JP2004363141A - 金属用研磨液及び研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エッチング速度及びエッジコロージョンを抑制しつつ、研磨速度を充分上昇させ、金属表面の腐食とディッシングの発生を抑制し、信頼性の高い金属膜の埋め込みパターン形成を可能とする金属用研磨液を提供する。
【解決手段】銅或いは銅合金及び白金を浸漬した場合の白金に対する銅或いは銅合金の電極電位が+50mV以下で、銅或いは銅合金のエッチング速度が10nm/min以下である金属用研磨液であって、好ましくは、酸化剤、酸化金属溶解剤、金属防食剤、銅或いは銅合金の電位を低下させることのできる化合物及び水を含有する。
【選択図】 なし
【解決手段】銅或いは銅合金及び白金を浸漬した場合の白金に対する銅或いは銅合金の電極電位が+50mV以下で、銅或いは銅合金のエッチング速度が10nm/min以下である金属用研磨液であって、好ましくは、酸化剤、酸化金属溶解剤、金属防食剤、銅或いは銅合金の電位を低下させることのできる化合物及び水を含有する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイスの配線工程に有用な金属用研磨液及びそれを用いた研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路(LSI)の高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(CMP)法もその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線形成において頻繁に利用される技術である。この技術は、例えば米国特許No.4944836号明細書に開示されている。
【0003】
近年、LSIを高性能化するために、配線材料として銅合金の利用が試みられている。しかし、銅合金は従来のアルミニウム合金配線の形成で頻繁に用いられたドライエッチング法による微細加工が困難である。そこで、あらかじめ溝を形成してある絶縁膜上に銅合金薄膜を堆積して埋め込み、溝部以外の銅合金薄膜をCMPにより除去して埋め込み配線を形成する、いわゆるダマシン法が主に採用されている。この技術は、例えば特開平2−278822号公報に開示されている。
一方、配線の銅或いは銅合金等の下層には、層間絶縁膜中への銅拡散防止のためにバリア層として、タングステン、窒化タングステン、タングステン合金及びその他のタングステン化合物等が形成される。したがって、銅或いは銅合金を埋め込む配線部分以外では、露出したバリア層をCMPにより取り除く必要がある。
【0004】
金属のCMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を金属用研磨液で浸し、基体の金属膜を形成した面を押し付けて、その裏面から所定の圧力(研磨圧力或いは研磨荷重)を加えた状態で研磨定盤を回し、研磨液と金属膜の凸部との機械的摩擦によって凸部の金属膜を除去するものである。
【0005】
CMPに用いられる金属用研磨液は、一般には酸化剤及び固体砥粒からなっており必要に応じてさらに酸化金属溶解剤、金属防食剤が添加される。まず酸化によって金属膜表面を酸化し、その酸化層を固体砥粒によって削り取るのが基本的なメカニズムと考えられている。凹部の金属表面の酸化層は研磨パッドにあまり触れず、固体砥粒による削り取りの効果が及ばないので、CMPの進行とともに凸部の金属層が除去されて基体表面は平坦化される。この詳細についてはジャーナル・オブ・エレクトロケミカルソサエティ誌(Journal of Electrochemical Society)の第138巻11号(1991年発行)の3460〜3464頁に開示されている。
【0006】
CMPにおける問題点として、金属膜表面の溶解(以下、エッチングという。)が挙げられる。凹部の金属膜表面の酸化層もエッチングされて金属膜表面が露出すると、酸化剤によって金属膜表面がさらに酸化され、これが繰り返されると凹部の金属膜のエッチングが進行してしまい、埋め込まれた金属配線の表面中央部分が等方的に腐食されて皿の様に窪む現象(ディッシング)が懸念される。また、エッチングにより金属表面の荒れ(コロージョン)も生じることがある。これらを防ぐためにエッチングを抑制することのできる金属防食剤が添加される。また、ディッシングや研磨中の銅合金の腐食を抑制し、信頼性の高いLSI配線を形成するために、グリシン等のアミノ酢酸又はアミド硫酸からなる酸化金属溶解剤及びBTA(ベンゾトリアゾール)を含有する金属用研磨液を用いる方法が提唱されている。この技術は例えば特許文献1に記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−83780号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、金属用研磨液に金属防食剤を添加することにより、研磨速度が低下することがある。
また、金属用研磨液中で銅或いは銅合金等の配線金属層とタングステン等のバリア層とが接することにより銅或いは銅合金とバリア層で生じた電位差により電流が流れ、銅或いは銅合金もしくはバリア層がエッチングされる(エッジコロージョン)といった問題も生じる。特にバリア層が失われた場合、銅或いは銅合金が絶縁膜中に拡散する可能性があり、抑制が望まれている。
エッジコロージョンは金属用研磨液中で銅或いは銅合金とバリア層間で電位差が生じ、電流が流れることで起こると考えられている。よって、エッジコロージョンを抑制するためには銅或いは銅合金とバリア層間の電位差を減らす事が必要であるが、一般にバリア層は銅或いは銅合金よりも電位が低いために銅或いは銅合金の電位を下げることが有効である。しかし、銅或いは銅合金の電位を下げた場合、一般に銅或いは銅合金のエッチング速度が増大する。このため、銅或いは銅合金とバリア層間の電位差と、銅或いは銅合金のエッチング速度とがともに低い金属用研磨液が望まれていた。
【0009】
本発明は、エッチング速度及びエッジコロージョンを抑制しつつ、研磨速度を充分上昇させ、金属表面の腐食とディッシングの発生を抑制し、信頼性の高い金属膜の埋め込みパターン形成を可能とする金属用研磨液を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、エッチング速度を低く保ちつつ、研磨速度を充分上昇させ、金属表面の腐食とディッシングの発生を抑制し、信頼性の高い金属膜の埋め込みパターン形成を生産性、作業性、歩留まり良く、行うことのできる研磨方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の(1)〜(13)の金属用研磨液に関する。
(1) 銅或いは銅合金及び白金を浸漬した場合の銅或いは銅合金の白金に対する電極電位が+50mV以下で、銅或いは銅合金のエッチング速度が10nm/min以下である金属用研磨液。
【0012】
(2) 酸化剤、酸化金属溶解剤、金属防食剤、銅或いは銅合金の電位を低下させることのできる化合物及び水を含有する前記(1)記載の金属用研磨液。
【0013】
(3) 前記銅或いは銅合金の電位を低下させることのできる化合物がアルキルベンゼン化合物である前記(2)記載の金属用研磨液。
(4) 前記アルキルベンゼン化合物が下記一般式(I)
【化2】
(式中、RはC8〜C13のアルキル鎖を示す。)で表される化合物及びその塩から選ばれる前記(3)記載の金属用研磨液。
(5) 前記アルキルベンゼン化合物が、ドデシルベンゼンスルホン酸もしくはその塩である前記(3)または(4)記載の金属用研磨液。
【0014】
(6) 金属防食剤がトリアゾール骨格を有する化合物、イミダゾール化合物から選ばれる少なくとも1種である前記(2)〜(5)のいずれか記載の金属用研磨液。
(7) トリアゾール骨格を有する化合物が1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールから選ばれる少なくとも1種である前記(6)記載の金属用研磨液。
(8) イミダゾール化合物が、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−(イソプロピル)イミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(6)記載の金属用研磨液。
【0015】
(9) さらに水溶性ポリマを含む前記(2)〜(8)のいずれか記載の金属用研磨液。
(10) 水溶性ポリマが、多糖類、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、ポリカルボン酸の塩、ポリアクリルアミド及びビニル系ポリマから選ばれた少なくとも1種である前記(9)記載の金属用研磨液。
【0016】
(11) 金属の酸化剤が、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、過硫酸塩及びオゾン水からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(2)〜(10)のいずれか記載の金属用研磨液。
(12) 酸化金属溶解剤が、有機酸、有機酸エステル、有機酸のアンモニウム塩及び硫酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(2)〜(11)のいずれか記載の金属用研磨液。
(13) さらに砥粒を含む前記(2)〜(12)のいずれか記載の金属用研磨液。
【0017】
