JP2004364424A - 自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータ - Google Patents

自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータ Download PDF

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【課題】ベルトプーリに掛かる大きな駆動力を安定して支持し、小型で自動ドアに用いるのに適したアウタロータ型ブラシレスモータを得る。
【解決手段】駆動ベルトを持つ自動ドアと共に用いるアウタロータ型ブラシレスモータであって、ボス部分を持つステータコアを有するステータと、ボス部分上に回転可能に設けたハブ部分を介して支持されたロータコアおよび駆動ベルトプーリ部を有するロータとを備え、駆動ベルトからプーリ部に作用する力を直接ボス部分に伝えるようにした。ロータの永久磁石を軸方向のスロット内に挿入し、ロータコアの胴部の先端部とステータコアとの間にラビリンスシールを設けた。検出器はステータコアと、ロータコアの胴部との間に形成された環状のスペース内に取り付けられている。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータに関し、特にドア開閉用の駆動ベルトを持つ自動ドアと共に用いる自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
引き戸形の自動ドアは、出入り口上方の無目に設けたスライドレール上にドアを吊り下げる戸車を乗せて開閉走行できるようにしてある。このドアはモータによって駆動されてスライドレールにそって走行するベルトに連結してあるので、モータの駆動力がベルトおよびプーリによって伝達されてドアが開閉する。ドアの開閉には小さなスペース内で発生する大きなトルクが必要であるので、高速回転するモータを減速機と組み合わせて用いている。またモータおよび減速機はかなりの振動を発生するために、振動抑制材を用いて無目に取付けられている。自動ドアには更に、ドア開閉操作の制御のための検出器やモータ制御装置が必要である。
【0003】
このような構成に於いては、モータと共にフレームに搭載しなければならない機器は、減速機、減速機の出力軸に取り付けたベルト駆動用のプーリ、モータの回転検出器等であり、またこれら機器を制振装置を介してフレームに据付けなければならない。これら機器を必要とするために、自動ドア駆動装置の寸法、重量、トータル価格が大きくなり、組立工数も多く長時間を要し、改善が望まれていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−308766号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これまで、モータとしてダイレクト・ドライブ式のアウタロータ形回転電機等が提案されている。しかしながら、このようなモータは、限られた小さなスペース内に据付可能で大トルクを発生し得て、頑強で騒音が少なくなければならないという、自動ドアに用いるための要求を満たすことができなかった(例えば特許文献1参照)。従って、ドア駆動用のベルトプーリに掛かる大きな駆動力を安定して支持し、低速、大トルクで減速機が必要なく、小型で自動ドアに用いるのに適したモータの開発が望まれていた。
【0006】
従ってこの発明の課題は、ベルトプーリに掛かる大きな駆動力を安定して支持し得て、小型であって、自動ドアに用いるのに適した自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータを得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、この発明の自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータは、ドア開閉用の駆動ベルトを持つ自動ドアと共に用いるものであって、一端にボス部分を持つステータコアを有するステータと、上記ボス部分上に回転可能に支持されたハブ部分、このハブ部分から上記ステータの外周にまで延びたロータコアおよび上記ハブ部分の外周に設けられて上記駆動ベルトが巻き掛けられるプーリ部を有し、上記ステータに対して回転可能なロータとを備え、もって上記ハブ部分上のプーリ部に作用する上記駆動ベルトからの力が直接上記ボス部分に伝えられることを特徴とする自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1および図2には本発明の自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータを自動ドアに適用した例をそれぞれ概略平面図および概略正面図で示してある。