの一部分として放送され得、その固有のアドレスを担う車両のみが、伝送メッセージに基づいて動作する。いずれの場合にも、通信バスバー35は、分割される必要はなく、オフボードPLC40のただ一つの出力44のみしか必要でない。本明細書での説明のために、通信システム20は、図2に示されている工場内で実施されていると仮定し、この場合、通信バスバー35は、互いに電気的に絶縁されている区間に分割されている。本発明は、勿論、異なるタイプのバスバーシステム例えば前述のもので用いられ得る。
【0016】
オフボードPLC40は、電化モノレール車両24により輸送される部品を監視するコンピュータまたはコンピュータシステム48に接続されていてもよい(図2)。PLC40は、PLCに組込まれた標準通信ポートを介してコンピュータ48を通信し、PLC40の制御入力および制御出力のうちの1つ以上のものを介して通信するのではない。オフボードPLC40とコンピュータ48との間の通信は、RS−232、Ethernet、ControlNet、DeviceNet、あるいはその他の通信手段を介してなどの標準の仕方で行われる。コンピュータ48は、オフボードPLC40からオンボードPLC42へ放送されたメッセージを動的に変化させるのに用いられ得る。コンピュータ48は、電化モノレール18により搬送される部品の進行を監視する、工場全体に及ぶ制御システムの一部であることもある。このような場合、PLC42へ放送されたメッセージは、工場内でのメッセージの現時点での位置に依存するだけでなく、1つの個別の車両24により輸送される特定の部品にも依存する。車両24の位置と、各車両24により搬送される部品とは双方とも、コンピュータ48により監視され得る。
【0017】
通信システム20のための通信プロトコルの1つの実施形態が、図3に示されている。オフボードPLC40は、まず初めに、この例では200ミリ秒に等しい所定の時間にわたり、オフボードPLC40の出力44をオンにする(すなわちハイレベルに設定する)ことにより、メッセージの通信を開始する。この200ミリ秒の時間は、メッセージの開始を支持するトリガ信号50からなる。この実施形態では、通信プロトコルは、40ミリ秒の時間の増分に分割され、トリガ信号50は、5つの連続するこのような時間スライスにわたるハイ信号からなる。トリガ信号50は、代替的に、異なる数の時間スライスからなることもあり、実際、PLC42によりメッセージの一部分を形成すると認識され得るかぎり、任意の形をとり得る。トリガ信号50が出力されると、メッセージの内容が、次いで、1および0からなる一連の2進ビットとして、通信バスバー35に出力され、ただし各1は高出力電圧に対応し、各0は低出力電圧に対応する。この好ましい実施形態では、各伝送ビットは、0ボルトの1つの単一の時間スライスからなるスペーサ信号52により分離されている。これは必須でないが、各伝送ビットの間に1つの単一のスペーサ信号52を入れると、伝送エラーを阻む助けとなる。ビット間のこの間隔は、トリガ信号50を、5つの連続する1を含むこともあるメッセージ内容から区別するのにも用いられる。
【0018】
図3に示されているプロトコルにおいて、メッセージは3つの8ビットワードから成り、そのうちの最初の2つのワードは、メッセージ内容を表し、最後の1つのワードは、好ましくは、チェックサム信号として用いられる。このプロトコルには多数の変形を行うことができる。例えば、チェックサムは完全に選択的である。ワードが伝送される順序も、変えることができる。さらに、ワードの数と、ワードを形成するビットの数も、勿論、当業者なら分かるように、変更することができる。図示の実施形態では、0ボルトの第1のスペーサ信号52は、トリガ信号50が出力された直後に伝送される。特に、0ボルトスペーサ信号52は、トリガ信号がまず初めに出力された後に200ミリ秒と240ミリ秒との間に出力される。240ミリ秒と280ミリ秒との間の時間スライス内で、メッセージの第1のビットは、PLC出力44から出力される。図示の例では、この第1のビットは0であり、このビットは、出力44をオフのままにすることにより「伝送」される。この第1のビットに次いで、別の1つのスペーサ信号52が、280ミリ秒と320ミリ秒との間の時間スライス内に伝送される。この第2のスペーサ信号52の後にワード#1内の次のビットが、320ミリ秒と360ミリ秒との間の時間スライス内に伝送される。別の1つのスペーサ信号がこのビットに続く。ワード#1内の第1のハイ(すなわち1の)ビットが最後に、この場合には400ミリ秒と440ミリ秒との間に到来すると、出力44は、約40ミリ秒オンとなる。別の1つのスペーサ信号がこの伝送ビットに続く。メッセージの残りの部分が、次いで、同様の仕方で放送され、この場合、1または0である各ビットが伝送され、スペーサ信号52が各ビット間に入れられる。各ビット間のスペーサ信号以外の特別の信号は、個別のワードとワードとを分離するのに必要でない、何故ならばオンボードPLC42は、個別のワードのそれぞれを形成するビットの数を知るように前もってプログラムされているからである。メッセージが完全に伝送されると、2120〜2160ミリ秒に放送される図3に示されている後端スペーサ信号などの後端スペーサ信号54を入れることが望ましい。後端スペーサ信号54は、図3に示されている単一の時間スライス以外の異なる時間長で放送されることもある。後端スペーサ信号54が放送されると、別の1つのトリガ信号50が放送され、新メッセージまたは同一のメッセージが、同様の仕方で放送される。
【0019】
好ましい実施形態では、通信システム20は、伝送プロトコルの一部として、エラー検出メカニズムまたはエラー補正メカニズムを含む。他のメカニズムも可能であるが、チェックサムメカニズムが、図示の実施形態では採用されている。このチェックサムは、ワード#1とワード#2を加算し、オーバーフローを無視することにより計算される。チェックサムは、ワード#1とワード#2との合計の2の補数であるので、ワード#1とワード#2とチェックサムとの総計は0でなければならない。これは、図3に示されている。これら3つの総計が0でない場合、PLC42は、伝送中にエラーが発生したと仮定し、伝送メッセージを無視する。PLC40は、メッセージを変える必要性が生じるまで同一のメッセージを繰返し放送するようにプログラムされているので、PLC42は、エラー含有伝送が発生したことを、PLC40に通信する必要はない。代わりに、PLC42は、誤りのメッセージをたんに無視し、再び放送されるまで待つ。通常、メッセージの内容は、コンピュータ48がPLC40に、伝送メッセージを変えるように命令した場合にのみ変えられる。このような新メッセージが命令されると、PLC40は、さらに別の1つの新メッセージを受取るまで、新メッセージを繰返し放送する。このようにして、オンボードPLC42は、PLC42がエラー含有伝送を受取ったとのメッセージを、オフボードPLC40に伝送しないようにする。
【0020】
オフボードPLC40のプログラミングを示すはしご図56が、図4、図4A、および図4Bに示されている。この図は、Rockwell Automation of Milwaukee, Wisconsinにより販売されているRockwell Software RSLogix 5に基づくが、選択されたPLCと互換性を有する任意のPLCプログラミングソフトウェアが本発明の範囲内で用いられ得ることは当業者なら分かる。はしご図56は、0000〜0009により示されている10の横桟を含む。横桟0000は、ワード#1および#2に関連するチェックサムを計算するのに用いられる。ワード#1の内容は、記憶場所N7:0に記憶され、ワード#2の内容は、記憶場所N7:1に記憶される。ビットフィールドディストリビュータ58および60は、ワード#1および#2の内容をそれぞれ記憶場所N7:5およびN7:6へ動かすのに用いられる。ADD命令62は、記憶場所N7:5およびN7:6にそれぞれ記憶された2つのワードを加算し、和を記憶場所N7:7に記憶させる。ビットフィールドディストリビュータ64は、記憶場所N7:7内の和を記憶場所N7:8へ動かす。NOT命令66は、記憶場所N7:8内の0をすべて1に変え、記憶場所N7:8内の1をすべて0に変える。その結果は、記憶場所N7:9に記憶される。ADD命令68は、記憶場所N7:9に記憶された和に1を加算し、得られた和を記憶場所N7:10に記憶させる。この和は、通信システム20のエラー補正メカニズムの一部として伝送されるチェックサムである。ビットフィールドディストリビュータ70は、伝送する前にこの和を記憶場所N7:10からN7:2へ動かす。
【0021】
横桟0001は、トリガ信号50のためのタイマを始動する。「オフか検査せよ」命令72は、開始データメモリB3:0が誤りであるかどうかを検査し、誤りである場合、タイマT4:0は計数を開始する。タイマT4:0は、図示の例では200ミリ秒であるトリガ信号50に等しい時間にわたり計数する。200ミリ秒が計数されると、タイマT4:0の「終了」出力(DN)が、論理的真状態に設定される。「オンか検査せよ」命令74は、タイマT4:0を監視し、ラッチ76が、タイマT4:0がその係数を完了すると(すなわち「終了」出力が真に設定されると)開始データメモリB3:0を真状態に設定するようになす。
【0022】
横桟0002は、伝送すべきワードが、通信プロトコルにより取扱われ得るビット最大数を越えるかを検査するために選択的検査を行う。例えば、図3に示されているプロトコルでは、ワード#1および#2はそれぞれ、8ビット長である。ワード#1および#2が表し得る最大数は、2進値255(28−1=255)である。一般に、1つのワードが表し得る最大2進値は、2K−1であり、ただしKはワード内のビット数である。「より大きい」命令78は、したがって、記憶場所N7:0に記憶されているワード#1の値が、2L−1より大きいかを検査し、Lは、ワード#1内のビット数を表す。「より大きい」命令80は、記憶場所N7:1に記憶されたワード#2の値が2M−1より大きいかを検査し、Mは、ワード#2のビット数を表す。ワード#1または#2の値が、各ワード内のビット数により表され得る最大値を越える場合、エラーが発生したことになり、超過値を有するワードが伝送されることはない。このような場合、開始データメモリB3:0に記憶されている2進値が、82でラッチ解除され、これによりメッセージは、PLC40により伝送され得なくなる。
