JP2004364006A - 路車間通信システム及び通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大容量のデータを瞬時に送受信することができる路車間通信システム及び通信方法を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる路車間通信システムは、高速道路7を走行する車両1の車載端末11、中継局2、中継局3、中継局管理サーバ4を備えている。車載端末11は、車速情報等を含む端末カレント情報を中継局2に送信する手段を備えている。中継局2は、端末カレント情報を受信し、中継局管理サーバ4へ送信する手段を備えている。中継局管理サーバ4は、端末カレント情報を受信し、端末カレント情報に基づき車載端末が次に通信可能となる中継局3を検索し、中継局2から中継局3への切換予定時刻を算出し、端末識別情報及び切換予定時刻を含む予定情報を中継局3に送信する手段を備えている。中継局3は、端末予定情報を受信し、車両1との通信を予約する手段を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明にかかる路車間通信システムは、高速道路7を走行する車両1の車載端末11、中継局2、中継局3、中継局管理サーバ4を備えている。車載端末11は、車速情報等を含む端末カレント情報を中継局2に送信する手段を備えている。中継局2は、端末カレント情報を受信し、中継局管理サーバ4へ送信する手段を備えている。中継局管理サーバ4は、端末カレント情報を受信し、端末カレント情報に基づき車載端末が次に通信可能となる中継局3を検索し、中継局2から中継局3への切換予定時刻を算出し、端末識別情報及び切換予定時刻を含む予定情報を中継局3に送信する手段を備えている。中継局3は、端末予定情報を受信し、車両1との通信を予約する手段を備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、路車間通信システム及び通信方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ITS(Intelligent Transport Systems)の研究が盛んに進められている。中でも、渋滞情報等をリアルタイムにカーナビへ提供するVICS(Vehicle Information and Communication System)や、ノンストップで有料道路の料金を支払うETC(Electronic Toll Collection System)は、すでに普及し始めており、さらに、事故防止等の安全運転を支援するAHS(Advanced Cruise−Assist Highway Systems)も、実現されようとしている。
【0003】
VICSやETC等は、通信方式としてDSRC(Dedicated Short Range Communication)や携帯電話を主に利用している。DSRCや携帯電話では、通信速度が遅いため、大容量のデータを瞬時に送受信することはできない。このため、高速道路などを走行中に、渋滞や事故の詳細な情報、抜け道等の回避手段などを、大きな画像情報や音声情報と共に知ることができないという問題がある。
【0004】
尚、無線LANにより車両間で通信を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−136190号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の路車間通信システムでは、大容量のデータを瞬時に送受信することができないという問題点があった。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、大容量のデータを瞬時に送受信することができる路車間通信システム及び通信方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる路車間通信システムは、自動車専用道路(例えば、高速道路)を走行する自動車に搭載された車載端末と、前記自動車専用道路に沿って設置され、前記車載端末と無線通信により接続可能な第1の中継局及び第2の中継局と、前記第1の中継局及び第2の中継局と通信可能に接続された中継局管理サーバを備えた路車間通信システムであって、前記車載端末は、車速を検出し車速情報を生成する車速検出手段から車速情報を取得する手段と、位置を検出し位置情報を生成する車両位置検出手段から位置情報を取得する手段と、前記車速情報、前記位置情報及び端末識別情報を含む端末カレント情報を第1の中継局に対して無線により送信する無線通信手段を有し、前記第1の中継局は、前記車載端末から送信された前記端末カレント情報を受信し、前記中継局管理サーバへ送信する手段を有し、前記中継局管理サーバは、前記第1の中継局から送信された前記端末カレント情報を受信する手段と、前記端末カレント情報に基づき前記車載端末が次に通信可能となる前記第2の中継局を検索する手段と、前記端末カレント情報に基づき前記第1の中継局から第2の中継局へ切り換えるべき切換予定時刻を算出する手段と、前記端末識別情報及び前記切換予定時刻を含む端末予定情報を前記第2の中継局に対して送信する手段を備え、前記第2の中継局は、前記中継局管理サーバから前記端末予定情報を受信し、前記自動車との通信を予約する手段を備えるものである。このような構成により、道路を高速に走行中であっても、通信が中断することなく、高速なデータ送受信が可能となる。
【0009】
上述の路車間通信システムにおける前記第2の中継局の予約手段は、前記車載端末へ呼び出し信号を送信し通信開始してもよい。これにより、中継局切り換え時において、特定の端末の通信を保障することができる。
【0010】
また、上述の路車間通信システムにおける前記第2の中継局の予約手段は、前記車載端末から同期開始信号を受信し優先して通信開始してもよい。これにより、中継局切り換え時において、特定の端末の通信を保障することができる。
【0011】
他方、本発明にかかる路車間通信システムは、自動車専用道路を走行する自動車に搭載された車載端末と、前記自動車に搭載され、前記車載端末と接続されたETC車載機と、前記自動車専用道路沿いに設置され、前記車載端末と無線通信可能に接続された中継局と、前記中継局と通信可能に接続された中継局管理サーバを備えた路車間通信システムであって、前記車載端末は、前記中継局管理サーバに対して有料サービス(例えば、有料コンテンツやVoIP通話)を要求する手段と、有料サービスの利用状況に応じた課金情報をETCカードへ書き込む手段を有し、前記ETC車載機は、前記自動車専用道路の出口ゲートを通過時、自動車専用道路の利用料金とともに、前記ETCカードへ書き込まれた課金情報を精算する手段を備えるものである。このような構成により、有料コンテンツやVoIP通話等の料金精算における、セキュリティや信頼性を向上することができる。
【0012】
上述の路車間通信システムにおける前記有料サービスに応じた課金情報は、有料サービスの利用状況に基づいて車載端末において生成してもよい。これにより、サーバ等に各端末の課金情報を持つ必要がないため、サーバ等の負荷を軽減することができる。
【0013】
また、上述の路車間通信システムにおける前記有料サービスに応じた課金情報は、前記中継局管理サーバにおいて有料サービスの利用状況に基づいて生成され、前記車載端末に送信されてもよい。これにより、前記中継局管理サーバにおいて各端末の課金情報を管理することができる。
【0014】
他方、本発明にかかる路車間通信システムは、自動車専用道路を走行する自動車に搭載された車載端末と、前記自動車専用道路沿いに設置され前記車載端末と無線通信により接続可能な中継局と、前記中継局と通信可能に接続された中継局管理サーバを備えた路車間通信システムであって、前記中継局管理サーバは、前記車載端末からのアクセス要求に応じて外部コンテンツサーバから受信したコンテンツ情報に、前記自動車専用道路に関する道路情報を付加する手段と、前記車載端末へ前記道路情報を付加したコンテンツ情報を送信する手段を備えるものである。このような構成により、道路情報を配信する通信システムを容易に構築することができる。
【0015】
本発明にかかる中継局管理サーバは、自動車専用道路を走行する自動車に搭載された車載端末と無線通信可能に接続され、前記自動車専用道路沿いに設置された中継局と通信可能に接続された中継局管理サーバであって、前記車載端末からのアクセス要求に応じて外部コンテンツサーバから受信したコンテンツ情報に、前記自動車専用道路に関する道路情報を付加する手段と、前記車載端末へ前記道路情報を付加したコンテンツ情報を送信する手段を備えるものである。このような構成により、車載端末や外部コンテンツサーバ等に特別な機能を備えることなく、道路情報を配信することができる。
【0016】
本発明にかかる路車間通信方法は、自動車専用道路を走行する自動車に搭載された車載端末と、前記自動車専用道路沿いに設置され前記車載端末と無線通信により接続可能な中継局と、前記中継局と通信可能に接続された中継局管理サーバを備えた路車間通信システムにおいて実行される路車間通信方法であって、前記中継局管理サーバによって前記車載端末から外部コンテンツサーバへのアクセス要求を受信するステップと、前記中継局管理サーバによって前記アクセス要求を外部コンテンツサーバへ送信するステップと、前記中継局管理サーバによって外部コンテンツサーバから受信したコンテンツ情報に前記自動車専用道路に関する道路情報を付加するステップと、前記中継局管理サーバによって前記車載端末へ前記道路情報を付加したコンテンツ情報を送信するステップを備えるものである。このような方法により、道路情報を配信する通信システムを容易に構築することができる。
【0017】
他方、本発明にかかる路車間通信方法は、自動車専用道路を走行する自動車に搭載された車載端末と、前記自動車専用道路沿いに設置され前記車載端末と無線通信により接続可能な中継局と、前記中継局と通信可能に接続された中継局管理サーバを備えた路車間通信システムにおいて実行される路車間通信方法であって、前記中継局管理サーバは、車載端末から外部コンテンツサーバへのアクセス要求を受信するステップと、前記アクセス要求を外部コンテンツサーバへ送信するステップと、外部コンテンツサーバから受信したコンテンツ情報を、車載端末へ送信するステップと、緊急ニュース発生時には、前記コンテンツ情報の送信を中断し、前記緊急ニュースを車載端末へ送信するステップを備えた路車間通信方法。このような方法により、緊急ニュースを即時に配信することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.