自動ドアは、建物1の出入り口の上方に配設された無目2の内部にドア駆動装置を格納してある。建物1の壁面には、駆動プーリ3を持つアウタロータ型ブラシレスモータ4、モータ制御装置5、従動プーリ6およびスライドレール7(図2)が取り付けられている。駆動プーリ3と従動プーリ6との間には、無端のタイミングベルト、Vベルト、ワイヤなどのドア開閉用の駆動ベルト8が掛け回されている。
【0009】
図示の例では自動ドアは2枚のドア11および12を備えており、これらドア11および12は、それぞれ一対の戸車13によってスライドレール7から吊り下げられていて、スライドレール7上を走行して建物の出入り口を開閉できるようにしてある。戸車13によって吊り下げられたドア11および12のうちの図で左側のドア11は、連結金具14によって駆動ベルト8の上部走行部に連結され、図で右側のドア12は、連結金具15によって駆動ベルト8の下部走行部に連結されている。モータ4が駆動されて駆動プーリ3が駆動ベルト8を図で反時計方向に駆動させると、左側のドア11は左方向に移動し、右側のドア12は右方向に移動して出入り口が開放される。駆動ベルト8を図で時計方向に駆動させると、左側のドア11は右方向に移動し、右側のドア12は左方向に移動して出入り口が閉塞される。
【0010】
図3乃至図6には図1および図2に示すこの発明の自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータ4(以後単にモータと呼ぶことがある)の一実施の形態を示す。このアウタロータ型ブラシレスモータ4は、図1および図2に示す如きドア開閉用の駆動ベルト8を持ちドア11および12を備えた自動ドアと共に用いるのに適した自動ドア用のアウタロータ型ブラシレスモータである。
【0011】
モータ4はステータ20とロータ21とを備えている。ステータ20は、取付板22と、取付板22の中央部から立ち上がって片持ち式に支持された軸部分23と、この軸部分23の先端部に設けられたボス部分24とを持っている。取付板22にはモータ取り付け穴25と、放熱用の冷却フィン26とが設けられている。軸部分23上にはコイル27が巻回された鉄心28が固着されていて、コイル27と制御装置5(図1)等の外部回路への電気的接続は、口出し線29のようにコイル27から、あるいは口出し線31のように取付板22に取り付られた磁極位置検出器32から、それぞれ軸部分23に設けた中心孔30を通して接続線を外部に延ばして行うことができる。また、取付板22と鉄心28との間で、後に説明するロータで囲まれたスペース33a内には、取付板22上に回転位置検出器33がネジ34によって取り付けられている。このように、取付板22、軸部分23、ボス部分24、鉄心28はモータ4のステータコア35を構成している。
【0012】
このように構成された全体としてほぼ円筒形のステータ20上には、全体としてほぼ倒立したカップ形のロータ21が被せられるように配置されていて、そのハブ部分36がステータ20のボス部分24によって回転可能に支持されている。ロータ21のハブ部分36は、カップ形のロータ21の底壁37に相当する部分に設けられ、内周面に円筒形の軸受38を持っていて、この軸受38によってボス部分24に支持されている。この軸受38は1個のベアリングによるリング式オイルレスベアリングである。
【0013】
このハブ部分36からは、底壁37が径方向にステータ20に沿って延び、その外周縁はステータ20の外周部で径方向に延びるロータ21の胴部である周壁39に連続していて、これら底壁37および周壁39によりステータ20の外周にまで延びたロータコア40が構成されている。ロータコア40の周壁39の内周面には、8本の互いに平行に所定の等間隔に配置された軸方向のスロット41が形成されている。各スロット41の間には、先端に周方向両側に延びた押さえ部42を持ち、全体としてT字型の断面の突条部分43が設けられていている。このように、スロット41の径方向内側部分では、両端が押さえ部42により径方向に閉ざされた部分44と、中央部で開放された部分45とが形成され、径方向に部分的に開放されている。スロット41内には、それぞれ板状の永久磁石46が挿入されて固定されている。なお、スロット41あるいは永久磁石46の数は8でなくとも、例えば、4、12、16あるいは24でもよい。