【0023】
横桟0003(図4A)はPLC42へ所望のメッセージを伝送する際に適切な時点で適切な値にPLC40の出力を設定されるのに用いられるデータ伝送タイマを始動する。「オンか検査せよ」命令84により、タイマT4:1は、開始データメモリB3:0が真状態である場合、係数を開始する。横桟0001から分かるように、開始データメモリB3:0は、タイマT4:0がトリガ信号50のための計数を終了した場合にのみ真状態にある。このため、タイマT4:1は、トリガ信号50が出力されるまでは係数を開始しようとしない。タイマT4:1は、トリガ信号50とトリガ信号50との間の全時間に少なくとも等しい長さにわたり計数する。図3の実施形態では、タイマT4:1は、少なくとも1960ミリ秒(2160〜200)にわたり計数する。
【0024】
横桟0004は、データ出力O:000を介して出力されたデータを部分的に制御する。
データ出力O:000は、通信バスバー35に電気的に接続され、オンボードPLC42へメッセージを伝送するのに用いられる出力である。
データ出力O:000がオンである場合、240ボルト交流信号が、通信バスバー35に出力される。
異なる電圧の信号すなわち直流信号が、代替的に、本発明の範囲内で用いられ得る。
「ラッチ解除」命令86は、最初にデータ出力O:000を偽状態にする(つまり、出力しない)。「ラッチ解除」命令86は、はしご図頃56の残りの部分から分かるように、メッセージの各伝送ビットの間にスペーサ信号52を挿入するように機能する。「オンか検査せよ」命令88によりデータ出力O:000は、タイマT4:0がまだ計数しているときには常に真状態に(90で)ラッチする。
上述のように、タイマT4:0は、トリガ信号50が出力される間にわたり時間を計数する。ラッチ命令90は、したがって、データ出力O:000が、トリガ信号50の時間にわたりハイ出力に設定されるように確かめる。
【0025】
横桟0005は、ワード#1内のデータを伝送する(図4A)。「オンか検査せよ」命令92は、タイマT4:1がイネーブルされている(すなわち計数している)かどうかを決定し、タイマT4:1がイネーブルされている場合にのみにワード#1のデータが伝送され得るようになす。タイマT4:1がイネーブルされている場合、「限界値試験(Limit Test)」命令94が、タイマT4:1の全累積カウントが、記憶場所N10:0に特定されている値と記憶場所N10:1に特定されている値と間にあるかどうかを決定する。記憶場所N10:0およびN10:1に特定されている値は、それぞれがメッセージの第1の伝送ビットのための開始時間および終了時間である。図3の例では、ワード#1の第1の伝送ビットは、0であり、トリガ信号がまず初めに開始されてから240ミリ秒と280ミリ秒との間に伝送される。タイマT4:1は、トリガ信号50が伝送され終えるまで、計数を開始しないので、記憶値N10:0およびN10:1は、それぞれ図3の例では40および80である。「限界値試験」命令94は、したがって、タイマT4:1の全累積カウントが40ミリ秒と80ミリ秒との間にあるかどうかを決定する。イエスの場合、「オンか検査せよ」命令96は、ワード#1のビットNが真であるかどうかを検査し、データ出力O:000がビットNと同一の論理値に(98で)ラッチするようにする。ビットNはワード#1の最初に伝送されたビットである(すなわち、図3の例では最左側ビットである)。このようにして、データ出力O:00は、ビットNが1である場合にはハイにラッチされ、ビットNが0である場合にはローにラッチされる。これによりビットNは、データ出力O:000から出力され、通信バスバー35に沿って伝送され、オンボードPLC42に至る。
【0026】
横桟0005は、ワード#1の第1のビット(ビットN+1)を伝送するのに用いられる第2の「限界値試験」命令100をさらに含む。「限界値試験」命令100は、タイマT4:1の全累積カウントが、記憶場所N10:2にある記憶値と、記憶場所N10:3にある記憶値との間にあるかどうかを決定する。図3の例では、値120および160は、それぞれN10:2およびN10:3に記憶されている、何故ならばこれらの値は、(トリガ信号50の伝送が終了した時点から測定して)ワード#1の第2のビットが伝送される時間の開始時点および終了時点であるからである。「オンか検査せよ」命令102およびラッチ命令104は、タイマT4:1が120と160との間の全累積カウントを有する場合、ワード#1のビットN+1の値にデータ出力O:000を設定する。ワード#1の(左側から数えて)第2のビットは、したがって、トリガ信号50が伝送されてから120ミリ秒にわたり伝送され、さらに40ミリ秒にわたり伝送され続ける。
【0027】
横桟0005は、ワード#1内のビット数の数の「限界値試験」命令を含む。各限界値試験は、タイマT4:1の全累積カウントを検査することにより、当該のビットを伝送する時間となったかどうかを検査する。ある特定のビットを伝送するのに適切な時間となった場合、データ出力O:000は、40ミリ秒の時間にわたりそのビットの値に設定される。「限界値試験」命令106は、横桟0005内の最後の限界値試験命令であり、ワード#1の最後のビットを伝送するのに用いられる。「限界値試験」命令106は、タイマT4:1の全累積カウントが記憶場所N10:xの記憶値と記憶場所N10:x+1の記憶値との間にあるかどうかを検査する。変数xが用いられる、何故ならばワード#1の全長は、本発明の異なる実施形態で異なり得るからである。ワード#1が8ビットのワードである図3の例では、「限界値試験」命令106は、タイマT4:1の全累積カウントが、記憶場所N10:14の記憶値600と、記憶場所N10:15の記憶値640との間にあるかどうかを決定する。イエスの場合、データ出力O:000は、「オンか検査せよ」命令108および「ラッチ」命令110によりワード#1の最後のビットの値に設定される。
【0028】
横桟0006および0007は、横桟0005がワード#1を伝送するのと同一の仕方で、ワード#2およびチェックサムワードを伝送する。横桟0006および0007はそれぞれ、伝送されるそれぞれのワード内のビット数の数の「限界値試験」命令を含む。各「限界値試験」命令は、タイマT4:1の全累積カウントを監視するのに用いられ、適切なビットが、適切な時間にデータ出力O:000に出力されるようになす。横桟0005の場合と同様に、横桟0006および0007は、任意の数のビットのワードを伝送するようになすために一般的に説明される。横桟0006における最後の「限界値試験」は、タイマT4:1の全累積カウントが、記憶場所N10:x+yの記憶値と記憶場所N10:x+y+1との間にあるかどうかを検査する。同様に、横桟0007における最後の「限界値試験」は、タイマT4:1の全累積カウントが、記憶場所N10:x+y+zの記憶値と、記憶場所N10:x+y+z+1の記憶値との間にあるかどうかを検査する。変数x、y、およびzがワード#1の長さおよびチェックサムワードは変化され得るとの事実に起因して設けられている。図3の例では、記憶場所N10:x+y、N10:x+y+1、N10:x+y+z、およびN10:x+y+z+1は、それぞれ記憶場所N10:30、N10:31、N10:46、およびN10:47に対応し、それぞれ値1240、1280、1880、および1920を格納する。勿論、記憶場所N10:0〜N10:x+y+z+1の記憶値は、メッセージのビットを伝送するために選択された時間スライスの長さに依存する。図示の例では、この時間スライス長は40ミリ秒である。その他の時間スライスも用いられる。20ミリ秒の時間スライスが用いられる場合、記憶場所N10:0〜N10:x+y+z+1の記憶値はすべて、1/2に削減されている。80ミリ秒の時間スライスが用いられる場合、これらの値は、2倍になる。選択された時間スライスは、正確な受信を確実に得るためにオンボードPLC42にプログラム走査時間より数倍長くなければならない。例えば、40ミリ秒の時間スライスは、5〜10ミリ秒の範囲内のプログラム走査時間を有するオンボードPLCで用いるのに適するが、この範囲外の走査時間も用いられ得る。
【0029】
横桟0008(図4B)では、「オンか検査せよ」命令112により開始データメモリB3:0は、タイマT4:1が計数を停止すると(すなわち、その終了(DN)状態に到達すると)、(114で)ラッチ解除される。開始データメモリB3:0のラッチ解除によりトリガタイマは、横桟0001に記載のように、再び始動する。タイマT4:1がメッセージを伝送するのにかかる全累積時間より大きいカウントにタイマT4:1の最大カウントを設定することにより、後端スペーサ信号54が発生される。後端スペーサ信号54の長さは、いかに長くタイマT4:1が、メッセージを伝送するのに必要な時間を越えて計数し続けるようにプログラムされているにより制御される。
【0030】
はしご図116は、図5、図5A、および図5Bに示され、オンボードPLC42のためのプログラミングを示す。データ入力I:000は、通信バスバー35に電気的に接続され、オフボードPLC40からバスバー35に出力された一連の高電圧および低電圧を検出する。横桟0000では、「オンか検査せよ」命令118により、PLC42上のタイマT4:0(PLC40上のタイマT4:0ではない)が、計数を開始する。タイマT4:0は、トリガ信号50が伝送されたかどうかを監視するのに用いられる。図3の実施形態では、トリガ信号は200ミリ秒の長さである。タイマT4:0は、好ましくは、200ミリ秒の全時間より僅かに短い時間に設定される。200ミリ秒のトリガ信号が用いられる場合、タイマT4:0は、160ミリ秒に設定され得る。タイマT4:0が計数を終了すると、「オンか検査せよ」命令120により開始データメモリB3:0は、(122で)オンにラッチされる。
【0031】
横桟0001は、記憶場所N7:0、N7:1、N7:2、およびN7:3に前に記憶されたいかなるデータもクリアする(すなわち0に設定する)ように機能する。記憶場所N7:0、N7:1、およびN7:2は、それぞれワード#1、#2、およびチェックサムワードを記憶するのに用いられる。横桟0001は、このようにして、前の伝送の際にこれらの記憶場所に記憶されたいかなる旧値をクリアする。記憶場所N7:3は、後述するように、一時記憶域として用いられる。