また、本発明は次の(14)〜(18)の研磨方法に関する。
(14) 金属膜を有する基体を研磨定盤上の研磨布に押圧した状態で、研磨布と金属膜との間に前記(1)〜(13)のいずれか記載の金属用研磨液を供給しながら、研磨定盤と基体とを相対的に動かすことによって金属膜を研磨する研磨方法。
(15) 金属膜が、銅、銅合金、銅の酸化物、銅合金の酸化物、タンタル及びその化合物、チタン及びその化合物、タングステン及びその化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(14)記載の研磨方法。
(16) 2種以上の金属の積層膜を連続して研磨する前記(14)または(15)記載の研磨方法。
(17) 2種以上の金属の積層膜のうち、初めに研磨される膜が銅、銅合金、銅の酸化物及び銅合金の酸化物から選ばれ、次に研磨される膜がタンタル及びその化合物、チタン及びその化合物及びタングステン及びその化合物から選ばれる少なくとも1種を含む前記(16)記載の研磨方法。
【0018】
(18) 表面が凹部および凸部からなる層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜を表面に沿って被覆するバリア層と、前記凹部を充填してバリア層を被覆する配線金属層とを有する基板の配線金属層を研磨して前記凸部のバリア層を露出させる第1研磨工程と、該第1研磨工程後に、少なくともバリア層および凹部の配線金属層を研磨して凸部の層間絶縁膜を露出させる第2研磨工程とを含み、少なくとも第2研磨工程で前記(1)〜(13)のいずれか記載の金属用研磨液を用いて研磨する研磨方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で、金属用研磨液中での白金に対する銅或いは銅合金の電位は+50mV以下であることが必要で、エッジコロージョンの抑制効果を示す。電位が高すぎるとバリア層との電位差が十分小さくならず、エッジコロージョンを抑制できない。また、電位が低すぎると銅或いは銅合金のエッチングレートが増大し、好ましくないため、−500mV以上が好ましい。
【0020】
電極電位の測定方法を示す概略図を図1に示す。白金に対する銅或いは銅合金の電位は、以下のように測定することができる。まず、シリコン基板2上に銅及び白金の膜厚をそれぞれ1μmで製膜した1辺が2cmであるチップを用意し、図1に示すように、チップの各金属膜部分と、直流電圧計1に接続された導線とをクリップで接続する。その後にチップホルダー6を支えとして銅膜3と白金膜5を向かい合うように、チップ間の長さを2cm±0.2cm、研磨液液面4下で浸漬される部分のチップの高さを1.6cm±0.2cmとなるように研磨液に浸漬し、直流電圧計1により浸漬後5秒後の値を読み取ることで測定する。測定は25℃で行う。
また、白金に対する銅或いは銅合金の電位が+50mV以下であっても銅或いは銅合金のエッチング速度が高い場合、銅或いは銅合金のディッシングやコロージョンが増大するため、本発明の研磨液の銅或いは銅合金のエッチング速度は10nm/min以下であることが必要であり、5nm/min以下が好ましい。
【0021】
本発明の金属用研磨液は、主要構成成分として酸化剤、酸化金属溶解剤、金属防食剤、銅或いは銅合金の電位を低下させることのできる化合物及び水を含有してなることが好ましい。それぞれの構成成分が欠けた場合、研磨速度、エッチング速度、エッジコロージョンのバランスが悪化する傾向がある。
【0022】
本発明の研磨液における銅或いは銅合金の電位を低下させることのできる化合物(以下、銅の電位を低下させる化合物という。)は、研磨液が銅或いは銅合金の白金に対する電位が+50mV以下であること及び銅或いは銅合金のエッチング速度が10nm/minであることを満たせば特に制限はなく、アルキルベンゼン化合物、特に下記一般式(I)で表される化合物及びその塩から選ばれるのが好ましい。例えばオクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などのアルキル鎖の炭素数が8〜13のアルキルベンゼンスルホン酸や、これらの塩を挙げることができる。これらの中で、特に銅或いは銅合金の電位を低下させる能力が比較的高く、かつ工業的に生産されていることを考慮するとドデシルベンゼンスルホン酸もしくはその塩が好適である。
【化3】
(式中、RはC8〜C13のアルキル鎖を示す。)
銅の電位を低下させる化合物成分の配合量は、金属用研磨液の総量に対して0.0001〜1重量%とすることが好ましく、0.0002〜0.5重量%とすることがより好ましく、0.0003〜0.1重量%とすることが特に好ましい。この配合量が0.0001重量%未満になると銅或いは銅合金の電位を低減する効果が減少する傾向があり、1重量%を超えると、泡立ちにより取り扱いが難しくなる傾向がある。
【0023】
本発明における酸化剤としては、過酸化水素(H2O2)、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、過硫酸塩及びオゾン水等が挙げられ、その中でも過酸化水素が特に好ましい。これらは1種類単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
研磨液の適用対象である基体が集積回路用素子を含むシリコン基板である場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物などによる汚染は望ましくないので、不揮発成分を含まない酸化剤が望ましい。但し、オゾン水は組成の時間変化が激しいので過酸化水素が最も適している。但し、基体が半導体素子を含まないガラス基板などである場合は不揮発成分を含む酸化剤であっても差し支えない。
【0024】
酸化剤を含有する場合の配合量は、金属用研磨液の総量に対して、0.1〜50重量%とすることが好ましく、0.2〜25重量%とすることがより好ましく、0.3〜15重量%とすることが特に好ましい。配合量が0.1重量%未満では、金属の酸化が不充分でCMP速度が低くなる傾向があり、50重量%を超えると、研磨面に荒れが生じる傾向がある。
【0025】
本発明における酸化金属溶解剤は、水溶性のものであれば特に制限はなく、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の有機酸、これらの有機酸エステル及びこれら有機酸のアンモニウム塩等が例示できる。また塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、これら無機酸のアンモニウム塩類、例えば硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム等、クロム酸等が挙げられる。これらの中で特に、効果的に研磨できるという点でギ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸が金属層のCMPに対して好適である。無機酸の中では硫酸が好ましい。これらは1種類単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
酸化金属溶解剤成分を含有する場合の配合量は、金属用研磨液の総量に対して0.001〜10重量%とすることが好ましく、0.01〜8重量%とすることがより好ましく、0.02〜5重量%とすることが特に好ましい。この配合量が0.001重量%未満になると研磨速度が極端に減少する傾向があり、10重量%を超えると、エッチングの抑制が困難となる傾向がある。
【0026】
本発明における金属防食剤としては、トリアゾール骨格を有する化合物、イミダゾール化合物等が挙げられる。
本発明の研磨液はトリアゾール骨格を有する化合物を含むことができる。トリアゾール骨格を有する化合物としては水溶性のものであれば特に制限はなく、例えば、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾール、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾールメチルルエステル、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾールブチルエステル、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾールオクチルエステル、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、[1,2,3−ベンゾトリアゾリル−1−メチル][1,2,4−トリアゾリル−1−メチル][2−エチルヘキシル]アミン、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾール、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸、3−アミノトリアゾール等を例示することができる。
【0027】
本発明の研磨液はイミダゾール化合物を含むことができる。イミダゾール化合物としては水溶性であれば特に制限はなく、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2、4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−アミノイミダゾール等を例示することができる。
これら金属防食剤は1種類単独で、もしくは2種類以上混合して用いることができる。
【0028】