【0014】
ロータ21をステータ20に対して回転可能に支持する軸受け部分の作用をするロータ21のハブ部分36の外周には、駆動ベルト8が巻き掛けられるプーリ部48が設けられている。プーリ部48はハブ部分36およびロータコア40の底壁部37と一体に連続して形成された部分であって、ハブ部分36、ロータコア40およびプーリ部48が、永久磁石46等と共にロータ21を構成している。ステータ20のボス部分24の先端にはねじ49で固着されたストッパ50が設けられていて、ロータ21のボス部分24が先端方向へ移動してステータ20から外れてしまうのを防いでいる。
【0015】
プーリ部48の外側端面にはねじ51により環状の当板52が固着されていて、プーリ部48に掛け回された駆動ベルト8(図1および図2)の脱落を防ぐようにしてある。図示の例では駆動ベルト8はベルト内側面に多数の突条あるいは畝と溝とを持つタイミングベルトであり、従ってプーリ部48の外周面53にはベルト8の突条の凹凸に対応した凹凸が設けてある。駆動ベルト8がVベルトの場合にはプーリ部48の外周面53にはVベルトの側面に対応したV溝が形成され、駆動ベルト8がワイヤの場合にはプーリ部48の外周面53にはワイヤの外周面に対応した凹凸表面が形成され、使用する駆動ベルトに応じて滑りの生じない外周面53を形成する。
【0016】
駆動ベルト8が巻き掛けられるプーリ部48の外周面53の位置は、図4に良く示されているように、ボス部分24の中心軸に垂直な平面について、ボス部分24およびその径方向外側の軸受38を通る平面内にあり、ハブ部分36上のプーリ部48に作用する駆動ベルト8からの作用力が直接径方向にボス部分24に伝えられるようにしてある。換言すれば、駆動ベルト8からの作用力が、ステータ20とロータ21との間の軸受部分である軸受38に於いて回転モーメントとならないようにされている。
【0017】
図6に詳細を示すように、ロータコア40のハブ部分36から延びてステータコア35を囲む胴部である周壁39は、カップ形の開口部に相当するその先端部54に於いてステータコア35の取付板22に近接し、間に狭い間隙55を形成して対向している。また取付板22にはこの先端部54から離間して先端部54を挟むような形状の一対の平行な環状の突条56および57が設けられていて、先端部54とステータコア35の取付板22との間に狭く曲がった通路を持つラビリンスシール58が形成されている。ここでは、ロータコア40の先端部54とステータコア35の取付板22との間にラビリンスシール58が形成されていれば良いので、この部分の構造は様々な変形ができる。例えば、突条56および57の代わりに、単に取付板22に環状溝を形成して、この環状溝内にロータコア40の先端部54を受け入れるようにしても良いし、環状溝の数を変えたり、先端部54側に溝を設けることもできる。
【0018】
先に説明したように、ステータコア35の取付板22と鉄心28との間で、ロータコア40の周壁39で囲まれた環状のスペース33a内には、取付板22に取付られた磁極位置検出器32および回転位置検出器33が取り付けられている。回転位置検出器33は、スリットを持ちロータコア40と共に回転する環状のスリット板59を挟んで配置された発光部60と受光部61とを備えた光電式のものである。
【0019】
以上説明した実施例によるアウタロータ型ブラシレスモータを用いれば、従来自動ドアで必要であった、独立した部品としての駆動プーリ、減速機および制振材を設ける必要がなく、材料および組み立て工数の大幅な削減ができて自動ドアの原価低減ができる。また、駆動プーリ部の取付スペースが従来のものに対して半分以下に縮小でき、駆動プーリを従動プーリと左右対称位置に設置することができ、ドアへの組み付けが対称となってドア開閉がバランスよくなる。また減速機による振動、騒音も低減する。
【0020】
ロータとステータとの間のベアリングを駆動ベルトのテンションが加わる位置に一個だけ配置してあるので、モータの正逆回転による開閉回数の寿命が数倍長くなる。また、検出部がモータ内部に設置してあるので、検出器フレームが不要であり、コストダウンができる。また低速モータであるので、ロータ部の組立に於いてバランス取り作業の簡略化ができる。
【0021】
モータの永久磁石はロータ内側のスロット内に挿入されるので、接着材やテーピングによる固定が不要であり、組立作業が簡単で短時間でできる。また、ステータとロータとの間にラビリンスシール状の間隙が形成されているので、モータ回転時に風圧が生じて塵埃が侵入しにくくなり、VリングやOリング等のパッキング部材が不要である。
【0022】