【0032】
横桟0002は、トリガ信号50が検出されると、タイマT4:1を始動する。タイマT4:1は、いかなるビットが、任意の特定の時間にオフボードPLC40により伝送されているかを決定するのに用いられる。「オンか検査せよ」命令124は、開始データメモリB3:0が真であるかどうかを検査する。開始データメモリB3:0は、トリガ信号が、トリガ信号のほぼ全時間(例えば全時間200ミリ秒のうちの160ミリ秒)にわたり検出された後にのみ、横桟0000により真となる。開始データメモリB3:0が真である場合、「オフかを検査せよ」命令126によりタイマT4:1は、データ入力I:000がロー状態になた場合にのみ計数を開始する。データ入力I:000は、トリガ信号50が伝送されるとただちにロー状態になる。データタイマT4:1は、したがって、トリガ信号50が伝送された直後に開始する。「オンか検査せよ」命令128は、タイマT4:1が、このタイマT4:1が始動し、タイマT4:1の限界値に到達するまで、計数を続ける。タイマT4:1の限界値は、全メッセージを受取るのに充分に長い時間に設定されなければならない。この実施形態では、タイマT4:1の限界値は、オフボードPLC40に配置されているタイマT4:1の限界値と同一の限界値に設定されている。
【0033】
横桟0003(図5A)は、オフボードPLC40から伝送されたワード#1を検出および記憶する。一対の「オンか検査せよ」命令130および命令132は、それぞれ、横桟0003が、開始データメモリが真である(すなわちトリガ信号50が受信された)場合のみ、および、タイマT4:1がまだ計数している場合にのみ、データを受取るように機能する。横桟0003は、1つ以上の「限界値試験」を含み、全数は、ワード#1のビット数に対応する。「オンか検査せよ」命令134に起因して、「限界値試験」は、ハイ信号がデータ入力I:000で検出された場合にのみに行われる。ハイ信号が所与の時間にわたり検出されない場合、記憶場所N7:0、N7:1、およびN7:2内の対応する1つまたは複数のビットは、変化されず、横桟0001で設定されように、丁度0のままである。ハイ信号がデータ入力I:000で検出されると、横桟0003の「限界値試験」が行われる。第1の「限界値試験」136は、タイマT4:1の全累積カウントが、記憶場所N10:0の記憶値と、記憶場所N10:1の記憶値との間にあるかどうかを検査する。これら2つの記憶場所は、1つのビットが伝送される第1の時間スライスの開始時間および終了時間を記憶する。このようにして、図3の例では、これら2つの記憶場所は、それぞれが値40および80を記憶する。(第1の40ミリ秒の時間は、スペーサ信号52が占める)。タイマ4:1の全累積カウントが、40と80との間にある場合、「ラッチ」138は、(記憶場所N7:0に記憶されている)ワード#1の第1のビット(ビットN)をハイ値にラッチする。第2の「限界値試験」140は、タイマ4:1の全累積カウントが、記憶場所N10:2の記憶値と、記憶場所N10:3の記憶値との間にあるかどうかを決定する。これらの値は、ワード#1の第2のビットが伝送される特定の時間スライスの開始時間および終了時間にそれぞれ対応する。タイマT4:1の全累積カウントがこれら2つの値との間にある場合、ラッチ命令142は、ワード#1の第2のビットをハイ値にラッチする。図3の実施形態では、N10:2およびN10:3の値は、それぞれ120および160であるが、前述のように、他の値も、異なるサイズの時間スライスが通信プロトコルで用いられる場合、用いられ得る。ワード#1の最後のビットは、「限界値試験」144により検出される。図3の実施形態では、「限界値試験」144は、横桟0003での第8の限界値試験である。
【0034】
横桟0004および0005は、0003がワード#1を検出するのと同一の仕方で、それぞれワード#2およびチェックサムワードを検出する。各横桟は、当該のワードのビット数と同一の数の限界値試験を含む。各限界値試験は、当該のビットを受取る時間となったかどうかを検査するためにタイマT4:1を監視する。ワード#1、#2、およびチェックサムのための記憶場所は、最初は零に設定されているので、各限界値試験は、ハイ信号がデータ入力I:000で検出された場合にのみ、作動される。
【0035】
横桟0006(図5B)は、伝送の際にエラーが発生したかどうかを決定するために、伝送されたチェックサムを利用する。「オンか検査せよ」命令146によりチェックサムの計算は、タイマT4:1が計数を停止した場合にのみ、開始される。チェックサムの計算は、したがって、全メッセージが受信されるまで行われない。「計算せよ」命令148は、それぞれが記憶場所N7:0、N7:1、およびN7:2に記憶されているワード#1および#2およびチェックサムの和を計算し、得られた和を記憶場所N7:3に記憶させる。ビットフィールドディストリビュータ150は、この和を記憶場所N7:4へ動かし、その際、計算された和におけるいかなるオーバーフローも削除する。「等しい」命令152は、(オーバーフローを無視した)和が、零に等しいかどうかを決定する。零である場合、受信データは、有効であると仮定され、「動かせ」命令154および156は、(N7:0およびN7:1に記憶された)受信ワード#1および#2を記憶場所N7:10およびN7:11へ動かし、これらの記憶場所で受信ワード#1および#2は、電化モノレール車両24への他の操作を制御するためにPLC42により用いられ得る。(オーバーフローを無視した)和が、零に等しくない場合、データは、エラーを含むと仮定され、それらの最終的な記憶場所N7:10およびN7:11へ動かされない。「ラッチ解除」命令158は、開始データメモリB3:0を偽状態にラッチし、「リセット」命令160は、タイマT4:1をリセットし、これにより別の1つのメッセージが、別の1つのトリガ信号が検出されると検出され得るようになされる。
【0036】
図4、図4A、および図4Bのはしご図に示されているオフボードプログラムは、データをオフボードPLC40から、1つの単一の通信バスバー35または通信バスバーの1つの単一の区間へ伝送されるのに用いられる。分割された通信バスバー35が用いられる場合、そして、異なる区間へ複数のメッセージを伝送したい場合、オフボードプログラムが、通信バスバー35の当該のセグメントに電気的に接続されている、PLC40上の別の1つの出力を用いて繰返される。例えば、図4、図4A、および図4Bに示されているオフボードプログラムは、信号を出力O:000から出力するように設計されている。図3において、このプログラムは、したがって、ステーション#10の前に位置する、バスバー35の区間にのみ複数のメッセージを通信できる。8つの作業ステーションすべての前の区間と通信したい場合、オフボードプログラムは、全部で8つのコピーのために付加的に7回繰返される。プログラムとプログラムとの間の相違は、プログラムにより制御される当該の出力信号であるが、所望の場合、例えばワード長、ワード数など、各コピーに対して別の変形を形成することもできる。
【0037】
図4、図4A、図4B、および図5A、および図5Bのプログラムは、オフボードPLC40から1つまたは複数のオンボードPLC42へ片方向通信のためにのみ設計されている。しかしながら、所望の場合、双方向通信に対処するように通信プロトコルを変え得る。これは、例えば、オンボードPLC42が、オフボードPLC40から伝送される2番目毎のトリガ信号の後にPLC40にメッセージを戻すようになし、これにより各PLCが交互にメッセージを互いへ伝送するようになすことにより達成され得る。これにより情報が、キャリヤまたはその荷物からオフボードPLCへ戻されるようになされる。別の1つの可能性として、半波技術が、双方向通信を得るために用いられ得る。例えば、正信号が、PLC40からPLC42へ行く情報のために用いられ得、一方、負信号が、PLC42からPLC40へ向かう通信のために用いられ得るか、または逆である。様々なその他の方法も、双方向通信を得るために用いられ得る。
【0038】
本発明は、図面の好ましい実施形態と、いくつかの代替実施形態とを用いて以上説明されたが、本発明がこれらの実施形態に限定されず、添付の請求の範囲に記載の本発明の精神および範囲内の任意のかつすべての変更も含むことは当業者なら分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信システムが実施されている電化モノレールの1つの例の斜視図である。
【図2】本発明の通信システムの1つの実施形態のブロックダイヤグラムである。
【図3】本発明の1つの実施形態の通信プロトコルのタイミングダイヤグラムである。
【図4】図4A、および図4B:本発明の1つの実施形態のオフボードプログラマブル論理制御器のためのはしご図である。
【図5】図5A、および図5B:本発明の1つの実施形態のオフボードプログラマブル論理制御器のためのはしご図である。
[関連出願へのクロスリファレンス]
本出願は、Electrified Monorail Control for Final Car Assembly Platform (Skillet)との題名の2000年2月7日出願の米国特許仮出願第号60/180550号に対して優先権を主張し、この文書全体は、引用することにより本明細書の一部を成すものとする。
【0002】
[発明の背景]
本発明は、一般に、電化モノレール(electrified monorails)に関し、より詳細には、電化モノレールに搭載されていない装置から、モノレール上を走行する車両へ情報を通信することに関する。「電化モノレール」との用語は、より広い意味で用いられ、2つ以上のレール上でキャリヤを支持するシステムを含むものとする。
【0003】
電化モノレールは、現在、製造工場および他のタイプの建物全体にわたり製品を輸送するために、製造環境内で広く用いられている。電化モノレールは、線路が上に掲げられて車両が線路の下で製品を搬送するオーバヘッド電化モノレールであるか、または、線路が床上に配置されてスキレット(skillet)が線路上を走行するような下から製品を支持するスキレット型モノレールであることもある。いずれの場合にも、搭載されていないソースから、電化モノレール上を走行する1つ以上の個別の車両へ情報を通信できることが望ましいことがしばしばである。このような情報は、車両の速度と、車両により搬送される製品の高さまたはあるいは位置とを指令する速度命令、高さ命令、あるいは位置命令を含むこともある。ゾーンブロッキング情報等のような他のタイプの情報も、望ましくは、車両に通信されることができる。
