JP2004363681A - パケットシェーピング方法、この方法を実施するパケットシェーピング装置及びコンピュータプログラム、並びにコンピュータプログラム記憶媒体 - Google Patents
パケットシェーピング方法、この方法を実施するパケットシェーピング装置及びコンピュータプログラム、並びにコンピュータプログラム記憶媒体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004363681A JP2004363681A JP2003156537A JP2003156537A JP2004363681A JP 2004363681 A JP2004363681 A JP 2004363681A JP 2003156537 A JP2003156537 A JP 2003156537A JP 2003156537 A JP2003156537 A JP 2003156537A JP 2004363681 A JP2004363681 A JP 2004363681A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- packet
- port number
- queue
- address
- destination
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Data Exchanges In Wide-Area Networks (AREA)
Abstract
【課題】フラグメントパケットのままアプリケーションを識別してシェーピングを行う方法、装置、コンピュータプログラム、記憶媒体を提供する。
【解決手段】入力されたパケットのヘッダ情報及び送出間隔を検索インデックスとする複数のエントリに格納し、送信元及び宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号がエントリと一致するパケットをキューに格納するとともに、検索インデックスの識別子の値を更新し、少なくとも1つの要素が一致しないパケットを透過キューに格納し、送信元及び宛先IPアドレス、識別子がエントリと一致するパケットをキューに格納し、送信元及び宛先IPアドレスが一致して識別子が一致しないパケットは、同一識別子を持ったポート番号を有するパケットが到着したときキューに格納し、キューに格納されたパケットを対応するエントリごとに設定された送出間隔で読み出すとともに、透過キューに格納されたパケットを即時読み出す。
【選択図】 図1
【解決手段】入力されたパケットのヘッダ情報及び送出間隔を検索インデックスとする複数のエントリに格納し、送信元及び宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号がエントリと一致するパケットをキューに格納するとともに、検索インデックスの識別子の値を更新し、少なくとも1つの要素が一致しないパケットを透過キューに格納し、送信元及び宛先IPアドレス、識別子がエントリと一致するパケットをキューに格納し、送信元及び宛先IPアドレスが一致して識別子が一致しないパケットは、同一識別子を持ったポート番号を有するパケットが到着したときキューに格納し、キューに格納されたパケットを対応するエントリごとに設定された送出間隔で読み出すとともに、透過キューに格納されたパケットを即時読み出す。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラグメントされたIP(Internet Protocol:インターネット・プロトコル)パケットを含むパケットシェーピング方法、この方法を実施するパケットシェーピング装置及びコンピュータプログラム、並びにコンピュータプログラム記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ネットワークは、通常、多数のデータ通信装置が共用する。ところが、ある特定のデータ通信装置間におけるデータ交換のためにネットワークが専有されてしまうと、その間(例えば、データやメッセージが途切れている間であっても)、他のデータ転送装置は通信が行えなくなってしまう。そこで、複数のデータ転送装置による複数の通信を実現する通信方式として、パケット通信が考案され、広汎に利用されている。
【0003】
パケット通信においては、ネットワーク上を通過するデータは、「パケット」と呼ばれる所定長データとして扱われる。パケット交換方式によれば、伝送データは間欠的となるため、ネットワークの共有が可能であり、特定のデータ転送装置間の通信によって伝送回線が長時間にわたって専有され続けることはない。パケットは、データ本体の他に、パケットをネットワーク上で正しく移送するためのプロトコル制御情報をヘッダ又はトレイラとして含んでいる。なお、ネットワークを介したデータ通信は、各々のデータ転送装置同士が所定の通信プロトコルに従った通信処理を行うことにより可能となる。
【0004】
ところで、最近では、ネットワークにもQoS(Quality of Service)の考えが導入され始めている。ネットワークにおけるQoSとは、エラーレート、遅延及び帯域の3要素で構成される。このうちの帯域に関して言えば、送信側のデータ転送装置は、ネットワークや受信側が要求する送信帯域に合わせてデータ送信することが求められている。
【0005】
例えば、図5に示すように、ネットワーク10にデータ転送装置11、12、13が接続され、このうち、データ転送装置11を有する同一のサーバに対して、複数のクライアント、例えば、データ転送装置12、13を有するクライアントが同時にデータ転送を要求するような場合に、時間と帯域でスケジューリングを行うネットワーク・システムでは、通信コストの面から精度良く送信帯域を制御することが必須となってきている。このような送信帯域制御のことを、一般に、「シェーピング」と言う。
【0006】
また、図6に示すように、データ転送装置21、22などが接続されたLAN(Local Area Network)20からデータ転送装置31が接続されたWAN(Wide Area Network)30に送出するデータ転送のように、ネットワークの帯域と、これらを接続する物理媒体の帯域が異なる場合にネットワーク間でデータ転送を行う場合にも、上記のシェーピングが必要である。しかし、ネットワーク・インタフェースにATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)のような送信周期を変更する機能を持たないネットワーク・インターフェースでは、シェーピング機能を新たに追加しなければならない。この場合、送信データを一時蓄積するバッファを増やすことなく、かつ、ネットワーク・インタフェースの方式に関係なく、要求された送信帯域と実際に送出される送信帯域との誤差をなくすシェーピングを行う送信帯域制御装置が提案されている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【0007】
通信サービスではアプリケーションを特定するため、TCP(Transmission Control Protocol)又はUDP(User Datagram Protocol)のポート番号が用いられる。かかる通信サービスの通信プロトコルの標準モデルはOSI(Open Systems Interconnection:開放型システム間相互接続)基本参照モデルである。このOSI基本参照モデルは、物理層、データリンク層、ネットワーク層、トランスポート層、セッション層、プレゼンテーション層及びアプリケーション層という7つの階層で構成されている。
【0008】
