JP2004363151A - 半導体記憶装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】強誘電体または高誘電体を有する容量絶縁膜の焼結時に発生する酸素侵入によるコンタクト不良を防止。
【解決手段】半導体基板上に、ソース領域またはドレイン領域1に接続されたコンタクトプラグ5の上に下方より順に導電性バリア膜6と、導電性バリア膜6の上に導電性酸素バリア膜7と、導電性酸素バリア膜7の上に下部電極8が形成されて、下部電極8の上に強誘電体または高誘電体を有する容量絶縁膜10および上部電極11からなる容量素子を有する。ここで、導電性酸素バリア膜7を形成する前に、導電性バリア膜6の表面をプラズマ処理している。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体基板上に、ソース領域またはドレイン領域1に接続されたコンタクトプラグ5の上に下方より順に導電性バリア膜6と、導電性バリア膜6の上に導電性酸素バリア膜7と、導電性酸素バリア膜7の上に下部電極8が形成されて、下部電極8の上に強誘電体または高誘電体を有する容量絶縁膜10および上部電極11からなる容量素子を有する。ここで、導電性酸素バリア膜7を形成する前に、導電性バリア膜6の表面をプラズマ処理している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強誘電体あるいは高誘電体を含む容量絶縁膜を有する容量素子およびその容量素子を備えた半導体記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル技術の進展に伴い、大容量のデータを処理、保存する傾向が推進される中で電子機器が一段と高度化し、使用される半導体装置もその半導体素子の微細化が急速に進んできている。それに伴ってダイナミックRAMの高集積化を実現するために、従来の珪素酸化物または窒化物の代わりに高誘電体を容量絶縁膜として用いる技術が広く研究開発されている。
【0003】
さらに従来にない低動作電圧かつ高速書き込み読み出し可能な不揮発性RAMの実用化を目指し、自発分極特性を有する強誘電体膜に関する研究開発が盛んに行われている。これら高誘電体または強誘電体を容量絶縁膜に用いた半導体記憶装置において、この容量絶縁膜の高信頼性を得ることが重要である。
【0004】
以下、従来の半導体装置について、図面を参照しながら説明する。
【0005】
図16は従来の半導体記憶装置の主要部断面図である。図16に示すように、ソース領域またはドレイン領域1、ゲート電極2からなるトランジスタが集積化された半導体基板全面を覆う保護絶縁膜3と絶縁性バリア膜4が形成されている。さらに、保護絶縁膜3と絶縁性バリア膜4にソース領域またはドレイン領域に接続されたコンタクトプラグ5が形成されている。そして、保護絶縁膜3と絶縁性バリア膜4を貫通するコンタクトプラグ5を介して導電性バリア膜6が形成されている。導電性バリア膜6の上には導電性酸素バリア膜7が形成され、さらに上には下部電極8が形成されている。前記導電性バリア膜6と前記導電性酸素バリア膜7および下部電極8からなる積層膜の側壁を覆うように電気的に絶縁する埋め込み絶縁膜9が形成されている。さらに、前記下部電極8の上にはPb(Zr,Ti)O3やSrBi2Ta2O9等の強誘電体からなる容量絶縁膜10が形成され、容量絶縁膜10の上に上部電極11が形成されている。容量絶縁膜10と上部電極11の上面および側壁を覆うように、絶縁性水素バリア膜12が形成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−141478号公報(図1(b))
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の半導体記憶装置では、製造工程中における強誘電体である容量絶縁膜を結晶化する際の影響で、コンタクト不良が発生するという課題と、容量素子形成以降の工程での熱処理により、強誘電体である容量絶縁膜の特性が劣化するという課題を有している。
【0008】
この点について、図17と図18および図19を用いて説明する。図17と図18および図19は従来の半導体記憶装置の製造方法による不良発生メカニズムの説明図である。
【0009】
第1の課題は、図17に示すように、コンタクトプラグ5上に窒化チタンからなる導電性バリア膜6が形成されている。次に、導電性バリア膜6上には窒化チタンアルミニウムからなる導電性酸素バリア7膜が形成されて、さらに上方に下部電極8が形成されている。そして下部電極8上に強誘電体である容量絶縁膜10を形成する際、ペロブスカイト構造を有する良好な分極特性を持つ前記容量絶縁膜10を得るには、600℃から800℃における酸素雰囲気中での熱処理が必要である。この時に柱状構造を有している前記下部電極8の粒界を通じて、上方向から酸素が拡散し、前記導電性酸素バリア膜7および前記導電性バリア膜6を酸化してしまうことで、結果としてコンタクトプラグ5表面を酸化して、コンタクト不良が発生するという課題を有していた。
【0010】
第2の課題は、図18に示すように、窒化チタンからなる導電性バリア膜6を堆積する際は、▲1▼式で示すように四塩化チタンとアンモニアのガスを用いたCVD法で堆積し、結果として窒化チタンである前記導電性バリア膜6中に塩素が残留する。その後の強誘電体である容量絶縁膜10を形成する際の600℃から800℃における熱処理で、窒化チタンである前記導電性バリア膜6中の塩素が上方に拡散し、窒化チタンアルミニウムからなる導電性酸素バリア膜7中のアルミニウムを腐食して、コンタクト不良が発生するという課題を有していた。
【0011】
第3の課題は、図19に示すように、容量素子形成以降の工程における配線形成での必要な熱処理により、埋め込み絶縁膜9から発生する水素および水分の拡散・熱拡散で、強誘電体である容量絶縁膜10の特性が劣化するという課題を有していた。特に水素による容量絶縁膜10の還元劣化が懸念されている。
【0012】
本発明の目的は、上記課題に鑑みてなされたものであり、下部電極の上方向から拡散してくる酸素および導電性バリア膜中から拡散してくる塩素を抑制するために、導電性バリア膜の表面を改質することで、上方に堆積される導電性酸素バリア膜の組成、結晶性などを改善して耐酸化性を向上し、強誘電体を含む容量絶縁膜の結晶化において十分な酸素を容量絶縁膜に供給でき、かつコンタクト不良を防止できること、および容量素子形成以降の工程での熱処理による周辺の層間絶縁膜中から発生する水素および水分を低減することで、強誘電体である容量絶縁膜の特性を劣化防止できる信頼性の高い容量素子を備えた半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明は、ソース領域、ドレイン領域およびゲート電極からなるトランジスタが形成された半導体基板上に、前記ソース領域またはドレイン領域に接続されたコンタクトプラグと、前記コンタクトプラグ上に下方より順に導電性バリア膜と、前記導電性バリア膜の上に導電性酸素バリア膜と、さらに前記導電性酸素バリア膜の上に下部電極が形成され、さらに前記下部電極上の強誘電体あるいは高誘電体からなる容量絶縁膜および上部電極からなる容量素子が形成された半導体記憶装置において、前記導電性バリア膜の表面がプラズマ処理されている。
【0014】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、ソース領域、ドレイン領域およびゲート電極からなるトランジスタが形成された半導体基板上に、前記ソース領域またはドレイン領域に接続されたコンタクトプラグと、前記コンタクトプラグ上に下方より順に導電性バリア膜と、前記導電性バリア膜の上に導電性酸素バリア膜と、さらに前記導電性酸素バリア膜の上に下部電極が形成され、さらに前記下部電極上の強誘電体あるいは高誘電体からなる容量絶縁膜および上部電極からなる容量素子が形成された半導体記憶装置において、前記導電性バリア膜の表面が化学エッチング処理されている。
【0015】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、半導体基板上に、ソース領域、ドレイン領域およびゲート電極からなるトランジスタを形成する工程と、前記半導体基板上に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜中に前記ソース領域またはドレイン領域に接続するコンタクトプラグを形成する工程と、前記コンタクトプラグ上に下方より順に導電性バリア膜、導電性酸素バリア膜を形成する工程と、前記導電性酸素バリア膜上に下方より順に下部電極、強誘電体あるいは高誘電体からなる容量絶縁膜および上部電極とで構成される容量素子を形成する工程を備え、前記導電性バリア膜形成後に、該導電性バリア膜の表面をプラズマ処理するものである。
【0016】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の半導体記憶装置において、前記コンンタクトプラグ上に形成された前記導電性バリア膜の表面が化学エッチング処理されている。
【0017】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性バリア膜は、チタン、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル、チタンアルミニウム、タンタルアルミニウムのいずれか一つから選択されており、前記導電性バリア膜の表面をプラズマ処理した上で、前記導電性バリア膜の上に前記導電性酸素バリア膜を形成することである。
【0018】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性バリア膜は、チタン、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル、チタンアルミニウム、タンタルアルミニウムのいずれか一つが選択されて、前記導電性バリア膜の表面を化学エッチング処理した上で、前記導電性バリア膜の上に前記導電性酸素バリア膜を形成することである。
【0019】
また、本発明の請求項7に記載の発明は、請求項3に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性バリア膜の表面をプラズマ処理する際は、水素とアンモニアおよびアルゴン、窒素からなる混合ガスまたは、いずれか一つを選択したガスを用いたチャンバー雰囲気で、前記導電性バリア膜の表面をプラズマ処理した上で、前記導電性バリア膜の上に前記導電性酸素バリア膜を形成することである。
【0020】
また、本発明の請求項8に記載の発明は、請求項4に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性バリア膜の表面を化学エッチング処理する際は、フッ化水素酸水溶液で前記導電性バリア膜の表面を化学エッチング処理した上で、前記導電性バリア膜の上に前記導電性酸素バリア膜を形成することである。
【0021】
また、本発明の請求項9に記載の発明は、請求項3、4に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性酸素バリア膜は窒化チタンアルミニウムを有することである。
【0022】
また、本発明の請求項10に記載の発明は、請求項3に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性酸素バリア膜は窒化チタンアルミニウムであり、前記導電性バリア膜の表面をプラズマ処理した上で、前記導電性酸素バリア膜が形成されており、前記導電性バリア膜中に塩素が含有されていないことである。