まず、図1を用いて、本発明の実施の形態1にかかる路車間通信システムの構成について説明する。この路車間通信システムは、高速道路等の自動車専用道路を走行する自動車に対する通信システムである。当該路車間通信システムは、図1に示されるように、高速道路7上を走行する車両1に搭載された車載端末11、中継局2、中継局3、中継局管理サーバ4を備えている。中継局2と中継局3は、高速道路沿いに、例えば700mおきに設置されている。中継局管理サーバ4は、中継局2及び中継局3と通信可能に接続され、さらに、通信網5を介して外部コンテンツサーバ6と通信可能に接続されている。また、中継局2及び中継局3は、各中継局の無線通信可能領域であるサービスエリア内において、車両1に設けられた車載端末11と無線LANによる通信が可能である。車両や中継局は、この例に限らず、任意の数を備えてもよい。
【0019】
車両1は、車載端末11、無線アンテナ12、車速センサ13及びGPS(Global Positioning System)システム14を備えている。ここで、車載端末11は、無線アンテナ12、車速センサ13及びGPSシステム14と各々通信可能に接続されている。この他に、車両1には、各種センサ、例えば、ジャイロセンサ、傾斜センサ、温度センサ、ドア開閉センサ、ワイパーセンサ等を備えてもよい。また、車両1は、高速道路7等の自動車専用道路を走行できる車両であればよく、普通自動車、大型自動車、自動2輪車でもよい。
【0020】
車載端末11は、通信インタフェース部111、制御部112、記憶部113及び表示部114を備えている。ここで、制御部112は、通信インタフェース部111、記憶部113及び表示部114と内部バス等により各々接続されている。車載端末11は、車速センサ13やGPSシステム14との接続インタフェースも備えている。また、車載端末11は、その他に、入力装置としてキーボード、マウス、マイク、カメラ等を備えてもよいし、出力装置としてスピーカ、プリンタ等を備えてもよい。さらに、車載端末11は、カーナビゲーションシステムでもよいし、パーソナルコンピュータ等でもよい。車載端末11は、例えば、通信インタフェース部111や表示部114を別の装置にする等、複数の装置により構成されてもよい。
【0021】
通信インタフェース部111は、無線アンテナ12と接続され、例えば、無線通信回路や通信制御回路等を備えている。この無線通信回路において、無線アンテナ12を介して中継局2または中継局3と送受信される信号をパケットに変換し、通信制御回路において、通信プロトコルに従いパケット処理を実行する。また、無線通信回路は、中継局2または中継局3から信号を受信するビーコン信号により通信の同期を確立させたり、同期開始要求を中継局2または中継局3へ送信したりする。ビーコン信号には、端末アドレス等が含まれており、同期開始要求には、サービスエリアグループであるサービスセットのID等が含まれている。
【0022】
制御部112は、CPUやメインメモリ、キャッシュメモリ等を備えており、記憶部113に予め記憶されたOSプログラムやアプリケーションプログラムに基づき、各種の処理を実行する。このアプリケーションプログラムは、例えば、ブラウザプログラム、メールプログラム、ナビゲーションプログラム、動画や音声処理プログラム、各種クライアントプログラム等である。
【0023】
記憶部113は、制御部112の補助記憶装置であり、EEP−ROM、ハードディスク等の内部記憶手段やCD−ROM、DVD−ROM、メモリーカード等の外部記憶手段により構成されている。記憶部113は、前述した各プログラムや、各プログラムのデータ等が格納される。このプログラムデータは、例えば、ナビゲーションプログラムの地図情報、ブラウザプログラムのクッキー情報やキャッシュ情報等である。
【0024】
表示部114は、ディスプレイやグラフィック制御回路等を備えている。このディスプレイは、前述したプログラムの実行結果が出力され、例えば、ブラウザプログラムによりコンテンツページ等が表示される。ディスプレイは、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ等でもよいし、タッチパネルなど別の機能を備えてもよい。
【0025】
無線アンテナ12は、中継局2または中継局3との間で、無線LANで用いる電波を送受信する。無線アンテナ12は、ホイップアンテナ、平面アンテナ、パラボラアンテナ、ループアンテナ等でもよく、さらに、車両の種類等に適した形のものが好ましい。
【0026】
車速センサ13は、車軸等に設けられており、例えば、パルス発生回路、車速検出回路等を備えている。パルス発生回路において、車軸の回転に応じたパルスが発生され、車速検出回路において、パルスの周波数に基づき車速を認識し、車速情報を生成する。この車速検出回路は、車速センサ13ではなく、車載端末11に設けてもよい。また、他の手段により車速を検出してもよい。
【0027】
GPSシステム14は、GPSアンテナ、位置検出回路等を備えている。GPSアンテナにおいて、複数のGPS衛星から電波を受信し、位置検出回路において、受信したデータに基づき位置を計算し、位置情報を生成する。この位置検出回路は、GPSシステム14ではなく、車載端末11に設けてもよい。また、D−GPSを利用し位置情報の精度を向上させてもよいし、PHSを利用するなど、他の手段により位置を検出してもよい。
【0028】
中継局2は、中継器、無線LANアクセスポイント、無線アンテナ等を備えている。中継器は、例えば、トランシーバ、リピータ、ブリッジ、ハブ、スイッチングハブ、ルータ、ゲートウェイ等である。無線アンテナは、ホイップアンテナ、平面アンテナ、パラボラアンテナ、ループアンテナ等でもよい。また、中継局2は、中継器と無線LANアクセスポイントを別の装置にする等、複数の装置により構成されてもよいし、各要素を任意の数備えてもよい。
【0029】
中継局2の無線LANアクセスポイントは、ビーコン信号を車載端末11へ送信でき、また、車載端末11からの同期開始要求に対しビーコン信号を送信する。
【0030】
中継局管理サーバ4は、通信インタフェース部41、制御部42、記憶部43を備えている。その他に、操作部、表示部等を備えてもよい。中継局管理サーバ4は、サーバ専用のコンピュータでもよいし、パーソナルコンピュータ等でもよい。また、複数の装置により構成されてもよい。
【0031】
通信インタフェース部41は、中継局2、中継局3及び通信網5との接続インタフェースや通信制御回路等を備えている。通信制御回路により通信プロトコルに従いパケット処理を実行し、中継局2または中継局3を介した車載端末11との通信や、通信網5を介した外部コンテンツサーバ6との通信を可能とする。
【0032】
制御部42は、前述の制御部112と同様の構成を備えており、記憶部42に予め記憶されたOSプログラムやアプリケーションプログラムに基づき、各種の処理を実行する。このアプリケーションプログラムは、例えば、車載端末11の位置を認識する位置検出プログラム、ウェブサーバ等の各種サーバプログラム等である。
【0033】
記憶部43は、前述の記憶部113と同様の構成を備えており、前述した各プログラムや、各プログラムのデータ等が格納される。このプログラムデータは、例えば、位置検出プログラムの地図情報、ウェブサーバプログラムのキャッシュ情報等である。
【0034】
通信網5は、インターネット等の公衆網や、イントラネット等の私設網等である。
【0035】
外部コンテンツサーバ6は、中継局管理サーバと同様に、通信インタフェース部や、記憶部、制御部等を備えている。この制御部は、ウェブサーバ、動画配信サーバ等の各種サーバプログラム等を実行し、この記憶部は、ウェブデータや動画データ等を格納している。また、外部コンテンツサーバ6は、通信網5を介さずに中継局管理サーバ4に接続されてもよい。外部コンテンツサーバ6は、複数の装置により構成されてもよく、複数の装置が、さらに通信網を介して接続されてもよい。
【表1】
【0036】
表1乃至表3を用いて、中継局間の距離及び中継局と車載端末11間の通信時間の算出例について説明する。表1乃至表3において、構成1は、送信アンテナにパラボラアンテナを使用し、受信アンテナにパラボラアンテナを使用した構成である。構成2は、送信側に構成1と同様のパラボラアンテナを使用し、受信アンテナに平面アンテナを使用した構成である。また、構成3は、送信側に構成1と同様のパラボラアンテナを使用し、受信アンテナにホイップアンテナを使用した構成である。さらに、各算出値は、一例であり、装置の性能や環境等考慮してもよいし、他の条件を考慮して算出もよい。
【0037】
表1は、構成1乃至構成3における電波の送信出力と受信入力を示している。尚、算出の条件として、安定受信感度範囲を−80dBmから−30dBmとしている。構成1における、送信出力は10.00dBmである。この値は、一例であり、別の値でもよい。構成1における、パラボラアンテナによる送信アンテナ利得は14.00dBi、送信給電線損失は4.00Bである。これらの値は、送信機器に依存した値であり、他の機器を使用し別の値としてもよい。構成1における、自由空間損失は104.67dBである。この値は、前述の安定受信感度範囲より求めた値であり、別の値としてもよい。構成1における、パラボラアンテナによる受信アンテナ利得は14.00dBi、受信ケーブル損失は4.00dBである。これらの値は、受信機器に依存した値であり、他の機器を使用し別の値としてもよい。構成1における、送信出力から受信ケーブル損失までの合計は、−74.67dBmである。この値は、受信の入力値であり、前述の安定受信感度範囲より求めた値である。安定受信感度範囲の範囲内であれば別の値でもよい。また、構成2における、送信出力、送信アンテナ利得及び送信給電線損失は、構成1と同様である。構成2における、自由空間損失は100.23dBである。この値は、構成1と同様に、前述の安定受信感度範囲より求めた値である。構成2における、平面アンテナによる受信アンテナ利得は9.00dBiであり、受信ケーブル損失は4.00dBである。構成2における、送信出力から受信ケーブル損失までの合計は、−75.23dBmである。この値は、構成1と同様に、前述の安定受信感度範囲より求めた値である。さらに、構成3における、送信出力、送信アンテナ利得及び送信給電線損失は、構成1と同様である。構成3における、自由空間損失は97.13dBである。この値は、構成1と同様に、前述の安定受信感度範囲より求めた値である。構成3における、ホイップアンテナによる受信アンテナ利得は4.00dBiであり、受信ケーブル損失は2dBである。構成3における、送信出力から受信ケーブル損失までの合計は、−75.13dBmである。この値は、構成1と同様に、前述の安定受信感度範囲より求めた値である。