【0004】
過去において、このような情報を車両に通信するには、特別な通信システムを用いた。このような特別なシステムは、電化モノレールシステムの線路のうちの少なくとも1つに接続されているオフボード通信モジュールと、該少なくとも1つの通信線路と電気的に接触している個別の車両上に配置されている1つ以上の通信モジュールとを含む。これらの特別な通信システムは、特定の販売者が所有権を有する特殊な電子装置を用いるので、システムユーザは、このような通信システムを用いることを嫌がる。何故ならば販売者が、将来その製品のサポートを中止する恐れがあるからである。このような専用システムは、サービスおよびアップグレードのために特定の販売者にシステムユーザを拘束する傾向を有し、これは、しばしば、電化モノレール通信の需要を満たすために複数のソースを確保することを希望する会社にとって望ましくない。
【0005】
したがって、特定の販売者あるいは特殊な技術に購入者を拘束しない簡単な電化モノレール通信システムの必要性が存在する。
【0006】
[発明の概要]
したがって、本発明は、広く知られ用いられている標準の市販品構成要素を一般に用いる通信システムを提供し、これにより、潜在的顧客が、製品および保守の点で特定の販売者に依存しないようにする。本発明の1つの態様では、少なくとも1つの導電性バスバーと車両とを有する電化モノレールのための通信システムが提供される。通信システムは、少なくとも1つの導電性バスバーに電気的に接続され得る出力を有する第1のプログラマブル論理制御器を含む。該出力は、2つ以上の状態をとり得る。第1のプログラマブル論理制御器は、メッセージに対応する一連の異なる状態に第1のプログラマブル論理制御器の出力を順次に設定するようにプログラムされている。第2のプログラマブル論理制御器も設けられて、該少なくとも1つの導電性バスバーに電気的に接続され得る入力を含む。第2のプログラマブル論理制御器は、第1のプログラマブル論理制御器から出力された一連の異なる状態信号をメモリに記憶させるようにプログラムされている。
【0007】
本発明の別の1つの態様では、少なくとも1つのバスバーと、電化モノレール上を動くようにされた少なくとも1つのキャリヤと、第1および第2の論理制御器とを含む電化モノレールシステムが提供される。第1のプログラマブル論理制御器は、バスバーに電気的に接続されている出力を含む。該出力は、2つ以上の状態をとることができて、これにより、一連の異なる状態信号がバスバーに出力されるようになされる。該一連の異なる状態信号は1つのメッセージに対応する。第2のプログラマブル論理制御器も設けられ、バスバーに電気的に接続されている入力を含む。第2のプログラマブル論理制御器は、キャリヤ上に配置され、第1のプログラマブル論理制御器から出力された該一連の異なる状態信号をメモリに記憶させるようにプログラムされている。
【0008】
本発明のさらに別の1つの態様では、電化モノレールシステム内のバスバーを介して情報を伝送するための方法が提供される。該方法は、少なくとも1つの出力を有する第1のプログラマブル論理制御器と、少なくとも1つの入力を有する第2の論理制御器とを設けることを含む。第1のプログラマブル論理制御器の出力と、第2のプログラマブル論理制御器の入力とは、バスバーに接続されている。第1のプログラマブル論理制御器は、情報に対応する一連の異なる状態信号をバスバーに出力するようにプログラムされている。第2のプログラマブル論理制御器は、バスバーに出力された一連の異なる状態信号を検出し、該一連の異なる状態信号を、第2のプログラマブル論理制御器内のメモリに少なくとも一時的に記憶させるようにプログラムされている。
【0009】
本発明は、電化モノレールのための簡単で信頼性の高い通信システムを提供する。該システムは、市販品のプログラマブル論理制御器からなるので、この通信システムの顧客は、通信システムを提供するいかなる特定の販売者にも拘束されない。さらに、通信システムは、広く用いられ良く知られているプログラマブル論理制御器に依存するので、大部分の顧客は、販売者の専門のサービス要員の助けなしに、通信システムを実施および保守できる。さらに、プログラマブル論理制御器を用いると、従来のシステムに比してより安価に通信の問題を解決できる。本発明のこれらおよびその他の利点は、添付図面を参照して次の説明を読むと、当業者には明らかになる。
【0010】
[好ましい実施形態の詳細な説明]
本発明は、以下、添付図面を参照して説明され、図中、同一の参照番号は類似の要素に対応する。本発明を適用できる電化モノレールシステム18の1つの例示的な例が、図1に示されている。電化モノレールシステム18は、例示的な例としてのみオーバヘッドモノレールシステムとして示され、本発明は、通信のための少なくとも1つのバス線路を含む任意のタイプのモノレールシステムで用いられ得る。その他の例は、線路が床に配置され、車両が線路上を走行するモノレールシステムを含む。このようなシステムのための1つのこのような用途は、車組立工場内で車を組立てるのに用いられるスキレットを支持することにある。別の1つの例示的な例として、本発明は、本出願にHans−Gerd Spoloelerらにより2000年10月16日出願の共同譲渡されたMonorail Telescopic Carrierとの題名の米国同時係属出願第09/688477号に開示されている電化モノレールに適用されるものであり、この文書の開示は、引用することにより本明細書の一部を成すものとする。
【0011】
図示の実施形態では、電化モノレールシステム18は、オーバヘッド線路22と、線路22に沿って動く少なくとも1つの車両24とを含むオーバヘッド電化モノレールシステムである。車両24は、電動機28により駆動される複数の車輪26により線路22上で支持されている。車両24は、製品25を搬送するプラットフォーム27の高さを調整する伸縮自在支持部材23を含むこともある。車両24は、工場内を動かさなければならない製品を工場で搬送する。線路22は、複数のバスバー(bass bar)30、31、32、33などを含む。バスバー30、31、32などは、互いに電気的に絶縁され、様々な機能を果たす導電体である。通常、バスバーのうちの少なくとも1つは、電動機28に給電して、線路22に沿って車両24を動かし、別の1つのバスバーは、1つの共通の電気的アースとして働く。本発明では、その他のバスバーのうちの少なくとも1つ、例えばバスバー35は、通信バスバーである。通信バスバー35は、オフボード装置と、線路22に沿って動く個別の車両24との間の通信のために用いられる電気信号を伝送する。
【0012】
本発明の1つの実施形態では、通信システム20は、図2のブロックダイヤグラムに示されている。通信システム20は、オフボードプログラマブル論理制御器(PLC)40と、少なくとも1つのオンボードPLC42とを含む。オフボードPLC40は、レールシステム上を進行している車両から離れたどこかに配置されていて、オンボードPLC42は、(図1に示されていない)任意の適切な個所で車両24上に配置されている。本システム内に存在する車両24のそれぞれに1つのオンボードPLC42が設けられている。図示の実施形態では、オフボードPLC40は、具体的にはAllen−Bradley PLC−5/80、であり、オンボードPLC42は、特にAllen−Bradley MicroLogix(登録商標)1500であり、両者とも、Milwaukee, Wisconsin所在のRockwell Automation Companyにより販売されている。他のPLCも、勿論、オンボードPLCおよびオフボードPLC双方として、本発明の範囲内で用いることができる。オフボードPLCは、通信バスバー35に電気的に接続されている少なくとも1つの出力44を含む。各オンボードPLC42は、通信バスバー35に電気的に接続されている少なくとも1つの入力46を含む。PLCを用いる利点は、PLCが、メーカの間で大幅には違わず、市販品の共通の入力装置およびロード装置で用いられ得る標準の入出力プロトコルを通常は有している点である。したがって、PLC40、42の1つのメーカの代りに別の1つのメーカを採用することは、本システム全体を取替えずに実行することができる。
【0013】
概略的に述べると、オフボードPLC40は、出力44を順次に入れたりきったりすることにより、オンボードPLC42と通信して、1つのメッセージに対応する高電圧および低電圧を出力44から出力する。PLC40が出力44をオンにすると、240ボルト交流信号が、出力44から出力される。この交流信号は、論理的ハイ信号に対応する。PLC40が出力44をオフにすると、ほぼ0ボルトの信号が、出力44から出力される。この信号は、論理的ロー信号に対応する。出力44は、通信バスバー35に電気的に接続されているので、PLC40により出力された一連のハイ信号およびロー信号は、通信バスバー35の導電全長に沿って伝送される。この一連のハイ信号およびロー信号は、オンボードPLC42の入力46にも伝送される、何故ならばこの入力と通信バスバー35との間には電気接触が存在するからである。オンボードPLC42は、この一連の高電圧および低電圧を検出し、伝送されたメッセージの内容に基づいていかなる適切なアクションもとるようにプログラムされている。メッセージの内容は何でもよいが、メッセージは、車両24上の様々な設定を制御するための命令を含むこともある。1つの例示的な例として、車両24が、自動車製造工場で用いられ、それぞれ1つの自動車構成要素例えば自動車トランスミッションを搬送する場合、トランスミッションが組立てラインに沿って搬送される際にトランスミッションの高さおよび回転を調整するように車両24に命令することが望ましいこともある。線路ラインに沿っての異なる作業ステーションは、トランスミッションが、当該作業ステーションで行われる特定の作業を容易にするために異なる高さおよび向きの角度に位置決めされることを必要とすることもある。電化モノレールの個別の車両が、異なるモデルの部品例えば異なるカーモデルのための異なるタイプのトランスミッションなどを搬送することもあり、搬送される特定のモデルに基づいて搬送部品の高さおよび向きを制御することが望ましいこともある。これらのタイプの調整を行うことは、オフボードPLC40からオンボードPLC42へ適切な命令を送ることにより容易に行い得る。