金属防食剤を含有する場合の総配合量は、金属用研磨液の総量に対して0.001〜10重量%とすることが好ましく、0.01〜8重量%とすることがより好ましく、0.02〜5重量%とすることが特に好ましい。この配合量が0.001重量%未満では、エッチングの抑制が困難となる傾向があり、10重量%を超えると研磨速度が低くなってしまう傾向がある。
【0029】
本発明の金属用研磨液は、さらに水溶性ポリマを含むことができる。この水溶性ポリマとしては、例えば、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン及びプルラン等の多糖類;
ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸;
ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアクリルアミド、ポリアミノアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩等に例示されるポリカルボン酸の塩、エステル及び誘導体;
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマ;
それらのエステル及びそれらのアンモニウム塩等が挙げられる。
その中でも水溶性ポリマが、多糖類、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、ポリカルボン酸の塩、ポリアクリルアミド、及びビニル系ポリマから選ばれた少なくとも1種であるのが好ましく、具体的には、ペクチン酸、寒天、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン、それらのエステル及びそれらのアンモニウム塩が好ましい。また、適用する基体が半導体集積回路用シリコン基板などの場合はアルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、酸もしくはそのアンモニウム塩が望ましい。なお、基体がガラス基板等である場合はその限りではない。
【0030】
水溶性ポリマの配合量は、金属用研磨液の総量に対して0〜10重量%とすることが好ましく、0.01〜8重量%とすることがより好ましく、0.02〜5重量%とすることが特に好ましい。この配合量が10重量%を超えると研磨速度が低下する傾向がある。
水溶性ポリマの重量平均分子量(GPC測定、標準ポリスチレン換算)は500以上とすることが好ましく、1500以上とすることがより好ましく5000以上とすることが特に好ましい。重量平均分子量の上限は特に規定するものではないが、溶解性の観点から500万以下である。重量平均分子量が500未満では高い研磨速度が発現しない傾向にある。本発明では、重量平均分子量が500以上である少なくとも1種の水溶性ポリマを用いることが好ましい。
【0031】
本発明の金属用研磨液には、上述した材料のほかにアルミナ、シリカ、セリア等の砥粒、界面活性剤、ビクトリアピュアブルー等の染料、フタロシアニングリーン等の顔料等の着色剤等の添加剤を0.01〜1重量%、好ましくは0.1〜0.8重量%程度含有させてもよい。なお、水の配合量は特に制限はない。
【0032】
砥粒としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、炭化珪素等の無機物砥粒、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリ塩化ビニル等の有機物砥粒のいずれでもよいが、アルミナ、シリカ及びセリアから1種類以上選ばれる固体砥粒が好ましい。さらに、研磨液中での分散安定性が良く、CMPにより発生する研磨傷(スクラッチ)の発生数の少ない、平均粒径が100nm以下のコロイダルシリカ、コロイダルアルミナが好ましく、平均粒径が80nm以下のコロイダルシリカ、コロイダルアルミナがより好ましく、平均粒径が60nm以下のコロイダルシリカが最も好ましい。コロイダルシリカはシリコンアルコキシドの加水分解または珪酸ナトリウムのイオン交換による製造方法が知られており、コロイダルアルミナは硝酸アルミニウムの加水分解による製造方法が知られている。砥粒を配合する場合、砥粒の濃度は、研磨液全重量に対し、0.01〜10.0重量%が好ましく、0.05〜2.0重量%がより好ましく、0.1〜1.0重量%が最も好ましい。砥粒濃度が0.01重量%未満では、砥粒を添加する効果がなく、10.0重量%より多く添加しても効果に差が見られないためである。
【0033】
本発明の研磨液及び研磨方法を適用して研磨する金属膜としては、銅、銅合金、銅の酸化物、銅合金の酸化物(以下、銅及びその化合物という。)、タンタル、タンタル化合物(窒化タンタル、タンタル合金等)、チタン、チタン化合物(窒化チタン、チタン合金等)、タングステン、タングステン化合物(窒化タングステン、タングステン合金等)などを例示することができ、公知のスパッタ法、メッキ法により成膜できる。さらに、金属膜は、2種以上の上記金属を組み合わせた積層膜であってもよい。
【0034】
前記積層膜としては、上層(はじめに研磨される膜)が銅及びその化合物から選ばれ、下層(次に続いて研磨される膜)がタンタル及びタンタル化合物、チタン及びチタン化合物、タングステン及びタングステン化合物から選ばれる少なくとも1種を含むものが例示できる。
【0035】
本発明により上記の2種以上の金属膜の積層膜を連続して研磨することができる。換言すれば、金属膜毎に研磨液を変更する手間が省ける。
【0036】
本発明の第1の研磨方法は、研磨定盤上の研磨布と被研磨面である金属膜との間に前記の金属用研磨液を供給しながら、前記被研磨面を有する基体を研磨布に押圧した状態で、研磨定盤と基体を相対的に動かすことによって被研磨面すなわち金属膜を研磨する研磨方法である。研磨する装置として、例えば基体を保持するホルダーと、研磨布(パッド)を貼り付けられ、回転数が変更可能なモーター等を取り付けてある研磨定盤とを有する一般的な研磨装置が使用できる。
【0037】
研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。研磨条件には制限はないが、定盤の回転速度は基体が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨面を有する基体の研磨布への押し付け圧力(研磨圧力)は1〜100kPaであることが好ましく、CMP速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、5〜50kPaであることがより好ましい。
【0038】
研磨定盤と基体とを相対的に動かすには、研磨定盤を回転させる他に、ホルダーを回転や揺動させて研磨しても良い。また、研磨定盤を遊星回転させる研磨方法、ベルト状の研磨布を長尺方向の一方向に直線状に動かす研磨方法等が挙げられる。
なお、ホルダーは固定、回転、揺動のいずれの状態でも良い。これらの研磨方法は、研磨定盤と基体とを相対的に動かすのであれば、被研磨面の組成や研磨装置により適宜選択できる。
研磨している間、研磨布と被研磨面との間には金属用研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。研磨終了後の基体は、流水中でよく洗浄後、スピンドライ等を用いて基体上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
【0039】
本発明の金属用研磨液及び研磨方法は、金属の研磨速度が充分に高く、且つエッチング速度が小さく、エッジコロージョンが抑制されているため生産性が高く、金属表面の腐食及びディッシングが小さいので、微細化、薄膜化、寸法精度、電気特性に優れ、信頼性の高い半導体デバイス及び機器の製造に好適である。
【0040】
すなわち本発明の第2の研磨方法は、表面が凹部および凸部からなる層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜を表面に沿って被覆するバリア層と、前記凹部を充填してバリア層を被覆する配線金属層とを有する基板の配線金属層を研磨して前記凸部のバリア層を露出させる第1研磨工程と、該第1研磨工程後に、少なくともバリア層および凹部の配線金属層を研磨して凸部の層間絶縁膜を露出させる第2研磨工程とを含み、少なくとも第2研磨工程で本発明の研磨液を用いて研磨する研磨方法である。
【0041】
層間絶縁膜としては、シリコン系被膜や有機ポリマ膜が挙げられる。シリコン系被膜としては、二酸化ケイ素、フルオロシリケートグラス、トリメチルシランやジメトキシジメチルシランを出発原料として得られるオルガノシリケートグラス、シリコンオキシナイトライド、水素化シルセスキオキサン等のシリカ系被膜や、シリコンカーバイド及びシリコンナイトライドが挙げられる。また、有機ポリマ膜としては、全芳香族系低誘電率層間絶縁膜が挙げられる。特に、オルガノシリケートグラスが好ましい。これらの膜は、CVD法、スピンコート法、ディップコート法、またはスプレー法によって成膜される。
【0042】
バリア層は層間絶縁膜中への銅等の金属拡散防止、および絶縁膜と金属との密着性向上のために形成される。バリア層は、タンタル及びタンタル化合物、チタン及びチタン化合物、タングステン及びタングステン化合物のうちから選ばれる少なくとも1種であるのが好ましく、1種の組成からなる単層構造であっても2種以上の組成からなる積層構造であってもよい。
【0043】