【0023】
また、本発明の請求項11に記載の発明は、請求項3、4に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性酸素バリア膜である窒化チタンアルミニウム膜中には、TiAl3N、Ti3AlN、Ti2AlN、Ti3Al2N結晶構造のいずれか一つを含有していないことである。
【0024】
また、本発明の請求項12に記載の発明は、請求項3、4に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記下部電極の上に形成された強誘電体あるいは高誘電体からなる容量絶縁膜を高温酸素雰囲気で結晶化することにより、前記導電性酸素バリア膜と上方の前記下部電極の界面に新たに形成された層には、前記導電性酸素バリア膜の上に、下方より順に酸化チタン層および酸化アルミニウム層の二層構造を有することである。
【0025】
また、本発明の請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記高温酸素雰囲気での結晶化は、約800℃以下の酸素雰囲気中で熱処理を行うことである。
【0026】
また、本発明の請求項14に記載の発明は、請求項12に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性酸素バリア膜である窒化チタンアルミニウム膜中に含有されているアルミニウム原子量/(チタン原子量+アルミニウム原子量)は、約60atomic%以下を含有していることである。
【0027】
また、本発明の請求項15に記載の発明は、ソース領域、ドレイン領域およびゲート電極からなるトランジスタが形成された半導体基板上に、前記ソース領域またはドレイン領域に接続されたコンタクトプラグと、前記コンタクトプラグ上に下部電極が形成され、さらに前記下部電極上の強誘電体あるいは高誘電体からなる容量絶縁膜および上部電極からなる容量素子が形成され、前記容量素子の周囲を覆う層間絶縁膜が形成された半導体記憶装置において、前記層間絶縁膜の表面が窒素プラズマ処理されて窒素を含んだシリコン酸化層を有することである。
【0028】
また、本発明の請求項16に記載の発明は、半導体基板上に、ソース領域、ドレイン領域およびゲート電極からなるトランジスタを形成する工程と、前記半導体基板上に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜中に前記ソース領域またはドレイン領域に接続するコンタクトプラグを形成する工程と、前記コンタクトプラグ上に下方より順に下部電極、強誘電体あるいは高誘電体からなる容量絶縁膜および上部電極とで構成される容量素子を形成する工程と、前記容量素子の周囲を覆う層間絶縁膜を形成する工程とを備え、前記層間絶縁膜を形成した直後、前記層間絶縁膜の表面を窒素プラズマ処理することである。
【0029】
このような構成とすることで、導電性バリア膜を改質するに伴い、上方に堆積される導電性酸素バリア膜の組成、結晶性などを改善して耐酸化性を向上し、強誘電体を含む容量絶縁膜の結晶化において十分な酸素を容量絶縁膜に供給でき、かつコンタクト不良を防止できる。また強誘電体である容量絶縁膜の周辺を覆う層間絶縁膜中に残留する水素および水分の量を低減することで、誘電体特性の劣化を抑制できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら概要を説明する。
【0031】
図1は本発明の第1の実施形態による半導体記憶装置の主要部断面図である。本発明の半導体記憶装置は、ソース領域またはドレイン領域1、ゲート電極2からなるトランジスタが集積化された半導体基板上の全面を覆う保護絶縁膜3と耐酸化性のある絶縁性バリア膜4を有する。次に、保護絶縁膜3と絶縁性バリア膜4を貫通するコンタクトプラグ5を有する。次に、コンタクトプラグ5の上方に接続されたCVD法で堆積された窒化チタンである導電性バリア膜6と、さらに、上方に窒化チタンアルミニウムである導電性酸素バリア膜7を有し、導電性酸素バリア膜7上に下方から順にイリジウム、イリジウム酸化物、プラチナの積層膜からなる下部電極8を有する。窒化チタンである導電性バリア膜6、窒化チタンアルミニウムである導電性酸素バリア膜7の膜厚は各々40nmから60nmの範囲であり、イリジウム、イリジウム酸化物、プラチナの膜厚は各々50nmから100nmの範囲である。次に、導電性バリア膜6と導電性酸素バリア膜7および下部電極8の側壁を覆うように、電気的に絶縁する埋め込み絶縁膜9を有し、この埋め込み絶縁膜9の表面は平坦化されており、下部電極8の表面と同じ高さになっている。次に、下部電極8の上にはSrBi2Ta2O9からなるペロブスカイト構造の容量絶縁膜10を有し、さらに容量絶縁膜10の上にはプラチナからなる上部電極11を有する。その時のSrBi2Ta2O9、プラチナの膜厚は各々100nmから150nmの範囲である。この上部電極11上にレジストパターンを形成後、ドライエッチング法により、容量絶縁膜10、上部電極11を埋め込み絶縁膜9の上面もしくは下部電極8の上面の位置までパターンエッチングする。最後に、上部電極11の上面およびエッチングで露出している容量絶縁膜10、上部電極11の各々側壁に絶縁性水素バリアメタル膜12を有する。この絶縁性水素バリアメタル膜12は酸化チタンアルミニウムで構成され、その時の膜厚は5nmから15nmの範囲である。
【0032】
また、図2は本発明の第1の実施形態における半導体記憶装置の製造方法の工程断面図である。
【0033】
図2(a)に示すように、ソース領域またはドレイン領域1およびゲート電極2からなるトランジスタが集積化された半導体基板上の全面を覆うように保護絶縁膜3と耐酸化性のある絶縁性バリア膜4を形成し、CMP法等を用いて平坦化する。次に、保護絶縁膜3と絶縁性バリア膜4にトランジスタのソース領域またはドレイン領域1に接続されたコンタクトホールをドライエッチングにより形成した後、コンタクトホール内にタングステンまたはポリシリコンからなるコンタクトプラグ5をCVD法とエッチバック法またはCVD法とCMP法との組み合わせで、堆積かつ平坦化形成する。次に、絶縁性バリア膜4上に露出しているコンタクトプラグ5上に、四塩化チタンとアンモニアのガスを用いたCVD法で、窒化チタンである導電性バリア膜6を堆積し、引き続き導電性バリア膜6の表面を同一のチャンバー内でのアンモニアによるプラズマ処理を施した後、またはフッ化水素酸水溶液で導電性バリア膜6の表面を軽くエッチングした後、窒化チタンアルミニウムである導電性酸素バリア膜7をスパッタリング法で堆積する。さらに導電性酸素バリア膜7上に下方から順にイリジウム、イリジウム酸化物、プラチナの積層膜からなる下部電極8をスパッタリング法で堆積し、ドライエッチング法によりパターニングする。なお、窒化チタンである導電性バリア膜6、窒化チタンアルミニウムである導電性酸素バリア膜7の膜厚は各々40nmから60nmの範囲であり、イリジウム、イリジウム酸化物、プラチナの膜厚は各々50nmから100nmの範囲である。次に、導電性バリア膜6と導電性酸素バリア膜7の側壁および下部電極8の側壁と上面を覆うように、電気的に絶縁するプラズマTEOSの埋め込み絶縁膜9を形成する。なお、埋め込み絶縁膜9の膜厚は400nmから600nmの範囲である。
【0034】
次に、図2(b)に示すように、埋め込み絶縁膜9を下部電極8の表面を露出させるまでCMP法により研磨し、この埋め込み絶縁膜9を下部電極8の表面と同一の高さに平坦化形成する。次に、図2(c)に示すように、膜厚が100nmから150nmの範囲内であるビスマス層状ペロブスカイト構造を有するSrBi2Ta2O9からなる容量絶縁膜10を有機金属分解法(MOD法)、有機金属化学的気相成膜法(MOCVD法)またはスパッタリング法によりウエハー全面に堆積し、更に容量絶縁膜10の上に、プラチナからなる上部電極11をスパッタリング法によりウエハー全面に堆積する。次に、容量絶縁膜10を結晶化するために、酸素雰囲気で650℃から800℃の範囲で熱処理を行う。次に、図2(d)に示すように、この上部電極11上にレジストパターンを形成後、ドライエッチング法により、容量絶縁膜10、上部電極11を埋め込み絶縁膜9の上面もしくは下部電極8の上面の位置までパターンエッチングする。最後に、図2(e)に示すように上部電極11の上面およびエッチングで露出している容量絶縁膜10、上部電極11の各々側壁に酸化チタンアルミニウムからなる絶縁性水素バリアメタル膜12をCVD法またはスパッタ法により堆積する。この絶縁性水素バリアメタル膜12は酸化チタンアルミニウムで構成され、その時の膜厚は5nmから15nmの範囲である。なお、埋め込み絶縁膜9の上面に位置する絶縁性水素バリア膜12は、容量素子以外の領域、例えばソース領域、ドレイン領域1へのコンタクトホールを形成する領域は、エッチングにより除去してもよい。
【0035】
以上のように上記の第1の実施形態による半導体記憶装置およびその製造方法によれば、コンタクトプラグ5の上方側壁を耐酸化性のある絶縁性バリア膜4で覆い、かつ全ての容量素子を絶縁性水素バリア膜12で覆うことができる構造を用いることにより、容量素子形成以降の工程の熱処理において、埋め込み絶縁膜9を通じて拡散してくる酸素を絶縁性バリア膜4で抑制できる構造を有しており、コンタクトプラグ5の上面の酸化を防止できる。かつ高温酸素雰囲気における酸化物誘電体層である容量絶縁膜10の結晶化熱処理において、酸素が柱状構造を有する上部電極11および下部電極8の粒界を容易に拡散できるため、下部電極8の下方にある導電性酸素バリア膜7が酸化されてしまう。本発明は導電性バリア膜6の表面をプラズマ処理または化学エッチングすることで表面結晶構造を非晶質化して、この非晶質化された表面に導電性酸素バリア膜7を堆積することで、細かい粒界を持たない酸化チタンアルミニウム合金が形成される。従って、容易に酸化される窒化チタンを有する導電性バリア膜6の酸化を防止し、かつ柱状構造を有する導電性バリア膜6を通じて拡散してくる酸素を、上方の導電性酸素バリア膜7で抑制することで、コンタクトプラグ5の上面の酸化を防止できる。
【0036】
ここで、従来法による半導体記憶装置と本発明による半導体記憶装置の特性比較を行った結果を述べる。
【0037】
まず、コンタクトサイズが0.24μm径における8インチシリコンウエハー面内全点でのコンタクト抵抗の測定結果を図3に示す。なお、コンタクト抵抗はコンタクトプラグ5と下部電極8間の測定値である。まず、従来法の場合にはコンタクト抵抗が1000Ωから8000Ωまでばらついた。これは、前記のように下部電極8の下方の導電性酸素バリア膜7と導電性バリア膜6が、高誘電体や強誘電体の結晶化に必要な高温の酸素熱処理により耐酸化性が劣化し、酸素が下部電極8と導電性酸素バリア膜7および導電性バリア膜6の膜中を拡散し、コンタクトプラグ5の上面を酸化したと考える。一方、本実施形態の場合には、シリコンウエハー面内全点でのコンタクト抵抗が1300Ωから2000Ωの範囲であり、非常にばらつきも少なくかつ低抵抗化を実現できた。
【0038】
また、コンタクトサイズを変化させた時のコンタクト抵抗の測定結果を図4に示す。なお、コンタクト抵抗はコンタクトプラグ5と下部電極8間の測定値である。従来法の場合には、800℃、1分での酸素熱処理により、コンタクトサイズが0.24μm径以下になるとコンタクト抵抗が急激に上昇し、コンタクトサイズが0.25μm径以上ではコンタクト抵抗が4500Ω近傍にあり、全体的にコンタクト抵抗が高いことがわかる。これは、前記のように下部電極8の下方の導電性酸素バリア膜7と導電性バリア膜6が、高誘電体や強誘電体の結晶化に必要な高温の酸素熱処理により耐酸化性が劣化し、酸素が下部電極8と導電性酸素バリア膜7および導電性バリア膜6の膜中を拡散し、コンタクトプラグ5の上面を酸化したと考える。一方、本実施形態の場合にはコンタクトサイズによらずコンタクト抵抗が1000Ω以下であり、コンタクト抵抗が低く抑えられていることが確認された。