【0014】
工場レイアウトの1つの簡単な例が、図2に示されている。工場レイアウトは、楕円形にレイアウトされている電化モノレールシステム18を含む。電化モノレールシステムは、ステーション10、20、30、40、50、60、70、および80の間で部品を搬送するように設計されている。この例では、オフボードPLC40は、8つの出力を含み、該出力はそれぞれ、通信バスバー35の互いに電気的に絶縁されている区間に電気的に接続されている。通信バスバー35の互いに電気的に絶縁されている区間35a、b、cなどにより、オフボードPLC40は、通信バスバー35の各電気的に絶縁されている区間35a、b、cなどに異なるメッセージを通信し得る。図示の実施形態では、通信バスバー35の各区間35a、bなどは、それぞれ固有の作業ステーションに対応する。このようにして、PLC40が作業ステーション#20に配置されている車両にメッセージを送る場合、通信バスバー区間35hに電気的に接続されている、PLC40の出力O:007が、所望のメッセージの内容にしたがってオンおよびオフにされる。通信バスバー区間35hは、作業ステーション#20に略対応する長さにわってしか延びていないので、作業ステーション#20に位置する車両のみが、このメッセージを受取る。メッセージは、別の1つの作業ステーションに位置する車両に伝送される場合、この特定の作業ステーションに位置する通信区間に電気的に接続されている、PLC40の別の1つの出力が、オンにされる。このようにして、固有のメッセージが、各個別の作業ステーションに位置する車両に伝送され得る。これは、特に、通信システム18が、工場内の車両の位置を自動的に決定できない車両で用いられる場合、有用である。固有のメッセージをモノレールシステムの特定の区間へ送ることにより、車両は、車両が自身の位置を知らないかもしれないにもかかわらず、その特定の作業ステーションのために必要な調整を行うように命令され得る。
【0015】
各個別の車両24が工場内での自身の位置を決定できるような対策が、例えば各作業ステーションに、車両24が検出する磁石を1つの固有の配置で設けることにより講じられると、通信バスバー35を、互いに電気的に絶縁されている区間に分割することは必要でない。このような場合、伝送されたメッセージはすべて、情報を伝送すべき作業ステーションを識別する位置アドレスをメッセージ内に単に入れることにより、1つの共通の通信バスバーを介して放送され得る。その位置アドレスに現時点で位置する1つまたは複数の車両のみが、伝送されたメッセージに基づいて動作する。代替的に、固有の車両アドレスが、伝送メッセージの一部分として放送され得、その固有のアドレスを担う車両のみが、伝送メッセージに基づいて動作する。いずれの場合にも、通信バスバー35は、分割される必要はなく、オフボードPLC40のただ一つの出力44のみしか必要でない。本明細書での説明のために、通信システム20は、図2に示されている工場内で実施されていると仮定し、この場合、通信バスバー35は、互いに電気的に絶縁されている区間に分割されている。本発明は、勿論、異なるタイプのバスバーシステム例えば前述のもので用いられ得る。
【0016】
オフボードPLC40は、電化モノレール車両24により輸送される部品を監視するコンピュータまたはコンピュータシステム48に接続されていてもよい(図2)。PLC40は、PLCに組込まれた標準通信ポートを介してコンピュータ48を通信し、PLC40の制御入力および制御出力のうちの1つ以上のものを介して通信するのではない。オフボードPLC40とコンピュータ48との間の通信は、RS−232、Ethernet、ControlNet、DeviceNet、あるいはその他の通信手段を介してなどの標準の仕方で行われる。コンピュータ48は、オフボードPLC40からオンボードPLC42へ放送されたメッセージを動的に変化させるのに用いられ得る。コンピュータ48は、電化モノレール18により搬送される部品の進行を監視する、工場全体に及ぶ制御システムの一部であることもある。このような場合、PLC42へ放送されたメッセージは、工場内でのメッセージの現時点での位置に依存するだけでなく、1つの個別の車両24により輸送される特定の部品にも依存する。車両24の位置と、各車両24により搬送される部品とは双方とも、コンピュータ48により監視され得る。
【0017】
通信システム20のための通信プロトコルの1つの実施形態が、図3に示されている。オフボードPLC40は、まず初めに、この例では200ミリ秒に等しい所定の時間にわたり、オフボードPLC40の出力44をオンにする(すなわちハイレベルに設定する)ことにより、メッセージの通信を開始する。この200ミリ秒の時間は、メッセージの開始を支持するトリガ信号50からなる。この実施形態では、通信プロトコルは、40ミリ秒の時間の増分に分割され、トリガ信号50は、5つの連続するこのような時間スライスにわたるハイ信号からなる。トリガ信号50は、代替的に、異なる数の時間スライスからなることもあり、実際、PLC42によりメッセージの一部分を形成すると認識され得るかぎり、任意の形をとり得る。トリガ信号50が出力されると、メッセージの内容が、次いで、1および0からなる一連の2進ビットとして、通信バスバー35に出力され、ただし各1は高出力電圧に対応し、各0は低出力電圧に対応する。この好ましい実施形態では、各伝送ビットは、0ボルトの1つの単一の時間スライスからなるスペーサ信号52により分離されている。これは必須でないが、各伝送ビットの間に1つの単一のスペーサ信号52を入れると、伝送エラーを阻む助けとなる。ビット間のこの間隔は、トリガ信号50を、5つの連続する1を含むこともあるメッセージ内容から区別するのにも用いられる。
【0018】
図3に示されているプロトコルにおいて、メッセージは3つの8ビットワードから成り、そのうちの最初の2つのワードは、メッセージ内容を表し、最後の1つのワードは、好ましくは、チェックサム信号として用いられる。このプロトコルには多数の変形を行うことができる。例えば、チェックサムは完全に選択的である。ワードが伝送される順序も、変えることができる。さらに、ワードの数と、ワードを形成するビットの数も、勿論、当業者なら分かるように、変更することができる。図示の実施形態では、0ボルトの第1のスペーサ信号52は、トリガ信号50が出力された直後に伝送される。特に、0ボルトスペーサ信号52は、トリガ信号がまず初めに出力された後に200ミリ秒と240ミリ秒との間に出力される。240ミリ秒と280ミリ秒との間の時間スライス内で、メッセージの第1のビットは、PLC出力44から出力される。図示の例では、この第1のビットは0であり、このビットは、出力44をオフのままにすることにより「伝送」される。この第1のビットに次いで、別の1つのスペーサ信号52が、280ミリ秒と320ミリ秒との間の時間スライス内に伝送される。この第2のスペーサ信号52の後にワード#1内の次のビットが、320ミリ秒と360ミリ秒との間の時間スライス内に伝送される。別の1つのスペーサ信号がこのビットに続く。ワード#1内の第1のハイ(すなわち1の)ビットが最後に、この場合には400ミリ秒と440ミリ秒との間に到来すると、出力44は、約40ミリ秒オンとなる。別の1つのスペーサ信号がこの伝送ビットに続く。メッセージの残りの部分が、次いで、同様の仕方で放送され、この場合、1または0である各ビットが伝送され、スペーサ信号52が各ビット間に入れられる。各ビット間のスペーサ信号以外の特別の信号は、個別のワードとワードとを分離するのに必要でない、何故ならばオンボードPLC42は、個別のワードのそれぞれを形成するビットの数を知るように前もってプログラムされているからである。メッセージが完全に伝送されると、2120〜2160ミリ秒に放送される図3に示されている後端スペーサ信号などの後端スペーサ信号54を入れることが望ましい。後端スペーサ信号54は、図3に示されている単一の時間スライス以外の異なる時間長で放送されることもある。後端スペーサ信号54が放送されると、別の1つのトリガ信号50が放送され、新メッセージまたは同一のメッセージが、同様の仕方で放送される。
【0019】
好ましい実施形態では、通信システム20は、伝送プロトコルの一部として、エラー検出メカニズムまたはエラー補正メカニズムを含む。他のメカニズムも可能であるが、チェックサムメカニズムが、図示の実施形態では採用されている。このチェックサムは、ワード#1とワード#2を加算し、オーバーフローを無視することにより計算される。チェックサムは、ワード#1とワード#2との合計の2の補数であるので、ワード#1とワード#2とチェックサムとの総計は0でなければならない。これは、図3に示されている。これら3つの総計が0でない場合、PLC42は、伝送中にエラーが発生したと仮定し、伝送メッセージを無視する。PLC40は、メッセージを変える必要性が生じるまで同一のメッセージを繰返し放送するようにプログラムされているので、PLC42は、エラー含有伝送が発生したことを、PLC40に通信する必要はない。代わりに、PLC42は、誤りのメッセージをたんに無視し、再び放送されるまで待つ。通常、メッセージの内容は、コンピュータ48がPLC40に、伝送メッセージを変えるように命令した場合にのみ変えられる。このような新メッセージが命令されると、PLC40は、さらに別の1つの新メッセージを受取るまで、新メッセージを繰返し放送する。このようにして、オンボードPLC42は、PLC42がエラー含有伝送を受取ったとのメッセージを、オフボードPLC40に伝送しないようにする。
【0020】