配線金属層としては、銅及びその化合物、タングステン、タングステン合金、銀、金等の金属が主成分の層が挙げられる。これらのうち、銅及びその化合物から選ばれる少なくとも1種を含む層を研磨するのが好ましい。配線金属層は公知のスパッタ法、メッキ法によりバリア層の上に成膜できる。
【0044】
以下、本発明の研磨方法の実施態様を、半導体デバイス製造工程における配線層の形成に沿って説明する。
まず、シリコンの基板上に二酸化ケイ素等の層間絶縁膜を積層する。次いで、レジスト層形成、エッチング等の公知の手段によって、層間絶縁膜表面に所定パターンの凹部(基板露出部)を形成して凸部と凹部とからなる層間絶縁膜とする。この層間絶縁膜上に、表面の凸凹に沿って層間絶縁膜を被覆するタンタル等のバリア層を蒸着またはCVD等により成膜する。さらに、前記凹部を充填するようにバリア層を被覆する銅等の配線金属層を蒸着、めっきまたはCVD等により形成する。層間絶縁膜、バリア層および配線金属層の形成厚さは、それぞれ0.01〜2.0μm、1〜100nm、0.01〜2.5μm程度が好ましい。
【0045】
(第1研磨工程) 次に、この半導体基板を研磨装置に固定し、表面の配線金属層を被研磨面として、研磨液を供給しながら研磨する。これにより、層間絶縁膜凸部のバリア層が基板表面に露出し、層間絶縁膜凹部に前記金属層が残された所望の導体パターンが得られる。
【0046】
(第2研磨工程) 次いで、前記導体パターンを被研磨面として、少なくとも、前記露出しているバリア層および凹部の配線金属層を、本発明の研磨液を供給しながら研磨する。凸部のバリア層の下の層間絶縁膜が全て露出し、凹部に配線層となる前記金属層が残され、凸部と凹部との境界にバリア層の断面が露出した所望のパターンが得られた時点で研磨を終了する。研磨終了時のより優れた平坦性を確保するために、さらに、オーバー研磨(例えば、第2研磨工程で所望のパターンを得られるまでの時間が100秒の場合、この100秒の研磨に加えて50秒追加して研磨することをオーバー研磨50%という。)して凸部の層間絶縁膜の一部を含む深さまで研磨しても良い。
第2研磨工程では、本発明の第1の研磨方法のように基板の被研磨面を研磨布に押圧した状態で研磨布と基板とを相対的に動かして被研磨面を研磨する研磨方法の他に、金属製または樹脂製のブラシを接触させる方法、研磨液を所定の圧力で吹きつける研磨方法も挙げられる。
【0047】
第1研磨工程および第2研磨工程で、引き続いて、本発明の研磨液を使用して研磨してもよい。この場合、第1研磨工程と第2研磨工程との間は、特に被研磨面の洗浄工程や乾燥工程等を行う必要はないが、研磨定盤や研磨布の取り換えや、加工荷重等を変更させるために停止させてもよい。第1研磨工程および第2研磨工程で使用する本発明の研磨液は同一組成でも異なった組成でもよいが、同一組成の研磨液であれば、第1研磨工程から第2研磨工程へ停止せずに連続して研磨を続けることができるため、生産性に優れる。
【0048】
このようにして形成された金属配線の上に、さらに、層間絶縁膜および第2層目の金属配線を形成し、その配線間および配線上に再度層間絶縁膜を形成後、研磨して半導体基板全面に渡って平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すことにより、所望の配線層数を有する半導体デバイスを製造することができる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1〜5及び比較例1〜3
(金属用研磨液作製方法)
金属用研磨液は、水に対して酸化金属溶解剤としてリンゴ酸0.35重量%、水溶性ポリマ(アクリル系重合体、重量平均分子量:約1万)0.5重量%、金属防食剤として表1に示すトリアゾール化合物0.3重量%(2種類の場合は各々0.15重量%)及びイミダゾール化合物0.05重量%、添加剤及び表1に示す銅の電位を低下させる化合物0.01重量%、砥粒としてコロイダルシリカ粒子0.5重量%、酸化剤として過酸化水素水10重量%を添加して作製した。なお、表1中のBTAとはベンゾトリアゾールを示す。
【0050】
(銅或いは銅合金電位測定)
図1に電極電位の測定方法の概略図を示す。銅膜3及び白金膜5をシリコン基板2上にそれぞれの膜厚1μmで製膜した1辺が2cmであるチップを用意した。図1に示すように、クリップで前記チップの金属膜部分と直流電圧計1と接続された導線とを接続した後にチップホルダー6を支えとして銅膜3と白金膜5を向かい合うように、上記で作製した研磨液に浸漬し、チップ間の長さを2cm±0.2cm、研磨液液面4の下に浸漬される部分のチップの高さを1.6cm±0.2cmとなるようにした。直流電圧計により浸漬後5秒後の値を25℃で読み取ることで銅の電極電位(Ep)を測定した。測定結果を表1に併記する。
【0051】
(銅エッチング速度測定)
銅基体として厚さ1500nmの銅金属を堆積したシリコン基板を用意した。この銅基体のエッチング速度を、攪拌した上記で作製した金属用研磨液(室温、25℃、攪拌600rpm)への浸漬前後の金属層膜厚差を電気抵抗値から換算して求めた。
【0052】
(銅研磨速度測定)
研磨速度は、上記で作製した研磨液を15cc/分で研磨パッド上に供給しながら下記の条件で研磨し、各膜の研磨前後での膜厚差を電気抵抗値から換算して求めた。
銅基体:厚さ1500nmの銅金属を堆積したシリコン基板、
研磨パッド:発泡ポリウレタン樹脂(ロデール社製型番IC1000)、
研磨圧力:29.4kPa(300gf/cm2)、
基体と研磨定盤との相対速度:60m/分、定盤回転速度:70rpm。
【0053】
(ディッシング量測定およびエッジコロージョン評価)
上記で作製した研磨液を15cc/分で研磨パッド上に供給しながら、下記の条件で、基体表面全面で溝の凸部の二酸化シリコンが研磨により露出するまで研磨した。次いで触針式段差計で配線金属部幅100μm、絶縁膜部幅100μmが交互に並んだストライプ状パターン部の表面形状から、絶縁膜部に対する配線金属部の膜減り量を求めた。
基体:二酸化シリコン中に配線金属部幅100μm、絶縁膜部幅100μmが交互に並んだストライプ状パターン部を含む深さ0.5〜100μmの溝を形成して、次いで公知の方法によってバリア層として厚さ50nmのタングステン層を形成し、その上層に配線金属層として銅膜を1.0μm形成したシリコンウエハ、
研磨パッド:発泡ポリウレタン樹脂(ロデール社製型番IC1000)、
研磨圧力:29.4kPa(300gf/cm2)、
基体と研磨定盤との相対速度:60m/分、定盤回転速度:70rpm。
エッジコロージョンは上記ディッシング測定で使用したウエハを走査型電子顕微鏡(SEM)により、銅配線とバリア層境界付近を観察し評価した。
表1に銅基体に対するエッチング速度、CMPの研磨速度、ディッシング、エッジコロージョンの評価結果を併記する。
【0054】
【表1】
【0055】
実施例1〜5は銅の電位がいずれの場合も+50mV以下であることから、エッジコロージョンの発生が比較例1、2と比べ大きく改善されている。また、実施例1〜5は銅エッチング速度が10nm/min以下であり充分に低く、ディッシングの発生が比較例3に比べ大きく抑制されている。また、研磨速度もそれぞれ200nm/min以上であり、充分実用的な値であった。
【0056】
【発明の効果】
本発明は、エッチング速度及びエッジコロージョンを抑制しつつ、研磨速度を充分上昇させ、金属表面の腐食とディッシングの発生を抑制し、信頼性の高い金属膜の埋め込みパターン形成を可能とする金属用研磨液を提供するものである。また、エッチング速度を低く保ちつつ、研磨速度を充分上昇させ、金属表面の腐食とディッシングの発生を抑制し、信頼性の高い金属膜の埋め込みパターン形成を生産性、作業性、歩留まり良く、行うことのできる研磨方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】電極電位の測定方法を示す概略図である。
【符号の説明】
1・・・・直流電圧計
2・・・・シリコン基板
3・・・・銅膜
4・・・・研磨液液面
5・・・・白金膜
6・・・・チップホルダー
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイスの配線工程に有用な金属用研磨液及びそれを用いた研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路(LSI)の高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(CMP)法もその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線形成において頻繁に利用される技術である。この技術は、例えば米国特許No.4944836号明細書に開示されている。
【0003】
近年、LSIを高性能化するために、配線材料として銅合金の利用が試みられている。しかし、銅合金は従来のアルミニウム合金配線の形成で頻繁に用いられたドライエッチング法による微細加工が困難である。そこで、あらかじめ溝を形成してある絶縁膜上に銅合金薄膜を堆積して埋め込み、溝部以外の銅合金薄膜をCMPにより除去して埋め込み配線を形成する、いわゆるダマシン法が主に採用されている。この技術は、例えば特開平2−278822号公報に開示されている。
一方、配線の銅或いは銅合金等の下層には、層間絶縁膜中への銅拡散防止のためにバリア層として、タングステン、窒化タングステン、タングステン合金及びその他のタングステン化合物等が形成される。したがって、銅或いは銅合金を埋め込む配線部分以外では、露出したバリア層をCMPにより取り除く必要がある。