【0039】
ここで、本発明の第1の実施形態による800℃、1分での高温の酸素熱処理後の下部電極部におけるオージェ電子分光分析による酸素の深さ方向分布を図5に示す。導電性バリア膜に相当する窒化チタン層の表面処理を施さない場合の深さ方向分布13であり、窒化チタン層の表面を化学エッチング処理した場合の深さ方向分布14であり、また窒化チタン層の表面をプラズマ処理した場合の深さ方向分布15である。導電性バリア膜に相当する窒化チタン層の表面処理を施さない場合は、窒化チタンアルミニウム層と下方の窒化チタン層共に膜中全体が酸化していた。一方、窒化チタン層の表面を化学エッチング処理またはプラズマ処理した場合は、窒化チタンアルミニウム層の表面近傍で酸素の拡散が止まっていることが確認された。そして、化学エッチング処理した場合の深さ方向分布14とプラズマ処理した場合の深さ方向分布15を比較すると、プラズマ処理した場合の方が窒化チタンアルミニウム層の表面近傍の酸化度合いが少ないことが確認された。
【0040】
さらに、その時のX線回折による結晶構造を図6に示す。導電性バリア膜に相当する窒化チタン層の表面処理を施さない場合の結晶構造16と窒化チタン層の表面処理をした場合の結晶構造17を比較すると、窒化チタン層の表面処理を施さない場合は、窒化チタン層の上方の窒化チタンアルミニウム膜中にはTiAl3N結晶面が存在しており、この結晶構造を持つことで窒化チタンアルミニウム膜中に多数の結晶粒界が存在している可能性があり、この結晶粒界を通じて、高温の酸素熱処理時に酸素が拡散してくると推測される。なお、TiN結晶面は導電性バリア膜に相当する窒化チタン層から主に検出されていると考える。
【0041】
次に、本発明の第1の実施形態による窒化チタン層の表面処理をした後の導電性酸素バリア膜である窒化チタンアルミニウム膜中に添加されているアルミニウム量を変化させた場合での酸素熱処理における窒化チタンアルミニウム耐酸化性評価結果を図7および図8を参照しながら説明する。
【0042】
図7は本発明の実施形態における酸素熱処理温度に対するオージェ電子分光分析による窒化チタンアルミニウム表面の酸化膜厚であり、図8は本発明の実施形態における窒化チタンアルミニウム表面酸化に関するアレニウスプロットである。なお、図8に記載のdは酸化膜厚であり、tは熱処理時間である。窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が20atomic%の場合は各々18、19であり、窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が40atomic%の場合は各々20、21である。
【0043】
図7より、窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が20atomic%の場合18と窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が40atomic%の場合20を比較すると、各熱処理温度に対する酸化膜厚は、窒化チタンアルミニウム膜中のアルミニウム含有量が多いと、小さい傾向にあると考える。図8より、窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が20atomic%の場合19および窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が40atomic%の場合21における活性化エネルギーEaを▲2▼式を用いて各々算出すると、Al原子量/(Al原子量+Ti原子量)が40atomic%の場合の活性化エネルギーEa(1.33eV)は、Al原子量/(Al原子量+Ti原子量)が20atomic%の場合の活性化エネルギーEa(0.84eV)の約1.6倍であり、文献(Y.Matsui,J.Vac.Sci.Technol.A20(3),605(2002))の約1.5倍と概ね一致することが確認された。従って、窒化チタンアルミニウム膜中のアルミニウム含有量が多くなると耐酸化性が増すと考える。
【0044】
次に、本発明の第1の実施形態による導電性バリア膜はCVD法で窒化チタン膜を堆積するので、窒化チタン膜中には塩素が残留する。X線光電子分光分析による堆積温度に対する窒化チタン膜中の塩素含有量を図9に示す。窒化チタン膜の表面処理を施さない場合の膜中の塩素含有量22と窒化チタン膜の表面をプラズマ処理した場合の膜中の塩素含有量23を比較すると、窒化チタン膜の表面をプラズマ処理した場合は、窒化チタン膜の表面処理を施さない場合よりも膜中の塩素含有量が少ないことがわかる。また、堆積温度が高くなるにつれて、窒化チタン膜の表面処理を施さない場合の膜中の塩素含有量を減少傾向にあり、窒化チタン膜の表面をプラズマ処理することで、堆積温度に関わらずに膜中の塩素含有量が2atomic%以下であることが確認された。即ち、CVD法かつプラズマ処理無しで堆積した窒化チタンである導電性バリア膜中の残留塩素は、高温の酸素熱処理で上層に拡散し、窒化チタンアルミニウムである導電性酸素バリア膜中のアルミニウムの腐食する可能性を含んでいる。従って、本発明のプラズマ処理により腐食によるコンタクト不良を防止できると考える。
【0045】
次に、本発明の第1の実施形態による導電性酸素バリア膜である窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が50atomic%以下で最適であると文献(F.Esaka,Surf.Interface Anal.27,1098(1999))で言われている。窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が50atomic%以下において、酸素拡散をブロックするメカニズムとして、窒化チタンアルミニウム膜の表面に熱拡散してくる酸素原子と、窒化チタンアルミニウム膜中の結晶構造に関与しない比較的動きやすいアルミニウム原子が、窒化チタンアルミニウム膜の表層に移動することで、この表層に酸化アルミニウム層が形成され、後から熱拡散してくる酸素をこの酸化アルミニウム層でブロックする。また、この前記文献によると、窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が65atomic%の場合、窒化チタンアルミニウム膜の表層は酸化アルミニウムと酸化チタンが入り乱れた状態にあり、耐酸化性のある酸化アルミニウム層が均一に存在しないために、後から熱拡散してくる酸素をブロックできないと推察される。
【0046】
ここで、本発明の第1の実施形態による800℃、1分での高温の酸素熱処理後の導電性酸素バリア膜である窒化チタンアルミニウム膜におけるX線光電子分光分析による深さ方向分布を図10に示す。図10は窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が60atomic%の際の800℃、1分での酸素雰囲気中熱処理後のアルミニウムの深さ方向分布24、チタンの深さ方向分布25、酸素の深さ方向分布26を示す。導電性酸素バリア膜の上に、下方より順に酸化チタン層および酸化アルミニウム層の二層構造が高温の酸素熱処理によって形成されることが確認された。従って、本発明の第1の実施形態における導電性酸素バリア膜である窒化チタンアルミニウム膜は、堆積初期状態として非晶質な構造を持ち、かつ含有されているAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)は60atomic%以下であり、800℃以下の酸素雰囲気中熱処理後でも導電性酸素バリア膜の上に、下方より順に酸化チタン層および酸化アルミニウム層の二層構造を有していることが確認された。
【0047】
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照しながら概要を説明する。
【0048】
図11は本発明の第2の実施形態における半導体記憶装置の製造方法の工程断面図である。図11(a)に示すように、ソース領域またはドレイン領域1およびゲート電極2からなるトランジスタが集積化された半導体基板上の全面を覆うように保護絶縁膜3と耐酸化性のある絶縁性バリア膜4を形成し、CMP法等を用いて平坦化する。次に、保護絶縁膜3と絶縁性バリア膜4にトランジスタのソース領域またはドレイン領域1に接続されたコンタクトホールをドライエッチングにより形成した後、コンタクトホール内にタングステンまたはポリシリコンからなるコンタクトプラグ5をCVD法とエッチバック法またはCVD法とCMP法との組み合わせで、堆積かつ平坦化形成する。次に、絶縁性バリア膜4上に露出しているコンタクトプラグ5上に、四塩化チタンとアンモニアのガスを用いたCVD法で、窒化チタンである導電性バリア膜6を堆積し、引き続き導電性バリア膜6の表面を同一のチャンバー内でのアンモニアによるプラズマ処理を施した後、またはフッ化水素酸水溶液で導電性バリア膜6の表面を軽くエッチングした後、窒化チタンアルミニウムである導電性酸素バリア膜7をスパッタリング法で堆積する。さらに導電性酸素バリア膜7上に下方から順にイリジウム、イリジウム酸化物、プラチナの積層膜からなる下部電極8をスパッタリング法で堆積し、ドライエッチング法によりパターニングする。なお、窒化チタンである導電性バリア膜6、窒化チタンアルミニウムである導電性酸素バリア膜7の膜厚は各々40nmから60nmの範囲であり、イリジウム、イリジウム酸化物、プラチナの膜厚は各々50nmから100nmの範囲である。次に、導電性バリア膜6と導電性酸素バリア膜7の側壁および下部電極8の側壁と上面を覆うように、電気的に絶縁するプラズマTEOSの埋め込み絶縁膜9を形成する。なお、埋め込み絶縁膜9の膜厚は400nmから600nmの範囲である。
【0049】
次に、図11(b)に示すように、埋め込み絶縁膜9を下部電極8の表面を露出させるまでCMP法により研磨し、この埋め込み絶縁膜9を下部電極8の表面と同一の高さに平坦化形成する。次に、図11(c)に示すように、膜厚が100nmから150nmの範囲内であるビスマス層状ペロブスカイト構造を有するSrBi2Ta2O9からなる容量絶縁膜10を有機金属分解法(MOD法)、有機金属化学的気相成膜法(MOCVD法)またはスパッタリング法によりウエハー全面に堆積し、更に容量絶縁膜10の上に、プラチナからなる上部電極11をスパッタリング法によりウエハー全面に堆積する。次に、容量絶縁膜10を結晶化するために、酸素雰囲気で650℃から800℃の範囲で熱処理を行う。次に、この上部電極11上にレジストパターンを形成後、ドライエッチング法により、容量絶縁膜10、上部電極11を埋め込み絶縁膜9の上面もしくは下部電極8の上面の位置までパターンエッチングする。次に、図11(d)に示すように容量絶縁膜10および上部電極11の側壁と上面を覆うように、電気的に絶縁するプラズマTEOSの層間絶縁膜11aを堆積する前に、埋め込み絶縁膜9の表面を窒素プラズマ処理した後に層間絶縁膜11aを堆積する。なお、層間絶縁膜11aの膜厚は400nmから600nmの範囲である。最後に、図11(e)に示すように再度、層間絶縁膜11aの表面を窒素プラズマ処理した後に、層間絶縁膜11a上方に酸化チタンアルミニウムからなる絶縁性水素バリアメタル膜12をCVD法またはスパッタ法により堆積する。この絶縁性水素バリアメタル膜12は酸化チタンアルミニウムで構成され、その時の膜厚は5nmから15nmの範囲である。なお、層間絶縁膜11aの上面に位置する絶縁性水素バリア膜12は、容量素子以外の領域、例えばソース領域、ドレイン領域1へのコンタクトホールを形成する領域は、エッチングにより除去してもよい。