TCP/UDPはトランスポート層のプロトコルで、プロセス同士が互いにやり取りをするため、ネットワーク上に伝送路(リンク)を確保し、データの受け渡しが正常に行われるように、パケットの喪失や重複が起こらないように管理する役割を持っている。トランスポート層はネットワーク層の上位にあり、IPデータグラム(IPパケット)に重畳されている。IPパケットのデータ長は最大65535バイトであるが、ネットワークインタフェース層のMTU(Maximum Transfer Unit:最大伝送単位)の制限により、いくつかのIPパケットに分割して送られる場合がある。一般的にLANに利用されているイーサネット(R)の場合、MTUは1500バイトであり、仮に3000バイトのIPパケットであれば1480バイト、1480バイト、40バイトの3つに分割されて送られる。
【0009】
分割されたIPパケットのヘッダ情報の詳細を説明する。
FO(Fragment Offset:フラグメントオフセット)は、IPパケット内のデータ部に、分割前のメッセージの先頭から何バイト目のデータが入っているかを示す。
MF(More Fragment)は、IPパケットが分割前のメッセージの最後のデータであることを示すフラグである。
ポート番号は、送信元ポート(Source Port)又は宛先ポート(Destination Port)の値を示す。
このとき分割されたIPパケットの先頭には、TCP(又はUDP)ヘッダが入るが、その他のIPパケットには入らない。1つのメッセージを分割した時、TCP/UDPヘッダは分割した先頭のIPパケットにしか付加されないため、フラグメントされたIPパケットのアプリケーションを識別するためには、いったんパケットを再構築する必要がある。
フレームが複数に分割されているとき、フラグメントされたパケットの識別子(Identification)を見てフラグメントされたパケットを識別してネットワークトラフィック量を計測する方式が提案されている(例えば、下記の特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−253056号公報
【特許文献2】
特開平11−205386号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アプリケーションを識別するためのポート番号がフラグメントされたパケットには付与されていない。この場合、ネットワーク中継装置によりいったんフラグメントされたパケットを組み立てた後、ポート番号を識別して、パケットを再分割して送出間隔を制御する必要があるが、フラグメントを再構築するためのパケットバッファが必要になるため、コストの増加を招くという問題があった。また、いったんパケットを再構築して蓄積する処理と、再度パケットを分割する処理とが加わるため、処理に伴う遅延が大きくなり、高速ネットワークにおいてはシェーピングによる送信帯域制御ができないという問題もあった。
【0012】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、入力されたパケットがネットワークを中継する際に分割されたパケットであっても、パケットを再構築することなくヘッダ情報から所望のアプリケーションのパケットであることを識別して、シェーピングを実行することができ、これによって、アプリケーションを識別するために必ず必要だったパケット再構築の処理を省くことができ、パケットバッファの削減、処理遅延の低減を図ることができるパケットシェーピング方法、この方法を実施するパケットシェーピング装置及びコンピュータプログラム、並びにコンピュータプログラム記憶媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、フラグメントされたパケットを受信し、シェーピングを行って送信するパケットシェーピング方法において、
使用者が識別したいパケットのヘッダ情報としての識別子、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号と、パケットの送出間隔とを入力するステップと、
入力されたパケットの前記ヘッダ情報及び前記パケットの送出間隔を検索インデックスとする検索テーブルの複数のエントリに格納するステップと、
受信したパケットのヘッダにポート番号が有るか否かを調べ、ポート番号が有る場合、前記検索インデックスのうち、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号の4要素についてヘッダ情報を比較し、前記エントリと一致するパケットを前記エントリに対応して設けられたキューに格納するとともに、前記検索インデックスの識別子の値を更新し、前記4要素の少なくとも1つが一致しないパケットを透過キューに格納し、受信したパケットのヘッダにポート番号が無い場合、前記検索インデックスのうち、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、識別子の3要素についてヘッダ情報を比較し、前記エントリと一致するパケットを前記キューに格納し、送信元IPアドレス、宛先IPアドレスが一致して識別子が一致しないパケットは、同一識別子を持ったポート番号を有するパケットが到着したとき前記キューに格納するステップと、
前記キューに格納されたパケットを対応する前記エントリごとに設定された前記送出間隔で読み出すとともに、前記透過キューに格納されたパケットを即時読み出すステップとを備えたことを特徴とする。
この処理手順により、入力されたパケットがネットワークを中継する際に分割されたパケットであっても、パケットを再構築することなくヘッダ情報から所望のアプリケーションのパケットであることを識別して、シェーピングを実行することができ、これによって、アプリケーションを識別するために必ず必要だったパケット再構築の処理を省くことができ、パケットバッファの削減、処理遅延の低減を図ることができる。
【0014】
請求項2に係る発明は、フラグメントされたパケットを受信し、シェーピングを行って送信するパケットシェーピング装置において、
使用者が識別したいパケットのヘッダ情報としての識別子、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号と、パケットの送出間隔とを入力するための設定入力手段と、
前記設定入力手段によって入力されたパケットの前記ヘッダ情報及び前記パケットの送出間隔を検索インデックスとする複数のエントリを有する検索テーブルと、
前記検索テーブルのヘッダ情報のうち、所定の要素が一致するパケットを前記エントリに対応させて格納する複数のキュー及び所定の要素が一致しないパケットを格納する透過キューを有するキューイング手段と、
受信したパケットのヘッダにポート番号が有るか否かを調べ、ポート番号が有る場合、前記検索テーブルの前記検索インデックスのうち、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号の4要素についてヘッダ情報を比較し、前記エントリと一致するパケットを前記キューに格納するとともに、前記検索テーブルの前記検索インデックスの識別子の値を更新し、前記4要素の少なくとも1つが一致しないパケットを前記透過キューに格納し、受信したパケットのヘッダにポート番号が無い場合、前記検索テーブルの検索インデックスのうち、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、識別子の3要素についてヘッダ情報を比較し、前記エントリと一致するパケットを前記キューに格納し、送信元IPアドレス、宛先IPアドレスが一致して識別子が一致しないパケットは、同一識別子を持ったポート番号を有するパケットが到着したとき前記キューに格納するパケット識別手段と、
前記キューに格納されたパケットを前記検索テーブルの前記エントリごとに設定された前記送出間隔で読み出すとともに、前記透過キューに格納されたパケットを即時読み出す送出間隔制御手段とを備えたことを特徴とする。
この構成により、入力されたパケットがネットワークを中継する際に分割されたパケットであっても、パケットを再構築することなくヘッダ情報から所望のアプリケーションのパケットであることを識別して、シェーピングを実行することができ、これによって、アプリケーションを識別するために必ず必要だったパケット再構築の処理を省くことができ、パケットバッファの削減、処理遅延の低減を図ることができる。