【0004】
金属のCMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を金属用研磨液で浸し、基体の金属膜を形成した面を押し付けて、その裏面から所定の圧力(研磨圧力或いは研磨荷重)を加えた状態で研磨定盤を回し、研磨液と金属膜の凸部との機械的摩擦によって凸部の金属膜を除去するものである。
【0005】
CMPに用いられる金属用研磨液は、一般には酸化剤及び固体砥粒からなっており必要に応じてさらに酸化金属溶解剤、金属防食剤が添加される。まず酸化によって金属膜表面を酸化し、その酸化層を固体砥粒によって削り取るのが基本的なメカニズムと考えられている。凹部の金属表面の酸化層は研磨パッドにあまり触れず、固体砥粒による削り取りの効果が及ばないので、CMPの進行とともに凸部の金属層が除去されて基体表面は平坦化される。この詳細についてはジャーナル・オブ・エレクトロケミカルソサエティ誌(Journal of Electrochemical Society)の第138巻11号(1991年発行)の3460〜3464頁に開示されている。
【0006】
CMPにおける問題点として、金属膜表面の溶解(以下、エッチングという。)が挙げられる。凹部の金属膜表面の酸化層もエッチングされて金属膜表面が露出すると、酸化剤によって金属膜表面がさらに酸化され、これが繰り返されると凹部の金属膜のエッチングが進行してしまい、埋め込まれた金属配線の表面中央部分が等方的に腐食されて皿の様に窪む現象(ディッシング)が懸念される。また、エッチングにより金属表面の荒れ(コロージョン)も生じることがある。これらを防ぐためにエッチングを抑制することのできる金属防食剤が添加される。また、ディッシングや研磨中の銅合金の腐食を抑制し、信頼性の高いLSI配線を形成するために、グリシン等のアミノ酢酸又はアミド硫酸からなる酸化金属溶解剤及びBTA(ベンゾトリアゾール)を含有する金属用研磨液を用いる方法が提唱されている。この技術は例えば特許文献1に記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−83780号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、金属用研磨液に金属防食剤を添加することにより、研磨速度が低下することがある。
また、金属用研磨液中で銅或いは銅合金等の配線金属層とタングステン等のバリア層とが接することにより銅或いは銅合金とバリア層で生じた電位差により電流が流れ、銅或いは銅合金もしくはバリア層がエッチングされる(エッジコロージョン)といった問題も生じる。特にバリア層が失われた場合、銅或いは銅合金が絶縁膜中に拡散する可能性があり、抑制が望まれている。
エッジコロージョンは金属用研磨液中で銅或いは銅合金とバリア層間で電位差が生じ、電流が流れることで起こると考えられている。よって、エッジコロージョンを抑制するためには銅或いは銅合金とバリア層間の電位差を減らす事が必要であるが、一般にバリア層は銅或いは銅合金よりも電位が低いために銅或いは銅合金の電位を下げることが有効である。しかし、銅或いは銅合金の電位を下げた場合、一般に銅或いは銅合金のエッチング速度が増大する。このため、銅或いは銅合金とバリア層間の電位差と、銅或いは銅合金のエッチング速度とがともに低い金属用研磨液が望まれていた。
【0009】
本発明は、エッチング速度及びエッジコロージョンを抑制しつつ、研磨速度を充分上昇させ、金属表面の腐食とディッシングの発生を抑制し、信頼性の高い金属膜の埋め込みパターン形成を可能とする金属用研磨液を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、エッチング速度を低く保ちつつ、研磨速度を充分上昇させ、金属表面の腐食とディッシングの発生を抑制し、信頼性の高い金属膜の埋め込みパターン形成を生産性、作業性、歩留まり良く、行うことのできる研磨方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の(1)〜(13)の金属用研磨液に関する。
(1) 銅或いは銅合金及び白金を浸漬した場合の銅或いは銅合金の白金に対する電極電位が+50mV以下で、銅或いは銅合金のエッチング速度が10nm/min以下である金属用研磨液。
【0012】
(2) 酸化剤、酸化金属溶解剤、金属防食剤、銅或いは銅合金の電位を低下させることのできる化合物及び水を含有する前記(1)記載の金属用研磨液。
【0013】
(3) 前記銅或いは銅合金の電位を低下させることのできる化合物がアルキルベンゼン化合物である前記(2)記載の金属用研磨液。
(4) 前記アルキルベンゼン化合物が下記一般式(I)
【化2】
(式中、RはC8〜C13のアルキル鎖を示す。)で表される化合物及びその塩から選ばれる前記(3)記載の金属用研磨液。
(5) 前記アルキルベンゼン化合物が、ドデシルベンゼンスルホン酸もしくはその塩である前記(3)または(4)記載の金属用研磨液。
【0014】
(6) 金属防食剤がトリアゾール骨格を有する化合物、イミダゾール化合物から選ばれる少なくとも1種である前記(2)〜(5)のいずれか記載の金属用研磨液。
(7) トリアゾール骨格を有する化合物が1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールから選ばれる少なくとも1種である前記(6)記載の金属用研磨液。
(8) イミダゾール化合物が、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−(イソプロピル)イミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(6)記載の金属用研磨液。
【0015】
(9) さらに水溶性ポリマを含む前記(2)〜(8)のいずれか記載の金属用研磨液。
(10) 水溶性ポリマが、多糖類、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、ポリカルボン酸の塩、ポリアクリルアミド及びビニル系ポリマから選ばれた少なくとも1種である前記(9)記載の金属用研磨液。
【0016】
(11) 金属の酸化剤が、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、過硫酸塩及びオゾン水からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(2)〜(10)のいずれか記載の金属用研磨液。
(12) 酸化金属溶解剤が、有機酸、有機酸エステル、有機酸のアンモニウム塩及び硫酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(2)〜(11)のいずれか記載の金属用研磨液。
(13) さらに砥粒を含む前記(2)〜(12)のいずれか記載の金属用研磨液。
【0017】
また、本発明は次の(14)〜(18)の研磨方法に関する。
(14) 金属膜を有する基体を研磨定盤上の研磨布に押圧した状態で、研磨布と金属膜との間に前記(1)〜(13)のいずれか記載の金属用研磨液を供給しながら、研磨定盤と基体とを相対的に動かすことによって金属膜を研磨する研磨方法。
(15) 金属膜が、銅、銅合金、銅の酸化物、銅合金の酸化物、タンタル及びその化合物、チタン及びその化合物、タングステン及びその化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(14)記載の研磨方法。
(16) 2種以上の金属の積層膜を連続して研磨する前記(14)または(15)記載の研磨方法。
(17) 2種以上の金属の積層膜のうち、初めに研磨される膜が銅、銅合金、銅の酸化物及び銅合金の酸化物から選ばれ、次に研磨される膜がタンタル及びその化合物、チタン及びその化合物及びタングステン及びその化合物から選ばれる少なくとも1種を含む前記(16)記載の研磨方法。
【0018】
(18) 表面が凹部および凸部からなる層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜を表面に沿って被覆するバリア層と、前記凹部を充填してバリア層を被覆する配線金属層とを有する基板の配線金属層を研磨して前記凸部のバリア層を露出させる第1研磨工程と、該第1研磨工程後に、少なくともバリア層および凹部の配線金属層を研磨して凸部の層間絶縁膜を露出させる第2研磨工程とを含み、少なくとも第2研磨工程で前記(1)〜(13)のいずれか記載の金属用研磨液を用いて研磨する研磨方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で、金属用研磨液中での白金に対する銅或いは銅合金の電位は+50mV以下であることが必要で、エッジコロージョンの抑制効果を示す。電位が高すぎるとバリア層との電位差が十分小さくならず、エッジコロージョンを抑制できない。また、電位が低すぎると銅或いは銅合金のエッチングレートが増大し、好ましくないため、−500mV以上が好ましい。
【0020】
電極電位の測定方法を示す概略図を図1に示す。白金に対する銅或いは銅合金の電位は、以下のように測定することができる。まず、シリコン基板2上に銅及び白金の膜厚をそれぞれ1μmで製膜した1辺が2cmであるチップを用意し、図1に示すように、チップの各金属膜部分と、直流電圧計1に接続された導線とをクリップで接続する。その後にチップホルダー6を支えとして銅膜3と白金膜5を向かい合うように、チップ間の長さを2cm±0.2cm、研磨液液面4下で浸漬される部分のチップの高さを1.6cm±0.2cmとなるように研磨液に浸漬し、直流電圧計1により浸漬後5秒後の値を読み取ることで測定する。測定は25℃で行う。