【表2】
【0038】
表2は、構成1乃至構成3における、アンテナ間の距離と自由空間損失を示している。このアンテナ間の距離は、中継局間の距離となる。式1における、πは円周率、dは距離、λは電波の波長を示している。また、式2の算出結果にある、Eの文字は10のべき乗を示している。尚、算出の条件として、電波の周波数を無線LANで用いられる2.4GHzとしている。この値により前述のλが求められる。構成1における、アンテナ間の距離は1666.67mである。この値は、式1、式2及び式3より求めた値であり、表1の条件や前述の周波数を変えて、別の値としてもよい。式1及び式2の値は、式3の計算過程であり説明を省略する。構成1における、式3の値は104.6653dBである。この値は表1の自由空間損失の値である。また、構成2におけるアンテナ間の距離は1000.00mである。この値は、構成1と同様に、式1、式2及び式3より求めた値である。構成2における、式3の値は100.2283dBである。この値は、構成1と同様に、表1の自由空間損失の値である。さらに、構成3における、アンテナ間の距離は700.00mである。この値は、構成1と同様に、式1、式2及び式3より求めた値である、構成3における、式3の値は97.13027dBである。この値は、構成1と同様に、表1の自由空間損失の値である。
【表3】
【0039】
表3は、構成1乃至構成3における、中継局と車載端末11間の通信時間を示している。表3のケース1は車両1の速度を時速100.00Km、ケース2は車両1の速度を時速60.00Km、ケース3は車両1の速度を時速42.00Kmで走行した場合を示している。ケース1において、車両1の時速100.00Kmより、分速は1666.67m、秒速は27.78mである。この値より、構成1における車載端末11と中継局の通信時間は60s、構成2における通信時間は36s、構成3における通信時間は25sである。これらの値は、表2の距離より求めた値であり、表1や表2の条件を変えて、別の値としてもよい。また、ケース2において、車両1の時速60.00Kmより、分速は1000.00m、秒速は16.67mである。この値より、構成1における車載端末11と中継局の通信時間は100s、構成2における通信時間は60s、構成3における通信時間は42sである。これらの値は、ケース1と同様に、表2の距離より求めた値である。さらに、ケース3において、車両1の時速42.00Kmより、分速は700.00m、秒速は11.67mである。この値より、構成1における車載端末11と中継局の通信時間は143s、構成2における通信時間は86s、構成3における通信時間は60sである。これらの値は、ケース1と同様に、表2の距離より求めた値である。
【0040】
従って、例えば、中継局にパラボラアンテナ、車両1にホイップアンテナを備え、中継局を700mおきに設置した構成において、車両1が時速100Kmで走行すると、車載端末11は25秒おきに中継局の切り換え処理が必要となる。
【0041】
このような構成により、路車間において高速な通信が可能となり、大きな画像や音声、動画等を車載端末で表示、再生することができる。
【0042】
次に図2及び図3を用いて、本発明の実施の形態1にかかる路車間通信システムの車両移動時における処理について説明する。図2は、車両1が、図3(a)、(b)、(c)のそれぞれに示される状態に移動したときのシーケンスを示している。図3において、中継局2の通信可能領域をサービスエリア301、中継局3の通信可能領域をサービスエリア302とする。
【0043】
図3(a)に示す状態では、サービスエリア301に車両1が位置している。このとき、中継局2は、まず、ビーコン信号を送信する(S201)。この例では、中継局2から自発的にビーコン信号を送信しているが、車載端末11からの同期開始要求に対しビーコン信号を送信してもよい。自発的にビーコン信号を送信する場合、当該ビーコン信号の宛先は全端末宛であり、同期開始要求に対しビーコン信号を送信する場合、当該ビーコン信号の宛先は車載端末11宛となる。
【0044】
車載端末11は、ビーコン信号を受信により通信の同期を確立させ、データパケットを中継局2へ送信する(S202)。このデータパケットは、ウェブデータ要求等の通信データの他に、端末カレント情報が含まれてもよく、さらに、端末カレント情報のみでもよい。端末カレント情報は、中継局管理サーバ4において次に通信される中継局を検索するための情報であり、例えば、車速センサ13等で生成した車速情報、GPSシステム14等で生成した位置情報、制御部112等で生成した時刻情報、通信インタフェース部111等で生成した端末識別情報等である。
【0045】
中継局2は、前記データパケット受信に対する応答としてACKパケットを車載端末11へ送信する(S203)。中継局2は、データパケットにウェブデータ要求等の通信データが含まれる場合、当該通信データのヘッダ情報等に基づき中継処理を行う。また、中継局2は、データパケットに含まれる端末カレント情報を、端末通知として中継局管理サーバ4へ送信する(S204)。端末カレント情報の一部あるいは全部の情報は、中継局2で生成してもよい。
【0046】
中継局管理サーバ4は、端末通知を受信し、端末通知に含まれる端末カレント情報に基づき、次に通信可能となる中継局を検索する。このとき、例えば、位置情報により、現在通信中である中継局の隣の中継局を探し、車速情報と時刻情報により、中継局のサービスエリアに到着する予定時刻を計算する。さらに詳細には、車両の位置情報に基づき、次の中継局を特定する。そして、現在通信中の中継局のサービスエリアと次の中継局とのサービスエリアの重複領域であって、現在通信中の中継局から次の中継局に切り換えるべき地点の位置情報を求める。そして、現在の位置情報と切換地点の位置情報より両者間の道路上の距離を算出する。さらに、現在の車速情報に基づき、当該車速により現在位置と切換地点位置間の距離分走行するために要する時間を算出する。例えば、現在の車速が80km/hrであり、現在位置と切換地点位置間の距離が1kmである場合には、45秒走行すれば、切換地点位置に到着することが算出される。そして、時刻情報に当該45秒を加算することにより、到着予定時刻を求めることができる。例えば、時刻情報が11時35分12秒であった場合には、11時35分57秒が到着予定時刻となる。
【0047】
そして、端末予定情報を端末予約として中継局3へ送信する(S205)。端末予定情報には、例えば、端末識別情報や、到着予定時刻等が含まれる。中継局管理サーバ4は、この端末予約を、到着予定時刻に合わせて送信してもよいし、あらかじめ送信しておいてもよい。車両1は、到着予定時刻において、図3(b)、(c)のそれぞれに示す状態に移動する。
【0048】
中継局3は、端末予約を受信し、端末予約に含まれる端末予定情報により到着予定時刻になると、ビーコン信号を送信する(S206)。この例では、中継局3から自発的にビーコン信号を送信しているが、車載端末11からの同期開始要求に対しビーコン信号を送信してもよい。自発的にビーコン信号を送信する場合、当該ビーコン信号の宛先は端末予定情報に含まれる端末識別情報の車載端末11宛あるいは全端末宛であり、同期開始要求に対しビーコン信号を送信する場合、当該ビーコン信号の宛先は車載端末11宛となる。また、中継局3は、車載端末11に対し優先制御や帯域制御、フィルタリング等を行ってもよい。ここで、優先制御とは、例えば、端末ごとに優先度を設定しておき、優先度の低い端末の信号を既に受信していても、後から受信した優先度の高い端末の信号を先に受信処理あるいは送信処理を実行することである。この優先度の条件は、ビーコン信号に含まれる端末識別情報や、パケットのヘッダに含まれる送信元アドレス、宛先アドレス、プロトコル種別等としてもよいし、さらに各々の条件を組み合わせたり、複数の条件をグループ化したりしてもよい。帯域制御とは、例えば、端末ごとに最低保障帯域を設定しておき、他の端末の処理中であっても、最低保障帯域の範囲内で、当該端末の受信処理あるいは送信処理を実行することである。また、最大使用帯域を設定しておき最大使用帯域を超える処理は実行しなくてもよい。帯域制御の条件は、優先度と同様に、ビーコン信号やパケットヘッダ等の情報により設定してもよい。フィルタリングとは、例えば、端末ごとに許可や拒否等のフィルタ条件を設定しておき、許可の端末の信号のみ受信処理あるいは送信処理を実行することである。フィルタ条件は、優先度と同様に、ビーコン信号やパケットヘッダ等の情報により設定してもよい。優先制御、帯域制御、フィルタリングは、単独で制御してもよいし、これらを組み合わせて制御してもよい。
【0049】
車載端末11は、S202と同様にデータパケットを中継局3へ送信する(S207)。そして、中継局3は、S203と同様にACKパケットを車載端末11へ送信し(S208)、S209と同様に端末通知を中継局管理サーバ4へ送信する(S209)。中継局管理サーバ4は、さらに次に通信可能となる中継局を検索し、端末予約を次の中継局へ送信する(S210)。
【0050】
このような通信方法により、道路上を高速で移動しても、無線LAN通信の中断を回避でき、大量なデータをスムーズに送受信できる。特に、本発明にかかる路車間通信システムは、通常の道路と異なり、分岐点を除き、進行方向が同一方向であり規則的であるため、端末予約を精緻に行うことができる。
【0051】
発明の実施の形態2.