【0050】
以上のように埋め込み絶縁膜9および層間絶縁膜11の表面を窒素プラズマ処理することで、その絶縁膜中に残留している水素および水分を追い出し、容量素子形成以降の工程における配線形成での必要な熱処理により、埋め込み絶縁膜9および層間絶縁膜11から発生する水素および水分の量を減らすことで、強誘電体である容量絶縁膜10の特性劣化を防止できる。
【0051】
ここで、本発明の第2の実施形態による容量素子の電気特性結果を図12に示す。図12は容量素子形成以降で必要な配線工程における400℃の水素シンタを行った後の容量素子の残留分極(Pr)を評価した結果である。図12に示すように、本発明の層間絶縁膜の表面に窒素プラズマ処理を行った残留分極は、従来の窒素プラズマ処理を行わない方法に比べて、5回の繰返し測定により初期の残留分極が約2〜3μC/cm2大きいことが確認された。
【0052】
次に、本発明の第2の実施形態においてプラズマTEOS膜をシリコン基板上に堆積する。昇温脱離ガス分析によるプラズマTEOS膜中からの水素脱離スペクトルを図13に示し、昇温脱離ガス分析によるプラズマTEOS膜中からの水分脱離スペクトルを図14に示す。
【0053】
図13に示すように、プラズマTEOS膜の表面に対して、窒素プラズマ処理を行わない時の水素脱離スペクトル27に比べて、窒素プラズマ処理を行った時の水素脱離スペクトル28の脱離量は、室温〜約540℃の領域で減少していることが確認された。
【0054】
また図14に示すように、プラズマTEOS膜の表面に対して、窒素プラズマ処理を行わない時の水分の脱離スペクトル29に比べて、窒素プラズマ処理を行った時の水分脱離スペクトル30の脱離量は、室温〜約480℃の領域で減少していることも確認された。即ち、プラズマTEOS膜の表面を窒素プラズマ処理することで、この膜中に残留している水素および水分の量を低減できることが分かった。
【0055】
また、プラズマTEOS膜の表面には極薄の窒素を含んだシリコン酸化層が形成されていると予想され、プラズマTEOS膜の上に、スパッタリング法で堆積したCu膜におけるオージェ電子分光分析による深さ方向分布を図15に示す。
【0056】
図15に示すように、プラズマTEOS膜の表面に対して、窒素プラズマ処理を行わないCu深さ方向分布31は、窒素プラズマ処理を行ったCu深さ方向分布32に比べて、深さ方向に分布が広がっており、窒素プラズマ処理された表面はCuの拡散をブロックする役目があると考える。また、X線光電子分光分析で測定したプラズマTEOS膜の表面における窒素プラズマ処理有無に関する表面組成を表1に示す。表1に示すように、窒素プラズマ処理されたプラズマTEOS膜の表面には、4.5atomic%の窒素を含んだシリコン酸化層が存在することが確認された。
【0057】
【表1】
ここで、本実施形態においては、導電性酸素バリア膜を堆積する前に、下地膜となる導電性バリア膜の表面をプラズマ処理または化学エッチング処理で改質することにより、この下地膜の上方に堆積される導電性酸素バリア膜の耐酸化性が向上するものであり、また埋め込み絶縁膜および層間絶縁膜の表面を窒素プラズマ処理することで、その絶縁膜中に残留している水素および水分を低減できることは、上記実施形態で説明した様態に限られるものではない。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、本発明の容量素子、半導体記憶装置およびその製造方法によれば、下部電極の上方向から拡散してくる酸素および導電性バリア膜中から拡散してくる塩素を抑制するために、導電性バリア膜を改質することで、上方に堆積される導電性酸素バリア膜の耐酸化性を向上し、強誘電体を含む容量絶縁膜の結晶化において十分な酸素を容量絶縁膜に供給でき、かつ導電性バリア膜と接するコンタクトの不良を防止できる。また強誘電体である容量絶縁膜の周辺を覆う層間絶縁膜中に残留する水素および水分の量を低減することで、誘電体特性の劣化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による半導体記憶装置の主要部断面図
【図2】本発明の第1の実施形態における半導体記憶装置の製造方法の工程断面図
【図3】本発明の第1の実施形態におけるウエハー面内全点でのコンタクト抵抗の測定結果を示す図
【図4】本発明の第1の実施形態におけるコンタクトサイズを変化させた時のコンタクト抵抗の測定結果を示す図
【図5】本発明の第1の実施形態におけるオージェ電子分光分析による酸素の深さ方向分布を示す図
【図6】本発明の第1の実施形態におけるX線回折による結晶構造を示す図
【図7】本発明の第1の実施形態における窒化チタンアルミニウム表面の酸化膜厚を示す図
【図8】本発明の第1の実施形態における窒化チタンアルミニウム表面酸化に関するアレニウスプロットを示す図
【図9】本発明の第1の実施形態におけるX線光電子分光分析による堆積温度に対する窒化チタン膜中の塩素含有量を示す図
【図10】本発明の第1の実施形態における窒化チタンアルミニウム膜におけるX線光電子分光分析による深さ方向分布を示す図
【図11】本発明の第2の実施形態における半導体記憶装置の製造方法の工程断面図
【図12】本発明の第2の実施形態における400℃の水素シンタを行った後の容量素子の残留分極を示す図
【図13】本発明の第2の実施形態におけるTEOS膜中からの水素脱離スペクトルを示す図
【図14】本発明の第2の実施形態におけるTEOS膜中からの水分脱離スペクトルを示す図
【図15】本発明の第2の実施形態におけるCu膜におけるオージェ電子分光分析による深さ方向分布を示す図
【図16】従来の半導体記憶装置の主要部断面図
【図17】従来の半導体記憶装置の製造方法による不良発生メカニズムの説明図
【図18】従来の半導体記憶装置の製造方法による不良発生メカニズムの説明図
【図19】従来の半導体記憶装置の製造方法による不良発生メカニズムの説明図
【符号の説明】
1 ソース領域またはドレイン領域
2 ゲート電極
3 保護絶縁膜
4 絶縁性バリア膜
5 コンタクトプラグ
6 導電性バリア膜
7 導電性酸素バリア膜
8 下部電極
9 埋め込み絶縁膜
10 容量絶縁膜
11 上部電極
11a 層間絶縁膜
12 絶縁性水素バリア膜
13 表面処理を施さない場合の深さ方向分布
14 プラズマ処理した場合の深さ方向分布
15 化学エッチング処理した場合の深さ方向分布
16 表面処理を施さない場合の結晶構造
17 表面処理した場合の結晶構造
18 Al原子量/(Al原子量+Ti原子量)が20atomic%の場合
19 Al原子量/(Al原子量+Ti原子量)が20atomic%の場合
20 Al原子量/(Al原子量+Ti原子量)が40atomic%の場合
21 Al原子量/(Al原子量+Ti原子量)が40atomic%の場合
22 表面処理を施さない場合の膜中の塩素含有量
23 プラズマ処理した場合の膜中の塩素含有量
24 アルミニウムの深さ方向分布
25 チタンの深さ方向分布
26 酸素の深さ方向分布
27 窒素プラズマ処理を行わない時の水素脱離スペクトル
28 窒素プラズマ処理を行った時の水素脱離スペクトル
29 窒素プラズマ処理を行わない時の水分脱離スペクトル
30 窒素プラズマ処理を行った時の水分脱離スペクトル
31 窒素プラズマ処理を行わないCu深さ方向分布
32 窒素プラズマ処理を行ったCu深さ方向分布
【発明の属する技術分野】
本発明は、強誘電体あるいは高誘電体を含む容量絶縁膜を有する容量素子およびその容量素子を備えた半導体記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル技術の進展に伴い、大容量のデータを処理、保存する傾向が推進される中で電子機器が一段と高度化し、使用される半導体装置もその半導体素子の微細化が急速に進んできている。それに伴ってダイナミックRAMの高集積化を実現するために、従来の珪素酸化物または窒化物の代わりに高誘電体を容量絶縁膜として用いる技術が広く研究開発されている。
【0003】
さらに従来にない低動作電圧かつ高速書き込み読み出し可能な不揮発性RAMの実用化を目指し、自発分極特性を有する強誘電体膜に関する研究開発が盛んに行われている。これら高誘電体または強誘電体を容量絶縁膜に用いた半導体記憶装置において、この容量絶縁膜の高信頼性を得ることが重要である。
【0004】
以下、従来の半導体装置について、図面を参照しながら説明する。
【0005】
図16は従来の半導体記憶装置の主要部断面図である。図16に示すように、ソース領域またはドレイン領域1、ゲート電極2からなるトランジスタが集積化された半導体基板全面を覆う保護絶縁膜3と絶縁性バリア膜4が形成されている。さらに、保護絶縁膜3と絶縁性バリア膜4にソース領域またはドレイン領域に接続されたコンタクトプラグ5が形成されている。そして、保護絶縁膜3と絶縁性バリア膜4を貫通するコンタクトプラグ5を介して導電性バリア膜6が形成されている。導電性バリア膜6の上には導電性酸素バリア膜7が形成され、さらに上には下部電極8が形成されている。前記導電性バリア膜6と前記導電性酸素バリア膜7および下部電極8からなる積層膜の側壁を覆うように電気的に絶縁する埋め込み絶縁膜9が形成されている。さらに、前記下部電極8の上にはPb(Zr,Ti)O3やSrBi2Ta2O9等の強誘電体からなる容量絶縁膜10が形成され、容量絶縁膜10の上に上部電極11が形成されている。容量絶縁膜10と上部電極11の上面および側壁を覆うように、絶縁性水素バリア膜12が形成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−141478号公報(図1(b))
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の半導体記憶装置では、製造工程中における強誘電体である容量絶縁膜を結晶化する際の影響で、コンタクト不良が発生するという課題と、容量素子形成以降の工程での熱処理により、強誘電体である容量絶縁膜の特性が劣化するという課題を有している。
【0008】
この点について、図17と図18および図19を用いて説明する。図17と図18および図19は従来の半導体記憶装置の製造方法による不良発生メカニズムの説明図である。
【0009】
第1の課題は、図17に示すように、コンタクトプラグ5上に窒化チタンからなる導電性バリア膜6が形成されている。次に、導電性バリア膜6上には窒化チタンアルミニウムからなる導電性酸素バリア7膜が形成されて、さらに上方に下部電極8が形成されている。そして下部電極8上に強誘電体である容量絶縁膜10を形成する際、ペロブスカイト構造を有する良好な分極特性を持つ前記容量絶縁膜10を得るには、600℃から800℃における酸素雰囲気中での熱処理が必要である。この時に柱状構造を有している前記下部電極8の粒界を通じて、上方向から酸素が拡散し、前記導電性酸素バリア膜7および前記導電性バリア膜6を酸化してしまうことで、結果としてコンタクトプラグ5表面を酸化して、コンタクト不良が発生するという課題を有していた。
【0010】
第2の課題は、図18に示すように、窒化チタンからなる導電性バリア膜6を堆積する際は、▲1▼式で示すように四塩化チタンとアンモニアのガスを用いたCVD法で堆積し、結果として窒化チタンである前記導電性バリア膜6中に塩素が残留する。その後の強誘電体である容量絶縁膜10を形成する際の600℃から800℃における熱処理で、窒化チタンである前記導電性バリア膜6中の塩素が上方に拡散し、窒化チタンアルミニウムからなる導電性酸素バリア膜7中のアルミニウムを腐食して、コンタクト不良が発生するという課題を有していた。