【0015】
請求項3に係る発明は、フラグメントされたパケットを受信し、シェーピングを行って送信するパケットシェーピング方法を実施するコンピュータプログラムにおいて、
使用者が識別したいパケットのヘッダ情報としての識別子、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号と、パケットの送出間隔とを入力するステップと、
入力されたパケットのヘッダ情報及びパケットの送出間隔を検索インデックスとする検索テーブルの複数のエントリに格納するステップと、
受信したパケットのヘッダにポート番号が有るか否かを調べ、ポート番号が有る場合、前記検索インデックスのうち、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号の4要素についてヘッダ情報を比較し、前記エントリと一致するパケットを前記エントリに対応して設けられたキューに格納するとともに、前記検索インデックスの識別子の値を更新し、前記4要素の少なくとも1つが一致しないパケットを透過キューに格納し、受信したパケットのヘッダにポート番号が無い場合、前記検索インデックスのうち、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、識別子の3要素についてヘッダ情報を比較し、前記エントリと一致するパケットを前記キューに格納し、送信元IPアドレス、宛先IPアドレスが一致して識別子が一致しないパケットは、同一識別子を持ったポート番号を有するパケットが到着したとき前記キューに格納するステップと、
前記キューに格納されたパケットを対応する前記エントリごとに設定された前記送出間隔で読み出すとともに、前記透過キューに格納されたパケットを即時読み出すステップとを備えたことを特徴とする。
このプログラムをコンピュータにセットアップすることにより、入力されたパケットがネットワークを中継する際に分割されたパケットであっても、パケットを再構築することなくヘッダ情報から所望のアプリケーションのパケットであることを識別して、シェーピングを実行することができ、これによって、アプリケーションを識別するために必ず必要だったパケット再構築の処理を省くことができ、パケットバッファの削減、処理遅延の低減を図ることができる。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のコンピュータプログラムを記憶させたコンピュータプログラム記憶媒体である。
この記憶媒体を用いることにより、入力されたパケットがネットワークを中継する際に分割されたパケットであっても、パケットを再構築することなくヘッダ情報から所望のアプリケーションのパケットであることを識別して、シェーピングを実行することができ、これによって、アプリケーションを識別するために必ず必要だったパケット再構築の処理を省くことができ、パケットバッファの削減、処理遅延の低減を図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す好適な実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係るパケットシェーピング方法を実施するパケットシェーピング装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。同図において、パケットシェーピング装置100は外部インタフェースからのパケットを受信するパケット受信手段101と、外部インタフェースへパケットを送信するパケット送信手段102と、外部から使用者が識別したいパケットの情報を入力するための設定入力手段106と、この設定入力手段106によって入力されたパケット情報を登録しておく検索テーブル107と、パケット受信手段101で受信したパケットごとに、入力パケットと検索テーブル107との比較を行い、送信元ポート番号及び宛先ポート番号などを識別してアプリケーションを検索するパケット識別手段103と、検索テーブル107の各エントリに一致するパケットを格納するためのキューイング手段104と、検索テーブル107に登録されたパケット送出間隔により各キューからのパケット読み出し間隔を制御する送出間隔制御手段105とを備えている。
【0018】
なお、設定入力手段106は、識別するパケットのヘッダ情報(ここでは送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号の4要素を使用者が設定可能とする)と、識別したパケットを一定間隔で送出するための送出間隔を登録することができる。検索テーブル107は、図3に具体的に示すように、キュー番号、識別子、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号、パケット送出間隔が対応付けられている。
【0019】
上記のように構成されたパケットシェーピング装置100の動作について、図2のフローチャートをも参照して以下に説明する。外部インタフェースからのパケットがパケット受信手段101によって受信されると、受信パケットはパケット識別手段103に渡される。パケット識別手段103は図2のフローチャートに従ってパケット検索アルゴリズムを実行する。この場合、ステップ201にて受信したパケットのヘッダ部を識別し、検索テーブル107の送信元IPアドレス、宛先IPアドレスと比較することにより一致するものがあるか否かを判定する。ここで、一致するものが無いと判定した場合にはキューイング手段104の透過用キューに格納する。送信元IPアドレス、宛先IPアドレスに一致するものがあると判定した場合にはステップ202でポート番号の有無を調べる。ステップ202にてポート番号ありと判定した場合には、ステップ203で検索テーブル107の送信元ポート番号、宛先ポート番号とヘッダ情報を比較し一致するものが有るか否かを判定(検索)する。
【0020】
ステップ203で一致するものが無いと判定した場合には、そのパケットをキューイング手段104の透過用キューに格納する。送信元ポート番号、宛先ポート番号に一致するものがあると判定した場合には、ステップ204で検索テーブル107の識別子の値をヘッダ情報の識別子の値に更新した上で、キューイング手段104の該当するシェ−ピング用キューに格納する。
【0021】
一方、ポート番号を持たないパケットの場合、ステップ205にて検索テーブル107の識別子とヘッダ情報とを比較し、一致するか否かを判定(検索)する。ここで、不一致と判定した場合には、ステップ206で同一識別子を持ったパケットでポート番号を有するパケットが通過したか、通過していないかの判定を行う。同一識別子を持ったポート番号を有するパケットが通過している場合には、キューイング手段104の透過用キューにパケットを格納する。同一識別子を持つポート番号を有するパケットが通過していない場合には、ステップ202の処理に戻り、再度ポート番号の有無の判定を行って、上述したと同様な処理を繰り返す。ステップ205で識別子が一致したものと判断(検索)されると、その識別子をキューイング手段104の該当するシェ−ピング用キューに格納する。
【0022】
このように、入力されたパケットがネットワークを中継する際に分割されたパケットであっても、パケットを再構築することなくヘッダ情報から所望のパケットを識別して所定のキューに格納することができる。
【0023】
次にキューに格納されたパケットの送出間隔制御の動作について説明する。図4はキューイング手段104で用いられるキューの構造を示す。キューイング手段104は検索テーブル107のキュー番号に対応したキューを持ち、それ以外に1つ透過用キューを備えている。透過用キューは検索テーブル107に一致しなかったパケットを格納するために用いられるキューであり、透過用キューに格納されたパケットは送出間隔制御手段105が直ちに透過用キューからパケットを読み出して、パケット送信手段102がパケットを送出する。透過用キューは送出間隔を制御しないキューである。
【0024】