オフボードPLC40のプログラミングを示すはしご図56が、図4、図4A、および図4Bに示されている。この図は、Rockwell Automation of Milwaukee, Wisconsinにより販売されているRockwell Software RSLogix 5に基づくが、選択されたPLCと互換性を有する任意のPLCプログラミングソフトウェアが本発明の範囲内で用いられ得ることは当業者なら分かる。はしご図56は、0000〜0009により示されている10の横桟を含む。横桟0000は、ワード#1および#2に関連するチェックサムを計算するのに用いられる。ワード#1の内容は、記憶場所N7:0に記憶され、ワード#2の内容は、記憶場所N7:1に記憶される。ビットフィールドディストリビュータ58および60は、ワード#1および#2の内容をそれぞれ記憶場所N7:5およびN7:6へ動かすのに用いられる。ADD命令62は、記憶場所N7:5およびN7:6にそれぞれ記憶された2つのワードを加算し、和を記憶場所N7:7に記憶させる。ビットフィールドディストリビュータ64は、記憶場所N7:7内の和を記憶場所N7:8へ動かす。NOT命令66は、記憶場所N7:8内の0をすべて1に変え、記憶場所N7:8内の1をすべて0に変える。その結果は、記憶場所N7:9に記憶される。ADD命令68は、記憶場所N7:9に記憶された和に1を加算し、得られた和を記憶場所N7:10に記憶させる。この和は、通信システム20のエラー補正メカニズムの一部として伝送されるチェックサムである。ビットフィールドディストリビュータ70は、伝送する前にこの和を記憶場所N7:10からN7:2へ動かす。
【0021】
横桟0001は、トリガ信号50のためのタイマを始動する。「オフか検査せよ」命令72は、開始データメモリB3:0が誤りであるかどうかを検査し、誤りである場合、タイマT4:0は計数を開始する。タイマT4:0は、図示の例では200ミリ秒であるトリガ信号50に等しい時間にわたり計数する。200ミリ秒が計数されると、タイマT4:0の「終了」出力(DN)が、論理的真状態に設定される。「オンか検査せよ」命令74は、タイマT4:0を監視し、ラッチ76が、タイマT4:0がその係数を完了すると(すなわち「終了」出力が真に設定されると)開始データメモリB3:0を真状態に設定するようになす。
【0022】
横桟0002は、伝送すべきワードが、通信プロトコルにより取扱われ得るビット最大数を越えるかを検査するために選択的検査を行う。例えば、図3に示されているプロトコルでは、ワード#1および#2はそれぞれ、8ビット長である。ワード#1および#2が表し得る最大数は、2進値255(28−1=255)である。一般に、1つのワードが表し得る最大2進値は、2K−1であり、ただしKはワード内のビット数である。「より大きい」命令78は、したがって、記憶場所N7:0に記憶されているワード#1の値が、2L−1より大きいかを検査し、Lは、ワード#1内のビット数を表す。「より大きい」命令80は、記憶場所N7:1に記憶されたワード#2の値が2M−1より大きいかを検査し、Mは、ワード#2のビット数を表す。ワード#1または#2の値が、各ワード内のビット数により表され得る最大値を越える場合、エラーが発生したことになり、超過値を有するワードが伝送されることはない。このような場合、開始データメモリB3:0に記憶されている2進値が、82でラッチ解除され、これによりメッセージは、PLC40により伝送され得なくなる。
【0023】
横桟0003(図4A)はPLC42へ所望のメッセージを伝送する際に適切な時点で適切な値にPLC40の出力を設定されるのに用いられるデータ伝送タイマを始動する。「オンか検査せよ」命令84により、タイマT4:1は、開始データメモリB3:0が真状態である場合、係数を開始する。横桟0001から分かるように、開始データメモリB3:0は、タイマT4:0がトリガ信号50のための計数を終了した場合にのみ真状態にある。このため、タイマT4:1は、トリガ信号50が出力されるまでは係数を開始しようとしない。タイマT4:1は、トリガ信号50とトリガ信号50との間の全時間に少なくとも等しい長さにわたり計数する。図3の実施形態では、タイマT4:1は、少なくとも1960ミリ秒(2160〜200)にわたり計数する。
【0024】
横桟0004は、データ出力O:000を介して出力されたデータを部分的に制御する。
データ出力O:000は、通信バスバー35に電気的に接続され、オンボードPLC42へメッセージを伝送するのに用いられる出力である。
データ出力O:000がオンである場合、240ボルト交流信号が、通信バスバー35に出力される。
異なる電圧の信号すなわち直流信号が、代替的に、本発明の範囲内で用いられ得る。
「ラッチ解除」命令86は、最初にデータ出力O:000を偽状態にする(つまり、出力しない)。「ラッチ解除」命令86は、はしご図頃56の残りの部分から分かるように、メッセージの各伝送ビットの間にスペーサ信号52を挿入するように機能する。「オンか検査せよ」命令88によりデータ出力O:000は、タイマT4:0がまだ計数しているときには常に真状態に(90で)ラッチする。
上述のように、タイマT4:0は、トリガ信号50が出力される間にわたり時間を計数する。ラッチ命令90は、したがって、データ出力O:000が、トリガ信号50の時間にわたりハイ出力に設定されるように確かめる。
【0025】
横桟0005は、ワード#1内のデータを伝送する(図4A)。「オンか検査せよ」命令92は、タイマT4:1がイネーブルされている(すなわち計数している)かどうかを決定し、タイマT4:1がイネーブルされている場合にのみにワード#1のデータが伝送され得るようになす。タイマT4:1がイネーブルされている場合、「限界値試験(Limit Test)」命令94が、タイマT4:1の全累積カウントが、記憶場所N10:0に特定されている値と記憶場所N10:1に特定されている値と間にあるかどうかを決定する。記憶場所N10:0およびN10:1に特定されている値は、それぞれがメッセージの第1の伝送ビットのための開始時間および終了時間である。図3の例では、ワード#1の第1の伝送ビットは、0であり、トリガ信号がまず初めに開始されてから240ミリ秒と280ミリ秒との間に伝送される。タイマT4:1は、トリガ信号50が伝送され終えるまで、計数を開始しないので、記憶値N10:0およびN10:1は、それぞれ図3の例では40および80である。「限界値試験」命令94は、したがって、タイマT4:1の全累積カウントが40ミリ秒と80ミリ秒との間にあるかどうかを決定する。イエスの場合、「オンか検査せよ」命令96は、ワード#1のビットNが真であるかどうかを検査し、データ出力O:000がビットNと同一の論理値に(98で)ラッチするようにする。ビットNはワード#1の最初に伝送されたビットである(すなわち、図3の例では最左側ビットである)。このようにして、データ出力O:00は、ビットNが1である場合にはハイにラッチされ、ビットNが0である場合にはローにラッチされる。これによりビットNは、データ出力O:000から出力され、通信バスバー35に沿って伝送され、オンボードPLC42に至る。
【0026】
横桟0005は、ワード#1の第1のビット(ビットN+1)を伝送するのに用いられる第2の「限界値試験」命令100をさらに含む。「限界値試験」命令100は、タイマT4:1の全累積カウントが、記憶場所N10:2にある記憶値と、記憶場所N10:3にある記憶値との間にあるかどうかを決定する。図3の例では、値120および160は、それぞれN10:2およびN10:3に記憶されている、何故ならばこれらの値は、(トリガ信号50の伝送が終了した時点から測定して)ワード#1の第2のビットが伝送される時間の開始時点および終了時点であるからである。「オンか検査せよ」命令102およびラッチ命令104は、タイマT4:1が120と160との間の全累積カウントを有する場合、ワード#1のビットN+1の値にデータ出力O:000を設定する。ワード#1の(左側から数えて)第2のビットは、したがって、トリガ信号50が伝送されてから120ミリ秒にわたり伝送され、さらに40ミリ秒にわたり伝送され続ける。
【0027】
横桟0005は、ワード#1内のビット数の数の「限界値試験」命令を含む。各限界値試験は、タイマT4:1の全累積カウントを検査することにより、当該のビットを伝送する時間となったかどうかを検査する。ある特定のビットを伝送するのに適切な時間となった場合、データ出力O:000は、40ミリ秒の時間にわたりそのビットの値に設定される。「限界値試験」命令106は、横桟0005内の最後の限界値試験命令であり、ワード#1の最後のビットを伝送するのに用いられる。「限界値試験」命令106は、タイマT4:1の全累積カウントが記憶場所N10:xの記憶値と記憶場所N10:x+1の記憶値との間にあるかどうかを検査する。変数xが用いられる、何故ならばワード#1の全長は、本発明の異なる実施形態で異なり得るからである。ワード#1が8ビットのワードである図3の例では、「限界値試験」命令106は、タイマT4:1の全累積カウントが、記憶場所N10:14の記憶値600と、記憶場所N10:15の記憶値640との間にあるかどうかを決定する。イエスの場合、データ出力O:000は、「オンか検査せよ」命令108および「ラッチ」命令110によりワード#1の最後のビットの値に設定される。
【0028】
横桟0006および0007は、横桟0005がワード#1を伝送するのと同一の仕方で、ワード#2およびチェックサムワードを伝送する。横桟0006および0007はそれぞれ、伝送されるそれぞれのワード内のビット数の数の「限界値試験」命令を含む。各「限界値試験」命令は、タイマT4:1の全累積カウントを監視するのに用いられ、適切なビットが、適切な時間にデータ出力O:000に出力されるようになす。横桟0005の場合と同様に、横桟0006および0007は、任意の数のビットのワードを伝送するようになすために一般的に説明される。横桟0006における最後の「限界値試験」は、タイマT4:1の全累積カウントが、記憶場所N10:x+yの記憶値と記憶場所N10:x+y+1との間にあるかどうかを検査する。同様に、横桟0007における最後の「限界値試験」は、タイマT4:1の全累積カウントが、記憶場所N10:x+y+zの記憶値と、記憶場所N10:x+y+z+1の記憶値との間にあるかどうかを検査する。変数x、y、およびzがワード#1の長さおよびチェックサムワードは変化され得るとの事実に起因して設けられている。図3の例では、記憶場所N10:x+y、N10:x+y+1、N10:x+y+z、およびN10:x+y+z+1は、それぞれ記憶場所N10:30、N10:31、N10:46、およびN10:47に対応し、それぞれ値1240、1280、1880、および1920を格納する。勿論、記憶場所N10:0〜N10:x+y+z+1の記憶値は、メッセージのビットを伝送するために選択された時間スライスの長さに依存する。図示の例では、この時間スライス長は40ミリ秒である。その他の時間スライスも用いられる。20ミリ秒の時間スライスが用いられる場合、記憶場所N10:0〜N10:x+y+z+1の記憶値はすべて、1/2に削減されている。80ミリ秒の時間スライスが用いられる場合、これらの値は、2倍になる。選択された時間スライスは、正確な受信を確実に得るためにオンボードPLC42にプログラム走査時間より数倍長くなければならない。例えば、40ミリ秒の時間スライスは、5〜10ミリ秒の範囲内のプログラム走査時間を有するオンボードPLCで用いるのに適するが、この範囲外の走査時間も用いられ得る。