【0011】
第3の課題は、図19に示すように、容量素子形成以降の工程における配線形成での必要な熱処理により、埋め込み絶縁膜9から発生する水素および水分の拡散・熱拡散で、強誘電体である容量絶縁膜10の特性が劣化するという課題を有していた。特に水素による容量絶縁膜10の還元劣化が懸念されている。
【0012】
本発明の目的は、上記課題に鑑みてなされたものであり、下部電極の上方向から拡散してくる酸素および導電性バリア膜中から拡散してくる塩素を抑制するために、導電性バリア膜の表面を改質することで、上方に堆積される導電性酸素バリア膜の組成、結晶性などを改善して耐酸化性を向上し、強誘電体を含む容量絶縁膜の結晶化において十分な酸素を容量絶縁膜に供給でき、かつコンタクト不良を防止できること、および容量素子形成以降の工程での熱処理による周辺の層間絶縁膜中から発生する水素および水分を低減することで、強誘電体である容量絶縁膜の特性を劣化防止できる信頼性の高い容量素子を備えた半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明は、ソース領域、ドレイン領域およびゲート電極からなるトランジスタが形成された半導体基板上に、前記ソース領域またはドレイン領域に接続されたコンタクトプラグと、前記コンタクトプラグ上に下方より順に導電性バリア膜と、前記導電性バリア膜の上に導電性酸素バリア膜と、さらに前記導電性酸素バリア膜の上に下部電極が形成され、さらに前記下部電極上の強誘電体あるいは高誘電体からなる容量絶縁膜および上部電極からなる容量素子が形成された半導体記憶装置において、前記導電性バリア膜の表面がプラズマ処理されている。
【0014】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、ソース領域、ドレイン領域およびゲート電極からなるトランジスタが形成された半導体基板上に、前記ソース領域またはドレイン領域に接続されたコンタクトプラグと、前記コンタクトプラグ上に下方より順に導電性バリア膜と、前記導電性バリア膜の上に導電性酸素バリア膜と、さらに前記導電性酸素バリア膜の上に下部電極が形成され、さらに前記下部電極上の強誘電体あるいは高誘電体からなる容量絶縁膜および上部電極からなる容量素子が形成された半導体記憶装置において、前記導電性バリア膜の表面が化学エッチング処理されている。
【0015】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、半導体基板上に、ソース領域、ドレイン領域およびゲート電極からなるトランジスタを形成する工程と、前記半導体基板上に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜中に前記ソース領域またはドレイン領域に接続するコンタクトプラグを形成する工程と、前記コンタクトプラグ上に下方より順に導電性バリア膜、導電性酸素バリア膜を形成する工程と、前記導電性酸素バリア膜上に下方より順に下部電極、強誘電体あるいは高誘電体からなる容量絶縁膜および上部電極とで構成される容量素子を形成する工程を備え、前記導電性バリア膜形成後に、該導電性バリア膜の表面をプラズマ処理するものである。
【0016】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の半導体記憶装置において、前記コンンタクトプラグ上に形成された前記導電性バリア膜の表面が化学エッチング処理されている。
【0017】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性バリア膜は、チタン、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル、チタンアルミニウム、タンタルアルミニウムのいずれか一つから選択されており、前記導電性バリア膜の表面をプラズマ処理した上で、前記導電性バリア膜の上に前記導電性酸素バリア膜を形成することである。
【0018】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性バリア膜は、チタン、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル、チタンアルミニウム、タンタルアルミニウムのいずれか一つが選択されて、前記導電性バリア膜の表面を化学エッチング処理した上で、前記導電性バリア膜の上に前記導電性酸素バリア膜を形成することである。
【0019】
また、本発明の請求項7に記載の発明は、請求項3に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性バリア膜の表面をプラズマ処理する際は、水素とアンモニアおよびアルゴン、窒素からなる混合ガスまたは、いずれか一つを選択したガスを用いたチャンバー雰囲気で、前記導電性バリア膜の表面をプラズマ処理した上で、前記導電性バリア膜の上に前記導電性酸素バリア膜を形成することである。
【0020】
また、本発明の請求項8に記載の発明は、請求項4に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性バリア膜の表面を化学エッチング処理する際は、フッ化水素酸水溶液で前記導電性バリア膜の表面を化学エッチング処理した上で、前記導電性バリア膜の上に前記導電性酸素バリア膜を形成することである。
【0021】
また、本発明の請求項9に記載の発明は、請求項3、4に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性酸素バリア膜は窒化チタンアルミニウムを有することである。
【0022】
また、本発明の請求項10に記載の発明は、請求項3に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性酸素バリア膜は窒化チタンアルミニウムであり、前記導電性バリア膜の表面をプラズマ処理した上で、前記導電性酸素バリア膜が形成されており、前記導電性バリア膜中に塩素が含有されていないことである。
【0023】
また、本発明の請求項11に記載の発明は、請求項3、4に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性酸素バリア膜である窒化チタンアルミニウム膜中には、TiAl3N、Ti3AlN、Ti2AlN、Ti3Al2N結晶構造のいずれか一つを含有していないことである。
【0024】
また、本発明の請求項12に記載の発明は、請求項3、4に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記下部電極の上に形成された強誘電体あるいは高誘電体からなる容量絶縁膜を高温酸素雰囲気で結晶化することにより、前記導電性酸素バリア膜と上方の前記下部電極の界面に新たに形成された層には、前記導電性酸素バリア膜の上に、下方より順に酸化チタン層および酸化アルミニウム層の二層構造を有することである。
【0025】
また、本発明の請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記高温酸素雰囲気での結晶化は、約800℃以下の酸素雰囲気中で熱処理を行うことである。
【0026】
また、本発明の請求項14に記載の発明は、請求項12に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性酸素バリア膜である窒化チタンアルミニウム膜中に含有されているアルミニウム原子量/(チタン原子量+アルミニウム原子量)は、約60atomic%以下を含有していることである。
【0027】
また、本発明の請求項15に記載の発明は、ソース領域、ドレイン領域およびゲート電極からなるトランジスタが形成された半導体基板上に、前記ソース領域またはドレイン領域に接続されたコンタクトプラグと、前記コンタクトプラグ上に下部電極が形成され、さらに前記下部電極上の強誘電体あるいは高誘電体からなる容量絶縁膜および上部電極からなる容量素子が形成され、前記容量素子の周囲を覆う層間絶縁膜が形成された半導体記憶装置において、前記層間絶縁膜の表面が窒素プラズマ処理されて窒素を含んだシリコン酸化層を有することである。
【0028】
また、本発明の請求項16に記載の発明は、半導体基板上に、ソース領域、ドレイン領域およびゲート電極からなるトランジスタを形成する工程と、前記半導体基板上に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜中に前記ソース領域またはドレイン領域に接続するコンタクトプラグを形成する工程と、前記コンタクトプラグ上に下方より順に下部電極、強誘電体あるいは高誘電体からなる容量絶縁膜および上部電極とで構成される容量素子を形成する工程と、前記容量素子の周囲を覆う層間絶縁膜を形成する工程とを備え、前記層間絶縁膜を形成した直後、前記層間絶縁膜の表面を窒素プラズマ処理することである。
【0029】
このような構成とすることで、導電性バリア膜を改質するに伴い、上方に堆積される導電性酸素バリア膜の組成、結晶性などを改善して耐酸化性を向上し、強誘電体を含む容量絶縁膜の結晶化において十分な酸素を容量絶縁膜に供給でき、かつコンタクト不良を防止できる。また強誘電体である容量絶縁膜の周辺を覆う層間絶縁膜中に残留する水素および水分の量を低減することで、誘電体特性の劣化を抑制できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら概要を説明する。
【0031】
図1は本発明の第1の実施形態による半導体記憶装置の主要部断面図である。本発明の半導体記憶装置は、ソース領域またはドレイン領域1、ゲート電極2からなるトランジスタが集積化された半導体基板上の全面を覆う保護絶縁膜3と耐酸化性のある絶縁性バリア膜4を有する。次に、保護絶縁膜3と絶縁性バリア膜4を貫通するコンタクトプラグ5を有する。次に、コンタクトプラグ5の上方に接続されたCVD法で堆積された窒化チタンである導電性バリア膜6と、さらに、上方に窒化チタンアルミニウムである導電性酸素バリア膜7を有し、導電性酸素バリア膜7上に下方から順にイリジウム、イリジウム酸化物、プラチナの積層膜からなる下部電極8を有する。窒化チタンである導電性バリア膜6、窒化チタンアルミニウムである導電性酸素バリア膜7の膜厚は各々40nmから60nmの範囲であり、イリジウム、イリジウム酸化物、プラチナの膜厚は各々50nmから100nmの範囲である。次に、導電性バリア膜6と導電性酸素バリア膜7および下部電極8の側壁を覆うように、電気的に絶縁する埋め込み絶縁膜9を有し、この埋め込み絶縁膜9の表面は平坦化されており、下部電極8の表面と同じ高さになっている。次に、下部電極8の上にはSrBi2Ta2O9からなるペロブスカイト構造の容量絶縁膜10を有し、さらに容量絶縁膜10の上にはプラチナからなる上部電極11を有する。その時のSrBi2Ta2O9、プラチナの膜厚は各々100nmから150nmの範囲である。この上部電極11上にレジストパターンを形成後、ドライエッチング法により、容量絶縁膜10、上部電極11を埋め込み絶縁膜9の上面もしくは下部電極8の上面の位置までパターンエッチングする。最後に、上部電極11の上面およびエッチングで露出している容量絶縁膜10、上部電極11の各々側壁に絶縁性水素バリアメタル膜12を有する。この絶縁性水素バリアメタル膜12は酸化チタンアルミニウムで構成され、その時の膜厚は5nmから15nmの範囲である。
【0032】
また、図2は本発明の第1の実施形態における半導体記憶装置の製造方法の工程断面図である。
【0033】