続いて図4を用いて、本発明の実施の形態2にかかる路車間通信システムの車両1の構成について説明する。本実施形態にかかる路車間通信システムの全体の構成は図1と同様であり、説明を省略する。
【0052】
車両1は、車載端末11、無線アンテナ12、ETC車載機151及びETCアンテナ152により構成されている。図1と同様の符号を付された要素は、同一の要素を示している。また、車両1は、図1と同様に各種センサを備えてもよい。
【0053】
ETC車載機151は、車載端末11と通信可能に接続されている。ETC車載機151は、ETCアンテナ152を介しDSRCを用いた無線通信を行い、ETCサービスの処理を行う。ETC車載機151は、例えば、無線通信回路、ETC制御回路、暗号処理回路及びETCカード等を備えている。無線通信回路は、ETCゲートに設置された路側機からの電波を、ETCアンテナ152を介して受信し、ETC制御回路は、暗号処理回路を介し、ETCカードに対しデータを書き込みあるいは読み込みの処理を行う。このETC制御回路や、暗号処理回路、ETCカードは、車載端末11に設けてもよい。
【0054】
この構成により、ECTの情報を車載端末11に表示し、車載端末11のデータをETCカードに保存することができる。また、ETCと連携した様々なサービスが提供できる。
【0055】
図5のフローチャートを用いて、本発明の実施の形態2における処理を説明する。このフローチャートは、車両が、高速道路を入口から出口まで走行したときの処理を示している。
【0056】
まず、車載端末11は、ETC用の路側機を備えた高速道路の入口ゲートを通過する(S501)。このとき、ETC車載機151において、高速道路の利用料金の手続処理が行われ、その情報が表示部114に表示される。
【0057】
車載端末11は、ビーコン信号受信等により中継局2との通信可能を検出すると、ETCカードが挿入されているかETC車載機151へ問い合わせる(S502)。尚、中継局2は、入口ゲートに備えてもよいし、離れた場所に備えてもよい。ETCカードが挿入されている場合、車載端末11は、当該車載端末11の記憶部113に予め格納されたログイン情報を参照し、中継局2を介して中継局管理サーバ4へログインする(S503)。ログイン情報は、ユーザ名とパスワード等である。ログイン情報は、ETCカードに格納された情報でもよいし、車載端末11の入力装置、例えば、キーボードやマイクにより入力してもよい。ログイン時には、認証処理の他に、アドレス割り当て等の処理が行われてもよい。
【0058】
車載端末11は、中継局管理サーバ4にログインすることにより、無料コンテンツの他に、当該中継局管理サーバ4が提供する有料コンテンツやVoIP通話等の有料サービスを利用できる(S504)。ここで、中継局管理サーバ4が提供する有料コンテンツは、中継局管理サーバ4の記憶部43に格納された動画や静止画のウェブデータを中継局2、3を介して車載端末11に対して提供するものであり、例えば、映画情報や観光情報等が含まれる。また、VoIP通話は、インターネット等の通信網5を介して他のVoIP通話用の端末と音声通信を行うことを可能とするものである。
【0059】
車載端末11は、有料サービスの利用状況に応じて、課金情報を生成してETCカードへ書き込み、蓄積する(S505)。課金情報は、サービスの通信パケット量に応じた課金、サービスの通信時間に応じた課金、サービスの回数に応じた課金、サービスに固定の課金でもよい。尚、課金情報は、車載端末11ではなく、中継局管理サーバ4において有料サービスの利用状況に応じて生成するようにしてもよい。この場合には、有料サービスの利用の終了等の所定のタイミングで課金情報を中継局管理サーバ4が生成し、中継局2、3を介して車載端末11に対して送信する。車載端末11は、当該課金情報を取得して、ETCカードへ書き込み、蓄積する。
【0060】
ここで、有料サービスの利用に応じて、課金情報と、クレジットカード番号等の課金のために必要な認証情報(課金認証情報)を車載端末11から中継局管理サーバ4に対して送信して課金処理を行うことも考えられるが、このようにすると、課金認証情報を盗まれ、悪用される可能性があるという問題がある。また、課金認証情報を暗号化すれば、ある程度悪用の可能性を防止できるが、暗号化のための処理を行うための機能を付加する必要があるため車載端末11が高価になるため普及の妨げとなる。
【0061】
車載端末11は、ETC用の路側機を備えた高速道路の出口ゲートを通過する(S506)。ETC車載機151は、高速道路の利用料金とともに、ETCカードに蓄積された課金情報に基づき精算(S507)し、その情報が表示部114に表示される。このとき、ETC車載機151とETC用の路側機との間の通信は、暗号化が施されているため、盗聴が困難であり、悪用を防止できる。
【0062】
また、S502において、ETCカードが挿入されていない場合、無料コンテンツのみ利用できる(S508)。有料コンテンツは、中継局管理サーバ4によりアクセス拒否となる。また、出口ゲートでは、高速道路の利用料金のみ精算される。
【0063】
このような通信方法により、路車間通信による有料サービスの提供において、ETCを用いた信頼性の高い決済が可能である。
【0064】
尚、上述の例では、有料コンテンツや有料サービスを中継局管理サーバ4によって提供する場合について説明したが、これに限らず、外部コンテンツサーバ6によって提供する場合についても適用可能である。この場合には、外部コンテンツサーバ6において、ETCにより料金の支払が可能であるシステムを用意する必要があり、また、ETCシステム側においても外部コンテンツサーバ6を運営する企業等に対する支払いが行えるような仕組みを整える必要がある。
【0065】
発明の実施の形態3.
図6のシーケンスを用いて、発明の実施の形態3にかかる通信方法について説明する。本実施形態にかかる路車間通信システムの全体の構成は図1と同様であり、説明を省略する。
【0066】
車載端末11は、外部コンテンツを表示部114に表示する場合、まず、制御部113においてブラウザプログラムが実行され、外部コンテンツサーバ6へのアクセス要求を中継局管理サーバ4へ送信する(S601)。アクセス要求は、例えば、外部コンテンツサーバのアドレスや、コンテンツページデータのファイル名等である。
【0067】
中継局管理サーバ4は、アクセス要求を受信し、当該アクセス要求をさらに外部コンテンツサーバ6へ送信する(S602)。このとき、アドレス等のヘッダ情報を変換してもよい。また、アクセス要求のウェブデータが、キャッシュされている場合、S602とS603を省略し、キャッシュデータを用いてもよい。
【0068】
外部コンテンツサーバ6は、アクセス要求を受信し、当該アクセス要求に応じたコンテンツページのデータを、中継局管理サーバ4へ送信する(S603)。コンテンツページのデータは、あらかじめ用意されたデータでもよいし、CGIプログラム等の実行結果でもよい。
【0069】
中継局管理サーバ4は、コンテンツページのデータを受信し、道路情報をコンテンツページに付加する(S604)。例えば、コンテンツページのhtmlのタグ情報を参照し、2つのフレームに分割して、1つのフレームに当該コンテンツページのデータ、もう1つのページに道路情報のデータを挿入する。道路情報は、各中継局から収集してもよいし、別の道路情報等を管理するサーバ等から収集してもよい。道路情報は、例えば、渋滞、事故、路面状態、天気、サービスエリア、ニュース、広告等の情報であり、さらに、車両が走行している付近に特化した情報でもよい。
【0070】
そして、中継局管理サーバ4は、道路情報付きのコンテンツページのデータを、車載端末11へ送信する(S605)。さらに、車載端末11は、当該道路情報付きのコンテンツページをブラウザプログラムにより表示部114に表示する(S606)。また、道路情報部分を音声等で出力してもよい。
【0071】
図7に、道路情報付きコンテンツページの画面表示例を示す。図に示されるように、コンテンツ情報701と、道路情報702が設けられている。道路情報702は、文字列のみに限らず、画像や動画、音声等でもよい。道路情報702は、画面のサイズを超えた文字列の場合、流れるように表示してもよいし、枠のサイズを変更してもよい。また、表示される場所も、画面の上下左右あるいは中央のどの位置でもよいし、複数箇所にあってもよい。さらに、点滅等の表示効果を持たせてもよいし、一定時間経過後に消えるようにしてもよい。
【0072】
このような、通信方法により、車載端末や、外部コンテンツサーバに特殊な機能を備えることなく、容易に、道路情報を配信することができる。
【0073】
発明の実施の形態4.
図8のシーケンスを用いて、発明の実施の形態4にかかる通信方法について説明する。本実施形態にかかる路車間通信システムの全体の構成は図1と同様であり、説明を省略する。尚、S801乃至S803は、S601乃至S603と同様であり、簡単に説明する。
【0074】
まず、車載端末11は、外部コンテンツサーバ6へのアクセス要求を中継局管理サーバ4へ送信し(S801)、中継局管理サーバ4は、アクセス要求を外部コンテンツサーバ6へ送信する(S802)。そして、外部コンテンツサーバ6は、コンテンツページのデータを、中継局管理サーバ4へ送信する(S803)。
【0075】
中継局管理サーバ4は、コンテンツページデータを受信し、当該コンテンツページデータを、車載端末11へ送信する(S804)。そして、車載端末11は、ブラウザプログラムにより当該コンテンツページを表示する(S805)。
【0076】
次に、中継局管理サーバ4は、緊急ニュースの発生を検出する(S806)。緊急ニュースは、各中継局から収集してもよいし、別の道路情報等を管理するサーバ等から収集してもよい。緊急ニュースは、例えば、事故、落下物、危険物、地震等の情報である。また、緊急ニュースは、テキスト情報、静止画情報、動画情報、音声情報でもよい。
【0077】
そして、中継局管理サーバ4は、緊急ニュースのデータを車載端末11へ送信する(S807)。このとき、緊急ニュースに関連する地域のみにマルチキャストにより、緊急ニュースを送信してもよい。また、車載端末11が、定期的に問い合わせて、緊急ニュースを取得してもよい。
【0078】
車載端末11は、中継局管理サーバ4から受信した緊急ニュースをブラウザプログラムにより表示する(S808)。このとき、S805において表示していたコンテンツ表示を中断し、緊急ニュースのみを表示部114に表示する。また、ブラウザプログラム以外の配信用クライアントプログラム等により表示してもよい。
【0079】
このような処理により、緊急ニュースを即時に配信し、表示させることができるため、より渋滞の緩和や、危険を回避することができる。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、大容量のデータを瞬時に送受信することができる路車間通信システム及び通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる路車間通信システムの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる路車間通信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる路車間通信システムの車両の状態を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかる路車間通信システムの車両の構成図である。