この自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータを用いれば、自動ドアの開閉駆動機構の駆動部材料を半分以上削減でき、組立、分解、分離が簡単にできる構造であり、リサイクルや環境に貢献できる。
【0023】
【発明の効果】
以上の如くこの発明の自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータは、ドア開閉用の駆動ベルトを持つ自動ドアと共に用いるものであって、一端にボス部分を持つステータコアを有するステータと、上記ボス部分上に回転可能に支持されたハブ部分、このハブ部分から上記ステータの外周にまで延びたロータコアおよび上記ハブ部分の外周に設けられて上記駆動ベルトが巻き掛けられるプーリ部を有し、上記ステータ対して回転可能なロータとを備え、もって上記ハブ部分上のプーリ部に作用する上記駆動ベルトからの力が直接上記ボス部分に伝えられることを特徴とする自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータである。従って、ベルトプーリに掛かる大きな駆動力を安定して支持し得て、小型であって、自動ドアに用いるのに適した自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータを自動ドアに適用した実施の形態を示す概略平面である。
【図2】図1の自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータの概略正面図である。
【図3】この発明の自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータの概略平面部分断面図である。
【図4】図3の自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータの概略正面断面図である。
【図5】図3の自動ドアアウタロータ型ブラシレスモータのステータコアを示す概略図である。
【図6】図3の自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータのラビリンスシール部を示す概略断面図である。
【符号の説明】
8 駆動ベルト、11、12 ドア、20 ステータ、21 ロータ、24 ボス部分、31、33 検出器、33a 環状のスペース、35 ステータコア、36 ハブ部分、37 一端部(底壁)、39 胴部、40 ロータコア、41 スロット、46 永久磁石、48 プーリ部、54 先端部、58 ラビリンスシール。

Claims (4)

  1. ドア開閉用の駆動ベルトを持つ自動ドアと共に用いる自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータであって、
    一端にボス部分を持つステータコアを有するステータと、
    上記ボス部分上に回転可能に支持されたハブ部分、このハブ部分から上記ステータの外周にまで延びたロータコアおよび上記ハブ部分の外周に設けられて上記駆動ベルトが巻き掛けられるプーリ部を有し、上記ステータに対して回転可能なロータとを備え、
    もって上記ハブ部分上のプーリ部に作用する上記駆動ベルトからの力が直接上記ボス部分に伝えられることを特徴とする自動ドア用アウタロータ型ブラシレスモータ。
  2. 上記ロータが永久磁石を持ち、この永久磁石は、上記ロータコアに設けられて径方向に部分的に開放された軸方向のスロット内に挿入されていることを特徴とする請求項1記載のアウタロータ型ブラシレスモータ。
  3. 上記ロータコアが、上記ハブ部分に接続された一端部と、この一端部から延びて上記ステータコアを囲む胴部と、この胴部の先端で上記ステータコアに近接した先端部とを備え、上記先端部と上記ステータコアとの間にラビリンスシールを備えたことを特徴とする請求項1記載のアウタロータ型ブラシレスモータ。
  4. 上記ステータコアと、上記ロータコアの胴部との間に形成された環状のスペース内に、検出器が取り付けられていることを特徴とする請求項3記載のアウタロータ型ブラシレスモータ。
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WO2017213134A1 (ja) * 2016-06-06 2017-12-14 パナソニックIpマネジメント株式会社 電動機、それを用いた密閉型電動圧縮機、並びに冷凍装置

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