図2(a)に示すように、ソース領域またはドレイン領域1およびゲート電極2からなるトランジスタが集積化された半導体基板上の全面を覆うように保護絶縁膜3と耐酸化性のある絶縁性バリア膜4を形成し、CMP法等を用いて平坦化する。次に、保護絶縁膜3と絶縁性バリア膜4にトランジスタのソース領域またはドレイン領域1に接続されたコンタクトホールをドライエッチングにより形成した後、コンタクトホール内にタングステンまたはポリシリコンからなるコンタクトプラグ5をCVD法とエッチバック法またはCVD法とCMP法との組み合わせで、堆積かつ平坦化形成する。次に、絶縁性バリア膜4上に露出しているコンタクトプラグ5上に、四塩化チタンとアンモニアのガスを用いたCVD法で、窒化チタンである導電性バリア膜6を堆積し、引き続き導電性バリア膜6の表面を同一のチャンバー内でのアンモニアによるプラズマ処理を施した後、またはフッ化水素酸水溶液で導電性バリア膜6の表面を軽くエッチングした後、窒化チタンアルミニウムである導電性酸素バリア膜7をスパッタリング法で堆積する。さらに導電性酸素バリア膜7上に下方から順にイリジウム、イリジウム酸化物、プラチナの積層膜からなる下部電極8をスパッタリング法で堆積し、ドライエッチング法によりパターニングする。なお、窒化チタンである導電性バリア膜6、窒化チタンアルミニウムである導電性酸素バリア膜7の膜厚は各々40nmから60nmの範囲であり、イリジウム、イリジウム酸化物、プラチナの膜厚は各々50nmから100nmの範囲である。次に、導電性バリア膜6と導電性酸素バリア膜7の側壁および下部電極8の側壁と上面を覆うように、電気的に絶縁するプラズマTEOSの埋め込み絶縁膜9を形成する。なお、埋め込み絶縁膜9の膜厚は400nmから600nmの範囲である。
【0034】
次に、図2(b)に示すように、埋め込み絶縁膜9を下部電極8の表面を露出させるまでCMP法により研磨し、この埋め込み絶縁膜9を下部電極8の表面と同一の高さに平坦化形成する。次に、図2(c)に示すように、膜厚が100nmから150nmの範囲内であるビスマス層状ペロブスカイト構造を有するSrBi2Ta2O9からなる容量絶縁膜10を有機金属分解法(MOD法)、有機金属化学的気相成膜法(MOCVD法)またはスパッタリング法によりウエハー全面に堆積し、更に容量絶縁膜10の上に、プラチナからなる上部電極11をスパッタリング法によりウエハー全面に堆積する。次に、容量絶縁膜10を結晶化するために、酸素雰囲気で650℃から800℃の範囲で熱処理を行う。次に、図2(d)に示すように、この上部電極11上にレジストパターンを形成後、ドライエッチング法により、容量絶縁膜10、上部電極11を埋め込み絶縁膜9の上面もしくは下部電極8の上面の位置までパターンエッチングする。最後に、図2(e)に示すように上部電極11の上面およびエッチングで露出している容量絶縁膜10、上部電極11の各々側壁に酸化チタンアルミニウムからなる絶縁性水素バリアメタル膜12をCVD法またはスパッタ法により堆積する。この絶縁性水素バリアメタル膜12は酸化チタンアルミニウムで構成され、その時の膜厚は5nmから15nmの範囲である。なお、埋め込み絶縁膜9の上面に位置する絶縁性水素バリア膜12は、容量素子以外の領域、例えばソース領域、ドレイン領域1へのコンタクトホールを形成する領域は、エッチングにより除去してもよい。
【0035】
以上のように上記の第1の実施形態による半導体記憶装置およびその製造方法によれば、コンタクトプラグ5の上方側壁を耐酸化性のある絶縁性バリア膜4で覆い、かつ全ての容量素子を絶縁性水素バリア膜12で覆うことができる構造を用いることにより、容量素子形成以降の工程の熱処理において、埋め込み絶縁膜9を通じて拡散してくる酸素を絶縁性バリア膜4で抑制できる構造を有しており、コンタクトプラグ5の上面の酸化を防止できる。かつ高温酸素雰囲気における酸化物誘電体層である容量絶縁膜10の結晶化熱処理において、酸素が柱状構造を有する上部電極11および下部電極8の粒界を容易に拡散できるため、下部電極8の下方にある導電性酸素バリア膜7が酸化されてしまう。本発明は導電性バリア膜6の表面をプラズマ処理または化学エッチングすることで表面結晶構造を非晶質化して、この非晶質化された表面に導電性酸素バリア膜7を堆積することで、細かい粒界を持たない酸化チタンアルミニウム合金が形成される。従って、容易に酸化される窒化チタンを有する導電性バリア膜6の酸化を防止し、かつ柱状構造を有する導電性バリア膜6を通じて拡散してくる酸素を、上方の導電性酸素バリア膜7で抑制することで、コンタクトプラグ5の上面の酸化を防止できる。
【0036】
ここで、従来法による半導体記憶装置と本発明による半導体記憶装置の特性比較を行った結果を述べる。
【0037】
まず、コンタクトサイズが0.24μm径における8インチシリコンウエハー面内全点でのコンタクト抵抗の測定結果を図3に示す。なお、コンタクト抵抗はコンタクトプラグ5と下部電極8間の測定値である。まず、従来法の場合にはコンタクト抵抗が1000Ωから8000Ωまでばらついた。これは、前記のように下部電極8の下方の導電性酸素バリア膜7と導電性バリア膜6が、高誘電体や強誘電体の結晶化に必要な高温の酸素熱処理により耐酸化性が劣化し、酸素が下部電極8と導電性酸素バリア膜7および導電性バリア膜6の膜中を拡散し、コンタクトプラグ5の上面を酸化したと考える。一方、本実施形態の場合には、シリコンウエハー面内全点でのコンタクト抵抗が1300Ωから2000Ωの範囲であり、非常にばらつきも少なくかつ低抵抗化を実現できた。
【0038】
また、コンタクトサイズを変化させた時のコンタクト抵抗の測定結果を図4に示す。なお、コンタクト抵抗はコンタクトプラグ5と下部電極8間の測定値である。従来法の場合には、800℃、1分での酸素熱処理により、コンタクトサイズが0.24μm径以下になるとコンタクト抵抗が急激に上昇し、コンタクトサイズが0.25μm径以上ではコンタクト抵抗が4500Ω近傍にあり、全体的にコンタクト抵抗が高いことがわかる。これは、前記のように下部電極8の下方の導電性酸素バリア膜7と導電性バリア膜6が、高誘電体や強誘電体の結晶化に必要な高温の酸素熱処理により耐酸化性が劣化し、酸素が下部電極8と導電性酸素バリア膜7および導電性バリア膜6の膜中を拡散し、コンタクトプラグ5の上面を酸化したと考える。一方、本実施形態の場合にはコンタクトサイズによらずコンタクト抵抗が1000Ω以下であり、コンタクト抵抗が低く抑えられていることが確認された。
【0039】
ここで、本発明の第1の実施形態による800℃、1分での高温の酸素熱処理後の下部電極部におけるオージェ電子分光分析による酸素の深さ方向分布を図5に示す。導電性バリア膜に相当する窒化チタン層の表面処理を施さない場合の深さ方向分布13であり、窒化チタン層の表面を化学エッチング処理した場合の深さ方向分布14であり、また窒化チタン層の表面をプラズマ処理した場合の深さ方向分布15である。導電性バリア膜に相当する窒化チタン層の表面処理を施さない場合は、窒化チタンアルミニウム層と下方の窒化チタン層共に膜中全体が酸化していた。一方、窒化チタン層の表面を化学エッチング処理またはプラズマ処理した場合は、窒化チタンアルミニウム層の表面近傍で酸素の拡散が止まっていることが確認された。そして、化学エッチング処理した場合の深さ方向分布14とプラズマ処理した場合の深さ方向分布15を比較すると、プラズマ処理した場合の方が窒化チタンアルミニウム層の表面近傍の酸化度合いが少ないことが確認された。
【0040】
さらに、その時のX線回折による結晶構造を図6に示す。導電性バリア膜に相当する窒化チタン層の表面処理を施さない場合の結晶構造16と窒化チタン層の表面処理をした場合の結晶構造17を比較すると、窒化チタン層の表面処理を施さない場合は、窒化チタン層の上方の窒化チタンアルミニウム膜中にはTiAl3N結晶面が存在しており、この結晶構造を持つことで窒化チタンアルミニウム膜中に多数の結晶粒界が存在している可能性があり、この結晶粒界を通じて、高温の酸素熱処理時に酸素が拡散してくると推測される。なお、TiN結晶面は導電性バリア膜に相当する窒化チタン層から主に検出されていると考える。
【0041】
次に、本発明の第1の実施形態による窒化チタン層の表面処理をした後の導電性酸素バリア膜である窒化チタンアルミニウム膜中に添加されているアルミニウム量を変化させた場合での酸素熱処理における窒化チタンアルミニウム耐酸化性評価結果を図7および図8を参照しながら説明する。
【0042】
図7は本発明の実施形態における酸素熱処理温度に対するオージェ電子分光分析による窒化チタンアルミニウム表面の酸化膜厚であり、図8は本発明の実施形態における窒化チタンアルミニウム表面酸化に関するアレニウスプロットである。なお、図8に記載のdは酸化膜厚であり、tは熱処理時間である。窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が20atomic%の場合は各々18、19であり、窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が40atomic%の場合は各々20、21である。
【0043】
図7より、窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が20atomic%の場合18と窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が40atomic%の場合20を比較すると、各熱処理温度に対する酸化膜厚は、窒化チタンアルミニウム膜中のアルミニウム含有量が多いと、小さい傾向にあると考える。図8より、窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が20atomic%の場合19および窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が40atomic%の場合21における活性化エネルギーEaを▲2▼式を用いて各々算出すると、Al原子量/(Al原子量+Ti原子量)が40atomic%の場合の活性化エネルギーEa(1.33eV)は、Al原子量/(Al原子量+Ti原子量)が20atomic%の場合の活性化エネルギーEa(0.84eV)の約1.6倍であり、文献(Y.Matsui,J.Vac.Sci.Technol.A20(3),605(2002))の約1.5倍と概ね一致することが確認された。従って、窒化チタンアルミニウム膜中のアルミニウム含有量が多くなると耐酸化性が増すと考える。
【0044】
次に、本発明の第1の実施形態による導電性バリア膜はCVD法で窒化チタン膜を堆積するので、窒化チタン膜中には塩素が残留する。X線光電子分光分析による堆積温度に対する窒化チタン膜中の塩素含有量を図9に示す。窒化チタン膜の表面処理を施さない場合の膜中の塩素含有量22と窒化チタン膜の表面をプラズマ処理した場合の膜中の塩素含有量23を比較すると、窒化チタン膜の表面をプラズマ処理した場合は、窒化チタン膜の表面処理を施さない場合よりも膜中の塩素含有量が少ないことがわかる。また、堆積温度が高くなるにつれて、窒化チタン膜の表面処理を施さない場合の膜中の塩素含有量を減少傾向にあり、窒化チタン膜の表面をプラズマ処理することで、堆積温度に関わらずに膜中の塩素含有量が2atomic%以下であることが確認された。即ち、CVD法かつプラズマ処理無しで堆積した窒化チタンである導電性バリア膜中の残留塩素は、高温の酸素熱処理で上層に拡散し、窒化チタンアルミニウムである導電性酸素バリア膜中のアルミニウムの腐食する可能性を含んでいる。従って、本発明のプラズマ処理により腐食によるコンタクト不良を防止できると考える。
【0045】