検索テーブル107のキュー番号に対応する各キューには、それぞれ検索テーブルのエントリに一致したパケットが格納される。送出間隔制御手段105は検索テーブル107に登録されているパケット送出間隔の情報に基づいて、各キューからのパケットの読み出し間隔を計算し、各キューからパケットを読み出して、パケット送信手段102に渡す。例えば、最小読み出し間隔が50μsecの読み出し能力を持つ送出間隔制御手段105があって、キュー#1のパケット送出間隔が20msec、キュー#2のパケット送出間隔が30msecの場合、キュー#1は400回に1回の割合でパケットを読み出してパケット送信手段102に渡し、キュー#2からは600回に1回の割合でパケットを読み出してパケット送信手段102に渡す。このように、所望のパケットを所定のパケット送出間隔で送信することができる。
【0025】
なお、パケットを読み出すパケット送出間隔の登録の例として、単位時間当たりのビット数(例えばMbpsなど)で指定する場合も考えられる。
【0026】
本発明は、上記実施の形態に記載した技術に従ってプログラムされた一般的な市販のデジタルコンピュータ及びマイクロプロセッサを使って実施することができる。また、本発明は上記の実施の形態に記載した技術に基づいて当業者により作成されるコンピュータプログラムを包含する。また、本発明を実施するコンピュータをプログラムするために使用する命令を含む記憶媒体であるコンピュータプログラム製品が本発明の範囲に含まれる。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明によれば、入力されたパケットがネットワークを中継する際に分割されたパケットであっても、パケットを再構築することなくヘッダ情報から所望のアプリケーションのパケットであることを識別して、シェーピングを実行することができる。これにより、アプリケーションを識別するために必ず必要だったパケット再構築の処理を省くことができ、パケットバッファの削減、処理遅延の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパケットシェーピング方法を実施するパケットシェーピング装置の一実施の形態の構成を示すブロック図
【図2】図1に示したパケットシェーピング装置の一実施の形態の動作を説明するための具体的処理手順を示すフローチャート
【図3】図1に示したパケットシェーピング装置の一実施の形態を構成する検索テーブルの詳細な構造を示す図
【図4】図1に示したパケットシェーピング装置の一実施の形態を構成するキューイング手段の詳細な構造を示す図
【図5】従来のネットワークシステムの概略構成を示した図
【図6】複数のネットワークを介してデータ転送される従来のネットワークシステムの概略構成を示した図
【符号の説明】
100 パケットシェーピング装置
101 パケット受信手段
102 パケット送信手段
103 パケット識別手段
104 キューイング手段
105 送出間隔制御手段
106 設定入力手段
107 検索テーブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラグメントされたIP(Internet Protocol:インターネット・プロトコル)パケットを含むパケットシェーピング方法、この方法を実施するパケットシェーピング装置及びコンピュータプログラム、並びにコンピュータプログラム記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ネットワークは、通常、多数のデータ通信装置が共用する。ところが、ある特定のデータ通信装置間におけるデータ交換のためにネットワークが専有されてしまうと、その間(例えば、データやメッセージが途切れている間であっても)、他のデータ転送装置は通信が行えなくなってしまう。そこで、複数のデータ転送装置による複数の通信を実現する通信方式として、パケット通信が考案され、広汎に利用されている。
【0003】
パケット通信においては、ネットワーク上を通過するデータは、「パケット」と呼ばれる所定長データとして扱われる。パケット交換方式によれば、伝送データは間欠的となるため、ネットワークの共有が可能であり、特定のデータ転送装置間の通信によって伝送回線が長時間にわたって専有され続けることはない。パケットは、データ本体の他に、パケットをネットワーク上で正しく移送するためのプロトコル制御情報をヘッダ又はトレイラとして含んでいる。なお、ネットワークを介したデータ通信は、各々のデータ転送装置同士が所定の通信プロトコルに従った通信処理を行うことにより可能となる。
【0004】
ところで、最近では、ネットワークにもQoS(Quality of Service)の考えが導入され始めている。ネットワークにおけるQoSとは、エラーレート、遅延及び帯域の3要素で構成される。このうちの帯域に関して言えば、送信側のデータ転送装置は、ネットワークや受信側が要求する送信帯域に合わせてデータ送信することが求められている。
【0005】
例えば、図5に示すように、ネットワーク10にデータ転送装置11、12、13が接続され、このうち、データ転送装置11を有する同一のサーバに対して、複数のクライアント、例えば、データ転送装置12、13を有するクライアントが同時にデータ転送を要求するような場合に、時間と帯域でスケジューリングを行うネットワーク・システムでは、通信コストの面から精度良く送信帯域を制御することが必須となってきている。このような送信帯域制御のことを、一般に、「シェーピング」と言う。
【0006】
また、図6に示すように、データ転送装置21、22などが接続されたLAN(Local Area Network)20からデータ転送装置31が接続されたWAN(Wide Area Network)30に送出するデータ転送のように、ネットワークの帯域と、これらを接続する物理媒体の帯域が異なる場合にネットワーク間でデータ転送を行う場合にも、上記のシェーピングが必要である。しかし、ネットワーク・インタフェースにATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)のような送信周期を変更する機能を持たないネットワーク・インターフェースでは、シェーピング機能を新たに追加しなければならない。この場合、送信データを一時蓄積するバッファを増やすことなく、かつ、ネットワーク・インタフェースの方式に関係なく、要求された送信帯域と実際に送出される送信帯域との誤差をなくすシェーピングを行う送信帯域制御装置が提案されている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【0007】
通信サービスではアプリケーションを特定するため、TCP(Transmission Control Protocol)又はUDP(User Datagram Protocol)のポート番号が用いられる。かかる通信サービスの通信プロトコルの標準モデルはOSI(Open Systems Interconnection:開放型システム間相互接続)基本参照モデルである。このOSI基本参照モデルは、物理層、データリンク層、ネットワーク層、トランスポート層、セッション層、プレゼンテーション層及びアプリケーション層という7つの階層で構成されている。
【0008】
TCP/UDPはトランスポート層のプロトコルで、プロセス同士が互いにやり取りをするため、ネットワーク上に伝送路(リンク)を確保し、データの受け渡しが正常に行われるように、パケットの喪失や重複が起こらないように管理する役割を持っている。トランスポート層はネットワーク層の上位にあり、IPデータグラム(IPパケット)に重畳されている。IPパケットのデータ長は最大65535バイトであるが、ネットワークインタフェース層のMTU(Maximum Transfer Unit:最大伝送単位)の制限により、いくつかのIPパケットに分割して送られる場合がある。一般的にLANに利用されているイーサネット(R)の場合、MTUは1500バイトであり、仮に3000バイトのIPパケットであれば1480バイト、1480バイト、40バイトの3つに分割されて送られる。