【0029】
横桟0008(図4B)では、「オンか検査せよ」命令112により開始データメモリB3:0は、タイマT4:1が計数を停止すると(すなわち、その終了(DN)状態に到達すると)、(114で)ラッチ解除される。開始データメモリB3:0のラッチ解除によりトリガタイマは、横桟0001に記載のように、再び始動する。タイマT4:1がメッセージを伝送するのにかかる全累積時間より大きいカウントにタイマT4:1の最大カウントを設定することにより、後端スペーサ信号54が発生される。後端スペーサ信号54の長さは、いかに長くタイマT4:1が、メッセージを伝送するのに必要な時間を越えて計数し続けるようにプログラムされているにより制御される。
【0030】
はしご図116は、図5、図5A、および図5Bに示され、オンボードPLC42のためのプログラミングを示す。データ入力I:000は、通信バスバー35に電気的に接続され、オフボードPLC40からバスバー35に出力された一連の高電圧および低電圧を検出する。横桟0000では、「オンか検査せよ」命令118により、PLC42上のタイマT4:0(PLC40上のタイマT4:0ではない)が、計数を開始する。タイマT4:0は、トリガ信号50が伝送されたかどうかを監視するのに用いられる。図3の実施形態では、トリガ信号は200ミリ秒の長さである。タイマT4:0は、好ましくは、200ミリ秒の全時間より僅かに短い時間に設定される。200ミリ秒のトリガ信号が用いられる場合、タイマT4:0は、160ミリ秒に設定され得る。タイマT4:0が計数を終了すると、「オンか検査せよ」命令120により開始データメモリB3:0は、(122で)オンにラッチされる。
【0031】
横桟0001は、記憶場所N7:0、N7:1、N7:2、およびN7:3に前に記憶されたいかなるデータもクリアする(すなわち0に設定する)ように機能する。記憶場所N7:0、N7:1、およびN7:2は、それぞれワード#1、#2、およびチェックサムワードを記憶するのに用いられる。横桟0001は、このようにして、前の伝送の際にこれらの記憶場所に記憶されたいかなる旧値をクリアする。記憶場所N7:3は、後述するように、一時記憶域として用いられる。
【0032】
横桟0002は、トリガ信号50が検出されると、タイマT4:1を始動する。タイマT4:1は、いかなるビットが、任意の特定の時間にオフボードPLC40により伝送されているかを決定するのに用いられる。「オンか検査せよ」命令124は、開始データメモリB3:0が真であるかどうかを検査する。開始データメモリB3:0は、トリガ信号が、トリガ信号のほぼ全時間(例えば全時間200ミリ秒のうちの160ミリ秒)にわたり検出された後にのみ、横桟0000により真となる。開始データメモリB3:0が真である場合、「オフかを検査せよ」命令126によりタイマT4:1は、データ入力I:000がロー状態になた場合にのみ計数を開始する。データ入力I:000は、トリガ信号50が伝送されるとただちにロー状態になる。データタイマT4:1は、したがって、トリガ信号50が伝送された直後に開始する。「オンか検査せよ」命令128は、タイマT4:1が、このタイマT4:1が始動し、タイマT4:1の限界値に到達するまで、計数を続ける。タイマT4:1の限界値は、全メッセージを受取るのに充分に長い時間に設定されなければならない。この実施形態では、タイマT4:1の限界値は、オフボードPLC40に配置されているタイマT4:1の限界値と同一の限界値に設定されている。
【0033】
横桟0003(図5A)は、オフボードPLC40から伝送されたワード#1を検出および記憶する。一対の「オンか検査せよ」命令130および命令132は、それぞれ、横桟0003が、開始データメモリが真である(すなわちトリガ信号50が受信された)場合のみ、および、タイマT4:1がまだ計数している場合にのみ、データを受取るように機能する。横桟0003は、1つ以上の「限界値試験」を含み、全数は、ワード#1のビット数に対応する。「オンか検査せよ」命令134に起因して、「限界値試験」は、ハイ信号がデータ入力I:000で検出された場合にのみに行われる。ハイ信号が所与の時間にわたり検出されない場合、記憶場所N7:0、N7:1、およびN7:2内の対応する1つまたは複数のビットは、変化されず、横桟0001で設定されように、丁度0のままである。ハイ信号がデータ入力I:000で検出されると、横桟0003の「限界値試験」が行われる。第1の「限界値試験」136は、タイマT4:1の全累積カウントが、記憶場所N10:0の記憶値と、記憶場所N10:1の記憶値との間にあるかどうかを検査する。これら2つの記憶場所は、1つのビットが伝送される第1の時間スライスの開始時間および終了時間を記憶する。このようにして、図3の例では、これら2つの記憶場所は、それぞれが値40および80を記憶する。(第1の40ミリ秒の時間は、スペーサ信号52が占める)。タイマ4:1の全累積カウントが、40と80との間にある場合、「ラッチ」138は、(記憶場所N7:0に記憶されている)ワード#1の第1のビット(ビットN)をハイ値にラッチする。第2の「限界値試験」140は、タイマ4:1の全累積カウントが、記憶場所N10:2の記憶値と、記憶場所N10:3の記憶値との間にあるかどうかを決定する。これらの値は、ワード#1の第2のビットが伝送される特定の時間スライスの開始時間および終了時間にそれぞれ対応する。タイマT4:1の全累積カウントがこれら2つの値との間にある場合、ラッチ命令142は、ワード#1の第2のビットをハイ値にラッチする。図3の実施形態では、N10:2およびN10:3の値は、それぞれ120および160であるが、前述のように、他の値も、異なるサイズの時間スライスが通信プロトコルで用いられる場合、用いられ得る。ワード#1の最後のビットは、「限界値試験」144により検出される。図3の実施形態では、「限界値試験」144は、横桟0003での第8の限界値試験である。
【0034】
横桟0004および0005は、0003がワード#1を検出するのと同一の仕方で、それぞれワード#2およびチェックサムワードを検出する。各横桟は、当該のワードのビット数と同一の数の限界値試験を含む。各限界値試験は、当該のビットを受取る時間となったかどうかを検査するためにタイマT4:1を監視する。ワード#1、#2、およびチェックサムのための記憶場所は、最初は零に設定されているので、各限界値試験は、ハイ信号がデータ入力I:000で検出された場合にのみ、作動される。
【0035】
横桟0006(図5B)は、伝送の際にエラーが発生したかどうかを決定するために、伝送されたチェックサムを利用する。「オンか検査せよ」命令146によりチェックサムの計算は、タイマT4:1が計数を停止した場合にのみ、開始される。チェックサムの計算は、したがって、全メッセージが受信されるまで行われない。「計算せよ」命令148は、それぞれが記憶場所N7:0、N7:1、およびN7:2に記憶されているワード#1および#2およびチェックサムの和を計算し、得られた和を記憶場所N7:3に記憶させる。ビットフィールドディストリビュータ150は、この和を記憶場所N7:4へ動かし、その際、計算された和におけるいかなるオーバーフローも削除する。「等しい」命令152は、(オーバーフローを無視した)和が、零に等しいかどうかを決定する。零である場合、受信データは、有効であると仮定され、「動かせ」命令154および156は、(N7:0およびN7:1に記憶された)受信ワード#1および#2を記憶場所N7:10およびN7:11へ動かし、これらの記憶場所で受信ワード#1および#2は、電化モノレール車両24への他の操作を制御するためにPLC42により用いられ得る。(オーバーフローを無視した)和が、零に等しくない場合、データは、エラーを含むと仮定され、それらの最終的な記憶場所N7:10およびN7:11へ動かされない。「ラッチ解除」命令158は、開始データメモリB3:0を偽状態にラッチし、「リセット」命令160は、タイマT4:1をリセットし、これにより別の1つのメッセージが、別の1つのトリガ信号が検出されると検出され得るようになされる。
【0036】
図4、図4A、および図4Bのはしご図に示されているオフボードプログラムは、データをオフボードPLC40から、1つの単一の通信バスバー35または通信バスバーの1つの単一の区間へ伝送されるのに用いられる。分割された通信バスバー35が用いられる場合、そして、異なる区間へ複数のメッセージを伝送したい場合、オフボードプログラムが、通信バスバー35の当該のセグメントに電気的に接続されている、PLC40上の別の1つの出力を用いて繰返される。例えば、図4、図4A、および図4Bに示されているオフボードプログラムは、信号を出力O:000から出力するように設計されている。図3において、このプログラムは、したがって、ステーション#10の前に位置する、バスバー35の区間にのみ複数のメッセージを通信できる。8つの作業ステーションすべての前の区間と通信したい場合、オフボードプログラムは、全部で8つのコピーのために付加的に7回繰返される。プログラムとプログラムとの間の相違は、プログラムにより制御される当該の出力信号であるが、所望の場合、例えばワード長、ワード数など、各コピーに対して別の変形を形成することもできる。
【0037】