次に、本発明の第1の実施形態による導電性酸素バリア膜である窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が50atomic%以下で最適であると文献(F.Esaka,Surf.Interface Anal.27,1098(1999))で言われている。窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が50atomic%以下において、酸素拡散をブロックするメカニズムとして、窒化チタンアルミニウム膜の表面に熱拡散してくる酸素原子と、窒化チタンアルミニウム膜中の結晶構造に関与しない比較的動きやすいアルミニウム原子が、窒化チタンアルミニウム膜の表層に移動することで、この表層に酸化アルミニウム層が形成され、後から熱拡散してくる酸素をこの酸化アルミニウム層でブロックする。また、この前記文献によると、窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が65atomic%の場合、窒化チタンアルミニウム膜の表層は酸化アルミニウムと酸化チタンが入り乱れた状態にあり、耐酸化性のある酸化アルミニウム層が均一に存在しないために、後から熱拡散してくる酸素をブロックできないと推察される。
【0046】
ここで、本発明の第1の実施形態による800℃、1分での高温の酸素熱処理後の導電性酸素バリア膜である窒化チタンアルミニウム膜におけるX線光電子分光分析による深さ方向分布を図10に示す。図10は窒化チタンアルミニウム膜中のAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)が60atomic%の際の800℃、1分での酸素雰囲気中熱処理後のアルミニウムの深さ方向分布24、チタンの深さ方向分布25、酸素の深さ方向分布26を示す。導電性酸素バリア膜の上に、下方より順に酸化チタン層および酸化アルミニウム層の二層構造が高温の酸素熱処理によって形成されることが確認された。従って、本発明の第1の実施形態における導電性酸素バリア膜である窒化チタンアルミニウム膜は、堆積初期状態として非晶質な構造を持ち、かつ含有されているAl原子量/(Al原子量+Ti原子量)は60atomic%以下であり、800℃以下の酸素雰囲気中熱処理後でも導電性酸素バリア膜の上に、下方より順に酸化チタン層および酸化アルミニウム層の二層構造を有していることが確認された。
【0047】
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照しながら概要を説明する。
【0048】
図11は本発明の第2の実施形態における半導体記憶装置の製造方法の工程断面図である。図11(a)に示すように、ソース領域またはドレイン領域1およびゲート電極2からなるトランジスタが集積化された半導体基板上の全面を覆うように保護絶縁膜3と耐酸化性のある絶縁性バリア膜4を形成し、CMP法等を用いて平坦化する。次に、保護絶縁膜3と絶縁性バリア膜4にトランジスタのソース領域またはドレイン領域1に接続されたコンタクトホールをドライエッチングにより形成した後、コンタクトホール内にタングステンまたはポリシリコンからなるコンタクトプラグ5をCVD法とエッチバック法またはCVD法とCMP法との組み合わせで、堆積かつ平坦化形成する。次に、絶縁性バリア膜4上に露出しているコンタクトプラグ5上に、四塩化チタンとアンモニアのガスを用いたCVD法で、窒化チタンである導電性バリア膜6を堆積し、引き続き導電性バリア膜6の表面を同一のチャンバー内でのアンモニアによるプラズマ処理を施した後、またはフッ化水素酸水溶液で導電性バリア膜6の表面を軽くエッチングした後、窒化チタンアルミニウムである導電性酸素バリア膜7をスパッタリング法で堆積する。さらに導電性酸素バリア膜7上に下方から順にイリジウム、イリジウム酸化物、プラチナの積層膜からなる下部電極8をスパッタリング法で堆積し、ドライエッチング法によりパターニングする。なお、窒化チタンである導電性バリア膜6、窒化チタンアルミニウムである導電性酸素バリア膜7の膜厚は各々40nmから60nmの範囲であり、イリジウム、イリジウム酸化物、プラチナの膜厚は各々50nmから100nmの範囲である。次に、導電性バリア膜6と導電性酸素バリア膜7の側壁および下部電極8の側壁と上面を覆うように、電気的に絶縁するプラズマTEOSの埋め込み絶縁膜9を形成する。なお、埋め込み絶縁膜9の膜厚は400nmから600nmの範囲である。
【0049】
次に、図11(b)に示すように、埋め込み絶縁膜9を下部電極8の表面を露出させるまでCMP法により研磨し、この埋め込み絶縁膜9を下部電極8の表面と同一の高さに平坦化形成する。次に、図11(c)に示すように、膜厚が100nmから150nmの範囲内であるビスマス層状ペロブスカイト構造を有するSrBi2Ta2O9からなる容量絶縁膜10を有機金属分解法(MOD法)、有機金属化学的気相成膜法(MOCVD法)またはスパッタリング法によりウエハー全面に堆積し、更に容量絶縁膜10の上に、プラチナからなる上部電極11をスパッタリング法によりウエハー全面に堆積する。次に、容量絶縁膜10を結晶化するために、酸素雰囲気で650℃から800℃の範囲で熱処理を行う。次に、この上部電極11上にレジストパターンを形成後、ドライエッチング法により、容量絶縁膜10、上部電極11を埋め込み絶縁膜9の上面もしくは下部電極8の上面の位置までパターンエッチングする。次に、図11(d)に示すように容量絶縁膜10および上部電極11の側壁と上面を覆うように、電気的に絶縁するプラズマTEOSの層間絶縁膜11aを堆積する前に、埋め込み絶縁膜9の表面を窒素プラズマ処理した後に層間絶縁膜11aを堆積する。なお、層間絶縁膜11aの膜厚は400nmから600nmの範囲である。最後に、図11(e)に示すように再度、層間絶縁膜11aの表面を窒素プラズマ処理した後に、層間絶縁膜11a上方に酸化チタンアルミニウムからなる絶縁性水素バリアメタル膜12をCVD法またはスパッタ法により堆積する。この絶縁性水素バリアメタル膜12は酸化チタンアルミニウムで構成され、その時の膜厚は5nmから15nmの範囲である。なお、層間絶縁膜11aの上面に位置する絶縁性水素バリア膜12は、容量素子以外の領域、例えばソース領域、ドレイン領域1へのコンタクトホールを形成する領域は、エッチングにより除去してもよい。
【0050】
以上のように埋め込み絶縁膜9および層間絶縁膜11の表面を窒素プラズマ処理することで、その絶縁膜中に残留している水素および水分を追い出し、容量素子形成以降の工程における配線形成での必要な熱処理により、埋め込み絶縁膜9および層間絶縁膜11から発生する水素および水分の量を減らすことで、強誘電体である容量絶縁膜10の特性劣化を防止できる。
【0051】
ここで、本発明の第2の実施形態による容量素子の電気特性結果を図12に示す。図12は容量素子形成以降で必要な配線工程における400℃の水素シンタを行った後の容量素子の残留分極(Pr)を評価した結果である。図12に示すように、本発明の層間絶縁膜の表面に窒素プラズマ処理を行った残留分極は、従来の窒素プラズマ処理を行わない方法に比べて、5回の繰返し測定により初期の残留分極が約2〜3μC/cm2大きいことが確認された。
【0052】
次に、本発明の第2の実施形態においてプラズマTEOS膜をシリコン基板上に堆積する。昇温脱離ガス分析によるプラズマTEOS膜中からの水素脱離スペクトルを図13に示し、昇温脱離ガス分析によるプラズマTEOS膜中からの水分脱離スペクトルを図14に示す。
【0053】
図13に示すように、プラズマTEOS膜の表面に対して、窒素プラズマ処理を行わない時の水素脱離スペクトル27に比べて、窒素プラズマ処理を行った時の水素脱離スペクトル28の脱離量は、室温〜約540℃の領域で減少していることが確認された。
【0054】
また図14に示すように、プラズマTEOS膜の表面に対して、窒素プラズマ処理を行わない時の水分の脱離スペクトル29に比べて、窒素プラズマ処理を行った時の水分脱離スペクトル30の脱離量は、室温〜約480℃の領域で減少していることも確認された。即ち、プラズマTEOS膜の表面を窒素プラズマ処理することで、この膜中に残留している水素および水分の量を低減できることが分かった。
【0055】
また、プラズマTEOS膜の表面には極薄の窒素を含んだシリコン酸化層が形成されていると予想され、プラズマTEOS膜の上に、スパッタリング法で堆積したCu膜におけるオージェ電子分光分析による深さ方向分布を図15に示す。
【0056】
図15に示すように、プラズマTEOS膜の表面に対して、窒素プラズマ処理を行わないCu深さ方向分布31は、窒素プラズマ処理を行ったCu深さ方向分布32に比べて、深さ方向に分布が広がっており、窒素プラズマ処理された表面はCuの拡散をブロックする役目があると考える。また、X線光電子分光分析で測定したプラズマTEOS膜の表面における窒素プラズマ処理有無に関する表面組成を表1に示す。表1に示すように、窒素プラズマ処理されたプラズマTEOS膜の表面には、4.5atomic%の窒素を含んだシリコン酸化層が存在することが確認された。
【0057】
【表1】
ここで、本実施形態においては、導電性酸素バリア膜を堆積する前に、下地膜となる導電性バリア膜の表面をプラズマ処理または化学エッチング処理で改質することにより、この下地膜の上方に堆積される導電性酸素バリア膜の耐酸化性が向上するものであり、また埋め込み絶縁膜および層間絶縁膜の表面を窒素プラズマ処理することで、その絶縁膜中に残留している水素および水分を低減できることは、上記実施形態で説明した様態に限られるものではない。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、本発明の容量素子、半導体記憶装置およびその製造方法によれば、下部電極の上方向から拡散してくる酸素および導電性バリア膜中から拡散してくる塩素を抑制するために、導電性バリア膜を改質することで、上方に堆積される導電性酸素バリア膜の耐酸化性を向上し、強誘電体を含む容量絶縁膜の結晶化において十分な酸素を容量絶縁膜に供給でき、かつ導電性バリア膜と接するコンタクトの不良を防止できる。また強誘電体である容量絶縁膜の周辺を覆う層間絶縁膜中に残留する水素および水分の量を低減することで、誘電体特性の劣化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による半導体記憶装置の主要部断面図
【図2】本発明の第1の実施形態における半導体記憶装置の製造方法の工程断面図
【図3】本発明の第1の実施形態におけるウエハー面内全点でのコンタクト抵抗の測定結果を示す図
【図4】本発明の第1の実施形態におけるコンタクトサイズを変化させた時のコンタクト抵抗の測定結果を示す図
【図5】本発明の第1の実施形態におけるオージェ電子分光分析による酸素の深さ方向分布を示す図
【図6】本発明の第1の実施形態におけるX線回折による結晶構造を示す図
【図7】本発明の第1の実施形態における窒化チタンアルミニウム表面の酸化膜厚を示す図
【図8】本発明の第1の実施形態における窒化チタンアルミニウム表面酸化に関するアレニウスプロットを示す図
【図9】本発明の第1の実施形態におけるX線光電子分光分析による堆積温度に対する窒化チタン膜中の塩素含有量を示す図
【図10】本発明の第1の実施形態における窒化チタンアルミニウム膜におけるX線光電子分光分析による深さ方向分布を示す図
【図11】本発明の第2の実施形態における半導体記憶装置の製造方法の工程断面図
【図12】本発明の第2の実施形態における400℃の水素シンタを行った後の容量素子の残留分極を示す図
【図13】本発明の第2の実施形態におけるTEOS膜中からの水素脱離スペクトルを示す図