また、白金に対する銅或いは銅合金の電位が+50mV以下であっても銅或いは銅合金のエッチング速度が高い場合、銅或いは銅合金のディッシングやコロージョンが増大するため、本発明の研磨液の銅或いは銅合金のエッチング速度は10nm/min以下であることが必要であり、5nm/min以下が好ましい。
【0021】
本発明の金属用研磨液は、主要構成成分として酸化剤、酸化金属溶解剤、金属防食剤、銅或いは銅合金の電位を低下させることのできる化合物及び水を含有してなることが好ましい。それぞれの構成成分が欠けた場合、研磨速度、エッチング速度、エッジコロージョンのバランスが悪化する傾向がある。
【0022】
本発明の研磨液における銅或いは銅合金の電位を低下させることのできる化合物(以下、銅の電位を低下させる化合物という。)は、研磨液が銅或いは銅合金の白金に対する電位が+50mV以下であること及び銅或いは銅合金のエッチング速度が10nm/minであることを満たせば特に制限はなく、アルキルベンゼン化合物、特に下記一般式(I)で表される化合物及びその塩から選ばれるのが好ましい。例えばオクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などのアルキル鎖の炭素数が8〜13のアルキルベンゼンスルホン酸や、これらの塩を挙げることができる。これらの中で、特に銅或いは銅合金の電位を低下させる能力が比較的高く、かつ工業的に生産されていることを考慮するとドデシルベンゼンスルホン酸もしくはその塩が好適である。
【化3】
(式中、RはC8〜C13のアルキル鎖を示す。)
銅の電位を低下させる化合物成分の配合量は、金属用研磨液の総量に対して0.0001〜1重量%とすることが好ましく、0.0002〜0.5重量%とすることがより好ましく、0.0003〜0.1重量%とすることが特に好ましい。この配合量が0.0001重量%未満になると銅或いは銅合金の電位を低減する効果が減少する傾向があり、1重量%を超えると、泡立ちにより取り扱いが難しくなる傾向がある。
【0023】
本発明における酸化剤としては、過酸化水素(H2O2)、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、過硫酸塩及びオゾン水等が挙げられ、その中でも過酸化水素が特に好ましい。これらは1種類単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
研磨液の適用対象である基体が集積回路用素子を含むシリコン基板である場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物などによる汚染は望ましくないので、不揮発成分を含まない酸化剤が望ましい。但し、オゾン水は組成の時間変化が激しいので過酸化水素が最も適している。但し、基体が半導体素子を含まないガラス基板などである場合は不揮発成分を含む酸化剤であっても差し支えない。
【0024】
酸化剤を含有する場合の配合量は、金属用研磨液の総量に対して、0.1〜50重量%とすることが好ましく、0.2〜25重量%とすることがより好ましく、0.3〜15重量%とすることが特に好ましい。配合量が0.1重量%未満では、金属の酸化が不充分でCMP速度が低くなる傾向があり、50重量%を超えると、研磨面に荒れが生じる傾向がある。
【0025】
本発明における酸化金属溶解剤は、水溶性のものであれば特に制限はなく、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の有機酸、これらの有機酸エステル及びこれら有機酸のアンモニウム塩等が例示できる。また塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、これら無機酸のアンモニウム塩類、例えば硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム等、クロム酸等が挙げられる。これらの中で特に、効果的に研磨できるという点でギ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸が金属層のCMPに対して好適である。無機酸の中では硫酸が好ましい。これらは1種類単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
酸化金属溶解剤成分を含有する場合の配合量は、金属用研磨液の総量に対して0.001〜10重量%とすることが好ましく、0.01〜8重量%とすることがより好ましく、0.02〜5重量%とすることが特に好ましい。この配合量が0.001重量%未満になると研磨速度が極端に減少する傾向があり、10重量%を超えると、エッチングの抑制が困難となる傾向がある。
【0026】
本発明における金属防食剤としては、トリアゾール骨格を有する化合物、イミダゾール化合物等が挙げられる。
本発明の研磨液はトリアゾール骨格を有する化合物を含むことができる。トリアゾール骨格を有する化合物としては水溶性のものであれば特に制限はなく、例えば、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾール、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾールメチルルエステル、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾールブチルエステル、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾールオクチルエステル、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、[1,2,3−ベンゾトリアゾリル−1−メチル][1,2,4−トリアゾリル−1−メチル][2−エチルヘキシル]アミン、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾール、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸、3−アミノトリアゾール等を例示することができる。
【0027】
本発明の研磨液はイミダゾール化合物を含むことができる。イミダゾール化合物としては水溶性であれば特に制限はなく、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2、4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−アミノイミダゾール等を例示することができる。
これら金属防食剤は1種類単独で、もしくは2種類以上混合して用いることができる。
【0028】
金属防食剤を含有する場合の総配合量は、金属用研磨液の総量に対して0.001〜10重量%とすることが好ましく、0.01〜8重量%とすることがより好ましく、0.02〜5重量%とすることが特に好ましい。この配合量が0.001重量%未満では、エッチングの抑制が困難となる傾向があり、10重量%を超えると研磨速度が低くなってしまう傾向がある。
【0029】
本発明の金属用研磨液は、さらに水溶性ポリマを含むことができる。この水溶性ポリマとしては、例えば、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン及びプルラン等の多糖類;
ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸;
ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアクリルアミド、ポリアミノアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩等に例示されるポリカルボン酸の塩、エステル及び誘導体;
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマ;
それらのエステル及びそれらのアンモニウム塩等が挙げられる。
その中でも水溶性ポリマが、多糖類、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、ポリカルボン酸の塩、ポリアクリルアミド、及びビニル系ポリマから選ばれた少なくとも1種であるのが好ましく、具体的には、ペクチン酸、寒天、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン、それらのエステル及びそれらのアンモニウム塩が好ましい。また、適用する基体が半導体集積回路用シリコン基板などの場合はアルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、酸もしくはそのアンモニウム塩が望ましい。なお、基体がガラス基板等である場合はその限りではない。
【0030】
水溶性ポリマの配合量は、金属用研磨液の総量に対して0〜10重量%とすることが好ましく、0.01〜8重量%とすることがより好ましく、0.02〜5重量%とすることが特に好ましい。この配合量が10重量%を超えると研磨速度が低下する傾向がある。