【0009】
分割されたIPパケットのヘッダ情報の詳細を説明する。
FO(Fragment Offset:フラグメントオフセット)は、IPパケット内のデータ部に、分割前のメッセージの先頭から何バイト目のデータが入っているかを示す。
MF(More Fragment)は、IPパケットが分割前のメッセージの最後のデータであることを示すフラグである。
ポート番号は、送信元ポート(Source Port)又は宛先ポート(Destination Port)の値を示す。
このとき分割されたIPパケットの先頭には、TCP(又はUDP)ヘッダが入るが、その他のIPパケットには入らない。1つのメッセージを分割した時、TCP/UDPヘッダは分割した先頭のIPパケットにしか付加されないため、フラグメントされたIPパケットのアプリケーションを識別するためには、いったんパケットを再構築する必要がある。
フレームが複数に分割されているとき、フラグメントされたパケットの識別子(Identification)を見てフラグメントされたパケットを識別してネットワークトラフィック量を計測する方式が提案されている(例えば、下記の特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−253056号公報
【特許文献2】
特開平11−205386号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アプリケーションを識別するためのポート番号がフラグメントされたパケットには付与されていない。この場合、ネットワーク中継装置によりいったんフラグメントされたパケットを組み立てた後、ポート番号を識別して、パケットを再分割して送出間隔を制御する必要があるが、フラグメントを再構築するためのパケットバッファが必要になるため、コストの増加を招くという問題があった。また、いったんパケットを再構築して蓄積する処理と、再度パケットを分割する処理とが加わるため、処理に伴う遅延が大きくなり、高速ネットワークにおいてはシェーピングによる送信帯域制御ができないという問題もあった。
【0012】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、入力されたパケットがネットワークを中継する際に分割されたパケットであっても、パケットを再構築することなくヘッダ情報から所望のアプリケーションのパケットであることを識別して、シェーピングを実行することができ、これによって、アプリケーションを識別するために必ず必要だったパケット再構築の処理を省くことができ、パケットバッファの削減、処理遅延の低減を図ることができるパケットシェーピング方法、この方法を実施するパケットシェーピング装置及びコンピュータプログラム、並びにコンピュータプログラム記憶媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、フラグメントされたパケットを受信し、シェーピングを行って送信するパケットシェーピング方法において、
使用者が識別したいパケットのヘッダ情報としての識別子、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号と、パケットの送出間隔とを入力するステップと、
入力されたパケットの前記ヘッダ情報及び前記パケットの送出間隔を検索インデックスとする検索テーブルの複数のエントリに格納するステップと、
受信したパケットのヘッダにポート番号が有るか否かを調べ、ポート番号が有る場合、前記検索インデックスのうち、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号の4要素についてヘッダ情報を比較し、前記エントリと一致するパケットを前記エントリに対応して設けられたキューに格納するとともに、前記検索インデックスの識別子の値を更新し、前記4要素の少なくとも1つが一致しないパケットを透過キューに格納し、受信したパケットのヘッダにポート番号が無い場合、前記検索インデックスのうち、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、識別子の3要素についてヘッダ情報を比較し、前記エントリと一致するパケットを前記キューに格納し、送信元IPアドレス、宛先IPアドレスが一致して識別子が一致しないパケットは、同一識別子を持ったポート番号を有するパケットが到着したとき前記キューに格納するステップと、
前記キューに格納されたパケットを対応する前記エントリごとに設定された前記送出間隔で読み出すとともに、前記透過キューに格納されたパケットを即時読み出すステップとを備えたことを特徴とする。
この処理手順により、入力されたパケットがネットワークを中継する際に分割されたパケットであっても、パケットを再構築することなくヘッダ情報から所望のアプリケーションのパケットであることを識別して、シェーピングを実行することができ、これによって、アプリケーションを識別するために必ず必要だったパケット再構築の処理を省くことができ、パケットバッファの削減、処理遅延の低減を図ることができる。
【0014】
請求項2に係る発明は、フラグメントされたパケットを受信し、シェーピングを行って送信するパケットシェーピング装置において、
使用者が識別したいパケットのヘッダ情報としての識別子、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号と、パケットの送出間隔とを入力するための設定入力手段と、
前記設定入力手段によって入力されたパケットの前記ヘッダ情報及び前記パケットの送出間隔を検索インデックスとする複数のエントリを有する検索テーブルと、
前記検索テーブルのヘッダ情報のうち、所定の要素が一致するパケットを前記エントリに対応させて格納する複数のキュー及び所定の要素が一致しないパケットを格納する透過キューを有するキューイング手段と、
受信したパケットのヘッダにポート番号が有るか否かを調べ、ポート番号が有る場合、前記検索テーブルの前記検索インデックスのうち、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号の4要素についてヘッダ情報を比較し、前記エントリと一致するパケットを前記キューに格納するとともに、前記検索テーブルの前記検索インデックスの識別子の値を更新し、前記4要素の少なくとも1つが一致しないパケットを前記透過キューに格納し、受信したパケットのヘッダにポート番号が無い場合、前記検索テーブルの検索インデックスのうち、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、識別子の3要素についてヘッダ情報を比較し、前記エントリと一致するパケットを前記キューに格納し、送信元IPアドレス、宛先IPアドレスが一致して識別子が一致しないパケットは、同一識別子を持ったポート番号を有するパケットが到着したとき前記キューに格納するパケット識別手段と、
前記キューに格納されたパケットを前記検索テーブルの前記エントリごとに設定された前記送出間隔で読み出すとともに、前記透過キューに格納されたパケットを即時読み出す送出間隔制御手段とを備えたことを特徴とする。
この構成により、入力されたパケットがネットワークを中継する際に分割されたパケットであっても、パケットを再構築することなくヘッダ情報から所望のアプリケーションのパケットであることを識別して、シェーピングを実行することができ、これによって、アプリケーションを識別するために必ず必要だったパケット再構築の処理を省くことができ、パケットバッファの削減、処理遅延の低減を図ることができる。
【0015】
請求項3に係る発明は、フラグメントされたパケットを受信し、シェーピングを行って送信するパケットシェーピング方法を実施するコンピュータプログラムにおいて、
使用者が識別したいパケットのヘッダ情報としての識別子、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号と、パケットの送出間隔とを入力するステップと、