【図14】本発明の第2の実施形態におけるTEOS膜中からの水分脱離スペクトルを示す図
【図15】本発明の第2の実施形態におけるCu膜におけるオージェ電子分光分析による深さ方向分布を示す図
【図16】従来の半導体記憶装置の主要部断面図
【図17】従来の半導体記憶装置の製造方法による不良発生メカニズムの説明図
【図18】従来の半導体記憶装置の製造方法による不良発生メカニズムの説明図
【図19】従来の半導体記憶装置の製造方法による不良発生メカニズムの説明図
【符号の説明】
1 ソース領域またはドレイン領域
2 ゲート電極
3 保護絶縁膜
4 絶縁性バリア膜
5 コンタクトプラグ
6 導電性バリア膜
7 導電性酸素バリア膜
8 下部電極
9 埋め込み絶縁膜
10 容量絶縁膜
11 上部電極
11a 層間絶縁膜
12 絶縁性水素バリア膜
13 表面処理を施さない場合の深さ方向分布
14 プラズマ処理した場合の深さ方向分布
15 化学エッチング処理した場合の深さ方向分布
16 表面処理を施さない場合の結晶構造
17 表面処理した場合の結晶構造
18 Al原子量/(Al原子量+Ti原子量)が20atomic%の場合
19 Al原子量/(Al原子量+Ti原子量)が20atomic%の場合
20 Al原子量/(Al原子量+Ti原子量)が40atomic%の場合
21 Al原子量/(Al原子量+Ti原子量)が40atomic%の場合
22 表面処理を施さない場合の膜中の塩素含有量
23 プラズマ処理した場合の膜中の塩素含有量
24 アルミニウムの深さ方向分布
25 チタンの深さ方向分布
26 酸素の深さ方向分布
27 窒素プラズマ処理を行わない時の水素脱離スペクトル
28 窒素プラズマ処理を行った時の水素脱離スペクトル
29 窒素プラズマ処理を行わない時の水分脱離スペクトル
30 窒素プラズマ処理を行った時の水分脱離スペクトル
31 窒素プラズマ処理を行わないCu深さ方向分布
32 窒素プラズマ処理を行ったCu深さ方向分布
Claims (16)
- ソース領域、ドレイン領域およびゲート電極からなるトランジスタが形成された半導体基板上に、前記ソース領域またはドレイン領域に接続されたコンタクトプラグと、前記コンタクトプラグ上に下方より順に導電性バリア膜と、前記導電性バリア膜の上に導電性酸素バリア膜と、さらに前記導電性酸素バリア膜の上に下部電極が形成され、さらに前記下部電極上の強誘電体あるいは高誘電体からなる容量絶縁膜および上部電極からなる容量素子が形成された半導体記憶装置において、前記導電性バリア膜の表面がプラズマ処理されていることを特徴とする半導体記憶装置。
- ソース領域、ドレイン領域およびゲート電極からなるトランジスタが形成された半導体基板上に、前記ソース領域またはドレイン領域に接続されたコンタクトプラグと、前記コンタクトプラグ上に下方より順に導電性バリア膜と、前記導電性バリア膜の上に導電性酸素バリア膜と、さらに前記導電性酸素バリア膜の上に下部電極が形成され、さらに前記下部電極上の強誘電体あるいは高誘電体からなる容量絶縁膜および上部電極からなる容量素子が形成された半導体記憶装置において、前記導電性バリア膜の表面が化学エッチング処理されていることを特徴とする半導体記憶装置。
- 半導体基板上に、ソース領域、ドレイン領域およびゲート電極からなるトランジスタを形成する工程と、前記半導体基板上に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜中に前記ソース領域またはドレイン領域に接続するコンタクトプラグを形成する工程と、前記コンタクトプラグ上に下方より順に導電性バリア膜、導電性酸素バリア膜を形成する工程と、前記導電性酸素バリア膜上に下方より順に下部電極、強誘電体あるいは高誘電体からなる容量絶縁膜および上部電極とで構成される容量素子を形成する工程を備え、前記導電性バリア膜形成後に、該導電性バリア膜の表面をプラズマ処理することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
- 請求項2に記載の半導体記憶装置において、前記コンンタクトプラグ上に形成された前記導電性バリア膜の表面が化学エッチング処理されていることを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
- 請求項3に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性バリア膜は、チタン、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル、チタンアルミニウム、タンタルアルミニウムのいずれか一つから選択されており、前記導電性バリア膜の表面をプラズマ処理した上で、前記導電性バリア膜の上に前記導電性酸素バリア膜を形成することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
- 請求項4に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性バリア膜は、チタン、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル、チタンアルミニウム、タンタルアルミニウムのいずれか一つが選択されて、前記導電性バリア膜の表面を化学エッチング処理した上で、前記導電性バリア膜の上に前記導電性酸素バリア膜を形成することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
- 請求項3に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性バリア膜の表面をプラズマ処理する際は、水素とアンモニアおよびアルゴン、窒素からなる混合ガスまたは、いずれか一つを選択したガスを用いたチャンバー雰囲気で、前記導電性バリア膜の表面をプラズマ処理した上で、前記導電性バリア膜の上に前記導電性酸素バリア膜を形成することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
- 請求項4に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性バリア膜の表面を化学エッチング処理する際は、フッ化水素酸水溶液で前記導電性バリア膜の表面を化学エッチング処理した上で、前記導電性バリア膜の上に前記導電性酸素バリア膜を形成することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
- 請求項3、4に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性酸素バリア膜は窒化チタンアルミニウムを有することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
- 請求項3に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性酸素バリア膜は窒化チタンアルミニウムであり、前記導電性バリア膜の表面をプラズマ処理した上で、前記導電性酸素バリア膜が形成されており、前記導電性バリア膜中に塩素が含有されていないことを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
- 請求項3、4に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性酸素バリア膜である窒化チタンアルミニウム膜中には、TiAl3N、Ti3AlN、Ti2AlN、Ti3Al2N結晶構造のいずれか一つを含有していないことを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
- 請求項3、4に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記下部電極の上に形成された強誘電体あるいは高誘電体からなる容量絶縁膜を高温酸素雰囲気で結晶化することにより、前記導電性酸素バリア膜と上方の前記下部電極の界面に新たに形成された層には、前記導電性酸素バリア膜の上に、下方より順に酸化チタン層および酸化アルミニウム層の二層構造を有することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
- 請求項12に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記高温酸素雰囲気での結晶化は、約800℃以下の酸素雰囲気中で熱処理を行うことを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
- 請求項12に記載の半導体記憶装置の製造方法において、前記導電性酸素バリア膜である窒化チタンアルミニウム膜中に含有されているアルミニウム原子量/(チタン原子量+アルミニウム原子量)は、約60atomic%以下を含有していることを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
- ソース領域、ドレイン領域およびゲート電極からなるトランジスタが形成された半導体基板上に、前記ソース領域またはドレイン領域に接続されたコンタクトプラグと、前記コンタクトプラグ上に下部電極が形成され、さらに前記下部電極上の強誘電体あるいは高誘電体からなる容量絶縁膜および上部電極からなる容量素子が形成され、前記容量素子の周囲を覆う層間絶縁膜が形成された半導体記憶装置において、前記層間絶縁膜の表面が窒素プラズマ処理されて窒素を含んだシリコン酸化層を有することを特徴とする半導体記憶装置。
- 半導体基板上に、ソース領域、ドレイン領域およびゲート電極からなるトランジスタを形成する工程と、前記半導体基板上に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜中に前記ソース領域またはドレイン領域に接続するコンタクトプラグを形成する工程と、前記コンタクトプラグ上に下方より順に下部電極、強誘電体あるいは高誘電体からなる容量絶縁膜および上部電極とで構成される容量素子を形成する工程と、前記容量素子の周囲を覆う層間絶縁膜を形成する工程とを備え、前記層間絶縁膜を形成した直後、前記層間絶縁膜の表面を窒素プラズマ処理することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
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US7927889B2 (en) | 2007-02-19 | 2011-04-19 | Seiko Epson Corporation | Method for manufacturing ferroelectric memory device and ferroelectric memory device |
JP2011091456A (ja) * | 2011-02-08 | 2011-05-06 | Fujitsu Semiconductor Ltd | 半導体装置の製造方法 |
JP2011129941A (ja) * | 2011-01-24 | 2011-06-30 | Oki Semiconductor Co Ltd | アモルファス膜を備える半導体装置、及び半導体装置の製造方法 |
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2003
- 2003-06-02 JP JP2003156414A patent/JP2004363151A/ja active Pending
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