水溶性ポリマの重量平均分子量(GPC測定、標準ポリスチレン換算)は500以上とすることが好ましく、1500以上とすることがより好ましく5000以上とすることが特に好ましい。重量平均分子量の上限は特に規定するものではないが、溶解性の観点から500万以下である。重量平均分子量が500未満では高い研磨速度が発現しない傾向にある。本発明では、重量平均分子量が500以上である少なくとも1種の水溶性ポリマを用いることが好ましい。
【0031】
本発明の金属用研磨液には、上述した材料のほかにアルミナ、シリカ、セリア等の砥粒、界面活性剤、ビクトリアピュアブルー等の染料、フタロシアニングリーン等の顔料等の着色剤等の添加剤を0.01〜1重量%、好ましくは0.1〜0.8重量%程度含有させてもよい。なお、水の配合量は特に制限はない。
【0032】
砥粒としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、炭化珪素等の無機物砥粒、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリ塩化ビニル等の有機物砥粒のいずれでもよいが、アルミナ、シリカ及びセリアから1種類以上選ばれる固体砥粒が好ましい。さらに、研磨液中での分散安定性が良く、CMPにより発生する研磨傷(スクラッチ)の発生数の少ない、平均粒径が100nm以下のコロイダルシリカ、コロイダルアルミナが好ましく、平均粒径が80nm以下のコロイダルシリカ、コロイダルアルミナがより好ましく、平均粒径が60nm以下のコロイダルシリカが最も好ましい。コロイダルシリカはシリコンアルコキシドの加水分解または珪酸ナトリウムのイオン交換による製造方法が知られており、コロイダルアルミナは硝酸アルミニウムの加水分解による製造方法が知られている。砥粒を配合する場合、砥粒の濃度は、研磨液全重量に対し、0.01〜10.0重量%が好ましく、0.05〜2.0重量%がより好ましく、0.1〜1.0重量%が最も好ましい。砥粒濃度が0.01重量%未満では、砥粒を添加する効果がなく、10.0重量%より多く添加しても効果に差が見られないためである。
【0033】
本発明の研磨液及び研磨方法を適用して研磨する金属膜としては、銅、銅合金、銅の酸化物、銅合金の酸化物(以下、銅及びその化合物という。)、タンタル、タンタル化合物(窒化タンタル、タンタル合金等)、チタン、チタン化合物(窒化チタン、チタン合金等)、タングステン、タングステン化合物(窒化タングステン、タングステン合金等)などを例示することができ、公知のスパッタ法、メッキ法により成膜できる。さらに、金属膜は、2種以上の上記金属を組み合わせた積層膜であってもよい。
【0034】
前記積層膜としては、上層(はじめに研磨される膜)が銅及びその化合物から選ばれ、下層(次に続いて研磨される膜)がタンタル及びタンタル化合物、チタン及びチタン化合物、タングステン及びタングステン化合物から選ばれる少なくとも1種を含むものが例示できる。
【0035】
本発明により上記の2種以上の金属膜の積層膜を連続して研磨することができる。換言すれば、金属膜毎に研磨液を変更する手間が省ける。
【0036】
本発明の第1の研磨方法は、研磨定盤上の研磨布と被研磨面である金属膜との間に前記の金属用研磨液を供給しながら、前記被研磨面を有する基体を研磨布に押圧した状態で、研磨定盤と基体を相対的に動かすことによって被研磨面すなわち金属膜を研磨する研磨方法である。研磨する装置として、例えば基体を保持するホルダーと、研磨布(パッド)を貼り付けられ、回転数が変更可能なモーター等を取り付けてある研磨定盤とを有する一般的な研磨装置が使用できる。
【0037】
研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。研磨条件には制限はないが、定盤の回転速度は基体が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨面を有する基体の研磨布への押し付け圧力(研磨圧力)は1〜100kPaであることが好ましく、CMP速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、5〜50kPaであることがより好ましい。
【0038】
研磨定盤と基体とを相対的に動かすには、研磨定盤を回転させる他に、ホルダーを回転や揺動させて研磨しても良い。また、研磨定盤を遊星回転させる研磨方法、ベルト状の研磨布を長尺方向の一方向に直線状に動かす研磨方法等が挙げられる。
なお、ホルダーは固定、回転、揺動のいずれの状態でも良い。これらの研磨方法は、研磨定盤と基体とを相対的に動かすのであれば、被研磨面の組成や研磨装置により適宜選択できる。
研磨している間、研磨布と被研磨面との間には金属用研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。研磨終了後の基体は、流水中でよく洗浄後、スピンドライ等を用いて基体上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
【0039】
本発明の金属用研磨液及び研磨方法は、金属の研磨速度が充分に高く、且つエッチング速度が小さく、エッジコロージョンが抑制されているため生産性が高く、金属表面の腐食及びディッシングが小さいので、微細化、薄膜化、寸法精度、電気特性に優れ、信頼性の高い半導体デバイス及び機器の製造に好適である。
【0040】
すなわち本発明の第2の研磨方法は、表面が凹部および凸部からなる層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜を表面に沿って被覆するバリア層と、前記凹部を充填してバリア層を被覆する配線金属層とを有する基板の配線金属層を研磨して前記凸部のバリア層を露出させる第1研磨工程と、該第1研磨工程後に、少なくともバリア層および凹部の配線金属層を研磨して凸部の層間絶縁膜を露出させる第2研磨工程とを含み、少なくとも第2研磨工程で本発明の研磨液を用いて研磨する研磨方法である。
【0041】
層間絶縁膜としては、シリコン系被膜や有機ポリマ膜が挙げられる。シリコン系被膜としては、二酸化ケイ素、フルオロシリケートグラス、トリメチルシランやジメトキシジメチルシランを出発原料として得られるオルガノシリケートグラス、シリコンオキシナイトライド、水素化シルセスキオキサン等のシリカ系被膜や、シリコンカーバイド及びシリコンナイトライドが挙げられる。また、有機ポリマ膜としては、全芳香族系低誘電率層間絶縁膜が挙げられる。特に、オルガノシリケートグラスが好ましい。これらの膜は、CVD法、スピンコート法、ディップコート法、またはスプレー法によって成膜される。
【0042】
バリア層は層間絶縁膜中への銅等の金属拡散防止、および絶縁膜と金属との密着性向上のために形成される。バリア層は、タンタル及びタンタル化合物、チタン及びチタン化合物、タングステン及びタングステン化合物のうちから選ばれる少なくとも1種であるのが好ましく、1種の組成からなる単層構造であっても2種以上の組成からなる積層構造であってもよい。
【0043】
配線金属層としては、銅及びその化合物、タングステン、タングステン合金、銀、金等の金属が主成分の層が挙げられる。これらのうち、銅及びその化合物から選ばれる少なくとも1種を含む層を研磨するのが好ましい。配線金属層は公知のスパッタ法、メッキ法によりバリア層の上に成膜できる。
【0044】
以下、本発明の研磨方法の実施態様を、半導体デバイス製造工程における配線層の形成に沿って説明する。
まず、シリコンの基板上に二酸化ケイ素等の層間絶縁膜を積層する。次いで、レジスト層形成、エッチング等の公知の手段によって、層間絶縁膜表面に所定パターンの凹部(基板露出部)を形成して凸部と凹部とからなる層間絶縁膜とする。この層間絶縁膜上に、表面の凸凹に沿って層間絶縁膜を被覆するタンタル等のバリア層を蒸着またはCVD等により成膜する。さらに、前記凹部を充填するようにバリア層を被覆する銅等の配線金属層を蒸着、めっきまたはCVD等により形成する。層間絶縁膜、バリア層および配線金属層の形成厚さは、それぞれ0.01〜2.0μm、1〜100nm、0.01〜2.5μm程度が好ましい。
【0045】
(第1研磨工程) 次に、この半導体基板を研磨装置に固定し、表面の配線金属層を被研磨面として、研磨液を供給しながら研磨する。これにより、層間絶縁膜凸部のバリア層が基板表面に露出し、層間絶縁膜凹部に前記金属層が残された所望の導体パターンが得られる。
【0046】
(第2研磨工程) 次いで、前記導体パターンを被研磨面として、少なくとも、前記露出しているバリア層および凹部の配線金属層を、本発明の研磨液を供給しながら研磨する。凸部のバリア層の下の層間絶縁膜が全て露出し、凹部に配線層となる前記金属層が残され、凸部と凹部との境界にバリア層の断面が露出した所望のパターンが得られた時点で研磨を終了する。研磨終了時のより優れた平坦性を確保するために、さらに、オーバー研磨(例えば、第2研磨工程で所望のパターンを得られるまでの時間が100秒の場合、この100秒の研磨に加えて50秒追加して研磨することをオーバー研磨50%という。)して凸部の層間絶縁膜の一部を含む深さまで研磨しても良い。
第2研磨工程では、本発明の第1の研磨方法のように基板の被研磨面を研磨布に押圧した状態で研磨布と基板とを相対的に動かして被研磨面を研磨する研磨方法の他に、金属製または樹脂製のブラシを接触させる方法、研磨液を所定の圧力で吹きつける研磨方法も挙げられる。
【0047】
第1研磨工程および第2研磨工程で、引き続いて、本発明の研磨液を使用して研磨してもよい。この場合、第1研磨工程と第2研磨工程との間は、特に被研磨面の洗浄工程や乾燥工程等を行う必要はないが、研磨定盤や研磨布の取り換えや、加工荷重等を変更させるために停止させてもよい。第1研磨工程および第2研磨工程で使用する本発明の研磨液は同一組成でも異なった組成でもよいが、同一組成の研磨液であれば、第1研磨工程から第2研磨工程へ停止せずに連続して研磨を続けることができるため、生産性に優れる。