入力されたパケットのヘッダ情報及びパケットの送出間隔を検索インデックスとする検索テーブルの複数のエントリに格納するステップと、
受信したパケットのヘッダにポート番号が有るか否かを調べ、ポート番号が有る場合、前記検索インデックスのうち、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号の4要素についてヘッダ情報を比較し、前記エントリと一致するパケットを前記エントリに対応して設けられたキューに格納するとともに、前記検索インデックスの識別子の値を更新し、前記4要素の少なくとも1つが一致しないパケットを透過キューに格納し、受信したパケットのヘッダにポート番号が無い場合、前記検索インデックスのうち、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、識別子の3要素についてヘッダ情報を比較し、前記エントリと一致するパケットを前記キューに格納し、送信元IPアドレス、宛先IPアドレスが一致して識別子が一致しないパケットは、同一識別子を持ったポート番号を有するパケットが到着したとき前記キューに格納するステップと、
前記キューに格納されたパケットを対応する前記エントリごとに設定された前記送出間隔で読み出すとともに、前記透過キューに格納されたパケットを即時読み出すステップとを備えたことを特徴とする。
このプログラムをコンピュータにセットアップすることにより、入力されたパケットがネットワークを中継する際に分割されたパケットであっても、パケットを再構築することなくヘッダ情報から所望のアプリケーションのパケットであることを識別して、シェーピングを実行することができ、これによって、アプリケーションを識別するために必ず必要だったパケット再構築の処理を省くことができ、パケットバッファの削減、処理遅延の低減を図ることができる。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のコンピュータプログラムを記憶させたコンピュータプログラム記憶媒体である。
この記憶媒体を用いることにより、入力されたパケットがネットワークを中継する際に分割されたパケットであっても、パケットを再構築することなくヘッダ情報から所望のアプリケーションのパケットであることを識別して、シェーピングを実行することができ、これによって、アプリケーションを識別するために必ず必要だったパケット再構築の処理を省くことができ、パケットバッファの削減、処理遅延の低減を図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す好適な実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係るパケットシェーピング方法を実施するパケットシェーピング装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。同図において、パケットシェーピング装置100は外部インタフェースからのパケットを受信するパケット受信手段101と、外部インタフェースへパケットを送信するパケット送信手段102と、外部から使用者が識別したいパケットの情報を入力するための設定入力手段106と、この設定入力手段106によって入力されたパケット情報を登録しておく検索テーブル107と、パケット受信手段101で受信したパケットごとに、入力パケットと検索テーブル107との比較を行い、送信元ポート番号及び宛先ポート番号などを識別してアプリケーションを検索するパケット識別手段103と、検索テーブル107の各エントリに一致するパケットを格納するためのキューイング手段104と、検索テーブル107に登録されたパケット送出間隔により各キューからのパケット読み出し間隔を制御する送出間隔制御手段105とを備えている。
【0018】
なお、設定入力手段106は、識別するパケットのヘッダ情報(ここでは送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号の4要素を使用者が設定可能とする)と、識別したパケットを一定間隔で送出するための送出間隔を登録することができる。検索テーブル107は、図3に具体的に示すように、キュー番号、識別子、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号、パケット送出間隔が対応付けられている。
【0019】
上記のように構成されたパケットシェーピング装置100の動作について、図2のフローチャートをも参照して以下に説明する。外部インタフェースからのパケットがパケット受信手段101によって受信されると、受信パケットはパケット識別手段103に渡される。パケット識別手段103は図2のフローチャートに従ってパケット検索アルゴリズムを実行する。この場合、ステップ201にて受信したパケットのヘッダ部を識別し、検索テーブル107の送信元IPアドレス、宛先IPアドレスと比較することにより一致するものがあるか否かを判定する。ここで、一致するものが無いと判定した場合にはキューイング手段104の透過用キューに格納する。送信元IPアドレス、宛先IPアドレスに一致するものがあると判定した場合にはステップ202でポート番号の有無を調べる。ステップ202にてポート番号ありと判定した場合には、ステップ203で検索テーブル107の送信元ポート番号、宛先ポート番号とヘッダ情報を比較し一致するものが有るか否かを判定(検索)する。
【0020】
ステップ203で一致するものが無いと判定した場合には、そのパケットをキューイング手段104の透過用キューに格納する。送信元ポート番号、宛先ポート番号に一致するものがあると判定した場合には、ステップ204で検索テーブル107の識別子の値をヘッダ情報の識別子の値に更新した上で、キューイング手段104の該当するシェ−ピング用キューに格納する。
【0021】
一方、ポート番号を持たないパケットの場合、ステップ205にて検索テーブル107の識別子とヘッダ情報とを比較し、一致するか否かを判定(検索)する。ここで、不一致と判定した場合には、ステップ206で同一識別子を持ったパケットでポート番号を有するパケットが通過したか、通過していないかの判定を行う。同一識別子を持ったポート番号を有するパケットが通過している場合には、キューイング手段104の透過用キューにパケットを格納する。同一識別子を持つポート番号を有するパケットが通過していない場合には、ステップ202の処理に戻り、再度ポート番号の有無の判定を行って、上述したと同様な処理を繰り返す。ステップ205で識別子が一致したものと判断(検索)されると、その識別子をキューイング手段104の該当するシェ−ピング用キューに格納する。
【0022】
このように、入力されたパケットがネットワークを中継する際に分割されたパケットであっても、パケットを再構築することなくヘッダ情報から所望のパケットを識別して所定のキューに格納することができる。
【0023】
次にキューに格納されたパケットの送出間隔制御の動作について説明する。図4はキューイング手段104で用いられるキューの構造を示す。キューイング手段104は検索テーブル107のキュー番号に対応したキューを持ち、それ以外に1つ透過用キューを備えている。透過用キューは検索テーブル107に一致しなかったパケットを格納するために用いられるキューであり、透過用キューに格納されたパケットは送出間隔制御手段105が直ちに透過用キューからパケットを読み出して、パケット送信手段102がパケットを送出する。透過用キューは送出間隔を制御しないキューである。
【0024】
検索テーブル107のキュー番号に対応する各キューには、それぞれ検索テーブルのエントリに一致したパケットが格納される。送出間隔制御手段105は検索テーブル107に登録されているパケット送出間隔の情報に基づいて、各キューからのパケットの読み出し間隔を計算し、各キューからパケットを読み出して、パケット送信手段102に渡す。例えば、最小読み出し間隔が50μsecの読み出し能力を持つ送出間隔制御手段105があって、キュー#1のパケット送出間隔が20msec、キュー#2のパケット送出間隔が30msecの場合、キュー#1は400回に1回の割合でパケットを読み出してパケット送信手段102に渡し、キュー#2からは600回に1回の割合でパケットを読み出してパケット送信手段102に渡す。このように、所望のパケットを所定のパケット送出間隔で送信することができる。