【図5】本発明の実施の形態2にかかる路車間通信システムの処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態3にかかる路車間通信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の実施の形態3にかかる路車間通信システムの画面表示例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態4にかかる路車間通信システムの処理を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
1 車両 2 中継局 3 中継局 4 中継局管理サーバ
5 通信網 6 外部コンテンツサーバ 7 高速道路
11 車両端末 12 無線アンテナ
13 車速センサ 14 GPSシステム
【発明の属する技術分野】
本発明は、路車間通信システム及び通信方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ITS(Intelligent Transport Systems)の研究が盛んに進められている。中でも、渋滞情報等をリアルタイムにカーナビへ提供するVICS(Vehicle Information and Communication System)や、ノンストップで有料道路の料金を支払うETC(Electronic Toll Collection System)は、すでに普及し始めており、さらに、事故防止等の安全運転を支援するAHS(Advanced Cruise−Assist Highway Systems)も、実現されようとしている。
【0003】
VICSやETC等は、通信方式としてDSRC(Dedicated Short Range Communication)や携帯電話を主に利用している。DSRCや携帯電話では、通信速度が遅いため、大容量のデータを瞬時に送受信することはできない。このため、高速道路などを走行中に、渋滞や事故の詳細な情報、抜け道等の回避手段などを、大きな画像情報や音声情報と共に知ることができないという問題がある。
【0004】
尚、無線LANにより車両間で通信を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−136190号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の路車間通信システムでは、大容量のデータを瞬時に送受信することができないという問題点があった。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、大容量のデータを瞬時に送受信することができる路車間通信システム及び通信方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる路車間通信システムは、自動車専用道路(例えば、高速道路)を走行する自動車に搭載された車載端末と、前記自動車専用道路に沿って設置され、前記車載端末と無線通信により接続可能な第1の中継局及び第2の中継局と、前記第1の中継局及び第2の中継局と通信可能に接続された中継局管理サーバを備えた路車間通信システムであって、前記車載端末は、車速を検出し車速情報を生成する車速検出手段から車速情報を取得する手段と、位置を検出し位置情報を生成する車両位置検出手段から位置情報を取得する手段と、前記車速情報、前記位置情報及び端末識別情報を含む端末カレント情報を第1の中継局に対して無線により送信する無線通信手段を有し、前記第1の中継局は、前記車載端末から送信された前記端末カレント情報を受信し、前記中継局管理サーバへ送信する手段を有し、前記中継局管理サーバは、前記第1の中継局から送信された前記端末カレント情報を受信する手段と、前記端末カレント情報に基づき前記車載端末が次に通信可能となる前記第2の中継局を検索する手段と、前記端末カレント情報に基づき前記第1の中継局から第2の中継局へ切り換えるべき切換予定時刻を算出する手段と、前記端末識別情報及び前記切換予定時刻を含む端末予定情報を前記第2の中継局に対して送信する手段を備え、前記第2の中継局は、前記中継局管理サーバから前記端末予定情報を受信し、前記自動車との通信を予約する手段を備えるものである。このような構成により、道路を高速に走行中であっても、通信が中断することなく、高速なデータ送受信が可能となる。
【0009】
上述の路車間通信システムにおける前記第2の中継局の予約手段は、前記車載端末へ呼び出し信号を送信し通信開始してもよい。これにより、中継局切り換え時において、特定の端末の通信を保障することができる。
【0010】
また、上述の路車間通信システムにおける前記第2の中継局の予約手段は、前記車載端末から同期開始信号を受信し優先して通信開始してもよい。これにより、中継局切り換え時において、特定の端末の通信を保障することができる。
【0011】
他方、本発明にかかる路車間通信システムは、自動車専用道路を走行する自動車に搭載された車載端末と、前記自動車に搭載され、前記車載端末と接続されたETC車載機と、前記自動車専用道路沿いに設置され、前記車載端末と無線通信可能に接続された中継局と、前記中継局と通信可能に接続された中継局管理サーバを備えた路車間通信システムであって、前記車載端末は、前記中継局管理サーバに対して有料サービス(例えば、有料コンテンツやVoIP通話)を要求する手段と、有料サービスの利用状況に応じた課金情報をETCカードへ書き込む手段を有し、前記ETC車載機は、前記自動車専用道路の出口ゲートを通過時、自動車専用道路の利用料金とともに、前記ETCカードへ書き込まれた課金情報を精算する手段を備えるものである。このような構成により、有料コンテンツやVoIP通話等の料金精算における、セキュリティや信頼性を向上することができる。
【0012】
上述の路車間通信システムにおける前記有料サービスに応じた課金情報は、有料サービスの利用状況に基づいて車載端末において生成してもよい。これにより、サーバ等に各端末の課金情報を持つ必要がないため、サーバ等の負荷を軽減することができる。
【0013】
また、上述の路車間通信システムにおける前記有料サービスに応じた課金情報は、前記中継局管理サーバにおいて有料サービスの利用状況に基づいて生成され、前記車載端末に送信されてもよい。これにより、前記中継局管理サーバにおいて各端末の課金情報を管理することができる。
【0014】
他方、本発明にかかる路車間通信システムは、自動車専用道路を走行する自動車に搭載された車載端末と、前記自動車専用道路沿いに設置され前記車載端末と無線通信により接続可能な中継局と、前記中継局と通信可能に接続された中継局管理サーバを備えた路車間通信システムであって、前記中継局管理サーバは、前記車載端末からのアクセス要求に応じて外部コンテンツサーバから受信したコンテンツ情報に、前記自動車専用道路に関する道路情報を付加する手段と、前記車載端末へ前記道路情報を付加したコンテンツ情報を送信する手段を備えるものである。このような構成により、道路情報を配信する通信システムを容易に構築することができる。
【0015】
本発明にかかる中継局管理サーバは、自動車専用道路を走行する自動車に搭載された車載端末と無線通信可能に接続され、前記自動車専用道路沿いに設置された中継局と通信可能に接続された中継局管理サーバであって、前記車載端末からのアクセス要求に応じて外部コンテンツサーバから受信したコンテンツ情報に、前記自動車専用道路に関する道路情報を付加する手段と、前記車載端末へ前記道路情報を付加したコンテンツ情報を送信する手段を備えるものである。このような構成により、車載端末や外部コンテンツサーバ等に特別な機能を備えることなく、道路情報を配信することができる。
【0016】
本発明にかかる路車間通信方法は、自動車専用道路を走行する自動車に搭載された車載端末と、前記自動車専用道路沿いに設置され前記車載端末と無線通信により接続可能な中継局と、前記中継局と通信可能に接続された中継局管理サーバを備えた路車間通信システムにおいて実行される路車間通信方法であって、前記中継局管理サーバによって前記車載端末から外部コンテンツサーバへのアクセス要求を受信するステップと、前記中継局管理サーバによって前記アクセス要求を外部コンテンツサーバへ送信するステップと、前記中継局管理サーバによって外部コンテンツサーバから受信したコンテンツ情報に前記自動車専用道路に関する道路情報を付加するステップと、前記中継局管理サーバによって前記車載端末へ前記道路情報を付加したコンテンツ情報を送信するステップを備えるものである。このような方法により、道路情報を配信する通信システムを容易に構築することができる。
【0017】
他方、本発明にかかる路車間通信方法は、自動車専用道路を走行する自動車に搭載された車載端末と、前記自動車専用道路沿いに設置され前記車載端末と無線通信により接続可能な中継局と、前記中継局と通信可能に接続された中継局管理サーバを備えた路車間通信システムにおいて実行される路車間通信方法であって、前記中継局管理サーバは、車載端末から外部コンテンツサーバへのアクセス要求を受信するステップと、前記アクセス要求を外部コンテンツサーバへ送信するステップと、外部コンテンツサーバから受信したコンテンツ情報を、車載端末へ送信するステップと、緊急ニュース発生時には、前記コンテンツ情報の送信を中断し、前記緊急ニュースを車載端末へ送信するステップを備えた路車間通信方法。このような方法により、緊急ニュースを即時に配信することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.
まず、図1を用いて、本発明の実施の形態1にかかる路車間通信システムの構成について説明する。この路車間通信システムは、高速道路等の自動車専用道路を走行する自動車に対する通信システムである。当該路車間通信システムは、図1に示されるように、高速道路7上を走行する車両1に搭載された車載端末11、中継局2、中継局3、中継局管理サーバ4を備えている。中継局2と中継局3は、高速道路沿いに、例えば700mおきに設置されている。中継局管理サーバ4は、中継局2及び中継局3と通信可能に接続され、さらに、通信網5を介して外部コンテンツサーバ6と通信可能に接続されている。また、中継局2及び中継局3は、各中継局の無線通信可能領域であるサービスエリア内において、車両1に設けられた車載端末11と無線LANによる通信が可能である。車両や中継局は、この例に限らず、任意の数を備えてもよい。
【0019】
車両1は、車載端末11、無線アンテナ12、車速センサ13及びGPS(Global Positioning System)システム14を備えている。ここで、車載端末11は、無線アンテナ12、車速センサ13及びGPSシステム14と各々通信可能に接続されている。この他に、車両1には、各種センサ、例えば、ジャイロセンサ、傾斜センサ、温度センサ、ドア開閉センサ、ワイパーセンサ等を備えてもよい。また、車両1は、高速道路7等の自動車専用道路を走行できる車両であればよく、普通自動車、大型自動車、自動2輪車でもよい。
【0020】
車載端末11は、通信インタフェース部111、制御部112、記憶部113及び表示部114を備えている。ここで、制御部112は、通信インタフェース部111、記憶部113及び表示部114と内部バス等により各々接続されている。車載端末11は、車速センサ13やGPSシステム14との接続インタフェースも備えている。また、車載端末11は、その他に、入力装置としてキーボード、マウス、マイク、カメラ等を備えてもよいし、出力装置としてスピーカ、プリンタ等を備えてもよい。さらに、車載端末11は、カーナビゲーションシステムでもよいし、パーソナルコンピュータ等でもよい。車載端末11は、例えば、通信インタフェース部111や表示部114を別の装置にする等、複数の装置により構成されてもよい。
【0021】