【0048】
このようにして形成された金属配線の上に、さらに、層間絶縁膜および第2層目の金属配線を形成し、その配線間および配線上に再度層間絶縁膜を形成後、研磨して半導体基板全面に渡って平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すことにより、所望の配線層数を有する半導体デバイスを製造することができる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1〜5及び比較例1〜3
(金属用研磨液作製方法)
金属用研磨液は、水に対して酸化金属溶解剤としてリンゴ酸0.35重量%、水溶性ポリマ(アクリル系重合体、重量平均分子量:約1万)0.5重量%、金属防食剤として表1に示すトリアゾール化合物0.3重量%(2種類の場合は各々0.15重量%)及びイミダゾール化合物0.05重量%、添加剤及び表1に示す銅の電位を低下させる化合物0.01重量%、砥粒としてコロイダルシリカ粒子0.5重量%、酸化剤として過酸化水素水10重量%を添加して作製した。なお、表1中のBTAとはベンゾトリアゾールを示す。
【0050】
(銅或いは銅合金電位測定)
図1に電極電位の測定方法の概略図を示す。銅膜3及び白金膜5をシリコン基板2上にそれぞれの膜厚1μmで製膜した1辺が2cmであるチップを用意した。図1に示すように、クリップで前記チップの金属膜部分と直流電圧計1と接続された導線とを接続した後にチップホルダー6を支えとして銅膜3と白金膜5を向かい合うように、上記で作製した研磨液に浸漬し、チップ間の長さを2cm±0.2cm、研磨液液面4の下に浸漬される部分のチップの高さを1.6cm±0.2cmとなるようにした。直流電圧計により浸漬後5秒後の値を25℃で読み取ることで銅の電極電位(Ep)を測定した。測定結果を表1に併記する。
【0051】
(銅エッチング速度測定)
銅基体として厚さ1500nmの銅金属を堆積したシリコン基板を用意した。この銅基体のエッチング速度を、攪拌した上記で作製した金属用研磨液(室温、25℃、攪拌600rpm)への浸漬前後の金属層膜厚差を電気抵抗値から換算して求めた。
【0052】
(銅研磨速度測定)
研磨速度は、上記で作製した研磨液を15cc/分で研磨パッド上に供給しながら下記の条件で研磨し、各膜の研磨前後での膜厚差を電気抵抗値から換算して求めた。
銅基体:厚さ1500nmの銅金属を堆積したシリコン基板、
研磨パッド:発泡ポリウレタン樹脂(ロデール社製型番IC1000)、
研磨圧力:29.4kPa(300gf/cm2)、
基体と研磨定盤との相対速度:60m/分、定盤回転速度:70rpm。
【0053】
(ディッシング量測定およびエッジコロージョン評価)
上記で作製した研磨液を15cc/分で研磨パッド上に供給しながら、下記の条件で、基体表面全面で溝の凸部の二酸化シリコンが研磨により露出するまで研磨した。次いで触針式段差計で配線金属部幅100μm、絶縁膜部幅100μmが交互に並んだストライプ状パターン部の表面形状から、絶縁膜部に対する配線金属部の膜減り量を求めた。
基体:二酸化シリコン中に配線金属部幅100μm、絶縁膜部幅100μmが交互に並んだストライプ状パターン部を含む深さ0.5〜100μmの溝を形成して、次いで公知の方法によってバリア層として厚さ50nmのタングステン層を形成し、その上層に配線金属層として銅膜を1.0μm形成したシリコンウエハ、
研磨パッド:発泡ポリウレタン樹脂(ロデール社製型番IC1000)、
研磨圧力:29.4kPa(300gf/cm2)、
基体と研磨定盤との相対速度:60m/分、定盤回転速度:70rpm。
エッジコロージョンは上記ディッシング測定で使用したウエハを走査型電子顕微鏡(SEM)により、銅配線とバリア層境界付近を観察し評価した。
表1に銅基体に対するエッチング速度、CMPの研磨速度、ディッシング、エッジコロージョンの評価結果を併記する。
【0054】
【表1】
【0055】
実施例1〜5は銅の電位がいずれの場合も+50mV以下であることから、エッジコロージョンの発生が比較例1、2と比べ大きく改善されている。また、実施例1〜5は銅エッチング速度が10nm/min以下であり充分に低く、ディッシングの発生が比較例3に比べ大きく抑制されている。また、研磨速度もそれぞれ200nm/min以上であり、充分実用的な値であった。
【0056】
【発明の効果】
本発明は、エッチング速度及びエッジコロージョンを抑制しつつ、研磨速度を充分上昇させ、金属表面の腐食とディッシングの発生を抑制し、信頼性の高い金属膜の埋め込みパターン形成を可能とする金属用研磨液を提供するものである。また、エッチング速度を低く保ちつつ、研磨速度を充分上昇させ、金属表面の腐食とディッシングの発生を抑制し、信頼性の高い金属膜の埋め込みパターン形成を生産性、作業性、歩留まり良く、行うことのできる研磨方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】電極電位の測定方法を示す概略図である。
【符号の説明】
1・・・・直流電圧計
2・・・・シリコン基板
3・・・・銅膜
4・・・・研磨液液面
5・・・・白金膜
6・・・・チップホルダー
Claims (18)
- 銅或いは銅合金及び白金を浸漬した場合の白金に対する銅或いは銅合金の電極電位が+50mV以下で、銅或いは銅合金のエッチング速度が10nm/min以下であることを特徴とする金属用研磨液。
- 酸化剤、酸化金属溶解剤、金属防食剤、銅或いは銅合金の電位を低下させることのできる化合物及び水を含有する請求項1記載の金属用研磨液。
- 前記銅或いは銅合金の電位を低下させることのできる化合物がアルキルベンゼン化合物である請求項2記載の金属用研磨液。
- 前記アルキルベンゼン化合物が、ドデシルベンゼンスルホン酸もしくはその塩である請求項3または4記載の金属用研磨液。
- 金属防食剤がトリアゾール骨格を有する化合物、イミダゾール化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項2〜5のいずれか記載の金属用研磨液。
- トリアゾール骨格を有する化合物が1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールから選ばれる少なくとも1種である請求項6記載の金属用研磨液。
- イミダゾール化合物が、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−(イソプロピル)イミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項6記載の金属用研磨液。
- さらに水溶性ポリマを含む請求項2〜8のいずれか記載の金属用研磨液。
- 水溶性ポリマが、多糖類、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、ポリカルボン酸の塩、ポリアクリルアミド及びビニル系ポリマから選ばれた少なくとも1種である請求項9記載の金属用研磨液。
- 金属の酸化剤が、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、過硫酸塩及びオゾン水からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2〜10のいずれか記載の金属用研磨液。
- 酸化金属溶解剤が、有機酸、有機酸エステル、有機酸のアンモニウム塩及び硫酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2〜11のいずれか記載の金属用研磨液。
- さらに砥粒を含む請求項2〜12のいずれか記載の金属用研磨液。
- 金属膜を有する基体を研磨定盤上の研磨布に押圧した状態で研磨布と金属膜との間に請求項1〜13のいずれか記載の金属用研磨液を供給しながら、研磨定盤と基体とを相対的に動かすことによって金属膜を研磨することを特徴とする研磨方法。
- 金属膜が、銅、銅合金、銅の酸化物、銅合金の酸化物、タンタル及びその化合物、チタン及びその化合物、タングステン及びその化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項14記載の研磨方法。
- 2種以上の金属の積層膜を連続して研磨する請求項14または15記載の研磨方法。
- 2種以上の金属の積層膜のうち、初めに研磨される膜が銅、銅合金、銅の酸化物及び銅合金の酸化物から選ばれ、次に研磨される膜がタンタル及びその化合物、チタン及びその化合物及びタングステン及びその化合物から選ばれる少なくとも1種を含む請求項16記載の研磨方法。
- 表面が凹部および凸部からなる層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜を表面に沿って被覆するバリア層と、前記凹部を充填してバリア層を被覆する配線金属層とを有する基板の配線金属層を研磨して前記凸部のバリア層を露出させる第1研磨工程と、該第1研磨工程後に、少なくともバリア層および凹部の配線金属層を研磨して凸部の層間絶縁膜を露出させる第2研磨工程とを含み、少なくとも第2研磨工程で請求項1〜13のいずれか記載の金属用研磨液を用いて研磨することを特徴とする研磨方法。
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