図4、図4A、図4B、および図5A、および図5Bのプログラムは、オフボードPLC40から1つまたは複数のオンボードPLC42へ片方向通信のためにのみ設計されている。しかしながら、所望の場合、双方向通信に対処するように通信プロトコルを変え得る。これは、例えば、オンボードPLC42が、オフボードPLC40から伝送される2番目毎のトリガ信号の後にPLC40にメッセージを戻すようになし、これにより各PLCが交互にメッセージを互いへ伝送するようになすことにより達成され得る。これにより情報が、キャリヤまたはその荷物からオフボードPLCへ戻されるようになされる。別の1つの可能性として、半波技術が、双方向通信を得るために用いられ得る。例えば、正信号が、PLC40からPLC42へ行く情報のために用いられ得、一方、負信号が、PLC42からPLC40へ向かう通信のために用いられ得るか、または逆である。様々なその他の方法も、双方向通信を得るために用いられ得る。
【0038】
本発明は、図面の好ましい実施形態と、いくつかの代替実施形態とを用いて以上説明されたが、本発明がこれらの実施形態に限定されず、添付の請求の範囲に記載の本発明の精神および範囲内の任意のかつすべての変更も含むことは当業者なら分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信システムが実施されている電化モノレールの1つの例の斜視図である。
【図2】本発明の通信システムの1つの実施形態のブロックダイヤグラムである。
【図3】本発明の1つの実施形態の通信プロトコルのタイミングダイヤグラムである。
【図4】図4A、および図4B:本発明の1つの実施形態のオフボードプログラマブル論理制御器のためのはしご図である。
【図5】図5A、および図5B:本発明の1つの実施形態のオフボードプログラマブル論理制御器のためのはしご図である。
Claims (33)
- 少なくとも1つの導電性バスバーおよび車両を含む電化モノレールを有する電化モノレールシステムのための通信システムであって、
該通信システムは、
少なくとも1つの導電性バスバーに電気的に接続され得る出力を有する第1のプログラマブル論理制御器であって、該出力は、2つ以上の状態をとることができるものであり、あるメッセージに対応する一連の状態に該出力を順次に設定するようにプログラムされているものである第1のプログラマブル論理制御器と、 該少なくとも1つの導電性バスバーに電気的に接続され得る入力を有し、前記車両に搭載されるようになっている第2のプログラマブル論理制御器であって、該第1のプログラマブル論理制御器から出力された該一連の状態信号を、少なくとも1つの導電性バスバーを介してメモリに記憶させるようにプログラムされているものである第2のプログラマブル論理制御器と
を備えてなる、通信システム。 - 前記出力からの前記2つ以上の状態信号は、高電圧および低電圧からなる、請求項1に記載の通信システム。
- 前記第1のプログラマブル論理制御器は、コンピュータと通信し、該コンピュータは、前記メッセージの内容を制御できるものである、請求項1に記載の通信システム。
- 該少なくとも1つのバスバーは、電気的に互いに絶縁されている区間に分割され、前記第1のプログラマブル論理制御器は、該電気的に互いに絶縁されている区間のうちの1つのみに電気的に接続されているものである、請求項1に記載の通信システム。
- 前記第1のプログラマブル論理制御器は、前記メッセージに対応する各高電圧および低電圧の間の所定の時間にわたり一定電圧を出力するようにプログラムされている、請求項2に記載の通信システム。
- 前記一定電圧が低電圧である請求項4に記載の通信システム。
- 前記第1のプログラマブル論理制御器は、前記一連の高電圧および低電圧を出力する前にトリガ信号を出力するようにプログラムされている、請求項2に記載の通信システム。
- 前記第1のプログラマブル論理制御器は、前記トリガ信号と、前記メッセージに対応する前記一連の高電圧および低電圧とを繰返し出力するようにプログラムされている、請求項6に記載の通信システム。
- 前記第1のプログラマブル論理制御器は、第2の導電性バスバーに電気的に接続されている第2の出力を有し、前記第1のプログラマブル論理制御器は、第2のメッセージに対応する一連の高電圧および低電圧に該第2の出力を順次に設定するようにプログラムされている、請求項1に記載の通信システム。
- 前記高電圧は交流電圧であり、前記低電圧はほぼ零電圧である請求項2に記載の通信システム。
- 前記高電圧は直流電圧であり、前記低電圧はほぼ零電圧である請求項2に記載の通信システム。
- 少なくとも1つのバスバーを含む電化モノレールと、
該電化モノレール上で動き得る少なくとも1つのキャリヤと、
該少なくとも1つのバスバーに電気的に接続されている出力を有する第1のプログラマブル論理制御器であって、該出力は、2つ以上の状態をとることができ、メッセージに対応する一連の状態信号を該少なくとも1つのバスバーに出力するようにプログラムされている第1のプログラマブル論理制御器と、
該少なくとも1つのバスバーに少なくとも時々電気的に接続される入力を有する第2のプログラマブル論理制御器であって、該第2のプログラマブル論理制御器は、該少なくとも1つのキャリヤに搭載され、該第1のプログラマブル論理制御器から出力された該一連の状態信号を、該少なくとも1つのバスバーを介してメモリに記憶させるようにプログラムされている第2のプログラマブル論理制御器と
を備える電化モノレールシステム。 - 前記第1のプログラマブル論理制御器は、コンピュータと通信し、該コンピュータは、前記メッセージの内容を制御できる請求項12に記載のシステム。
- 前記少なくとも1つのバスバーは、電気的に互いに絶縁されている区間に分割され、前記第1のプログラマブル論理制御器は、該電気的に互いに絶縁されている区間のうちの1つのみに電気的に接続されている、請求項12に記載のシステム。
- 前記電化モノレールに沿って動き得る第2のキャリヤと、該第2のキャリヤに配置されている第3のプログラマブル論理制御器とをさらに含み、該第3のプログラマブル論理制御器は、前記第1のプログラマブル論理制御器から出力された前記一連の状態信号をメモリに記憶させるようにプログラムされている、請求項12に記載のシステム。
- 前記第2のプログラマブル論理制御器は、前記第1のプログラマブル論理制御器から受取ったメッセージに基づいて前記キャリヤへのアクションを実行するものである、請求項12に記載のシステム。
- 前記電化モノレールは、オーバヘッド電化モノレールであり、前記キャリヤは、該キャリヤ上に搭載される荷物の高さおよび回転が調整できるものであり、前記第2のプログラマブル論理制御器は、前記キャリヤ上の前記荷物の高さおよび回転を調整するようにプログラムされている、請求項12に記載のシステム。
- 前記2つ以上の状態信号は、高電圧および低電圧からなるものである、請求項12に記載のシステム。
- 前記高電圧は交流電圧であり、前記低電圧はほぼ零電圧である、請求項18に記載の通信システム。
- 前記電化モノレールがオーバヘッド電化モノレールであり、前記キャリヤが該モノレールから吊下げられているものである、請求項12に記載のシステム。
- 少なくとも1つのバスバーを含む電化モノレールと、該電化モノレール上を動き得る少なくとも1つのキャリヤとを有する電化モノレールシステム内のバスバーを介して情報を伝送する方法であって、
少なくとも1つの出力を有する第1のプログラマブル論理制御器を設けることと、
少なくとも1つの入力を有する第2のプログラマブル論理制御器を設けることと、
該第1のプログラマブル論理制御器の該出力を、該少なくとも1つのバスバーに接続することと、
該第2のプログラマブル論理制御器の該入力を該バスバーに少なくとも時々接続することと、
前記情報に対応する一連の状態信号を該バスバーに出力するように、前記第1のプログラマブル論理制御器をプログラムすることと、
該バスバー上の該一連の状態信号を検出し、前記第2のプログラマブル論理制御器内のメモリに該一連の状態信号を少なくとも一時的に記憶させるように、該第2のプログラマブル論理制御器をプログラムすることと
を含んでなる方法。 - 前記一連の状態信号を出力する前にトリガ信号を出力するように、前記第1のプログラマブル論理制御器をプログラムすることをさらに含む請求項21に記載の方法。
- コンピュータから受取った命令に基づいて前記情報を変えることができるように、前記第1のプログラマブル論理制御器をプログラムすることをさらに含む請求項21に記載の方法。
- 前記一連の状態信号は、一連の高電圧および低電圧からなる請求項21に記載の方法。
- 前記情報に対応して出力された各高電圧および低電圧の間の所定の時間にわたり一定電圧を出力するように、前記第1のプログラマブル論理制御器をプログラムすることをさらに含む請求項24に記載の方法。
- 前記一定電圧は低電圧である請求項25に記載の方法。
- 前記第1のプログラマブル論理制御器の走査時間にほぼ等しい固定時間にわたり前記高電圧および低電圧のそれぞれを出力するように、前記第1のプログラマブル論理制御器をプログラムすることをさらに含む請求項24に記載の方法。
- 前記バスバーに沿って動くキャリヤを設けることと、該キャリヤ上に前記第2のプログラマブル論理制御器を取付けることとをさらに含む請求項24に記載の方法。
- 前記メッセージに基づいて前記キャリヤへの操作を制御するように、前記第2のプログラマブル論理制御器をプログラムすることとをさらに含む請求項28に記載の方法。
- エラー検出メッセージに対応する第2の一連の高電圧および低電圧を出力するように、前記第1のプログラマブル論理制御器をプログラムすることと、
該エラー検出メッセージに基づいて、前記第2のプログラマブル論理制御器が、何らかのエラーを有する該一連の高電圧および低電圧を検出したかどうかを決定するように、前記第2のプログラマブル論理制御器をプログラムすることと
をさらに含む請求項24に記載の方法。 - 前記第1のプログラマブル論理制御器に第2の出力を設けることと、前記第2の出力を第2のバスバーに接続することと、第2の情報に対応する一連の高電圧および低電圧を出力するように、前記第1のプログラマブル論理制御器をプログラムすることとをさらに含む請求項24に記載の方法。
- 前記第2のバスバーに出力された前記第2の情報が、前記バスバーに出力された前記情報と異なるものとすることができるように、前記第1のプログラマブル論理制御器をプログラムすることをさらに含む請求項31に記載の方法。
- 前記高電圧は交流電圧であり、前記低電圧はほぼ零電圧である請求項24に記載の方法。
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