通信インタフェース部111は、無線アンテナ12と接続され、例えば、無線通信回路や通信制御回路等を備えている。この無線通信回路において、無線アンテナ12を介して中継局2または中継局3と送受信される信号をパケットに変換し、通信制御回路において、通信プロトコルに従いパケット処理を実行する。また、無線通信回路は、中継局2または中継局3から信号を受信するビーコン信号により通信の同期を確立させたり、同期開始要求を中継局2または中継局3へ送信したりする。ビーコン信号には、端末アドレス等が含まれており、同期開始要求には、サービスエリアグループであるサービスセットのID等が含まれている。
【0022】
制御部112は、CPUやメインメモリ、キャッシュメモリ等を備えており、記憶部113に予め記憶されたOSプログラムやアプリケーションプログラムに基づき、各種の処理を実行する。このアプリケーションプログラムは、例えば、ブラウザプログラム、メールプログラム、ナビゲーションプログラム、動画や音声処理プログラム、各種クライアントプログラム等である。
【0023】
記憶部113は、制御部112の補助記憶装置であり、EEP−ROM、ハードディスク等の内部記憶手段やCD−ROM、DVD−ROM、メモリーカード等の外部記憶手段により構成されている。記憶部113は、前述した各プログラムや、各プログラムのデータ等が格納される。このプログラムデータは、例えば、ナビゲーションプログラムの地図情報、ブラウザプログラムのクッキー情報やキャッシュ情報等である。
【0024】
表示部114は、ディスプレイやグラフィック制御回路等を備えている。このディスプレイは、前述したプログラムの実行結果が出力され、例えば、ブラウザプログラムによりコンテンツページ等が表示される。ディスプレイは、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ等でもよいし、タッチパネルなど別の機能を備えてもよい。
【0025】
無線アンテナ12は、中継局2または中継局3との間で、無線LANで用いる電波を送受信する。無線アンテナ12は、ホイップアンテナ、平面アンテナ、パラボラアンテナ、ループアンテナ等でもよく、さらに、車両の種類等に適した形のものが好ましい。
【0026】
車速センサ13は、車軸等に設けられており、例えば、パルス発生回路、車速検出回路等を備えている。パルス発生回路において、車軸の回転に応じたパルスが発生され、車速検出回路において、パルスの周波数に基づき車速を認識し、車速情報を生成する。この車速検出回路は、車速センサ13ではなく、車載端末11に設けてもよい。また、他の手段により車速を検出してもよい。
【0027】
GPSシステム14は、GPSアンテナ、位置検出回路等を備えている。GPSアンテナにおいて、複数のGPS衛星から電波を受信し、位置検出回路において、受信したデータに基づき位置を計算し、位置情報を生成する。この位置検出回路は、GPSシステム14ではなく、車載端末11に設けてもよい。また、D−GPSを利用し位置情報の精度を向上させてもよいし、PHSを利用するなど、他の手段により位置を検出してもよい。
【0028】
中継局2は、中継器、無線LANアクセスポイント、無線アンテナ等を備えている。中継器は、例えば、トランシーバ、リピータ、ブリッジ、ハブ、スイッチングハブ、ルータ、ゲートウェイ等である。無線アンテナは、ホイップアンテナ、平面アンテナ、パラボラアンテナ、ループアンテナ等でもよい。また、中継局2は、中継器と無線LANアクセスポイントを別の装置にする等、複数の装置により構成されてもよいし、各要素を任意の数備えてもよい。
【0029】
中継局2の無線LANアクセスポイントは、ビーコン信号を車載端末11へ送信でき、また、車載端末11からの同期開始要求に対しビーコン信号を送信する。
【0030】
中継局管理サーバ4は、通信インタフェース部41、制御部42、記憶部43を備えている。その他に、操作部、表示部等を備えてもよい。中継局管理サーバ4は、サーバ専用のコンピュータでもよいし、パーソナルコンピュータ等でもよい。また、複数の装置により構成されてもよい。
【0031】
通信インタフェース部41は、中継局2、中継局3及び通信網5との接続インタフェースや通信制御回路等を備えている。通信制御回路により通信プロトコルに従いパケット処理を実行し、中継局2または中継局3を介した車載端末11との通信や、通信網5を介した外部コンテンツサーバ6との通信を可能とする。
【0032】
制御部42は、前述の制御部112と同様の構成を備えており、記憶部42に予め記憶されたOSプログラムやアプリケーションプログラムに基づき、各種の処理を実行する。このアプリケーションプログラムは、例えば、車載端末11の位置を認識する位置検出プログラム、ウェブサーバ等の各種サーバプログラム等である。
【0033】
記憶部43は、前述の記憶部113と同様の構成を備えており、前述した各プログラムや、各プログラムのデータ等が格納される。このプログラムデータは、例えば、位置検出プログラムの地図情報、ウェブサーバプログラムのキャッシュ情報等である。
【0034】
通信網5は、インターネット等の公衆網や、イントラネット等の私設網等である。
【0035】
外部コンテンツサーバ6は、中継局管理サーバと同様に、通信インタフェース部や、記憶部、制御部等を備えている。この制御部は、ウェブサーバ、動画配信サーバ等の各種サーバプログラム等を実行し、この記憶部は、ウェブデータや動画データ等を格納している。また、外部コンテンツサーバ6は、通信網5を介さずに中継局管理サーバ4に接続されてもよい。外部コンテンツサーバ6は、複数の装置により構成されてもよく、複数の装置が、さらに通信網を介して接続されてもよい。
【表1】
【0036】
表1乃至表3を用いて、中継局間の距離及び中継局と車載端末11間の通信時間の算出例について説明する。表1乃至表3において、構成1は、送信アンテナにパラボラアンテナを使用し、受信アンテナにパラボラアンテナを使用した構成である。構成2は、送信側に構成1と同様のパラボラアンテナを使用し、受信アンテナに平面アンテナを使用した構成である。また、構成3は、送信側に構成1と同様のパラボラアンテナを使用し、受信アンテナにホイップアンテナを使用した構成である。さらに、各算出値は、一例であり、装置の性能や環境等考慮してもよいし、他の条件を考慮して算出もよい。
【0037】
表1は、構成1乃至構成3における電波の送信出力と受信入力を示している。尚、算出の条件として、安定受信感度範囲を−80dBmから−30dBmとしている。構成1における、送信出力は10.00dBmである。この値は、一例であり、別の値でもよい。構成1における、パラボラアンテナによる送信アンテナ利得は14.00dBi、送信給電線損失は4.00Bである。これらの値は、送信機器に依存した値であり、他の機器を使用し別の値としてもよい。構成1における、自由空間損失は104.67dBである。この値は、前述の安定受信感度範囲より求めた値であり、別の値としてもよい。構成1における、パラボラアンテナによる受信アンテナ利得は14.00dBi、受信ケーブル損失は4.00dBである。これらの値は、受信機器に依存した値であり、他の機器を使用し別の値としてもよい。構成1における、送信出力から受信ケーブル損失までの合計は、−74.67dBmである。この値は、受信の入力値であり、前述の安定受信感度範囲より求めた値である。安定受信感度範囲の範囲内であれば別の値でもよい。また、構成2における、送信出力、送信アンテナ利得及び送信給電線損失は、構成1と同様である。構成2における、自由空間損失は100.23dBである。この値は、構成1と同様に、前述の安定受信感度範囲より求めた値である。構成2における、平面アンテナによる受信アンテナ利得は9.00dBiであり、受信ケーブル損失は4.00dBである。構成2における、送信出力から受信ケーブル損失までの合計は、−75.23dBmである。この値は、構成1と同様に、前述の安定受信感度範囲より求めた値である。さらに、構成3における、送信出力、送信アンテナ利得及び送信給電線損失は、構成1と同様である。構成3における、自由空間損失は97.13dBである。この値は、構成1と同様に、前述の安定受信感度範囲より求めた値である。構成3における、ホイップアンテナによる受信アンテナ利得は4.00dBiであり、受信ケーブル損失は2dBである。構成3における、送信出力から受信ケーブル損失までの合計は、−75.13dBmである。この値は、構成1と同様に、前述の安定受信感度範囲より求めた値である。
【表2】
【0038】
表2は、構成1乃至構成3における、アンテナ間の距離と自由空間損失を示している。このアンテナ間の距離は、中継局間の距離となる。式1における、πは円周率、dは距離、λは電波の波長を示している。また、式2の算出結果にある、Eの文字は10のべき乗を示している。尚、算出の条件として、電波の周波数を無線LANで用いられる2.4GHzとしている。この値により前述のλが求められる。構成1における、アンテナ間の距離は1666.67mである。この値は、式1、式2及び式3より求めた値であり、表1の条件や前述の周波数を変えて、別の値としてもよい。式1及び式2の値は、式3の計算過程であり説明を省略する。構成1における、式3の値は104.6653dBである。この値は表1の自由空間損失の値である。また、構成2におけるアンテナ間の距離は1000.00mである。この値は、構成1と同様に、式1、式2及び式3より求めた値である。構成2における、式3の値は100.2283dBである。この値は、構成1と同様に、表1の自由空間損失の値である。さらに、構成3における、アンテナ間の距離は700.00mである。この値は、構成1と同様に、式1、式2及び式3より求めた値である、構成3における、式3の値は97.13027dBである。この値は、構成1と同様に、表1の自由空間損失の値である。
【表3】
【0039】
表3は、構成1乃至構成3における、中継局と車載端末11間の通信時間を示している。表3のケース1は車両1の速度を時速100.00Km、ケース2は車両1の速度を時速60.00Km、ケース3は車両1の速度を時速42.00Kmで走行した場合を示している。ケース1において、車両1の時速100.00Kmより、分速は1666.67m、秒速は27.78mである。この値より、構成1における車載端末11と中継局の通信時間は60s、構成2における通信時間は36s、構成3における通信時間は25sである。これらの値は、表2の距離より求めた値であり、表1や表2の条件を変えて、別の値としてもよい。また、ケース2において、車両1の時速60.00Kmより、分速は1000.00m、秒速は16.67mである。この値より、構成1における車載端末11と中継局の通信時間は100s、構成2における通信時間は60s、構成3における通信時間は42sである。これらの値は、ケース1と同様に、表2の距離より求めた値である。さらに、ケース3において、車両1の時速42.00Kmより、分速は700.00m、秒速は11.67mである。この値より、構成1における車載端末11と中継局の通信時間は143s、構成2における通信時間は86s、構成3における通信時間は60sである。これらの値は、ケース1と同様に、表2の距離より求めた値である。
【0040】
従って、例えば、中継局にパラボラアンテナ、車両1にホイップアンテナを備え、中継局を700mおきに設置した構成において、車両1が時速100Kmで走行すると、車載端末11は25秒おきに中継局の切り換え処理が必要となる。
【0041】
このような構成により、路車間において高速な通信が可能となり、大きな画像や音声、動画等を車載端末で表示、再生することができる。
【0042】
次に図2及び図3を用いて、本発明の実施の形態1にかかる路車間通信システムの車両移動時における処理について説明する。図2は、車両1が、図3(a)、(b)、(c)のそれぞれに示される状態に移動したときのシーケンスを示している。図3において、中継局2の通信可能領域をサービスエリア301、中継局3の通信可能領域をサービスエリア302とする。