【0025】
なお、パケットを読み出すパケット送出間隔の登録の例として、単位時間当たりのビット数(例えばMbpsなど)で指定する場合も考えられる。
【0026】
本発明は、上記実施の形態に記載した技術に従ってプログラムされた一般的な市販のデジタルコンピュータ及びマイクロプロセッサを使って実施することができる。また、本発明は上記の実施の形態に記載した技術に基づいて当業者により作成されるコンピュータプログラムを包含する。また、本発明を実施するコンピュータをプログラムするために使用する命令を含む記憶媒体であるコンピュータプログラム製品が本発明の範囲に含まれる。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明によれば、入力されたパケットがネットワークを中継する際に分割されたパケットであっても、パケットを再構築することなくヘッダ情報から所望のアプリケーションのパケットであることを識別して、シェーピングを実行することができる。これにより、アプリケーションを識別するために必ず必要だったパケット再構築の処理を省くことができ、パケットバッファの削減、処理遅延の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパケットシェーピング方法を実施するパケットシェーピング装置の一実施の形態の構成を示すブロック図
【図2】図1に示したパケットシェーピング装置の一実施の形態の動作を説明するための具体的処理手順を示すフローチャート
【図3】図1に示したパケットシェーピング装置の一実施の形態を構成する検索テーブルの詳細な構造を示す図
【図4】図1に示したパケットシェーピング装置の一実施の形態を構成するキューイング手段の詳細な構造を示す図
【図5】従来のネットワークシステムの概略構成を示した図
【図6】複数のネットワークを介してデータ転送される従来のネットワークシステムの概略構成を示した図
【符号の説明】
100 パケットシェーピング装置
101 パケット受信手段
102 パケット送信手段
103 パケット識別手段
104 キューイング手段
105 送出間隔制御手段
106 設定入力手段
107 検索テーブル
Claims (4)
- フラグメントされたパケットを受信し、シェーピングを行って送信するパケットシェーピング方法において、
使用者が識別したいパケットのヘッダ情報としての識別子、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号と、パケットの送出間隔とを入力するステップと、
入力されたパケットの前記ヘッダ情報及び前記パケットの送出間隔を検索インデックスとする検索テーブルの複数のエントリに格納するステップと、
受信したパケットのヘッダにポート番号が有るか否かを調べ、ポート番号が有る場合、前記検索インデックスのうち、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号の4要素についてヘッダ情報を比較し、前記エントリと一致するパケットを前記エントリに対応して設けられたキューに格納するとともに、前記検索インデックスの識別子の値を更新し、前記4要素の少なくとも1つが一致しないパケットを透過キューに格納し、受信したパケットのヘッダにポート番号が無い場合、前記検索インデックスのうち、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、識別子の3要素についてヘッダ情報を比較し、前記エントリと一致するパケットを前記キューに格納し、送信元IPアドレス、宛先IPアドレスが一致して識別子が一致しないパケットは、同一識別子を持ったポート番号を有するパケットが到着したとき前記キューに格納するステップと、
前記キューに格納されたパケットを対応する前記エントリごとに設定された前記送出間隔で読み出すとともに、前記透過キューに格納されたパケットを即時読み出すステップとを、
備えたことを特徴とするパケットシェーピング方法。 - フラグメントされたパケットを受信し、シェーピングを行って送信するパケットシェーピング装置において、
使用者が識別したいパケットのヘッダ情報としての識別子、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号と、パケットの送出間隔とを入力するための設定入力手段と、
前記設定入力手段によって入力されたパケットの前記ヘッダ情報及び前記パケットの送出間隔を検索インデックスとする複数のエントリを有する検索テーブルと、
前記検索テーブルのヘッダ情報のうち、所定の要素が一致するパケットを前記エントリに対応させて格納する複数のキュー及び所定の要素が一致しないパケットを格納する透過キューを有するキューイング手段と、
受信したパケットのヘッダにポート番号が有るか否かを調べ、ポート番号が有る場合、前記検索テーブルの前記検索インデックスのうち、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号の4要素についてヘッダ情報を比較し、前記エントリと一致するパケットを前記キューに格納するとともに、前記検索テーブルの前記検索インデックスの識別子の値を更新し、前記4要素の少なくとも1つが一致しないパケットを前記透過キューに格納し、受信したパケットのヘッダにポート番号が無い場合、前記検索テーブルの検索インデックスのうち、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、識別子の3要素についてヘッダ情報を比較し、前記エントリと一致するパケットを前記キューに格納し、送信元IPアドレス、宛先IPアドレスが一致して識別子が一致しないパケットは、同一識別子を持ったポート番号を有するパケットが到着したとき前記キューに格納するパケット識別手段と、
前記キューに格納されたパケットを前記検索テーブルの前記エントリごとに設定された前記送出間隔で読み出すとともに、前記透過キューに格納されたパケットを即時読み出す送出間隔制御手段とを、
備えたことを特徴とするパケットシェーピング装置。 - フラグメントされたパケットを受信し、シェーピングを行って送信するパケットシェーピング方法を実施するコンピュータプログラムにおいて、
使用者が識別したいパケットのヘッダ情報としての識別子、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号と、パケットの送出間隔とを入力するステップと、
入力されたパケットのヘッダ情報及びパケットの送出間隔を検索インデックスとする検索テーブルの複数のエントリに格納するステップと、
受信したパケットのヘッダにポート番号が有るか否かを調べ、ポート番号が有る場合、前記検索インデックスのうち、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号の4要素についてヘッダ情報を比較し、前記エントリと一致するパケットを前記エントリに対応して設けられたキューに格納するとともに、前記検索インデックスの識別子の値を更新し、前記4要素の少なくとも1つが一致しないパケットを透過キューに格納し、受信したパケットのヘッダにポート番号が無い場合、前記検索インデックスのうち、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、識別子の3要素についてヘッダ情報を比較し、前記エントリと一致するパケットを前記キューに格納し、送信元IPアドレス、宛先IPアドレスが一致して識別子が一致しないパケットは、同一識別子を持ったポート番号を有するパケットが到着したとき前記キューに格納するステップと、