【0043】
図3(a)に示す状態では、サービスエリア301に車両1が位置している。このとき、中継局2は、まず、ビーコン信号を送信する(S201)。この例では、中継局2から自発的にビーコン信号を送信しているが、車載端末11からの同期開始要求に対しビーコン信号を送信してもよい。自発的にビーコン信号を送信する場合、当該ビーコン信号の宛先は全端末宛であり、同期開始要求に対しビーコン信号を送信する場合、当該ビーコン信号の宛先は車載端末11宛となる。
【0044】
車載端末11は、ビーコン信号を受信により通信の同期を確立させ、データパケットを中継局2へ送信する(S202)。このデータパケットは、ウェブデータ要求等の通信データの他に、端末カレント情報が含まれてもよく、さらに、端末カレント情報のみでもよい。端末カレント情報は、中継局管理サーバ4において次に通信される中継局を検索するための情報であり、例えば、車速センサ13等で生成した車速情報、GPSシステム14等で生成した位置情報、制御部112等で生成した時刻情報、通信インタフェース部111等で生成した端末識別情報等である。
【0045】
中継局2は、前記データパケット受信に対する応答としてACKパケットを車載端末11へ送信する(S203)。中継局2は、データパケットにウェブデータ要求等の通信データが含まれる場合、当該通信データのヘッダ情報等に基づき中継処理を行う。また、中継局2は、データパケットに含まれる端末カレント情報を、端末通知として中継局管理サーバ4へ送信する(S204)。端末カレント情報の一部あるいは全部の情報は、中継局2で生成してもよい。
【0046】
中継局管理サーバ4は、端末通知を受信し、端末通知に含まれる端末カレント情報に基づき、次に通信可能となる中継局を検索する。このとき、例えば、位置情報により、現在通信中である中継局の隣の中継局を探し、車速情報と時刻情報により、中継局のサービスエリアに到着する予定時刻を計算する。さらに詳細には、車両の位置情報に基づき、次の中継局を特定する。そして、現在通信中の中継局のサービスエリアと次の中継局とのサービスエリアの重複領域であって、現在通信中の中継局から次の中継局に切り換えるべき地点の位置情報を求める。そして、現在の位置情報と切換地点の位置情報より両者間の道路上の距離を算出する。さらに、現在の車速情報に基づき、当該車速により現在位置と切換地点位置間の距離分走行するために要する時間を算出する。例えば、現在の車速が80km/hrであり、現在位置と切換地点位置間の距離が1kmである場合には、45秒走行すれば、切換地点位置に到着することが算出される。そして、時刻情報に当該45秒を加算することにより、到着予定時刻を求めることができる。例えば、時刻情報が11時35分12秒であった場合には、11時35分57秒が到着予定時刻となる。
【0047】
そして、端末予定情報を端末予約として中継局3へ送信する(S205)。端末予定情報には、例えば、端末識別情報や、到着予定時刻等が含まれる。中継局管理サーバ4は、この端末予約を、到着予定時刻に合わせて送信してもよいし、あらかじめ送信しておいてもよい。車両1は、到着予定時刻において、図3(b)、(c)のそれぞれに示す状態に移動する。
【0048】
中継局3は、端末予約を受信し、端末予約に含まれる端末予定情報により到着予定時刻になると、ビーコン信号を送信する(S206)。この例では、中継局3から自発的にビーコン信号を送信しているが、車載端末11からの同期開始要求に対しビーコン信号を送信してもよい。自発的にビーコン信号を送信する場合、当該ビーコン信号の宛先は端末予定情報に含まれる端末識別情報の車載端末11宛あるいは全端末宛であり、同期開始要求に対しビーコン信号を送信する場合、当該ビーコン信号の宛先は車載端末11宛となる。また、中継局3は、車載端末11に対し優先制御や帯域制御、フィルタリング等を行ってもよい。ここで、優先制御とは、例えば、端末ごとに優先度を設定しておき、優先度の低い端末の信号を既に受信していても、後から受信した優先度の高い端末の信号を先に受信処理あるいは送信処理を実行することである。この優先度の条件は、ビーコン信号に含まれる端末識別情報や、パケットのヘッダに含まれる送信元アドレス、宛先アドレス、プロトコル種別等としてもよいし、さらに各々の条件を組み合わせたり、複数の条件をグループ化したりしてもよい。帯域制御とは、例えば、端末ごとに最低保障帯域を設定しておき、他の端末の処理中であっても、最低保障帯域の範囲内で、当該端末の受信処理あるいは送信処理を実行することである。また、最大使用帯域を設定しておき最大使用帯域を超える処理は実行しなくてもよい。帯域制御の条件は、優先度と同様に、ビーコン信号やパケットヘッダ等の情報により設定してもよい。フィルタリングとは、例えば、端末ごとに許可や拒否等のフィルタ条件を設定しておき、許可の端末の信号のみ受信処理あるいは送信処理を実行することである。フィルタ条件は、優先度と同様に、ビーコン信号やパケットヘッダ等の情報により設定してもよい。優先制御、帯域制御、フィルタリングは、単独で制御してもよいし、これらを組み合わせて制御してもよい。
【0049】
車載端末11は、S202と同様にデータパケットを中継局3へ送信する(S207)。そして、中継局3は、S203と同様にACKパケットを車載端末11へ送信し(S208)、S209と同様に端末通知を中継局管理サーバ4へ送信する(S209)。中継局管理サーバ4は、さらに次に通信可能となる中継局を検索し、端末予約を次の中継局へ送信する(S210)。
【0050】
このような通信方法により、道路上を高速で移動しても、無線LAN通信の中断を回避でき、大量なデータをスムーズに送受信できる。特に、本発明にかかる路車間通信システムは、通常の道路と異なり、分岐点を除き、進行方向が同一方向であり規則的であるため、端末予約を精緻に行うことができる。
【0051】
発明の実施の形態2.
続いて図4を用いて、本発明の実施の形態2にかかる路車間通信システムの車両1の構成について説明する。本実施形態にかかる路車間通信システムの全体の構成は図1と同様であり、説明を省略する。
【0052】
車両1は、車載端末11、無線アンテナ12、ETC車載機151及びETCアンテナ152により構成されている。図1と同様の符号を付された要素は、同一の要素を示している。また、車両1は、図1と同様に各種センサを備えてもよい。
【0053】
ETC車載機151は、車載端末11と通信可能に接続されている。ETC車載機151は、ETCアンテナ152を介しDSRCを用いた無線通信を行い、ETCサービスの処理を行う。ETC車載機151は、例えば、無線通信回路、ETC制御回路、暗号処理回路及びETCカード等を備えている。無線通信回路は、ETCゲートに設置された路側機からの電波を、ETCアンテナ152を介して受信し、ETC制御回路は、暗号処理回路を介し、ETCカードに対しデータを書き込みあるいは読み込みの処理を行う。このETC制御回路や、暗号処理回路、ETCカードは、車載端末11に設けてもよい。
【0054】
この構成により、ECTの情報を車載端末11に表示し、車載端末11のデータをETCカードに保存することができる。また、ETCと連携した様々なサービスが提供できる。
【0055】
図5のフローチャートを用いて、本発明の実施の形態2における処理を説明する。このフローチャートは、車両が、高速道路を入口から出口まで走行したときの処理を示している。
【0056】
まず、車載端末11は、ETC用の路側機を備えた高速道路の入口ゲートを通過する(S501)。このとき、ETC車載機151において、高速道路の利用料金の手続処理が行われ、その情報が表示部114に表示される。
【0057】
車載端末11は、ビーコン信号受信等により中継局2との通信可能を検出すると、ETCカードが挿入されているかETC車載機151へ問い合わせる(S502)。尚、中継局2は、入口ゲートに備えてもよいし、離れた場所に備えてもよい。ETCカードが挿入されている場合、車載端末11は、当該車載端末11の記憶部113に予め格納されたログイン情報を参照し、中継局2を介して中継局管理サーバ4へログインする(S503)。ログイン情報は、ユーザ名とパスワード等である。ログイン情報は、ETCカードに格納された情報でもよいし、車載端末11の入力装置、例えば、キーボードやマイクにより入力してもよい。ログイン時には、認証処理の他に、アドレス割り当て等の処理が行われてもよい。
【0058】
車載端末11は、中継局管理サーバ4にログインすることにより、無料コンテンツの他に、当該中継局管理サーバ4が提供する有料コンテンツやVoIP通話等の有料サービスを利用できる(S504)。ここで、中継局管理サーバ4が提供する有料コンテンツは、中継局管理サーバ4の記憶部43に格納された動画や静止画のウェブデータを中継局2、3を介して車載端末11に対して提供するものであり、例えば、映画情報や観光情報等が含まれる。また、VoIP通話は、インターネット等の通信網5を介して他のVoIP通話用の端末と音声通信を行うことを可能とするものである。
【0059】
車載端末11は、有料サービスの利用状況に応じて、課金情報を生成してETCカードへ書き込み、蓄積する(S505)。課金情報は、サービスの通信パケット量に応じた課金、サービスの通信時間に応じた課金、サービスの回数に応じた課金、サービスに固定の課金でもよい。尚、課金情報は、車載端末11ではなく、中継局管理サーバ4において有料サービスの利用状況に応じて生成するようにしてもよい。この場合には、有料サービスの利用の終了等の所定のタイミングで課金情報を中継局管理サーバ4が生成し、中継局2、3を介して車載端末11に対して送信する。車載端末11は、当該課金情報を取得して、ETCカードへ書き込み、蓄積する。
【0060】
ここで、有料サービスの利用に応じて、課金情報と、クレジットカード番号等の課金のために必要な認証情報(課金認証情報)を車載端末11から中継局管理サーバ4に対して送信して課金処理を行うことも考えられるが、このようにすると、課金認証情報を盗まれ、悪用される可能性があるという問題がある。また、課金認証情報を暗号化すれば、ある程度悪用の可能性を防止できるが、暗号化のための処理を行うための機能を付加する必要があるため車載端末11が高価になるため普及の妨げとなる。
【0061】
車載端末11は、ETC用の路側機を備えた高速道路の出口ゲートを通過する(S506)。ETC車載機151は、高速道路の利用料金とともに、ETCカードに蓄積された課金情報に基づき精算(S507)し、その情報が表示部114に表示される。このとき、ETC車載機151とETC用の路側機との間の通信は、暗号化が施されているため、盗聴が困難であり、悪用を防止できる。
【0062】
また、S502において、ETCカードが挿入されていない場合、無料コンテンツのみ利用できる(S508)。有料コンテンツは、中継局管理サーバ4によりアクセス拒否となる。また、出口ゲートでは、高速道路の利用料金のみ精算される。
【0063】
このような通信方法により、路車間通信による有料サービスの提供において、ETCを用いた信頼性の高い決済が可能である。
【0064】
尚、上述の例では、有料コンテンツや有料サービスを中継局管理サーバ4によって提供する場合について説明したが、これに限らず、外部コンテンツサーバ6によって提供する場合についても適用可能である。この場合には、外部コンテンツサーバ6において、ETCにより料金の支払が可能であるシステムを用意する必要があり、また、ETCシステム側においても外部コンテンツサーバ6を運営する企業等に対する支払いが行えるような仕組みを整える必要がある。
【0065】
発明の実施の形態3.
図6のシーケンスを用いて、発明の実施の形態3にかかる通信方法について説明する。本実施形態にかかる路車間通信システムの全体の構成は図1と同様であり、説明を省略する。
【0066】
車載端末11は、外部コンテンツを表示部114に表示する場合、まず、制御部113においてブラウザプログラムが実行され、外部コンテンツサーバ6へのアクセス要求を中継局管理サーバ4へ送信する(S601)。アクセス要求は、例えば、外部コンテンツサーバのアドレスや、コンテンツページデータのファイル名等である。
【0067】
中継局管理サーバ4は、アクセス要求を受信し、当該アクセス要求をさらに外部コンテンツサーバ6へ送信する(S602)。このとき、アドレス等のヘッダ情報を変換してもよい。また、アクセス要求のウェブデータが、キャッシュされている場合、S602とS603を省略し、キャッシュデータを用いてもよい。
【0068】
外部コンテンツサーバ6は、アクセス要求を受信し、当該アクセス要求に応じたコンテンツページのデータを、中継局管理サーバ4へ送信する(S603)。コンテンツページのデータは、あらかじめ用意されたデータでもよいし、CGIプログラム等の実行結果でもよい。
【0069】
中継局管理サーバ4は、コンテンツページのデータを受信し、道路情報をコンテンツページに付加する(S604)。例えば、コンテンツページのhtmlのタグ情報を参照し、2つのフレームに分割して、1つのフレームに当該コンテンツページのデータ、もう1つのページに道路情報のデータを挿入する。道路情報は、各中継局から収集してもよいし、別の道路情報等を管理するサーバ等から収集してもよい。道路情報は、例えば、渋滞、事故、路面状態、天気、サービスエリア、ニュース、広告等の情報であり、さらに、車両が走行している付近に特化した情報でもよい。
【0070】
そして、中継局管理サーバ4は、道路情報付きのコンテンツページのデータを、車載端末11へ送信する(S605)。さらに、車載端末11は、当該道路情報付きのコンテンツページをブラウザプログラムにより表示部114に表示する(S606)。また、道路情報部分を音声等で出力してもよい。
【0071】
図7に、道路情報付きコンテンツページの画面表示例を示す。図に示されるように、コンテンツ情報701と、道路情報702が設けられている。道路情報702は、文字列のみに限らず、画像や動画、音声等でもよい。道路情報702は、画面のサイズを超えた文字列の場合、流れるように表示してもよいし、枠のサイズを変更してもよい。また、表示される場所も、画面の上下左右あるいは中央のどの位置でもよいし、複数箇所にあってもよい。さらに、点滅等の表示効果を持たせてもよいし、一定時間経過後に消えるようにしてもよい。
【0072】
このような、通信方法により、車載端末や、外部コンテンツサーバに特殊な機能を備えることなく、容易に、道路情報を配信することができる。
【0073】
発明の実施の形態4.
図8のシーケンスを用いて、発明の実施の形態4にかかる通信方法について説明する。本実施形態にかかる路車間通信システムの全体の構成は図1と同様であり、説明を省略する。尚、S801乃至S803は、S601乃至S603と同様であり、簡単に説明する。
【0074】
まず、車載端末11は、外部コンテンツサーバ6へのアクセス要求を中継局管理サーバ4へ送信し(S801)、中継局管理サーバ4は、アクセス要求を外部コンテンツサーバ6へ送信する(S802)。そして、外部コンテンツサーバ6は、コンテンツページのデータを、中継局管理サーバ4へ送信する(S803)。
【0075】
中継局管理サーバ4は、コンテンツページデータを受信し、当該コンテンツページデータを、車載端末11へ送信する(S804)。そして、車載端末11は、ブラウザプログラムにより当該コンテンツページを表示する(S805)。
【0076】
次に、中継局管理サーバ4は、緊急ニュースの発生を検出する(S806)。緊急ニュースは、各中継局から収集してもよいし、別の道路情報等を管理するサーバ等から収集してもよい。緊急ニュースは、例えば、事故、落下物、危険物、地震等の情報である。また、緊急ニュースは、テキスト情報、静止画情報、動画情報、音声情報でもよい。
【0077】
そして、中継局管理サーバ4は、緊急ニュースのデータを車載端末11へ送信する(S807)。このとき、緊急ニュースに関連する地域のみにマルチキャストにより、緊急ニュースを送信してもよい。また、車載端末11が、定期的に問い合わせて、緊急ニュースを取得してもよい。
【0078】
車載端末11は、中継局管理サーバ4から受信した緊急ニュースをブラウザプログラムにより表示する(S808)。このとき、S805において表示していたコンテンツ表示を中断し、緊急ニュースのみを表示部114に表示する。また、ブラウザプログラム以外の配信用クライアントプログラム等により表示してもよい。
【0079】
このような処理により、緊急ニュースを即時に配信し、表示させることができるため、より渋滞の緩和や、危険を回避することができる。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、大容量のデータを瞬時に送受信することができる路車間通信システム及び通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる路車間通信システムの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる路車間通信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる路車間通信システムの車両の状態を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかる路車間通信システムの車両の構成図である。
【図5】本発明の実施の形態2にかかる路車間通信システムの処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態3にかかる路車間通信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の実施の形態3にかかる路車間通信システムの画面表示例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態4にかかる路車間通信システムの処理を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
1 車両 2 中継局 3 中継局 4 中継局管理サーバ
5 通信網 6 外部コンテンツサーバ 7 高速道路
11 車両端末 12 無線アンテナ
13 車速センサ 14 GPSシステム
Claims (10)
- 自動車専用道路を走行する自動車に搭載された車載端末と、前記自動車専用道路に沿って設置され、前記車載端末と無線通信により接続可能な第1の中継局及び第2の中継局と、前記第1の中継局及び第2の中継局と通信可能に接続された中継局管理サーバを備えた路車間通信システムであって、
前記車載端末は、車速を検出し車速情報を生成する車速検出手段から車速情報を取得する手段と、位置を検出し位置情報を生成する車両位置検出手段から位置情報を取得する手段と、前記車速情報、前記位置情報及び端末識別情報を含む端末カレント情報を第1の中継局に対して無線により送信する無線通信手段を有し、
前記第1の中継局は、前記車載端末から送信された前記端末カレント情報を受信し、前記中継局管理サーバへ送信する手段を有し、
前記中継局管理サーバは、前記第1の中継局から送信された前記端末カレント情報を受信する手段と、前記端末カレント情報に基づき前記車載端末が次に通信可能となる前記第2の中継局を検索する手段と、前記端末カレント情報に基づき前記第1の中継局から前記第2の中継局へ切り換えるべき切換予定時刻を算出する手段と、前記端末識別情報及び前記切換予定時刻を含む端末予定情報を前記第2の中継局に対して送信する手段を備え、
前記第2の中継局は、前記中継局管理サーバから前記端末予定情報を受信し、当該端末予定情報に基づき前記自動車との通信を予約する手段を備えた路車間通信システム。 - 前記第2の中継局の予約手段は、前記切換予定時刻に前記車載端末へ呼び出し信号を送信し通信開始することを特徴とする請求項1記載の路車間通信システム。
- 前記第2の中継局の予約手段は、前記切換予定時刻に前記車載端末から同期開始信号を受信し優先して通信開始することを特徴とする請求項1記載の路車間通信システム。
- 自動車専用道路を走行する自動車に搭載された車載端末と、前記自動車に搭載され、前記車載端末と接続されたETC車載機と、前記自動車専用道路沿いに設置され、前記車載端末と無線通信可能に接続された中継局と、前記中継局と通信可能に接続された中継局管理サーバを備えた路車間通信システムであって、
前記車載端末は、前記中継局管理サーバに対して有料サービスを要求する手段と、有料サービスの利用状況に応じた課金情報をETCカードへ書き込む手段を有し、
前記ETC車載機は、前記自動車専用道路の出口ゲートを通過時、当該自動車専用道路の利用料金とともに、前記ETCカードへ書き込まれた課金情報を精算する手段を備えた路車間通信システム。 - 前記有料サービスに応じた課金情報は、有料サービスの利用状況に基づいて車載端末において生成することを特徴とする請求項4記載の路車間通信システム。
- 前記有料サービスに応じた課金情報は、前記中継局管理サーバにおいて有料サービスの利用状況に基づいて生成され、前記車載端末に送信されたものであることを特徴とする請求項4記載の路車間通信システム。
- 自動車専用道路を走行する自動車に搭載された車載端末と、前記自動車専用道路沿いに設置され前記車載端末と無線通信により接続可能な中継局と、前記中継局と通信可能に接続された中継局管理サーバを備えた路車間通信システムであって、
前記中継局管理サーバは、前記車載端末からのアクセス要求に応じて外部コンテンツサーバから受信したコンテンツ情報に、前記自動車専用道路に関する道路情報を付加する手段と、前記車載端末へ前記道路情報を付加したコンテンツ情報を送信する手段を備えた路車間通信システム。 - 自動車専用道路を走行する自動車に搭載された車載端末と無線通信可能に接続され、前記自動車専用道路沿いに設置された中継局と通信可能に接続された中継局管理サーバであって、
前記車載端末からのアクセス要求に応じて外部コンテンツサーバから受信したコンテンツ情報に、前記自動車専用道路に関する道路情報を付加する手段と、前記車載端末へ前記道路情報を付加したコンテンツ情報を送信する手段を備えた中継局管理サーバ。 - 自動車専用道路を走行する自動車に搭載された車載端末と、前記自動車専用道路沿いに設置され前記車載端末と無線通信により接続可能な中継局と、前記中継局と通信可能に接続された中継局管理サーバを備えた路車間通信システムにおいて実行される路車間通信方法であって、
前記中継局管理サーバによって前記車載端末から外部コンテンツサーバへのアクセス要求を受信するステップと、
前記中継局管理サーバによって前記アクセス要求を外部コンテンツサーバへ送信するステップと、
前記中継局管理サーバによって外部コンテンツサーバから受信したコンテンツ情報に前記自動車専用道路に関する道路情報を付加するステップと、
前記中継局管理サーバによって前記車載端末へ前記道路情報を付加したコンテンツ情報を送信するステップを備えた路車間通信方法。 - 自動車専用道路を走行する自動車に搭載された車載端末と、前記自動車専用道路沿いに設置され前記車載端末と無線通信により接続可能な中継局と、前記中継局と通信可能に接続された中継局管理サーバを備えた路車間通信システムにおいて実行される路車間通信方法であって、
前記中継局管理サーバは、
車載端末から外部コンテンツサーバへのアクセス要求を受信するステップと、
前記アクセス要求を外部コンテンツサーバへ送信するステップと、
外部コンテンツサーバから受信したコンテンツ情報を、車載端末へ送信するステップと、
緊急ニュース発生時には、前記コンテンツ情報の送信を中断し、前記緊急ニュースを車載端末へ送信するステップを備えた路車間通信方法。
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