前記キューに格納されたパケットを対応する前記エントリごとに設定された前記送出間隔で読み出すとともに、前記透過キューに格納されたパケットを即時読み出すステップとを、
備えたことを特徴とするコンピュータプログラム。 - 請求項3に記載のコンピュータプログラムを記憶させたコンピュータプログラム記憶媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003156537A JP2004363681A (ja) | 2003-06-02 | 2003-06-02 | パケットシェーピング方法、この方法を実施するパケットシェーピング装置及びコンピュータプログラム、並びにコンピュータプログラム記憶媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003156537A JP2004363681A (ja) | 2003-06-02 | 2003-06-02 | パケットシェーピング方法、この方法を実施するパケットシェーピング装置及びコンピュータプログラム、並びにコンピュータプログラム記憶媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004363681A true JP2004363681A (ja) | 2004-12-24 |
Family
ID=34050593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003156537A Withdrawn JP2004363681A (ja) | 2003-06-02 | 2003-06-02 | パケットシェーピング方法、この方法を実施するパケットシェーピング装置及びコンピュータプログラム、並びにコンピュータプログラム記憶媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004363681A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008205942A (ja) * | 2007-02-21 | 2008-09-04 | Nec Electronics Corp | ネットワークプロセッサ、ネットワークプロセッサを搭載したネットワーク装置、及びフレーム転送方法 |
US8121120B2 (en) | 2008-06-20 | 2012-02-21 | Alaxala Networks Corporation | Packet relay apparatus |
JP2017163530A (ja) * | 2016-03-10 | 2017-09-14 | グーグル インコーポレイテッド | ネットワークデバイスおよびトラフィックシェーピング方法 |
-
2003
- 2003-06-02 JP JP2003156537A patent/JP2004363681A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008205942A (ja) * | 2007-02-21 | 2008-09-04 | Nec Electronics Corp | ネットワークプロセッサ、ネットワークプロセッサを搭載したネットワーク装置、及びフレーム転送方法 |
US8121120B2 (en) | 2008-06-20 | 2012-02-21 | Alaxala Networks Corporation | Packet relay apparatus |
JP2017163530A (ja) * | 2016-03-10 | 2017-09-14 | グーグル インコーポレイテッド | ネットワークデバイスおよびトラフィックシェーピング方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20200328973A1 (en) | Packet coalescing | |
US7760737B2 (en) | Method for reordering and reassembling data packets in a network | |
US9270595B2 (en) | Method and system for controlling a delay of packet processing using loop paths | |
US7065086B2 (en) | Method and system for efficient layer 3-layer 7 routing of internet protocol (“IP”) fragments | |
US7742478B2 (en) | Reply communication apparatus and ARP reply communication apparatus | |
US6571291B1 (en) | Apparatus and method for validating and updating an IP checksum in a network switching system | |
US7664112B2 (en) | Packet processing apparatus and method | |
US20050243834A1 (en) | Packet transfer method and device | |
US7602809B2 (en) | Reducing transmission time for data packets controlled by a link layer protocol comprising a fragmenting/defragmenting capability | |
CN110505147B (zh) | 分组片段转发方法和网络设备 | |
JP2006261873A (ja) | パケット転送装置およびその転送制御方式 | |
JP2003516041A (ja) | スケジューリングおよびヘッダ圧縮を利用しパケット遅延を軽減させるための方法と装置 | |
US7408879B2 (en) | Router, terminal apparatus, communication system and routing method | |
JP2001045061A (ja) | 通信ノード装置 | |
CN114422432A (zh) | 基于可靠传输层的可靠覆盖 | |
US8743907B1 (en) | Apparatus for reassembling a fragmented data unit and transmitting the reassembled data unit | |
JP3645735B2 (ja) | ネットワーク中継装置及びネットワーク中継方法 | |
JP2004363681A (ja) | パケットシェーピング方法、この方法を実施するパケットシェーピング装置及びコンピュータプログラム、並びにコンピュータプログラム記憶媒体 | |
JP2005101690A (ja) | 中継装置及び中継方法 | |
US7733862B2 (en) | Method and apparatus for implementing IPSec engine in IXDP2851 | |
JP2000341333A (ja) | ネットワークパケット送受信方法およびネットワークアダプタ | |
JP2000174811A (ja) | サービス属性割り当て方法とネットワーク機器 | |
Braun | A Parallel High Performance Transport System for Metropolitan Area Networks | |
JP2004289239A (ja) | パケット受信装置 | |
KR20060039820A (ko) | 패킷 전송 장치 및 방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060905 |